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2020/11/19 第203回国会 衆議院 第203回国会 衆議院 憲法審査会 第2号 令和2年11月19日
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2020/11/19 第203回国会 衆議院

第203回国会 衆議院 憲法審査会 第2号 令和2年11月19日

#1
令和二年十一月十九日(木曜日)
    午後一時四十七分開議
 出席委員
   会長 細田 博之君
   幹事 岩屋  毅君 幹事 江渡 聡徳君
   幹事 小林 鷹之君 幹事 齋藤  健君
   幹事 新藤 義孝君 幹事 中谷  元君
   幹事 奥野総一郎君 幹事 山花 郁夫君
   幹事 北側 一雄君
      秋葉 賢也君    井野 俊郎君
      石破  茂君    稲田 朋美君
      大串 正樹君    大塚  拓君
      鬼木  誠君    門  博文君
      城内  実君    黄川田仁志君
      後藤田正純君    佐藤ゆかり君
      柴山 昌彦君    鈴木 淳司君
      関  芳弘君    長島 昭久君
      丹羽 秀樹君    野田  毅君
      船田  元君    務台 俊介君
      森  英介君    山下 貴司君
      山田 賢司君    今井 雅人君
      大串 博志君    近藤 昭一君
      辻元 清美君    照屋 寛徳君
      中川 正春君    長妻  昭君
      広田  一君    本多 平直君
      道下 大樹君    谷田川 元君
      國重  徹君    浜地 雅一君
      赤嶺 政賢君    本村 伸子君
      足立 康史君    山尾志桜里君
    …………………………………
   衆議院憲法審査会事務局長 加藤 祐一君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月二十九日
 辞任
  井上 一徳君
同日
            補欠選任
             山田 賢司君
十一月十二日
 辞任         補欠選任
  玉木雄一郎君     山尾志桜里君
同日
 辞任         補欠選任
  山尾志桜里君     玉木雄一郎君
同月十九日
 辞任         補欠選任
  福井  照君     門  博文君
  盛山 正仁君     井野 俊郎君
  大口 善徳君     浜地 雅一君
  馬場 伸幸君     足立 康史君
  玉木雄一郎君     山尾志桜里君
同日
 辞任         補欠選任
  井野 俊郎君     盛山 正仁君
  門  博文君     福井  照君
  浜地 雅一君     大口 善徳君
  足立 康史君     馬場 伸幸君
  山尾志桜里君     玉木雄一郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(日本国憲法及び憲法改正国民投票法を巡る諸問題)
     ――――◇―――――

#2
○細田会長 これより会議を開きます。
 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件、特に日本国憲法及び憲法改正国民投票法を巡る諸問題について調査を進めます。
 これより自由討議に入ります。
 この際、委員各位に申し上げます。
 発言を希望される委員は、お手元にあるネームプレートをお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言ください。発言が終わりましたら、ネームプレートは戻していただくようにお願いいたします。
 発言は自席から着席のままで結構でございます。また、発言の際には、所属会派及び氏名をお述べいただくようお願いいたします。
 なお、幹事会の協議により、一回当たりの発言時間は五分以内といたします。委員各位の御協力をお願いいたします。
 発言時間の経過につきましては、終了時間一分前及び終了時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。
 それでは、発言を希望される委員は、ネームプレートをお立てください。

#3
○新藤委員 自由民主党の新藤義孝でございます。
 本日の自由討議に当たりまして、まず、これまでの議論を踏まえた論点整理、そして、今後の議論の方向性についてお話をさせていただきたいと思います。
 現在、この私たちの憲法審査会には、憲法改正の中身の議論と、そして手続に関する国民投票法の議論がございます。
 まず、憲法改正の中身の議論につきましては、昨年来の四回の自由討議の中で、緊急事態条項のあり方、国防規定のあり方、そして教育のあり方、憲法裁判所、地方自治など、さまざまなテーマについての御意見が出されております。
 私からも、今般の新型コロナ禍における国会機能を確保する観点から、本会議の定足数や国会議員の任期、こうした点についても議論が必要ではないかということを申し上げております。また、他の委員からもさまざまなテーマについて言及があり、前回の自由討議では、憲法に関する議論はもっと頻繁に開催すべきではないか、そういった御意見も、与野党の別なく述べられたところでございます。
 次に、手続としての国民投票法に関する議論に関しましては、いわゆる七項目案の取扱いと、CM規制を始めとするそのほかの課題がございます。
 このうち、CM規制の議論につきましては、二回の幹事懇談会と憲法審査会本体で民放連からもヒアリングを行うとともに、昨年の十一月二十日には、幹事懇談会で与野党間の率直な意見交換も行われております。事前の意見交換がもう既に始まっているということでございます。
 また、去る五月二十八日の常会での自由討議では、私から、考えられるCM規制のあり方に関する論点整理も提示をさせていただきました。そして、これを踏まえて、委員各位からさまざまな御意見を頂戴したところでもあり、既にCM規制に関する実質的な論議は始まっている、私はそのように認識をしております。
 加えて、このCM規制につきましては、テレビ、ラジオなど放送にかかわるもののほか、ネットCMやSNSなど、新たな問題提起もございました。
 さらに、この国民投票法に関しましては、国民投票運動に対する外国人寄附の禁止など、さまざまなそのほかの論点もあるというふうに承知をしております。
 いずれにしても、国民投票に係る利便性の向上と公平公正なルールづくりはいずれも極めて重要な論点であり、国民投票をめぐる議論を更に前に進めていかなくてはならない、私はそのように考えます。
 他方、七項目案につきましては、今から約二年半前の平成三十年七月五日に、各会派出席のもとで趣旨説明が行われた後、今日まで、八国会目にわたっております。八国会にわたって一度も審議されることなく、継続審議に付されたままになっております。
 その内容は、全会派一致で成立し、既に公選法で実施されている投票環境の整備を国民投票法でも行うものであり、また、さきの国会でも、自民、公明、維新、希望の提出四会派以外の立憲、国民、社民の委員からも、内容については異論はないとの旨の御発言がございました。そして、採決についても、採決一歩手前まで行ったのは事実といった御発言もあったところでございます。
 こうした状況を踏まえれば、国民投票法に関する議論に関しましては、懸案になっておりますCM規制やその他の論点に関する議論を更に積極的に前へ進めていくべきであり、そのためにも、公選法並びの七項目案については、既に実質的な内容の検討が行われていることから、速やかに手続を進めるべきと考えております。
 また、さまざまな世論調査で期待が寄せられている、憲法改正に関する議論を国会の場でより深めてほしいという国民の声に応えるためにも、審査会においては、与野党を超えて憲法論議を深めていくべきと考えます。
 今後は、このように、憲法本体の論議、そして手続法に関する論議、これを並行的に進めていきたいと思いますし、その前提として、まずは、審査会が活発に開催され、国民の期待に応えられるように努力してまいりたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。

#4
○山花委員 最近、アメリカの大統領選挙において投票に不正があったとの主張がなされ、大きな混乱が生じているように見受けられます。その主張の当否は別といたしましても、手続の公正さに対して疑念が生じないようにすることは極めて重要なことであると感じています。
 さて、当審査会において、民放連は、スポットCMについて、量的公平の確保は分単位では難しい旨の発言がありました。憲法改正国民投票法制定時の意見より後退したもの、その意味で、立法事実とたがわせるものと言わざるを得ませんが、それにしても、公平性については努力する意思があるものと受けとめておりました。
 しかし、さきの大阪の住民投票の際のCMの量は、果たして公平だったと言えるのでしょうか。法的規制は不要と考えることの方がますます難しくなったのではないかと感じています。
 また、法制定時と異なり、テレビ、ラジオ以上にネットの影響力が大きくなっており、この点についても検討する必要があるのではないでしょうか。
 コマーシャルの問題と関係するのが、資金面でのルールはなくてよいのかという点であります。
 これはアメリカの例ですけれども、二〇一二年の十一月、カリフォルニア州で遺伝子組み換え作物の表示を義務化するかどうかを問う住民投票が行われたことがあります。
 九月に地元の大学が世論調査を行ったときには、賛成が六割を超え、反対は三割にも満たなかったにもかかわらず、住民投票の結果は、賛成が四四%、反対が五五%で、遺伝子組み換えの表示義務は否決されました。
 遺伝子組み換え種子を開発、販売するバイオテクノロジー企業などが四十六億円という巨額の資金を投じ、テレビやラジオで反対キャンペーンを行ったことが原因だと指摘されています。表示賛成派が集めた金額は、五十分の一にも満たない八千万円だったそうです。
 これも、投票運動の公正さに関して教訓とされてよいと考えます。
 外国人の寄附の問題については、先ほど新藤幹事からも言及がございました。
 また、資金力の多寡による不公正を埋め合わせるという観点から、さらには、ポストコロナにおいて、感染症対策を実施している状況のもとで国民投票を行うという事態も想定し、広報の充実強化というのが考えられてよいのではないかと思います。
 国民投票法制定時には、投票に関する分野については公選法に準拠する一方で、投票運動に関しては原則として規制しないことといたしました。どのような弊害があるのかということについて具体的に明らかでなく、立法事実が確認できないことが大きな理由でありました。
 私が特別区設置に関する特例法の立案者でもあるんですが、それも、国民投票法と同様に、立法事実が不明であり、規制しなかったという経緯がございます。
 大阪の住民投票に際しましては、賛成派、反対派ともに投票日当日の二十時まで運動がなされて、投票所の前に双方の運動員がいらっしゃったというような事態も伺っております。
 関係する議員におかれましては、ぜひ実態について御報告いただきまして、具体的な弊害があるかどうか、運動について規制すべき立法事実があるかどうかについて御議論いただきたいと思います。
 また、同一テーマについて数年の間に再度住民投票が行われたことに関しては、私は、個人的には疑問があります。じゃんけんを例に例えると、自分が勝つまで勝負して、勝った時点でゲームセットというのに似ているからです。
 これも、ある意味、ルールの公正さにかかわる問題と言うことができます。国民投票法作成時にも、これは一つの論点でした。
 ただ、憲法改正案が一度否決されたという場合のインパクトを考えると、法律でインターバルの規制を行わなくても、政治的に十年はこれは無理でしょうというようなのが、立案者の間での相場観であったと記憶をいたしております。大都市特例法を立案した際、私自身もそのような認識でありました。
 ただ、今回、米国の大統領選挙を見ましても、敗北宣言で事実上終了するという不文律の揺らぎを目の当たりにいたしまして、同一テーマでの国民投票には一定程度のインターバルを法律で定めることを検討することについて、議論があってもよいのではないかと考えるに至りました。
 なお、宿題となっている予備的国民投票が実施をされ、賛成が多数を占めた後での憲法改正国民投票の場合には、いきなり国民投票にかけられた場合と異なり、具体的な条項案について否決されただけとも考えられますから、場合分けが必要なのかもしれません。
 このように、国民投票法には見直すべき大きなテーマが幾つかあり、当審査会において幅広に議論が深められることを望みます。また、この場での議論が収れんし、手続法についても、どこの党の案ということではなく、できるだけ多くの政党会派で合意できたものをルール化することが、国民投票制度の公正さを何より担保するものであると考えます。
 以上です。

#5
○北側委員 公明党の北側一雄でございます。
 私は、本年五月二十八日の憲法審査会で、国民投票法をめぐる諸課題、特にネット広告も含めたCM規制のあり方について意見を述べました。
 本日は、当審査会に提出、審査されております国民投票法改正七項目の法案の意義、その位置づけについて、改めて意見を述べます。
 この七項目の改正案は、例えば、投票日当日に商業施設や大学などに共通投票所を設けることができることや、また、外洋航行中の船員が投票権を行使するための洋上投票制度がありますが、洋上投票できる対象を便宜置籍船の船員や実習生に拡大すること、さらには、投票所に同伴することができる子供の範囲を十八歳未満の者に拡大することなど、全て国民の投票環境向上のための改正公職選挙法並びの七項目で、二〇一八年七月に当審査会で法案の趣旨説明がなされております。
 これらの公職選挙法改正法案は全会一致で成立し、既に国政選挙、地方選挙で実施されています。この国民投票法改正法案七項目についても、内容は各政党に全く異論がないものです。
 この七項目は、選挙であれ、国民投票であれ、投票の利便性を高め、また投票機会を拡大するなど、国民の投票環境を向上させることを目的とするもので、その意味では、民主主義の基盤にかかわるものとも言えます。内容に特段の異論がない限り、改正公職選挙法並びの七項目を国民投票法に反映させるのは当然のことであり、国会の責務として速やかにその成立を図るべきです。
 また、この国民投票法改正法案七項目が成立したからといって、一気に憲法改正に向けて進むわけではありません。憲法改正の発議には、各議院の総議員の三分の二の賛成が必要であって、そのためには、憲法審査会で着実に論議を積み重ね、できるだけ多くの政党の合意を形成することが不可欠です。
 ちなみに、七項目の改正案の成立いかんにかかわらず、憲法改正国民投票法は既に有効に成立していて、国民投票制度として現に存在していることは言うまでもありません。
 テレビ、ラジオのCM規制の範囲やネット広告規制のあり方、また、国民投票法をめぐるその他の諸課題につきましては、引き続き論議を深めていきたいと考えます。
 一方、国民投票の手続もさることながら、そもそも憲法の中身の議論が重要であります。一つの意見に賛成、反対を問わず、憲法審査会というオープンな場で自由闊達に憲法論議を重ねることが期待されていると思います。
 よりよい国民投票法にするとともに、憲法の中身の議論を深めていくべきと申し述べ、私の意見表明といたします。

#6
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 私たちは、憲法審査会は動かすべきではないという立場です。
 憲法審査会は、憲法改正原案を発議し、審査することを任務としています。ここでの議論は、改憲原案をすり合わせ、発議へと向かうことにつながります。
 安倍政権の七年八カ月、安倍首相は、みずから主導して、期限を区切って、改憲項目を提示し、国会に改憲議論を進めるようあおりました。しかし、憲法改正すべきだという世論は多数にはなっていません。安倍首相自身が、国民的な世論が十分に盛り上がらなかったのは事実だと認めています。この民意を真摯に受けとめるべきです。
 ところが、菅首相は、安倍政権を継承するとし、憲法改正についても引き続き挑戦すると述べました。そのもとで、自民党は、憲法改正推進本部に憲法改正原案起草委員会を設置し、改憲原案を年内に策定、党議決定し、憲法審査会に上程するとしています。審査会での議論を改憲案の発議につなげようというものであり、看過できません。
 国民の多くが改憲を望んでいないもとで、改憲の議論をするべきでないということを改めて指摘しておきたいと思います。
 次に、憲法改正国民投票法について意見を述べます。
 前回指摘したように、現行の国民投票法は、二〇〇七年に与党が採決を強行した結果、多くの問題が取り残されたままの欠陥法となっています。
 例えば、現行法は最低投票率を規定しておらず、有効投票数の過半数の賛成票で改正できるとしています。これでは、有権者の二割台、一割台の賛成しかなくても改憲案が通ってしまいます。とても国民の意思を反映したものとは言えません。
 憲法改正広報協議会のあり方も問題です。協議会の委員は各会派の所属議員数の比率により割り当てられるため、賛成派の議員が多数を占め、反対派の意見は十分に広報されないのではないかという問題点が指摘されています。
 コマーシャルの問題についても、当初から資金力の多寡に左右されるのではないかという指摘が相次いでいましたが、いまだに十分な検討はされていません。
 国民投票法については、これら根本的な問題について、まず議論するのが当然ではありませんか。これらの課題を棚上げして、与党提出の公選法並びの七項目の案を一方的に成立させようというのは認められません。法案というのであれば、野党の中から出ている案を並行して慎重に審議すべきです。
 最後に指摘しておきたいのは、今求められているのは、憲法を守り、生かす議論だということです。菅首相が日本学術会議が推薦した会員候補六名の任命を拒否したことに対し、六百を超える学術団体が任命拒否の撤回を求める声明を出しました。この違憲、違法なやり方に対する批判は、学術界にとどまらず、文化芸術団体、労働組合、法曹、宗教団体、市民団体へと広がっています。この批判を真摯に受けとめ、任命拒否を撤回すべきです。
 憲法で保障された基本的人権をじゅうりんする政治を正し、現実に生かすための憲法議論こそ必要だと述べて、発言を終わります。

#7
○足立委員 日本維新の会の足立康史です。
 党を代表して、意見を申し述べます。
 私たち日本維新の会は、五年近く前となる平成二十八年の三月に、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の三項目から成る憲法改正原案を公表しました。
 憲法改正の発議に向けて、こうした我が党を含む政党が果たす役割は大変大きいものの、最終的には国民投票で決するものであり、その国民投票において過半数の賛成を得ることは容易なことではありません。こうしたことを、私たちは、大阪都構想の住民投票を通じて、改めて痛感しているところであります。
 もちろん、大阪都構想の否決という投票の結果については厳粛に受けとめてまいります。かつて、この憲法審査会の海外調査団のメンバーとして欧州を訪問し、英国のキャメロン元首相と会談した際、ブレグジットに係るメディアの偏向報道について言いたいことがあるのではないかと問うた私に対し、元首相が、政治家がメディアに文句を言うのは、農家が不作の責任を天候のせいにするようなもので、詮ないことだという趣旨のことをおっしゃったのを思い出します。
 しかし、いわゆる統治機構改革の中でも、大都市の都市圏域が政令指定都市域のみならず大阪府域ものみ込んでいるという、広域行政を一元化する合理性があれほど明白な事案であったにもかかわらず、かつて大都市法、大都市地域特別区設置法の制定をリードしたはずの自民党の一部と共産党とが一緒になって、それも政府の一員である大臣政務官たちが率先して、住民投票の最終盤に明らかなデマを拡散し続けるという、投票環境の公正性を確保する観点からあってはならない深刻な事態が生じました。
 こうしたゆゆしき事態が発生した背景には、報道されているとおり、毎日新聞大阪本社の記者と大阪市財政局幹部との不適切な関係があり、そこで作成された実際にはあり得ない数値を記した虚偽の公文書の存在自体を、共産党市会議員に開示する一方、大阪市長や大阪市会財政総務委員長には隠蔽、さらに、事前に入手した毎日新聞による捏造記事の草稿の一部を大阪市財政局幹部が廃棄していた事実が明らかとなりました。
 本件については、引き続き大阪市会等の場で検証が行われるものと存じますが、そもそも当該住民投票は国法である大都市法に基づいて実施されたものであり、さらに、昨年五月の憲法審査会において、枝野幸男委員や山花郁夫委員が、前例のない国民投票の実施に向けて大阪の住民投票が大変参考になると発言されているとおり、大阪で今回何が起こったかを明らかにすることは憲法改正の国民投票の公正な実施に資することから、国会においてもしっかり検証していくべきと考えます。
 大阪での経験を経て改めて強く感じるのは、問題の核心は、山花委員が先ほどおっしゃったようなメディアやCMの規制ではなく、政党そのものであるということであります。
 メディアやCMのあり方に関して議論があり、新藤義孝与党筆頭幹事からCM規制のあり方に関する論点整理メモが提示されていることには敬意を表しますが、政党及び国会議員は、主要な運動主体であるとともにCMの発注者でもありますが、そもそも、それ以前に憲法改正原案の発議の主体であります。その政党及び本審査会の一部委員を含む国会議員自身が、大阪の住民投票において現に不適切な情報発信を行っていた厳しい現実に鑑みれば、幾らCM規制を議論し、規制を行ったとしても、大元締めの政党や国会議員がみずからの責任の重さを自覚しない限り、公正な国民投票の実施はおぼつかないと思うのであります。
 私たちは、この憲法審査会の場に臨んでいる全政党、全国会議員が、公党として、公人たる国会議員としての責任感を持って憲法改正の議論を進め、誠実かつ公正に国民投票に臨んでいく姿勢を持つことこそが何より肝要であると考えます。
 こうした政治家、議員本来のあるべき姿勢を私たちは維新スピリッツと呼んできましたが、維新スピリッツこそが、憲法改正に向けた出発点であると同時に、実際の住民投票を経験した私たち大阪維新の会、日本維新の会の到達点でもあると宣言して、私からの発言といたします。
 以上、ありがとうございました。

#8
○山尾委員 国民民主党の山尾志桜里です。
 まず、国民民主党として、憲法審査会の進め方についての基本的な意見を申し上げます。
 憲法審査会は、ほかの委員会のように内閣に対して大臣の答弁、出席を求めるものではありません。まさに立法府に属する国会議員相互の議論の場ですので、何か内閣に問題が起きても、基本的には立法府として粛々と議論を深めるべきだと思います。したがって、木曜日の定例日は原則として毎回開催すべきだと思いますし、来週も当然開催すべきだと思います。
 また、諸事情できょうは一時間ということですが、週に一度しかない上、一時間では、意見の発表会で終わってしまって、なかなか議論が深まらないと思います。また、先ほど新藤筆頭からは、憲法の手続の議論と、そして中身の議論と、これはやはり並行してやっていく必要があるという御発言があって、私も全くそのとおりだと思っています。
 きょうは党の会議もありましたけれども、党内のほかの議員からもそういった発言もありました。それをやるためにも、やはりきちっとした時間の確保については、また両筆頭に更に工夫、努力をしていただきたいと思っております。
 次に、国民民主党が考える論点についてです。
 今、我が党では、毎週一回、二時間をとって、完全フルオープン、ライブ配信あり、誰でも参加自由という憲法調査会を開いています。テーマの主な構成が、まず一つに、個人の尊厳を全うするためのデータ基本権、二つ目に、地域の尊厳を全うするための地方自治の拡大、そして三つ目に、国家の尊厳を全うするための統治機構改革、とりわけ解散権の制約や臨時国会の召集期限の明記、そして憲法裁判所などです。こうしたテーマについて、有識者、一般の市民、国会議員の三者が、フラットにお互いの意見を尊重し合いながら充実した議論を深めております。
 そして、これまでの対話を通じて私が教えてもらったのは、確かに、国民の中には憲法改正を望まない人がいます。他方で、憲法改正を望む人もいます。でも、その中間で迷っている人がもっとたくさんいます。調査会にもこの中間の感覚の人が割合多く参加してくださっていて、だんだん議論をしていくと、幅が寄っていって共通の認識というのが出てきて、それはやはり、憲法を変えたり追加したりすることによって、問題が解決に向かったり、よりよい社会になるのなら、その具体策や選択肢や、デメリットも知った上できちっと議論をしたい、こういう意識は国民の中に確かにあるというふうに私は感じております。
 こうした国民対話を踏まえて、国民民主党としては、年内にも新憲法改正草案の要綱で論点や具体策や選択肢を示して、それが今後の国民的議論、そして、この国会での議論の活性化に役立つように考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 そして最後に、この七項目についてです。
 意義については先ほど北側幹事から十分にありましたので割愛しますが、私どもも、当然、この七項目、賛成をいたします。
 その上で、実際に手続について議論、改正すべき論点は、この七項目にとどまりません。
 御案内のように、まず第一には、通常の選挙の手続では成立済みのさらなる二項目、そして第二に、既に提出済みの投票法改正案で摘示された論点、政党によるスポットCMやネット広告、そして憲法改正国民投票運動に対する外国人からの寄附受領の禁止などです。
 こうした重要論点については、ぜひとも改正に向けた議論が必要であって、国民民主党としては、今申し上げた重要論点について、この憲法審査会の場でしっかり追加の議論が行われて、そして必要な改正が行われるということを確約いただければ、内容面で問題がないわけですので、七項目の先行採決には応じたいと思っています。
 そして、その確約の方法なんですけれども、国民にオープンな形であることが必要だと思います。クローズで議事録もないこの幹事会や幹事懇や議員間の口約束だと、またこの貴重な憲法審査会の場が、約束したとかしないとかいう水かけ論で、もったいないと本当に思いますので、例えば、この憲法審査会の場でお約束をいただくということになれば、それは国民との約束になるので、こうした無駄な水かけ論を防止できると思います。
 そこで、最後に、せっかくですので、改めて新藤筆頭に伺います。
 先ほども言っていただいたと思いますが、今後、この憲法審査会の場で、選挙法並びの追加の二項目、そして、改正案で提示済みのスポットCMやネット広告規制、外国人からの寄附規制などの論点について、しっかり必要な議論の場を確保し、そして必要な改正なら行われるということをお約束いただけるでしょうか。ぜひ、このオープンな場でお約束いただいて、国民の負託を受けた憲法審査会の重要な議論をみんなで前に進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。

#9
○細田会長 ただいまの山尾委員の御発言に関しまして、新藤幹事、何かございますか。

#10
○新藤委員 こうした場で、御質問、お伺いをいただきましたので、時間を頂戴してお答えをしたいと思います。
 先ほど私が申し上げましたとおり、この国民投票法の手続法は、しっかりと進めていかなければいけない。それは、国民のために開かれた環境と、それから投票機会の向上をつくっていく、それがこの国民投票の法の趣旨ですから、社会情勢の変化ですとか、また国民意識の変化によって、これは随時アップデートしていかなくてはいけない、そういう宿命を持っていると思います。
 ですから、公選法では既に七つが、先ほど北側先生がおっしゃっていただいたように、投票機会の拡大の七つが、公選法でできているんですから、それを国民投票にも反映させるのは、これは当たり前の義務だと思いますし、既に公選法では、ほかに二つ、もう、御指摘いただきましたように、法律が拡大されていますね。ですから、それを、では投票法にどう反映させるか。
 そして、今私たちが、もう昨年来、このことを議論することを前提に先に進みましょうと言ってきたCM規制や、先ほど山花筆頭からは、これまた、当日運動の可否だとか、それから否決案件の一定期間の再発議制限、野党の筆頭からもこういった議論が必要だという御提案がございました。
 私たちは、幹事懇談会の場所で、こういう議論を進めていきましょう、その前提として、まず、もう中身が決まっていて、そして趣旨説明済みの法案は速やかに処理しようではないかと。その約束をもう昨年五月からクローズの懇談会の中では行ってきたわけですから、今の御意見はしっかりと受けとめて、こうした議論の場をつくる、それはここです。この審査会で議論の場をつくって、そして議論を深めていきながら前に進めていきたいとお約束したいと思います。

#11
○石破委員 自由民主党の石破茂であります。
 国民投票法については、もう論点は出尽くしたので、これはもう速やかに成立をさせていただきたいと思います。その趣旨は前回も申し上げました。
 私は、資金力の多寡によって結果が左右されることがあってはならないと思っております。それが一つ。
 もう一つは、情報の発信の仕方において、余りに情緒的なものというのは、それは事の本質を見誤ることがあるのではないかと思っております。そこは非常に議論は難しいのだと思いますけれども、例えば九条をどうするのということを考えたときに、いずれの立場に立つにせよ、情緒に偏って物事の本質を看過してしまうようなやり方はいかがなものかというふうに私自身は懸念をいたしておるところであります。
 いずれにいたしましても、この国民投票法というものができないと憲法改正の国民投票になりませんので、どうか各党の御理解をいただいて、この成立は一日も早かるべきものだというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたしたいと存じます。
 それから、これは幹事の皆様方にお願いしたいのだが、これは本当に毎週やるべきですね。一時間で終わるべきだと全く思わないですね。そして、国民投票に付するのですから、北海道から沖縄まで、全国あちらこちらでやるべきだと思いますよ。
 私も憲法改正のいろいろな集会に出ますが、思ったよりも大勢の人があちらこちらで集まります。国民は関心がないのではない。こちらからきちんと語りかけない限り、国民の関心がほうはいとして沸き起こるなんということは、私はそれはないと思っている。必要であると思えばこそ、この会は頻繁に開くべきだし、時間をとるべきだし、全国各地で、至るところで行うことが、どの立場にせよ、憲法改正において必要なことだというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 実際に具体的な項目につきまして、私、二つの要素があると思っていまして、一つは、可能な限り多くの党の賛成が得られるものは何ですかということを考えるべきだと思っております。
 お試し改憲という言葉は私は大嫌いなので使いませんが、何ならば多くの党の賛成が得られるか、総議員の三分の二の賛成が得られるかということを考えたときに、私ども、野にありますときに、憲法改正草案というのを本当に一生懸命、かんかんがくがくの議論で、起草委員長は中谷元先生でありましたが、つくりました。
 それは何も九条だけに偏ったものではない。例えば、政党助成法というのはあるんだけれども政党法というものがない、本当にこれでいいのかということであります。
 我が党の改正草案に従えば、政党が議会制民主主義において重要な役割を果たすものであることに鑑み、政党法をつくらなければならない、政党活動の自由はこれを保障する、政党の要件その他は法律で定むるということになっております。
 それは政党法の中身がわからなきゃどうにもならないじゃないかということかもしれないが、政党助成法というものがあって、国民の血税を受け取る立場にいて、その政党そのものについて規定がないというのは、これはおかしなことだと私は思っています。これは、もう小選挙区制導入のとき、細川内閣のときから私はずっと申し上げていることだけれども、賛同を得られない。よくわからない。
 今、山尾議員がおっしゃったかと思いますが、私どもは、臨時国会というものは、衆参のいずれかの総議員の四分の一の要求があれば、二十日以内に召集の手続をとらねばならない。もちろん、召集されるのは、恐れ多くも陛下の名によって行われるべきものでありますが、その二十日以内にということは、やはりきちんと行われねばならないことではないかと思っている。それが憲法の趣旨に合致することだと考えている。
 そのことについて異論があれば、それは承りたいと思うが、我々はいつまでも与党なわけではない。だとするならば、どちらにあっても、私は、議会というのは議会の知恵を政府がかりる場だと思っていて、その開会というのは必要なことだというふうに考えておるので、もし異論があれば、それはもうおっしゃっていただければいいのです。これが三分の二の賛成が得られないと私は思ったことがない。
 一年以内に衆議院の選挙は行われるわけですが、あのときに最高裁判所裁判官国民審査というのをやる。私は、全国あちらこちら歩いていて、裁判官の名前を知っている人というのを聞いて、二人以上の人が手を挙げたのを見たことがない。誰が何の判決をしたか知っている人というのは、これもまた二人以上見たことがない。
 最高裁判所裁判官というのは国会の同意人事ではないので、それは政権の恣意によって決まるということを防がねばならぬ。だとするならば、このあり方だって改めていかねばならぬのではないか。きょう、参議院の一票の格差の報道を見ながら、一部の新聞にはいろいろな意見が出ておりました。マル・バツも出ていました。そういうことはもっときちんとやっていかないといかぬのじゃないか。三権分立のために必要なことだと思っております。ぜひ御議論を賜りたいと思います。
 以上です。

#12
○大串(博)委員 立憲民主党の大串でございます。
 今国会の憲法審査会の自由討議が行われるに当たって、私自身、いま一度、この憲法審査会、そしてその前身の憲法調査会の成り立ちと、そこの思いを振り返ってみました。
 特に、憲法調査会会長として、長年にわたり衆議院での憲法論議、国民投票法の論議に力を尽くされた中山太郎先生の言葉は、私は非常に今なお重いというふうに思います。
 その著書の中で、先生は、憲法調査会の立ち上げに当たる経緯に触れながら、繰り返し、憲法に定める憲法改正の発議が国会各議院の総議員の三分の二を要することを強く意識していらっしゃいました。その上で、三分の二を目指すには、与党のひとりよがりは厳に慎み、野党に最大限配慮した議会運営をしなくてはならないと述べていらっしゃいます。
 そのような先生の考え方のもとに、会長代理という役割がつくられ、野党第一党がその任を負うことなど、特色のある運営が定められて、この流れは今でも引き継がれているのは皆さん御存じのとおりだと思います。
 特に、憲法改正案を出すのではなくて、調査をするためだけの組織として憲法調査会をまず立ち上げられた。その思いを、著書では、急激な憲法論議の進展を警戒した野党に配慮したためですと明らかに述べられています。
 私は、ここに先生の大きな知恵を改めて感じます。憲法を改正するということとか、あるいは国民投票法を改正するということ自体が自己目的化しているととられるようになると、かえって物事はうまくいかないし、急がば回れという言葉の深い意味はここにあります。きょうのこの審査会の雰囲気を見ても、さて、今の憲法審査会のあり方を振り返って、どう私たちは考えるべきでしょうか。
 特に、時代背景が大きく当時から変化しているということを私たちは踏まえるべきだと思います。アメリカの大統領選挙をめぐる状況や、あるいは世界各国の状況を見渡してみても、人々の間に、分断の大きさ、そしてそのことの社会への影響、改めて私たち一人一人が銘記するべき時代となってきているのではないでしょうか。
 そのような、ややもすると社会の分断があおられがちな現在の時代背景を踏まえれば、この憲法審査会においても、かねてにも増して、分断を意識しなくていいような、融和をより意識した運営が必要になってきているのではないでしょうか。
 中山先生が憲法調査会を立ち上げられたころと現在では、今申し上げたように、時代背景が大きく変わってきました。変わってきたからこそ、なおさら、先生の英知が振り返られるべきときが来ていると思います。
 そのような中での国民投票法改正案ですが、先ほど来お話があったように、与党の皆さんなどにも考えがあり、私たち野党の方にも考えがあります。
 テレビCM規制については、対応しなければならないという論点として新藤幹事も認められていらっしゃいます。インターネット有料広告規制をどうするかという問題が出現していることも認定されている。そういった中で、七項目だけ先にということは、私はどうも理屈に合わない。論点があると認められているんだったら、それもきちんと結論を出していく。
 そういう運営をすることが、特に、分断が大きいと言われかねないこの世の中において、この憲法審査会をうまくまとめていくことの英知ではないかと私は思いますので、そのような、与党も野党も十分納得していけるような議論がこの憲法審査会で展開されることを強く念じています。
 以上です。

#13
○船田委員 自民党の船田元でございます。
 今議題となっております憲法改正国民投票法につきましては、平成十九年の通常国会におきまして採決されました。
 今から見ますと、当時は、強行採決をしたというイメージが大変強く残ってしまっているのですが、実は、舞台裏におきましては、自民党では今は亡き保岡興治先生と私、それから公明党では斉藤鉄夫先生、当時の民主党では枝野幸男先生等々と水面下の議論を行いまして、その解決すべき課題の九五%は三党がほぼ合意できていた、こういう事態があったわけであります。
 しかし、最終日になりまして、採決の日になりまして、政局に巻き込まれてしまいました。これは大変じくじたる思いがありますが、私どもも、ブレーキを踏んで、もう一度仕切り直しをやれば、もうちょっとスムーズにいけたのかと思いますけれども、ブレーキを踏むだけの余裕がなくて、そのまま採決に入っていってしまったために、強行ぎみの結論になってしまったということは、大変、今から考えますと残念であります。
 しかしながら、参議院での議論におきましては、大変粛々と議論をしていただきました。その証左としては、数十項目にわたる附帯決議もきちんとつけて、もちろん賛否は分かれましたけれども、賛成多数ということで可決、成立をしたということであります。
 こういう国民投票法の成立の経緯から考えましても、今回、憲法改正国民投票法のその改正案につきましても、これは公選法に合わせる形式的な側面もございますので、できる限り早急に成立をさせるべきであるということを改めて認識し、また、強調したいというふうに思っております。
 確かに、テレビスポットCM規制の問題もあります。ただ、これを法的に規制するということにつきましては、やはり、表現の自由あるいは報道の自由というものに抵触をする可能性もございます。
 そういうことを考えますと、新藤幹事がかつて幾つかの例を挙げられました中で、私は、憲法改正の原案の発議をされると同時に国会に置かれるはずの広報協議会、これがやはり中心的な役割を担って、そしてこの広報協議会でスポットCMなどの監視をしてもらう、公平性、そして公正性を担保する意味で、広報協議会に大きな役割を持たせるということが現実的な問題としてよろしいのではないかというふうに思っておりますので、ぜひ皆様にも考えていただきたいと思っております。
 なお、憲法改正の項目につきましては、我が党も既に四つの分野において発表させていただきました。各党もそれぞれ考えるところがあると思いますが、やはり一番共通するところは緊急事態条項ではないのかなというふうに思っております。
 現在、地球温暖化によると思われる気象災害の激化、多発化、それから、東南海地震、首都直下型地震も想定されておりますので地震災害の懸念、さらには、今回のコロナ禍のような新型ウイルスによるパンデミックの危険、そういったものを考えますと、この緊急事態条項を憲法に加えていくということは非常に重要なことであるというふうに思っております。
 人によっては、既に法律がある、政令、省令もあるということで、それで解決できるという人もおられますけれども、私は、それは完全ではないというふうに思っております。やはり、憲法における緊急事態条項という背景があって、バックグラウンドがあって、そのもとで改めて現行の法律体系を位置づけるということが、国民の生命財産を十全に守り切ることにつながっていくというふうに思っております。
 まさに英知を結集して緊急事態条項ということを、今のはやりの言葉で言えば、全集中の呼吸をもって取り組んでいくべきだ、こう思います。
 以上であります。

#14
○中川委員 立憲民主党の中川正春です。
 私も、これからの憲法審査会の進め方について意見を述べたいというふうに思います。
 まず、懸案の国民投票法の修正案、これをどうするかという問題があります。
 与党案は既に提出されて、議論の俎上にのっていたんですけれども、私たちはこれを、七項目では不十分だと申し上げてきました。いわゆるコマーシャル規制、あるいはまた、その他必要なものを成文化したものをこれに加えて修正案とすべきだということであります。
 もとの国民投票法自体が議論されたときに、私たちの理解は、コマーシャル規制については民放連が自主規制をまとめた上で運用していくという前提でありました。しかし、ここに来て、先般の民放連に対する聞き取りからわかったことは、有効で本格的な自主規制というものは民放連にやっていく意思はないということであります。
 したがって、改めて国民投票法の中にコマーシャル規制やその他必要な論点を立法化することを加えて議論をしていく必要があるという、これが第一点であります。
 次に、憲法論議そのものについてでありますが、この審査会の目的というのは、以前の中山会長のもとでやっていた議論とは違って、憲法を論じること、そこで与野党の論議をまとめて、議案として提出をしていく手続というところまでを前提にした審議会だということであります。
 そうした意味で、現在の私たちの立ち位置をはっきりさせなければならないというふうに思うんです。現状では、入り口にも入っていないというか、そういうところであります。
 原点に戻っていくと、憲法を論じることが私たちの審議会でどこまでできているのかという問題、あるいは、憲法の何を論じるのか、また、なぜ論じることが必要なのか、その結果、改正が必要だとすればどの項目から論じていけばいいかなど、問題提議があって、私たちの中にそれに対する共通した認識、どこを修正をしていく必要があるかという、それをこの審議会のコンセンサスでつくっていかなければ、到底次のステップには行けないということだと思うんです。
 私は、まずこの入り口の論議を整理をして、各党の合意をつくらなければ、こうした形で議論を進めていても次のステップには行けないということ、ここが共通した問題として認識されなければならないというふうに思います。
 もう一回言えば、憲法の何を論じるのか、何をテーマにまず取り上げていったらいいのかというコンセンサスづくりですよね。それから、論じた結果、改正が必要であるとすればどの項目から論じていけばいいのか、そんなところの、まず入り口の論議そのものができていないということを自覚をしなければいけないというふうに思うんです。
 一方で、なぜそうした建設的な議論から入っていけないかといえば、与野党の信頼関係が崩れている、この憲法に関しては。ということだと思うんです。
 以前の安倍総理や、あるいはこれは自民党の一部のリーダーの皆さんですけれども、自民党案なるものを、これは自民党案で、案をつくるのは結構です。しかし、それを一方的に、さっき言ったような、何から話をしたらいいかということのコンセンサスもないままに、ここに一方的に押しつけてきて、それで、多数決でいこうというような風潮の中で議論がされているのではないかというような疑いが得られるということですよね。そんなことがあって信頼関係が崩されている限り、前には進まないということであります。
 しかし、さきに述べた地ならしの議論が必要であるので、それなしにこの憲法議論そのものをこのまま自民党から出してきたら、それは分断と破綻という結果になるということを、改めて警鐘を鳴らしておきたいというふうに思います。
 以上でありますが、これから先、時代がこれだけ変わってきて、我々も、憲法を論議していかないということじゃなくて、やはり、この項目については真剣に議論していかなきゃいけないというものも持っているので、そこのところを突き合わせるという作業をぜひやっていこうじゃありませんか。そのことを申し上げたいと思います。

#15
○鬼木委員 自由民主党の鬼木誠でございます。
 本日の自由討議におきまして、立憲の山花筆頭幹事や、また新藤筆頭幹事から、国民投票法に関して、CM規制以外にも、当日運動の可否、また否決案件の一定期間の再発議制限といった論点が存在するということが紹介されました。実に興味深い論点であり、これについて私の意見を述べたいと思います。
 公職選挙法では、投票日当日の選挙運動は禁止されております。他方、国民投票法では、投票日当日であっても、国民投票運動は自由に行えることとなっております。これは、憲法改正国民投票は、主権者である国民の基本的な政治意思の表明であり、できるだけ自由な運動を保障しようといった当時の民主党の主張を、我が自民党や公明党も受け入れたものと承知しております。
 しかし、議員や首長の選挙においても、憲法改正の国民投票でも、有権者が一票を投じるに当たっては、静ひつな環境の中、混乱しない中で行われることは当然に心がけるべきことであると考えます。昨今の事情を考えますと、こうした点についても議論する必要があるのではないかと考えます。
 また、否決案件の一定期間の再発議制限に関しても、一度否決された案件について、可決されるまで何度でも提案を繰り返すことができるといったことが許されてよいのかという疑問が起こることは理解できます。例えば、十回やって十回失敗する、そして十一回目に可決されるというときに、一勝十敗でも成立するというのは公平なことなのかということは考えなければなりません。
 したがって、否決案件については何らかの制限が必要ではないか、制約が必要ではないかという論点について議論すること自体、あってしかるべきだと考えます。
 なお、この点は、現行の国民投票法を制定する際にも議論された点であり、肯定、否定、両論があったようであります。参考人、有識者からは、憲法習律の問題として、すぐに再発議することは許されないのではないかという発言や、事情変更や政治情勢の変化等がなければ、同一案件を再発議できない旨の発言があったと承知しております。
 いずれにしましても、国民投票法に関しては、CM規制やネット運動のほかにも、議論すべき論点はこれからも出てくるであろうと考えられます。国民投票法はあくまでも手続法であり、その時々の社会情勢や国民意識の変化に対応して、随時、議論していくべき点が出てくるのは当然のことであります。その議論に当たっては、主権者国民の自由な運動を保障した現行の国民投票法の姿勢を踏まえ、これを大前提とした上で議論していくことが肝要であると考えます。
 こうしたさまざまな手続法に関する議論を深めるためにも、その内容について各党とも異論のない七項目案のような論点については、粛々と手続を進めていくべきではないでしょうか。
 本日、委員から、憲法審査会は動かすべきでないという御発言も一部ありましたが、民主主義は議論することから始まるのではないでしょうか。山尾委員がおっしゃった、私たちが議論することによって国民世論を喚起し、議論が収れんされていくという考え、また、先ほど中川委員が御指摘された、入り口の整理をして議論を進めていきましょうというお考え、まさに議論の中から答えを出すのが立法府の役目であると考えます。議論することすら否定をしてしまうというのは、国民の代表、立法府として責任を果たしているとは思えないのであります。
 各党の真摯な議論を期待したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。

#16
○辻元委員 立憲民主党の辻元清美です。
 この国民投票法は、先ほど船田委員からもお話がありましたように、成立は、十三年前に成立をしています。やはり、この十三年の間に、社会のありようや、またインターネットの問題など、大きく情勢が変わってきたと思います。
 その中で、十三年前から懸案として積み残しになっていた論点の一つがCM規制だったわけです。この点などを含めまして、大阪での住民投票を体験いたしましたので、幾つかの論点について意見を述べたいと思います。
 今回の住民投票でのテレビCM、それから、五年前もそうでしたが、やはり、どれだけ資金をかけるかによって、全然CMの本数が変わってきます。これは、民放連などが考査基準等で公平公正を担保するというような条項もありますけれども、この総量については、お金を出せばやりたい放題、幾らでもお金を出したらやりますよというような姿勢であったということが明らかになりました。
 ですから、この点については、過去は懸念で終わっていたわけですけれども、実際に幾つかの、これは国民投票ではありませんけれども、住民投票ではそのような現象も起こっていますので、どのように考えていくかということ、非常に懸念が深まっていると思います。
 この中で、広報協議会、先ほどからも出ておりますけれども、この議論を当時やったときに、各政党が賛成、反対のチラシなどを出すのはやめようと。賛成、反対は公共空間には平等にあるということを基本に、広報協議会でそれぞれ取り扱って、同じだけの、平等に、賛成、反対、広報については扱うという議論がなされました。
 一つの考え方としては、各政党が好き勝手にCMスポットなどを出すのではなくて、この広報協議会で印刷物などと同じように扱うというのも一つ方法ではないかというように考えます。
 そういう点について、資金量というか、資金量があるのかないのか知りませんけれども、お金をかければかけただけ何ぼでもやるというのは、これはやはりちょっと考え直さないとまずいんじゃないかなと思うんです。
 もう一つ、更に深刻に思ったのは、やはり、インターネットの広告と、それからSNS上での意見表明など、ファクトチェックというのは非常に難しいです。それで、こっちがデマだ、こっちがデマだと言い合いになって、もう本当にわけがわからなくなるというようなこと。
 これは、アメリカでも問題になっていたかと思います。数日前にアメリカの議会の公聴会で、フェイスブックと、それからツイッターの代表者が呼ばれて、公聴会で、大統領選挙をめぐるSNS上の規制や、また、あり方についての議論がなされています。
 これは国民投票にとっても非常に深刻な問題と受けとめますので、ここはやはり、しっかりここで議論をして、できないんだったらできない、できるんだったらできると、いろいろなことを考えなきゃいけないんじゃないかなと思いました。
 それから、あと二点ですね。先ほどから御提起いただいています当日運動の当否について、一つ目ですね。
 これは、当時は余り想定していなかったわけですけれども、当日までみんな頑張ればいいじゃないかというような議論が主流だったわけですが、やはり当日の運動というのは、最後、非常に過熱するんですね。今回はそうでもなかったんですが、五年前のときは、それぞれ、賛成派、反対派が投票所の前で声をかけ合うというような場面もあり、それから、そこでちょっとした言い合いになるとか、そういうこともあったんです。
 これはやはり静かな環境で投票を促すということの弊害になるんじゃないかなという点もありますので、これはしっかりとやはり見直ししなきゃいけないんじゃないか。
 それともう一点、インターバルです。
 今回の住民投票については、少し内容が変わっていますけれども、五年間に二回行われたわけです。ですから、やはり、五年間に二回住民投票を大きなテーマで促すというのは、非常に住民を翻弄させる面もあるんじゃないかなと私は感じました。ですから、このインターバルについて、又は一回国民投票で否決されたものをどう取り扱うのかということも、議論を深めないといけないんじゃないかなと考えます。
 最後になりますけれども、かねてより、やはり国論を二分するような問題は国民投票になじまないんじゃないかという点、何人かの議員からも表明があったし、今、石破委員からも表明がありました。やはり、議会でのコンセンサスがとれたことを国民投票にかけないと、議会のコンセンサスがとれなかったから、最後、国民に決着させようということは、国民を戦わせることになってしまうんですね。これは非常に社会の分断を招くんじゃないかというように懸念をいたします。
 この委員会には、二本の法案が今、提出をされております。一つは、いわゆる七項目、もう一つは、今申し上げたようなCM等の規制なんです。ですから、この二本を抱き合わせで一本にして、そして、今の時点での国民投票法の諸課題を解決できるような法案にみんなで仕上げて、一本にして成立させていくのがいいんじゃないかというように思います。
 以上です。

#17
○細田会長 ありがとうございました。十二人の皆様方が非常に明確に、かつ所定の時間内に御発言をいただきましたことを感謝申し上げます。
 まだまだ御意見を伺いたいところではございますが、所定の時間になっておりますので、まだ発言御希望の委員がおられますけれども、この自由討議の扱いにつきまして、ただいま与野党の筆頭間で協議しておりますので、今後につきましては、これを踏まえ、幹事会等において協議をいたしたいと存じます。
 これにて自由討議は終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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