くにさくロゴ
2020/11/05 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 予算委員会 第1号 令和2年11月5日
姉妹サイト
 
2020/11/05 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 予算委員会 第1号 令和2年11月5日

#1
令和二年十一月五日(木曜日)
   午前九時二分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         金子原二郎君
    理 事         三宅 伸吾君
    理 事         山田 修路君
    理 事         森 ゆうこ君
    理 事         蓮   舫君
    理 事         浜田 昌良君
    理 事         浅田  均君
    理 事         山添  拓君
                青木 一彦君
                青山 繁晴君
                朝日健太郎君
                磯崎 仁彦君
                小野田紀美君
                片山さつき君
                北村 経夫君
                佐藤 正久君
                櫻井  充君
                進藤金日子君
                高階恵美子君
                高野光二郎君
                滝波 宏文君
                中西  哲君
                藤川 政人君
                藤木 眞也君
                三木  亨君
                山田  宏君
                山本 順三君
                有田 芳生君
                石川 大我君
                石橋 通宏君
                塩村あやか君
                杉尾 秀哉君
                徳永 エリ君
                福島みずほ君
                伊藤 孝江君
                里見 隆治君
                高瀬 弘美君
                竹谷とし子君
                石井 苗子君
                片山 大介君
                伊藤 孝恵君
                田村 まみ君
                矢田わか子君
                田村 智子君
                大門実紀史君
    ─────────────
   委員長の異動
 十月二十六日金子原二郎君委員長辞任につき、
 その補欠として山本順三君を議院において委員
 長に選任した。
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十六日
    辞任         補欠選任
     朝日健太郎君     馬場 成志君
     小野田紀美君     宮島 喜文君
     金子原二郎君     上野 通子君
     中西  哲君     古川 俊治君
     有田 芳生君     小西 洋之君
     石橋 通宏君     熊谷 裕人君
     塩村あやか君     田島麻衣子君
     杉尾 秀哉君     打越さく良君
     徳永 エリ君     宮沢 由佳君
     蓮   舫君     白  眞勲君
     伊藤 孝江君     河野 義博君
     里見 隆治君     杉  久武君
     高瀬 弘美君     塩田 博昭君
     竹谷とし子君     若松 謙維君
     浜田 昌良君     石川 博崇君
     伊藤 孝恵君     礒崎 哲史君
     田村 まみ君     浜口  誠君
 十一月四日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     二之湯 智君
     熊谷 裕人君     蓮   舫君
     田村 智子君     武田 良介君
     大門実紀史君     岩渕  友君
 十一月五日
    辞任         補欠選任
     片山さつき君     清水 真人君
     藤木 眞也君     岩本 剛人君
     山田 修路君     中西 祐介君
     蓮   舫君     熊谷 裕人君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 順三君
    理 事
                青木 一彦君
                滝波 宏文君
                馬場 成志君
                藤川 政人君
                白  眞勲君
                森 ゆうこ君
                石川 博崇君
                浅田  均君
                山添  拓君
    委 員
                青山 繁晴君
                磯崎 仁彦君
                岩本 剛人君
                上野 通子君
                片山さつき君
                北村 経夫君
                佐藤 正久君
                清水 真人君
                進藤金日子君
                高階恵美子君
                高野光二郎君
                中西 祐介君
                二之湯 智君
                藤木 眞也君
                古川 俊治君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                宮島 喜文君
                山田 修路君
                山田  宏君
                石川 大我君
                打越さく良君
                熊谷 裕人君
                小西 洋之君
                田島麻衣子君
                福島みずほ君
                宮沢 由佳君
                蓮   舫君
                河野 義博君
                塩田 博昭君
                杉  久武君
                若松 謙維君
                石井 苗子君
                片山 大介君
                礒崎 哲史君
                浜口  誠君
                矢田わか子君
                岩渕  友君
                武田 良介君
   国務大臣
       内閣総理大臣   菅  義偉君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     武田 良太君
       法務大臣     上川 陽子君
       外務大臣     茂木 敏充君
       文部科学大臣         
       国務大臣     萩生田光一君
       厚生労働大臣         
       国務大臣     田村 憲久君
       農林水産大臣   野上浩太郎君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  梶山 弘志君
       国土交通大臣         
       国務大臣     赤羽 一嘉君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     小泉進次郎君
       防衛大臣     岸  信夫君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 加藤 勝信君
       国務大臣
       (復興大臣)   平沢 勝栄君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災、
       海洋政策))   小此木八郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、規
       制改革))    河野 太郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、地方創生
       ))       坂本 哲志君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    西村 康稔君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  平井 卓也君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    橋本 聖子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       クールジャパン
       戦略、知的財産
       戦略、科学技術
       政策、宇宙政策
       ))       井上 信治君
   副大臣
       財務副大臣    中西 健治君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  近藤 正春君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤井 亮二君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       梶尾 雅宏君
       内閣官房内閣審
       議官       岡本  宰君
       内閣官房内閣審
       議官       江口 純一君
       内閣官房内閣審
       議官       山内 智生君
       内閣官房成長戦
       略会議事務局次
       長        松浦 克巳君
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局次
       長        行松 泰弘君
       内閣法制局第一
       部長       木村 陽一君
       内閣府大臣官房
       長        大塚 幸寛君
       内閣府大臣官房
       審議官      江崎 禎英君
       内閣府地方創生
       推進室次長    長谷川周夫君
       内閣府日本学術
       会議事務局長   福井 仁史君
       外務省大臣官房
       地球規模課題審
       議官       小野 啓一君
       外務省大臣官房
       参事官      遠藤 和也君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   本清 耕造君
       外務省北米局長  市川 恵一君
       外務省経済局長  四方 敬之君
       文部科学省大臣
       官房長      増子  宏君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
       厚生労働省健康
       局長       正林 督章君
       農林水産省食料
       産業局長     太田 豊彦君
       水産庁長官    山口 英彰君
       経済産業省大臣
       官房商務・サー
       ビス審議官    畠山陽二郎君
       中小企業庁事業
       環境部長     飯田 健太君
       国土交通省総合
       政策局長     石田  優君
       国土交通省国土
       政策局長     中原  淳君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        井上 智夫君
       国土交通省道路
       局長       吉岡 幹夫君
       海上保安庁長官  奥島 高弘君
       防衛省防衛政策
       局長       岡  真臣君
       防衛省整備計画
       局長       土本 英樹君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
    ─────────────

#2
○委員長(山本順三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 この際、一言御挨拶を申し上げます。
 去る十月二十六日の本会議におきまして、皆様方の御推挙により予算委員長の重責を担うことになりました山本順三でございます。
 当委員会の運営につきましては、公正中立を旨といたしまして円滑に進めてまいりたいと存じます。
 何とぞ、皆様方の御指導、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#3
○委員長(山本順三君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
 三宅伸吾君及び山田修路君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 理事の辞任及び委員の異動に伴い現在理事が六名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に青木一彦君、藤川政人君、馬場成志君、滝波宏文君、白眞勲君及び石川博崇君を指名いたします。
    ─────────────

#6
○委員長(山本順三君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、予算の執行状況に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#7
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#8
○委員長(山本順三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#9
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────

#10
○委員長(山本順三君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#11
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#12
○委員長(山本順三君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。
 本日及び明日の質疑は総括質疑方式で行い、質疑割当て時間は三百三十一分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党・国民の声九十三分、立憲民主・社民九十九分、公明党四十分、日本維新の会三十三分、国民民主党・新緑風会三十三分、日本共産党三十三分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────

#13
○委員長(山本順三君) 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。蓮舫君。

#14
○蓮舫君 立憲民主党の蓮舫です。おはようございます。
 菅総理、総理御就任おめでとうございます。
 まず、冒頭お伺いしたいんですが、菅総理は何をなすために総理大臣になられたんですか。

#15
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、安倍政権のとき官房長官をしていました。そして、安倍総理が退陣をされる中で、まずはコロナ対策、欧米のように爆発的な感染拡大は絶対防いでいく、そして経済をしっかりと推進をしていく、まさに両立をさせていく、それがまずは当時、当面の私の仕事だと思っています。
 そして、その上で、私自身は、大きな課題として、衆議院の本会議の中で、所信表明で申し上げましたけど、カーボンニュートラル、まさにグリーン社会、さらには、デジタル庁を設置をして、国民の皆さんにそうしたことをしっかりと、利便性を国民の皆さんに提供をする、そうした体制をつくる。あるいはまた、少子高齢化社会、避けて通れない中にあって、不妊治療を始めとして今まで掲げてきてできなかったことをしっかり実現をしていきたい。そうした中で私は総理大臣に就任をさせていただきました。

#16
○蓮舫君 菅総理の個性かもしれませんが、熱意が全く伝わらないんです。大きな国家観というのも伝わってこない。むしろ、やってはいけないことを冒頭でやり始めてしまった。それは日本学術会議問題だと思います。
 国民のために働く、国民が最優先でしてもらいたいのは学術会議問題ですか。

#17
○内閣総理大臣(菅義偉君) 長年にわたり、私、この問題については懸念を持っておりました。そういう中で、今回、ちょうど任期の中でこのようなことを発動させていただいたということです。

#18
○蓮舫君 国民が求めていますか。

#19
○内閣総理大臣(菅義偉君) 極めて大事なことの一つだと思っています。

#20
○蓮舫君 任命拒否問題がこんなに大ごとになると思っていました。

#21
○内閣総理大臣(菅義偉君) 説明をさせていただければと思っていました。分かっていただけると思っていました。

#22
○蓮舫君 たった一つです。何で六人を外したんでしょう。

#23
○内閣総理大臣(菅義偉君) 蓮舫委員もよく御承知だと思いますけれども、まさにこの学術会議というのは公務員です。私が任命することによって公務員になるわけでありますし、国費を十億円投入をしていることも事実であります。
 そうした中で、今回の任命の判断と直結はしませんけれども、学術会議にはまさに出身大学を始め大きな隔たりがある、大きな偏りがある。さらに、学術会議を、そうした公務員になるべき方を選定をする過程の中で、約九十万人いるこの研究者、その中で会員の方がたしか二百十人だと思います、そして連携会員、そうした人の関わりを持っている方でしかこの学術会員にはなれない仕組み、こうしたことはまさに閉鎖的であり、私は既得権益じゃないかなというふうに思いました。
 こうしたことの前例を踏襲するかどうか迷いましたけれども、そういう中で、私自身が今回九十九名を任命したということであります。

#24
○蓮舫君 日本学術会員の既得権益って何ですか、具体的に。

#25
○内閣総理大臣(菅義偉君) この約九十万人いる日本の研究者の中で二千二百人、この会員と連携会員、この方たちとつながりを持っている人と、人しかここには、学術会員にはなることができないような仕組みになっていることを私は申し上げています。

#26
○蓮舫君 その仕組み間違っているんですけれども、ちょっと文科大臣に聞きますけれども、日本学術会議の会員になると科研費とか大学の運営費交付金は増えるんですか。

#27
○国務大臣(萩生田光一君) 国立大学の運営費交付金ですとか科研費、その大学に学術会議の会員の方がいらっしゃるいらっしゃらないは全く関係ありません。

#28
○蓮舫君 どんな益があるんですか。

#29
○内閣総理大臣(菅義偉君) 特定の閉ざされた研究者の方しかなれないという今の仕組み、そこを私、今申し上げています。

#30
○蓮舫君 総理が推薦どおり任命すべき義務があるとまでは言えないという突然出てきた平成三十年見解があるんですが、ここで、会員任命については日本学術会議の推薦に基づかなくてはならないとされている理由は何と記述されていますか。

#31
○国務大臣(加藤勝信君) 委員の配付した資料に載っていると思いますけれども、会員の任命について、まず前段としては、日学法第十七条による推薦のとおりに任命すべき義務があるとまでは言えないと考えられるとした上で、他方、会員の任命について、日本学術会議の推薦に基づかなくてはならないとされているのは、会員候補者が優れた研究又は業績がある科学者であり、会員としてふさわしいかどうかを適切に判断し得るのは日本学術会議であること、日本学術会議は、法律上、科学者の代表機関として位置付けられており、独立して職務を行うこととされていること、昭和五十八年の日学法改正による推薦、任命制の導入の趣旨は前述したとおりであり、これまでの沿革からすれば、科学者が自主的に会員を選出するという基本的な考え方に変更はなく、内閣総理大臣による会員の任命は、会員候補者に特別職の国家公務員たる会員としての地位を与えることを意図していたことによることからすれば、内閣総理大臣は、任命に当たって日本学術会議からの推薦を十分に尊重する必要があると考えられると記載されているとおりであります。

#32
○蓮舫君 ありがとうございます。
 つまり、優れた研究又は業績がある科学者で会員にふさわしいかどうかの適切な判断は学術会議しか行えないんです。大学の偏りがあるとか女性とか若手とか、その人選要件に総理が何で口出せるんですか。

#33
○内閣総理大臣(菅義偉君) 日本学術会議法上の推薦に基づく委員の任命については、憲法第十五条第一項に基づけば、推薦された方々を必ずそのまま任命しなきゃならないということではないという点については、内閣法制局の了解を得た政府の一貫した考え方であります。

#34
○蓮舫君 違います。人選に何で口を出せるんですか。

#35
○内閣総理大臣(菅義偉君) 十億円の予算を使って活動している政府の機関であり、任命された会員は公務員になる、なりますから、その前提で、社会的課題に対して提言などを行うため、専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスの取れた活動を確保するために必要ということも言われています。そうしたものについて総理大臣として判断をしたということです。

#36
○蓮舫君 人選に口を出せる法的根拠を教えてください。

#37
○内閣総理大臣(菅義偉君) 日本学術会議法は、会員の任命については、学術会議からの推薦に基づいて内閣総理大臣が任命することとされています。この規定に沿って、推薦に基づいて、任命権者たる総理大臣として、学術会議に求められる役割なども踏まえて判断をしたということです。

#38
○蓮舫君 どうしたらそうやって法律が読めるんですか。どこに書いてあります、総理が人選ができる。学術会議は独立して自主、自律で推薦できるのに、何で総理が口出しできるんですか。

#39
○国務大臣(加藤勝信君) 言葉の使い方かもしれません。委員の指している……(発言する者あり)いやいや、委員がおっしゃっている人選というのは、総理は、この規定による任命という意味でお話をされているわけでありまして、それに関しては、先ほど読ませていただいた法制局との作成した内閣府日本学術会議事務局のペーパーで、日本学術会議が内閣総理大臣の所轄の下の国の行政機関であることから、憲法第六十五条及び第七十二条の規定の趣旨に照らし、内閣総理大臣は、会員の任命権者として、日本学術会議に人事を通じて一定の監督権を行使することができるものであると考えられること、憲法第十五条第一項の規定に明らかにされているところの公務員の終局的任命権が国民にあるという国民主権の原理からすれば、任命権者たる内閣総理大臣が会員の任命について国民及び国会に対して責任を負えるものでなければならないことからすれば、内閣総理大臣に日学法第十七条による推薦のとおりに任命すべき義務があるとまでは言えないというふうに書いてあるとおりでありまして、それにのっとった対応をさせていただいているところであります。(発言する者あり)

#40
○委員長(山本順三君) 加藤官房長官。

#41
○国務大臣(加藤勝信君) これ、これまでも説明をさせていただいているとおり、日本学術会議法においては、まず学術会議からの推薦をしていただく。推薦に当たっては、先ほど読ませていただいたように、その専門的な観点から推薦がなされ、それを私どもが推薦をいただいたものについて適切に判断をして任命をしていると、こういうのが一連の行為であります。
 その上で総理が言われたのは、ただ、全体としてこの日本学術会議に対する機能、役割、そういった観点から、これまでも総合科学学術会議等において、こうしたバランス等々、あるいは総合的、俯瞰的活動、こういったこと、あるいは中の、会員の中の構成、こういった指摘がなされている、そのことを申し上げたということであって、あくまでも推薦に基づいて任命すると、これは当然のことだというふうに思います。

#42
○蓮舫君 聞けば聞くほど支離滅裂なんですよ。本当に事実関係をしっかり素直に話していただきたいんですが、そもそも、菅総理は、九月二十四日に起案された文書を二十八日に決裁をした、これまでも、その時点では九十九人の名簿を見て、百五人の名簿は見ていなかったでいいですか。

#43
○内閣総理大臣(菅義偉君) 学術会議から総理大臣宛てに百五名の推薦名簿が提出されたのが八月三十一日です。私は、当時、まだ官房長官でありまして、その内容、百五人の名簿は見ておりません。
 そして、九月十六日に総理大臣に就任をいたしました。総理大臣就任後、官房長官、杉田副長官に改めて私の懸念点を伝えました。そして、九月二十四日に内閣府が九十九名を任命する旨の決裁起案、それを受けて九月二十八日に私が最終的な決裁をするわけでありますけれども、総理就任後に、ですから九月十六日以降でありますけれども、官房長官、杉田副長官に改めて懸念を伝え、杉田副長官から相談があり、九十九名を任命する旨を私自身が判断をし、それを副長官を通じて内閣府に伝えました。それが、ですから九月の二十四日前だと思います。

#44
○蓮舫君 これまでの、総理は、十月九日のメディアのグループインタビューでも昨日の辻元委員の質問の途中までも、九月二十八日時点でリストは見ていない、百五人。それと、それから削られたかどうかというのは聞いていないと明言しているんです。

#45
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私が見ていないと言ったのは、多分、八月三十一日の百五名、総理大臣宛ての推薦名簿を提出したことじゃなかったでしょうか。私自身は、今申し上げましたけれども、総理大臣に就任してから、九月二十四日に内閣府が九十九名の任命する旨の決裁を起案をし、私が二十八日に最終的に決裁をいたしました。
 ですから、今申し上げました、先ほど申し上げましたように、総理大臣就任後に官房長官、杉田副長官に改めて私自身の懸念を伝え、その後に、ですから九月二十四日の前ぐらいだと思いますけれども、杉田副長官から相談があり、九十九名を任命する旨を私自身が判断をし、それを副長官を通じて内閣府に伝えたということです。

#46
○蓮舫君 違います。(資料提示)
 菅総理は、衆議院の答弁で、見ていないと言ったのは、九月二十八日に決裁をするときに添付された資料の百五名のそのリストは見ていないと言っていたんです。九十九人しか見ていないと言っていたんです。言うたびごとに答弁が変わるから分からないんですよ。
 これまでは、見ていない、聞いていない。ところが、昨日、辻元さんの質問の途中からはいきなり杉田副長官が登場してくるんです。杉田副長官に懸念を伝えた、そして内閣府に指示をした、そして自分が決裁をする前に杉田副長官から報告を聞いた、これが事実ですか。

#47
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今私が申し上げたことが事実です。

#48
○蓮舫君 国会で虚偽答弁を続け、メディアにうそを言って、昨日突然答弁を変えたのは何でですか。

#49
○内閣総理大臣(菅義偉君) いや、私は一貫していると思っています。

#50
○蓮舫君 一貫していません。
 昨日、辻元さんの質問には、見られましたか、二十八日に百五人の名簿、見ていません、じゃ、聞いていましたか、聞いていません。それが、その後急に、いやいや、実は伝えていたんだと、杉田さんに、で、杉田さんから決裁前に報告を受けているんだ。明らかに変わっているじゃないですか。

#51
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、名簿は見ていないということを申し上げていたんです。(発言する者あり)

#52
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#53
○内閣総理大臣(菅義偉君) 推薦名簿を見ていないと申し上げたのは、決裁文書には推薦名簿が参考資料で添付をされていましたけれども、添付だけだったんです。全体は九十九名のこの名簿であります。それを私が決裁したということです。

#54
○蓮舫君 これ、決裁書です。これには削られた九十九人と削られていない百五人が添付されているんです。両方見ていないんですか。

#55
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は九十九名に決裁をしたということです。

#56
○蓮舫君 杉田官房副長官にいつ懸念を伝えました。

#57
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は官房長官……(発言する者あり)あっ、大変失礼しました。

#58
○委員長(山本順三君) いやいや、もう指名しています。

#59
○内閣総理大臣(菅義偉君) 官房長官当時から、そこは懸念を伝えていました。
 そして、先ほど申し上げましたように、総理大臣に就任したのが九月十六日です。その就任後に改めて官房長官、杉田副長官にその懸念を伝えて、杉田副長官からその後相談があり、九十九名任命の判断をいたしました。そして、九月二十四日に内閣府が任命を、九十九名を任命する旨の決裁案を起案をして、私が九月二十八日に最終的な決裁を行ったということです。

#60
○蓮舫君 いや、質問に答えてください。
 いつ杉田官房副長官に懸念を伝えたんですか。

#61
○内閣総理大臣(菅義偉君) 懸念は官房長官のときからも伝えていました。

#62
○蓮舫君 今回の人事に関して杉田副長官に懸念を伝えて、杉田副長官を通じて内閣府に指示を出したんですよ。
 今回はいつですか、指示を出したのは。

#63
○内閣総理大臣(菅義偉君) 総理大臣に就任した後です。(発言する者あり)

#64
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#65
○内閣総理大臣(菅義偉君) 明確な日にちは承知していませんけど、二十四日の前だと思っています。
 九月、九月二十八日に私、最終決裁をしまして、九月二十四日に内閣府が九十九名を任命する旨の決裁を起案しています。私は、その前ですから、二十二か三ぐらいだ、じゃない、ぐらいだと思います。ここは明快に記憶していませんけれども。

#66
○蓮舫君 九月二十二か二十三に懸念を伝え、内閣府に人事の確認の指示をして、二十四日に起案。僅か一日か二日で六人は外されたんですか。

#67
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私が総理大臣に就任してからも、先ほど申し上げたけれども、加藤官房長官と杉田副長官に改めてそこは懸念を伝えています。そして、それを受けて杉田副長官から何日かした上で私に報告があったということです。

#68
○蓮舫君 国家公務員は指示があって初めて仕事をするんです。前から懸念を伝えているから、そんたくされて仕事しているだろうというのが仕事じゃないんですよ。
 この短い間で六人は外されたんですね。

#69
○内閣総理大臣(菅義偉君) 申し上げますけれども、まず、官房長官当時から今回のことについては懸念を副長官にして、九月十六日、総理大臣に就任をして新たに加藤官房長官と杉田副長官に懸念を伝え、そして、二十四日に内閣府がその決裁を起案していますから、その直前だったというふうに記憶をしています。それは二十二か二十三だと思います。

#70
○蓮舫君 二十四日、決裁の前に杉田さんから報告を受けた。どんな報告ですか。

#71
○内閣総理大臣(菅義偉君) 人事に関わることでありますからそこは控えさせていただきますけれども、九十九人という報告であります。

#72
○蓮舫君 九十九人という報告ということは、総理に報告される前に六人は外されていたということですね。

#73
○内閣総理大臣(菅義偉君) そうした相談があって、それで私が決裁をしたということです。

#74
○蓮舫君 いやいや、外された九十九人の報告があって、それでいいよって決裁したんですか。

#75
○内閣総理大臣(菅義偉君) 相談があって、私がそれでということの判断をしたということです。

#76
○蓮舫君 相談は、九十九人で六人外したという相談ですね。で、それでいいと判断したんですね。

#77
○内閣総理大臣(菅義偉君) そのとおりです。

#78
○蓮舫君 そもそも私たちは法律でこの学術会議が独自に推薦してきた人事を外すことはできないと考えているんですが、事務方が六人を外すというのはどの法的根拠にのっとっているんですか。

#79
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほど来申し上げていますけれども、日本学術会議法上の推薦に基づく委員の任命については、憲法第十五条第一項に基づけば、推薦された方々を必ずそのまま任命しなければならないということではないという点については、内閣法制局を了解と、政府の一貫した考え方であり、今回の任命もこの法律に基づいているものであります。(発言する者あり)

#80
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#81
○内閣総理大臣(菅義偉君) 事務の副長官というのは、各省庁の人事、総合調整を担当しておりますので、そういう中で本件にも関わってきているということはこれ当然のことじゃないでしょうか。

#82
○蓮舫君 いや、人事権者は総理ですよね。だから、その途中経過で勝手に外して、はい、これで報告ですと上げてくる権限なんて事務方にはないんじゃないですか。

#83
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私が懸念を伝えたことを、そうしたことを踏まえて私に判断を求めてきたということです。

#84
○国務大臣(加藤勝信君) 副長官の任務ということにもなるんだと思いますけれども、内閣官房副長官は、内閣法第十四条第三項に基づき、内閣官房長官の事務を助けるほか、命を受けて内閣官房の事務をつかさどるとされております。
 事務の副長官は、内閣総理大臣による特別職国家公務員の任命等、各府省の人事に関する事務に対して内閣として一貫性を確保する上で必要な総合調整を行うよう指示を受けており、先ほど申し上げた内閣法第十四条三項の事務として必要な総合調整を行い、そして最終的に総理の判断を受けて今回の任命がなされた、こういうことであります。

#85
○蓮舫君 憲法十五条の二は、全て公務員は全体の奉仕者で、一部の奉仕者ではない。杉田副長官は総理のための奉仕者じゃなくて国民のための奉仕者なんです。そう考えると、今回、杉田さんがやらなければいけなかったのは、人事権はあっても推薦に口を出すことはできないと説得することだったんじゃないですか。

#86
○内閣総理大臣(菅義偉君) ですから、私の懸念を伝えたことに踏まえて、私に、調整をして原案を、の伺いに、伺ったということじゃないでしょうか。それに基づいて私が判断をした。あくまで任命権者は総理大臣です。

#87
○蓮舫君 もう外した経緯を説明できないから、女性だとか若手だとか大学が偏っているとか、そういうのは後付けだったんじゃないですか。

#88
○内閣総理大臣(菅義偉君) 閉鎖的で既得権益に、そうした状況になっているということに対して、私は官房長官当時から懸念をしているということを申し上げてきています。

#89
○蓮舫君 女性バランスと言いますけれども、この二十年間で日本学術会議は女性の割合は一%から三八%になっているんです。それは政府の男女共同参画基本計画の目標三〇%をはるかに超えているんですよ。
 あなたの内閣の女性割合はどれぐらいですか。

#90
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今ここの承知のとおりであります。
 ただ、女性は、女性は確かに水準を超えていると思います。しかし、大学は大きく偏っていますから、そうしたことも、これ……(発言する者あり)

#91
○委員長(山本順三君) 答弁中ですから、しっかり答弁を聞いてください。

#92
○内閣総理大臣(菅義偉君) 全体の、全体のバランスというのは、それは私は違うと思います。私申し上げましたけれども、今……(発言する者あり)いや、そうしたことは、全体として私は言っています。

#93
○国務大臣(加藤勝信君) 内閣における女性比率ということでありますが、総理を入れて今、内閣二十一名、そのうち二名が女性ということでありますから、一割弱ということになるわけであります。

#94
○蓮舫君 閣僚でいったら僅か二人で九・五%なんですよ。学術会議三八%ですよ。女性のバランスが悪いって総理がおっしゃったから聞いているんです。何で女性のバランス悪いって言ったら今度違うこと言い出すんですか。

#95
○内閣総理大臣(菅義偉君) 女性のバランスについて私は言っておりません。

#96
○蓮舫君 じゃ、大学が偏っている。会員ゼロの人、会員一人の大学の教授二人外したのは何でですか。

#97
○内閣総理大臣(菅義偉君) 個々人の任命の理由については、政府の機関に所属する公務員の任免であって、通常の公務員の任免と同様に、その理由については、人事に関することであり、お答えは差し控えるべきだと思います。

#98
○蓮舫君 人事について答えは差し控えると言いながら、女性バランス悪くないじゃないですかって言ったら、それは言ってないと言って、言ってるときと言わないとき使い分けるのやめてください。

#99
○委員長(山本順三君) 蓮舫さん、質問を続けてください。(発言する者あり)
 菅内閣総理大臣。

#100
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私はこのようにお答えをしています。今回の個人の任命の判断とは直結しませんが、学術会議自体には出身や大学に大きな偏りがあり、会員の選考方法も閉鎖的で既得権のようになっていると言わざるも、言わざるを得ない状況ですという話を実はいたしております。
 さらに、今回百五人の推薦に対しても九十九名を任命することで、結果として例えば民間人や若手も増えていくことを期待しており、今後、学術会議、国民に理解されるようにより良いものにしていきたい、このように思っています。

#101
○蓮舫君 結果として若手も女性も外され、私大も外されました。言ってることとバランス真逆の結果の人事、どうして納得したんですか。

#102
○内閣総理大臣(菅義偉君) 全体としては、マクロで見た場合は全く違うと思います。
 例えば、出身大学に大きな偏りがあるということ私申し上げました。帝国大学、これ七つでありますけれども、国立大学に所属しているこの会員は四五%です。それ以外に百七十三の国立大学、公立大学、合わせて一七%です。また、六百十五ある私立大学は二四%にとどまっています。さらに、産業界や、産業界に所属する会員や四十九歳以下の会員はそれぞれ三%にすぎないということを、私は偏っているということを申し上げていました。(発言する者あり)

#103
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#104
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほど来私申し上げていますけど、推薦に基づいて、任命者たる総理大臣として、学術会議に求められる役割などを踏まえて判断をしました。
 さらに、今回の個々人の任命の判断とは直結しないけれどもという、私は、その中で、学術会議自体には出身や大学に大きな偏りがあり、会員の選考方法も閉鎖的で既得権のようになっていると言わざるも得ないと。そういう中で、今回百五人の推薦に対し九十九人の任命をすることで、結果として例えば民間人や若手も増えていくことを期待しており、今後、学術会議を国民に理解される存在としてより良いものにしていきたいと、こういうふうに思っています。(発言する者あり)

#105
○国務大臣(加藤勝信君) いや、先ほどから総理がおっしゃっているように、今回のその任命に関して、日本学術会議からの推薦に基づいて、専門分野の枠にとらわれない広い視野に立って総合的、俯瞰的観点からの活動を進めていただく、こういう観点で任命権者として任命を行った。そして、その結果として、九十九名の任命がなされ、百五名の推薦からすれば六名が推薦に至らなかった。その結果を踏まえて、これから更に日本学術会議としてどういうことに、どういう形でそうした役割を果たしていただくかという意味において、総理は、先ほどから従来からの懸念点、これを申し上げておって、そういった意味での大学の偏り、あるいは地方と都市とのバランス、さらには民間の活用、こういったことを言われたということであります。
 それから、もう一つ前提として申し上げなきゃいけないのは、これも再三申し上げておりますけれども、個々の任用についてどうした理由であるかということは、人事ということでありますからその具体的な理由については申し上げられないということが前提となってお話をさせていただいているということであります。

#106
○蓮舫君 総理、ミクロだろうとマクロだろうと、いいですか、六人を外したことで私大の人はいなくなった、若手はいなくなった、そして女性もいなくなった。バランス悪くなっているじゃないですか。結果として納得したんですか。

#107
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私、先ほど来申し上げていますけど、今回の個々人の任命の判断とは直結しないがという形で私は答弁をしています。

#108
○蓮舫君 いや、だって、個々人の判断と直結しないと懸念は払拭できないじゃないですか。

#109
○内閣総理大臣(菅義偉君) これも先ほど申し上げていますけれども、約十億円の予算を使って活動している政府の機関であり、任命された会員は公務員になるのですから、その前提で、社会的課題に対し提言などを行うため、専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスの取れた活動を確保するために必要な判断を行ったということであります。

#110
○蓮舫君 いや、支離滅裂を超えていますよ。これで国民のために働く内閣なんですか。

#111
○内閣総理大臣(菅義偉君) そこはしっかり働いていきたいと思います。

#112
○蓮舫君 この総理の説明、官房長官の説明が矛盾だらけ、答えていない、逃げているということを、この六人を削った経緯を知る方法が一つあります。
 八月三十一日に推薦名簿が出て、九月二十四日起案されるまでの過程の公文書はありますか。

#113
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の任命に係る経緯について、杉田副長官と内閣府でのやり取りを行った記録について、担当の内閣府において管理をしているというふうに承知をしております。

#114
○蓮舫君 どういう内容ですか、管理されているのは。

#115
○国務大臣(加藤勝信君) 今申し上げた杉田副長官と内閣府でやり取りを行った、それ以外もあるかもしれませんが、それが、そういった記録ということを承知しております。

#116
○蓮舫君 提出してください。

#117
○国務大臣(加藤勝信君) まさにこれは人事に関する記録でありますから、内容の提出は、今回の件に限らず、こうした案件については差し控えさせていただいているところであります。

#118
○蓮舫君 それは詭弁です。
 公文書管理法の目的と原則は何ですか。

#119
○国務大臣(井上信治君) 公文書管理制度は、行政の適正かつ効率的な運営を実現するとともに、現在と将来の国民への説明責任を全うするため、極めて重要な制度であると認識をしております。
 そして、公文書、公文書管理の適正化に向けては、ルールの明確化やチェック体制の整備などの取組を着実に実施してきたところでありまして、新政権においても、引き続き各大臣の下でルールに沿った適正な管理を徹底してまいりたいと考えています。

#120
○蓮舫君 大臣、公文書管理法の原則は何ですかって聞いているんです。

#121
○国務大臣(井上信治君) 公文書管理法上の重要な原則として文書主義がございます。公文書管理法の第四条、意思決定の過程や事務事業の実績を合理的に跡付け、検証することができるよう、軽微な事案を除き、文書を作成しなければならない旨を規定しております。このことを文書主義と呼んでおります。

#122
○蓮舫君 公文書、文書主義、つまり全て残すというのが前提。特に、菅官房長官、安倍総理時代に桜やモリカケがあって、もうとにかく公文書は改ざんされる、不作成、直前にシュレッダー、そのことによって、安倍内閣のときでも見直しをして、ガイドラインで打合せやメモ全部残しましょうということになったんですね。
 その部分で、井上大臣、最新の行政文書の管理に関するガイドライン、これ菅官房長官時代に直していますけれども、そこで十ページにあるんですが、文書主義の原則、留意事項が二点あるんです、冒頭に二つ、丸で。それ説明してもらえますか。

#123
○国務大臣(井上信治君) ガイドラインの第三、作成の項で、文書主義の原則として、公文書管理法第四条に基づき、第一条の目的の達成に資するため、意思決定過程や事務事業の実績を合理的に跡付け、検証することができるよう、軽微な事案を除き、文書を作成しなければならない旨を規定しております。
 文書主義の原則に基づいて、具体的には、ガイドラインの別表に掲げる業務に係る政策立案の方針等に影響を及ぼす打合せ等の記録については文書を作成すること、審議会、懇談会や国務大臣を構成員とする会議などについては議事の記録を作成することなどが示されております。

#124
○蓮舫君 全く違うところを読んでいるんですが。
 このガイドラインでは、文書主義の原則に基づいて、意思決定に関する文書作成、作らなければいけない文書は、法四条に基づき必要な意思決定に至る経緯、過程に関する文書が作成されるとともに、最終的には行政機関の意思決定の権限を有する者が文書に押印、署名、そのことによってその内容を当該行政機関の意思として決定することが必要、これを全て残すこととガイドラインで書いてあるんです。
 つまり、先ほど加藤官房長官がおっしゃったように、人事に関すると言えば何でも出さないということじゃないんですよ。まず全部作る、その中で人事に関する機微な部分は出さないでも結構ですけど、会議をした、省議をした、こんな打合せをした、そして要件を狭めていった、こういうふうにした、総理に報告をした、最終権者の総理が決裁をする時点までを一連のファイルで残さなきゃいけないんです。
 これ、残していると思います。人事の機微な部分は黒塗りでも結構です。出してください。

#125
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど私申し上げた説明は、まさに、ちょっと具体的な資料を私自身が見ておりませんから正確なことは言えませんが、杉田副長官と内閣府のやり取り、こういったものについてはルールにのっとって記録を残しているということであります。
 それについて、これは行政機関の保有に関する情報の公開に関する法律においても、人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある場合についてはですね、開示をしなくてもいいと、こういうふうにされているところでありますので、いずれにしても、人事に関する記録、この内容については、今申し上げた今後の公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれもあることから、この提出はこれまでも差し控えさせていただいているということであります。

#126
○蓮舫君 いや、総理、人事に関する機微な情報、個別名詞とか、この人はこういう理由だ、そこはいいんです、別に。ただ、こういう経過で狭めていった、省議を重ねたという途中経過をお示しください。総理として指示をしますか。

#127
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今、官房長官が申し上げたとおりです。

#128
○蓮舫君 総理として指示しないということですか。

#129
○内閣総理大臣(菅義偉君) 官房長官と総理は一体であります。

#130
○蓮舫君 政府があらゆる記録を克明に残すのは当然、議事録とは最も基本的な資料、国家運営の責任感のなさ、この作成を怠ったのは責任感のなさが如実に表れている、国民への背信行為。これはあなたのブログで、本に書かれた記述です。今でもこのお考えですか。

#131
○内閣総理大臣(菅義偉君) そこは変わっておりません。

#132
○蓮舫君 国民への背信行為にならないように情報公開する、私たちに提出するって言ってください。

#133
○内閣総理大臣(菅義偉君) ルールに基づいて行いますので、先ほど官房長官申し上げたとおりです。

#134
○蓮舫君 いや、非常に残念です。
 委員長に求めます。その公文書、六人を外した、その杉田官房副長官がどのような経過、過程を経て総理に決裁文書を上げて、決裁の報告までしたのか、一連の公文書を公開してください。この予算委員会に出してください。

#135
○委員長(山本順三君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。

#136
○蓮舫君 今のお話、こんなに長い時間掛かると思いませんでしたけれども、キーマンは杉田官房副長官だということはよく分かりました。杉田官房副長官、私、今日も国会に答弁者として来てくださいと求めたんですが、理事会で与党にはじかれたと聞いています。
 委員長に求めます。杉田官房副長官を参考人として招致して、集中審議を求めます。

#137
○委員長(山本順三君) ただいまの件、理事会で議論をいたしておりまして、現在、筆頭間協議をしておるところでございますので、後刻、また改めて理事会において協議をいたします。

#138
○蓮舫君 菅総理、随分高い支持率でスタートしたんですが、正直、学術会議問題でつまずいちゃったという反省持っていますか。

#139
○内閣総理大臣(菅義偉君) 丁寧に御説明をさせていただいて、分かっていただけるようにしたい、こう思います。

#140
○蓮舫君 その説明が丁寧じゃないということをまず分かっていただきたいなと思いました。
 次に行きます。
 さきの通常国会で大問題になった一般社団法人が税金を中抜きしているという疑惑。持続化給付金、その事業の事務局、サービスデザイン推進協議会が七百六十九億円で国が委託した、国から委託したけれども、協議会が人件費等で一・九億、それを手にした後は、その後、電通に七百四十九億円で丸々再委託。で、そこから更に再々委託、再々々委託、再々々々委託となっていた構造。
 これ、総理、相当国民の厳しい目が注がれました。トンネル法人じゃないか、税金の無駄遣いじゃないか。その認識はお持ちですか。

#141
○国務大臣(梶山弘志君) いろいろな御懸念があったこと、承知しております。
 それでまた、執行中の契約でありますけれども、異例のことではありますけれども、中間検査等を行い、これらの業務が張り付いているかどうか、そしてそれらの査定が正しいかどうか、工数、単価等につきましても公認会計士協会の支援を得て調査を終えたところでもあります。

#142
○蓮舫君 総理、行政監視をする国会として、私は総理が替わったからこういう問題は終わりではないと思っています。税金の無駄があればそれは正すという認識は共有していただけますか。

#143
○内閣総理大臣(菅義偉君) そこは当然のことだと、共有します。

#144
○蓮舫君 梶山大臣、持続化給付金の事務局の問題で国会で相当批判にさらされて、中間検査を行いましたが、報告書、どうなりました。

#145
○国務大臣(梶山弘志君) 持続化給付金の中間検査では、第三者の専門家として公認会計士に助言及びモニタリングをいただきながら、事業の全体像を明らかにした上で、手続や取引内容の適切性について詳細に確認をいたしました。
 確認の結果、契約締結や仕様変更等の手続面では一部に不備があったものの、費用面では現時点で人件費が市場価格の範囲内に収まるなど、市場実態からの著しい乖離がないことを確認をしているところであります。
 引き続き、事業終了後の確定検査に向けてもしっかりと執行状況を確認をしてまいりたいと思っております。この結果につきましては、ホームページ等で公開をしているところであります。

#146
○蓮舫君 読みました。確かに費用面においては市場と比べてコストの乖離はないとなっているんですけど、そもそも事業執行の不透明性、効率性等に対する社会的な懸念を踏まえて行われた中間検査なんですが、その懸念に対する答えはありますか。

#147
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど申しましたように、今執行中の事業であります。中間検査で考え方が正しいかどうかということを確認をしていただきました。確定検査がいずれにしましてもこの事業が終了後に行われるわけでありますから、それに向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

#148
○蓮舫君 それは調べられていないんですね、実は。今、梶山大臣がおっしゃったのは、再委託先、再々委託先、再々々委託先、繰り返される外注先に委託された事業がちゃんと行われていますかという点検だけなんですよ。
 その外注、繰り返されたのが、中抜き、トンネル、経費がかさ上げ、水増しされているという調査はされていないでしょう。

#149
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど申しましたように、工数、どのくらいの人数が掛かったか、そういったものの基準、そして、単価につきましても、企業による単価の水準等もしっかり査定をしております。

#150
○蓮舫君 何ページで、どこで査定していますか、それ。

#151
○国務大臣(梶山弘志君) 中間報告書の四ページ目ということになりますけれども、ここで、事業プロセスの手続の確認にとどまらず、個々の取引内容、実施状況について把握をしたということで、証憑により個々の取引内容、金額を確認して事業実態を把握、そして、審査、申請サポート等の主要業務の費用を確認ということが書いてありますし、また、第三者専門家、公認会計士によるチェックを通じた透明性の確保ということで、こういったことを公表をしているところであります。

#152
○蓮舫君 それぞれに委託された事業のその切り取った事業のコスト面だけの適正さの確認なんですよ。外注が繰り返されることの不透明さは実は調査されていないんです。なぜならば、中間検査というのは、年度末の会計処理に確定に際して誤認識や誤処理が会計的にないかどうかを確認するものであって、不明朗、不透明な外注の繰り返しを調査するものじゃないんですよ。
 更に言えば、法人に五百万円、電通に二十五億円の一般管理費、内訳は明らかにできないが不当請求ではないと、問題の一面だけでまとめられていますが、これ、何で言い切れたんですか。

#153
○国務大臣(梶山弘志君) 今申し上げましたようなその工数の査定、そして単価の査定、業務がどういうものがあるかということも公認会計士等でチェックをしているということであります。

#154
○蓮舫君 いや、だから、国からお金が行って、どんどんどんどんどんどん下に事業が外注、再委託を繰り返されて繰り返されて繰り返されていっているのに、一般管理費は何で最初の法人と電通しか調べなかったんですか。

#155
○国務大臣(梶山弘志君) あくまでも中間検査で、これ結論を出すということではありません。この方向性でいいのかどうなのかということを確認をする検査であります。そして、更にそれを最終検査につなげるということでありますけれども、今回の検査においては、契約金額一億以上の再委託先と外注先を対象としているということであります。ですから、最終的には全ての、六十三者全ての詳細について査定をして、確定金額を出すということであります。

#156
○蓮舫君 極めて骨抜きになっているのが非常に残念です。やっぱりこれ、大臣、厳しくチェックしてください。
 いいですか。中間検査では実はその不透明さを調査するという権限はないんで、それはまた違う視点で検査をしないと同じことが繰り返される。なぜならば、一般社団法人を利用した税金の中抜き疑いはほかの省庁でもあるんです。これ、二〇一五年以降、国の補助金、委託事業、総額一・三兆円、六年間で一・三兆円の補助金事業を一般社団法人を通じて実施をしている。一般社団法人は事務委託費として千五百八十三億円をいただいている。その九割の千四百八十一億円が、千四百十五億円が電通にほぼ再委託されているんですね。ここから先のお金の流れをきっちりチェックしないと税金の適切さは確認できないんですよ。
 総理、今の中間検査だとやっぱりこういう構造をチェックする仕組みが不十分なんです。きちんと総理の下でチームを立ち上げてチェックしていただけませんか。

#157
○委員長(山本順三君) それでは、まず最初に梶山経済産業大臣。

#158
○国務大臣(梶山弘志君) さきの通常国会でいろんな議論がありました。そして、いろんな御懸念もいただきました。そういったことも含めて、中間検査、そして調達等全ての契約についても見直す調達等の在り方に関する検討会というものを今つくっておりまして、継続中であります。この中間検査の結果もここでまた更に検討してもらいまして、改めて経済産業省の契約について全面的な見直し、そしてチェックをするつもりであります。

#159
○内閣総理大臣(菅義偉君) 適切なこの予算執行が行われるように各省においてしっかり対応していきたい、このように思います。

#160
○蓮舫君 何でそんな熱意がないんですか。
 いいですか。千五百八十三億円もの予算の九六%が一者に再委託されている。日本学術会議十億の百六十年分ですよ。こっちを調べる方がよっぽど国民の税金を、国民のために働く仕事じゃないですか。もっと熱意持ってくださいよ。

#161
○内閣総理大臣(菅義偉君) 両方大事だと思います。

#162
○蓮舫君 そこは私たちと考え方が全く違います。
 私は、学術会議問題、組織に問題があるならやってもいいかもしれない。でも、私たちが問題視しているのは任命の拒否の問題なんです。法律違反の問題なんです。そっちが十億円で税金だと言うんだったら、よっぽど二千億の税金の方が私たちは大事だと考えています。考え方、明確に違います。
 実は、国会が余りにも開かれなかったので相当時間を取って調査をしました。
 環境共創イニシアチブ、SIIという一般社団法人があるんですが、これ、設立以来、経産省の事業をずっと委託を受けている。どんな法人ですか。

#163
○国務大臣(梶山弘志君) 一般社団法人環境共創イニシアチブは、環境・エネルギー制約などから生じる課題の解決に向けて、技術革新と市場創出を主導とすることを目的として、電通、凸版印刷、みずほ銀行などの企業が発起者となり、二〇一一年の二月に設立されたものと承知をしております。二〇二〇年一月時点で、常勤職員百六十名の事務局体制を構築し、補助事業の中核となる審査業務や補助額の確定業務などを行っております。

#164
○蓮舫君 資料が残っている二〇一五年から徹底的に調べました。
 国からの税金の流れ、二〇一五年から六年間で国とSIIの契約は五十九件あります。契約額は何と総額五千七十八億円。執行率が極端に低い事業があって、決算額は今執行している事業を除いても総額約四千三百二十億円あるんです。毎年七百二十億円が国からこの社団法人に流れている。補助事業者へ補助金が交付、五十九件のうち競争入札は僅か五件、ほぼSIIの一者応札。
 経産大臣、これらの事業は全部適切に行われているとチェックしていますか。

#165
○国務大臣(梶山弘志君) 今委員がおっしゃった数値はそのとおりであります。その上で、この一者応札の件につきましても、今後、公募の在り方等についてどうするかということも含めて、この事例も含めて考えていきたいと思っております。(発言する者あり)これまではチェックをしておりません。私ですよ、私がということは。確定検査はしております。確定検査をして、更にまた会計検査の対象になるということでありまして、今改めてこれについての再チェックというものは現時点ではしておりません。

#166
○蓮舫君 これも全く同じ構造なんですよ。事務局を通じて個別事業者への補助総額は三千九百十九億円なんですけれども、SIIの事務費はその一割の三百九十七億円を手にする。そこから七割を超える二百八十七億円が電通、あっ、九割ですね、電通に再委託。で、電通からまた子会社、孫会社、どんどんどんどん外注が繰り返されている。
 総理、この構図はやはり改革しないといけないと私は問題認識を持っていますが、いかがですか。

#167
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今委員からいろんな発言がありました。そういう中であればそこは明確にすべきだろうというふうに思います。

#168
○蓮舫君 例えば、二〇一八年度、災害時に再生可能エネルギーを稼働させる蓄電池補助金、どんな事業でした。

#169
○国務大臣(梶山弘志君) 今御指摘の事業は、平成三十年度の北海道胆振東部地震の際に発生しました大規模停電が生じたことを踏まえまして、電力インフラのレジリエンスを強化する観点から、有用性の確認された再エネ設備への蓄電池の導入、災害時にも自立的に電源を活用できる地域の電力供給網、地域のマイクログリッドの構築について支援するものとしたものであります。

#170
○蓮舫君 事業はいい事業なんです。これ、事業費四十四億円。ところが、SIIの事務費は一・四億円で、電通にはそこから一億円で丸投げされているんです。補助金百万円配付するのに必要な事務費は二十八万円、百万配るのに二十八万円のコストが掛かっている。ほかにも、二〇一七年度産業データ共有促進事業費補助金、これも電通に再委託している同じ構造なんですが、これ百万円配るのに二十万円の事務経費。
 十万、二十万、そういう数字が余りにもある。経費、高過ぎませんか。

#171
○国務大臣(梶山弘志君) 応募の数が低かったということで、その固定経費につきましては、数によって下がってくるものもあるわけなんですけれども、この全国七か所での説明会、分かりやすいパンフレット、ホームページの作成など、様々な手法で周知を図りました。
 蓄電池の設置事業については、事業所負担もある中、最終的に説明会には出てきたものの導入決断までに至らなかったということでありまして、その件数が少なかったことが一件当たりの費用の上がった要因であります。

#172
○蓮舫君 五十九件全部調べるとそれぞれ違う要因も出てくるので、余りにもコスト高な構造というのはチェックしないといけないと私は思っているんです。
 ここでちょっと視点を変えますけれども、総務省、マイナポイント事業って何ですか。

#173
○国務大臣(武田良太君) マイナンバーカードの普及促進を図る事業です。

#174
○蓮舫君 どういう内容ですか。

#175
○国務大臣(武田良太君) 二万円のお買物をしていただくごとに五千円の最大限ポイントが付くという事業です。

#176
○蓮舫君 令和元年度補正で二十一億、今年度予算で二千四百七十八億。私たちは、三月の予算委員会で、菅官房長官当時が座っているときにも、当時はコロナ感染症が最優先、医療従事者あるいは実際に困っている事業主のために、コロナ前に起案されたこの二千五百億の事業じゃなくて、このお金をコロナ対策に組み替えるべきだと何度も提案したが、安倍総理も菅官房長官も当時はそれを頑として譲りませんでした。
 結果、感染症対策よりこのマイナポイント事業を優先させた成果は出ているとお考えですか。

#177
○国務大臣(武田良太君) マーケットリサーチによれば、マイナポイント事業というのは約九割の国民の皆さんに認知をされてきていると承知をしております。今から様々な広報活動や事業を通じて更にマイナンバーカードの普及が広まると思っておりますけれども、十分に今後につながる事業であると認識しております。

#178
○蓮舫君 総理、今のを聞いて成果があると胸を張れますか。

#179
○内閣総理大臣(菅義偉君) マイナンバーカードそのものというのは、当初たしか一二、三%だったと思いますけど、今約二〇%を超えてきているという報告を受けています。

#180
○蓮舫君 もうちょっと熱意ある答弁しませんかね。
 九割が認知って成果じゃないんですよ。マイナンバーカードを持って、マイナポイント、予約した人は二万円の買物をすると五千円のポイントキャッシュバック。ポイント対象がこれ四千万人なんですが、マイナポイントの申込件数、何万ですか。

#181
○国務大臣(武田良太君) 現時点で八百三十六万人であります。

#182
○蓮舫君 カードを持つ人の三人に一人しか使っていないんですね。しかも、ポイントが始まる前月から比べたら、カード交付は僅か三百三万枚しか増えていないんですよ。しかも、既に認知九割と言いましたが、認知九割するために広報費もう四十二億円使っている。
 これ、本来だったら七月の末で三千万から四千万枚行かなきゃいけないんですけど、十一月の直前で二千七百六十七万枚。これ、成果出ていると胸を張れるんですか、総務大臣。

#183
○国務大臣(武田良太君) 胸を張れるか張れないかは別として、やはり今我々が積極的に取り組んでいかなきゃならないのは、このマイナンバーカードを持つことによってどういうメリットがあるのかという理解が深まっていない、なお、さらに、このコロナ禍において数々地方でのこの普及活動のイベント事業等も開催することができない、いろいろな要因が重なって今の数字になっております。今、役所を挙げて、この普及活動に全力を挙げて取り組んでおります。

#184
○蓮舫君 いや、税金使う事業なんだから胸張ってくださいよ。それを別にしたら困るんですよ。
 既にマイナンバー制度関係支出は八千九百億、まあもう一兆円近く使っているんですよね。一枚のカード発行するのに、総理、三万円掛かっているんです。物すごい高コストですよ。今後、医療費も、医療保険証も運転免許証も一体化していくというんですけど、一体幾ら掛けるつもりですか。

#185
○国務大臣(平井卓也君) このマイナンバーカードの話なんですけど、マイナンバーカードに幾ら掛かるかという話ではなくて、地方自治体の実は改修費とか、そういうのが物すごく多いんですね。ですから、全体としてデジタル社会を安全にどうやって進めていくかという意味で、このマイナンバーカードのコスト、ですからトータルのコストと一枚幾らという話とは少し違うのではないかと思いました。

#186
○蓮舫君 いや、結果として今コストがそれぐらいになっているんです。これから整理していってこのコストを圧縮していくという方針は私は賛成ですよ。
 昨日、総理はマイナンバーカードをお持ちだとおっしゃいましたけれども、最近何に使いました。

#187
○内閣総理大臣(菅義偉君) 最近は使っていません。

#188
○蓮舫君 そこなんですよね。メリットを感じないんですよ。個人情報も不安なんです。だから国民は実はカードを欲していないんじゃないか。率直な理由だと思うんです。
 総理の行政のデジタル化の方針、基本的には賛成です。平井大臣がおっしゃっているように、しっかりそれを、二重、三重になっている、重複しているものを統一していって、コストを下げていって利便性を高めていくというのも賛成です。そのときに初めて、これに使える、あれに使える、個人情報は大丈夫ですということがあって初めて私はマイナンバーカードの普及策をやるべきだと思っているんです。ここだけ先行したって全然進まない。お金だけどんどん湯水のように出ていく。
 総理、コロナ前に起案されたもう企画だし、デジタル庁つくると言っているんだから、一旦この使われていないお金は国庫に戻して感染症対策に使うべきだと私はまだ考えていますが、いかがでしょうか。

#189
○国務大臣(武田良太君) 蓮舫先生から言わせれば胸を張れるものじゃないとおっしゃるかもしれませんが、昨年四月、一日約一万件だった……(発言する者あり)僕、僕、ああそう、まあいい。昨年四月は一日約一万件であったのが昨年九月以降増加に転じまして、本年十月には一日約七万件という大幅な伸びが……(発言する者あり)いやいや、本当、本当。これにより、十月の月間の交付件数は過去最高となる約百七十二万件という伸びを示しておりますので、御理解いただきたいと思います。

#190
○蓮舫君 ここで、トンネル法人の問題に戻ります。
 マイナポイントの事務事業はどこが受託しました。

#191
○国務大臣(武田良太君) SIIです。

#192
○蓮舫君 ここでまたSIIが出てくるんです。公募への問合せは十三者あったけれども、結果として手を挙げたのはSIIのみ。競争が働いていません。
 梶山大臣、SIIは環境エネルギーの諸課題解決、技術革新と市場創出を目的とさっきおっしゃっていましたが、これ、マイナンバーカードと何か関連していますか。

#193
○国務大臣(梶山弘志君) 私どもの方、予算の関連で申し上げたわけでありまして、他省のことは私は存じ上げません。

#194
○蓮舫君 じゃ、総務大臣。これまでの実績は全部経産省で環境なんですよ。何でマイナポイント事業費なんですか。

#195
○国務大臣(武田良太君) 過去においてポイント付与事業の経験があったということであります。

#196
○蓮舫君 二千五百億の事業の事務費は三百五十億です。SIIを一度通して九八%が再委託、事業に必要な決済事業者への百億と、それとマイキーID設定委託費九十三億は、これは直接事業者に行くんですが、それ以外の事務作業百四十億は丸々電通に再委託されています。そこからトランスコスモスに再々々委託、大日本印刷に再々々委託。持続化給付金と全く同じ構造がマイナポイントでも繰り広げられております。
 これは、総務大臣、偶然だとお考えですか。

#197
○国務大臣(武田良太君) 偶然かどうかはちょっと分かりかねますが、全体設計をして様々な役割分担の統括的業務を行っているというふうにお聞きをいたしております。

#198
○蓮舫君 総理、持続化給付金事業で実体の是非が問われた一般社団法人サービスデザイン推進協議会もこのSIIも設立時の代表理事は実は同じ人物です。理事も同じく、トランスコスモスの同じ人物、監事も同じ銀行の人物、サ推協の理事の電通とパソナはSIIの会員企業です。両法人とも法人を経由して、理事、監事、企業、会員企業に業務がほぼ丸ごと再委託、再々委託という流れがあるんです。
 この構造、私は物すごい問題認識を持っていますが、率直にいかがですか、今の質問を聞いていて。

#199
○国務大臣(武田良太君) 一般社団法人ということで様々な会社によって構成される一つの組織であるように承知しておりますし、この業務全般を担うに当たってそれぞれの役割分担が明確に示されるということでこれを受託したんではないかと、このように考えています。

#200
○蓮舫君 総理、十億円の税金の支出も大変重く思う方でおられますから、直接電通に委託すればいいじゃないですか。

#201
○内閣総理大臣(菅義偉君) 経済産業省、まあ総務省で今行っているわけでありますけれども、今後しっかりこれ確認していきたいというふうに思います。

#202
○蓮舫君 経産大臣の認識を伺いたいんですけれども、そもそも電通さんは、平成二十七年、これ省エネ住宅ポイント事業八百三十七億円の事業とか、それ以外も直接受けているんですよ。それが何で一般社団法人を通すようになったとお考えでしょうか。

#203
○国務大臣(梶山弘志君) どのような事業体制を念頭に置いて給付金事業の事務局を応募するかは、一義的には事業者で、事業者において判断をされることだと思っております。
 先ほど申しましたように、二〇一一年の二月にこの法人ができておりまして、それまでの補助金を特殊法人、あっ、独法等でやっていたものに関して、その仕事を受ける方での考え方であると思っております。

#204
○蓮舫君 小泉政権下で小さな政府が提唱されて、官から民へと言われて、公益法人もその対象になったんです。一般社団法人は二〇〇六年にできました。公益面での要件を厳しく見ていた許認可制度を見直して、たった二人で法人登記の登録を認めるようにしたんです。で、一般社団法人、公益性を求められず、所管官庁の許可もなくなった、所管官庁もなくなっているんです。非営利だと税制優遇されて、情報公開の義務はないんです。
 SIIの場合には、一口五万円の会費を払えば会員企業になれるんです。会員企業になった、法人を立ち上げた人たちが、ここに国から毎年七百二十億円来る事業をほぼ丸々、数億、数十億、数百億で事業を受託するという、こういう構図になっているんですよね。官から民の構造改革がいつの間にか一般社団法人を迂回した既得権益になっているんです。
 この既得権益こそ先に私は見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

#205
○内閣総理大臣(菅義偉君) 見直すべきものはやはり見直すべきだというふうに思います。

#206
○蓮舫君 どうやってですか。

#207
○内閣総理大臣(菅義偉君) それは、それぞれの省庁でしっかり責任を持ってやってもらうというのも大事だと思いますし、私、先ほども申し上げましたけれども、しっかり確認をしていくことが大事だというふうに思います。

#208
○蓮舫君 いや、確認していても抜けているから、今日指摘しているんじゃないですか。それぞれの省庁でやっていただく、縦割りを打破すると言ったんじゃないですか。もう一回答えてください。

#209
○内閣総理大臣(菅義偉君) 必要なことはしっかり確認しますよ、これから。今いろんな御指摘を受けましたんで、そうしたことも踏まえてしっかり確認をしていきたい、こう思います。

#210
○蓮舫君 一般社団法人は利益を分配することはできないんですけれども、その利益を人件費とか自分たちの活動には使えるんです。つまり、安定的にお金が来たら人件費と活動がいつまでもできる。で、その必要な部分を除いて丸投げをする。そうすると、直接受注をしていない企業は情報公開からも逃れられるし、会計検査院の検査からも目を背けることができるんですね。つまり、お互いウイン・ウインなんですよ。
 だから、こういう不透明な仕組みができて、国が一・三兆の事業費の支出、千五百八十三億円も事務費が行って、その九割が電通を通じて再委託の構造があるから、この既得権益を改革するために何をするか、教えてください。

#211
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど申し上げましたように、中間検査をやって、経産省の場合は調達等の在り方に関する検討会というものを開いております。これは各省庁ごとに契約の内容というのは大分違いまして、公共事業とまた経産省の契約では違うと思いますけれども、また、他省の参考例を見ながらどうしていくかということを考えておりますのと、これは契約先を経由してしか調べられなかったものを、全ての委託先、外注先に直接調査を入れるようにするような形で我々は検討しております。

#212
○蓮舫君 総理はどんな指示を出します。

#213
○内閣総理大臣(菅義偉君) ですから、まずは御指摘をいただいたことを踏まえてしっかり確認した上でそれぞれ対応する必要があるというふうに思います。

#214
○蓮舫君 極めて熱意が感じられないんですが。
 私は、もうとにかくこの特殊法人とか特別会計とか、天下りのいる公益法人に金が流れる、使えなかったお金が基金でたまり金になる、こういうの本当におかしいと洗ってきたんですが、今度やっぱり一般社団法人の問題はしっかり洗わなきゃいけないと思っています。
 委員長に求めます。国会法百五条に基づき、一般社団法人から電通等民間企業への税金の流れが適切かどうかを、参議院予算委員会として会計検査院に調査を求めてください。

#215
○委員長(山本順三君) ただいまの件につきましては、後日、後刻理事会において協議をいたします。

#216
○蓮舫君 感染症対策についてお伺いします。
 野党がこれ必要性を随分訴えて、ようやく政府も重い腰を上げていただけた家賃支援なんですが、二兆円の予算に対してまだ二割にも執行額が到達していない。これ、何でこんな遅いんでしょうか。

#217
○国務大臣(梶山弘志君) 現在、家賃支援給付金については、十一月四日時点で六十六万件の申請をいただいておりまして、申請件数の約七割に当たる四十六万件、約四千億円が給付済みとなっております。
 賃貸契約の契約書というのは、個々それぞれに違うものもあります。また、一件で何軒か借りていることもあります。そういったものの契約書の確認と、あとは貸主側の確認というものも入っておりますので、少し時間が掛かっていますけれども、最善を尽くして審査体制を増加したりしているところであります。

#218
○蓮舫君 いや、最善は尽くしておられると思うんですけれども、このそもそも家賃支援の目的は何でしたか。

#219
○国務大臣(梶山弘志君) 当初、持続化給付金の中で家賃も含めた固定経費というものを見ようということでしたけれども、この感染拡大が長期化する中で、家賃、テナントとして店を持ったり、また複数の店舗を持っている人たちの家賃負担というのが大変大きくなるという中でこの支援が始まったと承知しております。

#220
○蓮舫君 緊急事態宣言からもう半年たちました。もうとにかく家賃負担だけで立っていられない、もう本当に廃業していった方々もおられて、この年末年始どうするんだという声が本当に悲鳴になっています。
 申請者の最大の懸念は、審査内容や進捗状況が全く分からないことなんですよ。いつ下りるのか、幾らもらえるのか、書類は不備だったのか、通ったのか、全く分からない。ネット申請で音沙汰がないまま過ぎて、その間頑張ったんだけれども、結果として書類が不備だというメールが届くだけ。愕然としますよ。やる気もそがれますよ。ここの部分、改善しませんか。

#221
○国務大臣(梶山弘志君) 持続化給付金の際は、マイページ、またメール等でお知らせをしておりましたけど、今回はコールセンターで全てのお問合せを受けられるような形にしております。
 そして、コールセンターの人員も今増やしているところでありまして、コールセンターで受付ナンバー等を言っていただければ、またアカウントを言っていただければ、来たものに関してお答えをするというような形になっております。

#222
○蓮舫君 遅過ぎるということだけは苦言を呈させてください。本当に立っていられない方たちがいっぱいおられるので、ここは努力をしていただきたい。
 総理はよく、自助、まずは自分で頑張ってみろとおっしゃるんですけど、もう頑張れない人たちなんですよ。制度設計と予算もあるんですよ。ここは公助を堂々と使っていただきたいと言ってもらえませんか。

#223
○内閣総理大臣(菅義偉君) できるだけ早くお届けするというのは、ある意味でこれ当然のことだというふうに思っていますので、そこはしっかり拍車を掛けてやってほしいと、こう思います。

#224
○蓮舫君 何か人ごとですね。
 全ての女性が輝く社会って何ですか。

#225
○内閣総理大臣(菅義偉君) 全ての女性が自らの希望に応じて、あらゆる分野において能力を十分発揮できる社会であるということであります。
 このため、政策方針決定過程への女性の参画拡大、男女が共に仕事と子育てなどを両立できる環境整備、女性に対するあらゆる暴力の根絶などの取組を強力に推し進める必要があるというふうに思います。
 引き続き、女性活躍の旗を高く掲げ、強力に取組を進めるために、第五次男女共同参画基本計画を年末までに策定し、令和の時代にふさわしい男女共同参画社会をつくっていきたいと思います。

#226
○蓮舫君 官房長官を務めてこられるときから進めてきた輝く女性、成果は出ていますか。

#227
○内閣総理大臣(菅義偉君) そこは出てきていると思っています。

#228
○蓮舫君 日本のジェンダー指数は、二〇一〇年九十四位だったものが、二〇一九年に百五十三か国中百二十一位まで下がった。これが成果ですか。

#229
○内閣総理大臣(菅義偉君) 安倍内閣の七年八か月の間に女性の雇用は大きく、多く、大きく増えたんじゃないでしょうか。女性の人が働く場をつくることができたというふうに思っています。

#230
○蓮舫君 いいですか、大半が非正規です。その人たちがコロナで今仕事を失っているんです。シングルマザーは一日一食食べられないと言っているんですよ。それを誇らないでいただけませんか。

#231
○内閣総理大臣(菅義偉君) いや、官房長官のときの成果ということでありましたので、やはり働くことのできる環境をつくるというのは一つの大きな成果じゃないかなということを私申し上げました。
 今そうした方がこのコロナで大変な思いをしている、そうした方に対応していくというのはある意味で当然のことだと思います。

#232
○蓮舫君 当然のことができていないから聞いているんです。
 ジェンダー指数が下がった理由は何だとお考えですか。

#233
○国務大臣(橋本聖子君) お答え申し上げます。
 世界経済フォーラムが公表した二〇一九年ジェンダーギャップ指数、GGI、百五十三か国中百二十一位であったということでありますけれども、これは、この要因というのは、経済分野、そして政治分野の順位が低くなっているということが要因であるというふうに承知をしております。

#234
○蓮舫君 改善する最大の早道は政治分野に女性を大量に登用することだと思うんですが、その認識は総理もお持ちですか。

#235
○内閣総理大臣(菅義偉君) そこは持っております。

#236
○蓮舫君 ただ、その自民党の女性議員が、性被害、性暴力の検討の部門会議で、女性は幾らでもうそをつけますからと言いました。その後、言っていないと更にうそを言った。言っていないと言ったのを、今度はブログで、会見もしないで、自分の発言を確認したらそういうのがあった、さきのブログの記録を訂正します、女性のみがうそをつくかのような印象を与え、御不快な思いをさせてしまった方にはおわびを申し上げる。
 よく見てください。全く訂正も謝罪もしていません。この発言、どう思われました。

#237
○内閣総理大臣(菅義偉君) 性犯罪、性暴力は加害者の尊厳を著しく傷つける重大な人権侵害であり、決して許されるものではないと思います。
 DVや性犯罪、性暴力の被害者が声を上げることをちゅうちょするようなことがないよう、政府としてはしっかり取り組んでまいりたいというふうに思います。(発言する者あり)

#238
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#239
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今、加害者と申し上げましたが、被害者とここは訂正させてください。
 政府の立場で個別の国会議員の発言についてコメントは差し控えたいというふうに思いますけれども、一般論で申し上げれば、政治家はその発言に責任を持って、有権者から信頼を得られるよう自ら襟を正す必要があるというふうに思います。

#240
○蓮舫君 この発言をした人は、比例単独候補で議席を得ました。自由民主党と書かれたその票で国会議員になっているんです。自由民主党総裁としてどうお考えですか。

#241
○内閣総理大臣(菅義偉君) 国会議員は自らの発言には責任を持って、有権者の信頼に、得られるように襟を正していくべきだと思います。

#242
○蓮舫君 輝く女性って幾ら所信表明で言葉で言われても、足下で自民党の国会議員がこういう暴言を吐いて謝罪もしない。
 もう一つ確認したいんですが、成長戦略会議で、有識者のデービッド・アトキンソンさんには何を期待して委員にされたんですか。

#243
○国務大臣(西村康稔君) 御案内のとおり、成長戦略会議におきましては、成長戦略の具体化、改革の具体化、これを進めていく会議でございます。その観点から、見識のある方としてアトキンソンさん、中小企業政策など様々な分野で提言を出されておられます。そういった面で活発な議論を期待してのメンバーに入っていただいたということであります。

#244
○蓮舫君 総理もアトキンソンは見識があるとお考えですか。

#245
○内閣総理大臣(菅義偉君) アトキンソン氏に限らず、様々な方からお話を伺って政策の参考にしているところであり、成長戦略について、今、西村大臣の言われたとおりの考え方を持っていると思います。

#246
○蓮舫君 二〇一八年に発行したアトキンソンさんの本です。
 国家として優遇するべきは子供を産むこと、夫婦共働きで子供がいなければ課税負担を増やすべき、子供もつくらず家で家事だけやっている、国家としてのメリットが全くない、ある意味において脱税と同じ犯罪行為です。
 同じ認識ですか。

#247
○国務大臣(坂本哲志君) 少子化担当大臣としてお答えいたします。
 結婚やそれから出産はあくまでも個人の自由で、自由な意思決定に基づくものであります。個々人の決定に特定の価値観を押し付けたり、あるいはプレッシャーを与えたりしない、そういう考え方の下で少子化対策を行っているところであります。(発言する者あり)

#248
○内閣総理大臣(菅義偉君) そもそも結婚や出産は個人の選択であり、結婚したくてもできないこともあるとか、子供を産みたくても産めないという結婚や出産に関する障害を一つ一つ取り除いていくのが政府の役割だと思っています。
 今般、所信表明で不妊治療の保険適用について言及しましたが、これもまさに子供を産みたくても産めない方々の気持ちに寄り添ったものであります。
 引き続き、個人の多様な選択を尊重しつつ、当事者の気持ちに寄り添って対応してまいりたいというふうに思います。
 著書の内容については、詳細は承知しておりませんので、コメントは控えたいと思います。

#249
○蓮舫君 産みたいのに産めないと、不妊、不育の人たちの声って本当に重い。最も寄り添っていないじゃないですか。この人にどんな成長戦略を描いてもらうんですか。

#250
○国務大臣(西村康稔君) 今、成長戦略の中で最も大きな課題が中小企業の生産性をどう上げていくかと、この観点から、アトキンソンさんは様々な見識もお持ちでありますが、まさに強い成長する中小企業をつくっていくという観点から活発な御議論をお願いしているところであります。

#251
○蓮舫君 この記述は女性の生産性を上げるというところの主張なんです。
 総理、メンバー見直した方がいいと思います。いかがですか。

#252
○内閣総理大臣(菅義偉君) アトキンソンさんについては、今、西村大臣が申し上げましたように、これからの成長する中で有識者の一人としてお願いをしたということであります。

#253
○蓮舫君 今日の委員会で総理からは熱意は全く感じられないし、日本学術会議はやっぱりめちゃめちゃだし、やらなければいけない行革に対しては、その必要性は感じると言って各省庁がやる。全くやる気が見えないということを最後に強く申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#254
○委員長(山本順三君) 以上で蓮舫さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#255
○委員長(山本順三君) 次に、白眞勲君の質疑を行います。白眞勲君。

#256
○白眞勲君 立憲民主・社民の白眞勲でございます。
 菅総理、御就任おめでとうございます。
 早速ですけど、まず核兵器禁止条約についてお聞きしたいと思います。
 核兵器禁止条約発効に必要な批准国五十か国となりまして、来年、二〇二一年一月二十二日に発効することが決定したとのことなんですが、これ、私、すごく歓迎すべきことだと思うんですね。
 総理としては、日本が署名していないこの条約が発効したことについてどう思われますでしょうか。

#257
○内閣総理大臣(菅義偉君) 我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取組をリードする、そうした使命を有しているというふうに思います。核兵器禁止条約が目指す核廃絶というゴールは共有していると思います。
 一方で、核兵器のない世界を実現するためには核兵器国を巻き込んで核軍縮を進めていくことが不可欠であるというのが、これ、というふうに思います。ただ、現状では、同条約は米国を始めとする核兵器国の支持が得られていないということ、さらに、カナダ、ドイツなど多くの非核兵器国からも支持されていないということです。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中にあって、抑止力の維持、そして強化を含めて、現実の安全保障上の脅威に適切に対処しながら、地道に現実的に核軍縮を前進させる道筋を追求していくということが適切だと思っています。
 こうした我が国の立場に照らし、同条約に署名する考えはなく、また、御指摘のオブザーバー参加については慎重に見極める必要があると考えておりますが、我が国としては、引き続いて立場の異なる国々の橋渡しに努め、核軍縮の進展に向けた国際的な議論に積極的に貢献をしていきたいと思います。

#258
○白眞勲君 総理、いっぱいしゃべってくれたんですけど、私の聞いていないことまで全部答えていただいたような今感じがしているんです。私、オブザーバー参加のことについてはこれから聞こうかと思ったんですけどね。まあ先に聞いて、お話しいただいたんですが。
 今私が聞きたいのは、この発効が、まあこの条約は発効したわけなんですね。発効したことについては、今、ゴールは、向かっているゴールは一緒だ、入る気はないとおっしゃったけど、歓迎すべきことなんじゃないのかなと私は思うんですけれども、それについてはどうですか。

#259
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今申し上げましたけれども、政府としては、この発効したことに対して、政府の立場ではありますけれども、そこはしっかり対応していく必要を考えています。

#260
○白眞勲君 ありがとうございます。対応していくことは重要なんですよ、こういう条約が発効したから。
 私は、テレビの今日見ている方がいらっしゃると、いっぱいいらっしゃるんですけど、核兵器禁止条約入っていないの、えっと思っている人、これ当然入っているものというか、日本が率先して、この条約は入るどころか、私はこういった条約どんどん作らなければならないというふうに私は国民も思っていると思いますよ。NHKの去年の世論調査でも六五%入るべきと答えているんですね。
 日本は当然、唯一の戦争被爆国であるにもかかわらず、政府はなぜこの条約に入ろうとしないのか。もう少し国民に分かりやすく説明いただきたいと思います。

#261
○国務大臣(茂木敏充君) 正確に申し上げますと、今日テレビありますんで、条約は来年発効ということになるわけであります。発効しておりませんが、いずれにしても、核兵器禁止条約が目指す核廃絶というゴール、これは日本として共有しておりますが、今、五十か国です、世界全体の中で。そして、核兵器を持っている国はどの国も入っていません。さらには、カナダ、ドイツ含めNATO諸国もほとんど入っていっていないという中で、じゃ、これが本当に核兵器廃絶にそのままつながっていくんだろうかと、もう少し橋渡しをするような様々な取組というのが必要であろう、これが基本的な日本の立場ということでありまして、そういった中で様々な取組、唯一の戦争被爆国としてしっかりと世界をリードしていきたいと思っています。

#262
○白眞勲君 今、茂木大臣おっしゃったんですけども、このベルギーですね、NATOが本部を置いている場所、米国の核の傘に頼るこの新政府も、核兵器禁止条約を肯定的に評価する異例の政策も発表し始めたんですね。今まで、今、菅総理もおっしゃったので、今まで入っていない国もこの条約が発効することによって少しずつ変化の兆しも出始めているんだ、ここを私たちは考えなきゃいけないと思うんですね。
 私は、今までの日本の取組、否定するつもりは全くございません。一生懸命やっているんでしょう。今回は、条約が発効された以上は、日本はまさに唯一の被爆国として核兵器の悲惨さを訴える立場であるわけですから、日本政府、これら条約批准国の五十か国と、今、茂木大臣言った核兵器保有国との橋渡しをしていくことが必要なんですよ。だから、その橋渡しのためにもう少し、せっかくこうやって五十か国が来ているんだから、やっぱりここは、やっぱり橋渡しのためにもっと積極的に乗り出すつもりは総理としてないでしょうか。

#263
○内閣総理大臣(菅義偉君) 地道に現実的に核軍縮を前に進めていく、そうした道筋を追求していくということが大事だというふうに思います。

#264
○白眞勲君 いや、もちろんそうなんです。地道に現実的にやっていく必要があるけれども、今回こういう契機になったので、より積極的に乗り出す必要はないのかということなんです。別に入れという意味じゃないんです、私が言っているのは。やっぱりより積極的にやるべきだ、それをどう思われますかということなんです。

#265
○内閣総理大臣(菅義偉君) 国際社会が核兵器の悲惨さや被爆の実相に関する正確な認識を持つということは、核軍縮に向けたあらゆる取組のスタートということで重要であると思います。
 こうした観点から、我が国は、唯一の戦争被爆国として、国連総会での核兵器廃絶に向けた決議を毎年提出するなど、被爆の実相の理解向上に向けた国際的な取組を主導してきています。
 こうした取組を粘り強く継続し、核兵器使用の惨禍を国境と世代を超えて伝えていく努力を更に進めていかなきゃならないというふうに思います。

#266
○白眞勲君 今、総理、大切なことを幾つか言ったんですね。正確な認識を持ってもらわなきゃいけないよねということ、それともう一つは、核廃絶決議案、日本では、昨日ですかね、これが国連で採択されましたけれども、残念ながら前回よりも九か国減っているんですよ、これ。だからこそ、こういった条約が発効するに当たってということで、ちょっとパネル一つ見ていただきたいと思うんですけれども、これ、この写真御覧ください。(資料提示)
 これは、今年の八月にレバノンのベイルートで多くの死傷者が出た巨大な爆発事故の映像の写真です。レバノンの市長さん、この写真に出ている方が泣きながら説明をしているんですね。この市長さんが爆発が広島、長崎のようだとおっしゃったんですよ。
 でも、私ちょっと衝撃受けたんですけどね、確かに相当この大きな爆発で多くの方がお亡くなりになりましたけど、広島、長崎の核爆弾とはそもそも内容が違いますよ、これ。核兵器のポイントは、規模もさることながら、その後、放射能で多くの人々が苦しめられるということが一番大きなポイントなんですね。
 これはもう日本人だったら誰でも分かるんですけれども、普通の爆弾と違う、核兵器の存在についての総理のお考えをお聞かせください。

#267
○国務大臣(茂木敏充君) 確かに、通常兵器と核兵器、まあ大きな違いがあって、非常に非人道的なものであると考えております。
 そして、実際に体験しないとそれはなかなかお分かりいただけない方もいらっしゃるということで、先ほど総理の方からもありましたように、核兵器の悲惨さであったりとか被爆の実相を正確に国際社会に伝えていくことは重要だと考えておりまして、こういった観点から、我が国、海外の要人であったりとか若者、被爆地訪問であったりとか被爆者の非核特使、ユース非核特使の委嘱を通じて、核兵器の悲惨さ、被爆地の実相を伝える取組、より積極的に取り組んでいきたいと考えております。

#268
○白眞勲君 いや、核兵器の悲惨さについて総理の御認識を聞いています。

#269
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今、外務大臣と同じ認識であります。

#270
○白眞勲君 この写真を見て、世界で私はまだまだこの核兵器の悲惨さがどこまで理解されているか分からないような気がしたんですね。
 もちろん日本人は分かっています。しかし、世界中の人々は、核兵器は単なる威力のある爆弾だと思っているというのが多いのかなと思ったんですけれども、その辺の認識はどうですか。じゃ、総理。

#271
○国務大臣(茂木敏充君) まず、私の方から事実関係。
 単純な大量破壊兵器というか、相当大きな被害が出ます。そして、そのときの一瞬の被害だけではなくて、それが、その、長い間、次の世代まで引きずる、様々な形での問題が起こるという意味で、核兵器、特に深刻なものだと思っております。

#272
○内閣総理大臣(菅義偉君) 広島、長崎の被爆に遭われた方がこの七十年という月日がたつにもかかわらず今日も大変な思いをしている、そうしたことを考えれば、二度と再びこの世界の中でそこは使用されないようにするのが私たちの役割だというふうに思います。

#273
○白眞勲君 ありがとうございます。そうなんですね。
 ですから、ここは私、先ほど申し上げましたとおり、この条約の発効で世界の雰囲気変わり始めた。是非、締約国会議の開催地として広島、長崎で開催したらどうかなと私は提案したいんですね。そうすれば、世界中の多くの関係者が広島、長崎に訪れて、先ほど茂木大臣がおっしゃったように、被爆地訪問、これをやれることができるんですよ。この五十か国の皆さんのみならず、様々な人たちも集まってきます。それが本来の日本の橋渡しの役割だと思いますが、総理のお考えはいかがでしょうか。

#274
○国務大臣(茂木敏充君) そういった御意見もあることは承知をいたしております。そして、長崎、特に広島の皆さんですけど、そういった開催についての御要望があるということも承知をいたしておりますが、こういった国際会議を締約国でないところが開くことが適切なのかと。まずは日本の対応を決めて、今取っているようなアプローチからどういうアプローチにしていくかということを考えるのが先なのかなと思っております。

#275
○白眞勲君 いや、ですから、締約国側ももちろん考えてもらうし、こちらから立候補すればいい話なんです、これは別に。そういうふうに思うんですよ、私は。そういうお考えがあるかどうかを私は総理に聞いているんですけど、総理、いかがですか、それは。

#276
○内閣総理大臣(菅義偉君) やはり、オブザーバー参加とかオブザーバーとして主催をするということは慎重であるべきだというふうに思います。

#277
○白眞勲君 いや、オブザーバー参加じゃなくて、開催地として立候補することだけです。
 オブザーバー参加するしないは今慎重だと言ったんですけれども、これ、本会議の答弁では、相互の関与や対話、共通の基盤の形成に向けた努力を粘り強く促してきており、今後も国際的な議論に積極的に貢献をしていく考えだとおっしゃっているんだから、やっぱりそういった面では、オブザーバー参加とかそういったことも含めて、広島、長崎でおやりになったらどうなのかなと私は思いますよ。いかがですか、それは。検討するべきですよ、これは。

#278
○内閣総理大臣(菅義偉君) そこについては、やはり自らがこの非核化を進める中で、現実的な選択肢を何とか行うという中で橋渡し役をしようとしている立場でありますので、そういう立場の中で、やはりこの広島で主催をすることについてはやはり慎重にすべきだというふうに思います。

#279
○白眞勲君 いや、広島でやるということが、私は分からないですね、橋渡しにならないんですか。橋渡しになるんじゃないんですか、それ。私はそう思いますよ。
 多くの国際NGOの方々が広島、長崎に集いますよ。実際に資料館を訪れていただいて、そして、それらの方々がまた自分の国に戻り、どんどん拡散していただく。国際的な世論の形成にも私は役立つと思いますよ。
 これ、パネル見てください。この条約の前文、これ見ると、「hibakusha」という言葉までローマ字で入っているんですよ、ローマ字で。赤い部分ですね。「hibakusha」、ローマ字で書いてある。こうやって、この条約自体が日本の被爆者を念頭に置いてこの条約できているんですよ。シカトなんかできませんよ、これ。どうですか。

#280
○国務大臣(茂木敏充君) 「hibakusha」という言葉、そのビクティムズの中に認識をされているということは大きいと思っております。
 同時に、先ほど来申し上げておりますように、我が国の様々な立場、これは、我が国を取り巻きます東アジアの安全保障環境、こういったものに現実的に対応していかなきゃならない。こういったものも含めて、核兵器禁止条約に署名をするという考えはなく、オブザーバー参加についても慎重に見極める必要があると思っておりまして、被爆地の実相を知ってもらうと、このことは大切だと思っておりますけど、その一方で、締約国になる今意思がない中でその会議を主催するということについては、私は慎重であるべきだと思います。

#281
○白眞勲君 国交大臣にちょっとお聞きしたいと思います。質問通告していないので申し訳ないんですけれどもね、もしお答えしたくなければ結構ですけれども、もし答えられればということで。
 インバウンド担当として、どうでしょうか、広島、長崎に会議を誘致する、そして多くの海外の皆さんに平和の尊さを実感してもらうということについて御意見がありましたらお話しいただきたいと思います。

#282
○国務大臣(赤羽一嘉君) インバウンド政策として、広島、長崎のみならず我が国の各地においでいただくということは大変歓迎をしますが、その国際会議の開催云々については、私、所管ではございませんので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

#283
○白眞勲君 いや、インバウンド担当というのは、これ、日本政府としては、これ総理もそうですけれども、会議をどんどん日本でやってもらいましょうという部分もインバウンド担当としてはあるんじゃないでしょうか。それ、どうですか。

#284
○国務大臣(赤羽一嘉君) 大型のMICEを導入して国際的な会議ですとかイベントを誘致するということはもちろん観光立国政策の中の大きな柱でございますが、一つ一つの国際会議についてそれを主催国として開催するかどうかというのは、開催するかどうかというのは、それは所管の担当大臣が決定権があるというふうに承知をしております。

#285
○白眞勲君 こういったものについてもどんどん、総理、積極的にやって、みんな、世界中の人たちの、特に核に関心のある人たちがどんどん盛り上げていこうじゃないかということをお手伝いすることが本来の橋渡しの役割であると私は思いますけれども、総理のお考えはいかがでしょうか。

#286
○内閣総理大臣(菅義偉君) やはり、締約国じゃない中ではやはり私は不適切だというふうに思います。
 そういう中で、先ほど来申し上げておりますけれども、地道に現実的にこの核軍縮を推進していくことが我が国にとっては大事だというふうに思います。

#287
○白眞勲君 ともかく、この話、また私もやりますけれども、是非、こうやって不適切だなんという言葉は、言うこと自体、私は不適切だと思いますよ。もう少しやっぱり穏やかな気持ちで、こういう人たちがいらっしゃるならば、やっぱりどんどんどんどん、どういう形で応援をしていくかということについては知恵を絞るべきなんじゃないかなと私は思いますけれども、もう一度、総理、お考えをお聞かせください。

#288
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今申し上げましたけれども、やはり日本は締約国じゃないわけでありますから、そういう中で、そうした核軍縮を前進をする、その様々な適切な役割というのがあるというふうに思いますので、そうしたことについてはしっかり取り組んでいきたいと思います。

#289
○白眞勲君 是非それを足掛かりに、また、世の中どんどん変わっていきますので、しっかりと見極めてもらいたいということを申し上げたいと思います。
 オリンピック・パラリンピックについて大臣にお聞きします。
 組織委員会は去年の説明会で、ロンドンのときのように国家元首級百二十一名、スポーツ大臣二百名、合計三百人超の各国の要人、来日想定しているということですが、これは今も変わりませんか。

#290
○国務大臣(橋本聖子君) お答え申し上げます。
 オリンピック・パラリンピックは国際オリンピック委員会及び国際パラリンピック委員会が主催者でありまして、各国・地域のオリンピック委員会又はパラリンピック委員会がそれぞれ自国、地域の要人を招待するということになっております。今回の大会の開催に当たりましては、外国の要人の来訪というのは想定されておりますけれども、新型コロナウイルスの感染対策調整の会議で議論を今踏まえつつ、今後どのような受入れができるかということになっていくというふうに思います。
 今、ロンドン大会では三百人以上の国家元首あるいは元国家元首級ということでありますけれども、今現在、前回のリオでは三十九名、そしてロンドンでは八十一名、北京では八十四名ということでありますけれども、今後、調整会議におきまして受入れ体制等が議論されていきますので、それを見ながら、IOC、あるいは組織委員会、オリンピック委員会、パラリンピック委員会がどのように御招待をするかということを決めていくということになります。

#291
○白眞勲君 要はコロナがあるからいろいろ考えなきゃいけないこともあるけれども、でも、やっぱり、これ、お気持ち聞きたいんですけれども、やっぱり呼びたいですよね、これはね。どうですか。

#292
○国務大臣(橋本聖子君) 安心、安全を確保した大会であるということは大前提でありますけれども、多くの皆様方にお越しをいただいて東京大会を開催するということは、誰もが希望することであるというふうに思います。

#293
○白眞勲君 総理、このアメリカの大統領の件ですけれども、まだ大統領選挙の結果がはっきりしないような状況なんですけれども、いずれにしましても、どなたかになるわけですけれども、二人のうちのどちらかになるんでしょうけれども、オリンピック、これ招待しなければならないということで思いますけれども、当然日本でも、いわゆる大統領来られたら首脳会談やられるということでよろしいですよね。

#294
○内閣総理大臣(菅義偉君) そのとおりであります。

#295
○白眞勲君 もう一つ聞きたいんですけど、このオリンピック、中国の習近平国家主席も招待するつもりでいらっしゃるのか、次のオリンピックの開催地は北京ですから。これ、どういうふうに思われますか。

#296
○国務大臣(橋本聖子君) その件につきましても、今後のコロナウイルス調整会議の中で議論をしていき、しっかりと受入れ体制ができるかということでありますけれども、あくまでも主催は東京都であり、そしてIOC、組織委員会、オリンピック委員会、そしてパラリンピック委員会が御招待をするかということを決めていくということであるというふうに承知をしております。

#297
○白眞勲君 いや、ですから、総理に、やっぱりこれ、中国の習近平さん、やっぱりオリンピックですから、次のオリンピック、これ安倍総理も何かマリオの格好をしてリオのオリンピックに行っていますよね。やっぱりこれ普通は招待しますよね。どうですか。

#298
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今、橋本大臣申し上げましたように、日本の国の招待というよりも、今言われたように、IOCとかそういう、ということでありましたので、従来、私どももIOCから招待されて総理は出席したと思いますので、そうしたことに含めてこれから検討していくことになるだろうと思います。

#299
○白眞勲君 大臣、橋本大臣にお聞きしますけれども、当然これ日本政府と連携を取ることになりますよね、招待者。

#300
○国務大臣(橋本聖子君) 今後の受入れにつきましては、今、政府がイニシアチブを取らせていただきながらコロナ対策調整会議を行っております。
 これから、感染症対策がどのように行われているかということも含めまして、所管である外務省と連携をしながら、各省庁しっかりと対応ができるようにしていきたいというふうに思っております。

#301
○白眞勲君 つまり、政府と連携を取るということなんですけれども、そうすると、やっぱり習近平さんに対するこちらから日本側としての意思表示というのをしないといけないと思うんですけれども、その辺については総理のお考えはどうでしょうか。

#302
○国務大臣(茂木敏充君) オリンピックに各界、各国の要人を呼ぶことにつきましては、東京都、そして組織委員会を中心にしながら、またオリンピック担当大臣等々で調整をすることになると思いますが、習近平国家主席の国賓来日につきましては、今、日程調整をする、そういう段階にはないわけであります。

#303
○白眞勲君 茂木さん、ちゃんと手を挙げて話してくれるんだったらば、僕、国賓なんという話は聞いていません、オリンピックについて招待するかどうかを聞いているんだから、それは適切に答えていただきたいと思うんですね。
 もう一回、総理に聞きます。オリンピックに習近平さんを招待するおつもりはありますか。

#304
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほど申し上げましたけれども、日本の国家として決めるということよりも、IOCとかやはりそういう組織委員会とか、そういう中で相談があるんだろうというふうに思います。

#305
○白眞勲君 いや、だって、アメリカについては、もう大統領、アメリカの大統領とは日本でやるんだというふうにおっしゃっているじゃないですか。習近平さんだってやったっていいじゃないですか。どうですか、これは。

#306
○国務大臣(橋本聖子君) オリンピック・パラリンピックはIOCが主催であり、そして東京大会におきましては東京都が主催都市であります。その中で、IOC、そして国際パラリンピック委員会、国際オリンピック委員会、そして東京大会における組織委員会が連携をして、これから各国首脳を御招待をするかということが決められていくということになります。

#307
○内閣総理大臣(菅義偉君) ですから、政府として招待者を決めるという立場には今ないということです。

#308
○白眞勲君 いや、アメリカについては、だってもう招待するつもりでおっしゃっていたじゃないですか。だから、それについてどうなんだと聞いているんです、私。
 何でそんなに、中国だとそんなに何かああでもないこうでもないと言わなきゃいけないのか、それが分からないです、私は。当然、これは次のオリンピックの開催地であるわけですから、これは招待するのが当たり前だと思いますよ。それを余り慎重にすると、それもまたある意味変な発信の仕方になっちゃうんじゃないでしょうか。

#309
○国務大臣(橋本聖子君) 繰り返しになりますけれども、日本政府として要人を招待するということの主体ではないということであります。国際パラリンピック、国際オリンピック委員会、そして組織委員会である東京大会組織委員会と東京都、ここが招待をどのようにしていくかということが今後決められていくということになります。

#310
○白眞勲君 いや、だから、相談して決めるってさっきおっしゃったじゃないですか。
 何でここで何かずっこけなきゃいけないんだろうなと思うんだけど。いや、招待しますよでいい話なんですよ、これは。相手が来るかどうかはまた別ですよ、これは。だけど、招待するかどうかについて、そこまで何でこうかたくなになるのか私にはさっぱり分かりませんけれども、何でですか、逆に。

#311
○内閣総理大臣(菅義偉君) 政府として招待をする権限を今持っていないからということです。

#312
○白眞勲君 今、アメリカの大統領については来られたら会談をすると。当然、習近平さんについても、来られたら、じゃ会談をする、それでよろしいですね。

#313
○内閣総理大臣(菅義偉君) もちろんそのとおりであります。

#314
○白眞勲君 台湾の蔡英文総統はどうされますか。

#315
○国務大臣(橋本聖子君) 済みません。
 今までのオリンピック・パラリンピック大会でのこともお話をさせていただきたいわけですけれども、あくまでも招待というのは、政府ではなく、その国の開催における都市、そして組織委員会が招待をされております。そして、招待をされた後に、その競技を開催される国、都市においてそれぞれの国家元首が会談をしているということは今までありました。(発言する者あり)

#316
○委員長(山本順三君) もう一度答弁。菅内閣総理大臣。(発言する者あり)
 それでは、まず最初に茂木外務大臣。

#317
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほどから申し上げているように、主催をしておりますその東京都なり、また組織委員会において、様々な各国の代表であったりとか各地域の代表、国際機関の代表を、そういう方はお選びになるんだろうと思っております。国に限らず、各地域であったりとか国際機関の代表の方をお呼びになるということはあると思っております。

#318
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今議員から御質問のありました点ですけれども、仮定になりますので、政府の立場で答えることはこれは控えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)

#319
○委員長(山本順三君) 白眞勲君。白眞勲君、もう一度、じゃ質問してください。(発言する者あり)
 それでは、菅内閣総理大臣。

#320
○内閣総理大臣(菅義偉君) アメリカの話の際は、来られたらそこは会談をさせてもらうというのは、これ当然のことだというふうに思います。
 で、日中という中で、習近平国家主席も、来られた場合はそれは会談はというふうに思います。
 それで、蔡英文さんにつきましては、ここは仮定の話でありますので、そこは控えさせていただきたいということであります。

#321
○白眞勲君 いやいや、みんな仮定で私聞いているんですよ。アメリカ、中国は仮定でも答えて、台湾の場合は仮定だから答えられないと、これ、ちぐはぐですよ。
 総理、もう一回答えてください。

#322
○国務大臣(茂木敏充君) 恐らく、過去の例からしますと、中国の国家主席、来日をされるときは、前回が二〇〇八年だったと思います。その前が一九九八年だと思います。国家主席が国賓として来日をされております。それ以外に、それ以外の形での来日というのはなかったと考えておりまして、そういった意味において、国として今、国賓訪日については検討する段階にないと、こういうお話を申し上げているところであります。
 同時に、台湾との間では、経済的な関係、また人的な交流を持つ極めて重要なパートナーだと考えているところでありまして、そこの中でどういった対話を持つかということについてはよく検討する必要があると思っております。

#323
○白眞勲君 国賓の話はしていませんよ、私。オリンピックだけですから。オリンピックについて国賓で呼ぶ人はいるんですか、逆に。茂木さん。

#324
○委員長(山本順三君) もう一回質問してください。

#325
○白眞勲君 茂木さん、私、国賓なんて話全然していないです、私の口から。何で国賓、国賓って言っているんですか。私は、オリンピックのときに、じゃ、国賓の人いるんですか。

#326
○国務大臣(茂木敏充君) よくお聞きいただきたいと思うんですけれど、呼ぶ主体というのは国ではないということを申し上げております。そして、白委員の方が国として呼ぶ場合というお話をされたので、中国の過去のケースについては、日本として中国の国家主席を招く場合はこういうケースを取っておりますという事実関係を申し上げております。

#327
○白眞勲君 そう頭こないでください。私が聞いていることは、オリンピックについて聞いているので。
 岸防衛大臣、ちょっとこれも申し訳ない、別に質問通告、岸防衛大臣、これ台湾との交流に非常に岸防衛大臣熱心ですけど、今の意見聞いていて、もし何か言いたいことあったらちょっと言ってみてください。

#328
○国務大臣(岸信夫君) 御指名いただきましてありがとうございます。
 ただ、私、防衛大臣でございまして、これ所掌と全く異なることですので、防衛大臣としての発言は控えさせていただきたいと思います。

#329
○白眞勲君 大臣、でもね、東京オリンピック大会推進本部には防衛大臣入っているんですよ。全然所掌じゃないんじゃなくて、所掌なんですよ、ある意味。だから私聞いているんですよ。
 岸防衛大臣、もう一回言ってください。所掌じゃありませんよ、これ。あっ、所掌ですよ。

#330
○国務大臣(岸信夫君) まあ所掌、所掌か所掌じゃないかということでございますけれども、いずれにしましても、台湾の場合は政府として判断をされるということになるんだと思います。(発言する者あり)いや、総理を含めて判断をされるということだと思います。
 あくまで日本と台湾という関係で申し上げるならば、一九七二年の日中共同声明を踏まえて、台湾との関係というのは実務的な関係であると、こういうふうに理解をしておるところでございます。その範囲内での判断ということになると思います。

#331
○白眞勲君 ちょっと拉致問題についてお聞きします。
 北朝鮮が拉致の再調査をすることで合意したストックホルム合意については今も有効だということでよろしゅうございますか。

#332
○国務大臣(茂木敏充君) 有効だということで結構です。

#333
○白眞勲君 昨日、衆議院でも外務大臣、ストックホルム合意についてはるる御説明されていましたが、もう一度、ちょっとこのストックホルム合意について今のお考えをお聞かせください。

#334
○国務大臣(茂木敏充君) ストックホルム合意、二〇一四年の五月にストックホルムで合意されたものでありますが、それまで拉致問題は解決済みとしてきた北朝鮮との間で、固く閉ざされていた交渉の窓を開いて、北朝鮮に対して拉致被害者を始めとする日本人に関する全ての問題を解決する意思を表明させた点で意義があると考えております。
 有効だと考えておりまして、ところが、ストックホルム合意以降、北朝鮮の特別調査委員会による調査について北朝鮮から調査結果の報告はなく、報告書も提出されていないと。こういう現状については極めて遺憾だと思っております。

#335
○白眞勲君 それだけ重要であるならば、これ、外務大臣の外交演説で、二〇一八年から、春から全然言及しなくなっちゃったんですよ。何でですか。それ以降、総理演説ももちろんですよ、これ言及されないんです、拉致問題について、ストックホルム合意について。なぜですか。

#336
○国務大臣(茂木敏充君) 個別の例えば外交演説の中のあのスペースの中で拉致問題については強く言及をし、さらには、今、条件を付けずに金正恩委員長とも直接向き合うと、こういう強い表現といいますか、明確な意思も示しているところであります。
 国際社会におきましても、拉致問題早期解決についての理解、間違いなく深まっていると思います。言及、言及にかかわらず、ストックホルム合意に従ってこの問題の解決、努めていきたいと思っております。

#337
○白眞勲君 だったら、ストックホルム合意をちゃんと言うべきですよ、これは。政府としてのこの所信表明のところで言わなくなっちゃったということに対しては間違ったメッセージを北朝鮮に与える可能性があると私は思うんですね。
 何かすごくちぐはぐなんですね。これ、本当に多いんです、そういうの。国連人権状況決議では、日本は二〇一八年まではEUと共同提出をしている。二〇一九年は逆に提出もしていない、今度は。あっ、提案もしていない。で、今度は決議案に後から乗ったとか、もう何かちぐはぐなんですね。これ、首尾一貫していないとこれ外交上良くないと思いますけれども、総理、いかがですか。これ総理に聞きたい。

#338
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私も拉致担当大臣も就任していました。一日も早く拉致被害者全員の帰国実現に向けて何が最も必要であるか、そうしたことを考えながら対応してきておりますので、その今委員から御指摘がありました表の部分の対応が変わるということもなかなか御説明させていただくことが、控えさせてもらいますけれども、そうした事情事情の中で判断をしているということを御理解をいただければと思います。

#339
○白眞勲君 事情事情だからこそ、こういったところは首尾一貫したメッセージが私は必要だというふうに思っておりますが。
 実際、拉致問題特別委員会、国会に設置されていますけれども、最後に行ったのは二〇一九年五月二十九日です。政府・与党は憲法審査会開かないと言っていつも我々野党を攻撃していますけれども、拉致問題対策委員会も全然開かれていないんですね、質疑がね。その理由は何だといえば、大臣の日程が取れませんなんですよ。
 拉致担当大臣、外務大臣所管として、これ、国会の要請があれば、政権の重要課題である以上、最優先で日程調整する。これ、まず外務大臣、お約束ください。

#340
○国務大臣(茂木敏充君) 委員会の運営につきましては委員会においてお決めいただくことだと思いますが、委員会から御要請がありましたら出席をさせていただきたいと思います。

#341
○白眞勲君 総理も所信表明で政権の最優先課題であると言うんだったら、特別委員会が開かれるときは総理も出席したらどうですか。どうですか。

#342
○内閣総理大臣(菅義偉君) やはりそこは国会で決められるわけでありますので、そういう中で決めていただければ、それは当然出席をします。

#343
○白眞勲君 総理はかねてから、条件を付けずに、先ほどもおっしゃいました、直接向き合う決意ですとおっしゃっています。私はこれ不思議でしようがないのは、この向き合うという言葉なんですね。何で直接会って話をすると言わないで、向き合うんですか。向き合うって、何でですか。そういう言葉使ったんですか。

#344
○内閣総理大臣(菅義偉君) 外交的に首脳会談も含めてそういう表現をされているようであります。

#345
○白眞勲君 いやいや、外交的にどうであれ、やっぱり国民に向かって説明するわけですから、その場合にはちゃんと、直接会って話をする、こういう言い方の方が私はいいと思うんですよ。向き合うというと、我々一般的に向き合うといえば、じっと見合って、何かあっぷっぷみたいなね、そんな感じにしか思えないんで、これ。どうですか、ちゃんと話し合うということですよね。

#346
○国務大臣(茂木敏充君) 恐らく、外交的に見ると、向き合うという言葉、すぐそばで対面で率直に話をすると、それが向き合うと、私はそのように解釈をいたしております。

#347
○白眞勲君 茂木大臣そういうふうに解釈しても、国民一般的には、向き合うと、私も含めて何か、ちゃんと話合いしましょうというふうに言った方がもっと分かりやすいような私は気がします。
 それで、ちょっと聞きたいんですけど、さっきのオリンピックの話なんですけれども、金正恩氏、呼ぶつもりはありますか。

#348
○国務大臣(橋本聖子君) あくまでも、IOC、そして国際オリンピック委員会、国際パラリンピック委員会、組織委員会、東京都が招待をされるかどうかということになりますので、政府としてということにはなりません。

#349
○白眞勲君 金正恩氏、来られたら、これは会談しますね。

#350
○内閣総理大臣(菅義偉君) 仮定の質問にお答えするのは差し控えますけれども、まあ、いい機会だなというふうには思います。

#351
○白眞勲君 やっと前向きな答弁をいただきましたよ、いい機会だなって。本当、私はそう思いますよ。先ほど言ったように、小さな、どんな小さな機会でもというふうにおっしゃっている以上、やっぱりしっかりとこれは向き合ってもらいたいなというふうに思います。
 そういう中で、私、不思議なのが、十二月にも予定されている韓国における日中韓サミットです。これはいわゆる徴用工の問題、これ、私もこの問題は韓国側で解決策を見出すべきであるという立場で、総理もそういうスタンスだと思います。
 韓国側が歩み寄らないと会わないという報道があるんですけれども、となると、北朝鮮の金正恩氏とは条件を付け合わずに向き合う、これ、どうなっているんですか。

#352
○国務大臣(茂木敏充君) 様々な報道はあると思っておりますが、日中韓サミットにつきまして、地域の平和と繁栄に大きな責任を共有する日中韓の三首脳が一堂に会して日中韓の具体的な協力や地域の諸課題について議論することは、非常に有益だ、有意義だと考えております。
 一方で、日韓の間、まあ隣国でありますから極めて重要な二国間関係でありますが、同時に、二国間関係、隣国であるがゆえに様々な懸案も抱えておりまして、旧朝鮮半島労働者問題、これにつきましては、一日も早く韓国側に国際法違反の状態、解消してほしいと強く求めていることであります。それはそれとして、様々な対話は重要だと考えております。
 ただ、首脳会談、行うとなりますと、どうしても様々な準備、これが必要になるわけでありまして、日中韓サミットの日程等について現時点では何も決まっていないと。そういった意味で、サミットへの出席について予断を持って申し上げることは差し控えたいと思います。

#353
○白眞勲君 これ、総理にお聞きしたいんですけれども、日韓関係についてですね、最悪とか言われています。しかし、国民の間の交流というのは、まあ韓流ドラマとかいろんなものでは非常にいい関係で、政治がどうも私は残念な状況になっている。これ、総理としてどう思われますか。

#354
○内閣総理大臣(菅義偉君) 日韓関係というのは、まあ隣国でありますし、極めて大事な国だというふうに、私自身はそのように考えています。
 そういう中にあって、日中韓サミット、日程等については現時点においては何ら決まっていないということであります。

#355
○白眞勲君 これ、韓国側が納得いく解決策を示せば良好な関係に戻せるということでよろしいですね。

#356
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほど申し上げましたように、旧朝鮮半島労働者問題、これに関しまして、大法院の判決、そして関連する司法手続、明確な国際法違反だと思っておりまして、韓国側においてそれを解消する努力をしてほしい。そういった努力をされて、日本側が納得できる、関連企業も納得できる、そういった案が出てきたらよく検討したい、前向きに検討したいと思います。

#357
○白眞勲君 総理も同じ考えですか。

#358
○内閣総理大臣(菅義偉君) 同じ考えです。

#359
○白眞勲君 このオリンピックに絡めて、韓国の文在寅大統領、当然これ呼ばれると思いますけれども、そうなると、日中韓、それに北朝鮮、アメリカ、ロシアも含めた六者協議、核開発のですね、これできるんですよ。首脳会合ができるんですね。
 このようなこと、菅総理、主導してやったらどうでしょうか。どうですか、これ御提案です。

#360
○内閣総理大臣(菅義偉君) 仮定なことでありますけれども、そういう機会というのはなかなかないだろうと思っています。そのように首脳が一堂に会する機会というのはなかなかないだろうというふうに思います。そういう中で、外交上は極めて大事な機会になるだろうと思います。

#361
○白眞勲君 ちょっとこれ、また雰囲気変えて、ワクチンについて聞きます。
 聞いていると、何か予備費六千七百億円入れて、外国企業のワクチン代として来年前半に国民全員に確保する。もう一回聞きましょう。ちょっと早口でごめんなさい。外国企業のワクチン代として来年前半に確保すると、国民全員に確保すると、これよろしゅうございますか。

#362
○国務大臣(田村憲久君) 合意等々している部分に関しましては、今、それぞれ、これは万回、回数分ですけれども、二億九千万回確保いたしております。確保しておりますが、これは一度打ちの、二度打ちということがございますので、まだそこがしっかり確定しておりませんので何人分かというのはなかなか申し上げられませんが、しかし、一応目標としては来年前半に国民全員分を確保すべくいろいろと合意は結んでおります。
 ただ、ワクチンが開発されて、我が国で承認をされる、つまり安全性、有効性確認されませんとそれは国民の皆様方に打っていただくということにはならないと思います。

#363
○白眞勲君 支払うんですけれども、外国企業にね、お金を支払うんだけど、これというのはできてから支払うんですか、それとも先払いとか何かにやるんですか。その辺はどうなんでしょうか。

#364
○国務大臣(田村憲久君) 契約の内容でございますので、それに関してはお答えを控えさせていただきます。

#365
○白眞勲君 いやいや、契約内容だから聞いているんですよ。これ先払いかどうかを聞いているんです。先払いじゃないかと言われているんですけど、それについては、要はでき上がってから、普通は商品ができ上がってからお金を払うんですよね。まあもちろん前払金で少し着手金みたいのを払う場合ってあると思うけれども、この辺どうなんですかということなんです。

#366
○国務大臣(田村憲久君) それぞれの契約の内容でございまして、それを表に出していいことと悪いこと、それぞれそういうことがございますので、契約の内容に関しては表に出さないということでありますので、それは差し控えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)

#367
○委員長(山本順三君) もう一回、じゃ質問してください。

#368
○白眞勲君 もう一回ちょっとお話しいただけませんか。恐縮です。

#369
○国務大臣(田村憲久君) どのような形でお支払いするかどうかということも、これも契約の内容であるということは御承知いただけますよね。ですから、契約の内容でございますので、当方といいますか、相手方が開示をしてもいいということであればそれは開示ということでありますが、開示することになっておりませんので、ですから申し上げられないということで御了解いただければ有り難いというふうに思います。

#370
○白眞勲君 じゃ、支払っている可能性もあるということでよろしいですね。

#371
○国務大臣(田村憲久君) 常識的な範囲の中で対応するということは前提でありますけれども、それに関してはちょっと申し上げられないということで、常識の範囲の中で対応すると、その努力は我が国もやっております。その中において、具体的な話は契約の内容でございますので、それは御理解いただければ有り難いということであります。

#372
○白眞勲君 これ、日本企業も新型インフルエンザのワクチン開発頑張っていると思うんですけれども、一説によりますと、アメリカでは国内企業にもう一兆円以上の金を投入していると言われているんですが、日本国内には幾ら予算入れているんでしょうか。

#373
○国務大臣(田村憲久君) 新型インフルエンザ、(発言する者あり)ああ、コロナウイルス、はい。
 新型コロナウイルスに関しましては、我が国においては、これは、開発費ですか、開発費と体制費がございまして、研究開発費としては約六百億円ほど入れております、これは一次補正、二次補正で。それから、ワクチンの生産体制でありますとか接種、これの体制の整備ということで一千四百五十五億円、これを計上させていただいております。

#374
○白眞勲君 六百億円という開発費なんですけれども、これ、海外の企業には六千億円ですよね。十分の一なんですよ、日本企業に。これ、かわいそう過ぎませんか、ちょっと日本企業。もうちょっと入れて、きちっと日本のワクチン開発の、私ね、総理、これ究極の安全保障だと思っているんですよ。そういう認識で作ってもらいたいなと思うんですが、総理、どうですか、これ。

#375
○国務大臣(田村憲久君) それぞれ状況も違っておりますし、ワクチン開発の進み方も違っておると思います。今、日本が、先ほど言いました予備費の計上の中での金額ございましたけれども、あれに関しましても基本的にはもう三相試験まで今入っております。英国、米国等々のそういうようなワクチン会社、製薬会社、こういうところを念頭に予備費でワクチンの購入代金ということで計上させていただいておるところであります。

#376
○白眞勲君 いや、私の聞いているのは、余りにも予算が日本企業に対しては少な過ぎませんかということなんですよ。六百億円といったって、日本企業、全体的に満遍なくの、満遍、まあそれはめり張りはあるにせよね、そうしたら、やっぱり一企業当たり十億とか二十億になっちゃいますよ。六千億円ですよ、片や海外には。この辺の違いがあるんじゃないんですかということを言っているんです。

#377
○国務大臣(田村憲久君) 先ほども申し上げましたけれども、海外のワクチンメーカーはもう開発が非常に早い。残念ながら、日本のワクチンメーカーも頑張っていただいているんですけれども、まだ臨床試験等々、治験がそこまで行っていないということで、実用性という意味からすると若干遅れてくるというような状況もあります。
 そういうようなところも含めまして、開発の手法も違います、ワクチンの。そういうところも含めた上で、他国、まあ米国を念頭に置かれているのか分かりませんが、米国はかなりの金額を入れています。もちろん、それは開発費だけじゃなくて生産体制も含めてということで、ワープスピードだとかいうような名前をトランプ大統領言われておられましたけれども、いろんな方法で入れておられるということでございますので、ちょっと今、ワクチンの進み方だとか、それから国家の体制だとか、いろんなものが違っておりますので、そういうことも含めて御理解いただく中において、今回、このような形でワクチンに対しての開発費等々、生産の体制整備費等々を計上させていただいておるということであります。

#378
○白眞勲君 これ、ワクチン、仮にできたとしても、一説にはこの保存だけでもマイナス八十度とかいう冷凍庫で保存しなければならないようなものもあると私聞いているんですけれども、これ大変なことになります。大変なこの保存体制とか何か、あるいは輸送ですね。来年前半までというと、これは夏になっちゃうから輸送体制だって大変ですよ、これをマイナス八十度で持っていくって。これ、大丈夫ですか。

#379
○国務大臣(田村憲久君) 多分言われているのはメッセンジャーRNA系のワクチンだと思いますが、確かに超冷凍保存という形であります。
 今、都道府県等々自治体に対して、このような形で、例えば千人分が冷凍保存でやってきた場合に、それをどういう場所で、例えば、かなり一遍に来ますから、かなりの規模で接種をいただかなきゃいけないという話になりますし、場合によってはドライアイス等々を確保していただきながら保管もしていただかなきゃいけない。医療機関に対しても、そのような可能性があるということでいろんな情報伝達はさせていただいておりますが、コールドチェーンといいますか、ワクチンメーカーも含めて、どのように輸送をしていくか、どのようにその後保管していくかということも含めて今検討の上、各医療機関を含めていろんな情報交換をさせていただいておるということであります。

#380
○白眞勲君 これ、しっかりやってもらいたいと思います。
 次に、イージス・アショアについて聞きます。
 報道によりますと、政府はイージス・アショアの代替案としてイージス艦とか検討しているということなんですけれども、この件どうなっているんでしょうか。防衛大臣、お答えください。

#381
○国務大臣(岸信夫君) イージス・アショアの代替案ですけれども、本年六月に代替案の配備を、配備に関するプロセスを停止して以降、その代替案について防衛省において検討してきたところであります。
 現在決まっておりますのは、洋上式のプラットフォームに、洋上プラットフォームにイージス・アショアの構成品を搭載させるという方向で更に検討を進めると、技術的実現可能性について確認、検討をしているということでございます。
 イージス艦に載せるかどうかということについては、まだ決まっているものではございませんし、その方策というものを排除するものでもないということです。

#382
○白眞勲君 まあまだ決まっていないということなんでしょうけど、イージス・アショアの方が値段も安いし、運用面についても有利だということで、こっちだと言っていたんですよ。イージス艦じゃないんじゃないか、イージス艦の方がいいんじゃないかと言ったら、いやいや、イージス・アショアだ、アショアだと言っていたんですよ。これ、うそだったんですか。

#383
○国務大臣(岸信夫君) イージス・アショアの導入を決めてから、その場所の選定を進めてまいったところであります。その段階で、いわゆるミサイルの一段目のブースターの落下場所について、安全が確保できるところに落とせるということに確証がないということでございましたので、それまでの説明と異なると、防衛省が現地に対して行ってきた説明と異なるということになったものですから、このプロセスを停止したということでございます。(発言する者あり)

#384
○委員長(山本順三君) それでは、もう一度、白眞勲君、質問をしてください。もう一度質問してください。(発言する者あり)まあちょっと、もう一回確認しましょう。質問を確認しましょう。(発言する者あり)
 はい、どうぞ。白眞勲君。

#385
○白眞勲君 じゃ、もう一回答えてください。

#386
○国務大臣(岸信夫君) 御質問の趣旨が費用の比較ということでございますね。
 先ほども言いましたけれども、地上案、地上に配備する予定だったイージス・アショアの配備を、プロセスを停止したのは、ブースターの落下場所について確定できないと、安全性を確保できないということから停止を、停止せざるを得なかったと、こういうことでございます。
 その上で、今のそのミサイル、我が国を取り巻く安全保障環境、大変厳しい、北朝鮮のミサイルも我が国を狙ってきている、こういうような状況の中で、ミサイル防衛をしっかり進めるためにもこの代替案を進めていかなければいけないと、こういうことで検討してきたところでございます。
 それで、価格の比較ということについては、全体の比較については、まだ決まったわけではないので、新しい案が洋上、洋上プラットフォームということは決まっておりますけれども、それ以上のものはまだ決まっておりませんので、価格の、全体の価格の比較というものはちょっと今のところはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

#387
○白眞勲君 いや、だから、今までイージス・アショア、あっ、ごめんなさい、イージス艦だと大変だからイージス・アショアだと言っていたんですよ。これしかないんだと言っていたのが、いや、ちょっとデータが間違っていました、こっちですというのは、それはうそだったのかと聞いているんです。これ以上はもう平行線になっちゃうから、ちょっと聞くんですけど、ちょっと先進めますけどね。
 敵基地攻撃について自民党内で議論されているということなんですけど、ミサイル撃つ前にその発射台を破壊するとか、これすごく難しい問題だと思うんですね。これ、先制攻撃とも言われかねない。民間人を巻き込む可能性も否定できないわけで、憲法九条どころか国際法上違反なんじゃありませんか。この辺どうですか。

#388
○国務大臣(岸信夫君) 九月に発せられました内閣総理大臣の談話の中で、迎撃能力を向上させるだけで本当に国民の命や平和な暮らしを守り抜くことができるのかという問題意識がございました。その下で、抑止力を強化するためにミサイル阻止に関する安保政策の新たな方針について検討していると、こういうことであります。
 もっとも、この検討についてはあくまでも憲法の範囲内、それから日米間の基本的な役割分担も変えることなく、国際法を遵守し、そして専守防衛の考え方の下で行っていくということであります。

#389
○白眞勲君 いや、だから、全然答えていません。
 もう一回です。憲法違反なんじゃないかと聞いているんです。

#390
○国務大臣(岸信夫君) ミサイル阻止の、どのように進めていくか、こういうことについてはあくまでも憲法の範囲内で考えていくということであります。

#391
○白眞勲君 要は、相手が発射のボタンを押しても動かないとか、電源供給、無線設備を無力化させるとか、サイバーによって可能ならば相手の兵士や民間人の被害を出さずに食い止めることができると思うんですけれども。
 そこで、ちょっと法制局長官にお聞きいたしますが、我が国が自衛権の行使として相手方のミサイル発射の阻止を、阻止するためのサイバーを使うこと、これ憲法上許されているのかどうか、お聞きしたいと思います。

#392
○政府特別補佐人(近藤正春君) 憲法第九条の下での武力の行使が認められるのは、いわゆる武力行使の三要件を満たす場合に限られていると解してきております。
 このため、あくまでも一般論として申し上げますと、御指摘のようなサイバーを利用した措置でございましょうか、ちょっと詳細は分かりませんけれども、仮に憲法第九条第一項の武力の行使に当たるというのであれば、こうした武力の行使が認められるのはいわゆる武力の行使の三要件を満たす場合に限られるものというふうに解されます。

#393
○白眞勲君 もう一回聞きますけど、我が国が自衛権の行使として相手方のミサイルを発射するためのサイバーを使うことは可能かどうかを聞いているんです。憲法上許されるか、もう一回答えてください。ちゃんと答えてくださいよ。

#394
○政府特別補佐人(近藤正春君) 先ほど申し上げましたように、サイバーを使う理由、措置というのが武力の行使に当たるのか当たらないのか、私どももちょっとその中身がよく分かりませんので、したがって、仮にそれが武力の行使に当たるということであれば三要件を満たす場合に限られるということで、そういうことで、その中身が分かりませんので、ちょっとそのサイバーを使う措置が一体どういうもので、それが本当に武力の行使に当たるものなのか当たらないものなのか、そこがちょっと判断が付かないので、およそサイバーを使うものがどうかと言われても分からないということでございまして、したがって、先ほど、一般論でということは、武力の行使に当たる場合にはいわゆる武力の行使の三要件を満たす場合に限られるという御答弁を申し上げたということでございます。

#395
○白眞勲君 じゃ、サイバーを、サイバーというものについて、いわゆる使うことがその憲法上の、ミサイル発射を阻止するためにサイバーを使うことが自衛権の行使としては許されるということですか。

#396
○政府特別補佐人(近藤正春君) いえ、そこは、サイバーを使うことがどうかというようなことではなく、あくまで武力の行使として評価される形で使うかどうかということでございますので、あることをやることが憲法上どうかというのは、それは武力の行使に当たるかどうかというところが最大のところでございまして、そこのところは、やっぱり具体的にどういう形で使われるかと、それがいわゆる武力の行使として評価されるものなのかどうかということだと思います。

#397
○白眞勲君 じゃ、サイバーもその中に含まれるということですね、武力の行使に。そういうことですね。逆にそういうことでしょう。

#398
○政府特別補佐人(近藤正春君) そういう意味では、それがいわゆる武力攻撃的なものになるのかどうかというのは私どもちょっとよく分かりませんので、そういう意味では、その内容によってはなり得る、そこはもちろん防衛省にお答えいただかないと、私どもにちょっと分かりませんので、それ以上ちょっとお答えは控えたいと思います。

#399
○白眞勲君 これ重要な発言です。今、内容によってはあり得るとおっしゃった。これ重要なんですね。つまり、サイバーでも憲法上許される場合がある、自衛権の行為として。これを相手国領域内においてということも内容的にはあり得るということで、非常に私は重要なお話をいただきましたけれども、あとは午後にしたいと思います。
 ありがとうございました。

#400
○委員長(山本順三君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#401
○委員長(山本順三君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。白眞勲君。

#402
○白眞勲君 休憩前に続きまして、質問します。
 総理にお聞きしますけれども、敵基地攻撃とかいろいろなことを今言われていますよね、イージス・アショアとか何かとか。でも、やっぱり一番重要なのは、私は外交力の強化であるというふうに思うんですけれども、その辺についての御認識をまずお聞きしたいと思います。

#403
○内閣総理大臣(菅義偉君) やはり外交、安全保障を考えたときに、やはり外交力をしっかりと強化するということは、これ不断の努力が大変でありますけれども、極めて大事なことだというふうに思います。

#404
○白眞勲君 そういう中で、ミサイル阻止については、総理は迎撃能力以外の抑止力の強化について方策を検討しているとこの前お答えになっているんですけれども、先ほど申し上げましたように、物理的に人や物を傷つけず、また破壊することのないミサイル阻止の手段としてサイバー能力を位置付けること、これについてはどうお考えですか。

#405
○国務大臣(岸信夫君) 今、サイバー攻撃の能力についてお問合せがございました。
 おっしゃるとおり、日本にミサイルを撃ち込もうとしている相手にそれはやめた方がいいと思わせる、これがまあ抑止力であると、こういう位置付けにしております。その上で、ミサイル阻止の能力という意味でいえば、総合的に考える必要はありますけれども、その中で、今、政府の中で新たな方策というものをお示しできるように検討を進めていると、こういうことであります。
 その中には、もちろん、サイバー攻撃といいますよりも、サイバーを、サイバー攻撃を受けたときにそれに対抗する能力と言った方がいいかもしれませんけれども、そういうことも含まれているというふうに考えております。

#406
○白眞勲君 この件、もう時間があれなので、ちょっと外交防衛委員会でまたやりますから、岸さん、よろしくお願いします。
 ちょっと日銀の黒田総裁にETFについてお聞きしたいと思いますが、この表を見せてください。
 これ、日銀がETFに、つまり株に投資しているんですけれども、これ十年になりました。こういう状況なんですけれども、大株主の企業ランキング、この中で筆頭株主、どのぐらいあるんですか、日銀が筆頭株主になっているの。

#407
○参考人(黒田東彦君) このETFの買入れというのは、これを通じて、言わば株式市場のリスクプレミアムに働きかける形で、間接的ではありますけれども、経済あるいは物価に対して好影響を与えるということを狙いとして行っております。足下、コロナ対応ということで、従来の倍の十二兆円を上限として弾力的に買い入れております。
 そうした下で、このETFにつきましては、御案内のとおり、これを構成する株式の議決権は、ETFを組成した投資信託委託会社が信託銀行を通じて行使することになっておりまして、現在のこのETF買入れの枠組みの下で実際に日本銀行がこのETFを構成する株式の株主になるということは想定されておりません。
 委員の御議論が、言わば間接的に日本銀行が株式を保有しているのではないかということであれば、それはそうなんですけれども、あくまでも株主として議決権を行使する立場にありませんし、それはスチュワードシップ・コードに基づいて信託銀行が適切に行使しておられるということだと思います。

#408
○白眞勲君 いや、分かっています。だから、筆頭になっているのは、議決権の行使はないけど、筆頭になっているのはどれぐらいあるんですかと聞いているんですよ。

#409
○参考人(黒田東彦君) これは、これも御案内のとおりですけれども、ETFの、まあ言わば日本銀行は受益者なわけですね、株主権を行使する立場になく、受益者なんですけれども、そのETFの受益者の保有額の情報というのは公表されておりませんし、また逆に、有価証券報告書において企業が公表している株主、株式の状況というのも、実際ほとんどその資産管理機関名で公表されていますので、公表データでそれを知るということはできないわけです。
 委員の御議論が、日本銀行が買い入れているETFの銘柄について、その銘柄の実際の保有割合とその銘柄のETFについて日本銀行が買っているものを掛け合わせれば間接保有の額が分かるではないかということだと思いますけれども、それはそうなんですが、ETFの銘柄に関する情報というのは市場に不測の影響を及ぼすということで、日本銀行が買い入れているETFの銘柄の情報は公表しないということになっております。
 したがいまして、そういう形で計算した、あるいは公表していないETF銘柄に関する情報を使って計算したものを公表するということはしておりません、できないということを御理解いただきたいと思います。

#410
○白眞勲君 全然理解できませんよ。
 これ、見てくださいよ。大企業ほとんど、すさまじい数の、日本銀行が、間接的にせよ株式持っているということなんですね。
 聞きたいんです。今、十二兆円と言いました。すさまじい勢いです。最初は、これ十年になりました、ETF、最初が四千五百億円だったと聞いていますけれども。これ、海外の中央銀行、どこかやっていますか。

#411
○参考人(黒田東彦君) 現段階で海外の先進国の中央銀行が株式あるいはETFを購入しているという例はないと思います。
 私の記憶では、例のアジア通貨危機のときに香港の金融管理当局が、これはETFではなくて生の株を大量に買い入れたということはありましたけれども、現時点で中央銀行で株式あるいはETFを買い入れている例はないというふうに思います。

#412
○白眞勲君 これ、FRBのパウエル議長でさえ、私たちは株を買う意図はないと。何でそうなんですか、ほかの先進国やらないんですか。

#413
○参考人(黒田東彦君) これ、他の中央銀行の意図をこちらがそんたくするわけにもいきませんが、恐らく二つあるかと思うんですけれども。
 一つは、直接株を買い入れるということになると問題が生ずるんではないかということで、じゃ、ETFだったら問題ないんじゃないかということになりますけれども、我が国のETFの買入れの意図が、先ほど申し上げたように、株式市場のリスクプレミアムに働きかけることを通じて金融市場の不安定な動きなど企業や家計のコンフィデンスの悪化につながることを防止するということを通じて、経済や物価にプラスの影響を与えようとしているわけですけれども、先進国の中央銀行は現時点ではそういう必要性を感じていないんだなということだというふうに思います。

#414
○白眞勲君 何か言っていることが分からないんですけれども、その中で、十月二十九日の記事にこう書いてあるんです、相場が下げても日銀がETFを買うという安心感も多い。これ、言っているんですね。つまり、ETFが買うから相場が下がらないんだ。つまり、相場を操作しているような感じになっちゃうんじゃないんでしょうか。どうですか、総裁。

#415
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたように、この目的が、株式市場のリスクプレミアムに働きかけることを通じて金融市場の不安定な動きなどが企業や家計のコンフィデンスに悪い影響を与えるということを防止するために行っているわけでして、株価自体を引き上げようとかそういう意図はありません。
 ただ、確かに、リスクプレミアムが異常に膨れ上がって株価が下がってしまうということが、ETFの買入れによって防止されて金融市場の不安定な動きがなくなると、それによって株価が安定するという効果はあると思いますけれども、これはあくまでもそういうリスクプレミアムをノーマルな形に縮小しようということでやっているわけでして、特定の株価を念頭に置いて何かするということはしておりませんし、御案内のとおり、ETFを通じて間接的に所有している株の量というのは、東京証券取引所の株式、上場されている株式、株価総額の六%程度じゃないかと思うんですね。ですから、何か直接的に株価を引き上げるとか下落を防止するというようなことを狙っておりませんし、そういう効果もあるとは思いませんが、さっき申し上げたように、リスクプレミアムをノーマルな状況に引き下げることによって株式市場の安定をもたらすという効果はあると思います。

#416
○白眞勲君 この表を見てください。これ、下がったときにどんどん買うんですよ。だから株価を操作しているんじゃないかと私は聞いたんですね。
 いつ売るんですか。

#417
○参考人(黒田東彦君) 先ほどから申し上げておりますこのETFの買入れ、これは現在行っております大規模な金融緩和の一環として実施しているわけであります。
 現状、物価安定の目標の実現にはなお時間が掛かると思いますし、また今年に入ってからは新型コロナウイルス感染症が経済に大きな影響を及ぼしているということで、先ほど来申し上げているように、従来より倍増して弾力的に買入れを行っているということであります。
 したがいまして、ETF買入れを含む金融緩和というのは必要な政策であるというふうに考えておりますので、今の段階でこのETFの買入れについて見直しをするとか、あるいは処分するとかいうことは考えておりません。

#418
○白眞勲君 どんどん買ってばかりいるわけですね。
 これ、結果的にETF買い進めることによって、海外を含めた機関投資家や株主の損を引き受けたことになるんじゃないでしょうか。この十年で一度も売っていない。日本の国家予算の三割、三十五兆円ですよ。これを日銀が株に入れている。これ、海外の機関投資家など、まるで損失を補填するようなやり方は今すぐやめるべきです。今、株持っている人たち、大変お金持ちなんですよ。だから、これがアベノミクスの格差社会の一つの元凶になっているということを最後に申し上げまして、私からの質問を終わります。
 ありがとうございました。

#419
○委員長(山本順三君) 以上で白眞勲君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#420
○委員長(山本順三君) 次に、小西洋之君の質疑を行います。小西洋之君。

#421
○小西洋之君 立憲民主・社民の小西洋之でございます。
 菅総理に伺います。
 官房長官時代の雑誌の人生相談のコーナーにおいて、仕事においてアピール力はあくまで付随的なものだというようなお話をおっしゃっておりますが、このアピール力は仕事において付随的なものだ、このお考え、どういうお考えなのか教えていただけますでしょうか。

#422
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私の人生相談の中から御質問いただきまして、ありがとうございます。
 付随的なものだということは、やはり仕事が大事なもの、まず最優先することは間違っちゃならないという意味で申し上げたと思います。

#423
○小西洋之君 通告しているんですが、菅総理、付随的というお言葉を菅総理はどういう言葉として認識でいらっしゃいますか。

#424
○内閣総理大臣(菅義偉君) 仕事をすることが一番主のことだということと、そういう意味で書いているんだろうと思っています。

#425
○小西洋之君 仕事が主で、アピール力は付随的なもの、つまり付き従う従属的なもの、そういう意味でしょうか。

#426
○内閣総理大臣(菅義偉君) それは人によっていろんな考え方があるんでしょうけれども、私自身はやはり仕事が第一であって、アピール力というのはそれに付いてくる、その次だというふうに思っています。

#427
○小西洋之君 今総理がおっしゃった付随的、付随、これ実は学術会議問題の総理の任命の実は本質でございます。(資料提示)
 内閣府の官房長、私、配付している会議録一ページ、昭和五十八年五月十二日、この会議録の中で、総理の任命制が付随的な行為であると述べている箇所を読み上げていただけますか。手塚政府委員がよろしいかと思いますが。

#428
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えをいたします。
 付随的というふうな箇所を読み上げよという御指摘だと理解いたしました。申し上げます。
 当時、説明員の高岡完治君が、これはむしろ先生御指摘のように、そういうところにあるのではございませんで、今回の改正法案は推薦に変える、こういうことでございますので、選挙制から推薦制に変えるというところにこの改正法案の眼目があるわけでございます。内閣総理大臣の発令行為と申しますのは、それに随伴する付随的な行為と、このように私どもは解釈をしているところでございます、ということでございます。

#429
○小西洋之君 済みません、今、手塚政府委員の答弁をお願いしました。

#430
○政府参考人(大塚幸寛君) 失礼いたしました。改めて申し上げさせていただきます。
 当時の手塚政府委員のお答えといたしまして、いささか長うございますので、その付随的な行為のところの周辺を読ませていただきます。
 ただ、今度のような形になりますと、それで読むことはもちろんできませんし、今参事官からも……(発言する者あり)あっ、失礼いたしました。では、申し上げます。
 国家公務員になるかどうかというのが学術会議が最初にできたとき問題になったようでございますが、そのときに、国家公務員である、しかもそれは特別職ということで人事院も判断しているところでございます。その中で、国公法の中で、就任について選挙によることを必要とする職員ということで、この場合にはそのままで言わば特別職になるということで、実際には任命行為を行っていない。ただ、今度のような形になりますと、それで読むことはもちろんできませんし、今参事官からも申しましたように、付随的な行為として形式的な任命を行わざるを得ないということでございます。
 以上でございます。

#431
○小西洋之君 今の答弁のとおり、実は総理の任命制というのは、選挙制から推薦制に変わる、推薦制に変わった者を学術会議、国家公務員特別職の公務員にするためにしようがなくやっていることだということなんですけれども。
 内閣府に聞きますが、任命制を導入した理由、これ以外に理由はありますか。

#432
○政府参考人(大塚幸寛君) ちょっと今、当時のその記録を正確には承知してございませんが、やはり、的確なその学術会議の会員の推薦母体をできるだけ確保するという趣旨だったというふうに理解をしております。

#433
○小西洋之君 今おっしゃった答弁と、先ほど読んでいただいた総理の任命が付随的なものである、付随的行為である、その論理的な整合性を説明してください。

#434
○政府参考人(大塚幸寛君) あくまでも推薦に基づいて任命、総理が最終的には任命をするということになったわけでございます。その任命というのは、言ってみれば、推薦された方々を必ずそのまま任命しなければならないということではないという形で、あくまでも総理に任命権が位置付けられたというふうに理解しております。

#435
○小西洋之君 付随的な行為にすぎない任命が主たる行為である推薦を破る、推薦拒否ができるんですか、論理的に説明してください。

#436
○政府参考人(大塚幸寛君) 委員の今のそのお言葉に限らず、当時のもう四十年も前の言葉でございますので、厳密な定義というものがある言葉によっては正直把握し難いものもございます。
 いずれにいたしましても、推薦された方々を必ずそのまま任命しなければならないということではないというのは、任命制が導入されてから一貫した考え方でございます。(発言する者あり)

#437
○委員長(山本順三君) そうしたら、小西君、もう一度質問をして、それに対して答えをしていただこうと思います。
 小西洋之君。

#438
○小西洋之君 推薦が主、そして任命はしようがなく行う付随的な行為です。なぜ付随的な行為で主たる推薦を破る推薦拒否ができるのか、論理的に説明してください。

#439
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えをいたします。
 法律の条文上、あくまでも推薦に基づいて任命をすることとなっております。もちろん、この任命は、推薦を尊重しつつも最終的には任命権者として総理が判断と責任を有しているということでございます。で、まさしくその任命権につきまして、先ほど来お答えしていますように、憲法第十五条一項に基づいて、推薦された方々を必ずそのまま任命しなければならないということではないという点については、法制局も含めた一貫した政府の考え方でございます。

#440
○小西洋之君 何も答えていないので。
 次、二ページの高岡説明員のこの問題に関する答弁を読み上げてください、官房長。

#441
○政府参考人(大塚幸寛君) 委員御配付の二ページ目を読み上げさせていただきます。
 ただいま御審議いただいております法案の第七条第二項の規定に基づきまして内閣総理大臣が形式的な任命行為を行うということになるわけでございます、しばらく略がございまして、あっ、下でございますか、(発言する者あり)失礼しました。会員は、第二十二条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣がこれを任命する、こういう表現になっておりまして、二百十人の会員が研連から推薦されてまいりまして、それをそのとおり内閣総理大臣が形式的な発令行為を行うというふうにこの条文を私どもは解釈をしているところでございます。(発言する者あり)二ページ目ではなかったでしょうか。あっ、済みません、いただいた資料の方では……(発言する者あり)あっ、失礼いたしました、申し訳ございません。

#442
○委員長(山本順三君) 委員長の確認をしてから。

#443
○政府参考人(大塚幸寛君) 失礼いたしました。申し訳ございません。

#444
○委員長(山本順三君) いいですか。じゃ、引き続いてどうぞ。

#445
○政府参考人(大塚幸寛君) 私の間違いでございました。失礼いたしました。
 ちょっともう一度、資料を取りに帰らせていただきます。申し訳ございません。

#446
○委員長(山本順三君) 大塚幸寛大臣官房長。

#447
○政府参考人(大塚幸寛君) 失礼いたしました。
 こちらの議事録本体の方の二ページということで読み上げさせていただきます。当時の高岡説明員の発言でございます。
 「今回の改正法案のこの制度の改正は、内閣総理大臣の任命制をとるということが目的では毛頭ございません。選挙制を推薦制に変えるというのが今回の改正法案の骨子でございます。先ほども御説明申し上げましたように、推薦制をとるがために国家公務員としての位置づけをされております日本学術会員が、その法的地位を獲得するためには何らかの入口をあけ、中に引き入れるという行為が法律的には必要になってくるわけでございまして、そういう随伴する行為として内閣総理大臣の任命というものを考えたわけでございます。したがって、申し上げるまでもなくそれは形式的任命ということでございまして、これは先ほども総理からお答えになりましたとおりでございます。」。
 以上でございます。

#448
○小西洋之君 菅総理、総理の任命権が推薦に伴う、付き従うだけの付随的なものということを御存じでしたか。

#449
○内閣総理大臣(菅義偉君) 日本学術会議法上、推薦に基づいて任命することになっており、この任命は、推薦を尊重しつつも、学術会議の役割なども踏まえ、任命権者として判断するものと解釈されます。この点、憲法第十五条一項に基づいて、推薦された方々を必ずそのまま任命しなければならないということではないという点については、内閣法制局も含めた政府の一貫した考えであります。

#450
○小西洋之君 総理、今、推薦を尊重しつつもと言ったんですけれども、おっしゃったんですが、尊重じゃないんですよ。尊重するのは当たり前なんですよ、尊重以上なんですよ。主たる推薦に手が出せない、単なる付随的行為だって言っているんですよ。
 なぜ任命拒否が合法になるのか、論理的に説明してください。

#451
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今私が申し上げましたように、憲法第十五条一項に基づいて、推薦された方々を必ずそのまま任命しなければならないということではないという点については、内閣法制局も含めた政府の一貫した考え方であります。(発言する者あり)

#452
○委員長(山本順三君) それでは、法制局。(発言する者あり)いや、私が指名します。答弁できますか。
 近藤正春内閣法制局長官。

#453
○政府特別補佐人(近藤正春君) 日本学術会議法の今、審査のときの国会議事録の話で、ちょっと当局、その細かい内容について、どういう趣旨でお答えになっているかというのを存じ上げていないので、ちょっと正確にお答えすることは無理でございます。(発言する者あり)

#454
○委員長(山本順三君) 大塚幸寛内閣府大臣官房長。

#455
○政府参考人(大塚幸寛君) 先ほど来、その当時の五十八年改正の答弁の、その発言の記録を基にしながらおっしゃっておられますので、先ほど、私、その四十年前のあれなので、当時のやり取りであり、必ずしも現時点では把握が難しいと申し上げました。
 例えば、そこでその形式的任命権という言葉が使われておりますが、これは同じく、その当時、昭和四十四年の高辻当時の法制局長官が、一義的に形式任命権ならもう手も足も出ないのじゃないか、実質的任命権なら何でもできるではないかというふうになりがちでございますが、そういう意味では私どもはいずれも誤りであると思っております、といったような御発言もございます。
 要すれば、形式的、形式的任命という言葉、言葉を一つ取っても、必ずしもその定義が明確ではないというふうにも思いますし、ましてや四十年たってございますので、先ほど把握が難しいと申し上げました。
 いずれにいたしましても、法制局からもこれはおっしゃっていただいておりますが、やはり相当程度、国立大学の学長の任命等の議論を通じまして、やはり推薦に基づいた者について全て任命しなければならないというわけではないということは、これは昭和五十八年の改正のときも基本的にはこれを踏襲して、その考えの下に立って立案をされたと、これは法制局からもそういう御答弁をいただいております。私どもも同様でございまして、解釈変更は一切行っていないということを繰り返し申し上げたいと思います。

#456
○小西洋之君 法制局長官が答えられなくて一省庁の官房長が答えるという、戦後の議会の歴史で初めてなんですが。
 今、官房長、よろしいですか、あなたが御紹介した高辻法制局長官の一義的なこの形式的任命ですね、これは教特法の文科大臣の任命制度に関する形式的任命の話ですよね。学術会議法と関係ないですね。それだけ答えてください。

#457
○政府参考人(大塚幸寛君) 元々が、この憲法十五条に基づくいわゆる国民の選定、罷免権、さらには個別法において定められている任命権の話は、元をたどればこの高辻政府委員の御答弁に端を発しているという理解をしておりまして、もちろん、その個別法の部分のところと、それからその上位概念としての共通的な考え方と両方含まれているのは事実だろうと思いますが、私どもは、ここは少なくとも、形式的任命権についての一つの説明、つまり一義的にはなかなか説明が困難であるということを申し上げた部分だというふうに理解をしております。(発言する者あり)

#458
○委員長(山本順三君) 大塚幸寛内閣府大臣官房長。

#459
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えいたします。
 私が先ほど御紹介した高辻政府委員の答弁は、元々、その大学の学長の任命の問題を発端として高辻政府委員が答弁されたものと承知をしております。

#460
○小西洋之君 官僚がこういうめちゃくちゃな答弁、私、かつて菅総務大臣がいらっしゃったときの総務省の官僚、課長補佐をやっておりましたけれども、政治資金課、放送政策課、衛星・放送課、もうどういう部署かは御存じで分かると思いますけれども、私がいた時代には絶対あり得ないような官僚の答弁が安倍政権、菅政権の下で行われています。
 菅総理、菅総理にちゃんと伺います。
 菅総理は、総理の任命権が随伴的なもの、付随的なものだというふうにされている、そのことを御存じでしたか。

#461
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私、先ほど申し上げましたように、憲法第十五条の第一項に基づいて、推薦された方々を必ずそのまま任命しなきゃならないということではないという点については、内閣法制局も含めた政府の一貫した考え方である、この考え方に基づいて私は行いました。(発言する者あり)

#462
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#463
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私自身はそういう過去の答弁は承知していませんでした。ただ、基本的には尊重はしたいというふうに思います。

#464
○小西洋之君 答弁を知っているかではなくて、あなたの任命権の法的性質を、九月の二十八日に六名の学者の先生方を任命拒否した段階で、あなたの任命権は推薦を破ることができない付随的なものである、そうしたことを御存じでしたか。

#465
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は今、度々申し上げておりますけれども、内閣法制局も含めた政府の一貫した考え方に基づいて答弁しているということです。

#466
○小西洋之君 任命権が付随的なものであるかどうかを知っていたかどうか、九月二十八日、知って任命拒否をしたかを聞いております。四回目です。

#467
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は法令に基づいて任命をいたしています。

#468
○小西洋之君 この今の高岡答弁は総理の任命権の法令解釈なんですが、なんですけれども、この高岡答弁に基づいて任命に関する行為を行ったということですか。

#469
○内閣総理大臣(菅義偉君) 過去の答弁は尊重はしますけれども、私は法令に基づいて任命をいたしました。

#470
○小西洋之君 じゃ、この過去の答弁、中曽根元総理ですね、政府が行うのは形式的任命にすぎない、総理の任命権は形式的な任命にすぎないというふうに言っています。総理もこれは同じお考えですか。

#471
○政府参考人(大塚幸寛君) 先ほどの五十八年のときの同じ中曽根総理の答弁と承知いたしますが、これも冒頭申しましたように四十年前のことでございまして、その趣旨を今から把握するのは難しいわけでございますが、ただ、当時は選挙制を廃止して新たに各学会から推薦に基づく任命制に移行しようとしており、当時の、この国会答弁にもございますが、その新しい制度によって会員としてふさわしい者が推薦されることになるという期待があったのではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、推薦された方々を必ずそのまま任命しなきゃならないということではないという点については、法制局も含めた一貫した考え方であることを繰り返し申し述べます。

#472
○小西洋之君 官僚に守ってもらわなければ委員会に出れない菅総理の姿をテレビで国民の皆さんしっかりと御認識いただいておりますけれども、重ねて聞きます。
 中曽根元総理の、総理の任命権は形式的な任命に尽きる、それしかない、この答弁、この考えを、菅総理も同じ考えですか、維持していますか。

#473
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほどと同じ答えになるわけですけれども、この答弁は尊重はしますけれども、私は法令に基づいて対応したということです。

#474
○小西洋之君 じゃ、菅総理は、この中曽根総理の答弁は任命権に関する法令解釈、法令解釈を述べた答弁ではないと考えているんですか。何を述べた答弁だと考えているんですか。

#475
○内閣総理大臣(菅義偉君) 当時の法令の審議の際に中曽根総理が述べたことということは承知していますけれども、私自身は、先ほど来申し上げましたけれども、法令に基づいて任命をさせていただいたということです。

#476
○小西洋之君 中曽根総理の答弁は法令解釈です。学術会議法の改正のときに何十回と同じ答弁をみんなしています。総理の任命権は形式的任命しかないと。
 中曽根総理のこの答弁、法令解釈だというふうにお考えですか。

#477
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私が今申し上げたとおりでありまして、内閣法制局も含めた政府の一貫した考え方に基づいて私は答弁しておりますので、是非内閣法制局長官から説明をと思います。

#478
○小西洋之君 総理、ギブアップして法制局長官に助けを求めていましたけれども、大事なことをちゃんと聞かないといけませんので。
 中曽根総理はこれ、形式任命を法令解釈として述べているはずなんです。ところが、菅総理は別の解釈をお持ちなんですね。実質的任命ができる。
 日本国の総理大臣は、後の総理大臣、国会で作った法律と別の解釈をつくって好きなことができる、そういう国なんですか。

#479
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私はこの点を含めて先ほど来申し上げていますけれども、憲法第十五条第一項に基づいて、推薦された方々を必ずそのまま任命しなければならないということではないという、この点については内閣法制局も含めた政府の一貫の考え方でありますので、私は任命をさせていただきました。

#480
○小西洋之君 一貫とおっしゃっていますけど、昭和五十八年当時、中曽根総理もそういう法令解釈でいたんですか。

#481
○政府特別補佐人(近藤正春君) ただいまの任命制度についての性格についてのお答えでございますけれども、五十八年の日本学術会議法の一部改正法の審議の前でございますけれども、昭和五十八年、日本学術会議法の一部改正法の立案以前から、個別の法律において、ある行政機関における公務員の人事について、当該行政機関の職務の独立性等に鑑みて、何らかの申出や推薦に基づいて任命するものと規定しているとしても、憲法第十五条第一項の規定で明らかにされているところの公務員の終局的任命権が国民にあるという国民主権の原理との調整が必要であるというふうに政府として理解してきたところでございまして、御指摘の昭和五十八年の日本学術会議法の一部改正法案についても、その日本学術会議法七条二項の規定による内閣総理大臣の会員の任命に関して、その任命について国民及び国会に対し責任を負えないという場合であっても推薦のとおりに任命し、ような場合にあっては推薦のとおりに任命しなければならないという義務があると解していたとは考えられませんので、推薦のとおりに必ず任命するという義務があるという考え方に基づいて一連の答弁がされていたとは考え難いというふうに承知しております。

#482
○小西洋之君 今の法制局長官の答弁は、この昭和五十八年の改正以前から、この任命制においては推薦のとおり必ずしも任命する義務があるわけではない、すなわち総理には実質的任命権があるということを言っているんですけど、じゃ、なぜ中曽根総理はこの学術会議法の任命、形式的任命にすぎない、形式しかできないということを答弁しているんですか。論理的に答えてください。中曽根総理は虚偽答弁をしているんですか、法制局長官。

#483
○政府特別補佐人(近藤正春君) 中曽根総理の御真意というか、そこは必ずしも全て、先ほど内閣府の方からもありましたけれども、そういうことではございますが、私なりに理解をいたしますところによりますと、あくまでも基本は、選挙制度から推薦制に変わり、推薦制がきちっとされてくればそれに基づいて通常は単に任命をしていく、そういう形のものを形式的行為という、任命というふうにおっしゃったというふうに理解しております。通常、基本的には推薦がされればあと任命をただしていくと。それが形式的であって、どうしても国民に責任を負えないような場合までを含んでいるものではないと、一〇〇%ではないという意味での、というふうに私ども理解をしております。(発言する者あり)

#484
○委員長(山本順三君) 小西君に申し上げます。質問者は委員長の指名によって質問をしてください。分かりました。
 じゃ、どうぞ続けて。

#485
○政府特別補佐人(近藤正春君) そういう意味では、形式的任命というのも解釈の問題だと思いますけど、その当時の答弁のですね、私どもとしては、憲法と個々の法律に関する解釈の上にのっとって各法律ができておりますから、当時、政府としてそういう解釈をそういう任命制について持っておりましたので、それを当然踏まえた上でお答えになっていると、それを、そういったものを形式的任命と呼ばれたというふうに私どもは理解をしております。

#486
○小西洋之君 総理は先ほどから、憲法十五条に基づいた任命制に関する論理的な考え方、それは五十八年以前の高辻法制局長官のものと言っておられますけど、それは文科大臣の任命制に関する論理ということで間違いないですね。

#487
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えを申し上げます。
 今の点、昨日の予算委員会でも議論になったと記憶をしてございますが、おっしゃるとおり、四十四年の高辻長官の答弁は、これはあくまでも教育公務員特例法という規定についての解釈だということは承知をしております。
 ただ、一方で、そこから示された憲法十五条と個々の任命に関する規定との関係については、これは各法律にまたがる基本的な考え方だということが昨日法制局長官からも御答弁があったと記憶をしておりますし、まさしくその基本的な考え方が今度は個別法の日本学術会議法に落ちて、そこは総理の任命権が明定をされているということであろうと理解しておりますし、そこはあくまでも全て推薦されてきた方々を全て任命しなければならないということではないということは、これも五十八年の任命制導入から終始一貫しているということを繰り返し答弁をさせていただきます。

#488
○小西洋之君 先ほどから、総理、法制局長官などが答弁している文科大臣の任命制には実質的な任命権があると、それが任命に関する基本的な考え方で、それはこの学術会議法も同じなんだと言っているんですが、学術会議法の制定の国会審議において、その文科大臣の任命、実質任命を持つ、その任命権を完全に排除している質疑があるんですね。
 このお配りしている会議録の一ページの上からですけれども、読み上げますが、学術会議の独立性というものが侵されないだろうか、こういう心配を持つものですから、何度も何度も念を押しているわけでございます。そうしますと、今まで行われた二度の国立大の拒否事件、今日文科省にも通告していますが、九州大学と北海道大学で当時文科大臣が任命しないということがあったんですね。二度の国立大の拒否事件が起きないという保証はこの法律の中にどこに含まれていますか。どこのところを読んだら、ああなるほど大丈夫なんだと理解できるんですか。
 続き、高岡答弁、官房長、読み上げていただけますか。

#489
○政府参考人(大塚幸寛君) 読み上げます。
 ただいま御審議いただいております法案の第七条第二項の規定に基づきまして内閣総理大臣が形式的な任命行為を行うということになるわけでございます。こちらでよろしいでしょうか。会員は、第二十二条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣がこれを任命する、こういう表現になっておりまして、二百十人の会員が研連から推薦されてまいりまして、それをそのとおり内閣総理大臣が形式的な発令行為を行うというふうにこの条文を私どもは解釈をしているところでございます。この点につきましては、内閣法制局におきます法律案の審査のときにおきまして十分その点は詰めたところでございます。
 以上でございます。

#490
○小西洋之君 菅総理に伺います。
 この質疑なんですけれども、総理が先ほどからおっしゃる文科大臣の任命制度、この実質的な任命権を持つ、この基本的な考え方に基づいて、そういう考え方によってこの学術会議法の世界でも任命拒否が起きないですかと、それを何度も何度も念押ししている。で、起きないという保証はこの法律のどこにあるのですかというふうに尋ねて、この高岡さんという方が、今まさに御審議している法律の第七条でありますと、この七条はこういう条文なので、総理が形式的な任命を行う、こういう条文として内閣法制局と相談をして法規範として作っているという答弁なんです。分かりますか。
 この質疑があるにもかかわらず、文科大臣の任命制を根拠に学術会議法において任命拒否がなぜできるのか、論理的に説明してください。

#491
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほど来私申し上げているとおりでありまして、私どももこれを判断するには、当然法制局の、相談した上でこれを判断をするわけでありますから、私はその上で判断をしたということであります。

#492
○小西洋之君 答えてない。
 文科大臣の任命制の基本的な論理に基づいて学術会議法の任命にも実質的な任命権がある、任命拒否ができるということを言っているんですが、文科大臣のようなことが起きないですね。なぜ起きないんですかというと、この学術会議法の法律の条文、七条二項の法律の条文でそれを排除しているというふうに答弁をしているんです。
 なぜ菅総理の任命拒否が学術会議法七条の二項において合法になるのか、論理的に説明してください。

#493
○政府参考人(大塚幸寛君) お答え申し上げます。
 先ほども高辻政府委員の答弁を引用いたしましたが、その形式的任命権あるいは実質的任命権というところの定義自体が必ずしも定まっていないというふうに、それは当時の法制局長官の答弁としてそういう実際答弁の記録もございます。
 そして、これは、発端は確かにおっしゃるとおり国立大学の学長の法律を発端にした議論でございますが、そこから導かれる憲法十五条の公務員の選定、罷免権、さらには個別法に基づく個々の任命権者による任命権については、これはこの当時の昭和四十四年の考え方がそのまま生きて個別法に反映されているというふうに理解をしております。(発言する者あり)

#494
○委員長(山本順三君) 静粛に願います。

#495
○小西洋之君 総理、三回目です。官僚の、詭弁を官僚に強いるのではなくて、総理が自らちゃんと答えてください。
 文科大臣の任命制を根拠に、学術会議法でも実質的な任命、つまり任命拒否ができるということだけを総理はおっしゃっているんです。ところが、学術会議法を作るときに、文科大臣の任命拒否のようなことが起きませんかという質問に対して、起きない根拠として、絶対起きない条文を作っています、法制局とも詰めていますという答弁をしているわけです。
 なぜ菅総理の任命拒否は合法になるのか、論理的にカメラの向こうの、テレビの向こうの国民に説明をしてください。

#496
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほど来度々申し上げていますけれども、私ども、判断をするについて法制局に相談をし、法制局の了解の下に行っていることであります。

#497
○小西洋之君 法制局の責任だということですか。自分は自分の行政行為に対して、任命拒否に対して責任を負わないということですか。

#498
○内閣総理大臣(菅義偉君) そこは、私ども判断するとき、法制局に確認をした上で判断をしています。

#499
○小西洋之君 ちょっと官房長がどうしても答弁出たがるので、三ページ目ですね、この配付資料の三ページ目の答弁、質疑、質問と答弁を読み上げてもらえますか。

#500
○政府参考人(大塚幸寛君) こちらの三ページでよろしいでしょうか。はい、失礼いたしました。
 説明員高岡完治君の御答弁を読み上げます。
 そういうことではございませんで、この条文の読み方といたしまして、(発言する者あり)あっ、質問と答弁、はい、失礼いたしました。
 まず、質問の粕谷議員でございます。たった一人の国立大学の学長とは違う、セットで二百十人だから、そのうちの一人はいけませんとか、二人はいけませんというようなことはないという説明になるのですか。セットで二百十人全部を任命するということになるのですか。
 高岡完治君の答弁でございますが、そういうことではございませんで、この条文の読み方といたしまして、推薦に基づいて、ぎりぎりした法解釈論として申し上げれば、その文言を解釈をすれば、その中身が二百人であれ、あるいは一人であれ、形式的な任命行為になると、こういうことでございます。
 よろしいでしょうか。

#501
○小西洋之君 総理、法解釈で任命拒否は絶対にできないですかと問われて、そういう条文を法制局と作りましたというふうに当時の高岡政府委員は答弁しています。
 なぜ総理の任命拒否が合法になるのか、説明してください。

#502
○政府特別補佐人(近藤正春君) 先ほども御答弁申し上げました、憲法十五条と各法律における任命権者の任命についての基本的な考え方ということを御説明いたしましたけれども、昭和三十年に内閣府の方から御相談があったときに、過去の経緯も拝見しつつ、その従来から政府が取っております基本的な考え方、国民に責任を負えない場合まで任命する必要はなく、任命を拒否することができる場合があるという考え方についてはそのときに再度確認をして、また、そういった基本的な枠組みに基づいて、今回、総理の方は個別の案件について御判断をされたということだと思います。

#503
○小西洋之君 じゃ、法制局長官、総理を守るためにめちゃくちゃな詭弁ばっかりおっしゃっていますけれども、この会議録の資料の十五ページ目の、高辻法制局長官、先ほどからの、高辻法制局長官のこの寄稿文の下線を引いた部分を読み上げてもらえますか。

#504
○政府特別補佐人(近藤正春君) 内閣法制局の使命は、内閣が法律的な過誤を犯すことなく、その施策を円滑に遂行することができるようにするという、その一点にある。そうである以上、同局の法律上の意見の開陳は、法律的良心によりこれなりと信ずるところに従ってすべきであって、時の内閣の政策的意図に盲従し、何が政府にとって好都合であるかという利害の見地に立ってその場をしのぐというような無節操な態度ですべきではない。

#505
○小西洋之君 先ほどからのあなたの答弁は、高辻法制局長官が絶対あってはならないと言っていた、内閣の政策的意図に盲従し、政府にとって好都合であるかという利害の見地に立った答弁ではありませんか。

#506
○政府特別補佐人(近藤正春君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、今回の考え方は、平成三十年に、何も世の中起こっていないところで、平時のところできちっと御相談があって、そのときにみんなで議論をし、考えた上で、ああいう結論について了解をしたわけでございまして、何もその、今回のことがあるからどうこうではなくて、元々そういう考えで整理をしていたということを申し上げておりまして、先ほどの読ませていただいた文章に別に恥じるところは全くございません。

#507
○小西洋之君 昭和三十七年につくった解釈をこの五十八年では採用しない、文科大臣のような任命拒否が絶対に起きない、そういう条文を作った、あなたの下の法制局とその点は詰めた、そして、任命拒否が絶対に起きませんか、法解釈では大丈夫ですかという問いに対しても、法制局としっかりそこを詰めていますというふうに言っているんです。
 にもかかわらず、なぜ菅総理の任命拒否が合法になるのか。内閣法制局長官の存在に懸けて答弁してください。

#508
○政府特別補佐人(近藤正春君) 平成三十年に御相談を得たときに、かつての答弁でありますとかそういったものも含めて、資料、高辻長官時代の答弁も再度確認をしながら、当時の審査録も見ながら確認をいたしました。
 当時の審査録について、仮に高辻長官が、当時、あるいは元々、昭和三十八年に文科大臣、文部大臣が当時御発言されたりし、その後、高辻長官、昭和四十四年のときにもう一度御説明をされました、その先ほど申しました憲法第十五条第一項と個々の法律における任命権者の任命についての責任の関係についての考え方について、仮に当時変えた形で解釈をしていくということであれば、当然それについての、解釈変更についての紙が当然整理されているというふうに私どもは理解いたしましたから、それについては全く何もございません。
 また、条文の審査の中に、学術会議法の条文の審査の上に、教育公務員特例法十条というのが用例として書いてもございますし、そういうものを見ながら当然条文を作って、同じ世界の中をある程度同じような条文作っていったというふうに私どもは理解しております。

#509
○小西洋之君 じゃ、一言。
 任命拒否ができないのか、絶対に任命拒否はありませんねという質問に対して、なぜできる場合がある、そうした答弁をしていないんですか。

#510
○政府特別補佐人(近藤正春君) ちょっと御質問の趣旨が、当時ということでございますか。
 それは先ほども申し上げましたように、多分、選挙制から任命制に変わって、通常、きちんと推薦をされてくればそのまま任命をしていくという世界を前提に、当然、そういう通常の運用、これまでも多分、学術会議についてはそういう歴史をずっと通ってきておられると思いますけれども、その元々尊重義務があって、それを尊重しながら任命をしていく。ちゃんと学術会議側からきちっとした人が推薦されれば当然そういうことになる、そういうことを当然前提に御説明をされたんだというふうに私ども思います。

#511
○小西洋之君 総理に、総理に伺います。よろしいですか。
 先ほどから、学術会議法の世界で総理による任命拒否は絶対に起きない、そういう法解釈で絶対に大丈夫だという質問に対して、大丈夫でございます、法制局との審査でも十分その点は詰めたという答弁を繰り返ししています。
 なぜ、この昭和五十八年当時に、いや、違いますと、文科大臣の任命制と同じく、任命拒否、実質的な任命権を総理が持っておりますという答弁をしなかったんでしょうか。

#512
○政府参考人(大塚幸寛君) 繰り返しになる部分もございますが、まさしく、一つは、その昭和四十年、あっ、失礼、四十年前のその答弁のやり取り、あるいはその背景にあったその問題の認識なりを今正確に把握することは難しいということは、これは是非御理解をいただきたいと思います。
 ただ、その中で、その当時の選挙制から推薦制に至る中でのその制度の変更による様々な期待感、そうした中でのやり取りではないかというふうにも考えられますし、ただ一方で、いずれにいたしましても、憲法第十五条一項に基づく国民の選定権とそれに基づく個別法の任命権の考え方、これは繰り返しになりますが、当時から一貫して維持されているところでございます。(発言する者あり)

#513
○委員長(山本順三君) 大塚幸寛内閣府大臣官房長。

#514
○政府参考人(大塚幸寛君) 分かりやすくとございました。
 一部繰り返しは御容赦いただきたいと思いますが、まず、その御指摘の答弁が約四十年前のことであること、先ほど来申しましたその形式的任命という言葉が繰り返し出されておりますが、先ほど、その高辻長官の答弁でも、必ずしもその形式、実質というところの定義も定まっていないというふうな御答弁があったと理解しております。
 ただ、そういう中で、あくまでも推薦された方々を必ずそのまま任命しなければならないということではないということは、これは、まあ繰り返しになりますが、あくまでも、当時から法制局も含めた一貫した考え方であるということは、これはもう繰り返し述べさせていただきたいと思いますし、その意味において、全く解釈を変更していない、当時から一貫しているということをまた重ねて申し上げたいと思います。

#515
○小西洋之君 一点、今聞きますけれども、高辻長官の答弁で、形式か実質か意味が定まっていないというのは、文科大臣の任命制についての話じゃないんですか。
 資料の十一ページにその会議録を付けていますから、説明してください。

#516
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えを申し上げます。
 それから、その中身でございますが、大学の自治、これは無論言うまでもなく極めて重要な問題でありますが、ただいま御指摘になりましたように形式的な任命権あるいは実質的な任命権というような言葉で言いますと、非常に一義的に形式的任命権ならもう手も足も出ないのじゃないか、実質的任命権なら何でもできるのではないかというふうになりがちでございますが、そういう意味では私どもはいずれも誤りであると思っております。
 これでよろしいでしょうか。

#517
○小西洋之君 これ、文科大臣の任命制の話なんですね。学術会議の任命制は形式的任命に尽きると国会で何回も何回も答弁して立法されているんですよ。
 この国会で、形式的任命権しかない、実質的任命権はない、任命拒否はできないというふうに国会で議決された法律の下で、総理、任命拒否をやることが合法なんですか。説明してください。

#518
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私ども責任を持ってこれ行うわけでありますから、当然、法制局に確認した上で私は発言をいたしておりますから、法に基づいて行っている、こういうことであります。

#519
○小西洋之君 これは国会の立法権の否定そのものなんですね。
 総理、じゃ、伺いますけれども、我が国の、いいですか、法令解釈は、運用の期待感を込めて行うことは許されるんですか。法制局長官はそういう答弁していますよ。

#520
○政府特別補佐人(近藤正春君) 先ほどのお尋ねで、当時の議事録の解釈をということで私なりの解釈でということを申し上げたんですけど、法律論としては、先ほど申し上げたとおり、おおよそ一〇〇%任命しなけりゃいけないのではなく、あくまでも、(発言する者あり)その形式的任命という用語が、多分、その本来の意味での法律用語ではございませんので、その高辻長官もその全部がというのは、何というんでしょうか、かなり粗い言い方で形式的任命だとか実質的任命だとか言うんですけれども、実際問題としては完全に一〇〇でどうこうということではなくて、ある程度一部今回も拒否できるところを含めて形式的任命とおっしゃっているというふうに私どもは理解しております。

#521
○小西洋之君 この高岡答弁で、ぎりぎりとした法解釈で一人残らず形式的任命ですというふうに述べております。にもかかわらず、なぜ粗い形式的任命になるんですか、法制局長官。

#522
○政府特別補佐人(近藤正春君) 先ほども申し上げました、当時の審査録も拝見しましたけど、そこ、先ほど申しましたような資料が何も五十八年の審査録になくて、むしろ他の、類似の、(発言する者あり)私ども、法制局でございまして、審査の内容をしっかり見ておりますので、(発言する者あり)ということで、私どもは、やっぱり法制局としては審査録をしっかり基に法律解釈をいたしますので、それについて、私どもの解釈としては、まさしくそういった他の用例と類似のものとしてその条文を書いておりますので、類似の解釈がある程度適用されていくということを考えております。

#523
○小西洋之君 全く何も答えていません。
 菅総理、よろしいですか。我が国は、法解釈は四十年たったら会議録から読み取れなくなるんですか。法律の法解釈は四十年たったら会議録から読み取れなくなる、そういう国なんですか、我が国は。

#524
○政府参考人(大塚幸寛君) 繰り返し申し上げますが、当時使われた用語によりましては、それは法令用語であれば例えば解釈が定まっているものもございますし、ただ、やり取りの中の用語が全て法令用語で定義が確定しているものでもないと思っておりますし、少なくともその形式的云々につきましては、四十年たった現在において、当時厳密にどういう言葉で使われたのか定かではないということを申し上げております。
 なお、先ほど委員から、運用の期待を前提にしたような答弁になっているのかといったような趣旨で、なっておりましたが、ただ一方で、当時の議事録を拝見しますと、学協会は今度は責任を持って一番ふさわしいという方を出し、それを広く二百十名の構成の中で、こういう方がいいんじゃないかと、そういう話合いで出てくることを期待しているわけでございますという形で、やはり一定の期待に基づいたやり取りがされているものと、こういったやり取りからも考えた次第でございます。

#525
○小西洋之君 今のは学術会議の中の選考の話じゃないですか。選考の後、推薦された人は総理は任命拒否できない、そういう話をしているんですね。よろしいですか。
 先ほどから、この高岡さんという方の名前が出ていますね。法制局とも十分詰めたというふうにおっしゃっていますけれども、内閣府、この高岡さんってどういう方ですか。

#526
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えをいたします。
 高岡完治、当時のこの法案の担当説明員でございますが、当時、内閣総理大臣官房参事官の職にございまして、その後、日本学術会議の事務局長、あるいは国立公文書館長等を歴任された方であると承知しております。

#527
○小西洋之君 先ほどから菅総理が言っている、自分の任命拒否は合法である、これ実は天動説なんですよ。菅総理の任命拒否は違法である、これが地動説なんですよ。天動説対地動説の闘いなんです。ただ、これは科学をもって立証しないとしようがないので、今からそれを立証させていただきたいと思います。次のパネルをよろしいですか。
 この高岡さんが法制局と詰めたという証拠が国立公文書館に残っています。この二冊の黒い本、この二冊、これは、当時、学術会議法を内閣法制局の参事官、課長が審査して長官まで上げているわけですけれども、その審査記録が残っています。
 次のフリップを出してください。
 次のフリップなんですけれども、法制局の審査ですから、法律の条文を持ち込んで審査をするわけでございます。高岡さんのこの名前が載っていますね。国会で答弁している高岡さんは、内閣法制局でまさに法案審査を法制局の担当参事官から受けた人そのものなわけでございます。
 じゃ、この高岡さんがどういう条文案を内閣法制局の審査で持ち込んだのか。持ち込んだ日付が、これ三月の二十五日と書いてあります。高岡さんとほか一名でいらっしゃいましたという当時の法制局参事官のメモがあります。
 じゃ、高岡さんがこの条文審査が始まった三月の二十五日に持ち込んだ条文ですけれども、御覧いただけますか。次のフリップですね。総理の任命に関する条文ですけど、今は七条ですけれども、審査は第十九条にその任命制度を入れることを初め意図いたしました。赤い線を引いているところだけ御覧ください。
 内閣総理大臣は、会員推薦管理会、これは学術会議がつくる組織ですけれども、内閣総理大臣は、会員推薦管理会が選出した者を会員に任命する。後に推薦という言葉に変わるんですけれども、内閣総理大臣は、Aという団体ですね、会員推薦管理会が選出した者を会員に任命する。で、横は足りない人が出たときの条文ですけれども、内閣総理大臣は、前項の規定による選出の際にあらかじめ決定された者を会員に任命する。
 つまり、義務教育を受けた日本国民の皆さんだったら誰でも、この条文、選出した者を任命するという条文ですので、もうつまり一〇〇%のこれ形式的任命、つまり任命拒否は絶対できないという条文で審査が始まっているわけでございます。
 次のフリップ、よろしいですか。
 こうした条文なんですけれども、内閣法制局、調べてもらっているので答弁してもらえますか。こうした構造の条文、そして今の現条文、そしてこの条文が両方出されている審査の日付を答弁してください。

#528
○政府参考人(木村陽一君) 当時の法律案の審議録からお尋ねのその正確な日付を確定するというのはなかなか困難なところはございますが、その審議録の資料中に記されたメモ書きも含めて見てみますと、お尋ねの条文構造、選出あるいは推薦でございますが、した者を会員に任命するという形のものが審査資料として提出されましたのは昭和五十八年三月二十五日ではないかと。で、現在の条文に至る案、推薦に基づいて内閣総理大臣がこれを任命するというものが提出されましたのは昭和五十八年の四月九日ではないか。ただ、それよりも少し前から別案として考えていた形跡もあるようでございます。
 そのように推察をしたところでございます。

#529
○小西洋之君 推薦した者を任命するという一〇〇%の形式的任命しか日本語として読めない、そういう条文案が出された日にちを全部述べてもらえますか。三月二十五に始まって、次は何ですか、その次は。

#530
○政府参考人(木村陽一君) 推薦した者を任命するという形で日付が読み取れますのは、三月二十五日、それから、済みません、完全に網羅的に申し上げるのが難しゅうございますが、四月の五日、それから、これは済みません、日付が、済みません、分かりません。四月五日、四月五日がございます。それから、四月六日、四月七日の十時でございますかね。それから、これは、最後、済みません、ちょっと網羅的に、網羅的に説明せよという、済みません、趣旨で受け止めておりませんでしたので、申し訳ございませんが、最終的に現在の案につながるものが出たのが四月九日ということかと思います。

#531
○小西洋之君 与野党の理事にも確認いただきましたが、きちんと通告しております。
 私の調査ですけれども、推薦した者を任命するという一〇〇%形式任命しか読めない条文ですけれども、三月二十五日、四月の四日、四月の五日に出されております。
 ただ、その後、今の条文が出てくるんですね。両案を審査していくわけでございます。で、両案が四月の七日、四月の八日に出されて、そして、法制局が言ったように四月の九日に今の案になったわけでございます。
 ここでこのフリップを御覧いただきたいんですが、四月九日、最終、今の案になる前の条文案、基づき任命するになる前の四月八日の法制局審査に出された資料でございます。
 テレビの皆様から御覧いただいて右側、内閣総理大臣は、会員推薦管理会が推薦した者を会員に任命する、一〇〇%の形式任命の条文でございます。これと全く同じ別案としてですね、七条、十九条の別案として、今の七条ですね、会員は、第十九条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する、今の案が作られているわけでございます。
 菅総理に伺います。
 内閣法制局において、同じ日の同じ審査において別案として二つの条文が出されています。一つは、日本語として一〇〇%形式任命しか読めない、推薦した者を任命するという条文です。そしてもう一つは、今の推薦に基づいて任命するという条文でございます。
 であるならば、今の推薦に基づいて任命するという条文は、一〇〇%の形式的任命の条文としか法的に読めない、そういうふうになるわけではございませんか。

#532
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えをいたします。
 今委員から、るるその昭和五十八の改正当時のその審査の過程についての御説明があったと理解しておりますが、それは一般論で申し上げても、いろいろ法案を検討する過程では様々な案が検討されるというのは、それはあり得るんだろうと思っております。
 ただ、間違いないのは、そうしたいろんな検討を経ましても、最終的には推薦に基づく任命制というものが制定されたわけでございまして、その任命権は総理にあり、その任命権につきましては、これも繰り返しになりますが、あくまでもその推薦のとおりに任命しなければならないというわけではないという考え方に最終的に至ったということを重ねて申し上げたいと思います。あくまでも結論は今申し上げたところが結論でございます。(発言する者あり)

#533
○政府特別補佐人(近藤正春君) 今、審査録の途中に持ち込まれる、内閣府から持ち込まれたいろんな案の経緯について先生から御紹介ありましたけれども、そういう意味では、内閣府の方はどうしてこういうものを提出してきたのかということについて御承知だと思いますので、内閣府の方からお答えをさせていただきたいと思います。

#534
○政府参考人(大塚幸寛君) まさしく、その法律の改正の検討の過程で様々な御議論があったことの一つのそのうかがわせる材料なんだろうというふうに考えております。
 ただ、あくまでも、結果としては任命制が導入をされ、ただ、推薦に基づく任命権が総理に付与されたということでございます。

#535
○小西洋之君 じゃ、内閣府の官房長は、このパネルですけれども、内閣法制局に内閣府の高岡参事官が、実質的な任命権を持つ制度、その条文と、形式的任命一〇〇%の制度、その条文を両方持ち込んで審査を受けているというふうにお考えなんですか。

#536
○政府参考人(大塚幸寛君) 例えば、その推薦された者を任命するということも厳密なその意味合いというものが正直分かりかねるところもございます。
 いずれにいたしましても、四十年以上前の、四十年ぐらい前のかなり古い資料でございますので、いかにせよ、その今お示しいただいた文言だけからどうしてもうかがい知るしかないわけでございますが、ただ、間違いなく、いろいろな当時議論、検討がされたのであろうということはそれは間違いないんだろうと思っております。

#537
○小西洋之君 内閣法制局長官、内閣法制局が審査する、当時の参事官が後世に残す、法解釈をきちんと残すために作っている文書ですけれども、推薦した者を任命する、私は一〇〇%の形式的任命しか読めないと思いますが、そういう条文を同じ意味として、推薦に基づいて任命する、こういう条文で書くこともできるんじゃないのか。一〇〇%の形式的任命の条文の作る、その審査であるという理解でよろしいですか。

#538
○政府特別補佐人(近藤正春君) 正直に申し上げれば、なぜそういう案が持ち込まれたり、どういう背景でということは必ずしもよく分かりません。
 ただ、今先生がおっしゃったように、一〇〇%だというと法制的にはあり得ない条文でして、だから例がないんでございまして、その、を任命するということは、もう任命する行為が一切ないわけですから、それはあくまでも儀礼的なものしかないんで、その場合には、決定し、届けると書くんです、法制的にはですね。それは、許可が要らないのにわざわざ、許可制度で全部許可ではなくて、そのときは届出と私ども書きますので、法制的には、全く権限のない規定を書くというのはあり得ないので、そういう意味では用例がないのは当たり前でして、当然、基づいてというのが当時のこういう推薦を前提とした規定の書き方であり、当然、任命権というものをきちっと立たさせて条文を書く、これが法制的に正しいので、正しいところに最後落ち着いたというふうに私ども理解しております。

#539
○小西洋之君 法制局長官は、この二つの条文案が実質的任命権を有する、実質的任命権を法的に許容する条文案だとお考えですか。

#540
○政府特別補佐人(近藤正春君) 実質的任命権というのは、ちょっと私どもどういう意味でお使いか分かりませんけれども、いわゆる普通の任命というのは、自由な裁量の中で適材適所にいろんな方を任命していくというのは通常言う実質的な任命でございまして、ここの場合にはかなり制限をされておりまして、それが、基づいての推薦によってかなり制約をされて、およそ自由にはできないけれども、限られた中で裁定的拒否ができる形によって任命権というものを完遂していくという形の書き方がこのまさしく基づいて系の条文でございまして、まさしくそういう意味においてはほとんどそのとおり任命をしていくわけですけれども……(発言する者あり)二つの条文ですか。
 二つの条文については、ちょっと分かりませんが、をについての方については用例もなく、私ども書くような条文でないので、普通ですね、分かりませんが、に基づいてというのは、まさしくそういうことがある程度確立された書き方の条文でございますので、まさしくそこに、最終的な審査として適正なところには落ち着いたというふうに私ども思っております。

#541
○小西洋之君 法制局長官の答弁は、半分正しくて半分でたらめなんですね。
 この推薦した者を会員に任命する、一〇〇%もうこの形式任命、任命拒否なんか絶対できないという条文と、この推薦に基づいて任命するという条文、これは同じ意味、同じときに別案として審査されているわけですから同じ意味であるに決まっているわけですが、最終的になぜ基づいて任命するという条文になったか、ちゃんと記録が残っています。次のパネルをお願いいたします。
 この同じ日の、あっ、翌日ですね、最終的に今の案になったときの四月九日の審査記録でございますけれども、先ほどから法制局長官も言っていましたけれども、法制局参事官の字で「を任命」の例なし。推薦した者を任命するという条文が我が国にないんですね。だけど、法制局、私も官僚なんで経験あるんですけど、そういうのを嫌うんですね。だったら、基づいて任命するでいいじゃないかということになったわけです。
 で、その証拠がちゃんと国会の会議録に残っております。高岡さんの上司の何度も答弁している手塚さんですけれども、私どもは全くの形式的任命というふうに考えており、法令上もしたがってこれは形式的ですよというような規定、さっきの、を任命するという条文ですけれども、そういう条文というのはほかに例がないんだけれども、もうそういう条文を書く必要がないと、推薦した者を任命するという条文は書く必要がないというふうに判断して、法制局のそういう審査を受けて現在の法案になっているわけでございますということを言っているわけでございます。
 先ほど、法制局長官が教特法という、文科大臣の任命制度の条文を、記録があるというのは、まさに小さな四角で囲ってあるところですけれども、これほかに裁判所法などの条文の名前が書いているんですけれども、これは、出してきた者を任命するといった条文の例、それなんかを一緒に眺めていて、ただ、いずれにしても、初めから、推薦した者を任命する、任命拒否は絶対的に、絶対できない、そういう条文を作ろうという審査をやっていたわけでございます。
 菅総理、もう法制局長官に頼るんじゃなくて、これだけの確実な、明らかな記録が残っていて、今なお、あなたが任命拒否を行ったその学術会議法の七条、これは任命拒否ができる条文だというふうにお考えでしょうか。

#542
○内閣総理大臣(菅義偉君) これ、度々申し上げていますけれども、私ども、判断するときは法制局長官と相談をして決め、確認をして決めます。それはそのとおりで私どもは行ってきています。

#543
○小西洋之君 法制局長官の責任にするんじゃなくて、自分の政治家としての判断を述べてください。自分の判断を述べてください。

#544
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、現行法の中で物事を判断をしていきたいと思っていますので、必ず確認した上で判断をしています。

#545
○小西洋之君 現行法の解釈を証明する、実質的任命権はゼロである、形式的任命しかない、そういう権利しか総理の任命権にはないというこの法案、条文を作る過程のこの資料を見てもなお、自分は学術会議会員の任命拒否が合法である、そういうふうにお考えですか。

#546
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、これを判断するについて、内閣府なり法制局なりにそういう説明を受けた中で判断をしています。

#547
○小西洋之君 天動説を一生懸命主張しているんですけど。
 では、なぜこういう条文が、形式的任命しかできない条文が持ち込まれたのか、審査の中で。実はその立法経緯がきちんと記録で残っております。
 内閣府、この五十八年当時、当時の学術会議会長が国会で答弁をされているんですけれども、この任命権についてですね、どういう答弁されていますか。

#548
○政府参考人(福井仁史君) 参考人で当時の学術会議会長、久保亮五がこのように発言しております。(発言する者あり)はい、昭和五十八年の五月十日でございます。
 「学術会議の会員が総理大臣任命になって、これが審議会のようなものになるであろうという御発言でございましたが、それに対してお答えすべきかどうかはよくわかりませんけれども、総理大臣が任命されることは、そういう法案でございます。しかしながら、これはここにあるような選出制度によって選出された会員が形式的に総理大臣によって任命されるということで、実質的任命制を意味しないものだと私は理解しております。その意味において、これは総理大臣の実質的任命ではない。」。
 ここまででよろしいでしょうか。

#549
○小西洋之君 総理、当時、法改正のとき、学術会議の会長が参考人で国会に来ているんですね。学術会議の会長は、七条の任命制度について形式的任命であると、実質的な任命権はないという答弁をしているんですよ。
 総理が一貫しておっしゃっている任命拒否ができるという解釈、実質的任命があるという解釈は五十八年以前からあったというお考えは、日本学術会議の会長、日本学術会議をだましている、そういうお考えでないですか。

#550
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えを申し上げます。
 やはり、四十年前のことですので、一部、ではないかという部分がございますが、当時、やはりその形式、実質ということが、その定義が必ずしもきちんと定まらないままそういったやり取りがされていた、それは先ほどの高辻長官の御発言でもそこは明らかなんだろうと思っております。
 そういう中で、ただ、一つ間違いなく申し上げられますのは、憲法の第十五条に基づく公務員の選定権、そこによって立つところの学術会議法七条の推薦に基づく任命権、これは確たるものとして間違いなく当時の改正法案の中に存在し、それを前提に成立をしたということだろうというふうに理解をしております。

#551
○小西洋之君 菅総理、昭和五十八年、法律を作ったときに学術会議会長が形式的任命制度だというふうに、国会で、理解していると答弁している。それを今になって実質的な任命だといって会員を任命拒否するのは、学術会議会長、学術会議、そして国会をだます行為じゃないですか。

#552
○内閣総理大臣(菅義偉君) 全くそんなことではないと思います。
 私どもは、先ほど来度々申し上げていますけれども、内閣法制局に確認の上で判断をいたしています。

#553
○小西洋之君 じゃ、学術会議会長がなぜこういう答弁をしているのか。この会議録の八ページですね、官房長、答弁大好きな官房長、読み上げていただけますか、八ページ。

#554
○委員長(山本順三君) ちょっと、理事、集まってください。
 それでは、大塚幸寛内閣府大臣官房長。

#555
○政府参考人(大塚幸寛君) 議事録の八ページ、手塚政府委員の御答弁の部分かと理解いたしました。下線部の部分を読み上げます。
 今度の改正法案を考えるに当たって、私ども全く空から出発しておるわけじゃありません。自主改革要綱、これも随分やはり年数を掛けて検討されたものでございまして、選出方法以外の点はほとんど取り入れているわけでございます。それから選出方法についても、こちらの総務長官試案を検討していただきたいのに対して、かなり分析した報告書を出していただいて、言わばこの範囲内で私ども積み上げていったわけでございます。
 以上でございます。

#556
○小西洋之君 実は、総理府と学術会議は、当時、相談しながら条文を作って内閣法制局に出していたんですね。
 官房長、今おっしゃっていただいた会議録の中の自主改革要綱、総務長官試案、そして分析した報告書、それぞれについて、総理の任命権についてどういう記述があるかを答弁してください。

#557
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えを申し上げます。
 自主改革要綱、これは日本学術会議改革要綱を指しておられると理解いたしました。昭和五十七年十二月の学術会議による成果文書でございますが、会員の選出制度は有権者の直接選挙によることを原則とする、ただし、定数のおよそ三分の一について推薦制を採用するとされております。
 取りあえず以上で……(発言する者あり)任命について、はい。それから、こちらは総務庁長官試案の方では……(発言する者あり)要綱、はい。
 それから、その学術会議に関する懇談会でのその言わば学術会議の改革についての中で、その選出制度について、その学者の代表機関としては選挙制を維持しながらも推薦制を加味して選挙制の欠陥を改善する案、全面的に推薦制とする案、学会単位で推薦又は選挙された候補者の中から適切な方法で選出する案が示されているということでございます。
 そして、さらに、その同月の総務長官試案では、会員の選出方法として、科学者が自主的に会員を選出することを基本とし、学会を基礎に選出した者を会員として推薦し、その者を会員とすることが適当と考えるとされているところでございます。
 以上でございます。

#558
○小西洋之君 分析した報告書が抜けています。

#559
○委員長(山本順三君) これ、小西君に申し上げますけれども、これ、どこを読んでいいか分からない場面が多々あります。御自身で読むのならいいけれども、これで質問にするというのはいかがなものと思いますので、質問を続けてください。

#560
○小西洋之君 答弁の中の分析した報告書の中の任命に関する記述を読み上げてください。

#561
○政府参考人(福井仁史君) 済みません、恐らくこのことかと思います。
 「総務長官試案」にもとづく学・協会推薦制の検討結果についてということで、日本学術会議の方で整理したものだと思いますが、その報告の七ページの方で、学協会推薦制が科学者の自主的選出の一つの形態である以上、会員選出の過程において、自主的に選出された科学者以外の意見や判断が入り込まないような制度的配慮が必要である。選挙の場合には、立候補制であるから任命を必要としないが、学協会推薦制の場合には任命行為が必要となる。本会議が政府から独立した国の機関として存続する以上は、この任命が政府によって実質的に左右されることがあってはならないから、国立大学における教員や学長の任命におけるごとく、任命権をあくまで形式的任命権にとどめておかなくてはならない。もし学協会推薦制に基づいて新しい法令を作るとするならば、実質的任命権にならない、ならないような法令上の根拠を明確にしておくことが不可欠である。これが可能かどうかの検討も極めて重要な問題である。
 この記述でございましょうか。

#562
○小西洋之君 今読み上げのとおり、学術会議と総理府が合意しながら形式的任命の制度を作るというふうに法案を作っていたわけでございます。
 法制局長官、法令解釈のルールを述べて、こうした立案の背景などを当てはめて、なぜ任命拒否は合法になるのか、説明してください。

#563
○政府特別補佐人(近藤正春君) 先ほど審査録のところで御答弁いたしましたが、最終的な条文としては、やはり審査録でどういう条文を書いたかというところに決まりますので、過程はあるかもしれませんけれども、最終的にその条文にしたということは、その条文に対しての解釈が生じるということだと私は思います。
 したがって、仮にその過程とずれているのであれば、違う条文が……(発言する者あり)

#564
○委員長(山本順三君) 委員長の指名をもって質問してください。これも何度も申し上げております。あなたは私の指名をもって質問するんです。

#565
○政府特別補佐人(近藤正春君) 済みません、法令解釈の考え方でございますか。済みません、ちょっと勘違いをいたしました。(発言する者あり)

#566
○委員長(山本順三君) ルールは守りましょうね。ルールはね。ちゃんと指名してからです。
 ちょっと待ってください。
 内閣法制局長官近藤正春君。

#567
○政府特別補佐人(近藤正春君) 歴代政府が答弁をしております法令の解釈の考え方についてでございますけれども、一般論として、これまで法令の解釈については、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるものであり、政府による法令の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、このような考え方を離れて政府が自由に法令の解釈を変更することができるという性質のものでないと考えてきている。
 もっとも、このようなことを前提に検討を行った結果、従前の解釈を変更することが至当であるとの結論が得られた場合には、これを変更することがおよそ許されないというものではないと考えてきている。(発言する者あり)

#568
○委員長(山本順三君) 同じようなパターンを脱却してください。

#569
○小西洋之君 答弁漏れですが、先ほどのような立案の背景などの要素を当てはめてなぜ任命拒否が合法になるのか、法制局長官、説明してください、法令解釈のルールに照らして。

#570
○政府特別補佐人(近藤正春君) 内閣総理大臣に日本学術会議法第十七条の推薦のとおりに必ず任命する義務があるとまでは言えないという同法第七条二項の解釈についてでございますけれども、同項、まず、同項の文言からしても内閣総理大臣が推薦のとおりに任命しないことが許されないとは言えないことを踏まえるとともに、昭和五十八年の日本学術会議法の一部改正法案の審議以前からの基本となる考え方、すなわち、申出や推薦等に基づく公務員の任命であっても、憲法第十五条第一項の規定で明らかにされているところの公務員の終局的任命権が国民にあるという国民主権の原理からすれば、国民に対して責任を負えない場合には任命権者は任命を拒否できるという考え方を維持した上で行っているものであり、法令の解釈に関する政府の考え方にものっとったものであるというふうに考えております。

#571
○小西洋之君 今の答弁の中で、立案者の意図、立案の背景、具体的な根拠をもって教えてください。

#572
○政府特別補佐人(近藤正春君) 立案者の意図、立案の背景となる、まさしく先ほど、選挙制から任命制という形で、選挙制がいろいろ問題が生じていて、それを変えるために新しい任命制度に変えていく、いろんな部会による推薦に基づいてそういうことをしていくというのがまさしく立法の意図でございまして、それに基づいて個々の条文が全体として書かれたということでございますので、この条文、個々の、七条二項についてはもうかなり明確な条文でございますので、その条文限りである程度解釈は先ほど申し上げたような論理によってできるというふうに私どもは考えております。

#573
○小西洋之君 立案者の意図や立案の背景というのは、今回のような政治介入がこの学術会議の任命制度で起きないように、そういうことを学術会議も総理府も、そして法制局も、みんな考えて作った条文です。
 菅総理の任命拒否は違法でないですか。

#574
○政府特別補佐人(近藤正春君) この条文はまさしくその基づいてという方式で、基本的には任命、推薦する側に主体があって、そのとおりにやっていくというのがまさしく政治的介入を防ぐという、今の制度の中における最も自主性を重んじた書き方の用例でございまして、先ほどの拒否をできる場合というのは、やっぱり憲法との関係でどうしてもそこは、任命権の実態を少し持つというところは、それはもう今の法制上どうしてもある話でございまして、そういう意味では、それをなくすものであれば任命制をやめるしかないというふうに思います。

#575
○小西洋之君 答弁拒否の嵐で、国民の皆さん御理解いただいていると思います。
 終わります。

#576
○委員長(山本順三君) 以上で小西洋之君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#577
○委員長(山本順三君) 次に、森ゆうこさんの質疑を行います。森ゆうこさん。

#578
○森ゆうこ君 立憲民主党の森ゆうこでございます。
 菅総理、御就任、誠におめでとうございます。
 私は、新人のときに総務大臣だった菅総理に拉致問題のことで委員会で質問をして、結果として、要請させていただいたことが実現したという経験がありまして、ちゃんと野党の、しかも新人の話もよく聞いてくださるすばらしい政治家だなというふうに思っておりました。
 そのことを覚えていらっしゃいます。

#579
○内閣総理大臣(菅義偉君) 大変失礼しました。
 もちろん記憶に残っております。

#580
○森ゆうこ君 内容を覚えていらっしゃいますか。

#581
○内閣総理大臣(菅義偉君) 内容は承知していません。

#582
○森ゆうこ君 「しおかぜ」という短波放送、これに対する支援をお願いしたいということで、これは大変拉致被害者家族会の皆さん勇気付けた、特定失踪者の会の皆さんを勇気付けたものでございました。
 ちょっと期待していたんですけれども、そういう意味でちゃんと困っている人たちの話をしっかり聞いてくれると思っていたんですけれども、どうも、まあ恐らくこの日本学術会議の問題でちょっとつまずいちゃったんじゃないかと思うんですよね。
 これ、川内博史さんも提案していましたが、終わらせることができるのは総理だけなんですけど、これ、どういうふうに決着を付けられますか。

#583
○内閣総理大臣(菅義偉君) 梶田会長とお会いさせていただきました。梶田会長と、この学術会議問題について、国民から理解をされ、そしてより良いものにしていこうということで一致していますので、そうしたことを進めながら考えていきたいと思います。

#584
○森ゆうこ君 ちょっと具体的に教えてください。何をするんですか。
 まず、今違法な状態だということはもう衆議院でもさんざん聞かれましたけど、その御認識でよろしいですよね。

#585
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今違法な状態ではないと思っています。

#586
○森ゆうこ君 でも、定員が充足されておりません。

#587
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほど来申し上げていますけれども、この学術会議法上の推薦に基づく全員の任命については、憲法第十五条第一項に基づけば、推薦された方々を必ずそのまま任命しなければならないということではないという点については、内閣法制局の了解を得た政府の一貫した考え方であり、今回もその任命も法律に基づいて行っておりますし、過去にも定員が足りなかったことはあったんじゃないでしょうか。

#588
○森ゆうこ君 いや、だから七条です。定員が決まっています。今その状態ではない。
 これ、じゃ、このままでいいとおっしゃるんですか。

#589
○国務大臣(井上信治君) 学術会議の会員が定員に満たない場合違法かどうかと、そういった御質問だと理解をしております。
 学術会議、定年制でありますから、任期の途中で定年に達した場合など、そうするとその会員の人数が満たさなくなる、こういった状態はありますから、必ずしも違法ではありません。

#590
○森ゆうこ君 いや、しかし、日本学術会議が、七条ですけれども、二百十人の会員をもってこれを組織するということなので、今のたまたま不可抗力で欠員が出た、またそれを補充するということも書いてありますけれども、今はせっかく推薦したものを拒否したからそういう状態になっているんですよ。これを解決するのは総理大臣じゃないですか。

#591
○国務大臣(井上信治君) 現在その定員を満たしていないという状態だとしても、これ、総理大臣の任命も学術会議の推薦に基づいて任命をするわけですから、そういう意味では、改めて学術会議がどのように考えるかということになるかと思います。(発言する者あり)

#592
○委員長(山本順三君) 井上国務大臣。

#593
○国務大臣(井上信治君) 先ほどもお答えしたつもりだったんですが、定員が欠けていたとしても、日本学術会議法上違法というふうには考えておりません。今までもそういったケースはあったということです。

#594
○森ゆうこ君 総理は、学術会議、六人をそのままもう一回出してもらってきちんと任命すればいいと思いますよ。しかし、このままの状態を放置されるんですか、もう一回再推薦をしてもらうんですか、どちらですか。

#595
○内閣総理大臣(菅義偉君) この九十九名を任命した時点において、六人の皆様については候補者じゃなくなっております。(発言する者あり)

#596
○森ゆうこ君 発言時間が私たちは制限されているので、一回の質問で答えてもらえますか。
 だからどうするんですかって聞いているんですよ。その後のことを聞いているのよ。

#597
○内閣総理大臣(菅義偉君) ですから、私自身、先ほど申し上げましたけど、梶田会長とお会いをして、この学術会議をより良いものにしていこうということで一致をいたしました。今、井上大臣の下でそうした話合いを行っていただいております。
 ですから、もう一度やり直しする場合には、学術会議側から提示してもらうという形になるだろうというふうに思います。

#598
○森ゆうこ君 じゃ、再推薦してもらうと、そのときに条件を出すんですか。こういう人なら認めますよと、総理がこういう人なら任命しますよという条件を出されるんですか。

#599
○内閣総理大臣(菅義偉君) ですから、学術会議がいい方向になるように、まず話合いの中で進めていきたいと思いますし、ただ、推薦するのはこれは学術会議側でありますから、私自身がこれについて申し上げることは控えるべきだと思います。

#600
○森ゆうこ君 じゃ、同じ人を、改めて再推薦といって同じ人を出してきたらどうするんですか。

#601
○内閣総理大臣(菅義偉君) 仮定の話になりますので、私から発言することは控えたいと思います。

#602
○森ゆうこ君 じゃ、憲法十五条第一項との関係でお聞きします。
 さっき法制局長官が明確に答えられました。その全てを任命しなければいけないわけではない。しかし、まあ形式的な任命で、しかし国民との関係があるので一〇〇%形式とは言えないので、法律の条文の関係で、ちょっとした、基づいてという、要するに国民に対して説明できないような人は任命できないという。この事務局の説明でも、会員の任命について、国民及び国会に対して責任を負えるものでなければならないことって書いてあるんですよ。
 だから、ごくごく限定されているんですが、総理は、これはどういう場合のことだというふうに思われますか。総理のお考えを教えてください。

#603
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、この年間十億円の予算を使って活動している政府の機関であり、任命された会員は公務員となるわけでありますから、その前提で、社会的課題に対して提言などを行うために、専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスの取れた活動を確保するために必要な判断を行ったということであります。私、そういう意味合いにおいて総合的、俯瞰的な活動ということを申し上げていました。(発言する者あり)

#604
○委員長(山本順三君) 森ゆうこさん、質問は委員長の指名をもってしてください。
 森ゆうこさん。

#605
○森ゆうこ君 会員の任命について国民及び国会に対して責任を負えるものでなければならないというのが、憲法、その総理の御説明の憲法十五条第一項、この関係からきているんですよね。だから、任命拒否もできると、全てそのまま認めて任命しなきゃいけないものではないと、ここから説明しているわけですけど。
 だから、国民及び国会に対して責任を負えるものでないというのは一体どういうときなんですか。そんなこと、しょっちゅうあるんですか。だって、学術会議が責任を持ってこの基準に基づいて推薦しているんですよ。よほどのことがなければ、この意味は、総理が御説明になっている憲法との関係、国民に対する責任、その意味というのは、よほどのことがなければ日本学術会議からの推薦を断ることはできないということを逆に言っているんで、そういう意味では総理に説明責任がありますよ。きちんと説明していただけませんか。私の質問時間、もうこれだけに使うわけにいかないので、もっときちんと説明していただけますか。

#606
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほど申し上げましたけれども、この任命された会員は公務員となるわけであります。そういう、その前提で、社会的課題に対して提言などを行うために、専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスの取れた活動を確保するため必要な判断として任命をさせていただいたと。
 そして、個々人の任命の理由については、政府の機関に所属する公務員の任命であり、通常の公務員の任命と同様に、その理由については、人事に関することであり、お答えを差し控えたいということであります。(発言する者あり)

#607
○委員長(山本順三君) じゃ、森ゆうこさん、いま一度質問をよろしくお願いいたします。

#608
○森ゆうこ君 きちっとみんなが納得できるような、国民が納得できるような、まあ、よほどのことがあって任命を拒否したんだというふうにみんな思っていますよ。一体どんなことなのか。それ、実際に選んだ杉田さんに来てもらわないと困るんですよね。総理、お分かりになりますか。具体的に分かっているんですか。
 じゃ、別な聞き方します。具体的なそういう、もうよほどのことと、総理もなるほど、これだったらこの六人は任命拒否できないわという、よほど……(発言する者あり)あっ、任命拒否するしかないわという、よほどのことがあったというふうに説明を受けたんですか、杉田さんから。

#609
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私、先ほど来、これ同じ答弁になるんですけれども、任命された方は公務員になるわけでありますから、その前提で、社会的課題に対して提言などを行うため、専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスの取れた活動を確保する、そういう必要な中で判断をさせていただいたということであります。(発言する者あり)

#610
○委員長(山本順三君) 森さん、質疑を続けていただければと思います。

#611
○森ゆうこ君 この問題、これじゃ、総理、期待された国民の皆さんがちょっとがっかりしていらっしゃると思うんです。これもう、私、これだけに時間費やすわけにいかないので、もう次行きますが。
 国交大臣、NEXCO中日本の高速道路手抜き工事、重大な問題が報道されておりますけど、これについて今分かっていることを教えてください。

#612
○国務大臣(赤羽一嘉君) 本件につきましては、まず、発注者は中日本高速道路株式会社八王子支社で、受注者は株式会社大島産業でございます。
 工事の概要、御存じだと思いますが、二〇一六年の熊本地震におきまして、ロッキング橋脚、こう架かるような橋が落橋したという事象から、同形式の中央自動車道の本線をまたぐ橋、七つの耐震補強工事が、これが工事の概要でございました。
 工事の完成間近ということで確認をしたところ、クラックが見付かりまして、十月に、見付かったことを受けまして、中日本高速道路株式会社から、受注者である株式会社大島産業に対してこの事実関係の調査指示を行い、この十一月二日に大島産業からの調査報告を受領したと報告を受けております。
 同報告書では、施工不良により、この緑橋というところでありますが、緑橋の橋の台、下り車線側の橋の台にクラックが発生したことなどが報告をされておりまして、その施工の不良の原因は全て大島産業の管理不足が原因であるということなどが記載されているというふうに聞いております。
 これを受けまして、まず、中日本高速道路株式会社は、同社自身が施工不良箇所の再施工を行って、そして、昨日、株式会社大島産業に対しまして、施工不良が確認された箇所の損害賠償請求を行うとともに、施工不良の疑いのある他の橋梁の調査を開始させたというふうに伺っております、聞いております。
 また、同時に、過去十年間に国及び高速道路株式会社が発注した工事のうち大島産業が受注した同種工事についても、施工不良の有無の調査を開始しているところでございます。
 国交省といたしましても、大変重大な事案につながりますので、しっかりこの調査結果を受けて、また高速道路株式会社と連携しつつ適切に対応してまいりたいと、こう思っております。
 以上でございます。

#613
○森ゆうこ君 衆議院の山井さんから先ほどこのリストをいただいたんですが、今、現時点で、これ国土交通省からのリストです、大島産業が受注した緑橋と同種の工事リスト。過去十年以内、何件ありますか。

#614
○国務大臣(赤羽一嘉君) これ今、ちょっと済みません、質問は過去十年以内に受注して完了したということでよろしいですか。九州地方……(発言する者あり)あっ、済みません、二十六、済みません、同じ表を持っております、二十六。これ、ただ、今精査中でございますが、二十六件というふうに思っております。

#615
○森ゆうこ君 これ、大変なことじゃないですか。第二の耐震偽装。物すごい数ですし、これ、ちょっとしたニュース見ただけでも大変人命に関わる重大な事案だと思うんですけど、どういうふうに調査されます。

#616
○国務大臣(赤羽一嘉君) 今、これはもう大変重大な事案につながるということは、私もそうした緊張感を持って対応して、指示をしております。
 先ほど申し上げましたように、まず九州地方整備局を中心に、その十年間の二十六か所について施工不良がなかったのかどうかということはもう工事の調査を開始しているところでございますし、今回の事案につきましても、七つの橋のうち一か所が見付かりましたが、それ以外についても調査をしております。
 この一か所につきましては、工事、任せないで、中日本高速道路株式会社自身でその修理、応急修理というか施工しまして、この辺についての損害賠償についてはもう既に立てておるところでございます。
 いずれにしても、今回、この大島産業が関わった工事で重大な事故につながらないように、しっかりと緊張感を持って厳しく当然のことながら対応してまいりたいと思っております。

#617
○森ゆうこ君 総理に伺います。
 一部報道では、菅内閣の副大臣、あえて今名前申し上げませんが、この工事業者に関わっていろいろ圧力を掛けていたというふうな報道もございますけれども、もしそうだとするとこれも非常に大変なことだと思うんですけど、内閣としてきちんとその辺調べる予定ありますか。指示を出されますか、総理。

#618
○内閣総理大臣(菅義偉君) このこと全体について私は承知をしていません。
 ただ、いずれにしろ、今、国交大臣が徹底して今調べているということでありますので、まずは大臣から内容というのを私しっかり後で聞きたいと、こういうふうに思います。

#619
○森ゆうこ君 いや、これ大々的に、今日、各局、先ほどのお昼のニュースでも朝のニュースでも報道しているんですけど、何にも、これ結構重大な問題だと思うんですよ。これ、これ以上広がる可能性だってありますよね。政治家が関わっている、何の報告も受けていなかったんですか。

#620
○内閣総理大臣(菅義偉君) ええ、報告はまだ受けていません。
 今、赤羽大臣が徹底して調査をすると、しているという状況でありましたので、当然ある程度めどが立ったら私に報告があるというふうに思います。

#621
○森ゆうこ君 総理は、官房長官としての最後の記者会見で、私もそれ見ました、配信動画、危機管理の菅という感じで、随分記者さんたちからも、まあ私から見ると持ち上げられている感じがしたんですけれども、総理の御答弁を聞いていましたら非常に自信を持っていらっしゃるというふうに感じました。
 総理は、官房長官として、七年八か月ですから大変だったと思うんですが、何よりも危機管理に重きを置いてやってきたというふうにおっしゃっているわけですけれども、その中で、九月十四日の記者会見の質問とちょっとかぶりますけれども、どのようなことが記憶に残っていらっしゃいますか。

#622
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず最初にあったのがアルジェリアの人質事件でありました。それから北朝鮮のミサイル、あるいは熊本地震とか、あるいは昨年の十九号の大雨だとか、台風による大雨だとか、いろんな危機管理に対応してきたわけでありますけれども、私自身、内閣官房長官というのは危機管理の責任者でありまして、夜も時間を問わずに地震とかそういうものがあるわけでありますので、緊張しながら、この七年八か月はすぐ行くことができたというふうに思っています。

#623
○森ゆうこ君 今ちょっと後ろの方からどなたかがおっしゃいましたけれども、国家安全保障会議というのがございます。これはどのようなものでしょうか。総理。

#624
○内閣総理大臣(菅義偉君) 国家安全保障会議は、二〇一三年十二月の発足以来、危機管理を含む国家安全保障上の様々な課題について重要な役割を果たしてきたと思います。私自身も官房長官として発足当初から議論に参加してきましたが、私の政権においても、この国家安全保障会議を必要に応じて適時に開催し、国家安全保障政策を機動的、戦略的にこれから進めていきたい、このように思っています。

#625
○森ゆうこ君 日本版NSC、国家の安全保障、非常事態、緊急事態、対処するために閣僚が集まって議論をする極めて重要な組織であります。
 総理は、官房長官のときに、先ほどアルジェリアの話はお話しになりましたけど、ダッカの人質事件はどうでしたか。

#626
○内閣総理大臣(菅義偉君) 御指摘の点については、当日、私は朝一番から必要な対応を全て行った上で、当時、選挙戦の途中、中だったというふうに思います。安倍総理と相談をし、安倍総理が遊説を中止して官邸で陣頭指揮を執ることによって、私自身は当時萩生田副長官に職務代行を行っていただいて、私は選挙応援に一か所だけ出かけてきました。

#627
○森ゆうこ君 それはどこですか。

#628
○内閣総理大臣(菅義偉君) 新潟であります。

#629
○森ゆうこ君 四年前の参議院選挙、新潟は初めて一人区になって熾烈な戦いでした。総理がおいでになると、官房長官として。しかも、ダッカの人質事件が起きて、今まさに当局が踏み込まんとする。NSCは招集された、国家安全保障会議。いや、まさか来ないだろうと、まさか選挙に来ないよねと。危機管理の要ですからね、官房長官は。──そのメモやめてください、それ。危機管理に対する姿勢を聞いているんだから。
 まさか来ると思いませんでしたけど、おいでになりました。正直、驚きました。どうですか、あのときの判断は正しかったと思われますか。

#630
○内閣総理大臣(菅義偉君) 実は、その選挙の最中でありましたけど、安倍総理は遊説を中止をして官邸で陣頭指揮を執る、私自身は選挙応援に出かける、そういう総理との間の中で判断をさせていただきました。また、この事件については、この事案に関する情報入手後、国内でできることを全て確認をし、官邸対策室を設置するなど、政府を挙げて情報収集と対応に当たる体制を整えた上で、現地からの報告をもって対処しています。
 政府として、当然人命最優先で取り組むと同時に、その一方で、選挙はまさに民主主義の根幹を成す重要なものであり、総理と相談をした上で、総理は遊説を中止して官邸にいて陣頭指揮を執る、そして、私は、内閣法の規定に基づいて官房副長官、現在の文科大臣を職務の代行に指定して、予定どおり新潟に応援に行くということにいたしました。このため、御指摘の国家安全保障会議には私の職務を代行する当時萩生田副長官が出席をいたしました。
 このように、しっかり体制を整えた上、まして最高責任者であります総理大臣が遊説を中止をして陣頭指揮に執るということになりましたので、私は応援に出かけて、それで帰ってきたと、そういうことがありました。(発言する者あり)

#631
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#632
○内閣総理大臣(菅義偉君) そこは適切であったというふうに思います。

#633
○森ゆうこ君 まあ人命最優先、危機管理が第一という菅総理の姿というか、コメントしませんけれども。
 それで、ちょっと確認なんですが、これ、幹事会というんですか、四大臣会合というんですか、この国家安全保障会議、議事録は取ってあるんでしょうか。

#634
○内閣総理大臣(菅義偉君) 議事概要はあるようです。

#635
○森ゆうこ君 秘書官に聞いてもいいですから、もうちょっと正確に言ってください。これ、NSC、国家安全保障会議ですよ。議事概要ってどういうことなんですか。国家の緊急事態、国の対処方針を決める大事な会議に議事概要はあるようですって、一体何なんですか。もっとちゃんと答えてください。

#636
○内閣総理大臣(菅義偉君) 公文書管理法に基づいて議事概要は作って保存をしてあるということです。(発言する者あり)議事概要であります。

#637
○森ゆうこ君 議事録を作らないと、官房長官として記者の質問に対して記者会見でたしか答えられたことがあったと思います。
 議事録は作らない、議事概要はあるということでいいですか。

#638
○内閣総理大臣(菅義偉君) ええ、そうです。

#639
○森ゆうこ君 いや、国家の、テレビ見ている国民の皆さん、どうですか。国家の緊急事態、重大事態、大変なときに、国家安全保障会議が招集され、選挙の応援を理由にしてサボる大臣もいる。そして、議事録は作らない。
 これこそ、先ほど蓮舫代表代行が、文書主義、公文書管理法に基づく、後世にきちっと伝えられる、そういうことで決められている文書管理。そもそも議事録を作らない、こんな大事な会議なのに。これ適当ですか、変えた方がいいんじゃないですか。ないこと自体が信じられません、私は。

#640
○内閣総理大臣(菅義偉君) 公文書管理法に基づいて議事の概要はしっかり作って保存をいたしています。(発言する者あり)

#641
○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

#642
○内閣総理大臣(菅義偉君) 公文書管理法の第四条に基づいて、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が微妙なものがある場合を除き、次に掲げる事項その他の事項について文書を作成しなきゃならないとなっています。で、文書は作成をして、概要を作って保存をしているということです。

#643
○森ゆうこ君 議事録じゃないんですか。議事概要なんですか。

#644
○内閣総理大臣(菅義偉君) そういう意味で、先ほど申し上げましたけど、意思決定に至る過程などが分かるような文書を作成しなきゃならないという中で議事の概要を作って保存をしております。

#645
○森ゆうこ君 これ、大事な国家としての意思決定、概要という表現がちょっと私は理解できないんですけれども、これきちんともう一回運用を考え直すべきだと思いますし、改めて、安倍政権以来、公文書の管理に関して問題が多過ぎます。今日は取り上げませんでしたけれども、防衛省で文書の改ざんがあったことも説明を受けておりますし、今後もこの問題をきちんとやっていきたいと思います。
 ところで、小泉構造改革以来、規制改革ということで、総理も規制改革に取り組むということでございましたけれども、郵政民営化も含め、構造改革すれば、規制改革すれば日本の景気は良くなる、そして国民はみんなハッピーになるという話だったんですけれども、菅総理、一体どうなっているんでしょうか。
 今の国民の皆様の生活はどのような状況なのか、構造改革、規制改革によって国民の皆さんが豊かに安心して暮らしていらっしゃるのかどうか、その辺についての総理の御認識を伺います。

#646
○国務大臣(河野太郎君) 人口が減り、社会が高齢化する中で、日本の経済を活性化するためには、規制を改革し、日本の経済を前に進めていく、そういうたゆまない努力が必要だと思います。

#647
○国務大臣(西村康稔君) 今年に入ってからは、コロナを機に経済情勢、意図的に緊急事態宣言で経済を止めたこともありますので経済の状況は非常に落ち込んだわけでありますけれども、現状、消費も含めて持ち直しつつありますし、そのコロナ以前の段階を考えれば、アベノミクス、まさに三本の矢を推進することによって、規制改革でもちろん新たなビジネスを生み出していくこともやりながら、成長と、そしてそれを、成長の果実を弱い立場にある方々に分配しながら政策を進めてきた。
 その結果、全体として総雇用者所得も上がっておりますし、最近でも家計調査、これ定額給付金の十万円も効いておりますので、所得は向上しているもの、所得、雇用の環境は改善してきているものというふうに認識をしております。

#648
○森ゆうこ君 アベノミクス七年、道半ば、ずうっと道半ばのままで、とうとう地方に、庶民に回ってこなかった、今でも言われますよ。そういう声、聞きませんか。
 それで、じゃ、ちょっと結果を見せていただきたい。何かいい数字ないんですか。(資料提示)
 どうして、総理、何でほかの国では平均賃金これだけ伸びているのに、日本だけが少ないんでしょうか。

#649
○国務大臣(西村康稔君) 経済全般の話であります。まず、私から御答弁申し上げたいと思いますけれども。
 まさに、お示しいただいたグラフ、表は、二十年間、それを超える日本経済のデフレ、これがいかに深刻な影響を与えたかということを示しているものだと思います。言うまでもありませんけれども、九〇年代のバブル崩壊以降、リーマン・ショックを経て、長年のデフレによって、企業は人件費を抑制することによって事業を継続するということを続けてきたわけでありまして、それによって、当然賃金が上がらない、消費も増えない、そうすると売上げが増えない、また賃金が下がる、この上がらないという、この言わばデフレの悪循環を繰り返してきたわけでありまして、そのことを踏まえて、まさにアベノミクス、安倍政権できて以降、政権交代以降、このデフレを脱却するということを目指して、雇用と賃上げ、これを中核に、政策の中核に考えてきたわけであります。最低賃金の引上げとか、あるいは七年連続の労使交渉による賃上げの実現、こういったことを通じて、それから、今年の四月からは同一労働同一賃金も実現、大企業で行われております。こういったことを通じて所得環境が上がってきております。
 そのグラフも、二枚目の時給のグラフもありますけれども、二〇一二年以降で見ますとプラスになっておりまして、まだ道半ばですけれども、プラス三・八%となっておりまして、そういったことを含めて、更に賃上げを中心としながらデフレ脱却目指して取り組んでいきたいと考えております。

#650
○内閣総理大臣(菅義偉君) 安倍政権発足してから毎年賃上げ三%というようなことはやってきていることは御承知だと思います。さらに、雇用を大幅に増やしたことも事実じゃないでしょうか。やはり一番大事なのは、働く場所、雇用を増やすことだというふうに思っています。それと同時に、可処分所得を増やす、このことも政治の大きな役割だというふうに思います。
 それで、この地方ですけれども、地方の地価は二十六年間ずっと下がりっ放しだったんです。下落続いてきましたけれども、昨年は二十七年ぶりに上昇をし始めました。それはやはりインバウンド政策が大きかったんだろうというふうに思っています。今年に入って、コロナの中で非常に厳しい状況になっていますけれども、少なくとも二十七年ぶりに地価が上がり始めたところで、私自身、七年八か月官房長官やって一番うれしかったんですけれども、今は残念ながらこのコロナの状況でありますけれども、これを乗り越えてこの経済をしっかり回していきたい、こういうふうに思います。

#651
○森ゆうこ君 どの問題についても今のようなきちっと答弁を最初からしていただきたいなというふうに思いますが、でも、今そうおっしゃいましたけど、約八年も掛かって全然良くならないわけですよ。安倍さんもこの間までもう安倍政権の成果とかって言っていたけど、もう全然良くならないわけですよ。
 次のグラフ見てください。非正規職員、もう今やもう四割近く、このコロナ禍で若干減ってはいますけれども、物すごく不安定な雇用で、昨日も衆議院でお話があったと思います。だから若い人たちは結婚もできない、子供もつくれない、つくりたいと思う人がね。
 この悪循環を何とかしなきゃいけないのに、構造改革、規制改革やれば良くなると言っていたのに、全然良くならないのはなぜなんですかって、そこに答えをストレートにいただきたいんですよ、総理。いかがですか。

#652
○国務大臣(田村憲久君) 非正規、確かに二〇〇九年から二〇一九年までで四百三十八万人、非正規の方々が増えております。
 ただ、内訳見ますと、このうち六十歳以上の男女六六%、それから女性が二六%非正規、もちろん女性も正規であった方がこれは間違いなくいいわけでありますが、雇用を生み出したという意味では全体の所得は増えているということでございまして、非正規が増えたというのはこういうような側面が多いと。
 もちろん、第二のその氷河期世代をつくっちゃいけないということで、先般も、私や文科大臣含めて経済団体の方に是非とも来年の四月もしっかりと雇っていただきたいという形でお願いは行ってまいりました。

#653
○森ゆうこ君 厚生労働大臣そうおっしゃいましたけど、菅総理のブレーンは、つい先週のテレビ朝日、朝生でこんなことを言っていらっしゃいましたよ。正規雇用と言われるものはほとんど首を切れないんですよ。首を切れない社員なんて雇えないんですよ、普通。それで非正規というのをだんだんだんだん増やしていかざるを得なかった。こういう人がこれから経済と規制改革のアドバイザーですか。
 総理、これどなたか、よくこういう話していますから、どなたか分かるでしょう。

#654
○国務大臣(西村康稔君) いろいろ御意見はあると思いますけれども、日本の雇用システムについていろんな考え方はあると思いますが、直近はコロナを機に非常に雇用も厳しい状況から今持ち直しつつある状況だと思いますけれども、大きな流れで言えば、やはり将来の人手不足の予想も含めて、これまでのコロナ以前の人手不足感も含めて、正社員を増やすという動きも、大きな流れも出てきております。
 私ども、同一労働同一賃金を来年四月からは中小企業も適用するわけでありまして、そうした中で正社員を確保しようという動きもあります。それを、私ども、キャリアアップ助成金などで、正社員化の動き、そして所得が上がっていく、こうした動きを強化していきたいというふうに考えております。

#655
○内閣総理大臣(菅義偉君) どなたですか、教えてください。

#656
○森ゆうこ君 竹中平蔵さんです。竹中平蔵さんは今どういう立場ですか。そして、仕事は何と何と何と何をしていらっしゃるんですか。

#657
○内閣総理大臣(菅義偉君) 竹中さんが具体的にどのような仕事をしているかというのは私は承知していません。大学教授とかそうしたものをやって、評論家とか、経済評論とか、そういうことじゃないでしょうか。
 いずれにしろ、竹中さんに限らず有識者の方に様々なこの成長戦略とか規制改革の会議には入っていただいていますけれども、いろんな意見を聞く中で私のところで判断をして、経済を良くするために取り組んでいるということであります。

#658
○森ゆうこ君 総理になられてから初めて会食をされた民間人は竹中平蔵さんというふうに私は承知しているんですが、総理のアドバイザーというかブレーンとしていろんな役をこれまでもやってこられましたし、今回も改めてお願いをしたわけですよね。違うんですか。政府の中でいろんな役職していらっしゃるでしょう。

#659
○内閣総理大臣(菅義偉君) 菅内閣の参与とか補佐官には入っておりません。政府の成長戦略、成長戦略会議とか、そういう中でメンバーにはなっていただいています。まずは、そういう中でそれぞれの有識者の皆さんから意見を伺って、自由な発想の中から活発な御議論をいただく中で、私自身が政策に判断をさせていただいているということであります。

#660
○国務大臣(坂本哲志君) 国家戦略特区担当としてお答えをさせていただきます。
 竹中議員は国家戦略特区諮問会議のメンバーでもございます。国家戦略特区諮問会議における調査会議の中で優れた意見を述べていただいておりまして、国家戦略特区諮問会議の民間有識者議員としてふさわしい方であるというふうに思っております。
 それから、スーパーシティの有識者懇談会でございますけれども、これはスーパーシティ構想を実現するための制度の在り方を議論するものでありまして、その成果は全てのエリアや事業者にひとしく活用の機会が開かれることになります。ですから、この懇談会は特定の事業者を選定するなど利益処分を行う場ではないことから、竹中平蔵氏のスーパーシティ構想有識者懇談会というのは、まさに適切な人物であるというふうに思っております。

#661
○森ゆうこ君 いや、私、全然質問していないんですけどね。竹中平蔵さんがこういう規制緩和の会議に入っていても全然問題ないとわざわざ、わざわざ説明しているの、何でですか。

#662
○国務大臣(坂本哲志君) どういう役をやっていらっしゃるかということを聞かれたということで、この役をやっていらっしゃるということで説明をいたしました。

#663
○森ゆうこ君 規制改革をやっているけど、特別にどこかが利益を得るわけじゃないから問題ないと。
 つまり、利益相反のことを私がこれから聞くと思ったんですね、大臣。

#664
○国務大臣(坂本哲志君) あくまでも、今の有識者会議あるいは国家戦略特区の諮問会議、そのことのメンバーの一人であるということを御説明をしたところであります。

#665
○森ゆうこ君 ありがとうございます。おかげで議論が活性化できますね。
 とにかく、規制改革関連の未来投資会議、規制改革推進会議、もうどこを取っても金太郎あめみたいに竹中平蔵さん出てくるんですよ。
 これ、もう一回言いますよ。正規雇用と言われるものはほとんど首を切れないんですよ。首を切れない社員なんて雇えないんですよ、普通。それで非正規というのをだんだんだんだんだんだん増やしていかざるを得なかった。
 じゃ、大臣、竹中平蔵さんというのは派遣大手のパソナのどんな役をしているんですか。

#666
○国務大臣(坂本哲志君) パソナグループの会長でございます。

#667
○森ゆうこ君 規制改革して、どんどんどんどん非正規労働者が増えて、アベノミクス、大金持ちは更に大金持ちに、でも、庶民はますます苦しくなった。
 ちょっと次の見てください。アベノミクスのおかげで確かに大金持ちの人は増えました。そして、更に純金融資産増えました。すごいですね。ちょっとこれ、どうなっているのか説明してくださいます、総理。

#668
○国務大臣(西村康稔君) お示しいただいたグラフでありますけれども、能力を発揮して、そして成功が報われて、そして所得や資産が増える、これは、つまり努力が報われることは私は悪いことではないと思います。起業したりいろんなことにチャレンジしていく、そういうチャレンジしようと思える社会はつくっていきたいというふうに考えております。
 ただし、その上で、富裕層がより豊かになり、所得の低い人が貧しくなる。格差が固定化をされたりあるいは再生産されたり、あるいは許容できないような格差、これは生じないようにしていくことが大事だというふうに考えております。
 そうした観点から、最低賃金の引上げを、この安倍政権交代後、百五十三円上げてきました、九百二円まで来ましたし。引き続き、所得全体の底上げ、しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。

#669
○森ゆうこ君 意味のない答弁ですね。現実見てください。景気全然駄目なのに、実体経済は。
 大金持ちは二〇一七年には百二十六万人、しかもその人たちだけが保有している純金融資産は二百九十九兆円ですよ。今社会のひずみがコロナによって物すごく大きく現れてきていて、もうこの間、同僚議員がみんな言っていますけれども、年越せないんじゃないか、シングルマザーは一日一食にしている、子供たちに食べさせるために。それが現実なんですよ、人々の。
 この大金持ちが更に大金持ちになったアベノミクス、何でこんなもうかるのか、金融。先ほど白さんがやりました。ちょっと官製相場じゃないですか、日銀の。こんな異常なこといつまで続けるんですか、総理。

#670
○国務大臣(田村憲久君) 多分、年金を運用しているGPIFも、株、国内株を投資しているということでグラフの中に入れていただいているんだと思いますが、もう御承知だと思いますけど、GPIFの場合は、もう専ら被保険者の利益のために、まあ言うなれば将来必要な年金の給付を長期的な観点からこれを確保するということでやっておりまして、ただいま国内債券、非常に高くなっております。
 そういう意味では、高いものを今一定の比率で持っておりますと、将来的には値が下がる可能性がこれは高いわけでありまして、そういう意味でポートフォリオを見直しておりまして、結果的に、分散投資というものをやった結果、国内株が比率が増えておるということでございまして、これは被保険者の方々の利益を考えた上でこういう形を取らせていただいておるという形でございます。

#671
○森ゆうこ君 それは官製相場ですから、これはいつまでも続けられませんよ。
 何というのかな、私、総理には就任直後に、もう皆さんコロナで大変でしょうと、もう何とか皆さん一人一人に手が届くようにその対策やりますという強いメッセージ出していただきたかったのに、自助、共助、公助でしょう。この間ずっとお話ありますけど、何でこんな自助って言うんだろうなと思って。伊吹文明さんの話ですね、これ。
 これ、自民党の皆さん、今ほとんどこういう考えなんですか。自称弱者、自助ができるのに私は自助ができませんという自称弱者が次々出てきて、自助をしている人の果実をかすめ取っていくと社会は成り立たなくなる。自民党はこんな考え方なんですか、総理。

#672
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、私自身が目指す社会像として自助、共助、公助、こうしたものを掲げました。さらに、自助、共助、公助、そしてきずなということを私、申し上げています。やはり自分でできることは基本的にやっぱり自分でやるということは大事なことじゃないでしょうか。そして、地域や家族で助け合って、そしてその上で最後は国がセーフティーネットでしっかり守ってくれる、そういう信頼される社会、そうしたものを目指したいと思っております。
 例えば、今コロナで大変です。しかし、コロナの中でも、三密を避けるとかあるいはマスクをするとか手洗いをするとか、自分のできることは、まずそこからスタートすべきじゃないでしょうか。そうした中で共助、公助と。今はコロナで大変だということで、政府としても大胆な財政出動をさせていただいています。こういう中で、やはり誰一人取り残されないようにしていくのが、やはり私はこれが政府の役割だというふうに思っています。

#673
○森ゆうこ君 それができないから、手が届いていないから、みんなこの予算委員会でも提案しているんですよ。一人親支援であるとか、休業給付の充実、拡大であるとか、それからもうボーナス払い、ローンのね、住宅ローンの、それから奨学金、対象になっていない学生さん、払えない、もうそういう悲鳴が毎日毎日地元からは、食堂やっている人たちから、もう本当毎日連絡来ますよ。これをどうにかして、予備費を使ってでも、今すぐ今ある制度を拡充して対応してほしいと、対応してくれと、こういうことこそ今総理が指示すべきじゃないんですか。指示してください。

#674
○国務大臣(田村憲久君) 一人親家庭も含めて大変厳しい状況があるというのは我々も認識いたしております。もちろん、自助、共助、公助というのは何でも自助というわけではないわけでありますが、やっぱり働いていただくということは大変重要である。仕事がなければ、ハローワーク等々いろんな対応、それから求職者支援制度でありますとか生活困窮者自立支援制度、こういうようなものもあります。雇用保険等々の共助というものもあります。もちろんセーフティーネットという最後の、あっ、ごめんなさい、生活保護というセーフティーネットもありますが。
 そんな中において、我々も状況をいろいろと勘案する中において、一人親家庭において、コロナ禍でございましたから緊急特例の給付金をお出しをさせていただいたり、それから小口の資金等々もいろいろと、これは融資でありまして、住民税非課税世帯で所得が下がっておられればその年は御返済が免除されるようなそういう制度でありますけれども、そういうものをやってきておるわけであります。
 これ、今までやってくる中において、これから状況を見ながら、この後どうするかということも含めて検討をしてまいるということであります。

#675
○森ゆうこ君 早くやってください。いつまで検討しているんですか。具体的にもう我々は提案していますよ、昨日、長妻さん、そして山井さん、要望に行ったと思いますけど。

#676
○国務大臣(田村憲久君) いろんな御要望、例えば休業支援金の方も含めていろんな御要望をいただいております。与党からも一人親対策等々の御要望をいただいております。
 そのような御要望をいただく中において、もちろん現状をしっかり見据えなきゃいけませんけれども、必要があればこれに対してはしっかり検討を進めてまいるということであります。

#677
○森ゆうこ君 総理、必要があれば検討する、今国民がみんな困っているのにまだそれなんですか。予備費、そのために積んだんじゃないんですか。具体的に我々提案しているんですよ。総理がすぐやれと指示していただければ助かるんですよ。
 いや、お金持ちの人はいいんですよ、困っていないんだから、みんな。困っている人たちが本当に大勢いると言っているのをちょっとよく調べてもらえませんか、総理。

#678
○内閣総理大臣(菅義偉君) 政府としては、やはり今厳しい状況の中にあって雇用を守って事業が継続できるように、最大二百万円の持続化給付金、最大四千万円の無利子無担保融資の措置、こうしたことを進めています。
 こうしたものも行き渡るようにしたいと思いますし、また、GoToトラベル、持続化給付金、雇用調整金、さらには、今厚労大臣からお話ありましたけれども、一人親支援、様々なことを閣僚間でこれは相談をしながら、新型コロナウイルスが経済に与える影響を始め内外の経済動向を注視して、この新型ウイルス対策に万全を尽くし、経済を回復させるために、そこはちゅうちょなく対応するべき等、必要な対策というのは講じていきたいと思っています。

#679
○森ゆうこ君 困っている、生活に困っている皆さんが今の総理の言葉を聞いて安心してくださったでしょうかね。
 もう少し対策をパッケージにして、これで安心してくださいと、みんな分かりやすくしてもらいたいと思いますし、持続化給付金、当初から問題になっていました。最初に申し込んだ人たち、全然対応してくださらなくて、とうとう例のサービスデザイン協議会が何か通知を出したんですって、二週間以内にいろんなものを出してこないともう打ち切ると。ちょっとひどいじゃないですか。ひど過ぎますよ。どうですか、分かりますか。あっ、経産省だ。

#680
○国務大臣(梶山弘志君) 今お話ありましたのは不備解消依頼書というものが届いたということだと思いますけれども、申請に不備がある方につきましては、これまでも複数回にわたり、メールやはがき、マイページにて不備修正の御依頼、御案内を差し上げ、サポート会場、コールセンター等で相談対応を行うなど、できる限りの不備解消ができるよう対応を継続をしてきたところであります。しかしながら、申請内容の不備修正をお願いしてから長期間返答がない方を含め、要件を満たすことを示す書類等を十分に確認できない方、長期間ですね、できない方たちに対して、不給付要件に該当すると考えられる方が引き続き多くいらっしゃるということであります。
 こうした十四日以内の不備修正をお願いする不備解消依頼書をお送りしているものでありまして、不備が解消できた場合には給付の対象となります。これ、ずっと問いかけているけど連絡がない、そしてまた、修正をお願いをしているけれどもその修正の書類が来ないという方たちに対してこういうものを送らせていただいているということでありまして、したがって、審査の一方的な打切りとの御指摘は当たらないと考えております。

#681
○森ゆうこ君 それは、経産省の話と、まあサービスデザイン協議会の話と、その申請している人と、主張全く違いますね。しかも、その不服申立てをそのサービスデザイン協議会がやると。それ、ちょっとおかしくないですか。さんざん待たされて対応もしてもらえない、その不備の理由も教えてもらえないという、そういう、相変わらずあるんですよ。ちょっと経産省、もう少しきちっとやってください。

#682
○国務大臣(梶山弘志君) これは申請があって審査があって給付ということになります。そして、ほぼ、九九%ぐらい審査通っています。その中にまあ不正受給なんかもありましたけれども、九九%通っている。残りの一%でなかなか書類がそろわないという方にこういうものを送らせていただいているということで、これで対応していただければお支払をするということであります。

#683
○森ゆうこ君 まあ一方的で、そのいろんな問題点が指摘されていたところが最後までそういうことをやるというのはおかしいということを重ねて申し上げたい。
 最後に、原発についてお聞きします。
 カーボンニュートラルのために、原発、どんどん再稼働するんですか。新潟柏崎刈羽六、七号機、全部審査通りました。総理の方針を教えてください。

#684
○内閣総理大臣(菅義偉君) 原発の再稼働については、高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しい水準の新規規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら進めていく、これが政府の基本方針です。

#685
○森ゆうこ君 パネルは、今の新潟県花角知事、自民党が応援した知事です。こういう広告を出して当選しました。地元は七割の人が反対です、新潟県民は。ごり押ししないですよね。

#686
○国務大臣(梶山弘志君) 正規の手続に従ってこういったことをさせていただいておりますけれども、現在、新潟県において検証委員会のプロセスが進められているものと承知をしておりまして、政府としてこの検証委員会のプロセスについてはコメントすることは差し控えたいと思います。

#687
○森ゆうこ君 原発処理水はどうするんですか。

#688
○国務大臣(梶山弘志君) 九年前の原子力発電所事故以来、原子力を見る目は大変厳しいものになっていると私も思っております。私も隣県茨城県の東海村から七、八キロのところに住んでおりますし、今まで理解があった方もなかなかやっぱり理解していただけないということで、ハードルは上がっているのは肌で感じているところであります。これは、今、信頼回復の、技術的にも、また地域の皆さんの信頼も回復していく期間であると思っております。
 そして、この事故後にできた規制委員会、そして新たに作った規制基準においてこういった審査をしているということでありまして、それを通ったものはしっかりと動かしていくということなんですが、ALPS処理水の件に関しましても、科学的な知見に基づいた提言をいただくとともに、ALPS処理水の安全性や処分に伴う風評被害への懸念、国際社会や消費者への情報発信の必要性等の御指摘をいただいておりまして、広く国民の皆様から貴重な意見を頂戴できていると考えております。十月二十三日には、様々な場でいただいた御意見の整理を行い、関係省庁に対して更に検討を深めることを要請したところであります。
 まずは、こうした議論を踏まえて、関係省庁において更に検討を深めていくことが大切であると思っております。敷地が逼迫する中、いつまでも方針を決めずに先送りできないのも事実である中で、丁寧な議論とのバランスを取りつつ、適切なタイミングで政府として責任を持って結論を出してまいりたいと考えております。

#689
○森ゆうこ君 事故の検証もできていない、核のごみの捨場もない、でも原発再稼働を行う。そして、ALPS処理水、ほかにも方法があるのに検討せず、放出しようとしている。とても国民のために働く内閣だとは思えない。
 厳しく対峙していくことをお誓い申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。

#690
○委員長(山本順三君) 以上で森ゆうこさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#691
○委員長(山本順三君) 次に、二之湯智君の質疑を行います。二之湯智君。

#692
○二之湯智君 自民党の二之湯智です。
 まず初めに、九月十六日に第九十九代菅義偉内閣総理大臣が誕生いたしました。テレビ、新聞のマスコミは、秋田県の農家出身で、地元の高校を出て上京、働きながら大学に通い、今日の地位にまでたどり着いた、たたき上げの苦労人であると、秋田県初の総理大臣の誕生を好意的に報道をいたしております。
 東北出身の総理大臣は、戦前は平民宰相原敬、そしてお二人の海軍の軍人でありました斎藤実、そして米内光政、戦後は鈴木善幸総理大臣であるわけでございます。そして、菅総理は東北で五人目の内閣総理大臣、秋田県では初めての方であるわけでございます。
 総理は、高校を卒業して東京へ出て、一念発起して大学に通い、それから神奈川県で地元の国会議員の秘書として随分と苦労されたと、このように思うわけでございます。血縁のないこの地域で一生懸命頑張って横浜の市会議員になり、そして国政に進出して今日の地位まで上り詰められた、まさに徒手空拳で頑張ってこられた方であるわけでございます。
 市会議員というのは市民にとって最も身近な議員でありまして、選挙のとき、日常活動、路地裏にまで入って、そしていろいろと市民と対話して、そしてその地位を確保し、そしてその声を市政に反映をしていくということでありまして、庶民感覚を肌身で感じられた、そういう政治家であるわけでございます。
 私事になりますけれども、私も三重県の片田舎で中学校まで過ごして、そして京都に出てまいりまして、そして学校を卒業して地元の国会議員の秘書をし、後援会事務局長をして京都市会議員になり、国政にまで出させていただきました。そういう面では菅総理と非常に重なる部分がございまして、非常に共感を覚えるといいますか、頑張ってもらいたいなと、このように思っているところでございます。これからの菅総理の頑張りを心より期待をして、私の質問に入りたいと思います。
 まず、現在、非常に大きな話題となっております日本学術会議について、会員の選出方法、そして第三者による学術会議の実績の評価、そして外国人研究者の比率、さらに幹部の選考、会員の任命手続、そして組織の在り方の視点から質問をいたします。
 まずは会員の選出方法でありますが、学術会議は、報道では学者の国会と言われるように、研究者を代表して政府に提言を行う存在なのであります。
 では、現在、日本には約九十万人の研究者がいる中、学術会議を構成する約二百人の会員、そして二千人の連携会員は、それぞれどのように選ばれているのでしょうか。会員は、連携会員からの持ち上がりが七割、そして残りは現在の会員と連携会員の推薦から選ばれております。そして、連携会員というのは会員の推薦で選ばれます。これでは結局、国民には本当に分からず、密室で選んでいるということになっているのではないでしょうか。
 そこで、G7、主要先進国のアカデミー、学術団体は会員についてどのような選び方をし、実績は誰がどう評価しているのでしょうか。外国人を含め、多様性をどのように確保しているのでしょうか。その点を政府にお伺いをしたいと思います。

#693
○政府参考人(福井仁史君) お答えさせていただきます。
 学術会議の会員の推薦、それから連携会員の任命に当たりましては、会員及び連携会員による推薦等に基づき、日本学術会議に置かれる選考委員会での選考を経て候補者を選定しております。選考の過程におきましては、個々の個別の研究分野ごとだけではなく、そういった狭い分野にとらわれない幅広い対象からも候補者の選考を行っているところでございます。
 それから、G7に参加しております国々のアカデミーで構成しますGサイエンス学術会議、これに参加しているアカデミー、日本学術会議もそれでございますけれども、このアカデミー内では、現在の会員により推薦、選出される方式、いわゆるコオプテーションと言っておりますけど、こういう方法を基本的に採用しております。その際に、採用のその、各採用するときの実績の評価につきましては、会員による投票方式や分野別の審査など、いろんな方法で研究業績や創造的活動を評価していると承知しております。
 また、今申し上げましたGサイエンスの学術会議参加の日本以外のアカデミーにつきましては、外国人の会員が認められております。
 そういう形で多様性の確保に寄与していると考えられるところでございますが、一方で、日本学術会議が取り組んでおります男女比率や、あるいは年齢、あるいは地方別の会員数、これらに配慮しているかどうかについては確認できておりません。
 以上でございます。

#694
○二之湯智君 今、全国には九十万人の研究者のうち、学術会議の第一部に当たる人文・社会科学系は十万人、第二部の生命科学系が十八万人、第三部の理学・工学系は六十二万人です。この十万人の人文・社会科学系の研究者を代表する第一部長は、最近の十五年間のうち約十年間は東京大学の社会科学研究所の所長経験者等が就任をされております。なぜこのように、同じように、出身を同じくする方が第一部長という同じポストを連綿と引き継ぐことができるのかと、これはちょっと首をかしげたくなるところでございます。
 学術会議が今回の任命について批判をするのであれば、学術会議側も少なくともこうしたことを可能とする幹部の選考方法は直ちに見直すべきではないかと思いますが、いかがでございましょう。

#695
○政府参考人(福井仁史君) 御指摘いただきました日本学術会議の部長でございますが、これは一部から三部までございますけれども、各部の事務を掌理するほか、幹事会、私どものその幹部の集まりでございます幹事会の構成員として学術会議の運営に関する事項の審議にも参画する重要な役職だと考えております。
 この部長の選任につきましては、日本学術会議法第十二条第二項におきまして、その部に属する会員の互選によって定めるということとされておりまして、歴代の第一部長も会員の互選により選出されたものとは認識しております。
 学術会議の在り方につきましては、現在、学術会議において検討を行っております。年内に取りまとめて、これを井上大臣に報告すべく検討しているところでございます。
 委員御指摘の点につきましても、必要に応じて検討課題としていくことになるものと考えております。

#696
○二之湯智君 報道によりますと、学術会議の会員の選考に関しては、百五名の推薦名簿を学術会議が正式に提出する前に、あらかじめ内閣府の日本学術会議事務局を通じて官邸とも選考の考え方についてある程度の調整が行われていたようでありまして、大西元会長もそうした話をされているとされております。
 本件は、今回史上初めて任命拒否を行ったという報道もなされていますが、こうした事前調整の経緯が事実であれば、任命の考え方や手順は従来と余り中身は変わらないというのではないでしょうか。
 もちろん人事のプロセスの詳細は言えないでしょうが、この際、言える範囲内で説明していただいた方が国民に分かりやすいのではないかと思いますが、カン総理にお願い、あっ、菅総理に、申し訳ございません、菅総理にお伺いをいたします。

#697
○内閣総理大臣(菅義偉君) 人事のプロセスについては基本的には説明は控えさせていただいていますが、可能な範囲で申し上げれば、以前は、学術会議が正式の推薦名簿が提出される前に、様々な意見交換の中で内閣府の事務局などと学術会議の会長との間で一定の調整が行われていたと承知しています。
 一方、今回の任命に当たっては、そうした推薦前の調整が働かず、結果として学術会議から推薦された者の中に任命に至らなかった者が生じたということです。
 日本学術会議法の規定に基づき、任命権者が学術会議に求められる役割等も踏まえて適切に判断するという考え方は、以前のように事前に一定の調整が行われた場合と、今回のように推薦名簿をいただいた後、九十九名の任命を行う場合とでは変わらないと思います。

#698
○二之湯智君 国立大学は、以前は国の機関であり、文科省の一部でしたが、二〇〇四年に国立大学法人となり、いわゆる独法として独立の組織となったわけであります。これにより、学長の裁量で自由な経営もできるようになり、民間の寄附も受け付けやすくなりました。さらに、大学ごとの業績も外部から非常に評価しやすくなったのではないでしょうか。
 学術会議は長らく国の機関であり、現在は内閣府の一部ですが、この学術団体が国の機関となっている例は国際的にも非常に珍しいと言われております。こうした形態のままでは、過去において南極観測や原子力研究の導入、特に南極観測隊は、戦後十一年後に学術会議が是非とも南極観測隊をやるべきだということに強く政府に申し入れてそれが実現したわけでございまして、私も中学一年か二年のときに、南極観測隊「宗谷」の記録映画を学校の映画鑑賞で見たことありまして、大変感動いたしました。そういう輝かしい学術会議の歴史があるわけでございます。
 そういう中で、今回、いつまでも国の機関であっては提言機能も活性化しづらく、国民の期待に応えることができない、そういうことになっていくのではないでしょうか。むしろ、今回、こういうことを契機に独立行政法人にしたり、あるいは公益社団法人のような形を取って、必要な会員の補助金を国から交付する形を取った方がよいのではないかと思うわけでございます。
 井上担当大臣にその点をお伺いいたします。

#699
○国務大臣(井上信治君) 日本学術会議は、国の予算を投ずる機関として、科学の観点から社会的課題の解決に向けた提言をしていくなど、本来発揮されるべき役割を適切に果たし、国民の皆様に理解される存在であり続けることが重要であると考えています。
 学術会議の梶田会長からは、学術会議の提言機能や情報発信力、国際活動などにおいて検討すべき課題があると伺っており、解決に向けた道筋をしっかり検討いただくよう、私から会長に要請をいたしました。
   〔委員長退席、理事藤川政人君着席〕
 御指摘の点も含め、学術会議の組織形態についても様々な御意見があるものと承知をしております。私としても、学術会議を所掌する大臣として、学術会議が発揮すべき機能を適切に果たすことができるようにするという観点から、学術会議の組織形態も含めて、梶田会長と連携して共に未来志向でしっかりと検討してまいりたいと思います。その際、自民党においてもプロジェクトチームにおいて検討しているところであると承知しており、そのような御議論も参考にしてまいりたいと考えています。

#700
○二之湯智君 学術会議の質問はこの程度にいたしまして、今月の十一月一日に大阪で大阪都構想の是非を問う住民投票が行われたわけでございます。結果は、前回五年前と同じように、市民の方は大阪市の廃止に反対、特別区四つをつくる大阪都構想にノーの答えを突き付けたわけでございます。
 しかし、ある程度、この政令指定都市の在り方、さらには道府県と政令指定都市の在り方の問題、大都市はどうあるべきかとか、こういう問題については、菅総理も感想を述べられているように、私もある程度地方問題について考えるいい機会を与えてもらったんではないかと、このように思うわけでございます。
 私も政令指定都市市会議員を経験した一人といたしまして、府と京都市の間の権限の問題あるいは財源の問題、あるいはこの政令指定都市の中から選ばれている府会議員の存在の問題、こういう問題はかねてからずっといろいろと言われておりますけど、なかなかこの制度の改正ができないわけでございます。
 今日、せんだってのこの新型コロナ感染症等の特別措置法は、都道府県の知事が一応窓口となっておるわけでございますけれども、感染症にかかった患者さんは政令指定都市の中の人の方が多いわけですね。そういう中にあって、非常に、今回、政令指定都市側から、もう少し政令市の方に、国の方は都道府県と政令市と二つの窓口をつくってもらった方がより効率的ではなかったんではないかと、こういうことも意見もあるわけでございます。
 したがいまして、大阪都構想は駄目になりましたけれども、依然としてこの政令指定都市と道府県の問題、いろんな地方の制度、自治体の在り方の問題について課題は多いわけでございます。そういう面で、この横浜市の市会議員として、政令都市の市会議員として経験のある菅総理にその点も含めてひとつお考えを承りたいと思います。

#701
○内閣総理大臣(菅義偉君) 新型コロナウイルスを含む感染症への対応に当たっては、かねて厚生労働省から、都道府県と保健所設置市及び特別区は相互に連携して感染症対策をお願いをするよう、行うようお示しをしたところです。その上で、感染症の発生時の自治体間の連携の在り方については情報提供を強化していくべきではないかとの指摘もあり、関係省庁において検討を進めています。
 また、政令指定都市に関しては、事務権限等の点で都道府県との関係で課題があると指摘をされております。詳しくは総務大臣が答弁させますが、これまで制度改正を行ってきたところであり、今後も必要な対処について検討してまいりたいと思います。

#702
○国務大臣(武田良太君) 我が国の指定都市制度に関してでありますけれども、人口規模が都道府県並みである指定都市に対しては事務配分等の特例を認めておりますが、そのこと自体が都道府県との関係で課題を生じさせているとの指摘もあるところであります。
 こうした課題に対処するために、最近では平成二十六年、この両市、指定都市と都道府県が政策を調整する場を法制化する等の措置を講じてまいりましたけれども、今後とも、御指摘のとおり、必要な対処について検討してまいりたいと存じます。

#703
○二之湯智君 質問の通告はないんですけど、やはり調整会議がありましても、なかなかそこはこの県の職員と政令市の職員とのいろんな縄張争いがあってうまく機能していないという問題ありますし、さらにまた、政令指定都市に都市計画の権限が移りまして、大都市のその行政がなかなか府県との間でうまくいかないということもございますので、そういう面も含めて、これからも大都市の在り方、都道府県との在り方、こういうことについても一生懸命努力をしていただきたいと、このように要望しておきます。
 ところで、まだアメリカの大統領選挙の結果が判明しないようでございまして、法廷闘争に持ち込まれるというような、そんな報道もあるわけでございます。
 四年前はトランプ大統領が誕生いたしまして、就任式の前に安倍総理はトランプ大統領を訪ねて、そして個人的な信頼関係を築かれたわけでございます。古くは、安倍総理と、また、いや、中曽根総理とレーガン大統領の個人的な関係。
 やはり、国際政治において首脳同士のいわゆる個人的な信頼関係を構築するということは非常に両国の友好親善にとって重要であるということが分かったわけでございまして、安倍政治の継承をする菅総理におきましても、これから、どちらになられるにしても、どうやってこのアメリカの首脳との個人的な関係を築かれるのか、その点についてお伺いをしたいと思います。

#704
○内閣総理大臣(菅義偉君) 日米同盟は、日本外交、安全保障の基軸であり、インド太平洋地域と国際社会の平和、繁栄、自由の基盤となるものであります。米国の大統領選挙の結果にかかわらず、日本としては、引き続き米国と緊密に連携していく考えに変わりありません。
 その上で申し上げれば、私も総理就任後に米国を含むG7、中国、ロシアなどとの電話会談を重ねてきました。また、先般のベトナム及びインドネシア訪問では、フック首相、ジョコ大統領、ASEAN関連首脳会議に向けた連携も含め、対面でじっくり意見交換をし、首脳間の信頼関係を構築することができたと思っています。
 引き続き、各国首脳との信頼、協力関係を更に発展させ、積極外交を展開していく決意であります。

#705
○二之湯智君 次に、定額特別給付金、いわゆる十万円に、国民にひとしく配付された件についてお伺いしたいと思います。
 第一次補正、第二次補正の効果を踏まえて更に第三次補正も講ずる必要があると思うんですが、この十万円のお金が経済対策として盛り込まれたわけでございますけれども、これは、そのときに人々が連帯して一致結束し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない、このため、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うということで十万円を皆さんに給付されたんですが、やや抽象的な表現で、どうすればいいんだということで、この十万円をもらった方は大変有り難かったと、そして、まあこれはかなり迅速に、約二か月ぐらいで多くの、もう全ての国民に給付されたことは私は高く評価したいんですが。
 さて、この十万円の使い方ですね、麻生財務大臣は、十万円がほとんど消費されずに預金に回ったということ、これはもう少しこのお金を使って経済をうまく回してほしいという意味に発言されたと思うんですが、この点に関しまして麻生財務大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

#706
○国務大臣(麻生太郎君) 御記憶かと思いますけれども、あのとき十万円説と三十万円説と二つあったので、貧しい方々に三十万という説と一律十万というのと二つに意見が分かれました。結果として一律十万になったことは御記憶のとおりですが、あの結果、四―六、四月―六月の数字を、今出てきていますけれども、いわゆる可処分所得、家庭内における使える金という意味ですけれども、この家庭内の可処分所得というのは、去年の四―六は七十六万円が今年は、約七十八万円が今年は八十六万、約八兆円ぐらい、いわゆる可処分所得が増えているというので八兆増えた。あれ出したのは十二兆ですから。しかし、八兆増えておることは間違いありません。
   〔理事藤川政人君退席、委員長着席〕
 しかし、同時に、今度は景気が悪い、先行き分からぬと、こんなもの今使っちゃったらえらいことになると思う人だっていっぱいいらっしゃいますから、それは貯金したと。逆に、消費も減ったというので、減った消費が約八兆円。プラスマイナス十六兆円預貯金が増えております。というところが一番私らの気になるところで、あれが貧しい家庭にうまく三十兆行けば、あっ、三十万円行けば、その間は多分、この可処分所得、貯金に回るよりは目先の金に使う分が多かったんではないのか、そちらの方が効果があったんではないかなと思いますよ。
 ただ、あのとき、まだマイナカードとかそういったようなものがまだ普及して、まあ今でも普及しているとは言えませんけど、そういったものができていれば極めて迅速にぱっと三十万ができたんだと思うんですけれども、残念ながらそういう状況になっておりませんので、今のところでは十万円一律というのは最も早いということで、それでも二か月、まあ三か月近くたったところもあるんですが、そういったことになりましたので、このいわゆる、何というんですかね、いわゆる特別定額給付金というものの使われ方というもの、また配分の仕方等々につきましては、これは考える余地があるのではないかと、私どもは基本的にそう思っていますので。
 消費喚起という意味におきましては、あの十万円使っていろいろ消費に回していただいた方もいっぱいいらっしゃることは確かですし、いろいろ家庭電化製品が売れたとか、電気の付いた、モーターの付いた自転車がやたら売れたとか、いろいろなものがあることは確かですけれども、少なくともこういったようなものがもう少し消費に回るということをちょっと考えにゃいかぬのかなというのは、これはあの十万円に限りませんけれども、使われていくという方法を今後考えにゃいかぬところだなという感じはいたしております。

#707
○二之湯智君 続きまして、持続化給付金の給付の方策について質問したいと思うんです。
 今回、余りにもこの手続に多くの費用が掛かり過ぎたんだと、こういう批判があるわけです。私も二、三の市の担当者に聞きますと、本来ならば市の商工会の人間がこのときこそ頑張るべきだと言ったのに、安易にどうも第三者に委託してしまって、ある市では商工会議所に四、五人の方が一月か二月泊まり込んで、そして実際申請した数は本当に数十件だったと。もうこれでは本当に多くの費用が掛かって、そのときこそ市の職員が、あるいは商工会議所の職員が頑張るべきではないかと、こういう意見を聞くわけでございまして、今回のこの給付の方法について、どういう点が足らなかったのか、どういう点を反省すべきか、こういうことが分かれば、ひとつ経産大臣にお伺いしたいと思います。

#708
○国務大臣(梶山弘志君) 持続化給付金のこの事業の遂行に当たりましては、受託者であります民間事業者だけでなく、委員御指摘のとおり商工会や商工会議所にも協力をお願いしておりまして、申請に当たっての事業者からの問合せの対応や手続のサポートをいただく等、様々な機関との連携の下で実施をしてきたところであります。
 その一方で、本給付金事業の制度設計の段階においては、商工会、商工会議所はコロナ対策により大幅に増加した相談への対応や持続化補助金の執行、商工中金、日本政策金融公庫といった金融機関は実質無利子無担保の融資等の業務により手いっぱいでありました。また、数百万社に対する現金給付についてノウハウを有していなかったということでもあります。
 加えて、今般の持続化給付金の執行に当たりましては、最大時で、全国で一万人を超える、一日当たり一万人を超える大規模な事務局体制を構築する必要がありました。
 今後、コロナ危機のような緊急事態にどのような体制で対応していくべきかという点については、こうした実態や政府全体におけるデジタル化についての検討状況なども踏まえながら引き続き議論をしてまいりたいと思っております。

#709
○二之湯智君 次に、ちょっと時間の関係で順番を変えていきたいと思います。新たな生活様式下における判この廃止の問題について、河野大臣にお伺いしたいと思います。
 今回、新型コロナウイルス感染症が拡大する中でリモート勤務が推奨されている中で、出勤記録や請求書などの押印のために出社するということが相次いだということです。さらにまた、会社ではデジタル化が進んでいるのに役所に提出する書類は紙で、しかも押印する必要があるということで、わざわざ出社しなければならないという話もありました。
 本当に押印、書類に押印し、紙で提出しなければ成り済ましなどの不正を防止できないかを考えるべきでありますけれども、前例の踏襲は許されないと、このように思うわけでございます。
 一方、住宅ローンのような契約の場合には、成り済ましを防止するという意味で電子押印を含め何らかの押印が求められることには道理がありますし、表彰状や感謝状に押印がなくパソコン入力された文字だけというのは味気ないということですね。
 まあ、押印というのは長い間の伝統であり、文化でもあるわけですね。しかし、時代の変遷によってそれに代わる手段が生まれてきていることも事実です。要は、形式的に押印を求めることはやめよということが河野大臣の言う判こ廃止の趣旨ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

#710
○国務大臣(河野太郎君) おっしゃるように、行政が民間から求める手続の中で認め印を求めているものがございますが、これは全く個人の認証にならないわけでございます。これはもう前例でやっているだけでございますので、できれば今回やめたいというふうに思っております。
 印鑑登録をしているもの、あるいは銀行などに登録した印については今回残すことも考えなければいけないと思っておりますし、例えば民間での契約書というのは印鑑証明を要するものもたくさんございます。いずれデジタル化が進めば電子認証にこうしたものも置き換わるということが将来あり得ると思いますが、今回はまず行政の手続に関して個人認証にならない認め印をできれば全廃したい、そのように考えているところでございます。

#711
○二之湯智君 次に、日本海側の大和堆周辺での中国船の違法操業について御質問したいと思います。
 我が国の排他的経済水域、いわゆるEEZ内には、日本海中央部に位置する大和堆周辺では、最近、中国の違法操業が非常に急増していると言われております。それに対して北朝鮮の数は減ったけれども、中国が非常に増えてきて、そして十月三十日現在で三千八百二十八隻、既に昨年一年間の三倍以上になっていると言われております。
 そんな状況の中で、水産庁は、イカやスルメイカやカニなどを捕っている漁師に対しまして、まあまあ、当面この地域は自粛するようにと、このようなことを要請したと言われております。イカ釣り漁に従事している方からは、これは自宅の庭先に泥棒が入ってきたのに近づくなということだと不満を述べているという報道もあるわけでございます。
 そういう面で、むしろ中国側に抗議するのが本意であるのに、逆に自粛するとはどういうことだということになるわけでございます。主権国家として何もしないというのは非常に情けない、こういうことですね。もし水産庁の取締り能力を超えているのであれば、水産庁の取締り能力を上げたり、海上保安庁の巡視船の対応をお願いして、そして連携してそういう違法操業をやめさせるように努力をしなければならないと、このように思うわけでございます。
 日本海側のいわゆる漁民の方と大変親しい関係にある野上農林水産大臣に見解をお伺いしたいと思います。

#712
○国務大臣(野上浩太郎君) お答え申し上げます。
 大和堆周辺水域におきまして、本年は十月三十一日で延べ三千九百七十八隻の外国漁船等に退去警告を行っておりますが、お話ありましたとおり、そのほとんどが中国漁船ということであります。
 水産庁としては、本年三月に新造の大型漁船、漁業取締り船二隻を就航させまして、イカ釣り漁船の漁期が始まる前の五月から、これら二隻を始め大和堆周辺水域に漁業取締り船を重点配備しております。また、漁業取締り船と巡視船との配置の見直しなどを行い、海上保安庁との連携強化を図っているところであります。
 このような中、九月二十九日には、大和堆西方の我が国排他的経済水域内におきまして漁業取締り船が北朝鮮公船を確認したことから、我が国漁船に対して一時的に一部水域からの移動を要請したところであります。今回は自粛期間が長期にわたりまして漁業者の皆様に御迷惑をお掛けいたしましたが、その後、安全確保のめどが立ったことから、十月二十八日から段階的に自粛要請を解除をいたしました。
 外国漁船等の違法操業につきましては、外務省において外交ルートを通じて中国等に対して申入れを行っており、農林水産省としても、令和三年度中に新たに二隻の大型漁業取締り船を就航させ、取締り能力を強化することといたします。また、海上保安庁との一層の連携の強化を図り、漁業者の皆様に安全に操業していただけるよう万全を期していく考えであります。

#713
○二之湯智君 今、大和堆のことについて大臣からお話を伺ったわけでございますけれども、中国では海上法の執行機関として日本の海上保安庁に当たる海警局がありますけれども、これが、かつては非軍事組織であったけれども、最近は中央軍事委員会の指揮下にある武装警察部隊に編入をされたわけでございまして、日本の海上保安庁と異なるわけでございます。
 今日のNHKの朝のテレビのニュースによりますと、中国の海警局に武器使用の権限を与える法律が草案中だと、もうこういうようなことが言われておりますけれども、特に尖閣の問題、我が国の固有の領土、中国もそのように我が国の領土だと、こういうことを主張しているわけでございますけれども、そういうところの尖閣周辺で漁業を営んでいる漁民が中国海警局の公船によって武力の威嚇を受けたり、まあ武力攻撃されるというようなことはないでしょうけれども、日本政府としても、この海上保安庁の組織の在り方、体制の変更というんですかね、そういうことも考えていかなければならないんじゃないか。
 つまり、海上保安庁の上司は国土交通大臣になるわけですね。しかし、今日、海上保安庁の役割というのは非常にもう変わってきているわけですね。この辺について、国土交通大臣、いかがお考えでしょうか。

#714
○国務大臣(赤羽一嘉君) 今お話しいただきましたように、我が国周辺では、大和堆にしても、尖閣諸島周辺の海域でも様々な対応が推し進められているところでございますし、加えて、頻発、激甚化する災害対応で救援、救難警備等々の業務もあるところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、平成二十八年の十二月に海上保安体制強化に関する方針を決定していただきまして、同年から大型の巡視船十二隻、測量船二隻、また航空機六機の増強整備に着手をしておるところでございます。また、定員につきましても約八百名増やしていただいております。
 野上大臣からもお話ございましたが、引き続き、水産庁、また防衛省、また外務省など関係省庁とは切れ目のない対処が可能となるように、本省レベルと現場海域の双方で情報共有を含む緊密な連携協力体制を構築しながら、引き続き、領土、領海を断固として守り抜くという方針の下に、また、事態をいたずらにエスカレーションさせないように冷静かつ毅然とした対応をしてまいりたいと、こう考えております。

#715
○二之湯智君 次に、地方創生について総理の考え方を聞きたいと思います。
 私、地方創生という言葉ですね、これは、何というか、この言葉が本当に日本語としてあるのかなと思いまして、いろいろと調べてみますと、広辞苑にはなかったんですね。国語辞典にはなかったんです。ようやく広辞苑に出てくるのは平成二十年の第六版で、新たに作り出すという意味で創生という言葉が出てくるんですね。
 私は、こういう言葉よりも、地方というのはかつては非常に栄えていたわけですね。活気があったわけですね。特に明治の初めなんかは広島県が人口第一位、そして明治五年のときには新潟県が第一位と。その辺の日本海側の都市はそれぞれ人口も多くて経済的に活発であったわけでございますけれども、その後、太平洋側に人口が移ってしまったわけですが、かつては栄えていたから、その廃れた町を再び再生しようというので、私は地方再生という言葉の方がぴったりくるんではないかと、このように思うわけでございます。
 そういう面で、本当に地方というのは現実には今大変です。私、今年のお盆過ぎに鳥取県倉吉の方へ行ってまいりました。本当に、家内と旅館出て、町行ってお茶の一杯でも飲もうかと言ったけれども、喫茶店はないし、人は歩いていないし、本当にこれ鳥取県の第三番目の町かなというような、そんな感じがしたわけですね。そういう面で、もう今や地方は衰退から消滅に差しかかってきているんではないかと、このように思うわけでございます。本当に何とかしなきゃならぬと、このように思うわけですね。
 そういう面で、地方出身で市会議員経験者の菅総理に日本再生についての意気込みをひとつお聞かせをいただきたいなと、このように思います。

#716
○内閣総理大臣(菅義偉君) 活力ある地方をつくる、その一貫した思いは今私には変わるところがなく、人口減少や東京一極集中、こうしたもたらす危機について、委員と危機感は一緒であります。
 新型コロナウイルス感染症を機に地方に関心が高まっており、たしか先月だったと思いますけど、東京から地方に行く方の人の方が数が多くなったという、そういう報道がありましたけれども、まさに東京一極集中の流れを変えるために、地方の生活環境というのをこれからもしっかり良いものにしていく必要があると思います。そのために、各地の観光や農林水産業など成長できるように支援をしていきたいと思います。
 また、ふるさと納税や企業版ふるさと納税の創設も行ってきたところであり、特に企業版ふるさと納税を使うことによって企業が地方に関心を持ってもらえる、そうしたことも私自身望んでいるところであります。
 こうしたことを通じて、地方の所得を引き上げて地方の経済を活性化してまいりたいと思います。

#717
○二之湯智君 東京一極集中を打破して、そして地方を再生しよう、よみがえらせようというのは、やっぱり菅内閣の私は大きな柱ではないかと思うんですね。そのためにも、この省庁移転というのも一つの大きな柱ではないかと、このように思うんですね。
 なかなかこれ、省庁移転というのはうまくいかないんですね。私の地元の京都では、文化庁の移転ということで、本来、今年が本格的に移転でしたけれども、新型コロナウイルスの関係、働き方改革関係で庁舎の竣工が遅れて、来年、再来年にずれ込むかも分かりません。
 しかし、そのときに、省庁移転について役所から突き付けられたこの条件、なぜそこなのか、移転しても同等以上の機能が発揮できるのか、そして受入れ条件が整備されているのか。こんな都市をですね、こんな都市を日本全国探してもどこがあるかということですね。こういう条件を付けておいて、そして省庁移転、どこか手挙げたらどうですかと、こういうことでは、もう最初から中央省庁のお役人さんはやる気がないと、相当これ政府が真剣に取り組まないと私はいけないと思うんですね。
 たまたま京都の場合は古い都で文化財があったと。そこで、文化庁なんかは適当ではないかと、このように言われていますけれども、文化庁が京都にいて、どれだけ京都が活性化するのか、これはまた問題がございますけれども、やはり京都以外の地方が手を挙げて、そして役所を移転させるというのは至難の業だと、このように思うんですが、そこは菅総理が、行政の縦割り、既得権益、あしき前例主義を打破しようと、こういう総理でございますから、やはり省庁移転を積極的に進めていただきたいと、このように思うんですが、いかがでございましょう。

#718
○国務大臣(坂本哲志君) 中央省庁の移転の取組につきましては、先生の御地元であります京都における文化庁の全面的移転や徳島におきます消費者庁の恒常的拠点の設置等、ほか、研究機関、研修機関等におきまして拠点の設置や共同研究の開始等を通じて地方創生の効果が現れ始めているというふうに承知をいたしております。
 京都の方は、今言われましたように、京都府警、そして新たな文化庁のビルも今建設しておりまして、二〇二二年には二百五十人程度の文化庁職員、全部移転する予定でございます。
 令和元年の十二月に閣議決定されました第二期まち・ひと・しごと創生総合戦略におきましては、これらの取組について、二〇二二年の翌年の二〇二三年度中に地方創生上の効果、国の機関としての機能の発揮等につきまして総合的な評価を行いまして、これを踏まえて必要な対応を行うというふうにされております。
 まずは、二〇二三年度中の総合的評価に向けて具体的な成果が得られるよう、関係省庁におきまして、総合戦略を踏まえ取組を着実に進めていただくとともに、有識者からの意見も考慮しつつ、取組のフォローアップを確実に進めてまいりたいと思っております。よろしく御協力をお願いいたします。

#719
○二之湯智君 次に、文化を活用した日本の再生ということについてお伺いしたいと思います。
 菅総理は品川区の天王洲エリアを御存じでしょうかね。私もせんだって初めて行きました。かつては倉庫街だったらしいんですが、かなりウオーターフロントというのが開発されて、非常ににぎわいのある町でございまして、いわゆるデザイン経営の成功事例であると。昔行ったサンフランシスコのフィッシャーマンズワーフをほうふつとさせるような、そんな天王洲でございました。
 そういう面で、今全国で文化を生かした町づくりをやっていこうと、こういうことで、いろいろと関係者に話聞きますと、またそこにもまたいろんな規制があるんですね。先ほど申しました天王洲でもこの水辺の規制には非常に苦労したと、そういう話があるわけです。海岸、運河、河川、湖、ダム、こういうもので、こういうところは非常に親水機能があって人々に癒やしを与えるという、非常にいい町づくりであるわけでございますけれども、こういう面でも、なかなかこの規制がひどくて、うまく町づくりができないということで、是非とも検討チームを立ち上げていただきたいなと。
 それから二つ目は、アジアのアート市場。今これはなかなか注目されておりまして、ああいう辺りにフリーポートや保税倉庫を拡充することも非常に必要ではないかと、このように思うんですね。現在、アジアのアート市場の中心である香港がああいう状況でございますから、なかなか香港は今急速に魅力を失いつつあると。そういう面で、香港の金融機能だけではなくて、アート市場の存在感が薄い日本に香港に取って代わるような絶好のチャンスじゃないかと言われております。是非とも文化庁の方でもこういう面でも一生懸命取り組んでいただきたいと。
 そして最後に、公共空間における芸術作品を設置するいわゆるパブリックアートを本格的に導入したらどうかということを私は提案したいと思うんですね。
 アメリカやフランスなどアートが社会的に定着した国は、パブリックアート法が、アートが法制化されているわけですね。ちょうど今年、十一月三日にですね、文化の日に、このときに、パブリックアートの普及、振興を提唱されてきたぐるなびの会長の滝さんが文化功労者になったということはパブリックアートが非常に高く評価されたということでありますので、こういうことも町づくりのために是非とも力を尽くしていただきたいと、このように思うわけでございます。
 さらに、菅総理は官房長官時代に非常に日本の文化を観光に生かそうということで一生懸命努力されたんですね。赤坂の迎賓館、なかなかこれ入れない。東京へ来たって赤坂の迎賓館は外側だけしか見ることができなかったけれども、これが入れるようになった。京都でも、御所の中の和風迎賓館あるいは京都御所、こういうところも菅総理の尽力で一般の国民に開放されたと、こういうことでございます。京都の二条城、これは国宝がもういっぱいありますから、なかなかこれを使うということはできなかったんですが、これを使うことができて、この国宝の中でもお茶会をすることができたり、そういうことで非常に京都の観光が文化財を活用して活性化したという実績もあるわけでございます。
 そういう面で、地域の魅力を向上させるためにも、一生懸命、文化財の活用ということも非常に重要になってくるんではないかと思います。特に、町づくりのためにもこの文化の位置付けというものを真剣に考えていただきたいと、このように思うわけでございますけれども、そういう面を含めて総理のお考えをお聞かせを願いたいと思います。

#720
○内閣総理大臣(菅義偉君) 委員御指摘のとおり、文化活動を通じて社会の創造性を高め、地域の魅力を向上させることは重要なことであると考えています。
 今後の取組に当たって、公共空間に芸術作品を設置するパブリックアートのアイデアについても十分参考にしていきたいというふうに思います。

#721
○二之湯智君 あと幾つか質問はあったわけでございますけれども、ちょっとこの進行の都合上、質問をはしょったことを申し上げまして、せっかく役所の方で作っていただいた答弁が生かすことができなかった、私も発言の機会を失うことになりましたけれども。
 いずれにいたしましても、冒頭申しましたように、非常に異色な内閣総理大臣が誕生したわけでございまして、そしてそれは、何と申しますか、非常に細かいところに、あっ、こんなところにもっと気配りをしなきゃならぬかというようなことがよく分かる総理大臣でございますから、ひとつ是非とも大いに頑張っていただきますよう心よりお願いいたしまして、私の質問を終わります。

#722
○委員長(山本順三君) 以上で二之湯智君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#723
○委員長(山本順三君) 次に、上野通子さんの質疑を行います。上野通子さん。

#724
○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 まだまだ目には見えないコロナウイルスとの闘いが続く中でございますが、本日は、新しい生活様式における持続可能な社会に向けての取組についてを全体のテーマとして、まず持続可能な社会の担い手となる子供たちの教育の在り方、次にSDGsの取組について、そしてウエルビーイングについて、順次この観点から御質問させていただきたいと思いますが、テレビの時間が押しておりますので、なるべく、早口になってしまうことをお許しいただきながら、大臣からの御答弁も簡潔にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、今後の持続可能な日本の社会の担い手となる子供たちの教育環境について、菅総理にお伺いします。
 資料一を御覧ください。(資料提示)
 日本は明治以来、百五十年にわたって、いわゆる読み書きそろばんの基礎学力をしっかりと育み、紙ベースの教科書とノート、そして黒板とチョークを使用する、主に教科ごとの知識をしっかりと覚える教育を主流として、と同時に、知育だけでなく徳育と体育とのバランスの取れた教育内容がなされてきました。
 もちろん、明治スタンダードのこの日本の教育は、これまで世界有数の科学技術力、そして教育水準の高さによって高度成長を成し遂げて、他国からも評価されてきました。
 ところが、今回の新型コロナウイルスへの対応として、ステイホーム体制の中で、いや応なくオンライン授業を進めることに直面し、学校現場のデジタル化が世界的にも遅れていることを実感するとともに、令和のスタンダードとして教育のデジタル化を円滑に導入していく必要性を誰もが感じたところでございます。
 もちろん、教科書を用いての対面による授業の重要性は、私も教育の現場に立っていた教師の一人として十分理解はしております。しかしながら、教育のデジタル化がかなり遅れていることも事実でございます。
 急激に変化する時代の中で、資料の下にも書いてありますが、STEAMといって、科学、技術、工学、芸術、そして数学などの教科等の横断的な学習や、個別最適な学びと協働的な学びの充実を図ることが必要であり、今年度から開始の新学習指導要領においては、様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開き、持続可能な社会の担い手となることができるようにすることが求められていると明記されてあります。まさに日本の学校教育の大転換期が今だと思います。
 そこで、新学習指導要領に沿ったウイズコロナ、アフターコロナの教育の在り方について、総理にお伺いします。

#725
○内閣総理大臣(菅義偉君) 教育は今後の我が国の社会を担う子供たちを育むものであり、どのような家庭に生まれても安心して教育を受けられる環境において、一人一人の多様な個性や能力を最大限伸ばしていくことが必要であると考えます。
 特に、デジタル社会の進展を見据え、一人一台のIT端末を活用し、オンラインと対面による教育の良さを組み合わせながら、それぞれの子供に最適な教育を実現することが重要であり、教育再生実行会議において議論を深めてまいりたいと思います。

#726
○上野通子君 ありがとうございます。
 総理のお言葉の中にもありましたが、学校教育におけるデジタル化というのは、対面とオンラインのハイブリッド化です。それを進める上で、昨年度来から四千六百十億円を投じたGIGAスクール構想を一過性の施策に終わらせるわけにはいかないと思います。そのためにも、財源と時間と人材という教育にとって最も大切な資源の徹底的な見直しと再配分は必要ではないでしょうか。
 資料二を御覧ください。
 例えば、資料二にあるように、財源については教材整備指針に基づく地方財政措置を見直して一人一台タブレットの環境の継続費に充てていく再配分や、時間についてはカリキュラムの見直しやSTEAM教育や個別最適化などの学びを推進するための再配分を行う裁量権の見直し、さらに人材については多様な人材確保そして再配置をするなどの取組、この表だけでも見直しが必要なものはたくさんいろいろあります。
 このように、学校教育に投じる資源、特に財源、時間、そして人材を抜本的に見直して、その再配分、再配置を行っていくことこそ現場におけるGIGAスクール構想が持続可能な形で実装するのではないでしょうか。
 また、いかなる緊急事態が生じても学びを今回のように止めるわけにはいきませんので、ICT教育の環境整備は絶対必要なものと思われます。しかしながら、高校はまだ依然として進まないのが現状でございますので、高校の方もしっかりと支援していかなきゃならないと思います。
 あわせて、教育のデジタル化の進展やコロナウイルス禍の対応を踏まえて、子供たちの学びを止めない教育環境の確保とともに、何といっても一番必要なのは段階的、計画的に三十人学級などの少人数学級への取組を進めることだと思います。過疎地とか地域ではもう三十人以下のクラスも多々ありますが、都会ではまだまだ三十人以上で密になったまま授業を行っているところも多々ございます。
 そこで、高校を含むGIGAスクール構想の加速化、そして義務教育段階での全ての学校が少人数化が実現できるような、実現について、文部科学大臣にお伺いします。

#727
○国務大臣(萩生田光一君) デジタル化の推進は、質の高い教育を実現する上で必要不可欠です。このため、文部科学省としては、高校生も含め全ての子供たちに対するICT環境整備が急務と考えております。
 GIGAスクール構想に基づいて、高等学校も含め学校ICT環境の一日も早い整備に向けて最大限努めてまいりたいと思いますが、小中学校と違って、高校になりますと、かなり、教科ですとか、あるいは職業高等学校なども含めますと目指す方向が変わってきますので、小中学生のような同じスペックのものを一人一台配ればいいということじゃなくて、より子供たちに合ったものを整備していくという必要がありますので、その単純なる一人一台じゃなくてですね、学校でもいい学びができるようなことも含めて関係の皆さんとしっかり対応していきたいと思っています。
 また、ICTを活用した個別最適な学びを実現するとともに、新たな感染症の発生など、今後どのような状況においても子供たちの学びを保障することが必要であり、地方三団体を始め現場からの少人数学級の効果や必要性の声は大きく、ニーズは高いものがあります。
 特に、GIGAスクール構想の下、一人一台端末を活用した個に応じた指導が可能となります。教育の更なる質の向上を図るためにもきめ細かな指導を行うことが求められていることから、ICTの活用と少人数による指導体制を車の両輪として、令和の日本型学校教育の構築に全力で取り組んでまいりたいと思います。

#728
○上野通子君 文科大臣、ありがとうございます。
 今おっしゃっていただいたので、余り繰り返す時間はないんですが、特に教育のハイブリッド化、これの実現は喫緊の課題ですからデジタル化を進めていただきたいと思いますし、もちろん高校では専門性がありますので、その専門性に合ったハイブリッド化実現、よろしくお願いいたします。
 また、指導者である教師を含め、専門性のある指導者もなんですが、なかなか自分の教えやすい教え方等をまだ習得していない方々もいらっしゃいますから、その指導の、指導者の教え方、さらには児童生徒の学び方の見直しと更なる進化、これも大事なことだと思います。そして、何よりも少人数で学ぶ体制づくり、これが喫緊の課題だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、未来の教室プロジェクト事業について、梶山経産大臣にお伺いします。
 GIGAスクール構想は数年前から準備がされてきており、省庁間の横の連携も取られています。中でも、二〇一八年から世耕元経産大臣の下で経産省が学びの教室プロジェクト事業を打ち出して、五年計画で学びのSTEAM化と学びの個別最適化を進めるために文科省とも協力していただいていると伺っております。
 現在三年目ですが、その現状、さらには今後も学びと社会の連携促進のための事業をお考えになっていると伺っておりますので、どのような計画なのか、併せて経産大臣にお伺いします。

#729
○国務大臣(梶山弘志君) 経済産業省では、二〇一七年の学習指導要領改訂に対応して、未来社会のつくり手を育む教育改革を実現するために、教育産業と連携しつつ、自動車やロボットなど様々な産業界の協力も得て、二〇一八年より未来の教室実証事業に取り組んでいるところであります。
 具体的には、一人一台のパソコンやデジタル教材の活用など、エドテックを利用した教育の個別最適化、社会課題を題材にして文理融合型の探求学習に取り組むSTEAM教育プログラムの提供を希望する学校現場で実施をしております。
 五か年計画の三年目となる今年度は、成果を全国に普及させるために、全国小中高の一二%に当たる四千三百三校の学校を対象にしたエドテックの試験導入を実施するとともに、中高生に向けたSDGsなどの社会課題を題材に六十三テーマのSTEAM学習コンテンツを開発し、来年三月には公開をする予定であります。
 今後も、未来社会のつくり手を育む教育改革に向けて、文部科学省や学校現場、産業界と協力して貢献をしてまいりたいと考えております。

#730
○上野通子君 大臣、ありがとうございます。
 このような省庁横断で横の連携を取って支援していただくこと、大変うれしく思います。ほかの省庁でもかなりのところで文科省協力してくださっていると伺っておりますが、これからも知恵と財源も出していただいて、各省庁横断で子供たちに応援していただきたいなと思います。ありがとうございました。
 続きまして、今経産大臣のお話の中にもありましたが、SDGsと、皆さんも御存じだと思いますが、このSDGsの政府としての現在の取組状況について、茂木外務大臣にお伺いします。

#731
○国務大臣(茂木敏充君) 政府としては、SDGs、より積極的に推進するために、二〇一六年に総理を本部長としますSDGs推進本部設置をいたしまして、SDGs実施指針であったりとかSDGsアクションプランを定めて取組を進めているところであります。
 御案内のとおり、十七の目標があるわけでありますが、上野委員には、文部科学副大臣時代始め、特にそこの十七の中でも教育、そしてジェンダーの問題に熱心に取り組んでいただいていることは敬意を表したいと思っております。
 確かに日本でも認知度上がってきているわけであります。特に、委員が重視する若い世代、十代、二十代の認知度上がっているんですが、認知をしていない層であったりとか、認知をしているんですけど具体的な行動に移れないと、移れない、結び付いていない、こういう人が半数以上を占めると、こういう調査結果もあるわけでありまして、認知度の向上というものが各分野での具体的な成果につながって、また、具体的な成果が出ることによって認知度が上がると、こういう好循環、アクションオリエンテッドな認知度の向上に努めていきたいと思っております。

#732
○上野通子君 大臣、ありがとうございます。
 SDGsの目的は地球全ての人々の幸せの実現を目指すものだそうでございますので、是非ともこれからも目標達成に向けて国としてもどんどん取り組んでいただきたいと思います。
 また、今、茂木大臣のお話の中にもございましたが、若手、そして子供たちの環境、現場ではどうなのかということで、次に、教育現場におけるESDやSDGs教育の現状と若手研究者への支援について、文部科学大臣にお伺いしたいと思います。
 実は、このSDGsを教育の中で学ぶことこそ、まさに持続可能な社会の担い手を育むための一番大事なことだと私は思います。既にユネスコが行っているESDといって持続可能な開発のための教育は、多少の温度差はあっても小中高の現場では以前から学習活動の中で取り入れられています。しかし、ユネスコ・スクール中心の傾向があって、まだまだ全ての学校には浸透していないのが現状でございます。
 一方、大学はといいますと、大学におきましてはSDGsの認知度は大変高く、現在、多くの大学で課題解決のための学術研究や社会貢献活動を通じてSDGsに資する取組が行われております。
 こうした取組を更に加速するためには、研究活動を支える柔軟な人材の確保と育成が不可欠でございます。
 そこで、資料三を御覧ください。
 しかしながら、博士課程への入学者の推移を見ますと、社会人を除いた人数で比較した場合、十五年間でほぼ四割減という危機的な状況に陥っています。修士課程は横ばいの現状ですが、修了後は博士課程へ進学するのではなく就職を選択するケースが増えているわけで、その背景としては、博士課程に進学した場合に十分な経済的支援を受けられる見通しが立たない、また、博士号を取得後、十から十五年たっても任期付きの不安定なポストに就いている教員の割合が多く、研究者としてのキャリアパスに不安を感じるといった切実な声が寄せられています。
 こうした現状を早急に改善し、社会から求められる優秀な人材が、経済的にもしっかりと支援して、将来不安を抱くことのない、博士課程に進学し、経験を積み、研究成果を上げて高度な研究活動に専念できるように、すなわち中長期的な観点で持続可能な研究体制を構築することが喫緊の課題だと思います。
 そこで、文部科学大臣に、小中高におけるESD、SDGsへの教育の取組、そして優秀な若手研究者が腰を据えて研究できる持続可能な支援体制の強化についてお伺いします。

#733
○国務大臣(萩生田光一君) まず、持続可能な開発のための教育の重要性を踏まえて、先生からも御披露いただいたユネスコ・スクールを中心に、今までESD推進拠点として指導してまいりました。しかし、これ、全国で千校弱ということで、今までは何かこのESDというのは特別なもののように見えたんですけれど、学習指導要領に明記をしたことによって、これもうかなり一般的になってきたと思います。そこで、ESD推進の手引の改訂などによりその推進をしっかり図ってまいりたいと思いますし、それをきっかけに、全国の学校においてESDが実践されるように取組を深めてまいりたいと思っております。
 また、研究者の件ですが、御指摘のとおり、博士課程への進学者が年々減っております。その背景には、経済的な問題や研究者としてのキャリアパスに対する不安があることは十分承知しております。将来を担う若手が安定したポストに就きながら研究に集中できる環境を早急に整備する必要があると考えます。
 このため、志ある優秀な若者が経済的な不安を抱かずに進学できるように、関係府省と連携して、例えば博士課程学生に対するフェローシップとキャリアパス確保を一体として実施する大学への新たな支援策を令和三年度の概算要求に計上するほか、競争的研究費から研究活動への適正な対価の支出を促進する等の方策により、まずは修士から進学者の半数が生活費相当額を受給できるようにすることを目指すとともに、シニア教員の皆さんには外部資金を取っていただいて任期付雇用への転換をしていただくとそのポストが空いてきますので、こういった間接経費を活用した若手研究者への任期なしポストの提供、若手研究者ポストの確保に積極的に取り組む大学に対する運営費交付金の傾斜配分などを、取組を総合的に進めて、若い皆さんに博士課程に進んでいただけるきっかけづくりを増やしていきたい、そう思っております。

#734
○上野通子君 ありがとうございます。
 今後も小中高におけるESD、SDGsの教育の充実、さらには、今大臣から詳しくお話ありましたが、若手研究者が苦しむことなく、どんどん研究を進められるような支援体制の強化をしていただかないと、まさに若手研究者が持続不可能な状態になってしまいますので、よろしくお願いいたします。
 次に、総理の政治理念とSDGsの理念についてお伺いします。
 総理が所信表明の中でおっしゃった自助、共助、公助、そしてきずなにより、国民のために働く内閣として改革を実現し、新しい時代をつくり上げていくという政治理念は、SDGsの掲げるリーブ・ノー・ワン・ビハインド、誰一人取り残さない、そして地球上の全ての人々の幸せを実現し、持続可能な地球をつくり上げていくというSDGsの理念とまさに一致する日本版SDGsと言える気がしますが、総理はどう思われますか、お伺いします。
 あわせて、コロナの経験を踏まえて、我が国が今後主体的に取り組むことが重要であるSDGs、先ほど外務大臣からもお話ありましたが、この目的達成へ向けた総理から国民へのメッセージをよろしくお願いいたします。

#735
○内閣総理大臣(菅義偉君) 持続可能な開発目標、いわゆるSDGsは、誰一人残さないとの考え方を指導理念としており、これは自助、共助、公助、きずなという私の目指す社会像にも沿うものであると思います。新型コロナウイルスによって人間の安全保障が脅かされ、国際連携の強化が必要であります。同目標達成も念頭に、保健分野など、途上国を支援するとともに、多国間主義を推進していきたいと思います。
 政府としては、関係者と緊密に連携をし、オールジャパンで取組を加速し、国内外で目標実現に向かってしっかり取り組んでいきたいと思います。

#736
○上野通子君 総理、ありがとうございます。
 日本版SDGsがまさに総理の政治理念であり、また、今、国民の皆さんにSDGsをしっかりと取り組んでいくという力強いメッセージ、ありがとうございました。
 次に、ここからがウエルビーイングについての御質問になりますが、まず経済指標と国の成長戦略とウエルビーイングについて、西村経済再生担当大臣にお伺いします。
 ウエルビーイングという言葉を御存じでしょうか。恐らく、今この状態は皆さんお疲れになっているのでウエルビーイングではないと思いますが、日本ではより良く生きるとか幸福とか訳されていますが、実は私たちが感じる幸せには二つの種類があります。一つはハピネス、これは感情的な幸せな状態、余り長続きはしない幸福のこと。もう一つはウエルビーイング、これは身体的、精神的、社会的に良好な状態のことで、長続きする満足や幸せのことです。
 そもそも、人間が幸福であり健康であり、福祉を享受することができること、そのことを大切にする考えがウエルビーですが、現在、世界中でウエルビーイングという概念が注目されています。
 例えば、アイスランドのカトリーン・ヤコブスドッティル首相が、経済成長の指標にとらわれない環境や家庭を重視する予算編成を各国政府に呼びかけました。そして、英国スコットランドのニコラ・スタージョン自治政府首相や、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相も共鳴し、この三名とも女性の首相ですが、いずれもウエルビーイング政策の推進を掲げ、昨年五月、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は、いち早くウエルビーイング・バジェット、幸福予算を発表し、国の成功は経済面からのみ測れるものではないとし、予算の焦点を経済財政政策のみではなく、他の事項に拡大しました。
 資料四を御覧ください。
 この資料はニュージーランド財務省作成のダッシュボードですが、未来を見据えた資源として四つのストック、現在の幸福を測る物差しとして十二の分野と三十八の指標が定められています。二〇二一年には見直しと更新を行うことが既に予定されているようで、このように幸福予算は今後もニュージーランドで継続していくようです。
 成長戦略において生産性向上やマーケットシェア拡大を目指すことも重要ですが、成長戦略の究極の目的は生活の質を改善すること、まさにウエルビーイングを実現していくことではないでしょうか。
 一方で、日本はどうでしょう。今後、ウエルビーイングの視点を入れながら我が国の成長戦略を考えていってはいかがでしょうか。経済再生担当大臣にお伺いします。

#737
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 上野委員御指摘のように、政治の大きな役割の一つは、まさにこのウエルビーイング、これを、お一人お一人の幸福を実現することにあるというふうに認識をしております。
 実は、今年七月に閣議決定しました骨太の方針におきましても、こういう記述をさせていただいております。成長の果実を広く分配する中で、誰一人取り残されない、国民の一人一人が包摂的で生活の豊かさを実感できる質の高い持続的な成長を実現していく。その上で、さらに、骨太の方針にはまさにウエルビーイングという言葉を明記しておりまして、人々の満足度(ウエルビーイング)を見える化し、分野ごとのKPIに反映する、こういう書き方をしておりまして、御指摘のようなウエルビーイングの考え方を踏まえた政策運営を行っていくということでございます。
 その上で、成長戦略においても、まさに健康寿命の延伸、それから、先ほど来御議論あります時代に合った教育機会の確保、それから高齢者や女性が活躍できるような多様で柔軟な働き方の拡大、さらには、まさにICTを使うソサエティー五・〇時代に向けた人材育成、こういったことに関連した指標をKPIとして設定をし、その実現のために政策を取り組むこととしております。
 特に、新型コロナの感染拡大を機に、人生や幸せ、あるいは家族との過ごし方、人とのつながり、こういったことについて改めて考え直し、価値観が大きく変わるきっかけともなっております。例えば、多くの方がテレワークを経験して、家族と過ごす時間の重要性を再認識されたり、あるいは、必ずしも東京のど真ん中にいないと仕事ができないというわけじゃないと、都会にいなきゃいけないわけじゃないということで、地方移住を、関心が非常に高まっております。
 こうした状況も踏まえつつ、御提案をしっかりと踏まえまして、受け止めまして、まさに全ての人が豊かさを実感できる、そうした経済政策、実践してまいりたいというふうに考えております。

#738
○上野通子君 大臣、丁寧に御答弁いただき、ありがとうございました。生活の豊かさを考えて、そしてまた、骨太にウエルビーイングという言葉を入れていただきまして、ありがとうございます。
 実は、自由民主党の方でも、党本部の政調の方に、この度、日本ウエルビーイング計画推進特命委員会を立ち上げさせていただきまして、私もずっと関わっていたんですが、もう今朝も委員会やりまして、先週もやらせていただき、もっと、何が足りないかって、やっぱり認知度が足りないのが一番じゃないかと思います。ウエルビーイングといって地方で言っても全く何のことか分からないような状態ですので、人々の豊かな生活、生活の質を良くするということをもっと発信していきたいなと思いますので、どうぞ国としても忘れずに政策に生かしていっていただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。
 今の話の続きになるんですが、実は今日の特命委員会の方で、内閣府がやっております生活の質、満足度調査の報告書の説明を伺ったわけでございます。そのことについてちょっと質問させていただきますが、内閣府では、毎年二月に生活の質、満足度に関する調査を行っています。そして、今年は五月にもコロナ感染症拡大の中で満足度の調査もしました。それらを合わせて、これまでの四次にわたる報告書を取りまとめています。
 これらの調査分析を今後どのように生かしていくのか、そしてまた、各分野の政策はウエルビーイングを念頭に置いて進められるべきと考えますが、大臣はどう思われますか。担当の坂本大臣、よろしくお願いいたします。

#739
○国務大臣(坂本哲志君) 上野先生におかれましては、今言われましたように、自民党の日本ウエルビーイング計画推進特命委員会の座長として大変な御尽力をいただいておりまして、今朝も熱心な審議をされてきたということで、心から敬意を表したいと思います。
 国連やOECDといった国際機関におきまして、ウエルビーイングに関する調査分析や指標作成を通じまして、GDPという経済的な側面だけでは捉えられない豊かさや生活の質、満足度を描き出そうとする試みが今活発化をしております。
 内閣府では、二〇一九年以降、ウエルビーイングに関連しまして、満足度・生活の質に関する調査を実施しているところでございます。例えば、本年九月に公表いたしました報告書では、三つのことを例えば言いますと、実労働時間が短い県は仕事と生活の満足度が高い傾向にある、それから大学進学率が高い県は教育の満足度が高い傾向にある、さらに健康状態の満足度が高い県は平均寿命が長い傾向にある、こういったウエルビーイングに関する分析結果を取りまとめたところでございます。
 今後も、満足度調査を着実に実施する等によりまして、関係省庁のウエルビーイングに関する取組、これを後押しをしてまいりたいというふうに思いますので、是非これからの御指導をよろしくお願いいたしたいと思います。

#740
○上野通子君 坂本大臣、ありがとうございます。是非とも、ここでちゃんと積み上げてきたこの調査を各省庁に発信していただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。
 今度は、海外で起きていることを一つ例を取らせていただきたいと思うので、井上科学技術担当大臣にお伺いします。
 今まさに、何度も言いますが、持続可能な社会を目指すこと、ウエルビーイングな生き方を進めていくことが注目されています。各分野や各業界でもウエルビーイングを目指す取組がスタートしています。
 昨年十月にハンガリーのブダペストで、世界の科学者が参加して世界科学フォーラムが開催されました。その会議で、科学技術の目指す方向性として、サイエンス・フォー・グローバル・ウエルビーイング、世界の幸福に貢献する科学が宣言されました。
 この宣言に対し、我が国としては現在どのように取り組んでいられるのでしょうか。また、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。科学技術担当大臣にお伺いします。

#741
○国務大臣(井上信治君) まず、喫緊の課題である地球温暖化問題、また新型コロナウイルス感染症の克服には科学技術の力が不可欠であります。世界の幸福に貢献するこれら社会的課題の解決のため、政府としても少しでも多くの予算確保に努め、研究開発にも取り組んでおります。
 現在、また来年四月からの五か年計画である次期科学技術・イノベーション基本計画、これを今年度中に取りまとめるべく検討を進めておりますが、我が国のみならず、世界の幸福、ウエルビーイングにつながるこのような社会的課題の解決に向けた研究開発の推進は、最も重要な項目の一つとして位置付けたいと思います。
 また、次期科学技術・イノベーション基本計画の最終年度に開催される二〇二五年大阪・関西万博でも、我が国の科学技術によって、ウエルビーイングの考え方も取り入れ、テーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を具現化した姿を世界にアピールしてまいります。

#742
○上野通子君 井上大臣、ありがとうございます。
 人類が幸せになるための科学技術の発展も大変必要だと思います。これからもよろしくお願いします。さらには、二〇二五年の大阪万博に向けて更に国内の認知度も上げていかなきゃならないので、科学でウエルビーイングという形の発信を是非ともしていただきたいなと思っております。
 では次に、国内に目を向けます。
 我が国の社会福祉政策とウエルビーイングについて、田村厚労大臣にお伺いします。
 我が国の社会福祉は、憲法二十五条、全ての国民は健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有するに基づいたウエルフェアの政策が行われていますが、一方で、憲法十三条による国民の自由や幸福追求を尊重するウエルビーイング政策も必要と考えます。
 弱者を切り捨てるのではなく、ウエルフェアからウエルビーイングに向けて我が国の社会福祉政策を一段階レベルアップしていくことも生活の満足度向上、生活満足度向上に必要と考えますが、厚生労働大臣に現状とウエルビーイングに向けたお考えをお伺いします。

#743
○国務大臣(田村憲久君) ありがとうございます。
 ウエルフェアも大変重要だと思いますが、言われるとおり、ウエルビーイングも大変重要な問題でありまして、例えば医療を取っても、まあ病気になること自体大変こう、まあ体調が悪くなるわけでありますし、仮に医療を受けて、手術して痛い思いして一定期間入院しておればこれは幸福ではないわけで、そういう意味からいたしますと、まず健康づくりをしっかりやるということ、つまり疾病にならないということが大変重要であります。
 そういう意味では、厚生労働省もいろんなお手伝いといいますか支援をしておりますが、もう委員も御承知のとおり、五十三項目だったと思いますが、具体的な目標を挙げて健康づくりをしていただく健康日本21、これ第二次今進めておりますけれども、こういうものでしっかり健康づくりを目標を持ってやっていただくと。それから、各企業でありますとか自治体が健康づくりの好事例をこれ横展開をしていただいておりますスマート・ライフ・プロジェクト、これ厚生労働省が主催でやっております。こういうもので、広く、健康な意識ですね、健康意識の醸成でありますとか向上、こういうものも図っております。
 最近では、特に、生まれてから、学校それから職場、こういうところでのいろんな健康のデータですね、これをPHR、パーソナル・ヘルス・レコードという形で、最近処方箋のデータ化も進めて、こういうものの中でしっかりと健康管理のために使っていただこうということを考えておりますが、こういうある意味データ化、デジタル化の中においても、いろんな形で健康づくりをやっていただきたい。
 健康だけではなくて、やはり社会の中で孤立してしまうと、これまたウエルビーイングから離れてしまうわけでありまして、そういう意味では、社会の中でいろんな問題、それぞれ、ただ一つだけではなくて、高齢化の問題もあればもちろん障害の方々もおられる、それから子供たちのいろんな課題もありますし、貧困の問題もある。これらが複層的に一つの家庭の中で起こっていること多々あるわけでありまして、こういう問題に対して早めにアクセスしてということで、窓口機能、相談機能を強化しながら、複層的ないろんな支援ができるような、地域共生社会と我々は呼んでおりますけれども、包摂的な社会をつくるという形でのいろんな支援も今厚生労働省として頑張っておるところでございます。

#744
○上野通子君 田村厚労大臣、ありがとうございます。
 元々ウエルビーイングに近い政策をずっとやってこられたということ、また、医療におきますと、医療に例えれば、病時、病後がウエルフェア的な支援、さらに、ウエルビーイング的な支援というと、予防医学とか健康増進とかですね、まさにこれからウエルフェアとウエルビーイングの両方の共存する日本の社会福祉行政に期待します。ありがとうございます。
 さて、次に、地方公共団体へのウエルビーイング施策の支援や普及について、再び坂本大臣にお伺いします。
 我が国においては、例えば、私も今年の八月に佐賀市を視察してまいりましたが、地域に密着して住み続けてもらうために市民の幸福感を把握して施策の検討に活用しているという、大変すばらしい、有意義だと感じる方法でウエルビーイングを取り入れておりました。
 また、資料五を御覧ください。
 これは岩手県の資料の一部でございますが、幸福度を構成する要素として、仕事のやりがい、地域の安全といった十二の領域を設定して、県民の意識調査の結果を基に指標を作成し、それを政策にも既に生かしているということでございます。
 このように、地方においても地方創生の取組等、頑張っているところが多々あります。国としては、地方創生における支援を様々やっていると思いますが、今後は是非ともウエルビーイングの観点も含めて、頑張っているところに対して応援をしていただきたいと思うんですが、坂本大臣にお伺いします。

#745
○国務大臣(坂本哲志君) 地方創生を進める上で、御指摘のウエルビーイングの取組のように地域住民の満足度を高めていくことは非常に重要な観点であるというふうに思っております。
 令和元年十二月に閣議決定されました第二期まち・ひと・しごと創生総合戦略におきましても、住民一人一人がそれぞれ暮らす地域において豊かさと生活の充実感を享受できることを目指して地方創生に取り組んでいるところでございます。
 地方創生SDGsにつきましても、人々が安心して暮らせるような持続可能な町づくりと地域活性化を目指したものであり、地域住民の豊かさや生活の充実感の向上に寄与するものと考えております。
 今後とも、各地の取組を注視しますとともに、好事例の横展開を進めまして、地域住民の満足度の向上に資する取組をしっかりと応援してまいりたいと思います。

#746
○上野通子君 大臣、ありがとうございます。
 例えば、自治体でSDGsの発信をしているところもあって、SDGsモデル事業として国としても支援しているというのをお聞きしますが、是非とも今度は自治体ウエルビーイングモデル事業をつくっていただいたり、また、先ほど大臣からもお話ありましたが、好事例集を是非とも普及、発信していただくと小さな町でも幸せになるための町づくり、進められると思いますので、御支援よろしくお願いいたします。
 次に、幸せの道づくりの取組について赤羽国交大臣にお伺いします。
 先週の、先ほども私がお話ししましたが、自民党の日本ウエルビーイング推進計画特命委員会では、国交省の国土の長期展望や、二〇四〇年度の景色が変わる、人々の幸せにつながる道路についての説明をお伺いしました。そして、大変感動しました。なぜなら、今までのハードの支援がメーンと思っていた国交省さんが、大変ソフト面で充実した施策をつくっているということでございます。
 そこで、是非とも真の豊かさを実現する長期展望や人々の幸せ、ウエルビーイングにつながる道路について、もう一度ここで大臣から直接お話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

#747
○国務大臣(赤羽一嘉君) 御質問ありがとうございます。
 ウエルビーイングとは一番程遠い道路政策だったと思いますが、コロナウイルス禍の影響によりまして、社会資本整備審議会で本年六月に、二十年後を見据えた人々の幸せの実現を道路政策の原点に置いた提言をさせていただきました。
 これは、ややもすると、道路というのは物を運ぶ、アクセスというようなことで、そう認識をされておりましたが、そうではなくて、それだけではなくて、古来、本当は人々の交流の場、コミュニケーション空間としての機能を回復させることを基本的な考え方としまして、今年の五月に道路法を改正しまして、にぎわいのある、人中心の道路空間を創出するための新たな道路の利活用の制度を創設をいたしました。ちょうどコロナウイルス禍で、外食産業の皆さん、三密を回避するためにお店の前にスペースを取ってやっていること、大変好評もいただいているところでございます。
 また、物流機能のところも、道路交通の低炭素化を目指して、例えばマイカーなしでも便利に移動できるようなモビリティーサービスですとか、自動走行、これ実証化じゃなくて、もう実用化でネットワークを張っていきたいと、こうしたことを考えておるところでございます。
 道路局だけではなくて、私は、このコロナウイルス禍の影響というのは大変大きな影響を社会にもたらすと思っております。働き方がもう実際、ステイホーム、テレワーク等々で変わってきましたし、その結果、住まい方も変わっている、もう現実でございます。東京からの転出人口、転入人口より転出人口が三か月間続けて上回っております。また、そういう中で恐らく人々のまさに暮らしのというか人生の価値観も随分変わっていくんではないかと。ですから、そうした大きな社会の変化、価値観の変化に追い付くような国土交通行政でなければいけないと。
 ですから、菅総理もかねてより、この縦割りの打破とあしき前例主義の打破ということを言われているのは、各局の固有のところにとらわれていると新しい社会の変化に付いていけないと。ウイズコロナ時代にも先を行けるような国土交通行政をしっかり取っていこうということで、今、全局のメンバーに今後のウイズコロナ時代における、まさにウエルビーイングにふさわしい国土交通行政を今志向しているところでございまして、今後も、まだ途中経過でございますので、引き続き御指導いただけるようによろしくお願いします。

#748
○上野通子君 赤羽国交大臣、ありがとうございます。
 私の国交省に対する考え方が少し変わりました。すごくやっぱり、道をつくるということは包容力があるんだなと実感しております。今の大臣の御答弁にもございましたが、単に物を運ぶだけではなく、その道の先には確かに何かがあるという、にぎわいがあったり居場所があったり、まさに行きたくなる道、いたくなる道づくり、これは夢では絶対終わらせないでください。
 既にもう各地では取りかかっている事業もあるというのもお伺いしましたが、夢で終わらすことなく、また、二十年後ということですが、そんな待っていられませんから、是非とも前倒ししていただいて、地域が元気になるために、さらには、それこそ都会から地域に行かれる方がどんどん増えていると思いますから、その方々がもっと住みたくなる、もっと子育てしたくなるような地域づくりのためにも、すばらしい幸せの道づくりを進めていただきたいと思います。ありがとうございます。
 早口でさせていただきましたので、いよいよウエルビーイングについての最後の質問となりました。最後の質問は、菅総理に日本ウエルビーイング計画推進についてお伺いします。
 SDGsの取組の先にあるもの、そして、自助、共助、公助、そしてきずなの理念の先に目指すもの、それは人々の幸せな生活であり、これこそがまさにウエルビーイングです。全ての政策は必ず国民の幸せにつながっていくものでなくてはいけないはずです。
 そこで、提案したいのは資料六です。御覧ください。
 これは、幸福度向上担当局、仮称ですが、その設置試案です。ここで提案したいのは、幸福度やウエルビーイングの向上という国の方向性を明確にするため、幸福度向上を担当する局や統括官を設置し、国民目線でウエルビーイングの認知度向上に取り組むとともに、ウエルビーイングの向上の観点からの分かりやすい施策の発信を行うべきではないかということです。さらには、ウエルビーイングが国の施策としてしっかりと反映されていくためにも、物差しや指標の作成が必要となってくると思います。
 そこで、本日は多くの大臣の皆様にウエルビーイングについて御答弁いただきましたが、最後にまとめとして、日本ウエルビーイング計画の推進に向けた総理の御所見をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

#749
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、上野議員が中心となって、党でウエルビーイングに関する取組を積極的に行っていただいていることに心から敬意を表したいと思います。
 従来の経済統計だけでなくて、社会の豊かさや人々の生活の質、満足度に注目していくことは極めて有意義なことだと思います。菅政権が進めていますこのデジタル化やグリーン社会、ここに向けた取組も、利便性を高めるとともに国民の満足度、ウエルビーイングを高めることにつながると考えています。
 上野議員の意見をしっかりと受け止めながら、まさに国民のために何が当たり前なのか、こうしたことをしっかり見極めた上で、行政の縦割り、既得権益、そして、あしき前例主義、こうしたものを打破して国民のために働く内閣というものをしっかりとつくっていきたいというふうに思います。そのことが上野議員の目指すウエルビーイングにもつながってくるんじゃないかなというふうに思います。

#750
○上野通子君 ありがとうございます。
 ウエルビーイングの認知度が今日ここでかなり上がったと私は確信しております。是非ともこれからも御支援よろしくお願いいたします。
 先週から慶應義塾大学の前野隆司先生が日経新聞で連載を始められたんですが、「やさしい経済学」というものでございます。そこでも紹介されていましたが、皆さん御存じだと思いますが、二〇二一年の世界経済フォーラム年次総会、いわゆるダボス会議のテーマがグレートリセットに決まりました。創設者であるクラウス・シュワブ会長によれば、第二次世界大戦から続く世界の社会経済システムは環境破壊などを引き起こし、持続性にも乏しい、時代遅れのもので、これからは人々のウエルビーイングを中心とした経済に考え直すべきだとのことです。世界がまさに経済至上主義から人に優しいウエルビーイングな経済へと大きく変化する時代になってきました。日本も、人生百年時代、幸せを感じて健康に生きていきたい、誰もがそう願うはずだと思います。
 今日私が試案で提案させていただきましたのはウエルビーイングの施策をしっかりとつくっていただきたいということで、できれば専属の局や統括官を置いていただきたいということでございますが、将来もしかしたら担当大臣なんかもできちゃったりするということも期待をしながら、今日の全ての私の質問を終わりにします。
 ありがとうございました。

#751
○委員長(山本順三君) 以上で上野通子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
 次回は明六日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト