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2020/11/06 第203回国会 衆議院 第203回国会 衆議院 議院運営委員会 第4号 令和2年11月6日
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2020/11/06 第203回国会 衆議院

第203回国会 衆議院 議院運営委員会 第4号 令和2年11月6日

#1
令和二年十一月六日(金曜日)
    午前十一時開議
 出席委員
   委員長 高木  毅君
   理事 御法川信英君 理事 丹羽 秀樹君
   理事 盛山 正仁君 理事 大塚 高司君
   理事 松本 洋平君 理事 福田 達夫君
   理事 小川 淳也君 理事 青柳陽一郎君
   理事 佐藤 英道君
      木村 次郎君    高村 正大君
      武部  新君    日吉 雄太君
      塩川 鉄也君    遠藤  敬君
      浅野  哲君
    …………………………………
   議長           大島 理森君
   副議長          赤松 広隆君
   事務総長         岡田 憲治君
   参考人
   (検査官候補者(検査官))            岡村  肇君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月四日
 辞任         補欠選任
  遠藤  敬君     藤田 文武君
同日
 辞任         補欠選任
  藤田 文武君     遠藤  敬君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 検査官任命につき同意を求めるの件
 次回の本会議等に関する件
     ――――◇―――――

#2
○高木委員長 これより会議を開きます。
 まず、検査官任命につき同意を求めるの件についてでありますが、去る十月二十九日の理事会において、坂井内閣官房副長官から、内閣として、検査官に岡村肇君を再任いたしたい旨の内示がありました。
 つきましては、理事会の申合せに基づき、検査官の候補者から、所信を聴取することといたしたいと存じます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本日、参考人として検査官候補者岡村肇君の出席を求め、所信を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○高木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――

#4
○高木委員長 まず、議事の順序について申し上げます。
 最初に、岡村参考人に所信をお述べいただき、その後、参考人の所信に対する質疑を行いますので、委員の質疑に対してお答えいただきたいと存じます。
 それでは、岡村参考人、お願いいたします。

#5
○岡村参考人 岡村肇でございます。
 本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼を申し上げます。
 近年、我が国の社会経済は、今後本格化する人口減少、少子高齢化に伴う社会保障費の増大、潜在成長力の伸び悩み、大規模自然災害の頻発等の難しい課題に直面しております。そのような中にあって、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大は、我が国の社会経済に甚大な影響をもたらすとともに、行政のデジタル化のおくれ等の問題を顕在化させており、これらへの対応が喫緊の課題となっております。
 会計検査院は、このような社会経済の動向を踏まえつつ、内閣から独立した憲法上の機関として、国の会計検査を実施し、検査の結果に基づき、検査報告を作成して、内閣を通じて国会に御報告するという重要な使命を課されております。
 会計検査院の組織は、意思決定を行う検査官会議と検査を実施する事務総局で構成されており、三人の検査官から成る検査官会議は、合議によって会計検査院としての意思決定を行うほか、事務総局を指揮監督しております。
 私は、昭和五十八年に会計検査院に採用されて以来、会計検査業務にかかわり、事務総局の業務全般を統理する事務総長を務めた後、両院の御同意をいただいて平成三十年十二月に検査官に就任し、以降、会計検査院の意思決定に携わり、現在まで一年十一カ月にわたって会計検査院に課された使命を果たすよう職責を担ってまいりましたが、その職責は極めて重いものと感じております。
 私は、検査官として、前回の所信で申し上げましたように、正確性、合規性の観点から厳正な検査を行うこと、厳しい国の財政状況にも鑑みて、事務事業や予算執行の効果等についても積極的に取り上げるなど、経済性、効率性及び有効性の観点からの検査を重視すること、行財政の透明性と説明責任の向上に資するために、国の決算等の分析や評価を行っていくこと、これらを常に意識しながら、現在の社会経済の動向、また、国民の関心や国会での御審議の状況などにも注意を払って、検査官の職務に専念してまいりました。
 この間、平成三十年度決算検査報告や国会からの検査要請に係る検査結果の報告四件などについて、検査官として会計検査院の意思決定に関与してまいりました。そして、現在は令和元年度決算検査報告の最終的な取りまとめにほかの検査官や事務総局とともに精力を傾けているところであります。
 また、去る九月に、令和三年次会計検査の基本方針を取りまとめ、国会における審議の状況に常に留意するなど、引き続き国会との連携に努めることとしております。
 仮に検査官に再び任ぜられるとするならば、事務総局を指揮監督する検査官会議の構成員としての自覚と責任感を持ち、これまで会計検査に関する実務で培った知識経験を生かすとともに、国民の皆様の関心の所在や、国会における御審議の状況に常に注意を払うなど、いろいろな御意見に耳を傾けながら、検査官会議における公平かつ均衡のとれた意思決定に貢献することによって、全力を尽くして検査官としての職責を担ってまいりたいと考えております。
 以上、簡単ではございますが、私の所信を述べさせていただきました。
 本日は、このような機会を与えていただき、改めて厚く御礼申し上げます。

#6
○高木委員長 ありがとうございました。
 これにて参考人からの所信の聴取は終了いたしました。
 議長、副議長は御退席いただいて結構でございます。
    ―――――――――――――

#7
○高木委員長 これより岡村参考人の所信に対する質疑を行います。
 質疑は、まず、各会派を代表する委員が順次三分以内で質疑を行い、その後、各委員が自由に質疑を行うことといたします。
 丹羽秀樹君。

#8
○丹羽委員 自由民主党の丹羽秀樹でございます。
 本日は、岡村参考人におかれましては、お忙しい中お越しいただきまして、まことにありがとうございます。
 早速、質問の方に入らせていただきたいと思います。
 岡村候補に対してお尋ねいたします。
 現在のこのコロナ禍の状況のもと、財政の適正な支出はより一層国民の皆様方の関心が高いことと存じますが、今回の再任に当たって、岡村候補の理念や信念をお答えいただきたいと思います。

#9
○岡村参考人 御質問ありがとうございます。
 御指摘ありましたように、現在、新型コロナウイルス感染症対策として、各種の給付金やGoToキャンペーンなど多種多様な事業が実施されておりますが、これらはいずれも国民の生活に密着したものでございまして、不正受給の事例なども既に報道されておりますことから、御指摘のとおり、国民の間には、個々の支出が適正に行われているか、あるいは、事業は効率的、効果的なものとなっているかなどに対する関心が非常に高くなっているものと思われます。
 会計検査院は、先ほど申しましたように、内閣から独立した憲法上の機関として、国の会計検査を実施し、検査の結果に基づき、検査報告を作成して、内閣を通じて国会に御報告するという重要な使命を課されております。
 そして、会計検査の観点、これは、正確性、合規性、経済性、効率性、有効性といった多角的な観点から行われるべきものとされております。
 個々の会計経理について、合規性の観点から厳正に検査をするということはなお重要でございますけれども、近年の厳しい財政状況に鑑みますと、政策の目的の達成状況、あるいは政策目的を達成するプロセスについて、経済性、効率性及び有効性等の観点から問題を指摘していくということが会計検査院に課された重要な役割であると考えております。
 さらに、近年では、これに加えて、公平性、あるいは国民生活の安全性、行財政の透明性なども重要になってきていると思われるところでございます。
 このような多角的な観点から検査を進めていくということは、国民の目線に立った検査を更に充実させていくという上で重要なことでありまして、これは私なりに信念を持って取り組んできたところでございます。
 仮に、今回御同意いただき検査官に再任された場合には、引き続き、検査官として、この点で貢献してまいりたいと考えております。

#10
○丹羽委員 岡村候補がおっしゃるように、会計検査院がより一層国民の期待に応えていただけるように期待する次第でございますが、問い二、問い三をちょっと一緒にお話しさせていただきたいと思います。
 現状のコロナ禍において、検査のやり方も、社会が今テレワークやリモートワークの仕事に推移している中で、検査の現場ではどのような工夫がなされているのかという点と、先ほど岡村候補がおっしゃられたように、国民の関心が高い中で、会計検査のあり方をどのように国民の皆様に発信し、若しくはPRしていくのか、そういったことをお尋ねしたいと思います。

#11
○岡村参考人 会計検査院は、新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応といたしまして、本年四月及び五月は全ての実地検査を中止いたしました。六月以降についても、同感染症による検査対象機関への影響等に配慮しつつ、検査対象機関等を一部に限定するなどの対応をとってまいりました。
 そして、その間においても職責を的確に果たすために、計算証明規則により、提出された書面を検査いたしましたり、検査対象機関から必要な資料を取り寄せたりするなどして、在庁での検査を効率的、効果的に行うよう努めてきたところでございます。
 それから、会計検査院におきましては、全職員に配備するパソコンをモバイル利用可能なものといたしております。各種業務の支援システムを含む情報システムを構築いたしまして、実地検査先からもデータベースにアクセスできるように、院内ネットワークへのリモートアクセス機能を付与するなどして、業務処理の迅速化と効率化に努めてきたところでございます。
 ポストコロナ時代に向けては、持続的な検査活動の確保のため、リモートで対応することが可能な部分はないか、あるいは、検査のさらなる効率化に資する検査手法の開発はできないかなどを検討いたしまして、ITを利用した検査を積極的に導入するなど、検査手法を更に工夫し、多様な取組を行うことが重要になってくるものと考えております。
 それから、会計検査院について国民に発信していくということでございます。
 会計検査院は、国民の負託を受けて会計検査を行う機関でありますので、国民の御理解と信頼を得るということは何より重要なことと考えております。より一層積極的に発信し、説明責任を果たしていくことが重要であると考えております。
 毎年度の検査報告において、国民に対してできるだけわかりやすく説明していくということは言うまでもないことでございますけれども、検査の方針につきましては、重点を置く施策の分野ですとか検査の観点等を示した会計検査の基本方針を公表するなどしてまいりました。
 このほか、会計検査院の仕事を理解していただけるように、毎年度の検査報告の内容に加えまして、会計検査院の組織や活動をわかりやすく記述した冊子を発行しておりますし、ホームページにおける情報発信も、よりわかりやすく、充実したものとなるよう、逐次改善を加えております。また、最近では、SNSを活用するなどして、検査活動の説明に努めているというところでございます。
 今後も、引き続き、国民の皆様に対して検査活動の内容を十分説明し、検査院としての説明責任を果たすよう、また、検査院の活動を国民の皆様によく知っていただけるよう努力していくことが重要であると考えているところでございます。

#12
○丹羽委員 これで質問を終わりといたします。ありがとうございました。

#13
○高木委員長 次に、青柳陽一郎君。

#14
○青柳委員 立憲民主党の青柳陽一郎です。
 本日は、質疑の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
 早速、質問に入りたいと思います。
 今、岡村参考人から述べられたとおり、決算と会計検査院は憲法第九十条に規定されている重要な事項であります。その国会審議もまた、とても重要だと当然思います。
 にもかかわらず、私は決算行政監視委員会の野党側の筆頭理事も務めておりましたけれども、決算審査はおくれにおくれているわけです。これは、民間企業ではとてもあり得ない話でありますし、地方議会から見てもとても驚かれる話。また、岡村参考人がおっしゃられている国民目線、この国民目線からしてもとてもおかしな話であります。
 今、衆議院では、この決算審査、何年からたまっていて、なかなか決算審査が進まない状況について岡村参考人の所感を述べていただきたいと思います。

#15
○岡村参考人 御質問ありがとうございます。
 衆議院での決算審査でございますが、現在、二十八年度決算以降については引き続き審査中になっておられるというふうに承知しております。
 ただ、審議日程など国会の活動については、これは当然国会自身でお決めになることでございまして、私から何か申し上げるというふうなことは余りに僣越であると存じます。
 会計検査院といたしましては、検査報告が国会での御審議に役立てていただけるものとなるよう、引き続き努力していくということが必要なことであると考えているところでございます。

#16
○青柳委員 菅内閣は、内閣の重要課題として行政改革を掲げております。私は、行革は決算なくしてできないと思いますよ。決算なくしてPDCAサイクルは回せないというふうに思います。
 岡村参考人は、この行革と決算の関係、PDCAと決算の関係についてどのようなお考えを持っているか、お聞かせください。

#17
○岡村参考人 政府における取組について、会計経理を離れて意見を申し上げるという立場にはございませんけれども、一般論として、国会における決算審査、これは行財政のPDCAサイクルをしっかりと機能させていくという上で大変重要なものであると認識しております。
 会計検査院としては、検査報告が国会での決算審査を始めとする御審議に役立てていただけるものとなるよう、引き続き努力していくことが必要だと考えているところでございます。

#18
○青柳委員 次に、森友学園の問題。
 この森友学園問題で、会計検査院は二〇一七年三月に参議院の予算委員会の要請で検査を実施しました。そして、その後、二〇一八年に文書改ざん問題が発覚して再検査を実施しました。しかし、その後、自殺した財務省職員の御遺族による告発等によって、より財務省や政権の関与が明らかになってきているわけです。
 岡村参考人は、当時のこの会計検査院の検査そして処分について、現在でも適正であったと考えていますか。さらに、御遺族は第三者委員会による再調査を求めておりますけれども、この再調査の必要性について参考人はどのように考えているか、お答えいただきたいと思います。

#19
○岡村参考人 本件につきまして、会計検査院といたしましては、二十九年十一月に報告を行いました後、改ざんされた決裁文書が提出されたということが明らかになりまして、引き続き検査を行ったところであります。その結果、財務省において会計検査に対する不適切な対応があったということなどについて、三十年十一月に国会に御報告しているところでございます。
 会計検査院といたしましては、これらの報告を行う過程で、関係者に質問するなどさまざまな方法で検査を行ったところでございまして、必要な検査は行ったと考えておりますので、再検査は予定しておりません。
 また、処分という話でございましたが、関係者の処分につきましては、これは第一義的には任命権者が判断すべきことでありますので、財務省において行われた懲戒処分に関して、会計検査院として申し上げる立場にはないと考えてございます。

#20
○青柳委員 安倍政権から菅政権にかわりましたけれども、続いていることは法解釈の変更です。安保法制、検察庁法、そして学術会議、これは全て法解釈を行っています。こうした流れに対して、国会と検査院には行政監視機能の強化が求められるのではないかと思っております。
 会計検査院法を改正して、人事の処分や意見の随時報告など、検査院の機能強化を図るべきだと考えて我々は法案を提出しておりますが、こうした考えについて、最後に参考人のお考えをお伺いしたいと思います。

#21
○岡村参考人 会計検査院の権限をどうすべきかということは、まさに立法政策の問題かと存じます。会計検査院から何か申し上げるということではないというふうに考えておりますが、もちろん、立法がなされましたら、それに応じてしっかりとその責務を果たしていくということは当然でございます。

#22
○青柳委員 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。

#23
○高木委員長 次に、佐藤英道君。

#24
○佐藤(英)委員 公明党の佐藤英道です。
 岡村候補者にお伺いさせていただきたいと思います。
 まず、コロナ禍をきっかけにした検査業務の効率化、デジタル化について伺います。
 会計検査業務についても、限られた人員の中でよりよい検査成果を上げていく必要があります。特に、コロナ禍で検査手法が一定の制約を受ける状況においては、デジタル化に対応できる人材登用やITの活用は極めて重要な課題と考えますけれども、まず御認識を伺いたいと思います。

#25
○岡村参考人 御質問ありがとうございます。
 御指摘のとおり、デジタル化に対応できる人材の確保、これは大変重要なことと認識しております。
 近年、ITを活用した政策が急速に進行している状況を踏まえまして、会計検査院では、検査対象機関におけるIT関連施策の検査を適切に行っていくため、調査官等のIT関連施策に対する検査能力の向上のための教育訓練などを積極的に進めてきたところでございます。
 また、この分野においては、民間に専門的知識や実務経験を有する方が多くおりますので、公募採用、それから官民交流によりまして、例えば、IT分野に関する省庁横断的な検査を実施する検査室の室長ですとか、あるいは部内の情報システムの整備、運用に当たる室長級職員といった幹部職員も民間から採用するなど、民間の知見を積極的に活用することとしております。
 また、ITの活用は検査にとって大きな武器でありますので、これまでもITを活用した検査に取り組んで成果を上げてきたところでありますが、今後も、大量かつ多様なデータの検査への利活用も含め、引き続き取組を進めていく必要があるというふうに考えております。
 ポストコロナ時代に向けて、持続的な検査活動の確保のための検討も喫緊の課題となっておりますので、今後も、引き続き、デジタル化、ITを活用した検査の積極的な導入に向けた取組を進めていく必要があると考えておりまして、仮に、今回同意をいただき検査官に再任された場合には、適切な取組が進められていくように留意してまいりたいと考えております。

#26
○佐藤(英)委員 次に、本年七月の熊本県豪雨を始め、近年、気候変動の影響による大規模災害が相次いでおります。国民の関心が高まる防災、減災に向けて、政治や行政に求められる取組がより広範で高度なものになってきております。
 災害対策は、事業期間や効果などが極めて中長期に及び、一律の評価が難しいプロジェクトもございます。こうした事業に対してどのような視点で検査を行っていこうと考えているのか、所見を伺いたいと思います。

#27
○岡村参考人 近年の相次ぐ大規模な自然災害の発生によりまして、国民生活の安全性の確保に関する国民の関心が急激に高まっているというふうに考えております。会計検査院においても、こうしたことを踏まえて、近年、重点を置いて検査を行ってきたところでございます。
 国民生活の安全性に関する検査に関しては、御指摘のとおり、事業期間や効果が中長期に及び、評価の難しい施策を対象とするものもあると考えております。そのような事業については、経済性、効率性といった観点だけではなく、有効性の観点、あるいは安全性の観点といった多角的な観点からの検査が重要であると考えております。
 そうした検査の結果として、例えば、平成二十八年度決算検査報告では、河川改修事業等について、堤防の一部未整備の箇所あるいは改築が必要な橋梁が残存しておりまして、長期にわたって整備の効果が十分発現していないというような事態を指摘いたしました。
 また、三十年度決算検査報告では、ため池の防災・減災事業につきまして、直ちにハード事業ができない場合、ハード対策ができない場合はソフト対策を講ずるように求めるなど、災害対策事業の特徴を踏まえた検査を行ってきております。
 そして、本年六月には、国会から、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策の実施状況等についての要請をいただきまして、緊急対策による効果の発現状況につきまして、経済性、効率性といった観点だけではなく、有効性の観点や安全性の観点といった多角的な観点からの検査を進めているところでございます。

#28
○佐藤(英)委員 また、年金や介護、医療などの社会保障予算、また幼児教育や高等教育の無償化を始めとする文教予算など、国等による支出には国民一人一人の生活や人生に直結する予算も少なくございません。こうした予算の効果は、経済的価値には容易に換算できないものが少なくないと私は考えております。
 これらの事業の検査についてはどのような観点から取り組もうと考えているのか、所見を伺いたいと思います。

#29
○岡村参考人 御指摘のとおり、社会保障予算ですとか文教予算といったものについて、その効果をどうはかるのかといった点が非常に難しいというものもあるというふうに考えております。
 そうした評価の難しいものについても会計検査の中でできるだけ取り上げてまいりたいということで、普通の事業ですと、改善策というものが一義的にお示しできるということがありますけれども、そうでない場合には、適切な改善策を講ずる必要があるのではないかという意見表示をさせていただくにとどめるということもありますし、また、指摘には至らないという場合でも、その検査の結果わかった状況というものを情報提供というような趣旨でお示しさせていただいて、その後の政策立案等に役立てていただければと、そういった対応をする場合もございます。
 それから、社会保障や文教の場合ですと、公平性といったものが重要になってくるというふうにも思われますので、経済性、効率性ではなくて、公平性といった観点から捉えまして検査をしていくというようなことも取り組んでいるところでございます。

#30
○佐藤(英)委員 最後に、無駄遣いの削減についてお伺いしたいと思います。
 検査院は毎年多くの指摘をされておりますけれども、同じような指摘が繰り返されているようにも見えます。無駄遣いの撲滅に向けては、指摘を繰り返し受ける行政側の構造的な要因とか、例えば、人員体制の不足とか、職員意識の醸成などのほか、マクロの社会経済情勢など、広い視野に立つことも必要であると考えますけれども、所見を伺いたいと思います。

#31
○岡村参考人 会計検査の対象となる会計に毎年多数の不当事項の指摘があることは大変遺憾なことと認識しております。
 こういった無駄遣いをなくすためには、まずは、指摘を受けた当局が同種事態の再発防止をしっかりと図るということが大事でありまして、各機関における内部統制に係る体制の整備、あるいは、職員一人一人の適正かつ効率的、効果的な予算執行に対する意識の向上などについて、不断の努力が必要であると考えております。
 会計検査院としては、指摘した事態が確実に改善されるよう、各府省任せではなく、指摘した事態の改善状況についてのフォローアップ検査を行ったり、同種の事態が他の府省で繰り返されることのないよう、検査を他の府省等に広げていく、横展開していく検査を充実させるように努めております。
 同じような指摘が繰り返され、なかなか是正がなされないようなものにつきましては、個別の事態を不当事項として指摘するだけではなく、事態の発生原因の分析、究明に努めまして、御指摘のような人員体制の不足ですとか、職員意識の醸成などの努力が足りないことによるのか、あるいは背景にマクロの社会経済情勢が影響しているのではないかなど、広い視野に立った原因分析を行いながら改善策を検討して、そこに焦点を当てて制度の是正改善を求めるなどしていくことが重要であると考えております。

#32
○佐藤(英)委員 終わります。

#33
○高木委員長 次に、塩川鉄也君。

#34
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 森友学園への国有地売却問題の検査についてお尋ねをいたします。
 参議院の決算委員会は、おととし、二〇一八年の六月、「会計検査院における検査体制の強化に関する決議」を上げました。
  会計検査院は、本院からの検査要請に基づく、学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する検査に際し、財務省が提出した決裁文書の真正性について国土交通省にも確認するなどの検証を行わず、財務省による言語道断な決裁文書の改ざんを見逃すこととなった。また、平成二十九年十一月に本院に提出された、検査結果の報告書では、地下埋設物の撤去・処分費用の試算が明示されていなかった。
  会計検査院は、今般の事態を深刻に受け止めて、経緯を検証し、今後の検査に当たり、資料の信ぴょう性について適切に確認するなど、再発防止を徹底するとともに、独立した憲法上の機関であることを自覚し、検査の過程及び内容に疑念を抱かれないよう、会計検査体制を強化すべきである。
このようにありますが、この決議の受けとめと、その後どのように対応されたのかをお聞きしたいと思います。

#35
○岡村参考人 御質問ありがとうございます。
 御指摘のように、決裁文書の改ざんを見抜けなかったことについて、大きな御批判をいただいたところでございます。
 資料の真正性の検証ということにつきましては、全ての管理監督職員に対して特別の研修を行い、収集した書類等が会計経理等の真実を裏づけ、検査上の判断の基礎とすべき信頼性を備えているかなどに留意することの重要性について周知するなどしたところでございます。
 そして、今後も継続的に資料の信憑性の確保等を適切に行うことができるよう、研修体制の充実強化といたしまして、検査に当たる職員の能力開発に携わるスタッフを強化拡充しております。加えて、各階層の職員を対象とした研修のカリキュラムの見直しを行ったところでございます。
 仮に、今回御同意いただき検査官に再任された場合には、引き続き、このような取組を通じて、厳正に会計検査を実施していくために力を注いでいく所存でございます。

#36
○塩川委員 三月の十八日に、財務省による森友公文書改ざんに関与し自殺をされた、近畿財務局職員であった赤木俊夫さんの遺書が明らかになりました。
 遺書の中では、国会、国会議員、会計検査院への各対応も、本省で基本的な対応のスタンスが決められていた、特に、会計検査院への対応では、決議書等の関係書類は検査院には示さず、本省が持参した一部資料の範囲内のみで説明する、応接記録を始め、法律相談の記録等の内部検討資料は一切示さないこと、検査院への説明は、文書として保存していないと説明するよう事前に本省から指示がありました、このように述べていますが、このような財務省本省からの指示は、会計検査院法に違反するものではありませんか。

#37
○岡村参考人 財務省の会計検査に対する不適切な対応でございます。
 これは、三十年十一月に参議院予算委員会の理事会懇談会に御報告させていただいておりますけれども、会計検査院法第二十六条に違反する行為があったというふうに認定をしているところでございます。

#38
○塩川委員 この三月に明らかになった遺書を踏まえて、再検査を行う考えはありませんか。

#39
○岡村参考人 三十年十一月に、先ほど申しましたが報告させていただいたところでございますが、財務省の会計検査に対する不適切な対応につきまして、法律相談文書が提出されなかった件も含めて、提出を求めていた資料が提出されなかったことにより、検査の実施に支障を生じさせたものであるというふうに報告しているところでございまして、この点につきましては、いずれにしても変わらないというふうに考えているものでございます。
 会計検査院といたしましては、これらの報告を行う過程で、関係者に質問するなどさまざまな方法で検査を行ったところでございまして、必要な検査を行ったと考えておりますので、再検査は予定しておりません。

#40
○塩川委員 赤木俊夫さんの妻の雅子さんは、十月の裁判におきまして、俊夫さんの元上司が弔問に訪れた際の音声データを証拠として提出し、メディアにも公表しました。
 その上司は、赤木さんが改ざんの経緯を詳細にまとめたファイルを作成していたと明かしております。上司は、ファイルにして赤木さんがきちっと整理している、全部書いてある、何が本省の指示か、前の文書であるとか修正後のやつであるとか、何回かやりとりしたようなやつがファイリングされていて、これを見たら我々がどういう過程でやったのかが全部わかると述べています。
 こういったファイルについて再検査をする考えはありませんか。

#41
○岡村参考人 繰り返しになりまして恐縮でございますが、三十年十一月までの過程で、関係者、これは直接の関係者ばかりではなく幅広く関係者に対して質問するなどさまざまな方法で検査を行ったというところでございまして、必要な検査は行ったと考えておりますので、再検査は予定していないところでございます。

#42
○塩川委員 再検査は予定していないということですが、新たな資料が出ているわけです。それを脇に置いて、それを行わないというのは、参議院の決議が言っている、森友問題の経緯を検証したと言えないのではないかと思うんですが、その点、どうでしょうか。

#43
○岡村参考人 財務省の会計検査に対する不適切な対応ということについては、先ほども申し上げましたが、検査の実施に支障を生ぜしめたものである、中には会計検査院法の二十六条に違反する行為もあったというふうに認定をしているということでございます。
 こういった認定までにさまざまな方法で必要な検査を行ったというふうに考えておりますので、再検査は予定していないということでございます。
 以上でございます。

#44
○塩川委員 衆議院が要求しました森友問題の予備的調査、これの提出が来週に予定されていますが、それを踏まえて、新たな事実があれば再検査をするお考えはありませんか。

#45
○岡村参考人 国会でのさまざまな御審議等の状況については常に留意をしているところでございますので、それはまた検討をさせていただければというふうに思います。

#46
○塩川委員 終わります。

#47
○高木委員長 次に、遠藤敬君。

#48
○遠藤(敬)委員 日本維新の会の遠藤敬でございます。
 早速でございますが、岡村参考人にお伺いをいたしたいと思います。
 前回、平成三十年の十二月に検査官に任命された際の所信において、国民の関心の所在や、国会における御審議の状況に常に注意を払うなど、いろいろな御意見に耳を傾けながら、検査官として職責を担うと述べておられましたが、検査官として二年弱の間、国民の関心はどのような点にあって、会計検査に当たってどのように反映されたか、実績をお伺いいたします。

#49
○岡村参考人 御質問ありがとうございます。
 私は、会計検査は、国民にかわって、国民の目線で税金の使途をチェックする役割を担うということを常に留意してまいりました。そのため、御紹介いただきましたように、国民の関心の所在や、国会における御審議の状況に常に注意を払うなどして、国民の期待に十分応えられるよう、その職責を果たしてまいりたいと努めてきたところでございます。
 近年、国民生活の安全性に関する関心が非常に高まっていることを感じております。平成二十三年の東日本大震災はもちろんでございますが、二十四年には、笹子トンネルの天井板崩落といったような社会インフラの老朽化による事故もございました。この二年で見ましても、地震や豪雨による災害が頻発しておりまして、安全性の確保に対する関心が一層強まっているというふうに感じております。
 また、社会保障制度につきましては、さまざまな課題が山積しておりまして、負担と受益が国民の生活に密着しているものであるということもあって、引き続き関心が高いというように感じているところでございます。
 こうした社会的関心を背景に検査に取り組んだ結果、検査報告においては、国民生活の安全性の確保や、それから社会保障に関するものなど、国民の関心の高い事項について多数の検査結果が掲記されております。
 私が検査官としてかかわった平成三十年度決算検査報告におきまして、国民生活の安全性の確保に関しては、交付金を受けて耐震診断を行い、耐震性が不十分とされた建築物について、耐震改修が未実施であるのに所管行政庁が指導助言を行っていなかったですとか、あるいは、そもそも耐震改修の実施状況を把握していなかった事態について、安全性の向上が図られるように改善の処置を要求したものですとか、ため池の防災・減災事業につきまして、対策工事の必要性が適切に判定されていなかったり、あるいは適切なソフト対策が実施されていなかった事態について改善の処置を要求したものなどがございました。
 社会保障に関しては、企業主導型保育施設の利用が低調となっている事態について改善の処置を要求したものなど、国民の目線に立った検査を行った結果を報告しております。
 仮に、今回御同意をいただき検査官に再任された場合には、引き続き、国民の関心の所在や、国会における御審議の状況に注意を払いまして、国民の関心の高い事項について積極的に取り上げていけるように努力してまいりたいと考えているところでございます。

#50
○遠藤(敬)委員 それでは、菅新政権は規制改革に全力で取り組む旨を表明されておられますが、規制改革に加えて、国と地方の役割分担の見直しなど統治機構改革も大変重要な論点であります。新型コロナウイルス対応においても改めて国と地方の役割分担が問われておりますが、行政間の重複の排除など、会計検査院が果たす役割など御所見があればお伺いをしたいと思います。

#51
○岡村参考人 国と地方の役割分担の見直しなど統治機構にかかわる事柄は、非常に重要で、かつ難しい課題と承知しております。
 会計検査院は、会計経理を離れて、国や地方の役割分担など統治機構のあり方そのものについて直接意見を申し上げる立場にはございませんが、多角的な観点から会計検査を行う中で、不経済や非効率、同種の事業の重複、あるいは所期の効果が上がっていないといった事態が見受けられた場合におきまして、その原因が、当該事業に係る国と地方の連携に問題があったり、あるいは、国において地方の実情を十分把握できていなかったりといったことにあるという場合には、その改善を求めるなどしているところでございます。
 今後も、会計検査において、国等の会計経理を検査する中で、行政間の事業の重複などがないかといったことに留意しつつ、引き続き適切に検査をしていくことが重要であると考えております。

#52
○遠藤(敬)委員 いろいろと岡村参考人からも御意見をいただいているように、その中で、結局、人員的なものもあって、会計検査院は、内閣に対して独立の地位を有する憲法上の機関であるゆえに、みずからの業務に対して外部からのチェックが働きにくいとの指摘もございます。限られた予算と人員の中でいかに効率的に検査を実現していくか、岡村参考人の御意見をお伺いいたします。

#53
○岡村参考人 会計検査院は、憲法上の独立機関でありまして、また、検査対象機関に対して検査を実施するという性格上、外部からの御批判をいただく機会も少ないことから、確かに、御指摘のようなことはあろうかと考えております。
 いろいろな御批判に謙虚に耳を傾けていくということは非常に重要なことでありまして、会計検査は、検査を受ける側にとって一定の負担が伴うことは事実でございますので、できるだけ効率的に検査を行うということが求められること、これは常に認識しているところでございます。
 また、会計検査院自身にとっても、限られた人材や予算の中で効率的、効果的に国民の目線に立った検査を行っていく必要がございます。そのためには、国民の皆様の御関心、国会でのさまざまな御議論に日ごろから留意して、重要な問題、検査対象といったものを取り上げて、これらについて最大限の成果が見込まれる方法で検査を行っていくということが必要不可欠であると考えております。
 会計検査においては、実地検査により事務事業の実施現場を見られるということが強みでございますので、検査の現場の第一線で検査に携わる職員の専門的な知識の向上、それから、それを支えるITの一層の活用とが重要な課題であるというふうに考えております。
 検査能力の向上に関しましては、内部で研修やセミナーを行っておりますし、大学に留学させるなどの外部機関による研修も行ってきたところでございます。また、研修等によるプロパー職員の育成だけではなく、さまざまな専門知識や実務経験を持った民間人を採用したり、官民交流を行ったりしているところですが、引き続き多様な人材の確保に努めていく必要があると考えております。
 また、ITの活用は検査にとって大きな武器でありますので、全職員にモバイル利用可能な端末を配備したシステムをつくって業務処理の迅速化と効率化に努めてきた、先ほど申し上げたようなこともしているところでございます。
 今後とも、専門的な検査に対応できる人材の育成や外部の専門家の活用に努めますとともに、検査業務におけるITの一層の活用を進めることで検査能力の向上と検査業務の効率化を図り、検査を充実させていくよう、引き続き努力してまいりたいというふうに考えております。

#54
○遠藤(敬)委員 御丁寧に御回答いただきまして、ありがとうございます。
 最後に、検査院による指摘によって無駄遣いの削減、先ほどもございましたが、削減を進めることは重要でありますが、一方で、指摘の対応の結果、補助金等の交付に当たって手続や要件が厳格となる受給者側にとって、逆に使い勝手が悪いのではないかという指摘もございます。政策効果が発揮されづらくなるという指摘がありますが、最後にお答えをいただきたいと思います。

#55
○岡村参考人 税金等を財源として行われる事務事業につきましては、基本的な会計経理の適正性が確保されていなければ国民の信頼を損なうことにもつながりかねないということで、会計検査院は、事業が適正に実施される、本来の効果が達成されるようにという観点から検査を行っているところでございます。
 他方、御指摘のように、検査院の指摘の結果を踏まえて補助金等の交付手続や要件が厳格となり、受給者側にとっては使い勝手が悪くなるなどのおそれがあるということもお聞きするところでございます。
 会計検査院としても、いたずらに緻密な手続を求めるのではなく、事業の緊急性や事務コスト、利用者の負担なども勘案し、事業を実施する側の御意見にも十分耳を傾けながら、当該事務事業の本来の目的を達成するためにどのようなあり方が望ましいのかを追求し、また、改善状況について継続的にフォローアップするなどしていくことが重要であると考えているところでございます。

#56
○遠藤(敬)委員 終わります。ありがとうございました。

#57
○高木委員長 次に、浅野哲君。

#58
○浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。
 本日は、会計報告取りまとめに大変御多忙な中、お越しいただきありがとうございます。
 私からも二、三質問させていただきたいと思いますが、まずは、ことしは新型コロナウイルス感染症の影響で、日本全国に対して現在政府もさまざまな支援策を打っております。やはり、突発的かつ予備的な支出が多くなる中で、非常に有効性といった視点において判断の難しい事案がふえているのではないかというふうに思っております。
 そういった中、会計検査院として今後の会計検査に対して留意されている点等ありましたらお答えいただきたいと思います。

#59
○岡村参考人 御質問ありがとうございます。
 御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症対策や災害対策などとして予備費が活用されたり補正予算が編成されたりしておりまして、その規模が大きなものとなっているところでございます。
 これらにより実施される事業の検査に当たりましては、各事業等の実施が緊急性を求められているということに留意いたしますとともに、政府の取組方針や動向等も注視しつつ、状況に応じて機動的、弾力的に検査を行っていくことが必要であるというふうに考えております。
 また、これらの予算の執行により国の財政状況にどのような影響が生じているかについてもフォローしていく必要があると考えているところでございます。
 仮に、今回御同意いただき検査官に再任された場合には、御指摘のような支出に関する検査が適切に行われるよう留意してまいりたいと考えているところでございます。

#60
○浅野委員 ありがとうございます。
 今、緊急性も鑑みというお言葉がありましたけれども、その一方で、やはり、緊急性を理由に無駄な支出というのが重ねられては、それはよろしくないことだというふうに認識をしております。
 その際、大事なのは、予算の策定や査定におけるプロセス、その妥当性の検証だというふうに思っておりますし、その部分について是正を図ることも会計検査院の一つの役割だと思っておりますけれども、この査定、策定のプロセスに対してどのように当たっていくのかについてもお答えをいただければと思います。

#61
○岡村参考人 会計検査院は、国の収入支出の決算等を検査するということを職責としておりますので、予算の査定と策定のプロセスそのものを検査するものではございませんが、予算執行について検査を行ったその検査結果というものは、PDCAサイクルの中で早期に予算編成やあるいは国会における御審議に活用されることが望ましいと考えておりまして、予算執行のあり方あるいは制度の改善につながるような適切な検査に努めていく必要があると考えているところでございます。

#62
○浅野委員 適切な検査なんですけれども、先ほど冒頭の質疑でもありましたが、ことしはコロナの影響で、実地検査が一部中断あるいは部分的な実施ということで制約を受けている状況だと思いますが、ポストコロナ時代を見据えたときに、この実地検査が今後どうあるべきなのか、この点についてもお考えをお聞かせください。

#63
○岡村参考人 会計検査院は、先ほどもございましたが、新型コロナウイルスの感染拡大への対応として、本年四月と五月は全ての実地検査を中止し、六月以降についても、同感染症による検査対象機関への影響に配慮しつつ、検査対象機関等を一部に限定するといった対応をとってきたところでございます。
 その間におきましても、在庁での検査を効率的、効果的に行うように努めてきたところではございますが、検査の方法で最も重要だと考えております実地検査、これは、検査結果として検査報告に掲記される事項のほとんどは実地検査によって生まれたものでございます。そうした実地検査の実績というものがかなり大幅に減少したということで、今年次の会計検査は大きな影響を受けたところでございます。
 今後、ポストコロナ時代、なかなか見通せないところでございますけれども、この会計実地検査の実施というものは、やはり何とか回復をさせていくようにということを考えたいと思いますが、一方で、リモートでできる部分はないかとか、あるいは検査手法を何か改善すべき点はないかといったことも考えながら、両面から何とかポストコロナ時代の会計検査の業務について考えてまいりたいというところでございます。

#64
○浅野委員 これで最後にしたいと思いますが、先ほど来、ITの活用ということが何度か出てまいりました。
 現在の会計検査院の取組を見ておりますと、会計情報システムの導入が進んでおりまして、情報の蓄積、保管というところでは一定程度進捗が見受けられるんですけれども、業務そのものに対して、情報処理技術を使って、人の手でやるよりもより迅速な業務遂行ができるような、そういった取組も民間や一部行政機関では始まっております。
 会計検査院として、この点に対してお考えをお聞かせいただきたいと思います。

#65
○岡村参考人 ITの活用は大変重要でございますので、先ほどもございましたが、会計検査院では、会計検査情報システムと言っておりますけれども、各種の業務を支援するシステムを構築して、それで、基幹LANを通しまして各職員が実地検査先からもアクセスできるという体制をとって、効果を上げてきたというふうに考えております。
 ただ、こういったITの世界は非常に進歩が速いというものでございますので、我々、官におります人間だけではというところもございます。そこで、先ほどもございましたが、民間の知見を十分活用したいということで、幹部職員についても民間から採用するというようなこともいたしまして、ITの活用を更に進めていきたいというふうに現在取り組んでいるということでございます。

#66
○浅野委員 終わります。ありがとうございました。

#67
○高木委員長 これにて各会派を代表する委員の質疑は終了いたしました。
 これより自由質疑を行います。
 質疑される方は、挙手の上、委員長の許可を得て発言されるようお願いいたします。
 また、発言の際は、所属会派及び氏名をお述べいただき、一人一問一分以内としていただきますようお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。

#68
○小川委員 立憲民主党の小川淳也と申します。
 きょうは、御出席ありがとうございます。また、生涯をかけて会計処理並びに予算執行の適正化に取り組んでこられたことに、敬意を表したいと思います。
 ただいま、国有地の処分については同僚議員から御質問させていただきました。残念ながら、私どもの立場として、十分納得し得る回答とはお見受けできませんでした。
 一方、在任中、学校法人の認可、これも多額の補助金や交付金の支出根拠になっています。それから、春には公的行事の恣意的な運用に関しても相当社会問題になりました。
 この二点について、国民の信任、信用失墜がかかっています。在任中、どのような取組をされたか、あるいは十分だとお考えか。そして、新たに任期が加わったならば、結果としてこの公的行事は中止になっているんですね、明治以来の伝統がありますが。この点について会計検査院としての責任も一定お感じいただく必要があると思いますが、この点についてだけ御答弁いただきたいと思います。

#69
○岡村参考人 御質問ありがとうございます。
 おっしゃられましたような点について、国会でさまざまな御議論がなされているということは常に留意しているところでございます。私どもの検査の対象となる予算執行、会計経理、そういったものにかかわる御議論については、本当に、逐一留意させていただいているということでございます。
 そうした御議論が、私どもの職責であります会計経理の検査ということ、会計経理にどういう影響があるだろうかということを常に考えまして、その上で検査に当たっているということでございます。これはもう常に留意して取り組ませていただいているというふうに申し上げたいと思います。

#70
○小川委員 ありがとうございました。

#71
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 会計検査院の天下り問題についてお尋ねします。
 二〇一六年十一月の質問主意書に対する政府答弁書では、会計検査院からの検査対象法人への再就職について、二〇〇五年八月から二〇一六年六月までの十二年間に三十九人としています。
 また、衆議院調査局が二〇一九年十月にまとめた国家公務員の再就職状況に関する予備的調査では、会計検査院と密接な関係にある営利企業への天下りについて、二〇一〇年から二〇一八年の九年間に二十二人としております。
 会計検査院が検査対象にしている法人への再就職、天下りは、会計検査院が当該法人に対する検査に手心を加えるのではないのか、このような国民の疑念を招くのではないか。このことを懸念しますが、お答えいただきたいと思います。

#72
○岡村参考人 会計検査院の職員は、一般職の国家公務員として、国家公務員法の適用を受けております。
 会計検査院としては、当然のことでありますが、職員の再就職について、この国家公務員法の退職管理の諸規定を遵守し、職員の営利企業等への再就職のあっせんは一切行っていないところであります。
 元職員による再就職は、いずれも元職員本人と再就職先との合意により再就職したものと承知をしております。
 会計検査院としては、元職員が在籍する検査対象の団体等であっても、厳正な検査を実施して、指摘をして、検査報告に掲記しているところでございます。
 会計検査院としては、今後とも、厳正な検査を実施していくことが極めて重要と考えておりまして、国家公務員法を遵守するのはもちろんのこと、検査に影響を及ぼすようなことや国民の信頼を損なうことがないように、引き続き努力してまいります。

#73
○高木委員長 ほかに。
 それでは、これにて岡村参考人の所信に対する質疑は終了いたしました。
 岡村参考人、ありがとうございました。
 以上をもちまして検査官の候補者からの所信聴取及び所信に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――

#74
○高木委員長 次に、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、来る十日火曜日午後一時から開会することといたします。
 また、同日午前十一時理事会、正午から委員会を開会いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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