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2020/10/29 第203回国会 参議院 第203回国会 参議院 本会議 第2号 令和2年10月29日
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2020/10/29 第203回国会 参議院

第203回国会 参議院 本会議 第2号 令和2年10月29日

#1
令和二年十月二十九日(木曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第二号
  令和二年十月二十九日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 第二 立皇嗣の礼につき慶賀の意を表する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る二十六日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。福山哲郎さん。
   〔福山哲郎君登壇、拍手〕

#3
○福山哲郎君 議運の取決めにより、マスクを外させていただきました。
 立憲民主党の福山哲郎です。
 菅総理、内閣総理大臣御就任おめでとうございます。二世、三世でもなく、派閥なしから日本のリーダーになられたのは近年の自民党では希有な存在であり、まずは祝意を表したいと存じます。
 さて、安倍長期政権が終えんし、一つの時代が終わりを告げました。菅内閣が発足し、時を同じくして衆参百五十名の仲間とともに新立憲民主党を結党させていただいたことは、まさに時代の要請だと感じています。私たちは、ウイズコロナの時代に即した新しい綱領を作り、スタートしました。
 一つには、一人一人の日常の暮らしと働く現場の声に立脚した、多様性を認め合い、差別のないお互いさまに支え合う社会をつくること。
 二つには、過度な自己責任論に陥らず、目先の効率性だけにとらわれず、格差を解消し、一人一人が幸せを実感できる社会をつくること。
 三つには、公文書管理と情報公開を徹底し、透明で公正な信頼される政府をつくること。
 また、コロナ下において不要だったアベノマスク、給付金の遅れ、PCR検査が増えなかったことなど、行政の劣化が露呈する中で、実行力のある機能する政府をつくること。
 強い決意でこれらを具現化し、国民の命と暮らしを守るとともに、もちろん立憲主義を重んじることは言うまでもありません。
 さて、一九四九年の日本学術会議の発会式において、当時の吉田茂内閣総理大臣は、祝辞で、日本学術会議はもちろん国の機関ではありますが、その使命達成のためには、時々の政治的便宜のための制肘を受けることのないよう、高度の自主性が与えられておるのでありますと述べられています。
 また、八三年、当時の中曽根内閣総理大臣は、独立性を重んじていくという政府の態度はいささかも変わるものではございません、政府が行うのは形式的任命にすぎないと答弁されています。
 国立公文書館に出向いた我が党の小西洋之議員の調査によれば、一九八三年の法案審議の際の想定問答には、独立性の強い機関であり、内閣総理大臣は学術会議の職務に対し指揮監督権を持っていないとされています。
 今般、六人を任命しなかった行為は吉田総理の言うまさに制肘を加えんとする行為であり、甚だ遺憾です。制肘とは干渉した相手の自由な行動を妨げるという意味です。
 総理、まずは、六人を排除したことに対する吉田、中曽根両元総理の言葉を凌駕するような明確な根拠をお聞かせください。また、解釈は変更されたのでしょうか。加えて、六人それぞれ排除した理由もお聞かせください。
 ましてや、総理はリストを見なかったと発言されています。昨日の答弁で、御自身が判断したと述べられました。リストを見ずにどのように判断されたのでしょうか。偏りについても、大西元会長は明確に否定されています。人事の問題だからこそ、理由の説明が必要です。一連の六人を排除したことは違法だと考えますが、総理の認識をお答えください。
 総理は、所信表明演説で、アベノミクスは今後も継承し、更なる改革を進めていくと述べられました。
 安倍前総理は、二〇一三年にGDPを平均で名目三%、実質二%程度成長させる目標を提示しましたが、結果として実質GDPは一・一%にとどまりました。二%の物価安定目標も達成できていません。企業の内部留保は四百六十三兆円に拡大するも、労働分配率は七二%から六六%に低下をしております。実質賃金は上がらず、個人消費も回復していません。増えた働き手の六五%は非正規労働者でした。その多くは中高年、七割が女性です。貯蓄ゼロ世帯は何と三割を超えています。この実態がコロナ下での国民生活に大きな影を落としています。
 総理は、アベノミクスの何を継承し、何を改革していくおつもりですか。お答えください。
 そんな中、今年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大が世界中を襲いました。今年の四―六の実質GDPは戦後最悪の年率二八・一%減、個人消費も前期比二八・二%減で、大幅に落ち込みました。緊急事態宣言、自粛、休業要請の中で、働きたくても働けない、商売したくても商売ができない、そんな労働者や企業があふれ返りました。その結果、日雇、派遣、契約、アルバイトなどの非正規労働者などの脆弱な生活基盤の人により大きなダメージが生じています。
 緊急小口資金等の特例貸付けは累計支給件数約百二十万件、あの東日本大震災の二〇一一年度でも一年間で約七万件にすぎず、いかに今年が激増しているか御理解いただけると思います。また、住宅確保給付金は申請が現在十万件を超えました。昨年は全国で一か月四百人程度の利用でした。
 そして、野党側から一日当たりの上限額の引上げ等を要望し実現した雇用調整助成金の特例措置は現在、約百七十万件の申請があり、支給決定額は一兆九千億にも上っています。緊急小口資金特例は十二月末まで、住宅確保給付金は期限が九か月、雇用調整助成金の特例措置は十二月末までに終了する予定になっています。
 これらの支援メニューは年末から年度末にかけて期限を迎えます。支援メニューによってぎりぎりの生活をしている人たちがたくさんいます。これらの支援が切れると生活困窮者や失業者が一気に増えるおそれがあります。言わばセーフティーネットに大きな穴が空くことになります。
 総理、リーマン・ショック時よりはるかに国民生活への衝撃は大きく、自助、共助で生活できる範囲を超えているとは思われませんか。彼らは自助努力を怠っているわけではありません。自分でできることはまず自分でやってみろと政府が突き放すような状況なのでしょうか。逆に、今こそ政治が必要とされているのではないでしょうか。まさに公助の出番です。総理の認識を伺います。
 また、雇用調整助成金の特例措置の延長は中小企業に限りません。大企業でも、系列会社や子会社等で雇用調整助成金を活用しているところが存在します。延長は頼みの綱です。一日も早く延長を決めて、年末にかけてそれぞれが安心できるような状況をつくっていただきたい。強く延長を求めたいと思います。総理の御決意を求めます。
 次に、休業支援金について、十月中旬現在、五千億円の予算で僅か五%に満たない程度しか支給されておらず、利用が進んでいません。
 申請には事業主による確認が必要とされていますが、私の地元の京都では、ホテル、旅館、観光産業で働く日々雇用、アルバイトの学生、バスガイドの皆さん等がこの確認が取れず立ち往生しています。また、大企業で働く非正規雇用労働者にも活用できればと考えています。
 休業支援金の支給状況に対する現状の評価及び必要な方に届くよう、申請対象及び申請方法を見直す必要性について、総理の認識を伺います。
 家賃支援給付金についてお尋ねします。
 今年度第二次補正における二兆二百四十二億円の予算にもかかわらず、十月九日現在の支給額は僅か二千五百億円程度、一〇%強にとどまっています。なぜこのような事態になっているのか、経産大臣、お答えください。
 また、五十八万件の申請に対し、なぜ約半分の三十万件の給付にすぎないのでしょうか。二十八万件の未給付の部分について、なぜ給付が遅れているのか、原因についてどう分析し、今後どのような改善を考えているのか、経産大臣の見解を伺います。
 経済との両立のための検査の充実は不可欠です。立憲民主党は、例えば、医療、介護、保育、教育で働く方々が、希望すれば公費でPCR検査を受けられるようにすべきと提案をしています。総理の見解を伺います。
 今後、季節性インフルエンザが流行する時期を迎え、検査体制の大幅な拡充が必要となります。感染ピーク時にそれぞれの検査特性に合わせた検査数の確保、人員や防護体制の確保をどのように行っていくつもりなのか、また、PCR検査等の低廉化も必要であると考えますが、併せて総理の認識をお聞かせください。
 さらに、新型コロナの患者を受け入れた医療機関だけでなく、全ての経営悪化医療機関等を支える新たな給付金の創設を求めますが、総理の見解を伺います。
 予備費についても伺います。
 今年度第一次及び第二次補正予算において、新型コロナウイルス感染症対策予備費は合わせて異例の十一兆五千億円計上されました。現時点で七兆二千七百八十億円についていまだ使途が決まっていません。
 最近の報道等では、年明け、第三次補正予算案が検討されていると仄聞します。なぜ予備費が七兆円も残っているのに補正予算を組むという話になるのでしょうか。新型コロナウイルス感染症対策であれば、この予備費の残額から使用していくべきです。第三次補正予算は、総理、一体何を想定しているのでしょうか。補正予算を組む判断はいつ頃、どんな観点で指示をされるのか、総理に伺います。
 その七兆円の予備費の活用について、提案があります。
 一人親世帯の多くは平時でさえ苦しい生活状況でありますが、認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの調査では、おむつを頻繁に替えない、職場のウオーターサーバーのお湯が朝食だという母親がたくさんいます。深刻な状況が明らかになっています。
 一人親は多くの人が非正規労働で働いています。その結果、雇い止めに遭ったり、休業手当が出ないなど、新型コロナの影響を最も受けていると言っても過言ではありません。
 総理は、所信表明演説で、一人親家庭への支援など、子供の貧困対策に社会全体で取り組みますと明言されました。年内に低所得の一人親世帯への臨時特別給付金の二度目の支給を、予備費を活用して実施してはいかがでしょうか。総理の見解を求めます。
 公共交通や物流は、国民生活や経済活動等を支える重要な社会インフラであり、緊急事態宣言下においても、大きく減便することなく、通常の輸送を維持することが求められてきました。全ての公共交通が深刻なダメージを受けています。
 厳しいのは中小事業者だけではなく、大手民鉄やJRなどの大手の事業者も同様です。例えば、二〇二一年三月期までにANAはグループ全体で過去最大の五千百億円の赤字。JR東日本は四千百八十億円、JR西日本は二千四百億円の赤字で、これも過去最大。尋常な数字ではありません。地方では地域公共交通の維持、存続も危ぶまれます。
 感染リスクを抱える中で安全輸送を担っている彼らを、総理は、エッセンシャルワーカーであると認識されていますか。また、交通崩壊を防ぐため、公共交通の維持のための資金繰り対策に資するような支援策、ここでも雇用調整助成金の延長、感染症収束後における需要喚起策等が必要であると考えますが、総理の認識を伺います。
 スポーツ界も深刻な危機に直面しています。
 二月以降、プロ、アマを含めてスポーツ大会やイベントが中止、延期となりました。スポーツ施設も閉鎖され、練習や運動の機会が失われました。
 プロスポーツへの影響も甚大です。例えばBリーグはB1、B2全三十六クラブのうち八割が赤字、五割が緊急融資を受ける事態となりました。今月、選手等へのPCR検査の実施等、様々な予防措置を講じながら新たなシーズンが開幕しましたが、入場者数の制限もあり、四割程度の入場者にとどまっています。到底、損益分岐点に達しません。
 こうした状況を受けて、超党派の議員連盟において、いわゆるtoto法について、感染症が発生した場合における支援等を新たに助成対象とする改正法案を取りまとめ、今国会での提出に向けて取り組んでいるところです。政府においても、苦境にあるスポーツ界に対して一層の支援策を講じるべきと考えますが、総理の見解を求めます。
 ライブエンターテインメントも深刻さも変わりません。
 大型イベントの自粛要請等の影響により、音楽コンサートを始めとするライブエンターテインメント業界は大きな経済的な損失を被っています。来年一月までの損失額は、音楽コンサートで約三千五百億円、演劇、ステージ系で約千五百億円にも上る見込みと試算されています。また、九三%のライブハウスが一か月から一年もつか分からないという調査すらあります。
 一万人以上のイベントには五〇%制限があり、本格的な開催には程遠い状況です。先行きに好転材料が見当たらず、プロダクションやアーティストには絶望感も広がっており、廃業や活動停止なども続いています。この業界は一見華やかに見えますが、映画、音響等々、関係者の裾野が広い分、生活が脅かされている人々も少なくありません。
 今回のコロナで明らかになったことは、スポーツ、文化、芸術がどれほど一人一人の国民に必要であったものかという再発見です。立憲民主党は綱領に文化芸術の振興を高く掲げました。
 文化芸術活動の継続支援補助金の延長と、申請の簡略化、再申請の受入れを求めたいと考えますが、総理の見解をお聞かせください。
 菅新政権の外交方針における菅カラーとは一体何なのでしょうか、お伺いします。
 安倍前総理は、日中関係は完全に正常な軌道に戻ったと述べ、習近平国家主席を国賓として招くことを予定していました。本当でしょうか。
 尖閣諸島周辺では、中国が接続水域に連日公船を航行させ、月に数度、我が国領海に侵入するという状況が常態化、挑発行為をエスカレートさせています。海上保安庁の巡視船が中国公船の間に割って入り、漁船をガードするなど、非常に高度な任務を遂行しています。海上保安庁並びに連日の警戒監視等の任務に当たっている自衛隊の皆様に心からの敬意を表します。中国のこのような行為を今後エスカレートさせないため、どのような外交努力をされるつもりか、お答えください。
 香港の一国二制度を実質的に骨抜きにするなど、国際社会の懸念も広がっています。菅総理は、就任後の日中首脳電話会談において様々な懸念を伝えたとのことですが、そもそも習近平国家主席を国賓として招く考えに変わりはないのか、お伺いします。
 菅総理は、総理就任以来、拉致問題について、これを政権の最重要課題とし、解決に全力を傾けると表明されています。安倍前総理も、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との条件なしの対話を提案してきましたが、先方から全く反応が見られませんでした。菅総理は、北朝鮮との首脳会談が実現しなかった理由をどう考えているのでしょうか。また、一刻も早い拉致被害者の帰国に向けて、総理は具体的にどのような手だてを講じようと考えているのでしょうか。お聞かせください。
 安倍前総理は、ロシアとの共同経済活動を進めつつ、日ソ共同宣言をベースに二島先行返還を実現するという姿勢を示し、北方領土問題に取り組まれました。その間、北方四島について日本固有の領土と公に発言するのを控え、外交青書からも消えました。
 今年六月にプーチン大統領は領土の割譲を禁止する憲法改正を行うなど、領土問題は全く進展しませんでした。これまでの交渉はロシアに誤ったメッセージを伝えてきたのではないでしょうか。
 改めて、北方領土は日本固有の領土だという認識に立って交渉を再構築するべきではありませんか。総理には、北方領土は日本の固有の領土であると明言をいただいた上で、お答えをいただきたいと思います。
 従来、政府は、防衛大綱にも、中期防になかったイージス・アショアについて、国民の命を守り抜くため導入はどうしても必要だと説明をしてきました。しかし、突然配備を断念し、今度は前のめりに敵基地攻撃能力の保有に関する議論を進めようとしています。場当たり的であると言わざるを得ません。
 これまで我が国は、日本国憲法の下、専守防衛に徹し、敵基地攻撃は法理的には可能だが保有しない、また日米安保条約に従い、自衛隊は盾の役割を、在日米軍は矛の役割を担い、他国の領域内を攻撃する能力は整備してきませんでした。敵基地攻撃能力の保有の検討を始めるのであれば、安保政策の歴史的転換となります。
 専守防衛との整合性、必要最小限とはどういったものなのか、外交・安全保障への総合的な影響など丁寧な議論が必要です。敵基地攻撃能力の保有について、総理自身の見解をお答えください。
 総理は、これまで基地負担軽減担当大臣として、基地問題と沖縄振興がリンクする旨を言及してこられました。沖縄振興は、太平洋戦争における戦禍やその後の米軍統治といった歴史的な事情を踏まえ、国の責務としてなされてきたものであります。沖縄振興予算や沖縄振興一括交付金を減額する政府のやり方は、沖縄の自主性を尊重し、自立的発展、豊かな住民生活の実現を目的とする沖振法の趣旨に反します。
 改めて、国が自らの責務として沖縄振興に取り組むそもそもの意義に立ち返り、基地問題とは切り離し、沖縄振興を進めるべきだと考えますが、総理の認識を伺います。
 さらに、辺野古移設について、軟弱地盤の影響で工期は短くても十二年、最低でも九千三百億円掛かるという試算が出されました。また、想定を上回る地盤沈下の可能性も指摘されています。与党内ですら、元防衛大臣経験者等から辺野古移設の見直しは検討に値するという声があります。軟弱地盤という新たな障害が出てきました。イージス・アショアの断念と同様、埋立てを中止し、辺野古への移設計画を見直すつもりはありませんか。総理のお考えをお聞かせください。
 国内外において気候変動による影響は大きく、記録的な高温や豪雨、台風の強大化、森林火災、洪水などが頻繁に起きています。数十年に一度という言葉を一年に何回も耳にし、異常が日常となっています。
 かねてより立憲民主党は、二〇三〇年、四五から五〇%削減、二〇五〇年に実質ゼロという国連事務総長の呼びかけに我が国も一刻も早く応えるべきであると主張してまいりました。前政権下では一顧だにされませんでしたが、今回、実質ゼロを表明されたことは一歩前進と受け止めています。早急に二〇五〇年温室効果ガス排出実質ゼロと整合的な目標を国連に再提出するべきです。削減目標、NDCをいつまでに政府内で取りまとめ、国連に提出するのでしょうか。総理の見解を伺います。
 あわせて、前政権で昨年六月に決定されたパリ協定に基づく長期戦略では、二〇五〇年実質ゼロ目標は定められていません。所信演説で表明するだけではなく、長期戦略の変更と二〇五〇年実質ゼロを法定化することも必要だと考えますが、総理の見解を伺います。
 当然、将来のエネルギーミックスについても改定する必要が生じます。現状の二〇三〇年の原発の割合は二〇から二二%となっており、三十基程度の再稼働が必要な計算になります。これは、福島第一原発事故前と同水準です。あの事故の反省が全く生かされていません。私たちは、原発の再稼働、新増設はリアリティーがないと考えますが、一昨日も、驚くべきことに、早速自民党の幹部が原発の新設に関する言及をされました。カーボンニュートラルを根拠に、まさか原発の割合を引き上げ、原発の維持、推進をしていくおつもりですか。総理の明快な答弁を求めます。
 また、高効率であっても石炭火力発電所はカーボンニュートラルとは逆行します。笑い話にもなりません。未来に対して責任を果たすために、一日も早く脱石炭にかじを切るべきと考えます。総理の認識を伺います。
 核兵器禁止条約が年明けに発効する見込みとなりました。歓迎すべきことであり、広島、長崎の被爆者や御遺族の皆さん、ICANなどの世界のNGO、市民社会の運動の成果であり、心から敬意を表したいと思います。我が国をめぐる安全保障環境に鑑み、我が国としても中長期的に批准に向けてあらゆる努力をしなければならないと考えますが、当面は締約国会議にオブザーバーとして参加するべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。
 東京電力福島第一原発の敷地内にたまり続けるALPS処理水について、政府内で処分方針を決定しようとされています。コロナ禍にあって、地元福島県民や国民の皆様への説明の場や意見を広く聞く機会が十分に設けられておらず、福島の漁協、農協を始めとする団体や多くの市町村議会からも反対の声が上がっています。拙速に進めるべきではありません。国民に対する説明と十分な議論を経てから決定されることを求めます。総理の答弁を求めます。
 今年二月、いわゆるALPS小委員会の報告書では、年間どれだけ放出して、何年で終わらせるのかという点について曖昧なままで、具体的な道筋が全く見えていません。また、これまでの風評対策はどれだけの成果があったのかも不明確です。これまでの風評対策の実効性の検証や数値目標を含めた具体策の設定が必要です。処理水の放出及び風評対策について総理の見解を求めます。
 前政権下、森友、加計学園や桜を見る会をめぐる問題が噴出をしましたが、何も説明されないまま残っています。官房長官として追認してきた菅総理の責任も極めて重いと考えます。
 森友学園では、公文書改ざんを強いられ自ら命を絶った近畿財務局職員の御遺族は、経緯の再調査や公務災害認定に関する情報の開示を求めておられますが、政府は一向に応じようとしません。まずは、菅政権として、赤木氏の公務災害認定に関する資料について、速やかに黒塗りを外して開示することと再調査を求めますが、総理の見解を伺います。
 また、それぞれ逮捕、起訴されたあきもと司議員、河井克行、あんり両議員がいまだに説明責任を果たさないまま議員を続けています。甚だ遺憾です。総理の所見を求めます。
 次に、報道によれば、神奈川県の公有地の売却について、随意契約、土地の再鑑定、無断転売等がなされた案件で、当事者である企業と総理との関係が指摘をされています。当該企業の経営者と面識はあるか、献金を受けた事実はあるか、あるとすればその金額は幾らか、当該企業の所有するビルに総理の事務所が入っていたことがあるか、神奈川県や横浜市とこの案件について総理の事務所関係者が関与した事実はあるか、お答えください。
 選択的夫婦別姓は言わば岩盤規制の象徴です。菅総理御自身も、二〇〇六年の新聞で別姓制度導入に理解を示されています。
 二〇一八年の通常国会に私たちは選択的夫婦別姓法案を国会に提出しましたが、与党が一切審議に応じません。継続審議となっています。橋本大臣は、選択的夫婦別姓の実現に向けて検討を進める方針を次期男女共同参画基本計画に盛り込みたいと発言されました。一定評価をしますが、そんなことは実は必要ありません。私たちが提出している選択的夫婦別姓法案を一日も早く審議して成立をさせればいいのです。総理の見解を伺います。
 一人十万円の特別定額給付金を個人でなく世帯主を受給権者としたことが、世帯主ではなく個人に支給してというハッシュタグがSNS上で拡散され、大きな問題となりました。先般の特別定額給付金に限らず、今後、様々な制度設計を考える際には、世帯単位から個人単位へと変更するべきだと考えますが、御答弁をお願いします。
 自民党の杉田水脈議員が性暴力被害者支援を議論する党の会合で、女性は幾らでもうそをつけると発言したことについて、菅総理の率直な感想をお聞かせください。
 私たちは性暴力被害者支援法案についても一昨年の通常国会に提出しましたが、この法案も全く審議されていません。法案についての総理の見解を伺います。
 また、この杉田議員は、以前、LGBTについても生産性がないと月刊誌に寄稿しました。先般、足立区が滅びるなどという暴言を発した自民党議員もいました。明らかに人権侵害、差別発言であり、言語道断です。自民党はこれらの方々に全くおとがめがないのでしょうか。
 これも、国会にLGBT差別解消法案及び婚姻の平等を実現する民法改正案を提出しています。性的指向、性自認による差別及びこれらの法案に対する総理の認識を伺います。
 今回、立憲民主党に参加した議員のうち、総理や官房長官、大臣から政務官まで、六十三名の議員が政府で行政経験を積んでいます。枝野代表も、菅総理と同様、内閣官房長官経験者であり、片や原発事故、片やコロナ危機に対応してこられました。言わば次の総選挙は、支え合いの社会か自助かを選択する元官房長官対決です。日本全国で二百名を優に超える候補者を擁立し、敢然と菅内閣に挑戦していく決意です。
 おぼろげながら、国民に問う争点らしきものも見えてまいりました。私たちは、年収一千万円程度までの中間層の所得税の時限的免除、消費税の時限的減税、一人月一万円程度の困窮者への定額給付、この三つをハイブリッドに組み合わせて、冷え込んだ経済を立て直していきたいと考えています。また、消費減税については与野党で協議をするべきだと表明をしています。
 一方、菅総理は、消費税はそのまま、アベノミクスを継承し、このコロナ下にもかかわらず中小企業を再編しようとしています。エネルギーについても、原発に依存しない社会から原発を維持推進する社会かという構図になるでしょう。選択的夫婦別姓やLGBTの尊厳に関しても、積極的か否か、姿勢の違いが明らかになってまいりました。
 緊張感のある政治を日本に取り戻してほしい、多くの国民の声に押されて私たちは立憲民主党を結党いたしました。今こそ立憲民主党は、政権選択をしていただけるよう、国民の信頼に足る政党として、一人一人のあなたの現場の声に寄り添い、命と暮らしを守る、あなたのための政治を実現していく、その決意を申し上げ、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#4
○内閣総理大臣(菅義偉君) 福山哲郎議員にお答えをいたします。
 日本学術会議についてお尋ねがありました。
 両元首相の発言、答弁との関係ですが、憲法第十五条第一項は公務員の選定は国民固有の権利と規定しており、この憲法の規定に基づき、日本学術会議法では会員を総理が任命することとされていることから、この任命に当たっては必ず推薦のとおりに任命しなければならないわけではないという点については、内閣法制局の了解を得た政府としての一貫した考え方であり、今回の任命も日本学術会議法に沿って行ったものであり、日本学術会議法の解釈変更ではない旨は国会において内閣法制局からも答弁しているとおりであります。
 私が日本学術会議について申し上げてきたのは、まず、年間十億円の予算を使って活動している政府の機関であり、任命された会員は公務員となるので、国民に理解される存在であるべきということです。
 個々人の任命の理由については、人事に関することであり、お答えを差し控えますが、任命を行う際には、総合的、俯瞰的な活動、すなわち専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスの取れた活動を行い、国の予算を投じる機関として国民に理解される存在であるべきということ、更に言えば、例えば、民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも偏りが見られることも踏まえ、多様性が大事であるということを念頭に、私が任命権者として判断を行ったものであります。
 アベノミクスの継承についてお尋ねがありました。
 八年前の政権交代以来、一貫して経済の再生に取り組んできました。今後も、金融緩和、財政出動、成長戦略の三本を柱とするアベノミクスを継承し、更なる改革を進めてまいります。その際、ポストコロナの課題であるデジタル化、グリーン社会の実現などについて規制改革を進め、必要な投資を行い、再び強い経済を取り戻します。
 自助、共助、公助についてお尋ねがありました。
 自助、共助、公助、そして絆という考えは、まず自分でやってみる、そして、家族や地域で助け合う、その上で、政府がセーフティーネットでお守りをするという目指すべき社会像について述べたものであります。
 他方で、現在は新型コロナウイルスの影響により、経済が戦後最大の落ち込みを記録するなど、まさに国難のさなかにあり、政府としては、これまでも事業規模二百三十兆円を超える対策を講じてきたところです。この中で、生活に困窮されている方々に対しても、住居確保給付金の支給、返済免除も可能な緊急小口資金等の特例貸付け、こうした重層的なセーフティーネットを用意しているところです。その上で、今後ともちゅうちょなく必要な対策を講じてまいります。
 雇用調整助成金の特例措置についてお尋ねがありました。
 従業員の雇用を守るべく実施している雇用調整助成金については、これまでに例のない特例措置を講じてきたところであり、八月にはその期間を本年十二月末まで延長したところです。この特例措置の取扱いについては、今後の雇用情勢などを踏まえ、適切に判断していきたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症対策休業支援金給付についてお尋ねがありました。
 この制度は、雇用調整助成金の活用もままならない中小企業の労働者を早期に支援するために創設したものであり、支援が必要な対象者の方にしっかりと行き届くように取り組むことが重要だと思います。
 事業主の協力がいただけずに申請、支給に至らないケースがあると報告を受けていますが、こうした場合には、労働局で労働者からの申請を一旦受け付けた上で、事業主に対して調査を行うという運用にしております。こうした運用、制度の対象者について、分かりやすく周知徹底を行ってまいります。
 新型コロナウイルス感染症に係る検査体制の確保及び医療機関への支援についてお尋ねがありました。
 政府としては、医療機関や高齢者施設等で働く方々に対し、感染者が多数発生している地域等においては、症状がない方も含めて、一斉、定期的な検査を行政検査として公費により実施することを既に各自治体にお願いをいたしています。
 また、この冬の季節性インフルエンザの流行期に備え、地域の医療機関で一日平均二十万件の検査能力の確保に向け、検査キットの製造メーカーに増産を要請するとともに、地方自治体において、地域における診療体制、検査体制の整備に向けて準備を進めていただいております。なお、この検査は行政検査として公費により実施されるため、患者の方々には検査費用の負担はないと承知しています。
 医療機関への支援については、これまで約三兆円の支援を実施してきており、まずはこれらの支援を医療現場の皆様に速やかにお届けするとともに、今後とも地域医療の確保に向けて必要な取組や支援を検討してまいります。
 第三次補正予算についてお尋ねがありました。
 依然厳しい経済状況の中で、引き続き第一次、第二次補正予算を着実に執行し、雇用を守り、事業が継続できるように、最大二百万円の持続化給付金、最大四千万円の無利子、無担保融資などの措置が行き渡るようにしてまいります。
 その上で、今後とも、新型コロナウイルスが経済に与える影響を始め内外の経済動向を注視しながら、ちゅうちょなく予算上の措置も含め必要な対策を講じてまいります。
 一人親家庭への支援についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルスの影響を踏まえ、第二次補正予算により、低所得者の一人親世帯への臨時特別給付金の支給を実施しております。今後とも、新型コロナウイルスによる一人親家庭の所得状況や生活実態、社会経済状況の変化を踏まえつつ、一人親世帯に対する関係施策の充実に向けた検討を行ってまいります。
 公共交通についてお尋ねがありました。
 さきの緊急事態宣言下にあっても、公共交通は国民生活や経済活動を支える不可欠なサービスとして機能を維持してきました。これらのサービスを支える皆様には、まさにエッセンシャルワーカーであり、改めて敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 これら公共交通の機能を確保するため、落ち込んだ需要の回復に資するよう、GoToトラベル事業を実施しています。また、事業者の資金繰りについては、これまで雇用調整助成金や持続化給付金、日本政策投資銀行の危機対応融資の活用などの支援を行ってきています。今後も、必要な事業者にこうした措置が行き渡るように取り組んでまいります。
 スポーツ界に対する支援についてもお尋ねがありました。
 政府としては、スポーツイベントが円滑かつ本格的に実施されるよう、全国規模のスポーツリーグ又は大会を開催する主催者に対し、感染対策や継続的な集客への支援などを行っております。引き続き、苦境にあるスポーツ界に対し、必要な支援策の検討を行ってまいります。
 文化芸術活動の継続支援事業の延長とその見直しについてお尋ねがありました。
 政府としては、文化芸術活動の継続支援事業の対象となる期間や申請期間の延長についての要望をいただいていることを踏まえ、申請期間を延長することにしました。申請の簡略化などの詳細については、現在検討しています。
 菅政権の外交方針の特徴についてお尋ねがありました。
 厳しい安全保障環境の中、国民の命と平和な暮らしを守り抜くことは政府の最も重大な責務です。日米同盟を基軸としつつ、基本的価値を共有する国々とも協力し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組の戦略的な推進に力を入れてまいります。また、中国、ロシアを含む近隣諸国との安定的な関係を築いてまいります。
 同時に、新型ウイルスによって人間の安全保障が脅かされ、国際連携の強化が一層求められる中、日本は多国間主義を推進していきます。
 尖閣諸島周辺の領海侵入等についてお尋ねがありました。
 尖閣諸島周辺海域において中国公船による接続水域の航行及び領海侵入が継続していることは極めて遺憾です。こうした活動に対しては、外交ルートを通じ、繰り返し厳重に抗議してきています。今後とも、日本の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意の下、冷静かつ毅然と対応していきます。
 習近平国家主席の国賓訪日についてお尋ねがありました。
 中国との安定した関係は、二国間だけでなく、地域、国際社会のために極めて重要です。中国の、間には御指摘の点も含め様々な懸案が存在していますが、引き続きハイレベルの機会を活用して、主張すべき点はしっかり主張し、中国側の前向きな対応を強く求めていきます。その上で、まずは新型コロナウイルスの収束に専念すべきであり、習主席の国賓訪日については、今は具体的な日程調整をする段階ではありません。
 北朝鮮問題についてお尋ねがありました。
 日朝首脳会談については、現時点で決まっていませんが、政府としては、これまでも、条件を付けずに金正恩委員長と向き合う決意の下、北朝鮮に対して働きかけを行ってきています。ただし、その詳細については今後のやり取りに影響を及ぼすおそれがあるために差し控えます。
 拉致問題は私の内閣の最重要課題です。
 拉致被害者の御家族が御高齢となる中、拉致問題の解決には一刻の猶予もありません。米国を始めとする各国と緊密に連携し、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力を尽くしてまいります。
 北方領土問題についてお尋ねがありました。
 北方領土は我が国が主権を有する島々であります。政府としてはこの立場に変わりはなく、平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるというのが日本側の一貫した立場です。ロシアに誤ったメッセージを伝えたとの指摘は全く当たりません。
 北方領土問題については、次の世代に先送りすることなく終止符を打つべく、領土問題を解決して平和条約を締結するという方針に変わりはありません。
 九月の日ロ首脳電話会談では、プーチン大統領から、この平和条約締結問題も含め、二国間のあらゆる問題に関する対話を継続していく意向である旨の発言があり、私から、共にしっかり取り組んでいきたい旨申し上げました。その上で、二年前のシンガポールでの首脳会談で、一九五六年宣言を基礎として平和条約交渉を継続させる、このことで合意したことを改めて確認をしました。その際のやり取りについてはしっかり引き継いでおり、これまでの両国間の諸合意を踏まえ交渉を進めてまいります。
 敵基地攻撃についてお尋ねがありました。
 先月公表の総理談話で述べた問題意識の下に、抑止力を強化するため、ミサイル阻止に関する安全保障政策の新たな方針について検討しているところであり、現時点で御指摘の諸点についてお答えすることは困難です。
 沖縄振興についてお尋ねがありました。
 政府として、沖縄の発展のため、特に、基地負担の軽減を始めとする基地問題の対応と、返還された基地の跡地利用を含む沖縄振興策の推進を重要な政策課題と位置付け、総合的に取り組んできています。引き続き、地元の声をしっかり伺いながら、観光の再生、層の厚い各種産業の振興、基地跡地の利用を含め、国家戦略として沖縄振興策を総合的、積極的に進めてまいります。
 普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。
 御指摘の地盤改良工事については、沖縄防衛局において、有識者の助言を得つつ検討を行った結果として、十分に安定した護岸等の施工が可能であることが確認されています。一日も早い普天間飛行場の返還に向け、計画に従い工事を着実に進めていく考えです。
 二〇三〇年の削減目標等についてお尋ねがありました。大変失礼しました。
 二〇五〇年の削減目標についてお尋ねがありました。
 本年九月から地球温暖化対策計画の見直し、また十月からエネルギーミックスの扱いを含むエネルギー基本計画の見直し、それぞれの議論を開始しています。政府としては、二〇五〇年までに排出実質ゼロという新たな目標を踏まえた二〇三〇年に向けた我が国の取組について議論を進め、来年十一月のCOP26までに国連に通報することを目指します。
 二〇五〇年までの排出実質ゼロ目標についてお尋ねがありました。
 この目標の位置付けについて、長期戦略の見直しとともに、その実施方法を検討します。
 原子力政策と石炭政策についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するため、内閣全体でしっかりと体制を組み、取り組んでまいります。特に、温室効果ガスの八割以上を占めるエネルギー分野の取組が重要であり、再エネのみならず原子力や石炭を含め、あらゆる選択肢を追求していきます。
 徹底した省エネ、再エネの最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減をする政府の方針に変更はありません。また、石炭火力にしても、カーボンニュートラルに貢献するようなイノベーションを追求していく必要があります。
 今後、原子力や石炭を含め、二〇五〇年カーボンニュートラルを目指すエネルギー政策については、結論ありきではなく、梶山経済産業大臣が中心となって集中的に議論してまいります。
 核兵器禁止条約についてお尋ねがありました。
 我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取組をリードする使命を有しており、核兵器禁止条約が目指す核廃絶というゴールは共有をしています。
 一方で、核兵器のない世界を実現するためには、核兵器国を巻き込んで核軍縮を進めていくことが、これは不可欠です。現状では、同条約は米国を含む核兵器国の支持が得られていません。さらに、カナダ、ドイツなど多くの非核兵器国からも支持を得られていません。我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、抑止力の維持強化を含めて、現実の安全保障上の脅威に適切に対処しながら、地道に、現実的に核軍縮を前進させる道筋を追求していくことが適切であると考えます。
 御指摘のオブザーバー参加については、こうした我が国の立場に照らし、慎重に見極める必要があると考えています。
 東京電力福島第一原発におけるALPS処理水の取扱いについてお尋ねがありました。
 本年二月に科学的根拠に基づく報告書をまとめて以降、自治体や農林水産業の団体との意見交換などを通じ、広く国民の皆様から貴重な意見をいただきつつ議論を積み上げてきています。
 敷地が逼迫する中、いつまでも方針を決めず先送りすることはできません。更に政府内での検討を深め、今後、適切な時期に政府として責任を持って処分方針を決めてまいります。
 また、これまでに実施した風評被害対策のうち効果が大きいと考えられる事例を参考にするなど、関係省庁において具体的な風評対策の議論を深めていきます。
 森友学園問題の公務災害認定に関する資料の開示についてお尋ねがありました。
 近畿財務局の職員の方がお亡くなりになられたことについては、残された御遺族の皆さんのお気持ちを思うと言葉もなく、静かに謹んでお悔やみを申し上げたいと思います。
 公務災害認定資料を含め、個人情報開示請求については、各省庁において法令に従って適切に対応しているものと承知しています。
 あきもと司議員らについての所見についてお尋ねがありました。
 我が党所属であった現職の国会議員が逮捕、起訴されたことは誠に残念です。公判中の事件に関する事柄であり、公判に影響を与える可能性があることから、これ以上の答えは差し控えさせていただきます。
 本日発売の週刊誌の報道についてお尋ねがありました。
 お尋ねの週刊誌報道に指摘されている企業経営者については、面識を持った方です。事務所に確認したところ、私が代表を務める自由民主党神奈川県第二選挙区支部などにおいて、当該企業からは、二〇〇七年を最後に寄附は受けておりませんが、当時はおおむね毎月二万五千円の寄附をいただいていたと報告を受けています。また、二〇〇八年から二〇一一年までの間、当該企業が所有する物件を事務所として賃借しておりました。しかしながら、週刊誌報道で指摘されている案件について、私や事務所が、関係者が関与した事実はありません。
 選択的夫婦別氏制度についてお尋ねありました。
 夫婦の氏問題は、我が国の家族の在り方に関わる深い問題であり、国民の皆様に様々な御意見があることから、引き続き国民各層の意見を幅広く聞くとともに、国会における議論の動向を注視しながら対応を検討してまいります。
 給付金などを個人単位とすることについてお尋ねがありました。
 今回の特別定額給付金は、迅速かつ的確に家計への支援を行うという趣旨を踏まえ、市区町村の事務負担等を考慮し、世帯を単位として給付を行うこととしました。これ以外のそれぞれの制度における取扱いについては、制度の趣旨や実務面などを踏まえ定められるべきものと考えます。
 性犯罪・性暴力対策に関連し、自民党議員の発言及び性暴力被害者支援法案についてお尋ねがありました。
 政府の立場で個別の国会議員の発言等についてコメントは差し控えたいと考えております。他方、一般論で申し上げれば、政治家はその発言に責任を持ち、有権者から信頼を得られるよう、自ら襟を正すべきと考えます。
 また、国会における法案の取扱いについては国会がお決めになることと考えております。
 なお、性犯罪・性暴力は、被害者の尊厳を著しく傷つける重大な人権侵害であり、決して許されるものではありません。政府としては、引き続き性犯罪・性暴力被害者支援の充実にしっかりと取り組んでまいります。
 性自認における差別についてお尋ねがありました。
 性的指向、性自認を理由とする不当な差別や偏見はあってはならないと考えております。政府としては、多様性が尊重され、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現にしっかりと取り組んでまいります。
 他方で、現行憲法の下では、同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されておりません。
 いずれにしても、御指摘の両法案については、その取扱いも含め、国会において御議論いただくものと考えます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣梶山弘志君登壇、拍手〕

#5
○国務大臣(梶山弘志君) 福山議員からの御質問にお答えをいたします。
 家賃支援給付金についてのお尋ねがありました。
 十月二十八日時点で約六十四万件の申請をいただいておりますが、予算計上時の想定よりも少ない状況となっています。これは、他人から土地や建物を借りて賃料を払っている事業者が想定よりも少ないことなどが原因であると考えております。また、同日時点で、申請の約七割に当たる約四十三万件、約三千七百億円が給付済みとなっております。
 給付に当たっては迅速な給付を心掛けていますが、不正受給を防止する観点から、賃貸借契約等をしっかりと確認をする必要があります。契約期間の自動更新条項により、現在も有効であるか直ちに分からない契約もあります。また、一社で数十件もの物件を借りている申請等がある状況で、審査に時間を要しております。
 厳しい経営状況にある事業者の皆様に速やかに給付金をお届けすることが重要であると考えており、これまで審査の状況を確認をしながら、審査担当やコールセンターなどの体制増強を行ってまいりました。引き続き審査効率の向上を図り、給付の迅速化を進めてまいります。(拍手)
    ─────────────

#6
○議長(山東昭子君) 世耕弘成さん。
   〔世耕弘成君登壇、拍手〕

#7
○世耕弘成君 自由民主党の世耕弘成です。
 私は、自由民主党・国民の声を代表して、菅総理大臣の所信表明演説について質問いたします。
 まず冒頭、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方々に衷心よりお悔やみを申し上げます。また、現在も闘病中の皆さんには心からのお見舞いを申し上げます。
 医療や介護等に従事する皆さんやエッセンシャルワーカーの皆さん、皆さんの御尽力のおかげでコロナ禍においても我々の日常生活は維持されています。心から感謝を申し上げたいと思います。
 菅総理、総理は今、大変な重圧の中で毎日を過ごしておられるのではないでしょうか。安倍前総理は、通算・連続在職日数が憲政史上最長を記録し、経済再生や外交などであまたの実績を残されました。このような総理の後を継ぐというのは大変なことであります。しかも、今は人類が新型コロナウイルス感染症という未曽有の危機に直面している最中です。菅総理が日々感じておられるリーダーとしての重圧は、我々の想像をはるかに超えるものだと思います。
 一方で、菅総理は強烈な自負心を持って総理の仕事に臨まれているのではないでしょうか。所信表明演説では、前総理が多用された故事来歴に基づくエピソード紹介や議場への賛同呼びかけという手法はあえて取られませんでした。盛り上がりに欠けるとの批判もあるようですが、私は、逆に、自分らしくやる、仕事の結果で見てほしいという総理の強烈な意思の表れではないかと思っております。
 菅総理ならやれる、私は確信をしております。
 私は、三年七か月の間、官房副長官として当時の菅長官をお支えしました。私から見た総理は、前例主義を極端に嫌う政治家です。徹底して国民の声に耳を傾け、国民感覚から懸け離れたことはちゅうちょせず見直しを求める、そういう方であります。
 私には、総理の姿勢を目の当たりにした強烈な体験があります。二〇一三年一月のアルジェリア人質事件の際、犠牲者の御遺体と生存者をどうやって日本に連れ帰るかということで、官房長官室で関係省庁とかんかんがくがくの議論が行われました。異国の地で真面目に仕事をしていてテロの犠牲になった方々を政府の飛行機で日本にお連れすることは当然だと政府専用機の派遣を主張する菅長官に対して、関係省庁は、テスト飛行なしで飛んだ前例はないなど、できない理由を並べて専用機の派遣に抵抗しました。最後は、菅長官がまなじりを決して、これは政治判断だ、飛ばしてくれと強く指示、犠牲者、生存者の皆さんを日の丸を背負った政府専用機で日本までお連れすることができました。その後、海外で災害やテロに遭遇した日本人を自衛隊が陸路も含めて輸送するという政策にもつながっていきました。
 このとき以来、常に国民の目線に立つ、前例は気にしない、それが政治家菅義偉の真髄だと私は思っています。
 官房長官時代、地震やミサイル発射事案等の突発事態が発生した際に、真夜中であれ明け方であれ、真っ先に官邸に駆け付けるのは菅長官でした。私も副長官として上司より先に駆け付けたいと努力しましたが、いつも菅長官の方が先でした。菅長官はスーツを着て寝ているのではないかという話が官邸の中でささやかれるほど菅長官の危機対応はいつも迅速でした。国民の命を守ることについて、強い決意と覚悟で仕事に臨んでおられることを痛感させられました。
 国民の命と健康を守り抜きますという所信表明演説での総理の言葉に通り一遍ではない迫力を感じるのは、こういう総理の姿勢を知っているからです。
 総理は、御自身の著書で、マキャベリの言葉を引かれています。弱体な国家は常に優柔不断である、そして決断に手間取ることは、これまた常に有害である。
 就任直後から総理の迅速な決断が続いています。デジタル庁創設、行政・規制改革、携帯料金引下げ、不妊治療保険適用、地銀再編など、矢継ぎ早に政策を打ち出し、具体化に向け進み始めています。前例にとらわれず仕事を前に進めるという総理の強い思いが改革を前進させていることを評価し、我々もその取組を後押ししていく所存です。
 こういう菅総理に対して、個別政策は分かりやすいが、国家ビジョンや哲学が見えにくいという指摘があります。これまでは、自助、公助、共助、そして絆という言葉で説明されてきましたが、是非、総理の内政、外交にわたる国家ビジョンと哲学を改めて御自身の言葉でもう少し詳しく国民に発信していただきたいと思います。
 参議院自民党では、不安に寄り添う政治のあり方勉強会を立ち上げ、個人が抱える不安に対して政治がしっかりと向き合う活動を展開してまいりました。そして今、新型コロナウイルス感染症への不安が世界と日本を覆っています。感染症拡大防止と社会経済活動の両立という前政権以来の政府の方針に異論は出ていないものの、国民の不安を解消するには至っておりません。
 国民がコロナ禍で抱えている大きな不安を私なりに以下の四つにまとめてみました。
 第一に、次の大きな感染の波が来たときに抑え込むことができるのか。第二に、このまま事態が続けば、経済や雇用はどうなるのか。第三に、大規模な財政出動が続くが、日本の財政は大丈夫なのか。第四に、ポストコロナの世界はどうなるのか、自分は付いていけるのかの四つの不安であります。
 四点について総理のお考えを確認させていただきますので、少しでも国民の不安解消につながるお答えをお願いしたいと思います。
 第一に、次の感染の波を抑え込めるのかという不安であります。
 日本では、感染拡大は続いているものの、今のところ欧米のような爆発的拡大には至っていません。しかし、これで気を緩めるのではなく、今こそ次の波への備えを充実させておく必要があります。
 検査体制の抜本拡充、病床の確保、軽症者用宿泊療養施設の確保、保健所体制強化などが次への備えとして喫緊の課題であります。八月二十八日にこれらの拡充方針が決定されましたが、菅政権においてスピード感を持って拡充に取り組んでいただくよう強く求めます。
 また、感染症危機管理体制の整備も重要です。これまで、政府と自治体の間での権限をめぐる混乱や、諸外国が実施したロックダウンを我が国は実施するすべを持たないなど、日本の感染症対応体制の不備が指摘をされています。今後の感染症リスクから確実に国民を守るためには、感染症拡大に対する司令塔機能や組織体制の確立、診療データの共有、国と自治体の権限、役割の整理といった体制の見直しが必要ではないでしょうか。
 そのためには法律の見直しが必要との指摘もありますが、菅総理は官房長官時代に、法制の抜本的な見直しはコロナ終息後にとのお考えを表明されています。
 法整備を現在必要としない理由と、現行法制の下で具体的にどのような手法で爆発的な感染を絶対に防ぐのか、総理のお考えを伺いたいと思います。
 医療従事者の皆様の献身的な御尽力、国民皆保険や保健所制度といった日本固有の仕組みが、今回のコロナ禍において様々な課題を抱えつつも、医療提供体制を崩壊させることなく国民の命を守っていることは間違いありません。しかし、その医療を支える医療機関の経営は大丈夫でしょうか。
 コロナ患者を受け入れる病院には、補正予算によりかなりの支援が実現をしておりますが、受け入れていない病院、診療所などが、コロナ感染拡大の余波による受診控えなどの影響で大きな減収に見舞われています。今後、季節性インフルエンザ流行に備える中で、コロナ患者を受け入れる病院もそうでない病院も、オール日本の医療提供体制を守り、コロナ再拡大を阻止しなくてはなりません。医療体制を守るための医療機関への支援の必要性について、総理の御見解をお聞きします。
 第二に、今後の経済や雇用はどうなるのかという不安であります。
 今、この瞬間は、第一次、二次補正予算による緊急避難的な止血措置が一定の効果を上げています。総理も主導されてきた持続化給付金、家賃支援、雇用調整助成金の上限引上げ、無利子、元本据置きの融資制度などが功を奏し、地域の中小・小規模事業者からも、厳しい状況は続くが、政府の施策により資金繰りは何とか踏ん張れているという声が聞こえてまいります。
 しかし、コロナ禍は続きます。大企業の大幅な赤字決算の予測が相次いでいます。日本経済はここからが正念場です。特に、中小企業からは、今の状況が年明けも続くようであれば、いよいよ雇用調整に走らざるを得ないといった悲鳴が聞こえてきます。第一次、二次補正予算による景気下支え効果が消失する前に、公共事業等の景気対策、雇用対策を盛り込んだ更なる大型の経済対策が必要ではないでしょうか。経済対策と第三次補正予算の編成に早急に着手すべきと考えますが、総理のお考えを伺います。
 第三に、財政はもつのかという不安であります。
 IMFは、今年の世界全体の政府債務残高がGDP比で九八・七%に達し、その規模は約九十兆ドルに達すると予測しています。各国のコロナ対策としての経済対策が財政状況を急速に悪化させているのです。日本も、新型コロナウイルス対策のために九十九・八兆円もの国債を増発してきています。
 コロナ禍は、ウイルスとの闘いであり、有事です。闘いに勝って国民の命と生活を守るためには、当然、積極果敢な財政政策が取られるべきです。
 しかし、世界各国がここまで国債を増発している状況下で、世界的な信用不安が起きないのか、日本は大丈夫なのか、積極財政派である私でさえ不安を感じざるを得ません。一方で、コロナ禍が終息した直後から増税などによって急激な債務削減に走れば、病み上がりの日本経済は大打撃を受けることになるでしょう。ここからは、極めて高度に戦略的な財政政策が求められます。
 そこで、総理に伺います。
 世界的な債務残高の急増についてどう考えるのか。その中で、日本の財政は大丈夫なのか。なぜ大丈夫なのか。ポストコロナの時代に、コロナ禍で傷んだ経済の再生と債務が膨らんだ財政の健全化という二つの課題に対してどのような戦略で臨むのか、御自身のお考えをお聞かせください。
 第四に、ポストコロナの世界に対する不安です。
 今回の新型コロナウイルス感染症が終息しても、コロナ前の社会にそのまま戻ることはありません。不可逆な変化がコロナ禍を契機に加速しています。
 ポストコロナの社会とはいかなる社会か。これまで必要とされながら改革がなかなか進まなかった官民のデジタルトランスフォーメーション、テレワーク、オンライン教育・診療、東京一極集中是正などの改革が一気に進む可能性があります。
 リーマン・ショック前後に、アメリカではエアビーアンドビー、ウーバーといった現在世界を席巻する革新的サービスを提供する企業が多く生まれました。先行きが見えない中で、リスクを取り、知恵を絞った者こそが数年後の世界で優位なポジションに立つ良い例です。日本としても、この機会に日本の改革を官民挙げて一気に進めていくことが重要です。我が国は、今度こそピンチをチャンスに変える戦略を立案し実行すべきです。
 一方で、こういった変化に自分が取り残されるのではないかとの不安を持つ国民は少なくありません。今こそ政府はポストコロナの社会経済の在り方と日本の戦略を明確にし、国民に方向性を示すとともに、それらに対応したリカレント教育などの機会を提供すべきです。
 次期経済対策は景気対策に加えて、ポストコロナの社会に必要な構造改革を推進し、国民の対応を支援する要素も持つ経済対策でなければなりません。
 そこで、総理にお伺いします。
 ポストコロナ社会に向けての構造改革についてどうお考えですか。それら改革に国民が対応できるよう、どのような支援を提供しますか。次期経済対策にはそれらの内容がしっかりと盛り込まれるべきと考えますが、いかがですか。総理のお考えをお伺いします。
 さて、これら新型コロナウイルス感染症が誘因となった様々な不安は人々の心をも侵食しています。感染者への偏見、差別が社会問題化しています。感染者が引っ越しせざるを得ない事例も耳にします。
 また、八月に民間が行った全国の医師を対象に実施した調査では、コロナ禍による生活環境の変化で患者が増えたり症状が悪化した疾患を尋ねたところ、不安障害、うつ病などの精神疾患が三八%でトップでした。
 警察庁によると、これまで減少が続いていた国内の自殺者数は今年七月以降増加に転じ、全国の自殺者数は九月に千八百二十八人と前年同月比一〇%増という状況です。引きこもりの方の人数も増加しているのではと懸念します。
 新型コロナウイルスによって人々の心がむしばまれる状態が負のニューノーマルとして定着することがないよう、感染者や弱者の不安に寄り添う姿勢を政府としてより鮮明にすべきだということを指摘しておきます。
 今、菅総理は、デジタル庁創設に向けて動きを早めています。冒頭指摘したように、総理は常に国民目線で政策を考え、役所の論理は受け入れない政治家です。菅政権の目玉政策であるデジタル庁創設においても菅総理の政治姿勢が貫徹されることを強く期待します。
 政府のデジタル化の究極の目的は、国民を煩雑な行政手続から解放し、役所訪問や手続に掛けていた時間を豊かな生活に充ててもらうことです。デジタル庁創設を言うだけでは国民には改革の実感が湧きません。菅総理らしく、手続はスマホで完結すること、一度入力した事項は二度と入力の手間は掛けないことなど、国民目線で利便が実感でき、役所が言い訳できないようなシンプルで明確な指示を総理として行うべきだと考えます。
 これまで、各省庁や自治体は、個別に業務システムを構築してきたためシステム間のデータ互換性が不十分で、省庁間や国と自治体間でデータのやり取りが円滑に行えず、せっかくのマイナンバーも宝の持ち腐れとなり、国民にとって使い勝手の良い電子政府が実現できない状況が続いていました。
 これを解消するには、デジタル庁に省庁や自治体の業務システムのフォーマットを統一させる強力な権限と、省庁や自治体のシステム更改を後押しするための膨大な予算を持たせる必要があります。
 デジタル庁への権限と予算の付与について総理はどのようにお考えでしょうか。御決意をお聞かせください。
 また、デジタル庁長官の人事も重要です。デジタル庁のトップになるべき人物の要件と適性、今後の政府のデジタル政策の進め方について菅総理にお考えを伺います。
 さて次に、我が国の外交・安全保障についてお尋ねをいたします。
 初外遊であるベトナムとインドネシア訪問の成功を高く評価いたします。安倍前総理は首脳同士の個人的信頼関係をてこに具体的プロジェクトを動かしながら各国との関係を前進させるスタイルでしたが、私は菅総理もそのスタイルを継承し、手腕を発揮されると思っています。
 私は、政治家の能力には内政も外交も区別がないと考えています。内政において同僚議員の信頼を獲得し、経済界等に幅広いネットワークを構築される人間性、そして、ここまで官房長官として数多くの政策を実現した実行力は、外交でも遺憾なく発揮されると確信しています。
 外交について、総理は前政権の路線を継承するとされています。具体的にどのように継承されるのか、以下、幾つか確認をさせていただきます。
 前政権は、日米同盟の抜本的強化を始め世界的に保護主義の流れが強まる中でTPP11を始めとする大型経済連携協定を主導するなど、外交で数多くの取組を推進しましたが、中でも日本が提唱した複数の重要なイニシアチブが米国を含む各国からの支持を受け、大きな国際的流れをつくったことは、過去の日本外交には例のない大きな成果だと思います。
 その代表例が、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組です。菅内閣発足直後から、この取組を具現化するための動きを早めておられるように見受けられます。十月六日には日米豪印四か国外相会談が日本で開催され、自由で開かれたインド太平洋の推進について確認が行われました。先日のベトナム、インドネシア訪問でも、主要議題は自由で開かれたインド太平洋でした。
 日本が提唱し、米国を始め関係国が賛同している自由で開かれたインド太平洋を今後どのように具現化し、賛同する国を増やしていくのか、総理の戦略をお聞かせください。
 日本が提唱したもう一つの重要なイニシアチブは、データ・フリー・フロー・ウイズ・トラスト、信頼に基づく自由なデータ流通です。
 昨年のG20大阪サミットでは、自由なデータ流通の国際ルール作りに関する交渉枠組み、大阪トラックが創設されました。コロナ禍の影響で社会のデジタル化が世界的に進む中で、大阪トラックの重要性は格段に増しています。デジタル社会ではデータの利活用が前提となりますが、そのデータが政府による強権的国民管理に使われたり、特定の国に囲い込まれることがあってはなりません。個人の自由とプライバシー保護を前提とした自由なデータ流通を推進していく必要があります。
 ただ、米国、EU、中国などの間で個人情報の取扱いに関する哲学が異なっており、今後の調整は難航が予想されます。総理として大阪トラックをどのように進めていくのか、お考えをお聞かせください。
 前政権が最重要課題として取り組みながら、まだ解決していないのが拉致問題です。
 菅総理も、就任直後から拉致被害者家族と面会され、解決への決意を語られました。相次ぐ外国首脳との電話会談でも拉致問題解決への協力を呼びかけています。さらに、条件を付けず金正恩朝鮮労働党委員長と向き合う覚悟も示されています。国際的枠組みと圧力を活用しながら、北朝鮮に核・ミサイル開発を断念させることも念頭に置きつつ、もはや一刻の猶予も許されない拉致問題の解決に正面から向き合っていただきたいと思います。総理御自身の拉致問題解決に向けた御覚悟をお聞かせください。
 米国大統領選挙の投開票が迫ってきました。選挙結果がどうあれ、日米が自由と民主主義の基本理念を共有する同盟国であり、日本にとり最重要の二国間関係であることに変化はありません。同じく、選挙結果がどうあれ、今後、米中両大国のあつれきはますます強まることが想定されます。
 米国は日本にとって唯一の同盟国であり、米国抜きの日本の安全保障は考えられません。また、急速に成長する大国であり、最大の貿易相手国である中国との関係も軽視できるものではありません。米中対立のはざまで日本が米国と連携を強めながら中国とどう向き合っていくのか、菅外交の真髄が問われます。
 日本は、日米同盟の強化を最優先、価値観を共有する国々との連携を強める一方で、中国に対しては、我が国固有の領土、領海に関しては一歩も譲らない断固たる姿勢を示しながら、中国を排除するのではなく、中国が国際社会のルールを守った上で日米EUなどが構築する枠組みに参加するよう促すという戦略で臨んでまいりました。サプライチェーンについても、日中はその距離感からも一体不可分な関係ですが、中国への過度な依存とならないよう再構築を進めていかなくてはなりません。
 中国が進める一帯一路についても、過剰債務で相手国を縛り付ける行為や軍事利用については厳しく対応する一方で、途上国が真に裨益するプロジェクトについては、第三国における日中企業間協力などを通じて日本も参画していく必要があります。このように高度な戦略性と絶妙なバランスが求められるのが対中外交であります。
 今後、中国に対してどのように向き合っていくのか、総理が描かれる総合的戦略をお伺いいたします。
 一方で、政治や安全保障問題と経済を分けて考えるという現実的対応が難しくなってきています。既に米国は、通信網に中国製機器を使用するリスクを訴え、5Gネットワークなどから中国製品を排除することを目的としたクリーンネットワーク計画に参加することを同盟国に求めています。日米の信頼関係と円滑な情報共有を維持するためには、真剣に受け止めざるを得ません。しかし、中国製通信機器排除は、サプライチェーンでつながる日本の製造業に深刻な打撃を与えかねません。
 日本として、今後、この呼びかけにどのように応えていくおつもりでしょうか。また、政治、安全保障と経済問題が一体不可分な中、経済、技術面も含めた国家安全保障体制、情報収集体制の強化が重要ですが、具体的にどう対応されるのでしょうか。
 外交問題の最後に、日ロ関係について伺います。
 安倍前総理とプーチン大統領は幾度となく首脳会談を繰り返し、八項目の経済分野協力や北方領土における共同経済活動を前進させ、一昨年のシンガポールでの首脳会談では、平和条約締結後にソ連は歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すとした日ソ共同宣言に基づいて平和条約交渉を加速するという両首脳の合意にこぎ着けました。
 残念ながら、その後、具体的進展を見ることはできませんでしたが、九月二十九日の菅総理とプーチン大統領の電話会談で、相手側からこのシンガポール合意の確認を提起されたとの報道がありました。このことは、プーチン大統領が平和条約締結と領土問題解決に向け、菅総理と交渉を継続、加速したいとの意思を示したと考えられます。菅総理は、今後、日ロ交渉をどのように進めていく御決意でしょうか。
 総理は、所信表明演説で、二〇五〇年温室効果ガス排出ゼロを高らかに宣言されました。野心的宣言であり、強く支持をいたします。気候変動への対応として重要なことはもちろんですが、海外機関投資家の間でESG投資、すなわち環境、社会、企業統治を重視した投資の動きが急速に進んでおり、この分野での取組の遅れは日本への投資回避につながりかねません。また、諸外国での排出量に応じた課税や排出権取引の動きが日本企業の競争力をそぐ可能性もあります。
 問題は、どうやってこの野心的な目標を推進していくかです。将来的にはカーボンリサイクルや水素が問題解決の鍵になることは間違いありませんが、ここ十年程度での実用化は難しいのが現状です。再生可能エネルギーの比率を高めていくことも重要ですが、それだけで世界第三位の経済活動を維持することは困難です。
 やはり当面は、CO2を排出せず安定的に大量の電力を供給できる原子力を安全を最優先に、更に安全な最新技術の導入も含め使いこなしていくことが不可欠だと考えますが、二〇五〇年カーボンニュートラルへ向けての総理の原子力政策に対するお考えを伺います。
 新型コロナウイルスとの闘いは未曽有の危機ですが、ワクチンが実用化されれば終息するという明確な希望の灯があります。そして、我々にはもう一つの希望の灯があります。開催が来年に延期となった東京オリンピック・パラリンピック。今日も、アテネから運ばれた人類の希望の灯ともいうべき聖火が日本国内でともり続けています。開催までの九か月間、引き続き政府と国民が一体となって知恵を絞り、大会の簡素化と感染防止策を徹底し、何としてでも大会開催を実現しようではありませんか。そして、コロナとの闘いを克服したあかしとして、人類の団結と希望の象徴として聖火台に大きな炎をともそうではありませんか。
 そして、その先に控えるのが二〇二五年大阪・関西万博です。新たなウイルスに対する人類の英知と勇気を人々の記憶にとどめる歴史的な万博となるでしょう。
 新型コロナウイルス感染症の流行は、人々の価値観の変化を生み、個々人の幸福や健康への意識を高めることになりました。立候補のときから打ち出している大阪・関西万博のメーンテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」であり、サブテーマは、多様で心身とも健康な生き方、持続可能な社会・経済システムです。まさに、ポストコロナ時代の価値観を先取りして我が国は万博の準備を進めてきたのです。
 この二つのビッグイベントを通じ、日本は世界に希望を発信すべきです。東京オリンピック・パラリンピック、そして大阪・関西万博を菅総理のリーダーシップで意義あるものにしていただくことを強く要請して、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#8
○内閣総理大臣(菅義偉君) 世耕弘成議員にお答えをいたします。
 国家ビジョンと哲学についてお尋ねがありました。
 私が目指す社会像というのは、自助、共助、公助、そして絆です。まずは自分でやってみる。そして、家族や地域で助け合う。その上で、政府がセーフティーネットでお守りをします。まずはこうした国民から信頼される政府を目指すことが大事であり、そのためにも、行政の縦割り、既得権益、そして、あしき前例主義を打破し、国民のために働く内閣をつくり、改革を実現してまいります。
 当面は、何といっても新型ウイルスの拡大という国難を阻止をし、そして経済を再生させる、このことが当面の私の最大の役割、使命だと思います。さらに、グリーン社会とデジタル化を主導をして経済社会を大きく変革させ、世界の中でも安全、安心な国づくりを実現してまいります。また、日米同盟を基軸として、国益を守り抜く、積極的そして戦略的な外交を展開をしていきます。
 特措法改正と感染拡大の防止策についてお尋ねがありました。
 特措法については、有識者の間でも、罰則を含めて規制強化をすべきという意見や私権制限に慎重な意見などがあり、先日の分科会でもこうした様々な意見が出されたと承知しています。このため、特措法に関する法的論点については、全体の法体系との整合性を図るとともに、幅広い御意見を聞いた上で、必要なものについては速やかに検討を進めてまいります。
 ただ、まずは爆発的な感染は絶対に防ぎ、国民の命と健康を守るという強い決意の下に、早急に今後の感染拡大に備えた対策を講じています。これまでの経験や科学的知見も踏まえて、クラスター発生時における大規模、集中的な検査実施による感染を封じ込めます。また、保健所支援の広域調整を行っています。検査・医療提供体制の整備などについても、地方自治体とも密接に連携し、国が主導して万全の準備、対応を講じてまいります。
 また、医療機関への支援については、患者数の減少による収入の減少などが見られることから、これまで約三兆円の支援を実施しています。
 まずは、これらの支援を医療現場の皆様に速やかにお届けするとともに、今後とも国民の皆様に必要な地域医療が確保できるよう、必要な取組や支援を検討してまいります。
 更なる経済対策と財政健全化についてお尋ねがありました。
 引き続き第一次、第二次補正予算を着実に執行し、雇用を守り、事業が継続できるように、最大二百万円の持続化給付金、最大四千万円の無利子、無担保融資などの措置が行き渡るようにしてまいります。今後とも、ちゅうちょなく必要な対策を講じてまいります。
 世界的な債務残高の急増については、それによって問題が起こることがないように、主要国が協調していくことが重要と考えています。
 我が国の財政については、経済あっての財政との考え方の下に、当面は感染症対策に全力を尽くし、経済再生のための取組を進めるとともに、今後も歳出歳入両面の改革の取組を続けてまいります。
 ポストコロナ社会における構造改革と経済対策についてのお尋ねがありました。
 ポストコロナの課題として、デジタル化、グリーン社会の実現、さらには、長年の課題であります少子化対策などに取り組んでまいります。
 とりわけ、二〇五〇年カーボンニュートラルを目指して日本の社会経済構造の転換につなげていきます。これまで取り組んできた観光や農業振興の取組も更に前に進めていきます。これらについて規制改革を行うとともに、必要な投資を行うことができるよう、取り組んでまいります。
 デジタル庁とデジタル政策の進め方についてお尋ねがありました。
 官民のデジタル化の司令塔として、来年、デジタル庁を創設します。官民のデジタル化を推進できるよう、必要な権限を集中をし、予算を確保します。また、組織のトップについては、能力本位で人選がなされることが適切であると考えます。
 役所に行かずともあらゆる手続ができる。地方にいながら都会と同じような仕事や生活ができる。こうした社会の実現を目指し、官民のデジタル化を加速してまいります。
 自由で開かれたインド太平洋についてお尋ねがありました。
 インド太平洋地域において、法の支配に基づく自由で開かれた秩序を実現することにより、地域全体、ひいては世界の平和と繁栄を確保していくことが重要です。日本のこの考え方は、国際社会において幅広い支持を得つつあります。
 インド太平洋国家である日本として、地域の平和と繁栄に引き続き貢献していくべく、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を戦略的に推進をしていきます。
 こうした観点から、今般私が訪問したベトナムとインドネシアを含むASEAN、さらには、米国、豪州、インド、欧州諸国など、考え方を共有する国々と一層連携を深めてまいります。
 大阪トラックについてお尋ねがありました。
 御指摘のように、個人情報の取扱いなどに関する各国間の違いを乗り越えて、透明性が高く、公正かつ互恵的な国際ルールを作り上げることは極めて重要です。大阪トラックとして、WTOの下、米国、EU、中国を含め八十六の加盟国でデータを含めた電子商取引に関する国際ルール作りの交渉を進めており、早期に結果が得られるよう、日本として引き続きリーダーシップを発揮してまいります。
 拉致問題についてお尋ねがありました。
 拉致問題は、私の内閣において最重要課題です。拉致被害者の御家族が御高齢となる中、拉致問題の解決には一刻の猶予もありません。引き続き、米国などとも緊密に連携しながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、全力を尽くしてまいります。
 総理就任後、トランプ大統領との電話会談を始めとする各国首脳との会談においても、拉致問題の早期解決に向けた支持を働きかけ、引き続き緊密に連携していくことを確認してきています。私自身も、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意です。あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動してまいります。
 対中外交、経済・技術分野を含む安全保障についてのお尋ねがありました。
 中国との安定した関係は、両国のみならず地域及び国際社会のために極めて重要です。引き続きハイレベルの機会を活用し、主張すべき点はしっかりと主張しながら、共通の諸課題について連携してまいります。
 革新的技術が出現し、安全保障と経済を横断する領域で様々な課題が顕在化してきています。とりわけ5Gの基幹インフラについては、その社会、経済における重要性に鑑み、安全で信頼できるネットワークを構築する必要があります。
 こうした観点を踏まえ、我が国は、米国を始めとする関係国とも適切に連携しつつ、サイバーセキュリティーの確保に取り組んでいく考えです。経済成長と安全保障の確保を両立していくため、国家安全保障局を中心に政府一丸となって、関連する諸課題について俯瞰的、戦略的な対応をしっかり行っていく考えです。
 日ロ交渉についてお尋ねがありました。
 我が国として、日ロ関係を重視していく姿勢に変わりはなく、平和条約締結問題を含む幅広い分野で日ロ関係全体を発展させていく考えです。
 北方領土問題については、次の世代に先送りすることなく終止符を打つべく、領土問題を解決して平和条約を締結するという方針に変わりはありません。
 九月の日ロ首脳電話会談では、プーチン大統領から、この平和条約締結問題も含め、二国間のあらゆる問題に関する対話を継続していく意向である、その旨の発言があり、私から、共にしっかり取り組んでいきたい旨述べました。
 その上で、二年前のシンガポールでの首脳会談で、一九五六年宣言を基礎として平和条約交渉を加速させることで合意したことを改めて確認をしました。その際のやり取りについてはしっかりと引き継いでおり、これまでの両国間の諸合意を踏まえて交渉を進めてまいります。
 カーボンニュートラルと原子力政策についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するため、内閣全体でしっかりと体制を組み、取り組んでまいります。特に、温室効果ガスの八割以上を占めるエネルギー分野の取組が重要であり、再エネのみならず、原子力を含めてあらゆる選択肢を追求していきます。
 原発については、高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しい水準の新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めていくという政府の方針に変わりはありません。
 今後、原子力を含め、二〇五〇年カーボンニュートラルを目指すエネルギー政策については、梶山経済産業大臣を中心に集中的に議論をしていきます。(拍手)

#9
○議長(山東昭子君) 質疑はなおございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#10
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
     ─────・─────

#11
○議長(山東昭子君) 日程第二 立皇嗣の礼につき慶賀の意を表する件
 天皇陛下におかせられましては、来る十一月八日に立皇嗣の礼を行わせられます。誠に慶賀の至りに堪えません。
 つきましては、本院といたしましては、慶賀の意を表するため、天皇陛下並びに皇嗣殿下に院議をもって賀詞を奉呈することとし、ここに立皇嗣の礼につき天皇陛下並びに皇嗣殿下に奉呈する賀詞案起草のため、委員二十五名から成る賀詞案起草に関する特別委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#12
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 よって、院議をもって賀詞を奉呈することとし、賀詞案起草に関する特別委員会を設置することに決しました。
 本院規則第三十条の規定により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。
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    ─────────────

#13
○議長(山東昭子君) 賀詞案起草のため、午後零時二十分まで休憩いたします。
   午前十一時四十八分休憩
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   午後零時二十一分開議

#14
○議長(山東昭子君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 これより賀詞案起草に関する特別委員長の報告を求めます。賀詞案起草に関する特別委員長水落敏栄さん。
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   〔報告書は本号末尾に掲載〕
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   〔水落敏栄君登壇、拍手〕

#15
○水落敏栄君 賀詞案起草に関する特別委員会における賀詞案起草の経過及び結果を御報告申し上げます。
 天皇陛下におかせられましては、来る十一月八日に、皇嗣殿下の立皇嗣の礼を挙げさせられます。心からお慶び申し上げるところであります。
 先ほどの本会議におきまして指名されました特別委員は、直ちに委員会を開き、委員長の互選を行いましたところ、委員長に私、水落敏栄が選任されました。
 引き続いて、天皇陛下並びに皇嗣殿下にささげる賀詞案の協議に入り、次の成案を得た次第でございます。
 賀詞案を朗読いたします。
   天皇陛下にささげる賀詞(案)
 天皇陛下におかせられましては 今日ここに 
 皇嗣殿下の立皇嗣の礼をあげさせられますことは まことに慶賀に堪えないところであります
 ここに参議院は 国民を代表して 院議をもって 謹んで慶祝の意を表します
   皇嗣殿下にささげる賀詞(案)
 皇嗣殿下には 今日ここに 立皇嗣の礼をあげさせられますことは まことに慶賀に堪えないところであります
 国民が敬愛申し上げる殿下には ますます内外の信望にこたえられますよう祈ってやみません
 ここに参議院は 国民を代表して 院議をもって 謹んで慶祝の意を表します
 以上でございます。
 何とぞ議員各位の御賛同をお願い申し上げ、御報告といたします。(拍手)
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#16
○議長(山東昭子君) ただいまの委員長報告の賀詞案に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#17
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 よって、賀詞案は可決されました。
 賀詞の奉呈方は、議長において取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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