2020/09/16 第202回国会 参議院
第202回国会 参議院 災害対策特別委員会 第1号 令和2年9月16日
#1
令和二年九月十六日(水曜日)午前十時二十五分開会
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令和二年九月十六日議長において本委員を左のと
おり指名した。
足立 敏之君
岩本 剛人君
小野田紀美君
太田 房江君
加田 裕之君
佐藤 啓君
長峯 誠君
野村 哲郎君
馬場 成志君
元榮太一郎君
小沼 巧君
塩村あやか君
水岡 俊一君
吉川 沙織君
杉 久武君
宮崎 勝君
矢倉 克夫君
室井 邦彦君
小林 正夫君
武田 良介君
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出席者は左のとおり。
委員長 杉 久武君
理 事
足立 敏之君
長峯 誠君
吉川 沙織君
矢倉 克夫君
委 員
岩本 剛人君
小野田紀美君
太田 房江君
加田 裕之君
佐藤 啓君
野村 哲郎君
馬場 成志君
元榮太一郎君
小沼 巧君
塩村あやか君
水岡 俊一君
宮崎 勝君
室井 邦彦君
小林 正夫君
武田 良介君
事務局側
常任委員会専門
員 林 浩之君
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本日の会議に付した案件
○特別委員長互選
○理事選任の件
○災害対策樹立に関する調査
(派遣委員の報告)
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〔野村哲郎君委員長席に着く〕
#2
○野村哲郎君 ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。本院規則第八十条第二項の規定により、年長のゆえをもちまして私が委員長の選任につきましてその議事を主宰いたします。
これより委員長の選任を行います。
つきましては、選任の方法はいかがいたしましょうか。
#3
○吉川沙織君 委員長の選任は、主宰者の指名に一任することの動議を提出いたします。#4
○野村哲郎君 ただいまの吉川さんの動議に御異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○野村哲郎君 御異議ないものと認めます。それでは、委員長に杉久武君を指名いたします。(拍手)
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〔杉久武君委員長席に着く〕
#6
○委員長(杉久武君) 一言御挨拶を申し上げます。ただいま皆様の御推挙によりまして、前国会に引き続き本委員会の委員長に選任されました杉久武でございます。
委員会の運営に当たりましては、公正かつ円滑な運営に努めてまいりたいと存じますので、委員各位の御支援と御協力のほどよろしくお願い申し上げます。(拍手)
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#7
○委員長(杉久武君) ただいまから理事の選任を行います。本委員会の理事の数は四名でございます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(杉久武君) 御異議ないと認めます。それでは、理事に足立敏之君、長峯誠君、吉川沙織君及び矢倉克夫君を指名いたします。
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#9
○委員長(杉久武君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。去る九日に本委員会が行いました令和二年七月豪雨による被害状況等の実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。長峯誠君。
#10
○長峯誠君 九月九日、熊本県において、令和二年七月豪雨による被害状況等の実情を調査してまいりました。参加者は、杉久武委員長、足立敏之理事、吉川沙織理事、宮崎勝委員、室井邦彦委員、武田良介委員、また、現地参加されました馬場成志議員、松村祥史議員、そして私、長峯誠の九名であります。
現地調査の概要を御報告いたします。
七月三日から三十一日にかけての令和二年七月豪雨では、日本付近に停滞した前線の影響で、暖かく湿った空気が継続して流れ込み、全国各地で大雨となり、八十六名の死者、行方不明者を始めとする多くの人的、物的被害がもたらされました。
このうち、特に、大雨特別警報が発令された熊本県では、七月三日から八日にかけて線状降水帯が複数形成され、記録的な大雨をもたらしました。これにより、球磨川での歴史的な大氾濫を始めとして、各地で浸水や土砂災害が発生し、その結果、死者、行方不明者六十七名などの人的被害に加え、住宅、道路、河川等の土木施設、鉄道施設、農地や農林水産業用施設などに甚大な被害が生じました。
現地におきましては、まず、球磨村に赴き、球磨村立渡小学校及び特別養護老人ホーム千寿園の被災状況を視察しました。
球磨村によれば、渡小学校では、球磨川の支流小川がバックウオーター現象で氾濫し、四十年ぶりの改修を行ったばかりの校舎の一階屋根まで浸水し、最新の設備がほとんど使用不可能になったとのことでした。同小学校は、約六キロ離れた同村立一勝地小学校の校庭内に設置されたコンテナハウスで八月三日から授業を再開しましたが、児童の七割が被災し、スクールバスで避難所から一時間以上掛けて通っている児童もいるとのことでした。校舎の建て直しを行うか、高台に移転するか、いまだに見通せず、国からの一層の支援が要望されました。
豪雨災害により十四名の入居者が亡くなられた千寿園では、視察の前に黙祷をささげました。
後藤施設長によれば、発災当日は、五名の職員と駆け付けた地域住民の方々とで入居者の垂直避難を行っていましたが、洪水の水位の上昇速度が非常に速く、一階に取り残されていた十七名のうち十四名の方を助けられなかったとのことでした。施設付近の支流小川は、五年前に導流堤が設けられて以来氾濫はなかったものの、今回は洪水に見舞われたとのことでした。改めて、要配慮者の避難体制の在り方を十分に検討し、逃げ遅れをなくす対策が必要であると実感しました。
次に、人吉市に移動し、球磨川に架かる西瀬橋の仮橋を視察しました。
西瀬橋は、県管理の道路橋で、人吉市街地と対岸の人吉市立西瀬小学校を結び、同小学校に通う児童の六割が通学路として使用しているとのことでした。災害により同橋の約四分の一が流失したことから、安全な通学路を早急に確保するため、国の権限代行により緊急に仮橋を設置し、被災から二か月後の九月四日に通行可能となったとのことでした。
次いで、田嶋熊本県副知事、松岡人吉市長、松谷球磨村長から要望書を受領した後、それぞれに見舞金を手交しました。
その後、派遣委員との間において、熊本県内の市町村における防災担当職員の現状とその確保の在り方、国の権限代行を推進するに当たっての国土交通省の職員の確保、川辺川ダムを含めた球磨川の抜本的な治水対策の検討の必要性、復興まちづくりに向けた取組、災害廃棄物の処理に関する国の協力体制等について意見交換が行われました。
次に、人吉温泉旅館清流山水花あゆの里の被災状況を視察しました。
有村社長によれば、発災当日、球磨川が短時間のうちに増水し、二階まで浸水したとのことでした。百名ほどの宿泊客を階上に誘導し、水が引いた翌日、バスを手配し、無事に送り出したとのことでした。
また、同旅館は、熊本地震、コロナ禍、豪雨災害と三重苦の中で苦しんでおり、鉄道や町全体が被災する中で、観光客が見込めず、事業計画が立てられないとのことでした。町全体で力を合わせて復旧復興していく必要があり、現在はゴー・ツー・キャンペーンに期待を寄せているとのことでした。被災地の主産業である観光産業の早期の復興が望まれます。
最後に、梢山グラウンド仮設団地に赴き、木造仮設住宅を視察しました。
県当局から木造仮設住宅の特徴等について説明を聴取するとともに、入居を翌日に控え、完成した住宅の内部を視察しました。
県当局によれば、木造仮設住宅については、基礎の設置、県産材や県産畳表の採用、遮音壁の設置など熊本地震で培われたノウハウに加え、今回の豪雨災害からは、雨音による入居者の不安を除去するため、瓦を採用したとのことでした。また、団地内には集会所としてみんなの家を設置し、入居者同士のコミュニケーションに配慮したとのことでした。
以上が調査の概要であります。
今回の調査におきましては、地元自治体から、これからの復旧復興の長期化が見込まれる中で、人材面や財政面を含めた国からの更なる支援の必要性についての要望を伺いました。
過疎化が進んでいる地域における復旧復興の長期化は、人口減少が懸念されるため、被災者の暮らしとなりわいの再建に向けた取組を継続的に実施していかなければならないと痛感した次第です。
終わりに、今回の調査に当たり御協力をいただきました皆様に心から御礼を申し上げ、被災地の一日も早い復旧復興をお祈りし、派遣報告といたします。
#11
○委員長(杉久武君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。本日はこれにて散会いたします。
午前十時三十四分散会