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2020/06/18 第201回国会 衆議院 第201回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号 令和2年6月18日
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2020/06/18 第201回国会 衆議院

第201回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号 令和2年6月18日

#1
令和二年六月十八日(木曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 菊田真紀子君
   理事 國場幸之助君 理事 鈴木 貴子君
   理事 武井 俊輔君 理事 とかしきなおみ君
   理事 宮腰 光寛君 理事 佐々木隆博君
   理事 屋良 朝博君 理事 佐藤 英道君
      井野 俊郎君    笹川 博義君
      繁本  護君    新谷 正義君
      鈴木 隼人君    薗浦健太郎君
      武部  新君    宮内 秀樹君
      武藤 容治君    山口 泰明君
      川内 博史君    松田  功君
      道下 大樹君    山岡 達丸君
      江田 康幸君    赤嶺 政賢君
      青山 雅幸君
    …………………………………
   外務大臣         茂木 敏充君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当) 衛藤 晟一君
   外務副大臣        若宮 健嗣君
   文部科学副大臣      上野 通子君
   厚生労働副大臣      橋本  岳君
   国土交通大臣政務官    和田 政宗君
   防衛大臣政務官      渡辺 孝一君
   政府参考人
   (内閣官房日本経済再生総合事務局次長)      風木  淳君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   宮地  毅君
   政府参考人
   (内閣府沖縄振興局長)  原  宏彰君
   政府参考人
   (内閣府地方創生推進室次長)           長谷川周夫君
   政府参考人
   (内閣府北方対策本部審議官)           松林 博己君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 松浦 博司君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 宇山 秀樹君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    鈴木 量博君
   政府参考人
   (文化庁審議官)     森  孝之君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           八神 敦雄君
   政府参考人
   (農林水産省生産局畜産部長)           渡邊  毅君
   政府参考人
   (林野庁林政部長)    前島 明成君
   政府参考人
   (水産庁漁港漁場整備部長)            山本竜太郎君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議官)           金井 昭彦君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議官)           長井 俊彦君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議官)           福田 守雄君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房技術審議官)         奥田  薫君
   政府参考人
   (国土交通省航空局航空ネットワーク部長)     平岡 成哲君
   政府参考人
   (観光庁観光地域振興部長)            村田 茂樹君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房政策立案総括審議官)       辰己 昌良君
   政府参考人
   (防衛省地方協力局次長) 青木 健至君
   衆議院調査局第一特別調査室長           大野雄一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十八日
 辞任         補欠選任
  山岡 達丸君     道下 大樹君
同日
 辞任         補欠選任
  道下 大樹君     山岡 達丸君
    ―――――――――――――
六月十七日
 一、沖縄及び北方問題に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 沖縄及び北方問題に関する件
     ――――◇―――――

#2
○菊田委員長 これより会議を開きます。
 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房日本経済再生総合事務局次長風木淳君、内閣府政策統括官宮地毅君、内閣府沖縄振興局長原宏彰君、内閣府地方創生推進室次長長谷川周夫君、内閣府北方対策本部審議官松林博己君、外務省大臣官房審議官松浦博司君、外務省大臣官房審議官宇山秀樹君、外務省北米局長鈴木量博君、文化庁審議官森孝之君、厚生労働省大臣官房審議官八神敦雄君、農林水産省生産局畜産部長渡邊毅君、林野庁林政部長前島明成君、水産庁漁港漁場整備部長山本竜太郎君、国土交通省大臣官房審議官金井昭彦君、国土交通省大臣官房審議官長井俊彦君、国土交通省大臣官房審議官福田守雄君、国土交通省大臣官房技術審議官奥田薫君、国土交通省航空局航空ネットワーク部長平岡成哲君、観光庁観光地域振興部長村田茂樹君、防衛省大臣官房政策立案総括審議官辰己昌良君及び防衛省地方協力局次長青木健至君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○菊田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○菊田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。國場幸之助君。

#5
○國場委員 ありがとうございます。
 本日、六月十八日は移民の日です。一九〇八年、第一回目のブラジル移民が神戸港からサントス港に到着した日であります。当時の移民船笠戸丸には七百八十一名が乗っておりましたが、そのうちの四割、三百二十五人は沖縄県民でありました。移民県沖縄県にとりましてゆかりの深い本日、質問する機会をいただいたことに対しまして、宮腰筆頭理事を始め皆様方に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 まず、衛藤大臣に質問をしたいと思います。
 あと二年たちますと、沖縄振興特別措置法、沖縄振興計画も期限を迎えます。同時に、国家戦略としての沖縄振興である以上、引き続き、政府としての沖縄に対するかかわりというものは残ると思いますけれども、復帰五十年を目前としまして、沖縄振興に対する大臣の御見解をお願いします。

#6
○衛藤国務大臣 内閣府では、県や市町村の御協力も得ながら、これまで沖縄振興について検証を行っているところでございます。昭和四十七年の復帰以来、十年ごとに振興計画を組んで、まさに、いわゆる日本国民一致して沖縄振興のために取り組んできた、沖縄県ともちろん一体となって取り組んできたということは言えると思います。
 私も、沖縄にも視察しまして、やはり、歴代の、今までの方々が沖縄振興のためにいかに心血を注いできたかということはよくうかがわれる状況でございます。そういう意味では、現時点で、今まで四次にわたる振興計画について、我々はじっくりと検証していかなければいけないというふうに思っております。この評価や継続の可能性は、そういう意味では、あと二年ですが、現時点においてはまだ白紙でございます。具体的にお答えできる段階ではありません。
 いずれにいたしましても、御質問いただきました國場先生を始め皆様方のお考えもお伺いしながら、検証してまいりたいと思っております。

#7
○國場委員 次の振計に関してはまだ白紙の段階である、今は復帰の四十七年、八年間の検証をするという大臣の御答弁でありました。
 将来はこれから詰めていく話だと思いますけれども、日本国政府として、やはり、沖縄振興という議論の中で、どうしても外せない領域はあると思います。具体的に言いますと、国境離島の問題、戦後処理の問題、基地跡地の問題、そしてまた、沖縄の優位性というものを生かした、日本の国益に資する沖縄の発展の仕方、こういったものは、引き続き続くものであると思います。
 そこで、二つ質問をしたいんですが、まず一点目は、国境離島の問題です。
 有人離島を守り、離島のサトウキビ、水産業を守るということは、やはり海洋国家としての国是を守ることにもつながると考えております。
 そこで、海洋政策と領土も担当しております衛藤大臣にお聞きしたいんですが、沖縄振興の対象離島、いわゆる指定離島という概念がありますが、これは五十四の島々があります。このうち、有人離島は三十七、無人離島は十七ありますが、なぜ尖閣諸島は指定離島に含まれていないのか。対象とすべきではないかと思いますけれども、この点に対する答弁をお願いします。

#8
○衛藤国務大臣 國場先生から尖閣に対する大変強い思いをお伺いしました。
 尖閣諸島の周辺海域は、マグロやあるいはアカマチ等の好漁場であります。また、さまざまな海底資源にも恵まれることなど、沖縄にとって、ひいては我が国にとっても非常に大きな可能性を秘めた場所であるというぐあいに認識をいたしています。
 しかし、戦後ずっと、こういう形での活動は、なかなか順調にいっていなかったということでございますので、そういう意味での活用をもっともっとやはり伸ばして、そして周辺の島々とも、例えば、石垣市になっているわけでありますけれども、石垣市に所属しているわけでありますけれども、もっともっと与那国とかいろいろなところと関係を強めていって、やはり一体のものとしての振興を図っていけるような状態にまで早くしていかなければいけないというぐあいに思っています。
 ですから、こうした漁業の活用、漁場の活用とか漁業振興のあり方についても、今後とももっとやはりバックアップできるように、國場先生始め皆様方の声もお伺いしながら、そして地元の声もお伺いしながら検討していかなければいけないというぐあいに考えている次第でございます。

#9
○國場委員 今の大臣の御答弁からすると、指定離島に尖閣を含めるかどうかというところは言及されなかった気がしますが、やはりこの指定離島の概念の中には、無人島であっても、畜産業、水産業、農業、観光が営まれ、有人島と一体で振興を図る必要性が認められる島は指定離島の対象である、このように明記をされております。
 大臣の答弁にもありましたように、尖閣諸島というものは水産業にとって非常に貴重な漁場でもありますので、今、四月の十四日から本日まで六十六日間連続、尖閣の周辺で中国の公船が確認をされ、五月の八日には、領海内で日本の船が追尾されているという信じがたい事態も起きております。やはりこういった不安を解消する意味でも、日本国の沖縄振興に対する、この指定離島という部分は整理が必要であると思いますので、ぜひともこの点は、領土も海洋も担当されている衛藤大臣の中で整理をしていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
 続きまして、首里城と戦後処理のかかわりについて質問をします。
 首里城の再建、そして有料区域の一般公開の再開、さらには瓦を活用したさまざまな企画と取組には、心から感謝を申し上げます。
 そして、この首里城の再建というものに政府として格段の取組を行っている理由の一つに、これは戦後処理も含まれていると考えています。
 首里城は、沖縄戦当時、陸軍の第三十二軍の司令部がありました。それがゆえに米軍の集中攻撃を受け、当時も全焼しました。六年かけて正殿を再建するのは感謝しておりますけれども、同時に、七十五年前の悲劇を風化させてはならないと考えています。
 正殿の再建とは切り離した上で、第三十二軍司令部ごうの公開、保存、調査、また遺骨収集等にも、国家としての日本国政府としての責任は、当然、役割があるかと思いますが、見解をお願いします。

#10
○原政府参考人 お答えいたします。
 首里城の地下にございます第三十二軍司令部ごうを保存、公開すべきとの意見があることは承知しております。議員からも、沖縄の歴史を重視する立場から御提案をいただいたものと認識をしております。
 司令部ごうにつきましては、沖縄県は、経年劣化などに伴い、ごう内の岩塊崩落が激しく、安全確保ができないということから、一般公開は困難としております。一方、本年四月に公表いたしました首里城復興基本方針においては、第三十二軍司令部ごうなどの首里城周辺の戦争遺跡を保存、継承するとともに、証言記録、調査資料等とAR等のICTを活用した平和学習ツールの開発、提供など、その歴史的価値の承継及び平和発信に向けた環境整備に取り組むことを表明しております。
 内閣府といたしましては、現に司令部ごうを管理しております沖縄県の検討状況をまずは注視してまいりたいと考えております。
 以上です。

#11
○國場委員 今の原局長の答弁は、沖縄県の方の提案だと思いますけれども、県が今、第三十二軍司令部ごうを管理しているとはいえ、やはり日本国政府としてもしっかりとコミットをしていただきたいと思いますので、この点は県と連携をとりながら、三十二軍司令部ごうの公開ができるように、また取組を、協力をお願いしたいと思います。
 続きまして、観光業の再開について、台湾との関連に関して質問をします。
 日本政府は、人の往来の再開を、ビジネス、留学生、観光客という順番で解禁をし、国や地域としても、これは報道なんですが、ベトナム、タイ、ニュージーランド、オーストラリアを緩和対象の第一弾としていきたい、そのように報道されております。それに対して、台湾の外交部は六月の一日に、対象に台湾も加えてほしいと日本側に打診したと台湾外交部報道官は明らかにしております。
 コロナ対応ですぐれた実績を示した台湾との往来の再開をぜひとも積極的に進めていただきたいと思いますが、答弁をお願いします。

#12
○若宮副大臣 お答えさせていただきます。
 國場委員におかれましては、まさに沖縄御出身ということで、御地元、非常に観光業あるいはインバウンドに大きく寄与しているところもあるかと思いますので、その思いが強いことをよく承知をいたしているところでもございます。
 今委員からも御指摘ございまして、幾つかの国名が挙げられましたけれども、実際に、まだいかなる国とも、地域とも、具体的に往来を再開するかということにつきましては、現段階ではまだ決まっていないのが現状でございます。今後ともしっかりと検討してまいりたい、これは原則でございます。
 その上で、人の往来の再開につきましては、やはり、日本での感染拡大の収束と同時に、海外での感染の状況、また、世界各国、域内、域外との移動制限の緩和の動きがございます。こうした主要国、地域の対応をしっかりと見きわめた上で、それぞれの段階的な緩和ということを検討してまいりたい、このようにも思っているところでもございます。
 今後、出入国の規制を緩和する場合でも、段階を分けて、まず、委員も今御指摘になりましたけれども、第一段階は、ビジネス上必要な人材、専門家等々、第二段階、留学生、あるいは、その先になるかと思いますけれども、一般の方とか観光客を含む方々、そういった形になってこようかと思っておりますが、いずれにいたしましても、総合的にさまざまな状況を勘案しまして、相互に、国と地域それぞれ行き来が緩和できれば、このように考えているところでございます。

#13
○國場委員 二〇〇〇年の沖縄サミットの首脳会談のときに、感染症というテーマが主要議題となっておりました。そしてまた、台湾とは地理的にも深いかかわりもありますので、ぜひとも、ビジネス、観光客の往来の最初のグループから、台湾の方を前向きに検討していただきたいと思いますので、ぜひともよろしくお願いを申し上げます。これは地元の声でもあります。
 続きまして、国交省の方にお尋ねをしたいと思いますが、ゴー・トゥー・キャンペーンのトラベル、ゴー・トゥー・トラベルは一日も早く再開をしてほしいと考えています。国交大臣の方は参議院の決算委員会の方で、夏休みのできるだけ早い時期に再開できるように努力をすると答弁をしておりますが、これは、具体的にいつ、そしてまた、その発表をいつごろ行うんでしょうか。この点を明らかにしていただきたいと思います。

#14
○和田大臣政務官 お答えをさせていただきます。
 ゴー・トゥー・トラベル事業を含むゴー・トゥー・キャンペーン事業に関しましては、各事業を担当する省庁ごとに再度公募を行うこととなり、国土交通省としては、今月十二日金曜日に、経済産業省よりゴー・トゥー・トラベル事業に係る予算額の示達を受け、十六日より運営事務局の公募を開始いたしました。二十九日が提案書の提出期限となっており、その後、速やかに、かつ、厳正に審査を行い、契約を締結いたします。
 観光関連産業の皆様は各地で大変苦しい状況下にありますので、夏休みのできるだけ早い段階での事業開始を目指し、可能な限り早く、かつ、しっかりと準備を進めてまいります。
 本事業の具体的な開始時期やその事前周知のタイミングにつきましては、今後の感染状況、感染症の専門家の御意見、政府全体の方針等を踏まえながら決定をしてまいります。
 いずれにしましても、本事業に寄せられる地域の皆様からの期待に応えられるよう、効果的な事業の実施、そして速やかな準備に努めてまいります。

#15
○國場委員 一日でも早いスタートをよろしくお願いします。
 続きまして、沖縄公庫について質問をします。
 二次補正予算の成立で事業規模一兆一千五百五十五億円という過去最大の資金繰り支援が可能となっております。沖縄県の公庫も職員を最大限動員して懸命に取り組んでいる姿勢には敬意を表しつつも、やはり、一日でも早い融資の体制といったものは引き続きありますので、よろしくお願いします。
 最新の実績と課題を明らかにしてください。

#16
○原政府参考人 お答えいたします。
 沖縄振興開発金融公庫におきましては、一月二十七日に特別相談窓口を設置し、地元からの融資相談を受けております。
 実績につきまして、六月十五日月曜時点でございますけれども、融資申込件数は九千七十六件、九割弱、八六・六%に当たります七千八百六十四件について既に融資決定を行ってございます。
 また、先般成立した第二次補正予算におきまして、先ほどありましたように、大幅な拡充などの措置が講じられたところでございまして、引き続き、地元企業の資金ニーズに迅速かつ的確に対応していくことが最大の課題ということでございます。
 政府系金融機関といたしまして、金融面のセーフティーネット機能を担う公庫におきまして、社会的、経済的環境変化が生じている現在の状況下においてこそ、一層その機能が迅速かつ的確に発揮することが求められているものと思っております。
 以上です。

#17
○國場委員 時間となりましたので終了しますが、子供の貧困についても項目として要請しておりました。ぜひとも、コロナによりまして弱い方々に大変な負担が来ておりますので、子供の貧困の部分も、居場所づくり、そしてまた、子供食堂に関しても引き続き取組を要望して、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#18
○菊田委員長 次に、江田康幸君。

#19
○江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。
 本日は、沖縄観光の再生や、また首里城の再建等について質問をさせていただきたいと思っております。
 質問時間が短いですので、早速に質問に入らせていただきます。
 今、沖縄県の経済は非常に厳しい状況である、そのように思っております。特に、沖縄県のリーディング産業である観光リゾート産業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により深刻なダメージを受けております。県内の観光関係者の皆様からは、沖縄観光の分岐点という声も出ているほどであります。
 衛藤大臣、沖縄振興策を所管する大臣として、新型コロナウイルス感染拡大の影響による沖縄の観光リゾート産業及び県経済全体への影響についてどのように把握し、また認識されているか、さらに、これらの厳しい経済状況に対して、沖縄経済の再生と沖縄振興へどのように取り組んでいくのか、その点について大臣にお聞きをいたします。

#20
○衛藤国務大臣 新型コロナウイルス感染症の沖縄の観光産業への影響につきましては、本年四月の入域観光客数は前年同月と比較して約九割以上減少いたしております。また、県内の主要ホテルの稼働率は一〇%を割り込んでいる状況でございます。大変厳しい状況であるということは我々も認識をいたしております。
 さらに、日本銀行などの調査によれば、県内景気は厳しい状況が続いており、雇用状況も弱い動きが見られている状況でございまして、こうした状況の中で、沖縄県を対象とする緊急事態宣言が本年五月十五日に解除された後、同月二十一日は沖縄県による休業要請が解除され、さらに、あす六月十九日からは国内の渡航自粛要請も全国的に解除される状況と承知いたしております。こういう状況を内閣府としても引き続き注視をしていきたいと思っております。
 そういう意味では、国内の観光客は沖縄に相当流れるのではないのかということですから、この動きをできるだけスムーズにバックアップできるようにお手伝いができればというふうに思っております。そしてさらに、海外の方につきましては、先ほど國場先生からもお話ございましたけれども、やはり入り方についていろいろな検討がなされなきゃいけない。これは、県も挙げて、どういう受入れ体制をつくるのかということについて真剣に考えなければいけないと思います。
 いずれにしても、国外から入ってこられる方につきましてはPCRの検査を入るときにしなきゃいけないですし、そして、そのときに何時間か結果が出るまで待っていただくとか、それから、陽性の方については何らかの停留をお願いしなきゃいけないとか、そういう医療の体制とかいうことが必要になってくると思いますので、その体制をどうしても、沖縄振興を担当している者としては、県とも一緒に考えていかなきゃいけないというふうに思っております。
 そういう危機感を共有しながら、ぜひ、リーディング産業である観光がもっともっと振興できるように、反転攻勢ができるように、そういうことを心がけながら沖縄の振興の取組をしっかりと支援していきたいというぐあいに考えている次第でございます。

#21
○江田(康)委員 ありがとうございます。
 新型コロナウイルスの感染流行が、この後、我々、この感染拡大防止とそして経済の再生を両立して目指していくわけでありますけれども、その流行が収束して需要が戻ったとしても、まず観光リゾート産業のダメージが今あるわけでありまして、それを回復できなければ観光客の客入れ、受入れというのは困難であります。
 短期間でコロナウイルス流行前の水準に戻るのは難しいとの指摘もあります。そこで、観光客が激減して深刻なダメージを受けている、こういう観光事業者に対して、事業の継続と雇用の維持を図るために、我々政府・与党は、予備費や第一次補正予算、また第二次補正予算を編成して、この資金繰り支援やまた雇用調整助成金、そして持続化給付金など、中小企業支援策を矢継ぎ早に打ってきたわけであります。
 沖縄におけるこれらの支援策の給付状況、そして政府のそれに対する見解についてお伺いをいたします。

#22
○宮地政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、先生のお話もございました国の支援策といたしましては、まず、給付対象者一人につき十万円を給付する特別定額給付金がございます。また、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が雇用の維持を図るための休業手当に要した費用を助成する雇用調整助成金がございます。そして、特に大きな影響を受けている事業者に対して、事業の継続を支えるための持続化給付金などがございまして、それぞれ、関係省庁、地方団体等により着実に給付、活用が進んでいるものと承知しています。
 このうち雇用調整助成金につきましては、六月十二日現在で、沖縄県における支給決定件数は二千百五十八件、申請件数に対する支給決定件数の割合は六九・七%となっております。
 引き続き、各所管の機関において、それぞれの支援のニーズを踏まえて、給付、活用の迅速化に取り組んでいくものと考えております。

#23
○江田(康)委員 ありがとうございます。
 沖縄県の場合、雇用調整助成金の給付率も全国平均からすると高いということで、着々と進んでいると思っております。
 このような状況の中で観光需要をやはり一気に引き上げていく、そういうことが観光産業にとっては大変重要なわけでありますが、この観光産業の再生を図ることが期待される政府のゴー・トゥー・キャンペーンについてお伺いをします。
 先ほどもございましたけれども、大変期待されているこのゴー・トゥー・キャンペーン事業でありますが、その事業概要について確認をしたいと思います。
 予算規模、そしてまたその仕組み、そして今後の実施の見通し、大事なんですが、いつからこれが実施されるのか、この点について国民や事業者にわかりやすく説明をしていただきたいと思います。

#24
○風木政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のゴー・トゥー・キャンペーン事業につきましては、今回の新型コロナウイルス感染症により売上げ等に甚大な影響を受けた、まさに御指摘の観光運輸業、それから飲食業、文化芸術関係を含むイベント、エンターテインメント業などの皆様から切実な声を伺っていますので、消費需要喚起策として、その御要望に応えて、需要喚起キャンペーンを実施するものでございます。
 これは、先月二十五日に全国で緊急事態宣言が解除された後に、感染防止策をしっかりと講じた上で、社会経済活動のレベルを段階的に引き上げていくという中で進めていくものでございます。
 例えば、観光につきまして御指摘ありましたが、人との間隔を確保した上で、まずは県内、それから、あす六月十九日以降は県をまたぐものを含めて、徐々に行っていくというのが全体の方針でございます。
 こうした中で、ゴー・トゥー・キャンペーンにつきましては、この引上げに合わせて消費需要を喚起していくという方向でございまして、予算規模の御指摘、約一・七兆円の予算を計上しております。
 仕組みですが、観光については旅行代金の五〇%分、最大で一泊二万円を、クーポン等を付与して支援する。それから、クーポンなどは、宿泊の割引や地域産品、それから飲食、施設などで利用できます。また、ほかにも、飲食については最大で一人千円のポイントなどを付与して支援、それから、プレミアムつき食事券については二割相当分を支援する仕組みでございます。また、イベントについては、音楽、コンサート、それからスポーツイベント、演劇、伝統芸能、映画館、博物館、美術館、それから遊園地、展示会等について、チケット代の二割相当額をポイント等で支援します。
 こうしたことで、今後、関係省庁で事業の詳細を検討した上で公表していきます。
 それから、見通しについて御質問がございました。
 観光については、まず国土交通省において、八月の早い段階での事業開始を目指して、十六日から事務局の公募を開始したと承知しております。それから、他の事業についても、関係省庁において、可能な限り早いタイミングでキャンペーンを開始できるよう、迅速に検討を進めていくものと承知しております。

#25
○江田(康)委員 ありがとうございます。
 まさに大変な期待がかかっているこのゴー・トゥー・キャンペーンの実施時期についてですけれども、これについては、国会でも、この運営事務の委託費が高過ぎるという批判のもとで、この公募の手続を一旦中止して、そのために、その実施時期が当初の予定よりも遅くなっていると思われます。
 先日、私、地元の熊本の阿蘇地方の宿泊業の皆様のお話も聞いてまいりましたけれども、このゴー・トゥー・キャンペーンへの期待は非常に高い。一日でも早く開始してほしいという声が大勢であります。
 特に私は主張したいわけでありますが、この夏に間に合わせないと、また、秋まで持続する、そういうようなものでないと、この期待に応えられないと思っております。沖縄県の事業者の皆様も同じだと思います。一日でも早く、速やかなキャンペーンの展開を、しっかりとお願いしてまいりたいと思います。
 それでは、最後ではございますけれども、やはり沖縄の最重要課題の一つである首里城の再建についても、最後、一問だけお伺いをさせていただきます。
 昨年ではありますが、昨年十二月には、本委員会で、派遣調査として首里城の火災調査を、委員長の先頭で視察をさせていただいたわけであります。改めて沖縄県民の皆様に心からお見舞いを申し上げたいわけであります。
 公明党は、昨年十一月に、首里城火災からの復旧及び文化財等の防火対策の強化に向けた決議を菅官房長官に提出して、進めてまいりました。
 そういう中で、公明党は令和元年度の補正予算に首里城再建関連費用を盛り込むよう決議していたところですが、これが、瓦れきの撤去費用、復元費用に八億円、観光振興に五億円の計十三億円が盛り込まれ、また、令和二年度の予算においても、都市公園事業費が前年比で十億円増額されたわけであります。
 これらの予算を着実に実行して、早期再建に向けた取組に着手したと考えますけれども、現在までの進捗、取組と、そして早期再建に向けた大臣の決意をお伺いをいたします。

#26
○衛藤国務大臣 首里城の復元につきましては、三月二十七日の関係閣僚会議におきまして、首里城正殿等の復元に向けた工程表を決定をいたしました。首里城正殿については、令和二年度早期に設計に入り、令和四年中に本体工事に着手し、令和八年までの復元を目指すこととしました。
 現在、令和元年度補正予算、令和二年度予算を活用し、技術的な検討や北殿等の施設解体など、復元に向けた取組を進めているところでございます。
 引き続き、首里城の一日も早い復元に向け、予算執行の観点も含めて関係省庁と連携し、しっかりと取り組んでまいります。

#27
○江田(康)委員 ありがとうございます。
 それでは、最後の一分かもしれませんので、もう一問だけ。
 その中で、焼失前の、全体の首里城の再建について、具体的な質問でありますけれども、この首里城を再建していく上において、建材を確保して、そして人材も確保して進めていくということですが、この木材の確保について、工程表では、イヌマキなどの活用が望ましいけれども、これらは希少材でありますから、大量の材の調達は困難ということで、首里城の正殿の大径材はタイワンヒノキの無垢材をかつて使用したこともあって、今回もヒノキの無垢材を使用すると。具体的には、国産ヒノキを中心として続けていくと。
 そこで、このイヌマキを含めたこれらの木材に関する政府としての調達の見込み、そして木材確保に向けた具体的な取組の状況について、最後に確認をしたいと思いますので、よろしくお願いします。

#28
○菊田委員長 林野庁前島林政部長、答弁は簡潔にお願いします。

#29
○前島政府参考人 お答え申し上げます。
 本年三月に策定されました工程表におきましては、委員御発言のとおり整理されているところでございまして、これを踏まえまして、国や関係者が連携いたしまして、イヌマキ等の大径材につきまして、木材事業者へのヒアリングなどの調査を継続しているところでございます。
 林野庁としても、首里城復元に向けまして、木材調達に向けて、引き続きしっかり対応してまいりたいと考えております。

#30
○江田(康)委員 終わります。
 首里城の再建は、沖縄県民にとっての、大変にシンボルであって、聖地でございますから、その再建は大変重要、最重要課題であります。早期再建ができますように、しっかりと取り組んでいただきますようによろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#31
○菊田委員長 次に、佐々木隆博君。

#32
○佐々木(隆)委員 立憲民主党、立国社会派の佐々木でございます。
 沖北の特別委員会、本来であれば会期内に開催をしたかったわけでありますが、残念ながら会期内に開催ができなかった。この委員会の理事を預かる者として、委員の皆さん方におわびを申し上げたいというふうに思います。
 会期は過ぎましたけれども、きょう、こうして沖北の特別委員会を開催をすることができました。まさに一会期内に一回ぐらいしか開催できないので、委員のみんなが質問をしたいということでありますので、わずか私には十五分しか与えられておりませんので、簡潔に御答弁をいただければというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
 最初に、衛藤大臣にお伺いをいたします。
 三つ、一つの要請と二つの質問をさせていただきたいというふうに思うんですが、今回、沖縄北方の委員会を開催するに当たって、現地の地元の皆さん方に、どういう課題があるかということでお話を伺いましたら、経済も大変なんだけれども、とりあえずコロナだというふうに言われまして、とにかく物が流れないと。生鮮品、魚なんかは生鮮品でありますので、加工しない限り長期保存ができないということになりますので、生鮮品の流通について、とにかく大臣にしっかりと要請をしておいてくれと言われましたので、この点はまず地元の声として要請をさせていただきたいというふうに思います。
 質問の一つ目ですが、北方領土の墓参、それからビザなし交流、自由訪問、この三つの事業が、いずれも延期というふうになっております。ましてやコロナのこともありますので、こうした状況の中で、再開の見通しというのは極めて私は厳しいのではないかと、時期がここまで来ておりますから。再開についての見通しというのはどうお考えになっておられるのかと、再開が極めて難しいとするならば、この交流が、ことし延期することによって途絶えてしまうということになっては、来年からのこの事業にも大きな影響を与えるということになってまいりますので、何かそれにかわる代替というものを考えておられるのかということが一つ目の質問です。
 もう一つの質問なんですが、北特法に基づく隣接地域振興は一市四町を対象にしているわけでありますが、例えば、準隣接と言える釧路市なんかの状況を見ても、今、とりわけ日ロの漁業交渉でサケ・マスの流し網が禁止になって以来、極めて厳しい状況にあります。
 ちょっとその地域の状況について調査室に調べていただきました。前年同月比でありますが、小売店の売上げはマイナス一・二程度でありますけれども、新車の売上げ、一六%から二五%のマイナス、それから、主要温泉地の人数はマイナス七二、ホテルの宿泊マイナス四三、新規の求人倍率マイナス一四・七というような状況で、さらに、企業の倒産が、二〇一九年で十二件、二〇二〇年で八件。それから、企業の景況感でありますが、運輸業でマイナス五五・三、卸、小売でマイナス六四・〇、サービス業でマイナス六一・三というふうな状況でございます。
 そこで、御提案も含めてでありますが、隣接地域は一市四町でありますけれども、この地域への支援を、準地域として、地域に準ずる地域として拡大をするようなことも考える必要があるのではないかというふうに思うのでありますが、この二点について衛藤大臣にお伺いをいたします。

#33
○衛藤国務大臣 令和二年度の北方四島交流等事業については、四月十五日に、当面実施を見合わせ、開始時期については、新型コロナウイルス感染症をめぐる状況の推移等を見きわめつつ、追加的に決定するというぐあいに公表させていただきました。
 本年度の事業の開始時期については、現時点で予断を持ってお答えすることは差し控えますが、内閣府としては、同事業の重要性に鑑み、高齢になられた元島民の方々を始めとする参加者の健康と安全が確保される中で、可能な限り早期に事業を開始できるよう、しっかりと取り組んでいく所存でございます。
 北方領土返還要求運動を続けてこられた元島民を始めとする関係者のお気持ちをしっかりと受けとめながら、実施団体とともに、引き続きロシア政府及び四島側実施団体と調整を継続してまいりたいと思っております。
 別の手だてということにつきましては、今、一生懸命、実施団体とも、できるだけ早い実施をめぐって調整を進めておりますので、それに全力を傾けているところでございます。
 それから、隣接地域の件でございますが、一市四町を隣接地域として頑張ってきております。周りの地域も、周辺地域も大変経済が停滞しているというお話について、そのとおりでございまして、そういう認識も我々は持っておりますが、やはり一日も早く、このコロナウイルス感染症からの回復を一刻も早くというぐあいに考えております。
 五月二十九日に、政府として、いわゆる第二波を避けるためにどうやったらいいかということで、相当厳しい案が出ました。これを、実施を継続していくということは極めて重要で、そういう中で、いろいろな意味での経済活動が回復していけるというぐあいに思っているところでございます。
 そういう意味で、私どもも、そういう経済活動を回復させながら、ポストコロナに向けて、全力で新しい日常をつくり上げるべく、チャレンジを続けていきたいというように思っております。
 北特法におきましては、北方領土問題の解決のために、北方領土返還要求運動の拠点である北方領土隣接地域において安定した地域経済が構築され、自立的に発展していくための環境を整備するとの観点から、各種支援策を講じております。
 一昨年は、地元自治体等からの要望を踏まえて、北方領土隣接地域振興等基金の取崩しを可能とする改正が行われ、地元の要望を踏まえた事業等に有効に活用されていると承知いたしております。
 私としては、北方対策担当大臣として、これらの仕組みを活用しながら関係機関とも連携を図りつつ、北方領土隣接地域の振興にしっかりと取り組んでまいりたいというぐあいに思っている次第でございます。

#34
○佐々木(隆)委員 大臣、ビザなしというか、三事業なんですが、それは再開に向けて頑張っていただいているというのは、それはそれで頑張っていただきたいんですが、かなり見通しは厳しいと思うんですね、コロナのことも含めて考えれば。これから、例えば再開を決めましたよ、それから募集をしました、向こう側とも手続しますといったら、ことしの開催というのは極めて難しいと考えたときに、ことし一年途絶えてしまうということを、何らか私は回避すべきことを考えておくべきではないかということについて申し上げさせていただきましたので、ぜひ御検討いただきますようにお願いをいたします。
 次に、茂木大臣にお伺いをいたします。
 一つ目は、外交青書と、それからロシアの新憲法についてお伺いをいたします。
 皆さん方のところに資料を配付させていただいてございますが、まず外交青書でございます。
 外交青書の書き方、表現が、二〇一八年、アンダーラインを引いてありますが、二〇一九年、二〇二〇年と少しずつ表現が変わっているわけですね。
 これ、大臣、どこかで、時代とともに変わるんだという表現をされておりましたけれども、外交の文書でありますから、相手側に対してもこれを言うわけですし、ロシア語でこれをどういうふうに翻訳をしているのかわかりませんが、揺れているのではないかというふうにとられる危険性があるので、私は、外交の文書というのはそう簡単に変えるべきものではないというふうに思っておりますので、この点についてのお考えをまずお伺いするのと、もう一つは、ロシアが国民投票を実施して、そして憲法改正の投票をするのではないかというふうに言われておりますが、問題は、その中に領土の割譲禁止が盛り込まれるというふうに言われてございます。
 まあ、割譲禁止と言いながら、隣国との国境画定は禁止対象外などというふうな表現をしているようでありますけれども、この中では、改正憲法の中では、憲法を条約より上位と位置づけるなどということも言われておりまして、電話会談なども重ねておられるようでありますが、この外交青書の件と、憲法の、今、茂木大臣がこれからどう日本として対応していくのかという二点についてお伺いいたします。

#35
○茂木国務大臣 まず、ことしの外交青書でありますが、かなり力作だと思っておりまして、各方面から反響をいただいておりまして、佐々木先生から質問でも取り上げていただいたことを感謝を申し上げたいと思っております。
 白書、青書の類い、一番かつて読まれていたのは経済白書、昭和三十一年の経済白書、もはや戦後ではない、このサブタイトルとともに非常に有名になりまして、今は防衛白書が、マニアックな方もいらして一番読まれていて、次に、経済白書の後身であります経済財政白書、外交青書ももっと更に読んでいただくように頑張らなければと思っておりますが、外交青書、これは、その時々の国際情勢を踏まえて、当該年におけます我が国の外交活動の概要を紹介するために作成するものでありまして、これによって、決して日本のさまざまな法的な立場であったりとか外交方針が変わるというものではありません。
 外交青書についてはこういった観点からごらんいただければと思いますが、いずれにしましても、北方領土は我が国が主権を有する島々でありまして、政府としてこの立場に変わりはなく、平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるというのが日本の一貫した立場でございます。
 また、御指摘いただきましたロシア連邦の憲法改正に関する動向につきましては、関心を持って注視をしておりまして、当初、四月の二十二日に予定されておりました投票が、新型コロナの影響によりまして七月一日に延期をされた、そのように承知をいたしておりますが、日ロ平和条約交渉、まさに現在進行形で進められているものでありまして、その詳細であったりとかさまざまな要因の影響についてコメントすることは、これからのやりとりもありますので控えさせていただきたいと思っております。
 その上で、平和条約交渉に関しましては、二〇一八年十一月のシンガポールでの日ロ首脳会談で、両首脳は、一九五六年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させることで合意をいたしました。それ以降、首脳間、外相間、次官級で協議を重ねてきているところでありまして、先日もラブロフ外相と、電話会談は私、ここのところ四十カ国以上の外相とやっておりますが、かなりそこの中でも長い時間をかけて行わせていただいたところでありまして、戦後七十年以上残された課題の解決、これは決して容易ではない、そのように覚悟いたしておりますが、領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針のもと、粘り強く交渉に取り組んでいきたいと思っております。

#36
○佐々木(隆)委員 今、白書の力作だと言ったのは、ほとんど茂木大臣がかかわってきたところばかりのような気がいたしましたけれども、今、私が先ほど配付をさせていただいたものの中にも、最初、二〇一八年では四島という言葉があり、二〇一九年ではそれが消えて、領土問題を解決して平和条約、そして二〇二〇年は四島なのか何島なのかわからないまた表現になっていて、これを大臣は力作と称されたわけでありますが、どうもこの辺の日本の外交姿勢というものが曖昧なのではないかというふうにとられないように、ぜひ要請をしておきたいと思います。
 終了時間になったようでございますので、もう一問用意していたんですが、要請だけさせていただきたいと思います。
 共同経済活動に伴って管轄権を棚上げしてやろうじゃないかというような提案がロシア側からあるということですが、私は、管轄権を棚上げした共同経済活動なんというのは、正直申し上げてあり得ないというふうに思っております。北大のスラブ研究所の岩下教授が、例の日ロの安全操業協定、これでも同じような表現がされたけれども、これは既にもう破綻しているというふうに表現をしております。そういった意味では、管轄権を棚上げした共同経済活動というのは、私は非常に危険だというふうに思っておりますので、このことは質問時間が来ましたので申し上げさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございます。

#37
○菊田委員長 次に、松田功君。

#38
○松田委員 立憲民主党、立国社の松田功でございます。
 それでは、早速質問に入らさせていただきたいと思います。
 沖縄の物流について質問をさせていただきます。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、沖縄発着の航空便の減便を受け、荷物のおくれが生じております。陸送手段のない離島県の沖縄では、航空便に載らない荷物を船便に切りかえ、船便では代替できないクール便の荷受けを一時停止した業者もあると伺っております。航空会社において、旅客減少の影響による減便、機材縮小はいたし方なく、六月に入り定期便の一部回復及び臨時便の継続運航で対応いたしておりますが、全部には対応できていないということでございます。
 沖縄県では、これから夏場に向けクール便の需要はより高まり、また、マンゴーの収穫時期が今月下旬から始まり、例年なら多くの県外発送が見込まれますが、現状では輸送手段に多くの不安があります。リーファーコンテナによる船便輸送への切りかえなどもありますが、生鮮食料品は鮮度を危惧する荷主も多いため、問題は解決されません。
 沖縄県は、コロナウイルス感染症の影響により観光客が大幅に激減し、県の経済影響は大きく、さらに農業分野への影響も大きくなれば、県の経済への打撃ははかり知れません。沖縄県の物流を滞らせないためにも、国の補助による貨物航空便運航などの施策、支援についてどのような対策を講じているのか、お伺いしたいと思います。
 また、沖縄の産業構造は他府県と違うことは御承知のことと思います。沖縄は観光・リゾート産業により経済を牽引しておりますが、今回の新型コロナにより大きな打撃を受けております。次に多い第一次産業まで多大な打撃があれば大変なことになってしまいます。そちらへの対策もあればお伺いをいたしたいと思います。

#39
○平岡政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、沖縄発着の国内旅客定期便につきましては、新型コロナウイルスの影響により大幅に減便し、当初計画便数と比べ、四月は約四〇%、五月は約六五%の減となっているところでございます。これに伴いまして、旅客機による貨物運搬スペースの供給量は大幅に減少し、スペースの逼迫等の影響が生じていると承知しております。
 こうした状況を踏まえまして、航空会社におきましては、機材の大型化、さらには旅客機を貨物専用便として運航するなどにより、輸送力の確保に努めているところであります。具体的には、沖縄につきましては、国内線でございますが、四月に約百十便、五月に約三百八十便の臨時貨物便やチャーター便が運航されているところでございます。
 国土交通省におきましては、さきの緊急経済対策に基づきまして、航空会社に対する着陸料の支払い猶予等により、航空会社の経営を支援し、こうした航空会社の輸送力確保の取組を下支えしているところであります。六月以降は沖縄発着航空便の便数も戻る傾向にございますけれども、根本的には便の回復をしていくということが必要であるというふうに考えております。このため、観光庁等と連携いたしまして、ゴー・トゥー・トラベル事業による需要喚起も含めまして、航空需要の一層の回復を図り、沖縄の貨物輸送に与える影響の払拭に努めてまいりたいというふうに考えております。

#40
○宮地政府参考人 内閣府の取組についてお答えを申し上げます。
 沖縄県では、内閣府所管のソフト一括交付金を活用いたしまして、本土との平等な競争条件を確保するために、県外へ出荷する農林水産物の荷主に対して輸送費の一部を補助しているところでございます。
 この補助制度につきまして、今般の沖縄発着の航空機定期便の減便に伴う出荷量の減少を極力回避できるよう、荷主の負担が大きい臨時便を利用した場合の補助基準額の引上げを行いたいという県の対応案を内閣府としても認めまして、臨時便を利用した場合の補助基準額が引き上げられているところでございます。

#41
○松田委員 県民の所得最下位、完全失業率も全国に比べると高いんですね、そして子供の貧困も全国の中で極めて深刻という沖縄県は、今回のコロナウイルスにより、更に悪化することが予想されます。これ以上、他府県と差が広がることのないように、対策をぜひ練っていっていただきたいと思います。
 それでは、次に参ります。
 沖縄のトラック運送業に係る標準的運賃の設定がどのようになされたのかをお伺いいたします。
 標準的運賃に関する地域差は、自動車局貨物課長が出されました一般貨物自動車運送業に係る標準的な運賃についての中で、人件費や物価を考慮して策定されたと書かれております。
 この人件費については、賃金構造基本統計調査の適正な原価の考え方、人件費を参考にしているということですが、これらを見ると、全国に比べ、沖縄は突出して低い。そして、沖縄を除く各地域は千九百円から二千五、六百円、首都圏は二千六百七十一円となっております。それに対し、沖縄県は千七百四十三円です。九州は千九百九十円で、差は二百四十七円になります。
 しかし、こちらの厚生労働省の令和元年度の地域別最低賃金改定状況という表を見ますと、沖縄の最低賃金は、福岡を除いた九州各県と同額になっております。そう考えますと、余りにも大ざっぱな人件費をもとにされているのではないかと思います。
 また、連合の出す都道府県別リビングウェイジによれば、物価指数が特段低いわけでもありません。それにもかかわらず、沖縄の標準的運賃は、九州のそれよりもかなり低く設定をされております。運賃が最低設定ということは、賃金も最低になるのではないでしょうか。
 トラック運送業者の長時間労働と低賃金という労働環境により、運転者不足も問題となっております。また、沖縄は全国と比べて賃金も低く、このままだと、その差は開く一方ではないかと考えます。沖縄振興施策の観点からも考える必要があることだと思います。
 沖縄のトラック運送業の持続のためにどのようなお考えがあるかをお示しください。

#42
○福田政府参考人 トラック運送業は国民生活と経済を支える重要な産業でございますが、長年、コストに見合う適正な水準の運賃が収受できていなかったため、ドライバーの賃金水準は全産業平均に比べまして低くなっております。さらに、長時間労働の状況と相まって近年の人手不足を招いており、このまま放置すれば、我が国の生活と経済へ深刻な影響を及ぼすことが懸念されます。
 こうしたことを背景にしまして、一昨年末の議員立法による貨物自動車運送事業法改正によりまして国土交通大臣が標準的な運賃を告示する制度が創設され、本年四月にこれを告示したところでございます。
 標準的な運賃の設定の前提となる適正な原価につきましては、委員先ほど触れていただいておりましたけれども、全国のトラック事業者に対する原価調査の結果や各種統計による数値等をもとに計算しておりまして、ドライバーの人件費や各種の物価につきまして、地域差を踏まえた上で計算しております。
 したがいまして、最終的に告示した運賃額には、地域の実情に応じて差が生じているところでございますけれども、いずれの地域の運賃額も、必要な原価を見込んでいるとともに、人件費につきまして全産業平均の単価を使用していること等によりまして、実勢の運賃よりも一定程度高い水準になっているものと認識しております。
 国土交通省といたしましては、告示しました運賃水準が実際の運賃に反映されますよう、標準的な運賃の浸透を図ることが重要であると考えておりまして、沖縄を始めとしまして、それぞれの地域の実情を踏まえつつ、業界団体や荷主を所管する省庁とも連携しながら周知、浸透に努めてまいりたいと考えております。

#43
○松田委員 日本の物流を担うトラックの運転手の皆さんの地位の安定と、また沖縄の振興の両方を、ぜひ今後も考え続けていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次に参りたいと思います。
 米軍兵士等の身柄引渡し問題について質問をさせていただきたいと思います。
 先月十二日、米兵らが北谷町の外貨両替所の従業員を刃物でおどし、現金約六百九十万円を奪って逃げたという強盗事件が起きました。この事件は、沖縄警察署が米軍の協力を得て捜査し、米軍が容疑者を拘束をいたしました。このように、アメリカ側が容疑者の身柄を確保した場合には、日本側への容疑者身柄引渡しは起訴後になります。今回は起訴が比較的早く進み、身柄引渡しがされましたが、過去に捜査途中で本国に逃げられたという事例もありますから、この問題についてしっかりと検討し、改定していかなければならないと考えます。
 このような米軍兵士の公務外犯罪の第一次裁判権は日本側にあるわけで、米軍は第一次裁判権、捜査権、取調べ権を認めております。それにもかかわらず、身柄引渡しを米軍が拒否できる仕組みには矛盾があると考えますが、いかがでしょうか。
 また、平成七年に合意されました日米地位協定の運用改善では、「殺人又は強姦という凶悪な犯罪の特定の場合」と記載されており、実質、殺人や強姦、今は強制性交等罪の場合でしかアメリカ側は身柄の引渡しを了承しないと、現場は半ば諦めている状態であります。実際、二〇〇二年に発生した婦女暴行未遂、器物破損事件のときは、身柄引渡しを拒否されました。
 日本側が捜査に必要とした場合には、必ず身柄引渡しがされるように改定をされるべきと考えます。もちろん、日本の刑事司法制度が被疑者の人権を軽視している点は見直さなければならないと思いますが、一方で、沖縄の米兵による事件が後を絶たないという問題があります。
 犯罪抑止のためにも見直すべきと考えますが、大臣の御答弁をいただきたいと思います。

#44
○茂木国務大臣 日米地位協定第十七条5の(c)は、日本が第一次裁判権を有する場合において、被疑者が米側の手中にある際には、起訴された時点で米側から身柄を引き渡されることになっております。この点につきましては、NATO地位協定と同様の規定ということになります。
 その上で、御指摘のように、平成七年に発生しました沖縄少女暴行事件を受けて日米間で作成をされました刑事裁判手続に関する日米合同委員会合意によりまして、凶悪犯罪を犯して拘禁された米軍人等については、その身柄を起訴前に日本側に移転する道が開かれました。同合意に基づきまして、実際に起訴前の拘禁移転が何度も行われております。このように、起訴前の拘禁移転が何度も行われているのは、米軍が駐留している国の中では日本だけである、このように承知をいたしております。
 また、同合意によりまして、殺人又は強姦以外の犯罪であっても、我が国として重大な関心を有するものについては拘禁の移転について要請することができ、米側はそれを十分考慮することとされております。
 したがいまして、起訴前の移転につきましては、御指摘のように殺人、強姦に限定されているわけではなくて、これについては国会の場でも明らかにしてきているところであります。
 いずれにしましても、政府としては、起訴前の拘禁の移転については、今後とも、個別の事件に即して、本件合意に基づきまして適切に対処してまいりたいと考えております。

#45
○松田委員 NATOの加盟国も被疑者の身柄引渡しは起訴後となって、これがグローバルスタンダードだという形になるならば、国内法の適用や基地の管理権、また、訓練、演習への関与や航空機事故への対応なども諸外国の基準にぜひしていただきたいと思いますし、また、そもそも、ドイツやイタリア、イギリスのように、事件、事故のときにその国の警察がその国の法律に基づき優先的に捜査できる状態ならば、起訴後の身柄引渡しでも問題はないと思いますが、そのように地位協定をぜひ改定をしていっていただきたいと思います。
 ちょっと時間が参りましたので、ぜひ地位協定の見直しを進めていただくことを強く要望申し上げまして、私の質問を終わらさせていただきたいと思います。

#46
○菊田委員長 次に、川内博史君。

#47
○川内委員 茂木大臣、衛藤大臣、よろしく御指導をお願い申し上げます。
 まず、今、同僚の松田先生から御提起のあった北谷町における米兵による強盗事件の身柄のことについて、日米地位協定並びにそのもとにある日米合同委員会で、殺人や強姦という凶悪な犯罪の場合には、日本側から起訴前の身柄引渡しの要請に対し、米側が好意的な考慮を払うというふうに運用の改善がなされていると。
 今、茂木大臣からも、それ以外の場合にも、こちらが要請したら応じてくれる場合もあるんだよという御答弁をいただいているわけでございますけれども、凶悪な犯罪という類型において、殺人や強姦というのはもちろん凶悪な犯罪であると。強盗というのは凶悪な犯罪ではないのかというと、凶悪な犯罪でしょうというふうに思うわけでございまして、殺人、強姦、強盗という、例示としてきちっと米側に、私たちは日米地位協定の改定を求めているわけですが、政府は運用の改善で進めていくのだというお立場であろうというふうに思います。
 そういう意味においては、合同委員会で刑事裁判権のお話合いをされる場に、凶悪な犯罪の類型として強盗というものも今後加えたいということを日本側から提起をするということぐらいはされたらいかがかというふうに思います。外務大臣としての御所見をいただければと思います。

#48
○茂木国務大臣 まず、先ほどの続きになるんですが、御案内のとおり、日米の地位協定とNATOの場合はお互いの防衛義務等々が違っておりますので、いいところだけとってNATOと同じようにしろというのはなかなか難しい部分、これはあるんだと考えております。
 そして、今回の件につきましては、米軍の協力も得て、捜査当局において所要の捜査が実施をされて、被疑者が実際に起訴された、そのように承知をいたしております。
 合同委員会におきまして、さまざまな提起というのは日本としてもしてきているところでありますが、日米地位協定は、御案内のとおり、同協定の合意議事録等を含みました大きな法的な枠組みでありまして、政府としては、事案に応じて効果的に、かつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じて、一つ一つ具体的な問題に対応していきたい。そういう取組を通じて、日米地位協定のあるべき姿を不断に追及をしていきたいと思っております。
 何が凶悪な犯罪に当たるか、これは難しいんだと思います、いろんなケースにつきまして。したがって、一つ一つの事案について、日本が特に関心を持つ問題については、きちんと米側も対応できるように要請してまいりたいと思っております。

#49
○川内委員 本委員会、通常国会の間開かれず、委員長や理事の先生方の御努力で本日開かれておりまして、時間も短いものですから、茂木大臣とゆっくりこの問題について議論をさせていただきたいのでございますけれども。
 強盗事件という場合に、一般の私たちが受けるイメージって、うわあ、怖いという、あるいはその事件に遭遇した人たちも怖いでしょうし、その事件を聞いた人たちも怖いなと感じるでしょうし、そういう事件が米兵によって起こされた。そして、日米合同委員会合意の中に例示がないために、沖縄県警は遠慮をして、起訴前の身柄引渡しを要請せず、まあ、米側もちゃんと捜査に協力するから、実際として支障はないといえば、政府的立場ではそうなのかもしれませんが、私ども国民や、あるいは沖縄の県民が受けるイメージとしては、そういう公務外で事件を起こした米兵については、日本側がちゃんと最初から身柄を拘束した上で、法と証拠に基づいて司法の手続に乗せていくんですよということを、国民の皆さんに、あるいは沖縄県民の皆さんにしっかりと示していくためにも、私は、強盗というものを加えてくださいよということを米側に言うことは、それほど遠慮すべきことではないのではないかというふうに考えます。
 賢明なる茂木大臣でございますから、私の申し上げるところをお考えいただいて、この委員会の後、多分事務方に御指示をされるものであると信じて、次の質問に行かせていただきたいというふうに思います。
 イージス・アショアについて、配備の停止というものが最近大変大きなニュースになっているわけでございますけれども、茂木大臣のところには、この配備の停止というものについて、いかなる報告あるいは連絡があったのか。そして、その際、国務省との調整は済んでいたのかどうかということ、そして今後どうされていくのかということについて教えていただきたいと思います。

#50
○茂木国務大臣 まず、川内委員、予算委員会でも積極的に質問されている雄姿をいつも拝見しておりまして、なかなか御指名いただけなくて、ようやくこういった機会をいただいたことを大変うれしく思っておりますが、ストーリーをつくるのが非常にお上手なんですね、いい形で。
 先ほどの件につきましては、重要な指摘だと思いますので、よく考えさせていただきたいと思います。
 その上で、今般のイージス・アショアの配備に関するプロセスの停止につきましては、事前に防衛省の方から報告を受けております。また、防衛省としては、発表に先立ちまして、米国防省及びミサイル防衛庁に伝達をした、そのように聞いております。

#51
○川内委員 二〇一七年の八月の2プラス2で、日本側から、このイージス・アショアについて発言をし、二〇一九年の四月の2プラス2では、イージス・アショアを進めていくよということが日米間の外務、防衛両大臣の会合における合意事項になっているということで、ことしも、こういう新型コロナウイルスの感染症の状況ですから、2プラス2がどのような形で持たれるのかというのは私どもにはわかりませんけれども、いずれにせよ、文書の改定などにもつながっていくという理解でよろしいでしょうか。

#52
○茂木国務大臣 外交、安全保障政策に関する問題、日米間で、日米2プラス2もありますし、日ごろからさまざまなレベルで緊密に連携、調整してきているところでありますが、こうした外交、安全保障上の政策に関するやりとりの詳細については明らかにすることは控えたいと思っております。
 その上で、今、日本を取り巻きます安全保障環境、これは大変厳しいものがある、このように考えておりまして、日米間の連携というものはほころびがないということを内外にしっかり示せるようにしていきたいと思っております。

#53
○川内委員 ありがとうございます。
 それでは、次に、辺野古のことについて聞かせていただこうというふうに思います。
 辺野古のサンゴについてなんですけれども、この前、同僚の屋良朝博先生から、平成三十一年三月の、有性生殖によるサンゴ増殖の手引きという水産庁が出しているマニュアルが示されて、これは、このマニュアルをつくる上で専門家の先生方が集まられてつくられているわけですけれども、この検討委員会の委員長のお名前で、「これまで沖縄で移植あるいは移設されたサンゴ群体は三十万株を越えるが、多くのサンゴの植込み四年後の生残率は二〇%以下である。修復した面積も一件数ヘクタールにすぎず、さんご礁の生態系サービスの回復をもたらすまでには至っていない。」というふうにこの水産庁の手引に書かれております。
 これは水産庁の見解であるということでよろしいですね。

#54
○山本政府参考人 お答え申し上げます。
 改訂有性生殖によるサンゴ増殖の手引きにつきましては、平成三十一年三月に、サンゴの増殖を目的として水産庁が策定したものであります。
 この手引は、人工的に増殖させたサンゴを海域に移植することを目的としたものであり、海域に生息するサンゴを移植又は移設することに適用するものではありません。
 委員御指摘の記述につきましては、当該手引の前書きにおいて、サンゴ増殖技術検討委員会の委員長が、御自身の研究に基づいて見解を披露されたものと考えております。

#55
○川内委員 委員長の個人的見解であるということなんですが、この前書きを含めて検討委員会で最終的に決定を、皆さんこれでよろしいかということで決定をされたものではない、本文は委員会の中で決定されておるが、前書きについてはその後委員長が勝手につけたものであるということなんですね。

#56
○山本政府参考人 前書きの当該記述につきましては、本手引との関連はないため、水産庁の見解ではなく、委員長の個人的な見解を披露されたものと考えております。

#57
○川内委員 いやいや、済みません、私が教えていただきたかったのは、前書きを含めて委員会で最終的に、皆さんこれでよろしいかということで了解というふうに決まった手引なんですか、それとも、前書きは最終的には委員会の場では全く議論されずに、委員長さんが最後に勝手につけたものなんですか、どっちなんですかということを聞いているんですけれども。

#58
○山本政府参考人 前書きにつきましては、委員会では検討してございません。

#59
○川内委員 いや、検討しているか検討していないかを聞いているのではなくて、最終的に案として委員の先生方に示された文書の中には前書きはついていなかったということでよろしいかということを聞いているんですけれども。

#60
○山本政府参考人 委員御指摘のとおりです。

#61
○川内委員 ちょっとにわかには信じられないので、そのときの議事録と手引案を後ほど私にいただきたいというふうに思います。
 いやしくも、政府として出される文書に学者の先生が委員長として勝手に前書きをつけましたという答弁がまかり通ったら、今後、政府の文書は、この部分は個人的見解ですか、政府の見解ですかと一々確認しなきゃいけなくなりますからね。茂木大臣は笑っていますけれどもね。それは、ちょっと後で議事録を含めて御提示をいただきたいと思います。
 きょう国交省に来ていただいているんですけれども、那覇空港滑走路増設事業の環境監視委員会によると、移植後三年から四年後の小型サンゴの生存率は四一%、大型サンゴの生存率は一〇〇%ということですけれども、この一〇〇%というのを調査した時期、そして今現在の状態を教えていただきたいと思います。

#62
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 委員から今御指摘がございました移植サンゴの生存率でございますけれども、今、サンゴは四一%、大型は一〇〇%ということで、まず、これ自体は、那覇の滑走路増設事業を実施したサンゴの移植、これが二十五年から二十六年にかけて行っていますので、その三年から四年後である平成二十九年の冬期に調査した結果でございます。
 その後、現在の状況はということでございますが、この同種のいわゆるサンゴの移植の生存率に関するモニタリングというのはこの二十九年度をもって終了しておりますので、これが最終的なデータということになります。

#63
○川内委員 これはぜひ、現在の状況がどうなっているのかということについても、沖縄振興の立場でも私はしっかりと把握をしていかなければならないというふうに考えますが、衛藤大臣、お休みのところ大変恐縮でございますけれども、もう一回言いましょうか、現在のサンゴの状況がどうなっているかを振興大臣としてはしっかりチェックをされる必要があるのではないかという問いです。

#64
○衛藤国務大臣 第二滑走路の件については、先ほどお話をいただきましたとおりでございます。
 普天間飛行場の辺野古移転に当たりましては、防衛省において、関係法令に基づいて自然環境や住民の生活環境に最大限配慮して所要の工事を進めているものと承知をいたしております。サンゴ類に対する環境配慮についても、防衛省において適切に行われているものと承知をいたしております。
 いずれにせよ、政府としては、引き続き沖縄の基地負担の軽減に全力で取り組んでいく考えであり、普天間飛行場については、その危険性の除去を図ることが極めて重要な課題であるとの認識のもと、日米合意に従い、一日も早い移転に向けて取り組むことは政府の方針でございます。

#65
○川内委員 じゃ、衛藤大臣、全然違うことなんですけれども、沖縄は経済的に今すごい打撃を受けていると思うんですね。沖縄の高校生は、家計の手助けのためにアルバイトをしていますという高校生が沖縄県の高校生調査などでは割と高い割合で、困窮世帯で約半数の高校生がアルバイトをしているというふうにデータが出ております。
 今、多分、アルバイトもなくなっているんだろうというふうに思いますが、二次補正の休業支援金なども高校生は対象になるということなんですけれども、沖縄県の場合には、国の修学支援新制度を知らないという生徒が八割、県の授業料を全額負担する制度も知らないという子供たちが七五・九%という形で、割と国の制度とか県の制度を知らないという子たちが結構多いんですね。
 だから、この二次補正の休業支援金については、高校生も対象だよ、アルバイトがなくなった子、みんな申請していいんだよということを振興大臣としてもしっかりとお知らせをしていくべきであるというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#66
○衛藤国務大臣 御案内のように、本年四月の入域観光客数は九割以上減少いたしておりまして、大変沖縄の経済は大きな影響を受け、厳しい状況となっています。そういう中で、御指摘のように、アルバイトに従事する高校生を含め、県内の雇用も悪化していると承知いたしております。
 そういう中で、いろいろな制度が持たれているんですが、承知していないという方が多いということでございます。これは他省庁で実施しているところでございますけれども、私どもも周知に努めてまいりたいと思います。
 沖縄の地元市町村によっては、それぞれの状況に応じて、高校生一人につき五万円とか、あるいは、二、三年生に一万円給付とかいったような支援を、皆努力しているところでございますので、今後とも、私どもも地元の状況や取組を踏まえまして頑張ってまいりたい。そしてまた、その制度について、ぜひ周知を一緒に図ってまいりたいというぐあいに考えている次第でございます。

#67
○川内委員 ありがとうございます。
 最後に、ツマジロクサヨトウについて一問だけ。
 粗飼料確保緊急対策事業という事業があって、平成三十年度梅雨前線豪雨等、北海道胆振東部地震、台風二十一号、台風二十四号、そして令和元年度のツマジロクサヨトウの発生という形で、粗飼料確保緊急対策事業というのがあるんですが、このツマジロクサヨトウによる被害を受けたといって農家がこの事業を申請してきた、ツマジロクサヨトウを原因とする申請件数だけ教えてください、最後に。

#68
○渡邊政府参考人 お答えをいたします。
 先生今御指摘をいただきました粗飼料確保緊急対策事業につきましては、ツマジロクサヨトウ対策として、ツマジロクサヨトウの防除作業への支援ですとか、飼料作物の早期刈取り支援、代替飼料等確保対策というものを講じておりますけれども、この事業に対して、六県七団体が本事業について交付申請を行ったところでございます。

#69
○川内委員 ありがとうございました。

#70
○菊田委員長 次に、道下大樹君。

#71
○道下委員 立憲民主党、共同会派立国社の道下大樹でございます。
 貴重な質問の時間をいただきまして、感謝申し上げます。私から、北方領土問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。まず両大臣にお伺いしたいと思います。
 これまで、両大臣、北方領土、四島ですね、こちらの方に訪問されたことがおありかどうか、ちょっとお伺いしたいというふうに存じます。

#72
○衛藤国務大臣 周辺の一市四町村には参りましたけれども、北方領土、歯舞、色丹、国後、択捉にはまだ上陸したことはございません。

#73
○茂木国務大臣 周辺の海上から視察をいたしております。

#74
○道下委員 ありがとうございます。
 私は、北海道議会議員時代の二〇〇八年に、北方四島ビザなし交流に参加して、国後島を訪問させていただきました。そのときは、借り上げ船ロサルゴサ号に乗って、友好の家にも宿泊して、対話集会では、北方領土問題についても、ロシア島民と元島民そして我々と、意見交換をすることができたわけであります。
 しかし、残念ながら、今は、領土問題について発言、対話することはロシア側から禁止されているというふうに私は承知しております。そうした状況になっているのは非常に残念だなというふうに思っております。
 先ほど佐々木隆博委員も質問されましたけれども、まず、北方四島ビザなし渡航について伺いたいと思います。
 これは、一九九二年開始以降、実施できなかった年はないということで、ことしも、予定であれば五月中旬から十月まで、ビザなし交流、自由訪問、北方領土墓参、合わせて十九回が予定されていたということで、今回は残念ながら今延期をし、そして、先ほど御答弁では、再開の見通しについては予断を持って答えられないけれども、早期に、実施に向けて鋭意検討中ということを伺いました。
 一つ、もし再開するに当たっては、今考えられるのは、やはりロシア側も、また北方四島に住むロシア島民、そして行政機関の方、そして日本側も、コロナ対策をどうするかということが非常に課題というふうに思われますけれども、その点について、今、日本政府としてどのように認識をされているのか、伺いたいと思います。

#75
○宇山政府参考人 お答え申し上げます。
 まさに委員御指摘のとおり、四島交流や北方墓参等を行っていくに当たりまして、今後、新型コロナウイルス感染対策は大変重要だと思っております。
 先日、五月二十八日、日ロ外相会談が行われまして、そこで茂木大臣とラブロフ外相は、四島交流等の事業を含む日ロ間の協議、協力についてもしっかり進めていく、そのために事務レベルの協議を早期に開催しようということで一致いたしまして、これを受けまして、六月四日に次官級の電話協議を行いました際に、二国間関係について幅広く議論を行う中で、本年の墓参や四島交流等の事業についても議論が行われたところでございます。
 新型コロナウイルスをめぐる状況の推移等を見きわめつつ、引き続き、ロシア側及び四島側としっかりと協議してまいる考えでございます。

#76
○道下委員 ちょっと追加なんですけれども、検疫についてはどのようにお考えになっているんですか。やはり、ロシア国内法におけるコロナの検査とかをしてもらわなきゃ困るとか、いや、それは日本国内で陰性が確認されたら訪問させていただくとか、そういった踏み込んだところまで交渉はされているんでしょうか。

#77
○宇山政府参考人 新型コロナ禍のもとでこの四島交流等の事業の実施に当たりましては、委員御指摘のいわゆる検疫に係る問題も存在すると認識しております。
 この点も含めまして、新型コロナウイルスをめぐる状況の推移等を見きわめつつ、参加者の皆様の健康と安全を確保し、かつ、双方の法的立場を害さない形でこの四島交流等の事業をいかに円滑に実施できるかについて、政府としてしっかりと検討しているところでございまして、ロシア側とも協議を進めてまいります。

#78
○道下委員 ぜひ、やはり我々日本の立場をしっかりと姿勢を確保した上で、対応というか検疫問題も含めて課題を解決して、早期のビザなし渡航の再開を図っていただきたいと思います。
 先ほど佐々木委員の質問に対して衛藤大臣も御答弁されましたが、それに対して佐々木委員が、なかなか、今後のコロナの状況を見ると、ことしはもしかしたら難しいのではないかというお話もされました。
 せっかく二〇一七年から三年連続で航空機による墓参も実施されて、特に元島民の平均年齢が八十四歳を超える中で、飛行機で行くとやはり体に負担が少ないということで、これはすばらしいということになっているんですけれども、こうした北方墓参がもし途絶えてしまったら、北方領土返還運動を続ける気持ちが折れてしまうというようなお話をされている元島民の方もいらっしゃいます。
 私は、もちろん、実際に北方四島に墓参に行くという、これを実現するのがまず大前提というか最優先だと思うんですけれども、もしことしできなければ、一つ代替策として、今いろいろ、テレワークとかさまざまオンラインで会議とかしていますけれども、日本とロシア側との協力のもと、ことしは例えば特例的に、現地、北方四島の日本人墓地のところに日本人の外務省などのスタッフが伺ったりして、そして、衛星通信などを利用して、オンラインで、墓地の周りを見ながら、そこで関係者による慰霊を行う、それを日本国内において元島民が映像で見て、リアルタイムで墓参ができるというようなものの代替策を検討されてはどうか。
 もちろん、通信環境の問題で、ロシア国内法における通信を使うとか、さまざま、そういったものを改善、解消しなければならない課題がたくさんあると思うんですけれども、この何らかの代替策、私が申し上げたようなオンラインでの墓参、リアルタイムでの動画による墓参とか、そういったものをぜひ御検討いただきたいというふうに思いますが、これは衛藤大臣でしょうか、茂木大臣でしょうか、よろしくお願いいたします。

#79
○茂木国務大臣 今コロナが世界的に広がる中で、さまざまな形で、リモート、デジタル、オンライン、そういったものの活用が進められているところでありまして、この状況がいつまで続くかによるんですけれども、来年の三が日の神社の墓参もネット参拝になるんじゃないか、こんな話もあるところでありますが、それは人の気持ちというものもあるわけでありまして、やはり今御指摘のように、元島民の皆さん、御高齢になられているということを考えると、できるだけ負担の少ない形で墓参事業を進められるようにしたいと思っておりますが、そこの中で具体的にどんなアプローチがとれるか、どんな手段がとれるかについてはよく検討してまいりたいと思っております。

#80
○道下委員 ぜひ御検討をよろしくお願いいたします。
 もちろん、御高齢の元島民の方々は、みずから足を運びたいという思いの方と、もう私は行けないからほかの方に行っていただきたい、二世、三世に行っていただきたい。でも、その状況が自分の目で見られれば、もちろん行ったときにビデオでも撮影すれば見られますけれども、しかし、この今の状況、もしかしたらことし行けないという状況の中で、そういうオンラインによる動画というか配信というか、そうした映像が見られる状況をぜひつくっていただきたい、御検討いただきたいというふうに思います。
 次に、北方領土返還交渉と外交青書について伺いたいと思いますが、先ほど茂木大臣もお話ありました新型コロナ感染拡大、今後どのようになるかわからない。この世界的な新型コロナ感染拡大による北方領土返還交渉への影響についてどのように認識されているのか、茂木大臣に伺いたいと思います。

#81
○茂木国務大臣 先ほども御答弁申し上げたところでありますが、五月二十八日に行いました日ロの外相電話会談、ラブロフ外相との間では、平和条約交渉を始めとします日ロ間の協議や協力についてしっかりと議論を進めていくために、事務レベルの協議を早期に開催することで一致をいたしまして、これを受けて、六月四日に森外審とモルグロフ外務次官との間で電話協議を行いまして、平和条約締結問題を含みます幅広い二国間関係について議論を行ったところであります。
 また、ラブロフ外相との間では、新型コロナの状況を見きわめながら、できるだけ早期にラブロフ外相の訪日を調整するということで一致をいたしておりまして、昨年末は、私がモスクワの方に行きまして、八時間にわたって交渉を行ってきたわけであります。二月のミュンヘン会議におきまして、ラブロフ外相と会ったときに、できるだけ早く今度はラブロフ外相に日本に来てほしいということで一致をしていたんですが、そこの中でコロナになって、今の状況でありまして、今後、コロナの状況を見ながら日程調整を進めていきたいと思っております。
 ちなみに、平和条約交渉の平和、これはロシア語ではミールというんですけれども、これは平和であり、またロシア語では世界という意味もある言葉でありまして、今、世界を見渡して、東アジア、この安全保障環境、こういうのが大変厳しい中で、アジア太平洋地域の重要なパートナーであります日ロ間で平和条約が締結されていない、こういった現象は、世界地図、これをジグソーパズルに例えてみますと、極めて重要なピースが欠けているような状態でありまして、平和条約を締結する、このピースを埋めるということは、日ロ間のパートナーシップ、これを確固とするだけではなくて、東アジア地域、そして、ひいては世界の安定と発展に資する、こういう認識のもとで粘り強く交渉を進めてまいりたいと思っております。

#82
○道下委員 私の記憶では、北方領土問題を解決してから平和条約を締結するようなことだったので、いつから何か変わったのかなというふうに私は、私個人としては考えています。私の記憶間違いだったら済みません。
 外交青書において、いろいろと変遷がありました。二〇一八年は、北方四島は日本に帰属する、二〇一九年はそれについては書かれていない、二〇二〇年版の外交青書では、北方領土は我が国が主権を有するということがありました。
 こうした、まず、二〇一八年から二〇一九年、この記載をなくしたことによって、ロシア側の北方領土交渉への姿勢は何か変化したのでしょうか。何かそういう変化を受けとめられていますでしょうか。御認識を茂木大臣に伺いたいと思います。

#83
○茂木国務大臣 まず、先ほどの委員の御質問の中で、政府としての立場を申し上げますと、領土問題を解決して平和条約を締結する、この基本方針、これは変わっておりませんので、言葉としては、領土問題を解決して平和条約を締結する、こういう順番であると考えております。
 それから、外交青書についてでありますが、先ほど佐々木委員からの御質問にもお答えをしたところでありますが、外交青書は、その時々の国際情勢を踏まえて、当該年におけます我が国の主要な外交活動の概要を紹介するために作成をしておるわけでありまして、条約とか法律の文言というよりも、いろんな方々に、今、日本の外交が全体としてどういう状態にあるのか、これを概要としてごらんいただく、御理解いただく、こういう趣旨でつくっております。
 そういう観点からぜひ外交青書をごらんいただきたいと思いますが、北方領土は我が国が主権を有する島々でありまして、政府としてこの立場には変わりありませんし、平和条約交渉の対象、これは四島の帰属問題であるというのは日本の一貫した立場でございます。

#84
○道下委員 外交青書はいろいろな、その時代の状況を反映するもの、いろんな方々によって執筆されて、ごらんいただくということでありますが、今回、二〇一九年になかったものが二〇二〇年で復活した外交青書、先ほども言ったように、北方領土は我が国が主権を有するなどの記載が復活しました。
 それに対して、ロシアのザハロワ情報局長が、二国間関係に好ましい雰囲気を醸成するという首脳レベルの合意に反するというふうに外交青書に対して批判の発言をされましたし、また、先日、プーチン大統領が、ロシアの日において、北方領土などを列挙し、私たち一人一人にとっての祖国は家族であり家でもあるというふうに発言されました。特に、このザハロワ情報局長が外交青書に対して批判されたんですね。
 これまで安倍総理も、北方領土問題については静かな環境で交渉をしたいということを発言されてきました。だから、今回、外交青書二〇一九年版には、私は、安倍政権、内閣としてそれは削除したのかというふうに思ったんですが、これを復活したということは、安倍政権として、やはり、波静かな環境を安倍政権自身がそうしなくしたというふうに私は受けとめております。
 逆に言えば、私としては、日本の、日本国民の北方領土問題における、ロシアは不法に占拠している、そして、北方領土四島の帰属は日本にあるんだ、こうした姿勢をしっかりと示したものだと思っているんですが、しかしながら、静かな環境を求めていた安倍政権、外交青書の書きっぷりも変えた、この真意は何なんでしょうか。茂木大臣、お答えいただければと思います。

#85
○茂木国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、日本の一貫した立場、これは変わっていないと考えております。そして今、日ロの平和条約交渉、これは、安倍総理、プーチン大統領の合意のもとで、交渉責任者として私とラブロフ大臣の間で進めている、このように考えております。
 青書の性格については先ほど申し上げたような感じでありますけれども、表現の仕方、例えば、川端康成がノーベル賞をとったときに、美しい日本の私というコメントを発表しているんですよ。一般に見ると、美しい日本と私ではないのかという意見があったんですけれども、よくよく読んでみると、やはり、美しい日本の中で育まれた私がこういった作品を残している、こういった形で全体像を川端康成は示しているんだと思います。

#86
○道下委員 ちょっと今の答弁、私の質問に答えていただいていないという感じがしますけれども。
 私自身は、残念ながら、北方領土問題に関する日ロ交渉は行き詰まっているんじゃないかなというふうに思います。外交の安倍ということを標榜してきたにもかかわらず、なかなか外交の成果が上がっていないというふうに多くの国民は思っているのではないでしょうか。
 元島民の方々は、こうした安倍政権の北方領土問題に関する変遷について、嘆き悲しみ、また怒りを持っている状況でもあります。元島民の方は、毅然とした態度を忘れてはいけない、ロシアの機嫌をとればうまくいくわけではない、信念を忘れては島は戻らないというふうに発言されています。
 やはり、茂木大臣は、さまざまな外交交渉をされて、百戦錬磨かどうかわかりませんけれども、そういったところでは経験豊富でいらっしゃいます。だから、外交とか交渉というのはどれだけ大変か、こういうふうに言ったらこういうふうに返ってくるとか、いろいろと御存じだと思いますけれども、私は、特に北方領土問題に関しては、毅然とした姿勢と発言と言動を、日本国内に対しても、そして対外的にもアピールしながら、この北方領土問題の返還交渉に臨むべきだと思います。
 ぜひ、この交渉に向けた大臣の姿勢、意気込みを、時間が来ましたので最後に伺いたいと思います。

#87
○茂木国務大臣 毅然とした姿勢で臨む、そして国益に資するような合意を導き出す、このことにおいては揺るぎない信念を持って臨みたいと思っております。

#88
○道下委員 どうもありがとうございました。

#89
○菊田委員長 次に、屋良朝博君。

#90
○屋良委員 立国社の屋良でございます。よろしくお願いいたします。
 きょうは、沖縄の振興策についてお話を伺いたいと思います。
 衛藤大臣、ことし五月十五日の沖縄復帰記念日における沖縄地元紙の新聞社のインタビューの中で、製造業の割合は他県の四・五分の一である、せめて倍近くにするなどの問題が残っているんだ、課題が残っているんだというふうな御認識を示されました。振興計画の総点検を今やっているさなかのこの大臣の御発言だけに、やはり注目度が高くて、その指摘は大きな意味を持っているのだろうと私は思いました。
 製造業はこれまでの振興策で取り残されてきた分野であることは大臣の御指摘のとおりだと思います。沖縄の製造業の、全体でもボリュームは小さいけれども、その中の四割は地元向けの食品製造になっている。そうすると、沖縄の製造業はほとんどないような状態であるというふうなことがあって。
 製造業というのは、所得を上げる役割というのがかなりありますよね。全国的に見ても、製造業が育っているところというのは所得が高いわけですね。
 総務省の統計局のデータによりますと、製造業に従事する労働者の所得分布で、全国は三百万円から四百万円未満の所得層が全体の一五%を占めている、最も多い。他方、沖縄では最も多い所得層は百万円から百五十万円と総体的に低いわけですね、全体的に。先ほども、松田委員が最低賃金のことを指摘されました。川内先生も困窮世帯の高校生のアルバイトの話をされました。
 やはり振興策というのは、所得を底上げして、生活を、暮らしを楽にしてあげて、幸せを最大化することが最大の目的だと思うんですね。所得との関連性が高い製造業の底上げが不可欠だと指摘する衛藤大臣のお考えに私も大いに賛同いたします。
 そこで、今現在、衛藤大臣がイメージなさっている製造業を支えるための社会インフラ整備、それはどういうことをイメージされているのかというのをお聞かせください。お願いします。

#91
○衛藤国務大臣 沖縄の製造業の割合は四・五%、付加価値ベースですけれども、全国平均が二一・四%ですから、四・五分の一程度です。
 経済基盤の強化、雇用の安定、そして県民所得水準向上の点からすると、沖縄における製造業の振興は非常に重要というぐあいに認識をいたしています。
 しかし、沖縄の復帰は昭和四十七年でしたから、全国の方はほぼ工業化が終わってきたところ、いわゆる高度経済成長を終えてきたところであります。そういう意味で、沖縄は二重のいわゆる苦しみの中から今まで頑張ってきたと思います。
 沖縄振興に関しましては、やはり、そういう意味でおくれておりましたインフラ整備に力を入れましたし、それから、その後の産業振興に、リーディング産業である観光振興、いわゆる物流拠点としての動き、バイオとかあるいはIT関係とか、それから医療関係とかいう形で、ずっと今まで、四次にわたる振興計画の中で頑張ってきたところでございます。
 しかし、現実の数字はまだ、製造業、追いついていないわけでございます。
 それで、内閣府においても、沖縄の税制特区に進出した製造業等の企業については四〇%の所得控除をするなど、他県にはない高率の税制優遇措置を設けてきましたし、また、平成二十九年度に、沖縄県内で製造した製品を県外へ搬出する、先進的な取組を支援するための補助金、沖縄国際物流拠点活用推進事業を創設しまして、事業者に対する支援を進めてきたところであります。また、沖縄県がソフト一括交付金を活用して、工場の建屋を整備したり、あるいは製造業を営む企業に賃貸する事業所等への支援を行ってきております。
 これらの施策につきまして、一定程度、製造業の振興は図られてきたものと考えていますが、私としては、製造業の割合を、今の四・五%からやはり一〇パー近くまで最低でも上げないとというぐあいに思っています。
 その製造業の方は、御承知のとおり、やはり非常に賃金が安定しているわけでございます。九州におきまして、県民所得を見ましたら、私の地元の大分県は九州で二番なんですね、福岡に次いで。えっと言うんですね、皆さん。それは、昭和三十年代から進められてまいりました農工並進という中で工業化を進めてきたんですね。ただ、そのために、大きな海岸地帯を二十数キロにわたって埋め立てて、新日鉄始め昭和電工とかいろいろな企業を誘致しという中で、実は、そういう今、本当に九州で二番目ですかと言われるぐらい所得が上がってきたということで、だから、私は身にしみて、そういう安定について考えています。
 だから、それを二一%までということは無理かもしれないけれども、せめて倍ぐらいに、どうふやせるかということについて、今、実は検証中でございます。
 沖縄でどういう製造業が適しているのか、それから、いろいろなところが沖縄に一緒にベンチャー企業としていろいろなものを立ち上げるようなことは可能なのかどうか、それから物流コストの問題等も含めて、今年度、本格的な調査検討を進めているところでございます。令和二年度に、そのための調査費を二千万計上しまして、もっと具体的に進めるためにはどうしたらいいかという検討に入ったところでございます。

#92
○屋良委員 確かに大分は一品一村が有名なところですよね。本当にそうだと思います。やはり製造業を底上げしていかないと今後の振興策は新しい展開が望めないというのはおっしゃるとおりだと思います。
 それで、大臣お触れになりました調査なんですけれども、今年度から調査費をつけて始めたということなんですが、その中身、どういったものを調査して、いつごろまでにその調査をまとめてというふうな具体的なことがありましたら、お答えいただきたいんですけれども。

#93
○衛藤国務大臣 一応、予算規模としては、申し上げましたように二千万程度の調査費を計上いたして、今かかったところでございます。
 沖縄に適した製造業の分析、そして、その定着や集積の方策の検討、そういうことですね。まずは有識者へのヒアリング、それから先進事例の調査ということ、検討委員会を設けてスタートしたところでございます。検討委員会はまだ完全にはスタートしていない、今そういうことをやって、つくろうとしているところでございます。

#94
○屋良委員 それは、例えばITとかバイオとか、また医療ツーリズムとか、そういった新しい分野で産業をどうやって興せるのかといったことをイメージしながらやるというふうな中身で理解していていいんですか。

#95
○原政府参考人 今のところ、まだ検討委員会そのものが立ち上がってございませんので、確たることは申し上げにくいところでございますけれども、製造業やIT、バイオ産業等の現状をまずは分析するというようなことから始めてまいりたいと思っております。

#96
○屋良委員 はい、わかりました。
 製造業を沖縄で興していく上で、これまでずっと足かせとなっているというふうに指摘されているのが、やはり消費地と遠い、地理的な不利性なんですね。それを埋めるためにはやはり輸送コストを何とかしないといけないというようなことがずっと指摘されているんですけれども、沖縄の輸送費はほかの地域と比べてどうなのかというのを教えてください。国交省ですか、よろしくお願いします。

#97
○金井政府参考人 お答えいたします。
 輸送コストの話でございますけれども、例えば東京から沖縄の輸送コストですけれども、航空便を例にとりますと、十キログラム超二十キログラム以下の貨物について言いますと、航空各社の公示運賃は、羽田空港と那覇空港との間でおよそ九千円から九千五百円程度となっております。一方、本土内の輸送としての、例えば北海道を例にとりますと、羽田空港と新千歳空港との間の同様の運賃はおよそ六千五百円から七千円程度となっていると承知しております。

#98
○屋良委員 これはかなりの差がありますね。これはスケールが大きくなればなるほど、もう製造業、成り立たぬわというぐらいの輸送コストの違いだというふうに思うんですね。やはりそれはちょっとどうにかしないと、幾らいいものを沖縄でつくって売ろうとしても、なかなかその販路が、物流コストが高いと商品の価格に上乗せせざるを得ないので、競争する最初のスタートラインから沖縄はセットバックして走らされているような状況があるんじゃないのかなと思うんですけれども。
 社会インフラ整備の中で輸送コストの低減というのは必要不可欠だと私は思うんですけれども、大臣、御所見ございましたらお聞かせください。

#99
○衛藤国務大臣 そういうことも入れて、全体を検討しなければいけないというように思っています。そういうものがなければ、沖縄におけるどういう生産が最も適しているのか、そして、それを流通させるためにどこに持っていこうとするのかとか、そういうことも入れてやっていかなきゃいけないと思っております。
 沖縄の振興策は、前大臣もいらっしゃいますけれども、やはり四次までかけていろんな振興策を、正直言って、私も大臣になるまでは、あそこまで検討しているというか、よく頑張っているということについて実は承知いたしておりませんでした。いろいろ調べまして、そしてまた沖縄に行き来する中で、頑張ってきたことがありましたので、これの延長線上として更に、いわゆるもっと安定した県民所得に持っていけるために、今、全国でいけば最下位ですが、もうちょっとまで迫っていますから、下の方でいきますと。
 だから、ぜひ、九州がほとんど下の方を占めているんですけれども、やはり九州の中で中ぐらいに入れるようには最低頑張っていかなければいけない。そのためのプラスの条件と、また隘路というものはありますので、それも入れて検討していきたいというぐあいに思っているところでございます。

#100
○屋良委員 そうすると、大臣、最初の國場委員の質問に対してのお答えで、単純な継続ということじゃないよ、まだそれは白紙だよという、その基本方針というのは、これまで一次、二次、三次、四次、五次とずっとやってきた振興開発、これを土台に新たな展開を模索しているよ、その中で製造業というのは非常に大きなウエートを占めています、その製造業をバックアップするためのいろんな施策を展開していきたいというふうな御意思なんでしょうか。

#101
○衛藤国務大臣 そういうものも全部検証して、そして臨みたいというぐあいに思っています。
 ですから、今までどおりの振興計画になるのか、一体どうなるのかということについては今検証中でありますから、それは白紙です。しかし、更に将来の沖縄を考えたときに、私どもとしては、こういうことも大きな検討項目の中に入れてやっていく。
 あるいは、全国的に見ましても、沖縄は、大変申しわけないですが、医療の方はある程度行っているかもしれませんが、福祉の関係でいえば、必ずしも子供の貧困問題とか福祉関係でも上位にあるとは言えない問題がありますので、そういう問題も入れて、我々としては幅広く検討してやっていきたいと思っています。
 その中でのいわゆる企業のあり方としては、製造業の比率が余りにも低過ぎるので、そこに追いつけとは言いませんが、もうちょっとちゃんとしていきたいというぐあいに考えておりますから、それを今から調査をしてまいりたいというように思っております。

#102
○屋良委員 時間なので終わります。どうもありがとうございました。

#103
○菊田委員長 次に、赤嶺政賢君。

#104
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 初めに、文化芸術への支援について質問をいたします。
 新型コロナウイルスの感染拡大により、沖縄県内で文化芸術活動に携わっている方々にも深刻な影響が出ています。
 この間、県内の芸能関係者などでつくる沖縄県芸能関連協議会、沖芸連の皆さんから何度かお話を伺ってきました。公演やイベントの自粛、中止による影響を把握するために、沖芸連として、ことし三月から四月にかけて、県内の芸能、舞台芸術関係者を対象にアンケートを実施しています。
 これによりますと、延期や中止による二月から四月の減収見込み額は、回答のあった二百七十三人の合計で一億二千五百六十万円に上ります。緊急にインターネットで実施したものであることから、これは氷山の一角にすぎない、このように強調しておられました。
 この一週間のうちに、全国的にも活躍するアーティストを多数輩出している店舗を含めて、ライブハウスの閉店が相次いでいます。
 沖縄の伝統芸能の実演家も例外ではありません。公演が中止になり、弟子の稽古も休みにせざるを得ず、一切の収入が断たれる一方で、道場の土地代や家賃が重くのしかかっています。家族を養うためにコンビニで働きながら公演の再開を待つ人、芸能を諦めて職をかえようとしている人もたくさんいるとのお話でありました。
 沖縄北方担当大臣に伺いますが、こうしたコロナの影響に苦しむ沖縄の芸能関係者の現状、これをどのように把握しておられますか。

#105
○衛藤国務大臣 新型コロナウイルス感染症防止対策として、沖縄県内でも多くの公演やイベントが延期、中止を余儀なくされていると認識いたしております。
 国立劇場おきなわにおいても、今お話ございましたように、本年二月下旬から六月までに公演の中止、延期が二十八件となっておるということで、大変心を痛めている次第でございます。
 しかし、なかなか、三カ月以上にわたって直接行って見ることができなくて申しわけなく思うところでございますけれども、そういう中で我々も、いろいろな情報を入れながら、このことについてできるだけ把握しようとしているところでございます。
 そういう中で、公演等の延期等によりまして伝統芸能実演者や舞台芸術関係者が出演料や謝金を受け取れなくなった結果、ことし四月に沖縄県内の芸能関係団体が行った調査においては、このまま中止や延期が続けば生活に影響が生じるという意見もあったことも、そういう意味では十分承知している次第でございます。
 その後、沖縄県としては、県主催のイベント等の実施ガイドラインを策定し、更に、昨日十七日に、改定によりましてイベントの上限人数を徐々に緩和する予定とお聞きいたしております。
 各実施主体に対しても、感染予防対策を徹底した上でイベント等を実施するよう呼びかけていることから、次第にイベント等の機会は回復していくものと考えていますが、文化庁における文化芸術活動者への支援の状況等とあわせて、状況を見守ってまいりたいというぐあいに考えている次第でございます。

#106
○赤嶺委員 沖縄の伝統芸能は、本土の歌舞伎のような世襲制ではなく、幼いころから芸の道に親しみ、みずからその道に進んだ人たちが支えています。
 国の重要無形文化財で、ユネスコの無形文化遺産にも記載されている組踊、この組踊の場合、最終的に実演家として舞台に立てるのは全体の五%にすぎないというお話でありました。そうであるにもかかわらず、芸の道から離れようとしている方々が生まれていることは非常に残念ですし、伝統芸能の継承にとって大きな痛手であります。
 沖芸連の玉城節子副会長は、沖縄の文化を現場で支えている方たちが孤立して追い詰められている、一度失ったものを取り返すことは難しい、このように訴えております。
 こうしたもとで芸能関係者の方々が文化芸術への支援策として強く求めていたのが、文化芸術復興創造基金に対する国の財政支援でありました。民間任せにせず、文化芸術団体や議員連盟も求めているように、国が一千億円規模の拠出をしてほしいとおっしゃっていました。
 ぜひ、この点も私からも強く要望したいと思いますし、この点については、六月十二日の参議院予算委員会で文部科学大臣は、国としても国の役割を果たしていく、そういう準備をしていきたい、このように答弁をしております。
 文科副大臣に伺いますが、国も財政的な支援を行う方向で検討していると理解してよろしいでしょうか。今どのような検討状況になっているのでしょうか。

#107
○上野副大臣 お答えいたします。
 今般の第二次補正予算では、文化芸術活動の再開に向けて、我が国の文化を支える担い手である実演家、そして、技術スタッフの方々や文化芸術団体に対して、その活動継続や技術向上に向けた積極的な取組や収益力を強化するための取組への支援を行うこととしております。
 先日の六月十二日の参議院の予算委員会における大臣の答弁におきまして、官民の役割を分担するという前提として国の役割を果たしていくという趣旨を述べたものと理解しておりますが、国といたしましては、第二次補正予算の迅速かつ確実な執行に努めるとともに、更に周知、広報に努めてまいりたいと思っております。

#108
○赤嶺委員 国の役割、広報というのじゃなくて、国の役割はきちんと果たしていく必要があると思うんですが、現時点でその基金にはどのくらいの寄附が集まっているんですか。

#109
○上野副大臣 同基金に対する民間からの寄附の受入れについては、六月十七日時点で約百六十二万円でございます。

#110
○赤嶺委員 百六十二万円、全国で。これで文化の振興ができるとまさか思っていないですよね。国の責任は基金を集めるためのPRとも思っていないですよね。やはり、超党派の議員連盟が、文化芸術のコロナ禍からの支援のために一千億円、国も拠出すべきだということは強く求めておきたいと思います。
 政府が五百四十一億円を出資して芸術文化振興基金を創設した例もあります。ぜひ早急に具体化を図っていただきたい。そういう実演家が伝統芸能から離れていく、これは非常に大きな損失になります。
 沖縄北方大臣、衛藤大臣に伺いますが、昨年は組踊が首里城正殿前のウナー、中庭ですね、ウナーで初演されてから三百年の節目の年でありました。伝統組踊保存会などの関係諸団体によって、さまざまな記念行事が取り組まれました。ウナーでの記念式典と公演を数日後に控えていた十月三十一日に首里城は焼失をいたしました。当委員会委員長を先頭に首里城の焼失現場を視察いたしましたが、本来であれば、向こうの場所で、あの場で、組踊三百年の、そういう文化を堪能できる場所であったわけです。
 今、内閣府は沖縄県と連携して首里城の再建に向けた取組を進めておりますが、首里城の再建は有形の文化復興です。伝統芸能という無形の文化振興と一体でこそ意義を持ちます。沖縄の文化芸術の火を絶やすことのないよう力強い支援を求めたいと思いますが、いかがですか。

#111
○衛藤国務大臣 首里城の復元につきましては、今お話ございましたように、ハード面での復元ということが非常に大きいわけでございますが、しかし、この復元の中で、沖縄が持っております、例えば赤瓦などの伝統的な建築技法とか、いろいろなものもございますので、それからまた美術工芸等もあります。また、その中で、今ありました組踊や空手などの琉球文化の復興などを、全体を進めなければいけないというぐあいに認識をいたしております。
 首里城の復元につきましては、令和八年までの復元を目指して取組を進めています。そういう中で、これに関連する、首里城に象徴される琉球の歴史、文化の復興に向けても取り組まなければいけないというぐあいに認識している次第でございます。
 沖縄において育まれてきました国際色豊かな独自の文化芸術は、沖縄の地域資源として非常に重要なものであり、これまでにも県内の文化芸術活動に対する支援にはソフト一括交付金等も活用されています。内閣府としても、県が進めることとしている基本方針の具体化の取組も含め、現状を注視してまいりたいと思っております。
 なかなか、このコロナの間、県とのいろいろな連絡が、お互いに行き来ができなくて大分薄くなってきたところでございますけれども、この十九日にやっと交流ができるということになりましたら、私ども、一層の連絡をとり合って、この実現に向けて頑張ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

#112
○赤嶺委員 首里城の再建というのは、沖縄の文化芸術の振興と一体なんです、首里城というのは。そこを見ていただきたい。
 次に、医療現場の現状についても伺います。
 第二次補正予算が成立しました。こうした施設に対して、感染防止対策の支援はありますが、事業の現状そのものの補填その他はありません。
 沖縄の医療機関も、倒産の危機をずっと訴えております。第二次補正予算には損害の補償がないということが大きな問題になっておりますが、厚労副大臣に伺いますが、現在の対策だけで医療機関や介護施設などの経営破綻、廃業を防ぐことはできるという考えですか。

#113
○橋本副大臣 お答えをいたします。
 新型コロナウイルス患者への対応を行っているか否かにかかわらず、医療機関では外来患者、入院患者の減少により経営が悪化していると承知しておりまして、地域医療を継続できるようにしていくことが必要でございます。このことは全国的な課題ではありますが、もちろん、沖縄県の医療機関においても、あるいは介護の機関においても同様なんだろうというふうに理解をしております。
 私どもといたしましては、地域の医療機関は、複数の医療機関が連携して面で対応するものであって、その一部が欠ければ成り立たないため、医療機関全体として必要な診療の継続を確保することによって初めて医療提供体制を維持することができる、このように考えております。
 先ほどお話がございましたように、一次の補正それから二次の補正において、新型コロナ緊急包括支援交付金等々の拡充を図ってきておることによって、例えば、休止をした病床だとか、空床として持っているだけではなくて、そのために休止とした病床についても補助の対象にするでありますとか、あるいは診療報酬上の評価の引上げでございますとか、介護報酬上の介護の事業所については介護報酬上の特例を設けたり、また、かかり増し費用の助成などなどということで、さまざまな支援策を行っているところでございます。
 もちろん、まず私どもとして、こうしたことをしっかりと執行し、医療機関あるいは介護施設等々が経営を継続できるようにしていただきたい、こうした思いで取り組んでおりますけれども、同時に、やはり今後とも、関係団体などからしっかり丁寧にお伺いをし、また、徐々にレセプトのデータが上がってまいりますので、そうしたものも見ながら、医療機関や介護事業所の経営状況を適切に把握をしてまいるというふうに考えております。

#114
○赤嶺委員 一次補正、二次補正では医療機関の危機は救えません。これは沖縄だけじゃなくて全国的にそうでありますが、私のところにも、ある介護施設の理事長は、こういうファクスを送ってきました。
 コロナ禍の中、公私ともに負担を強いられている現状の職員に対して、減収のため、現状のままでは十分な手当の支給ができなくなります。日々利用者の方のために頑張っている職員の士気が下がること、また、それが離職につながることを危惧しております。職員と利用者の方、またその家族を守るために、緊急に減収分の補填をしていただきますように要望いたします。
 減収分の補填、これが中心になっているんですよ。そこを避けたら医療崩壊を防ぐことはできない。沖縄でも全国でも同じだということを強く申し上げておきたいと思います。
 ちょっと時間がありませんので、沖縄振興開発金融公庫の特別貸付けについて伺います。
 新型コロナの影響で収入が減少し、公庫に融資を申請しようとしたものの門前払いされたという相談が私のもとに寄せられました。
 負債残高、この方の負債残高というのは、この方がつくったんじゃなくて、三十年前、四十年前の保証に入った、それが残っていたということで百万円、これがあるそうですが、申請に行くと、担当者から、借金を返さなければ融資はできないと言われたそうであります。
 政府は、融資審査に際しては、融資先の赤字や債務超過、貸出条件の変更といった形式的な事象のみで判断するのではなく、事業者の実情に応じて最大限の配慮を行うよう、三月六日に通知を出しています。
 ところが、現場では、機械的な対応をされる事例が起こっております。改めて通知内容の周知徹底をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。

#115
○衛藤国務大臣 沖縄振興開発金融公庫におきましては、一月二十七日に特別相談窓口を設置いたしまして、新型コロナウイルスの影響を受けた地元企業に対する特別貸付け等を行っています。
 政府系の金融機関として金融面のセーフティーネット機能を担う同公庫においては、急激に社会的、経済的環境変化が生じている現在の状況下においてこそ、一層のその機能を的確に発揮することが求められているものと認識いたしております。
 政府としても、これまでも同公庫に対して、赤字や債務超過、貸付条件の変更先といった形式的な事象のみで融資判断することなく、事業者の実情に応じて最大限の配慮を行うよう要請してきたところですが、引き続き、本店、支店も含めて、そうした対応が融資の現場で徹底されるよう求めてまいります。

#116
○赤嶺委員 この方は、事業も真面目に取り組んできて、開発金融公庫に借金は一円もない方です。コロナで業者が溺れかかっていて、その浮き輪に、みんなで沈まないようにそこの浮き輪にしがみついている。それを今回、開発金融公庫がいろいろ条件をつけて貸さないのは、溺れかかった我々業者から浮き輪を取り上げるようなものだと言って、非常に怒っておりました。
 個別にも改善を求めていきたいと思いますが、開発金融公庫が、ぜひ沖縄の非常にコロナ禍に苦悩している業者に対する支援の役割を果たしていただくように強く要望しまして、質問を終わります。

#117
○菊田委員長 次に、青山雅幸君。

#118
○青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。
 本日は、大変貴重な質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。
 早速です。先ほど来、質問を聞かせていただいておりまして、私も沖縄の産業政策に関してまずお聞きしたいと思っております。
 屋良委員と大臣のやりとり、製造業をめぐって非常に現実的な話をされておりまして、大変勉強になりました。私は、少し視点を先に移して、近未来といいますか、少し夢のような話をお聞きしてみたいなと思っております。
 私、静岡県の出でありまして、選出も静岡ですけれども、静岡というのは、御承知のとおり、気候が温暖でやはり自然にも恵まれて、日本でもかなり暮らしやすい地域ではないかなと思っております。そういった中でも、私自身がそうなんですけれども、県民、私の友人などに聞いても、沖縄というのが大変好きな人間が多いわけですね。私自身も、まだ十回にはいっていませんけれども、もう本当に五回を超える数、訪問させていただいておりまして、大変に温暖で、また自然に恵まれていて、住んでみたい中の、本当に私の希望としては非常に強いところでございます。
 実は司法修習生、私は弁護士出身でございますけれども、司法修習生の修習先としても沖縄というのは大変に人気があるところ。これ、実はお医者さんも同じでして、臨床研修医の研修の群星プロジェクトというのがあるんですけれども、これは救急医療について非常によく教えてくれるということで大変な人気がある。そのままそこに居つかれるお医者さんも多いと聞いております。
 そういうふうに非常に魅力的なのはなぜかなというふうに考えたときに、やはりそれはもう自然環境、そして気候だということは、これは言うまでもないところでございます。ですから、観光が今、主要な産業の一つでございますし、観光が非常に人気があるというのも無理からぬところだと思っております。
 ただし、観光というのは、今回のコロナの騒動でもわかるとおり、やはり不安定なところもございますし、地域の人を真に豊かにしていくのに観光だけでは足りないというのは、これもまた一つの側面だと思っております。
 少し話は飛ぶんですけれども、私は、アメリカというのは日本の近未来を示すところだと思っておりまして、アメリカで起きたことは日本でやがて起きる可能性が必ずあると思っております。そういった観点から、ちょっとアメリカの事例と重ねてお聞きしたいんですけれども、まず内閣府にお尋ねしたいんですけれども、沖縄企業の現況、どんなような状況にあり、どういう施策がとられているのか、簡単で結構です、お知らせください。

#119
○宮地政府参考人 お答え申し上げます。
 企業のための施策につきましても、沖縄振興特別措置法に基づきまして、さまざまな施策を講じているところでございます。各種補助金ですとか、そうしたもので施策を講じてきたところでございます。そうした中で、県民総生産などが相当上がってきておりますし、就業者数も相当ふえてきているという状況がございます。
 ただ、一方におきまして、沖縄の経済につきましては、現下の新型コロナウイルスによる影響をよく見ていく必要もありますが、従来からの課題としましては、一人当たりの県民所得が全国最下位であったり、若年層で特に高い失業率といったことが挙げられるところです。
 そしてまた、県民所得が低いということに関しましては、先ほどのお話にもございましたが、製造業の割合が低いといった産業構造の面、あるいは、IT産業もかなり立地してきているところですが、コールセンターのような労働集約型の産業が多いといった要因もあるというふうに認識しているところでございます。

#120
○青山(雅)委員 ありがとうございます。
 今お話をお伺いしていて、大体そのような感じなんだろうなというふうにお聞きしておりました。
 私、若干問題があるかなと思っているのは、今の企業誘致のやり方、旧来型の製造業中心のやり方というのは、これは沖縄に限ったことではございません、どこでも、企業団地をつくるとか、道路をつくるとか、税制面で優遇するとか、こういったやり方をされているわけです。でも、それで本当にうまくいくのかどうか、これからの日本が。
 日本の製造業が国際的競争力を失いつつあることは、もうこれは明らかなところで、そしてまた、日本の内情に限って言っても、人口減少はここから五十年はどうしようもない。そういうような中で、じゃ、製造業を誘致したからといって沖縄が本当に豊かになっていくのか、あるいは、コールセンターなども、人件費が安いということで沖縄に設置されているわけですけれども、そういう理由のものが幾ら集まってきても、結局のところ、沖縄の所得の向上、個人個人の生活の向上にはつながらないのではないかと思っております。
 そこで、私が御紹介したいのは、アメリカのオレゴン州。これは、オレゴン州というところですので、決して都会ではございません。ここにはポートランドとかいう都市がございまして、こういったところに、誰が聞いても承知しているナイキ、あるいは、コロンビアスポーツウェアという山岳系の、あるいは衣服なんかが非常に得意なメーカー、巨大企業です、そして誰もが知っているインテルの研究所、研究所だけじゃなくて製造のグローバルセンターもあるようですけれども、最近は。それからアディダスの北米本社、こういったそうそうたる企業がここに集まっております。
 これは、何でここにいるかというと、実は、この環境にあるわけです。アフターファイブにちょっと走り出すと広大なフォレストパークがあって、そこに未舗装の美しい森林、日本というのは大抵どこも全部舗装されてしまっていて走ると全然おもしろくないんですけれども、美しい森林や川がある。その環境に引かれて、優秀な方がここに就職する、そこで働きたいということで来る。五時を過ぎると、じゃ、ちょっと走ってくるかということで、ぱっと森に出かけて三十分、一時間走る。そして、帰ってくると、おいしいレストランがあって、バーが点在する。もうまさに理想のような、働く者にとってみれば理想の環境ですね。そうすると、当然、優秀な人も来るし、優秀な人が欲しい企業、大企業も集まってくる。こういう好循環で、大変、先ほど言ったように、どんどんどんどん、アメリカを代表するような企業が集まってきている。
 私は、こういった、環境を守る、サステーナビリティーですね、これがどうもオレゴン州のキーワードになっているようですけれども、こういったやり方というのも一つのやり方。ですから、無理にいろいろと発展をしていくというよりは、これは近未来の話ではございますけれども、こういった発展の仕方もあるかと思っているんです。
 今現在、そういったような関連について、むしろその環境を守っていくというような、そういった取組というのはどういうふうなものがあるのか、内閣府にお伺いしたいと思います。

#121
○衛藤国務大臣 沖縄は、一人当たりの県民所得は全国平均の約七割、これは、九州の中で、やはり低い方が多いわけでございまして、それと、低い方と比べましても約九割ぐらいというところでございます。
 沖縄の県民所得の向上は、沖縄振興の観点からも非常に重要と考えております。
 先ほど、私、四次と申し上げましたけれども、五次にわたる沖縄振興の中で、これは訂正をお願いできればと思うんですけれども、中で、沖縄の振興策はいろいろ本当に進められてきているというぐあいに思います。ですから、やはり自然を生かした観光という面での生かし方をやって、観光はリーディング産業となっています。
 しかし、それだけでは足りないので、この五次にわたる振興計画の中で、できればアジアにおける医療拠点としての役割を果たせるように、あるいは健康拠点としての役割を果たせるようにということで、今これを鋭意進めているところでございます。
 さらに、沖縄という立地を生かした物流拠点としての可能性としてどういうものがあるのかということで、これも整備中であります。
 さらに、製造関係というか、いろいろなことをしています。沖縄という個性を生かしたところのバイオとか、あるいはIT関係、そういうものをやっているところであります。
 しかし、さらに、いわゆる製造という面においても、比率が、全国で見ますと二一・四%ぐらいありますが、沖縄は四・五パーぐらいですから、やはりちょっと低過ぎる。安定した製造業というものが要る。沖縄の中で製造業は、そういう意味では、いわゆるでかい工場というか、重化学工業が適するとは思っておりません。ですけれども、もっとそういう意味ではいろいろな製造業は十分立地し得る。
 今、先ほど申し上げましたように、本年度から本格調査に入りましたけれども、それと、全体としての経済界も組んで、それから地元の経済界と一体となって、本気でやはり振興のためにいろいろなものをつくっていっていただきたいというぐあいに思っています。
 そのための税制の控除策とかいろいろなものがあるわけでございますので、それを図っていきたい。そしてまた、そういう意味では、私ども、沖縄国際物流拠点活用推進事業をやったり、あるいは人材育成について、沖縄の産業中核を担う人材を育成する事業として沖縄型の産業中核人材育成事業等を開始しているところでございます。
 先ほど申し上げましたように、さらに今年度からは、高い付加価値を持つ人材が沖縄での仕事をしやすくするために、豊かな自然に恵まれて、年間を通じて温暖な沖縄でのテレワーク推進のための事業を開始をしたところでございます。
 今先生から御指摘のように、沖縄県のそうしたことに対する取組に関してソフト一括交付金で支援しているところでありまして、引き続き、これらの施策を推進して、沖縄の地域資源を、今御指摘いただきましたように、沖縄のすばらしい位置、あるいは地域資源というものがたくさんありますので、その地域資源を生かして、沖縄に高い付加価値を生む産業や人材を呼び込むように努力してまいりたいと思います。
 先生から今御指摘をいただきました、そういう点も十分考慮しながら、振興策について沖縄県ともよく話し合ってつくり上げていきたい。もちろん、沖縄出身の先生方もおられますけれども、いろいろな御指摘もいただいていますので、それも受けながら頑張ってまいりたいというふうに思っております。

#122
○青山(雅)委員 今大臣のお話を聞きまして、ぜひ、世界一の企業を沖縄につくる、そのくらいの気持ちで、そのくらいの魅力があるところだと私は思っております。沖縄の魅力を逆になくすことがないように、そこら辺、兼ね合いのとれた発展をぜひ目指していただきたいと思っております。
 時間がなくなっておりましたけれども、北方領土問題についてもぜひお聞きしたいと思っております。簡単で結構です。
 私は、歴史というのは非常に教訓になる、歴史というのは日本は余り、軽視されておりますけれども、歴史から学ぶというのがとても大事なことだと思っております。
 北方領土交渉、領土交渉でございます。日本では余り議論されることはありませんけれども、ロシアと中国との間の国境紛争が非常に激しいものがあった。武力衝突まで起きている。それがきれいに解決しているという事例がございます。
 これについて簡単に、まず外務省、経緯とどんなふうになったのかということだけ、ちょっと時間がないので急いでお願いいたします。

#123
○宇山政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の、中国とロシアの間の国境画定交渉でございますけれども、一九六〇年代、委員御指摘のとおり武力衝突にまで発展いたしましたけれども、一九八六年に当時のゴルバチョフ書記長が、河川の中国側対岸を国境とするというソ連の従来の立場を変更して、河川の主要航路を国境とすることが可能だという立場を表明いたしまして、翌一九八七年から国境画定交渉が再開されました。
 その後、十七年間の交渉を経まして、二〇〇四年十月、プーチン大統領訪中の際に、中国とロシアの間の国境の最終的な画定について合意に至ったと承知しております。

#124
○青山(雅)委員 今御紹介ありましたように、ゴルバチョフさん、その前はフルシチョフさん、そしてプーチンさんと、本当に代々の、歴代名立たる方が時間をかけて、ようやく本当に画定した。二〇〇八年のようですけれども、北京で交わした議定書で完全に解決した、こういう歴史があるようです。
 こういったことを非常に私どもも学んで、粘り強く交渉をし、この問題をきちんとしなければいけないと思っております。
 最後に茂木外務大臣に、先ほどから繰り返し、粘り強い交渉等についてお話をされておりましたけれども、こういった歴史に学びつつ、どういったような形で今後取り組んでいかれるのか。簡単で結構です、御所見をお願いしたいと思います。

#125
○茂木国務大臣 歴史に学ぶということは極めて重要だと思っておりますが、御指摘の中ロ間の国境画定と今取り組んでおります北方領土問題では、それぞれ、御案内のとおり、歴史的な経緯とか法的背景、全く異なっておりまして、単純に比較することは適切ではないと考えておりますが、日ロ平和条約交渉については、まさに今交渉を進めているところでありまして、領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針のもと、引き続き粘り強く交渉していきたいと思っております。
 ちなみに、先ほどの議論をお聞きをいたしておりまして、オレゴン州の例、ポートランドの例もお聞きいたしまして、非常にいい視点だなと私は思いました。
 根本にあるのは、やはり日本人も価値観を多様化する。例えばアメリカの大学へ行った人間、ロースクールで学んでも、必ずしもニューヨークのローファームに行かないんですよ。それぞれがやはり自分の行きたい場所で、自然と共生をしたり、また違った都会の中で生きていく、そういった多様性を養っていくということが極めて重要ではないかなと思っております。

#126
○青山(雅)委員 大変御参考になる示唆をいただきました。ありがとうございました。
 ぜひ、今後とも交渉の方を頑張って取り組んでいただきたいと思います。
 きょうはありがとうございました。

#127
○菊田委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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