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2020/04/03 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 本会議 第11号 令和2年4月3日
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2020/04/03 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 本会議 第11号 令和2年4月3日

#1
令和二年四月三日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十一号
  令和二年四月三日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(新型インフ
  ルエンザ等対策特別措置法第十五条に定める
  政府対策本部の設置等及び二〇二〇年東京オ
  リンピック競技大会・東京パラリンピック競
  技大会の延期に関する報告について)
 第二 道路交通法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、政治資金適正化委員会委員の指名
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 この際、政治資金適正化委員会委員の指名についてお諮りいたします。
 内閣から、政治資金適正化委員会委員五名の任命について、本院の議決による指名を求めてまいりました。
 よって、これより政治資金適正化委員会委員五名の指名を行いたいと存じます。
 つきましては、政治資金適正化委員会委員の指名は、議長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、政治資金適正化委員会委員に伊藤鉄男さん、淺井万富さん、杉田慶一さん、田口尚文さん及び谷口将紀さんを指名いたします。
     ─────・─────

#4
○議長(山東昭子君) 日程第一 国務大臣の報告に関する件(新型インフルエンザ等対策特別措置法第十五条に定める政府対策本部の設置等及び二〇二〇年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の延期に関する報告について)
 内閣総理大臣から発言を求められております。発言を許します。安倍晋三内閣総理大臣。
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#5
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新型コロナウイルス感染症について、先般、厚生労働大臣から蔓延のおそれが高いと認めるとの報告が行われ、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法第十五条に定める政府対策本部を三月二十六日に設置いたしました。
 これに伴い、各都道府県においても本法に基づく対策本部が既に設置されており、今後は、これまで以上に都道府県と連携を密にしながら、一体となって対策を進めてまいります。
 また、三月二十八日には、今回の新型コロナウイルス感染症対策を実施するに当たっての準拠すべき統一的指針である基本的対処方針を策定いたしました。
 今後も、政府対策本部の下、国民の皆様の命と健康を守ることを第一に、基本的対処方針に記載されている事項を着実に実行することで感染拡大の防止に向けた取組を徹底してまいります。
 次に、二〇二〇年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の延期について御報告いたします。私は、三月二十四日、トーマス・バッハIOC会長と電話会談を行い、東京大会の中止はないことについて改めて確認しました。
 その上で、世界のアスリートが最高のコンディションでプレーを行い、観客にとって安心で安全な大会とするため、遅くとも二〇二一年の夏までに開催することで合意し、人類が新型コロナウイルス感染症に打ちかったあかしとして完全な形で実施できるよう、IOCと緊密に連携していくことで一致をいたしました。
 その後、関係者間における協議を経て、東京オリンピックについては来年七月二十三日から八月八日に、また、東京パラリンピックについては八月二十四日から九月五日に開催されることが決定されました。
 政府としては、この決定を踏まえ、今後とも、IOC、大会組織委員会、東京都等との緊密な連携の下、東京大会の成功に向けて、開催国の責任をしっかりと果たしてまいる所存であります。(拍手)
    ─────────────

#6
○議長(山東昭子君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。石田昌宏さん。
   〔石田昌宏君登壇、拍手〕

#7
○石田昌宏君 自由民主党の石田昌宏です。
 私は、自由民主党・国民の声を代表して、ただいま議題となりました政府報告について安倍総理に質問いたします。
 伝統ある本会議場の演台ではありますが、目の前にマイクや速記者の方々がいらっしゃいますので、感染防止の観点から、マスクをしたまま大きくない声で発言いたします。
 冒頭、この度の新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりになった方々に心からお悔やみ申し上げるとともに、感染症と闘病中の方々へのお見舞いと、自粛などで生活の苦労を感じながらも感染症にきちんと向き合ってくださっている全ての方々に感謝の意を表します。
 有史以来、常に人類は感染症に向き合ってきました。一国の人口を半減させたペスト、今なお猛威を振るうマラリア、最近現れたSARSやMERS。これらに対し、人類は、治療法やワクチンの開発など、科学技術の発展、また公衆衛生の向上などをもって一部は克服し、一部は共存するようになりました。新型コロナウイルスも収束する経過を必ずたどるはずです。
 歴史を振り返ると、感染症に最も有効だった人類の知恵は、実は単純な行動でした。細菌やウイルスを体内に入れないための手洗いやうがい、細菌やウイルスに接触しないための密閉、密集、密接をしない、いわゆる三密です。
 世界的に見て、日本で新型コロナウイルス感染症の広がりが抑えられている一番の理由は、都市封鎖をしなくても、基本に忠実に行動している人が多いからです。つまり、国民一人一人の適切な行動を支えることこそが、感染症克服の一番の鍵だと思います。
 しかし、これだけやっても、都心を中心に感染症が更に増えてきました。四月一日、政府の新型コロナウイルス専門家会議は、より強い行動の徹底を国民に求めました。くじけることなく、緩むことなく、なお一層、的確な行動を深めるには、必要とあらば緊急事態宣言を出すことも視野に、政府対策本部のもう一段強いリーダーシップが必要です。
 本部長たる総理は、国民一人一人が不安なく的確な行動を取れるよう、現状はどうなのか、どのような行動を求めるのか、どういう支援があるのか、そして、その先には安心があるんだ、そういった納得感ある言葉をここで伝えていただけないでしょうか。
 次に、ウイルスとじかに向き合い、国民の命を守っている医療について伺います。
 感染症克服のために長く貢献してきた日本赤十字社が、三つの感染症と称して、未知のウイルスによってもたらされる負の連鎖、すなわち、疾病が不安や恐れを引き起こし、嫌悪、差別、偏見を生む、この危険性を警告しています。実際、感染症の患者の治療をした病院のスタッフの子供が保育園に通うことを拒否され、スタッフが休暇を取ったため、人手不足で閉鎖を余儀なくされた病棟があります。既に三つの負の連鎖が起きています。
 そこで、政府は、この負の連鎖からどのように医療を守っていくのか、最前線の医療従事者にしっかり伝わるよう、お聞かせください。
 四月一日、専門家会議は、オーバーシュートが起こる前に医療供給体制の限度を超える負担が掛かり、医療現場が機能不全に陥ると予測しました。ともかく、病床や療養の場の整備を至急求めます。
 しかし、我が国は、欧米と比べ病床当たりの看護職員数や医師の数が半分以下しか配置されていません。実は、医療従事者のぎりぎりの誠意に制度が依存してきたのが日本の医療の現実です。
 物品についても、マスクや消毒薬だけでなく、治療に必要なガウンや手袋など感染防護物品も、人工呼吸器も、感染症に対応できる病床も不足しています。現場は既に危機感にあふれています。
 医療従事者や衛生物品の確保、医療提供体制の確保は既に緊急事態です。政府の大胆な行動を求めたく、御所見を伺います。
 経済への影響についてお尋ねします。
 IMFもリーマン・ショック以上の経済収縮の見方を示しています。感染抑制のためには、どうしても経済活動の自粛をお願いせざるを得ません。しかし、どんなに経済が収縮しても、経済産業の基盤だけは崩さない、すなわち、企業や事業者が事業縮小や倒産、閉店に追い込まれないこと、また、新規採用や雇用を守り、生活をしっかり支えていくことができれば、感染収束後の経済のV字回復が可能です。
 また、同時に、今回露呈した感染症に弱い社会構造を遠隔医療やテレワーク、遠隔教育などで一気に改革すべきです。
 米国では、GDPの一割に相当する二兆ドル規模の対策を打ち出します。EUも、財政赤字の抑制ルールを停止します。我が国も、GDPが縮小した分を完全に埋め合わすまで、何度でも何度でも前例にない完全な財政出動、そして斬新な給付等、あらゆる施策を講じるべきです。あわせて、新たな技術による未来をつくる基盤を構築すべきです。総理の決意をお聞かせください。
 サプライチェーンの偏在について伺います。
 我が国の製造業は、中国に主要部品の生産工場を置いている企業が多く、早い段階から大きな影響を受けました。象徴的なのは、八割を海外生産に依存していたマスクの不足です。衛生物品や薬剤など、不足は国民の健康、命に大きな影響を与えます。
 労働力の安さなどのメリットから海外への生産拠点の移転が進みましたが、安全保障的側面から経済や保健衛生を考えると、これまでの生産や物流の在り方が適切だったのか検証しなければなりません。
 我が国への生産回帰や生産拠点の複数国への分散化など、サプライチェーンの在り方を改革しなければなりません。御見解をお聞かせください。
 東京オリンピック・パラリンピックの延期について伺います。
 今回の大会の延期は評価されるべき判断です。延期に伴う課題の克服はもちろん必要ですが、さらに、来年の大会は単なる四年に一度の大会ではなく、全世界が感染症を克服し、感染症により切り離された世界を再結集させる、言わば新しい世界を生み出す大会です。完全な形で開催できるよう、あらゆる手だてを講じていかなければなりません。
 最後に、新たなオリンピック・パラリンピックへの総理のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#8
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 石田昌宏議員にお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症に関する現状等についてお尋ねがありました。
 現在の国内の感染状況に関しては、東京を始めとして都市部を中心に感染者数が急増し、感染経路が不明な感染者も増加しており、海外からの移入が疑われる事例も多数報告されているものと承知しています。
 緊急事態宣言との関係では、現時点ではまだ全国的かつ急速な蔓延という状況には至っておらず、ぎりぎり持ちこたえている状況にあり、少しでも気を緩めればいつ拡大してもおかしくない、まさに瀬戸際が継続している状況にあると考えておりますが、必要な状況になれば、ちゅうちょなく緊急事態宣言を行う所存です。
 現在、国民の皆様には大変御不便をお掛けしておりますが、これは、欧米各国がそうであるように、都市の封鎖や強制的な外出禁止、生活必需品以外の店舗封鎖など、強硬な措置を回避するためのものです。国民の皆様には、この三点を御理解いただきつつ、引き続き、いわゆる三つの密を避ける行動の徹底など、感染拡大防止に向けた御協力を改めてお願いしたいと思います。
 また、経済も甚大な影響を受けております。事業者の皆様の経営や国民の皆様の暮らしにも大変な打撃となっております。そのため、この難局を乗り切っていただくことに重点を置いて、あらゆる手段を尽くして徹底的に下支えし、地域の雇用、働く場所はしっかりと守り抜いていくため、リーマン・ショック時を上回る、かつてない規模の経済対策を実施いたします。
 新型コロナウイルス感染症に係る医療提供体制の整備についてお尋ねがありました。
 まず、今般の新型コロナウイルス感染症に対して、最前線で診療、治療に当たってくださっている医療従事者の皆さんには心から感謝申し上げます。
 こうした献身的な努力にもかかわらず、医療現場の皆さんに対して差別が行われるようなことはあってはなりません。そのため、国民の皆様お一人お一人が、感染症の基本的な知識や感染予防策などを正しく理解することが極めて重要です。御指摘の負の連鎖を断ち切るためにも、まずは、政府として、国民の皆様への丁寧かつ正確な情報について、引き続きしっかりと周知してまいります。
 また、感染拡大防止と同時に、国内で患者数が大幅に増えたときに備え、重症者対策を中心として医療提供体制を強化することは喫緊の課題です。
 現在、感染症指定医療機関の病床を最大限動員し、二万五千床を超える病床を確保しております。また、重症者の治療に必要となる人工呼吸器についても、現時点で八千個を超える台数を確保しているところであり、引き続き、三月二十八日に決定した基本的対処方針に基づき、感染者の急増に備え、重症者への医療に重点を置く医療提供体制の整備を加速してまいります。
 加えて、基本的対処方針においては、患者が増加し、重症者等に対する入院医療の提供に支障を来すおそれがある場合には、入院治療が必要ない軽症者等は自宅療養とし、その際、家族構成等から高齢者や基礎疾患を有する者等への感染のおそれがある場合には、地方公共団体は、軽症者が宿泊施設等での療養を行うなど、家族内感染のリスクを下げるための取組を講じることとしております。
 来週取りまとめる緊急経済対策においては、第一の柱として重症者への医療に重点を置く医療提供体制の整備を強力に支援してまいります。
 さらに、マスクを始めとする感染症防護具や消毒液については、国内企業に対して、国内生産体制の強化や輸入の拡大を働きかけてきたところですが、全国の医療機関に必要な量を確保できるよう、更なる増産を支援するなどの取組を進めてまいります。
 緊急経済対策についてお尋ねがありました。
 議員御指摘のとおり、今般の新型コロナウイルス感染症の経済への甚大な影響に対しては、そのマグニチュードに見合うだけの強大な経済対策を実施していく考えであります。世界の協調をリードする我が国としては、リーマン・ショック時の経済対策を上回る、かつてない規模の対策を来週に取りまとめたいと考えています。
 感染拡大の防止が最優先となる現状では、まず、この難局を乗り切っていただくため、大胆な資金繰り支援を実施するとともに、新しい給付金制度を用意し、これまでにない規模で、前例のない中小・小規模事業者支援を実施いたします。あわせて、生活に困っている世帯に対しても、生活維持のために必要な資金を迅速に交付する新しい給付金制度を創設します。
 さらに、感染拡大が抑制された段階を見据え、甚大な影響を受けている観光業等を対象として短期集中で大胆な需要喚起策を講じるとともに、このピンチを未来に向けた中長期的な視点の社会変革の契機としていくべく、デジタル化、リモート化のための環境整備をスピード感を持って強力に推進してまいります。
 そうした決意で、前例にとらわれることなく、財政、金融、税制を総動員して思い切った措置を講じることで、日本経済をV字回復させてまいります。
 サプライチェーンの在り方についてお尋ねがありました。
 経済のグローバル化により、国際的な価格競争力に乏しい製品や部素材については生産の海外移転が進んだ結果、マスクや防護服など医療現場に欠かせない製品も海外への依存度が極めて高くなり、今般の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い、中国などからの供給量が大きく減少いたしました。また、海外からの部素材供給が止まったため、自動車産業などでは組立て工場の休止を余儀なくされるなど、サプライチェーンに大きな支障が生じました。
 経済、保健衛生、安全保障など幅広い観点から必要とされる製品や部素材については、単なる価格競争力だけで左右されない安定的な供給体制を構築することが必要です。
 マスクについては、既にこれまでの緊急対応策により、国内の生産設備投資への支援を行うなど国内生産力の増強を行ってきたところですが、来週取りまとめる緊急経済対策でも、生産拠点の国内回帰に加え、一か国だけに依存しない多元的な供給体制の構築を支援することにより、強靱なサプライチェーン構築に取り組んでまいります。
 来年に延期された東京大会についてお尋ねがありました。
 東京大会については、私とIOCバッハ会長との電話会談において、私から、アスリートのことを第一に考え、おおむね一年程度の延期を提案し、その後、開催関係者間における協議を経て、来年の七月二十三日からの開催が決定されたところです。こうした方針に対し、G20首脳を始めとした国際社会や競技団体からも評価を得ているところです。
 東京大会の延期に伴い、例えば、競技会場の確保やボランティアを含めたスタッフの確保等の課題に対し適切に対応していくとともに、人類が新型コロナウイルス感染症に打ちかったあかしとして東京大会の完全な形での実施に向けて、国際社会とともに治療薬やワクチンの開発に全力を挙げて取り組んでまいります。
 政府としては、世界のアスリートが万全のコンディションでプレーを行い、観客の皆さんにとっても安心で安全な大会を目指し、今後とも、IOC、大会組織委員会、東京都等との緊密な連携の下、開催国としての責任をしっかりと果たしてまいります。(拍手)
    ─────────────

#9
○議長(山東昭子君) 大塚耕平さん。
   〔大塚耕平君登壇、拍手〕

#10
○大塚耕平君 国民民主党の大塚耕平です。
 共同会派、立憲・国民.新緑風会・社民を代表して質問させていただきます。
 初めに、新型コロナウイルス感染症で逝去された皆様の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御家族の皆様にお悔やみを申し上げます。今も闘病中の皆様にはお見舞いを申し上げます。
 感染者の治療に当たっている医療関係者の皆様、経済的苦境に直面しているあらゆる職業の皆様、行政当局を始めとする関係者の皆様全ての御尽力に心から敬意を表します。
 現状を鑑みれば、東京オリンピック・パラリンピックの延期はやむを得ないことと考えます。来年夏に開催できるか否かは、ひとえに感染症が終息するか否かに懸かっています。本日は、そうした現状を鑑み、感染症を終息させるための諸問題、諸課題に集中し、質問させていただきます。
 英国ジョンソン首相が三月十二日に発表した声明が、今後の新型コロナウイルス感染症対策の戦略をめぐって物議を醸しました。内外の医療関係者が、声明の内容から、英国は集団免疫戦略を採用したと受け止めたからです。
 そこで、集団免疫についての総理の認識等を伺いますが、具体的な質問に入る前に少し整理させていただきます。
 感染症への免疫を獲得する方法は、第一に、感染症からの回復、第二に、ワクチン予防接種、基本的にこの二通りです。
 新型コロナウイルスは未知の病原体のため、その特性は未解明であり、現時点でワクチンや治療法はありません。そのため、現時点における新型コロナウイルスに対する免疫獲得の唯一の方法は、論理的に考えれば、実際に感染することです。
 感染しても発症しない人、発症後に回復した人は免疫を獲得すると一般的には言われています。新型コロナウイルスの特性は未知であるため、この一般論が当てはまるか否かは分かりませんが、取りあえず一般論を前提として伺います。
 免疫を獲得した人の割合が多くなると、未感染者や免疫のない人がウイルスに感染する確率が低下します。そのような状況を社会全体が集団免疫を有していると表現するそうです。
 ワクチンや治療法がない中で、社会全体が集団免疫を獲得するには、大勢の人が感染して免疫を獲得しなければならず、その過程で一定割合の人が重症化して死亡する危険性があります。ジョンソン首相が声明の中に大勢の人が亡くなるという予測を盛り込んだことが、英国が集団免疫戦略を採用したと連想させたのです。
 では、ジョンソン首相はなぜ集団免疫戦略を採用したと受け取られたのか。次のような論理展開が考えられます。
 ワクチンや治療法がない未知の感染症への対策は、三段階に分かれます。第一段階は、封じ込め。発症者を隔離し、感染症の拡大を封じ込めます。第二段階は、感染速度抑制。第一段階に失敗した場合、各国で行われているような集会禁止、外出自粛等の行動制限によって感染拡大を抑制し、その間にワクチン開発や治療法確立を進めます。感染ピークを遅らせ、医療崩壊を回避することにもつながります。第三段階は、感染根絶。ワクチンが開発され治療法も確立すれば、感染症を減らし、究極的には天然痘のように根絶できます。
 第一段階に失敗した国々では、第二段階に移行し、集会禁止、外出自粛等の行動制限を行います。それでも感染の爆発的増加、オーバーシュートに至る場合、中国、イタリア、スペイン、英国、米国等のようにロックダウン、都市封鎖を断行します。
 仮に、感染抑制に成功して行動制限を解除しても、ワクチンや治療法が確立していなければ、結局また感染が発生し、第一段階と第二段階を繰り返さざるを得ません。ワクチン開発には数か月から一年以上要すると言われており、第二段階の対策を長く続けることはできないと判断したジョンソン首相は、三月十二日の時点で政治的に集団免疫戦略を採用したものと受け取られました。
 そこで、総理に伺います。
 総理及び日本政府の理解している集団免疫の概念について御説明ください。その上で、英国で物議を醸したような集団免疫戦略の是非、可能性について、総理の認識をお聞かせください。
 また、さきに述べました三段階の感染症対策に照らし、日本は封じ込めに失敗して感染速度抑制の段階にあるのか、あるいは封じ込めと感染速度抑制の両方を行っているのか、現状について正確な情報を御説明ください。
 しかし、その後、ジョンソン首相は感染速度抑制政策の徹底を表明しました。戦略転換です。感染者や家族の自宅隔離、自宅勤務、学校休校、集会禁止、飲食店の営業禁止等に踏み切り、三月二十三日からはロックダウンを断行し、社会的隔離政策を遂行中です。
 その背景には、三月十六日に英国政府の科学アドバイザーが公表した報告書が影響しているようです。報告書は、集団免疫戦略によって感染拡大を自然の成り行きに委ねる場合、病院、医師、看護師、集中治療室、人工呼吸器等の医療リソースの実情に照らし、約四十万人が犠牲になると推定しました。ジョンソン首相の想定を大きく上回る推定値だったようです。
 その結果、ジョンソン首相は徹底した感染速度抑制、社会的隔離政策に移行しました。ロンドンではオリンピックに使用したイベント会場、バーミンガムでは空港に野戦病院とも言われる臨時医療施設を設営し、医療崩壊防止に努めています。日本でも、人工呼吸器や集中治療室、不足病床を代替する施設の用意が急務です。
 そこで、総理に伺います。
 現在の人工呼吸器、集中治療室の使用可能数、収容可能な重症患者の人数、及びそれぞれ現在実際に使用している数及び実際の重症患者数をお答えください。また、人工呼吸器、集中治療室について、増産、増設等の準備状況を説明してください。さらに、重症患者を既存の病院で収容し切れない場合に備え、代替可能な大規模施設やオリンピック選手村等の活用計画について御説明ください。
 英国では、もう一つ注目すべき動きがありました。三百五十万人分の抗体検査キットを発注したことです。
 一度感染した人は免疫を獲得します。免疫はウイルスに対する抗体によって生じています。その抗体を有しているか否か、つまり、既に感染済みであるか否かを調べるのが抗体検査です。
 PCR検査は、採取した粘液を使ってウイルスの有無を判定します。現在ウイルスを持っているか否かの検査であり、今日は陰性でも明日感染するかもしれません。
 無症状でも、過去に感染した人は抗体検査で陽性となり、感染履歴が分かります。そして、抗体検査で陽性の人は、当面は大丈夫である蓋然性が高いと言えます。
 論理的には、PCR検査が陰性、抗体検査が陽性の人は、既に感染済みで今は回復し、ウイルスも死滅しているので、安心して外出や労働ができると推定できます。
 そこで、総理に伺います。
 抗体検査について、政府としての認識を御説明ください。また、日本でも抗体検査を行うつもりはありますか。そうであれば、どのような準備を行っているのか、お答えください。また、政府が把握している他国の抗体検査への取組状況を御説明ください。さらに、日本での抗体検査キットの開発状況、すなわち、日本の大学、研究機関、企業等の取組状況及び政府の支援状況について、可能な限り御説明ください。
 抗体検査によって抗体保有者が把握できれば、抗体保有者から血清を採取し、重症患者に投与することも可能になります。
 新型コロナウイルス感染症に対する有効なワクチン、治療薬、治療法が存在しない状況下、三月二十四日、米国食品医薬品局、FDAは、臨床研究の位置付けで血清療法開始を決断しました。
 三月九日、日本でも、横浜市立大学の研究チームが新型コロナウイルス感染症の患者の血清から抗体検出に成功したと報じられています。
 そこで、総理に伺います。
 血清療法についての認識及び今後、血清療法を行うつもりがあるのでしょうか。あるのであれば、現在の準備状況を御説明ください。また、政府が把握している他国の血清療法への取組状況を御説明ください。さらに、日本での血清療法の研究状況、すなわち、日本の大学、研究機関、企業等の取組状況及び政府の支援状況について、可能な限り御説明ください。
 究極的には、治療薬とワクチン開発が待たれます。治療薬としてはアビガンの治験を始めると聞きましたが、改めて総理に伺います。治療薬及びワクチンの開発について、他国の状況及び日本での取組状況、政府の支援状況について御説明ください。
 新型コロナウイルス感染症は全国民の懸念事項ですが、特に妊婦への配慮について伺います。
 さきの参議院予算委員会で矢田わか子議員が取り上げた妊婦への情報発信、具体的な支援策、感染時の妊婦への対応について、現時点での政府の検討状況をお答えください。
 次に、経済対策についてです。
 感染速度抑制を図る間、外出自粛、営業自粛等の行動制限が続き、経済活動は甚大な影響を受け続けます。
 イベント自粛等で仕事や事業を失い、収入の道を断たれた国民の生活を保障することは政府の当然の役割です。収入を保証し、外出自粛、営業自粛等を続けても生活できる環境を政府が提供しなければ、結局、生活のために外出や営業を行わざるを得ず、結果的に感染拡大リスクを高めます。つまり、経済対策は感染症対策でもあるということを十分理解した上で、この局面は、財源を気にすることなく、徹底した収入保証、損失補償を行うことが急務かつ不可欠です。
 ポイントと質問を幾つか申し述べます。
 第一に、政府が想定している収入保証の金額及び対象についてお答えください。英国では、飲食店従業員、自営業者等に従来の収入の八割、上限二千五百ポンド、日本円で約三十二万円までの支出を決定しています。日本も同程度の保証が必要と考えます。
 第二に、既に中止したイベント等による損失の補償です。感染症の影響で中止したことを証明する契約書等があれば、全額補償すべきと思います。総理の考えを伺います。
 ただいま申し述べた収入保証と損失補償を融資で賄うことはできません。今回の経済的苦境は融資では解決しないことを認識してください。
 そこで、総理に伺います。
 収入保証、損失補償についての今後の対応、税金、公共料金や社会保険料の納付猶予等、既に打ち出したこと及び今後打ち出すことを御説明ください。
 第三に、融資です。今回の経済的苦境は融資では解決しないものの、経済全体がストップしている状況下、企業や事業者の命脈を保つためには、もちろん融資も必要です。
 そこで、総理に伺います。
 日本政策金融公庫等による公的融資の状況、危機対応業務の発動状況、民間金融機関への協力要請、さらには返済猶予、金利減免等、現在行っていること、今後行うことを御説明ください。
 また、この局面で受けた融資については、金融機関側が別段管理し、将来にわたって不良債権には分類しないという対応が必要です。金融行政においてそうした方向性を打ち出すつもりがあるか否か、お答えください。
 以上の第一から第三の対応は、経済活動停滞の直接的影響を受けている勤労者や事業者への緊急避難的対策です。それに続く第四は、景気対策です。一昨日公表された日銀短観でも景気の著しい悪化は明白であり、家計減税を中心とした大胆な景気対策が必要です。景気対策について総理のお考えを伺います。
 経済対策は感染症対策でもあることを踏まえ、総理には、的確な感染症対策とともに、大胆かつ的を射た、しかも迅速な経済対策を求めますが、現状はいかにも遅く、内容も十分ではないことを申し添え、質問とさせていただきます。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#11
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大塚耕平議員にお答えいたします。
 集団免疫と日本の感染症対策の考え方についてお尋ねがありました。
 一般に、集団免疫とは、集団内の一定割合以上の者が自然感染やワクチン接種により免疫を保有した状態にあることで、免疫を保有しない者の感染リスクが低下することを指すものと承知しております。
 政府として、イギリスの感染症対策について見解を申し上げることは差し控えますが、我が国においては、徹底したクラスター対策による感染の封じ込めや、イベント等の自粛や感染リスクを避けるための国民の皆様の行動変容などを通じて、感染のスピードを極力抑えながら、流行の山を小さくすることを基本方針としています。
 これは、治療薬やワクチンの開発や十分な医療提供体制の強化のための必要な準備期間を設け、可能な限り重症者の発生と死亡者数を抑制することを目的とするものであり、集団免疫の獲得を直接の目的としているものではありません。
 現在の状況は、爆発的な感染拡大、いわゆるオーバーシュートの発生との関係では、ぎりぎり持ちこたえている状況にあると認識しています。しかし、それゆえに、少しでも気を緩めれば、いつ拡大してもおかしくない、まさに瀬戸際の状況が継続していると考えられます。
 新型コロナウイルス感染症患者の急増に備えた医療提供体制についてお尋ねがありました。
 感染拡大防止と同時に、国内で患者数が大幅に増えたときに備え、重症者対策を中心として医療提供体制を強化することは喫緊の課題と考えております。
 現在、重症者を含む患者の治療のために必要な病床として感染症指定医療機関の病床を最大限動員し、約二万五千床を超える病床を確保しており、このうち約千床が集中治療室となっております。重症者の治療に必要となる人工呼吸器については、現時点で八千個を超える台数を確保している状況です。
 また、お尋ねの新型コロナウイルス感染症の患者に対して現在使用されている人工呼吸器、集中治療室の実数まではリアルタイムで把握していませんが、四月一日時点での国内の入院患者のうち、通常はこうした器材による措置を必要とする重症患者の数は六十二人となっています。
 加えて、基本的対処方針においては、患者が増加し重症者等に対する入院医療の提供に支障を来すおそれがある場合には、入院治療が必要ない軽症患者等は自宅療養とし、その際、家族構成等から高齢者や基礎疾患を有する者等への感染のおそれがある場合には、地方公共団体は、軽症者が宿泊施設等での療養を行うなど家族内感染のリスクを下げるための取組を講じることとしており、御指摘の五輪施設も含めた活用の可能性が検討されているものと承知しております。
 来週取りまとめる緊急対策においては、第一の柱として医療提供体制の整備を掲げることとしており、このような取組や人工呼吸器の確保なども含め、重症者への医療に重点を置く医療提供体制の整備を早急に進めてまいります。
 抗体検査についてお尋ねがありました。
 抗体検査とは、ウイルス感染後に生体内で産生される抗体を測定する検査方法でありますが、PCR検査と同時に活用することにより、より精度の高い診断を行うことが可能となるなど、検査方法としては有用なものであると考えておりますが、新型コロナウイルスの診断、治療の一環として活用することに伴う一定の課題があるものと承知しております。
 この抗体検査の原理を活用した迅速検査キットについてですが、国内ではまだ、日本国内での人に対する有効性が確認されていないため、研究用としての供用が開始されている段階ですが、海外においては、中国、韓国などでは迅速検査キットの一部が既に承認されているものと承知しています。このため、現在は、医療現場で広く使えるための方法を含め、その有用性や使用方法等を専門家と検討を行っているところです。
 血清療法についてお尋ねがありました。
 血清療法とは、多量の抗体を含む血清を患者に投与することで患者の免疫活性を高める治療法であり、新型コロナウイルス感染症をめぐっては、中国において、回復患者の血漿を重症患者に投与することで効果が得られたとの複数の症例報告が上がっているほか、三月二十四日に米国食品医療薬品局、FDAが重症患者への血清の投与を認める方針を発表し、スペインの医薬品メーカーにおいても、FDAと協働して試験的な治療を行うことを発表した等の状況を承知しています。
 現時点において、政府として血清療法の新型コロナウイルス感染症に対する有用性を評価できる段階ではありませんが、現在、一部の国内メーカーにおいても治療薬として血清剤の開発を目指す動きがあると承知しており、政府としては、引き続きこの動向を注視するとともに、メーカーの求めに応じて最大限必要な協力をしたいと考えております。その上で、血清療法の有用性が認められた場合には、実用化に向けた支援をしてまいりたいと考えております。
 新型コロナウイルス感染症の治療薬とワクチンの開発の状況等についてお尋ねがありました。
 国内での感染拡大が進む中で、政府としては、一日でも早く国民の皆様の不安を解消できるよう、有効な治療薬やワクチンの開発を加速していくこととしております。
 治療薬の開発については、治療薬としては、我が国では五つの薬について既に観察研究としての投与を開始しており、例えば、新型インフルエンザの治療薬として承認を受けているアビガンについては、二月下旬から観察研究を実施するとともに、三月三十一日から企業治験を実施しており、今後、希望する国々と協力しながら臨床研究を拡大するとともに、薬の増産をスタートすることとしております。
 また、エボラ出血熱の治療薬として開発されていたレムデシビルについても、二月下旬から観察研究を実施するとともに、三月二十三日に日米が中心となった国際共同治験がスタートしており、四月中に企業治験が実施される予定となっております。さらに、急性膵炎の治療薬であるフサンについても、四月一日から観察研究を開始しています。
 ワクチンの開発についても、国内で複数の研究開発がスタートしており、また、CEPI等を通じた国際的協力の枠組みに対しても、我が国は既に多くの拠出を行い、支援を継続しているところです。
 妊婦に向けた新型コロナウイルス感染症対策についてお尋ねがありました。
 感染が拡大する中、不安を抱えている妊婦の方々に寄り添った支援を行うことが重要だと考えています。そのため、政府としては、今月一日に妊婦の方々への支援策として、妊婦が注意すべき点等を記載したリーフレットによる情報発信、妊婦の方々へのマスクの配布、経済団体や労働団体に対する妊娠中の女性労働者等が休みやすい環境整備などへの協力要請等の対策を取りまとめ、可能なものから直ちに実行しているところです。引き続き、政府を挙げて、妊婦の方々の安心、安全の確保に全力を挙げてまいります。
 緊急経済対策についてお尋ねがありました。
 今般の新型コロナウイルス感染症の経済への甚大な影響に対しては、そのマグニチュードに見合うだけの必要かつ十分な経済対策を実施していく考えであり、様々な御意見も十分に踏まえながら、来週、緊急経済対策を取りまとめます。
 感染拡大の防止が最優先となる現状では、まず、この難局を乗り切っていただくことに重点を置いて、徹底的に下支えすることにより、雇用、家計、事業をしっかり守り抜いていく考えです。
 甚大な影響を受けている中小・小規模事業者の方々への新たな給付金制度については、その金額や対象を含め具体的な制度設計を急いでまいりますが、この困難を乗り越えていただき、事業を継続していただくために必要な額をできるだけ早期に提供したいと考えております。
 既に中止したイベント等に対する損失の補償については、政府として、様々な事業活動の中で発生する民間事業者や個人の方々の個別の損失を直接補償することは困難であることから、感染拡大により影響を受けた方々には雇用や事業の継続を最優先にあらゆる手だてを講じているところですが、今後、感染拡大が抑制された段階を見据え、今回、特に影響の大きいイベント産業の振興等についても対策を講じていく考えです。
 また、税や社会保険料についても、原則一年間は納付を猶予し、延滞金も免除、軽減措置を講じているところであり、今後、更に制度的対応も検討してまいります。さらに、公共料金の猶予についても柔軟な対応をするよう事業者に要請しています。
 資金繰り支援については、日本政策金融公庫を通じた実質無利子、無担保の融資など強力な支援を行っており、既に八万件の申込みがなされているところです。この無利子融資を民間金融機関でも受けられるようにいたします。同時に、日本政策投資銀行等による危機対応業務を発動しています。
 また、各担当大臣から官民への金融機関に対し返済猶予等の条件変更への柔軟な対応を求める要請を行っており、さらに、銀行法等に基づく報告徴求命令などの法令上の措置も講じたところでありますが、条件変更した際の債権区分については、民間金融機関における判断を尊重することとしております。
 その上で、感染拡大が抑制された段階においても、甚大な影響を受けている旅行、運輸、外食、イベントなどにフォーカスを当てて、短期集中で大胆な需要喚起策を講じるなど、大変な状況にある方々に直接手が届く効果的な支援策を実施していくことで日本経済をV字回復させてまいります。(拍手)
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#12
○議長(山東昭子君) 熊野正士さん。
   〔熊野正士君登壇、拍手〕

#13
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。
 私は、公明党を代表して、新型コロナウイルス感染症対策本部の設置、東京オリンピック・パラリンピック延期について質問いたします。
 まず冒頭、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった皆様に心からお悔やみを申し上げますとともに、感染した皆様にお見舞いを申し上げます。また、医療関係者の皆様に心から敬意を表します。
 オリンピックの開催延期の決定が三月二十四日に発表され、その六日後には、明年七月二十三日の開催が発表されました。早期に開催日程ができたことを評価したいと思います。
 明年七月二十三日の開催に向けて、アスリートの皆様、ホストタウンの自治体、関係事業者の皆様への万全の支援をお願いしたいと思います。総理の御所見を賜ればと存じます。
 政府対策本部の設置後の記者会見において、新型コロナウイルスとの闘いは長期戦を覚悟と総理から発言があり、先日の決算委員会では、気を緩めればいつ感染爆発が起こるか分からない瀬戸際の状態が継続している、密閉、密集、密接の三つの密を避けるなど、国民一人一人の行動の重要性について言及されました。
 感染爆発をぎりぎり持ちこたえているこの難局を乗り切るには、国民の協力が必要不可欠であります。多大な影響を受けている事業者を始め、国民に対して総理からのメッセージをお願いしたいと存じます。
 次に、医療提供体制について質問いたします。
 四月一日の専門家会議では、爆発的な感染拡大が起きる前に医療現場が機能不全に陥ることが予想されると衝撃的な発表がありました。
 感染症指定医療機関では、コロナ感染症疑い患者の外来での対応に加え、検査の実施、陽性者の入院受入れ、さらには重症患者の集中治療と、多岐にわたる業務を行っています。国際医療研究センターのお話では、既にクルーズ船のときから対応に追われており、病院スタッフの身体的、精神的負担が過度になっているとのことでありました。
 今後、医療崩壊を防ぐためには、一般病院におけるコロナ患者の受入れ、無症状、軽症者の病院外での療養基準の明確化、重症患者の治療体制の整備を早急に行う必要があります。
 防護服も全く足りておりません。特に東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫の五都府県に対しては、政府としても強力に支援すべきであります。政府の支援策をお示しください。
 また、感染症指定病院では、病院経営がかなり悪化しているとお聞きしております。感染症指定病院を始め、コロナ感染症患者を受け入れている病院に対しては人的支援、財政的支援が必要不可欠であります。応援体制の強化、診療報酬の加算、さらには新たな基金化についても検討していただきたいと考えます。総理の御答弁をお願いいたします。
 PCR検査を拡充するため、保険適用にはなりましたが、検査体制は全国でばらつきがあります。大阪府内の感染症専門医のお話では、首都圏と比べ、関西圏ではまだまだ検査体制が不十分とのことでした。感染拡大に備えるためには、民間事業者に対して検査機器の導入を政府があっせんすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、公明党として、超高速PCR検査機器の開発、実用化を提案させていただき、政府の後押しも得て、三月末に実用化に成功しました。この超高速PCR検査機器の今後の活用方法や配備体制について、また、最近注目をされている抗体検査について、例えば濃厚接触者などには抗体検査を活用する、肺炎のある方には直ちにPCR検査を実施できる体制を整えるなど、PCR検査と抗体検査を組み合わせた有効的な活用方法を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。以上、総理からの御答弁を求めます。
 次に、新型コロナウイルス感染症の研究費について伺います。
 治療薬やワクチンの開発は最重要の課題であり、日本においても十分な研究開発費を措置する必要があります。世界各国との協力体制を強化しながら、アビガン、レムデシビルといった治療薬、ワクチン開発にも予算措置した上で、これら国際共同研究の成果が広く日本国民に速やかに行き渡るようにしていただきたいと思います。総理の御所見を求めます。
 現在までに、国内における死亡者数は七十一人となっています。兵庫県や愛知県では、その大半が介護施設における集団感染により高齢者の方がお亡くなりになっています。介護施設の感染防止は特に重要であり、これまで厚生労働省から事務連絡を様々出していただいておりますが、大量かつ五月雨式であり、分かりにくいものとなっております。また、マスクや消毒液が不足している現状もあります。マスクの再利用などを含めた対策を一度整理した上で、各介護施設に対して分かりやすいコロナ感染防止マニュアルを周知する必要があると思います。総理の答弁を求めます。
 コロナ感染が疑われる患者への救急車出動要請も今後増加してくる可能性があります。また、別の疾患で搬送され、新型コロナと診断された例もあります。救急隊員を感染から守るため、感染防止を強化しなければなりません。
 一方で、N95マスクや消毒液の不足も懸念されております。また、感染が拡大したときにコロナ関連での搬送が増加することで、通常の救急搬送業務に支障が出ないかと心配する声もございます。救急搬送の現場における感染防止と通常の救急搬送体制の維持について、総務大臣の御答弁をお願いいたします。
 東京オリンピック・パラリンピックは明年七月二十三日の延期開催が発表されました。新型コロナウイルス感染症との闘いを乗り越えて、克服五輪にすることが大切であります。来年のオリンピック・パラリンピック大成功のためにも、当面の感染拡大の防止に全力を注いでいくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#14
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 熊野正士議員にお答えをいたします。
 東京大会の関係者に対する支援についてお尋ねがありました。
 東京大会については、私とIOCバッハ会長との電話会談において、私から、アスリートのことを第一に考え、おおむね一年程度の延期を提案し、その後、関係者間における協議を経て、来年の七月二十三日からの開催が決定されたところです。こうした方針に対し、G20首脳を始めとした国際社会や競技団体から評価も得ているところです。
 延期により影響を受けるアスリートに対しては、来年夏の東京大会に向けて、安心して競技に取り組むことができるよう、引き続き強化活動に対する支援を実施してまいります。
 また、ホストタウン、関係事業者に対する支援も含め、この度、大会延期に伴う様々な課題については、IOC、大会組織委員会、東京都等との緊密な連携の下、政府としてもしっかりと対応してまいります。
 新型コロナウイルス感染症対策の影響を受けた国民へのメッセージについてお尋ねがありました。
 現在、国民の皆様には、感染拡大防止に向けた御協力をいただいており、大変御不便をお掛けしておりますが、これは欧米各国がそうであるように、都市の封鎖や強制的な外出禁止、生活必需品以外の店舗封鎖など、強硬な措置を回避するためのものです。
 また、経済も大きな影響を受けており、事業者の皆様の経営にも大変な打撃となっております。今は感染拡大の防止、重症化の防止が最優先ですが、その後は日本経済を再び確かな成長軌道へと回復させるべく、甚大な影響のマグニチュードに見合うだけの強大な経済政策を打っていかなければならないと考えております。来週、緊急経済対策を取りまとめ、前例にとらわれることなく思い切った措置を、財政、金融、税制を総動員して実行に移してまいります。
 この闘いは長期戦を覚悟していただく必要がありますが、政府においては、国民の皆様の命と健康を守るため、引き続き各種対策に全力を挙げて取り組んでまいりますので、国民の皆様におかれましても、何とぞ御協力をお願いしたいと考えております。
 新型コロナウイルス感染症に関して、医療提供体制の整備と医療機関への支援についてお尋ねがありました。
 感染拡大防止と同時に、国内で感染者数が大幅に増えたときに備え、重症者対策を中心として医療提供体制を強化することは喫緊の課題と考えております。
 現在、治療のために必要な病床としては、感染症指定医療機関の病床を最大限動員し、二万五千床を超える病床を確保しておりますが、今後の感染者の更なる増加に加え、三月二十八日に決定した基本的対処方針においては、患者が増加し、重症者等に対する入院医療の提供に支障を来すおそれがある場合には、入院治療が必要ない軽症者等は自宅療養とし、その際、家族構成等から高齢者や基礎疾患を有する者等への感染のおそれがある場合には、地方公共団体は、軽症者が宿泊施設等での療養を行うなど、家族内感染のリスクを下げるための取組を講じることとしております。
 また、マスクを始めとする感染症防護具や消毒液については、国内企業に対して、国内生産体制の強化や輸入の拡大を働きかけてきたところでありますが、全国の医療機関に必要な量を確保できるよう、更なる増産を支援するなどの取組を進めてまいります。
 さらに、新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関等を支援することは極めて重要であると認識しており、現在は、入院患者が一時的に急増したこと等により、一時的に診療報酬上の人員の基準を満たすことができない場合に、報酬を減額しないなどの特例を設けて対応しておりますが、今後、更なる診療報酬上の評価についても検討するとともに、新たに編成する補正予算案の中でも、こうした医療機関への人材確保等に向けた支援も検討してまいります。
 PCR検査の民間事業者に対する検査機器の導入や抗体検査についてお尋ねがありました。
 PCR検査については、最近実用化された迅速検査機器を始めとした検査機器の周知に努めるとともに、民間検査機関に導入を働きかけているところです。
 また、PCR検査と抗体検査を組み合わせて活用することは、一般的に、感染症のより精度の高い診断を行う上で有意義であると考えております。このため、新型コロナウイルス感染症の抗体検査は、現在、その測定方法や有用性を含め、専門家と検討を行っているところであり、今後、実用化が可能となった段階で、PCR検査と組み合わせて活用していくことも検討してまいります。
 新型コロナウイルス感染症の治療薬とワクチンの開発の状況等についてお尋ねがありました。
 国内での感染拡大が進む中で、政府としては、一日でも早く国民の皆様の不安を解消できるよう、有効な治療薬やワクチンの開発を加速していくこととしております。
 治療薬の開発については、我が国では五つの薬について既に観察研究としての投与を開始しており、例えば、新型インフルエンザの治療薬として承認を受けているアビガンについては、二月下旬から観察研究を実施するとともに、三月三十一日から企業治験を実施しており、今後、希望する国々と協力しながら臨床研究を拡大するとともに、薬の増産をスタートすることとしております。
 また、エボラ出血熱の治療薬として開発されていたレムデシビルについても、二月下旬から観察研究を実施するとともに、三月二十三日に日米が中心となった国際共同治験がスタートしており、四月中に企業治験が実施される予定となっております。
 ワクチンの開発についても、国内で複数の研究開発がスタートしており、また、CEPI等を通じた国際的協力の枠組みに対しても、我が国は既に多くの拠出を行い、支援を継続しているところです。
 高齢者施設等の感染防止対策についてお尋ねがありました。
 高齢者や基礎疾患を抱える方は新型コロナウイルスに感染することで重症化するリスクが高いため、高齢者施設等における感染拡大防止の徹底を図ることが重要であると考えております。
 そのため、高齢者施設等における感染予防対策として、再利用可能な布マスク二千万枚を順次配布するとともに、消毒用エタノールについても優先供給の仕組みを構築しております。
 さらに、実際に介護に当たられている高齢者施設等の職員の方々に対して感染防止策に関する様々な情報を分かりやすくお伝えしていくことは、何より重要であると考えており、現場の施設職員の方にもお話をお伺いしながら、分かりやすい周知方法の工夫を行ってまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕

#15
○国務大臣(高市早苗君) 熊野正士議員からは、新型コロナウイルスに関する救急隊の活動についてのお尋ねがございました。
 救急現場における感染防止対策については、消防庁から全国の消防本部に対して通知を発出し、保健所との連携や、マスク、手袋などの資器材の正しい装着、救急隊員の健康管理及び救急車の消毒の徹底といった具体的な対応手順の周知徹底を図っております。
 また、N95マスクや消毒用エタノールを含む感染防止資器材については、今後、不足する消防本部が出てくる場合に備え、先般の予備費を活用し、必要な資器材を購入の上、必要とする消防本部に提供していくこととしています。
 通常の救急搬送体制の維持については、引き続き、関係省などと緊密な連携を図りながら、各地域の消防機関の活動に支障を来すことのないよう、必要な助言などを行ってまいります。(拍手)
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#16
○議長(山東昭子君) 松沢成文さん。
   〔松沢成文君登壇、拍手〕

#17
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文です。会派を代表して質問をいたします。
 初めに、新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりになった方々の御冥福と闘病されている方々へのお見舞いを衷心より申し上げます。
 今や、新型コロナウイルスの感染は世界的なパンデミック状況で、国内においても感染経路の分からない患者数は増加傾向にあり、医療崩壊への懸念が高まっています。日本医師会も、東京、大阪の知事も、そして多くの国民も、総理の決断を待っています。
 特別措置法に基づく緊急事態宣言を出したとしても、都道府県知事が外出自粛を要請できるだけで、ロックダウンと言われる都市封鎖にはなりません。しかし、当然ながら経済に与える影響は大きい。この経済への影響を心配する総理の気持ちも分かりますが、危機対応はツーリトル・ツーレートでは失敗します。目の前まで忍び寄っている最悪の事態を想定し、国民の命を守るために先手をしっかりと打つのが政治の責任です。
 現状を鑑みると、早急に特別措置法に基づく緊急事態宣言を出すべきであると考えますが、総理の認識、覚悟をお示しください。
 次に、緊急経済対策について伺います。
 日本維新の会は、国民の緊急の生活費を支える観点から、国民への一律現金給付を提案しています。全ての国民にひとしく給付することによって、生活を支えるための消費活動を促し、経済の再生を図るべきです。
 そこで、総理に伺います。
 現金を国民に一律十万円給付するという思い切った政策を早急に実現すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 さらに、生活に困窮している方々を対象に融資制度も必要です。マイナンバー登録を条件として、毎月十万円を限度とする政府保証の無利子、無担保の個人向け少額融資制度の導入を検討をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 新型コロナウイルスによる感染拡大を終息させるためには、ワクチンと治療薬の早期開発、早期投与が欠かせません。しかし、それらをゼロから開発をするのには時間が掛かります。まずは、既存薬の新型コロナに対する効能を見極め、これを効果的に転用すべきです。重症患者への投薬を優先するのは当然ですが、医療崩壊を防ぐために重症化する前の予防的投薬も考えなければなりません。
 そこで、加藤厚労大臣に伺います。
 治療する医療従事者への投与や感染者が爆発的に広がっている地域住民への投与を行うために、予防薬として転用できる薬を見極め、供給体制を整えるべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 また、現時点において、新型コロナに有効なワクチンを提供できる体制が整うのはいつ頃になると見通しているか、お伺いいたします。
 さて、海外の複数の研究により、たばこを吸う喫煙者は新型コロナウイルスで重症化するリスクが高いことが明らかになっています。最新の研究では、喫煙者は非喫煙者と比べて重症化リスクが二・一九倍、死亡リスクが何と三・二四倍にもなると報告されています。
 こうした研究成果に基づいて、世界保健機関、WHOやヨーロッパ疾病予防管理センター、東京都医師会、日本禁煙学会といった多くの医療関係組織が、新型コロナウイルスの感染や重症化を予防するために禁煙を強く推奨しています。
 そこで、政府は国民に対して、たばこを吸うことが新型コロナウイルスによる重症化リスクを高める危険性があるということを警告し、総理が率先して予防策として国民に禁煙を推奨すべきであると考えますが、いかがでしょうか。総理の見解をお伺いいたします。
 次に、東京オリンピック・パラリンピック大会に関連して伺います。
 この夏に開催が予定されていた東京大会が新型コロナウイルスのパンデミックを受け一年程度延期されることになり、大会期間も決まりました。世界的な感染拡大に大きな危機感を持ち、安倍総理が東京大会の延期を決断されたことは、私も評価しております。しかしながら、その判断が危機管理の面で正しかったのかという点については、疑問を持たざるを得ません。まず、一年間延期と判断した根拠は何でしょうか。
 次に、WHOや米国立アレルギー感染症研究所を始め日本の多くの識者もワクチン開発に一年以上、治療薬開発にも一、二年掛かるとしている中で、来年の今頃までに感染が終息していると断言できるのでしょうか。感染が収まらず一年後の開催が困難になった場合、再延期するのでしょうか、それとも中止となるのでしょうか。
 また、安倍総理は終息期間は見通せない、組織委員会の森会長に至っては神頼みだと発言していますが、極めて無責任な発言ではないでしょうか。安倍総理の政治決断で一年延期を提案し、決定したのであれば、それが不可能になった場合は政治責任を取る覚悟がありますか。完全な形での開催を実現するには、終息期間に不安が残る一年後ではなく、終息の可能性がより高い二年後開催にすべきであったという意見もありますが、いかがお考えでしょうか。総理の見解を求めます。
 次に、東京五輪組織委員会の在り方について伺います。
 この度の延期に際して森喜朗会長の姿をテレビやインターネットで見た方々から、お疲れの御様子とお痩せになった姿への心配の声が多数届いております。
 危機管理は、最悪の事態を想定し、そうならないように対策を用意するのが要諦です。森会長の人脈を生かした御尽力は多とするところでありますが、健康状態は大変厳しいと拝察いたします。立場上、人との接触も多く、新型コロナの感染も心配です。万が一体調を大きく崩すことがあれば、組織委員会の運営にも大混乱を来します。
 また、組織委員会の理事の一人が当時の東京大会招致委員会から八億九千万円相当の資金を受け取り、招致に向けてIOC委員に行ったロビー活動について、疑惑があるとも報じられております。
 総理に組織委員会の直接的な人事権がないのは承知しておりますが、総理は、組織委員会顧問会議の最高顧問を務めており、組織運営に大所高所から助言できる立場にあります。今回の延期に伴い、組織委員会は一層大きな責任と役割を担うことになります。
 そこで、総理に伺います。
 危機管理の観点から、森会長の進退も含め、組織委員会の体制を新しく見直すべきであるという意見もありますが、総理はいかがお考えでしょうか。
 最後に、延期に伴う追加費用について伺います。
 組織委員会やIOCは、東京大会を約一年間延期した場合、競技会場の借換え、組織委員会職員の人件費などで最大三千億円程度が追加で必要になると試算しているとのことです。さらに、大会後にマンションに改修する選手村やチケットへの対応のほか、ボランティアや宿泊先、警備員、移動用バスの確保などの経費で、より多額の追加費用が必要になるのは明らかであります。
 これを負担する可能性があるのは、IOC、組織委員会、東京都、国の四者です。三千億円を超える追加費用を払うには、組織委員会が用意する二百七十億円の予備費だけではとても足りません。東京都とIOCとの間で負担の議論がなされるでしょうが、そう簡単にIOCは負担をしてくれるのでしょうか。
 そもそも、今回の五輪延期は安倍総理がIOCのバッハ会長へ直接提案したものです。その流れからすると、日本政府も負担するものだとIOCが考えていても不思議ではありません。
 この多額の追加費用は誰が負担するのでしょうか。最終的に、この延期に伴う追加費用も国民の税金で負担することになるのでしょうか。追加費用の負担の在り方について、総理の見解を求めます。
 以上で日本維新の会の、代表しての私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#18
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 松沢成文議員にお答えをいたします。
 緊急事態宣言についてお尋ねがありました。
 緊急事態宣言は、全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある事態が発生したと認めるときに、政府対策本部長である私が行うこととなっております。
 現在の国内の蔓延の状況に関しては、東京を始めとして都市部を中心に感染者が急増し、感染経路が不明な感染者も増加しており、海外からの移入が疑われる事例も多数報告されているものと承知しています。
 緊急事態宣言との関係では、現時点ではまだ全国的かつ急速な蔓延という状況に至っておらず、ぎりぎり持ちこたえている状況にあり、少しでも気を緩めればいつ急拡大してもおかしくない、まさに瀬戸際が継続している状況にあると考えています。引き続き、時々刻々と変化する事態の先を見通しながら、国民の命と健康を守るため必要であれば、ちゅうちょなく決断し、実行してまいります。
 現金給付についてお尋ねがありました。
 今般の緊急経済対策においては、厳しい状況に置かれた方々を対象に、この難局を乗り切っていただくための支援を集中的に行っていくことで、地域の雇用、働く場所をしっかりと守り抜いていきたいと考えています。
 こうした考え方の下、現金給付については、国民全員に一律で行うのではなく、甚大な影響を受けている中小・小規模事業者の方々や、フリーランス、個人事業主の方々を始め、仕事が減るなどにより収入が減少し、生活に困難を来している御家庭の方々に、そして、この困難を乗り越えていただき、事業の継続のため、また、生活を維持していただくために必要な額をできるだけ早期に提供したいと考えており、早急に具体策の検討を進めてまいります。
 生活に困難を生じている方への融資制度については、既に無利子、無担保、返済免除特約付きの緊急小口資金等の特例を創設することで、最大八十万円までの支援を可能としたところですが、必要な方に迅速に支援を行う観点から、この資金の申込みに際しては、マイナンバーの登録等は必ずしも要件とはしておりません。
 新型コロナウイルス感染症の重症化リスクと喫煙についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、新型コロナウイルスによる肺炎の重症化リスクと喫煙との関連を示唆する知見があり、WHOも喫煙を避けるよう呼びかけていると承知しております。
 このため、現在、厚生労働省において、ホームページを通じてこうした関連性について情報提供に努めているところですが、エビデンスの蓄積も踏まえて、引き続き必要な注意喚起をしてまいります。
 折しも、本年四月一日から改正健康増進法が全面施行されたところであり、政府としては、受動喫煙対策の強化や禁煙支援について更に取り組んでまいります。
 東京大会の延期、大会組織委員会、追加費用についてお尋ねがありました。
 東京大会の延期については、世界のアスリートが万全のコンディションでプレーを行い、観客の皆さんにとっても安心で安全な大会としていく、すなわち完全な形で実施していくためには、世界における感染の広がりを勘案すると数か月程度の時間では困難であり、ある程度の時間を要せざるを得ません。他方、例えば二年といった余りに長期の延長となれば、もはや二〇二〇年東京大会へのモメンタムが失われ、別の大会のようになってしまう懸念があることから、先月、IOCバッハ会長と直接会談し、私から、おおむね一年程度の延期を提案、合意に至ったものであります。
 また、人類がコロナウイルスに打ちかったあかしとしてのこの東京大会の完全な形での実施に向けて、先般開催されたG7やG20で、私から、国際社会とともに、治療薬やワクチンの開発に全力を挙げて取り組むことを強く主張し、合意を得たところであります。
 大会組織委員会の組織や人事の在り方については、民間団体に係ることであり、本来、政府としてのコメントは差し控えさせていただくべき事柄でありますが、御承知のように、森会長はこの東京大会の実現に心血を注いでこられた方であり、大変な御貢献もしてこられました。これまで幾多の困難を乗り越えて、全身全霊を注いで東京大会の開催に向けて心血を注いでこられた森会長を始め、大会組織委員会の皆様を、政府として全力で支援してまいります。
 東京大会の延期に伴う追加的経費については、大会組織委員会や東京都を中心に、その内容の精査が進められているものと承知しており、政府としては、その検討状況を注視してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕

#19
○国務大臣(加藤勝信君) 松沢成文議員より、新型コロナウイルス感染症に関して、予防投与、ワクチンの開発、提供体制の整備の見通しについてお尋ねがありました。
 まず、ワクチンでありますが、ワクチンの開発においては、基礎研究、非臨床試験、臨床試験の大きく三つに分かれております。現在、我が国では基礎研究の段階でありますが、その一部についてはワクチン候補の作成が終了し、今月以降、動物を用いた有効性評価が開始できると聞いております。その開発の結果、実用化されるまでには一般的に年単位の期間を要するとされております。これを早期に実用化するためには、開発の促進のみならず、承認手続における迅速な対応も必要と考えております。
 また、治療薬、予防薬の開発については、抗HIV治療薬、抗インフルエンザ治療薬、ぜんそく治療薬等の既存の治療薬の新型コロナウイルスに対する効果に関して観察研究や臨床研究等が行われており、その結果を踏まえ、予防薬として転用できる薬を見極める必要があると考えております。
 総理から、来週にも取りまとめられる緊急経済対策において、感染拡大防止策と医療提供体制の整備とともに、治療薬、ワクチン等の開発について取りまとめるよう指示を受けたところであり、厚生労働省としては、各研究機関等と協力をし、治療薬、ワクチン等の研究開発が促進されるように引き続き取り組んでいきたいと考えております。(拍手)
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#20
○議長(山東昭子君) 山添拓さん。
   〔山添拓君登壇、拍手〕

#21
○山添拓君 日本共産党を代表し、新型コロナウイルス感染症対策について、安倍総理に質問します。
 医療崩壊を起こさせないことは、文字どおり喫緊の課題です。
 専門家会議は、おととい、都市部を中心に感染者が急増していると指摘しました。昨日だけで九十七人の感染が確認された東京では、集団感染とともに経路不明の感染者が増加し、爆発的な感染拡大が懸念されています。
 ところが、東京都が確保した約七百床の九割が入院患者で既に埋まり、今後、重症者の増加に耐えられる保証がありません。小池都知事は四千床の確保を目指すと言いますが、容易ではありません。
 専門家会議は、爆発的感染が起こる前に医療供給体制の限度を超える負担が掛かり、医療現場が機能不全に陥ることが予想されると指摘し、東京を始め都市部において、今日明日にでも抜本的な対策を講じることが求められるとしました。事態は緊迫しています。病床数と医療資材、人的体制の確保のために、政府はどのような支援を行いますか。病床確保には、財政的補償が必要であることを強調するものです。
 重症患者の増加に備えて、入院治療の必要のない軽症患者についての対策を早急に検討すべきです。専門家会議は、軽症者には自宅療養以外に施設での宿泊の選択肢も用意すべきとしています。施設の確保や運営に必要となる経費は国の負担とすべきと考えますが、総理の答弁を求めます。
 この間、都内の開業医から実態を伺ってきました。電話での再診や薬の処方の長期化など、外来受診による感染リスクを抑える努力がなされています。しかし、その結果、診療報酬が落ち込み、今後の経営悪化が心配されています。感染拡大防止と地域医療の維持という観点から、受診抑制に伴う損失に対し特別の手当てが必要と考えます。答弁を求めます。
 PCR検査の遅れが依然として指摘されています。
 総理は、二月二十九日の会見で、ウイルス検出を十五分程度に短縮できる簡易検査機器の開発を進め、三月中の利用開始を目指すとし、かかりつけ医など医師が必要と考える場合には、全ての人が検査を受けられる十分な検査能力を確保すると述べました。現時点で、これらは実現されたのでしょうか。爆発的な感染拡大を防止するために、検査数を抜本的に増やすことがいよいよ必要なのではありませんか。
 また、イギリスを始め海外で導入が進む血液抗体検査について、日本でも実施できるよう早急に取り組むべきです。答弁を求めます。
 SNSなどで、自粛と給付はセットだろうという声が大きく広がっています。
 東京では、カラオケ、ライブハウス、バーやナイトクラブの利用自粛を知事が求めました。ところが、自粛に対する補償が示されず、業者は苦境に立たされています。感染防止のためには店を閉めた方がいい、しかし、閉めれば店が立ち行かない。家賃や水光熱費、従業員の給料など固定費は日々発生し、借金がかさむ中、収入ゼロは避けられず、開店するしかないという声があります。
 自粛要請で協力を求めながら、あとは自己責任というのでは感染防止の実効性も損なわれます。総理、自粛要請は給付や補償とセットで行うべきです。明確にお答えください。
 イベント自粛の要請により、日本の文化芸術は危機に瀕しています。
 八万一千もの公演、イベントが中止や延期となり、その損失は一千七百五十億円と見込まれ、今後更に深刻化します。経済的に力の弱い小規模な劇団、楽団など、存立そのものが危うくなりつつあるとの悲痛な声が上がっています。
 ライブハウスなどで活躍するアーティストや音楽関係者がセーブ・アワ・スペースの名称で政府に助成を求める署名に取り組み、その数は僅か五日で三十万人を超えました。短期間に多くの人が賛同した訴えに総理はどう応えますか。文化の灯が消えてしまっては復活するのは大変というのであれば、一時的な給付金にとどまらず、持続可能な支援が必要ではありませんか。
 新学期を迎え、学生にも深刻な打撃が生じています。
 FREE、高等教育無償化プロジェクトの調査に、バイト先の塾が二週間休業、学費を確保できない、全てのシフトが削除され、生活費だけでなく就活費も困難など、切実な声が寄せられています。
 高い学費と借金になる奨学金に加え、新型コロナの影響で親の収入が激変し、学生はバイトの収入を断たれ、授業開始が延期されても独り暮らしの家賃は発生する、これでは学生生活を続ける見通しが立てられません。
 家計が急変している学生に、緊急に入学金や学費の減額、免除を行うべきです。影響は広範な学生に及びます。この際、学費を引き下げ、全ての学生が安心して学べるようにするべきです。今後、奨学金の返済にも支障を来すおそれがあります。奨学金の返還猶予は柔軟に対応し、奨学生に直ちに周知徹底すべきです。答弁を求めます。
 厚労省の雇用情勢判断から改善という言葉が消えました。雇用の悪化が急速に拡大しています。
 政府は、新型コロナの影響による解雇、雇い止め、派遣切り、内定取消しを、それぞれどのように把握していますか。
 二月の労働力調査によれば、新規求人数は軒並み前年比マイナスとなり、製造業で二五%も落ち込んでいます。働く人の四割を占める非正規労働者について、大量の雇い止め、派遣切りが既に行われています。大企業を中心に雇用の維持を強く求めるべきだと考えますが、総理はどう対応されますか。答弁を求めます。
 日本経済は今、消費増税と新型コロナという二重の打撃で大不況に突入しています。総理は、昨年の増税前、リーマン・ショック級の出来事があれば増税しないと表明していました。今、リーマン・ショック時を上回る経済対策を行うというのなら、消費税減税は必要かつ現実的な選択肢ではありませんか。
 最後に、新型コロナ対策におけるジェンダーの視点の重要性について質問します。
 国連女性機関は、三月二十六日、女性と新型コロナウイルスと題する声明を発表し、国や自治体のコロナ対策が社会的、経済的に女性を取り残したものになっていないかと注意を喚起しています。政府は、その内容をどのようなものとして把握していますか。ジェンダーの視点を持った対策が日本でも求められると考えます。答弁を求めます。
 声明は、外出禁止や行動の自由の制限がDVや女性に対する暴力を誘発する危険を指摘し、被害者のためのホットラインと避難所、シェルターが基本的なサービスとして保障されるよう求めています。
 警察に通報されたDV件数が三六%増加したフランスでは、DV被害から逃れてきた人のために計二万泊分のホテルの部屋を購入するとし、オーストラリアは二十四時間の相談支援体制を強化するために約百億円投入を発表するなど、各国で対策が進んでいます。
 日本のNPO法人、全国女性シェルターネットは、DVや虐待相談窓口での支援の継続を訴える要望書を総理に提出しました。夫が在宅ワークになり、子供も休校でストレスがたまり、夫が家族に身体的な暴力を振るうようになったという声が寄せられているといいます。
 緊急の状況下でもDV、虐待相談窓口の運営を継続する、相談支援体制を拡充するといった対応を政府も進めるべきではありませんか。
 緊急事態宣言が取り沙汰され、外出自粛要請を始め私権の制限が更に広範にわたることが懸念されます。その際、最も影響を受けるのは、女性や子供、障害者など、ふだんから社会的に弱い立場に置かれている人々です。誰一人取り残さないという政治の姿勢を未曽有のコロナ危機への対応でこそ示すべきであることを強調し、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#22
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 山添拓議員にお答えをいたします。
 新型コロナウイルス感染症に関する医療機関等に対する支援等についてお尋ねがありました。
 感染拡大防止と同時に、国内で感染者数が大幅に増えたときに備え、重症者対策を中心として医療提供体制を強化することは喫緊の課題と考えております。
 現在、治療のために必要な病床としては、感染症指定医療機関の病床を最大限動員し、二万五千床を超える病床を確保しております。また、特定の都道府県で患者数が大幅に増えた場合等に備え、隣県との間で広域搬送のための体制整備を進めているところです。
 人材の確保については、患者数が大幅に増えた場合に備え、都道府県に対して、地域の診療所など一般の医療機関に勤務している医療従事者の派遣や、現在医療機関に勤めていない医師、看護師等の把握と臨時の職務復帰による医療従事者の確保を進めています。
 加えて、基本的対処方針においては、患者が増加し重症者等に対する入院医療の提供に支障を来すおそれがある場合には、入院治療が必要ない軽症者等は自宅で療養し、その際、家族構成等から高齢者や基礎疾患を有する者等への感染のおそれがある場合には、地方公共団体は、軽症者が宿泊施設等での療養を行うなど、家族内感染のリスクを下げるための取組を講じることとしております。
 来週取りまとめる緊急対応策においては、第一の柱として医療提供体制の整備を掲げることとしており、こうした施設の確保も含め、重症者への医療に重点を置く医療提供体制の整備を強力に支援してまいります。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響により事業の継続に支障が生じる医療機関に対しては、独立行政法人福祉医療機構が行う融資について無利子、無担保の優遇等を行っているところであり、今後とも、現場の声を伺いながら医療機関に対する支援を行ってまいります。
 PCR検査の簡易検査機器については、三月中に利用が開始されたところです。また、PCR検査については、四月一日時点で全国で一万件を超える検査能力を確保しているところですが、医師が必要と判断した方が確実に検査を受けられるよう、検査能力を更に高めていくこととしております。
 御指摘の抗体検査については、診療、治療の一環として活用することに伴う一定の課題もあることから、政府として現在、その有用性や使用方法も含め専門家と検討を行っているところです。
 政府の行う自粛要請と損失補償についてお尋ねがありました。
 お尋ねの自粛要請によって生ずる個別の損失に対する補償については、直接の自粛要請の対象となっていない分野においても売上げや発生の減によって甚大な影響が生じていることも勘案すると、政府として様々な事業活動の中で発生する民間事業者や個人の方々の個別の損失を直接補償することは困難です。
 しかしながら、来週取りまとめる経済対策においては、中小・小規模事業者や個人事業主の方々が継続して事業に取り組めるよう、民間金融機関でも無利子の制度融資を受けることができる制度を整えるとともに、特に厳しい状況にある中小・小規模事業者等に対して、事業を持続するための新たな給付金制度も創設してまいります。
 また、今は国難とも呼ぶべき事態にありますが、こういうときだからこそ人々の心を癒やす文化や芸術の力が必要であり、困難にあっても文化の灯は絶対に絶やしてはならないと考えています。自粛等によって冷え込んだ文化芸術を再び盛り上げ、持続的な活動が行われるよう、前例にとらわれることなく思い切った支援策を実行してまいります。
 高等教育における学費や奨学金等についてお尋ねがありました。
 高等教育無償化の新制度等の運用について、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響を受けて家計が急変した場合には、それを加味した所得見込みで支援の判定を行うこととはしています。また、入学金や授業料の納付が困難な学生には、それらの納付猶予や減免等を行うよう大学等に対し要請しており、さらに、奨学金の返還についても、返還困難な事情が生じた場合には返還期間を猶予する仕組みなどを整備し、その周知徹底を図ってまいります。
 政府としては、こうした取組を通じて家庭の経済事情にかかわらず子供たちの誰もが自らの意欲と努力によって明るい未来をつかみ取ることができる社会をつくってまいります。
 雇用維持の要請等についてお尋ねがありました。
 政府としては、厚生労働省において、都道府県労働局や業界団体を通じた情報収集等を通じて、解雇、雇い止め、採用内定の取消し等の状況の把握に日々努めているところです。既に、雇用調整助成金制度の大幅な拡充や強力な資金繰り支援など、事業の継続と雇用の維持のために必要な対策を直ちに実行しているところですが、経済団体等を通じて企業の皆様に対し、解雇、雇い止め、採用内定の取消し等を防止するため、こうした施策も活用し最大限の経営努力を行うことをお願いしてきたところです。来週には緊急経済対策を取りまとめ、こうした施策を更に強化し、雇用の維持に全力で取り組んでまいります。
 消費税率の引下げについてお尋ねがありました。
 消費税については、急速に高齢化が進む我が国にあって、若者からお年寄りまで全ての世代が安心できる社会保障を構築するためにどうしても必要な財源と考えています。今般の新型コロナウイルス感染症の経済への甚大な影響に対しては、そのマグニチュードに見合うだけの、リーマン・ショック時の経済対策の規模を上回る規模の緊急経済対策を財政、金融、税制を総動員して策定することとしていますが、その施策は効果があるものではならないと考えています。
 このため、政府としては、今、大変厳しい状況の中でも何とか事業を継続していただき、地域の雇用と国民生活をしっかりと守り抜いていくために、こうした方々に対する現金給付制度の創設を含め思い切った対策を講じるとともに、感染拡大が抑制された段階を見据え、甚大な影響を受けている旅行、運輸、外食、イベントなどにフォーカスした短期集中で大胆な需要喚起策などを講じることで、大変な状況にある方々に直接手が届く効果的な支援策を実施していく考えです。
 新型コロナウイルス対策におけるジェンダーの視点についてお尋ねがありました。
 いかなる状況にあっても、女性に対する暴力や児童虐待は決して許されません。とりわけ、感染症によって社会不安が高まる中で、社会的に弱い立場にある皆さんを守ることは極めて重要な課題です。
 このため、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針においても、各種対策の実施に当たり、女性等に与える影響を十分配慮することを明記したところです。これを受けて、政府として、今朝、地方公共団体に対し、DVの相談対応から保護に至るまで、支援の継続的かつ迅速な対応を依頼いたしました。本年度から新たに民間シェルターに対する支援などの施策を盛り込んだところでありますが、近く策定する経済対策においても、DVについて深夜、休日にも対応できる相談窓口の設置を盛り込むなど、被害者支援体制の充実を図ってまいります。(拍手)

#23
○議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────

#24
○議長(山東昭子君) 日程第二 道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長水落敏栄さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔水落敏栄君登壇、拍手〕

#25
○水落敏栄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近における道路交通をめぐる情勢に鑑み、一定の要件に該当する高齢運転者に対する運転技能検査制度及び申請により運転免許に条件を付することができる制度の導入を行うとともに、第二種運転免許等の受験資格の見直し、他の車両等の通行を妨害する目的で一定の違反行為をした者に対する罰則の創設等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、運転技能検査及び高齢者講習の在り方、第二種免許の受験資格の見直しの効果及び安全確保策、あおり運転に対する罰則の内容等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#26
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕

#27
○議長(山東昭子君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕

#28
○議長(山東昭子君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成           二百三十六  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────

#29
○議長(山東昭子君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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