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2020/06/15 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 決算委員会 第7号 令和2年6月15日
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2020/06/15 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 決算委員会 第7号 令和2年6月15日

#1
令和二年六月十五日(月曜日)
   午前九時五十五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     田村 智子君     武田 良介君
     山添  拓君     岩渕  友君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     舞立 昇治君     岡田 直樹君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     舞立 昇治君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     宮崎 雅夫君     高橋 克法君
 六月十日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     大野 泰正君
     熊野 正士君     竹谷とし子君
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     磯崎 仁彦君     高橋 克法君
     竹谷とし子君     熊野 正士君
     武田 良介君     田村 智子君
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     大野 泰正君     宮崎 雅夫君
     高橋 克法君     磯崎 仁彦君
     小沼  巧君     長浜 博行君
     田村 智子君     武田 良介君
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     長浜 博行君     小沼  巧君
     武田 良介君     田村 智子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中川 雅治君
    理 事
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                森屋  宏君
                野田 国義君
                浜口  誠君
                三浦 信祐君
    委 員
                足立 敏之君
                磯崎 仁彦君
                岩井 茂樹君
                豊田 俊郎君
                藤井 基之君
                舞立 昇治君
                三木  亨君
                宮崎 雅夫君
                山下 雄平君
                山田 俊男君
                小沼  巧君
                勝部 賢志君
                古賀 之士君
                那谷屋正義君
                長浜 博行君
                芳賀 道也君
                吉田 忠智君
                熊野 正士君
                宮崎  勝君
                山本 博司君
                柴田  巧君
                柳ヶ瀬裕文君
                岩渕  友君
                田村 智子君
                武田 良介君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  高市 早苗君
       法務大臣     森 まさこ君
       外務大臣     茂木 敏充君
       文部科学大臣
       国務大臣     萩生田光一君
       厚生労働大臣
       国務大臣     加藤 勝信君
       農林水産大臣   江藤  拓君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  梶山 弘志君
       国土交通大臣
       国務大臣     赤羽 一嘉君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     小泉進次郎君
       防衛大臣     河野 太郎君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   田中 和徳君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        武田 良太君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、消
       費者及び食品安
       全、少子化対策
       、海洋政策))  衛藤 晟一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(クール
       ジャパン戦略、
       知的財産戦略、
       科学技術政策、
       宇宙政策))   竹本 直一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    西村 康稔君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、地方創生)
       )        北村 誠吾君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    橋本 聖子君
        ─────
       会計検査院長   森田 祐司君
        ─────
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  近藤 正春君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹嶋  正君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房内閣審
       議官       二宮 清治君
       内閣官房国土強
       靱化推進室審議
       官        宮崎 祥一君
       内閣官房就職氷
       河期世代支援推
       進室長代理    多田 明弘君
       国家公務員倫理
       審査会事務局長  佐々木雅之君
       内閣府大臣官房
       審議官      林  幸宏君
       内閣府大臣官房
       審議官      村手  聡君
       内閣府大臣官房
       政府広報室長   田中愛智朗君
       総務省情報流通
       行政局長     吉田 眞人君
       外務省領事局長  水嶋 光一君
       文部科学省総合
       教育政策局長   浅田 和伸君
       文部科学省初等
       中等教育局長   丸山 洋司君
       スポーツ庁次長  瀧本  寛君
       厚生労働省大臣
       官房生活衛生・
       食品安全審議官  浅沼 一成君
       厚生労働省大臣
       官房高齢・障害
       者雇用開発審議
       官        達谷窟庸野君
       厚生労働省医政
       局長       吉田  学君
       厚生労働省健康
       局長       宮嵜 雅則君
       厚生労働省労働
       基準局長     坂口  卓君
       厚生労働省職業
       安定局長     小林 洋司君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    渡辺由美子君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    谷内  繁君
       農林水産省消費
       ・安全局長    新井ゆたか君
       農林水産省生産
       局長       水田 正和君
       経済産業省大臣
       官房商務・サー
       ビス審議官    藤木 俊光君
       経済産業省大臣
       官房審議官    矢作 友良君
       経済産業省大臣
       官房審議官    春日原大樹君
       中小企業庁長官  前田 泰宏君
       中小企業庁事業
       環境部長     奈須野 太君
       中小企業庁経営
       支援部長     渡邉 政嘉君
       国土交通省大臣
       官房技術審議官  東川 直正君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        五道 仁実君
       国土交通省道路
       局長       池田 豊人君
       環境省自然環境
       局長       鳥居 敏男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成三十年度一般会計予備費使用総調書及び各
 省各庁所管使用調書(その1)(第百九十八回
 国会内閣提出、第二百一回国会衆議院送付)
○平成三十年度一般会計予備費使用総調書及び各
 省各庁所管使用調書(その2)(第百九十八回
 国会内閣提出、第二百一回国会衆議院送付)
○平成三十年度一般会計歳入歳出決算、平成三十
 年度特別会計歳入歳出決算、平成三十年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成三十年度政府
 関係機関決算書(第二百回国会内閣提出)(継
 続案件)
○平成三十年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第二百回国会内閣提出)(継続案件)
○平成三十年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 第二百回国会内閣提出)(継続案件)
○会計検査の要請に関する件
    ─────────────

#2
○委員長(中川雅治君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日までに、山添拓君、田村智子君及び小沼巧君が委員を辞任され、その補欠として岩渕友君、武田良介君及び長浜博行君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(中川雅治君) 平成三十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成三十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、以上二件を一括して議題といたします。
 まず、財務大臣から説明を聴取いたします。麻生財務大臣。

#4
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました平成三十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)及び平成三十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げさせていただきます。
 平成三十年度一般会計予備費予算額四千五百億円のうち、まず、平成三十年度四月二十七日から同年九月二十八日までの間において使用を決定しました金額は一千九百三十九億円余であり、その内訳は、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の三十七件であります。
 次に、平成三十一年二月二十一日から同年三月二十九日までの間において使用を決定しました金額は五億円余であり、その内訳は、国選弁護人確保業務等委託に必要な経費等の三件であります。
 以上が、予備費使用総調書等についての概要であります。
 何とぞ御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。

#5
○委員長(中川雅治君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#6
○委員長(中川雅治君) 速記を起こしてください。
    ─────────────

#7
○委員長(中川雅治君) これより平成三十年度決算外二件及びただいま説明を聴取いたしました予備費二件を一括して議題とし、質疑を行います。
 なお、本日の平成三十年度決算外二件の質疑は締めくくり総括質疑でございます。
 まず、私が決算委員長として総括的な質問を内閣総理大臣にいたします。
 昨年十二月に中国武漢市において感染が確認された新型コロナウイルスは、我が国でも本年一月に最初の感染者が確認されて以降、感染者が増加し、これまでに九百人を超える方々が亡くなられています。今回の新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々に対しお悔やみ申し上げますとともに、感染症に罹患され現在も療養されている方々の一刻も早い御回復をお祈り申し上げます。また、医療従事者の皆様を始め、我々国民の生活維持のために御尽力いただいている全ての皆様に心より感謝申し上げます。
 政府は、これまでに、新型コロナウイルス対策として、国内への流入を防ぐ水際対策や医療、検査体制の整備等の感染拡大防止策を講じてきました。四月七日に出された緊急事態宣言は、外出自粛や三密の回避など国民の皆様の御協力もあり、五月二十五日には全面解除となりましたが、感染の再拡大を起こさないため、気を緩めることなく感染防止策を続けていかなければなりません。
 他方、外国人旅行者の激減や休業要請等により、経済は大きな打撃を受けております。政府は、今般成立した第二次補正予算において、資金繰り対応の強化や家賃支援給付金の創設等を盛り込みました。支援メニューの拡充はもちろん重要ですが、余力のない中小零細企業にとっては何よりもスピードが肝腎です。また、経済を着実に回復軌道に乗せるためには、段階的な社会経済活動の再開に合わせ、きめ細かく切れ目のない対策を講じる必要があります。
 そこで、予想される第二波、第三波を見据えた新型コロナウイルス感染症に係る今後の政府の対応について、また我が国経済の再建に向けた今後の方策について、総理に伺います。

#8
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これまで国民の皆様の多大なる御協力により、欧米諸国のように罰則を伴う強制的な外出規制を実施することなく緊急事態宣言を解除することができたものと認識しています。
 一方で、ウイルスは今でも私たちの身の回りに確実に存在しており、一たび気を緩め感染予防を怠った途端、一気に感染が広がり、広がっていく、これがウイルスの最も怖いところであると実感をしております。そのため、感染リスクをコントロールしながら段階的に社会経済のレベルを上げていくことで、コロナの時代の新たな日常を国民の皆様とともにつくり上げていくことが必要であります。
 先日成立した第二次補正予算は、この険しい道のりの中でも事業と雇用を何としても守り抜いていくと同時に、次なる流行のおそれにも万全の備えを固めていくためのものであります。先般の補正予算等と合わせ、事業規模二百三十兆円超、GDPの四割に上る世界最大の対策により日本経済を守り抜いていく決意であります。
 対策を速やかに執行し、あらゆる手だてを講じ、各種の支援策を必要とされる方々のお手元に迅速に届けることで、雇用と事業活動、生活を守り抜いていく考えでございます。

#9
○委員長(中川雅治君) ありがとうございました。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策に係る各施策の事後的検証の在り方についてお伺いします。
 今般成立した二次補正を含む新型コロナウイルス感染症対策の事業規模は、総額二百三十兆円を超えるものであります。戦後最大とも言われる国難への対応として、時機を逸することなく、あらゆる政策手段を総動員しなければならないことは言うまでもありません。
 一方で、国の財政を預かる政府としては、たとえ国難への対応であったとしても、政策を実行して終わりではなく、各施策の効果や執行状況等について検証する責任もあります。そのため、適切な時期に、今回政府が実行した各施策について期待した効果が認められたか、無駄な支出が行われていなかったか、他に適切な方策はなかったかなどといった観点から、意思決定に至った過程も含め、徹底した検証が必要ではないでしょうか。
 人類は、有史以来、感染症との闘いを繰り返してきました。我々もこの新型コロナウイルスとの闘いの過程を検証し、次に確実に引き継いでいく必要があると考えますが、総理の御見解を伺います。

#10
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、時々刻々と状況が変化する中で、様々な政策について、専門家の意見も聞いた上で必要な検討を行い、また国会における御議論を踏まえ、国民の声に耳を傾けながら進めてきたところでありますが、これまで政府が実行してきた事業の効果や実施状況などについて、委員長御指摘のとおり、感染が終息した後の適切な時期にしっかりと検証を行う方針でございます。

#11
○委員長(中川雅治君) ありがとうございます。
 次の質問でございます。
 目下、コロナウイルス感染症対策が最優先の課題となっていますが、その中でも気候変動対策は歩みを止めてはならない重大な課題であります。
 コロナウイルス感染症の影響による人の移動の減少、生産活動の縮小等により一時的にCO2の排出は減少していますが、これは決して望ましい形の削減ではありません。パリ協定が目指す脱炭素社会の実現のためには、イノベーションを通じた成長を実現しながらより一層の排出削減が必要であります。三密対策を契機にテレワークやウエブ会議等が定着するなど、これまでなかなか進まなかった我々の暮らし方、働き方の変化が一気に進むことが想定される一方で、リーマン・ショック後に世界のエネルギー消費、特に化石燃料の消費が増大したように、これからの経済回復には石炭も含めた化石燃料による安価なエネルギー供給が不可欠との意見もあります。
 しかし、我が国がこの五年間、経済成長とCO2削減の両立を図ってきたように、コロナ終息後においても新たな成長軌道と脱炭素型への移行を同時に実現する道筋を描かなければなりません。こうした考えを骨太の方針や成長戦略にも是非反映してもらいたいと思っております。
 そこで、安倍総理にお伺いいたします。
 コロナウイルス感染症終息後の新たな生活様式での経済回復と脱炭素社会への移行を両立させる道筋をどのように実現させる方針なのか、現在政府で改定の検討が進められている地球温暖化対策計画における対応も含め、お答えいただきたいと思います。

#12
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今後、コロナの時代の新たな日常をつくり上げていくに当たっても、世界的に喫緊の課題である気候変動問題への対応の重要性は変わることはありません。
 世界的にESG投資が拡大するなど、温暖化対策は企業にとってももはやコストではなく競争力の源泉となっています。気候変動対策に積極的な企業に資金が集まり、更なる成長と対策が可能となる、まさに環境と成長の好循環の流れを一層加速させることで、脱炭素社会への道のりを力強く前進していきます。その道しるべである地球温暖化対策計画については、関係省庁において既に見直しに向けた検討を開始しており、今般の感染症対策との両立の観点も十分に踏まえながら、パリ協定に基づく目標の実現に向けた道筋をしっかりと示していきたいと考えています。
 我が国は、五年連続で温室効果ガスの排出量を削減しており、これはG20の中で日本と英国のみであります。合計で一二%の削減はG7の中で英国に次ぐ大きさであります。
 脱炭素社会の実現に向けて、今後とも我が国は世界の中で積極的にその役割を果たしていく考えでございます。

#13
○委員長(中川雅治君) ありがとうございました。
 以上で私の質疑を終わります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#14
○長峯誠君 自由民主党、宮崎県選出の長峯誠でございます。本日、質問の機会を与えていただきましたことに衷心より御礼申し上げます。
 まず、新型コロナウイルスにより亡くなられた方々に哀悼の誠をささげ、様々な困難に直面されている方々にお見舞いを申し上げます。また、この災厄と必死に闘っている関係者の皆様方に心から敬意を表します。
 我が国のコロナ対策はジャパン・ミラクルと言われます。強制力のない自粛要請により、感染者数、死者数共に相対的に低い水準にとどめています。確かに、厳しい統制なしにコロナ封じ込めを行ったことを称賛する声が多く聞かれます。しかし、厳しい統制をしなかったのではなく、できなかったのではないでしょうか。今回の成功体験にあぐらをかいていたらひどいしっぺ返しを食らうのではと大変危惧をしております。
 罰則付きの外出制限や営業停止をきちんと法律で定めることは憲法違反になるのでしょうか。もとより、基本的人権は、公共の福祉に反しない限りとの制約が認められており、感染症対策を公共の福祉と呼ぶことに異論は少ないと思います。この憲法上の制約について、西村大臣にお伺いいたします。

#15
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、憲法十二条におきまして、国民は、自由及び権利の濫用をしてはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負うとされているところであります。施設の利用制限に関する罰則を検討するのも一つの考え方であるというふうに理解をしております。
 特措法は私権の制約が非常に少ない緩やかな法体系、御指摘のとおりであります。しかしながら、この特措法による施設の使用制限についての要請や指示に従わない施設等が多数発生する場合に、国民の命を守るために必要となれば、休業の命令、罰則などのようなより強制力を有する仕組みの導入について法整備の検討を行わざるを得なくなるというふうに考えております。
 他方、仮に外出制限にまで罰則を科すとすれば、これは私権の制約がかなり大きくなることから、憲法上の基本的人権の尊重との関係なども含め、より慎重な検討が必要になるのではないかというふうに考えております。
 いずれにしましても、憲法上の議論の整理が必要であるというふうに理解をしております。

#16
○長峯誠君 私は、都城市長時代に家畜伝染病の口蹄疫を経験をいたしました。私の町でも口蹄疫は発生しましたが、一件で封じ込めることができました。有り難いことに多方面からお褒めの言葉をいただきました。しかし、私は、市職員に館内放送で、彼らの苦労をねぎらうとともに、この成功体験にうぬぼれてはいけない、災害はいつも違う顔でやってくる、今回の経験が次も通用するとは限らない、油断せず準備を怠らないようにしようということを強く申し上げました。新型コロナの第二波に備えて、あるいはほかの新たな感染症に備えて、外出制限や営業自粛に関する法的担保を検討するべきだと考えます。
 五月二十五日に緊急事態宣言が解除されてから、二週間の新規感染者数は五百六十人です。逆算すると、これだけの方が緊急事態宣言の間に感染したということであります。もちろん医療従事者の方もいらっしゃいますが、自粛要請を無視して営業していた店舗での感染も指摘されています。自粛要請に真面目に取り組み、売上げを犠牲にした同業者の方にとっては強い不公平感を感じるのではないでしょうか。もちろん、罰則付きの外出制限や営業停止を機械的に実施するということではなく、少なくとも最後の手段として実施できるようにするためにきちんと法律で定めておくべきと考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。

#17
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 罰則付きの外出制限や営業停止を求めるための立法措置については、それがどうしても必要な事態が生じる場合には、においてはですね、当然検討されるべきものと考えています。ただいま西村大臣が答弁したように、このことは私権の大きな制約を伴うことになりますので、慎重に考える必要があるとも考えております。
 また、我が国においては、国民の皆様の多大なる御協力によって、そうした欧米のような罰則を伴う強制措置を行うことはなく、重症者や死者の数も圧倒的に低く抑えられており、このことは海外からも評価され始めているところであります。
 いずれにいたしましても、今最も必要なのは、感染リスクをコントロールしながら段階的に社会経済のレベルを引き上げていくことでありまして、国民の皆様とともにコロナ時代の新たな日常をつくり上げていくことだろうと考えております。
 政府においては、この感染拡大により、政府においては、この間の感染拡大により大変な状況にある御家庭や事業者の方々に一刻も早く支援をお届けするとともに、次なる感染の流行に備え万全の体制を整備してまいりたいと、このように考えております。

#18
○長峯誠君 ありがとうございます。
 ジャパン・ミラクル、ミラクルは奇跡でございます。奇跡は二度も三度も起こりません。最近はジャパン・パラドックスとかジャパン・ミステリーとも言われております。最悪事態を想定して早急に手当てを検討していただくようお願い申し上げます。
 西村大臣はここで御退席いただいて結構ですので、委員長、よろしくお願いいたします。

#19
○委員長(中川雅治君) 西村大臣、退席されて結構でございます。

#20
○長峯誠君 次に、地方行財政について高市大臣にお伺いいたします。
 地域の実情に応じたコロナ対策に各自治体が取り組んでいます。一方で、地方税収の大幅な減少も見込まれます。そこで、自治体は財調基金を取り崩して対応しています。自治体によっては、特目基金や減債基金まで組み替えて対応しているところもあるようでございます。
 地方自治体の基金の状況について総務省としてどのように把握されているのか、大臣にお伺いいたします。

#21
○国務大臣(高市早苗君) 地方団体においては、現在、新型コロナウイルス感染症に関して、基金の活用も含めて、地域の実情を踏まえた財政運営を行っていると認識をしております。
 この新型コロナウイルス感染症対策に関しましては、ほとんどの事業を全額国費対応とする一方で、内閣府所管の地方創生臨時交付金について、一次補正、二次補正合わせて三兆円が計上されております。さらに、総務省におきまして、地方団体における当面の資金繰りを支援するために、地方議会の議決後すぐに地方債を発行できるよう手続を弾力化するということや、また減収補填債の公的資金の確保、それから共同債の大幅な増額を行うということにしておりますので、総務省としましても、引き続き地方団体の状況の把握に努めて、その財政運営に支障が出ないようにしっかり対応してまいります。

#22
○長峯誠君 傷んだ地方財政にしっかりと目配りをしていただきますようにお願い申し上げます。
 今回、保健所職員の不足が課題となりました。児童虐待の対応でも職員不足が問題となりましたし、また、近年の度重なる災害で地方自治体のマンパワー不足が言われております。地方自治体の職員数はピーク時から一七%減少している一方、行政需要は多様化、複雑化しています。国際比較でも日本の公務員は極めて少ない方です。では、どうしたら地方公務員を増やすことができるのでしょうか。
 かく言う私も、市長時代に定数を大きく削減しました。なぜか、なぜか。自治体としては、いろんな事業をやりたい、そのためには人件費を削って予算を捻出したい、正職員が減った分は臨時職員や民間委託、指定管理で代替する、こういう理屈ですから、何の対策も取らない自然体では地方公務員はどんどん減っていくことになります。
 国として、地方公務員の数を直接的に増やす仕組みはありません。では、どのように地方の行政需要に応えられるだけの職員数を確保していけばよいのか、大臣にお伺いいたします。

#23
○国務大臣(高市早苗君) 地方公共団体の総職員数はこれまで減少基調で推移してきましたけれども、例えば防災関係の職員、また児童相談所の職員、保健師、助産師などは増加するといった形で、その時々の社会経済情勢の変化に対応しながら必要な人員配置を行っておられると認識をしております。
 もう長峯委員は市長の経験者でいらっしゃいますのでよく御承知のとおりではございますが、地方公共団体の定員管理につきましては、各団体で自主的に御判断いただくことが基本でございます。行政の効率化や能率化を図りながら、地方の、地域の実情に応じた適正な定員管理に努めて、必要な行政需要に応えていただくということが重要だと考えております。

#24
○長峯誠君 これなかなか難しくて、総務省の皆さんと議論をしてもいい知恵が出てこないんですよね。でも、引き続きしっかり議論をして、何らかの方策を取っていかれるべきだというふうに思っております。
 次に、防災について武田大臣にお伺いいたします。
 多くの方々にとって、避難勧告はイコール避難所に行くことと誤解されております。これは大変危険なことです。実際に、避難所に向かう途中で水に流されるケースが後を絶ちません。私が考える避難行動の優先順位は、一、自宅が安全なら自宅にとどまる、二、自宅が危険であれば親戚、知人宅に身を寄せる、三、一、二以外の人は避難所に行くというものであります。避難所はあくまで最後の選択肢です。
 この度、令和元年台風検証チームの取りまとめが公表されました。その中で、避難行動について、今私が述べたような考え方を今後は国民に周知していくということが盛り込まれました。このことについては感謝申し上げたいと存じます。
 この点で、メディアで避難率という数字が出されます。百人に避難勧告が出て一人避難所に行った場合は、いわゆる避難率では一%です。しかし、残りの九十九人が親戚、知人宅に身を寄せていたら、本当の避難率というのは一〇〇%なんですね。
 私が市長時代に、災害時要支援者名簿を作成して、避難準備情報を出した段階で全ての対象者に連絡を取りました。そうしたところ、まあ七十名ぐらいいらっしゃったんですが、そのほとんどの方が親戚のうちに行く、娘のところとか兄弟のところに行くというのがお答えでした。その中で、七十人の中で避難所に行きたいと言ったのは一人でした。避難が必要な人の中で避難所に行くべき人、行きたい人というのは、私の感覚では数%だと思います。
 にもかかわらず、いわゆる避難率という表現が、安全な場所にいる人まで危険を冒してでも避難所に行かなければいけないというような誤った避難行動を助長していると考えますが、武田大臣の御見解をお伺いします。

#25
○国務大臣(武田良太君) 全く御指摘のとおりでありまして、避難、まさにこれ読んで字のごとく難を避けると書くわけですけれども、そのとき、その状況の難とは一体何なのかということを国民一人一人が認識し、理解してもらうことが重要であろうかと思います。
 先生おっしゃるように、必ずしも、そのとき、その状況によって、避難所だけが安全な場所ではなく、御自宅が安全なときもある、友人や親戚のお宅が安全な場合もある、それを的確に判断していただけるように我々も分かりやすい情報開示というものを今から心掛けていかなくてはならないと思います。
 また、避難率というのは、その居住区の方々が避難所を使った、行った率だというふうに考えておりますけれども、御指摘のように、避難所に行かなかった方も十分身を守るために避難されている方々もおるわけです。そこのところは、マスコミの表現と我々との発信が矛盾がないように今後調整していきながら分かりやすい情報提供に努めていきたいと、このように考えています。

#26
○長峯誠君 ありがとうございます。もう今後、避難率という言葉は使わないというぐらいの世の中になっていけばいいのかなというふうに思っております。
 この度、防災基本計画が改定されました。この中で、コロナ対策として三密を回避するために、自治体は必要な場合にホテルや旅館等の活用を含めて検討するように努めるものとするとされています。しかし、ホテルや旅館を活用するとなると多額の経費が掛かってしまいます。この点について、政府としてどのように財政支援するのか、武田大臣にお伺いします。

#27
○国務大臣(武田良太君) 密を避けることが感染症対策で最も必要なことでありまして、その分、絶対的な避難所の箇所数というものを増やしていかなくてはならない、その手段の一個としてホテル、旅館の利活用ということを掲げさせていただいております。
 その経費については、災害救助法が適用された場合、これは国庫の負担となりますけれども、時によって災害救助法というものは適用されない地域もあろうかと思います。その地域には地方創生臨時交付金というものが適用されることとなっております。
 先週十日の日には、各都道府県の防災危機管理責任者を対象としたオンラインによる特別講座というものも開催させていただきまして、その旨の周知を徹底いたしたところであります。

#28
○長峯誠君 ありがとうございます。これで安心して自治体も準備ができるかと思います。
 同じくこの防災基本計画の中で、立ち木に関してですね、木です、事前伐採等による予防保全に努めるものとするという役割を都道府県と電気事業者に負わせています。確かに、倒木で電線が切断され、電気の復旧に時間が掛かりました。しかし、事前伐採となると、経費や地権者との交渉など相当の負担を要すると考えられます。これについて国としてどのような支援をするのか、大臣にお伺いします。

#29
○国務大臣(武田良太君) 昨年の十五号の教訓で長期停電という対策、これを我々は教訓として得ました。事前伐採に関しては、やはり自治体とその電線管理者というものの連携をまず強化をしていかなくてはならないわけであります。
 そしてまた、これはいろんなインフラ設備に近接した、そうした樹木というのもたくさんあるわけでありまして、これに関しては、その関係者がしっかりと協定というものを締結して、事前にこれを整備できる事業、これを創設をいたしました。その中において、林野庁において所要の予算を計上させていただいたところであります。

#30
○長峯誠君 ありがとうございます。
 次に、赤羽大臣にお伺いいたします。
 洪水対策のために、利水ダムの事前放流をお願いする協定がダムのある全ての一級河川で締結されました。これにより、洪水時に活用できるダムの貯水容量は従来の二倍に増えたとのことです。ただ、事前放流の後に雨が降らなかった場合は損失補償をする必要があります。
 ダムの目的は発電、飲料水、農業用水、工業用水等様々ですが、補償の基準はどうなっているのか、お伺いいたします。

#31
○国務大臣(赤羽一嘉君) 昨年の台風十九号では、八ツ場ダムを始め既存ダムの洪水調節が大変浸水被害の防止、軽減に大きな効果がございまして、改めて、上流でなるべくためて下流に流す水量を調節することの重要さ、また本川、支川、上流、下流など流域全体を見据えたいわゆる流域治水への転換が急務だということを改めて認識したところでございます。
 そうした中で、今御説明いただきましたように、我が国のダム、実は千四百七十ありますけれども、そのうち治水を目的にしたダムは五百七十、約三割でございまして、残りの六割の九百が電力や農業用水、工業用水などのための利水ダムでございます。こうした中で、水害対策に使える容量は全体の約三割にすぎない。これを今お話がありましたように倍の六割を目標にしまして、関係省庁連携しながら対策を取ってきたところでございます。その結果、既存ダムの事前放流の抜本的な拡大が進みまして、本年五月までにダムのある全ての一級水系、これ九十九ございますが、全てで事前放流に関する治水協定の合意に至っております。
 今言われたように、実は損失補償というのがございまして、利水ダムが事前放流を行った結果、水位が低下してしまって本来の利水目的ができなかった場合、補填制度を今年から、今年度から創設をすることになりました。これは具体的に申し上げますと、例えば発電では、発電量の減少に対して例えば火電、火力発電所のたき増し等の代替発電費用等を補填することを対象としておりまして、それぞれ発電ですとか水道、農業等の利水の目的別に補填の内容を具体的に定めることとしておるところでございます。
 いずれにしても、しっかりこうした洪水調節をフルに使いながら、また本年も出水期迎えますので、再発防止のために全力で取り組んでいきたいと、こう考えております。

#32
○長峯誠君 ありがとうございます。
 また、赤羽大臣にはお礼を申し上げたいと存じます。公共事業の発注の平準化について、自治体ごとの平準化を見える化していただくよう再三お願いをしてまいりました。そして、ついに四月三十日に国交省のホームページで全都道府県、全市町村の平準化率が公表され、国民は誰でも見ることができるようになりました。テレビで御覧の地方議員の皆さんは、このホームページを是非御覧になって、御自身の町の平準化率が低い場合は、是非とも議会で取り上げていただきたいと思います。
 これまでも国交省は、平準化への取組を何度も要請してきましたが、なかなか進んできませんでした。この度の見える化で大きく前進していくものと思われます。
 次なる課題は工期の平準化でございます。年間を通して手持ち工事がある、仕事がれの時期がない、そんな安定した建設業界をつくることができれば人手不足も解消していくと存じます。赤羽大臣には、引き続き御尽力を賜りますようお願い申し上げます。
 次に、出入国規制の緩和について茂木大臣にお伺いいたします。
 報道ベースでは、ベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドの四か国について、夏頃、入国制限を緩和するとのことでございます。いずれもコロナの終息が期待される国で、それぞれコロナの死者数を見ると、ベトナム、ゼロ、ニュージーランド二十二名、タイ五十八人、オーストラリア百二人であり、日本の九百十九人よりかなり少ない国々であります。かつ、昨年の日本への入国者数もタイが六位、オーストラリア七位、ベトナム十二位、ニュージーランドは上位には入っていませんが、入国者数も高い国が候補となっています。
 しかし、ここで違和感を覚えるのは、台湾が入っていないことでございます。コロナ対策の優等生で、死者数も七人、日本への入国者数も三位であり、真っ先に入国制限を緩和すべき国ではないでしょうか。
 なぜ台湾が候補になっていないのか、協議は進めているのか、茂木大臣にお伺いします。

#33
○国務大臣(茂木敏充君) 実際にいずれかの段階で入国制限、人の往来の再開、スタートしたいと思っておりますが、今の段階で特定の国、名前幾つか挙げていただきましたが、確かに、ベトナム始め、感染者数、死者数、非常に少なくなっておりますが、特定の国について入国制限を緩和することを決めたと、こういう事実はございません。
 人の往来の再開に当たっては、まず日本での感染拡大の終息と同時に、海外の感染の状況であったり、今、例えば世界でも、ヨーロッパの中、シェンゲンも域内では移動の制限が撤廃をされると、また一部域外との移動制限、これも緩和が始まりつつありまして、こういった主要国・地域の対応をしっかり見極めたいと思っております。
 その上で、渡航が安全か否か、どこまで人の往来を再開できるかについて、相手国・地域における感染の状況等、様々な情報を総合的に勘案して、どのようなアプローチが適切か検討しているところであります。
 今後、出入国規制を緩和する場合でも、一遍に観光客からやるというのは無理だと思うんですね。やはり段階を分けて、例えば第一段階としては、まずはビジネス上必要な人材や専門家など必要不可欠な人材から始めて、その後、留学生、そして、ある程度先になると思いますが、最終的には観光客を含めまして一般に広げることになると考えております。
 地域についても終息しつつある国のグループから実質していく形になると思いますが、これまでも、長峯委員も御指摘をいただきましたが、人の往来が活発であった相手国・地域との間で相互に緩和をするということができればより望ましいと考えております。
 今、世界、決してこのコロナの感染症収まっているわけではなくて、南米、そしてインド、パキスタン、さらにはバングラデシュ、こういった南アジア、一部のアフリカ諸国を始め、依然として感染の拡大が続いておりまして、警戒が必要な状況であると考えております。
 一方、制限緩和措置が進んでいる国もあり、またかなり収まっている国もあるということで、私もベトナム、ニュージーランド、そしてオーストラリアの外相と会談を行いまして、新型コロナの防止対策、これをしっかり取りながら、必要な人材の往来を再開する可能性について協議を進めていくことで一致をしたところであります。

#34
○長峯誠君 ありがとうございます。
 次に、農政問題について江藤拓農林水産大臣にお伺いいたします。
 実は、この春にも和牛の対中輸出がスタートする予定でした。日本を旅行して和牛のおいしさに驚いた中国の富裕層は、本国では和牛を食べることができませんでした。対中輸出が解禁されれば、とてつもない需要が生まれるはずで、我々は期待に胸を膨らませていました。農産物輸出振興担当総理補佐官、引き続き農林水産大臣として、そして農林水産物・食品輸出本部長として、この取組に大変な情熱を持って先頭に立って牽引されてきたのが江藤大臣でございます。
 しかし、コロナによって、輸出はおろか国内需要も大きく落ち込み、和牛価格は急落しております。生産者は、まさに天国から地獄へ突き落とされたような状態でございます。第一次補正、第二次補正で和牛への奨励金を実施していますが、これで何とか営農継続の意欲を維持してもらえるよう祈るばかりでございます。
 和牛の対中輸出、これ現在はどうなっているのか、そして今後どうなるのか、江藤大臣にお伺いします。

#35
○国務大臣(江藤拓君) 大変、中国に対する輸出で希望が膨らんでいました。孔鉉佑大使も宮崎の処理場まで来ていただいて、すばらしい施設だと、もう中国の皆さん方は、直接輸入が再開されて、そして日本のこのすばらしい和牛文化を楽しみたいということをおっしゃいました。そのときも一緒にいてくださいました。
 中国は、今現在、世界の牛肉貿易の約二割を占めております。一年前までは百万トンと言われておりましたけれども、一年で六割も伸びて、今百六十六万トン一年間に輸入をいたしております。日本の国産牛の生産数量は年間三十三万トンしかありません。和牛に至っては十五万トンちょっとしかありません。ですから、これだけの量しかないものを中国のマーケットがもし引いてくれるということになれば、一体価格はどこまで上がるんだろうと夢は広がるばかりだったんですけれども、御質問のどこまで進んでいるかということについては、正直、このコロナで今ストップをしているというのが現状であります。
 しかし、それまで総理を先頭に積み上げてきたこの交渉の実績というものはしっかり残っておりますので、四月の一日には法律が通って輸出対策本部が動き出しました。しかし、看板掛けもできていません。輸出よりもやはり国内政策が優先だということであります。
 ですから、今週の金曜日には対策本部をいよいよ看板上げもしますので、このアフターコロナの、入りましたら、積極的にこの遅れを取り戻すべく全力を尽くして頑張ってまいりたいと考えております。

#36
○長峯誠君 大幅な需要がなくなった中でも、輸出入というのは結構行われているんですね。ですから、こういったところで是非ともまたコロナ後の日本経済復活の一つの旗にしていただきたいなというふうに思っております。
 次に、マルキンについてお伺いいたします。
 和牛価格の急落を補填する仕組みとしてマルキン制度がございます。これが三月に見直しをされました。地域算定に使う標準的販売価格が都道府県単位から地方ブロック単位に変更されました。
 確かに、県によっては相対取引価格が市場価格よりも低いという事態も発生し、モラルハザードにつながりかねない制度上の問題が従来から指摘されておりました。コロナによる価格急落の場面だからこそ、多くの生産者が納得する公平な仕組みでなければなりません。
 そのような観点から今回の見直しが行われたと思いますが、分かりやすい説明が必要と考えますので、マルキンの見直しの趣旨について江藤大臣にお伺いいたします。

#37
○国務大臣(江藤拓君) このマルキンについては、コロナの最中の見直しでありましたから、様々な地域では様々な御意見があることも重々承知をいたしております。しかし、これはやらなければならなかった、必要なことだったと思っています。そして、結果としては良かったと思っています。
 委員が御指摘いただいたように、過去一年を振り返っても、毎月毎月一頭当たり十万円を超えるお金が払われる県がある一方、一年間を通じて一円も全く発動されないという県があって、同じマルキン制度に入っている、積立ての金額は違うかもしれないけれども余りにも不公平じゃないかという声がありました。ですから、コロナ発生前からこのことについては議論になっていました。
 そして、コロナが発生して、四月に発動してお支払をしたんですけれども、そのときに、十八の県では相変わらず発動はゼロでした。一円もお支払がない。肥育農家が非常に苦しい塗炭の苦しみの中にいるのに、十八の県ではマルキンが全く発動されない。じゃ、このままの制度で五月もいくのかといったら、それは許されないだろうということで、私の責任の下で思い切って見直しをさせていただきました。
 その結果、全ての県でマルキンは発動されることになりました。そして、しかるべき金額だったと思います。そして、四月と比べてもマルキンの発動金額が下がった県は一県もありません。全ての県で金額的に上がっています。
 そして、子牛の値段についても、もう六十万円を切るんじゃないかと、非常に危機的な状況が言われていましたが、対策も打ちました、六十万円を切ったらという話で。しかし、このマルキンの見直しの成果と私は思っているんですけれども、今、七十万の手前の六十七万円まで子牛の値段も回復しつつあります。枝の値段が戻っていないのに子牛の値段が戻っている。購買力が増したというふうに思います。
 そして、このコロナ対策で、本来であれば、このマルキンは保険制度設計ですから、生産者が一、そして国が三を積み立てるという制度ですから、生産者が一を払わないと発動されないのは建前ですけれども、この一の部分についても支払猶予、まあ猶予とはいいながら実質免除いたします。免除した上で支払をさせていただいて、国費の分をしっかり支払をさせていただいて、これからの肥育、繁殖、支えていきたいと思っています。
 これまでたくさんの先人たちが築いてこられたこのすばらしい和牛の文化を世界に発信するためにも、生産者の方々の意見をこれからもしっかり聞きながら現場を支えていきたいというふうに考えております。

#38
○長峯誠君 大変分かりやすく、思いのこもった御答弁、ありがとうございました。
 以上で私の質問を終わります。

#39
○委員長(中川雅治君) 関連質疑を許します。三木亨君。

#40
○三木亨君 自由民主党の三木亨でございます。
 本日、伝統ある決算委員会の質問の場に立たせていただきました。後押しをいただいた同志の皆さんに感謝申し上げます。その感謝を表するために、昨日、散髪に行ってまいりまして、今日ここに臨みました。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、新型コロナウイルスで亡くなられた方々に心から御冥福をお祈り申し上げます。そしてまた、現在も闘病されている方の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。それとともに、人々の命、そして暮らしを守るためにエッセンシャルワークに従事されている皆様方、医療従事者、介護従事者の方を始めとして、こういった方々に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 六月十一日に関東も梅雨入りいたしました。雨の季節となってまいりまして心配しておりますのが、近年、我が国では非常に大雨災害が続いております。台風であるとかゲリラ豪雨による局地的大雨、あるいは線状降水帯による長時間そして広範囲にわたる大雨などによって、各地で大きな被害が起きております。これ毎年のように起こっております。今年ももしかしたらあるかもしれません。そういった危惧がございます。この被害、予想のされる地域では、迅速かつ適時適切な避難が重要となってまいります。
 一方、新型コロナウイルスですが、一旦、緊急事態宣言も解除されました。しかしながら、昨日も全国で七十六人、東京都では四十七人、四日連続でこれ二十人以上の数字でございますので、完全に終息したとは言えません。これが第二波となってもおかしくない状況、これが続いております。
 先ほど長峯委員からも避難の場所の話もございましたが、公的に用意された避難場所というのは、私、三つの密が重なりやすくて、新型コロナウイルスの感染リスクが高くなるのではないかというふうに危惧しております。避難所で感染リスクを回避させる必要があると考えますけれども、防災担当大臣の御所見をお願いいたします。

#41
○国務大臣(武田良太君) いよいよ梅雨時期を迎えまして、例年、自然災害が多発するシーズンを迎えたわけであります。
 コロナ禍における避難所の感染症対策という問題は重大な問題でありまして、ありとあらゆるケースというものを我々も想定し着手しているわけでありますが、まずは密を避けるということが重要であります。一人一人のスペースをいかに広く取るか、そのためには可能な限り多くの避難所というものを用意しておかなくてはなりません。各自治体が用意できるもの、国の研修施設等、そればかりではなく、その近傍に在するホテルや旅館の協力もいただかなくてはならないわけであります。ホテル、旅館に対しては、受入れ可能の施設に対しては、事前に我々は各自治体の方にその情報というものを公開をさせていただいているわけであります。
 また、即応態勢というものが取れるように、常日頃から必要なものに対しては備蓄をしていくという心構えが大事だと思います。感染症対策に必要な備品については、当然、内閣府としても、国としてもある一定の備蓄は試みているわけですけれども、それぞれの自治体がしっかりと備えていただくことが一番効果的ではないかと思います。今日までその備蓄に関しては財政問題等いろいろと地方自治体には苦しい面がありましたけれども、今回、地方創生臨時交付金が使えるということで、この自治体の皆様方には我々の方から周知徹底をいたしておるわけであります。
 また、令和二年度補正の中にも、この備蓄がしっかりとなされるための必要な予算というものを計上させていただきまして、迅速なプッシュ型支援体制の確立というものも目指しておるところであります。
 また、過去と違うのは、各都道府県に責任者というか担当者を決めて、そして現在その自治体の備蓄状況がどうなのか、交付金を利用した備蓄状況がどうなのか、また、避難所の確保はどういう状況かなどについても我々はフォローアップをしているところであり、先週十日の日には各県の防災危機管理担当者との間でオンラインによる特例講習を開くなどして、万全の体制を今整えているところであります。

#42
○三木亨君 ありがとうございます。長峯委員の関連で避難所の話をお聞かせいただきました。
 私、危惧しているのは、この避難所でもし感染が起こった、あるいは感染リスクが高いとなりますと、避難をちゅうちょする方というのが必ず現れます。そうなると、避難が遅れるということにもつながりかねませんので、そこで被害が拡大するということも考えられます。これからの季節、熱中症対策とともに十分に留意していただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 今、避難所の話をさせていただきましたが、本来でいえば、誰がどこに住もうが、終生そこで安全、安心に暮らせる、つまり避難しなくてももうずっとそこで暮らせる、そういった世界が理想だと思います。ただ、現実には非常に難しいけれども、今の施策でこの理想に近づけるもの、それは国土強靱化であろうと私は思います。
 政府では、国土強靱化のために、ここまで三か年緊急対策を打っていただきました。私どもの地元でも多くの河川において河道掘削であるとか樹木伐採、中にはもう何十年も止まっていたようなところを動かしていただいて、地元でも大変喜ばれております。
 三か年緊急対策は今年度で最終年度を迎えますが、まだまだ水害が絶えない場所、そして危険が予想される場所もあります。そしてまた、我々の地域では南海トラフ地震、年々これ発生の危険が高まっていますけれども、その備えも万全とは言えません。そういった意味で、まだまだこの国土強靱化、推進する必要があるんじゃないかと思います。
 三か年で終わらず、継続が必要と考えますけれども、担当大臣の御答弁をお願いいたします。

#43
○国務大臣(武田良太君) 新型コロナウイルス、非常に現在も厳しい状況にありますけれども、一方で、常日頃我々は、南海トラフ、また首都直下型地震等の大災害がこの日本列島を襲ってくるんではないかと、常に緊張感を持って臨んでいかなくてはならないと考えております。
 今委員が御指摘ありました三年間の緊急対策、いよいよラストイヤーになってきておるわけであって、実に百六十項目に上る緊急対策をこの間に打ってまいりました。令和元年の補正予算においては一兆円を超える関係予算というものを計上し、取組を推進してきたわけであります。
 委員御承知のように、これは各地方自治体から大変なる評価をいただいているわけで、やはり日本、どこに住んでおっても安全な地域にしていかなくちゃならない、利便性のみならず、今からは安全な地域づくりというものをどんどん推進していかなくてはならない、そういう声の下で、各地方には地域計画というものを立てていただいて、我々もそれバックアップしていこうじゃないかと。まだまだ危険なところがたくさんある、そのことを一番熟知しているのは地方自治体の皆さんですから、そういう方々にどんどん声を上げてもらって、しっかりと強い国土形成を図っていこうじゃないかというのがこの国土強靱化の重要なポイントであります。
 三年間のこの学んだことというのをしっかりフォローアップしながら、三年後についても必要な予算というものをしっかりと計上しながら、強くしなやかな日本の国土形成に我々は推進をしていきたい、このように考えておるところであります。

#44
○三木亨君 大臣、ありがとうございます。
 今回、この質問をさせていただいたのは、一つ危惧があるんですが、今回、コロナウイルス対策として非常に大きな財政出動をしていただきました。非常にこれは評価するべきところだと思いますけれども、一方で、これから先、この国土強靱化がそのあおりを受けないかということを非常に心配しております。今回のコロナウイルス対策は、人々の命と暮らしを守るためにされました。国土強靱化も人々の命と暮らしを守る、そういった意味では何も変わりはないと思います。しっかりと武田大臣の、私の母親と同じ田川の出身でございます武田大臣のリーダーシップときっぷの良さに期待したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、一つ質問を飛ばさせていただきまして、時間の関係で申し訳ございません、日本の農作物に使われている農薬についてお聞きしたいと思います。
 日本の農作物は品質が売り物でございます。食味、そして見た目の美しさ、それとともに、安全、安心というものが特色だと私は思っております。ところが、しばしば、日本では農薬がたくさん使われている、だから日本の野菜は安全じゃないんだというふうなことが論じられております。
 では、まず初めに、日本において単位面積当たりの農薬の使用量はどれぐらいで、それは他国と比べて多いのか少ないのか、そこのところを教えていただきたいと思います。

#45
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 農薬の使用量でございます。国連食糧農業機関のデータベースによりますと、我が国の面積当たりの農薬使用量、これはヘクタール当たり十一・八キログラムでございますが、これにつきましては、気象条件が異なる欧米よりは多いということでございますが、我が国と気象条件が近い中国、韓国とは同程度かあるいは若干少ないものということになっております。
 農薬の使用は、気象条件や作物の種類によって病害虫の発生状況が異なってまいります。例えば、EU域内におきましても、園芸大国でございますオランダの使用量はフランスの二倍以上というふうになっているということでございます。したがいまして、条件の異なる国の間で単純に農薬量の平均を比べるということは必ずしも適切ではないというふうに考えているところでございます。

#46
○三木亨君 ありがとうございます。
 二問目まで答えていただいたと思いますけれども、今お答えいただいたように、単純に比較はできないということですね。気候が違えば、やっぱり付く害虫も違います。日本においては温暖で、そして湿潤な気候でございますので、その農作物に付く害虫も多いということで、また、日本は、何ですかね、広い国、アメリカとかブラジルに比べますと非常に集約型の農業をやっております。やっぱり単位面積当たりの収穫量を上げないと話になりませんので、そういった意味では、やはり単位面積当たりという数字では日本は大きな値が出てくるんだなというふうに、今御答弁いただいて理解できるところでございます。
 といたしますと、問題は、その使用された農薬が実際に食べた人の健康に悪影響を及ぼすのかどうかということでございます。実際に、他国に輸出した農作物からその国の基準値以上の残留農薬が検出されたというふうに話題になったこともございます。
 では、日本の農薬の残留基準は健康被害を生じさせない値に設定されているのかどうか、政府の御答弁をお聞かせいただきます。

#47
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 食品中の農薬の残留基準は、定められた使用方法により農薬を適正に使用した場合の残留試験の結果などに基づき、食品安全委員会による食品健康影響評価を踏まえ、薬事・食品衛生審議会の審議を経て、人の健康を損なうおそれがないように設定しております。
 具体的には、我が国における各食品の摂取量を勘案し、食品を通じた農薬の摂取量が、一生涯にわたって毎日摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される量である一日摂取許容量、ADI、及び二十四時間又はそれより短時間の間に摂取しても健康への悪影響がないと推定される量である急性参照用量、ARfDをそれぞれ超えないよう残留基準を設定しているところでございます。

#48
○三木亨君 ありがとうございます。
 なかなか難しい言葉がいろいろ詰まっているので理解しにくいかと思いますが、要するに、日本の農薬の基準というのは、一生食べ続けても、あるいは一遍に食べても大丈夫な量、その未満でしか作物に使えない、そして人が食べる作物ごとにその量というものを決定している。ですから、結果的に作物ごとに農薬の量が決定されているということになると思います。
 ですから、他国に輸出した農作物からその国以上の基準値が検出されたとしても、直ちにそれが、日本の作物が危険というわけではなくて、例えば、他国に存在しない害虫が日本におりまして、それを駆除するためにその農薬が使われているなら、微量でも、他国にはその害虫はいないわけですから、当然その当該国以上の値が出るでしょうし、また、日本人が日常それほど食べないような作物ならば、一日に食べる量というものの基準値は恐らく緩く設定されているでしょうから、その作物を毎日のように食べる国にそれを持っていけば、恐らくその国の値は非常に厳しく設定されているでしょうから、引っかかるというふうになります。
 つまり、作物ごとの事情というものをやはり勘案せずに単純に数字だけを比べるというのは、この場合適当ではないということではないかと思います。そういった意味で、時々論じられるようなこの議論というものは、しっかりと自分たちで判断して考える必要があるのではないかと思います。
 このように、適正な基準で農薬の使用は認められているわけですけれども、これ現場でちゃんと使用していただかないと元も子もないわけでございますが、農水省としてこれを適切に使用するよう指導を行われているのでしょうか。

#49
○政府参考人(新井ゆたか君) お答えいたします。
 農薬については、対象作物、それから病害虫、使用回数、散布の仕方といった使用方法をしっかり守っていただくということが重要でございます。そのために、現場で指導していただいております都道府県の普及指導員の方、それから地域の農協とともに毎年六月から八月に農薬危害防止運動というのを展開しているところでございます。
 従来も、農業者の努力、それから生産技術の進歩によりまして、単位面積当たり農薬使用量はここ二十年間で三割程度削減されているところでございます。今後も、SDGsが重要となりまして、持続的な農業が、転換が求められる中にありましては、化学農薬への依存度を下げるために、天敵を使った防除あるいは病害虫に強い品種への切替えなど様々な手法を使いながら病害虫予防を目指していくということにも取り組んでまいりたいと考えております。

#50
○三木亨君 ありがとうございます。
 いわゆる日本の農作物に対する一種の言いがかり的な論も中にはあろうかと思います。ただ、その悪評というのが広まりますと、それを払拭するためには逆に十倍こちらが論を立てなければいけないという説もございます。そういった意味でも、これからも適正に使用させるよう監督をしっかりお願いしていただくとともに、こういった悪評を覆すために、日本の農作物の安全性、安心性というものをしっかりと啓発していただきたいと思います。
 続きまして、消費者庁についてお伺いいたします。
 消費者庁消費者行政新未来創造オフィスについてでございます。平成二十九年七月に徳島県に試行として開設されました。来月からは新未来創造戦略本部となるこのオフィスでございますが、今月で約三年間にわたる活動の節目を迎えます。このオフィスですが、徳島県やその周辺地域を実証フィールドとして地域密着型のプロジェクトを実施されてこられました。そこで得られた知見や成果を基に全国展開を図っていただきまして、非常に消費者庁としても大変意欲的で、また実験的な取組だと思います。国と地方の協力の新しい姿を示す上でも、今まで大変重要な役割を期待されてまいりましたし、また、地元徳島では、徳島発の全国モデルが展開されるということで大いに注目されていました。
 そこで、大臣にお聞きします。
 消費者行政新未来創造オフィスの三年間にわたる活動の成果について、どのように評価されておられるでしょうか。

#51
○国務大臣(衛藤晟一君) 消費者庁も設置されまして十年がたちます。そしてまた、徳島に消費者行政の新未来創造オフィスが設置されて三年がたとうとしています。その間、三木先生始め、消費者庁に対しましては本当に温かい御指導をいただきまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。
 この徳島県を中心とする実証フィールドとしては、消費者行政の重要課題に関する地域密着型の実証実験や分析、研究等の先進的なプロジェクトを集中的に実施してきました。地元徳島県や市長の御協力の下で得られました成果については、消費者委員会を始めとする各方面から高い評価をいただいています。
 特に、徳島県内全ての高校で消費者庁が作成した高校生向けの消費者教育教材「社会への扉」を活用した授業が実施され、また、高齢者等の消費者被害防止に向けた見守りネットワーク、消費者安全確保地域協議会について、徳島県が全国で初めて人口五万人以上の全市での設置を実現させるなど、同様の取組を全国展開していく上での大きな成果を上げることができました。
 これらオフィスの取組は、これまで地方に現場を持たなかった消費者庁が地方発中央へという政策の流れをつくり出し、消費者行政の進化のために大きな意義があったものと受け止めています。

#52
○三木亨君 ありがとうございます。
 いろいろ成果がございまして、特に感心いたしましたのは、昨年の末にエシカル甲子園の発表大会というものがございまして、地元の高校が内閣府特命担当大臣賞、つまり衛藤大臣賞を取られたわけでございます。この高校は、結構当初から消費者庁の方々にも消費者教育をしっかりされているということで非常に評価をいただいたんですが、今回本当に大きな賞をいただきまして、若い世代にもこの消費者庁が徳島に来られたいい影響が出ているなというふうに感じているところでございます。
 次に、新たに設置される消費者庁新未来創造戦略本部の今後についてお聞かせ願いたいと思います。
 先ほど申し上げましたが、来月、新未来創造戦略本部が設置されます。近年の消費者を取り巻く環境は大きく変化しています。今回の新型コロナウイルスの世界的な拡大に伴いまして、日本でもテレワークが進むなど、より一層急速に経済社会がデジタル化しておるところでございます。元々、徳島ではサテライトオフィスの先駆けとなるなど官民でリモート化に取り組んできた実績もございますけれども、消費者行政におけるそういったことへの対応についてもこれは消費者庁の課題だと思っております。高齢者などの生活弱者が消費生活において取り残されないように対応していくことも引き続き重要でございます。
 そこで、大臣にお聞きします。
 新たに設立される新未来創造戦略本部では、このような消費者行政の新しい課題についてどのように取り組んでいかれるおつもりか、お聞かせいただきたいと思います。

#53
○国務大臣(衛藤晟一君) 今年七月に発足予定の新未来創造戦略本部では、消費者行政新未来創造オフィスにおいて行ってきたモデルプロジェクトや研究を発展させまして、特に経済社会のデジタル化や若者、高齢者、障害者等の脆弱な消費者への対応等、消費者行政が直面する先進的課題への対応を強化いたします。
 また、海外の消費者政策の動向や最新の研究成果を長期的な消費者政策に生かしていくことも重要であり、国際交流や国際共同研究といった国際業務を強化する予定です。この国際業務の実施に当たっては、昨年九月に徳島県で開催したG20消費者政策国際会合で得られた知見やネットワークをレガシーとして活用いたします。
 新型コロナウイルス感染症に対応した経済社会の変化も見据え、新未来創造戦略本部でもしっかり成果を上げ、未来を先取りする消費者政策をつくり上げてまいります。

#54
○三木亨君 ありがとうございます。
 元来からいえば、この徳島オフィスというものは、東京一極集中を抑える狙いで、国の機関の地方移転の推進、こういった観点から出発したものでございます。様々な検証の結果、移転という形ではなくて、新しい消費者行政の課題に対応する拠点として取り組みいただきました。先ほど大臣に御答弁いただいたように、多大な成果が得られたことは地元としても誇りに思います。
 一方、一極集中の解消というものはいまだに課題として残っておりまして、地元徳島が元気いっぱいかというと、なかなかはっきりとそう答えられない部分もございます。昨年の参議院選挙においても、我が県は引き続き高知県との合区選挙区でございました。地元にいる人間として、二つの県で一人の代表というのは非常につらいものがございますし、地元に帰るたびにこのことに対してあらゆる方々から厳しい御意見をいただいております。しっかりとこの課題に取り組みまして、地方の声を国に届ける、そういった使命を全うしていきたい、そして地方創生を実現したいと思います。消費者庁におかれましても、この新しい創造戦略本部を活用して消費者行政の課題に取り組んでいただきたいと思います。
 最後になるかと思いますが、総理にお聞かせいただきたいと思います。
 今回のパンデミックで世界に大きな変化が感じられたのは私だけではないと思います。今回の新型コロナウイルスでございますけれども、一月の中国での発生から僅か三か月余りで世界中に燎原の火のごとく広がりました。この背景に世界が広めてきたグローバル化という波があったことは否定できないと思います。特にEUではこの状況が顕著でございまして、EUでは資本、物のみならず人も自由に行き来できる、そういった状況がこの感染拡大を早めたのではないかと思います。
 今回、コロナウイルスの影響を受けた各国ではこのことに非常に脅威を感じておられると思います。例えば、国によりましては国内の食料安全保障を優先するために食料品を輸出規制する国が出てきたり、あるいは同様に、マスクや消毒液等の医療品を国内で確保するためにこれも出さないようにしていくという国が出てまいりました。そのほかにも、サプライチェーンの強化に向けて生産拠点国内回帰、多少コストが上がったとしても国内でこれを回していくんだ、そういった動きへの模索がされ始めている感じがいたします。今までグローバリゼーションの下で発達してきた世界というものが、このコロナをきっかけに多少内向きに行動を始めたのではないかというふうな感がございます。
 一方で、今回のコロナウイルスは早い段階で情報が共有されまして、各国の研究機関や企業において協力がなされ、ワクチンや治療薬の研究開発が今も進められています。将来、未知の感染症やその他の脅威に対抗するためには、やはり国際間の連携は不可欠です。グローバリゼーションはいまだに社会や経済や文化、そして技術の発展にこれからも寄与してくれるものと思います。
 そういった中で、世界はこれからどのような動きを見せていくのか、そしてその中で日本はどのように方向性を定めていくのか、総理の見解をお聞かせください。

#55
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 世界を考える上においてまず身近なことを考えなければならないんだろうと思いますが、国民の皆様の御協力によって今感染拡大が落ち着く中にあって、新たな日常をつくり上げていかなければならない。三木委員も散髪に行かれたということでございますが、理容業も美容業もこのコロナ禍にあってガイドラインを作っていただいている。今、百近い業態においてガイドラインを作っていただき、その中で、この状況の中でいかに社会経済活動をまた再開をしていくか、それぞれ皆さん考えながら、知恵を出しながら模索をしていただいているんだろうと思います。
 その中で、先週成立をいたしました二次補正予算を始めとする様々な対策を着実に実行する中で雇用とそして事業をしっかりと守っていきたいと思っておりますが、この中で、このコロナウイルス感染症の拡大を経験した中において変わっていくもの、また変わらなければいけないものもあるんでしょうし、同時に、変わらないもの、あるいは変えてはならないものもあるんだろうと、こう思っております。
 今般の感染拡大によって明らかになった課題を踏まえました、例えばリモート化の推進や、そして重要物資、今、三木委員にも御指摘をいただいたようなサプライチェーン、あるいは生活必需品等のある一国への偏りをなくさなければならないということでありまして、その中で価格競争力のみで考えてはならないんだということを我々は経験をしたわけであります。そういう意味におきまして、そういう偏在を正していく、日本に回帰できるものは回帰していく、そういう支援をしていかなければならないと、こう思っています。
 同時に、経済のグローバル化というのは多くの国民あるいは地域にプラスの要素をもたらしたのは事実なんだろうと、富を生み出し、そして雇用をつくってきたのも事実だろうと思います。これを江戸時代のような鎖国時代に戻すわけにはもちろんいかないわけでありまして、日本こそ自由貿易の中で大きな利益を享受をしてきたわけでありますが、その中で確かなルール、WTOのルールの中で発展してきたわけでございます。
 その中で、今非常に内向きになっているのでありますが、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を堅持をしながら、こうした価値を共有する国々と手を携えて、治療薬やワクチンの開発を始め世界の感染症対策をリードしていく新たなやはりルール作りにおいて、今言ったような普遍的価値を共有する同志国とともに、日本が先頭に立って新たな秩序を構築をしていきたいと、このように考えております。

#56
○三木亨君 ありがとうございました。終わります。

#57
○浜口誠君 立憲・国民.新緑風会・社民会派、国民民主党、浜口誠でございます。今日はよろしくお願いします。
 まず冒頭、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた皆様に心からお悔やみ申し上げたいなというふうに思います。また、今罹患をして闘っておられる皆さんにも心からお見舞いを申し上げたいというふうに思っております。そして、国民の命と健康を守り、我々の生活を支えていただいております医療従事者始めとするエッセンシャルワーカーの皆様に心から感謝申し上げたいというふうに思います。
 まず最初に私の方から、これは要請です。(資料提示)
 雇調金ですね、雇用調整助成金、日額上限一万五千円に引き上がりました。既に八千三百三十円のときに、四月、五月ですね、休業手当を労使協定で結ばれたところも、今回一万五千円に上がったことによって遡及をして、休業手当が増額された場合についても差額が支給されるということになりますので、この点、労働者の方からすれば休業手当がより高い水準で支給されるということで、これは歓迎すべきだというふうに思っております。
 したがって、こういう対応ができるんだと、四月まで遡って、もう支給が終わっていても、もう一度労使で休業の協定を結び直して高い水準を設定しても雇調金から支給がされると、このことを広く事業主の皆さんにも、厚労省の方中心となって分かりやすく、雇調金大変分かりづらいんで、分かりやすく告知していただくことを改めて要請をしておきたいというふうに思います。
 では、続きまして、持続化給付金についてお伺いします。
 持続化給付金は、先週段階では、五月一日、二日の申請についてはまだ一万件近くが支給されていないと。さらに、一か月以上申請から経過しているものについても約五万件が支給されていないというのが先週の情報だというふうに理解をしております。
 梶山大臣にお伺いしますけれども、今の足下、直近でどういう状況なのかということと、あわせて、その専門チームをつくると先週言われましたけれども、専門チーム、この未払を解消するための専門チームの具体的な体制、そしていつから専門チームが活動を始めるのか、その二点についてお伺いしたいと思います。

#58
○国務大臣(梶山弘志君) 持続化給付金の現在の状況でありますけれども、申請数につきましては、昨日時点、六月十四日時点で二百万を超えております、二百六万八千件。そして、支払に関してですけれども、給付に関してですけれども、先週の十二日、金曜日の時点で百五十一万件にお支払をしております。給付金額は二兆円を超えております。約二兆円を超えているということであります。
 その中で、今、個別の対応というお話がありました。五月一日の件でいえば九七%の方にお支払が終わっているということで、残り三%、そしてその三%の中の〇・三%は今最終的な口座の確認段階ということでありますので、残り二・七%の方があるということなんですが、これ申請の後に審査がございます。審査に当たって提出書類に不備があったり、また支給要件に合わない場合もあるということでやり取りをさせていただいている方が二・七%ぐらいということであります。これマイページで詳細にはお知らせするような形に改善をしてまいりました。
 さらにまた、個別の対応ということで、先週私が申し上げたわけでありますけれども、こちらで、今申しました二・七%の方、五月一日でいえば二・七%の方に個別に対応して、そして、新たな書類が出てくる、また、新たな審査のその対象となるものが出てくる、そういったような形で、できるだけ多くの方に確実にお支払をしたいと思っておりまして、今体制を整えているところでありまして、間もなくそういった体制ができるものと思っております。

#59
○浜口誠君 体制詳しく教えてくださいよ、先週もう体制をつくると言っているんですから。
 遅過ぎますよ。もう一週間たっているんですよ。何も出てこないということ自体が、危機感ないんじゃないですか。もう一度。

#60
○国務大臣(梶山弘志君) まずは、審査をした後に最終的な形になりますので、その専門性を持った方々にやっていただくということ、その後にADR的なものもつくった上で最終の確認をしたいと思っております。

#61
○浜口誠君 全然答えていないじゃない。
 体制はどういう人員で、いつから活動を始めるんですか。もう一度。

#62
○国務大臣(梶山弘志君) 詳細の確定はしておりませんので、今しっかり組んでいるところですので、できれば今週末とか来週初めには対応できるようにしたいと思っております。

#63
○浜口誠君 申請されていた方、五月一日、二日の方は、もう一日でも早く、一時間でも一分でも早く欲しいと思っていますよ。二・七%といったって、まだ五千件近い方が支給されていないんですよ。
 申請された方からしたら、一件は一件なんです。そのことを重く受け止めていただかないといけないと思いますよ。もう一度。

#64
○国務大臣(梶山弘志君) しっかりと受け止めて、しっかりとした体制をつくって、できるだけ早く多くの方に確実に給付をしたいと思っております。

#65
○浜口誠君 総理、遅いです。正直言って遅いと思います。
 今回、支給遅れの状況を、もう今マイページでお知らせするという話ありましたけれども、全体の情報が、やっぱり持続化給付金のホームページなんかに、遅れの解消が日々どうなっているのかというのは国民の皆さんに公表するぐらいの対応があってしかるべきだと思いますよ。それすらないのはやっぱりおかしいと思います。
 総理、お伺いしますけれども、是非、まずは五月一日、二日に申請された方でまだ支給されていない方、御本人と連絡取れていないケースもあるということは承知していますけれども、それ以外の方、御本人とは連絡取っている方については、もう総理自ら、いつまでに支給するともう期限を明確に決めてください。それ言ってください。

#66
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、遅いと言われました。確かにそういう御指摘もあることは我々も十分承知をしております。
 ただ、しかしですね、今、梶山大臣が答弁をさせていただいたように、この一か月間で百五十万件ですよ、百五十万件既にお支払をしていて、一か月余りで二兆円のお支払をしているんです。ですから、現場がぼうっとしていて何にもやっていないのでは全くないんですよ。全くないんですよ。
 一日の件についても、これ残っているのは二・七%あるんですが、これはやっぱり申請する方も人間ですから、これ何にも全く問題がなくて、受ける側がですね、受ける側が全然これ怠慢でできていないというのでは、これは、これは明確に申し上げなきゃいけないんですが、そうではないんですよ。そこははっきりと申し上げておきたいと思います。
 それはやはり、書類の中に様々な課題や、課題というか問題があったのは事実なんですよ。だからですね、だからそれを一人一人に連絡をしながら、こういうふうにしてくださいというようにお願いも、私もこれ相当経産省側に確認しました。随分たっているのにどうしたの、何でなの。それはやはりそういう理由がちゃんとあるわけでありまして、その申請者に連絡を取ったら、またなかなか付かなくなってしまった、あるいはまた、申請しても、こうこうこうしてくださいと言ってもなかなかそうなっていないのもあるんですよ、これは正直に申し上げまして。ですから、なかなか、ここまでに至っているのであって、一人一人相当丁寧にこれやっているんです、残ったのは少しですから。でも、それ以外は、これ、これだけ進んでいるんですから、そこは一生懸命やっているということは評価もしていただきたいし、全てが経産省側の手落ちでということでもないわけでありまして、これ行ったり来たりしながらやっている。
 私もたまたま受け取った方から話を伺ったんですが、相当丁寧に指導していただいています。どのようにしてこれを受け取ることができるかという、私が思っていたよりも、これはまた経産省関係で聞いたんじゃなくて、たまたま私の私邸で、受け取った方から話を聞いたんですが、そういう指導もしながら今日に至っておりますので、しかし、これからも必要とされる方になるべく一日でも早くお届けをするということで全力を傾けていきたいと思います。

#67
○浜口誠君 メールだけ送って、はい、終わりというパターンも結構あるって聞いていますよ。それワンウエーじゃないですか。本当に一件一件、連絡先も、持続化給付金のホームページには、掲載する申込書には書かれていますから、あるいは郵送ではがきを送る先も書かれているんで、単にメールを送って返事がないから連絡付かないんじゃなくて、もっと丁寧に一件一件しっかりフォローアップして、着実に、書類の不備があるんであれば何が問題なのかというのを丁寧に一人一人の皆さんにちゃんとお伝えをして、それを改善して、本当に一日でも早く、一時間でも早く、一分でも早く届ける努力してください。
 そのためには、専門チームつくるって言ったんですから早くつくるべきですよ。体制もしっかり整える。五万件やろうと思ったら相当な体制つくらないとできないですよ、これ。その危機感を持って是非やっていただきたいと、このことをお願いしておきたいと思います。
 あと、委員長、日々の持続化給付金の遅れの解消状況、これデイリーで決算委員会の理事会に報告するようにお取り計らいをお願いしたいと思います。

#68
○委員長(中川雅治君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。

#69
○浜口誠君 続きまして、休業支援金ですね。今回、労働者の方が企業から休業手当が支給されない場合は自ら、労働者御本人が休業手当の申請ができる休業支援金が創設されました。これは一歩前進だというふうに思います。
 ただ、対象範囲が極めて狭いです。今回、中小企業の労働者ということになっておりますので、是非これ、加藤大臣、登録型派遣の皆さんですとか、あるいは日雇労働者の方、学生アルバイト、こういった方が今回の休業支援金の対象になるのかどうか。そして、中小企業というのは、これ定義からすると、製造業であれば従業員ベースでいうと三百人以下、小売業でいうと五十人以下、サービスとか卸売でいうと百人以下です。やっぱり狭いですよね。多くの方がこぼれてしまうんじゃないかと。
 一人でも多くの方をこの休業支援金の対象にしていくためには、例えば影響が大きい業種の方については人数要件外すだとか、一人でも多くの方が支給対象になるようにこれ配慮していく必要があると思いますけど、いかがですか。

#70
○国務大臣(加藤勝信君) まず、今般の新たな支援金は、雇用契約がある期間中に事業主の命により休業しており、休業中に賃金が受けられない労働者を対象ということでありますから、その形態ではなくて、その条件に該当するということであればこれは当然対象となる。ただ、業務に従事していない期間に事業主との雇用関係が解除されてしまっているという場合には、これは対象となりません。
 先ほど登録型のお話がありました。登録型派遣で働く労働者の場合、派遣契約が終了すると派遣元との雇用契約も終了するというのはこれ一般的、だから登録型ということになっていますが、今般は、中小企業に該当する派遣元事業主において派遣契約が終了しても雇用契約を継続させる、派遣契約は切れているけど、その派遣元との雇用契約を継続させていただければ、当該、まさに派遣元企業が、あっ、ごめんなさい、当該企業が休業させ、休業手当を支払っていない場合、まさに派遣元が休業させて払っていない場合でもこれは対象になり得るということにさせていただいております。
 あとの、幾つかありましたけど、それもまさに先ほど申し上げた定義の対象になれば、アルバイトであろうと対象にさせていただきます。
 また、今般の新たな支援金は、雇用調整助成金の申請事務処理体制、資金繰りの面から休業手当の支払もなかなか難しいという、こういう環境を踏まえて、中小企業において苦しい状況に置かれている、まさに休業手当を支給されない、こうした労働者を早期に支援するということで設けさせていただいた特例的なもので、本来は雇用調整助成金にのっとって休業手当が支払われる、これがメーンストリームで、そうでない、しかし、雇用者をあるいは労働者を守るというのが今回の整理であります。
 したがって、中小企業の定義についても、事業主の経営体力に着目して中小企業主を支援しようと、中小企業主に雇われている人を支援するということでありますから、これも中小企業基本法の定義を一般的に活用しておりますので、今回もそれを使わせていただいたということであります。
 ただ、今回の支援金の創設と併せて大企業も含めて日額上限を引き上げさせていただきましたので、大企業とか中堅企業に対しては、雇用調整助成金を最大限活用いただくよう、休業手当の支払を、これまでも再三再四行ってまいりましたし、引き続き、やはり企業自らがやっぱり休業手当を払うということが、やっぱりいい労働関係、信頼ある労使関係をつくっていく上にも必要だ、こういったメリットも含めてしっかりとそうした取組をしていただけるように、引き続き我々も努力をしていきたいと思います。

#71
○浜口誠君 でも、こぼれる人がこれ出る懸念があるんですよね、やはり対象が狭いですから。今回の対象は省令で定めることができるんです、省令で。だから、いろいろ、こぼれない方、一人でも多くの方が困らないように、これしっかりとした間口を広げていく必要があると思います。
 総理、是非、総理自ら事業と雇用は何としても守り抜くんだといつも言われているじゃないですか。それだったら、今回の休業支援金もしっかりと多くの方がこの制度が活用できるように、省令で中小企業ということに限定せず、間口を広げる判断を是非してほしいと思いますけど、総理、いかがですか。総理です、総理です。

#72
○国務大臣(加藤勝信君) 今、省令のお話がありましたけれども、今回の雇用保険法等の改正案、先週成立をいただきましたので、即日公布する必要があるので、既に先ほど申し上げた中小企業の定義に基づいた省令を出させていただいているということでございまして、その上で、先ほど申し上げたような姿勢で取り組んでいきたいと思います。

#73
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま厚労大臣から答弁をさせていただきましたが、まずはしっかりと中小企業・小規模事業者の皆様方に対して対応、支援をしていきたいと、こう考えているところでございますが、いずれにいたしましても、事業と雇用は守り抜いていくという観点から、対応をよく検討していきたいと思います。

#74
○浜口誠君 予備費の十兆円のうちの一兆円は、雇用継続、そして生活支援、これで使うということは明確に与野党間でも握っているわけで、こういったものも最大限活用していただいて、本当に困っている方、必要とされている方をこういった制度で一人でも多く救っていただくことを重ねてお願いをしておきたいと思います。
 では、続きまして、政府から支援を受けた企業の株主への還元についてお伺いしたいと思います。
 欧米では、欧米の政府とか、あと中央銀行においては、今回の新型コロナウイルスの経済悪化に伴いまして、政府から支援を受けた企業に対して配当を禁止するですとか、あるいは銀行等に対しては、融資のための資本をしっかり保つという観点から株主還元の停止を要請されたりしています。
 日本政府においては、政府支援を受けた、資金繰り等で政府支援を受けた企業に対して株主還元等の制約等を求めていくのか、日本政府の基本的なスタンスについて確認したいと思います。

#75
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう先生御存じのように、公的支援に伴って配当の支払等々を制限しているというのが海外に多いということは私ども承知をいたしております。
 一般に、過剰な配当の支払というものをやりゃお金が社外に流出するというのと同じことですから、したがいまして、この感染症の影響への対応で直接関係ないわけですから、コロナ感染症に関しましては、したがって、企業の自己資本というものの減少につながるということになりますので、融資の際にはそのお金が返ってくる償還の確実性というものが低下するということになる、なり得るということだと、まずは最初にそう思います。
 その上で、審査をするに当たりまして、融資の実行がなされた後も、いわゆる日本公庫とか、何ですかね、政策投資銀行、政投銀等々においても、これは適切に、モニタリング、アフターチェック、いろんなものをやっているんだと承知しておりますが、今回、特にこの資本性の劣後ローンというのが今回の法律は通していただいておりますので、そういったことが供給されるということになった場合においては、当然のこととして、日本公庫等々が必要ということを認める場合は、これは融資をするという契約において、これ一定以上の配当等々の支払を制限している、これ今でもしていますから、そういったものでありますので、今後もそのような対応になっていくんだろうと考えておるところであります。

#76
○浜口誠君 企業のステークホルダー、利害関係者は、株主の方だけではなくて従業員の方、あるいはお客様、あるいは仕入先、いろいろ多岐にわたっていますので、是非、企業として社会的責任、全てのステークホルダーにしっかり果たしていただくということは非常に大事かというふうに思っておりますので、その点だけは申し上げておきたいと思います。
 では、続きまして、経済対策についてお伺いしたいと思います。
 ちょっと資料の方ですね、資料三、御覧いただきたいと思います。
 これ、いろいろの経済指標を一覧として示しております。例えば実質GDPですね、一―三月はマイナス年率換算で二・二%、四―六月は二〇%を超えるマイナスになるんじゃないかというふうに言われております。また、休業者数も直近では六百万人近い方が休業しているということですし、消費支出についても直近ではマイナス一一・一%とかなり落ち込んでいます。さらに、自動車の販売、国内の販売は、消費税、昨年十月に上がりましたけれども、そこから八か月連続で対前年マイナスです。直近ではもう約半減、非常に厳しい状況になっていますし、百貨店ですとか首都圏のマンションの販売の状況も物すごい落ち込みになっているというのが今の実態です。
 こうした状況を踏まえまして、総理の認識を、今の日本経済、後退局面に入ったと、そういう認識をした上でいろんな経済対策考えていく必要があるというふうに私は思っておりますけれども、総理の御認識を伺いたいと思います。

#77
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この新型コロナウイルス感染症の拡大によって、世界経済は戦後最大ともいうべき危機に直面をしています。我が国の景気も急速な悪化が続いており、極めて厳しい状況にあるというふうに認識をしています。当面はこうした厳しい状況が続くと見込まれますが、事業と雇用を何としてもこれは守り抜いていかなければなりません。
 先週、第二次補正予算が成立をしたところでありますが、事業規模で二百三十兆円、GDPの四割に上る世界最大級の対策を速やかに実行に移して、支援を必要とされる方々に迅速にお届けをしていく考えでありますが、そして、この百年に一度の危機を乗り越え、日本経済を守り抜いていきたいと思っておりますが、大変厳しい状況であるということを認識しております。

#78
○浜口誠君 まさに厳しい状況が続くということを想定しながらいろんな経済対策も考えていく必要があるというふうに思っております。
 そこで、パネルもう一枚、資料四の一、御覧いただきたいと思います。
 そうした中で、個人の方への支援ということで、やはり今後は生活をどう下支えしていくか、そして、消費を支えるという意味でもやっぱり可処分所得を支えていくということが非常に大事だと思います。
 一般的な家庭で見ると、このパネルにあるように、全体の収入のうちの八割ぐらいがこれ可処分所得で、二割ぐらいが税金とか社会保険料の負担になっています。可処分所得を増やしていくためには収入全体を増やしていく、さらには税、社保を下げていく、こういう取組が非常に大事になっております。
 そんな中で、我々として提案したいのは、一つは、定額給付金の、これを、非課税者の方あるいは減税効果の少ない方には二回目の定額給付金をこれ支給していく。そして、その定額給付金の対象でない方々については、所得税、住民税のこれ定率減税、平成十一年のときにもこの所得税の減税をやっておりますけれども、この定率減税をやっていく。さらには、減収の大きい方については、固定資産税ですとかあるいは自動車税、軽自動車税、自動車重量税、こうした税について、猶予ではなくてもう一歩踏み込んで減免というところをやっていく必要があるんではないかなというふうに思っておりますので、是非総理の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

#79
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、今御指摘になったように、大変厳しい状況の中で、国民の暮らしをですね、雇用を守るとともに国民の暮らしを守り抜いていかなければならないと思っております。
 一人当たり十万円の給付金については、現場の地方団体の大変な御協力をいただきまして、一か月余りでほぼ全ての地方団体が給付を開始をしまして、全国の三分の一を超える世帯に五兆円近い現金を既にお届けをしております。前回のリーマン・ショック時の定額給付金に比べれば格段に早く給付が行われていると思いますが、一日も早くお届けできるように取り組んでいきます。
 また、先般成立をした第二次補正予算においては、国民生活にとって最も大事な雇用を維持するために、一番最初に御議論させていただいた雇用調整助成金、日額一万五千円という世界で最も手厚いレベルまで引き上げました。さらにまた、個人、労働者個人が申請できる新たな仕組みも創設をしたところでありますが、さらに、困窮されている方々に対しても、低所得の一人親世帯への臨時特別給付金の支給、あるいはまた住まいが不安定な方に対するアパート等への入居支援、あるいは住居確保給付金の支援、そしてまた最大八十万円の返済免除特約付きの緊急小口資金等の貸付けなど、重層的なセーフティーネットを用意をしておりますので、是非これは積極的に御活用いただきたいと、このように思います。
 あらゆる手だてを講じていきたいと、こう考えておりますが、十万円のですね、今委員がおっしゃった、ある程度の、また、ある程度制限をしながら再度給付すべきだというお話をいただきました。まずは、我々、今この給付金を全ての国民の皆様にお届けをすることを最優先をしていきたいと、そして、その後、どのようにこの状況が変化していくかということについてはしっかりと見極めながら、必要であれば果断に判断をしていきたいと、こう思っております。
 また、税制等々、具体的なお話もいただきましたので、担当大臣から答弁させたいと思います。

#80
○国務大臣(高市早苗君) まず、特別定額給付金でございますが、全国の千七百四十一市区町村のうち、一団体を除く千七百四十団体でもう給付を始めていただいており、各市区町村の職員の皆様には感謝を申し上げます。まずは、これ申請書が届いても返送していただかなければ給付されませんので、この給付の完了を目指したいと思います。
 それから、地方税についてでございますけれども、無担保かつ延滞金なしで一年間徴収猶予できる特例の創設、また償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税など軽減措置の創設、それから自動車税、軽自動車税環境性能割の税率の軽減措置の適用期限の延長などの措置を講じているところですので、まずはこれらの措置を御活用いただきたく思います。よろしいですか。

#81
○浜口誠君 税については、やっぱり猶予だけだと翌年二年分払わないといけないんですよね。これはやっぱり負担大きいです、正直申し上げて。減収している方からすれば、二年分まとめて払うということだとやはり余り意味がないと。やはり減免です。減免、是非お願いしたいなというふうに思っていますし、あと、自動車税とか軽自動車税ですね。
 もうマスクは届かない、もう給付金の入金はない、さらに持続化給付金も来ない、でも、五月になったら間違いなく自動車税、軽自動車税の納付書だけはポストに入っていると。どんな状況の中でも来るんだなと、改めて税金の痛税感を多くの皆さんが感じたということを言われています。本当、この状況をやっぱりしっかり受け止めていただいて御対応いただくことを改めてお願いをしておきたいなというふうに思います。
 それだけ国民の皆さんは、もう休業が増え、残業はなくなり、一時金も減り、物すごい減収になる方がたくさんいらっしゃると思います。だから、そういう人たちに対してはしっかり減税で、先ほど言ったように、可処分所得を支えるためには税を下げていくというのも大きな役割ですので、その点も是非今後の経済動向をしっかり見極めて対応していただくことを重ねて求めておきたいと思います。
 では、続きまして、企業に対してですね。資料四の二です。
 企業に対しては、まず持続化給付金ですけれども、やっぱりこれ長期化、経済の悪化が長期化するときを踏まえると、持続化給付金、一回だけではやはり企業もたないと思います。我々の提案は、もう四半期ごとに持続化給付金を支給するぐらいの備えが必要ではないかというふうに思っていますし、あと、適用の条件についてもやはりきついですね。
 今の五〇%減ではなくて、もっと緩和して、より多くの方が適用できる要件にしてほしいなというふうに思いますし、給付上限額、限度額についても更に引き上げていくことが必要だというふうに思っていますので、この持続化給付金の更なる拡充、これをしっかりやっていくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

#82
○国務大臣(梶山弘志君) 多くの企業が大変苦しい状況にあることは十分に認識をしております。この条件の五〇%というものは、今までに前例のない取組であるということと、そして政策手段の総動員を超えた対応であることも踏まえ、売上げ五〇%減を要件とさせていただいたところであります。
 そのほかにも、補助金、融資、課税の猶予等を含めた多層的な対応をしているところでありますが、事態の推移を見ながら、しっかりと連携をしながら考えてまいりたいと思っております。

#83
○浜口誠君 今回、企業の方も、観光業始め公共交通機関、航空もそうですし、鉄道も、バス、タクシー、非常に大きな影響を受けております。そして、単なる中小企業の皆さんにとどまらず、大手のいわゆる雇用を大きく生み出している製造業、自動車産業ですとか電機、鉄鋼、機械産業、こういった大手も含めて非常に影響が拡大しているというのが今の実態だと思います。
 そういう点を考えれば、二点目として、税や社会保険料についても、これしっかりと支えていかないといけないと思います。税や社会保険料についても、企業規模を問わず、大きく減収した企業に対しては、固定資産税、これはもう土地も含めてですけれども、固定資産税ですとか自動車の税金、自動車税、軽自動車税、自動車重量税、さらには航空機の燃料税、そして空港使用料、鉄道関係の施設の貸付料、こういったものも物すごく負担にこれがなっていきますので、こういったものの減免はしっかりと考えていただきたいなというふうに思っております。
 そして、社会保険料も、これ企業の場合は赤字になれば法人税は課税されないんですけれども、赤字であっても社会保険料の負担はこれ必要なんですね。非常に重い負担に正直なっています。とりわけ中小の皆さんにおいては、赤字になったときには、これ雇用維持を条件に、雇用維持を条件に社会保険料の減免というところも是非中小企業に対しては検討していただけないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

#84
○国務大臣(加藤勝信君) まず、委員からもお話がありましたけど、社会保険料については、今般の新型コロナウイルス感染症に伴って多くの事業者の方の収入が急減しているという状況を踏まえて、これ税制における対応と同様に無担保かつ延滞金なしで一年間社会保険料の納付を猶予できる特例を設けております。
 今、免除のお話がありました。社会保険制度、御承知のように、制度に加入している被用者を保障するための費用を企業と被用者全体で納める保険料によって賄うと、こういう仕組みでありますので、その保険料は給付との見合いで設置をされている、年金の給付は継続して行っていかなければならない、また、これまでも赤字企業でも社会保険料の負担もお願いをしてきた、こういう背景もあります。したがって、納税猶予の特例により対応すべきと考えております。
 ただ、我々、今、いろいろお話しいただいているのは、休業により所得が、休業された方々の社会保険料、一遍にどんと下がっていった、ただ、これ通常下がる前のいわゆる標準報酬で適用され、これが通常の場合には三か月間見て、ちょっと専門用語になります、標準報酬で二ランク以上下がれば下げますよという、こういう仕組みを持ってはいるんですけれども、ちょっと対応が遅いんではないか、急激に落下しているんではないか、こういう声もいただいているところでありますので、それらも含めて、どういう対応ができるかということについては中で検討させていただいているところであります。

#85
○浜口誠君 是非、税の関係、企業に対しても、本当に厳しいところ増えてきていますから、しっかりと様々な面で企業支援を是非政府にはお願い申し上げておきたいというふうに思います。
 では、続きまして、パネル替えていただいて、経済対策の一つとして、海外では、環境重視、地球温暖化につながる経済対策を今回のコロナの経済影響に伴う対策の中に織り込んでいる企業、国がたくさんあります。
 一例ですね、中国なんかでいいますと電気自動車の購入補助、これしっかりやろうとしていますし、スイスなんかでは太陽光の発電設備の助成金なんかを増やして、長期の視点で次世代のために今からもう経済対策に環境視点を織り込んでいこうということを取り組んでいます。日本はその点が非常に弱いというふうに思っております。
 したがって、日本においても、エコカーの購入補助金ですとか省エネ家電の購入補助、さらには省エネ住宅の普及、そして再生可能エネルギーを普及させていくための取組、さらには各交通モード、航空ですとか鉄道とか船舶の省エネを推進していくための支援、こういった次につながる長期的視野に立った経済対策もしっかりやっていくべきだというふうに思いますけれども、環境大臣、いかがでしょうか。

#86
○国務大臣(小泉進次郎君) 浜口先生がおっしゃったとおり、世界の潮流は、このコロナからの復興と脱炭素化の両立をさせていく、このいわゆるグリーンリカバリー、またグリーンリスタート、こういったことが主流だとは、私も同感です。
 そういった中で、この四月の緊急経済対策にはコロナからの経済社会の再開と脱炭素化の移行、これを明記をしています。そして、先週は環境省として環境白書を閣議決定しましたが、その中では初めて、今や気候変動は気候危機であると気候危機宣言を行いました。そして、安倍総理が今日、先ほど答弁をされましたが、もはや温暖化対策はコストではないと、競争力の源泉であると、これを総理は二年前の未来投資会議からずっとおっしゃっています。まさにそれがこれから問われることになりますので、我々環境省としては、あらゆる手段を通じてこの日本版のグリーンリカバリーとも言える脱炭素化への移行、そして分散化への移行、循環型への移行、この三つの移行を進めて経済社会の再設計をしていきたいと考えています。
 具体的に一つ紹介すると、このコロナの影響で相当デリバリーとEコマースが増加をしています。そのことを、我々の環境省の本予算では、宅配のバイクそして自動車、これに対するEVの支援、これを盛り込んでいます。特に今回は、今まで日本には存在をしなかった、交換型のバッテリーを世の中の中に設置をしてそれを交換でできると、こういったことが進んでいけば新たな社会の景色にもつながりますので、こういった取組をしっかりと後押しをして、グリーンリカバリー、これをしっかりと進めていきたいと思います。

#87
○浜口誠君 是非予算ももっと付けてくださいよ。もう予算少な過ぎます。この一次、二次の予算で見ると、もう百億ちょっと超えるぐらいの予算しか付いていませんからね。この辺をもう少し大臣頑張っていただいて、小泉大臣、予算も付けてしっかりと環境にですね、を進めていくための経済対策しっかり織り込んでいただくことを重ねて求めておきたいと思います。
 では、続きまして、ウイズコロナ、アフターコロナの日本社会の在り方についてお伺いしたいと思います。
 これからコロナとどう向き合っていくのか、非常に日本社会としても大きなテーマの一つだと思っております。今後は日本の経済社会をより進化させた新たな社会につなげていく、このことが非常に重要だと思っております。
 その中で、資料、お手元の七のところにも少し書きましたけれども、やっぱりグローバル化の在り方とかサプライチェーンをしっかり検証していかないといけないと思いますし、あと、社会や経済や行政や、国会もそうですけれども、デジタル化、これをどう進めていくのか、そして地方と国、東京一極集中というのもこれ見直していくことも非常に重要な視点だと思いますし、あと大きな政府をつくるのか小さな政府を目指すのか、この自己責任と公の役割の在り方、こういったものも今後のウイズコロナ、アフターコロナの社会を考える上では重要な視点だというふうに考えておりますけれども、安倍総理の今後の日本社会の在り方について所見がありましたらお伺いしたいと思います。

#88
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大という経験を経て、この未来に向けた社会変革の契機として強靱な社会経済構造を構築をしていくことが大切だろうと思います。
 感染拡大を防止をしながら支援を迅速にお届けするという観点からもオンライン化の重要性が更に強く認識をされたところでありますが、迅速、十分な支援の実施の観点から行政手続のオンライン化を進めるとともに、遠隔教育やテレワークなど、社会のあらゆる分野で遠隔対応を進めていきます。
 また、今までなかなか進まなかったことが一気に進んでいるのも事実であります。その中で、このリモート革命が進んでいる中で、地方における暮らしの豊かさも改めて注目を集めているんだろうと思います。
 テレワークが進んでいる、これは、約半数の方はこれはこのまま続けていきたいと答えておられるという、今日朝のテレビのニュースでやっておりましたが、ということは、テレワークでできるということは、何も会社の近くに住んでいなくてもいい、つまり、東京に本社があっても遠くでもいいということになるわけでございまして、その中でより豊かな生活も求めることが今これ潮流になっていくんだろうと、こういうふうに思います。
 足下で二十代の若者の地方への転職希望者が大幅に増加をしています、しているという調査もありますので、政府としても、地方にこそチャンスがあると考える若者たちの背中を後押しすることで、東京一極集中の是正、地方創生にも取り組んで、この機会を生かして取り組んでいきたいと思います。
 さらに、経済のグローバル化によって生産の海外移転が進んだ結果、マスクや防護服など国民の安全に係る製品について、今回は中国等からの供給量が大きく減少するという事態に直面をしました。このため、保健衛生、安全保障などの観点で必要な物資について、単なる価格競争力だけで左右されない安定的な供給体制を構築をしていきます。
 あわせて、現下の世界的課題を根本的に解決するために、自国のことのみに専念するのではなくて、新たな国際秩序の構築に向けて取り組む必要があると、こう思っておりますが、普遍的価値を共有する国々とともに新たな秩序をつくっていきたいと思います。
 その中で、小さな政府か大きな政府かということをよく言われるんですが、我々は、単に今いわゆるリバタリアンと言われる人たちが求めているような、ああいう徹底的に小さな政府をつくっていくということは、そういう方向は安倍政権では取っていないわけでございまして、市場主義につきましても瑞穂の国の市場主義ということを申し上げているわけでありますが、大切なことは効率的で筋肉質の行政をつくっていくということではないかと、こう思っております。

#89
○浜口誠君 その中で、食料の自給率、これ非常にこれからも大きな課題になってくると思います。
 今、日本はカロリーベースで三七%。ただ、これからいろんな感染症が広がってくるケースが出てくると、やっぱり日本の食は大丈夫か、国民の皆さんも非常に関心高いと思います。今までの延長線上で日本の食料の自給率を考えるのではなくて、食の安全保障という視点から、日本の食料自給率の在り方、向上をこれ取り組んでいく必要があると思いますが、その点を、答弁は午後からいただくということで、それだけ質問させていただいて、午前中は終わりたいと思います。

#90
○委員長(中川雅治君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#91
○委員長(中川雅治君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、武田良介君が委員を辞任され、その補欠として田村智子君が選任されました。
    ─────────────

#92
○委員長(中川雅治君) 休憩前に引き続き、平成三十年度決算外二件及び平成三十年度予備費二件を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#93
○浜口誠君 立憲・国民.新緑風会・社民会派、国民民主党、浜口誠でございます。午前に引き続き、よろしくお願いしたいと思います。
 午前中、最後に、日本の食料自給率の向上に向けてどう取り組んでいくのか、政府の姿勢をお伺いしましたので、その答弁からお願いします。

#94
○国務大臣(江藤拓君) コロナ発生以来、この食料自給率の問題は度々委員会でも取り上げていただきました。国民の関心も極めて高いものがあると思っております。そして、先生がおっしゃるように、今までの議論の延長ではなくて、更に幅の広い、そして深みのある議論を望んでいるというふうに思っています。
 今回のコロナの最中に、十三か国が輸入、輸出の制限、それから禁止を行いました。しかし、それは日本に対しては、輸入国でありませんでしたから直接的な影響はありませんでしたけれども、しかし、昨今の気候の急激な変動、それから国際情勢の不安定化、そしてこのようなコロナのような病気の蔓延ということを考えると、これから先、やはり食料自給率を上げていくということは、国が求めている大事な大事な議論だと思っております。
 ですから、これから政治の場では生産基盤の強化であるとか、そういったことをやるのはもう当たり前のことでありますけれども、私としては、国民の皆様方に、やはり日本の農業は、自国の農業は自分たちで守るんだという意識を国民の皆様方に持っていただきたい。そして、できる限り国産のものを買っていただきたい。そして、食品産業の方々も輸入の加工原料乳に頼るのではなくて、できる限り国産にシフトをしていただきたい。そして、政治と国民の意識が一つになって、そして食料自給率の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。

#95
○浜口誠君 是非、食料自給率の向上、江藤大臣が言われたようにしっかりと取り組んでいただいて、食の安全保障、これ本当大事ですから、もう一度原点に立ち返った対策を、対応を改めて求めておきたいと思います。
 では、一問飛ばさせていただいて、安倍総理の方からも、これから地方が大事だというお話をいただきました。どんどん地方が見直される、ウイズコロナ、アフターコロナの社会にあって、そういう傾向が加速するんじゃないかなというふうに思っております。
 そんな中で、地方で暮らしている皆さんと自動車の保有の課題という点で、少し私の課題認識を申し上げたいと思います。
 資料の六番、見ていただきたいと思います。パネルにしたんですけれども、このパネルは、棒グラフは各四十七都道府県の月別の収入、賃金になっております。丸い円が一つ一つ付いていますけれども、これは二台以上保有されている世帯の比率です。
 これ見ていただくとすごくよく分かるんですけれども、右下の方の都市部は、賃金は高いんですけれども、収入は高いんですけれども、二台以上の保有比率が非常に低いです。地方で暮らされている皆さんは、東京とかと比べると、賃金、月収は低いんですけれども、二台以上保有されている、自動車二台以上保有されている世帯の比率が非常に高くなっております。例えば、総理の御出身の山口と東京を比べると、そこに書いてありますけれども、二台以上保有しているのは山口県だともう五六%ぐらいですね、東京のもう約八倍近い比率です。一方で、収入はというと、山口県は東京より十万円近く低いんですね。
 要は、地方で暮らしている皆さんからすると、担税力、税を納める力が低いにもかかわらず、自動車の税の負担は大変重くなっていると、こういう実態があるというのを是非国民の皆さんにも改めて御認識いただきたいというふうに思っております。
 そんな中で、右側に提案と書いておりますけれども、複数台数やっぱり持たれている方については、世帯については、自動車税、軽自動車税、そして自動車重量税について、二台目からはもう税を半減する、三台以降持たれている方については免除していく、こういった税の公平性、より地方で暮らす皆さんがこれから増えていく可能性が高まる中で、地方の皆さんの税負担、都会にあっても二台、三台持っておられる方は同じように適用すればいいと思いますけれども、こういった考え方も必要ではないかなと思いますけれども、総理の御見解をお伺いしたいと思います。

#96
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、地方においては、東京のように地下鉄があったり公共交通機関が網の目のように敷かれているわけではございませんので、どうしても自動車というのは必要不可欠なものであって、二台持っておられても、二台目は、お父さんが持っていて、お母さんが持っているあるいは息子さんが持っている、あるいは二台目は軽トラだったりするわけでございまして、東京都と山口県比べていただいて、ある種の私に対しての説得力を持たれているわけでございまして、大変そういう認識については私も、地方においてはその意義は都市部とは違うということは私も重々理解をしておりますが、自動車の保有に対する税については、財産税的性格や原因者、受益者負担としての性格を持つこと、また、今後の道路の老朽化対策を含め、国、地方の行政サービスに係る貴重な財源となっていることを踏まえれば、一世帯に複数台を保有していることをもって負担軽減を行うことは困難であると考えております。
 なお、新型コロナウイルス感染症対策として自動車税環境性能割などの軽減措置については六か月延長することとしたところでございまして、詳細必要であれば担当大臣から答弁させたいと思っております。

#97
○浜口誠君 先ほど言われた自動車税とか環境性能割は新車を買われた人だけが適用なんですね。今私が言っているのは、今既に車を持っておられる方、そして、地方で車の税ってやっぱり高いよなと多くの国民の皆さんは実感されていますので、やはりもう一度自動車の税の在り方というのはいろんな視点からこれは検討し直していく必要があるというふうに思っておりますので、山口県の皆さんも喜ばれると思いますよ、これ、できればですね。本当、地方で暮らしている皆さんからすれば、すごい共感をいただける政策ではないかなというふうに思っておりますので、是非、こういったものを与野党を超えて実現させていきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 では、続きまして、財政の健全化についてお伺いしたいと思います。
 日本の財政、危機的状況と、もう一千百兆円を超える財政赤字を抱えております。今回の一次、二次の補正予算、さらには当初予算も含めると、九十兆円の新たな国債を発行してコロナ対策の予算を組んでいるという今の状況です。
 一方で、政府は、二〇二五年のプライマリーバランス、基礎的財政収支の黒字化という旗を下ろしていないという今状況だと思います。私も、将来の子供たちの世代にこれ以上大きな負担を背負わせないという観点からは財政健全化の旗は下ろしてはいけないと、こういうふうに思っております。
 総理として財政健全化に向けてどのようなスタンスで今後対応されるのか、お伺いしたいと思います。

#98
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今まさにこの日本経済もこれ非常時と言える状況でありますから、あらゆる手だてを尽くしていく、そして、日本経済を成長軌道に戻すことが我々の使命なんだろうと思いますし、また、経済をしっかりと成長させていくことによって財政の健全化も成し遂げることができると考えておりますが、もちろん、債務残高がどれだけ増えても問題がないというわけではもちろんございません。いろんな議論がありますし、西田筆頭のような考え方の方もおられるわけでありますが、引き続きですね、引き続き、市場から信認が損なわれ、リスクが顕在化するといった事態を招くことのないように、事態が終息した後にはデフレ脱却と経済再生への道筋を確かなものとすると同時に、歳出歳入両面の改革を続けることで財政の健全化もしっかりと進めていきたい。
 いずれにいたしましても、まずは経済を再生していく、雇用を守る、そのためにも事業を継続していただけるように全力を尽くしていきたいと思います。

#99
○浜口誠君 是非、財政健全化の旗はこれからもしっかり掲げながら、将来世代に重い負担を残さないように我々現役の世代がちゃんと取り組んでいくことが極めて重要だというふうに思っております。
 そんな中、東日本大震災のときは、復興財源を確保するために復興特別税というのが二〇一二年から創設されて、財源確保の新たな税ということで、今もずっと二〇三七年まで継続ということになっております。
 今回のコロナの経済対策あるいは感染防止対策に向けて、復興特別税のようなコロナ対策税というようなものを創設をして財源確保を図っていく、そのようなお考えがあるのかどうか、これは財務大臣にお伺いしたいと思います。

#100
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、この十年余りの間に、間違いなくリーマン・ショックの話もありましたし、そのすぐ後に東北大震災の話もありましたので、あの危機的な状況が起きていましたけど、その都度財政的な対応を、措置をさせていただいて今日になっておるんですけれども、その世代の負担を分かち合うというお話だったと思いますが。
 今、我々としては、第一次補正予算に続きまして、第二次の補正予算で第一次の補正予算を強化させていただいたと思っておるんですが、そういった状況の中で、まずはこの感染症の拡大防止、また、今回いろいろはっきりしてきました医療提供体制というものの整備とか保護とか、加えて、雇用の維持、そのためには事業の継続等々というものの支援に今全力を挙げて取り組んでいるところなので、この二回の補正予算ということによって、これは公債の依存率が今の六十三・五兆円という税収見積りを前提にしても公債依存度は五六%を超えるだろうと思いますので、リーマン・ショックのときですらあれは五二%ぐらいからどんどんどんどん減らしてきたんですけれども、残念ながら一挙に五六、これは六十三・五兆円の税収前提で、そんなこと、そこにはとても行きそうもありませんというような話になりますと更に厳しいということになりますけれども。
 私どもとしては、まずは経済再生ということをやりませんと財政健全化への足も付けられないということになりますので、まずはそれをやらせていただく。今はその状況の真っ最中ですので、今申し上げておられたような提案というのは、これはある程度、段階がどんなことになってくるか、もう少し見極めた上での判断ということになろうと思いますので、今こういったもので特別税を考えているというようなことではありません。

#101
○浜口誠君 本当に新しい税をつくるか、創設するかどうかというのはやっぱり国民の皆さんともしっかり議論した上で判断していく必要があると思っておりますので、本当に必要であれば、それはもう多くの国民の皆さんに御協力をお願いしながら対応していくということだと思います。
 そんな中で、海外に目を向けますと、リーマン・ショックのときにOECD各国はやっぱり財政が相当悪化したということで、健全化に向けて独立財政機関というのを多くの国で相次いで設立をしております。OECD諸国の二十八か国で既に、八割ぐらいが独立財政機関を設置して、財政の立て直しを図っていこうということに取り組んでおります。
 日本においても、この経済、財政そして社会保障を長期的に、そして客観的に提示をしていく、そして課題を提起していく、内閣から独立した財政機関を設置していく必要が非常にあると思います。国民民主党も去年の通常国会において経済財政等将来推計委員会設置法案というのも提出をいたしましたし、あと労働組合の連合、経済同友会からも独立財政機関を設置すべきだと、こういう提案もいただいております。
 是非、財政健全化に向けて独立財政機関を設置する必要があると思いますけれども、政府の見解をお伺いしたいと思います。

#102
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経済財政政策については、御承知のように経済財政諮問会議がございまして、ここにおいて専門的、中立的な知見を有する学識経験者なども参画する下で議論を行っているところでございます。
 具体的には、予算編成の基本方針、財政健全化目標の在り方や目標達成に向けた方針、さらには進捗状況の評価などが議論されてきたところであり、財政健全化の着実な推進に向けて引き続き主導的な役割を担わせたいと考えております。

#103
○浜口誠君 是非、財政健全化に向けてしっかり取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#104
○委員長(中川雅治君) 関連質疑を許します。長浜博行君。

#105
○長浜博行君 長浜博行です。
 新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方にお悔やみを申し上げます。また同時に、罹患されて闘病中の皆様の一日も早い御快癒をお祈りを申し上げます。と同時に、社会的機能を維持するためにコロナウイルス最前線で御尽力をいただいている全ての方々に感謝を申し上げる次第でございます。
 こうやってマスクをさせていただいて決算委員会出させていただいておりますけれども、やっぱり、自分が感染したら困るなと思っておられる方もいらっしゃると思いますけれども、多分多くの皆さんが、ほかの方に感染をさせてしまっては大変だという思いではないかなというふうに思います。
 この新型コロナウイルスの厄介なところというか、実態がまだ解明をされていない状況の中においては、体温が平熱でも、症状がなくても感染をしているという事例も報告をされているところでありますので、自分自身が、もちろんPCR検査等々ありますけれども、受けていない場合は、本当に感染しているのかしていないのかという危機感を常に持っているわけでございます。
 そこで、厚生労働大臣にお伺いをいたしますけれども、先週末にWHOの報道にちょっと接したわけでありますけれども、新型コロナウイルス感染者の約四割がいわゆる症状が出ていない方からの感染をしているんだということが報じられてどきっとしたわけでありますが、この真偽と情報等についてお知りのところがあったら教えてください。

#106
○国務大臣(加藤勝信君) 委員の御指摘の報道は六月九日のWHOが行った質疑応答であるというふうに思いますが、その質疑応答では、まず、そもそも無症状者からの感染については科学的にまだ分からないことが多いということを強調した上で、新型コロナウイルス感染症の感染者のうち四〇%の人が無症状の人から感染するという研究も中には一例としてあるということを言ったということでありまして、厚労省としての認識としては、無症状者からの感染についてはまだ評価は定まっていない。
 他方、これまでの知見によると、発症する二、三日前の症状が明らかでない時期からの感染性はあるということ、これは分かってきているわけでありますので、それを踏まえて、我が国においては発症の二日前から隔離開始までの間に患者と長時間の接触があった者等をまさに濃厚接触者として積極的疫学調査の対象としておりまして、五月二十九日の専門家会議での議論も踏まえ、現在、濃厚接触者については症状があってもなくてもPCR検査の対象とするという運用をさせていただいております。
 こうした知見は日々日々変わってまいりますので、よく世界各国におけるそうした知見も我々情報収集しながら適切に対応していきたいというふうに思っております。

#107
○長浜博行君 ありがとうございました。
 様々な情報がマスコミあるいはSNSを通じて発表されているところでありますので、正確な情報の供給をお願いをしたいというふうに思います。
 明後日が通常国会の閉会日ということでございます。こういった山積している問題がある状況の中で国会を閉じるのかどうかという総理の判断が注目をされているところでございますけれども、百年前のパンデミック状態、つまりスペイン風邪は、これは書物でしか分かりません。しかし、WHOがパンデミックを発表した例というのは、十一年前に新型インフルエンザというのがございます。閣僚の皆様方の中にも、多くの方は御存じだと思いますし、思い出したくない方もいらっしゃるかもしれません。
 この二〇〇九年という年は自民党政権で、四月に新型インフルエンザ対策本部が設置をされました。その後、成田空港の検疫とか、あるいは国内で感染者が発見され、六月になりますとWHOがパンデミック宣言をしたわけであります。そして、何と翌月の七月に衆議院が解散となり、八月に第四十五回総選挙が公示をされ、投票日を迎えたわけでございます。そして、九月に民主党内閣がつくられたという、こういった年でございます。ちなみに、WHOのパンデミック終息宣言がなされたのは翌年の八月でありますから、パンデミック宣言がなされた状況の中でのそういった政治状況の変化もあったわけであります。
 厚生労働省としては、第一波の終息、全体が終息するかどうか分かりませんので、あのときには第一波が一応終息したという段階で新型インフルエンザ対策総括会議で報告書を上げております。
 政権がどこであろうと、こういった感染症対策というのは脈々と流れている大事なことだと思いますが、厚労大臣、このときの、感染症の報告書と言ったらいいんでしょうか、教訓と言ったらいいんでしょうか、今回の対策には、もちろんインフルエンザとコロナという違いはありますが、生かされているんでしょうか。

#108
○国務大臣(加藤勝信君) まさにちょうど、平成二十一年ですか、約十年前ということでありますけれども、新型インフルエンザが海外から発生し、国内にも流行し、それから約一年後の平成二十二年三月に新型インフルエンザ対策総括会議を立ち上げさせていただいて、委員お話しの六月に報告書をまとめていただいたということであります。私も、これまでも何度かこの報告書、目にさせていただき、今回も質疑に当たってしっかり読むようにというお話もありましたので、改めて読ませていただきました。
 それ以降において、この直近のみならず、これまでにおいても、平成二十三年三月には新型インフルエンザ等対策行動計画が改定され、二十四年には新型インフルエンザ等対策特別措置法も制定をされたところでもあります。
 また、今般の新型コロナウイルス感染症においては、こうした政府の行動計画も作成して、新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく基本的対処方針も、こうした、これだけではありませんけれども、これまでの議論の積み重ねも含めて作成をさせていただいたところでございます。
 この文書の中には、サーベイランスの問題、あるいは水際対策、さらにはリスクコミュニケーション、医療提供体制、それぞれ御指摘をされております。この間に対応してきたものに加えて、また今回、我々もこれを踏まえながらやらせていただいたこともありますし、残念ながら時間的な問題があってまだ適用できていないものもあります。これは、今回の反省と、これまでの課題として提示されてきたことを含めて、今後に向けての対応としてしっかり活用させていただきたいというふうに思います。

#109
○長浜博行君 そこで、多くの皆様方は、その難しい問題は別として、この新型インフルエンザが季節性インフルエンザに移行していったように、要するに予防薬、ワクチンですね、があって、そして治療薬、タミフルとかリレンザだったと思いますが、こういったものが用意をされている状況とそうじゃない状況との対応の仕方というんでしょうか、日常生活の仕方というのが大分変わってくると思います。
 ワクチンに関しても、新型インフルエンザのときにもたしか一千億規模の予算を組んで基金にして経年で対処をしていったというふうに思います。今回も補正で一千三百億ぐらいで基金を積んでという形になっておりますが、日の丸ワクチンと言ったらいいんでしょうか、国産のワクチンの準備状況、あるいは今回の場合だったらいつできてくるのか、あるいは治療薬の開発状況、こういったことについて教えてください。

#110
○国務大臣(加藤勝信君) ワクチンについては、先ほどの総括会議の報告書でも法的枠組みの議論がありましたので、その後、特措法あるいはその前の接種法を含めて体制を整えさせていただきました。
 加えて、今回、ワクチンの開発、我が国の開発の進捗については、基礎研究から臨床試験の段階であり、一部についてはワクチン候補の作製が終了し、動物実験を開始しているというふうに承知をしているところであります。
 今回の二次補正予算においても、ワクチン開発の支援のためには五百億円を、また、ワクチンの迅速な製造体制や接種に必要な資材を確保して速やかな接種を可能とするための体制整備として千四百五十五億円を、しかも、これまではワクチンを開発してから作り始める議論をしていたんで、それじゃ間に合わないので、今度は並行して進めようということで取組をさせていただきたいと思っております。
 ワクチン開発の支援に関する予算は、国内発のワクチン、これをしっかり開発を促進していくだけではなくて、海外でもいろいろ報道にもありますように様々な開発が行われておりますので、そうした海外で開発が行われているワクチンの臨床試験を国内で実施する場合においても対象にしていくということで、海外において実用化のめどが付きそうなワクチンも我が国において導入が図っていける、こうした開発面での支援に加えて、先ほど申し上げた生産体制の整備に当たっても、国内開発ワクチンだけではなくて海外のワクチンについても例えば国内で生産をする、あるいは国内で、原液を持ってきてそれを小分けにする等、様々な製造過程も支援をしていくということにしていきたいと思っております。
 先日も、総理からも海外でも早期に開発が進むワクチンがあり、海外で開発されたワクチンについても日本も確保できるように交渉しているというお話がありまして、まさにそうした姿勢において、まあできれば国内ワクチンということで頑張るということも当然ありますけれども、同様に、国民の皆さん方に一日でも早くワクチンが提供できるように、国内外問わず体制をしっかり我々も取っていきたいというふうに思っております。

#111
○長浜博行君 午前中の質疑も拝聴しておりまして、やはり、今日はどうでしょう、三十五度ぐらい行っているんでしょうか、この質疑を視聴されている皆様方におかれましても、コロナと同時に熱中症対策もしていかなければならないというふうに思っております。
 週末に防災白書が決定をされました。その中においても、いわゆる自然災害が発生したときに、今年はこのコロナの状況の中でどういう対策を打っていくのかということも書かれているというふうにも思っております。
 去年は、八月の九州北部とか、九月になりますと台風十五号、これは私の地元でありますので房総半島台風というような言い方もしておりますけれども、十九号を始めとする自然災害が出てまいりました。
 私が気になっているのは、それぞれの、一人一人の問題と同時に、白書の中でも触れられていたBCPの策定状況だというふうに思うんですね。事業継続計画を、大企業は七割ぐらいやっておられるのかもしれませんが、町場の企業というのはほとんどできていないんではないかというふうにも思います。
 質疑を聞いておりましたもので答弁は求めませんけれども、是非防災対策においても、様々な視点、コロナあるいは企業の事業継続のやり方、こういったことを含めて、大臣、今後ともよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 さらに、来年のオリンピックの開催についても気になります。
 先ほど厚労大臣から御答弁もいただきましたけれども、オリンピックに関する先週も会議が開かれたようでありますが、このワクチンと治療薬の完成ということとオリンピックの開催、来年のオリンピックですね、の開催の可否というのは何か関連がございますんでしょうか。オリンピック担当大臣、お願いします。

#112
○国務大臣(橋本聖子君) お答え申し上げます。
 東京大会の主催者でありますIOCと、そして組織委員会がワクチンの開発を大会開催の条件とした事実はないというふうに理解をしておりますけれども、今般の感染症の世界的な終息に向けてはワクチンが果たす役割は大変大きなものだというふうに理解をしております。
 来年の東京大会の開催に関しては様々な御意見があることは承知をしておりますけれども、現在、新型コロナウイルス感染症について政府を挙げてあらゆる対策に取り組んでいるところでありますので、政府としては、引き続き、世界のアスリートが万全のコンディションでプレーを行い、観客の皆さんにとっても安心で安全な東京大会を目指して、関係者との緊密な連携の下、開催国としての責任をしっかりと果たしてまいりたいというふうに思っております。

#113
○長浜博行君 予算的なものも、一義的には東京都だというふうにも理解をしておりますけれども、いわゆる今回のオリンピック予算等については会計検査院からの様々な御指摘もあるようでありますんですが、コロナ対策における追加経費的なものはどのように担当大臣としてお考えになっておられますか。

#114
○国務大臣(橋本聖子君) 来年に開催された東京大会につきましては、これまで大会の主催者であるIOCと大会組織委員会を中心に協議が重ねられてきておりまして、六月の十日に開催されたIOCの理事会において、来年の大会までの活動の概要を示したロードマップが取りまとめられたところであります。
 このロードマップにおきましては、新型コロナウイルス感染症対策については、IOCや大会組織委員会を中心に今年の秋以降に追加施策の検討が行われているというふうに承知をしておりまして、政府としてはその検討状況というものを注視をしてまいりたいというふうに思っております。
 東京大会の確実な成功のためには、大会に出場する選手が最高のパフォーマンスを発揮するとともに、観客も安心して大会を観戦していただけるように、新型コロナウイルス感染症を含めた感染症対策は国がしっかりと責任を持ってやるという重要なことでもありますので、今後もIOC、大会組織委員会、東京都と緊密な連携を図りながら、もう一つは、やはり選手が安心して安全でこの大会を迎えれるようにということは、選手と関係者、現場の声をしっかりと聞くことが重要であるというふうに思っておりますので、スポーツ庁やあるいはJOC、そしてスポーツ協会、あるいは各競技団体等と一緒になって対応しております総合対応推進チームというものがありますので、しっかりと連携をして今の、今後に向けた対応を、きめ細かな対応をしっかりとやっていきたいというふうに思っております。

#115
○長浜博行君 世界中が注目をしているこのオリンピックの開催ということと、それから世界的大流行、パンデミックというのが重なっている状況の中で、どういったことが行われてどういう基準で何の判断をしたのか、そしてこの費用はどこで使われることになったのか等を記録として残していかれることをお願いをしたいと思っております。
 お待たせをして、新型インフルエンザ等対策特別措置法に関する事務を担当する国務大臣とちょっと質疑をさせていただければと思います。ちょっと長いので、担当大臣と言うことにしたいと思いますが。
 歴史的緊急事態が宣言をされて、このコロナの問題を扱っていくということになりました。これは、三月の時点、大臣がたしか就任されたのは六日ぐらい、六日でしたよね、それで十日に閣議了解で緊急事態、歴史的緊急事態に指定をされて、その三日後に参議院では内閣委員会で私も質疑に、大臣とやらせていただきました。
 そのときに私、非常に感じたことは、私の質疑、対政府質疑の前に参考人質疑が行われたんですね。そのときに、今の政府の専門家会議のメンバーの方、これはもう議事録で整備をされておりますので全ての発言とそれから名前も公表されている状況です。専門家会議の副座長も出ておられました。その専門家の皆様方が事あるごとに、私はこう思いますと、ただし、これを政治的に何か判断をされることに巻き込まれたくないというようなことが如実に答弁の中で表れていました。ですから、この政治と科学というのは大変、まあ言葉がいいかどうか分かりませんが、厄介な問題をはらんでいるんだなあと思いました。テドロス事務局長、WHOですね、自身がエチオピアの保健大臣であったこともありますし、また彼はマラリアの、つまり感染症の専門家でもあります。
 ですから、こういった状況の中で、特に今回はこの特措法の一条の「目的」の中の新感染症をどう捉えるかということが争点にもなりました。大変この中で担当大臣自身が御苦労されているというふうに思いますが、この政治と科学の問題についてはどのようにお考えになっておられますでしょうか。

#116
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 まさに今回、国民生活に大きな影響を及ぼす緊急事態宣言の発出など、今回のこの新型コロナウイルス感染症対策に取り組んできたところでありますけれども、まさにそうした法律の制定から、今回、改正から始まったわけですけれども、法律の改正あるいはその前段階で解釈、そしてそれぞれの段階での措置、こういったことについては政治が判断をし、最終的に説明責任も果たしていかなきゃいけないというふうに考えております。
 しかし、それらに係る判断をするに際して、まさに専門的知識あるいはエビデンスに十分に基づいたそうした対応をしていかなければなりませんので、その際に専門家の皆様には、まさに専門的な知見、そしてこれまでの御経験に基づいて御助言をいただいてきたところであります。
 まさに専門家の皆さんのそうした科学的知見、経験に基づくアドバイス、助言を受けながら、各種の決定、そして緊急事態宣言措置など、発出など行ってきたところであります。更に言えば、具体的には都道府県知事が具体的な措置を対応することになりますので、その都道府県知事が適切に判断できるように、私の立場からサポートなり調整なりをしてきたところであります。
 いずれにしても、この間、専門家会議の脇田座長あるいは諮問委員会の尾身委員長始めとして、皆さん方に連日いろいろ分析をお聞きをしたり、評価をいただいてきました。この間の、まさに経験豊富な皆さん方の、先生方の知見、そしてこれまでの助言含めて改めて感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 いずれにしましても、今後とも、専門家の御意見をしっかり踏まえて、科学的な見地からアドバイスをいただきながら、最終的には政治の立場でしっかりと判断をし、説明責任を果たしていきたいというふうに考えております。

#117
○長浜博行君 委員の皆様には参考資料を配付をしているところでございます。テレビの方はこのパネルを御覧いただきたいと思いますが、歴史的な緊急事態というのがどういうことかということがここに示されているわけであります。(資料提示)
 こういうことで、今るる質問してきましたように、正確な記録文書を残す、そして後世の科学者なり御関心がある方々が、あのときどういう対応をしたのかということを残していくことは大変重要であります。三段階で書いてありますが、普通の公文書管理ということも大変重要でありますが、それより二段階進んで、今回のコロナ対策というのはとても大事な意義を持っているというところでございます。
 公文書管理担当大臣にお聞きするつもりはありませんけれども、今回の行政文書の管理に関するガイドラインにおいて、個別の事態が歴史的緊急事態に該当するか否かについては、公文書管理を担当する大臣が閣議等の場で了解を得て判断するということで、かなり裁量権の幅が広いわけです。
 ですから、政府にとって都合がいいとか、これを言ったら野党が足を引っ張るだろうとか、そんなレベルの問題ではなくて、科学の純粋な検証を可能にするように、この事務担当大臣におかれましては、どこまでをいわゆる今般の新型コロナウイルス感染症に係る事態と判断をするかということに関しては、極めて狭い概念ではなくて、広く捉えてそれを公文書という形で残していっていただきたいというふうに思いますが、事務担当大臣、いかがですか。

#118
○国務大臣(西村康稔君) 私も全く同様の考えを持っております。
 政府として、三月十日に、まさにこの事態を行政文書の管理に関するガイドラインに規定する歴史的緊急事態に該当するということにしたところであります。
 将来、また別の感染症のこういう事態が起こるかもしれませんし、そもそもこの新型コロナウイルスも更に進化をして、より厳しい状況になるかもしれません。様々な事態を想定して、今回の対応の経緯あるいは教訓を後世に残していくというのは極めて大事なことだというふうに思っております。ガイドラインに基づいて、できる限り丁寧に記録を残していきたいというふうに考えております。
 具体的には、当然、この新型コロナウイルス感染症、政府の対策本部ですね、これにつきましてはまさに政策の決定、了解を行う会議でありますので、配付資料、それから本部での決定内容などを速やかに公表し、呼び方はともかく、議事概要を順次作成し、議事録であります、これを公表しているところでありますし、また、専門家会議についても、これも、これ自体は政策の決定、了解を行わない会議でありますけれども、議事概要として、お一人お一人の名前は特定しておりませんけれども、その概要についてできる限り丁寧に説明した議事概要を公表いたしておりますし、また、先生方の御了解も得ましたので、この速記録につきましても、将来に検証に資する資料として、速記が入っていなかった一回目、三回目についても録音等を基に同様の記録を残して、しっかりと保存をしていきたいというふうに考えているところであります。

#119
○長浜博行君 ここまでの議論を聞かれて、総理、公文書に対するお考えはいろいろあると思いますが、いかがですか。

#120
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま担当大臣から答弁をさせていただきましたように、今回の出来事については、再び起こるかもしれないパンデミックにおいて、今回どういうことがあったのか、どういう課題があったのか等々についても検証し、そして次のパンデミックに生かしていただきたいと、こう思う次第でございます。その意味におきましても、私たちもしっかりと記録に残していく責任がある、これはガイドラインに沿ってしっかりと残していきたいと、こう思っております。

#121
○長浜博行君 ゴー・ツー・キャンペーンについてちょっと伺わなければなりません。
 六月三日に衆議院の国交委員会が開かれ、そして六月九日に参議院の国交委員会が開かれました。参議院の国交委員会では私が質疑に立たせていただきましたけれども、この間に何が起こったのか、突然週末にスキームの変更が行われました。経産省でまとめて予算を計上する、半端な予算じゃありませんよ、一兆七千億ぐらいの予算が、これが、週が明けてしまうと、衆議院の段階では、いろんな企業が絡んでいる、いろんな分野が絡むから経産省がやるんだと言っていたところが、今度参議院の質疑でそれを聞こうとしたら、いや、もうそれぞればらばらにやるんですと、農水は農水、国交は国交でと、こんな状況になりました。一体誰がこういうスキームを決めて、誰が変更したんですか。

#122
○国務大臣(梶山弘志君) コロナ後の需要喚起策でありますゴー・ツー・キャンペーンにつきましては、事業全体を一体的かつ効率的に実施すべく、内閣官房の日本経済再生総合事務局の下に設置をされている官民一体型キャンペーン準備室を中心に関係省庁が連携をしつつ、それぞれの分野について準備を進めることとしております。
 その際、日本国内における需要喚起と地域の再活性化という事業の趣旨、目的に鑑みて、民間の経済活力の向上を任務として商一般を所掌としている経済産業省に予算を一括して計上した上で、観光庁や農水省に対してそれぞれの分野の執行を事務委任することとしたものであります。
 本事業の事務局公募については、事務局を一つにすることで広報を始めとする申請、審査、精算機能などの各キャンペーンに共通する機能を一体的に執行できるメリットがある一方で、観光、飲食、イベントという性質の異なる事業を統括する事務局の構造が複雑になってしまうといった課題が当初より存在をして、議論もされてきました。
 そのような中、昨今の国会や国民の皆様の御指摘を踏まえて、より事務局の構造を簡素にする必要があるとの判断に至り、関係閣僚で相談の上、一旦現在の一括による公募をやめることとした次第であります。

#123
○長浜博行君 今の御説明にもありましたように、衆議院で言っていることと全く違う状況を参議院の質疑のときに提示をされたわけでありますから猛省を求めたいと思いますし、国交大臣におかれては、もう経産省から予算の支出委任を行う額が提示をされているんですか。そしてまた、どのようなスキームで、そもそも八〇%の予算がこの国交省予算になるというふうに思いますが、そのお考えをお聞かせください。

#124
○国務大臣(赤羽一嘉君) ゴー・ツー・キャンペーン事業の中で、観光・運輸はゴー・ツー・トラベル事業ということで整理をしております。
 これ、この事業は新型コロナウイルス禍からの地域経済復活のための強大な需要喚起策でございまして、その対象も、全国約五万の宿泊業者、また約一万の旅行業者、そして地域クーポンの利用対象となる恐らく数十万件以上の土産物店、飲食店、観光施設、交通機関等を対象とする大変大規模な事業でございまして、事業総額もこれ一・三五、一兆三千五百億円を第一次補正予算で計上をしているところでございます。
 この本事業における事務局を今度は国土交通省として設置をしなければいけないということで、間もなく公募を開始したいと思いますが、まず、その事務局の業務につきましては、主なものとして、一つ目は、全国各地での事業の説明会の開催をしなければならないと思っております。二つ目は、その多くの事業者、店舗に、できるだけ多くの方に参加をしていただく、登録をしていただかなければいけませんし、そのサポートが必要であると。そして三つ目は、この地域共通のクーポン券というのは言わば金券でございますので、これ、不正防止というか、偽札を作れないようにということの不正防止を施した地域共通クーポン券、これまだ定かではありませんが、約二億枚から三億枚の印刷と配送も行わなければいけないと。
 また、当然のことながら、メディアやウエブサイトを活用して本事業を国民の皆さんにやらなければ等々の大変な業務が想定をされておりまして、この事業の経費に対して、公募にするに当たり、上限額、ですから、これ今御質問ありましたように、経済産業省から委任をされた額、約二千二百億円という額が委任をされたばかりでございます。この額を聞いて高過ぎるのではないかという印象を持たれる方もいらっしゃると思いますので、我々としてはしっかりと説明責任を果たさなければいけないと、こう考えております。
 同時に、観光事業者、大変苦労されておりますので、できるだけ早期にこの事業が設置できるように、事務局の公募、選定を速やかに実施する必要があると思っております。
 具体的には、有識者委員会を含めた審査委員会、先週金曜日に立ち上げたところでございますので、でき得れば今週中に公募を開始して、そして、その内容につきましては、結果につきましては透明性を持ってしっかりと説明責任を果たしてまいる決意でございます。

#125
○長浜博行君 引き続き、この問題は透明性と説明責任を求めていきたいと思っております。
 どうもありがとうございました。

#126
○委員長(中川雅治君) 関連質疑を許します。野田国義君。

#127
○野田国義君 共同会派、立憲民主党の野田国義です。野党の声は国民の声ということで質問をさせていただきますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 まず、本当に、もう明後日になりますけれども、国会を、総理、止めるんですか、閉じるんですか。
 御承知のとおり、まだまだコロナ禍も終息しておりません。昨日は東京で四十七名の者が感染をされたということでございまして、いつ何どき何が起こるか分からない。
 そして、今国会を振り返ってみますと、前半戦は桜を見る会でのまたまた国政の私物化ということでありました。
 そして、黒川検事長の定年延長問題、余人をもって代え難いといって定年延長をされる予定でありました。しかしながら、御承知のとおり、賭けマージャンをした問題で訓告処分ということになりました。私は、これは懲戒処分が当然であると。法務省あるいは検察庁はしっかりと国民に範を示すところなんです。こういう処分では恐らく多くの国民は納得をしていないと思います。
 森法務大臣、こういうことが起こったということは大臣の責任でもあろうかと思います。辞任をすべきであると私は思いますが、いかがでしょうか。
 そして、予備費十兆円の問題です。この十兆円は、実を言いますと、一次補正を入れますと十二兆円なんですね。この十二兆円を本当に白紙委任をしていいのかということです。御承知のとおり、予算民主主義、憲法八十三条で、我が財政を動かす際には議会の議決が必要であるとうたってあります。そうじゃないでしょうか、総理。私は、この十二兆円を白紙委任はできないと、恐らく多くの国民が思っておられることだと思っております。
 最近、私よく耳にいたしますのは、何か、兆円、すごい単位になっちゃって単位が分からなくなるよね、野田さんと、よく聞きます。それで、私、よく以前からこの財政のとき話している数字があります。皆さんも御承知だと思いますけれども、一兆円は平らに積み上げて十キロ、一兆円は平らに積み上げて十キロですよ。そして、毎年、毎日ですね、毎日百万円使っていく、百万円毎日使ったらちょっと体がどうかなるかも分かりませんけれども、百万円使っていって二千七百年掛かるということ、よく言われる言葉でありますけれども。
 こういうように、本当にすごいお金であるということ、このことを認識して、血税ですから、しっかりと透明性を持って、公平性を持って使っていかなくてはいけない、このことに関連いたしまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず、数日前に共同会派の議員さんたちが中央区のサービスデザイン推進協議会を三度ほど訪問をされているかと思います。そこで、金曜日ですか、先週の、メールが返ってきたそうです。業務活動が阻害され、職員等は不安や恐怖を募らせているというメールが返ってきたそうでございます。私は、しかし、考えてみますと、予算がちゃんと使われているか使われていないかをチェックするのが私は議員じゃないかなと、そのように思いますが、いかがでしょうか。
 このサービスデザイン協議会は、御承知のとおり、決算報告を一度も、公告を一度も行っていないということなんです。だから、本当にこれ、何か専門家が言っていましたけれども、パソコンなんかも、入っていた五台ですか、ばらばらだったということですよ。だから、よそから持ってきたパソコンだったんじゃないかと専門家が指摘をしておったということでありますけれども、私は本当これ実態がないんじゃないかと思いますが、梶山大臣はどのように御認識いただいておりますでしょうか。

#128
○国務大臣(梶山弘志君) 数日前に皆様がその築地の事務所に行かれたということを聞いております。
 サービスデザイン推進協議会は、全国各地にある審査拠点への訪問を行うなど、リモートワークを実施することを基本としていると現在は承知しております。先般、野党の皆様が訪問された際には、事務局内には職員の方もいたと報告を受けております。
 他方で、民間の方々であり、そこで責任を持って答えられる業務の方かどうかということもございます。前もって連絡をいただいて、責任ある答えをできる方がいればそういう対応もできたかと思いますけれども、突然来られてその対応というのはなかなか難しいものであります。
 私どもの事務所にもいろんな電話があります。私の地元にも、この会館の事務所にもあります。今、まだ未給付の方が多くおいでになるということで、皆さんの御心情を察して余りあるものありますけれども、やはりお怒りになって言ってくる方もある。
 そういったところに、事務局にお見えになるということに関して職員の方々がそういう慎重な対応を取っているということで御理解をいただきたいと思いますし、そこには業務が張り付いている、そして人もいる。
 最終的には、ここは、精算をするのが業務委託契約でありますから、無駄なお金は払わないという中で、本来、これ今、執行中の業務でありますけれども、執行中では異例のことなんですけれども、中間検査も六月中に行うことにしております。さらに、終わってから経産省が、出先、その外注先、再委託先にまでの証憑をしっかりと確認をした上で確定検査をすることになっております。さらにまた、会計検査院等の検査もあるということになりますので、しっかりと対応してまいりたいと思っております。

#129
○野田国義君 ここは、御承知のとおり、やしゃご請ですか、何か久しぶりに聞きましたけれども、そこまで、四代ですか、ひ孫の次ですね、やしゃご請までされているということでありまして、恐らく経産省としてはガバナンスが全く利かないんじゃないですか。恐らく調査手法としても、これ、やしゃごまで調べるのは難しいですよ、このお金の流れを、私はそう思います。
 そして、いつも大臣がおっしゃいますけれども、精算をし削除をするということをおっしゃいますよね、記者会見等でも言われておりますが、精算をするって、これはもう執行しているんですよ、予算ですから。だから、それをどうやって、じゃあ余ったから返せって言えるんですか。そういうのが一筆入っているんですか。

#130
○国務大臣(梶山弘志君) 業務委託契約については事後精算をすることにしております。これは不当な支出は認めないということでして、証憑に基づいて、そして例えば業務日誌等に基づいてどういう単価でやられたかということも含めて確認をするわけであります。そして、これ概算払で払う場合もありますけれども、概算払についてもし過払い分があれば返却をしていただくということになろうかと思います。

#131
○野田国義君 本当に、麻生大臣、申し訳ないですけど、できますか、こういうこと。(発言する者あり)いやいや、できないって言いましたよ、財務省は。財務省、この間、我々の会派の勉強会でできないと、予算執行上できないと。まあ、じゃ後でこれはっきりしてください。
 恐らく、もう契約しているわけでしょう、だからできないんじゃないですか。財務省、そういうことを言っておりましたよ。まあまあ、いいです、じゃ。

#132
○国務大臣(梶山弘志君) この件に限らず、業務委託契約というのは全て事後精算ということになっております。そして、証憑に基づく、正確な証憑に基づく精算ですから、いいかげんな証憑は当然排除をいたします。そういった中で、今までの委託契約というのはこういう形で精算をしているということであります。それぞれの地域、それぞれの会社でどのくらいの費用が掛かったかということも含めて、業務日誌等に基づいて正確に行います。

#133
○野田国義君 恐らく返すことはできないんじゃないですか。いやいや、まあ、これは財務省の官僚がこの間、我々の勉強会でそう答えていましたよ。
 じゃ、次に行かせていただきますけれども、前田ハウスの件でございますけれども、前田長官、おいでいただいておりますけれども、これ、誰が主催したのか、そして誰が参加していたのか、そして会費は前田長官は支払われたのか。ここに当時のパンフレットがありますけれども、二十一万円と、会費、書かれておりますけれども、どのようになっているのか、詳しく説明していただきたいと思います。

#134
○政府参考人(前田泰宏君) お答えを申し上げたいと思います。
 そのところは、オースティンにおきましてなかなかホテルが取れないということがございましたものですから、民泊でそのアパートを借りるということになりました。私の知人がそれを借りまして、そこに複数名が宿泊をするということで、お一人、今御紹介ありましたけど、二十一万円ということで、そこで宿泊をするということになっております。主催といいますか、その幹事を行いましたのは、私が今さっき申し上げました知人の方でございます。

#135
○野田国義君 前田ハウスという銘打って、ここにパンフレットまでできています。この間、何かテレビにも映っていましたけれども、何か横断幕まで作ってらっしゃいましたね、あのパーティールームの中に。それで、ここに平川元電通社員も同席されたということは、この間の予算委員会でも認めておられます。
 ですから、ここに民間、いろいろな取引があるところの、電通を始め民間の方々が入っていると、メンバーに入っていたとすれば、これは私は国家公務員の違反と、倫理法違反になるんではないかと思いますが、前田長官、いかがですか。

#136
○政府参考人(前田泰宏君) 倫理規程法は、こちらは、そちらの懇親会というのは多数の方が集まるパーティーでございますので、そういう場合には倫理規程違反にならないものと認識しております。

#137
○野田国義君 普通そういうところに同席をするということは、国家公務員としてやってはいけないということじゃないかと私は思いますけれどもね。それも外国でですよ。どんなことが利害関係者と話し合われるかということ、非常にこれは国民の疑念を持たれるということではないかと思っております。
 それで、これ、会費ちゃんと払われたんですか。何か旅費が八十六万円ほど出ているようでございますけれども、どういうふうにされたのか、お聞きしたいと思います。

#138
○政府参考人(前田泰宏君) お答え申し上げます。
 旅費、旅費といいますか、その宿泊費といたしまして八万六千円ありますけれども、全体としての分担金は二十一万円でございましたので、差額の部分は自己負担をしております。

#139
○野田国義君 それじゃ、公費でその宿泊の八万六千円をその旅費の中からお支払いになったと、で、残りを自分で払ったと。これもいいんですかね、ちょっとこれも引っかかる可能性あるんじゃないのかなと思います。私も市長時代、よく国から公務員の方々も見えましたけど、非常にこの辺りはきれいにやっておられました。
 それから、これ一番恐らく国民が疑っているのは、これまでいろいろ、ここまでやるというのは、昨日も官僚の方、事務次官経験された方もおっしゃっておりました。そして、前田長官の先輩ですか、その方もおっしゃっておりましたけれども、前田さん、何を勘違いしているんだと、恐らく多くの皆さんにちやほやされて何か勘違いしていると、これは。あってはならないことなんですよ。そうでしょう、公務員として。当たり前じゃないですか。それをやってきた。
 そして、もう一つ聞きたいのは、本当に接待なんかを受けたことはありませんか、一緒に食事をして払ってもらったとか。あるいは、設立時の定款のPDFファイルでプロパティーを見ると、経産省の情報システム厚生課ですか、とあるんですね。いわゆるここの情報システム厚生課、厚生課がいわゆるこれを描いたんじゃないかと、そういうことが言われているんですけれども、本当にそうじゃないですか。もう立ち上げから関わったんじゃないですか。

#140
○政府参考人(前田泰宏君) 立ち上げから、立ち上げから関わってはおりません。
 それから、接待を受けたという事実は全くございません。

#141
○野田国義君 恐らくまあいろいろこれからも明らかになっていくと思いますけれども、もうはっきり言って、ここまでやる仲間というか仲というのは、こういったパンフレットまで作ってやるぐらいですから、もうずぶずぶなんですよ、恐らく。そうしないと、こんなの誰が考えても、これ、そうですよ。
 このことを私はしっかり申し上げたいと思いますし、さらに、総理、長谷川首相補佐官ですか、こちらが顧問を以前されていたテー・オー・ダブリューですか、こちらの方もいわゆるやしゃご請ですか、二百三十億円で、六社で。いわゆるこのことも、最初に桜を見る会も申し上げました、そして森友、加計問題、総理の周辺の人たちが潤う、この構図にぴったり当てはまるんですが、総理、いかがですか、このことは。

#142
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは全く違います。
 先ほどの前田長官とのやり取りを聞いていて、公務員にあるまじきと言うのであれば、公務員の倫理規程の何に違反しているかということを具体的に言わないで、ただここで一方的に非難するのはどうかというふうに思いながら私聞いていました。
 民間人の方と役所の方が会うというのは間々あるわけでありまして、いろんなお話を伺うというのは、それがなければ民間の実情が分からないのではないかと、そんな印象を持ってお伺いをさせていただいたところでありますが、また今、これまた今、名前を挙げられた長谷川補佐官については、本人に確認したところ、七年以上前の二〇一二年に、七年以上前の二〇一二年十二月に御指摘の企業を辞職をしており、当然、同社のために経済産業省などに働きかけなどを行ったことはないということでございます。
 決め付けをするんであれば、そうではないということをそこで証明しなければいけないわけでありまして、改めてそのように申し上げたいと思います。
 長谷川補佐官は、ちなみに、二〇一二年十二月、それまで勤務していた他の民間企業もございますが、全て辞職をしまして、東京大学の公共政策大学院の客員教授としては二〇一三年三月まで勤務していたということでございます。

#143
○野田国義君 だから、公務員というのはやっぱり疑われるような行為はしてはならないということじゃないかと、私はそういう教育を受けてまいりました。だから、こんな、ひどいですよ、前田ハウスとかつくってですよ、そこに民間人を呼ぶとか、それは誰が見てもずぶずぶって感じますよ。この件も偶然じゃないんじゃないかなと、私はこの長谷川総理補佐官の件もそのように思うところであります。
 それから、ちょっと話戻りますけれども、先ほど西田理事からもらいましたけれども、大変なことを何か広報されているんですね、経産省は。いわゆる、取材は絶対に御遠慮くださいと、取材は絶対御遠慮くださいと。
 いわゆる経産省、それからこのサービスデザイン推進協議会の方から出ておりまして、サービスデザイン推進協議会、持続化給付金事務業務、申請サポート事務局へ絶対取材は駄目なんですか。何か今日十六時から記者クラブの総会があるそうでございますが、こんなことをなぜやったんだって何か騒ぎになっているそうでございますが、いかがですか。

#144
○国務大臣(梶山弘志君) 持続化給付金は、まずは申請している方々にできるだけ早くお届けできるように審査を急ぐ必要があるということであります。一方で、事業の委託先であります一般社団法人サービスデザイン推進協議会の築地の事務所に申請者が訪問したように、審査業務や申請サポートの事務を統括する事務所の所在が明らかになると、こうした業務に支障が生じ、給付に遅れが発生することも懸念をされるわけであります。
 このため、経済産業省記者クラブには、そうした混乱が懸念されることを説明し、事務局に直接取材に行くこと、また、場所の特定につながる報道を控えていただくようにお願いをしたということであります。
 なお、こうしたお願いは報道そのものを控えるという趣旨ではなくて、現に報道陣には持続化給付金に係るブリーフィング、担当課長が毎日一時間以上行っているところでありますし、また、先般、先方も記者会見をしたところでありますが、情報提供に努めているところでありまして、しっかりとした情報提供をして説明をしてまいりたいと思います。

#145
○野田国義君 これは委託業務です、先ほどからちょっと論議しておりますけれども。委託というのは本来だったら国がやらなくちゃいけない事業なんですよ。もちろん、皆さん御承知のとおり血税ですよね、税金ですよ。だから、本当に透明性というのは大切だと思います。
 だから、そこに取材拒否したら、例えばですよ、例えば十万円の給付金、各自治体はやっているじゃないですか。各自治体は窓口でやっているじゃないですか。それで、これを取材を駄目だということで遮断するとなれば、これは全く国民に対する説明責任は付かないんじゃないですか。私はそう思いますよ、血税ですから。

#146
○国務大臣(梶山弘志君) 透明性を図ってやっていく必要というのはそのとおりであります。しかし、これ、それぞれの業務の場所に報道陣の方がおいでになって、そして責任ある説明を求められても、その説明ができる人がいるかどうかということもございます。そして、業務に支障が生ずる場合もあるということでして、その場に、場所を特定するような報道はされては困りますのでお控えくださいということであります。

#147
○野田国義君 それじゃ、サービスデザイン協議会の事務局にいて、一日だけ人がいてパソコンもあったという、ああいう形、じゃ、説明すればいいじゃないですか、経産省が中に入って。皆さんにこういう状況でやっておりますということを説明すればいいと思いますよ。取材に駄目だとか、こんなことを、ちゃんと書いてありますよ、これは。
 それで、こんな大きな事業が委託されているということですから、しっかり国会を開いてチェックをしていかなくてはいけない、このことを申し上げまして、終わりたいと思います。ありがとうございました。
    ─────────────

#148
○委員長(中川雅治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、長浜博行君が委員を辞任され、その補欠として小沼巧君が選任されました。
    ─────────────

#149
○宮崎勝君 公明党の宮崎勝でございます。本日は、質問の機会をいただきまして大変にありがとうございます。
 また、冒頭、新型コロナウイルスでお亡くなりになりました皆様に心から哀悼の意を表させていただきます。また、現在闘病中の皆様に一日も早い御快癒をお祈り申し上げたいと思います。
 最初に、総理にお伺いをしたいと思っております。新型コロナウイルス感染症の財政への影響と今後の見通しについてということでございます。
 新型コロナウイルス感染症に関する緊急経済対策と景気の悪化による税収の減少によって、財政赤字は過去最大規模になると予想されます。政府が掲げる二〇二五年の基礎的財政収支の黒字化と、それに向けた二〇二一年度の中間指標にも影響は避けられないというふうに考えております。そこで、財政に対する新型コロナウイルス感染症の影響をどのように見通されているのか、伺いたいと思います。
 また、現在は国民生活を守るためにちゅうちょなく支援策を講じていかなければなりませんが、事後に決算において評価、検証し、次の予算編成につなげていくことも大変重要でございます。令和元年度の決算ですけれども、例年どおり十一月前後に提出される予定なのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

#150
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国民の命と健康、そして雇用と事業を守り抜くためにGDPの四割に上る世界最大級の対策を実行しているところでありまして、当然足下の財政への影響は避けられませんが、今は、まずは今申し上げましたように国民の命と健康、そして雇用、事業の継続守るためにあらゆる手段を取らなければならないと、こう思っているところでありまして、そして、経済を正常な軌道に戻さなければ財政の健全化も果たすことはできないわけでございまして、まずはしっかりと、思い切った財政出動もするわけでありますが、今申し上げましたような目的のために政策を実行していくことが求められていると思いますし、また、事態が終息した後には、デフレ脱却と経済再生への道筋を確かなものとすると同時に、歳出歳入両面の改革を続けることで経済の、財政の健全化をしっかりと進めてまいりたいと思います。
 また、令和元年度決算については、決算の十分な審議をお願いするとともに、決算結果等を予算編成に反映させるため、例年どおり十一月に国会へ提出できるよう準備をしてまいりたいと思っております。

#151
○宮崎勝君 ありがとうございます。
 もう一問、総理に伺いたいと思いますが、就職氷河期世代の就職支援という問題でございます。
 コロナ感染症の影響で、今後の就職活動がどうなるか不安だという声がたくさん寄せられております。同時に、この就職氷河期世代の皆様の就職支援ということも大変心配されているところでございます。
 政府は、令和元年、昨年の六月に就職氷河期世代支援プログラムを閣議決定いたしまして、三年間の集中的な支援によりまして、この世代の正規雇用者を三十万人増加させるという取組を進めているというふうに承知をしております。
 ところが、コロナ感染症の拡大によりまして、企業の採用環境は一変をしているというふうに見られております。共同通信社のアンケート調査では、回答を寄せた百二社の約八八%に当たる九十社がこの就職氷河期世代を採用する予定がないというふうに答えているところでございます。政府はこの世代の積極的な採用を企業に要請しておりますけれども、その協力に広がりが見えていないんじゃないかというふうに見受けられます。
 新卒者の就職活動への支援も必要でございますけれども、この就職氷河期世代に対する就職支援を着実に実施していくことも必要だと考えますけれども、総理の御認識を伺いたいと思います。

#152
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、今年の四月の就職については大変心配をしておりましたが、我々も再三再四、経済界側にこれはしっかりと採用をそのまま維持していただきたいとお願いをしてきたところでありますが、経済界側も応じていただきまして、就職率九八%以上で、高い水準の就職率を維持していただいたことを感謝したいと、こう思います。
 そこで、就職氷河期の方々に対する対応でございますが、まさに政治の使命は、経済における政治の最大の使命は雇用を守ることでありますが、今のこの厳しい環境の中にあっても、就職氷河期世代の方々の正規雇用を三年間で三十万人増加させるとの目標を堅持し、そして、三年間の集中プログラムに基づき、感染拡大の防止にも留意をしながら、きめ細かな伴走型の就職相談体制や即効性のあるリカレント教育など、あらゆる支援策を講じ就業を促進していきます。さらに、社会参加への支援が特に必要な方々へも、相談支援機関のアウトリーチ機能の強化などにより、寄り添った支援を行ってまいります。
 同時に、就職氷河期世代の方々の公務員採用にも取り組んでおりまして、内閣府及び厚生労働省において昨年度に先行的に採用したほか、今年度からの三年間、人事院が新設する中途採用者選考試験等を活用して集中的に中途採用をしていくこととしています。地方公務員についても、採用の取組が全国に広がるよう自治体の首長の皆様に要請をしているところでございまして、是非御協力をお願いをしたいと思います。
 さらに、経済団体等を通じて企業の皆様に対し、新卒者のみならず、就職氷河期世代の方々の採用に対する特段の配慮を要請をしています。
 今後、段階的に経済活動を引き上げていく中で企業の採用意欲が回復していくことを期待しており、更に力を入れて取り組んでまいります。

#153
○宮崎勝君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 続きまして、ちょっと質問の順序を変更いたしまして、先ほど来出ております持続化給付金の委託事業の検証について、梶山経済産業大臣にお伺いしたいと思います。
 持続化給付金につきましては、短期間で大きな給付を行うため、平時ではない体制を取らざるを得ない、その意味で民間団体に委託することは理解をしているところでございます。その上で、一日でも早く給付金を届けること、また巨額の税金を投入する以上は事業の透明性、信頼性を確保することが極めて大切であると考えております。
 そこで、大臣に二点お伺いしたいと思います。
 一点目は、梶山大臣はこの給付金の委託事業に関する中間検査の実施や委託契約のルールの見直しを検討するというふうに答弁をしておりますけれども、それをいつまでにやるのか、具体的なスケジュールをお示しいただきたいと思います。
 二点目は、この持続化給付金の事業につきまして、経産省として再委託、再々委託の全容把握ができているのかどうか。また、再委託先のスタッフには公務員に課せられている守秘義務などが課されているのかどうか。また、課されているとしたら、今回そうした運用が徹底できているのかどうかについて検証するべきではないかというふうに考えますけれども、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

#154
○国務大臣(梶山弘志君) 御指摘の件、答弁する前に、迅速に多くの方に確実に、三密を避けながら、どの段階でも三密を避けながら給付するという持続化給付金事業の目的を実現できているかという点にも、委員の皆様には是非目を向けていただきたいと思っております。
 サービスデザイン推進協議会の全体の統括の下で、一日もシステムが止まることなく申請、給付を継続をしております。一か月で百五十万件以上の事業者に約二兆円を超える現金をお届けできております。これは、給付のインフラがない中で最初から組み立ててできたということでありまして、これはしっかりした数字だなということを私自身感じております。
 実施主体であります電通には、報道で御存じのように、爆破予告などがございました。また、社員への脅迫なども起きていると聞いておりますが、その中でも、民間団体でも中小企業や小規模事業者を救うという事業目的に共感をし、日夜全力で事業に取り組まれ、これだけの成果を上げていることに対し、私自身感謝をしておりますし、委員の皆様にも是非この点を御理解をいただきたいと思っております。
 また、この給付金事業には要件がございます。当然、申請だけじゃなくて審査もするという中で、できるだけ簡素にということですから、確定申告書の事業所得があること、そして、月次、月で比較するわけですから、前年度の月次の売上げの証明があること、そして今年度の、新しい年度の月次の証明があること。ただ、確定申告を今年度していない方には、日頃使っている日計表みたいなものでも結構だということでお話をさせていただいておりますけれども。
 五月一日申請受付の約十八万件のうち、いまだに給付に至っていない方たくさんおいでになりますけれども、そこはしっかりと努力をしていかなければなりませんが、売上げが前年同月比で五〇%減となっていることをお示しいただけない資料や、確定申告などの帳票について何度やり取りをしても不鮮明で読み取れないなど、支給要件に合致していない可能性が高い方もおいでになるのも現実であります。
 五月一日の申請受付に対する未給付者が大変多く、支給が遅れているとの御指摘もありますけれども、そういった点を御理解の上、そういった中でまた個別の対応等もしてまいりたいと思っております。
 もちろん、給付要件に合致する可能性のある方には、マイページやメールでの連絡に加えて、新たに専門の個別フォローアップ体制を構築して、例えばメールで個別の不備解消に向けて相談を行うなど申請者に寄り添った対応に努めますけれども、申請者に対して一〇〇%給付するということは審査を通らなければできないということも御理解をいただきたいと思っております。
 その上で、御指摘の透明性、信頼性の確保については、事業終了後に証憑を厳格に確認して精算する仕組みであること、仕組みですが、国民の皆様の御懸念を払拭するために、使途が不明なお金は一切支払わずに、これまでの支出の妥当性を確保するためにも今月中に中間検査を行いたいと考えております。具体的には、再委託先や外注先も含め、見積書や納品書などの証憑類を確認し、実際に要した費用を確認をしてまいりたいと思っております。
 省内の委託契約のルールの見直しに係る検討会については、人選、検討課題、スケジュールなどを事務的に検討しているところでありまして、できるだけ早期に立ち上げ、年内にも取りまとめを行うべく検討を進めてまいりたいと思いますし、皆さんの御懸念のところ、また疑念をいただいているところ等をしっかりと明確にしてまいりたいと思っております。
 また、経済産業省とサービスデザイン推進協議会の間の契約において、協議会からの再委託や外注先の履行体制を提出することや、再委託先や外注先も含めて情報管理体制を確保することを求める条項があるために、これらの点も含めて中間検査の中で確認をしてまいりたいと思います。
 国民の皆様の御批判にしっかりとお応えしつつ、事業者の事業の継続と雇用の維持を何としても守り抜くという何より重要な使命を果たしてまいりたいと思いますし、経済産業省も全力で取り組んでまいりたいと思っております。

#155
○宮崎勝君 是非しっかりと、国民に疑念を抱かれないように進めていただきたいと思います。
 関連しまして、ゴー・ツー・トラベル事業につきまして赤羽国土交通大臣に伺いたいと思います。
 先ほど来出ておりますとおり、ゴー・ツー・キャンペーンの事務局の公募が中止となりまして、今後は、観光支援は国土交通省、飲食店支援は農水省、イベント、商店街支援は経産省と、各省がそれぞれ事務局を公募することになりました。コロナ感染症で大打撃を受けている観光業などの皆様は、今回の事業の早期実施に大きな期待を寄せているところでございます。
 そこで、赤羽大臣に三点お伺いしたいと思います。
 事務局の公募に当たり、透明性、公正性をどう確保していくのか。また、ゴー・ツー・トラベル事業の実施時期の見通し。それから、宿泊、観光施設等における感染リスクを軽減して国民の皆さんが安心して出かけられるようにするための環境整備、これも必要だと思っておりますけれども、これにどう取り組むのか。この三点について御答弁をお願いいたします。

#156
○国務大臣(赤羽一嘉君) 今般の事務局の在り方の見直しを受けまして、今お話ございましたように、国土交通省として事務局を公募することになるわけでございますが、ゴー・ツー・トラベル事業そのものが全国規模で、対象の事業者も大変多く、また必要な、それに係る必要な事務経費も、先ほど御答弁させていただきましたが、例えば不正防止を施した地域共通クーポン券を大量発行するなど相当な額を要することから、この公募による事務局の選定におきましては二つのことをしっかり考えていきたいと。
 一つは、この選定プロセスについての透明性の確保、これしっかりやっていきたいと。また、二つ目には、大変厳しい観光業、そして、ひいては地方経済をしっかりと再生できるように、できるだけ早期に事業の効果を発現できるような速やかな公募、選定の実施、以上の二点をしっかり考えていきたいと、こう考えております。
 一つは、事務局の選定の透明性につきましては、先週の金曜日に有識者四名を含む事務局の選定委員会を既に立ち上げまして、近々、できれば今週中にも公募の手続を厳正に実施に入りたいと思っておりますし、その結果につきましては適切に公表することで、選定プロセスのスピードを確保しつつ、透明性と説明責任をしっかりと確保してまいりたいと、こう考えております。
 二つ目の御質問の実施時期につきましては、まだ明確には言えませんが、これはやっぱり夏休みが観光の大変繁忙期、絶好の機会でございますので、夏休みのできるだけ早い時期に発動できるように最善の努力をしていきたいと、こう考えております。
 三つ目の御質問で、感染リスクの軽減ということでございます。これは、国民の皆様が安全、安心に旅行できる環境づくりは大前提であるというふうに承知をしております。そのために、この観光業界自らが作成をしましたガイドラインの実施を徹底していただくとともに、お客様に対しましても、新たな旅行スタイルに、新たな生活様式における旅行スタイルの協力のお願いも併せて提示していただくように要請をしているところでございます。
 また、加えて、今年は夏休みの期間がどうしても短縮化されることも予想されておりますので、旅行需要の集中を避け、できれば分散化していただけるように、それが大変重要だと思っておりますので、六月一日に、主要経済団体及び労働界の代表の方々に対しまして、私から休暇の分散取得に本格的に取り組んでいただくよう直接お願いをしたところでございます。
 観光は地域経済の主力の産業だと思っておりますので、速やかに発動できるように、実際、それぞれの都道府県で、昨日の新聞にも出ておりましたが、全国の四十七道府県で観光割引、それぞれ県がしっかりやっていただいておりますので、そうした県の思いに応えられるようなしっかりとした事業として展開していきたいと、こう決意をしております。

#157
○宮崎勝君 ありがとうございます。
 次に、家賃支援給付金の対象拡大について経産大臣にお伺いしたいと思います。
 家賃、地代など固定費の負担を軽減する家賃支援給付金には、事業継続に苦しむ中小・小規模事業者、個人事業主の方から一日でも早く迅速に給付してほしいという期待がございます。
 事業のイメージをパネルで示させていただきました。(資料提示)資料は配付資料の二枚目でございますけれども、支給を受けるには、五月から十二月の期間において、一つ目は、いずれか一か月の売上高が前年同月比で五〇パー以上減少していることと、二つ目は、連続する三か月の売上高が前年同期比で三〇%以上減少していることのいずれかに該当することが要件になってございます。
 このうち、二つ目の連続する三か月の売上高が三〇%以上減少という要件につきましては、我が党にも様々な声が寄せられております。例えば、五月から三か月では実際に給付を受けるのが八月以降になって遅過ぎるということ。また、三月、四月が苦しかったのにその期間が対象にならないのはおかしいのではないかと。また、持続化給付金で支援すると言われても、三〇%、四〇%減少では対象にならないではないかと、こういった声も寄せられているところでございます。
 そこで、梶山大臣にお願いでございますけれども、この支給対象期間に三月、四月を含めるよう要件の緩和を検討していただけないかということなんですけれども、いかがでしょうか。

#158
○国務大臣(梶山弘志君) 家賃の支援給付金につきましては、与党内での議論、そして与野党での議論を踏まえてこの補正予算で出てきているものだと承知をしております。
 五月の緊急事態宣言が延長されたことなどを踏まえて、売上げの減少に直面する事業者の方々に対して更に一層の下支えを行うものでありまして、五月以降に売上げが減少している事業者を対象にしております。
 御指摘のように、売上高の減少が五〇%より少ない方でも継続的な売上げ減に苦しんでいる事業者の方々がいらっしゃることはよく認識をしておりまして、家賃支援給付金が給付されるまでの間の資金繰りに活用できる様々な支援策を講じることで、しっかりと下支えをしてまいりたいと思っております。
 例えば、売上げが五%以上減少していれば低利、元本返済据置きの特別貸付制度ができ、一五%以上減少した小規模企業や二〇%以上減少した中小企業はこれを実質無利子といたします。また、二〇%以上落ち込んだ事業者には、納税や社会保険料の支払を一年間猶予するとともに、持続化補助金において事業完了を待たずに補助金を即時に支払うことで支援をさせていただこうとしているところであります。
 資金繰り、大変苦しいものだと思っております。これまでも何回も金融担当大臣と連名で書簡を出させていただいておりますけれども、六月十日には麻生大臣と連名で、政府系と民間金融機関に対して、家賃支援給付金を始めとする各種給付金の支給までの間に必要とする資金も含めて、迅速かつ積極的に支援に取り組むように要請をしたところであります。
 家賃支援給付金につきましては、迅速かつ適切に給付金をお届けできるよう全力で準備を進めてまいります。

#159
○宮崎勝君 なかなか難しい、確かに与党でも検討させていただいた上で結論を出しておりますけれども、是非丁寧な対応を今後も、なかなかいろんな声がございまして、一人でも多くの方に喜ばれる制度にするために丁寧な対応に取り組んでもらうよう、是非お願い申し上げたいと思います。
 それから、次に、キャッシュレス決済の定着に向けた取組について、これも梶山大臣にお伺いしたいと思います。
 キャッシュレス決済に伴うポイント還元事業が今月いっぱいで終了いたしますけれども、今後の消費下支えやウイルス感染のリスクを下げる新しい生活様式の上でもキャッシュレス決済の定着が求められるというふうに思っております。
 そこで、今回のポイント還元事業の評価とキャッシュレス決済の定着に向けた今後の取組についてお伺いしたいと思います。

#160
○国務大臣(梶山弘志君) 昨年の十月から始まりましたポイント還元事業は、消費税引上げに伴う需要の平準化、消費税引上げの影響を受ける中小店舗への支援、そしてキャッシュレスの推進ということで、端末を普及をさせるということも含めて、それを目的として昨年から実施をしているところであります。
 消費税率が引き上げられた翌月に行ったアンケートで、消費者の約半数がポイント還元を理由にまとめ買いをしなかったとの回答をいただきました。また、本事業の参加店舗には、最終的に全国で約百十五万店、対象となり得る中小店舗が二百万店ということですから、半数強にまで拡大をし、これらの事業者からは、売上げ確保や顧客獲得、また業務の効率化につながったとの声を聞いております。こうしたことから、ポイント還元事業は一定の成果を上げているものと考えております。
 委員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響も踏まえて、実店舗において現金に触れないための衛生的という観点から、キャッシュレス決済に注目が集まっております。一方で、中小店舗への更なる普及促進に当たっては、手数料や入金サイクルが課題となっていると承知をしております。
 そのため、ポイント還元事業では、決済事業者に対して手数料や入金サイクル等のプランを公表することを義務付けました。入金サイクルも、月に四回であるとか月に一回であるとか翌日には振り込むとか、様々なメニューがこの制度で生まれてきたと思っております。その結果、決済事業者間で市場競争が働いて、本事業に参加している店舗が支払っている手数料率は平均で約二・四%まで現在下がっております。このように、見える化は手数料引下げ等の効果的な手法であると考えております。
 経産省では、手数料や入金サイクルの継続的な見える化など、更なる手数料の低減が可能となるような環境整備に向けて、今月十日より有識者による検討会を立ち上げており、引き続きキャッシュレスの定着、普及に必要な対策を全力で取り組んでまいりたいと思っておりますし、この事業に関する総括もしっかりとしてまいりたいと思っております。

#161
○宮崎勝君 ありがとうございます。
 続きまして、マイナポイントによる消費活性化策について、高市総務大臣にお伺いしたいと思います。
 マイナンバーカードを活用したポイント還元制度が七月から申込みが始まり、九月から実施をされます。二万円で五千ポイントを付与して二万五千円分の買物ができる制度でございますが、マイナンバーカードの普及状況は、五月末現在、人口の一六・七%に当たる二千百三十三万枚と伺っております。
 政府は、このマイナンバーカードを取得し、マイナポイントを予約するためのマイキーIDを設定する人を四千万人と見込んでおりますけれども、一連の手続は高齢者などには大変煩雑で分かりづらい面があると考えております。また、マイナンバー制度を活用した特別定額給付金のオンライン申請では、一部の自治体で混乱も見られたところでございます。
 自治体などによるマイキーIDの設定支援も三密を避けながら進める必要があると思いますけれども、スムーズな制度の実施に向けた取組について大臣の御見解を伺いたいと思います。

#162
○国務大臣(高市早苗君) このマイナポイント事業でございますが、お若い方から御高齢の方までになじみのある、ほとんどの交通系、また流通系の電子マネー、またQRコード決済などで御利用いただけます。
 この御利用に当たりましては、マイナンバーカードを御取得いただいた上で、マイナポイントの予約、申込手続を行っていただく必要があります。この手続につきましても、マイナンバーカードの読み取り、数字四桁のパスワードの入力、決済サービス情報の入力のみという簡単なシステムを構築いたしました。また、三密も回避しなければなりませんので、まずは御利用者御自身がオンラインで手続できるように、御利用いただけるスマートフォンの機種の拡充を図っております。
 また、御高齢の方を含めて手続の支援を必要とする方々がおられますので、身近な場所で支援が受けられるように取り組んでいます。具体的には、自治体における支援に加えまして、郵便局やコンビニなど約九万拠点の民間事業者の店舗などにおいて端末を設置し、支援をしていただくことといたしております。
 これらの支援を実施する場合にも、三密回避策を講じるなど感染拡大防止策をしっかりと取っていただくということをお願いいたしております。

#163
○宮崎勝君 ありがとうございます。
 次に、医療関係につきまして厚労大臣にお伺いしたいと思います。
 まず、慰労金交付事業でございますが、医療機関、介護、障害福祉サービスの事業所では職員の皆さんが感染リスクと隣り合わせの過酷な環境の下で献身的に業務に当たってくださっており、敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 今回、医療従事者、介護、障害福祉サービスに携わる方々の労苦に報いるため、公明党としても強く求めておりました慰労金が支給されることになり、関係者から喜びの声をいただいております。
 政府は、この慰労金の支給対象者につきまして、職種による区別は行わず幅広く対象にすると、また常勤、非常勤を問わずに支給するなどとしておりますけれども、実際に支給が始まってから批判や不公平感が出ないように準備を進めていただきたいというふうに思っております。
 そこで、慰労金の支給対象者の考え方、また支給額の考え方につきまして大臣の御説明をお願いしたいと思います。

#164
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の新型コロナ感染症が拡大していく中で、本当に多くの皆さん方が、感染のリスクがある中、それぞれの仕事を使命として取り組んでいただいておりますこと、医療関係者始め、また介護、福祉、さらには保育等々、幅広い皆さんが対応いただいていることに政府としても心から感謝と敬意を払いたいと思います。
 その上で、今回の慰労金については、感染すると重症化するリスクが高い患者、利用者との接触を伴っていること、また継続して提供が必要なサービスであることなどを踏まえて、医療機関、介護、障害福祉サービス事業所に勤務し、介護、患者、利用者と接する方を対象としたところであります。
 具体的な給付対象の詳細は今精査させていただいておりますが、この慰労金の趣旨を踏まえて、先ほど委員からもお話がありました職種や雇用形態、正規か非正規か等々は問わずに、感染すると重症化するリスクが高い患者、利用者と接するという、その業務の実態に応じて判断をしていきたいというふうに考えております。
 給付額については、医療では、新型コロナウイルス感染症への対応として都道府県からあらかじめ役割を設定された医療機関などに勤務をしているのか、実際に新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れたかなどを考慮し、患者を受け入れた医療機関に勤務する方には二十万円を、役割の設定のみの医療機関の場合には十万円、それ以外の医療機関等に勤務する方については五万円をお支払いすることを基本としております。
 また、介護、障害福祉サービスでは、感染者が発生又は濃厚接触者に対応した施設、事業所に勤務しているか等を考慮し、そうした場合には二十万、そうでない場合には五万円をお支払いするということを基本に今詳細をさせていただいておりますが、いずれにしても、それぞれの現場現場で判断していただくことになりますので、そうした皆さんの判断がしっかり行っていただけるように、詳細を含めて整理をさせていただきたいというふうに思っております。

#165
○宮崎勝君 是非、批判を受けないような支給を進めていただきたいと思います。
 それから、続きまして、コロナ患者受入れ医療機関の経営状況についてということで伺いたいと思います。
 新型コロナ感染症の影響によりまして病院の経営状況が著しく悪化をしていると、特にコロナの患者を受け入れている病院ほど大きな赤字を抱えているという全日本病院協会などの調査結果が公表され、これについては国会でもいろいろ取り上げられているところでございます。これに対して、政府は、重症患者の診療報酬の引上げであるとかコロナ専用病院、専用病棟の空きベッドへの補助などで支援する方針ですが、病院の経営者の方からは焼け石に水という状態であると、そうした声も伺っているところでございます。
 医療機関が経営に不安を抱えたままでは、第二波、第三波の感染拡大に対応することはできません。その意味で是非お願いをしたいのは、この新型コロナの患者を受け入れている医療機関の経営の実態をしっかり厚労省として把握していただきたいということでございます。また、その上で、必要であるならば追加の対策を取ることをお願いしたいと思いますけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。

#166
○国務大臣(加藤勝信君) 私どもも、診療報酬のそれぞれのデータ、あるいはそれぞれの団体の調査による経営状況、あるいは個々の医療機関からも頂戴していただいているもの、それらを踏まえながら、今、医療機関、外来患者、入院患者の減少で大変経営が悪化をしている、あるいは新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れることによって経費が非常に大きく掛かっている、あるいは運営にかなり支障を生じている。そうした中で、地域医療をしっかり継続していくためには、新型コロナウイルス感染症の患者の方を受け入れた病院はもとより、そうでない病院も含めて、全体として地域医療を支えていただける状況をしっかりと維持していくことが必要だというふうに考えております。
 その関係で、まず、コロナ対応を行う医療機関については、診療報酬について、中等症以上の新型コロナウイルス感染症患者に対する一定の診療への評価を、これは三倍に引上げをさせていただきました。これは診療報酬での対応ということになります。また、新型コロナ緊急包括支援交付金を活用いたしまして、第二次では一次に比べて十倍近く予算も計上させていただいております。
 まず、新型コロナ患者専用の病院、病棟、疑い患者専用の個室病床を設定する医療機関における空床の補助単価については大幅に引き上げさせていただくとともに、これまでの空床確保については四月に遡って適用させていただくということ、また、実質的に専用病棟で受け入れてきた医療機関についても、要するに、役割が決まっていなくても実際受け入れていただいた診療機関についても、都道府県が認めた場合には四月に遡って補助を行うということであります。また、中等症者のための空床確保の補助単価も四月に遡って引き上げることとしております。
 加えて、これまでの補助対象は空床という、確保しておいて空いているということが中心でありましたけれども、受入れ病床を確保するためにあえて潰している、休止をしている病床、これ休止病床と呼んでいますが、これについても同様に四月に遡って補助対象する、こうした施策を取り組みたいと思っております。
 今、焼け石に水というお話もいただきましたが、まだ十分に、今回の対策についてそれぞれ医療機関等にまだ御説明できておりません。早くにそうしたことを御説明させていただきながら、一日も早く、これ都道府県を介してということになりますけれども、それぞれの病院に、経営を支援するという意味において、今回の地域包括交付金、これが支給されるように鋭意努力をしていきたいというふうに思います。

#167
○宮崎勝君 ありがとうございます。
 続きまして、先ほど来出ておりますけれども、ワクチンの提供体制についてお伺いしたいと思っております。
 コロナ感染症を早期に終息させ、国民生活と経済活動を正常化させるには、治療薬とワクチンの早期実用化が不可欠でございます。パネル、資料ですと配付一枚目の資料でございますが、この示させていただいたとおりですけれども、ワクチン開発について政府は、加速並行プランということに基づいて、通常はワクチンの開発に数年掛かるところを、基礎研究や臨床試験、生産体制の整備などのプロセスを同時並行的に進めて、過去に例のないスピードでワクチンの開発、実用化を目指しているというふうに承知をしております。一日でも早いワクチンの開発が国民の願いであり、是非成功させていただきたいというふうに願っているところでございます。
 その上で、お伺いしたいんですけれども、ワクチンが開発をされ、接種が開始された場合、ワクチンは半年から一年程度を掛けて順次供給されるというふうに伺っておりますけれども、その際のワクチンの供給体制であるとか、あるいは接種対象者や優先順位、費用負担の考え方についてお伺いをしたいと思います。

#168
○国務大臣(加藤勝信君) まさに委員お示しいただいたパネルのように、これまでは、基礎研究、非臨床試験、臨床試験、薬事承認があって、そのぐらいから生産体制という、そうしたやり方をしておりましたんですが、それでは国民の皆さんにワクチンが届くまでに非常に時間が掛かるということで、まず基礎研究から臨床試験の間をもうできるだけ短縮するということで並行して実施をして、できるだけ早く承認に結び付けていきたい。そして、同時に、研究開発と同時に、若干先行き見えないところもありますけれども、言わばリスクは我々が、政府側が負担することによって、民間において生産設備体制をし、承認と同時にもう、すぐ生産、供給ができる、こういう体制を組みたい。
 そのために、今回の二次補正予算では、ワクチン開発の支援に五百億、生産体制等の整備に千四百五十五億円を計上させていただいたところでございまして、それを先般成立をさせていただきましたので、一日も早くこれをしっかりと活用させていただきたいと思います。
 また、実際のワクチンの接種の在り方についての御質問がありました。まだ今のところ、具体的なワクチンが、これができたということではないわけでありますが、疾病の特性、また新型コロナウイルス感染症の免疫の獲得状況あるいは流行の状況、また開発に伴って明らかとなるワクチンの性能あるいは供給体制、こういったことをしっかり踏まえて総合的に検討していかなきゃいけないというふうに考えております。
 開発時期を見据えながらも、我々の方としても鋭意、これは内閣官房コロナ室等とも連携しながら検討を更に進めていきたいというふうに考えております。

#169
○宮崎勝君 次に、災害ボランティアの支援について武田防災担当大臣にお伺いしたいと思います。
 新型コロナ感染症が流行する中で出水期を迎えておりまして、政府、自治体においては災害が発生した際の避難所の三密対策などの備えを進めていると思いますけれども、この避難所の運営であるとか、復旧復興などの大きな役割を果たしてくださっているボランティアの皆さんの受入れ、活動についてはどのように対応されていくのか、お伺いしたいと思います。
 また、ボランティアセンターの設置、運営の経費については、共同募金会などからの支援金などが充てられておりますけれども、安定した活動を行うには、我が党の同僚の山本香苗議員なども再三訴えておりますように、国による支援が必要だというふうに考えております。
 以上二点について、大臣の御見解を伺いたいと思います。

#170
○国務大臣(武田良太君) 新型コロナウイルス感染防止の観点からのボランティアの受入れ等についての御質問でございました。
 全国社会福祉協議会が地域の社協に対して、被災地近隣からまずは募集をしていただくこと、また感染防止策を行いながら活動すること等の留意事項を自治体と協議して具体化していくよう通知していると、このように承知をいたしております。
 こうした場合、ボランティアの人員や活動に制約がある中、安全性、そして効果的に支援活動を行うためには、自治体と社協とNPO等の支援団体がしっかりと活動の調整をして連携して取り組むことが重要であり、内閣府も自治体にその旨通知もいたしておるところであります。
 また、いろんな財政支援等に関することですけれども、まず災害ボランティアセンターの経費について、例えば瓦れき等の障害物の除去のため市町村が災害救助費により購入したシャベル等の器具について、社会福祉協議会等を通じたボランティアの貸出し等にも活用できるよう制度運用を行い、その運営に寄与しているところでもありますし、また避難所運営支援などの活動を行うボランティアが使用するマスク、フェースシールド、消毒液等の物資の購入、整備を自治体が行う場合、新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金の活用が可能となっております。
 引き続き、災害ボランティアセンターの円滑な運営の支援について検討してまいりたいと思います。

#171
○宮崎勝君 ありがとうございました。
 時間になりましたので、以上で終わります。ありがとうございました。

#172
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
 まず、冒頭、私の方からも、新型コロナウイルスでお亡くなりになった方の御冥福をお祈り申し上げ、今療養中の皆さんには心からお見舞いを申し上げたいと思います。そして、医療の現場などで日夜いろいろ御努力いただいております方に敬意を表し、心から感謝を申し上げたいと思います。
 まず最初に、出入国の緩和などについてお尋ねをしたいと思います。
 先月の二十五日に全国的に緊急事態宣言が解除をされ、今月の十九日からは県境をまたいでの移動の自粛も解除されるということになっています。これからは命と経済、感染防止と経済の活性化を両立をさせていくという段階に入ってきたと思っていますが、世界でも、海外でも、例えば中国と韓国、あるいはシンガポールの間で既にビジネスなどの人の行き来が始まっておりますし、ヨーロッパでは観光を目的とした人の国境をまたぐ移動も始まりつつあるところであります。
   〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕
 我が国は、百十一、現在のところ、国と地域の入国を拒否をしているところでありますが、経済の本格的な再開に向けては、やはり国境をまたぐビジネス目的の往来が不可欠だろうと、もちろん感染防止対策をしっかり講じながらということでありますが。
 そこでお聞きをしたいのは、先ほど自民党の長峯議員からも同様の趣旨の御質問がありまして、重なる部分がありますけれども、もう既にタイなど四か国と事実上の協議などが始まっているやにお聞きをしますが、まだ細かいことはまだまだという話でもありましたが、その四か国はどういうふうな基準でこの対象国となっているのか。そしてまた、台湾は、感染者が少なく、死亡者も少なく、そして日本にとっては第四番目の貿易相手であります。この台湾もその対象に加えていくということも必要なのではないかと思いますが、外務大臣にお尋ねをします。

#173
○国務大臣(茂木敏充君) まず、先ほどもお答えした件でありますが、柴田委員の方から改めてお尋ねいただきましたので、お答えしたいと思います。
 御指摘の人の往来の再開につきまして、実際にいかなる国・地域との間で再開するかについては現時点では決まっておりませんで、まさに検討を進めている段階であります。そして、出入国規制を緩和する場合でも段階的に進めたいと。
 段階的というのは、人材のタイプの段階的と、国・地域も段階的ということになると思うんですが、まず、人でいいますと、第一段階として、ビジネス上必要な人材であったりとか、専門家など必要不可欠な人材から始め、その後、例えば留学生、そして最終的には観光客も含みます一般の方々と。また、国・地域につきましては、感染が収束している国、そして、先方におきます、往来を再開するということになりますと医療体制等々もしっかり整っている国と、こういったものを見極めて、そして、往来が活発であった国ということは当然そのニーズも大きいんだと思っておりまして、緩和するに当たってはお互いにそういった形でタイミングが合うようにできれば望ましいと、こんなふうに考えております。
 今、世界全体を見ますと、南米、そして南アジア、アフリカの一部等々で感染まだ続いている状況でありますが、一方、ヨーロッパにおきましても、御指摘いただいたように、イタリアが観光客を受け入れるとか、またシェンゲンの域内の動きにつきましても相当緩和が進むと。また、欧州委員会も、七月以降、欧州域外からの人の受入れについても検討するような提言も行っていると、こういう状況もあるところであります。
 私も、先日来、ベトナム、ニュージーランド、そしてオーストラリアと、比較的感染者数も少ない落ち着いている国の外相とも会談を行いまして、今後、人の往来の再開をスタートをする可能性について検討を始めるということについて一致を見たところでありまして、適時適切にどういった国のどういった人材から再開するかと、鋭意検討してまいりたいと考えております。
   〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕

#174
○柴田巧君 一つ確認ですが、そうすると、いろんな医療体制とか感染状況なども踏まえて、また、これまでの実績なども考慮して決めていくということであれば、台湾は、先ほどの話じゃありませんが、非常に今回の新型コロナ優等生とも言えるところで、いろんな今の感染も数十日にわたって本土についてはゼロに続いていますが、十分その候補たり得るということでよろしいでしょうか。御認識をお聞きしたいと思います。

#175
○国務大臣(茂木敏充君) 今回のコロナ感染症の封じ込めであったりとか、そしてまた収束におきまして、台湾、世界的に見ても非常に優れた対応をしていると、このことは間違いないことだと思っております。
 その上で、先ほど申し上げたような、どういう人材から受け入れるか、どういう国・地域から受け入れるかと、これについてはよく検討したいと思っております。

#176
○柴田巧君 是非その候補たり得るものと、国だと、地域だと思っておりますので、またいろいろ作業を進めていただきたいと思います。
 二番目の質問の答えも何か答えていただいたような感はあるのですが、いずれにしても、この対象国、これから職種といいますか、その目的、渡航の目的などをこれから選別、拡大をしていく上で、ビジネスから研究者、留学生、観光というふうに流れていくんだろうと思いますが、これは具体的な基準を明確化していくということでよろしいんですね。

#177
○国務大臣(茂木敏充君) 例えば、先ほど触れていただいたように、今、日本が感染症の渡航情報でレベル三にしている国、百十一か国あるわけでありまして、順次この引上げを行ってきましたが、この引上げに当たりましては、一万人当たりの感染者数だけではなくて、その地域の医療体制がどこまでしっかりしているか、また移動制限がどうなっているかと、様々な要素を考えてきたところであります。
 人の往来の再開に当たりましては、もちろん感染が収束をしていてそれを持ち込む可能性が少ない、また、そのときの検査体制をどうするかと、こういったことも勘案材料として極めて大きいと思っておりますし、また、二国間で人の往来のニーズがどれくらいあるかと。
 例えば、今、太平洋島嶼国、ほとんど感染者出ておりません。ただ、太平洋島嶼国に行かれる方、日本からですね、観光で行かれる方が多いんじゃないかなと、そんなふうに思っておりまして、例えばベトナムとのビジネスであったりとか、そういったことを比較した場合に、どちらが感染症対策を取りつつもニーズが大きいかと、こういったことを総合的に勘案して判断してまいりたいと思っております。

#178
○柴田巧君 そうやってだんだんとこの出入国の緩和が広がっていくということになれば、これから準備を、体制を整えていかなきゃなりませんのは、この検査の在り方、今もちょっとお触れになりましたが、検査やあるいは隔離や追跡をどうするか。で、これは日本と一つその国、特定の国だけではなくて、国際的なルールとしてやっぱり作る必要があるのではないかと思いますが、この点。
 それから、これからこのウイズコロナの時代は、国境を越えていくとなると、今まではパスポートとビザが必須の携行のものでありましたが、これに加えてPCRの陰性証明書が必要になってくると思われます。だとすると、この偽造対策をどうするかというのも一つこれから大きな関心事になるんではないかと思いますが、そういったことを含め、検疫体制の整備も必要だと思います。
 したがって、二つの大臣にお聞きしますが、まず国際的ルールの構築というか、これについては外務大臣、そして検疫体制の整備については厚労大臣にお聞きをしたいと思います。

#179
○国務大臣(茂木敏充君) 極めて重要な指摘だと思っておりまして、これからの人の往来の再開、世界的に行っていく中で、単にビザを持っている、パスポートを持っているだけではなくて、感染症対策、こういう観点も踏まえた上でどこまで活発な往来ができるか、また安心して開けられるような状況をつくることが極めて重要だと考えております。
 日本は、これまで自由で公正な貿易のルールであったりとかデジタルデータのルール作りでも中心的な役割担ってきたわけでありますが、ポストコロナの人、物の移動の在り方、またこれに関連した国際ルール作りにおいても我が国として主導的な役割を果たしていきたいと思っております。

#180
○国務大臣(加藤勝信君) まさにこれから国際的なこの往来をどうしていくのか、これは今外務大臣からお話がありました。それを踏まえながら政府として総合的に判断をし、具体的な手続について、私どもとして、水際対策、特に現在は入管法に基づく入国拒否の対象地域の拡大に合わせる形で、そうした地域からの入国者に対してはPCR検査は全員実施するとか、あるいは指定場所において十四日間の待機、また公共交通機関を使用しないとか、こういった体制を取ってきたところでありますが、引き続き、今度は国内に入ってこられる方々をどうしていくのかという政府の判断を踏まえながら、関係省庁と連携して具体的な手続については慎重に検討したいと思っております。
 その上で、今度、今は入ってこられる方の話で、出ていかれる方に対する陰性証明等々のお話がありました。まず、全体としてPCR体制の強化についてはこれまでもいろいろ指摘をされておりますので、これ逐次、保険適用するとか民間検査機関を活用するとか、あるいは歯科医師による検体採取の協力をしていただく、PCR検査センターの設置をする、さらに抗原検査とかあるいは唾液を用いたPCR検査と、新たな技術がどんどん開発されておりますから、それらを積極的に活用して我が国の検査体制を上げていきたいと思っておりますし、また、これは結果的には地方自治体等々において実施していただくことになるわけでありますけれども、先般、今後の検査需要を見通して、相談から検査体制、検査分析までの一連の検査プロセスを点検して必要な対策を講じていただくよう要請をして、その点検状況についても六月の十九日頃には私どもいただくことになっておりますので、それらを踏まえて地方公共団体と連携をして、また今般の二次補正予算においてそれぞれありますから、それを活用していきたいと思っております。
 陰性証明そのものについては、これは公的に発行するという、そうした仕組みは持っておりませんので、一義的には患者さんからの求めに応じて医療機関がそれぞれ発行で応じている、応じていくことになるんだろう、日本国内においてはですね、ということになると思いますが、ただ、この陰性証明については、もう委員御承知のとおり、最初の検体採取の際の手技が適切でない場合、あるいは検体採取の時期が潜伏期間である場合には、いわゆるウイルス量が検出限界以下となり、最初の検査では陰性になってしまう、しかしその後陽性がなる、こういったウイルス検査の限界というんでしょうか、そのこともしっかりと踏まえながら利活用していく必要があるんだろうというふうに考えております。

#181
○柴田巧君 今のその陰性証明書の偽造対策は、全然本当は受けていないんだけれども、陰性ではないんだけれども、偽造して、入りたいがためにやってくるということもあり得る話ですので、この対策もしっかりと考慮の中に入れておいていただきたいと思います。
 次に、いずれにしても、命と経済の両立を目指していくには社会の不安を取り除いていく、そのためには、必要な人が検査を受けられるようにしていくことが安心を、そして安心して働ける環境を整えていくべきだと思います。そのためには、医師が必要だと思う人を検査するのは当たり前ですが、是非本人が検査を受けたいというのは受けられるようにしていったらどうかと思います。
 そこで、この今申し上げたように医師が必要とするときにPCRが受けられること、加えて、抗原検査、抗体検査の活用等、大量検査が必要だと思います。まあベストミックスという言い方もあるかもしれませんが、そのためにも、この人材確保を含む抜本的な体制の拡充が経済再開に当たっては求められると思いますが、どのように取り組むのか、お聞きをしたいと思います。

#182
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、若干先ほどの答弁と重なるところがあって恐縮でありますけれども、まさに、今回の中でも、国民の皆さんの不安という中で、PCR検査が受けたいときに受けれなかったと。まあ本人の希望だけで検査ができるわけではありませんけれども、しかし医師と相談でき、そして必要があれば検査ができる、場合によっては、どこかで陽性者が発生したらその周辺にいた方がしっかりと検査が受けれる、こういう体制をつくっていくことということが、感染防止の、抑止のみならず、国民の皆さんの安心という観点からも必要だというふうに認識をしているところであります。
 そのために、検査体制、逐次拡大をしてきておりますし、特に検査といったときには、検査だけじゃなくて、相談体制から、そして実際、検体採取、そして分析能力、その後入院、一連の体制をしっかりつくっていくことが必要だということで、先ほど申し上げた地方公共団体に対して改めて、これまでの経験も踏まえながら、それぞれの地域における体制の整備をお願いをし、それに対するどういった対応を取っていくのか。また、それを踏まえて、今回の第二次補正予算の中で、例えばPCR検査センターの設置やPCR、抗原検査の実施のためには三百六十六円の予算を確保しております。また、検査試薬や検査キットの確保のために百七十九億円の予算を、さらには検査設備の整備を支援する交付金は大幅に拡充をして、また、しかも全額国費負担とさせていただいております。
 まさに、先ほどお話があったPCR検査と抗原検査の適正な組合せについて提示をしていく、こういったことを通じてそれぞれの地域における検査体制の強化をしっかりと、ソフト面もハード面も含めて整備を図っていきたいというふうに思っております。

#183
○柴田巧君 是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 今回のこの新型コロナウイルスの対応であらわになったのは、いかにこの国の行政のデジタル化が遅れているかということでございました。デジタルインフラがちゃんと整って機能していれば、もっと早くに必要な方に特別定額給付金などが届いたものと思われますが、残念ながら大混乱にいろいろな理由で陥って、七十以上の自治体で今受付が停止しているとも言われております。
 こうなるのも、縦割り行政の中でシステム整備が遅れてデジタル化が有効に進められてこなかったからだとも言っていいと思います。マイナンバーカードは総務省ですし、マイナンバーは内閣府や内閣官房の管轄ということになります。英米、他の国々ではシステムは原則一元化され、自治体によるばらつきというのは基本的に出てこないと聞いておりますが、日本では先ほど申し上げたとおり、また御存じのとおりの今状況になっているということです。
 このマイナンバーやマイナンバーカードに投じてきた経費というのは、この委員会は平成三十年度の決算を審議していますが、平成三十年度に当たっては三百八十億執行されていますが、それらを含めて、今年度の予算も入れると六千億近く、余り投じてきたけれども、いざというと使えないということになっている。これほどの税金の無駄遣いはないと言わざるを得ません。接触を避けられるオンライン手続はこれからコロナと共存する時代の中で不可欠なことだと思っていますが、これまでの反省に立って、この遅れを挽回するチャンスに是非していかなければならないと思います。
 そこで、総理にお聞きをしますが、このマイナンバー制度を活用し標準化していくには、縦割り行政、縦割りに陥らないシステムの構築が必要なために、政府のシステム整備に関する一元的な組織体制、そしてこの政府と自治体共同のシステム整備の推進が求められると思いますが、どのように取り組んでいかれるか、お聞きをしたいと思います。

#184
○内閣総理大臣(安倍晋三君) マイナンバー制度を活用した申請手続を始め様々な手続をスピードアップしていく上で、行政のデジタル化は極めて重要であります。デジタル化のための情報システムの整備について、詳細は必要があればIT政策担当大臣と総務大臣から答弁させますが、これまでも、政府CIOの下、政府の情報システムについて統一性を確保しつつ効率的に管理するとともに、地方自治体の業務を支える基幹的なシステムの標準化について、国の主導の下、着実に進めるとの方針で取り組んできたところでございます。
 他方で、今回の感染症への対応を通じて行政のデジタル化の必要性を改めて痛感をしたところでありまして、まだまだ取り組むべきことはたくさんあるわけでありますが、こうした取組を一層加速していきたいと思っております。

#185
○柴田巧君 是非、これまでの反省に立って、しっかりしたものをつくっていくということにかじを切っていただきたいものだと思います。
 私ども日本維新の会は、どこの党よりも早くこのマイナンバーを今回の新型コロナウイルスの対策に取り入れていくべきだということを申し上げてまいりました。迅速かつ適切に対策を実施する上で個人番号の利用を特例で認められるように、マイナンバー法の改正を早急にやるべきだということを申し上げてきたところであります。
 やはりこれは、平時にといいますか、今こうやって幾らか落ち着いてきたときにやっぱり第二波、第三波を見据えてしっかりとシステムの構築を整えるということが不可欠だと思っていまして、今般、自民党、公明党の皆さんとともに、この現金給付を速やかに行うためにマイナンバーと預貯金口座をひも付ける、緊急時給付迅速化法案と言っておりますが、これを共同提出をいたしました。
 やはりこのマイナンバーと預貯金口座を結び付けることが有効かつ適切なことだと思っていますが、これがたとえ通ったとしてもすぐできるわけではないと思うんですが、そこで担当大臣に確認をさせていただきますが、これが成立したとして、実際に使用できるまでにどのようなシステム開発や手順や期間が掛かると見込まれるのか、お聞きをしたいと思います。

#186
○国務大臣(高市早苗君) 今回提出していただいた議員立法ですが、政令で指定する緊急時の給付金の事務についてマイナンバーを利用できることとするということとともに、個人の申出に基づいて振込口座情報をマイナンバー付きで国に登録しておき、国は緊急時の給付金の事務を行う行政機関に対して振込口座情報を提供することができるというものでございます。
 まずは、この緊急時の給付金の迅速かつ確実な給付を実現しようとしてくださっております各党各会派の先生方の御尽力に改めて感謝を申し上げます。これが国会で成立いたしましたら、速やかに実行に移せるよう全力を尽くします。
 システム開発なんですが、仮にこの法案がこのまま成立した場合に、マイナポータルに国民が口座情報などを登録するための機能、関係する行政機関が口座情報などを一括登録するための機能、口座情報などを保管、管理する機能、口座情報を提供する機能などを整備することが必要になります。国会での御議論を踏まえながら、今後、具体的な開発手順も検討して、これに要する期間というものはまだ見極めていかなきゃならないと思っております。

#187
○柴田巧君 今答弁ありましたように、たとえ成立したとしても少なからずいろんな期間が、手続が必要になってくるということでありまして、本当ならば、今国会で他の野党の皆さんの御理解、御協力を得て成立をさせて、二波、三波がもし秋に来ても対応できるようにしたかったのでありますが、残念ながらそうならなかったのは本当に残念なことだと言わざるを得ません。早急にこういったものは今の間に用意をしておきたいと思う次第で、また皆さんの御理解、御協力をお願いをしたいと思います。
 次にお聞きをしたいと思いますが、いろんなシステムができ上がっても、この国の書面主義、押印主義、対面主義、これが直っていかないとやはり多大な時間とコストが掛かってしまうということになるかと思います。
 今お手元に資料が、パネルがまた用意をさせていただきましたが、(資料提示)個々の説明はもう時間がないのでいたしませんが、そこにあります、ちょっとこれはもうスリムになりましたが、それでも、まだたくさんそれだけの対面や判こやあるいは書面が要ると、書類が要るということになります。
 二〇一七年の規制改革会議の行政手続部会では、こういった行政コストは年間三億三千万時間、人件費ベースでいうと約八千億円掛かっていると言われていまして、これが日本の事業者あるいは個人に負担を掛けているということにもなります。
 そこで、総理も、四月二十七日の経済財政諮問会議でこの対面、押印、書面の削減を指示をされたわけですが、今のところどれぐらい実行に実際移されているのか、また今後更にどの程度削減できる見通しなのか、そして今回の措置を緊急措置にとどめないで恒久的な措置にすべきじゃないかと思いますが、併せて御見解をお聞きします。

#188
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私からの指示を受けまして、規制改革推進会議において、四月以降、経済界などの協力も得て精力的に改革を進めています。
 まず、行政手続については、経済四団体からの具体的な要望を踏まえまして、雇用保険などの各種手続について、書面に代わって電子メールによる提出を受け付ける、押印なしで申請を受け付ける、対面手続はウエブ会議で代替するとの原則の下で対応する方針を今月五日に公表しました。各府省が現時点で対応困難としている事項についても、原則として書面、押印、対面を削減するとの方針の下、規制改革推進会議において更なる検討を行います。
 民間の手続についても、金融関連の手続については金融庁と金融業界の検討会を立ち上げるとともに、その他の手続も、経済団体や法務省などが加わった協議会を設けて、書面、押印、対面の廃止に向けて具体的な方策の検討を今進めています。
 今回の感染症対応によってテレワークがこれまでになく普及しましたが、未来を見据えながら、この流れを一時的なものではなくて一層加速していきたいと考えています。そのためにも、これを機に書面、押印、対面を徹底的に削減していくことが不可欠であろうと思っています。そうした観点から、今回の緊急対応を速やかに実行に移していくことはもとより、その恒久化に向けて取り組んでいきます。
 このそれぞれ具体的なことについては、担当大臣からも必要であれば答弁させます。

#189
○柴田巧君 結構です。
 是非、総理もおっしゃったように加速化をしていただいて、一時的なものではなくて恒久的なことになるように努力をいただきたいと思います。
 時間の関係で一つ飛ばさせていただきまして、総理に続いてお聞きをしますが、日本もいろんな行政手続のコスト削減を取り組んできましたが、これまではストックの削減に注力をしてきました。
 今お手元に資料が、今パネルも用意させていただきますが、ただ、近年、世界では、海外では、一旦削減した既存の行政手続コストをこれ以上増やさないというフローの総量規制が新たな潮流になってきているということでございます。今そこにもありますように、ワンイン・ツーアウトなどがそうなんですが、これ、ちょっとお手元の資料は字数の関係で十二分に書けなかった部分がありますが、これは、一つの規制を追加したらツーアウトの場合は二つの規制を廃止するということでありますが、これは個数を単に減らすということではなくて、新たな規制の遵守に必要な追加コスト相当分を既存の規制の廃止、緩和等によって二つ分捻出、削減していくというコストベースの総量規制でございます。
 今、イギリスや、そこにもありますようにアメリカ、ドイツなどなどでも既に効果が現れております。細かいことは省略をしますが、イギリスなどではもうワンイン・スリーアウトぐらいまで深掘りをしてきているということでありまして、日本においてもこれまではストックの面を中心にやってまいりましたけれども、せっかくコストが一旦下がっても、その後また新たな規制が導入されて事業者のコストが再び増加してはこれ有効性に乏しいということになりますので、こういうフローの総量規制を日本でも取り入れていくということが必要な時代になったんではないかと思いますが、総理の御見解をお聞きします。

#190
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国においては、社会保険に関する手続や労務管理に関する手続などを対象に、本年三月末までに行政手続コストを二〇%削減するとの目標を掲げまして、各種書類の削減、デジタル化などの取組を進めてきました。その結果、現在、今集計中なんですが、様々な取組は着実に進められているというふうに認識をしています。
 その結果で、二〇%削減は、その上でですね、二〇%削減というのはこれはゴールではなく、行政手続コストの削減に終わりはないと思っておりますが、御指摘のワンイン・ツーアウト・ルールなどはそうした行政手続コスト削減を進める上での一つの手法であるというふうに認識をしています。
 現在、規制改革推進会議において更なる行政手続コストの削減に向けた取組を検討していると承知をしておりますが、こうした様々な手法も参考にしながら、今後とも、事業者や国民の目線に立って、デジタル化の徹底など、その負担軽減に全力で取り組んでまいります。

#191
○柴田巧君 今総理がおっしゃったように、事業者の目線に立って、ユーザーの立場でこういう行政手続のコスト削減に取り組んでいただきたいと思います。
 オンライン授業についてもお聞きをしたかったのですが、時間がないので飛ばさせていただいて、最後に九月入学について総理にお聞きをしたいと思います。
 この九月入学、当初は前広に議論ということでありましたが、いつの間にか尻すぼみになってしまった感がありますが、我々日本維新の会は、このコロナ禍の対策としても、また日本の子供たちの将来にとっても九月入学というのは目指していくべきではないかと思っていまして、第二波、第三波が来たら本当にこれ、児童、子供たちが一年間のカリキュラムやれるのか、また、この一斉休校によって生じた学習状況の進捗のばらつき、地域間の学力の格差、これをリセットしていくためにも意味のあることだと思いますし、このグローバルスタンダードである九月入学に改めていくことは、いろいろな、日本の子供たちにとっても日本社会全体にとってももろもろメリットはあると思っています。
 ただ、いろんな社会に影響を与えますので、これはもちろん簡単にいかないのは理解をするところでありますが、やはり大改革を断行していく上では、トップリーダーが九月入学ということを目指すんだという明確なメッセージを掲げた上で国民の広い理解を求めていくというのは大事なことだと思います。
 今、教育再生実行会議、ずっと休眠状態になっておりますが、こういった場を活用して、そこには有識者もいらっしゃる、いろんな各層の方もいらっしゃるし、学生の声もしっかりそこで拾うようなことも含めて、国民的議論を九月入学目指してやっていくのはどうかと思いますが、総理の御見解をお聞きします。

#192
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の感染症の拡大や学校の休業などによって、また長期化に伴い、子供たちの学びの遅れや地域、学校間で格差が生じるようなことはあってはならないと考えておりますが、九月入学については、こうした課題への対応を検討する中で選択肢の一つとして議論したものでありまして、私も幅広に検討してまいりたいと、こういうふうにお話をしたところでありますが、仮に九月入学を後ろ倒しの形で実施した場合には、国際的に見て、就学、卒業年齢が更にこれは遅れることになってしまう。九月入学は賛成なんだけれどもそういう形でスタートするのは反対という方々も結構おられるわけでございまして、そうした課題も明らかになったところでありまして、もちろん、もとより拙速は避けなければならないということを申し上げてまいりましたが、大切な問題であるがゆえに、多くの方々の賛同、コンセンサスを得ながら進めていくことが大切なんだろうと、こう思います。
 このため、政府としては、与党などの検討も、提言も踏まえつつ、九月入学を含めて、ポストコロナ期における新たな学びの在り方について考えていきたい、国際社会をしっかりと見ながらも、日本の今までのこれまで積み上げてきたこともしっかりと頭に入れながら検討していきたい、萩生田教育再生担当大臣の下、教育再生実行会議において検討に着手をし、更に議論を深めていきたいと、こう考えております。

#193
○柴田巧君 時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。

#194
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 新型コロナの影響での解雇、雇い止めが増え続けていて、どうやって雇用を守るのかが切迫して問われています。
 その中で、六月四日、竹中平蔵氏がツイッターで次のように発言をしたんです。日本の失業率は二・六%と低い、しかし失業者百七十八万人に対し休業者が六百五十二万人、潜在失業率は一一%になる、政府が雇用調整助成金を出し雇用をつなぎ止めるからだ、不況が短期間でかつ産業構造が変わらないならそれもいい、しかしそうではないだろう、こうした点が国会などで一切議論されないのは問題だと、こう言っているんですね。
 資料を御覧ください。(資料提示)
 四月の休業者、六百五十二万人。これ、パネルで五百九十七万人となっていますが、これを季節調整すると六百五十二万人になるんですね。竹中氏は、これは隠れた失業者であって、政府が助成金で雇用をつなぎ止めるのはいかがなものかという発信なんですよ。
 竹中氏は政府の様々な諮問会議のメンバーで安倍政権の政策に強く関与しているだけに、総理に伺います。
 休業者が、まさにこの休業者がですよ、失業者にシフトしてしまうのかと、また契約社員、派遣社員が大規模に切られてしまうのか、今その瀬戸際なんです。特に大企業の動向が問われています。内部留保はもちろん、雇用調整助成金も活用して雇用を守る、これは当然のことで、総理が経済界に雇用を守ってほしいと強力に要請すべきなんじゃないでしょうか。

#195
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、安倍政権としては、雇用を守っていく、これが政治における、まさに経済における政治の最大の責任であろうと、こう思っております。
 ですから、雇調金等を活用していただきながら雇用を守っていただきたいということをお願いをしているところでございますし、さらには、労働者の方が申請できる新たな制度もつくり、そういう制度も多くの方々に利用していただきたいと、雇用は守り抜いていく上においてその先の経済回復に備えていきたいと、こう考えております。

#196
○田村智子君 大体、竹中氏は持続化給付金の委託にも深く関わるパソナの会長ですよ。不透明な委託や給付の遅れについて説明すべきなのに、その自覚もない。給付金も届かない中で従業員を守ってきた中小企業への思いもない。こういう人物をいつまで政府の政策検討につなぎ止めるのかと、むしろこのことが問われるべきだと私は思います。
 先週成立しました第二次補正予算では、雇用調整助成金が更に改善されて、中小企業が従業員に支払う休業手当は一人月三十三万円まで国が助成できることになりました。また、会社やお店が休業手当を払えないという場合でも、労働者がハローワークなどに申請をすれば給料の八割を休業支援金として受け取れるという新たな制度も始まります。
 これらは、仕事がなかなか元に戻らない下でも従業員に一時的にあるいは部分的に休んでもらうことで雇用をつないでほしい、そのために国がかつてない支援をすると、こういう趣旨だというふうに思いますが、総理、いかがでしょうか。

#197
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中小企業・小規模事業者はもとより大企業においてもこういう状況でありますから売上げがどんと落ちていく、売上げがゼロに、近くになっているところもたくさんあるわけでありますが、そういうところにおいても、この雇用を維持をしていく上において我々も相当積極的に今までにない対策を取っているところでございます。

#198
○田村智子君 実際に労働組合の皆さんのその相談活動、報告見てみますと、観光地のお店などで、もう辞めてもらうというふうに言われた正社員やパートの方が労働組合に相談すると、そして、休業手当への助成金があるから是非これを活用してほしいんだとお店の方に申入れをすると、結果、解雇や雇い止めが止まったと、取り消されたと、中には給料満額の休業手当が払われることになったと、こういうところもあるわけですよ。是非、雇主にも労働者にも制度をよく知らせていく、そして活用してもらう、これが大切だと思います。
 特に、非正規雇用の場合、支援制度がなかなか使われないという懸念があるので、幾つか具体に確認をしていきたいと思います。
 まず、シフト制のアルバイトです。月ごとに働く日や時間、シフトを決めるわけですね。そうすると、この週は忙しいからとか、この週は暇だからということがこれ起こり得るんですよ。新型コロナとは関係なく、これまでもあるんですよ、そういう働き方が。今回、新型コロナの影響でシフトに入れてもらえず給料が激減したと、それでもシフトが減っただけなんだよという扱いになって、ただただお金がもらえませんでした、こういうことになりかねないんです。
 私はこういう場合でも休業手当支払の義務はあると思いますけれども、お店の側がこれを払わないということであれば、新しい制度、休業支援金を申請できると思いますけれども、いかがでしょうか。

#199
○政府参考人(小林洋司君) お答えいたします。
 まず、労働基準法に基づく休業手当の支払についてでございますが、一般論といたしまして、労働基準法の労働者であれば、正規雇用労働者に限らず、今お話のございましたアルバイトあるいは派遣労働者など非正規雇用労働者の方々も含めて、使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合には労働基準法上の休業手当の支払が必要となるものでございます。
 その上で、シフト制のアルバイト等についてのお尋ねがございました。一般論といたしまして、例えば勤務するシフトが週五日の方がおられて、五日のうち二日が事業主の命により休業となり当該二日について休業中の賃金が受けられないような場合、その場合にはその部分は新たな支援金の支給対象となるものでございます。

#200
○田村智子君 新たな制度の対象になるんですね。是非これ申請呼びかけていかなきゃいけないと思います。これはパートの人が時間を減らされた場合も同じだと思います。
 次に、登録型派遣についてなんです。
 五月六日の朝日新聞には、二十年間ツアーガイドをしていた男性の記事がありました。派遣会社に登録をしていて、派遣会社を通じてどのツアーでガイドをするのかということを決めるという働き方なんですね。新型コロナの影響で予定していたツアーが全てキャンセルになって、収入がゼロになったという記事なんですよ。こういう場合、予定していたツアーは休業手当の対象となりますか。

#201
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 まず、お尋ねの登録型派遣と申しますのは、一般に、派遣労働を希望する方があらかじめ派遣会社に登録しておいて、労働者派遣をするに際して派遣会社がその登録されている方と期間の定めのある労働契約を締結して、有期雇用派遣労働者として労働者派遣を行うものでございます。そういったことから、派遣先を確保できないために派遣元が派遣労働者との労働契約を解約しようとする場合には、労働契約法第十七条に基づいて、有期労働契約の期間途中での解雇というものはやむを得ない事由がある場合でなければできないとされております。
 また、お尋ねの登録型派遣労働者に対します労働基準法に基づく休業手当の支払に関してでございますが、一般論といたしましては、派遣元が当該派遣労働者との労働契約を解約せず休業させる場合には、使用者である派遣元の責めに帰すべき事由による休業の場合には労働基準法の休業手当の支払が必要になるということでございます。
 ただ、この場合に、使用者の責めに帰すべき不可抗力による休業と言えるためには、その原因が事業の外部により発生した事故であることであるとか、あるいは事業主の方が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができない事故、特に派遣元の場合は、新たな派遣先の開拓や確保のための努力が十分尽くされているかどうかといったようなことなどを個別にしっかりと確認することが必要でございます。
 労働基準監督署におきましては、このような考え方の下に、労基法の違反が認められた場合は休業手当の支払についてしっかり指導してまいりたいと考えます。

#202
○田村智子君 今、説明なかなか難しかったと思うんですね。これを派遣労働者に分かるように説明していかなきゃいけないと思うんですよ、私は。
 本来、派遣会社とやっぱり契約が、もうツアーをやるということになったら契約発生しているんですよ、労働契約が。これは、私、休業手当払われるべきだと思いますし、記事によれば、この男性はツアーの出発日に空港に向かう途中でキャンセルの電話を受けた、これさえも何も払われていないんですよ、一円も。やっぱり派遣会社に、休業手当の支払義務、こういうのがどういうとき発生するのかということをちゃんと指導しなければならないというふうに思います。
 登録型派遣というのは、今もお聞きいただいたように非常に複雑で、働いている側が自らの権利を理解するということがとても難しいんですよ。派遣先が決まると、派遣会社があって、派遣先があって、労働者がいると。派遣先が決まるとこっちの派遣会社との労働契約なんですよ、派遣会社との労働契約。大抵、契約というのは今三か月とかが多いんですね、登録型の方。だけど、三か月で契約をして、それを継続的に契約更新をして長く働くという方が多くいらっしゃる。
 じゃ、こういう働き方をしている場合に、その派遣期間中に仕事がないから休んでほしいと派遣先から言われてしまった、この場合、派遣会社に休業手当の支払の義務というのは生じますか。

#203
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 先ほども御答弁申し上げましたとおり、一般論としまして、使用者であります派遣元事業者に、責めに帰すべき事由による休業に該当する場合には派遣元の事業主は労働基準法上の休業手当を支払う義務があるということでございます。そして、どういった場合にそういったことが該当するかということにつきましては、先ほど申しましたような要素をいずれも満たす必要があるということで、使用者の責めに帰すべき事由に該当するか否かというのは一概にお答えすることは困難でございます。
 ただ、なお、派遣労働者の雇用の維持につきましては、先月二十六日に厚労大臣の方から派遣事業者団体に対しまして、就業機会の確保ができない場合であっても雇用調整助成金の活用により雇用の維持を図ること等を強く求めて、都道府県労働局からも個別の派遣労働者に対して同様に雇用の維持に向けた対応を求めているということでございまして、私どもも雇用を守るという立場に立って必要な対策をしっかり取っていきたいと思います。

#204
○田村智子君 新型コロナだから、何というか、自分の会社の責めがないということにならないんですよ。そうならないように雇用調整助成金も使い勝手を良くしてきたんだから、ここから派遣労働者が漏れるようなことがあってはならないと思うんですね。
 問題は、契約が更新されずに次の派遣先がない場合なんですよ。派遣会社は雇用契約がないからといって休業手当が払われず、収入が断たれてしまうというおそれが高いです。この六月末にもそういう方がたくさん生じかねません。
 ただ、午前中に厚労大臣の答弁があったんですね。こういう場合も派遣会社が雇用を継続するという契約ちゃんと結べば休業手当や新しい支援金で収入をつなぐことができるという答弁があったので、これは是非やってほしいんですよ。そうしなければ、リーマン・ショックのときと同じことがリーマン・ショックのとき以上の規模で起きかねないということです。派遣会社がちゃんと雇用をつなぐのかどうか、雇用調整助成金や新しい支援金制度がちゃんと使われるのかどうか、ここからが問われるんですよ。冒頭、大手派遣会社の会長の発言を紹介しましたけれども、とっても心配なんです、雇用つないじゃ駄目だというような発言ですから。
 是非これ、国会延長して、今月末で契約切れになる登録型派遣の方、契約社員の方、その雇用をどう守っていくのか、これ実態もつかんで議論すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

#205
○国務大臣(加藤勝信君) 派遣労働者の雇用の維持、先ほど局長からも答弁させていただきましたけれども、ちょうどこの六月末、これ三か月三か月なんですが、六月末で契約が更改されるかどうか、大変我々も注視をしているところでありますし、また懸念をされる声もいろいろ聞いているところであります。
 それを踏まえて、五月の二十六日に派遣事業者団体に対して、まず今の派遣契約を続けるように派遣先によく働きかけてほしい、そして、それが難しくても他の先を見付けてほしい、それができない場合にあっても、今度は派遣元事業者が引き続き雇用を継続して雇用調整助成金の活用等によって休業手当の支給を図ってほしい、こういうことを申し上げさせていただきました。あわせて、都道府県労働局からも個別の派遣会社に対して同様の働きかけをさせていただいております。
 さらに、先般、派遣事業者団体のトップともお話を聞いて、現状、そしてそれを踏まえて強く改めて対応を求めたところでございますので、そうしたことをしっかりとPRすることによって派遣の皆さん方が引き続き安心して雇用が維持できていける、こういう環境をつくっていきたいと思っておりますし、最初に委員からお話がありました、いろいろ労働組合が働きかけをすることによって対応が変わる、これ実は私ども労働局もいろいろ情報を得たときに、雇用調整助成金使ってくださいと、使えばこれだけメリットありますよということでそれぞれのところに働きかけをした結果において、中には、それであれば休業手当、助成金を活用して休業手当を支給し、継続するという考えをお示しいただいているところもございますので、さらにそうした方向が広がっていくように努力をしていきたいというふうに思います。

#206
○田村智子君 これ、会社に通知するだけじゃ駄目だと思うんですよ。ちゃんと労働者の側に、派遣で働く皆さんに、あなたは辞めさせられない、そういう道があるんだよと、休業手当を受け取れる権利、これちゃんと行使できるんだよということを是非とも知らせていただきたいと思いますし、国会でやっぱりそれがちゃんとやられているか是非議論をしたいと思います。
 次に、生活困窮への支援についてお聞きします。
 貧困問題に取り組む三十数団体が、新型コロナ災害緊急アクションという相談支援活動を行っています。先週十二日にその報告集会がありまして、私も参加いたしました。メールなどで寄せられたSOSは、所持金が四十円だとか、住むところもないとか、もう命に関わる深刻なものが急増しているというんですね。
 厚生労働省も、支援団体の要望を受けて、家賃を代理で支払う住居確保給付金、この対象を広げたり、生活保護も決定までの手続を一部簡素化するなどしてこられました。これらは、新型コロナの影響で住まいを失うことがないように、また、ほかの施策で対応できない場合には速やかに生活保護を行うようにと求めるものだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#207
○国務大臣(加藤勝信君) まず、これまでのリーマン・ショック等の経験を踏まえても、やはり住居を確保しておくというのは非常に、住むところを確保するというのは非常に大事でありまして、それが確保されないと様々な制度も活用できない、したがって、それをしっかり応援をしていこうということであります。
 それから、生活保護のお話がありました。まさにこれは最後のセーフティーネットと言われているところでありますので、もちろんいろんな対応をしていく。しかし、どうしてもそういった対応では十分にできないという場合には、こうした生活保護もしっかり活用していただく。そういった方向で、また、今の現下の新型コロナウイルス感染症拡大する中での経済・雇用情勢を踏まえて、生活保護を申請受けた場合の対応についても弾力的に、ちょっと具体的な話は申し上げませんが、弾力的な対応をということを、これはそれぞれの市町村が対応いただいておりますから、そちらに向けて通知も出させていただいております。
 なお、十分じゃないという御指摘もいただいておりますので、重ねてそうした対応を取っていただくように我々の方からも依頼をしているところであります。

#208
○田村智子君 ところが、支援団体からは自治体の不適切な対応が山ほど報告されています。住まいを失った人に対して、劣悪な無料低額宿泊所に入ることを半ば強制する、中には貧困ビジネスで問題になった施設への入所を求めた自治体まであります。相部屋で、あるいはベニヤで仕切っただけで、プライバシーも守られず、緊急とはいえ安心できる生活環境からは程遠く、逃げ出してしまう人まで出ています。新型コロナでは、突然の減収で思いもしない貧困に陥った方も多いんです。
 今後の生活をどうするのか考えて動き出すためにも、まずは安心できる住居、例えば公営住宅や民間のアパートをあらかじめ確保して、まずはそこに入居してもらうというようなことが必要だというふうに支援団体の方々は訴えておられます。これ、質問しませんので、要望だけですけど、是非検討していただきたいと思うんです。
 質問したいのは、生活保護そのものの申請をさせない水際作戦、いまだ多くの自治体で見られます。
 千葉県のある自治体では、漁業をやっている方が、魚が売れなくなって収入が激減をした。生活保護の相談を、行きますと、漁船を売ったら幾らになるのと聞かれて、二十万ぐらいかなと、もう古いからと答えたら、それは資産になるから生活保護は無理だと言って追い返されているんですよ。あるいは、多くの自治体で、マンション、ローンで持っているという方に対して、それは資産価値一千万程度じゃないのと、売れば生活できるでしょうと言ってやっぱり追い返されると。
 これ、漁船売れというのは、なりわいを手放せということですよね。収入がなくて食べるにも困っている方に、自宅売却の商談をしろと求めるのかと。こんなふうに、住まいや働くすべを失わせるのが保護行政なのかということなんです。これらは、生活保護法、その実施要綱、また厚労省の通知にも反する対応だと私は思います。
 厚労大臣に一般論としてお聞きします。新型コロナの影響から少しでも早く立ち直るためには、自立のための能力をそぐような対応、これは厳に改めるべきだと思いますが、いかがですか。

#209
○国務大臣(加藤勝信君) 現在、資産について、これは無条件で保有を認めるわけではありませんけれども、今委員お話のあった自立、今の状況が改善されれば自立していけると、こうした状況をしっかり確保していくことが大事でありますから、自立の助長等の観点から適切に活用できる資産は保有を認めております。例えば、居住用家屋については、処分価値が利用価値に比べて著しく大きなものでなければ保有を認めている。また、四月七日付けの事務連絡でありますけれども、現下の状況において一時的な収入減少によって保護が必要になる方について、今般の事態の終息後スムーズに就労を再開できるよう、例えば通勤用自動車やあるいは自営用の資産についてもその取扱いを柔軟に行うよう改めて通知をさせていただいているところであります。
 先ほどからの議員の御議論のように、この取扱い、必ずしも徹底されていない事例があるという御指摘もございますので、五月八日、二十六日にも改めて事務連絡を発出させていただいて、その徹底を図らせていただいているところであります。

#210
○田村智子君 そうなんです。何度も通知出しているんです。だけど、残念ながら、生活保護を申請しようとする人を厄介者扱いする対応、蔑む対応が多くの自治体でいまだに見られる。尊厳を傷つけられて、二度と福祉事務所には行きたくない、所持金が底をついてもかたくなに生活保護を拒否する人が少なくない、というか多い。
 何でこんなことになっているのかという私はその根っこを問いたいんですよ。誰もがセーフティーネットを必要とする状況になり得る、生活保護は国民の権利だという認識を、国も自治体も、これ培ってこなかったんじゃないのか。それどころか、バッシングとも言える生活保護への敵意、侮蔑を一部の政党や一部の政治家があおってきた。それが、今、新型コロナの影響で生活困窮に陥っても保護申請をためらわせる重たい足かせになっていると思えてならないんですよ。これでは救える命が救えなくなる、こんなことが起きかねないんです。
 今、政府も私たち政治家も本気になって、生活保護への偏見、誤解、これを払拭することが求められていると思うんですけれども、いかがでしょうか。

#211
○国務大臣(加藤勝信君) 私どもも、こうした新型コロナ感染症が拡大していく中で、雇用を守り、事業を守り、そしてその基本は暮らしを守ることだというふうに認識をしているところであります。
 そういった意味で、先ほど申し上げた最後のセーフティーネットである生活保護というもの、そしてその申請は、全ての国民にこれは認められた権利であるということであります。生活保護が必要な方には確実かつ速やかに保護を実施していくことが重要でありますことから、各自治体に対しては、生活に困窮した方の相談支援窓口である自立相談支援機関と福祉事務所との連携等々を図ることによって生活保護制度を現下の状況において適切に運用する上で、今申し上げた点、特に留意する必要なことをお願いをしているところであります。
 また、私どもまとめたリーフレットも作成させていただいて、生活保護についての制度を説明するとともに、御相談はお住まいの自治体の福祉事務所まで御連絡ください、こうした呼びかけも行っているところでございます。
 先ほど申し上げておりますように、こうした様々な制度、そしてなかんずく最後のセーフティーネットである生活保護、これについてその活用がしっかり、必要な方がその活用が図られるよう、我々引き続き広報、周知に努めていきたいというふうに思います。

#212
○田村智子君 何というか、制度の説明はあるんですけど、その根っこの心がなかなか伝わってくるように思えなくて、なんですよね。
 法政大学の布川日佐史教授が、ドイツの生活保護について、この状況の下で一生懸命紹介をしてくださっているんです。ドイツでは、新型コロナの対応として百二十万人分、一・一兆円を見込んでいるんですね。労働社会大臣が、誰一人として最低生活以下に陥ることがあってはならないという姿勢を明らかに打ち出したんです。そして、大臣自身がオンライン動画で、収入が最低生活費に足りないフリーランサー、パート労働者、学生などに利用を呼びかけていて、初めて利用する方の目線で、こういう制度ですよ、こういう申請をすればいいんですよという説明もしている。そして、最後には、あなたの権利ですというふうに結んでいるというんですよ。
 総理、私、こういう呼びかけが必要だと思うんです。テレビ入っていますから、総理、是非、生活保護はあなたの権利です、この場で呼びかけていただきたいんですけど、どうでしょうか。

#213
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど田村委員がおっしゃった、一部の政党が生活保護に対して攻撃的な言辞を弄しているという趣旨のお話をされたんですが、もちろんそれは自民党ではないということは確認しておきたいと思いますが、先ほど厚労大臣が答弁させていただいたように、最後の、厳しいときの最後のセーフティーネットとして速やかな保護が行われるように、本人からの申請を待つばかりではなくて、住民に対する制度の周知や民生委員等と連携して生活に困窮している者の発見等に努めるよう福祉事務所の取組を促すなど、生活保護が必要な方が適切に支援を受けられるように努めたい。
 これは、誰にでも様々な出来事があって生活保護を必要とする事態というのは訪れる可能性というのはあるわけでありますから、そういうときには是非積極的に活用していただきたいと思いますし、また、この生活保護だけではなくて、最大八十万円の緊急小口の資金、これはまさに返済免除の特例も付いておりますので、こういうものも活用しながら、積極的に今回の特別な施策等も活用していただきたいと思います。

#214
○田村智子君 自民党ではないとおっしゃって、私あえて今日は具体に出さなかったんですけど、民主党政権のときにワーキングプアを救おうということで生活保護の受給者増やしたときに、それを攻撃したのは自民党なんですよ。自民党の議員、何人もバッシングやっているんですよ。そのことへの反省もないというのはちょっとどうかなというふうに思うんですが、今日は建設的に提案します。
 これは、長野県のホームページにも掲載されている長野県が作成したパンフレットの一部なんです。「コロナの影響から県民の命とくらしを守る長野県の取組」というパンフレットなんですけれども、生活が立ち行かなくなることは誰にでも起こり得ることです、憲法二十五条の生存権の理念に基づく最後のセーフティーネットが生活保護です、しかし、生活保護に対するある種の偏見や誤った認識などにより相談や申請をちゅうちょしてしまう場合があると指摘されています、生活保護は国民の権利を保障する全ての方の制度ですので、ためらわずに御相談ください。
 実は、この下にまだ続きがありまして、まだ書いてあるんですよ。相談や申請が難しいと思われている方へということで、相談時に書類は不要、事前に扶養義務者に相談していなくても申請が可能、申請時に通帳の写しなど収入や資産等の状況を確認できる書類を提出できない場合、後日の提出でも可能という、こういう対応も書かれていて、これはまさに加藤大臣が言った、厚労省が四月に自治体に通知したことを自治体が県民に対して知らせているんですよ。
 ここが大切だと思うんですよ。健康で文化的な生活、食事ができて、お風呂にも入れて、清潔に暮らせる、そういう当たり前の生活が立ち行かないときには、生活保護はあなたの権利ですと、誰にでも認められている権利です、ためらわずに相談し、申請してほしい。
 私は、こういう広報を政府がコマーシャルもやって呼びかけるべきだというふうに思うんですけど、いかがでしょう、総理。

#215
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、これは、田村委員がおっしゃるように、これ文化的な生活を送るという権利があるわけでございますから、是非ためらわずに申請していただきたいと思いますし、我々も様々な手段を活用して国民の皆様に働きかけを行っていきたいと、こう思っています。
 また、現下の状況を踏まえて、例えば新たに就労の場を探すことが困難な場合には稼働能力を活用しているかどうかの判断は保留し、また通勤用自動車、先ほど船の話をされましたが、通勤用自動車等の資産の保有を柔軟に取り扱うなど、運用の弾力化等を自治体に依頼をしているところでございまして、自治体とも緊密に連携しながら対応していきたいと思います。

#216
○田村智子君 住まいを失ったり所持金ゼロになる前に相談してもらえたら、もっとちゃんと生活の立ち直りできるという声、相談者の中からいっぱい出てきているんですよ。これまでの福祉行政、この新型コロナの対応で大きく変える必要がある、このことを求めまして、質問を終わります。

#217
○委員長(中川雅治君) 他に御発言もなければ、平成三十年度決算外二件及び平成三十年度予備費二件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#218
○委員長(中川雅治君) 御異議ないと認めます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#219
○委員長(中川雅治君) 速記を起こしてください。
 これより平成三十年度決算外二件及び平成三十年度予備費二件について討論に入ります。
 各会派の討論に先立ち、この際、御報告いたします。
 平成三十年度決算についての内閣に対する警告及び平成三十年度決算審査措置要求決議案については、理事会において協議の結果、お手元に配付いたしましたような案文とすることに意見が一致いたしました。
 それでは、警告の案文を朗読いたします。
    内閣に対し、次のとおり警告する。
    内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に報告すべきである。
 1 総務省が多額の国費を投じて整備した政府共通プラットフォームのセキュアゾーンについて、その整備に際し、需要の把握や各府省との調整等が十分に行われなかったことから、平成二十九年四月の運用開始以降、本来の目的での利用が全くなされないまま、三十年度末に廃止されたことは、遺憾である。
   政府は、政府共通プラットフォームの整備に当たって需要の把握や各府省との調整等を適時適切に行うための手続を明確にするとともに、政府全体のITガバナンス体制を強化し、再発防止に万全を期すべきである。
 2 内閣府の企業主導型保育事業において、保育施設の整備に当たり、事業者が工事費用の水増しなどした虚偽の内容の事業完了報告書を事業実施機関に提出し、同機関における審査が不十分であったことなどから、助成金が過大に交付された事態、また、会計検査院が二百十三施設を抽出し検査したところ、平成三十年十月時点において開設後一年以上経過した企業主導型保育施設百七十三施設のうち、七十二施設において定員充足率が五割未満であるなど、利用状況が低調となっていた事態等が明らかとなったことは、遺憾である。
   政府は、企業主導型保育事業の事業実施機関における審査や指導、監査を改善するなど、助成金の過大交付の再発防止に努めるとともに、利用者のニーズに応えた保育事業となるよう、事業の見直しや改善に継続的に取り組むべきである。
 3 東京高等検察庁の前検事長については、令和二年一月、国家公務員法における勤務延長規定の検察官への適用について、従来の解釈を変更し、勤務延長の閣議決定がなされた。同年五月、新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言の発令中に賭けマージャンを複数回行っていたことが明らかになり、訓告処分を受けた上で辞職した。本件により、検察に対する国民の信頼が損なわれたことは、極めて遺憾である。
   政府は、従来の解釈変更や検察庁法改正案の経緯の説明に努めるとともに、検察に対する国民の信頼回復に向けて徹底的に取り組むべきである。
 4 資源エネルギー庁において、関西電力株式会社に対する業務改善命令に係る手続の不備を隠すために、電力・ガス取引監視等委員会の意見聴取を実施した日付が実際の日付と異なる不適切な公文書が作成されたことは、遺憾である。
   政府は、公文書管理に関して真摯な反省が求められているさなかに、このような事態が生じたことを重く受け止め、平成二十八年度決算に関する警告決議を踏まえて講じた適正な公文書管理の徹底や組織風土の改革の措置がいまだ十分でないことを肝に銘じて、再発防止に万全を期すべきである。
 5 防衛省が米国政府との間で行う有償援助(FMS)による防衛装備品等の調達について、調達額が平成二十五年度から二十九年度にかけて三倍以上に増加している中で、契約管理費の減免を受けるための協定等の締結に係る本格的な検討が行われていなかったこと、また、前払金を支払ったにもかかわらず、出荷予定時期を経過しても納入が完了せずに未精算となっていたものが二十九年度末時点で八十五件、三百四十九億円に上るなど、改善すべき課題が山積していることは、遺憾である。
   政府は、FMS調達に係る調達額を抑制するため、契約管理費の減免制度の利用を含めあらゆる可能性を検討するとともに、未納入が続くと各部隊の運用に支障を来しかねないことを念頭に、全ての未納入及び未精算のケースについて履行状況を継続的に把握し、日米間で緊密に協議や調整を行うなど、FMS調達の改善に努めるべきである。
 以上であります。
 議決案はお手元に配付のとおりでございます。
 それでは、御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#220
○浜口誠君 国民民主党、浜口誠です。
 立憲・国民.新緑風会・社民共同会派を代表して、ただいま議題となりました平成三十年度決算外二件の是認に反対、平成三十年度予備費の二件に承諾、内閣に対する警告決議案に賛成の立場から討論を行います。
 以下、平成三十年度決算に反対する理由を述べさせていただきます。
 第一の理由は、財政健全化が先送りされている点です。
 平成三十年度末の国、地方を合わせた長期債務残高は一千九十五兆円、対GDP比二〇〇%となっています。平成三十年度決算におけるプライマリーバランスはマイナス十・四兆円程度であり、前年度より〇・五兆円悪化して、改善の兆しはありません。今年一月に内閣府が公表した中長期の経済財政に関する試算では、プライマリーバランス黒字化は目標より二年遅れの二〇二七年度と試算されています。
 また、今年度は、新型感染症対策として第一次、第二次補正予算が組まれ、その財源は当初予算分と合わせて約九十兆円の国債で賄われることとなり、財政健全化は更に厳しい状況です。緊急事態対応としてやむを得ない面はありますが、次世代への責任を果たすためにも、財政健全化の旗を下ろすわけにはいきません。
 第二の理由は、平成三十年度決算検査報告において三百三十五件、総額約一千二億円に上る不適切な対応や改善の指摘を受けた点です。
 一例を挙げると、米国からの有償援助、いわゆるFMS調達においては、二〇一七年度末で出荷予定を過ぎても精算を終えていないのは六百五十三件、約一千四百十七億円、うち未納分は八十五件、約三百四十九億円となっています。中には、十年以上も精算が完了していないものもあります。民間企業の感覚ではあり得ません。
 また、総務省が約十九億円投資し、平成二十九年四月から運用を始めた政府共通プラットフォーム上の情報セキュリティー水準の高い環境であるセキュアゾーンが、各省庁に利用されることなく、平成三十年度末に廃止となりました。省庁間の調整不足により、約十九億円もの税金が無駄遣いされた典型例です。税金は一円たりとも無駄にしないことを政府に強く求めます。
 第三の理由は、平成三十年度第二次補正予算で財政法第二十九条に基づく緊要性のない予算が組み込まれている点です。
 本来は本予算で計上すべき内容にもかかわらず、第二次補正予算において、公共事業、TPP等関連経費、防衛関係費が大幅に積み増しされました。安倍内閣においては、当初予算で織り込めない予算を議論のハードルが下がる補正予算編成時に計上するという手法が常態化していると言わざるを得ません。
 警告決議については、資源エネルギー庁の不適切な公文書作成、検察庁法改正案の経緯や前検事長の賭けマージャン辞職による検察の信頼回復を始め五件について、政府に猛省と対策を強く求めた上で賛成をいたします。
 最後に、今後の国会において、国民の皆さんから政治は必要だ、重要だと心から言っていただけるよう、与野党を超えて日本で暮らす皆さんのために取り組んでいくことを訴え、討論を終わります。

#221
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文です。
 私は、会派を代表し、平成三十年度決算の是認に反対、平成三十年度国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、平成三十年度国有財産無償貸付状況総計算書の是認に反対、一方、平成三十年度一般会計予備費二件、内閣に対する警告決議案及び措置要求決議案には賛成の立場で討論いたします。
 決算等に反対する理由は、第一に、税金の無駄遣いや不適切な会計処理が改められていない点であります。
 平成三十年度会計検査院決算報告によれば、税金の使い方等に問題があると指摘されたのは三百三十五件、計一千二億円に上り、件数は十五年ぶりの低水準でしたが、金額は依然として一千億円を超えました。厳しい財政が続く中、極めて遺憾であります。これまでに何度も指摘を受けながら、国費の不適切な支出や国有財産の散漫な管理が続いていることは見過ごせません。
 二点目は、災害対策事業がずさんなことであります。
 平成三十年度決算について会計検査院が災害対策事業を重点検査した結果、無駄や問題点が明らかになりました。高速道路管理事務所等の非常用自家発電設備の約二割がハザードマップの浸水想定区域にある事務所に位置していたり、防災重点ため池等約一万か所調べたら約四割で危険性の判定が不十分であったりと、枚挙にいとまがありません。
 近年は、台風や豪雨、地震など自然災害が頻発し、国民生活が脅かされています。このため、減災・防災関係予算は甘い査定で増えていることは否定できません。多額の税金を投じながら、さしたる効果を生み出していない現状は許容できません。
 第三の理由は、独立行政法人において不要不急の多額の余裕資金が寝かされていることであります。
 経済産業省所管の独法、中小企業基盤整備機構が保有する第二種信用基金における二百二億円の余裕資金が最たる例であります。必要なく保有されている資金は速やかに国庫に納付し、その資金は本来推進すべき施策に充てられるべきです。
 政府全体で独法等に余裕資金がないか洗い出し、国の出資金等の規模を見直す体制を整備することは不可欠であります。
 第四の理由は、官民ファンドが満足に機能していない点であります。
 官民ファンドは、平成三十年度末時点で十三あり、政府からの出資額九千百八十億円、民間からの出資額三千四百八十六億円、このほかに約三兆円の政府保証が付されています。
 しかし、例えば農水省が所管する農林漁業成長産業化支援機構、A―FIVE等の一部のファンドについては、投資実績が乏しく累積損失を生み、平成三十年度末で三百二十三億円もの大赤字となっています。A―FIVEの累積損失は令和元年度末時点で約百十五億円にも達し、廃止を視野に見直しが始まりました。
 原資は国民の公的財産であります。国民の負担を最小限に抑えるために、A―FIVE以外の赤字ファンドも早期清算に向けた議論を加速させ、官民ファンド全体の出口戦略を明確にすべきと考えます。
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国の財政状況は一層悪化しています。百年に一度の国難を乗り越えるために空前絶後の財政出動がなされており、やむを得ないことですが、コロナ禍を奇貨として、行財政改革に背を向けてきた行政府も立法府も目を覚ますべきと考えます。
 税金の無駄遣いをやめ、必要な予算を確保するには、まず議員自らが身を切る改革を実践していくことが必要です。日本維新の会は、今国会に、参議院定数の一割削減や歳費の二割削減など身を切る改革関連十五法案を提出しています。今後回避できないだろうコロナ感染の第二波、第三波に対する財政面での対応に知恵を絞っていくことと並行し、アフターコロナの日本の未来に向けて、行財政改革を足踏みすることなく進めていかなければなりません。
 ここに、我が党は、身を切る改革を率先し、果敢に取り組んでいくことをお約束し、討論といたします。

#222
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表して、二〇一八年度、平成三十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書の承諾について、(その1)に賛成、(その2)に反対、二〇一八年度、平成三十年度決算、国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、内閣に対する警告、措置要求決議案、国有財産無償貸付状況総計算書の是認に賛成の立場で討論を行います。
 予備費(その1)は、支出事由が七月豪雨や北海道胆振東部地震等の自然災害対応であり、賛成です。
 (その2)は、東京電力福島第一原発事故により避難を余儀なくされた住民が国と東京電力に損害賠償を求めた横浜地裁判決で、その責任を断罪する判決が出たにもかかわらず、国側の控訴に関する支出が行われていることは、事故を起こした責任を投げ捨てるものであり、断じて許すことはできません。
 本決算に反対する第一の理由は、財政に対する信頼が損なわれているからです。
 安倍政権が森友学園に国有地を不当に値引きし売却を決めた決裁文書を改ざんしたことに加え、公文書改ざんを強要され、財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さんが自殺に追い込まれたことは重大です。公開された赤木さんの手記は、改ざんが当時の佐川理財局長の指示だったことなど重大な事実を明らかにしています。安倍首相も麻生大臣も再調査を拒んでいますが、真相解明に背を向けることは許されません。
 桜を見る会の二〇一八年の支出額は予算額の約三倍に上っています。安倍首相が自らの後援会員らを多数招待した結果、参加者は膨れ上がり、予算を大幅に超過した支出が行われました。この問題も真相解明を強く求めます。
 反対する第二の理由は、格差と貧困を広げてきたアベノミクスに固執し、暮らしと経済を痛め付ける一方で、大企業への優遇税制を温存してきたことです。
 アベノミクスの五年間で、大企業や富裕層の利益が大きく増える一方で、実質賃金は低下し、家計消費も落ち込みました。ところが、生活保護の削減などを始め、社会保障関係費の自然増分が圧縮され、文教予算や中小企業対策費なども減らすなど、格差を深刻化させたことは重大です。他方、大企業や富裕層への優遇税制などは温存されており、大企業の内部留保は四百兆円を超えています。国民の暮らしを応援する経済政策への抜本的な転換が必要です。
 反対する第三の理由は、本決算が米国追随の姿勢をあらわにし、安保法制の下で際限ない軍拡路線を進めてきたからです。
 軍事費は、イージス・アショアの関連経費が初めて盛り込まれ、オスプレイやF35Aステルス戦闘機も増強され、過去最大の五兆円を超えました。加えて、FMSの後年度負担総額も五兆円超えであり、これは年間軍事予算に匹敵します。
 沖縄県民の民意を踏みにじる辺野古新基地建設が強行されてきたことは断じて許せません。直ちに中止し、新基地建設の断念と普天間基地の閉鎖、撤去を米国に強く求めるべきです。
 軍事費を削り、新型コロナウイルス対策に回すことを強く求めます。
 新規大型開発事業を優先し、原発再稼働や破綻した核燃サイクルを推進するものとなっていることも大問題です。
 三大都市圏環状道路等の建設加速のために財政投融資一・五兆円を投入、国際コンテナ戦略港湾などの新規大型開発事業を優先し、安全面と環境面で問題が指摘されているリニア中央新幹線の建設を推し進めるやり方は到底認められません。
 原発の再稼働や破綻した核燃料サイクルを断念し、原発ゼロ基本法案の成立を強く求めて、討論とします。

#223
○委員長(中川雅治君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#224
○委員長(中川雅治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 まず、平成三十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)について採決を行います。
 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

#225
○委員長(中川雅治君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 次に、平成三十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)について採決を行います。
 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

#226
○委員長(中川雅治君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 次に、平成三十年度一般会計歳入歳出決算、平成三十年度特別会計歳入歳出決算、平成三十年度国税収納金整理資金受払計算書、平成三十年度政府関係機関決算書の採決を行います。
 第一に、本件決算は、これを是認することに賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

#227
○委員長(中川雅治君) 多数と認めます。
 第二に、内閣に対し、先刻朗読のとおり警告することに賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

#228
○委員長(中川雅治君) 全会一致と認めます。よって、平成三十年度決算につきましては、多数をもってこれを是認することとし、内閣に対し、先刻朗読いたしましたとおり警告すべきものと議決いたしました。
 次に、お手元に配付の平成三十年度決算審査措置要求決議案につきまして、本委員会の決議とすることに賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

#229
○委員長(中川雅治君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 次に、平成三十年度国有財産増減及び現在額総計算書の採決を行います。
 本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

#230
○委員長(中川雅治君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。
 次に、平成三十年度国有財産無償貸付状況総計算書の採決を行います。
 本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

#231
○委員長(中川雅治君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。
 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#232
○委員長(中川雅治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、平成三十年度決算についての内閣に対する警告及び平成三十年度決算審査措置要求決議について関係国務大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。高市総務大臣。

#233
○国務大臣(高市早苗君) ただいまの第三セクター等による地方公共団体の財政的リスクへの取組についての審査措置要求決議及び政府共通プラットフォームにおけるセキュアゾーンの不適切な整備についての警告決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処をしてまいります。

#234
○委員長(中川雅治君) 森法務大臣。

#235
○国務大臣(森まさこ君) ただいまの検察に対する国民の信頼回復についての警告決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。

#236
○委員長(中川雅治君) 茂木外務大臣。

#237
○国務大臣(茂木敏充君) ただいまの効果が発現していない政府開発援助事業についての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、ODA事業の適正な実施のため、適切に対応してまいります。

#238
○委員長(中川雅治君) 萩生田文部科学大臣。

#239
○国務大臣(萩生田光一君) ただいまの東京オリンピック・パラリンピック競技大会の延期に係る対応について、新型コロナウイルス感染症に係る政府の取組について、大学等における研究力低下の立て直しについて及びスクールソーシャルワーカー重点加配の推進についての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいる所存であります。

#240
○委員長(中川雅治君) 加藤厚生労働大臣。

#241
○国務大臣(加藤勝信君) ただいまの新型コロナウイルス感染症に係る政府の取組について、地方衛生研究所の体制強化について及び戦没者の遺骨の取り違えについての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。

#242
○委員長(中川雅治君) 江藤農林水産大臣。

#243
○国務大臣(江藤拓君) ただいまの独立行政法人における余裕資金の速やかな国庫納付について及び農業用ため池の防災減災事業の適切な実施についての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。

#244
○委員長(中川雅治君) 梶山経済産業大臣。

#245
○国務大臣(梶山弘志君) ただいまの資源エネルギー庁における不適切な公文書作成についての警告決議、独立行政法人における余裕資金の速やかな国庫納付についての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。

#246
○委員長(中川雅治君) 赤羽国土交通大臣。

#247
○国務大臣(赤羽一嘉君) ただいまの河川管理施設等の防災施設に設置された電気設備の耐震調査の確実な実施について及び下水道施設の耐震化・老朽化対策等の着実な推進についての審査措置要求決議につきましては、適切に対処してまいります。

#248
○委員長(中川雅治君) 河野防衛大臣。

#249
○国務大臣(河野太郎君) ただいまのFMSによる防衛装備品等の調達の改善についての警告決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。

#250
○委員長(中川雅治君) 菅内閣官房長官。

#251
○国務大臣(菅義偉君) ただいまの桜を見る会の不適切な運営について審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。

#252
○委員長(中川雅治君) 衛藤国務大臣。

#253
○国務大臣(衛藤晟一君) ただいまの企業主導型保育事業における助成金の過大交付及び低調な利用状況についての警告決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
 また、保育士等の賃金改善の確実な実施についての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。

#254
○委員長(中川雅治君) 竹本国務大臣。

#255
○国務大臣(竹本直一君) ただいまの政府共通プラットフォームにおけるセキュアゾーンの不適切な整備についての警告決議及び大学等における研究力低下の立て直しについての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。

#256
○委員長(中川雅治君) 西村国務大臣。

#257
○国務大臣(西村康稔君) ただいまの新型コロナウイルス感染症に係る政府の取組についての審査措置要求決議につきましては、感染拡大防止と経済社会活動の両立を図り、事業、雇用、生活を守り抜くため、政府として万全の措置を講じているところですが、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。

#258
○委員長(中川雅治君) 橋本国務大臣。

#259
○国務大臣(橋本聖子君) ただいまの東京オリンピック・パラリンピック競技大会の延期に係る対応についての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、今後ともより一層努力をしてまいる所存でございます。

#260
○委員長(中川雅治君) 以上をもちまして関係国務大臣の発言は終了いたしました。
    ─────────────

#261
○委員長(中川雅治君) 次に、会計検査の要請に関する件についてお諮りいたします。
 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、会計検査院に対し、お手元に配付のとおり、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策の実施状況等について及び農林水産分野におけるTPP等関連政策大綱に基づく施策の実施状況等について会計検査を行い、その結果を本委員会に報告するよう議長を経由して要請いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#262
○委員長(中川雅治君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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