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2020/06/04 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 財政金融委員会 第15号 令和2年6月4日
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2020/06/04 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 財政金融委員会 第15号 令和2年6月4日

#1
令和二年六月四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任
     森 まさこ君     宮崎 雅夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中西 祐介君
    理 事
                有村 治子君
                中西 健治君
                藤末 健三君
                那谷屋正義君
                熊野 正士君
    委 員
                大家 敏志君
                櫻井  充君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                林  芳正君
                藤川 政人君
                宮崎 雅夫君
                宮沢 洋一君
                宮島 喜文君
                大塚 耕平君
                勝部 賢志君
                熊谷 裕人君
                古賀 之士君
                杉  久武君
                音喜多 駿君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                浜田  聡君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        前山 秀夫君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       藤田  穣君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      粕渕  功君
       金融庁総合政策
       局長       森田 宗男君
       金融庁総合政策
       局総括審議官   白川 俊介君
       金融庁企画市場
       局長       中島 淳一君
       金融庁監督局長  栗田 照久君
       財務省主税局長  矢野 康治君
       財務省理財局長  可部 哲生君
       国税庁次長    田島 淳志君
       経済産業省大臣
       官房商務・サー
       ビス審議官    藤木 俊光君
   参考人
       日本銀行企画局
       長        加藤  毅君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を
 図るための金融商品の販売等に関する法律等の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
    ─────────────

#2
○委員長(中西祐介君) ただいまから財政金融委員会を開会をいたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁企画市場局長中島淳一君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(中西祐介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(中西祐介君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行企画局長加藤毅君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○委員長(中西祐介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#6
○委員長(中西祐介君) 金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#7
○中西健治君 おはようございます。自由民主党の中西健治です。
 本日は金融商品販売法の質疑ということでありますけれども、その前に、初めに、コロナの対応、特に世界の中の日本という観点で麻生大臣に幾つか質問をさせていただきたいと考えております。
 新型コロナに対しては、中国はもとより、フランスのマクロン大統領が戦争状態にあるので国民の自由を制限すると述べたように、世界のほとんどの国が国民の行動を極めて厳しく統制することで対応しており、町から人が消えました。現在はその統制を緩める方向にかじを切ろうとしているわけでありますが、段階的解除を発表する記者会見ではいつでも急ブレーキを掛けるということが強調されていたように、果たして望みどおり緩めるという方向が続けられるのか、それともまた厳しい統制状態に逆戻りするのか、先行きが見通せない状況が続いております。
 ただ、このコロナとの闘いの中からむしろはっきりと見えてきたものがございます。それは、日本が世界の先進国の中でも数少ない自由を最大限に尊重する国であり、もはやアジアに残された希有な自由の国であると、こういう評価であります。
 我が国の新型コロナ対応が世界的に見てもまれな、統制色が極めて薄いというものであることは皆さん御承知のとおりであります。その中で、内外のメディアや専門家は、緩過ぎる、甘い、それとか、お願いだけして命令はしないのかと、こういうことをよく言われました。やゆもされたし脅しもされました。いや、どうせニューヨークのようになってしまうのはもう時間の問題だと、このようなことを言われておりました。そして、少しずつ終息を迎えてきて、大分手のひら返し的に、ジャパン・ミラクルだとか、まあちょっと皮肉を込めてジャパン・ミステリーとか、こんなようなことも言われてきているわけでありますけれども。
 しかしながら、やはり我が国が自由という価値、これを守り続けてきた、この危機に当たっても守り続けているということは大変高い評価が受けられるべきものではないかと思います。麻生大臣の見解をお伺いします。

#8
○国務大臣(麻生太郎君) これだけ法案に関係ない質問も珍しいと思いますけれども、自民党に来られてそれだけ自由になられたということなんだということで、おめでとうございました。
 この話は、中西先生、どうでしょうね、自由と言うけど、憲法上できなかったから結果としてなっただけであって、そういった見識を持ってこれに臨んだのかね。なかなかそういった制約が、憲法上の制約があったから結果としてこれが最大限だったというように理解して、それでも効果があったというところがみそですかねと、私はそう思いますね。
 どうして日本だけこうなったのかと。それは、いろいろこれは、厚生省とか医者とかいうのがいろいろ、後でもう一回検証してもらわなきゃいかぬのだと思いますけれども。
 少なくとも、アメリカはあれ、出ると一回千ドルでしたかね、罰金が。今言ったフランスの場合は、再犯の場合は四十五万円の罰金というようなことをやっているんですけれども、日本じゃそういうこともなく、お願いだけでこれだけ来た。いわゆる、こういうのは死亡率が一番問題なんですけれども、これで調べてみたんですけど、人口比でいって、百万人当たり日本は七人ということになるんですね、死亡者ですよ。こういうのは、結果は死亡者ですから、戦争も何も皆、最終的に死亡者が何人でその戦争が勝ったか負けたかと言われるような話になりますので。
 フランスの場合でしたら、これは間違いなく、四百四十一人、アメリカが三百十五人、イギリスで五百七十五人、日本は七人、何かおまえらだけ薬持ってるのかってよく、電話掛かってきたときよく言われたもんでしたけれども。私どもとしては、これは、そういった人たちの質問には、おたくとうちの国とは国民の民度のレベルが違うんだといっていつも言って、言ってやると皆絶句して黙るんですけれども。それすると後の質問が来なくなるので、それが一番簡単な答えだと思って、クオリティーが違うという話、よくしていましたけれども。このところその種の電話もなくなりましたから、何となくこれ定着しつつあるんだと思いますけれども。
 やっぱり、こういった島国ですから、何となく連帯的なものも強かったし、いろんな意味で国民が政府の要請に対して極めて協調してもらったということなんだと思いますけれども。いろんな意味で、暴動が起きたわけでもなし、いろんな意味で国民性、いろんな表現があるんだと思いますけれども、結果論としてはこれ良かったんだと思って、あとはまたDNAがどうしたとか、みんな分かったようなこといろんなテレビで言っている人いますけど、ああいった人はついこの間まで、このままいったら四十五万人死ぬと言っていた人たちが、ようどの面下げてあんなこと言えんのかねと思うぐらい言ってますわね。不思議だなと思って、いつも。それだけ表現は自由なんでしょうな。それは間違いなく自由だと思って聞いていますけれども。
 いずれにしても、何となく、先進国の中で最も死亡率が低くて、絶対数も圧倒的に少ないですから、その意味では、国民の御協力があったというのが一番、それに尽きるんだと思いますけれども。いずれにしても、こういったような、かなり海外から見れば緩いお願いレベルの話であってもこれだけ効果が上がったということは、これはもう我々としては非常に誇りに思わないかぬ大事なところだと思ってはおります。

#9
○中西健治君 民度が高いということ、なかなか私も外国人と話して、それは言いづらいというところもございますけれども。実際に、この一週間、二週間、海外に住んでいる、海外で働いている、アジアで働いている人たちと話しますと、日本で働きたいとか、日本人であれば日本に帰りたいとか、こういう声がすごく強いんです。それは大臣がおっしゃられた死亡率が低いということは、これアジアですから余り水準としてはそんなに変わりがないんだろうというふうに思うんですが、それは何かというと、何か息苦しさみたいなもののようなんです。
 というのは、例えばシンガポールで言いますと、シンガポールって元から統制色が非常に強い国であります。チューイングガムを持っているだけで罰金八十万円ですし、公共の建築物、これを汚したりするとむち打ち刑ということが決められているということであります。
 そして、今回のコロナの対応ですごくショッキングだったことがあるというんです。それは、普通のオフィス、シンガポールの普通の事業所、オフィスに警官が入ってきて、ソーシャルディスタンスを保っているかどうか、これをチェックしていくんです。制服の警官が入ってきて、一メートル、二メートル取っているかということをチェックしていく、チェックしている。そして、いや、こういうのあり得ない、すごいショッキングなことだと言うんですね。もう本当にこの息苦しさ、これはやはりシンガポールでは駄目だという声が非常に強く出ています。
 そして、香港は御存じのとおりであります。香港って以前は自由闊達、少しわい雑な雰囲気もあって非常に自由なところだったわけですけど、この数年間どんどん変わってきて、そして今回、国家安全法が制定されるということになりましたから、外国の企業がアジアの拠点を香港に置く理由はもう失われたということなんじゃないかと思うんです。
 その中で見直されているのが日本であり、東京だということなんです。これ、日本は非常に大きなチャンスなんだよと言われるんですよ、私。おまえら分かっていないだろうと言われるんです。日本の政府も分かっていないんじゃないか、こういうふうにも言われるんです。
 これ、チャンスだと思うんですけれども、麻生大臣、いかがでしょうか。

#10
○国務大臣(麻生太郎君) 分かっていない人がほとんどですよ。それは余り期待しない方がいい。金融が分かっているという人でも、国際金融が分かっている人というのはほとんどおられませんから。だから、円高になったといったら、百円が百十円になったら円高になったと思う人が多いんですから、それが普通ですよ。だから、その程度のところにいきなり国際金融センターというのは、これは決して悪い方向だとは思いません。
 考えてみれば、十八世紀、十九世紀、いわゆる重商主義時代に金稼いだイギリスは、その金使ってシティーつくったわけでしょう。第二次世界大戦後、世界のGDPの四〇%を一手に持ったアメリカは、いわゆるウォールストリートをつくってじゃんじゃんやり始めた。みんな物づくりから金融に移転していったわけですよね。日本もやりますか。一億二千七百万、金融で飯は食えますかね、この国。大阪、商品のいわゆる取引所というのは、あれは八代将軍吉宗公の頃に既に公認になっていますから。あそこは、淀屋橋にあるんですけれども、シカゴ・マーカンタイルより四、五十年歴史が古いぐらい、世界最初の先物商売やっているところですから、僕は、先天的にそういう能力は、日本のあきんどという士農工商の一番下と言われた人たちのレベルはそれぐらい高かったんだと、僕はそう思っていますけれども。さあ、それで、一億二千七百万人食わせるほど金融業だけで稼ぎ出せますかね、この国は。という感じがしないでもありませんので、僕はちょっとアメリカとかイギリスみたいなことになっていくのはいかがなものかなと、私自身はそう思っていますけれども。
 いずれにしても、東京にそういったものが出てくるということをやめたがいいと、止めた方がいいと、そういうのをすべきじゃないというのには反対、僕は。むしろ、そういうのはできるものならやった方がいい、結果論として。僕はそういうものになっていくというのは決して悪い方向だとは思いませんし。
 円というものも今日は百七円、百八円ぐらいで止まっていますけれども、少なくとも今、日本の場合は国際金融の世界の中で最もリライアブル、信頼される通貨の一つにのし上がったことは間違いありませんので、そういった意味では、国際金融としてマーケットを東京にという方向、流れというのは出てきてもおかしくはないと思いますし、それは阻止すべきものだとか言う気も全くありませんし。
 円の国際通貨になることにびくびくするというようなことを言っても、流れとしてはそういうことになっていくんであれば、それは決して国として国益に沿うという話でもあろうと思いますので、それなりに責任が大きくなりますから、仕事は増えますしいろいろやらなくちゃいかぬこともありますでしょうが、規制やら何やら含めて、いろんなものをきちんとやっていかにゃいかぬというような話で、今既に随分その種の関係するものに関しては、金融庁の出版物等々の出版物も日本語プラス英語のものが今ずっと出始めてきているというんで、あれは随分楽になったという人もいますから、流れとしてそういう方向に少しずつではありますけれども行っているような感じがしないでもありませんけれども。
 私どもとして、そういう意識がもっと金融界の中に出てくるであろうかといえば、なかなかそういった意識が、今の金融の若い方の中に出てきている、フィンテックというようなところでも随分出てきているような感じはしますけれども、今の頭取とか重役とか見ていて、とてもじゃないけど国際金融なんて顔じゃないですな。もう全然ピントが違ったような話しかされませんから、もうちょっと国際的なことをと言っても、うちには関係ないという感じの方が多いですから。なかなかそういった意識的なものが変わってくるまでに、中西先生、もう少々時間が掛かるかなとは思ってはいますけど、流れとしてはその方向に行きつつあるんだと思っています。

#11
○中西健治君 一億二千七百万人金融で食べていけるとは到底思いませんが、ただ、やはり流れは強める絶好のチャンスがこの数年間到来するんじゃないかなと、こういうふうに思っているので、やはりそこは、流れを、もちろん止めないどころか、やはり強めていく動きをするべきなんじゃないかと思うんです。
 働き方も変わっていきます。そうすると、都心のオフィス市場というのも少し減るというようなこともあって移りやすくなるということも当然あると思うので、日本の金融機関の評価は余り高くないようでございますけど、海外のファンドとか、やはり海外の金融機関とか、これも呼んでくるということは、これは十二分にやりやすい環境が来るのではないかというふうに思っています。そこはどうか御認識をいただきたいと、こういうふうに思います。

#12
○国務大臣(麻生太郎君) 昔はGDPということをよく使って、国民総生産とか、また貿易収支なんということはよく新聞に書いてありましたけれども、今は石油が下がったおかげで貿易収支は黒字になりましたけど、ついこの間まで赤ですから。じゃ、日本は何で稼いでいたんだっていえば、それはGNIで、グロス・ナショナル・インカムで稼いだわけですから。海外で投資した分、まあ円高不況とか訳の分からぬことを言っていた人もいましたけれども、国の通貨が高くなって、簡単に言えば、二百四十円が百二十円ということで、対外的には日本の資産は倍になった、金融資産が倍になったということになりますので、それであっちこっちの工場を買って、MアンドAやって、あらゆることやって、結果として、海外で稼いだ金を日本に送金してくるという意味で貿易収支に代わって金融収支がえらく増えて、結果として日本は今のこのGDPに代わるGNIという指標を持って日本の国力というものがだんだんだんだんそっちの方で上がってきた。その分の方が今は多いぐらいですから、それが現実ですので、是非そういった流れからいけば、今、中西先生の御指摘の方向に確実に動き出しつつあることは確かだと思いますが、同時に物づくりの方もきちんとやっておかないと残りの一億二千万はなかなか難しいかなという感じは、私自身の見解です。

#13
○中西健治君 どうもありがとうございます。
 今、サプライチェーンの見直しというのをいろいろ製造業を中心に行うと。マスクなども、国内で生産するということだけではなくて、全ての世界の企業がやはり海外拠点をどこに配置していけばいいのか、こうしたことを見直し始めているところだと思います。ですので、その中で、今の大臣のおっしゃられたことも頭に置きながら、やはり流れを強めていくということをしたいなというふうに思っております。
 では、金融商品販売法について、幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 今回の改正によって金融サービス仲介業というものが創設をされます。特定の金融機関の下に付くという形ではなくて、金融機関と仲介業者が言わば対等な関係になって、そして銀行、証券、保険、全ての分野のサービスを扱うことができるということになります。
 顧客にとっては利便性が高くなるということでありますけれども、今までのようにどこかの大きな保険会社などが指導をしているということではなくなってくるということになりますので、どうしても顧客保護の観点からのチェック機能が低下する可能性があるということについてどのように担保していくのか、金融庁に聞きたいと思います。

#14
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 ただいま議員御指摘のとおり、新しい金融サービス仲介業の創設に当たっては、利便性の向上と顧客保護とのバランスを取ることが重要と考えております。
 今回創設する金融サービス仲介業者については、いわゆる所属制を採用しないため、所属先の金融機関による指導監督が及ばなくなることを勘案し、取引可能な金融サービスの範囲を仲介に当たって高度な説明を要しないと考えるものに限定をすること、また、例えば投資信託の購入代金や保険契約に係る保険料といった利用者の財産を受け入れることを禁止すること、また、万が一不十分な商品説明を行うなどして顧客に対して損害を加えた場合に備えて保証金の供託を義務付けることなどを通じて、顧客保護を図ることといたしております。

#15
○中西健治君 もう一つ、この仲介業者の手数料についてちょっとお伺いしたいんですけれども、顧客本位の営業によって利便性の高いサービスが提供されるようになることを私期待しているわけでありますけど、残念ながら、金融商品を販売する際には、やっぱりこの手数料が多いかどうかによって、この商品を売る、あの商品を売らないということが、やはりインセンティブが変わってくるということになるのではないかと思います。
 数年前にこの委員会で、私は生命保険の銀行販売取り上げました。当時は外貨建て保険というのがすごい勢いで売れておりまして、それはどうしてなのかというと、保険の手数料が四%から九%、初めに売るだけで四パー、九パーと、元本の、もらえるということで、これは開示しなきゃいけないんじゃないかということをこの委員会で申し上げました。その後、開示されるということになったわけでありますけれども、今回も、保険の手数料、これは求めがあれば開示するということになっていて、あらかじめ開示されるということになっておりませんけれども、それでいいのかどうか、どうしてそうなのか、そこについてお伺いしたいと思います。

#16
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 なぜ顧客からの求めに応じて開示することとしたのかというお尋ねでございますけれども、所属制を取らない点において金融サービス仲介業者と共通する保険仲立人の制度においては、保険仲立人が金融機関から受け取る手数料は顧客からの求めに応じて開示することとされており、金融サービス仲介業者についてもこれに倣った制度としたところでございます。
 なお、金融庁が二〇一七年に公表した顧客本位の業務運営に関する原則においては、金融事業者は、金融商品・サービスの販売、推奨に係る重要な情報を顧客が理解できるよう分かりやすく提供すべきとされ、重要な情報には、顧客との利益相反の可能性がある場合にはその具体的な内容が含まれるべきと、さらに、第三者から受け取る手数料等もこうした内容に含まれるとされております。金融サービス仲介業者においては、こうした趣旨を踏まえた対応が進むことを期待しております。
 なお、御指摘のありました外貨建て保険と言われるような保険商品については、金融サービス仲介業者が取り扱うことができる商品から除外してはどうかということを考えております。

#17
○中西健治君 顧客保護を徹底する意味でも、やはりこれはにらみが利いた形であってほしいと、このように思っているところであります。
 もう一つ、ちょっと違う話をお伺いしたいと思います。それは、LIBORというものが廃止されるということについてでございます。
 LIBORというのは金融のイロハのイでありまして、短期金利の指標として、金融に入ったらすぐ使われることであります。長期金利の指標というのはUSトレジャリーボンド、アメリカの財務省証券の金利でありますけれども、これがなくなるということは私からすると本当に天変動地みたいなことでありまして、常に短期金利の指標としてそれを見ているわけでありますが、このLIBOR、どういったものかということと、どうして廃止されることになったのか、こうした経緯についてお伺いしたいと思います。

#18
○政府参考人(森田宗男君) お答え申し上げます。
 LIBORと申しますのは、リファレンスバンクと呼ばれる金利レートの呈示銀行が、ロンドンのインターバンク市場におきまして、自行が無担保で資金調達をする際の市場実勢と考えられるレートをLIBOR運営機関に呈示し、当該運営機関より呈示のあったレートを一定の算出方法に基づき算出、公表される指標金利でございまして、貸出債権やデリバティブ取引などで国際的に広く利用されているものでございます。
 LIBORにつきましては、その不正操作問題が二〇一二年以降複数明らかになり、国際的な大手金融機関が相次いで処分されるなど、その信頼性、頑健性が低下する事態となりました。その後、各国金融当局者間で金利指標改革の取組が行われてきたところでございますけれども、LIBORの監督当局である英国FCAのベイリー長官が、二〇一七年七月の講演におきまして、LIBORの算出の裏付けとなる銀行間の無担保資金市場の取引が十分に活発でないこと、また、多くのレファレンスバンクが十分な実取引の裏付けがないレート呈示の継続に不安を覚えていることを理由に、二〇二一年末以降のLIBORの恒久的な公表停止を強く示唆するスピーチを行ったところでございます。これをきっかけに、LIBORの公表が恒久的に停止される可能性が高まっているものと承知しております。

#19
○中西健治君 LIBORというのは、今御説明あったとおり、金利の指標として、短期金利の指標としてもういろんな取引に使われていて、総額で多分二百兆ドルを超える金額のレファレンスに使われているということであります。スワップ、短期金利と長期金利を交換するときは、短期金利はLIBORを使って、それを三年間もらうんだったらそれに見合う固定金利は幾らなんだというので算出されていくわけですから、金融数学の基本でもあるということであります。
 これがなくなると大混乱も起きかねないということでありますが、今の対応についてお伺いしたいと思います。

#20
○政府参考人(森田宗男君) お答え申し上げます。
 二〇二一年末のLIBOR公表停止を前提としまして、我が国を含む影響を受ける各国におきましてそれぞれ代替金利指標の構築等の取組が行われてきております。
 金融取引におきましてLIBORに代わるどの金利指標を利用すべきかにつきましては、基本的には民間当事者間の問題であるところ、我が国におきましては、二〇一八年八月に金融機関、事業法人、機関投資家等の幅広い関係者から構成され、日本銀行を事務局とする日本円金利指標に関する検討委員会が設立され、同委員会を中心に検討が進められてきております。この委員会の検討を基に、先般、LIBORに代わる金利指標の一つであるターム物リスクフリーレートの参考値が公表されたところでございます。
 金融庁といたしましても、LIBOR公表停止の問題は、LIBORを参照している既存契約の顧客との間での改定の問題、リスク管理、システムの変更など、金融機関の業務に広範に影響が及ぶことから、累次にわたり金融機関に対して注意喚起を行ってきております。また、日本銀行と共同でLIBOR参照契約の規模の調査を行うとともに、先般、主要な金融機関の対応状況を確認するための調査票、いわゆるディアCEOレターを発出したところでございます。
 金融庁といたしましては、二〇二一年末という時限を意識して、引き続き日本銀行及び市場関係者とも連携して、LIBOR公表停止に向けた取組が円滑に進むように対応してまいりたいと考えております。

#21
○中西健治君 これ、余り取り上げられていないんですけれども、大変大きな話でありまして、二〇二一年末ということで、もうあと一年半ということでありますので、是非細心の目配りをお願いしたいんですが、大臣、御所見をお伺いしたいと思います。

#22
○国務大臣(麻生太郎君) ロンドン・インターバンク・オファード・レートでしたっけ、略してLIBOR、ロンドンの銀行間の取引金利を決める話なんですけど、これがなくなると、これは銀行で債券をとか、デリバティブとかなんとかいうもの、これ、それが基ですから、それがなくなっちゃうということになると、これは銀行として何を基に金利決めるかという、最も基本的なソフトのインフラはこれかなと思うぐらい、国際金融の中ではこのLIBORというのはソフトのインフラとしては最もでかいものかなと僕はそう思っていますので。
 これちょっと、いろんな、いいかげんな話があったというのでこれが停止になった、それ自体は確かなんですけれども、これに代わるリライアブル、信用のあるものをつくり上げておかないとというので、まあ誰かがやるだろうぐらいに思っていたんだとは思いますけれども、何となく、まあコロナも重なりまして、なかなかそういった話になっていないのが現状ですから、その意味では、今の段階としてレター、レターというか、CEOに対してのあれを出しておりましたりしていますけれども。
 そういった話ですけれども、政策局長の方から話をしましたように、各銀行のトップ宛てにそういった、これに代わるものをちゃんとしておいてくださいよというお話を申し上げてはおりますけれども、何となく、すごく国際的な金融の取決めでもありますので、とてもうちなんかでと思っておられる方がほとんどのように見受けますけれども、これは、どこかでこれをやらないと、ある日突然に、できないまま流れ込んできたということになったら銀行の対応は非常に難しいことになりますので。
 そういった意味では、このCEOレター出させていただいておりますけど、これ、無用の混乱、そうですな、無用の混乱が起きるということがあり得ますので、きちんと日本の銀行の場合は、相対的に資本の内容もいいですし自己資本比率も極めていいことになっておりますので、ここがくちゃくちゃになるなんということにならないようにしておかないかぬと思って、今のうちから少なくともそういった意識だけは持っておいてもらわないかぬと思って、まずはウオーニングと、警告の段階でCEOのレターを発出させていただいたというところまではさせていただいております。

#23
○中西健治君 ありがとうございました。

#24
○那谷屋正義君 立憲・国民.新緑風会・社民の那谷屋正義でございます。
 今、中西委員の最初の方の御質問の中で、御質問というかお話の中で、いわゆるソーシャルディスタンスを一メートル空けていないとシンガポールでは罰せられるというお話がありましたけれども、この部屋は完全に罰せられる部屋の状態の中にあるけれども、やはり自由の国日本ということの中で質問ができることをある意味幸運ということを思いながら質問をさせていただきたいというふうに思います。
 なお、この法案は十四本もの法案の束ね法案ということであって、相当ないろいろとお聞きをしなきゃいけない部分がありますので、早速法案の質問に入りたいというふうに思います。
 まず、今回の法案名でありますけれども、金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るためというふうになっているわけでありますけれども、金融審議会ワーキング・グループの議論を見ますと、利用者の利便の向上、利用者の保護に加え、イノベーションの促進ともバランスを取ることが重要である旨の意見がございました。
 まず、最初に大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、金融サービスを取り巻く環境が変化していくことが確実視される中で、今後のこうした金融関係の法改正に際して、一つ目は利用者の利便の向上、二つ目は利用者の保護、三番目はイノベーションの促進、これらの三つについて仮に優先順位を付けるとしたら、大臣はどれを一番重要視されますか。

#25
○国務大臣(麻生太郎君) これは、那谷屋先生、なかなか一概には言えないので、利便も保護もイノベーションも、それはみんな、一つ欠けますとこの法案をやる意味がありませんし、今の時代、急激に国際金融の世界が変わり、かつそれにフィンテックと称する、ファイナンシャルテクノロジーでしたか、そのファイナンシャルテクノロジーの進歩に合わせると保護は大丈夫かという話になりますし、利便を言っていくと、それも便利になるけれども大丈夫かという話になりまして、これ、なかなかどれを優先順位を付けるというのは難しいので、バランスよくこれをみんなそこそこ目配り、気配り、いろいろ配慮をして、その三つバランスよくやっていかないかぬのだろうと思っております。

#26
○那谷屋正義君 もちろん、今大臣がお答えいただいたように三つの全てが重要なんだろうというふうに思いますけれども、イノベーションの促進が利用者利便の向上につながる。法によると、そういったことが、規制が利用者の保護につながるんだというふうに思うわけでありますけれども、規制を強くすれば利便性が今言われたように低下する。利用者の利便性と安心、安全というのはある意味相反するものです。非常に難しい課題ではあります。
 しかし、まずは、私どもは、利用者の保護が優先されるべきであるというふうに考えるわけであります。どんなに良い商品、サービスであっても、利用者の信頼が得られなければ、その購入につながらないわけであります。利用者の保護、安心、安全が最優先という視点に立って、順次質問をさせていただきたいと思います。
 まず、法律名が、今回、金融商品の販売等に関する法律の題名を金融サービスの提供に関する法律に改め、そして金融サービス仲介業を創設することとされているわけであります。金融商品販売法は、金融商品販売業者等に対して、顧客への説明義務や説明しなかったことによって損害が生じた場合の業者の損害賠償責任等を定めるなど、利用者の保護に重きを置いたものというふうに承知をしております。今回、法案の名前が変わりましたけれども、利用者保護の考え方に変化が生じないかを確認をしたいというふうに思います。

#27
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 本法案では、金融商品の販売等に関する法律の題名を金融サービスの提供に関する法律に改めることといたしております。これは、金融サービス仲介業の業務範囲にはローンや為替取引など必ずしも金融商品という語感にはなじまない金融サービスが含まれることから、より適切な用語を用いる形に改めるものとしたところでございます。
 このように法律の題名は変更となりますが、顧客に対する説明を怠った場合等における損害賠償責任等を定めることにより顧客の保護を図るという法律の目的規定に示された精神は変わるものではなく、これまで金融商品販売法に規制されていた内容、精神に実質的な変更をもたらすものではないと考えております。

#28
○那谷屋正義君 利用者保護に対する考え方に変化がないということを確認させていただきました。
 今回、新たな業である金融サービス仲介業の創設が必要であると判断した根拠、すなわち立法事実について金融庁にお伺いをいたします。

#29
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 既存の仲介業では、仲介を行おうとする分野ごとに登録、許可を受けること、また仲介先の金融機関に所属し、業務運営に関して指導を受けることが求められております。
 こうした中、事業者が複数業種にまたがって多数の金融機関が提供する金融サービスの仲介を行おうとする場合、仲介を行う分野ごとに登録等を受けたり、全ての所属先金融機関からそれぞれ指導を受けたりする必要があり、それらに対応するための負担が大きいとの指摘があったところでございます。
 実際、銀行、証券、保険、全ての分野の登録、許可を受けて金融サービスの提供を行う仲介業者は五者にとどまっており、利用者にとっては多種多様な金融サービスをワンストップで利用しづらい状況にあるのではないかと考えられるほか、インターネットを介した資産運用等のサービスに対するニーズも示されていたところであります。
 そうしたことも踏まえて、今回、この法律を提出いたしております。

#30
○那谷屋正義君 金融庁によれば、現行の仲介業数が、銀行代理業者が八十一者、金融商品仲介業者が八百八十六者、生命保険代理店が八万五千八百六十二者、損害保険代理店が十八万三百十九者でありまして、そのうち銀行、証券、保険の三つの分野のサービスを仲介できる業者数が五者というふうに聞いております。
 もう少し細かく確認をしたいと思いますけれども、それでは、銀行と証券を扱える業者、それから銀行、保険を扱える業者、証券、保険を扱える業者数はそれぞれ何者なのでしょうか。数のみ端的にお答えいただきたいと思います。

#31
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 銀行代理業者及び金融商品仲介業者を兼ねる者は平成二年三月末で六者でございまして、このうち五者は保険代理店も兼ねているということでございます。それから、保険代理店と銀行代理業者又は金融商品仲介業者を兼ねる者の数につきましては、この保険代理業者が非常に多いものでございますから、ちょっと今すぐに集計することはできないということを御理解賜ればと存じます。

#32
○那谷屋正義君 保険、生保かかわらず大変多くなっているのでその辺は分からないということでありましたけれども、いずれにしても、既に多くの仲介業者が存在するということだと思います。今回、金融サービス仲介業を創設するということではなくて、現在ある仲介業を一層活用する、あるいは活用しやすくする、そういう選択肢はなかったのでしょうか。
 既存の仲介業に加え、新たな金融サービス仲介業が加わりますと、競争が働くということで、先ほど出ました手数料が下がる、あるいは良い商品が設計されるなど、利用者にとってもメリットが生ずると思います。
 けれども、一方で、我が国は人口減少社会に突入しておりまして、社会全体の規模が縮小している中での新たな業の追加というものは競争による淘汰の始まりというふうにも考えられますけれども、金融庁の見解をお伺いします。

#33
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 既存の仲介業者あるいは新たに創設する金融サービス仲介業者といった様々なプレーヤーが創意工夫を凝らして互いに切磋琢磨する中で、顧客にとって魅力あるサービスの開発、提供が進むのではないかと考えております。
 こうしたサービスの中には、顧客に選択されるものも選択されないものも出てくることも想定をされますが、そうした試行錯誤が続けられることで、全体としては仲介サービスの質や魅力が高まり、より多くの利用者を呼び込むことにつながるのではないかというふうに期待をしているところでございます。

#34
○那谷屋正義君 さはさりながら、先ほど申し上げましたように人口減少社会ということの中で、どのぐらいなのかという、どのぐらい期待が持てるのかということについては今後また注視していかなきゃいけない話だと思います。
 金融サービス仲介業の登録の見込みについてお伺いをしたいと思います。これは要するに立法事実と同じようなことなんですけれども、これまで金融庁に寄せられた問合せの数や業界団体へのヒアリング等を基に、登録の見込みの数をお示しいただきたいというふうに思います。
 また、新規参入が多いというふうに考えられるのか、既存の仲介業の兼業が多いと考えられるのかということについても、分かればお示しいただきたいと思います。

#35
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 金融サービス仲介業については、多種多様な金融サービスをオンラインで提供しようとするフィンテック企業のほか、ビジネスの範囲を拡大しようと考える既存の仲介業者などの参入が想定されるところでございます。
 フィンテック企業がどれくらい新規参入してくるのか、あるいは既存の仲介業者がどれぐらい参入してくるか、正確に見通すということはもちろん困難ではございますけれども、フィンテック協会が会員企業に対して行った最近のアンケート結果によると、九十三社のフィンテック業者が参入を検討中であるというようなデータが示されております。

#36
○那谷屋正義君 九十三社という数字が多いのか少ないのかというのはありますけれども、いずれにしても、先ほど来から言われております利用者の保護というものについてしっかりと示していかなきゃいけない話でありますけれども、金融サービス仲介業者は特定の金融機関に所属をしないというのが先ほどお話ありました。
 サービスの提供に関して、利用者に損害が生じた場合には、原則として金融サービス仲介業者自らが賠償責任を負うことになるわけであります。金融サービス仲介業者に対しては、賠償資力の確保のために保証金の供託が義務付けられております。その額は政令で定めることとされておりますけれども、利用者保護の観点に十分御配慮いただきたいというふうに思いますが、政令でどのように定めるおつもりなのでしょうか。参考とする他業の例など、金融庁の見解を伺います。

#37
○政府参考人(中島淳一君) 今回創設する金融サービス仲介業者については、所属制を採用しないため、保証金の供託を義務付けてその賠償資力を確保し、顧客保護を図ることといたしております。この保証金の水準については、金融審議会で議論いただいたときには、一定の額をベースに、前事務年度に得た手数料等の一定割合を加えた額ということも示されております。
 なお、お尋ねのあった他業における保証金の例について、例えば保険仲立人については過去三年間に受領した手数料等の合計額、投資助言・代理業については五百万円といった例もございます。こうした他業の例も参考にしつつ、今後、具体的な金額について検討してまいりたいと考えております。

#38
○那谷屋正義君 いずれにしても、利用者保護の観点に十分御配慮いただいて、政令の方で定めていただきたいというふうに思います。
 そして、保証金のほかにも、衆議院で議論になっていますけれども、金融サービス仲介業者が取扱い可能な商品、サービスの範囲というものなど、制度の肝となる非常に重要な点がこれまた政令で定められることとなっております。後半で質疑をさせていただきます予定の資金移動業についても同じだというふうに思いますけれども、利用者や事業者などの国民や国会に対して十分な説明、分かりやすい説明をする必要があるというふうに思いますけれども、大臣の見解をお伺いします。

#39
○国務大臣(麻生太郎君) これは、那谷屋先生御指摘のとおり、新しいサービスが出てくることになるので、何社参入してくるか、既存の業者プラス新しく新規参入してくる人、それが何社してくるか、その人は多分、フィンテックと言われる部分に強い人たちが出てくる可能性が極めて大きいんだと思いますけれども。いずれも、そういった人たちがきちんと供託しておいてもらうという、何というの、保証、何か起きたときの保証、そういったものの額とか、また取扱い可能ないわゆる金融サービスというものの範囲というものにつきましては、これは政令で定めていかないかぬと思っておるんですけれども。
 この法案というものを踏まえまして、いろいろ措置をさせていただきます政令の内容等々については、これは当然のことながら委員会で御質疑をいただくことにしておりますし、衆議院の附帯決議の中でもその種のことが書かれておりますので、私どもとしてはその対応をしてまいりたいと思っております。

#40
○那谷屋正義君 新たに創設される金融サービス仲介業について、金融庁はいわゆる店舗型の対面での営業とオンラインでの営業のどちらが主となると想定をされておりますか。対面、オンライン、それぞれの営業形態の特性、長所、短所についてどう認識をされていますか。

#41
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 オンライン型、店舗型、どちらが主かということについては、もちろん今後の各事業者次第ということではございますけれども、今のところ、先ほどのフィンテック協会といったところでは、主にオンラインでの営業というところを考えているところが多いというふうに承知をいたしております。
 このオンライン型の特性としては、利用者が場所や時間に制限されず、取引したいタイミングでいつでもサービスの提供を受けることができることなどが挙げられると思います。
 また他方、店舗型の特性としては、利用者が担当者に直接相談し必要な情報やアドバイスを受けることにより、安心感を持って取引を行うことができるというようなことが挙げられるのではないかと考えております。
 これらの二類型はどちらが優れているというものではなく、各業者においてそれぞれの強みを生かしたビジネスが展開され、利用者の利便性の向上が図られることを期待しているところでございます。

#42
○那谷屋正義君 オンラインが主ではないかというようなお話だと思いますけれども、顧客に対する説明の方法とか顧客の理解度に違いが出ると思われます。
 金融庁の指導監督の方針にも変化が当然そこでは必要だというふうに思うわけであります。特に指導監督において、この営業形態が対面かオンラインかということでどのような違いを設けるべきと考えているか、確認をしたいと思います。

#43
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 まさに委員御指摘のとおり、仲介業者の営業形態が対面であるのかオンラインであるのかによりまして、お客様に対する商品、サービス内容の説明方法、あるいは顧客情報の取扱いに関する本人同意の取得方法などに違いが生じてくるというふうに考えております。
 この法律では、仲介業者に対しましては、仲介業務に係る重要事項の顧客への説明、取得した顧客情報の適正な取扱い、その他の措置を講じることを義務付けておりますけれども、こうした規制の執行に当たりましては、既存の仲介業者に対する監督体制も参考にしながら、営業形態の違いに応じて必要となってまいりますお客様への説明体制、顧客情報の管理体制などが確保されますように、その営業形態に応じてしっかりと監督をしてまいりたいというふうに考えてございます。

#44
○那谷屋正義君 私の年代の代表者として、私が私の世代はみんなこうだと言うことはおこがましい話ではありますけれども、オンラインで様々なことをやるというときに、物すごくやはり、ある種の何というのかな、怖いというか抵抗感というか、そして、しかも、そういったものを見てみたときに、多くの中にその規約というのがあるんですね。この規約というのをちょっと見てみると、物すごい細かい字でどわっと何ページにもわたってある。それで同意しますかと、こう来るわけですよ。こんなもの読んで同意する人なんて本当にいるのかなというぐらい。
 ところが、いろいろと金融庁の皆さんとお話ししていると、若者には物すごいこれがニーズが高いというような話もあって、本当にその辺大丈夫なのかなということがありますので、是非この対面かオンラインかという部分について、私なんかはやっぱりこういったものを、新たなものを手掛けようとするときには対面の方が本当は安心できるかなと、それでもまだ落ち度が出てくる可能性もあるわけですけれども、いずれにしても、そこら辺を今後しっかりと指導監督していただきたいというふうに思います。
 金融サービス仲介業者が兼業を行うということは可能である、顧客に関する情報をその同意を得て第三者に提供することも可能であることは、これは衆議院の答弁から確認ができているわけでありますが、この場合、極端な話、顧客情報の提供だけで収益を上げるような業者が出てくる可能性がないとも限りません。
 例えば、仲介業の収益よりも情報の提供による収益の方が多いような業者は今回の改正の趣旨とは異なるというふうに思われるわけでありますけれども、顧客情報の提供に特化した業者について金融庁はどう対応するおつもりでしょうか。

#45
○政府参考人(中島淳一君) この金融サービス仲介業者については、銀行や保険会社とは異なり、あくまで仲介のみを行う業者であり、業務範囲を過度に制限する必要性に乏しいことから、公益に反する事業を除いて広く兼業を行うことを可能といたしております。
 したがって、御指摘のように、顧客情報を第三者に提供する事業の併営を行い、その事業の規模が仲介業務の規模より大きい金融サービス仲介業者が現れるということも否定はできないところでございます。
 もちろん、金融庁としては、金融サービス仲介業務において利用者利便に資するような魅力的なサービスが提供されることを期待しているところではございますけれども、いずれにしても、この仲介業者においては、仲介業務を通じて取得した顧客情報について、個人情報保護法や金融分野ガイドライン等の規定に従った適切な取扱いを求めていきたいというふうに考えております。

#46
○那谷屋正義君 今回の法改正によって、金融サービス仲介業者が取得する顧客の情報は非常に広範にわたるわけであります。顧客自身も第三者全てへの情報提供に抵抗がある場合があるというふうに思います。
 例えば、顧客が仲介業者に対して証券分野については興味がないのでその分野に対する情報の提供はやめてほしいというようなお願いをした場合に、それがしっかりと守られる体制にすべきというふうに考えます。顧客が同意の内容を十分に理解するとともに、業者が顧客の真意を十分に理解することが必要だというふうに思いますけれども、金融庁の見解をお示し願いたいと思います。

#47
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 先ほども申し上げましたとおり、金融サービス仲介業者による顧客の個人情報の取扱いについては、個人情報保護法や金融分野ガイドラインに基づいて個人情報の利用目的を特定すること、個人情報の提供に際して本人の同意を得ること、目的外利用をしないことなどが求められております。
 また、金融サービス仲介業者には、既存の仲介業者に対する規制を参考に、業務を通じて取得した顧客の非公開の情報について顧客の同意を得ることなく利用や授受を行うことを禁止するなど、顧客情報の適正な取扱いを義務付けるということを予定しております。
 顧客に金融サービスの提案や商品説明が行われる場合には、こうした情報の取扱いに関する規定に従った上で、顧客一人一人に適した方法で行われることが重要であります。
 このため、金融サービス仲介業者には、投資商品については顧客の知識、経験、財産の状況及び投資の目的に照らして不適当と認められる勧誘を行わないことなども義務付けることといたしております。

#48
○那谷屋正義君 よろしくお願いしたいというふうに思います。
 次に、資金移動業についてお伺いします。
 今回の改正では、現行の枠組みを第二種資金移動業として維持した上で、高額の送金を取り扱うことができる第一種資金移動業、少額の送金を取り扱う第三種資金移動業を創設し、全部で三つの類型ができることとなっております。今回、第一種資金移動業、第三種資金移動業の創設が必要だと判断された理由は何でしょうか。

#49
○政府参考人(中島淳一君) ただいまの御質問にありましたとおり、本法案では、送金額に応じて資金移動業を三類型に区分するということにいたしております。既存の資金移動業者やその利用者に与える影響を考慮して、まずは、基本的に現行の規制を維持する第二類型を残しつつ、これまで資金移動業者による取扱いが認められていなかった百万円超の金融ニーズ、これ、具体的には、例えば海外送金あるいは高額商品の購入時に必要となる送金に対するニーズというものがありましたため、第一種資金移動業、高額類型を創設をいたしております。
 また、現状において幅広く利用されている数万円程度、数千円程度の少額送金について、より低コストで利便性の高いサービス提供が可能となる環境を整備するために少額の第三種資金移動業を創設するというものでございます。

#50
○那谷屋正義君 送金の上限額、こういったもので一応分けているということでありますけれども、第三種資金移動業の送金上限額については、特に少額として政令で定める額というふうにされているわけであります。資金移動業者の送金額の実態を見ると、上限額を一万円未満とすれば約七割を、五万円未満とすれば九割をカバーできることというふうになります。
 金融審議会のワーキング・グループでもこのような水準で議論されていたというふうに承知をされておりますが、金融庁は第三種資金移動業の送金上限額をどのように想定をされているのでしょうか。

#51
○政府参考人(中島淳一君) 第三種資金移動業、少額の類型でございますけれども、これにおいては、利用者の資金について供託などの既存の保全方法に代えて分別した預金で管理することを可能とすることで、より低コストで利便性の高い送金サービスの提供が可能となるような環境整備を考えております。
 この少額類型における送金額の上限については、ただいま御指摘にありました金融審議会においては、公共料金や宿泊料金等の支払に利用されることも想定し、利用者利便を損なわないためにも五万円以下としてはどうかといった意見もあったところでございます。
 こうしたことも参考に、利用者利便と利用者保護のバランスに配慮して検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

#52
○那谷屋正義君 ほぼほぼ五万円というふうな形になるかと思いますが、しかし、少額といっても、少額の感じ方は人それぞれであります。また、時代の流れとともに少額の考え方というのも変わってくるというふうに思います。
 上限額を政令で定めた後も利用者のニーズや利用実態等について引き続き調査検討などを行い、適時適切に見直しをしていく必要があるというふうに思いますけれども、金融庁の見解をお伺いします。

#53
○政府参考人(中島淳一君) まさに議員御指摘のとおり、金融庁といたしましても、少額類型の利用実態など、この法律の施行状況を注視しつつ、利用者利便の向上や利用者保護の観点から必要があると認められる場合には、上限額の見直しを含めて適切な対応を検討してまいりたいというふうに考えております。

#54
○那谷屋正義君 今回の改正によって、第三種資金移動業者に対しては、利用者の資金について供託等の従来の保全方式に代えて自己の財産と分別した預貯金等で管理することが認められているわけであります。
 まず、預貯金等による管理を認めることとした理由について御説明をいただき、また、「預貯金等」の「等」には何が含まれるのか、金融庁に確認をいたします。

#55
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 現行の規制においては、資金移動業者は、利用者の資金について入出金に時間を要する供託や信託での保全が求められており、実際に送金を行う際には別途資金を調達する必要があるという状況になっております。
 このため、本法案では、相対的にリスクが低いと考えられる第三種資金移動業に限り、利用者の資金について供託などの既存の保全方法に代えて入出金が容易な分別した預貯金等で管理することを認めることといたしております。これにより資金移動業者の資金繰り負担が軽減され、より低コストで利便性の高い送金サービスの提供につながるというふうに考えております。
 なお、「預貯金等」の「等」につきましては、預貯金と同様に元本補填のある金銭信託を想定いたしております。

#56
○那谷屋正義君 なお、第一種資金移動業については保全額を営業日ごとに算定するというふうになっておりますけれども、その供託期限について、一週間以内で内閣府令で定める期間内において業者が定める期間内というふうにされておりますが、具体的には何日以内の供託を金融庁は想定しているのでしょうか。金融審議会のワーキング・グループ報告書では、外国為替証拠金取引業者、FX業者に対して現在二営業日以内に信託することを求めていることから、同水準の対応を求めることが最低限必要であるとの考え方が示されておりますけれども、その方向性なのでしょうか。

#57
○政府参考人(中島淳一君) 現行の規制におきましては、資金移動業者が保全すべき額を算定した日から実際に供託などの保全を行うまでの期限は一週間以内とされております。本法案では、利用者保護の観点から、こうしたタイムラグをできる限り短期化することといたしております。
 具体的な期限につきましては今後内閣府令で定めることとなりますけれども、第一種資金移動業、高額類型については、破綻した場合の社会的な影響の大きさなどを踏まえ、他の金融規制で最も厳しいFX業者の例を参考に、二営業日以内とすることを想定しております。また、第二種、第三種については、今後実務の状況を踏まえる必要がございますが、基本的には、今般の見直しの趣旨を踏まえ、現行の一週間以内よりも短期化できる余地があるのではないかという観点から検討してまいりたいと考えております。

#58
○那谷屋正義君 今、第二種、三種についてのお話ありましたけれども、短期間でということですけれども、具体的には大体何日以内というふうに求める予定でしょうか。

#59
○政府参考人(中島淳一君) ただいま申し上げましたとおり、一週間以内という中で具体的に何日にするかということについては、実務の状況を見ながら検討してまいりたいということで、今ここで具体的な数字を挙げることについてはなかなか難しいということを御理解いただければと思います。

#60
○那谷屋正義君 今難しいということですけれども、そのことによってタイムラグというのが起きるわけですけれども、そのタイムラグに起因する保全額の不足というのが利用者保護の点からは課題になるわけであります。また、保全額が過剰となれば事業者の負担になります。可能な限り改善することが利用者、事業者双方にとって求められるわけでありますけれども、現行の一週間からの短縮がどこまで可能なのか、業者が現実的に対応可能な算定頻度、供託期限を金融庁が見極める必要があるのではないかというふうに思いますが、再度金融庁の見解を求めます。

#61
○政府参考人(中島淳一君) まさに議員御指摘のとおりでありまして、金融庁としても、利用者あるいは事業者双方の観点からも、こうしたタイムラグを実務上可能な限り短期化する方向で検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

#62
○那谷屋正義君 預貯金等による管理によって業者の資金繰り負担の軽減を図ることで、利用者には低コストでのサービス提供を受けることが可能になるメリットもあります。一方で、この預貯金等による管理では必ずしも倒産隔離が効かないため、業者が破綻した際には利用者が十分な資金の還付を受けられない場合というのも想定できます。この点、金融庁はどのような考えをお持ちでしょうか。

#63
○政府参考人(中島淳一君) この第三種資金移動業では、利用者の資金について既存の保全方法に代えて分別した預金で管理するということも認めることといたしております。
 他方で、利用者保護ということも非常に重要であることでございますので、預金による管理の状況や財務書類についての外部監査を新たに義務付け、モニタリングを強化をいたします。
 また、利用者一人当たりの受入額も少額に限定することで、個々の利用者が仮に被る場合の影響を限定するということなどの対応も同時に講じることといたしております。
 金融庁といたしましては、こうした枠組みの下、資金移動業者が利用者の資金を適切に管理し、業務を適正に遂行していくようモニタリングをしてまいりたいというふうに考えております。

#64
○那谷屋正義君 預貯金等による管理は少額類型にのみ認められるものでありますけれども、一件一件が少額であっても、顧客数が多ければ事業者が取り扱う金額は総じて大きくなるわけでありまして、破綻時の影響も大きくなるというふうに思います。利用者保護を第一に考えて、今お話をされたような、適切に指導監督していくべきだということを申し上げておきたいというふうに思います。
 今回の改正では、いわゆる収納代行のうち、割り勘アプリのように実質的に個人間送金を行う行為が資金移動業の規制対象であることを明確化することとしております。この割り勘アプリについては、現在業者が存在しないというふうに聞いております。
 こうした中で、今回の改正で措置する理由は一体何なのか教えていただきたいというふうに思います。その際、今後、割り勘アプリ業者が増加するということを見込んでなのか、それとも別の事業を行う者を想定しているのか、そういったことを含んでお答えいただきたいと思います。

#65
○政府参考人(中島淳一君) 本法案では、サービスの機能や実態に着目し、収納代行のうち、債権者である受取人の保護を図ることが必要と判断されるものについて、資金移動業の規制対象となることを明確化することとしております。
 割り勘アプリについては、収納代行の形式を取りつつも、サービス提供者は利用者から別の利用者への資金のやり取りに介在しているという点で送金事業者と同様の機能を有していること、また、一般消費者である債権者、債務者双方がサービス提供者に対して信用リスクを抱えるおそれがあり、利用者保護の必要性が高いと考えられることから、今般、規制対象となることを明確化しております。
 御指摘のとおり、こうした金融庁の方針も踏まえまして、現時点で割り勘アプリを無登録で行っているという事業者は存在していないというふうに認識をしております。
 ただ、この法律でこうしたことを規定することにより、今後このような類似のサービスをする場合には登録が必要であるということを明確化し、今後、利用者保護を踏まえて適切なサービスが提供されるということを期待をいたしております。

#66
○那谷屋正義君 今後、これが、割り勘アプリの業者が増えるということとか、そういうことではなくて、こういった規制の下にそういった、きちっとした割り勘アプリ業者がもし出てくるのであればそういったことに期待したいと、こういうことですね。はい。
 割り勘アプリもここ数年で現れたサービスなわけであります。収納代行サービスについては引き続き実態の把握に努め、新たなサービスが出てきた際にも対応できるよう、利用者保護の観点から制度の在り方を検討することが必要だというふうに考えますけれども、金融庁の考えをお聞かせいただきたいと思います。

#67
○政府参考人(中島淳一君) 今般の制度整備に当たっては、現時点で把握できている収納代行の形式を取ったサービスを念頭に規制の適用の必要性について検討を行ってまいりましたが、技術の進展や事業者の創意工夫により、今後、収納代行の形式を取った新たなサービスが提供される可能性もあるというふうに認識をしております。
 現時点で割り勘アプリ以外の収納代行で規制対象とすべきと考えているサービスがあるわけではございませんが、金融庁としては、今後とも、収納代行をめぐる動向を注視しつつ、それぞれのサービスの機能や実態を踏まえ、規制の要否を適切に判断してまいりたいというふうに考えております。

#68
○那谷屋正義君 ここまで、金融サービス仲介業、そして決済法制、資金移動業について懸念される部分について概略的にお聞きをしたわけでありますけれども、今回の改正による金融サービス仲介業や資金移動業の三類型の枠組みについて、麻生大臣は率直に、何年間このまま改正することなく継続できるというふうに思われているのか。利用者サイドではニーズの変化やリテラシーの向上、事業者サイドでは技術の進展など、金融を取り巻く環境の変化は著しいというふうに思います。私なんかとても付いていけないので、本当に、元々この法案ってどうして必要なのかなというのは分からなかったんですけれども、引き続き金融審議会等での検討を続け、適切なタイミングで見直しの措置を講ずることが必要だというふうに思われますけれども、大臣の所見を伺います。

#69
○国務大臣(麻生太郎君) 今御質問の中で割り勘アプリの話がありましたけど、これは確かペイモといったかな、そういった会社がありまして、三、四年前から商売を、こういうのをやっていたんですけれども、去年だったな、これはやめています。そういった意味で、今割り勘アプリやっている会社はないんですけど、また出てこないという保証はありませんし、いろんな意味で、このテクノロジーというか技術の進歩というのは物すごい勢いで増えてきて、何となくこういうキーボードをたたかなくても音声入力でできるとか、しかもそれが、最近の音声入力はすごい進んでいまして、あのオオシマの日本語でもちゃんと入るようになったんです。大変なものなんですよ、技術の進歩は。本当にあの日本語でおまえ通じるのかといって、ちゃんとあれ用にでき上がっておる。筑豊弁でも入るようになった。これ、すごい進歩ですよ。こんなもの出てくると、これ多分、那谷屋先生、我々のレベルでもやれるような時代が多分出て今きつつあるんだと。音声で全部できますから、書かなくてもいい。音声入力だけで、返事も全部音声で返ってきますから。
 そういったようなことになってきますんで、今御指摘のように、このシステムというか、この規制だけでどれだけもつのかと言われても、ちょっと技術の進歩がとてもじゃないという話になってきていると思いますので、サービス業自体には、今こういったものに入ってこようという業者、新規の業者の意欲はそれなりに旺盛だと聞いておりますので、七十社とか八十社とかいっていますからそれなりになるんだと思いますけれども、これでうまいこと事業者間同士のサービス競争なりが起きて、そういったもので切磋琢磨、お互いの競争が結果としてそういったもののサービスを向上させることにもなっていくし、さらに、いろんな我々の想像できないような多種多様なサービスというのが出てくるんだということを期待しておりますけれども。
 その上で、やっぱり今回のコロナのおかげで、少なくとも対面販売とかそういったようなことが避けた方がええということになった時代には、これはたまたまですけど、これはたまたまこれが偶然にこの新しいシステムというかサービスというのは適応しているんだとは思いますけれども、これを多分さらにいろんな意味で予見し得る範囲、私どもで出させていただいておりますけど、これ常に見直していかないと、もうそんな時代じゃないとかいろんな話になるんだと思いますので、私どもとしては、制度面で更に見直す必要があるんじゃないかということになった場合には、これはもう我々としては適切に、その時代に合わせた、その技術に見合ったようなものにして、保護かつ利便というものをやっていかないかぬだろうと思っておりますんで、どれくらいもつかと言われても、ちょっとその時間的な観念をちょっと今の段階で申し上げることはできないと思っております。

#70
○那谷屋正義君 具体的な数字をお述べいただくことはできないんだろうというふうには思っておったわけでありますけれども、いずれにしても、どの時代になっても、私が思うのはやはりユーザーの方の安全性。利便性ももちろん大事なんですけれども、安全性というものがなければ全てのなりわいが成り立たないのではないかというふうに思うので、その観点から見直していただきたいというふうに思います。
 金融サービスが高度化、多様化しているということから、金融機関等におけるセキュリティー向上を図るためのシステム開発、導入が求められております。
 金融庁は、金融機関におけるセキュリティー対策の動きというものをどのように見ているのでしょうか。そして、今後どのように支えていくおつもりなのでしょうか。

#71
○政府参考人(森田宗男君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、金融機関が顧客に安定的な金融サービスを提供する上で、セキュリティーの確保は極めて重要であるというふうに認識しております。
 こうした考えの下、金融庁といたしましては、これまで金融機関のシステムリスクやサイバーセキュリティー等に関するモニタリング等を通じて、各金融機関に対してセキュリティー対策の確保を促してきているところでございます。
 各金融機関におきましては、総じてセキュリティーの重要性を認識し、必要な対応をしてきていると認識しておりますけれども、セキュリティー脅威の高まりやデジタライゼーションの進展など最近の情勢を踏まえれば、規模、特性に応じた高度化を図っていく余地があるというふうに考えてございます。
 今後、IT技術の利活用等により、手続の簡素化や金融サービスの電子化など、利用者の利便性向上に取り組んでいくことは重要と考えておりますけれども、その前提といたしまして、セキュリティーの確保はますます重要な課題となってきているというふうに考えます。
 金融庁といたしましては、引き続き、金融機関のセキュリティー対策の強化に取り組んでまいりたいと思っております。

#72
○那谷屋正義君 また、金融機関によっては、例えば店頭での口座開設でも印鑑を不要とした事例もあるようであります。
 今まで利用者保護という観点でずっと質問させていただいておきながら次の質問をするのもあれなんですけれども、セキュリティーを高めながらも手続の簡素化や電子化を進める必要があるというふうに思いますけれども、金融庁の見解をお伺いします。

#73
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今ほど森田の方から御答弁申し上げましたけれども、いわゆるITの技術が進化する、それにハッキング等々ITに割り込んでくる技術等々も更に進化する、そういったような状況にありますので、いわゆる利便性は高くなるけどセキュリティー大丈夫かというのは、これ物すごく大事なところなんだと思っております。
 例えば、昔、そうですね、アメリカの国債というのはちゃんと紙があったもんですけど、今は紙なんか全くありませんから、あれ、デリート一枚押されたらぱっと消えちゃうというぐらい、物すごく寸時で国債は消えますから。そういったような技術で絶対ハッキングされないということになっていますけれども、そう信じて皆アメリカの国債というのを、各国、ドル決済しておられる国々は皆するんです、何十億ドルとか、もっとおられるんだとは思いますけれども。
 いわゆるサービスの利便性と安全性というのは、これもう間違いなくバランスを確保することが極めて重要なんだと思っておりますので、電子化とか、何ですかね、最近の言葉で言えば、片仮名で言えばデジタライゼーションとかいろんな言葉がありますけれども、そういったものに対しまして、この安全という点は、これは最も利用者保護という意味においては最も大事なところで、お客というか、ためた年金があっという間に間違えてなくなっちゃうということになりかねぬので、自分で捺印押すこともなくぱっというようなことになる。そういったような時代になってきていますので、それは便利は便利だし、銀行まで行かなくていいし、自宅でもできるし、いろんな意味で、音声で入力もできるしというようなもので、セキュリティーの技術も更に進歩していくとは思いますけれども、同時にそれを上回るハッキングの技術もまたというようなことも十分に考えながら、我々としては利用者の保護と利便性の向上というものに対して両方よく目配りをしておかないかぬところだと思いますけれども。
 何となく、昔と違って今は個人金融資産が一千九百六十兆というもうとてもじゃない膨大な数になっておりまして、今対外純資産も世界一というような状況が続いておりますので、こういったもの一発で一つひっくり返るなんということになりかねぬというんで、それを国全体でやろうなんという不届きな人たちが出てこないなんという保証はありませんから、そういった意味では、いろんなことを考えて、万全を期して、さらにこの種の話を、常に新しい技術等々に対して目配りをしておかねばならぬものだと思っております。

#74
○那谷屋正義君 どっちかというとアナログを大事にする我々、我々というか、今大臣も言われましたけれども、この世代が、デジタル化あるいはこのオンライン、そういったものでいろんなものが進められていくということに対して、ある種の抵抗感を感じながらも、しかし、それに乗り遅れていては生きていく上で対応できないということは非常に大事なんですけれども。
 今のセキュリティーの話でいえば、定額給付金の受付を始めたときに、新宿の方でオンラインでやったところ、これは早く欲しいからオンラインでやったわけですけれども、この情報がだだ漏れだったということで、これをいきなりもうストップしちゃった、ますます混乱をしたということがあります。
 また、一昨日辺りのニュースを見ていますと、新聞を見ていますと、マイナンバーと銀行の口座をリンクさせるようなそんな法案も今考えているというような、そんな情報も流れておりますけれども、マイナンバーそのものがまだ国民の支持率が得られていないというふうなことの中で、非常に難しい話だというふうに思いますけれども。
 いずれにしても、頼るべきは、やっぱり国民の頼るべきは、そこのところのセキュリティーについては政府なんだというふうに思うんですね。政府がそこのところをしっかりやってくれるということであればマイナンバーももっと普及していく可能性もあるだろうし、今のような定額給付金の問題も起きなくなるんだろうというふうに思うわけでありますので、今後ともこの部分についてしっかりと指導監督含めてやっていっていただきたいということをお願い申し上げたいと思いますけれども、再度見解をお願いしたいと思います。大臣からの見解をお願いしたいと思います。

#75
○国務大臣(麻生太郎君) このセキュリティーと利便性、マイナンバーというようなものを見ましても、今ちょうど過渡期にあるんだと思いますけれども、このマイナンバー、最初にやらせていただきましたのは総務大臣していましたときですから十数年前にこれをやらせていただいて、こんなものを利用する人がいるのかと当時総務省の人に言った記憶があるんですけれども、以来全然普及しませんでした。見さらせと思って、あのとき、そのときに言ったんですけれども。
 今回、マイナンバーだと早いというので、十万円受け取るような話が今度あったときにはマイナンバーの方が早くということになった途端に、今度は、今一日八万件とか六万件、今総務省の話ですけれども、応募している人がそれぐらいいて、その応募の対応が間に合わないぐらいの話になるほど今、利便が上がるとなった場合はそれと、昔はあんなものを持ったって何に使えるんだと、免許証の代わりぐらいにしかならないじゃないか、身分証明書の代わりかというような話だったものが、今、こういったものが出てくると、これによって保険もできる、何も下りるというようなことになってくると、このマイナンバーというのを持っていれば、これ一枚あれば何ということありませんからというので、何でもこれが使えますということになると出てくる。
 そういったもののあれを対応できる、役所がそういうレベルになっているかといえば、全然なっている、地域間、千七百六十市町村ありますので、幾つもの差があるんだと思いますし、窓口のレベルも随分個々によって違うと思いますので、そういったのがばらばらになっている。
 そうすると、京都だったかな、あれはたしか紙のあれもマイナンバーも差ができるからというんで、マイナンバーの人も紙の人も両方一緒に扱おうと。何でですかと言ったら、届く日にちを一緒にしたいと言って、したんだよね、たしか京都は。それが進んでいるやり方なのか民主的なのか、どういうやり方なのか意味が分からぬと思って聞いていましたけど、そういう話もあるわという話を、総務省でしたけど、だからたしか京都だったと思いますけど、そういった話が出ていますので。
 今ちょうど過渡期であるんだとは思いますけれども、そういったものを利用するはいいけど、言われたように、混乱をするという状況は、それは何のために持っているんだか意味が分からないことになりますので、そういった意味では、そういったようなことが起きないように、慣れるための時間も要るとは思いますけれども、加えて、慣れたらこれ慣れたで、今度セキュリティーという点は慣れがゆえに生じるという点も考えにゃいかぬ、いろんなことを考えて、おっしゃるような点は十分に注意を払いながら進めていかねばならぬと思っております。

#76
○那谷屋正義君 来週、第二次補正予算が国会に提出され、審議をされる予定になっておりますけれども、その中にも給付金等々の手続を要するものがございます。できるだけ簡素に、そして、しかも安全にということを期待をしたいというふうに思います。これまではちょっとやはりまだまだ十分行き届いていないというふうな評価をするしかない状況でありますので、そのことをお願いをいたしまして、私の質問、終わりたいと思います。

#77
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。よろしくお願いいたします。
 本日は、金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律案の審議ということですけれども、大きく二つの法整備から成っているというふうに思います。一つが新しい金融サービス仲介業の創設であり、そしてもう一つが決済法制としての資金移動業の規制の見直しだと思います。
 今回の法案提出の経緯としては、平成二十九年の十一月に麻生大臣が金融審議会に諮問をしたのが出発というふうに伺っております。この審議会に金融制度スタディ・グループが設置をされまして、令和元年九月にこのスタディ・グループが決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループというふうに改組をされております。そして、昨年十二月にこのワーキング・グループで報告が公表されて、今回の法改正につながってきているというふうに思います。
 このワーキング・グループでの議論をしていた頃はもちろん新型コロナウイルス感染症の影響はなかったわけですけれども、今回の法改正の内容を見てみますと、デジタル化であったり、オンライン化ということで、コロナ後の新しい生活様式に対応するような内容になっているというふうに思います。
 後付けのような話かもしれませんけれども、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、その上で、本法律案の意義あるいは期待される効果などについて、大臣の御所見を賜ればと思います。

#78
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今先生御指摘のとおり、これは先ほど那谷屋先生の質問にも出ていましたけれども、人といわゆる面談、面接等々をしないで例えばいろんなものがやれるという話が、通信技術の進歩によって利便性が高まる、高齢化してきてそこまで歩いていくのができない人が自宅で検診が受けられる等々、いろんな技術の話等々が今全体として流れている中で、この話も通信技術というものの進歩によって、利用される方々の要請に基づいて、保険とか証券とか銀行とか、そういったような全てのそういった業種の分野を一つの窓口、ワンストップでやれますというのは、これはえらく便利な話になりますので、そういったサービスをやりますとか、現金を何十万とか持って歩くというような話ではなくて、これ間違いなく、まあスマホ、まあ認証番号や何かを入れておきさえすればまずは安全というようなものであるというような利便性が高くなるというのを可能にするというのを目指すものだったんですが。
 たまたま、今御存じのように、コロナウイルスというものの拡大のおかげで、いわゆる金融サービスのオンライン化とか、よく通産省がやっていたキャッシュレスの話とか、ああいったようなものにも受けて、環境整備等々にも資するということだと思いますので、コロナ後と言われる世界でも、非対面とか非接触ですかね、そういった経済活動を支えるという観点からも、これはたまさか時宜を得たものであって、別に金融庁が先見性があったなんていうことは全くないです、これは。むしろ遅いぐらいでやっているぐらいなんだと思っていますけれども、たまたまこのコロナという時宜を得た形になりましたものですから、ざっと今、事が進みつつあるとは思っておりますけれども、先ほど那谷屋先生の話にもありましたように、これは便利だから便利だからといった場合には必ず落とし穴も同時に考えておかないかぬ、引っかかったとかいうことになりかねませんので。
 私どもは、法改正を通じまして、これは、多種多様なサービスが提供されるのはすごくいいことですし、それからえらく便利になって簡単に、何というか、何回も書かされた上に判こを何枚もというようなこともなくなったりなんかするとかいうような話は確かにいい話の面もありますけれども、同時に危険性もあるぜという点は間違いないです。そういう点は考えておかにゃいかぬところだと思いますので、十分にそういう点も配慮しながらこれを進めさせていただければと思っております。

#79
○熊野正士君 大臣、ありがとうございます。
 では、法案の具体的な中身について質問させていただきたいと思います。
 まず、金融サービス仲介業について伺います。
 現行制度では、銀行、証券、保険と複数の業種にまたがる仲介をそもそも念頭に置いていなかったというふうにされております。その結果、事業者にとって負担が大きいといった指摘があるようです。
 そこで伺いたいと思いますけれども、現行の金融サービス仲介業における課題について、事業者の目線とそれから利用者の目線と、それぞれの立場で、目線でどういったことが挙げられるのかについて御説明お願いしたいと思います。

#80
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 既存の仲介業では、仲介を行おうとする分野ごとに登録、許可を受ける必要があり、銀行、証券会社、保険会社といった仲介先の金融機関に所属し、業務運営に関して指導を受けるということになっております。
 こうした既存の枠組みは、例えば保険分野といった限られた範囲内の金融サービスを仲介することを念頭に置けば、顧客保護上、有効に機能しているというふうに考えております。
 一方で、事業者の立場に立って考えますと、複数業種にまたがって多数の金融機関が提供する金融サービスの仲介を行おうとする場合には、仲介を行う分野ごとに登録、許可を受けたり、全ての所属先金融機関からそれぞれ指導を受けたりする必要があり、それらに対応するための仲介業者の負担が大きいという指摘がなされております。
 一方で、利用者にとっては多種多様な金融サービスをワンストップで利用しづらい状況にあるのではないかと考えております。

#81
○熊野正士君 ありがとうございます。
 今、現行制度における課題を、事業者の負担であるとか、あるいは利用者の利便性というふうな観点からお示しをいただきました。
 本法律案の名称が、先ほど申し上げましたけれども、金融サービスの利用者の利便性の向上と、利用者の利便性の向上というふうに付けられております。
 今おっしゃっていただいた、利用者の目線から見た現行の金融サービス仲介業の課題を踏まえて、新しく創設される金融サービス仲介業におけるその利用者の利便性がどのように向上するのかについて、具体的にお教えいただければと思います。

#82
○政府参考人(中島淳一君) 金融サービス仲介業については、一つの登録で銀行、証券、保険、全ての分野の金融サービスの仲介を行うことができ、また、複数の金融機関と連携、協働しやすいよう特定の金融機関への所属を求めないということとしております。
 これによりまして多種多様な金融サービスのワンストップでの提供が進むことにより、利用者が自身の資産状況やライフプランに応じて自らに最も適した金融商品・サービスを選択しやすくなるのではないか、また、事業者が負担する規制コストが低減することにより、それが利用者へ還元するということが期待されております。
 こうしたことを通じまして、利用者の便益の向上が期待できるというふうに考えております。

#83
○熊野正士君 ありがとうございます。
 新たな金融サービス仲介業が創設されることでオンラインで金融サービス情報にワンストップでアクセス可能ということで、今の御説明だったというふうに思います。
 ワーキング・グループの報告書を見ますと、先ほどおっしゃっていただいたように、「サービスを通じて把握した利用者の資金ニーズや資産状況を基に、利用可能な融資の紹介や、個人のライフプランに適した金融サービスの比較・推奨等を行う」と、このように記されております。
 金融サービスに関する情報を手に入れやすいという環境になると思います。どちらかといえば、日本はこういう金融リテラシーというものが余り教育の場でもなされていないようなふうにも私自身は感じておりますが、金融庁では、この人生百年時代を見据えて、いわゆる貯蓄から例えば資産形成へといった大きな政策目標もあると思いますけれども、そういった意味でいうと、こういった新しい金融仲介サービス業がつくられることによって、より多くの国民、特に若い世代の方々に対して、金融庁が推進しているつみたてNISAであるとか、そういった資産形成に資するような商品の紹介とか比較等を通して資産形成の必要性というものがある意味理解しやすくなるのではないかなというふうにも思ったりしております。
 そういった観点から、この新しい金融サービス仲介業創設における、ある意味この金融リテラシーの向上にも資するようなものにすべきではないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#84
○政府参考人(中島淳一君) まさに今御質問にありましたように、この金融サービス仲介業を通じまして金融リテラシーの向上が図れるということになるということは、非常に我々としても期待をしたいというふうに考えております。
 現在、金融庁では、今後の経済の持続的な成長や高齢化の進展等を視野に、現預金等を中心とする資産運用からバランスの取れたポートフォリオへと転換を促していくことを通じ、家計の安定的な資産形成を促進することが重要な課題というふうに認識をしております。
 これまでも、NISA制度の導入、普及促進などの施策を推進しておりますけれども、この金融サービス仲介業の創設により、多種多様な金融サービスのワンストップでの提供が進み、まさに若い世代を中心とする利用者の裾野が広がり、さらに、利用者がつみたてNISAを含め、より多様な選択肢の中から自らに最も適した金融サービスを選択しやすくなるということが想定され、家計の安定的な資産形成の促進に資するということを期待しております。

#85
○熊野正士君 ありがとうございます。
 全く新しい業態が誕生する中で、今まで御説明いただいたように、利便性の向上ということですけれども、一方で、先ほど来議論されておりますが、利用者保護の観点も大事になってくるというふうに思います。
 この報告書、ワーキング・グループの報告書にも様々議論されておりますけれども、本法律案における利用者保護のための講じられている措置について御説明をお願いしたいと思います。

#86
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 利用者利便の向上のみならず、利用者の保護についても十分な確保を図ることが重要であるというふうに考えております。
 今回創設する金融サービス仲介業者については、いわゆる所属制を採用しないため、所属先の金融機関による指導監督が及ばなくなることも勘案いたしまして、取扱い可能な金融サービスの範囲を仲介に当たって高度な説明を要しないと考えられるものに限定をいたしております。また、例えば投資信託の購入代金や保険契約に係る保険料といった利用者の財産を受け入れるということは禁止するといったことも考えております。また、万が一顧客に対して損害を加えた場合に備えて保証金の供託を義務付けるということも規定しておりまして、こうしたことを通じて顧客保護を図るということを考えております。

#87
○熊野正士君 ありがとうございました。
 次に、決済法制について伺いたいと思います。
 ITの発展によって決済サービスも多様化をしております。キャッシュレス化が推進される中で、その利用者の利便性とそして安全性と、この両者のバランスを考慮した決済サービスが今求められているということだと思いますが、本法律案では、いわゆる資金移動業、資金移動業の規制の見直しが行われておりますが、この資金移動業の規制の見直しの背景について、御説明をお願いしたいと思います。

#88
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 本法案によります資金移動業の見直しについては、まず、情報通信技術の進展に伴い決済サービスの多様化が進んできていること、また、資金決済法の制定から十年が経過し、決済サービスの利用実態やそれを踏まえて留意すべきリスクが具体的に確認されつつあること、さらに、キャッシュレス化が推進されている今日において、キャッシュレス時代の利用者ニーズに応え、利便性が高く、安心、安全な決済サービスを実現する必要があることといった背景を踏まえまして、金融審議会における議論を経て御提案をしているというものでございます。

#89
○熊野正士君 昨年の十月に消費税が一〇%に引き上げられました。キャッシュレスポイント還元事業というものがスタートしました。政策的には、消費の下支えということとともにキャッシュレス化を推進するということもあったと思います。日本はこのキャッシュレスというものが諸外国と比べてかなり遅れているというふうなことが指摘されております。
 経産省に伺いたいと思いますが、足下での日本におけるキャッシュレスの現状と、それからキャッシュレスポイント還元事業を通じてどこまでキャッシュレス化ができたのか、そして、今後のキャッシュレス化推進のための取組について御答弁をお願いしたいと思います。

#90
○政府参考人(藤木俊光君) お答えを申し上げます。
 日本のいわゆるキャッシュレス比率というのは二〇一八年段階で二四・一%ということでございまして、欧米の主要国が五、六〇%という状況になっているところに比べると、まだまだ低い状況にございます。
 一方で、昨年十月以来このポイント還元事業を進めてまいりまして、これは消費者向けのアンケートを昨年の十一月時点で取ってございますけれども、ポイント還元事業の開始後、今まで少ないと言われておりました六十代、七十代の高齢者を含めて、全ての世代でキャッシュレスの利用頻度が増加しているということでございます。
 それから、ポイント還元事業における決済手段ごとの利用比率に関しましても、元々日本ではクレジットカードの使用比率が大変高い、九割を超える比率でございますが、このポイント還元事業におきましては、クレジットカードが全体の六四%、QRコードが七%、電子マネーが二九%ということでございまして、QRコードや電子マネー、比較的こういった新しい多様な支払手段が利用されるようになってきているといったような傾向があるのではないかと思ってございます。
 このポイント還元事業、六月末をもって事業終了するわけでございますが、その後においてもキャッシュレスの推進ということは大変重要なポイントでございます。
 一つは、キャッシュレス決済の普及がいまだ十分でない地域での店舗の拡大あるいは自治体等への導入促進といったようなことに取り組みたいと思っておりますし、それから、災害時にキャッシュレス決済がなかなかできない、停電した場合にできないといったような弱点も指摘されているところでございますので、そういった場合の対処できるような環境の整備、それから、何よりも手数料を更に下げていくといったようなことも重要な課題でございまして、例えば手数料の継続的な見える化、こういったようなことにも取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

#91
○熊野正士君 ありがとうございます。
 今経産省の方から御説明いただきましたが、いわゆるクレジットカードが大半でということで、データが二〇一八年のデータで、今、いわゆるキャッシュレスのポイント還元事業で使われたということでのお話をしていただきました。またしっかりと日本におけるキャッシュレス化の現状を是非把握していただきたいなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そもそもこの法案は、キャッシュレス化というものが前提でこの法整備というのがされていると思いますけれども、そういった意味でいうと、もっともっとキャッシュレスを逆に進めていかなければならないのかなというふうにも思ったりします。
 金融庁に伺いたいと思いますけれども、資金移動業の規制を見直すことによって利用者の利便性、これがどのように向上していくのか、これについて御説明をお願いしたいと思います。

#92
○政府参考人(中島淳一君) まず、今回の資金移動業の見直しによりまして、百万円を超える送金が取り扱える高額類型を創設いたしております。これによりまして、利用者にとっては、例えば海外送金などの百万円を超える送金について、銀行による送金以外に比較的低コストの資金移動業者による送金も利用可能となり、選択肢が増えるということになります。
 また、利用者の資金について供託などの既存の保全方法に代えて分別した預金で管理することを認める少額類型の創設により、資金移動業者の規制コストが低減し、個人の利用者である消費者にとってはより低コストで送金サービスを受けることができるようになると考えております。
 また、決済手段として送金サービスを導入している店舗にとっては、資金移動業者に支払う手数料低減につながるといった効果を期待しているところでございます。

#93
○熊野正士君 ありがとうございました。
 次に、無権限取引に関することについて少し質問させていただきたいと思いますが、昨年の十二月にワーキング・グループの報告書が公表されました。その中に、いろいろ議論されたわけですけれども、この無権限取引への対応というふうな項目がございまして、この無権限取引というのは、例えば、インターネットバンキングで本人によらない他人が名義口座へ不正に送金をしたり不正に払い戻したりというふうなことになります。IDとかパスワードを盗んで本人に成り済まして取引を行うということですが、こうしたいわゆる無権限取引というものがこの資金移動業において利用者保護の上で重要な課題になるということで、インターネットバンキングにおいては預金者保護法のような特別立法がないと承知しておりますけれども、銀行において全国の銀行協会の申合せ等で無権限取引が行われた場合の預金者に対する補償基準というのが定められているというふうに聞いております。
 今回いろいろ議論になっております資金移動業における無権限取引による損害の補償ルールといったことについて御答弁をお願いしたいと思います。

#94
○政府参考人(中島淳一君) 御質問にありましたように、本人によらない成り済まし等の不正な取引、いわゆる無権限取引に対する対応というのは、これ非常に重要というふうに考えておりまして、金融審議会でも御議論をいただいたというところでございます。
 その中では、不正の手法や事業者のビジネスモデルが多様な中で直ちにこの資金移動業者に対して統一的なルールを整備することは難しいのではないかと、他方で、現状では、事業者による規約の自主的な見直しが進みつつあり、利用者保護の観点から、利用者に故意、重過失があるなどの場合を除き損害を補償する旨の規約を整備する事業者も出てきております。
 こうした状況を踏まえ、当面は事業者による自主的な対応を促していくことが適当というふうに考えておりまして、そのための制度上の対応といたしましては、利用者への情報提供を義務付ける事項として不正な取引の発生時の対応方針というものを追加するということといたしております。
 金融庁としては、今後とも、決済サービスの利用実態等を注視しつつ、利用者保護の観点から適切な対応が図られるよう、必要な取組を進めてまいりたいと考えております。

#95
○熊野正士君 是非今後注視していただけたらというふうに思います。
 最後の質問になります。これもワーキング・グループの中で議論されていたことなんですけれども、ポストペイサービスについて質問させていただきます。
 報告書の中では、このポストペイサービスを提供する方法の一つとして、資金移動業と貸金業の両方の登録を受けて、為替取引とか貸付けを組み合わせる方法が考えられるというふうな記載がありました。利便性の観点からこの少額でのポストペイサービスについて検討していたのではないかなというふうに承知しておりますけれども、このポストペイサービスの議論についてちょっと御説明をお願いしたいと思います。

#96
○政府参考人(中島淳一君) 後払い型の決済サービス、いわゆるポストペイサービスにつきましては、クレジットカードなどのほか、例えば今ありました資金移動業と貸金業の両方の登録を受けて送金と貸付けを組み合わせる方法が考えられるところであります。
 金融審議会では、少額の後払いサービスを念頭に、貸金業法上の規制の合理化の必要性について検討を行いましたが、少額であっても過剰与信防止の必要性に変わりはないという指摘があった一方で、具体的かつ喫緊のニーズについての共通の認識が得られなかったことから、現行の貸金業法の規制を維持するということといたしております。
 金融庁といたしましては、引き続き、貸金業法の適切な運用を通じて過剰与信の防止を図るとともに、後払いサービスを含め決済サービスが健全な形で発展していくよう関係省庁と連携して必要な対応を講じてまいりたいというふうに考えております。

#97
○熊野正士君 やっぱり利便性と安全性というものをそれぞれバランス考えながら今後しっかりと議論していただきたいと申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#98
○委員長(中西祐介君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#99
○委員長(中西祐介君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、森まさこ君が委員を辞任され、その補欠として宮崎雅夫君が選任をされました。
    ─────────────

#100
○委員長(中西祐介君) 休憩前に引き続き、金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#101
○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。
 私からも、法案の質疑に入る前に一問、政治家、副総理として麻生大臣の見解、一つお伺いしたいと思っているんですが、先週、インターネット上の誹謗中傷がきっかけで女性のタレントが自ら命を絶ってしまうという痛ましい事件が発生いたしました。これをきっかけとして、今、官民の方でこの表現規制、この誹謗中傷は良くないと、これは取り締まった方がいいんじゃないかという機運が高まっております。
 もちろん、匿名のこうした誹謗中傷でそうした、攻撃した方が守られていてなかなか情報開示がされないとか、そういったところについては改善の余地があると思うんですが、一方で、この表現が、これは駄目だ、これは誹謗中傷だということを政治あるいは行政が規制をしてしまうと、これは表現の自由から大変な問題になるわけでして、私は慎重であるべきだというふうに考えております。
 麻生大臣もかなりこのインターネット上を中心に強い批判にさらされてきたこともあるかと思うんですが、こうした誹謗中傷と表現規制の関係についてお考えを伺いたいと思いますので、お願いいたします。

#102
○国務大臣(麻生太郎君) 昔、総務大臣やったことあるんですが、今はやっていませんのでね。今、たしか財務大臣だと思いますので。所管が全く違う話で、あなたの話に乗っかって、いやいや、こうですよ、ああですよと言ったって余り意味がねえし、何でしょうね、この種の話は今、目下、総務省で、これ高市先生のところで今やっておられるんだと思いますので、ちょっとこの種の話に関して、言い分はいろいろありますけれども、ここで言う話ではないと思っております。

#103
○音喜多駿君 ありがとうございます。
 この点につきましては、総務委員会等々通じても、我々も問題提起をしてまいりたいと考えております。
 それでは、議題にあります資金決済に関する法律の一部改正案について伺いたいと思います。
 本法案では、近年登場した収納代行と称しつつ実質的には一般の利用者間の送金サービスを提供する事業者について、資金移動業の登録を求めることを明確化させております。利用者保護の観点から登録させることは理解できますが、一方で、今後も革新的な決済サービスを提供するベンチャーなどの創出が期待をされています。
 そのため、割り勘アプリを用いたサービスを提供する事業に対し、新規参入や競争促進が萎縮することがないように配慮をすべきと考えますが、今後の対策について金融庁にお伺いいたします。

#104
○政府参考人(中島淳一君) 本法案では、サービスの機能や実態に着目し、収納代行のうち債権者である受取人の保護を図ることが必要と判断されるものについて、資金移動業の規制対象となることを明確化することといたしております。
 御指摘の割り勘アプリについては、収納代行の形式を取りつつも、サービス提供者は利用者から別の利用者への資金のやり取りに介在しているという点で送金事業者と同様の機能を有していること、一般事業者である債権者、債務者双方がサービス提供者に対して信用リスクを抱えるおそれがあり、利用者保護の必要性が高いと考えられることを踏まえ、規制対象とする必要性が高いというふうに考えております。
 他方で、割り勘アプリのようなサービスについては、資金移動業としての登録を行うなど、利用者保護のために必要な規制を遵守した上で、多様な事業者が適正なサービス競争を通じて付加価値の高いサービスを提供していくことは望ましいというふうに考えております。

#105
○音喜多駿君 先ほど来議論のあるところですけれども、消費者保護の観点と、そしてイノベーションを阻害しない、利便性を向上させていく、このバランス非常に難しいと思うんですが、是非このイノベーションを阻害することのないようにお願いをしたいと思います。
 続いて、エスクローサービスについても伺います。
 このサービスは、ネットオークションやフリマアプリ事業者などの第三者を介して売主と買主の間の代金や商品の受渡しを安全に行う仕組みであります。金融審議会のワーキング・グループにおいても、このサービス自体が利用者保護を果たすエコシステムであると指摘をされております。また、IT業界からも、この規制はすべきではないという声が上がっております。
 本法案では、エスクローサービスに関する規制は含まれなかったというふうに認識をしておりますが、エスクローサービスを始めとする個人間の収納代行については今後も規制には慎重であるべきだと考えますが、金融庁の見解をお伺いいたします。

#106
○政府参考人(中島淳一君) ただいま御指摘のエスクローサービスにつきましては、一般に個人間の売買において当事者双方の債務の同時履行を図ることによりトラブルの未然防止機能を果たしていること、これまで社会的、経済的に重大な問題とされるような被害は発生していないことなども踏まえ、金融審議会における議論でも規制対象とする必要性について共通の認識を得るには至らず、今回規制明確化の対象とはしなかったところであります。
 金融庁としては、収納代行について過度な規制を設けることは適当ではないと考えており、また、現時点で割り勘アプリ以外の収納代行で規制対象とすべきと考えているサービスがあるわけではございませんが、今後とも、収納代行をめぐる動向を注視しつつ、それぞれのサービスの機能や実態を踏まえ、規制の要否を適切に判断してまいりたいと考えております。

#107
○音喜多駿君 引き続き、最低限の規制とすることをお願いいたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 金融庁の規制に関連しまして、投資助言について伺いたいと思います。
 昨今、インターネット上では、実質的には投資助言をしているオンラインサロンや有料メルマガなどが散見されます。そして、そのほとんどが無登録の形で行われております。
 つい先日も、有料オンラインサロンに加入された方が外資の投資助言を受けたということをインターネット上で報告し、話題となりました。この事例も当然無登録なわけでありますが、初めに、インターネット上でどういった形式の投資助言業者までが登録が必要なのかを確認したいと思うんですが、登録が必要な投資助言業務について、投資顧問契約が要件の一つとなっていますが、この契約に契約書は必要とされるのかどうか、金融庁にお伺いいたします。

#108
○政府参考人(栗田照久君) お答えを申し上げます。
 金融商品取引法におきましては、投資助言業務とは、有価証券の価値等又は金融商品の価値等の分析に基づく投資判断に関し助言を行うことを約し、相手方がそれに対して報酬を支払うことを約する契約を締結することとされておりまして、法令上必ずしも書面による契約は必要とされていないと承知しております。

#109
○音喜多駿君 書面による契約書は求められないとの御答弁でありました。
 ということは、投資顧問契約が結ばれているという実態があれば金融庁の登録が必要になってくると。もっと言えば、金銭のやり取りが発生して投資助言業務が行われていれば、およそ金融庁への登録が必要となってくる、そういうことだと思います。
 先ほど申し上げましたように、インターネット上には無数の投資助言業者があふれておりますが、有料でそうしたことをやっていれば、金融庁への登録が本来必要となってくるということになります。
 投資家を保護するために違法な無登録業者を確実に取り締まる必要がありますし、投資の初心者などの人の弱みに付け込み、根拠脆弱な情報で利益を上げようとしている業者に対してはより厳しく摘発をするべきです。しかしながら、なかなかその取締り、摘発が進んでいないのではないかと危惧をしております。
 昨晩、金融庁のツイッターアカウントで、私が質問通告をしたところ、無登録業者を見かけたり被害を受けた場合には情報提供してほしいという旨の呼びかけが始められたことを確認いたしましたが、有料のオンラインサロンやメールマガジンなどで金融庁に無登録で投資助言を行っている業者に対して、これを金融庁はどのように対応されているのか、現状をお伺いいたします。

#110
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 今御指摘のありましたオンラインサロンなども含めまして、インターネット上で一部の業者が金融商品取引業の登録を行わずに投資助言を行っているということは我々も承知しているところでございます。
 金融庁におきましては、無登録業者に関する情報を入手した場合には、当該業者に照会書の発出を行うなどによりまして実態把握に努め、その結果、当該業者が無登録で投資助言を行っているという事実を把握できた場合には、当該無登録業者に対し違法な営業行為を直ちにやめるよう求める警告書を発出し、あわせて、一般への注意喚起のため、警告書を発出した事実などを公表すると。それから、警察当局等の関係機関との間で当該無登録業者の情報を共有するなど、被害の拡大防止を図るための取組を行っております。
 また、証券取引等監視委員会におきましては、その調査権限等を行使いたしまして、無登録での金融商品取引行為について、投資者保護上の必要に応じまして、金融商品取引法第百九十二条に基づきまして、裁判所に禁止命令等の申立てを行うとともに、申立ての対象となった無登録業者等の名称や法令違反行為の内容を公表しているところでございます。
 以上の個別の対応に加えまして、今御紹介いただきましたように、SNS等で無登録業者が利用する新たな勧誘手段に合わせた効果的な注意喚起を行うため、新たにツイッターによる注意喚起、情報提供を呼びかけたところでございます。
 引き続きまして、投資者保護の観点から、関係機関等と連携しつつ適切に対応してまいりたいというふうに考えてございます。

#111
○音喜多駿君 もちろん無為無策というわけではないと思うんですけれども、なかなか情報把握に、実態把握まででその先に進んでいないというケースが多いんじゃないかというふうに思っております。
 そこで大事になるのが警察や司法機関との連携ということになりまして、今御答弁ありましたけれども、それでは具体的に投資助言の無登録業者の取締りについて、警察との情報共有や連携の現状を伺います。そして、摘発の件数や金融庁が主体となって司法手続にまで及んだ件数についても併せてお伺いします。

#112
○政府参考人(栗田照久君) 今申し上げましたように、警察当局との間では、金融庁が警告書を発出する場合に当該無登録業者への調査の過程で把握した情報を共有してございます。
 また、こうした個別対応に加えまして、定期的に警察当局などと投資詐欺の被害防止に関する連絡協議会を開催して、各機関に寄せられた相談事例ですとかその取組について情報共有を行っているところでございます。
 この結果、金融庁から捜査当局に情報提供したもののうち何件逮捕に至ったかという件数につきましては、網羅的には把握はしてございませんけれども、警察当局からは実際に逮捕につながった事例があるというふうには聞いてございます。
 また、金融庁が主体となって司法手続まで及んだ件数につきましては、先ほど申しました証券取引等監視委員会におきまして、金融商品取引法第百九十二条に基づきまして、裁判所への禁止、停止命令の申立てを行っておりますけれども、当該件数は、平成二十二年以降で無登録での金融商品取引業行為について二十五件でございまして、このうち無登録での投資助言・代理業に関するものは四件であるというふうに承知してございます。

#113
○音喜多駿君 今、司法手続は平成二十二年以降で二十五件ということで、今インターネット上に非常に多くあふれている投資に関する広告の数に照らし合わせても、やはりとても少ないという印象を持っております。
 金融庁は、登録業者に対する指導、監視はとても得意としていらっしゃいますが、無登録の業者については、これを取り締まるということは非常に苦手なんじゃないかなという印象を持っております。
 一つの提案として、違法なおとり捜査とはならない形でもって有料のオンラインサロンに自ら入る、あるいはメールマガジンを購読する、そして実態調査をして取り締まることをしていくべきと考えますが、見解を伺います。また、こうした調査と取締りをするためにはある程度の予算と専門部署も必要となってくるかと思いますが、そうした予算要望をするべき、専門部署を設置するべきと考えますが、併せて見解を簡潔にお伺いいたします。

#114
○政府参考人(栗田照久君) 無登録業者に対する調査などの対応に当たりましては、まずは情報を集めるということが重要になるわけでございますけれども、今御指摘のありました、例えばその有料サイトへ登録するということにつきましては、これを職員の身分を隠してやるということになりますと法令に抵触するおそれもあるということは考えておかないといけないというふうに考えております。
 他方で、無登録で金融商品取引業を行っているおそれがある者に実態把握の対象となっていることを認識させるために、インターネット上の連絡手段を利用して、金融庁から直接当該業者に対して業務内容などを照会するというようなことは考えられるのではないかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、より効果的な方法を今後とも検討してまいりたいというふうに考えております。
 それから、予算、専門部署につきましては、現在、無登録業者対応のために利用できる一般的な予算、それから専担チームは存在しておりますけれども、無登録業者への対応の必要性が増しているのはまさに御指摘のとおりでございまして、より一層適切な調査、対応を行うことができるように体制の構築をしてまいりたいというふうに考えてございます。

#115
○音喜多駿君 ありがとうございます。
 前向きな、考えられると、正面から問合せするということも御答弁いただきましたので、これ是非やっていただきたいと思います。一件有名どころに入るだけでかなり印象が違ってくると思いますし、やはりこの十万円の給付というのが始まりますと、非常にこうしたものも増えてくる可能性がありますので。
 済みません、お時間になりました。最後に大臣に、金融担当大臣として是非こういった無登録業者に対する毅然とした対応をお願いしたいと思いますが、最後に見解をお伺いいたします。

#116
○国務大臣(麻生太郎君) 一般的にインターネットのサービスというものを使って会員制のコミュニティーみたいなものを、これ、今いろんな、よく言われる、オンラインサロンとかいろんな表現を使っていますけれども、こういったようなものが存在し、それが被害が猛烈に大きくなっているという話はまだそこまでは聞いてはいませんけど、ちょこちょこ出てきていると思われる。何となく、これ、それを被害があった人もなかなか届けてきませんもんね。自分も何となくやばいのやっているんじゃないかなと思っているからだよ、あれ。まともなものならまともに登録しているところにやりゃいいじゃないか。何となくというか、自分も何となくあるものだから、登録して、言ってこないんだと思っていますけれども。
 いずれにしても、そういったものに引っかかる人が出てくることは確かですから、そういったものを考えたら、今局長から答弁申し上げましたように、今後こういったものが被害が拡大しないようにあらかじめウオーニングしておくというのはすごく大事なことだとは思いますので、本人も余り意識なく、無登録じゃできないんだということを知らない人もいるかもしらぬし、そういったことも考えて、まずはそういう今申し上げたようなところからスタートさせていかなきゃいかぬところかなと思っていますけど。
 いずれにしても、金融のテクノロジーが進んでくると、さっきの那谷屋先生の質問じゃないけど、こういった話が出てきやすい状況になることは確かですな。

#117
○音喜多駿君 ありがとうございます。終わります。

#118
○大門実紀史君 大門です。
 最先端の技術やイノベーションが今後の金融サービスを変化、変化して対応しなきゃいけないというのは必要なことでありますし、何にも否定するわけではありませんが、この間取り上げさせていただいているように、そういうデジタルの経済とか社会に対して、利用者保護、消費者保護、プライバシー保護、あるいはそういう経済どう考えるかということが深く分析されていないし、いろんなことが整っていないという中でまたこういう法案も出てきたということで、大変危惧を抱いております。
 既にありましたので簡潔に質問しますけれども、金融サービス仲介業が、今まで顧客保護の制度でもあった、仕組みでもあった所属制をなくして、新設をされるということでございます。これは一つの大きなこの法案のポイントだと思いますけれど。しかも、そういう今までの、従来の顧客保護の仕組みをなくす代わりに、そういう新たな仲介業者が扱うことができる金融サービスはその代わり限定いたしますということで、具体的には、高度な説明を必要とする金融サービスを政令で指定して、それ以外を扱えるようにする。つまり、簡単な説明でいいというものしかこの新しい仲介業者は扱うことができないようにしますということになっているわけですけれども、ところが、この新たな仲介業者が扱えるのは証券分野でいうと上場株、投資信託、国債などとなっているようなんですけれど、これらが本当にもう簡単な説明でいいというものなのかどうかということをやっぱりちゃんと考える必要があると思いまして、結構トラブルが起きているんですね。
 国民生活センターあるいは証券業協会に、二千件、三千件を超えるオーダーで株式、債券、投資信託に関する苦情相談が来ております。私も、投資信託は何度もここで、委員会で取り上げてきております。こういう状況で、簡単に、説明が簡単なものだから大丈夫ということで消費者保護を緩めていいのかというふうに思うわけです。
 全国証券問題研究会というところが意見書を出されておりまして、何もこういう形にしなくても、こういう新しい仲介業者は現行所属制の下でそれぞれ必要な許可、登録を取得した上で、その上で横断的なサービスをやることもできるんじゃないのかと、なぜそれを取っ払う必要があるのかというふうなことを提言されております。要するに、この新しい仲介業者の負担を軽減するというのはあるんでしょうけど、それよりも利用者保護をやっぱり今の段階ではこれだけ苦情があるので考えるべきじゃないかという意見を出されておりますけれど、こういう意見、どういうふうに捉えておられますか。

#119
○政府参考人(中島淳一君) 今回の法律におきまして所属制を外すということは、まさにおっしゃるとおりでございます。
 この理由といたしましては、所属制があることによりまして、業者からすると、それぞれの所属先の指導を受けなければいけないとか、あと業種ごとの登録が必要になるといったことも踏まえてのものでございまして、ただ、それに代わるものとして、今回、利用者保護という面では、ただいま御指摘のありましたような金融商品・サービスについて限定を加えるということを考えております。
 また、今お話にありましたように、国債、投資信託、上場株等の取扱いということで例示として説明をしてまいりましたけれども、例えば、投資信託と言われているようなものの中にも、ETFという中には例えばレバレッジ型、インバース型と言われているようなものも確かにございます。そういったものについてはふさわしくないのではないかといった意見も承知しております。
 今後、政令で取り扱う商品を定める際には、そうしたこともよく踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。

#120
○大門実紀史君 まだそう言われてもいろいろ心配なんですけれど。
 少なくとも、この委員会でもいろんな金融被害、FXも含めて取り上げさせていただきましたけれど、それ振り返ると、結構、何というんですかね、法のはざま、抜け穴をくぐっていろんな商品、新しいいかがわしいものも含めて金融商品が生み出されてきて、それが多くの被害を招いてきたというのが一つの、そういう経過があると思うんですよね。
 そうしますと、今現在は高度な説明を必要とするものを指定して、それ以外のものは扱えるようにと。これ、逆に言うと、今までの経過でいくといろいろ抜け道を考えて、つまり、高度な説明を必要とするものはこれで、それ以外は扱っていいよと。ところが、指定したものですから、指定されない新しい金融商品を開発して売って被害が広がるというのはいろいろあったわけですね。
 だから、その点を考えると、少なくとも、高度な説明を必要とするものを指定してとやると次々と新しい商品をやりますので、逆に、高度な説明を必要としないもの、もう非常に単純で安全なもの、これを指定して、それを新しい仲介業者が扱えるとした方が、これは、利用者保護のためにはその形の方が、あの手この手使わせないという点では効果的ではないかと思うんですが、そういうことを、別にテクニカルじゃなくて大変重要な問題だと思うんですけれど、考えていくことはできないんでしょうか。

#121
○政府参考人(中島淳一君) ただいま議員御指摘のように、例えば、証券分野のように新しいタイプの商品が次々と生まれるような分野については、取扱い可能な商品を列挙しておく方が、利用者にとって分かりやすく、かつ悪質な業者による潜脱も防止しやすいということも考えられるというふうに思っております。
 今後、この商品、サービスの部分について政令で規定するに当たりましては、どのような方式で規定することが適当であるかも含めて検討してまいりたいというふうに考えております。

#122
○大門実紀史君 そういうこの法案そのもののちょっと危なさがまだ大分あるんですけど、もっと申し上げたいのは、何といいますか、こういう法改正をやるにはいろんなことが追い付いていないと、利用者保護とかいろんな分析がですね。
 この前、スーパーシティのときも申し上げたんですけれども、何かもうイノベーション、イノベーションと、遅れるな、遅れるなということばかりで、本当にこういう最先端技術が、今日、自由の話、人権の話ありましたけど、そういうことも含めて、本当にいろんな意味で、本当の意味の生活向上に役立てるのにはどうすべきかということを併せて考えないと、ただ技術的に遅れている、遅れていると、イノベーション、イノベーションというのはちょっと違うんではないかと、この問題でいえばですね、と思います。
 その点で、もう少しこういうことをこの金融分野の新しい世界を考えるのなら幾つも考えておかなきゃいけない問題があると思うんですけれど、そういう点でちょっと大きな問題で伺いたいと思いますが。
 今回の法案も、IT化、フィンテックの流れに遅れるなというのがそういう文脈であるんですけれども、やっぱり個人情報保護が追い付いていないとかいろいろあるんですが、その点で今問題になっているのがターゲティング広告でございます。
 これ、私たちスマホを使っていると急に、何か自分のことを調べているのかと、何で知っているんだと思うような広告が来たりするんですよね。これターゲティング広告といいまして、これはいろんなその人の個人情報が集められて分析されて、この人にはこういう広告が効果的だろうというふうに来るわけですね。もうそういう世界になっておりますので、これはAIを活用したプロファイリングが行われて、特定の消費者に最も効果のある広告という形で行われているわけであります。これはもう広告という世界なのか勧誘の世界なのかというところに今来ておりまして、余りにも自分のことを知っている、ターゲットにしているという点では、一般の広告じゃなくて、もう勧誘じゃないかというこのはざまのところに来ているわけですね。
 日弁連がこの点については意見書を出しておりまして、ターゲティング広告についてはもう精度が相当上がって一般的な情報提供を超えているということで、やっぱり金融に関して言えば特にですね。それと、スマホの画面にぽんと出る広告なんですけど、これ、何のちゃんとした金融商品の説明もありませんよね。ところが、本人にとっては非常にあるときは待ち望んでいた情報かも分からないわけですね。そうなりますと、金融の場合、非常にいろんな縛りが掛かっているのにぽんと目の前に出てくると。これで契約するということは、入っちゃうということは、これ本当、金融のいろんな取引の保護のいろんな仕組みをすっ飛ばしてしまうという点もあって、このターゲティング広告についてはもう勧誘扱いにすべきではないかというふうに日弁連が意見を出されております。
 つまり、勧誘となると規制が掛かるわけですよね。広告もいろいろありますけど、金融商品の勧誘となりますと適合性の原則というのが掛かります。つまり、顧客の経済状況とか知識、経験に照らしてふさわしくない商品を売っちゃいけない、提供しちゃいけないというのが金融における適合性の原則ですよね。勧誘となると、そういう原則、縛りが掛かるわけですよね。
 もう掛けるところに来ているんではないかというふうに思いますけど、ちょっと大きな話なので麻生大臣に伺いたいんですけれども、こういうターゲティング広告については今のところ規制、規定がないということでありますので、基本的にはですね。何が勧誘行為に当たるかということを、もちろんまずそこをちょっと研究しなきゃいけないのは確かですけれど、やっぱりもうそういう時代になってきているんではないかと。ターゲティング広告についてのルール、研究していって、これにどう対応するかということを考えるときに来ているんではないかと思いますが、いかがですか。

#123
○国務大臣(麻生太郎君) これは、大門先生全く御指摘のとおりで、データベースとかAIの発達で、その人の年齢、家族構成、収入等々から見込んで、この人が今まで買っている商品等々を分析して、この人金持ちだからこれぐらいの車をそろそろ買ってもいい頃じゃないか、分析できますから、これ。だから、そういったようなことがいわゆる広告かよ、それとも勧誘かよという話はなかなか判断の難しいところなんだということなんだと思うので、これは勧誘の場合は御存じのように広告の場合よりは厳格な規制が適用されることになりますので、そういったことを考えて、インターネットの発達等々によって、これは通称プロファイル情報と言うんですけれども、そういったようなものを利用して見込まれる売れそうな商品、フェラーリの広告を貧しい人にやったって広告は意味ありませんから、フェラーリの広告を買ってくれる年収これぐらいの人って、ターゲティングというんですけれども、そのターゲティング広告と呼ばれるものが随分増えてきているという傾向なんだと思ってますので、この広告か勧誘か、それをどこで線引くかというのがなかなか判断に難しいところなんだということになっておりますけれども。
 いわゆる金融商品というものにそれを提供した場合には、顧客の、何というんですかね、財産状況とか経験とかこれまで買ってきた株の内容とか、そういうものを見て、投資目的等々照らして、これは不適当と認められるような株は勧誘しないというのが、これは顧客保護上、極めて重要なところなんじゃないかという感じがしますけれども。
 このターゲティング広告というものが実際のビジネスを行われる現場でどれくらい今使われているかということに関しては、これ、ちょっと今、金融庁は実態というものを報告で持っているわけではありませんので、そういったものを考えて、これはそういったようなことが今後起きてくる、先ほどの那谷屋先生の質問の中でも出てきた、これ一つの、逆にいった、うまくいけばうまくいく話ですけれども、逆に利用されると話はまた別な話になりますので、そういったようなことを考えると、これはなかなか簡単にこうします、ああしますというような話ではなくて、ちょっと今からよく適切な対応をやるべく、ルールの整備というものも含めて、いろいろ今後努めていかにゃいかぬという分野なんだと思っております。

#124
○大門実紀史君 この新しい仲介業が始まって、こういうターゲティングも含めていろんなことが広がるわけですよね。車と違って、車買いませんかと違って、金融商品はいろんな被害があって縛りが掛かっておりますので、そういう関係でやっぱりきちっと考えておかなきゃいけないんではないかと思います。
 この新しい仲介業がやっていく上で、もう一つ、ターゲティング広告とともに信用スコア、この問題が、もちろん、この新しい仲介業者だけじゃありませんが、金融全体の問題でもありますけど、信用スコアの活用というのが大変広がってくるだろうと思われます。
 信用スコアというのは個人の信用に点数を付ける話で、年齢、性別、学歴、年収とか、さらにはスマホで何を、あるいはパソコンで何を閲覧したか、閲覧履歴、何を買ったか、購買履歴、位置情報、行動軌跡、そこまでこれから、もう中国ではやっていますけど、そこまでビッグデータでやってAIで分析して、その人に点数を付けるというようなことですね。要するに、AIが人間を点数化するというようなことになるわけであります。
 「幸福な監視国家・中国」というNHK出版新書が出て、大変私興味深く読んだんですけど、最先端、この点では、いい方向じゃないですけど、悪い方向での最先端はやっぱり中国だと思うんですけど、この信用スコアがどんなことになっているかというのをこのNHKの新書では興味深く書いてございます。
 一番の中国の信用スコアのモデル都市は山東省の栄成市、栄える成る、栄成市というところなんですけど、ここはもう交通違反とかごみを捨てただけで、監視カメラが見ていますからすぐ捕まります。それが信用スコアに反映されるんですね、その人の。で、マイナス点になるわけですね。ただ罰金払うんじゃなくて、その人間のスコアになるわけでございます。公務員だったら、態度悪いと通報されて、それが本人のスコアがまた減点になるということですね。逆に言うと、信用スコアが高いと融資が受けられやすいとか、限度額が上がるとか、あるいは市のサービスが受けやすくなる、補助金が早くもらえる、たくさんもらえるというふうに、そういう社会ですね。
 ですから、市民はみんないつも自分の信用スコアを上げておかなきゃいけないということに駆られて、その分いいサービスを受けられるというのもあるんでしょうけど、絶えず自分の信用スコア、点数を気にして、ボランティア活動も、冬は雪かきのボランティア活動に自ら出たら点数上がると。本来のボランティアのためじゃなくて、点数を上げるためにそういうことをやるというふうな社会になっておりまして、また、いい結婚相手見付けたければスコアを上げると。もっと進んで、もうAIに結婚相手を探してもらうと、AIに気に入られるような人間になっていくというようなところまで、まあ息苦しいですね、見事な監視社会ですけど、そこまでつながるのがこの信用スコアなんですね。
 そういうことも本当に考えて、この新しい、イノベーション、イノベーションと言いますけど、どんな社会になるかということも本当に分析してこういう法案も提案されているのか、多分分析されていないというふうに思いますけど、そういうことまでちゃんと考え抜かなきゃいけないというふうに思います。
 そういう点で、具体的な話で資料をお配りしましたけど、今大きな問題になっているのはヤフーとLINEの統合の問題ですね、今、公取案件になっておりますけれど。このヤフーとLINEの、これ、もちろん、巨大IT企業の結合ですから独禁法上のいろいろな問題あるんですけれど、書いていますとおり、公取委にとっては初の大型案件というようなことありますが、これ信用スコアの面から見るとすごいことになっております。このヤフーもLINEもヤフースコアというのとLINEスコアをやっておりまして、この二つの巨大グループが一緒になると個人データがどうなってしまうんだろうということがあります。
 この点に関わっては、二枚目に、公取が、さすがだなと思いますけれど、新しいこのITの時代に応じた審査のポイントを出されました。去年の十二月ですね、デジタル経済の時代に対応するために独禁法上の運用指針というのを改定されました。
 要するに、いろいろ書いていますが、その信用スコアのことでいいますと、こういうIT大企業が合併したり買収するときの判断に公取が見るのは、単に市場の独占度だけではなくて、このデジタルサービスの特徴を踏まえた競争を分析するということを出されております。その特徴の一つがネットワーク効果だというふうに書かれております。ネットワーク効果というのは、顧客が増えれば増えるほどネットワークの価値が高まると、その情報の精度が高まって、さらにその情報、精度を求めてまたお客が来ると、ヤフーにしろLINEにしろですね、そういうネットワーク効果のことですが、これをやっぱり物差しにする必要があると、そのネットワーク効果の面で市場にどういう独占的な影響を与えるかということを見る必要があるという、大変すばらしい、公取のちゃんと先を見た指針が出たわけであります。
 今回、ネットワーク効果としか書いていませんが、私が申し上げたいのは、信用スコアも、今申し上げた信用スコアも、こんな大手が一つになりますと信用スコアも精度が高まると、精度が高まっていくということがありますので、これは公取に確認したいんですけど、この信用スコアという点、面もこのネットワーク効果としてカウントして、この市場独占とか市場の競争を阻害するかしないかという物差しとしてネットワーク効果ということがあれば、この信用スコア問題も一つのその材料になるのではないかと思いますが、公取の見解をお願いしたいと思います。

#125
○政府参考人(粕渕功君) お答え申し上げます。
 いわゆる信用スコアリング事業につきましては、信用格付をシステムにおいて定量的に算出したデータ、この販売等に関連した事業であるというように承知しております。
 こうした事業のサービスも含めまして、現在様々なサービスがデジタルプラットフォームという形で提供される場合がありますけれども、そのような場合には、一般論としまして、デジタルプラットフォームを利用する事業者あるいは消費者が増えるほどそのデジタルプラットフォームの利便性が増すという、いわゆるネットワーク効果が生じる可能性はあるというように認識しております。

#126
○大門実紀史君 是非、そういう点含めて、なかなかデジタルの世界というのは、今までの大企業の合併とか何かとちょっと違って、ちょっと見えにくいけど、実はそこに一番合併効果、買収効果があるわけですので、その点を踏まえた公取の判断をお願いしておきたいと思います。
 三枚目の資料に、全体として今どう考えるべきかというのを、慶応大学の山本龍彦先生ですね、この方は、今、政府の例のコロナ対策の、距離をお互い測る、スマホの接触検知アプリですかね、それにも関わられた方でございますが、要するに、おっしゃっているのは、ヤフーとLINEの統合を事例に挙げながらですけれども、大変信用スコアというのはある意味ではある人間のスコアを高めると、今までお金借りられない人が、いろんなことやって点数を上げればお金借りられるようになるといういい面もあるんだけれども、もう一つは、その低い人たちが、ずっと低い人たちがずうっと、何といいますかね、阻害されていくとかですね、スコアは結局ブラックボックスになっているから、面とか、そういうことを考えると、スコアの多元性を維持しておくこと、競争性を維持しておくことは大変重要だということを、独占しちゃいけないと、スコアの問題をですね、これ、大きいところが合併すると独占していくわけですよね、ということに懸念を示されております。
 私は山本先生のこの指摘以外で思うのは、やっぱりスコアが恣意的な利用もされかねないと。大企業がこれを売りたいということになると、そのスコアを、スコアによって、スコアで誘導してこういうものを買わせるとか、企業に集中いたしますからね、そういう情報をヤフーとかLINEが握るとかですね。もっと言えば、まあ中国がそこまでやっているとはまだ言いませんけど、何というんですかね、体制に反対する人間をスコアを低くするというようなこともやろうと思えばできるような、非常に危ないものがこの信用スコアにはあるということも見ておく必要があると思うんですよね。
 そういう点で、この信用スコアの問題はそういう問題まで含んでいると。私はこの委員会でジェイスコアの問題を取り上げたことがありますけど、AIスコアリングの、今はもうすごいですよね、あのジェイスコアの宣伝が、もう平気でやっていますけれど。そういう、何といいますか、信用スコアというのはそういういろんな問題点もあるという点をやっぱり、一つの文化論ですけれども、大きく捉えておく必要があると思いますし、この信用スコアの在り方についても、特に金融との結び付きが濃いわけでございますから、何といいますかね、これも先ほどと同じですけど、もっと研究をして、信用スコアをどうしていくかということと、どういうふうにルールを作るかと、変な独占とか変な恣意的な活用が行われないように考えていくことが必要だと思いますが、最後に麻生大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

#127
○国務大臣(麻生太郎君) 三十年間で四回目の中国赴任になる人がいたんですけれども、四回目で来て、雨が降っている、人が全然、車も通っていないのに、みんな信号が赤で並んでいると。ううん、何だと、おかしいじゃねえかと、俺は酔っ払っているのかと、俺は今、中国に来ているんじゃねえのかと思って、次の信号で同じことが起きて、よく見たら服装がいいから、これは、ああ、中国人じゃねえんだなと思っていたんです。その次の信号でもそうなって、おかしいと。
 何かがおかしいんだといって調べ倒したら、これです、信用ファイリングってやつですよね。麻生君、君には悪いけど、上海から北京行きの新幹線の切符は売れませんと切符売場で言われるんですよ。オトナシさん、あなた、この間、国会の前で立ち小便していましたねって、その写真でばんとマイナス食らうわけ。これ、幾つもありますよ。これ事実ですから。
 今、監視カメラ、その三年前で一億何千万台入れて、今もう大分増えていますでしょう、二億超えていると思いますから、監視カメラだけでそれだけのことになっているので、あなたがもし今どこへ出ても、十分以内にあなたがどこにいるかをちゃんと捜し出してみせますというのが、今、あそこの持っている信用の売りになるぐらいの監視カメラの数なんですけれども、実態ですから。
 したがって、じゃそれを良くしようと思ったらどうすればいいのかというと、点数上げないかぬ。そうすると、一番点数が上がるのは、あなた、誰に会いましたねって、終わった後、今日、共産党の大門先生に会いましたと、話は何しましたと書いて出すと点数が上がるんですよ、あれは。そういうシステムですから。聞き出したんですけれども。こういったことが、やっていられないとアメリカ人は思うんですけれども、何となくそれが現実に今、大国中国で起きている現実ですから、これを今我々はまだ起きていない独占に対してどうするかという話を今考えているわけでしょう。
 これは真剣に考えないかぬところなので、今、ヤフーの話をしておられますけれども、このヤフーとLINEの話で、合併したらどうなるって話をしていますけど、その合併された会社を中国に買われたらどうなるかという話まで心配しておいた方がいいですよ。僕はそういうものだと思っているんですけれども。
 是非、そういった意味でいろんなことを考えないかぬので、この種の話は、信用ファイリングというようなものは、これはそれこそ、那谷屋先生が心配しておられる技術の進歩によって、そういったことが事実、信用スコアとかいろんな表現あるんですけれども、そういったもののあれを今後どうしていくかという、活用状況というのをよく把握するとか、そういった点も必要だとは思いますけれども、社会に与える影響とか、それが人の、全然、第三者に買われたときに、その信用丸々そこに行っちゃったとき等々、いろんなことを考えて、これは利便性もあるでしょうけど、これは安全情報とか顧客の保護とかいうことを考えて、これは今後真剣に目を付けておかなければならない大事な分野だと思っております。

#128
○大門実紀史君 終わります。

#129
○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 本日は六月四日でして、六月四日といえば六四天安門事件を思い浮かべます。今回の委員会の冒頭で自由についての言及がありましたこと、感銘を受けるとともに、自由な質疑ができる雰囲気をつくっていただいたことを感謝いたします。
 さて、この新型コロナウイルス感染症の影響により経済的に苦しい状況になり、借金等の返済を続けていくことが難しくなった方が増えたことは容易に想像されます。政府としましては、これらに対応するため様々なローンの支援措置がなされていると承知しております。今回は、その中でも多くの金融機関が取り扱っており利用者も多いと思われる住宅ローンについて、幾つか確認させていただこうと思います。
 日本では、持家の購入費用というのは、条件によって異なるでしょうが、平均年収を大幅に超えるものが普通ではないかと思います。住宅ローンはその購入資金を対象に融資を行う商品であり、金利は低く抑えられ、返済期間の多くは三十五年までと長いのが特徴であると言われます。返済期間を長期とすることで毎月の返済額を低減し、三十歳前後のサラリーマン世帯において、定年退職時まで月収の範囲内で返済を続けていくことで高額な持家の取得が容易となっていると思います。
 金利が低く抑えられた住宅ローンではありますが、今般の新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に苦しくなって、住宅ローンの月々の返済が苦しくなる、場合によっては延滞する世帯も出てくるのではないかと想像します。こういった情勢なので致し方ないという考えがある一方で、住宅ローンの延滞をすることでその後の状況が急激に悪化する可能性があると言われております。
 住宅ローンに限らず、ローンの返済を延滞することによって様々なまずい状況に陥ると考えられるわけですが、特に住宅ローンの延滞による悪影響として代表と思われることを二つ挙げさせていただきます。
 一つは、住宅ローンの特徴である低く抑えられている優遇金利というものが延滞することで取消しとなって、金利が急激にアップするということ。二つ目は、延滞情報が個人信用情報に記録され、その結果、新たなローン審査が通らなくなるというものであります。
 そこで、金融庁にお聞きします。
 全国数多くの金融機関による住宅ローンの商品がありまして一概に述べるのは難しいかもしれませんが、新型コロナウイルス感染症の影響で大変な状況とはいえ、住宅ローンの延滞をするとこのようなまずい状況になる可能性はありますでしょうか。

#130
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 住宅ローンにつきまして、条件変更などが行われずに延滞となりました場合につきましては、その取扱いは金融機関によって異なってくるわけでございまして、一概には申し上げられませんけれども、多くのケースについて申し上げますと、優遇金利の変更はしないということで、優遇金利はそのまま適用される、けれども、延滞情報は個人信用情報に登録されるという取扱いが多いというふうに聞いております。
 金融庁におきましては、できるだけ事前に条件変更をしていただくように周知に努めているところでございます。

#131
○浜田聡君 ありがとうございました。
 こんな状況とはいえ、住宅ローンの延滞は優遇金利に関しては維持されるということだったんですけど、延滞は避けるべきであると考えますし、そういう世帯が増えないようになればいいなと思っております。
 本日は六月に入って四日目となります。六月といえばボーナス期ではありますが、このボーナス月に他の月よりも多くの返済額を設定している住宅ローンもそれなりにあるのではないかと予想しまして、返済困難者が生じる可能性も考えております。
 そこで、金融庁にお聞きします。
 六月ボーナス月の返済困難者を支援する対策というものは何かありますでしょうか。

#132
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 金融庁におきましては、今回の新型コロナウイルスの影響によりまして住宅ローンの支払が困難になった個人の方を支援するため、金融機関に対しまして、住宅ローンに関してお客様の状況等を十分に勘案すること、条件変更等について迅速かつ柔軟な対応に努めること、お客様から支払猶予等の申出を受け一定期間猶予した場合には信用情報機関に延滞情報として登録しないことなど、これまで繰り返し要請してきたところでございます。
 また、六月になりますと、住宅ローンのボーナス支払を設定している個人の方の支払が厳しくなるということも想定されますことから、金融機関との意見交換会におきまして、十分な期間の元本据置きなどのお客様のニーズに応じた返済猶予等の条件変更の速やかな実施、条件変更時の手数料の無料化、お客様が相談しやすいように、住宅ローンに係る相談ダイヤルですとか、休日を含めた相談窓口の積極的な周知などに努めるように要請しておりまして、その内容につきましては、ホームページにおいても公表しているところでございます。
 さらに、住宅ローンに関しましては、リーフレットを作成し、あるいは政府広報によるCMなどによって周知に努めているところでございます。

#133
○浜田聡君 ありがとうございます。それなりに手厚い支援をいただいているということで、私の方からも感謝いたします。
 さて次に、少し話は変わりまして、情報セキュリティーや業務効率向上等に関して、ネットワーク端末利用時のログイン方法に関して引き続き金融庁の方に質問させていただきます。
 実は、この同様の質問を先日、五月二十日の地方創生及び消費者問題に関する特別委員会で総務省と厚生労働省の方に質問させていただいておりまして、今回は金融庁の方へも同様の質問となります。
 お手元の資料に、総務省のウエブサイト上にある国民のための情報セキュリティサイトの一部を用意させていただきました。ここにはパスワード管理の注意点が幾つか書かれておりまして、今回はパスワードの定期的な変更に関する記述に注目していきたいと思います。
 資料最後のところに次のような記載がありまして、読み上げます。
 これまでは、パスワードの定期的な変更が推奨されていましたが、二〇一七年に、米国国立標準技術研究所からガイドラインとして、サービスを提供する側がパスワードの定期的な変更を要求すべきではない旨が示されたところです。また、日本においても、内閣サイバーセキュリティセンターから、パスワードを定期変更する必要はなく、流出時に速やかに変更する旨が示されているとありますように、パスワードの定期的な変更は、かつては推奨されていたんですが、その後、変更は要求すべきではないというふうに変遷してきたとの記載があります。
 そこで、金融庁にお聞きします。
 金融庁内で職員がネットワークに接続した端末を使う際のシステムはどのようになっているか、教えてもらえますでしょうか。最近は生体認証など様々な方法がありますが、ここでは特にパスワードを利用している場合において、定期変更を要求するか否かについてお答えいただきたく思います。

#134
○政府参考人(白川俊介君) お答え申し上げます。
 金融庁では、職員がパソコンを利用する際の認証方式として、先生も御指摘のあった生体認証を使うものと、それからパスワードを使うものと二種類が存在しておりまして、そのうちパスワードを使う場合においては定期的なパスワード変更は求めておりません。

#135
○浜田聡君 ありがとうございます。
 今回、金融庁の方にこの質問をしたのは理由がありまして、それは、最近すっかり定着して便利なサービスであるネット銀行あるいはネット証券のサービスに関する話です。これらのサービスに接続する際にパスワード入力をすることがあるのですが、その際にパスワードの定期変更を要求されるところがあるからです。実際に私が利用しているネット銀行においても、数か月ごとにパスワードの定期変更の要求が来るわけであります。
 金融庁としては、パスワードの定期変更はされていないとのことなんですが、現在その効果が否定されている定期変更というやり方は改善していくべきだと考えて、金融庁の方に質問というか、提案でございます。
 パスワードの定期変更を要求している点に関して、金融庁から各ネット銀行、証券会社に定期変更は不要であるとの指導をしてみてはいかがでしょうか。

#136
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 一般に、インターネットバンキングなど非対面の取引を行う場合には、各銀行におきまして、パスワードを盗み取る等の犯罪手口に対しまして、例えば、一定時間のみ有効なワンタイムパスワードなどの認証方法を導入するとか、取引に使用しているパソコンとは別のスマホなどの機器を用いた複数経路による取引認証の導入など、それぞれの金融機関のお客様の特性あるいはシステムの特性に応じて適切な対策を講じていっていただいているというふうに考えておりまして、その手法を一律に定めているものではございません。
 内閣サイバーセキュリティセンター、NISCにおきましては、インターネットを利用した取引において、十分に複雑で使い回しをしていないパスワードを設定し、実際にパスワードを破られてアカウントを乗っ取られるなどの被害が生じていない場合には、パスワードを定期的に変更する必要はないという考えが示されておりますけれども、一部の銀行におきましては、まだお客様が分かりやすいパスワードを設定されているとか使い回しをされているとかという実態があるというようなことも踏まえて、定期的にパスワードを変更するよう通知を行っている事例もまだあるというふうには聞いておりますけれども、金融庁といたしましては、効果的な利用者保護ということが重要だと考えておりますので、どういうセキュリティー方法がいいのかということにつきましては今後ともよくモニタリングをしていきたいというふうに考えております。

#137
○浜田聡君 ありがとうございます。安全性に関してはいろいろと難しい点はあると思いますので、今後も議論していただければと思います。
 次に、地方公共団体に目を向けたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症における経済を始めとする対策に苦心しているのは、国だけでなく地方も同様であります。国と地方が様々な対策をするに当たって、置かれた状況は様々な点で異なるわけですが、一つ注目したいのは通貨発行権の有無でございます。日本政府は日銀を子会社と考えると通貨を発行できるわけですが、地方の場合はそうもいきません。通貨発行権をどのように考えるかについては様々な意見があるのは承知しておりますが、財源の選択肢という視点からは、国の方が自由度や柔軟性が高いと考えてもいいのではないかと思います。
 さて、ここで、地方公共団体が財源を確保する方法として、地方債というものがあります。都道府県や市区町村といった地方公共団体が必要な資金を調達するために発行する債券であります。地方債を発行することで地方が使えるお金を増やしますが、ただ、借金という性格上、利子や元本返済の問題が生じてきます。ただ、昨今の新型コロナウイルス感染症の経済対策等で地方の財源が問題となっている現状では重要な話と考えます。
 そんな中、最近見聞きする提案の一つに、日本銀行がこの地方債を買入れしてみてはどうかという話があります。この新型コロナウイルス感染症を受けて、日本銀行は先月辺りから様々な追加緩和政策の方針を出してきておりまして、国債の買入れ上限撤廃であったり、企業金融支援策の拡充などが発表されております。地方債の買入れについても対象にしても不思議ではないと思うのですが、そういう話は今のところ私は把握できておりません。ただし、まだまだ新型コロナウイルス感染症の対策を継続していく必要があると考えるならば、当然地方の財源の問題は続くと思われますので、様々な選択肢を考慮していく必要があると思います。
 ただし、日銀が地方債を買い入れることについて調べてみましたところ、私の主観ではありますが、簡単な話ではないと感じました。言うはやすく行うは難しと感じるのが正直なところです。ただ、アメリカではFRBが地方債を買入れしていることからもありますように、他国では実施されておりまして、検討する価値はあるのではないかと思いました。
 そこで、今回は日本銀行と財務省の方に幾つか質問させていただこうと思います。
 日本銀行の黒田総裁に対して、地方債の日銀による買入れについて、先月国会で質疑応答がありました。衆議院の財務金融委員会では、黒田総裁は地方債の買入れには慎重な態度だったとのことであります。
 そこで、日本銀行の方にお聞きします。
 日銀による地方債の買入れについて、現在も慎重な姿勢は変わりないでしょうか。その他、地方債買入れについての日銀の見解も、もしあれば御答弁いただければと思います。

#138
○参考人(加藤毅君) お答えいたします。
 委員の御指摘のとおり、先月の衆議院の財務金融委員会で、総裁の黒田の方から、今の時点で地方債の買入れを行う必要性があるとは考えていないという形でお答えをさせていただきました。
 これにつきましては二つ背景がございまして、日本銀行は資金供給を金融市場に行っているわけですけれども、この際には国債等の買入れで十分潤沢な資金供給ができているということが一つ理由でございまして、もう一つは、日本の場合、地方債の市場ですけれども、アメリカとは異なりまして、例えば国債との金利差は非常に安定していて、地方債の市場が安定して推移しているという状況が今続いております。
 そうしたことを踏まえまして、こうした見方、それから考え方には総裁が答弁したときとは大きな変更はございません。
 以上でございます。

#139
○浜田聡君 ありがとうございます。
 もし日銀が地方債を買う場合に、日銀法の制限が掛かる可能性についてお聞きしたいと思います。
 私が見聞きする指摘の一つが日銀法の四十三条です。これは、日本銀行は、日銀法の規定により日本銀行の業務とされた業務以外を行ってはならない。ただし、この法律に規定する日本銀行の目的達成上必要がある場合において、財務大臣及び内閣総理大臣の認可を受けたときは、この限りでないという条文です。
 そこで、日本銀行の方にお聞きします。
 日本銀行が仮に地方債の買入れを検討する場合、この日銀法四十三条による制限を考慮する必要はありますでしょうか。

#140
○参考人(加藤毅君) お答えいたします。
 今、地方債を買い入れた場合という御質問でございますけれども、この債券方式で発行される地方債ということであれば、この四十三条の認可は必要ないと考えておりまして、通常業務である日銀法の三十三条の形で買い入れることができるとは考えております。

#141
○浜田聡君 ありがとうございました。
 五月二十九日の参議院の地方創生及び消費者問題に関する特別委員会でも、日銀による地方債の買入れについて総務省に幾つか質問させていただきました。
 ここでその一つを紹介させていただきます。
 地方債の買入れをする場合に、買手が日銀であった場合でも、その買手の日銀には利払い費を払う必要があるかどうかという質問であります。その際の政府答弁に、総務省ですね、によりますと、地方債の買手が日銀であっても、買手である日銀には利払い費を払う必要があるとのことでございました。仮に地方債がマイナス金利であればいいのですが、残念ながらそういううまい話もないと思います。実は、質問通告時の財務省の方とのやり取りで過去の地方債の金利調べていただきまして、地方債のマイナス金利というのは確認されていないとのことでした。ありがとうございました。
 その他、償還の必要性も考慮すると、単純に日銀が地方債を買うだけでは地方にとって打ち出の小づちのようなうまみはないとも感じました。そういう意味で、日銀が地方債を買い入れることについて、先ほども言いましたが、言うはやすし行うは難しと表現させていただきました。
 地方の財源を増やすという目的において、地方債から少し離れまして、一つのアイデアをある方からいただきましたので、紹介します。
 ちょっと複雑なんですが、まず、地方公共団体が財務省から借入れをします。その財務省は、その財源として財投債を発行します。この発行された財投債を日銀が買いオペするという方法でございます。この場合、財投債の利払い費は日銀に払う必要がありますが、政府、財務省と日銀との利払い費のやり取りなので、この利払い費で日銀に払った分は納付金で財務省に戻ります。この方法ですと、地方公共団体が利払い費の負担は回避できるのではないかと考えました。
 また、財投債の償還についてなんですが、それを日銀乗換えにします。日銀乗換えとは、日銀の保有する国債が償還期限を迎える際に、日銀が現金償還を行わずに国の発行する新たな国債を引き受けることでございます。
 財政法で少し、いろいろと規定があるのですが、ここでは詳細は省かせていただきます。
 この日銀の乗換えにより、財投債の償還負担はなくなります。若干ややこしい話となり恐縮ですが、現行制度で地方公共団体が借入れをする際に元利償還負担をなしにする方法でして、言い換えると、通貨発行益を利用する方法と言えると思います。
 このスキームについて、財務省と日銀にそれぞれお聞きします。まず、財務省にお聞きします。
 財投債を発行して地方に貸付けをすることは可能でしょうか。あるいはもう既に行われているというのであれば、その旨をお聞きしたいと思います。

#142
○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
 令和二年度におきましては、財投債を発行して調達した資金などを財源といたしまして、財政投融資特別会計から地方公共団体に三兆円の貸付けを実際に行っております。また、その財投債については、国債の一部として発行されておりますので、現状においても日本銀行による国債の買入れ、いわゆる買いオペの対象となっております。

#143
○浜田聡君 ありがとうございます。
 日銀にも同じ質問をしたかったのですが、先ほど答えていただきましたので、ここは省略することにします。
 地方それぞれが通貨発行益を利用して財源を捻出する方法として先ほどのようなアイデアをいただきましたので、当委員会で紹介、確認させていただきました。今回の方法が実行に移るかどうかは分からないですが、一つの選択肢として可能性を提示させていただきましたので、御検討いただければと思います。
 次に、話はがらっと変わりまして、税制の基本原則についてお聞きしたいと思います。
 新型コロナウイルスにより社会が変わっている中、税制についても変化する可能性がある中で、少し基本に立ち返ってみたいと思います。
 先日、少し古い資料を拝見しました。平成十二年七月に作られた資料で、内閣府のウエブサイトにおいて、我が国税制の現状と課題、二十一世紀に向けた国民の参加と選択というものでございます。このサイトの記載を見ると、次のような記述があります。租税原則は結局、公平、中立、簡素の三つに集約することができますとあります。
 そこで、財務省にお聞きします。
 今回紹介したのは内閣府の資料でありますが、財務省としても、この租税原則、公平、中立、簡素を重視していますでしょうか。見解をお聞かせください。

#144
○政府参考人(矢野康治君) お答えいたします。
 税制の在り方を考えるに当たりましては、まず公共サービスの資金を調達するという財源調達機能ですとか、あるいは所得や資産の再分配を行うという所得再分配機能といった租税の基本的な役割というのを、まあ大原則といいますか、踏まえる必要があると存じます。その上で、今委員が御指摘されましたように、納税者の担税力に応じて負担を分かち合うという意味での公平性、それから、税制ができるだけ個人や企業の経済活動における選択をゆがめることがないようにするという意味の中立性、そして、税制の仕組みをできるだけ簡素なものとし、納税者が理解しやすいものとするという意味の簡素性、この三つが税制の基本原則に挙げられることが多うございます。
 少子高齢化、グローバル化の進展といった経済、社会の構造変化ですとか財政の状況などを踏まえまして、個別の税制に加えまして税制全体の在り方を検討するに当たりましては、こうした租税の基本的な役割や基本原則を踏まえていく必要があると考えております。

#145
○浜田聡君 ありがとうございます。
 引き続き、この内閣府の資料を見ますと、この原則、公平、中立、簡素について更に記述があります。この三つ、「「公平・中立・簡素」は、常にすべてが同時に満たされるものではなく、一つの原則を重視すれば他の原則をある程度損なうことにならざるを得ないというトレード・オフの関係に立つ場合もあります。」と書いてありまして、つまり、公平、中立、簡素、三つが全て満たすというのは難しいこともあるとのことです。
 昨年十月に消費税率が一〇%に上がりました。それと同時に、軽減税率というものが導入されております。税制改革法で簡素化を目的に導入されたのが消費税法と承知しておりますが、軽減税率によって簡素化が放棄されたように思います。
 そこで、財務省にお聞きします。
 軽減税率によって簡素という点が毀損されているという認識はありますでしょうか。また、この軽減税率に限らない話で結構ですが、今後の税制の方向性について、簡素という点を重視する方向にかじ取りをするつもりはありますでしょうか。よろしくお願いします。

#146
○政府参考人(矢野康治君) お答えを申し上げます。
 公平、中立、簡素の三原則は、常に全てが同時に満たされるものではなく、一つの原則を重視すれば他の原則をある程度損なうことにならざるを得ないという、今委員が御指摘されましたトレードオフの関係に立つ場合もございますけれども、税制全体として、公平、中立、簡素の基本原則に則しているかどうかということが大変重要であると思っております。
 なかんずく、公平、中立、簡素といいましても、第一は公平が重要でございます。その公平が一番大事だと思っておりますけれども、公平でない税制ということはもうあり得ないと思っておりますけれども、しかしながら、公平を追求する余りに簡素性が踏みにじられるということはあってはならないというふうに思っております。

#147
○浜田聡君 ありがとうございます。
 ちょっと時間の都合上、一つ質問を飛ばさせていただきます。
 矢野主税局長、どうもありがとうございました。以前、税制の在り方についてこの委員会でお話を聞かせていただきました。その際に印象に残っておりますのは、税金をどうするかというのは国民の総意と御答弁いただいたことであります。私の意見としてはですが、国民に理解しやすくするためにも簡素という点は大事にしていただきたいという思いを伝えさせていただいて、次の質問に移ります。
 次に、五月二十七日にあった報道について質問をさせていただきます。前沢友作さんという有名人の申告漏れの報道でありまして、今回、資料として用意させていただきました。
 何かと話題になる方だとは思うのですが、個人的に印象に残っておりますのは、百万円を千人にプレゼントしますというキャンペーンをツイッターで開催されまして、このキャンペーンをベーシックインカムについての調査、実験を兼ねているとしていたことであります。
 まあ、この話は主眼ではないので、申告漏れが指摘されたことについてお話を戻しますと、御自身が所有されているプライベートジェット利用料の観点から国税局と意見の相違があったと私はこの記事から理解しました。
 ここで気になることを財務省にお聞きします。
 申告漏れが指摘されたという情報なのですが、誰が報道各社に伝えたのかという点が疑問であります。財務省はこの情報を報道各社などの外部に漏らした可能性はありますでしょうか。

#148
○政府参考人(田島淳志君) お答え申し上げます。
 御指摘の報道は承知してございますが、個別にわたる事柄につきましては、守秘義務が課されております関係上、調査があったかどうかも含めまして、具体的にお答えすることは差し控えさせていただきます。
 その上で、一般論として申し上げますと、今申し上げた守秘義務に関しまして、税務職員には、国家公務員法上の守秘義務とともに、国税通則法という法律がございまして、ここでは国家公務員法よりも更に重い守秘義務、罰則が科されております。その趣旨につきましては割愛させていただきますけれども、こうした法律の下、当局では、この秘密保持の徹底につきまして常日頃から厳格かつ万全の注意を払っているところでございまして、万々が一、職員の守秘義務違反が発生した場合には、法令違反でございます、として厳正に対処しているところでございます。

#149
○浜田聡君 済みません、ちょっと再確認させていただきたいんですが、財務省としては、漏らしているかいないかというのはここでは答えられないということでしょうか。

#150
○政府参考人(田島淳志君) 先ほども申し上げましたとおり、御指摘の件につきまして、この調査があったかどうかも含めて、丸ごとお答えは差し控えるということでございます。

#151
○浜田聡君 分かりました。
 恐らく最後の質問になると思います。ここで、国家公務員法百条というものを考えてみたいと思います。この条文は、「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。」というものであります。
 この法律を管轄している内閣、人事院にお聞きします。
 今回の件で、仮に、もし財務省あるいはその他省庁が今回の情報を漏らしたとすれば、百条違反に該当しますでしょうか。

#152
○政府参考人(藤田穣君) お答え申し上げます。
 国家公務員法第百条におきまして、「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。」と規定をされてございます。当該規定による秘密につきましては、最高裁の判例によりますれば、一般に知られていない事実であって、実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められるものをいうとされているところでございます。
 その上で、委員からお話のありましたような場合を含めまして、個々具体の行為がこのような秘密を漏らしたことに当たるのか否かにつきましては、具体的な事実に基づき個別に判断されるものでありますことから、当局といたしましてはお答えする立場にはございませんことを御理解いただきたく存じます。
 以上でございます。

#153
○委員長(中西祐介君) 時間が来ました。

#154
○浜田聡君 終わります。ありがとうございました。

#155
○委員長(中西祐介君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#156
○大門実紀史君 反対の討論を行います。
 最先端技術の進歩に対応した利用者本位の金融サービスは重要です。しかし、本改正案には投資被害や多重債務を増大させる懸念があります。
 新たな仲介業者が扱える金融サービスに上場株、投資信託などがありますが、現行の所属制の下でも多くのトラブルが発生しています。所属制を廃止した仲介業が増えれば、被害が増えることはあっても減ることはあり得ません。また、金融サービス仲介業に貸金業を加えることも多重債務問題を再燃させる懸念があります。
 そして何より、本改正案には、新しい金融サービスの提供ばかりが急がれ、ターゲティングやスコアリングなどデジタル社会の問題点が吟味されておらず、それに見合う個人情報保護、利用者保護が欠落をしております。
 このことも指摘して、反対討論といたします。

#157
○委員長(中西祐介君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#158
○委員長(中西祐介君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、那谷屋君から発言を求められておりますので、これを許します。那谷屋正義君。

#159
○那谷屋正義君 私は、ただいま可決されました金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民、公明党、日本維新の会及びみんなの党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 本法律の施行に当たっては、情報通信技術の発展や多種多様な利用者ニーズなど金融を取り巻く環境が今後も変化していくことを踏まえ、法制度の在り方について引き続き検討を加え、適時適切な見直しを行うこと。その際、利用者の保護を十分に図るとともに、我が国の金融機能の安定と市場の公正が確保されるよう留意すること。
 二 金融サービス仲介業の取扱い可能な金融商品・サービスについては、金融商品へのアクセス向上などの利便性と顧客が負うリスクのバランスを十分に考慮して定めること。その際、当初は日常生活に定着しているなど高度な説明を要せず、顧客に分かりやすい金融商品・サービスに限定し、国民の金融リテラシー及び技術進展など環境の変化に応じて検討を加え、必要な措置を講ずること。
 三 金融サービス仲介業者の賠償資力となる保証金の額を定めるに当たっては、イノベーションの促進による利用者の利便の向上を考慮しつつも、顧客等の保護の観点に十分に配慮すること。
 四 金融サービス仲介業者における手数料等については、適切な競争が働くよう積極的な開示を促すとともに、利用者が仲介業者の中立性を適切に判断できるよう、金融機関との委託関係・資本関係の有無などの情報開示に努め、利用者が不利益を被ることがないようにすること。
 五 金融サービス仲介業務に係る重要な事項の顧客に対する説明については、対面及びオンラインのいずれによる仲介においても、顧客が十分に金融商品・サービスを理解することが可能となるよう、利用者保護の観点から適切に指導・監督すること。
 六 金融サービス仲介業務においては、対面及びオンラインのいずれによる場合にも、適合性原則の遵守及び顧客本位の業務運営の徹底により、顧客の意向が十分に満たされ、顧客が想定外の損失を被ることがないよう適切な指導・監督を行うこと。
 七 顧客情報の取扱いについては、金融サービス仲介業務を通じて取得する顧客情報が広範にわたることも踏まえ、仲介業者の情報管理体制に対する適切な指導・監督を行うこと。また、顧客情報の第三者への提供の際に必要とされる本人の同意については、顧客がその内容を十分に理解し、顧客の真意が適切に反映されるよう指導・監督を行うこと。
 八 金融サービス仲介業が取り扱う業務に対しては、顧客保護等に関する現行の業法規制を準用し、既存の金融業及び金融仲介業との間における同等の扱いを確立すること。
 九 金融サービス仲介業に対する適切な規制体系を構築する観点から、法令に基づく規制と柔軟かつ機動的な対応を行い得る自主規制との連携を十分に図るよう努めること。その際、今後設立される自主規制機関への加入に向けた取組についても十分配慮すること。
 十 金融サービス仲介業の利用により発生した紛争の迅速・簡便・柔軟な解決に向け、現行制度と比べて利用者保護に不足が生じることがないよう、自主規制機関や指定紛争解決機関による解決制度の今後の周知徹底及び事例の公表に努めること。
 十一 オンラインによる金融サービスの提供と実店舗における対面によるサービスの提供との間の競争や両者の特性の違いをいかしたサービスの提供が適切に行われるよう配慮し、既存の業態の店舗網や雇用が過度に失われることがないように留意すること。
 十二 収納代行については、今後も継続してその実態把握に努め、利用者保護の観点から制度整備の在り方について、引き続き検討を行うこと。また、為替取引として規制される対象範囲の明確化を図り、事業者の予見可能性を高めるよう配意するとともに、為替取引に該当するときには、資金移動業の登録が必要となることを周知すること。
 十三 前払式支払手段発行者に対する利用者の保護等に関する措置を定めるに当たっては、サービスの提供実態や利用状況を把握して、利用者保護が十分に図られるようにするとともに、自主規制ルールの策定状況を十分に踏まえつつ、適切な指導・監督を行うこと。
 十四 第一種資金移動業については、送金上限額が設けられていないことに鑑み、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策規制の遵守態勢の確立に向けた実効的な指導・監督体制の整備を行うこと。
   また、第三種資金移動業については、利用者のニーズと利用者保護を考慮した送金上限額を設定するとともに、利用者資金を自己の財産と分別した預貯金等で管理する資金移動業者に対しては、業者の破綻時の利用者保護を踏まえた必要な対策・措置を講ずること。
 十五 送金サービスの利用者資金の保全に係るタイムラグが指摘されていることに鑑み、その保全方法については、事業の運用状況を踏まえて利用者保護及び金融システムの安定性確保の観点から更なる検討を進めるとともに、可能な限り送金コストの低減を図るため、取扱送金額及びビジネスモデルに応じた最適な方法を引き続き検討すること。その際、手続の電子化・効率化など、事業者の負担軽減にも十分配慮すること。
 十六 本法律の施行に関し措置した政令等や本法律施行後の状況等については、国会に対して十分説明すること。
 十七 金融サービスの高度化・多様化を踏まえ、金融機関等におけるセキュリティ向上を図るためのシステム等について、その開発・導入が促進されるよう必要な措置を講ずること。
 十八 少額与信を伴うキャッシュレス決済の普及により多重債務問題が生じないよう、その実態把握に努めるとともに、過剰与信の制度的な防止の観点から、貸金業法等の関係法制の厳正な運用を図り、適切な指導・監督を行うこと。
 十九 実効性のある金融検査・監督の実施に向けて、地域において金融サービス仲介業者等の検査及び監督を主に担当する財務局も含め、優秀な人材の確保と職員の専門性の向上を図るとともに、必要な定員の確保及び機構の体制整備に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#160
○委員長(中西祐介君) ただいま那谷屋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#161
○委員長(中西祐介君) 全会一致と認めます。よって、那谷屋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、麻生内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生内閣府特命担当大臣。

#162
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえて配意してまいりたいと存じます。

#163
○委員長(中西祐介君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#164
○委員長(中西祐介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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