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2020/05/22 第201回国会 衆議院 第201回国会 衆議院 内閣委員会 第13号 令和2年5月22日
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2020/05/22 第201回国会 衆議院

第201回国会 衆議院 内閣委員会 第13号 令和2年5月22日

#1
令和二年五月二十二日(金曜日)
    午前九時二十四分開議
 出席委員
   委員長 松本 文明君
   理事 井上 信治君 理事 関  芳弘君
   理事 長坂 康正君 理事 牧島かれん君
   理事 宮内 秀樹君 理事 今井 雅人君
   理事 大島  敦君 理事 太田 昌孝君
      安藤  裕君    池田 道孝君
      池田 佳隆君    大西 宏幸君
      岡下 昌平君    金子 俊平君
      神田 憲次君    小寺 裕雄君
      高村 正大君    杉田 水脈君
      高木  啓君    中曽根康隆君
      長尾  敬君    丹羽 秀樹君
      西田 昭二君    根本 幸典君
      平井 卓也君    藤原  崇君
      本田 太郎君    三谷 英弘君
      宮路 拓馬君    村井 英樹君
      浅野  哲君    泉  健太君
      大河原雅子君    神谷  裕君
      源馬謙太郎君    中島 克仁君
      森田 俊和君    柚木 道義君
      吉田 統彦君    早稲田夕季君
      江田 康幸君    佐藤 茂樹君
      塩川 鉄也君    浦野 靖人君
    …………………………………
   国務大臣         衛藤 晟一君
   内閣官房副長官      西村 明宏君
   法務副大臣        義家 弘介君
   内閣府大臣政務官     神田 憲次君
   内閣府大臣政務官     藤原  崇君
   財務大臣政務官      井上 貴博君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  三角 育生君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  安居  徹君
   政府参考人
   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       堀江 宏之君
   政府参考人
   (人事院事務総局職員福祉局長)          合田 秀樹君
   政府参考人
   (内閣府男女共同参画局長)            池永 肇恵君
   政府参考人
   (個人情報保護委員会事務局長)          其田 真理君
   政府参考人
   (個人情報保護委員会事務局審議官)        佐脇紀代志君
   政府参考人
   (消費者庁次長)     高田  潔君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 佐藤啓太郎君
   政府参考人
   (総務省自治行政局長)  高原  剛君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 保坂 和人君
   政府参考人
   (中小企業庁経営支援部長)            渡邉 政嘉君
   内閣委員会専門員     笠井 真一君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十二日
 辞任         補欠選任
  池田 佳隆君     池田 道孝君
  大西 宏幸君     宮路 拓馬君
  長尾  敬君     中曽根康隆君
  泉  健太君     浅野  哲君
  中谷 一馬君     神谷  裕君
同日
 辞任         補欠選任
  池田 道孝君     根本 幸典君
  中曽根康隆君     長尾  敬君
  宮路 拓馬君     大西 宏幸君
  浅野  哲君     泉  健太君
  神谷  裕君     中谷 一馬君
同日
 辞任         補欠選任
  根本 幸典君     池田 佳隆君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第四八号)
     ――――◇―――――

#2
○松本委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君、内閣官房内閣審議官三角育生君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官堀江宏之君、人事院事務総局職員福祉局長合田秀樹君、内閣府男女共同参画局長池永肇恵君、個人情報保護委員会事務局長其田真理君、個人情報保護委員会事務局審議官佐脇紀代志君、消費者庁次長高田潔君、総務省大臣官房審議官佐藤啓太郎君、総務省自治行政局長高原剛君、法務省大臣官房審議官保坂和人君及び中小企業庁経営支援部長渡邉政嘉君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○松本委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。牧島かれんさん。

#5
○牧島委員 おはようございます。自民党の牧島かれんです。
 質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 まず、冒頭、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、現在療養中の皆様の一日も早い回復をお祈り申し上げたいと思います。
 本日、衛藤大臣、お見えでございます。消費者庁の担当の大臣でもあられるということで、冒頭少し質問をさせていただきたいと思います。
 昨晩、緊急事態の状態、少しずつ解除していくということで、解除された地域も広がってまいりました。緊急事態宣言解除に当たって、私たち、気をつけておかなければならないこともあるんだろうというふうに思っております。
 そうした点で、一点気になっておりますことがございます。消費者庁の取組と関連するところでございます。御答弁は参考人の方で結構でございますが、給付金の詐欺ということが大きな問題になりつつあろうかと思います。
 給付金を受け取るに当たって、申請をする、そのときに、大事な情報であります銀行口座の情報とか、又は暗証番号というものを、詐欺に遭って、うっかり伝えてしまうといったようなことがあってはなりませんので、こうしたこと、消費者庁としての取組を、まず初めにお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

#6
○高田政府参考人 お答えいたします。
 消費者庁では、新型コロナウイルスに便乗したさまざまな詐欺や悪質商法への注意喚起について、LINE公式アカウントや政府広報を活用したテレビCMなども活用して、より多くの消費者に情報が届くよう取り組んでおります。
 特に、給付金詐欺に関しては、関係省庁と連携し、さまざまな取組を進めております。
 まず、四月二十一日には、総務省及び警察庁との連名で、消費者向けの注意喚起資料を公表いたしました。さらに、高齢者等に向けて、政府広報のテレビCMや新聞一面広告でも注意喚起を行うなど、より多くの消費者に情報が届くよう、さまざまな工夫を凝らしております。
 また、相談の受け付け体制も強化しております。従来からの消費者ホットライン一八八のほか、五月一日からは、フリーダイヤルの新型コロナウイルス給付金関連消費者ホットラインを開設し、休日でも御相談いただける体制を整えております。さらに、相談現場でも円滑に対応できるよう、消費生活相談員向けのQアンドAも発出しております。
 今後とも、消費者被害の防止に向けて全力を尽くしてまいります。

#7
○牧島委員 ありがとうございます。
 今、相談ホットライン、開設をしていただいている御説明がありました。休日も対応いただいているということでございますので、国民の皆様、消費者の方たち、少し不安を感じられるときにはすぐに御相談いただくのがよいのではないかというふうに思っております。
 また、経済活動も徐々に再開をされています。
 ウイズコロナという言葉がありますように、新型コロナの対応をしながら経済活動を行っていく、事業者の皆様にもさまざまな工夫をしていただいているところだと思います。
 特に、毎日の生活に欠かせないお買物の場という点では、事業者の方も、そして私たち消費者も、それぞれに協力をし合わなければならない、新しい生活様式を取り入れていかなければならないということだというふうに受けとめております。この点、消費者庁としてどのような広報をなさっているのか、教えていただければと思います。

#8
○高田政府参考人 お答えいたします。
 今般の一部地域の緊急事態宣言の解除を踏まえまして、感染拡大を予防しつつ経済活動との両立を図るためには、新しい生活様式を踏まえた新しい日常に移行する必要があり、消費者の協力は欠かせないと考えております。
 このため、緊急事態宣言が一部地域で解除された先週十四日、消費者庁では、関係省庁や各業界団体とも連携し、スーパーなどの店舗でのお買物の際に消費者の方に御協力をいただきたいお買物エチケットについて、協力をお願いする啓発資料を作成、公表したところでございます。具体的には、買物の際には混雑を避け、密を回避すること、店舗側の感染防止対策や、品薄、欠品など、従来のサービスと異なる場合には理解、協力いただくことを呼びかけております。
 消費者がさまざまな経済活動の主体となることを踏まえ、引き続き、関係省庁や業界団体とも連携し、情報発信を行ってまいります。

#9
○牧島委員 ありがとうございます。
 お買物エチケットというキーワードとともに広報活動も行っていただいております。この中には、一人一人との距離を少しずつとってお買物の列をつくっていただくことですとか、また、不用意に商品にさわらないようにすることですとか、また、電子決済を活用することなども広報していただいているというふうに受けとめております。
 また、質問ではなく付言をさせていただきますと、休校や外出の自粛に伴いまして、おうちにいる時間が長くなり、オンラインゲームをする時間も長くなってきているという指摘もございます。特に、お子さんが高額課金をしてしまうといったような事例もあって、保護者の方から消費者庁に御相談の件数がふえているというふうにも聞いています。それぞれの御家庭でぜひゲームのやり方、ルールなども決めていただくことも発信をしていきたいと思います。
 もう一点、新型コロナに関連して確認しておきたい項目がございます。
 先日、自民党女性局で、テレワークに関する提言というものを取りまとめさせていただきました。これは、ことしの初めより霞が関の働き方改革の必要性について勉強会を重ねてきたものですが、今般、この新型コロナの感染拡大で、テレワークの重要性というものが更に注目を皆さんからもされているというふうに受けとめています。
 私たち自民党の政策の議論は、今、ウエブ会議で大分行うようになってきております。連日、デジタル社会推進特別委員会の事務局長としても会議を行っていますが、その中で、課題なのではないかと思って気がついた点がございます。
 それは、霞が関の皆さん、各省庁の皆様とウエブ会議で審議やまた意見交換をさせていただいているんですが、霞が関の皆様がこうした持ち運びのできるパソコンを十分にお持ちでないのではないかといった点や、また、セキュリティーがしっかりとかかったセキュリティーデバイスと言われるものが不足しているのではないかという点でございます。
 テレワークをしたいというふうに思っていらっしゃる職員がおられても、こうした機材が十分に整っていないことによって、できていないといったことがあってはいけないというふうに思っております。
 ぜひ、各省庁において、関連機器がしっかりと不足せずに皆さんに充当されているかどうか、不足数量があるとすれば、各省庁で洗い出していただいて、早急に調達、配付をしていただきたいと思いますが、そのあたり、いかがでしょうか。

#10
○三角政府参考人 お答え申し上げます。
 国家公務員がテレワークを行うのに必要な端末、機器につきましては、本年三月十日の新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策第二弾を踏まえまして、三月十二日に、各府省に対しまして、必要な機器の増設等のテレワーク環境整備の強化を要請したところでございます。
 また、ウエブ会議システム、これにつきましては、府省ごとに導入されているわけでございますが、技術面、セキュリティー面などの制約から、府省間や外部機関との間での、なかなかつながりにくいというケースもしばしば見られるというところは御指摘のとおりでございまして、スムーズなコミュニケーションという課題が浮き彫りになったところでございます。
 このため、先月、四月でございますが、三十日に成立いたしました令和二年度補正予算の中に関連予算を計上いたしまして、民間のウエブ会議サービスを活用するために必要なウエブ会議システムとその接続のためのモバイルルーターの調達を始めたところでございます。
 今後、できるだけ早く、こうした各府省の必要な数を把握して、配付してまいりたいと考えております。

#11
○牧島委員 ありがとうございます。
 御指摘ございましたとおり、外部とのウエブ会議ができるかどうか、そして各府省庁間でシステムが違うので会議ができないということがあったわけでございますので、改善されつつあるというふうに受けとめましたけれども、急ぎ、ここはスピードを上げておかなければならないと思います。
 また、テレワークをするときに、御自宅でお仕事をされますが、その通信環境という点でも課題が残っているかと思います。それぞれの個人の契約をしている携帯電話の通信を使っていると、結局、この通信の費用は個人負担ということになってしまいますので、この点もしっかり手当てをしていただきたいと思いますが、御検討状況をお願いします。

#12
○三角政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の通信費の点でございますが、自宅に定額のネット回線がある職員につきましては、その接続の際の追加的な費用は発生しないというふうに考えております。
 ただ、御指摘のとおり、そうでない場合もございますので、先ほど御説明いたしましたモバイルルーターの調達、これを図っているところでございますが、このモバイルルーターの自宅への持ち帰りにつきまして、私的利用等を防止する措置を講じつつ、柔軟な対応を検討してまいりたいと考えております。

#13
○牧島委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 職場の環境だけではなくて、新しい生活様式においては、例えば、学校の状況、一人一台パソコン又はタブレットをお子様が使えるようにするということも大事ですし、家庭学習に当たって、通信環境を整えるということもあわせて行っていかなければならないということを申し添えさせていただきます。
 それでは、個人情報保護法改正案について質問してまいります。
 個人情報保護委員会の役割は、昨今ますます大きくなってきていると思っております。また、今回、三年見直しを踏まえた改正案が提出をされ、この意義は大きいというふうにも受けとめております。
 初めに、個人情報保護委員会が個人情報の適正な取扱いに関する監視、監督をしっかりと担っていただいているんだということを確認しておきたいと思います。
 少し事例を申し上げます。
 昨今では、フェイスブックで、いいねボタンのあるサイトを閲覧して、いいねボタンを押していないのにユーザーIDやアクセス履歴がフェイスブック社に送信されてしまったといった事案がありました。また、フェイスブック上に作成した性格診断アプリを通じて取得した個人情報が流出したケンブリッジ・アナリティカ事案というのもありました。さらに、国内、就職活動中の学生の個人情報が、本人の同意のないまま流出されてしまった、提供されていたリクルートキャリア事案といったものもありました。
 こうした事件を報じられると、やはり、個人情報の取扱いは大丈夫なんだろうかと不安を感じられる方が多いと思います。まず、今申し上げましたような、典型的な事例でございますが、個人情報保護委員会としてどのように対応されてきたのか、御答弁をお願いします。

#14
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、フェイスブック社のいわゆるいいねボタンのあるサイトに関する事案などにつきまして、当委員会は、フェイスブック社に対して指導を行いました。
 いいねボタンを押していないのにユーザーIDやアクセス記録がフェイスブック社に送信されることについて、ユーザーへのわかりやすい説明や、本人の同意の取得の徹底を求めました。また、ケンブリッジ・アナリティカ事案につきましては、プラットフォーム上のアプリの活動状況の監視の徹底を求めました。これらについて、本国のフェイスブック社の副社長が当委員会に来訪いたしまして、改善策について説明がございました。
 ほかのさまざまな外国の企業に対しましても、必要に応じて、相手国の規制当局とも連携をいたしまして、事業者に適切な対応を求めてまいりました。
 御紹介いただきましたリクルートキャリア事案につきまして、第三者提供の際の本人への同意、利用目的やサービス内容の適切な説明、それから、コンプライアンス体制の整備について勧告を行いました。
 当委員会におきましては、相談ダイヤルに寄せられる情報など、さまざまなチャンネルでリアルな情報の把握に努めておりまして、個人の権利利益が守られるよう、機動的な監視、監督活動を行っております。

#15
○牧島委員 今御説明ございましたとおり、指導、勧告、しっかりと行ってきたということであろうと思います。
 もう一点御確認をしておきたいことは、災害発生時の対応でございます。
 ここ数日も地震が起きたりしておりますし、災害に強い国づくり、地域づくりというのは、私たちにとって本当に大きな課題だというふうに思っております。
 また、新型コロナの対応をしながら万が一地震が発生したときに、避難所をどのように開設、運営していくのかという点で、私の地元も含め、各自治体が検討し、その状況を発表しているところでもございます。
 こうした避難所の運営において、例えば、妊婦さんですとか、小さなお子様がおられる方、御高齢者、障害のある方、よりケアを必要とされている方たち、きめ細かな対応をしなければならないというふうに思いますし、場合によっては福祉避難所の設営なども求められてくることだと思います。
 これまで、幾つかの災害を私たちが経験をしてきて、教訓として出てきているのが、御高齢者の方が避難するには、やはりある一定の時間を必要とされるということだったと思います。
 よって、避難勧告のガイドラインも見直されて、避難準備という言葉の後ろに、高齢者等避難開始という言葉がつけ加えられました。ただ準備をするというだけではなくて、御高齢者の方は、避難準備ですよという案内があったら、既にもう開始をしていただこうということになっております。
 ただ、おひとり暮らしの御高齢者の方などは、それでも一人で避難所に行くのに不安を感じられるという方もおられると思います。こうした地域の声に応えて、地元のそれぞれの地域コミュニティーの民生委員の方とか、また消防団の方が、御高齢者の方の避難の誘導など、協力をしましょうというふうにも言っていただいております。
 こうした災害発生時、被災者の命を守るために、生命を守るために、行政機関や企業、医療機関などが保有する個人情報を柔軟に活用することは可能なのか、法制度はどのように定めているのか、その点を御確認させてください。

#16
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のように、災害発生時の個人情報の取扱いにつきましては、民間部門、それから行政機関、地方公共団体における情報の取扱いが別々の法律で規律されているとの不便がたびたび指摘をされております。
 ここで、民間部門に適用される個人情報保護法について申し上げますと、あらかじめ特定した利用目的を超える場合でありますとか、第三者に個人データを提供する際には、あらかじめ御本人の同意を取得するというのが原則になっております。
 ただし、人の生命、身体、財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難である場合、こうした場合には本人の同意を不要とする規定がございます。
 したがいまして、災害発生時の個人情報の取扱いがこうした要件を満たす場合には、本人の同意は不要ということになります。
 この点につきまして、委員会では、個人情報保護法に関するQアンドAというのを設けておりまして、そういったところでわかりやすく解説もしておりますけれども、引き続き、周知、広報に努めてまいりたいと思います。

#17
○牧島委員 命を守るためという大きな意義がそこにあるかどうかということが大事なんだろうというふうに思いますが、いざ災害が発生したときに、個人情報の取扱いをどうしようというふうに、そこの検討に時間がかかってしまって命が守れないということはあってはいけませんので、その点、QAも多くの方の目に触れるところで広報していただきたいというふうに思います。
 また、病歴や障害、健康診断その他の検査の結果、診断、また調剤情報などは、要配慮個人情報として一段高い規律が求められているというのは私も受けとめておりますが、これらの情報は、また同時に、災害発生時に、また災害発生後の人命救助にも重要な役割を果たす情報でもあります。災害時には、これらの取扱いはどのようになっているのでしょうか。

#18
○其田政府参考人 今御紹介いただきましたように、いわゆるセンシティブデータ、要配慮個人情報につきましては、取得の際に原則本人の同意を必要とするなど、通常の個人情報より一段高い規律が設けられております。
 ただし、これも、人の生命、身体、財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難である場合には、本人の同意を不要とする規定がやはりございます。

#19
○牧島委員 確認をさせていただきまして、ありがとうございました。
 ここで、この個人情報保護法の制定、改定のプロセスを振り返っておきたいと思います。
 平成十五年に、誰もが安心して高度情報通信社会の便益を享受するための制度的基盤として個人情報保護法が成立し、平成十七年四月一日から全面施行されております。
 その後、平成二十七年の第百八十九回国会において、消費者や事業者を取り巻く環境の変化に対応し、消費者の個人情報の保護を図りつつ、事業者によるパーソナルデータの円滑な利活用を促進させ、新産業、新サービスを創出するための環境の整備を行うことを目的とした改正個人情報保護法が成立しています。
 この改正法では、保護と利用のバランスをとることが重要だというふうに書かれており、今般出されましたこの改正法でも、やはりここのバランスというのは大事なことだというふうに受けとめております。
 個人情報や個人に関連する情報をめぐる技術革新というのは成果を上げているんですけれども、これが経済成長だけに寄与するのではだめで、それによって個人の権利利益の保護、両面に行き渡るような制度にしておかなければならないというふうに思います。
 この改正法附則において、施行後三年ごとに、個人情報の保護に関する国際的動向、また情報通信技術の進展の状況などを勘案し、施行の状況について検討を加え、所要の措置を講ずることというふうにされました。
 この三年間で、国際的な動き、そして通信技術の変化、どのようなものがあったと分析をされているか、大臣からぜひお聞かせください。

#20
○衛藤国務大臣 委員御指摘のとおり、平成二十七年の個人情報保護法改正法の附則において、三年ごとの見直し規定が設けられました。
 個人情報保護委員会では、この規定に基づく初めての見直しとして、個人情報保護をめぐる国内外の政策、技術、産業の状況等についての実態把握やヒアリング等を通じて検討を進めてきました。
 また、委員会に設置している相談窓口や、全国各地で実施したタウンミーティングでの消費者の皆様の御意見や、二度にわたる意見募集を通じていただいた御意見も踏まえて検討を深めてきたところであります。
 三年間の動きはさまざまでございますが、例えば、国際的には、EUにおけるGDPRの施行、我が国とEUとの相互のデータ移転枠組みの構築などがあります。また、情報通信技術の進展によるデータの越境移転の増大や、ネット広告技術の進展なども挙げられます。
 そうしたことも踏まえ、自身の個人情報に対する意識の高まり、技術革新を踏まえた保護と利用のバランス、個人情報が多様に利活用される時代における事業者責任のあり方、越境移転データの流通増大に伴う新たなリスクへの対応等の観点から、所要の措置を講ずる必要があると結論し、本法案による改正によって対応すべきことといたしました。

#21
○牧島委員 今大臣御答弁いただきましたとおり、デジタル時代になっている、グローバル時代になっている、その中で個人情報をどのように私たちは取り扱うべきか、考えるべきかという時代に入ってきているんだと思います。
 これまで個人情報保護委員会は、令和元年十一月に、個人情報保護法いわゆる三年ごとの見直し制度改正大綱骨子案を公表し、そして十二月にはパブリックコメントの募集を行うなど、丁寧なプロセスを積み上げてこられたと思っております。
 特にパブリックコメントではどのような御意見が出たのか、御紹介をお願いします。

#22
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま御紹介をいただきましたように、本法案の国会提出に先立ちまして、改正の方向性を取りまとめた制度改正大綱を十二月に公表いたしまして、約一カ月にわたって意見募集を行いました。
 その中で、消費者、財界、法律の専門家など、さまざまな分野の方から八百八十九件の御意見をいただきました。大きな方向性につきましては賛同する御意見が多かったというふうに受けとめておりますけれども、企業実務との関係では、規定の内容を個別具体的に知りたいといった御要望も数多くいただきました。
 例えば、個人の権利を強化する方向の論点につきましては、消費者からは賛成の声が多く聞かれましたけれども、企業からは、負担について一定の配慮をしてほしい、あるいは該当する要件の明確化を望むというような声がございました。

#23
○牧島委員 国民の関心が大変高いんだろうというふうに思います。
 デジタル化された個人情報、これがグローバルに活用されている時代になっている中で、国際的な制度調和や連携というものにも配意しながら制度を見直しておくということも大事だと思います。
 先ほど大臣の御答弁にもございましたGDPR、十分性認定、EUは個人情報の取扱いに大変厳しいと言われている。そうしたところと日本と相互に、お互いの個人データが、しっかりと保護レベルが同等だという決定のもとで流通していくということになります。ますます増大するデータ駆動型社会が持続可能性を持っているということと同時に、通商の流れを促進もしていきますが、データプライバシー、セキュリティーも確保されていく、このところが、この日・EU間のこれまでの協議の中で重視をされてきた論点だと思います。
 特に、この日・EU間、個人データの移転に関する取組について、どのような背景そして効果があるのか、御説明をお願いします。

#24
○其田政府参考人 委員御指摘の日・EU間の個人データの移転の枠組みに関しましては、日・EU双方の経済界の要望もございました。そこで、当委員会と欧州委員会との間で累次の対話を行いまして、昨年の一月に当委員会が、個人情報保護法に基づいて、個人情報の保護レベルが日本と同等である国としてEUを指定をいたしました。逆に、欧州委員会からも、GDPRに基づいて我が国の十分性認定が決定をされました。言いかえれば、個人情報保護の水準が同等であるとお互いに認め合って、日・EU間で円滑な個人データの移転ができるようになりました。
 この結果といたしまして、グローバルにビジネスを展開する企業にとって業務の効率化、コストの削減が見込まれるほかに、新たなビジネスモデルの創造にもつながるのではないか、ひいては、消費者が享受する便益の向上にもつながっていると考えます。
 また、同時期に発効いたしました日・EU経済連携協定から得られる利益を補完して、戦略的なパートナーシップにも寄与しているものというふうに考えております。

#25
○牧島委員 今、日・EU間の御説明がございました。
 昨年、日本が主導する形で、G20ではDFFT、データ・フリー・フロー・ウイズ・トラストという宣言、合意をさせていただいております。このトラストというのがやはり肝だと思います。しっかり信用できる、信頼できる状態でデータが流れていかなければならない。国民の不安も払拭しなければならない。そのことを考えますと、どのように加工をされていくのか、個人データになっていくのかというところに関心が寄せられていくところでございます。
 私の情報であるという、個人を識別しない形で個人データのやりとりが行われているかどうかというのを担保しなければならない。と同時に、データに基づき詳細な分析もできるようにしておかなければなりませんし、比較的簡便な方法で加工できるようにもしておきたいという声がかねてよりございました。そうしたニーズの中で出てきたのが仮名加工情報というものでございます。これは新しい表現でもございますので、仮名加工情報とはどのようなものなんでしょうか。

#26
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の改正で導入いたしました仮名加工情報とは、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように個人情報を加工したものでございます。
 仮名加工情報につきましては、企業内部の分析に限定し、利用目的の特定、公表を行う前提で、開示でありますとか利用停止等の個人の各種請求の対象から除外するものでございます。
 これによりまして、企業におけるビッグデータの分析、技術開発がより円滑、効率的にできるようになることを期待をしてございます。

#27
○牧島委員 一方で、個人データの取扱いで、正当な利益が害されるおそれがある場合などは、個人データの利用停止を求めることはできるのでしょうか。

#28
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 現行法におきましては、利用停止や消去の請求ができるのは、個人情報の不正取得など違反行為があった場合に限定されております。
 今回の改正によりまして、この要件に加えまして、事業者が利用する必要がなくなった場合、それから、保有個人データの重大な漏えいが発生した場合、それから、本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合についても、利用停止、消去、第三者提供の停止を請求できることとしてございます。
 具体的なケースにつきましては、今後、消費者や企業の現場の御意見を伺いながら、ガイドラインやQAでお示しをしてまいりたいと思います。

#29
○牧島委員 今御説明ございましたとおり、正当な利益が害されるおそれがあるときには停止を請求できるということになります。
 また、あってはならないことですが、万が一個人データが漏えいしてしまった場合、そうした場合は、個人情報保護委員会はどのように対処されるのか、教えてください。

#30
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の改正によりまして、漏えい等が発生した場合に、個人の権利利益の侵害のおそれが大きい事態については、事業者に対し、委員会への報告を義務づけております。報告を受けた委員会では、必要に応じて、報告徴収や立入検査を通じて個人の権利利益の保護を図るとともに、再発防止を確認してまいります。
 あわせて、事業者に対しては、本人への通知を義務づけることとしておりまして、本人においても権利利益の保護に必要な措置を講じることが可能になると考えております。

#31
○牧島委員 事業者は、委員会に対して報告をしなければならない義務が課せられていく、そして、本人それぞれにも通知をしなければならないということであります。
 今回の改正案を超えて、今後、個人情報保護委員会の皆様に取り組んでいただきたい課題についても触れておきたいと思います。
 先ほどの御答弁の中にも少し触れられていましたが、個人情報に関連する法律というのは実は複数存在しているわけですよね。官と民における個人情報の取扱いの円滑化ができない、その阻害要因にもなっているのではないかという指摘も出てきました。行政機関、独立行政法人、地方公共団体、それぞれの法律があるのを、今後は一つに統合していかなければならないということも指摘をされております。
 個人情報保護委員会が行政機関や地方公共団体における個人情報の取扱いについても所管していくということを求める意見が、私も含め、多くの方たちからかねてよりあったというふうに思います。
 まず、いわゆる二千個問題についてです。
 各自治体に個人情報保護条例があることから、自治体間の個人情報の定義がそれぞれ相違がありまして、自治体間の連携というものが困難であるということが長らく指摘をされてきました。この二千個問題、今後どのように取り組まれるのか、御答弁をお願いします。

#32
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、民間部門、国の行政機関、地方公共団体における個人情報の取扱いを規律する法令や所管が別々になっていることがデータ流通を阻害しているという御指摘があることはよく承知をしてございます。
 この点につきまして、今回のいわゆる三年ごと見直しの検討の過程でも多くの御意見をいただきました。委員会としても、昨年十二月に公表した制度改正大綱でお示ししましたとおり、関係省庁とも連携しつつ、主体的に検討を行っていく必要があると考えております。
 民間部門、行政機関等に係る法制の一元化のあり方につきましては、内閣官房が主催するタスクフォースに当委員会も参加して検討を進めております。
 御指摘の二千個問題、地方公共団体の個人情報保護制度についても、委員会におきまして、昨年十二月以降、地方自治体の御協力も得まして、地方公共団体の個人情報保護制度に関する懇談会を開催し、実務的論点の整理を進めております。
 今月十五日には、委員会としての考え方というものを整理して公表したところでございまして、引き続き、関係省庁と連携し、スピード感を持って取り組んでまいりたいと思います。

#33
○牧島委員 地方公共団体との議論、そして実務的論点を整理していただいているということでございますので、ぜひお願いを申し上げます。
 例えば、医療データという側面を一例として挙げてみますと、自治体病院、民間病院、国立病院などの個人情報は、自治体病院であればそれぞれ個人情報保護条例ですし、民間病院は個人情報保護法、国立病院ですと独立行政法人等個人情報保護法と、ばらばらの法律のもとにあるので、個人情報の範囲が異なることがこれまでも阻害要因としてございました。例えば、難病の治験など、それぞれのケースで、もともとの数が少ない場合はそれぞれの病院のデータというものを見ていく必要があると思います。こうしたものも、今後は機能していくようになっていく、改善されていくというふうに期待をしてよろしいでしょうか。

#34
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 医療分野につきましては、御指摘のとおり、自治体の病院、民間病院、国立病院などで異なる法令が適用されます。これが、医療機関の相互における個人データの連携に課題があるといった御意見はたくさん伺っております。
 とりわけ、御指摘の難病の治験のように、限られたデータをできるだけ多く集めなければならないようなケースにおいては、より問題が大きくなるというふうに思われます。
 このような主体による規律の違いにつきましては、当委員会が進めてきたいわゆる三年ごとの見直しの検討の過程でも多くの意見をいただいたのは、先ほども申し上げたとおりでございます。
 今月十五日にお示しした委員会としての考え方におきましては、医療分野など、特にニーズの高い分野の規律については、先行的に官民での統一を図ることも考えられるのではないかというふうに示しております。
 関係省庁とも連携しつつ、スピード感を持って取り組んでまいりたいと思います。

#35
○牧島委員 ありがとうございます。
 ぜひ、医療分野は先行的にという御答弁がございました、お願い申し上げます。
 この不均衡、不整合の例は、病院だけではなくて、国立大学と私立大学で学術研究に係る例外規定のあり方が異なるという点でも表面化されています。また、大学と民間企業との共同研究というものも今後ますますふえてくるというふうにも思います。
 医療分野や学術分野の独法については、原則として民間のカウンターパートと同等の規律を適用していけばよいのではないか。また、その一環として、個人情報保護法の学術研究に係る適用除外規定を、見直していただいた上ではございますが、国立研究開発法人や国立大学法人にも対象を拡大していったらよいのではないかというふうに思いますが、このあたりの検討状況を教えてください。

#36
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 医療、学術研究など、官民で差を設ける必要性が低く、ニーズが高い分野の規律については、先行的に統一化を図ることもあるのではないかというふうに考えてございます。
 また、委員御指摘の学術分野につきまして、民間部門の学術研究分野の取扱いについても、憲法が保障する学問の自由、現行の運用にも配慮しつつ、適用除外のあり方について検討を行う時期に来ているのではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、国民から見ても事業者から見ても調和がとれたわかりやすい制度の構築に向けて、検討を進めてまいりたいと思います。

#37
○牧島委員 今、調和のとれた、国民にとっても事業者にとってもわかりやすいというところが、大きなメッセージとして受けとめさせていただきました。
 個人情報保護委員会の皆様の業務は、これから外国事業者に対しての適用範囲も広がっていきますし、広範な事務処理をしていただくことになります。さらに、厳格な監視、監督も継続をしていただかなければなりません。この体制、今後どのように整備をされていくのか、予定を教えてください。

#38
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 複雑な監視、監督活動、外国事業者に対する対応、国際交渉等々、法令技術等々も、こういった業務に対応できる職員の確保、育成が急務になっております。
 これまで、当内閣委員会では、個人情報保護委員会の体制整備に対しまして大変な御理解と御支援をいただきまして、少しずつ体制を整備してまいりましたが、引き続き、体制の整備についてはしっかりと取り組んでいきたいと思います。

#39
○牧島委員 重大な任務遂行に当たっての体制整備、私もお支え申し上げたいというふうに思っております。
 本日御議論させていただきましたとおり、個人情報の保護そして利用のバランスというのは大変大きなテーマで今後もあり続けるというふうに思います。また、今回の改正のその先に、個人情報保護法、行政機関個人情報保護法、独立行政法人等個人情報保護法の三本の法律を統合して、いわゆる二千個問題も解消していく、そうした道筋が見えてくればよいのではないかと思っておりますし、事に当たっては、個人情報の取扱いを独立規制機関である個人情報保護委員会が一元的に所管をしていく体制を整えていく。
 私自身の思いも、最後、改めてつけ加えさせていただきまして、質問を終わります。ありがとうございました。

#40
○松本委員長 次に、太田昌孝君。

#41
○太田(昌)委員 公明党の太田昌孝でございます。
 質問の機会をいただき、ありがとうございました。
 今回のこの個人情報の保護に関する法律等を改正する法律案は、個人情報に対する意識の高まり、また、技術革新を踏まえた保護と利活用のバランス、さらに、これは、越境データの流通増大に伴う新たなリスクへの対応など、昨今の個人情報を取り巻く環境変化を踏まえますと、まさに今、この国会においてしっかりと審議をし、通していかなければならない法案、このように思っております。
 また、昨今の新型コロナウイルス感染症対策を見ましても、公衆衛生の改善など、社会課題の解決に向けて、プライバシーへの十分な配慮を行った上で、いかにして個人情報、個人データですね、活用していくかが一つの課題となっておるわけでございます。
 今後、データ駆動型社会の構築を目指すに当たって、各種のデータ利活用の効用を最大限に発揮して、新たな価値を創造することが求められている、このように思います。
 こうした観点から、本法案においては、利用停止、消去等の個人の請求権について現在の要件を緩和するなど、個人の権利を強化するための措置というのが幾つか盛り込まれているわけでございますけれども、また、逆に、個人データの利活用を促進するためにどのような措置が盛り込まれているものか、お尋ねをしたいと思います。

#42
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 現行法におきましては、利用停止や消去等の請求ができるのは、個人情報の不正取得があった場合等、一定の場合に限定されております。
 一方、相談ダイヤルや全国で開催したタウンミーティングにおきまして、消費者からは、本人が望まない形で自身の個人情報が利用されて、事業者が利用停止に応じてくれないといった不満や意見が多く寄せられました。これを受けまして、委員会といたしましては、本人の関与を強化することが必要であるというふうに考えました。
 そこで、今回の改正によりまして、現行の要件に加えまして、事業者が利用する必要がなくなった場合、保有個人データの重大な漏えいが発生した場合、本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合についても、利用停止、消去、第三者提供の停止を請求できることといたしました。
 本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合といたしましては、本人の意思に反してダイレクトメールが繰り返し頻繁に送付されるような場合というようなものが考えられます。
 いずれにいたしましても、今後、消費者や企業の現場の御意見なども伺いながら、ガイドラインなどでわかりやすく解説をしてまいりたいと思います。

#43
○太田(昌)委員 次に、消費者の視点から、何点かちょっとお尋ねをしたいと思います。
 現在、消費者自身の個人情報に対する意識が高まっておりまして、自身の個人情報を利用を停止してほしいという声、消去してほしいという声を聞く機会がございます。先ほど言ったとおりでございますね。
 現行の個人情報保護法では、利用停止、消去等が認められるのは、不正取得あるいは目的外利用の場合など、極めて限定的に要件が定められておりまして、個人の権利利益を保護するためには不十分じゃないかなというふうに思います。
 これまで、EUの法律でありますEU一般データの保護規則よりも保護水準が低いと言われておりました。このため、消費者の個人情報に対する意識の高まりに応えるために、利用停止、消去等の要件を見直すべきであろうというふうに思うわけでございますが、現行の利用停止、消去等の要件と改正法案による要件、これはどのように違うものか、わかりやすくお示しをいただきたいというふうに思います。

#44
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、現行法でございます。こちらで利用停止や消去ができるのは、個人情報の不正取得があった場合、一定の場合に限定をされております。
 この点について、消費者からの不安とか不満といったものが多く聞こえましたので、今回は、この要件に加えまして、利用する必要がなくなった場合、あるいは漏えいが起きた場合、あるいは本人の権利、正当な利益が害されるおそれがある場合というものを加えまして、新たに請求権を拡充したものでございます。

#45
○太田(昌)委員 請求権をしっかりと拡充したと。そういったことが個人にしっかりと届くというか、そのことがきっと大事なんだろうなというふうに思いますので、そうした要件についても広く周知をすることも、これは望んでおきたいというふうに思います。
 本法案には、違法又は不当な行為を助長するなどの不適正な方法によって個人情報を利用してはならない旨を明確化するとの内容が盛り込まれております。
 違法な行為を助長するような個人情報の利用を禁止することは、これは、ある意味では当然のことでもあります。また、事業者における不適正な個人情報の取扱いによりまして、その取り扱っている個人みずからが全く予見しない形で不利益をこうむることを懸念する、そうした個人の方々にも配慮された内容であるために、これは改正の方向性としては異論がないところでもございます。
 一方で、違法又は不当な行為を助長して、又は誘発するおそれのある方法による個人情報の利用との要件が、これは大変に抽象的なように感じられるわけでございます。事業者がこの範囲を広く捉えた場合に、個人情報の利活用が、これはかえって進まず、萎縮効果を招いてしまうのではないかとの懸念をするわけでございます。
 例えば、個人情報保護委員会が想定される事例を示すとか、事業者による個人情報の利活用を萎縮させないような、そんな取組もやっていくべきだというふうに考えますが、個人情報保護委員会として、その点についてのお考えをお伺いをしたいと思います。

#46
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま御紹介をいただきました改正につきましては、当委員会がこれまで対応してきた事案を踏まえたものでございます。
 これは、個人情報保護法上は違法ではないとしても、個人の権利利益の保護に照らして見過ごせないような方法で個人情報が利用されるといったケースでございます。これを踏まえまして、今般の法案では、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法による個人情報の利用を行ってはならないということを明確化いたしました。
 具体的な例といたしましては、違法行為を営む事業者に個人情報を提供するといったようなケース、あるいは、裁判所による公告等により散在的に公開されている、しかし、差別を誘発されるおそれがあるような個人情報について集約化して、データベース化、インターネット上で公開するようなケースが考えられます。
 いずれにいたしましても、委員が御懸念のような、個人情報の利活用を過度に萎縮させることのないよう、ガイドラインなどにおいて、想定される事例を具体的にお示ししてまいりたいというふうに思います。

#47
○太田(昌)委員 先ほども申し上げました、やはり事例をしっかり示して、安心して個人あるいは企業の側も利活用ができるということが大事だと思うんですね。その点、今、こういう場においてしっかりと事例を示していただきました。広く周知、広報にも努めていただきたい、こんなふうに要望しておきたいというふうに思います。
 最近、端末識別子等を用いて複数のウエブサイトの閲覧履歴を把握し、個人の関心事項を分析するという手法が大変多く活用されているというふうに認識をしております。
 こうした中で、当初は本人を識別しない形の中で取得されたデータが、最終的には、ある個人を結果として識別、特定される形で利用された、これは事案もあった、このように認識をしております。個人情報保護委員会でもこれについて勧告を行ったというふうに承知をしておりますが、本件は、法の趣旨をこれは潜脱した行為として勧告されておりましたが、法律により、本人が関与できる仕組みを設ける必要があるというふうに考えるところでもございます。
 改正案では、個人関連情報に関して、本人の同意が得られていることを確認しないで提供することができないとされております。すなわち、個人関連情報について、本人の同意を取得することで本人関与の機会を設ける仕組みになっているわけでございます。
 しかし、本人の同意を取得するにしても、そもそも本人がこの内容をよく理解していない、そのまま形式的にこれは同意を取得しても、結局、本人の関与にはつながらないんじゃないかという懸念が当然あります。
 改正法第二十六条の二第一項の本人の同意を取得するに当たって、本人が内容をよく理解できるよう説明させる、この内容についてどのように考えているものか、これをお尋ねをしたいと思います。

#48
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 今御紹介をいただきました同意についてでございますが、同意の取得方法とか留意事項についてはガイドラインなどで詳細に定めていきたいというふうに思っておりますけれども、例えば、単に個人関連情報を第三者に提供しますよと言っただけでは不足ではないかというふうに思っておりまして、例えば、提供先がどこかということ、あるいは提供先で個人データになりますよということをはっきり本人に示した上での同意が必要ではないかと考えています。
 今後、これも消費者や企業現場の意見も伺いながら、ガイドラインの策定、周知、広報に努めまして、本人の関与がしっかりと担保されるようにしてまいりたいと思います。

#49
○太田(昌)委員 これは本当に難しいんですよ。なかなか私自身も、ついうっかりと言ったらおかしいですかね、当然、自身でも理解をしたつもりで、さまざまな個人情報について、結果としては、スマホなどで同意をしてしまったりして、その先に一体どういう状況が待っているかということは理解せずにやってしまうということも間々あろうかというふうにも思います。
 そういう意味では、今回の個人情報保護法、とりわけ、このような社会になってしまいますと、いわゆる個人の理解をどのように進めていくかということも大変重要な要件だというふうにも思っております。先ほど来ちょっとお話を申し上げておりますとおり、この活用に向けても、結果として、今回は個人のやはり同意ということもしっかりと位置づけているわけですから、そこのところを理解を得られる、また周知徹底、努力、重ねてになりますけれども、これをしっかり行っていっていただきたい、こんなことを申し上げておきたいと思います。
 次に、企業の視点からもちょっとお尋ねしておきたいと思います。
 現状、個人情報保護の重要性について高まっている一方で、これは、漏えい事案も毎年、相当数発生をしています。一たび個人情報の漏えいが発生すると、漏えいの対象となった本人がさまざまなリスクにさらされることになってしまうわけであります。
 まず、事業者に安全管理措置を徹底をさせて、漏えい事案が発生しないように予防することが重要であるというふうに思います。また、その上で、万が一、漏えい等事案が発生してしまった際には、事業者に個人情報保護委員会への報告義務を課すことが、個人の権利利益保護の観点からも必要であります。
 報告義務の対象となる事案について、この改正案の中では、個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして個人情報保護委員会が規則で定めるものというふうに規定をされております。この具体的な要件が極めて重要であろうというふうに思います。
 個人の権利利益を害するおそれが大きいものとしてこの個人情報保護委員会の規則で定めるものとして、具体的にどのようなものが想定されるのか、この際、確認をしておきたいと思います。

#50
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 今般の改正によりまして、委員が言及いただきましたように、漏えいが発生した場合には委員会への報告が義務づけられます。
 その要件につきましては、漏えいした個人データの性質、それから漏えいの態様、それから漏えいの事態の規模など、複数の観点から、個人の権利利益を害するおそれが大きい事態を定めることを予定をしてございます。
 具体的には、例えば、センシティブな要配慮個人情報の漏えい、それから不正アクセスによる漏えい、それから経済的な損失を伴うこととなるおそれのあるようなデータの漏えいといったもの。このほか、これらには該当しなくても、一定数以上の大規模な漏えいなどを報告の対象とすることを検討していきたいというふうに思います。

#51
○太田(昌)委員 大変に、それ以上細かく規定することもなかなか難しいのかもしれませんけれども、もうちょっと事例等々をわかりやすく、そして、企業の側においてもしっかりとそこに対して対策が打てるような、これは支援なども含めて、ぜひともよろしくお願いをしておきたいというふうに思います。
 あと、域外適用についてもちょっと伺っておきたいというふうに思います。
 グローバル化によって、個人情報が国境を越えて大量かつ頻繁にやりとりをされるようになったわけで、グーグルあるいはフェイスブックなど、いわゆるGAFAと言われている、提供をされるサービス、私たちの日常生活にもこれは不可欠なものとなっております。
 さまざま、今、なかなか地元に帰る機会がないんですけれども、例えば、帰りの新幹線に乗ったりすると、そこでもWiFiが機能されていまして、そこにつなげるためには、例えば今のフェイスブックを使うとかツイッターを使うとか、そこを押しちゃうと簡単にいけるものですから、楽でやっちゃったりするわけでございますけれども。
 そのように、ある意味でいけば、そうしたところに我々の情報というのもしっかりとこれは握られちゃっているという実態にあろうというふうに思っています。
 こうした外国事業者に対して日本の規律がしっかりと及ぶということが、消費者の安全のためにも、安心のためにも不可欠であろうというふうに思います。
 一方で、今回の個人情報保護法では、現行、外国事業者に対して、個人情報保護委員会は命令や報告徴収等の強制的な権限を行使することができないことになっておりましたが、今後、どのような外国事業者があらわれるかも予測できない中で、イコールフッティングの観点からも、外国事業者に対して命令や報告徴収等を可能にすること、これは極めて重要であろうというふうに思います。
 個人情報保護委員会による執行が実効力を伴うものとなるものかどうか、実態も含めて確認をしておきたいと思います。

#52
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の改正では、御紹介いただきましたとおり、外国事業者に対しても委員会からの報告徴収、命令ができるようになりまして、国内事業者とのイコールフッティングを図るものでございます。
 外国事業者が報告徴収や命令に違反した場合には罰則の適用もあり得ますけれども、日本の当局が外国で立入検査や取調べを行うことは、外国主権との関係でも困難な場合もございます。
 そのような場合に備えまして、今回の改正におきましては、事業者が命令に違反した場合には委員会がその旨を公表できるということにしておりまして、公表によって命令の実効性を担保することとしております。
 また、法律上、外国当局との執行協力もできることになっておりまして、こういったツールを使って監督の実効性を上げていきたいというふうに思います。
 これまでも委員会では外国事業者に対する指導や監督も行ってきておりまして、引き続きしっかり実効的な監督に取り組んでいきたいというふうに思います。

#53
○太田(昌)委員 ともあれ、これは実効力が伴わないと何の価値もないわけですから、ぜひよろしくお願いします。
 最後に、先ほど牧島先生もお取り上げされておりました二千個問題について、ちょっと私の方からも確認をさせていただきたいと思います。
 この個人情報保護法は、民間事業者における個人情報の取扱いに関する規律を定めている一方で、国の行政機関における取扱いについては、別の法律、行政機関等個人情報保護法で、また、都道府県、市区町村等の自治体における取扱いについては、それぞれの条例で規律をされております。
 これらの法律や条例では、個人情報の定義やその利用の手続などが異なっているために、データの流通の壁になっているという課題について、これは多くの声が聞かされているところでもございます。いわゆる二千個問題ということであります。
 例えば、医療分野、独立行政法人の病院、県立病院、市立病院、あるいは個人病院でそれぞれ個人情報の取扱いのルールが異なるために、各病院のデータを連携が難しいという声も聞きます。今、新型コロナウイルス感染症への対応のように、多様な主体が広域的にデータ連携をすることが重要性を増している状況の中で、こうした法律や条例のルールの統一が不可欠であろうというふうに思っています。
 基本法である個人情報保護法を所管する個人情報保護委員会で、この問題の解決に向けて積極的に取り組むべきと思いますが、この御見解をお伺いをしたいというふうに思います。

#54
○衛藤国務大臣 委員御指摘のとおり、民間部門、国の行政機関等、あるいは地方公共団体における個人情報の取扱いを規律する法令が別々になっていることがデータ流通を阻害しているのではないかという多くの指摘があることは承知いたしております。また、そういう意味では、今回のコロナの中で大きな反省も出てまいりました。
 部門を超えた横断的な法制のあり方等については、政府においても、個人情報保護委員会を含む省庁横断的なタスクフォースを設置して検討しているところであります。
 こうした中で、この問題については、個人情報保護委員会に対する期待に応えて、積極的かつ主体的に取り組んでいく必要があると思っております。できるだけ早く結論を急ぎたいというように思っております。
 どうぞよろしくお願いします。

#55
○太田(昌)委員 大臣から、できるだけ早くという力強い御回答をいただきました。御期待を申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#56
○松本委員長 次に、浅野哲君。

#57
○浅野委員 立国社の浅野哲でございます。本日は、よろしくお願いいたします。
 また、ほかの委員会との質疑の兼ね合いで、当初の予定から質疑順を入れかえさせていただきました。御理解をいただき、ありがとうございます。
 まず冒頭、本日は、個人情報保護法改正に関する議論をさせていただきたいと思いますが、その前に一問だけ、国家公務員法に関する質問をさせていただきたいと思います。
 皆様御案内のとおり、国家公務員法については、先日、継続協議ということが決まりまして、今回のこの国会では議論をしないということになりましたけれども、ここ数日、政府の方から立て続けに大きな方向転換の報道がされておりますので、その点、少し事実確認をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、発端となりましたのは、十九日、自民党の参院幹事長であります世耕議員が、この国家公務員法について、公務員だけ給料が下がらないまま定年延長されていいのかなどと見直しを求めたというところから始まっておると承知をしております。
 これに対して、安倍総理は会見の中で、公務員全体の定年延長を含む制度改革に当たっては、国民の意見に耳を傾けることが不可欠だ、そして、この法案をつくったときと違い、社会的な状況は大変厳しい、そうしたことを含め、しっかりと検討していく必要があるというような御発言をされておりました。
 ただ、この国家公務員法改正については、当初より、高齢期の職員の豊富な知識経験を最大限に活用するという理由で、これまで政府が強力に成立を推し進めてきた案件でありまして、どうも急な方向転換に見えてならないというふうに感じております。
 そこで、きょうは、お忙しい中、内閣人事局の堀江統括官にもお越しをいただいておりますので、現時点での政府見解を伺いたいんです。
 伺いたいのは、総理が言われているように、今の社会情勢の中で、国家公務員法改正に影響を与えるような情勢変化が起きているのか、そして、見直しのような発言も出ておりますが、現段階で、内閣官房として、国家公務員法の改正の必要性、どのように今認識をされているのか、お伺いしたいと思います。

#58
○堀江政府参考人 お答えいたします。
 今般の国家公務員法等改正法案につきましては、今後、長期的に少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少する我が国において、豊富な知識、技術、経験等を持つ高齢期の職員に最大限活躍してもらいつつ、複雑高度化する行政課題に的確に対応する必要があるという認識のもと、必要かつ重要な法案であると考えて、国会に提出させていただいているところでございます。
 その上で、昨日、先ほど御指摘ございましたような、総理から、今、社会的に大変厳しい状況にあり、法案をつくったときとは状況が違っているのではないかという意見があることも承知している、あるいは、そうしたことも含めてしっかりと検討していく必要があることなどについて発言があったと承知しております。
 このようなことも踏まえた上で、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

#59
○浅野委員 ちょっと最後の部分が何となくうやむやにまとめられてしまったような感じがしたんですけれども、ちょっと私からの質問の最後の部分、この国家公務員法の改正の必要性に対してどういう認識を持っているのか。端的に言えば、必要だと思っているか、見直しが必要だと思っているか、その点に関してもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。

#60
○堀江政府参考人 大変恐縮です。
 繰り返しになりますけれども、今般の国家公務員法改正につきましては、今後、長期的に少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少する我が国において、高齢期の職員に最大限活躍していただくという観点から、必要かつ重要な法案であるというふうに考えて、提出させていただいているところでございます。
 その上で、総理の御発言なども踏まえまして、しっかりと対応していきたいと考えております。

#61
○浅野委員 済みません、事前の通告でしっかりと、私は、情勢変化に対する認識と、そして、その変化の認識を受けて必要性をどう考えているかというのを答えてほしいというのを丁寧に通告をさせていただきました。出したときに、そういう認識を持って出しました、そして、総理のきのうの発言を受けてしっかりと対応してまいりたいというのは、それはわかるんですが、ただ、統括官の御見解として、情勢変化があると思っているのか、ないと思っているのか、そして、それを受けて必要性に変化が生じているのか、生じていないのか。
 しっかりと論理的に質問していますから、論理的に答弁をいただきたいと思いますが、もう一度、これが最後になりますが、よろしくお願いいたします。

#62
○堀江政府参考人 大変恐縮でございます。
 先ほどから申し上げていますように、今回の法律案につきましては、必要かつ重要なものであると考えて、提出させていただいているところでございます。
 その上で、総理から、今、社会的に大変厳しい状況にあり、法案をつくったときとは状況が違っているのではないかという意見があるということも承知しているという御発言もあったところでございます。
 こういったことも踏まえまして、しっかりと対応してまいります。

#63
○松本委員長 浅野さん、もう一回聞いてもらえますか。

#64
○浅野委員 統括官がおっしゃっていることはわかります。余りこれは最初に時間をとりたくないんですけれども、ただ、私が聞いているのは、踏まえて検討をしていくという、これからに向けた意思ではなくて、この情勢変化をどう捉えているのか、それをどう踏まえ、その変化を踏まえて国家公務員法の改正が今なお必要だと思っているのか、いないのか。
 先ほど、統括官の答弁の冒頭、提出をしているところでございますという答弁がございました。提出をしているということであれば、今なおその思いが変わっていないという理解でいいんですか。よろしくお願いします。

#65
○堀江政府参考人 お答えいたします。
 今回の法案につきましては、複雑高度化する行政課題に的確に対応するというために必要かつ重要な法案であると考えて、提出させていただいております。
 その上で、社会的に現在大変厳しい状況にあり、法案をつくったときとは状況が違うんじゃないかというような御指摘があるということについても十分承知しているところでございます。
 そういったことも踏まえまして、対応してまいりたいと思っております。

#66
○松本委員長 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕

#67
○松本委員長 速記を起こしてください。
 浅野哲君。

#68
○浅野委員 じゃ、ちょっと聞き方を変えますが、答弁を踏まえて、私の理解では、国家公務員法の改正はいまだに必要だと思っている、その上で、昨日の総理の発言等を踏まえて、情勢が厳しくなっていることも踏まえて、これからどういう改善点が必要なのかを検討していきたい、そういう理解でよろしいですか。つまり、まだ改正の必要性があると思っているということでよろしいですか。

#69
○堀江政府参考人 今後、長期的に少子高齢化が進み、生産人口が減っていくわけでございますので、今後、我が国において、豊富な知識経験を持つ高齢者の能力、技術を活用していくことが重要であろうということについては変わりがないというふうに思っております。
 その上で、総理の発言などを踏まえまして、しっかりと対応を検討してまいります。

#70
○浅野委員 少し答弁が前進したかなと思いますが、私が言いたいのは、やはり今の政府は、一億総活躍社会をつくるということをずっと掲げてきているわけですよね。やはり社会のマクロな動向変化として、少子高齢化というのが進んでいる。
 そういった中で、短期的と言っていいのかわかりませんが、数カ月から一年、二年、数年程度の期間はこのコロナショックの影響が及ぶというのは、もちろん、我々全員が共有しているところだと思いますが、この国家公務員制度改革というのは、それ以上の長いスパンでこの国のあり方というのを形成する基本的な法律でございます。
 ですから、今、国家公務員は全国で約五十八万人、地方公務員は二百八十万人近くおりまして、こういった方々の雇用や働き方に影響を与える重要な法案ですから、ぜひ皆さん、これから、そういったところも踏まえるのはそうなんですが、大きな、長期的な視点に立って検討をしていただきたいというふうに思います。
 では、きょうのテーマである個人情報保護法の方に移っていきたいと思います。
 堀江統括官は、ここで結構でございます。ありがとうございました。

#71
○松本委員長 御苦労さまでした。どうぞ御退席ください。

#72
○浅野委員 まず、大臣にお伺いをしたいと思います。
 今回の個人情報保護法が前回改正されたのは、平成二十七年の第百八十九回の国会でございました。このときは、消費者や事業者を取り巻く環境変化に対応して、消費者の個人情報の保護を図りながら、事業者による円滑なデータの利活用を促進させるような趣旨で改正がなされたわけでございます。
 そこで、まず最初の質問は、そういった過去の改正を踏まえたこれまでの個人情報保護法制に対する評価、効果があった部分、そして新たに課題となってきた部分、その部分を端的にお答えいただきたいと思います。

#73
○衛藤国務大臣 平成二十七年改正においては、個人情報保護法が平成十五年に成立してから相当の期間が経過し、情報通信技術が進展したこと等を踏まえて、個人情報の適正な取扱いを図るべく、個人情報保護委員会を新設するとともに、利活用を推進するために匿名加工情報を新設し、不当な差別、偏見が生じないよう、要配慮個人情報の規定を整備する等の措置が行われました。

#74
○浅野委員 それによって、どういう課題があるかという部分について、もう少し答弁をいただけますでしょうか。

#75
○衛藤国務大臣 済みません、答弁が足りず。
 特に、事業者を一元的に監視、監督する体制として個人情報保護委員会が設置されたということは極めて大きい前進だというふうに思っております。また、この改正によって、個人情報保護委員会における監視、監督体制の確立等、当時の課題への対応ができたと評価しております。
 しかしながら、この三年間には、個人情報に対する意識の高まり、技術革新、グローバル化への対応といった目まぐるしい変化があったと考えています。このため、こうした課題に対応する所要の改正事項を盛り込んだのが今回の改正案でございます。

#76
○浅野委員 ありがとうございました。
 今大臣も御答弁の中で触れていらしたとおり、やはり前回から今回までの期間の中で、特に、情報通信事業、サービスのグローバル、ワールドワイドなネットワーク化であったり、個人情報が、国内にとどまらず幅広く世界的に流通するような環境がより一層加速しているような印象を私も持っております。
 次の質問なんですが、この個人情報保護法というのは、極めて情報通信技術の発展に影響を及ぼし得る法律だと私は思っております。
 特に、私も経済産業委員会に所属をしながら、こういった情報通信サービスの規制のあり方ですとかを議論していますと、やはり個人情報に対する保護がしっかりしているか、していないか、これに対する国民の認識が非常にこのサービスの普及に影響を及ぼし得るんだというふうに思います。
 ですので、大臣に伺いたいのは、今後、どんどん情報通信技術、サービスの発展というのを我が国も進めていかなければいけないんですが、この発展に向けて個人情報保護法制がどうあるべきなのか。
 私の言い方で言えば、しっかりとデータを守る環境をつくれば、国民の安心感が高まって、そういったサービスの利用がもっともっと広がる、そして、もっともっと事業、技術が発展する、そんなイメージを持っているので、ある種、厳格さ、そして、ある種の裁量性、こういったものがこれからの個人情報保護法制には必要だというふうに思っております。
 この点について、大臣の御見解を伺えればと思います。

#77
○衛藤国務大臣 委員御指摘のとおりだというぐあいに思っております、基本的にはですね。
 情報通信技術の進展が国民生活の豊かさにつながるためには、個人情報の適切な取扱いと、これに基づく消費者の安心が極めて重要であります。
 今回の改正においては、具体的に、個人情報に関する本人の関与を強化するための、利用停止、消去等の個人の請求権の要件の緩和等を行うこととしております。
 本法案は、保護と利活用の両面を強化するものであります。そしてまた、これは、情報通信技術の進展とあわせまして、国民から直接いろいろな形での意見もお聞きしながら、その双方をどういうぐあいにしてうまく両立させていくかということが極めて重要であるということで我々は認識しているところでございます。
 そういう意味におきまして、個人情報の有用性にも配慮しつつ、個人の権利利益をしっかりと保護してまいらなければいけないというぐあいに考えております。

#78
○浅野委員 ありがとうございます。
 基本的には同じような御見解をお持ちなんだということを理解いたしました。
 やはり個人の権利、そして、しっかりと安心感を生むような保護体系にしていかなければいけないという観点で次の質問に移りたいと思うんですが、先ほど太田委員も同じような質問をしておりましたので、私からの質問の仕方を少し変えさせていただいて、まず、先ほど太田委員も質問されておりました、漏えいが発生した際の委員会への報告、そして、本人への通知の義務化がされる条件について、かなり具体的な表現も使って先ほど答弁されておりましたので、その部分をもう一度お聞かせいただけますでしょうか。

#79
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 漏えい報告、それから本人への通知の中身の具体的な内容について御説明申し上げます。
 二十二条の二第一項の本文におきまして、個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失、毀損その他の個人データの安全の確保に係る事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして個人情報保護委員会規則で定めるものが生じたときは、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該事態が生じた旨を個人情報保護委員会に報告しなければならないというふうに定められております。
 また、改正後の二十二条の二第二項本文におきまして、前項に規定する場合には、個人情報取扱事業者は、本人に対し、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該事態が生じた旨を通知しなければならないというふうに定められております。

#80
○浅野委員 ありがとうございます。
 もう少し具体的な例もお伺いしたいんですが、この第二十二条の二に定められている個人情報保護委員会規則で定めるものが生じたときは、報告の義務化の対象となるということがございました。先ほどそこの部分についても具体的な例示をされながら御答弁いただいたと思うので、その部分をちょっとお願いいたします。

#81
○其田政府参考人 その要素につきまして御説明申し上げます。
 個人データの性質や漏えいの態様に着目をして、幾つかの要素で検討してまいりたいと思います。
 例えば、要配慮個人情報など、いわゆる機微情報でありますとか、不正アクセスによる漏えい、あるいは、財産的被害が生じるおそれのあるデータの漏えい等、類型に着目したものは、報告の対象としてまいりたいと思います。また、これらの類型に該当しない場合であっても、一定以上の大規模な漏えいについては報告の対象とすることを予定しております。
 このように、複数の観点から類型を定めることで、権利利益を害するおそれが大きい事態については委員会への報告の対象となるようにしてまいりたいと思います。

#82
○浅野委員 今、幾つか具体的な例示をしていただきました。やはり先ほど大臣もおっしゃっていたように、個人の安心感をどう確保していくか、これは非常に大事な要素になっていくと思うんですね。
 今伺った内容ですと、例えば、個人情報が本人に与える影響の重大さですとか、あるいは故意による漏えいなのか、過失による漏えいなのか、そういった部分でも区別をする余地が残っているというふうに思われますので、そうした要素を十分に配慮をいただきながら、できるだけ具体的でわかりやすい、そして、何より消費者が安心できるような規則の内容にしていただきたいというふうに思います。
 加えて、やはり一定数以上の規模の場合に義務が発生するというこの部分が、どうも、この法案資料を読んでも、一定数以上の漏えいがあった場合に報告義務化になりますよと書いてありますが、この一定数以上という部分がひとり歩きをして、こういう場合は一件でも報告しなきゃいけないのに、一定数以上じゃないから大丈夫だよみたいな判断を事業者がしないように、しっかりと周知も取り組まなければいけないと思うんですね。
 そもそも、義務化、初めてされるわけですから、ぜひ消費者保護の観点から、そのあたりは抜かりなく御対応いただきたいというふうに思っております。
 では、続いて、ちょっと先ほど答弁いただいた部分でもありますが、利用停止などの個人請求権の行使条件について少し詳しくお話を伺いたいと思います。
 きょうの資料三をごらんいただきたいと思います。
 資料三には、今回の法案の第三十条、利用停止などに関する条文を掲載してございます。赤線の部分をごらんいただきたいんですが、利用停止を請求できる条件として、ここに書いてあるのは、「本人が識別される保有個人データの取扱いにより当該本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合」というふうに書いてあります。
 おそれがある場合には停止請求ができるというような読み方ができるわけですが、このおそれという言葉がどの程度の範囲を示しているのか。例えば、消費者が、この情報がもし漏えいしたら怖いな、不安だな、漏えいするおそれがあるな、そういうふうに不安に思っただけで請求ができるものなのか、それとも、より明確な基準があるのか、この点について具体的な答弁を求めたいと思います。

#83
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 現行法におきましては、まず、利用停止や消去の請求ができるのは、個人情報の不正取得があった場合等、一定の場合に限定されております。
 今回の改正によりまして、現行の要件に加えまして、利用する必要がなくなった場合、保有個人データの重大な漏えいが発生した場合、あるいは、本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合、ただいま御紹介いただいたようなケースについても利用停止、消去又は第三者提供の停止を請求できることとしております。
 その具体的な事例としては、頻繁にダイレクトメールが本人の意思に反して送られてくる場合でありますとか、あるいは、情報が漏えいしたといったような状況、こういったケースが考えられます。
 いずれにしても、今後、消費者や企業の現場の皆様の意見も伺いながら、ガイドラインなどでわかりやすく具体的に示してまいりたいというふうに思います。

#84
○浅野委員 多分、この条文からでは今おっしゃったような部分を読み解くのは非常に困難だと思いますので、やはりガイドラインとか規則で具体化していくことが本当に重要だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 では、続いて、仮名加工情報の関連の質問をさせていただきたいと思います。
 この仮名加工情報というのは今回新たに新設される概念で、個人情報から一部、個人を特定するような要素を抜き取って、例えば氏名を抜き取って、Aさん、Bさん、Cさんというような仮名をつけて、個人が特定できないように処理をできるようなデータ体系のことを指すそうでございますが、私もいろいろ事務方の皆さんから説明を受けて、どうしてもわからなかったのは、どういうつくり方をすれば仮名化情報というふうになるのかというのがよくわからないんですね。つくり方がわからないと、個人情報と匿名加工情報と仮名加工情報、何種類か今あるんですけれども、それぞれの見分けがつかなくなってしまうんじゃないか、そんな懸念があるわけであります。
 そこで、まずは、仮名加工情報の作成基準、どういう基準に基づいて作成すれば仮名加工情報となるのか、その部分を明確にお答えください。

#85
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま御紹介のございました仮名加工情報につきましては、新しく導入された概念でございますので、今後、周知、広報も非常に大事だというふうに思っておりますが、その具体的な必要な基準につきましては、個人情報保護委員会規則で定めることになっております。
 その基準といたしましては、例えば、氏名等の個人情報に含まれる特定の個人を識別することができる記述等を削除すること等を予定をしております。氏名のほかに、例えば住所や生年月日など、これらの記述を組み合わせることによって個人が識別される場合には、これらも削除していただく必要があるのではないかと思います。
 具体的な作成の基準については、また今後作成するガイドライン等でお示しをしてまいりたいというふうに思います。

#86
○浅野委員 ちょっと正直、今の説明を聞いても、匿名加工情報と仮名加工情報というのはどう違うんだというところが非常にわかりづらいんですよ。この議論の中でそこら辺がわからないということは、これが施行されて事業者が使う際にも非常にわかりづらい制度になってしまうんじゃないかなというのを懸念しておりまして、これは、ぜひ基準が明確になった時点でもう一回説明していただきたいと思います。
 ちょっと時間も限られてまいりましたので、次の質問に移りたいと思います。資料五の方をごらんいただきたいと思います。
 これは非常に抽象的な絵になるんですけれども、今、仮名加工情報というのは、加工する前は個人情報なわけですよね。この資料ではもとデータというふうに書いてありますが、個人情報から一部の情報を抜き取ってつくったものを仮名加工情報だというふうに認識をしております。この絵でいいますと、もとデータも、仮名加工した後の仮名加工情報も、そして、切り分けた片割れの削除情報等という部分も、これは全て安全管理措置の対象になっているわけであります。
 ただ、この仮名加工情報は、例えば、削除情報が何らかの事由で漏えいしてしまった場合であっても、これは利用停止請求の対象外になっていますね。
 今、やはりサイバーセキュリティーの犯罪もふえてきております。仮名加工情報が、その後、漏えいしないとも限らない。漏えいして、この二つの情報が同一の事業者に渡ってしまった場合には、技術の進歩によってこれは復元できる可能性も十分にあるわけなんですけれども、仮名加工情報については、削除情報等が例えば漏えいしてしまった場合は、利用停止の請求の対象にした方がいいんじゃないかというふうに思うんですが、こういった部分に対して、仮名加工情報の取扱い、どうしていく方向性なのか、御答弁いただけますでしょうか。

#87
○其田政府参考人 ただいま委員が御指摘のような削除情報が漏えいした場合ですけれども、これは、安全管理措置義務を履行する観点からも、当該仮名加工情報に含まれるIDなど、そのつなぐものを振り直すことなどによって、仮名加工情報を新たにつくり直す必要があるのではないかというふうに考えます。つまり、もとの仮名加工情報を使い続けることはできないのではないかというふうに思います。
 したがいまして、仮名加工情報に係る削除情報が漏えいした場合において、その漏えいが起きた事業者においては、その仮名加工情報をそのまま継続して利用することは原則として許容されないというふうに考えます。
 なお、仮名加工情報の作成に用いた個人情報のみが漏えいした場合には、その仮名加工情報及び削除情報の安全管理措置義務の履行が確保されている限り、必ずしも直ちにそのまま継続して利用することができないとは限らないというケースもあるかと思います。
 いずれにしても、こういったケースも、どういった場合にというようなことも含めまして、丁寧にガイドラインなどでお示ししていく必要もありますし、また、それをうまく広報啓発して、企業の方に御理解をいただく、あるいは、消費者の方にも安心していただくということが必要だろうというふうに考えております。

#88
○浅野委員 ありがとうございます。
 ちょっと今の答弁の中で一点確認させてください。
 もし削除情報等が漏えいした場合に、仮名加工情報はもう一度つくりかえる必要があるだろう、事業者の中でそういう対応をするだろうというような発言がありましたが、それは、今後、規則かあるいはガイドラインで定められる予定というのはあるんでしょうか。

#89
○其田政府参考人 ただいま御指摘いただきましたようなことは、安全管理措置義務の一環として、ガイドラインなどで記載していこうと思っております。

#90
○浅野委員 ありがとうございます。
 もう一、二問、仮名加工情報についてお伺いしたいと思います。
 今回、仮名加工情報は、第三者提供を規制しております。基本的に第三者提供ができないような取扱いが規定されているわけですけれども、例えば、今のようなコロナ感染症が蔓延して、一刻も早く治験データを集めて、新しい治療法ですとか適切な治療方法を見つけ出さなければいけない、こういった場合に、患者さんの匿名性は確保しながら、こういう仮名加工データを活用しながら、より早く、迅速に解決策を模索する、そういう動きがこれから医療業界やいろいろな分野で出てくることが想定されております。
 情報通信技術を用いてこういう社会全般をよりよくしていこうというふうに考えたときに、こういう仮名加工情報をせっかくつくるのであれば、そういう活用の幅を広げて、より安全に、より効果的にこういうデータを使うという考え方もあったのではないかと思うんですが、今回、なぜ第三者提供を規制するに至ったのか、その部分について御説明をいただきたいと思います。

#91
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 仮名加工情報の第三者提供につきましては、それを取得した悪意のある者が特定の個人を識別するおそれがあるということの懸念がございます。
 また、漏えい発生時におけるリスクの低下を図るために個人を識別できないようにしているにもかかわらず、第三者提供について本人に関与させるためには、あえて加工前の個人情報を復元するといったような、リスクが高まる点もございます。そういったことから、仮名加工情報それ自体の第三者提供を禁止してございます。
 なお、仮名加工情報を作成した事業者におきましては、一般的に、当該仮名加工情報の作成に用いた個人情報自体は保有しておると思いますので、現行法にありますように、それを普通の個人データとして、本人の同意を得て第三者に提供することは可能になっております。

#92
○浅野委員 ありがとうございます。
 やはりさまざまなリスクがあるということで、この法律を考えていらっしゃる皆様自身が、データがどう扱われるか、もしものときに思いが至って、まだまだこういう情報を安心して幅広く活用できる環境が整っていないということのあらわれでもあると思うんですよ。
 冒頭、大臣と議論させていただいたように、やはりこの個人情報保護法の設計というのはもっともっと改善する余地があるし、そうすることで、更にデータ活用の幅が広げられる余地もあると思いますので、仮名化情報は、新しい概念ではあって、まだまだ粗削りではあるものの、これからのソサエティー五・〇だとかデータ駆動型社会と言っているわけですから、もっと活躍の幅を広げていってもいいんじゃないかと思いますので、ぜひ、今後、継続的な検討をお願いしたいと思います。
 最後に、大臣にお伺いしたいと思います。
 ちょっと何問か質問を飛ばすことになりますが、やはり、今、きょうの議論を通してわかったのは、報告や本人通知の義務化の基準、そして、この仮名化情報一つとっても、その作成方法や管理方法に対する基準というのがまだまだこれから決まっていく要素が多くて、これは、実際、施行されるまで二年あるそうですけれども、しっかりそこで周知できるかどうか、まだまだ懸念が残っています。
 ですから、ぜひ施行後も継続的な実態把握をしていただいて、個人情報保護委員会は、上がってきた漏えい報告だけを見るんじゃなくて、しっかりと能動的に実態把握に努めて、それを継続していただきたいというふうに思うんですが、大臣からの答弁を求めたいと思います。

#93
○衛藤国務大臣 各国ともに、通信情報技術の進展、特にアメリカなんかは、こういういろいろなものを逆に技術が引っ張ってきて、行政の方は後追いでやっていくとか、それから、ヨーロッパの方では、個人情報保護が前面に立って非常にしっかりしているとか、あるいは、いろいろな国においては、国家がこれを管理するような形にいっているとか、いろいろな違いがあると思います。
 しかし、委員御指摘のように、我が国は、この技術の進歩と個人情報の保護という、有用性と利活用も、両方をやはり成り立たせるような形で、常に極めて細心の注意が必要だというぐあいに思っています。
 そういう意味では、私どもも、まだまだ報告されていない事案がないかを把握しながら、法律に基づく義務の履行を促す点で、情報漏えい等についてはやはり的確に監視を続けていかなければいけないと思っていますし、個人情報保護委員会においては、外部から寄せられる情報やオンライン情報のモニタリングなど、日常的な監視活動にしっかり取り組んで、そして、引き続き、重大な事案を見逃すことのないように、そして、有用性と利活用、両立がちゃんとできるようにやっていくことが日本における大きな課題だというように思っておりますので、しっかり取り組んでまいりたいというように思っております。

#94
○浅野委員 ありがとうございました。
 以上で終わります。

#95
○松本委員長 次に、柚木道義君。

#96
○柚木委員 立国社会派の柚木道義です。
 質疑時間は二十分しかありませんので、早速。
 法案質疑の前に、通告しております、つい先ほど、速報によれば十時三十一分、黒川東京高検検事長辞職が閣議で了承されたと。これは何なんですか、一体。しかも戒告。(発言する者あり)訓告か。
 訓告って、これは訓告じゃなくて免職でしょう、本来。何なんですか、この処分。国民をばかにしているんですか。なぜ訓告なのか。この身内に甘過ぎる処分の妥当でない点、まず伺います。
 人事院の懲戒処分の指針によれば、こうあります。賭博。「賭博をした職員は、減給又は戒告とする。」しかも、黒川さんの場合は、新聞社の調査報道、今回出ていますが、それも含めて常習犯じゃないですか。「常習として賭博をした職員は、停職」ですよ。最低、減給又は戒告。これは、停職にもなって当然の報告が出ている。
 人事院に聞きますけれども、訓告の場合は、私も確認していますけれども、国家公務員退職手当法によれば、退職金、減給されるんですか。お答えください。

#97
○合田政府参考人 お答えいたします。
 退職手当の取扱いにつきましては、内閣人事局の方の所管でございますが、一般に、訓告の場合には特段の条項はないというふうには承知しております。

#98
○柚木委員 満額支給されるじゃないですか。退職金、幾ら出るんですか。
 私も、この退職手当の試算の基準に従って試算してみましたよ。退職日の俸給月額掛ける退職理由そして勤続年数支給割合プラス調整額。これは、少なく見積もっても六千六百八十六万円、約七千万円ですよ。
 国民が、コロナ失業、コロナ不況、コロナ倒産で、十万円、いつもらえるんだと必死に今、日々を、仕事をしたくても仕事がなくなった、店をあけたくてもあけられない。何なんですか、これ、七千万円。これは支給されるんなら、いつ出るんですか、通常は。

#99
○保坂政府参考人 申しわけございません。ちょっと手元の資料で、いつ支給されるかどうかについて、持ち合わせがございませんので、また調べてお答えをさせていただければと思っております。

#100
○柚木委員 法務副大臣、訓告処分を森大臣が決められて、自分はこの責任をとって辞職を総理に申し出て慰留されているそうですが、そもそも、この訓告という処分、私が説明したように、内閣、これは人事院の処分の指針に基づいて見ても、最低限、減給又は戒告。これは恐らく停職ですよ、最低。
 私は、法務省に聞いて、わざわざこの規定を外したものを紙でくれたから、よっぽどやはりここに当たると思っているんだなと思ったのは、秘密漏えいなんですよ。秘密漏えいのところを外した紙を事務所に送ってきたんですよ、処分の指針。秘密漏えいは、「職務上知ることのできた秘密を故意に漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、免職又は停職とする。この場合において、自己の不正な利益を図る目的で秘密を漏らした職員は、免職」と明記しています。
 ちなみに、この「自己の不正な利益を図る目的」。ハイヤーで何回も、月に二回とか三回とか、新聞社の調査も出ている。これは、計算してみたら、ハイヤー代は払っていませんと黒川検事長は認めていますね。三年、大体月二、三回でやっていたら、ハイヤー代だけで百五十万から二百二十万ぐらいになるんですよ。その間に、当然記者は仕事ですよ。マージャンが仕事じゃない、その後聞き出すのが仕事。利得を得ているんですよ。
 秘密漏えいについても、これは調査を、今回の訓告を決めるときにしましたか、法務副大臣。

#101
○保坂政府参考人 調査につきましては、法務省におきましてさせていただいたものですけれども、かけマージャンやハイヤーの点も含めて、いろいろ調査をいたしました。
 お尋ねの捜査情報などの秘密の漏えいにつきましては、調査において、そのような事実はなかったということでございます。

#102
○柚木委員 そもそも、秘密漏えいだったら当然免職なんですよ。しかし、ハイヤー代も払っていない、便宜も得ていて、しかも賭博をしていることは、それぞれ黒川さん本人も記者も認めている。お金も出入りしている。ちなみに、かけた金額、これも大体月二、三回で二、三万。計算してみたら二百万ぐらいになるんですよ、三年間だけでも。もっと前からやっているじゃないですか。秘密漏えいしていたら、もちろん免職ですよ、そんなもの。懲戒免職ですよ。それ以外の条件でも訓告なんてあり得ませんよ。
 副大臣、これ、安倍総理はこうおっしゃっていますよ。今回の、そもそも違法な定年延長を閣議決定して、黒川さんの定年延長をごり押しして、そして、その法案は審議強行しながらも採決撤回、そして、今回のかけマージャンで辞職。御批判は真摯に受けとめたい、任命した総理として当然責任がある。
 責任って何なんですか、訓告処分のことですか。訓告処分で国民が納得すると思いますか。

#103
○義家副大臣 事案の内容と諸般の事情を総合的に考慮した上で、処分が行われました。
 また、処分の参考としては、公務員のかけマージャン等の過去例も参考にしながらの訓告という処分が行われた次第であります。

#104
○柚木委員 過去例は、私、法務省だけじゃなしに、いろいろ調べていますよ。かけマージャン、懲戒免職になっている例は、ほかに幾らでもありますよ。私は、ほかの省庁も全部調べていますから。
 何でこんな大甘な処分をするんですか。黒川さんに何か弱みでも握られているんですか、政府は。退職金満額七千万、口どめ料ですか。おかしいじゃないですか。
 政府として、しかも、伺いますけれども、黒川さんの後任の人事も早急に決める、その際に、稲田検事総長、これ、官房副長官、官邸から道連れの辞職を求めている、これは本当ですか。

#105
○西村内閣官房副長官 検察等々の人事に関しましては、検察庁そしてまた法務省からの意見を伺いながら決定していくことになると思います。

#106
○柚木委員 否定しませんでしたね。これはとんでもないことですよ、稲田検事総長、官邸が道連れ辞職を求めるなんていったら。
 黒川さんは、みずからかけマージャン。これは刑法犯ですから、百八十五条違反、五十万円以下の罰金。常習犯ですから、三年以下の懲役になりかねませんよ。やめて当然。だけれども、稲田検事総長は何でやめなきゃいけないんですか。検事総長、検察官は、検察庁法二十三条、検察適格審査会の議決がなければ、総長も含めてやめさせることはできませんよ。何をもって官邸がやめさせようとできるんですか。おかしいじゃないですか。否定しませんでしたね、とんでもないですよ。
 これ、副大臣、ぎりぎりで、最後出なきゃいけないということだから、なるべく早目に聞きますけれども、まさか訓告処分だけで終わらせませんよね。追加処分できますから。退職しても、退職金は減額できますから。佐川さんのときもそういう議論がありましたよ、財務省の。まさか訓告だけで終わらせるということはないですよね。
 当然、このお金のやりとり、朝日新聞の調査では四回、緊急事態宣言中だけでもやっている。法務省は二回だ。食い違っている。再調査、再捜査してください。まず再捜査、再調査してくれますね、御答弁ください。

#107
○義家副大臣 お答えいたします。
 事務次官が、必要に応じて複数にわたり、電話あるいは面談による聴取を行っているところであります。その結果として、このたびの調査結果が出た上で処分も行ったというところでございます。

#108
○柚木委員 ちょっと、ちゃんと答えてくださいよ。追加処分、調査、やるのかやらないのか。今までの、訓告ですか、説明はわかりました、今ので。これで店じまいにするつもりじゃないですよねと聞いているんですよ。納得しませんよ、国民は、我々も。
 そもそも、朝日との、調査も食い違っている。ですから、事実関係をちゃんと調査してくれないんだったら、黒川さん、参考人で要求しますよ。朝日の調査と食い違っている、黒川さんは一部事実と違うと言っているんだから。どこがどう違うんですか。(発言する者あり)必要なら記者も呼びましょうよ。いいじゃないですか、呼べ呼べと言っているんだから。
 委員長、黒川さんと、必要に応じて、今回の当該記者、呼んでください、参考人で。

#109
○松本委員長 後ほどの理事会でお諮りをいたします。

#110
○柚木委員 国会は、もちろん国政調査権がありますから、今のように参考人に来ていただいて、やりますよ。その前にやるのが責任じゃないですか、政府が。どこまでお手盛りの、身内の大甘な調査で店じまいしようとしているんですか。身内の大甘な調査じゃなくて、公正な、厳正な調査と処分をやってください。追加調査をやってくださいよ、副大臣。

#111
○義家副大臣 処分内容を決するために、必要な調査を行ったというふうに認識しております。
 その上で、新たな事実、わかっていない新たな大きな事実があった場合についてはその都度、やはり確認していくことは必要であろうと考えておりますが、現時点でさらなる調査が必要だとは考えておりません。

#112
○柚木委員 新たな事実が出ているじゃないですか。法務省の調査と既に、えっ、じゃ、朝日新聞がうそをついているんですか、みずから不利になる情報を。法務省は二回と言っている。朝日は、この緊急事態宣言中だけでも四回やった、月二、三万、二、三回。三年だけでも二百万ぐらい、かけ金になる。ハイヤー代だって二百万超えるじゃないですか。新たな事実、出ているじゃないですか。国民をばかにするのもいいかげんにしてください。
 追加調査をやるかやらないか。せめて、今、事実、食い違っている、新たな事実、出ている、法務省の調査と違って。追加調査してください。
 これ、やらなかったら、検察、かけマージャンの捜査、できるんですか。訓告で、本来なら一般の方がやったら五十万以下の罰金、常習犯だったら三年以下の懲役だよ。びた一文退職金も減らされない、七千万円満額受給、こんなことを許して、検察、捜査できるんですか。追加調査、やると約束してください。

#113
○義家副大臣 まず、黒川氏が約三年前から今回の記者とともに月一、二回程度金銭をかけたマージャンを行っていたことは、これは調査により認められましたが、その具体的な日付、五月一日、十三日は特定することができたわけですけれども、具体的な日付を特定するには至らなかったところであります。
 その上で、現時点では処分もし、御自身も辞職をされたという中で、新たな事実が出てきたらその都度確認はいたしますけれども、省としての再調査は現時点では考えておりません。

#114
○柚木委員 これ、とんでもない答弁ですね、本当に。何が総理は責任を感じているんですか。批判を真摯に受けとめているんですか。全然受けとめていないじゃないですか、こんな大甘な処分で幕引きを図ろうとする。
 これ、今のままだったら、間違いなく国会に呼ばなきゃ。委員長、こんなことでいいんですか、国会は。

#115
○松本委員長 後ほど、理事会でお諮りいたします。

#116
○柚木委員 これ、本当に参考人で呼んでいただかなきゃだめになりますし、黒川さん、捜査する側がかけマージャン。本来だったら、これ、証人喚問ですよ、今のような本当に誠意のない答弁を繰り返すんだったら。
 何遍も繰り返しているじゃないですか。朝日新聞の報道によれば、もう緊急事態宣言中だけで四回。金額を確認したんですか、金額。月二、三万円。いやいや、そもそも報道、文春も含めてやれば、いや、十万円今回は負けちゃったよとか、接待マージャンじゃないですか。
 そういう金額、それから日時も、じゃ、月四回、緊急事態宣言中であれば、毎回そのマージャンをしたときに、三密マージャンをした後に、その日のうちに次の日を決めていたと言っているんですよ。手帳に残っていますよ、黒川さんの。残りの二回の日付、確認してください。

#117
○義家副大臣 お答えいたします。
 まず、五月一日及び同月十三日、いわゆるこのときに行われたレートですけれども、点ピンと呼ばれているレート、すなわち千点を百円に換算する方法でマージャンを行い、記者との間で約一万円から約二万円の現金のやりとりがあったということが確認されております。
 その上で、黒川氏は、五月一日それから十三日というお話なわけですけれども、この回数だけで臆測であれすると、日付をまたいでいますので、例えば二つだったら日付をまたいだら四日間という形になりますし、この辺の確認作業を行ったところでありますが、五月一日と五月十三日、ここが確認されたところでございます。

#118
○柚木委員 では、日付をまたいだかどうかも含めて、日付をまたいで、それが一日の前なのか後なのか、十三日の前なのか後なのか、それで、またいで二回にカウントしているのか、そうじゃなくて、それ以外の日付もやっていて四回なのか、それを確認してください。答弁してください。

#119
○義家副大臣 我々は、黒川氏から確認をとった上で、マージャンは四人で行いますけれども、それぞれの新聞社の記者あるいは社員の皆様方の話と照らし合わせながら今回の判断を行ったところでありまして、直接民間の記者及び社員の方々から調べをしたということではありません。

#120
○柚木委員 やはりわからないんです、今のだと。日付をまたいでいるかどうかも含めて。だから、これはちょっと本当に、法務省、確認してくださいよ。このままじゃ店じまいさせませんよ。
 それから、もう一つ聞きます。
 黒川検事長は余人をもってかえがたいと。辞職したから閣議決定の理由はなくなりましたね。唯一の立法事実だとこの場で武田大臣が答弁した、森法務大臣もその後認めた。
 官房副長官、政府として、この検事長を定年延長できる、これ、しかも違法な閣議決定でやっているんですよ、後づけで。これ、撤回してください。

#121
○西村内閣官房副長官 黒川検事長の任期延長につきましては、検察庁の業務遂行上の必要性に基づいて、検察庁を所管する法務大臣からの閣議請議により閣議決定されるといった適正なプロセスを得て、引き続き勤務をさせることとしたものでありまして、この勤務延長自体に問題はなかったものと考えております。
 黒川検事長につきましては、法務省において確認した事実に基づいて、昨日、必要な処分を行うとともに、本日、辞職を承認する閣議決定を行ったところであります。
 法務省、検察庁の人事案を最終的に内閣として認めてきたものでありますので、内閣全体として責任があるというふうに考えておりまして、御批判等々については真摯に受けとめてまいりたいというふうに思っております。

#122
○柚木委員 何が適正なんですか。何年も前から常習賭博者じゃないですか、認めているじゃないですか。それが余人をもってかえがたいの理由だったんですか。いいかげんにしてくださいよ。これまでの法案審議の時間を返してください。
 じゃ、法案審議をやるために、さっき浅野さんも聞いていたけれども、まともな答えを全くしていない。政府の副長官、立場として、安倍総理が、強行審議、採決までやると言っておきながら、急にこの検察庁法改正案を含む国家公務員法一部改正案、廃案も検討する、これは本当ですか。

#123
○西村内閣官房副長官 公務員全体の定年延長を含む制度改革につきましては、ともかく国民の皆様の意見に耳を傾けることが不可欠でありまして、国民の皆様の理解なくして前に進めることはできないというふうに認識しております。
 その上で、新型コロナウイルスの感染症の拡大によりまして、現在の社会を取り巻く状況が大変厳しく、国家公務員法等改正案を作成した段階とは状況が異なってきているのではないかというさまざまな御意見があるものというふうに承知しております。
 今後、そのような御意見も踏まえつつ、検察庁法の改正部分も含めて、改めてしっかりと検討していく必要があるというふうに総理も述べているところであります。

#124
○柚木委員 国民の皆さんが、なぜ一千万もネット世論の方が、検察庁法改正案に抗議します、反対します、強行採決反対ですと抗議されたかといえば、世の中の趨勢は確かにもう定年延長なんですよ。だから、それはやむを得ない。だけれども、内閣が勝手に検察幹部人事にどんどん介入する、このことに国民は怒って、ネット世論一千万になったんですよ。都合が悪くなったら急にすりかえて、この法案自体を。状況が変わった、とんでもないですよ。
 じゃ、国民が皆さんに、この内閣の幹部人事、検事総長を含めて介入できる特例規定、これを削除してほしいという民意に応えてください。

#125
○西村内閣官房副長官 この国家公務員法、検察庁法改正を含めた法案と、黒川検事長の問題は別物だというふうに考えております。

#126
○柚木委員 どこが、国民の理解を得ながら、耳を傾けながらじゃないと前に進めないですか。いいかげんにしてくださいよ、本当に。
 私、法案通告もしていますけれども、もう時間が来ちゃったので、これは本当にこのままで、いやいや採決なんかできませんよ、ちゃんと答えてくれずに。
 これはぜひ、私は、じゃ悪いのは誰なのかということを思ったときに、いや、確かに黒川前検事長も、かけマージャンは刑法違反の賭博罪ですからだめですよ。だけれども、その黒川さんを余人をもってかえがたいと、違法な閣議決定までして定年延長させた安倍政権、安倍内閣の任命責任、どうとるんですか。副長官、お答えください。

#127
○西村内閣官房副長官 先ほども申し上げましたけれども、国家公務員法の改正につきましての問題と、この黒川氏の問題というのは別物でありまして、そこで一緒の議論で指摘いただいても、なかなか難しいものではないかと思います。

#128
○柚木委員 本当に、きょう、法務副大臣も官房副長官も、全く国民に対して誠意のかけらも感じられない答弁が相次ぎましたので、最後に改めて、ぜひ、黒川前検事長、場合によっては記者の方にも来てもらって、そして、国政調査権に基づいてこの国会の場で、行政府がやらないなら、立法府が国民の皆さんへの説明責任を果たすことを求めて、質疑を終わります。
 ありがとうございました。

#129
○松本委員長 次に、大河原雅子さん。

#130
○大河原委員 立国社の大河原雅子でございます。
 今の柚木議員の怒りの声は、本当に私のところにもいろいろ届けられております。市民の怒りと同等でございます。
 なぜきょうこの委員会があるのかも、実は私もわかりません。どうしてこんなに急いでこの個人情報保護法をやらなきゃいけなくなってしまったのか。先週の金曜日、何をやっていたのか。黒川問題、マージャン賭博、余人にかえがたいと言われてきた方の実態が見えましたけれども、それ以前に、この公務員定年延長、定年制のこと、長年待たれてきた問題です。
 検察庁法の改正と一緒に、また特例をつけたものをしてしまう。その前段階にあった一月のあの閣議決定から、黒川さんの問題とこの法案は関係ないと言いながら、大ありだったじゃないですか。余人にかえがたい方だったら、信念を通して審議を続行すべきだったですよ。
 委員長、普通に見ている方たちは、この内閣委員会の委員会運営についても疑問を持っておられます。今、どういう状況になったのか。申しわけありませんが、委員長から御説明をまずいただきたいと思います。

#131
○松本委員長 委員長としては、こういったことに答えるということが、いいんですか。許されているんでしょうか。

#132
○大河原委員 権限がありますよ、委員長。

#133
○松本委員長 質問権はない、それに答弁権がないと思うんですね。
 とにかく、委員会運営につきましては、理事会にお諮りをし、理事会の決定に基づいて今日まで進めてまいりました。
 以上。

#134
○大河原委員 だから、この委員会の運営については、与党の皆さんと私たち野党が、重要な法案を審議していく、その順番についても、しっかりと順番を決め、やっていくわけです。大事な公務員法、検察官の定年についても議論をするという、そこに時間を使ってきましたよ。そして、そのことについての大きな疑問がありながら議論をしてきた。でも、本当に、先ほど西村副長官がおっしゃったみたいに、国民の理解が必要だというふうに思うんだったら、やはりこの国家公務員法を一度取り下げる、あるいは、黒川さんマターのあの閣議決定を取り消す、何か前に進む方法をしっかりと与党の皆さんも提案をすべきじゃないですか。官邸に従って、政権の思うままに、国民の大事な法制をゆがめてしまうようなことは、断じて私は許されないことだと申し上げます。
 それでは、時間が短くなりましたが、質疑させていただきます。
 新型コロナウイルス感染は、本当に世界的なパンデミックです。そして、これが始まったときから、実は国連の女性機関や国際NGOの皆さんからも、これまでのあまたの災害や感染症の対策で経験をしてきたことから、こういう災害が起こったときに、男性と女性と、そうした災害や感染症から受ける影響には違いがある、ですから、そのことに十分配慮した、ジェンダー視点での対策が必須であるということが言われてきました。今回のパンデミックでも、本当に早々に言われてきているところです。
 そこで、内閣府男女共同参画局に伺います。なぜ災害時に、感染症対策にジェンダー視点が必要だとされているのか、そして、このことを日本政府はどのように受けとめておられるのか、伺います。

#135
○池永政府参考人 お答えいたします。
 これまでの大規模災害の経験から、平時の固定的な性別役割分担意識を反映して、災害時には、家事や子育て、介護等の家庭責任がふえます。それが女性に集中したり、避難生活の中でDVや性被害、性暴力が増加するといった、平時から既に存在する課題が災害時に増幅されるとの指摘があります。また、意思決定過程に女性の参画が十分に確保されておらず、委員もおっしゃいました男女のニーズの違いなどが配慮されないなどの課題が生じているというふうに認識しております。
 私どもといたしましても、男女共同参画の視点、ジェンダーの視点からも災害対応を行われることが、防災や減災、災害に強い社会の実現にとって大変重要であるというふうに考えております。
 以上です。

#136
○大河原委員 このジェンダー視点の必要性というのは、全ての施策に必要なわけですけれども、東日本大震災の後、防災計画などには、このジェンダー視点、特に女性に配慮した、そうした防災計画とか、避難所の運営とか、いろいろなことが出てきました。ところが、災害というのは次々と起こるわけですので、熊本地震にも、残念ながら、大阪の北部地震にも、それから台風や暴風雨、こういったところでも、なかなかそれが発揮できずに、男女共同参画の第四次計画には、この防災分野、そしてここのジェンダー視点というものは、本当に独立した分野として掲げられておりますけれども、ちょっとこれまでの経緯は残念なことがあると思います。
 そこで起こったこのパンデミックで、今池永局長おっしゃったように、ふだん何げに気がつかない、そうしたジェンダーバイアス、それが、家の中というところで非常に増幅された形で起こるということがあります。それなので、より丁寧なチェックが必要だし、保護が必要ということになってくるわけです。
 今回の新型コロナの対策本部に、男女共同参画局としてどのようなかかわりを持っているんでしょうか。施策全体を見なければいけない立場だと思うので、その点を確認させてください。

#137
○池永政府参考人 お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症対策本部において新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針を決定しているところでございますが、その中で、各種対策の実施に当たり、女性や障害者などに与える影響を十分配慮することが明記されております。
 また、第二十四回対策本部において、橋本男女共同参画担当大臣から、各種対策の実施に当たっては、負担が女性に偏って生じたり、女性が更に困難な状況に置かれたりすることのないよう、施策が女性に与える影響を十分に配慮して実施していただきたいと発言がありました。
 加えて、第三十一回対策本部において、新型コロナウイルス対策に係るDVへの対応状況及び相談体制の拡充等について、これも橋本大臣から報告をしているところでございます。
 今後とも、関係省庁と連携しながら、必要な対応に注力してまいります。
 以上です。

#138
○大河原委員 今、本当にきょう、橋本大臣から直接お聞きできないのですが、池永局長、答えてくれました。
 DVや児童虐待の増加が懸念されるということから、DV相談の体制を拡充をしている、そして四月の二十日から、DV相談プラスという形で二十四時間体制の相談そしてまた対応もやっていらっしゃるんですが、一月たちましたので、この時点で、どういう相談が来ているのか、実績として通常と比べてどういうふうになっているのか、その点も簡単に伺いたいと思います。

#139
○池永政府参考人 お答えいたします。
 内閣府で四月二十日から開始したDV相談プラスでは、被害者の多様なニーズに対応できるよう、電話相談のほか、SNS相談、メール相談の実施、十の外国語での対応を行っています。
 四月二十日から五月十九日までの一カ月間の相談対応状況として、総数で、電話相談が二千四百八十七件、SNS相談が八百六十四件、メール相談が千四十八件となっています。外国語については、五月一日に開始いたしましたが、二十件対応しているところでございます。
 相談内容としては、夫の在宅勤務がふえ、テレワーク中は家の外に出される、経済的に不安になり、夫がいらいらすることが多くなり、暴力を振るわれている、子供の前で暴力を振るわれたといった、深刻なものも多くあります。
 また、本件、四月に全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談件数は、昨年四月に比べて約三割増加しております。現時点までに報告のあった全国の暫定的な数字では、昨年の一万三百四十八件から一万三千二百七十二件に増加しています。
 この増加の要因としては、外出自粛や休業等に伴う生活不安やストレスから実際にDVが増加、深刻化したこと、また、私どもも周知に努めてまいりましたが、報道などにより、DVの問題や相談先が周知されたことがあると考えております。
 DVの被害に遭われている方が一人でも多く相談や支援につながることが大事だと思っています。引き続き、相談窓口の周知徹底やDV相談プラスの運用、民間シェルター支援など、被害者支援の充実に取り組んでまいります。
 以上です。

#140
○大河原委員 この一月の相談件数でも、その反応がいかに多くなってきているのか、そしてまた、外出自粛ですから、家にいるだけの方たちには、なおこのストレスが更に強まっていくということだと思います。
 こうしたところで、実は、定額給付金も、世帯主に、世帯主の口座に振り込まれるので、これから先、更にストレスは強まる。DVの中には経済DVというのもあります、お金の自由を分かち合わないというようなことがありますので、とても心配です。
 そして家に、自粛、帰るということですけれども、実は家が安全じゃない場所になっている。家族からの暴力、性暴力も含めて、あるような、被害に遭う少女たちもいます。
 そういうことから、もっときめ細やかに、男女参画局には、例えば給付金の配り方一つ、世帯に配っていることが今回どういうふうに影響をするのか。また、なぜ一人一人に、一人十万円という給付が、受給権者を世帯主としてしまうことではなくて個人とすれば済んだことなんですけれども、そうやって一人一人の安心を生み出すような施策になっているのかどうか。ジェンダーの視点から、男性にも女性にも平等、フェアなジェンダーの視点からやはりしっかりとチェックをしていただきたいというふうに思います。
 それでは、個人情報保護法について伺ってまいります。
 まず、個人情報保護の基本的な考え方なんですけれども、個人情報保護法で保護される個人の情報については、個人にかかわるあらゆる情報が対象になっているんでしょうか。保護の範囲とあり方について、また今後のその方向性について、お答えをいただきたいと思います。

#141
○衛藤国務大臣 個人情報保護法では、個人に関する情報のうち、生存する個人に関する情報であって、特定の個人を識別できるものを個人情報と定義し、保護の対象といたしております。
 今般の改正法附則では、引き続き三年ごとの見直し規定を設けており、個人情報保護の範囲やあり方も含めて適時適切に見直しを行い、技術革新も踏まえた個人情報の有用性の配慮と個人の権利利益の保護のバランスを図ってまいりたいと考えております。

#142
○大河原委員 大臣、本当に個人情報というのは、私、難しいと思うんですね。やはり、この法律ができてからも、いろいろ個人情報が、欲しい情報が来ないからなかなか対応できなかったということもあって、実は萎縮をしてしまうということもあるかもしれません。
 しかし、個人情報の保護と利活用のバランスということで今回の改正ができておりますけれども、この中では、事業者の負担も考慮しながら保有個人データに関する本人の関与を強化する、こういう措置が講じられるものとされています。
 現在、個人の権利利益の侵害の状況というものがあるわけですけれども、これをどのように捉えられているでしょうか。そしてまた、今後、技術革新を踏まえて、個人情報の保護と利活用のバランスというのはとり方がとても難しいと思いますが、どのようにとっていくお考えなのか。また、パーソナルデータの利活用を推進する中では、個人の人権の尊重それから管理経費について、現在の個人情報保護という考え方で十分なのかどうか、課題は何なのか、そのことについても、恐れ入りますが、まとめてお答えをいただきたいと思います。

#143
○衛藤国務大臣 個人情報保護委員会では、今回の見直しに当たって、個人情報保護をめぐる国内外の政策、技術、産業の状況等についての実態把握やヒアリング等を通じて検討を進めてまいりました。
 また、委員会で設置している相談窓口や、全国各地で実施したタウンミーティングでの消費者の皆様の御意見や、二度にわたる意見募集を通じていただいた御意見も踏まえて検討を深めてきたところであります。
 今回の改正案でも、データの越境移転の増大やネット広告技術の進展などの技術動向にも対応し、個人の権利利益の保護にしっかりと目くばせをした内容になっております。
 また、今般の改正法附則では、引き続き三年ごとの見直し規定を設けております。この規定に従い、経済社会やデータ流通の大きな変化を踏まえ、しっかりと個人の権利利益の保護を図ってまいりたいと考えております。

#144
○大河原委員 今、大臣の口からも、タウンミーティングをやったというふうにおっしゃっているんですが、私も、さっき時間があったのでこの後ろを見てみましたが、タウンミーティング、全国で三十七カ所。でも、一カ所当たり大体五人から多くて八人なんですね。消費者二名、消費生活相談員一名、自治会の人一名、企業の人一名。これ、タウンミーティングでこの内容をしっかり知っていただくというふうにやれたと私はとても何か思えないんですけれども、それはどういうことだったか、また其田さんから伺いたいと思いますが、とても難しいです。デリケートな部分がいっぱい入っております。
 なので、一人一人の、この間のパブコメをとっても、たくさん来るわけですよ。だから、自分のデータはどういうものなのか、自分の個人情報はまずは自分のものだというところから確認をしていただく。その個人の権利というものも、やはり利活用で、バランスをとるとはいいながら、何が大事なんだというところはしっかり押さえておいていただかないと、被害ばかりが大きくなるというふうに思います。
 次に参ります。
 今回、EUでは、一般データ保護規則、GDPRに入っておりましたけれども、自己に関する個人データを消去する権利、つまりは、いわゆる忘れられる権利、これがEUにはありますけれども、今回の法改正では、この忘れられる権利というのは盛り込まれませんでした。私たちの我が国においては、今後どのようにすべきと考えているのか。プライバシー権や表現の自由との関係も含めた考え方と、現在の検討状況を伺わせてください。
 さらに、これまでは、個人情報保護法の規定に違反して個人情報が利用、取得されている場合に、個人情報の利用停止、消去等の請求が可能だったわけですけれども、本法律によって、本人の権利利益が害されるおそれがある場合などにもこの利用停止や消去等ができることになっております。
 この本人の権利利益が害されるおそれがある場合というのは具体的にどのような場合を言うのか、そのことについても伺いたいと思います。

#145
○衛藤国務大臣 本法案により利用停止や消去等が新たに可能になる、本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合としては、例えば、本人の意思に反して事業者がダイレクトメールを繰り返し送付している場合などが考えられます。
 いわゆる忘れられる権利については、その定義はさまざまでありますが、利用停止、消去等の請求権の拡充により、相当程度個人からの要請に沿うものとなっております。
 今後とも、プライバシー権や表現の自由等の権利を含め、個人情報を取り巻く状況を注視するとともに、引き続き法の施行の状況をよく見てまいりたいと考えております。

#146
○大河原委員 何を個人の情報として認めていくのかというところは更に議論もありますし、今の忘れられる権利というのも、まだまだ日本では議論が進んでいないというふうに思います。
 それで、同じように、端末識別子の取扱いについて、EUではこれを個人情報の一つとして見ているわけですけれども、スマートフォンとかウエブブラウザーの利用者を区別するクッキーなど、こうした端末識別子の取扱いについて、今回の制度改正では、まずは自主ルール、それによって適切な運用が重要であるとしております。
 でも、個人情報の定義にこの端末識別子を入れていくということが私は必要になってきているというふうに思います。私たちの情報を更に守っていくためにも、個人情報として取り扱う必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか。

#147
○衛藤国務大臣 個人情報保護法では、生存する個人に関する情報であって、特定の個人を識別できる情報を個人情報としてやっているところでございます。そういう意味で、端末識別子等を特定の個人を識別できる形で取り扱っている場合は個人情報となり、個人情報保護法上の規律に服することになります。
 また、今回の改正では、個人関連情報に関する規律を導入し、提供元では個人データに該当しないものの、提供先において個人データになることが想定される情報について、あらかじめ本人の同意を取得することを求めることといたしました。

#148
○大河原委員 個人情報は本当に幅広く、また、使いたい人たちは更にたくさんの情報を集めようとするので、いろいろなことが起こると思うんです。
 位置情報の取扱いについて伺いたいと思いますが、スマートフォン等の位置情報というのは、地図のアプリやゲームでも使用されております。本当にたくさん使われています。私は必要のないときは切っていますけれども、盛んに利用される一方では、自宅や事務所の場所、移動方法、こういったものを簡単に推測することができるというふうにも報じられておりますし、そういうことを使って、もう既に事件も起きているということです。
 位置情報自体も個人情報に類する情報となり得ると私は考えますけれども、その取扱い、また利用のあり方について定める必要がないんでしょうか。私はあると思いますが、いかがでしょう。

#149
○衛藤国務大臣 御指摘の位置情報については、特定の個人を識別できる形で取り扱っている場合は個人情報となり、個人情報保護法上の規律に服することとなります。
 なお、個人情報保護委員会では、ガイドライン、QアンドAを策定し、法の内容をわかりやすくお示しするとともに、個人情報保護法相談ダイヤル等を通じて消費者等からの相談に対応してきたところであります。引き続き、こうした取組を進めていくことが重要というぐあいに考えております。

#150
○大河原委員 時間が来てしまったんですが、個人情報の中に含む、そして、それを保護する、規制をかけなければいけない情報というのは多々あると思います。
 今、パンデミック、コロナのことで、やはり、感染した人たちを早く保護して、隔離をして、そして回復させるということが大きな課題ですけれども、そこにも、本来だったら令状が必要なぐらいの位置情報を渡さなきゃいけない、あるいは交友関係とか、そういうことまで出てくるわけです。
 ですから、これから先も、個人情報の扱いについては極めて必要最小限のものにとどめる、そして、個人の情報は情報者そのものに権利があるということを確実に実行できる、そうした仕組みを議論すべきだと思います。
 時間が来ましたので、ここで終わります。ありがとうございました。
    ―――――――――――――

#151
○松本委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官安居徹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#152
○松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#153
○松本委員長 次に、吉田統彦君。

#154
○吉田委員 立憲民主党の吉田統彦でございます。
 貴重な時間でございますので、早速質疑に入らせていただきたいと思います。
 故人、いわゆる亡くなった方には個人情報保護法は適用されないと承知しております。
 しかしながら、死者の情報であっても、生存する個人と関連がある、ないしは深い場合には、その生存する個人の個人情報になる場合があると言われています。
 例えば、亡くなった人の財産に関する情報は、その生存する配偶者や子、孫に相続されることになる財産の情報という側面がありますので、個人情報になり得るということですが、大臣、その相続者の一人がそれを知りたい場合、何らかの制限がございますか。

#155
○衛藤国務大臣 御指摘のとおり、個人情報保護法では、生存する個人に関する情報であって、特定の個人を識別できる情報を個人情報というぐあいに定義をいたしております。そして、保護の対象としているところでございますが、亡くなられた方に関する情報は、直ちには保護の対象とはなりません。
 これは、個人情報保護法は、個人情報の本人を対象として、本人の権利利益の侵害を未然に防止することを目的としており、遺族等の第三者の権利利益を保護することまで意図するものではないということや、開示、訂正等は本人のみが行うことが可能であるということによるものであります。
 ただし、亡くなられた方に関する情報が、同時に、遺族等の生存する個人に関する情報でもある場合には、当該生存する個人に関する情報として、個人情報保護法上の個人情報として保護の対象となるものと思っております。

#156
○吉田委員 大臣、ありがとうございます。
 聞いたことにお答えいただいていないんですけれども、相続者の一人が知りたい場合に何らかの制限が加わりますかということを聞いているんです。

#157
○衛藤国務大臣 遺族の個人情報にかかわらないということをはっきりしていただければ、それは保護の対象とならないということになりますので、その取扱いは、個人情報保護委員会の中で取扱いを決定していくものとなっております。

#158
○吉田委員 大臣、制限が加わらないという理解でいいですね、うなずいていらっしゃいますから。いろいろ聞きたいことがあるので、大臣、しっかりと端的に御答弁をいただきたいとお願いいたします。
 しかし、現実には、大臣、相続者や直系親族が、亡くなられた方にかかわる財産、そして、それ以外の情報を得たいと望んでも、過分に負荷のかかる書類等を要求される場合が散見されます。これは、大臣はどのようにお考えになりますか。

#159
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 亡くなられた方の情報を、何らかの必要があってのときに負荷がかかって得にくいという状況のお話というふうに賜りましたけれども、それは、その場面でありますとか、関係性に、個々のケースによるものではないかと思いますけれども、一般的には、必要な情報は得られるのではないかというふうに考えます。

#160
○吉田委員 大臣、かなり細かく、ほぼ一字一句に近いぐらいレクをしてあります。これは、大臣にはっきりとお答えをいただきたいから、我々は時間をかけて、細かくレクをしてございます。今の質問に関しては、私が言った内容そのものを読んでいるだけでございますので、できれば、大臣からしっかりと御答弁を本当にいただきたいです。
 今の問いに、完全に政府参考人の方も答えていないんです。これは、過分な、過度な保護がされている場合が多いんですよ。ですから、それに対してはちゃんと対応しているんですかという問いなんです、本質的には。どうですか。参考人の方で結構です。

#161
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 個人情報保護委員会としては、個人情報保護法をきちんと守っているかという観点で監督をしたり広報啓発を行いますので、過分にとるというのは、何らかの手続面での、手続上の問題でありますとか、あるいは、必要のないことを人に求めるといった、別の観点でのまた考え方なり、整理が必要になるのではないかというふうに思います。

#162
○吉田委員 ですから、じゃ、大臣に問います、ちょっと政府参考人の方は不十分なので。
 政府として、この点に関してはちゃんと対応、つまり、適切に個人情報保護法、後で第一条を読みますけれども、本来的な趣旨ではそういうところもちゃんと対応しなきゃいけないんですよ、必要な情報を必要な用に提供するためにもあるわけですから。
 大臣、過度な書類の負荷をかけている、そういう状況が世の中に散見されるんです。それに対しては、所管大臣としてどのようにお考えになるか、また、ちゃんと何らかの対応をしているのかということを教えてください。

#163
○松本委員長 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕

#164
○松本委員長 速記を起こしてください。
 衛藤大臣。

#165
○衛藤国務大臣 前回、平成二十七年の改正において五千件要件の撤廃を行ったことを受けまして、中小企業向けのリーフレットの作成、全国で説明会を行ってまいりましたが、成立後も同様の取組を更にしっかりと行ってまいりたいと思っております。
 それで、今、証明するための過剰な書類等の要求についてそういう意見が寄せられているところでございますので、今後はこれをできるだけ緩和していくという方向で検討していくところでございます。
 個人情報の取扱いについては、更にいろいろな事業者等にも助言や指導を行ってまいりたいというぐあいに思っているところでございます。それに従わない場合には、勧告や命令等、罰則も適用されるというぐあいに理解しております。

#166
○吉田委員 済みません、本当に、しっかりと事務方、お願いいたします。
 例えば、じゃ、大臣、他人又は直系親族若しくは近親者が、亡くなった方、故人の生前の著作、業績、役職などを組織に対して問い合わせる場合は保護の対象ですか。

#167
○松本委員長 其田事務局長。
 委員長の指名にきちっと応えなきゃだめだよ、事務局長。

#168
○其田政府参考人 故人の情報に関することは、原則としては、それは該当しないと思います。制限はないというふうに考えます。

#169
○吉田委員 ちょっと待ってください。これはもう一字一句レクしてありますよ、伝えてありますよ、事務方に。これは大臣がかわいそうですよ、はっきり言って。余りにも事務方、ひどいんじゃないですか。ちょっとこれはあり得ない。これは一字一句言ったじゃないですか。まあ、続けます、時間がもったいないので。
 これは、大臣、今、事務局長からも答弁がありましたけれども、要は、私が何を問いたいかというと、本法案に関する認識と理解が圧倒的に不足をしているんですね。一般の皆さんに啓発がなされていない。大臣は、そこをよくよく理解していただきたい。大臣、聞いておかなくて大丈夫ですか。ごめんなさい、しっかり聞いてください、本当に大臣と議論したいので。
 じゃ、次に行きますね。
 個人情報保護法の第一条には、その目的として、この法律は、高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることに鑑み、個人情報の適正な扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方自治体の責務等を明らかにするとともに、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることにより、個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とすると、一番大事なことを定めてありますね、大臣。
 個人情報の適切かつ効率的な活用により得られる有用性と、一方で、個人の権利利益を保護する、この両方を実現することにこの法案はあるわけですよね、大臣。
 しかし、現実的には、先ほど来の大事な問いの続きなんですが、法律の目的を理解せずに、個人情報だからという理由で、何でもかんでも回答を拒絶する担当者が余りにも世の中多過ぎるんです、大臣。これは法律の趣旨とは明らかに違う。
 極端な例でいうと、本来、権利保護を受けるべき情報の主体本人が情報内容の確認をしようとしても、それを拒絶されるというような本末転倒なことを多くの人が経験をしております。私自身も経験したことがあります。
 また、同法の理解不足で過度に情報を保護し過ぎたために、本来、正当にその情報を取得することが認められる問合せ者に不利益があった場合の、開示を命じたり、罰則を科す等はあるのでしょうか。

#170
○松本委員長 ちょっと時間をとめて。
    〔速記中止〕

#171
○松本委員長 速記を起こして。
 衛藤国務大臣。

#172
○衛藤国務大臣 大変申しわけございません。
 御承知のとおり、遺族等の生存する個人に関する情報でもある場合には、当該生存する個人に関する情報として、個人情報保護法上の個人情報として保護の対象となりますが、過剰になっているのではないのかというところの御指摘がありました。
 そういうことについては、平成十五年からできております第一条のところに、今、法文をお読みいただきましたけれども、そういう意味では、さらに、罰則の適用については、今はこういうことにつきまして、個人情報保護委員会に設置する相談ダイヤル等においても、この改正法や現行制度に関する質問や相談に丁寧に対応してまいりたいというぐあいに思っております。
 そして、この罰則の適用につきましては、個人情報の取扱いについて法違反が認められる事業者に対しては、助言や指導を行ってまいりますし、指導助言に従わない場合には勧告、命令を行い、更にこれに従わない場合には罰則が適用されるということになります。

#173
○吉田委員 大臣、ありがとうございます。
 実は、そういう御答弁をいただく旨もいただいているんですよ、本当に。それぐらい、私は大臣にしっかりと御答弁をいただきたいと思うので、しっかり伝えてありますので、ちょっと事務方、御指導ください。本当にこれではちょっと時間がもったいないです。
 次に行きます。
 これは政務官ですかね、今回の改正の契機にかかわる問題をお聞きします。
 今回の改正は、三年ごとの見直し条項に基づく改正であるのはもちろんであります。ただ、同時に、いわゆるリクナビ問題によって個人情報保護法についての疑念が生じたことも見逃すことはできません。
 そこで、このリクナビ問題が起こった原因について、現在の個人情報保護法のどこに問題があって、それに対して今回どのように法改正で対応しているのかを端的に、政務官、お答えください。

#174
○藤原大臣政務官 お答えいたします。
 リクナビ問題については、複数問題があったと認識しております。
 第一には、リクナビ運営者が、個人情報保護法第二十条にて求められる安全管理措置を適切に講じておらず、また、同法二十三条にて求められる必要な本人同意を得ずに個人データを第三者に提供していたことでございます。
 そして、もう一点、これが特に重要かと思われますが、リクナビ運営者は、採用企業側では特定の個人を識別できることを知りながら、みずからにおいては個人データに当たらない形式で処理をして、個人データの第三者提供の同意取得を回避するスキームにより情報を提供するサービスを行っておりました。
 これにつきましては、現行法上は適法でございますが、法二十三条の趣旨を潜脱するものでございました。
 これを踏まえまして、本法案におきましては、出し手側では個人データでなくても、受け手側において個人データとなる場合の規律を明確化しており、御指摘の問題をフォローしております。

#175
○吉田委員 大変よくわかりました。わかりやすい御説明をありがとうございます。
 そして、もう少し伺いたいんですが、政務官。
 この事件において、私は、利用目的の特定の範囲に問題があったというふうに考えています。法の第十五条第一項において、個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用の目的をできる限り特定しなければならないとあります。第十六条第一項で、個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならないと定めています。利用目的の特定の範囲を超えた個人情報の取扱いを禁じているわけであります。
 しかし、実際には、この利用目的は、各事業者の業を包括的に含むように特定している場合が通常ではないのかと思うんです、政務官。だとすれば、これは、形式的には特定されても、内部では何にでも使えるということになってしまう懸念があります。
 そこで、この特定というものの範囲についてどのように考えるか、見解をお伺いします。

#176
○藤原大臣政務官 個人情報を取り扱うに当たりましては、その利用目的をできる限り特定をする必要がございます。
 利用目的の特定の程度としては、例えば、事業活動に用いるため、あるいはマーケティング活動に用いるためといった、先ほど御指摘のような、利用目的を単に抽象的、一般的に特定するのではなく、特定の事業における商品の発送等のために用いるなど、最終的にどのような目的で個人情報を利用されるのか、一般人にとって想定できる程度に具体的に特定することが求められるわけでございます。
 ただ、個別に、具体的に、事案によりけりで、ケース・バイ・ケースということですが、抽象論としては、一般人にとって想定できる程度に具体的に特定することが求められております。

#177
○吉田委員 よく御説明はわかりましたが、この辺、また行政の方でしっかりと監視をしていただきたいと思います。
 ただ、利用目的が特定、ある程度具体的にという話がありましたが、されたとしても、実際の業務の執行との関係で、適正に個人情報が扱われるかというのは、常に問題となります。
 そこで、実際の利用方法との関係で、どのように具体的に個人情報を保護していくのか。さっきの特定という前提で、政務官がおっしゃった前提の特定の中でどのように保護をしていくのかをお答えください。

#178
○藤原大臣政務官 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、特定につきましては、一般人にとって想定できる程度に具体的に特定することが求められております。
 仮の話として、事業者において、利用目的の文言を拡張的に解釈した上で、個人情報の利用の範囲を拡大され、結果として、利用者本人の予測に反する態様での利用を行った場合には、これは、法第十六条に規定する利用目的の制限に違反する場合に該当する場合もあり得ます。
 その場合におきましては、利用者本人において、法第三十条に規定する利用停止等の請求を行うことで事業者による利用を制限することができる、そのような規定ぶりになっております。

#179
○吉田委員 わかりました。ありがとうございます。
 では、もう少し例外規定に関してお伺いします。
 例えば、個人データを第三者に提供する場合、原則として、あらかじめ本人の同意を得なければなりませんね、政務官。
 他の法令で定める場合は例外とされるなど、個人情報保護法の例外規定がある場合がありますね。このような他法令との間の個人情報保護のあり方についての考え方と、特に、人権の保護や倫理についてどのように考えているのかをお伺いします。

#180
○藤原大臣政務官 お答えを申し上げます。
 個人情報保護法との関係で申し上げますと、先ほど御指摘がありましたとおり、法令に基づく場合には、本人の同意なく、あらかじめ特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことや、あるいは、個人データを第三者提供をすることが、個人情報保護法上、認められております。
 これは、個人情報の目的外の利用や第三者提供が法令で規定されている場合には、目的外の利用や第三者提供が必要であるとの立法意思がその法令において明らかにされており、その取扱いについても、その法令において規律されることによります。
 人権や倫理的問題の観点につきましては、例外を定めている他法令の問題として、必要に応じて考慮されるものと考えております。

#181
○吉田委員 ありがとうございます。
 では、次に、この個人情報保護法と密接な関係がありますマイナンバー制度に関してお伺いします。
 聞きたいことが幾つかあるんですが、まず、マイナンバー制度は、使い勝手、残念ながら悪いということで、今回の特別定額給付金の十万の配付という局面でも、場合によっては、不便過ぎて問題が発生して、地方の首長たちが離脱を表明しているケースが多々あります。
 その上、メガバンクを中心とした民間金融機関は、マイナンバーと口座とのひもづけより、eKYCというものの採用に動いています。民間が本人確認にeKYCというものを使う傾向が強まると、不便で安全性も担保されていないマイナンバー及びマイナンバーカードは、下手すると、かつて国が莫大なコストをかけて失敗した住民基本台帳カードと同じ運命になるのではないかと心配をしています。
 まず、お伺いしたいんですけれども、住民基本台帳カードについては、政府は今まで一体幾らぐらいの予算をお使いになられたのでしょうか。教えてください。

#182
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。
 住基ネットの初期投資につきましては、平成十一年度から平成十五年度において合計約三百九十億円でございまして、運営経費につきましては、住基ネットが稼働した平成十四年度から平成三十年度までの経費を平均すると、年間百四十四億円となっております。
 住基ネットにつきましては、もちろん住民基本台帳カードの交付もやっておりますが、基本的には、本人確認情報という、基本的に四情報を集約いたしまして、日本年金機構等に、現在、例えば国の行政機関等に対して年間約七億件提供しておりまして、これによって、年金受給権者の住所変更届、死亡届の提出の省略などに活用されております。
 そして、その住基ネットの上にマイナンバー制度が構築されているということでございます。

#183
○吉田委員 そうとしか言えないですよね。
 ただ、住民基本台帳カードは無駄になっていますよね、申しわけないですけれども。これは、相当な反省の上で、与野党を問わず、相当大きな問題と考えた方がいいですよ。これは、本当に大きな反省点としてください。今、数字が出ましたけれども、言いわけできないですよ。言いわけできない、本当に。本当にこれは反省して、マイナンバー等々、いろいろなこれからの施策に生かしてくださいね。明確に数字が出ましたけれども、思ったより大きかったですね。びっくりしました。
 じゃ、もう一点聞きますね。簡潔に答えてくださいね。
 なぜ金融機関でマイナンバーが使われないのか。特に、金融機関はeKYCを使うのであれば、新たな設備投資が必要になって、コストが発生するにもかかわらず、金融機関が既存のマイナンバーカードを使わない理由について、総務省の見解を端的にお答えください。

#184
○高原政府参考人 金融機関が、マイナンバーカードに掲載されております公的個人認証サービスについて、例えば、一部の銀行で、住宅ローンの申込みですとか新規の証券口座の開設とかでお使いいただいている例もございます。
 そのほかに、金融庁の方でeKYCというのも認められるということでございますので、eKYCと比べまして、公的個人認証サービスは、電子署名法三条の規定によって、申請書類が真正に成立したものと推定されますほか、セキュリティーレベルが高いということでございますので、用途に応じて御利用いただくことになるのかなというふうに思っております。

#185
○吉田委員 結局、お答えいただきましたが、勝敗は歴史的に証明されちゃうんですよ。この後、どうなるか。恐らく、私はかなり厳しいと申し上げざるを得ません。
 それでは、ちょっとここで、他省庁からも来ていただいたので、端的にもう数問聞かせてください。
 COVID―19の感染症に関して、政府はさまざまな支援メニューを用意していただいていますね。例えば、経産省で行っている持続化給付金などもその一つです。
 全て、あらゆる業種が今危機的状況になっています。その中で、前年比、前年比というものがやはり大きく出てくる。以前、新規開業に関しては、ちゃんと適切な支援策を打ってほしいということは申し上げました。
 それにもう一つ大事なことは、前年に何らかの事情で事業縮小をしていたり、何らかの事情で休業していたり、そういった業種が前年との比較が難しい。もう一年前、二年前、三年前、若しくは十年の平均とか、そういった形で比較をしてもらわないと非常に難しい立場にある事業者に対しての対応をちゃんとするのかどうか、明確にお答えください。

#186
○渡邉政府参考人 お答えいたします。
 持続化給付金は、戦後最大とも言える危機に対応するといった理由で、使途に制限のない現金給付という、各種補助金や税制などを超えた前例のない思い切った手段を初めて講じるものでございます。経営に苦しんでおられる事業者の方々に一刻も早く給付させていただくことが重要だと考えてございます。
 前年同月比で売上げ減少を要件としておりますけれども、仮に実情に応じて数年前の売上平均を利用するとした場合、どの事業年度までを基準として許容し得るのかなど、制度の統一性や公平性の課題が生じ得ると考えてございます。また、個々の事業者の皆様方の事情を個別に勘案しつつ、台帳や確定申告書を確認する必要があるため、迅速な給付の実現が困難となります。
 他方、持続化給付金における売上げの前年との比較に当たりましては、少しでも要件を満たしやすいよう、事業者は、任意の一月のみを選んで五〇%以上減少していることを示せばよいなど、実情に合わせて申請をいただけるよう、工夫をしております。
 加えまして、例えば、罹災された方が、罹災が原因により一定期間の休業を余儀なくされていた場合等、特例として、二事業年度前での申請を受け付けるなど、できる限り柔軟に対応しております。
 また、例えば、新規に創業して前年の売上げがない事業者は、売上げ確保の途上である場合が多く、厳しい経営状況に直面していると認識してございます。こうしたことも踏まえ、今回の補正予算では、給付金とは違いますけれども、持続化補助金という形で特例措置を設けることといたしてございます。
 具体的には、創業間もない事業者に対しましても、要件なく上限額を通常の二倍の百万円に引き上げ、また、前年との比較ができなくても、任意の三カ月の平均との比較で売上高が二〇%以上減少している月があれば、交付決定額の二分の一を即座に支給するなど、寄り添った支援を用意しているところでございます。
 こうした支援策に加えまして、今回のコロナ感染症対策への対応策といたしまして、政府系金融機関、民間金融機関による実質無利子無担保、最大五年間元本返済据置きの融資など、資金繰り支援も大幅に拡充しているなど、あらゆる支援策を総動員して支援をしてまいります。

#187
○吉田委員 ありがとうございます。
 丁寧に御説明いただきまして、もっと端的でもよかったんですが、簡単に言うと、フレキシブルにしっかりやってくださるということですよね、前年のあれが証明しづらい部分もということ、うなずいていらっしゃるので、そういったもの。
 ちょっと時間的に最後、もう少しさせていただきたいんですが、井上財務政務官、来ていただいていますので、御質問させていただきます。
 今の話を聞いてもおわかりのように、ほとんどの業種が、今、新型コロナウイルス感染症で経営的に苦しい状況であります。また、新型コロナウイルス対応の最前線に医療機関は立っています。全ての医療機関は、昨年十月からの消費税の引上げで、控除対象外消費税、いわゆる損税問題は深刻化しています。さらに、この新型コロナウイルス蔓延で、医薬品の廃棄などで、もう逆ざやに、そういった部分、院内処方なんかがなっています。診療報酬上も厳しい状況です。
 自民党の中でも、有志の議員の先生がお集まりいただいて、消費税率を五%引下げの緊急声明を発表するなどという動きがあるのを承知しております。
 そこで、財務省としては、この消費税減税を求める動きに対してどう考えるのか。私としては、もうこれは全てに対して、現行、軽減税率という形にして、最低でも一年ぐらいゼロ税率にしてしまって、その後、一〇%から五%への引下げ、そういったことをすべきであると私は考えますが、財務省としてのお考え、消費税率の引下げを検討しているのであれば、検討状況をお答えください。

#188
○井上大臣政務官 お答えいたします。
 まず、景気対策ですけれども、景気対策に関しては、先般……(吉田委員「済みません、消費税率だけお願いします」と呼ぶ)消費税率だけ。
 消費税については、社会保障費自体がこれだけ多くなる状況下の中で、国民に広く社会保障の費用を分かち合う観点から、社会保障の財源として充てられております。
 今回、消費税を引き下げる議論というのが行われていることというのは、与野党ともに御議論をいただいていることというのは承知しておりますけれども、現段階で、西村大臣も一昨日お答えになられておりますけれども、全世代型社会保障を構築すること、それから、昨年も消費税を一〇%に上げさせていただいたことで、昨年の十月に幼児教育それから保育の無償化も実現することができましたし、それから、四月から高等教育に関しても無償化ができるような状況になりました。
 実際、そこに手当てをすることもできて、一次補正や二次補正の中でそういう手当てをするということというのは、今のところは入っておりません。そういう面では、一〇%に上げさせていただいたことによって手当てができている部分というのも実際はございます。
 そのこともひっくるめて、今、一〇%から引き下げることというのは財務省としては考えておりませんで、まず、一次補正を執行させていただいて、国民の皆さん方が安心していただけるような状況をつくるということ、それから、今御議論いただいている二次補正予算を早く成立させて、改めて、国民の皆さん方が安心できるような生活を堅持することというのに集中させていただければというふうに思います。

#189
○吉田委員 時間なので終わりますが、大変、国民の皆さんは、今の御答弁、残念、がっかりしたんじゃないかと思います。
 コロナ対策は、今そこにある危機であります。今そこにある危機に対応しなくては、やはり国家の役割は果たせないんじゃないかと最後に申し添えまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#190
○松本委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時三十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十分開議

#191
○松本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。大島敦君。

#192
○大島(敦)委員 衆議院議員の大島です。
 何問か質問をさせてください。
 まず、今回の個人情報保護法、その中で、個人の権利のあり方について、この法案を読んでみると、それぞれ、誰が、どちらの方の求めによって条文修正が行われているのかなと見ていくとよくわかりまして、個人の権利のあり方、これは国民の皆さんで、データ利活用に関する施策のあり方、これは企業の皆さんのリクエストだと思っています。
 ですから、まず、個人の権利のあり方の個々の項目は、どういうふうに皆さんの委員会がその声を引き上げたのかについて、まず一点、伺わせてください。

#193
○衛藤国務大臣 平成二十七年の個人情報保護法改正の附則において、三年ごとの見直し規定が設けられました。個人情報保護委員会では、この規定に基づく初めての見直しとして、個人情報保護をめぐる国内外の政策、技術、産業の状況等について、御指摘のとおり、そういうことにも配慮しながらずっと進めてきて、実態把握、あるいは、できるだけ生の声を聞こうということで、ヒアリング等も通じまして検討を進めてきたところでございます。
 また、委員会に設置している相談窓口や全国各地で実施したタウンミーティングでの消費者の皆様の御意見、二度にわたる意見募集を通じていただいた御意見等も踏まえて検討を進めてきたところでございます。
 特に、相談窓口については、日々寄せられる個人情報の取扱いに関する質問や苦情等への対応を行ってきたところですが、その中で制度的課題が見出されてきたことは大きな意義であり、今回の法案には、その中で寄せられた御意見等も反映をさせていただいたところでございます。

#194
○大島(敦)委員 今大臣がお触れになった、先ほど大河原委員から、タウンミーティングはちょっと人数が少ないねという御発言がありました。これはちょっと少なかったのかなと思います。
 ただ、今、相談ダイヤルですか、十六人の方がいらっしゃっていて、日々相談を受けていると思うんだけれども、どのぐらいの件数の相談がどういう項目であるのか、ちょっと教えてくれますか。

#195
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 相談ダイヤルには、日々変動はございますけれども、大体平均して一日七十件ぐらいの御相談あるいは苦情などがございます。
 個人からの御相談の中で多い項目としては、第三者提供の問題でございますとか、あるいは、利用停止、消去に関するテーマが多うございます。

#196
○大島(敦)委員 第三者提供と言われても、なかなか難しい用語でして、ダイレクトメールが自分のところに来て、どうしてこの住所を知っていたんだいと聞くと、この住所は例えば名簿を扱っている会社から買ったとか、いろいろな話があって、一回、ダイレクトメールを送るのをとめてくださいと言うととまるんだけれども、また来るというお話も聞いたりして、もうちょっとわかりやすく説明してくれるかしら。

#197
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 それは、利用停止というようなことの請求を行うということに関連する場合が多いですけれども、本人が、嫌だと思うようなダイレクトメールがたびたび来るので、これをとめてくださいということで、企業に連絡をします。私の住所をどこで知ったのですかと言うと、かくかくしかじかの名簿業者から手に入れましたというようなことで、その名簿屋にまた電話をするんだけれども、どこで手に入れましたかと言うと、教えてくれない。
 そういったことで、最終的に自分のデータがどこまで行っているのかでありますとか、あるいはどうやってとめたらいいのかというところに消費者がちょっと戸惑いがあったり不満があったりすることが多いように思います。

#198
○大島(敦)委員 私、いいことだと思っていまして、こういう相談ダイヤルがあって、日々、七十件の方が全国から個人情報保護委員会に相談があって、そうやって意見を酌み上げながら、こうやって法改正に結びつけているというのは、私、評価しているの。
 やはり、施策と国民が求めているものの乖離があるとうまく制度設計が進まないものですから、しっかりと現状認識、政治でいうと現状認識、企業用語だとマーケティングをして、よく整えた上で法案を出していただいたことは、非常にいいと思っています。
 それで、個人情報の利用停止、消去等の請求についてお尋ねいたします。
 これまでは、個人情報保護法の規定に違反して個人情報が利用、取得されている場合に、個人情報の利用停止や消去等の請求が可能でしたが、本法律案により、本人の権利利益が害されるおそれがある場合などにも利用停止や消去等ができるようになります。この本人の権利利益が害される場合とは、具体的にどのような場合が想定されているのでしょうか。
 また、これによって、事業者は消費者から利用停止や消去の請求をこれまで以上に多く受けることになると考えられますけれども、その影響をどのように考え、どのように事業者をサポートしていくのか、御答弁をお願いします。

#199
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘いただきました利用停止につきましては、現行法におきましては、個人情報の不正取得があった場合等、一定の場合に限定をされております。
 先ほど御紹介をしました相談窓口でのお声なども反映をいたしまして委員会として新たな要件を加えまして、一つ目が、事業者が利用する必要がなくなった場合、それから、保有個人データの重大な漏えいが発生した場合、さらに、委員が御紹介くださいました、本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合についてもその対象といたしました。
 どんな場合ということで申し上げますと、本人が非常に嫌だなと思っているのに、頻繁に継続的にダイレクトメールが送られてくるような例が想定されるかと思います。
 今後、消費者や企業の現場の声も伺いながら、ガイドラインなどでわかりやすくお示ししてまいりたいと思います。
 あと、企業側の負担とサポートについてでございますが、企業の方のお話を伺いますと、やはり消費者から嫌がられていいことはありませんので、基本的には、現在でも、そういった場合には、利用停止が、あれば応じているという会社も多うございますが、ただ、今回、法律になりますので、そういった意味では、そこの広報啓発でありますとか、やり方については、やはりガイドラインで示すとか、企業の説明会で詳しく説明するといったような取組が必要かと思っております。

#200
○大島(敦)委員 あともう一つが、企業から個人情報が時々漏えいしちゃう事件があります。漏えい等の報告の対象、これについて伺わせてください。
 事業者が個人情報を漏えいさせた場合等においては、個人情報保護委員会への報告は努力義務とされています。法案提出の前に取りまとめられた制度改正大綱においては、多くの事業者が適切に対応している一方で、一部には積極的に対応していない事業者もいることが指摘されています。
 本法律案では、事業者が個人情報を漏えいさせた場合等における報告を義務づけしようとしております。制度改正大綱においては、漏えい等の規模やデータの性格等を考慮し、一定の類型に該当する場合に限定するとされていますが、具体的にどのような規模の、どのような事案に対して報告が必要となるのでしょうか。その点についての御答弁をお願いします。

#201
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 漏えい報告が必要となる要件につきましては、委員会規則で定めることになっておりますけれども、データの性質あるいは漏えいの態様など、個人の権利利益を害するおそれが大きい事態を定めることにしたいと思っております。
 具体的には、例えばセンシティブなデータ、要配慮個人情報の漏えい、それから不正アクセスによる漏えい、また、財産的な被害を及ぼす可能性のあるデータなど、それから、今のようなものに該当しなくても、大量のデータが漏えいした場合などを対象として検討してまいりたいというふうに思っております。

#202
○大島(敦)委員 今御答弁の中で、センシティブなデータでしたか、個人が特定されるような。いろいろなデータがあって、このデータは一人一人に、漏えいしましたと言った方がいいデータもあるし、あるいは、ある一定の件数が積み重ならないまでは報告しなくてもいいような内容もあるかと思うんだけれども、その点についてのある一定の考え方をお示しください。

#203
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどの事例の中で申し上げた要配慮個人情報の漏えいでありますとか不正アクセスなどの漏えいにつきましては、これは件数に限らず、必ず報告をしていただこうというふうに考えております。
 さらに、本人に対するお知らせに関しましては、現在も努める規定ですけれども、大体の企業は本人にお知らせはしているということですので、こちらは、なるべく御本人にはお知らせはしてくださいということはガイドラインで示していきたいというふうに思っております。

#204
○大島(敦)委員 個人の情報保護の観点と、それが余り負担にならないというところのバランスをどこで折り合いをつけるかというのが、多分、規則の求めているところだと思うので、その点、私の場合だと、個人情報保護を若干強めたいなと思っているの。
 皆さん、僕はいまだにこのガラ携を使っていまして、余りスマートフォンを使うと、自分の個人データが全部抜けそうなおそれがあるものだから、インターネットは一九九五年から使っているんだけれども、余り、SNSのアカウントを持っていないものですから、できるだけ個人データをアップしないようにしている立場なものですから、ぜひ、そういう個人情報について、できるだけ守る立場でガイドラインをつくっていただければと思います。大臣もよろしくお願いします。
 もう一つは、諸外国の情勢や協力体制、これは結構大切だと思うの。ここでも何回か質問したように、中国、一月にも北京とかに行ったり、あるいはおととしはシンセンとかに行ったりすると、ほとんど個人の情報をみんな国家が持っていますから。去年の九月、ウズベキスタンに行ったときも同じでしたね。
 ですから、大勢として、個人情報を全て国が持っていい国、国民が、共産主義国家は、余り疑問、それが当然だみたいな感じをお持ちなので、一月に北京とかに行くと、駐在されている方から、高速道路を運転していると、ほとんどクラクションを聞かないのを大島さん、知っていますかと言われるわけ。それは、クラクションを鳴らすと、何か音のセンサーがついていて、その車が特定されるらしいんです。
 ですから、購買情報を含めて国が管理している国のところと、あるいは私たち、特に私たちの国、あるいはヨーロッパも特にそうなのかしら、個人データをできるだけ他人に渡したくない国のガイドラインがあると思うんですよ。そこの諸外国の情勢や協力体制についてちょっと伺わせてください。
 最近では、個人情報は、グローバルに国境を越えてやりとりされるものになってきていると考えられます。諸外国では、EUのGDPRなど、個人情報保護に関する法整備が行われていますが、諸外国の個人情報保護法制と我が国の個人情報保護法制の整合性についてどのように認識しているのか、また、どのように国際的枠組みを構築しようとしているのか、その点についての御答弁をお願いします。

#205
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 個人情報保護の制度につきましては、それぞれの国、地域によって文化的、歴史的な背景がございまして、国によりさまざまな制度がございます。
 その中で、グローバルスタンダードという観点では、OECDのプライバシーガイドラインが共通の考え方として示されております。我が国の個人情報保護法もこれに準拠したものであって、国際的にも整合的な制度となっておるというふうに認識をしております。
 今御紹介のございました欧州のGDPRについて申し上げますと、昨年の一月に、相手国の個人情報保護レベルが同等であるという、相互に認定する枠組みで取組を行いました。具体的には、昨年一月、当委員会が、個人情報保護のレベルが日本と同等である国としてEUを指定いたしました。逆にEUからは、日本が十分な個人情報保護レベルがあるということで、十分性の認定を受けております。言いかえますと、EUのGDPRと日本の個人情報保護法とは実質的に同等性があるということになります。
 また、当委員会としては、データを活用しグローバルに事業展開する日本企業が、個人情報を適正に保護しつつ円滑に個人データを海外とやりとりできるようにという視点に立ちまして、日米欧三極による対話の場を通じて、信頼性が確保された国際的な個人データ移転枠組みの構築に向けて取り組んでおります。
 さらに、国際的な制度調和のために、OECD等の国際の場におきまして、EU、米国、アジア各国とも連携して、我が国の考え方を踏まえた議論をリードして、グローバルな枠組み構築に向けて取り組んでおります。

#206
○大島(敦)委員 今の点は結構重要だと思っていまして、EUの戦略は、EU二十数カ国かな、EUの中でレギュレーション、要は標準をつくるわけですよ。EUの中で議論して標準をつくって、これをばらして世界の標準にして自分の標準のオーナーになるというのが、大体、物づくりから始まって、全てのこの分野における、僕はEUの戦略だと思っていまして、ただ、今回の場合は、ちょっと日本の立場とEUの立場は極めて似ているのかなと思っています。
 ですから、まずは、今言われた、米国があってEUがあって日本があって、この国際標準をしっかりつくって、この国際標準を持っていないとそのそれぞれの国に対してのアクセスができないようにすることが必要かなと思っているので、ちょっとその点について、答弁できれば答弁してくれるかしら。

#207
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のようなデータ保護の標準、ひな形といいますかレベル感というものは大変大事だというふうに思っておりまして、日・EUでは先ほど御紹介したような相互認証ができたんですけれども、こういったものをもう少し広げていく。それはOECDの場かもしれませんし、もう少し小さい日米欧という三極でまずというところもあるかもしれませんが、いずれにしても、まず、価値観を共有する、そういった、データも大事にするけれども活用もしようという国々でまとまって形づくりをしていきたいということで、今取り組んでいるところでございます。

#208
○大島(敦)委員 大臣、その点、特にお願いしたいの。この標準化、あるいはこの規格をつくる分野は大切だと思うので、役所の人がやっていただくものですから、そこに対する人員をしっかり配置をして、先ほどの相談員の、これは地味な仕事なんだけれども、電話を一日十六人が七十件を受けるというのは、結構長い時間で受けているから結構大変だと思うので、その点についても目を配ってほしいと思うので、ちょっと大臣の御答弁、やりますよと言っていただけると助かるんですけれども。

#209
○衛藤国務大臣 大変な通信技術の進歩とともにいろいろ変わってきました。そういう中で、我々の国は個人情報の保護を一緒に心がけてきました。そんな中で、やはり保護と利活用ということを双方でうまくやらなきゃいけないということの中で、まさに自由主義国、民主主義国の中における保護と利活用のあり方ということについて、やはり今価値観を共有する欧米との間にちゃんとしたものをつくっていかなきゃいけない。ただ、今のところアメリカとヨーロッパではちょっと差もありますし、そういう中で、世界標準をみんなでつくっていくというぐあいにして、日本もその中でおくれることなく、むしろ頑張って議論しなきゃいけないというふうに思っております。
 そういう意味では、保護とそれから利活用について、常に両方に目くばせしながらいけるように、そして、今先生もお話ございましたように、いわゆる官製の意見を聞くんじゃなくて、本当に生の声をちゃんと聞いていって、それを政策の中に反映していかなければいけないというぐあいに思っている次第でございます。

#210
○大島(敦)委員 大臣、御答弁ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 最後に、手短に。
 日本の企業で、中小零細企業の、物づくりでいい技術を持っている会社の買収の問題と、もう一つは、個人情報をたくさん持っている会社が外国企業に買収される場合があると思うの。ですから、やはりそこはしっかりと規制をかけることによって、ある程度、日本の個人情報をしっかりと日本の国内から流出させないようにする努力をしていただけると助かるということを付言させていただいて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#211
○松本委員長 次に、塩川鉄也君。

#212
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 個人情報保護法改正案について質問します。
 まず最初に、当委員会の審議でも大きな議論となった黒川東京高検検事長の人事の問題について、内閣の一員としての衛藤大臣に質問をいたします。
 衛藤大臣、この黒川弘務東京高検検事長が、かけマージャンをしていたことを認め、辞表を提出し、政府としてもそのことを決定しました。安倍内閣は、余人をもってかえがたい、公務に重大な支障を来すとして、東京高検検事長である黒川氏の定年を延長する閣議決定を行いました。このような閣議決定を行った内閣の一員として、その責任が問われていると思いますが、大臣はどのように受けとめておられますか。

#213
○衛藤国務大臣 昨日、総理からも、法務省、検察庁において人事の請議がなされたわけだが、最終的には内閣として決定するので、当然責任があるとの発言をされておられますとおり、私も、内閣の一員として、責任の一端は当然あると考えております。

#214
○塩川委員 責任があるというのでも、言葉だけで言われても困るわけで、かけマージャンで同席をしていた新聞記者の発言でも、報道を見れば、緊急事態宣言が出ていた四月にも二回、五月と合わせると四回、金銭をかけて黒川氏とマージャンをしていた。四人は、この三年間に月二、三回程度の頻度でマージャンをしていたという話であります。
 緊急事態宣言の期間は、まさに、この国会で、当委員会で、検察庁法の審議が行われていたときであります。黒川氏がかけマージャンを行った五月の十三日というのは、直前に与党が法案の採決を提案をし、緊迫した情勢の中で審議が行われ、検察官定年延長の要件について、武田大臣がまともに答弁できずに審議が中断した、そういうさなかの日だったわけであります。
 検察官として全く前例のない定年延長を強行し、その法的根拠を説明できずに、法律の解釈変更までしてごり押しをし、さらには、法律そのものさえ後づけで書きかえようとした。その人事の結果がかけマージャンかよというのが問われているんじゃないでしょうか。
 かけマージャンは賭博罪に問われます。黒川氏が法務事務次官だったときに、カジノの違法性を阻却をする決定を行って、そのもとでカジノ法案が国会に提出をされ、強行された。こういう経緯もある中で、カジノのうさん臭さを明らかにするものではないでしょうか。
 こんな人物を、閣議決定までして、なぜ東京検事長にしたのか、その点についてはいかがですか。

#215
○衛藤国務大臣 なぜと言われましても、これは人事のことでございまして、とりわけ、また法務・検察にかかわる人事のことでありますから、私からコメントできることはありません。

#216
○塩川委員 内閣の一員としての責任があるとおっしゃっているわけですから、そのことも含めてしっかりと受けとめるべきであります。
 そもそも安倍総理の任命責任が問われる話であり、法案の撤回、閣議決定の撤回を求めたい。
 この間、安倍内閣においては、日銀の人事、NHKの人事、内閣法制局の人事、そして検察庁の人事など、人事権行使を通じて、国政の私物化が問われるような問題がある。こういったことをきっぱりと改めさせる、これこそ国民の声だということをしっかりと受けとめるべきだ、このことを申し上げ、法案について質問をいたします。
 大臣、個人情報保護を考えた際に、やはり、この間、GAFAやBATなどと言われるデジタルプラットフォーマー、この巨大なデジタルプラットフォーマーの経済社会への影響力が大変大きくなっている。こういったデジタルプラットフォーマーの影響力の大きさについて、政府として、大臣としてはどのように認識、評価をしておられるのか、この点についてまず伺います。

#217
○衛藤国務大臣 委員御指摘のとおり、GAFAやBATのようなデジタルプラットフォーマーの経済社会への影響力は大変大きく、また、近年、増していると考えています。
 こういった事業者は、個人情報の利活用をそのビジネスの中核としていると認識しており、個人情報保護委員会を担当する大臣としては、個人情報が適正に取り扱われ、個人の権利利益が保護されているかという観点からも関心を持っているところでございます。

#218
○塩川委員 大変そういう個人情報の利活用をビジネスの中核にしているという企業等、事業者ということで、そういう点では、域外適用の問題なんかも当然今回の措置としてあるわけですけれども、その巨大さというのは大変大きなものがあるわけであります。
 二〇一八年のデータで見ても、売上げだけで見ても、グーグルが十三兆円、アマゾンが二十三兆円、アップルが二十六兆円、フェイスブック五千六百億円。また、利用者数でも、実際公表しているデータそのものが非常に限られているわけですけれども、フェイスブックの利用者を見ても、全世界で月間二十六億人とか、国内においては、二〇一七年の数字で二千八百万人とか、大変大きな利用者があって、そういう中での膨大な個人情報の集積、集中が行われている。それをもとにしたプロファイリングやスコアリングなどを始めとした、ターゲティング広告などを含めたさまざまなビジネスモデルとして収益を上げる。そういうときに個人の権利保護がどうなっているのかというのは、まさに焦点の問題だと思います。
 個人の尊厳に係るプライバシー権、みずからの情報をコントロールする権利が侵害される危惧が高まっているときに、このような権利侵害の危険性について、権利保護が適切に実施されてきたのかが問われております。
 そこで、このような個人情報の利活用のビジネスモデルがプライバシーを侵害する、そういう懸念が顕著にあらわれた事例の一つがリクナビ問題ではないでしょうか。
 リクルートキャリアは、就活生の閲覧履歴などを分析をし、約九万人分の内定辞退率をスコア化し、採用企業一社当たり四百万円から五百万円で内定辞退率を販売していたということであります。しかも、その学生らの内定辞退率を購入したのが、トヨタや三菱電機を始めとする名立たる大企業三十五社だったということも、社会に大きな衝撃を与えました。
 リクナビや購入企業らは、選考に利用することはなかったと主張しているが、それを信用しろというのは、なかなかにわかにそんなことは受けとめられないというのが多くの方の受けとめではないでしょうか。
 リクナビ問題が、学生たちの就職活動、人生に不利益をもたらす影響を与えてしまった可能性というのは否定しようがない。こうした個人情報を評価、格付をするスコアリングやプロファイリングなどに対して、個人の権利を守るための規制が強く求められています。
 そこで、お尋ねしますが、EU、GDPRでは、異議申立ての権利など、プロファイリング規制やデータの消去権、忘れられる権利などを基本的な人権として確立をしております。改正案は、プロファイリングをどのように規制しているのか、また、忘れられる権利を保障するものなのか、この点について、大臣、お答えください。

#219
○衛藤国務大臣 ただいま御指摘いただきましたプロファイリング、忘れられる権利に関しては、今回の改正において、利用停止、消去等の要件の緩和、不適正利用の禁止、第三者提供記録の開示、提供先において個人データとなることが想定される情報の本人同意等といった規律を導入することとさせていただきました。
 これらの規律は、個人情報に係る個人の権利利益を保護してほしいという個人からの要請に相当程度従うものというぐあいに考えているところでございます。

#220
○塩川委員 個人情報保護法は、不正取得があった場合や権利侵害のおそれがある場合など、利用停止の条件は狭く設定をされています。その点で、GDPRでは、本人が同意を撤回した場合や、データの収集が目的に照らして必要なくなった場合など、消去権、忘れられる権利を広く認めている、こういう違いがあるということをしっかりと見ておかなければいけないと思います。
 次に、改正案の三十条では、権利利益を害するおそれがある場合に利用停止を認めておりますが、そのおそれというのは何なのか、また、十六条の二では、不当な行為を助長するおそれがある方法で個人情報を利用することを禁止するとありますが、そのおそれとは何か、この点について、大臣、お答えください。

#221
○衛藤国務大臣 本法案によりまして新たに禁止することといたしました、不当な行為を助長し又は誘発するおそれがある場合について、例えば、違法な行為を営む業者に個人情報を提供することが想定されます。
 また、利用停止等の請求の対象となる本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合としては、例えば、本人の意思に反して事業者がダイレクトメールを繰り返し送付している場合等が考えられます。

#222
○塩川委員 おそれは何かといった場合に、その定義の話じゃなくて、例えば、例えばの話になっているわけなんです。
 法律上の要件が不明確だ、また、利用停止を求めても、そのおそれがあるかどうかを第一義的に判断するのは事業者となっている、この点でも、法律の実効性が担保されていないと言わざるを得ません。
 それで、リクナビの経緯を見ても、二〇一九年当時にリクナビが掲載していた利用規約には、行動履歴等を分析、集計し、採用活動補助のための利用企業等への情報提供のために利用すると書かれていただけで、内定辞退率を算出して採用企業に提供することなど、まさか想像できないということだったわけであります。これでは、やはり利用停止を求める以前に権利利益が害されるおそれがあることを知りようもない、このことを指摘をせざるを得ません。
 次にお尋ねしたいのが、内定辞退率を採用企業に提供するというリクナビのような行為は、学生の就職活動に不利な影響を与えるおそれがあります。
 リクナビのような事例は、十六条の二で禁止する不当な行為を助長するおそれとして禁止されるんでしょうか。

#223
○衛藤国務大臣 法は遡及適用されるものではないため、過去の事案について仮定の当てはめを行うことは適切ではないと思いますが、その上で、一般論として申し上げれば、法令に違反することを認識しているような場合において、違法行為を助長し又は誘発するような個人情報の取扱いを行うことは、不適正な利用に該当する場合があるものと考えております。

#224
○塩川委員 やはりリクナビの問題で具体的にどうなのかということをしっかりと検証することが必要だと思います。
 リクナビの問題では、約九万五千人の内定辞退率が算出され、採用企業に提供されております。そのうち約二万六千人は、第三者提供の同意を得ていなかったと問題となりました。しかし、残りの約七万人は、内定辞退率の第三者提供に同意したと言えるのか。こうしたわかりにくい同意取得が問題ではないのかと言わざるを得ません。
 現行法では、利用目的は通知又は公表すればよいとしておりますが、プロファイリング等も含めて、個人情報を取得、利用する際は事前に本人の明確な同意をとる、こういう仕組みにするべきではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

#225
○衛藤国務大臣 御指摘のとおり、リクナビ問題においては、個人データの第三者提供に係る説明が明確ではなかったという問題がありました。そのため、本人が同意に係る判断を行うために必要とされる合理的かつ適正な範囲の内容を明確に示すことを今回求めたものであります。
 また、本事案を踏まえまして、本法案においては、本人関与のない個人情報の収集方法が広まることを防止するため、出し手側では個人データでなくても、受け手側で個人データとなることが想定される場合は、本人同意を前提とするなどの規律を課すことといたしました。実効性を得られるように、運用についても我々は頑張ってまいりたいというように思っております。

#226
○塩川委員 企業は、個人情報の利活用について、本人にわかるような説明をしていないわけです。事前に本人の明確な同意を得る、そういう仕組みこそ最も担保をするということを指摘をしておきたいと思います。
 それで、今回の改正で利用停止を拡大したといいますが、そもそも個人情報の定義が狭いのではないかという問題があります。
 閲覧履歴等を保存するクッキー等は、個人情報の保護対象となっておらず、事業者には説明責任がなく、権利侵害のおそれがあっても利用停止を求められない。閲覧履歴等を分析すれば、病歴や思想、信条など、要配慮個人情報であっても、本人の同意なく取得、推測し、利活用できる、この点が法律の抜け穴となっている。
 大臣、このような問題について、GDPRのように、保護の対象とすべきではないでしょうか。

#227
○衛藤国務大臣 現行法でも、事業者が閲覧履歴などのクッキー等を特定の個人を識別できる形で取り扱っている場合は個人情報となり、個人情報保護法上の規律に服することになります。
 今回の改正では、それに加えて、個人関連情報に関する規律を導入をし、提供元では個人データに該当しないものの、提供先において個人データになることが想定される情報について、あらかじめ本人の同意を取得することを求めるということにさせていただきました。

#228
○塩川委員 第三者提供の一部の規制ということですけれども、逆に言えば、第三者提供の一部しか規制しないということであります。クッキーが個人情報に該当しないと整理をしている以上、事業者は説明責任を負わないし、利用停止に応じる義務もない。これでは保護につながらないと言わざるを得ません。
 そもそも、日本の個人情報保護法のペナルティーについては、非常に弱いということも指摘をされてきているわけです。やはり抑止力を働かせていく、そういう点で、アメリカなどもそうですけれども、GDPRのペナルティーと比べて、日本の個人情報保護法の罰則というのは極めて不十分ではないのかと思いますが、大臣はいかがですか。

#229
○衛藤国務大臣 御指摘のとおり、GDPRでは、法違反の場合には、制裁金として、二千万ユーロ、約二十四億六千万とか、又は、世界全体における年間売上総額の四%のいずれか高い方を上限として制裁金を課せられることがあるというぐあいに承知をいたしております。
 一方、今回の我が国での改正では、昨今の違反事案の増加等の事由を踏まえまして、罰則の法定刑を引き上げることとしたものであります。
 例えば、法人と個人の資金格差等を勘案して、法人に対してはより重い罰金刑を科せられるようにしております。法人に対して、一億円以下の罰金を科すものというぐあいにいたしております。個人の場合は、委員会の命令に対する違反行為があった場合は、一年以下の懲役又は百万以下の罰金というぐあいになっております。
 これは、GDPRに比すれば軽いんじゃないかということも言われますけれども、我が国の類似する他の経済事犯と同等のレベルでありまして、妥当なものではないかというぐあいに考えております。

#230
○塩川委員 いや、日本国内のペナルティーとの関係でそれなりの水準という話じゃなくて、やはり国際的に、まさにGAFA、BATなどが問われているような、グローバルな経済活動を行っているようなデジタルプラットフォーマーを想定したときに、GDPRに比べて、GDPRのお話があったように、今、二十四億円とか世界の売上げの四%とかになっている。それに対して、日本が、新たにつけ加えたにしてみても、法人に対して一億円というのは余りにも小さ過ぎるんじゃないかというのは、そのGDPRとの比較でそうは思いませんか。

#231
○衛藤国務大臣 御指摘の中で、当然、我々は、グローバルスタンダードの観点から、OECDプライバシーガイドライン等の共通の考え方を示しております。
 そういう中で、EUのGDPRについて言えば、当委員会で、個人情報保護法に基づき、個人情報の保護のレベルが日本と同等であるものというぐあいに今作業を行っているところでございまして、そういう中で、昨年一月に欧州委員会において、GDPRの規律に照らして、我が国の個人情報保護法の規律が十分なレベルの保護をやっているかどうかとか、そういういろいろな個人データのまた越境移転に関する認定の決定を行っているということで、今、努力をしているところでございまして、交流も入れて、盛んにお互いの検討をし合っているところでございます。
 まずはここからいって、そして、国際的なレベルに、グローバルスタンダードにするためにどうやっていけばいいのかということについて、ともに考えていきたいというぐあいに思っております。

#232
○塩川委員 権利保護や制度について整合性という話でしょうけれども、そもそも、想定されるのは、グローバルな経済活動をやっているデジタルプラットフォーマーなんですよ。そういうのに対して、やはり、一方はペナルティーをしかるべくかける、それに対して軽過ぎる、このアンバランスということ自身が問題となってくるんじゃないのかということを言わざるを得ません。
 このような、利用停止を拡大したとか罰金を引き上げたとか、いろいろ言いますけれども、どれも極めて不十分なものであります。
 安倍政権がデジタル市場のルール整備を掲げていますが、デジタルプラットフォーマーなどによるプロファイリングなどを通じたプライバシーの侵害のリスクに対して、率直に言って、この程度の個人情報の保護制度では十分だと言えないと率直に思いますが、大臣はいかがですか。

#233
○衛藤国務大臣 情報通信技術の大変な進歩の中で、そして、GAFAのような巨大プラットフォーマーが活動している、あるいは、中国においてもそういうグループがありますけれども、そういう中で、日本は、今、やはりこの個人情報の保護とそれから利活用ということをちゃんとやっていかなければ全体に乗りおくれるということで、おくれてきた部分を今回取り戻すべく、改正法を施行しましたし、また、そういう中で、日本の立場として主張すべきものを主張していきながら、グローバルスタンダードをつくり上げることの一角を担ってまいりたいというように思っています。
 そういう意味では、こういう交流も続けながら、そして、保護も確実にできるという立場をつくってまいりたいというぐあいに思って、今、懸命に努力している最中でございます。
 そういう中で、大きな一歩として今回の改正案があると位置づけています。引き続き、必要なものの検討はしてまいらなければいけないというぐあいに自覚しているところでございます。

#234
○塩川委員 そうはいっても、極めて不十分な中身になっている。事前のいろいろな協議の中では課題となっていたものについても、それを盛り込まないといった法案に向けての動きもありました。
 そういう点で、経団連や新経済連盟など経済界から、正当な事業活動を阻害することが強く懸念されるなど、国民の権利保護の拡大を抑制する強い要請があったというのが背景としてあるんじゃないでしょうか。安倍政権が成長戦略にデジタル市場のルール整備を位置づけて、個人情報保護委員会が財界の要求を優先したために、本改正案は極めて不十分なものとなったということを言わざるを得ません。
 そもそも、経団連が権利保障の拡大に反対する資格はない。リクナビから内定辞退率を購入していたのは、経団連の主要な役員企業だった。しかも、学生への謝罪はおろか、購入していたことを隠し通していた企業もあったわけであります。現行法の規制がいかに守られていないかは、購入企業三十五社に行政指導を行った個人情報保護委員会が一番よく知っているはずで、それにもかかわらず、こういった経済界の要求を丸のみする委員会の姿勢が余りにも情けない、個人の権利を軽視している大企業にこそ、しっかりとした権利保障を求める規制、ルールづくりが必要だ、このことを申し上げて、質問を終わります。

#235
○松本委員長 次に、浦野靖人君。

#236
○浦野委員 日本維新の会の浦野靖人です。よろしくお願いいたします。
 それでは早速、まず一問目ですけれども、そもそも仮名加工情報というのは何かということを、まず御答弁をいただきたいと思います。

#237
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 このたびの改正法の中で導入いたしました仮名加工情報は、データ内の氏名等の記述を削除等することで、加工後のデータ単体からは特定の個人を識別できないようにするものです。仮名化された個人情報は、一定の安全性を確保しつつも、匿名加工情報よりも詳細な分析を比較的簡便な加工方法で実施し得るものでございまして、それを利活用しようとするニーズが高まっております。
 しかしながら、現行法においては、仮名化された個人情報であっても、通常の個人情報としての取扱いに係る義務が一律に課されることから、企業からは負担の軽減を求める声もございました。
 また、仮名化された個人情報は、本人とひもづいて利用されることがない限りは、個人の権利利益が侵害されるリスクが相当程度低下することになりますので、再識別をしない、内部分析に限定するといった前提で、利用目的の特定、公表を条件といたしまして、開示や利用停止等の個人の各種請求の対象から除外をしてございます。
 事業者にとっては、今回の改正により内部分析の選択肢がふえ、ひいては競争力の強化につながることを期待をしております。
 また、このような加工プロセスをとることで、安全管理上からも、あるいは消費者にとっても安心な状況になるのではないかというふうに考えております。

#238
○浦野委員 ありがとうございます。
 次に、非識別加工情報の活用についてお聞かせいただきたいんですけれども、これは、各自治体がデータ活用による町づくりなどに使うには欠かせない情報になってくると思うんですけれども、個別条例で今制限がかかってしまっている。条例から切り出してやっていくべきじゃないか、国が法制化していくべきじゃないかというふうに私は思っているんですけれども、今、実際に条例を改正してやっている自治体はどれぐらいあるのか、まずお聞かせいただきたいと思います。

#239
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
 地方公共団体における非識別加工情報の仕組みの整備についてのお尋ねでございます。
 国の行政機関個人情報保護法の改正の趣旨を踏まえて、地域の実情に応じた取組を進めるよう、平成二十九年五月に地方公共団体に通知を行ったところでありますが、取り組んでいる団体の数でございます。直近、昨年四月時点の調査で、都道府県では二団体、市区町村では九団体の合計十一団体、これが非識別加工情報の仕組みについて条例に規定を設けているところでございます。

#240
○浦野委員 かなり少ないというか、もうほとんどしていないというのが現状ですよね。個人的には、これだけ少なかったら、じゃ、これは実は必要がなかったんじゃないかという話にもなってくるんじゃないかなと思ったりするんですけれども、でも、実際、都道府県は二つ、自治体でも九つ、こういうことを、当然、目的があって条例化をされているわけですけれども、少ないこと自体も少しどうかなという疑問もあります。
 これは、だから、恐らく、必要がないのか、それとも条例化するのが大変なのか、それはよくわかりませんけれども、国としてこの現状に対して何か、都道府県や市町村にフォローしているということはございますか。

#241
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
 国としてのフォローについてのお尋ねでございますが、先ほど御答弁申し上げました平成二十九年五月の通知の中で、個人情報保護条例、これにおいても、行政機関個人情報保護法を参考としつつ、非識別加工情報の仕組みを導入することが適当である旨、助言をしたところでございます。あわせて、条例改正のイメージを参考として送付いたしますとともに、情報提供や技術的支援を行うことについてもお示しをしております。
 総務省としましては、地方公共団体からの相談に対応するなど、引き続き、地方公共団体の意見もお伺いしながら、必要な支援を行ってまいりたいと考えてございます。

#242
○浦野委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、自治体ごとの個人情報保護条例の制定についてなんですけれども、これはGDPRなども絡んできますので、いろいろ範囲が広いわけですけれども、きょうは一点、新型コロナ対策のときの話をしたいと思います。
 日本の人口の中で一番登録者数が多いとたしか言われているソーシャルネットワーク、SNSがあります。この会社が、今回、個人に合ったコロナ情報を提供するということで、都道府県と協力をして、いろいろな、新型コロナ対策パーソナルサポートというのをやりました。
 これを一番最初に実現したのは、スピードが速かったのは神奈川県です。これは、その会社からいうと、神奈川県が一番そういう条例が厳しいと言われていたから、ここがクリアできたら、ほかのところもすぐできるだろうという思いで、まず神奈川県という形で行ったそうです。
 神奈川は確かに速かったんですよ、できたんですよ。ところが、これは、個人が入力する履歴が個人情報保護法に定める要配慮個人情報というのに相当する可能性が出てきて、そうなっていると、各自治体のルールにのっとって取扱いの規定を定めたり、同意をとったりすることが必要になってくる。
 実際に、私の地元の大阪府においても、これを今現在やっています。でも、神奈川県ができてすぐに、大阪もこれに取り組んだらいいんじゃないかということで、大阪府には話をしました。僕も、そんなに時間がかかると思っていなかったんですけれども、なかなか実現しませんでした、実は。
 これも結局は、自治体によって、要配慮個人情報についての規定があるところもあるし、ないところもある。さらに、サービスの運営を担う保健所の部署が、自治体の中には、個人情報の保護関連の担当部署が分かれていたりとか、ありとあらゆるケースがあって、全く前に進まないという結果が出ました。これがいわゆる二千個問題ということになるわけですけれども。
 さらに、それを、このデータはビッグデータになりますから、このビッグデータを活用してコロナ対策をやっていくということをやろうとして、これを第三者に提供したいということになるんですけれども、それも、第三者に提供する場合は、それについて定めた条例も自治体で異なるということで、かなり苦労されたようです。
 結局、都道府県で半分しか実現しなかった、都道府県においては。ということに残念ながらなりました。
 各自治体ごとでばらばらになっているこういうものを、やはり、これからまだまだ、ITのこういうサービスを駆使して情報をとる、情報を提供する、そういった取組、しかも、都道府県域をまたぐ、市町村域をまたぐ、そういったものが出てきます。そういったときにまた同じ問題が起こるんじゃないかということになると思うんですけれども、その点について、政府はどういうふうにお考えですか。

#243
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、民間部門、国の行政機関、地方公共団体によりまして個人情報の取扱いを規律する法律や所管も別々であるということが、データの連携を阻害しているのではないかという指摘があるのは承知をしてございます。
 この論点につきましては、委員会で進めてまいりました、いわゆる三年ごとの見直しの検討の過程でも多くの御意見をいただいたところでございます。昨年十二月に委員会が公表いたしました制度改正大綱におきましても、関係省庁と協力しつつ、主体的に検討を行っていく必要があるというふうに考えております。
 民間部門、行政機関等に係る法制の一元化につきましては、内閣官房が主催いたします個人情報保護制度の見直しに関するタスクフォースに当委員会も参加して検討を進めております。
 また、御指摘の地方公共団体の個人情報保護制度についても、委員会において、昨年十二月以降、地方自治体の御協力をいただきまして、地方公共団体の個人情報保護制度に関する懇談会を開催いたしまして、実務的論点の整理を進めております。
 今後も、関係省庁とも連携して、スピード感を持って取り組んでまいりたいと思います。

#244
○浦野委員 これは、今、審議されていました、国会でもやりましたMaaSとかも絡んでくると思うんですね。ぜひ、ちょっと前のめりにしっかり整理していただきたいなと思っていますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 最後に、マイナンバーについて、ちょっと利活用の範囲拡大について質問させていただきますけれども、マイナンバーを含む特定個人情報というのは、個人情報よりも厳しいセキュリティー対策を課している。政府も、マイナンバーを、数字を見られても悪用は困難ですというふうに広報しています。
 番号を見られても大丈夫というのであれば、特定個人情報として特別にセキュリティー対策をしなくても、マイナンバーも個人情報と同等の扱いにすればいいんじゃないか、なぜ特別なセキュリティー対策が必要なのか。マイナンバーが悪用されることはないというんだったら、利活用範囲についてもっと拡大することで政府機関の情報連携がもっと円滑に進むと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#245
○向井政府参考人 お答えいたします。
 マイナンバー制度におきましては、単にマイナンバーが誰かに知られたとしても、本人確認をすることなくマイナンバーのみで各種の行政手続や個人情報の閲覧等はできない仕組みとなっておりますので、仮に番号を他人に知られたとしても、個人に直接的に被害を受けることのないよう制度設計されております。
 一方で、マイナンバーは、全住民に悉皆的に付番され、他の識別子に比べて識別強度が強く、といいますのは、例えば、住所、氏名、年齢、生年月日でも同一のものはありますけれども、マイナンバーは個人に一つ、一対一の対応となっております。しかも、数字でございますので、情報のマッチングや集積した情報の名寄せなど、処理にたけている番号であることから、マイナンバーの利用につきましては、本人の同意の有無にかかわらず、法律又は条例で利用できることとされた社会保障、税、災害対策の各分野の行政事務に限定するなど、個人情報の保護の措置を講じているところでございます。

#246
○浦野委員 ありがとうございます。
 利用拡大をすれば、範囲を拡大すれば便利にはなるけれども、その辺については、やはり、かなり慎重なセキュリティーとか個人情報保護の考えが必要だということになると思います。
 我々日本維新の会は、ぜひマイナンバー等、こういうITのそういう技術をもっとしっかりと使っていきましょうという立場ですので、ぜひこれからも議論をさせていただけたらと思います。
 以上で質問を終わります。

#247
○松本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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