くにさくロゴ
2020/06/02 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 厚生労働委員会 第16号 令和2年6月2日
姉妹サイト
 
2020/06/02 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 厚生労働委員会 第16号 令和2年6月2日

#1
令和二年六月二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月一日
    辞任         補欠選任
     梅村  聡君     石井 苗子君
 六月二日
    辞任         補欠選任
     石井 苗子君     梅村  聡君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         そのだ修光君
    理 事
                石田 昌宏君
                小川 克巳君
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                山本 香苗君
    委 員
                片山さつき君
                自見はなこ君
                島村  大君
                高階恵美子君
                羽生田 俊君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                本田 顕子君
                川田 龍平君
                田島麻衣子君
                田村 まみ君
                芳賀 道也君
                福島みずほ君
                下野 六太君
                平木 大作君
                東   徹君
                石井 苗子君
                梅村  聡君
                倉林 明子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   加藤 勝信君
   副大臣
       厚生労働副大臣  稲津  久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      村手  聡君
       内閣府子ども・
       子育て本部審議
       官        藤原 朋子君
       厚生労働省大臣
       官房サイバーセ
       キュリティ・情
       報化審議官    椿  泰文君
       厚生労働省大臣
       官房高齢・障害
       者雇用開発審議
       官        達谷窟庸野君
       厚生労働省医政
       局長       吉田  学君
       厚生労働省健康
       局長       宮嵜 雅則君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  藤澤 勝博君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    渡辺由美子君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    谷内  繁君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    橋本 泰宏君
       厚生労働省老健
       局長       大島 一博君
       厚生労働省保険
       局長       浜谷 浩樹君
       経済産業省商務
       情報政策局商務
       ・サービス政策
       統括調整官    江崎 禎英君
       中小企業庁次長  鎌田  篤君
       中小企業庁事業
       環境部長     奈須野 太君
       国土交通省大臣
       官房審議官    小林  靖君
   参考人
       早稲田大学法学
       学術院教授    菊池 馨実君
       淑徳大学総合福
       祉学部教授    結城 康博君
       公益社団法人認
       知症の人と家族
       の会副代表理事  花俣ふみ代君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(そのだ修光君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、梅村聡君が委員を辞任され、その補欠として石井苗子君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(そのだ修光君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局長谷内繁君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(そのだ修光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(そのだ修光君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に早稲田大学法学学術院教授菊池馨実君、淑徳大学総合福祉学部教授結城康博君及び公益社団法人認知症の人と家族の会副代表理事花俣ふみ代君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(そのだ修光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(そのだ修光君) 地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。加藤厚生労働大臣。

#8
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま議題となりました地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 少子高齢化が急速に進行し、我が国の社会が人口減少に直面するとともに、単身世帯の増加等家族の在り方や地域社会も変化する中で、個人や世帯の抱える課題が複雑化、複合化しています。こうした状況を踏まえ、市町村の包括的支援体制の構築、地域包括ケアシステムの推進、医療、介護のデータ基盤の整備等を通じて、全ての地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現を図るため、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、市町村において、既存の相談支援等の取組を生かしつつ、地域住民の抱える課題の解決のための包括的な支援体制の整備を行う新たな事業及びその財政支援等の規定を創設することとしています。
 第二に、地域の特性に応じた認知症施策や介護サービス提供体制の整備等を推進するため、認知症施策の総合的な推進に向けた国及び地方公共団体の努力義務を規定するとともに、有料老人ホーム等の設置状況を介護保険事業計画に位置付けます。
 第三に、地域の特性に応じた質の高い医療・介護サービス提供体制を構築するため、介護分野のデータベースの収集情報の拡大、医療・介護情報の連結精度の向上等により、医療、介護に係るデータ基盤の整備を推進します。
 第四に、介護人材確保及び業務効率化の取組を強化するため、その取組を介護保険事業計画に位置付けるとともに、介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置の延長や、有料老人ホームの設置等に係る届出事項の簡素化のための見直しを行います。
 第五に、地域における良質かつ適切な福祉サービスの提供及び社会福祉法人の経営基盤の強化を図るため、社会福祉事業に取り組む社会福祉法人やNPO法人等の業務連携を推進する社会福祉連携推進法人制度を創設することとしています。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、令和三年四月一日としています。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いをいたします。

#9
○委員長(そのだ修光君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#10
○福島みずほ君 立憲・国民.新緑風会・社民共同会派の社民の福島みずほです。
 まず冒頭、大臣にお聞きをいたします。
 大臣は三月二日の参議院予算委員会で、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議について、一回目から三回目は議事概要になるが、四回目以降は速記を入れて一言一句残す旨答弁をされています。専門家会議の尾身茂副座長は二十九日の会見で、同日の会議でメンバーから、国の方としてもちゃんと検討してくださいと、発言者の記載がある議事録の作成を求める声があったことを紹介しています。
 専門家会議の議事録が残っていないことは問題ではないでしょうか。

#11
○国務大臣(加藤勝信君) 令和二年三月二日においては、詳細な議事録を残していくことは当然必要でありますが、同時に、公表できるものの、今の段階でですね、まず議事概要、これも今作成し、各委員の了解を得て公表すべく今作業を進めるというふうに聞いております。また、いろんな、議事概要とか議事録とかいう言い方があるんだと思いますけれども、いずれにしても、専門家である皆さんが、会合における専門家の皆さんの意見がしっかりと反映していけるもの、これを作っていきたいということ、また、それぞれの委員の方々の発言が分かるような、それを議事録と呼ぶか議事概要と呼ぶ場合もありますけれども、それを作っていくということであります旨の発言はさせていただきました。
 それを踏まえて、専門家会議においては、そもそも第一回の会合において、構成員の専門家に自由かつ率直に御意見をいただくため、専門家会合については発言者が特定されない形の議事概要を作成するという方針を構成員の皆さんに説明し、御了解いただいており、以後、その方針にのっとって適切に、これは内閣官房の方でありますけれども、公表しているというふうに承知をしております。
 なお、五月二十九日の会見の際に、専門家会議では、構成員の方から議事概要の在り方を一度検討してもいいのではないかとの意見があったと、その点も踏まえて、担当大臣であります西村経済再生大臣が脇田座長を始め先生方と御相談をしているというふうに聞いているところであります。

#12
○福島みずほ君 大臣は予算委員会で、文言を一言一句見ていただいて提出すると、こういう姿勢で取り組んでいるところでありますとおっしゃっているじゃないですか。そして、四月二十八日、あるラジオ番組で武藤委員は、会議では公開されている前提でやっていますと答えています。
 第二回目の専門家会議は真っ黒ですよ、出てきたのは。これは駄目ですよ。少なくとも、今の時点で、歴史的な文書じゃないですか、これをどういうふうに検証していくのか。厚労大臣、これ公表すべき、議事録公表すべきということでよろしいですね。

#13
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、先ほども申し上げましたように、そもそも第一回の会合で、構成員の専門家に自由かつ率直に御議論いただくため、専門家会議については、発言者が特定されない形で議事概要を作成するという方針の下、これまで会合が運営をされてきて、それにのっとって、できる限りの、内容が分かる、そうしたものを公表しているというふうに承知をしております。
 その上で、先ほど申し上げましたように、構成員の方から議事概要の在り方を一度検討してもいいのではないかという意見があったわけでありますから、現在、担当大臣が脇田座長を始め専門家会議のメンバーの方と相談をしておられるということ、その相談結果を踏まえて適切に対応されるものと承知をしております。

#14
○福島みずほ君 歴史的な、百年に一度の感染症対策に関して、専門家会議の議事録が出ない、出ていないというのは問題じゃないですか。担当者の、本当に重要な厚生労働大臣として、一言一句見ていただいて提出すると、こういう姿勢で取り組んでいるところでありますとおっしゃって、何で今まで議事録が出ないんですか。極めて問題ですよ。
 せめて、この厚生労働委員会で、いや、きちっと議事録出すように私からも働きかけます、頑張りますというのが何で出ないんですか。

#15
○国務大臣(加藤勝信君) いや、このときは、むしろそうした速記録が、たしか三回あったうち二回目しか速記者を入れていなかったということもあるので、今後についてはそうしたものは残していくということを申し上げたのであって、それをどう公表していくかというのは、先ほど申し上げたような、そもそもの委員会のスタートでそういう話があったわけでありますから、それを踏まえて、今いろんな委員からの御指摘もあります、また先ほど申し上げた専門家会議のメンバーの方々からもそうした問題提起もあるわけでありますから、それを踏まえて、それぞれの皆さん、専門家の皆さんの意見を踏まえて対応するということであります。

#16
○福島みずほ君 昨日、菅官房長官の記者会見で、四回目以降ですか、速記録は残っているという発言がありますので、これはしっかりもう議事録として全部出していただきたいと思います。そのことに向かって厚生労働大臣も是非努力をしてください。
 布マスクについてお聞きをいたします。
 布マスクについての全ての契約書を出していただきました。見ると、納期の変更が非常に多いんです。ユービスとかはちゃんと納期を守っているんですが、布マスク、興和、伊藤忠、マツオカコーポレーションについて、三月三十一日が履行期限になっていますが、四月三十日に変更になっております。興和、四月七日の契約で五月十五日となっていたのが六月三十日に五月十一日の時点で契約変更。マツオカコーポレーション、四月七日の契約では四月三十日となっていたのを四月二十八日に五月三十一日に変更。
 こんなに政府の随意契約で変更変更があるって、これ、非常に無理な計画だったんじゃないですか。

#17
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今回御指摘いただきました中、一番初めに申し上げました一つの例、介護施設向けの布製マスクについて御報告を申し上げたいと思いますが、これ、三月十七日に今御指摘いただきました興和、伊藤忠商事、マツオカコーポレーションの三社との間に契約をし、その時点におきましては両当事者の合意の下で履行期限又は契約期間を令和二年三月三十一日と今御指摘いただきましたようにしておりました。
 この時点におきまして、状況としては、アジア各国における新型コロナウイルス感染症が拡大しておりまして、航空便の減少により予定どおり輸入することが困難になった、あるいは各国の輸出規制の強化により通関での手続に時間を要したなどなど事情がございまして、結果的に三月三十一日までに全てを納入することが難しいという状況になったことから、関係者、話合いをした上で三月三十一日に契約変更という形で締結をし、履行期限又は契約期間を令和二年四月三十日に改めたところでございます。
 なお、これ、結果的には、介護施設等向けの布製マスクについては、この契約変更を行った三社から四月三日までに納品をされたという事実はございます。
 また、御指摘いただきましたほかの契約につきましても、今申し上げましたように、その時々の状況の中でなるべく早く、最速に、かつ、私どもとしては価格と品質と納期というものを中心に契約を結んでおりますので、そのときそのときにおける最善を尽くすべく、関係者とのお話合いを通じて契約については対応させていただいてきたというところでございます。

#18
○福島みずほ君 興和は、五十億近い契約をした後、四月三日には三十億円近い減額変更、二十億円になっております。
 このとき、単価を変えるんですね。五十億の契約が二十億になるというこの契約変更を見て私はびっくりしたんですが、これは何なんですか。

#19
○政府参考人(吉田学君) 個々の契約のお話ではございますが、御答弁申し上げます。
 御指摘いただきました契約につきましては、当初の契約時におきましては、世界的に航空便が非常に少なくなっているということで、緊急に大量のマスクを輸送するための輸送料をどう見込むかということで、その輸送料が平時に比べて高騰するということを見込んだ単価とさせていただいておりましたが、三月中に同社から一定のマスクの納付がなされた実績を踏まえまして、私どもとしては、予算の適正な執行を図る観点から改めて興和株式会社と交渉をし、単価について変更させていただいたということで、そのときそのときの状況の中で、私どもとしては、予算の適正な執行、そして品質、納期をしっかり守っていただけるようなことで契約については対応させていただいているところでございます。

#20
○福島みずほ君 契約そのものが丼勘定だったんじゃないですか。
 次に、十五枚のガーゼを五層に減らし三枚分作れないかなど、興和には政府側から品質を無視した打診もあったと言われています。これは本当なんですか。

#21
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今回、このマスクを調達するに当たりまして、政府側からメーカーに対しては納品されるマスクについての品質の確保を求めてまいりました。今御指摘いただきましたような点につきまして関係者に照会をいたしましたが、そのような打診を行ったという事実は確認できておりません。

#22
○福島みずほ君 契約書で、前回も御紹介しましたが、興和との介護用マスクの契約書では、八条、本契約の取引が非常事態への対応として実施されることに鑑み、納入現品について隠れた瑕疵を発見した場合であっても、興和に対して責任を追及しないという条項がありました。
 どこの世界に瑕疵があっても追及しないというのを政府が出すんですか。あり得ないと思います。その後、五月以降の契約書は、瑕疵担保に関する部分は、乙の費用負担で引き換える、代金の減額を行うなどあります。実際、一番初めに、とにかく無理でもいいから、非常事態だから出せ出せといって、どんなに瑕疵があっても責任追及しないという条文作って契約をすることそのものは本当に問題だと思います。
 興和は品質を担保するため国内での検品を強く希望したが、政府側が断ったという事情はありますか。

#23
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 マスクの納品に当たりましては、品質確保のためにメーカーに自主的な検品をメーカーの責任で行っていただくべきというふうに考えてこれまでも対応してまいりました。
 今御指摘いただきました点につきまして関係者に照会をいたしましたが、そのような事実は確認できておりません。

#24
○福島みずほ君 補正予算を使った全戸二枚配布について、興和は五月十三日、マツオカコーポレーションが五月十三日、伊藤忠が五月十五日に契約をしています。こういうのやめたらどうかと私が質問するのは五月十四日で、多くの委員からもうこれやめたらどうかという質問が相次いでおりました。国会で布マスクの配布はやめるべきじゃないかと質問している最中の契約については極めて問題だと思います。
 そして、いずれも履行期限は六月三十日です。七月に配られても遅いんじゃないですか。

#25
○政府参考人(吉田学君) 布製マスクにつきましては、予備費に加えまして、令和二年度の一次補正予算においても興和、マツオカコーポレーション、伊藤忠商事三社と契約をさせていただいております。この契約におきましては、一部、全戸配布向けマスク以外に、介護施設あるいは妊婦向けのマスクも含めての契約という形になってございます。私どもとしては、これら、当初より六月以降の配布も見込んでいることから、いずれも契約期限を六月三十日までの契約というふうにさせていただいております。
 なお、全戸配布向けマスクについては、履行期限そのものは六月三十日となってございますけれども、今申し上げました三社については、早期の納入をお願いしたところ、五月三十一日までに納品をいただいているというところでございます。

#26
○福島みずほ君 補正予算を使った全戸二枚配布について、検品は国の予算で行うんでしょうか。ミヤクニ株式会社と、検品、八億円で契約をしていますが、これは六月十五日までが履行期限です。まさに、補正予算を使った全戸二枚マスクについて、検品は国の予算で行うんですか。

#27
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まず、布製マスクにつきましては、残念ながら妊婦向けマスクにおいて不良品の報告が出てきたということを踏まえまして、配布するマスクの品質を確保して国民の皆様の不安の解消を図るため、メーカーが行う自主検品、これ自身は強化をお願いすると同時に、当面の措置として全数の検品を国が行うということにいたしました。
 五月下旬からこのような形でオペレーションしてまいりましたが、国が委託していた検品事業者をメーカーの検品事業者として活用するという話合いできましたので、検品の質を確保しつつ、メーカーによる検品へと集約をしたというところでございます。これにより、予算の効率的な執行につながるものというふうに思っております。
 今後、令和二年度の補正予算においても全戸向けを含みます布マスクの調達をすることにしてございますが、この検品につきましては、先ほど申し上げましたような、国として、実績を持って一定の品質は確保していただきました検品業者において、メーカーの負担による検品を集約するということを予定しているところでございます。

#28
○福島みずほ君 予算どれぐらい考えていますか。契約は終わっていますか。

#29
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今申し上げましたような経緯でございますので、令和二年度補正予算における検品費用につきましては、国としての追加負担は現時点のところ見込んでおりません。

#30
○福島みずほ君 五月十九日の衆議院消費者問題特別委員会において、小島政務官は、メーカー側に対して求償権を求めて検討していく、八億円出し切ることがないよう協議したいと答弁しました。これはどうなっていますか。

#31
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まず、これまで予備費において行っておりました検品の集約化、予算上八億という形で見込んでございましたけれども、先ほど申しましたように、この間、検品の集約化を行いましたので、この八億は全額使用することなく、私どもとしては執行をつなげられるもの、結果的には八億円を下回る形で対応できるものと、現在精査中ではございますが、そのように見込んでおります。
 また、それを踏まえまして、私どもとしては、これまでの経緯の中で、国が負担して検品を行うということにつきましては、メーカーが行う自主検品の状況を確認する必要があった。一方で、メーカーに関しては自主検品の強化をお願いしてまいりましたが、加えて国としてもメーカーの自主的検品の状況を確認する必要があるという中で、品質の確保と不安の解消をいち早く行う上で行わせていただいたところでございます。
 まずは、今、布マスクにつきまして、それぞれ必要に応じての速やかな配布を努力をしておりますけれども、その努力を行った上で、契約上の問題については整理してまいりたいと考えております。

#32
○福島みずほ君 ちょっとよく分からないんですが、八億円ではなくなるんですか。ミヤクニと八億円で契約していますが、そうではないということですか。それから、求償はするんですか、しないんですか。明確に教えてください。

#33
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まず一点目、八億円につきましては、八億円まで執行することなく、少しそれよりも下回った額でとどまる、執行はとどまるものというふうに思っております。具体的な額については現在精査をさせていただきたいと思います。
 また、メーカーに対する対応につきましては、先ほど申しましたように、まずは配布する努力を私どもとしては行った上で、契約上の問題として整理をさせていただきたいと思っております。

#34
○福島みずほ君 ミヤクニじゃなくて宮岡ですが。
 求償するんですか、しないんですか。

#35
○政府参考人(吉田学君) 重ねての答弁で恐縮でございますが、まずは私ども、この配布の努力を続けさせていただいた上で、この一連の経過を踏まえた上での契約上の問題について整理をさせていただきたいというふうに思っております。

#36
○福島みずほ君 八億円近く政府が検品しなくちゃいけない布マスク、やめるべきだと思います。こんなことを国がやらなくちゃいけない、メーカーも検品するが政府もやらなくちゃいけない、こんな布マスク、やっぱりおかしいですよ。二枚マスクについて契約が終わっているんですが、介護用マスク、妊婦用マスクは今後も毎月出すと言っていますが、もうこんなことをやめるべきだということを強く申し上げたいと思います。
 契約書を見ていると、コールセンターが二回にわたって、一つは電通で介護用マスクに関して愛知の部分について受注しておりますし、今回、コールセンターに関しては、JPツーウェイコンタクトで一億六千九百九十三万二千三百八十二円。しかも、これ、契約をもう一回延ばして、一億円かさ上げして、一億最終的には六千九百九十三万円でコールセンターを設けています。
 これ、何でコールセンターを設ける必要があるんですか。

#37
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今二つおっしゃっていただきましたように、先行する電通につきましては、介護施設向けマスクを配布するに当たりまして愛知県が早かったものですから、そこの部分、短期間、ワンショットの契約を結ばせていただき、その後、全戸配布向けマスクも含めてコールセンターの契約を結んでいるというのがまず事実でございます。
 その上で、布製マスクの配布に当たりましては、全戸配布マスクを始め、国民の皆さんから電話相談あるいは問合せ等が私ども厚生労働省あるいは関係省庁の方にも参っていたという事実ございます。そういうのに適切に対応し、また情報を提供するためにはコールセンターという形で設置をするのが望ましい、あるいはそれが適切だというふうに判断をして契約を結ばせていただいたところでございます。

#38
○福島みずほ君 小口融資の問題や雇用調整助成金など、コールセンターを設ける理由は分かります。しかし、だって、それはどういう書類を提出したらいいですか、どういう要件ですかですが、二枚マスクって配布するだけじゃないですか。何でコールセンターが必要なのか。それは、取りも直さずこの二枚マスクに問題があったからではないですか。
 どれだけの相談が来て、中身はどのようなものでしょうか。

#39
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今御指摘いただきましたコールセンターへの問合せ件数、五月三十一日までの集計をさせていただきましたが、約九万四千件となってございます。相談内容、私ども、全て正確に把握をしているわけではありませんし、非常に多岐にわたり、一概にお答えすることは難しいとは思いますが、主なものとして申し上げれば、お問合せで多いのは、いつ配布されるのかといった配布時期についてのお問合せ、あるいは、二世帯同居の方など、二枚という形で政府申しておりますが、二枚では不足する方から、じゃ、うちはどうなるんだという追加配送に関するお問合せなどが多いというふうな報告を受けております。

#40
○福島みずほ君 ここに不良品があるとか、そういう問合せはありましたか。

#41
○政府参考人(吉田学君) 私ども、手元に受けております報告の中には、これまでの期間において、色が黄色いけれども大丈夫かとか、糸にほつれがあるけれども、これは報道されているような不良品マスクではないのかというようなお問合せあるいは御照会は寄せられていると聞いております。

#42
○福島みずほ君 仕様書で、全て問合せに対応した内容は一件ごとに対応の内容を記録する、そして原則翌々日十二時までにメールにて報告するというものが仕様書でありますので、また改めて教えてください。
 ところで、今回の二枚マスクに関しては、予定よりも金額が、四百六十六億円ほどは掛からないと言われていますが、余ったお金はどうするんですか。

#43
○政府参考人(吉田学君) 最終的には、この事業を終わって決算締めてみるということが必要でありますけれども、予算費目の中でその目的に応じた、例えば予備費として計上した費用については予備費の中で、あるいは補正予算として予定した予算については補正予算の中での費目というものでの処理を行うこととしておりまして、私どもとしては、この事業はこの当初の目的を達したところにおいて終わり、予算としてはそこまでの使用ということを想定しているところでございます。

#44
○福島みずほ君 二枚マスクについてはずっと質問してきましたが、介護やそれから、まあ私はやめるべきだと思っておりますし、介護、妊婦用マスク、これからも毎月出すことについて、もう不織布マスクもありますし、手間暇とお金掛けてこういうことをやるということについてはもう本当にやめるべきだというふうに思っております。そのことを強く要望いたします。
 次に、持続化給付金について一言お聞きをいたします。
 一般社団法人サービスデザイン推進協議会がどのような団体で、事前にどの程度把握していたのか、契約書を是非見せてください。

#45
○政府参考人(鎌田篤君) お答えいたします。
 サービスデザイン推進協議会につきましては、経済のサービス化などの経済社会環境の変化を踏まえ、新たなサービスデザインとその市場創造を進めていくことを目的として二〇一六年に設立されたものでございます。
 当協議会と契約をしたわけでございますけれども、契約書の中には、事業者のノウハウなど法人等の権利、競争上の利益その他正当な利益を害するおそれがある場合が含まれることから、慎重に対応することが必要であると考えておりまして、直ちにお示しすることは困難であるというふうに考えております。

#46
○福島みずほ君 国の莫大な税金使ってやっているんですから、中小企業庁、まあ経産省から、ここの推進協議会との間の契約、ここの協議会と電通との契約を出してください。お願いします。

#47
○委員長(そのだ修光君) 後刻理事会において協議いたします。

#48
○福島みずほ君 このサービスデザイン推進協議会、十四名しか職員いないんですよね。入札で何でこんな大事業を落札できるんですか。

#49
○政府参考人(鎌田篤君) お答えいたします。
 サービスデザイン推進協議会につきましては、二十一名のスタッフがいるというふうに聞いているところでございます。(発言する者あり)申し訳ございません。サービスデザイン推進協議会につきましては、二十一名のスタッフがいると聞いているところでございます。この協議会につきましては、持続化給付金の個別の申請者に対する振り込みの決済ですとか工程の管理、これらの全体の業務統括その他の事業、自主事業や受託事業などを行っているところでございます。
 御質問の点でございますけれども、同協議会につきましては、他の複数の事業も、あっ、失礼しました、外部事業者を活用することも含めて事業を適切に統括しておりまして、各種の事業をこれまで適切に実施しているというふうに考えているところでございます。
 こうして選定されたサービスデザイン推進協議会につきましては、様々な外部事業者も活用いたしまして、本日までに約百万件以上の給付を実現する予定でございまして、サービスデザイン推進協議会が今のところ適切に業務を実行しているものというふうに認識しているところでございます。

#50
○福島みずほ君 入札をするときに、再委託すること、再々委託することは分かっていたわけですよね。

#51
○政府参考人(鎌田篤君) サービスデザイン推進協議会が電通へ再委託することにつきましては、入札時における提案書、それから契約の際に本事業の履行体制について十分な説明を受けており、契約前に承知していたということでございます。

#52
○福島みずほ君 再々委託も了解していましたね。

#53
○政府参考人(鎌田篤君) この契約につきましては、サービスデザイン推進協議会からの再委託先は電通ということになっておりますけれども、そこから先は委託ではなくていわゆる業務外注という形になっておりまして、個別の業務をスペックを指定して作業をさせるという形になっておりますので、そこは電通側において責任を持って全部やっていただくという理解で契約をしたところでございます。

#54
○福島みずほ君 経産省のこの業務委託のひな形によると、履行体制図に記載すべき図として、再委託先、再々委託先あるのに、今外注だからいいというのも本当におかしいと思います。
 このひな形によると、六条、「乙は、委託業務の全部を第三者に委託してはならない。」というのがあります。九七%電通に委託しているわけで、これ、ほとんど全部を第三者に委託じゃないんですか。トンネル会社じゃないですか。

#55
○政府参考人(鎌田篤君) 先ほどの御説明につきましてちょっと一部誤解があったようなので、申し訳ございません、私の説明が不適切だったんだと思いますが、外注先についても契約の段階では把握をさせていただいております。実施履行体制図の中で把握をさせていただいているところでございます。
 また、この協議会の存在意義、大部分を再委託しているのは問題ではないかという御指摘でございますけれども、協議会からの再委託につきましては、平成十八年八月の財務大臣通知も踏まえまして、協議会から再委託の相手方の情報、再委託を行う業務の範囲、金額など、必要な情報を記載した履行体制図の提出を受けているところでございまして、経済産業省としてはそれを確認した上で契約をしております。
 また、サービスデザイン推進協議会につきましては、百万社を超える事業者からの申請受付、失礼しました、サービスデザイン推進協議会につきましては、繰り返しになりますけれども、持続化給付金の個別の申請者に対する、ある意味最も重要な振り込みの関係の業務、それから全体の統括という業務を担当しているところでございまして、その役割に基づいて業務を行っていただいているところでございまして、そのような体制に問題がないということで契約をしたところでございます。

#56
○福島みずほ君 再委託についてのひな形の七条、再委託はしてはならない、ただし、次の場合はこの限りでないとありますが、例えば軽微な再委託に該当する場合といろいろありますが、軽微じゃないですよね。何でこれ再委託できるんですか。

#57
○政府参考人(鎌田篤君) 契約のひな形の第七条でございますけれども、ちょっと前段飛ばしますけれども、ただし、当該再委託が次の各号のいずれかに該当する場合はこの限りではないというふうになっておりまして、御指摘の(4)の「軽微な再委託に該当する場合。」というものももちろんございますけれども、(1)に「本契約の締結時における別紙2の履行体制図に定めるものである場合。」と、また、「甲の承認を得たものである場合。」と、そのほかの条項などございますので、これらに整合的な形で再委託を認めたということでございます。

#58
○福島みずほ君 済みません、ちょっとよく分からなかったんですが、七号のただし書の何号に、どれに当たるということですか。

#59
○政府参考人(鎌田篤君) 第七条の(1)の「本契約の締結時における別紙2の履行体制図に定めるものである場合。」、これに該当するということでございます。

#60
○福島みずほ君 再委託は駄目ですよと言われている。全部の委託は駄目ですよと言われている。でも、九七%、ほぼですよね、ニアリーイコール全部と思いますが、トンネルみたいにして二十万円引いて次にやっているわけですよね。これって大問題じゃないですか。
 じゃ、何で初めから電通にやらなかったんですか。もし、電通がいいかどうかは別として、どうですか。二十億だ、二十億。済みません。

#61
○政府参考人(鎌田篤君) お答えいたします。
 このサービスデザイン推進協議会と電通がどのような体制を組んで申請してくるのかということにつきましては一義的には申請者の御判断だというふうに考えておりますけれども、我々といたしましては、このサービスデザイン推進協議会が何もやらないということではなくて、振り込みの業務ですとか業務全体の統括などを行っているということで、その役割をきちっと果たしていただくというふうに認識をして契約をしたということでございます。

#62
○福島みずほ君 大問題ですよ。私の周りに、持続化給付金をもらうためにずっと待っている人や、何度も出している人や、訂正言われている人や、音沙汰ないとか、何か電話掛けても電話が通じない。みんなそう思っていますよ。一円だって貴重、一社でも救ってもらいたい。
 二十億、間で取って、それから先、再委託、再委託。どうなっているんですか。この図、全体図を理事懇に出してください。

#63
○委員長(そのだ修光君) 後刻理事会において協議いたします。

#64
○福島みずほ君 電通は、この厚生労働委員会の中で、高橋まつりさんの過労死や労働基準法違反の問題が随分議論になりました。二〇一七年に裁判が提訴され、略式ですが命令が出ました。そして、その間、経産省は一か月間入札ができない、応諾できないとして、厚生労働省は半年できないとしたんですよ。そういうふうにやりながら、何でスルーしてやるのか。これ本当に、雇用調整助成金、じゃない、ごめんごめん、持続化給付金、本当に大事な問題なので、とことんおかしいぞということを言っておきます。
 ちょっと、ちなみに聞きますが、雇用調整助成金、必死で今、厚生労働省、労働局やいろんなところとやっています。経産省、手足ないんですか。

#65
○政府参考人(鎌田篤君) お答えいたします。
 今の御指摘は、経済産業省が全国各地に持っている経済産業局を何で使わないのかという御趣旨というふうに理解をいたしました。
 その点につきましては、経済産業局では、相談窓口の設置ですとか、各種支援策の情報提供などを実施しているという状況でございまして、今そちらの方では全力で取り組んでいるところでございます。
 他方で、今回の持続化給付金につきましては、百万を超える幅広い事業者に一刻も早く給付金をお届けするということが求められているという状況でございますので、そうしたことを踏まえまして、迅速、かつ全国の事業者からの一括申請を受け付け、電子申請等のノウハウなどを有する者であることが求められるということから、経済産業局に窓口をやらせるということが現実的ではないという判断をいたしまして、事務局につきまして、そういった能力のある事業者につきまして一般競争入札によって公募を行って選定したということでございます。

#66
○福島みずほ君 ここ厚生労働委員会で、厚生労働省の窓口、職員、今必死でやっていますよ、雇用調整助成金も含めてすごく大変な思いしてやっている。それは、公平中立にやって、行政が責任持ってやるということじゃないですか。どこかに丸投げして九七%電通に行って、そこからまた再委託してそこでやっているというのをきちっとチェックできるんですか。公平中立にちゃんとできるんですか。その成果が次の政治に生きるんですかという。
 この仕組みそのものも含めて、電通とそれからパソナがつくったこの協議会からまさに電通にお金が流れていく仕組みそのものも、経済産業省の果たした役割も含めて大問題だと思います。今後も更にきちっと、皆さん、多くの国民の意見を受けてこの問題をきっちり聞いていきたいと思います。
 地域共生社会の実現に向かって、重層的支援体制整備事業として包括的な支援体制の整備が行われますが、事業を実施することの実現可能性について、厚労省、どうお考えでしょうか。

#67
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 先生から新しい事業の実現可能性につきまして御質問いただきました。
 まず、平成二十九年の社会福祉法改正におきまして、市町村が地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制づくりに努める旨が規定されました。それを受けまして、包括的な支援体制の構築に向けて実施しておりますモデル事業でございますけれども、平成二十八年度から実施して、令和元年度は二百八の自治体が実施しております。そういった取組が既に進んできていることを踏まえまして、今回新たな事業を法定化することといたしました。
 この新たな事業でございますけれども、実施市町村におきまして属性を問わない支援体制の構築を進めることとしておりますけれども、介護、障害、子供、生活困窮の分野の相談支援等に係る既存の事業を一体的に実施することに加えまして、参加支援、アウトリーチ支援、多機関協働といった、既存の事業を支え、支援体制の強化に資する新たな機能を追加することといたしまして、財政支援の面でも、新たな事業に対する国等からの補助全体につきまして社会福祉法に基づく一つの交付金として交付することとしております。
 また、新たな事業の実施に当たりましては、市町村におきまして、まず、事業実施計画の策定などを通じまして関係部署や地域の関係機関等と丁寧な議論を行って考え方の共有を行う、さらに、事業開始後も各分野の支援の実施状況を確認するとともに、地域住民や関係機関の議論を継続して支援体制の改善を行うこととしておりまして、このプロセスなども通じまして、各市町村におきまして、関係者の納得の下、柔軟で相互の連携を図りやすい体制の構築を図っていただきたいと考えております。
 厚生労働省といたしましても、できるだけ多くの市町村が事業に取り組めるよう、また実施を希望する市町村が円滑に実施できますよう、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

#68
○福島みずほ君 既存の事業が包括的な支援として一本化されることで予算が削減されるという危険性はないでしょうか。

#69
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 先生からの予算面での御質問いただきました。
 新たな事業を実施するための財政措置でございますが、介護、障害、子供、生活困窮の各法の実施義務に基づきまして、人員配置基準等を維持しながら必要な支援を提供しますとともに、その実施に係ります国、都道府県、市町村の費用負担は、各法に規定いたします負担割合を同様として必要な予算を確保すること、また、これに加えまして、参加支援、アウトリーチ支援、多機関協働といった、既存の事業を支えて体制構築の強化に資する新たな機能につきましても、令和三年度の施行に向けて必要な予算を要求していくこととしております。
 具体的な財政規模につきましては予算編成過程におきまして調整していくことになりますけれども、全ての住民を対象とした包括的な支援体制を構築し、複雑化、複合化した支援ニーズに対応できるような、必要な財源確保に努めてまいりたいと考えております。

#70
○福島みずほ君 地域力強化推進事業は、二〇一七年から相当な予算を掛けて多くの自治体で取り組んできました。平成二十九年度予算二十億円、百自治体、平成三十年度予算二十六億円、百五十自治体、平成三十一年度予算二十八億円、二百自治体などです。
 この事業についての厚生労働省の評価はどうでしょうか。このモデル事業について今後どのように全国で展開していくのか、国の支援として、経済的な支援体制だけでなく、人材育成のために研修を実施するなどの具体的な支援策はあるでしょうか。

#71
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 まず、先生からモデル事業についての評価につきまして御質問いただきました。
 このモデル事業につきましては、先生からも御指摘ありましたように、年々実施する自治体が増えてきておりまして、モデル事業を通じまして本人、世帯の課題を包括的に受け止める相談拠点の設置も進んでおります。また、平成三十年度にモデル事業を実施した自治体、百五十自治体の実績を見てみますと、これまで相談する先が分からずに支援につながっていなかったものも含めまして一万二百六十八名、七千八百九十七世帯の複合化、複雑化した事例の支援調整が実施されますなど、相談支援の充実が図られているところでございます。
 このモデル事業の成果等も踏まえつつ、市町村の取組を更に進めるため、新たな事業を法定化して、相談支援、参加支援、地域づくりに向けた事業の三つを一体的に実施することを通じまして支援体制の構築を行うこととしたところでございます。
 また、このモデル事業につきまして今後どのように全国展開していくのかといったお尋ねでございます。
 この新たな事業を推進する際には、モデル事業の経験を生かしていただくため、モデル事業実施自治体の新たな事業への円滑な移行を継続的に支援することが重要であると考えております。
 具体的には、国といたしまして、令和三年度の施行に向けまして、新たな事業を適切かつ有効に実施するための指針や運用上の留意点を示すマニュアル等の作成、さらに、事業の実施を希望する市町村に対する説明会の実施や勉強会の実施などの支援を考えております。さらに、できる限り多くの市町村が新たな事業の実施に向けた検討とその準備を進められるよう、国として必要な支援を検討してまいりたいと考えております。
 さらに、人材育成等のための研修、具体的な支援につきましてお尋ねいただきました。
 新たな事業におきましても、モデル事業と同様に、支援を行う支援員の資質の確保及び向上が重要でございます。今後も引き続きモデル事業におきます好事例や課題を参考しながら、新たな標準的な研修カリキュラムの作成、また国による研修、都道府県と連携したブロック別研修の実施といった取組を進めまして、新たな事業の適切かつ効果的な実施に向けて支援をしてまいりたいと考えております。

#72
○福島みずほ君 感染の第二波への対策として、介護・医療関係者が優先的にPCR検査を受けられないかという、これはホットラインなどですごく心配という声が介護従事者から出ていますが、いかがでしょうか。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕

#73
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 PCR検査につきましては、適切な治療が受けられるよう、陽性者を判定するために医師が必要と判断した方が確実に検査を受けられるようにすること、それから、感染の拡大防止ができるように、積極的疫学調査の一環として陽性者の濃厚接触者への検査を速やかに行うことといった多様な観点から実施されておりまして、このような観点から、必要な検査が確実に行われる体制としていくことが重要であると考えております。
 これまでも院内感染や介護施設、障害者福祉施設でクラスターが発生してきていること等を鑑みまして、無症状の濃厚接触者、健康観察はしますけど新型コロナウイルスの検査対象とはならないということが原則でしたが、その濃厚接触者が医療従事者とか介護等ハイリスクの者に接する機会がある業務に従事して検査が必要と考えられる場合や、クラスターが継続的に発生し疫学調査が必要と判断された際には検査対象とすることができることということで今までも周知しておりましたが、今般、五月二十九日の専門家会議におきまして、無症状の濃厚接触者に対するPCR検査につきまして、速やかに陽性者を発見する観点から対象とする方針が決定されたところでございまして、この方針を受けまして、国立感染研で積極的疫学調査の実施要領も改正されまして、厚労省としても、濃厚接触者は無症状であってもPCR検査の対象となることについて都道府県等に周知したところでございまして、今後は、委員御指摘のありました介護・医療関係者も含めて、より幅広いPCR検査を行っていくこととしております。

#74
○福島みずほ君 介護労働者の皆さんたちのホットラインのいろんな回答を見ていると、自分がかかってうつしたら困るとか、やっぱりショートステイやいろんなところで、いろんなうちにも行くわけですし、非常にみんな緊張感というか不安を抱えながら仕事をしている。看護師さんは、子供がいるし、それから高齢者もいるから、自宅に帰らないで宿泊しているというふうなホットラインの相談もありました。
 今の答弁では濃厚接触者とおっしゃったんですが、私は、やはり医療とか介護においては、そこからクラスターが発生したり、院内感染、介護現場でのまさにたくさんの被害が出るということがありますので、是非濃厚接触者でなくてもPCR検査が受けられるようにしていただきたいと思います。
 二次補正予算で介護従事者に対して慰労金が支払われることになりましたが、感染者に直接対応すれば二十万円、対応していなければ五万円となります。対応していない人たちの努力も相当なもので、余りに少額ではないでしょうか。
 利用者が減り、減収となる施設も多い中、感染症対策に経費が掛かっております。そもそも、介護報酬の見直しが必要なんじゃないでしょうか。いかがですか。

#75
○政府参考人(大島一博君) 介護サービスは高齢者あるいは家族の方のために必要不可欠なサービスということで、今回も感染防止対策を徹底していただきつつサービス継続をしていただいたということで、介護事業者の方々に対してはしっかりと支援をしていかないといけないと思っております。
 まず、介護報酬上の特例としまして、一時的に基準を満たすことができない場合でも減額をしない扱い、それから、通所サービスで訪問した場合に報酬の算定ができるという扱い、それから、通所サービスで感染症対策に要する時間を適切に評価するための取扱いなど重要な取扱いを可能としております。また、一次補正の中では、感染者が発生した施設について掛かり増し費用について助成を行っております。
 加えまして、今回の二次補正につきまして、今先生御指摘のように、最大二十万円、五万円といった慰労金の支給を行うということのほかに、感染症対策の実施のための全事業所に対する必要な掛かり増し費の助成、それから、サービス再開に向けてケアマネジャーあるいは介護事業所がそういった働きかけをする場合の費用支援といったことも盛り込んでおりまして、こうした様々な施策を組み合わせて感染症対策に対して頑張っている介護現場を支えていくということで考えておりまして、介護報酬の改定ということの方式ではなく、こうした様々な組合せで支援をしていきたいと考えております。

#76
○福島みずほ君 ケア労働をしている、とりわけ女性が多いわけですが、今までやはり労働条件が本当に良くない、離職者も多い、今回コロナがあって、もっと疲弊して、事業所そのものも傷んで倒産やもう閉鎖が起きているという中で、是非、今回の慰労金は、いいと思いますが、額が少ないと思いますし、それから、全体としての介護報酬をきちっと見て、労働条件変えていくということに切り替えてくださるよう強くお願いをいたします。
 介護人材の必要数について、第七期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数は、二〇二〇年度二百十六万人としておりますが、確保状況はいかがでしょうか。

#77
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 介護人材の確保状況について御質問いただきました。平成三十年五月に公表いたしました第七期介護保険事業計画に基づく必要な介護人材の推計では、二〇一六年度の約百九十万人から二〇二五年度末までに約五十五万人増の約二百四十五万人、年間六万人程度の介護人材を追加で確保することが必要との結果でございました。この中で、二〇二〇年度末におきましては約二百十六万人の介護人材が必要となります。
 これに対しまして、介護サービス施設・事業所調査を基に直近の状況を推計いたしますと、判明しております最新値といたしましては、二〇一七年度、平成二十九年度の介護人材数でございますけれども、約百九十五万人となっております。この年度の必要数はさきの推計によれば約百九十六万人でございますので、更なる努力が必要な状況でございます。また、有効求人倍率を見ましても人材不足状況は続いております。令和元年度で四を超えるような状況でございます。こうした現状を受け止めていきたいというふうに考えております。
 したがいまして、介護人材の確保には、処遇改善や就業促進、職場環境の改善による離職の防止、人材育成への支援などの総合的な取組が必要でございまして、これを着実に推進していきたいと考えております。

#78
○福島みずほ君 介護福祉士国家試験一元化の延長に関することで、これは、済みません、私の質問の中の項目に入っていなくて、最後の質問にいたしますが、平成二十八年当時、そのときの法改正の附帯決議で、一元化延長は令和三年までと期限を定めております。それを更に延長すること、極めて問題だと思います。
 きちっとした資格を持っている人たち、そして介護の現場における人材への労働条件の向上、これ両方やっていかなくちゃいけないと思いますが、介護福祉士の福祉士会のたくさんの皆さんたちがこの延長に大変抗議をされて危惧を持っていらっしゃいます。これ問題ではないですか。

#79
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 先生から介護福祉士国家試験の経過措置の延長につきまして御質問いただきました。
 まず、介護福祉士の養成施設卒業者に国家試験合格を義務付けることで資質を向上させますという平成二十八年の法律改正当時の基本方針は堅持しているところでございます。その上で、経過措置につきましては、平成二十八年当時と比較いたしまして介護現場の人手不足が深刻化している等の状況の下で、審議会などにおける議論で様々な御意見があったと。そういった様々な御意見を踏まえつつ、最終的には厚生労働、与党の御意見も聞きながら、最終的には経過措置を五年間に限り延長することを法案に盛り込んだというような状況でございます。

#80
○福島みずほ君 厚生労働省社会保障審議会福祉部会における介護福祉士国家試験一元化の延長に関する議論の議事録を見ますと、やはりこれはちゃんと、延長すべきでないという意見が多いというふうに私は思います。
 これについて、国会の附帯決議を遵守しないということも大変問題だと思いますし、再考していただくよう、これは問題ありと、反対であるということを強く申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございます。

#81
○芳賀道也君 立憲・国民.新緑風会・社民の芳賀道也です。
 まず初めに、住宅確保給付金について伺います。
 地元山形県の鶴岡市の方から、四月二十日の通知で住宅確保給付金の対象を広げてもらった、これは非常に有り難かったという声が届いています。コロナの影響で休業、失業、収入を失った、鶴岡市でも、このコロナ以前は数件しか申請がなかったこの制度ですけれども、現在、利用者はもう数十件、三桁を超えるような勢いだと。それだけ失業等が厳しい、大変だという状況が見えてきますが、そこで、一つ要望がありました。
 具体的な要望なんですが、このハードルを下げていただいたのは非常に有り難かった、収入がなくなった方は喜んでいる、けれども、その額が十分でないというんですね。各地の家賃に合わせて、その地域地域で額は違いますが、山形県鶴岡市では一人世帯で三万五千円、二人で四万二千円、三人以上で最大四万六千円。申請する方からすると、満額じゃないし実額にも届かない、まだまだ足りないということで、是非この大幅なアップか実額支給をお願いできないかという声が、切実な声が現場からも届いています。
 いかがでしょうか。

#82
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 住宅確保給付金についてお尋ねいただきました。
 住宅確保給付金でございますけれども、生活困窮者自立支援法に基づきまして、生活困窮者を対象に、生活保護に至る前の段階のセーフティーネットといたしまして、安定した住居の確保と就労による自立を目指すものでありますため、支給上限額は生活保護の住宅扶助基準額とすることが適当というふうに考えております。
 他方で、先生から生活のお困りの方のお話を聞かさせていただきました。
 今回の新型コロナウイルス感染症の影響による収入の減少等によりまして、家賃を含む当面の生活費にお困りの場合には緊急小口資金等の特例の貸付けの活用が可能でございますので、必要な方には迅速な支援を行ってまいりたいと考えております。

#83
○芳賀道也君 そうした資金も非常に活用はされていますが、この鶴岡市でも大きなホテルが廃業というようなニュースも全国的なニュースになっておりました。
 ますます状況は悪くなっていくということで、これ続きそうです。是非、こうした失業保険に行く前の手だて、そこから失業保険に行く前に復活するためのサポート、より強く深くしていっていただきたいと思います。
 次に、多くの医療機関では、新型コロナウイルス感染対策の拡大、対応が長引くことによりまして、入院、外来共に、大きな病院から町のお医者さんまで大幅な患者減。介護事業所においても利用者の減少が激しく、ほとんどの事業所が経営破綻に近づいているとまで言われております。また、直ちに経営破綻とはならなくても、大幅な患者減や感染対応に係る支出の増大により、四月単月で億単位の損失ともなっている施設もあると聞きます。感染症に必死に立ち向かっている医療・介護従事者の昇給停止であるとか、ボーナスが出ないというようなことも起こっています。
 今後、感染拡大の第二波なども懸念される中、地域で医療や介護を支える施設が経営破綻となれば、第一波を乗り越えてもその先の備えができなくなります。医療・介護崩壊を食い止めるためには、国の責任によって迅速かつ的確で大規模な経済対策がどうしても必要なのではないでしょうか。補正予算等でもかなりの額の有利な融資というのはメニューとして用意されているようですが、もう融資では駄目だ、もうやっていけないという声が届いています。
 国民の命と健康を守るためにも、最低でも災害時同様の前年度の診療報酬や介護報酬支払に基づく概算払を医療・介護施設に実施するなどの経済支援を是非お願いしたいのですが、大臣の御見解を伺います。

#84
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話がありました災害時の概算払でありますけれども、これは、診療録やレセプトコンピューターが滅失した等のため、診療行為や介護保険サービスを行っていたにもかかわらずそれを立証するものがないということから、やむを得ず診療報酬や介護報酬の請求について過去の実績に基づく概算請求を認めたというものであります。
 他方、今回は、実際、診療行為や介護保険サービスは明確になっているわけであります。請求も可能であります。そこに事後的に精算を行う形の、しかも前年度のその数字でよって概算払、概算請求し、それを行うということは、実際、この保険給付、それぞれ皆さん方の保険料によって賄われていると、こうした保険の中で本当に理解が得られるのかという課題は私はあるんだろうと思います。
 しかし、一方で、医療や介護保険サービス、これは感染症の拡大の有無にもかかわらず、常に利用者のため、また家族のために必要なサービスであり、継続をしていく必要は当然であるというふうにも思っております。私どもとして、医療機関、また医療従事者の方々、そして介護サービス事業者や介護従事者の方々に対してもしっかりとした支援を行っていきたいと思っておりまして、これまで、例えば医療の関係でいえば、診療報酬の特例的な引上げや様々な支援を行ったことに加えて、第二次補正予算では、例えば新型コロナウイルス感染症患者専用の病院などに対する補助を更に手厚くしていくように、中身を含めた新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金、これ大幅に積み増しを図るとともに、働く方々に対する慰労金を始めとしたメニューの追加も実施もさせていただいたところであります。
 また、介護の関係においては、通所サービス事業者が居宅を訪問したサービスを提供した場合等の介護報酬の特例に加えて、さらに、この補正予算においても、介護事業所に対する、全額国庫負担とした上で、感染症対策の実施のために必要な掛かり増し費用の助成等を盛り込んでいるところでございます。
 一日も早くこの第二次補正予算を提出をさせていただいて、そして、それを、かなり使い勝手がいいものにしていると私ども思っておりますけれども、また、使い方においてはまた皆さんからもいろんな御意見をいただきながら、よりそれぞれの医療サービス、また介護サービスが引き続き持続できるように努力をしていきたいと思います。

#85
○芳賀道也君 第二波、第三波に備えるためにも、医療、介護の現場が崩壊するようなことがあってはならないという認識は一緒でしょうから、是非現場の声を聞いて、取るべき施策をお願いをいたします。
 次に、新型コロナウイルスの市中感染が広がる中で、感染のリスクにさらされながらも、多くの診療所、病院ではみなし対応や予防対応を含めて運営を継続してくれています。
 厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金、これは障害福祉サービス等ですが、これに基づく職員への慰労金支給が二次補正予算に計上されています。この慰労金が、医療、介護、障害福祉、それぞれの分野で最大二十万円、確実に職員の皆さんに支給されるよう強く要望したいと思いますし、この中で、同じ職場で働いていても取り残される人があってはならないと思います。新型コロナウイルス感染が広がる中で運営を継続した全ての病院、診療所、薬剤師を含めて全てのスタッフに支給されるようにしてほしいし、また派遣や業務委託を含む全てのスタッフに必ず支給される措置を講じてほしいと思います。
 また、プラスしてですが、学校の突然の休校が続く中、感染の恐怖と闘いながら、子供たちを守るために保育士、保育の現場も本当に頑張りました。学童保育、放課後児童クラブで働くスタッフにもこのような慰労金が支給されるようにしてほしいと思いますが、大臣の御見解を伺います。

#86
○国務大臣(加藤勝信君) まず、今回の新型コロナウイルス感染症が拡大する中において、今お話があった医療、介護のみならず、幅広い皆さんが感染リスクの下で心身の負担も抱えながらそれぞれの使命感を持って仕事に従事をしていただいているところであります。改めて感謝を申し上げたいと思います。
 それに加えて、医療機関等の医療従事者、また職員、介護、障害者福祉事業者の皆さんは、さらに、感染すると重症化するリスクの高い患者さんやあるいは入所者と日常的に接触を重ねておられるということでありますから、更に一層の配慮が必要な、また心理的な負担も更に高いものがあると思います。また、それらは、先ほどから申し上げておりますように、継続して提供が必要なサービスでありますし、実際、医療機関や介護施設等においては、クラスター始め感染状況がかなり発生をし、そうした中で重症化をし、残念ながら亡くなる方も生じているというのが現実であります。
 こうしたことを総合的に勘案して、そうした方々を慰労金の対象とし、給付に必要な予算を第二次補正予算に計上させていただいたところでありまして、具体的には、医療機関、介護・障害福祉サービス事業所等で勤務をし、患者、利用者と接する一定の職員として考えているところであります。
 そして、医療について言えば、新型コロナウイルス感染症への対応として、都道府県からあらかじめ役割を設定された医療機関等に勤務をしているのか、実際に患者を受け入れたのかなどを考慮して、二十万、十万、五万という形でお支払をすることにさせていただいております。
 今、保育所、放課後児童クラブについてお話もございました。保育所、放課後児童クラブにおられるこの児童さんについては、先ほど申し上げたように、これまでの知見からいって必ずしも重症化するリスクが高いという指摘はなされていないというふうに承知をしているところでもございます。もちろん、そういったところにおける感染拡大の抑止に対しては最大限努力をしていく必要があります。
 したがって、この第二次補正予算案の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金においても、施設が、職員が業務時間外に行う消毒用に要する費用等への支給、感染を防ぐために職員が購入した物品等に対する補助、感染症対策の研修などを行った場合には補助することとしており、今回のこの包括交付金の中で、保育所や放課後児童クラブにおける様々な対応に対してもきめ細かく措置できるようにしていきたいというふうに考えております。

#87
○芳賀道也君 まず、医療現場でちょっと具体的にもう一回確認をしたいんですけれども、例えば派遣や業務委託などが含まれるのか、それから同じ薬剤師さんでも、院外のいわゆる門前と言われる処方箋を扱う、実質的には病院と一体だと思うんですが、こういった薬剤師の方などは対象となるのでしょうか。いかがでしょうか。

#88
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まず前段、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、一定の医療機関についてはその職員の方全員、職種に関わりなく患者に接する方々については対象とするという方向で今整理をさせていただいておりますが、お尋ねのありました派遣職員というのは、基本的に派遣されてそこで業務として一定の指揮命令の下で行われておりますので、私どもとしては対象と考えております。
 一方、委託という形で働いておられる方につきましては、結果的にそこで働いておられる労苦に対しては委託料という形で最終的には医療機関から支払われるものというふうに思っておりますので、今のところ、委託職員として働いておられる方については今回の趣旨とは少し整理が違うのかなというふうに思っております。
 また、薬剤師さんのお話については、例えば病院の中で働いておられる薬剤師さんなどにつきましては、当然ながらこの慰労金のそれぞれの対象に応じてお支払をすることを予定しております。
 なお、調剤薬局というお話もございました。調剤薬局のような形につきましては、医療に不可欠な役割を担う医療提供施設だというふうに私ども思っております。また、新型コロナウイルス拡大からも実際に仕事を続けていただいておりますが、薬局そのものでは、先ほど大臣からも答弁申し上げましたように、これまでのところクラスターが発生していない、そういう意味では、クラスターの発生のおそれなどについては相対的に低いのではないか、あるいは、その患者に直接処置あるいは治療を行う医療機関の医療従事者の方々とは少しサービス提供の中から心身の負担あるいは性質が違うのではないかということから、今回の慰労金の給付の対象とはしないこととさせていただいております。
 一方で、先ほど申しましたように、この調剤薬局を始めとする薬局の方々が果たす役割について、非常に感染対応が重要だという点については私ども同じ思いをしておりまして、今回の二次補正予算案の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金におきましても、感染拡大防止の費用補助として医療機関と同様に薬局も対象とさせていただいているというところにより、薬局における感染防止については支援をさせていただきたいというふうに考えております。

#89
○芳賀道也君 やはり、薬剤師さんだけを取り上げるわけではありませんが、プロとして、専門家として、今回のこの命を守るために本当に懸命に頑張っている人に垣根はないと思うんですね。是非、一定の関わりがあった方という、まだ非常に、具体的にはなっていない部分もあるようですので、是非そこは、皆さんに納得していただけるような、同じ病院で働いている方に分断を起こすような、あるいは何か差別を起こすような、そういうことがないように是非やってほしいと思いますし。
 それからもう一つ、医療・介護関係とは別に保育関係についても触れましたが、立憲民主党の子ども・子育てPT、それから国民民主党男女共同参画推進本部も同様に、子供、子育ての支援施設は、特段の施設の特徴上、三密を避けることは困難で、マスクや消毒液が不足し、政府による支援も十分にない中で、今回、保育士等が、自身の感染リスクのみならず、万が一にも大切な子供を感染させてはならないと神経をすり減らし、懸命に努力を続けてくださいました。
 また、こうした学童保育などでは、処遇が低い状況にありながら、濃厚接触が多い保育所や学童保育の現場で懸命に使命感を持って働いた皆さんに対しても同様の五万円の慰労金などの支給があってしかるべきではないかなと思うんですが、こうした要求に対して、大臣、感想でも結構ですので、一言お願いできませんでしょうか。

#90
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げた慰労金というのは、先ほど申し上げたような一つの整理でさせていただきました。
 ただ、他方で、保育所等については、もう委員御承知のように、来られる方がいなくてもお金がきちんと支払われるという仕組みの中で言わば経営は一定維持できるという、こういう仕組みでもありました。加えて、今回の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金、これにおいても、先ほど申し上げた様々な場合で補助するということにさせていただいているところでありますので、この交付金をどう活用していくのかということも含めて、我々としてきめ細かな対応を図っていきたいというふうに思っております。

#91
○芳賀道也君 交付金もちろんですが、山形のお隣、宮城県でも子供の施設でこうした感染が実際に起こっています。全国的にも子供の施設での感染もありますので、交付金の対応というのもありますが、全国的に国が責任を持つべきものではないかなと思いますので、御検討をよろしくお願いをいたします。
 子供の貧困対策について伺いたいと思います。
 社会福祉法等改正案の質問に入りますが、法案では、高齢者、貧困、子供など、市町村の相談窓口を横に連帯して、横串を刺して整備を進める枠組みも盛り込まれております。
 この貧困相談や子供の相談に関連して伺いたいのですが、新型コロナウイルス感染症によって各地の子供食堂が一時的に業務を自粛している例もあります。子供食堂の取組は貧困対策として重要ですから、厚生労働省などからも支援してほしいと思いますし、子供食堂については第二次補正予算案で厚労省はどのような施策を盛り込んだのか、大臣に伺います。

#92
○政府参考人(渡辺由美子君) 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして子供の見守り機会が減少している中で、児童虐待を早期に発見し対応につなげていくことは大変重要な課題だと考えております。
 このため、四月二十四日の新型コロナウイルス感染症対策本部におきまして子どもの見守り強化アクションプランというものを公表いたしまして、市町村のいわゆる要対協が中核となりまして、支援児童に対して電話等によって定期的に確認する、さらにその際に、今御指摘のありました子供食堂も含めまして民間団体等にも幅広く協力を求めて、様々な地域ネットワークを総動員して地域の見守り体制を強化するということとしております。
 こうした取組を推進していくため、御指摘のございました二次補正予算では、子供食堂、あるいは子供に対して食堂が閉まっていても宅食で配食をしている場合もありますので、そういう支援を行う民間団体等に対してその必要な経費を補助する支援対象児童等見守り強化事業というものを盛り込んでおります。
 具体的には、これは市町村を通じてということになりますけれども、一か所当たり約八百万円の補助基準額で、定額、十分の十の補助ということにしておりまして、こういった中で、子供食堂等については、食の支援ということだけではなくて、地域の中で子供を見守るというネットワークの中に入っていただいて、引き続き協力をいただきたいというふうに思っております。

#93
○芳賀道也君 これは内閣の担当になるんでしょうけれども、子供のこの貧困対策、計画もできていないような市町村も多いということですので、引き続きこうした子供の貧困対策も取り組んでいただきますようお願いいたします。
 次に、資料の一ページを御覧いただきたいんですが、昨年六月発表の認知症施策推進大綱では、その十一ページ以下で早期発見、早期対応、医療体制の整備のことが盛り込まれております。
 私の地元山形県では、これに基づいて認知症疾患センターが山形県内四か所に整備されましたが、高齢者が自動車を運転する際の認知症の鑑別診断が増えたことで、地域によっては速やかな受診ができないという問題が家族の会などから指摘されています。
 厚生労働省として各県の認知症診断体制の後押しを更に進めていただきたい。是非、厚労省の見解を伺います。

#94
○政府参考人(大島一博君) 認知症は誰もがなり得る一般的な疾患でもあります。そこで、認知症の診断をどこでやるかということでありますが、やはりかかりつけ医がいらっしゃる場合にはまずかかりつけ医に対応していただき、必要に応じて専門の医療機関あるいは専門医につなぐということが一つの方法ではないかと考えます。
 こうしたかかりつけ医の方々に対しまして、相談役として認知症サポート医という仕組みをつくってありまして、必要な助言を受けながら対応できるということにもなります。
 そういったことと併せまして、専門医療機関、具体的には、今先生御指摘の認知症疾患医療センター、それから物忘れ外来とか認知症外来、あるいは心療内科、精神科等々、認知症の専門的な対応あるいは診断ができる地域の医療機関というのは多々あるところでございます。
 こうしたかかりつけ医的な窓口的な医療機関とこういう専門的な医療機関をどう組み合わせて効率的に社会資源としてうまく構成していくかということが課題でありまして、各自治体におきましても様々そういったことについて御尽力をされているところだろうと思います。
 厚労省としましては、こうした自治体の取組を後押しするということで、養成研修、かかりつけ医とか認知症サポート医の研修ですとか、あるいは認知症疾患医療センターへの運営費助成等々を通じまして地域の実情に応じた取組をお支えしていくと、そういう立場で考えておりまして、こうした鑑別、運転免許の関係でなかなか認知症疾患医療センターにかかれないということであれば、それをいかに裾野を広げていくかということも一つの地域の課題として捉えられるかと考えます。

#95
○芳賀道也君 要介護度の診断でもそうなんですが、認知症診断を行う場合には、特に認知症の方御本人のふだんの生活環境や家族の介護力などを見て総合的に認知症診断を行うため、精神科医による訪問診療が必要だと考えます。最初の認知症診断だけでなく、本人の環境に合わせた薬物療法などが行えたり、療養上の家族の教育にもつながるため、精神科医などによる継続した訪問診療を全国で増やせるような体制整備をお願いしたいのですが、厚労省の御見解はいかがでしょうか。

#96
○政府参考人(大島一博君) 御指摘のとおり、認知症と診断された後、御本人、それから御家族の状態に応じて継続的に診断、診察、治療あるいは支援、こういったことをやっていただけることは非常に重要であると考えます。
 まず、基本的には、そういったことについて今外来といいますか通院によって対応していただく場合が多いかと思いますが、なかなかその患者さんといいますか当人の状況によりましては、通院ができないとか、あるいは身体合併症があって通うことができないという方もいらっしゃる。認知症の場合はBPSDのような少し不穏な状況もございます。
 したがいまして、そういった場合には訪問診療、とりわけそういう専門的な精神科の知見を有していらっしゃる先生が訪問するということが効果的である場合は多いと考えられます。ただ、現実には、なかなか精神科の先生で訪問診療をされている先生というのはそんなに多くないのではないかと思います。現実には、認知症の疾患は精神科医だけではなく、もっと幅広く一般的な医療の中でも対応できる部分ございますので、精神科医に限らず、訪問診療あるいはその在宅医療、こういったものを拡充する必要があるかと思います。
 今後、高齢化が進展していく中で、地域の実情も踏まえながら、幅広く在宅医療が展開されていくような、そういう取組には厚労省としても注力してまいりたいと考えております。

#97
○芳賀道也君 是非、山形県の認知症家族の会の皆さんからも切実なこうした要望届いていますので、すぐにあしたからこれを良くするということは無理でも、長期的にやはり計画も立て、より良くなるように検討をお願いしたいと思います。
 次に、認知症施策推進大綱の十五ページ以下に、介護サービス基盤整備、介護人材確保、介護従事者の認知症対応力向上の推進が掲げられています。私の地元山形県でも、高齢化と少子化が進んで、介護が必要な方が増える一方、介護人材となり得る若い人たちの人口が減っているため、また若者が山形県内で働く流れも今なお続いており、これからの認知症介護を考えると本当に心配な状況です。
 山形県を含む高齢化が進む地域で認知症対応などをする介護人材を確保するため、厚生労働省はどのような対応をしているのか、加藤大臣に御説明をいただきたいと思います。

#98
○国務大臣(加藤勝信君) 御地元の山形県のみならず、私の地元もそうであります。これはもう東京を含めて全国的な課題だというふうに認識をしております。国民が必要な介護サービスを安心して受けられるためにも、そのサービスを提供する人材を確保していく、また育成をしていくということが非常に大事であります。
 人材、介護人材の確保については、処遇改善、就業促進、職場環境の改善による離職を防止をしていく、一方で人材を育成していくとし、こういった支援を総合的に進めていくことが必要だと思います。
 これまで処遇改善も行ってまいりましたが、加えて、月額最大八万円の処遇改善を昨年の十月から既に実施をしてきているところでもあります。また、介護の仕事に対する理解促進や魅力の発信、あるいは高齢者など介護の未経験者の参入を促すための入門的研修の普及、介護福祉士資格の取得を目指す留学生など外国人材の受入れ環境の整備等による多様な人材を活用していく、さらにはICTや介護ロボットを活用した生産性向上の推進による現場の負担軽減あるいは職場環境の改善、これなどを着実に進めております。
 また、認知症に対応する人材の確保に関しては、医療・介護従事者の認知症対応力を向上するため、都道府県による研修実施をいろいろな形で進めさせていただいているところでございます。
 こうした取組により、必要な人材の確保、そして養成にしっかりと当たっていきたいというふうに考えております。

#99
○芳賀道也君 家族の会の皆さんも、かつては不況になると、リーマン・ショックのときなどは介護人材、介護の業界に流れ込む人員が少しいたんだと、ただ、今回は、コロナもあって、感染の不安からそうしたことも期待できないのではないかと、非常に不安を持っているんだという声があります。是非、引き続き人材確保に不断の努力をお願いをいたします。
 次に、資料一ページから二ページを御覧いただきたいと思いますが、認知症施策推進大綱では、十一ページに、認知症の人及びその介護者となった家族などが集う認知症カフェ、家族教室や家族同士のピア活動などの取組を推進し、家族等の負担軽減を図るとされていますが、さらに、認知症の方のいる家族へのサポート策として、認知症の理解を含め、認知症の方の御本人を支えるための支援プログラムの研究開発が進んでいます。
 認知症の方御本人の病状、生活の安定のためには家族介護者の介入が重要です。特に、認知症の方のいらっしゃる家族への精神的ケアが介護保険制度が始まった二十年前から余り進んでいないのではないか、介護保険以前と、その認知症を抱える家族の皆さんへの精神的なケアについては余り進んでいないんだという現場の皆さん、家族の声があります。
 この二十年でこの御家族へのケア体制、どのように進歩したのか、政府参考人の方から御説明をいただけますでしょうか。

#100
○政府参考人(大島一博君) 介護保険制度そのものが、認知症の方御本人あるいは家族に対する最大のサポートと言っていいかと思います。
 通所介護、訪問介護、ショートステイ、あるいは小規模多機能居宅介護など、状況に応じた適切な介護サービスが選択して利用できるよう、こうしたサービス基盤の整備がこの二十年で進んでまいりました。また、地域包括支援センターができまして、その機能の一つとしまして、家族の方々に対しても相談支援に対応するということが行われております。
 こうした言わば専門的なサービスに加えまして、最近では、その地域に根差した取組、具体的には、認知症カフェ、こういったものでお互いが気軽に集まって、話合いなりいろんなことを相談できるような場が広がりつつなっております。
 それから、認知症の部門でありますれば、初期集中支援チームという形で、初期の段階で家庭を訪問して診断等につなげていただく機能もあります。それから、こういった御家族に直接支援をするということで、介護者同士の交流会、あるいは家族の身体的なあるいは精神的な負担軽減を目的とした家族介護継続支援事業、こういったものも市町村の事業として行えるようにしているところでございます。
 なかなか目に見えて指標としてどの程度進んだかというのは測定しにくいところもございますが、認知症施策推進大綱の中でも、介護者への支援というのを柱の一つとして位置付けております。引き続き、大綱に基づきまして、介護者の負担軽減につきましても努力してまいりたいと考えております。

#101
○芳賀道也君 様々なメニューはできて確かに良くなったんだと、けれども、その肝腎の家族の心のケアって意外に進んでいないんだよねという声もあります。引き続きこの点もよろしくお願いをいたします。
 さらに、ショートステイや施設に入所している要介護者の食費の自己負担額、本人の年収が、年金収入が百二十万から百五十五万までの世帯全員が、住民税非課税世帯で毎月二万円から毎月四万二千円と二万二千円引き上げられる動きがあると聞いて、患者の皆さん、患者家族の皆さんも非常に心配しています。来年の八月からこの補足給付の引下げが実施されて、食費自己負担額が月額二万二千円引き上げられるのか、どうなんでしょうか、政府参考人に伺います。

#102
○政府参考人(大島一博君) こうした補足給付の見直しにつきましては、昨年十二月の社会保障審議会介護保険部会で取りまとめが行われております。その中で、年金収入ごとに助成額の差があり、それをなだらかにする旨の見直しの方向性が盛り込まれております。
 厚労省としましては、引き続きそうした議論も、結論も踏まえながら丁寧に検討を進め、本年末までに結論を得ることとしたいと考えております。

#103
○芳賀道也君 本当に、実際に家族の皆さんからも、本当に負担が増える方向にばかり行っていると、非常に不安があります。こうしたことは是非やめて、負担を引き上げることのないようにお願いをします。
 同様に、同じ負担増で非常に心配されていることがあります。同じように、来年八月から高額介護サービス費支給制度の上限額が上げられるというのは本当なのでしょうか。デイケア、通所介護でも来年八月からは四万四千四百円を超えた分の還付が見直されるのか、御説明をいただけますでしょうか。

#104
○政府参考人(大島一博君) この点につきましても、昨年十二月の介護保険部会の取りまとめにおいて見直しの方向性が盛り込まれております。本年末までに結論を得たいと考えております。
 この具体的な内容としましては、高額介護サービス費、これを、月額の負担の上限額を各それぞれの方の年金収入等に応じて設定し、その範囲で負担が収まるように給付を行うというものでございます。
 今回の見直しは、六十五歳以上で、かつ年収が七百七十万以上の方がいらっしゃる世帯に限定した見直しを行う、そういった内容が盛り込まれておりまして、かなり高額の世帯の方に対する対応というふうなことが指摘されているところでございます。

#105
○芳賀道也君 私も最初、六十五歳以上で七百七十万、一千百万円を超える人、負担を上げる、ああ、そのぐらい収入のある人ならやむを得ないかなというふうにちょっと最初思ったんですが、考えてみると、一千百万円を超える皆さんなどは二百万以上負担が増えるという、この介護だけで二百万増えるわけですから、年間、その可能性があるということで、七百七十万の方なんかはもっと負担は介護保険で増えてくると。
 そのほかにも取られるものは山ほどありますから、そういったところでは非常に大きな影響があると思いますので、負担ばかり増やすというようなことのないように、是非家族の皆さんの声、現場の声に耳を傾けていただきたいと思います。
 さらに、次の質問です。国交省に伺います。
 いわゆるサ高住、サービス付き高齢者向け住宅ですが、サービス付きといっても安否確認と相談サービスがあるだけ、ただ、東京都では緊急対応なども加えていますが、サ高住の中にはホームヘルプサービスやデイケアのサービスなど在宅サービス事業所を併設したものもあります。
 このような在宅ケア付きの住宅とサ高住というのが勘違いされるおそれがあるのではないでしょうか。このため、明確に名称などを分けるように、例えばその名称変更などを考えるべきではないでしょうか。国土交通省の方の御見解を伺います。

#106
○政府参考人(小林靖君) お答えをいたします。
 サービス付き高齢者向け住宅は高齢者住まい法第五条第一項において定義をされており、また、同法第七条に規定されているように、バリアフリーなどのハード面の基準への適合と情報把握及び生活相談サービスの提供が求められているものでございます。こうしたサービス付き高齢者向け住宅については、通所介護事業所や訪問介護事業所などを併設しているものが八割弱ございます。
 国土交通省といたしましては、サービス付き高齢者向け住宅に入居を希望される方が物件ごとのハード面や提供サービスの特徴などを把握できることが重要であると考えておりまして、平成二十九年から事業者に対してサービス付き高齢者向け住宅情報提供システムに運営情報を入力するよう求めているところでございます。
 引き続き、情報提供の充実を含め、入所者にとってサービス付き高齢者向け住宅のハード面や提供サービスの特徴などがより分かりやすくなるよう工夫を重ねてまいりたいと考えております。
 以上です。

#107
○芳賀道也君 引き続き、法律用語で優良誤認と言うんでしょうか、そういう勘違いを起こさないために名称をはっきり区別するとか、そういった努力もお願いしたいと思います。
 次に、介護職員の処遇改善加算について伺います。
 事業所が申請しなければ介護職員の給与にこの改善加算は反映されません。施設サービスの事業所ではほぼ一〇〇%取得していますが、介護サービスを利用する人の八割をカバーしている在宅サービスでは、ホームヘルプサービスでもデイサービスでも、この取得率、八八%に下がります。小規模な事業所が多く、介護職員処遇改善加算を取る条件がクリアできない、申請書類の事務手続がこなせないなどの理由があります。同じ介護保険サービスに従事しているのに全ての介護労働者の給料が上がるわけではないというのは、この加算が抱える弱点だと考えます。
 加算ではなく、一律上乗せにはできないのでしょうか。加藤大臣の御意見を伺います。

#108
○政府参考人(大島一博君) 処遇改善、非常に重要な問題でございます。どのような方式でやっていくかということで、今はその積み増した額が明確化できるように加算という形にしております。それを事前に各事業所から事業実施計画を作っていただき、かつ事後に実績報告を求めまして、賃金が確実に引き上がったかどうかの確認をしているところでございます。そういう意味で、従業員の方に賃金を確実にお届けするという意味では加算方式の方が優れているのではないかと考えます。
 他方、御指摘のとおり、それに伴う事務が、事務手続が発生します。それをいかに負担軽減できるかということも大きな課題と考えておりまして、今年の十月からこれまで二本ありました加算の手続を一本化し、それから添付書類の簡素化を行いました。
 また、もう一つ、加算の条件がクリアできないという点でございますが、実は、加算のこの条件の中身は、賃金の向上といいますか、勤労条件の改善に関するものになっておりまして、例えば経験や資格に応じ昇給する仕組みを整備しているかどうかですとか、職務内容に応じた賃金体系ができているか、研修機会の確保をしているかといったことが条件でございます。これらにつきましても、小規模な事業所におきましても是非促進、実現をしていただきたいと考えているところであります。
 そうしたことから、こうしたハードルはあるわけですけれども、やはりこれを乗り越えていただくということが重要かと考えておりまして、都道府県がこうした小規模な事業所を中心に、介護事業所に社会保険労務士等を派遣して具体的な助言をできるような事業を設けておりまして、こういったことを積極的に活用していただきながら、取得の割合を高めるように取り組んでまいりたいと考えております。

#109
○芳賀道也君 同じようなことが保育の分野でもありましたけれども、せっかくの加算が実際には働いている人に行かない、こんなことがあってはならないと思いますので、今お話に出た社労士、社労士の説明会を開くだけではなく、事業所が給料を増やして損することがないように、事業所にも社労士の費用を補助するとか、そういった政策も考えていただきたいと思います。
 次の質問です。
 要介護一と二を介護保険から外す動きがありました。これは本当におかしいことだと思います。要介護一と二には認知症の方も含まれ、生活援助がなければ暮らせません。総合事業になると運営自体が自治体に任されるため、自治体にお金がなければ要介護一、二の方への生活援助が更に縮小されてしまうおそれがあります。
 要介護一と二の介護保険外しは絶対に反対ですが、加藤大臣の御見解を伺えますでしょうか。

#110
○国務大臣(加藤勝信君) これから更に高齢化が進み、介護保険サービスが必要とされる中で、いかにこの介護保険制度をもちろん負担も含めて持続可能なものにしていくのかと、これは不断の見直しをしていく必要が私はまずあるんだろうと思います。その中で何をやるかというのはもちろん議論があるところだと思います。
 今お話があった軽度者に対する給付の在り方については、社会保障審議会介護保険部会において議論が行われ、見直しに慎重な立場、積極的な立場から様々な御意見をいただきました。十二月の取りまとめにおいては、総合事業の実施状況や運営主体である市町村の意向、利用者への影響を踏まえながら、引き続き検討を行うことが適当であるとされたところであります。
 実際、要支援一、二について、総合事業に移行しつつあっても、なかなか地域によって、私も幾つか見させていただきましたが、うまく回っているところも他方であります。しかし、必ずしもそういう対応が取れていないところもあります。まず、そういったところをしっかりやっていくということがまず最初に大事なことなんだろうというふうに思っております。

#111
○芳賀道也君 これは本当に大事だということも申し上げますし、さらに、昨年には、ケアマネジャーによるケアプラン作成を有料にしようという動きもありました。ケアプラン作成はソーシャルワークであり、本来利用者が負担するものではないはずです。ケアプラン作成に利用者負担を入れてもケアマネジャーの質が向上するわけでもありません。
 今後ともケアプラン作成を有料化すべきではないと考えますが、再び加藤大臣の御見解を伺います。

#112
○国務大臣(加藤勝信君) これも、ケアマネジメントに関する給付の在り方については先ほど申し上げた社会保障審議会介護保険部会において議論がなされ、もちろん、積極的に見直すべきだという立場と見直しに慎重な立場とそれぞれ御意見がありました。最終的には、引き続き検討が行うことが適当とされたところであります。
 厚生労働省としては、利用者やケアマネジメントそのものに与える影響、自立支援に資する真の高いケアマネジメントをどう実現をしていくのか、また同時に、他のサービスとの均衡、負担の均衡等も含めて幅広い観点から引き続き実施を検討していく必要があるというふうに思いますし、特にこの問題は、ケアマネジメントをどう位置付けるかということとも絡んでくる問題だというふうに認識をしております。

#113
○芳賀道也君 是非、本当に家族の会の皆さんと伺っていると、このことも含めてですけど、何か国の動きは負担増、負担増の方に行っているという非常に不安がありますので、このことも含めて、そのようなことがないよう是非御検討をお願いします。
 次に、既に高齢者虐待防止法があり、高齢の認知症の方の養護者や養介護施設従事者による虐待は禁じられています。養護者以外の家族や、そのほか周囲の人が認知症の人を虐待することは法的に禁じられていないのか、参考人の方から御説明をいただきたいと思います。

#114
○政府参考人(大島一博君) 高齢者虐待防止法では、養護者として、高齢者を現に養護する者であって養介護施設従事者等以外のものとされておりまして、具体的には、金銭の管理や食事介護などの世話、あるいは鍵の管理など、何らかの世話をしていらっしゃる方ということであります。同居されている家族も入りますし、同居していなくても、現にこうした身辺の世話をされている方であれば、親族あるいは知人であってもこの養護者には該当し得るという解釈となっております。

#115
○芳賀道也君 認知症かどうかを測る長谷川式スケールをお考えになった長谷川和夫先生が、自ら認知症になった後で、「ボクはやっと認知症のことがわかった」という本を書かれました。この本によれば、認知症になっても、その人として長年生きてこられた自覚や自信は継続しており、認知症の方を蔑むような言葉遣いや態度は認知症の人にも感じられるということです。
 人生百年時代であれば誰もが認知症になり得るため、認知症になっても尊厳を持って生きられる仕組みをつくる必要があります。単に虐待を受けないということに限らず、認知症の人の尊厳はどのような制度で守られるのか、御説明をいただけますでしょうか。

#116
○政府参考人(大島一博君) 昨年六月の認知症施策推進大綱におきましても、認知症になっても、周囲や地域の理解と協力の下、本人が尊厳と希望を持って自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指すとされております。こうした言わば共生社会をいかに実現していくかということでございます。
 国におきましても、認知症サポーターの養成等進めておりますが、最近ではそういったサポーターも、コンビニとかスーパーとかいろんな、実際に認知症の方と接する機会の多い方々にもサポーターになっていただき、それから、認知症バリアフリーという考え方で、誰もが使いやすいサービスを実現するといったことが進んできております。それから、尊厳という意味では、やはり意思決定支援、認知症の方の意思をちゃんと引き出して、それを正しく決定に結び付けるための支援ですとか、あるいは、そもそもやっぱり専門的な医療とかケアへのアクセス、こういったことも重要でございます。
 こうした種々の取組が大綱において位置付けられておりますので、こうした大綱を着実に実現していくことが長い目で見れば尊厳の維持確保につながっていくのではないかと考えます。

#117
○芳賀道也君 認知症家族の会の方と議員会館で懇談したときにも、家族の方が、やはり介護自体でも大変なんだけれども、理解のない一般の方から心ない言葉を受けて、非常にそういったことにも傷ついたと。是非、認知症がどういう病なのかも一般の人にも教育といいましょうか啓発もしてほしいという声もありましたので、そういったことも含めてよろしくお願いします。
 最後に、介護に当たる職員が殴られる、暴言を浴びせられる、かまれるなどという例があるということも聞きます。どうしようもない場合もありますけれども、これが嫌で退職する職員の方もいると聞いています。こうした職員を守るためにどうしたらいいと考えているのか、御説明をいただけますでしょうか。

#118
○政府参考人(大島一博君) 認知症の方の暴言、暴力は、御自身の言葉にできない不安な、不快な感情から始まりまして、BPSDという周辺症状として症状が現れるということのようであります。その原因は、身体の不調、あるいは不適切な環境、不快感、不安感、様々な要因が作用して起こるというふうに考えられます。
 こうしたことから、認知症の疾患、あるいはその周辺症状を理解した上で、認知症の方を不快にさせたり不安にさせたりしないようなための必要な知識、あるいはケアのポイント、こういったことを習得していくことも重要であると考えます。そういった介護職員向けの実践研修を行っておりまして、そういったケアの内容に関しましては、静かな落ち着いた環境を調整するとか、後ろから話しかけたりをしないとか、丁寧に説明しながら支援を行うと、こういったことを介護のケア現場で浸透させていくことが一つの方法かと思います。
 もう一つは、やはり介護現場でのハラスメントとしての捉え方でございます。厚労省におきまして、ハラスメントの対策マニュアルですとか手引等を作っております。こうした中では、事業所、介護事業所がちゃんとハラスメントに対する基本方針、姿勢を決めて、職員と共有するとか、ハラスメントが行われた際の対応方法を決めておくとか、あるいは御家族の方にもハラスメント防止に関する理解と協力を求めるといった形で、組織として、事業所として職員の方を守っていくと、こういった取組も必要であろうかと考えております。
 大きく、こうしたケアそのものの在り方とハラスメント対応と、この二つにより対応していくのが当面求められているのではないかと考えております。

#119
○芳賀道也君 介護を守る方のためにも全力で取り組んでいただくことをお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#120
○石橋通宏君 立憲・国民.新緑風会・社民共同会派、石橋通宏です。
 我が会派のお二人に続いて質問させていただきますが、今日も最初何問か、新型コロナ感染症関連の対策、施策についてお伺いしておきたいと思います。
 まず、今日理事会に御報告をいただきました、雇調金のオンラインシステムが開始早々にダウンして、先週まで復旧のめどが立たないということでしたが、普及のめどがようやく付いたということで御報告をいただきましたので、その点だけ改めて委員会に、達谷窟さん、御報告いただけるでしょうか。

#121
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 雇用調整助成金のオンライン受付システムは、不具合が発生したことから現在運用を停止してございますが、必要なシステム改修を行い、再発防止策を講じた上で、今月五日金曜日十二時からシステムを再開する予定でございます。

#122
○石橋通宏君 ようやく今週金曜日から復旧、まあ再スタートということです。
 本当に、我々、中身の報告も少し受けましたが、あり得ないような、システム的に言えばイロハのイができていなかったというような内容の、まあベンダーさん側の開発ミスということです。
 金曜日、改めてオンラインシステム、スタートしていただくと。これは相当各方面からも期待をして、迅速化に向けて、手続の簡素化、迅速化、大臣、これもう本当に大丈夫ですよね。これでまた問題あって再ダウンみたいなことは絶対にないということで、迅速化、そして簡素化に向けてこれが大きく貢献していただくように、大臣、これしっかりやっていただくということだけ申し上げておきたいと思いますので、大臣、よろしいですね、うなずいていただいていますので、しっかり対応をお願いしたいと思います。
 それから、資料の一でお配りをしました、大臣、まず受け止めを聞きたいと思いますが、総務省の労働力調査、四月分の公表がありました。休業者六百万人、まあ失業率はなかなか、やっぱり公式統計で失業率への反映が恐らく日本の場合は遅れるんだと思います、相当に。非正規雇用の方々、三月も大きく減少しておりましたが、四月も百三十一万人減という、大きく非正規雇用の方々が減少しております。
 休業者六百万人で、多くは失業者予備軍ではないのか、これから失業がかなり増えるのではないかという懸念もあります。
 大臣、まずその受け止め、責任者としてお伺いをしたいのと、その対策で、例えば休業者については、今回議論しておりますが、休業者に対する特別な給付措置、これ六百万人全員救われるんでしょうか。そのことも含めて、大臣、御答弁をお願いします。

#123
○国務大臣(加藤勝信君) まず、今、現下の雇用情勢の認識についての御質問があったと思います。
 お配りをされているように、完全失業率も増加をしております。それから、この中にはありませんが、有効求人倍率もこれは減少し、特に求人の、求人ですね、求人の減少が著しい状況になってきておりまして、また、特に就業者、雇用者の中でも非正規職員、従業員も四月と比べると九十七万人減少が拡大しているという、こうした状況があります。さらには、お示しをしていただいておりますように、休業者数が、四月、大幅に増加をしておりまして、五百九十七万人と、前年の同月で比べても四百二十万人の増加となっているところであります。
 こうした状況を踏まえて、現下、大変、一つ一つの数字を見れば、例えば有効求人倍率はいまだ一を超えてはいますけれども、かなり厳しい状況になってきている、こういう認識をさせていただいております。
 加えて、今回の休業者数の内訳を見ると、正規の職員、従業員が百九十三万人と、前年同月で見れば百十三万人の増加、他方、非正規の職員、従業員が三百万人と、前年同月差で二百四十万人の増加となっているわけであります。特に、非正規の職員、従業員の内訳で見ると、パートタイマーが前年同月比で百九万人の増加、あるいはアルバイトが同年同月比で八十万人の増加となっております。
 こうした休業者の方々、ある意味では、この休業手当、あるいは雇用調整助成金が前回のリーマン・ショックのときに比べると、あのときはこれほど大きく休業者数は増えておりませんが、今回大きく増えてきているというのは、この間の人手不足ということがあって、できるだけ企業が抱えておきたいという、そうした思いもあり、また一定の雇用調整助成金等活用する等々、こういったこともあるんだろうと思います。
 したがって、昨日の数字で約一万人、ごめんなさい、申請件数が一万件の、日のオーダーが乗ってまいりました。そうしたことに対するしっかりとした迅速な処理を図っていく、そういった意味においても、先ほどお話がありましたオンラインの金曜日からのスタートということ、これも円滑に進めていきたいというふうに思っております。
 それから、今お話があった六百万人、もちろんこの中には、全てが今回の休業というよりも、これまでのような介護休業等、育児休業等の方も入っているわけでありますけれども、ただ、ここに入っていない、実はここには、最終週の一週間全て休んだ人がここに来るわけでありますから、何日間しか休まない方はここには入ってきていない等々、これ以外にももちろんおられるということ、更にこれからも増えていくということ、そこもしっかり踏まえながら、雇調金の申請あるいは今議論させていただいております個別の払いの制度の対応をしっかりやっていきたいというふうに考えております。

#124
○石橋通宏君 大臣御指摘あったように、この六百万人でも恐らく全体像はまだまだはっきりとは示されていないんだろうと思います。この数字に表れない、本当は潜在的にはもっと休業なり減収なり様々な影響出ておられる方々、もうここで見えるだけで六百万人であれば、相当数もうおられるということで、覚悟した上での対策を講じていかないといけないと、もうこれずっと大臣とやり取りしている話です。
 今日、細かい制度設計の話はまだ煮詰まっていないところもあると思いますのでやりませんが、大臣、重ねて、じゃ、今、これ今回政府が出してきた案、一体誰がどこまで対象になるのか、給付が受けられるのか、そこが大きなポイントです。我々も今対案の議論させていただいています。我々の考え方もしっかり示して議論していきたいと思っておりますので、とにかく多くの方々がしっかりと給付を受けられ、生活支えていただけるような形を、ちゃんといい議論させていただいて、対策を講じるということで、これは大臣、また議論お願いしたいと思いますので、そこは指摘をしておきたいと思います。
 確認なんですが、分かったら教えてください。大臣、今回のその休業者給付なんですが、これ公務、公共の現場、公務員の皆さん、例えば保育士さん、こういった方々も対象になるということでいいんでしょうか。特に、三月の予算委員会、大臣覚えておいでだと思いますが、私、非常勤の公務員の皆さん、学校教職員の皆さんの問題を取り上げて、真っ先にそういった方々が切られたり収入がなくなったりして大変だということで申し上げました。そういった方々も、これ休業手当、休業給付、対象になるという理解でよろしいですか。

#125
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 新たな給付制度の詳細につきましては現在検討中でございますが、雇用調整助成金を始めとする雇用保険二事業の助成金は国又は地方公共団体を対象としておりません。また、今般の支援金は、中小企業において雇用調整助成金の申請事務や資金繰りの面から休業手当の支払がなされていない労働者を救済するという制度趣旨であること、さらには、国又は地方公共団体の職員の収入は税財源を元としており、こういった方々を対象として助成金を支給することは税財源を補填することとなり不適当であることを踏まえまして、国又は地方公共団体で働く方々を対象とするということは考えてございません。

#126
○石橋通宏君 そうなると、非常勤の方々で、まさに真っ先に契約切られたりして収入断たれている方々、特に三月段階、四月段階、相当数おられると思います。そういった方々を一律にまた除外をするということであれば、これ、かなり課題、問題だということの認識です。ここは、詳細出てくればまたそこは追及したいと思いますが。
 確認しますが、今のところに保育士さんは含まれるんでしょうか、含まれないんでしょうか。保育士さん、公立もあれば私立もあり、正規、常勤の方もいれば非常勤、非正規の方もおられますが、こういった方々は対象になるんですよね。

#127
○政府参考人(達谷窟庸野君) 今申し上げましたのは国又は地方公共団体で働く方々ということでございますので、例えば私立の場合は、いろいろ、今後の制度、現在の検討中の制度設計の中では対象となり得ると考えてございます。

#128
○石橋通宏君 私立は対象になり得る、つまり、公立で非常勤で、非常勤であるがために休業、無給で余儀なくされているような方々がもしおられたとしたら、対象にしないという整理になるんですか。

#129
○政府参考人(達谷窟庸野君) 公立であれば、国又は地方公共団体、今回、申し上げましたとおり、国又は地方公共団体で働く方は対象とすることは考えてございませんと申し上げましたが、そういうことでございますので、公立の場合は対象にならないというふうに考えてございます。

#130
○石橋通宏君 ここも重大な課題認識持って制度設計見たいと思いますが、なぜこれ取り上げるかというと、もう一点、先ほど芳賀委員からも、保育士さんたち、現場で今本当に頑張っていただいている、何とか支えていかなければ、これ子供たちの未来を支えていただいているわけですから、本当に保育の現場で頑張っていただいている皆さん、我々みんなでしっかり応援をしていかないといけないということだと思うんですが。
 実は、今日、内閣府来ていただいておりますけれども、保育園等に対するこれ公定価格、これは今もなお、コロナで利用者が減少したりしても、それにかかわらず通常どおり公定価格は補助下りているはずですね。そこで、保育士さんたちについては、仮に休業されたとしても、補助金ちゃんと下りているわけですから、ちゃんと手当を払ってくださいよと、満額、そういうことだと思いますが、実は、この週末、大臣、保育士さん、当事者の方々と直截な対話会を持たせていただきました。皆さん、非常勤、非正規の保育士さんたちです。払われていないそうです。払われていないか、払われていても六割とか、減額された手当しか払われてない。一方で、常勤、正規、常勤の方々は、休業の場合には満額払われているそうです。ところが、非常勤、非正規の方々は、払われてないか、勝手に休みなさい、来てもいいし来なくてもいいと、来なかったら自己責任ですよということだったり、払われていても六割とか減額支給なんだそうです。
 これ、おかしな話だと思いますが、これ内閣府、こういう実態自体把握をされているのか。ちゃんと満額支払うように二十九日の通知わざわざ出したということは、逆にそういう実態があることは内閣府把握をされているんだと思いますが、あってはならない、ちゃんと満額支払って、常勤、非常勤関係なく、差別なく払われなければならない、そういうことでよろしいですね。

#131
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
 御指摘いただきましたような実態につきまして、内閣府として具体的に全体像を把握をしているわけではございませんけれども、現在も個別に自治体や保育事業者の方々などから問合せや相談をいただいているところでございます。
 我々内閣府といたしましては、保育所に対する公定価格、これは新型コロナウイルス感染症に伴う臨時休園を行うような場合であっても、非常勤の人件費も含めて通常どおり公定価格分支給をして施設の収入を保証しているというところでございます。
 こういったことを踏まえまして、臨時休業に伴う休業をいただいた職員についても通常の賃金を支給するなど、人件費の支出につきましては適切に対応すべきということで自治体や保育所に示すとともに、自治体に対しましては管内の保育所に対する指導を依頼をしているというところでございます。
 引き続きこうした趣旨をしっかり周知をし、指導監査などにも利用いただくなど、不適切な事例に対する指導に取り組んでいただくように依頼をしっかりしてまいりたいと考えております。

#132
○石橋通宏君 これ、大臣にもしっかり問題把握、これ今お話あったように、網羅的に調査はしていないけれども個別としては声がどんどん上がっているというのは実態だと思います。実態あるんです。
 これ、仮にですよ、非常勤の方々に本来満額払うべき給与を六割程度にとどめている、これ相当お金が浮くんだと思いますが、その浮いたお金どうするんですかね。その浮いたお金、別に流用したら、これ問題になりませんか。

#133
○政府参考人(藤原朋子君) 一般論ということになりますけれども、全くその同じ条件で自宅待機をされているような場合に、正規職員と非正規職員を理由なく差を設けるということは望ましくないというふうに考えておりますので、五月二十九日に発出をいたしましたこの通知によりまして周知、指導の徹底ということをしっかり努めていきたいということでございます。(発言する者あり)ですので、非正規の方々に対しても適切に人件費を支払っていただくように指導してまいりたいというふうに考えております。

#134
○石橋通宏君 ということは、流用しちゃいけないということでしょう。ちゃんと保育士さんたちに、常勤、非常勤分け隔てなく、皆さんしっかりちゃんと給与払っていただかなきゃ困ると。であれば、ちゃんとそれ、指導徹底してください。重ねて言います。現場では起こっています、それ、まだ、今でも。なので、これ、厚労省も連携していただいて、保育士さんたち、これから頑張っていただかなきゃいけないんです。だから、皆さんの安心、安全も支えていかなければいけないのにこういう実態があると。
 もう一つだけ。小学校休業等対応助成金ですが、これ、当然だけれども、保育士さんたち、お子さん、小学校以下お子さんお持ちの方で、お子さんの対応で休みを余儀なくされている方々多数おられますが、これも常勤、非常勤関係なく、保育士さんたちも対象になるということでいいんですよね。それだけ確認です。

#135
○政府参考人(藤澤勝博君) 対象でないということはございません。対象としてございます。常勤、非常勤の方、共に対象としているものでございます。

#136
○石橋通宏君 対象だということをはっきり言うてください。何か、窓口問い合わせても、対象にならないということを言われたという、どこの窓口相談に電話されたのか、ちょっとごめんなさい、分かりませんが、対象にならないようなことを言われたということで払われていないそうですが、多くの保育園が申請していないんじゃないですか。実態つかんでいますか。
 大臣、これも、中には市町村単位で、保育園の運営側が皆さんで相談して、この助成金に応募しないということを内々確認をしているような話が出ています。
 こんな実態、藤澤さん、つかまれていますか。

#137
○政府参考人(藤澤勝博君) 今おっしゃいましたように、自治体と認可の保育所とで相談をして申請をしないといったようなことがあるかどうかについては把握はしてございませんけれども、おっしゃいましたような、小学校休業等対応助成金についての問合せは多数いただいております。認可の保育所が支給の対象となるのかといったような問合せはいただいておりまして、それが対象となる旨、私どものホームページでもQアンドAとして掲載をしておりますし、周知を図っているところでございます。

#138
○石橋通宏君 これ、なかなか表に出ない話なのかもしれませんが、そういった事実が聞こえてきています。ということは、これはゆゆしき事態。いかなる理由をもってそういうことをされているのか分かりませんが、これ、本当に分け隔てなく、コロナの影響を受け、学校等休校の影響を受け、そしてお子さんの対応必要な方々に安心して対応いただくためのこれ助成金です。
 ちゃんとこれ対象となる方に届くように、だから、現場の方々からは、これ、やっぱりどうしても運営側がやってくれないので、労働者側から申請できる制度にしてくれないかと、この休校措置もね、そういった声も上がっています。だから、もしこれを労働者側申請にしない、できないのであれば、先ほど聞いた今回新たな休業者に対する給付金を是非分け隔てなく対象にしていただいて、労働者側からの申請でちゃんと給付が受けられるようにしていただきたいんです。
 大臣、重ねて、今やり取り聞いていただいたと思いますので、問題認識、保育士さんたち、現実問題としてそういった差別、区別が残念ながら行われております、それが起きないように、そして保育士さんたちのこれからの頑張りを我々は応援できるように、しっかりとした、穴のない対応をしていただきたいということ、保育士さんたちに代わってお願いをさせていただきたいと思います。
 芳賀委員が指摘をされたあの慰労金、是非御検討いただきたいと思いますので、そのことも私からもお願いをしておきます。
 以上申し上げて、法案の審議に入りたいと思います。
 まずは、福島委員が最初取り上げていただきましたが、市町村の包括的な支援体制、重層的な支援体制について確認です。
 福島さんからも指摘ありましたが、私も心配なのは、今回も、準備ができているところ、手挙げ方式でということです。かえって格差広がらないでしょうか。
 できるところはできる、準備が整っているところは整っている、じゃ、追加で更なる予算が出るのであればやろう。でも、多くの自治体が、残念ながら、今、困窮者支援制度でも任意事業ができておりません。できないところはやっぱりなかなか難しい、手挙げられない。とすると、ますますできるところが先に行って、できないところが置いていかれて、そこの住民の皆さんが適切な対応を受けられないということにはならないんでしょうか。ならない担保があるんでしょうか。それをまず確認させてください。

#139
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 今回の新たな事業、手挙げ方式であることから、手を挙げる市町村と手を挙げない市町村でかなり格差が拡大するのではないかという御質問でございます。
 まず、生活困窮者自立支援制度につきまして先生から御指摘いただきました。それにつきましては、かなり任意事業を多くの自治体に取り組んでいただくことが必要でございましたけれども、これにつきましては、例えば任意事業の実施率が低調な自治体に対するヒアリングや助言、さらには全国団体と連携いたしましてアドバイザーを派遣して事業実施に向けたきめ細かなアドバイスの実施を、そうしたすることによって、着実にその実施率は向上しているところでございます。
 今回の法案で提案しております新たな事業でございますけれども、市町村によって高齢化の状況、地域資源の状況等は異なりまして、直面している課題等は多様でありますこと、また、地域の関係者間での十分な事前の議論により事業実施の考え方等の共有を図るプロセスが重要であることから、議員御指摘のとおり、必須事業とはせず、準備の整った市町村から取り組むこととし、市町村の手挙げに基づく任意事業としたところでございます。
 その上で、この今回の改正法案では、国及び都道府県には市町村に対しまして新たな事業実施のために必要な助言等の援助を行うことを義務付けておりまして、厚生労働省といたしまして、できる限り多くの市町村が円滑に事業に取り組めるよう、丁寧な支援を行っていきたいというふうに考えております。
 具体的には、この法律が通りました後に、令和三年度の施行に向けまして、新たな事業を適切に実施するための指針や運用上の留意点を示すマニュアル等の検討を進めるとともに、事業の円滑な実施に向けて市町村との意見交換などを進めていきたいというふうに考えております。

#140
○石橋通宏君 理想を言われても現実が、自治体、市町村、各現場の皆さん、本当に現実の中で懸命に対応いただいて、でも、なかなか、事業、手が回らない、人手がいない、そういった状況の中で頑張っておられるわけです。本来であれば、前回、困窮者支援制度のときに、なぜ一部任意事業を必須事業にしないのか、そういった議論もしたわけです。そっちの方が先じゃないのかという議論も現場ではあるんじゃないかと思います。そういったことも含めて、これ本当に皆さんの理想像で形になるのかどうか、そこはかなりこれ、疑問を持って我々ちょっと議論をさせていただかないといけないと思いますが。
 もう一点、さっきこれも福島委員が、予算の話ですね、皆さんの理想で言われると、いや、予算は、既存の事業の予算は減額されないんですと。
 お手元の資料の二に、現行事業、それぞれ四本柱、介護、障害、子供、そして生活困窮ということで、国費の云々かんぬん含めて一覧にしていただいておりますが、これは減らないんだと、あくまでこれプラスだというふうに言われるわけですが、大臣もよく財務省御存じですよね、必ずこれどこかで、じゃ、まあ、これ一元体制つくったんだから、それぞれの事業は合理化できるんだよねと、じゃ、合理化したら予算削ろうねと、絶対言ってきませんか、大臣。今後も続けて継続的に、既存の事業は絶対に、これは予算も、そして今担っていただいている皆さんにもしっかり継続、安心していただけるように、これ担保できるんでしょうか、本当に。そこを現場の皆さんが今一番心配されています。
 一部我々の耳には、既に、今のこれこれ、例えば困窮者支援とか担っていただいているところに、自治体から、この制度ができて一元体制できたら、ちょっとあなたのところ、契約の継続が難しいかもしれないというような話が出てきていると聞いています。あるんじゃないでしょうか、残念ながら。
 絶対ないと、予算は絶対削らない、既存の事業に、今担っている方々に影響は及ぼさない、それは本当に、大臣、約束できるんですか。

#141
○国務大臣(加藤勝信君) 委員の資料の中にも現在のそれぞれの財政支援の状況が書かれているわけであります。もちろん、予算編成となれば、常に財務当局とはいろんな議論をさせていただくわけでありますけれども、しかし、今回については、ここに書かれておりますように、その実施に係るこの四事業についても、国、都道府県、市町村の費用負担は過去に規定する負担割合と同様として必要な予算を確保すると。加えて、今回、参加支援、アウトリーチ支援、多機関協働といった、既存の事業を支え、体制強化に資する新たな機能について、これは令和三年度の施行に向けて必要な人員の確保のために予算を要求していくということであります。
 いずれにしても、今回の目的が支援体制の合理化や効率化ではなくて、市町村が全ての住民を対象とした包括的な支援体制を構築し、複雑化、複合化した支援ニーズに対応できるようにしていくということでありますから、その点をしっかりと踏まえて、市町村においてこうした事業がしっかりと実施できるよう、必要な財源又は人員の確保、引き続き努力をしていきたいというふうに考えています。

#142
○石橋通宏君 努力はしていただかなきゃいけないんですが、大臣、いみじくも、これはやっぱり結局は毎年の予算の折衝でという話、恐らくそこにつながっちゃうんだと思います。これで一元化して重層的な云々、でも、個別のそれぞれの事業が結局これから毎年毎年の折衝の対象になって、そして毎年毎年ひょっとするとという話になれば、これ相当今後中長期的には厳しくなっていくことも想定されるのではないか、そのことを重ねて、自治体なり現場で今担っている皆さんが心配をされておられるということ、それをどう担保していくか、これは大きな課題だと思います。
 もう一点、それにも絡むんですが、ちょっと今回の施策、これは、先ほどこれも議論になりましたが、人材という面、支え手、担い手という面が余りに弱いのではないかと。特に、今も言われたことが事実であれば、今既存の事業、それぞれ現場で専門性持ってそれぞれの事業担っていただいている皆さんは、今後も引き続き、その専門性、更に高めていただきながら頑張っていただきたいということなんですよね。とすると、その上乗せで重層的な、今回、一元的な体制をつくると。じゃ、そこには、その役割を担っていただけるだけの、より高い専門性なり、知識なり、コーディネート能力なり、リーダーシップなり、そういったことをお持ちの方々がそこにしっかりアドオンして、いていただかないといけないし、担っていっていただかないといけない。
 じゃ、それが全ての自治体で確保できるんでしょうか。どうやって育成、養成をして、そして、そういった方々にふさわしい処遇が担保されるんでしょうか。処遇なりキャリアパスが担保される制度になっているんでしょうか。まさか、いや、頑張ってくださいとボランティア精神に頼るんじゃないでしょうね。そういったことがどうもこの法案見ても分からないんです。そこは担保されているんですか。処遇も、キャリアパスも、専門性のちゃんとした育成、養成も、どういった要件の方々をそこに置いていただくのかも含めて明確なんでしょうか、大臣。

#143
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 今回の新たな事業におきます人材でございますけれども、複雑、複合的な課題に関しまして、介護、障害、子供、生活困窮の分野で現在相談を行っている社会福祉士等の専門職等による対応をベースとしながら、市町村全体でチームを行うため、関係する多機関等のつなぎ役を行う人材を新たに配置することとしておりまして、これにつきましても専門職の役割が重要というふうに考えております。
 これらの支援に携わる者に必要な資質の確保のために、国といたしましては、包括的な支援体制の構築に向けまして、今まで実施しておりましたモデル事業における好事例、課題を参考にしながら、新たな事業を適切かつ有効に実施するための指針や運用上のマニュアル等の発出、また、新たな標準的な研修カリキュラムの作成、国による研修や都道府県と連携したブロック別の研修の実施といった取組を鋭意進めていきたいと考えております。
 また、都道府県におきましても、広域自治体といたしまして広域での人材育成やネットワークづくりなどの役割を担うことが期待されるところでございまして、都道府県とも連携して取組を進めてまいりたいと考えております。
 令和三年度の施行に向けまして、体制強化に必要な人員の確保と研修等を通じた資質の向上を図るため、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えておりますし、これらを通じまして、支援員が安心して働ける環境の整備を行い、住民の複雑化、複合化する支援ニーズに応えられるようにしてまいりたいと考えております。

#144
○石橋通宏君 何となく、まあ考え方は示すけど、それに基づいて、あとは現場で頑張ってねと言っておられるようにしか思えないですが。結局、専門性を持つ方、いや、介護、障害、子供、子育て、生活困窮、全てに専門性、高度な専門性をお持ちの方って誰ですか。いや、新たな、じゃ、国家資格でもつくるんですか。いや、だから、そういったことが分からないですね。
 例えば、今、もう既に、社会福祉士、介護福祉士、この後議論しますが、あと、精神保健福祉士、国家資格ちゃんとあります。こういった方々それぞれにおいて、地域地域で様々なリーダーシップ、コーディネーション、幅広い知識をお持ちで対応いただく、そういう位置付けもして、国家資格として担っていただいている。じゃ、そういった方々はどういうふうに位置付けているんですか、今回。それも見えてこない、出てこない。ちゃんとそういう国家資格を持った方々に更にそういった幅広い専門性を持っていただきながらコーディネートの役割を果たしていただく。重ねて、であれば、その処遇含めて対処する。そうだと思いますが、そういう考え、谷内さん、お持ちなんですか。

#145
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 今先生から新たな資格をつくるのかというまず御質問ございましたけれども、我々としましては、今回の重層的支援体制につきましては、既存の様々な相談の窓口につきまして、今まで以上に連携していただくといった方向でやっていただける自治体がこれから多くなるのではないかというふうに思っておりまして、そういった意味で、多機関をコーディネートする方、そういった方の重要性が増してくるというふうに考えているところでございます。
 それにつきましては、当然、今まで経験のある方とかそういった、経験のない方がいらっしゃる場合には研修等をやっていただくということになりますけれども、これにつきましては、今までモデル事業でも同じでございますけれども、やりながらだんだんつくり上げていくと、そういった自治体もございます。また、そういった中で、先ほど、繰り返しになりますけれども、国といたしましても様々な指針、マニュアル、また研修等をやっていって資質の向上を図っていきたいと考えておりますので、そういった方向でやっていきたいというふうに考えております。

#146
○石橋通宏君 相当不安になりましたね、今、御答弁聞いて。
 それぐらいの話でこれ法案出してこの制度をつくると言われても、現場は本当困ると思いますよ。それを、ちゃんと国としてのしっかりとしたものをつくってからこれ法案、制度やっていかないと、幾ら猶予期間があるといったって、それじゃ追い付かないと思います。かなりちょっとその辺心配になって、この辺は更に今後の質疑で深めていきたいと思います。
 残りの時間も限られておりますので、それにも関わるんですが、介護人材の確保云々の話で、これも先ほど少し議論がありましたけれども、福島委員が御指摘になった資料の三ですね、これ、谷内さん、この二百十六万人、今年度、これ推計で必要だと。果たして、じゃ、これ今確保できているのかということを聞いても、いや、直近では二〇一七年度の数字しかありませんと。もう三年間たっているんです。今どうなっているんですか。その後、着実、確実に介護人材が養成をしていただいて、現場で担っていただいて、そして着実にこの必要数確保されているんですか、いないんですか。今、我々はどういう状況にあるんですか。分からないんですかね。いや、それがないと我々ちゃんとした法案審議できませんから。分からないんですか、谷内さん。

#147
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 先ほどの福島議員の質問にもお答えいたしましたとおり、介護サービス、現状でございますけれども、直近の数字でございますけれども、介護サービス施設・事業所調査を基に直近の状況を推計いたしますと、判明している最新値といたしましては、二〇一七年、平成二十九年度の介護人材数になりますけれども、それは百九十五万人となっております。
 また、この年度の必要数でございますけれども、第七期の保険事業計画に基づく介護人材数の推計によりますと約百九十六万人となっておりまして、更なる努力が必要な状況でございます。
 また、有効求人倍率を見ましても人材不足状況は続いておりまして、こうした現状は受け止めていきたいというふうに考えておりますので、介護人材の確保につきましては、今後とも総合的な取組が必要でございまして、これを着実に推進していきたいというふうに考えております。

#148
○石橋通宏君 だから、今現状どうなっているんですかと。我々、それも分からずにこれ議論しているんですか。
 いや、例えばですよ、資料の五、六で関連でお付けしております、これはもう皆さんも重々御存じだと思います。
 今回議論になります介護福祉士の資格取得のルート、これを一元化、しかしまた今回、また国会の決議まで無視して養成施設ルートで延長するわけですが、これ、養成施設もこの間、これだけ入学定員が減少しています。この五年間もこれだけ大きく入学定員、これ、ごめんなさい、入学者数が減少しています。これ、外国人材含めての数字ですよね。そうすると、日本の国内人材でいけばどれだけ減少しているのかというと、上の数字でありますけど、うち外国人材、留学生がこれだけ増えています。激増ですよね。とすると、裏返せば、日本人の若者たちが、残念ながら入学していただいていないということです。
 さらに、高校ですね、本当に現場で福祉系の高等学校頑張っていただいているんですが、学校数がこの十年間でどんどんどんどん減ってきていて、学校数減っちゃっているので生徒数も激減をしてしまっています。
 いや、だって、これだけ福祉系高校もそれから養成施設も入学者数が減少している。いや、これで担い手養成できているんですか、谷内さん。実態、だから、これだけ見ても、全然、需要予測からしたって、養成できていないのが実態なんじゃないんですか、違いますか。なぜこんなに減少しているんですか。なぜそれが食い止められていないんですか。何が問題なんですか。

#149
○政府参考人(谷内繁君) まず、福祉系高校並びに介護養成施設で国内の人材が、入学者数がかなり減少している理由でございますけれども、一般の高校とかと同様に、一般論といたしましては少子化の影響によるものが大きいというふうに考えております。
 また、先生から、現状でございます、介護人材の現状でございますけれども、申し訳ないですけれども直近の数字は今現在ございませんけれども、足下のも、有効求人倍率を見ますと四を超える、最近ちょっと四を若干下回っておりますけれども、それでも三・の後半台の数字でございますので、そういった数字から見てもかなり厳しい状況であることは間違いないというふうに認識しているところでございます。

#150
○石橋通宏君 いや、だから、なぜこんなに何年もの間ずっと減少傾向に歯止めが掛かっていない。施設もそうだし高校もそうだ。高校の場合には事情違います、高校数が減っていますから。それは後で理由をお聞きしますが。
 やっぱり、これだけ若い世代の方々が、残念ながら介護の分野、福祉の分野目指そうという希望、これだんだんだんだんと減少、これ少子化だけが原因なんですか。少子化だけ原因だからなんて言ったら、今後もだって続きますよ、少子化。どうやって確保するんですか。そうじゃなくて、ちゃんと理由は分析しないといけない。
 我々は、今回の、なぜ介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務、この義務付けの経過措置を五年延長するのか、これ自体が問題なんじゃないんですか。一元化をもうずっと前に決めた、その理由は何だったんですか。まさに、ちゃんと国家資格取っていただいて、社会的な認知も、皆さんのやりがいも、そして国家資格を持った介護福祉士として皆さんに現場で活躍をいただく、そのために一元化をやった。ところが、施設養成ルートだけまた今回も延長する。これこそが若い世代に希望を失わせて、何でそんな差別があるのか、不合理じゃないか、目指してもしようがない、そういうことになっているでしょう。厚生労働省自体がこれによって人材不足にむしろ拍車を掛け悪化をさせている、そうじゃないんですか。
 じゃ、立法事実を教えてください。今回、なぜ五年延長するのか。人材不足が深刻化している、今の話ですね。なぜ、じゃ、それが原因なんですか。この間ずっと経過措置を延長してきた、義務化を延ばして延長してきた。いや、でも止まらないじゃないですか。どこに立法事実があるんですか、教えてください。

#151
○政府参考人(谷内繁君) 今回の介護福祉士国家試験の経過措置延長でございますけれども、まず、平成二十八年の法律改正当時の基本方針でございますけれども、介護福祉士の養成施設卒業者に国家試験合格を義務付けるということで資質を向上させるという基本方針は堅持しているところでございます。
 その上で、経過措置につきましては、平成二十八年当時と比較いたしまして介護現場の人手不足が深刻化している等の状況の下、審議会などにおきます議論で有識者、関係者の皆様から様々な御意見があったということでございます。
 具体的には、質の高い介護を提供するためには、全員が国家試験を受けるべきであり、経過措置を延長しないでほしいといった介護福祉士を目指す方々などからの切実な意見があった一方で、経過措置が延長しなければ介護サービスの提供に支障が生じかねないといった意見もあったところでございます。
 こうした様々な御意見を踏まえつつ、最終的には経過措置を五年間に限り延長することを法案に盛り込ませていただいたところでございます。

#152
○石橋通宏君 全然立法事実になっていません。これ国会の質疑ですよ。ちゃんと立法事実出してくださいよ。
 去年の十一月十一日の福祉部会、圧倒的反対多数ですね。議事録、私、読みました、精査しましたが、大臣も、衆議院、最初は読んでいないと、政務三役、誰も読んでいないという答弁でした。二回目の質疑で、大臣、お読みになったというふうに言われました。大臣、あれ、どうカウントしても圧倒的多数が、賛成は養介協の方一人だけです。あとは全員反対です、明確に。一人分からないと言われましたけれども、中身読めば、恐らく注意深く反対です。養介協だけですよね。それだけの意見で、圧倒的多数が、反対だ、一元化、何としてもやるべきだ、そう言っているのに、何で厚労省が勝手にひっくり返すんですか、それを。ごくごく一部の一握りの意見、養介協の中でも意見割れていると我々は聞いていますけどね。それを、与党さん、さっき与党が言われましたと言ったけど、与党に言って、それを受けて厚労省が勝手にひっくり返す。何のための部会ですか。これ、断固許せない話だと思います、国会の附帯決議まで無視して。
 谷内さん、立法事実、全くありませんね。部会の意見も無視していますね。厚生労働省、これ全責任を負って、なぜそれをひっくり返したのか、もう一回教えてください。これ、大臣でもいいです。

#153
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 まず、議員御指摘になりました福祉部会の議論でございますけれども、議員おっしゃるとおりに、昨年十一月十一日の福祉部会におきましては、経過措置の延長に慎重な立場の意見の方が多かったことは確かでございます。
 一方で、福祉部会のほかにも、当然それ以外に、介護保険部会、さらに与党におけるヒアリングのほか、個別に関係団体の意見を聴取する機会がございましたけれども、いずれにおきましても、総じて、養成施設団体と介護施設団体、特に介護の現場を担っておられる団体からは経過措置を延長すべきとの意見が、また介護福祉士会などからは経過措置の延長に慎重の意見がそれぞれ表明されていたところでございます。
 それぞれ、そういった状況、御意見を踏まえまして、また昨今の介護現場の人手不足の状況を踏まえまして、厚生労働省といたしまして、介護福祉士国家試験の経過措置の延長、五年間の延長について決定させていただいたところでございます。

#154
○石橋通宏君 全く説明になりません。十一月十一日議論した、その議題が上がること、関係者の皆さんに事前にちゃんと周知していなかったですね。そういった議論があったのに、福祉部会の結論、両論併記でしたね、何の加重もなく。やっているじゃないですか、そういうことを厚労省が、言い訳がましく今言うけれども。そういったことをするから不信感渦巻いて、またぞろ若い世代の皆さんが不安、そして期待を持てない、拍車掛けているんじゃないんですか。責任持ってくださいよ。
 資料の九、お付けしています。養成施設卒業生、これ、先ほども言いました、今、外国人養成施設、外国人の方々の依存がどんどんどんどん高まっています。
 我々も、外国人材、是非、日本に来ていただいて、資格取っていただいて、介護支えていただきたいと。いや、私、そう思います。是非担っていただきたい。もっともっと、本来であれば、国際貢献だなんて、本音と建前、うそつかずに、もう是非来ていただきたいと、その代わり、しっかりと、日本語能力も、介護の教育も、もう全面的にしっかりやって、試験受かっていただきますと、そして担っていただきますとやりゃいいんです。
 ところが、実態として合格率が全然上がりません。数は増える、合格率は全然上がらない。でも、いてもらわないと、これ何が困るんですかね。経営が困るんですか。それで今回五年延長ですか。何のための、何のための法改正ですか、これ。そういったことも含めて、衆議院でびっくりしました、国家試験合格者ゼロの施設が二十九施設。二十九施設が、外国の方、国家試験合格率ゼロ、合格者数ゼロ。これ、放置しているんですか。こういったことをもし救済するがための今回の五年延長であれば、これ、全くそもそもの趣旨に逆行している、かえって介護の分野、若者たちの希望を失わせる、大臣、そう思いませんか。
 これ、断固今回の五年延長やめるべきだと思いますが、大臣、決意の答弁いただきたいと思います。

#155
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の法案に盛り込んだ背景は、背景というか実情については局長から答弁をさせていただきましたので。
 私も、この後、介護部会におけるいろんなお話を読ませていただきました。特に、たしか介護福祉高校の校長会の先生のお言葉だったと思いますけれども、国家試験を受けるべくみんな頑張っているんだから、こういう声もありました。しかし他方で、直近まで人手不足が続く中で、この介護の関係では大変厳しい状況が続いていたと、これも事実であります。
 そうした中で、特にこの分野、日本の方含めて、海外の方も含めて様々な方が担い手になっていただかなきゃならない。そういったことから、今回、基本的には、全ての、要するに介護福祉士の養成施設卒業者に対しても国家試験合格を義務付ける、資質を向上させるというこの方針は堅持はするけれども、現下の状況を踏まえて、暫定的なものとして引き続き延長させていただきたい。
 ただ他方で、大事なことは、今委員からもお話がありましたけれども、養成施設の教育の質をいかに上げていく、また国家試験合格率を高めていくということが必要だということであります。
 そのため、今回、養成施設ごとの国家試験の合格率などについて公表する仕組みを新たに実施をしていく、また、養成施設における教育の質の向上に係る取組、例えば、留学生向けの介護福祉士試験対策教材の作成などについて必要な経費の財政的な支援を行う、こうしたことを通じて経過措置の終了が図れる、そうした環境をつくっていきたいというふうに考えております。

#156
○石橋通宏君 続きはまた次回やります。
 ありがとうございました。

#157
○委員長(そのだ修光君) 午後一時三十分に再開することとして、休憩いたします。
   午後零時三十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会

#158
○委員長(そのだ修光君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、石井苗子君が委員を辞任され、その補欠として梅村聡君が選任されました。
    ─────────────

#159
○委員長(そのだ修光君) 休憩前に引き続き、地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#160
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。今日から地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律の質疑ということでありますが、ちょっとその前に、今日も別の委員の方からも質疑がありました持続化給付金のことに最初ちょっと、冒頭質問させていただいて、ほかに行かせていただきたいというふうに思っております。
 今日もお話がありました持続化給付金、これは非常に大事な、今回のコロナで疲弊した企業を支援していくための大事な予算だというふうに我々も思っておりまして、今回、法人に二百万円、個人事業主に百万円というような内容であります。一次補正では二兆三千百七十六億円の予算が計上されておりました。これはもう午前中から質疑がありましたので、その持続化給付金の経費、事務経費の方に七百六十九億円という多額の金額が掛かるというようなことで、これちょっと掛かり過ぎじゃないのというふうに誰もが思うところだというふうに思います。
 これ、経産省ではいつもいつも大体こういったケースが今までも過去にもあったというふうに私も思っておりまして、今回のはちょっと、これはちょっと大き過ぎるんじゃないのかというふうなのが率直な感想であります。これ、この妥当性についてまずどう思っておられるのか、七百六十九億円も掛かるものなんですか、何に掛かるのか、ちょっと御説明をいただきたいと思います。

#161
○政府参考人(奈須野太君) 今回、持続化給付金事業につきましては、給付金の原資とそれから事務費として、一次補正予算で二兆三千百七十六億円、それから二次補正予算案で一兆九千四百億円ということで、総額で四兆二千五百七十六億円を計上しております。
 事務局経費、お尋ねの事務局経費でございますけれども、一次補正予算では七百七十六億円を計上しております。この内訳でございますけれども、その大部分が、九千人の申請サポートの人であるとか、あるいは審査の事務の方であるとか、そういう人件費でございまして、こういったものが大部分を占めているということでございます。

#162
○東徹君 これ、七百七十六億円ですか。これは大部分が人件費ということでありますが、これ、例えば、そうしたら、システムの開発費、これ幾らぐらい掛かっているのか、お聞きしたいと思います。

#163
○政府参考人(奈須野太君) 持続化給付金の事業に関するシステムでございますけれども、それぞれの部分の開発や運用経費などを分けられるわけではないわけでございまして、ちょっとその全体はなかなか難しいわけでございますけれども、今回、その委託先及び再委託先の事業開始時の想定でございますけれども、ホームページやシステムの構築、運営費を約二十五億円というふうに見込んでおりまして、審査や申請に係る主要なシステムに関わる業務は株式会社電通国際情報サービスが実施するということになっております。
 ただ、今申し上げた約二十六億円というのは事業開始時の見積りということでございます。最終的にその金額になるかどうか、その金額が妥当なものであるかということについては、ルールにのっとって、その事業の完了後、しっかりと精算の上行うということにしております。

#164
○東徹君 これ、二十六億円ですか、そのシステムの開発費、運用費も含めてということでよろしいんですね。
 これ、厚生労働省が出した雇用調整助成金、あれは一億円ですから、非常に羨ましい話じゃないのかなというふうに思ったりもいたしますが、多額の費用が掛かっていて、これが本当に妥当性があるのかどうかというのは本当に疑問だというふうに思います。
 サービスデザイン推進協議会のような複数の企業が出資されて設立した法人を、委託受けても、それ自体これは問題になるわけでもないんですけれども、税金でこれは事業を行う以上、必要以上の経費が掛かっていたとしたらこれは問題だというふうに思います。
 経費の内訳というものも分からなければ、それが妥当なのかどうか、これはチェック我々もしようがありません。厚労省のワクチン開発費、これ、およそ六百億円ですから、今回、そういうことを考えれば、ここにこれだけの経費が本当に掛かるのかというのは誰もが思うところだというふうに思います。
 二次補正分の経費、これは幾らかはっきりしないものの、更にこれは足されることになると思いますが、その経費、これは本当に妥当なのかどうか、経産省にもう一度お伺いしたいと思います。

#165
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 二次補正での事務局経費でございますけれども、現在、予算書の国会提出に向けて具体的な計数の最終調整を行っているところでございますけれども、今後、多数の申請が現に来ておりますので、増加する給付の申請への対応ということが追加的に必要になります。また、電子申請に慣れない方が結構おられて、その方々はどうしても不備の申請を出すということがその審査を遅滞させているという原因の一つになっておりますので、こういった審査体制やサポート窓口の充実ということも行いたいと思っております。
 そういったことを見込んで所要の予算を積み増したいと考えております。

#166
○東徹君 恐らく所要の予算というのはこれからだというふうなことだと思いますが、この件につきましては、きちっと我々も、その金額が妥当性があるのかどうか、内訳をしっかりとこれから示していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 あと一点、抗体検査についてちょっとお伺いしたいと思うんですが、東京、大阪、宮城で、これは一万人に対して自治体を通じて行われるというふうに聞いておりますが、今日お配りしている配付資料ありますが、これのように、抗体検査キット申込み受付中という、こういったチラシが、これどこで見付けたかというと、家の方に、東京都内の家に住む方のポストにこういったものが配布されておったということなんですね。
 これ、国の方でこれから一万人やるというものと、これが、こういうのと本当にごっちゃになって、これは混乱してしまうんじゃないかというふうに思いますが、こういったものに対しての何か対策というのは何か取れないものなのかなと思うんですが、いかがでしょうか。

#167
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 国内において医療機関等あるいはこういうチラシで新型コロナウイルスに係る様々な抗体検査キットが取り扱われているということは、報道も含めてですけど承知しておりますが、これらの抗体検査キットの性能につきましては、AMEDの研究班におきまして、日本感染症学会が行った研究によりましてキット間で性能にばらつきがあること等が明らかになったというふうに承知しております。
 厚生労働省としては、これらを踏まえまして、ホームページ上のQアンドAにおいて、日本感染症学会は、海外で市販されている新型コロナウイルスの四種類の抗体検査キットの性能について検討を行った結果、精度にばらつきがあるなどの課題を報告しているということを既にお示ししますとともに、ホームページにAMEDの研究結果の詳細を掲載しているところでございますけれども、ただいま委員からも御指摘ございましたことも踏まえまして、国内で様々な抗体検査キットを取り扱う医療機関等がございますが、現時点で性能が確認されている簡易キットとか、あるいは承認されているキットは存在しないと、表現はちょっとどうなるかあれですけれども、そういうような旨を厚生労働省のホームページにも掲載して、改めて注意喚起したいというふうに考えております。

#168
○東徹君 是非、こういった紛らわしいものが出てくると、一つの何かビジネスみたいになって、これが本当に正しいのかどうかというのも、これ誰も分からないわけでありまして、精度がどうなのかというのも分からないわけでありますから、こういったものに惑わされないように是非注意喚起をしていただきたいというふうに思います。
 それでは、ちょっと法案の方に質問を移らさせていただきたいと思います。
 経産省の方、もし委員長の方がよろしければ御退出いただいても結構でございます。

#169
○委員長(そのだ修光君) 退席してよろしいですよ。

#170
○東徹君 まず、地域共生社会について伺いたいと思いますが、今回の法案、地域共生社会という言葉が付いているわけでありますけれども、この地域共生社会の実現というのは、これ名称にもありますけれども、具体的にどういったことを目指すのか、まずお聞きしたいと思います。

#171
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 地域共生社会でございますけれども、ニッポン一億総活躍プラン、平成二十八年六月に閣議決定したものでございますけれども、その中にありますように、全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共につくり、高め合う社会でございまして、支え手側と受け手側の区分がなく、地域のあらゆる住民が役割を持ち、支え合いながら暮らすことができる地域社会をいいまして、今回提出しました法案におきましても、地域共生社会の実現を目指した地域福祉の推進を明確化しているところでございます。
 こうした考え方の下、今回新たに創設する事業でございますけれども、属性や世代を問わず、あらゆる相談を包括的に受け止めて、支援機関の連携により解決を行う市町村全体の支援体制の構築を目指すものでございます。令和三年度の施行に向けまして、全ての住民を対象とした包括的な支援体制を構築して、複雑化、複合化した支援ニーズに対応できるよう必要な人員と財源確保に努めてまいりたいと考えております。

#172
○東徹君 もう一点、ちょっとこれは通告をしておりませんが、お聞きしたいと思いますが、重層的支援体制整備事業、これは法律にもこの言葉が書かれておりますが、この重層的支援体制整備事業、これを説明していただけますでしょうか。

#173
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 今先生からお尋ねいただきました重層的な支援体制整備事業でございますけれども、まず、今回の支援体制でございますけれども、入口の相談支援、また様々な施策を伴う参加支援、さらに全体として地域づくり支援、その三つの支援を一体的に行うというものが一つと、さらに、この委員会でも申し上げておりますけれども、特に相談体制とか地域づくりにおきましては、高齢者、障害、さらに子供、生活困窮、こういったものを一体的に行っていくということで、そういった意味で、かなり、分野も四つに分かれておりますし、時間的な経過もあるといったようなことを踏まえまして、法制局との議論の中で重層的な支援体制整備事業というふうな名前にさせていただいたところでございます。

#174
○東徹君 地域共生社会、それから重層的支援体制という言葉、これまで余り今まで使われてこなかった言葉だと思いますので、なかなかこの言葉の意味をいろんな方に理解してもらうというのは、まず、ちょっとそこから必要なことなのかなというふうに思っておりまして、是非これは大事な、二つとも大事なこの法案の根幹だというふうに思っておりますので、そこをやっぱりしっかりと御説明をしていっていただきたいなというふうに思います。
 地域共生社会の理念というのは本当大事だというふうに思っておりまして、今まで行政というのは縦割り行政ですから、なかなか相談を受けても、これはうちのじゃなかったらほかへ行ってくださいとか、そういった対応になっていたというふうに思いますけれども、トータル的に、いろんな生活に困っている相談をトータル的にお聞きして、それに対する援助をやっていこうという、大変これすごい前進だというふうに思っています。
 今回の法案でもって、既に確かにモデル事業で今までもやられてきていましたし、この議論は社会福祉の現場の中でもずっとこういった議論がされてきた内容でありまして、これが法律化するというのは本当に大きな意義があるというふうに私は思っております。
 今回、ちょっと見させていただいた、この地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会、この最終とりまとめというのも、全文これちょっと読ませていただきました。すごく立派なものができ上がっておって、これからの相談、援助に対する、何というんですかね、バイブル的なものではないのかなというふうにも思うぐらいです。
 ここに、市町村における包括的な支援体制の構築に向けた事業の枠組み等ということで、断らない相談支援、参加支援、それから地域づくりに向けた支援ということで、この三つのことが書かれております。まさしく、相手の言っていることを全て受け止めて、それを聞いて、そして、その人の生活を維持していくために何が必要なのかというのをやっぱり考えて、就労支援なのか、あるいは介護なのか、又は障害者なのか、そういったあらゆる社会資源、福祉サービスというものをしっかりと把握した人が、じゃ、あなたにはこういった社会資源を活用していったらいいですよねというふうなことでコーディネートしていく事業がこの今回の地域共生社会の目指す援助の在り方の理念だというふうに思っております。
 非常にこれ大事なことが法律化していくというふうに認識しておりまして、こういった地域住民の抱える課題がこれ様々あるわけでありますけれども、その支援体制の中で、ソーシャルワークを専門とする人たち、こういった人たちが非常に私は大事だと思います。今までなかなか、ソーシャルワークって何なのといっても、なかなか難しいんですよね、これも説明するのが。やっぱり、でも、これを読んでいくと、ケースワークであったりとか、グループワークであったりとか、そしてまたコミュニティーワークであったりとか、こういったソーシャルワークの援助技術を提供していくことによって、そして、その人がその人らしい生き方、その人の自己実現というか、そういったものができるように援助していくということが求められているということだというふうに思います。
 私は、そういった支援体制の中で、やっぱり社会福祉士とか精神保健福祉士とか、そういった国家資格がありますけれども、そういった専門性を持った人たちがやっぱり発揮していくという場所がまさしくこういった援助に携わるのにふさわしいのではないのかなというふうに思っています。
 ただ、資格がなかったら絶対駄目というものではありませんが、でも、やっぱり、せっかくこういった社会福祉の援助技術を学んで国家試験に合格してきた人たちがおられるわけですから、そういった人の活用というのは非常に大事だというふうに思いますが、これは厚生労働大臣ですね、お聞きしたいと思います。

#175
○国務大臣(加藤勝信君) 今おっしゃっていただいた社会福祉士あるいは精神保健福祉士の皆さん、そうした資格を持っている皆さん方が、まさに今回進めようとする事業の中で地域住民の複雑化、複合化した支援ニーズに対応していくという意味においても大変大事なことだというふうに考えております。また、そうした方々の資質を確保していくということも、養成をしていくということも重要だと思います。
 今回、介護、障害、子供、生活困窮の分野で現在相談支援を行っておられる社会福祉士等の専門職等による対応、これをベースとしながら、市町村全体のチームで進めるためのアウトリーチ支援、支援に関わる多機関の連携の中核を担う人材、これを新たに配置していく上において専門職の役割は重要だと思います。モデル事業では社会福祉士や精神保健福祉士など専門職の方々がこうした役割を担っていただいておりまして、複合的な支援ニーズを抱える方に対する支援では、まさにソーシャルワークの様々な知見を生かしていくことが重要であると思います。
 厚労省としては、まさに包括的な支援体制の構築を図っていく上においても、市町村で社会福祉士や精神保健福祉士など有資格者の活用が一層進んでいくよう、これは予算面の支援も含めてしっかり努力をしていきたいというふうに考えております。

#176
○東徹君 地域包括支援センターの方では、社会福祉士というのは必置なんですよね。僕はまさしく、もうこれも同じく非常に大事な援助だというふうに思っております。
 別に私、社会福祉士会からも精神保健福祉士会からも、要するに応援しているからこんなことを言っているわけではなくて、私自身は社会福祉士ではありますが、ありますけれども、だからといって言っているわけではないんですが、久々に、この地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働に推進する検討会、ここでは自律という言葉がいっぱい出てくるんですけれども、自律の律は自分を律するという言葉が出てきたりとかですね、それからこれ、協働の協働という字は協力して働くという、そういった字が使われておりまして、中身をずっと読んでいく中で、何か社会福祉士の教科書でも読んでいるような、そんな気分になるぐらいの取りまとめがされておりました。
 是非、社会福祉士、精神保健福祉士というのは全ての社会福祉の制度というものをまずやっぱり理解しているということでありますし、そしてまた、それだけではなくて、社会資源をどうやって活用していくことがその人の援助につながっていくのかということをやっぱり考えて、また、社会資源がなかったら自らやっぱり社会資源をつくっていく、仕事するのもこういったソーシャルワーカーの仕事でもあるわけでありまして、非常に私はこれは大事だというふうに思っておりますので、そういった社会福祉士や精神保健福祉士の活用を是非進めていっていただきたいというふうに思います。
 それから、前回本会議でもちょっとお聞きしたんですが、介護福祉士のことであります。
 やっぱり介護職の社会的地位を高めていくというのは非常に大事でありますし、今回、五年延長というのは私もどうかなというふうには思っておりますが、介護福祉士というのは、養成校は多額のこれ授業料です。恐らく年間百万ぐらいするんじゃないですかね、二年間行くわけですから。別に、国から補助金出ているんですかね、出ていないのか、まあちょっとそこはあれですけれども、私も専門学校で仕事をしておりましたので、私は介護福祉科ではなかったですけれども、その養成課程を横で見ておりました。非常に厳しく講義を受けて、実技も現場実習等へ行ったりとかやっている資格です。
 これから本当に二〇四〇年へ向けて介護職というものがやっぱり社会的評価をされて、この仕事というのがやっぱりすごく魅力的で、社会にとっても大事な仕事だということがやっぱり社会から認められていかないと、なかなかこれ、介護職に就こうという人はなかなか出てきません。やっぱり介護職というのはしんどいし、それから給料は安いというイメージが、イメージが、給料も大分これ、加算とか付いて八万円ぐらい上がってきたので大分改善されてきているんですけれども、なかなかそこの発信というのはやっぱりされていなくて、まだまだまだまだやっぱり従前のイメージとそんなに変わっていないというふうに思っております。
 業務独占についてなんですけれども、介護職は人手不足であるから業務独占は難しいというようなちょっと御答弁があったように私は感じられました。だから、介護福祉士は国家試験を導入したら人材不足になってしまうんだというように思ったわけですが、この答弁の趣旨について確認したいと思います。

#177
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 先生からの恐らく趣旨というのは、五月二十九日の参議院の本会議における大臣の答弁ということだと理解しております。大臣の答弁におきましては、介護は日常生活の支援を行うものであり、国民誰もが参加できることがメリットの一つであり、そのため、介護分野に業務独占を導入することについては、こうしたこととの兼ね合いを考える必要がある旨、そういう答弁でございました。
 これにつきましては、仮に介護福祉士につきまして、介護の業務について業務独占を設けた場合には、例えば介護行為自体は日常生活で行っているものでございまして、介護福祉士でなければできない業務とそれ以外との明確な切り分けがどこまでできるか、なかなか難しいのではないかという点、さらに、介護保険サービス以外で家族により行われる介護がございますけれども、家族が実施してはならない行為が生ずるおそれがあるのではないかという点、さらには、業としての介護につきましても、介護福祉士でなければできない業務が生じることで、介護の現場におきまして今人材不足でございますけれども、それが更に深刻になるおそれがあるのではないかと、こういった様々な課題があるという趣旨で大臣がおっしゃったものであるというふうに理解しております。

#178
○東徹君 一つ御提案させていただきたいと思います。
 僕、別に介護福祉士会から応援されているわけじゃないんですけれども、これは本当に日本の将来にとって大事かなと思っているので、是非御提案させていただきたいと思いますが、僕も介護現場で働いていたときは、例えばたんの吸引とか、当時はですよ、もう今から二十年以上前ですけれども、できなかったんです。それから、人工肛門のパウチってありますよね、あのパウチの交換も介護職ではできないんですね、看護職の方がやっぱりやらなきゃいけない。
 でも、今変わりましたですよね。だから、やっぱりそういったことを例えば二年間の介護福祉士の養成課程の中で研修として入れればいいわけですよ。入れて、介護福祉士取った人はもう別に新たに研修受けなくてもいいですよというふうな形で業務独占を入れる。しかし、現場では足らないということだったら、その人たちは別途研修を受けたらいいと思うんですね。
 それからもう一つは、施設内とかでは介護計画というのを立てますよね、介護計画。これは、今誰が立ててもいいんです、誰が立ててもいい。でも、やっぱり介護計画を立てるには、要するにケアプランの援助技術が要るわけですよね。アセスメントして、そして介護計画を立てて、そしてまた、ちょっとおかしい、違うところがあったらもう一度変えていくとかいうふうなPDCAサイクル的なものをやっていくわけですよね。
 だから、そういった介護計画なんかはやっぱり介護福祉士でしかできませんよと。やっぱり、そういった介護計画の立て方というのは、その介護福祉士の養成課程の中で勉強しているはずだと思いますし、また、それが自分で介護計画を立てれないと駄目だと思うんですね。だから、そういったことをしっかりと二年間の課程の中で勉強してもらう、実際にできるようになってもらう、そうした人にはやっぱり介護福祉士の資格を与える。現場では、やっぱりそういった介護福祉士の資格を持っている人が介護計画を立てるということに、僕はこれ、現場で別に混乱しないと思います。
 これ、介護福祉士持っている人は、たしか現場職員では四四%ぐらい持っているんじゃないですかね。だから、私はそれぐらい可能だというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

#179
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 まず、現在介護現場で働いておられます介護職の中で福祉士の割合でございますけれども、我々の推計で申し上げますと四六・一%でございますけれども、まさに東先生がおっしゃいますように、我々、介護の現場におきます介護福祉士の方の役割でございますけれども、従来、まあ五年前でございましょうか、まんじゅう型から富士山型というようなことを申し上げましたけれども、やはり介護福祉士の方が全体のリーダーとして介護の現場を引っ張っていく、そういう役割があるというふうに我々はもう本当に理解しているところでございまして、そういった役割につきましてもう少し明確にしていく必要があるということは考えているところでございます。
 そういったことで、今後、介護福祉士の方の資質の向上、何をすべきかということも併せまして、今後とも検討していきたいというふうに考えております。

#180
○東徹君 僕もずっと、どうしたら介護福祉士の人たちの社会的評価が高まって、どうしたらやっぱり介護職になっていこうという人たちがこれから出てくるのかなということをいろいろ考えて質問もさせていただいておりますので、是非今後も御検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

#181
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。
 本日も、社会福祉法等の改正案の前に、二問だけ、現在の新型コロナウイルス対策について質問をさせていただきたいと思います。
 午前中の質疑でもあったかと思いますけれども、いわゆるこの専門家会議の議事録の問題についてであります。今日、最後に、まず大臣に答弁いただくのは、この議事録を作るべきじゃないかという話が最終結論なんですが、その前に、私、本会議でも質問させていただきましたけれども、専門家会議の在り方を、これから恐らく新型コロナウイルスの闘いは長期化していくと思いますので、是非在り方を少し検討いただくことが大事かなというふうに思います。
 例えば、一般の方にお聞きしましても、専門家会議が行われた後に記者会見があります、安倍総理と例えば尾身副座長とかですね、そういう形の記者会見なんかがありますけれども、見ている方からすると非常に分かりにくいと。何が分かりにくいかというと、結局、例えば尾身副座長がお話しされている内容が、中で実際に議論されたことが発表されているのか、あるいは政府の方針として決まったことが言われているのか、副座長として個人的見解として質問に答えておられるのかというのが正直よく分からないというのが一般の方からの率直な感想だと思うんですね。
 決して私、悪いことではないと思いますが、西浦先生が、何も対策を例えばしなければ四十万人の方が亡くなると、こういう話をされても、具体的にその専門家会議の中で何もしないということが本当に前提として話し合われたのか、何もしないというのは今のままの対策を進めた場合のことを言っているのか、それともそれ以外の前提も全部何もしないということを前提にしているのかというのを、こういうのもよく分からないということで、結局、その議事録の問題も大事なんだけれども、専門家会議の位置付けとか発表の仕方がもう一つ国民から見たら分かりにくいんじゃないかなと、これがまず前提として、問題点として私はあるんじゃないかなというふうに思います。
 それから、もう一点は、この議事録に関しては、もちろん後ほどの検証ということもあるんですが、私は、逆にきちっと議事録を作っておいた方が専門家の先生方を守ることにもなるんじゃないかなというふうに思います。
 というのは、あの先生方は皆本職が元々おありになって、やっぱりこの会議に協力をしてくださっているわけですよね。そこで議事要旨だけを出されて、誰がどう言ったんだ、ああ言ったんだというのを逆に詮索される方が私はいろんなことで影響出てくると思うので、やっぱりどういう発言をどういうところでされたかというのをはっきりさせておいた方が、私はこれからも専門家の方が国のために協力していこうという気持ちになると思いますので、そういう観点からいえば、恐らく速記録も録音もおありだと思いますので、ここは、機械的にと言ったら変ですけれども、淡々と議事録を作られるということが私は大事かと思いますが、こういう認識に関して大臣の見解をお伺いしたいと思います。

#182
○国務大臣(加藤勝信君) まず、最初のお話の中で、確かに専門家会議というのと基本的対処方針諮問委員会というのがあって、それで実は基本的対処諮問委員会というのは有識者会議の下に下がっているんですが、それ全体を尾身先生が代表しておられる。また、専門委員会のも、多分委員長だと思いますけど、まさに座長を務めていただいているという、そういう構造の中で、したがって、あそこでは、専門家委員会、会合というよりはむしろ諮問委員会で事が決まって、解除方針あるいは、最初の宣言があり、それから解除が、継続があり、解除があり、その後、総理が記者会見をされ、そのときに、そうした判断を専門家としてされた立場の代表として尾身先生が一緒におられるという構図なんだろうと思います。
 その上において、専門家会議とそれから諮問委員会との在り方がどうなのか、あるいは、だんだん、当初の専門家会合というのは感染の関係が非常に中心が多かったものが、だんだん人々の生活や経済の話も出てきた、そこをどうするのか等々、中においてもいろんな議論があるということだというふうに承知をしております。
 その上で、速記録の関係でありますけれども、これは、第一回の会議において、その構成員の専門家に自由かつ率直に御議論いただくため、専門家会議については発言者が特定されない形の議事概要を作成するという前提の中でその会議がこれまで進められてきたと、これは一つの事実であります。
 それを踏まえた中で、事務当局が、できる限り、審議の中身が分かりやすいということで、まだちょっと三月の段階までしか出ておりませんけれども、できる限り審議の議論の中身が分かりやすいようにということで議事概要という形でお示しをさせていただいている。
 そして、今回、様々な御議論があったり、あるいは専門家会議においても構成員の方からも御議論があったということを踏まえて、今、これ専門家会合ですから座長は脇田先生なんですが、脇田先生と、また担当の西村大臣と、それからもちろんお一人お一人の意見を聞かなきゃいけないんだろうと思いますので、そうしたことをして現在相談がなされているということでありますので、いずれにしても、そのそれぞれの皆さん方が、最初そういうことでスタートしてきたわけでありますから、これからどうするかも含めて、よく先生方の御意見を踏まえながらやっていく必要はあるんだろうというふうに思います。

#183
○梅村聡君 議事録の件は、是非今申し上げた観点から御検討いただきたいと思いますし、また、国民がどう分かりやすく受け取るかという、そういう観点から是非もう一回きちんと検討をしていただきたいなというふうに思います。
 そして、もう一問は、あしたからいよいよ東京と大阪とそれから宮城県で抗体検査がスタートいたします。今日もニュースでは、大阪府の割当ては三千人なんですけれども、アプリで募集をしたら五万七千人が応募をしてきたということで、国民の関心も非常に高いということになるかと思いますが、これ、先ほどよく分からないキットの話も話題に出ましたけれども、もう一つは、国民側に、じゃ、この抗体を調べることにどういう意味があるのかということ、これもしっかり理解をしてもらわないといけないことだと思っています。
 具体的には、今よく言われているのは、この抗体があればもう感染のおそれがないので自由に動けるかとか、医療従事者の方はこの抗体があった人の方が安全に働けるんじゃないかと言われていますけれども、それも本当はよく分からないわけなんですね。抗体はひょっとしたら半年で消えてしまうかもしれませんし、できた抗体は本当に病気を防げるだけの中和抗体かということもよく分かっておりません。
 そうしますと、これはもちろん検査を大規模でやることも大事なんですけれども、基本的な考えとして、今回のこの抗体がどういうものかということをもう少しきちっとデータを整備しておかないと、これは調べるだけ調べても後で解釈が変わってくると思うんですが、こういった患者さんの血清を調べて、その抗体がどのような動きをしてどういう働きをしているかという、こういう基本的なデータというのは、これは厚労省として集める努力はされているんでしょうか。

#184
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 委員から御指摘ございましたように、そもそも抗体がどういう意味を持つのかというのは大変重要だと思っております。
 新型コロナウイルス感染症につきまして、感染後に抗体を獲得する可能性は高いわけでございますが、その抗体の有無や、あるいは抗体価と再感染の関係性とか、あるいは体内で抗体が維持される期間など、その詳細は現時点で明らかになっていないところでございます。
 これらにつきましては、現在、AMEDの研究班において抗体の臨床的意義や抗体価の推移等も含めて研究を行っているところであり、引き続き必要な研究は進めていきたいというふうに考えております。
 一方、抗体検査そのものにつきましては、WHOが、有症状者に対して診断を目的として単独で用いることは推奨できないけれども、疫学調査等で活用できる可能性を示唆しておりまして、ドイツなど外国で疫学調査を行っているということも承知しておりますが、こうしたことも踏まえまして、我が国の社会全体としての抗体の保有状況を確認して、今後の感染拡大防止に活用したいというふうにも考えているところでございます。

#185
○梅村聡君 その辺りしっかり発信しないと、今回検査に参加された方が、もう自分は抗体できているんだから大丈夫なんだということになっては困りますので、またそういった情報発信もお願いをしたいと思っております。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 それでは、今日の法案の中身の方に入らせていただきたいと思いますが、昨年の五月の健康保険法改正では、医療保険のレセプト情報と、それから介護保険のデータが、これが連結可能だというふうになったという、こういう法案が通りましたけれども、今回は更にその中で、例えば通所リハとか訪問リハの、そういったデータを厚生労働大臣がそういう提供を求めることができるとか、去年既に健康保険法で改正されて連結されたものに加えて、今回の改正で更に何ができるようになるのかと。今年の改正で更にどういうデータが解析をして国民や被保険者の利益につながっていくのか、想定されているのかを教えてください。

#186
○政府参考人(椿泰文君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、昨年成立した健康保険法等改正法によりましてNDBと介護DBなどの連結解析が法定化されておりまして、医療、介護データの有益な解析が期待されております。
 一方で、NDBなどは氏名などを活用して同一人物のデータ連結を行いますが、氏名などは結婚などによって変化しますので、連結精度の向上が必要となっております。この点、今般の改正によって、オンライン資格確認のシステムで管理される個人単位の被保険者番号の履歴を活用することで、NDBや介護DBなどのデータベースについて氏名などが変わっても名寄せを行うことを可能といたします。
 これによって、より正確にデータベース間の連結解析が可能となりまして、地域の医療、介護の状況をより正確に把握して分析することで患者や要介護者に対する地域に応じた質の高い医療・介護サービスの提供につなげていくことが可能となると考えております。

#187
○梅村聡君 整備をするということは別に悪いことでも何でもないんですけど、仮にもし氏名が変わって難しくなるというんだったら、元々、マイナンバーというのはそれぞれに振られているわけですから、そういうものも使っていくということも一つテーマとしてはあるんじゃないかなというふうに思いますので、そこのところはどういうメリットが、今日ちょっとお聞きしたかったのは、どういうメリットが患者さんや国民にあるのかということはこれからしっかり説明をしていっていただきたいなというふうに思います。
 今ちょっと資格確認というお話が出ましたので、ちょっと話題が変わるんですけれども、今回、この健康保険証とかこういったものが、マイナンバーカードが保険証代わりに使うことができると。それをするために、令和五年度ぐらいをめどに、各医療機関なんかにその端末を置いて、その端末を設置を、支払基金の、一回全部買い上げて、それを医療機関に設置をしていく、そういう仕組みをつくると言われているんですけど。これ、実際は、あれですね、患者さんが診療所に来て、保険証だったらこう見て、受付の方が資格をずっと書いていくのを、ピッとやれるということなんだと思うんですけれども。
 これは確かに、健康保険の変わり目なんかは資格があったりなかったりしますから、その点は便利になるのかと思いますけれども、せっかくやられるんだったら、このピッのために、まあ何万円、全国で何百億使うよりも、私は、トータルとしてやっぱりどういったものを医療の世界でIT化していくのか、あるいはそういう機会を構築していくのかということを私はもうちょっと総合的に考えていった方がいいんじゃないかなというふうに思います。
 例えば、これ一つの、まあ私自身の話をした方が分かりやすいと思うんですけれども、いまだに医師免許証というのは、紙の、こんな賞状みたいな紙なんですよ。私は実家の仏壇の横に額に入れて飾ってあるんで、毎日両親は多分拝んでいるんやと思うんですけれども。これを持参せいと言われるんですね。持参せいと言うから、いつも紫の風呂敷にそれ包んで保健所に持っていくわけです。保健所は原本確認やと言うんですね。でも、この風呂敷包みを持っていって原本確認をして、どうやってこれが、私が本物かというのを認証しているのかも正直よく分からないんですよ。これ、あらゆる医療者は今この賞状を持ってうろうろしているんですよね。そうでしょう。そうですよね、皆さんね。ちなみに、僕の先輩は夫婦げんかして破られたとか言っていましたけど。まあそれはどうでもいいんですけど。要は、いまだにあの賞状を持ってみんなうろうろしている、資格も本当にそうなのかどうかの確認もよくできないということがいまだに続いているんですよね。
 私は、普通に考えたら、これやっぱり運転免許証みたいに、これでも今ICチップ入っていますから、運転免許証でもですね。ああいうものにきちっとして、できたらその中に、例えば保険医登録がちゃんとされているのかとか、専門医がどうなのかとか、過去の賞罰がどうなのかと、こっちのこともきちっとやって、これ、保険証をピッピッとやるだけじゃなくて、こういったことをトータルでやっていくということも私は考えないといけないと思うんですね。こういったことの取組というのをこれから進める可能性があるのかどうか、ちょっとこれをお聞きしたいと思います。

#188
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 御指摘いただきましたように、医療のICT化が急速に進んでおりますので、携帯性の高い免許証が必要な場面、電子的な交付がいろいろ文書で進むとともに、災害時の資格確認など携帯性の高い免許証が必要な場面が増えておりますので、携帯が容易で電子的な資格確認等が可能なカード型の免許証の仕組みについても御要望をいただいているところでございます。
 保健医療福祉分野の国家資格の保有条項を含んだICカードを用いて医師等の電子的な資格確認を可能とする仕組みとして、HPKIカードについてこれまで普及を進めているところでもございます。
 委員御指摘のような電子的な資格等を確認を可能とする免許証を構築するに当たりましては、医療の現場における具体的なニーズと利活用の場面、それに適した機能の在り方など、整理する点も幾つかございます。所有者の基本的情報として免許証に何を登載するかなども含め、関係者の御意見も伺いながら検討を進めてまいりたい、また現在検討を進めさせていただいているところでございます。

#189
○梅村聡君 これ、単に便利にする、ちっちゃいものにするというだけではなくて、やっぱり先ほどのマイナンバーであるとか健康保険証であるとか、こういうものと、どうやってこれからいい地域包括ケアをつくっていくかということをどうやって実現していくかということをやっぱり考える必要があると思うんですね。
 私、実は数年前にヨーロッパのいろんな国を視察に行きました。その中で、日本の地域包括ケアがどうやってうまく進むのかなということをテーマにいろいろ見てきたんですけど、例えばヨーロッパの幾つかの国は、いわゆる医療者の資格カードと、それから患者さんの、マイナンバーではないんですけれども、ICチップが入った患者情報と、これを電子カルテに二枚入れれるようになっているんですね。そうしますと、これは、必ず資格者が患者さんに同意を得ていると、こういうものがありますと、相手方の例えば施設であるとか医療機関であるとか、そのデータをこの二枚を重ねることで見ることができると、こういう使い方もできるわけなんですね。
 今の日本の場合は、地域のネットをつくって、そこに入るかどうかをまずそれぞれの機関が判定をして、で、本人に同意という形ですから、なかなか地域包括ケアが広がっていかないと。だから、こういうデータを使うということで本当の意味での地域包括ケアをつくっていくことにつながるんじゃないかと、そういうことも是非早急に検討していただきたいなというふうに思います。
 それではもう一つは、今回、更に超高齢化に向かっての地域包括ケアということになるかと思うんですが、現在、日本でお亡くなりになる方は、二〇一五年段階では約百三十万人です、年間ですね。百三十万人の方がお亡くなりになられまして、その亡くなる場所は、医療機関が七七%、自宅が約一三%、それから老健ですとかあるいは老人ホーム、ここが約九%ということになっていますが、死亡者の数がピークになるのは二〇四〇年だと言われています。二〇四〇年は百六十七万人亡くなられますから、今よりも約三十七万人増えると、そういう状況がやってまいります。
 この二〇四〇年の百六十七万人亡くなるときに、具体的にお亡くなりになる場所、どんな割合になると厚生労働省は推定をしているのかと。また、あわせて、在宅でみとりを行っている病院や診療所というのは直近の実績ベースでどれぐらいあるのかということを教えてください。

#190
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まず、みとり、本人の亡くなる場所につきましては、できるだけ本人がそれぞれ望む場所で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けていくことができる体制を整備することが必要だという認識でございます。
 御質問いただきました現在の人口推計の下において、死亡者数がピークとなる二〇四〇年における死亡者の場所、死亡される場所の数の具体的な推計等については、現在、厚生労働省として政策前提として確たるものを持っているわけではございません。これまでの実績をトレースしながら、地域包括ケア、あるいは医療・介護サービスの連携、そしてそれに必要な人材確保などを進めて、それぞれ望むところでの死亡を実現できるような政策として取り組んでいるところでございます。
 そのような中で、後段で御質問いただきました在宅みとりを行っております医療機関数につきましては、直近、平成二十九年の医療施設調査におきまして、みとり実施を行っている医療機関、病院としては五百八十三、診療所においては四千七百二十九、合わせて五千三百二十一機関となってございますが、それぞれの施設ごとにおけるみとりの実施件数については、一施設当たりが増加傾向にありますので、傾向として増えているところでございます。あっ、失礼しました、先ほど五千三百十二、数字を一つ言い間違えたようでございます。病院が五百八十三、診療所が四千七百二十九、合わせて五千三百十二でございます。失礼いたしました。

#191
○梅村聡君 厚労省としては推計をしていないという話ですけど、でも、ある程度の予想はできるんですね。というのは、今の地域医療構想から考えると病床の数は基本的には増えないわけですから、ここで亡くなる方の数というのは基本的には増えないはずなんですね。そうすると、これから増える四十万人ほどの方は、ほぼ四十万人分の方は、居宅か、あるいは施設か、例えばサ高住や有料老人ホームを含めて、こういうところで亡くなるということになるんじゃないかなというふうに思います。
 一方で、後で聞いたこの数字を見れば、いろいろと施設の整備なんかは一生懸命厚労省もやっておられるかと思いますけれども、実は、まだまだ医療と介護と福祉が、まだまだ相互乗り入れというのが僕はなかなかできていないんじゃないかなというふうに思います。
 例えば、病院で五百八十三という数字がありましたけれども、在宅支援病院というのは千百ぐらい多分あるんですね。だから、半分のところでしか実は行われていないと。それから、在支診は今一万四千ぐらいあると思いますから、今の数字でいくと、多分三割か四割のところか、そういうことに携わっていないということですから、実はその医療と福祉の世界がもう少しどうやって相互乗り入れしていくかということを考えないと、この二〇四〇年というのは私は乗り切れないんじゃないかなというふうに思います。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
 それでは、ちょっと特養に今度絞ってみますけれども、この特別養護老人ホームで亡くなられる方はこの十年程度の間にどれぐらい増えているのか。二〇〇六年にこの特養にはみとり介護加算というものが付きましたけれども、このみとり介護加算の取得状況というのは、これは増えているのか、現時点ではどれぐらいの施設でこれを算定しているのかということ、これを教えてください。

#192
○政府参考人(大島一博君) 特養で亡くなられた方の数ですけれども、施設内でのみとりの割合のデータがございまして、平成十九年には約四割、平成二十八年には約六割となっておりまして、増加をしてきております。
 それから、みとり介護加算の取得状況でございますけれども、平成十九年と平成二十八年比較しますと、算定日数ベースで約三倍に増えてきております。今現在取得している特養の数ですけれども、昨年四月から九月末までの半年間の間に一度でもこのみとり介護加算を取得した施設の割合はちょうど半分になっております。

#193
○梅村聡君 着実には進んできているんですけれども、でも、なかなか均一にそういう体制がつくれているかどうかというのがちょっとよく分からない状況なのかなというふうに思います。
 実は、特養でのみとり、これは、老健でのみとりということも国としてはこれからやっていかないといけないという考えだと思いますけれども。
 先日、この委員会で、ある地域で老健でクラスターが発生したと、新型コロナウイルスのクラスターが発生したと、そのときになかなか受け入れる病院がなくて、結果としてそこの施設の中で隔離をせざるを得なかったという話がありましたが。私、これ是非考えていただきたいのが、あの事件というか状況は、恐らく今の日本の弱い部分が私は顕在化したんじゃないかなというふうに思います。というのは、今の地域包括ケアシステムは、もちろん生活モデルをしっかりつくっていこうということはいいかと思うんですが、逆に言うと、生活モデルだけではなかなか乗り切っていくことができないということもはっきりしたんじゃないかなと思います。
 例えば、あのクラスターが発生したときの記事を読んだら、結局、施設長と介護士と看護師さんと保健所しか登場してこないんですね。本当はベストは、やっぱり福祉の場であっても医療とアクセスができていて、かかりつけ医をつくってくれとまでは難しかったとしても、それをきちっと対応できる医療があれば、私はあそこまでのことにならなかったんじゃないかなというふうに思います。
 例えば、じゃ、今特養という話しましたけれども、結局、ここに今義務付けられているのは配置医師なんです。嘱託医なんですね。嘱託医というのは、今はなかなかなり手がないから、とにかくなってもらうだけでもラッキーだという考えであるんですけれども、だけど、今のままでいくと、結局、行政は、介護計画にある特養であっても、じゃ、どんなドクターがそこに入っているのか、これは実は把握できていないんですよね。それから、じゃ、最期みとりますと。みとるときに、じゃ、どうしますかと言われたら、週一回非常勤で行っているだけだから、それだったら救急車でそのとき運んでくださいということに、この流れはどうしてもならざるを得ないんですね。
 だから、そういう意味からいえば、私は、この配置医、嘱託医に関しても、何らかの条件を付けてきっちりとした医療ができるような人を入れれるような環境をつくるべきじゃないかと。例えば、さっき申し上げた在宅支援病院とか在宅支援診療所の医師が嘱託医になるとか、そういった何かつくらないと、このままでやっていけばどんどんどんどん医療と福祉が離れていってしまうと、私はそういう問題意識持っているんですけれども、この介護施設の特色をよく理解した嘱託医にすべきだと思いますが、厚労省のお考えをお聞かせください。

#194
○政府参考人(大島一博君) 先生おっしゃいましたように、老人保健施設は常勤の医師、通常施設長の場合が多いわけですけれども、の配置となっておりまして、心身の状態の把握を行うとともに、検査、投薬処置も行うという役割でございます。他方、特養の方は、配置医師ということで非常勤の場合が多い、常勤の施設もございますが、通常は非常勤が多いということになっておりまして、入所者の健康管理や療養上の指導を行うという位置付けになっております。
 御指摘のように、御提案のように、在宅療養支援診療所と連携をした形ということになれば、それは理想的な、何というか、一つの在り方ではあるかと思いますが、現実の供給量といいますかそのマッチング等を考えますと、一足飛びにはなかなか難しい面もあろうかと思います。
 現時点におきましては、例えば、老人保健施設の全国団体では、そういう施設長、医師である施設長向けの研修カリキュラムの中で、みとりの関係ですとかあるいは生活の場に即した医療とか、そういった観点のカリキュラムを組んでおられて、施設に即した内容を身に付けられることになっていると承知しておりますが、引き続き、特養の配置医を含め、どういう関わり方、どういう研修といいますか、どういう形で質の向上を図っていけばいいのか、研究してまいりたいと思います。

#195
○梅村聡君 ちょっと私しゃべり過ぎたので時間が来てしまったんですけれども、いずれにしても、患者さんや国民側から見てどういいものを提供していくかということを是非考えていただきたいと思います。
 例えば、今の特養でも、今の現実的には医療保険で入れるのは末期がんの方とそれから終末期の三十日なんですね。だから、どういう関わり方が患者さんや国民にとってメリットが大きいのかと、そのことを是非検討いただきたいということを申し上げまして、私からの質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#196
○倉林明子君 日本共産党の倉林でございます。
 この国の社会保障の水準、私、コロナの下で本当に問われているなということを痛感しております。仕事も住宅も失いましてホームレスに新たになったという方々の報道も届いておりますし、声も聞いております。今日明日の食費にも事欠くシングルマザーが急増していると。なかなか届かない特別定額給付金だし、そもそも住所のない人には届かないというものとなっております。生活福祉資金の活用も進んでいるわけですけれども、貸付けでありまして、据置期間の延長とかいろいろ措置とっていただきましたけれども、原則は返済が必要となるという性格のものですよね。
 生活困窮者に対して、私、今最大限活用すべき、これが生活保護だと、最後のセーフティーネットがその力を発揮すべきときなんだというふうに思うんですね。
 そこで、四月七日の通知で、あっ、事務連絡やったかな、稼働能力の判断の留保だとか、自動車保有などの資産要件の緩和ということで速やかな保護決定に結び付ける、これ画期的な指示を出していただいたなと受け止めております。四月のこれ生活保護申請件数、受給件数、これ前年同月比で、正確な数はまだつかめていないんだろうと思うんですけれども、動向、動きについてつかんでいるところ、分かっているところで御説明ください。

#197
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 まず、生活保護の申請件数や生活保護世帯数等でございますけれども、毎月公表しております被保護者調査におきまして調査しておるところでございますけれども、直近で公表しているのは本年二月分でございまして、四月分については現在集計中でございます。
 なお、直近の大まかな状況を把握するために、幾つかの大きな自治体に生活保護の申請状況を聞いているところでございます。今年の四月分につきましては、昨年の四月分より増加している自治体、それもあるというふうに承知しているところでございます。
 引き続き、今後の動向、生活保護の動向には注視していきたいというふうに考えているところでございます。

#198
○倉林明子君 最近のところの報道で、報道機関が調査した結果というのも出始めております。急増という経過が出てきているんじゃないかと。もちろん凸凹はありますけれども、今後も増えるということがはっきりしてきたのかなというふうに思っているんです。
 そこで、五月の二十六日には緊急事態宣言は解除されたということになったんだけれども、四月七日の通知を継続すると、こういう事務連絡が出されているということを承知しております。私、この通知、もう非常事態終わったんだけれども、引き続き条件緩和で、いろんな要件もう緩和して、保護を速やかにというこの周知が現場際まで本当に届いているかなと。一部聞いていますと、対応が従前と変わらないとか、十分この事務連絡の徹底がされていないという事案も聞いております。周知の徹底を強くこれ求めたいと思いますので、これは要望にとどめておきます。
 そこで、生活困窮者を速やかに生活保護につなげる、これ、命を守るという観点からも急いでやらなければならないと思うし、改善してもらったんだけれども、更なる改善を私求めたいと思うんです。
 一つは、申請書類の簡略化。郵送とかファクスで申請できるようにしてほしい。これ何でかというと、感染拡大の防止にも、お互いのですね、にもなりますので、これ検討していただきたい。
 二つ目は、資産要件の適用を一時的に停止する、今部分的に止めてもらっているのあるけれども、一時的な停止をする。それで、是非今踏み切ってほしいのは、家族や親族に対する扶養照会のこれ一時停止。速やかな決定につながりますので、申請者がこれがあるから申請に行き着けないというハードルにもなっているものですので、一時的な停止というのは直ちにやるべきじゃないかと思います。
 もう一つ、あわせて、特別定額給付金の生活保護受給者に対しては収入認定をしないという対応をしていただいたんだけれども、申請者、これから申請しようという人が受け取っている特別定額給付金がある場合は、これ資産要件に入っちゃっているんですね。こんなもの外して、直ちに必要な保護につなげるべきだ、いかがでしょうか。

#199
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 先生から生活保護に関しまして幾つか御質問いただきました。
 まず、申請書類の簡略化でございますけれども、申請に当たりまして、保護の申請書、収入申告書、資産申告書といった保護の要否判定に必要な書類の提出は省略が困難でございますけれども、先生が御指摘になりました四月七日に発した事務連絡では、申請の意思がある方に対しては生活保護の要否判定に直接必要な最小限の情報のみ聴取すること、その他必要な情報につきましては後日電話等により聴取することによりまして、現下の状況において申請手続、煩雑にならないように依頼しているところでございます。
 また、郵送やファクスでの申請でございますけれども、生活保護制度上禁じてはおりませんけれども、導入に当たっての申請内容の確認方法等の課題があると自治体の方で認識されていると。また、いずれにせよ、本人確認などのために保護決定までに面談を行う必要があることから、実際に対応している自治体は少ないのが実態というふうに考えているところでございます。
 また、資産要件、扶養照会につきましてお尋ねいただきました。
 資産、能力その他あらゆるものを活用いただくこと、さらに、民法に定める扶養義務者の扶養は保護に優先することといった保護の補足性は生活保護法上の基本原理でございます。このため、資産につきましては無条件に保有を認めることはできませんけれども、自立の助長等の観点から適切に活用できる資産は保有を認めておりまして、例えば居住用家屋につきましては、処分価値が利用価値に比べて著しく大きいものでなければ保有を認めております。また、自動車につきましても、従来から地域の事情により通勤車として利用する場合などには保有を認めておりまして、四月七日付けの事務連絡では、現下の状況におきまして一時的な収入減少により保護が必要となる方につきまして、今般の事態の終息後、スムーズに就労を再開できるよう、柔軟な取扱いを改めて周知しているところでございます。
 また、扶養照会についてでございますけれども、先ほど述べましたとおり、扶養を優先する法の基本法則は維持することが必要でございまして、必要な調査を実施する必要があると考えております。
 一方で、保護が必要な方が適切に保護が受けられるよう、五月八日に発出した事務連絡におきましては、扶養が保護の要件であるかのごとく説明を行うこと等の保護の申請権の侵害に当たる行為が行われないよう、改めて自治体に対して取扱いの徹底を依頼しているところでございます。
 最後に、特別定額給付金の手持ち金の話でございます。
 委員から、保護の開始前に受給した特別定額給付金につきまして提案ございましたけれども、その他の手持ち金と区別することが困難であること、また、特別定額給付金を含めまして、他方他施策を活用してもなお最低限度の生活を維持できないことが保護の要件でありますことから、特別定額給付金だけを活用すべき資産から除外する取扱いはできないというふうに認識しております。

#200
○倉林明子君 ゼロ回答のような答弁を長々とありがとうございました。
 ドイツでは、三月二十八日、実は社会保護パッケージ法というのが施行されたんですね。これ、政府は、コロナ危機対策としての社会的接触の制限による経済的影響が原因で誰一人として最低生活以下に陥ることがあってはならないと、こういう考え方に基づいてできたもので、生活保護の利用促進を進めております。申請手続は、電話、郵送、メール、これで可能なんですね。書式は問わないし、資産要件も六か月は停止すると、こういう機動的な対応をしているんですね。
 私、今いろいろやってもらっているんですよ。これまで踏み込まなかったこともやってもらっているんだけれども、今、コロナの下でもっと踏み込んでほしいということで聞いたんです。大臣、どうですか。

#201
○国務大臣(加藤勝信君) 個々については今局長からお話をさせていただいたところでありますけれども、当面生活に困っている方については、もちろん最後のセーフティーネットは生活保護でありますけれども、生活困窮者自立支援制度を始めとした様々な支援政策をしっかりと活用していただけるように我々も努力をしていかなきゃならないと思います。
 また一方で、保護が必要な方に対して速やかな保護決定の必要性については、これは委員御指摘のとおりであります。更に取組を進めていく必要があるというふうにも考えておりまして、どんな工夫ができるのか、様々な御意見やそれぞれの現場の状況等もしっかり伺いながら、引き続き検討していきたいと考えています。

#202
○倉林明子君 福祉現場では、生活保護のこういう申請、相談というのも大きく増えておりまして、ただでさえケースワーカーというのは不足が常態化しているという中で、非常に今後人手不足深刻化するという声も聞いております。
 改めて確認ですけれども、標準世帯数を超えて、もうそういう常態化した状況にあるので、五月、さらに六月はもっとというような状況も懸念がされるわけで、体制の強化は待ったなしだというふうに思うんです。国としても思い切った増員をすべきだと思いますけれども、大臣、いかがですか。

#203
○国務大臣(加藤勝信君) 生活保護、最低生活の保障を行うとともに、生活保護受給者の自立の助長を行うことを目的としているのがこの生活保護制度でありますから、それを担っていただくケースワーカーについて適切な配置がなされていくことが必要であります。先ほど局長からも答弁しましたように、我々が一部サンプルで調べたところ、生活保護の申請も増えていると聞いております。
 そういった中で、第二次補正予算では、生活に困窮する方への面接相談、新規の申請から保護決定までの手続の迅速化を図るための事務等の補助のための臨時職員の雇い上げ費用を計上して、これを活用いただくことで、ケースワーカー自体の増員ではありませんけれども、申請増に伴うケースワーカーの業務負担の軽減を図ることができるんではないかと考えているところであります。

#204
○倉林明子君 予算は三億程度じゃなかったかと思うんですね。さっきも持続化給付金で事務費七百七十六億という話ありましたけれども、こういったところにこそ不足のない予算も充てて、しっかり人員の確保を図っていただきたいというふうに思うわけです。
 そもそもの福祉事務所の実態どうかということですけれども、ケースワーカーの定員を規定しておりまして、都道府県では被保護世帯六十五世帯に一人だし、市町村では八十世帯に一人と、地方分権推進法で標準数ということでなりました。これ、全国政令市、中核市、直近の充足率というのはどうなっているでしょうか。

#205
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 ケースワーカーの充足率でございますけれども、平成二十八年度の福祉事務所人員体制調査によりますと、生活保護担当現業員の配置標準数に対します配置の割合、充足率でございますけれども、全国平均で約九〇%でございます。うち政令市では約八五%、中核市では約七八%となっているところでございます。

#206
○倉林明子君 これ、平均ですると、一定の充足率あるというふうに見えるんだけれども、実は地域格差すごくあって、市町村によっては百九十世帯を超えるというようなところさえあるんですね。これ、一括法の改正で、二〇〇〇年からは法定数が標準数と、目安になったことが人員確保進まないということの一つの要因になっているんじゃないかという指摘をしたい。
 さらに、そうした中で、何が進んでいるかというと、面接相談員の非正規化が顕著に進んでいます。非正規化率を見ると、二〇〇九年、二〇一六年、比較すると、兼任の職員を外して見てみるとどの程度になるか。二〇〇九年は大体非正規率四〇%程度です。で、二〇一六年度五七%程度ということで、大変比率も上がってきております。これ、権限を伴わない部門での非正規化にとどまっていないんですね。法改正も視野に入れて、更に外部委託を広げようという議論進んでいるというふうに認識をしております。
 最も経験やスキルが求められるというのが相談業務になると思うんですね。それが、年収三百万円未満、雇い止めの不安を抱えた労働者に担わせていると。私は、これで専門性を発揮しろというのは余りにも酷な働かせ方ではないかと思うんですけれども、大臣、どうですか。

#207
○国務大臣(加藤勝信君) 生活保護の面接相談等のこれは地方自治体の実務において、組織的に適正な事務が実施できる体制を確保していただいた上で、どのような任用や勤務形態の職員を配置するのか、これはそれぞれの自治体の御判断、いかに効率的に効果的な行政サービスを提供するのか、職務の内容に応じて責任持って判断いただくべきものと考えておりますし、当然、今お話がありました臨時・非常勤職員のこれは処遇についても、任命権者として地方公共団体が責任を持って適切に対応すべきものだと考えております。
 厚労省として、適切な人員配置が行われるよう、関係省庁と連携しつつ、毎年度のこれは地方交付税措置でありますから、それについては引き続きしっかり対応していきたいというふうに考えております。

#208
○倉林明子君 いや、自治体の御判断なんやけれども、その交付税措置も含めて、三位一体の改革で地方自治体は職員の定数削減、社会福祉の担い手さえも非常勤とか委託とかに置き換えざるを得ないと。これ、自治体が判断せざるを得ない状況に追い込んできたのは、私は政府がやったことなんだという自覚を持つべきだというふうに思います。社会福祉に係る業務の慢性的な人手不足、非正規、委託の拡大、これは公的責任の後退にほかならないと思うわけですね。
 その上で、さらに、社会保障制度に経済効率性というのを持ち込んで、制度があっても利用できないと、こういう人たちを増やしてきたというのも私は政府じゃないのかと思うんですけれども、大臣の認識というのはどういうものでしょうか。

#209
○国務大臣(加藤勝信君) 厚労省としても、これまで、例えば生活困窮者自立支援制度を創設するなど、セーフティーネットの強化、予算の充実も図ってきたところでありますし、また、平成二十九年の社会福祉法改正においては、市町村に対して地域生活課題の解決を図るための包括的な支援対策を構築する努力義務が規定をされたわけでありまして、これも踏まえて、今回の法案では、地域福祉の推進の目的として地域共生社会の実現を目指す旨の規定を追加をし、それぞれ国及び地方団体の責務として、例えば住民生活の問題の解決のための支援が包括的に提供される体制の整備を推進する等々規定をし、加えて、国及び都道府県の責務として、市町村において新たな事業の実施など包括的な体制の整備が適正かつ円滑に行われるよう必要な支援を行う旨も規定をしているところであります。
 こうした責務を適切に果たして、全ての住民を対象とした包括的な支援体制が構築され、複雑化、複合化した支援ニーズに対応できるよう努めてまいりたいと考えております。

#210
○倉林明子君 制度からこぼれ落ちる人がいるから、それに対して地域で力を合わせて解決していこうねと、そういうふうに対応していくというのがこれの、地域共生社会の実現ということを目指した今度の法改正だという今の説明なのかなと思って聞いていたんですが。
 それで、本当にこぼれ落ちる人がいるというのはどういうことかと思うんですね。制度の対象を縮小、負担増、これが結局は利用できない人たち、制度からこぼれ落ちる人というのを増やしてきたということなんじゃないかと思うんですね。
 私、今回改定されます社会福祉法の第四条の一、これ見て驚いたわけです。なぜかというと、社会福祉を互助すなわち助け合い、地域住民に義務付け、その責任を義務付けるという、明記されているわけですよね。そういうことで理解よろしいですよね。

#211
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 今先生が御指摘になったのは、今回提案しております社会福祉法の第四条一項の話かというふうに理解しております。
 今回の改正法案で追加した社会福祉法第四条第一項に地域住民と記載している趣旨につきましては、地域共生社会の実現の推進主体としまして専ら地域住民を位置付けたものではなく、むしろ自治体全体とか、また専門職を含めた方、そういったこと全体を位置付けたものでございまして、地域住民が相互に尊重され、参加する地域共生社会の実現を目指して地域福祉の推進を行うことを規定したものでございまして、議員御指摘のように、助け合いを地域住民に義務付けた趣旨ではございません。

#212
○倉林明子君 これ、主語と述語と目的語ってちゃんと読んでみると、やっぱり地域住民が主語で、それで、共生する地域社会の実現を目指して行わなければならない、これは地域住民に係っているわけですよね。住民の助け合いというのは、私、日常的な信頼関係に基づくものであって、法律で国や自治体から強制されるものじゃないと思うんです。専ら位置付けているものではないと言うんだけれども、義務規定になっているということは間違いないと思うんですね。
 そもそも、ある住民の福祉や生活に係る問題、これをほかの住民が把握して解決を図るということになりますと、プライバシーの侵害の危険があるんじゃないかと。さらに、生存権、幸福追求権、これを国が保障するという憲法の規定からも逸脱しかねないと思うんだけれども、これは大臣、いかがでしょう。

#213
○国務大臣(加藤勝信君) まず、第四条は、地域福祉の推進は、途中飛ばせば、地域社会の実現を目指して行わなければならないということが書いてあるわけでありまして、その地域社会の実現は何かということで、今委員御指摘の地域住民云々と、こういうことでありまして、さっき局長から申し上げたように、助け合いを地域住民に義務付けたということにはならないんではないかというふうに考えております。
 また、地域社会の実現は、専門職による本人や世帯の課題に寄り添った支援とともに、お互いを尊重し合う意識の下に、地域住民同士の支え合いや見守り、この双方を充実させていくということが必要でありまして、そういった意味で、これまでも委員会で御議論されておりますけれども、福祉の専門家、職の役割も非常に重要であり、そうした方々の人員を確保したり、研修等を通じて資質の向上を図る、そのための予算を確保することが非常に大事だというふうに考えております。
 また、一般的に支援を行うに当たっては、本人の個人情報の適切な保護に配慮する必要は、これは当然でありまして、この法案においても、本人の同意の下、多機関の専門職が支援に当たることが基本であり、こうしたプライバシーの侵害が生じないように配慮しているところであります。

#214
○倉林明子君 いや、公的責任が極めて後退する危険があるというふうに改めて指摘したいと思うんですよね。
 コロナで、この地域共生社会で象徴的に言われていたあの集いの場、事実上もう今できないという状況になっていますよね。この担い手になる人たちというのは主には高齢者ですよね。リスクが高いということから、活動の制限という状況広がっているんですね。やっぱり住民を当てにした社会福祉の構築ということには、もうこのコロナで限界あるというのもすごく見えてきたと思うわけですよ。公的責任を放棄すると、そういう規定になりかねないということを改めて重ねて指摘をしておきたいと思います。
 加えて、社会福祉の責任を民間の自助努力に委ねる方向を一層強化しているんじゃないかと思っていますのが、社会福祉連携推進法人の制度であります。地域福祉推進に係る共同した取組、災害発生時の福祉サービスの利用者の安全確保のための事業ということを位置付けているんですけれども、これ、その財源は一体どこが負担するんでしょうか、簡潔に。

#215
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 社会福祉連携推進法人でございますけれども、具体的な業務につきましては、例えば地域課題の把握、分析……(発言する者あり)はい。基本的にはそういう社会福祉法人の業務でございますけれども、直接的な福祉サービスの提供ではございませんで、各社員の運用をバックアップするものでございます。
 したがいまして、社員、参加する社会福祉法人でございますけれども、そういったことが便益を受けますことから、その費用は主としまして社員たる社会福祉法人、社会福祉法人がメーンになると思いますけど、社員からの会費や委託費等により賄えるものということでございます。

#216
○倉林明子君 だから、社会福祉法人がつくるということになるわけですよね。元々、でも非営利なんですね、社会福祉法人そのものは。原資というのははっきりしているわけですよ。本来事業で公益活動の財源もつくれと、つくれる担保というのが一体どこにあるのかと思うんです。
 労働者には、ここに公益活動への参加義務ということも生じてくるんじゃないかと思うんですね。そうなったら、本来業務に上乗せされるということにもなるんです。ただでさえ厳しい労働条件のこの福祉現場のところに、条件悪化につながりかねないということは指摘をしておきたいと思います。
 社会福祉法人に対して、社員である他の法人が出資して資金を貸し付けることができるようになるわけですね。これは新たなスキームなんですけれども、つくる目的、狙いは何なのか、ずばり。そして、経営難に陥った場合の助け合いも、これ想定しているのかどうか、イエスかノーかで。

#217
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 多少長くなりますけれども、社会福祉連携推進法人が行います貸付業務でございますけれども、社会福祉法人の経営基盤の強化が図られるようにしていくために、社員である社会福祉法人に対して社会福祉事業に必要な資金を支援するために認めるものでございます。
 具体的な使途につきましては、メーンは貸付けでございますので、福祉医療機構や民間金融機関による融資等がメーンとなると思いますけれども、その補完的な位置付けといたしまして、例えば内装のリフォーム等の比較的小規模な施設整備の改修とか、あとICT機器等の設備費用の導入費用など、一時的かつ社会福祉事業の継続に必要な最低限の資金需要に充てることを想定しております。有識者会議の中でも、既に実施した社会福祉法人のヒアリングを受けましてもこうした具体的使途に対するニーズの声を聞いているところでございます。
 また、社員である他の社会福祉法人からの貸付金の拠出でございますけれども、法人の運営に大きな影響を与えない規模としますとともに、貸付けごとに所轄庁の認定を受ける仕組みを考えております。施行までに詳細な運用ルールを検討してまいりたいと考えております。
 また、委員お尋ねの個々の社会福祉法人の経営が悪化した場合ということのお尋ねでございますけれども、自主的な再建とか、また金融機関の融資など様々な対応があり得ますけれども、あくまでもその経営が悪化した当該社会福祉法人の自主的な判断によって対応を決めることになるというふうに考えております。

#218
○倉林明子君 いや、大規模化という、共同化というようなことで、合併等も進められるようにとやってきたけどなかなか進まないという経過でこれ出てきたので、よりそういう懸念というのを持っているんですね。
 じゃ、大規模化でスケールメリットが出るのかといったら、今の状況というのはコロナの下でただでさえ赤字のところが今どんどん赤字、経営が厳しいという状況も物すごい広がっているわけですよね。今経営危機と直面している社会福祉法人は決して少なくありません。こういうときにお互い助け合えというのは、私はあんまりやというのは言うておきたい。
 最後に、このコロナというのは、やっぱりこの国の社会保障の基盤の脆弱さというのを浮き彫りにしていると思うんです。制度からこぼれ落ちる人をいかに減らすのか、制度の網の目をいかに細かくするかということを考えるべきだと思うんですね。最後の受皿である生活保護から排除されるような生活困窮者をなくすということを今本当に正面から考えるときだと思います。
 最後、大臣に答弁いただいて、終わります。

#219
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、経済、雇用あるいはそれぞれの国民の皆さんの生活にも様々な影響が生じております。
 これまで我が国もリーマン・ショックとかあるいは東日本大震災とか、様々な災害やそうした経済的な影響を受けてきたわけでありますが、またそれとも異なる今回のこうした影響だと。そうした認識の中で、これまでも様々な措置が講じられてきているわけでありますけれども、それでは必ずしも十分ではない、そういったことを常に念頭に置きながら、委員の御指摘もそういった点だったんだろうというふうに思います。まず、そういった点をしっかり認識をしながら、引き続き、そうした、制度と制度の間に入ってしまうことがないのか、あるいはせっかく制度があるのにそれを利用していただけない方がいないのか、そういったことも含めてしっかりとやらせていただきたいというふうに考えております。

#220
○倉林明子君 法案は、やっぱり自己責任、自助、共助ということを強化するということにつながりかねないものだと思います。
 こんなときにこんなことやるべきじゃないと申し上げまして、終わります。

#221
○羽生田俊君 自由民主党の羽生田俊でございます。
 今回の地域共生社会の実現のための社会福祉法の一部を改正する法律案につきまして質問させていただきますけれども、この中で、理念として、地域福祉の推進は、地域住民が相互に人格と個々を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現を目指して行わなければならないと、こういう文言が入ったわけでございまして、これにつきましては高く評価をしたいというふうに思っているところでございます。
 しかし、実際にこの地域共生には、介護あるいは障害、妊婦から子供、子育て、生活困窮といった元々非常に幅が広い上に、社会問題とも言える八〇五〇問題のようなものまで入っている、いわゆる複雑で複合的な問題が多々あるということ、それに加えて、在留外国人の支援の在り方など、地域共生には広くかつ専門的な見地の対応が求められているところであります。
 今回の新型コロナウイルス感染症や働き方改革によって生活様式や労働への見直しが大きく変わる中、これだけの多岐にわたる人材や専門性の高い資格者の確保は人口減少社会にとってとりわけ大きな問題であり、課題であります。
 お手元の資料を御覧いただきたいと思います。
 これは、自立相談支援事業の相談員のどういった方々がいるかという表でございますけれども、この表で、この相談支援員になるためには、国家資格の上に、実務や講習会で得られるもの、そして任用資格、あるいはそれに準ずるものなどが、いわゆる国家資格という意味では無資格者の者がかなり多く従事しているというのが現状であるというふうに言えるわけでございますけれども、この表の中で、国家資格というのは上から三つ、社会福祉士、精神保健福祉士、保健師、この三つと、下から二つ目の介護福祉士、この四つだけがいわゆる国家資格ということになるわけでございますけれども、特に多いのは社会福祉主事という、これは認証資格ということになるわけですけれども、講習や実務等々が勘案された上で認証されるという資格でございますけれども、こういったものでございまして、この専門性の高さというものがどこまで必要であるかということを非常に危惧するところでございます。
 この社会福祉士あるいは精神保健福祉士のように専門性の高い国家資格を与えているという、国家が与えている資格でございますから、こういったものを十分活用していくことが重要であるというふうに考えているところでございます。
 これ、質問が東議員と全くダブってしまっているところなんでございますけれども、実は、この地域共生社会と言われますけれども、どのような社会を目指していくのか、お話をいただきたいというふうに思います。と同時に、また、新たな事業では多様な相談に対応できる人材が必要になるというわけでございまして、相談員は社会福祉士や精神保健福祉士などの有資格者を中心に活用すべきであるというふうに考えているところでございますけれども、この点について大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

#222
○国務大臣(加藤勝信君) まさに地域共生社会、先ほど社会福祉法の第四条をお読みいただきましたけれども、そうしたことをしっかり今回明記をさせていただいて、まさに、誰もが地域で暮らし、生きがいを共につくり、高め合う社会、支え手、受け手の区分なく、あらゆる住民がその地域の中で役割を持ち、支え合いながら暮らすことのできる地域社会、まさに地域共生社会の実現を目指していく。そのためにも、市町村全体で包括的な支援体制を構築し、住民の皆さんが抱えておられる様々な課題、しかも、それが単独ではなくて課題相互が様々な形で絡み合ってきているわけであります。そうした課題に対応していくためにも、それを、住民を支援する方の資質を確保していくということが重要でありまして、現段階でも、介護、障害、子供、生活困窮の分野で社会福祉士を始めとした専門職の皆さん方がまさに対応いただいたような、表にいただいたように対応いただいているところでもございます。
 加えて、今回、アウトリーチ支援や支援に関わる多機関の連携を中核に担う人材を新たに配置していくということになるわけでありますから、その専門性の上にも専門性が重なるというんでしょうか、もちろん様々な経験というのも大事だとは思いますけれども、そうした専門職の役割は一層重要になってまいります。
 これまでモデル事業を推進してまいりましたけれども、社会福祉士や精神保健福祉士の皆さんが、の専門職の方がこうした役割を担ってきていただいているわけであります。そうした方々のソーシャルワークの知見を更に生かしていく、そういった意味においても、厚労省として包括的な支援体制の構築に向けて、市町村において社会福祉士やあるいは精神保健福祉士などの有資格者の方々がしっかり活用していただけるよう、必要な予算の確保、これに努力をしていきたいというふうに考えております。

#223
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 今回の法律を支援するためと思われますけれども、実は社会福祉士と精神保健福祉士のカリキュラムの改正というのが今年度行われまして、それはこの二つの資格の中で同一のカリキュラムというのができてきているわけですね。これは、まさにこの地域共生社会をつくるために、この二つの資格の人たちに中心になって共生社会をつくるということに努力してもらうという目的のためにカリキュラムがわざわざ改正になったのであろうというふうにも理解しているわけでございますので、その点は是非御理解をいただきたいというふうに思っているところでございます。
 それから、地域共生社会の実現に向けた体制づくりは運営主体であります市町村が中心になるわけでありますけれども、個々の事情や状況、特に財政などに大きな差があり、市町村の担当者のマンパワーによるところが大きくなる上、業務多忙において地域差が大きくなるのではないかというふうに危惧をされるところでございます。これ、石橋委員からも指摘がございましたですね。
 また、市町村がこの事業を運営する上での目標である地域福祉計画の策定は、平成三十一年四月一日時点で七八・三%という実施率でございます。ということは、二二%近くがこの計画さえできていないということになるわけですけれども、それは、市町村でやっている中で市町村介護保険事業計画、あるいは市町村老人福祉計画、これらの策定というのは義務化されているわけでありますけれども、この地域福祉計画の策定はこの法律の中でも努力義務規定ということになっているわけで、作らなければいけないというふうになっているわけではないということで、この地域差が出てくることが危惧されるわけでございます。
 この改正において地域福祉計画の重みが増すというふうに感じるところでございますけれども、この計画の策定率の向上への対策というものはどう考えているか、その辺をお話しいただきたいと思います。よろしくお願いします。

#224
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 地域福祉計画でございますけれども、市町村におきます地域福祉の推進を行うために定めるものでございまして、平成二十九年の社会福祉法改正によりまして策定を努力義務化いたしました。その中では、地域におきます高齢者の福祉、障害者の福祉、児童の福祉その他の福祉の各分野における共通的な事項を記載することとして、いわゆる上位計画として位置付けられたところでございます。
 こうした制度的な対応や各市町村におきます地域福祉計画の策定を支援するために、平成二十九年十二月に市町村地域福祉計画、都道府県地域福祉支援計画の策定ガイドラインを定めまして、記載内容の例や具体的な策定体制、策定手順などを示すことなどを通じまして市町村の地域福祉計画の策定率は向上してきております。
 委員がおっしゃいました三十一年四月一日時点では七八・三%でございましたけれども、以前の、例えば平成二十八年四月一日では六九・六%ということで、この三年間で九ポイントほど上昇しているところでございます。
 さらに、この今回出した法案では、地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制の整備を地域福祉計画の記載事項としておりまして、計画策定のプロセスにおきまして、市町村全体の包括的な支援体制の認識の共有と体制の可視化を行う役割を期待しているところでございます。
 策定率の向上に向けましては、今回の法改正の内容を反映するガイドラインの改定を行いまして、自治体に対しまして周知を図りますほか、引き続き都道府県とも連携しながら市町村における計画策定を支援してまいりたいと考えております。

#225
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 一番心配されるのは、やはり地域差が広がるということが心配されるわけですから、その点をしっかりと支援していくということを厚生労働省としてはしていただきたいというふうに思いますので、その辺よろしくお願いいたします。
 次の質問も、実は倉林委員の質問の中でかぶっている問題でございまして、社会福祉連携推進法人の話でございます。
 この社会福祉連携推進法人の創設というものがあるわけでございますけれども、そもそも、この推進法人をつくることによって理想の効率的な相互の業務提携が可能になるのかどうかというところを危惧するところでございまして、実は、医療の中では地域医療連携推進法人というものが三年ほど前にできまして、これは既に全国で十五か所ほどできてきているわけでございますけれども、ここでは、出資の問題もありますけれども、ベッドの移動であるとか医師や看護師の人材の移動、そういったものが可能になっているもの、そして一〇〇%出資の株式会社までつくれるというようなことがあって、非常に運営面でのメリットが大きいというものなんでございますけれども、この社会福祉連携推進法人というものをつくったときにどのようなメリットがあるのかということを厚生労働省から聞きたい。
 私が一番心配するのは、こういった組織の大型化をしたときに一番心配されることは、抱え込みというものがあって、この法人に参加しないと自分たちの仕事が成り立たないということが起きてしまうのではないかということを非常に危惧するところでございまして、この法人を創設するメリットをどのように考えているか、その辺、厚生労働省の御意見を伺いたいと思います。

#226
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 社会福祉連携推進法人制度でございますけれども、これは福祉分野での専門性を有する社会福祉法人などがそれぞれの強みを生かしながら個々の法人の自主的な判断の下で連携、協働するとともに、経営基盤の強化を図り得るよう新たな連携方策として創設するものでございます。
 そのメリットとしましては、例えば、参加できる社員につきまして、社会福祉事業を経営していれば、例えば営利法人も対象になります。あと、活動区域についてでございますけれども、議員御指摘になりました地域医療連携推進法人におきましては、原則、地域医療構想の区域内であるのに対しまして、社会福祉連携推進法人では地域を越えた法人間の連携が可能となっているということなどがございます。
 また、社会福祉連携推進法人独自の連携推進業務といたしまして、今回提出しております社会福祉法案では地域共生社会の実現に向けたことを盛り込んでおりますけれども、そういった業務の実施に向けて、例えば社会福祉法人で介護、障害、子供などの種別を超えた連携支援、こういった連携推進法人をつくることによってそういうことをしていただく、さらには災害対応に係ります連携体制の構築、そういった地域の福祉に密着した業務などを連携推進業務として挙げているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、この社会福祉連携推進法人制度が、社会福祉法人を始め社会福祉事業を経営する法人の連携、協働の強化を通じまして地域における福祉サービスの向上につながるように努めてまいりたいというふうに思っております。

#227
○羽生田俊君 ありがとうございます。
 全国的な組織までできるということは、実際には実務的というよりは事務的あるいは経営的な面で支援し合って連携していくということが多くなるのではないかと思いますけれども。
 質問が倉林先生とかぶってしまいましたけれども、私は逆の面から、逆に応援したいという気持ちで今質問させていただきましたので、是非いい方向に行きますように支援をしていただきたいというふうに思っております。
 それでは、最後になりますけれども、実はこの地域共生社会の実現のためには、介護、障害、妊婦から子供、子育て、生活困窮など多岐にわたる対応が必要で、その中でも医療と介護の連携というものが非常に大きな重要な問題であるというふうに考えておるところでございます。
 現在、新型コロナウイルス感染症の対策として初診のオンライン診療というものが時限措置として認められております。これは、医療用の防護具すら国の責任でそろえ切れずにまだまだ足りないというような状況が続いているわけでございますけれども、やはり最前線で働く医療従事者の感染のリスクを下げるというために苦肉の策としてつくられたのがこのオンラインの、初診までオンラインで認可するということが起きているわけでございまして、これは非常に問題の多いものではあるというふうに考えているところでございます。
 元々、オンライン診療というのは、初診は対面で診療して、その後の再診において、薬を出すとか、状態が変わらないからというようなことでこのオンライン診療というものが認められていたわけでございますけれども、今回の新型コロナウイルス感染症対策の苦肉の策としてこのオンラインでの初診が認められているというところでございます。
 ところが、最近、実はこのオンライン診療の初診が、これを恒久的なものにすべきだという議論が始まるという報道がされておりまして、これを大変心配をしているところでございます。
 元々、なぜ初診は対面での診療を主として、原則としてやるかということにしたわけでございますけれども、これはやはり画面越しで初診の患者さんの状態がどこまで把握できるのか、どこまで理解できるのかということが大変危惧しているわけで、その中で確定診断をするということは非常に危険も伴うものであって、これを、じゃ、誰が責任取るんでしょうというようなことまでなってくるわけですね。
 実は、初診のときというのは、患者さんが診察室に入ってきて医者の目の前の椅子に座る、診察の椅子に座るまで、どのような歩き方をしているか、あるいは表情はどうか、そして、お話をしたときに、言葉の使い方、あるいは問答にどう対応できるのかといったことまで見ながら診察始めていくわけですね。そして、その上で呼吸や脈を取ったり、あるいは心臓の音を聞いたり、あるいは血液検査やエックス線検査等々をして、そういった補助診断をした上で確定診断に結び付けるということが初診という中での非常に大きな問題でありまして、これが非常に大切なことであるということは御理解いただけるものというふうに思っております。
 それをオンラインという中で、オンライン、いわゆるITがどんどん進歩はしてきておりますけれども、オンラインでの診療というのは画像と声と画面の表情を見るだけでございますので、そういった中で確定診断するというのは非常に大変なことであるということを御理解いただきたいというふうに思っております。
 ましてや、医療と介護の連携というものがこの法律の中でも十分うたわれているところでございまして、この法律は、オンライン初診というものが恒常的になるということは、実はオンライン介護、あるいはオンライン福祉などというものが、全てオンライン上で事が進んでしまうということにもなりかねないわけでございまして、そういったことから非常に危惧するところでございまして、この地域共生社会の実現にも大きな影響が出かねないというふうに言わざるを得ません。このことについて厚生労働としてどのようにお考えになるか、その辺ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

#228
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 患者と医療従事者の方々、双方の安全、安心を確保する観点から、オンライン診療を含む遠隔医療の活用というのが重要だと認識をしてございます。
 今般のこの新型コロナウイルスの感染が拡大をして医療機関の受診が困難になりつつあるということを鑑みた時限的、特例的な措置として、初診も含め、電話やオンラインによる診療を可能とするとともに、電話やオンラインによる服薬指導等を行うことができることといたしました。また、診療報酬においても、電話等を用いた場合の初診料や服薬指導に係る報酬を算定できることとしております。実績といたしましては、五月二十六日時点で電話やオンラインによる診療を実施している医療機関は全国で一万五千百三十七機関でございます。
 この措置につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染が終息するまでの間の時限的な対応としておりまして、原則として三か月ごとに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況や医療機関、薬局における対応の実用性と実効性の確保の観点、医療安全等の観点から検証を行うこととしております。
 新型コロナウイルス感染症の感染が終息した後のオンライン診療、服薬指導等の在り方につきましては、これら検証結果も踏まえた上で検討してまいりたいというふうに考えております。

#229
○羽生田俊君 ありがとうございました。終わります。

#230
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 まず最初に、大臣にお伺いいたしたいと思いますが、本法律案におけます市町村における包括的支援体制、重層的支援体制の整備というものは、全世代型社会保障を進める中でどういう位置付けになるのか、また、どういう役割を果たすことを期待されているのか、大臣のお考えを伺います。

#231
○国務大臣(加藤勝信君) 全世代型社会保障は、人生百年時代を見据えながら、年金、労働、医療、介護、社会保障全般にわたる改革を進め、高齢者だけではなくて、子供、あるいは子育て世代、現役世代を含め、全ての世代が安心できる社会の実現を目指そうとするものであります。
 また一方で、少子高齢化、人口減少が展開し、家族のありよう、あるいは地域社会も随分変わっていく中で、それぞれ抱える課題も、単独の課題のみならず、それぞれが複合化して大変対応がしにくいまた状況も生まれてきているわけでありまして、こうしたことを踏まえると、市町村において、やはりそうした課題のまず最初に対応されるのが市町村でありますから、市町村において、それぞれのもちろん地域のニーズ、それから地域の状況、これら含めて、属性や世代を問わず、様々な相談を包括的に受け止め、複数の支援機関、これは連携をしていく、まさにこれが包括的な支援体制ということになるんだと思いますが、それが必要であり、そうした思いから、今回、社会福祉法に新たな事業を創設することを提案をさせていただきました。
 この包括的な支援体制を構築を行うことによって、例えば情報が行き届きにくい方、あるいは自ら相談することが難しい方、そういった方も支援につながっていく、こうしたことも含めて、地域住民全体が医療、介護、子育てなどの様々な支援につながりやすくなっていくということも考えられるわけでありまして、まさにそれが全世代型社会保障が目指す全ての世代が安心できる社会の構築、実現につながっていくと、こういうふうに考えております。

#232
○山本香苗君 私、この全世代型社会保障の実現の中において、地域の支え合いの基盤をいかに再構築していくかということは極めて重要で、今おっしゃっていただいた包括的な支援体制、重層的支援体制の整備というのはその鍵を握っていると認識しておりますし、特にこのコロナの中で更にその重要性や必要性というのは高まっていると感じております。
 今日、朝から聞いておりまして、この取組というのは手挙げ方式と、一部の自治体で終わってしまってはいけないんだと、できる限り多くじゃなくて、全ての自治体でできるようにしていかなきゃいけないと、そういう思いで今日は質問させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 この重層的支援体制整備事業というものは、三つの柱から成り立っていると。そのうちの一つが、介護、障害、子供、子育て、生活困窮の相談支援に係る事業を一体として実施する、いわゆる断らない相談支援ということなんですが、ここで改めて、断らない相談支援とは何なのか、確認しておきたいと思います。

#233
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 断らない相談支援とは何かということでございますけれども、断らない相談支援というワードにつきましては様々な御指摘をいただいておりますので、今、社会局では、属性を問わずに受け止める相談支援というふうに呼ばさせていただいておりますけれども、複雑化、複合化した個人や世帯の課題を包括的に受け止めて、適切な支援につなぎ、解決を目指していくものだというふうに考えております。
 これにつきましては、一人一人の支援者が全てを丸抱えするものではなくて、市町村全体でチームにより支援を進めていくものというふうに考えております。
 具体的には、例えば孤立などによりまして継続的な支援が必要な方に対しましては訪問等を通じて積極的に支援を届けること、また本人、世帯に寄り添って、複雑な課題につきましては、その背景から時間を掛けて丁寧に解きほぐしていくこと、また解きほぐしたものにつきましては適切な関係機関につないで連携しながら支援を提供すること、そういったことが重要だというふうに認識しているものでございます。

#234
○山本香苗君 なかなか分かりにくいんですよね、抽象的に言われると。
 ちょっと例を挙げますね。例えば、市役所にお金貸してほしいと人が来られたときに断らない相談支援って、じゃ、どうするんだということなんですね。市役所にお金貸す仕組みはありません。こうした場合に、貸す貸さないという問題ではなくて、何でお金が必要なのかと、そういったところに、その背景に、原因にアプローチをしていくと、そして本当の困り事はどこにあるのかということを、この市役所の中のいろんな部署とか関係機関が一緒になって、さっきチームとおっしゃいましたけれども、そういう形で協力して支え合っていくと、これが本来の意味での断らない相談支援の意味だと思うんです。決してこれを支援者に断らないことを義務付けるというものではないということは、ここはしっかりと確認をしておきたいと思います。
 そこで、重ねて確認をさせていただきますが、断らない相談支援というのは相談支援体制であって、何か新たにワンストップの相談窓口をつくることじゃないと、また、今日朝からありましたけど、既存のそれぞれの相談支援事業を削るものでもないと、既存の相談支援事業をしっかり維持していくことを前提としているということでよろしいでしょうか。

#235
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 議員御指摘になりました新たな事業によります相談支援機関の具体的な設置形態でございますけれども、当然、各市町村がそれぞれの地域の状況や関係者の意見を踏まえて検討いただくものになりますけれども、議員おっしゃいますように、既存の窓口を統合したいわゆるワンストップの総合窓口の設置について必ずしも求めるものではございませんで、複数の既存の相談支援機関が連携して対応することも可能であるというふうに考えております。
 この中で、今回の法改正でございますけれども、従来、分野ごとに別々に交付されておりました補助金につきまして、社会福祉法に基づく一つの交付金として交付することによりまして、既存の各相談支援機関が補助金の使途について指摘を受けるなどの懸念なく、例えば八〇五〇問題などの多様なニーズに対応する取組を行いやすくするとともに、既存の相談支援機関を支えて支援の強化につなげるために、新たに本人やその世帯が抱える課題の全体を把握した上で支援の方向性を整理して連携体制を構築するための事業、多機関協働の事業を創設しているところでございます。
 市町村が既存の相談支援機関を活用することを可能としながら、属性を問わない支援体制の構築ができますように、国として支援していくこととしているところでございます。

#236
○山本香苗君 既存の相談支援はしっかりと機能させると、削らないと、決して合理化、統合化ではないと、その上で、体制なんだということをしっかりと何回も繰り返して言っていかないといけないんだと思うんです。
 断らない、じゃ、相談支援体制はどういう制度設計、立て付けになるのかということで、この間この現場の支援者の方々とか自治体の方々とも議論に議論を重ねてまいりました。
 そこで、こういうものだとイメージしたらいいんじゃないかということをちょっと申し上げさせていただきますと、先ほどの八〇五〇みたいな制度と制度のはざまの問題であったり、複合的な課題が絡み合っているような問題、これは現時点でなかなか既存の相談窓口で対応できないわけですね。例えば、よくあるんですけど、認知症の方のお宅に訪問してみましたと、そうしますと、そこには精神障害の娘さんがいらっしゃいますと、で、お孫さんは不登校ですと、そういう状況があるわけです。そうしたときに、一つの窓口で対応したくても対応できないわけですね。やっちゃうと、さっき局長がおっしゃったように、後で会計検査院にごちゃごちゃ言われちゃうわけです。やりたくてもできないという状況にあるわけです。
 じゃ、そこで、一つのこの窓口で対応できないことをこの既存の窓口のところで埋め戻したりとか断ったりするんじゃなくて、それは一旦吸い上げて、それを多職種や地域住民等関係者の方で構成される今回の支援会議、ここのところで一体となって対応すると、チームになって必要な支援を実施すると。既存の支援がなければ、そこのチームが支援を開発していくんですよ。こういう立て付けにすればいいんじゃないかと。要は、ここで大事なのは、支援会議に人を並べることじゃないんですね。そこでちゃんと、人を制度に当てはめるんじゃなくて、人に合わせて支援をつくっていくということでありまして、こういうことができたらたらい回しというのは防ぐことができると思うんです。
 先ほどのように複数の課題を抱えている御家族をそれぞれにつなぐんじゃなくて、家族全体をこれで見ていくことができて支援ができるようになると。また、既存の窓口ともこれですみ分けができるわけです。できないことを挙げてもらうという形になれば、最前線にいる既存の窓口の方々が安心して相談を受けられるようになるわけですね。バーンアウトを防ぐことができると。こういう立て付けのイメージができれば、今、二百八、モデル事業でやっていただいていますけれども、新たにやってみようという自治体も、頭の中にこの立て付けがある程度できてくれば手を挙げてくれるんじゃないかなと。
 こういうイメージ図を是非作っていただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。

#237
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 今回の新たな事業でございますけれども、複雑化、複合化した支援ニーズに対応していくものでございますため、支援の在り方に関しまして、議員御指摘のように、行政や支援関係者の間で共通認識を醸成することが重要であるというふうに認識しております。
 したがいまして、今後、この法案が仮に成立した暁には、令和三年度の施行に向けまして、新たな事業によります支援の具体的な在り方について検討するために、現場の支援者もメンバーに含めた有識者会議を開催していくこととしておりまして、その場の意見も踏まえまして、市町村や支援関係者に向けた資料を作成してまいりたいというふうに考えております。

#238
○山本香苗君 是非とも、どういう立て付けにしていくのか、またどういうふうに運用していくのかということが極めて重要で、既に先行的に実施しておられる自治体だとか、また民間支援団体のトップランナーの方々いらっしゃいます。そういう方々にお知恵をいただく場が必要だということをこの間常々申し上げてまいりました。速やかに立ち上げていただいて、そこで議論していただいて、現場に即したものを提供していただきたいと思います。今いろいろ出ている資料を見ても、カラフルなんですけどよく分からない、だからもっと、自治体も取組がしにくいというお声もいただいておりますので、是非お願いしたいと思います。
 相談支援というものは、ただ単にサービスをつなぐためだけの相談ではありません。困難を抱えている方々を受け止めてずっと御一緒に伴走するという支援でありまして、それそのものが支援です。相談支援自体が固有の価値を持っているんだと思っております。このことは生活困窮者自立支援制度の中で実証もされてまいりましたし、特に今回のコロナでそのことを私は本当にしみじみと感じております。
 先週、住居確保給付金のカード払いを例外的に認めていただきました。ありがとうございます。なんですが、それ以前は、相談を受けた方が大家さんにも制度を一から説明をして、そして何時間も掛けてカード払いの契約を解除していただいていた、そういう話をお伺いしました。
 どうせ無理だろうと諦めていた相談者の一人親の家庭のお母さんは、涙を流して喜んでくださったそうです。そして、そのときに、気遣ってくれてありがとうとおっしゃったそうです。要は、自分に気を掛けてくれる人がいると、見捨てられていないんだと、そう感じることによって、もうこの相談支援そのものが人に生きる力だとか次に踏み出す力というものを与えているんだなということを実感いたしました。
 しかし、この相談支援に当たっている方々は、今日も議論がありましたけれども、大半が非常勤の方であります。そうしますと、継続的かつ安定的に支援を続けることができません。かつ、仕事を辞めた途端に支援される側になってしまっているようなケースも残念ながらあります。
 こうした相談支援の現場の実態を是非把握をしていただきたい、そして課題を吸い上げていただいて改善していただきたいんですが、稲津副大臣、いかがでしょうか。

#239
○副大臣(稲津久君) お答えさせていただきます。
 相談支援のこの実態を適切に把握をして、そして課題を明らかにしていく、また改善につなげていくと、これは大変重要なことであるというふうに認識しております。
 特に、複雑化、複合化した課題を抱える住民のニーズに応じたきめ細やかな支援を行うためには、各支援員の経験の蓄積ですとか、それから、本人や世帯との支援員側との間の信頼関係が非常に重要になってくるだろう、そういう意味でも、実態の見える見える化の必要性が非常に高いと思っています。
 いわゆる新たな事業につきましては、その円滑な実施のために手を挙げていただいた市町村の関係者の皆さんが情報共有をして、そしていわゆる議論する場を設けると、こういうことを検討しておりますが、その中では、相談支援の改善に向けて実態や課題等についてもしっかり議論をさせていただきたいと考えていますし、また、その議論が円滑に行われるように、既存制度において実施されております相談支援に関する実態調査の結果、この活用、それから必要に応じて新たな調査等も検討していきたいと考えています。
 それからさらに、この新たな事業は、市町村において既存の各分野の事業と同様に社会福祉法人等に委託をすることが可能であると、こうなっておりまして、委託先の選定等に当たっても、これ今議員から御指摘もありましたが、そうしたことも踏まえて、例えば質の高い支援を行うことができる支援者の育成確保ですとか、個別に積み上げてきた信頼関係の継続性の確保等をいかに行うかといった観点が重要でありまして、新たな事業の委託に当たっての留意点を、これマニュアル等でお示しをしてまいりたいと、このように考えております。

#240
○山本香苗君 ありがとうございます。
 今回は、相談支援を一つの支援と法律の中で明確に規定をしているわけです。是非改善を図っていただきたいと思います。これができなければ、地域共生社会の実現や、また全世代型社会の実現も絵に描いた餅になると思います。是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 今までちょっと全く議論になっていないんですが、今回新たに創設されます参加支援についてお伺いさせていただきたいと思います。
 参加支援とは、既存の取組では対応できないはざまのニーズに地域資源をフル活用して支援することだと伺っておりますが、具体的にどういうものでしょうか。

#241
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 まず、参加支援という言葉でございますけれども、元々、初めは出口支援という用語を用いておったんですけれども、地域共生社会推進検討会におきまして、その出口支援という言葉が問題解決型の支援をイメージさせて、時間を掛けて継続的な支援を行うという意図がなかなか伝わりにくいという意見があったことを踏まえまして、社会参加に向けた支援との趣旨で参加支援という用語を使用することになったという経緯がございます。
 議員がお尋ねの参加支援でございますけれども、本人、世帯の状態に寄り添った、社会とのつながりを回復する支援でございまして、相談支援で本人や世帯の課題等を整理する中で、介護、障害、子供、生活困窮等の既存の制度があればいいんですけれども、既存の制度に適した支援メニューがない場合に、本人や世帯の支援ニーズを踏まえて就労支援や居住支援といった適切な支援が提供されるよう、民間団体など地域の資源との間を調整していくことを想定しているものでございます。
 具体的な活用場面といたしましては、例えば、住まいの確保に困難を抱える方に対しまして、既存の入所施設の空き室を活用した居住支援が行われるよう調整するといった支援が想定されます。こうした支援におきましては、市町村が民間団体など地域の資源に働きかけ等を行いまして、今までにないはざまのニーズに対する支援を柔軟に提供いただけるように調整することが重要と考えております。
 今後、具体的な事例なども含めまして事務連絡を市町村に発出することを通じまして、地域の実情に応じた柔軟な取組が生まれるように支援してまいりたいと考えております。

#242
○山本香苗君 今のじゃちょっと分からないですね。
 仙台市に、全国コミュニティライフサポートセンター、CLCというのがあるんですが、ここは、対象者の属性にとらわれない、どんな状態になっても誰もが地域で普通に暮らせる仕組みをつくろうと活動されております。
 例えば、手帳のない障害のある方、支援機関につながっていないけれども支援の必要な認知症の方、行き場のない虐待やDV被害者、火事だとか延焼で突如家、居場所を失った方とか、とにかく誰でも二十四時間三百六十五日受け入れておられます。昨年ちょっとお伺いをさせていただいたんですが、まさに既存の取組では対応できないこのはざまのニーズに対応している取組で、参加支援そのものだと思いました。
 いきなりここまで完璧な参加支援が全国どこでもできるわけはないんですが、例えば、一部の地域に入所施設に空きがあります。この空きを活用して、緊急一時支援が必要な方を受け入れるというのはありだと思うんです。
 そこで、今日は大島老健局長と、そして渡辺子ども家庭局長と、そして橋本障害福祉部長にお越しいただきました。ありがとうございます。
 今回の参加支援の創設を契機にして、この人口減少が進む中で、地域共生社会の実現の観点から、介護、また障害福祉、子育て支援の各分野においても、施設の空きスペースを有効活用するという観点から具体的な方策を是非とも検討していただきたいと、お知恵をいただきたいんですが、先ほど谷内局長、具体的なメニューとおっしゃいまして一個しか挙げられませんでした。是非、各、優秀な三局長のところから具体的なメニューを挙げていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

#243
○政府参考人(大島一博君) 済みません、余りそういう準備していなかったものですから。
 これから自治体の窓口なり施設の団体を通じて集めていきたいと思いますが、例えば特養に関しましては、昔から地域交流スペースというのを整備に合わせてつくったりしているところもありまして、地域のボランティアの方々に開放したりとか、そこで認知症カフェを開催したりとか行われていますが、最近は、やはり子供食堂的な動きですね、子供に食事を提供したり学習支援を行ったりという例も出てきておりまして、多世代交流の取組にも使われております。
 それから、先ほど谷内局長から、空き部屋で、お話がありましたが、住まい支援という観点から、養護老人ホームでは措置でない契約による入所を全体の二〇%までできるという扱いをしておりまして、そこをうまく活用して、住まいの確保に配慮が必要な方に住まいを提供するということがあると思います。
 それから、こういう補助金の適用上は一時的な利用に関しては目的外の使用ができることになっておりますので、そういった枠組みを活用すれば制度間の制約も少ないと考えております。

#244
○政府参考人(渡辺由美子君) 子供の施設につきましても、人口減少が進む中で、また一方で家庭の養育力というのも非常に今弱まっておりますので、やはりこれからの児童福祉施設の在り方としては、入所している子とか通ってくる子を待つという待ちの姿勢ではなくて、やはり地域に開かれたものとして積極的にニーズをくみ上げていく必要があると思っています。
 例えば、保育所などでは既に空きスペースを使って地域の子育て支援とか、あるいは発達支援が必要な子供さんへのサービスなどをやっているところもありますし、また、もう少し年長の方の自立援助ホームなどでは、特に思春期問題などについての相談支援なんかについては非常にノウハウもありますので、そのホームにいた子供さんたちだけではなくて、もう少しその地域に出ていって、そういったニーズをくみ上げるということも考えられるかと思っております。
 そういった意味では、今回のこの法改正を契機にして少し思考を柔軟にして、地域の様々なニーズをくみ上げながら、どういったことができるかということを考えていきたいと思っております。

#245
○政府参考人(橋本泰宏君) 障害福祉の関係の施設や事業所につきまして、利用者の支援に支障がなければほかの用途に用いることは可能でございますので、これまでも、例えば空きスペースを活用して、就労継続支援事業を行っている障害の施設が生活困窮者に対して就労訓練事業を実施するということもできるというふうな、そんな柔軟な取組を促してきたような経緯もございます。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 今後、この法律案に基づく参加支援というものが創設された暁には、各地域の障害福祉関係の施設や事業所が持っているノウハウを有効に活用して様々な、多様なニーズに貢献することができるということで、関係部局と連携しながら必要な検討を進めたいと思っております。
 委員の方からは、例えば就労継続支援B型で障害者手帳を持っていない引きこもりの方への支援とかを行ってみてはどうかと、そんなふうなアイデアもいただきました。
 就労継続支援のB型という事業所は、なかなか一般就労が難しい方々に対しても福祉的な就労の場を提供する存在としてこれまでもいろんなノウハウを培ってきた存在であり、また障害関係の施設の中では全国で一万を超える施設がございますので、そういう意味では非常に身近な存在としての地域資源でもございます。
 そういった様々な意味におきまして、既存施策の中で拾い切れない方々を支援に結び付けていく上で一定の役割を果たし得る可能性というものは十分にある存在だというふうに思いますので、そんなことも念頭に置きながらしっかりと検討させていただきたいと思います。

#246
○山本香苗君 この重層的支援体制整備事業の、言葉は非常に難しいんですけど、この中の私は肝は、この参加支援だと思うんですね。
 というのが、断らない相談支援をやっても、別に支援員の人が断るということじゃないんですね。支援がないから断らざるを得ないという状況になるわけですけど、この参加支援というものができることによって、今までは相談と居場所というだけだった、間のところで新たな、この地域資源を活用しながら支援ができていくと。ただ単に参加してくださいという話じゃなくて、参加する環境を地域資源全部フルに活用してやっていくという新たな仕組みでありまして、是非ともこれをうまく活用していきたいなと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 こうした事業を着実に実施していくためには、予算の確保がやはり重要であります。特に、今申し上げた参加支援など新規事業につきましては、モデル事業のときは国の補助率四分の三なんですね。何が何でも、大臣、この国の四分の三の補助率を堅持していただいて、必要な予算を確保していただきたいと思いますが、お願いします。

#247
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員のお話を聞かせていただきながら、まさにこの重層的支援体制をつくっていくということ自体が非常に大事であって、重層的というと、重ね合わせるんですけど、ある意味では、今まで壁があったところを一回ちょっと、あることはあるんですね、それぞれ事業がありますから、でもそこを透き通して隣を見ていくということを通じて、これまでではない様々な取組が展開をしていく、それが重なり合っていくということが今回の措置の必要性であり、そのためにも、上からどんではなくて、それぞれの地域がよく考えていただいて、参加者が、それぞれ担い手が、あるいは支援される側も含めて一緒になって考えをつくり上げていくということが非常に大事であるということを、質問を聞かせていただきながらも改めて認識をさせていただきました。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
 そのために予算をどうするのかということであります。それぞれについては、それぞれというのは、介護、障害、子供、生活困窮者については、それぞれ実施に係る国、都道府県、市町村の費用負担、これは残念ながら、現存してあるものを、それをうまくパッケージにしてこれからつくり上げていくということになるわけでありますから、そうした既存の予算、これは引き続き維持をしていく。
 それに重ねて、今回新たな、委員が大事だとおっしゃられた参加支援、またアウトリーチ支援、それから多機関の協働といった、ちょうど間をつなぐような機能なんだと思いますけれども、そういったことがどう構築していくのか。それに必要な予算、これはモデル事業はモデル事業としてやらせていただいているわけでありますが、今回は新たな事業として組み立てていくわけでありますので、大事なことは、それぞれ、先ほどから議論があったように、様々な専門家の参加も求めていくという必要性もあります。
 必要な予算をしっかり確保していくべく努力をしていきたいと思っておりますので、引き続きの応援をよろしくお願いいたします。

#248
○山本香苗君 十分応援はさせていただきますので、しっかりと頑張っていきたいと思います。
 今回の法律は、平常時のみならず災害時も念頭に置いた法律になっていると伺っておりますけれども、どういう形でこの法改正の中に具体的に反映されているんでしょうか。

#249
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 今回の法案につきまして、災害時、どこに視野に入れているんだということでございますけれども、まさに包括的支援体制の整備でございますけれども、例えば災害が起きた際には、自ら相談機関を訪れることが困難な個人や世帯がますます孤立するなど、個々の被災者が抱える課題が顕在化する傾向にございます。こういうことを踏まえますと、災害時の対応も念頭に、地域住民と専門職が協働しながら、平時の相談、支援の充実や支え合いの強化に向けた取組を継続的に実施していくことが重要でございます。
 特に、地域住民同士の見守り体制を構築すること、また困難なケースにつきましては、専門職が中心となって地域住民とも連携しながら早期にアウトリーチを含めた継続的な支援を行うことなど、セーフティーネットの強化を図ることが災害発生時の支援体制の充実につながっていくものと考えております。
 まさに、今回の新たな事業でございますけれども、そういったものを施行するものでございまして、今回の令和三年度の施行に向けまして、新たな事業を適切かつ有効に実施するための指針にもその災害対応についてのその旨を記載することを検討しておりまして、市町村を始めといたします関係者の皆さんにもお伝えしていきたいというふうに考えております。
 また、それ以外に社会福祉連携推進法人ございまして、これにおきましては、連携法人の社員の社会福祉法人間で、例えば被災施設に対する応援職員の派遣、また利用者の避難先や代替サービスの利用調整などを社会福祉連携推進業務として行うことができることとしているものでございます。
 まさに、こうした新たな制度の実施を通じまして、災害時を含めたセーフティーネットの充実に資することになるというふうに考えております。

#250
○山本香苗君 今日は内閣防災の村手さん来ていただきましたけど、現在、地方自治体においては、従来の避難所に加えて旅館やホテルなどを一時避難所にする等、分散避難というものが進められておりますが、その場合、避難所以外に避難される方々を含む避難者全体をどう把握して支援するのかとあらかじめ決めておかなくちゃいけないんですが、そこがぽっかり抜けております。
 そこで、それを埋めるための仕組みとして活用していただきたいのが被災者アセスメント調査票です。これは内閣府と厚生労働省で立ち上げていただいた医療・保健・福祉と防災の連携に関する作業グループが策定したもので、被災者支援に関わる現場の関係者の知恵と経験が凝縮されたものであります。避難所の受付窓口であったり、災害時要配慮者名簿などを基にした家庭訪問、見守り活動をする際に活用することが想定されておりまして、これによって、この在宅の避難者を含めた避難者全体の状況がざっくりではありますけれども把握ができるようになります。と同時に、今までばらばらだった帳票というのが一つになりますので、効果的な支援であったり、事務負担の軽減にもつながると期待されております。
 既にこの調査票は五月の七日に厚生労働省から自治体に対して情報提供しておりますけれども、内閣防災としてもこの調査票の活用を自治体の防災部局に対して積極的に促していただきたいんですが、いかがでしょうか。

#251
○政府参考人(村手聡君) お答え申し上げます。
 被災者アセスメント調査票につきましては、災害発生から直ちに医療・保健・福祉・防災関係者が分野横断的に被災者の被災状況やニーズを把握し、共有すべき基本的事項をまとめるということで効果的なものだと思ってございます。五月七日に、議員御指摘のとおり、厚生労働省から自治体宛てに通知が発出されたと承知してございます。
 内閣府といたしましても、作業グループには参加してございまして、被災者に対するアセスメントが重複して、いわゆるアセスメント疲れというような状況に陥ることのなく、被災者に対して速やかに支援を講じられるよう、自治体に対して被災者アセスメント調査票の活用といったものを促してまいりたい、活用を周知してまいりたいと考えてございます。

#252
○山本香苗君 是非急いでやっていただきたいと思います。
 その分散避難の場合に、誰がどうアウトリーチ支援を行うのかと。例えば、保健師さんが一時避難所であるホテルや旅館というものを健康相談で回る場合等、その費用を何で見るのか、五月二十七日の事務連絡では分かりません。また、以前から繰り返し申し上げておりますが、災害ボランティアセンターの設置、運営費等に係る費用を災害救助法の応急救助費等公費で見るということをこの際はっきりさせておいていただきたいと。
 二点、簡潔に御答弁いただきたいと思います。

#253
○政府参考人(村手聡君) お答え申し上げます。
 災害救助法が適用された自治体に対しましては、在宅で避難生活を送っている被災者についても、避難所で配布してございます食料、水など、必要な物資配布等について救助費の対象としてございます。
 指定避難所以外の施設を自治体が避難所として開設した場合の費用については、避難所の使用謝金や光熱水費、避難者の食事代等について救助費の対象としてございまして、ホテル、旅館等を活用する場合の宿泊費、食費についても救助費の対象としているところでございます。
 また、避難所として自治体が開設したホテル、旅館等への保健師の派遣費用等につきましても、救助費の対象とすることは可能だと考えてございます。
 また、在宅避難者への保健師等の派遣費用については、救助法に基づく供与に該当しないという、避難所の供与に該当しないため救助費の対象とはなりませんけれども、各自治体において新型コロナウイルス感染症への対応の一環として必要と判断される場合には、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用も可能と考えられます。
 さらに、災害救助法の救助対象は被災者であることから、災害ボランティアセンターの設置、運営費に災害救助費を充てることは難しいところございますけれども、内閣府としても、例えば、瓦れき等の障害物の除去のために市町村が災害救助費により購入したシャベルなどの器具について、社会福祉協議会等を通じたボランティアへの貸出しにも活用できるように制度運用を行って、ボランティアセンターの運営に寄与はしているところでございます。
 引き続き、そのボランティアセンターの円滑な運営の支援の在り方についても検討してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。

#254
○山本香苗君 引き続きではなくて、もう迫っているわけでありまして、そこのところにつきまして早く結論を出していただきたいと思います。
 とにかく、今回は、二次避難所となるホテルや旅館ではなくて、一次避難所となるホテルや旅館のところは、初めて今回、きちんと災害救助費で見るということは明確にしていただきました。また、そこに行く職員の方々のアウトリーチのところについても、実際行けるかどうかは別としても、ちゃんとそこのところは救助費で見るということをはっきりさせていただきました。これからもしっかり、何をどうやってやっていくのかと、どこで見るのかということをきちっと自治体の方に御連絡して、通知していただきたいと思います。
 NPOの関係は、今日通知を出していただいたということで、質問省かせていただきます。
 最後に、稲津副大臣にお伺いしたいと思うんですが、私、これから一番大変になってくるのは住まいの問題だと思っております。居住支援です。
 今回、第二次補正予算案の中にも、生活困窮者等の住まい対策の推進ということで予算を確保していただいております。地方自治体が居住支援を行う社会福祉法人やNPO等に委託して、住まいを失った又は失うおそれのある方を支援する予算が盛り込まれておるんですが、これ、地方自治体が手を挙げるのを待っていたら絶対に動きません。
 是非とも、都市部では確実にニーズがあります。それを実施していただくに当たりまして、厚生労働省の方から積極的に働きかけをしていただきたいと思います。その際、会社を辞めた途端、仕事も住まいも一緒になくしてしまうという事態を防ぐために、会社の寮等を一時的に借り上げる支援も一緒に実施をしていただきたいんですが、いかがでしょうか。

#255
○副大臣(稲津久君) 生活困窮者等の住まいの対策の推進事業についてでございますけれども、厚生労働省としても、全国的に実施していただくことが重要であると、このように認識しておりまして、事業の実施について五月二十八日付け事務連絡に周知をしているところでございます。さらに、事業の実施を推進するために、今後、国土交通省それから全国居住支援法人協議会等とも連携して、事業実施の働きかけを推進してまいりたいと考えています。
 それから、社員寮のことにつきましては、住んでいた方について、厚生労働省から経済団体に対して、離職後も引き続き一定期間の入居についてできるだけの配慮をしていただきたいと、このように要請を行ってまいりました。その上で、仮に社員寮を引き続き居住する際には、事業主と入居者が合意して定期借家契約に切り替えた場合に住居確保給付金の支給対象となり得ること、それから、一時生活支援事業を活用して、自治体と事業主との調整が整った場合に一定期間の借り上げ料を支給することが可能であること、こうしたことについて自治体等に対して周知を進め、住まいの確保をしっかりと支援してまいります。

#256
○山本香苗君 終わります。

#257
○委員長(そのだ修光君) それでは、速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#258
○委員長(そのだ修光君) 速記を起こしてください。
 これより、地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、早稲田大学法学学術院教授菊池馨実君、淑徳大学総合福祉学部教授結城康博君及び公益社団法人認知症の人と家族の会副代表理事花俣ふみ代君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ、また夕方の遅い時間にもかかわらず、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、菊池参考人、結城参考人、花俣参考人の順にお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず菊池参考人からお願いいたします。菊池参考人。

#259
○参考人(菊池馨実君) 御指名ありがとうございます。早稲田大学の菊池でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私からは、地域住民の抱える課題の解決のための包括的な支援体制の整備に関わる社会福祉法改正を中心に意見陳述をさせていただきます。お手元のレジュメに沿ってお話しさせていただきます。
 私は、二点について意見を申し述べたいと思います。一つは、今回改正に至るまでの経緯と今回改正の意義、もう一つが、相談支援、地域づくりが重視される地域共生社会の政策的方向性がなぜ制度化されるかについての理論的な基礎付け、根拠付けのお話でございます。
 まず、一つ目でございますが、資料の二の(1)、(2)はこのような形で進んできたということで飛ばさせていただきますが、(3)の法案のポイントにつきまして、私が重要と思われるポイントを三点ないし四点絞ってお話しさせていただきます。
 一つ目が、地域福祉の推進に係る理念規定の新設でございます。御覧のとおり、四条一項に新たに条文が新設されております。従来、社会福祉基礎構造改革以来、法目的として、一条に地域福祉の推進がうたわれておりましたが、その肝腎の地域福祉そのものの理念、目的が明らかではございませんでした。今回改正において、この四条一項によって、この地域福祉の推進に係る理念が明文化されることは非常に大きな意味があると考えてございます。
 二つ目に、国及び地方公共団体の責務の明確化でございます。
 まず一つが、この六条二項で、従来からこの包括的な支援体制整備に係る努力義務が規定されておりましたが、具体的に「保健医療、労働、教育、住まい及び地域再生に関する施策その他の関連施策との連携に配慮するよう努めなければならない。」という、具体的にその文言を挿入しまして責務の明確化を図ったという点でございます。地域共生社会の推進に当たっての縦割りの打破、様々な施策間の連携の重要性を明文化したことには大変意義があると考えてございます。
 関連して、新たに六条三項で、国及び都道府県の市町村に対する助言、情報提供義務が規定されようとしてございます。今回導入される新たな事業は任意事業、手挙げ方式でございまして、市町村格差を広げるという懸念がございます。この点は、私が入っておりました検討会でも多くの委員から指摘されたことでございまして、それを防ぐためのセーフガードとして非常に重要な規定でございます。実際の国の主導的な取組を是非期待したいと考えてございます。
 最後に、重層的支援体制整備事業でございます。この新たに今回整備される事業、これは百六条の四になりますが、これは百六条の三が規定するように、包括的支援体制の整備に関する施策の一つであると、ほかにもあり得るこの施策の一つであるという位置付けであることに留意する必要があります。施策の更なる展開は、これで全てではなく、今後の支援現場や自治体行政における先進的な取組や、これを参考にした国レベルでの政策展開、更なる政策展開に委ねられているという位置付けでございます。それゆえ、是非地域やその民間の取組を引き続き検討する場を設けていただきたいなと希望するところでございます。
 二つ目に、なぜ地域共生社会あるいは相談支援が重要なのかという点でございます。私のレジュメの三のところになります。
 社会保障というのは、歴史的に見ますと、要保障事由、老齢、障害、要介護状態といった要保障事由の発生に際してなされる給付と捉えられてきました。言わば実体的ニーズの対応のための給付と捉えられてきたわけです。これは、もう御承知の、あの一九四二年、イギリス、ビバレッジ報告以来の世界的な理解でございます。しかし、こうした理解の不十分さが明らかになってきたということでございます。
 一つは、給付に至るまでのプロセスが保障されていないという問題でございます。政策的には、このプロセスをどのように確保するかということが課題になってまいります。そのために、最近では様々な分野で支援計画、介護でいえばケアプランの作成を通じてそのプロセスを保障するということが行われてきてございます。
 もう一つは、給付のみでは経済的貧困にとどまらない社会的孤立の問題に対応し切れないということでございます。最低限の衣食住が確保されればそれでよしというわけではないという認識が広がってきたということです。孤立による排除を克服し、社会とのつながりを確保するための支援をどのように保障するかと。その手続それ自体の保障といいますか、これが重要だという認識が高まってきているわけでございます。寄り添い型支援、伴走型支援という言い方もしますが、ただ、難しいのは、この意味での手続的な給付は定量化や権利保障の内実を明らかにするのに困難を伴う、何をどこまで保障すれば権利が充足されたと言えるのかというのがなかなか難しいという点がございます。これは、我々研究者に課せられた課題でもあるわけですが、少なくとも、一元的には憲法二十五条二項を基礎とする国や自治体の体制整備義務の問題として捉えることが可能であろうと考えてございます。
 続きまして、社会保障というのは、もう少し掘り下げて考えますと、個人が人格的に自律した存在として主体的に自らの生き方を追求していくことを可能にするための条件整備のための仕組みなんだと私は考えております。その規範的根拠としては、憲法十三条、いわゆる幸福追求権がございます。これは、決して二十五条の生存権を否定する趣旨ではございません。依然として重要ですが、この条件整備のための個人の自律の支援というのは、物質的あるいは実体的な給付に限定されるべきものではないということです。個人が主体的に生を構築していくために必要な相談支援も含むということです。その人にしか紡ぐことのできない物語の創造の支援であるということです。
 この個人の自律支援に軸足を置くと、その個人の主体性を基軸にしていることになります。個人は保護されるべき客体ではありません。主体です。認知症であっても、知的発達障害があっても、あくまで個人は主体であります。権利義務の主体であります。そこから支援する側とされる側が特定が、固定化されるような仕組みを回避する必要性があるということになります。つまり、対等な個人を想定する必要があるということでございます。
 そこで、そうなると、双方向的な関係性の下での支援する側、される側を固定しない支え合う関係性が想定されるということでございます。その基盤が地域ということになります。
 この自律支援には、自らの物語を紡ぐための条件整備としての本人支援と、自らの物語を紡ぐための社会的な諸条件、環境の整備としての支援という二つの面があると考えております。この中で、他者や社会の不可欠性ということです。自らの物語を紡ぐに当たって、やはりそこは、独り人間は孤立しているのではなく、基本的には、他者、社会の存在、人と人とのつながりが欠かせないということでございます。
 この社会の存在形態として地域というものがあると。これ、私は、地域は地理的な意味合いではなく、人と人のつながりの束、これを地域と考えてございます。他者との関係において自己の存在を確認し肯定すること、あるいは肯定できることで主体的な生が引き出されると。さらに、主体性を引き出された人が対等な関係性を基盤にして、時として支える側にも立ち得る可能性を想定した仕組みの必要性というものが導き出されるということでございます。
 こうした理論的な基礎付けの上に、地域共生社会の政策的な方向性は正当化され得ると私は考えております。今回改正もそうした社会保障の大きな歴史的展開のその延長線上にある、ある意味では必然的な流れの一端にあるということで私は捉えてございます。
 以上、御清聴ありがとうございました。

#260
○委員長(そのだ修光君) ありがとうございました。
 次に、結城参考人にお願いいたします。結城参考人。

#261
○参考人(結城康博君) 当日資料のレジュメで説明いたします。
 まず、論点、三つ用意しました。十分間しかありませんので、三つに絞らせていただきました。
 今回の法改正で関連するまず一つは、包括的な支援体制ということですが、是非、審議に当たって、現場のことを踏まえながら審議していただくと非常に現場としては有り難いと。
 まず、地域の互助組織をつくるということは非常に大事ですけれども、地域任せにしていきますと非常に現場が困る。特に、ボランティアとか自治会とか、この委託の地域包括支援センターにこれを丸投げしている一部市町村が私は見受けられると思います。やはり、きちっとこのソーシャルワーク機能というものを自治体職員がまず取るということが非常に大事かと思います。
 今後、二〇三五年、団塊の世代の方が八十五歳以上になりますが、私も地域包括支援センターで仕事をしておりましたが、まあ、ちょっと言葉がきついんですけれども、地域で出ていくと必ずしもいいお年寄りばかりではありません。性格の悪い、支えられ下手なお年寄り多いです。こういう方が処遇困難ケースとして、地域のボランティアや自治会、非常に大変です。これは精神疾患や認知症などの人は除きますが、こういう人たちの住民の互助組織では、恐らく住民の人はこういう人たちをできれば避けるということになります。地域というものは、こういう処遇困難に関してはやはりしっかりとした自治体の役割というのが大事かと思います。例はここに書いてあります。
 二つ目ですけれども、今回、介護保険法に絡む問題で、有料老人ホームの問題も指摘されておりますが、無届け有料老人ホームというのはまだあります。やはり、その背景には、経済的な問題や、そこに頼らざるを得ないというお年寄りや御家族がいます。これらの問題も、貧困ビジネスというのもありますから、特養の多床室という在り方もやはり再評価していくべきではないか。今、基本的には、新しくつくる特養は、多床室を減少、はできないユニット型個室になっておりますが、やはり現場で見ると多床室の方が人気がありますし、やはり今回、補足給付の問題も関わってきておりますが、やはりこの辺の経済的な問題も同時に審議いただければと思います。
 次に、やはり、時間もないので、私は、論点三として、人材の問題というものをしっかり議論しないと、この先、介護業界は介護難民が続出してしまいますし、介護保険の基本である利用者が選択するということはこのままで行くと有名無実になるだろうと。
 事前の私の論壇を読んでいただければ分かりますが、これから人口減少社会において、利用者が選ばれるのではなく、一部、利用者がヘルパーなどから選ばれる時代がやってくる可能性が非常にあるだろうと。そういう意味では、しっかり介護人材不足対策を二〇三五年に向けてきっちりやっていかないと、介護保険の理念、利用者が選択できるという理念は有名無実化するんではないかという危機を持っています。
 人材不足の要因は、七つ、私の方で分析させていただきました。これは、詳しく事前に事務局が送っていただいた論壇をお読みいただければと思います。もちろん、賃金の低さ、これも大事です。やはりしっかりとした財源を配分していただくということ、それと②、やはり若干、私が研究している上では、介護現場はブラック企業が幾つか見られます。やはり、賃金だけを上げるということと、やはり労働環境を良くするという、これを二つ並行でやっていかないといけないんではないかと。
 私の結城ゼミは、一学年四年生は十七、八人います。うちの大学は社会福祉士を取って、介護初任者研修を取って、介護職に行くのが毎年七、八人います。私も十四年教員をやっておりますが、毎年七、八人いますが、かなり辞めます。
 私は、四、五年前からいろいろ卒業生のヒアリングを聞いて、次のページの四ページ、安心して卒業生を送り出せる介護事業チェック二十項目というのを、授業でこれを説明します。介護職員に行くのであれば、この二十項目をきっちりチェックして、就職試験で逆に質問してこいと。このうち十個大体当たれば大丈夫だろうということにしています。ですから、賃金の保障と財源の配分と同時に、やはり介護現場の労働環境を良くしていくということ、これ同時にやっていかないと、恐らく少子化社会の労働市場に介護分野は勝てないと思っていますので、ここも大事かなと思っています。
 最後に、介護人材不足のポイントを四つ挙げました。
 やはり、介護報酬の引上げの財源確保、これは言うまでもありません。今回、コロナ問題で、政府による一律五万円の給付、これは非常に高く評価したいと思います。しかも、これ、全額国庫負担であります。しかし、やはり次期改定がこれでプラマイゼロになってしまえば、これは僕は意味がない。やはり、次の改定もしっかりプラス改定して、人材の確保、定着をしっかりしていく。
 それから、健全な介護職場、やはり人事マネジメントをしっかりやっていく職場。実は、給料も大事ですが、介護現場の中間管理職というのが余りいい人が育っていない場合があります。本人はそのつもりではありませんが、パワハラになってしまう。ここ大事なんですが、三十歳代以下と四十代、五十代の価値観は今違います。これは介護だけではありません。できれば、育てるといった場合に、先輩の背中を見ておむつ交換や入浴介助を勉強する、これは今の私の現場にいる学生では通用しません。しっかりとしたマネジメント機能も、これも公共政策として事業所任せでなくやっていくことが大事だと思います。
 三つ目ですが、外国人介護士の協力は歓迎すべきです。私も研究がてら外国人介護士の研究をしておりますが、今回の法案も、一つ、介護福祉士国家試験の経過措置ということが議論になっているかと思いますが、私は原則延長すべきでないという考えです、正直言うと。やはり、質の担保からいって、これは延長すべきではないと考えますが、しかし、昨今の介護福祉士養成校、この実態を見ると、約二、三割、外国人に依存しています。私も社会福祉学科で高校を回りますが、担当の進路指導の先生や保護者は福祉には相当行かないという声があります。ここにもたくさんいらっしゃいますが、実際、めいやおいや孫が介護福祉士になるといった場合、やっぱりいっとき考えるんではないでしょうか。やっぱり、この環境を直さない限り、私は介護人材というのは集まらないと思います。
 五年間ということはやむを得ないんですが、この期間にしっかりとした介護福祉士のなろうという環境をつくるということ。このまま何もしないと、うちの大学も短期大学がありますが、いつも定員割れで、半分も集まるか集まらないかです。このまま何もしなければ、恐らく養成校はなくなってしまうだろうと、かなり激減すると思います。貴重な養成校というのは、やはりなくしてはいけない。ここをしっかりやるために、是非先生方で御議論していただく。なぜこのことを言うかというと、やはりサービスの質を担保するには、しっかりとした介護福祉士がいなければできないということです。ここは人材が大事だと思います。
 そして四つ目、訪問介護、ヘルパー、これが非常に今危機的状況です。施設も大事で、危機的状況ですが、更にヘルパー業界は非常に危機的です。正規職員でない人が七割。もうこの体制は介護保険下ではなかなか一部難しい、地方都市では難しいので、介護保険以前の公務員や社協がやっていた準公務員などのそういう体制を、介護保険ともう一つの枠をつくらない限り、地域包括ケアシステムは恐らく、僕はヘルパーあっての包括ケアシステムだと思っていますので、有名無実化しないように、このヘルパーの制度構築もやっていかないといけないんではないかと思います。
 特にこれからは、二〇三五年、先ほどもボランティアから選ばれる利用者となるということも言いましたが、ヘルパーから選ばれる利用者になってしまうんではないかという危機もありますので、是非ここのところも審議の一つポイントにしていただければと思います。
 以上でございます。

#262
○委員長(そのだ修光君) ありがとうございました。
 次に、花俣参考人にお願いいたします。花俣参考人。

#263
○参考人(花俣ふみ代君) 認知症の人と家族の会の花俣と申します。
 本日、新型コロナウイルス感染拡大という世界的な未曽有の危機にあっても、粛々と丁寧な御議論、審議を重ねてくださっておりますこのような場で、認知症の当事者である本人、家族の立場からの発言の機会をいただき、大変ありがとうございます。
 当会につきましては、事前にお手元にお届けしておりますピンクの冊子の十九、二十ページを御覧いただければ簡単な紹介を掲載しておりますので、後ほど御確認いただければと思います。認知症の人と家族、専門職などが力を合わせ、励まし助け合うことを通して、認知症になったとしても、介護する側になったとしても、人として尊厳が守られ、日々の暮らしが安穏に続けられる社会を目指し、四十年間活動を続けております。
 また、その間に、私たちの会だけでなく、全国各地に高齢福祉、障害福祉、子育て支援、生活困窮者支援など、様々な市民活動が広がってきています。その多くは自主的なボランティアの皆さんに支えられています。
 ところが、今回の新型コロナウイルスの流行で、多くの市民活動団体が、公共施設の閉鎖などで交流のために集うことが困難になり、また、直接顔と顔を合わせて活動できない状態にあり、行政からの委託事業も休止になるなど、財政的な危機に直面しているところでもあります。
 さて、本題ですが、この法案にある地域共生社会とは、地域で共に生きる社会ということなのだろうと思います。その実現に向けた法案、これはとても良い響きです。しかし、なぜ、ゆとりのないこの時期に地域共生社会を審議しなければならないのか、地域共生社会というのは法律で定められなければならないのかという素朴な違和感も実はございます。
 今回の法案では、国及び市町村が分野を超えて重層的支援体制整備事業を実施するとあります。ここで求められる支援体制とは何かということを考えたとき、各分野の相談支援をマンションのように一つの入口にまとめることであろうというふうに思います。しかし、入口は一つでも、その先にはまた制度別にたくさんドアがあるわけで、支援体制というのは、デパートの総合案内のように窓口を一つにして制度別のドアがどこにあるのかを案内してくれるということなのでしょうか、それとも一つの入口にたどり着けば各分野の支援制度をまとめて提供することができるのでしょうか。この辺り、十分理解ができないところです。
 また、市町村は、事業計画を作り、介護保険で運営されている地域包括支援センターのほか、母子健康包括支援センター、障害福祉サービス基幹相談支援センター、生活困窮者の支援関係機関などと緊密な連携を図る努力が求められています。しかし、重層的支援体制整備事業を有効なものにするには、事業計画を作る前に、市町村ごとに高齢福祉、障害福祉、子育て支援、生活困窮者支援の実情がどうなっているのかを把握し、それぞれの相談や支援の機関あるいは組織、NPOとともに、各分野で今抱えている困難は何か、各分野の課題でどれが重層化できるかなど、時間を掛けて議論を積み重ねるのが初めの一歩だというふうに思います。
 認知症の人を始め、暮らしづらさを訴えている人たちの課題は多様です。私たちも電話相談を続けていますが、どのくらい困っている人たちをカバーできているかと問われれば、こぼれている人たちがたくさんいることを承知しています。それでもなお、新たに重層的支援体制整備事業を行うのであれば、厚生労働省のガイドラインに沿って整備をするのではなく、関係者の意見を適切に反映するのでもなく、まずは各分野の関係者が出会い、情報交換できる場をつくり、関係者が主体的に重層的支援にたどり着き、実施できる事業でなければならないと考えます。
 次に、一番大事なことなんですけれども、重層的支援体制整備の費用のことです。
 法案を読むと、重層的支援体制整備事業の費用には介護保険を投入するとしています。これは、介護保険の地域支援事業の財源構成と同じなのでしょうか。重層的支援体制整備事業は、取りあえず市町村の任意事業としてスタートするようですが、介護保険の地域支援事業にはやはり任意事業があり、介護給付費等適正化事業、あるいは家族介護支援事業、それから認知症サポーター養成講座など、保険者である市区町村ごとに様々な取組があります。法案の財源については二百一回国会提出資料九ページの前後を何度読み返してみても、複雑な財源構成をなかなか理解し切れません。高齢者福祉だけでなく、障害福祉、子育て支援、生活困窮者支援を重層化するために、介護保険で、あるいは地域支援事業で実施するということなのでしょうか。
 介護保険を見れば、現在七千六百四十万人もの被保険者が介護保険料を払っています。重層的支援体制整備事業の費用に介護保険料を使うことを七千六百四十万人の加入者はほとんど知らないのではないでしょうか。
 介護保険の財源がたくさんあるので、他の分野の事業とも協力して重層化しようという提案ならば理解はできます。しかし、私たちは、介護保険法の改正、介護報酬の見直しのたびに、後期高齢者が増え、認定者が増え、サービスを利用する人が増え、給付費が膨らんで、このままでは制度が破綻すると言われ続けています。率直に申し上げれば、ずっと驚かされているのです。そして、ホームヘルパーを使い過ぎだ、特別養護老人ホームは要介護三以上だ、要支援一と二は給付から外して事業だという畳みかけるような抑制策に耐えてきているのです。まだ原則一割の自己負担だった利用料も、改正のたびに二割、三割、つまり二倍、三倍になる人たちが増え続けています。
 現在、介護保険のサービスが必要と認定を受けているのに、実際にはサービスを利用していない人が百万人を超えています。利用していない理由は、負担ができない、希望するサービスがないということだというふうに思います。それでも介護が必要な高齢者は増えるし、独り暮らしや高齢世帯も多い、若年人口は減り続けて、家族の介護力は減り続けているのだから、介護保険料が増えるのは仕方ないよ、自分より大変な人にお金を回すために我慢しておこう、このように被保険者の皆さんは受け止めているのです。どこに新たな事業に回す介護保険料があるのか、是非皆さんにお考えいただきたいと思います。
 あるいは、地域包括支援センターの高齢者の総合相談窓口の機能を重層化するとなると、地域包括支援センター相談窓口のほかに、認定の申請窓口、あるいは要支援一と二の人たちのケアマネジメントなど、様々な業務を担当しています。ここに更に重層的な支援を整備する事業が加わって、地域包括支援センターがもつのだろうかということも心配です。
 もう一つ、介護保険料を費用に使うことで心配なのは、要支援一と二の認定を受けている人たちの総合事業サービスへの影響です。
 正直に言えば、要介護認定の人たちが給付から外され事業に回され、今度は地域共生社会という理念を掲げた新たな事業を行うために総合事業サービスの費用までもしかして削られるのじゃないかということも心配しております。
 介護保険では今、限られた財源の中で、中重度に重点化すべき、みとりを強化すべきと、更に利用者や介護者が肩身の狭い思いをさせられる声が強くなっています。そのような状況の中で、介護保険サービスが必要と認定されているのに給付を受けられず総合事業サービス事業に回されている人たちが、更に事業の利用も制限されるのではないかというのが一番心配なのです。サービスの抑制は支援が先細ることであり、本人の心身に悪化をもたらすだけでなく、独り暮らしであれば孤独死の恐怖があり、同居世帯であれば家族の介護費用、あるいは疲労が極限になったときの高齢者虐待や介護殺人があり、いまだにゼロにするには程遠い介護離職などにつながっていきます。
 東日本大震災で緊急避難区域になった市町村では介護保険料が急上昇しました。近年は大型台風など自然災害も増えています。そして、今回の新型コロナウイルスの流行では、介護保険のサービスの利用を自粛している人たちがたくさんいます。利用を中止していることがどのような影響をもたらすのか、私たちが知るのはこれからになります。
 今でもADLや認知機能の急激な低下による介護の負担増、先行きの不安の声が次々と寄せられています。介護保険料はサービスを必要とした認定された人たちの給付に、あるいは事業に使っていただきたいと改めて皆さんに強くお願いしたいと思います。
 また、あと一点、介護保険の見直しでは、補足給付の見直しと高額介護サービス費の見直しが予定されています。補足給付では、低所得の利用者の預貯金の条件を厳しくする予定です。高額介護サービス費では、利用者の世帯負担の上限額を引き上げ、自己負担を増やす予定です。
 本当に低所得者の人たちの基準をこれまで以上に厳しくして大丈夫なのか。高額介護サービス費の条件の対象となる人たちは利用者負担が二割、三割の人がいます。これまでも負担能力についてはきちんと調査していただきたいとお願いしてきましたが、改めて実態を是非把握していただきたいというふうに思います。
 最後に、新型コロナウイルスの流行がいつまで続くのか先行きが見通せないこの時期に、地域共生社会の実現もさることながら、新型コロナウイルスと共生する社会、ウイルスとどう付き合いながら暮らしていくのかを準備することが今まさに求められているのではないかということを申し添え、私からの発言は以上となります。
 ありがとうございます。

#264
○委員長(そのだ修光君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。

#265
○高階恵美子君 自由民主党の高階恵美子です。
 参考人の皆様におかれましては、御多忙の中、大変貴重な御意見を賜りましてありがとうございました。
 自治体の窓口には、もう平素から近隣の住民の方々が様々な相談とか手続にやってきます。今、花俣参考人もお話しになられましたけれども、特にこの春の年度替わりの時期は、ウイルス感染症対策でたくさんの方々が窓口にもおいでになったり、電話の相談などで過密な状態が続いております。また、連休明けになりますと、特別定額給付金のオンライン申請も始まったということで、マイナンバーカードの暗証番号を確認に訪れる方も加わるなど、毎日が修羅場といったような話も伺っています。
 制度設計においては、法体系の整合性ということも大事なんですけれども、住民が困ったときに相談する窓口で長時間待たされること、あるいはたらい回しになるといった、こういった負担を極力減らしていく工夫も重要でありまして、そういう意味では、現場感覚とか現実吟味が欠かせないと考えています。
 初めに、菊池参考人にお尋ねしたいんですが、今回の法改正で、基金における名寄せ、あるいはデータ連結を円滑で精緻なものにするための顔認証機能も念頭にしたシステム等の整備が進められることになっています。確かに単価は上がるんですけれども、利用者の利便性が高まり、ストレスも軽減されるという点では合理的ではないかと思いますが、この点に関して率直に御意見をお伺いしたいと思います。

#266
○参考人(菊池馨実君) ただいまの御質問、健康保険の被保険者証などに関わる問題と認識しておりますが、先生おっしゃるとおり、本人の利便性という観点から推進することは私も適当だと思ってございます。
 さらに、この被保険者証の資格確認という面では、外国人の不正受給問題に端を発する不正利用の問題もあります。また、不正とまでは言えなくても、その資格喪失後の保険診療の際に、その後になって保険者が債権回収することのコストといった現実もあります。ですので、この資格確認が普及するというのは私は望ましいことだと思ってございます。

#267
○高階恵美子君 今後、あらゆる年代の方々がふだんの暮らしに接触による感染リスクを減らす工夫を続けていくことになると思うんですが、既に御高齢の方々はかなり出かける機会あるいは人との触れ合いの機会というのを減らしている状況で、この自粛の期間に大分ADLも下がっていたり、急に歩けなくなったといったようなことも聞いたりして、何か自粛が一応解禁というかそういう状況になったら、自分のADLの落ち具合に気が付いてちょっとがっかりしたといったような声などもお聞きするんですね。複雑で複合的な課題のある事例だけではなくて、今つながっているケースとの関わりを紡ぎ直すという、こういったこともとても重要じゃないかと思います。急がなきゃいけないんじゃないかと思っています。
 その入口として、今回、アウトリーチ型の多様化といったようなことも念頭にしていかなきゃいけないんじゃないかと思います。特に、直接対面ということのみならず、ICT導入を促進してオンライン相談を上手に使っていくとか、そういった工夫も取り入れて、座して待つのではなくて、出かけていってこの関係性をつくり直していく、こういう多様なフィールドワークの手法を展開していくということを急いではどうかと思うんですが、この点に関してはどうでしょうか。続けて菊池参考人にお伺いできればと思います。

#268
○参考人(菊池馨実君) ありがとうございます。
 現場の方と話していると、不要不急なものは控えてくださいというので、相談支援って不要不急じゃないのかという、すごくそこで悩んでおられるという。多分不要不急なんだと思うんですけれども、私は。ただ、ウイルスということで難しい部分があるということです。
 先生の御質問に関して、縦割りを排した相談支援体制をつくりましても、もう当然、窓口だけ、窓口で待っているだけでは支援にならないわけでして、様々な困難を抱えておられる方あるいはその家族はそもそも窓口まで来ませんし、相談するという発想さえお持ちでない方も多いと思います。ですので、そのためにはアウトリーチは不可欠で、それは今回の事業には入ってございます。ただ、現実にどうするかという面では今苦悩しているということかと思います。
 以上です。

#269
○高階恵美子君 手法を限定的にとらわれて考えるのではなくて、やっぱり地域の実情とかケースの多様性に合わせて自ら考えてつくり出していく、これが地域で活動するだいご味だとも思うんですね。そういう点では、今回、地域の創意工夫による地域支援事業というのを活発にするという一つの契機になるんじゃないかなという改正も行われる予定になっています。サービスが自分に合った形で調整されているということが御本人にとっては非常に大事なことでありますので、こういった寄り添い、見直す時間、一見無駄なようですけれども、これが最前線に立つ者の腕の見せどころという点にもなるかと思うんですけれども。
 データ活用が今回推進されるということになりますが、創意工夫を助けて、御本人も介助者も御家族も、みんなにとって厚みと奥行きのあるような、そういった地域支援事業というのが発展していくきっかけになればというふうに思うんですけれども、この点については、運用上のアドバイスとか、続けてで恐縮ですけれども、菊池参考人にお伺いできればと思います。

#270
○参考人(菊池馨実君) 地域支援事業ということでございますけれども、それは相談支援一般に通じると思うのですが、物理的距離を置くことが求められている中で、ICTの活用というのは積極的に推進されるべきだと私も思っております。
 ただ、これも、専門職の御知見によりますと、やはり相談支援というのは五感全てを使って行うものであって、言語、言語レベルのやり取りだけで済むものではないという。やはり三次元の空間を共有しながら相談支援を前に進めることができるという意味では、ICTをフルに活用しながらも、やはり対面型もいかに組み込んでやっていくかということかと思いますし、あとは、高齢者の方などパソコン、スマホなどを十分お使いにならない方のための工夫というのも忘れてはならない。そのためにも、その地域の見守りですとか、そういったものが生きてくるのかなと思っております。

#271
○高階恵美子君 先ほどの結城参考人のお話の中で、介護職の育成の大変さというのも改めて私感じさせていただきました。介護職をいかにエンパワーしていくかということを真剣に考えなければいけないということ、今回の五年経過措置の見直しといったようなこともやらざるを得ないということに直面して、本当に深刻だなということを思っています。
 介護保険が始まって、もう全面開始から二十年ですから、制度は充実してきたというか成熟してきたと思うんですね。それによって、何か介護が身近なものじゃなくなって、誰か遠くでやってくれるものみたいな発想にもしなっているとしたらこれは寂しいことで、もっと介護が身近でもって尊いものだといったようなことを、社会的に正しい理解の下に関心を高めていける、こういうイメージアップという取組も大事なんじゃないかなというふうに思うんですね。
 先ほど、七つのアイデア、そしてまたチェックリストなども御紹介いただきましたけれども、さらにこんなことというのを要望するとしたら、何か思っていらっしゃることあるでしょうか。

#272
○参考人(結城康博君) ありがとうございます。
 やはり、介護というとどうしてもイメージが小学校、中学校で湧かないので、まあ高校も含めてなんですけれども、やっぱりそういう小中高で介護という仕事の福祉教育というものをしっかり道徳の時間でもやっていくということが大事なのかなと思います。
 ただし、それだけだと、繰り返しますけれども、やっぱり賃金の問題とか処遇の問題もありますので、その辺はセットでやっていかないと、若い人たちも介護をある程度魅力あるように思っていかないのかなと思いますので、教育の問題とやっぱり実態の問題、両方必要かなと思います。
 以上です。

#273
○高階恵美子君 やはり人は宝ですので、今回の社福連携の業務の中にも、民間資金の調達あるいは貸付けといったようなこと、人材や物資の活用といった画期的なアイデアが盛り込まれてはいるんですけれども、介護への魅力をもっと知ってもらう、そして介護職に堂々と継続して当たってもらう、こういったような環境づくりにこの新たな連携促進事業も使ってもらえるといいなと思うんですが、先ほど、各地域の運用等についても花俣参考人の方から少し御意見などもいただきました。今の点に関して、何かお考えありますでしょうか。

#274
○参考人(花俣ふみ代君) ありがとうございます。
 介護職のイメージをアップするとかというような、その人材確保のための取組って市町村も都道府県も含めてやっておられると思うんですけど、そもそも、財務省がホームヘルプサービスの生活援助を給付から外すことを長く求めている中に、掃除や洗濯はボランティアにやってもらった方が効率的というような言い方をよくされるんですね。もうこの段階で介護職に対する専門性を非常にないがしろにされているのではないかと。本当にもう少しその介護職の専門性というのをきちっと社会が認めて、もう少し、処遇だけではなくて、職種としてもきちっと認めることはとても大事なことだと思います。
 掃除や洗濯や買物がどうしてプロじゃなきゃできないんだみたいなことを言われる、あるいは、今回、コロナの件に関して、人手が足りないから、ヘルパーさん、資格なくても大丈夫ですよというようなお達しがあったかと思うんですけれども、これ、とんでもない話であって、特に認知症ケアについてはプロの視点というのが欠かせません。ましてや丁寧なケアが必要なわけですから。
 もう少しそういったところを皆さんも承知していただいて、単に生活援助だけが、生活援助のヘルパーさんは担い手を御近所の方に頼んでもいい、住民同士の助け合いのレベルでいいんじゃないかというような安易な流れ方をしないでもらいたいというのがいつも感じていることになります。
 以上です。

#275
○高階恵美子君 ありがとうございます。
 私、保健師なんですけど、保健所に勤務したのがちょうど昭和の終わり頃で、当時は、「「寝たきり老人」のいる国いない国」といったようなことが教科書に使われたりとか、寝たきり訪問看護事業というのが導入されたりとか、そういう時代だったんです。
 今おっしゃられるように、看護婦さんは病院で働く人でしょうと、おうちへ訪問して一体何やるのといった話もありましたし、そのとき既にホームヘルプサービスというのは福祉の部門でサービスとしてあって、本当に大変なきめの細かいサービスをしていらしたんですね。介護保険が始まったとき、もっと時代は変わるんだろうとすごく私は期待したんだけれども、二十年たってみると、もっと何か介護の魅力とかが見えにくくなっているような気がすることがあって、この先に向けたもっともっといい改正ができていくといいなというふうな思いを今日新たにしましたので、また力をお貸しいただければと思います。
 ありがとうございました。

#276
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。今日は、会派を代表して質問させていただきます。
 今日は、参考人の皆さん、貴重な時間、意見をいただきまして、ありがとうございました。
 まず、菊池参考人にお伺いいたします。
 私も、憲法二十五条に加えて憲法十三条によってやっぱりこの社会保障をしっかりしていくことというのは、その理念はやっぱり大事なことだと思っております。
 そういった意味で、先生の資料に基づいて質問したいと思うんですが、最後の四番目の相談支援の重要性とソーシャルディスタンシングというところ、先生の資料にあったんですが、時間の関係でちょっと読み飛ばされていたんですけれども、その辺りについて、最後の四番のところを説明していただけますでしょうか。

#277
○参考人(菊池馨実君) ありがとうございます。
 そんなに大した内容ではない、まだ考え中なんですけれども、相談支援、地域づくりという今回の方向性と今言われているアフターコロナの社会というのは、ある意味で相反する要素を持っているわけですね。せっかくここまで進めてきたものをある意味で分断するような、今コロナがこう直撃していると。その中で、まあ何か言われますけれども、まずはこの物理的距離の確保はしっかり図らなければいけないということなんですが、いわゆるソーシャルディスタンシングというのは、これはその距離の、いかに距離を取るかではなく、まあ社会的距離戦略と書きましたが、人と人の関係性の在り方をどう見直すか、位置付けるか、間合いを取るかと、そういう戦略として捉えていく。そうすると、そんなにマイナスに、とにかく距離を取ればいいんだという話ではないという、そういう意味合いです。
 更に進めると、社会保障の基本的な理念は生存権でもありますが、もう一つ、社会連帯。これはフランスで言われているそうですけれども、そのソーシャルソリダリティーという、この意味で、そのソーシャルディスタンシングからどうやってこの新たな連帯を再構築していくかと、その好機ではないかと前向きに捉えたいなという、そういう趣旨でございました。

#278
○川田龍平君 ありがとうございます。
 本当にアフターコロナ、ウイズコロナということについて、非常にこの時代の大きな転換点、考えさせられることが大変大きいと思います。
 そういう意味で、今引きこもりの、特に不登校の子供たち、今みんなが不登校になって、不登校の、今まで不登校した子供たちがかなり自信を持ったというか、みんな不登校だということで自信を持っている方もいるということを聞いたんですけれども、本当にこの子供たちの引きこもりの問題について、先生はこの間社会保障フォーラムの方で書いてあったんですけれども、今後、引きこもりについてはやはり新たな法律が必要ではないかという、これ特にアプローチとか、アウトリーチをやっぱりしていかなきゃいけないそういった人たちに対する、やっぱりこの法律以上にもっと新しい法律が必要ではないかという御意見もおっしゃられているんですが、それについていかがでしょうか。

#279
○参考人(菊池馨実君) ありがとうございます。
 これは、皆さんからのいろいろなお話を伺っての現時点での感じていることなんですが、重層的な包括支援体制の整備で様々な属性の方の相談を受け、支援をしていく、その中でアウトリーチも大事だということなんですが、多分その中で最も、何というんですか、遠いというか、支援者から遠いのが、やはりもう家庭の中の問題ではないかという。やっぱりそこが、引きこもりの方とかそういった部分まで、まあ私は評価しているんですが、包括的支援体制、その中のアウトリーチで届くんだろうかという部分、少し心配な部分があって、ひょっとすると、やはり引きこもりですとかそういった部分について、更にもう一歩進めた対策、対応が必要になるかもしれないなという印象でございます。

#280
○川田龍平君 ありがとうございます。
 引きこもりについては、引き続きやっぱりもっとしっかりアウトリーチ的な部分をやっていかなければいけないのかなと、家にやっぱり入り込んでいく必要もあるのかなというふうに私も考えております。
 次に、結城参考人にお聞きしたいんですが、結城参考人の資料にもありましたように、一番この大事だなと思っているのは訪問介護の部分で、特にヘルパーの人たちの年齢が今本当にほとんどが六十代になってきて、差しかかってきているということで、資料にも、結城参考人の資料にもありましたように、やっぱりこの今介護をやっているヘルパーの人たちの年齢がもう今本当に七十代近くなってきていて、実際私も見聞きしている中では、もう八十歳の介護に七十歳がやっているというような状況が、それがもう介護ヘルパーの仕事としてやっているということなので、本当にこれは逆転、もう本当にその人たちが、逆転というか介護の必要とする人になったときに、もうあっという間にこれ足りなくなってしまうんではないかと。十年先、二十年先と言っているけれども、実はもっと早い時期に介護人材不足というのは起きるんではないかと思っていて、そうしたときに、やはりこの結城参考人がおっしゃるように、ある意味で介護職というのが公務員であるというふうに、今公務員人気が高い中で、やっぱり介護職を公務員にしていくことというのをある意味もう一度考える必要があるんではないかという意見に大変賛同するものなんですが、それについてもう少し詳しくお話しいただけますでしょうか。

#281
○参考人(結城康博君) ありがとうございます。
 なかなか、介護保険というのは疑似的市場経済で労働分配もやっていますので、やはりこれだとなかなかこの二十年間の歴史の中で難しかったんだろうと。特に訪問介護の場合というのは、その疑似的市場の労働者の市場ではもう無理だったと思います。ですから、まあできるところもあると思うんですよね。でも、そこはできるところはできるところで、市場でできないところはできない。ここはやはりもう一度、ちょっと言葉が悪いんですけど、措置時代とかですね、その辺のときのことも踏まえながら、やはりちゃんと正規職員でやっていくという、そういうことも、非常にこの市場経済と市場でできないもの、その場合は自治体の普通の公共政策としてやるという、この二つの柱が今後必要になってくるんではないかなと思います。

#282
○川田龍平君 ありがとうございます。
 やはり、この介護の職員数の推移などを見ると、本当に明らかに訪問介護の人の人材が減っているというところで、やっぱり訪問介護をいかに維持していくかということは本当にこれから在宅介護を維持していくためにも大変重要なことだと思いますので、是非そういった意味で、この介護予防という点からも、やっぱりこの支援一、支援二や介護一、介護二だった人たちのそういった生活支援という意味がすごく重要になってくるんではないかと思っています。
 花俣参考人にお聞きしたいんですけれども、花俣参考人、この資料をいただいている中に、作業療法士の非常にその介護における役割の重要性というのを語っておられますけれども、その作業療法士について思っていることをお話しいただけるでしょうか。

#283
○参考人(花俣ふみ代君) 実は、作業療法士さんのことを数年前までは私もよく理解できていませんでした。
 病院なんかで見かけると、お豆こうやって拾うのかなぐらいにしか思っていなかったんですけれども、実は若年認知症支援コーディネーターというのが当支部に配置されまして、コーディネーターさんが配置される方と同時に、若年の方の御本人参加型の集いの場にOTさんが来ていただくことになったんですね。その中で、OTさんと御本人さんとの関わりを見ていきますと、まさに作業療法による認知症リハビリの場面を目の当たりにすることが数多くございました。
 作業療法士さんの深掘りあるいはその視点、そういったものを今度介護家族が、本当は要介護者の歴史も性格も何もかも、日々のことも一番よく知っているのは家族なはずなんですけれども、これがやっぱりプロの視点が入ることで劇的に改善されるシーンがありました。これを見て、作業療法士さんと介護家族とが緊密な連携を取ることで、御本人さんにもっとより良い支援、あるいは、今、私本当は認知症リハなんてないと思っていたんですけど、もう完全に目からうろこなので、これぞ認知症リハビリだということを確信しましたので、以来、私、埼玉県支部なんですけど、埼玉県の作業療法士会さんとは今全国規模で家族の会とネットワークができております。お互いに吸収し合うものがあるということで積極的に、まあ当事者発信ができる若年認知症の方との関わりという場面でになるんですけれども、それが多いんですけれども、そういったことでその作業療法士会さんの仕事を改めて見直す機会にもなり、今も更に発展してOT会さんとの連携というのを積極的に取り組んでいるところです。

#284
○川田龍平君 ありがとうございます。
 やはり私も介護の、本当に今、実は家族がそういう状況になってきて、まさにそういったことを経験しているんですけれども、本当にこれから、口から食べるということがやっぱり回復するのにすごく重要ではないかと。特に胃瘻が増えてきている中で、やっぱりこの介護の本当にそういう作業をすることというのは非常に大事なことではないかなと思いますし、それから料理を自分で作るようにすることとかですね、そういうことのやっぱり作業療法の役割ってすごく重要じゃないかなと思っております。
 それで、認知症のことについてお話ししたいと思っているんですが、是非、今回予防が重視され過ぎているのではないかと。その一応文言としては共生と予防という名前になったということですけれども、やはり今、共生ということがなかなか打ち出されなくなってくる危険性というか、本人のことですとか家族のことが薄れてしまうんではないかということを花俣さんおっしゃっているんですが、それについての懸念をお答えいただけますか。

#285
○参考人(花俣ふみ代君) 御本人に物すごく今フォーカスされている時代になっていると、二〇一四年の国際会議以降、それから二〇一七年の国際会議では御本人の登壇は二百人でしたかね、延べ人数、なので、本人発信ということには物すごくフォーカスされているんですけど、一方で、家族の存在がどうも以前とは変わってきてしまっている。
 ところが、多分、実際の支援、実働支援、結城先生もそうだと思うんですけど、実働支援されている方というのは、やはり家族支援イコール本人支援だという認識しっかりお持ちいただいています。なので、家族が本人のできる力を奪ってしまう場面も確かにないとは言いませんが、本人も、診断直後混乱する、あるいは診断後の不安の中でどうしていくか分からないという、そういう状況は、これもう家族も同じだというふうに言えるわけですね。
 本人と家族というのは、やはり私たちは車の両輪だというふうに思っていますので、本人にも家族にも当たり前の人として生きていく尊厳、権利というものをきちっと踏まえた上で、それでいてなおかつ当事者というくくりの中には本人と家族を一体として入れるべきだということは強く思っています。
 でも、認知症大綱の中にも、若年の支援ということは結構項目がたくさん上がっているんですけど、オレンジプランにあった家族支援の部分というのは二本目の柱に内包されていますので、ちょっとここら辺が大変心配しているところです。なので、もっとその活動の中で、当事者というのが本人、家族、一体のものなんだということをこれからもしっかりと訴えていきたいというふうに考えています。

#286
○川田龍平君 本当に身内の近いところで、本当に認知症ではないかということで今ちょっとすごく調べて、いろいろ、アルツハイマー型以外にもいろんな認知症があって、このアルツハイマー型について調べたところ、かなり今予防もできるようになってきているのではないかと、食事ですとか食生活、それから生活習慣、歩くことですとか運動とか、それから電磁波とか、そういったことも言われるようになっていて、まあ電磁波って、なかなか科学的には証明されるのは非常に難しいところですけれども、今本当にズーム会議とか広がっていて、もうずっと片時もパソコンとスマホと、子供たちも今オンライン授業になっていて、もう本当にずっと電磁波漬けというか、そういった状況の中で、本当にこういうのはどうなるんだろうかと思っているんですが、そういったことなんかにも本当にこのアルツハイマーのことからやっぱりいろいろ考えてみたいと思っています。
 結城参考人に最後に聞きたいんですけれども、この資料にもありましたように、最近、昨年十二月末に出た最終報告書の中に現金給付についての議論があったということが大変注目されたということで話されていましたけれども、ドイツではもう既に現金給付があるという中で、もう本当にサービスが提供されない中で現金給付という形が介護にもあるということをおっしゃっているんですけれども、結城参考人に、最後にそこの部分について説明いただければと思います。

#287
○参考人(結城康博君) 今回の法改正で現金給付は入っていませんが、一応議論されたというところはポイントだと思います。
 先ほど申し上げたように、このままでいきますと、ヘルパーを利用者主体で選ぶことができないで、ヘルパーが足りなくなってしまえば、恐らく地方都市とか地方に行くと、介護保険制度はそのままあっても、人がいないから使えないという状況で、じゃ、現金給付という議論に十年後、五年後、なりかねないという非常にそこがあると思います。
 ドイツの場合の現金給付、私もドイツも毎年行くんですが、ドイツの場合はきちっと両方並行でしていますが、もしかしたら、これが十年後、二十年後、人がいないなら、じゃ、現金給付というふうにならないように、ここは非常に僕、注視していきたいなと思っています。
 以上です。

#288
○川田龍平君 ありがとうございます。
 本当にこの法案についてはもっとたくさん議論したいことがあるんですが、なかなか時間がないということで、是非、もっと十分に、このまとめ法案をもっと長い時間ちゃんと議論できるような時間をつくっていただきたいと思いまして、終わります。
 ありがとうございます。

#289
○下野六太君 公明党の下野六太でございます。
 本日は、お忙しい中、三人の参考人の皆様、おいでいただきましてありがとうございます。しっかり学んでいきたいと思います。
 まずは、菊池参考人にお尋ねしたいと思います。断らない相談支援についてお伺いさせていただきます。
 近年、八十代の高齢の親と働いていない独身の五十代の子が同居している世帯、いわゆる八〇五〇問題や引きこもり、生活困窮者等の問題が深刻化する中、政府は相談窓口の設置など様々な支援を実施しております。しかし、最近は、一つの世帯で複数の課題を抱えているようなケース、例えば子供が引きこもりがちで家庭も経済的に困窮しているなど、現在の支援制度の枠組みだけでは十分に対応し切れない事態も生じてきております。
 このため、丸ごと相談のような断らない相談支援が非常に重要だと私も考えますが、先生のお考えをもう一度お聞かせください。

#290
○参考人(菊池馨実君) 私も同じでございまして、やはり高齢は高齢、障害は障害、子供は子供、困窮は困窮という、やはりそういう縦割りでは、やはり往々にして複雑な複数のいろんな困り事を抱えておられるケースが多いわけですから、それをしっかり全体として受け止める。受け止めるというのは、その一人で受け止めるのではなくて、連携のネットワークの中でそれぞれの役割分担を持って受け止めていくということですが、やはりそういった枠組みというのは絶対に必要であると考えてございます。

#291
○下野六太君 ありがとうございます。
 それでは、菊池参考人と結城参考人の二人にお尋ねしたいと思います。重層的支援体制整備事業の周知方法についてお伺いします。
 複雑化、複合化した地域課題に対応するため、今回の法改正では、介護、障害、子供、子育て、生活困窮の事業を一体的に実施する重層的支援体制整備事業が新たに創設されると承知しております。これにより、今まで支援が届かなかった人に対しても支援が届くようになることは一歩前進であると思いますが、本当にこの制度を必要としている人に利用してもらうためには、当事者に制度を知ってもらうことが大前提となると思います。
 特に、今回の場合は、対象となる方が行政の情報にアクセスしづらい情報弱者であることも考えられるために、周知については特段の配慮が必要であると思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

#292
○参考人(菊池馨実君) まさに先生おっしゃるとおり、その周知、どんなにいい仕組みをつくっても、それが届かなければ意味がないわけであります。ただ、難しいのは、先ほども私申し上げましたが、恐らく最も支援を必要としておられるだろう方に最もこの情報が届きにくいということがございます。それは行政も一生懸命に周知努めていただきたいですけれども、やはりその中で、今回、地域づくりということが一つ柱として出ていますが、地域で、地域というのは人と人のつながりの束、その中でそういったニーズを持っていらっしゃる方にそれが届くような、そういう地域をどうつくっていくかという、ここが課題だと思います。
 とはいっても、なかなかそこは難しくて、一つ考えすぐ思い付くのは、やはり町内会とかそういった既存の地域の組織の協力を得ながら進めていくということでありますけれども、御案内のとおり、一生懸命やっておられる方はたくさんおられますけれども、高齢化だったり人材不足であったり、なかなかそういった町内会等が機能しなくなっている面がある。そうすると、それだけではない、今までは私的な例えば趣味の会とかですね、そういったボランタリーな集まりも含めて、そういった皆さんにもその一端を担っていただくという形で、たて糸とよこ糸で様々な形でその地域をつくっていくという、そういう取組が一つ考えられるのかなと思ってございます。

#293
○参考人(結城康博君) ありがとうございます。
 考え方としては非常にいいことだと思うんですけれども、こういう処遇の問題のケースですね、処遇困難ケースとも多分言われると思うんですが、この場合、サービスが必要な人というのは必ずしも同意し得ません。
 だから、この場合、利用者主体といっても一定程度パターナリズム的な発想でいかないと、なかなかサービスが必要だということを本人たちが気付かないので、これアウトリーチというのは非常に難しいんですよね。このアウトリーチとか、本人が気付いていないんだけどサービスを使ってもらえるというような、やっぱりこの社会福祉士にはソーシャルワーク機能というのが、全部の自治体に私はそんなにまだ浸透していないと思いますので、これをもし実現化するにはしっかりとした自治体のソーシャルワーク機能をしっかりしていかないと私はなかなか難しいと思います。
 以上です。

#294
○下野六太君 ありがとうございます。
 それでは、花俣参考人にお尋ねしたいと思います。
 政府は、昨年六月十八日に、団塊の世代が全て七十五歳以上となる二〇二五年までを対象期間とした認知症施策推進大綱を取りまとめました。大綱は、認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の人や家族の視点を重視しながら、共生と予防を車の両輪として施策を推進することを基本的な考え方としています。
 予防とは、認知症にならないという意味ではなく、認知症になるのを遅らせる、認知症になっても進行を緩やかにするという意味であるとされておりますが、この共生と予防について、今後、具体的にどのような施策を推進していくべきなのか、花俣参考人のお考えをお聞かせください。

#295
○参考人(花俣ふみ代君) ありがとうございます。
 元々、共生というのは、以前のオレンジプラン、新オレンジプランのときから出てきた表現だというふうに思っています。
 予防が今回クローズアップされたんですけれども、予防の前提が特にならない予防ではないというふうに明記していただけたところは大変有り難いところだというふうに思います。なってもそれ以上悪くならないようにという辺りがまさにその共生とかぶるところだというふうに思っています。
 共生のためにどんな施策がということなんですけれども、認知症のイメージの中で、認知症の人って、いろんなことができなくなったりいろんなことが分からなくなったというような前提でお考えになるのではなく、まだまだ、認知症と確定診断は受けたけれども、当たり前のことが当たり前にできる力をたくさん残していらっしゃる認知症の方も大勢いらっしゃいます。そういう方たちが地域で当たり前に生きていける、まさに共生だというふうに理解していただけると大変有り難いんですけれども。
 例えば、認知症で多少なりとも仕事に支障があるとすぐ退職されてしまったりする。こういったところについても、やっぱり、できる仕事で就労が継続できるであるとか、それから地域の中での役割があるとか、普通の人として尊厳を持って生きていける、普通の社会で人として当たり前に生きていける、まさにここが共生だというふうに思っていますので、特に重度化した認知症の人をイメージして考えるのではなくて、確定診断を受けたけれども、あるいは確定診断を受ける前のMCIという前段の人も含めて、なっても安心して暮らせる社会、共に生きられる社会ということを目指すために、空白の期間の手当であるとか初期の人の就労支援であるとか、そういった具体的な施策をいろいろ講じていただければというふうに考えております。
 以上です。

#296
○下野六太君 ありがとうございます。
 菊池参考人にお伺いしたいと思います。
 菊池参考人が今日お持ちいただいたこの資料を見せていただきまして、私は、今回、地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正するためのこの法律案に、ここにたどり着くまでの間に様々な議論が交わされてきたんだなということを何かこの資料から感じるものがありまして、二〇一八年度に地域共生社会研究会が行われ、ここでも様々な議論が行われたかと思います。二〇一九年度に地域共生社会の推進検討会でも、これら二〇一八年、二〇一九年、そして今回、二〇二〇年の今回の法律案につながってきたのかなと思うんですが、これらで、社会の問題を、様々な中でどういった議論があって、私たちがここでもっとこういった議論があったというふうなことを知っておいた方がいいような内容がもしあれば、お知らせいただけたらと思います。

#297
○参考人(菊池馨実君) 直接の中身ではないかもしれませんが、私はこの研究会、検討会と参加させていただいて、座長は中央大学宮本太郎先生で、この分野を引っ張っておられる先生ですけれども。そこで、まず研究会でその理念の部分をつくって、それがこの資料の後の方で、注の一というところで、私がちょっと関わらせていただいて私の考えを入れていただいたかなというところを書かせていただいているんですが、その上で、検討会では現場の様々な方が入って、その取組を出し合いながら議論していったと、具体的なその仕組みをつくり上げていったというところなんですけれども。
 皆さん、こういう政府系の検討会、審議会等で、やはりいろんな利害があって、そこでいろんな衝突があってということをよく経験するんですけれども、これらの会議体ではそういうことはほぼなくて、行政の人、それから地方の行政の方も現場の皆さんも我々研究者も同じ方向を見て、この地域共生社会ってどうやってつくっていったらいいんだろうというのを物すごく熱く議論して、ですので、考え方はそれぞれ皆さんありましたけれどもまとめていったというか、扱う対象がやはり非常に深刻なので、こういう言い方は非常に不謹慎かもしれませんが、熱くこれからの日本のこれからの福祉社会を議論してまとめていったという、ある意味でわくわくと言ったらあれなんですけれども、これまでにない分野ですので、医療、介護、年金といったもう既存のでき上がった分野ではない、新しくつくる分野なので、エピソード的ですけれども、そういうことがございましたので、まだまだこれからつくり上げていかなければいけない分野だと思っています。

#298
○下野六太君 ありがとうございます。
 続けてもう一度、菊池参考人にその点でお伺いしたいことは、それぞれの、私の地元の地域なんかも考えてみますと、何の資格も持っていない、ただしかし、社会で一生懸命頑張ってきた、地域を盛り上げていきたい、みんな地域を良くしていきたい、そういった思いの方がやっぱり何人もいらっしゃるんですね。一方で、いろんな資格をたくさん持っておられるいわゆる有識者であったり知識人であったり、肩書がたくさんいる地域もあるかと思います。
 その中にあって、やはり自分に自信がなかなか持てない人がその地域の中でもやっぱり存在感を発揮していきながら地域の中で役に立っていきたいというような思いがある方はたくさんいますけれども、そういった方が生き生きと地域の中で活躍をしていくことが理想だと私は思っているんですが、そのために何か一つ仕組みであるとか何かのきっかけとかがあればいいなと私も考えているんですが、菊池参考人の御意見をちょっとお伺いしたいと思います。

#299
○参考人(菊池馨実君) なかなか具体的な例は挙げられないのですけれども、やはりその仕掛けづくり、地域にいろいろな資源があって、いろいろな地域を先導してきた方がいらっしゃれば割とそういうのはしやすいと思いますが、なかなかそういうのが少ない中では、やはり行政がいろんな仕掛けづくりに取り組んでいただきたい。今、いろんな先進事例というのは公表されていますので。
 ただ、やはり、ここからはその憲法二十五条的な、全国民に最低限の生活保障しますという、それとはちょっとこの相談支援の世界は違う面があって、やはり自治体の力量というか、そういうのがどうしても問われざるを得ない。それを国や都道府県ができるだけのことを支援をしていきますけれども、それをどう考えるかというのが問われると思います。
 済みません、余り答えになっていませんでした。

#300
○下野六太君 ありがとうございました。
 以上で終わらせてもらいます。ありがとうございました。

#301
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 今回の法改正につきまして、地域共生社会という新しい言葉ができて、それに対して重層的な援助が行われるということで、一定の評価はいたしておりますので、私がやっぱり一番のこれからの大変になってくるだろうなと思っているのは、やっぱり介護の問題だというふうに思っておりまして、ちょっと介護の問題について御質問させていただきたいと思います。
 まず、結城参考人にお伺いしたいと思います。
 御存じだと思うんですけれども、二〇〇〇年の介護保険制度が入るまでは、養成校なんかはたくさん来ていたと思うんですね。たくさん恐らく落としたと思うんです、来て。今は定員割れというところが非常に多くなってきていると思いますけれども、何が変わってそうなったのかというふうにお考えでしょうか。

#302
○参考人(結城康博君) ありがとうございます。
 介護保険始まる前のやはり介護職は、社会福祉法人や先ほど言った自治体職員のヘルパーとか、正規社員であれば一定程度雇用が安定していましたし、賃金も良かったと。やはり、私としては、措置時代の方が、もちろん今も社会福祉法人やいいところもありますけれども、やはりそこの方が待遇が良かったのと、あと少子化ですね、これ、少子化によって、資料にもありましたけれども、出生数が非常に少なくなってきたということで、そういうところでやはり専門学校等が非常に苦戦しているというふうに理解しております。

#303
○東徹君 私も、二〇〇〇年頃にちょうど介護保険入ってから、僕は専門学校におったんですけれども、そのときまだたくさん生徒数はありました、いました。賃金も、今の方がひょっとしたらいいんじゃないかなと思うぐらい、今やっぱり上がってきているんじゃないのかなというふうに思ったりもしているんですけれども。
 結城参考人が、今日いただいた人材不足対策、これは本当に大事だというふうに思っていまして、その中でも、社会的イメージ、社会的評価、これをやっぱり上げていくということが非常に大事だというふうに思っています。だからこそ、何か介護職というのは大変で賃金が低いというイメージが物すごく付いてしまったのかなというふうに思ったりもしていますけれども、ただ、まだまだやっぱり介護に夢や希望というものは、まだまだやっぱり難しいんじゃないのかなというふうにも、私自身もこう思ったりもしているわけですが。
 ただ、賃金水準は、例えば加算とかいろいろできて、八万円ぐらいですね、上がったとかいうふうなのありますけれども、この社会的評価を上げていくためにはどうしていったらいいのかというところを是非お聞かせいただきたいなと思います。

#304
○参考人(結城康博君) 最終的には、やはりまだ現実的にはまだまだ難しいですけど、やはり介護職員の、一定程度専門職を持った人は業務独占の資格を作らないと社会的評価は高まらないと思います。まあそこはちょっと分けてもいいんですけど、今の介護福祉士は名称独占ですので、そこはやっぱり評価的に私は医療系職種とかなりの差があると思っております。
 以上です。

#305
○東徹君 私、この間の本会議で、その介護福祉士の業務独占を、今日の委員会でもそのことを大臣にもお話しさせてもらったんですけれども。
 例えば、たんの吸引とか、それからまた、人工肛門の場合のパウチの交換とか、これは、やっぱり介護の養成課程の中でこれをやっぱりやればできるようになると、介護福祉士を持った人は。持っていない人はできないよと、ただ、研修受けてできる人もこれからできてくればいいと思うんですけれども。そういった点とか、介護計画、例えば施設の中での介護計画、これ、今は誰でも立てれますよね。これは、やっぱり介護福祉士の養成課程の中でしっかり学んでもらって、こういった介護計画を立てれる、これも一つの業務独占として私はできるんじゃないのかなと思いますけれども、いかがでしょうか。

#306
○参考人(結城康博君) ありがとうございます。
 別の論文でも書いていますけれども、もし養成校の規定を三年制度にして、准看護師近い医療行為ができるものをかなり一番上位の介護福祉士にするとかしてやはり業務独占にしていかないと、今の高校生たちはなかなかそこが分かりづらいというところです。
 ただ、これは、介護福祉士会も含めて、いろんな団体でいろいろな議論があります。私の意見が必ずしも賛成されているとは思いませんが、私個人の研究者としては、やはり業務独占と名称独占では社会的のイメージがやっぱり違うと私は認識しております。

#307
○東徹君 ありがとうございます。
 菊池参考人の方にお聞きしたいと思うんですが、実際に、これ非常に難しい、これから援助していくというのは。誰がどうやってやっていくのかとか、そのサービスの提供体制なんです。
 それは、市町村の中にそういった職員がいた方がいいのか、例えば社会福祉協議会でやった方がいいのかとか地域包括支援センターでやった方がいいのとか、例えば市町村がそういった社会福祉士さんとかを雇って、雇用してそういった事業をしてもらった方がいいのか。この辺の現場の提供体制についての在り方ということについて何か御見解があればお聞きしたいなと思います。

#308
○参考人(菊池馨実君) 社会福祉法の関連でよろしいですかね。多様であり得ると思います。
 市町村が直営でやれるのであればやればいいし、あるいは社協、それから個別の、例えば就労支援ですとかはNPOで一生懸命やってきたところがあるとか、あるいは家計相談支援であればやはり社協が強いとか、それぞれの強みがそれはあると思いますので、やはりそれも含めて、そういった体制づくりも含めて事業として市町村にそこは任せるということかと思うんですが。
 ただ、その中で、やはり大都市部と町村では随分状況が違うなということは私も思っていまして、私はずっと福島の原発自治体の避難した町村に入らせていただいているんですけれども、人がいない、そもそも。そういった小規模自治体であれば、一つは、地域包括は先行してもうかなりできているところは結構ありますので、現実にもう地域包括がそういう役目もやっていますよといった自治体もあるようですし、あとは、それがうまく回っていかないということがもしあれば、生活保護のように、町村については、福祉事務所を設置する町村はやってもらうし、そうでなければもうちょっと県がもう少し前に出て協力していくという、そういうこともあり得るのかなと思ったりしてございます。

#309
○東徹君 ありがとうございます。
 あと、ちょっと結城参考人の方にお聞きしたいというふうに思っております。
 今日お話聞いていまして、在宅介護のやっぱり最後のとりでというと、やっぱり確かにホームヘルパーさんなのかなというふうに思うわけですね。在宅介護で非常に困難な方をデイサービスにお連れしようと思っても、なかなかこれ難しいですから、やっぱり在宅介護が最終的にはとりでになるのかなというふうに思います。
 だから、そこで、公務員、準公務員のヘルパーの再構築を考える必要があるというふうにこれ書いていただいておって、最初の、性格の悪い、支えられ下手な高齢者、これは市町村の役割、本当そうかなとちょっと思うんですけれども、そこまで言っちゃうとちょっとどうなのかなと思うんですが、そういう考え方ということでお聞きしてよろしいんでしょうかね。

#310
○参考人(結城康博君) はい、大枠ではそういうふうに理解していいです。
 なぜかというと、私は十四年間、まあ先生も教員やっていたのかもしれませんが、ずっと卒業生の段階を見ていまして、在宅介護の就職するんですけれども、やはり利用者とか、非常に一生懸命やってもなかなか利用者のモラルが悪かったりして、それで辞めちゃう場合があります。
 やはり、これからは今の三十五歳以下の人たちがどれだけやりがいを持って受けられるかという意識、これ、五十歳の人と三十五歳以下ではまたちょっと違うんですね、福祉に対する。私らの世代では、少しモラルが悪くてもそれは専門職として受け入れてやっていかなければいけないという世代で、私は福祉学部で学びました。しかし、今の三十歳代以下の人は、一部は本当に一生懸命やる子もいますけど、それならば違う仕事に行こうじゃないかというふうに、ほかの仕事もいっぱいあるんですね。
 ですから、うちも福祉学科ですけど、福祉に行く人間がやっぱり三割ぐらいいませんので、やっぱりそこは、本当申し訳ないですけど、少子化時代になったときに、その世代の価値観に基づいて制度をつくっていかないと、私は人材の対策というのは難しいんじゃないかなと認識しております。

#311
○東徹君 ありがとうございます。
 あと、花俣参考人の方にちょっとお伺いしたいと思います。
 認知症という、認知症ケアという、非常に今すごく言われております。これは大事なことでいいと私も思っておるんですが、ただ、認知症ケアの仕方というのを、今も昔も余り変わらないような気がしておりまして、認知症の方というのは、やっぱり一番最後まで落ちないのはプライドなんですよね。だから、やっぱりそのプライドを尊重した介護であったりとかいうのがすごく大事だというふうに思うんですが、何か新しいケアの仕方とか、もし何か取っておきのものがあるんだったら教えていただけたらなと思うんですけれども。

#312
○参考人(花俣ふみ代君) 誰でも知りたいと思うんですけれども、ないんです。
 というのは、本当に介護って百人百様なんですね。何で百人百様と言うかというと、皆さん、来し方の歴史、それぞれ様々ですよね。それから性格も違うし、それから置かれている環境も違うし、うんとお金持ちの方もいればそうでない方もいらっしゃる。同じように認知症を発症されたときに、周りの環境も大きく違ってくる。
 だから、この症状にこういった対応をされればいいですよという最大公約数的なノウハウはゼロではありません。ただし、細かいところまで踏み込んでいくと、なかなかそれはもう本当に個別性が非常に高いものですから、これぞ・イズ・ベストというのはなくて、ただ、今おっしゃったように、世代間ギャップ、世代が変わってきている。つまり、プロとして介護に関わる方の世代や価値観も変わってきている。今度は、一方で、介護される方の世代もこれから変わってくるというふうに思うんですね。だから、今、今要介護になっておられるそれこそ厳しい時代を生きてこられた高齢の方と、そうでない高齢の方とでは、またちょっと違った対応が必要になってくるだろうなというふうには実は感じています。
 じゃ、それが何なのかという。今、その新しいというと、スーパーマリオみたいな方が来られて、ユマニチュードとか、何か全部ああいうのって今まであった過去の集大成かなというふうにも思うんですけれども、あくまでも基本は、認知症の人がいるのではなくて、Aさんという人、Bさんという人の認知機能に何かしら障害が起きている、つまり障害を持っている一人の人だという捉え方をすることが大前提だというふうに捉えてください。ノウハウとかハウツーではなく、人として捉える、人として向き合うところがまず基本だということがややもすると忘れられているというふうに私は感じています。一人の人として真摯に向き合うだけでもその方とのコミュニケーションって実は取れるんですね、言葉以外の、言葉以外を含めて。
 なので、そこの段階で、何かしらレッテルを貼って特別な人のように思って向き合った時点で、本当、恐らくいろんなところでうまくいかない不都合さってたくさん出てくると思います。あくまでも人としての尊厳をきちっと守ってお互い一人の人間として向き合うということを、これは今も昔もきっと変わらないことだというふうに私は信じております。
 なので、残念ながら、特効薬、ベストな方法はございませんので、あいにくですが、申し訳ありません。

#313
○東徹君 ありがとうございます。
 あとちょっと一つだけ認知症のことで、認知症のサポーターとかチームオレンジとかありますよね。あれってどれぐらい役に立っていると思っておられるのか、最後にお聞きして終わりたいと思います。

#314
○参考人(花俣ふみ代君) ある意味、すごく役に立っているんですね。なぜかというと、認知症の人って分からない人、困った人と思っていた人が、サポーター養成講座にも、今、私、本人連れていっています。なので、そういう方と直接出会ってもらうことで、えっ、全然自分たちと変わらないというふうな印象、つまり目からうろこ、印象をがらっと変えていただく、もうこのことだけでも随分違いますし、実は十年に一度の調査を先般、家族の会では行いました。
 ここで、当初の質問のところに、認知症の人と出会ったことがありますか、あるいは関わったことがありますかという設問、これが、あるとお答えになった方とないとお答えになった方のその後の回答がもう全く違うんです。だから、直接認知症の当事者と、サポーター養成講座あるいは地域のカフェ、いろんなところで出会われた方、そういう方たちにとっては、今まで思っていた偏見や誤解のまず第一ハードルががさっと下がっていることは事実です。
 だから、これはもう、これ・イズ・認知症ケアが解決できるとか、認知症のケアのノウハウを身に付けてもらうというほどな過剰な期待をされては困りますけれども、何か特別な人で困った人だと思っていた部分だけは少し転換ができるという、大変大事な一歩の効果というのはあるというふうに思っています。もっと皆さんしっかりと、何回でも結構ですので、受講していただければというふうに思っています。
 以上です。

#315
○東徹君 どうもありがとうございました。大変参考になりました。

#316
○倉林明子君 日本共産党の倉林でございます。
 今日は本当にこんな時間までお付き合いいただきまして、私、最後のバッターでございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。
 最初に、花俣参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、今本当にコロナの影響で大変な状況が広がっているというふうに思っております。先ほど御紹介少しありましたけれども、認知症の方、家族の方、当事者の方にお声を集めていらっしゃるということでもありますので、是非、生の、影響というのはこれから更に広がるかとも思っているんですが、生の声で是非知っておいてほしいという辺りを御紹介いただけたらなと思うんですけれども、お願いします。

#317
○参考人(花俣ふみ代君) ありがとうございます。
 非常に多岐にわたって実は寄せられています。一応一覧でまとめたものもお持ちしているんですけど、これをランダムに読むよりも、特徴的なものを御紹介できればいいかなというふうに思っています。
 まず、これ、もう読ませていただきます。認知症の人を尊厳を守るためには優しい介護が不可欠です。家庭で介護する人々にとって、心と体の休息ができるデイサービスやショートステイ、訪問看護はそのために不可欠なものです。コロナ感染の影響で介護崩壊が始まっていますが、これらのサービスがなくなることは、家族の会が目指してきた理想や認知症の人の穏やかな最後の日々を奪い、本人及び介護家族は、ひょっとしたら死をも覚悟しなければならないような状況に追い込む危険性をはらんでいます。是非、介護崩壊を起こさないために、対応策を国にも申し入れてほしい。
 あるいは、コロナのニュースで最後の救命法のECMOや人工呼吸器におけるトリアージのことが出ていますが、認知症を含む障害者の扱いがとても気になります。
 また、感染した認知症の人の扱いが難しい。マスクを外すとか徘回するとか、手を洗ってもらえないというレポートもありました。こういったことがどのように広がって蔓延しているのかということについても把握してもらいたいという方ですね。
 やはり、これまで特養に入所していて毎日のように通っていらした方が、もう三か月近く面会に行けていない。御飯ちゃんと食べているのかな、口腔ケア大丈夫かな、多分こういうところは家族さんが毎日出かけてフォローされていたんだと思います。
 先ほどから出ている介護の人材不足のところもそうです。施設の中ではやはり手が足りない。ましてコロナ禍の中で、場合によっては、学校が休みになったから仕事に出れませんという介護職の方もおられたでしょう。ますます厳しい人員配置の中で特別な対応をするというのは、もう施設のケアワーカーさんにとっては過酷な現状があったと思います。
 その中で、こういった家族の支援、目に見えない支援も出入り禁止で受けられていない。あるいは、地域の方がボランティアで簡単な洗濯物を畳むとかって、そういったボランティアもたくさん入っている施設さん大勢あった、たくさんあったと思うんですけど、そういうところも出入り禁止になってしまっている。中も結構シビア、それでいて家族も行かれない、心配というのはもう圧倒的に多い声としてあります。
 あるいは、急激にBPSDというか、困った症状、ばっと引き込まれたために、施設のスタッフだけでは対応し切れないので、どうしても精神科の薬をもらってきてくれと。これもまた家族にとっては倍心配なところなんですね。そんなような声等々がたくさん寄せられているところです。
 長くなるのでこの程度で、申し訳ございません。以上です。

#318
○倉林明子君 リアルに伝わる中身教えていただいて、ありがとうございます。
 経営的な側面から、介護事業所の経営的な側面からいうと、お話もあったとおりで、通所系だったり訪問系だったりというところが本当に大きな減収ということで、介護崩壊ということが経営的な側面からも広がるというような状況を大変懸念しているんですね。
 そこで、結城参考人にお伺いしたいと思うんですが、公的ヘルパーの導入については、本当にそういうこと考えないといけないなと、なり手も含めてなんですけれども、サービス提供者がいなくなっちゃうということで、一つの提案として受け止めさせていただきました。
 今、コロナで、二次補正で評価できるところも書いていただいたんですけれど、最も大事だと思っているのは、こういうほっといたら潰れてしまうような訪問系や通所系のところをやっぱり損失補填するというような支援をきっちりする必要があるんじゃないかと思うんですけれども、そこら辺、どんなふうにお考えでしょうか。

#319
○参考人(結城康博君) ありがとうございます。
 先生のおっしゃるとおり、ある程度損失補填は予算的に必要だと私も思っています。特に、やはり一番は、ヘルパー事業所のところは非常に危機的だと思いますので、そこは重点的に必要かなと思います。
 以上でございます。

#320
○倉林明子君 ありがとうございます。
 花俣参考人にも同じようなことなんですけれども、やっぱり介護サービスが現状では受けられないというか、利用の抑制もあって、その影響もすごく懸念されると。施設のところでの、家族が面会できないから影響出るというところ辺をリアルに語ってもらったんですけれども、今、その受けられていたサービスが在宅でも受けられないということがどんな影響が懸念されるでしょうか。

#321
○参考人(花俣ふみ代君) ありがとうございます。
 受けられない、例えば営業所が休止、事業所が休止になって受けられない方ももちろんいらっしゃいます。だけど、コロナ感染でもし何かあったら困るというので利用を自粛されている、御家族さんの意思でというところも結構あるんです。
 それから、三密を避けるために事業所さんが一日の定員を減らしていらっしゃるところもある。つまり、一日の定員を減らすということは、マルメ勘定のサービスでない限りは減収になっていますよね。それがずっと続いていったら結構厳しいかな、ましてや小さい事業所さんは大ダメージかな。それと加えて、感染症対策もしなくちゃいけないわけですから、それの経費も相当かさんでいるだろうというふうに思います。
 それから、利用できないサイドにとってはもうまさに、特に認知症ケアについては、人とソーシャルディスタンスなんて、距離を保てというのは、これはもう大ダメージですよね。そばに寄って、正面から向き合って、目と目を合わせてと言っているのに、それ全部アウトなわけですから。それから、ふだん家族さんが施設に行って、外のお散歩を連れ出してとか、手が回らないところを補助、フォローしてみたいなことをやっていたのも全部アウト。それから、ただでさえも外に出るのがおっくうになる、通所に行くことで何とかそのADLを維持されていた方も、利用回数を減らす、あるいはだんだん意欲がなくなってしまうということもありますので、こういう意味でもかなりシビア。
 それから、さっき老老、ヘルパーさんが高齢化しているというお話も出ました。ヘルパーさん高齢化している。つまり、高齢者はコロナ感染するとすごく重篤化するリスクが高いと言われている。今度はヘルパーさんの家族さんが、もうそろそろいいんじゃないの、もうそろそろ辞めればと言って、人がいないにもかかわらず、そういうベテランのヘルパーさんが今回お辞めになったり、休業されている方も実はいらっしゃるんです。
 おうちに来てもらわないと何が困るって、デイに行ったり、ヘルパーさんのおかげで御家族さんは仕事に出れていたんです。これも駄目になっちゃうんですね。子供さんが学校行かれなくておうちにいなくちゃいけないレベルじゃないんですね。ふだん専門的なところで専門的なスキルを持って見てもらっていた方が、今度家族だけが向き合うと。もう摩擦の起き方というのは半端じゃないですから、これで状態も悪くなる。
 もう実際、身体面も、それからもう物の面でも、まさに事業者にとっても利用者にとっても、もうこのままだと崩壊するのは時間の問題かなという危機感は確かに持っております。
 以上です。

#322
○倉林明子君 余り時間がなくなってきたので、最後、お三方に是非伺いたいと思いますのは、医療も介護もそうなんですけれども、今度のコロナを経験して、給付と負担のバランスだと、持続可能な社会保障が必要だということでずっと行われて、政府によって行われてきたのが、給付を抑制し、そして負担は増やすという、介護保険は二十年その連続だったと思うんですけれど、コロナを経験し、この脆弱な社会保障体制でいいのかという辺りが大きく問われるんじゃないかという思いを強く持っております。
 是非、それぞれの方、余り時間なくて申し訳ないんですけれども、コロナの後、日本の社会保障というののありようをどんなふうに考えていこうと思っているか、いくべきだと、御教示をいただければと思います。よろしくお願いします。

#323
○参考人(菊池馨実君) ありがとうございます。
 いろいろありますけれども、私は、今回のコロナ禍の中で大きく浮き彫りになったのは、支援者支援の必要性という視点だと思います。ともすると、そのサービスの受け手に焦点を当て、そのための質の良いサービスを提供するために何が必要かという観点からの供給体制の整備という面がやはり強かったのではないかということを改めて思い知ったというか、支援者をどう支えていくかという視点ですね、それは、家族も含まれるかと思いますが、相談支援の支援者、あるいはその様々な事業者ですよね、それをしっかり、労働条件も含めていかに支えていくかということをこれから真剣に考えていかなければいけない。
 特に、医療・保健分野で言えば、やはり公衆衛生的な観点が疾病構造の変化の中でちょっと抜け落ちていたというか、それは日本の社会保障の進歩でもあったんだけれども、もう一度、戦後の感染症対策、伝染病予防というところに立ち上った対策がもう一度求められているということを感じる次第であります。
 ただ、一つ期待したいのは、私のテーマでいうと、地域の中に、今まで地域と職域というのは分かれていたんですけど、これを契機に地域の中に職場というのが入ってきて、若い現役世代も含めた地域というのがもう一度つくり直される可能性があるかなという、そこは期待しているところであります。
 以上です。

#324
○参考人(結城康博君) ありがとうございます。
 一点だけ。疑似的市場で介護保険や契約主義である程度福祉って成り立っているんですけれども、今回のような問題を機に、市場もメリットは非常にありますが、やはり公共性というか公共財というんですかね、そういうところをしっかり見直して、やはり市場と公共性のバランスを今後考えるいい機会だったと思います。
 以上です。

#325
○参考人(花俣ふみ代君) やはり、介護保険の改正に伴って、いつもいつも軽度の方の支援というのは軽んじられてきたというふうに思っているんですけど、まさに今回のコロナで、いかに在宅を支える基本的な通所介護であるとか、それからホームヘルパー、訪問介護のサービスの重要性というのはもうはっきりしてきたというふうに思っています。この二つはターゲットにされてきたんですけれども、ここの充実をこそ、本当の意味での介護予防であったり共生社会の実現につながる、重度化防止につながるというふうに考えています。
 全ての議論の前提になっていた持続可能な制度という数字のデータもちょっと根底から覆っているような気もいたしますので、この辺りについてもう一度根本から考えていただければというふうに考えております。
 以上です。

#326
○倉林明子君 御三方、本当にありがとうございました。参考に質疑に臨みたいと思います。
 終わります。

#327
○委員長(そのだ修光君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
 参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト