くにさくロゴ
2020/06/02 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 財政金融委員会 第14号 令和2年6月2日
姉妹サイト
 
2020/06/02 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 財政金融委員会 第14号 令和2年6月2日

#1
令和二年六月二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     白  眞勲君     勝部 賢志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中西 祐介君
    理 事
                有村 治子君
                中西 健治君
                藤末 健三君
                那谷屋正義君
                熊野 正士君
    委 員
                大家 敏志君
                櫻井  充君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                林  芳正君
                藤川 政人君
                宮沢 洋一君
                宮島 喜文君
                大塚 耕平君
                勝部 賢志君
                熊谷 裕人君
                古賀 之士君
                杉  久武君
                音喜多 駿君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                浜田  聡君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       外務副大臣    鈴木 馨祐君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        前山 秀夫君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       藤井 敏彦君
       内閣官房内閣審
       議官       奈尾 基弘君
       内閣府大臣官房
       審議官      茨木 秀行君
       金融庁総合政策
       局長       森田 宗男君
       金融庁企画市場
       局長       中島 淳一君
       金融庁監督局長  栗田 照久君
       財務省大臣官房
       総括審議官    神田 眞人君
       財務省国際局長  岡村 健司君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局科学技術・学
       術総括官     合田 哲雄君
       中小企業庁経営
       支援部長     渡邉 政嘉君
       国土交通省大臣
       官房審議官    金井 昭彦君
       国土交通省鉄道
       局次長      寺田 吉道君
       国土交通省航空
       局航空ネットワ
       ーク部長     平岡 成哲君
   参考人
       日本銀行理事   内田 眞一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (金融機能の再生のための緊急措置に関する法
 律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の
 ために講じた措置の内容等に関する報告に関す
 る件)
 (国家の経済安全保障の重要性に関する件)
 (令和二年度第二次補正予算における予備費に
 関する件)
 (民間金融機関による資金繰り支援に関する件
 )
 (暗号資産取引に対する規制に関する件)
 (新型コロナウイルス感染症収束後の国債償還
 及び課税の在り方に関する件)
 (経済対策としての債務免除の必要性に関する
 件)
○金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を
 図るための金融商品の販売等に関する法律等の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
    ─────────────

#2
○委員長(中西祐介君) ただいまから財政金融委員会を開会をいたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、白眞勲君が委員を辞任され、その補欠として勝部賢志君が選任をされました。
    ─────────────

#3
○委員長(中西祐介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官藤井敏彦君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(中西祐介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(中西祐介君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行理事内田眞一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(中西祐介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(中西祐介君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。
 まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。麻生内閣府特命担当大臣。

#8
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十九年十二月八日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出をいたしております。
 報告対象期間は、平成二十九年四月一日以降九月三十日までとなっております。
 御審議に先立ちまして、その概要を御説明させていただきたいと存じます。
 まず、今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。
 なお、平成二十四年九月十日に解散をした日本振興銀行の清算法人である日本振興清算は、平成二十九年五月二日に清算手続を結了いたしております。
 次に、預金保険機構による資金援助のうち、救済金融機関等に対する金融の贈与は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十九兆三百十九億円となっております。
 また、預金保険機構による破綻の金融機関等からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。
 なお、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、平成二十九年九月三十日現在、各勘定合計で二兆八百七十七億円となっております。
 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じるとともに、努めてきたところであります。
 金融庁といたしましては、今後とも、各金融機関の健全性に配慮しつつ、金融システムの安定確保に向けて、万全を期してまいる所存であります。
 御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。

#9
○委員長(中西祐介君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#10
○有村治子君 自由民主党の有村治子でございます。
 本日私がいただいている時間は二十四分で、七問近い質問を考えておりますので、御準備いただきました答弁者の方は是非とも要点のみを簡潔にお答えいただきまして、質疑の往来スムーズになるようにお力を貸していただきたいと思います。御準備に感謝を申し上げて、御協力を仰ぎます。
 早速本題に入ります。
 今まさに世界を震撼させている新型コロナウイルス禍は、社会が抱える諸問題をあぶり出し、構造的な変化を加速させます。その主たる課題の一つが、発生源、感染症の発生源である中国がどのような言動をするのか、また、日本や世界が大国中国とどのように向き合うべきなのかという構造的問題であります。
 新型コロナウイルスの感染源の真実を究明するために、オーストラリアが独立した専門家による中国での調査を求めました。時を同じくして、中国はオーストラリア産の食肉大手に対して禁輸措置をとりました。かつて、ノルウェーのノーベル委員会が中国の人権活動家劉暁波氏にノーベル平和賞を授与しました。その後、中国はノルウェー産のサーモンの輸入を止めました。南シナ海をめぐる権益を懸けて中国とフィリピンの対立が深まった際には、中国がフィリピン製のバナナの輸入を禁じました。カナダ当局が中国通信機器大手ファーウェイの副会長を逮捕したとき、このファーウェイは御案内のとおり次世代通信規格5Gのメーンプレーヤーであります、中国はこのときカナダ産の菜種と食肉の輸入を相次いで止めました。また、今朝の新聞によれば、香港問題で中国はアメリカからの豚肉と大豆の輸入を止めることを検討しているというふうに報じられています。
 世界最大の人口規模を持つ中国を向こうに回すと、核や生物兵器あるいは化学兵器ではなく、食料までもが武器となり、国家として大変な交渉力を持つようであります。
 先日、三月二十六日の本財金委員会で麻生大臣は、WHOについて、ワールド・ヘルス・オーガニゼーション改めチャイニーズ・ヘルス・オーガニゼーション、CHOと呼んだ方がいいのではという中国寄りのWHOを非難する国際世論の高まりを紹介されました。ちなみに、この動画はユーチューブなどで五十万再生回数を超える、そういう話題になっております。
 このときの大臣の御答弁に触発されて、国際機関のトップ人事を調べてみました。配付資料の一を御覧ください。WHOを舞台に露呈した中国の影響力行使は、実は氷山の一角にすぎないことが見えてまいります。
 表一が示すとおり、国連には十五の専門機関があります。残念ながら、日本人がトップを務める組織は二〇一五年以降皆無、ゼロの状態が続いています。そして、アメリカを始め各国が十五ある組織の一つの組織のトップを務めている中で、中国だけが複数、四つもの組織トップを占めておられます。選挙で選ばれる国連専門機関のトップは、特定の国の政治的意図から距離を置いて中立的な公正が求められる一方で、当然ながら、世界組織のトップですから、世界のルールを決めていく組織運営に関し大きな権限と発言力を持ちます、決定権を持ちます。その前には世界中のその専門分野の最先端の的確な情報が必ずトップに上がっていきます。
 資料二を御覧ください。中国がトップを占めるITU、資料二の三段目でございます、ITU、国際電気通信連合では、サイバーセキュリティーに関する技術アドバイス、また無線の周波数、衛星軌道の管理を担当されています。サイバー攻撃を日常的に仕掛けてくる国として世界中の人々が記憶しているのはどちらの国だったでしょうか。また、資料が示すように、先進国がこぞって競う次世代通信規格5Gのルール作りをしているのがこのITUでございます。この5Gのメーンプレーヤーは中国のファーウェイであります。5GとITUの関係については、資料三に総務省資料として添付をしております。
 実は、これらの国際組織に加えて中国がトップになることが予想されていた国際組織がありました。資料二の一番下の段です。WIPO、世界知的所有権機関です。この三月に選挙があったとき、大方の予想に反して、選挙ではシンガポールの候補が中国の候補に勝利して、今年十月から就任される予定であります。この選挙結果には、日本のみならず、知的財産をつくり出してきた多くの国々が安堵をされたのではないでしょうか。
 麻生大臣が指摘されたように、中国、香港のマーガレット・チャン氏がWHOの事務局長に初めて就任してからのこの十数年の間で、国際機関における権益拡大の味をしめた中国が国際機関のトップの人事を急速な勢いで牛耳ってきました。しかし、国連専門機関のおよそ三分の一の組織のトップを一国が、しかも民主国家ではなく共産党一党支配の国が占めることが世界にとって果たして健全なことなのでしょうか。これ以上国連組織が赤く染まることには当然警戒感が出てまいります。
 そして、この週末、アメリカがWHOからの撤退を表明しました。まさに、米国不在の間隙を縫って中国が更なる国連への侵食を図る、そういう不安定な構図がまたできつつあります。
 そこで、外務省にお伺いします。
 この現実を日本政府はどのように認識されますか、今後、日本はどのようなスタンスで国連及び国際社会と向き合われるのでしょうか、鈴木副大臣にお伺いします。

#11
○副大臣(鈴木馨祐君) 有村先生の御指摘のように、広い意味でのセキュリティー、特に経済安保においては、国際機関、これ非常に大きなファクターだろうと思います。この国際機関、本来であれば専門的そして中立的な役割を求められているわけで、当然それは政治的な役割ということではないんだろうと思います。そういった意味で、どうその透明性や公平性というものをきちんと確保していくのか、これ極めて大事であります。
 そうした観点から、我が国としては、一つには、それぞれの機関の運営にしっかりと関与をして、こうした公正性というものをしっかりと担保をしていく、そういった努力をまずするということ、そしてもう一つは、先ほど、事務局長ということ、言及もありましたけれども、事務局長のポストというものに向けて、例えば昨日、ODA特委でも言及いただきましたけれども、例えば今年、UPUの事務局長選挙もございます。日本人である目時政彦候補を今擁立を我々はしておりますので、そうしたポストをきちんと確保する、その両面で我々としては取組を進めていきたいと考えております。

#12
○有村治子君 鈴木副大臣、ありがとうございます。
 まさに一五年以降、二〇一五年以降、日本のトップはありません。来るUPUの選挙に向けて、しっかりと民主主義、透明性を求めるリーグを固めていただきたいと思います。
 従来、安全保障分野というのは、陸海空に代表される伝統的な防衛力を前提としてきました。しかし、今後の国家間の交渉は、むしろこのようなクラシカルな分野だけではなくて、国民生活に直結する経済や技術、公衆衛生などの身近な分野が主戦場になってくるのではと私には思えます。コロナ禍が加速させたアメリカと中国の緊張も、物理的な軍事的緊張というよりは、まさにこの経済安全保障の分野で心理戦、情報戦が熾烈に展開されているという印象を受けます。
 この四月に国家安全保障局に経済班が新たに設置されました。国民の生命と財産、国家の独立主権を守るという国の命題を考えるとき、この経済班の発足は非常にタイムリーで重要な組織編成だと私は認識をしております。
 そこで、経済班にお伺いをしていきます。これからの質問は公開情報の範囲でお答えいただいて結構です。
 今年一月、米国ハーバード大学化学生物学科長のチャールズ・リーバー教授が起訴されました。自然科学分野でのノーベル賞候補とみなされるような第一級のアメリカの学者や研究者たちが米国政府によって摘発をされ、起訴され、逮捕されています。一体何が起こっているのでしょうか。

#13
○政府参考人(藤井敏彦君) お答え申し上げます。
 米国司法省のプレスリリースによりますと、ハーバード大学のチャールズ・リーバー教授は、米国の国防総省及び国立衛生研究所から資金支援を受けており、外国の政府や団体からの資金支援を含む外国利益相反について報告することが求められておりました。にもかかわらず、中国の千人計画に参加し、資金支援等を受けていたことを隠し続けたために、虚偽申告で逮捕されたと承知をいたしております。

#14
○有村治子君 今、藤井審議官が御答弁いただきました千人計画、中国がやっている高度の人材招致計画とはどのようなものでしょうか。この計画によって中国にどのような分野の研究者が招聘をされているのでしょうか。

#15
○政府参考人(藤井敏彦君) お答え申し上げます。
 中国政府のホームページによりますと、千人計画とは、中国共産党中央委員会が二〇〇八年十二月に決定をした海外の人材を招致するためのプログラムであり、その対象者は、海外で博士号を取得しているなどハイレベルなイノベーション企業人材であると、かように承知をしております。

#16
○有村治子君 共産党、中国共産党直結の組織を十年以上重ねてこられて、世界のトップレベルの自然科学を始めとする研究者を招聘をしています。中国がノーベル賞受賞者を含む世界トップレベルの頭脳を国内に招くために二〇〇八年に始めた政策、米国のみならず日本もターゲットにしており、また日本人のこの千人計画への参加も報道でなされています。
 この千人計画の実態を明らかにするために、アメリカ議会が詳細な報告書をまとめています。例えば、米国エネルギー省、これは原子力政策や核安全保障を所管するエネルギーの所管でございますが、この米国エネルギー省は関係者に中国の千人計画への参加を明確に禁じています。
 なぜ、アメリカ議会や行政府、FBIという情報機関、連邦捜査局までもがこれほどまでに中国の千人計画を警戒しているのでしょうか。

#17
○政府参考人(藤井敏彦君) お答え申し上げます。
 米国上院議会報告書によりますと、千人計画の参加者は意図的に同計画への参加を隠してきているほか、同計画への参加者が研究情報にアクセスし、重要情報を流出させていた事例があった旨報告されていると承知をいたしております。

#18
○有村治子君 私の質問も全て公開情報で行っておりますけれども、中国共産党によるこの千人計画は、これに参加していることを口外してはならないというのが参加受託の条件になっています。そして、米国や日本などの研究環境をそのまま中国で具現化するということも約束になっています。
 報道によれば、生活費と研究費を支給する。例えば、全国紙の報道でございますが、世界のトップレベルの研究者には、月五万ドル、一月約五百四十万円の月給プラス年間生活費千五百万円。毎月毎月五百四十万プラス生活費年間千五百万。そして、妻子の面倒も見ます、全て非課税です、妻子の仕事も面倒を見ます、子女の教育もやります、そして生涯にわたるビザを発給しますという破格、桁違いな待遇で研究者を、世界トップクラスの研究者を集めています。
 桁違いの報酬や待遇をしてまでも中国共産党が執念深く十年以上研究者を集める意図は何なのか、どこにうまみがあるのか考えねばなりません。そこで、中国共産党が、民間のユースだけではなくて、軍事転用、デュアルユースを前提としていることも私たちは忘れてはならないということだと理解をいたしております。
 そこで、日本の状況を聞きます。
 文部科学省は、中国政府の国家目標と直結するこの最先端機微技術の研究開発、集積の動きを安全保障の観点からどのように認識されているのでしょうか。具体的にまず伺いますが、外国政府と関係の深い外国資本や研究機関から、日本の大学や研究機関に対する一定金額以上の寄附、数千万以上の寄附や研究者に対する特別便宜の動向を文部科学省は把握されていらっしゃるのでしょうか。

#19
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。
 日本の大学の研究機関への外国企業からの寄附や研究費につきましては、各大学や研究機関において管理されておりますけれども、政府への報告義務はございません。したがいまして、個別具体には把握をいたしてございません。

#20
○有村治子君 日本からどのような分野のどのような学者がこの千人計画に参加しているのか、どの大学に外資等からの多額の寄附や特別便宜がなされているのか、政府としては全く把握しておられないという答弁でございました。安全保障の観点から甚だお寒い感覚でございますが、この点もある意味では無理からぬことかもしれません。
 最近、千人計画の動向が把握しにくくなっていますね。なぜですか。

#21
○政府参考人(藤井敏彦君) お答え申し上げます。
 米国上院議員報告書によりますと、先ほど先生も御指摘のとおり、まず参加が秘匿をされるということがございます。加えまして、中国が米国の調査に対応いたしまして、人材獲得計画に係るネット上の掲載の削除や調査を逃れる策を中国関係機関に伝授している旨、上院の報告書に報告されている、かように理解をしております。

#22
○有村治子君 マスクのせいか、ちょっとお声が聞きにくいところがあるんですけれども、この千人計画の成果を必ず国の発展に供用しなきゃいけない、供出しなきゃいけないという法律が中国にはございます。
 ですから、自由な研究意思でも、この千人計画に参画した時点で、そのトップレベルの世界の最先端の機微技術も中国に、一見企業に見えても、それが国家直結というところに吸い取られるような構図があります。それゆえにアメリカが警戒をして、かつては日本人のどういう方が千人計画に参加しているか、誇りを持って掲示されていたホームページの情報も全て消されています。そして、現在は、この千人計画という言葉自体が警戒をされるのでこの言葉を使うなというようなお触れが出たというような情報も出ています。
 アメリカの動向を恐れて千人計画という名称そのものも使わないようにと、まさに米中が非常に神経戦を展開している中で、日本学術会議では、安全保障分野、軍事転用が可能な分野の先端技術を自己規制し、忌避されている。その一方で、日本の技術や教育資源によって培われた最先端技術を持つ研究者が研究技術を軍事転用することを是認し、既に奨励をしている他国の国家戦略の中枢に担がれ、結果として、日本の安全を脅かしたり、日本企業の競争力、先端技術の開発力、防衛力が不当にそがれるようなことがあったとしたら、これは国民の命と健康と財産を守る日本の力が一気に落ちることを意味します。
 自由な学術研究の環境、世界レベルの研究意欲をかき立てる日本の大学の魅力、日本の経済安全保障の確立というバランスの中で最適解を見付ける努力を引き続き日本はやっていかなければなりません。
 文部科学省におかれては、真っ当な研究意欲を持つ最先端の技術者の善意の研究が、結果として日本に牙をむける、国民の健康や安全を脅かす事態をつくる抜け穴にならないように是非とも御留意をいただきたいと思います。
 最後の質問になります。
 四月末に行われたG7財務大臣・中央銀行総裁によるテレビ会議、なされました。報道によれば、コロナ禍によって株価が低迷し、体力を落とした枢要自国企業が外国資本によって買収される懸念が共有され、その対応策がG7の財務大臣会議で協議されたと報道されています。
 外為法によって外国資本による国内投資を所管される財務大臣として、今日の質疑の展開を聞いていただいて、経済安全保障の重要性についての御所見をお聞かせくださいませ。

#23
○国務大臣(麻生太郎君) いろいろ有村先生のお話を聞いた中で、これまで何回かありますけど、今日はさえていましたな。率直そう思いましたよ。物すごく、参議院の政審会長をやられるとこんなに成長するのかと思って、成長されなかった政審会長もいっぱいいますので、比較すると特にそういう感じしますけれども。
 率直申し上げて、この財務大臣会合におきましても、直接海外からの外資によって日本の株というものの取得に関しましてはある程度制限をするということで、何%以上という、まあ細目聞いていただいたら時間もあれでしょうから、聞いていただければ分かると思いますけれども。私どもとしては、きちんとした対応をしないと少なくとも国の安全保障を損なうおそれがあるというので、マスクの話に限りません、薬の話にしても医療器具の話にしても、我々はこれまでそういったようなことはないということで、コストという面だけを考えて、人件費が何とかがというので、どんどんできる核の部分をやっておりますが、例えば抗生物質も、今アメリカの場合ですらほとんど九九%中国製じゃないですかね、抗生物質は。マスクは一〇〇%だと思いますけど、もう本当、抗生物質もそんなことになっているので、アメリカは一斉にこれ変えてきますけれども、日本の場合も、そういったものに対応するために、我々としては外為法を変えてルールを厳しくすることにいたしておりますが、外為法に皆、国会議員の方は期待しておられる方は多いですけど、外為法というのは外国との交渉でするのであって、日本に既にある海外の子会社が日本の中でやる分には対応できないんですよ。だから、その分だけに関しましては、しかるべきルールを、例えば土地を買うとか水を買うとかいう話は間違いなく外為法では取り締まれませんから、そういった点につきましても、少なくとも他の分野でこの対応するような方法を考えておかないと、何だこの話はと、後になって、知らなかったみたいなことを平気で言うような人がいっぱいいますけれども、現実問題として今そういうことが起きつつあることは確かだと、そういう自覚を持ってやらねばならぬところだと思っておりますので。
 この外為法は、正式にこの五月に改正をされ、六月の八日から施行されるということになって、七日か、七日から施行されるということになっておりますので、いわゆる国民の医療に、医薬品とかそういったものに関する薬関係の会社等々に関しましても事前審査対象に追加するということにいたしておりますので、いろいろ事業所管庁、今、文部省、指摘があっておりましたけど、その他の所管庁いろいろありますので、こういった問題に対して対応していかないと、コロナ後という世界は全然別の世界が起きてきているという自覚を持ってやっていただかにゃいかぬところだと思っております。

#24
○有村治子君 アビガンの原材料も、全て日本ではありません。そういう意味で、新潟県の糸魚川の生産拠点が唯一の望みであったりもいたします。
 また、アメリカの抗生物質はほぼ全てが中国に依拠しているので、中国はアメリカの対応を改めなければこの薬を出さないぞという脅迫まがいのことを平気でやってしまう、言ってしまう、そういう国家と私たちは付き合っていかなければならないんだと認識を新たにいたします。
 圧倒的な資金と桁違いの生産能力、群を抜く市場規模と軍事や経済優位のための先端機微技術さえ押さえれば世界の秩序や国際世論もほしいままにできると中国に思わせてはならないんです。ここが自由と民主主義体制を牽引する国々、とりわけ我が国の踏ん張りどころだと思っています。
 私は、日中が隣国として共に課題解決するための政府間の継続的な対話や連携は隣国としてとても大事なことだと考えますが、このコロナ禍においても沖縄県の尖閣諸島沖で領海侵入を繰り返し日本の漁業者を追尾し威嚇する暴挙に出ている中国のどこが国際協調なのか、日中友好なのか、正直なところ、理解に苦しみます。
 先日、自民党の中山外交部会長が官邸に申入れをされたとおり、このような状況にあっては、改善が見られない限り、国賓、すなわち天皇陛下との拝謁がなされる日本国としての最高の賓客として習近平主席を歓迎する機運なんてとてもやないという主権者の声、国民の声が少なくありません。大国中国としての誠実な対応なかりせば国賓待遇は慎重にも慎重に再検討すべきだとの意思を明確に議事録に残して、私、有村治子の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#25
○古賀之士君 立憲・国民.新緑風会・社民合同会派、国民民主党の古賀之士でございます。選挙区は福岡県でございます。よろしくお願いいたします。
 私からも、まず、米中関係について個別の用件を麻生大臣にお伺いをいたします。
 御存じのように、中国による香港国家安全法の制定につきまして、アメリカは制裁の意向を示しておりますし、また、先ほどお話がありましたとおり、中国もまた制裁関税も検討しております。その制裁関税の適用や、それからちょっと具体的な話になりますが、国際銀行間通信協会の利用停止が検討されております。こうなりますと、送金など日本にも多大な影響を及ぼしかねないと思いますが、麻生大臣の御所見をお伺いいたします。

#26
○国務大臣(麻生太郎君) 少なくともアメリカの大統領が、今回のこの香港国家安全法ですか、これは、というのの制定について、それを一国二制度等々、いろんな国際条約等々違反とかいろんな言い方があるんでしょうけれども、とにかく、香港に対してアメリカが使っておりましたいろいろな優遇税制というのは、示していたこと、これは全部やめるというような話をしていることについて、これは、少なくともアメリカの政策の話に関してちょっとコメントすることは差し控えたいと思いますが、このSWIFT、SWIFTというのは国際銀行間通信協定ですか、協会でしたかな、このSWIFTの話を取りやめるということは、これは結構影響はでかいですよ、どんどん送金が止まりますから。これは、香港経由でいろいろ仕事をしておられた方々はこれで間違いなく金融の利用が止まるということを意味しますので、こういったようなことは極めて事が進み始めるとえらいことになるなというのが率直な実感です。

#27
○古賀之士君 その影響も、恐らく想像が付かない状況の金額が日頃から動いているケースもありますので、これから注視していく必要がおありになると思います。
 また、先日、大臣と同じ地元の福岡のある企業経営者、韓国に出資といいますか進出をしている企業関係者からお話を伺いましたところ、福岡と韓国というのは実は東京よりも近い距離にあるんですけれども、郵便物が非常に、肌感覚ですが、二倍、三倍の時間が掛かっている。その際に、韓国もやはり新型コロナウイルスで甚大な影響を受けています。その際に、韓国の銀行から融資を、出資している企業が受けるケースがあるということで、その際には、その韓国の出資企業には、代表を務めている福岡の方に対しても現物でサイン、署名のそういうリクエストの郵便物が届くことになっているんですが、相当遅れて冷や冷やしたと。簡単に判こがどうのこうのですとか署名がどうのこうのと言いますが、なかなか国際間ではそういう郵便物の若干の遅れも企業にとっては命取りになりかねないという状況でございます。ましてや、ネットでの送金がこれから滞るというようなおそれがあるというのは重大なやはり危機を迎えていると思っておりますので、引き続き監督をよろしくお願いをいたします。
 なお、今日は、質問の関係で、郵便に関係する国交省、それから経済産業省の参考人の方も来ていらっしゃっていますので、是非、その郵便物の遅れやそれから送金が滞るおそれのある県、これもしっかりと連携を図ってやっていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いをいたします。
 さて、その新型コロナウイルス感染症について国交省の参考人にお話を伺います。
 外出の自粛などの影響によりまして鉄道事業者にも甚大な影響があります。固定資産税や都市計画税、これを減免措置を講ずるお考えというのはないのでしょうか。また、新幹線の貸付料、こういったものに関しても何か今回の特例の措置を設けるお考えというのはないのでしょうか。

#28
○政府参考人(寺田吉道君) お答えを申し上げます。
 鉄道につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりましてその利用者が大幅に減少しておりまして、各鉄道事業者において経営に大きな影響が生じていると受け止めております。
 例えば、委員御地元のJR九州の令和元年度の決算の状況について申し上げますと、連結の営業利益が四百九十四億円となっておりまして、対前年度比で百四十四億円の大幅な減少となってございます。JR旅客六社全てで営業利益が前期比で減益となるなどの影響が出ております。
 このため、鉄道事業者に対する様々な支援策を講じているところでございます。国の支援といたしましては、日本政策金融公庫の特別貸付け等の資金繰り支援、あるいは雇用調整助成金、あるいは国税等の納付の猶予など、また地域公共交通における感染症防止対策の支援もございます。また、地方を通じたものといたしまして、臨時交付金による支援でありますとか、地方税の納付の猶予、あるいは中小事業者に対する固定資産税の減免等の措置がございます。
 国土交通省といたしましては、鉄道事業者の状況をきめ細やかに把握をし、こうした支援策の活用について情報提供を行うなど、協力や支援に努めてございます。また、固定資産税の減免につきましては、従前から、JRを含む鉄道事業者に対し、鉄道用地などについて固定資産税等の各種の減免措置が以前から講じられてございます。
 委員から、ただいま固定資産税等の更なる減免措置について御指摘ございましたけれども、国土交通省といたしましては、引き続き、鉄道事業者が新しい日常という環境変化に適切にかつ持続的に対応しながら求められる役割を果たせるよう、必要な支援等について、事業者等の要望も伺いながら、政府全体の方針も踏まえた上で適切に対応してまいりたいと考えてございます。
 なお、貸付料について御指摘ございましたけれども、貸付料は三十年間定額という仕組みで納付を受けているものでございますので、こうした文脈とはちょっと、やや異なるものというふうに考えてございます。

#29
○古賀之士君 地元の数字まで言っていただいて、ありがとうございます。
 確かに、JR九州に関しては、大幅に減益になった上で四百億円台ということですが、実は、JR九州の固定資産税というのは年間これ百億円、そのほとんどが福岡県です。そういったことも考えると、当然、地方税なんですけれども、これ国がしっかりとこの辺も連携を図って、繰延べという形になりますとやっぱり結果的には払わなきゃいけないということにもなりますので、減免を是非講じていただけるように前向きな検討をお願いいたします。
 また、貸付料の話はちょっと話が違うということでしたけれども、上場する際にJR九州がそういう三十年分を一気に支払ったという経緯があるわけです。ですので、そういう部分も含めて、三十年分を先払いしているからこそ、その分を、若干経営が、若干どころじゃないです、相当経営を今の段階では圧迫しているという現実もあるわけでございますので、是非、その先払いしている分も含めて、しっかりとその辺、前向きにお考えをいただけると有り難いと思います。また、引き続きその辺はまた意見交換させていただければ有り難いです。
 では、資料の一を御覧ください。第二次補正予算の広域公共交通における感染拡大防止対策におけます、地域公共交通と書いてありますが、この地域公共交通とは一体どのようなものなのでしょうか。国交省の参考人、引き続き伺います。

#30
○政府参考人(金井昭彦君) お答えいたします。
 地域公共交通につきましては、外出自粛等による輸送需要の大幅減少によりまして厳しい経営環境に置かれておりますけれども、こうした中にあっても、利用者や従事者の感染拡大防止を徹底した上で、地域の生活や経済活動を支えるために機能を確保することが求められているところでございます。
 このため、今般の令和二年度第二次補正予算案におきまして、経営基盤の脆弱な地域鉄道、そして地域の日常生活の足を担う地域バス、そして離島等への足を担う生活航路及び生活航空路、これらの各地域公共交通事業者を対象に、十分な感染拡大防止対策の下での運行を確保していくことができますように必要な支援策を盛り込んだところでございます。

#31
○古賀之士君 あえて伺いますが、JR各社、それから九州でありましたら西鉄、こういった大手が含まれていないということの確認、あるいはタクシーの業者さん、これが含まれていない、また、それ理由がありましたら是非御提示願います。

#32
○政府参考人(寺田吉道君) ただいまの制度につきましては、いわゆる地域鉄道を念頭に置いてございまして、JRでありますとか大手民鉄、これは念頭に置いたものではないというふうに理解しております。

#33
○政府参考人(金井昭彦君) お答えします。
 タクシーについての御質問がございました。タクシーにつきましては、国民生活、国民経済の安定に不可欠な交通機関ということでありますので、このため、密閉されたタクシー車内における運転者、乗客、相互の感染防止対策が必要でありますので、防菌シートや感染防止仕切り板等の導入に取り組んでいる事業者への支援につきまして、第一次補正予算に盛り込み、実施を進めております。
 一方、今回のこの第二次補正予算案における感染対策につきましては、駅、ターミナル、バス、鉄道車両、船舶、航空機等、不特定多数の旅客の集まる状況における密度の確保及び衛生対策を目的としているため、乗り合いタクシーを除きまして、タクシーについては対象となっておりません。
 なお、タクシーにつきましては、定時定路線のバスと異なりまして需要の減少に応じた休業が可能となっておりまして、そうした休業が円滑に行えるような臨時休車の特例を設けるとともに、あと、雇用調整助成金の積極的な活用を働きかけているところでございます。

#34
○古賀之士君 確認をいただきまして、ありがとうございます。
 では、次は航空各社についてお尋ねをいたします。引き続き国交省に伺います。
 世界各国の航空会社は大変厳しい状況です。それこそウォーレン・バフェットも、それこそ普通だったら安くなった株を買って大きく育てるというのに、各航空会社の株を売却して話題にもなりました。また、タイ国際航空、それからドイツのルフトハンザ、こういったところも政府の支援を受けざるを得ないという状況になっております。
 日本の現状はどうなっているのでしょうか。また、具体的に、航空機燃料税、空港使用料、こういった減免措置、あるいは駐機料なども含めましたいわゆる公租公課、こういったものに対してのお考えありましたらお願いします。お尋ねします。

#35
○政府参考人(平岡成哲君) お答えいたします。
 現在、各航空会社におきましては、便数、旅客数共に大幅に減少しておりまして、二月から五月に限りましても業界全体で五千億円の減収を見込むなど、経営状況が急速に悪化し、足下では特に資金繰り対策が喫緊の課題となっているところでございます。
 このため、さきの緊急経済対策に基づきまして、航空会社に対する着陸料や航空機燃料税等の支払猶予、それから日本政策投資銀行の危機対応融資等の活用により支援をするということとしておりまして、航空業界におきましては、これらにより当面の資金繰りは可能となるものと見込んでいるところでございます。
 新型コロナウイルス感染症の終息につきましては、現時点では見通せない状況でございます。これが長期化する場合には経営状況が更に悪化することも予想されますので、各航空会社から状況をしっかりとお聞きしながら、適時適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

#36
○古賀之士君 旅館、ホテル、飲食と同時に、各公共交通機関、陸、空、そして海、大変厳しい状況です。
 猶予というお言葉が今もありましたけれども、この猶予ということは、結果的にはお返ししなければならないということですので、状況を踏まえながらしっかりと対策を、猶予でなく減免という思い切った対策も是非講じていただければと思います。
 何よりも、各公共交通機関が担っているのは、日本のこの誇れるべき定時運行と、そして高い安全性だと思います。そういったその質の低下も招かないためにも、是非政府側の各省庁さんのリーダーシップを期待しております。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、持続化給付金についてお尋ね申し上げます。経産省の参考人にお尋ねいたします。
 まず、雑所得等の認定における必要書類について、これ大変面倒くさいとかあるいは時間が掛かるとかいう声が届いております。
 二十五日の決算委員会で、フリーランスの方に対する所得区分の見直しについて梶山大臣に質問をいたしました。そうしましたら、御答弁は、今後具体的な制度の詳細設計や必要とするシステム等の構築を進めて、六月中旬をめどに申請受付を開始できるよう努力してまいりたいと、前向きな答弁をいただいております。
 真摯な検討には本当に感謝申し上げますが、申請に必要となる書類を事前に準備するのにやはり時間が掛かる、あるいは対象となる方々の最終の決定前にも概要が少しでも明らかになっておくと、あっ、自分は対象になるんだとか、あるいは、あっ、必要な準備をしておかなければ、備えなければいけないなというようなことができるので、制度設計はどのような状況で進んでいくのか、是非お答えをいただきたいと思いますし、また、事前に告知ができる状況にあるのかどうか、それも併せて、分かる範囲でお答えいただければと思います。

#37
○政府参考人(渡邉政嘉君) お答えいたします。
 雑所得や給与所得の収入が確定申告におきまして主たる収入として計上され、前年同月比で五〇%以上減じており、例えば、業務の発注元が発行した源泉徴収票や支払調書などの収入や事業の実態を確認できる定型的な書類がある場合には、通常の二週間という標準的な審査期間に比べれば多少時間を要することになるとは思いますけれども、持続化給付金の対象とするということにいたしております。
 他方、こうした雑所得や給与所得の収入の中には、事業性のないものも含めて様々な種類の収入が計上されてございます。そうした中、事業の実態をしっかりと把握することができる制度設計も必要でございます。
 申請に当たりまして用意いただきます必要最低限の書類につきましては、フリーランスの方の業務形態が多種多様である中、迅速かつ簡易に給付対象かどうかを判断するためにどのような書類が必要か、現在、最終的な詰めを行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、速やかに準備を進め、具体的な要件や申請時に必要な資料の詳細につきましては、まとまり次第できるだけ速やかに公表させていただく予定でございます。

#38
○古賀之士君 事前の告知も含めて、是非お願いをいたします。
 さて、続きましては、罹災特例の期間の延長についてお尋ねをいたします。
 資料の二を御覧ください。災害の影響を受けて昨年の収入が下がっている事業者に対しましては、比較の対象を罹災した前年度にすることができる罹災特例が設けられております。この特例を使うには罹災証明が必要となりますが、二〇一八年度又は二〇一九年度に限られております。したがって、一年違いの例えば二〇一七年の九州北部豪雨の影響を受けた事業者などは対象となりません。その前の熊本の大地震も同様です。なぜ二〇一八年度と二〇一九年度に限られているのか、対象の期間を遡るお考えはないのか、経産省に伺います。

#39
○政府参考人(渡邉政嘉君) お答えいたします。
 持続化給付金は、新型コロナウイルス感染症による影響を受けて経営状況が大幅に悪化している事業者に対して、使途の制限のない、過去に例のない現金給付を行うものでございます。このため、委員から御指摘がございましたように、前年、すなわち二〇一九年度の前月比で売上げが五〇%減少した事業者を対象としておりますけれども、例えば、二〇一九年度の一連の台風や二〇一八年度夏の西日本豪雨で被災した事業者の中には、二〇一九年度の売上げがそれ以前の災害の影響により十分回復していない場合もございます。こうした事業者につきましては、特例の一つとして、罹災前の時期である二〇一八年又は二〇一七年の確定申告書も証拠書類として取り扱うことができるとしております。
 なお、罹災特例の対象期間を更に遡って拡大するということについてですが、二〇一九年度の売上高に直接影響を及ぼしているかどうかの判別が困難でありますことから、考えてはございません。

#40
○古賀之士君 是非考えていただきたいんです。
 というのは、そのなかなか難しいというお話も少しは理解はできるんですけれども、例えば、その三年前の被災をした後にようやく売上げが戻ってきた、その戻ってきても元どおりにまだなっていない状況の中で災害に対する例えば様々な備えを、例えば建設費用や、それから様々な工場ですとかあるいは施設に充ててきたところにこの新型コロナウイルスがあった。ですから、日本全国どこでも、ようやくこの三、四年を掛けて、災害に見舞われた方々がやっとこれから本腰入れられるので設備投資を去年やった、そして売上げも伸びてきた、でも決して高くないという企業は山のようにあります。
 その中で、罹災証明は三年前以降じゃ駄目よという話になりますと、せっかく今まで我慢に我慢を重ねてやってきたことを、更に今回のコロナで泣きっ面に蜂状態になるというのも理解していただきたいんです。
 普通に考えて、体力のあるところであれば、被災されたその年に素早く手を打って、そして売上げもある程度元に回復をして、そして今回のコロナで売上げが五〇%以下になったということでつじつまが合うんですけれども、元々厳しい状況の中でやっとかっと設備投資を行って売上げがやっと戻ってきたそのときに、その年の前年と今年で五〇%以下の、売上げが落ちていないと駄目だよというのは、元々分母が低いわけですから、その分母が低い中でもう一度その五〇%のハードルというのがそこにまた大きな問題として寄りかかってくるわけですね。ですから、例えば、せめて罹災証明が、更に広げることができないのであれば、例えばその被災した状況の中の売上げの五〇%のハードルを、もう少し被災した方たちに対してはそのハードルを少し和らげるとか、そういう特例措置が更に必要になってくるのではないか。
 これから、いよいよ日本も災害の季節、雨季、梅雨の季節を迎えます、台風の季節も迎えます。そういった中で、是非、全国各地それぞれの委員の御地元でも恐らくそういう声は上がってきていると思います。去年、おととしじゃない、その三年前だった、あるいは熊本だったら四年前、五年前だった、そういうところのお困りの皆さんたちを是非救っていただけるよう再度御検討いただきますようお願いを申し上げます。
 さて、次の質問をさせていただきます。
 資料の三を御覧ください。法人税法でのお話ですが、人格のない社団でも法人税法では課税の適用となるはずなんですが、持続化給付金の対象とこれはなっていますでしょうか、なる場合は何らかの制限があるのでしょうか。よろしくお願いします。

#41
○政府参考人(渡邉政嘉君) お答えいたします。
 持続化給付金は、先ほど来御説明申し上げていますが、新型コロナウイルス感染症の拡大により特に大きな影響を受けている事業者に対して、事業の継続を下支えする、再起の糧とすることを目標として現金を給付するものでございます。
 委員御指摘の人格のない社団等とは、法人ではない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものとされてございます。これには、例えば町内会ですとかサークル活動、同窓会なども含まれ得るものでございます。
 他方で、外形上人格のない社団等といわゆる任意団体との線引きは難しいところでもございまして、これらの法人でない団体の財産の取扱いは必ずしも一様ではなく、実態として個々の構成員に帰属するものもあり得ます。この場合、給付した現金が必ずしも本給付金の目的である事業の継続のために使用されないおそれがあるものと考えております。また、人格のない社団等は公的な許可等の手続を経ることなく組織され、法人格も有さないことから、その事業の継続が必ずしも担保されないおそれがあるとも考えてございます。このため、人格のない社団等は本給付金の対象外としてございます。
 なお、人格のない社団等の構成員たる事業者等が個別に本給付金の要件を満たす場合には、構成員それぞれが個別に申請を行うことは可能でございます。

#42
○古賀之士君 個別にその申請が可能だということを是非広く周知していただけるようお願いをいたします。
 次にお尋ねをいたしますのは、第二次補正予算で創設をされる予定になっております農林漁業者の経営継続補助金、これは持続化給付金と併用して受給が可能でしょうか。

#43
○政府参考人(渡邉政嘉君) お答えいたします。
 持続化給付金につきましては、経営継続補助金の受給の有無で区別をすることなく、持続化給付金の方の要件を満たす場合には給付を行う方針でございます。

#44
○古賀之士君 ありがとうございます。是非、持続化給付金と今回の農林漁業者の経営持続補助金、併用できるということですので、確認をいただきました。ほっと胸をなで下ろされる方もいらっしゃると思います。
 さて、続きましては、通告の五番をちょっと時間の関係で飛ばさせていただいて、三番目の項目です。
 第二次補正予算について麻生財務大臣にお尋ねをいたします。十兆円の予備費についてでございます。
 憲法第八十七条の「予見し難い予算の不足に充てるため、」との関係で、この十兆円の予備費というのは妥当とお考えでしょうか。

#45
○国務大臣(麻生太郎君) 今回のこの新型コロナ感染症対策ということについては、これ今収まりつつあるということになっていますけれども、最終的なワクチンとか薬というのはまだでき上がったということになっておりませんから、そういった状況では、これは当然のこととして、また起きるという可能性を考えておかないかぬというのは当然なんだと思っております。
 したがいまして、韓国とかドイツとか皆えらい騒ぎになっていますし、日本でも、そうですね、北海道とか、古賀さんのところは違うけど、北九州とか、そういったところは別の形でいろんな形になっておる。まだ分からぬわけですよね。そういった意味では、いわゆる第二波とかぶり返しとかいろいろな表現使っていますけれども、これはちょっと時間が掛かることを考えておかないかぬのだと思うんですね、長期戦という。
 したがいまして、これは長期戦というんで、マスクを、今年の冬に備えてマスクをとかいろんなものを、これ今、日本で作っておらぬわけですから、これみんな安いからって海外に作らせた結果、海外に買い占められてこっちはないという騒ぎになりまして、日本で今シャープとかエリエールとかいろんなところがうわっと今作り始めていただいてはおりますけれども、そういった段階でちょっと臨機応変にやらないかぬのですけれども。
 第二次補正予算やるにしても、総理の発案があってスタートするまでに、四月の三十日ですので、約一月少々掛かったというのが経緯でもありますので、私どもは、この予備費というものは、予見し難いという、この憲法上八十七条に、御指摘でありますように、予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて設けることができるとされておりますので、この令和二年度の第二次補正予算というのの一部でこれ国会で御審議をいただくことになるんだと思いますが。
 予算を迅速にやっておくというためには、国会を開会して臨時国会を開いて、そして天皇陛下の御臨席をいただいて開会式やって、それから何やってと物すごい時間が掛かる形になりますので、予備費というものを持っておかないと迅速に対応ができぬということでありますし、終わった後、これ、どのみち事後の審査というのが決算でまたやることになりますので、そういった意味では、予備費を積んでおいて万全を期す、迅速性を期すというのを考えて、こういった案を御審議いただければと思っておるところであります。

#46
○古賀之士君 大臣の御所見は理解できるところもございます。と同時に、予備費については、まずこの十兆円という規模の大きさ、これはもうこれまで全く例がない状況でございます。御存じのとおりです。そして、財政民主主義の観点から、果たして予備費のこの高額な状況はどうなのかという声があるのもまた確かでございます。
 例えば、いみじくも麻生内閣のときに、資料の四を、こちら御覧いただきたいんですが、経済緊急対応予備費として、この当時一兆円を予備費として計上して、これに対して、やはり財政民主主義上問題があるのではないかという指摘がございました。
 それに対して、平成二十一年三月十日の予算委員会の議事録によりますと、与謝野財務大臣が、一兆円は確かに大きい数字ではございますが、一兆円につきましては予算総則において使用できる項をできるだけ限定をいたしまして具体的な使途も書いた、あるいは、使いますときに内閣の責任でこういう範囲内で使わせていただきますと答弁しています。実際、次の資料の五、これは平成の二十一年度の予算書です。平成二十一年度の予算書の予算総則を見ると、使用できる項が限定して結構細かく書かれております。省庁それからその目途、文字どおり項目の項ですね、使い道。
 この点、資料の六、更に見ていただきたいんですが、これは今年度の、先日の第一次補正予算の予算総則を見ますと、項の限定列挙がなくなっています。新型コロナウイルス感染症対策予備費は、新型コロナウイルス感染症に係る感染症拡大防止策に要する経費その他の同感染症に係る緊急を要する経費以外に使用しないと、当たり前のことしか書いてありません。第二次補正予算の予算書も、これからでございますけれども、同じようになるんではないだろうかということが推察できます。予算書で項を限定していた麻生内閣の当時のよりも、これ予算編成自体が相当、言葉はきついですが、劣化しているというかアバウト過ぎるんではないかというふうにも声として聞こえてくるわけです。
 当時の総理大臣、内閣総理大臣でもいらっしゃる麻生大臣、現職のもちろん財務大臣でもいらっしゃいます。こういった十一年前の予算のように、きちんとせめて項で明示していくというのが立法府に対する行政府の責任ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#47
○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃっていることに関しまして別に反論するつもりもありませんが、あのときとは全然これ事情が違いますから。あのときは極めて限られた、ファイナンスという、銀行、金融等々が、おたくの辺りでも危ない銀行が出たわけですよね、福岡でも。事実、そういった銀行が吸収されたりしましたから。そういったような状況で極めて限定されていたと思いますが、今回は、古賀先生、全然違いますよ、これはもう。金融はむしろ安定しているような感じがあって、これからどう出てくるか分かりませんよ、事業がおかしくなってくりゃ、それ銀行に影響してきますから。だから、今の段階でおかしいわけではありませんから、はっきりしておりません。
 したがいまして、私どもとしては、今回の予備費について何に使用するかというのはコロナ対策ということにしておるわけですけれども、予見し難い予算の不足というものに充てるための措置ですから、似たようなことは熊本大震災のときも、あの予備費もそうなっていたと思いますし、それから東日本大震災のときも同じようなやり方をしていると、たしかそれはそちらの内閣でなさったんですから、あのときは。
 だから、そういったときに、熊本大震災のときは違いましたけれども、そういったようなやり方をしておりますので、私どもでは今回具体的な項というものを指定しているわけではありませんけれども、いずれにしても予見し難いという予算の不足に充てるため、国会の議決において設けるということにできているとされておりますので、今回の二次補正の一部として国会で御審議をいただければと思いますので、あのコロナというのは、ちょっと正直、世界中でこれだけ同時にせいのでどんと不況になったなんという例は過去に一回もありませんので、そういった意味でありとあらゆることを考えておかないかぬなというのが我々の考え方であります。

#48
○古賀之士君 その辺は麻生大臣とも共有できるところはあると思うんです。というのは、やはり国民の皆さんにとっては、やはり予備費というのは一体何のために使うための予備費なのか、これが正直よく分かっていない。確かに、予見ができないから分からない、そういう考え方ももちろんあります。
 ただ、その一方で、やはり財務省さんのお仕事は、やっぱり項を立てて各省庁別に予算立てをして、そしてその使い道をきちんと明示をしてそれをチェックすると、特に参議院の場合は決算委員会などもありますので。そういうことをやることが極めて難しい状況になってきているということも、これ現実的にあり得るんですね。だからこそ、白紙委任じゃないだろうかと、それ全部内閣で決めてしまえば、国会の承認をもう得られなくてももう行ってしまうんじゃないかという声さえ聞こえてくるわけです。
 ですので、是非、そういうチェックをしていく機会を、あるいは与野党一緒にその辺をしっかりと審議できる機会も含めてお与えいただけると有り難いですし、また、予備費の十兆円、このコロナに関しては確かに特別があります。特別ではありますが、これから先の状況が誰にも分かりません。誰にも分かりませんから、でも予備費だけ取っておきましょうという考え方であるならば、本予算のときに、あのときは、当面、今年度の予算の予備費で対応していくとおっしゃっていたわけです。ある意味では、それ方針転換です、大きな。今年度もやった、そして今年度の予備費ももうどんどん使って、ただ今度の二次補正に関しては十兆円をしっかりと確保したということになると、それなりのやはり国民への納得する説明が必要になってくるかと思います。
 特に、私どもは本予算のときに、できる限りコロナ対策に必要な予算をしっかりと講じていただきたいということを再三再四申し上げていた経緯もございますので、それを当時は、本予算の中の予備費で、たしか七百億円ぐらいでしたっけ、当時は、の予備費でまずはやるんだということでした。
 それがもう二桁も違うような状況に今なってきているわけですし、真水でも、二次補正、三十兆円とも言われております。そういった部分でのこれから対応をしっかりとやっていかせていただきたいとこれからも思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 さて、時間がなくなってまいりましたので、ちょっと優先順位を少し変えさせていただいて、最近の中で、資料の七を、じゃ、御覧いただきます。
 アメリカのFRB、支援企業に配当や自社株買いを制限しております。また、イギリスの財務省やドイツ政府も同様の動きがございます。
 この点、特に政策投資銀行や政策金融公庫から資本性資金の供給を受けた企業については、資本の不足を表面的に解消する効果が見込まれますが、配当や自社株買いはこれと相反する動きとも捉えることができます。こういった配当や自社株買いを、支援する企業に対して禁止すべきだという声も、意見もございますが、財務大臣の御所見を伺います。

#49
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今御指摘になりましたように、海外というか、いろいろありますけれども、公的支援に伴って、役員報酬、まあむちゃくちゃな役員報酬もあるところもありますのでいろいろあるんだと思いますが、配当金とかそういったものに関する制限をするという動きがあるのは、これはよく承知をいたしておるところです。
 一般に、いわゆる、何ですかね、過剰な配当、役員報酬等々といったいわゆる金が社外に流出するということは、これはコロナ感染症対策とは直接関係ないだけではなくて、企業側から見た場合、また企業の株を持っている株主の側から見た場合はこれは基本的には自己資本の減少ということになりますので、経済用語で言う償還確実性というものが下がるということになるんだと思いますので、この融資の審査をするときだけでなくて、その融資が実行された後におきましても、公庫とか、そうですね、政投銀等々においてこれはモニタリングをしているものだと承知をしておりますが、特に今後、資金繰りの話しか皆していませんけど、これ以後、資金繰りだけじゃなくて、これやっていきますと、確実に債務超過、バランスシート上の債務超過という話になってきますので、資本という話に話が移っていく可能性がありますので、いわゆる劣後ローン、資本性の劣後ローンというような話になる場合においては、これは、これまでも公庫等々がいわゆる必要と認める場合には、融資契約において、一定以上の役員報酬というものや配当の支払等、制限をしておりますでしょう、そういったようなものは今後とも対応として考えておかないかぬことになるんだろうと思っております。

#50
○古賀之士君 もう釈迦に説法ですが、言うまでもなく血税でございます。それを結局、企業支援のために使うということの一方で、その企業が、受け取る側の企業が、その受け取った、お金に色は付きませんけれども、そのお金の中の企業の中にあるお金を使って配当を、まあ増やしたりすることはないと思いますが、維持したり、あるいは、配当だけではなく、先ほど申し上げました自社株買い、こういったことを行っていく、つまりお金を出す行為に使っていくと。むしろ、それは企業にとっては、支援したお金を使って中のお金を何とか資金繰りやっていこうというふうに使うのがやっぱり本来の筋道だと思っております。是非、その辺の、監視と言ったらおかしいですが、しっかりとしたやっぱり監督官庁としての責任を果たしていただけるよう再度お願いを申し上げます。
 と同時に、これは、そういうことをまたすると、大きな株主にとっては被害を被りかねないという考え方も中には出てくるかもしれません。しかし、実際もう既に欧米諸国でもそういう検討段階に入っておりまして、いわゆる、言葉を簡単に言うと、ずるした企業は駄目よということですから、それは、やはり長期的に見れば、それは株主に対する背信行為でもあるわけですので、しっかりとした、支援を受けたお金を、企業を維持する、発展させるために、そして、この危機を乗り越えるために使って社会的責任を果たすということを企業側には、しっかりと監督していただいて、この危機を乗り越えていただく、そして、その血税をしっかりと有効に使っていただくという思いで使っていただければと思っております。よろしくお願いをいたします。
 さて、済みません、飛び飛びになって大変恐縮ですが、資料の九を御覧ください。あっ、資料の九、ちょっと時間が余りなくなってきましたので、資料の十一を御覧ください。
 金融庁は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえた対応について、こういうのを出しております。いわゆる個人ローン、マイカーローン、リフォームローンについてです。積極的に相談対応を行い、顧客のニーズに十分に踏まえた条件変更をお願いしたいとしております。この状況について、現在どのようになっていますでしょうか、金融庁の参考人に伺います。

#51
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘のとおり、金融庁といたしましては、住宅ローンはもちろんのこと、そのほかのマイカーローンなどの個人向けローンにつきましても、給与収入等の減少によりまして個人の方の支払が厳しくなることも想定されます。
 そこで、金融機関との意見交換会におきまして、個人ローンについても、積極的に相談対応を行い、お客様のニーズを十分に踏まえた条件変更に努めるよう改めて要請し、その内容を金融庁のホームページにも公表しているところでございます。
 こうした中、金融機関におきましては、マイカーローンなどの条件変更の実施ですとか、既往個人ローンの返済も含めて資金使途を問わない最長一年元金据置きの個人向けの特別低利融資の実行など、積極的に取り組んでいただいていると承知しておりますが、なお、金融機関における個人向けローンに係る条件変更の取組を引き続きしっかりとフォローアップをしてまいりたいというふうに考えてございます。

#52
○古賀之士君 その対応について、細かく具体的な、資料の十一には苦情も書かれております、金融機関の。返済猶予、期間延長は政府からの基準がないので判断できないと言われた。保証協会が駄目だったという理由で断られたが、確認したら、それは金融機関のうそだった。メーンバンクに新規融資の相談をしたら、ほかに行けと言われた。住宅ローンの相談をしたら、感染症終息後の詳細な支払計画を出せと言われたと。
 一生懸命金融庁がそういう助言を行っているにもかかわらず、こういったことがまかり通っているというのも現状でございます。データを見ると、九八%ですとか九七%ですとか、そういった対応はきちんとした数字が出ていますけれども、その一方で、そこに至るまでの経緯は、ここに書いてあるように、有り難い話です、本当、オープンに出していただいて、まだまだその現実とは乖離している部分もございますので、是非引き続き、こういった皆さんたちで、いわゆる情報がきちっと把握されてなく、悪徳のと言ったら怒られますけれども、そういったところでの口車に乗ってなかなか思った以上の支援が受けられないという現実をしっかりと対応していただけるよう、よろしくお願いいたします。
 現場も大変な状況だと伺っております。四月の人事もやめて、そして多くの皆さんたちの、OBの皆さんたちも入っていただいて一生懸命切り盛りをしているというお話も伺っておりますが、是非引き続き多くの人を、一人でも多く助けていただけるようお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#53
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。よろしくお願いいたします。
 四月の二十一日に日銀から金融システムレポートが公表されました。そのレポートには、二月からの新型コロナウイルス感染症による金融への影響について、「わが国の金融システムも強いストレスを受けているが、全体として安定性を維持しており、経済活動が必要とする資金を供給している。」と、そのように記されております。
 この五月には各金融機関から二〇一九年度の決算報告が報告をされ、各金融機関からの報告が出そろったということで、金融庁においても、その決算報告を基に金融機関、金融システムの安定性について検討されているというふうに思います。
 そこで伺いますけれども、各金融機関、特に地方銀行であるとか信用金庫などにおける決算状況を踏まえ、現時点での金融機関の安定性及び今後の課題について金融庁に見解を求めたいと思います。

#54
○政府参考人(森田宗男君) お答え申し上げます。
 令和二年三月期の我が国の銀行決算を見ますと、国内外の金利低下の影響により資金利益が総じて減少する中、新型コロナウイルス感染症の影響拡大を考慮した引当金の計上など与信関係費用が増加したことをもちまして、当期純利益は前期比で減少したものと承知してございます。もっとも、足下、日本の金融機関は充実した財務基盤を有し、金融システムは総体として安定しているというふうに評価をしております。
 先生お尋ねの今後の課題でございますけれども、先行きの経済・市場動向が悪化する懸念を見据えながら、金融機関の健全性を維持し、金融システムの安定を確保することを通して金融機関が金融仲介機能を十分発揮することを確保していくことと考えております。具体的には、新型コロナウイルス感染症の問題が、世界経済の動向や国内の個人消費、さらにはサプライチェーンを通じた企業の生産活動といった様々な経済活動へどのように影響し、それが金融機関や金融システムにどのように波及するか注意深く見極めていく必要があるというふうに考えてございます。

#55
○熊野正士君 ありがとうございます。
 次に、資金繰り支援について質問いたします。
 経産省においては、三月二日にはセーフティーネット保証四号を全都道府県に発動し、売上高が二〇%以上減少で一〇〇%保証の融資が全国で可能となりました。また、三月三日にはセーフティーネット保証五号が旅館、ホテル、飲食店などの業種で指定をされまして、その後、指定業種を順次拡大をし、五月一日からは全業種に拡大をされまして、全ての業種において売上高五%減少で八〇%保証の融資が可能となりました。
 さらに、五月一日からは、民間の金融機関においても実質無利子無担保の融資を実施をしております。これまでの信用保証協会を通じた民間金融機関からの融資の状況についてお教えいただければと思います。

#56
○政府参考人(渡邉政嘉君) お答えいたします。
 信用保証協会の保証実績につきましてですが、五月三十一日までに約四十四万件の保証申込みを受け付けてございます。このうち三十四万件、金額にいたしまして七・四兆円を超える保証を承諾しているところでございます。
 五月一日にスタートいたしました民間金融機関の実質無利子無担保の融資の実績につきましては、五月三十一日までに約二十四万件の保証申込みを受け付け、このうち十五万件、金額にいたしまして二・七兆円を超える融資を決定しているところでございます。

#57
○熊野正士君 かなり件数があって、順次決定がされているということで、特に五月一日から二十四万件、先ほど、申込みがあって、十五万件というふうにお聞きをいたしました。
 一方で、私の地元大阪あるいは関西各地において多くの皆様から資金繰り支援について相談が多数寄せられております。その中で、あるバス会社さんの社長さんからは、最終的に信用保証協会での保証が得られずに融資を受けることができなかったというふうな御相談もございました。そのほかにも、信用保証協会での保証が取れず融資に至らなかったというようなケースもお聞きをしております。
 中小企業庁に伺いたいと思いますけれども、こうした信用保証協会で断られる、そういった事案があるという実態についての御認識を確認させていただきたいと思います。

#58
○政府参考人(渡邉政嘉君) お答えいたします。
 中小企業の事業継続にとって資金繰りの確保は何よりも重要な課題でございます。他方、議員御指摘のとおり、信用保証協会による保証を断られたという声があるということも承知してございます。
 経済産業省からは、信用保証協会を含む政府系金融機関等に対して、保証、融資の審査に際しては、赤字や債務超過、貸出条件の変更といった形式的な事象のみで判断するのではなく、事業者の実情に応じて最大限配慮を行うよう、累次にわたって要請をしているところでございます。
 こうした要請を踏まえまして、信用保証協会等は審査に当たって事業者に寄り添った対応に努めているものと承知しておりますが、個々の対応につきまして問題がある等の御指摘があれば、しっかり確認し、必要に応じて指導してまいります。

#59
○熊野正士君 ありがとうございます。
 信用保証協会が保証を行わないと判断する場合に、いろいろ判断基準みたいなものももちろんあるというふうには理解いたしますけれども、コロナの影響を受ける前にはそれなりに経営が安定をし従業員を抱えている場合には、今御答弁いただきましたけれども、特段配慮をお願いしたいと、重ねてお願いをしたいと思います。
 また、どうしても保証できないというふうに判断された場合には、なぜ保証できないのかといった説明を丁寧に是非していただきたいというふうに思います。業務が非常に立て込んでいてなかなか十分な対応も難しい場合もあるかもしれませんけれども、融資、保証を断る場合にはより丁寧な対応をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

#60
○政府参考人(渡邉政嘉君) お答えいたします。
 信用保証協会は、審査に当たりまして事業者の実情に応じて最大限の配慮を行い、柔軟に対応しているものの、先ほど来出ておりますけれども、事情によっては保証に応じることができない場合もあるということでございます。
 保証協会に対しては事業者に寄り添った対応を要請してございますけれども、断らざるを得ない、こうした場合には、事業者からの求めに応じて、保証に応じられない理由を説明するなどの対応に努めているものと承知してございます。
 なお、保証を受けることができないなど財務状況が悪化し資金調達が困難な事業者に対しては、例えば、中小企業再生支援協議会が、金融機関の支援姿勢を確認の上、一括して元金返済猶予の要請を実施するとともに、更に踏み込んだ事業再生支援も行うことといたしてございます。
 繰り返しになりますけれども、個々の対応にもし問題がある場合、御指摘があればしっかりと確認し、必要に応じて指導してまいります。

#61
○熊野正士君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 また、いろいろお聞きをしておりますと、信用保証協会の審査に非常に時間が掛かっているというふうなことも聞いております。金融機関で受けて、それが信用保証協会に回って、通常であれば二、三日ぐらいで問合せが来るらしいんですけれども、一週間ぐらい掛かっているというふうなことも聞いております。いろいろと人的な問題もちろんあると思いますけれども、その辺もいろいろ工夫をしていただきながら、よろしくお願いしたいと要望させていただきます。
 金融庁におかれましては、これまで継続的に資金繰り支援への広報活動を行っていただいております。二月の二十八日には金融庁に相談ダイヤルを設置をしていただきまして、新型コロナウイルスに関する相談を広く受けてこられたと承知をしております。私も三月十八日の当委員会で質問させていただき、その際には、三月九日から十三日で二百十三件相談があったというふうにお聞きをしました。
 ちょうど相談ダイヤルを開設して三か月が経過しております。相談件数や内容にも変化があろうかと思います。相談ダイヤルに寄せられた相談件数の推移や、また、新規融資や条件変更といった相談内容についても教えていただければと思います。

#62
○政府参考人(森田宗男君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘のとおり、金融庁におきましては、二月二十八日に新型コロナウイルスに関する金融庁相談ダイヤルを設置して以降、当相談ダイヤルに寄せられました相談件数を申し上げますと、二月二十八日から三月末までは千二百十二件、四月は四千四百五十九件、五月は二十二日までの数字でございますけれども千五百四十八件と、足下では若干落ち着いてきているところでございます。
 当ダイヤルには、資金繰りに関しまして、金融庁の所管ではございませんけれども、政策金融の制度に係る御相談や、金融庁所管の金融機関における条件変更や新規融資に関する御相談が寄せられてきております。
 具体的には、これまで寄せられた御相談には、例えば、既存融資は条件変更中ではあるが新規融資に応じてほしい、既に条件変更をしているが更なる条件変更に応じてほしい、民間金融機関の実質無利子無担保の融資制度について教えてほしいといった内容のものが含まれております。
 金融庁といたしましては、寄せられた御相談等につきまして、金融機関に還元の上、その適切な対応を求めているところでございます。引き続き、当相談ダイヤルに寄せられるお問合せや御相談等に丁寧に対応してまいりたいというふうに考えてございます。

#63
○熊野正士君 ありがとうございます。
 相談件数でいえば、四月が非常に多くて四千件以上ということでしょうか、五月は二十二日までで千五百件という、ちょっと落ち着いてはきているということですけれども。今答弁ございましたように、やはり条件変更をもっとしてくれとか新規融資が受けられないといったようなものがあるというふうに伺いました。融資がなかなか受けられないという企業も相当数あるのではないかというふうに推測されるわけでございます。
 先日の、第二次補正予算が閣議決定をされた五月二十七日には、「今後の事業者の資金繰り支援について」ということで、麻生大臣から談話が発表されております。
 その談話の中で、新型コロナウイルス感染症が経済にもたらしている影響は大きく、経済が真に健全な状況へと回復するまでには相応の時間を要すると考えられます、こうした中、各政策金融機関による融資や民間金融機関による保証協会保証付融資と並び、民間金融機関のプロパー融資も重要な役割をきたすことが期待されますというふうに述べられておりまして、今後こういった倒産や廃業といったことが非常に懸念されるわけですけれども、大臣の御所見を賜ればと存じます。

#64
○国務大臣(麻生太郎君) 今回の話は、コロナという、いわゆる需要ががばっと止まると。金融が止まるとか資金繰りが止まるという話じゃありません。基本的には、需要が止まった、人が動かない、物が動かないということによって需要が止まったことによって景気が悪くなったという話なので、ちょっといろいろな理由とは少し違う理由になっておりますので、まともに商売していた人でもばたっと止まったという形になっておるんだと思っておりまして、ちょっと状況が違いますので。
 金融庁のいわゆる相談ダイヤル等々いろいろやらせていただいておりますけれども、様々な相談が寄せられておりますけれども、今申し上げたような理由で駄目なところという、はっきりしておりますから。そういったところに対する対応は、私どもとしては、事業継続してもらえるような資金繰り等々の支援等々については、金融庁から各金融機関なり等々に、いわゆる既往の債務、既に今まであります債務の条件変更等々については、まあ手形三か月間ジャンプさせるとか半年とかいろんなやり方がいろいろありますので、資金繰りの話をさせていただいておりますけれども。
 これ、コロナがなくても倒産したというところはありますからね、はっきり申し上げて。そういった企業は、毎年、毎月何百社という企業が倒産しておるわけなんであって、これはコロナに関係ある話じゃないので、そういったところとより分けにゃいかぬところは難しいところだとは思っておりますけれども。
 私どもとしては、極めて条件には柔軟に対応してもらわにゃいかぬということで、これは、金融機関の条件変更の実行率からいきましたら九九%ぐらい今行っておりますから。そういった意味では、実行した中小企業に対しては今のところそうなっていることは事実であるとは思っておりますけれども。
 取組の中には、少なくとも、いろいろないい例、こういうようにやったらいいんだという例はこれオープンにしておりますので、そういった意味で、従前からメーンの銀行として、メーンバンクとしてやってきたところは、今までの、これまでの経緯から見て事業継続は可能と、戻れば可能ということで新規融資をぼんと出しているとかいう好事例というのは幾つもありますので、そういったものはまとめて公表させていただいて、他の金融機関もこれを参考にすればいいということで、そういうように促させていただいております。
 それから、例の実質無利子無担保の融資制度というのを五月から開始しておりますけれども、この広報の話さっきしておられましたが、これもなかなか知らない人がいっぱい正直いらっしゃいます。そういった意味では、私どもとしてはいろんなものについて、例えば、四月でしたか、金融庁と日本銀行から双方で出したと思いますけれども、支払ができない手形とか小切手とかいろんなものがあるんですけれども、そういったものに対しての不渡りが出ますとそれは報告することにしておりますから、そういったものの掲載とか、それから取引処分停止等々についての掲載等々についても、この辺はちょっと配慮してもらわにゃいかぬということで、そういった配慮もさせていただいたりなんかする。これ、逆の意見もあって、配慮した結果、俺たちはそいつの会社の手形もらって俺たちは迷惑したというのまた出ますからね。それはなかなか商売としては難しいところなんです。
 そういった意味で、事業者の資金繰りというものを我々は考えながらも、事業継続というものがきちんと生きるような形でさせていくというのが雇用の持続につながりますので、そういった形で、アメリカは今約四千万人ぐらいの失業者が出ていますけれども、日本はそのような異常事態にはなっておりませんし、そういった意味ではそれなりに成功しているんだと思ってはおります。

#65
○熊野正士君 ありがとうございました。
 次に、劣後ローンについて伺いたいと思います。
 資本性資金ということで、東日本大震災のときにも同様のスキームがあったというふうにお聞きをしておりますが、活用状況はさほど多くなかったというふうに聞いております。貸付期間が短かったことや金利が高かったことなどが理由として挙げられるというふうにお聞きをしました。
 そうしたことを踏まえて、今回、日本政策金融公庫、また商工中金による中小企業に対する資本性劣後ローンを検討されているということで、その概要と意義について御説明をお願いしたいと思います。

#66
○政府参考人(神田眞人君) お答え申し上げます。
 中小・小規模事業者の円滑な資金繰りを支援するため、第二次補正予算におきまして、新型コロナウイルス感染症の影響によりキャッシュフローが不足するスタートアップ企業、あるいは一時的に財務状況が悪化したものの持続可能な中小企業等に対しまして、日本公庫及び商工中金等による資本性劣後ローン制度を創設することといたしました。
 具体的に申し上げますと、貸付期間は五年一か月、十年又は二十年の期限一括償還、金利は、日本公庫の中小企業事業や商工中金の場合であれば、当初三年間は〇・五%、四年目以降は、税引き後当期純利益額で見まして、黒字の場合は融資期間に応じて二・六%から二・九五%、赤字の場合は〇・五%と工夫しております。また、実質無利子無担保融資とは別枠で、最大七・二億円まで融資できることといたしております。
 長期間元本返済がなく、民間金融機関が自己資本とみなすことができる資本性劣後ローン、これを供給することで、民間金融機関や投資家からの円滑な金融支援を促しつつ、事業の成長と継続を支援してまいりたいと存じます。

#67
○熊野正士君 ありがとうございます。
 先日、日本フードサービス協会や大阪外食産業協会の皆様から御要望を伺いましたけれども、外食事業者のダメージが非常に大きくて、大幅な収入減で、中小事業者だけでなく、大規模事業者であっても倒産の危機に追い込まれることが十分に考えられるということでありました。中小企業のみならず、中堅あるいは大企業に対する支援を考えたときに、この、今御答弁いただきましたけれども、劣後ローンの役割というのは大きいというふうに思っております。
 日本政策投資銀行による中堅・大企業に対する資本性劣後ローンについて、概要と意義を御説明いただければと思います。

#68
○政府参考人(神田眞人君) お答え申し上げます。
 先生お尋ねの政投銀等による中堅・大企業向け危機対応業務につきましては、第二次補正予算において、今後の更なる状況の悪化に備えるため、一定の資本性が認められることから、民間金融機関からの金融支援を促す資本性劣後ローンを危機対応業務のメニューに追加して、五兆円の融資規模を確保したところでございます。なお、中小企業に当てはまらない中堅企業への支援を拡充する観点から、中堅企業向けの通常の貸付け及び劣後ローンについては、当初三年間、〇・五%の利下げを実施する予定でございます。
 その他の個別の貸付条件につきましては、事業者のニーズに合わせて政投銀等が柔軟に決定することとなりますが、一定の資本性が認められるためには、例えば、法的破綻時の返済順位が劣後し、長期一括償還で、あるいは業務悪化時などに利払いを任意に繰り延べられる、こういった商品性になるものと承知してございます。

#69
○熊野正士君 ありがとうございました。
 次に、最後の質問になろうかと思いますが、とにかく今は足下の資金繰り支援をしっかりと行っていくことが最重要の課題だというふうに思いますけれども、コロナ感染症により先が見通せない中、金融機関が従来型の業務形態の企業に融資を続けられるのかという問題もあろうかというふうに思います。
 本日の日経新聞にも、長い目で経済を見ると人と人との接触をなるべく減らして感染防止を優先させる新しい様式への転換を迫られる公算が大きい、金融支援も持久戦へと変わりつつあるというふうにありました。
 こういった新しい生活様式の導入で、いろいろ様々業態変更といったことも検討する企業も少なくないと思いますけれども、そうした企業への融資やあるいは支援の在り方について、大臣の御所見を賜ればと思います。

#70
○国務大臣(麻生太郎君) これは、度々申し上げて恐縮ですけれども、役所でも、部署によっては半舷上陸、半舷上陸というのは半分だけ、あとの半分休みで、別に回っていますから。新聞なんてそうですよね。新聞記者ってぞろぞろいますけど、全然、会社来ていないわけでしょう。ちゃんと記事、新聞できていますから、おまえら不要ってことだよと。まあ俺たちの周りに毎回毎回来ているけど、来なくたって記事できているじゃないかという、新聞記者なんかかなり深刻な事態になっていると思って、いろいろ話聞いていて、大体首になりそうなやつ、おまえなりそうもないなとか、いろいろこう指さしてもぐさっとくるんですよ、あれはちゃんと、全部出ますから、パソコンで。もう正確に出ますよ。国会議員のやっている登録なんて問題にならぬ、きちんと出ますから、あれは。だから、そういったように国会議員もしたらと、半分にしたらというか、いろんな意見がいっぱい出てくるんですよ。これはもう本当に本当に変わりますから、これは、仕事の仕方が。
 これに合わせて機械も物すごく進歩しましたから、そういった意味では、これに合わせて新しい機械を開発しているところで、結構これでもうかるという人もおられますので、業務形態の変更というのをせざるを得ない企業というのが随分出てくるんだと思うんですね。
 これによって例えば大きく変わったものとして、多分お医者さんなんかの接見医療じゃなくてもいいよとか、ドローンで上からぽいと置いておいてもいいよとか、いろんなものがかなり前に進んでくる可能性がある。ドローンで運べたらもうどんどんどんどん話進むんだから、だったら電柱地下埋設してくれとか、そうすればドローンが簡単に降りられるからとか、いろんなものが出てきますよ。
 だから、そういったようなことで、私どもとしては、企業としてそういった方向に物を変えようとしている企業というのは、聞いていると物すごく新しいアイデアを聞かされて、私らにとってはへえと思って聞かれる企業ありますので、そういったものに変わっていくところには融資してそっちで金もうけた方が早いんじゃないのっていう話はよく聞かされますので、是非、金融機関にとりましても、そういった目利きができるかできないかという、金融機関にとりましても、そういったものに積極的に融資してやることによってそれを育てるということができる機会にもなるんだと思いますんですが。
 いずれにしても、経営の改善等々はこれからいろんな形で、今までとは少し違ってきたものになってきて、急におっこちていますから、景気が、急に上がってくることも間違いありませんけど、それがどこまで上がるかですな。こうなっていったときは間違いなく企業の回復もゆっくりですけれども、急に落ちたときは急に戻ると、これはこれまでの例でいえば間違いなくそうなんですが、ここまで戻るかじゃなくて、この辺で後はこうなるか、ちょっとよく分からぬ、そこのところは。
 これが私は、ちょっと正直、企業の方々の、若い人の経営者の話を聞いていると、何となくこう行きそうな感じはしてくることをしゃべる人もいっぱいおられるので、ああ、日本まだ大丈夫だなと思ってお話は伺いますけれども、そうじゃない企業もいっぱいありますので、なかなか難しいと思いますけど、銀行なんて支店なんかほとんどなくなって、ATMとあれさえあれば別に銀行なんかあんな人要らないんじゃないの、支店はというようなことも、銀行では実際そう思っておられる方はいらっしゃいますので、いろんな意味で、その方が、どこの部門に人が移動していくか、労働人口として移動していくか、これは日本にとって非常に大きないろんな流れがあってこれから出てくるだろうと思ってはおります。

#71
○熊野正士君 終わります。ありがとうございました。

#72
○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。
 初めに、前回、麻生大臣と、こうした質問に係るレクチャー、意見交換はオンラインでできないかというやり取りをさせていただきましたが、そのかいありまして、今回の質問は財務省、金融庁とも全てオンラインでやらせていただくことができました。御協力いただいた皆様に感謝を申し上げます。大変スムーズにできましたので、こうした取組は是非ほかの議員の方にも広がっていくように私も働きかけていきたいと思います。
 ではまず、今般の報告に通じる財政政策について伺いたいと思います。
 今回の二次補正予算を通じて、迅速な経済復興を行うのに足りる財政出動規模にやや近づいたのではないかと評価をしております。一方で、見かけの財政状況は悪化をするため、将来的な増税を懸念する声があり、これに対して麻生大臣は、増税に頼るのではなく景気回復によって税収が伸びることを目指すと明言されました。
 従来から、増税に対しては社会保障制度を維持するために必要な財源だと言われてきましたが、このことから、結局は考え方の線引きの問題、最後は政治判断であって、そうであればまずは景気回復を最優先課題とし、消費税の減税をもう一度検討すべきではないか、更なる財政出動は減税政策を中心に行うべきではないかと考えますが、大臣の見解、改めてお伺いいたします。

#73
○国務大臣(麻生太郎君) 景気対策に対して消費税の減税という話は、別に御党に限らずいろんな人が言っておられるんで、よく言っておられますから、共産党も言っておられますし、自民党の中でもそういうことを言っておられる人はいっぱいおられますので別に驚く話じゃないんですけれども。
 少なくともこの消費税につきましては、これは日本にとっての中長期的な最大の問題は人口減だと思いますね。高齢化による人口減、これが中長期的な日本にとって最大の問題だと思っておりますけれども。
 そういった中で、いわゆる国民が広く受益をいたします、少子高齢化によって、社会保障というものの費用が増大していく、稼ぐ人よりもらう人の方が、受益者の方が増えてくるという人口構成になりますので、そういった意味においては、公正公平という意味でいけば、これを分かち合うという観点から社会保障の財源として消費税を位置付けておりますので、少なくとも大きく転換していくという、全体でこの社会保障を支えていくといういわゆる制度へ大きく転換していくためには、どうしても消費税というのは必要なものなんだと思っておりますので、これを今引き下げるということは考えておりません。これ、度々申し上げたところです。
 したがいまして、今般の第一次補正予算、二次の補正予算と合わせて約二百三十兆円規模の対策によって雇用と事業というものをきちんと守り抜いていかないと、これが底を打ったときの次のジャンプになるのに底が抜けては話になりませんので、まずは雇用、それを支えます企業、事業の継続というものに我々はきちんとした対応をしていかねばならぬというのは当面やらねばならぬところだと思っております。

#74
○音喜多駿君 今回、二次補正に当たっても政府や財務省の中では様々な議論があったということであると思いますので、そこに限界があるとすれば国会からも提案していきたいということで、我々も現在、減税法案というものも今党内で検討しておりますので、是非、そういったものが出された際は皆様にも御協力をいただければというふうに思います。
 そして続いて、各自治体が行っている休業要請協力金についてお伺いをいたします。
 こちらは先日の総務委員会でも我が党の柳ヶ瀬議員から、この自治体がやっている協力金については非課税にするべきではないかという提言をさせていただきましたが、事業者に対する協力金には課税がされるという御答弁でありました。収益が出れば課税という理屈は、平時であれば正論でありますし、事業者に対する補助金で非課税という前例はほとんどないということも理解をしております。
 一方で、より根本問題としては、地方の行う補助金に国が課税するというのは時代にそもそも合っているのかという観点から、改めて問題提起をしたいと思っております。
 この一連のコロナ対応でかいま見えたのは、中央集権体制の限界です。地方で決めることは地方で決めるべきであり、国と地方における税の在り方もポストコロナの時代には再考をしなければなりません。
 休業協力金というのは氷山の一角で、今後も独自の事例がたくさん出てくると思われます。こうした各自治体の独自補償政策や助成金については、地方分権の観点から国税を課すべきではなく、所得税法などに改めて非課税規定を検討するべきと考えますが、麻生大臣の見解をお伺いいたします。

#75
○国務大臣(麻生太郎君) 自治体が行いますいわゆる協力金、それから助成金全般というものを地方分権という観点から非課税にすべきだという御指摘なんだと思うんですが、これ、助成の目的とか性質というのはいろいろありますので、これは経済的利益があるにもかかわらず非課税にする必要性というのはよく分からないんですけれども、そのような助成ごとにいろいろ考える必要があるなどから、これはちょっとお答えとしては慎重な答えにならざるを得ぬのだと思っております。
 その上で、各自治体が事業者に対して支給するいわゆる協力金、それはその支給要件など、その要請というのは我々としては承知しているわけじゃないんですが、例えば、国から支給いたします持続化給付金と同様に、いわゆる、何ですかね、その事業というものに対して支給するんであれば、それは税務上収入を計上するという必要があるんじゃないんですかね。
 したがいまして、現下の情勢で見れば、事業者の方は売上高が減少して各種経費の支払なんかによって、協力金を受けてもなお赤字というのが普通なんじゃないの、だと思うんですね、私は、商売した方からいくとそう思うんで。その場合は課税所得は生じませんから、そういった意味では、税金と言われても、税金を払うほどもうかっているなら結構ですけれども、払うほどもうかっていないからそういうことになっているんじゃないのかなというのが実態じゃないかとは思います。

#76
○音喜多駿君 大臣からありましたように、様々な助成金がありますので確かに一概には言えないと思います。この点はベビーシッター助成の頃から我々問題提起をしておりますので、引き続きこの件は提案を続けていきたいというふうに思っております。
 次に、先日、日銀総裁と中央デジタル通貨について議論させていただきましたが、その延長で暗号資産行政について質問させていただきます。
 先月に、資金決済法等改正に係る政令、内閣府令が施行され、この中で、暗号資産の個人向けのデリバティブ、信用取引が最大レバレッジ二倍まで下げられることになりました。この規制強化の判断の基になったのは、仮想通貨交換業等に関する研究会という有識者の会議です。
 しかし、この会議の議事録で拝見しますと、実際に取引に係る知見やユーザーである投資家の視線が不足しており、誤った情報判断が一部に見受けられます。特に、有識者が判断基準の一つとしている海外取引所は様々な点で環境が大きく異なり、一概に日本の比較対象とすることは不適切です。実際、多くの実務者、関係者から有識者会議の議論内容について疑問が指摘されているわけですが、この仮想通貨交換業等に関する研究会のメンバーの選定理由をお伺いします。また、トレーダーや暗号資産取引の実務者がほとんど参加しておらず、議論が不十分であると考えますが、政府の見解をお伺いいたします。

#77
○政府参考人(中島淳一君) ただいま議員から御質問がありましたとおり、金融庁では、暗号資産をめぐる諸問題について制度的な対応を検討するため、二〇一八年三月に仮想通貨交換業等に関する研究会を設置し、同年十二月に報告書を取りまとめております。
 本研究会には、暗号資産や金融取引に関する学識経験者や技術に明るい有識者、暗号資産交換業者や外国為替証拠金取引、いわゆるFX取引の業界団体など幅広い関係者に御参加いただき、御議論をいただいたと考えております。
 また、暗号資産のデリバティブ取引における証拠金倍率の上限は内閣府令で定めたところでございますが、その決定に当たっては、一般の投資家、いわゆるトレーダーも対象に含めたパブリックコメントの手続も経ているところでございます。

#78
○音喜多駿君 まさにそのパブリックコメントで非常に反対意見が多かったわけですね。そして、自主規制団体からの反対はなかったということも仄聞しますが、金融庁と強い結び付きがある自主規制団体では金融庁の方針には正面から異を唱えられないという事情は差し引かなければならないと思います。日本暗号資産ビジネス協会や新経済連盟から異議が表明され、暗号資産メディアからも共同の反対声明が出されております。
 この問題になっているレバレッジ二倍への引下げ規制を行えば、海外事業者への資金流出を招き、国内企業の資本力及びサービスの低下につながることを懸念しています。今回の規制は過剰ではないかと考えますが、金融庁の見解、簡潔にお伺いいたします。

#79
○政府参考人(中島淳一君) 暗号資産のデリバティブ取引における証拠金倍率の上限については、仮想通貨交換業等に関する研究会の報告書において、仮想通貨の価格変動は法定通貨よりも大きいことを踏まえ、実態を踏まえた適切な上限を設定することが適当と考えられる、またEUにおける規制で二倍とされていることなども踏まえて二倍とすることを基本と検討すべきとの意見もあったということが記されております。
 これを踏まえまして、その具体的な上限については、外国為替証拠金取引、いわゆるFX取引に係る証拠金倍率と同様の考え方の下、過去のデータから取引量の多い主要な暗号資産の一日の価格変動をカバーする水準を算出、勘案して二倍と設定しております。
 また、この三月十二日においても暗号資産の価格は大幅に下落し、一日の変動率はビットコインで三七%、イーサで四二%となっており、一日の価格変動をカバーする証拠金倍率の上限としては二倍程度が相当になっていると考えております。

#80
○音喜多駿君 まさにレバレッジを、流動性の観点からですね、必ずしも下げればこれは安全になるものではないということは、もう研究結果でも示されております。
 そして、これ最後になると思います、大臣にお伺いしたいんですけれども、今金融庁の方からも海外事例のお話がございました。そうであれば、これ海外に合わせるということであれば、それは規制だけではなくて税率の方も合わせていただきたい、併せて検討をいただきたいというふうに思っています。そうすることで、大臣も従前より評価している日本のブロックチェーン技術の未来にも寄与していくことになるんだろうなと思っています。
 具体的には、現在、最大税率五五%の総合課税ではなく分離課税にすること、損益の通算と損失の繰越控除を認めること、仮想通貨間の売買を非課税化すること、また少額決済を非課税化することなど、金融庁として税制改正要望をするべきです。
 ここまで海外ときちんと比較をし制度を改めれば、再びブロックチェーン技術、暗号資産は世界と伍するようになれると考えますが、最後に大臣の見解をお伺いいたします。

#81
○国務大臣(麻生太郎君) この暗号資産とかいう、何となく名前も、名前も何となく、暗号と言われると何となく怪しげな感じがなきにしもあらずなんですけれども、もうちょっと別の名前、ステーブルコインと言っているんだから、もうちょっとそれの日本語を使ったらどうと思いますけどね、推進したいとあなたが本当に思っているんだったら。ステーブルコインという名前の方がよほどステーブルに聞こえない。違うかね。そういうことを考えた方がよっぽど言っている話がもっと現実的になってくるんだと思って、どうもよく分からぬのだけど。
 とにかく、外国為替の差益と同様に雑所得とされているという話については、総合課税の対象になるんだと理解しているんですけれども、日本においては株式の売却益というのはこれは分離課税の対象としているのは、これはもう御存じのように、所得税の再分配機能というものをある程度損なってでも株式の家計というものに対して少し比率を占めないと、今、一千九百兆円ぐらいあります個人金融資産といううちの九百五、六十兆円が現預金ですから、これはどう考えても異常に、金利もこれだけ低い状況の中でこれをやっているのはおかしいんじゃないですか。もう少し貯金より投資へということを進めさせていただいて、つみたてNISAだ、NISAだ、子供向けだ、いろんなことをやらせていただいて投資をさせていただいているという我々の政策的なあれを前提としてそういうことをしてきているんですが、こうしたことを踏まえますと、今、音喜多さんの言っておられる話は、この暗号資産というものを家計にも進めろという話と似たようなことになるので、なかなか今の段階としてはまだ難しいんじゃないかなというのが率直な実感です。

#82
○音喜多駿君 ありがとうございます。終わります。

#83
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日一番の有村治子さんの質問は、麻生大臣と同じように、私も大変鋭い質問だというふうに感服をいたしました。今や中国共産党に厳しく物を言うのは有村さんと我が党ぐらいじゃないかというふうに聞いていたところでございます。
 その点では、先日本会議で申し上げたように、中国との技術連携を視野に入れたようなスーパーシティ構想は是非自民党の中でも踏みとどまっていただきたいということは一言申し上げておきたいと思います。
 さて、今日は、前回、日銀の黒田総裁に、コロナ対策で世界の中央銀行から出ているお金が、緩和マネーが投資ファンドなどを通じてリスク資産に流れていると、そのことを御指摘して注意を促したところでございます。
 ちょっと大事な問題ですので麻生大臣の御見解もお聞きしたいと思いますが、黒田総裁は、そういう緩和マネーがファンドを通じてリスク資産に流れているということについて、中央銀行の巨額の資金供給が流れている可能性は否定できないということと、注意をしていかれるようなことを御発言がございました。
 そのときに黒田総裁に申し上げたのは、簡単に言いますと、この十年振り返りますと、リーマン・ショックがありまして、あの後、銀行部門には規制強化しっかりやるようにというふうな規制改革進んだんですけど、投資ファンド、一番力大きいんですが、投資ファンドなどに対しては十分な規制が進まなかったと、進んでいなかったと。そのファンドがどんどんどんどん膨張して、今やリスクの高い、ハイリスク・ハイリターン、リターンを、利ざやを稼がなきゃいけませんので、そういうハイリスクの資産へ投資を増やしていると。そこに今回のコロナマネーも、コロナ対策による、コロナ対策の中央銀行の緩和マネーも使われていると。このことは大変危ない面もありまして、リーマン・ショックのときがそうだったわけですが、サブプライムという危ない商品、当時は格付も高いはずだったのが急に下がるわけですが、そういうものにリスクマネーが集中をして、それがはじけて破綻して、あの大恐慌になったわけであります。
 今の流れもそういう流れが強まっているので注意すべきではないかということを申し上げたわけですが、麻生大臣として全体どう捉えておられるか、御見解を伺いたいというふうに思います。

#84
○国務大臣(麻生太郎君) 先日、五月二十六日でしたか、日銀総裁との話の中で、いわゆる、簡単に言えば、高リスクの資産というものに資金が流れ込んでいるということはこれ否定はできぬという話を黒田さんもしておられたと思いますが。
 圧倒的に国内の企業とか事業者の資金繰りの方向に向かっているのはこれはもう間違いないです、目先は、そうだと思うんですけれども、これが内外経済及び金融資本市場に大きな影響を与えているというのはもう間違いないんだと思いますけれども。今、我々と日本銀行とで強力な資金繰り支援ということをやっておりますので、日銀総裁と財務大臣がそろって記者会見って、アメリカなんかじゃ考えられませんから、今、片っ方は金利を安くすると言っているのに対して、FRBは金利を上げろって、全然一緒に記者会見なんかできるような状況じゃありませんから。そういったようなところと違って、うちは同じ方向を向いてやっていますよというメッセージを海外に出すということが必要だったと思っておるんですけれども。
 企業のいわゆる金融というものの円滑化というものと、いわゆるマーケット、金融市場の安定化というものに努めておるところなんですけれども、これ、我々以外、我々というか、日本以外でもこういった感染拡大による経済とか金融とかいうものに対応するためにいろいろな施策をしておられるので、その内容をいろいろ、G7の電話会議とかいろんな意見を交換させていただいておりますけれども、金融市場の安定というのに努めさせていただいているというのは大事なことで、おかげさまで今、円も百七円前後で、ほぼということになっておりますし、株価も二万円前後ということを維持しておりますので、我々としては、いろんな意味での流動性の過剰化というものが直ちに金融面の不均衡につながっているとは今考えていないんですけれども。
 一方で、いわゆるファンド等々、リスクマネーと言われるようなものを含めた金融市場の動向というのはよく見ておかないと、これは金融面でのアンバランス、不均衡というものが蓄積をしてきますと、様々なもしもというショックに対する脆弱性が高まるということになりますので、これまで同様、こういったものはよく見ておかないといかぬところだと思って十分注意していく必要があろうと思っておりますので、いわゆる経済財政の運営について万全を期していく必要があろうと考えております。

#85
○大門実紀史君 今日の質問の趣旨は、そういうマネーの動きを見ながら、課税、税ですね、税についても考えていくべきだという質問をしたいんですが、その前に、今日の朝日新聞にも出ておりますが、このコロナ対策による大量の国債発行、補正で国債の追加は約五十八兆円ぐらいになるんですかね、過去最高になって、当初予算分と合わせた今年度の国債発行額は九十兆円を超えると、これは、リーマン・ショック後の二〇〇九年の五十二兆を大幅に上回るというようなことが報道もされております。
 終息後の国債の償還あるいは財源措置をどうしていくのかという記事なわけですが、現時点で財務省として、コロナ終息後のこの国債の償還、その財源措置、増税で賄っていくのか、西田さんがよく主張されるようなMMTというような考え方もあるわけですけど、どのようにコロナ終息後の国債償還、財政措置、今のところお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

#86
○国務大臣(麻生太郎君) これは大事なところなので、政府として、今この感染症に対する影響を抑えるために、一次補正、二次補正等々決定させていただいていろんな対策を挙げているところなんですが、第二回目になります今回のお願いする補正予算の編成というものによりまして、公債依存度は、税収が、今挙げておりますように六十三・五兆円という税収があるという状況下でも、リーマン・ショックを上回ります五六%を上回りますということは、財政は極めて厳しい状況にあるということはもう間違いないところだと思います。
 したがいまして、これ、我々としては何としても、経済というものを考えたときに、経済再生というものと財政再建というものは、これ二兎を追わなきゃいかぬというのをこの内閣始まって以来ずっと申し上げてきておりますけれども、私どもとしては将来世代というものに対する責任も含めて考えにゃいかぬところなのであって、財政の持続性を確保していくことからもこれは両方避けて通れぬ。大事な経済再生のために今財政出動が必要であることは確かですけれども、その財政というものが信頼をなくすと、少なくとも、円安に振れてみたり金利が急上昇してきたりと、いろんな状況を考えねばいけませんから。MMTみたいな調子のいい話ばっかりに世の中いかぬので、そういったような話で我々はこの日本というマーケットを実験場にするつもりはありませんので、極めて丁寧に、かつ積極的に対応していかなければいかぬところだと思っております。

#87
○大門実紀史君 我が党は、とにかく今目の前で生きるか死ぬかという方々を国が責任持って借金してでも救済するというのはもう国の責任だというのがあれですから、国債の発行を、何というんですかね、財政面ばかり考えて、やるべきことをやらないということは違うと思っておりますし、そのことを主張してまいりました。
 ただ、この今の国債というのは、平時の国債発行、元々今大変なわけですよね、発行しないでやれないわけですが、とはちょっと違って、やっぱり非常時の、本当に緊急事態の、何十年に一遍ぐらいの国債発行だと思うわけでありまして、これは通常の国債とは違う管理をして、違う償還なら償還というような考え方、別の、別建ての国債の管理の考え方をまずすべきだというふうに考えますが、その点はいかがでしょうか。

#88
○国務大臣(麻生太郎君) 突然の御質問ですけれども、今のお話は、コロナ債とかいろんな名前、適当な名前があるんだとは思いますけれども、そういった話を言っておられるんだと思いますけれども、私どもとして今それを考えていない最大の理由は、今私どもが発行させております債券というものは、基本的には特に支障なく市場において消化をされていると、私どもはそう思っておりますので、今すぐこの問題に関して特別の債券を発行するというようなことを考えているわけではありません。
 確かに、おっしゃるように、我々は一九〇五年、日露戦争のときに戦時公債を発行しております。あのとき四十年でやったんですけれども、実際あれを返済し終わったのは一九八八年の六月に返済しておりますから、八八年、八十年掛けて国債を返済をしたというのが我々の歴史でもありますので、そういった意味では、日本は金を貸したら必ず返してくれる国という意識を世界中に定着させた。金融業者でこの事実を知らない人はよほど国際金融知らない人ですから、そういったものを筋付けたのは大したものだと思いますけれども、今私どもとしては、この国債というのを特に名前を付けて新しく別に発行せねばならぬという状況に今はないと思っておりますので、今の御提案としては、私どもとしては頭の中にないわけではありませんけれども、今すぐそれをやるということを考えているわけではございません。

#89
○大門実紀史君 コロナ債というようなものを発行するか、あるいはその償還の財源手当てを別途考えていくかだと思います、何とか債じゃなくてですね。
 いずれにせよ、ちょっと別の、今回のコロナ対策での相当の国債の発行というのは別管理で、別の考え方でやっぱり対応していくべきではないかということを、まあ具体的にという話はまだこれからですけどね、ちょっと思います。
 もう一つは、やっぱり経済成長によって税収を稼いで償還をしていくということ、あるいは税制改革に踏み込んでいくということと、もちろん無駄を削っていくというようなことを併せて、この国債の問題、コロナ終息後の国債をどうするかという問題は対応していくべきであるというのが我が党の考え方でございます。
 その上で、先ほど申し上げた緩和マネーの話に戻りますけれど、これは前回、黒田総裁にも示したんですが、資料の一枚目でございますが、そのお金がどこに行っているかというと、どこに流れているかというと、結局タックスヘイブンのケイマン諸島、日本はケイマン諸島が多いんですけれども、にその証券投資残高が急速に増えております。安倍政権下でいえばほぼ倍加しておりまして、大半はファンドを通じた機関投資家、富裕層のマネーであります。あと、下の方の図は、日本の銀行のケイマンへの投資額も同様に増えていると。要するに、富裕層が、ファンドに委託した富裕層ですね、が銀行融資も活用して投機的な取引、レバレッジをやっているという姿が浮かび上がるわけですね、ケイマンとか、こういう流れでいきますと。
 こういう状況の中で、先ほどの、これからの財源手当てを考える上で、例えば、アメリカのシンクタンクであります政策研究所のIPSは何を今言っているかというと、このコロナの最中に弱者の方は痛みが集中していると。一方で、IT長者という言い方をしておりますけど、そういう富裕層は巨額の利益をこのコロナの下で得ているということを指摘して、何がどこで財源を求めるべきかというと、当然、もうかっている、このコロナの中でもうかっている富裕層から税金を取るべきだということをアメリカのシンクタンク、IPSは提言をしております。
 イギリスのガーディアンには、例の「二十一世紀の資本」を書いたピケティさんがインタビューを載せておりまして、同じように、こういう格差が広がっていると、この中でですね、コロナの中でも、したがって、コロナ対策で想定される多額の公債、債務の対処、債務の返還については富裕層への課税が有効だということを、ピケティさんらしいんですけれども、おっしゃっております。
 ちょっとやっぱり驚くのは、コロナのこの中でも格差が広がっているということが大変驚くことでありますので、日本も、我が党は資産課税含めていろいろ富裕層への課税は求めてまいりましたけれど、このコロナの事態、コロナの中でも格差が広がっているという事態を踏まえて、そういう富裕層への課税ということは、やっぱりもう検討に、視野に入れていくべきではないかと思いますが、いかがですか。

#90
○国務大臣(麻生太郎君) 今お話にありましたこの新聞の記事、これEUのあのおばさんの話なんですけれども、今委員長になったのはフォン・デア・ライエンという、今これ欧州委員長になっていると思いますけれども、この記事なんだと思いますが。
 やっぱり我々としては、今言われた将来世代への責任というものも念頭に置きながら、財政出動というので大幅に財政出動やらせていただくことに決めて事は動いておるんですけれども、財政を言わば持続性を確保していくという、これはもう絶対重要なことなので、私どもとしていろいろ検討をしておかにゃならぬところだと思っておりますけれども、今、富裕層への課税を強化すべきと、これ一つの考え方であることはもう確かだと思いますが、富裕層への課税としては例えば所得税とか資産税とかいろいろありますけれども、累次の税制改正というのを所得税もやらせていただきましたし、最高税率も、それから金融所得課税のあれも上げさせていただきましたし、それから基礎控除の適用制限もやらせていただきましたし、いろんなことをやらせていただいたんですが、最高税率の引上げ等々もずっとやらせていただいているんですが、これによって高所得者ほど所得税の負担率が上昇する傾向にあるのはこのところ確かなところだとは思っておりますが。
 今後の税制の在り方ということになろうと思いますけれども、令和二年度の与党の税制改正大綱において、この株式譲渡益課税の、金融所得に対する課税の在り方の検討等々が今されているんだと理解しておりますけれども。いずれにしても、これまでの改正の効果を見極めて、この経済社会の中での変化というものを踏まえながらこれは検討する必要があるんだと思っておりますけれども、このコロナの中で経済を活性化させつつきちんとしたそういったことをやるということを考えにゃいかぬところが一番難しいところだと思っておりますけれども。
 いずれにしても、国際化が進んでいる中でBEPSの話がこれですっ飛ぶことがないようにしておかないかぬところなので、このBEPSの話だけは、日本がリードしてこの六年間やってきましたので、これだけはきちんと、GAFA含めていろいろな問題が起きていることは確かだと思いますので、こういったものを含めてきちんと対応していくということが国際的な協調の中でやっていかないかぬというところは必要だと思っております。

#91
○大門実紀史君 この間、実体経済の先行きは物すごく不安が広がっているんですけれど、株価が一旦下がりましたけど、乱高下しましたが、結局落ちていきますよね。つまり、実体経済とマネーの動きの乖離が、前から指摘されているように、もうすごく乖離しているわけですよね。株を含めて、マネーの動きは別の事情で、別の話で動き回っていると。これは、まさにもう世界で指摘されているように、このコロナの中でも、マネーの動きによって非常に巨額の富を得る一定のIT長者と言われる富裕層が出現しているということなので、そういう点から、いろんなところで富裕層課税ということが新しい課題として出てきているということは踏まえていただきたいというふうに思います。
 もう一つは、この間、二枚目の資料ですけど、このコロナ後の財源として浮上してきているのが金融取引税でございます。
 要するに、やっぱりこの財源がどうするかというところでいくと、この金融取引税を導入を考えるというふうな流れになってきているわけですね。資料の二枚目というのは、EUが共通債を発行して復興計画、コロナの復興計画というのだったんですが、七千五百億ユーロの復興基金でありますけど、その財源の一つとして金融取引税についても選択肢に入れております。
 つまり、これもさっき言った流れなんですけれど、実体経済が大変になっていろんな人が困っているけれども、マネーを動かす人たちはもうけまくっていると、下がったら下がったでもうけるわけですよね、株価が。そういうことをやってもうけまくっているというふうなことに対して、やっぱり金融取引に税金を掛けるべきじゃないかという流れが強まっております。フランス、イタリアでは既に金融取引税は導入されておりますし、EUの十か国も導入に向けて話合いを進めておりますし、このEU全体の中でもそういうことが視野に入っているということです。
 これ、国際連帯税という言い方で言えば、日本の国会でも林芳正さんが中心になって頑張ってこられましたが、議連ができて国際連帯税をずっと考えようということで、超党派で考えたりしている中の一つのメニューとして金融取引税というのがあるわけですね。
 金融取引税というのは、個人の投資家に課税するんじゃなくて金融機関に課税するものでありますけれども、財源論とともに、さっき言った投機的な金融取引を抑制しようという効果もあるわけであります。これ、外務省の毎年の税制改正要望でも取り上げられてきている、政府も取り上げているメニューなんですね。
 今後求められるこういういろんな感染症対策の資金源ということにもなってくるわけですので、金融取引税の導入を日本でも具体的に検討すべき段階に来ているのではないかと思いますが、いかがですか。

#92
○国務大臣(麻生太郎君) 七、八年前ですかね、これはたしか金融取引税というのがヨーロッパに導入された、一部導入されたというように記憶をしますけれども、あのリーマン・ショックを契機として、国際的な金融危機に伴うコストというようなものに対して負担をということから議論があのときは開始をされたんだと思いますね、あれは。たしか七、八年前からこれ結構具体的な話になってきました。その前、我々は野党だったときに、国際金融の中では結構やっておられたはずです。私ちょっとその頃は詳しく知らないんですけれども、やっておられたはずだと思いますので。いわゆる国際的な金融危機に対応するための費用について金融セクターに負担を求めるべきだというのがその背景だったんだというふうに記憶をいたしますけれども。
 もう一点大事なことは、不健全な国際金融取引というか、そういう投機的な取引等というものに関していかがなものかということを目的として、あのときは最後は、そこが一番、最後のところはよく記憶がないんですけれども、されたんだと思いますが、これを、同様の税を日本にも導入するというお話をされたんだと思いますが、日本の金融機関と海外のああいったような金融機関とちょっと内容が大分違いますし、ヨーロッパとかアメリカとかいうのとも少し違うというのに加えて、仮にこれを、大門先生、導入した場合、コストが金融機関じゃなくて貸出先に転嫁されていくということだったりしないかなという感じと、取引自体が多分、日本でやらないで海外でやるということになって、日本はそれをまた捕捉しづらい、税金は海外でというようなことになっていくというような点をちょっと留意せにゃいかぬところなんで、フィンテックの発達によってそういったものが対応できるような時代になるかならないか、ちょっとよく分かりませんけれども、十分に注意する必要があるのかなという感じがします。

#93
○大門実紀史君 終わります。

#94
○渡辺喜美君 みんなの党、渡辺喜美です。
 平成の三十年の間に、日本は二回危機に見舞われました。そのときの教訓、まず、モラルハザード回避を最優先にするのか、それとも大恐慌型不況回避を優先するのかという決断ですよ。どうしてもこういう危機にあってモラルハザード回避が優先だという発想になりがち、特に日本の場合には統制型の行政システム、非常にある意味、緻密、公平、公正を旨として。ところが、こういうことをやっているうちに、本来はもっと早く配られるお金が遅れ遅れになっちゃうなんというのはもう現実化しているわけですね。また、リーマン・ショックにおいて明らかになったように、国家経営のマクロ政策、これを間違えると、逐次投入、兵力の逐次投入をやると問題が長引くということですよ。
 さて、今回はどうかと。
 まず、景気の方ですけれども、消費増税以前の昨年、六月―九月において、もう既に成長は止まっているじゃありませんか。そこへ増税の追い打ちで七・三%、年率、マイナスになった。で、今回、三・四%マイナスになる。四―六は、この間も黒田さんに聞きましたように、さすがに黒田さんも個人的見解と断りながら、悪くなりますとおっしゃっていましたが、政府の見通しはいかがですか。

#95
○政府参考人(茨木秀行君) お答えいたします。
 我が国経済につきましては、外出自粛や接触機会削減により経済活動を抑制している中で、家計や企業の経済活動が急速に縮小しておりまして、過去に例を見ない厳しい状況となってございます。また、海外経済につきましても感染症拡大に伴う低迷が続いておりまして、お尋ねのありました四―六月期につきましては、数字上相当厳しいものとなるということが想定をされております。
 他方で、先日、緊急事態宣言が解除されております。今後は、感染防止策をしっかり講じながら、段階的に経済活動のレベルを引き上げていくということになりますけれども、これで直ちに経済が元の状態に戻るということではありませんので、政府といたしましては、引き続き、あらゆる政策手段を総動員いたしまして、事業、雇用、生活を守り抜くということで、経済の回復基盤を維持をしてまいりたいというふうに考えてございます。

#96
○渡辺喜美君 民間の予測は、御案内のように、どこでも年率二〇%マイナスを超えるだろうというのが通り相場ですよ。もう既に消費税で十兆円飛び、一―三に五兆円飛んでいるわけですからね。それよりも更にマイナスになるというとんでもないことがこれから起きる、まあ現に今起きているわけであります。
 大体、一―三の数字で、三月分入っていないですよね、たしかね。だから、間もなく出てくる三月分も入ると、これ、三・四どころじゃ済まなくなるわけですよ。
 さて、そういう中で第二次補正予算案が決定されたわけでありますけれども、さて、この真水はいかほどでしょうか。

#97
○国務大臣(麻生太郎君) 真水についてはこれ特に定義がありませんので、何をもって真水と言われるかはいろいろあるんだと思いますけれども。前回の総合経済対策、十二月ですけれども、今回の緊急経済対策、四月というので、これ、政府から経済に流れる資金として、国費、それから地方費、それから財政投融資ありますけれども、合わせてこれを財政支出としてお示しをさせていただいておりますので、今回の第二次補正予算におきましては、国費三十三兆円、財政投融資三十九兆円、合わせて財政支出としては七十三兆円ということになっておりますので、一次補正予算と合わせて約百二十一兆円の財政支出ということを行うということにさせていただいたというように御理解いただければと存じます。

#98
○渡辺喜美君 それが公式見解かとは思いますが、有効需要を創出するのに役立つという観点からすると、今回の第二次補正予算案、真水は残念ながら十兆円ぐらいですよ。予備費十兆円も、これは使われていませんからね。何に使われるかは分からない。それから、企業の資金繰り対策という観点からは評価できますけれども、十一兆円ですか、資金繰り対応強化十一・六兆円。これは真水とは言えませんね。
 では、お尋ねいたしますが、この資金繰り対応強化、これを総合的に指令を出す、そういうのはどなたがおやりになるんでしょうか。

#99
○国務大臣(麻生太郎君) 総合的に、その前に、資金繰り対策というんでしたら、やっぱり渡辺先生、予算のときを編成させていただいたものでいえば、税収見積りをその前にいたしておりますけど、二十六兆に及ぶ税金を先延ばしできると、これは企業にとりましてはでかかったんですよ。僕は、そこは余りおっしゃられませんけど、経営者の人にとってはこれは大きかったんだと思っておるんですけれども。
 そういうこともやらせていただいた上での話ですけれども、資金繰り対応の強化について、今、我々はその執行に当たって、司令塔ということですけれども、これ、特にここが全部一括で全部決めているという司令塔があるわけではありません。公庫とかそれから民間の金融機関とか、無利子無担保等々の話、これまでの支援の拡充等々、中小企業事業者向けの融資約八・八兆円というのをやらせていただいておりますうち、政投銀、また商工中金等々、中堅・大企業向けの危機金融対応の融資規模、これは約〇・五兆円ですし、それから、資本性として劣後ローン等々の話がありますけれども、ファンドの拡充とか資本性資金の活用が約二兆四千億等々、中小企業、小規模事業から中堅・大企業まで資金繰り対応をいろいろやらせていただいておるんですけれども、全てこれら、財務省、金融庁、中小企業庁とか経産省といった各省にまたがる施策でありますので、一概にして、これまとめて一人で総合指令を出しているということはやっているわけではありませんので、きめ細かく対応させていただいているというのが実情であります。

#100
○渡辺喜美君 きめ細かくばらばらにやってもらっては、残念ながらこのお金が生きてこないということになってしまうわけであります。
 四月二十八日の予算委員会、衆議院予算委員会ですが、自民党の岸田政調会長が大変面白い御提案をされていますね。岸田さんは、私の記憶するところ、元銀行マンですよ。この方が、政府の責任において何と債務免除を行うスキームを考えてはどうかという御提案ですね。おお、岸田さん、グッドと私は思いました。
 ところが、今回の第二次補正を見ますと、給付とか助成金とかいうのはあるんだが、この債務免除に匹敵するのはまるっきりないように思いますが、なぜこれ消えちゃったんでしょうか。

#101
○国務大臣(麻生太郎君) これは、債務をはなから免除すれば、それは給付ですわな。中小・小規模事業者の円滑な資金繰りというのをこれ支援するというのは、これ大変重要なことなんですが、これまでの対策において、日本公庫等々から無利子無担保等々の融資を含む特別貸付け、保証制度の拡充とか、民間金融機関によります無利子無担保等々の融資を可能にする制度を創設するなどの措置を講じてきたところですけれども、今の債務免除の話でありますけど、与党においていろんな議論があったということにつきましては私どものあれではないんで、一般論として申し上げると、貸付金ということですから、貸付金を免除するというのは、これは補助金とか助成金とあれは違います、貸付金は違いますんで、債務者から返済をされてもらうという前提で貸し付けるというのなんで、初めから免債、免除を前提に貸し付けるということは、これはちょっと、それは給付金とか名前変えた方がいいんであって、そういったことはちょっと私どもとしては慎重に判断を行う必要があると思っております。
 他方、政府としては、このコロナウイルス感染拡大の緊急事態として二百万円の持続化給付金とか十万円の特別定額給付金というのを措置しておりますので、今般の二次補正においても、売上高等々に直面しておられる、いろいろ厳しい状況にあります事業者の事業継続を支えるという意味で、いわゆる家賃とかが固定費なんかに占める比率が大きな割合を占めることを踏まえまして、いわゆる最大限になりますと家賃で支援給付金約六百万円になろうと思いますけれども、それを創設することといたしておりますので、こうした給付措置と融資の特別貸付制度等々を組み合わせながら、雇用の維持とか事業の継続とか、いわゆる生活の下支えというものに万全を期したいというふうに考えておるところであります。

#102
○渡辺喜美君 岸田政調会長御自身は融資と助成のハイブリッド型と呼んでおられるようでありますが、今、金融の方はスムーズに流れているような気がする。しかし、実態を見ると、例えば、今借りている元本が有利子で、これを無利子無担保に切り替える、そういうのが結構多いんですよ。ですから、それは当然応諾されて割とスムーズに流れていくわけであります。
 ところが、先ほど来御議論がありますように、V字回復しない可能性も高いわけです。L字になるかもしれないし、またL字から更に底割れ、二番底のおそれだって決してないわけじゃないんですね。
 大体、平成の教訓、九七年の金融危機のときにシステミックリスクが起きたわけですよ、平成の金融恐慌が起きたわけ。そこから先、何が起きたか。九八年から自殺者が三万人の大台に乗ったんですよ。コロナで亡くなる方よりも自殺する人の方が多い。これ話になりませんよ。大体、真面目な人ほど深刻になるんです。お金を借りて返せなくなる。そうすると、うつ病にかかって自殺者リストに載ってしまう。私の友人も何人もそういう目に遭った人たちがいますよ。
 ですから、やっぱり政治は人心を収らんする、人心が千々に乱れないようにする。こういうときにはモラルハザード回避を優先するという政策対応では駄目なんです。
 ですから、これは債務免除、まあ民間が債務免除やるということはありますよ、民間の金融機関がね。それは、貸倒引当金積んでいて再生のときにヘアカットをやるというのはあるでしょう。でも、今回は国が国の責任において債務免除をやる。これ、長期的に考えれば、健全な企業が突然売上げ九割減とか、幾らでも今あるわけですよね。じゃ、無担保無利子のお金を借りて五年後に立ち直ったけれども、この資本のような融資がなかなかこれ返済できないでいる、繰越欠損金も相当積み上がってしまっている。でも、こういうのを債務免除してあげれば、繰越欠損金なくなるじゃありませんか。違いますか。免除益というのが出てきますよね。ですから、そうすると、昔のように健全な企業に戻って繰越欠損金が解消されれば、税金だって取れるじゃありませんか。
 そういう長い目で見て、日本のこの経済を大恐慌型不況に陥らせない、そういう視点は、大臣、お考えになりませんか。

#103
○国務大臣(麻生太郎君) 徳政令みたいな話を言っておられるんだと思いますので、昔、学校で徳政令というのは江戸時代にあったなという話は今伺いながら思いましたけれども、あの亀井静香金融担当大臣が似たようなことを言って私のところに来られましたなという記憶も今思い出しましたけれども、今私どもとして徳政令というようなことをやるつもりはありません。
 少なくとも今の段階はそれほどのような状況にはありませんので、まずは無利子無担保で五年間の据置き等々のものに、今金利付きで借りているお金がそれに借り換わっていくだけでも随分違いますし、それだけで資金繰りが付いているということにもなりますので、そういった意味ではということだと思っております。
 それでも、この七年間、安倍内閣になってからは自殺者は約一万人減っていますから、そういった意味でも、今の状況というのは極めて深刻な状況ではあろうとは存じますけど、今の段階で徳政令を考えていることはありません。

#104
○渡辺喜美君 とにかくモラルハザード回避、これを優先するという発想をやっていますと、経済は回復しないどころか残念ながら非常に良くない状況になる可能性が高いということですよ。
 まあ債務免除を徳政令と言われましたけれども、デフレ経済に陥った日本の中で何が欠けていたかと。
 我々が取り組んだのは、倒産法制の整備ですよ。これは当然債務免除伴うわけですね。これ民間にやらせる。そうすると金融機関が資本不足になって資本を金融機関に入れなきゃいけない。要するにソルベンシーの問題が出てくるわけですね。だから、流動性の問題じゃなくて、支払能力がなくなっちゃう。だから、バケツに穴が空いているのと同じで、幾ら水つぎ込んだって、バケツの底から、穴が、漏れちゃうというのが起きたわけでしょう。
 ですから、こうなってからでは遅いということなんですよ。倒産法制は整備をした。それから、金融健全化法から始まって、再生法とか、今の金融機能強化法、こういうものを発動するときにはもう相当不良債権がたまっちゃっているということなんですよ。だから不良債権をためないということなんです。まあ、会計基準を変えて、これは不良債権じゃないよというやり方もあるかもしれませんが、私は、リアルマネーを入れる、入れたお金を免除するということをやれば、これ真水、立派な真水になっていくわけであります。
 どうですか、大臣、何か御感想ありませんか。

#105
○国務大臣(麻生太郎君) 今申し上げた、先ほど申し上げたとおりなんであって、今私どもとして、特に金融機関等を見まして、金融機関が総体的に見て、国際的に見て、日本の金融機関が、いわゆる状況として銀行自体が債務超過になっているとか貸出しするだけの資金がないとか、そういった状況にはないというのが今の現状で、金融機関は、リーマンのときと全く逆で、今回は総体的には極めて健全な状況にある。自己資本比率見ましても、各、他行に比べ、他行というのは他の国の銀行に比べましても極めて安定した内容になっておるというのが現状だと思いますので、今言われましたお話というような状況に至っているというような感じはいたしておりませんが、いずれそういうことになる前にというんで私どもはそれなりの準備をさせていただいて、資本を増強する等々いろんなことをあらかじめ考えておかにゃいかぬとは思っておりますけれども、今の段階、たった今の段階でそういうような状況にあるとは考えておらないということであります。

#106
○渡辺喜美君 とにかく金融機関への資本増強をやるときにはもう手遅れということなんです。
 ですから、今回せっかく資本性のお金を民間企業、産業サイドに入れるというのは大変結構なことですね。当然、これは借り手の財務改善につながっていくわけでありまして、レバレッジが非常に高くなるわけですね。何倍にもレバレッジが効きますからね。ですから非常にこれはいいアイデアだ。
 問題は、問題は、先ほど来お話が出ていますように、この目利きを誰がやるんだと。要は、各省ばらばらでやっておるわけですよ、今。経済産業省の系統。しかし、目利きが一番利くのはメーンバンクなんですよ、民間の取引先の金融機関が一番分かっているんです。そういう目利きを十分生かせていると思いますか。

#107
○政府参考人(栗田照久君) まさに委員御指摘のとおり、今回の新型コロナウイルス感染症対応というのは、民間金融機関のこの目利き力が問われるという場面であるかというふうに考えております。
 これまでも、金融庁といたしましては、担保、保証への過度な依存は改めて、金融機関によりますその事業者のその事業の将来性とか中身をよく見た融資を促進する、そういう観点から金融検査マニュアルも廃止し、民間金融機関が創意工夫を発揮していただくというふうにやってきたわけでございまして、是非、この局面では、民間金融機関がこれまで蓄積した能力を遺憾なく発揮していただきたいというふうに考えてございます。

#108
○渡辺喜美君 ちょっと時間がなくなってしまいましたが、日銀がこの前発表した新しい資金供給システムも大変結構なんですけれども、このスキームの難点の一つが、先ほどもお話があった保証協会の保証渋りですね、この問題がもう一つある。
 それから、中小の金融機関にとっては担保を出さなきゃいかぬということなんですよ。担保を出すにも、国債というのは償還が来ますからね、どんどん償還されていくわけですよ。なかなか新しい国債も入手しにくい、玉が、この間も総裁認めたようにないわけですから。ですから、こういうことが実務が回っていないということにつながっていってしまうんです。せっかくこれだけずうたいのでかい金用意したら、実務が回る、このことに心掛けていただきたいと思います。
 終わります。

#109
○委員長(中西祐介君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────

#110
○委員長(中西祐介君) 次に、金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。麻生内閣府特命担当大臣。

#111
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明させていただきます。
 金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るとともに、金融分野のデジタライゼーションに対応することが喫緊の課題となっておるのが現状です。このような状況を踏まえ、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明をさせていただきます。
 第一に、金融商品の販売等に関する法律の題名を金融サービスの提供に関する法律に改めるとともに、多様な金融サービスを利用者にワンストップで提供する金融サービス仲介業を創設し、登録制を導入するほか所要の行為規制等を整備することといたしております。
 第二に、資金移動業に、第一種資金移動業、第二種資金移動業、第三種資金移動業の種別を設け、第一種資金移動業に認可制を導入するなど、資金の移動の額に応じた規制等を整備することといたしております。
 その他、関連する規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。

#112
○委員長(中西祐介君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト