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2020/06/04 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 文教科学委員会 第9号 令和2年6月4日
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2020/06/04 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 文教科学委員会 第9号 令和2年6月4日

#1
令和二年六月四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     山田 太郎君     世耕 弘成君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     蓮   舫君     打越さく良君
    佐々木さやか君     塩田 博昭君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     衛藤 晟一君     滝沢  求君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川ゆうみ君
    理 事
                赤池 誠章君
                石井 浩郎君
                こやり隆史君
                水岡 俊一君
    委 員
                上野 通子君
                佐藤  啓君
                世耕 弘成君
                滝沢  求君
               三原じゅん子君
                伊藤 孝恵君
                石川 大我君
                打越さく良君
                小林 正夫君
                塩田 博昭君
                高瀬 弘美君
                梅村みずほ君
                松沢 成文君
                吉良よし子君
                舩後 靖彦君
   国務大臣
       文部科学大臣   萩生田光一君
   副大臣
       文部科学副大臣  上野 通子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       内閣府知的財産
       戦略推進事務局
       長        三又 裕生君
       文部科学省大臣
       官房文教施設企
       画・防災部長   山崎 雅男君
       文部科学省初等
       中等教育局長   丸山 洋司君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
       文化庁次長    今里  讓君
       経済産業省大臣
       官房審議官    小笠原陽一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の
 特例に関する法律の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(吉川ゆうみ君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、山田太郎さん、蓮舫さん及び佐々木さやかさんが委員を辞任され、その補欠として世耕弘成さん、打越さく良さん及び塩田博昭さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(吉川ゆうみ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府知的財産戦略推進事務局長三又裕生さん外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(吉川ゆうみ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(吉川ゆうみ君) 著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○伊藤孝恵君 おはようございます。今日もよろしくお願いします。
 各地で梅雨入りが発表されております。気象庁の三か月予報によれば、今年の六月から八月の気温は全国的に平年より高くなる予想だそうです。
 昨日地元の新聞を読んでいましたら、愛知県五十四市町村あるんですけれども、回答があった五十一市町村全てで夏休みの授業、行われるというふうに書いてありました。
 昨年八月の愛知の猛暑日、最高気温が三十五度以上になる猛暑日というのは十三日間あったそうです。おととしは二十日間ですから、子供たちがマスクをしてフェースシールドをして熱中症にならないか非常に心配ですし、今回三密を避けるために特別教室も活用して授業を行うということですが、そこにはクーラーがありません。換気によって熱風が吹き込む灼熱の教室では授業どころではありませんので、今日お配りしております資料一、御覧ください。
 これ、昨年九月一日の時点での冷房設備設置状況なので、少しもうちょっと進んでいるというふうに聞いておりますけれども、この時点では、小中学校の普通教室七七・一%、それから特別教室四八・五%、ここには書いてございませんけれども、体育館は三・二%、災害時の避難所としても使われるところですから非常に心配ですけれども、そして学校給食調理場は二〇%程度なんだそうです。
 厚労省作成の大量調理施設衛生管理マニュアルでは室温二十五度以下、湿度八〇%以下が望ましいとされているものの、空調がない調理場では、七月でも室温が三十五度以上、湿度が九〇%以上、これ調理前ですから、調理中はもっともっと暑くなるというふうに思いますけれども、これがもし八月の猛暑日だとしたら、子供の口に入るものを作ってくださっていますので、この衛生管理はもちろん、調理をしてくださっている方、栄養士の方の労働環境も非常に心配です。
 大臣、この空調のない調理場というのは、文科省によれば、今回、冷却ベストでしのいでくれと、その予算は付けるからというようなふうに説明を受けたんですけれども、そんな無慈悲なことをおっしゃらず、今回の学校等衛生環境改善事業費というのがありますけれども、これを増額するとともに、この調理場の冷房設備設置を事業項目化していただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

#7
○国務大臣(萩生田光一君) 今先生御指摘のように、コロナの感染症による臨時休業の学びを取り戻すための工夫として、夏季休業中も学校を開放する、あるいは登校日を設けるという動きが各自治体で起こっていることを承知しております。空調設備の有無に合わせた活動内容や給食の設定などにも留意をして、児童生徒や教職員の健康確保に十分配慮いただくことは大切なことだというふうに思っています。
 今先生御資料を出していただいたのは元年の九月時点で、普通教室なんかでいいますともう九割を超えましたので、順調には進んでいるんですけど、確かに、特別教室ですとか、あとは、体育館はRCの気密度の高いところはエアコンを付けると非常に効果があるんですけど、言うならば築四十年を超えたようなかまぼこ形の昔ながらの体育館などは、これエアコンを付けることの方が大変でございまして、簡易型などを上手に使いながら対応してもらいたいなと思っています。
 空調設備については、新たな特例交付金を創設をして全国の地方公共団体に補助金を交付するなど整備を進めてまいりました。
 今回、第一次補正予算で創設された新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用によって、いわゆる簡易型のエアコン、室外機を置いてきちんとしたものが間に合えばそれにこしたことはないんですけれど、給食室などの場合は様々、すごく熱の上がるところとそうでないところもありますので、場所をピンで選んでいただいて、移動式のいわゆるエアコンの導入などを可能にしました。第二次補正予算には、学校再開に伴う感染症対策・学習保障等に係る支援経費として調理員の熱中症対策に必要な経費を盛り込ませていただきました。
 児童生徒や教職員の安全、安心の確保のため、各地方公共団体からの相談等には丁寧に対応し、その取組が進むように引き続きしっかり支援をしてまいりたいと思います。

#8
○伊藤孝恵君 地方公共団体からの相談って、例えば、やっぱりこれをちゃんと、施設が古いから今から冷房を設置したとしてもそれは費用対効果が悪いじゃないかと言われてしまうんですよね。そうではなくて、夏休みやるんですから、子供たちの御飯作ってくれるんですから、こういったところにもしっかり冷房設備を付けたいというところには費用助成をする、それから補助率というのも、新設や改修についてそれを上げていく。そもそも地方創生臨時交付金というのも増額してほしいですけれども、この調理場というところについての大臣の課題感、それから今後の対応、もう一度御答弁お願いします。

#9
○国務大臣(萩生田光一君) まず、今年は緊急事態を受けての対応ということになりますので、先ほど申し上げましたように、例えばリースであったとしても、簡易型のエアコンなど移動式のもので冷気をしっかり現場に入れて調理員の皆さんの環境を整えていただきたいなと思っています。
 現状の補助制度ですと、改修や改築のときだけエアコン新設いいですよとなっているんですけれど、今後、これ一段落しましたら、調理室というのも快適な環境で仕事をしていただく必要があると思いますので、これは将来の課題としてしっかり受け止めてまいりたいと思います。

#10
○伊藤孝恵君 ありがとうございます。
 それでは、法案の質疑に入らせていただきます。
 今回、著作権について考えたとき、大切なのは、一つはインターネット上の海賊版対策を始めとした著作権者の権利、コンテンツを適切に保護すること、権利を侵害しないということ、これは当たり前のことです。もう一つは、せっかく生まれたコンテンツというのをより多くの方に楽しんでいただけるように著作物を使いやすくする、コンテンツだって見られたがっていますから、そのための措置であり、このバランスは非常に難しい、ここに腐心するというところです。
 前回は著作権者の権利擁護について質問いたしましたので、本日は利用の円滑化について質問させていただきたいと思います。
 著作権法は、第三十条、私的使用のための複製、第三十五条、学校その他の教育機関における複製等、第三十八条、非営利の一部の演奏や上映等は権利者の許諾を得ずに著作物を利用できると規定されております。この権利制限規定により、例えば児童館などで読み聞かせのボランティアしてくださっている方たち、非営利なのでどんな絵本も自由に読むことができます。しかし、これをオンライン配信するとなると、これ話は別になっちゃうんですよね。オンライン配信は、不特定又は多数の人に届ける公衆送信に当たるので権利者の許諾がないとできません。というか、この非営利の公衆送信という例外規定がそもそも存在しないので、非営利団体であれ個人であれ、今回のコロナ禍で一斉休校している子供たちの家時間を少しでも潤そうと好意でオンラインの読み聞かせをしてくださっている方もいますし、ダンスとかピアノとか、その無料レッスンを解禁してくださった団体もたくさんあるんです。でも、この権利者の許可を得ていなければ著作権侵害をしてしまう、してしまったということになります。
 これ、大臣の御所見を伺いたいんですが、今、アフターコロナの教育ですとかウイズコロナ時代のオンライン授業とかいうのをこの本委員会でも議論している中で、三十八条第一項でしたか、この非営利の公衆送信の例外規定を設けることの是非、これ検討しないといけないんじゃないでしょうか。

#11
○政府参考人(今里讓君) 今ほどお話ございましたように、著作権法第三十八条第一項では、非営利、無料、無報酬で行う場合には、著作物の上演、演奏、口述等が権利者の許諾なく行える旨の規定をしてございまして、今御紹介ございましたように、例えば児童館で対面でボランティアなどが絵本の読み聞かせなどをすると、こういったことは可能になっているところでございます。これは上演、演奏、口述という形で目の前にいる人に対して直接伝達するという限られた場面でございますので、権利者の利益に与える影響が大きくないことを考慮したということでございます。
 他方、御指摘のような公衆送信につきましては、インターネット等を通じて著作物の内容が広く世の中に拡散をいたします。権利者の利益に大きな影響を与えることとなりますので、第三十八条第一項の対象として広く含めることは困難だと考えてございます。
 なお、御承知のように、著作権法第三十五条では、学校等における教育活動に高い公共性が認められることを理由に、授業の過程における公衆送信について、一定の要件の下で権利者の許諾なく行えることとなっているところでございます。

#12
○伊藤孝恵君 次長、概要は分かりました。
 これは、今、私、非営利の公衆送信という例外規定、議論しなきゃいけないんじゃないでしょうか、設けなきゃいけないんじゃないでしょうかという課題感を述べているんですが、もう一度御答弁お願いします。

#13
○政府参考人(今里讓君) 一部繰り返しになりますけれども、先生も先ほど御質問の中でお述べいただきましたように、著作権者の利益ということとそれから円滑な利用というもののバランスを取るというのが著作権法の非常に重要なポイントでございます。
 そして、公衆送信につきましては、繰り返しになって恐縮でございますけれども、著作物の内容が広く世の中に拡散して権利者の利益に大きな影響を与えることとなるということですので、対象として広く含めることは現時点で困難だと考えているということでございます。

#14
○伊藤孝恵君 でも、次長、じゃ、千人の対面があります、ワン・ワンの一人のオンラインがあります。これについてはどう整理すればいいんでしょうか。

#15
○政府参考人(今里讓君) 態様で区別するということは、その量の問題もございますけれども、我々の整理といたしましては、法の精神といたしましては、インターネットで公衆送信は非常に拡散する蓋然性が高いと、このように考えているところでございます。

#16
○伊藤孝恵君 大臣にコメントをお願いします。
 法の精神、もちろん重要です。しかしながら、時代が求めるもの、今、時代の現実というのもあります。それについてこの非営利の公衆送信というのをどういうふうに捉えていったらいいのか、大臣の御所見伺います。

#17
○国務大臣(萩生田光一君) 先ほど次長も答弁しましたけれども、原則非営利、無料、無報酬、これは問題ないということになっているんですけど、先生が冒頭お話しされたように、例えば本の読み聞かせが、相手が特定できて、そして一定程度の範囲、これ、一定程度の範囲というのは何人までだとぎりぎりやるといろいろまた難しい解釈になってしまうんですけれど、じゃ、それインターネットでもいいじゃないか、多くの子供たちが在宅にいるんだから読み聞かせで本を読んであげることはいいことじゃないか、その人は全く無償でボランティアでやっているんだからと、そういう感覚は実はこの法律を上程するときに我々の中でもいろいろ議論ありました。
 ところが、結局、それが拡散の幅によっては、その本を買わなくても本の中身までみんな知ってしまって、本の著作権を持っている方の販売あるいは促進に対して著しい影響があるかもしれないということになりますと、そこはピン留めを一つしておかなきゃならないなというのがこの法律の性格でありますので、権利と利用者のバランスをしっかり取ったということになるので、じゃ、その線引きがどこなんだということになるとすごくグレーなところがあることは今までの議論の中でも正直申し上げてきたところでございます。
 今後もこのバランス見ながら、先生がおっしゃったように時代が変わりましたから、そうはいっても、このオンライン使ってもう少し緩やかな皆さんへの開放というものが必要なんじゃないかということは考えながら、今後進めていきたいと思います。

#18
○伊藤孝恵君 個人が権利者に許諾を得るというのは並大抵のことではありません。
 例えばこの絵本一つ取っても、文を書いた人、絵を描いた人、場合によっては翻訳をした人、監修をした人、保護期間が終了していなかった場合はこの全員に許諾を取らなければなりません。大抵の場合、出版社が一元的に間に入っていることが多いと思いますが、これ出版社に、じゃ、私も使いたい、私も使いたいと問合せが相次いだら、これ対応不可能であります。
 この権利者不明問題というのもありまして、使いたかったら自分で権利者を探してこなければいけませんよと。著作権は財産権と一緒なので、没後七十年以内であれば法定相続人がそれを引き継ぎます。私も以前、「ゼクシィ」という結婚情報誌のCMを作っていたんですけれども、そこで、その表現の中で種田山頭火さんという方の俳句を使うことになりまして、御本人は一九四〇年に亡くなっているので、じゃ、お子さんを探せ、そもそもお子さんはいるのか、いや、でも、お孫さんじゃないか今はというので、みんなでこれ大捜索した結果、熊本在住のお孫さんというのを探し出して、そして連絡を取って、使わせてくださいと言ってお願いをしに行ったことがあります。これ、大変な時間と労力を要しました。
 もちろん、探しても探してもいなかった場合は代替許諾というか、文化庁長官裁定制度によってパブリックドメイン化しますけれども、私の今の課題感は動画なんです。
 先日、大学生百人に一日一回も動画を見ていない人っていますかというふうに聞いたら、見ていない人、ゼロ人でした。全員一日一回は何かの動画を見るそうです。子供たちが一番静かにしていてくれるのもユーチューブを見ているときです。
 この映画等いわゆる作品でない動画の著作権というのは、無法定主義といいますか、創作して世に出した瞬間から著作権というのが発生するんですが、その維持に関与していないという実態があります。今後、著作権者の権利を守る上でも、使いやすくするためにも、動画アップロードの際のレギュレーション、具体的には権利者の設定、登録の見直し、そういうのも必要になってくるんじゃないでしょうか。

#19
○政府参考人(今里讓君) 御指摘のように、動画につきましては、動画全体の著作権に加えまして、動画に用いられる原作、脚本、音楽、実演、レコード等に関する多数の権利が関わるものでございます。そのため、他の分野に比べまして権利処理が非常に複雑な面がございまして、動画を作成、配信する時点で著作権者等を明確にしておくということが重要であると考えているところでございます。
 集中管理の取組が進んでいる音楽分野におきましては、平成二十九年度から三年間、文化庁におきまして著作物等の権利情報を集約したデータベースの構築等を行ったところでございます。また、今年度は管理団体に権利を預けていない個人クリエーター等の権利情報を集約するための調査研究を実施しておりまして、データベースの更なる充実を図ることとしております。こうした音楽分野の実績が他の分野の参考になると考えているところでございます。
 また、内閣府を中心にいたしまして、我が国の多様なコンテンツの利活用を促進するために、放送番組を含め多様な分野のデジタルアーカイブと連携して、コンテンツに関するメタデータ、情報でございます、これを一元的に検索できるジャパンサーチの構築が進められているところでございます。
 さらに、非営利団体の取組といたしまして、著作者が自らの著作物を公開する際に利用条件をあらかじめ意思表示するためのツールとしてクリエーティブ・コモンズ・ライセンス、これが国際的に利用されているところでございます。
 こういった様々な取組により、放送番組を始めとする動画の権利の所在の明確化と利用の円滑化が進むことを期待しておりまして、関係省庁等と連携しながら積極的に取り組んでまいりたいと考えます。

#20
○伊藤孝恵君 次長も触れていただきました集中管理、本当に大事だというふうに思います。
 しかしながら、資料二を御覧ください。これ、集中管理できていたとしても、使いにくければ意味がないんですよね。
 よくニュース番組等で過去のCMを紹介していたりしますし、国会でよく働き方改革が審議されていたときは、あの二十四時間働けますかみたいな、そんなCMが流されました。CMは時代の映し鏡だというふうに言われていますので、資料としても大変価値があります。
 でも、この使うときの煩雑さですね。これ、ぱっと見ていただくと、ちょっと分かりにくいんですが、お金はいいとしてです、このACC・CM情報センターは、広告主とか広告会社とかCM会社へはアクセスしてくれるんですが、その前段として、例えばJASRAC、音楽著作権ですね、タレントさん、出演者、その他、その権利処理を全て必要なものは自分でやらなきゃいけないんです、自分でです。このステークホルダー全員に連絡を取るというのは、CM一本使うとしてもこんなに大変なんだというところがあります。
 これからオンライン授業用のコンテンツというのも動画素材というのは欠かせないものになります。例えば、あのティラノサウルスという六千六百万年前に絶滅した肉食恐竜でねというふうに子供に私が話したり文字で見せるよりも、ティラノサウルスがぐわあっといって、口を開けて、鋭い目で、八十八本のとがった歯が見えた方が、そんなにとがっているのはそれは肉食だろうねというふうに思う。やっぱり動画には訴えかける力がありますので、この素材というのは欠かせないものになります。
 今、小学校等のオンライン授業のコンテンツは教育委員会や先生方が試行錯誤しながら制作をしております。多くは黒板を背に、学校の授業とさほど変わらないような内容ですが、既にそれが子供たちの興味、関心を引かないことや、オンラインとオフラインでは、使う素材も、適した教え方、適した教え手も違うということに大人たちは気付いております。
 大臣に伺いたいんですが、小学校等のオンライン授業のコンテンツを教育委員会の方たちの努力に任せるというのには限界があると思います。現に、横浜市のようなテレビ神奈川まで巻き込んでオンライン推奨している自治体と、オンラインは一切やりませんというふうに断言している自治体、これ格差が生じているんです。コンテンツは、例えばテレビ局、予備校、ユーチューバーとか、それにたけた人たちの力を借りるという必要は大いにあると思いますし、NHK・フォー・スクールなんというのもその一つだというふうに思います。
 子供たちは既にそのクオリティーに、いつも見ているので慣れているので、退屈なオンライン授業というのは幾ら努力して作ってもなかなか座っていられない。その際、やっぱり問題になってくるのがこの権利処理関係なんです。今、著作権法第三十五条第一条において、教育を担当する者及び授業を受ける者が授業動画を作成、配信する場合のみ自由に使えることになっています。この法整備、予算化、素材の集中管理が進まなければ、いいコンテンツが生まれてきません。
 素材は使いやすく、制作は民間の力で組織的に、クオリティーチェックはしっかりということで、大臣、このオンライン授業のコンテンツというのも教科書検定のような仕組みというのを、そういったものをお考えになっているんでしょうか。

#21
○国務大臣(萩生田光一君) 教科書については主たる教材として使用義務が課されている一方、教科書以外の補助教材については、有益適切なものである限り、校長や設置者の責任と判断で使用できるものとなっております。
 その内容や取扱いについては、平成二十七年に文部科学省から通知を発出し、教育基本法や学習指導要領等の趣旨に従っていること、児童生徒の発達の段階に応じたものであること、特定の見方や考え方に偏った取扱いとならないようにすることなど、十分留意するものとしています。
 オンラインのコンテンツを含め、教材の使用については、こうした点に留意しながら設置者及び学校において適切に対応いただくものであり、文科省として事前に検定制度のような形で学校で使用するオンラインのコンテンツの内容を確認することは、現段階では考えておりません。

#22
○伊藤孝恵君 今まではですよね。
 でも、今、一時的にオンライン授業を推進しているわけじゃなくて、もう戻れませんから。オンラインとオフライン、この授業をどういうふうにベストミックスしていくかというところに、もう次の段階に進んでいるわけで、そのときにこの動画素材、このオンライン授業のコンテンツというのが子供たちの目に触れるクオリティーになっているか、クオリティーになっているものを作らなきゃいけないし、そうであることをチェックする機能、そういったものも是非御検討いただければというふうに思います。
 次に、オンライン授業とインクルーシブ教育の親和性について伺いたいと思います。
 オンラインとオフラインの授業の併用をする中で、私は、子供が、みんな一緒だよと、あなたも私も何も変わらないよというふうに大人になって言われても、まあ脳みそでしか何かこう感じられないというか、心に入ってくるわけではなくて、みんな一緒だよと言われて、何今更言っているの、当たり前じゃんというふうになるには、やっぱり小さい頃から一緒に時間を過ごす、共に生きるという、そういう経験が必要なんだというふうに思います。
 知ること、理解すること、好きになること、時には、きれい事じゃなくて自分の中の嫌悪感や差別感や、そういったものに否定したり肯定したりしながら子供たちには育っていってほしいなというふうに思うんですが、しかし、現在の特別支援学校、特別支援学級、通級指導、普通学級、そういった受入れ体制が整っているとは言えないので、なかなかインクルーシブ教育を進めていくというのは難しいと言わざるを得ません。
 でも、今まで一緒に学べなかった障害を持っている子供たちや、例えば物理的に離れて病気療養しなきゃいけない子供たち、オンラインなら体は別々のところにあっても共に学べるのではないかというふうに思います。もちろん、これコンテンツの工夫が要るんですよね。
 それについて、大臣、是非研究をしていただきたい、推進をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#23
○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。
 文部科学省では、障害者の権利に関する条約に基づくインクルーシブ教育システムの理念の実現に向けて取り組むことが大切であるという認識をしております。障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に教育を受けられるように条件整備を行うとともに、先ほど委員の方からもございましたが、一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供ができるよう、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場をしっかりと整備を行うことが必要であるというふうに考えております。
 ICT機器を活用した双方向のオンライン授業を行うことにより、例えば、先ほども御指摘いただきましたように、病気療養のための入院中の児童生徒が学校に登校している児童生徒とともに授業に参加をしたり、また、特別支援学校と通常の小中学校とをつなぐことによりまして両校の児童生徒が交流をしたり共同で学習をしたりと、そういった障害のある子供と障害のない子供が共に学ぶ機会が充実するといったことが考えられます。
 文部科学省では、GIGAスクール構想におきまして、児童生徒一人一人の端末や高速大容量の通信ネットワーク等の一体的な整備を行うこととしております。その中で、今回の第一号補正の中でも、障害に応じたICT機器の購入等も支援をすることとしているわけでございます。
 引き続き、ICTを有効に活用しつつ、インクルーシブ教育システムの構築に向けた特別支援教育の充実にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#24
○伊藤孝恵君 大臣に御答弁いただきたかったなと思いますけれども。
 インクルーシブ教育を進めていく、そのてこになるのは政治であり、そして文科省の皆さんです。前回、丸山局長にインクルーシブ教育というのが新学習指導要領にないじゃないかと言ったら、交流するというのがちゃんと書いてありますと。交流じゃないんです、共に生きるんですというふうに申し上げましたけれども、やはりこういったオンライン授業におけるインクルーシブ教育、これを研究していただき、推進していただきますことをお願い申し上げ、質問を終わります。

#25
○水岡俊一君 立憲・国民.新緑風会・社民の水岡俊一でございます。本日もよろしくお願い申し上げます。
 改正案の審議につきましては、一定進んできた、様々な点を網羅した審議が進んだと、こういうふうに考えております。そこで私は、今日は著作権、少し全体を見ながら教育現場との関わり合いを少し振り返ってみたいと、こういうふうに思っております。
 先ほど、伊藤委員の質問の中で、オンライン教育、今一生懸命学校と子供たちの間で行われているそういったオンライン教育、ICT教育の中で著作物を扱うということについてのいろんなやり取りがございました。
 改めて、ちょっと整理をしてお答えをいただきたいと思うんですが、私の問題意識は、オンライン教育で著作物を許諾なしで利用することができるのかどうかという質問に対してはどういう整理が必要なんでしょうか。お願いします。

#26
○政府参考人(今里讓君) 学校等におけるオンラインでの指導、授業におきまして資料等の著作物をインターネット送信することについては、従来は著作権者等に個別に許諾を取る必要がございました。この点、ICTを活用した教育を推進するために、教育機関の設置者が各分野の権利者団体で構成される指定管理団体に一括して補償金を支払えば教員等がオンラインでの遠隔授業等において様々な著作物を許諾を得ずに利用できる旨の著作権法改正が平成三十年に行われたところでございます。
 この制度につきましては、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う教育現場の遠隔授業等に対するニーズに対応するため、当初の予定を前倒しし、本年四月二十八日から施行するとともに、事態の緊急性及び重大性に鑑みた指定管理団体の配慮により、今年度に限り特例的に補償金額を無償としたところでございます。
 本制度は著作権者の利益保護と著作物利用の円滑化のバランスを取るために創設された仕組みでございまして、令和三年度以降に有償の補償金による本格実施が円滑に行われるよう、関係者の間のガイドラインの早期策定や適正な補償金額が設定されるための準備、教育現場における本制度の普及啓発などを行ってまいります。

#27
○水岡俊一君 この著作権法全体はなかなか難しいところがあって、今のお話をいただいたところでも、何だ、許諾なしで全くフリーで問題なく全てのことがコンテンツを使うことができるのかと誤解をしがちな部分があって、今のお話を聞くと、来年からは著作権に対する補償料を一定支払わなければ許諾なしで使うことはできないということが実際には起こってくるわけですよね。今年は三十五条を前倒しで、今年度に限って、それについてはクリエーターの方々とか著作権者がいいよと、学校の今の状況を鑑みるとこれは是非使ってほしいと、こういうような形を申し出ていただいたという背景があって、来年からはどうするのか。
 文科省として、あるいは文化庁として、この件についてきちっと補償料を支払っていくというそういう考え、予算立てがあるんでしょうか。

#28
○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。
 来年度以降の補償金額についてでございますが、本格的な制度運用開始に向けまして、指定管理団体において教育関係団体の意見も聴取をしながら検討、調整が行われた後に文化庁長官の認可を受けることとなります。この過程では、学校関係者のニーズにも適切な配慮が行われた上で、額の適正性が確保されるものと考えております。
 文部科学省としては、本年四月二十日に閣議決定をされました緊急経済対策において補償金負担の軽減のための必要な支援について検討するとされていることも踏まえつつ、本制度の円滑な運用に向け、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。

#29
○水岡俊一君 そういう意味では、今後のまたこの委員会で、それらについてのきちっとした議論であったり、あるいはその状況を把握することが必要だと思うので、是非文科省としても必要な時期にいろんな情報提供をいただきたいと、こういうふうにお願いをしたいと思います。
 そこで、今回いろんな事象についてお話がございまして、実際には、違法コンテンツ、海賊版のものを我々は知らなかったとはいえダウンロードすることについて、やはり私たちはきちっと戒める必要があるし、それらに対する認識を高めなきゃいけないと、こういうことがあると思うんですけど、委員の皆さん方もそうだと思いますが、我々がインターネットを見たときに、この漫画が正規なものであるのか、あるいは海賊版のものであるのかというようなことをどうしたら知ることができるか。私もなかなか分かりませんでした。ですから、このサイトにつながっているときは大丈夫、あるいはこのサイトは気を付けなきゃいけないということを私たちは何で知ることができるかというと、あるマークがあるんですね。そのマーク、ABJマークというものであったり、あるいは音楽や映像だったらエルマークというようなものがあるんですが、委員の皆さん方、恐らく御存じないんじゃないでしょうか。
 そういったことをもっと子供たちや学校に知らしめるということがこれから必要になってくるように思いますが、これらについてどうでしょうか、その状況をお知らせください。

#30
○政府参考人(今里讓君) 今回の法案の非常に大きな内容である違法コンテンツのダウンロードをすることの違法化ということでございます。
 これにつきましては、委員今御指摘ございましたように、それが違法なもので、違法にアップロードされたものと知りながらというような条件が加わっているところでございます。ここのところは確かに一般の方には少々分かりにくい面があるというのは否定できないところであると思います。そのため、法案の内容でも附則に規定しておりますように、国民への普及啓発あるいは著作権教育を進めていくということが規定されているところでございます。
 今先生御案内ございましたような、合法化といいますか、公式のもののサイトというののマークを事業者によって普及していくということも進んでいることでございますけれども、私どもも、そのCMでありますとか、SNSでありますとか、若い方にも届くような手段で、今回の法改正の内容で、知りながらダウンロードしたものでなければ違法ではないということですとか、合法サイトの見分け方ですとか、そういった情報について発信をしていきたい、このように考えているところでございます。

#31
○水岡俊一君 今回、法律案改正において、そういった知らなかった場合は罪には問われないというようなことで、とりわけ子供たちに対しての配慮が私はされているというふうに思うんですが、でも、知らなかったらそれで許されるということだけを強調すると、著作権者の権利がどんどん侵されていくということに変わりはないわけで、あるいはそれがもっと悪くなるわけで、そういったことにおいては、今、このサイトは正しいサイトというようなことをもっともっと普及していかないといけないと思うので、それらが今後の課題だと私は思うということを申し上げておきたいと、こういうふうに思っております。
 そこで、大臣、具体的な話でちょっとお尋ねをしたいと思うんですが、今回のコロナ禍の状況下において、オンライン教育が様々な形で努力をされてやっていますよね。今お話のあったように、教育の分野で極めてカバーされていて、著作権について余り学校で意識することはないんだというふうに私たちは理解しておりますけれども、例えば音楽の授業でオンライン教育を利用して、学校で教員が指導するけれども、子供たちは、児童生徒は端末を使って家庭でそれを見ると。
 そういった中で、実際に歌う、演奏するということがありますけれども、そんな中で、例えば文部省唱歌の「さくらさくら」をみんなで歌ったり演奏したりすることには何の問題もないということはもう皆さんお分かりの程度、著作権というものがもう存在しないということでみんな共通理解できるんですけど、じゃ、今の子供たちですので、森山直太朗の「さくら」をみんなで歌いましょうと、こういうことになったときに、じゃ、皆さん、これが楽譜ですよといって、例えばズームでそれを示して、それを生徒たちがダウンロードするというような具体的な事象が起きてきますよね。
 さて、このときにどういうことになるのか。これは大丈夫なのか、大丈夫でないのかということがやはり気になってくるわけですよね。ですから、今の、先ほどの整理でいえば大丈夫だろうというふうになるんですけれども、この辺り、大臣の御理解あるいは文化庁の御理解があればお聞かせをいただきたいと思います。

#32
○政府参考人(今里讓君) 今、水岡先生が例としてお引きになったものは、授業でということかと理解しております。
 授業の過程でございまして、その際に教員が、直接指導に携わる教員がいろいろな著作物を教材として使う、そして生徒がそれによって、それを例えば歌ったり演奏したりということは今回の平成三十年の授業目的公衆送信補償金制度に含まれるものというふうに理解をしてございます。

#33
○水岡俊一君 では、これは来年、令和三年度になったらどうなるんでしょう。

#34
○政府参考人(今里讓君) 今回の、今の状況と令和三年度の状況と申しますのは、一番法のポイントは許諾を得なくて使えるということでございます。つまり、そもそも著作権者が権利を持っているわけですので、それを、ほかの人がその権利を使おうとすると許諾を得なければいけない、この許諾が授業目的のときには必要でなくなっていると、こういうところでございます。そして、その引換えと言ってはなんですけれども、補償金制度というものがあると。
 補償金制度については、現在のところは令和二年度無償ということになってございますけれども、来年は有償による本格的実施に向けて関係者間で調整が行われると、こういう状況でございます。

#35
○水岡俊一君 大臣、それでは、来年の著作権の補償料について支払うということになると、あるいはその額がどういうふうになるかというのは今後の課題であるというお話は伺いましたけれども、学校現場において、例えば著作物として、例えば今の楽譜だとか、あるいは曲だとか本だとか映像だとか写真だとか、そのようなものを学校現場でオンライン教育で使うということについては全く意識をしなくていいと、著作権の支払あるいは許諾を得なきゃいけないというような、そんな意識を持たなくていいということでよろしいですか。

#36
○国務大臣(萩生田光一君) 水岡先生の問題意識は、来年以降、学校で一つ一つの著作権処理をするような事務作業が発生するのかということを多分御心配いただいているんだと思います。
 次長が申し上げましたように、今年は言うならば減免で対処していただいておりますけれども、来年度以降は、言うなら包括的に、あらかじめ学校の授業という公共性のある場での著作権処理というのを包括的に一定の金額をお支払いしながら行っていきますので、ルールの中に収まっているものであれば、それは先生方が御心配を掛けるようなことはございません。
 先ほど伊藤先生がティラノザウルスのお話をしていただいて、八十八本歯があることを私も初めて知ったんですけど、例えばそのために「ジュラシック・パーク」の映像の一部を教材として先生が処理したものを授業で配信するのは、これは問題ないんですけれど、それをまた、授業で使ったからといって、これ面白いぞといって先生がリンクを貼ってしまって、後で、授業終わったら、うち帰ったら見てごらんなんていうことは、これはいけないことでありますので、あくまで授業という範囲の中で行われる著作権の処理については一定程度、現場の皆さんに御心配を掛けるような仕組みにならないように今対応しております。

#37
○水岡俊一君 やはり細かく突き詰めていくと、気を付けなきゃいけないことって出てくると思うんですよね。今、森山さんの「さくら」を例に取りましたけれども、じゃ、森山直太朗さんの歌をみんなで聴いてみましょうとやっぱり言いたいと教員は思ったとしても、えっ、それって大丈夫だったかなとかいうような、そういう問題が出てくるんですよね。
 ですから、先ほどリンクを貼るということはやっぱり問題ですよと大臣はおっしゃった。それらについて、何が大丈夫で何が駄目なのかということについて、これはしっかりと、学校で教育を進めていく人たちにしっかりと情報を伝達をしてほしいと思いますが、そういったこれからの取組について、何かお考えはありますか、大臣。

#38
○政府参考人(今里讓君) 学校現場におきましては、この制度ができますれば、学校の例えば子供の数などで補償金の額が包括的に決まるということですので、まずは一つ一つのところに気を配る必要は、ものを授業で使うということについてはないということをまず押さえておいた上で、確かにこの仕組み、全く新しいものでございますし、授業の過程でと先ほどから私申し上げておりますけれども、それはどこまでなのかというところは確かに若干理解をするのに知識が必要な部分であろうとは思ってございます。
 ですので、そういったことを、この制度の本格的実施、今は非常に言わば暫定的にスタートしているわけでございますけれども、本格実施に向けては、学校現場、教育委員会につきまして、この制度の仕組み、それから、どういうことができるのか、どういうことはそれは控えた方がいいのかということについて、具体例を交えながら周知していく必要があると思って取り組んでいきたいと思っております。

#39
○水岡俊一君 私自身がこの改正案についていろいろと勉強する中で、様々な疑問だとか不安だとかがやっぱり出てくるんですね。今お答えをいただくと、ああ、なるほど、そんなに心配することないんだという印象はありますけれども、実際には、学習していく中でいろんな、この漫画はいいのか、この映像はいいのか、この写真はどうなんだろうかというような疑問が次々に湧いてくるので、それらについての今後のきちっとした情報を伝達をしていただきたいということをお願いをしたいというふうに思っております。
 次に、学校の現場のお話に移りたいというふうに思っております。
 人的あるいは物的な学校に対する支援を様々していただいているわけでございますけれども、かねがね、スクールカウンセラーそれからスクールソーシャルワーカー、そういった方々に学校現場は随分と助けていただいているというふうに思っておりますけれども、先日の委員会でもお話にちらっと出ましたけれども、ちょっと私にとってもショックなことがございました。それは何かというと、総務省から文科省に対して勧告が出た。何の勧告かというと、学校における専門スタッフ等の活用に関する調査に基づいて勧告が出された。この勧告の内容が大変ショックでした、私にとっては。
 それらについての受け止めを、大臣はどのように、直接勧告を受けた大臣としてどのようにお感じになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

#40
○国務大臣(萩生田光一君) 私も、総務省からの勧告についてはじくじたる思いで受け止めをさせていただきました。
 学校現場にそういった専門性のある福祉や様々な心理の専門家の方たちがサポートで入っていただくことはいいことだと思うんですけれど、これ逆に水岡先生に聞きたいぐらいなんですけど、週に一回とかしか学校に来ない人と毎日やっぱり自分が担任で接している先生で、そしてそういう悩み事があったときに、自分の手を放して週に一回来るその専門家の先生にお任せする判断というのは、すごくやっぱり担任の先生たち難しいんだと思うんです。
 例えば、同じ職員室の中に机をちゃんと用意して、たとえ週一回でも二回でも声を掛けられるような環境で一日を過ごす先生と、別室で、ここを控室に使ってくださいと言われて全く先生方との接触がない中で、ソーシャルワーカーの先生たちもなかなかその力が発揮できない。すなわち、予算を付けて人は配置したけれど、どうやったら有効かということをもっとやっぱり深掘りする必要が文科省としてはあったんだと思います。
 すなわち、チームの中に入っていただいて、担任の先生方のプライドもあるいは悩みも共有していただく中で、お任せするんじゃなくて一緒に子供たちに向き合ってもらえる、そういう専門職としてサポートに入ってもらう体制に欠けていたんではないかということを今反省しているところでございまして、今後、補正予算でも一定の金額をまた積ませていただきました。お認めいただけるならば、少し回数や人を増やすこともできると思います。結果、何人増やしたって全然有効活用できていないじゃないかということがないように、ましてこの長い間の休みが終わってから学校が再開しますので、心の部分で悩んでいるお子さんたちもたくさんいらっしゃると思います。是非、専門性を発揮していただくために、学校のチームの一員としてしっかり対応できる環境づくりを文科省としては現場にしっかりサポートしていきたい、そんなふうに思っています。

#41
○水岡俊一君 確かに私はそのとおりだというふうに思います。
 それで、勧告の中身をここで議論する時間はないんですけれども、要するに、勧告の中身で言っていることは、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの活用に当たって課題が解決されているとは言い難い、こういうような言いぶりがあります。また、その原因を把握をし、課題の解決策を検討し、教育委員会及び学校と共有すべきであると、こういうようなことが示されていてなかなか痛烈な言葉だというふうには思いますが、今大臣のお話にあったように、やはりそのスクールカウンセラーが本当に子供たちの助けになれるような形での活用ができていないとすればこれから考えていかなきゃいけないねと、こういうお話がありました。
 やはり今のお話、大臣のお話の中に本当に何というか示されていると思うんですけど、やっぱり、スクールカウンセラーを十分に配置をいただいたということですが、実際にはなかなか学校現場にはスクールカウンセラーの方がいらっしゃる時間がないと。私の聞いたところによると、およそ九割の学校で週一回スクールカウンセラーがいらっしゃるというのが現実だというお話ですね。だから、今大臣のお話の中に、週一回学校に来るスクールカウンセラーの方と担任の先生とどっちに子供たちは行くのかとか、あるいはスクールカウンセラーの方にお任せをして大丈夫だろうかというような疑義が生じたり不安が生じたり、子供たちも行きにくいということがあるとすれば、やっぱりその状況を変えなきゃいけませんよね。
 そういうことを変えるとしたら、まあ、やはり学校に一人のスクールカウンセラーが常駐するということが必要な条件じゃないでしょうかね。少なくとも週三日であるとかいて、例えば月、水、金はこの部屋に行けば、ちょっと担任の先生には話しにくいけれども、あるいは担任の先生に話しちゃうとちょっと自分のお母ちゃんに伝わっちゃうかなという不安があるから、そういうようなことを思っている子供たちが相談に行くとか、そういうようなことが現実的に子供たちの目の前に展開されない限りはまず無理ですよね。週一回、何だか知らない人が来ているみたい、でも来ていることすらも分からないぐらいな話なので、実際にはその配置がどれだけ重要かということを改めてこの勧告は示しているんではないのかなと、こんなふうに思っているところであります。
 大臣は現場のそういった職員室の姿も想像いただきながらいろいろとお考えをいただいているようですので、是非ともこれからの十分な配置を進めていっていただきたいと、こういうふうに思っております。
 そこで、第二次補正予算ですね。第二次補正予算で、実際に教員三千百人、学習指導員六万一千二百人、スクールサポートスタッフ二万六百人の配置をするということで文部科学省としての決意のほどを示されたんではないのかなと、こんなふうに思うところですが、ですが、今のそのスクールカウンセラーの話と結び付けて考えると、全国に今回教員を三千百人配置をする、難しいですよね。三千百人の教員を配置しても、どうでしょう、本当に学校現場に十分に行き渡るなんということはおよそ程遠いお話になるというふうに思っています。
 その三千百人でも、実は、大臣お聞きになりましたでしょうか、NHK富山の三日のお昼のニュースでこういうニュースが流れました。国の第二次補正予算で三千百人の教員の加配が措置される予定だが、富山県はこの予算獲得を見送る方向だという、その理由は講師不足と、あとちょっと続くんですね。
 つまり、もし僅かな人数の獲得をもしたとしても、それすらその分の講師あるいは教員を獲得、採用する当てがないと、人がいない、だからもうそれも見送るんだと、こういうお話が出されて、これ、全国の学校現場というか各県の教育現場の実態をよく表しているんではないか、こんなふうに思うところですが、大臣、これについてどういうふうにお感じになりますか。

#42
○国務大臣(萩生田光一君) 今、先生、三千百人強調していただいたんですけれど、全体で二万人ぐらいの加配が必要だろうという中で、当初予算と補正との中で様々な取組をしていきたいと思っています。
 積算上、特定警戒区域八都道府県の小中学校の最終学年を感染症対策として二十人編制する場合に追加で必要となる教員数で算出をしたものでございます。このような対応には追加で約二万人の教員が必要になりますが、対象地域の感染状況は市町村ごと等で異なることから、全ての学校での実施ではなく、おおむね三分の二の学校が実施すると想定しました。さらに、既に少人数指導等の加配定数を措置しており、この加配定数の活用も踏まえ、三千百人が必要と算出をしたところでございます。
 したがって、富山県のように、感染状況を踏まえて本当は人がいた方がいいという判断をきっと教育委員会していただいているんだと思いますけれども、現状でもその教員の皆さんの数が非常に厳しい中で、多分、教育委員会は、配置するとなれば平等に全てのバランスを考えるとなると、それができないんだったらもう最初からやめておこうと判断をしてしまうことは実態としてよく理解できます、ちょっと残念ですけれど。その辺も踏まえて、応援ができる体制、更に考えていきたいと思います。

#43
○水岡俊一君 富山県のお話は、けしからぬというお話ではなくて、非常に県としての苦悩の様子がうかがえるという、そういうお話だと思うんですね。
 今申し上げたい問題点は、一つはそういう学校現場に協力してもらえる人材がもう本当にいないという問題、これをどういうふうにするかということもありますし、また、今その三千百人は、非常に感染の度合いが高い県あるいは県の中でも地域、そういったものを対象に二十人以下学級のような分散学級をつくるために必要な数だというふうにお話がありましたけれども、実際には、やっぱりどの学校もそういった感染のリスクは抱えているわけですから、実際に分散学級あるいは分散登校している学校がかなりあるわけですから、とても三千百人で対応できるとは思えない。
 数の多寡を今ここで話をしても余り意味がないのでこれ以上はいたしませんけれども、やはり小学校、中学校、特別支援学校を合わせると全国で三万校あるわけですから、実際に学校に一人だと、一人配置しても三万人要るという問題でありますし、実際には小学校の六年生あるいは中学校の三年生の学級数を数えてみると六万六千学級あります。
 そういったことをいろいろと考えていくと、やはり今後は加配というような考え方ではとても追い付かない。やはり学級編制の基準を変えていかなきゃいけないというような考えに行き着いていくんではないかというふうに思いますが、コロナがこの後終息していくかどうかということと一緒に、今後の日本の学校における学級編制を少人数学級に変えていくんだというような方向性、私は重要だと思いますが、大臣はどういうふうにお考えですか。

#44
○国務大臣(萩生田光一君) 子供たちの学びを保障するためには感染対策を徹底した上で段階的に実現可能な学校教育活動を実施していくことが重要であり、このため、第二次補正予算案において加配教員、学習指導員、スクールサポートスタッフを追加配置できるように三百十億円を計上しております。現下の状況において最も優先すべきことは、退職教員の皆さんや学生さん、地域の人材等の協力の下、これらの人材を積極的に活用いただき、子供たちを誰一人取り残すことなく最大限に学びを保障することだと考えており、必要な支援を全力で取り組んでまいりたいと思います。
 また、現在、中央教育審議会において、学校における働き方改革の観点も踏まえつつ、小学校高学年における本格的な教科担任制の導入など、新しい時代を見据えた学校教育の実現に向けて教育課程、教員免許、教職員配置の一体的検討が行われており、これらの検討については今年度中に答申をいただくこととなっております。今後とも、新しい時代を見据えた学校教育の実現に向け、持続可能な学校の指導、事務体制の効果的な強化充実に取り組んでまいりたいと思います。
 なお、少人数学級につきましては、国の標準の下、国の加配教員等も活用しつつ、令和元年度では六十三の都道府県、指定都市が独自の少人数学級に取り組んでおり、それぞれの地域の状況を踏まえた創意工夫が考えられているものと思っております。
 今回のコロナを機に、これは距離を空けろといったって、四十人学級で、あの面積の中で、どうやったって物理的にできないわけです。もっと言えば、ICT環境が進めば、机の上にパソコンを置くということになれば、パソコンが落ちないようにするためには今の子供たちのあの机の大きさが本当に小学校、中学校の標準でいいかということも考えていかなきゃならないと思います。そういう意味では、これをきっかけにコロナ後の学校の在り方というのを、せっかくですからしっかり考えていきたい、そう思っております。

#45
○水岡俊一君 非常に残念なことですが、北九州市で多数の子供たちの感染、あるいは教職員も含めて感染者が出ているわけですね。北九州市においては第二波ではないかという警戒感をお持ちですが、これはもう全国の学校がそう思っているんじゃないでしょうか。そういう第二波が来たらどうしようかと、こういうふうに考えているところだろうと思います。
 私は、現場の方から、教職員の方から聞くところによると、その北九州市の該当する学校ではこれまで感染対策を十分にやってきたと。本当に一生懸命やってきた、消毒もし、子供たちの手洗いもし、そして距離を置く、そういった授業も展開してきた。なのに、そういった感染者が出てしまった。これが今の現実ではないのかなというふうに思うわけです。
 ですから、この感染症対策をどういうふうに考えるか。これは非常にこれからの課題になってくると思いますが、それについて後で大臣のお考えを聞きたいと思いますが、そこで、私、時間もありませんので焦って少し私の考えを申し上げるんですけれども、今私たちは、ややもすると、絶対に感染してはいけない、させてはいけない、こういう感覚に基づいて行動し過ぎていないかということに私たちはもう一回立ち止まらなきゃいけないんじゃないかと思っています。つまり、感染してはいけない、感染させてはいけないということを道徳にしてないか。私は、これは大きな問題につながっていくんだというふうに危機感を持っているところです。
 それはどういうことかというと、感染しないことを限りなく追求していくと、感染した人に近づかない、感染した人を排除する、遠ざけるということにどうしてもつながっていくわけですね。そうなると何が起きてくるかというと、差別であるとか排除であるとか中傷であるとかバッシングであると。例えば北九州市に対して、何だ、いいかげんなことをやっていたんじゃないかというようなバッシングが起こったりする。しかし、先ほど申し上げたとおり、現場では本当に徹底して感染対策をやってきた。ここにこれからの大きな課題が私はあると思うんですね。ですから、感染リスクを下げることだけを目的にするという学校運営は本当に大きな曲がり角に来ている、こういうふうに思います。
 十分に対策をやっても感染を防げないとすると、今これから学校現場は何を考えていかなきゃいけないか、そういう意味で大臣はお感じになっていることがあるんではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#46
○国務大臣(萩生田光一君) 先生が御指摘のとおり、学校において感染リスクをゼロにするということはなかなか難しいんだと思います。
 今回の北九州も、御披露ありましたように、他の自治体より更にきめの細かい感染防止策というのを講じていた、そのことも確認をさせていただいております。一方、一昨日から厚労省、また私ども文科省も職員派遣して感染経路の確認をしております。確かにクラスの中で四人、五人ということですから、集団感染、マスコミはもうクラスターという言葉使っていましたけど、果たしてそうかどうかということも含めて今科学的な知見をしっかり証明をしていただかなきゃならないと思いますので、そのことはまた後刻報告をさせていただきたいと思うんですけれど、いずれにしても、ゼロリスクを求めて学校現場をやっていたのでは、これはもう本当に閉めるしかないという、またそういう決断になってしまうと思います。
 私、是非、これはだんだんいろんなことが分かってきました、コロナの性質、性格含めてですね。ここは、患者さんといいますか罹患者が出るかもしれないということを前提に、その上で学校をどうやって前に進めていくかということを前提に文科省としては地方自治体と連携を取っていきたい、そう思っております。

#47
○水岡俊一君 非常に大事なことだと私は思うんですね。
 これまで文科省の方々が随分と学校でのその対応を細かく検討いただいて、いろんな情報を地域の学校に伝えていただいていると、そういうふうに私は感じています。
 私も先日お話をしたんですけれども、大臣に以前の委員会で、体温はどこで測るんですかというお話をいたしましたよね。そうしたら大臣は、それはもう家で測ってくるんだ、測り忘れた子供たちだけは保健室で測ってもらうんだと、そういう考えだとおっしゃった。私はもうまさにそれが必要だというふうに思っていたんですね。ところが、テレビの報道なんかを見ると、校門からずうっと子供たちが入ってくるところで待ち構えていた教職員が、額の前に体温計をかざして、はい、大丈夫、はい、大丈夫よと、こういうふうに子供たちを選別をすることになっている姿がよく報道されました。
 いや、学校がその体温計を持っていることはいいかも分からないけれども、そんなふうにして子供を分けていく、感染のリスクのある子を排除していく、あるいは遠ざけていく、そういうことが学校で起こっていくことに物すごく大きな危機感を私たちは持たなきゃいけないと思うんですね。そういったことが差別を生み、排除を生み、してくる、これを学校として考えなきゃいけない。
 やっぱりリスクは避けなきゃいけないけど、ゼロリスクを求めるという考え方を今しっかりと考え直して、今後の学校運営に是非文科省の大きな力を、指導性を発揮していただきたいということをお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#48
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文です。
 我々はこの著作権法の改正案には賛成なんですけれども、最後にちょっと確認の意味で質問させていただきます。
 平成二十四年の法改正で既に刑事罰化されている音楽、映像の違法ダウンロードについては、これまで全く違法行為が摘発されていないんですね。これ、なぜ摘発されないんでしょうか。そもそも、刑事罰化しても実際には摘発や立証がこれできないんじゃないでしょうか。見解いかがでしょうか。

#49
○政府参考人(今里讓君) 御指摘の音楽、映像の違法ダウンロードにつきましては平成二十四年の著作権法改正で導入されたものでございますが、その際の附則におきまして、刑事罰の運用に当たってインターネット利用が不当に制限されないような配慮を行うべき旨が規定されてございまして、それにのっとって捜査当局において慎重な配慮の下で運用が行われてきたものと考えております。
 他方、平成二十五年に文化庁で実施した調査研究によりますと、刑事罰化を行ったことで、ファイル共有ソフトにおける有償著作物等と考えられる音楽、映像ファイルが大幅に減少したことや、ファイル共有ソフトを通じたダウンロードにつきまして、刑事罰化以降にやめた、減ったと回答したユーザーの割合が約七割程度であったことも確認されております。
 このように、実際の摘発には至っていないものの、音楽、映像の違法ダウンロードの刑事罰化につきましては予期したとおりの抑止効果を発揮したものと理解しております。
 なお、権利者が違法ダウンロードが行われていることを探知した上でダウンロードを行ったユーザーに対して警告を発したにもかかわらずその後もダウンロードが継続されている場合には、侵害コンテンツであることを知りながらという要件にも該当することになりますので、行為の悪質性の程度等によっては刑事上の取締りが開始される可能性があるものと理解をしてございます。

#50
○松沢成文君 抑止効果はあるけれども、私はこれ実効が上がらないんじゃないかなと心配しています。
 大臣、今回の改正で、これまでの音楽、映像以外にも漫画や小説などのほかの著作物に違法ダウンロードとなる対象がこれ広がるわけですね。数は少なくとも、実際に取締りをやって罰則を適用しないとこれ抑止効果というのは現れません。要するに、罰則はあるけれどもこれ摘発は一切ないといううわさが広まっちゃうと、もうざる法で、こんなの守らなくてもしょっぴかれないから大丈夫だ、やっちゃえ、やっちゃえと、こうなるんです。法律というのはそういうものです。
 さあ、大臣は、私はこのままだと抑止効果も見込めないと考えますけれども、いかがお考えでしょうか。

#51
○国務大臣(萩生田光一君) 現時点においてどの程度取締りが行われるかについて予断を持って申し上げることはできませんが、権利者が違法ダウンロードが行われていることを探知した上、ダウンロードを行ったユーザーに対して警告を発したにもかかわらずその後もダウンロードが継続されている場合には、行為の悪質性の程度等によっては刑事上の取締りが開始される可能性は十分あると理解をしております。
 また、昨年十月に文化庁が行った国民アンケートにおいて、違法化、刑事罰化がされた場合にはダウンロードをやめる、減らすと回答した者の割合が九割以上となっていることから、実際の摘発には至らずとも大きな抑止効果が期待できるものと考えております。

#52
○松沢成文君 しっかりと効果を上げていただきたいと思います。
 今日は著作権法の改正案なんですけれども、著作権、著作物の関連で、私、ちょっと教科書問題について伺いたいと思うんです。
 この委員会で三月にも、この教科書検定、ちょっとおかしいんじゃないかという問題提起をいたしました。ただ、大臣は、今検定をやっている最中なのでコメントはできないということでほとんど答弁は返ってこなかったわけですけれども。
 さて、自由社の中学歴史教科書が検定結果の結果、何と四百五か所もの欠陥を受け、実質的には一発不合格になったんですね。これに対して自由社は、もう検定意見をそのまま欠陥箇所に持っていっちゃっているわけですから、これ不当だと、なぜ協議に応じてくれないのか、私たちの表現の方が正しくて、教科書調査官や審議会のこの判断は間違っているんじゃないかと異議を申し立てているんですね。
 大臣は、この前の私の質問で、私が指摘したようなことの問題があるのであれば、検定結果後、精査すると答弁をいたしました。大臣は精査したんですか、そしてその精査の結果はいかがでしょうか。
 もう一点。公正な判断をするには、私は、教科書調査官は大臣のところに報告行くと思いますよ、私たちはこういうやり方でやりましたと。ただ、もうこうやって不正じゃないかというふうに言われているわけですから、もう一方の当事者である自由社と面会して、自由社の見解も聞いた上で、最終決定大臣ですから、大臣が公正で中立な決定を行うべきだと考えますが、自由社とお会いになって意見を聞く、そういうことはしたでしょうか。

#53
○国務大臣(萩生田光一君) 昨年度の中学校用教科書の検定において不合格となった自由社の歴史教科書について、新しい歴史教科書をつくる会が処分撤回を求めていること等を踏まえ、文部科学大臣として今回の決定を手続的な観点から確認をし、不正は行われていないことを確認をしました。
 自由社に限らず、今後も教科書の検定申請を行う意思のある者と文科大臣がお会いするということは望ましいことではないと思っておりますので、お会いする意思はございません。

#54
○松沢成文君 大臣、自由社、その団体であるつくる会が「教科書抹殺」という、こういう本を書いています。(資料提示)これ、もう出版されているんですね。まず第一点目は、これ読まれました。これしっかり読めば、こんな検定でいいのかなと普通の国民は思うと思いますよ。私、中立的に読んでも、これはまずいんじゃないか、教科書調査官の独善そのものです。それをそのまま審議会に諮っていいんじゃないかという、これ審議会の委員も、私、何やっていたのかなと本当にびっくりしました。
 まず、ほかの教科書と比べても、自由社の教科書、そんな、普通の人が読んでも、えっ、これどこがそんなに悪いんだと全く分かりません。ほかの教科書、例えば教育出版とか育鵬社とか東京図書、みんな検定意見が付いているのは三十とか四十ですよ、多くても五十。それで、何と自由社だけ四百五です。
 その中で、大臣はこの前、自由社、いろいろ教科書作りが粗くて欠陥が多いんだと言いましたが、例えば学習指導要領に合っていないとか、資料の信頼性がないとか、著作権のところで引っかかるんじゃないか、あるいは誤字脱字、こういう基本的な教科書作りの誤りが何と二〇%か三〇%しかない。普通言われているこの検定意見が付くようなのは、大体三十から、あっ、五十ぐらいしかないのかな、百ぐらいか。あとの残りの二百九十二は、理解し難い、誤解するおそれのある、こういう表現なんですよ。これもう完全に教科書調査官の価値観が入っちゃっているんですね。
 だから、私は例に挙げました。仁徳天皇の陵は世界最大のお墓で、ここに仁徳天皇が祀られている、祀られているというのはしめすへんに己みたいなのを書いた祀るの方が私は正しいと思う。それを、教科書調査官は葬られている方の字を使わなきゃ駄目だと言うんです。でも、その自由社はこういう考えで祀られているを使っているんです、こっちが正しいと持っていっても、それに対する反論がきちっとないんですよ。それで、おまえらのは間違いだから許せない、欠陥箇所だと、積み上げていくと四百九十五。こんな一方的なやり方ありますか。
 これ、大臣、私、次また質問します。ですから、次の質問までにこれ一回読んでみてくださいよ。大臣、最終決定者です。自由社だって、もう四年に一回ですから、検定。二年も三年も掛けて必死に教科書を作ってくるんです。それを一方的に教科書調査官の独善で、審議会でもろくな議論もせず、ちゃんとした議論をしているなら、僕、情報公開取りたいんですけどね、それで教科書を一発不合格で抹殺してしまう。こんなやり方は検定じゃないですよ、検閲ですよ。大臣、是非ともこの本を読んでいただいて、この自由社の教科書についてはもう一度検定をし直していただきたい、要求しておきたいと思います。
 さて、これから教科書検定の改革の話をします。
 まず、私が思うのは、今回の一発不合格制度、こういう言葉がいいかどうかは分かりませんけれども、これまでのやり方と違って、一ページ当たり掛ける一・二倍した数以上検定意見が付いたら、もうほとんどそれを修正する期間ないんです、二十日に縮められて。修正教科書を持っていっても、ほとんど教科書調査官は意見聞いてくれない。そこで、もうあなたたちのは駄目ですと一発不合格なんです。再申請してもいいけれども、それは翌年の六月ならいいというんですよ。そうしたら、もう教科書採択に間に合わないから、もう四年間は地方自治体に選択してもらえないんですよ。
 まず、一発不合格制度というのは、もう極めて教科書調査官の権限を独裁化するものであって、こういうことがあるとほとんどの教科書会社は、まあ自由社みたくなりたくないなと、とにかく無難な表現にしておかないと、教科書調査官ににらまれて一ページ掛ける一・二倍以上の意見が付いちゃったら、うちも一発不合格になっちゃうよと。こうやって表現の自由が曲げられちゃうんですよ。一発不合格制度、絶対にこれは廃止すべきだと思います。
 教科書検定の基本は、まず、学習指導要領に沿っているかということを見ること、それともう一つは、誤字脱字とか資料の違いだとか、そういう極めて、何というか、事務的なというか、そこをきちっと把握して、それを修正意見と出してそういうところは直させるんです。
 でも、表現の使い方とか、認識の表現の仕方は改善意見と、以前はあったんですよ。ということで、改善意見を付けて、それで教科書調査官と教科書申請者が一か月、二か月掛けて、ああ、そうだな、ここはこう直せば、うん、いいかな、こうやって改善をしていくのが教科書制度の意義なんですよ。
 教科書検定の意義、こう書いてありますよ。著作者、これ民間の創意工夫に期待するとともに、検定を行うことによって適切なより質の高い教科書を確保すること。これ、議論して調整する余地を奪っておいて、検閲みたいな制度を入れて、教科書検定成り立ちません。
 今、二つ言いました。一発不合格制度という、いわゆるこの制度を廃止すること、もう一つは、改善意見は教科書申請者と調整するということをきちっと制度の中に盛り込むこと、この二点について大臣の見解を伺います。

#55
○国務大臣(萩生田光一君) 御指摘のいわゆる一発不合格制度は翌年度の再申請の仕組みですが、これができた経緯として、平成二十六年度中学校歴史教科書の検定において、当初申請で不合格となった二社の欠陥箇所数が著しく多く、年度内に再申請から検定決定までを行う上で十分な時間的余裕がない点が審議会において課題とされました。
 このことの反省を踏まえ、児童生徒により適切な教科書を提供するため、欠陥箇所が著しく多いものについては、図書の修正に十分な時間的余裕と審議会での審議に十分必要な時間を確保する観点から、年度内再申請を認めず翌年度再申請を可能とする制度改正を平成二十七年度に行いました。制度改正の趣旨は現在も重要であると認識しており、翌年度再申請の仕組みを廃止することは現時点では考えておりません。
 また、検定の意見は、これを踏まえた修正がなされねば合格しないものであり、昭和六十三年度までの修正意見に相当するものです。当時の改善意見は、これを踏まえた修正をするか否かの判断が教科書発行者に委ねられている指導助言的な性格を持つ意見でしたが、教科書としての適格性の判定に重点を置く観点から廃止をされたものです。
 なお、教科書の申請者と申請本の調査に当たる教科書調査官が指導助言的な意味合いの調整を密に図った場合、教科書の内容に特定の調査官の意向が色濃く影響を与えることにもなりかねないため、改善意見のような仕組みを復活させることは慎重であるべきであると考えているところでございます。

#56
○松沢成文君 私は、こういうもしかしたら不正のような検定が行われている可能性がある、私は疑問に思っています。こういう国民たくさんいると思うんです。
 そこで、これも提案ですが、もうちょっとこれ意見聞きません、答弁長くなっちゃうんで。情報公開ですよ、審議会の。教科書審議会、教科書、何だっけ、長いんだなこれ、教科用図書検定調査審議会、たくさんの学者さんが集まっていると思います。これ行政権限持っていますよね、教科書検定ほぼここで決まるんですから。最終的には大臣が決めるんだけれども、大臣は、大臣が最終決定権者だから、改革するために大臣が思い切って教科書検定やり直せと私が言ったら、いや、私は政治家だし、行政マンだし、行政のトップだし、政治や行政の意向が介入してはいけないので、私にはそれできませんと前回言っているんです。ですから、教科書審議会がほぼ決めるんです、行政権限持っているんです。
 行政権限持っているその政府の文書管理ガイドラインというのは、今、コロナの専門家会議でも注目されていますけれども、政策の決定や了解をする会議は、誰が発言したのか詳細な議事録作成が義務付けられたわけですよ。ですから、これは作成されているわけですね。
 これを公開しろと言うと、必ず言うんですね、議事録は原則公開です、ただし、行政処分の前提となる審査は議事録、議事要旨とも公開しないと。つまり、教科書検定に関わっているときの議論は公開できませんというんです。でも、これじゃ誰が不正な教科書検定をチェックできるんですか。これ、議事録は公開して、そして国民がそれを、終わった後でもいいですよ、読んで、この検定のやり方おかしいんじゃないかとチェックできる仕組みがなければ、これ教科書調査官と教科書審議何とか委員会の独善になっちゃいますよ、教科書検定は。大臣がチェックしないというんだもの、最後に。国民がチェックできるように情報公開してください。
 まあこれ答弁求めても長いだけだから、次行きます。
 さて、もう一点指摘しますが、今回の検定で山川出版が、いわゆる従軍慰安婦という記述、これ復活したというか、認められたんですね。それで、戦場に設けられた慰安施設には、韓国、中国、フィリピンなどから女性が集められた、括弧いわゆる従軍慰安婦。
 これ、教育基本法の改正があって、それに基づいて学習指導要領が改正されて、そして、その大きな目的の中に、日本の歴史、伝統、文化を尊重して愛国心、愛郷心を育もうと、こういう記述が入ったので、慰安婦だとか南京大虐殺のちょっと過度な表現とかは教科書からなくなって大分正常化されたんですよ。
 それで、いわゆる従軍慰安婦なんという言葉、これこそ高校生理解できないんじゃないですか。誤解するんじゃないですか。何で慰安婦って書かないのかなと、いわゆると出てくる。
 これ、河野談話にいわゆる従軍慰安婦と出ているので、それを引用すれば文句言えないだろうと、こういう魂胆なんですよ。こうやってまた自虐的な表現がどんどんどんどん復活してきているんですね。
 さあ、大臣、このいわゆる従軍慰安婦だって十分これ生徒が誤解するおそれがあって、これ検定をやり直すべきじゃないですか。こういうのをどんどんどんどん認めていたら、また昔のように自虐的な表現ばかりの教科書があふれることになりますよ。いかがですか。

#57
○国務大臣(萩生田光一君) あくまでも審議会の審議の結果ですが、当該図書におけるいわゆる従軍慰安婦との表記は、平成五年の河野官房長官談話においても使用されていることから、検定において意見を付すことにはならなかったものと承知をしているところです。

#58
○松沢成文君 前回の質問でも申し上げましたが、大臣は自民党時代に、教育再生実行本部特別部会の何か主査みたいなものを務めて、そのときには、教育基本法も他国に敬意を払うという表現もあるんだから近隣諸国条項なんかはもう要らないんだということを一つの何というか目標に掲げて運動してきたわけですよ。私は、この山川出版の表現もやはり近隣諸国条項の影響を受けていると思うんです。近隣諸国条項というのは、もうこの十年以上ほとんど適用されていません、いません。これ、適用できないんですよ。
 例えば、領土問題や竹島や尖閣の問題、あるいは歴史問題で、日中戦争の問題なんかで、日本の立場を強調するような表現が出てくると必ず中韓からクレームが付くから、政治問題化しては困る、外交問題化したらと思ってこれ使えないんですよ。だから、しかしこの条項があることによって、この条項に守られて、国益に反するような自虐的な表現が平気でどんどん出てくるんです。私が言っていること分かりますかね、大臣。これ、本当に日本の国の尊厳って何なのか、日本の国益って何なのか。これ、国民のための教科書を作るのに、近隣諸国に配慮しなければなりませんなんていう条項があることによって外交に利用されて外圧に屈しているんですよ、今の日本は。
 私は、この近隣諸国条項、これは難しいのは分かっていますよ、本当に政治問題化したら大変だと思いますけれども。これ、いつか誰かがこの改革をしない限り、一生日本の国は中国や韓国におもねって、そして、ああこんな表現したら、教科書になるのに、こんな表現したら怒られるからまたやめておこう、こうやっていき続けるんですか。これは国益の問題です。
 大臣、いかがお考えでしょうか。

#59
○国務大臣(萩生田光一君) 教科書検定基準におけるいわゆる近隣諸国条項については、昭和五十七年に当時の宮沢官房長官談話を受けて検定基準に追加されたものであることから、その見直しについて文部科学省が単独で判断をするものではないと考えております。

#60
○松沢成文君 見直しについては官房長官談話で出てきたものであるから、文科省では判断できないというような答弁だったと思いますが、大臣、こういうのを責任回避というんです。
 検定基準を改革するのは文科大臣の権限であり、責任なんですよ。でも、近隣諸国条項は、確かに鈴木善幸さんが総理のときにいろいろ中国ともめちゃって、これ収めるために宮沢さんが、とにかく収めるために、こういう談話出さないと中国にも行けないと、日中国交回復十周年の大事なときでしたからね、そうやって政治が出しちゃったんでしょう。でも、その政治の失敗はどこかで改めなきゃいけない。大臣は、内閣法四条三項に基づいて総理大臣に、近隣諸国条項はもう廃止しましょう、これ提出できるんです。それが閣議で認められれば近隣諸国条項は廃止できるんですね。
 さあ、こういうことを言うと、そんなこと政治的に難しくてできるわけないじゃないかって、みんな大人の議論になるんですが。大臣、私、提案します。
 外交は、国際協力は、国際協調は相互主義に基づいてやらなきゃ駄目です。一方的に日本だけが請け負って相手が有利になる、そういう条項は駄目なんですよ。だから、中国や韓国やあるいはほかの近隣諸国、必要であればこうやって提案してください。自国の歴史、文化を大切にすると同時に近隣諸国との国際理解、国際協調を図りましょうというのを我々も教科書作りの一つの基準に入れています、じゃ、韓国も中国も、相互主義ですからこれ入れてください、みんなで連携してやりましょう、こう提案したらいいじゃないですか、国同士で。それで、韓国、中国が、いやそんなの駄目だと、日本だけが戦争を起こして悪い国なんだから、日本だけがこういう枠をはめないといけないんだというようなことを言われたら、これ国益に反することですから、いやそれはおかしいですねと、我々は外交は相互主義に基づいてやるものだと思っていますと、だから今回、近隣諸国条項は撤廃させていただきますと、こうやって平然と議論していけばいいじゃないですか。
 それぐらいの意思がないと、一生日本は属国のように、教科書を作るのにも近隣諸国に配慮しながら、言いたいことも言えずに、そしてきちっと自分の国の意思を言ったらたたかれるのが怖いからやめておこうとなるわけですよ、なっているわけですよ。
 大臣、是非とも閣議にこれ提案していただけませんか。あなた、政治家として、自民党代議士としてやるべきだと言ってきたんだから、大臣になってそれをやる権限を持ったんだから。見解を伺います。

#61
○国務大臣(萩生田光一君) 先ほども申し上げましたけど、これは政府全体で共有すべきことで、先生の御主張は非常に理解するところもございます。
 ただ、やっぱり相手のいることでもありますし、例えば、私、現在の日韓合意のときには官房副長官として、青瓦台、あの席に座っていました。文書には書いていないけれども、その中で様々な約束をしましたけれども、やっぱりそれは相手がどう理解するかによって履行されるかどうかということでありますから、何か書き込めば全て解決するということでもないんだと思います。
 貴重な御意見として受け止めさせていただいて、今後の政治活動の糧にしたいと思います。

#62
○松沢成文君 慰安婦の日韓合意も平気で韓国から破棄されたわけです。これ、近隣諸国条項だって、やっぱり相互主義と考えるとおかしいので、我々はこれはなくします、よろしくと平然と言ったらいいんですよ。それぐらい強い意思持って外交やらないと日本の国益は守れないということを御指摘して、質問を終わります。

#63
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 法案の質疑に先立ちまして、学生支援緊急給付金について伺いたいと思います。
 五月十九日に制度が創設されて二週間ほど過ぎまして、大学での受付も始まっているわけです。私もこの委員会で支援が必要な学生全てに行き届くよう注視が必要だということを申し上げたわけですが、早速不安の声が上がってきています。
 ある大学では、申請を受け付ける前に事前に大学側に連絡を求めると、その連絡をしてきた学生に対して申請案内を送るという手順を踏んでいるんですが、この事前の連絡の期限はもう既に先月五月末で終わってしまっていて、さらに申請自体の期限ももうあした五日で終わると、もう私は申請できないのでしょうかという不安の声が私のところに届いたわけです。
 調べたところ、この申請期限があした五日までという大学というのはそれなりにほかにもあるわけですけれども、急いで給付金を学生に届けるというのは大事なことではありますが、急ぐ余り、もう締め切りましたとなって、必要な学生が支援できなくなってしまったなんということはあってはならないと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

#64
○国務大臣(萩生田光一君) 本給付金は、一番身近に学生等に接している大学等において学生の実情に沿って総合的に判断し選考した上で、日本学生支援機構に推薦する仕組みとしています。
 当面困っている学生等を緊急に支援するため、推薦を二回に分けて行うこととし、第一次の推薦は六月十九日を締切りとして各大学にお願いをしております。その上で、各大学においての選考に要する時間も考慮して、それぞれ学内の締切日は様々決めているんだと思います。各学校においては、学内の締切りも含め、学生等に広く周知していただきたいと考えております。
 今回、時間的に間に合わなかったということであれば、二次の推薦を予定しておりますので、仮に一次推薦で間に合わなかった学生さんは是非二次で出していただきたいと思いますし、これ書類も極めて簡易にしましたので、既にもう支給が始まっていますから、何か説明を受けないとその資料が書けないようなすごい時間が掛かったり、実家から何か書類を取り寄せなきゃいけないとかそういうこともございませんので、ちゃんとアクションを起こしていただければすぐに対応できるようにしたいと思います。
 いずれにしましても、スマートフォンなどの申請も可能とするなど、学生等が速やかに申請できるように工夫をしておりますので、引き続き、本給付金の周知に努め、学生に対して必要な支援が行われるように支給を進めてまいりたいと思います。

#65
○吉良よし子君 全体のまず一次の締切りというのは十九日ということでしたけど、だとすると、やはり、あしたまでとか、学内であしたまでとなると、やはりきつい、厳しい感じもしますから、是非各大学にゆとりを持った申請期間、対応をお願いしたいと思いますし、先ほどの答弁では一次推薦だけではなく二次推薦もあると、これ初めて聞いた話だと思うんですけれども、このことを余り周知もされていないことだと思うので、是非、一次だけじゃなくて二次推薦もあるんだよということを早めに周知して、安心して申請できるようにということを引き続き進めていただきたいと思います。
 もう一点、コロナ禍の文化芸術支援についてもこの際伺っておきたいと思います。
 政府のイベント自粛要請から三か月強たちまして、文化芸術関係者からの補償を求める声がかなり上がる下で、政府も二次補正予算案の中で緊急総合支援パッケージとして五百六十億円計上したということは重要だと思っています。
 とはいえ、緊急事態宣言は解除されたものの、引き続き感染拡大防止をする必要はあるわけで、ミニシアターとか演劇とかライブハウス、たとえ営業や公演、再開できたとしても、客席満席には当面できないなど、収益が以前より減少する状況というのは一定長引くことが考えられるわけです。
 そういった下で、やはり今度の支援や給付、一回限りで終わらずに継続的に支援していくべきと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#66
○国務大臣(萩生田光一君) 新型コロナウイルス感染拡大の防止のため、これまで多くの文化芸術イベントにおいても中止や延期、規模縮小等の対応をいただいております。五月二十五日からは国内全ての地域で緊急事態宣言が解除されていますが、文化芸術を担う方々は引き続き大変苦しい状況に置かれていると認識しており、これらの方々の活動を支援し、我が国の文化芸術の灯を消さないことが極めて重要と考えております。
 このため、今般の第二次補正予算案において計上している文化芸術・スポーツ活動の継続支援では、文化芸術関係団体等が今後一層の感染対策を行いつつ活動の再開に向けた準備を進める必要があることを踏まえ、活動の継続に向けた積極的取組等への支援を新たに行うこととしております。
 一回限りでなく支援金を継続的に支給すべきとの御指摘でございますけど、まずはこれらの支援が必要とする方々の手元に一日でも早く行き渡ることが重要であると考えており、迅速な取組に努めてまいりたいと思いますし、元々ちょっと順序が逆になっちゃったんですけど、一次補正でゴー・ツー・キャンペーンの中にこういう皆さん方が再開のときに頑張ってくださいねという支援を盛り込んだんですけど、その前に、そこにたどり着くまでにみんな倒れちゃうよということで、与野党の先生方からの御指摘受けて今回補正予算を計上させていただきました。速やかにお認めいただければ、そういった関係の皆さんに届くような仕組みをつくらせていただきましたので、ちょっと様子を見ながら対応させていただきたいと思います。

#67
○吉良よし子君 様子を見ながらということですけど、一回限りじゃなくて継続的にということは引き続き求めたいと思います。
 また、今回新たに文化芸術復興創造基金というものが日本芸術文化振興会に設けられたと聞いています。ただ、これというのは民間からの寄附金だけで運営するもので、政府のお金は入っていないと。しかも、ミニシアターやライブハウスは支援の対象にならないんじゃないかという話も聞いております。これじゃ不十分じゃないかと。
 先日、二十五を超える演劇関係団体が参加する演劇緊急支援プロジェクト、またミニシアターを守れと声を上げるセーブ・ザ・シネマ・プロジェクト、そしてライブハウスなどへの助成金を求めるセーブ・アワ・スペースなどの三団体がウイ・ニード・カルチャーと呼びかけ、集めた署名とともに政府に対して支援と基金の創設求める要望を出しているわけです。小さいけれど草の根で文化を支えて育んできている誇りが語られるとともに、やっぱり基金というのは、本当に長期化するからこそ民間だけではなく国庫からの拠出が必要不可欠なんだという切実な訴えも出されたものです。
 先日、与野党を超えた超党派の議員が参加している文化芸術振興議員連盟としても、一千億円規模の国庫支出による基金の創設求めているわけですが、是非国も拠出した基金創設すべきと思いますが、いかがでしょうか。

#68
○国務大臣(萩生田光一君) 文化芸術復興創造基金は、厳しい状況にある文化芸術活動を継続していけるよう、独法であります日本芸術文化振興会において民間からの寄附金を募り支援を行うために創設されたものです。
 文化庁としては、今次の第二次補正予算案において、文化芸術活動の再開に向けた準備、実演家や技術スタッフの方々や文化芸術団体への活動継続を支援するため、活動継続や技術向上に向けた積極的取組等に係る経費、収益力を強化するための取組等への大規模な支援を計上しており、事業の早期執行や周知広報の充実も含め、支援を必要とする多くの方々に速やかに支援が行き渡るように努めてまいります。
 現時点で国費を支出をする予定はありませんが、官民で力を合わせ、国民全体で文化芸術を支える機運の醸成を図ることが重要であり、政府の支援と本基金による支援を総合的、効果的に実施することにより、文化芸術活動の振興に努めてまいりたいと思っております。

#69
○吉良よし子君 超党派での要求ですので、是非国庫拠出も含めた基金の創設進めていただきたいと強く申し上げたいと思います。
 では、時間迫ってまいりましたが、法案について伺いたいと思います。
 本法案では、海賊版対策としてリーチサイト規制とともに違法配信からのダウンロードについても規制するということになっておりますので、この点について今日伺いたいと思います。
 このダウンロードという行為はもはや広く一般的に行われている行為なわけですが、ダウンロードに限らず、ネット上の情報を保存するためにはスクリーンショットという方法もあるわけです。これは今回の法改正で規制の対象となり得るのかどうか、また、その場合、どの程度だとなり得る、なり得ない、その点について答弁願います。

#70
○政府参考人(今里讓君) スクリーンショットにつきましては、今回の法案で、スクリーンショットを行う際の写り込みについて、写り込みに係る権利制限規定の拡充によりまして違法とならないように措置しているところでございます。具体的には、スクリーンショットした画面の中で侵害コンテンツである画像等が軽微な構成部分となるなどの要件に該当する場合には写り込みに係る権利制限規定が適用されるということでございます。
 ですので、例えば画面の全部に鮮明な侵害コンテンツとしての絵画の画像をそのまま保存するような場合、こういった場合を除けば、国民が日常的に行うスクリーンショットが違法となるケースは基本的には想定されないと、このように考えているところでございます。

#71
○吉良よし子君 ほとんどの場合は当てはまらないということですけれども、法案本文を読みますとダウンロードというふうに書いていないんですね。デジタル方式の複製とあるわけですから、ダウンロードじゃなくてスクリーンショットの場合でも、そうした鮮明に全部写るような場合は規制の対象になり得るのはなり得るわけですし、とはいえ軽微であれば対象外になるということで、この点についても丁寧な周知を求めるものです。
 また、今回、違法にアップロードされた著作物からのダウンロードというものが基本的には違法であり刑事罰等の対象にもなり得るということですけれども、じゃ、先ほどもお話ありましたとおり、どれが正規のサイトなのか、どれが違法のアップロードされたものなのかという判別が困難な事例というのも様々あると思うんです。
 今回、刑事罰化の対象というのは、正規版で有償で提供されているものが対象という規定があるわけですけど、この間、公式の配信でもプロモーションとして一定の期間、一定の部分を無料で提供するなどということはあるわけです。例えば、この間でいうと、在宅中の子供たちの支援の一つとして期間限定で有名な作品の大部分、例えば「ワンピース」の一巻から六十一巻までが正規のサイトで無料で公開ということもあったわけですね。
 そうしてくると、無償提供されているものが違法のものなのか正規のものなのか、かなり判別が困難だと思うんですけど、正規版の無料キャンペーンのものだと誤認して違法配信先からダウンロードしてしまった、これは刑事罰の対象になり得るのでしょうか。

#72
○政府参考人(今里讓君) まず、刑事罰についてということでございますけれども、刑事罰に関しては、委員御指摘のように、正規版が有償で提供されているものであると知っていることが要件になっているところでございます。
 このため、正規版が有償で提供されているか否かが分からずにダウンロードした場合や正規版が無償で提供されているものと勘違いしてダウンロードした場合は刑事罰の対象とはなりません。

#73
○吉良よし子君 誤認した場合などは対象にはならないということでした。
 今回、こうした様々な条項が設けられることによって、悪意を持っていないネットユーザーがむやみやたらに刑事罰の対象になるようなことは避ける配慮された規定にはなっていると思うんですけれども、やはりダウンロードというのは一般的に行われる行為ですから、この点についてはよく周知していただきたいですし、やはり海賊版対策どんどん進めるべきだと思いますけど、ネットユーザーに一方的に責任を負わせるんじゃなくて、この間言っているように、アップロードの取締りとか広告出稿の規制とか、そして先日の参考人質疑でありましたとおり、やはりユーザーが利用しやすい正規版を作って早く安く提供していく、正規版の流通を促進するということが基本になってくるかと思うんですが、大臣、その点いかがでしょうか。

#74
○国務大臣(萩生田光一君) 先生の御指摘のとおりだと思います。
 今、昨年十月に作成された総合的な対策メニュー及び工程表に基づいて、関係府省庁が連携して様々な取組を行っています。
 文科省においては、本法案のほかにも、著作権教育や啓発普及、着実に進めるとともに、情報検索サービスにおいて海賊版サイトが表示されないようにする検索サイトの対策について著作権者等と検索事業者の協議を支援するなどの取組も実施しているところでございます。
 また、先ほど他の委員の先生からも、適格マークを増やしていく、普及させていくというのも一つ考えております。また、海賊版サイトの収入源を絶つための広告出稿の抑制について経産省を中心に必要な取組が進められており、広告関連団体においても自主的なガイドラインを策定、公表するとともに、広告出稿をすべきでない海賊版サイトのリストの共有が定期的に行われております。
 このほかにも、関係府省庁が連携して、国際連携、国際執行の強化や民間組織との協働など重要な取組が行われており、法案の附則においては違法アップロード対策をより一層充実していくことについて規定しています。
 今後とも、政府として実効的な対策をしっかりやってまいりたいと思います。

#75
○吉良よし子君 是非やはり包括的な対策を進めていただきたいですし、今回の法案というのは、一旦示された当初案に対して様々な意見が出されたことを踏まえて改めて検討し直して、権利保護と利用促進のバランスについてより慎重に検討されて出されたものと承知しているわけです。やはり、この著作権法というのは様々な利害関係者が絡む法案ですから、法律になりますから、今後とも、こうした権利者、利用者、研究者らが参加して、様々な懸念事項を時間を掛けて協議をして、懸念事項を解消できるように努めていただきたいということを申し上げまして、質疑を終わります。
    ─────────────

#76
○委員長(吉川ゆうみ君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、衛藤晟一さんが委員を辞任され、その補欠として滝沢求さんが選任されました。
    ─────────────

#77
○舩後靖彦君 れいわ新選組の舩後靖彦でございます。
 大臣、先日の質疑では、日本人学校への派遣教師の方々の支援について真摯な御答弁を本当にありがとうございました。今後も取り組んでまいりたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 さて、本日も、二日の質疑に続きまして著作権法改正案について質問をさせていただきます。その前に、本法案とは直接関係ございませんが、著作権に関係して、昨年六月に施行されました読書バリアフリー法について質問させていただきます。
 代読いたします。
 この法律は、視覚障害者に限らず、ページがめくれない上肢障害のある人や、難読症、眼球障害など、活字のままでは読書が困難な人を対象に、読書環境を整備し、誰もが読みたい本を読めることを目指した法律です。点字図書、拡大図書、録音図書、音声読み上げ対応の電子図書など、アクセシブルな書籍の普及、インターネットの本貸出サービスの強化などが柱になっています。
 しかし、資料にありますように、アクセシブルな書籍を借りるにしても購入するにしても、ニーズに対してコンテンツは圧倒的に不足しています。テキストデータを本を買った視覚障害者などに合理的配慮として提供する仕組みがあれば、利用者自身がパソコンで拡大して読んだり、点訳ソフト、音声転換ソフトを使ったりするなど、自分に最適な方法で利用することができます。ボランティアに頼っている点訳、音訳、拡大図書の作成においても、テキストデータがあれば作業の効率と質は格段に上がります。けれども、著作権者の許諾を取る手間、不正に複製若しくは改ざんされアップロードされるリスクなどが壁となり、テキストデータの提供、販売は広がっていないのが現状です。
 私も、自分でページをめくって本を読むことができません。そのため、本をスキャンして音声再生可能なPDFにしてもらい、パソコンでPDFの文字を追いながら聞いています。しかし、以前、当委員会でも申し上げましたように、私は縦組みの文字はほぼ読めないのです。テキストデータを提供していただけると、パソコンで自分に合った文字の大きさ、MSゴシック書体で横組みにし、文字を追いながら音声読み上げ装置を使って聞くことができますので、大変助かります。しかし、そのようなテキストデータの提供の合理的配慮を行っているのは、障害関連、福祉関連書籍を出版するごく一部の中小出版社に限られています。
 先月、パブリックコメントに付された基本計画案は六月中旬をめどにまとめられるとのことです。計画案では、出版社からのデータ販売や提供について出版関係者との検討の場を設け、電磁的記録の提供に関する課題や具体的な方法について検討していくとなっています。建物や交通機関など、ハードのバリアフリー化に関しては国の補助もかなりの割合で入っています。情報バリアフリーの促進においても、データ漏えい防止策、電子データ作成に係る財政支援について是非前向きに御検討をしていただきたく存じます。
 また、出版社の負担を考えますと、利用者との橋渡しをするリソースセンターが必要です。アメリカでは視覚障害者用のデータベース、ブックシェアに、フランスでは国会図書館に書籍の電子データが蓄積され障害者に提供される仕組みがあります。このような仕組みづくりを是非進めていただき、全ての人が活字文化の恩恵を享受し、豊かな精神文化を培っていける社会にしていただきたいと存じますが、お考えをお聞かせください。

#78
○政府参考人(小笠原陽一君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、読書バリア法の目的である読書環境整備を進めていくためには、出版社から視覚障害者等の方々に対するテキストデータの提供を促進していくことが大変重要であるというふうに認識しております。
 今回の読書バリア法による基本計画案においては、出版社によるテキストデータの提供の具体的な在り方について必要な議論を行っていくため、出版社、関係者による検討の場を設けることが規定されたところでございます。
 経済産業省といたしましては、基本計画の公表後、速やかにこの検討の場を立ち上げ、ただいま委員から御指摘をいただきました課題を含めまして議論を進め、文部科学省等関係省庁の御協力も得て、早期に結論が得られるようしっかりと努めてまいりたいというふうに考えております。

#79
○委員長(吉川ゆうみ君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#80
○委員長(吉川ゆうみ君) 速記を起こしてください。

#81
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 さて、近年、高齢化が進み、読書困難な人が増えています。読書のバリアフリーは失われた市場を回復するものです。文化発展のため、意気込みを是非大臣、御見解をお願いいたします。

#82
○国務大臣(萩生田光一君) 確かに、先生のように障害をお持ちでなかなか紙ベースの読書に親しむことがしづらい方々のみならず、高齢化社会を迎えますと小さな字を追ったりすることが大変で、それをパソコンなどで転換、展開しないと読み物もなかなか読み込めない高齢者の方が増えてくることも実態だと思います。
 ここは、政府がというよりは、民間の皆さんがそれをビジネスチャンスと捉えて、これからの時代の一つのツールとして展開されたらよろしいんじゃないかなというふうに思います。必要な応援があるとすれば考えていきたいなと思います。

#83
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 それでは、著作権法改正案についての質問に移ります。
 今回の新型コロナウイルス感染拡大に伴う休校措置により、オンライン授業が始まっています。その中で、現状ではネット配信が禁じられている文芸作品や論文、新聞、雑誌記事、音楽、写真などの著作物を授業に使う際に支払われる補償金が今年度に限り無償化されました。
 しかし、この措置は教育機関に限定され、保育園や民間団体による読み聞かせなどには適用されません。登園できない園児にオンラインで絵本の読み聞かせをしたい、読み聞かせの動画を配信したいとの希望は増えているようですが、著作権者の許諾が前提になっています。
 出版社、著作権者がオンライン朗読に慎重なのは、動画サイトへのアップロードという経済的被害への懸念ばかりが理由ではないようです。漢字の読み間違い、作品の世界観に合っているかなど、朗読の質を気にする作家さんもおり、出版社としては慎重に個別対応せざるを得ないということなのです。
 今回、新型コロナウイルスの影響で、コンサート、舞台公演、映画など、多くの興行が中止、延期を余儀なくされ、図書館、美術館、博物館も閉ざされました。緊急事態宣言で日本中が巣ごもりになる中、投げ銭方式の無観客ライブ公演の配信、過去の公演映像、人気漫画の無料配信が一気に広がりました。
 オンライン鑑賞、オンライン朗読が拡大している今、舞台や演奏のアーカイブ化、プラットフォームの育成を進めるに当たり、著作権の壁の解消の検討が必要になってくるかと存じますが、大臣のお考えをお聞かせください。

#84
○国務大臣(萩生田光一君) 著作権法上、著作物をオンラインで配信する場合には、学校教育での引用や利用に当該する場合などを除き権利者の許諾が必要とされていますが、今般の新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってオンラインでの作品の鑑賞や絵本の朗読などのニーズが増えているものと承知をしております。
 先生御質問でありましたけど、ちなみに幼稚園も保育園もこの三十五条に含まれますので、今の臨時措置の中では許諾は必要ございません。
 この点、今般の状況に対応した実際の取組として、権利者の許諾を得た上でオペラや歌舞伎等の公演を期間限定でネット上で無料配信したり、出版社が絵本読み聞かせ動画を無料配信するなど、ユーザーが円滑にオンラインで著作物等を楽しめるような対応が進められていると承知しています。また、コロナ後の状況を見据え、舞台の動画配信プラットフォームの立ち上げに向けた民間の主体的な取組などが進められているものと承知をしております。
 文科省としては、このようなオンラインでの配信についての様々な取組がなされている現状も踏まえつつ、今後とも幅広いステークホルダーや専門家、国民の皆様の声を丁寧にお伺いしながら、まさにバランスの取れた望ましい著作権政策の在り方を検討してまいりたいと思います。
 先生御指摘のとおり、このコロナの中では、本来の著作権利者の皆さんがその権利を主張しないで、できるだけ家庭にいる皆さんに和みを届けたいとか、学校に行けないで困っているお子さんたちのための応援をしたいということで、確かにこの壁をぼんと取り払ってくれましたので、そういう意味では今理想の著作権の在り方なのかもしれないんですけど、元々その人たちには権利がありますから、そこは権利の保護と利用者のバランスというのをしっかり整えながら、できるだけその壁が低くなることが利用者にとっては有り難いんですけど、権利者のやっぱりそれなりの補償というものもしていかなきゃならないので、そういうバランスをしっかり見ながら、この法律を成立させていただいた後にまた運用面でいろいろ考えていきたいと思っています。

#85
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 続きまして、インターネット上の海賊版サイトの対策としてのブロッキング対策についてお尋ねいたします。
 省庁横断の知的財産戦略本部でブロッキングやアクセス警告方式を含む総合的メニューが検討されていましたが、ブロッキングに関しては結論が出ず、法制度整備は先送りになったと伺いました。悪質な海賊版サイトの多くが外国に存在し、削除要請にも応じず告発も難しいという場合、アクセスを遮断するしかないという意見もあるかと存じます。その一方、憲法二十一条二項、電気通信事業法上の通信の秘密との関係をどう整理するのかということが問題になります。
 そこで、今回どのような議論があってブロッキングの法制度整備が見送りになったのか、また、今後ブロッキングの法制度整備が検討される場合、どのような要件を勘案して検討されるのか、その方向性についてお聞かせください。

#86
○政府参考人(三又裕生君) お答え申し上げます。
 二〇一八年六月から十月にかけまして、知的財産戦略本部の下に設置された有識者会議においてインターネット上の海賊版対策について議論が行われました。ここでは、ブロッキングに関する法制度整備につきまして、具体的な制度設計の議論に入るべきとの意見や慎重な検討が必要との意見などがあり、意見がまとまりませんでしたが、海賊版対策を総合的に推進することにつきましては認識が共有されました。その後、知的財産戦略本部の下で議論が重ねられまして、昨年十月、インターネット上の海賊版に対する総合的なメニュー及び工程表を作成し、関係閣僚間で確認を行ったところでございます。この総合的な対策メニューにおきまして、ブロッキングに係る法制度整備につきましては他の取組の効果や被害状況等を見ながら検討することとしております。
 以上です。

#87
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 著作権保護をアリの一穴として今後ブロッキングの対象が広がってしまうことも懸念されますので、著作権保護と通信の秘密保護との法の利益の判断は慎重に行っていただきたく存じます。
 これで質問を終わらせていただきます。

#88
○委員長(吉川ゆうみ君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#89
○委員長(吉川ゆうみ君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、石川さんから発言を求められておりますので、これを許します。石川大我さん。

#90
○石川大我君 私は、ただいま可決されました著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民、公明党、日本維新の会、日本共産党及びれいわ新選組の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、海賊版サイトの形態は多種多様であり、本法の措置では対応ができないストリーミング形式を採用している海賊版サイト等も存在することを踏まえ、本法による規制にとどまらず、今後ともあらゆる手段を通じて海賊版対策の徹底に向けた取組を政府一丸となって行うこと。
 二、侵害コンテンツの違法アップロードについては、アップロードを行う者が海外サーバーを利用する事例や我が国の捜査協力等の要請に対して非協力的な国が存在することも踏まえ、迅速かつ円滑な捜査・摘発に向けて、政府は、海外の捜査機関や通信業者等との更なる連携強化を促進し、実効性のある違法アップロード対策の実現に努めること。
 三、政府は、海賊版対策を講じるための専門的知見、人的資源、資金等が不十分な中小企業等を支援するため、海賊版対策の構築に係る専門的知見の提供や経費の補助等の様々な支援策を講じるよう努めること。
 四、本法による侵害コンテンツのダウンロード違法化に係る措置が、国民の正当な情報収集等の萎縮をもたらさないよう多くの要件が設けられ複雑な制度設計となっていることを踏まえ、本法附則による国民への普及啓発及び未成年者への教育を行うに当たっては、分かりやすいガイドライン等を作成するとともに、インターネット上や学校現場等の様々な場面での普及啓発・教育に万全を期すこと。
 五、政府は、関係者による議論の状況等を踏まえつつ、演奏権等の要件としての公衆に直接見せる又は聞かせる目的の範囲について、必要に応じて社会通念や妥当性の観点から検討するとともに、その結果に基づいて必要な見直しを行うよう努めること。
 六、デジタル化・ネットワーク化の進展に伴い、従来は受信者であった国民が同時に発信者にもなる時代が到来し、著作物の利用・流通形態の多様化が今後さらに進行することが想定されることに鑑み、政府は、権利の保護と著作物の円滑な利用の促進とのバランスに十分留意しつつ、時代に即した著作権法制となるよう、その在り方について不断の検証を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#91
○委員長(吉川ゆうみ君) ただいま石川さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#92
○委員長(吉川ゆうみ君) 全会一致と認めます。よって、石川さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、萩生田文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。萩生田文部科学大臣。

#93
○国務大臣(萩生田光一君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意いたしまして対処してまいりたいと存じます。

#94
○委員長(吉川ゆうみ君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#95
○委員長(吉川ゆうみ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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