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2020/06/04 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 内閣委員会 第13号 令和2年6月4日
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2020/06/04 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 内閣委員会 第13号 令和2年6月4日

#1
令和二年六月四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     山田 俊男君     山田 太郎君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     石井 準一君     宮崎 雅夫君
     岡田 直樹君     舞立 昇治君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     舞立 昇治君     岡田 直樹君
     宮崎 雅夫君     石井 準一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         水落 敏栄君
    理 事
                上月 良祐君
                柘植 芳文君
                杉尾 秀哉君
                矢田わか子君
                石川 博崇君
    委 員
                石井 準一君
                今井絵理子君
                岡田 直樹君
                岡田  広君
                古賀友一郎君
                舞立 昇治君
                宮崎 雅夫君
                山田 太郎君
                山谷えり子君
                木戸口英司君
                岸 真紀子君
                塩村あやか君
                高橋 光男君
                清水 貴之君
                高木かおり君
                市田 忠義君
                田村 智子君
   国務大臣
       国務大臣     衛藤 晟一君
   副大臣
       内閣府副大臣   大塚  拓君
       文部科学副大臣  亀岡 偉民君
       厚生労働副大臣  稲津  久君
       環境副大臣    佐藤ゆかり君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        今井絵理子君
       内閣府大臣政務
       官        藤原  崇君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房内閣審
       議官       安居  徹君
       内閣官房内閣情
       報調査室次長   森野 泰成君
       内閣府大臣官房
       審議官      黒田 岳士君
       内閣府大臣官房
       審議官      小平  卓君
       内閣府子ども・
       子育て本部統括
       官        嶋田 裕光君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      粕渕  功君
       個人情報保護委
       員会事務局長   其田 真理君
       個人情報保護委
       員会事務局審議
       官        佐脇紀代志君
       総務省大臣官房
       総括審議官    前田 一浩君
       総務省大臣官房
       審議官      赤澤 公省君
       総務省総合通信
       基盤局電気通信
       事業部長     竹村 晃一君
       文部科学省大臣
       官房審議官    森  晃憲君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    吉永 和生君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    岸本 武史君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    横幕 章人君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      依田  泰君
       中小企業庁事業
       環境部長     奈須野 太君
       環境省大臣官房
       審議官      白石 隆夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○個人情報の保護に関する法律等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(水落敏栄君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、山田俊男君、石井準一君及び岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として山田太郎君、宮崎雅夫君及び舞立昇治君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(水落敏栄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官向井治紀君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定します。
    ─────────────

#5
○委員長(水落敏栄君) 個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○山田太郎君 自由民主党の山田太郎でございます。
 本日の議案であります個人情報保護法は、個人に対しても事業者に対しても大変に非常に影響が大きいということなので、慎重な審議が必要ではないかと、こういうふうに思っております。
 今回、個人の権利が強化されるということは非常に重要で大切なことではありますが、一方で、事業者の活動が過度に萎縮してはいけないと、こういう論点から少し議論させていただきたいと思います。一方でまた、個人の情報を強化することによって他の個人の権利も制限される可能性がある、こんな論点も今日ございますので、是非そういったバランスを取った法律にするべく審議させていただければと思っております。
 まず一点目なんですが、メールアドレスの取扱いというところから少しお話しさせて、質疑させていただきたいと思っています。本人の氏名と組み合わされたメールアドレスを利用する場合には、個人情報保護法とそれから特定電子メール法との関係で、その利用をしていいかどうかと、保存等含めて判断が難しいというふうにも言われております。
 そこで、幾つか御質問がございますが、電子メールアドレスの取得状況における適用利用の可否について、例えば個人情報保護法及び特定電子メール法において、従業員がどのように取得したメールアドレスであれば会社が適法に利用できるのかと。
 例えば、勤務時間中に持ったものでしか駄目なのか、勤務外もオーケーなのか。よく名刺の議論なんというのもあるんですが、名刺を渡しました、名刺は個人情報なんだけれども、渡した人は、自分は何でも、宣伝とかなんとかが返ってくるということを意識して、理解していなくて渡して、その名刺が使われて宣伝メールとかが来ればこれはどうなのかとか、飲み屋で渡した場合はどうなのかとか。当然、会社で名刺交換をしたということについては、それは書面による交付という形でもって適用範囲になると思いますが、その他のケースもいろいろあると思います。
 その辺の整理を、特に特定電子メール法と個人情報保護法、それぞれあると思いますので、御答弁いただければと思っています。

#7
○政府参考人(其田真理君) 個人情報取扱事業者、事業者の従業員がその会社の従業員の立場で取得した個人情報につきましては、勤務時間内か否かにかかわらず、一般的に企業の業務のために取得したものと認識されますので、会社、すなわち個人情報取扱事業者によって取得した、済みません、取得されたものと解されますので、適法に利用できると考えております。
 今御紹介をいただいたような本人からメールアドレスを取得した場合には、メールによる業務上の連絡に用いることなどは取得の状況から見て明らかな利用目的と考えられ、特段の手続なく利用できます。仮にそうでない場合は、利用目的を特定し、本人に通知、公表することによって、その範囲で個人情報を取り扱うことができると考えます。

#8
○政府参考人(竹村晃一君) 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律は、原則として事前に同意した者のみに特定電子メールと呼称される広告宣伝メールを送付することが可能とされております。この事前同意の原則の例外としまして、自己の電子メールアドレスを名刺などの書面、名刺などの書面により通知した者等については、事前の同意なくメールを送信することが可能となっております。
 自己の電子メールアドレスを記載した名刺などの書面を提供した場合などを事前同意の例外としている理由についてでございますけれども、総務省と消費者庁が策定したガイドラインにおきましては、電子メールの送信が行われることについて一定の予測可能性があるためというふうにしてございます。
 以上を踏まえまして、個別具体的な事案ごとに判断する必要はございますけれども、例えば名刺交換をして相手側から会社名付きの名刺を受け取る場合には、名刺を渡した者が所属する企業などから広告宣伝メールが送られている、送られてくることについて一定の予測可能性があるというふうに考えられるため、事前の同意なしにメールを送信することは可能というふうに考えてございます。

#9
○山田太郎君 予測可能性ということなんですが、個人の付き合いで名刺を渡した場合に、これ、商売として使われてけしからぬという声もたくさんある中で、結局、名刺は書面での交付ということに一概にしてしまえば大きな問題を持っているんじゃないかなというふうにも思っておりますので、この辺り、いろんなケースをもってガイドラインにきちっと記載してもらいたいと思いますので、その方向性、その旨を是非、特に個人情報保護委員会さん、御答弁いただきたいのと。もう一つ、それにも関連するんですが、利用目的に宣伝メール等を送る趣旨の記載が例えばない場合でもこれメールアドレスに広告宣伝メールを送ってよいということなんですが、本当に、名刺をもらった場合に広告宣伝メールを送ってよいということについてガイドライン、これも明示していただきたいと思いますが、その辺り御答弁いただきたいと思います。

#10
○政府参考人(其田真理君) ただいま御指摘いただきましたように、個人情報取扱事業者が個人情報を取得する場合、取得の状況から見て利用目的が明らかであると認める場合であれば利用目的の通知や公表は必要ございません。
 現在の個人情報保護法のガイドラインにおきましては、参考事例として、従業員が取得した名刺に記載のメールアドレス宛てにダイレクトメール等を送るような場合には、取得の状況に照らして利用目的として明らかとは言えない場合も想定されるというふうに解説がございます。この点につきましては、企業の方から、名刺に関しまして、どのような場合に取得の状況から見て利用目的が明らかなのかといったお問合せをよくいただいております。
 近年のビジネスの実態等を踏まえますと、会社の従業員として交換した名刺のメルアドに広告宣伝のメールを送付することについては、多くの場合、利用目的として一般的になっているというふうに認識をしてございます。したがいまして、現在、このガイドラインの記載ぶりについて見直しを検討しているところでございます。

#11
○山田太郎君 会社としては、もらった方は怖くて名刺情報使えないと、渡した側はけしからぬと。結局、これじゃ問題解決しないので、是非ガイドラインの充実はお願いしたいと思います。
 一方で、技術というのはなかなか進歩していまして、名刺の渡し方も最近は変わってきたんですね。いわゆるオンライン名刺というのが出てきまして、例えば具体的な個社名を言わせていただきますと、Sansanさんなんかは最近、名刺情報をオンラインでもらって、それでオンライン上で名刺を交換すると。
 こうすると、現行法だと、オンライン名刺を受け取った場合はオプトアウト方式なので広告宣伝メールを送れないと、こういうことになっちゃうんですが、実態からすると、これは書面の交付と同じような、実名刺を交換したのとほぼ同じなんではないかと、予見もいわゆる明白であるというふうに思いますが、この辺り、特に特定電子メール法の施行規則を改正すべきなんじゃないかと、技術に即してしっかり検討していただきたいんですが、いかがでしょうか。

#12
○政府参考人(竹村晃一君) 委員御指摘のとおり、今般の新型コロナウイルスの感染拡大などによるオンライン会議などの普及を背景にしまして、オンラインでの名刺交換も普及が見込まれているということは認識をしてございます。
 オンライン名刺など、書面以外で電子メールアドレスの通知を受ける場合も事前同意の例外として扱うかどうかにつきましては、こうしたビジネス環境の変化なども踏まえて適切に対応していきたいというふうに考えてございます。

#13
○山田太郎君 ありがとうございました。
 結構問題がいろいろ多くて、二十五問ぐらい用意しちゃったので、時間に収まらないのでちょっといろいろ飛ばしていきますので、質問通告、番号は、時間があれば戻ってきますので、四番の外国にある第三者への提供制限という辺りで御答弁いただきたいと思うんですけれども。
 今回、外国にある第三者への制限ということで、改正法の二十四条に当たる部分でありますが、新設されまして、外国にある第三者に個人データを提供する場合に本人からの同意を得る際、本人への参考となるべき情報の提供義務が課されたということなんですが、これも具体的にどのような参考情報の提供義務が発生するか、非常に不明だと思うんですね。
 本人に提供しなければならない参考情報の基準とか具体例ですとか提供の方法、それから外国の個人情報保護法の条文を伝えるだけで足りるのかどうかとか、一律に日本語での情報提供でなければならないのか。例えば、被害を受けた人は母国語が英語とかフランス語だった場合に、その人たちに対しては、相手が分かるようにというふうなことがありますので、英語やフランス語で伝えなければならないのか。
 企業実務としては非常に問題は大きいと思いますが、この辺り教えていただければと思います。

#14
○政府参考人(其田真理君) 外国にある第三者への個人データの提供を認める旨の本人の同意を得ようとするときには、個人情報取扱事業者が当該本人に提供しなければならない情報や提供の方法については委員会規則で定めることとしておりますけれども、現時点では、例えば提供すべき情報としては、第三者の所在する外国の国名、それから個人情報保護制度などを想定しております。
 また、提供の方法につきましては、電磁的な記録の提供や書面の交付による方法、基本的には日本語又は本人が内容を理解できる言語というふうに考えておりますけれども、こういった方法を想定をしてございます。

#15
○山田太郎君 もう一つ、外国における個人情報保護制度を情報提供する件については、その事業者が独自に外国における個人情報の保護に関する制度等の情報を調査して提供しなきゃいけないとなっているんですけど、これもまた企業にとっては大変重たい状況だと思います。
 これらの情報については、多分、できれば個人情報保護委員会さんが外国の制度を調査してウエブで例えば公表すると、その公表されたものを各事業者として、委員会が公表したからということでその情報を提供するというような、少し便宜というか図ってあげないと、個社が個々の外国法制に対して全て調べていくということはほぼ難しいし、同じようなことを社会でもってみんながそれぞれ調べ合うというのもどうかと思いますので、その辺りの便宜ということは図っていただけないでしょうか。

#16
○政府参考人(其田真理君) 今回の改正は、越境移転を行う事業者において移転先の環境を認識していただくという趣旨もございまして、企業が自らの取組をお願いしたいというのが基本でございますけれども、委員会といたしましても、外国の個人情報保護制度につきまして、参考となる情報を提供してまいりたいと考えております。

#17
○山田太郎君 ありがとうございます。前向きにありがとうございます。
 次に、五番というところに行きたいと思いますが、個人情報関連の第三者提供の制限と。法律だと二十六条の二に当たる部分について少し質疑させていただきたいと思います。
 今回の改正案は、発端はリクナビさんの例の内定辞退率の販売問題というのを受けてだと思いますが、それによって二十六条の二というのが新設されまして、個人情報の第三者提供への制限がされたと、こういうことだと思います。ただ、これに定義される個人情報の内容が、個人関連情報の内容が不明確な点が多いと思っていまして、ちょっと具体的にこの辺りについても質疑させていただきたいんですが。
 まず最初に、大綱と今回の法案の文言の違いで、大綱ではですね、昨年出ました大綱では、提供先において個人データになることが明らかな場合に法規制をすると、こうなっていたんですが、今回の法文では、個人データになることが想定されるという形に、ややもすると広く解釈されるような形に変わりました。
 法文で文言が修正されている趣旨というのは何なのか、規制を広げるということを狙っているのか、その辺り御答弁ください。

#18
○政府参考人(其田真理君) 法案にあります第三者が個人関連情報を個人データとして取得することが想定されるときとの文言は、大綱における明らかなときを法文で表したものでございまして、その意味する内容に違いはございません。このため、委員御指摘の大綱の記載から規制対象を広げるという趣旨はございません。

#19
○山田太郎君 もう一つ、今回の法文の個人関連情報ということなんですが、その具体例として、これもメディアで話題になりましたが、クッキーとか位置情報というのは該当するのかどうか、あるいは単純な統計情報等も該当するのかどうか、その辺りも御答弁ください。

#20
○政府参考人(其田真理君) 個人関連情報とは、法案上は、生存する個人に関する情報であって、個人情報、仮名加工情報及び匿名加工情報のいずれにも該当しないものとされております。具体例を挙げますと、氏名と結び付いていないインターネットの閲覧履歴、位置情報、クッキー等なども含まれます。また、いわゆる統計情報は、特定の個人との対応がない限りにおいては個人関連情報には該当いたしません。

#21
○山田太郎君 ここも非常に議論があるところで、いわゆるクッキーとか位置情報も当たるという御答弁でありまして、結構この辺りは企業も気にしています。ガイドライン等を含めて周知徹底と、どういう場合が当たるのか、詳細はしっかり明らかにさせて、していただければと思っています。
 それから、個人データとなることが想定されるというところでもあるんですが、例えばその基準とか具体例ですよね、想定されるというのは何なのかと。分かりにくいんですが、その辺りも御答弁いただけないでしょうか。

#22
○政府参考人(其田真理君) 御指摘の個人データとなることが想定される場面としては、まず、提供先が個人データとして取得することを提供元の事業者が想定している場合が考えられます。例えば、事前に個人関連情報を受領した後に、他の情報と照合して個人データにするといった旨を告げられている場合でございます。
 次に、取引状況等の客観的に事情に照らして、個人データとして取得することが一般人の認識を基準として想定できる場合が考えられます。例えば、プラットフォーマーなどに対し個人関連情報を提供する際、提供先のプラットフォーマーが当該個人関連情報を氏名等でひも付けて利用することを想定しつつ、そのために用いる固有ID等を併せて提供する場合などが考えられます。
 具体的な事例でありますとか判断の仕方については、ガイドラインなどにおいてなるべく分かりやすく明確化してまいりたいと思います。

#23
○山田太郎君 何か、済みません、とんとんとレクのときの回答例をそのまま答えていただいているような感じで、スムーズにいくのも気持ち悪いんですけれども。
 一方で、ちょっと御答弁の中でプラットフォーマー、プラットフォーマーなどがターゲティングマーケットをしている場合なんかはこれ当たるのかどうかということについても御答弁いただけないですか。

#24
○政府参考人(其田真理君) これは、今答弁の中ではプラットフォーマーというのを事例で引きましたけれども、プラットフォーマーであるかに、でないかにかかわらず、個人の情報とひも付けて利用する場合には当たるというふうに考えております。

#25
○山田太郎君 今度は提供元への調査義務を課すか否かということに関して、これも改正法の二十六条の二では、提供先において個人データになるかどうかの調査義務を提供元に課すものなのかどうかという辺りも御答弁いただけますか。

#26
○政府参考人(其田真理君) お尋ねのケースというのは、先ほど申し述べた例のうちの、取引状況等の客観的状況に照らして、個人データとして提供先が取得をすることが一般人の認識を基準として想定できる場合をお尋ねかというふうに思います。
 ここは、あくまで一般人の認識を基準として想定できる場合というふうに考えておりますので、提供先において個人データとして取得される可能性が高くない場合を含めてまで調査義務を課すものではございません。

#27
○山田太郎君 答弁を聞いていると非常に曖昧模糊としていて、一般人の基準だったりとか、逆に提供先で個人データになる可能性が低い場合は要らないとかいう形で、これも極めて分かりにくいというか、いわゆる個人情報の扱いに関して極めて萎縮しがちであるというふうに思いますので、是非これもガイドライン等を含めて豊富なケースですよね、それを明示していただきたいと思います。
 それから、もう一つ大きいのが同意の問題なんですけれども、提供先において本人の同意を取得する際の基準等についてもお伺いしたいと思うんですが、このいわゆる個人関連情報を第三者に提供する場合には、提供元において本人の同意を取得しなきゃならないというふうにされています。
 その同意の取得基準とか具体例、そして第三者提供を受ける場合があることがこれは記されていれば、提供先に対して記されていればそれで事足りるのかどうか、この辺りも御答弁いただけますか。

#28
○政府参考人(其田真理君) 同意の取得方法としてはいろいろな方法が考えられると思いますけれども、例えば、本人から同意をする旨を示した書面、電子メールを受領する方法、確認欄へのチェックなどが考えられます。
 例えば、ウエブサイトで同意を取得する場合に、今御指摘いただいたように、単に記載されているということでは足りないというふうに考えておりまして、そのサイト上のボタンをクリックするなどのアクションが必要ではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、具体的な様々な事例について、ガイドラインなどでお示しをしていきたいと思っています。

#29
○山田太郎君 今のところは非常に重要でありまして、周知徹底としては、利用規約に書かれてあるだけでは駄目なんだと、きちっとそれに対して同意をアクションしたと、チェックボックスみたいなものでもあると思いますし、逆に言うと、深いところに書いてあって、見せていたはずだということは同意に当たらないということについては極めて重要なポイントだと思いますので、是非周知徹底をお願いしたいと思います。
 それから、この同意の取得に関する調査義務なんですけれども、提供先はこれ同意を取得したと主張している場合には、その言葉だけで、口頭だけの確認でいいのかどうかと、何らかの調査しなくていいのかと。仮に、いわゆる提供先が同意を取っていると言っていたが虚偽だった場合、提供元が何か責任を負う可能性というのはあるのかどうかと。
 今回、リクルートを発端に非常に大きな社会問題にもなりましたので、この辺りの対応、対処についても御答弁ください。

#30
○政府参考人(其田真理君) 提供元が確認する方法については、委員会規則で定めることとしておりますけれども、個人関連情報の提供先から報告を受ける、申告を受ける方法を想定しております。この場合、提供元は提供先のその申告内容を一般的な注意力を持って確認すれば足りるというふうに考えておりまして、特段の事情のない限り、真正性や正確性まで独自に調査をすることは求めないというふうに考えてございます。

#31
○山田太郎君 ちょっとそれは非常に分かりにくい感じで、まあ全体が、何か今回個人情報保護法が不透明な部分とか分かりにくいところがあるので、これは守られる側にも情報を活用する側にもいろいろ問題大きいと思いますので、しっかりやっていただきたいと思いますが。
 次、結構大きい問題は、利用停止ですね。これ、衆議院側の質疑でも相当議論になっていたところでありますが、改正法三十条の話であります。
 今回、改正三十条が改正されまして、利用等の請求権の要件というのは緩和されたということであります。ただ、どんな場合に利用停止ができるのかということは明確じゃなくて、特に事業者の活動の支障を来す可能性があると思いますので、そんな論点から少し質疑させていただきたいと思いますが、まず、これ、代理人や個人による利用停止の請求権というのはこれあるのかどうか、その可否について御答弁ください。

#32
○政府参考人(其田真理君) お尋ねの点につきましては、現行法の規定によりまして、開示等の請求等は本人又は代理人によって行うことができることとなっておりまして、個人情報取扱事業者は代理人であることの確認方法を定めることができます。例えば、委任状によって確認するというようなことが想定をされます。例えば、団体の会員などについて請求が行われた場合には、個々の代理権を確認することになるというふうに思います。

#33
○山田太郎君 もう一つ、これはなかなか、個人にとっても重要な、分かりにくいことというか、周知徹底が必要だと思うのが、例の電子メールのファイルが利用停止の対象となるかどうかということでありまして、メーラー等が、ソフトウエアで体系的に管理されている電子メールファイルが利用停止の対象となるかどうか、これがはっきりさせないと、企業としては電子メールをお客さんとやり取りして持っていて、それを個人情報だという形でもって削除してもらいたいという場合には非常に大きな問題、支障を来す可能性高いと思っておりますが、これも御答弁いただけますか。

#34
○政府参考人(其田真理君) 御質問の趣旨としましては、送受信を行っているそのメールアドレスの保有者に、メーラーで送受信を行っているメールアドレスの保有者に対して、その保有者にメールを送信した者、あるいは保有者からメールを受信した者が利用停止等を請求できるかというお尋ねというふうに理解をいたしました。
 法律上、そういうことができる保有個人データの定義に該当いたしますのは、特定の個人情報を検索することができるように体系的に構成していること、それから請求等に応じる権限を有するものでございます。
 このようなメールソフトは、一般的にメールファイルについて送信元や送信先といった特定の個人を検索できるように体系的に構成されたものではないこと、それから、事業者がメールの内容の訂正、追加に応じることができないことといった点から、個々の電子メールファイルは保有個人データには当たらないことが多いのではないかと考えております。したがって、メールの送信元や送信先に当たる本人が利用停止等を請求できない場合が多いのではないかと考えております。

#35
○山田太郎君 今の答えちょっと分かりにくかったんですが、もう一度確認したいんですが、一番多分重要なのは、電子メールのアドレス帳はデータの削除対象になるのかどうかということなんですが、これが結構対象になると実務上管理がすごく大変だと思いますが、まず、そこを改めてお聞きしたいと思います。

#36
○政府参考人(其田真理君) そのソフトに保管されておりますメールアドレス帳については、メールアドレスと氏名を組み合わせた情報を入力している場合があるかと思いますが、そういった場合には、特定の個人を検索できるように体系的に構成されたものでありますので、保有個人データの該当になりまして請求の対象になることがあると思います。

#37
○山田太郎君 これは実は結構大変なことなんですよ。
 後で質問しますけど、前取りしますと、これは事業者とか、私、元々これ始める前は、法人とか利益を供与している者とか、こんな人たちが対象かと思ったら、手芸クラブとか個人のサークルも対象なんですね、今回の個情法の対象というのは。
 となると、結構、いわゆる停止要件というのはこれ結構きちっとやらなきゃいけないということと、嫌がらせとまでは言いませんけれども、そういった形でもって、いわゆる、まあ個人の情報を守るということは大事だと思うし、私も知らない人にもし持っていかれて気持ち悪いものは消してほしいって気持ちも分かりますが、一方で、バランスの問題として実務が回るのかということも心配しておりますので、これの対処をしっかり今後やっていただきたい、こんなふうに思っております。
 さて、次なんですけれども、朝、今自民党の方でもネット中傷のPTやっていまして、私もそこの事務局次長に就任させていただきまして、実務を、特に表現の自由という論点から一生懸命やっていて、バランスを取って議論をしているのですが、そんな中で、実は保有データのログを管理すると。これ管理しないと、発信者情報開示制度でもって開示しようと思ったら消されていましたと、こういうふうになりかねない。これは実は、個人情報保護法は個人の権利を守ると同時に、一方で被害者の権利を守るためにもログ情報の保存というのは極めて重要な論点だというふうに思っております。
 ただ、実際のこれ民事で発信者請求開示制度をやろうと思いますと、コンテンツプロバイダーに対する発信者情報開示をするには、実際開示決定まで一か月から二か月掛かってしまう。挙げ句の果て、消去の仮処分の申請は最低でも九十日必要、いわゆるアクセスプロバイダーに対しても開示まで六か月から一年掛かってしまうということで、これ逆に言うと、会社に対して、私の何か中傷を書いたと、私はもうこのネットのサービスをやめたいから消してくださいと、それ言うと、個人情報保護法によっては、必要がないものは直ちに消さなければならないと、こんなような立て付けでもってやって消されてしまうと、結局被害者が何かやられたときに実際に訴えることもできない。持っていないんですということで、泣き寝入りしてしまうということもあると思っています。
 そういう意味で、私は、例えば刑事訴訟法の百九十七条の三項だと保全要請も最大九十日まで可能だということも定められていますし、一方で、総務省の電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインというところでも、接続認証ログに関しては一般的に六か月程度の保存は認められると、こういうふうになっていますので、これバランスを持ってやってもらいたいと思いますけれども、こんな中でもどういうふうに考えていけばいいのか。
 現代の非常に個人対個人の権利もバランスを取らなきゃいけない重要な問題だと思っておりますので、御答弁いただけますでしょうか。

#38
○政府参考人(其田真理君) 御指摘の論点について、個人情報保護法上の観点からの整理をお答え申し上げます。
 コンテンツプロバイダーの保有する掲示板への書き込み等に関するログ情報につきましては、個人が特定できないケースが多いこと、また内容の訂正、追加、削除ができないことといったことから、消去等の請求対象となる保有個人データに該当しないケースが多いと考えられます。
 一方で、インターネットサービスプロバイダーが保有する住所、氏名、IPアドレスなどは、一般的には保有個人データに該当する場合もございます。ただし、インターネットサービスプロバイダーがこうした情報を保有し続けることが本人の権利又は正当な利益が害される場合に該当するケースが一般的には想定できないので、消去等の請求の対象とならないことが多いのではないかと考えられます。
 御指摘の点につきまして、プロバイダー責任制限法の受信者、発信者情報開示についての制度趣旨が損なわれないように配慮、運用してまいりたいと思います。

#39
○山田太郎君 これは是非、重要なんで。
 確かに、コンテンツプロバイダーの場合にはIP等で個人情報ではないという解釈だと思いますが、確かに、アクセスプロバイダー、ここに至るまでの仮処分を取るまででも半年以上掛かっちゃうということなので、これはしっかり保管期間に関するルールを、これ個人情報保護法だけ議論していても駄目だと思うんですよね。その他の法律との整合性、それから、その他の人たちの権利を守るということの整合性も含めた上で指針をやっぱりきちっと出していただいて、どういう場合については個人の正当な権利として消せるのか、あるいは、本来残さなければならないものなのか、これを慎重に検討を進めていただきたいというふうに思っています。
 さてもう一つ、この利用停止等の請求の拒否というところに関しても触れていきたいと思いますが、三十条の五項で、理由がある、請求に理由がある場合には利用停止を拒めないのかどうか。それから、料金請求に支障があるような場合でも本当に拒めないのかどうか。係争になった場合に不利益を被るような場合であっても拒めないのか。
 今のちょっと関連にもなると思いますが、是非そういうケースもあるんだということで御答弁いただけますか。

#40
○政府参考人(其田真理君) お尋ねの利用停止等の請求が認められるのは、本人の権利又は正当の利益が前提となります。したがいまして、例えば料金の支払を免れるという目的でありますとか、係争となったときに本人に不利な証拠を消去するといった目的などは正当な利益には当たらず、利用停止、消去等の請求の対象にはならないと考えられます。
 また、改正法三十条第六項ただし書の規定は、一定の代替措置をとることを条件に利用停止の請求に応じないことを例外的に許容しておりますけれども、いろいろなパターンにつきましての適用についてガイドラインやQアンドAで解説をしていきたいというふうに思います。

#41
○山田太郎君 ほとんどの質疑の回答は、ガイドラインで検討するということがほとんどでありまして、逆に言わせると、かなり生煮えなんではないかと思われるようなところもあると思っているんですが。
 もう一つ、これ、三十条も強行法規なのか任意法規なのかって大事な問題もありまして、これ何かというと、民間の方で利用規約がありますと、この個人情報保護法と民間の規約がぶつかった場合ですよね。例えば、民間の方ではどれぐらい、さっきの話の逆ですけど、取っておきますということを決めた、でも個人情報保護法の要請から即時消すに当たるだろう、こんなようなことがあった場合にどういうふうに考えればいいのか、その辺りも御答弁いただけますか。

#42
○政府参考人(其田真理君) 先ほどから御指摘をいただいておりますとおり、個人情報取扱事業者が利用停止等の請求に応じることは個人情報保護法上の義務でございます。今お尋ねいただきましたその民民で、当事者間の利用規約において利用停止の請求に応じない旨を定めた場合でありましても、そのような合意は無効でございまして、個人情報保護法上の義務に違反した場合は委員会からの勧告、命令等の執行権限の対象となり得るものと考えております。

#43
○山田太郎君 ということなので、これも会社の法務としてはすごく重要なことになってくると思いますので、お願いします。
 それともう一つ、先ほどのちょっとことをもう一度確認ということでこれ質問しておきたいんですが、利用停止等を請求を受ける個人の事業、個人事業取扱事業者ということの範囲なんですけれども、これさっき言ったように、私は、法人とか商売を行っている事業者、こんなものが対象なのかなと当初は思っていたんですが、どうも町内会とか個人的手芸サークル、宗教法人あるいは政治団体等も利用停止の請求の対象になるのかどうか、具体的に御答弁いただきたいと思います。

#44
○政府参考人(其田真理君) この個人情報保護法上の個人情報取扱事業者とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者のうち、国の機関等を除外した者でございます。ここで言う事業とは、一定の目的を持って反復継続して遂行される行為でございますので、社会通念上事業と認められるものを指しまして、営利、非営利の別は問わないとされております。御指摘のようなサークルなども含めてその対象となります。
 この点につきましては、前回の個人情報保護法改正以降、個人情報保護委員会でも全国で説明会を行いまして、例えば自治会における名簿の作り方といったようなパンフレットも作りまして周知、広報に努めているところでございます。

#45
○山田太郎君 これはほとんどの国民が知らないと思うんですよ。結構これ、私も本当に会社ぐらいの、大企業の話なのかと当初思った。もうこれ、中小企業でもそうです。中小企業どころか普通の任意のサークルも、事業者と書いてあるから何となくいわゆる利益の団体なのかなと思ったら、そうじゃないと、単なる任意の集まりに対しても対象だということになると、その人たちまでこのいわゆる個情法を周知徹底して、守っていかなきゃいけない。その請求、かなり、さっきもお話ししたんですが、ガイドラインがこれから相当細かく具体的かつ、でもそれを本当に個人にきちっと、個々の個人、国民全員に周知徹底させられるのか、相当不安なところもありますので、もうこれは頑張っていただきたいとしか言いようがないんですけれども、お願いしたいと思います。
 さて、時間も限られてきましたのでちょっと、ずっと飛ばしまして、十番の開示ですね、改正法二十八条の件に関して少し行きたいというふうに思っています。(発言する者あり)いやいや、まだまだあって、半分行くかどうかなんですけど。
 開示のですね、改正法二十八条なんですけれども、今回の改正法だと二十八条が改正されまして、保有個人データの開示方法について、電子記録の提供とかも含めて本人が提供できるようになるということにはなったんですね。ただ、具体的にどんな開示方法が認められているかということは多分明らかになっていないと思っています。
 そこで、電磁的開示の提供による方法の具体的ケース、それはどうなっているのか、御答弁いただけますか。

#46
○政府参考人(其田真理君) 委員会規則で定めることにつきましては、現時点では、書面の交付、電磁的記録といったような粒度での規定を想定をしております。どのような電磁的記録ということかということにつきましては、一般的なそのメールでありますとか電子媒体であるというようなことを、こちらもガイドラインなどで、またちょっとお叱りを受けそうですけれども、示してまいりたいというふうに思います。

#47
○山田太郎君 それはきちっと定めてほしくて、PDFが該当するのかとかメールは該当するのかとか、さっぱり分からないんですね。そういう意味で、ちょっとそういうところについてもまたガイドラインということなんですけれども、是非しっかり書き込んで周知徹底をお願いしたいというふうに思っています。
 それから、開示請求に応じる際の手数料の徴収という問題に関しても少し触れていきたい、質疑させていただきたいんですが、今回の改正後、電子メール等の実費が掛からない方法による開示を行う場合でも、事業者は手数料の徴取が可能なのかどうかという辺り、これも御答弁いただけますか。

#48
○政府参考人(其田真理君) 現行法上も、個人情報取扱事業者は、実費を勘案して合理的であると認められる範囲内において、手数料の額を定めなければならないとなっております。実費という概念につきましては、郵送料だけではなくて、対象情報の検索、内容の確認、通知等の事務等々の費用についても勘案することができると解されております。
 したがいまして、電子メールによって開示を行う場合であっても、合理的であると認められる範囲内において手数料を徴収することは可能であると考えております。

#49
○山田太郎君 私は、ヨーロッパの、例えばGDPRなんかでは原則としてデータ管理者が個人データの提供に手数料を課すことは禁じているんですね。私もそこはちょっと慎重に本来議論をするべきだというふうに思っていまして、というのは、このデータがどんどん逆に売買されてしまうかもしれないと。もちろんデータ銀行なんという構想もあったりするんですが、それを個情保さんとしてはやっぱり、ヨーロッパなんかは、先進国、個人情報データ管理の先進国であるヨーロッパを倣って、その辺りの手数料に関してどうあるべきなのか、そうでないと趣旨からして真逆のことを誘発してしまうというふうにも思っております。
 改めてその辺り御検討いただきたいと思いますが、いかがですか。

#50
○政府参考人(其田真理君) これは、慣行ということもございますし、それから実際に企業の負担であったりとか、あるいはどのぐらいの請求が来るかということもありますので、実際にその実態を見ながらまた考えてまいりたいというふうに思います。

#51
○山田太郎君 これもまた実態で考えるということなんですけれども、ちょっと済みません、時間が少しありました。一問だけ行けるかなと。二番に戻ります。
 不適切な利用の禁止、これ改正法の十六条の二なんですけれども、この文言も、不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある場合ということで、ただ、この文言もやっぱり抽象的なんですね。違法行為についてということであれば分かりやすいんですが、不当となってしまうと幅広く取られる可能性があるというふうに思っています。
 これも萎縮につながらないようにガイドラインの記載を充実すべきだと思いますが、その点を含めて、具体的にどんな基準、どんなものが当たるのか、これも御答弁いただけますでしょうか。

#52
○政府参考人(其田真理君) お尋ねの不当な行為を助長し、又は誘発するおそれのある方法による個人情報の利用の具体的な例、今想定されるものといたしましては、暴力団員や総会屋に該当する人物の情報や、不当な要求による被害を防止するための業務を行う責任者、担当者の名簿等をみだりに開示したりその存在を明らかにすることといったようなことが想定をされます。

#53
○山田太郎君 もうほぼ時間がないのでまとめたいと思うんですが、まだまだ聞きたいこといろいろあって、半分ぐらいやっと行ったんですが、また個別にも、今後重要だと思いますので、これは直接もういろいろやらせていただきたいと思いますが。
 ただ、いずれにしても、今日質疑の中ではっきりしたことは、かなり不明瞭な点が多いということが一点、それをガイドラインというんですが、そんなガイドラインを商売やっている人や個人が本当に読むのかなというのはすごく心配であります。そういう意味で、ガイドラインの充実を図ると同時に、特に周知徹底をどうやるのか。
 私は、今回の質疑の中で特に問題だと思っていたのは、企業よりも、先ほど申し上げた個人の団体ですよね、こういったところにまで今回すごく影響を及ぼすんだという辺り、多分ほとんどの国民は知らないというふうに思っています。そこで個人情報保護法違反じゃないか、こう言われたって、知らなかったよということでこの法律がきちっと回らなくなるということも問題が多いと思っておりますので、その辺りを含めてしっかり、今後、個人情報保護委員会、それから特定電子メールの方もありますので、総務省さんも協力をしていただいてやっていただきたいと思っています。
 結論としては、個人情報を守っていくということは当然大事なことですから、総論は賛成しておりますけど、個別には大きな問題があるということだけ付け加えさせていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

#54
○塩村あやか君 共同会派の塩村あやかでございます。
 法案審査に入る前に、通常国会で今回私の質問は最後になると思いますので、長い休みに入る前に、十兆円もの予備費を積んだ二次補正を含めて三テーマほど質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、不妊治療についてお伺いをしたいと思っております。
 少子化対策、少子化社会対策大綱ですね、これ、パブコメを経て一部の修正がありまして発表されました。その中に、効果的な治療に対する医療保険の適用の在り方を含め、不妊治療の経済的負担の軽減を図る方策等についての検討のための研究調査を行うという文言が入ったことは本当に評価ができるというふうに思っております。
 そこでお聞きをしたいのが、その方向性です。
 不妊治療を保険適用にする場合、一般的に、一体何が保険適用になるのかという議論、今されているのか、方向性あれば教えていただきたいと思います。

#55
○政府参考人(横幕章人君) お答え申し上げます。
 不妊治療に関する経済的支援につきましては、高額な治療費が掛かる体外受精あるいは顕微授精に要する費用の一部助成をしているところであります。また、保険適用につきましては、ほかの疾病と同様、治療と疾病の関係が明らか、また、治療の有効性、安全性等が確立している、こういったものを保険適用の対象としているというところでございます。
 今回、少子化社会対策大綱におきましては、高額の医療費が掛かる不妊治療に要する費用に対する助成を行うとともに、適応症と効果が明らかな治療には広く医療保険の適用を検討し、支援を拡充するということが盛り込まれておりますし、また、今委員御指摘ございましたとおり、まずは今年度、調査研究等を通じて不妊治療に関する実態把握を行うとともに、効果的な治療に対する医療保険の適用の在り方を含め、不妊治療の経済的負担の軽減を図る方策等についての検討のための調査研究を行うというふうにされておりますので、この今回大綱に盛り込まれておる方針に沿いまして今後対応を進めてまいりたいというふうに考えております。

#56
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 ちょっと具体的にお聞きしたいんですけれども、じゃ、例えば、人工授精、体外受精、顕微授精における採卵、培養、移植、凍結といった、当然その手技そのものは今回の検討に入るということでよろしいでしょうか。

#57
○政府参考人(横幕章人君) 先ほど申し上げましたとおり、保険適用につきましては、疾病と、治療と疾病の関係が明らか、また、その治療の有効性、安全性等が確立していると、こういったものが対象とされておりますので、これまでも保険適用につきましては、不妊の原因となる疾病、また、これに対する治療、こういったものに位置付けられるかどうかということが大きな一つの課題となっておりましたので、こういった課題に向けて、実態把握、それから検討のための調査研究を行うと、こういった形で幅広くしっかり検討を進めていきたいというふうに考えております。

#58
○塩村あやか君 ちょっと私が聞いたことに対してストレートには答えてくれていないなというふうに思うんです。
 まず、今お伝えをしたこれを入れて、まず検討に入れていただかないことには経済的な負担の軽減にはならないと思いますので、ここしっかり考えていただきたいというところと、例えば、今言った手術とか手技のみが保険適用になったところで、混合診療問題が発生をした性同一性障害に対するホルモン治療と同じ問題が起こるのではないかというふうに私は考えています。
 つまり、薬剤も一緒に検討に入れていただかないことには、薬剤は保険適用にならないから混合治療になって保険適用になりませんということになっては全然駄目なんですよね。保険適用拡大されましたというふうになったとしても、実は使えないという人たちがほとんどになってきてしまいます。
 ですので、ここをしっかりと一緒に検討していただくということが重要だと思っているんですけれども、私の意見に対する見解をいただけたらと思います。

#59
○政府参考人(横幕章人君) これまでも、先ほど申しました考え方に立ちまして、例えば子宮内膜症に対する医薬品といったものが保険適用されているというところでございます。
 今回は、さらに効果的な治療に対する医療保険の適用の在り方を含めて経済的負担の軽減を図る方策についての検討のための調査研究を行うということが大綱で決められているということですので、これに沿いまして取り組んでまいりたいというのが今日、御説明、お答え申し上げられるというところでございます。

#60
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 何回聞いても多分同じ答えが返ってきていて、多分確定的なことは言えないんだろうなというふうに思うんですけれども、これから多分検討をするということですので、ここは今お伝えしたことをしっかりと検討をして結果を出していただかないと、使えないことになってしまっては何の問題もないです、何の解決にもならないですから、そこはしっかりとお願いをしておきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。ありがとうございます。
 せっかく副大臣にも来ていただいておりますので、今の混合治療の問題について、大臣、もし可能であればそうしたことを検討するように私お願いをしたいんですけれども、いかがでしょうか。

#61
○副大臣(稲津久君) 今の議論、当然、今先生からの御指摘もありました。また、今国会でも様々な議員の方々からの御質問、御提案もございまして、そうしたことを勘案しながら更に議論を進めて検討すべきものは検討していきたいと、このように考えております。

#62
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 不妊治療といえば稲津副大臣だというふうな話も最近出てきておりますので、是非副大臣、よろしくお願いをいたします。
 続きまして、動物愛護についてお伺いをいたします。
 間もなく、動愛法で決まりました数値規制が省令で決まってまいります。資料一と二を御覧ください。
 これ、ひどい状態ですね。これ、動物たち今、皆さんがペットショップで買われるペットたちを繁殖している、まあこの親がどんな状態なのかというと、こんな状態なわけです、本当にひどい状態です。この写真、一枚目は、動物愛護の活動をしている浅田美代子さんよりお借りをしました。二枚目は、私が都議時代にちょっと頑張ったといいますか、これ、ペットショップなんですよ、これ、バックヤードじゃないんですよ。一枚目はバックヤードですが、二枚目はペットショップなんです。
 これ、本当にひどい状況なんですけれども、これをしっかりと是正する。これが法律で数値が決まっていないということで、ここに書いてあるように、六十五回にも及ぶ指導の末、ようやく日本初のペットショップに行政処分が下りたということになるんです。六十五回です。大変な手間が掛かります。これ、なぜかというと、都の職員に言わせると、明確な数値がなかったので指導を重ねるしかなかったということなんです。なので、数値規制がいかに大事かということが分かっていただけるのではないかというふうに思います。
 先週、先々週ですかね、環境委員会の方で、大臣の発言としまして、この問題を質問した須藤元気議員の答弁で、業界寄りになっているんじゃないかと、その数値規制を決めるということがですね、そういう御指摘があるんだけれども、一般論として申し上げると、何かこういう規制の話になればあらゆる業界がそれを避けようとして嫌がると、しかし、こういったことを判断のベースにすることはありませんと、動物愛護の精神にもとることのないように検討を進める方針ですというふうに答えました。そして、二月の衆院の環境委員会では、環境省としては動物愛護の精神で判断をしなくてはいけないというふうに大臣は回答をしております。
 そこで、ちょっとお伺いしたいんですけれども、環境省に。検討会、今数値を決める検討会が開かれておりまして、恐らくあと二、三週間もすればその数値の結果が出てこようかというふうに思います。この検討会での議論の方向性は、今お伝えをしました大臣の言葉や私たち立法者、もう議員立法ですから、立法者の超党派議連の受け止めと合致をしているのか、環境省にお伺いをしたいと思います。

#63
○副大臣(佐藤ゆかり君) お答えいたします。
 当然ながら、委員御指摘のとおり、日本の犬猫のペットの数は日本の子供の数よりも多いということで、動物愛護の精神を持って動物をしっかりと飼育し、管理をするということは非常に大切な精神であるというふうに考えております。
 今まさに御指摘のとおり、この飼養管理基準につきましては、来年の六月の施行に向けまして検討を今進めるという段階でございます。委員御指摘のとおり、この動物取引業者が遵守すべきこの基準につきまして、やはり動物のより良い状態の確保につながるための基準がどういう、あるべき視点を入れるべきかということをまさに検討をするところでございます。
 御指摘いただきましたように、やはり一般論で申し上げますと、この業界で厳しいこの規制を敬遠する傾向というものがあるとするならば、やはりそれに基づいた判断をするのではなく、やはり動物愛護の精神にのっとって、それにもとることのないように検討を進める必要があるというふうに考えております。
 実際のこの飼養管理基準でございますけれども、事業者に対して適切で明確な行動指針を与えるとともに、不適切な事業者には改善を促して、改善の意思がなければ登録を取り消すと、そういったことが自治体職員による指導監督の下で実効性を高めていくという必要があろうかと思います。そうした担保をするため、特にこの自治体が明確に指導監督できるという観点からは、例えばケージの大きさですとか従業員の数、あるいは繁殖年齢の上限など、こういったものを数値化することが望ましいわけでございまして、この望ましい基準の数値化というものを今検討をしているというところでございます。
 一方で、ケージの床の構造ですとか環境管理の基準などについて、この様々な飼育状況を考慮する必要がありますことから、必ずしも全てを数値で判断するということができない部分もございます。したがいまして、必ずしも数値にとらわれず、しかしながら数値も使いながら、合理性のある基準を幅広く検討していくということで今検討を進めさせていただいているところでございます。
 いずれにしましても、公布二年後の来年六月までの本規定の施行に向けてしっかりと検討を進めてまいる所存でございます。

#64
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 私が聞いたのは、合致をしているのかということを聞かせていただきまして、今のちょっと長い説明をいただいて、ちょっと時間をちょっとかなり使ってしまったのでどうしようと今ちょっと悩んでいるところなんですけれども、私が聞いたのは、その合致をしているのかというところを聞かせていただきました。
 で、検討会なんですよね、問題は。その検討会の委員の選定方法や実態についてちょっと疑問があるわけです。私の下には多くの今、はがきアクションというものが動物愛護家から行われておりまして、たくさん手元に届いております。皆さんよく検討会見ていらっしゃいますね、傍聴にも来ている。この内容まで書いてあるんですよ。とある検討会の委員の言葉も書いてあります、名前は読み上げませんけれども。ペット業者の営業の自由を侵害してはならない、こういうことを言っている委員がいるわけですよね。そして、あと言えば、数値規制を決めてしまえばペットが高くなってしまうと。手間暇掛かるから価格が高くなるというような委員もいたりするわけなんです。これ本当に私たちが目指している方向性になっているのかということで、非常に大きな疑問があるわけなんですよね。
 私がちょっとお聞きしたいのは、私も検討会、傍聴に二回行かせていただきました。そこで、何人も議員も来ていました。なぜか座長が何でも環境省にお伺いを立てているんですよね。見に行った議員からは、役割が逆なんじゃないかという声も漏れておりました。なぜそこまで環境省にお伺いを立てながら検討会を進めなくてはいけないのか。しっかり検討会の委員の方で法の精神にのっとった数値を決めてもらうということが重要だと思うんですけれども、どうもおかしいなというふうな声が出ておりまして、ある検討会の後は、おかしいんじゃないかということで、見ていた、傍聴に来ていた人たちが皆さんに詰め寄っていくというふうなこともありまして、異例の展開にもなっているのが今の検討会の状況でございます。
 そこで、環境省の言葉もありまして、これもここに、ちゃんと見ているんですね、私、気付かなかったんですけれども、環境省動物愛護管理室の言葉。規制で縛るより業者へモラルを促したい。こんなことを言っていては、本当にこの数値規制が実効性のあるものになるのかということは非常に疑問なんです。
 資料の三を御覧ください。
 これは、超党派議連で出した一例と、下にあるのは、ある業界団体が検討会とか環境省に出したものになります。上の方が超党派議連で出したものになりまして、下の方が業界団体が出してきた案になるんですね。
 これ、見たら分かるんですけれども、小型犬で作ってみました。きゅうきゅうなんですよ、本当にきゅうきゅうな中に押し込まれていて、ほとんど身動きが取れないような数値を業者の方は出してきているわけなんです。こんな業者の言っていることのそのモラルに期待していては、法改正、あっ、ごめんなさい、数値規制、これ本当に実効性のあるものになるのかどうかと言われれば、大変に疑問が湧くわけでございます。
 副大臣にお伺いしたいんですけれども、これ見てみて、ちょっと感想をいただけたらと思います。

#65
○副大臣(佐藤ゆかり君) いずれにいたしましても、この検討会は公正に審議をお進めいただく必要がございますので、そこは守っていきたいというふうに思っております。
 また一方で、傍聴者が職員や委員に詰め寄るといった事態というのは、こちら側では承知はいたしておりません。ですので、事実は確認をしたいというふうに思います。
 いずれにいたしましても、超党派の議連の皆様方からも御提言をいただいておりますので、こうしたこの数値、ケージの大きさ一つを取りましても様々な数値の御提案をいただいております。こうしたものもしっかりと受け止めながら、公正に審議を進めさせていただきたいというふうに思います。

#66
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 今回は、法改正、昨年六月ですね、悲願と言われている八週齢規制が法に盛り込まれました。ここで、数値規制の中でお願いをしておきたいのが、従業員一人でどれぐらいの頭数を見れるのかと、これ非常に重要になってくるんです。ここも数値規制の一つだと思っています。繁殖業者の手元に一番手の掛かる離乳の時期の子犬が長くいるということになるんです、八週齢規制になれば。七週から八週に延びたわけですから。となると、一頭、一人で何頭見れるのかというところは本当にちゃんと検討していただきたいと思っています。
 先般、武蔵野市で逮捕された、動物愛護法違反で逮捕された男性なんですけれども、三十八匹を殺してしまっています。結果として虐待、虐待というか、殴ったり蹴ったりではないです、虐待飼育の末に殺してしまっています。彼の言い分は、十分な人手がなかったということなんですね。
 これ、未然に防ぐためには、やっぱり一人で、従業員一人で何匹見れるのか、ここは非常に重要になってくる。そして、八週齢規制で一番手の掛かる離乳の子犬が、子猫がいるということになりますから、ここのところもしっかりとした数字を出していただきたいと思っておりますので、是非よろしくお願いをいたします。ありがとうございます。
 ちょっと、最後にもう一点だけお伝えしたいんですけれども、私たち超党派議連で数値を出させていただきました。これ、各国の例を見てみて、何と言えばいいのか、一番厳しいところを取ったものではないんですね。日本であれば最低これぐらいはやらないと今の現状が変わっていかないだろうというものを超党派議連で出させていただいておりますので、この議連案を是非できるだけ多く取り入れていただきますようにお願いをしたいというふうに思います。
 佐藤副大臣、質問ここまでですので、もしよろしければ離席していただいても大丈夫です。委員長。

#67
○委員長(水落敏栄君) 佐藤副大臣は御退席いただいて結構です。

#68
○塩村あやか君 続きまして、学生支援についてお伺いをいたします。
 四月十六日の内閣委員会で、バイトで減収で苦しむ学生について取り上げました。その後、そのときに、SNS上に怪しげな性風俗系のバイトの誘いが散見されることも指摘をさせていただきました。そして、四千五百筆の署名も届けさせていただきました。その後、与野党で学生支援の声が上がって、予算が付いたのは本当によかったと思っています。
 しかし、問題が解決されたかと言われれば、いえば、そんなことはないんですね。多くのバイトの減収の学生に届かない支援になってしまっています。規模が小さ過ぎるんですね。学生たちのSOSに応えられていないという現状があると思います。
 資料四を御覧ください。
 困窮をした学生の記事です。コロナウイルス感染症の拡大で飲食や、営業自粛、接客業で営業自粛でアルバイトができなくなった学生が、やむを得ずチャットレディーをしているという記事なんです。チャットレディーとは、オンライン上で男性のお客様とやり取りをするというような形で、まあちょっとテレクラとは違うんですけれども、いろんな会話を楽しむみたいなところがあるのがチャットレディーのお仕事でございます。
 読んでいただくと分かるんですけれども、この学生は、朝はコンビニ、夜はラウンジで働いていました。月の月収は両方合わせて約八万円です。コロナの影響でラウンジが二月から休業になりました。働き手がコンビニ、朝のコンビニで働いていたんですけれども、流れてきて、月二万円にしかバイト代がなりませんでした。仕方がなくチャットレディーになりました。チャットレディーというのはアダルト、ノンアダルトがあって、ノンアダルトを彼女は選択しましたけれども、ノンアダルトというのは、自分がアダルト行為をしないだけで、相手の男性はアダルト行為があるというのが実態だそうです。もう本当に彼女も大変な思いをしたという話をしてくださいました。例えば、服を脱ぐように言われる、そして男性の陰部を見せてくる。アダルト行為は相手はないというのが実態、今お伝えしたとおりです。精神的に彼女は耐えられなくなって四月にバイトを辞めています。
 私が相談を受けた例でいえば、彼女だけではなくて、話を聞いてみれば、バイトの減収でチャットレディーになったという学生がたくさんいて、業界には苦境にあえぐ若い女の子がたくさんいたという話も私は聞きました。これが実態なんです。とある芸能人が、風俗系にはかわいい女の子がコロナで流れてくるみたいな話があって炎上しましたけれども、まあ一致をしてくるんじゃないかなというふうに私は思っています。深刻です。
 私は、こうした職業を否定しているものではありません。学業や生活のために、不本意ながらこうした選択をしなくてはいけない学生を増やしてしまっているという今の現状に問題があると思っています。この現実を、副大臣、どのように受け止められるか、お願いいたします。

#69
○副大臣(亀岡偉民君) まさに今、塩村委員の言われたとおり、もしこんなことがあったら、もうあってはならないことだと我々も考えておりまして、それに対する支援策はしっかり取ってきたつもりであります。
 特に、経済的に困窮な学生に対しては、四月から、真に支援の必要な低所得者世帯に対する修学支援制度や、いろいろやってきましたが、それに加えて、皆さんからも要望がありましたアルバイト収入の大幅な減少に対する、困難になった者たちをどうやって救済できるかということで、学びの継続のための学生支援緊急給付金ということで、一次補正予算から更に積み増しをして五百三十一億円を計上するとともに、緊急特別無利子貸与奨学金も創設しております。
 できる限り、本当に真に学びたい、又は進学、修学を諦めることのないように、又はバイトで非常に苦しんでいるという場合があった場合においては、それをしっかりと学校側で現状を把握していただきながら、我々ができる限りのことを支援していくということでしっかりと二次補正の積み増しをさせていただきましたので、これをしっかり施行して、皆さんに安心していただけるようにこれからしっかりとやっていきたいと思います。

#70
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 そうですね、時間もなくなってきたので、もうその後ばあっといろいろと聞かせていただきたいんですけれども。
   〔委員長退席、理事上月良祐君着席〕
 次の資料を御覧ください。資料の七を御覧ください。
 今の学生の現状をデータで共有しておきたいと思います。下宿生の仕送りの金額の分布なんです。九五年は仕送り額は圧倒的に十万円以上が多かった、緑です。六五%の学生の仕送りは十万円以上でした。しかし、今それは二七%にまで低下をしています。
 資料六です、御覧ください。
 一方で、バイトをする学生はどんどんと増えているんです。仕送りが減って穴埋めをバイトでしているというのが現状です。皆さん、バイト代は遊び代だと思っているかもしれませんけれども、今はもう全く違う現状があるわけです。私たちは、もっと真剣にこうした学生を何とかしなくてはいけないというふうに思っています。
 そこで、ちょっと次は新型コロナ対応休業支援金についてお伺いをしたいと思っています。
 これ、雇用保険に入っていない人を救済する制度として期待がされているものなんですけれども、これは学生が入るのか、学生のアルバイトが入るのかどうか、お答えをいただけたらというふうに思います。

#71
○副大臣(稲津久君) お答えさせていただきます。
 いわゆる新たな支援金についてでございますが、前提を先に申し上げてですね、今、大変新型コロナウイルスの影響を受けて雇用情勢は厳しい状況にあります。もちろんアルバイト、パートの方々、そしてシングルマザーの方も含めて大変厳しい状況で、我々は、雇用をしっかり維持していく、また生活を守ると、こういう視点に立ってあらゆる施策を動員して全力を尽くしていきたいと思っていますが、その中でのこの新たな支援金について一言触れさせていただきたいと思います。
 結論から申し上げますと、アルバイト、学生含めて、パート、こうした方も対象となるというふうに考えておりまして、詳細は今これから、検討中でございますけれども、前提としては雇用関係があるということを基にしております。その意味で、雇用の維持、しっかり図ってこの施策を進めていきたいと思っております。

#72
○塩村あやか君 ありがとうございます。そのちょっと言質を取っておきたかったので、本当にほっとしています。ありがとうございます。
 質問を考えていましたけれども、ここから先、要望だけさせてください。
 いろいろなケースが考えられると思います。二か所でバイトをしていたとか、そして、雇用主がお金、バイト代を払えないけれども、何とか三万円渡すからこれでしばらく何とかしのいでくれとか、いろんなケースが考えられると思います。そして、雇用契約を結んでいないアルバイトもたくさんいます。これについては、何とかちゃんと考慮をしていただきたいと思っています。要綱の第五は、被保険者ではない労働者に対する給付金について、その二に雇用保険法の立入検査等に関する規定を準用するものとするとあります。つまり、実態が怪しいと思う場合には調査ができるということですので、雇用契約書にかかわらずちゃんと調査ができると思いますので、そうしたことも考えていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 法案の審議に入りたいと思います。お待たせしました。済みません。
 まず、プロファイリングと忘れられる権利を中心に聞いていきたいというふうに思っています。
 プロファイリングとは、端的に言うと行動分析のことです。犯罪捜査でおなじみの言葉なんですけれども、昨今では、ネットの閲覧履歴や購入履歴など個人のデータを分析する手法で、マーケティングや顧客開拓など幅広く使われていると思います。かつてこのプロファイリングは、ナチス・ドイツで国勢調査でパンチカードを用いてユダヤ人の迫害にも使われたということで、その教訓から、欧州では自分のデータが企業や国家に使われる懸念が根強くて、GDPRができて個人情報の保護がされています。
 これまでに様々な議論があったと思いますが、まずお聞きしたいのはリクナビ問題ですね。これは一種のプロファイリング行為ではないかというふうに思うんですけれども、個人情報保護委員会の見解をお願いをいたします。

#73
○国務大臣(衛藤晟一君) ちょっと先ほどの話にそれますけれども、少子化の問題のところ、不妊治療の問題のところですね。これは、少子化大綱の中で、特に私どもが強力に主張をして、保険適用の問題をちゃんとやるべきだということで書かせていただきましたので、一緒に厚生労働省とも今後具体的にどう進めるかということについてちゃんとやっていきたいと思っています。
 私は、基本的にはこの不妊治療も医療保険の中で原則として、原則というか、もうできれば全部ちゃんと適用されて、そして適正な価格で適正に運用されるべきだという具合に思っておりますので、それを書かせていただいて、今厚生労働省と話を詰めているところでございますので、どうぞよろしくお願いします。
 それから、プロファイリングによるところの問題は委員会より。

#74
○政府参考人(其田真理君) お答え申し上げます。
 プロファイリングにつきましては、その情報の分析によって個人の利便性が高まったりビジネス機会が増えるといったプラスの面、一方で、個人が何かいろいろ分析されて気持ち悪いといったマイナスの面がございまして、委員会にも様々な御意見が寄せられました。そうした中で、今回、委員会といたしましては、消費者本人が十分に認識していない分析、利用が行われるといった懸念にどう応えるかといった観点で検討を進めてまいりました。
 今回の改正法案におきましては、こうした懸念に対して、利用停止権、消去権の拡充、それから不適正利用の禁止、第三者提供記録の開示、それから提供先において個人データとなることが想定される情報の本人同意、これがリクナビの事件を教訓として盛り込んだ条項でございますけれども、こうした規律を導入することとしてございます。
 この規律が、個人情報に係る個人の権利利益を保護してほしいという冒頭申し上げたような個人の懸念、こういったものに沿うものというふうに考えております。

#75
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 両副大臣、質問ここまでですので、御退席いただいて結構です。委員長。

#76
○理事(上月良祐君) 稲津副大臣、亀岡副大臣は御退席いただいて結構でございます。

#77
○塩村あやか君 改めて聞くんですけれども、このプロファイリングに当たるという認識でよろしいでしょうか、リクナビの問題。

#78
○政府参考人(其田真理君) 今、リクナビのようなケースがプロファイリングに当たるかというお尋ねというふうに理解をいたします。
 プロファイリングというものは、いろいろな議論がございまして、確たる定義もないんですけれども、国際的にもいろいろ確立した考え方はありませんけれども、一般的に個人をいろいろな情報を基に分析、評価するものというふうに考えますと、リクナビのケースはそういうことが行われていたというふうに解することができます。

#79
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 本当にいろんなことが起こっていると思うんですよね。例えばなんですけれども、こうしたことが日本で起こる可能性はないのかということでお聞きしたいんですけれども、アメリカですね、有名なスーパーマーケット、ターゲットが、ある十代の女性の購買履歴から妊娠している可能性が高いとプロファイリングをして、自宅に、家族がそれを知る前に妊娠に関する広告等が送られてしまったというケースがあります。
   〔理事上月良祐君退席、委員長着席〕
 これって非常に難しいと思っていて、情報が流出したわけではなし、そして広告等を受け取るとか、そうしたことについては本人は了承していたかもしれませんと。だけれども、自分が知らないところでこうしたことが行われていて、自分が隠さなきゃいけないことが先にいろんな人に知れてしまうというケースもあろうかと思います。
 こうしたケースはどのように防ぐのかと、どう判断をするのか、お聞きしたいと思います。

#80
○政府参考人(其田真理君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、本人が望まないような形でそういった取扱いが行われるということを認識ができるようにするということが重要であるというふうに思います。
 そして、その事前に認識という点につきましては、現行法上も、利用目的の本人への通知、第三者提供に関する同意といった仕組みがございます。それからまた、今回の改正で、先ほど申し上げましたように、導入された不適正利用の禁止でありますとか、提供先で個人データとなることが想定される場合の同意など、様々な仕組みによってそういったことを防止していきたいと思いますし、また、我々個人情報保護委員会もそういったことが行われないように監督、執行していくことも一つ重要な要素であろうというふうに考えております。

#81
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 非常に難しいケースだと思うんですよね。こうした難しいケース、いろんなことが起こると思うので、本当にいろいろ想定をして今後決めていただきたいというふうに思っています。
 位置情報を含めた広い意味での行動履歴、解析、利用することにプライバシー上の問題はないのかということもお聞きしたいというふうに思っています。個人情報保護委員会では、ターゲティング広告の対策について、イノベーションを阻害するのを避けるという視点から自主ルールにということでした。しかし、今、上記のような例が起こっているので、対応策、今考えていることがあればお願いをいたします。

#82
○政府参考人(其田真理君) 今御指摘のターゲティング広告につきましては、実態が非常に複雑かつ多様でございます。個人情報が使用される場合もございますし、個人情報を含まないデータのみが使用される場合もございます。個人情報が使われるといった場合には、もちろん個人情報保護法の規律を全て守っていただく必要がございます。ただ、個人情報を使わない場合であっても、そういった自主ルールといったものをきちんと作って運用していただくことが消費者の安心、安全につながるのではないかということは委員会としても考えてございます。

#83
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 ちょっとやっぱり曖昧なところがやっぱりあると思うんですよね。ターゲティングやプロファイリングで得た情報は個人情報になるのかどうかとか、ターゲティングやプロファイリングはやっぱり線引きが必要で、これを気にされている人は非常に多いと思うんですよね。見解をお伺いいたします。

#84
○政府参考人(其田真理君) 一般的には個人を特定しないで行われているものが多いとは思いますけれども、一方で、何か会員情報などとひも付けることによって特定の個人を識別しているといったような事例もございますので、こういった場合にはきちんと個人情報を守っていただく必要があるということで、この辺は、私たちもその経済界への周知徹底も必要ですし、消費者への広報も重要だというふうに思っております。

#85
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 何かちょっとやっぱりばしっとしたところが出てこないのはやっぱり難しい問題があるんだろうというふうに思います。やっぱり線引きをできるように考えていただきたいというふうに思っています。
 次に、忘れられる権利についてお伺いをいたします。
 一昨年、過去に逮捕歴のある男性が、インターネット検索サイト、グーグルの検索結果から自分の逮捕歴が出てしまうということで裁判を起こしました。忘れられる権利をめぐっての裁判だったんですけれども、法に定められたものではなくて要件や効果が明確ではないという判断で、表の九のような判決、地裁、高裁、最高裁をたどっております。
 最高裁判決では、その公表されない法的利益と検索結果を提供する理由等の諸般の事情を比較して決定すると述べているんですけれども、今回は削除を認めないという判断に至ったという理由、この最高裁の判決について見解をお伺いいたします。

#86
○政府参考人(其田真理君) 御指摘の最高裁判所の決定においては、忘れられる権利に言及することなく、事実を公表されない法的利益と検索結果を提供する理由等の事情を比較考量して削除を認めなかったというふうに理解をしてございます。
 司法の判断につきまして委員会の見解を述べることは差し控えたいと思いますけれども、いわゆる忘れられる権利につきましては、我が国においても、まず必ずしも明確な定義が定まっている状況ではないと承知をしておりまして、判例の積み重ねによりまして、表現の自由、それから知る権利とのバランスが論点になっているというふうに承知をしております。

#87
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 やっぱり判例を積み重ねるという言葉がやっぱり出てきたんですが、この地裁とか最高裁のその判例自体が法に明確に示されていないから、もう右行ったり左行ったりみたいなことで違ってきてしまっているというところもやっぱり指摘がされている部分があろうかというふうに思います。
 この忘れられる権利とさっきのターゲティングやプロファイリングというのは、次に向けてしっかりと準備をして議論をしていかなくてはいけないし、それまでにもいろんなことが起こるので、本当に準備をしていかなくてはいけない問題だというふうに思っています。
 この忘れられる権利なんですけれども、先ほど指摘をしたとおり、最高裁は、個々の事情を考慮して消去の可否を判断するとしています。しかし、このケースは、児童買春、買春の方ですね、これがあったんですね。ですので、消していいのかどうかという問題は出てこようかと思います。例えば、最近でいえば、ベビーシッターをしている男性がそうした事例が後から分かったということで問題になったことが東京都でもありました。ですので、本当にどうした情報を忘れられる権利として消すのか消さないのかというところは決めなきゃいけないと思っています。
 一方で、これはイタリアではなくてスペインだと思うんですけれども、スペインでは、自分が公共料金を払うのを忘れたということで、これは十年たったらもう忘れてしまってもいいのではないか、名前をたたいたときに検索サイトで自分が犯罪を犯したみたいなものが出てくる、これは消去してもいいのではないかという意見もやっぱりあります。
 ですので、どうしたものを忘れられる権利として認めるのか、認めるわけにはいかないのかというところを決めていかなくてはいけないと思っているんですけれども、今回から次の三年に向けて、そしてそれまでについて、個人情報保護委員会の見解をちょっと確かめておきたいと思います。お願いします。

#88
○政府参考人(其田真理君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、いわゆる忘れられる権利につきましては、我が国において必ずしも確立した考え方が定まっていないという状況でございます。
 今回の改正におきまして、消去を含む利用停止等の請求権を拡充するなど、相当程度個人からの要請に沿う形の改正となっております。したがいまして、この利用停止、消去権の拡充についての法の施行状況などもよくフォローしながら、引き続き検討していきたいと思っております。

#89
○塩村あやか君 ありがとうございます。是非お願いをいたします。
 諸外国とか見てみればしっかりできているところがありますので、そこに遅れないように、いろいろバランスを考慮しながら議論をしていきたい、していっていただきたいというふうに思います。
 終わります。
    ─────────────

#90
○委員長(水落敏栄君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、舞立昇治君が委員を辞任され、その補欠として岡田直樹君が選任されました。
    ─────────────

#91
○木戸口英司君 共同会派の木戸口英司です。
 個人情報保護法改正案、この審議に入る前に、新型コロナウイルス感染症対策に係る政府の情報収集の在り方、そして説明責任の在り方について何点かお聞きしたいと思います。
 この令和二年度第二次補正予算、来週審議になろうかという局面でございます。この中で、内閣官房、情報収集機能緊急強化事業ということで六億円が計上されております。内閣情報調査室において、新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴い、最新の情勢等を踏まえた総合的な情報収集、分析を行うために収集機能の強化を推進するとともに、迅速かつ安全な形で情報を共有する協力体制の強化を図ることにより、国民の安全、安心を確保するということが説明として書いております。
 なかなか具体的に中身が見えないんですけれども、内閣官房ではこれまでどのような情報収集を努めてきたのか、コロナウイルス感染対策に関してですね。そして、この六億円によってどのような情報収集に力を入れて国民の安全、安心に寄与していこうとしているのか、お伺いをいたします。

#92
○政府参考人(森野泰成君) これまでどういったことをコロナウイルスの感染拡大について行ってきたかということでございますけれども、この新型コロナウイルスの感染拡大は非常に重要なことだということで、国内外の感染状況、各国の対応状況、政治、社会、経済等に対する影響などについての情報を広く収集、分析してきたところでございます。
 今回の予算に計上されている情報収集機能緊急強化事業についてでございますけれども、委員の方から御説明があったとおりなんでございますけれども、もう少し申し上げると、国内外において新型コロナウイルスをめぐる真偽不明の情報というのがインターネット上に氾濫しているという状況がございます。こうした現状も踏まえまして、同ウイルスに関するオープンソースの情報の収集、分析業務に関する事業ということでございます。この事業によって、的確な政策判断に資する情報を官邸や政策部門に提供できるようになるほか、国民の正しい判断、行動に資する情報発信にもつながるものと考えております。

#93
○木戸口英司君 その収集されて、それが分析されて、国民あるいは政府の中で共有されて国民の下に届くということ、しっかりそれが進められているのか。この六億円という計上は大変大きい金額でありますし、ワイドショーとかのコメンテーターの発言を見てそれに対する反論等、そういうことにとどまらずに、しっかりとこういう情報収集やっていただきたい。これ以上ちょっと議論、今の説明では深まらないので、まずは指摘にさせていただきます。
 では、これ内閣府に、これも政府全体の今の現状把握という意味で聞かせていただきますが、助成金、給付金等の件でございます。
 やはり内閣府がコロナ対策の司令塔になっているわけでありますのでまとめて聞かせていただきますけれども、一律十万円を配る特定、特別定額給付金は全市町村で給付が始まったんでしょうか。実際に届いた件数、割合、どのように把握をされていますでしょうか。
 また、中小企業や個人事業者向けの持続化給付金の申請に対する給付件数はどの程度でしょうか。五月一日に申請したものへの給付の遅れということが問題になっていますけれども、解消は進んでいますでしょうか。
 雇用調整助成金の手続も遅れているということが報道されております。相談、申請、支給決定件数、どのようになっていますでしょうか。
 今後、第二次補正予算で持続化給付金はフリーランスに対象を拡大すると。雇用調整助成金は上限増額、休業手当をもらえない中小企業の働き手による直接申請も認められると。家賃負担を支える給付金の新設、こういうことで支援が拡充されると。これは、遅いということを強く言いながら、まずはよかったということも言えると思います。
 これまでの政府の対応を総括し、迅速かつ的確に支援が届くように内閣全体で取り組むことが必要だと思われますけれども、今後の取組方針についても併せてお聞きいたします。

#94
○政府参考人(黒田岳士君) お答え申し上げます。
 まず、お尋ねの各支援策の進捗状況につきまして、特別定額給付金につきましては、六月四日までに全ての自治体でオンライン又は郵送で申請を開始しており、三日までに、この六月の三日までに二百万件を超えるオンライン申請が行われておりまして、ほぼ全ての自治体で給付が開始されております。千七百四十団体になって、いずれも郵送若しくはオンラインでの申請による、その給付による、申込みにつきまして給付が開始されております。
 持続化給付金につきましては、一次補正予算成立の翌日の五月一日より申請受付を開始いたしまして、一週間後の八日から給付を開始しております。六月一日段階時点で約百五十万件の申請を受け付け、二日までに約百万件、約一・三兆円の現金をお届けしております。
 雇用調整助成金につきましては、五月二十九日の時点で申請約七・三万件に対して支給決定が三・五万件、百八十三・七億円となっております。
 いずれにいたしましても、その様々な支援策を必要とされる方々に一日も早くお届けするため、手続のオンライン化、添付書類の削減、ワンストップ化などに取り組んだところでございます。
 引き続き、関係者が緊密に連携し、一丸となって必要な支援を一日も早くお届けすることを第一に、できる限りの手続の迅速化に取り組んでまいります。

#95
○木戸口英司君 内閣府にまとめてお聞きするということであったんですが、中小企業庁も駆け付けていただいております。
 持続化給付金の事業委託の問題が出ております。この一般社団法人、実体がないんではないかと、一般社団法人の法令に従っていない、決算公告もしていなかったという問題も出ております。そういうところに委託をして、事業が順調に進んでいるんであればですけれども、様々な遅れも指摘されている。二週間後に給付されるということでありますけれども、今お聞きすれば三分の二の給付状態と。五月一日申請の問題もありました。透明性、公平性、そしてこの委託の制度の在り方、また、これから資金、名目、使途、これを、説明責任が伴っていると思います。
 この体制の立て直し、そしてこれから第二次補正の中で新たなまた委託も発生するということも聞いておりますが、中小企業庁から一言いただいてよろしいでしょうか、この件。

#96
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 現在、持続化給付金でございますけれども、サービスデザイン推進協議会を事務局として作業中ということでございます。
 先生の最初の御指摘の中に、五月一日付けに申請があった方で遅れがあるというような御指摘ございました。こちらについては、初日に十八万件、かなり大量の申請がございまして、実際、その四割ぐらい、四割強に不備があるということで申請、振り込みが遅れていると、遅れたということは事実でございます。ただ、昨日段階で九三%の方には振り込みを終了しているということでございまして、残り二%の方については振り込み口座の確認ということでございます。残りの方は、二回目の申請というか、不備を修正するプロセスになっているということでございます。
 その申請の、持続化給付金の事務局でございますけれども、一般競争入札に基づきまして二者が札を入れておりまして、厳正な審査の結果、そのサービスデザイン推進協議会が採択されたということでございます。決算公告、公表されていないという問題、認識しておりまして、こちらにつきましては至急是正するよう団体に対して指導しているということでございます。
 種々御指摘の委託費、外注費が明らかでないのではないかと、こういった御指摘については真剣に受け止めておりますので、透明性を高める方法を鋭意進めてまいりたいと思っております。

#97
○木戸口英司君 事業者、そしてそこで働いている人たち、まさに命が懸かっている問題であります。やはり途中をしっかりとチェックしていくこと、その事業者、法人の問題は大きくありますけれども、そこの過程をしっかりとチェックしていくことをやっていたのかという問題です。委託すれば終わりと、そうではないと思いますけれども、そのことを強く指摘したいと思います。
 それから、議事録の問題が出ております。専門家会議の議事録、これ官房長官が公表してもいいというようなことを言っておりますけれども、これまで議事概要のみの公表ということでありますけれども、しかし、速記が入っていると説明をしながら、十五回中二回、会議に速記者が不在だったということ。また、連絡会議の問題も出ております。これは記録を一般には公表しない方針が示されたと。科学的根拠をやっぱり国民は求めているわけであります、政策決定過程の中でですね。
 この専門家会議、連絡会議の議事録作成、公表ということ、絶対的に必要だと思いますけれども、内閣府、説明をお願いします。

#98
○政府参考人(安居徹君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議につきましては、行政文書の管理に関するガイドラインにおきまして、政策の決定又は了解を行わない会議等に該当し、残すべき記録は、活動期間、活動場所、構成員、その時々の活動の進捗状況や確認事項を記載した文書、配付資料等とされております。
 その上で、第一回のこの専門家会議におきまして、構成員の専門家に自由かつ率直に御議論いただくために、専門家会議については発言者が特定されない形の議事概要を作成して公表するという方針を構成員の皆様に御了解いただいており、以後、この方針に沿ってガイドラインに即して適切に対応してきておるところでございます。
 具体的には、議論の内容が分かるようなかなり丁寧な議事概要を作成し、御参加の先生方に御確認いただいた上でホームページで公表してきているところでございます。
 なお、専門家会議での議論の要点などにつきまして、専門家会議の先生方からもこれまでも積極的に御本人の言葉で情報発信をいただいておりまして、ほぼ毎回の会議の後、先生方による会見が行われております。会見時間は平均で約一時間二十分、最長で約二時間でございまして、メディアからの質問にも丁寧にお答えいただいていると承知しております。
 一方で、五月二十九日の専門家会議におきまして、構成員の方から、議事概要の在り方について一度検討してもいいのではとの御意見がありました。その点につきましては、改めて構成員の先生方と御相談した上で適切に判断していきたいというふうに考えております。
 また、御指摘のございました連絡会議につきましても、ガイドラインに基づき、活動期間、活動場所、チームの構成員、その時々の活動の進捗状況や確認事項を記した文書、配付資料等の記録を適切に作成しているところでございます。
 いずれにいたしましても、新型コロナウイルス感染症に係る事態が歴史的緊急事態に指定されたことを踏まえまして、しっかりと記録を残してまいりたいと考えております。

#99
○木戸口英司君 今、私もその歴史的緊急事態なんですよということを指摘しようと思っておりましたが、答弁の中にありましたので、そういう認識の下で、そして専門家の方々もそれぞれの専門分野を背負って出てきていただいておりますので、名前が公表されたからといってその議論が活発にならないということは絶対にないと思います。しっかりと国民への説明責任、そして将来への蓄積として残していく、そのことをもし政府が駄目だというんであれば、皆さんから是非そうしましょうということを言ってください。
 それでは、衛藤大臣にお伺いをいたします。
 巨大IT企業を先頭に急速に拡大する個人情報を利用したデータビジネス、データ社会の日進月歩、技術革新を踏まえて、欧州やアジアの各国はいち早く個人情報保護の強化に取り組んでおります。それぞれ厳しい規制を導入し、罰則や課徴金を課すなど、強い姿勢で臨んでいるということを認識しております。
 例えば、GDPR、EUを中心として三十一か国で導入されていると、非常に厳しい制度を導入しているということ。米国でも、連邦法としてはありませんけれども、各州で厳しい個人情報を保護ということになってきております。東南アジアなどでも強化が進んでいると聞いております。
 このような個人情報保護の強化の国際的な流れをどのように捉えておられますでしょうか。

#100
○国務大臣(衛藤晟一君) 委員御指摘のように、世界的に個人情報保護法制が整備されたり、あるいは整備に向けた動きがあると承知いたしておりますが、個人情報保護制度については、それぞれの国、地域によって文化的、歴史的な背景もあり、様々な制度が存在しているのが現状です。
 その中で、グローバルスタンダードの観点からは、OECDプライバシーガイドラインが共通の考え方として示されており、我が国の個人情報保護法もこれに準拠したものであり、国際的にも整合的な制度となっています。
 今後、国際的なデータ流通がより増大していくことを踏まえると、国際的な制度調和の重要性が更に増していくと考えており、個人情報の保護を図りつつ信頼性が確保されたデータ流通を促進していく観点から、国際的な枠組み構築に向けて取り組んでいるとともに、今回の法改正においても、そうした方向に沿った所要の改正事項を盛り込んだものであるという具合に認識いたしております。

#101
○木戸口英司君 その認識は分かりました。
 その中で今回の改正法になるわけですけれども、一年余を掛けて議論されてきた今回の改正であります。やはり、特にこの厳格な個人情報保護ルールということでGDPRが言われるわけですけれども、今、各国それぞれ地域の歴史、文化もあるということ、情勢、社会情勢もあるということではありますけれども、これ、比較して様々検討されてきたんだと思いますけれども、どのような検討課題が残ったのかと言っていいんでしょうか。
 また、こういう個人情報保護ルールの世界的厳格化の流れに、これは様々な評価はあると思うんですけれども、日本はまだ追い付いていないんではないかという評価もあると聞いております。こういった評価の下、どのような認識を持たれているのか、大臣に改めてお伺いいたします。

#102
○国務大臣(衛藤晟一君) 今仰せのとおり、個人情報保護制度については、それぞれの国、地域において文化的、歴史的な背景もあり、様々な制度が存在しているのが実情です。
 その上で、委員御指摘のGDPRに関しては昨年一月に、我が国の個人情報保護委員会においては、個人情報保護法に基づき、個人情報の保護のレベルが日本と同等である国としてEUの指定を行い、また欧州委員会においても、GDPRの規律に照らし、我が国の個人情報保護法の規律が十分なレベルの保護を保障しているとして、個人データの越境移転に関する十分性認定の決定を行ったところであります。
 これを踏まえるならば、EUのGDPRと我が国の個人情報保護法とは実質的に見て同等であると言えるという具合に認識をいたしております。

#103
○木戸口英司君 そうですか。同等であるという認識ですね。そこは、近づいている部分、近づいていない部分あるんではないかと思いますが。
 じゃ、例えばクッキーの話が出ておりましたけれども、GDPRでは保護をすべき個人情報と明示しているということであって、違反企業には課徴金納付などが命じられるということ。それはそれぞれのまた事案にもよるんだと思うんですけれども、リクナビ事件でも、クッキーはデータ提供先の企業の個人情報と突き合わせることで容易に個人を特定できることということで事件化したわけであります。
 改正案ではクッキーを個人情報と位置付けるというところまでには至っていないんではないかと思いますけれども、どういう検討が重ねられてきて、今後どういう方向でまた検討されていくのか、お伺いをいたします。

#104
○政府参考人(其田真理君) 我が国の個人情報保護法ではクッキー等の端末識別子を単体で個人情報とは定義しておりませんけれども、特定の個人を識別できる形で取り扱っている場合には個人情報として個人情報保護法の規律に服する必要がございます。
 今回の検討では、端末識別子の取扱いについて様々な御意見が寄せられました。消費者からは、端末識別子そのものを個人情報として規律することや、提供先において個人情報として取り扱われる場合に規律の対象とするべきとの御意見、企業からは、ユーザーの利便性への配慮、イノベーションを阻害しない観点から規制の対象とすることに慎重な御意見が寄せられました。
 こうした御意見を踏まえまして、また先ほど御指摘いただきましたリクナビ事件も踏まえまして、今回の改正法では、個人関連情報に関する規律を導入する一方で、端末識別子そのものについては、関連する技術、ビジネスモデルの実態が多様かつ急速に変化していることも踏まえまして、まずは自主的ルール等による適切な運用が重要というふうに判断をいたしました。
 こうした点に関しましては、その取扱いの状況について、保護と利活用のバランスにしっかり配慮しつつ、引き続き注視をしてまいりたいと思います。

#105
○木戸口英司君 バランスということ、先ほど来話あります、大事だと思いますけれども、やはり日本のそういう法制の評価に対し、評価ですね、これはその利用側に立っている部分が強くないかという疑念も言われるところでありますので、この件、検討を重ねるべきだと思います。
 それでは、課徴金についてはどういう検討がなされたんでしょうか。

#106
○政府参考人(其田真理君) 課徴金制度につきましても、EUのGDPRにおける制裁金の観点、違反行為抑止の観点などから必要性が指摘をされておることは承知をしております。しかしながら、我が国で現在運用されております課徴金制度につきましては、違反行為によって得た不当利得を基準に算定することを基本にしているものと認識をしております。
 一方、個人情報につきましては、これまでの委員会の執行実績を見ましても、安全管理措置義務違反のように、違反行為があっても利得が生じていない場合も多く、課徴金による抑止がなじまないケースが多いというふうに認識をいたしております。また、現時点で個人情報保護違反による罰金の執行事例もないということも踏まえまして、今般の改正においては、ペナルティーの強化は法定刑の引上げにより対処することとして、課徴金の導入は行わないと判断をしたものでございます。
 しかしながら、課徴金制度につきましては継続的な検討課題としておりまして、改正法の執行状況や内外の情勢を踏まえつつ、引き続き検討してまいりたいと思います。

#107
○木戸口英司君 分かりました。
 企業については、企業は個人情報に対する意識が高まってきていると、個人データを扱うリスクに敏感になっているということは言えると思います。今回の個人情報保護法の改正で規制の拡大を懸念する一方で、仮名加工情報等利活用の促進策には期待もあるということを聞いております。
 個人データの域外持ち出しや個人情報の範囲、請求権、利用停止権、消去権、拡散防止権、データポータビリティー権等、世界的な個人情報保護の強化の流れに対して、個人情報保護委員会には、諸外国のルールとの調和や整合性や、国内、海外において実務でどう対応すべきか明確に判断できるより詳細なガイドラインを作成することが求められていると考えます。
 適切な個人情報の保護体制があって初めて信頼ある利活用へとつながるのであって、企業側には個人情報保護の強化はビジネスのリスクではなくてチャンスと捉える発想が、私はこういう転換が求められるのではないかと思いますけれども、この点、大臣、いかがでしょうか。

#108
○国務大臣(衛藤晟一君) 委員御指摘のとおり、個人情報保護のルールを検討するに当たりまして、国際的な調和に留意することは極めて重要です。このため、今回の法案でも、国際的な動向等も含めた社会情勢全般の動向を踏まえて所要の見直しを行ったところであります。また、今後、具体的な基準等については、政省令、ガイドライン等を通じて分かりやすくお示ししてまいりたいと考えています。
 利活用との関係については、委員御指摘のとおり、個人情報を適切に保護することで、社会の安心、安全、豊かな国民生活につながるような個人情報の利活用が可能になると認識しています。具体的には、個人情報の保護水準を弱めて有用性を高めるより、個人情報の保護水準を高めつつ利用環境を向上することが重要であり、こうした取組が民間でも浸透しつつあると理解しています。このような観点で、個人情報保護を適切に図りつつ、データの利活用を最大化してまいりたいと考えています。

#109
○木戸口英司君 是非お願いします。
 資料一、二と二枚配っておりますが、これは経産委員会で法案が通ったものでありますけれども、巨大IT企業に取引の透明化を促す特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案と、これ五月二十七日、参議院本会議において可決、成立した法案であります。
 取引環境上の主な課題として、規約変更による取引条件の変更等、また紛争処理等の体制、取引データの利用範囲の明示、自己又は関連会社と異なる扱いの明示等が挙げられていますけれども、個人情報保護の強化からの観点で、同法律の意義、個人情報保護行政との連携の在り方について御見解をお伺いいたします。

#110
○政府参考人(其田真理君) 今御指摘いただきました特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律は、当委員会もオブザーバーとして参加してまいりました内閣官房デジタル市場競争本部において検討が進められてまいりました。この法律は、デジタルプラットフォームにおける取引の透明性と公正性の向上を図ることを目的としたものと承知をしております。
 なお、今回の個人情報保護法改正案は、いわゆるプラットフォーマーにも関連する事項がございますけれども、個人の権利利益を保護するという個人情報保護法の趣旨に照らして必要な内容を幅広く盛り込んだものとなっております。デジタルプラットフォームの透明性、公正性向上のためには、まず個人情報の保護が不可欠と認識をしておりまして、委員会としても必要に応じて適切に対応してまいりたいと思います。

#111
○木戸口英司君 じゃ、同法案に対する、今度は公正取引委員会にお伺いをいたします。
 この法律による取引環境を整備するに際しては、独占禁止法上の主な課題として、規約変更による取引条件の変更等、取引データを利用した直接販売、自己又は関連会社と異なる扱い等が挙げられておりまして、公正な競争を阻害する行為に対しては独占禁止法による個々の違法事案の是正を行うこととしております。
 公正取引委員会として、この法案に向けて、成立に向けて大変努力をされてきたということをお聞きしております。急速に拡大するデジタル分野、GAFA等の巨大IT企業による寡占、これらに対処するため、公正取引委員会ではこれまでデジタル分野に競争政策を適用するルール整備を進めてきたと認識しております。この法律による公正取引委員会の役割、あと課題についてお伺いをいたします。

#112
○政府参考人(粕渕功君) お答え申し上げます。
 特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律は、情報開示に関する規定などを設けて、特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上を図ることを目的としているということに承知しております。これらの規定は、独占禁止法違反行為の未然防止に資するなど、競争環境の整備の観点からも意義があるものと考えております。また、同法には、特定デジタルプラットフォーム提供者による独占禁止法違反行為が疑われる場合に、経済産業大臣が公正取引委員会に適当な措置を求めることができる旨も規定されております。このような措置があった場合には、公正取引委員会としても適切に対応したいというように考えております。
 いずれにしましても、公正取引委員会としましては、引き続き独禁法違反行為に対しては厳正に対処してまいりたいというように考えております。

#113
○木戸口英司君 巨大IT企業を利用する側とすれば非常に便利なツールになるわけですけれども、この寡占状況による様々な弊害ということも大きく言われているわけでありますので、利用者本位に公正取引委員会の働きを期待したいと思います。
 それでは、大臣に一つ、ちょっとこれ政治的な話になりますけれども、今年アメリカで大統領選挙があるわけですけれども、前回の二〇一六年の大統領選挙で、フェイスブックが保有する大量の個人データがトランプ陣営に利用されていたということが事件化いたしました。イギリスに本社を置くケンブリッジ・アナリティカという会社が、フェイスブックから八千七百万人分の個人データを不正に入手し、ビッグデータを解析し、細かく有権者をターゲティングしたSNSの政治広告を制作し、利用していたと。これに対して、米連邦取引委員会は、公正取引委員会ですよね、日本でいうところの、フェイスブック社に五十億ドルという過去最大の制裁金を科しているという事件であります。
 この問題は、個人データの不正入手はもちろんですし、他国の企業がアメリカの選挙に介入したということも問題でありますけれども、私は、やはりこの新たなプロパガンダとしてマイクロターゲティングという手法、AIにより有権者個々の政治的傾向をかなりの精度で割り出した上で個々の有権者にカスタマイズする形で政治広告、もう何百人単位で広告を出すと、そして、その広告が政敵をおとしめる広告、フェイク、有権者を投票に行かせないための広告等、こういうことが制作し発信されていたということ、私はここに問題意識を持っております。
 これは、SNS、AIと個人情報、公正な選挙、民主主義の在り方にまで及ぶ問題でありまして、日本においてもSNSを使ったインターネット選挙運動が解禁となっている中で、他人事とは言えないと考えております。個人情報保護を扱う大臣として、また政治家として、この事件についての所見をお伺いいたします。

#114
○国務大臣(衛藤晟一君) 委員御指摘の事案は、フェイスブック社のプラットフォーム上で提供されている性格診断アプリを通じて、当該アプリの開発者が個人情報を取得し、その一部がケンブリッジ・アナリティカ社に不正に提供されていた事案と承知いたしております。
 個人情報保護委員会においては、平成三十年十月に、フェイスブック社に対し、プラットフォーム上で開発されるアプリケーションの活動状況の監視を徹底すること等を求める指導を個人情報保護法に基づき行いました。
 こうした外国の事業者においても個人情報が個人情報保護法に基づき適正に扱われるべきであるということは言うまでもなく、引き続きしっかりと対応してまいりたいと、我が国においてもしっかりと対応してまいりたいというように思っております。こういうことは、こういう操作は基本的に許されるべきものではないという具合に認識をいたしております。

#115
○木戸口英司君 こういったSNS、またAIによって民主主義が成熟していくか、あるいは形骸化に向かうのかという大きな問題だと思います。これは与野党を超えてみんなで議論していければと思います。やった者勝ちみたいになってしまっては、本当に選挙また公正な民主主義というものが大きく崩れる問題だと思っております。
 そういう中で、プロファイリングにも関係することでありますので、先ほど来議論はあります、事務局からもいろいろ説明をいただいたところですけれども、このプロファイリング規制について、今後議論が必要ではあるということは認識持たれているんじゃないかと思いますが、改めて大臣からこの認識についてお伺いをいたします。

#116
○国務大臣(衛藤晟一君) いわゆるプロファイリングにつきましては、自らの好み等に合致した情報を得やすくなるという分析ができるという側面がある一方で、知らないところで分析が行われているという懸念があります。
 こうした懸念に対して、今般の改正においては、利用停止、消去等の要件の緩和、不適正利用の禁止、第三者提供記録の開示、提供先において個人データとなることが想定される情報の本人同意といった規律を導入したところでございます。プロファイリング全体も当然今後検討してまいりたいと思いますが、まずはここ、そういうところを切り口として第一歩を、こういう規律を導入したということを認識いたしております。

#117
○木戸口英司君 時間がなくなってきましたので、幾つかまだ質問を法案について出しておったんですけれども、この時期でありますので、今日は厚労省にも来ていただいておりますので、新型コロナ感染、接触者追跡アプリ等における個人情報保護について、その収集範囲や利用プロセスの透明性確保、利用目的を明確にし、収集する情報は必要最小限のものとすることが必要だと考えますけれども、この新たな手法の導入状況及びアプリなど、検討、開発状況についてお聞かせいただきます。

#118
○政府参考人(其田真理君) 個人情報保護委員会から、個人情報の観点から少しお答え申し上げたいと思います。
 接触確認アプリにつきましては、五月二十六日に接触アプリに関する有識者検討会が公表いたしました仕様書とプライバシー等の評価書を踏まえまして、厚生労働省において今月中旬を目途に導入できるよう開発に取り組んでいるものと承知をしております。
 この評価書には、当委員会が五月一日に発表いたしました接触アプリを活用するための考え方が具体的に留意事項として盛り込んだものが織り込まれているというふうに認識をしております。具体的には、利用目的の具体的特定、分かりやすい明示、本人の同意の取得、それから必要ないデータは取得しない、第三者に提供しない、必要なくなったデータは遅滞なく消去すること、安全管理措置の適切な実施、苦情等の受付体制の整備といったようなことでございます。
 今後、厚生労働省において、この本評価書の内容をしっかり踏まえながら開発、運営がなされていくように、当委員会としてもフォローしてまいりたいと思います。

#119
○木戸口英司君 じゃ、こういった事前にプライバシー影響評価を行うこと、そのことを公開すること、国民が意見を述べる機会を設けること等が必要だと考えます。ここは指摘にとどめさせていただきますので、そういった対応をお願いしたいと思います。
 もう一つ、これも指摘にとどめさせていただきます、質問にしておりましたけれども。
 スーパーシティ構想が法案として通りました、我々は反対いたしましたけれども。これに対する個人情報保護について不十分だということが大きく野党から指摘されたところであります。政府において積極的にこのことを踏まえて取り組むことと、非常に問題が大きいと思っておりますので、これは大臣に指摘をさせていただきます。
 それでは最後に、これも、今日政務官いらしていただいておりますので、災害時の安否情報公表の在り方について、これは非常に地方自治体は困っておりますので、指摘をさせて質問とさせていただきます。
 全国各地で大規模災害が頻発しております。災害時、安否確認は生死を分け、発災当初の関心は安否情報に集中する一方、公表、非公表は自治体の判断とされ、行方不明者の氏名が非公表となるケースが相次いでいます。住民の個人情報保護は自治体ごとの個人情報保護条例が規律している中で、法制では、生命や身体などの保護に必要な場合、同意がなくても提供できる例外規定があります。
 二〇一八年の西日本豪雨では、行方不明者の捜索が続く中、岡山県が氏名の公表に踏み切りました。公表前の不明者は四十三人でしたが、公表すると生存情報が次々と寄せられ、二十五人の生存が確認されることとなりました。一方、個人情報保護の観点から公表を見送る自治体もあり、捜索の効率化かプライバシー保護か対応が分かれているのが現状です。
 例えば、首都直下地震では、断水などの影響で発災二週間後に避難者が最大で約七百二十万人になるとの想定もあり、情報共有、伝達のための対策は必須だと考えます。地方からは、災害時の個人情報は適正に利用されるものという社会的コンセンサスを形成するべきという声が大きく、国による氏名公表の指針策定が必要と考えますけれども、大臣政務官の所見をお伺いいたします。

#120
○大臣政務官(今井絵理子君) 災害時の行方不明者の氏名公表については各自治体の個人情報保護条例に基づき取り扱われるものであり、基本的には、保有個人情報の利用、提供制限の例外として、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、緊急かつやむを得ない場合には情報提供ができるものと承知しております。内閣府防災担当においても、最も最優先、あっ、最優先すべき人命の救助、救出活動に資する場合には、積極的に行方不明者の氏名公表を行うべきである旨を地方自治体等に助言したところであります。
 なお、昨年夏に全国知事会から、全国統一的な公表基準の作成に係る提言をいただいたところでありますが、まずは知事会において氏名公表に係る各県の対応状況等の整理を行うと伺ったところであります。
 知事会の整理も踏まえながら、まずは実務的に議論を行ってまいりたいと思います。

#121
○木戸口英司君 時間になりました。
 この問題は大きいと思います。衛藤大臣も、個人情報保護をつかさどる大臣として政府全体で地方としっかりと議論を重ねていただくこと、もうそういう時期が、夏も迫っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。

#122
○委員長(水落敏栄君) 委員会は午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#123
○委員長(水落敏栄君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、宮崎雅夫君が委員を辞任され、その補欠として石井準一君が選任されました。
    ─────────────

#124
○委員長(水落敏栄君) 休憩前に引き続き、個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#125
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。午前中に引き続きまして、先生方、大変に御苦労さまでございます。
 今回の個人情報保護法の見直し、前回、平成二十七年に改正がされまして、そこで法施行三年ごとの見直し規定というのが定められて、今回その規定に基づく改正と承知しているところでございます。
 この間におきましても、経済のグローバル化が一層進み、EUにおきましては、午前中の審議におきましても出ておりましたけれども、データ保護に関する新たなルール、GDPRが制定をされております。また、科学技術、日進月歩でございますが、新たな進展に伴いまして、リクナビ事件などといった個人情報をめぐる新たな課題も浮上しているところでございます。
 そこで、まず総論的に衛藤大臣にお聞きしたいと思いますけれども、個人情報保護委員会、個情委では、前回の改正から今日に至るまで、個人情報の保護に関する国際的な様々な動向、あるいは情報技術の進展、そして個人情報を活用した新たな産業の創出ということも今注目されているわけでございますが、こうした状況についてどのように認識をされているのか、お聞きをしたいと思います。
 また、今回の見直しに至るまで、昨年の四月にはいわゆる三年ごとの見直しの中間整理が出されておりますが、この中で、今回見直しをする大きな四つの柱、見直しの視点というのを取りまとめていただいております。個人の権利利益を保護する必要十分な措置、また個人情報の保護と利用のバランス、さらには国際的な制度調和また連携、そして四つ目として海外事業者によるサービスの利用に対応し得る制度、この四つの視点を見直すというふうにされているわけですけれども、今回の改正案でそれぞれどう反映されたのか。
 そして、是非お聞かせいただきたいのは、これまで様々な議論があって、午前中にも御質問ありましたけれども、なかなか十分に反映できなかったこと、あるいは将来的課題として、これ三年ごとの見直しが規定されているわけでございますので、次の見直しに向けて議論していかなければならない課題は何なのか、ここについて大臣からまず御答弁をいただければと思います。

#126
○国務大臣(衛藤晟一君) 前回の改正時からの動きは様々でございますが、例えば国際的には、EUにおけるGDPRの施行とこれを前提とした我が国とEUとの相互のデータ移転の枠組みの構築などがあります。また、情報通信技術の進展によるデータの越境移転の増大や様々なサービスの登場により、消費者の利便性の向上、ビジネスチャンスの拡大がもたらされました。しかし、こうした中でも、しかし、こうした中で、国民の自分の個人情報の取扱いに対する懸念も増大してきました。
 そうした状況を踏まえ、個人情報保護委員会が昨年四月にお示しした中間整理においては四つの視点を示しております。第一に、自身の個人情報に対する意識の高まり。第二に、技術革新を踏まえた保護と利用のバランス。第三に、国際的な制度調和や連携への配慮。第四に、越境移転データの流通増大に伴う新たなリスクの対応です。こうした視点を踏まえて約一年にわたって検討を行った結果、法的措置が必要と判断した事項について本法案に盛り込んだものです。
 具体的には、個人情報に関する本人の関与を強化するための利用停止、消去等の個人の請求権の要件の緩和、イノベーションを促進するための仮名加工情報制度の創設、国際的なデータ流通量の増大に対応するための域外適用の範囲の拡大、外国にある第三者に個人データを提供する際の本人への情報提供の充実等を行うこととしています。
 なお、中間整理でも課題として示しております課徴金制度や端末識別子の取扱い等については、改正法の施行状況や内外の情勢を踏まえつつ、必要に応じ引き続き検討を行ってまいります。
 また、官民通じた横断的な法制の在り方等についても、個人情報保護委員会に対する期待に応えて、積極的かつ主体的に取り組んでいく必要があると認識をいたしています。
 以上です。

#127
○石川博崇君 ありがとうございます。
 大臣が最後におっしゃっていただいた残された課題、次の検討課題の最後に触れていただいた点ですけれども、官民通じた横断的な法制の在り方ということを御答弁をいただきました。
 ちょっと質問の順番入替えで、一番最後の問い、大臣にもう一問お願いをしたいんですが、お手元に資料を配付させていただいております。今回の中間的整理の中でも、官民通じた横断的な法制の在り方を検討せよということが、見直しが必要であると言及されておりますし、これは制度改正の大綱にも反映されているわけでございます。
 この資料を見ていただいて分かるとおり、今の個人情報保護に関する法律、ガイドラインの体系のイメージでございますが、民間の分野についてはこの個人情報保護法が対象としているけれども、公的分野、行政機関あるいは独立行政法人、また各地方自治体、この所有する個人情報についてはそれぞれ別法が用意されているという中にございます。
 こうした中で、例えば同じ病院であっても、私立病院と独法の病院とそれから県立病院で患者が転院されたときに、そのデータのやり取りがスムーズにいかないといったようなことも課題として指摘されているというふうに聞いております。
 こうした個人情報保護法を所管している個人情報保護委員会がしっかりこの議論を主導していただいて、官民を通じた個人情報保護に関する法制の一元化、これを進めていくことが必要ではないかと思いますけれども、是非とも衛藤大臣のリーダーシップを発揮していただいて、スピード感を持って取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

#128
○国務大臣(衛藤晟一君) 官民を通じた個人情報の取扱いについては、個人情報保護委員会が進めてきたいわゆる三年ごと見直しの検討の過程でも多くの御意見をいただきました。このため、昨年十二月に公表した制度改正大綱にもお示ししたとおり、関係省庁等の協力を得つつ、主体的に検討を行っていく必要があるという具合に考えております。
 部門を越えた横断的な法制の在り方等については、政府において個人情報保護委員会を含む省庁横断的なタスクフォースを設置して検討しているところであり、スピード感を持って取り組んでまいります。

#129
○石川博崇君 スピード感を持って取り組むと明確に御答弁いただきました。感謝申し上げたいと思います。しっかりお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、今日は、この法案、これ非常に多岐にわたる内容でございますし、また関係者も多い中で、今後、具体的に、この改正内容が活用される方々に運用面で課題となっていくような点、これを明確していく必要があること、また、今回の法案で、先ほど大臣からも少しお触れいただきましたけれども、結論が出ず、次の改正に向けて検討していくこととなったその他の課題について御質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、午前中、山田先生からも御質問ありましたが、情報の開示方法についてでございます。
 今回の改正案第二十八条では、個人データを開示する際に、これまでは原則書面での交付となっていたものについて、本人が電子データでの提供を指示できるというふうに改正がなされております。しかしながら、電子データで提供せよといっても様々な形式があるわけで、PDFで提供すればいいのか、ワードやエクセルで提供すればいいのか、あるいはデータベース形式で提出すればいいのか、また、本人が指示するときにどのような指示が可能なのか、例えばその個人の情報についてある程度整理をして出してくれといったことを頼めるのか、あるいは他人との比較をした上で出してくれといったような分析まで頼むことができるのか、また、こういった要求が出されたときにどういう場合なら事業者は断ることができるのか、こういったことが全く明確でないというのが現状かというふうに思っております。こうしたことをある程度事前に定めておかないと、混乱が現場で生じることも想定されるわけでございます。
 午前中の御答弁では今後ガイドラインで示していくという話でございましたけれども、もう少し具体的に、どういったガイドラインにしていくことを考えていらっしゃるのか、御答弁をいただければと思います。

#130
○政府参考人(其田真理君) 今般の改正によりまして、本人は、委員会規則で定める方法により開示請求を行うことができるようになります。本人が請求することができる方法として委員会規則で定める内容といたしましては、書面の交付、電磁的記録の提供といった粒度の規定の内容を想定をしてございます。
 また、提供の方法について、更に、本人は更に細かくどのようなこと、方法、先ほどちょっとPDFとか幾つかの事例をお示しいただきましたけれども、それはいろいろな技術も出てまいりましょうし、いろいろな媒体も出てくると思いますので、そういったことを少しきちんと研究して、ガイドラインで具体的にお示しをしたいというふうに思います。
 また、どのような場合に拒否ができるかといった場合にも、午前中にも御議論をいただきましたけれども、やはり個人の権利利益に関することというところのどういった場合になるのかということも含めまして、ガイドラインで具体的事例を示しながらお示しをしていきたいと思います。

#131
○石川博崇君 現時点ではそこまでの答弁かと思いますけれども、是非ここを、現場の皆様活用しやすいような明確なガイドラインを築いていっていただきたいと思います。
 といいますのも、この情報開示の在り方というものを明確にし、個人の情報を保護することとともに産業競争力を高めていくということ、両方を達成していく一つの大きな起爆剤になっていくというふうに考えております。今回規定されたこの情報、電子データによる開示というのは、再利用しやすい形で本人や他者に還元できるいわゆるデータポータビリティー、これを一層推進する上でもその起点となっていくというふうに考えております。
 民間では、今、自主的な取組といたしまして、個人のデータを管理する、あるいはこれを本人の了解を得た上で第三者に提供するいわゆるデータバンク、情報銀行といった取組、あるいはこれを認定していく事業なんかも進んでいるというふうにお聞きをしておりますけれども、こうした今回のガイドラインで示されたことによってデータポータビリティーが推進するメリットあるいは効果、さらには今後検討していかなければならない法的、技術的課題、こうしたことについてどう考えていらっしゃるのか、個情委と総務省からそれぞれ御答弁をいただきたいと思います。

#132
○政府参考人(其田真理君) ただいま御指摘をいただきましたデータポータビリティーという仕組みにつきましては、個人が自らのデータをコントロールする観点から有効である、また競争を促進する効果もあるという評価がございます。一方で、企業にとっての実務的な負担、あるいはデータを移行する際の技術的問題などがございまして、法的に義務化するかどうかを含め、様々な議論があると承知をしております。
 今回の改正におきましては、ただいま御指摘いただきましたように、データポータビリティーの推進に資するといった事項として、開示で得るデータの利用における本人の利便性の向上の観点から、電磁的記録の提供を含めた開示方法を請求できることといたしております。
 いわゆるデータポータビリティーに関しましては、既に御紹介もいただきました民間において、現行法の下で可能な自主的な取組として、情報銀行の取組も既に行われております。その運用につきましては、個人情報保護委員会としても支援していきたいと考えております。また、今回の法案で導入いたします分野別の認定個人情報保護団体といったような仕組みも活用いただけるのではないかというふうに考えております。
 こうしたデータポータビリティーの在り方を含めまして、データの利活用を促進する施策について関係省庁において取組が行われておりますので、そのような取組についても連携してまいりたいと考えております。

#133
○政府参考人(赤澤公省君) お答え申し上げます。
 総務省では、一昨年から昨年にかけまして、いわゆるGAFA等のデジタルプラットフォーマーをめぐる競争環境の整備の観点から、関係省庁と共同で検討の場を設置いたしまして、データの移転等について検討を行ったところでございます。
 その取りまとめにおいては、データがデジタルプラットフォームに集積している状況を踏まえ、公正な競争環境を整備し、利用者の選択の機会を確保するためには、利用者が自己に関するデータを自ら再利用したり、他の事業者等に利用させたりするなど、自律的に選択できる環境を確保することが必要であるというふうにされたところでございます。
 こうした基本的な考え方と併せまして、その報告書の中では、利用者の指示に基づくデータの移転等の手法として、事業者が保持するデータをダウンロードする手法、事業者が保持するデータを別の事業者に複製する手法、データを保持する事業者が別の事業者にデータへのアクセスを認める手法も示されたというところでございます。
 また、総務省では、昨年十一月にデジタルプラットフォームの利用者等に対して行ったアンケートにおいて、データの移転に関する一定のニーズが示されたところと考えておりますが、一方、主要な事業者自身において、データの移転に係る主体的な取組も行われているという状況でございますので、その動向を今注視しているという状況でございます。
 総務省といたしましては、今後とも、関係省庁とも連携いたしまして、データの移転等の在り方も含め、先ほど御指摘いただきました情報銀行という取組も含めまして、データの円滑な流通を促進する施策に取り組んでまいりたいと考えております。

#134
○石川博崇君 是非、今後とも精力的に議論を進めていただいて、個人情報保護先進国、そして情報の利活用先進国と胸を張れる、そういう国を共々につくっていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、これも午前中の議論で質疑があったところでございますが、悪徳事業者の排除についてお伺いをしたいと思います。
 これまでの現行法では、個人情報を取得することについての規制というものは第十七条であったわけでございますが、個人情報をどう利用するのか、これを規制する規定がなかったわけでございます。そこで今回、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法によって個人情報を利用してはならないという、利用について規制する規定が設けられたわけでございますが、これが一体具体的に何を意味するのか、これが明確でないというような指摘が多くあります。
 例えば、最近ですと、自己破産者の方々、官報に記載されるわけですが、こうした自己破産者の方々の氏名を情報収集してインターネットの上のグーグルマップに載せる破産者マップというものを作成したというような事例がありました。これは既に閉鎖されているようですけれども、こうしたことを排除することのようなことを想定しているような規定なのか、こういうことをしっかり明記していかないと、健全な事業者が適正な個人データ利用を萎縮させることになってしまうことになるのではないかという懸念もございます。
 今回設けられたこの違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法について、具体的にどういう事例を念頭に置いているのか、御説明をいただければと思います。

#135
○政府参考人(其田真理君) 今回の改正は、個人情報保護法の規定に照らして違法でないとしても、法の目的である個人の権利利益の保護に照らして見過ごすことができないような方法で個人情報が利用されている事例が委員会が執行した事案の中にも見られましたことを踏まえまして、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法による個人情報の利用を行ってはならない旨を明確化するものでございまして、相当悪質なケースを念頭に置いたものでございます。具体例といたしましては、ただいま御指摘いただきましたようなケースのほか、違法行為を営む第三者に個人情報を提供することなどが考えられます。
 いずれにいたしましても、事業者における個人情報の利活用を過度に萎縮させることのないように、事業者の判断において参考となるような基本的な考え方、それから具体例などについてガイドラインで可能な限りお示しをしていきたいと思いますし、また個別の御相談にも丁寧に応じていきたいというふうに考えております。

#136
○石川博崇君 それから、済みません、これも午前中の質問とちょっとダブるんですけれども、クッキー、端末識別子についてお伺いをしたいと思います。
 昨年のいわゆるリクナビ事件、これ、リクナビに登録されていた就活中の学生さん方が、内定辞退率を、どの程度内定を辞退するかという内定辞退率を予測したデータを、提供先で個人情報と特定できると知りながら本人の同意を得ずに第三者の企業に販売していた問題でございますが、今回の改正案では、このような事案を受けて、提供元では個人データには該当しないこうした識別子であったとしても、提供先において個人データとなることが想定されるような場合には本人の同意の確認を義務付けるというふうにしているところでございます。
 この規定の導入に当たっては、様々な意見が示されたというふうに聞いております。消費者団体からは、こうしたクッキーなどの端末識別子自体、すぐに個人情報とひも付けが付くものですので個人情報保護法の直接の対象とすべきという意見もあった一方で、余りこうしたことについて規制を強めると、情報通信技術の発展を阻害するという業界団体からの意見もあったところでございます。
 今回の規定を設けるに当たって、個人情報保護委員会として、こうした意見をどう集約して、そして、個人情報の保護の情報の範囲について今後も議論をしていくことが必要かと思いますが、今後の在り方、方向性について現在の御所見をいただければと思います。

#137
○政府参考人(其田真理君) ただいま御指摘のありましたクッキー等の端末識別子につきましては、単体で個人情報と定義はしておりませんけれども、特定の個人を識別できる形で扱っている場合には個人情報として個人情報保護法の規律に服する必要がございます。
 その上で、今回の検討のプロセスにおきましては、今御紹介いただきましたような多様な御意見が寄せられました。消費者の方たちからは、端末識別子そのものを個人情報として規律した方がいいのではないかというようなこと、あるいは、先ほどのリクナビの事件を念頭に置いて、提供先において個人情報になる場合について規律した方がいいのではないかという御意見。企業の側からは、ユーザーへの利便性への配慮、また、イノベーションを阻害しない観点から規制の対象とすることに慎重な御意見が寄せられております。
 これらの様々な御意見を踏まえまして、今回の改正法では、提供先でデータとなる場合の同意を取ることを義務付けるといった新しい規律を導入するといったこと、一方で、端末識別子そのものについては、関連する技術、ビジネスの実態が多様かつ急速に変化をしておりますので、まずは自主的ルール等による適切な運用が重要であるというふうに判断をいたしました。
 しかしながら、こうした事項につきましては、その取扱いの状況について、保護と利活用のバランスにしっかり配慮しつつ、引き続きしっかり注視してまいりたいというふうに思っております。

#138
○石川博崇君 このクッキーについてお伺いしたのは、これも午前中、木戸口先生から御質問ありましたけれども、現在、政府では、新型コロナ対策として接触確認アプリの開発を進めて、六月中旬から導入する方針を明らかにしているところでございます。現在お聞きしている範囲では、この接触確認アプリ、個人情報そのものは取得はしないと、ただし、識別子、クッキーとはまた違う種類だと思いますけれども、その識別子によるやり取りで通知を行って接触者を確認をしていくという、そういった仕組みだというふうにお聞きしております。
 しかし、仮にその識別子のみのやり取りだとしても、例えばあるセミナーに参加している方が仮に感染者となった場合、そのセミナーの濃厚接触者たる近くにいた方が誰なのか、あるいはそのセミナーに参加している方が誰なのか、少なくともそのセミナーの主催者は把握できるわけですし、あるいはその参加していた本人自体も、自分が一番近くで話していた人は誰だったかということは容易に特定できるわけでございます。そうすると、これがすぐに個人情報に結び付くといったおそれもあるのではないかということが懸念されるわけでございます。
 そういう意味で、個人情報保護委員会としてもこの接触確認アプリの開発に関与されていると伺っておりますけれども、今回の法改正案に盛り込まれている、情報の提供先で個人情報となることが想定される場合に該当し得ないのか、個人情報と結び付く懸念を、国民の懸念を払拭することができるのか、どのようにお考えか、お聞かせいただければと思います。

#139
○政府参考人(其田真理君) 御指摘の接触確認アプリにつきましては、政府で設置しております接触確認アプリに関する有識者検討会に当委員会も参加をいたしまして、行政機関個人情報保護法、個人情報保護法の遵守はもちろんのこと、プライバシー、セキュリティーも含めたアプリの運用に当たっての留意事項について検討を行っておりまして、五月の二十六日に評価書が取りまとめられております。
 この評価書では、当委員会が五月一日に発表いたしました接触確認アプリを活用するための考え方においてお示しをしました個人情報保護法の遵守の観点からの留意事項を適切に盛り込んだものでありまして、妥当な内容というふうに考えております。
 委員御懸念の点に関しましては、まず、本アプリの運営主体となります厚生労働省におきましては、取得した情報が個人情報に該当するものと承知をしております。そのため、アプリの利用開始や陽性者登録の局面においてアプリユーザーの同意を取得するとともに、安全管理措置を含めて適切に情報を取り扱うものと承知をしております。また、感染症の陽性診断者と一定期間に濃厚接触した者に対してその旨を通知する際には、陽性診断者が特定できないように設計されるものと承知をしております。
 今後、アプリの開発、運営主体である厚生労働省において本評価書の内容をしっかり踏まえながら開発、運営がなされていくように当委員会としてもフォローしてまいりたいと思います。

#140
○石川博崇君 是非フォローいただくとともに、今回の濃厚接触、あっ、接触確認アプリ、これがいかに普及するかは、やはりその国民の安心感、これがどこまで広がるかが最低条件だというふうに思います。そういう意味で、個情委が果たす役割は極めて大きいものだというふうに思いますので、個情委としてそういった懸念はないということをしっかり国民向けのメッセージとして発信していくことも要望申し上げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、今回の法改正におきましては、国内外の事業者への規制のイコールフッティング、これに力を入れて改正が行われました。日本国内の個人情報を取得した外国事業者に対しても個人情報保護委員会による報告の徴取、立入検査、命令も行うことができるようにする、そういう改正となっているわけでございます。
 これまでも、例えばフェイスブック社が提供するいいねボタンが設置されているウエブサイトからユーザーIDやアクセス履歴等の情報が送信されてしまうといった事案がありましたが、これについては個情委から同社に対して行政指導を行って、強制力はこれまでありませんけれども、権限を行使してこられたというふうに承知しております。
 しかし、今回、法改正によって命令などの強制力を伴う権限を直接行使するためには、特に外国事業者に対して行うためには実効性の面で果たしてできるんだろうかということが懸念されるわけでございます。
 こういった外国事業者に対して直接強制力のある執行をしていくためには、関係各国の執行当局との協力をいかに深めていくかということが極めて重要であるかと思っておりますけれども、個情委のこうした各国の執行当局との協力関係についての対応方針をお聞かせいただければと思います。

#141
○政府参考人(其田真理君) これまで当委員会は、国外の事業者が関係する事案等について、必要に応じて外国の個人情報保護当局と連携してまいりました。例えば、海外の大手IT企業に指導を行った事案、海外における大規模な不正アクセス、それから海外のドメインを使用する事業者への対応などで各国当局と連携をしてまいりました。また、海外当局との執行協力体制を強化するための枠組みでございますグローバルプライバシー執行ネットワークという団体がございますけれども、こういうところにも参加をして関係を深めてまいりました。
 今回の改正を踏まえまして、ただいま御紹介いただきましたような、命令まで行えるといったことを踏まえまして、海外事業者に対してもより確実な執行を行っていくために、これまで関係を構築してきた海外当局との連携、国際的な枠組みへの積極的な参加というものを一層進めてまいりたいと思います。

#142
○石川博崇君 是非、今後そうした海外の執行当局との連携を一層深めて、ルールメーキングを日本が主導していく、その気概で取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 また、今御答弁にありました海外の法執行機関に我が国の執行を求めていくということは、逆に海外の執行を我が国国内で求められていくということも強まってくるというふうに思います。そういう意味で、我が国が海外のその法執行に対してどの程度協力できるのか、そういう体制整備も、警察ほか関係当局との連携も必要になってこようかと思いますので、その点も併せて御要望させていただきたいと思います。
 特に、その観点で注目されますのは、今回も法改正の中で盛り込んでいただいた罰則の引上げについてでございます。今回、個人情報保護委員会による命令違反、あるいは虚偽報告などをした際には、罰則の法定刑を一年以下の懲役又は百万円以下の罰金、虚偽報告については五十万円以下の罰金に引き上げるということとなりました。法人に対しては法人重科が科されて、一億円以下の罰金とする内容となっているわけでございます。
 しかしながら、EUにおけるGDPRにおきましては、違反行為に対して多額の制裁金制度が導入されています。最高二千万ユーロ、また年間総売上げの四%、これのいずれか高額な方の金額が科されると。年間総売上げの四%といいますと、数兆円規模の企業であれば何十億という制裁金というふうになるわけでございますが、今回の中間報告では、我が国における課徴金制度について、様々議論した結果、今回は導入を見送るという内容になっておるわけでございますけれども、先ほど申し上げた国際関係当局との連携強化ということを図れば図るほど、こうした各国との比較考量というのを一層進めていかなければならないというふうに思っております。
 論調では、EUと比較して我が国の罰則は不十分ではないかという意見も新聞報道なんかであるわけですけれども、個人情報保護委員会では、国際的な制度調和あるいは連携に配意する観点から今後こうした課徴金制度の導入についてどういうふうに考えていくのか、御見解をいただければと思います。

#143
○政府参考人(其田真理君) 課徴金制度につきましては、委員御指摘の欧州のGDPRにおける制裁金の観点、それから違反行為抑止の観点などから必要性が指摘されていることは承知をしております。しかしながら、我が国で現在運用されている課徴金制度につきましては、違反行為によって得た不当利得を基準に算定することを基本にしているというふうに認識をしております。
 一方、個人情報につきましては、これまでの執行実績を見ましても、安全管理措置義務違反などのように、違反行為があっても利得が発生していない場合があり、課徴金による抑止がなじまないケースが多いのではないかというふうにも認識をしております。また、現時点では、個人情報保護法違反による罰金の執行事例もないことも踏まえまして、今回の改正においては、ペナルティーの強化は法定刑の引上げにより対処することといたしまして、課徴金制度の導入は行わないと判断をいたしました。
 しかしながら、課徴金制度につきましては継続的な検討課題としておりまして、改正法においても三年ごと見直し規定がございますので、改正法の執行状況、内外の情勢を踏まえつつ、引き続き検討してまいりたいと思います。

#144
○石川博崇君 もう一点、今回の法改正で盛り込まれたことでお伺いしたいのが第三者提供記録の開示についてでございます。
 前回、平成二十七年の個人情報保護法の改正では、事業者が個人データを第三者に提供した場合には、あるいは第三者から受領した場合にはその記録を作成をして保存することが義務付けられております。しかし、この個人情報の提供、第三者提供についての記録の保存については、平成二十九年に調査が行われた結果、必要な個人データ項目を記録していない事業者が半数近くいたということが明らかになっております。
 今回の改正ではこの記録の開示を請求できるようにするわけでございますが、そもそも記録を保存していない事業者が圧倒的に多い中で開示請求をしたとしてもこれはまさに絵に描いた餅になるわけでございまして、しっかりまずは平成二十七年に改正された記録の保存、これを徹底していくこと、それを進めていかなければならないというふうに思いますが、個人情報保護委員会として、こうした事業者に対して周知徹底、啓発、これをいかに求めていくのか、方針について御説明いただければと思います。

#145
○政府参考人(其田真理君) 第三者提供に関する確認あるいは記録義務の規定につきましては、平成二十七年の改正におきまして、個人データのトレーサビリティーを確保するといった観点から導入をされました。
 委員が御指摘になりました調査というのは、恐らく委員会で行いました名簿屋に対する実態調査であろうというふうに思いますけれども、この実態調査も行いまして、第三者提供記録の作成を含む事業者の義務について周知徹底を図りまして、義務が適切に履行されるよう必要に応じて指導を行ってきたところでございます。
 今回の改正におきましては、本人が個人データの流通を把握できるように、第三者提供記録の開示を求めることができるようになります。今回の改正後、御指摘のとおり、本人の開示請求の前提として第三者提供記録がきちんと作成、保存されていないと何にもならないわけでございますので、これはもちろん名簿屋に限らないことと思いますけれども、この点を含めて事業者に更に指導を徹底してまいりたいと思います。
 この点は、もう特に企業にとっても大事なことでありましょうし、消費者にとっても大事なことでございますので、全国各地での説明会でありますとか、分かりやすい制度の説明の資料を作る、あるいは相談ダイヤルでの御相談に応じるといったようなことを通じてしっかりと広報啓発に努めてまいりたいと思います。

#146
○石川博崇君 よろしくお願いいたします。
 最後の質問にさせていただきたいと思います。
 今回、もう一つ導入されたこととして、漏えい報告の義務化でございます。個人情報保護法、個人データが漏えいしたり滅失したり毀損したりした場合には、これまでは個人情報保護委員会に対する報告を義務付ける規定はなかったわけでございますが、平成二十九年以降努力義務として定められておりました。
 今回これを義務付けることとしたわけですけれども、一体どういう場合に個情委に報告をしなければならないのか、今、現時点で全く明確ではないというお声がございます。一定数以上の個人データの漏えい、あるいは要配慮個人情報の漏えい等を想定しているというふうに伺っておりますけれども、どういった場合に報告を取るのか。しかも、罰則によって報告を担保するということであれば、明確な基準を設定することが必要不可欠だというふうに考えております。
 類型なりとも明らかにすべきだと思いますが、いかがでございましょうか。

#147
○政府参考人(其田真理君) 今お尋ねをいただきました漏えい報告が必要となる要件につきましては、委員会規則において、個人の権利利益を害するおそれが大きい事態として定めることとしております。
 具体的には、個人データの性質と漏えいの態様に着目をいたしまして、まず要配慮個人情報の漏えい、それから不正アクセスによる漏えい、財産的被害に至るおそれのあるデータの漏えいについては、件数に関わりなく報告の対象とすることを想定をしております。また、これらの類型に該当しない場合であっても、一定数以上の大規模な漏えいについても事業者の安全管理の観点から問題があるとも考えられますので、委員会への報告の対象とすることを想定しております。
 このように、複数の観点から類型を定めることで、個人の権利利益を害するおそれが大きい事態について委員会への報告対象となるようにしてまいりたいと思います。

#148
○石川博崇君 大変ありがとうございました。
 他にも様々な論点がございますけれども、是非、この法案、法改正の成立以降、各関係者に分かりやすく周知徹底を図っていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#149
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。
 山田先生には一問足りないんですが、私、二十四問用意しておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず初めに、SNSでの誹謗中傷の問題からお聞きをしたいと思います。
 女子プロレスラーの木村花さんが亡くなられたということで大変大きな社会問題にもなっています。これに関して産経新聞が世論調査を行ったところ、新たな法整備による規制強化が必要という答えが六三・四%でした。三分の二の方がやはり何らかの対応が必要だというふうに考えているということです。
 自民党さんの中でもPTをつくって法改正も含めた対策を考えていくということですが、現時点で政府としては、こういった問題が起こってしまっていることについてどのように考えているのでしょうか。

#150
○政府参考人(竹村晃一君) お答え申し上げます。
 現状では、匿名の者が他人に対する誹謗中傷などの権利侵害情報を投稿した場合に発信者の特定に時間が掛かるという課題があります。そのために、いかに迅速かつ負担が少ない形で被害者を救済できるかという観点から具体的な方策を検討する必要がございます。
 このため、総務省は、四月に有識者会議を設置しまして、プロバイダー責任制限法に基づく開示対象となる発信者情報の追加、開示手続を円滑化する方策などについて検討を開始したところでございます。
 総務省では、法務省と連携しつつ、より迅速かつ効果的な被害者救済の実現に向けて、有識者会議の議論を踏まえ、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。

#151
○清水貴之君 今お話あったとおり、やはり匿名の世界ですから、加害者の特定、これが本当に難しい話になっています。検討会をつくって今いろいろと検討されているということなんですが、実際、やっぱり今おっしゃっておりますスピードが必要なんですよね、時間が掛かってしまうんですよね。プロバイダー責任制限法に基づいて開示請求をしても大体四か月ぐらい掛かるということなんです。
 SNS事業者は発信者の氏名や住所まで把握していない場合が多くて、開示されるのはIPアドレスなど一部と。それを基に今度は携帯電話事業者などに情報開示を訴訟で求める必要があるということで、もう大変な労力と時間が掛かるわけですね。
 と思っていたら、今日昼の、お昼休みの時間帯にちょっとネットニュース見ていたら、この開示請求で求める情報の中に、IPアドレスに加えて携帯電話の番号というのも求めた方がいいんじゃないかということで、これが進むとかなり特定することがたやすくなるんじゃないかなというふうにも考えます。
 こういったことも是非進めていただきたいと思う一方、プロバイダー側からすると、やはりこれ個人情報になってきますから、どこまでどうやって開示をしたらいいのか。若しくは、ツイッターをこれ例に取りますと、昨年上半期で日本では五千件余りの法的請求がありまして、ただ、その中で表示が制限されたのは百九十七件なんですね。五千件のうち二百件なんです。やはり表現の自由との兼ね合いがありますので、なかなかこれも、プロバイダー側、ネット事業者側というのも簡単に、じゃ、はい、そうですかといって情報を開示するとか削除するということに、これはやっぱり二の足を踏むことになるわけですね。
 この辺りの整理というのも非常に大切じゃないかというふうに思っているんですが、この辺りに関していかがでしょうか。

#152
○政府参考人(竹村晃一君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、権利侵害情報を投稿した匿名の発信者を特定するためには、まず、SNS事業者などのコンテンツプロバイダーに対してIPアドレスなどの開示を求め、次に、携帯電話事業者などのアクセスプロバイダーに対して当該IPアドレスにひも付いている契約者の住所、氏名の開示を求めるという二段階の裁判手続が行われるということが一般的でございます。このため、こういった手続を迅速化するために、先ほど御指摘いただきましたように電話番号を開示の対象に追加すると、それで裁判手続を一段階で済むようにするということについて検討をしているところでございます。
 それから、インターネット上で他人を誹謗中傷する書き込みにつきましては、プロバイダーなどが、表現の自由にも配慮しつつ、利用規約などに基づいて削除などの自主的な対応を行うことが重要でございます。
 今回の事案を踏まえまして、通信関係団体におきましては、五月二十六日に緊急声明を発表しまして、名誉毀損や侮辱などを意図したコンテンツの投稿など、行為などの、行為を禁止し、投稿の削除などの適切な措置を徹底することですとか、禁止事項についての啓発広報を行うことなどを宣言をしてございます。
 総務省としましては、関係事業者に対して、こうした対応を行うことに加えまして、自らの取組に関する透明性の向上に努めることを引き続き促してまいりたいと考えております。

#153
○清水貴之君 そのように迅速化が図られて加害者側が特定されたとして、今度は、被害を受けたと感じた方が訴訟などを起こして権利回復を図ろうとしたとしても、これはこれでまた時間とお金と手間暇と掛かるわけですね。実際、賠償額というのも、こういう名誉毀損の訴訟になるんですが、決して高いものではありません。ネット上での名誉毀損の慰謝料というのは、この十年ぐらいの大体平均値ですけど、おおむね五十万円ぐらいだということなんですね。としますと、なかなか、それだけ時間と手間暇掛けてと、で、訴訟費用も掛かる中で、二の足を踏む方が多いというのも実情ではないかと思います。
 より合理的な賠償額の算定がなされるようにするべきではないかと思いますし、法的な扱いでこれ分かれているところ、例えばリツイートとか、いいねの扱いとか、これが実際は拡散の主要因になるところが少なくはないんですが、裁判でもこれ分かれていて、リツイートは責任が認められたケースが多いんですが、いいねは否定した例が多いということなんですね。まあ確かにそうですよね、いいねって何げなく押した、その押したことで責任問われたとなったら、今度はなかなかこのインターネットの使い勝手が、このSNSの使い勝手が悪くなってしまいますから、いろいろ難しいとは思うんですが、この辺りもやっぱりある程度ルールが明確化されていないと、今度は使う側の使い勝手も悪くなってしまうというふうに考えます。
 ちょっとリツイート、いいねは余談かもしれませんが、訴訟の面について、今の見解を聞かせていただけますでしょうか。

#154
○政府参考人(竹村晃一君) 裁判手続について非常に時間が掛かるという指摘がございますことから、そういった面も含めまして、法務省とも連携しながら、先ほど申し上げた有識者検討会の中で検討していただいて、その検討を踏まえて対応していきたいというふうに考えてございます。

#155
○清水貴之君 もう一つ、提案としては、裁判外紛争解決手続、ADRと呼ばれるものですね、これも有効ではないかなというふうに思います。これは、例えば家電とか自動車の欠陥、土地の境界、パワハラなどの労働関係などに関して専門のADRというのが運営をされています。比較的その問題が起こりやすい部分、ここはもう、もう少し簡素な形でその解決を図ろうという仕組みですけれども、こういったところも是非検討に入れていただきたいというのと。
 このSNSの誹謗中傷は、これ最後の質問にしますけれども、夏頃に、までにまとめて示すということなんですが、法務省とのもちろん連携も必要ですし、これはスピード感が必要な話だというふうに思うんですね。ですから、今後の見通し、進め方などについても最後意見を聞かせていただいて、これに関する質問は終わりたいと思います。

#156
○政府参考人(竹村晃一君) 御指摘のとおり、現状においては迅速な被害者救済が図られないとの指摘があることは認識をいたしてございます。こうした課題について、ADRの役割を担う第三者機関の設置によりまして迅速な対処ができないかということについて、総務省において平成二十二年から二十三年に開催した有識者会議において検討をしたところでございます。
 当時の議論では、第三者機関の判断に法的拘束力がなければ被害者救済の実効性に欠けることとなると、その一方で、第三者機関の判断に法的拘束力を認める場合には、表現の自由といった憲法上の重要な権利について国民が裁判を受ける権利を阻害するおそれがあると、こういった指摘がされまして、導入が見送られた経緯がございます。
 こうした経緯はあるものの、より迅速かつ効果的な被害者救済というのは必要でございますので、総務省といたしましては、有識者会議におきまして御指摘のADR手続の在り方も含めて検討いただいた上で取り組んでいきたいと考えております。
 それから、迅速な、スピーディーな対応が必要だということにつきましては、七月中に有識者会議の中間報告を取りまとめていただくことになってございまして、その提言を踏まえて、できるところからスピーディーに対応していきたいというふうに考えてございます。

#157
○清水貴之君 是非よろしくお願いいたします。
 続いて、ビッグデータとコロナウイルスということで、これまでにも質問が出ておりますが、新型コロナウイルス感染追跡アプリに関してお伺いをしたいと思います。
 接触者を追跡して注意喚起を行うアプリということなんですが、ちょっとこれ導入が遅れているんですかね、当初は五月の初めぐらいにはという話だったと思うんですが、運用開始はまだ始まっていないというふうに認識をしています。現状はどんな状況でしょうか。

#158
○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。
 接触確認アプリにつきましては、アップル社とグーグル社が提供する機能を活用する前提で、プライバシーの保護、セキュリティー、感染症対策の観点から内閣官房新型コロナウイルス感染症対策テックチームの有識者検討会合で検討をいただきまして、五月二十六日に仕様書とプライバシーの評価がまとめられて公表されたところでございます。これを踏まえまして、現在、厚生労働省で開発作業を進めてございまして、今月中旬を目途に導入できるよう開発に取り組んでいる状況でございます。

#159
○清水貴之君 これ、大阪が同様のアプリを先行して始めています。ほかにも、もしかしたらほかの自治体でも進める可能性があるかもしれませんし、そういった民間で開発するようなところも出てくるかもしれません。これは、いろんなそのアプリがある意味併存するようなことも起きる可能性があるんですよね。
 ただ、やっぱりデータ量というのは多い方が僕はいい、やっぱり有効性は高まるんじゃないかというふうに思っておりまして、国としてのこの考え方、お聞かせいただきたいんです。やっぱりこの国の今進めているもの、六月中にというこのものに集中をしたいと、させていきたいと思っているのか、それとも、ある程度やっぱり各自で、独自で、いろんな地域で進めているようなものが併存するというのはこれはある意味致し方ないといいますか、そういうものだなという認識なのか、いかがでしょうか。

#160
○政府参考人(吉永和生君) 私どもで今検討を進めてございます接触確認アプリにつきましては、利用者は、陽性者に接触したことが分かることで感染の可能性を把握し、検査の受診などの保健所のサポートを早く受けることができるようになることが期待されているものでございます。国、自治体でも感染拡大防止の効果が、効果的にできるように、効果的になるようにという効果が期待されるものでございます。
 ブルートゥースを活用したアプリにつきましては、人口の六割程度に普及することによって効果が期待されるというような海外の研究結果もある状況でございますので、なるべく多くの方に導入をお願いしたいという状況でございます。
 一方で、国で開発しているアプリにつきましては、個人情報を極力使わない、例えば携帯の番号なども含めないようなものでございますので、そういう配慮をした上で、安心して利用できるような形のものでございます。
 一方、大阪府などで利用しているものはもう少し、例えばメールのアドレスなども御活用いただくような形で、もう少し積極的な対応になっているかというふうに思いますが、それは利用者の用途というところもございますが、私どもとしては、やはり多くの方に使っていただくことによってそのアプリの機能が最大限活用できるものというふうに考えているところでございます。

#161
○清水貴之君 このアプリは、よくシンガポールが例に出されますけれども、シンガポール、先行して始めたけれども、シンガポールの場合は携帯電話の番号も登録しなければいけなかったから、なかなか皆さん、使う方が二の足を踏んで、普及率三割にも満たないという話なんですね。そうすると、今おっしゃるとおり、やはり数がある程度多くないと有効性がないと思います、高まらないと思いますので、その辺も考える必要があるかなと思うんですが。
 それと同時に、やはり今おっしゃったプライバシーの保護、これも重要な部分だと思っております。データの管理についての考え方、データの保持期間というんですかね、破棄する基準、そして活用の目的とか範囲、こういったものを明確にしていかないと、やはりこの普及率というのはなかなか高まっていかない。シンガポールの例のように、やはり携帯番号をまでと言われたら、えっと思う人も多いと思うんです。
 この辺、ただ、この携帯番号は、いや、絶対必要なんです、有効なんですということをちゃんと説明して、ああ、そうだなと思ったらそれは使う方が増えるかもしれませんし、範囲をしっかり示す、そして説明していくということが大切ではないかというふうに思うんですけれども、これに関しての見解、聞かせていただけますでしょうか。

#162
○政府参考人(其田真理君) 新型コロナウイルス対策について、三つの密を回避することが重要でございますけれども、そのためにはデータの活用が有効であるということが多うございます。また、そのための様々な取組が想定をされております。個人情報を扱う場合には、その有用性に配慮しつつも、同時に個人情報やプライバシーの保護の要請にも応える必要がございます。また、御指摘のように、その参加する人の安心、安全ということが参加者を増やすといった面もあるかというふうに考えております。
 当委員会といたしましても、先ほど御指摘のありましたように、アプリのときに、その目的を特定するとか、それから本人にお知らせをする、そういうデータの最小化、安全管理、苦情等々、様々な留意点などについて委員会からも発信をしております。
 このように、様々な取組をサポートするため、個人情報保護法の運用解釈、それから個人情報の適切な取扱いのための留意事項などについて、委員会のサイトにコロナウイルスに関する特設ページを設置しまして随時情報発信を行っております。

#163
○清水貴之君 ちなみに、このアプリを使うことによって情報漏えいがあったとか個人の何か名誉が毀損されたみたいな話が起きた場合、責任の所在というのはどこにこれはあるものなんですかね。アプリの開発、主導しているのは今厚労省ですよね。ただ、つくっているのは、その会社がつくっているわけですね。ですから、その開発している会社に責任があるのか、厚労省にあるのか、それとも、ある程度の、漏えいといいますか、ある程度はもう免責事項みたいなものを作って、そういったところの責任は回避するような仕組みにするのか、ポイントはどういう考え方で進めているんでしょうか。

#164
○政府参考人(吉永和生君) 現状で申しますと、基本的な仕様につきましては、内閣官房新型コロナウイルス感染症テックチームの有識者会合で検討いただいたものに基づいて仕様を確定し、今、業者に作業をお願いしているところでございます。
 基本的に、今回のアプリについては、個人情報を極力取らないというところで、最低限、保健所で、陽性となった、が分かった方がそのアプリの方に、これは別のシステムになりますけれども、保健所で、了解、本人の了解の上でメール、メールのようなもの、ことで通知をすると、その通知に基づいてその識別番号を入れていただくと、それをサーバーに持ってきてもらって、そこで本人かどうかを確認するというところについてのみ、その個人情報的なものを、また電話番号でもないですし、端末の情報のようなものを確認するというところがあるだけでございまして、それにつきましても、使用目的を達した後については削除するという形の仕様になっているものでございます。
 そういう意味で、現状におきまして個人情報が漏えいするというようなスキームにはなってございませんが、いずれにいたしましても、厚生労働省として発注しておりますので、業者も、まあ業者との契約にもなりますけれども、そういうもの、情報が漏えいしないような形で進めていきたいというふうに考えているものでございます。

#165
○清水貴之君 ありがとうございました。
 続いて、マイナンバー制度についてお伺いをしたいと思います。
 十万円の特別定額給付金、オンラインでの申請なんですが、なかなかこれも不備が多くて、申請を中止する自治体と、申請の方がもう手間暇掛かるということで、そうやって中止する自治体も多く出てきています。本来は手続を簡素化するためのオンラインがうまく活用できていないわけですね。これはやはり、マイナンバー制度がなかなか浸透していない、マイナンバーカード自体も普及はしていないというところに問題があるんじゃないかと思います。
 オンライン申請を複雑にしている要因なんですが、マイナンバーカードを使うんだけれども、マイナンバー自体はこれ使っていないわけですね。本人確認のためのマイナンバーカードということになっているわけで、今回、マイナンバーの利用目的、これやはりマイナンバー法で決められているわけですね。
 総務省の見解としては、今回の事務というのは法に規定されていないので利用できないということだとは思うんですが、ただ、やはりこういった状況のときにマイナンバー情報の活用が、もし使えるようなことになれば、非常に僕は今回、申請なり、その支給なりがもっともっとスムーズに進んだんじゃないかなというふうに思います。
 マイナンバー制度自体に対してはやはりなかなかまだ国民の理解も進んでいる状況ではないというふうに思いますので、一気に、一気呵成に、若しくは強制力を持ってやるというのには非常に強い抵抗があるんだということも理解はしているんですが、ただ、やはりこういった状況の中で、どういったものに対してマイナンバー情報、マイナンバーを活用できるか、こういったことを精査する、で、もし必要ならばそういったことを取り入れていくということも考えるべきではないかなと思っているんですが、これについてはいかがでしょうか。

#166
○政府参考人(向井治紀君) お答え申し上げます。
 まず、特別定額給付金のオンライン申請そのものはマイナンバーカードを使っておりまして、マイナンバーは使われておりません。御承知のとおりです。
 そして、申請始まった当初、テレビなんかで紙と住基台帳の画面を突き合わせるというふうなの出ていましたけれども、実はあれ、パソコンに落とし込めばデータだけでできるようになっておりまして、その後、そのテレビに出た自治体についてもお話ししましてデータでできるようにしておりますので、今回のオンライン申請自体については、これまで千二百団体開始しておりますし、一部の自治体でやめたところもございますけど、大半の自治体がむしろオンラインの方が便利であるということで現在も使われているということでございますので、一定の効果はあったのかなとは思っております。
 ただ、それにさらに、この手の給付金をやる場合にネックが幾つかありまして、まず、郵送でやりますと、その申請書を印刷するのに時間が掛かると。したがってオンラインをやったわけですけど、その突合をするときに、やっぱり御承知の、御指摘のとおり、その突合にマイナンバーがあったら、漢字で突合するのでなくて数字で突合するとシステムで簡単にできますので、そういうことはあった方がいいのかなと。
 もう一つは口座でございますが、口座番号とマイナンバーをひも付ければという、そういう意味で御議論もあるものと承知しております。
 それで、マイナンバーの利用範囲でございますが、税、社会保障、災害とは言っておりますが、必ずしもそれを狭く解釈しているわけではなくて、例えば社会保障でも例えば奨学金が入っていたり、災害といっても、まあ災害といっても、いわゆる天災だけではなくて、当然その災害の概念の中にコロナは入ると、コロナ感染症みたいなものは入り得ると思っておりますが、ただ、その分野に入っていたとしても、その事務自体を法律に書かないといけないというところは、法律に書いたものが使えるようなマイナンバー法の構造になっておりまして、むしろ今回のような給付をいかに法律に書けるような、そういう法律を作るかというのを検討する必要があると思っておりますし、実際、議員立法も検討されているようでございますので、議員立法の行方を見つつ、私どもとしても検討してまいりたいというふうに思っております。

#167
○清水貴之君 今、議員立法とおっしゃった、あの口座とのあれですかね、ひも付けのお話とかですかね、じゃなくて使えるようになるという話ですかね。
 口座の話も出していただきましたので、これも自民党さんが、マイナンバーと給付金などを振り込む金融機関の預貯金口座をまとめて管理する仕組みをということで、今そういうPTをつくっていらっしゃると認識をしております。高市総務大臣も法整備への意欲を示しているということなんですね。
 やはり、これも銀行口座ですから、自分のお金のことですから、ここも非常に強い抵抗感を感じる人が多いというのもこれも理解はするんですが、今例に挙げていただいたとおり、各役所でのあの事務作業を見ていましたら、まあすごい時間掛かっていますよね。手間暇掛かっていますよね。事業化給付金のあの手数料の話というのが今これも問題になっていますが、この十万円の特別給付金も、これも各自治体の手間暇とかコストを考えたら相当なものになるというふうに思うんですよね。ですから、やはりこういったところをなるべく効率的に進めていく作業をしていくべきではないかなというふうに思います。
 その中で、やはり預貯金口座とのひも付けという話が出ていますが、総務大臣も法整備への意欲を示しているので、この辺りについての今後の見通しなどありましたら教えてください。

#168
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 まず、今回のコロナ給付に関連しまして、給付するための口座、給付するための口座をマイナンバーを付して、国の機関か自治体か分かりませんが、今の自民党、公明党の検討によればマイナポータルで持つというふうな格好になってございますけど、そのデータベースを一か所に持ちまして、それをいろんな給付のときに使えるようにするというのが一つございます。
 それからさらに、銀行にあります預金情報、その銀行に今現在、平成二十七年に成立したマイナンバー法の一部改正によりまして、平成三十年一月から任意で、告知義務は、先ほど先生申し上げた、課されておりませんけれども、任意で銀行がマイナンバーを付けて管理して名寄せに使うと。その名寄せしたもので、仮に破綻が起こったときにはそれを使うというものがございまして、この二つあって、うちの高市大臣は二段階と称されておりますけど、まず給付口座のですね、預金口座とマイナンバーのひも付けて情報を持つと。
 一方で、銀行にある預金口座にマイナンバーを付けていくと。そっちは二段階でございますけど、これにつきましては、改正法の附則の規定によりまして、規定の施行後三年をめどとして、金融機関が預金者から適切に個人番号の提供を受ける方策について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて、国民の理解を得つつ、所要の措置を講ずるものと。この三年見直しの、これ平成三十年一月施行ですので、ちょうど来年の一月がその時期にございますので、当然、検討いたしまして、それで所要の、できれば通常国会に何らかのそういう方策をできるような法改正をしたいというふうに考えてございます。

#169
○清水貴之君 そういったことを進めるに当たっての国民への説明とか国民の理解、これに関してはどのように考えています。

#170
○政府参考人(向井治紀君) マイナンバー制度につきましては、私ども一生懸命努めている、広報に努めているつもりでございますけど、残念ながら、今回の給付金の電子申請にしても、マイナンバーを使った電子申請というふうな記事の見出しがあったり必ずしも、報道が混乱していたり、そういう点でまだまだ私の努力不足だと思っております。
 やはりマイナンバー制度、ちょっとやや複雑でございますけれども、マイナンバー制度とマイナンバーカード、それらにつきましてやっぱり丁寧にこれからも御説明し、また、そういう預金付番などがどういうふうになるのかと。例えば、預金付番をすると全て見れるようになるというふうな、そういうふうな議論もありますけど、それは、預金付番をすれば口座が分かるということで、中身が見れるというのと全然違うので、そういうふうなことも含めて、中身を見ようと思ったら、銀行のそういうシステムと国をつないで全部取れるようにしないといけないので、そんなの何億、どれぐらい金掛かるか分からないようなシステムになりますので、そういうつもりは元々ないわけでして、まさに口座の番号が分かるということもしっかりやっぱり広報していく必要があるのかなというふうに思っております。

#171
○清水貴之君 マイナンバーカードは総務省ですよね。マイナンバー制度自体は内閣府ですもんね。この辺から何か非常に、この辺はもう何か整理できないものなんですか、どうです。もう何かいろいろお話しいただけるので、せっかくなので、これ質問入れていなかったんですが。

#172
○政府参考人(向井治紀君) 所管はそうなっておりますけれども、マイナンバー制度全体を推進する内閣官房に番号制度推進室というのがございまして、あとは私ども内閣府と内閣官房と二枚看板でやっておりますので、全体の推進というところでは、カードも含めまして私たちがですね、私どもが責任を持ってやりたいというふうに思っております。

#173
○清水貴之君 ありがとうございました。
 続いて、コロナウイルス感染者情報の公表について聞かせてください。
 これ、やはり各自治体によって様々その基準を設けていまして、かなり細かく、その感染した方がどういった方、どれぐらいの年齢の方で、どういった仕事をしていて、どういったルートで通勤していて、どこで買物してとか、こういったところまで公表するところもあれば、ほとんど公表しない自治体もあったわけですね。これ、兵庫県で実際にあったんですけれども、隣の市の市長さんが感染者情報を言ってしまいまして、うちではもう公表しないつもりだったのに勝手に言われたみたいなこともあったりしたわけですね。
 こういった混乱も実際に現場では当初起きまして、この辺りというのはある程度やはり僕は国が整理して基準を示すなりなんなりした方が分かりやすいんじゃないかなというふうに思うんですけれども、これに関してはいかがでしょうか。

#174
○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症に関わる情報公開につきましては、厚生労働省におきましては、一類感染症が国内で発生した場合における情報公表に係る基本方針というものを取りまとめておりまして、二月二十七日に自治体に対して周知をするとともに、三月一日にも改めて事務連絡を発出して、基本方針に従った適切な情報公開を行っていただくようにお願いしているところでございます。
 この通知の中では、原則といたしまして、感染者に関する基本的な情報、感染源との接触歴に関わる情報、感染者の行動歴等の情報について公表することとし、それぞれについて公表すべき具体的な項目を示すとともに、当該情報等の公表に当たっては、感染者等に対して不当な差別及び偏見が生じないように個人情報の保護に留意しなければならない旨を明示しているところでございます。
 御指摘のように、各自治体でその公表の範囲が一部異なっている部分ございますけれども、自治体ごとに、この通知でお示ししている考え方を基本としながら、公衆衛生上の必要性と個人情報保護に係るリスクとを比較考量しつつ、個別の実情も踏まえて適切に情報公開をいただいているものと考えているものでございます。

#175
○清水貴之君 続いて、大臣、お願いをいたします。
 今までもいろいろ議論があったとおり、ビッグデータの活用という意味ではこれ本当にこれから大切になってきますし、うまく活用していけば非常に大きな武器になっていくものだと思います。ただ、その一方で、やはり個人情報という守らなければいけないものもあるわけです。
 この辺り、バランスを取りながら進めていかなければいけないと思いますが、この施策を進める大臣としてどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

#176
○国務大臣(衛藤晟一君) 委員御指摘のとおり、個人情報の活用に対する事業者のちゅうちょと、それから個人情報に関する本人の権利意識の高まりが同時に進んでいるという具合に認識をいたしております。このような環境の下で、個人情報を適切に保護することで社会の安心、安全、豊かな国民生活につながるような個人情報の利活用が可能になるという具合に確信をいたしております。
 具体的には、個人情報の保護水準を弱めて有用性を高めるより、個人情報の保護水準を高めつつ利用環境を向上するということが大事で、重要であります。こうした取組は民間でも浸透しつつあると理解をいたしております。
 このため、保護と利活用は二項対立的に捉えるべきではないと考えており、今回の改正も個人情報の保護と利活用を両面で強化するものです。このような観点で、個人情報保護を適切に図りつつ、データの利活用を最大化してまいりたいと考えております。

#177
○清水貴之君 ありがとうございます。
 続いての、利用の停止、消去などの個人の請求権のこの要件の緩和ですね、これはこれまでにも質問出ていますので飛ばさせていただいて、漏えい報告の義務化について質問をいたします。
 現状、漏えい事案が発生した場合に、これ努力義務のみで報告義務というのがないんですね。ですから、あっ、自分の情報が出たというのは新聞報道などで発覚したときに知るという人も多いわけです。
 で、今回の法改正で漏えい報告のこの義務化が盛り込まれたわけなんですが、この基準ですよね、どの程度の漏えいならば報告をするべきなのかどうか。これも、もう一件ぽっと出てしまったら報告しなきゃいけないのか、それとも何万件というやっぱり大量のデータが出たときに報告しなければいけない、この辺が明確にされていない。
 もちろん出てはいけないものなんですが、でも、ある程度やはり基準を作っておかないと、扱う事業者としても非常にリスクの高いものだというふうに考えますが、これに関してはいかがですか。

#178
○政府参考人(其田真理君) 御指摘いただきました漏えい報告が必要となる要件につきましては、委員会規則において、漏えいした個人データの性質、漏えいの態様、漏えいの事態の規模等の複数の観点から個人の権利利益を害するおそれが大きい事態として定めることを想定をしてございます。
 具体的には、まず個人データの性質と漏えいの態様に着目いたしまして、要配慮個人情報の漏えい、いわゆるセンシティブデータでございます。それから、不正アクセスによる場合、財産的被害に至るおそれがある個人データの漏えいを対象とすることを予定しておりまして、これらの類型につきましては、件数に関わりなく報告の対象とする予定でございます。また、これらの漏えいに該当しない場合であっても、一定以上の、一定数以上の大規模な漏えいについては安全管理措置の観点から問題があるとも考えられますので、報告の対象としたいと考えております。
 このように、複数の観点から類型を定めることで、個人の権利利益を害するおそれが大きい事態については委員会に報告が来るようにという形を取ってまいりたいと思います。

#179
○清水貴之君 続いて、二〇一七年の法改正で導入されました匿名加工情報なんですが、もうこれ使われて三年ぐらいたっているわけなんですが、加工の程度に関する判断が難しく、どれぐらい加工するかというのが何か事業者の手探りの部分があるという話なんですね。事業者の自主的なルールに委ねているという話もありまして、この辺り、まあ活用がもう既にこれは始まっている話ですので、現状と課題など何か思い当たるところがあったら教えていただけますでしょうか。

#180
○政府参考人(其田真理君) 匿名加工情報につきましては、作成、提供時に法律で公表が義務付けられております。この公表の件数をカウントすることによりまして、本年三月三十一日時点で委員会として五百九件を確認してございます。
 このように、匿名加工情報の活用は一定程度進んでいるものと認識をしております。具体的な活用事例といたしましては、健康ヘルスケア関係での分析事例が多いというふうに見ております。
 一方で、事業者に対する匿名加工の情報に関するアンケートを行いました。その中では、利用方法が分からないとか、自社のニーズがよく分からないといった御意見も見られました。
 個人情報保護委員会では、匿名加工情報の具体的な加工の仕方とか、どういうふうに作り付ければいいかといったようなことを事務局レポートという形で公表しておりますけれども、やはりさらに、いわゆる三年ごとの見直しの検討の過程でも御意見をたくさんいただきましたけれども、ベストプラクティスとか事例集を発信してほしいというような御意見もたくさんございました。したがいまして、委員会として、引き続きその具体的な利活用モデル、ベストプラクティスといったものを発信をしていきたいと思います。
 それから、今年の四月にビジネスサポートデスクというようなものを設けまして、そういった具体的な御相談にも委員会の方で応じていける場をつくっておりますので、そういったところでも匿名加工の活用しやすい環境整備に努めてまいりたいと思います。

#181
○清水貴之君 今回、それに加えて、仮名加工情報というのも導入されるわけです。この内容を少し飛ばさせていただいて、責任の主体についてこれも質問をさせてください。
 先ほどのアプリの話と同じなんですが、これは、こういった情報を活用しようとしている医療従事者の方から質問を受けたんですけれども、加工情報により何らかの問題が発生した場合、それこそ漏えいが起きたのか本人が特定されてしまったのか分かりませんが、何らか問題が起きた場合、責任の所在というのがこれは分からないという話を聞きました。
 加工したその加工業者に問題があるのか、漏えいしてしまったそれを使っている医療機関とか研究機関とか業者さんとか、こういったところに責任の所在があるのか、この辺りについての見解を聞かせてください。

#182
○政府参考人(其田真理君) 今回、法案で導入をしております仮名加工情報は、事業者内部での取扱いを前提としておりますので、あくまでそれを作成した個人情報取扱事業者が利用目的の特定、公表、第三者提供の禁止等の義務の対象となります。
 また、お話にもありましたように、委託する場合でございますけれども、仮名加工情報の提供を受けた事業者も、仮名加工情報取扱事業者として作成主体と同様の義務が掛かります。
 その上で、仮名加工情報の取扱いが委託される場合については、個人情報保護法第二十二条の規定によりまして、委託元が、委託先に対する適切な監督義務というものもございます。

#183
○清水貴之君 少し質問を残してしまったんですが、時間になりましたのでここで質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。

#184
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 法案の質問の前に、新型コロナ感染症への対応で一つだけお聞きをいたします。保育士の賃金補償の問題です。
 先日、アルタナーサリー株式会社が運営するさいたま市内の保育園関係者から相談が私の事務所の下に届きました。四月、五月の登園自粛で自宅待機となった保育士に、社長から、休業中の給与は六割という通知が出されたというんですね。公費では給与は一〇〇%分を出しているのにと保育士からの不満の声が上がり、このままでは保育士が大量退職しかねないという訴えだったんです。さいたま市にも相談をしたとのことで、市の担当者が会社に事情を聞くと、休業手当との差の四割分は出勤者の上乗せ手当に使っているという説明を受けたそうなんですね。しかし、実際には割増しの賃金など払われていないということでもあります。
 内閣府は、保育体制を縮小しても、公定価格は基本単価や加算も含めて減らさず、職員の体制の縮小に当たっては、休ませた職員についても通常の賃金を支給するなど適切な対応を求めています。しかし、その一方で、公費の弾力的運用を認めてきたということもあって、この事案のように保育のために別に使いますというふうに説明をされると、問題ないということになりかねないんですね。
 新型コロナ対応で自宅待機となった保育士に、正規も非正規も通常の賃金を支払うことが適切な対応であって、監査でチェックもするし適切な対応をしていなければ指導対象となり得る、こういうことを明確にする必要があると思うんですが、大臣、お願いします。

#185
○国務大臣(衛藤晟一君) 保育所等に対する公定価格では、新型コロナウイルス感染症に伴い臨時休園等を行う場合であっても通常どおり支給されています。これを踏まえ、職員の体制の縮小に当たっては、休ませた職員についても通常の賃金を支給するなど、人件費の支出について適切に対応すべき旨を自治体や保育所に示しているところでございます。
 引き続き、自治体に対しまして、保育所等への周知や、あるいは指導監査の際にも留意するなど、不適切な事例に対する指導の徹底に取り組んでいただくよう改めて依頼してまいります。

#186
○田村智子君 今の点でもう一点だけなんですけどね、実は、非正規は休業手当で何だか割合を減らすと、だけど正規は通常の給与というような対応をしている事業者もあるというふうに聞いているんです。
   〔委員長退席、理事上月良祐君着席〕
 厚労省のホームページでは、雇用主向けQアンドAで、非正規雇用ということだけで法定外給付に差がある場合は、改正パート労働法違反になる可能性があるというふうにしています。中小企業への適用は来年からですが、法改正の趣旨や公費で一〇〇%給与支払が保障されていることを見ても、これも適切な対応ではないと思います。
 是非、監査などでチェックをし、必要な指導をする対象であるということも明確にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

#187
○国務大臣(衛藤晟一君) 保育所等に対する公定価格については、新型コロナウイルス感染症に伴い臨時休園等を行う場合であっても、非常勤の人件費を含めて通常どおり支給しています。これを踏まえれば、臨時休業等を伴う人件費の取扱いについて、正規職員と非正規職員を理由なく差を設けることは望ましくないと考えており、自治体に対して、保育所等への周知、指導監査の際にも留意するなど、不適切な事例に対する指導の徹底に取り組んでいただくよう依頼してまいります。

#188
○田村智子君 保育士の皆さんがこれでは生活できないといって退職するようなことがあれば、これ社会的な損失は余りに大きいと、だからこその内閣府の対応だというふうに思っています。是非現場で適切な対応が行われるように発信をお願いしたいと思います。
 それでは、法案について質問します。
 まず、前提問題として、個人情報保護法の目的は何かということです。第一条、個人の権利利益を保護することを目的とするというのがこの第一条の条文の結論なんですね。よく、個人データをどう保護するのか、保護と利活用のバランスをどう取るのかと、ここに議論が集中しがちなんですけれども、法の目的は、明確に個人の権利利益の保護なんです。
 情報テクノロジーの急速な発展が個人の権利侵害を起こしかねない、これは相当早い時期から警鐘を鳴らされていました。一九七四年、国連事務総長報告書、人権と科学技術の開発、ここに、様々な分野、例えば雇用、職歴及び教育などで個人の権利、利益、特権についての決定がコンピューター化したデータや評価に基づいて行われており、このことが人権に対する脅威を生じせしめるという問題提起、これ、一九七四年に行われているんですよ。
 現在は、日進月歩で大量の情報の集積とコンピューターによる分析、それに基づく決定が大規模に行われていて、日本でもここから逃れられる人はまずいません。この下で、情報の集積、分析、活用が個人の権利や利益を侵害し、人権に対する脅威となってはならない、この脅威を除去することが法の目的なのではありませんか。

#189
○国務大臣(衛藤晟一君) 個人情報については、前回の改正を行いました平成二十七年でございます、当時から、御指摘のとおり、情報通信技術の進展に着目をしておりまして、そうした技術の進展等にも機動的に対応できるように、法の施行後三年ごとの見直し規定を盛り込んでいます。この三年間の間、大量のデータの収集・分析技術を始めとする情報通信技術の進展によりまして、様々なサービスの登場によりまして、消費者の利便性の向上、ビジネスチャンスの拡大がもたらされた一方、国民の自分の個人情報の取扱いに対する懸念も増大してきたものと認識いたしております。
 個人情報保護法の法目的である個人の権利利益の保護を確保する観点から、こうした国民の懸念に対しては、同時に国民にとっての有用性が損なわれることのないよう配慮しつつ適宜適切に対応することが重要だと考えております。まさに今回提出いただきました改正法案は、そうした状況等に対応し、保護と利活用の両面で強化しようとするものであります。

#190
○田村智子君 この目的に照らしたときに、リクナビ事件、これ、情報テクノロジーの進展の中で発生した、まさに個人の権利を侵害する事案なんですね。これをどう総括し、今回の法改正にどのように生かしているのかが問われなければならないと思います。
 学生の就職活動は、リクナビやマイナビなど就職情報サイトに登録するところから始まります。リクナビを運営する株式会社リクルートキャリアは、登録した学生の内定辞退率を計測するというリクナビDMPフォローというビジネスをしていたことが発覚して大問題となりました。資料一でそのおおよその報道が、お配りしたんですけれども、これ、簡単に振り返りますと、このDMPの利用企業は、自分の会社が持つ就活生の氏名を記号化してリクルートキャリアに提供すると。前年についても、入社したグループ、内定辞退や自社への就活を離脱したグループに分けて学生の名前を記号化して提供する。
 リクルートキャリアは、まず前年の学生について一人一人のクッキー情報、ネット閲覧履歴を、これを基にしてアルゴリズム、計算式を導き出して、就活中の学生のクッキー情報から、ネットの閲覧履歴ですね、ここから内定辞退率を予測して企業に提供していたということなんですね。
 個人情報保護委員会に確認します。
 リクルートキャリア及び利用企業に勧告及び指導を行っていますが、何が問題とされたのか、簡潔にお願いします。

#191
○政府参考人(其田真理君) 第一に、リクナビ運営者は、商品を検討する際に法令遵守等に関して適切な判断を行っていなかったということなど、個人情報保護法第二十条で求められる必要かつ適切な安全管理措置を講じておりませんでした。また、二十三条で求められる必要な本人同意を得ずに個人データを第三者に提供しておりました。
 第二に、リクナビ運営者は、採用企業側では特定の個人を識別できることを知りながら、自らにおいては個人に当たらない形式で個人データの第三者提供の同意取得を回避するスキームで情報を提供するサービスを行っておりました。これは、本人の同意を求める二十三条の趣旨を潜脱するものであるというふうに判断いたしまして、これを踏まえて委員会から勧告を行いました。

#192
○田村智子君 勧告、指導を行われたのはリクルートキャリアだけでなくて、利用企業として京セラ、トヨタ自動車、三菱商事、三菱電機、りそな、デンソー、NTTコムウェアなど、名立たる大企業が行政指導を受けたんですね。個人情報の取扱いの基本中の基本である説明と本人同意さえ、こういう大企業で適正に行われていなかった。このリクナビ事件というのは、私は氷山の一角ではないのかと思えてくるんですね。
 今日の議論の中でも、個人情報の保護と利活用のバランスということを言われましたけど、バランスというのなら、これ、保護の方に力点を置くことが求められている、このことをリクナビ事件は示したと思いますけれども、大臣、どうでしょう。

#193
○国務大臣(衛藤晟一君) 個人情報保護法の法目的は個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することとされているところ、個人情報の有用性の配慮の前提として、個人の権利利益の保護がしっかりと確保されることが必要と考えています。
 本法案においても法目的に沿った内容となっており、利用停止、消去等の要件の緩和、漏えい等報告等の義務化、ペナルティーの強化、域外適用の範囲の拡大など、個人の権利利益の保護の確保につながる施策を多く盛り込んでいるところでございます。

#194
○田村智子君 私は、保護ということ、あるいは個人の利益、権利の保護、こう考えたときに、余りにも議論が深まっていないように思えてならないんですよ。
   〔理事上月良祐君退席、委員長着席〕
 このリクナビ事件での個人情報保護委員会の勧告は、法令にちゃんと沿った取扱いを検討したかという根本的な問題もあるんですけど、つまりは情報の取扱い、手続論だけを問題にしているように見えるんです。それは現行法に基づく指導であり勧告だから、これは現行法の大きな弱点でもあると私は思います。
 一方で、このリクナビ事件を受けて、厚生労働省は職業安定局長名で全国求人情報協会理事長と人材サービス産業協議会理事長宛てに文書を発出しています。資料の二としてお配りしました二ページのものです。そのうち資料の三枚目、ですから二ページ目ですね、これを見ていただきますと、どういう中身で言わば要望をしてお願いをしているかが分かるんですが、中の一のところにこうあるんですね、収集した個人情報の内容及び提供先について、あらかじめ明示的に設定された客観的な条件に基づくことなく、募集情報等提供事業者の判断により選別又は加工を行うことは認められない、これについて厚労省さん、御説明をお願いしたいと思います、分かりやすく。お願いします。

#195
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 先生御指摘の昨年九月に行いました厚生労働省から人材サービス産業協議会及び全国求人情報協会に対する要請の内容の項目一でございますが、募集情報等提供事業は、労働者になろうとする方の依頼を受け、その方に関する情報を募集企業に提供するものであるということ、したがいまして、収集した個人情報の内容、提供先について、あらかじめ明示的に設定された客観的な条件に基づくことなく、募集情報等提供事業者の判断により選別又は加工を行うことは認められないこととしております。
 この趣旨でございますが、職業安定法に基づいて私どもとしては要請をいたしたわけでございますが、職業安定法との関係におきましては、個人情報のそのような選別、加工を行うことは募集情報等提供事業ののりを越えるものであり、職業紹介に当たる、当たり得るということを踏まえて、このような要請の項目一を行ったものでございます。

#196
○田村智子君 だから、内定辞退率ということを予測することのために個人情報を使うこと自体がのりを越えていると、これ自体がもう個人の利益を損害するような、損するような、そういうものだという厳しい指摘をしているんですよ。
 二項目めについては後で取り上げたいんですけど、三項目め、学生等の他社を含めた就職活動や情報収集、関心の持ち方などに関する状況を本人があずかり知らない形で合否決定前に募集企業に提供することは、募集企業に対する学生等の立場を弱め、学生等の不安を惹起し、就職活動を萎縮させるなど学生等の就職活動に不利に働くおそれが高いとして、職業安定法第五十一条第二項に違反するおそれを指摘しています。
 これもポイントの説明をお願いします。

#197
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 同じ要請の中の項目三でございますが、これは、内容を今御紹介いただいたとおりでございますが、本人同意なく、あるいは仮に同意があったとしても同意を余儀なくされた状態におきまして、本人があずかり知らない形で合否決定前に就活生の個人情報を募集企業に提供することは、様々な形で就活生の就職活動に不利に働くおそれが高いのではないか、また、このことは、その本人同意があったとしても直ちに解決する問題とも言い難い側面があるのではないかというようなことから、御指摘のような要請、項目三項になったところでございます。

#198
○田村智子君 これは、学生が様々な企業に興味や関心を持ってその情報を得ることは、憲法二十二条にある職業選択の自由の保障なんですよ。主体的な就職活動をする上でも不可欠のことなんですよ。
 ところが、その情報収集という行動履歴が、企業側が学生を評価するためにその分析の手段にされたと。たとえ本人同意があろうとも、これでは就職活動を萎縮させてしまう。学生と企業は対等な立場でもありません。圧倒的に強い力を持つ企業側が学生の内心の自由を含め権利侵害をもたらすような情報の利活用をすることは、自由な就職活動を阻害するということだと思うんですよ。
 これは、例えば、採用してもらうためには、ライバル社の情報は本当は見てみたい、だけどアクセスしないでおこうとか、本当は環境問題なんかにも関心があってそういう企業にアクセスしたい、だけど、そうするとそういう政治的関心を持っているのかなということが伝われば就職に不利に働くんじゃないか、となればアクセスができない。これ、もう就活はもちろんなんですけど、そこにとどまらない行動の萎縮、権利の侵害を引き起こすことになるんですよ。
 衛藤大臣、私は、これこそ個人情報保護行政が今検討すべき課題だと思いますよ。あなたの情報をこういうふうに使いますという説明があって同意があれば、個人の情報の分析、AIによるプロファイリング、自由に行うことができる、それでいいのかということです。
 そういう検討はこの法案の策定の過程で行われましたか。

#199
○国務大臣(衛藤晟一君) いわゆるプロファイリングについては、個人情報の利用形態の一つとしてその利用には期待が寄せられているという具合に認識していますが、利用の方法については問題になり得るという具合に考えています。
 議員御指摘の内定辞退率のプロファイリングについても、その利用の方法については様々な議論があったところであります。
 その上で、個人情報保護法、プロファイリングを行う個人情報の取扱いに当たっても、利用目的の本人への通知、公表、第三者提供に対する、関する同意といった個人の権利利益の侵害を防止する仕組みという具合になっているところでございます。

#200
○田村智子君 AIによるプロファイリングというのは、何でそう評価されたのかが分からないブラックボックスになるんですよね。評価の根拠となる事実認定が誰にもできないのに、膨大な情報から人知を超えた人工知能が評価したからだと絶対視されてしまう危険性が極めて高いんですよ。
 この内定辞退率予測も採用内定者への企業のフォローに役立てるためと説明されてきたんですけれども、私たちのしんぶん赤旗の取材でも、リクルートキャリアの広報担当は、合否判定に使用されたことが分かり、提供を停止した企業もあったということを認めています。AIの判断で学生をふるいに掛けることに何のためらいもない、企業の採用活動の労力がこれで省かれるというようなやり方ですよね。
 これ、人事評価にも使われたらどうなるんでしょう。労働者は、自分が何を根拠に評価されたのかも分からない。銀行の融資の個人に対する信頼評価、保険の加入で個人の嗜好や行動からの健康評価、これらもあずかり知らないところで評価されて、不利益をもたらされるというおそれがあるわけですね。
 個人の利益を保護するという法の目的に照らせば、プロファイリングの在り方について、こういうものはやっては駄目だぐらいのそういう規制が、これは検討必要だと思うんですけど、いかがでしょう。

#201
○国務大臣(衛藤晟一君) 御指摘のとおり、プロファイリングそのものを全部否定するということには恐らくいかないんだろうと思います。
 ただ、そういう中で、例えば内定辞退率の算出とかいうような形でこれが利用されるということはおかしいということで、先ほどからお話を申し上げましたように、これについて一定の規制を掛けるべきだということで、利用目的の本人への通知、公表、それから第三者提供に対する、関する同意といった個人の権利利益の侵害を防止する仕組みということを考えて、ここに議論したところでございます。
 そういう意味をもちまして、それらの今までの懸念に対しまして、今般の改正においては、利用停止、消去等の要件の緩和、不適正利用の禁止、第三者提供記録の開示、提供先における個人データとなることが想定される情報の本人同意といった規律を導入したところでございます。

#202
○田村智子君 その実効性をちょっと問いたいんですけど、例えば厚生労働省は労働者の個人情報保護に関する行動指針というのを二〇〇〇年二月には示していました。その中には、使用者は、原則として、個人情報のコンピューター等による自動処理又はビデオ等によるモニタリングの結果のみに基づいて労働者に対する評価又は雇用上の決定を行ってはならないとしていたんですね。つまり、人事評価をコンピューターに任せては駄目だと、コンピューターのプロファイリングに任せては駄目だというふうに書いてあったわけですよ。ところが、個人情報保護法が制定されたことで、この法律で包括的に保護されるからということで、この行動指針そのものが今は廃止になってしまったんですね。
 じゃ、今そういう法律になっているか、改正法でそうなるのか。今大臣が言われた十六条の二、改正法案、「個人情報取扱事業者は、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用してはならない。」、これは、内定辞退率の予測、コンピューター、AIによる自動処理での人事評価、雇用上の決定、これは不当な行為の助長に当たるということになりますか。

#203
○政府参考人(其田真理君) 御指摘いただきましたような事例について、実際の個人情報の利用の態様、個別具体的な実態を詳細に把握した上で判断することが必要でございますので、一概にお答え申し上げることは困難でございますが、その上で、一般論として申し上げますと、そうした行為が法令に違反することを認識しているような場合において違法行為を助長し又は誘発するような個人情報の取扱いを行うことは、不適切な利用に該当する場合があり得るものと考えております。

#204
○田村智子君 今の答弁だと、裁判で闘わなきゃ結論出ないということになりかねないんですよね。厚生労働省が指導した中身、ガイドラインで示していた中身、それさえも不当であると言えないんですよ。裁判で闘えということになるんでしょうか。
 改正法案では、個人情報の利用停止、第三者への提供の停止を請求できるという条項が加わります。では、例えば通販などを利用したことで事業者に取得された個人情報について、私はプロファイリングはしたくないと、通販で買物はしたかったんだと、でもそれ以上に利用してほしくないという理由で、利用の停止、第三者への提供の停止を請求することはできますか。

#205
○政府参考人(其田真理君) いわゆるプロファイリングにつきましては、今回の改正で、利用停止、消去の要件の緩和、不適正利用の禁止、第三者提供の開示、提供先において個人データとなることが想定される情報の本人同意といった規律を導入したところでございますけれども、ただいまのような事例におきまして、停止してほしいことについて停止することを求めることはできると思いますけれども、そのお買物をすることと、あとはその利用すること、お買物をして、その契約を履行するために必要な部分については、利用は停止はできないというふうに思います。

#206
○田村智子君 事業者任せになると思いますよね。
 それで、一番は、そこで同意をもうしちゃっているんですよね。そうすると、じゃ、一度同意したことについて、やっぱり不安になったと。じゃ、同意、プライバシーポリシーへの同意、これ不安だからということで同意の取消しはできますか。

#207
○政府参考人(其田真理君) 個人情報保護法上、その同意の撤回という規定はございません。ただし、この提供してほしくないというお申出については多くの企業が事実上応じているという実態はございます。
 また、苦情を真摯に受け止めて、迅速に、適切に処理しなければならないという個人情報保護法上の義務も事業者にはございますので、そういったお申出については事業者が対応するというふうに考えております。

#208
○田村智子君 法律ではなく事業者に委ねられているんですよ。
 その同意なんですけど、先ほどのリクナビ事件で、厚労省の文書の二項目めを見てほしいんです。本人の同意を取得する場合には、その判断が形式的なものとならないようにという指摘だけではなく、同意することをサービス利用の条件にすることで実質的に同意を余儀なくさせるような取扱いをしないこととあるわけです。これ、とても大切な指摘だと思います。
 リクナビやマイナビを提供している就職情報提供企業は、大学などの就職ガイダンスを請け負っています。ですから、ある大学の教員の方からそのガイダンスの様子をお聞きしたんですけれども、そのガイダンスにリクナビやマイナビの社員の方が来て、学生さんに、はい、皆さんスマホ出してください、この画面に入ってください、ここをクリックしてくださいってもう登録案内をさくさくさくっと進めるので、個人情報の取扱いについての長い文章を読む時間は全くなかったというんですね。恐らく大抵そうでしょう。
 じゃ、読めてもいない、だから保留したい、あるいは自分の情報がどう使われるか分からないから利用目的を制限したい、これも大変難しいです。プライバシーポリシー、リクナビのやつよくよく読んでみますと、クッキー、閲覧情報については、オプトアウト、利用の拒否ということを後から申告できるんですね。だけれども、それをやると、同意しなければサイト内のサービスが受けられないことがありますってただし書があるわけですから、それでもオプトアウトする学生というのはまずほとんどいないでしょう。これは、私がこれまで経験したネット上のサービス利用も全て同じですよ。個人情報の取扱いについてプライバシーポリシーに包括的に全部同意をしなければ利用ができないんです。
 まさに同意せざるを得ないという実態があるんですけれども、このこと、大臣はどうお考えになりますか。

#209
○国務大臣(衛藤晟一君) 現行法上は、個人の意思を反映する仕組みとして、一定の場合に本人は利用停止、消去等の請求を行うことができます。また、今回の改正法案では、消費者の方々の御意見を踏まえ、利用停止、消去等の請求の要件を緩和し、本人の関与をより強化することとしています。
 同意しないとサービスが利用できないという場合が一部に存在するのは事実と認識していますが、まずは、事業者が個人情報を取り扱う場合に、個人に丁寧に説明いただき理解を得ることが何よりも重要と考えています。こうしたことを通じて、委員御指摘の不本意な同意を行うことなく本人が必要なサービスの提供を受けることができるようになっていくことを期待いたしています。

#210
○田村智子君 まあ不本意といいますかね、同意せざるを得ない状況が相当に広くあると思うんですよね。それで、よく、じゃ、そういう個人情報の利活用を同意したくないなら、そもそもサービス利用しなければいいじゃないかという、そんな議論もあるんですけど、これ、とても乱暴な議論で、契約の自由をこれは阻害するということになるわけですね。
 就職活動では、これ利用しなかったら、同意しなかったら激しい情報格差が生じて、圧倒的な不利が生じます。キャッシュレスということも、決済データを利活用した商品開発、販売促進が急速に進んでいて、自分のデータがどんなふうに使われているのかよく分からないんですね。そのことがもたらす問題というのはほとんど議論もないままに、政府自身が、ポイント還元だ、あるいはマイナンバーカードでお買物ができるようになれば二五%還元だとかって政府が旗を振るわけですよ、オンライン決済に。これ、利用しない人と利用している人で経済的格差を政府がつくっていくんですよ。
 カナダのトロント、スーパーシティ計画中止になりました。この計画は、誰も住んでいないウオーターフロントに新しい町をつくるというものでした。ところが、そのエリアに監視カメラが大量に設置されて、エリア情報のビッグデータ化をするという計画だということが分かって、周辺の住民がこの地域を回避して移動するという問題が起きたんですね。それで、移動の権利が、何というか、阻害されると、私の行動は監視されたくないと、このことが大問題になって、新型コロナの問題とも相まって計画が断念ということに今なっているわけなんです。
 日本でも、スーパーシティ構想、これ、顔認証システムとかオンラインの更なる活用が政府の旗振りで急速に進められようとしています。スーパーシティ法案では、個人の情報の集積と活用がプライバシー保護と矛盾するんじゃないのかと、あるいは監視社会になるんじゃないのかという問題提起が幾つもされたんですけど、それらに対する答弁は全部、個人情報保護法にのっとってやるから大丈夫という、そういう答弁になっているわけですよ。しかし、実態は、プライバシーポリシーへの同意、ごめんなさい、実態は、個人情報保護法は、事実上その同意があればどのような利活用もどうぞという仕組みになっちゃっているわけですね。ただし、しっかり説明してください、同意を取ってくださいと。
 私、先ほど言いましたように、実態は、プライバシーポリシーへの同意というのはこれまで実に形式的だったと思います。読んでもいないで、とにかく早く通販で買物をしたいからチェックするとか、学生さんの就職活動のように、とにかく登録を済ませなければ、同意をしなければ次に進めないですから、だからチェックをする。実に形式的だったと思います。あるいは、サービスを利用するためには包括的に同意せざるを得ないという状態がつくられてきたんだというふうに思うんですね。
 そうすると、ちょっと私、提案をしたいんですけれども、やっぱりそういう状態での同意なんですから、利用の停止とか第三者への提供の停止、この請求の権利、同意の撤回の権利、これどうするのかということをやっぱり考えるべきですよ。法に組み込んでいくべきですよ。それから、包括的な同意ではなくて、例えば、私が利用するサービスの範囲に限った、このサービスの範囲に限って私の情報は使っていいですよと、それを超えた、のりを越えたプロファイリング等々のは同意できませんと、こういう選択ができるようにするということも私は必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#211
○政府参考人(其田真理君) その同意の取り方についての議論は種々ございまして、やはりリクナビのときもそうでございましたが、まず説明が全然なっていないと、個人が全然理解できないような同意、目的の指定の仕方は駄目でしょうというようなこと、あるいは、おっしゃるように、何でもかんでも全部同意しないとある一つのサービスを受けられないといった問題、様々な問題がありますけれども、こういった、これは法律にがちっと書くことはなかなか難しいわけでありますけれども、どういう場合に、どういったケースは、これはよろしくないですね、こういった形がグッドプラクティスですねというようなことは、個人情報保護委員会でもフォロー、検討して、お示しできるものをお示ししていきたいと思います。

#212
○田村智子君 もう一点、クッキーの問題なんですよ。
 今日も議論ありましたけれども、やっぱりネット閲覧履歴は個人情報ではないというのは私は問題あると思います。EUではクッキー情報は個人情報として保護の対象とされています。日本で何でそうならないのと聞きましたら、デバイスはですね、インターネットを利用するもの、機械ですね、これはイコール個人ではないというふうに説明を受けたんですけど、一番今皆さんがネット検索するのはスマホじゃないでしょうかね。そのスマホが誰かと共有なんということあるでしょうか。スマホは限りなく個人ですよ。そこのネット閲覧履歴が記号が付けられていくわけですから、これがどうして個人情報じゃないのかと。やっぱりネットの閲覧履歴というのは一番内心に関わる問題です。何に関心持っているのか、どういう行動をしようと思っているのか、それが全部、インターネット上に全部まとめられていくわけなんですよ。
 これを今回の法制で、法改正で何で個人情報の保護の対象としないのかということを私大変疑問に思うんですけれども、いかがですか。

#213
○国務大臣(衛藤晟一君) 個人情報保護法ではクッキー等の端末の識別子を単体で個人情報とは確かに定義をいたしておりませんが、特定の個人を識別できる形で取り扱っている場合は個人情報として個人情報保護法上の規律に服することになります。
 今回の検討では消費者や事業者双方から多様な意見が、御意見が寄せられましたが、端末識別子そのものについては、関連する技術、ビジネスモデルの実態が多様かつ変化が激しいことを踏まえ、まずは自主的ルール等による適切な運用が重要と考えたところであります。

#214
○田村智子君 リクナビの事件でこれは法の潜脱だというふうに言われたのは、まさにクッキー情報によって個人の特定ができたんですよ。すごい汚いやり方をしたんですけれども、リクルートキャリアが自分が持っているクッキー情報が誰のものか分からないんですよ。その企業が欲しがっている個人のものとこのクッキー情報がどうつながるか分からないんですよ。だから、こっちの企業にアンケート、ダミーアンケートをさせるんですね。そのダミーアンケートに就活生が自分のスマホから入りますね。で、そのアンケートがリクルートキャリアに入るんですよ。そうするとそこに、企業の側のアンケートだと思って学生さんはアンケートに答えた。で、そこで記されたクッキーの番号とリクルートキャリアの中でサイトを見ていたクッキーの番号は一致しますから、これで個人が特定できたんですよ。
 クッキー情報って簡単に個人が特定できるんですよ。そのことを個人情報保護委員会も指摘をされていますよね。あたかも個人が特定されないかのようなやり方で個人を特定したんだと。クッキー情報なんですよ。
 そう考えると、これやっぱり遅れ遅れでは本当に駄目だと思うんですね。まさにこういう使われ方が現にされたんです。現にされて、そして個人情報保護委員会からの勧告まで受けた事例まで生じたんですよ。これ三年待つんですか、また。これ直ちにクッキー情報の扱いについては検討するということ求められていると思いますが、大臣、もう一度お願いします。

#215
○国務大臣(衛藤晟一君) 先ほどから答弁を申し上げているとおりでございまして、個人情報保護法ではクッキー等の端末識別子を単体で個人情報とは定義していませんが、特定の個人を識別できる形で取り扱っている場合には個人情報となります。また、リクナビ事案については、今回の改正法で個人関連情報に関する規律を導入することで対応を行ったものであります。
 委員御指摘のように、今回の措置に加えて、クッキーそのものを個人情報として扱うべきだという意見があることは承知いたしておりますが、まずは今般、改正法の施行状況を踏まえて、クッキーの取扱いについて引き続き注視していきたいと考えています。

#216
○田村智子君 一方で、政府は、先ほども言いましたけど、スーパーシティ構想だといって、もうまさに情報テクノロジーを最大限利用して、それでワンスオンリーですか、一人一人にあなたに最適のサービスを提供しますという町づくりまで目指しているんですよ。それ、どういうことかといったら、個人を特定してプロファイリングした上で、個人に、あなたにこういうサービスがいいですよねというのを提供するということまで構想としてあるんですよね。それで、中国の監視社会ということなんかも大分私たちは批判をしましたけれども、そういう中国の杭州市なんかも超えたものがスーパーシティだと。その情報テクノロジーをも超えたものがスーパーシティで、それを国内で五か所つくるんだと。そんな旗振りまでやっていて、個人情報保護法の改正がこの程度でいいのかということですよ。
 本当に、個人が丸ごとですよ、個人が丸ごとプロファイリングされて、自分の情報がどう分析されているのかも分からない、どこでどう活用されていくかも分からない。そういう社会がこのままだとどんどんつくられていってしまうんですよ。そのことに追い付いていないんですよ、個人情報保護法が。
 かつての名簿が云々とか写真が云々とか、そんなレベルじゃないんですよ、個人の情報って。個人の人格、個人の人生、個人の健康とかビジネスとか、あらゆるそういうことに対する分析が行われ、評価が行われていったらどうなるのかという、そういう問題を私たちはもっともっとこの個人情報保護の問題では議論しなくちゃいけない。そして、個人の権利利益を守るということはどういうことなのかと、そのことを議論しなければ駄目だと、このことを申し上げて、質問を終わります。

#217
○委員長(水落敏栄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#218
○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、個人情報保護法改正法案に反対の討論を行います。
 リクナビが就活生のインターネット閲覧履歴等から内定辞退率を予測し採用企業に販売していた問題が社会に強い衝撃を与えました。今回の法改正では、閲覧履歴を基に就活生に不利益をもたらしかねない評価を行い第三者に提供する、本人同意があろうとなかろうと、このような不当な行為を防ぐことが求められていたはずです。しかし、閲覧履歴、クッキー情報の取扱いは明確化にとどまり、抜本的な対策は取られませんでした。
 政府は、違法、不当な行為を助長、誘発するおそれがある方法での個人の情報の利用禁止や、個人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合に利用停止請求権を認めること等を追加したことで個人の権利を拡大したと説明します。しかし、先行事例がないことを理由に、おそれとは何かという基準さえ一切示しませんでした。裁判をしなければ利用停止が行えるかどうかが分からない、これでは実効性に乏しいと言わざるを得ません。
 リクナビ事件は、同意に基づくデータの利活用であっても人権侵害が起こり得ることを示しました。技術の進歩によって、個人情報の消去、利用停止権の必要性が一層強まっているにもかかわらず、本法案はそれを実質的に保障しようとしていません。
 本案には、更なる個人情報の利活用を進める新制度が盛り込まれています。新設の仮名加工情報は、匿名加工情報よりも加工水準が低く、個人が特定され得るものを含みます。個人情報の利活用推進への規制緩和であり、プライバシーの侵害のおそれが高まると言わざるを得ません。
 今国会ではいわゆるスーパーシティ法も成立し、政府は、顔認証など生体情報、医療情報、行動履歴などを積極的に収集、突合させ、大規模な利活用を強力に進めようとしています。プライバシー保護への懸念、監視社会になるのではという指摘に、政府は、個人情報保護法にのっとるから大丈夫という答弁に終始しましたが、本改正案では、クッキー情報を個人情報とすべきという議論さえ、経済界の利益を優先させ、棚上げにされてしまったのです。
 大規模な個人情報の収集と利活用が既に人権に対して脅威となっているという認識に立ち、データの消去権、利用停止権など忘れられる権利も含め、本人が個人情報をコントロールできる仕組みにすることこそ求められていることを指摘し、討論を終わります。

#219
○委員長(水落敏栄君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#220
○委員長(水落敏栄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、杉尾君から発言を求められておりますので、これを許します。杉尾秀哉君。

#221
○杉尾秀哉君 私は、ただいま可決されました個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出します。
 案文を朗読させていただきます。
    個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  高度情報通信社会の進展に伴い集積される個人情報の利活用に際し、個人の権利利益の保護を図りながら個人情報の利活用を行うことが、より良い社会環境の発展のために一層重要な課題になっていることを踏まえ、政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
 一 個人情報に関する定義等を政令等で定めるに当たっては、国民に分かりやすいものとなるよう、消費者や事業者等多様な主体から広く丁寧に意見を聴取し、保護対象を可能な限り明確化する等の措置を講ずること。
 二 匿名加工情報及び仮名加工情報の規定の趣旨が個人の権利利益の保護を図りながら個人情報の利活用を行うものであることに鑑み、個人情報取扱事業者が匿名加工情報及び仮名加工情報を作成する際に必要となる基準を個人情報保護委員会規則で定めるに当たっては、個人の権利利益の保護と個人情報の利活用との均衡について十分に配慮すること。
 三 個人情報の不適正な利用の禁止に関しては、個人の権利利益を保護しつつ個人情報の適切な利活用を促すため、ガイドライン等において、「違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法」の具体的な事例を挙げるなど、可能な限り明確化を図ること。
 四 個人情報の漏えい等の報告及び本人への通知の義務化の対象を個人情報保護委員会規則で定めるに当たっては、国民及び個人情報取扱事業者に分かりやすいものとなるよう、消費者や事業者等多様な主体から広く丁寧に意見を聴取し、義務化の対象となる要件を可能な限り明確化すること。また、漏えい等事案の発生が認知されずに必要な措置が不十分になるような事態及び本人が被害・影響を受けるような事態が生じないようにするために必要な措置を講ずるとともに、その運用状況や実態を踏まえ、更なる措置についても検討すること。
 五 保有個人データの開示方法、第三者提供記録の本人開示、利用停止・消去権等の個人の権利の拡充に伴い、その目的と実効性を確保するため、消費者及び事業者等に分かりやすく、その趣旨や利用停止等の請求が可能となる「本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある」場合及び事業者が請求に応じないことが例外的に許容される場合の事例等をガイドライン等で具体的に示すなど、必要な措置を講ずること。
 六 個人関連情報の第三者提供の制限等については、その実効性を確保するために解釈基準を明確にするなど適切な運用が図られるようにするとともに、その運用状況を把握して適正な個人情報の保護と利活用について更なる検討を行うこと。
 七 本法の域外適用の強化に当たっては、外国事業者に対して関係規定を確実に適用できるよう、外国執行当局との一層の協力体制の構築・維持に努めること。
 八 違反行為に対する規制の実効性を十分に確保するため、課徴金制度の導入については、我が国他法令における立法事例や国際的な動向も踏まえつつ引き続き検討を行うこと。
 九 民間、行政機関等における個人情報保護に係る規定や地方公共団体の個人情報保護制度に係る国と地方の役割分担等について議論を進め、法律による一元化を含めた規律の在り方について早急に検討すること。
 十 情報通信技術の急速な進展に伴い個人情報の利活用が高度化していることにより、データの利活用による個人の権利利益に対する影響が多様化していることから、個人の権利利益の保護を図りながら個人情報の利活用を行うよう、個人情報保護委員会は、民間の実態を常に広く把握し、制度面を含めた検討を随時行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
 十一 個人の権利利益の保護とデータの利活用とのバランスを考慮に入れつつ、情報通信技術の進展等を踏まえ、三年後を目途とする見直しまでに不断の情報収集と制度の改善策の検討を行うこと。また、見直しに当たっては、EUにおけるGDPR(一般データ保護規則)など諸外国の事例を参考にすること。
 十二 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための接触確認アプリ等のツールを導入する際には、諸外国における活用の実態と課題を踏まえ、個人に関する情報の収集範囲や利用プロセスの透明性を確保するとともに、利用目的を明確にし、収集する情報は必要最小限のものとすること。
   右決議する。
 以上です。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

#222
○委員長(水落敏栄君) ただいま杉尾君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#223
○委員長(水落敏栄君) 多数と認めます。よって、杉尾君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、衛藤国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。衛藤国務大臣。

#224
○国務大臣(衛藤晟一君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。

#225
○委員長(水落敏栄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#226
○委員長(水落敏栄君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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