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2020/05/26 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 外交防衛委員会 第13号 令和2年5月26日
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2020/05/26 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 外交防衛委員会 第13号 令和2年5月26日

#1
令和二年五月二十六日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     白  眞勲君     勝部 賢志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         北村 経夫君
    理 事
                宇都 隆史君
                中西  哲君
                羽田雄一郎君
                秋野 公造君
                井上 哲士君
    委 員
                猪口 邦子君
                佐藤 正久君
                武見 敬三君
                中曽根弘文君
                松川 るい君
                三宅 伸吾君
                山田  宏君
                勝部 賢志君
                小西 洋之君
                榛葉賀津也君
                福山 哲郎君
                山口那津男君
                浅田  均君
                鈴木 宗男君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     茂木 敏充君
       防衛大臣     河野 太郎君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  岡田 直樹君
   副大臣
       法務副大臣    義家 弘介君
       厚生労働副大臣  稲津  久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        神田  茂君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       大西 証史君
       人事院事務総局
       職員福祉局長   合田 秀樹君
       国家公務員倫理
       審査会事務局長  佐々木雅之君
       内閣府沖縄振興
       局長       原  宏彰君
       法務省大臣官房
       政策立案総括審
       議官       西山 卓爾君
       法務省大臣官房
       審議官      保坂 和人君
       出入国在留管理
       庁出入国管理部
       長        石岡 邦章君
       外務省大臣官房
       長        垂  秀夫君
       外務省大臣官房
       地球規模課題審
       議官       塚田 玉樹君
       外務省大臣官房
       審議官      松浦 博司君
       外務省大臣官房
       審議官      宇山 秀樹君
       外務省大臣官房
       参事官      田村 政美君
       外務省大臣官房
       参事官      御巫 智洋君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   久島 直人君
       外務省北米局長  鈴木 量博君
       外務省中南米局
       長        吉田 朋之君
       外務省中東アフ
       リカ局長     高橋 克彦君
       外務省領事局長  水嶋 光一君
       財務省主税局国
       際租税総括官   安居 孝啓君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    辺見  聡君
       防衛省人事教育
       局長       岡  真臣君
       防衛省地方協力
       局長       中村 吉利君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び
 に脱税及び租税回避の防止のための日本国とア
 ルゼンチン共和国との間の条約の締結について
 承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び
 に脱税及び租税回避の防止のための日本国とウ
 ルグアイ東方共和国との間の条約の締結につい
 て承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び
 に脱税及び租税回避の防止のための日本国とペ
 ルー共和国との間の条約の締結について承認を
 求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び
 に脱税及び租税回避の防止のための日本国とジ
 ャマイカとの間の条約の締結について承認を求
 めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び
 に脱税及び租税回避の防止のための日本国とウ
 ズベキスタン共和国との間の条約の締結につい
 て承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び
 に脱税及び租税回避の防止のための日本国とモ
 ロッコ王国との間の条約の締結について承認を
 求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(北村経夫君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、白眞勲君が委員を辞任され、その補欠として勝部賢志君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(北村経夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアルゼンチン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件外五件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官大西証史君外二十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(北村経夫君) 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアルゼンチン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とウルグアイ東方共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とペルー共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とジャマイカとの間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とウズベキスタン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とモロッコ王国との間の条約の締結について承認を求めるの件、以上六件を一括して議題といたします。
 六件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○猪口邦子君 自民党の猪口邦子でございます。
 本日は、二国間経済条約六本につき、茂木外務大臣等に御質問申し上げます。
 いずれも今委員長から説明ございましたとおり、所得に対する租税の二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための二国間条約、日本との間で、アルゼンチン、ウルグアイ、ペルー、ジャマイカ、ウズベキスタン、モロッコの六本の条約でございます。
 冒頭、新型コロナウイルスのために亡くなられた皆様に御冥福お祈り申し上げますとともに、回復への努力のさなかにあります皆様にお見舞いを申し上げます。
 コロナウイルスとの闘いのさなかですけれども、それでも国際法を築いていく努力は止まらないんです。ウイルスは、経済的相互依存を通じて平和の礎をつくろうとする、そういう人間の努力までも侵食することはできない。平和は、そもそも経済的相互依存を出発点として、それはまた貿易、投資、人の移動などによって築かれるものであり、当然ながら、国家は、その人や活動を守るような国際法を作っていく努力をしなければならない。
 主権国家は固有の課税権有していますけれども、経済のグローバル化の中で日本企業が二重課税の問題に陥ることのないよう経済条約交渉を行うのは国の責務でもあり、また、いずれのこの度条約を締結したいと政府が言っておられる対象国は、日本企業の進出が近年増加している傾向にあると思われます。当然ながら、投資所得に対する源泉地課税を免除する範囲が広いと、租税回避あるいは様々な特典の濫用防止ということの課題も出てきます。
 まず、外務大臣に、この度の六条約締結の意義を伺います。

#7
○国務大臣(茂木敏充君) おはようございます。
 猪口委員の方から大変大きな観点から御質問をいただいたところでありますが、我が国は、五月の一日現在、七十六の租税関連条約と、この中には租税条約、租税情報交換協定、税務行政執行共助条約及び日台民間租税取決め、含まれるわけでありますが、これらの租税関連条約を締結しておりまして、百三十八か国・地域にこれらの条約が適用されているところであります。
 租税条約が締結されることによりまして、委員御指摘のように、企業にとっては、本国と投資相手国との間での二重課税の除去であったり進出先の国における課税所得の範囲が明確にされること等を通じて、海外事業展開の予見可能性そして法的安定性が高まることになるわけであります。また、租税条約の締結は、脱税、租税回避の防止を通じて、二国間の健全な投資そして経済交流の促進に資するものであります。
 政府としては、相手国との経済関係、そしてまた我が国企業関係者間の要望、租税条約の締結、改正から生じる効果、この中には狭義の経済的な効果もありますし、より幅広い二国間関係の強化と、こういった効果もあるわけでありますが、こういった様々な観点を踏まえて、新規の租税条約の締結や既存の租税条約の改正に引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

#8
○猪口邦子君 大臣、ありがとうございます。この度の条約締結の重要性について御説明いただきました。
 その六か国各々と二国間条約締結するというわけでございますけれども、相手国との間で特別に考えるべき内容というのも当然あると思います。アルゼンチンについて、最近の、またデフォルトに陥ったとニュースが入ってきているわけですけれども、条約関係の強化で、相手国の経済状態あるいは政権の安定にかかわらず日本企業を守る、そういう構築をつくることもまたできるわけで、そういう意味でも大事なのかしらというふうにも思います。
 政府に、それぞれの国と日本国との関係で特に重視してこの度の六条約締結目指しているということがあれば、お伝えいただきたいと思います。

#9
○政府参考人(吉田朋之君) 六つのうち四つの中南米の条約について、お答えを申し上げます。
 相手国、個別に考慮すべき理由ということについてお尋ねいただきました。
 まず、アルゼンチンについてでございますけれども、日本の約七・五倍の広大、肥沃な国土を持っておりまして、豊富な食料資源、それから鉱物・エネルギー資源の供給国でございます。委員から御指摘がございました経済的な苦境が続いておりまして、膨大な公的債務を抱えており、債務再編交渉も大変厳しい状況にあるということでございますが、その将来性ということに鑑み、現在、百社前後の日系企業が進出しておられます。まさに、御指摘がございましたように、この条約を締結することによりまして、課税範囲、限度税率の面で法的安定性、予見可能性を高めると、こういう意義があろうかと思っております。
 次に、ウルグアイでございますけれども、ブラジルとアルゼンチンに隣接する、小さな国ではございますけれども、大変穏健で自由開放的な対外経済政策を堅持しておりまして、十五年間連続で経済成長を続ける非常に安定した国でございます。食品や農業などの分野におきまして、日系企業、数は少ないですけど二十二社、進出しておられます。
 次に、ペルーでございますけれども、銅や銀など世界有数の鉱物資源国ではございます。太平洋に面して、自由貿易、開放経済を基調としておりまして、二〇〇九年には投資協定、二〇一二年には我が国との間でEPAが発効しております。こういったものを背景といたしまして、過去六年間で進出企業が七十五社に倍増しております。TPP11の署名国でもございます。
 ジャマイカにつきましては、十五世紀の末にコロンブス自ら発見をしたカリブの島でございますけれども、十四か国で構成するカリブ共同体の中心メンバーでございます。ジャマイカ産のブルーマウンテンコーヒーの約七割は日本向けに輸出されておりますし、日本の企業がジャマイカで唯一の電力会社の経営権を取得するといったこともございまして、両国の経済関係、大変緊密化してございます。
 ウズベキスタン、モロッコについては、他局の方から答弁させていただきます。

#10
○政府参考人(宇山秀樹君) ウズベキスタンとの租税条約についてお答えを申し上げます。
 ウズベキスタン、かつてサマルカンドなどシルクロードの交易拠点として栄えた地でもございますけれども、現在、中央アジア諸国の中で最大の三千三百万人の人口を擁する地域大国でございます。近年、経済の自由化、投資促進に向けた改革を急速に進めておりまして、経済発展の潜在性が高く、日本企業の関心も高まっていくところでございます。
 これまで、日ソ租税条約、日本とソ連の間の租税条約がウズベキスタンと適用されておりますけれども、今般、ウズベキスタンとの関係で、これを全面的に改正する租税条約を結ぶことによりまして、両国間の投資、経済交流の促進に大きく貢献するものと考えております。

#11
○政府参考人(高橋克彦君) モロッコについてお答え申し上げます。
 モロッコは、近年、欧州及びアフリカ諸国との近接性や、豊富な労働力の特性を生かして積極的に外国投資を誘致しております。日系企業の数も順調に推移しております。また、アフリカの経済成長に伴い、日系企業による投資は更に増大することが見込まれているという状況でございます。
 以上、六か国について説明を申し上げました。これらを理由に、この六か国との間で租税条約を締結することといたしたものでございます。

#12
○猪口邦子君 どうもありがとうございました。
 大臣に聞いておいていただければと思うんですけど、例えばジャマイカ、カリビアン・コミュニティーの本当に中心的な役割を果たしていて、それで、二月に離任されましたアリコック大使、在京のそういうグループでも本当に積極的なお仕事をされたと思います。
 そして、特にこの地域、ハリケーンの通過のところで、日本の台風と全く気象的に同じということで、長期的にはやはり気象情報協力など、この地域と日本との関係、こういうことを機会に大きく発展できたらいいのかなと思っております。
 また、モロッコ、今お話ありましたけれども、やはりヨーロッパとアフリカ、ヨーロッパと中東、この懸け橋でもあり、王権として非常に穏健な、そして改革路線やっていますので、そういうところとの条約なのかなというふうに思います。
 そこで、大臣に次にお伺いしたいんですけれども、BEPS防止措置実施条約というのがございます。これ、ベース・エロージョン・プロフィット・シフティング、税源浸食及び利益移転、これを阻止するという、先ほどの冒頭にもありましたような、これは非常に日本がリーダーシップを取って、二〇一二年からOECDの枠で推進して、この条約ができたためにこのような投資環境、そして二重課税回避の条約、二国間でも進みやすくなったのではないかと思います。
 こういうこのBEPS防止の機能、それは多国間ですが、二国間経済条約にもそもそも織り込まれていると思いますが、その辺についてお伺いしたいということと、今後、日本が多国間条約の概念、実施措置においてリーダーシップを取って、よって、続く二国間、各国の二国間条約にも好影響を与えるというようなリーダーシップ、是非大臣に期待したいと思うんですけれども、大臣の御意見伺います。

#13
○政府参考人(松浦博司君) BEPSプロジェクトについてのお尋ねでございます。
 BEPSプロジェクトの成果は、二〇一五年十月に公表されました最終報告書において掲載されてございます。その中で多くの勧告がなされておりますけれども、租税条約に関しましては主要な点が三つございます。
 まず第一に、租税条約には様々な特典が設けられておりますが、例えば、投資所得に対する源泉地国での課税の減免規定などがございます。こうした特典の濫用の防止規定を設けること、これが第一でございます。
 第二に、租税回避に有効に対処するための規定を設けること、特に、進出先国における事業拠点を恒久的拠点と認定されることを人為的に回避する、こういった租税回避を対処するための規定を設けるということが勧告されております。
 また、第三に、租税条約に関連する紛争を解決するため、相互協議の手続をより実効的にすること。この三つが主なものでございます。
 今般提出しております六本の租税条約は、いずれもこのBEPSプロジェクトの成果を適切に反映したものとなってございます。
 委員から御指摘ございましたように、BEPSプロジェクトにおいてこれらの内容の国際的スタンダードが確立されましたので、これによって二国間の租税条約への交渉も円滑になった面がございます。
 政府としましては、こうした租税回避の内容を適切に盛り込んだ租税条約を今後拡充していくことが国際的な租税回避の防止に役立つものと考えておりまして、そのような方針で交渉してまいりたいと考えてございます。

#14
○国務大臣(茂木敏充君) 猪口委員から御指摘いただきましたBEPSの問題、これはここ数年、G7、G20の財務大臣・中央銀行総裁会議でも大きなテーマとして取り上げられて、日本としても中心的にこの議題について取り扱っているところであります。
 こういったBEPSの問題もそうでありますし、新たな投資ルールの問題、さらには、これからデジタル経済、この中でどんなルールが必要かと。御案内のとおり、昨年のG20の大阪サミットにおきましても、大阪トラック、新しいイニシアティブ、日本として表明をしたところでありまして、こういった特に様々な経済協定の中でも新しい分野、これから構築が必要な分野について、日本としてしっかりとリーダーシップを発揮してまいりたいと思っております。

#15
○猪口邦子君 すばらしい、ありがとうございます。大変心強く感じております。
 それでは、残りの時間、少し別のテーマで御質問、及び私の意見を聞き取っていただければと思っております。
 まず、軍縮外交なんですけれども、NPT運用検討会議、延期となりました。INF条約、これ廃止となっており、あと新START条約の継続どうなるのか、再交渉はどうなのか、見通しは立っていない。ですから、多国間でも二国間でも軍縮外交、頓挫している。この結果どういうことになったかというと、国際安全保障が高コスト均衡に陥っていて、本来もっと低コストで同じような安心、安定の安全保障の均衡点というのを模索することができると思いますけど、非常に高コストになっている。その結果が今回の、例えばコロナウイルスの問題につながっているという議論をしたいと思うんですね。
 それは、例えばSDGsとか国際保健、公衆衛生、そういうためのリソースが世界的に、二国間でも多国間でも高コスト軍事予算となりますので、安全保障予算となりますので、その他の分野にとって不十分な結果となってしまいます。ですから、日本としては多国間軍縮外交をリードして、今経済外交について大臣お答えいただいたんですけれども、そのようなスピリットで多国間軍縮外交もリードして、世界全体で低コストで同じような高い安定度の安全保障の均衡、これを築いていくことによってこそ、長期的に今日私たちが直面しているこういう感染症の問題にも的確な資産、資力を持って対応できると思います。
 御質問申し上げようと思いましたけれども、大臣に聞いていただきましたので、よろしく軍縮外交を強化していただきたいと思います。
 そして、次なんですけど、新型コロナウイルス感染症第二波、これを防止するための一番いい方法は、日本が戦略広報を強化して、日本のやり方一定の成果を上げたと世界は遅きに失して評価を始めています。これを途上国及びまだ終息していない先進国において参考にしてもらう。戦略広報というのは、自分の宣伝ではなくて、自分のやり方を淡々と示すことによって、しかし効果的にお伝えすることによって、主権国家それぞれが自らこれを学んでくれる。
 それによって各国で終息すれば、日本が第二波で苦しむこともないと思うんですけれども、どのようにこの戦略外交、戦略広報を強化できるか、大臣、お伺いできれば有り難いと思います。

#16
○国務大臣(茂木敏充君) 何分残っていますか。
 まず、軍縮外交の問題につきましては、猪口委員もこれまで軍縮大使もお務めになりまして、これからもいろんな意味で御指導いただければと、こんなふうに思っておりますが。
 日本の新型コロナの状況、現時点では爆発的な感染の拡大には至っておらず、死者の数も諸外国と比べて相対的に少ないと考えております。もちろん、引き続きの警戒必要でありますが、緊急事態宣言も、昨日、全国的に解除されまして、我が国の新型コロナウイルス感染症対策、私も連日のように各国の大臣と、外務大臣と電話会談を行ったり、また海外のメディアもフォローしておりますが、海外からも一定の評価を得られていると、そのように考えております。
 こうした状況や、その背景にあります日本の様々な取組、さらには、やはり手洗いをするとかうがいをすると、こういった国民の皆さんの衛生上の習慣であったりとか取組、こういったことを国際社会に発信し、正確な理解を得ていくことは、感染の終息にとってもそうでありますし、感染終息後の経済社会活動の回復を後押しする観点からも極めて重要だと考えております。

#17
○猪口邦子君 大臣、ありがとうございます。
 それでは、最後の質問なんですけれども、今のお話にもありました、やはり今後の感染防ぐためにも、どのような水際対策が今後研究されているのか、それから、文化の差異によってマスクを着用する、しないということがあると思いますけれども、日本への来訪者、これを、今後増加する場合に、マスク着用習慣が日本にはあるということをお伝えいただけるのか、お伺いします。

#18
○政府参考人(水嶋光一君) お答え申し上げます。
 今委員の御指摘ございましたマスクの着用につきましては、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針におきましても基本的な感染対策として位置付けられております。また、厚労省が作成をしております新型コロナウイルスを想定いたしました新しい生活様式の実践例、ここにおきましても、身体的距離の確保、手洗いと並びまして、マスクの着用が感染防止の三つの基本の一つというふうにされております。
 今後、諸外国との人の往来が増加する場合には、訪日外国人に対しまして我が国の感染対策を周知徹底させる、こういうことは国内における感染第二波の防止の観点からも有効と考えられます。
 外務省といたしましては、引き続き、関係省庁とも連携をいたしまして、外務省ホームページ又は在外公館を通じて、マスクの着用を含みます我が国の感染対策について広報を行っていきたいと考えております。
 なお、今後の人の往来の再開につきましては何ら決まっておりません。その上で、その再開を進めるためには、まず日本での感染拡大の終息が必要であります。同時に、海外の感染状況等をもう少ししっかり見極めた上で、相手国におけます感染状況等様々な情報を総合的に勘案して、どういうアプローチが可能なのか検討してまいりたいと考えておりますが、第二波防止のための水際対策につきましても、その過程において検討してまいりたいというふうに考えております。

#19
○猪口邦子君 ありがとうございます。
 じゃ、これで終わりますが、力強い御答弁ありがとうございました。

#20
○小西洋之君 小西洋之でございます。
 我が会派は、本日のこの六協定、条約については賛成でございます。
 モロッコについて質問がございましたので、中国の租税条約の見直しについて伺わせていただきます。
 中国の租税条約でございますけど、一九八四年に発効して、アメリカなどの租税条約と比較しても課税率が高い状態にあり、かつ徴収共助あるいは相互協議などの仕組みがないところでございます。本委員会におきましても、宇都理事が平成二十五年に、経済界からも改善の要求が出ているというようなことも指摘されながら、これの改定についての質疑をなさっておりました。
 昨年には経団連からもこの要望が出ていると承知しておりますけれども、今外務省においてこの中国との租税条約の見直し、どのような状況でございますでしょうか。

#21
○政府参考人(田村政美君) お答え申し上げます。
 中国は我が国にとって最大の貿易相手国であり、我が国から中国への進出企業数も国別に見て最多でございます。このように日本と中国の間の経済関係は非常に緊密なものがございます。
 日本と中国の間におきましては、日中租税協定の改正の可能性も含め、様々な機会を通じて税分野において幅広く意見交換を行ってきているところでございます。
 引き続き、委員御指摘の関係団体からの要望等も踏まえて、関係省庁とも連携しつつ、中国側と意思疎通していきたいと考えております。

#22
○小西洋之君 しっかりと頑張っていただきたいというふうに思います。
 では、続いて、外務省職員、また防衛省・自衛隊も含めた懲戒処分の状況について伺わさせていただきたいと思います。
 資料の一ページでございますけれども、防衛省から最近の自衛隊における懲戒処分の例、平成二十九年、三十年で五件ですね、約三十名余り、いわゆる賭博を行った者でございます。全員懲戒処分を受け、停職あるいは免職というような処分を受けているところでございます。
 防衛省に伺いますけれども、自らの自由意思によって刑法の賭博罪に当たり得るような賭博行為をした者は、自衛隊法令の適用上、懲戒処分を受けることになり、また実際の運用上も懲戒処分を受けてきたというふうに理解してよろしいでしょうか。

#23
○政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。
 個々の事案につきましては、事実関係を正確に把握した上で処分について検討することになるわけでございますが、過去の事例から申し上げますと、刑法第百八十五条の賭博行為に当たる刑事事件として扱われるような場合につきましては、自衛隊法第四十六条、これが懲戒についての法律上の根拠になりますけれども、及びこれを踏まえて内部規則で基準を定めております。こうしたものに基づきまして懲戒処分が行われているところでございます。

#24
○小西洋之君 防衛省、資料の二ページ目なんですけれども、お答え書いていてくださっていますけど、自衛隊法令に基づく懲戒処分の制度なんですけれども、一般職の国家公務員法の制度と基本的には同じという理解でよろしいでしょうか。

#25
○政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。
 委員のその配付をしていただいている資料でございますが、ここにございますとおり、一部の懲戒処分、具体的には降任といったものについては自衛隊の階級組織というのも踏まえて懲戒処分として定められているところでございますが、ほかの処分の内容につきましては同様のものとなっております。

#26
○小西洋之君 ほとんど同じということでございました。
 じゃ、続けて、過去に、自らの自由意思によって刑法の賭博罪に当たり得るような賭博行為をした者であって、実際に刑法の賭博罪で起訴される前あるいは起訴を受けて有罪などの判決を受ける以前に防衛省として懲戒処分を付した例というのはあるでしょうか。この例においては、刑法の賭博罪に当たり得るような賭博行為であるか否かは、刑法の賭博罪の構成要件などを見ながら防衛省が判断する、あるいは判断したということでよろしいでしょうか。

#27
○政府参考人(岡真臣君) 御質問の点につきましては今朝ほどお問合せをいただいたものでございますので、ちょっと全てについて確定的に申し上げることはできないんですけれども、例えば配付いただいております資料の一ページ目の青野原駐屯地の事案としてなっているもの、これについて申し上げますと、当然刑事的にどうするかというところについては、私どもの中に警務隊がおりますので、司法警察職員として捜査をすることになります。その際に、その警務隊から書類送致をした者は実はその上のA、B、Cの三名でございまして、残りについては書類送致も行っていないという状況でございます。
 そういう中で、懲戒の調査というのはこういった警務隊の調査とは別に行われることになるわけでございますけれども、その事実関係の調査の結果を踏まえて、規律違反があると認められれば、これは懲戒処分を行うということになるわけでございます。

#28
○小西洋之君 今お答えいただいた規律違反があるかどうかというその判断の思考要素の中には、刑法の賭博罪に当たるような行為であるかというようなことも防衛省としては考えることもあるということでよろしいでしょうか。

#29
○政府参考人(岡真臣君) 先ほど申し上げましたように、事実関係を調べて、その賭博罪との関係といったことも念頭に置きながら、服務規律違反があったかどうかということを確認をするということでございます。

#30
○小西洋之君 賭博罪との関係も念頭に置きながら考えるという明確な答弁をいただきました。
 今防衛省が答弁していただいた、自衛隊においては、賭博行為を行った者は法令上懲戒処分を受け、かつ運用上も懲戒処分を受ける、必ずですね、かつ、それに当たっては、刑法の賭博罪との関係、賭博罪に当たるような行為かどうかについても検討する。
 実は、この二点について、今回の黒川検事長の件については、法務省、また内閣官房、内閣ですね、この二件ともやっていないんですね、実は。その問題について今から質問をさせていただきたいと思います。
 人事院に伺いますけれども、人事院、質問の六番ですね、一般職の国家公務員が本人の自由意思によって、国家公務員法八十二条の一号から三号、これ懲戒処分の要件を書いているんですけれども、このいずれかの懲戒事由に該当する行為であり、かつ、人事院が作成している懲戒処分の指針に書かれているような行為、まあ賭博ということも書かれているんですけれども、こういう行為を行った場合は、基本的に懲戒処分されるものというふうに理解してよろしいでしょうか。

#31
○政府参考人(合田秀樹君) お答えいたします。
 懲戒処分を行うかどうか、また懲戒処分を行う場合にいかなる処分を選択すべきかは、懲戒事由に該当すると認められる行為の原因、動機、性質、態様、結果、影響等のほか、職員の当該行為の前後における態度、処分歴、当該処分が他の職員及び社会に与える影響等、諸般の事情を総合的に考慮して判断するものとされており、具体的な行為に即して懲戒権者が判断するということになります。
 人事院が示しております懲戒処分の指針の標準例に掲げる行為を行った場合には、そこで定めております標準的な懲戒処分の種類を基礎として、懲戒権者においてどのような処分にするかを判断するということになります。

#32
○小西洋之君 国家公務員法の八十二条の一号から三号、これに、懲戒事由に該当するような行為についても、当たり前ですけれども、懲戒処分をするものという理解でよろしいですか。簡潔に答えてください。簡潔に。

#33
○政府参考人(合田秀樹君) お答えいたします。
 今委員御指摘の国家公務員法八十二条は、職員が次の各号のいずれかに該当するにおいて処分をすることができるとなっていますので、この一号から三号までに該当する事由があったときに、懲戒権者において、処分をするか、またどういうふうな処分をするかを判断するということでございます。

#34
○小西洋之君 では、副大臣、防衛省、失礼しました、法務省の義家副大臣に伺わさせていただきます。
 この黒川検事長ですね、いわゆる賭けマージャンをやったことは法務省の調査でも認めているんでございますけれども、問いの六番でございますけれども、副大臣、よろしいでしょうか。黒川検事長が賭けマージャンをした行為は、国家公務員法九十九条の信用失墜行為に当たると考えていらっしゃいますでしょうか、また国家公務員法八十二条の国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行に該当すると考えているでしょうか。
 また、問いの七も重ねて伺わさせていただきます。黒川検事長は部下らに外出自粛要請の遵守を徹底させる職責があったわけでございますけれども、あの緊急事態宣言下でですね、黒川検事長が賭けマージャンを行うために緊急事態宣言下の五月に二度にわたり外出した行為は、国家公務員法九十九条の信用失墜行為に該当し、かつ同法八十二条の国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行に該当すると考えていらっしゃるでしょうか。

#35
○副大臣(義家弘介君) お答えいたします。
 まず、緊急事態宣言下で黒川検事長が旧知のマスコミ関係者とマージャンをした、このことについて、発覚を受け、法務省としても大変重く受け止めております。
 その上で、黒川氏が東京高検の検事長という立場にありながら、令和二年五月一日と同月十三日の二回にわたり報道関係者三名とマンションの一室で会合し金銭を賭けてマージャンを行った行為について、国家公務員法九十九条に規定される信用失墜行為に該当するとともに、同法八十二条一項三号に規定する国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行に該当するものと考えております。

#36
○小西洋之君 今明確な答弁をいただきました。
 法務省政府参考人に伺いますけれども、黒川検事長が、国家公務員法の信用失墜行為、九十九条に該当し、かつ八十二条の国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行に該当するということでございます。
 これは、先ほど人事院が示してくれた国家公務員法八十二条ですね、法令に違反した場合、懲戒の事由に該当するわけですけれども、国家公務員法の法律に違反した黒川検事長がなぜ懲戒処分にならないんでしょうか。

#37
○政府参考人(保坂和人君) お答えいたします。
 人事院の処分指針におきまして賭博というのが挙げられておるわけでございますが、その処分指針自体は標準的な処分の種類を挙げたものであって、必ずしもそのとおりに量定、処分量定どおりに行わなきゃならないというわけではないと理解をしております。その賭博という場合であれば、賭け金の額ですとか、あるいはどのような環境で行われた等を個別に考慮して決することになるわけでございます。
 私どもで調査して、既に資料としてその職責についての検討結果というものも出させていただいておりますけれども、今回の行為というのは誠に不適切であった一方で、必ずしも高額とは言えないレートであること、事実を認めて深く反省していること、そして長年にわたり勤務してきたこと等を考慮して、懲戒処分をするには至らないということですが、一方で、監督上の措置として最も重い訓告とするのが相当であるというふうに判断をしたところでございます。

#38
○小西洋之君 法務省に重ねて伺いますけど、今、人事院の資料の三ページですけど、懲戒処分の指針について、線引いていますけど、ここに書かれているものは、今法務省が答弁しましたけど、標準的な懲戒処分の種類なんですね。標準的ですから、ここに書いてあれば懲戒処分するのが基本、大原則なんですよ。ごくやむを得ない例外ですね、例えば恐喝をされてやむなく非行行為を行っただとか、そういう場合以外はやっていれば即懲戒処分なんですよ、それが標準的という意味なんですけれども。
 法務省に重ねて伺いますけど、今御説明された、黒川検事長がこの標準的な懲戒処分の種類、賭博をやったにもかかわらず懲戒処分でなくていいという理由ですね、旧知の間柄の人たちとやった、高額とは言えないレートでやった、事実を認めて深く反省している、長年勤務。こうした要件は何法のどこに書いてあるんですか。法務省が勝手に作った要件ですか。懲戒制度の何法のどこにこういうことを考えていいというふうに書いてありますか。

#39
○政府参考人(保坂和人君) 処分を行う場合におきまして、懲戒処分とするか、監督上の処分をするかということでそれぞれ権限者がおるわけですけれども、個別の事案ごとに判断をするものだというふうに理解をしております。
 法務省がこの度監督上の処分として訓告とした理由といたしまして、例えば法務省における処分の先例というものも参考にいたしております。
 例えば、法務省における賭博という関係で申し上げますと、法務省の先例では、サッカー、野球賭博事案で複数回にわたって賭博をしてといった例ですとか、それについては減給一か月となっております。野球賭博の事案で三回にわたって賭博をした場合には、合計数十万円の利益を得たということで戒告。他方で、金銭を賭けたマージャン事案で二回にわたって職場でその仲間内でマージャン賭博、マージャン大会を実施して、百点当たり、千点当たり五十円のレートで賭博した者については厳重注意、注意又は不問という事案があったことでございます。
 こういった例も参考にしながら処分を決めたということでございます。

#40
○小西洋之君 今御紹介いただいた先例も踏まえて黒川氏が懲戒処分には該当しないというふうに判断したということなんですけれども、過去、検事長が、しかも検察のナンバーツーである東京高検の検事長が、賭博行為をした先例ってありますか。

#41
○政府参考人(保坂和人君) そのような例は承知をいたしておりません。

#42
○小西洋之君 検事長が賭博行為をやったような先例がないんだったら、こんな一般の検察の職員、法務省の職員が行ったような先例、先例にならないんじゃないんですか。しかも、今おっしゃっていたような野球賭博、戒告、懲戒処分を受けているじゃないですか。
 過去に賭博行為で懲戒処分を受けた法務省、検察庁の職員がいて、かつ検事長が賭博行為を行った先例がないにもかかわらず、なぜ先例を理由に黒川検事長が懲戒処分を受けないで済むのか、その具体的な理由を示してください。

#43
○政府参考人(保坂和人君) 先例は参考としたわけでございますが、先ほど申し上げましたとおり、今回の件、その職責の検討に当たりましては、マージャン、金銭を賭けたマージャンで、旧知の間柄の者で、そのレートも必ずしも高額とは言えない、事実を深く認めている、これまで長年にわたり勤務してきたといった事情を考慮して、さらに、今回まで懲戒処分等を受けたこともなかったという、総合的に考慮した上で今回の処分とさせていただいたということでございます。

#44
○小西洋之君 聞いていないこと答弁して時間稼ぎするのやめてください。よろしいですか。
 じゃ、今、この資料の三ページですか、「懲戒処分の指針について」というのがあるんですけれども、先に政務官じゃなくて法務省の副大臣、義家副大臣、問いの九番ですけれども、これまとめて伺いますけれども、黒川検事長の行為について答弁をいただきたいんですが、先ほど、緊急事態下に賭けマージャンに二度出かけた行為なんですけれども、こうした行為というのは法務省内部、検察内部に大きな影響、また国民、社会に大きな影響を及ぼした行為であると考えるのかどうか、また、こうした行為というのは極めて悪質な行為であり、結果としてですね、極めて重大な行為であるのか、もう簡潔に答えていただけますでしょうか。

#45
○副大臣(義家弘介君) お答えいたします。
 この度の件については、検察の信頼を損なう不適切な行為であり、誠に遺憾でございます。黒川氏については、東京高検のトップとして公私問わず自らを律し、国民から疑念を抱かれないように格別の意を注ぐべき立場であったにもかかわらず、賭けマージャンをしたことにより世間に大きな反響をもたらしております。国民の皆様に大変な御迷惑をお掛けし、おわびを申し上げたいと思います。

#46
○小西洋之君 大きな影響を世間に与えたというふうに今おっしゃっていただきましたけれども、資料の三ページの「懲戒処分の指針」を御覧いただけますでしょうか。この「懲戒処分の指針」は、あくまで懲戒を付すという、付すべきというふうに懲戒権者が考えた際に、どういう種類、かつどういう重さの懲戒をするか、その基準を示したものでございます。
 一般に、賭博をやった、行った人間というのは戒告や停職の懲戒を受けることになるんですが、線引いてある部分ですね、真ん中、標準例に掲げる処分の種類より重いものとすることが考えられる場合として、①非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質で、非違行為の結果が極めて重大である。自分の私利私欲、楽しみたいという目的のために、黒川氏は、緊急事態宣言下の下で、東京高検の検事長の立場にありながら賭け賭博に出かけていったわけですよね。その結果は極めて重大な結果を及ぼしている。②管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき。検察のナンバーツーの立場ですね。三番、公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき。もう今最大級の政治問題、社会問題になっていますですね。検察の信頼は地に落ちているところでございます。④過去に類似の非違行為を行ったことを理由として懲戒処分を受けたことがある、まあ懲戒処分を受けたことはないと言っているんですが。ただ、⑤番ですね、処分の対象となり得る複数の異なる非違行為を行っていたとき。
 義家副大臣に伺いますけど、今私が申し上げた、処分を重くするべき要件、丸五つですね、この黒川検事長は丸五つのうち④以外は全て当たるというふうな理解でよろしいでしょうか。

#47
○副大臣(義家弘介君) まず、賭博の種類、賭博の複雑性、賭場の性格、規模、それから賭け金の多寡、本人の役割、賭博の相手方、営業性等々を総合的に勘案した上で処分というものは決められるものであると思いますけれども、今回は訓告という処分となった次第でございます。

#48
○小西洋之君 今私が申し上げた、この人事院の懲戒処分の指針で、標準例に掲げる処分の種類よりも重いものとすべき要件の五つのうちこの四つ、黒川さんは、黒川検事長は私は当たると考えているんですが、にもかかわらず懲戒処分をしなくていいとした判断は適切だというふうに副大臣はお考えですか。

#49
○副大臣(義家弘介君) 様々な議論の末にそのような処分になったということでございます。

#50
○小西洋之君 では、法務省の政府参考人に聞きますけれども、軽いものとすることができる例も下に二つ要件があるんですね。職員が自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出たとき、非違行為を行うに至った経緯その他情状に特にしんしゃく、斟量すべきものがあると認められるとき。黒川検事長は、この①、②の要件当てはまるでしょうか。

#51
○政府参考人(保坂和人君) 調査の結果、我々が認定したところによりますと、直接これに該当するかはあれとしましても、事実を深く、事実を認めて深く反省しているということを事情として考慮したということでございます。これまでにおきましても多大な貢献をして、長年にわたり勤務してきたことも考慮したということでございます。

#52
○小西洋之君 全く答弁拒否を連続するんですけど、よろしいですか。
 黒川検事長は、自ら自主的に申し出たわけじゃないんですよね、賭けマージャンの行為を。かつ、黒川検事長の行為に情状的にしんしゃく、酌量すべきような余地なんてあるわけないですよね。
 にもかかわらず、法務省に聞きますけれども、懲戒処分にしなくていいと、そういうふうに考えられる合理的な、論理的な根拠って何なんですか。

#53
○政府参考人(保坂和人君) 今、こちらの懲戒処分の指針ということでございますけれども、私どもの理解といたしましては、標準例として、参考として軽いものとすることが考えられる例として挙がっているわけでございまして、こちらに該当しなければ軽くするということが許されないという性質のものではないというふうに理解をしております。
 私どもといたしましては、先ほど申し上げた理由から、行為は誠に不適切であった一方で、レートの問題、そして深く反省して認めていること等を考慮して、今回の処分としたということでございます。

#54
○小西洋之君 標準例なんですから、賭博という行為をやっていれば、そういう事実認定ができれば、懲戒処分にしなきゃいけないというルールなんですよ。しかも、黒川検事長はただの懲戒処分じゃないわけですよ。この懲戒処分として重く罰しなきゃいけない要件五つのうち四つが全部当てはまっているじゃないですか。停職どころじゃないですよ、一番重い処分やったって全然おかしくない、むしろやるべき事案にもかかわらず、わざとやっていないわけでございます。
 官房副長官に伺わせていただきますけれども、黒川検事長の懲戒処分権者は内閣でございます。ですから、内閣が自ら法律で命令されている、授けられている懲戒処分権に基づいて黒川検事長の事案を調査し、懲戒処分に該当するか判断をしなければいけないわけでございますけれども。
 まず、ちょっと事実関係伺わせていただきたいんですけれども、五ページ以降に今回法務省が行った事案の調査結果、あと、また検討結果ですね、訓告、懲戒処分じゃなくて訓告にすべきだという。この法務省の調査結果と検討結果は内閣に、内閣官房含めて内閣には届けられていないという理解でよろしいでしょうか。物としてですね、物理的に。

#55
○内閣官房副長官(岡田直樹君) お答え申し上げます。
 御指摘の文書そのものにつきましては、いずれも法務省から提出、説明は受けておりません。

#56
○小西洋之君 すさまじい今事実が明らかになったんですけど、法務省が調査した事案、それをまとめた文書、また、訓告にすべき、懲戒処分にはしなくていいその検討結果の文書については、提出も説明も内閣及び内閣官房にはされていないんですね。
 ちょっと重ねて伺わせていただきますけれども、ちょっとよろしいですか。
 問いの一番ですね。一般論として、内閣法に基づいて総理大臣及び官房長官は、内閣が国家公務員法の懲戒処分権を有する懲戒処分案件について閣議の請議を行うことができる、また当該案件を閣議に案件として提出することが一般論としてできるんでしょうか。

#57
○内閣官房副長官(岡田直樹君) 内閣法の規定によれば、第四条第二項において、内閣総理大臣は、内閣の重要政策に関する基本的な方針その他の案件を発議することができると定めておりまして、第三項において、内閣官房長官を含め、各大臣は、案件のいかんを問わず、内閣総理大臣に提出して、閣議を求めることができると定めております。総理及び官房長官が閣議にかける案件に制限はないと解しております。
 しかしながら、内閣が任命権を有する者について国家公務員法に基づく懲戒処分を行う場合については、通常、所属府省の長として行政事務を分担管理する国務大臣が処分案の閣議請議を行い、閣議において懲戒処分を決定することとしております。
 そして、先ほどの御指摘の文書そのものについてはいずれも法務省から提出、説明は受けておりませんが、それらの内容につきましては総理や官房長官も適宜報告を受けていたものと承知しております。

#58
○小西洋之君 今いただいた答弁ですけれども、この法務省の調査結果、検討結果のこの内容について総理や官房長官が説明を受けていたというのは、黒川検事長が訓告を受ける前ですか。副長官。

#59
○内閣官房副長官(岡田直樹君) お答え申し上げます。
 総理や官房長官が適宜報告を受けていたものと承知しております。その詳細については、具体的な人事上のプロセスでもございますので、御答弁を差し控えたいと思います。

#60
○小西洋之君 じゃ、よろしいですか。
 今回の黒川検事長は懲戒処分に付すべきではないという判断です、訓告が相当だというふうに内閣として判断しているわけですよね。その判断に当たって、内閣として黒川検事長の事案の調査ですね、事案の調査は行っていないし、また、その事案に関する調査に関する文書は何も内閣としては法務省から提出を受けていないということは参照していない、そういう理解でよろしいですか。

#61
○内閣官房副長官(岡田直樹君) 今般の黒川氏の処分については、法務省、検察庁において、先ほども御答弁ありましたとおり、必要な調査を行った上で訓告が相当であると判断をし、処分を決定したものと承知しております。総理、官房長官も報告を受け、異論はなく、法務省の対応を了承したものと承知いたしております。
 いずれにせよ、内閣が任命権を有する者について国家公務員法に基づく懲戒処分を行う場合については、通常、所属府省の長として行政事務を分担管理する国務大臣が処分案の閣議請議を行い、閣議において懲戒処分を決定することとしておるところであります。

#62
○小西洋之君 通常じゃなくて、今回の黒川検事長は、内閣が任命し、検察のナンバーツーでありながら賭博罪に該当するような行為を行い、しかも勤務延長の閣議決定まで内閣が行っているんですね。そうした人物がそうした違法行為や非違行為を行ったことについて、内閣として、よろしいですか、内閣として自ら事案の調査をしないというような対応の仕方は、国家公務員法上の懲戒処分権者の責務、責任を放棄する行為ではありませんか、内閣として。

#63
○内閣官房副長官(岡田直樹君) 今回、法務省、検察庁において、黒川氏の人事上の処分を決するに当たり、必要な調査を行ったものと承知をいたしております。
 その調査において確認された事実を基にして、法務省が人事院の処分指針を参考としつつ、先例をも考慮した上で黒川氏の処分を決めたものと承知しております。

#64
○小西洋之君 ちょっともうお答えにならないので、法務省、問いの十五番に切り替えますけれども、黒川検事長は、国家公務員倫理法六条で贈与等の報告書、あのハイヤーですね、ハイヤー、私が測ったら、恐らく隅田川沿いのそのマンションから目黒区の黒川検事長の自宅まで、どこのタクシー会社調べても深夜料金五千円を超えるんですね。五千円を超える利益の供与を受けた場合には、国家公務員倫理法に基づいて贈与等の報告書を職場に出さないといけないんですね。全ての公務員はこういうことをやっています。
 黒川検事長は、この間、この贈与等の報告書を法務省、検察庁に提出しているでしょうか。特に本年一月から三月までの報告をしているでしょうか。事実関係を答えてください。

#65
○政府参考人(保坂和人君) お尋ねのハイヤーの使用につきまして、黒川氏から贈与等報告書は提出されてございません。

#66
○小西洋之君 報告がされなかった場合は、これ国家公務員倫理法に基づいて懲戒処分に該当するんですね。法務省、これ懲戒処分に該当する事例じゃないですか。

#67
○政府参考人(保坂和人君) 贈与等報告書を提出すべきではないかという前提でお尋ねでございますけれども、黒川氏が過去に報道関係者のハイヤーに同乗した事実関係につきましては、こちらの調査におきましては、その報道機関の所在の自由を尊重する観点から、報道機関関係者からの聴取は差し控えておりまして、日付を特定する形での同乗の具体的な事実関係を認定するには至らなかったため、贈与等報告書の提出が必要であったとまでは認めなかったということでございます。

#68
○小西洋之君 懲戒処分に該当する事案について、もう一つの事案について調査していないことを確認したということを指摘して、質問を終わります。

#69
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てるように質疑をしたいと思います。
 租税に関する条約につきまして御質問したいと思います。
 先ほど猪口議員からも締結の意義について大臣と御議論がなされていたところでありますけれども、投資関係の発展が見込まれる国と我が国企業が健全な海外展開を支援するためということで、この負担軽減に至るためにも条約が結ばれるわけでありますけれども、条約が結ばれても、規定に従わない課税というものは事実上実態として起こり得る可能性がありまして、もめた場合どうするのかということで仲裁規定が定められておりますが、この導入については各国の差もあるようであります。
 いろんな状況があるようでありますが、この仲裁規定の導入について、我が国の方針、それから今回の六条約の導入状況、考え方につきましてまずお伺いをしたいと思います。

#70
○政府参考人(松浦博司君) お答え申し上げます。
 仲裁手続の導入は、委員からの御指摘もありましたように、相互協議手続の円滑化、実効性の向上による納税者の負担軽減につながるものであります。そういうことから、投資環境の整備、国際的な投資交流の促進に資するものと考えてございます。こういう考え方に基づきまして、政府としましては、租税条約の新規締結、改正交渉の中で積極的に取り上げていくという方針にしてございます。
 今回、国会に提出してございます六条約についても、仲裁規定を導入すべく交渉してきたところでございます。その結果、このうちの二本、日・ウルグアイ租税条約及び日・ジャマイカ租税条約につきましては、両国が仲裁手続を導入することが可能な状況にあったことから、方針どおり導入することで合意いたしました。
 他方、仲裁手続は、これを導入するためには、国内法上の制約、それから執行当局のリソース不足、国内、相互協議手続自体の経験不足といった問題を克服する必要がございますけれども、克服することができないために導入が困難とする国があることもまた事実でございます。アルゼンチン、ペルー、ウズベキスタン及びモロッコにつきましても、国内事情からその導入に反対の立場でございました。したがって、交渉時点におきまして、仲裁規定の導入に合意できる可能性はないと判断されたものでございます。
 政府としましては、さきにも申し上げましたが、相互協議手続の円滑化、実効性の向上を図るため、租税条約の新規締結、改正交渉の際には仲裁手続を導入できるよう今後も求めてまいりたいと所存しております。

#71
○秋野公造君 安心感につながると思いますので、どうぞ引き続きお願いをしたいと思います。
 次に、恒久的施設に帰属する利得の算定方法ということでOECD承認アプローチが定められるということ、これは非常に重要と思います。すなわち、国外の所得を免除する、外国税額の控除ということで排除をするということだろうと思いますけれども、この外国税法、各国の税法や租税条約の解釈、こういったものが異なってきますと、やはりまた二重課税というのは実態として起こり得るのではないかということを懸念するわけであります。
 このOECD承認アプローチの導入について、これもやっぱりいろいろ差があるようであります。我が国の方針、それから六条約の導入状況、考え方につきましてお伺いしたいと思います。

#72
○政府参考人(松浦博司君) お答え申し上げます。
 OECD承認アプローチは、ただいま委員から御紹介ありましたとおり、恒久施設に帰属する利得の算出、算定方法をより明確にするということでございます。
 これを通じて二重課税のリスクを小さくするのみならず、二重非課税のリスクも小さくするということでございまして、その双方の意味において大きなメリットがあるものですから、政府といたしましては、新規の締結あるいは改正の際には、このOECD承認アプローチに基づいた規定を導入することを目指してございます。
 今回の六条約についても、OECD承認アプローチを導入すべく交渉をしましたが、その結果としまして、日・ウルグアイ租税条約、日・ウズベキスタン租税条約、この二本につきましてOECD承認アプローチを導入することで合意しました。これは、ウルグアイ、ウズベキスタンの両国がこのOECD承認アプローチを導入することが可能な状況にあったことに基づくものでございます。
 他方でございますけれども、このOECD承認アプローチといいますのは、本店と支店の間で行われた内部取引についても、あたかも本店と支店が独立した企業同士でなされたものとみなして、支店に発生した利子、使用料等の利得、これを厳密に支店に帰属させるということでございますので、これをするためには、国内の会社法、会計法等におきまして本店と支店の間の内部取引を厳格に認識するという法体系になっている必要がございます。
 このような精緻な国内法とその執行を、政府、企業双方で可能にするような高度な執行能力が備わっている必要がございまして、各国の事情によりましては導入が困難となる場合もございます。
 アルゼンチン、ペルー、ジャマイカ、モロッコの四か国につきましては、それぞれの国内状況から導入に反対との立場でございましたので、交渉の時点でこの導入に合意できる可能性がないと判断されたものでございます。したがって、この四条約については、OECD承認アプローチは残念ながら導入されてございません。
 今後とも、二重課税、二重非課税のリスクをより小さくするという観点から、政府としましては、条約の新規締結、改正交渉の際には、このOECD承認アプローチを導入することができますよう努めてまいります。

#73
○秋野公造君 引き続きよろしくお願いをしたいと思います。
 似たような観点で、デジタル課税についてお伺いをしたいと思います。
 IT企業が恒久施設を持ちませんので課税の根拠がない場合、消費国に税収が入らないといったような問題があります。すなわち、多国籍企業の本拠地等の問題が解決するかということでありますけれども、なかなかこの市場国に課税権を分配するかとかいったようなアプローチなどが求められてくることになるのかと思いますが、この我が国の考え方についてお伺いをしたいと思います。
 これ、合意が得られなければ、各国、ある意味で勝手に課税が進んでいるような状態であります。独自の課税について日本も検討すべきではないかということも思うわけでありますけれども、御見解お伺いしたいと思います。

#74
○政府参考人(安居孝啓君) お答えいたします。
 経済のデジタル化に伴う課税上の対応に関してでございますけれども、日本が議長国を務めました昨年六月のG20で承認されました作業計画に従いまして、二〇二〇年末の最終合意に向けてOECDを中心に国際的な議論が進められているところでございます。
 具体的な中身をちょっと申し上げますと、今委員より御指摘がございましたとおり、多国籍のデジタル企業などが物理的な拠点ないしは恒久的な施設なしに活動する市場国に対しましても新たな課税権を配分するように国際課税原則を見直しをしてはどうかということと、もう一つが、いわゆるタックスヘイブンなどの軽課税国への利益移転に対しまして、最低税率による課税を実質的に確保するルールを導入してはどうかという二つの柱から成る解決策が今検討されているところでございます。
 こうした中、今議員から御指摘ございましたとおり、フランスなどの一部の国におきましては、大手のデジタル企業のオンライン広告等の売上げに対する独自の課税措置というものを導入するなどの動きが見られるところでございます。
 こうした措置につきましては、企業への過重な課税になるとか、ないしは利用者への転嫁などが懸念されるところでございまして、我々といたしましては、グローバルな解決策が実現するまでの暫定的な措置という位置付けだというふうに承知しているところでございます。
 こうした点も踏まえますと、我が国といたしましては、国際的な合意に基づくグローバルな解決策によって多国籍のデジタル企業等に対する公正で効率的な課税制度を確立するということが最も適切であると考えておりまして、まずは二〇二〇年末までの合意に向けて国際的議論に積極的に貢献してまいりたいというふうに考えております。

#75
○秋野公造君 よろしくお願いしたいと思います。
 日本・アルゼンチン租税条約についてお伺いをします。
 使用料について、ニュースに三%の限度税率が設定されているようでありまして、ほかの租税条約では余り見られないようであります。この特にニュースについて限度税率を設けた理由についてお伺いしたいと思います。

#76
○政府参考人(吉田朋之君) アルゼンチンとの租税条約の使用料に関する第十二条に、ニュースの規定、異なる限度税率を設けた理由についてお尋ねをいただきました。
 まず、日本におきましては、報道に係る記事とか番組といったニュース、これは著作権法上、第十条第一項の言語の著作物に該当いたします。したがいまして、その使用の対価なるものは著作権の使用料に当たると整理しております。このため、ニュースなるものは租税条約上の規定におきましても著作物に該当しますので、著作権の使用料として取り扱うことが通例でございます。
 これに対しまして、アルゼンチンにおきましては、国内法におきましてニュースが著作物に含まれないということでございましたので、この条約上もニュースが、ニュースに対する使用の対価が当然に使用料になるというわけではございません。この使用料を含めるためには特段の定めを置く必要がございまして、そういった事情を踏まえまして交渉の結果、個別にニュースという規定を置くことにしたものでございます。
 日本といたしましては、限度税率を可能な限り低くすることを目指して交渉に臨んでおります。アルゼンチンとほかの国が締結した条約例におきまして、ニュースの使用の対価につきましては他の使用料と比較して軽減された税率が導入されているというものが見られましたので、交渉の結果、この条約におきましてもほかの使用料よりも低い税率の三%ということを規定することにいたしたものでございます。

#77
○秋野公造君 様々な背景でこういった租税条約に至ったことに、外務省の皆さんの御努力に敬意を表したいと思います。
 その一つとして、私、今日、資料を配らせていただきました。ウズベキスタンとの背景についてお伺いをしたいと思います。
 資料は、私たちの先輩であります中山恭子先生が大使を務めておられたときの取組なども含まれておりますし、先ほど羽田理事からも過去の取組などについてもお話をお伺いさせていただいたところであり、私が紹介するのもちょっと僣越ではありますが、一ページ目には、過去の日本人抑留者の方々がウズベキスタンのナボイ・オペラ・バレエ劇場を建築をしたということ、そして数百名の日本国民がこの完成に貢献したという銘板が記されているということが一ページ目に記されています。
 二ページ目には、ベカバードでの水力発電所、これも先ほどのバレエ劇場と同じく災害があってもびくともしなかったということで、役割を果たし続けた事実について書き込まれておりまして、三ページ目、御覧をいただきますと、日本人、当時の日本人に対する高い評価、きちょうめんで自分の仕事をとても大切にする、時間が来ても仕事が終わらなければ続ける、うまくいかないときには工夫してやり遂げる、誰かが病気になるとみんなで助け合う、日本人が作るものは全ていいものだった、いい人たちだった、大切な友達だったと、こういったウズベキスタンの皆さんの高い評価について記されております。
 四ページ目には、私たちは海外で眠る御遺骨を一日も早く収容して我が国に帰還をさせるという取組を行ってきたわけでありますが、このウズベキスタンにおいては別のアプローチも取られている。すなわち、この御遺骨を、眠る墓地の整備に踏み切った背景について四ページ目に書かれておりまして、特に、父はここで眠るのが一番幸せだと思いましたといったような記載は、私たちの、私の心も非常に刺すものでありました。
 五ページ目には、このウズベキスタン、日本で集めた二千万の浄財で日本人の墓地を整備しようとしたところ、ウズベキスタン政府としてそれを受け取ることなく、住民の人たちも集まってくれて、手厚く葬ってくれたといった、そういう背景もあり、そこには、日本に帰って桜を見よう、そんな思いに応えるように桜が植えられているといったような事実も書かれているわけであります。
 この先人の努力で今のウズベキスタンとの友好があるのならば、日本国民として宣揚してくれているならば、この事実を国民に広く共有して、法律はありますけれども、遺骨を収容する法律ありますけれども、今後この取組についてはウズベキスタンとの友好という観点から行うことが重要ではないかと思われますが、これ外務大臣にお伺いをしたいと思います。

#78
○国務大臣(茂木敏充君) 秋野委員から提出をしていただいた資料の桜、本当にきれいだなと思います。当時の抑留者の方々、もしこの桜を眺めていたらどんな思いだったんだろうと、こういう思いを持つところでありますが。
 第二次世界大戦後、ソ連に抑留された日本人のうち約二万五千名が現在のウズベキスタンの地に移送されまして、労働に従事をしまして、八百十二名の方がお亡くなりになっています。抑留者の方々が受けた大変な苦難に改めて思いをはせ、はるか遠くの地で亡くなられた方々に心から哀悼の意を表したいと思います。
 首都タシケントのナボイ劇場の建設には日本人抑留者約五百名が従事したわけでありますが、そのナボイ劇場は、一九六六年の大地震で、タシケント、ほかの建物が軒並み崩壊をする中で、その堂々たる姿を保ち、日本人の仕事の確かさ、丁寧さ、こういったものが称賛をされたわけでありまして、劇場の外壁にはウズベキスタン側の手によって記念のプレートが設置をされております。
 また、御指摘のとおり、ウズベキスタンでは抑留中に亡くなった日本人の墓地が丁寧に管理をされておりまして、私も経済産業大臣時代、二〇一四年に同国を訪問した際、当時のカリーモフ大統領に感謝を申し上げたところであります。
 このような両国民間の心のつながりが今日の極めて良好な二国間関係の礎となっていることを外務省としても誇りに思っております。
 昨年十二月に、ミルジヨーエフ大統領訪日時の首脳会談では、そのような両国民の気持ちを踏まえた御遺骨に関する実務的な協議を行うことで一致をいたしました。これを受けて、厚生労働省とウズベキスタン側との間で現地調査の実施に向けた協議が開始をされたところであります。
 抑留者の方々の御遺族のお気持ち、尊重するとともに、日本人抑留者を丁寧に埋葬し、墓地を管理してくれているウズベキスタンの人々の気持ちも大切にしつつ、ウズベク側との協議、真摯に進めていきたいと考えております。
 なお、先ほどデジタル課税について議論があったところでありますが、多国籍企業、マルチナショナルコーポレーション、これ一九七〇年代の後半ぐらいから注目された概念でありますが、これ、どちらかといいますと、いろんな国に拠点を持って活動する大きな企業、世界的な企業でありますが、現在このデジタル課税で問題になっていますのは、巨大なプラットフォーマーであったりとかEコマースの会社であったりとか、デジタル空間を主な活動拠点として消費国には拠点を持たない企業ということで、若干多国籍企業とは違った新しいタイプの企業についてどうやるか、どう対応するかという観点の議論が必要なんだと思います。

#79
○秋野公造君 ありがとうございます。
 ちょっと順番を変えて、最後、稲津副大臣にお伺いしたいと思います。
 私は沖縄で遺骨収容のお手伝いを続けています。夏の作業はやっぱり大変厳しくて、脱水状態になってふらふらするわけでありますけれども、沖縄の皆様が凄惨な日々を送ったその気持ちを少しでも共有しようと遺骨収容のお手伝いを続けています。今でも、ウズベキスタンでは今丁重に弔われているお話を申し上げましたけれども、沖縄では遺骨収容が続いています。
 一刻も早い御遺骨を返還したい、そういう思いから、厚労省においてはDNA鑑定も認めてくださり、対象もどんどん広げてくださり、沖縄の皆さんに寄り添う、そういう対応をしてくれました。そして、七百柱を超える沖縄で仮安置されている御遺骨のDNA鑑定を決めてくださったのが稲津副大臣でありまして、沖縄の皆さん大変喜んだわけでありますが、沖縄の皆さんの疑問、それは、どうして、海外の御遺骨は一日も早く帰ってきていただかないといけないけど、沖縄は国内でありまして、どうして東京でDNA鑑定まで行わなくてはならないのかという疑問であります。専門家も御遺骨収容に関与しておりまして、沖縄で遺骨収容を完結させる仕組みというのは可能だと考えます。
 その意味で、沖縄の皆さんがより関われる形で遺骨収容のDNA鑑定を行っていただきたいと願いますが、稲津副大臣、最後に御答弁をお願いします。

#80
○副大臣(稲津久君) お答えさせていただきます。
 沖縄での戦没者遺骨収集事業につきましては、沖縄で遺骨収集に携わっていただいている方々の御意見も伺いながら、それらの方々の思いに応えられるよう事業を進めていくことが重要であると、このように考えております。
 沖縄で収容された戦没者遺骨のDNA鑑定につきましては、地域の実情を踏まえて沖縄で完結できるようにすべき、こうした御指摘もいただいておりまして、遺骨からの検体採取だけではなくてDNAの抽出、分析作業において沖縄で行うことが考えられ、沖縄において戦没者遺骨のDNA鑑定を行うことが可能な大学があるかなど情報収集に努めていきますとともに、実際にこの沖縄の遺骨収集に携わっておられる専門家の方々と連携しながら、どのような関与の仕方があるかなど検討してまいりたいと考えております。

#81
○秋野公造君 解析まで行っていただくということでありました。喜ばれると思います。
 ありがとうございました。終わります。

#82
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
 まず、議題となっております租税条約に関して質問をいたします。
 先回の投資促進協定の質疑時に鈴木宗男委員から質問がありましたけれども、本租税協定においても確認しておきたいと思います。すなわち、モロッコ王国との間の条約第三条、一般的定義(b)、モロッコとは、モロッコ王国をいい、地理的意味で用いる場合には、モロッコ王国の領域並びにモロッコ王国の領水の外側に位置する海域であって、海洋法に関する国際連合条約に従い、モロッコ王国の法令により、海底及びその下並びに天然資源に関するモロッコ王国の権利を行使することのできる区域として指定されたもの又は将来において指定され得るものをいうとあります。
 ところで、このモロッコ王国の領域に西サハラは含まれないという認識でよろしいでしょうか。

#83
○政府参考人(高橋克彦君) お答えいたします。
 今委員御紹介いただきました条約第三条1(b)に規定する領域には西サハラは含まれないという理解でございます。

#84
○浅田均君 モロッコの領域に西サハラは含まれないということでございます。
 それでは、モロッコ王国の領水の外側に位置する海域とありますけれども、これも西サハラは含まれないという認識でよろしいでしょうか。

#85
○政府参考人(高橋克彦君) はい。同様に、西サハラの領水の外側に位置する海域は含まれないという理解でございます。

#86
○浅田均君 ありがとうございます。
 それでお伺いしたいのは、この辺り、エジプトからリビア、あるいはチュニジア、アルジェリア、モロッコ辺りは割と新聞なんかでも報道されるんですけれども、その先ですよね、は余り情報が日本にとってはないと思っております。アルジェリアとモロッコの関係、あるいはモーリタニアとモロッコの関係等、地域情勢が非常に複雑であるというふうに承知しております。
 そこで質問ですが、日本政府、我が国は、今後この西サハラ問題にどういうふうに取り組んでいくのか、その基本的な姿勢を外務大臣にお尋ねします。

#87
○国務大臣(茂木敏充君) 確かに、アフリカ大陸を見ますと、エジプト、そしてアルジェリア、さらにはチュニジア、モロッコと、アラビア語ではマグレブ、いわゆる日が沈む地域というわけでありますが、その地域についてはある程度の知見はあっても、その先の情報、なかなか一般の方は持っていないという部分もあるんだと思っております。
 西サハラについては、一九九一年に停戦が成立をしておりますが、我が国はいわゆるサハラ・アラブ民主共和国を承認しておりません。西サハラ問題は、国連の枠組みの下、当事者間の協議により平和裏に解決されることが重要との立場でありまして、一九九一年に活動を開始しましたMINURSO、国連西サハラ住民投票監視団を含め、国連による仲介努力を支持をしているところであります。日本政府としては、こういった立場に基づき適切に対応してまいりたいと考えております。

#88
○浅田均君 適切に対応ですね。
 繰り返しになりますけど、何かこの辺りって本当に情報がないというか、例えばラマダン明けに百人以上が首を切って殺されたとか、ヨーロッパとか欧米の新聞ではもう大ニュースになるんですけど、日本ではほとんど報道されないと、そういうふうな地域でございますので、そういう地域の情勢についても外務省におかれましては日本の国民の皆さんに丁寧に説明していただくということが必要だと思いますので、改めてお願いしておきます。
 それで、アフリカからちょっと日本に近い香港の問題についてお尋ねしたいと思います。
 香港情勢がまた緊迫してきております。政府は、香港は我が国にとって緊密な経済関係と人的交流を有する極めて重要なパートナーであり、一国二制度の下で自由で開かれた香港が安定的に繁栄していくことが重要だと述べておられます。
 確かに、一九九七年七月にイギリスから返還された香港に対し、中国は外交、防衛を除く分野で高度の自治を五十年間維持することを約束しているわけですから、中国が国家安全法を香港に導入することは一国二制度に反すると思います。
 これに対し欧米は強く反発しております。アメリカのロバート・オブライエン国家安全保障担当の大統領補佐官は、中国が香港に国家安全法制度を適用することは大きな過ちであるというふうに述べております。
 こういうふうに欧米が物すごく強く反発しておりますけれども、日本は静観しているというふうに見えるんですけど、どういうふうに対応されるんですか。

#89
○政府参考人(田村政美君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の審議をめぐる状況や香港における抗議活動をめぐる動向を強く懸念しているところでございます。今回の情勢を注視しており、関係国の動向を含め情報収集を引き続きしっかりと行い、適切に対応してまいります。
 香港は、我が国にとって緊密な経済関係及び人的交流を有する極めて重要なパートナーであり、一国二制度の下、従来の自由で開かれた体制が維持され、民主的、安定的に発展していくことが極めて重要であると考えております。中国側の賢明な対応を期待しております。

#90
○国務大臣(茂木敏充君) 今政府参考人の方からも答弁ありましたが、自由で開かれた香港が安定的に繁栄していくことが重要だと、これが日本の立場でありまして、今の中国の動き、恐らくこれから見ると相当な懸念があるなと思っておりまして、決して状況を注視するだけではなくて、日本としてもしっかりと中国とやり取りをしなきゃならない問題だと、このように考えております。

#91
○浅田均君 自民党の先生方のところにもそういう案内が来ているかと思いますけれども、イギリスとかアメリカのこれという議員さんがこれに抗議をするため立ち上がろうと、そういう運動をされておりますので、私どももそこに参加して、できる限りの今の自由香港を守るための活動に協力していきたいと思っておりますので、適切なって、何が適切なのかちょっとよう分からぬのですけどね、適切な対応をよろしくお願いします。自己矛盾ですかね、これ。
 その適切な対応の中で、もう一個重要なイベントを日本政府においては控えておるわけでございます。それは、桜の花の咲く頃来日が予定されておりました習近平国家主席の来日のスケジュールであります。
 こういうコロナの問題があります。他方、香港の問題もあります。こういう大きな問題をいろいろ抱えて習近平国家主席の来日リスケジュールがなされていると思うんですけれども、その調整状況はどうなっているのかお聞かせください。

#92
○政府参考人(田村政美君) お答えいたします。
 習主席の国賓訪日につきましては、関連の状況全体を見ながら日中間で意思疎通を続けていくということになっております。

#93
○浅田均君 意思疎通を続けていくいうたら、あんたはもう話せえへんでっていうのではないというだけで、調整状況を答えたことにはならないんですよ。調整状況どうなっていますかとお尋ねしているんですから、その質問に対するお答えをお願いします。

#94
○政府参考人(田村政美君) お答えいたします。
 習主席の国賓訪日の時期をめぐっては、現時点で見通しがあるわけではございません。
 その上ででございますが、先ほど申し上げましたとおり、関連の全体状況を見ながら意思疎通を続けていくことになります。

#95
○浅田均君 大使を引き戻すとか、大使館閉めてまうとか、大使館があって大使を置いている限り意思疎通があるということの表明しているわけですから、そんな当たり前のこと、別に言ってもらう必要はないんです。どない調整してはるんですかいうて聞いているんです。

#96
○国務大臣(茂木敏充君) 浅田委員御案内のとおり、今様々な国際的な会合であったりとか会談というのがコロナの影響によりまして中止であったりとか延期になっているわけでありまして、そういった意味で、本年予定されておりました習主席の国賓としての訪日と、これについては延期になったわけであります。
 まずはコロナを終息させると、このことが何よりも重要だと考えておりまして、その上で日本と中国と、日中の新たなパートナーの時代を築いていくためには首脳間の往来というのは極めて重要であり、そこの中で懸案事項を一つ一つしっかりと解決していくと、こういう努力が必要だと思っておりまして、しかるべきタイミングで中国と調整を始めたいと思います。

#97
○浅田均君 もう一言。茂木大臣は、だから例えば王毅さんとテレビ会議とかいろいろなさっていますけれども、そういうところでこういうのは、もちろんアジェンダというのかイシューとしては扱われているという理解でいいんですよね。

#98
○国務大臣(茂木敏充君) 王毅外相とは、今回のコロナが発生した後も何回か電話会談等々行っておりまして、胸襟を開いて様々な課題であったりとか今後の問題について話合いをさせていただいております。

#99
○浅田均君 コロナ終息がまず大前提であると。これ、例えば、終息という、何をもって終息と言うか、ちょっと理解、いろいろあると思うんですけれどもね。ワクチンができました、特効薬ができました、集団的な感染も生じていない、だから一応終息したものとみなすというのに例えば一年以上掛かってしまって、その一年以上、一年半以上延期になるというのは、今までにそういう例はないと思うんですけれども、その点いかがですか。

#100
○国務大臣(茂木敏充君) 今回のコロナウイルス感染症の世界的な広がりと、これも今までに前例がないような、スペイン風邪もここまでだったかという形のものでありまして、それが今後どうなっていくかと、なかなか専門家であっても見通しは難しいんだと思っております。
 流行の拡大というものがある程度収まっていくと。最近K値という値、よく使われるわけでありますけれど、京都大学のあの先生、中野先生が使っている値でありますが、そういったものを見たりとか、それから、決定的にやっぱり治療薬、ワクチン、これが開発されるというのは局面を展開するということにはつながっていくんだろうと思っておりますが、科学的、専門的に終息の在り方というのは見ていくんだと思います。
 そしてまた、そういったものと、ある意味再発というか再流行と、これをコントロールというか、抑えつつ、通常の経済活動や外交活動、どう始めることができるかというのを考えていく必要があると、そのように思っております。

#101
○浅田均君 昨日の会見なんか見ていますと、西村大臣なんて、ウイルスはどこに潜んでいるか分からない、だから第二波、第三波は来るとかいうことをおっしゃっているんですけど、これ、潜んでいるわけがないですよね、人が媒介するわけですよね、人の中にどこかひっついておるわけですよね。
 まあ余計な話をしましたけれども、WHOとの関係についてお尋ねしたいと思います。
 今大臣の方から非常に重要な御指摘がありましたけれども、コロナ終息ということを考えたときに、このWHOとの関係というのをまた見直すべきかなという思いもしております。
 アメリカがWHOへの資金拠出を当面の間停止すると表明したと報じられておりますけれども、テドロスさん始めWHOに関しては毀誉褒貶相半ばするという印象がありますけれども、我が国は今回の新型コロナ感染症、COVID―19に関するWHOの対応をどういうふうに評価されておられるんでしょうか。

#102
○国務大臣(茂木敏充君) 今回のような世界的に甚大な影響を与える感染症に対しては、国際社会が一致して対応すべきだ、これが基本でありますが、そこの中でWHOに関しては、初動対応がどうだったかとか中立性の問題とか、米国の意見を含めいろんな見方がありまして、専門的知見を有するWHOが適切に機能することが重要であると考えております。
 その上で、WHOにつきましては、今後の同様の事態に備えるためにも、この事態が終息した後、速やかに公平で独立した包括的な検証を行うべきだと思っております。また、それがWHOに対する国際社会の信認を高めることにもつながると考えております。

#103
○浅田均君 それで、次の質問につながるんですけど、WHOが適切に機能しているか公平な見地から検証を行うということでありますが、それの、その主体はどういうものである、検証主体ですね、今のWHOのファンクションが適切であるかどうかというのを検証する、どういう主体をもって検証をするんでしょうか。

#104
○国務大臣(茂木敏充君) まだ検証の在り方とかどこが主体だということは決まっておりませんけれど、先ほどの意味で申し上げたように、三つの条件といいますか、これは国際社会でもある程度一致をしていると思うんですが、公平で独立した包括的な検証が行われるべきだということでありまして、WHOの内部だけでやるとか特定の何か関係国でやるというものではなくて、独立性が担保をされるということが極めて重要だと思っております。

#105
○浅田均君 私もそのとおりだと思います。それは進めていただきたいと思いますけれども、そういう独立性を担保した検証を実現するために、日本政府はどういうふうな働きかけをこれからされますか。

#106
○政府参考人(塚田玉樹君) お答えします。
 まず、我が国は、先般のWHO総会におきまして、今後の同様な事態を未然に防止できるように、WHOの対応等につきまして検証の必要性を明記した決議に共同提案国として加わっております。まずは、この決議を踏まえて、国際社会によるWHO検証の作業に積極的に関わっていく考えでございます。
 さらに、日本としましては、各国との、あるいは国際機関、複数の保健関連の国際機関との連携を今以上に高めていくことを呼びかけていきたいというふうに思っておりますし、またG7やG20といった主要国がコアとなって議題設定あるいは世論形成をしていくということが重要だというふうに考えております。
 こういう形で国際機関あるいは関係国と協調しながら本件を進めていきたいというふうに考えております。

#107
○浅田均君 それでは、これ最後の質問ですが、水際対策ですね、第二波防止のための水際対策に関してもう既に議論があったんですが、これ全世界を対象とする検疫措置を六月末まで延長するという紙を昨日いただいております。今後、経済活動、社会活動をどういうふうにして再開していくかが一番の課題となります。これはもう国内においても対海外においても同じだと思います。
 ワクチン、特効薬が承認されるまで、検疫措置を含む渡航制限、入国制限をどのようにして緩和されていくのか、基本的な考え方を教えてください。

#108
○国務大臣(茂木敏充君) 今とっております水際措置、五月の末までということでありましたが、それを六月の末まで延長するということを昨日決めさせていただいた次第であります。
 その上で、今後、例えば感染症の危険情報、今レベル三の国が百十一か国・地域になるわけでありますが、これの引下げであったり、また、人の往来の再開のためには、まず日本での感染拡大の終息が必要だと考えておりまして、同時に海外の感染状況や主要国の対応をもう少ししっかりと見極める必要があると思っております。その上で、渡航が安全か否か、どこまで人の往来を再開できるかについて、相手国における感染状況等、様々な情報を総合的に勘案して、どのようなアプローチが適切か検討していきたいと思います。
 今後、出入国規制、仮に緩和をするという場合でも、段階を分けて、例えば第一段階としては、まずビジネス上どうしても必要な人材であったりとか専門家、こういった必要不可欠な人材から始めて、その後、例えば留学生、そして、ある程度先になると思いますが、最終的には観光客も含みます一般に広げるということになっていくんではないかなと思います。国についても、終息しつつある国のグループから順次実施をしていく形になると考えておりますが、できれば相手国との間で相互に緩和ができればより望ましいと思っております。
 いずれにせよ、もう少し状況を見た上で判断をしていきたいと思っておりますが、今申し上げたように、人の往来の再開、これは分野と国のマトリックスと、これで考えていくことになると思います。

#109
○浅田均君 ありがとうございました。終わります。

#110
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 六つの租税条約については討論で述べます。
 新型コロナの世界的感染の中で、国際協力と国際的課税の問題について質問いたします。
 先週のWHOの年次総会、先ほどありました、コロナ対策での国際的協力を呼びかけた決議が全会一致で採択をされました。一方、米国第一主義を掲げるトランプ大統領は参加せずに、WHOと中国を非難した書簡を公開し、脱退も辞さないという姿勢を示しております。他方、中国は、国際社会から疑義が出されている初動での情報隠しやWHOへの圧力などの問題に総会の場でも答えなかったと。こういう中で、この米中の対立が国際協力の障害になっております。
 かつてアメリカとソ連が軍拡競争をしていた時期でも、天然痘の根絶やポリオの生ワクチンの実用化では両国は協力をいたしました。エボラ出血熱の際にも国際社会は力を合わせたと。コロナでまだ協調した対応がないということは大問題だと思います。
 WHOの対応が適切だったかと、この検証は必要です。同時に、この公衆衛生を担う唯一の国際機関の活動を弱めるということは誰も望んでいないと思うんですね。我が党は、二十一日、志位委員長が「パンデミックの収束へ国際社会の連帯と協力を」という声明を発表いたしまして、政府に対しても、国内対策に全力を挙げつつ国際社会の連帯と協力のための外交イニシアチブを発揮するよう求めたところであります。同じ日にちょうど予算委員会の参考人質疑がありまして、専門家会議副座長の尾身参考人も、政治的な利害はおいて、ヘルスのためにみんなが団結すると、日本はそのためにリーダーシップをお願いしたいと述べられました。
 外務大臣、お聞きしますけれども、今の国際協力の現状の認識及びその推進のための外交イニシアチブをどう発揮をしていくのか、お答えいただきたいと思います。

#111
○国務大臣(茂木敏充君) 今回のような世界的に甚大な影響を与える感染症に対しては、国際社会が一致して対抗すべきと、これが基本的な考え方でありまして、我が国は先日のWHO総会において、公衆衛生上必須なサービスを絶え間なく安全に供給する保健システムの維持等を明記しました決議に共同提案国として加わっております。
 コロナ対応に当たっては、とかく米中の対立、取り沙汰されるところでありますが、本決議に関して申し上げますと米国も中国もコンセンサスに加わっておりまして、その内容は国際社会が一致して進められるものだと考えております。そして、この決議の中には、公平で独立した包括的な検証を行うという内容が盛り込まれておりまして、我が国は、同決議を踏まえて、今後開始されるであろう国際社会によるWHOの検証の作業に積極的に関わっていく考えであります。そして、そういった検証がしっかりと行われることによって、本来重要な役割を発揮すべきWHOに対する国際社会の信認というものも高まっていくんだと考えております。
 日本としては、引き続き、一日も早い事態の鎮静化に向けて、WHOを始めとする国際機関であったりとか関係国と協調しながら、新型コロナウイルス感染症への対応をしっかりと進めていきたいと思います。

#112
○井上哲士君 国際協力なしにパンデミックの克服もありませんし、経済の立て直しもできないわけで、一層のあらゆる機会を通じての努力を求めたいと思います。
 そこで、この感染症対策を世界で進める資金をどう確保していくのかという問題です。
 昨年の質疑の際も、このデジタル課税と国際連帯税について質問いたしました。コロナのパンデミックの中で一層重要だと思うんですね。国際連帯税は、SDGsの目標達成のために年間約二・五兆ドルの資金が不足をするという中で、革新的資金調達として議論をされてまいりました。SDGsの十七の分野別目標の一つがあらゆる分野の保健、福祉でありまして、その中で感染症対策とか新興国の支援、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成などが掲げられておりまして、私は、コロナ対策のためにもSDGsの推進が求められているし、その資金のためにも必要だと。日本も今回途上国支援の予算を組んでおりますし、各国が資金支援強化をすることは必要でありますが、国際連帯による資金調達を考えることが必要だと思うんですね。
 昨年の質疑の際には、国際連帯税を含む革新的な資金調達に関する有識者会議を立ち上げるという答弁でありました。外務省は二〇一〇年以来、税制改正要望として国際連帯税の新設を提出してきたわけでありますが、まだ実現に至っておりません。一方、コロナのパンデミックの下で、この国際連帯税が、日本の税制としても国際的な課税ルールとしても一層意義を増していると思います。
 有識者会議、提言をまとめるとのことでありますけれども、どういう議論が焦点になってきたのか、どういう提言になっていくのか、それを踏まえてこの国際連帯税実現のために政府としてどう取り組むのか、いかがでしょうか。

#113
○国務大臣(茂木敏充君) 昨年九月の国連総会の議論、私も参加をいたしましたが、SDGsの達成のためには、革新的資金調達により年間二・五兆ドルと言われる資金ギャップを埋めていく必要があるわけであります。
 外務省では、既にお話ししたように、SDGsの達成のための新たな資金を考える有識者懇談会を立ち上げ、御指摘いただきました国際連帯税、インパクト投資、ブレンデッドファイナンス等を含みます革新的資金調達の様々な方法を専門家の方々に御議論いただいているところであります。
 国際連帯税につきまして、外務省は平成二十二年度以降、税制改正要望を提出しておりますが、革新的資金調達の手段として何が望ましいかについては、今後提出される予定の有識者懇談会の提言も踏まえて、よく検討してまいりたいと考えております。

#114
○井上哲士君 是非、国際社会にも訴えて、実現の促進を求めたいと思います。
 さらに、コロナ対策の資金確保でも、そしてコロナ後の社会を考えても重要なのが、先ほども議論ありましたデジタル課税の問題です。PEがなければ課税なしという従来のルールは、このデジタル、IT企業の広がりの中で合わなくなってきたということで、見直し議論が行われております。
 一方、このコロナ禍で巣ごもりとかそれから在宅勤務が増える中で、GAFAなどの米巨大IT企業の勢いが増しております。アマゾンは一―三月期に売上高二六%増、グーグルのビデオ会議サービスのミートの利用者は一月と比べ四月末で三十倍、ズームは三月は一日の会議参加者は約三億人で、昨年十二月の三十倍に拡大をしたと言われております。
 一方、アメリカのシンクタンクのIPSによりますと、三月十八から四月十日に米国内で二千二百万人が職を失う一方で、資産十億ドル以上の億万長者の資産合計は二千八百二十億ドル、約三十兆円増えたと。特にこのアマゾンのベゾスCEOの資産は、四月十五日時点、一月一日に比べて二百五十億ドル、約二兆六千八百億円増えたと、近代史上未曽有の増加だという指摘をされております。
 そうした中、フランスのルメール経済・財務相は四日に、欧州における大手IT企業への課税が、新型コロナウイルスの危機を受け、これまで以上に必要になっているという発言もされております。
 コロナ対策、長期化をする中で、その資金確保といっても、そして今後のコロナ後の社会を考えても、私、デジタル課税が非常に重要になってきていると思いますが、その点でのまず財務省の認識をお聞きしたいと思います。

#115
○政府参考人(安居孝啓君) お答えいたします。
 今委員から御指摘がございましたとおり、今般の新型コロナウイルスの感染拡大の防止策といたしまして、外出自粛等の対応が取られていることなどによりまして、経済のデジタル化が一層進展するという見方がございます。
 こうした中、本年四月にオンラインで開催されましたG20の財務大臣・中央銀行総裁会議におきましても、経済のデジタル化に伴う課税上の対応につきまして、引き続き重要なグローバルな課題として取組を進めるということが再確認されていると承知しております。
 我が国といたしましても、経済のデジタル化に伴う課税上の対応は重要な課題だというふうに考えておりまして、グローバルな解決策の合意に向けて積極的に国際的な議論に貢献してまいりたいというふうに考えております。

#116
○井上哲士君 このデジタル課税については昨年も質問いたしました。当時、OECDで、このPEの有無に関係なく市場国に課税権を与えるという点で三つの考えが示されておりました。昨年、詳しい答弁がありましたけど、イギリス提案のユーザーの参加に着目する考え方、アメリカ提案のマーケティング上の無形資産に着目する考え方、そしてインドなど途上国提案の重要な経済的存在に着目する考え方ということがありましたが、この三つを踏まえてその後議論が行われるということで、途上国の意見などをしっかり取り入れるように求めたわけでありますが、今議論が進む中で、大枠どのような合意になっているのか、今後の展望も含めてお答えいただきたいと思います。

#117
○政府参考人(安居孝啓君) お答えいたします。
 経済のデジタル化に伴う課税上の対応につきましてですけれども、先ほどもちょっと申し上げましたが、日本が議長国を務めました昨年六月のG20で承認されました作業計画に基づきまして、今年末、二〇二〇年末までのコンセンサスに基づく解決策の合意を目指して議論が行われているところでございます。
 今委員から御指摘ありましたとおり、昨年はまだ三つの案がございまして、それについていろいろ議論をされていたわけですけれども、本年一月にBEPSプロジェクトに参加します約百四十の国・地域によりまして、まず一つは、多国籍のデジタル企業などが物理的拠点なしに活動する市場国に対しても新たな課税権を配分するための国際課税原則の見直しを行いますという第一の柱と、いわゆるタックスヘイブンなどの軽課税国への利益決定に対しまして最低税率による課税を実質的に確保するルールを導入するという第二の柱という、この二つの柱から成る解決策を検討するということにしました制度の大枠という文書が百四十か国で合意されたということでございます。
 したがって、これに基づきまして今中身の詰めをしているところでございますけれども、今般の新型コロナウイルスの世界的流行により議論の進捗にはなかなか不透明なところも出てきているところではございますが、現時点では引き続き、二〇二〇年末までにコンセンサスに基づく解決策の合意をするということを目指して今議論を進めているところでございます。
 繰り返しになりますけど、我が国といたしましては、国際的な合意に基づく統一的な課税上の対応が望ましいというふうに考えておりまして、今年末までの解決策の合意に向けて積極的に議論に貢献してまいりたいというふうに考えております。

#118
○井上哲士君 今、大枠では、巨大IT企業の売上げの一定比率を超える利益を超過利益として、その超過利益を一定の割合で企業国、企業の所在地と市場国に配分し、更に複数の市場国の中でこの売上高に応じて配分するというふうになっていると聞いておりますが、この超過利益をIT企業の世界売上げの一〇パーを超えた部分とするか、二〇パーを超えた部分にするかというのが焦点になっていると思うんですね。一〇パーを超えた方、一〇パー超にした方がよりタックスヘイブンの減収が大きく、途上国の増収効果が大きいと指摘されておりますが、この税配分の是正を進めるという点でいいますと、この一〇%超とする方が効果が大きいと考えますけれども、日本はどういう対応でしょうか。

#119
○政府参考人(安居孝啓君) お答えいたします。
 今お話ございましたとおり、まず第一の柱についてでございますけれども、これ、やや繰り返しになりますが、自動化されたデジタルサービスでありますとか消費者向けビジネスを行っている大規模な多国籍企業を対象といたしまして、国際的に合意されました通常の利益率を超える、今おっしゃいました超過利益を得ている場合には、その超える利益の一部について、市場国に売上げ等に応じて新たな課税権を認めるという案が今検討されているところでございます。
 この通常の利益率を、一〇%、二〇%という話ございましたけれども、この率をどうするかというのは実はこれからの議論でございまして、まだ今、現時点では全く決まっておりませんけれども、OECDが試算をするに当たりまして一〇%と二〇%という二つの率を用いたというのは御指摘のとおりでございます。
 これを低くしますと、結局利益が、対象になる利益が低くなりますので、そうすると、それを超える企業というのが多くなります。したがって、より多くの企業が、多国籍企業対象になることになりまして、市場に配分される新たな課税権がより大きくなるということになります。しかし、それは逆に言いますと、その分だけ今度は多国籍企業の居住地の国、今まで税源を持っていたその国における課税権が縮小するということになりますので、一方で増えるところ、一方で減るところが出てくるということになるわけでございます。
 こうした中で、今後、国際的な合意形成を図っていくわけでございますけれども、そういう意味で、居住国それから市場国、それぞれのバランスというのを考えて議論していかなきゃいけないのではないかというふうに考えているところでございます。

#120
○井上哲士君 やはり税配分の是正を進めるための踏み込んだ合意になるように取組を求めたいし、第二の柱である最低税率の設定も、いわゆるタックスヘイブンでの税逃れを阻む上でも大きな効果がありますから、言わば高い収入を持っている国も低収入の国も、全体として十兆円程度の税収が世界全体で増えると、こういう試算もあると思います。
 そういう点で、是非今の局面の中で実効ある内容で実現するように更に求めまして、時間ですので質問を終わります。

#121
○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
 租税六条約については、二重課税の回避、脱税の防止のための条約であり、異論ありません。
 租税は主権の行使と深く結び付いています。関連して、在日米軍の活動に関して伺います。
 配付資料四枚目のように、二〇一六年十月二十日の本委員会において、外務省北米局長から、在日米軍の施設・区域は日本の領域であり、「施設・区域内においても我が国の法令は適用されると。ただし、その執行に当たっては、日米地位協定第三条によって、米国に与えられている管理権との調整が必要となる」との御答弁をいただいております。
 現在も外務省の基本的な認識は同じでしょうか。

#122
○政府参考人(鈴木量博君) お答え申し上げます。
 在日米軍の施設・区域内は日本の領域であり、我が国の法令が属地的に適用されますが、同時に、その執行に当たっては、日米地位協定第三条によって、米国に与えられているいわゆる管理権との調整が必要となるところでございます。

#123
○伊波洋一君 ただいまの外務省の答弁を念頭に、防衛省に質疑いたします。
 現在、沖縄の伊江島補助飛行場では、配付資料一から三枚目のように、米海兵隊による大規模な改修工事が進められており、千六百メートル滑走路の舗装をし直すほか、一辺約百八十三メートルの正方形の垂直離着陸帯などが整備されるということです。
 沖縄では、一千平方メートル以上の土地に対して事業行為を行う者には、沖縄県赤土等流出防止条例に基づく届出、通知の義務があります。本件工事において、米軍から沖縄県に対して赤土防止条例に基づく届出がなされていますでしょうか。

#124
○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。
 受入れ国の同意を得まして当該受入れ国内にある外国軍隊などが、当該受入れ国の法令を尊重しなければならないことは当然であります。日米地位協定第十六条では、米軍の構成員などが我が国の法令を尊重する義務を負っている旨を確認をしているところでございます。このことは、在日米軍が自ら工事を行う場合であっても同様であると考えております。
 このため、委員御指摘の伊江島補助飛行場における補修工事において、米側から沖縄県に対する赤土防止条例に基づく届出はなされてはおりませんが、この条例を尊重し、赤土などの流出防止について適切に対策を講じているものと承知をしているところでございます。

#125
○伊波洋一君 防衛省の担当者からこの根拠について文書をいただいておりまして、滞在目的の範囲で行う公務については、受入れ国の法令の執行や裁判権から免除されると承知していますというような趣旨で回答がありました。
 そもそも、国内における在日米軍に日本の主権が及ばないのは、米軍としての主権、いわゆる軍隊としての行動、国際法上の軍隊としての活動、主権とみなされる行為に対して、それに対して日本の主権は及ばないということであります。
 先ほど外務省から答弁ありましたように、そもそも日本の、基地といえども我が国の領域、そして主権は及ぶと、その及ぶものについて、ただ管理権が及ばないということでありまして、ただいまの防衛省の答弁は、そういう米軍の活動に対して、あたかも日本での法令上の届出義務がないかのような、そういう答弁でありますけれども、本当にそれでいいんでしょうか。防衛省として、なぜ米軍に赤土防止条例、届出を求めないんですか。

#126
○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。
 先ほど外務省から御答弁ありましたとおり、在日米軍の施設・区域内は日本の領域であり、我が国の法令が属地的に適用されますが、その執行に当たっては、日米地位協定第三条によって、米国に与えられている管理権との調整が必要となるものと認識をしております。
 その上で、繰り返しになりますが、日米地位協定第十六条では、米軍構成員などが我が国の法令を尊重する義務を負っている旨確認をしており、このことは在日米軍が自ら工事を行う場合であっても同様であると考えております。
 このため、今般の伊江島補助飛行場における補修工事においても、米側は条例を尊重し、赤土などの流出防止について適切に対策を講じているものと承知をしているところでございます。

#127
○伊波洋一君 先ほど答弁していただいた、平成二十八年十月二十日のこの外防委員会での当時の外務省の答弁の続きがあります。「さらに、個人としての米軍人軍属、その家族の行動に対しては、施設・区域の内外を問わず、日米地位協定上適用除外が認められる場合を除き、我が国の法令が適用されるというふうに理解しております。」という中で、当然、その地位協定は幾つかのことで免除しますけれども、それでも先ほど十六条にあるように尊重義務というのがあります。
 今の場合はですね、今の場合は、実際は、日本の業者が基地内で工事をすれば、当然そういうことをやらなきゃいけません。でも、米軍がやるからそれは当たらないという話になると、今千六百メートルの滑走路の工事ですよ、日本の国内の、我が国の基地の中であれば、米軍基地の中であれば、米軍がやることについて日本は基本的に主権が及ばない、そういうことを容認するという立場でいいんですか。

#128
○政府参考人(中村吉利君) 繰り返しの御答弁になって恐縮でございますけれども、在日米軍の施設・区域内は日本の領域でありますけれども、在日米軍は、失礼いたしました、日米地位協定第三条によって、米国に与えられる管理権との調整が必要となるものと認識をしているところでございます。
 今般の伊江島補助飛行場における補修工事においても、米側は条例を尊重しているものというように考えておりますけれども、このような管理権との調整等の考え方が本件についても適用されているものと考えているところでございます。

#129
○伊波洋一君 先日の本委員会で、米海兵隊の普天間基地から有害物質PFASの漏出事故に関して確認をさせていただきました。
 二〇〇〇年の日米環境原則に関する共同発表、日本環境管理基準、JEGS、そしてまた日米環境補足協定と、この間、環境問題については日米両政府間で、日米の関連法令のうちより厳しい基準を選択するという基本的な考え方で合意をしています。
 今回の赤土条例も、まさに環境の問題なんです。県の赤土防止条例も日米の法令に含まれると考えられますが、米海兵隊による伊江島補助飛行場改修について、現段階で県に対する届出がないのは赤土防止条例違反ではありませんか。

#130
○国務大臣(河野太郎君) 赤土等流出防止条例は、何か環境基準を定めるというものではございませんので、このJEGSで米軍が採用するような性質のものとは違うと認識しております。

#131
○伊波洋一君 いや、そんな言い方をしたら、そもそも日米環境原則に関する共同発表の趣旨ですよ、何て書いてあるかというと、米軍基地の周辺には何の迷惑も掛けない米軍基地にするんだという合意がこの二〇〇〇年の日米環境原則に関する共同発表の細かい表現なんです。まさにそれを実現するために、環境に関してはより厳しい基準を選択をすると、これが趣旨です。
 赤土防止条例というのはサンゴの海を守るための取組でありまして、それを全部守っているんです。米軍が活動することについては、それを守らせなくていい。あれは事業ですよ、千六百メートルの滑走路を改修するのはですね。それを適用除外するというのはおかしい話で、少なくとも何らかの代替措置がないといけないと思いますが、それでいいんですか。

#132
○国務大臣(河野太郎君) 米軍はこの条例を尊重し、赤土の流出などの対策を適切に講じている、そのように承知しております。

#133
○伊波洋一君 防衛省は、沖縄でもいつもそう言います。だけど、何も守らせていないんですよ、実際は。
 今回の場合だって、守らせている事実はないですよ。ただそういうことを聞いているという話で、あるいは自分たちが思っているという話です。
 そういうことでは環境は守れないし、ましてや住民の人権も守れない、そうではないんでしょうか。いわゆる尊重と言うだけでいいものではなくて、これは主観的な問題ではなくて、手続上で外形的に条例上の届出がなされていなければいけないんではないんですか。

#134
○国務大臣(河野太郎君) 五月八日には、伊江村と一緒に防衛省、この飛行場の中に立ち入り、現場の状況を確認をしているところでございます。
 米側は沖縄県の条例などを尊重し、環境に配慮した上で工事を行っております。

#135
○伊波洋一君 いや、沖縄県に届けたのは随分後です。
 そして、海兵隊は、伊江村に対しては議員を中に入れて、要するにどうなっているのかということを見せただけの話です。実際上は、政府もこれに対して具体的に、工事の概要やらもろもろのことについて届けを知っているわけではないんですよね。
 しかし、そこで行われているのは、千六百メートルの滑走路、まさに辺野古と同じような大きさの長さの滑走路を改修しているという工事です、全部剥がして。で、新たな施設を造ろうとする施設です。
 それを、ただその議員を入れただけで、それで日本政府の言うそういう信頼の中にあるんだということを言えるんでしょうか。

#136
○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。
 今回の補修工事につきましては、伊江島補助飛行場の安全性を確保するための工事であるというように認識をしているところでございます。
 防衛省といたしましては、今般の工事に当たりまして、米側に対し、必要な情報の提供と周辺の環境への影響ですとか地域の安全などに十分配慮するよう申入れを行ってきているところでございます。引き続き、適切に工事が行われるよう米側に求めてまいりたいと考えているところでございます。

#137
○伊波洋一君 本件改修工事は、伊江島補助飛行場を利用するオスプレイや垂直離着陸戦闘機F35の着陸パッドを整備することが目的であると指摘されています。
 この件で、F35の岩国基地配備については、大統領令第一二一一四号に基づき米海兵隊の環境レビューの対象となるはずです。CV22オスプレイ横田配備に関して、二〇一五年に環境レビューが作成、公表され、その後配備されました。
 防衛省は、F35Bの岩国基地配備に関する環境レビューが作成されたことを確認していますか。

#138
○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。
 米政府の環境レビューにつきましては、大統領令などに基づきまして米政府が主体的に実施をするものと承知をしております。平成二十九年に岩国飛行場に配備をされましたF35Bについて、その配備に関しまして米側からは環境レビューを行っていない旨説明を受けているところでございます。
 委員御指摘の大統領令一二一一四号によりますと、連邦政府による全ての域外行動のうち環境影響評価が必要とされるのは、合衆国の地理的外縁、領域及び所有の外にある環境に重大な影響を及ぼす連邦政府による主要な行動とされているところでございます。
 このように、米国外の軍事施設における艦船、軍用機等の配備について米政府が行う環境レビューは、一定の場合に実施をすることとされておりますが、常に義務付けられているものではないというように承知をしているところでございます。

#139
○伊波洋一君 この環境レビューが行われたということを表明している環境会社がございます。地元の考古学調査会社と協力して文化資源の調査を実施したとも書かれております。また、翻訳の監督も業務に含まれているということであります。
 防衛省として、この環境レビューを入手して公表すべきと考えますが、いかがでしょうか。

#140
○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。
 米側に対しまして、F35Bの岩国飛行場への配備に関しまして、環境レビューを実施をしているのか、配備に先立ちまして確認をいたしましたし、今回、伊波委員からの御指摘もありまして、改めて問合せをいたしました。結果として、米側からは環境レビューを実施をしていないという回答があったところでございます。
 委員御指摘のこのF35Bの環境レビューの契約を行ったとの情報でございますけれども、こちらにつきましては豪州の民間企業のものと認識をしているところでございまして、防衛省としてその内容についてお答えをする立場にはございません。
 いずれにしましても、先ほど申し上げましたとおり、米側からは、これまで岩国飛行場へのF35B配備に関して環境レビューは実施をしていないとの説明を受けているところでございます。

#141
○伊波洋一君 時間が来ましたので終わりますけれども、環境問題については、日米法令のうち、より厳しい基準を適用するという日米合意があります。このことを防衛省が率先して守ることこそが今求められているということを指摘して、終わりたいと思います。

#142
○委員長(北村経夫君) 他に御発言もないようですから、六件に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#143
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、日本とアルゼンチン、ウルグアイ、ペルー、ジャマイカ、ウズベキスタン、モロッコとの間の租税条約に反対の立場から討論を行います。
 六つの租税条約は、これまでの租税条約と同じく、投資所得に対する源泉地国での課税限度税率を軽減又は免除する措置を講じています。これは、日本の大企業とその海外子会社が、外国税額控除方式や外国子会社配当益金不算入制度により、当該国での外資優遇税制の利益を十二分に受けつつ、本条約によって源泉地国での課税が劇的に軽くなるなど、税制優遇措置を二重三重に享受することを可能とするものであります。
 日本経団連は、かねてより、租税条約について、投資所得に関わる源泉地国課税を軽減することは、海外からの資金還流及び国内における再投資という好循環の実現に資すると主張し、政府に対し締結国の拡大による租税条約ネットワークの充実を求めてきました。本条約が、財界の要求に応え、国際課税分野における日本の大企業優遇税制を国内外で更に拡大強化するものであることは明白であります。
 以上、指摘して、討論を終わります。

#144
○委員長(北村経夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアルゼンチン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#145
○委員長(北村経夫君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とウルグアイ東方共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#146
○委員長(北村経夫君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とペルー共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#147
○委員長(北村経夫君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とジャマイカとの間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#148
○委員長(北村経夫君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とウズベキスタン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#149
○委員長(北村経夫君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とモロッコ王国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#150
○委員長(北村経夫君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、六件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#151
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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