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2020/06/02 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 文教科学委員会 第8号 令和2年6月2日
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2020/06/02 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 文教科学委員会 第8号 令和2年6月2日

#1
令和二年六月二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     宮崎 雅夫君     世耕 弘成君
 六月一日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     山田 太郎君
     横沢 高徳君     小林 正夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川ゆうみ君
    理 事
                赤池 誠章君
                石井 浩郎君
                こやり隆史君
                水岡 俊一君
    委 員
                上野 通子君
                佐藤  啓君
               三原じゅん子君
                山田 太郎君
                伊藤 孝恵君
                石川 大我君
                小林 正夫君
                蓮   舫君
                高瀬 弘美君
                梅村みずほ君
                松沢 成文君
                吉良よし子君
                舩後 靖彦君
   国務大臣
       文部科学大臣   萩生田光一君
   副大臣
       文部科学副大臣  上野 通子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       宮内庁長官官房
       審議官      小山 永樹君
       文部科学省大臣
       官房サイバーセ
       キュリティ・政
       策立案総括審議
       官        田口  康君
       文部科学省総合
       教育政策局長   浅田 和伸君
       文部科学省初等
       中等教育局長   丸山 洋司君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
       文化庁次長    今里  讓君
   参考人
       一般社団法人コ
       ンテンツ海外流
       通促進機構代表
       理事       後藤 健郎君
       公益社団法人日
       本漫画家協会常
       務理事      赤松  健君
       早稲田大学法学
       学術院教授    上野 達弘君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の
 特例に関する法律の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(吉川ゆうみ君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 昨日までに、宮崎雅夫さん及び横沢高徳さんが委員を辞任され、その補欠として小林正夫さん及び山田太郎さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(吉川ゆうみ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、宮内庁長官官房審議官小山永樹さん外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(吉川ゆうみ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(吉川ゆうみ君) 著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明に関しましては既に聴取をしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○こやり隆史君 おはようございます。自民党のこやり隆史でございます。質疑の機会をいただきまして、感謝を申し上げたいというふうに思います。
 今日は、著作権法の改正法案の質疑でございますけど、その前に一問だけ、文化芸術活動支援に対する質問をさせていただきたいというふうに思います。
 先般閣議決定をされました令和二年度第二次補正予算におきまして、文化芸術活動への緊急総合支援パッケージというものが盛り込まれたというふうに承知をしています。まさに、新型コロナウイルス感染拡大による深刻な影響を受けている文化芸術関係者に対しまして、緊急事態宣言が明けて、まさにその再開を目指している関係者さんにとって強く背中を押すものでないといけないというふうに思っています。
 他方で、この分野、まさにフリーランスの方から大規模な団体まで、多種多様な主体が混在しているというふうな分野でございますので、幾らすばらしいパッケージをつくっても、それを迅速かつ幅広く提供していくということが極めて大事になってくるかというふうに思っています。
 そのパッケージ支援、これを幅広く届けるために、その支援体制を含めてこの取組についてお話を伺いたいというふうに思います。

#7
○副大臣(上野通子君) こやり委員の質問にお答えします。
 新型コロナウイルスの感染拡大の防止のため、多くの文化芸術イベントにおいて中止や延期又は規模縮小等の対応をいただいております。五月二十五日からは国内全ての地域で緊急事態宣言が解除されましたが、文化芸術を担う方々は引き続き大変苦しい状況に置かれていると認識しており、これらの方々を守り、我が国の文化芸術の灯を消さないことが極めて重要と考えております。
 このような文化芸術関係者を取り巻く状況や文化芸術関係者からの要望を踏まえて、第二次補正予算において、フリーランスの実演家、技術スタッフ等から大規模団体まで幅広く対象とする文化芸術活動への緊急総合支援パッケージとして、文化芸術・スポーツ活動の継続支援、文化芸術収益力強化事業により、活動の継続、再開のための積極的取組等に対する支援を行うこととしております。
 中でも、フリーランス等の方への迅速な支援を実現するため、文化芸術・スポーツ活動の継続支援においては、簡易な手続、審査により二十万円程度の活動費を支援することも検討しております。なお、より積極的な取組を行うフリーランス等や小規模団体に対しては、この活動に応じて最大百五十万円の支援を行うこととしております。
 文部科学省としましても、補正成立後速やかに執行できるよう準備しており、これらの支援を必要とする方々の手元に一日でも早く行き渡るよう、実施体制の構築に努めてまいります。

#8
○こやり隆史君 ありがとうございます。
 今回の二次補正では、持続化給付金についてもフリーランスの方の対象が広がるというふうに承知をしています。ほかにも様々他省庁の支援もございますので、まさに文化芸術活動関係者全体に、文科省の支援だけではなくて、他省庁様々な支援含めて幅広くお一人お一人に届くように、しっかりと支援体制を構築していただければなというふうに思います。
 特に、こういう直接に支援するスキームは、なかなか文科省さん、そんなに多くないと思いますので、数はたくさんいらっしゃいますので、それを幅広く行き渡るように是非よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 次に、改正案についてお伺いをいたします。
 悪質な海賊版、これが増加傾向にある、そして、それを取り締まらなければならない、これについては皆さん異論はないというふうに思っています。
 他方で、この検討経緯を見ても、その制度実施に当たって著作権者の権利を保護すること、そして、国民の自由な情報収集活動、これの萎縮を払拭する、これの二つをいかに両立させていくかということで様々な議論があったというふうに承知をしています。
 この著作権法、本当にこの制度を実施するというのは極めて難しい法体系になっているかなというふうに思うんですけれども、そもそも様々な制度があり得たかというふうに思います。兵糧攻めではないですけれども、まさに広告を出稿するその段階でそこを制御をしたり、あるいは、これはいろんな議論がありましたけど、サイトブロッキングなど含めて様々幅広い規制手法がある中で、今回、法改正の二つの柱としてダウンロード違法化とリーチサイト対策、これを海賊版対策の柱とされましたけれども、その経緯についてお話をいただきたいと思います。

#9
○政府参考人(今里讓君) インターネット上の海賊版による被害は非常に悪質、巧妙化しております。今委員御指摘ございましたように、様々な手法を組み合わせながら総合的な対策を行っていくことが重要でございます。
 この点、政府が一丸となって海賊版対策を総合的に実施していくために、昨年十月に総合的な対策メニュー及び工程表といったものが取りまとめられているところでございます。
 その中で、様々な対策を段階的に実施、検討することとされておりますが、著作権教育や検索サイト対策など運用面の取組も直ちに進めるとともに、今回その法案の内容となっておりますリーチサイト対策と侵害コンテンツのダウンロード違法化、これらについて速やかに法整備を行うべきものとして、この総合対策メニューに位置付けられているところでございます。このため、今回、総合的な対策の一環として本法案に盛り込むこととしたところでございます。
 これによりまして、多数存在しているリーチサイトの運営行為、リーチサイトにおける侵害コンテンツへのリンク提供、侵害コンテンツのダウンロード、こういったものを直接規制することが可能となりまして、侵害コンテンツの拡散利用を大きく減少させることができるものと考えているところでございます。

#10
○こやり隆史君 ありがとうございます。
 そうした経緯の中で、この二つの柱で海賊版を対策をしていこうということかと思います。
 他方で、実際に施行をするに当たって、やっぱりこの法改正の内容自体の安定性というものが維持、保持できるのかどうかということも懸念があるのかなというふうに考えています。
 この本改正案では、規制対象要件として様々な除外規定が設けられております。他方で、著作権といいましても本当に映像から文章から演劇まで様々なものがある。そうした中で、その除外の内容というのもケース・バイ・ケースに応じて様々、多様なものが考えられるというふうに思っています。
 例えば、そのダウンロード違法化の除外対象になる軽微なものとして、例えば漫画の場合、一こまから数こままでの分量が一つの目安になるというようなことも文科省として示されているというふうに思いますけれども、これを取っても、その部分、一こまあるいは数こまの部分が、物語のどうでもいい部分なのかあるいは本当に核心をつく部分なのかによってもこれは判断が変わり得るものではないかというふうに思っています。まさに、司法に持っていかれたときに、この司法判断というのも割れる可能性もあるのかなというふうに思っています。
 そういう意味で、今回法改正をして一歩前進をしたということ、法改正をすることによって前進をするということになると思いますけれども、こうした著作権法のような法律であればこそまさに実施をして、その実施状況を見ながらしっかりとフォローアップをして、そして問題点があったらそれを解決をしてそれを制度に反映していく、そういった取組がこうした法案こそ大事になるかというふうに思いますけれども、どういったことを考えておられるのか、お伺いしたいというふうに思います。

#11
○副大臣(上野通子君) 本改正案におきましては、ダウンロード違法化の対象について、海賊版対策としての実効性の確保と国民の正当な情報収集等の萎縮防止のバランスを確保する観点から、軽微なものを除外する等の要件を委員御指摘のように定めております。
 お尋ねの軽微なものにつきましては、典型的には、例えば漫画でいきますと、数十ページで構成される漫画の一こまから数こまなど、その著作物全体の分量から見てダウンロードされる分量がごく小さい場合は軽微なものと認められる一方で、漫画の一話の半分程度や、絵画そして写真のように一枚で作品全体となるもののダウンロードは軽微なものとは言えないと考えられます。こうした分量の取扱いはあくまで典型例として示しているものであり、最終的には、著作物の種類、性質や著作物全体の中の複製する部分の位置付けなど個別事情も考慮して裁判所で判断されることとなります。
 文部科学省といたしましては、これらの点も含め、今後、国会での御審議等を踏まえ、予測可能性の確保等の観点から、より詳細な内容をまとめたガイドラインやQアンドAなどを作成し周知していく予定でございます。
 また、御指摘のとおり、実際の運用状況等を踏まえてフォローアップを行っていくことは重要であると認識しております。この点、本法案の附則第六条において施行後一年を目途としたフォローアップを行うことが規定されているため、それに基づき、ステークホルダーや専門家を交えてしっかりと効果検証を行ってまいります。

#12
○こやり隆史君 ありがとうございます。
 法案というか制度は、導入をしたときにまあやれやれということで一旦一段落ということになりがちでございますけれども、まさにこの著作権法についてはその施行が極めて肝であるというふうに思っておりますので、しっかりとフォローアップをしていっていただきたいというふうに思っています。
 この今回の改正案もそうなんですけれども、そもそも著作権法自体、これは元々紙媒体を想定した法体系であるとか運用体制を想定して組まれているというふうに思っています。今回の法改正も、著作物の媒体としてのデジタル化が急速に進展をしている中で、著作権法自体が、今回の法改正の海賊版に限らず、その時代の流れに対応していない部分が多々見られるんではないかという指摘がございます。
 例えば、研究目的のためのダウンロードであるとか図書館が保有する資料等へのアクセスの問題など様々指摘されていると思うんですけれども、今、文化審議会でまさにそうしたことについて審議をされているというふうに承知しておりますけれども、その検討状況についてお伺いしたいというふうに思います。

#13
○政府参考人(今里讓君) 御指摘のとおり、デジタル化、ネットワーク化の進展に合わせまして著作物の利用の円滑化を促進していくこと、これは大変重要でございます。これまでも、例えばビッグデータを活用した情報検索や解析サービス、オンラインでの遠隔授業等を行う際の著作物利用の円滑化など、様々な制度整備を進めてきているところでございます。
 お尋ねのございました研究目的の著作物の利用を認める権利制限規定の創設につきましては、研究活動の推進に当たって重要な課題であると考えており、令和元年度から委員御指摘のように文化審議会著作権分科会での検討を行っているところでございます。令和元年度は、著作権分科会の小委員会での集中的な議論を経て、制度設計の検討に当たっての論点を整理するとともに、研究者による著作物利用のニーズなどを把握するための調査研究を実施したところでございます。今年度は、その調査研究の成果も踏まえまして、権利者の利益保護の観点にも十分留意しつつ、具体的な制度設計に向けた検討を深めていく予定でございます。
 また、図書館でございますけれども、今般の新型コロナウイルスの感染拡大によりまして図書館が休館が進んでいると、こういったことなどに伴いまして、インターネットを通じて図書館が保有する貴重な資料にアクセスするニーズが高まっていると承知してございます。
 文化庁といたしましては、これを機に、絶版等により入手困難な図書館資料等へのアクセスを容易化するため、図書館関係の権利制限規定をデジタル化、ネットワーク化に対応したものとすることにつきましても、権利者の利益保護に十分に留意しつつ、早急に文化審議会で検討していきたい、このように考えてございます。

#14
○こやり隆史君 ありがとうございます。
 今の御答弁の中にも少し触れていただきましたけれども、オンライン授業の関係で一問質問させていただきたいと思います。
 今回の感染拡大、これが、今は緊急事態宣言が解除されておりますけれども、いつ第二波、第三波に襲われるかということを指摘をされています。そうした中で、まさに学校教育、教育を守るという観点から、GIGAスクール構想の前倒しなど、オンライン教育を急速に進展をさせていかなければならない状況にあるかというふうに思っています。
 教育コンテンツのデジタル化の対応として、先ほども少しお触れになられましたオンラインでの遠隔教育を推進するための授業目的公衆送信補償金制度、これが施行されたというふうに承知をしています。この制度については、今回は臨時的な措置であるというふうなこともお伺いをしておりますけれども、この問題については、これはただ一つの問題というよりは、公益的なこのデジタルコンテンツというものをいかにその利用を確保していくかということと、著作権者への適切な対価還元をいかに図っていくか、そのいかに両立を図っていくかという象徴的な課題でもあるかなというふうに思っています。
 そういう意味で、何というか、その場しのぎではなくて、まさに安定的な制度として、これからまさに子供たちが安心して教育を受けられる、あるいは公益的利用を安心してできる、その中で著作権者が利益を確保できる、そうした見通しのいい安定した制度とすることが不可欠であるというふうに思っておりますけれども、これからの取組についてお伺いいたしたいと思います。

#15
○政府参考人(今里讓君) 授業目的の公衆送信補償金制度、これは、平成三十年の著作権法改正で創設された制度でございます。今般の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う遠隔授業等のニーズに対応するために、当初の予定を前倒しをしまして本年四月二十八日から施行されたところでございます。これにより、教育機関の設置者が各分野の権利者団体で構成される指定管理団体に一括して補償金を支払えば、教員等が個別に許諾を得ることなく様々な著作物を遠隔授業において円滑に利用できることとなりました。
 今、臨時的と委員の御指摘のございました点は、令和二年度のこの利用に伴う補償金額が特例的に無償となっている点かと思います。令和三年度からは有償の補償金による本格実施によりクリエーターに適切な対価が還元されるよう、今後、指定管理団体において、教育関係団体の意見も聞きながら、補償金額の設定や徴収、分配の方法について検討が行われることになります。
 また、教育現場における本制度の理解を深めて適正な利用に資するように、教育関係者、権利者、有識者で構成する著作物の教育利用に関する関係者フォーラムにおきまして本制度のガイドラインが取りまとめられました。今後、令和三年度版の策定に向けて引き続き議論がされる見通しでございます。
 文化庁といたしましては、補償金額の認可を適切に行うとともに教育現場に対する制度の周知を図るなど、著作権者の利益の保護をしつつ著作物の円滑な利用を図ることができるよう、本制度の円滑な運用に向けて必要な対応に努めてまいりたいと考えてございます。

#16
○こやり隆史君 ありがとうございます。
 今年度については無料とするという特例的な対応を取られて、来年度以降どういった形でバランスを取っていくかということについてこれから決めていくということでございました。
 いずれにせよ、教育分野のまさにこの補償金制度の対価というか金額のベースが、また他の公益的な利用にも波及をしていくことになるかというふうに思っています。
 利用者の立場から見れば、コピーをしてそれを教室内で配付したものについては無料で教材として使えると、それがデジタルとなってみんながパソコンを見ながらデジタル教材を、著作物を見たら有償になる、そうしたことについてなかなか整理というか、頭の整理をするということもかなりこれは合意を得るというのは難しいのではないかというふうに思います。
 そういう意味で、今年度については特例的に無償になったということを承知しているかと思いますけれども、まさにこうした問題も、デジタル化の波に対する著作権法の在り方を考える上での象徴的な課題になるかなというふうにも思いますので、是非、関係者、幅広く合意を得た上で、これが他の分野に模範的な解答となるような形で収まっていくように努力をしていっていただきたいなというふうに思っています。
 このデジタル化の問題について、二つばかりお話をさせていただきました。まさに、そもそも文化芸術活動というのは、国民の精神的支柱となっているというだけではなくて、まさに今、クールジャパン構想などを始め、これが我が国の経済の発展にとっても欠かせないものになっているということかと思います。他方で、今回のまさに感染症が拡大した状況に対して、我が国の経済社会の脆弱性、これはデジタル化の波に対していかに我が国の基盤が弱かったかということを我々は改めて認識をさせられたというふうに感じています。
 この文化芸術活動の基盤となる著作権法についても、先ほど幾つかまさにお答えをいただきましたけれども、デジタル化に対応した著作権法体系、あるべき姿はどうなのかということについて、これは全体として抜本的に見直していくのがいいのか、あるいは今回のように個々の課題に対応しながら著作権法自体をそのデジタル化に合わせた形で見直していく方がいいのか、様々なアプローチがあるかというふうに思います。
 そうしたアプローチも見極めながら、その在り方を大きくやっぱり見直していかないといけない時期に来ているかというふうに思いますけれども、その点について、まさに大臣に所見と決意をお伺いしたいというふうに思います。

#17
○国務大臣(萩生田光一君) 著作権制度は文化芸術活動の基盤となるものであり、海賊版の流通、利用などの悪質な行為には厳格に対処しつつ、一方では、新たな技術等に対応した著作物の公正な利用を促進していくことが重要であると考えております。
 デジタル化、ネットワーク化の進展に対応した著作物の利用円滑化については、平成三十年の著作権法改正において、ビッグデータ、人工知能を活用した情報検索や解析サービスの実施に資する柔軟な権利制限規定を整備するなど、これまでも順次対応を進めてきております。
 また、本法案においても、例えば写り込みに係る権利制限規定について、スクリーンショットやインターネット上での生配信、コンピューターグラフィック化といった新たな技術サービスを対象に含めるなどの措置を講じております。今後も、社会状況の急速な変化に対応して、著作権制度の見直しが必要になる場面も多くあると思います。
 文科省としては、引き続き、新たな技術やビジネスの進展などの社会実態の変化等を十分に踏まえつつ、また、幅広いステークホルダーや専門家、国民の皆様の声を丁寧にお伺いをしながら、権利の保護と利用の円滑化のバランスが取れた望ましい著作権政策の在り方を検討してまいりたいと思います。
 先生も問題意識をお持ちのように、これデジタル技術も日進月歩でいろいろ変わってきます。我々が今の時点で法律で想定できなかった新たな違法行為というのも今後そう遠くないときに出てくることがあると思いますので、いい意味で不断の見直しをしながら、しかし、権利者の保護と利用者の利便性、両方のバランスをしっかり取りながら社会全体で前に進んでいくという、そういう性格になると思います。

#18
○こやり隆史君 大臣、ありがとうございます。
 まさにおっしゃるとおり、しっかりとフォローアップをして見直して、いい意味で見直していっていただきたいなというふうに思います。
 その際、まさに最初に、冒頭御指摘をさせていただきましたけれども、著作権法ってなかなか実行していくということが難しい分野であると思います。そういう意味で、全体の制度の見直しをしていく上でも、今回の法改正で行ったこと、これがどういう効果を実際に現しているのか、しっかりとこれを見極めながら著作権全体の構造についてもそれを反映していくという形で、いい意味でのサイクルを回していっていただきたいなというふうに思います。
 最後にそれを指摘させていただきまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

#19
○石川大我君 立憲・国民.新緑風会・社民の石川大我でございます。今日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 著作権法改正の審議の前に、コロナ対策などについてお伺いをしたいというふうに思います。学校支援についてです。
 二月の二十七日に安倍総理が学校の全国一斉休校を要請してから三か月が経過をいたしました。昨日からようやく多くの学校が再開されたわけですけれども、まさに失われた三か月と言えるのではないでしょうか。
 そんな中、児童生徒の皆さんの中には、学校への適応が困難な方も相当出ていることが報道されております。学校での、DVや虐待ですとか家計の急変、あるいは望まない妊娠、性的被害など様々なケースが報告をされています。長期休み明けというのは子供たちの自死が多いということでも知られておりますし、不登校が最も増える時期でもあります。こうした課題への政府の対応についてまず伺います。

#20
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 全国的に学校の再開が進む中、児童生徒によっては、長期の在宅で生活リズムが乱れたことによる規則的な登校への不安や、長期の外出自粛による家庭内の不和といった家庭状況の悪化など、通常の長期休業以上に心身等への影響が懸念がされるところであります。
 このため、文科省においては、各都道府県教育委員会等に対して、児童生徒や保護者との連絡を密にし、児童生徒の心身の状況の変化等に注意するとともに、学校再開後には、学級担任や養護教諭等を中心としたきめ細かな健康観察やストレスチェックなどにより不安や悩みを抱える児童生徒を早期に把握し、健康相談の実施やスクールカウンセラー等による支援を行うよう依頼をしたところであります。
 加えまして、児童生徒の心のケアや福祉的な支援の充実に向け、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーについて、自治体からの要望を踏まえつつ、追加配置のための必要な支援を行うことといたしております。
 文科省としては、引き続き、児童生徒の心身のケアや福祉的な支援について自治体との丁寧な情報交換を行いながら、必要な支援に努めてまいりたいと考えております。

#21
○石川大我君 今述べられたことというのは通常の支援策なんじゃないかなというふうに思います。これだけのコロナ禍ということですから、地域によって個別の事情はもちろんあると思いますけれども、例えば地域の心療内科ですとか心理カウンセラーなどに助けを求めるですとか、いのちの電話やLINEなどのSNSの相談機能ですとか、民間シェルター、子供食堂など、子供たちの接点となり得るような機関を何度も紹介をしていくなど、ふだん以上に柔軟で多様な対応が取れるよう、積極的に周知などもしていただきたいというふうに思います。
 子供たちの命と未来が懸かっている重要な課題でございますので、真剣に取り組んでいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#22
○政府参考人(丸山洋司君) 御指摘をいただきました地域、それから関係機関との連携ということ、非常に重要であるというふうに認識をいたしております。
 このため、文科省におきましては、各都道府県教育委員会に対しまして、自殺予防や児童虐待の防止に向け、警察や児童相談所等との関係機関との連携を図ることや、保護者や子供たちの育ちに関わりのある家庭教育支援や地域学校協働活動等の関係者が学校や地域の関係機関等と連携をして地域全体で子供たちの健やかな育ちを支えるという、そういった取組を行うことについて依頼を行っているところであります。加えまして、先ほどの答弁でも申し上げましたが、地域の関係機関との仲介や連携などを担い関係機関等からの支援につなぐことを職務とするスクールソーシャルワーカーについて、自治体からの要望を踏まえながら追加配置のための必要な支援を行うことといたしております。
 文科省としては、引き続き、児童生徒の見守り等の支援について、学校と地域の関係機関や関係者との連携の促進についてしっかりと努めてまいりたいと考えております。

#23
○石川大我君 続いて、教員の皆さんの支援についてお伺いをしたいと思います。
 学校現場は本当に大変だと思います。夏休みの短期化や一日七時限化、土曜日の授業など、どう考えても先生の方たち、これ休む余裕がないというふうに思います。さらに、真夏の異常に暑い教室の中でコロナ対策も同時に進めなければならないということで、まさにこれ第二の緊急事態とも言えると思います。
 教員の休養、休業の確保、そしてメンタルヘルスの対策についてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

#24
○国務大臣(萩生田光一君) 今般の新型コロナウイルス感染症への対応に当たっては、感染症対策を徹底しつつ、最大限子供たちの健やかな学びを保障することが重要だと考えております。
 各学校においては、分散登校の実施や時間割編成の工夫等とともに、地域の実態や児童生徒の状況等も踏まえて、長期休業期間の短縮等の手段を活用し、この間の臨時休業の影響を最小限にしつつ、指導を充実していただく必要があります。その際、文科省として、感染症対策として臨時休業に伴い学校教育法施行規則に定める標準授業時数を下回ったとしても、そのことのみをもって法令違反とはならないこと、児童生徒や教職員の負担軽減にも配慮する必要があることを示しております。
 また、臨時休業や分散登校の長期化により年度内に指導を終えることが難しい場合には、最終学年以外の児童生徒について、次年度以降を見通した教育課程を編成すること、学習指導要領に定める内容が効果的に指導できるよう授業における学習活動を重点化することなども考えられることを示しており、現在、教科書発行会社とも協力し、各教科等の具体的な活動例等、参考資料を提供する予定でおります。
 これらの取組に加え、文科省としては、教職員の負担軽減や指導体制の充実を図るため、令和二年度第二次補正予算案に、教員の加配や学習指導員、スクールサポートスタッフの追加措置などについて盛り込んでいるところです。児童生徒や教職員の負担にも十分配慮しつつ、児童生徒の学校生活の充実が図られるように取り組んでまいりたいと思います。

#25
○石川大我君 例えば、学習指導員を六万人、一時配置ということがありますけれども、全国には小中学校三万校あるということを考えますと、一校当たりたった二人ということで、積算根拠としては七か月ということですが、正直なところ、現場の感覚としては全く足りないんじゃないかというふうに思います。そう考えると、やはり学習内容そのものを収れんするということも具体的に考えた方がよいのではないかと思います。
 例えば、入試の出題内容というところとも連動しまして、この部分はテストに出さないとか、あと問題を選択式にして各自選んだり、自分で選ぶことができるとか、そういう工夫が必要だと思うのですが、その辺りいかがでしょうか。

#26
○政府参考人(丸山洋司君) 入試の関係につきましては先般通知も発出をいたしておりまして、まさに今委員の方からお尋ねをいただきましたように、出題の範囲について特段の配慮をする、あるいは選択問題を複数設けてその中から子供たちに選択をしていただくといったような様々な配慮をしっかりと行っていきたいというふうに考えているところでございます。

#27
○石川大我君 どうも夏休みを縮めたり、どうも詰め込んでいくというような状況があったり、宿題も増加をしていくというような状態になりますと、やっぱり理解の進まない子供たちどうしても出てきてしまって、そういった子供たちが勉強嫌いになってしまうんじゃないか、そんな危惧も持っております。
 私たちは、かつてゆとり教育というのも経験をしております。そのときの経験を踏まえて、いま一度、本当に最低限確保すべき学びの質と量について政府でも学校現場でも考えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

#28
○政府参考人(丸山洋司君) これから社会全体で長期間にわたって新型のコロナウイルスと、感染症とも共に生きていかなければいけないと、そういった状況であるというふうに認識をいたしております。
 そういった中で、これから、従来の学校に対する指導としては、臨時休業中も学びを止めないということ、あるいは速やかにできるところから学校での学びをしっかり再開をしていく、あるいはあらゆる手段を活用し学びを取り戻す、また柔軟な対応の備えにより学校ならではの学びを最大限に確保するといったような基本的な考え方の下に、臨時休業期間中であっても学校が児童生徒に適切な家庭学習をしっかり課す、教師の学習指導状況把握と組み合わせて可能な限り学習を支援をするよう自治体等に対しましてこれまでも依頼をしてきたところでございます。
 また、去る五月十五日に発出をしました通知においては、感染拡大防止に十分配慮をしながら学校における指導を充実させるために分散登校を実施し段階的に教育活動を再開することや、学校再開後には時間割編成の工夫、長期休業期間の短縮、土曜日の活用等による学校における教育活動を充実すること、学習の定着が不十分な児童生徒に対して補習を行うことなどをお示しをいたしているところでございます。
 こういった取組のための様々な条件整備もしっかりと進めながら、関係自治体とも緊密に連携をして、家庭や地域等の状況に関わらず児童生徒の学習の機会を保障するため、全力で支援をしていきたいというふうに考えております。

#29
○石川大我君 あと、教員の皆さんの加配というのがこれ大事だというふうに思います。今回はコロナ禍での緊急措置ということですけれども、第二波、第三波、またほかの感染症ということも考えられますし、近年多発しております自然災害などに備えて慢性的な教員不足を補う意味でも、今回得た人材、この人たち、継続的に教育現場に関わっていただけるような、そんな加配を進めていく必要があると思いますけれども、大臣の見解を伺います。

#30
○国務大臣(萩生田光一君) 子供たちの学びを保障するには、感染症対策を徹底した上で段階的に実現可能な学校教育活動を実施していくことが重要であり、このため、令和二年度の第二次補正予算案において、加配教員、学習指導員、スクールサポートスタッフを配置できるよう約三百十億円を計上しております。
 現下の状況において最も優先すべきことは、退職教員や学生、地域の人々、様々な人材の協力の下、これらの人材を積極的に活用いただき、子供たちを誰一人取り残すことがなく最大限に学びを保障することが大切だと考えております。
 また、現在、中央審議会、中教審においても、学校における働き方改革の観点も踏まえつつ、小学校高学年における本格的な教科担任制の導入など、新しい時代を見据えた学校教育の実現に向けて、教育課程、教員免許、教職員配置の一体的検討が行われており、これらの検討については今年度中には答申をいただく予定です。
 今後とも、新しい時代を見据えた学校教育の実現に向けて、持続可能な学校の指導、事務体制の効果的な強化、充実に取り組んでまいりたいと思います。

#31
○石川大我君 是非、学びの体制、しっかりと確保していただきたいと思います。
 あと、学校における暑さ対策も、いよいよ夏、暑くなってきますけれども、五月二十七日に文科省から教育委員会や学校法人に対し、「熱中症事故の防止について(依頼)」という通知が出されました。今年は新型コロナ感染症拡大に伴う臨時休校による学びの遅れを取り戻すべく多くの学校で夏季休業の大幅短縮が決定していますが、文科省の通知には、適切な水分補給ですとか学校現場の環境の整備等への対策の周知依頼という、ちょっと現場任せというか、具体的な例がないわけですけれども、熱中症の多い時期に、熱中症患者の多い時期に授業をするということで、是非、その周知依頼という現場任せではなくて、文科省として具体的な教育現場での環境づくり、これ提示するべきではないかと。マスクに関しても、体育の時間のとき、結構しっかりと出ておりますので、そこら辺をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

#32
○政府参考人(浅田和伸君) これからまた暑い時期を迎えますので、学校でも熱中症対策に十分注意することが大事だと思います。
 御指摘のように、五月二十七日に都道府県の教育委員会等に対して熱中症事故の防止についての通知を出して、児童生徒の健康管理に一層留意するように求めたところです。具体的には、熱中症の防止には水分や塩分の補給が大事ですので、部活動や屋内での授業中、登下校中も含めて教育課程の内外を問わず、適宜補給を行うなどの適切な措置を講じるよう求めております。
 何といっても各学校が、先生方が子供たちの様子を見ているわけですから、子供たちの健康管理にそれぞれの学校で十分注意を払って、適切に対応していただくことが必要であろうかと思います。

#33
○石川大我君 是非、具体的な例も示しながら学校現場に対してメッセージを発していただきたいと思います。例えば、授業中であっても登下校中であっても必要なときに水分の補給の機会を与えるとか、登下校中、自動販売機で本当にしんどくなったら水を買ってもいいんじゃないかとか、学校によっては校則の中でお金を学校に持っていってはいけないとか、そういったことで命を失うということはあってはならないと。大人でしたらそういったことが当たり前にできますが、子供たち、なかなかそういったことができないことを、しっかりと文科省でもこのコロナに対応していただきたいなというふうに思っておりますので、是非、具体例を示していただきたいと思います。
 ちょっと時間がなくなってまいりましたが、もう一点だけ、パワハラ防止法施行が六月の一日、昨日でした。それに伴うLGBTに関する質問をさせていただきたいと思います。
 パワハラの防止措置が事業主の義務となりました。学校現場には三月十九日付けの通知が出されました。通知では、相手の性的指向、性自認に関する侮辱的な言動を含む人格を否定するような言動を行うことや、労働者の性的指向、性自認などの機微な個人情報について当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露することについてもパワーハラスメント指針においてパワーハラスメントに該当するものと考えられると、こういう通知が出たのは本当に画期的だというふうに思っております。
 パワハラにLGBTが関することが含まれる、これしっかりと浸透するように努めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#34
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 本年六月一日より改正労働施行総合推進法が施行され、パワーハラスメントの防止措置が事業主に対して義務付けられたところであり、各教育委員会等においてパワーハラスメント等の防止のための対策を講じることが必要になります。
 文部科学省としては、教職員間のパワーハラスメントについて、本年三月十九日に各教育委員会に対してパワーハラスメントを始めとする各種ハラスメントの防止のため、相談体制の整備などの雇用管理上の措置について遺漏なく実施をすること、また、性的指向、性自認に関する侮辱的な言動や了承のない暴露についてもパワーハラスメントに該当し得ると考えられることなどについて通知を発したところでございます。

#35
○石川大我君 LGBTに対するハラスメントですが、教員間というだけでなくて、教員と生徒間、保護者と教員間などにもあるというふうに思います。例えば、当事者の児童生徒がこの先生ならということで信頼して相談したことが翌日には他の先生にも伝わっていて差別的な言動を受けたといったことや、カミングアウトをされた先生に対して保護者から差別的な言動が行われる場合ということも想定をされると思います。
 通知には実施状況の調査というふうにありますけれども、これ秋にも行われるということですが、LGBTに対するパワハラ、これ新しく入ったということで、しっかり調査の中にもこうした防止措置というのをとるということですから、これを調査していただきたいと思いますし、研修などの機会などでも取り扱っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#36
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 先ほども答弁をさせていただきましたが、改正労働施行総合推進法を踏まえたパワーハラスメントの防止措置の実施状況については、法改正の際の附帯決議においても調査を実施することなどについて盛り込まれていることも踏まえ、文部科学省としても各教育委員会等の取組状況を調査してまいりたいと考えております。その旨、三月十九日に教育委員会に対して通知を発出したところであります。
 また、この具体の調査時期につきましては現在検討を進めているところでありますが、新型コロナウイルス感染症への対応に係る教育委員会の負担等にも留意をしながら、本年秋頃の実施を目途に準備を進めてまいりたいというふうに考えております。お話のありましたその具体的な調査の内容につきましては、今現在まさに検討を進めているところでございます。
 各教育委員会の取組状況を把握することなどを通じて、性的指向、性自認に関する侮辱的な言動や了承のない暴露も含めたパワーハラスメントについて、その防止措置が適切に実施がなされるよう周知徹底を図ってまいりたいと考えております。

#37
○石川大我君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
 著作権法についてお伺いをしたいと思います。
 著作権法の改正についてですが、著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合についてお伺いをしたいと思います。
 この特別な事情の典型例として詐欺集団に対する証拠保持を例として挙げられてあるわけですけれども、相手が詐欺集団であるということが明確に分かっていればいいんでしょうけれども、それよりむしろ、詐欺を働いているんじゃないか、そういったような相手の犯罪性が曖昧な場合にも、その犯罪性を証明するためにダウンロードをするというような場合に行為者の権利侵害が問われないようにする、そういった必要があるかと思うんですけれども、その場合にも特別な事情を認められるということで解釈をしてよろしいでしょうか。

#38
○政府参考人(今里讓君) 委員会の質疑などにおきましても、また私ども公表している中で、特別な事情がある場合と今御指摘のありました点につきまして具体例を示しているところでございますが、これは、詐欺集団の作成した詐欺マニュアルが被害者救済団体によって告発サイトに無断掲載されている場合に、それを自分や家族を守る目的でダウンロードすることということでございまして、犯罪のための証拠保持ということとは直接はこの例は結び付かないものとまず考えているところでございます。
 なお、このお尋ねの点につきまして、考え方といたしましては、著作者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合、これに該当するか否かは、著作物の種類、経済的価値などを踏まえた保護の必要性の程度、そしてダウンロードの目的、必要性などを含めた態様という二つの要素によりまして、個別の事案ごとに判断されるものでございます。
 そして、先ほど御指摘がありました、私どもからも御説明申し上げました詐欺マニュアルのダウンロードの事例はあくまでも典型的な例を示したものでございまして、その著作物が明らかな犯罪行為に用いられるものに限定する意図はないものでございます。
 御質問のように、犯罪行為か否かが曖昧なケースにつきましても、著作物としての保護の必要性とダウンロードの必要性等の要素を総合的に勘案した結果に特別な事情がある場合に該当すると、こういうふうに判断されることはあり得るというふうに考えているところでございます。

#39
○石川大我君 明確な御答弁をいただきましてありがとうございます。
 抑止効果と取締りのバランスについても最後に一問お伺いをしたいんですが、ダウンロード違法化については直接取り締まることは現実的ではありません。つまり、ダウンロードをしたということをかなりSNSで発信をするとか、そういったことがない限り、ダウンロードをしたこと自体は本人のみぞ知るということなんだというふうに思うんですけれども、そういった意味では抑止効果を狙ったというような旨の答弁も既に出ております。他方、抑止効果を狙った法律では法の形骸化になりかねないという議論もあるということも承知をいたしております。
 一方で、私が危惧をするところは、ダウンロードの違法化が別件逮捕に利用されるおそれがないかということです。他の犯罪の捜査において捜査期間を延ばす目的で押収したパソコンの中にあるデータを違法なものだと、違法なダウンロードだとみなして別件逮捕につなげる、あるいは、ほかの目的で逮捕をしたいんだけれどもそれで逮捕をすることが大変なので、まさに違法ダウンロードで先に逮捕をしてしまって、そして捜査する時間、取調べをする時間を確保するといったような本改正案の趣旨を外れた別件逮捕の濫用について、これはあってはならないというふうに思いますけれども、この点について大臣のお考えをお聞かせください。

#40
○国務大臣(萩生田光一君) まず、御指摘のとおり、この侵害コンテンツのダウンロード違法化については、主として抑止効果を狙ったものであることは事実です。
 昨年十月に文化庁が行った国民アンケートにおいては、違法化、刑事罰化がされた場合にはダウンロードをやめる、減らすと回答した者の割合が九割以上となっていることから、実際の摘発には至らずとも、大きな抑止効果が期待できると考えております。
 取締りを行う場合の具体的な手順につきましては実務を担う警察庁にお尋ねいただきたいと思いますが、侵害コンテンツのダウンロード違法化について、侵害コンテンツであることを知りながらという要件も課せられているため、権利者が何らかの形で侵害コンテンツのダウンロードが行われていることを探知した上で、ダウンロードを行ったユーザーに対して警告を発するところから始まるのが通常ではないかと思います。
 その警告にもかかわらずその後もダウンロードが継続されている場合には、侵害コンテンツであることを知りながら継続的に又は反復してという要件にも該当することとなり、行為の悪質性の程度等にもよって刑事上の取締りが開始される可能性があるものと理解しております。
 刑事罰の運用が不当に拡大されるなどの懸念もあると承知しておりますが、音楽、映像の違法ダウンロードについては、刑事罰化をした平成二十四年十月以降七年が経過しておりますけれども、そうした事例は一切生じておりません。そもそも、捜査、差押えは裁判所が発する令状に基づいて行われるものであり、無制限の捜査機関の介入が認められているものではありません。
 また、本法案の附則では、刑事罰の運用に当たってインターネット利用が不当に制限されないような配慮を行うべき旨を規定しており、捜査当局において慎重な配慮の下で適切な運用が行われることが期待されているものと考えております。
 御指摘のような別件でサーバーを回収してそしてというのは、これは想定はしておりませんけれど、あってはならない事例だというふうに思いますので、よく注視していきたいと思います。

#41
○石川大我君 是非、法の濫用にならないようにしっかりと見詰めていっていただきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたしますというふうに述べまして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#42
○伊藤孝恵君 今朝から、我が家の七歳も分散登校をしております。しばらく出席番号を偶数と奇数に分けて学校に行くそうです。
 忘れもしない二月二十七日木曜日、総理は、専門家会議に諮ることなく、感染者ゼロの地域も含めた全国の小中学校、高校、そして特別支援学校に対し一斉休校を要請しました。金曜日一日で週明けからの子供の居場所を確保するために奔走した子育て世帯のみならず、一夜にして課題を整えた学校現場の混乱、それは到底言葉にすることはできません。
 子供たちを感染リスクから守ることが目的なのであれば、保育園や学童も一緒に閉じなければ、これは意味がありません。そして、この一斉休校に踏み切らなければいけないほど事態が深刻なのであれば、居酒屋やパチンコ店、そしてゴルフ場も一緒に閉めないと、これはまた説明が付きません。
 事実から申しますと、テープでぐるぐる巻きに遊具もされて閉じられてしまった公園を尻目に、ゴルフ場は最後まで開いておりました。一体その措置は誰がどんな判断軸を持って決めていくのか、多くの国民はいまだに首をかしげております。
 大臣に伺います。
 北九州の小学校で集団感染が発生してしまいました。今朝までに四校が休校になっております。コロナウイルスの第二波襲来も想定する必要があります。そのとき国民に対し説明不可能な判断をしないためにも、一定の休校指針、基準を持っておく必要があると思います。今回の一斉休校の効果検証や影響評価、しているんでしょうか。

#43
○国務大臣(萩生田光一君) 文科省では、三月二日からの全国一斉休業以来、臨時休業中の子供の居場所確保に関する各自治体の取組状況の調査、新学期の際の臨時休業の実施調査、学習指導等の取組状況調査などを行い、学校の状況を把握するとともに、学校再開ガイドラインや臨時休業ガイドライン及び各種通知を発出する、学校における感染症対策や子供たちの学びを保障するための考え方を適時示してまいりました。
 一方、新型コロナウイルス感染症についてはいまだ不明な点が多く、学校での感染状況に係るエビデンスが蓄積されておりません。現在、多くの学校が分散登校の導入を含め教育活動を再開しており、感染症対策をしっかりと行った上で児童生徒の学びを保障していくことが重要と考えております。
 文科省としても、補正予算において感染症対策や学習保障に関する経費を計上しており、今後とも各学校の設置者の取組をしっかりと支援をしてまいりたいと思います。

#44
○伊藤孝恵君 北九州の教育委員会は、今、一斉休校の可能性を否定しております。今大臣、再開ガイドラインは示しているとおっしゃいました。でも、私が今お伺いしましたのは、ちゃんと効果検証して影響評価をした上で、第二波、第三波の襲来時における休校ガイドライン、これもあるべきだと。これは、もちろんエビデンスに基づいたものであるべきだというような問題提起をしております。
 この大きな決断を各自治体の教育委員会に委ね続ける、そうではなくて、この大きな決断の礎には文科省の指針があるべきだというような訴えをしております。是非もう一度御答弁お願いします。

#45
○国務大臣(萩生田光一君) 今答弁した中にもありましたけれども、臨時休業のガイドラインについても発出をしています。
 ただ一方、現場からは、どういう状況になったときにどういう閉め方をするのか、例えばインフルエンザの場合などは既にそのルールが明確に決まっているので、それに準じてやるべきだろうかというような様々な意見の交換はしているんですけど、先ほど正直に申し上げましたように、エビデンスが今のところないという状況の中で、また、学校だけじゃなくて、感染経路がどうなっているのか、町全体がどうなっているのかによって状況が異なりますので、一律に例えば一人生徒で感染者が出たら学級閉鎖、複数出たら学校閉鎖、あるいは複数の学校が出たら市内を一斉休校というようなルールをあらかじめ文科省が決めるということではなくて、状況に応じて対応していこうということが現段階での方針でございます。

#46
○伊藤孝恵君 では、質問を変えます。
 北九州の学校ではマスクもしておりました。体温測定もみんなしておりました。ソーシャルディスタンスも守っておりました。しかしながら、無症状の感染児童による拡大を抑えることはできませんでした。こういったコロナウイルスの特異な性質というのがあります。
 こういった感染の状況というのを鑑みた上での学習権の保障、これについて大臣はどのようにお考えですか。

#47
○国務大臣(萩生田光一君) 今御指摘のように、エビデンスがない中で、その専門家の皆さんの助言に基づいた学校の感染拡大防止策については、北九州、努力していたことは一定程度認めなきゃならないと思います。にもかかわらず、今こういう感染が発生しました。
 現在、厚労省のクラスター班が現地に入っておりまして、いわゆる学校での集団感染なのか、あるいは外部との接触による感染なのかを今調べているところでございますので、その調査結果が出た上で改めて方針を決めたいと思っておりますが、いずれにしても、そういう努力をしていてもこういうことが起こるんじゃないかということが先生の問題意識だと思いますので、感染リスクをゼロにすることはできない中でどうやって最小限のリスク管理しながら学校を前に進めていくかということは、様々な事例をしっかり示しながら努力をしていきたいと思っています。

#48
○伊藤孝恵君 大臣、今専門家の知見というふうにおっしゃいましたけれども、政府の専門家会議は感染症や経済の専門家しか入っていないんじゃないでしょうか。先ほど心のケアというのを大事だというふうにおっしゃったのであれば、例えば教育学者、例えば小児科医、それから児童心理学や発達心理学の専門家の知見も入れるべきだというふうに思います。
 元文科事務次官の前川喜平氏は、休校は子供たち自身の生命の危険がある場合に限るべきだ、生存権は学習権よりも大事だからだ、感染の拡大を防止するという公共の福祉のための休校は、ほかにより効果的な手段がない場合に限るべきだと主張されております。私も同感です。
 三月の休校は、子供の安全を守るためといいながら、実際は子供そのものではなく、子供から大人への感染リスクというのを軽減させるためではなかったのか。それは憲法で保障された侵すことのできない重要な基本的人権、子供たちの教育を受ける権利を奪ってまで必要だったのか、これを検証する責務は大臣にはあります。
 今、長女、分散登校していますというふうに申し上げましたけれども、学童は三密です。学童はずうっと朝から晩まで開いております。そして、次女の保育園は朝七時から夜八時半まで開いております。この違和感、大臣もお感じになっているはずです。
 これ、今は三か月前の混乱時の判断ではありません。今、三か月ありました。この三か月の間に厚労省や内閣府、また専門家会議とどういった整理をされて三か月前と再び同じ判断をしているのか、御答弁お願いします。

#49
○政府参考人(丸山洋司君) 中教審と専門家会議における今懇談会というのを持っておりまして、専門家の皆様方、厚労省のですね、会議の皆様方と教育的な観点で専門家である中教審のメンバーが一堂に会してというか、今リモートなんですけれども、そういった場において、今後の学校再開に向けた、また臨時休業の在り方等々について議論をする場を持っております。
 そういったところの成果ということも踏まえながら、今後のガイドライン等について、マニュアル、そういったものについてしっかりと打ち出しをしていきたいというふうに考えております。

#50
○伊藤孝恵君 ゼロ回答ですよね。三か月あったのに何も決めていなかった、何もすり合わせがされていなかった、何も整理がされていなかったという答弁であります。大臣、この課題感、共有していただけますか。

#51
○国務大臣(萩生田光一君) 今局長が申し上げたのは、その先生の前段の質問で、専門家の意見も、知見と私が言ったけれども専門家会議に入っていないじゃないかという御指摘があったんですけど、そうじゃなくて、文科省として専門家の方たちを入れた会議を実施していますので、厚労省の皆さんと相談をしながら、今御指摘のあった学童については、例えば、学校の学童については空き教室を積極的に使っていただくということは既に新しい方針として示しています。ただ、民間の建物を借りている学童についてはなかなかそのスペースに限りがあるので、そこで三密を避けるということができない状況が続いていますので、例えば、これから大変気候も良くなってくるので、学校の校庭や学校の空き教室などを使っていただくということは文科省と厚労省の間では協議しています。
 しかし、問題意識を共有せよということでありますので、それは共有させていただきたいと思います。

#52
○伊藤孝恵君 意識を共有したのであれば、対応策を是非よろしくお願いいたします。
 これから、実質三か月近くの休校で生まれてしまった子供の学びの保障、学習面のみならず学校行事などの学習面以外の学びの保障、体験の保障と言ったらいいんでしょうか、もしていかなければなりません。
 それには伴走者が欠かせないというふうに思います。先ほど大臣も御答弁の中で、二次補正の中に、関連経費三百十億円を盛り込んだ公立の小中学校の教員、学習指導員、スクールサポートスタッフ等というふうに御答弁ありましたが、東日本大震災の際など学校再開時のクイックスタートに、心身のケアをするスタッフの大幅増員は子供たちの回復に効果があったというような報告もされておりますので、この予算には賛同しますというか、予算の桁が足りないんじゃないかというふうに思いますけれども、この方々、毎年二・五万人の教員も退職しておりますので、こういった方々のお力をお借りするとともに、こういった臨時免許状、学習指導員等の採用を強化していくことになろうかと思いますが、その際のゲートキーピング、適性チェックですね、という部分について日本は非常に不十分だという指摘もあります。
 例えば、教員は暴力行為や性犯罪によって懲戒免職になったとしても、文科省の処分歴共有システムは三年後には非開示になりますので、過去を隠して再任用されるのは容易でございますし、結婚や養子縁組で名前を変えれば検索に引っかかることもありません。そして、県をまたげば処分内容の詳細も知られることはありません。
 学校は子供たちにとって安全な場所でなければいけませんので、こういう学校で働く大人のゲートキーピング、適性チェックというのをしっかりやっていただきたいんですが、大臣、いかがでしょうか。

#53
○政府参考人(浅田和伸君) 学校再開後の子供たちの学びを社会総掛かりで支えるためには、御指摘のとおり、人的体制の整備が必要です。あらゆる手段を総動員して対応していく必要があると考えています。
 御指摘の臨時免許状につきましては、法令上、普通免許状を有する者を採用することができない場合に限り、受検者の人物、学力、実務及び身体についての教育職員検定に合格した者に授与される正規の教員免許状でございます。教師としての質は確保されているというふうに考えております。
 それから、学習指導員とかスクールサポートスタッフ、これも幅広く協力を得る必要があると思います。これらにつきましては、国では資格要件等は特段設けておりませんが、採用に当たっては、各教育委員会の就業要項等を踏まえた上で、各教育委員会において面接などを通じて適切に任用がなされるものと考えております。
 文科省としては、学びの保障の観点から、必要な人的体制が整備されるように引き続き支援を行っていきたいと考えております。

#54
○伊藤孝恵君 学校で子供たちに接するのって先生だけじゃありませんよね。こういった学習指導員とかスクールサポートスタッフという方々も子供たちに触れる大人の一人です。そういった方々を各教育委員会の責務の中で、その方たちの過去のそういった歴に関しても一元で管理することが難しいので、この文科省が一九年度から始めた全国の教育委員会が処分歴をチェックできるシステムの運用というのは歓迎しているんです。しかしながら、やっぱりデータベースが余りにも貧弱だと。こういったデータベースの充実、提供内容の拡充、学習指導員やスクールサポートスタッフにも広げていただきたい、これは現場からの声でございますので、そういったもの、指摘をさせていただきます。これ、大臣、いかがでしょうか。

#55
○国務大臣(萩生田光一君) 先生が御指摘になられたように、現行の仕組みの中では、教員の皆さんの過去の例えば罰則あるいは懲罰などについては簡単に閲覧ができない、あるいは一定の年限がたつとそれが分からなくなってしまうという問題があります。
 今回、コロナ後、様々なマンパワーが必要な中で、我々はまずは性善説に立って、志のある人たちがみんな手伝ってくれると思っていますけれど、間違ってもそういう中に例えば幼児性癖のあるような人たちで過去の犯罪歴がある人が入ってきてしまったらこれ大変なことになると思いますので、その辺は教育委員会ともしっかり見ながら間違いのないようにしたいと思いますし、私がここで将来的にそれを一元的な管理をすることが望ましいと言うと、これまたほかの法制度との絡みもあるんですけれど、やっぱり今後学校運営していく上で、一定程度過ちを犯してしまう学校関係者がいることも現実問題としては否定できないところもありますので、子供たちの安全のためにどういう方法が取れるか、そこは深く考えていきたいと思います。

#56
○伊藤孝恵君 しっかりと御対応、よろしくお願いいたします。
 それでは、法案についても伺います。
 今回の法案では、インターネット上の海賊版対策の強化としてリーチサイト対策と侵害コンテンツのダウンロード違法化といった措置を講ずるものとされており、リーチサイト対策についてはその抑止力に期待するところであります。特に言及することはございません。
 一方、侵害コンテンツのダウンロード違法化に係る措置の中で、軽微なものや著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合等のダウンロードは規制の対象外とされています。これらの条件に該当するかを国民が判断するのは困難であります。本法案の内容を具体的にどのように普及啓発、教育を実施し、実効性を担保していくのか、これはまた大きな課題だというふうに思いますし、今回の法案の主観要件、だから知らなかったんでというふうに言えば民事措置もないし刑事罰にも問われない、またストリーミングも対象外、またメールで送られてきたものを保存すれば違法でないとするならば、ここが抜け道化するおそれがあります。
 例えば、私が海賊版サイトの運営者でしたら、漫画の全編をストリーミングで見せればいいわけですし、レストランの予約サイトのように、まず課金をサイト内で行って、予約確認メールのような形でユーザーにURLを送って、そこからダウンロードしてしまえばいいわけですから、こういった抜け道対策、これについてどのようにお考えなのか、対応策について教えてください。

#57
○政府参考人(今里讓君) 前段の普及啓発の教育の件でございますけれども、これは委員御指摘のように、国民の皆様の不安、懸念の払拭と、それから海賊版対策としての実効性の確保、これをきちっと確保していくためには、法改正の趣旨ですとか正確な内容、具体的な事例等を丁寧に情報発信していくことが重要であると考えているところでございます。
 既に閣議決定時にこのダウンロード違法化に関するQアンドAを公表いたしまして、基本的な考え方をお示ししているところでございますが、今後、予測可能性の確保、居直り侵害の防止のために、より詳細な内容をまとめたガイドラインやQアンドAを作成する予定でございます。
 また、いろいろ抜け道があるのではないかという点でございます。
 今ほども申し上げましたように、海賊版対策としての実効性を確保しつつ国民の正当な情報収集等の萎縮の防止を図る観点からは、様々な除外規定を設けているということでございます。ただ、漫画等の海賊版をそうと知りながらそのままダウンロードする行為のように、権利者に大きな不利益を与える行為が違法化対象から除外されることはなく、現在生じている深刻な海賊版被害の実効性が損なわれることはない、このようにも考えるところでございます。
 なお、違法にアップロードされたものであることを知らなかった場合、それから単なる視聴、閲覧行為、メールで送られてきたものを保存する行為、これらまで違法化の対象とすることにつきましては、国民の情報収集等が過度に萎縮する懸念が強いために、慎重な検討が必要であると考えてございます。
 インターネット上の海賊版に対しましては、様々な手法を組み合わせながら総合的な対策を行っていくことが重要でありまして、今後とも、関係省庁と連携しながら実効的な取組を推進してまいりたいと思います。

#58
○伊藤孝恵君 抜け道は認識しているけれどもなかなか対応が取れない、対応策はないという御答弁だったというふうに思いますが、この本法附則には、違法アップロード対策の充実に係る検討条項が規定されております。
 今後、特に日本国内は法整備を整えるということになると思うんですが、海外での実効性ある違法アップロード対策をどのように図るかが重要になってまいります。海賊版のサイトリストを国際的に共有化するような仕組みを求める声があるほか、海外での著作権侵害対策について政府の費用助成制度が必要との指摘もあります。今は権利侵害された個社が、又は個人が全てを負担しなければならない状態です。
 産業財産権のような、具体的には特許庁の中小企業等海外侵害対策支援事業のような、冒認商標によりブランドが毀損された場合に、その取消しや紛争解決を支える助成制度を取り入れていくおつもりあるかどうか、教えてください。

#59
○政府参考人(今里讓君) まず、海賊版のサイトリストの国際的な共有化などの海賊版対策についての協力関係でございますけれども、委員御指摘のように、日本国内のみならず、海外の侵害発生国等とも協力しながら対策を講じていくことが重要であると認識してございます。
 例えば、WIPOと協力しながら、日本に招いてアジア太平洋諸国の専門職員を、政府職員を研修を行う事業を実施するなど、地域全体の海賊版への対応能力の水準向上を図ってきているところでございます。
 そして、産業財産権のような海外助成制度についてもお尋ねがございました。
 御指摘のように、海外での著作権の侵害対策については、現在のところ助成制度がないところでございます。しかしながら、企業が海外において個別に侵害対策を実施することは、ノウハウ等の面で困難が伴うことを想定されます。文化庁では、我が国の権利者が海賊版対策を行うための権利執行の具体的な手順や必要な情報を整理したハンドブックですとか事例集などを作成して、今後もこうした取組を充実させていく予定でございます。

#60
○伊藤孝恵君 特許庁がブランドを守るために制度をつくりました。文化庁もコンテンツを守るために制度をつくってください。
 終わります。

#61
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。本日もよろしくお願いいたします。
 法案の中身に入る前に、冒頭、私からも、地元の北九州の小学校でのクラスターについて、大臣にお伺いをしたいと思います。
 北九州の小学校でクラスターが発生をいたしました。これは、国としては初めて学校でのクラスターの事例であるというふうに思いますけれども、この北九州でのクラスター、学校でのクラスターをどのように受け止めて、また、北九州市に対してどのように対応の支援をしていくおつもりであるか、お答えいただければと思います。

#62
○国務大臣(萩生田光一君) 北九州の小学校において複数の感染者が確認されておりますが、現在、北九州市が感染経路を調査中であり、学校における集団感染が発生したとはまだ断定できない状況にあると承知しております。
 北九州市の教育委員会では、地域一斉の休校措置をとるのではなく、感染者が発生した学校のみを臨時休業とし、感染拡大のリスクを可能な限り低減しつつ教育活動を継続し、児童生徒の健やかな学びの両立を図るため必要な検討をすると伺っており、文科省としても、当該教育委員会と緊密に連携し、感染拡大の防止や学習機会の確保のために必要な助言等を行ってまいります。
 感染症対策を徹底しつつ最大限子供たちの健やかな学びを保障するため、ICT環境整備の加速や、自宅等で活用できる教材や動画等を紹介する子供の学び応援サイトの開設、充実を行っているところです。
 加えて、令和二年度補正予算案において、学校全体における指導体制の充実のため、教員の加配や学習指導員、スクールサポートスタッフの追加措置、消毒液や教材、空き教室の活用に伴う備品の購入など、学校現場が柔軟に活用できる形での支援など、係る経費を計上し、各自治体、学校の取組を支援してまいります。
 引き続き、地域における厳しい感染状況に十分留意しつつ、感染症対策に万全を期した上で教育活動を実施していただけるように、文科省として支援をしてまいりたいと思います。

#63
○高瀬弘美君 大臣、ありがとうございます。
 今、北九州市も、また教育委員会も、各学校も今一生懸命対応いただいているところでございます。クラスターが発生したと、まだ断定できないということでございましたが、その学校の周辺ではもう二割の生徒さんが自主的にお休みをされていらっしゃいます。今朝、北九州で働いている教員の友人から教えていただきましたけれども、北九州全体でも二千人ぐらい生徒さん休まれているということで、やっぱり学校で感染したのではないかという思いから、親御さんたちは学校に行かせるということを非常にちゅうちょされている様子でございます。御存じのとおり、北九州市は、もう既に早い段階で夏休みを削って今学期については二学期制にするという決定をしておりまして、授業数も既にぎりぎりの状態の中で学校を再開しようとしたやさきにこのクラスターが起こっている状況でございます。
 先日の委員会でも質問をさせていただきましたけれども、北九州市、一人一台の端末を整備しようと予算いただいているんですが、今、物がなくて、端末が買えなくて、その一人一台もできないような状況でございます。
 もう是非とも早急に支援をいただきたいと思いますし、厚生労働省はクラスター班を既に現地に派遣をしてという話がございますけれども、文科省は北九州市に人を派遣する御予定は、局長、おありでしょうか。

#64
○政府参考人(丸山洋司君) 現在、北九州市の教育委員会と様々連絡を取っているところでありますけれども、状況を確認しながら、必要に応じてしっかり対応していきたいと思います。

#65
○高瀬弘美君 人の派遣するかどうかという判断はお任せいたしますが、ただ、今回の北九州の事例、非常に今後の参考にもなると思いますし、第二波が来るという前提に立って文科省にも準備をしていただきたいと思いますので、是非、北九州市と密に連携を取っていただきたいとお願いを申し上げます。
 もう一つ心配しておりますのが、今回のこの小学校でのクラスターと思われる事例、最初に感染の分かった子の年齢等も出ております。学校の中では大体誰かということまで特定もできておりますし、そうした子がやっぱりいじめですとか誤った情報で偏見を持たれることがないように、この辺についてもしっかり文科省には御指導いただきたいなというふうに思います。
 ちなみに、北九州の小学校では、先週から一部登校始まっていたんですけれども、一番最初の登校でコロナウイルスについての勉強をするというこまを持たれたそうであります。その中で、そういう偏見がないようにということで、どういうこれが病気なのかということを教えることも学校によっては対策としてされていらっしゃったということでありますので、是非とも、そういうのも含めまして、今後の糧とするために、北九州との連携をお願いをしたいと思います。
 著作権法の審議に入っていく前に、私の方からも、先ほど、こやり先生からもお話ありましたけれども、第二次補正予算についてお伺いをしたいと思います。
 今回の第二次補正予算案の中には、我が党も強く主張させていただきまして、文化芸術関係者への、個人そして団体への給付金というのが含まれております。こうした給付金というのは非常に画期的なことであるというふうに思っておりますけれども、この給付金も含めて、一次補正でも、また今回の二次補正でも文化芸術関係者の方々に使っていただけるもの幾つかありますので、まずはその中身について確認をさせていただきたいと思います。

#66
○政府参考人(今里讓君) 文化芸術関係者への支援ということで、一次補正予算におきましては、感染拡大が終息しつつある段階に文化芸術活動を回復させるべく、子供たちの文化芸術体験、鑑賞機会の創出、地域の文化芸術関係団体等によるアートキャラバン等により、活動再開に向けた支援を行うこととしてございます。
 また、公演等の開催のためには準備期間が必要となるなど、すぐには従来同様の公演収入が見込めないこと等の課題があることから、二次補正予算案におきまして、文化芸術活動への緊急総合支援パッケージといたしまして、文化芸術・スポーツ活動の継続支援、それから文化芸術収益力強化事業によりまして、活動の継続、再開のための取組に支援を行うこととしております。

#67
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 このほかにも、一次補正の中で、例えばダンス教室などを事業としてしていらっしゃる方には持続化給付金も使えるようになっておりますし、これ経産省のものでございますが、ほかにも、例えば御自宅を稽古場として提供されていらっしゃる文化芸術関係の皆様につきましても、確定申告でちゃんとしていれば家賃補助の対象にもなると伺っております。今次長がお話しくださったもののほかにいろいろ使えるものありますので、こうしたものを全部きちっと全体像が分かる形で文化芸術関係者の皆様にお伝えをいただきたいということ、私の方からも重ねてお願いを申し上げたいと思います。
 一問飛ばさせていただきまして、著作権法に関して、今回の法改正とも関係する話でありますけれども、学校休校の中で一人一台端末が進んでいく中で、宿題の提出、課題の提出の際に、例えばネット上にある漫画の数こまをダウンロードして生徒さんが課題の中に使うですとか、あるいはネット上にある画像を使うような場合、これは、生徒だけではなくて学校の先生も資料を作るときにこうしたことをされている可能性がありますけれども、こういう場合は著作権法との間でどういう整理になっていますでしょうか。

#68
○政府参考人(今里讓君) 今の教育利用についてのお尋ねでございますけれども、著作物をダウンロードして教材として利用する場合は、教育目的の利用として、著作権法第三十五条におきまして、一定の要件の下、権利者の許諾なく行えることとなっております。
 その取扱いは、今、漫画の一こま、数こまの例がございましたけれども、そもそもこの漫画の一こま、数こまということが今回ダウンロード違法化の対象から除外されていることではございますが、今先生のお尋ねがございました学校の先生が教材作成のために行うダウンロードは、私的使用目的の複製ではなくて、今回の改正によって規制されるものではございませんので、いずれにせよ、教育利用ということで、取扱いは今回の改正にかかわらず使えるということでございます。

#69
○高瀬弘美君 教育目的であれば大丈夫ということでございましたけれども、これ、学校現場の皆様にも正しく知っていただくこと大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、著作権法の中身に入らせていただきます。
 まず、大臣にお伺いいたします。
 著作権法は、さきの通常国会で法案の提出を見送った経緯がございます。その後、どのような検討が行われてきたのでしょうか。また、今回の法案につきまして関係者や国民の理解は得られているという理解でいらっしゃいますでしょうか。

#70
○国務大臣(萩生田光一君) 本法案につきましては、昨年、国民の日常的なインターネット利用が萎縮するとの懸念が拡大し、漫画家からも違法化の範囲が広過ぎるとの御意見をいただいたことから提出を見送った経緯がございますが、その後、国民の皆様の声をより丁寧に伺いながら検討を重ねてまいりました。
 具体的には、まず、昨年時点の法案の内容を示してパブリックコメントを実施し、国民の有する懸念事項や要件設定に関する意見等を幅広く把握をするとともに、インターネット調査による国民アンケートを実施し、侵害コンテンツのダウンロードの実態や法整備が国民に与える効果、影響を把握しました。その上で、漫画家、出版社、消費者、ネットユーザーなどの関係者や様々な意見を有する学者、弁護士などで構成される有識者検討会を新たに立ち上げ、海賊版対策としての実効性確保と国民の正当な情報収集等の萎縮防止のバランスが取れた修正案を作成すべく、集中的に議論を行いました。
 その結果、今回の法案では、侵害コンテンツのダウンロード違法化について、スクリーンショットを行う際の写真の写り込みや漫画の一こまから数こまなどの軽微なもの、二次創作やパロディー、著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合のダウンロードを違法化対象から除外しています。
 また、本法案の附則では、国民への普及啓発、教育の充実や適法サイトへのマーク付与の推進を含む関係事業者による措置、刑事罰の運用に当たっての配慮等について規定し、運用面からも国民の懸念、不安等に対応していくこととしています。
 文科省としては、これらの措置によってパブリックコメントで示された懸念は基本的に解消できているものと考えております。この内容については、日本漫画家協会と出版広報センターの共同声明において、脱法行為を安易に招かず、かつ善良なユーザーに過度な萎縮を生じさせないバランスの取れたものとして評価をいただいており、関係者や国民の皆様にもバランスの取れた内容として御理解いただけるものと考えております。

#71
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 ダウンロードの違法化についてお伺いいたします。
 これまでも、アップロードにつきましては既に違法となっておりますけれども、ダウンロード、ネット上からデータを落とす方ですね、こちらの違法化につきましては様々御指摘があります。
 例えば、既に違法となっているアップロード行為自体を厳格に取り締まればいいのであって、そこまでの、ダウンロードまでの規制をする必要ないという御意見もありますし、また、ストリーミング型の海賊版サイトには効果がないという指摘もあります。こうした指摘について文化庁はどうお考えでしょうか。

#72
○政府参考人(今里讓君) まず、侵害コンテンツのダウンロード違法化、文字どおりダウンロードという複製行為を規制するものでございますので、ストリーミング型の海賊版サイトには効果がないということは事実でございます。
 しかしながら、ダウンロード型の海賊版サイトが多数存在している中で大きな抑止効果が見込めるため、侵害コンテンツのダウンロード違法化を行う意義は大きいものと考えております。
 また、本法案におきましてはリーチサイト対策もございまして、リーチサイト対策の方では閲覧のみを行うストリーミング・オンラインリーディング型のものを対象としておりますので、法案全体として、配信の形態を問わず悪質な海賊版サイトに幅広く対応することができるものと考えております。
 また、既に違法となっているアップロード行為を厳格に取り締まればよく、そこまで規制する必要がないという御指摘もあることも承知しておりますけれども、違法アップロード行為につきましては、現行法上も諸外国と比べても厳格な法定刑が定められております。アップロード者に対する権利行使や摘発は随時行われているものと承知しております。
 本法案の附則では違法アップロード対策をより一層充実していくことについても規定しておりまして、今後とも政府全体として様々な取組を進めていく、こういうふうに考えているところでございます。

#73
○高瀬弘美君 インターネット上には様々なコンテンツがアップロードされておりまして、一般の方にとりましては正直言って違法にアップされたものかどうかというのは分からないものたくさんございます。そのような違法かどうか分からない著作物をダウンロードするということは今回の規制の対象となりますでしょうか。

#74
○政府参考人(今里讓君) 御指摘のとおり、インターネット上には、適法にアップロードされたのか違法にアップロードされたのか分かりにくいコンテンツも多くございます。
 このため、今回の法案では、国民の正当な情報収集等が萎縮しないよう、違法にアップロードされたことが確実であると知りながら行うダウンロードのみが違法となるようにしておりますので、アップロードが適法か違法か分からない場合ですとか、例えば適法に引用されたものだと誤解した場合のようにアップロードが適法に行われたものと誤判した場合、これらはダウンロードは違法とはなりません。

#75
○高瀬弘美君 確実であると知りながらというところがポイントになるということだと思いますけれども、今後、そこを逆に使って分かりにくいサイトを作るような業者も増えていくのではないかなと、今お話伺いながら思いました。
 今回の法改正でいろんなものが追加的に違法となっていきますけれども、二次創作ですとかパロディーのダウンロードは違法化の対象外と先ほど大臣からもお話がありました。これらを違法化の対象から除外する理由を分かりやすく御説明ください。

#76
○政府参考人(今里讓君) 二次創作、パロディーにつきましては、パブリックコメントでも強い懸念が示されたことを踏まえて検討を行いました。
 その結果、二次創作によって原作の売上げに悪影響を与えることは想定しづらいこと、それから、実態として二次創作は黙認されている場合が多く、新たな若手クリエーターを育てるなど、コンテンツ産業の発展に重要な機能を果たしているとも考えられることなどから、二次創作に係るダウンロード行為までは違法とする必要はないと判断したものでございます。

#77
○高瀬弘美君 今回の法改正で、日本国内の海賊版はこれまで以上に取り締まることができるようになると思いますけれども、まだまだ問題残っておりまして、例えば、海外にサーバーがあるリーチサイト、これにつきましては今回の法改正で規制が可能となるのかどうか、文化庁、お答えください。

#78
○政府参考人(今里讓君) 本法案によるリーチサイトの運営に対する刑事罰でございますけれども、リーチサイトのサーバーが海外にあるかどうかということで判断されるものではございませんで、リーチサイトの公衆への提示というこの罪の構成要件に該当する事実の一部が日本国内で生じたと評価できる場合、この場合に日本国内において罪を犯したものとして取締りの対象となるところでございます。
 また、このほか、日本国民につきましては、日本国外においてリーチサイト運営行為を行った場合でも国外犯として取締りの対象となります。
 民事措置である差止め請求、損害賠償請求につきましても、サーバーの所在地にかかわらず、海賊版被害が日本で生じる日本向けのリーチサイトについては日本法に基づく対応が可能と考えられます。
 一方で、リーチサイト運営者が特定できない場合や海外にいる場合など、迅速かつ円滑な権利行使や摘発が困難な場合もございます。こうした課題につきましては、海外の捜査機関等との国際連携、国際執行につきまして、これまで警察庁におきましてICPOを通じた国際協力等がなされているほか、海賊版対策組織であるコンテンツ海外流通促進機構が各国の権利者団体等と連携した対応に取り組まれていると承知しております。
 文部科学省におきましても、海賊版被害が懸念される国との政府間協議ですとか、海外における権利執行の方法や事例に関するハンドブックや事例集の作成等に取り組んでいるところでございます。
 引き続き、関係省庁とも連携しながら海外への働きかけを行い、侵害発生国における体制が整備され、諸外国において適切な取締りがなされるよう協力を進めてまいりたいと思います。

#79
○高瀬弘美君 リーチサイトを運営する行為というのは、今回の法改正で親告罪となります。その理由と、親告罪となっても海賊版対策として実効性は確保できるのかどうか、これにつきましても見解をお願いいたします。

#80
○政府参考人(今里讓君) リーチサイトには様々な類型、規模のものがございます。著作権者に与える影響も多様でございます。
 こういった中で、国民の間では、著作権者の意思にかかわらず公訴が提起される非親告罪とすることへの懸念が強く、パブリックコメントでもリーチサイト運営行為等に対する刑事罰を親告罪とすべきとの意見も多数示されていたところでございます。これを受けまして、様々な関係者、有識者で構成される検討会におきまして取扱いを検討した結果、権利者団体も含め国民の懸念を踏まえて親告罪とすることに理解を示す意見が大勢を占めたことから親告罪とすることといたしました。
 親告罪とした場合でも、看過できない悪質なリーチサイト等につきましては権利者が積極的に告訴を行う、こういったことになるわけでございますので、海賊版対策の実効性に問題はないものと考えてございます。この点につきましては、有識者検討会におきましても、権利者団体の代表の方から実務上の影響はない旨の御意見もいただいているところでございます。
 なお、親告罪の場合の告訴は、刑事訴訟法上、犯罪により被害を被った者が告訴をできると規定されているところ、リーチサイト運営行為の場合は、それにより被害を被った個々の権利者がそれぞれ告訴を行うことが可能であると考えられるところでございます。

#81
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 済みません、一問飛ばさせていただきます。
 今、これだけのインターネット社会となりまして、先ほどもお話しさせていただきました学校現場でも一人一台端末となる中で、国民がこの法改正の趣旨を理解して、過度な萎縮が生じないように周知徹底する必要があります。
 まさに小学生、小さなお子さんから大人まで、皆が正しく理解する必要があるわけでありますけれども、そのための具体的な方策について、大臣の御見解をお伺いします。

#82
○国務大臣(萩生田光一君) 侵害コンテンツのダウンロード違法化については幅広い国民の行動に影響するものであるため、本法案の附則第二条の規定に基づき、その趣旨や具体的な内容などについて丁寧に普及啓発、教育を行っていくことが重要であると考えております。
 文科省としては、既に閣議決定時に侵害コンテンツのダウンロード違法化に関するQアンドAを公表し、本件に関する基本的な考え方をお示ししているところですが、今後、国会での審議等を踏まえ、予測可能性の確保による国民の過度な萎縮の防止及び居直り侵害の防止のため、より詳細な内容をまとめたガイドラインやQアンドAなどを作成する予定です。
 普及啓発、教育に関する具体的な手法については今後検討してまいりますが、関係省庁や関係団体とも連携しながら、漫画雑誌等への掲載やCM、SNSの活用など、若者、子供たちに届きやすい手段の活用を含め、効果的な対応を行ってまいりたいと思います。

#83
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今、漫画掲載も含め子供たちの目に留まりやすいものというお話ありました。是非とも小さな子供から大人まで分かりやすい形での普及啓発のほどをよろしくお願い申し上げたいと思います。
 質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

#84
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほです。本日もよろしくお願いいたします。
 著作権法改正案についてお伺いをいたします。
 今回の法案は、昨年見送りになった際に明らかになりましたスクリーンショットの範囲だとかパロディーの取扱い、親告罪、非親告罪などの問題点を丁寧に考察されておりまして、著作権者の擁護と情報収集者の萎縮回避のバランスを取った妥当な内容に仕上がっていると個人的には評価をしております。
 今後は、状況を見ながら想定外の問題があれば対応していく、そして、引き続き国際的な連携方法やストリーミング規制、ブロッキング制度の必要性なども注視していかなければなりません。
 一方で、著作物利用の新しい可能性を探っていくことは文化発展の観点からも意味があると考えております。例えば、アメリカ型のフェアユースであるとかイギリス型のフェアディーリングというものは、文化庁においてもかねてより議論があったとお察しいたしますが、現在どのような検討がなされているのか、お聞かせくださいませ。

#85
○政府参考人(今里讓君) 米国型のフェアユース規定につきましては、新たな著作物の利用行為に柔軟に対応できるというメリットがある一方で、行為の適法性が司法判断によって初めて明らかになるということから法規範の予測可能性が低下するなどのデメリットもあると、こういうものだと承知してございます。
 この点、文化庁におきまして長年にわたり検討を進めてきたところ、平成二十九年四月の文化審議会著作権分科会の報告書では、我が国の企業等のコンプライアンス意識や国民の著作権に関する知識、理解の状況等を踏まえれば、フェアユースのような規定を創設しても公正な利用の促進効果はそれほど期待できない一方で、不公正な利用を助長するという可能性が高まること、そして、我が国では法定損害賠償制度や弁護士費用の敗訴者負担制度がなく、権利者が訴訟しても費用倒れになることが多いために、過度に司法判断に解決を委ねる規定には問題があること、そして、公益に関わる事項や政治的対立のある事項については、司法判断に委ねるのではなく、民主的正統性を有する立法府で具体的な調整が行われることが適当であること、こういったことなどから、司法による解決に委ねるフェアユース規定ではなく、明確性と柔軟性の適切なバランスを備えた複数の規定の組合せによる多層的な対応が最適であるという考え方が整理されているところでございます。
 この考え方に基づきまして、平成三十年の著作権法改正におきましては、権利者に及び得る不利益の度合い等に応じて行為類型の分類を行った上で、規定の抽象度を高めた柔軟な権利制限規定を整備し、これにより、現時点の我が国の状況に適した、バランスの取れた対応が行われたものと理解しているところでございます。
 なお、本法案におきましても、新たな著作物の利用行為に対応して、写り込みに係る権利制限規定の対象範囲の拡大等を行っているところでございまして、今後とも、新たな技術やビジネスの進展などの状況を十分に踏まえながら、バランスの取れた望ましい著作権政策の在り方を検討してまいりたい、このように考えているところでございます。

#86
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 なかなか著作権法、現行の我が国の著作権法からアメリカ型のフェアユースまでは随分とハードルが高いというイメージがありまして、でも可能性のあるところにはリスクも必ず存在するということを考えますと、まずはイギリス型のフェアディーリングというものも視野に入れながら考えていければいいのかなと思っておりましたけれども、想定以上に横たわっている問題が多いのだなと今の御答弁を聞きながら感じたところでございます。引き続き、デジタル時代の可能性として検討ができればと考えております。
 一方で、コンテンツの素材の利活用について、著作権や肖像権などの扱いが分かりにくい場合が実際には多々存在しておりまして、今からそちらの、今日はかねてから気になっていた点を質問させていただきたく存じます。
 昨年夏に開催されました国際芸術祭、あいちトリエンナーレでは、昭和天皇の肖像を用いた作品が複数展示されておりました。出品なさったアーティストは、過去にも同様に天皇陛下の肖像を用いた作品を発表されていまして、公立美術館での展示後に物議を醸して、天皇コラージュ事件として裁判にまで発展したことがございます。
 そこで、今日は宮内庁にお伺いをしたいのですが、天皇陛下や皇族の方々の肖像は、芸術作品に使用する場合、許可なく使われてもいいものでしょうか。
 宮内庁のホームページには「著作権等」という見出しのページがございまして、皇室の方々のお言葉、記者会見、御講演、御論文など皇室の方々の著作物や、皇室の方々が写っている画像、映像等については、宮内庁ホームページ利用規約1・2)に該当しますので、使用を希望される場合は、長官官房総務課報道室広報係まで御相談くださいとの記述がございますが、肖像利用可否の線引きについての御見解をお聞かせいただきたく存じます。

#87
○政府参考人(小山永樹君) お答え申し上げます。
 皇室の方々のお写真について無断で使用する場合には、肖像権、著作権などの個人の権利の侵害の問題となる場合があり得るのは一般の国民の方々と同じでございます。一方で、皇室の方々のお写真の使用が皇室と国民との親近感を強めるものと認められる場合もありますことから、あらゆる場合にその使用を禁止することは適当ではないと考えられ、良識の範囲内で妥当と認められるものにつきましては使用を認めても差し支えないものと考えております。
 こうした観点から、お写真の使用に当たりましてはあらかじめ宮内庁の了解を得ていただくことが望ましいと考えておりまして、宮内庁ホームページにおきましても、ホームページに掲載しているお写真の使用に関しては事前に御相談をいただくよう周知もしているところでございます。

#88
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 親近感が認められる場合に関しては、許可がなく使用されても問題はないというような内容だったかと理解をしております。そして、一般の方々と同様に陛下や皇族の方々にも権利というものは認められるべき、保護されるべきというような御意見も全く意見を共有するところでございます。
 けれども、この御相談くださいという言葉、柔らかい雰囲気になっておりますけれども、それでは防げない問題というのが出てきているのが、あいちトリエンナーレなどの状況を見ても受け取ることができると思っております。
 日本国と日本国民の統合の象徴である天皇陛下の肖像には自身の存在を投影する国民もいることを考えますと、この際、一歩踏み込んだ表現としまして、御相談くださいというところから御連絡ください、必ずという言葉を付けるかどうかというのは御判断が難しいところかと思いますが、もう一歩踏み込んだ表現を使用してはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。

#89
○政府参考人(小山永樹君) お答え申し上げます。
 使用されている方から事前に相談がないような場合、宮内庁として使用の実態を把握することがなかなか難しい面がございます。そういった面から、現状といたしましては、外部からの情報提供などを受けまして、宮内庁として望ましくない使用事例を確認しました場合には、その都度連絡を取って使用を控えるよう申入れを行っているという状況でございます。

#90
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 つい先日も、SNSをめぐる誹謗中傷から、将来ある若き女子プロレスラーが自ら命を絶つという悲劇が起こりました。皆様も御存じのとおりです。有名人であっても著名人であっても、そして公人であっても血が通っていて心がある、そういった存在であるというだけで守られるべき権利はあるはずでございます。是非、皇族や天皇陛下、そういった皆様にも守られるべき権利が守られることを願ってやみません。
 また、私たち国民一人一人にとっても、今回のテーマである著作権を始めといたしまして、肖像権、個人情報、言論の自由、表現の自由などの権利は、情報やメディアと複雑に絡み合い、大変難しい問題であると言えます。社会的にも認知が広がっているメディアリテラシー教育がスマホ世代の子供たちには必要と考えますが、文科省にお尋ねいたします。
 メディアリテラシー教育という言葉は学習指導要領の中に入っていますでしょうか。

#91
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 学習指導要領には、メディアリテラシーという言葉は記載はされておりませんが、メディアリテラシーを含む情報モラルの育成については、小中高いずれについても記載をしているところでございます。例えば、小学校の学習指導要領の総則には、各学校においては、児童の発達の段階を考慮し、言語能力、情報モラルを含む情報活用能力、問題発見、解決能力等の学習の基盤となる資質、能力を育成していくことができるよう、各教科等の特質を生かし、教科等横断的な視点から教育課程の編成を図るものとすると記載をされているほか、各教科等において、情報モラルの育成についても定められているところであります。

#92
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 子供たちは今後、その情報とモラル、権利といったことに関しまして、国語的なアプローチ、社会的アプローチ、道徳的アプローチ、様々な角度から学びを得ていくことになると思われますが、共通言語があることが重要なのではないかと考えております。共通言語がありますと、例えば、メディアリテラシー教育ということで今世の中に広がりつつあるようなワードは最有力候補に挙がってくるかと思いますが、アプローチが違えど共有するテーマがあるということが子供たちにも伝わりやすいのではないかと考えます。
 今回の著作権について、子供に対してどのように教育をしていくのか。もちろん、大人に対しても周知徹底は大変重要であります。子供たちの権利、心と体を守っていくという観点でも、是非、メディアリテラシー教育、あるいはそれに該当するような言葉を共通言語として学習指導要領に入れていただきたいと考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

#93
○国務大臣(萩生田光一君) 社会生活の中でICTを日常的に活用することが当たり前の世の中となる中で、文科省としましても、情報や情報技術を主体的に選択し適切に活用していく力が求められていると認識しています。
 学習指導要領においては、メディアリテラシーを含む情報モラルなどの情報活用能力を、言語能力と同様に学習の基盤となる資質、能力と位置付け、小学校段階から各教科等に横断的に育成することとしております。
 情報モラル教育の充実に向けて、文部科学省においては、動画教材を含む教員向け指導資料の作成や配付、スマートフォンやSNS等をめぐるトラブルの防止のための児童生徒向けの啓発資料の作成、配付などを行っております。
 また、子供たちがインターネットを介して犯罪やトラブルに巻き込まれないためには、子供たちへの情報モラル教育だけでなく、家庭や地域に対する啓発も必要です。文部科学省では、地方自治体やPTA、民間団体等と連携しながら、保護者と青少年に直接働きかける啓発活動を推進しており、具体的には、インターネット上のマナーや家庭でのルール作りの重要性を周知するための保護者等を対象とした学習・参加型シンポジウム等を開催するネットモラルキャラバン隊、また、ワークショップなどにおける保護者への啓発を含め、地域におけるネット対策の取組を支援するネット対策地域スタートアップ事業といった取組を実施しています。
 今後とも、これらの施策を通じて、子供から大人まで、情報モラルの育成に努めてまいりたいと思います。

#94
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 一斉休校から分散登校、徐々に始まりまして、子供たちの活気が学校にも戻ってきつつあります。そうなると、やはり子供たちの中には、SNSをめぐる問題なども現れてくるわけです。
 先日、NHK・フォー・スクールのサイトを見ておりましたところ、この情報モラルに関するコンテンツも大変充実しているということが分かりました。今後、コロナウイルスの影響で二波、三波が来て再び休校となった際にも、御家庭でそういった学びを進めていただけるように、文科省のホームページなどにもそういった情報を提供していただければと思っております。
 では、続いて、新型コロナウイルスに関する質問を幾つかさせていただきたいのですが、修学旅行についてお尋ねさせていただきます。
 先日、五月二十四日付けの読売新聞で報道がありましたが、東京都世田谷区が今年度の区立中学校の修学旅行を中止にするという方針を固めたということであります。滞在先で生徒が発症した場合の安全確保が困難というのが一斉中止の理由とのことですが、まずは現状確認をさせてください。
 文科省では、世田谷区以外で同様に修学旅行の一斉中止を決定している自治体を把握していらっしゃいますでしょうか。

#95
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の影響により修学旅行を延期又は中止する決定がなされている学校や自治体が存在していることについては承知をいたしております。
 修学旅行は、学習指導要領上、特別活動の中の学校行事に位置付けられるものであり、学校の教育活動の一環として、それぞれの実情に応じて各学校において計画、実施がされているところであります。この実施については、学校や教育委員会等の学校設置者において適切に判断をしていただくということになります。
 文部科学省においては、観光庁など関係省庁とも連携を図りつつ、各都道府県教育委員会等に対しまして適切な対応を求めていきたいというふうに考えております。

#96
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 一つの自治体が判断を下せば当然周辺の自治体も参考とする場合がありますし、時にはその動きが全国に広がることもございます。ですが、今年度はまだ十か月もありますし、この問題はそれぞれの事情を抱える学校と保護者、生徒たちが話し合って判断をしてほしいと願うところであります。
 三月十日のこの委員会でも、亀岡副大臣がおっしゃっていました。修学旅行の教育的意義や児童生徒の心情等にも配慮いただきながら、当面の措置として取りやめる場合においても、中止ではなく延期扱いとしていただきたいとか、既に中止した場合においても、新型コロナウイルスの終息後に改めて実施することを検討いただくなどの配慮をお願いしたいと今考えているところであります。
 そして、五月十八日、決算委員会での私の質疑にお答えいただき、文科大臣もお答えになっています。夏休みも全くない、土曜日も授業を行う、学校行事は全て精選して修学旅行も運動会も文化祭もない、だけど三月までに全ての授業は終わらせましたということが本当に可能なのかどうか、そこは深く考えを持って子供たちのために何が一番かということをしっかり考え、そして各方面とも調整をしながら最善の努力をしていくことを改めてお誓いしたいと思います、そう大臣はおっしゃっていました。
 そして、五月二十六日の記者会見でも、私、大臣の発言を確認しておりますが、改めて国会の場で、この修学旅行の決定に関して御見解をお聞かせいただきたく思います。

#97
○国務大臣(萩生田光一君) 新型コロナウイルス感染症の影響により、一部の自治体において、域内の中学校の修学旅行を一律に中止する方向で検討していることについては承知しています。
 文科省としては、教育活動における感染拡大防止策を最優先としていただきたいと考えていますが、修学旅行の教育的意義や児童生徒の心情等にも配慮いただき、中止ではなく延期扱いとすることを検討いただくなどの配慮を可能な限りお願いしたいと考えております。修学旅行は各学校において計画、実施されているところであり、その実施については、学校と教育委員会等の学校設置者においてよく相談の上、判断していただきたいと考えております。
 いずれにしましても、観光庁などの関係省庁とも連携を図りつつ、各都道府県教育委員会等に対して適切な対応を求めてまいりたいと考えております。
 中止を検討する理由が、必ずしもその感染拡大を防止するのに十分ではないという判断だけなのか。例えば、あらかじめ旅行会社や宿泊先との契約が決まっていて、それをキャンセルすることによって次どの時期にできるか分からない中でいたずらに時期を延ばすことが、結果として御父兄たちへ負担を掛けてしまうようなことや児童生徒を惑わすことになるんじゃないかということも心配されている自治体もあるやに聞いておりますので、私、その辺はさっき申し上げた観光庁ともしっかり連携をしながら、是非実施をするということを前提にお願いしたいと思います。
 それで、省内できちんと方向をまとめてまだ発表したわけじゃないんですけれど、例えば私は記者会見で申し上げたのは、卒業式の後であっても、たとえその後であっても、その学年にいる間のうちに実施をすることができるんだったら、そういったことも一つの参考として考えてほしいということを申し上げました。

#98
○梅村みずほ君 萩生田大臣から強いメッセージいただいたと受け止めております。
 実際にこの中止を発表した自治体の中でも、中学校の中では、一学期に行う予定であった修学旅行を三月の中旬に組み直したという中学校もあったと聞いております。教育者としては、やっぱり学校の先生方は、何かリスクがあったときに簡単に諦めるのではなくて、ぎりぎりまで可能性を探って、それでも駄目だったときには、時にはつらい決断もある、けれど、必ずやりたいことに向かって頑張るんだ、そういう姿勢をこういったチャンスにも見せていただけると思っていますし、そのために頑張っていらっしゃると思います。
 是非、自治体で一斉に中止というのではなくて、各自治体の皆様にはそれぞれの中学校、保護者、児童生徒の気持ちを酌んでいただきたいと私も思います。
 済みません、これは要旨に入っていないのですが、大臣に一点確認をさせていただきたいんですけれども、キャンセル料に関しても文科省は通知を出されていると思います。キャンセル料も、一定の条件等もあるかと思いますけれども、カバーできるようにしていらっしゃると思っていいでしょうか。

#99
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 キャンセル料につきましては、令和二年度の第一号補正によりまして、学校保健特別対策事業費補助金、修学旅行のキャンセル料等支援事業において現在対象としているところでございます。一定の所要額について支援をするということになっております。
 それから、四月以降に予定していた修学旅行等を中止、延期をした場合のキャンセル料につきましても、新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金を活用して、このキャンセル料等について支援をしていくということは可能となっているところでございます。

#100
○梅村みずほ君 あと、しつこいようで大変申し訳ないのですが、大臣にもう一点だけ、済みません、確認をさせていただきたく思います。
 各自治体の中では、自治体の中で格差があってはいけないという観点からも一斉でというような声もあったというような話を聞いたりもしているのですけれども、やはり学校Aと学校Bでその決定に違いがあっても問題ないということでよろしいでしょうか。

#101
○国務大臣(萩生田光一君) 公立の例えば小学校、中学校の設置者はいわゆる首長さんになりますので、首長と教育委員会等の判断も尊重しなきゃなりませんが、実際に学校行事そのものには学校現場に権限が与えられているというふうに我々は認識しておりますので、例えば運動会をやるやらないという学校の差があったとしても、それは学校長の判断で、あるいは教職員の皆さんとの合意の上で方向性を決めるということになると思いますので、同じ行政区域内で、ある学校はこの行事をやる、ある学校はこの行事をやらないという判断があったとしても、それは尊重したいと思います。

#102
○梅村みずほ君 しっかりと御答弁いただき、感謝いたします。ありがとうございます。
 さて、政府は学校現場に対しても、そして社会全体に対しても強力にリモートをここ数か月推進してきましたが、先日、こういったニュースが入ってまいりました。
 政府は、各府省庁をまたいだ会議を開催できるようネットワーク環境の統合に向けた検討会議を開き、五年後をめどに運用を開始する方針を確認したということなんですけれども、これは民間の感覚からしますと、なぜそんな五年も掛かるのかという声が出てくるのもうなずけるところでございます。
 もちろん国の機関でありますから最重要の国家機密もあるかと思いますけれども、できるところから進めていく、そういう観点から、例えばこの文教科学委員会の委員がリモートでレクを受けることができるような条件、そして、できればなぜそんな五年という時間が要するのか、その二点についてお伺いできればと思います。

#103
○政府参考人(田口康君) お答え申し上げます。
 現在の政府のネットワーク環境におきましては、御存じかもしれませんが、他府省や民間企業などとの間でリモートの会議を実施しづらいといった問題がございます。このため、これを解決するため、内閣官房IT総合戦略室において、まずは令和二年度内に府省共通のウエブ会議環境の整備と実証を行い、その成果等を踏まえて政府のネットワーク環境の再構築に向けた検討を進める方針であると承知してございます。
 文部科学省としてはこれに積極的に協力してまいりますが、一方で、文科省におきましては、既に外部有識者から成る審議会あるいは省内打合せ、こういった多くの会議をウエブ会議で実施をしております。したがって、あらかじめ準備の時間があればオンラインにおける議員への御説明なども十分に可能でございますので、そのように努めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。

#104
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 それでは、次回から私も積極的にオンラインレクを利用させていただきたいと思います。
 以上で質疑を終わります。ありがとうございました。

#105
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 この本法案、著作権法改正案については、インターネット上に違法にアップロードされた著作物の利用を規制することが大きな目的となっております。
 今や多くの方が年齢問わずにスマートフォンを持ち、インターネットを利用して情報を収集するということが生活上必要不可欠となっているわけです。また、SNSを始め、自らの主張、意見、思いなどを広く発信する、表現の場としての機能もインターネットにはあるということです。この国民一般、特に若い世代が日常ふだんに使用するインターネットの利用に一定の規制を掛けるということになるこの本法案については、やはりどのような行為が違法となり、またさらには刑事罰となり得るのか、この審議を通じて明確にしておくことが大事だと考えております。
 そこで、一つ一つ具体的に聞いていきたいと思うんですけれども、まず、リーチサイト規制について本日は伺いたいと思っています。
 この本法案、海賊版対策として、海賊版へと誘導するリーチサイト、リーチアプリを規制するということになっております。海賊版への到達を容易にする、海賊版利用を促進するということになるこのリーチサイトを規制するということ自体は必要なことだと思うわけです。このリーチサイトというのは、海賊版へのリンクを掲載した掲示板などのサイトが対象になるということだと思うわけですが、では、この海賊版へのリンクが貼ってあるならば、例えばツイッターやフェイスブックなどのSNSのアカウントであっても、そのリーチサイトとして規制されることはあり得るということでしょうか。お願いします。

#106
○政府参考人(今里讓君) 今回の改正案では、インターネット上におけるリンク提供が情報の流通にとって極めて重要な役割を果たしている、このことを踏まえまして、一般的な掲示板やSNSなどを規制対象から除外しつつ、悪質なサイトによる脱法行為を許さない観点から、リーチサイト、リーチアプリを、公衆を侵害著作物等に殊更に誘導するもの、それと、主として公衆による侵害著作物等の利用のために用いられるものという二つの類型に区分して規定しているところでございます。
 侵害コンテンツへのリンクばかりを多数掲載しているようなSNSにつきましては、それがリーチサイトと評価されて規制対象となる場合もあり得ますが、今委員の御指摘のような一般的なSNSのアカウントによる投稿などが規制される、こういったことは想定していないところでございます。

#107
○吉良よし子君 一般的なアカウントは規制されることはないけれども、たとえツイッター等のアカウントであったとしても、そこでもう全てがリーチサイトのリンクが貼られているような状態のアカウントであれば規制の対象になり得るということになるわけですね。
 また改めて確認しますが、ということは、一般の投稿であれば対象になり得ないということは、つまりは、ほとんどの投稿は普通の投稿なんだが、たまたまその投稿の一つにリーチサイト、また海賊版へのリンクを貼った投稿があった場合、これはすぐには、その投稿が一つあっただけではすぐには対象になり得ないということでよろしいでしょうか。

#108
○政府参考人(今里讓君) 今ほど申しましたリーチサイト、リーチアプリの規定というところで、主として公衆による侵害著作物等の利用のために用いられるものという類型があるというふうに御説明を申し上げました。
 これは、例えば侵害コンテンツによるリンクが半数以上を占めるようなサイト、アプリなどについては規制対象となると、こういう趣旨でございますので、御指摘のような、SNSにおいてほとんどの投稿は問題のない投稿であるが、その中で一つだけ侵害コンテンツのリンクを提供するような場合、これは、通常はリンクの提供を行う場がリーチサイトとは評価されないため、そこでの侵害コンテンツのリンク提供は今回の規制対象とはならないというふうに考えてございます。

#109
○吉良よし子君 対象とならないということでした。ただ、このリンクを貼るという行為というのは、ツイッター上等ではよく見られる行為なんですよね。自らの思い、主張などと併せて新聞記事などのリンクを貼ると、一般的に行われていることです。
 こういう貼る行為ということで考えたときに、例えばツイッター上に新聞記事等のリンクを貼ると、そのリンク先がどういうものか全く意識をしないままタイトルだけを見てぱっと貼ってしまったと、ただ、それがたまたま海賊版、違法にアップロードされたリンクだった、そういう場合もあると思うんですが、それももちろん対象にならないということで、確認です。いいですか。

#110
○政府参考人(今里讓君) リンク先のコンテンツが侵害コンテンツであるか否かをリンク提供者が判断するのは容易でない場合もあることから、今回の法案では、侵害コンテンツであることを知っていた場合又は知ることができたと認めるに足りる相当の理由がある場合のみを規制することとしています。
 このため、御指摘のように、リンク先が侵害コンテンツか否かを全く意識せずにたまたま侵害コンテンツのリンクを提供してしまった場合は、通常、規制の対象とはならないものと考えられます。

#111
○吉良よし子君 対象にならないと。
 もう一個聞きたいと思います。特に最近、公式サイトに似通った偽サイトというものもあるわけです。だから、相当意識的に公式なもののリンクを貼ろうと思っていて、ちゃんと調べもしてリンクを貼ったんだが、実は、この正規版のサイトのリンクを貼ったつもりだったんだがそれは偽サイトのリンクであった、それが例えば違法にアップロードされた著作物になっていたという場合もあり得ると思うんですが、それはどうなりますでしょうか。

#112
○政府参考人(今里讓君) 先ほど申し上げましたとおり、リンク先のコンテンツが侵害コンテンツであるか否かをリンク提供者が判断するのは容易でない場合もあることから、今回の法案では、侵害コンテンツであることを知っていた場合又は知ることができたと認めるに足りる相当の理由がある場合のみを規制することとしております。
 これに照らしますと、御指摘のように、リンク先のウエブサイトが公式サイトであるかのような体裁を取っていたことから、公式に配信されたものと誤認して侵害コンテンツのリンクを提供してしまった場合、これは通常、規制の対象とはならないものと考えられます。

#113
○吉良よし子君 つまり、知っていた、これが確実に偽サイトだと分かってリンクを貼っていればそれは違法になるのは当然なんだけれども、誤認してしまった場合、特にツイッターなんかで、それこそさっき言ったように、一個だけ投稿してしまっていたという場合は対象になり得ないということだったと思うわけです。これ本当に大事な、ネット利用を萎縮させないという意味では大事な確認だったと思うんですけれども、とはいえ、やはりそういうリンクを貼り続けていたことが場合によっては刑事罰の対象になり得ると言われると、相当不安も広がる懸念もあるわけです。
 この本法案は、先ほど来議論ありますとおり、昨年段階で相当様々な懸念が出される中で、当初案から追加修正が加えられたと。このリーチサイト規制についても、非親告罪だったところから親告罪に変更になった修正が行われたと聞いておりますが、この変更された理由というものをお教えください。

#114
○政府参考人(今里讓君) リーチサイトには様々な類型や規模のものがございます。著作権者に与える影響も多様でございます。
 こうした中で、国民の間では、著作権者の意思にかかわらず公訴が提起される非親告罪とすることへの懸念が強く、パブリックコメントでも、リーチサイト運営行為等に対する刑事罰を親告罪とすべきとの意見も多数示されていたところでございます。
 これを受けまして、様々な関係者、有識者で構成される検討会におきまして取扱いを検討した結果、権利者団体も含めて国民の懸念を踏まえて親告罪とすることに理解を示す意見が大勢を占めたことから、親告罪とすることといたしました。
 なお、親告罪とした場合でも、看過できない悪質なリーチサイト等につきましては権利者が積極的に告訴を行うこととなるため、海賊版対策の実効性には問題はないものと考えております。この点、有識者検討会におきましても、権利者団体の代表の方から実務上の影響はない旨の御意見もいただいているところであります。

#115
○吉良よし子君 非親告罪というのは、つまり権利者からの告訴がなくても問題だと指摘できるということなんですけど、親告罪となると、権利者からの直接の告訴がなければ基本的には刑事罰の対象になり得ないということであり、これは大事な、利用者にとっても大事なところなんですが、先ほどお示しいただいたとおり、権利者の側から見ても親告罪の方がいいという声もあると。例えば、我々権利者が自由にコントロールできてほしい、黙認したいときには黙認できると、そんな形で我々は大丈夫なので、権利者を守るために非親告罪にしてあげようみたいには考えないでほしいなどの意見も出された下で、この非親告罪から親告罪に変更されたと伺っております。やはり、この変更というのは権利者、利用者双方にとって大事な変更だったということは考えられるわけです。
 ただ、やはり、このリーチサイトの規制だけではないですけど、この規制について、主にリンクを貼る行為を行った者、つまりネットユーザーに責任を負わせるという形になっているのが本改正案だと思うわけです。つまりはネットユーザーによく調べもしないでリンクを貼らないでねということを言っているんだと思うんですけれども、やはりそうやってユーザーにだけ注意喚起を行うことだけでは海賊版対策の根本解決とは言えないんじゃないかという問題意識もあるわけです。
 ネットユーザーに利用を制限というか、抑制を促すことの前に、そもそもそのユーザーの前に、リーチサイトとか海賊版サイトみたいなものが出現しないようにしていく、間違った投稿を事前に防げるようにそういうリーチサイトへの広告出稿を抑制、停止していくとか、検索サイト、プラットフォーマーと呼ばれる汎用的なウエブサイトの提供者の側にも、今も協力を求めているということですけど、更に協力を求めることで、どちらかというと、利用者というよりはウエブサイト提供者にもこの海賊版対策について一定の責任をちゃんとしっかり持ってもらう、これはもう更に強化していく必要もあると思うんですが、大臣、その点いかがでしょうか。

#116
○国務大臣(萩生田光一君) 海賊版対策に当たっては、御指摘のように侵害コンテンツを提供する側に着目した対策も含め、総合的な対策を講じていくことが重要であると考えております。
 この点、政府においては、昨年十月に作成された総合的な対策メニュー及び工程表に基づき、侵害コンテンツ提供する側と利用する側の両方にアプローチする観点から、関係府省庁が連携して様々な取組を進めているところです。
 例えば文科省では、本法案のほかにも、著作権教育、普及啓発を着実に進めるとともに、情報検索サービスにおいて海賊版サイトが表示されないようにする検索サイト対策について、著作権者等の、検索事業者との協議を支援するなどの取組も実施をしております。また、海賊版サイトの収入源を絶つための広告出稿の抑制について、経済産業省を中心に必要な取組が進められており、広告関連団体において自主的なガイドラインを策定、公表するとともに、広告出稿をすべきでない海賊版サイトのリストの共有が定期的に行われています。
 このほか、関係府省庁が連携して、国際連携、国際執行の強化や民間組織との協働など重要な取組が行われており、今後とも政府全体として効果的な対応を推進してまいりたいと思います。

#117
○吉良よし子君 既に取り組まれていることもあるということでしたけれども、まだまだ、やはり単純にユーザーに責任を負わせるという形ではなくて、やはり根本から絶っていく、海賊版、簡単にアップロードできないようにしていく、到達できないようにしていくという対策、是非包括的に進めていただきたいです。
 改めて、このネットというのは今やもう多くの皆さんが一般的に利用するツールになっていて、誰もが気軽にSNSへ投稿する、様々な表現を行うというのがもう日常になっているわけです。そういう中で、様々なツイッター上での発言が政治も動かしていく、社会も変えていくという、そういう実態も実際にはある。
 例えば、この間でいえば、検察庁法の問題であるとか、十万円一律給付だってツイッター上での声がきっかけだったと私は認識していますし、若しくは、クー・トゥーのような女性の服装差別の問題だってツイッターでのつぶやきがきっかけで政治にも反映していった。そういったようなツイッター上の様々な声が政治に届いて政治が動く例もあるわけです。
 そうしたようなSNS上の様々な表現、発言というのをやはりできる限り制限しない、自由な発言を保障するということも必要です。その表現の一つとしてリンクを貼り発信する方法があるわけですが、もちろんリーチサイト規制そのものは必要だけれども、改めて、このSNSを通じた発信そのものはやはり制限はしてはならない、それぞれ個人の自由な発言は妨げてはならないと思いますが、大臣、その点いかがでしょうか。

#118
○国務大臣(萩生田光一君) 御指摘のとおり、リーチサイト規制を含む海賊版対策に当たっては、悪質な行為には厳格に対応しつつも、SNS等における発信の自由など正当な活動に萎縮が生じないよう十分留意する必要があると考えております。
 インターネット上におけるリンク提供が情報の流通にとって極めて重要な役割を果たしていることを踏まえ、悪質で多大な被害を招いているリーチサイトと評価できる場において侵害コンテンツへのリンク提供を行う行為などに限って規制することとしており、一般的なSNS等における発言は、発信は引き続き安心して行っていただけるものと考えています。
 今後も社会状況の急速な変化に対応して著作権制度の改正が必要となる場面も多くあると思いますが、その際にも、幅広いステークホルダーや専門家、国民の皆様の声を丁寧にお伺いしながら、権利の適切な保護と公正な利用の円滑化のバランスが取れた内容となるように対応してまいりたいと思います。

#119
○吉良よし子君 是非丁寧に、ネットユーザーの利用を萎縮させないような周知をしていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。

#120
○舩後靖彦君 れいわ新選組の舩後靖彦でございます。
 本日は、著作権法改正案に関する質疑でございますが、冒頭に一点だけ、通告はしておりませんが、大臣にお尋ねしたく存じます。
 先日の本委員会において、日本人学校に派遣される教員の方々への支援についてお尋ねいたしました。質疑後の五月二十七日、文科省は、国内待機の方に対して在勤手当に当たる国内待機手当を支給するという決定をなされました。教員の方々を応援する施策を取っていただいたことに深く感謝申し上げます。私のところにも、苦しい待機の日々に希望の光をいただいたという声が届いております。
 一方、残念ながら前向きな回答をいただけなかった点がございます。それは、赴任先の住居費用に関してです。赴任前に住居を借りており、いつでも赴任できるように確保したまま家賃を支払い続けている場合、一定額以上の家賃だと着任前の家賃が補填されなくなってしまい、先生方の自己負担になってしまう問題です。質疑終了後に担当者の方にも再度お尋ねしましたが、住居手当はあくまでも在勤地に居住の実態があることを前提とした手当であることや、赴任前に住宅を確保することを国として求めていないとして、あくまで現行ルールの範囲でしか家賃は手当てしない、つまりゼロ回答というわけです。
 国によっては、短期の解約、契約が難しいケースもあると聞いております。大臣は先日の質疑で、一律の支援というのではなくて、この辺、ちょっと調整しながら考えたいと思いますと答弁されていました。この言葉どおりに是非御検討いただきたいと思いますが、大臣、お考えをお示しください。

#121
○国務大臣(萩生田光一君) 住居の手当につきましては、前回も答弁させていただいたように、一定のルールはあります。しかし、赴任される方が土地カンがあって自分でその家を探すということはまずあり得なくて、現地の学校運営委員会などの御紹介で、あるいはもっと言えば、前任者の先生が借りていた部屋をそのまま次の方が借りるというケースも非常に多いこともありますので、実は実態としては、一回こういうコロナの事情で渡航ができなくなったということをお話しして、契約を一回解除していただいている国も幾つもございます。
 ただ、一律にと申し上げたのは、そのお金の部分で全部面倒見れますよということを言ってしまうとこれまた誤解を招くと思いますので、個々のそれぞれ国の事情を見ながら、ただ、せっかく志を持って海外で赴任をしていただくんで、初めての赴任でたまたま契約をした住居がいわゆる予算額いっぱいの部屋を借りざるを得なかった状況で、全く余裕がない方がいまだに日本から出発ができずに空家賃だけをずっと払い続けないといけない、これは短期の解約ができないという国のルールや何かがある場合もありますので、その辺は個別に事情をしっかり踏まえて支援策を考えていきたいと思っています。このことで海外赴任を戸惑うことがないようにしたいというふうに思っておりますので、是非丁寧な対応をしていきたいと思います。

#122
○委員長(吉川ゆうみ君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#123
○委員長(吉川ゆうみ君) 速記を起こしてください。

#124
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。改めて深謝申し上げます。当該先生方も一条の光が差した思いがすることでしょう。
 それでは、次の質問に移らさせていただきます。
 それでは、著作権法改正案について質問いたします。
 本法案は、違法ダウンロードの規制が厳し過ぎるとして、研究者や関係団体等の著作権者自身からも懸念、反対が寄せられて、提出が見送られた経緯があります。その後、パブリックコメントやアンケート、検討会などを経て、法改正の方向性が定められました。その結果、深刻な海賊版被害への実効的な対策を取ることと国民の正当な情報収集等に萎縮を生じさせないこととの二つの要請のバランスを取る形になり、一般のネット利用者の感覚からすると非常に分かりにくい内容になっているかと存じます。そのため、違法かどうかの判断が難しく、法改正をしても、実効力がないか、逆に必要以上に利用を萎縮させてしまうことになることを懸念しております。そのような観点から、本改正案に賛成ではありますが、以下、質問をさせていただきます。
 まず、海賊版サイト対策についてお尋ねします。
 海賊版サイトによる被害は非常に深刻で、作者や業界団体に経済的な打撃を与え、新人クリエーターの活動の場を奪うことにもなります。さらに、侵害コンテンツの不正利用の横行を野放しにすることは、文化的、知的モラルハザードを招き、許すことはできないと存じています。このような海賊版サイトは、ドメイン登録、サーバー、サイト運営者が海外に存在し、取締りは非常に困難であると想像します。しかし、本丸をそのままにしておいていいはずはありません。
 そこで、大臣にお伺いいたします。
 著者、コンテンツ制作会社などの業界団体による自主的な対抗策以外に、政府として、これまでどのような対策若しくは業界への支援策を行ってこられましたでしょうか。また、衆議院の参考人質疑でも紹介されましたイギリス・ロンドン市警の例にありますように、海賊版サイトに対抗するためには収入源である広告出稿の規制強化が有効だと存じますが、そのほかにも有効な手段があれば併せてお聞かせください。

#125
○国務大臣(萩生田光一君) インターネット上の海賊版による被害を防止するため、総合的な対策を講じることが必要であり、政府においては、昨年十月に作成された総合的な対策メニュー及び工程表に基づき、関係府省庁が連携して取り組んでいるところです。
 例えば、文科省においては、海賊版の防止に係る著作権教育、意識啓発を行っているほか、情報検索サービスにおいて海賊版サイトが表示されないようにする検索サイト対策について、著作権者等の、検索事業者との協議に対する支援や、海外における権利執行の方法などに関するハンドブックの作成、提供などの取組を実施しているところです。
 御指摘の海賊版サイトの収入源を断つための広告出稿の抑制については、経済産業省を中心に必要な取組が進められており、広告関連団体において自主的なガイドラインを策定、公表するとともに、広告出稿をすべきでない海賊版サイトリストの共有が定期的に行われております。
 また、先生から途中で御指摘ございましたけれども、これ海外で、今国連のWIPOという組織の中に加盟している国は一定の著作権保護のルールを持っていますけれども、そこに所属をしない国々と日本国として様々なお付き合いがありますから、今までも対応してきたんですけど、これからも二国間の外交の場でしっかりその協定を結んでおいて、今後その問題が発生したときに、例えば海外にサーバーを置くことによってこういう問題から逃げようという国がないように、一国一国、日本との信頼関係をきちんと、国際条約を含めてしっかり縛りを掛けていくという努力も、今後も更にしていきたいと思っています。

#126
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 ネット時代に、日本の多様な文化、コンテンツ産業を保護、育成していくため、全ての著作権侵害に対して、文化庁、経済産業省、総務省、警察庁など関係庁を挙げて国として取り組んでいただくことをお願いしたいと存じます。
 同じく、海賊版サイト対策についてお尋ねします。
 本法案では、侵害コンテンツのダウンロード違法化が追加されましたが、閲覧するだけのストリーミング型は除外されています。ダウンロードを違法化しても、これでは余り効果が上がらないのではないかという意見もございます。
 大臣にお伺いいたします。
 侵害コンテンツを掲載し、その利用、拡散を助長するリーチサイト、リーチアプリは違法化、犯罪化されながら、違法と知りながらそのサイトにアクセスをし閲覧することは法規制から除外されるというのは、法律上どう捉えたらよろしいのでしょうか。

#127
○国務大臣(萩生田光一君) まず、侵害コンテンツのダウンロード違法化は、文字どおりダウンロードという複製行為を規制するものですので、先生御指摘のストリーミング型の海賊版サイトには効果がないというのは事実でありますが、ダウンロード型の海賊版サイトが多数存在している中で大きな抑止効果が見込めるため、侵害コンテンツのダウンロード違法化を行う意義は大きいものと考えております。
 侵害コンテンツのダウンロード行為は、ユーザーの手元にデータが保存され、海賊版サイトが閉鎖されてもずっと侵害コンテンツの利用が継続されるばかりでなく、ダウンロードされたデータが更に違法アップロードされ侵害コンテンツが拡散していくリスクもあることから、それを違法化とすることにより海賊版被害の拡大防止に大きな効果を有するものと考えております。
 一方、本法案におけるリーチサイト対策では、閲覧のみを行うストリーミング・オンラインリーディング型のものも対象としているため、法案全体として、配信の形態を問わず、悪質な海賊版サイトに幅広く対応することができるものと考えています。
 なお、侵害コンテンツのダウンロードを違法化することにとどまらず、侵害コンテンツを視聴する行為自体を規制することについては、国民の情報アクセスへの大きな制約となることなどから、極めて慎重な検討が必要であると考えています。

#128
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 次に、侵害コンテンツのダウンロード違法化について御質問いたします。
 本法案では、違法にアップロードされたと知りながらその侵害コンテンツをダウンロードすることを違法化する際、除外規定が設けられました。その一つが、著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合です。特別な事情の例示として、詐欺集団の作成した詐欺マニュアルが被害者救済団体によって告発サイトに無断掲載され、それを自分や家族を守る目的でダウンロードすることが挙げられています。除外の理由としては、詐欺マニュアルは著作権物としての保護の必要性が低く、ダウンロードの目的に正当性があると説明されています。
 しかし、一般の感覚からしますと、詐欺マニュアルの無断アップロードとダウンロードに対して詐欺集団が権利主張して差止めや告発することはまず考えられず、著作権法以前の事例ではないかと感じます。このような極端な事例ではなく、SNSなど日常的なネット利用における身近な例をもって、どのような場合が違法となり、どのような場合であれば特別な事情に当たるのか、分かりやすく説明するガイドラインが必要と存じますが、いかがでしょうか。

#129
○政府参考人(今里讓君) 著作者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合、これを除外することにつきましては、国民の正当な情報収集等への萎縮を防止する観点から、様々な要素に照らし、違法化対象からの除外を柔軟に判断できる安全弁として設けることとしたものでございます。
 これに該当するか否かは、著作物の種類、経済的価値などを踏まえた保護の必要性の程度、これと、ダウンロードの目的、必要性などを含めた態様という二つの要素によって個別の事案ごとに判断されるものでございまして、御指摘の詐欺集団が作成した詐欺マニュアルのダウンロードの事例は、あくまでも本要件に明らかに該当する典型的な例として示したものでございます。
 また、このほかにも、文化庁として、身近な例といたしまして、無料で提供されている論文の相当部分が他の研究者のウエブサイトに批判とともに無断転載されている場合にそれを全体として保存することですとか、有名タレントのSNSにお勧めイベントを紹介するためにそのポスターが無断掲載されている場合にそのSNS投稿を保存することも本要件に該当するものとしてお示ししているところでございます。
 他方、御指摘のとおり、本改正の趣旨や正確な内容、具体的な事例等を丁寧に情報発信していくことは重要であると考えております。今後、国会での審議等を踏まえ、分かりやすいガイドラインやQアンドAなどを作成しつつ、丁寧な普及啓発を行ってまいりたいと考えております。
 なお、著作権法におきましては、かねてから明確性と柔軟性のバランスが重要との考え方の下で法整備を進めてきており、この要件につきましても柔軟な解釈の余地を残すことが望ましいという考え方もあると思います。今後、そうしたことも踏まえながら、具体的にどこまでの内容を示すべきかについてはよく精査をしたいと、このように考えているところでございます。

#130
○舩後靖彦君 ありがとうございました。

#131
○委員長(吉川ゆうみ君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会

#132
○委員長(吉川ゆうみ君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構代表理事後藤健郎さん、公益社団法人日本漫画家協会常務理事赤松健さん及び早稲田大学法学学術院教授上野達弘さんでございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、大変御多忙なところ御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 皆様からの忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にさせていただきたいと存じます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、後藤参考人、赤松参考人、上野参考人の順にお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず後藤参考人からお願いをいたします。後藤参考人。

#133
○参考人(後藤健郎君) 後藤でございます。本日は陳述の機会をいただきまして、誠に御礼を申し上げます。
 さて、私からは、一九八五年からこの海賊版対策に従事している者といたしまして、私の今までの経験も踏んまえまして、CODAのオンライン上の海賊版対策と著作権法改正の必要性について述べさせていただきたいと思います。
 おめくりいただきまして、まずCODAについてでございます。一ページ目です。
 二〇〇二年に、当時の小泉総理大臣が施政方針演説で知財立国宣言というのをされました。その際に、経済産業省、文化庁の支援でつくられたのがCODAであります。コンテンツを海外で広く流通させましょう、そして海賊版対策であります。この当時、ビジネスというよりもやはり海賊版対策が主流でございましたので、費用対効果や国際共助など民間一丸となる必要性がある海賊版対策に特化して活動を行っております。
 二ページ目、三ページ目がCODAの会員社であります。日本のほとんどのコンテンツホルダーの皆様が御参画をいただいているというところであります。
 おめくりいただきまして四ページ目ですが、CODAの主な事業は何かということで、四本柱でございます。
 まず一つが侵害対策ということで、海外における海賊版等々に共同エンフォースメントをしています。いわゆる一社では効率が悪いものですから、費用対効果を狙いまして、皆さんで一緒に共同でエンフォースメントをするという形です。
 そして、二つ目が取締り機関との連携ということで、中国政府、韓国政府、香港税関等々の国の機関とも連携を取り合っております。
 そして、国内外の政府機関や関連団体ということでございます。日本においては関係各省庁、そしてモーション・ピクチャー・アソシエーションということで、ハリウッドで組織されています世界的に海賊版対策をやっている組織でありますけれども、そことMOU、覚書を締結しまして、毎年最新の情報共有をしているというところでございます。
 そして、啓発活動ということで、やはり一般消費者に、この知的財産を守ることが大切であるということが非常に重要でございますので、このような形で広報啓発事業等をしております。この四つの柱で動いているというところであります。
 次に、五ページ目です。今回話題になっています海賊版でありますけれども、オンライン上においてどのようなものがあるかということで態様別に分けております。②から⑥、①は別としまして、②から⑥についてはオンライン上の侵害ということになります。特にこの⑤、⑥についてはいわゆるダウンロード型であります。オンラインストレージ、サイバーロッカーとも言います。②、③、④についても、ダウンロード型もありますけれどもストリーミングが多いと。特に、今日はこの②、UGC、ユーチューブですとか、それとかSNSが非常に今後主戦場になってくるだろうということであります。ただ、この⑤、⑥につきましても、いわゆるダウンロード型ということで数多く存在しておりますので、漫画や書籍、数多く侵害されております。侵害コンテンツのダウンロードの違法化が必要ということであります。
 おめくりいただきまして六ページですが、いわゆるオンライン環境であります。オンライン環境が進展するに当たりまして、コンテンツが非常に脆弱というのがあります。
 まず一つで、流通チャンネルが変化しているということで、今や子供ももうスマホを持っている時代です。
 そして二つ目としまして、SNSが普及しているということで、コンテンツをそのままアップロードできるフェイスブック、リンクを紹介するツイッター、LINE等々があります。拡散のもとになっている可能性が今後出てくると。
 さらに、通信システムの変化ということで、5G時代を迎えております。ここにちっちゃく書いてありますけれども、超高速、大容量等々、漫画や書籍等はデータ容量が小そうございますので、非常に大量に瞬時にダウンロードされてしまうという環境が出てくるというところであります。
 七ページ目です。コンテンツに関わる海賊版サイトの秘匿性と匿名性ということで、秘匿性や匿名性を売りにしたサービスというのが世界中で今蔓延をしております。いわゆるコンテンツがターゲットになっているということです。
 一つ目としましては、①と書いてありますが、ドメイン登録ということで、完全な匿名性を売りにしているドメイン代行サービスというのがございます。
 それと二つ目で、オフショアホスティングということで、サーバーが、代行サーバーが複層型、多層式になっておりまして、非常にそのサーバーをたどり着くのが面倒だということです。真ん中に、下に匿名性を売りにした防弾ホスティングというのを書いていますけれども、ここでは一か月が数百円から数十万円と、高いのを払えばもうメールアドレスと仮想通貨のみで契約できるということで、メールアドレスは適当でも構いません。仮想通貨も特定できませんので、このような形で完全な秘匿性を売りにしているというところであります。
 そして、広告です。広告も、広告でお金をもうけているビジネスモデルですから、この広告についてはこれも多層式になっておりまして、なかなかたどり着くことができないということになります。
 そして、ジオブロッキングということで地域視聴制限というのをしています。
 おめくりいただきまして八ページですが、共同エンフォースメント。じゃ、どこが今まで何やってきたかということですけれども、中国、香港、台湾等々でこのようなフィジカル、物の海賊版の対策をしておりました。いわゆる物理的に物がありますから相手を特定することができ、それに対してはターゲットを絞って訴追するという形です。
 一方、九ページ目からですが、オンラインです。オンラインになるとどうなるかというと、もはや御承知のように国境がありません。これはアニチューブという例なんですが、運営者がブラジル、サーバーがアメリカ、ドメインがスウェーデンということで、視聴者は日本人、日本人がずっと見ていました。
 この場合、たまたまブラジルに運営者は発見することができまして、十ページになります。ブラジルの警察に告訴をしまして事件検挙いただいて、一応相手方は起訴になっておりますけれども、被疑者が逃亡しておりまして、今日現在、刑が下っていないというところであります。しかし、一応、今のところサイトは閉めております。
 十一ページ目です。これも漫画村やアニチューブと同様に、政府から指定されたミオミオという中国のサイトですけれども、これは私ども警告して、一回やめました。そうしたら、彼らがやった手段はジオブロッキングということで地域視聴制限をしまして、中国では見れない、ただ、日本やアメリカでは見れると。いわゆる中国国内では違法をしていないという体裁を取るわけです。そうすると、中国政府もこのミオミオに対して権利行使することができないということで、これも一応サイトは閉鎖しましたけれども、先ほどのアニチューブ同様に、運営者に対して罰を下すことができなかったというケースであります。
 現在、十二ページでございますけれども、CODAは、権利者と動画サイトの間にこの削除センターというシステムを組んで、自動的に侵害サイトをクローリングしています、調査しています。いわゆるデジタル指紋、フィンガープリントを使って、コンテンツの特徴をデジタルで同一性を確認します。常にこうやって調査をして、そして権利者から削除要請をいただいて、それを動画サイトにお渡しして削除要請をしているという形です。
 では、この上にニューと囲ってありますけれども、目視の監視チームということで、CODAの職員二十二名いますが、十一名がこの監視スタッフです。日夜監視で、人間の目、さすがに鋭いものがありまして、人間の目で瞬時に判断するという形です。
 十三ページで、このような形で本年の三月においては約七万件、月、削除をしているというところです。
 そして、十四ページですが、直接的な対策以外にも間接対策ということを実施しております。特に、先ほど広告の件をお話ししましたが、広告の表示の停止、さらには、②ということで違法コンテンツのリンク表示の抑止ということで、グーグルさんと御協力をいただいて対応をしております。
 特にこの④の広告表示の停止ということにつきまして、十五ページ御覧いただきたいんですが、オンライン広告の関連三団体とCODAで会議体をつくりまして、侵害サイトリスト、IWLといいまして、インフリンジング・ウエブサイト・リストということでこれを共有しまして、私たちが警告してもやめないサイトのURLを広告の皆さんにお示ししまして、これについては広告を載せないでいただきたいというお願いをしております。それで、広告事業者の皆様は分かりましたということで広告を載せないというこの会議体を運営しております。
 さて、十六ページですが、今回お願いをしますリーチサイト規制でございます。CODAにおきましては、二〇一六年二月より政府に法改正を要望してまいりました。このいわゆる検索サイトで無料アニメということで打ち込みます。そうすると、こうやってぱっと出てきます。これはアニメNEWというやつなんですが、これも広告載っていますけど、これちょっと広告今は外していますけれども、非常に、言葉は悪いですけど、見やすいというか検索しやすい、海賊版サイトに行き着くのが簡単だという形を取っています。
 十七ページはリーチアプリですね、スマホにおけるアプリです、も同様な形で、簡単にクリックすると海賊版に行き着くということです。
 最後、十八ページでございますけれども、リーチサイト規制の必要性ということで、リーチサイト運営者は、現行法合法であるというような主張をして運営を行っていると。現況、御承知のように、リーチサイトについてはグレーゾーンでありまして、白か黒かはっきりしておりませんので、今回審議をいただきまして法制化をいただきたいというところであります。
 我々権利者といたしましては、法制化された際には、リーチサイトへの指導、警告、そして一般消費者への広報啓発をしまして、さらに、やめない場合は警察庁を通じて都道府県警察で検挙いただきたいというふうに思っております。つきましては、是非とも法制化に向けて御審議を賜りたいと存じます。
 以上でございます。

#134
○委員長(吉川ゆうみ君) ありがとうございました。
 次に、赤松参考人からお願いをいたします。赤松参考人。

#135
○参考人(赤松健君) こんにちは。日本漫画家協会常務理事の赤松健と申します。お招きいただき、ありがとうございます。
 私、二十五年以上漫画家をやっておりまして、代表作は「ラブひな」ですとか「魔法先生ネギま!」、どちらもアニメ化しています。今は別冊少年マガジンで「UQ HOLDER!」という作品をやっていますけれども、コロナの影響で別冊少年マガジンが先月一か月だけ休刊したんですよね。それで、原稿料が丸々一か月出なかったので連載陣はすごく被害を被っているんですけれども、そのコロナよりも更に甚大なのが今回のこの漫画海賊版です。これ、今回、我々漫画家が主にどういう点で怒っているのかを御説明したいと思います。
 その前に、衆議院の参考人質疑で集英社の堀内社長が、漫画家と出版社が今海賊版対策で一丸となって連携していると、それを繰り返しおっしゃっていたのですが、これはそのとおりで、昨年九月の共同声明以来、有識者検討会、関係部会のヒアリング、二度の共同声明と、全てにおいて連携を続けてきました。そこで、こうした連携があることを大前提として今回私の意見陳述を聞いていただければと思います。
 漫画村の後も海賊版被害は甚大でして、一番怒っているのは、画質がとてもきれいで手元に保管できるダウンロード型サイトです。配付資料一を御覧ください。リーチサイトと海賊版ダウンロード行為ですけれども、我々漫画家が怒っている五つのポイントありますけど、一つずつ説明いたします。
 二ページ目、御覧ください。今回はリーチサイト、リーチは到達するとかじゃなくてヒルです、英語でヒルはリーチなんです。我々漫画家のこういった作品に取り付いて血を吸うみたいなイメージですかね。リーチサイトとは、サイバーロッカー、保管庫に違法アップロードされた海賊版データのリンク集のことです。
 左下の最初のアップロード者、これが我々の漫画を違法にスキャンするなりしてサイバーロッカーにアップロードします。これを世界中の読者がダウンロードしてはアップロードし、世界中のサイバーロッカーにどんどん広がってしまうと、海賊版が。これで、我々、右に漫画家というのいますけど、これ委任するんです、出版社に。それで削除要請をするんですけど、いや、削除はしてくれるんです。ただ、すぐまた上がってしまうと。
 このリーチサイトに関する、三ページ目を御覧ください。本物のリーチサイトの画面です。私、これ、この「UQ HOLDER!」一巻から二十二巻、怒りポイントは、海賊版は登録が早いんですよ。人気作は発売翌日に上がります。これ、私が一生懸命描いた漫画、三か月掛けて、これ二十二巻、四話入れているんですけど、一日で出ますよ、これ。苦労なんか台なしですよ。あと、国民的人気の「鬼滅の刃」は、もう発売当日に出ます。五月十三日に出ていました。しかも、二十巻、「鬼滅の刃」の二十巻にはジャンプ版の百九十五話まで付いているんです。単行本になっていないのも付いている。これは、ジャンプの編集部もはらわた煮えくり返っているんじゃないですかね。
 左下のどのサイバーロッカーでも同じ内容なので一つでも生き残っていれば海賊版は蔓延すると。こういう削除対応が遅いサイバーロッカーは、右の方でお勧めとかリンク生存率とかいって評価していると。これはちょっと許せないですね。
 なぜサイバーロッカーに上げるかというのは四ページ目に書いてあるんですけど、サイバーロッカーには何かアップロードすると、それがダウンロードされるごとにお金がもらえるんですね。今の前のページの私の二十一巻、二十二巻のまとめ版は三百九メガバイトなので、この丸ですよね、日本、ジャパンは二番のグループなので千ダウンロードごとに六ドルもらえます。これ、海賊版がダウンロードされると、我々じゃなくてアップロード者がもうかるわけです。これも許せないポイント。
 五ページ目を御覧ください。サイバーロッカーのそのサーバーももうかります。有料プレミアム制度で、フリー版だと一冊、これ一冊で五十一分掛かるんですけど、プレミアム登録すれば二十六分でダウンロードできる。これでサーバーの会社も大もうけ。ここも許せないですね。
 六ページ目を御覧ください。怒りポイント四。最近、昔は単行本を裁断してスキャンしていたんですけど、最近は正規版の電子書籍を違法にキャプチャーしているので、物すごい高画質です。これ、ほぼ同じです。こういうものが世界に広まると本物は売れないですよ、買う必要はないです。これがとても痛い。
 七ページ目、これ雑誌が丸ごと上がっているんですよ。これがなぜまずいかというと、単行本が出ていない新人だとか、紙じゃなくて電子版しか出ていない作家に特に深刻なダメージがあると。最近は部数が一万部切っている作品もあるので、すると、これもっとダウンロードされていますよね。これで全然もうからないし、売れないし、やる気もなくしちゃうと。最近は廃業を考えているみたいな、今コンビニでバイトしているみたいな仲間もいます。こういうようなことを、特に新人の、若手の作家にこういうことがあると、これ、漫画の未来に対して相当な悪影響があると考えています。
 八ページ目、こういった五つの悔しい怒りポイント、これ、こういうものを法的に今手出ししにくいです。こういうリーチサイトの規制と侵害コンテンツのダウンロードの違法化のための迅速な法整備を今我々は求めているわけです。
 この改正案は、かねてから出版社とともに一貫して求めてきた、脱法行為を容易に招かず、かつ善良なユーザーに過度な萎縮が生じないという今絶妙なバランスになっていると受け止めています。したがって、御審議の後、今国会での早期成立をお願いいたします。
 以上です。

#136
○委員長(吉川ゆうみ君) ありがとうございました。
 次に、上野参考人からお願いをいたします。上野参考人。

#137
○参考人(上野達弘君) 上野達弘でございます。
 本日は、お招きいただきまして、誠にありがとうございます。こちらの委員会には、二年前にも著作権法改正審議がありまして、そのときにお招きいただきました。この何人かはそのときにもお目にかかった次第です。
 今回の法案につきまして、私も文化審議会の小委員会等で一定の関与をいたしましたけれども、実は、昨年度は国際共同研究ということでドイツと日本を行ったり来たりしておりまして、この一年間の非常に激しい議論には余り十分に参加しているわけではありません。ただ、むしろ少し離れた立場で今日は意見を申し述べたいと思います。
 第一に、リーチサイト対策です。
 今もお話がございましたように、リーチサイト、非常に深刻な問題でありますけれども、現行法の解釈では、その対策、対応に限界があります。といいますのも、我が国ではリンクを貼るという行為は、幾らリンク先が侵害コンテンツだといたしましても、コンテンツを送信しているのではなくて、そのURLを送信しているに過ぎないという理解が一般的です。そして、仮に侵害サイトを幇助していると評価できましても、その幇助者に対する差止め請求は困難とする解釈が多くあるなど、やはり現行法の解釈では十分な対策を取ることが難しく、立法的対応が求められてきたところであります。
 今回の法案は、公衆を侵害コンテンツに殊更に誘導するなどといったリーチサイト等において、侵害コンテンツへのリンク情報を提供する行為等を一定の条件で権利侵害とみなすとともに、これを放置するリーチサイト等運営者の責任を明確化したものであります。
 実は、この問題はかなり以前から議論されておりまして、少なくとも私の知る限り、二〇一〇年の知的財産戦略本部のワーキンググループ報告書に遡ります。
 したがいまして、今回の法案はこの十年間の議論の集大成と言えます。随分時間が掛かったではないかと思われるかもしれませんけれども、この問題の難しさは、悪質なリーチサイトを規制するという一方で、インターネットの基盤であるハイパーリンクを過度に規制してはいけないという点の両立にあります。
 例えば、動画投稿サイトに無断でアップされているコンテンツへのリンクを個人がSNSでつぶやくということまで一律に規制してよいのかといった問題意識がそこにはあったんです。
 いろんな議論がありましたけれども、その中で生み出された方向性というのは、まず、リーチサイトという侵害コンテンツの拡散を助長する場というものを措定いたしまして、そのような場で侵害コンテンツにリンクを貼る行為を一定の条件下で侵害とみなすというものでした。そうすれば、侵害リンクを放置しているリーチサイト運営者も違法になりますし、他方で、インターネットにおけるリンクの自由が過度に害されることもないというわけであります。これは、実はその当初の議論にはなかった面白いアイデアでありまして、ただ、やや確かに複雑ではないかと思われるかもしれませんけれども、長く議論しただけのことはあったのではないかと感じております。
 このような立法は諸外国にも見られないものです。悪質なリーチサイト対策とインターネットの自由確保の調整という同様の問題を抱える諸外国にとっても、こうした我が国の取組はインパクトを与えるものと思います。
 第二に、ダウンロードの違法化です。
 現行法は、違法コンテンツの私的ダウンロードのうち、録音、録画に限りましてこれを自由利用の対象から除外する一方で、漫画や小説などのダウンロードにつきましては、たとえ侵害コンテンツであることを知っていたとしても私的ダウンロードできることになっております。
 今回の法改正は、録音、録画以外につきましても侵害コンテンツの私的ダウンロードを知りながら行うことを自由利用の対象外にする一方で、幾つかの除外事由を定めるとともに、刑事罰につきましては、更に有償著作物を反復継続して行う場合に限定したものです。
 さて、この改正点をめぐりましては激しい議論がありました。その効果や必要性に関する消極的な声のほか、一定の抑止効果を上げることと引換えに過剰な萎縮を招来するのではないかといった指摘がありました。特に、昨年の条文案に対して懸念が向けられていたというのは周知のとおりです。
 これを受けまして、今回の法案は、政府におきましても改めて幅広く意見を聴取し、また、有識者検討会など様々な場で慎重に意見調整された成果でありまして、既に広く賛同を得ているものと承知しております。
 また、今回のダウンロード違法化は、少なくともダウンロード型侵害サイト対策には一定の効果を期待できるというお話も理解できるところです。
 そして、何より多くの除外規定が設けられました。すなわち、軽微なダウンロード、二次創作のダウンロード、特別の事情がある場合は、今回のダウンロード違法化の対象外となります。また、後ほど触れる写り込み規定の拡充を含めまして、今回の法案は情報収集等の私人の自由確保に関して念入りな配慮をしたものと評価できます。
 もちろん、諸外国では違法なソースからの複製は幾ら私的使用目的でも許容されないというようなざっくりとした立法例が少なくないのは確かです。ただ、ひょっとしたら日本人というのは、何か決まりができるときちんとそれを守ろうとしたり、あるいは間違っても違法になることだけは避けようとする余り、条文からすれば適法であるはずの行為まで過剰に萎縮してしまう可能性があるのかもしれません。したがいまして、今回の法案が違法化の対象から除外される場合を丁寧に明示したことは、もちろん条文が複雑だという御批判もあるかもしれませんが、我々日本人には合っているのかもしれません。
 いずれにいたしましても、このダウンロード違法化の点は文化審議会でも二〇一八年十月から本格的な政策課題になったばかりのものでありまして、特にこの一年間は大変な議論と調整があったと認識しております。御尽力された全ての関係者の皆様には敬意を表する次第です。
 さて、第三に写り込み規定の拡充についてです。
 現行法は既に一定の写り込みが権利侵害にならないようにする規定を有しておりますけれども、先ほどのダウンロード違法化の拡大に伴いましてスクリーンショットに伴う軽微な写り込みに関する御懸念があり、立法的対応が求められていたところであります。そこで、今回の法案はこれを受けて写り込み規定を修正するものなのですけれども、その際、既存の要件を幅広く見直すことによって全体的にリフォームしています。
 その結果、今回の写り込み規定の改正は、単にいわゆるスクショ問題への対応にとどまるものではなく、この機会に、これまで研究者の間でもやや厳格に過ぎると言われてきた諸要件を社会の変化等に応じて柔軟化し、権利制限を拡大したものと言えます。これによって一定の軽微な付随的利用が著作権侵害にならないことになりますので、将来新しいサービスが登場したときにもこの規定は適用される可能性があります。ちょうど二年前にも一連の柔軟な権利制限規定が導入されました。これは私もよく国外に発信している立法でありまして、国際的にも注目されている規定でありますけれども、今回拡充された写り込み規定もこの柔軟な権利制限規定の新たな一条と言うにふさわしいものです。
 その他、この改正法案は更に幾つかの改正項目がありますけれども、多くは既に特許法や不正競争防止法で導入された制度に調和させるものですので、ここでは省略させていただきます。
 最後に、全体的なコメントを申し上げます。
 今回の改正は、長年の、あるいは短くても非常に濃密な議論の成果と言えます。内容面につきましては、これ、前回の改正は全て権利制限の拡大であったのに対しまして、今回の改正は海賊版対策という権利保護と権利制限による自由の確保の両面を備えたものでありまして、法案全体でバランスの取れたものと言えます。著作権法が権利保護と利用促進、あるいは正当な利益分配を実現するための制度メニューというのは大変多様なものがありまして、諸外国の立法例も我々にアイデアやヒントを提供してくれるものです。今後も、そうした知見を活用した施策の展開に期待をしております。
 ところで、今年は現行著作権法の制定五十周年という記念の年です。ここ参議院では、五十年前の一九七〇年四月二十八日、本会議で現行法が可決、成立いたしまして、その後、五月六日に公布されています。この五十年の間、我々の先人は多くの著作権法改正を行い、技術の発展や社会の変化に対応させようと尽力してきました。それはもちろん有意義なものでありましたし、今回の改正も、無事可決されればその歴史に続くことになります。しかし、いずれは、そうしたマイナーチェンジだけではなく、広い視野で将来の我が国にとってあるべき著作権制度の姿を考えてみる機会があってもいいのではないかと思います。
 ちなみに、現行法の前の旧著作権法は明治三十二年に制定されたものでありまして、現行法に交代するまで七十年近く存続しておりましたが、ちょうど五十年たった昭和二十三年に、当時の文部省は将来の全面的な著作権法改正を展望して、二人の研究者に委託して改正試案を作成させています。そして、その二十年後、現行著作権法は生まれたのです。
 もちろん、その頃とは状況が違うかもしれませんけれども、現行法五十年、現行法五十周年というこの機会に将来に向けた長期的展望を始めてみるのも一案ではないかと私は思います。いささか出過ぎたことかもしれませんけれども、最後にそのような大言壮語を御容赦いただきまして、以上、私からの意見とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。

#138
○委員長(吉川ゆうみ君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#139
○山田太郎君 自由民主党の山田太郎でございます。
 本当に、私も実は去年のたしか二月ぐらいはまだ自民党入りしていませんでして、この法案に反対をしている立場で臨んでいたと、何と因果なものかなと。それから、自民党に入ってから実は実務の責任者としてまとめるという役割をやりまして、ここまで至ったということで本当に感慨深げだと思っています。
 そのとき、特に思い出しますのは、今日はまず、赤松参考人とは随分反対のときに一緒に気勢を上げまして、そこからのちょっと御評価をいただきたいなと思いますが、当時、ダウンロード違法化の対象範囲見直しということで声明まで出しました。私もその声明を出した会議にも参加していた身でありますが、今回、どういうふうに変わってどう評価されているのか。それでもまだ、ここはもうちょっと厳しく、又は萎縮に対して緩和するべきじゃないか、それぞれの意見あると思うんですが、是非率直なところの御意見いただきたいと思っています。

#140
○参考人(赤松健君) 確かに、去年、漫画家協会としてはいろいろ問題点は指摘したんですけれども、当時から、批判というよりは前向きに改善を提言するというような声明だったんですね。今回の法案は、私自身が有識者検討会に参加したこともあって、漫画家にとって非常に満足のいく、バランスの取れたものになったと感じています。
 昨年あった、大きな網で小魚まで捕ってしまうみたいな表現がありましたけど、創作に萎縮が生じかねない要素があった。新しい要件でかなり払拭されて、ピンポイントに海賊版だけがたたけるというようないい法案になったと承知しております。
 以上です。

#141
○山田太郎君 ありがとうございます。
 もう一つ、今回の法案、これもしかしたら参考人に聞くべき話じゃないかもしれませんが、赤松さんにまた代表して聞きたいんですが、結構報道でも間違って報道されるケースがすごく多くて、理由は何かというと、多分この法律が分かりにくいんですね。何が間違っているかと。よくあるのが、無断掲載されたものを使ってと書かれたりするんですが、実は、正しくは違法アップロードされたものでありまして、引用の範囲であれば当然無断掲載でも構わなかったりするわけなんですよね。あるいは私的利用かどうかということも関係したりしています。
 そもそも著作権法が非常に複雑で難しいといったところもあるんですが、今回、割とリーチサイトに関しての議論についてはもうちょっと厳しくてもいいんじゃないかというぐらい支持は得られると思うんですが、多分、ダウンロード違法化に関して、侵害コンテンツダウンロード違法化に関してはまだ議論の余地があると思っています。
 ただ、是非赤松さんの方から、私も、当初は幾ら違法だといってもダウンロードを違法化するのは非常に萎縮が高いんじゃないかという懸念を持っていたんですが、まさに赤松さんが出していただいた怒りのポイントの二ページのこのサイバーロッカーとの関係ですよね。実はこれは、もちろんアップロードする人間が一番悪いんですけれども、ダウンロードして持ってきてアップロードしているので、そこのダウンロードしているところに関しての違法なものについては何とか制限をしていかないと結局この連鎖を断ち切れないということは、相当実は自民党の部会の中でも赤松さんに主張いただきまして、それで、私もなるほどと思って理解したところでありますが、多分そういうところが伝わらないので、普通の個人がアップロードしたものに関してもしかしたら捕まっちゃうんじゃないかとか、これは違法ダウンロードしたものが対象なのにもかかわらず、何かダウンロードを何でもすると捕まっちゃうんじゃないかとか、こういう誤解があると思うんですが、その辺りの、普通の若者に対して、特に赤松さんは若者に対しても接していると思いますので、どういうふうに宣伝していったらいいかとか、漫画愛好家に対してどういうふうにこの辺を周知徹底していったらいいのか、何かお考えみたいなものがあったら是非いただきたいと思います。

#142
○参考人(赤松健君) まず、ダウンロード違法化に関しては、既に音楽と映画なんかは、海賊版と知りながらダウンロードするのは違法なんですよね。それで、映画が始まる前にCMで映画泥棒はいけないよみたいなのあるじゃないですか、ああいうものですごく国民に対して宣伝はできていると思うんですけれども、今回、音楽や映画は違法ダウンロードは駄目だけど漫画はいいよみたいなメッセージを今出しているような状態にあるので、これはまずやめてほしいと。それに加えて、我々、漫画家、権利者団体と出版社含めて正規版の流通を促進していくような試みを幾つかやっているので、それで宣伝していくということが重要ですよね。
 あと、刑事罰に関して山田先生のすごい関門が、捕まるまでに随分関門があって、一番最後に、しかも作者がオーケーなら別に大丈夫みたいな表がありましたけれども、かなりの高い要件、数多くそろっていて、海賊版業者しか摘発できそうにないと。今回は海賊版業者の摘発が目的なので、まさに理想的な状態にはなっているかなと思います。

#143
○山田太郎君 ありがとうございます。
 次は、ちょっと今のに関連して上野教授にお聞きしたいと思います。
 上野教授は、当初のこの法案を作ったときに、刑事罰の適用の線引きについて懸念があるということを表明されていました。
 今、赤松参考人の方からも御指摘があったんですが、ちょうどこれを刑事罰で議論するときに、侵害コンテンツダウンロード違法化に関しては十個の関門があるということで立てたんですね。逆に言うと、こんなに十個もあると捕まえるべき者が捕まらないんではないかという、もっと逆に、海賊版を阻止するためには、ちょっと逆に、萎縮効果を萎縮し過ぎて、緩和し過ぎているんではないか、こういうようなもしかしたら権利者からの意見もあるかもしれないというふうに思っているんですが、例えば、先ほど、今、赤松参考人から御紹介いただきました十個の関門というのは、著作権法上の著作物であって、ダウンロードした場合であって、私的利用した場合であって、違法にアップされた場合であって、正規版が有償のものであって、軽微でなくて、継続反復していて、違法とアップされたと確実に知りながら、勘違いではなくわざと、そして特別な事情がない場合なんですよね。
 という、ほとんど、やっぱりこれで捕まるのは相当悪だなとも思うんですが、その辺り、先生がかつて刑事罰を引くには線引きが必要だということで関門を十個つくってしまったんですが、その辺りの御評価ですね、いい悪いも含めて率直なところ、いただけないでしょうか。

#144
○参考人(上野達弘君) 御指摘のとおり、今回のダウンロード違法化については非常にたくさんの要件があります。そして、刑事罰については更に加重された要件がございますので、これで十分じゃないんじゃないかという見方もあるかもしれませんけれども、それによって確かにこのダウンロード型の侵害サイトができやすくなってしまってはまずいと思います。
 しかし、今回の改正は、これはあくまでダウンロードの部分、私的なダウンロードというところですので、やはり私的な領域における自由というものの過大な制約になってはいけないと。そのバランスからやはりこれぐらいの要件を課したものというふうに理解しておりますし、特に刑事罰についてそれぐらい加重された要件が課されているというのは妥当なことではないかと考えております。

#145
○山田太郎君 最後に、CODAの代表理事の後藤さんにお伺いしたいと思います。
 結局、海賊版対策は、確かにダウンロードよりもアップロードした側が悪いだろうということで、実は党内の議論の中でも、何が今回まだ議論できていないかという大きなところは、やっぱり海外に対する対応だろうと。先ほど後藤さんの説明の中にもありましたが、特に海外でのものについてどういわゆるこのアップロードした者の摘発をしていくかというのは相当大変だと。先ほど、CODAの人数、ちらっと二十二名とおっしゃっていましたが、私は、ちょっとこの陣容と特に予算では少ないんではないかなと、こういう指摘をさせていただきたいんですね。
 具体的に言いますと、例えばアメリカが、さすがにコンテンツ大国だというふうに思いますけれども、アメリカはACEというアメリカの海賊版対策組織がありまして、会員数はCODAさんと同じ三十五社ぐらいのやつが年間四十五億、運営予算を使っています。一般会員でも二千二百万払わなければいけないということで、特にボードメンバー七社は大きくて、五億円以上の参加費を払っているというぐらい海賊版対策に対して、やっぱりそれだけの被害があるからなんでしょうと思いますが、それだけ一生懸命やっているわけですね。
 一方で、CODAさん、民間でメーンはつくられていますが、三十一社正会員がいるんですが、会員費が百二十万円、団体会員でも四十八万とか賛助会員で二十四万円というようなことで、もう全く額が違うと。年間予算三・三億円でやられているようですが、うち八〇%は経産省からの予算で二・三億円ということで、私は、法律がと言う前に、まずは民間が自ら海賊版対策に取り組むというんですかね、自らのこととしてやっぱりやる、それでも駄目な場合、法律でもって政府も乗り出すということの方が、権利の関係からいっても、民間自身の権利を守っていくということなので正常だと思います。そうなると、やっぱりここは、予算も人数も少な過ぎるんではないかなというふうに思っております。
 確かに、これまでの実績、非常にCODAさん上げていらっしゃいますので、一生懸命やられているのは分かるんですが、やっぱりアメリカ等々各国のエンターテインメントの海賊版対策における人員や費用からしてみても少ないというふうに思っておりますので、是非その辺りを、お考えというか、今後どうされていこうとされているのか、その辺りもお聞かせいただければと思っています。

#146
○参考人(後藤健郎君) 先生、どうもありがとうございます。
 今、ACEの御紹介がございましたが、ACEのボードメンバー、これの主要がMPA、アメリカのハリウッドの映画会社、ネットフリックス、アマゾンです。彼らのビジネスモデルを御覧いただきますと、いわゆる国内が四割、海外が六割、それが三対七とか、いわゆる海外でお金もうけているんですね。で、マーケットも非常に大きゅうございます。一例としましてディズニーを挙げて、コンテンツの売上げ、日本の映連四社、東宝、東映、松竹、角川、これの大体十倍です。ということで、マーケット規模が大きい、全然隔世の感があると。日本の場合はやはりドメスティック、国内で深掘りをするというビジネスモデルですから、そもそもそれが違うということが言えます。
 ただ、先生が御指摘のように、とはいえ、キラーコンテンツである漫画やアニメ、これは世界全域で侵害されているということがあります。これに対しては、やはりCODAとしても、今後、違法アップローダー、それとサイトの運営者等々を確実に潰していかなきゃいけないというふうに思っております。
 先生が御指摘のとおり、経済産業省の支援を受けているところでありますが、今後、我々メンバーも再度仕切り直しということも今後していく必要があろうと思いますし、御指摘のとおり、二十二名という人数も世界に対応していくに当たっては少ないというふうに思っておりますので、これを機に、CODAの再構築というのも検討してまいりたいというふうに思います。
 以上です。

#147
○山田太郎君 最後の質問にしたいと思いますが、これは赤松参考人と後藤参考人に併せてお聞きしたいんですが、結局、海賊版を一番防ぐ最大のやり方は、もしかしたら正規版の流通ではないかなというふうにも思っています。
 音楽業界、御案内のとおり、前回著作権をかなり厳しいものを作りましたが、実際には、ストリーミングの時代になりまして、余りダウンロードする人というのはいなくなっちゃったわけですよね。非常に課金の仕方も便利になってということだと思います。ただ、漫画やアニメの場合は、御案内のとおり、その放送が見れないとか、すぐデジタルで買いたいのに買えないと、そういったところもあると思っております。
 そういう意味で、実は最大の海賊版対策は、正規版流通をどうやってもっと促進するのかということにも懸かっているんではないかと。特にデジタルの時代に入ってもきていますから、その辺りをこれからどう強化していくかということもあると思っております。そういった意味で、正規版流通に関して、本来CODAさんはそれがお仕事で、海賊版対策のためにつくった組織じゃなかったはずなんで、正規版流通促進というところでありましたし、一方で、漫画家の赤松先生もやっぱり正規版が出るということが一番うれしいわけでありますから、その辺りどういうふうにしていけばいいのか、御示唆いただければと思っています。

#148
○参考人(赤松健君) 漫画村で当サイトは合法サイトですみたいなのが書いてあって、読者からすると正規版と海賊版の区別が全く付かないという問題があるんですよね。それで、出版社が中心となって、ユーザーに正規版コンテンツと分かりやすくするためのABJマークというものが作られました。これが、マークが普及すれば海賊版との区別が分かりやすくなると、それ勝手に使うと違法なので。それに対して漫画家協会も協力していくと。
 今、紙の単行本も売れているんですけど、電子版がすごく売れています。これはSNSとかで、今LINEマンガが一番と思うんですけど、SNSで若者にすごく正規版が届けやすくなっていると。一巻無料キャンペーンとかもすごく好評ですし、こういうようなABJマークとかSNSでの正規版流通が二つ重なってくれば、読者、作者、出版社の三方で全てよしになると考えております。

#149
○参考人(後藤健郎君) 先生の御指摘のとおりでありまして、正規流通を伸ばすということが一番でございます。
 先ほども申したように、日本のコンテンツの場合はドメスティック、国内中心のビジネスモデルでありますから、海外のビジネスを余り考えていなかったというのが現況であります。とはいえ、正規流通が一番海賊版対策に資するということは当然でございますので、今後その辺のビジネスモデルの在り方というのも個社に検討をいただきたいというふうに強く思っております。
 さらに、CODAの活動の中で海賊版対策をして、相手方が大きなUGCサイトであったりします。そうすると、彼らも違法はもうしたくないから正規流通したいということも話しかけがありまして、この違法対策から転じて正規流通ということで、今中国の大手プラットフォーマーと正規流通について話合いをしているというところでございます。
 以上です。

#150
○山田太郎君 時間になりましたので、ありがとうございました。
 以上です。

#151
○伊藤孝恵君 三人の参考人の皆様、今日は本当にありがとうございました。
 まず冒頭、後藤参考人にお伺いしたいというふうに思います。
 海賊版事業者との不毛な知恵比べ、そういったような状態に、現状を変えるために日夜力を尽くしてくださっていることに改めて御礼申し上げます。
 今後、5Gなどの移動通信システムの進化、それから翻訳機能も進化しております。SNS、スマホも普及している中で、国境を越えた著作権侵害というのはより一層深刻になるというのは間違いありません。国際的な連携、執行、言わば国際包囲網というのが重要な局面になる中で、最も被害を受けている日本が主体的、国際的なリーダーシップを取ってほしいというようなことをおっしゃっている記事、拝見いたしました。
 今、山田委員の方からは、CODA自体の人的、財政的支援というのがそれに必要なんだというような指摘もありましたけれども、そういったもの、若しくはほかの記事の中で、例えば特許庁の中小企業等海外侵害対策支援事業のような助成制度を取り入れるですとか、海賊版のサイトリストを国際的に共有化するような仕組みを日本がリーダーシップを取るとか、いろいろなことが指摘されておりますけれども、後藤参考人がイメージする主体的、国際的なリーダーシップを日本が取るためにどこから着手する、それが一番現実的なのか、教えてください。

#152
○参考人(後藤健郎君) 御質問ありがとうございます。
 おっしゃいますように、もう今国際化、グローバル化、オンラインが進行していますので、もう本当ボーダーレスでございます。迅速、もう早く大量に流通してしまうということがございますので、やはり主戦場は海外、これをどう対応するかということだと思っています。
 先ほど来申していますモーション・ピクチャー・アソシエーションも侵害対策をしておりますけれども、やはり山田先生の御指摘のように、莫大な費用を掛けているというのが現実です。やはり我々、コンテンツホルダーの皆さんもこの対費用というものについて真剣に、いま一度真剣に改めて考え直していただきたいというふうに私切に思っています。具体的には、やはりデジタルフォレンジック調査やデジタルのファイリング調査等々、お金は掛かりますけれども、ホワイトハッカーのような人間を養成しまして世界の侵害対策を講じていくということが今後求められてくるというように思っております。
 文化庁を始め経産省、総務省、そして警察庁とも連携を取りながら、御支援をいただきながら、この対策を更に太く広くということで進めてまいりたいというふうに思います。
 以上です。

#153
○伊藤孝恵君 続きまして、赤松参考人にお伺いしたいと思います。
 「ラブひな」、私が勤めておりましたテレビ局で放送しておりました。今日はお目にかかれて光栄に存じます。
 海賊版サイトは今や五百以上、それから上位十サイトの利用人数は月間延べ六千五百万人に上ります。このコロナ自粛の中では、その被害額は更に膨らんでいるというふうに思います。当然、赤松参考人、権利を侵害されている当事者ですから、もっと取り締まってくれと、どんどん厳しくやってくれというふうにおっしゃるかと思いきや、皆さんは、表現や研究に過度な萎縮が生じないように、善良なユーザーに過度な萎縮が生じないように、その懸念を繰り返し述べられておられます。やっぱり、作品を生み出して、それを多くの人に見てもらって、そして読者の顔が浮かんで、その読者の元に作品を届ける、そういう方々の声明だというふうに感じました。
 しかしながら、今回の法案は、「ラブひな」全編をストリーミングで見せても、これ違法にならないんです。そして、「ラブひな」全編をメールで送信してそこからダウンロードすれば、これもまた取り締まれないんです。こういう抜け穴があるということで、コンテンツを守って、作者の権利や正当な収入を守って、それにより未来の作品や人材を守る、そのためにはやっぱりちょっと不十分なんじゃないかなというふうに思ってしまいますが、いかがでしょうか。

#154
○参考人(赤松健君) 「ラブひな」、ありがとうございます。
 確かに、そのストリーミングとかはこれで規制はできないんですけれども、今、漫画村が潰れて以降はダウンロード型が主流になっていますね。それで、まずこれをたたいてからということになると思います。
 コロナに関してですけど、実は、コロナで巣ごもりが進んで電子書籍は売れていますね。それとあと、あれです、アシスタントは在宅アシスタントというのが業界進んでいて、あと、デジタル作画も進んでいるので、我々としては、ジャンル的には結構被害が少なかったジャンルだと思います。これで海賊版対策が成れば、割と万全だと思っているんですよね。
 そうですね、ストリーミングに関しては、今後、我々更にいろいろ考えて対策はしていきたいと思っていますけれども、今のところはダウンロード型に対する対策を急いでいただければというところが漫画協会としての立場です。

#155
○伊藤孝恵君 次の改正でここに踏み込んでほしいみたいなところがもしあれば教えてください。

#156
○参考人(赤松健君) 現在は、現在の被害はダウンロード型がメーンなので、これで一旦我々としては、そうですね、異存のないところで、今後の話合いはまた改めてと考えております。

#157
○伊藤孝恵君 続きまして、上野参考人にお伺いしたいというふうに思います。
 文化審議会著作権分科会の過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会の委員でもいらっしゃる先生に、JASRACの在り方について御所見を伺えれば幸いです。
 と申しますのも、今回の法案、もちろん、先ほど先生も言及されましたけど、著作権の適切な保護を図るための措置と利用の円滑化、使いやすくするための措置というのを目指している法案ですが、去る二月二十八日、音楽教室のレッスンで著作権使用料を徴収できるとした東京地裁の判決がありました。これ、文化庁も平成三十年に徴収開始を認める裁定を行っております。
 JASRAC側は、学校等は著作権が制限される社会教育というものであるが、音楽教室はそれではない、たとえ一対一のレッスンであっても、それは公衆に聴かせることと同等であり、演奏権の侵害に当たるというのが主たる主張で、たとえそれはドかレかミか分からないような演奏の練習だとしても、これは作曲家らが専有する演奏権であり、過去分まで遡り著作権が切れているものと切れていないものを調べて著作権料を支払えというものであります。
 今回の法案、このバランスを考えてとても良い法案になっているというふうにいろいろな識者の方々から言われるんですが、このJASRACの主張というのは適切だと言えるのか、御所見をお聞かせください。

#158
○参考人(上野達弘君) 今回の法案の中には演奏権に関する提案はないわけでありますけれども、著作物の円滑な利用と権利の保護というのは常にバランスが重要であるということはもちろん間違いございません。
 そして、二月二十八日に東京地裁の判決が出たということも確かでありまして、その背景には、例えば音楽の学校などでは演奏してもそれは著作権料の対象にならないのに、民間の音楽教室においてそういう音楽教育のために行っている演奏について演奏使用料を払わなければいけないというのは問題があるのではないのかという御意見があるのは確か、承知しております。
 したがいまして、もっと権利制限規定を設けて、その民間の営利目的の音楽教育についても権利制限をすべきだという意見があることは承知しておりますけれども、私自身の考えといたしましては、やはり営利目的で著作物を利用していると言える限りにおきましては、たとえ自由に利用できるという権利制限規定をつくったとしても、クリエーターに対してその利益を分配するという補償金制度というのがありますので、権利制限プラス補償金という制度にすべきだというふうに個人的には考えております。

#159
○伊藤孝恵君 続いて、オンライン教育、このコロナ禍における子供たち、特にオンライン教育というものが注目されていて、そしてそのコンテンツ不足というのもいろいろなところで指摘されております。そのオンライン教育素材の政策に係る著作権の問題というのが今後出てくるんじゃないかなというようなところで、なかなか今現実に起きているというか、音楽では今集中管理、JASRACの話もありますけれども、集中管理をできていますけれども、例えば小説ですとか美術ですとか映画を除く一部動画ですとか、そういう集中管理というのが整っていないというのと、その徴収分、たとえお金を徴収したとしても、その分配の機能というのが今この国には見当たらないというところがあります。
 例えば、私、大阪の放送局に勤めていたんですけれども、地方局が持っている素材というのは本当にいろいろな種類のものがあります。例えば、今は干上がってしまった干拓地が昔は豊かな海であったとか、例えば焼失してしまった首里城が過去いろいろな方々が訪れている、その映像を持っていたりだとか、そういういろいろな誰にも持っていない映像というのがあるんですけれども、この放送外利用についてはまた新たに権利処理が必要になってくるというふうに思います。
 先ほどの御答弁からでも、教育現場での使用なのか否かというようなところ、社会利用というようなところのすみ分けのみならず、これからはオンライン教育でいろいろな子供たちにいろいろなこの国の姿だとか、この国の季節だとか歴史だとか見せるときに、こういったものを、学校の中なのか外なのかというところではなかなか線引きしづらいんじゃないかというような課題感を持っております。それについて御所見を伺えればと思います。

#160
○参考人(上野達弘君) 御指摘のとおり、権利、とにかく世の中にはたくさんの著作物があります。で、誰が権利者か分からない、権利の許諾をもらわなければ使えないということになっておりますので、できるだけ権利はどこでライセンスをもらえるのかという集中管理が重要であることは間違いありません。それは教育の現場であれ、それ以外でも同じです。
 ただ、オンライン教育に関しましては、三十五条の施行が今年の四月にされておりますので、授業の過程で必要だと言える範囲であれば、これは許諾を得ずに利用できるということになります。それを超える範囲とか、あるいは教育機関でないような民間の営利目的の教育サービスなんかにおきましてはやはり許諾が必要になりますので、そのようなものについてできるだけ円滑に利用できるようなシステムをつくっていくということが今後の課題になるかと思います。

#161
○伊藤孝恵君 その場合、なかなかやはりこの地方局、ローカル局というのはテレビ外収入というところに苦しんでいるところがあります。その場合、その地方局、ローカル局が持っている素材というのをマネタイズして、課金化して、それを分配して、またいいコンテンツを作っていく、そういうようなものをもし作れるとしたら、それはどこが主体となる、それが有効かと思われますか。

#162
○参考人(上野達弘君) 特に映像は非常に権利が物すごくたくさんあります。作った人もいるし、出ている人もいるし、入ってくる音楽もあるかもしれませんし、映ってくるものもある。したがって、こうしたものを権利処理して過去の映像を再利用しようということはすごく難しいと昔から指摘されているところであります。
 ですから、これは権利団体をつくってライセンスするといっても、そのジャンルも非常に広くあります。ですので、一定の利用については特に許諾を得なくても使えるようにするような規定をつくるとかいう方法もありますけれども、今後の課題になるんじゃないのかなというふうに思っております。

#163
○伊藤孝恵君 その主体というのは、やはり民間では難しいんでしょうか。

#164
○参考人(上野達弘君) 権利管理団体は基本的には民間ですけれども、そういうコンテンツを持っていらっしゃる放送局とかそういうところ、あるいは既にテレビ番組についてライセンスを代行するような団体とかサービスとか、そういうことも考えられるし、あると思いますので、民間でもちろんやっていく。そして、権利者が不明であれば、今文化庁の方でも裁定制度がありますので、そうしたものを活用することによって当面はやっていくしかないのかなと思います。

#165
○伊藤孝恵君 NHKは既にでっかいでっかいバンクを持って、ありとあらゆる映像をもう既にコンテンツ化して、それをマネタイズするというようなのも見越したものを持っていますけれども、ほかのテレビ局は果たしてそういうような投資ができるか、果たしてそういうような体制を取れるかというと、すごく難しい。でも、地方の本当お宝のような素材というのをたくさんたくさん持っている、そういったところとやっぱり壁になるのが著作権の話になりますので、そういった整理も含めて、あさっての委員会でも質疑していきたいと思います。
 今日は本当にありがとうございました。

#166
○高瀬弘美君 今日は、三人の参考人の先生方、大変にありがとうございました。
 お一人ずつに質問をさせていただきたいと思います。
 まず、後藤参考人にお伺いしたいと思います。
 先ほど来話題となっておりますけれども、やっぱりこの海賊版の被害を食い止めるためには海外との連携が非常に重要であると承知をしておりますが、権利行使とか摘発にはやっぱり困難な場合が多いというふうに聞いております。この問題は、著作権法の問題だけに限らなくて、例えば児童ポルノですとかリベンジポルノとかのアップロードなども、一度海外のサーバーに上がってしまいますと、なかなかそれを取り戻すというのが難しいという問題もございます。
 長年、後藤参考人は海賊版対策に携わってこられたお立場から、国際連携、国際法の執行上の課題の部分について御知見をお伺いできればと思います。

#167
○参考人(後藤健郎君) 先ほどの資料のこの七ページでございますけれども、やはり海賊版業者は非常にお金もうけが上手でございまして、この抜け穴ですね、例えばこの国、著作権に寛容な国で拠点を設けてビジネスするんですね。そうすると、なかなか、そこの国に対して抜本的に著作権法を直してくれという話になりますから、難しい問題があろうと思います。
 とはいえ、これに対して、我々としても、先ほど申したように、フォレンジック調査ですとかプロファイリングによって運営者を特定し、サイトアップローダーを特定して、その裏付けをしっかりつくりまして、国と国で対応していただければというのを今後思っております。
 以上です。

#168
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今のところ、その国と国と、二国間でやっていくしかないという現状だと思いますが、私は、やっぱり最終的には国連といいますか、国際的な枠組みをきちっとつくっていくということも大事ではないかなという、そういう問題意識を持っております。
 続きまして、赤松参考人にお伺いをしたいと思います。
 先ほどお話の中で、このコロナの影響で一か月休刊になって大変だというお話がございましたけれども、少し著作権法の話と外れますが、今クリエーターの皆様、このコロナの中で、そうした創作の機会が失われたり収入が減少している現状があるというふうに伺っております。
 先生が把握されていらっしゃいますそういう実態ですとか現場の様子について、お聞かせ願えればと思います。

#169
○参考人(赤松健君) 漫画は、今、先ほども少し申し上げましたけど、紙からデジタルに移行していて、今、紙に私も書いていないです、消しゴムも掛けないですし。在宅アシスタントは究極のテレワークですよね、があるので、若い作家は割と三密ではないです。
 ただ、ベテラン作家、「ゴルゴ13」が初めて休載したんですけど、「キン肉マン」ですとかベテラン作家の先生が紙で描かれていて非常に三密であると。こういうものが被害がかなり実は多いですよね。
 緊急事態宣言が出たときは確かに休刊したんですけど、これ、原稿料がなくなって困っている漫画家さんが持続化給付金、その号だけ、一か月収入ないので、これでいうと五月、収入がなかったので、そうすると持続化給付金がもらえるとあって今話題になっています。これに関しては先生方にとても感謝しているんですけど。
 あと、先ほど申しましたけど、巣ごもり需要で海賊版へのアクセス数も上がっているんですけど、正規版もかなり売れているので、その辺は今回の法案が成立すると助かるんですけど、今後、電子書籍時代に入ってくると、ますますみんな読んでくれるんじゃないかなと期待はしているところです。

#170
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 では、続きまして、上野参考人にお伺いをしたいと思います。
 先ほど上野参考人のお話の中でもございましたけれども、これまで先生は海外の制度などもずっと研究をしてこられたということでございましたけれども、その中で、今回の法改正の中に世界に誇れるような制度も入っていますというお話もございました。先生とされましては、今回の本法案、海外のいろんな諸制度と比べてどのように評価をされていらっしゃるかということが一点目。
 また、海賊版対策として、今後、時代の変化とともに更に対応が必要となっていくもの、考えられると思いますが、今先生の頭の中にあられる今後こういうのをやっていかないといけないのではないかということございましたら、お伺いできればと思います。

#171
○参考人(上野達弘君) 御質問ありがとうございます。
 一点目の国際的な視野で見た日本法の今回の改正ですけれども、特に、やはりリーチサイト対策、これは本当に工夫されたアイデアでありまして、国際的にも注目してほしいなと私もよく思うんですけど、この点については間違いなくそのように言えると思います。
 つまり、リーチサイトは対策するんだけれども、リンクという行為について過剰に萎縮しないようにすると。諸外国なんかですと、違法サイトと知りながらリンクを貼るという行為がそのまま公衆送信権の侵害になるというような理解がありまして、ちょっと私は常にそれでいいのかなと思ったりするところがあります。したがいまして、今回の改正、特にそのリーチサイトのところは大変国際的にも注目されるべきものだというふうに思います。
 ただ、先ほどからもお話がございますように、二点目に関しますけれども、やはり見るだけの行為とか、あるいはメールで送られてきたものを保存するとか、そういうものには今回は対応していないのだから、やはり海賊版対策として不十分じゃないかという声もあるかもしれません。
 ただ、見る行為を違法化するというわけにもなかなかいきませんし、そんな国もございませんし、ほかの対策にどういうのがあるのかということで、もちろん総合的なパッケージということで去年の十月にもその工程表が発表されておりますけれども、そして諸外国にも様々なアイデアがありまして、これまでにももちろんサイトブロッキングを含めていろいろ議論してまいりました。私もヨーロッパにいるときはサイトブロッキングの学会か何かあって、何で日本ではできないんだみたいに聞かれることもちろんあるわけですけれども、やはり日本では様々な形で、今日もいらっしゃいますが、権利者の方とかあるいは通信事業者の方とか、協調して物事を進めていくと、それの方が効果的な場合もあるんじゃないかという気もいたしますので、そうした日本のやり方の特性みたいなものを踏まえながら今後の対策を検討していくのがいいのではないかと考えております。

#172
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今回の法改正に当たっては、そういうステークホルダーの皆様が集まって議論されたというところが大事なポイントだという先生の御指摘だと思います。
 済みません、後藤参考人にもう一問お伺いしたいと思います。
 先ほど後藤参考人のお話の中にもございましたけれども、この海賊版のサイトをたたいていくというのも大事なんですが、それとともに、今SNSでの被害の実態もあるというふうに伺っております。このSNSでのこういう著作権侵害の被害というのは非常に難しい部分でもあると思うんですけれども、今後どのようにこの部分について取り組んでいくお考えであるか、お伺いしたいと思います。

#173
○参考人(後藤健郎君) これにつきましても六ページでございますけれども、いわゆるスマホが普及しまして、さらにはこのSNSが普及しているという状況でございます。今後更に若い層においてはこれが普及してくるんだろうというふうに思っております。コンテンツをアップロードすることができますフェイスブックですとか、先ほど来言っていますリンクの紹介ということでツイッターとかLINEが活用されているということがございます。
 それと、我々は広告対策というのも広告団体の皆さんとやっておりまして、十二ページですが、ここにおいても、やはりSNSでの広告をどうするのかという問題、さらには検索サイトの表示の抑止というのをグーグルさんとやっていますけれども、これにSNSの皆さんにもお入りいただいて、SNSの皆さんもやはりこの海賊版サイト問題というのを認識していただき、お互いに正常化に向けて歩み寄れればというふうに思っております。
 以上でございます。

#174
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 続きまして、赤松参考人にお伺いをしたいと思います。
 先ほど来、正規版のコンテンツが出ていくということが大事だというお話ございました。私もこの前職のときに十年ぐらい海外に住んでおりまして、やっぱり海外に住んでおりますと日本の漫画ですとかそういうのの購入ってなかなか難しい。例えば、アメリカですと紀伊國屋さんとかあるんですけれども、新刊が出てから届くまでに一、二か月掛かったり、そういった意味ではやっぱりデジタルコンテンツの普及というのはすごくいい流れではないかなというふうに思っているんですけれども、やっぱりこの正規版のコンテンツがユーザーの皆さんにアクセスしやすい仕組みをつくっていくというのは大事だと思いますけれども、この点について先生のお考えとかアイデアあれば、教えていただければと思います。

#175
○参考人(赤松健君) 先ほどの正規版のABJマークのほかに、実は究極の海賊版対策とも言える施策がありまして、「ジャンプ」が、月曜日発売なんですけど、英語版とスペイン語版を無料で海外で公開しているんです。これはすごいことで、当日翻訳するわけですけど、これで海賊版にもう行かないですよね、無料で本物が読めて、作者先生にちゃんとお金入るわけですので。これ無料で読める、そういうような施策がどんどんこれから進んでくれば、もう海賊版に行く必要がない形まで行けば、正規版が必ず勝つと思っています。
 ほかにもいろいろ、海外の会社と契約して翻訳版をいち早く配信していくみたいな試みがされているんですけど、私は、そちらよりもむしろ早く正規版を、本物の正規版を早く、なるべく安く届けるというのが一番の対策だと思っています。

#176
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 赤松先生、済みません、もう一問よろしいでしょうか。
 海賊版対策も本当に大事なところでして、今回の法改正でこの部分一層進むことを期待しておりますけれども、やっぱりこの出版ですとか漫画文化というのは本当に日本の強みであり、大事な、外交戦略という面でもすごく大事な一面だというふうに思っております。
 この出版、漫画文化がより一層発展していくために、海賊版対策も含めましていろんな対策が必要となると思いますけれども、先生のお考えをお伺いできればと思います。

#177
○参考人(赤松健君) まず、何といっても表現の自由ですね。これほど自由な創作ができる国はほかになくて、世界のクリエーターたちの憧れの的ですね。「進撃の巨人」で巨人が人を食うみたいなのというアイデアは意外とほかの国では難しいです、禁止になっているわけじゃないですけれども。
 外資系企業に今コンテンツのプラットフォームを握られてしまうと、そういうものが外国の価値観で禁止になってくる可能性があるので、その辺の、日本製作品の生殺与奪、コンテンツの削除なんかを海外の基準で行わせないようなことになれば、これだけで日本漫画は世界に十年は負けないと思います。できれば、権利者と出版社主導のプラットフォームができれば理想的なんですけど。
 あと、MANGAナショナルセンターが、生原稿の保管とか、展示も立体映像機能というものを持っていたんです。今回成立しなかったと思うんですけれども、海外流出、生原稿の海外流出なんかを防ぐ意味で大変すばらしい。そういうアーカイブの方も力を入れると、まず日本の漫画は盤石だなと思っています。

#178
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今先生から、原稿の保存も含めてアーカイブ機能大事というお話がございました。これ私、本当にそのとおりだと思います。こういうところも文化芸術の側面からしっかり応援をさせていただきたいというふうに思います。
 最後に、済みません、上野参考人にお伺いをしたいと思います。
 先ほど来、海外の制度と比べての評価をお伺いしてまいりましたけれども、今回、例えば、海賊版対策とは別途、著作物を利用する権利に関する対抗制度の導入ですとか、あるいは写り込みに関する利用制限規定の対象範囲の拡大など、著作物の利用の円滑化の部分も今回の法改正に含まれておりますけれども、この辺は先生はどのように評価されていらっしゃいますでしょうか。

#179
○参考人(上野達弘君) ありがとうございます。
 ついついこのリーチサイト対策とダウンロード違法化に焦点が当たりがちなんですけれども、今御指摘になった二点ですね。一つ目は、利用権の当然対抗制度というものですけれども、これは元々特許法にも入っていた制度を著作権法に導入するというだけのように見えるんですけれども、これは一つのコンテンツにたくさんの権利があるという場合が結構あって、それでライセンスを受けている。その基となる著作権が譲渡されちゃったりなんかしてそのライセンスが無効になってしまう、これは問題ですので、やはりそのライセンスが新しい権利者にも対抗できるようにするということは非常に意味があることだというふうに思います。
 二点目のその写り込み規定につきましても、これは、元々はスクショ問題に対応しようというものだったと思うんですけれども、ついでにと言ったらあれですけれども、今回、その要件について、従来これ随分厳格だというふうにも指摘されていましたので、これを柔軟化することによりまして、これ、ひょっとしたら、何か将来新しいサービスにも適用できるようなものになっていまして、これは私は夢のある規定じゃないかなというふうに思っております。
 以上です。

#180
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今回の法改正、本当にいろんな意味で新しい要素も入っておりまして、大事な法改正だということを改めて認識をいたしました。
 参考人の先生方、大変にありがとうございました。終わります。

#181
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほと申します。
 本日は、後藤参考人、赤松参考人、そして上野参考人、三名の皆様、豊富な御見識を共有してくださいまして、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
 私も、今回の法律案は、前回見送られたときの問題点を丁寧に考察して改良を重ねたもので、やはりバランスが取れているというふうに認識をしております。速やかに世に出して周知徹底をしていきたいと個人的に思うわけなんですけれども、私が気にしておりますのは、子供たちに対する教育でございます。
 著作権を始めですけれども、そのほかの、全ての人が有する権利、例えば肖像権、個人情報、表現の自由、言論の自由等々、人が有する権利と情報メディアの扱い方について、このデジタル社会の中で、私は学習指導要領にメディアリテラシー教育というものを入れた方がいいのではないかというふうにかねてから思っていたのですが、ここで、三名の参考人の皆様にそれぞれお伺いしたく存じます。
 メディアリテラシー教育の学校現場での必要性についてどのようにお考えになりますでしょうか。また、その際の注意点などもございましたらお聞かせいただきたく存じます。

#182
○参考人(後藤健郎君) 先ほど来申していますように、やはり情報の手段の在り方はもうスマホ。パーソナルであって、もうかなり小さいお子様から今お持ちの現状というのがあります。そうしますと、今先生がおっしゃったように、この情報をどう扱うか、著作権をどう扱うかというのを広く丁寧に教えていく必要が私はあると思います。
 ただ、先ほど山田先生からも御指摘のように、著作権って非常に難しいんですね。私でもよく分からない部分が正直言ってございまして、そこをどうやってかみ砕いて教えるかというのは必要だと思っています。
 その中の一点として、今、出版社の広報出版センターとCODAと一緒に、漫画家の先生に御協力をいただきまして、海賊版サイトはいけないよという啓発漫画を近い将来、今検討していまして、発表しようというふうに思っております。やはり分かりやすい切り口で、子供が興味のあるコンテンツで教えていくということも必要かというふうに思っています。
 以上でございます。

#183
○参考人(赤松健君) 漫画村事件のときに随分話題になったんですけど、割と小学生とか、場合によっては幼稚園生が海賊版漫画をカジュアルに読んでいるみたいなのがありまして、学校に関して、メディアリテラシーに関してですけど、著作権に対する意識を是非入れていただければ、著作者団体としては非常に助かるところであります。
 作品を作ってそれで収益をいただくみたいな形の構造から、その作品に対するリスペクトまで含めて、学校ではほとんど教わっていないことなので、ここら辺が入ってくると非常にいいと私は思っています。
 以上です。

#184
○参考人(上野達弘君) 著作権教育というものもメディアリテラシーの一つだといたしますと、これは非常に重要なものだと思います。
 既に様々な取組がなされていると承知していますけど、実はすごく難しいものがあります。特に、初等中等教育で著作権大事ですよというときには、これしちゃいけない、あれしちゃいけない、コピーしちゃいけないというようなものに偏り過ぎなところがあります。
 著作権法の中には、これはしてもいいよというのがたくさん書いてあるんですけれども、これを全て知っているというのは私どもの中でもなかなか難しい。例えば、引用してもいいですとか、私的ならコピーできるとか、無料の上映会はしてもいいとか書いてあるんですけど、それ全部を教えないとちょうど著作権のその範囲というのを正確に教えることはできないんですけど、全部をその初等中等教育ですることができなくて、ついつい直感的に、人の物は勝手に使っちゃ駄目だみたいな教え方になると、ちょっとこれ過剰になるんですね。ですから、この萎縮効果がないような形でどうやって著作権教育をするのかというのは非常に難しい課題だというふうに感じております。

#185
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 まさに後藤参考人がおっしゃったように、子供たちに啓発していくのに対して漫画は大変有効なツールだということで、やはり子供たち、漫画大好きです。ヒーローやヒロインがこういうことはやめてほしいと、ただ、こういう権利はあるんだと、そういうふうに教えてもらうことですっと受け入れられるというものがあるのではないかなと思います。
 一方で、大人に対しても啓発というのが大変重要になってまいりまして、大人に関しては、それこそノーモア映画泥棒のあのパントマイムのあの方々が映画館で告知をしてくれたらすごくインパクトがあったりと、いろんなアプローチが必要なのかなと思うところでございます。
 ですので、これから焦点が当たってくるのは、どのように広く国民お一人お一人にこの改正案について知ってもらうか、コンテンツを大切に守りながら自分の権利も保護していくのかということになるかと思います。
 それで、上野参考人にお伺いをしたく思います。
 上野参考人はかねてから海外の事例などと照らし合わせて日本版のフェアユースなどの可能性も探っていらっしゃるというように私把握しております。御講演録を拝見しましたときに、権利制限というのはまさに著作者と利用者との調整そのものであり、その適切な調整が文化の発展をもたらすのでありますというふうにおっしゃっていましたけれども、今回の改正案はこれとして私はよろしいかと思っているのですが、今後、日本文化発展の可能性という観点から日本版フェアユースについてこのような議論がなされるべきという御見解、おありでしょうか。

#186
○参考人(上野達弘君) ありがとうございます。
 日本版フェアユースというのは、日本であるべき権利制限規定をどのように構築するかと、こういう議論なんですけど、私が十年以上前に行いました講演でそのようなテーマを出して以降、十年間掛けて長い間たくさんの権利制限規定を作ってきました。そして、二年前にこちらに私お呼びいただきましたときに成立した柔軟な権利制限規定というのが、あれが一つの十年間の集大成としての日本の在り方ですので、あれを日本版フェアユースと呼ぶことは可能かと思います。そして、今回新たに拡充された写り込みの規定というのも、それにもう一つ新しい条文を付け加えたというふうに思っています。
 条文というのはどうしても明確性と柔軟性、両方必要になるわけですけれども、この日本の権利制限規定というのはその辺りを最近非常にバランスの取れた形で、そして分類して区別された形でそういったものを進めているということで、これは国際的にも日本のやり方は面白いねというふうに言われているところでありますので、もちろんまだ残された課題はあるかもしれませんので、今後も検討は必要かと思っております。

#187
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、赤松参考人にお伺いしたいと思います。
 私、個人的なことですが、息子が小学校三年生になりまして、ようやく漫画にはまり始めたところです。元々、男子ということもありまして本を読むのがちょっと苦手な側面があったんですけれども、漫画だったらすいすいと読めるということから、活字に対する興味というのも漫画から広がる可能性があるのだなということを肌で感じております。そして、最近ではお気に入りのキャラクターを自分で描いてみたりと。うちの息子に関してはまだ小さいのでそこで止まっているのですが、そこから漫画家になりたいと希望する子供たちもいますし、そして、漫画から発展してアニメになって声優を目指すお子さんも世の中にはたくさんいらっしゃることと思います。
 今回の著作権をめぐる問題というのは、漫画家を志望する子供たちやあるいは声優を志望する子供たち、こういうジャパニメーションというものを担っていく子供たちの将来性についても大変大きく関与してくる問題だと認識しております。
 今回の著作権とはまた少し違うところにはなってくるかもしれませんが、漫画家の方であるとか声優というような御職業の方々の権利に関しまして、一般的にはその報酬であるとか余り恵まれていらっしゃらないのではないかと思うところなどもあるのですが、漫画家についてこういった権利を今後検討していきたいなどというようなことももしございましたら、お聞かせいただければ幸いでございます。

#188
○参考人(赤松健君) 主にやはり、漫画家がいかに夢のある職業かということになると、やっぱり著名、有名になったり、アニメ化になってもそうですけれども、収益の件、すごくもうかってみたりとかいうこともまたそれ一つだと思うんですけれども、それと著作権ですよね。そちらの方を啓発していくということになるかと思うんですけれども、声優さんだとか漫画家に関して、日本は今留学生はほとんど、昔は科学技術、日本に来るのは科学技術が目当てだと思うんですけれども、今は漫画とかアニメがみんな好きで来ているみたいなのがあるので、そちらも海外に向けて、子供にも向けても漫画などをずっと有効活用していければすごくいいかなと思いますね。答えになっていないかもしれないですけれども。

#189
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 今後もたくさん、もうアニメや漫画というコンテンツは日本の国力の一つを担っているぐらいの大きな力を持っていると思いますので、これからもどんどんとその文化を発展させていく人材が育っていくような環境を国として整備できればというふうに考えております。ありがとうございます。
 それでは、いま一度三名の参考人の皆様に、後藤参考人から順番にお伺いしたいのですが、今回の法改正についていま一度、皆様賛成ではないかというふうに思っているのですけれども、いま一度、賛成か反対かということと、もう一歩踏み込んで、次はこういうところを検討してほしい、あるいはここだけが唯一引っかかりが残るなどという点がございましたら、お聞かせいただきたく存じます。

#190
○参考人(後藤健郎君) 今回の法改正につきましては、海賊版対策の実効性の確保、そして国民の正当な情報収集等の萎縮の防止等でバランスが非常に取れているというふうに思っておりますので、私としては賛成でございます。

#191
○参考人(赤松健君) 私としても、前回の改正案よりも大幅に改善されておりまして、これなら異存なしと考えております。

#192
○参考人(上野達弘君) もちろん賛成しているわけでございまして、今後の課題といたしましてはもちろんたくさんあります。やはり、今デジタル時代ですので、著作権法もできるだけその技術に対応するという、改正すべきポイントはこれからもたくさんあると思いますので、そうした点については今後も検討を深めていくべきだというふうに考えております。

#193
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 事前に用意していた質問は以上にはなるのですが、せっかく時間が少しだけありますので、こちらについてもお聞かせいただきたく思うのですけれども、今回、親告罪か非親告罪かというような点も焦点の一つになっていたかと思いますけれども、その辺りで、今一般の国民の間でもこちらがいいんじゃないかというふうに意見が分かれているように思います。その点についてそれぞれどのようにお考えか、皆様に一言ずつお伺いできればと思います。後藤参考人からお願いいたします。

#194
○参考人(後藤健郎君) 今回のリーチサイトに関しましては、非親告罪から親告罪に変わりましたが、実務上、余り変化、大差はございません。やはり権利者が警察に対して被害届なり告訴状というのは出すことになりますので、実務上大きな影響はないというふうに認識しております。

#195
○参考人(赤松健君) コミケなど二次創作の問題もありますし、我々権利者がオーケーだったら実はオーケーになってしまうみたいな、親告罪である意味は非常に大きいと考えています。

#196
○参考人(上野達弘君) TPP協定に伴う改正によりまして一部非親告罪化されましたけれども、やはり今、赤松参考人おっしゃったように、様々な二次創作に対する懸念というのがありますので、その対象は非常に狭くなっております。
 したがいまして、今後も非親告罪化することにつきましては慎重な検討が必要かというふうに思っております。

#197
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 本日は、三名の参考人の皆様からたくさんの御意見を頂戴しましたことを改めて感謝申し上げます。先ほど、上野参考人から五十年目の節目に今回の法改正の審議がなされているということを教えていただきまして、とても歴史の一部なのだなと、そして、これから時代に合わせてどんどんこの著作権法も変わっていくのだろうなというふうに意識したところでございます。
 本日はありがとうございました。以上で終わります。

#198
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 まずは三人の参考人の皆様、本日は貴重な御意見を聞かせていただきまして、本当にありがとうございます。
 さて、本法案については、海賊版対策ということで、違法配信からのダウンロードの違法化、刑事罰化を、音楽、映像だけでなく全ての著作物に拡大すると、これが大きな焦点の一つかと思っております。
 この本法改正にかかわらず、このダウンロードの刑事罰化そのものについての考えをまず伺いたいと思うわけです。
 先ほど来、参考人の皆様からダウンロードを刑事罰化することの意義というところは一定語られたと思うんですけど、サイバーロッカーとの関係などからですね、あるんですけれども、じゃ、そもそもこれ刑事罰化したこと、刑事罰化することによってどれだけの効果、どのような効果が生まれると考えられるのかということと、もう一点、やはりこの刑事罰化することによる生まれる懸念、デメリットとしてはどのような問題が考えられるかという点について、三人の参考人の方々それぞれの御意見伺えれば幸いです。お願いします。

#199
○参考人(後藤健郎君) 今回の改正案につきましては、まず、違法にアップロードされたことを知りながらもダウンロードをする場合というまず規定がございまして、さらに除外規定というのが幾つも作られているわけでございまして、その辺で私は、やはりこれを、まあ刑事罰が付いていますが、これに対して刑事告訴という話はまずないと思うんです。やはりこれは抑止効果という形で、やはり家庭内での多分ダウンロードでしょうから、その辺は分からないという面があろうかと思います。
 ただ、一点あるのが、アップロードした者を検挙して、それでダウンロードの事実があった場合、アップロードの方が刑が重いですからダウンロードを立件することはないかもしれませんけれども、アップロードした情報がない場合ですね、消えちゃった場合、ダウンロードの事実しか残っていない、証拠が残っていない場合は、ダウンロードでも刑事事件があり得るのかなというふうには思っています。

#200
○参考人(赤松健君) ダウンロードの刑事罰化についての是非なんですけど、まず、映画とか音楽ではもう既にこれ導入されているので、ここでもし漫画がオーケーよということになると、どんどんやりなさいよというような誤ったメッセージが伝わってしまうので、それは非常によろしくないとは思っています。
 先ほど山田議員の方から出た十要件で助けられないほどの対象に関しては、これ、刑がないとこれもう効き目がないというようなことを考えているので、非常に適切な感じになっていると思います。

#201
○参考人(上野達弘君) ダウンロードの刑事罰化に関しましては、その効果、もちろん課題になるところかと思います。ただ、平成二十四年のときに録音、録画について刑事罰を導入したときには一定の効果があったという報告があることは承知しております。
 また、今回、録音、録画以外について刑事罰を科すことにつきましては、元々の有償著作物という限定に加えて反復継続という更なる限定を加えているということもありますし、また、附則五条では刑事罰の適用に当たっての配慮を求めるということもしておりますので、それなりに、それなりにといいますか、非常に念の入ったものだというふうに認識しております。

#202
○吉良よし子君 ありがとうございます。
 一定萎縮というか、自由を奪わない範囲での効果もかなりの効果があり得るというお話だったかと思うんです。ただ、やはり十分な説明がないままダウンロード全般が駄目だよというところだけ聞いてしまうと、利用者の萎縮、過度な利用制限生まれかねないという点ではやはり注意が必要じゃないかなということは思う次第です。
 さて、著作権というのは、権利者の許諾さえあればいかなる利用であれ許諾されるし、権利制限規定により権利者の了解を得ずとも著作物の利用を認められている場合もあるわけです。また、明示的に許諾がない場合であっても、二次創作とかパロディーとか、結果として許諾されているものも一定あるというふうに理解しております。こうした規定や運用というのが、過度に萎縮することなく著作物の自由な利用につながって、今でいうと実際に二次創作とかパロディーといったものは一定新たな創作文化につながっている面もあるというふうに聞いているわけです。
 本法案では、こうした二次創作やパロディーに関する違法化というか、新たな規制をするようなことにはなっていないとは承知しているんですけれども、例えば今後の在り方として、違法配信からのダウンロードであれば、もうその中身が二次創作であれパロディーであれ、何でも違法化、刑事罰化なんてことにはしてはならないし、そういうやり方は問題じゃないかなと思うんですが、この点について、赤松参考人、また上野参考人、いかがお考えか、お聞かせいただければと思います。

#203
○参考人(赤松健君) 特に二次創作に関しては世界でも相当うまくいっているのが日本でして、例えばパロディーの合法化とかフェアユースとかというものを導入しようという話もあるんですけど、とにかく現在盛り上がっているので制度を変えると逆効果になるということから、非常に二の足を踏んでいるということがありますよね。
 以上です。

#204
○参考人(上野達弘君) 今回のダウンロード違法化の対象からその二次創作のダウンロードというのは除外されているわけでありますけれども、これは今回の対象になっているダウンロード違法化の部分でありまして、元々からある録音、録画によるダウンロードにつきましてはそのような限定がないことですから、その違いがどこにあるのかとか、そっちも考えるべきじゃないかという考えもあるかと思いますし、また、そのパロディー自体につきましては日本法で今どのような対応になっているのかというのは不明確な状況にあります。これも立法しようと考えたことはあるんですけど、定めたら定めたで不明確になって、余り明確だとそれもまた問題だというので、課題としては残っていると思いますので、今後の検討、必要なのではないかと思っております。

#205
○吉良よし子君 二次創作やパロディーについても今後の検討課題ということもありましたけど、今のところは二次創作に関しては特にうまくいっているというお話であったと思います。大変参考になりました。
 それでは、また赤松参考人に伺いたいと思います。
 先ほど来も強調されているとおり、海賊版対策というのもとにかく進めてほしいという思い、立場というのは大変よく分かったわけですが、一方で、先ほど来議論にありますとおり、昨年の政府が提出予定だった当初案については一定批判的といいますか、提言も出されたと伺っています。昨年二月の日本漫画家協会の声明の中では、表現や研究などで萎縮はもとより、人権の制約につながることが決してないように、丁寧で十分な審議を要望すると表明されていたと伺っているわけですけれども、つまり、当初案では表現や研究などでの萎縮若しくは人権の制約につながる部分があったということかと思いますが、その当初案についての懸念について具体的にどのようなことだったか改めて御説明いただきたいのと、先ほど来それは解消されたという話もあるわけですが、どのように解消されたと評価されているのかもお聞かせいただければと思います。

#206
○参考人(赤松健君) 当初の懸念では、余りにもこの範囲が広過ぎて、我々を守るために作られた法律が我々の表現の自由を制限してしまうような部分が相当あったんですよね。そこのところを批判し、批判ではないな、ちょっとどうかなということで、批判はしていないです。前向きにやって、こういうふうに変えてもらいたいなみたいな声明を出したんですけれども、そこのところはばっちり改善されているので今回賛成に回ったわけですけど、元から反対という立場ではありませんでした。

#207
○吉良よし子君 ありがとうございます。
 上野参考人にも伺いたいと思います。
 先ほど来、当初案についての指摘、一定の指摘があったということですけれども、その点についての懸念というのはもう本法案で解消されたとお考えか、具体的にあればお願いします。

#208
○参考人(上野達弘君) 最初のお話の中でも少し触れたんですけど、諸外国では私的複製というのは元々適法なソースからしなきゃいけない、違法なソースだということが分かっているのにそれを基にしちゃいけない。それはダウンロードだけじゃなくて、本をコピーするとかCDをコピーするとかでも海賊版のものから私的複製をするというのは許されないと、シンプルにそうなっているわけなんです。それは一つの考え方になっているものが多いんですけれども、そういう観点からすると、もっと、日本法はちょっと甘いんじゃないのかという見方もあるかもしれませんが、やはり日本人の、さっきも申しましたけど、日本人の場合は、そういう形でざっくりとルールができてしまいますと、これにやっぱり従わなきゃいけない、間違いがあっちゃいけないというふうに考えることが多く、萎縮するという可能性は十分にあるんだろうと思います。
 ですから、今回、その一年間、たくさんの除外規定を設けまして抜いていったということは、大変意義のあることかと思っております。やっぱり日本人は少しずつ進めていくと、これ一足飛びに行くのではなくて、今後また問題があるようであれば、効果を検証しながら再検討していくのが望ましいのではないかというふうに思っております。

#209
○吉良よし子君 ありがとうございます。
 この議論を聞いておりましても、やはりこうした著作権について改正をするというときには、権利者、利用者、様々、研究者も含めて、利害関係者が多くいる下で、そこでのバランスを取るというのが大変重要じゃないかなということも思うわけです。今や多くの国民が何らかの著作物を利用する実態もあるわけですから、こうした今回の法案提出のプロセスで見られたように、著作権について国民の理解を深めるためには、こうした権利者、利用者、研究者らが大いに幅広く議論に参加して、起こり得る懸念事項の解消のためにある程度時間も掛けて協議を進めるというこのプロセスは今後も本当に重要じゃないかと思うんですが、こうした著作権についての議論の進め方、プロセスについて、それぞれ三人の皆様から御意見いただければ、今回の改正の経緯も含めて御意見いただければと思います。

#210
○参考人(後藤健郎君) 先生おっしゃるとおりだと思いまして、たしかこの法律でも附則が付いていたと思いますので、ある程度の期間を経てそれをどうチェック、精査するということが入っていると思いますので、常にそのような形は取っていくべきだと思っております。

#211
○参考人(赤松健君) SNS時代ですので、もう権利者自らがそういうようなことを自分の絵とか口で説明していくということがこれから必要になると思っています。

#212
○参考人(上野達弘君) 従来から、政策形成におきましては、審議会等におきまして有識者とか権利者とか様々な声が協議されているところかと思いますけれども、最近はそれを超えまして、例えば広告との協議、協調ですとか、あるいは検索エンジンとかプラットフォーマーと権利者の皆さんで協議されているとか、そうした法律とか制度をつくることも大事ですけれども、その実際の関係者の取組というのが日本で合っていると思いますし、そうした役割は今後も非常に重要じゃないのかなというふうに感じております。

#213
○吉良よし子君 ありがとうございます。
 やはり関係者がきちんと議論をして懸念事項を解消していくというのは本当にこれからも必要だなということを改めて感じました。
 最後になるかと思うんですが、やはりこの今回の海賊版対策進めるということは本当に大事なことですけれども、今回の改正というのはダウンロードの違法化、リーチサイトなどですが、が中心になっているわけですけど、やはりダウンロードの前にはアップロードというものがあるわけで、先ほど来このアップロードの規制というのは非常に困難だというお話もあるわけですけど、やはりこのアップロードをまた更に厳しく取り締まるということは欠かせないと思うわけです。
 先ほど来いろいろ御意見もいただいているところですが、やはりこのアップロードの規制を更に前に進めるためにはどういうことが必要と思われるか、今後の課題も、また政府への要望も含めて三人の皆様から御意見いただければ幸いです。

#214
○参考人(後藤健郎君) 先ほど来申していますように、もうパーソナルなんですね、もう国境がありません。ということになると、どう対応していくかということになると非常に難しい問題がございます。
 やはりこれは一つの、特効薬はありませんので、総合的な対策を行っていくということが必要であること。さらに、権利者もそれを認識して、共同でお金を出し合って活動する。さらに、政府の支援を得るという形で臨まないと、とても対応できないというふうに思っております。
 以上です。

#215
○参考人(赤松健君) クリエーターとしては、できることは、アップロード対策としてできることはすごい限られていると思うんですけれども、出版社と協調していろいろな施策、行われているんですけど、一枚岩になって対抗していくというのを読者に見せていくみたいなのがやっぱり総合的には一番役に立つかなと思っています。

#216
○参考人(上野達弘君) 御指摘のように、今回のダウンロードとかリーチサイトというのは、あくまで到達させるリーチサイトは規制するとかダウンロードを規制するということで、大本のアップロードの海賊版サイトを止めるということが一番大事であります。
 ただ、立法上はもうこのアップロードをするというのは違法だということははっきりしておりますので、これ以上刑事罰を更に強めるとかということもなかなかできないと思いますので、その立法を超えた様々な対策というのが重要になるかと思います。
 昨年の十月にも総合的な対策メニュー、その前の年にも、私も知財本部の委員をしておりましたけれども、様々な、広告規制もそうですし、検索サイト等の対策というのもそうだし、今ブロッキングなんかもその一つですけれども、メニューを検討されていると思いますので、そうした中で当事者の方の協調を含めた、日本らしさを持ったような対策パッケージというのを今後も深めていく必要があるんじゃないかと思っております。
 以上です。

#217
○吉良よし子君 ありがとうございました。終わります。

#218
○舩後靖彦君 代読いたします。
 れいわ新選組の舩後靖彦でございます。
 本日は、後藤参考人、赤松参考人、上野参考人にお越しいただき、御意見を伺う機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 早速、提出法案について質問させていただきます。
 本法案は、さきの国会提出が見送られた経緯から、違法ダウンロードの規制をめぐり、海賊版被害の実効的な対策を取ることと正当な情報収集等に萎縮を生じさせないこととの間でぎりぎりのバランスを取ったものと伺っております。
 そこで、三人の参考人にお尋ねいたします。
 それぞれのお立場から見て、権利の保護と適正な利用促進のバランスはどうあるべきか、また、本法案ではどのような点が不足しており、その課題を解決するために今後どのような検討、取組が必要とお考えになりますでしょうか。

#219
○参考人(後藤健郎君) ダウンロードの件につきましては、違法にアップロードされたことを知りながらダウンロードする場合のみというまず前提がありまして、それ以外に様々な除外事由、スクショを除外するですとか軽微なものを除外する、さらに二次創作等々を除外するといったかなりの除外事由があります。
 そして、問題になりましたのが権利者の利益を不当に害する場合をどうするかという案でございまして、これにつきましては、やはり抜け穴をつくるという可能性がありまして、先ほど来申しているように、海賊版業者は非常に賢いですから、その辺をついてくるということです。いわゆる居直りですとか、それを逆手に取って喧伝するやからと。不当に害していないから大丈夫ですよ、どんどん私のをダウンロードしてくださいというようなことがあるわけです。
 それにおきましては、今回は著作権の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合ということで、山田先生の自民党の方で御検討いただきましてこのような案が出てまいりまして、私は非常にこれはよろしいということで、権利者のいわゆる権利が担保されたものと認識しております。

#220
○参考人(赤松健君) 今回の改正案ですけれども、非常にバランスの取れたものですし、漫画と映画音楽は結構違うので、そこの使われ方に関して特殊な要件を加えたということになっているんですけれども、これに関しては、足りないものと言われましたダウンロードに関しては、我々の意見がほとんど全て通ったということで、足りないものはないというぐらいよくできていると私は感じております。

#221
○参考人(上野達弘君) 今回の法案は様々な項目があるわけですけれども、特にリーチサイトなんかは本当に誰も反対していないというか非常に賛同される、非常に賛成が強いと思います。もちろん、問題になるのがダウンロード違法化の部分でありまして、学説上は、現在もやや消極的な方というのもいらっしゃると思います。
 ただ、この一年半掛けて幅広く意見を聴取されまして、最終的には非常に念入りな条文ができましたので、これ実際には当事者の中で広く賛同を得ているというふうに認識しておりまして、これは大変良い法案になっているんじゃないかなと思っております。

#222
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 今回の改正で、違法にアップロードされた侵害コンテンツをまとめてリンクを貼っているリーチサイト対策が盛り込まれ、民事、刑事罰の対象とされました。しかしながら、こうしたサイトのほとんどは、ドメイン登録、サーバーを置く国、サイト運営者が存在する国が複雑に分かれており、告発するにも人手と時間とお金が掛かり、取締りは非常に困難であると想像いたします。
 海賊版サイトによる深刻な著作権侵害につきましては、これまでも、CODAさん始め著作権者やコンテンツの制作、流通、販売に関わられる業界団体を挙げて対応されてこられたと存じます。その御経験から、本改正案での海賊版サイト対策の実効性について、後藤参考人、赤松参考人から御意見を伺いたいと存じます。

#223
○参考人(後藤健郎君) いわゆる、おっしゃるとおりでございますけれども、中国、台湾、香港等々であれば、政府機関と非常にCODAはいい関係がございますので、対処できるというように感じております。
 問題は、アメリカ、アメリカも別ですけど、ヨーロッパですね。ヨーロッパとかは、先ほど来言っています著作権に寛大な国ですね、寛容な国ですね。これをどうするかということでありますが、先ほど来申していますように、CODA単独では無理だと思っています。やはりACE、MPAと一緒に、主体になっているACEという団体がありますので、あそことも毎年定期会議をやっていますので、彼らとも連携しつつ、言葉は悪いですけど、取りあえず彼らのやっている調査なり権利執行、それに相乗りする形で私たちも共同エンフォースメントに参加したいというふうに思っています。現に今一件、アニメのすごい国際的なサイトがあるんですが、それをACEと一緒に摘発のための準備を進めているという状況でございます。
 以上です。

#224
○参考人(赤松健君) 今回の法案について、実効性に関してですけれども、さすがにクリエーターとしては専門じゃないのでちょっと分かりかねるんですけど、いろいろ話題になることによって、読者に著作権に関するリテラシーが広まったことに関してはよかったとは思っています。

#225
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 次に、侵害コンテンツのダウンロード違法化についてお尋ねいたします。
 本法案で、違法にアップロードされたと知っていながら侵害コンテンツをダウンロードすることが違法化されましたが、その中から二次創作物、パロディーのダウンロードは除外されました。これは、大概の場合、原著作者が二次創作物、パロディーを黙認していることを前提にしているからと存じます。ただし、二次創作物、パロディー作品がそもそも著作権侵害に当たり違法なのかという点はここでは問題にされておりません。
 そこで、上野参考人にお聞きしたいのですが、最近、日本外国特派員協会が作成した東京五輪のエンブレムのパロディー作品が東京都から著作権侵害を主張され、取り下げられました。ネット上では賛否両論、パロディー作品が引用されながらアップロードされています。これをダウンロードした場合は違法となるのでしょうか。その場合、誰の著作権を侵害しているから違法となるのでしょうか。どう考えたらよろしいのか。
 それともう一つ、パロディーの文化的価値や権利性については、著作権法上、別途検討されてしかるべきと存じますが、この点について赤松参考人はいかがお考えでしょうか。

#226
○参考人(上野達弘君) オリンピックのエンブレムがもし著作物であって、そしてパロディー作品がその著作権の侵害に当たるとしますと、それはアップされているということが著作権の侵害に当たりますけれども、今回の法案では二次的著作物となっているような著作物のダウンロードは対象外となっていますので、ダウンロードは適法だということになるかと思います。
 このパロディーに関しましては、日本では裁判例もほとんどないですし、そしてパロディー自体がどれぐらいあるのかというふうにも言われておりまして、なかなかルール形成というのができない状況にあります。
 ただ、他方では、コミケの同人誌とか、そういったものも盛んに行われているところでありまして、日本では条文もないのに、諸外国ではパロディー許されるとかという規定を持っている国が多いんですけれども、あるいは判例が多い国もありますけど、日本では条文もないのにどうして緩やかにコミケが許されているんだというふうによく質問されるんですね。これは不思議な黙認の世界でありまして、コミケで育ったからそれを許容しているという漫画家の先生も多いんだと思います。
 ですから、これを明文化するのがいいかどうかというのはちょっと考え物でありまして、今後も検討が必要かというふうに思っております。
 以上です。

#227
○参考人(赤松健君) 二次創作とパロディーに関してですけれども、私もコミケット出身の作家でありまして、あらゆる芸術はまねから始まる、学びはまねびと言いまして、そういうふうなものが今創作の揺り籠になっているということで、漫画家としても、パロディーと二次創作をめぐる現状変化は望んでいないというのが大方の意見だと思っています。

#228
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 引き続き、ダウンロード違法化についてお尋ねいたします。
 既に法制化されている音楽、映像に関しましても、個人の違法ダウンロードは摘発された事例はなく、今回も実際に法的責任を追及することよりも抑止効果が狙いかとは存じます。
 しかし、明らかな海賊版サイトはともかく、個人がSNS等で投稿したコンテンツなど、違法にアップロードされたものかどうか判断するのは難しいと存じます。一般の利用者が利用を萎縮してしまう可能性と、逆に、知らなかった、勘違いしたで違法ダウンロードを繰り返す悪質な利用者が出ないとも限りません。この主観要件は立証することも反証することも難しいのではないかと考えますが、主観要件の取扱いについてのお考えを、後藤参考人、上野参考人にお聞きしたく存じます。

#229
○参考人(後藤健郎君) あくまでも私ども権利者としては、グレーなものについては対応はしないというふうに思っています。やはり悪質なものについて警告をするという形になろうかと思っていまして、いわゆる軽微性、いわゆるそういうのは除外されています。軽微性とかあらゆる除外事由が付いていますので、まずそれを超えてやるものというのはまずないのかなというふうに思って、認識しております。
 以上です。

#230
○参考人(上野達弘君) このダウンロード違法化に関しましては、インターネット上にあるものが違法かどうかなんて分からないんだから、うっかり違法なものをダウンロードしてしまうと、それが違法だとか刑事罰だとかというのは困るというのはもちろんそのとおりだと思います。ですから、今回、知りながらという要件が入っていて、そして確認、解釈規定まで入っておりますので、確定的な認識を持ってダウンロードしたときだけが対象になるということになっております。
 権利者にとってはそれを立証するのは難しいじゃないかということもあるかもしれませんが、一回警告してそれでもなお続けていると、すると、さすがにこれは確定的な認識があるということが立証できるのではないかなというふうに思っております。

#231
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 通常のネット利用者には、著作権や著作物利用に関わる知識を得る機会はまずありません。そのため、一定の要件の下で侵害コンテンツのダウンロードが違法化、刑事罰の対象になることについて身近で分かりやすい説明、啓発がないと、法改正しても、実効力がないか、逆に必要以上に萎縮させてしまうことになりかねないと存じます。その辺りを政府にお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#232
○委員長(吉川ゆうみ君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様に一言御礼申し上げます。
 参考人の皆様には、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきましたこと、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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