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2020/06/04 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 法務委員会 第11号 令和2年6月4日
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2020/06/04 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 法務委員会 第11号 令和2年6月4日

#1
令和二年六月四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹谷とし子君
    理 事
                高橋 克法君
                元榮太一郎君
                有田 芳生君
                矢倉 克夫君
                柴田  巧君
    委 員
                磯崎 仁彦君
                小野田紀美君
                中川 雅治君
                福岡 資麿君
                山崎 正昭君
                山下 雄平君
                渡辺 猛之君
                川合 孝典君
                真山 勇一君
                安江 伸夫君
                山添  拓君
                高良 鉄美君
                嘉田由紀子君
   国務大臣
       法務大臣     森 まさこ君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        今井絵理子君
       防衛大臣政務官  岩田 和親君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      村手  聡君
       内閣府宇宙開発
       戦略推進事務局
       審議官      行松 泰弘君
       警察庁長官官房
       審議官      小柳 誠二君
       警察庁長官官房
       審議官      太刀川浩一君
       警察庁長官官房
       審議官      高田 陽介君
       法務省大臣官房
       司法法制部長   金子  修君
       法務省民事局長  小出 邦夫君
       法務省刑事局長  川原 隆司君
       法務省矯正局長  大橋  哲君
       外務省大臣官房
       サイバーセキュ
       リティ・情報化
       参事官      赤堀  毅君
       国土交通省自動
       車局次長     江坂 行弘君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○自動車の運転により人を死傷させる行為等の処
 罰に関する法律の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省刑事局長川原隆司君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(竹谷とし子君) 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#5
○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。質問の機会をいただきありがとうございます。
 この自動車運転処罰法についての質問に当たって、この法律の歴史を少しひもといてみました。二〇一三年に刑法から独立する形でこの法律が創設されました。当時の審議を見てみると、法務大臣が谷垣禎一大臣、刑事局長が稲田伸夫刑事局長、今の検事総長です。そのときの審議を見ていると、自由民主党を代表して質問した方が山下雄平となっておりました。私です。七年前、この法律ができたときに、もう質問に立っておりました。
 そのときの審議を見て、私が、自分が何を質問したのかということを見てみましたら、無免許運転についてでした。無免許であることをこの法律の中にあります危険運転致死傷罪の対象に追加すべきではないかということについて質問をしております。これに対して当時の稲田刑事局長は、無免許運転そのものが暴行に準じるような危険性を類型的に有するとまでは言えないと、無免許であるがゆえに人を死傷するという直接的な因果関係が存しないというふうに答弁されておられます。
 議事録を改めて見ても、本当にそうなのかなというふうに感じます。自分が無免許であるということを自覚して、そして車に乗って死傷させるような大変大きな事故を起こした。本当にこれは暴行に準じるような危険性を伴うような行為だと私は思います。また、無免許だからといって人を死傷させるような事故を起こす因果関係はないというふうな主張が通るのであれば、そもそも免許制度というのは何なのかというふうに思いますし、必要なのかというふうにも言われかねないと思います。
 改めてですけれども、この無免許運転を危険運転致死傷罪の対象に追加することを検討すべきではなかろうかというふうに思いますけれども、お考えをお聞かせください。

#6
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 自動車を運転して死傷事故を起こした者が無免許運転をした者である場合については、自動車運転死傷処罰法第六条に加重処罰規定が設けられております。
 他方、無免許運転を危険運転致死傷罪の対象とするか否かにつきましては、過去の法制審議会でも議論をされましたが、危険運転致死傷罪は暴行の結果的加重犯としての傷害罪や傷害致死罪に類似した犯罪類型であるところ、今委員からも御指摘がございましたが、無免許運転が暴行に準ずるような危険性を類型的に有するとまでは言えないこと、人の死傷結果との関係で無免許運転であるがゆえに人が死傷するという直接的な原因関係は存しないことから、危険運転致死傷罪の対象とはしないこととされたものでございます。
 もっとも、無免許運転を危険運転致死傷罪の対象とするかにつきましては、自動車運転死傷処罰法の制定の際の衆参法務委員会における附帯決議におきまして、無免許運転による加重について、その施行後の適用状況を検証し、悪質な無免許運転による死傷を危険運転致死傷罪に含めることについても検討することとされておりますことから、その趣旨を踏まえ、引き続き悪質な無免許運転により人を死傷させた行為の実態等について注視してまいりたいと考えておるところでございます。

#7
○山下雄平君 検討する検討するということで、結果的に、本当にこういった刑事法というのは大きな事件、事故が起こって初めて動くみたいなことが多々あると思います。是非とも、この立法府の人間の一人として、こうした、私は欠陥だというふうに思っておりますけれども、そうした点を是非とも少しでも前に進めるように、法務省として努力することをお願い申し上げたいと思います。
 今回の改正点については、契機となったのは二〇一七年の東名高速での死傷事故だというふうに思っております。前方で車を停止させて、そして、その車の後ろからトラックが突っ込んで、両親二人が亡くなってしまうという本当に痛ましい事故、事件でありまして、大きく報道もされました。ただ、この今の現行法であれば停止というものが危険運転致死傷罪になかなか適用が難しいという法的な欠陥が明らかになったので、今回の改正するということになったというふうに理解しております。私は、この改正法を一日も早く成立させて、施行していかなければならないというふうに考えております。
 今回の条文案を読むと、危険運転致死傷罪というのは、成立させるためには、車の通行を妨害する目的という要件が明記されております。ただ、車を妨害する目的があったかどうか、つまり内心をなかなか判断するというのは難しいと思います。
 この点については衆議院でも議論がされております。衆議院の議論も聞きましたけれども、この点において川原刑事局長は、自由かつ安全な通行を妨げることを積極的に意図するものと定義されて、この積極的意図がなければ外形的に危険運転致死傷罪と同じ行為をしてしまっただけでは該当しないというふうに答弁されております。そして、加えて、単に停止することだけではなく、こうした積極的に意図した場合というような意味内容を持った通行を妨害する目的との要件を満たすことが必要であり、この目的の要件を満たさない事案は危険運転致死傷罪が成立しないというふうに答弁されております。
 昨年の十一月ですけれども、私の地元佐賀県小城市でこういう交通事故、事件がありました。大型トラックを運転していた男性が、別の大型トラックから車間距離を詰められたり幅寄せされたりするなどあおり運転を受けて、最終的に接触事故が起きて、被害者はけがをされました。佐賀県警は、あおり運転をしたトラックドライバー、加害者の方を危険運転致死傷罪で逮捕しております。しかし、警察の逮捕は危険運転致死傷罪でしたけれども、実際に、佐賀区検が略式命令を請求して、佐賀簡易裁判所が略式命令を出した罪状は過失運転致傷罪でした。
 警察が検挙した時点では、著しく車間距離を詰めてあおったり、急な車線変更や幅寄せをして通行妨害を図ったというふうにしておられました。当時の報道を見てみると、この被疑者、加害者の方ですけれども、逮捕時点で、あおったことは間違いないが、ぶつけるつもりはなかったというふうに述べておられます。まさに積極的に意図した、結果的加重犯と私は言えると思います。しかし、最終的に検察は、危険運転致死傷罪は請求できずに、過失運転致傷罪を請求しています。この場合は、加害者があおったというふうに認めておられます。認めておったこの佐賀の事件でも危険運転致死傷罪を認定できなかったことを考えると、自供していない場合は更に難しいんではなかろうかというふうに思います。
 この佐賀の個別の事件とは全く別に、加害者が急ハンドルで前方に入ってきたり、前方で急停止したりしたとしても、例えば、いや、前に障害物があったので自分はこう動いたんだとか、いや、動物が、結構田舎の高速道路、私の地元なんかは高速道路に動物が飛び出してくることなんてあるんですけれども、いや、動物が飛び出してきたのでそこは動いただけなんですというふうな弁解した場合、どうやってこの通行を妨げることを積極的に意図すると立証するのでしょうか。一般論で結構ですので、是非大臣に具体的に説明していただけますでしょうか。お願いいたします。

#8
○国務大臣(森まさこ君) 山下委員、約七年前の本法の創設のときに初めて質問したということで、熱心な御質問をありがとうございます。
 この通行を妨害する目的の認定は、加害者の供述のみによって行うものではなく、ドライブレコーダーの映像や、被害者、目撃者の供述などを含む様々な証拠を収集し、加害者の具体的な運転態様、被害者車両の動きや位置関係、犯行時や犯行前後における加害者の言動など様々な事実に基づいて総合的に認定することとなります。
 したがって、仮に加害者がお尋ねのような弁解をしたとしても、それだけで通行を妨害する目的が認定できなくなるものではなく、関係証拠に基づき、通行を妨害する目的を認定することができる場合もあると考えます。

#9
○山下雄平君 大臣がおっしゃったように、恐らく様々な証拠を集めていって立証しなければならないということであります。だからこそ、事故前にどういった行為があったか、この証拠を集められる体制の構築、環境の整備が極めて重要だと思っております。
 一昨日、小野田議員が岡山県警の事例を紹介されましたけれども、そうしたいろんな形での試みというのが必要だというふうに思っておりますけれども、現場の捜査で最もこの状況を把握できるというのはドライブレコーダーだと思います。衆議院の審議でもドライブレコーダーが立証の決め手となる場合も十分にあるというふうに答弁されております。ただ、ドライブレコーダーが搭載されている車というのは多分過半数に満たないというふうに私は理解しております。一昨日の参考人質疑では、このドライブレコーダーの義務化をというような声も上がっておりました。
 では、警察にお伺いしたいんですけれども、現場の捜査を担う警察として、このあおり運転に絡む危険運転致死傷罪を立証するための証拠集めには、ドライブレコーダー以外についてはどういったものを想定されているのでしょうか。また、参考人質疑では、Nシステムというものは交通事故の捜査では余り使われないというような指摘もされておりましたけれども、これは事実でしょうか、お聞かせください。

#10
○政府参考人(高田陽介君) お答えを申し上げます。
 危険運転致死傷罪の立証のためには、今御指摘のございましたドライブレコーダーの映像のほか、防犯カメラの映像、目撃者、被害者及び加害者の供述、現場に残されたタイヤ痕、車両の損傷状況などが証拠になるものと考えられます。
 過去二年間に警察庁に報告がなされた危険運転致死傷罪、妨害目的を適用した事例及びいわゆるあおり運転に、あおり運転行為に刑法を適用した事例百三十三件について調査をしましたところ、四十八件、約三六%は防犯カメラや第三者の目撃情報などドライブレコーダー以外の証拠を活用しております。引き続き、様々な証拠を積極的に収集し、厳正な危険運転致死傷の捜査を実施してまいりたいと考えております。
 なお、お尋ねの自動車ナンバー自動読み取りシステム、いわゆるNシステムにつきましては、捜査手法に関することでございますので詳細はお答えを差し控えますが、交通事故事件捜査においても、車両ナンバーに基づいて当該車両を発見、捕捉することが効果的な場合に活用することは可能であると考えております。

#11
○山下雄平君 本当に立証するためには様々な証拠を集める必要があるというふうに思っております。
 参考人質疑では、逃げ得は許さない、捜査の徹底をという声が上がっておりました。加えて、真山議員は質疑で、事故直前の切り取られた映像だけではなくて、もっと前の動きから把握する必要があるというふうにおっしゃっておられました。参考人の方からは、こうした事故というのは加害者か被害者か分からない場合もあるというような話がありました。だからこそ、私はこうした状況を分かるようにするために新しいテクノロジーみたいなことを積極的に使っていく必要があると思っております。
 今日、この審議に今井絵理子政務官に来ていただきました。宇宙政策を担当されております。私もその二年前まで同じ担当をしておりましたので、是非今日はお伺いしたいというふうに思ってお招きしたんですけれども。
 これ準天頂衛星という、これはGPSを補完する自前の自国の衛星が、ちょうど私が政務官のときに四機目を打ち上げてその体制が整備されたんですけれども、この衛星によってGPSの精度が、今は大体、まあ場所にもよりますけど十メートルぐらいとか何メートルぐらいあったのが、本当、センチメートル単位の誤差に変わるというふうに言われています。これがどんどんどんどん実用化されていく中で、この準天頂衛星の測位システムを利用して、宇宙空間からのこの衛星情報で日本国内の自動車がどのように動いていたかというのを事後的に把握、分析する、そしてこの捜査に役立てていくということは技術的に可能なんでしょうか、お聞かせください。

#12
○大臣政務官(今井絵理子君) 山下議員にはいろいろと御指導いただき、ありがとうございます。
 準天頂衛星システムなんですけれども、このシステムが提供する位置情報サービスを活用すれば、日本国内の自動車がどのように動いているかを事後的に把握することは技術的に可能です。
 国内では、既に準天頂衛星システムが提供する高精度測位情報に対応した機器を搭載することにより、事後的に制限速度超過、右左折禁止違反等を可視化することで交通事故の削減や自動車保険料の削減に寄与するサービスが実用化されています。
 また、欧州では、二〇一八年四月以降に新たに販売が許可された自動車には、欧州独自の衛星測位システム、ガリレオから位置情報を取得し、事故等の緊急時に発信する車載器の搭載が義務付けられていると承知しております。
 内閣府としては、こうした様々な場面で国民生活に役立つインフラである準天頂衛星システムの着実な整備にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

#13
○山下雄平君 こうした技術というのが応用できる可能性が十分にあると、そして欧州では事故で人命を救助するために利用が始まっているというような話でありました。
 では、日本ではこうした衛星情報を利用して交通事故などの犯罪捜査をできる体制を構築していく必要があるのではないかというふうに思いますけれども、これについて警察としてどのような課題、問題があるというふうに考えていらっしゃるのでしょうか、お聞かせください。

#14
○政府参考人(太刀川浩一君) 人工衛星を利用して事業者等が取得、保有している情報を警察において捜査に利用することについてでございますが、交通事故等の犯罪捜査においては、事案の真相解明のため、例えば犯罪に関連する車両があった場所などを特定することが必要となる場合がありまして、警察においては、そうした捜査上必要な情報を証拠として事後的に取得するための各種捜査活動を行うことはあり得るところでございます。このような証拠の収集は、刑事訴訟法等の関係法令の規定に従って、個別具体的な事件ごとに捜査上の必要性を踏まえ適正に行っているところでございます。
 今後とも、各種の新たな科学技術の発展、普及の状況に留意し、関係事業者や府省庁とも連携しながら、適切かつ効果的な捜査活動を推進してまいります。

#15
○山下雄平君 警察では恐らくGPSでカーナビに残ったデータを捜査に利用されていると思うんですけれども、現在のGPSを使ったカーナビでは、例えばその車がその車線の左側にいたのか右側にいたまでは分かりません。例えば山の中でいったりビルの谷間でいったら相当誤差があります。これは、GPSというのがアメリカの衛星を利用して自分たちの測位を測っているからです。
 だから、例えばその衛星が地平線上にあったりしたらなかなか届かないとかいろいろありますけれども、これ、今回の準天頂衛星というのは必ず日本の上に一機は飛んでいます。そうすることによってセンチメーター級の誤差になる。だから、その車がその車線の左側にいたのか右側にいたのか、どこを走っていたのかというのが分かるようになります。つまり、それを利用すれば著しく接近していたのかどうかというのが分かるようになる技術であると思っています。
 これまではカーナビではそこまでは多分立証できなかったと思うんですけれども、そういった可能性が秘めていると私は思いますけど、捜査の専門家ではありませんけれども、だからこそ、捜査の専門家の目でこうした新しい技術を捜査に利用できるのではないかということを是非今後も検討していただければというふうに思っております。
 この交通案件に限らず、今後も捜査で新しいテクノロジーというのはいろいろ必要になってくると思いますけれども、また、警察も人員は限られているので、効果的な捜査をするためには他省庁との連携も非常に必要になってくるのではなかろうかと思っています。もちろん、法務省、検察庁と警察ということもあるかもしれませんけれども、先ほど言った交通でいうと国土交通省、宇宙そして通信でいえば内閣府であったり総務省であったり、また、テロ組織や拉致問題でいえば外務省であったり防衛省との連携も欠かせないと思いますけれども、警察として、他省庁のこの捜査における連携、どのように考えていらっしゃるでしょうか、お聞かせください。

#16
○政府参考人(太刀川浩一君) 犯罪捜査におきましては、専門的な知見や技術が必要となる場合に、関係事業者や府省庁に対し捜査への協力を求めることがあり得るところでございます。警察では、例えば航空機事故や列車事故の原因究明等のために専門的な知見や技術が必要となる場合に、刑事訴訟法等の関係法令の規定に従って運輸安全委員会に鑑定嘱託を行うなどしているところでございます。
 引き続き、関係府省庁と緊密に連携し、必要な協力をいただきながら事案の真相解明に努めてまいります。

#17
○山下雄平君 こうした日本の治安であったり安心、安全が脅かされるという事態は、海外からの勢力によって、その交通とかではなくてですね、そうした海外からの勢力によって我々の日常の安心、安全であったり治安が脅かされるというような事態も十分考え得ります。
 今、新型コロナウイルスが大変な大問題になっている中で世界で連携しなければならないと言っているときに、沖縄県の尖閣諸島の付近では中国の公船が活動を活発化して、それが長期化しているというような大問題が起こっております。
 こうした事態に日本も最大限の警戒を続けていかなければなりませんけれども、こうした相手が軍なのか武装勢力なのか、又は国家や国家に準じる組織なのかそうではないのかと判別することが非常に難しいケースというのもあります。だからこそ、防衛省は他省庁との連携が非常に必要だと思います。
 こうしたグレーゾーン事態への対処というのは、領土であったりとか領海の問題になるので、どちらかというと防衛省と海上保安庁との連携というのが一番大きく話題になりますけれども、ただ、警備に当たるこうした海上保安庁であったり防衛省の陸上の施設が標的にされたりする場合というのもあろうかというふうに思っております。
 だからこそ、陸上部であったりまた有人離島、そうしたところでの警察との連携、情報共有というのもその事件、事態の端緒になる場合も非常にあるかというふうに思っておりますけれども、是非ともこうしたグレーゾーン事態への対処で防衛省の側でも警察との連携は不可欠だというふうに考えておりますけれども、現状の問題そして課題、どのように認識されているか、お聞かせいただけますでしょうか。

#18
○大臣政務官(岩田和親君) お答えいたします。
 防衛省・自衛隊では、平素から尖閣諸島周辺を含む我が国周辺の海空域におきまして海上自衛隊の哨戒機による警戒監視、情報収集活動を実施するとともに、得られた情報を必要に応じて海上保安庁等の関係省庁に提供しているところです。また、領土、領海における治安の維持につきましては警察や海上保安庁が第一義的な対応の責任を持っているわけでありますが、防衛省・自衛隊としても、不測の事態に対応する、この万全を期すために関係機関と必要な情報を共有し、緊密に連携をしているところであります。
 防衛省・自衛隊におきましては、ありとあらゆる事態に対処するため、例えば、治安出動命令が発令される事態を想定した警察との共同訓練、これは議員の御地元でも平成三十一年に玄海原発において実施をされているところでありますし、また、不審船共同対処に係る海上保安庁との共同訓練を積み重ねてきているところでありまして、警察を始めとした関係機関と自衛隊との連携はこれまでと比較しても格段に向上をしているところです。
 防衛省・自衛隊としましては、我が国の領土、領海、領空を断固として守るとの観点から、引き続き警戒監視、情報収集に万全を期すとともに、関係機関との更なる連携強化に努めてまいります。

#19
○山下雄平君 是非とも最悪を想定して最善を尽くしていただくよう、岩田政務官にお願いしたいというふうに思っております。
 これから、この自動車運転処罰法の今後の課題、現状のこの法改正案の問題点について少しお伺いできればというふうに思っております。
 今回の改正案には、道路交通法改正案ではあおり運転の対象になっておりますクラクションやハイビーム、蛇行運転というものについては危険運転致死傷罪の対象には含めませんでした。
 これは、この点についても衆議院でも議論されておりまして、川原刑事局長はその点について、クラクションやハイビームは物理的な接近を伴うものではなく、これらの行為を危険運転致死傷罪の対象とすることは現行のこの罪の考え方と整合せず、また、暴行に当たらない脅迫による致死傷罪という犯罪類型を創設することになるという点で刑法の考え方とも疑義があるということから、今回の法整備には対象としていませんというふうに答弁されております。つまり、物理的な接近は暴行に準じるというふうにみなすことができますけれども、ハイビームやクラクション、蛇行運転は暴行に当たらず、脅迫だとみなせるという認識だということでありました。
 物理的な接近は暴行と同等だけれども、ハイビームやクラクション、蛇行運転は長時間、執拗なものであったとしても暴行と同等とはみなせず、脅迫だという線引きはどこから生まれるんでしょうか。また、物理的に極めて接近していなくても、ハイビームやクラクション、蛇行運転を近くでやられれば、実際以上に恐らく運転されている方は接近されたというように感じるというふうに思っております。そうしたことを考えれば、一市民、一国民から考えて、この改正案の線引きというのはなかなかすとんと落ちないんですけれども、なぜこの線引きが妥当と言えるのか、分かりやすく説明していただけますでしょうか。

#20
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 自動車運転死傷処罰法第二条の危険運転致死傷罪は、暴行の結果的加重犯としての傷害罪、傷害致死罪に類似した犯罪類型でございます。そして、同条に掲げられております危険運転行為は、死傷事犯の実態等に照らし、重大な死傷事犯となる危険性が類型的に高い行為であって、暴行による傷害、傷害致死に準じた重い法定刑により処罰すべきものと認められる類型に限定されております。
 刑法の暴行罪に言う暴行とは一般に不法な有形力の行使を意味するところ、自動車を運転して物理的な接近をさせる行為につきましては、有形力の行使と評価できる一方で、物理的に離れたまま接近しない状態でハイビームを灯火したりクラクションを鳴らしたり蛇行運転をしたとしても、そのように評価することが類型的に困難であると考えているところでございます。

#21
○山下雄平君 なかなか今の説明だけだと、いや、私は法曹界の人間ではないので、法律的にそうなのかもしれないですけれども、国民、市民の目線からいって、それはそこで線引きができるんだ、類型的に違うんだと言われても、なかなか難しいかなと、理解できないかなというふうに思うんですけれども。
 では、このあおり運転の際に、長時間また執拗にハイビームであったりクラクションや蛇行運転を伴っていた場合、著しく接近していたというようなこの認定に影響を与えるんでしょうか、蛇行していた場合とそうじゃない場合、この接近の距離の範囲がどうなのかというような認定に影響を与えるんでしょうか、お聞かせください。

#22
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 改正法の自動車運転死傷処罰法二条第五号及び第六号における著しく接近することとなる方法とは、被害者車両の走行速度や位置関係等を前提とした場合に、加害者の運転行為がなされることにより両車両が著しく接近することとなる場合を指すものでございます。
 一般論として申し上げますれば、お尋ねの執拗なクラクション、ハイビーム、蛇行運転といった行為それ自体によって客観的に加害者車両と被害者車両の距離が著しく接近することとなるものではないことから、そのような行為の有無は通常、著しく接近することとなる方法の認定に影響を与えるものではないと考えられますが、執拗にクラクションを鳴らしていた事実から被害者車両を接近させようとする意思が認定できる場合、著しく接近することとなる方法に対する故意を認定する一事情とはなり得るものと考えます。

#23
○山下雄平君 一事情にはなるけれども、接近についての判定については影響がないということで、なかなかそれもどうなのかなというふうに思います。
 最後に、大臣にお聞かせいただきたいんですけれども、冒頭で申し上げました無免許運転についても、この蛇行、クラクションなどについても今回の改正案には含まれておりません。ただ、刑事法というのは実際の事件であったり国民の感情に合わせて不断に見直していく必要があるというふうに思いますけれども、今回の課題について是非大臣の所見をお聞かせいただければと思います。

#24
○国務大臣(森まさこ君) おっしゃるとおりでございまして、今般は事案の実態に即した対処をするため追加をしたわけでございますけれども、今後とも、委員の御指摘も踏まえて、自動車の運転行為による死傷事犯の実態や問題となる運転行為が有する危険性の程度、すなわち暴行に準じた危険性となるかということでございますが、また、危険運転致死傷罪として重い処罰の対象とするべき行為類型を明確かつ限定的に定めることができるかどうかなどの観点から、危険運転致死傷罪の対象とすべき行為がないかどうかについて不断に検討してまいります。

#25
○山下雄平君 以上で終わります。ありがとうございました。

#26
○川合孝典君 おはようございます。国民民主党の川合でございます。立憲・国民.新緑風会・社民共同会派を代表して質問をさせていただきたいと思います。
 まず、この法律改正については、このあおり運転というその新たな、従来は想定されていなかったいわゆる犯罪の行為類型に対して新たな処罰を加えるということであり、そのこと自体が抑止力を含めて様々な効果を持つであろうということが指摘されております。私自身もこの法律改正の方向性については賛同するものでありますので、そのことを前提として質問をさせていただきたいと思います。
 今ほど山下委員から様々指摘がありました。私自身も感じているところではありますが、現場でいわゆる危険運転と認識されたものが、実際には過失というところでいわゆる軽微な罪になってしまったということ、このことも含めて、恐らく、被害に遭われた方々若しくは愛する家族を失った方々の怒りの思いというものは、やはりどうしても重罰化、厳罰化という方向に向くのは、これはやむを得ないことだと思っております。他方、この抑止力、危険運転致死傷罪を重罰化することによる抑止力の反面、いわゆる適用の範囲が過度に広がってしまうのではないかという懸念の声があるのもこれ事実であります。
 そこで、まず冒頭、法務大臣にお伺いしたいんですけれども、この新たな新法の法解釈上の疑義が生じないようにするために、十分な配慮や、これから様々な取組を法務省として進めていく必要があろうかと思うんですけれども、その点についての御認識をお伺いしたいと思います。

#27
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘のとおり、適用範囲が拡大し過ぎるのではないかという御懸念がある一方で、また、先ほどの山下委員のように、国民感情からすればもっと適用すべき事項があるのではないか、様々な要請があるわけです。
 その中で、適用範囲というものを明確にしていくという努力をしてまいりました。改正後の本法第二条第五号及び第六号においては、どのような行為をした場合に処罰の対象となるか十分に示されており、また、法制審議会等における調査審議においても合理的な根拠を持って解釈をお示ししてきているところであり、処罰範囲が広がり過ぎるのではないかという御懸念は当たらないものと考えております。
 いずれにしても、法務省としては、国会の御審議も踏まえて、適正な運用がなされるよう周知に努めてまいりたいと思います。

#28
○川合孝典君 適用拡大につながる御懸念は御指摘は当たらないという今お話がありましたけれども、当たるかもしれないという懸念に対してどう対応するのかということの問題提起をさせていただいているということですので、その点だけ申し上げておきたいと思います。
 通告していないんですけれども、刑事局長で結構ですので教えていただきたいんですが、あおり運転、いわゆるあおり運転の定義というものはありますか。

#29
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 あおり運転の定義は法令上はございません。

#30
○川合孝典君 ということなんですよね。
 したがって、そのあおりという言葉自体から一般の方々が抱くイメージというものについてもこれは多種多様だということであり、その個々人の認識が結果的にいわゆる量刑に当たっての重いか軽いかということの不満だとかにもつながってくるということであって、ここのいわゆる定義付けというものをいかに明確に、もっと言ってしまうと、法文を読んだだけでは一般の人は何が規定されているのか読み取れないのが、これ、いわゆる刑法、刑事法は特に分かりにくいんで、したがって、この一般人が一読して理解できるものではないものを一般の方々にどう理解させるのかということが必要なんだと思っております。
 ここで議論させていただいていると極めて高度な法解釈上のやり取りのようなものがなされるわけでありますけれども、問題は、それが実際に施行され運用されるときに、適正に運用される状態をどうその方向に導いていくのかということが私は実は重要だと思っておりまして、そういう意味で一点確認させていただきたいんですが、先ほどの危険運転が過失運転と結局結果的に認定されたということにもつながってくるんですが、そういったいわゆる判断を行う上での裁量の余地、検察なのか、検察官の裁量の余地というものが極力排除されなければいけないと思っておるんですけれども、その点について、今後の取組も含めて、裁量の余地を排除していかなければいけないということについての必要性の認識というものは、これは森大臣、どのようにお考えになられているか、確認をさせてください。

#31
○国務大臣(森まさこ君) 検察官の裁量の余地を排除する必要性があるというふうに思っております。
 今般改正をお願いしている本法もそうですけれども、およそ犯罪の成否を決める刑事実体法というのは、検察官が起訴した事件について、個別の事案における具体的な事実関係に応じて裁判所が解釈、適用することにより、その内容が実現されるものであります。
 本法の第二条第五号、第六号については、先ほども御答弁したとおり、今まで様々な場で合理的な根拠を持って解釈をお示ししているところでございますが、したがって、検察官の裁量によって処罰範囲が不当に拡大されるようなことはないと考えてはおりますが、いずれにしても、法務省としては、国会の御審議も踏まえて、今後適正な運用がなされるように周知に努めてまいりたいと思います。

#32
○川合孝典君 通告した質問のうち既に幾つかかぶってしまっておりますので、ちょっと順番飛ばして質問させていただきたいと思いますが、行為類型のことについてであります。
 そもそもこの法律自体が、あおり運転、いわゆるあおり運転というものを一つの行為類型と位置付けて、それを罰する法律ということで制定されるわけでありますけれども、この行為類型をより明確に明示していくということが適正な法運用につながるのではないのかということを指摘されている有識者の方もいらっしゃるわけなんですけれども、今後、この法律がそもそも行為類型を明示したものだと言い切ってしまえばそれで終わってしまう話なんですけれども、先ほど刑事局長に確認をさせていただきましたとおり、このあおり運転のそもそも定義がないということでありますので、であるならば、より明確に、こういう行為はあおり運転である、こういう行為が危険運転行為なのであるということを、より一般の方々、この法の適用を受ける方々が事前に理解しやすいように明示的に示す必要というか、そのことの有効性があるのではないのかという問題意識を持っておりますが、この点についての法務省のお考えをお聞かせください。

#33
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 自動車運転死傷処罰法第二条の危険運転致死傷罪は、故意に危険な自動車の運転行為を行い、その結果人を死傷させた者を、その行為の実質的危険性に照らし、暴行により人を死傷させた傷害罪、傷害致死罪に準じて処罰しようとするものであります。
 この罪におきましては、危険な運転行為あるいはあおり運転行為というような形で一般的、包括的な要件とするのではなく、死傷事犯の実態等に照らし、重大な死傷事犯となる危険が類型的に極めて高い行為であって、暴行による傷害、傷害致死に準じた重い法定刑により処罰すべきものと認められる運転行為の類型を個別に限定列挙しております。このように個別に運転行為の類型を列挙する方式については、構成要件をより明確にすることができるものと考えております。
 今般の法整備は、このような考え方を前提に、いわゆるあおり運転による死傷事犯の実情等に鑑み、事案の実態に即した対処をするため危険運転致死傷罪の対象となる行為を追加するものであり、このように悪質、危険な運転行為を類型化して規定することにより、構成要件はより明確になっているものと考えるところでございます。

#34
○川合孝典君 御説明としては多分そういうことなんだろうなというのはよく理解しておるんですが、先ほど、また戻りますけれども、あおり運転のそもそも定義自体が明確なものはないということでありまして、例えば一回やっただけだったらあおりじゃないけど、繰り返しやるとあおりになる。この間の東名高速の判例においても、四度繰り返し危険なあおり行為があったということが一つの事実認定の根拠になったように私は理解しておるんですけれども、この辺りのところの線引きなんですよね。
 先ほどこれも出ておりましたけれど、動物が出てくるという、飛び出してきたときにどうするんだと。私がこの法案の説明を受けたときに一番最初に感じたのが、例えば田舎の山道で猫が飛び出してきた、で、慌ててブレーキ踏んだら、その結果として対向車なり後続車なりが重大事故を巻き起こしてしまったといったようなときに、猫はひかなかったんだけれども、ひかない猫は逃げているわけでありますので結果的に証拠が残らないという、こういう状況が生じてしまう。つまり、この場合には一度の急ブレーキ、急制動ということに当然なるわけなんですけれども、これが何度か起こると、要はあおりとして認定される、捕まる可能性が高まるといったようなことが明示的に示されるということが、ある意味、危険運転を未然に防ぐ上での抑止力にもつながるんではないのかと。
 恐らく、この法律、これ採決され法律が成立いたしますと、一般の皆さんは、あおり運転が重罰化されたというその事実だけを理解されるということで、それ以上の理解は進まないと思うんですよね。だから、より個別具体的にそのことを国民の皆様に御理解いただくためには、一読して一般人にでも理解できるような形でどう周知するのかということが必要なんだろうと私は思っております。
 そうした点について、余りに一般人目線での質問ということにもなるかもしれませんけれども、法務省としてはどうお考えになりますでしょう。

#35
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
 まず、今回の法律を成立させていただくことができますれば、この法律の内容等につきましては一般の方々が御覧になる法務省のホームページなどできちんと広報し、周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。

#36
○川合孝典君 そうなんですよね。一般の方が中身を知る機会というものをどうつくるのかというのは、これ私ずっと厚生労働や財政金融でやっておりましたけれども、ともかく、わざわざ一般の方が法務省のホームページ開いてあおり運転の定義を調べる、そんな人いらっしゃらないですよ。したがって、積極的にプッシュ型でそういうものを周知していくということの取組の必要性があるということなんで、是非御認識いただいて、法施行後、取組を進めていただきたいと思います。
 時間なくなってきたので、質問を一個飛ばして、ドライブレコーダーのことについて、これも先ほど御質問ありましたけれども、意義や連携のことを先ほど御指摘ありましたが、私は、そもそもこのドライブレコーダーの情報がこのいわゆる危険運転を認定する上でどれほどのウエートを占めているのかということについてちょっと知りたいなとまず思いますので、この点についてちょっと確認させてください。
 ドライブレコーダー情報というのは、この一連の危険運転行為を認定する上での重要度というのはどのようなものでしょうか。

#37
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 具体的な立証ということになりますと個々の事案によりけりというところはございますが、その上であえて一般論で申し上げますが、ドライブレコーダーというのは車両等の動きが客観的に記録されるものでございますので、事案によっては有力な立証方法になり得るものと考えております。

#38
○川合孝典君 そうだと思います。実際にドライブレコーダーの映像情報が今回のあおり運転に対する厳罰化の世論を高めたのも、これ紛れもない事実でありますので、ドライブレコーダーの効用はあるんだろうと思います。
 そこで、今日は国土交通省さんにもお越しいただいておりますので確認させていただきたいんですが、現状、ドライブレコーダーの今の搭載状況というのはおおむね四割ちょっと、五割を満たしていないというような状況なんですが、このドライブレコーダーの搭載を推進するということの取組について、現状の取組の状況をちょっと教えていただきたいと思います。

#39
○政府参考人(江坂行弘君) お答えいたします。
 ドライブレコーダーにつきましては、現在普及が進みつつありますけれども、これ基本的には事故時の責任の明確化を目的としているものでございまして、衝突被害軽減ブレーキのような安全装置とは異なります。また、国際的にもドライブレコーダーの技術基準の策定や装備義務化を進めるような動きはございません。このため、搭載義務化ということについては慎重な検討が必要と考えておりますが、他方、やはりその性能や信頼性について一定の水準以上のものの普及を図る必要があると考えております。
 このため、現在、そのドライブレコーダーの製造会社や保険会社などにより構成されます一般社団法人ドライブレコーダー協議会におきまして、このドライブレコーダーの性能や信頼性の向上を促す取組が自主的に行われておりまして、国土交通省といたしましてはこのような普及啓発の取組を後押ししているところでございます。

#40
○川合孝典君 御指摘のとおり、性能の問題については、携帯電話でそのままドライブレコーダーの機能が付いていたりということもありますので、当然、そのことについて懸念があるのは事実だと思います。
 先ほどこの件についても御指摘がありましたけれども、法務省さんとしては、このドライブレコーダーというのはちゃんと全部の車両に付いていた方がいいと思いますか。

#41
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
 自動車へのドライブレコーダーの装着ということになりますと、私ども法務省の所管外でございますが、一方で、先ほど申し上げましたように、危険運転致死傷罪のような自動車が絡む事件の捜査におきましてはドライブレコーダーが有益な証拠になる場合があると、そういう認識でおるところでございます。

#42
○川合孝典君 そうなんですよね。所管外だからなかなか口出しができないということなんですけれども、あった方がいいに決まっておるわけでありまして。
 他方、恐らくこのドライブレコーダーの搭載の義務化について慎重になっていらっしゃる一つの理由は、当然、そこに映り込んでいる情報には個人情報も含まれていたりということもありますので、そのいわゆる個人情報の取扱いをどうしていくのかということも考えたときに慎重にならざるを得ない状況があるんだと思うんです。
 是非、省庁連携の必要がまさにここにもあるわけでありまして、今後、新車を例えば登録するときには、ドライブレコーダーが搭載されているものを基本、標準装備されているという状況をつくり出すために何が必要なのかということの議論を関係省庁で始めていただきたいんです。そのことが、その被害者がその状況を、被害者、失礼、その事故の状況をどう把握するのかということと同時に、これ本当に標準装備されていれば加害者車両の情報もあるわけですよね。ということになると、より客観的に事犯を検証しやすくなるということでもありますので、情報の取扱いを今後どうしていくのかということについての議論、何が必要なのかということも含めて、省庁で連携してこの取扱い、いわゆるドライブレコーダーをきちんと付けていくことが結果的にあおり運転やそういう危機、危険、リスクを回避することにもつながるんだということをやっぱり周知する努力も含めてやっていただきたいということを指摘しておきたいと思います。
 時間なくなってきましたので飛ばします。ちょっと変わった事例というか、直接法案と関係ない話なんですけど、確認させていただきたいことがありまして。
 先日の参考人質疑のときに、当たり屋の話が少しちょっと出ましたけれども、実際、今はどうか分かりませんが、私が若かった頃には実際そういう仕事とも言えないことをやっていらっしゃる方がいらっしゃったのも事実でありまして、それをふと思い出すと同時に、今回は車両の危険運転行為に対してということでの法律の議論をしておるんですが、以前、つい最近ですが、報道を見ておりまして、歩行者若しくはいわゆる自転車、自動車以外の、自転車の方が自動車の走行を妨害するような、飛び出すまねをするとか、愉快犯のような話になるのかもしれませんが、そういう行為を繰り返し行うことによって接触事故や事故というものが生じているという、そういう実は、これまでこれも想定されていなかったような話なんですが、そういう事犯があるということを聞きました。
 こうした動き、そういう事犯があるということを把握していらっしゃるのかということをお伺いしたいのと、そういう歩いている人、本来交通弱者であるはずの歩行者が要は車の走行を妨害すると、脅かすというような行為を行うことに対して、どういう形で取締りを行っていく必要があるとお考えになるのかということをお聞かせいただきたいと思います。

#43
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
 まず、そういった実態があるのかというところでございますが、必ずしも十分に実態を把握しているところではございませんが、一般社会においてそういった行為はあり得るということは想定しているところでございます。
 その上でお答え申し上げますが、お尋ねのような場合について、まず、取締りということになりますと、いかなる犯罪が成立するかということになろうかと思いますが、それにつきましては、個別の事案ごとに具体的な事実関係に基づいて判断されるべき事柄でありますので一概にお答えするのは困難でございますが、あくまで一般論として申し上げますれば、御指摘のような事例につきましては、個別事案の事実関係によって、刑法の暴行罪あるいは傷害罪、結果によっては傷害致死罪あるいは重過失致死傷罪等の犯罪の成立が考え得るところでございます。

#44
○川合孝典君 参考人質疑の中で類似のやり取りがなされたときに、往来妨害の罪に該当するかもしれないといったようなこともちょっと指摘として発言があったんですけれども、条文を確認する限りは、現行法ではなかなか対応が難しいのかなということはちょっと感じました。
 今後の検討課題として、自動車対自動車ということとは別に、今回の法律改正もそうでありますが、想定されていなかった新たなそういう犯罪の類型に対してどう対応するのかということについても、是非議論をこれからまたさせていただければ有り難いと思います。
 時間が参りましたので、これで終わります。ありがとうございました。

#45
○真山勇一君 立憲・国民.新緑風会・社民会派の真山勇一です。よろしくお願いします。
 今日のこのテーマでありますあおり運転というのは、ハンドル握る人にとっては少なからずやっぱり受けたことがあったり、場合によっては、自分が思わずやってしまったというような経験を持っている方もいらっしゃるんじゃないか。私自身も、そういう運転、つまり、加害者にもなり得る、被害者にもなり得るという、非常に難しいことがあると思います。
 あっ、危ないということで済めばいいんでしょうけれども、一歩間違えれば大変命に関わる大事故を起こす危険がある、これがあおり運転だというふうに思っておりますけれども、最近はドライブレコーダーを付けた車が増えてきています。こういうことで映像が再生されて、危険の度合いというのがはっきりと目に見える形で認識されるようになった、そういうこともあるんじゃないかと思います。
 今回のこの改正のきっかけというのは東名高速道路で起きたあおり運転事故ですけれども、事故は、その加害車両が走行中ではなくて、停車してしまったと、そうしたときに起こった事故なので、現行法では適用されない、されるところがないような、そういう状態であったというふうに言えると思います。で、今回の改正はそれを加えたというふうに理解をしております。
 この今回の改正で、あおり運転の全ての類型を網羅して危険運転撲滅を目指すという法整備、十分にできたというふうにお考えかどうか、森法務大臣にお伺いしたいと思います。

#46
○国務大臣(森まさこ君) 本改正案第二条の危険運転致死傷罪は、故意に危険な自動車の運転行為を行い、その結果人を死傷させた者を、その行為の実質的危険性に照らし、暴行により人を死傷させた傷害、傷害致死に準じて処罰しようとするものです。同条各号に掲げられている危険運転行為は、死傷事犯の実態等に照らし重大な死傷事犯となる危険が類型的に極めて高い行為であって、暴行による傷害、傷害致死に準じた重い法定刑により処罰すべきものと認められる類型に限定されております。
 今般の法整備は、このような考え方を前提に、いわゆるあおり運転による死傷事犯の実情等に鑑み、事案の実態に即した対処をするために、危険運転致死傷罪の対象となる行為として、現行の第二条第四号に加えて、被害者車両の前方に停止する行為など、改正後の同条第五号及び第六号の行為を追加するものでございまして、これにより、第二条の危険運転致死傷罪の対象とすべき悪質、危険なあおり運転による死傷事犯に対して適切に対処することができるようになるとともに、刑罰が有する一般予防の効果として、そのような悪質、危険なあおり運転に及ぶ者に対し、自覚を促して抑止する効果が十分に期待できると考えております。

#47
○真山勇一君 その一方で、先ほどもありましたけれども、あおり運転、定義付けがないということでした。
 交通事故というのは、やっぱり、一般道路であれそれから高速道路であれ、予期しない、予期されないことが起きる可能性というのが非常に多いわけですよね。えっ、こんな事故が起きたのということがあると思うんですね。今回もその盲点を改正するということになったわけですけれども。
 そうしたことがあるんですけれども、参考人のお話のときにも出たんですけれども、法律というのはその適用範囲、今、お話の中でも、因果関係とか裁量の問題がこれまでの質問でも出てきましたけれども、法律というのは適用範囲できる限り明確にやっぱりしていかなければいけないということがあります。法律で規定しなければ罰することができない。
 今回、この東名高速事故の裁判が続いているのはまさにそういうところにあると思うんですが、これを法律用語で、私、法律の専門家ではないんですけれども、法律の用語では罪刑法定主義、これ参考人の御意見の中でも出てきました。やっぱりこの問題が出てきたんですけれども、この交通事故、あおり運転の罰則ということも、こうした罪刑法定主義に基づいて適正に運用されるべきであると大臣は考えておられるのかどうか、見解をお願いします。

#48
○国務大臣(森まさこ君) 今般改正をお願いしている法律など、犯罪の成否を定める刑事実体法には罪刑法定主義の要請から明確性が求められ、また、適正な解釈、適用がなされることが重要であります。
 改正後の第二条第五号及び第六号においては、どのような行為をした場合に処罰の対象となるかが十分に示されており、また、処罰範囲が広がり過ぎるようなことがないように、合理的な根拠を持って解釈をお示ししているところでございます。
 したがって、処罰範囲が不当に拡大するようなことはないと考えておりますが、いずれにしても、法務省としては、国会の御審議や法制審議会での議論も踏まえて適正な運用がなされるよう、周知に努めてまいりたいと思います。

#49
○真山勇一君 この今日の質疑の中でも出てまいりましたけれども、山下委員が指摘したような、無免許運転なんかはどうするかとか、ジグザグ運転というのはどうなんだろうかとか、加害者、被害者の車以外の第三者の車が巻き込まれたときどうするのかとか、いろいろあって本当にこれで全て網羅できたかなという、そういう懸念も私ちょっと感じております。
 交通事故というのは、いつ、どこで、どんな事故が起きるか分かりません。類型のない事故が起きたとき、それをどう処罰するか、対処していくか。今後も、やっぱり速やかに法改正、法整備、これが必要じゃないか、道交法と併せて必要じゃないかというふうに思っておりますので、是非、当局にはこうした速やかな法改正、やっぱり実態に合わせてやっていただくことをお願いしたいというふうに思います。
 次に、先日途中になっちゃった、なっちゃったじゃなくてなってしまった、黒川前検事長の賭けマージャンについてお伺いしていきたいと思います。
 まず、改めて確認させていただきたい二点、賭けマージャン、懲戒処分ではなくて訓告の処分です。これ、森大臣、変わらない、変えられないということでよろしいんですか。

#50
○国務大臣(森まさこ君) 申し訳ございません、先ほどの御答弁の訂正をまずさせていただきますが、最初の御質問のときに本法案の第二条と言いましたが、本法つまり現行法の第二条の趣旨を説明しましたので、訂正させていただきます。
 そして、今ほどの御質問でございますが、訓告処分に変わりはございません。

#51
○真山勇一君 この処分、訓告、変わりませんということですね。
 それではもう一点、訓告の処分にしたその根拠、根拠をもう一度改めて聞かせてください。

#52
○国務大臣(森まさこ君) 法務省において調査をいたしまして、その調査結果では、黒川氏が緊急事態宣言下であったにもかかわらず報道関係者三名と金銭を賭けたマージャンを行っていたことが認められました。誠に不適切であり、大変遺憾でございます。
 他方で、これらの行為は旧知の間柄の者との間で、必ずしも高額とまでは言えないレートで行われたものであること、黒川氏は事実を認めて深く反省していること等も認められました。
 そこで、これらの事情を総合的に考慮し、法務省において監督上の措置として最も重い訓告とすることが相当であると判断し、検事総長においても同じ意見であったことから処分を決定したものでございます。

#53
○真山勇一君 賭けマージャンであるということは私分かったんですけれども。
 それでは、森大臣、処分に当たって十分な調査、私はしたと思いますよ、したと思っているんですけれども、五月以前にもいろいろやっていたという情報があるんですけれども、つまり、五月の一日と十三日以外のことについては調べられましたか。

#54
○国務大臣(森まさこ君) 五月の一日から二日にかけてと五月の十三日から十四日にかけて賭けマージャンを行ったこと、また、同じメンバーで約三年前から月に一回から二回の頻度で金銭を賭けたマージャンをしていたことについて、調査の結果、得られました。

#55
○真山勇一君 今、それ、とても重要なことじゃないかと思うんですよね。
 三年前から月一、二度の頻度ということは、賭けマージャンに加えて、常習性があるという判断はその今回の処分に入っておりますか。

#56
○国務大臣(森まさこ君) 常習性があるとは認定をしませんでした。

#57
○真山勇一君 常習性認定していないって、とっても不思議じゃありませんか、皆さん。だって、つまり、普通、事情を聞くときというのは、そのときではなくてふだんどうだったのかということなんかも調べますね、検察のプロですから。それで、聞き取りでそういうことができていたのに、その結果を今処分の中に含めないで処分したということは、これ不十分な処分をしたとしか思えないんですよ、やっぱり。
 だから、訓告で済ませてしまったというんですけど。分かりました、賭けマージャンをやっていたから訓告で、反省もしているから訓告で済ませましたと言っている、まあ済ませましたじゃないね、訓告ということになりましたと。でも、常習性認めていないけれども、実態としては常習性あったんじゃないですか。だって、その前に月に二回もやっていたら、そういうの常習って言うんじゃないかと思うんですよ。それが入っていないというのはとってもこれおかしいですよ、やっぱり。この処分おかしいです。
 で、これ朝日新聞社、朝日の記者が、記者じゃないですね、社員ですね、元記者の方が加わっていて、朝日新聞はこれ、処分結果、この調査結果発表しています。賭けマージャン問題に関する懲戒処分、これもう発表、公表しています、五月の二十九日に。で、その前に、もう既に二十一日に、社内で聞き取りをやったその結果については二十一日に発表しているんですね。
 この朝日の社員についてはどういう処分かというと、管理職の社員を停職一か月とする懲戒処分を決めました。緊急事態下であったということ、四月と五月に計四回、つまり、これ五月の一日と十三日と言っているんですが、四月と合わせると一か月の間に四回やっている、そういう計算になってくるわけなんですけれども、そういうことで、処分が、今申し上げました停職一か月とする懲戒処分ですよ。
 で、聞き取った概要というところがあるんですが、二十一日にこれは公表済みとなっています。四人はこの三年間に月二、三回程度の頻度でマージャンをしており、集まったときに翌月の日程を決めていました。一回のマージャンで勝ち負けは一人当たり数千円から二万円くらいだったといいます。四人は五年ほど前に黒川氏を介して付き合いが始まった。そして、四月の十三、二十日にも同じ場所でマージャンをしていた。
 これ、朝日の処分は明らかに常習性ということも問題にしているんですけれども、こういう処分のやり方というのはやっぱり不十分な調査だし、不十分な処分だと思うんですけれども、これ、いかが感じますか。

#58
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 まず、常習性の点でございますが、私どもの処分に当たり、常習性が問題になるのは、人事院の指針におきまして賭博と常習賭博という形で類型が二つになっておりますので、まず、その問題で常習性が認定できるかというのがまず問題になるところでございます。
 従来から御答弁申し上げておりますが、人事院の処分指針では常習性に関する明確な解釈等は示されていないところでございますが、この常習性の事実認定に当たっては、私どもとしては刑法の常習賭博罪における常習性についての考え方が参考になると考えているところでございます。そして、その刑法におきましては、常習性につきましては、その認定に当たりまして、賭博の種別、賭博の複雑性、賭場の性格、規模、賭け金の多寡、その者の役割、賭博の相手方、営業性等諸般の事情を総合的にしんしゃくして判断されるべきであると言われております。
 そこで、本件につきましては、旧知の間柄の者との間でマージャンを行ったものでありまして、賭け金の額は必ずしも高額とは言えず、また営業性を帯びているとも言えないことから、常習賭博としての常習性の認定はしなかったものでございますが、一方で、その処分に当たりまして、先ほど大臣からも答弁がございましたように、今回の報道関係者らとともに三年にわたり月一、二回の程度で同じような賭けマージャンをしていたという事実は認定されております。
 これが、処分対象の事実そのものは、言わば刑事で言うところの犯罪事実、攻撃防御の対象となる事実でございますが、これは五月の二回を認定をしておりますが、その処分の量定に当たりましては、そのように約三年間にわたり今申し上げたような状態で処分をしていると、事実をも加味して認定しているところでございますので、その五月の二回だけで量定を決めたというものではございません。というところでございます。

#59
○真山勇一君 川原さん、全然今の理解できませんよ、説明。説明していて、多分、川原さんも無理があるなと思いながらおっしゃっているんじゃないかというふうに思うんですよ。だって、見てくださいよ、朝日新聞社の処分は停職一か月、懲戒処分ですよ。
 それから、いろんなことを勘案して決めると言っていたけど、この一連の委員会の中でよく出てくる自衛隊員のあれ、どういうふうに思いますか。あれ懲戒処分ですよ。しかも、その後、書類送検もされていますよ。点ピンです、同じですよ。どうやったって、いろいろ考えたって、やっぱりこの処分はおかしいですよ、どう考えたって。今の川原局長のは説明になっていないと私は思います。
 やっぱり、賭けマージャン、しかも常習ということは、もう誰が見てもこれは明らかなことじゃないかというふうに思うんです。それが示すものが、お配りした資料の一枚目見てください。共同通信と産経新聞の世論調査、これ最近のものです。黒川前検事長の賭けマージャンのこと、処分どう思いますか、訓告処分。共同通信、処分は妥当だ一六・九%、処分が甘い七八・五%。もう一つ、下の産経新聞見てください。その処分、多額の退職金受け取ることが納得できるか。できる一四・八%、納得できない八〇・六%ですよ。
 これ、とてもこの数字は重いと思いますよ。国民が誰もがおかしいなと思っているわけじゃないですか。そこへ今のような局長の何かこじつけたような説明で、これは誰も今局長が説明したことに納得できないですよ。私もできませんし、恐らくこれ、皆さん、国民の皆さんはどうですかと言ったら、更にもしかすると納得できないの数字が上がっちゃうかもしれないですよ、本当に。そんな感じがするんですよね。やっぱりおかしいと思います。朝日新聞の社員とか自衛隊員は、賭けマージャン、常習性ということを認められている。何らかのそういう刑事上の処分がないとやっぱりおかしいと思います。
 一般の人がやっぱり点ピンで月に一回から二回、これ賭博罪なるということをおっしゃいました。先日、ちょっと二枚目の写真、参考にこれ付けたんですけれども、検察庁の前で黒川ルールでやりましょうよということをやったこと。僕、こんなことやっぱり絶対あっちゃいけないと思うんですよ。あっちゃいけませんよ。でも、そういうことが行われていた。
 やっぱりいけないものはいけないし、川原局長もおっしゃっているように、今回の黒川さんのことについても賭博ということは認められるとおっしゃっていましたよね。これ、もう一回答えてください。

#60
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 私の立場では犯罪の成否はお答えを差し控えますので、あくまでも人事上の処分という観点から申し上げますが、人事上の処分という観点からは賭博に当たると考えております。

#61
○真山勇一君 そして、諸般の事情、いろいろな周りのこととか過去の例を見ると、やっぱりそれは賭博の、賭博罪に当たるのではないかと思いますよ。
 局長、もう一つ確認をさせてください。黒川氏のこのことで刑事告発が出ていますね。市民グループとか弁護士さんから出ているんじゃないかと思うんですが、この事実はまず承知しているかどうか、幾つ出ているか、教えてください。

#62
○政府参考人(川原隆司君) 告発の関係でございますが、告発をしたという報道があることは承知をしております。

#63
○真山勇一君 何件か複数出ていると思うんですけど、そういう辺りは承知しておられない。

#64
○政府参考人(川原隆司君) そのような複数の方が告発したという報道は承知をしております。

#65
○真山勇一君 処分に当たって、やっぱり賭けマージャン、賭博だという認定をしているというふうにおっしゃっているのは、つまり、それはやっぱり処分、もうそうならばやっぱりそれは刑法上の見地から見ても普通は同じじゃないかと思うんですよね。そういう疑いがあるからこそ処分に加えたわけなんだから。
 川原局長はずっとおっしゃっていましたけど、行政的な処分と刑事的な処分ごっちゃになっているとおっしゃいましたけど、森大臣の話で、行政的な処分はもう済んでいる、もう変えられないということで。あと、やっぱりこの黒川さんの問題は、あとはどういうふうな刑事上のものになってくるかということが問題だと思うんですが、これ、局長御自身がやっぱり認められている、賭博と。だから、これ告発出されている以上は、これはどうなんでしょうか、捜査やっていくことになるんですか。

#66
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 お尋ねは捜査機関の活動内容に関わる事柄でありますので、申し訳ございませんが、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 なお、あくまでも一般論として申し上げれば、検察当局においては、告発状が提出された場合、その内容を精査し、告発要件を満たしているか否かを判断し、これを満たしているものについては受理をした上で、法と証拠に基づいて適切に対処するものと思います。

#67
○真山勇一君 紛れもない事実は、黒川さん御自身が、事務次官の調査ですね、賭けマージャンやっていた、五月一日、十三日にお金賭けたということを言っているんですから、もうこれははっきりしているんですね。
 私、やっぱり問題だと思うのは、ある人がやると犯罪になる、ところがある人がやると犯罪にならない、同じことをですよ。賭けマージャンで常習で点ピンでやって、こっちの人は犯罪になってこっちの人は犯罪にならないと、これやっぱり法秩序の問題からどういうことだと思うんですよ。
 あおり運転で私ちょっと出しましたけれども、森大臣に伺いたいと思います。
 大事なことは、刑罰法定主義です。これ、やっぱり大事なことじゃないと思うんですが、これについて大臣はどう思っているか、お答えください。

#68
○国務大臣(森まさこ君) あくまで一般論として申し上げますけれども、犯罪の成否は捜査機関により収集された証拠に基づき個別に判断されるべき事柄でありまして、検察当局においては、法と証拠に基づき刑事事件として取り上げるべきものがあれば適切に対処すると、厳正公平に捜査を行っていると考えております。

#69
○真山勇一君 済みません、今ちょっと私言い間違えたので、訂正させてください。罪刑法定主義です、罪刑法定主義について。
 やっぱり、こういうような処分の仕方、世間の人、私もそうですけれども、みんな国民もやっぱりおかしいと思っているからこそ先ほどの世論調査の結果がありました。七割から八割の人がやっぱりおかしいと。これではもう本当に検察の信頼とか威信、崩れますよ。法治国家、もうこれが破壊されてきていますよ。私は、本当にこのままで終わったら検察の歴史に大きな汚点を残したままになるんじゃないかと、そんなことを感じています。

#70
○委員長(竹谷とし子君) 真山君、お時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。

#71
○真山勇一君 はい、ありがとうございます。
 やっぱり、もう本当にもっともっとこのおかしな処分については伺いたいと思いますけれども、こんなおかしな処分……

#72
○委員長(竹谷とし子君) 真山君、質疑をおまとめください。

#73
○真山勇一君 よしとしたら、安倍総理、それから森大臣、あなたの責任、大変大きいというふうに言わざるを得ません。
 ありがとうございました。終わります。

#74
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。本日も質問の機会を賜り、ありがとうございます。
 早速ではございますが、本日議題となっております自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず初めに、本改正案の立法の背景について改めて確認をさせていただきたいというふうに思います。
 先ほど来も他の委員の先生方からも指摘をいただいておるところでございますが、本改正法案の端緒の一つとなったのが、平成二十九年の東名高速道路上の痛ましい事件でありました。先ほど大臣からも事案の実態に準じた対処をという発言もありましたが、明らかにこの東名高速の事案を念頭に置いたものであるというふうに理解をしております。
 こうした悪質な事案に対しては厳罰に対処していかなければいけない、これはもう全く多くの方が異論のないところかと思いますが、片や一方で、このあおり運転の事件、第一審及び控訴審の裁判所の判断は危険運転致死傷罪の成立自体を肯定をしている、すなわち、停止までの運転行為と死傷結果との因果関係を認定をしているわけでございます。そういう意味におきましては、現行法でも対処できるんじゃないですかというふうに思う一般国民の方もいらっしゃるのではないかと思います。
 その意味で、改めて今回の改正案を提出した理由についてお答えをお願いします。

#75
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘の事件の控訴審判決は、自動車運転死傷処罰法第二条第四号に該当する運転行為、すなわち通行妨害目的で、重大な交通の危険を生じさせる速度で被害者車両に著しく接近する運転行為があったことを認定した上で、被害者の死傷結果は当該行為の危険性が現実化したものであるから因果関係も認められるとして、危険運転致死傷罪の成立を肯定したものと承知をしております。
 しかしながら、同号において、加害者車両が重大な交通の危険を生じさせる速度で走行して著しく接近することが要件とされているため、いわゆるあおり運転行為による死傷事犯であっても、これらの要件を満たさなければ同号の運転行為に該当しないこととなります。
 そのため、例えば、加害者車両が通行妨害目的で被害者車両の前方で停止し、被害者車両が追突するなどして人が死傷した場合で、著しく接近したときの加害者車両の速度が重大な交通の危険を生じさせる速度との要件を満たさない場合などについては、御指摘の事件の控訴審判決の考え方を前提としても、現行法の下では危険運転致死傷罪の定める実行行為が存在しないため、同罪による処罰、同罪により処罰することができないものと考えております。
 そこで、先ほど申し上げた通行妨害目的で被害者車両の前方で停止するような行為を実行行為として捉え、よって人を死傷させた場合も危険運転致死傷罪の対象とするため、今般の法整備において改正後の同条第五号及び第六号を新たに設けるものとしたものでございます。

#76
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 あの控訴審の判断を前提としてもまだ捕捉できない事案があるからこそ今回の法案を提出したというお話がありました。全くそのとおりかなというふうに思います。
 また、この点、先日の参考人質疑の中で、このあおり運転の裁判所の判断について松原参考人の方からは、この裁判の判断自体、罪刑法定主義違反の疑いがあるという指摘もございました。こうした刑法の刑事罰の根本的な理念にもとるような可能性が少しでも、これを完全に、少しでもというか完全に払拭をしなければいけないという意味からも、今回の法案の意味というのはあるのかなというふうに理解をしているところでございます。
 次の質問に移らせていただきたいというふうに思います。
 さて、今回は、新しい犯罪を法律でもって創設をするということでございます。先ほど川合委員の方からも指摘がありましたが、当然悪いことに対してはしっかり処罰していこうということの反面、やはり罪刑法定主義という観点、すなわちどういった行為がどういった刑を科されるのか、そこが明確になっていかなければこの主義の違反になってしまうということであります。
 その意味では、先ほど、あおり運転という言葉には定義がないという御指摘は非常に重要でございまして、どうしてもあおり運転は悪いことだ、処罰しようということが過熱する一方で、その処罰範囲を限定していくということがまさしく立法府に課された、この法務委員会に課された重要な使命なのかなというふうに思っております。
 そうした観点から、構成要件の内容について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 先ほど山下委員も指摘をされておりました、この通行を妨害する目的という要件、これは改正自体に係る部分ではありませんが、非常に重要であり、かつ、この処罰範囲の明確性という点ではしっかりと明らかにしておかなければならない点だというふうに思っております。
 今般の危険運転による死傷事犯関係の法制審議会刑事法部会の中で、その第一回の会議録六ページにおきまして、この通行を妨害する目的についての解釈が政府の方から示されております。すなわち、相手方に自車との衝突を避けるために急な回避措置をとらせるなど、相手方の自由かつ安全な通行を妨げることを積極的に意図することということがこの通行を妨害する目的というふうに示されております。
 しかし、他方で、この当該目的につきまして、例えば東京高判の平成二十五年二月二十二日の裁判例でございますが、自分の運転行為が通行の妨害になることが確実であるとの認識があればこの通行を妨害する目的を肯定できるとするということで、これ、字義だけ見ると積極的に意図することまでは含んでいないんじゃないかなというふうに思えるような下級審の裁判例もあるわけでございます。
 こうした状況を踏まえまして、改めてこの通行を妨害する目的の解釈におきまして示されている積極的に意図することの意義、例えばどの程度の積極性なのか、あるいは先ほど示した裁判例のような単なる事実の認識で足りるのか、この点を改めて御説明願います。

#77
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘の裁判例に関しましては、具体的な裁判に関することでありますので、私どもとしては論評を差し控えたいと思うところでございますが、ただ、今御質問ございました通行妨害目的の意義ということでございます。
 私どもは、これにつきましては、重複になるかもしれませんが、まず、これにつきましては、現在の自動車運転死傷処罰法二条四号にも同じ文言がございますが、これと同じ意味でありまして、相手方に自車との衝突を避けるために急な回避措置をとらせるなど、相手方の自由かつ安全な通行を妨げることを積極的に意図することというものでありまして、これらについての未必的な認識、認容があるだけでは足りないと、そのように考えております。

#78
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 未必的な認識、認容だけでは足りないという点が重要なのかなというふうに承知をいたしました。
 さて、この目的に関してもう一問質問させていただきたいというふうに思います。例えばということで、一般的な事例の中でこの目的が適用されるのかということをお答えをいただきたいと思います。
 例えばでございますが、走行中のA車があります。その後続にB車が走っております。A車の運転者が、このB車の走行を妨害する目的を持って、重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行している後続のB車の目の前で停止をいたしました。そして、著しく接近をいたしました。A車とB車は衝突しそうになります。そうしたところ、B車が、前方のA車との衝突を回避するため、ハンドルを急転把、急にハンドルを切りました。結果としてA車とB車は衝突をしなかったわけでありますが、このB車の後ろをC車が走行しておった。そして、C車はA車との衝突を回避することができず、結果としてC車の運転者に死傷結果が生じてしまった。A車の運転者はC車の存在を衝突するまで認識をしていませんでした。なお、C車の運転者には前方不注視等の過失はなかったという前提にさせていただきたいと思いますが、要するに、Aには個別具体のCを邪魔しよう、通行を妨害しようとする意図はなくて、結果的にこうした事態が生じた。
 今申し上げたような場合において、この通行妨害、通行を妨害する目的というものは認められるんでしょうか。

#79
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
 通行妨害目的につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、相手方の自由かつ安全な運行を妨げることを積極的に意図することを必要とするものでございます。
 しかしながら、車の通行を今申し上げたように積極的に妨害する意図があれば、その対象となる車については必ずしも特定の車の通行を妨害するという意図までは必要はないと考えております。
 したがいまして、今の事例でございますと、妨害の、加害者の妨害の意図の対象と、具体的に加害者の認識では自分の車の後ろ、直後にいるB車ということでございますが、今申し上げた考え方から、実際に衝突したのはC車でありましても、通行妨害目的は認められると考えるところでございます。

#80
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 要するに、この目的というのは、個別具体のただ一つの車、一車のみということを対象としているわけではないということが明らかにしていただけたかというふうに思います。
 次に、条文上の前方という文言の意義について確認をさせていただきたいというふうに思います。
 本改正法案の第二条各号には、いずれも前方という言葉が記されているわけでございますが、現行法の第二条第四号におきましては、自動車の直前という表現になっております。前方と直前という違いがあるわけでございますが、この文言の違いを踏まえまして、この本改正法の前方の意義について御説明ください。

#81
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 改正後の自動車運転死傷処罰法二条五号における前方とは、委員御指摘のように、現行法の同条四号の直前とは違う言葉を使っておりますが、これは現行法の四号の直前よりも空間的な距離が長い趣旨でございまして、加害者車両及び被害者車両の走行速度、周囲の交通状況、道路環境等に照らして判断されることとなりますので、その空間的な範囲は一概にお答えすることは困難でありますが、加害者車両が被害者車両の進行方向の前の方で停止したときに通常著しく接近することとなる範囲を言うものと考えております。

#82
○安江伸夫君 可及的に明らかにしていただけたかというふうに思います。
 続きまして、因果関係について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 先日の参考人質疑の中でも、参考人の先生からこの因果関係、今、本法に限らず、一般的にこの危険の現実化という立場を取って、拡大のうらみがあるという御指摘もありましたので、やはりこの点重要かなという観点で質問をさせていただきたいというふうに思います。
 本改正法の第二条五号が想定する典型的な適用事例というものを法務省の資料の方でも御紹介をしていただいているところです。すなわち、被害者車両が重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行しているところ、加害者車両が妨害目的で前方停止など著しく接近したことにより、加害者車両と被害者車両が直接衝突をして、結果、死傷が生じた、こういうような場合がこの五号の典型例というふうに伺っております。
 この事例を少し変えまして、例えば、今申し上げた事例の最後の方の部分、被害者車両と加害者車両がこの場合衝突をしなかった、つまり、被害者車両の方がハンドルを急転把して回避することができた、しかし、この被害者車両が反対の車線にはみ出してしまって、後続の第三者車両と衝突をしてしまった、この結果、この被害者車両と第三者車両の運転手に死傷の結果が生じてしまったという場合を想定します。
 今のような一般的な場合におきまして本号が適用となるのか、また、加えまして、この罪数処理がどうなるかということも確認をさせてください。

#83
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 改正後の自動車運転死傷処罰法二条五号は、加害者車両が通行妨害目的で、重大な交通の危険が生ずることとなる速度で走行中の被害者車両に著しく接近することとなる方法で走行する場合には、重大な死傷結果が生じる危険性が類型的に高いことから、そのような行為を危険運転致死傷罪の対象とするものでございます。
 お尋ねの場合につきましては、同号の罪の実行行為があり、かつ、その予定している危険性が現実化したものとして、運転行為と死傷結果との間の因果関係が認められ得ると考えますことから、改正後の同条五号の罪が成立し得ると考えます。
 なお、その場合において、複数の人の死傷結果が生じたときの罪数関係でございますが、死傷した人ごとにそれぞれ改正後の同条第五号の罪が成立し、それらは、行為が一個である場合、観念的競合として科刑上一罪となるものと考えられます。

#84
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 続いて、改正法の六号に関して御質問させていただきます。
 今回の改正法第二条第六号におきましては、冒頭に高速自動車道又は自動車専用道路という形で場所的な限定が付されております。したがって、例えばこの六号に想定される、規定される行為が一般道とかあるいは駐車場とかそういった場所で発生した場合には、文言上、当然この同号の適用はないわけでございますが、この高速自動車道又は自動車専用道路という規律が設けられた趣旨についてお答えください。

#85
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
 高速自動車国道及び自動車専用道路におきましては、自動車を駐停車させること自体が原則として禁止されておりまして、これらの道路を走行している者は、その進路上で他の自動車が停止又は徐行しているという事態を想定しているわけではないことから、加害者が通行妨害目的で自己の運転する自動車を被害者車両の前方で停止させるなど、被害者車両に著しく接近することとなる方法で運転し、これにより被害者車両に停止又は徐行させた場合には、これらの道路を走行中の他の運転者としては、そのような事態を想定して回避措置をとることが通常困難であるため、走行中の第三者車両が加害者車両又は被害者車両に追突するなどして重大な死傷結果が生じる危険性が類型的に高く、このような加害者の運転行為は現行の危険運転行為と同等の危険性、悪質性を有すると考えられるところでございます。
 これに対しまして、一般道におきましては、車両の運転者にとって、その進路上で他の自動車が停止又は徐行している事態は十分想定し得るところでありまして、加害者が通行妨害目的で自己の運転する自動車を被害者車両の前方で停止させるなど、被害者車両に著しく接近することとなる方法で運転し、それによって被害者車両に停止又は徐行させた場合であっても、重大な死傷結果が生じる危険性は類型的に高いとは言い難いところでございます。
 以上のことから、改正後の第二条第六号においては、高速自動車国道及び自動車専用道路における行為のみを危険運転致死傷罪の対象とすることとしたものでございます。

#86
○安江伸夫君 確認させていただきました。ありがとうございます。要するに、現行の四号と同等の危険性を持つ行為を類型化したということがポイントなのかなというふうに承知をいたしました。
 時間の都合で、済みません、一問飛ばさせていただきます。
 法定刑について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 当然、今回の改正の対象にはなっておりませんが、この危険運転致死傷罪の法定刑は、負傷については十五年以下の懲役、死亡については一年以上の有期懲役と規定をされております。犯罪がいわゆる行為規範としてこれを抑止していくという観点から、非常に法定刑は重要だというふうに思っております。
 従来からもこの法定刑の引上げということがなされてきたというふうに承知をしておりますが、今回の改正に係る法制審の議論におきましてこの法定刑というものが俎上に上がったのかどうかということを確認をさせていただきたいとともに、諸外国との比較におきまして、同種のような類型、同種の類型の犯罪の法定刑に関して我が国のそれは同等程度と言えるのか、重いのか、軽いのか、お答えください。

#87
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 今般の法制審議会におきましては、自動車運転死傷処罰法第二条の危険運転致死傷罪に第五号及び第六号を追加することが諮問事項でありましたため、その点についての調査審議は行われましたが、危険運転致死傷罪の法定刑の引上げに関する議論は行われなかったところでございます。
 また、諸外国の例でございますが、諸外国の罰則につきましては網羅的に把握しているわけではございませんが、諸外国においては、規定の仕方は国によって異なるものの、あおり運転行為を含めて、悪質、危険な運転行為による死傷事犯について特別の規定を設けて処罰する例が多いものと承知しております。
 例えば、アメリカにおきましては、州によって違いはございますものの、ミシガン州では意図的に又は悪意を持って人又は財産の安全を無視した運転を行って人を死亡させた者が無謀運転致死罪とされ、十五年以下の自由刑若しくは罰金又はその併科が定められております。
 イギリスにおきましては、道路又はその他の公共の場所で自動車等を危険に運転し、これにより人を死亡させた者が危険運転致死罪とされ、十四年以下の自由刑が定められております。
 また、ドイツにおきましては、著しい交通違反をして、かつ無謀な運転行為を行って、他人の生命、身体等を危険にさらした者が道路交通に対する危害行為罪、これは、故意犯の場合、法定刑は五年以下の自由刑又は罰金とされておりますが、このような罪とされるほか、故意に人を死亡させた者は同罪のほか故殺罪が成立し、その場合の刑は五年以上の自由刑であります。
 また、フランスにおきましては、安全義務、注意義務を明らかに意図的に怠るなどの悪質な運転行為を行って人を死亡させた者が自動車等運転過失致死罪とされ、当該運転行為の悪質性の程度に応じて最高で十年以下の自由刑及び罰金が定められているところでございます。
 このような、今申し上げたような諸外国の同種犯罪の法定刑と比較いたしますと、我が国の危険運転致死傷罪の法定刑は決して軽いものではないと考えております。

#88
○安江伸夫君 ありがとうございます。丁寧にいろいろと示していただき、感謝申し上げます。
 今、川原刑事局長がおっしゃっていただいたとおりでございまして、諸外国に比して我が国のこの類型の法定刑というのは決して軽くはないという形で承知をさせていただいた次第でございますし、ただ一方で、先日の参考人質疑の中でもありました、厳罰化を進めていく反面、例えばひき逃げなどがかえって誘発をされる、こうしたリスクも指摘されておりましたので、そうした観点もしっかりと踏まえての対応というものを強く望む次第であります。
 次の質問に移ります。
 公判を見越した対応について質問させていただきたいというふうに思います。
 今般の改正を受けまして、当然、新たな構成要件事実が生まれますので、これに即した立証を見越した捜査ということが求められるわけでございます。この新たな構成要件の立証を踏まえての捜査機関の準備ないし検討状況がどうなっているのか、お聞かせ願えればというふうに思います。
 また、あわせまして、改正法の二条五号は、重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限るという形で、新たに被害者側の速度も構成要件の内容としております。この点についての立証はどのように行うのか、予定しているのか、お聞かせください。

#89
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
 構成要件該当事実の認定のためにどのような証拠を収集するかにつきましては、個別の事案ごとに捜査機関において適切に判断されるものと承知しております。
 その上で、一般論として申し上げれば、改正後の自動車運転死傷処罰法二条五号の要件である被害者車両が重大な交通の危険が生ずることとなる速度で走行していたことにつきましては、先ほど来から御指摘のありますドライブレコーダーの映像であるとか、事故現場に残されたタイヤ痕、車両の損傷状況、目撃者、被害者及び加害者の供述など、捜査機関が収集した様々な証拠に基づいて認定されるものと考えられるところでございます。

#90
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 最後に、大臣にお伺いをしたいと思います。
 今回の改正によりまして、自動車の運転による重大な死傷事件の更なる減少、また厳正な処断ということが期待されるところでございます。関係省庁との連携も含めまして、本法を所管する法務大臣の危険な運転等に対する御認識と、その根絶に向けた決意をお伺いいたします。

#91
○国務大臣(森まさこ君) 本法律案は、いわゆるあおり運転による死傷事犯の実情等に鑑み、事案の実態に即した対処をするため、危険運転致死傷罪の対象となる行為を追加しようとするもので、国民の声に応え、悪質、危険なあおり運転による死傷事犯に厳正な対処ができるようにするものです。これにより、刑罰が有する一般予防の効果として、改正後の第二条第五号又は第六号に定める危険運転に及ぶ者に対し自覚を促して抑止する効果が十分に期待できるものと考えており、一日も早く本法律案を成立させていただきたいと考えております。
 重大な死傷事犯を防止するためには、罰則の整備だけでなく、関係省庁が連携しつつ様々な取組を進めていくことが重要であり、法務省としてもこの問題にしっかり取り組んでまいります。

#92
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 終わります。

#93
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
 今こうやって議論をしておりますこの改正案、先ほどからもお話がありますように、二〇一七年七月の東名での事故を受けて、このいわゆるあおり運転が大きな社会問題化をした、また国民の関心事になったというのがきっかけでございます。また、警察庁が昨年十月にドライバーに調査をした結果、約三人に一人が過去の一年間にあおり運転の被害に遭い、七割以上が罰則の強化を求めているという調査結果も明らかになっていまして、こういったことも背景にこの改正案が出ているものと承知をしております。
 車でこうやって走行中に他人の車の前に割り込み自分の車を止めるなどの行為については現行法には明文規定がなかったわけで、今般、この停車行為は危険運転の類型として法律に明記をしようとするものでございます。これによって、ドライバーに対する抑止効果が上がり、あおり運転が防止をされ、悲惨な交通事故による被害者が少なくなって、安全かつ安心な交通社会の実現につながることを期待をしたいと思います。
 その上で、確認の意味を込めてお聞きをしたいと思いますが、今日はかなり問題意識が重なっておりますので質問大分ダブっている部分がありますが、お許しをいただいて、お聞きをしたいと思います。
 まずは、先ほどからも出てはおりますが、懸念をされることの一つは、私自身もそう思っていることの一つは、いろんな外形的にこの要件を満たす、あるいは結果を重視をすることで、先ほどからもありましたが、拡大解釈が行われる余地があるのではないか、処罰範囲が広くなり過ぎるということが起きるのではないかということなんですね。高速道路を自動車で運転をしていた際に結果的にぶつかった、ぶつかって通行妨害目的を認定されるということにはなりはしないかということなんですね。高速道路を運転していると、いつ被害者になったり加害者になったり、分からないというのが実際のところだと思いますが、先ほどもありましたように、近年はこの刑事裁判では因果関係が広く肯定される傾向にあります。
 故意は内心の心の中の問題なので、結局はその外形的な行為で推測をされるということになってしまうわけですが、こうやって因果関係を緩く解釈することが行き過ぎると、あるいはこの改正法に形式的に当てはまっていけば、自動車運転過失致死罪として非難されるべきか、あるいは危険運転致死罪として非難されるべきかの際に、ややもするとこの危険運転致死罪の方で起訴される方向に傾いていくのではないか、検察官の、言葉を換えていくと、裁量が大きくなって、恣意的にこの危険運転致死罪で起訴するということにならないかというのが心配されることの点なんですが、この点は法務省はどのように考えているのか、お聞きをしたいと思います。

#94
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
 具体的な事件におきまして、因果関係の有無につきましては、裁判所において個別の事案における具体的な事実関係に応じて適切に判断されるものと承知しております。
 その上で、一般論として申し上げれば、改正後の同条第五号又は第六号に該当する実行行為が行われ、人の死傷結果が生じたとしても、その死傷結果が同条第五号又は第六号の罪の実行行為が予定している危険性が現実化したものと言えるかどうかという観点から因果関係の有無が判断されるものと考えておりまして、処罰の範囲が不当に拡大するのではないかという御懸念は当たらないものと考えております。

#95
○柴田巧君 ありがとうございます。
 先ほど申し上げたように、いつ何どき、高速道路を運転すると、加害者になるか被害者になるか分からない世の中でありますし、大変厳罰化して、これは裁判員裁判の対象にもなる法律ということになっていきますので、大変、規定ぶりはなかなかややこしいというか難しいところもあって、今のようなやっぱり懸念がいまだあると思いますので、実際の運用に当たってはそういうことにならないようにしっかりとやっていただきたいと思います。
 次に、あおり運転の防止具体策についていろいろお聞きをしたいと思いますが、こうやって法を厳罰化していくというのはもちろん大事な点ですが、一昨日の参考人質疑では、それに加えて、例えば教育や意識の啓発や、あるいは交通心理学の知見を活用する、あるいは科学的なデータを用いるといったことなど、あるいはもっと大きく、この交通社会そのものの在り方を変えていく、より快適に安全に、また興奮しないでアグレッシブにならないで運転できるような、そんな車社会を目指すべきだというような大変すばらしい御指摘やら御提案をいただいたところでございまして、それを受けてお聞きをしたいと思いますが。
 ドライブレコーダーのことをお聞きを私もしようと思っていましたが、お隣の川合先生とほぼほぼ趣旨が重なってしまいましたので、これは、せっかくたくさん来ていただいたかもしれませんが、お許しをいただいて割愛させていただきますが。
 いずれにしても、このあおり運転を立証していくという際においてドライブレコーダーは大変重要だと思いますし、ドラレコが搭載してあるということを貼ってあるだけで、車に、かなり事故を抑止する能力があると思っておりますので、是非、参考人で呼んだ柳原参考人は義務化ということをおっしゃっておられましたが、それはなかなか難しいとしても、この装備の促進に国交省としてもしっかりとやっていただきたいということを私からもお願いをしておきたいと思います。
 次に、これは警察庁にお聞きをしたいと思いますが、やはりこの教育というのが非常に大事なことだと思っております。とりわけ、運転免許の取得あるいは更新時に、講習などを通じて危険運転排除の意識を、あおり運転をしてはいけないという意識をドライバーに定着させていく取組が大事だと思いますが、この法改正を受けて、今申し上げたような取組、どのようにしようと考えていらっしゃるのか、警察庁にお聞きをしたいと思います。

#96
○政府参考人(高田陽介君) お答えを申し上げます。
 警察庁におきましては、この度成立いたしました道路交通法の一部を改正する法律により、妨害運転に対する罰則規定の整備等も行ったところでございまして、この施行に向けてしっかりと周知し、いわゆるあおり運転の抑止に努めてまいりたいと考えております。
 また、委員今御指摘ありましたとおり、あおり運転などの危険運転を予防するためには、様々な機会を活用して、運転者にあおり運転の悪質性、危険性を理解し、交通安全意識を高めていただくということが重要であると考えております。
 警察といたしましては、新設される妨害運転罪の取締りはもとより、運転免許取得時の教習、それから更新時講習などの機会、都道府県警察のウエブサイトやSNSなども活用しながら、厳罰化の内容の周知とともに、思いやり、譲り合いの気持ちを持った運転の必要性などについてより一層の教育や広報啓発に努め、あおり運転の抑止を図ってまいりたいと考えております。

#97
○柴田巧君 やはり、免許を取ったときあるいは更新をするときというのはいろんなことを改めて認識をする、学ぶいい機会になると思いますので、今答弁されたことをしっかり現場でやっていただくようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、法教育についてお聞きをしたいと思いますが、この前の参考人質疑でも、また衆議院での参考人質疑でもその法教育の必要性を参考人らは指摘をされておりましたが、やはり小さいときから法や司法制度を教える、それを守っていく、あるいは法的なこと、ものを身に付けていく、遵法精神の大切さを教えるということは非常に重要だと思っております。
 特に今、このあおり運転の関連でいえば、免許を持とうとする、取得する前の、直前の高校生への教育というものは非常に重要になってくるのではないかと思いますが、この点、この法改正を受けてどういう取組をされようとしているのか、お尋ねをしたいと思います。

#98
○政府参考人(金子修君) お答えいたします。
 御指摘の法教育ですが、法教育とは、法律の専門家ではない一般の人々が法や司法制度の基礎となっている価値を理解し、法的な物の考え方を身に付けるための教育でございます。
 法務省では、法曹三者や学校関係者等を構成員とする法教育推進協議会を開催しまして、この協議会による検討を経て、児童生徒の発達段階に応じた法教育教材を作成するとともに、これらの教材を全国の学校等に配布し、全国の学校等において活用していただいているところでございます。御指摘の高校生につきましても、高校生向けの冊子教材を全国の高等学校に配布済みでございます。
 このような法教育の内容には法やルールの意義やこれを守る重要性についての理解を深めることも含まれておりますところ、法教育を実施することは規範意識の涵養につながり、ひいては御指摘のあおり運転の防止にも資するものと考えております。
 法務省としましては、関係機関と引き続き連携しながら、より多くの方がこのような法教育に触れる機会を持てるよう、今後とも法教育の推進に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

#99
○柴田巧君 ありがとうございます。
 この前の参考人質疑でも柳原さんが自分のお子さんというか娘さんがオーストラリアで経験した話もされておりましたが、海外ではかなりリアルなことを教えて、それがいろんな知識に、あるいは事故の抑止に、犯罪の抑止につながっている面があると思うんですね。
 なかなか日本の法教育は、この前の三月に出た、これは小学校段階だったかなと思いますが、法教育の難しさが出ている調査結果がございました。なかなか時間が取れない、あるいは教員が教えることが難しいとか、様々な課題も明らかになっていましたが、やっぱり、ためになる、実際に役立つ、そういう法教育なり、これ交通教育という分野にも入り込むかもしれませんが、そういったものが学校現場でしっかりやれるように法務省としても力を注いでいただきたいと思います。
 今年はちょっと学習の遅れがあるのでなかなかちょっと難しい局面であるのはありますが、是非今申し上げたことを展開できるようにお願いをしておきたいと思います。
 また、次に、刑事施設における交通安全指導、特別改善指導でこのあおり運転防止に向けての指導を強化をしていくということがこの法改正を受けて一つ大事なことではないかと思いますが、やはりそういう重大事故などを起こして刑務所にいるそういう人たちを矯正をしていくためにも、二度とそういうことを起こさないためにも、この法改正を受けてより効果のある特別改善指導が行われるべきだと思いますが、この点はどう考えていらっしゃるかお聞きをしたいと思います。

#100
○政府参考人(大橋哲君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、刑事施設におきましては特別改善指導として交通事犯者に対して交通安全指導を実施しておりますけれども、法改正後、この交通安全指導の中であおり運転の悪質性や危険性について指導する時間を新たに設けることが必要であると考えております。
 具体的には、実際のあおり運転の事例やあおり運転の被害に遭われた方々などの声を取り上げ、加害者の問題性や被害者に与えた影響について考えさせたり、受講者自身の事故、事件について改めて振り返らせ、被害者に対する慰謝の方法や再犯を起こさせないための方策について具体的に考えさせるといった指導が考えられると思います。
 刑事施設におきましては、関係機関における取組を参考にしながら、今後とも交通事犯者の遵法精神や人命尊重の精神等を更に涵養させる指導を行えるよう努めてまいりたいと考えております。

#101
○柴田巧君 それで、レクのときにお聞きをしてちょっと驚いたのは、この交通事犯者の再入率のデータというのは詳しいものがなかなか実は今のところないんだということでございました。
 今やっている、現在行われているこの特別改善指導などが本当に効果があるのか、この再入率を落としていくことになっているのかというのは、やっぱりきちっとしたデータがないと、科学的な裏付けがないとなかなかこれいいものにならないんではないかと思っておりまして、さきにもちょっと触れましたが、先般の参考人質疑でも、そういった科学的な知見とかデータ重視で事故あるいは再犯を防いでいく必要性もおっしゃっておられましたので、この点しっかり取り組んでいただきたいということを強くお願いをしておきたいと思います。
 この法案については以上で終わらせていただきますが、さっき大臣も決意を述べられましたが、また質問してきましたように、この厳罰化だけでなかなかこの撲滅はできない、他の省庁などとのいろんな連携で、今申し上げた教育やら意識の啓発やら、いろんな取組をしていかなければならないと思いますので、法務省、大臣、またしっかりと連携をしながらやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 残された時間、余りなくなってきましたが、面会交流のことをちょっと今日は取り上げさせていただきたいと思います。
 この新型コロナでいろんなところに影響が子供たちに与えていますが、今、別居する親と子供が接するこの面会交流が途絶えるケースが増えてきております。これは、子供への感染を恐れて一方の親が面会を拒む場合が多いわけですが、家裁の調停期日が感染対策で取り消されて、両親間の協議が進まないということも一因になっております。
 この共同親権草の根活動の調査によれば、三月以降全く会えなくなった人が四四%、それから、頻度、時間が減ったという人が三二%いらっしゃると。これを受けて、子供との断絶を懸念する人は八五%にも上っているということでございます。
 諸外国では、ロックダウン中であっても原則は対面での面会を継続するとして、この面会交流は外出制限の例外に当たるとガイドラインを示している国もあるやに聞いておりますが、このロックダウン中の面会交流に関する諸外国での取組、法務省はどのように把握をしていらっしゃるか、お聞きをします。

#102
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 委員御指摘の諸外国の取組につきましては、これまでに特別な調査は実施しておりませんが、諸外国におきましては政府等が面会交流の詳細な指針を示すなどの例があるといった報道がされたことは承知しておりまして、法務省でもインターネット等を通じて可能な限りで情報収集を行っているところでございます。
 例えば、カリフォルニアの州裁判所のウエブサイトにおきましては、一般論として、在宅命令下でありましても子の監護及び面会交流に関する裁判に従わなくてはならないということを説明した上で、裁判に従うことが困難な事情がある場合には在宅命令期間中の暫定的な取決めをするために当事者間で話し合うなどの方法があることが紹介されております。また、ニュージーランドの法務省のウエブサイトには、新型コロナウイルス感染症の警戒レベルごとの共同養育の在り方に関するガイドラインが掲載されてございます。
 こういった海外の取組については、非常時における子の養育の在り方として参考になるものも多いと思われますので、引き続き情報収集に努めてまいりたいと考えております。

#103
○柴田巧君 そういう今答弁されたように、海外では大変細かく指針を作ったりいろんな取組をしているわけですが、時間がないので、これ大臣に先にお聞きをしたいと思いますけど、今触れましたように、そういうガイドラインも、非常にこの指針もはっきり示していますし、発信をしていますし、ワンストップの窓口を設置するなど、非常に迅速かつきめ細やかな対応をしております。
 我が国は今のところ単独親権ではありますが、この面会交流は子供の福祉にとっても非常に重要なものでありますし、親子の触れ合いが減ってしまうと子供の生育に悪影響を及ぼす、及びかねませんし、一度切れた人間関係というのは、なかなか再び築くのは実の親子、普通の家庭でも親子でも難しいということがありますので、今申し上げたように、しっかりと国としてもこれを支援していくということが必要ではないかと思いますが、大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。

#104
○国務大臣(森まさこ君) 面会交流が適切に行われることは、委員御指摘のとおり、子の利益を確保する観点から重要であります。そして、円滑な面会交流の実施のためには、面会交流の取決め段階や実施段階において適切な支援が必要であると思います。
 法務省の担当者も参加して父母の離婚後の子の養育の在り方等について検討をしている家族法研究会においては、面会交流を促進する方策として、面会交流を支援する団体と国との連携の在り方等も論点となっているものでございます。
 私としては、担当者に対し議論に積極的に参加するように指示をしておりますので、引き続き議論の推移をしっかり注視してまいります。

#105
○柴田巧君 これでもう質問を終わりますが、ホームページ上でも法務省はいろんな、五月の頭にこの面会交流について出されましたが、まだまだ十分配慮されたもの、細かく配慮されたものではないと思っておりますので、どうぞ、大変子供の成長にとって大事なことだと思いますので、法務省としてもしっかりやっていただきますことを改めてお願いをして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#106
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 法案について伺います。
 危険運転致死傷罪は、二〇〇一年に刑法の一部改正で追加され、量刑の引上げ、類型の追加を経て、二〇一三年に新法として整備されるに至りました。危険な運転による死傷事故の全てを対象とするものではありませんが、悪質な交通犯罪を厳しく処断するとともに、厳罰化による事故の抑止効果を図ろうとするものです。
 資料をお配りしましたが、ここ十年の危険運転致死傷罪の科刑状況です。多少の増減はありますけれども、ほぼ横ばいとなっています。この中で、妨害行為事案の公判請求は年間平均七件程度で、こちらも減っているわけではありません。
 大臣、これはどう御認識されていますか。

#107
○国務大臣(森まさこ君) お示しの数字でございますけれども、これの表自体が必ずしもその改正の効果に結び付くものとは限らないというふうに考えております。
 本法律は、いわゆるあおり運転による死傷事犯の実情等に鑑み、事案の実態に即した対処をするためのものであり、本改正案はそれに更に対象となる行為を追加しようとするもので、国民の声に応えて悪質、危険なあおり運転による死傷事犯に対して厳正な対処ができるようにするものでございます。

#108
○山添拓君 既にほかの委員の先生方からもお話ありますように、厳罰化だけでは必ずしも抑止効果に結び付いていないということが数字としては示されております。
 二〇一八年一月、警察庁は各県警に通達を発して、あおり運転等悪質、危険な運転を抑止するために厳正な捜査の徹底を求めました。この通達では、取締り状況の集約を求め、捜査過程において犯行の態様又は犯行に至った動機や原因が判明することがあるとしております。
 警察庁に伺いますが、特に動機や原因、その背景についてどのように分析をしていますか。

#109
○政府参考人(高田陽介君) お答えを申し上げます。
 いわゆるあおり運転に関しまして、警察が危険運転致死傷罪や暴行罪等を適用した事例のうち、警察庁が把握しているものについて調査をいたしましたところ、あおり運転を行った今背景というお尋ねでしたので、その原因、動機、端緒といたしましては、その被疑者の供述などによりますと、進路を譲らないなど自身の進行を邪魔されたこと、あるいは割り込みをされたり追い抜かれたこと、車間距離を詰められたことなどを挙げるものが多く見られたところでございます。

#110
○山添拓君 これも既に質疑の中で出ておりますが、参考人質疑でも犯罪心理学、社会心理学的な研究成果を取り入れた施策の必要性も指摘されておりました。原因、背景を広く把握、分析して、今後の防止対策に是非つなげていただきたいと思います。
 改正案の二つの行為類型には、他の車の通行を妨害する目的という主観的要件があります。これは、現行法の二条四号と同じ文言で、相手方の自由かつ安全な通行を妨げることを積極的に意図することをいうとされ、具体的な、あの車を妨害すると、こういう認識までは不要だとされています。ただし、四号の場合には、直前進入であれ接近であれ、事実上、あの車を妨害しようという特定がされます。ところが、追加する五号、六号では、後方を走る特定の車を認識していなくても、そういう車が来るなら嫌がらせをしようと考えて急停車するような場合も含まれ得るわけです。
 今井参考人は、妨害する目的自体は明確であってほしいと述べました。松原参考人は、四号に匹敵する程度の確実性、積極性を要求することで四号との同等の当罰性は確保していくべきだと述べました。
 こうした指摘は、法案の運用に当たってどのように担保されることになるでしょうか。

#111
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 自動車運転死傷処罰法二条五号及び六号の通行妨害目的の意義は、現行の同条四号の通行を妨害する目的と同じでありまして、相手方に自車との衝突を避けるため急な回避措置をとらせるなど、相手方の自由かつ安全な通行を妨げることを積極的に意図することを意味しているところでございます。
 この相手方は特定されている必要はないというところでございますが、繰り返し申し上げますように、車の進行を妨害しようという積極的な意図が必要と考えているところでございます。
 実際、法改正後、この罰則の運用に当たりましては、捜査機関あるいは裁判所におきまして、こういった私ども立案者の意図を、あるいは現行法の四号でもございますので、こういった法の趣旨を踏まえて個別事案において適切な運用がなされるものと承知しております。

#112
○山添拓君 それらはきちんと徹底されるように示していただく必要があるんだと思います。
 追加する五号、六号は、行為としては停止や徐行です。それ自体が危険なのではありません。後続車の速度を利用することによって危険を生じる、あるいは危険を増大させるという行為類型で、他人の行為を利用する犯罪と言えます。
 今井参考人からは、行為者がどういう行為をするのか場所が設定されているという指摘がありました。松原参考人からは、相手方の言わば自動的に流れている行為を利用するという意味で許容性の範囲内だと、そういう指摘がありました。
 こうした指摘を踏まえますと、後続車の行為が想定される自動的な流れに反する場合、例えば後続車の過失が大きな要因となって事故が生じたような場合には、これは構成要件が予定する危険の現実とは言えないのではないかと考えますが、いかがですか。

#113
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 今委員の御指摘の点につきましては、最終的にはその事案事案の判断とならざるを得ないところでございますが、委員御指摘ありましたような様々な事情によっては、因果関係が否定される場合があり得るところだと考えております。

#114
○山添拓君 その因果関係の認定自体が、判断自体が少し緩いのではないかという指摘があったことも、この際共有するべきだと思います。
 五号、六号の犯罪はいずれについても立証上の課題があります。既に今日も議論が出ておりますが、今井参考人からは、科学的な捜査の仕組みを考える必要があるという指摘があり、松原参考人は、前の経緯から見ていかないと分からない点がある、立証の問題を丁寧に考えるべきだと発言がありました。また、柳原参考人は、より全般的な捜査の在り方の問題として、供述調書にのっとった在り方そのものを批判し、映像があるなら映像でと。つまり、ドライブレコーダーや車内カメラを始め、客観的な証拠が重要だと指摘されたのだと考えます。
 改めて伺いますが、こうした指摘を踏まえて、本案を含む危険運転致死傷罪等の捜査、公判で要求される証拠の在り方についてどのようにお考えでしょうか。

#115
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
 個別事案におきまして、構成要件該当事実の立証のためにどのような証拠を収集するかということにつきましては、その個別の事案ごとに捜査機関において適切に判断されるものと承知をいたしております。
 その上で、一般論として申し上げれば、現行法あるいは改正後の自動車運転死傷処罰法の要件につきましては、ドライブレコーダーの映像、事故現場に残されたタイヤ痕、車両の損傷状況、目撃者、被害者及び加害者の供述など、捜査機関が収集した様々な証拠に基づいて立証することとなると考えられます。
 いずれにしましても、捜査機関におきましては、個別具体的な事案に応じ、必要な証拠の収集に向け適切に捜査を進めていくものと考えております。

#116
○山添拓君 重大悪質な事故で適切妥当な刑罰が科されるとともに、冤罪あるいは不当な重罪となることのないよう、客観証拠に依拠した捜査、公判を行うべきだということを指摘させていただきたいと思います。
 法定刑についても伺います。
 危険運転致死傷罪は十五年以下の懲役で、傷害罪と同様です。ところが、傷害致死罪は三年以上の懲役であるのに対して、この危険運転致死罪は一年以上の懲役です。つまり、致死の場合には危険運転の方が罪としては軽いわけですね。これはどういう趣旨なんでしょうか。

#117
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 危険運転致死傷罪は、故意に危険な自動車の運転行為を行い、その結果人を死傷させた者を、その行為の実質的危険性に照らし、暴行により人を死傷させた傷害罪、傷害致死罪に準じて処罰しようとするものでございます。
 平成十三年に危険運転致死傷罪が創設された際、その法定刑の上限につきましては、本罪が危険な自動車の運転行為により人を死傷させた場合における暴行の行為に基づく傷害あるいは傷害致死罪の特別類型としての性質をも有していること、自動車運転という事柄の性質上、一回の事故で多数の死傷者が生じ得るが、その場合も観念的競合となるので加重処罰されないことなどに鑑み、傷害、傷害致死罪と同程度としつつ、危険運転致死罪の法定刑の下限につきましては、傷害致死罪よりも低いものとされたものでございます。
 これは、危険運転致死罪におきましては、暴行とは認められないものの、これに準ずる危険運転行為による致死罪という犯罪類型に適した法定刑を定めたためでございます。
 また、平成十六年の刑法等の一部改正により、傷害致死罪の法定刑の下限が懲役二年から三年に引き上げられました。これは、人の身体に故意に攻撃を加えて、人の死という重大な結果を生じさせる犯罪についての下限が懲役二年とされていることが、人命尊重に係る現在の国民の規範意識に照らして相当なのかという問題意識とともに、これは当時の罪名ですが、当時、強姦罪の法定刑の下限を懲役二年から三年に、殺人罪の法定刑の下限を三年から五年にそれぞれ引き上げることとしておりまして、同じ凶悪犯罪の中での法定刑のバランスを図る必要があること等を理由としたものでございましたが、このような理由は危険運転致死罪に当てはまらないことから、危険運転致死罪の法定刑の下限は一年以上の有期懲役のままとされたところでございます。
 以上申し上げましたことから、危険運転致死罪の法定刑は一年以上の有期懲役である一方、傷害致死罪の法定刑は三年以上の有期懲役とされているものでございます。

#118
○山添拓君 かなり御丁寧に説明をいただきました。重罪であることには変わりありません。
 松原参考人からは、判例が採用する危険の現実化という因果関係の判断手法、白地手形だという批判がありました。当該構成要件の予定した危険は何なのかという点から出発すべきだという指摘を受け止め、罪刑法定主義を逸脱、潜脱することのない適切な運用を求めたいと思います。
 それでは、残りの時間で東京高検黒川元検事長への処分について伺います。
 資料の二ページを御覧ください。この間の大臣の発言をまとめました。
 訓告とした翌日、五月二十二日の会見では、任命権者であります内閣と様々協議、最終的には任命権者である内閣において決定がなされたと述べていました。週明け、二十五日月曜日も、任命権者は内閣でありますので協議をするのは当然と答弁しています。
 ところが、翌二十六日には、法務省及び検事総長が訓告が相当と決定した後、内閣に報告したところ、その決定に異論がない旨の回答を得たとしまして、内閣とは協議したのではなく報告したにすぎないのだと変わりました。二十七日、内閣の一員である私、法務大臣などという言葉も飛び出しまして、内閣の一員が内閣そのものとして懲戒処分をしないと決めたかのような答弁もされております。
 ただし、二十九日の会見では、法務省において協議し、その内容を内閣に報告し、その旨異論がないという決定を内閣からいただいたと言っています。つまり、一週間たって、やっぱり内閣の決定だというところに戻っているんですね。
 大臣、二十二日に会見で述べられたように、訓告でよしとしたのは、要するに内閣の決定なんですね。

#119
○国務大臣(森まさこ君) 訓告というのは監督上の措置ですから、それをする主体は検事総長とされております。
 そこで、黒川氏の処分については、法務省としてまず調査をした結果、その調査結果を踏まえ、監督上の措置として最も重い訓告が相当であると考えた旨をその監督者である検事総長に伝えました。検事総長においては、検事総長においても訓告が相当であるというふうに判断をし、私に内議をしたところでございます。

#120
○山添拓君 大臣、今ここにお示ししました大臣の発言ですけれども、一週間を経て変遷しているということ、お感じになりますか。

#121
○国務大臣(森まさこ君) 二十二日に、最終的に任命権者である内閣において決定がなされたと言った趣旨は、この先ほどの訓告という処分が相当であるというふうに検事総長そして法務大臣において判断した結果を内閣に伝えて、その旨異論がないというお答えをいただいたことを指したものでございます。
 したがって、訂正はしておりません。

#122
○山添拓君 これは変更されていないと、答弁は変わっていないとおっしゃるんですけれども、二十二日の会見でのお話は、内閣で決定したものを私が検事総長に伝えたと、こう明確におっしゃっているんですね。だから、自らの答弁、説明が変遷したこと自体もお認めになろうとしない。
 大臣は当初からこの件は懲戒相当だと考えていた、そういう報道もされております。自らの御発言には責任を持つべきですし、おかしいとお思いであるなら、今からでも閣議に諮るべきじゃないでしょうか。再調査するべきだと閣議で進言するおつもりはありませんか。

#123
○国務大臣(森まさこ君) いえ、それは違いまして、まず法務大臣と検事総長で訓告が相当と判断し、それを内閣に伝えて、その旨異論がないということをお答えをいただきましたので、さらにそれを私が訓告を打つ主体である検事総長に伝えまして訓告が打たれたと、そういう時系列になっております。

#124
○山添拓君 質問にはお答えいただいていないんですけれども、資料の三ページを御覧ください。三ページと四ページですね。黒川氏の退官願とこれを認める旨の閣議請議です。
 黒川氏は、四ページにありますが、一身上の都合により退官いたしたいと記しております。退官願を受けて、大臣は慰留されたのですか。

#125
○国務大臣(森まさこ君) 私としては、黒川氏が自ら職を辞す意向を示したのでありまして、今回の件を深く反省し責任を取る意思の表れであると考え、重く受け止めた次第でございます。

#126
○山添拓君 慰留はされなかったということですね。

#127
○国務大臣(森まさこ君) 慰留をしておりません。

#128
○山添拓君 だって、大臣の判断で、法務省の判断で訓告にされたんでしょう。訓告というのは、訓告に関する訓令にありますように、将来における服務の厳正又は職務遂行の適正を確保するため、指導する措置として行うものですよ。
 引き続き職務に就いてもらうつもりだ、その前提でされたものじゃないんですか。なぜ慰留されなかった。

#129
○国務大臣(森まさこ君) 訓告については、主体である検事総長においてしたものでございますが、私は訓告が相当であるという意見を申し上げました。
 訓令上、訓告は、将来における職務の厳正又は職務遂行の適正を確保するため、当該職員を指導する措置として行うものとする旨定められております。このうち、将来における服務の厳正とは、将来にわたって組織の秩序を維持し、組織の目的を統一的、能率的に達成するために、組織内の構成員に要求される規律が厳しく保持されることを意味するものであり、今回の黒川氏に対する訓告処分は、将来における検察組織一般の服務の厳正を確保するために必要と考えられたものでございます。

#130
○山添拓君 そうであれば、少なくとも常習性が疑われるような事実については徹底して調査するべきじゃありませんか。なぜ、それもされないのか。
 黒川さんが辞職をされ、東京高検検事長の座は空席となりました。後任の林氏が任命されるまでの間、その職務は誰が担ったのですか。

#131
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 その間は高検の次席検事が検事長の職務を代行しております。

#132
○山添拓君 それは検察庁法十三条一項に基づく措置ですか。(発言する者あり)

#133
○委員長(竹谷とし子君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#134
○委員長(竹谷とし子君) 速記を起こしてください。

#135
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 検察庁事務章程の職務代行の規定によるものでございます。

#136
○山添拓君 要するに、職務代行の規定はあるわけですね。検察庁法十三条にもあります、役職者に事故あるとき。
 元検事総長らの意見書でも、こういう制度があることを挙げて、定年延長によって対応することは毫も想定されていない、これからも同様であろうと指摘をされておりました。
 黒川氏が検事長の座を降りたことで管内事件の捜査、公判に何らかの支障はあったんでしょうか。

#137
○政府参考人(川原隆司君) 特段の支障は生じないものと承知しております。

#138
○山添拓君 特段の支障は生じないんですね。余人をもって代え難いなどということはなかったということが図らずも露呈したわけです。
 同時に、業務の継続的遂行のために勤務延長が必要だという法解釈の変更等、検察庁法改正案の立法事実も失われたと言うべきであります。このことを厳しく指摘をしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#139
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。
 自動車運転処罰法改正案、この参考人質疑では、各参考人から、視点は違いますけれども、切り口もいろいろ異なっていましたが、いずれも改正を支持するという、最終的にはそういう御意見でした。
 今井参考人は、同法の二条四号、現在のですね、現行規定ですけれども、この射程とそれから改正案の射程、追加される五号、六号の射程を丁寧に区別して説明され、改正の必要性を説かれました。いろいろ懸念事項も言われましたけれども、先ほども安江委員からありましたけれども、これは二条四号で対応できるんじゃないかと、それ以前の状況から見て。それで、法の欠缺というわけでもなかろうと思っていたんですけれども、この丁寧な説明で大分私にも参考になりました。
 また、松原参考人は、憲法三十一条の罪刑法定主義及び適正手続、法の支配に関連した私の質問に対して、特に罪刑法定主義の現代的意義を丁寧に説明されました。
 お二人の発言から、私は、民主主義社会において、国民からの処罰欲求にくみするというところではなく、立法府がこの刑罰規定の明確化の要請をきちんと理解すべきであるというふうに思いました。それは、刑罰というのが国家権力による制裁ということですので、これの構成要件の明確性が強く要求されるということがあって、この構成要件を明確にするために幾分でも補完をしていく今回の改正案には賛成いたします。
 そして、先ほどから、この適用拡大、あるいは因果関係の解釈、あるいは持ち方の拡大にならないかと疑念が出されておりますので、これが生じないような対応をしていただくよう求めていくのは当然だろうと思います。
 今回、法務委員会として最後になるかどうかというのは分かりませんが、これまでのちょっと、私は、先ほども柴田委員からありました、面会交流あるいは共同親権、養育費、こういった問題で、前回五月二十八日の、前々回ですかね、五月二十八日の法務委員会で離婚後の養育費と面会交流について人権の問題ということで質問いたしました。その質問をした後、子供たちに会えない全国の親たちから悲痛な意見が大分寄せられました、一挙に。養育費や面会交流の取決めを義務付ける必要性が改めて認識されたというふうに、私もそう思いました。
 法務省におかれましては、先ほどもありましたけれども、積極的に取り組むというようなところだと思いますので、期待をしていきたいと思います。
 また、本委員会では再三、これまでも最高裁に対して、調停委員の任命に際し外国籍の者を排除しないように求めました。調停委員は、公権力を行使するものでも、あるいは国家意思の形成に参画するものでもないという、そういった実態面と、法律や最高裁規則、あるいは最高裁事務総長依命通達、こういったものにも基づかないで行われているという、手続面でも問題があるというふうに指摘しました。しかし、残念ながら納得のいく答弁ではありませんでした。
 委員会でも御紹介しましたが、公権力を行使する公務員でさえ国籍要件の見直しが行われているのが実情です。例えば消防士は、延焼を防止するため消防法の中で建物を強制的に取り壊す権限を有しています。そのため、かつては日本国籍に限られていましたけれども、最近見直されました。
 実は、この問題を私に提起したのは大学の教え子でもある弁護士です。かつて司法修習は日本国籍に限られていましたが、今は外国籍にも認められています。彼は大変成績優秀で、司法試験に合格し、弁護士として家事事件にも精通していて、弁護士会活動にも熱心に取り組んで日本社会で活躍しているわけです。国籍がないというだけで調停委員の任命から排除されているというものでした。
 人権のとりでとも言われる最高裁が、外国籍者を排除する理由に、直接、各種の先ほど申し上げました最高裁規則や事務総長依命通達、あるいは法律にも基づかないで、当然の法理というものを用いて差別を改めないことに対して強く抗議して、これから質問に入ります。
 選択的夫婦別姓について伺います。
 今年三月から四月、朝日新聞と東京大学の谷口将紀研究室が無作為に抽出した全国の有権者三千人を対象に夫婦別姓について共同調査を実施しました。本日、この参考資料としてお配りしています新聞記事を御覧いただけると幸いです。
 調査結果を見ますと、夫婦別姓の賛否について、夫婦別姓に賛成、どちらかといえば賛成と答えた賛成派は五七%。反対、どちらかといえば反対と答えた反対派は僅か一七%でした。二〇一七年の衆議院選挙時に行った有権者を対象にした調査結果と比べると、夫婦別姓の賛成派は一九ポイント増えています。特に自民党支持層で見てみると、二〇一七年の衆院選のときには夫婦別姓に賛成は二九%でしたが、今回は二五%増の五四%と過半数を占めるなど、意識の変化が際立っています。
 このように夫婦別姓に賛成する意見が広がる中、地方議会でも夫婦別姓の導入や夫婦別姓に関する議論を求める声が高まっていると認識しています。
 そこで法務省に伺いますが、地方議会から地方自治法九十九条の規定に基づいて別姓の導入を求める意見書や別姓についての議論を進めることを求める意見書が提出されていると思いますが、これまでに何件受け取って、そのうち都道府県議会からというのもあるのかどうか、あるいはまた、これらを受け止めていらっしゃる、どのように受け止めているか、伺いたいと思います。

#140
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 本日までに地方自治体の議会から法務省に提出された意見書は、選択的夫婦別氏制度の導入を求める意見書が六十七件、選択的夫婦別氏制度の導入について議論を求める意見書が二十九件でございます。このうち都道府県の議会からは、同制度の導入を求めるものが三重県議会及び滋賀県議会から提出されておりまして、導入について議論を求めるものが大阪府議会及び神奈川県議会から提出されております。
 これらの意見書は各地方自治体の住民から選出された議員が議会の意見として決議したものでありますので、法務省としては真摯に受け止めております。これらの議会の意見を含む幅広い国民の意見に耳を傾け、引き続きこの問題、検討してまいりたいと考えております。

#141
○高良鉄美君 ありがとうございました。
 滋賀県の方も非常に進んでいる、こういう御意見を出しているということですけれども、今、こういうふうに真摯に受け止めるということ、検討すると前向きの答弁がありました。非常に評価できると思います。
 私の地元の沖縄では、在日米軍に関連して度々こういった意見書というのが市町村議会あるいは県議会から出されているんですけれども、なかなか真摯に受け止めるということがなくて、ないがしろにされているようなところがあります。政府にこの地方議会の声を真摯に受け止めてほしいということを申し上げて、次の質問に入りたいと思います。
 女性差別撤廃条約の選択議定書について伺います。
 我が国は、一九八〇年七月に女性差別撤廃条約に署名し、国会承認を経た一九八五年六月に七十二番目の加盟国となりました。女性差別撤廃条約加盟百八十九か国のうち百十三か国が選択議定書を批准していますが、日本は現在まで批准していません。我が国は、女性差別撤廃委員会が一九八二年に設置された当初から現在まで途切れることなく委員を輩出し、多大な貢献をしていますが、選択議定書を批准していないために、女性差別撤廃委員会から度々勧告を受けています。選択議定書批准は、我が国の国際人権保障、ジェンダー平等への積極的な取組の姿勢を国際社会に示すというものであって、安倍政権が進める女性活躍促進にも資するものです。
 早期の批准を求め、外務省に伺います。
 地方議会から選択議定書批准を求める意見書が提出されていると思いますが、これらの地方議会の決議をどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。

#142
○政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。
 女子差別撤廃条約選択議定書に規定されている個人通報制度については、条約の実施の効果的な担保を図るとの趣旨から注目すべき制度と認識しております。個人通報制度の受入れに当たっては、我が国の司法制度や立法制度との関連での問題の有無及び個人通報制度を受け入れる場合の実施体制等の検討課題があると認識しております。
 個人通報制度の受入れの是非につきましては、地方議会からの意見書をしっかり拝見しております。その他、各方面から寄せられる意見を踏まえつつ、引き続き政府として真剣に検討を進めてまいります。

#143
○高良鉄美君 個人通報制度の問題も確かにあると思いますけれども、政府として引き続き検討を進めていくということですので、地方議会の意見書の内容にもいろいろ耳を傾けるということがございました。
 今年三月十八日の参議院外交防衛委員会で、茂木外務大臣は、選択議定書批准について、早期締結に向けて真剣に検討を進めているという考えに変わりはない、検討を加速する、政府として、女子差別撤廃条約の完全な履行を通じて、ジェンダー平等及び女性のエンパワーメントにつき、積極的に努力をしてまいりたいと、前向きな答弁をされました。
 そこで、外務省にお尋ねします。
 政府は、第五次男女共同参画基本計画策定の作業を進められ、今年十二月には閣議決定されると承知しています。女性差別撤廃条約に関する記述も含め、選択議定書については多くの女性団体やNGOが注視をしていると思いますけれども、どのように臨まれるかお伺いします。

#144
○政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。
 茂木大臣答弁、御指摘ございましたけれども、その答弁のとおり、外務省としては女子差別撤廃条約選択議定書の早期締結について真剣に検討を進める考えでございます。
 引き続き、各方面から寄せられる意見を踏まえつつ、関係省庁でしっかりと連携し、政府として真剣に検討を進めてまいりたいと存じます。

#145
○高良鉄美君 大変ありがとうございます。
 やっぱり、こういうものは外部からの、外国との関係もいろいろあると思いますけれども、是非、今の真剣に取り組むということで高い評価をしたいと思います。今後も是非そういった努力を継続なさっていただけると有り難いと思います。
 この選択議定書は、批准して活用するということも大事ですけれども、そういったメリットよりも、批准しないことで条約の実施に後ろ向きだというふうに姿勢を見せてしまうと、批准しないことはですね、そういうデメリットが大きいとも言われています。また、政府は、選択議定書批准の意義について、我が国の人権尊重の姿勢を改めて内外に表明することを通じた人権尊重の普遍化への貢献としています。人権尊重に後ろ向きの姿勢を内外に表明することにならないよう、改めて選択議定書の批准を強く求めたいと思います。
 さて、森大臣は、これも私の感想ですけれども、三月十日の所信表明で、法の支配を貫徹することによって、全ての人が平和と公正を享受できる社会を実現していくことは、法務行政に課された責務であると述べられました。残念ながら、今国会、確かにコロナ国会という形もあるかもしれませんが、その法の支配というのが問われる国会であったんじゃないかと言わざるを得ません。
 日本の刑事司法が注目を集めるんではないかというふうに言われていました京都コングレスは、まあこれはコロナの関係もあって行われませんでしたが、この日本の刑事司法の問題が外部にどういうふうに捉えられるかということの一つの機会だったわけですね。黒川検事長の定年延長と検察庁法改正問題、これも刑事司法が大きく問われたわけです。同じ刑事司法で、外に向けた刑事司法の在り方と、中に向けた刑事司法の在り方では異なってはいけないと思います。私は、法の支配について当初、一番最初から度々委員会で取り上げてきました。やはり、法の支配がきちんと理解されるということがとても大事なんです。法の支配を言葉であるいは定義で言うだけではなくて、法の支配が行動に伴っていかなければならない。
 先ほど、いろいろ交通事故の問題も、法の支配でいうと、やはり起きた現状を理解するということもとても大事なんですが、交通の教育、交通教育の中で、やはり法の支配というものの理解も小さい頃からやっていくということはとても重要なことだと思います。それは、一つ一つの法改正にも非常に大きく影響するものだと思います。
 そういった意味では、先ほどの京都コングレス、残念ながら開かれませんでしたけれども、もし開かれていたら、今、京都コングレスの中で日本の刑事司法はどういうふうに評価されていたかと、この問題が集積されて、こういうことを考えますと、法の支配というものが国際的なレベルの中でもきちんと理解されるということがとても重要だと思っています。
 是非、法の支配の意義の重さを理解して、これを貫徹されることを切に希望して、時間前ですけれども、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#146
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。碧水会の嘉田由紀子でございます。少数会派にもお時間割り当てていただき、ありがとうございます。
 まず最初に、今回提案されております自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案、いわゆるあおり運転処罰法改正ですけれども、先回の参考人質疑、また、今日もこれだけ多くの皆さんの質疑がございましたけれども、私自身も、今や車が、文明の利器が凶器になってしまっている、それも運転をする人のかなり暴力行為に近いものが凶器になって人を死に至らしめるというような状況の中で、今回の処罰法改正は大変タイムリーなものと、民意を反映したものと理解をし、賛成させていただきます。その上で、是非とも、抑止効果を中長期的に発揮するためにも、交通教育そして学校教育の部分などでこの辺りを広めていただけたらと思います。
 さて、いつものとおり一貫して父母の離婚後の子の養育に関する問題取り上げさせていただきますけれども、四月十日に公表されました二十四か国海外法制調査結果を踏まえて、まずは、子供の居住地を移動すること、ここは共同養育の中で大変大事な事柄とされております。日本の中では余り理解されていないんですけれども、海外では、相手の了解を得ずに監護親が勝手に居住地を移動することは禁止あるいは制限されている国が多いことが分かりました。子供の居住地を地理的に移動させることで面会交流条件悪化させる、あるいは子供にとって意義のある交流の実効性が下がってしまう、それを防ごうということでございます。
 今、コロナの問題でこの面会交流、先ほど柴田議員が紹介くださいましたけれども、当事者の調査によりますと、八〇%近くの方たちがこのコロナによって面会が十分にできないという実態もございます。そんなところで、日本のように、離婚後の面会交流の軽視はもとより、婚姻中は共同親権でありながら、DVなどがない場合であっても、片親親権制度であるがゆえに、離婚後の親権獲得に有利だからということで子供を連れ去るような事案も頻繁に起きております。これは、片親の都合で勝手に居所、住居を変えられ、そしてもう片方の親との交流を遮断されるということで、子供にとってはかなり大きな被害になるわけでございます。これが海外からの子供の拉致国家とさえ言われ、ハーグ条約の違反とされる実態が日本国内でもまだ横行していると。その実態、法務大臣はもちろん御存じだと思います。
 まず最初に法務大臣にお伺いしますが、片親親権制度であるがゆえに、父と母が子供の親権を奪い合って、そして離婚裁判で先に連れ去った方が有利に親権を与えられるという、継続性の原則を実務とする裁判結果が大変たくさん出されております。親権を獲得するために連れ去り事件が後を絶たない。今こそ、民法八百十九条、片親親権制度を変えるときだと思います。法務大臣の覚悟と見解をお伺いいたします。

#147
○国務大臣(森まさこ君) いつも申し上げていることでございますが、父母の離婚後も父母の双方が適切な形で子の養育に関わること、それは子供の利益の観点から非常に重要であると考えています。この点については、離婚後も父母の双方が子の監護の責任を負うべきであるとして、離婚後も父母が共に親権者となる制度を導入すべきであるとの意見があることや、他方で、これについて慎重な意見があることも承知しております。
 父母が離婚をした後の子の養育の在り方については、現在、法務省の担当者も参加する家族法研究会において検討されており、この中で離婚後共同親権制度の導入の是非についても議論されています。
 法務省としては、子の利益を図るという観点から、様々な御意見に耳を傾けながら、引き続きしっかりと検討を進めてまいりたいと思っております。

#148
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 今回の二十四か国調査の中で、離婚時に面会交流及び養育費について法的義務を付与しているところは韓国、オーストラリア、オランダなど数は少ないことも分かりましたけど、同時に、様々な他の義務を課すことによって実質を上げようということが増えておることも分かりました。
 そういう中で、今法務省さんもいろいろ努力をしていただいておりますけれども、面会交流と養育費の取決めを丁寧に説明をしたパンフレットがございます。今日皆さんにお配りしておりますけれども、このパンフレットが今どれくらい具体的に有効に活用されているか、その点を法務省さんの方、お願いいたします。

#149
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、法務省では平成二十八年から養育費及び面会交流に関する合意書のひな形及び記入例などを含めて掲載したパンフレットを作成して、全国の市町村等において離婚届の用紙と同時にこれを配付するなどの周知活動に取り組んでいるところでございます。
 他方で、養育費や面会交流の取決めがいまだ十分に行われていない現状、あるいはパンフレットの内容が詳細であり読みにくいといった指摘があることなどを踏まえまして、法務省では、離婚を考えている方々が考えておくべき事項を整理したホームページを本年三月に新たに開設するなど、更なる周知活動にも取り組んでいるところでございます。
 いずれにいたしましても、養育費や面会交流等、離婚後の子供の養育の問題、重要な問題であるものと認識しております。引き続き周知活動にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

#150
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 私も、先回法務大臣から御示唆をいただいてホームページ見せていただきました。大変分かりやすい、離婚を考えている、もうその段階から行く行くどうするのかということを導入する大変分かりやすいホームページになっていると思います。先々回だったでしょうか、明石市の事例も紹介させていただきましたけれども、こうして各自治体も含めてこの問題をより具体的に広報していただくことが大事だと思っております。
 あわせて、やはり法的な問題、法務省ならではのところで展開をしていただきたいと思っているんですけれども、先回から申し上げていますけれども、協議離婚の要件が本当に日本の場合には弱い。例えばこのパンフレットでも、養育費、面会交流のことをあらかじめ決めましょうとありますけれども、それを決めていなくても離婚は認められますということが書いてある。事実そうなんです。全然何の取決めもなくても、役場に、判こ一つついて、そして持っていったら離婚が認められてしまうという、もう世界的に見ても極めて緩い離婚制度になっているわけでございます。
 そういう中で、民法七百六十六条では、養育費と面会交流条件の合意をつくってきたわけですけれども、これを義務化をするという方向、お考えいただけたらと思います。また、具体的に養育費の額面、面会交流の日数などについては国民の権利義務に関係するものです。法律で養育費の金額、面会交流日数の最低限度を定めた上で、別途その最低限度よりも高い基準で当事者が合意できるようなガイドラインを政府として作成することが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。法務大臣にお伺いします。

#151
○国務大臣(森まさこ君) 未成年の子を有する父母が離婚する場合に面会交流や養育費の取決めがされることは重要なことでございますが、取決めの義務化となりますと様々な課題があるというふうに認識をしております。
 現在、協議離婚の場合に取決めをしていないことが多いという現状もございますが、そのような現状に対する指摘も踏まえて、先ほど申し上げた家族法研究会で、未成年の子を有する父母が協議離婚をする場合に面会交流や養育費に関する事項等の子の養育に関する計画を策定しなければならないこととすることなどについて検討をされている最中であるというふうに承知をしております。
 他方で、養育費の額や面会交流の日数については、具体的な事情や個々の親子関係等を考慮しなければならないことがありますので、義務化という、法律やガイドラインによって基準を定めていくこと等については検討すべき課題も多いものと考えております。
 養育費及び面会交流の取決めに係る規律の在り方については、委員の問題意識も踏まえまして、関係省庁と共に引き続き検討してまいりたいと思います。

#152
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。前向きに検討していただけたらと思います。
 その中で、具体的に、先ほどの二十四か国の海外調査報告でも、公的機関による面会交流についての支援制度が大半の国にあります。ここが具体的に進めるときの大事なポイントだろうと思います。支援の中身としては、まず父母の教育、そしてカウンセリング、また面会交流が適切に行われるよう監督する機関の設置等がございます。
 そこで質問ですが、この面会交流が適切に行われるよう監督する機関を設置している国において、どのような条件下でこのような監督機関が利用されるのでしょうか。特に、日本のように、監護親が監視付き面会交流以外認めない、この監視付きという言葉がちょっと硬いので、私はこれを支援付き面会交流と同時に使った方がいいかと思っておりますけれども、この面会交流を大変条件付ける監護親、ふだん暮らしている親ですね、が多いという日本の状況の中で、非監護親、つまり子供と暮らしていない親と子供が面会交流以外の選択肢を奪われるような仕組みを採用している国はあるでしょうか。法務省さんの方にお伺いします。

#153
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 今回の海外法制調査の結果によりますと、面会交流の際に第三者が監督又は同席するという支援を行う機関が設置されている国といたしましては、例えばカナダ、イギリス、オランダ、スイス、ドイツ、オーストラリアなどが挙げられます。また、これらの国のうちカナダ、イギリス、オランダでは、第三者の監督の下で面会交流を実施するなどの支援を受けるためには、両親間の対立が激しいため面会交流を行うことが困難であるなどの要件を満たす必要があるといった回答が得られております。
 また、委員御指摘の、監護親が監視ないし支援付きの面会交流以外は認めないというだけで監視ないし支援付きの面会交流以外の選択肢がなくなるような制度を採用しているか否かにつきましては、運用の問題は別といたしまして、そういった形での制度を採用しているといった回答はございませんでした。

#154
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 この辺、かなり細部に入るので理解しにくいところもあるかと思いますが、面会交流という仕組み自身が日本では今まで余りなじみが一般的にないので、少し詳しく説明、また質問続けさせていただきます。
 今、実は、離婚に至る父母の中でも八、九割はDVや虐待のケースではない、かなりお互いにフレンドリーで議論ができるというデータもございます。一方で、一、二割は児童虐待だったり育児放棄だったり薬物中毒など問題のある特殊なケース、あるいは大変高葛藤の親、ここのところが共同親権に対して大きな問題だということで慎重な意見が多いということでございます。
 それも十分に理解した上で、裁判所が監視付き面会交流が必要と命じた場合にこの交流を認めるべきと考えますが、そのためには具体的に面会交流センターを少なくとも各都道府県、指定都市ぐらいの地理的な分布で設けるべきだと考えます。私も自治体を担っていた立場からしますと、住民にとっては、今まで判こ一つで簡単に離婚できたのに、そんな面倒くさい、養育費とか面会交流とかというようなことで、ついつい父や母は安易な方法を取ってしまうかもしれませんが、子供のためを思うときに、やはりここは壁を越えるという意味で、地理的に都道府県範囲、あるいは政令市の地理的な範囲くらいで支援センターなどをつくるという法制化が必要ではないのかと思っております。
 あわせて、この面会交流の水準を維持するためには、法務省による認証制度、様々な認証制度、前回はADRのことをお伺いしましたけれども、認証制度を設けたり、あるいは格付、面会交流の実施率やあるいは満足度、カウンセリングなどのサービス提供を行うなどの制度的保障が必要だと思います。特に、これまで余り広がっていなかった分野ですので、この辺り、自治体の担当者等の理解を深めるためにもこの制度的保障が必要だと考えますけれども、法務省さん、いかがでしょうか。

#155
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 面会交流の実施につきましては、当事者間のみで面会交流を実施することが困難な場合があり、そのような場合には面会交流を支援する機関が必要であるとの指摘や、そのような支援を行う機関が法的な裏付けのない民間団体では不十分であるといった指摘があることは承知しております。
 この点につきまして、家族法研究会では、面会交流の取決めの実効性を高める方策として、面会交流の支援機関に対する公的支援の拡充や公的機関による認証を与える制度等についても検討される予定と承知しております。
 いずれにせよ、面会交流が適切に行われることは子供の健やかな成長にとって重要であると考えており、引き続き、委員の問題意識も踏まえ、しっかりと検討してまいりたいと考えております。

#156
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 最後に、法務大臣にお伺いしたいんですけれども、やはり、実は離婚の前に結婚とは何かということも含めて夫と妻の在り方のようなところが教育プログラムが必要だろうと常々私たち思ってまいりましたけれども、未成年者がいる父母で離婚する場合には、面会交流、養育費の取決め含めて父母の教育プログラムを受講する、その受講した後、一つのこれを離婚の要件に入れて、そして受講そのものも法律で義務化をするというようなことも大事だろうと思います。
 このことは、直接に対応する市町村、市区町村ですね、でもいろいろ問題は出てくると思うんですけれども、やはり法の支配、それが子供にとって大事な後ろ盾になるということで、この辺り、プログラム、父母の教育プログラムの受講を法律で義務付けするということについて、法務大臣の御意見いかがでしょうか。

#157
○国務大臣(森まさこ君) 委員がいつも教えてくださる海外の教育プログラム制度については承知をしております。そういった海外の制度は、我が国の離婚後の子の養育に関する法制度の在り方を検討する上で参考になるものと考えています。
 この点については、家族法研究会でも、一定年齢以下の子の父母が離婚する場合に公的機関等による離婚後の子育てに関するガイダンスの受講を義務付けることの当否が論点として挙げられ、検討の対象となっているものと承知をしています。
 私としては、担当者に対し議論に積極的に参加するように指示をしておりますので、引き続き議論の推移を注視してまいりたいと思います。

#158
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 いつも申し上げますが、本当に子供たちが法的に守られていないという中で、できない理由はいっぱいあります。新しいことをやるのには、特に現場でできない理由はいっぱい出てくると思うんですが、必要性がある、そして法のサポートを求める子供たちがいるというところで、やる意思を固めていただけたらと思います。
 ありがとうございました。これで終わります。

#159
○委員長(竹谷とし子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#160
○委員長(竹谷とし子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#161
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時散会
ソース: 国立国会図書館
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