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2020/06/05 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第10号 令和2年6月5日
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2020/06/05 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第10号 令和2年6月5日

#1
令和二年六月五日(金曜日)
   午後一時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月三日
    辞任         補欠選任
     加田 裕之君     宮崎 雅夫君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     堀井  巌君     清水 真人君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     清水 真人君     山田 太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 信秋君
    理 事
                徳茂 雅之君
                三木  亨君
                山田 俊男君
                伊藤 孝恵君
                山本 香苗君
    委 員
                尾辻 秀久君
                太田 房江君
                清水 真人君
                藤末 健三君
               三原じゅん子君
                宮崎 雅夫君
                山田 修路君
                山田 太郎君
                田村 まみ君
                野田 国義君
                羽田雄一郎君
                福島みずほ君
                宮沢 由佳君
                森本 真治君
                熊野 正士君
                安江 伸夫君
                松沢 成文君
                柳ヶ瀬裕文君
                大門実紀史君
                浜田  聡君
   衆議院議員
       修正案提出者   穴見 陽一君
       修正案提出者   青山 大人君
       修正案提出者   畑野 君枝君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        衛藤 晟一君
   副大臣
       内閣府副大臣   大塚  拓君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        藤原  崇君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
       常任委員会専門
       員        佐藤 研資君
   政府参考人
       消費者庁次長   高田  潔君
       消費者庁審議官  坂田  進君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公益通報者保護法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(佐藤信秋君) ただいまから地方創生及び消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、加田裕之君及び堀井巌君が委員を辞任され、その補欠として宮崎雅夫君及び清水真人君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(佐藤信秋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公益通報者保護法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁次長高田潔君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(佐藤信秋君) 公益通報者保護法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○徳茂雅之君 自由民主党の徳茂雅之でございます。
 緊急事態宣言は解除されましたが、今なお新たな感染者が発生しています。定額給付金の支給も始まってまいりましたけれども、メールや電話、SNS等による詐欺の手口も拡大していると聞いています。まずは、消費者庁におきましては、被害防止に向けたお取組に全力を尽くしていただきたい、このように思います。
 大臣には、五月八日のこの委員会の所信質疑におきまして、感染者対応に続いた消費者政策のトップバッターの項目として公益通報者保護法の改正を挙げられました。その思いについて、公益通報者保護制度の実効性を向上させることは極めて重要だと、消費者の利益につながるだけではなく企業の信頼確保につながるだろう、事業者、消費者の利益になるものだという強い思い、答弁を頂戴したところでございます。
 このように大臣の思いのこもった法案でありますけれども、現行法が施行、制定されてからこの提出まで十四年、長き時間が掛かっております。改めて大臣に、これまで検討の経緯と今般提出に至った契機についてお伺いしたいと思います。

#7
○国務大臣(衛藤晟一君) 公益通報者保護法の施行後、大企業や行政機関を中心として内部通報制度の整備が進むなど制度の普及が進んだ一方、その実効性に課題があり、公益通報制度が十分機能していれば早期の是正が期待し得た事業者の不祥事が後を絶たない状況にあります。
 消費者庁としては、現行法の施行後、法の施行状況調査、ガイドラインの策定、改正、制度の周知、広報など、制度の実効性向上に必要な対応を行ってきたところですが、こうした状況を踏まえ、消費者委員会も含め法改正に向けた検討を進めてまいりました。
 ただ、検討に際しては、積極的な立場と慎重な立場の意見の隔たりが大きい論点も多く、関係者の調整を丁寧に進める必要があったところでございます。こうした制度の実効性向上に向けた取組や調整の結果、今国会においてこの改正法案の御審議をお願いすることになったものです。
 なお、改正法案の成案を得るに当たっては、党のプロジェクトチームにおいても活発な議論や調整をいただいたところでありまして、徳茂先生にも多大な御貢献をいただきました。改めまして、この場を借りて感謝申し上げる次第でございます。

#8
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 お手元に資料を配付いたしております。資料の一ページ目、御覧いただきたいと思います。
 これは、法案の制定以降、今回の提出までの間の公益通報者保護法の見直しに関わるいろんなイベント等を記載したものでございます。これ御覧いただきますと、毎年のように検討を行い、いろんな提言、こういったものを公表したり、調査も行われてきたわけでございます。
 先日の参考人質疑におきまして、田中参考人、それから拝師参考人も、この中でいきますと、公益通報者保護制度の実効性向上検討委員会あるいはそのワーキング・グループで尽力をいただいたということでございます。多くの関係者の尽力の集大成が一昨年十月に出された消費者委員会におけます専門調査会の報告書、この答申ということだろうと思っております。
 資料を一枚めくって、二ページ目以降を御覧いただきたいと思います。
 これは、消費者委員会の公益通報者保護専門調査会の報告書の概要ということでございます。
 これ、御覧いただきますと、右下にページ数がありますが、一ページ目からが、ある意味、公益通報者保護の事前の措置が書かれております。通報者の範囲、通報対象事実の範囲、あるいは外部通報の保護要件等ということでございます。今回の法改正につきまして、とりわけこの事前の措置については、おおむね、おおむねでありますけれども、この報告書、提言をベースにして作られたというふうに承知しております。
 この三ページ以降、御覧いただきたいと思います。
 三ページの下の段から守秘義務というのがございますが、ある意味、実際に公益通報が出される、内部通報が出された、じゃ、その守秘といいますか秘密をどう守るのかといった、ある意味、事後の措置がここから書かれておりますが、この部分については、今回の提言と実際に出された法案の内容というのは若干前後があるということでございます。
 マーカーで、少し私の方もマークで色を付けさせていただきましたけれども、まずは、今回の報告書の提言とそれから今回の改正内容を比較して、提言にはなかった公益通報対応従事者等に対する罰則付きの守秘義務条項を今回盛り込んだということでございますが、まずはその理由についてお尋ねいたします。

#9
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 誰が通報をしたのかという情報が漏えいされることにより不利益取扱いにつながる事案が見られるところ、不利益取扱いを抑止する観点からは、公益通報者に関する情報漏えいの防止が極めて重要でございます。
 消費者庁の調査によりますと、通報をためらう理由として、誰が通報したかが知られてしまうことへの懸念が多く挙げられております。公益通報者が安心して通報をする環境を整備する観点からも、情報漏えいの防止を十分図る必要がございます。
 このような実態を踏まえまして、公益通報対応業務従事者に刑事罰付きの守秘義務を課すことにより、公益通報者が不利益取扱いを受けることなく安心して通報できる環境を確保することとしたものでございます。

#10
○徳茂雅之君 御説明ありがとうございました。
 先ほど大臣からも自民党内のプロジェクトチームの御紹介もございましたけれども、私もそのメンバーでありましたし、今日委員でいらっしゃいます太田先生、それから提案者であります穴見先生も委員ということで、大変ありがとうございました。
 そのプロジェクトチーム、PTの中で最も大きく議論になった論点といいますのが、この守秘義務、この取扱いでございました。
 我々は、公益通報制度の実効性を高めるための最大のポイントというのは、やはり通報者が安心して通報できる環境を整える必要があるんじゃないか、そのためにはやはり通報者の秘密、通報の事実をしっかり守らなきゃいけない、こういう思いであったわけであります。
 守秘義務が守られないということであれば、仮に、その後、不利益取扱い、これに対してしっかり行政が措置をします、あるいは裁判を起こしたときに立証責任は転換されるからどうぞ裁判を起こしてくださいというふうに言ったところで、通報者が安心して通報を行うはずがないだろうということでございます。
 逆に、守秘義務がしっかりと守られる、履行されるのであれば、通報の事実が社内で共有されないわけでありますので不利益取扱いを行う端緒もないと、ましてや訴訟に至るはずもないだろうということで、まず、通報者を守るための最初で最大のとりでは、我々はやはり、守秘義務をしっかり守ること、通報した事実がしっかり守られること、そのためには最終的には罰則規定しかないんではないかと、こういう結論に至ったわけであります。この点が党内のプロジェクトチームで最もこだわった点ということでございます。
 今回の消費者委員会の最終報告では、この点につきましては今後必要に応じて検討という扱いがなされたわけであります。消費者庁も本当に、最初は少し及び腰だったかもしれませんけれども、最後はこの点についてしっかり御理解いただいて、大臣のリーダーシップの下、この点についてしっかり取り組んでいこうということをなされたということであります。そういう面では、消費者庁の今回の対応について私どもの方からも厚く御礼申し上げたいというふうに思いますし、とりわけ、これも本当にぎりぎりの時点でありましたので、今回法律成立した暁には、是非事務方の努力にも大臣の方からねぎらっていただきたい、このように思う次第でございます。
 その上で、今回、提言であった、先ほどの不利益取扱いに対する行政措置、これを盛り込まなかったというわけでありますけれども、この理由について改めてお尋ねいたします。

#11
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 公益通報者に対する不利益取扱いは、通報をちゅうちょさせ、事業者が法令遵守を図る機会を失わせるものであり、あってはならないと考えております。
 改正法案においては、従業員等に対する守秘義務を課すとともに、事業者に、公益通報者に関する情報が漏えいしない体制、公益通報者に対する不利益取扱いを防止する体制の整備を求めることとしております。このように、公益通報者に対する不利益取扱いを事後的にではなく事前に抑止することがまずは重要と考えております。
 他方、公益通報をしたことを理由とする不利益取扱いに関する事実認定につきましては、当事者間で争われた場合、当事者双方の主張や証拠に照らして判断しなければならず、行政機関にとっては非常に困難であることなどから、今回は、不利益取扱いが生じた場合の事後的な行政措置ではなく、不利益取扱いの事前抑止に資する刑事罰付きの守秘義務を設けることといたしました。
 今般の改正によって不利益取扱いを抑止する効果がどの程度高まったかについては、施行後の実態も十分踏まえ検証していきたいと考えており、改正法案の附則第五条にもこの趣旨を規定しているところでございます。

#12
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 この点につきましても、実はPTで相当な議論をしたわけであります。厚労省にも毎回来ていただいて、何とか措置ができないかということでいろんな議論をしたわけでありますけれども、今政府参考人からの御答弁ということでありますが、この点につきましてもこれからしっかり取り組んでいただきたいと、このように思います。
 一昨日の参考人質疑で、私の方から各参考人に対して、本改正案の評価について率直にお伺いしたわけであります。
 田中参考人からは、内部通報体制の整備、守秘義務の明定、行政通報についての保護要件の大幅拡充、退職者、役員も保護範囲に含めるといった点で大きな前進だが、とりわけ不利益取扱いを行った事業者に対する適切なサンクションの検討が必要というふうな評価でございました。また、拝師参考人からは、不利益取扱いをなされた場合に対する行政措置が抜け落ちており、ぎりぎり合格点だが、大きいのは守秘義務について刑事罰付きで課していくという立て付けであるという評価を。また、濱田参考人からは、日本の会議の難しさとか調整の難しさを勘案すると九十八点、勘案しなければ六十点でまあ可だが、しかしポイントとして立証が企業か通報者側かが課題、立証責任をどうするのかというのが残っているというような評価をいただいたわけであります。
 今回、立証責任の転換などの訴訟負担の軽減について、規定化しなかった、盛り込まなかった理由についてお尋ねします。

#13
○政府参考人(坂田進君) 立証責任の転換については、消費者委員会において、悪意ある労働者に制度が利用される、無用な争いを避けるために通報者に対する措置を一時的に凍結するなど、円滑な労務管理等を阻害するとの懸念が示され、消費者委員会の答申においても今後の検討課題とされております。
 また、我が国の労働法一般に係る裁判実務においては、解雇の正当な理由や、配置転換や降格などの不利益取扱いの必要性について事業者が明らかにすることが求められており、実態としては、通報を行った労働者も含めて、不利益取扱いを受けた労働者側の立証の負担が一定程度軽減されていると理解しております。こうした状況を踏まえて、立証責任の転換などの訴訟負担の軽減については法案には盛り込まなかったものでございます。
 他方で、訴訟負担の軽減は重要な課題と考えており、改正法案の附則第五条の規定も踏まえ、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。

#14
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 本日は、衆議院における修正に関しまして、提出者であります穴見先生にお越しいただきました。大変ありがとうございました。
 先生には、先ほどの党内のプロジェクトチームの検討に際しましては、御自身は経営者ということでありますけれども、常に消費者あるいは公益を考えた、本当にその立場に立った議論を展開いただき、特に先ほどの守秘義務の規定化につきましては本当に議論をリードいただいたということでございます。
 先ほど政府の方から立証責任の転換について御答弁いただきましたけれども、今回の附則第五条に、三年後の見直し条項として裁判手続における請求の取扱いを追加ということで修正されましたけれども、改めて、衆議院提出者に対してその理由についてお伺いしたいと思います。

#15
○衆議院議員(穴見陽一君) ありがとうございます。答弁させていただきます。
 先生もるるこれまでの議論の中に明らかとされていらっしゃいましたように、専門調査会の報告書等でも指摘されていた事項も、報告書自体が両論併記のような形で示されていたということもあって、十分に今回法案提出までに調整が進まずに積み残した課題もございます。
 そういう意味では、この附則第五条というのは、三年後を目途としたそういった検討事項について幅広いテーマを包含した内容となっておりますが、我々衆議院としては、この裁判手続における請求の取扱いというのは、先ほど議論となっておりました立証責任の転換の問題でございますが、これはやはり公益通報者が通報し、またその保護を求めていく上で非常に重要な論点であり、ここも実際の公益通報がなされる若しくは保護されるということを担保する上でその数がなかなか伸びてこないということの大きな阻害要因になっているんではないかと、そういう認識でもって、各あるテーマの中でもこの立証責任の転換について改めて明記することによってしっかりと議論をしていただきたいと、そういう思いで記載をさせていただいたわけであります。
 通報者が解雇その他の不利益取扱いを受けた場合、これが裁判に至ることになれば、基本的にはその解雇や不利益取扱いが通報を理由とするものであることを通報者側で立証する必要がありますが、情報や証拠資料が事業者側に偏在している、そういうことなどからその立証が困難な場合もありまして通報者にとって大きな負担となっておりますが、先ほども答弁の中でもありましたけれども、立証責任の転換によって円滑な労務管理等が阻害されるという懸念などが示されており、消費者委員会の公益通報者保護専門調査会の報告書においても今後の検討課題とされておりますので、今回の改正案では直接規定することは見送られたものと承知をしておりますけれども、引き続き責任を持って議論をするようしっかりと規定をしておきたいという思いで追加をさせていただきました。

#16
○徳茂雅之君 ありがとうございます。
 附則とはいえ、条文化されるということの意味合いは極めて大きいというふうに思います。政府におかれましても、衆議院で修正されたということの重さを是非受け止めた運用をお願いしたい、このように思います。
 今回の改正につきましては、二号通報、外部通報についても手が入っております。二号通報の真実相当性の原則、これがかなり緩和されたということでございます。拝師参考人は、意見陳述の場におきまして、内部通報と行政通報の保護要件をかなりフラットな形にして、制度間競争、これ一号通報と二号通報以下、二号、三号との間の制度間の競争、これが起こる仕組みを導入したと大変評価されています。
 通報者が安心して内部通報ができるということがあればいいんですけれども、仮になかなかいろんな事情で内部通報はできないという場合に行政通報などの外部通報が行われることになります。事業者側におきましても、守秘義務などの内部通報体制、これをしっかりと整備するというインセンティブが逆に言えばこれによって働いてくるということであります。内部通報と外部通報の制度間競争ということでありますが、逆に、この両制度が一体となって運用されることによって公益通報者保護制度全体がその実効性が高まると、このように考えます。
 そこで、今回の改正での二号通報、三号通報、いわゆる外部通報の保護要件の緩和を行ったわけでありますけれども、一号通報との関係をどのように考えるのか、お尋ねします。

#17
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 事業者内部への公益通報の場合と異なり、事業者外部への公益通報については、真実でない通報によって事業者の名誉、信用等の正当な利益が不当に害される可能性があることから、不利益な取扱いから保護されるための要件がより厳しいものとされているところでございます。
 他方で、組織ぐるみで不正行為を行っているなど事業者における通報制度が機能不全に陥っているような場合には、事業者内部ではなく事業者外部への公益通報が適切な場合もあることから、通報の優先順位については設けていないところでございます。
 今般の改正法案においては、事業者外部への公益通報を理由とする不利益取扱いから保護されるための要件を緩和することとしております。このように、事業者外部への公益通報についての要件を緩和することは、外部への通報をしやすくするのみならず、事業者においても、外部通報でなく事業者内部への通報が活発になされるよう、自ら内部通報制度を実効的なものとすることが期待できるものと考えます。

#18
○徳茂雅之君 ありがとうございます。
 今回、罰則付きの守秘義務、これを創設したわけでありますけれども、本来でいえば、罰則があるから秘密が守られるというのではなくて、やはり通報者の秘密は当然守らなければいけないんだという、これは事業者側あるいは経営者側の意識の醸成、あるいは組織、企業全体の文化、風土、これをつくること、定着させることが私は必要だというふうに思います。
 そのためには、いわゆる公益通報者保護制度、制度そのものの意義をしっかりと浸透させるとともに、今般この法律が成立した暁には、各事業者に対して、この制度の内容、制度改正の内容の趣旨等、これをしっかりと周知、浸透を図るべきではないか、努めるべきではないかと考えますが、大臣の御所見をお尋ねします。

#19
○国務大臣(衛藤晟一君) 委員御指摘のとおり、公益通報者保護制度の内容について、事業者は通報者になり得る従業員等に広く周知していくことは非常に重要であると考えております。
 消費者庁としては、これまで、民間事業者や行政機関、地方公共団体に向けたガイドラインを策定、改正し、広く周知活動を行うほか、公益通報者保護制度についてのハンドブックの作成、配布、相談ダイヤルの開設、運用、制度の概要を分かりやすく説明する動画の作成、配信など、従業員個人に対する周知も念頭に置いた取組を進めてきたところであります。
 引き続き、こうした取組を推進するとともに、法改正の成立後、今般の法改正の内容を説明会等において周知するほか、SNSの活用などにより中小企業を含めた事業者やその従業員に対する直接的な普及啓発を図り、改正法の内容を含め、制度の認知度向上につなげてまいりたいと考えております。

#20
○徳茂雅之君 ありがとうございます。
 今回の公益通報者保護法、制度改正は小さな一歩ではないかという御評価もあります。ちょうど五十年前、私は大阪におりましたが、当時はまだ小学生、千里で万博がありました。物すごい人が日本国内から集まりました。一番人気があったのが恐らくアメリカ館だろうと思います。月の石が展示されていました。一年前にアポロが月に着陸したときに、その当時の船長、アームストロング船長が、人にとっては、個人にとっては小さな一歩かもしれないけど、これ人類にとっては極めて大きな一歩だというようなことで話題になりました。
 今回の法律改正、積み残した点はたくさんあります。ただやはり、一歩でも前に前進した、ある意味、民に任せた社会にこれは公が関与をしっかりしていくんだという、私は、大きな大きな一歩を前に進めた、前進したんじゃないかなというふうに思っております。
 是非とも委員各位の皆様の御理解も頂戴したいと思いますし、何より今回の制度がしっかりと改正されることがあれば、これは消費者庁、政府を挙げて、公益通報者保護、消費者、国民の保護につながるようなお取組になるように期待を申し上げまして、少し時間は早いですけれども、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#21
○福島みずほ君 立憲・国民.新緑風会・社民共同会派の福島みずほです。
 まず、本改正案の目的について大臣にお聞きをいたします。
 公益通報者保護法の目的は、通報者を保護することが国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資するということがあります。それと同時に、食品偽装や車やいろんな点は特にそうですが、消費者を守るということがその結果実現ができるということがあります。
 担当大臣としての見解を教えてください。

#22
○国務大臣(衛藤晟一君) 今委員御指摘のとおり、近年も消費者の安全、安心を損なう社会問題化する事業者の不祥事が明らかになってきております。
 そのため、事業者の自浄作用を十分に発揮させることなどにより、法令違反行為が早期に是正される環境を確保し、公益通報者保護制度の実効性を更に高める必要があると判断し、事業者に体制整備を義務付けるなどの改正法案を提出させていただきました。
 本改正法案により公益通報を安心して行うことのできる環境をつくることにより、消費者の安心、安全を脅かす事業者の行為が早期に抑止され、消費者の利益がしっかりと守れることになると考えています。

#23
○福島みずほ君 現行法で国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法律に含まれないと解されている税法、補助金適正化法、公職選挙法等の追加をすべきではないでしょうか。

#24
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 公文書の適切な管理を始め、行政の適正性の確保につきましては、国民の信頼を確保する観点から、政府全体として常に真摯に取り組むべき課題であると考えております。
 例えば、公文書の管理について申し上げれば、内閣府と各府省に通報の窓口が設置されており、職員からの公文書管理に関する通報を受け付けております。また、通報者の保護についても、行政機関向けガイドラインに基づいて各府省庁の内部において通報を理由とする不利益取扱いが禁止されており、通報により行政の適正性を確保するという観点では一定の措置が講じられております。
 このように、行政の適正性を確保するためには、公益通報者保護制度のみならず、他の法制度において通報者を保護する仕組みを組み合わせることで政府全体として適切な対応を図ることが重要であると考えております。

#25
○福島みずほ君 通報先に応じて保護される公益通報の要件が異なります。一号、二号、三号で、とりわけ三号の点については要件が厳しくなっております。通報者にとって報道機関等への通報の方がやりやすいという面もあります。この差を設けている、要件が異なることについては変えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#26
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 公益通報者を保護することや、公益通報によって安全、安心が得られる消費者の利益を確保することは重要なことでございます。他方で、事業者の利益を全く考慮しないのでは、かえって消費者の利益を損なうことになりかねません。そのため、事業者の正当な利益に配慮することも消費者の利益の確保にとって必要と考えられます。
 このような観点から外部通報の保護要件は考えられており、報道機関に対する外部通報は、風評被害のおそれがあるため、行政機関に対する外部通報よりも加重された要件の下で保護することが適当と考えられております。

#27
○福島みずほ君 一般的には、本当は会社の内部に言うのが一番ベストなんですが、なかなかやりにくい、やっぱり報道機関の方が自分を逆に守ってくれるんではないかということもあります。これは将来、是非この要件どうするかについては検討の必要があると考えます。
 内部通報体制整備義務についてお聞きをいたします。
 指針では、体制整備についてどのような内容を定める予定でしょうか。通報者保護の観点を最優先に位置付けることや、内部通報に関する具体的な記録の作成、保管などを通じて、各事業者における内部通報制度の利用状況や通報者保護の状況を事後的に検証できる仕組みが必要ではないでしょうか。

#28
○政府参考人(坂田進君) 指針に定める体制整備の具体的な内容としては、通報の窓口整備のみならず、窓口に通報があった場合の調査や、情報漏えいなど通報に関する内規の違反者に対する懲戒などのほか、安心して通報できるよう通報者に対する不利益取扱いや通報者に関する情報漏えいの禁止を社内規程に定め、その規程に基づき適切に運用するよう求めることを想定しております。
 また、通報対応の仕組みの整備、運用状況や実績等について客観的な評価、点検を定期的に実施していくことは内部通報制度の実効性向上の観点から有用であると考えられ、民間事業者向けガイドラインにおいても、窓口の整備、運用の状況、実績について評価、点検することを推奨しているところでございます。
 現在、ガイドラインにおいて推奨されている事項については、各事業者の実態等を踏まえた対応が望ましいものもあることから、指針の内容とすべきかについては改めて検討する必要がありますが、今般の改正法案が成立した後には、委員御指摘の点も踏まえて、関係者の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。

#29
○福島みずほ君 この体制整備がどうなるかがとても重要なので、しっかり指針をきめ細やかに作ってくださるよう要請いたします。
 ESG投資とのことについてお聞きをいたします。
 環境、エンバイロンメント、それからソーシャル、ガバナンス、ESG投資などが今よく言われております。機関投資家などによる企業の格付評価の一指標となっております。内部通報制度は、このうちガバナンスに関係する要素と考えられると思います。
 指針において企業格付評価や投資家保護の観点も考慮すべきであると考えますが、いかがでしょうか。これが考慮されることになれば、各企業、とりわけ大企業などはこれきちっと整備をすると思いますが、いかがでしょうか。

#30
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 事業者内部の問題に関する情報を事業者が従業員から早期に入手することによって、組織の自浄作用を高め、企業価値の維持向上を図ることを目的として多くの事業者が構築しているいわゆる内部通報制度は、コーポレートガバナンスの重要な構成要素としても位置付けられております。
 改正法案及びこれに基づき策定される指針に沿って事業者が公益通報に適切に対応する体制を整備することは、事業者のガバナンスを強化し、企業価値を増大させることにもつながることから、投資家保護にも資するものと考えられます。
 どのような事項を指針の内容とすべきかについては改めて検討をする必要がございますけれども、今般の改正法案が成立した後には、委員御指摘の点も踏まえて、関係者の御意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。

#31
○福島みずほ君 GPIFなどのまさに投資をする場合には、まさにこのことをしっかりやっている企業にやってもらうなどすれば随分進むのではないでしょうか。
 次に、過失による通報者の特定情報の漏えいに対する刑事罰が規定されていませんが、導入を検討すべきではないでしょうか。
 この間、参考人が、まさに濱田参考人が、故意か過失か分からないが漏えいをしたと。実際よく分からないということもあると思います。いかがでしょうか。

#32
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 今般の改正法案での守秘義務違反に対する刑事罰は、ほかの法律における守秘義務と同じく、故意による漏えいが対象であり、御指摘のとおり、過失による漏えいは刑事罰の対象とはなりません。
 他方、今般の改正法案では、事業者に対して内部通報体制の整備義務を課すこととしており、その内容には、守秘義務を負う公益通報対応業務従事者向けに教育訓練を行うことや通報に関する情報を適切に管理することも含まれます。
 過失による漏えいに対しては、過失犯を処罰の対象とするよりも、事業者の責務としてこうした教育訓練や事業者における情報管理の体制等を適切なものとすることにより抑止することが重要と考えられます。
 過失による漏えいが生じた場合には、必要に応じ、事業者における体制整備の不備について行政措置の対象とするなど、適切な対応を取ってまいりたいと考えております。

#33
○福島みずほ君 漏えいが故意ではなくて過失だったという言い逃れが起こり得るのではないかというふうにも思っております。
 民事、不法行為、故意、過失は不法行為に当たり得るわけですが、担当者、事業者が不法行為に当たり得るということはあり得るでしょうか。

#34
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 当たり得ると考えております。

#35
○福島みずほ君 行政機関のことについてお聞きをいたします。
 十三条一項で、行政機関は、通報対象事実の調査、措置の権限と義務を規定されました。二項は、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置をとらなければならないと規定されています。
 この体制の整備とは、具体的にどういうことをするのでしょうか。

#36
○政府参考人(高田潔君) 事業者に対しても同様のことを考えておりますけれども、行政機関に対しましても、窓口をしっかり確保すること、あるいはその内部において調査の規定を整備する等々を考えております。

#37
○福島みずほ君 そうだとすると、機構、定員、予算が伴う話ですよね。法施行までに二年ありますが、その間に各省庁でもきちっと手当てができるんでしょうか。

#38
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 消費者庁といたしましては、この法案成立後は、しかるべく定員要求をしてまいりたいと考えております。

#39
○福島みずほ君 これは、もちろん国会の協力、予算も必要ですが、是非消費者庁が頑張ってくださるようにお願いいたします。
 行政機関には地方自治体なども含まれます。地方でも、通報の受付、調査、措置を実効性を持って対応してもらわなければなりません。この辺はどのように対応されるでしょうか。

#40
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 消費者庁におきましては、地方公共団体向けガイドラインを策定、改正し、周知に努めてきたところでございます。また、行政機関に対する外部からの通報に関する相談窓口につきましては、ガイドラインにおいてその設置を求めてまいりましたが、今般の法改正により、地方公共団体を含む行政機関には外部からの通報に対応する体制整備義務を課すこととしております。
 今後とも、法改正を踏まえ、更に制度の周知に努めるとともに、現行のガイドラインを見直すほか、地方消費者行政強化交付金を活用することや、徳島県における消費者行政新未来創造オフィスの取組の展開などにより、窓口の設置促進やその適切な運用に向けた地方公共団体の取組を支援してまいります。

#41
○福島みずほ君 地方自治体の中には小さいところもありますし、是非、各中央省庁そして各自治体に対するこの体制整備について今後確立してくださるよう、司令塔としての役割を果たしてくださるように心からお願いを申し上げます。
 不利益取扱いに対する行政措置の導入についてお聞きをいたします。
 消費者委員会公益通報者保護専門調査会の報告書で全委員が一致して了解したにもかかわらず、改正法案に入りませんでした。消費者庁は、その理由として、行政の事実認定や執行体制に課題があると説明しておりますが、これを今後やっぱり克服していかなければならないというふうに思っております。
 消費者庁自身の体制強化、関係省庁の協力が必要だと思います。その辺りをもう少し具体的に、今後どうしていくのか、イメージが分かるように教えてください。

#42
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 今回の改正法案では、制度の実効性確保のため、事後的な行政措置ではなく、不利益な取扱いを事前に抑止することが重要と考え、刑事罰付きの守秘義務や事業者の体制整備義務を導入することといたしました。
 御指摘の不利益取扱いに対する行政措置の導入につきましては、将来的にその機能を十分に担うことのできる体制を整えるための組織的基盤の強化を図ること等の附帯決議を衆議院からいただいております。施行後、守秘義務等の措置の運用状況について事例を収集し分析し、制度が実効的に運用されているか吟味した上で、附帯決議や委員の御指摘をしっかり受け止め、関係者の意見も聞くなどしながら、施行後三年を目途に検討してまいりたいと考えております。

#43
○福島みずほ君 施行後三年でまた法律改正するときにはしっかりこの行政措置の導入が盛り込まれるように、今答弁をしていただきましたが、これから体制整備を含め、是非よろしくお願いいたします。
 事実認定に関与する人は、何も必ずしも消費者庁内部にいなくても、外部に委員会などをつくって非常勤でやってもらうなど、様々なことがあり得ると思います。いかがでしょうか。

#44
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 先生の御指摘も踏まえて、そういった点も含めて検討をさせていただきたいと考えております。

#45
○福島みずほ君 厚生労働省は、専門調査会の審議では、これ以上新しい仕事はできないと非協力的な発言をしていました。こう言われた消費者庁はどう対応するんでしょうか。

#46
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 本法案改正成立後は、関係省庁よく連携して、どのような対応ができるか、しっかり検討してまいりたいと考えております。

#47
○福島みずほ君 厚生労働省は、まさに不利益取扱いの場合の様々な措置、今までやってきておりますので、是非関係省庁の力も得て、厚生労働省などの力も得て、頑張ってやっていただきたいと思います。
 十七条で、総理、括弧、消費者庁長官に委任は、この法律の規定に基づく事務に関し、関係行政機関に対し、照会し、又は協力を求めることができると規定をいたしました。まさに、厚生労働省にこのようなことを言わせないためにも規定したのではないかというふうにも思います。
 消費者庁は、消費者行政全体の司令塔として創設をされました。そこを明確にした規定と理解してよろしいでしょうか。

#48
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 この法案の対象になります、その公益通報の対象になる法違反というのはほぼ全ての省庁にまたがるぐらい広いものでございますので、それらの関係省庁がよく連携してこの法案に対応できるように、二号通報があった場合に適切に対応するように、そういうことを連携してやっていけるように、必要ならば消費者庁から協力を求めたりいろいろ報告を求めたり、そういうことをしていきたいと考えております。

#49
○福島みずほ君 是非、消費者庁が司令塔として、各省庁の力を借りながら、ここ、不利益取扱いに対する行政措置、それも含めて、もちろん一元化した窓口の一番初めの窓口としても司令塔としてしっかりやってくださるように心からお願いを申し上げます。
 先ほど立証責任についての御質問が徳茂委員から、徳茂理事からありました。もう一つ、一歩進んで推定のことをお聞きをしたいというふうに思っております。
 立証責任の転換も私は必要だと思っております。ある人が内部通報した、で、その人が配転や解雇をされた。いろんな理由はあるかもしれないけれども、やっぱり内部通報したことが理由になっているんじゃないか。立証責任が転換されないと、本人は、いや、君の勤務態度が悪いんだとか言われて、なかなかその立証ができないという問題もあります。
 それで、外国の制度やいろんなものでは推定規定を設けているところもあります。公益通報者を探索し、又は公益通報の撤回を求めるなど通報対象事実発生事業者等の一定の行為があったことを証明した場合には不利益取扱いが公益通報を理由としてなされたものであると推定する規定を置くことで、不利益取扱いの禁止の実効性を高めることもできると思います。
 この点はいかがでしょうか。

#50
○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。
 立証責任の負担の軽減は重要な課題であると考えております。先生の御指摘も踏まえ、改正法案の附則第五条の規定にのっとって必要な検討を行ってまいりたいと考えております。

#51
○福島みずほ君 よろしくお願いいたします。
 不利益取扱いから保護する通報者の範囲についてお聞きをいたします。
 この間、濱田参考人が、現職で会社に勤めながら通報することはなかなかできないし大変だということをおっしゃいました。本当にそのとおりだと思います。
 退職者の場合、退職後一年以内としますが、実際に通報するまでに時間が掛かることもあります。より通報しやすくする観点からすれば、労働者名簿の保存期間、この保存期間は五年、当分の間は三年ですが、それぐらいあってもいいのではないでしょうか。

#52
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、労働者名簿は、労働者と事業者との間の紛争解決の際の証拠として利用できるよう、法律上の保存期間が五年間、ただし、附則により当分の間三年間とされているものと承知しております。
 他方、今回は法令違反行為を早期に是正するという、労働者名簿の保存期間とは異なる観点から改正法案を提出させていただいているところでございます。早期の是正のためには早期の通報を促す必要があるため、保護される通報を退職後一定の期間内のものに限定する必要があると考えられます。退職後の通報を理由として不利益取扱いを受けた事例のほとんどが退職後一年以内に通報された事案であったことから、退職後一年以内にされた通報を保護すれば実際に不利益取扱いの想定される通報のほとんどを対象とすることができるものと考えております。
 さらに、退職から長期間経過後の通報については、証拠の散逸等により通報を受けた事業者が適切に対応することが困難であるとの指摘もございました。
 なお、退職者の保護期間を労働者名簿の保存期間と一致させた場合、将来の一定の時点で保護の期間が三年から五年に変更されることとなりますが、このことは通報者の本法の適用に関する予見可能性を損ない、早期の適切な通報を妨げるおそれがあるものと考えております。

#53
○福島みずほ君 是非、今後改正をする場合など、是非検討する必要があると思います。
 次に、役員の場合についてお聞きをいたします。
 原則として、通報に先立ち内部で調査是正措置をとることに努めることが保護の要件とされております。条文上、調査是正措置をとることが求められていると。
 この間の参考人質疑の中で、役員といっても様々な役員がいると。調査是正措置といっても、なかなかそれができない場合もあると。また、証拠隠滅のリスクがある場合には、例えば調査是正措置をとることで証拠隠滅をされてしまったり、結局、調査是正措置をとろうと思っていたら、隠されたり、捨てられたり、攻撃を受けたり、様々なリスクもあります。
 一般的に役員の人が強い権限を持っていることは、普通の会社員と違うことは理解をいたしますが、参考人質疑の中でも、この調査是正措置については様々考えたらどうかという意見が出ました。参考人からの意見で、役員に無理を生じさせないようにする必要があるのではないかという意見が出ましたが、これについていかがでしょうか。この調査是正措置の中身や要件について、いかがでしょうか。

#54
○政府参考人(坂田進君) お答えを申し上げます。
 役員は、不正のおそれに気が付いた場合、自らその調査、是正に当たる義務を負っております。
 今般の改正法案では、個人の生命、身体への危害や財産に対する重大な損害が生じる場合に限ってこの調査是正措置の例外を設けておりますところ、このような例外は事案の緊急性に着目して設けられたものでございます。
 これに対し、御指摘の証拠隠滅等のおそれがある場合については、役員としては本来証拠隠滅等が生じないように注意して調査、是正に当たるべきであり、例外的な取扱いについては慎重な検討を要すると考え、証拠隠滅等のおそれがある場合については調査是正措置を前置すべきことといたしました。
 なお、調査是正措置の具体的な内容については様々なものが考えられますが、役員の種類や属性、担当する職務の内容等に応じてその内容は異なります。そのため、例えば定款などにより特段の権限を与えられていない取締役については、取締役会において適切に問題提起し、また、監査役に報告し、調査等の対応を求めることでこの措置に努めたことになる場合もあり得ると考えられます。
 御指摘も踏まえ、役員が公益通報しようとする際に調査是正措置について不必要に厳格な解釈を取ることがないよう、解釈を示してまいりたいと考えております。

#55
○福島みずほ君 役員はいろんなことを知っている場合もありますし、これは参考人からも意見が出ましたので、調査是正措置の中身について、是非、細かい点、逐条解説などをされる場合や解釈を出される場合に検討していただきたいと思います。
 取引先等事業者についてですが、取引先等事業者も対象にすべきではないでしょうか。
 西宮冷蔵の代表者が取引先の雪印食品の不正を内部告発し、不利益を受けたという事例もあります。
 また、事実上の力関係もあります。取引先は、実は会社の様々な不祥事や問題点を知っているという場合もあるけれども、今回、取引先は、まさにこの内部通報の対象者、保護すべき対象者にはなっておりません。取引先事業者に関しても公益通報者の範囲に含め保護する必要があるのではないでしょうか。

#56
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のケースは、取引先事業者が違法行為であるとして通報したものと承知しております。
 この点、取引先事業者を公益通報者に含めることについては、積極的な立場と慎重な立場の意見の隔たりが大きく、消費者委員会の答申においても、今後必要に応じて検討することとされました。
 具体的には、事業者間取引には、基本的に契約自由の原則が妥当する中で、契約解除等における不利益取扱いの判断や公益通報を理由とすることの判断が困難であること、保護の対象とする取引先事業者の範囲を画する合理的な基準を策定することなどが今後の課題であると指摘されております。
 政府としては、今後、改正法案成立後の施行状況等を分析しつつ、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

#57
○福島みずほ君 是非、取引先もこの保護者に含めるように是非検討をよろしくお願いします。
 七条に損害賠償の制限の規定が設けられております。報告書では、損害賠償の制限規定を設けたとしても、損害について一律に免責をすることを定めるものではないとされております。
 どのような場合が公益通報によって受けた損害に該当するのか、証拠の持ち出しについての免責はどうなるんでしょうか。

#58
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 今般の改正法案における公益通報者の責任の免責は公益通報によって生じた損害を対象としており、事業者の被った損害と因果関係があるとされる通報行為が公益通報に当たる場合を指します。このため、御指摘の通報を裏付ける資料の収集行為によって生じた損害についてまで必ずしも及ぶものではございません。
 通報を裏付ける資料の収集については、通報を受けた者が調査や是正措置に着手するために重要な位置付けを占める一方、内部資料の持ち出しは事業者における情報管理や企業秩序に対して悪影響を及ぼす場合もあるため、これらのバランスを取ることが必要であると考えております。
 このため、消費者委員会の答申にも記載されたように、まずは、これまでに集積された通報を裏付ける資料の収集行為に関する裁判例を整理、分析し、当該収集行為に関する責任の有無についての実務上の運用の周知を進める取組を進めたいというふうに考えております。

#59
○福島みずほ君 ここにいらっしゃる国会議員の方もそうだと思いますが、私たちもいろんな内部通報を受けます。でも、資料をもらわないと判断が実はできないんですよ。裏を取れなければ国会で質問をすることもできません。メディア、報道機関もそうだと思います。こういうことがあるらしいというだけでは、それは、こういうことがある、知っていると言われても、じゃ、それを裏付ける資料があるんですか、審議会の資料はあるんですかということがない限り、それはできません。
 私自身も、例えば、ちょっとあれですが、核燃料サイクルにおける直接処理と間接処理の問題に関して、その両方を比較したデータを取ったことがありますかと国会で質問したら、そういうデータはありませんと答弁がありました。しかし、内部からの資料が全部送られてきました。審議会の中で、核燃料サイクル、六ケ所村の再処理が十九兆円掛かるというようなことも全部出てきて、直接と間接、再処理で幾ら、どれだけ、何倍違うかというデータもありました。しかし、その審議会では、電力会社やいろんな人たちが、こういう資料を表に出すのは良くないということで、一切非公開、出されなくて、しかも答弁が虚偽答弁でした。
 そしたら、その資料などがない限りは、こちらは質問はできないわけですよね。そして、そのときに、まあ昔は、昔はというか、そのとき、虚偽答弁したことで、もう亡くなってしまわれましたが、中川昭一大臣は、国会で、予算委員会で、予算委員会だったと思うんですが、正式に謝罪をし、処分をしました。今は虚偽答弁したって何かまた次つじつま合わせばいいやみたいなことになっていてひどい話ですが、かつては、虚偽答弁したら大臣がきちっと謝罪し、訂正し、そして処分もしたんですね。
 ちょっと話が長くなりましたが、何が言いたいかといえば、物を持ち出す、資料を持ち出さない限り、その内部通報が、幾らその人がしゃべっても、書類がないとそれは駄目なんですよ。だとすると、これはきちっと免責を設けない限り持ち出すことができないと思いますが、どうでしょうか。

#60
○政府参考人(坂田進君) 先ほど裁判例を収集しというお話をさせていただきましたが、具体的には、消費者庁が開催する説明会においてそうした裁判例の解説を行うとともに、今後、これまでの裁判例の概要を消費者庁のホームページに掲載することを予定しております。
 これにより、通報者にとってどういった内部資料であれば持ち出し等が可能か、ある程度予測できることが期待されるのではないかというふうに考えております。

#61
○福島みずほ君 内部通報することが、この社会を変えるんだ、人の命や安全を守れるんだ、消費者の権利にも資するんだ、この社会をもっとより良い場所に変えることができるということであれば、内部通報者、やっぱり保護する必要がありますし、物の持ち出しについて、これを免責する必要があると思います。
 エルズバーグさん、ペンタゴン・ペーパーズ、有名な映画にもなっておりますし、本もありますし、御本人もいろんなところで講演していますが、ペンタゴン・ペーパーズ、彼も書いた、関わったベトナム戦争の真相に関するペンタゴン・ペーパーズは、たくさん書類を作って、ペーパーズを作ったけれども、一切外に出ることがありませんでした。彼はその中身を持ち出してニューヨーク・タイムズに持ち込み、連載が始まります。トンキン湾事件、ベトナム戦争がなぜ始まったか。いや、それは、ベトナム戦争におけるトンキン湾事件は向こうからの攻撃だと言われていたがアメリカの自作自演だったとか、様々なことがそこに盛り込まれていました。
 連載が始まって、そしてニクソン政権はその記事の差止めをやります。それで、一審は、連邦裁は記事の差止めを認めるんですが、最高裁判所は、その有名なブラック判事の判示で、我が国の若者が外国で亡くなることについては国民は知る権利があると言って連載を認めます。ワシントン・ポストも連載します。他の地方紙も連載します。ウォーターゲート事件とペンタゴン・ペーパーズでニクソン政権は退陣をすることになるわけですが、やはり、国民の知る権利に物すごく奉仕をするもので、主権者である国民は重要なことを知る必要がある。
 ただ、エルズバーグさんは、窃盗と秘密漏えいで合計懲役百十五年で起訴されます。しかし、政府が彼を令状なくして盗聴していたことや、それから彼の通っている病院にカルテを取ろうとして侵入したことなどが分かって、裁判では公訴が棄却になります。でも、彼自身は、窃盗と秘密漏えいなどで懲役百十五年、アメリカの場合は法定刑を加算していきますから、で起訴されています。何が言いたいかというと、そういうふうに重要な役割を果たした人でも、もしそれ公訴棄却にならなければ、彼は一生涯刑務所に行っているわけですよね。
 それから、スノーデンさんは、スパイ防止法と窃盗罪に当たると言われ、彼自身はアメリカが世界のいろんなものの情報収集していたということを世界中に明らかにしたわけですが、それを、それはまず持ってロシアに亡命する以外に方法がなかったわけです。
 私たちの記憶にあるグアンタナモ収容所の問題などや、様々なものを、二〇〇七年、米軍ヘリがイラク・バグダッドで複数の民間人を射殺する映像など、様々なものをやはり明らかにしたチェルシー・マニングさんは、懲役、禁錮三十五年ですね、禁錮三十五年になり、オバマ政権下で減刑をされますが、何かを明らかにしようと思うと、一方ですさまじい刑罰が待っている、窃盗とか秘密漏えいとかで。
 ですから、是非、今回は七条のこの損害賠償の制限の規定だけですが、ちょっと話が長くなって済みませんが、私自身は、刑事免責もしっかりやらない限り、だって、民間企業だって、物を持ち出すとそれ窃盗と言われるんですよね。窃盗になりますから、何かを言いたいと思っても、自分が刑事処罰を受ける。刑事免責、是非議論していただきたい。いかがでしょうか。

#62
○政府参考人(坂田進君) 委員の御指摘も踏まえて、消費者庁としては、今後、改正法案の成立後の施行状況等を分析しつつ、必要な対応を検討してまいりたいというふうに考えております。

#63
○福島みずほ君 是非、刑事罰の減免等について、今後本当に議論をしていただきたいと思います。でなければ、内部通報者、民間企業でも、信用毀損、威力業務妨害罪、あるいは偽計業務妨害罪、窃盗、名誉毀損などで訴えられる可能性もあり、それをやっぱり守らなければならないというふうに思っております。
 一元的窓口について一言お聞きをいたします。
 行政機関の不適切な通報対応は、一元的窓口へ連絡が来ると考えられます。窓口対応の強化も必要ではないでしょうか。また、こうした事例について、厳正な調査を行い、必要な措置を講ずるべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#64
○国務大臣(衛藤晟一君) 消費者委員会の答申におきましても、一元的相談窓口については、不利益取扱いを受けた者に対する情報提供や相談体制の充実など消費者庁の既存の機能の強化を図るとともに、新たな機能として、権限を有する行政機関の特定が通報者にとって難しい通報事案について通報者に情報提供することや、通報の放置など不適切な対応について注意喚起するなど、行政機関に対して適切な対応を求めることが提言されているところであります。
 一元的相談窓口については、委員御指摘のとおり、行政機関に適切な対応を求めることを含め、消費者委員会の答申において提言された機能を担えるよう、消費者庁において体制の整備を進め、平成二年度内の設置を目指してまいります。あっ、令和二年でございました。令和二年度内の設置を目指してまいります。

#65
○福島みずほ君 是非、大臣、よろしくお願いいたします。
 先日、松沢委員が赤木俊夫さんをどうやったらもっと救えたのかという質問をされて、実は私もずっと、この公益通報制度を考えるに当たり、どうしたら赤木さんを救えただろうか、どうしたら彼が内部通報をして、そしてそのことをきちっと受け止めて解決できたか、どんな仕組みがあったら彼は死ななくて、でも問題をきちっと明らかにできたかということなど、本当に考えております。近畿財務局などにも行きましたから、とりわけそのことは思っています。
 ただ、彼の場合は、恐らくですが、実行犯として自分が虚偽公文書作成罪に関わってしまったという問題や、それを言ったところで、財務省全体から自分が責任を押し付けられて、押し潰されてしまうんじゃないか、幾ら自分が言っても、検察は信用してくれない、警察、検察は信じてくれないんじゃないか、あるいは、もう自分一人で責任をかぶせられて、自分はもう潰されるだけだという思いもあったのではないかというふうに思っております。彼が誰か弁護士に相談し、そこで、いや、あなたも刑事事件の可能性はゼロではないけど、あなた自身を守ることに自分たちは頑張りますよという何かチームをつくることなどできたら彼は死ななくて済んだかもしれないなどということも思っております。
 日本弁護士連合会などにもそういうチームを例えばつくって、絶対に守秘義務があって、絶対に守って、どことも利権がなくて、どこからの役所の圧力にも対抗できるみたいなことがもしやれたら本当にいいなとも思っています。
 それと同時に、一号、二号、三号、各役所の窓口も、でも、彼が財務省に言ったらどうなったかというのはあれですが、是非そこで、通報者を守る、通報者を守るという仕組みを是非本当につくっていただきたいと思います。
 まさに、内部通報は消費者を守りますし、この社会を守ることができますし、この世界をもっともっとより良いものに変えていくことができますし、不祥事、そのままだともっともっとひどいことになりますから、そういうことに役立つように、今回、この法律、一歩前進ですが、更に更に前進して、この社会をもっと変えることができるようにと思います。
 ありがとうございました。

#66
○田村まみ君 立憲・国民.新緑風会・社民会派の田村まみです。今日はよろしくお願いいたします。
 済みません、初めに、またカスタマーハラスメントについて質問させてください。
 実は、コロナ禍でカスタマーハラスメントが増えてきているんだという声がたくさん届いています。そんな中、産業別の労働組合のUAゼンセンが、調査会社を通じて、コロナ禍の前後でカスタマーハラスメントが増えたかということを視点に消費者に対してアンケートを取ったのがちょうど五月の二十二日から五日間で、これネット調査でアンケートを取ったそうです。
 その中で、要は去年の五月から今年の一月、コロナの影響があるというところの前までだと、三千人からの回答の中で七四・一%の人がカスタマーハラスメントを見ていたということ、二月以降のその五月の二十二日までのところでいくと六六・一%ということで、これ、正直に言いますと、そのパーセンテージは減っていました。ただ、実際問題、買物に出ている人たちも減っていたりとか、たくさんの人たちが密集して買物するということが少なかったので、この数字をどう見るかというものは今後の分析なんですが、一番今回私がこの消費者委員会のところでお伝えしたいのが、このカスタマーハラスメントを見たという六六・一%の人たちに、カスタマーハラスメントについて消費者の皆さんがどんなふうに感じているかということを聞いたんですね。で、この速報値なんですけど、消費者として別の消費者が行っているカスタマーハラスメントに対して不愉快だと思う方が九四・八%いらっしゃったんです。ほぼ見た方は不愉快だというふうに感じられたわけです。
 これまでは、労働者、そこで働くサービスを提供している労働者の方の視点でよくこのカスタマーハラスメントの話が語られてきたんですけれども、今回、この視点としては、要は消費者がその場面を目撃したときにどういうふうに見えているかということを数字として表れてきたアンケートではないかなというふうに思っています。
 その中でも、見かけた行為の上位五行為でいくと、暴言を吐く、威嚇、脅迫、説教とか、また、あと同じクレームを繰り返すなど、こういうことが挙がってきていますし、フリー記述でいけば、長々と店長に説教するクレーマーがいたと、自分が問い合わせたいのに問い合わせることができないというようなこと。要は、その消費者の方が自分が聞きたいことが聞けない状態に陥っていたということが表現されていたりとか、あとは、お客様というか、並んでいるサービス受給者から暴言や失礼な言葉を公務員さんは黙って耐えていらっしゃったとか、どう見ても店側の方は落ち着いて対応していたのに、消費者側の方は自分のストレスを晴らしているようにしか見えなかったとかいうふうな形でフリー記述の方に書かれています。
 これ、まだこういう最終的な数値出ていないんですけれども、明らかにやはりそこに同時に存在する消費者の人たちに対しての迷惑行為になっているんじゃないかという一つの数字となるんじゃないかというふうに考えております。
 そのうちに、またもう一つ質問したのが、消費者からの迷惑行為について、啓発や注意喚起を行うことに対して八八・六%の人がやった方がいいと思うというふうに答えているんですね。
 これ是非、新型コロナ対策下の中で政府からもメッセージ出していただいて効果も一定程度はあったかもしれませんけれども、今後の新しい生活様式への転換も向けて、このカスタマーハラスメントの対策、やはり消費者庁として消費者に今まで以上に啓発をしていくということをお考えでしょうか。

#67
○国務大臣(衛藤晟一君) 消費者庁としては、消費者教育の一環として、消費者と事業者の間に信頼関係が築かれ、消費者の意見が適切にサービスの改善等に反映されるよう、意見を伝える際の注意点について消費者庁ウエブサイトで啓発を行ってきたところであります。
 三月に本委員会において委員に御答弁申し上げて以来、マスク等の購買に関し、一部の消費者による行き過ぎた言動が報じられたことも踏まえ、関係省庁と連携し、従業員の方々に協力して買物をしていただくこと等の注意喚起のためのチラシを作成するとともに、消費者からの意見等について、事業者に求められる対応に関する有識者のコラムを消費者庁ウエブサイトに掲載する等、消費者、事業者双方に対する情報発信を強化しています。加えて、これらのチラシやコラムとともに、消費者からの意見の伝え方等について考えていただくためのメッセージを数次にわたり消費者庁ツイッターから発信しております。
 消費者庁としては、今後とも、事業者団体等関係団体の自主的な取組を促すとともに、消費者に対する情報発信を積極的に行うなど、消費者と事業者の間の信頼関係の重要性をも踏まえ、カスタマーハラスメント防止にも資するよう、消費者教育の取組を進めてまいりたいと思います。

#68
○田村まみ君 常にその教育の話をされるんですけれども、今回、公益通報者保護法の一部の改正の法案の審議をするんですけれども、ここに、例えばそのサービスを提供している場面で、来ていただいたその消費者の方が、あれ、いつもと何かが違うと感じて、その従業員の人に、ここおかしいんじゃないのというふうにいわゆる申出をされて、そこから何か企業の不正だったりとか、安全、安心に関わることが改善されるということは、私自身も実はその現場に立っていて経験したことはあります。
 ただ、いわゆるこのカスタマーハラスメントを受けた直後に、また別の方から、そういう冷静なお申出であったとしても、自分自身が平静な気持ちでそのカスタマーハラスメントで暴言を受けた後に聞こうと思ったとき、なかなかやっぱり素直な気持ちで、このお客様は私たちの商品に対して真摯に受け止めて言葉を投げてくれているんだというふうに思った気持ち、そういう気持ちで臨めなくなるんですよね。
 なので、本当にこの内部通報制度のその先にある消費者の安心、安全、そして国民の公益を守ろうと思ったときに、このカスタマーハラスメントというのは内部通報体制整えていく上の前段としても私本当に重要な問題だというふうに思っていて、今回また取り上げさせていただきました。
 是非、各省庁と連携して今回啓発の部分でやっていただいたんですけど、今後、是非、具体的に省庁連携の検討会、消費者庁が音頭を取ってやるというふうに決めていただけませんか。

#69
○国務大臣(衛藤晟一君) 消費者教育といいましても、確かに簡単でないことは御承知のとおりであります。今まで、主に消費者教育と、それから事業者による対応と双方を求めてまいりました。しかし、今こういう非常時ほどこういうカスタマーハラスメントが起こりやすいということについて、我々ももう一度、消費者庁内部でも検討しましたけど、再度検討してまいりたいと、何ができるか更に検討してまいりたいと思っております。

#70
○田村まみ君 検討するかを検討するということで、全くしないと言われてないよりかはいいとは思っているんですけれども、どうしてもこの問題、誰もがそれは何とかしなければいけないと思うんですけれども、どこから手を付けていいのか分からないというところの課題だと思うんです。是非、ここは本当に消費者庁が音頭を取らなければ、私これ始まらないというふうに思っています。
 これまでは、労働者を守るという、ハラスメントの面で、厚生労働省の方で労働法の中でということで議論がよくあったんですけれども、やはり消費者の方の意見も必要だと思いますし、事業者の人の意見も要る、そして労働者の意見も要る。そこの間を取り持てるのは私は消費者庁しかないというふうに信じていますので、大臣のリーダーシップ、是非ここで発揮していただきたいというふうに思っていますし、今回、コロナ禍でというふうに強調して、さっき数字が実はちょっと逆転していたという話をしたんです。やっぱり通常で七四・一%の人が見ているんですよ。なので、別にコロナ禍で増えるという話じゃないんです。たまたま今回、報道で、省庁の皆さんの努力もあったのか、マスコミに取り上げられる回数が多かっただけで、常に起きていることだと認識を持っていただきたいというふうに念押しをしておきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、公益通報者保護法の法案に関わることについて質問していきたいというふうに思いますけれども、私、本会議の方で質問もさせていただきました。やはり、公益通報者の範囲の拡大、通報事実の拡大等々、幾つかの課題指摘させていただいたんですけれども、今回の案が出ているところから、今後の検討だったり、詳しくはガイドラインで、詳しくは指針でということで、なかなかその本論に対してのというところの回答が得られなかったというのが私の本会議の後の受け止めでした。
 その中で、ちょっと今まで余り触れられていなかったので、私も企業に勤めていたときに、いろんな何か制度を入れたりとか企業が取り組んでいるときに、認証制度というのを、よく認証制度を使って、認証してもらってその企業価値を上げるということを使って、よくその場合には従業員は教育を受けたりということを経験していました。
 なので、今回、この内部通報制度の認証について詳しくお伺いしたいというふうに思います。
 この視点は、やはりまだ公益通報者保護法自体もですし、内部通報というのが日本人の労働者の中でまだまだ、どうも告げ口をしているとか会社に背いているみたいな気持ちがあって、広く知られているということがないので、私は、ひとつやっぱり、もう広報をしていくという視点ではこの内部通報制度の認証というのは使えることは使えるんじゃないかというふうに思ったんですが、幾つか疑問がありましたので、少し詳しく聞いていきたいと思います。
 この通報制度を承認する機関、第三者機関が、公社の商事法務研究会というところを今回公募で指定登録機関に指定されていますけれども、この指定登録機関、公募したときの応募の件数と選定理由、お聞かせください。

#71
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 内部通報制度認証の指定登録機関を指定するに当たりましては、平成三十年七月に内部通報制度認証実施要綱を公表し、指定登録機関の公募を行いました。公募に応じた事業者は、結果として商事法務研究会のみでしたが、専門的知見の有無や法人の性質、財産等の状況を審査した結果、同会は企業法務等に係る専門的な調査研究の実績を有していること、公益社団法人として営利を目的としていないこと等を踏まえ、指定の要件を満たすと判断し、指定登録機関としての指定を行ったものでございます。

#72
○田村まみ君 済みません、選定理由のところをもう少し具体的に教えていただいていいですか。
 今日もホームページお配りしているんですけれども、この商事法務研究会自体がどういう者で、だから、こういうことをふだん行っているからこの認証制度をやる第三者機関にふさわしいというふうになったかというところをお願いします。

#73
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 例えば、公益社団法人としての定款、それから認証業務の適正な遂行に資する専門的な知識経験を有する、例えば公社法、企業法務等に係る専門的な調査研究等の実績を有していること、それから認証業務を適正に遂行するために必要な体制が整備できていること、業務計画、業務規程の案等々を考慮したものでございます。

#74
○田村まみ君 皆さん、伝わりましたか。
 要は、企業法務関係の調査というところが若干関係あるかなと思ったんですけど、それ以外は、怪しくない団体だよということをおっしゃっただけで、この内部通報体制を評価するというところに対しての組織だというところの認定に対しての理由が、余り私の中では、レクで聞いたときもはっきりしなかったんですよね。
 そういうことを聞くと、私、この商事法務研究会、別にこのタイミングでできたわけじゃないというのも調べているので、今話題になっている持続化給付金のサービスデザイン推進協議会のように、何かおもてなし規格認証をつくったと同時につくったというわけじゃないのは見ているんですけれども、今の説明だと疑われるんじゃないかというふうに私、逆にこの話が、サービスデザイン推進協議会の私問題出る前からこれ聞こうと思って聞いていて、これ、後からこっちが出てきて、私本当に大丈夫かなというふうに心配になったんです。
 これ、もう少し具体的に、この商事法務研究会が認証する第三者機関だということが具体的にふさわしいという理由がお話ししていただけるように、ちょっとしておいてください。それをお願いしたいと思います。ちょっと、今聞いてもそれ以上出てこないんじゃないかなというふうに思います。
 済みません、であれば、今までこの研究会が登録を、認証して登録していいよというふうに言ったその認証件数、お聞かせください。

#75
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 五月末時点でこの指定の登録機関は、登録事業者の数は六十三件となっております。これまでに申請を行った事業者数は七十七件でございます。

#76
○田村まみ君 ありがとうございます。
 ちょっと済みません、あと、六十三件の中での企業規模について内訳を教えていただけますか。

#77
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 登録された六十三件のうち、いわゆる大規模事業者が六十件、中規模事業者が三件、小規模事業者についてはこれまでのところ登録はございません。

#78
○田村まみ君 ありがとうございます。
 まさしく今いろんなアンケートが、内部通報の体制整備がどうなっているかというアンケート調査の中での企業規模の割合を見れば、大企業の方がほとんど整備できているけれども、中小はまだまだというところの数字もここにも反映されているんですけれども。
 でも、まだ六十三件しか一年間とはいえされていないということなんですが、この商事法務研究会にも幾つか関連されている、この研究会を使っている企業さんもいらっしゃるわけなんで、もっと積極的に認証制度を使って認証されるということを、その企業を増やしていくということが私一番の広報だというふうに思うんですけれども、その努力がされているかどうかということをちょっとお伺いしたいと思っています。
 今日お配りした資料一の、先ほどもホームページのページありますということで言ったんですけど、資料の一で配りました。一番左が、内部通報認証制度というふうに検索画面打つと、この商事法務研究会のページだけがまず一番最初に上がってくるんですよね。で、内部通報制度認証まで打てば一番右のところが出るんですけれども、何よりも、この商事法務研究会のバナーのところ見たら、もう本当に最初、私どこに内部通報認証制度のバナー貼ってあるかが分からないぐらい、本当に色も薄い感じでちっちゃく付いていたんですね。
 今回の、この質問したいのは、やっぱり小規模企業で導入していくということは、この認証制度を使うということでも後押しできるんじゃないかというふうに考えるんですけれども、この広報というところを、今回の認証制度の中でのこの事業者がやっていただくところにも広報、周知というところが規則として入っていると思うんですが、これまでにこの商事法務研究会がやった広報、周知、そしてそれを後押しするのか、並行的に消費者庁はこの認証制度についてのどのような広報、周知されたんでしょうか。

#79
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 指定登録機関としては、事業者を対象とした主催説明会や説明を受けた講演により周知を実施したほか、指定登録機関が発行する企業の法務部社員等を読者とする雑誌に関連記事を掲載するなどいたしました。また、事業者団体、法律事務所にも協力を仰ぎ、各種イベント等において制度についてのリーフレットを配布したり、中小企業団体も含めた経済団体や教育団体に対し紹介記事の掲載や周知への協力等を要請するなどいたしました。
 また、周知、広報は一義的には指定登録機関の役割ではあるものの、消費者庁といたしましても、主催する説明会において認証制度の説明を実施するほか、講師として招かれた研修会において周知、広報を実施しております。

#80
○田村まみ君 具体的にはこれ通告していないんですけど、それ一年の間に何回やったとか、そこの中身とかというのは消費者庁の方でチェックされていっているんでしょうか。

#81
○政府参考人(高田潔君) 必ずしもちょっと網羅したものではございませんけれども、説明会、例えば、昨年一月から二月、申請開始、受付直前に東京、大阪で開催、それから徳島県、それから経営倫理実践研究センターの各々開催する講演会に講師として参加、それからチラシの配布等々を行っているところでございます。

#82
○田村まみ君 チェックされているということなんですけれども、なかなか今回も体制整備とか行政措置の部分で消費者庁の体制の方が追い付かないという話がよく出てくるんですけれども、唯一協力的というか、もう協力せざるを得ない機関のはずなので、もう少しここ連絡密に取りながら、この内部通報制度、そして公益通報者保護法についての理解を広めていくというところでしっかり連携取るというところを強めていただきたいんですけれども、もう一つの視点で、私、本会議のところで質問をさせていただいたのが、やはり内部通報体制、中小事業者に整備義務を課したとしても、人手不足だったり財政の問題でなかなか形骸して難しいというふうに質問させていただき、その中で具体的に中小企業における内部通報体制の整備、これまでと違う何か対策、具体的にこれまでと違うことをやるということは今検討をされているんでしょうか。

#83
○政府参考人(坂田進君) 消費者の安全、安心を守るためには、事業者による不正行為の防止と是正を図ることが極めて重要でございます。このため、中小事業者においても、内部通報に適切に対応していただくことが望ましいと考えております。
 このため、今回の改正法案が成立した後に、改正法の周知、広報に努めるとともに、中小事業者団体とも連携を図りながら、中小事業者にも体制整備に取り組んでいただけるよう様々な取組を進めてまいります。具体的には、中小事業者向け説明会の開催やガイドラインの見直し、新たなモデル内規の策定など、中小事業者向け支援策を検討してまいりたいと考えております。

#84
○田村まみ君 唯一というか、違うことをするというところの具体的なことでいけば、新たなガイドラインと中小向けのモデル内規というところだけかなというふうに思ったんですけれども、広報、周知とか説明会は先ほどからされているというふうにおっしゃったと思うので、これ、実際に私も必要だというふうに思います。
 やはり、その人員体制の部分だったり財政の面でいけば、同じような形でやるということは難しいと思うので、法整備は必ずしなければいけないというふうな立場なんですけれども、まずは実効的にというところで、そのガイドラインで中小ができる形といったところを早急に検討して出していただきたいというふうに思っております。
 そんな中で、じゃ、この認証制度の方、取得を中小企業がしようと思ったときに、今日お配りした資料の二枚目見ていただいたら、この申請の申請料と更新料、表示させていただいております。
 大企業の方から七十万、五十万、三十万。そして、これ一年に一回更新しなければいけません。なので、登録更新料が五十二万、三十七万、二十二万。特に小規模事業者にとって、この一回の、申請料は一回限りですけれども、毎年毎年この二十二万、更新の手数料払っていくというのは相当厳しいと思います。中小ではなくて小規模の事業者ですので、相当厳しい問題、金額になっていると思います。
 ここについて、この申請料、更新料の算定の根拠と、これが望ましい金額だというふうにお考えなのか、その辺をお伺いしたいと思います。

#85
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 本制度は、事業者の内部通報制度についての整備、運用状況を確認する観点から、多面的な審査基準を設け、専門的な知見を有する審査員が丁寧に審査を行い、最終的な適合性を判定することで制度の信頼性を担保しております。そのため、企業規模にかかわらず、確認する事項は変わりはなく、認証を希望する事業者が申請いただく際には一定以上の事務量が発生してしまうところでございます。
 登録料、更新料は、本制度の運営に係る様々な費用を賄い、制度の信頼性、永続性を確保する観点から標準的な価格を算出しております。そのため、企業規模による審査等のコストの差は発生しないものの、一般的に企業規模に応じた費用負担の余力に差があることなどを踏まえて、中小企業向けの金額は低い水準とすることで財政的な負担を小さくしております。

#86
○田村まみ君 これまた、認証の第三者機関をどうやって選んだのかと一緒で、もう全く謎のままなんですよ。
 済みません、これ、ちょっと理事会で協議いただきたいんですけれども、決算、この手数料を受け取って、どのように、どれぐらい事務費に掛かったかみたいなところが、この元々の社のところの決算書は載っているんですけれども、この認証制度でいただいた手数料とその使われ方みたいなところはどこを探してもないので、是非これ出していただきたいなというふうに思いますので、協議の方をお願いします。

#87
○委員長(佐藤信秋君) 後刻理事会で協議します。

#88
○田村まみ君 済みません、時間がなくなりました。
 これ、ここの認証の者が三年に一回選び直されるということで、来年もう一度、この認証の第三者機関ここでいいかどうかと検討する機会あります。是非そこまでに、本当にいろんな企業がこの制度を使うということと、この認証制度を使ってインセンティブを感じて内部通報制度が整い、公益通報者保護法が国民に知られることが、私、一番今後の制度の検討に役立つことだというふうに思いますので、その辺検討していただきたいと思います。
 ありがとうございました。

#89
○伊藤孝恵君 先ほどの福島委員の質問を、役員の外部通報の保護要件である内部是正措置に関する質問を聞いておりまして疑問に思ったことがあるので、そこからお伺いしたいというふうに思います。
 役員自身に善管注意義務があるので、まずはその義務を果たすべきだというのは机上では理解いたしましたけれども、例えば現実として、日産のカルロス・ゴーンの事案のように法人内で絶対的な権力を持っている、そういった者の不正を告発する場合には初めから外部通報に行くしかないんじゃないか。実際に、あの事案においても、最初に情報提供をされたのは検察でありました。この役員の保護要件を明文で限定してしまうと、今後はこのような事案で是正を図ることが逆にできなくなるんではないか。
 もう一点は、内部是正前置を求めていては組織ぐるみの不正というのは是正できないのではないか。実際に、公開されている第三者委員会報告書を見ると、大企業の不祥事には組織ぐるみなものが多い、かんぽ生命しかり、スルガ銀行しかり、レオパレスしかり。こういった内部是正前置を求めるとしても、行政通報の場合に真実相当性の要件まで求めるのは過重ではないか、こういった思料する場合、通報できるようにすべきではないか。
 今、二つの、役員間の、役員間のパワーバランス問題、役員間の組織ぐるみ問題、この二つをお伺いしたいんですが、これについてどう対応しますか。

#90
○国務大臣(衛藤晟一君) 会社法人役員は、不正のおそれに気が付いた場合、自らその調査、是正に当たる義務を負っています。
 今般の改正法案では、役員が事業者外部に通報する場合には、原則として事前に調査是正措置をとるよう努めることとしています。この措置の具体的内容については様々なものが考えられますが、役員の種類や属性、担当する職務の内容等に応じてその内容は異なり、例えば、取締役会において適切に問題提起し、また監査役に報告することでその措置を履行したことになる場合もあり得ると考えられます。
 御指摘も踏まえ、役員が公益通報をしようとする際に過度に萎縮することのないよう、法案の成立後、施行に向けて解釈を示したいと考えております。

#91
○伊藤孝恵君 大臣、はい、その御答弁は先ほどお聞きしました。その上で、この役員のパワーバランスが必ずしも一定でない中で、その場合はどうするのか、役員が結託して組織ぐるみでした場合にこれに対応できるのか、できないじゃないかと、そういったような課題提起をしております。
 さて、おとといの参考人質疑では、上司の不正を内部通報した後に配置転換をされ、十年弱にもわたって巨大な株式会社を相手に法廷闘争を余儀なくされた濱田正晴さんにもお話を伺いました。恐らくここにいる委員全員が、正当な告発者を守るための法制度であるはずの本法の不備を感じたことと思います。
 大臣に伺います。
 実効力ある公益通報者保護法改正に向け、衆議院では、不利益取扱いに係る立証責任の転換を附則第五条の検討対象として加えていただきました。この修正を聞き入れていただいたことは、三年後の修正に向けてアジェンダ化されたということですから、非常に大きなことだったと感謝しております。
 しかし、濱田さんを、また濱田さんの御家族を最も苦しめたポイントは、権利回復のためには民事訴訟するしかない立て付けの法律であるという点です。これは何ら変わっておりませんし、立証責任の転換がされておらず、証拠資料の収集、持ち出しの免責規定もない中で、一個人が大企業を相手に裁判をする苦難、それは想像を絶するものであります。この点について御所見お聞かせください。

#92
○国務大臣(衛藤晟一君) 公益通報者に対する不利益取扱いは、公益通報者が誰であるか分からなければ、なされることはないわけであります。したがって、不利益取扱いを抑止するためには、誰が通報したのかという情報が漏えいされないようにすることが最も効果的と考えています。
 このような観点から、今回は、不利益取扱いを事前に抑止することを重視し、刑事罰付きの守秘義務を導入するほか、不利益取扱いの禁止を定めるなど、通報体制整備義務を事業者に課すことにしたものであります。
 なお、通報者の権利回復に関して公益通報者と事業者との間で紛争が生じたとしても、裁判に至る前に、行政機関等における裁判外紛争解決手続、ADRにおいて和解が成立し、解決する事例も存在するものと考えられます。
 今後、労働審判などの関係機関との連携に取り組むほか、不利益取扱いの是正の重要性に鑑み、改正法案の附則第五条の規定も踏まえ、必要な検討を行ってまいりたいと考えています。

#93
○伊藤孝恵君 結局、だから、裁判に持ち込まないと白も黒も付かないというこの法の立て付け自体、これを見直していただきたいというふうに思いますし、結局、裁判において公益通報者がたとえ勝訴したとしても、経済的、精神的な損害が回復されるわけではない一方で、企業など使用者側には、告発者を解雇しても、無慈悲な制裁人事をしたとしても、罰則や制裁措置はありません。
 かねてより、衆議院でも、また本日も、ここが問題だと、ここが改正の本丸だと、専門委員会でもみんな賛成したのに、ここが改正案に盛り込まれていないのは何でだと、そういうような指摘が相次いでおります。
 そして、先ほど大臣も抑止を目的とした旨の答弁をされておりますけれども、最も効果的な不利益取扱いの抑止というのは、事業者に対する刑事罰、まずは、現実的には行政措置というのを導入することだというふうに思います。そして、先ほど福島委員の質問にもありましたけれども、通報者によく分かる明確な免責ルール、これを法定化しておく必要があるというふうに思います。これは、通報者側の安心材料にのみならず、例えば二号通報をしたとしても、証拠資料がないまま通報を受けて、そして裏付け調査をする行政負担の解消にもつながるというふうに思います。これらを鑑みれば、これは極めて合理的で必要な措置だというふうに思います。
 大臣、これ、結局二号通報をしてもなかなかお返事いただけないんです。放置されることがほとんどなんです。通報者からしてみたら、通報したものについてどうなったのか、フィードバックいただきたいですよね。これ、いかがですか。

#94
○国務大臣(衛藤晟一君) 二号通報における行政機関からのフィードバックの必要性についてでございますが、事業者の自浄作用が十分に機能しない場合には行政機関が不正の是正を図る必要があり、行政機関等に対する外部通報対応制度の整備は制度の実効性向上のために重要であります。
 委員御指摘のように、行政機関による是正措置等対応内容の通知を義務付けた場合には、行政機関の事務負担の増加や法執行に関する機密性との兼ね合い、適切な法執行の確保等に支障を来す可能性があり得る一方、通報への対応を促すという側面もあろうかと思います。
 今後、改正法案成立後の施行状況等を分析しつつ、必要な対応を検討してまいります。

#95
○伊藤孝恵君 これは参考人で構いませんけれども、今回の改正で、別表八に係る、まあ今政令で定めるおよそ四百七十の法律というのがありますけれども、これ、どこまで広がるという御認識でしょうか。

#96
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 改正法案では、新たに過料の対象となる法令違反行為についても通報対象事実に加えることとしており、これにより対象法律が追加されることとなります。対象法律の追加については、それぞれの法律が公益通報者保護法に規定される国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法律であるか否かを慎重に検討していく必要がありますが、見込みとしては二十本程度増加すると思われます。
 また、既に対象法律となっている法律において過料の対象となる行為も新たに通報対象事実となります。例えば、既に対象法律となっている法律に道路運送車両法がありますが、この法律で規制されている自動車会社が無資格者による完成検査を行う行為が過料の対象となる行為として新たに通報対象事実となることが想定されます。

#97
○伊藤孝恵君 二十本程度という御答弁でしたので、じゃ、四百九十ぐらいになるということだと思います。今、日本には二千ぐらいの法律がありますので、それでも四分の一程度のカバー率ということになります。
 そして、続いて高田次長にお伺いするんですが、現時点では、法目的による範囲の限定により対象とされていない法律、今は対象となる法律を御紹介いただきましたけれども、されていない法律、でも、公益通報をする上で重要だと思われる、十分に想定される事案を守備範囲とする法律、それ、例えば何がありますか。

#98
○国務大臣(衛藤晟一君) 公文書の適切な管理を始め、行政の適正性の確保については、国民の信頼を確保する観点から、政府全体として常に真摯に取り組むべき課題であると考えております。(発言する者あり)例えば、公文書の管理について申し上げれば、内閣府と各……。

#99
○委員長(佐藤信秋君) 高田次長。

#100
○政府参考人(高田潔君) 多分、委員の御質問の御趣旨は、例えば公文書管理法というふうに私がお答えするということでしょうか。

#101
○伊藤孝恵君 何か委員会室がまずい空気になってしまったじゃないですか。いや、大臣ももちろん公文書管理法を想定しながら御答弁いただいたというふうに理解して質問いたしますけれども。
 そうなんですよね、公文書管理法のみならず、例えば情報公開法も国家公務員法の一部もそうだと思いますし、行政手続法や各種税法、補助金適正化法、公職選挙法等、大切だし、あらゆる場面でこれは公益通報が利いた方がいいなと思う法律が守備範囲に入っていないというような答弁を望んでおりました、高田次長。
 そして、これ、何で守備範囲にならないかというと、今回、通報対象事実が、現行法では刑罰で担保される犯罪行為まででした。そして、改正法では、過料により担保される法令違反行為、いわゆる行政措置までとなりました。それらが規定されていない法律の違反行為を通報しても、これ公益通報者とはなりません。よって、公文書管理法違反、決裁済行政文書の改ざん、隠蔽、破棄を上司がしている、又はするように強要されていることを通報したとしても守られることはありません。こういった勇気を持って何かアクションを起こそうとした正直者を守る法律が今はこの国に存在していなかったことも、森友学園問題の担当者だった赤木俊夫さんが自ら命を絶ったことと無縁であるとは私は思えません。
 これ、大臣にお伺いしたいというふうに思います。公益通報者保護法に法目的による範囲の限定や法律の限定列挙は必要なのでしょうか。この法律違反に関するものなら公益通報者になれるよとか、それ以外は無理だよとか、そういう法律の立て付けでいいんでしょうか。まあ通報者にも生活がありますし、家族がおりますし、いかなる場合も、公益に資する行動を自分がしようとしたときに、ちゃんと守られると分かって初めて公益通報というものに踏み切れるというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

#102
○国務大臣(衛藤晟一君) 公益通報者保護法は、消費者の利益の擁護を図る観点から、このような法目的の法律に違反する行為を通報対象事実としてその範囲を明確にするため、該当する法律を列挙して規定をいたしております。
 消費者委員会の議論でも、対象となる法律がどの程度広がるのか不明瞭であるという意見や行政機関等の負担増大になる体制面の懸念があるという意見もあったところですが、限定的に列挙するのではなく、法目的にかかわらず範囲を広げてはどうかという御意見も頂戴しているところであります。
 政府としては、そのような御指摘や委員の御指摘も踏まえまして、改正法案成立後の施行状況等を分析しつつ、今後必要な対応を検討してまいりたいと考えています。

#103
○伊藤孝恵君 通報者というものが、普通に働く生活者が、法律の知識が全ての方があるわけではありません。
 例えば、こうやって別表の一には刑法があるから、刑法の何々に当たるから、公益通報者に僕はなれるなとか、五に大気汚染防止法が入っているから、じゃ、これは通報してみようとか、そんなことをする人はおりませんし、非現実的です。
 しかしながら、目の前で起きている許し難いこと、正義にもとる行為を正したいと行動に移すときに、その思いを受け取り、調査をし、是正していく窓口を設け、さらに、その後に不利益な取扱いが決して待ち構えていないように法的な担保を用意しておくことが我々が整えるべき制度なんだというふうに思います。
 今回、事業者にはなく公益通報対応業務従事者のみに刑事罰を限定した、両罰規定というものの課題がるる指摘されておりますけれども、この公益通報対応業務従事者の具体的な業務内容、業務、義務、責任の範囲、教育、研修など、この制度を支える基礎が明確に規定されておりません。ここは政省令に委任するのではなくて、本来法律に規定するべきことではないかというふうに思います。特に調査が重要であり、多くの通報事案は、通報を受け付けても調査の段階で挫折しているというふうに言われています。従業員や関係者に秘密を守りつつ調査に協力させること、調査結果の取扱い、保管などのルールを確立しておくことなどが必要だというふうに思います。
 その上で、従事者の教育と研修、全従業員に対する制度の周知、教育が必要であるというふうに思います。例えば、事業者が公益通報対応業務従事者に十分な指導、研修をしなかった結果、従事者が守秘義務違反を犯した場合、刑事罰を受けるのは従事者のみというのは、これ余りにも不合理ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

#104
○国務大臣(衛藤晟一君) 公益通報者保護制度の実効性の向上に当たりまして、公益通報者を特定させる事項の漏えいを防止することは極めて重要であるという具合に考えています。
 そこで、今般の改正では、公益通報対応業務従事者には守秘義務を規定するとともに、事業者には内部の公益通報に対応するための体制整備等を行う義務を課し、その義務には通報に関する情報を適切に管理することも含まれるものとしています。義務違反者については最終的には事業者名が公表されることになっており、これにより実効性を確保できるという具合に考えております。

#105
○伊藤孝恵君 それらをちゃんと適切に運用されているかというのをしっかりと消費者庁がチェックをしていく、それを担うには、その体制としては、今消費者庁の体制というのは余りにも脆弱であります。
 消費者庁というのは、人材育成や人材強化を行うというのはもちろんなんですけれども、例えばこういった調査に外部リソースというのを活用する、そういった必要性、お感じになりますか。

#106
○国務大臣(衛藤晟一君) 内部通報制度の実効性を確保するためには、その体制整備義務の履行を徹底していただくことが重要という具合に理解しています。そのため、衆議院での審議における附帯決議の趣旨も十分に尊重し、より一層消費者庁における体制の整備に努めてまいります。
 また、体制整備義務の行政措置を実施するに当たっては、事業者における通報窓口の設置状況の確認など、形式的な事項の調査における外部専門機関への業務委託の活用、消費者庁に設置する一元的相談窓口における広範な情報収集などの工夫を通じ、より効率的、実効的な調査を実施してまいりたいと考えております。

#107
○伊藤孝恵君 では次に、専門調査会の報告書の内容から後退をしている通報対象事実の拡大について伺いたいと思います。
 専門調査会の報告書はかなり時間を掛けて丁寧に議論をしたということですから、私てっきりこれもう経済界も労働界もちゃんと、消費者団体もコンセンサスを取ってできた成案だというふうに思っていたんですね。だから、そこからまさか後退をするとは思っていなかったんですけれども、今回、秩序罰、過料、過ち料の方ですね、過料の対象となる規則違反行為は二条三項に入りましたけれども、行政罰で担保されない行政処分の対象となる規則違反行為の法文化は見送られました。
 対象法律に根拠のある規則違反行為については、全て通報対象事実とするのが適当ではないかと思うんです。専門調査会の報告書でもそう言っています。これについて後退したのはなぜでしょうか。

#108
○政府参考人(坂田進君) 公益通報者保護法では、刑事罰が科される違反行為につき保護の対象となる通報対象事実としてきましたけれども、今般の改正では、行政罰が科される違反行為も含まれることとしております。消費者利益の擁護に関わる行政処分の対象となる違反行為のほとんどは刑事罰や行政罰の対象であることから、これによりこの法律の対象となることが考えられます。
 今般の改正においては、公益通報者の範囲の拡大や保護要件の緩和、守秘義務違反に対する罰則の導入など、大幅な制度の見直しを行うこととしており、そのような見直しに相応するものとして通報対象事実の範囲を慎重に判断し、行政罰への範囲拡大にとどめたものでございます。

#109
○伊藤孝恵君 坂田審議官、では、先ほど田村委員からの質問にもありましたけれども、カスタマーハラスメントというのがあります。会社の中にはセクハラやマタハラ行為というのもあります。こういったものに関する公益通報をしたいと思った場合、今回の法改正で対象範囲となりますか。

#110
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 いわゆる刑法に該当する、傷つけるとかそういうものに該当するようなものについてはなり得ると思います。

#111
○伊藤孝恵君 刑法じゃないですもの。こういった労働法制において、このハラスメント行為というのが処分というところのフックがあるから、だから公益通報の中にも、処分というのも、犯罪行為、刑罰、そして過料、過ち料に担保される法令違反行為に加えて処分というところまで範囲を拡大してくださればこういったハラスメントというのの行為も通報対象となる、通報対象事実となるのに、今回この処分というのに拡大するのは見送られたので、今回範囲にならないんですね。
 ここについては是非次回の改正の際に検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#112
○政府参考人(高田潔君) 次回の改正におきましては御指摘の論点も含めて検討したいと思いますが、カスタマーハラスメントはそもそも、ちょっと消費者側でございますので、それをどのような観点でというのはちょっと勉強させてください。

#113
○伊藤孝恵君 おとといの参考人質疑では、拝師弁護士の方から、公益通報者保護法の機能は、不祥事に関する情報を透明化することでその不祥事の深刻化を防いだり是正したり、それによって消費者の権利等の公益を守ることなので、情報の透明化の担い手である通報者は異次元での保護が必要なのだというお話を伺いました。
 この異次元での保護が必要なのだという認識、大臣、共有していただけますか。

#114
○国務大臣(衛藤晟一君) 今回やはり重点的にやったのは、今まで消費者保護という立場から、いわゆる通報者についての守秘義務、担当の者の守秘義務化をし、それに刑罰の導入、罰金も付くというような形で、非常に社内における独立的な地位を何とか確保して、公平に運営されるようにということを、社員であっても公平に運営されるようにということについて最重点を置いてこの通報者を守ろうとしているものであります。そして、会社側にはこれに対する体制整備を義務付けるということで、まず大きな一歩を踏み出したというふうに思っています。
 そういう中で、各いろんな法令について承知しておりますけど、これを今すぐ全部ひっくるめてやれるということの検討も若干しましたけど、なかなか大変ということで、それを、今後の検討の中でそういう議論をすることもやぶさかでないという立場で今ございますので、検討してまいりたいと思っております。

#115
○伊藤孝恵君 ありがとうございます。
 もっと実効性のある公益通報者保護法にするためにはまだまだ我々の努力が必要であることを申し上げ、質問を終わります。

#116
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。本日も貴重な質問の時間をいただきまして、感謝を申し上げる次第でございます。
 早速でございますが、時間も限られておりますので、質問に入らせていただきたいというふうに思います。
 先般も参考人質疑の中で大きな一歩ということを、参考人の先生方からも認識として評価の方向でいただいたというふうに承知をいたしました。しかし、一方で積み残された課題も多々あるというのが現実ではないかというふうにも思っております。その意味においても、この本法改正法の附則の五条、三年を目途とした検討規定というものが大変重要であるというふうに思っております。そういう意味で、今日の私の質問は、その三年を目途とした検討、これをより実質的なものとしていく、そういう観点で質問をしていきたいというふうに思います。
 まず初めに、役員等であった者を公益通報者の範囲に含めなかった理由についてお伺いをしたいというふうに思います。
 今回の改正では、公益通報者の範囲に労働者であった者、すなわち退職者が含まれることとなりました。一方で、過去に役員等であった者は含まれておりません。
 今回退職者が対象者に含まれた理由は、退職者からの通報が労働者に次いで多いこと、また、退職者が通報を理由として退職金の不支給等の不利益取扱いを受ける事例も生じているという実態を踏まえたものであると理解をしております。
 一方、役員等におきましても、従業員以上に公益通報対象事実に触れる契機が多いことや、あるいは退職慰労金の不支給等の不利益も概念的には想定されることからすれば、これを対象に含めるということも考えられたのではないでしょうか。
 今回これが対象外となった理由について確認させてください。

#117
○政府参考人(坂田進君) お答えを申し上げます。
 事業者内部の者は、不正行為を知り得る一方、不利益取扱いを受けるおそれがあるため、こうした者からの通報を公益通報として保護することが法令遵守の実効性を確保する観点から重要でございます。
 お尋ねの役員であった者については、御指摘のような不利益が加えられることは想定されるものの、実際に通報に対して不利益な取扱いがなされた事例はこれまでのところ把握できておりません。したがって、役員であった者については公益通報者の対象外としたところでございます。

#118
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 いずれにしても、今後の推移というものをしっかりと注視し、また分析をしていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 続いて、再就職後の事実上の不利益的取扱いについて御質問させていただきます。
 公益通報の実効性確保するために、言わずもがなでございますが、いわゆる公益通報を行っても通報者が不利益を受けないという実質的な制度的設計が求められることは言うまでもありません。この点、不利益取扱いをしちゃ駄目だという名宛て人は、当然事業者でございます。
 しかし、その当該事業者以外の不利益取扱いということも想定はされます。例えば、退職後、公益通報を行った、しかし、その通報時点ないし将来における新たな就業先から、その過去に行った公益通報を理由とした事実上の不利益取扱いということも想定されるかと思います。
 本法の趣旨からすれば、また今回退職者も保護対象になったということも踏まえますと、今申し上げたような事例、すなわち再就職先等からの不利益な取扱いからも保護されることも検討の余地があったかと思いますが、この点について消費者庁の御所見をお伺いします。

#119
○政府参考人(坂田進君) 対象法案では、退職の日から一年以内に通報した退職者を公益通報者として保護することとしております。
 他方で、改正法案の第五条は、第二条第一項第一号に定める事業者、すなわち労働者であった者を当該通報の日前一年以内に自ら使用していた事業者による不利益な取扱いを禁止しているところでございます。新たな勤務先はこのような事業者に該当しないことから、退職者に対する新たな勤務先による不利益取扱いについてはこの法律により保護されないこととなります。
 なお、改正後の公益通報者保護法の直接の適用はないものの、労働契約法等の一般法理により保護されることはあり得るものと考えられます。

#120
○安江伸夫君 一般法の保護というところもありました。しかし、現実にはそうした事例も少なからず発生することも想定されますので、是非そうした部分も今後の検討の課題として検討いただければというふうに思います。
 続いて、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
 今も触れていただきましたが、今回、退職者の保護要件として、当該の通報の日前一年以内に従業員であった労働者に限定をされました。一方で、公益通報者の保護専門調査会の、何度も出ておりますが、報告書におきまして、この点について期間制限を設けないことが望ましい、退職後三年以内とすることも考えられるという記載があります。
 そこで、大臣にお伺いいたしますが、今回一年以内という限定が付された理由についてお伺いします。また、この点について今後検討の余地があるかもお答えください。

#121
○国務大臣(衛藤晟一君) この法律の目的である事業者による法令遵守を早期に実現するためには、できるだけ早く早期の通報を促していく必要があります。また、通報を受けた事業者が適切に対応することを可能とする観点も踏まえる必要があります。そのため、保護される通報を退職後一定の期間内のものに限定したものであります。
 具体的な期間については、実際に退職後の通報を理由として不利益取扱いを受けた事例のほとんどが退職後一年以内に通報された事案だったことも踏まえ、今回の改正法案では退職後一年以内に通報した者を保護の対象としております。
 このような考えにより、まずは退職後一年以内に通報した者を保護の対象としたものですが、公明党からは、退職後の年数について必要に応じて見直すべき旨の提言をいただいております。今後の改正法の施行状況を踏まえつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。

#122
○安江伸夫君 ありがとうございます。しっかりと適切な対応をお願いしたいと思います。
 続きまして、二号通報の要件が拡大された点について確認をさせてください。
 今回の改正により、法第三条第二号に基づき保護される範囲が拡大をいたしました。すなわち、通報対象事実が生じ、若しくはまさに生じようとしていると思料し、かつ、氏名等を記載した書面を提出することが保護の要件として新たに追加されたわけでございます。
 この部分の立法趣旨について改めて確認をさせてください。

#123
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 近年の企業不祥事においては事業者の通報制度が機能不全になっていることが指摘されているものが見られることから、事業者内での内部通報以外の通報先が確保されていることが重要でございます。この点、行政機関への通報については法の適正な執行のため制度上当然に予定されているものであり、実際にも行政機関による是正措置の契機となっているところでございます。
 もっとも、行政機関への公益通報の保護要件としては不正行為の発生について信じるに足りる相当の理由が求められており、通報者にとってこの相当の理由の有無を判断するのは難しく、通報をちゅうちょする要因になっているとの指摘がなされております。
 そこで、行政機関に対する公益通報をより一層活用するため、氏名等を記載した書面の提出という手続に関する要件を満たした場合も保護することとしたところでございます。なお、氏名の記載を求めることとしたのは、通報者への追加の聞き取りなど、追加調査を実施できるようにするためのものでございます。

#124
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 先日の参考人質疑でも田中参考人の方から、この点、大きい評価ポイントだというふうな御指摘もあったかと思っております。
 また、ただ、これで満足しているわけではなくて、今後も、この運用が妥当になされるか、不十分な点がないかという検討もしっかりと行っていただきたいというふうに思います。
 続きまして、委託先としての弁護士事務所等の選定手続の透明性、客観性の確保についてお伺いをいたします。
 公益通報対応業務従事者として、事業者から弁護士やあるいは弁護士事務所等を委託先とすることも想定されます。この点について、先日の参考人質疑においても濱田参考人から、この点の議論が欠けているのではないかという旨の御指摘があったとも記憶しております。私自身、その御指摘は大変ごもっともなものであると感じております。恐らく、今回の改正を受けて弁護士に対してこの内部通報対応を依頼する企業も少なからず現れると予想されるところでありますが、その委託を受けた弁護士等が公益通報対応業務従事者として適切に機能することがしっかりと担保されなければなりません。
 そこで重要と考えますのは、その委託先の選定手続についての透明性、客観性がきちっと担保されるということであります。すなわち、なぜこの弁護士なのか、弁護士事務所なのか、合理的、客観的な形で外部においても認識可能なものでなければないと考えます。
 消費者庁の御所見をお答えください。

#125
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 内部通報窓口を弁護士事務所等の事業者の外部に委託することは通報者の匿名性の確保等に資するものと考えられ、民間事業者向けガイドラインにおいても推奨されております。
 この点、委員御指摘のとおり、弁護士事務所等を委託先とする場合に、その妥当性はもちろん、選定手続についてもその選定基準を公表するなどにより、なれ合いのような形で選定されることがないよう、透明性や客観性を確保することは公益通報者保護制度の実効性向上に資するものと考えられます。
 また、通報窓口となる弁護士事務所の選定について透明性と客観性を確保することについて公明党からも御提言をいただいているところでございます。こうした御提言や委員の御指摘を踏まえ、通報窓口となる弁護士事務所の選定の在り方について、その妥当性や透明性と客観性について確保できるよう検討してまいります。

#126
○安江伸夫君 お願いいたします。
 続きまして、通報体制整備に当たっての支援についてお伺いいたします。
 本法案が無事に成立した際、今後、事業者及び行政機関は新たに通報体制を整備していくことが求められるわけでありますが、通報体制を構築するためには専門的なスキルやノウハウ等も必要です。これがなくて戸惑う、あるいは体制を構築するための資金的課題も生じることが予想されます。こうした内部及び外部のそれぞれの通報体制を整備するに当たって、国としてはどのように事業者と行政機関をフォローしていくのか、お答えください。

#127
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 今般の改正法案では、事業者の内部通報に関する体制整備義務のほか、行政機関の外部通報に関する体制整備義務を規定することとしております。体制を整備する際の課題は民間事業者と行政機関との間で異なるほか、その規模によっても異なると考えられます。
 消費者庁といたしましては、体制整備義務の内容を示す指針を具体的に定めることにより事業者における体制整備を支援することに加え、その規模や組織に合わせた説明を実施するなどの工夫をして改正法の内容や改正法を踏まえた取組について周知して、改正法の実効性を高めてまいります。
 具体的には、中小企業団体との連携等を通じて中小企業に向けた説明会を開催するほか、企業規模に応じたモデル内規を指針を参考にしつつ作成するとともに、行政機関に対しては、特に中小規模の地方公共団体に配慮して、他の地方公共団体の取組事例や広域連携の取組なども紹介することを検討してまいりたいと考えております。
 また、これまでと同様に、民間事業者と行政機関における施行状況の調査を実施してそれぞれの取組を把握し、必要な措置を検討してまいります。

#128
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 やはり具体的な運用面ということで、実質的なきめ細やかなサポートが求められることは言うまでもございませんが、しっかりと進めていただきたいということを重ねてお願いを申し上げます。
 続きまして、先ほど他の委員の先生も質問しておりましたが、私からもこの行政通報の一元的窓口について大臣に確認をさせていただきたいというふうに思います。
 専門調査会の報告書には、行政通報の一元的窓口を消費者庁に設置すべきとの意見が記されているところであります。実際、先ほど大臣御自身も答弁でいただいていましたが、通報者の側からしますと、行政通報先、つまり条文上の文言で言うと、当該通報対象事実について処分又は勧告等の権限を有する行政機関等というふうに、これが当たるのかどうかということは正直分からないというのが実態だと思います。そうした分かりやすさという観点からしましても、この窓口の消費者庁への一元化というものは大変重要な意義があるというふうに思っております。
 そこで、伺います。具体的に消費者庁にどのような機能を付与するのか、あるいは拡充していくのか、お答えください。

#129
○国務大臣(衛藤晟一君) 消費者委員会の答申において、一元的相談窓口については、不利益取扱いを受けた者に対する情報提供や相談体制の充実など消費者庁の既存の機能の強化を図るとともに、新たな機能として、権限を有する行政機関の特定が通報者にとって難しい通報事案について通報者に情報提供することや、通報の放置など不適切な対応について注意喚起するなど、行政機関に対して適切な対応を求めることが提言されたところであります。
 一元的相談窓口については、消費者委員会の答申において提言された機能を担えるよう、消費者庁における体制の整備を進め、令和二年度内の設置を目指してまいります。

#130
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 続いて、立証責任について私からも質問をさせていただきたいというふうに思います。
 私自身も一人の弁護士として法廷にも立ってまいりました。この訴訟における立証責任の原則というものが、やはり構造的に証拠収集の能力等に格差がある場合に大変不合理に感じるということも、私自身も実感をしてまいりました。この点、公益通報の保護を、公益通報者の保護を実効あらしめるために極めて重要な論点であると認識をしております。特に、公益通報と不利益取扱いとの間の因果関係、これをあることを労働者の側で立証するというのは非常に現実的には困難であるというのも私の実感であります。
 様々述べましたが、この裁判手続におきましては、事実上の推定を積極的に行うべきとの議論があります。実際の訴訟実務について、消費者庁のこの事実上の推定についての御認識をお答えください。

#131
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 公益通報者の保護について裁判で争う場合、通報者が通報と不利益取扱いとの因果関係などの事実関係について立証する必要があることが通報者の負担となっているとの御指摘があることは承知しております。一方、我が国の労働法一般に係る裁判実務においては、解雇の正当な理由や、配置転換や降格などの不利益取扱いの必要性について事業者が明らかにすることが求められています。このため、実態としては、通報を行った労働者も含めて、不利益取扱いを受けた労働者側の立証の負担が一定程度軽減されていると理解しております。
 消費者庁といたしましては、裁判例を整理するなどの取組を行い、その周知を通じて通報者の事実上の負担が軽減されていくよう努めてまいりたいと考えております。

#132
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 この点、先ほど徳茂委員の方も指摘をしていただいたところでございますが、今回の附則五条につきまして衆議院での修正、すなわち裁判手続における請求の取扱いを施行後三年を目途とする検討の対象に含めたこと、これは本当に大きな意義があるというふうに私自身思っているところでございます。様々課題はあるかと思いますが、是非今後の訴訟実務の運用にも注視をしていただき、検討、分析をしていただきたいというふうに強くお願いを申し上げます。
 続いて、事業者の是正措置等の通知義務についてお伺いをいたします。
 現行法の第九条におきまして、事業者は公益通報者に対し是正措置等を講じた旨を通知することが努力義務として規定をされているところです。しかしながら、公益通報の実効性を手続保障の観点から高めるためには、今後定められていることとされております改正法第十一条第四項に基づく指針におきましても、是正措置等を講じた旨の通知を事業者に義務付けることも含めて手続の適正を担保することが必要と考えますが、消費者庁の御所見をお答えください。

#133
○政府参考人(坂田進君) 委員御指摘のとおり、内部通報制度の実効性を高めるためには、手続の適正を担保することが重要でございます。
 現行法の第九条に努力義務として規定されている通報者に対するフィードバックについても、手続の適正を担保する一要素になると考えられます。そのため、改正法が施行された後にも事業者において積極的に行っていただくことが望ましいと考えられます。
 もっとも、現在努力義務である通報者に対するフィードバックを義務とするか否かについては、事業者の事務負担の増加に対する懸念が課題であり、消費者委員会の答申においても、今後必要に応じて検討することとされております。
 政府としては、こうした点も含めてどのように手続の適正を担保するかについて、関係者の御意見を聞きつつ指針を検討してまいりたいと考えております。

#134
○安江伸夫君 引き続き検討をお願いいたします。
 最後の質問といたします。行政機関がとった措置等を通報者に対して通知することの義務付けについて確認をさせていただきたいと思います。
 二号通報を受けた行政機関は、改正法第十三条第一項に従って必要な調査を行い、当該公益通報に係る通報対象事実があると認めるときは、法令に基づく措置その他適当な措置をとらなければならないと定められているところでありまして、同条二項にもそのための体制整備を義務付けられているところでございます。
 この点、公益通報者保護専門調査会の報告書には、公益通報を受けた行政機関がこれを放置するなどの事例もあったとの指摘がなされていますことを踏まえると、公益通報を受けた行政機関が迅速に必要な措置を講じ、かつ、その旨をやはり公益通報者に通知する体制も構築される必要性があると考えますが、消費者庁の御所見を伺います。

#135
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 事業者の自浄作用が十分に機能しない場合には行政機関が不正の是正を図る必要があり、外部通報対応体制の整備は制度の実効性向上のために重要でございます。
 この点、改正法案において課すこととしている外部通報対応体制の整備義務の内容としては、通報受付窓口の周知、窓口に通報があった場合の調査やその進捗管理のほか、安心して通報できるよう通報者に関する情報を適切に管理することなどを検討しており、これらの内容を通じて行政機関において必要な措置がなされる環境を整えてまいりたいと考えております。
 他方、委員御指摘の行政機関による是正措置等の通知を義務付けることについては、行政機関の事務負担の増加等により適切な法執行の確保等に支障を来すおそれもあり得ますので、今後、改正法案成立後の施行状況等を分析しつつ、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

#136
○安江伸夫君 今御指摘いただいた、いわゆる濫用的な通報というところも当然懸念されるところだと思います。そうしたことも踏まえながらも、しっかりと手続的な適正な担保をもって公益通報者を保護していただくことを今後の検討課題として強く求めるものでございます。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

#137
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文でございます。
 ただいまは公明党の安江議員、法律家でいらっしゃるということで極めて専門的な高度な質問でしたが、私は一凡人ですから一般的な質問をしますので、是非とも大臣も分かりやすい答弁をお願いしたいと思います。
 まず、先ほど福島委員からも取り上げていただいたこの森友事件と公文書の改ざん、これ、私、公益通報者保護の制度とすごく関連があるというふうに認識しているんですよ。一昨日の本会議で、大臣も私の質問受けていただいて、私はそのときは麻生財務大臣に質問をしたんですけど、それと同じように、今日は衛藤大臣の大臣としての感想、見解をお聞きしたいんです。
 まず、この森友事件で公文書の改ざん作業を強要された元近畿財務局の赤木俊夫さん、その遺書が奥様によって公表されました。その関連で伺いたいんですけれども、この赤木さんの遺書、週刊誌にも載りましたし、もう大臣も読まれていると思いますが、刑事罰を受ける者として、やはり当時の佐川理財局長ほか財務省の幹部職員の実名まで挙げて、国有地売却をめぐる背任罪や、あるいは公文書改ざんをめぐる、これ公文書変造罪を私は訴えるものだったと思っているんです。
 確かに、赤木さん自身、上司からおまえもやれと言われて、強制はされたけれども、実行犯になってしまって、自分も改ざんしちゃったわけですね。だから、その自責の念に駆られて追い詰められていくわけですよ。本当に苦しかったと思いますね。
 当時、実は財務省に私大きなミスがあったと思っているのは、この匿名の通報も受理することとか、あるいは通報者に不利益な扱いがあった場合の救済措置を定めたこの公益通報者保護法のガイドラインの変更をしたんです。その変更に沿って霞が関の各省庁はこの関連規則を改正して、職員に周知するという方針になっていたんですよ。ところが、消費者庁はガイドラインを通知して、各省庁やってくださいね、規則変更してやってくださいねと言ったのに、何と財務省は三か月も放置していたんです。
 この放置して、財務省の職員に伝わらなかったので、赤木さんは、こんなこと通報したとしても、告発したとしても自分の立場なんか絶対守られない、財務省に押し潰される、検察にも取り合ってもらえないだろう、でも、自分は実行犯でやってしまった、本当に国家に対して裏切ってしまったと、そこまで思い詰めて自殺したんですね。私は、財務省が三か月この通知を怠った、通知を各職員に出すことを怠ったことがひょっとしたら赤木さんの自死を招いてしまったんじゃないかとも言えると思うんです。
 私は、消費者庁は、こういうガイドラインを変えて、それで規則を各省庁変えてくださいねと言った、それがちゃんと行われているかということを見る責任もあると思うんですよ。はい、出しましたで終わりじゃなくて。これを怠っていたというのは、私は消費者庁のミスでもあると思うんですね。この見解を伺いたいということが一つであります。
 そしてもう一つは、現行法がありますよね、この現行法では附則の第二条に、施行後五年をめどに必要な措置、抜本的改正をしていきますというような方向を附則にもきちっと規定されていたにもかかわらず、そして、世論からは、この公益通報者制度、問題が多いと、通報者の保護がきちっとされていないとか、通報の適用範囲がまだまだ狭いんじゃないか、これじゃ使えないよと、様々な問題点を指摘する声が噴出してきたにもかかわらず、五年どころじゃないですよ、十四年改正できなかったんです。いろんな利害があるでしょう。経済界もいろんな意見言ってきますよね。でも、この十四年のサボタージュが、私はどれだけ、公益通報したいけれども、いや、守られない、怖いでやめてしまったとか、あるいは裁判まで行っちゃったとか、いろんな話がありますよね。こうやって多くの人を守ってこなかったんですよ。
 だから、ここについて、大臣、これは消費者庁のリーダーシップがなかったからですよ。十四年掛かっているんですよ。それはいろいろ、それなぜ掛かったかと聞くといろいろ理由は言いますけれども、これ、消費者庁としては責任感じてもらわなきゃいけないと思うんです。もしこれが、三年前にこの法律が成立していたら、赤木さんは思い切って内部通報してみようという決断をした可能性がある。そうしたら、自死まで追い込まれていなかった可能性もある、人の命を救えた可能性もある。私は可能性で言っているんですよ、断言はしていませんけれどもね。
 さあ、この私の指摘に対して大臣はどうお考えですか。

#138
○国務大臣(衛藤晟一君) 御指摘の中央省庁における文書改ざんなどの問題は誠に遺憾でありまして、また、財務省の職員がお亡くなりになったことについては謹んで御冥福をお祈り申し上げます。
 一般論として申し上げれば、事業者による不正行為の防止と是正を図るためには、事業者の自浄作用を十分に発揮していただくことは重要です。そうした観点から、今般の改正法案では、事業者に対して内部通報に適正に、適切に対応するために必要な体制の整備等を義務付けるとともに、内部調査等に従事する者に対して通報者を特定させる情報の守秘を義務付けるなどの措置を講じることとしました。
 今般の改正によって、事業者自ら不正を是正しやすくなるとともに、通報者が安心して通報を行いやすくなり、不正行為の未然防止と早期是正が促進されるという具合に期待をいたしております。
 大変一般論で申し訳ございませんが。

#139
○松沢成文君 まあ一般論で答えるしかないのかもしれませんけれども、これ、大臣が消費者担当大臣になられたのって一年ぐらい前ですかね。自分はそんな前から大臣じゃないので、大臣に最近なったので、そこまで言われてもという思いがあるかもしれませんが、これ、むしろ消費者庁の職員の皆さんに私言いたいんですが、やっぱりこの抜本改正、十四年も掛かってしまった。その間に、本当に見過ごしてきた不正、あるいは通報者の保護ができなかったことによる、何というかな、そのミス、私、これは消費者庁の皆さんしっかりと認識していただかないと。
 改革は大変ですよ、法改正だって。そりゃ抵抗勢力もある、いろんな意見もある。でも、法律の附則に五年できちっと必要な措置を講ずると言っておきながら、十四年掛かっている。その間に守られなかった人、たくさんいるわけですよ。その責任をしっかりと感じていただいて、むしろ反省していただいて、この改正法においてはきちっと法施行していくという私は心構え、もう一度確認をしていただきたいなというふうに思います。
 次に、ちょっとこれあれですけれども、どこまで関連するかなんですけれども、この黒川検事長、前検事長の賭けマージャンの事件についても、私はこの公益通報と少し関連したことがあると思ってお聞きしたいんですけれども、改正法の第三条の三号では、労働者がマスコミ等の外部第三者に公益通報を行う場合の保護条件が緩和されているんですね。
 黒川前東京高検の検事長が辞職する発端となった週刊文春の賭けマージャン報道では、これ報道ではですけれども、情報源は産経新聞関係者とされています。同じ産経新聞の記者が一緒に賭けマージャンを黒川さんと行っていたことから、これ社内通報では通報者が特定されてしまうと考えて、今回は外部の報道機関である週刊文春に情報提供を行ったというふうに考えられます。
 現行法においても、真実相当性の原則に加えて、公益通報をすれば解雇その他の不利益な取扱いを受けることと信ずるに足りる相当の理由がある場合には、このマスコミへの通報者である産経新聞の関係者は公益通報者に該当する可能性が私はあると思うんです。その場合、社内で通報者探しが行われて、不利益取扱いを受けるようなことがあってはならないと考えていますが、これ大臣、いかがお考えでしょうか。また、通報者探しは、それ自体が通報者への不利益な取扱いに当たる可能性が高いと考えますけれども、いかがですか。

#140
○国務大臣(衛藤晟一君) これまた一般論として申し上げれば、違法行為の発生について信ずるに足りる相当の理由に加えて、自らの勤務先に公益通報をすれば解雇その他不利益な取扱いを受けると信ずるに足る相当の理由がある場合には、報道機関等への通報者は保護されることとなります。その上で、御指摘のような通報者探しが公益通報を理由として行われた場合には不利益な取扱いに該当する可能性は高いものという具合に思われます。
 先ほどの問題に、前の問題に関しても、最近はこれに関連した森友学園の息子さんの手記とか、あるいは両夫婦の手記とか出てきています。そういうことについて的確に行政が対応できなかったことについて、やはり非常に大きな問題であったという具合に思っています。
 あえて言えば、委員長も、お役所の出身の方も大分おられますけど、今どきちょっとあんなようなことが通ったというのは不思議でたまりません。私も厚労関係が長かったんですけど、厚労省の役人と、聞いたら、あんた方の役所だったら一日ももつまいと言ったら、そうですという具合に言っておりまして、そういう閉鎖性があったということについては問題であって、そして、ある意味では、このいろんな調査も出ていますけど、佐川氏自身が、言わば非常に役所の方の中が疲弊している、だからもう触れたくないという、そういう何か、非常に政治的なところに触れたくないという思いがあってやったという意味かもしれませんけど、どういう意味でああいうことを指示したのか、誠にもう、非常に理解されないところですね、今どきの中でですね。やっぱりこういうことがちゃんとオープンにされなければいけないというふうに思っています。
 ですから、私、個人的に言えば、三月の最初にこの発言をしたときに、佐川さんとも個人的に会いまして、もう全部本当のことを言えばいいんだと、そして、本当に行政上困ることがあるかと。例えば、値段が安くなったというのは、これは瑕疵担保物件の免責特約を入れているわけですから、こうこうこういう理由で免責特約を入れましたと、安くなりましたと、本当のことを全部しゃべれということを大分申し上げたんですが、なかなかそうはいかなかったし、まあその後の、森友学園側の方々もいろんなことを言われていますので、大変みんなが、ある意味ではみんなが被害者みたいな感じがしてきているところであります。
 そういう中においては、やっぱり行政の一貫性というか、正義が貫かなければいけないなと。どうしたらそういうことが担保できるかということについて我々も真剣に考えていかなければいけないというように思っております。

#141
○松沢成文君 大臣から真摯な反省も含めて感想をいただいたということは大変有り難く思っています。ただ、佐川氏に本当のことを言えばいいんだという、何というか、言葉だけじゃなくて、ちゃんと公益通報されていれば、それで調査しなきゃいけないんです。財務省の中の身内の調査じゃないんですよ。きちっとした機関が調査していかなきゃいけないわけで、それで真実が分かった可能性もあるわけですから、今回の新しい法律での実効性を上げるために大臣がリーダーシップを取っていただきたいと心からお願いをしたいと思います。
 さて次に、この通報対象事実の範囲についてお聞きしたいんですけれども、国民の生命、身体、財産その他の利益に関わる法律というふうに限定をされています、この範囲がね。
 そこで、昨日の本会議で、一昨日か、ごめんなさい、本会議で私は衛藤大臣に、通報件数が多い各種税法や補助金適正化法のほか、最近の不祥事を鑑みて、公文書管理法、国家公務員法、政治資金規正法などを追加し、通報対象事実の範囲を拡大すべきではないかと質問をいたしました。これに対して大臣はこう答えたんですね。体制面の懸念に加え、法目的の限定を外した場合、公益通報と消費者の生活や利益との関連性が希薄になることの妥当性が問題となると、こういうふうに答えたんですね。
 私は、公益通報と消費者の生活や利益との関連性が希薄になるということよりも、通報対象範囲が拡大して公益通報者の保護と社会正義の実現を図ることを優先すべきだというふうに考えるんです。消費者を守るためにこの法律やるんじゃないんですよ。通報者を守って、社会正義を実現して、それによって消費者や国民も守られるわけです。私はそれが順番だと思うんですけれども、この答弁にはちょっと納得できないんですが、大臣はどう考えますか。もう少し詳しく話してください。

#142
○国務大臣(衛藤晟一君) 公益通報者の保護法は、消費者の利益の擁護を図る観点から一応やっております。他のいろんな法律もあります。それは、全体としてやっぱり社会正義を守るために規定しているところがほとんどであります。
 そういう中で、我々は今、この消費者の利益の擁護を図る観点から、この公益通報者を、その範囲を明確にするために法律に列挙して規定しているところでありまして、そういう意味で、範囲を広げることについては消費者委員会の中でも議論がありました。対象となる法律がどの程度広がるのか不明瞭であるという意見や行政機関等の負担増大による体制面の懸念があるという意見もあったところですが、限定的に列挙するんではなく、法目的にかかわらず範囲を広げたらどうかという御意見も存在していたことは事実です。しかし、現時点においては我々は、消費者庁としては、やっぱり消費者保護という観点に重点を置いて、そこでできるだけの充足をしていくというか、充実をしていくということがまず先決だという具合に考えております。
 ですが、先ほどからありましたように、法目的にかかわらず範囲を広げたらどうかという御指摘も今委員からもいただいたところでございますけれども、恐らくそうなればもっと大きな形にやっていかなきゃいけないと、これは今後の検討課題だという具合に思っております。

#143
○松沢成文君 先ほどは伊藤委員からもこれ質問があったんで、その答弁を聞いて私ふと思ったんで、これは通告していませんから、次長か審議官、今持っている情報で答えられるところは答えてください。
 例えば税法、地方税法とかいろいろたくさん税法ありますけれども、これ、税法は刑事罰も付いていますよね。多分行政罰も付いていると思います。なぜ刑事罰も行政罰も付いている法律、この税法はこの四百七十の法律の中に入っていないのか。あるいは、四百七十をあと二十ぐらい増やす、増やしたいと言っていましたけど、その中に私入れるべきだと思うんですが。
 というのは、税法に対する内部通報というのは物すごく件数多いんですよ。だって、会社が、みんな、経理が上司に言われて脱税しているんじゃないかなんていうのは、そこらじゅうに疑惑はあるわけで、これが入っていなければ、私、事業者に幾ら内部通報と言っても、一番需要が多いところがすぽって抜けていたら、これ実効性は上がらないんじゃないですか。
 なぜ税法は入らないんでしょうか。

#144
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 公益通報者保護法は、消費者の利益の擁護を図る観点から、消費者の利益の擁護に関連する法律に違反する行為を通報対象事実としているところでございます。委員御指摘の各種税法等々の国家の機能に関する法律は、消費者の利益の擁護に関するものとは言えないため、現時点においては消費者庁が所管している公益通報者保護法の通報対象事実の範囲に含めることとはしていないところでございます。

#145
○松沢成文君 今、何て言った。国家の利益に反するもの。もう一回、何て言いました。

#146
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 国家の機能に関する法律、国家の機能、機能でございます。

#147
○松沢成文君 皆さん、消費者を守るため消費者を守るためって言いますが、私はそうじゃないと思いますよ。国民を守るためですよ。国民の中に消費者もあるんですよ。そう考えないと、国民の中に消費者があって、消費者とそれ以外があるんじゃないんです。国民みんな消費者なんですよ。だから、そういう観点に立ってこの法律も考えていかないと、おかしいことになっちゃいますね。
 先ほど大臣は、この森友問題なんかもやっぱり反省しなきゃいけないところたくさんあるとおっしゃっていました。今、国民が最も関心が高いというか不満を持っているのは政治家と官僚の不祥事ですよ。いや、森友さんとか加計さんとか桜さんとか、いろいろありますよね。あるいは、政治家だって、政治資金規正法とか何とか違反だとか公職選挙法違反だとか、連日のように話題になっているじゃないですか。これ、公文書管理法、これ二十の法律に絶対入れてくださいよ、次長。
 それから、国家公務員法、国家公務員法だって、これ刑事罰ありますよね。多分、罰金も懲役もあると思います。例えば、秘守義務違反なんかあるでしょう。だって、みんな国家公務員法違反しているんじゃない、そういう事件ばっかりじゃないですか。
 この二つの法律、もっと言えば政治資金規正法ですよ。企業が違法献金しているんじゃないか、みんな、経理担当している職員、気付いているかもしれませんよ。これ、法律規定してあげて守ってあげなきゃ。こういう法律をきちっと入れて、それを適用させることによって通報者も守れるし、国民の利益につながるんですよ。
 なぜこの三つの法律入れないんですか。次長、説明してください。

#148
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 この法律、「定義」、第二条の第三項におきまして、「個人の生命又は身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保その他の国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法律として別表に掲げるもの」となっております。
 ですから、この法律のできたときの趣旨、それからこの条文を考えますと、このままの条文のままでは御指摘のような税法等々を含めることは困難と考えておりますので、それはまた将来の検討課題だと思っております。

#149
○松沢成文君 その他の利益に関する法律、その他の利益に入るんじゃないですか。とっても国民にとっては大きな利益ですけど、いかがですか。

#150
○政府参考人(高田潔君) その前の例示に加えましてその他の利益ということでございますので、この法律作ったときの経緯等を考えますと、この条文のままではそこまで拡大するのは困難だと考えております。

#151
○松沢成文君 それじゃ国民の私は期待に応えられないと思いますけどね。一番国民がはっきりしてほしいのはこういうところなんですよ。是非とも、今後の検討課題と次長おっしゃいましたけれども、今日の議論もあったことを踏まえて、こうして今、国民が一番腹立っている法律違反ですよ。これが内部通報が守られることによって摘発されて、それで調べられて白黒はっきりさせる。これをこの法律が改正されることによってできるようになったら、ああ、すばらしい、日本の政府がクリーンアップされたと、みんなそう思いますよ。それが私は国民の期待に応えることですよ。最初から消費者の利益、消費者の利益、そっちばっかりだもの。そこに説得力がないんですね、ということを指摘させていただきたいと思います。
 さて、次に行きます。ちょっと、たくさん質問を用意してきたんでね。
 不利益取扱いから保護される通報者に、退職後一年以内の労働者が追加されました。一年を超えても、元事業所の関係者との接触によって不正情報を得たり、あるいは退職前にキャッチした不正情報の確認作業などに時間を要したりするケースというのは十分想定されると思うんですね。退職前の通報ならば、通報対象事実の発生から通報に至るまでの期間の制限はなかったんです。退職者に関してはこれ一年と区切ったんですね。その理由は何でしょうか。

#152
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 今回の改正法案では、法令違反行為を早期に是正することが有用との観点から、退職後一年以内の通報者を保護することとしております。これは、違法行為の早期の是正のためには早期の通報を促す必要があるため、保護される通報を退職後一定の期間内のものに限定する必要があると考えられるためでございます。
 なお、現行法は、事業者の事業に従事している者は事業者による法令違反の状況を知りやすいという点に着目して、公益通報者の範囲を事業者の事業に従事している者に限定しております。そして、在職中の労働者の場合は、事案の発生から長期間が経過した場合であっても、それが断続的に継続しているか否か等、法令違反の現在の状況を適切に知り得ると考えられることから期間制限を設けていないところでございます。

#153
○松沢成文君 何となく今のは理解はできます。
 次、改正案には保護されるべき通報者に役員が加えられました。退職者も一年以内の通報であれば保護の対象になりましたが、退職した役員は、さっき同じ質問がありましたけど、退職者と同様に扱われないんですね。その理由は何でしょうか。役員は公益通報を理由とする解任が不利益取扱いとみなされず、損害賠償請求に委ねられることになります。なぜ一般の労働者と扱いが異なるんでしょうか、もう一度伺います。

#154
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 お尋ねの役員であった者については、御指摘のような不利益が加えられたことも想定はされます。他方で、消費者庁においてこれまで実施したアンケート調査やヒアリング調査、裁判例の収集等においても、実際に通報に対して不利益な取扱いがなされた事例は、退職者の場合と異なり、十分に把握できておりません。したがって、役員であった者については公益通報者の対象外としたということでございます。
 また、労働者の場合と異なりまして、役員と事業者は事業者との高度な信頼関係に基づく委任関係にあるとされ、その信頼が失われた場合には委任関係を維持させることは適当でないため、いつでも解任できるとされております。そのような役員と事業者との関係を踏まえ、改正法案においても役員の解任を不利益取扱いとして禁止する対象とはしておりません。
 もっとも、仮に公益通報をした結果、解任され、補償もされないということとすると、役員にとって通報はリスクが大きくなってしまい、社会にとって有用な公益通報についても役員は控えてしまうおそれが生じます。そこで、解任によって受けた損害の賠償請求はできることとしたということでございます。

#155
○松沢成文君 次に、ちょっと取引先事業者、伺いますけれども、保護される通報者の範囲に取引先事業者を加えるということは今回は見送られたんですね。消費者委員会答申には、今後必要に応じて検討を行うべきとされていました。
 継続的な取引関係にある取引先事業者は相手方事業者の不正を知り得る可能性があるわけで、実際に、取引先事業者が公益通報を行ったために契約が解除されたり、あるいは契約更新が拒否されたり、不利益な取扱いを受けたという事例も多々あります。
 なぜ取引先事業者を保護される通報者の範囲に含めなかったのか、お聞かせください。

#156
○政府参考人(坂田進君) 取引先事業者を公益通報者に含めることについては、積極的な立場と慎重な立場の意見の隔たりが大きく、消費者委員会の答申においても、今後必要に応じて検討することとされております。
 具体的には、事業者間取引には、基本的に契約自由の原則が妥当する中で、契約解除等における不利益取扱いの判断や公益通報を理由とすることの判断が困難であること、保護の対象とする取引先事業者の範囲を画する合理的な基準を策定することなどが今後の課題であると指摘されております。
 政府といたしましては、今後、改正法案成立後の施行状況等を十分に分析しつつ、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

#157
○松沢成文君 そこもしっかり検討してください。
 これもちょっと、質問先ほどと重複しますが、企業情報の持ち出しについて伺います。
 事業者団体からは、安易な機密情報、個人情報の持ち出し等を増加することを防ぐために、企業情報の外部持ち出し等について賠償責任を免責することには反対だという経済界なんかからの意見もあるわけですが、公益通報は何らかの資料がなければ調査すら開始できないということが多いわけですし、通報先も、裏付け資料もなく通報しても取り合ってくれないことが現実です。
 資料持ち出しの責任を問われるリスクを常に通報者に負担させていては、通報者は萎縮してしまって、社会にとって真に有益な通報はなされなくなってしまうと思います。そこで、内部資料持ち出しについては、公益通報の責任を満たす限り責任を減免することを原則とすべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

#158
○国務大臣(衛藤晟一君) 委員御指摘のとおり、事業者の内部資料を持ち出すことは、通報の内容の裏付けとなるとともに、通報を受けた者が調査や是正措置に着手する上でも有用であることから、有益な通報に資する可能性があります。他方で、内部資料の持ち出しを無制限に認めると、事業者における情報管理や企業秩序に悪影響を及ぼす場合もあるため、これらのバランスを取ることが必要だという具合に考えております。
 このため、消費者委員会の答申にも記載されたように、まずは通報者の理解を深めていく観点から、これまでに集積された通報を裏付ける資料の収集行為に関する裁判例を整理、分析し、当該収集行為に関する責任の有無についての実務上の運用の周知を進める取組を進めた上で、改正法案成立後の施行状況等を分析し、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

#159
○松沢成文君 ここのところはきちっとこの責任を減免することを制度化しない限り、これ、なかなか資料も持ち出せないんじゃ、それで資料を持ち出したことがまた罪に問われるようなことになるんじゃ、私は実効性は上がらないと思っていますので、きちっと検討して善処いただきたいと思います。
 次に、役員が行政機関や報道機関などの外部組織に通報する要件として、まず、事業者内部の調査是正措置に努めるというふうにされています。
 実際にどのような具体的な行動が求められるんでしょうか。内部での調査是正措置に努めることを規定すれば、不正行為の是正が困難となる事態が想定され、証拠隠滅など、かえって不正事実発見が遅れかねないというふうに思いますが、どう認識しておりますか。
 また、会社役員といえども外部通報に頼らざるを得ない状況に遭遇することも容易に想定されることから、この要件は不要であると私は考えますが、いかがでしょうか。

#160
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 役員は、不正のおそれに気付いた場合、自らその調査、是正に当たる義務を負っております。
 この調査是正措置の具体的内容については様々なものが考えられますが、役員の種類や属性、担当する職務の内容等の個別の事案に応じてその内容は異なります。そのため、例えば事業者の経営陣が主導する不正行為の場合については、監査役への報告等、しかるべき権限を有する者に調査等の対応を求めることでこの措置を履行したことになる場合もあり得ると考えられます。
 このように、調査是正措置は個別の事案に応じたものを実施すれば足りるため、御懸念のように、調査是正措置の前置が困難であるとして事業者外部への通報が不当に妨げられるということはないと考えております。

#161
○松沢成文君 最後に、内部通報体制の整備について伺います。
 改正案では、内部通報体制の整備について、事業者は、公益通報対応業務従事者を定めて、また公益通報に適切に対応するために必要な体制整備その他の必要な措置をとらなければならないというふうになっています。事業者がとるべき必要な措置に関しては、内閣総理大臣が必要な指針を定めるとして、具体的な内容は規定されていません。
 事業者がとるべき措置について、どのような内容が指針に盛り込まれると想定しておりますか。また、事業者が何を行えば公益通報対応業務従事者を定めたことになって、具体的にどのような措置を講ずれば必要な措置をとったことになるのか、お伺いします。

#162
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 企業においては、通報をしっかりと受け止めて自浄作用を発揮し、法令遵守を徹底していただくことが重要であると考えております。
 そこで、指針の具体的な内容としては、通報の窓口整備のみならず、窓口に通報があった場合の調査や、情報漏えいなど通報に関する内規の違反者に対する懲戒などのほか、安心して通報できるよう通報者に対する不利益取扱いや通報者に関する情報漏えいの禁止を社内規程に定め、その規程に基づき適切に運用するよう求めることを想定しております。
 なお、公益通報対応業務従事者の定め方については、個別に担当者を指定することのほか、一定のポストに従事する者を定めるなどの方法が考えられますが、企業の実情に応じて様々な方法が考えられるところであり、内部通報に対応する実務や関係者の御意見を踏まえつつ考え方を示してまいりたいと考えております。

#163
○松沢成文君 最後に、改正案では、内部通報体制の整備を義務付ける事業者の規模は労働者三百一人以上として、三百人以下の事業者については消費者委員会答申を踏まえて努力義務とされています。
 行政機関については、消費者委員会答申では、民間事業者に率先垂範する観点から、規模にかかわらず内部通報体制の整備を義務付けるべきだとされていましたけれども、今改正案では民間と合わせてこの三百人以下は努力義務としましたが、その根拠は何か。私は、行政機関は率先垂範の義務があるし、相談もたくさん来るわけだから全て対象にすべきだと思っていましたが、こうなってしまったと。
 将来的には義務付ける事業者の範囲を拡大すべきと考えますけれども、どう認識されているでしょうか。

#164
○国務大臣(衛藤晟一君) 改正法案では、行政機関についても、内部通報を受け付ける事業者としての側面に着目し、内部通報体制整備義務を課すこととしています。他方で、職員が三百人以下の行政機関において、法令遵守を確保するための部門の恒常的な人員が確保されているとは限らない点は民間事業者の場合と同様です。
 また一方で、特に地方公共団体との関係では、地方自治の本旨ないし地方分権改革の観点を踏まえ、それぞれの地方公共団体の自主的な取組を阻害しないよう、その規模や実態に応じて内部通報体制を整備していただく必要があります。
 このため、行政機関についても、民間事業者同様にその事務負担等を考慮し、職員が三百人以下のものについては努力義務としたものであります。

#165
○松沢成文君 時間ですが、最後一つ申し上げておきたいんですが、今後、対象となる事業者もすごく増えるわけですよね、行政機関もそうです。それで、対象、通報対象範囲というのもどんどんどんどん拡大されると。そうすると、いろんな公益通報が数多くたくさん上がってくるわけですね。それに対応するには、消費者庁は組織も小さいし現場抱えていないから、そんな一挙に来てもなかなか無理なんだという、ちょっと弱音にも聞こえるようなコメント結構あるんですよ。私、それだったら、これもう労働行政にも関係するんだから、厚労省の労働局に任せて、地方支分部局持っていて現場を持っている労働省の管轄にこの法律した方がいいぐらいに思っているんですね。
 もしこの法律をきちっと実効性のあるものにするのであれば、そのマンパワーが足りないからとか、こういう逃げのコメントは是非ともこれから差し控えた方がいいと思いますし、マンパワーは足りなくても、こういうきちっとした法律を今度は作ったというのであれば、実効性を上げるために消費者庁を挙げて、それこそこれは社会正義の実現になるんですから、大臣先頭に立って法の執行に努めていただきたい、そのことをお願いして、質問を終わります。
    ─────────────

#166
○委員長(佐藤信秋君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、清水真人君が委員を辞任され、その補欠として山田太郎君が選任されました。
    ─────────────

#167
○大門実紀史君 今回の法案は全会一致ということでございまして、一歩か半歩か別にして、とにかく今までよりは改善されるということで、少なくとも公益通報の環境整備あるいはアナウンスメント効果というのは私もあるというふうに思いますが、ただ、参考人質疑のときにも申し上げたんですけれど、やはり私自身としては、たくさんの内部告発者と一緒にいろんな取組してきたので、そういう方が救われるかどうか、守れるかどうか、守られたかどうかというのがやっぱり物差しになるわけであります。そういう点では、やっぱりそこまで到達していないなというふうに残念ながら思います。
 そうはいっても、国会で取り上げるぐらいですから、大企業とか官庁の大変社会的な責任を問うような重大案件が多いわけですね。そうすると逆に、組織、会社や官庁にとっては、逆に言うと、重大案件ですから、それだけ外に出したくないというような、必死で潰そうとするような案件が多いわけですね。それは、オリンパスや東芝のように、教訓からですね、それも含めて自浄作用に生かそうというふうになればいいんですが、なかなかそこまでならないと。
 例えば、私、もう十年以上前ですけど、大手町の大手町開発の国有地払下げ問題を取り上げたときに、財務省のふだんは野党の部屋には絶対来ないような幹部クラスが十人以上一遍に来て、説明させてくれと来るというような、やっぱり重大案件ほど外に出したくない、何とか抑えたいというようなことを働くわけでありまして、そういうシビアな案件を考えると、なかなか今回の法案のようなレベルでは助けられないんではないかと思います。
 もちろん消費者庁や専門委員会で、いろいろあって、みんな一生懸命議論をされたのは分かりますし、で、やっと、十四年ぶりですかね、改善策が出たと、その努力は評価するんですけれど、ただ、もう正義感一つで、首を覚悟で、あるいは命の危険もさらされて、家族も危険にさらされて、そういう修羅場をくぐってきた人たちにとっては、ちょっと何か今回のこの話はほかの世界のようなところがまだあるんではないかと思います。
 実は、この前、参考人質疑ありましたけれど、ある有名な事件を、大手企業のですね、内部告発した女性がインターネット中継でこの前の参考人質疑を見ておられまして、こういうメールが来ました。何か雲の上で議論され、雲の上で妥協され、その中の人たちだけで九十点、六十点と褒め合っていると、それだけに見えたというふうな、何というか、冷めた意見が、それはやっぱりそういうことなんですね、現場で闘ってきた人たちにとっては。ここで幾ら一生懸命ね、やっているんですよ、一生懸命、私も大変国会の一員として寂しい思いをしたところであります。
 そういう思い踏まえて、ただ、大事なことは次のステップでございますので、今後のことについて聞いていきたいと思いますが。
 まず、今日はわざわざ、忙しい中、修正案提案者の国民民主党の青山衆議院議員と我が党の畑野衆議院議員に来ていただきました。ありがとうございます。
 これ、みんなの修正が参議院に来ているわけですから、その経過もちょっとお聞きしたいんですけど、青山議員は、フェイスブックなども見させてもらいましたけど、この法案に大変思い入れを強く、一生懸命頑張っておられた方でございます。
 まず、青山議員に聞きますが、この修正案を提案するに至った経緯とかその思いを簡潔に述べていただければと思います。

#168
○衆議院議員(青山大人君) 大門議員の御質問にお答えします。
 今回の改正案が提出されるに当たっては、内閣府消費者委員会公益通報者保護専門調査会において検討がなされ、そこで取りまとめられた報告書の内容が踏まえられているものと承知をしております。その報告書の中でも通報対象事実や通報者の範囲の拡大については改正案において一定の対応がなされていると評価はしております。
 一方で、報告書において導入すべきとされた不利益取扱いに対する行政措置は法改正の対象とはなりませんでした。また、裁判手続において通報者の負担を軽減するための立証責任の転換についても今後の検討課題とされたことから、法改正の対象とはなりませんでした。しかし、実際に不利益取扱いを受けている通報者を救済するという観点からは、これらを法制化することが極めて重要でございます。
 このうち、行政による勧告処分等の導入については改正案の附則第五条の検討の対象になることが文言上明確でございますが、立証責任の転換については検討の対象になるのかが必ずしも明らかではありませんでした。
 立証責任の転換については、一昨日のこの委員会においても、私も実際、この場に来て傍聴させていただきました。三名の参考人の皆様からも立証責任の転換の必要性に関して御指摘もございました。また、公益通報者保護法の制定当時の大門議員の御党の修正案では、立証責任の転換のための規定も明記されていたものと私は承知をしております。
 そこで、立証責任の転換に関する規定の創設も視野に入れて検討することを政府に義務付けるため、裁判手続における請求の取扱いを明記することとしております。なお、立証責任は、裁判手続において請求を根拠付ける事実が存否不明の場合の取扱いを定める概念であり、裁判手続における請求の取扱いという文言で立証責任の転換についても読み込めるものと考えます。
 以上です。

#169
○大門実紀史君 ありがとうございます。よく分かりました。
 次に、畑野議員に、今後の課題は今も触れられたようにいろいろあると思いますが、具体的にどういう課題があるのか、ちょっと教えてください。

#170
○衆議院議員(畑野君枝君) 大門実紀史議員にお答えいたします。
 公益通報をしたことを理由とする不利益取扱いに対する行政措置の導入や立証責任の転換規定の創設など、今回の改正案で検討の対象となった事項について十分に検討を加え、必要な措置をとっていただくことは言うまでもありません。また、この検討を行うに当たっては、是正命令及び命令違反に対する刑事罰の導入についても併せて検討することが期待されます。
 しかし、これだけではなく、今後の課題といたしましては、一、通報対象事実の範囲の一層の拡大、二、公益通報者の範囲を拡大し、退職者の期間制限を設けないことや役員の保護要件の緩和、取引先、下請事業者を公益通報者として保護すること、三、証拠資料の持ち出しに対する免責規定、四、外部通報要件の更なる緩和、五、民間における通報、相談の受付窓口の更なる充実などがあると考えております。
 修正案提案者といたしましても、今後の運用状況を注視し、必要な提案を行っていきたいと考えております。

#171
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 与野党力を合わせて、できるだけ早く現場に役に立つ実効性のあるものにしていかなければいけないというふうに思います。
 質問は以上ですけど、もしお忙しければ御退席いただいても、いてもらってもどちらでもいいんですけど。委員長、ちょっと御判断を。

#172
○委員長(佐藤信秋君) それでは、修正案提出者は御退席いただいて結構です。

#173
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 もう随分いろんな質問がございまして、聞くことも少ないんですけど、通告していないものでもいいですかね。事務方なら分かりますよね。もうちょっと、もう全部ほとんどやられましたので。
 今回最大の焦点が不利益扱いに対する行政措置の導入でございまして、これはもういろいろ触れられているとおり、見送られた理由としては、意見の不一致、体制が整わない、そして事実認定が難しいという点があったということですが。
 まず一点目の意見の不一致なんですけど、つまり、簡単に言えば消費者側と経営者側の意見がなかなか合わないということなんですが、ちょっとずっと感じていることがございまして、何が合わないんだろうということなんですよね。つまりは、通報者というのはどういう人なのかと、どういう人を想定しているところの食い違いがずっとこの問題に、聞いていてあるような気がするんですよね。
 要するに、経済界、企業の経営者側は、会社に不満を持つ人が、会社に不満を持つ者が、腹いせとか何か外にばらしてやろうとかそういうふうな、中にはデマもあるかも分かりませんですけど、そういう密告とかそういうふうな、何か会社から冷遇されているからとか不満があるから何かこう外に持ち出す、やるというふうな人が多いから、そういう人もいるから簡単にはこの制度、うんと言えないんだというふうなのがもうずっと前から言われていることですね。消費者庁もそういう話何度も聞いていると、ああ、そうなんですか、そういう人がいるんですねと、それじゃそう簡単にはいきませんみたいな、いうことがもう何年も前から、ずうっと昔からそんな話ばっかりが続いているんですけれども。
 私の、先ほど言いました、国会で取り上げてきた方々でいいますと全く違いまして、特に大企業、官庁でそんな不満分子といいますか、不満を持って何かやる、やった人は一人もいませんでした。もちろん匿名でいろんな情報来ますけど、そういうのは取り上げませんよね、国会で。取り上げるときは裏付け取りますし、何かこう悪口だけ言いたいとか、そういうのは国会でそもそも受け付けません、私のところはですね。国会で告発すべきような行為というのは、やっぱり社会的、先ほど言いました重大な案件だと。そうすると、企業や官庁にとっても重大な過失になると。
 こういう情報というのは、よく考えてみると、誰でも入手できないんですよね。その会社とかその官庁の中の幹部、エリートでないとその情報にアクセスできないんですよ。誰でもできないんですね。つまり、そういう情報にアクセスできる人というのは幹部、エリートクラスなんですね、私のところに来られている人は。そういう方は処遇にそもそも不満があるわけではないんですよ。まあ、むしろ処遇はいいんですよね。ところが、会社が、あるいは役所がこのままでいいのかと、このままで本当にいいのかというふうな、何というか、不満分子というよりもむしろ愛社精神に富んだ人が勇気を持って告発された例が多いわけでありまして、そういう人を守る話なんだということを消費者庁もきちっと捉えていただいて、いや、もういろんなのが来るからさ、みたいな、それはそういうところとやっているといつまでも意見の不一致というのはクリアできないというふうに思うんですよね。
 そもそも公益通報の趣旨というのは、会社も自浄作用を発揮してもらって、いい会社になってもらおうという趣旨なわけですから、その通報者というのはどういう人なのかということをちゃんと一致させないと、この話は何年たっても、この十年間同じようなことばっかり言っていますからね、進まないんではないかと思いますが。
 その点、消費者庁の中にも、いや、そういう人もいるからそう簡単にはいかないんですって簡単に私に説明する人いますけど、そういう認識をまず変える必要があると思うんですけど、次長、いかがですか。

#174
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 消費者庁といたしましては、今後はこの改正法案の趣旨を踏まえまして、先生の御指導もしっかり肝に銘じて、適切な運用に努めてまいりたいと考えております。

#175
○大門実紀史君 それで、この点でよく考えなきゃいけないのは、今回の三百人以上の企業に公益通報制度の体制を整備してもらうと、義務付けると。ただ、ほとんどの大企業は既にそういう体制を、そういうというか似たような体制をつくっていまして、コンプライアンス窓口というのをつくっているわけですね。これがそのまま使われると全然違う話になるということは指摘しておかなきゃいけないと思うんですけど。
 今、大きな企業にあるコンプライアンス窓口というのは、まあはっきり言って社員の不満相談口、パワハラ、セクハラ、ガス抜きもあるわけですね、いろいろ不満を聞いてあげると。この目的の一つは、社内での不祥事を外に出さないということも一つの目的でやっているわけですね。そういうイメージがあるから先ほどの話になって、いろんな不満持っている人がいろいろ言うと、そういうのいるんだみたいな話を、そういうことをやっているからこう思っちゃったりするわけですよね。消費者庁もそういうのに引きずられて言っているところはあるんじゃないかと。
 私たちが守ろうとしているのは、その会社への愚痴を言いたい人を守るわけではないんですよね、あくまでですね。そこはちゃんと考えておかないと、今回、三百人以上の企業に体制を義務付けるといっても、企業は今まであるコンプライアンス窓口をそのままこの公益通報の窓口にして、同じように不満分子何だかんだとやっていると、全然これ体制つくったって何も変わらないということになりかねないと思うんですけど。
 その今まである企業、三百人以上大企業にあるコンプライアンス窓口と今回の義務付ける内部通報の体制というのは、明確にきちっと位置付けないとぐちゃぐちゃにされる可能性があると思うんですけど、いかがですか。

#176
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 今回の法改正によりまして、大企業に対しましては体制整備義務が義務付けられるところでございます。必要な支援は今後関係者の意見も聞きながら検討してまいりたいと思いますけれども、この今回の改正の趣旨が適切に反映されるような体制整備義務が進むように取り組んでまいりたいと考えております。

#177
○大門実紀史君 ですから、内部通報体制の整備というのはそもそももろ刃の剣なんですね。今のようなコンプライアンス窓口の、先ほども申し上げました、中の不祥事が外に出ないようにと、いろんな話があるわけですよね、会社の中の不倫だとかいろんな話、それが外に出ないようにということも今の大企業のコンプライアンス窓口の一つの役割なんですよね。
 そうしますと、今回、この内部通報体制整備していって、それ、そういうふうに使われたとしたら、今までそもそもいろんな事件というのは、実は内部で処理、内部では解決してくれないから外部通報で、マスコミとか時には国会とか、外部通報でみんな表に出てきたんですよね。みんなそうですよね。三菱のリコールから全てそうですよね。
 したがって、企業としてはそれをやっぱり表に出したくないと、中で封じ込めたいというのはありますから、今回の内部通報体制の整備というのは、中でうまくやれば中できちっとそういうことを改善していこうということに使われますけど、外に出さないための仕組みとして使われるということがあったら全く本末転倒になる、なる可能性があるというふうに思うので、この点はちょっと留意してほしいと思いますが、衛藤大臣、一言いかがですか。

#178
○国務大臣(衛藤晟一君) それで、やっぱり行政とかあるいは第三者に対する通報ということも考えて今回ちゃんと規定したということでございまして、この体制づくりというのは今後大変だという具合に思っております。
 先ほどからもお話がございましたように、消費者庁は現場を持っていないちっちゃな役所だということは私どもも自覚いたしておりますので、だから、それをちゃんとどう広げていけるのかということについて、相当今から真摯な議論をしなければいけないという具合に考えているところでございます。

#179
○大門実紀史君 ですから、例えば、その公益通報対応の業務設けて、そこに従事する人は守秘義務を課して、三十万円の罰金と。
 実は、今、企業のコンプライアンス窓口もどうなっているかというと、私の友人、大企業におりますので聞いてみたら、要するに、今だってコンプライアンス窓口の担当者というのは、まあ社内の規程ではありますけど、守秘義務掛けられているんですよね。社員から相談あったのをぺらぺら上に上げたら誰も相談に来ないから、一応守秘義務は社内規程で掛けられているんですよ。今度は、それとは違うんだけれども、公益通報で罰金三十万と。ただ、余り変わらないといったら変わらないんですよね。今だって守っているという話ですからね。
 そういうこともあるので、これは何か急速にこれで何か進むというわけではなくて、そういう場合だって、今だってはっきり言って会社に非常に重要な情報はやっぱり上げていますよ。つまらない、なんかのことは上げていないかも分からないけど、やっぱり社運に関わるようなことは経営陣に上げていますからね。そういう点でいきますと、これがあるから公益通報者は守られるというような甘い世界ではないと。会社にとって重大な案件であればあるほど、これは守られないであろうと、みんなサラリーマンですからね、最終的にはね、という点もこれは指摘だけしておきたいというふうに思います。
 その不利益扱いに対する行政指導の導入が見送られた二つ目の理由ですけど、体制がない。
 これは本会議でも指摘いたしましたが、厚労省が人手がないから対応できないと言っていたり、消費者庁は地方に手足がないと、消費者庁は、協力してくれないというようなことは文書に残っているんですけど、これもいろいろ言ってもしようがないんですけど、厚労省に聞いてみたら、やっぱり消費者庁、やっぱり役所の縦割りみたいな世界があって、なかなか意思の疎通が、頑張ってやっているんですけど、なかなか難しいところがあるんですね、役所同士が協力するというのは。
 そういうことがうまくいかなかったり、やっぱりその点では官僚任せにしないで、政治がもっときちっとプレーすべきだったと私は思いますけど。大臣ころころ替わりますからね、消費者担当大臣ですね、というようなこともあったのではないかと思います。
 これからどうするかが大事で、本会議のときに加藤厚生労働大臣が私の質問に大変重要な答弁をしていただいております。前向きな答弁をしていただいております。
 一つは、そういう公益通報に関わって労働問題の通報があったときは、今までもやっているけれど、解雇されたとかなんか、今までだってやっているんですよね、それは引き続き厚労省の労働部局としてやりますということですね。もう一つは、今回の法律が通ったら公益通報に関して更に周知徹底をいたしますと、労働部局にですね。
 もう一つ、一番重要なのは、今、各都道府県に労働相談の、労働紛争の関係機関連絡協議会というのがあるんですけれど、これには労働部局に裁判所とか弁護士会とかいろいろ入っているんですが、そこに消費者庁も入っていただいて、参加を求めて、消費者庁の連携もしていくというふうなことを加藤大臣は踏み込んで御答弁いただいていたわけでありますので、まずこれを具体化していってもらって、私は、これはもう厚労省は分かっているんですよ、労働問題、自分たちでやると分かっているんですね。消費者庁に特別に地方に労働相談所つくったって、専門家もいなければ、地域の連絡って大事ですから、無理なんですよね。労働部局でやるのはもう分かっているんですけど、それを、協力ということじゃなくて、労働者を守るのは厚労省の労働部局の仕事でありますのでやってもらうと、やってもらうと。ただし、それに当たって、もっともっと消費者庁との連絡、消費者庁との密接な関係をこれからつくっていくことが一番大事ではないかと思います。
 それをやっていけば、何年後かに、今回のような厚労省と消費者庁と予算をどちらが出すんだとか、いろんなちぐはぐがあったわけですけど、それはなくなっていくと思いますので、これは衛藤大臣にお願いしたいんですけれど、役所同士だけに任せない、もちろん役所同士もやってもらうんですけど、役所同士だけに任せないで、やっぱり内閣としてイニシアチブ取ってもらって、何年後かにはすぱっと一緒に協力してやれるように考えてほしいと思いますが、いかがですか。

#180
○国務大臣(衛藤晟一君) 役所同士の話ですと、やはりなかなか権限や対応というのは難しいということでありますが、加藤大臣が委員の質問で本会議でもお答えしたように、やっぱり労働問題に関わるところは自分たちだという意識を持たれています。また、そういうところに、今連絡協議会もあるわけでございますので是非消費者庁も参加を求めて、そして公益通報者保護制度について情報共有をしたいと思いますし、そしてまた、具体的な、やっぱり労働局でなければ、実際のところ、各地においていろんな調停をしたりしています、内部のこともよく知っているわけでありますし、またそれだけの権限も持っているわけでございまして、今消費者庁がそこまで権限を地方まで持っているかというと正直言って持っておりませんから、とにかく、この法律の成立と同時に、連携をどう強めていくかということについて、うんと必要な力は借りたいという具合に思って指示をさせていただいているところであります。

#181
○大門実紀史君 是非その点を、もう内実的に実際問題一緒にやっていくことが大事だと思うんですよね。よろしくお願いしたいと思います。
 不利益扱いに対する行政措置の導入を見送った理由の三つ目ですけれど、事実認定が難しいと。つまり、不利益、解雇とか降格とか左遷とかですよね、の理由が報復によるものなのか、通告したことによる報復によるものなのか、別の本人の責任によるものなのかの判定が難しいというようなことも何か言われています。これはそんな難しくありません。
 実際問題、労働局、私、労働問題も何度も取り上げていますけど、労働局何やっているかというと、解雇された、いろんな契約切られた、この訴えを受け付けるんですよね。その次にその原因を調査するということでありますので、その原因調査から、原因から入るわけじゃないんですよね、事実から入りますので、これは事実認定していけば、もちろん、微妙なものは、裁判まで行くのは別に公益通報だけじゃないんですよ、普通の労働問題だって裁判にまで行くしかないのはあるんですけど、少なくとも私が知っている幾つかの事件は明らかに報復というのがもう事実経過で分かるのいっぱいありますので、それはそんな事実認定難しくないというふうに思います。調べれば分かるということが大変多いということですね。
 もう一つは、じゃ、海外はどうしているのかということでいいますと、EUとか韓国とかは、簡単に言いますと、通報すると。それから一年とか二年とか期間ありますけど、その間に降格とか解雇とか契約打切りとか昇進のストップとかあれば、それは報復とみなすと、推定するというふうな思い切った措置をとっております。これは、何段階か行かないと、そこまで行かなきゃ分かりませんけれど、結局、判定難しけりゃ、もうそれで見るという形もあるわけですよね。
 そういうことも含めて、今後、この事実認定が難しいなんていうと、これ五年後だって難しくなりますので、何が海外で行われているか、どうやってみんな判断しているかというような研究も含めて検討してほしいと思いますが、いかがですか。

#182
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 附則にある検討を進めるに当たりましては、委員御指摘のとおりのような、海外の事例ですとか、あるいは労働局の現場での実情がどうなっているか、あるいはその裁判の判例等々がどうなっているか、そういうことも調べながら検討してまいりたいと思います。

#183
○大門実紀史君 もうお聞きすることもなくなってまいりましたので、最後に大臣にお聞きしたいのは、ずっと見ておりまして、やっぱり政治のイニシアチブね。本当に事務方頑張ってくれているんですよ。でも、いろんな限界があって、それを突破するのはやっぱり政治の役割だと思うんですよね。
 この間でいえば、大臣が預託法をちゃんとやると言われたから預託法の改正もこれからいい方向で出てくると思っておりますので、やっぱり、引き続き、衛藤さんは腕力ありますから、力発揮してもらって、いろいろなことに政治家の役割を果たしていただきたいと、大臣の役割を果たしていただきたいというふうに思いますが、その点、一言いただければと思います。

#184
○国務大臣(衛藤晟一君) 今回、私も大臣に就任いたしましたけど、やっぱり自民党、党で委員会をつくって、今日は徳茂先生もお話ありましたけれども、大変相当突っ込んだ議論をしていただいて、今までの議論を踏まえた中で思い切って突っ込もうじゃないかという議論ができて、それで一気に進んだというところがございます。我々も是非思い切って進ませていただきたいということをお願い申し上げましたりですね。
 その中においては、やっぱり、自民党の先ほど来ました穴見さんとかいろいろな方はやっぱり経済界の説得に、あるいは宮腰さんなんかもテーブルたたいての議論をして説得をしたりいたしたというところが実情でございますので、そういう中で我々もやっとここまで来たというのが正直なところです。これを一つの大きな一歩として、今後とも、更に実効性あるものとしてやれるように懸命に努力を続けてまいりたいと思っています。
 ですから、例えば労働関係では労働局との提携ですね、これは早急にやっていって、日本の場合、そこまで、EUとか韓国の例も見ながらですが、そこまで行けるかどうか分かりませんが、まずは提携を強めていって、相当なところまで行けるように頑張ってまいりたいというように思っております。

#185
○大門実紀史君 終わります。ありがとうございました。

#186
○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 委員の皆様には、少数会派にも御配慮いただき、参考人質疑に引き続いて今回の政府質疑にもたくさんの質問時間いただきましたことを大変感謝しております。
 本日、午前中に二時間を超える本会議がありまして、午後には今回四時間を超えるこの委員会があって、皆様お疲れのことと思いますが、最後の質疑ということでお付き合いいただければと思います。
 公益通報者保護法の一部を改正する法律案に関して質疑に入らせていただきます。
 まず、衛藤晟一消費者担当大臣に質問です。
 本法案提出者である消費者庁における公益通報者保護法体制整備の現状を御説明いただけますでしょうか。

#187
○国務大臣(衛藤晟一君) 消費者庁においても、現行の公益通報者保護法や国の行政機関向けガイドラインに沿って、消費者庁設置後の平成二十一年より内部通報体制を設けております。
 具体的には、消費者庁及び消費者庁職員についての法令違反行為等に関し、通報、相談をした消費者庁職員の保護を図り、消費者庁の法令遵守を実効的に確保するため、通報等の受付、調査及び必要な措置を行う組織として法令等遵守調査室を設置し、内部通報・相談窓口を開いているところであります。

#188
○浜田聡君 ありがとうございます。
 先日の参議院本会議において、今隣におられます大門先生の質疑で言及されていたことなんですが、数年前に悪質マルチ商法、ジャパンライフ事件が取り上げられるようになったきっかけというのが、消費者庁内部からの告発がきっかけであったとのことです。勇気を出して告発された方に敬意を表します。一方で、この告発に関して消費者庁内部で外部への通報者は誰かという調査が行われたという指摘もありまして、そういった当時の反省をした上で、今後も引き続き整備されることを求めます。
 引き続き、大臣に伺います。
 この公益通報者保護体制というのは、今後、より多くの企業や組織で整備されていくことを望みますが、ここではまず霞が関の省庁で整備されることを特に望みます。そのために、消費者庁がリーダーシップを発揮して霞が関の他の省庁に体制整備を促してほしいと考えていますが、その意気込みを伺いたく思います。

#189
○国務大臣(衛藤晟一君) 行政機関においても通報者に対する不利益取扱いを未然に防止し、内部通報に適切に対応できるようにすることは、公益通報者保護制度の実効性を確保する観点から極めて重要であります。
 こうした観点から、現行法においても、行政機関向けガイドラインの策定などを通じ行政機関における内部通報体制の整備を促しており、各府省庁において内部通報窓口は設置されていると承知しております。
 今般の改正法案においては、行政機関を含めた事業者に内部通報体制の整備を義務付けることといたしておりまして、内部通報体制の更なる充実とその実効性の向上が今後の課題であると認識をいたしております。
 このため、改正法成立後、内部通報体制の適切な運用を確保するため、義務の具体的な内容を指針にまとめることで内部通報制度が実効的に機能するよう検討を進めてまいります。また、関係省庁による連絡会議の場も活用しつつ、改めて公益通報者保護制度の重要性や法改正の内容を周知し、国の行政機関における内部通報制度の実効性確保に向けた取組を促してまいります。

#190
○浜田聡君 ありがとうございます。
 消費者庁のリーダーシップに期待するところでもありますけど、今回の法改正をきっかけに、他の省庁それぞれも独自に主体的に体制整備が進むことを求めておきます。
 次に用意していた質問なんですが、個別の企業についてのものであります。
 今回は、保険不適切販売で問題になったかんぽ生命における公益通報者保護体制整備の現状についてお聞きしようと試みたんですが、ただ、これに関しては、当事者であるかんぽ生命の方を参考人で呼ぶというのはいろいろな制限があるということで厳しいとのことで、今回は断念するに至りました。
 衆議院の総務委員会では、郵政事業に関する調査としてかんぽ生命保険代表執行役社長が参考人として参加する機会があると承知しております。例えばそういった機会にかんぽ生命における公益通報者保護体制についての質問がなされることを望みます。
 次に、かんぽ生命に引き続いてNHKにおける公益通報者保護体制整備の現状についてもお聞きする予定でしたが、先ほどと同様、NHK関係者を参考人で呼ぶことを断念しました。NHKに関しても、総務委員会でNHKを参考人として呼んでいただいて、公益通報者保護体制についての質問がなされることを望みます。
 我々NHKから国民を守る党が総務委員会で議席を持って、そこで我々がNHKに質問すればいいのではないかという意見があるとは思いますが、議席数が少ない関係で、希望する委員会へ所属することが難しいという事情もあることから、今回ひとまずここにおられる皆様へのお願いとさせていただきます。
 次に、通告では後ろの方に記載していたグループ企業の場合の質問をさせていただきます。
 先ほど言及させていただいたかんぽ生命は、本社とあと全国八支店があると承知、あっ、全国八十二支店ですね、があるのを承知しております。また、かんぽ生命なんですが、日本郵便、あと、ゆうちょ銀行と併せて日本郵政グループとなっております。NHKに関しては、NHK本部、あと全国各地に支部がありますし、あと主要子会社などがたくさんありまして、グループ企業と考えられます。
 このように、グループ企業の場合に内部通報体制整備義務の法的義務が発生するかどうかについてお聞きするんですが、グループ全体で見るのか、それとも法人格単位で見るのかということを教えてもらえますでしょうか。

#191
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 一般論として、権利義務は各法人格に帰属するところであり、この法律においても、独立した法人格を有する事業者の単位で義務を課しております。そのため、会社についての内部通報体制の整備義務はその法人格ごとに負うことになります。
 ただし、例えば、グループ会社全体としての体制整備の一環として子会社が自らの内規において定めた上で通報窓口を親会社に委託して設置し、従業員に周知している場合などには、それによって子会社が体制整備義務を履行していると評価することも可能であると考えられます。

#192
○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、我が党が関連する個別事例についての質問です。
 NHKから国民を守る党の党首である立花孝志は、NHK職員だったときにNHKを内部告発したという過去があります。二〇〇五年の春に、当時NHK職員であった彼はNHKの裏金作りに関して週刊文春に内部告発をしました。彼は、当時NHKの編成局の経理職員でありまして、NHK職員の不正な行為を内部調査しているうちに、余りに腐り切ったNHK職員の実態を知るに至って、どうしても黙っていることができなくなったとのことです。内部告発時の記事の一部を今回、配付資料として用意させていただきました。
 この内部告発の経験から、彼がこの法案について最重要視していることがあります。それは何かというと、通報者の録音や録画の権利を認めることであります。彼は、NHK内部で自身による内部告発が問題となった後、様々な会議に出席を求められ、発言を求められたとのことですが、その際に録音を認められずに、会議などで録音記録などを後々証拠として使うことができなかったと言っております。結果として、彼に証拠がないのをいいことに多くの罪がなすりつけられたという過去があるわけですね。
 これを踏まえて確認させていただきます。二点同時に質問させていただきます。
 通報者が通報内容に関連する内容を録音する権利を会社が阻害できない条文や規定などが今回ありますでしょうかということと、もしそういう条文、規定がない場合、会社側が録音を禁止していたとしても、通報者側がこっそり録音をすると、そういった場合に録音禁止の規定を破ったことに関して罰則を科さない仕組みが今回の改正案の内容にありますでしょうか。

#193
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 まず第一点目からでございますが、今般の改正法案が成立した場合の公益通報者保護法には、公益通報者の保護として公益通報者に対する不利益取扱いの禁止や公益通報対応業務従事者に対する守秘義務が定められますが、御指摘のような通報者の録音を事業者が妨げられない旨は定められるわけではございません。
 ただし、公益通報者保護法上の保護要件に該当しない通報者に対して、ほかの法律による保護も与えられなくなるわけでは必ずしもございません。したがって、一般法理などによって御指摘のような録音が保護される場合もあり得ると考えられます。
 それから二点目でございますが、今般の改正法案が成立した場合の公益通報者保護法には、公益通報者の保護として公益通報者に対する不利益取扱いの禁止や公益通報対応業務従事者に対する守秘義務が定められるわけですが、御指摘のような録音禁止を破ったことについて保護を与える旨は定められるわけではございません。
 ただし、公益通報者保護法上の保護要件に該当しない通報者に対して、ほかの法律による保護も与えられなくなるわけでは必ずしもございません。
 一般的に、労働者を懲戒するには、その根拠規定が存在し、労働者の行為が懲戒事由に該当するとともに、懲戒の内容が労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして客観的に合理的な理由を有し、社会通念上相当であると認められるものである必要があるとされているところでございます。こうした労働法や一般法理などによって、御指摘のような録音禁止を破った場合に免責される場合もあり得ると考えられます。

#194
○浜田聡君 御解説ありがとうございました。
 公益通報者に、録音、録画の権利が適用されることを強く望みまして、次の質問に移ります。
 次に、法案十一条四項の必要な指針に関する質問です。
 内部通報体制整備義務の具体的内容について、法案の十一条四項では必要な指針を定めるとしておりますが、ここで、新たに指針を策定するのか、あるいは既存のガイドラインを改定するのか、教えてもらえますでしょうか。

#195
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 既存の各ガイドラインは、この法律を踏まえて各事業者が取り組むことが推奨される事項を具体化、明確化するなどの観点から定められたものでございます。他方、改正法案においては、事業者の体制整備の内容について指針を策定することとしており、指針でその詳細を定めることを想定しております。
 今回の改正法案が成立した後、改正内容を踏まえ、事業者にとっての明確性等の観点から既存のガイドラインと指針の在り方を検討してまいりたいと考えております。

#196
○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、民間事業者ガイドラインを効果的にするための指針について質問をします。
 現行法上も民間事業者ガイドラインというものが定められておりますが、今般の企業不祥事多発の現状を見ますと、ガイドラインの周知も遵守も不十分であると言わざるを得ません。したがって、そこに新たな指針を加えても実効性が疑わしいのではないかと思います。
 指針を定めるに当たって重要かつ最低限守られるべき点はどのような点とお考えでしょうか。

#197
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 指針に定める体制整備のうち、重要かつ最低限守られるべき点として、通報窓口の整備を求めるほか、通報者が安心して通報することができるよう、通報者に対する不利益取扱いや通報者に関する情報漏えいの禁止を社内規程に定め、その規程に基づき適切に運用するよう求めることを想定しているところでございます。
 もっとも、違法行為を是正し、法令遵守を促進するためには調査を適切に実施する必要があり、実際に指針を定める際には、通報者の保護の観点のみならず、法令遵守の促進の観点からも通報制度が実効的に機能するようにする必要があると考えております。こうした観点から、指針の具体的な内容については、消費者委員会を始め関係者の御意見を踏まえて検討してまいります。
 また、指針を遵守した体制の整備がされるよう、政府としては、指針の策定後、速やかに指針の内容を事業者に周知してまいりたいと考えております。

#198
○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、通報窓口、相談窓口の信頼性向上に関する質問になります。
 通報窓口、相談窓口の設置は現行ガイドラインに規定されておりますが、労働者の信頼が必ずしも得られていないために、形だけ設置して機能していないと指摘されても仕方ないのではないかと思います。
 信頼できる窓口にするためには何が必要でしょうか、指針ではこの点何を書こうとしているのでしょうか、教えてください。

#199
○政府参考人(坂田進君) 不正行為を知った労働者等が安心して通報するためには、事業者が通報窓口、相談窓口を形だけ設置するだけでは足りず、窓口が労働者等の信頼を得ることが必要でございます。
 指針においては、通報者に対する不利益取扱いや通報者に関する情報漏えいの禁止を社内規程に定めることを求めるだけではなく、その規程に基づき適切に運用することまでを求めることを想定しております。このような指針の実効性を確保するため、消費者庁において、指針に沿った対応をしていない事業者に対して助言、指導等の措置を行うことを予定しております。
 これにより、形だけではなく実際にも労働者等が不利益を受けることを防ぎ、労働者が安心して通報できる窓口が整備されるよう努めてまいりたいと考えております。

#200
○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、通報者にとってなんですけど、匿名性がどの程度、通報したときに匿名性がどの程度保障されるのか、あと、相談内容が今後どういった範囲の人たちに共有されることになるのか、通報者の方は気になることと思います。これに関する質問です。
 指針では、守秘義務、個人情報の保護に関連して、匿名性の保障、事案内容が調査に際して共有される範囲などを事前に通報者に説明することも明記すべきと思われますが、書き込む予定はありますでしょうか。

#201
○政府参考人(坂田進君) 公益通報者保護制度の実効性を向上するに当たり、制度への信頼を高めるとともに、不利益取扱いの抑止を図る観点からは、公益通報者の匿名性を確保することが重要であり、指針に明記することを考えております。また、紛争の未然防止の観点からは、御指摘のような説明を事業者が自主的にすることは望ましいものと考えられます。
 他方で、指針は通報に関する情報の管理への取組に影響を与えると考えられます。御指摘いただいた点も踏まえて、関係者の御意見も聞いた上で、指針の内容を検討してまいりたいと考えております。

#202
○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、公益通報制度整備の客観的な評価、点検に関する質問になります。
 組織の自浄作用を向上させコンプライアンス経営を推進するには、通報対応の仕組みを整備するだけでは十分ではなく、制度の実効性を向上させていくことが重要であると考えます。このため、制度の整備、運用状況や実績などについて客観的な評価、点検を定期的に実施し、制度を継続的に改善していくことを明記する必要があると考えますが、これに関してお考えをお聞かせください。

#203
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 通報対応の仕組みの整備、運用状況や実績等について客観的な評価、点検を定期的に実施していくことは、内部通報制度の実効性向上の観点から有用であると考えられ、現行の民間事業者向けガイドラインにおいても窓口の整備、運用の状況、実績について評価、点検することを推奨しているところでございます。
 現在、ガイドラインにおいて推奨されている事項については、各事業者の実態等を踏まえた対応が望ましいものもあることから、指針の内容とすべきかについては改めて検討する必要がありますが、今般の改正法案が成立した暁には、委員御指摘の点も踏まえて関係者の御意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。

#204
○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、事業者側が収集した情報の保存義務に関しての質問です。
 今後の法改正に備えた情報収集のためにも、事業者に収集した情報の保存義務を課すことが必要ではないかと思われますが、これを指針に書き込む予定はありますでしょうか。

#205
○政府参考人(坂田進君) 民間事業者向けガイドラインにおいても窓口の整備、運用の状況、実績について評価、点検することを推奨しているところであり、評価等の過程では記録に基づいて運用状況等の検証も行われることになると考えております。他方、記録、保管が伴うことによって事業者に負担が生じ、特に重大な事案に係る通報への対応も含め、通報対応が滞ることのないよう、その義務付けについては慎重に検討する必要があると考えられます。
 委員御指摘のような改正法の施行状況の把握については、事業者に対し定期的に実施している調査を活用するほか、必要に応じて事業者にヒアリングを行うなどによっても行い得ることから、こうした手法も活用し、事業者における通報制度の運用状況等を把握してまいりたいと考えております。

#206
○浜田聡君 次に、事業者側ではなく行政側が設置する通報相談窓口に関する質問です。
 事業者内部ではうまく機能しない場合に備えて、行政に信頼できる総合的な通報相談窓口が存在し、周知されていくことが重要であると思いますが、いかがお考えでしょうか。

#207
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 行政における一元的相談窓口については、消費者委員会の答申において、権限を有する行政機関の通報窓口を補完するものとして、公益通報者保護制度相談ダイヤルにおける対応の充実、不利益取扱いを受けた者に対する情報提供や相談体制の充実など消費者庁の既存の機能の強化を図るとともに、新たな機能として、権限を有する行政機関の特定が通報者にとって難しい通報事案について通報者に教示することや、行政機関の不適切な対応について注意喚起するなどして適切な対応を求めることが提言されたところでございます。
 一元的相談窓口については、消費者委員会の答申において提言された機能を担えるよう、消費者庁において体制の整備を進め、令和二年度内の設置を目指してまいります。なお、通報者を支援する観点から、一元的相談窓口を周知する取組についても進めてまいります。

#208
○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に用意していた質問は先ほどお答えになったので、飛ばさせていただきます。
 最後の質問に移ります。二〇〇四年に本法案が成立して、今回、久しぶりに改正となりました。今回の改正によって大きな進歩が期待される一方、まだまだ課題は数多く残っていると言えます。
 そこで、質問です。引き続き検討すべきとされた論点については、今後、検討の予定はどうなっていますでしょうか。

#209
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 附則第五条の趣旨を踏まえ、まずは、消費者庁において施行後の状況についてしっかりと把握、分析していくことが必要であると考えております。それらの分析結果等も踏まえ、不利益取扱いに対する行政措置や刑事罰、立証責任の転換など、検討すべき論点についてどのような対応が可能か、関係者の意見も聞きながら検討してまいりたいと考えております。

#210
○浜田聡君 ありがとうございます。
 以上で質問が終わりになりますけど、最後に、今回の法案審議に関連して、内部告発経験者である、とあるテレビ局、元テレビ局職員の経験を共有させていただきたく思います。
 番組制作の現場で働いていた方の声なんですが、今からお話しする件はBPOの審議となっておりまして、審議結果が出ていないこともありまして、情報源特定につながるような情報は伏せさせていただきます。
 この番組制作現場にいた元職員の方が、その職務において、番組制作現場において問題視していたことが多数あるということなんですけど、その中でも特に二点重視されておりました。
 一つは仕込みです。視聴者にとっては偶然取材対象がいたように見えますが、実態は仕込まれているというものが一点。二点目は、取材対象の意見をねじ曲げるということが行われていること、取材対象者が伝えたいことを無視して局に都合の良い内容に改変してしまうことです。
 この二点、仕込みとねじ曲げを、上司の指示とはいえ自分が行っていることに滞りを感じて、それに耐え切れず内部告発をしたそうです。内部告発をしたことで職場にいづらくなり退社することになりましたが、ここでさらに問題が起こります。
 告発内容に従って処理をしていたテレビ局なんですが、仕込みやねじ曲げの責任をよりによってその告発者に全てなすりつけたというものなんですね。テレビ局の仕事というものは世論形成に大きな影響を持つものでありまして、そういったところでこのようなことが行われていることは大いに問題と考えるわけで、今回、共有させていただきました。
 今回の法案審議におきまして、通報をした者、あるいはしようと試みた者の心の葛藤を知ることになりました。こういった正義感を持った人の行為が報われる世の中にするために、今回の法律改正は非常に重要ですし、今後も改善が続くことが望まれます。正直者がばかを見ない世の中に少しでも近づくことを願いまして、今回、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#211
○委員長(佐藤信秋君) 先ほどの浜田君の発言につきましては、後刻理事会において速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。
 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 公益通報者保護法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#212
○委員長(佐藤信秋君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、伊藤君から発言を求められておりますので、これを許します。伊藤孝恵君。

#213
○伊藤孝恵君 私は、ただいま可決されました公益通報者保護法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民、公明党、日本維新の会、日本共産党及びみんなの党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    公益通報者保護法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
 一 本法の改正趣旨や各条項の解釈等について、現行の公益通報者保護法及び公益通報窓口とともに、労働者、退職者、役員、事業者、地方公共団体、関係行政機関等に十分周知徹底すること。周知に当たっては、公益通報者として保護される要件を分かりやすく解説するとともに、公益通報者保護法の認知度が低いことを踏まえて、認知度が上がらなかった要因を分析し、それを解消する工夫を図ること。
 二 内部通報制度に対する労働者等の信頼性を高め、かつ、内部通報制度の導入に向けた事業者のインセンティブの向上を図るため、第三者認証制度の創設も含め、内部通報制度認証の更なる普及促進を図ること。
 三 役員による事業者外部に対する公益通報の保護要件として求められる調査是正措置について、役員による公益通報を過剰に抑制するようなことがないよう、事業者内部における通報対象事実の是正可能性の有無・程度や、公益通報をした役員に対する不利益取扱いの蓋然性に留意した調査是正措置の在り方に関する考え方を明らかにすること。
 四 本法に基づき内閣総理大臣が定める指針において内部通報体制整備義務の内容を定めるに当たっては、法令遵守の促進の観点に加え、通報者への不利益取扱いの防止や通報者の氏名等の秘密の保持など通報者保護の観点を明確化するほか、内部通報に関する具体的な記録の作成・保管等を通じて、各事業者における内部通報制度の利用状況や通報者保護の状況を事後的に検証できる仕組みとするよう検討すること。
 五 中小事業者を含め実効的な内部通報体制の整備が促進されるよう、事業者の業種、規模等に応じて導入可能な内部通報体制の好事例の周知、業界団体等による共通窓口の設置支援など効果的な普及・促進に努めること。
 六 消費者庁は、内部通報体制整備義務の履行を徹底するため、消費者庁内部の人材育成・人員増強を行うとともに、将来的に不利益取扱いをした事業者に対する行政措置を十分に担うことのできる体制を整えるため、外部の専門家の知見の活用も含め、組織的基盤の強化を図ること。
 七 消費者庁は、内部通報体制整備義務の履行に関する行政措置を行うに当たり、その円滑・確実な実施に向けて関係行政機関の協力を得つつ運用すること。
 八 公益通報対応業務従事者が守秘義務を確実に守りつつ不安を感じることなく公益通報対応業務に臨めるよう、具体的な業務における留意事項等を定めたガイドラインを整備するとともに、必要な研修・教育を十分に行うこと。
 九 公益通報対応業務従事者等の守秘義務が解除される「正当な理由」については、通報者が安心して通報できるよう詳細な解釈を明らかにするほか、事業者がとるべき措置に関して考え方を明らかにすること。また、通報対象事実の調査及びその是正に必要な措置等を講ずる過程における過失又は周辺状況からの推測等により通報者の氏名等が不要に漏らされることのないよう、調査及びその是正に必要な措置等の手法に関する好事例の収集・周知等を行い、適切な公益通報対応体制の整備の促進に努めること。
 十 行政機関における公益通報対応体制の整備義務の履行が徹底されるよう、小規模な地方公共団体における公益通報対応体制の在り方について検討を行い、必要な支援策を講ずること。
 十一 通報をしようとする者が事前に相談する場が必要であることから、民間における通報・相談の受付窓口の更なる充実に関し、日本弁護士連合会等に協力を要請するとともに、国及び地方の行政機関における通報・相談の受付窓口の整備・充実に努めること。
 十二 消費者庁に開設する一元的相談窓口において、通報者からの相談対応の一層の充実を図るとともに、通報者への十分な支援を行うこと。また、行政機関が不適切な通報対応を行った事例が生じてきたことに鑑み、通報者から行政機関における通報対応に関する意見・苦情を受けた際は、適切な対応を求めること。
 十三 本法附則第五条に基づく検討に当たっては、行政処分等を含む不利益取扱いに対する行政措置・刑事罰の導入、立証責任の緩和、退職者の期間制限の在り方、通報対象事実の範囲、取引先等事業者による通報、証拠資料の収集・持ち出し行為に対する不利益取扱い等について、諸外国における公益通報者保護に関する法制度の内容及び運用実態を踏まえつつ検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#214
○委員長(佐藤信秋君) ただいま伊藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#215
○委員長(佐藤信秋君) 全会一致と認めます。よって、伊藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、衛藤内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。衛藤内閣府特命担当大臣。

#216
○国務大臣(衛藤晟一君) ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと思います。

#217
○委員長(佐藤信秋君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#218
○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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