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2020/05/26 第201回国会 衆議院 第201回国会 衆議院 法務委員会 第11号 令和2年5月26日
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2020/05/26 第201回国会 衆議院

第201回国会 衆議院 法務委員会 第11号 令和2年5月26日

#1
令和二年五月二十六日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 松島みどり君
   理事 伊藤 忠彦君 理事 越智 隆雄君
   理事 鬼木  誠君 理事 田所 嘉徳君
   理事 葉梨 康弘君 理事 稲富 修二君
   理事 階   猛君 理事 浜地 雅一君
      安藤  裕君    井出 庸生君
      井野 俊郎君    石崎  徹君
      奥野 信亮君    門山 宏哲君
      神田  裕君    黄川田仁志君
      国光あやの君    小林 茂樹君
      出畑  実君    中曽根康隆君
      藤井比早之君    古川  康君
      宮崎 政久君    山下 貴司君
      吉川  赳君    和田 義明君
      後藤 祐一君    日吉 雄太君
      松田  功君    松平 浩一君
      山尾志桜里君    山川百合子君
      竹内  譲君    藤野 保史君
      串田 誠一君    高井 崇志君
    …………………………………
   法務大臣         森 まさこ君
   法務副大臣        義家 弘介君
   法務大臣政務官      宮崎 政久君
   政府特別補佐人
   (人事院総裁)      一宮なほみ君
   政府参考人
   (内閣官房内閣人事局内閣審議官)         藤田  穣君
   政府参考人
   (国家公務員倫理審査会事務局長)         佐々木雅之君
   政府参考人
   (法務省大臣官房政策立案総括審議官)       西山 卓爾君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    川原 隆司君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房報道官) 伊藤 茂樹君
   法務委員会専門員     藤井 宏治君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十六日
 辞任         補欠選任
  黄川田仁志君     安藤  裕君
  古川  康君     石崎  徹君
  逢坂 誠二君     後藤 祐一君
同日
 辞任         補欠選任
  安藤  裕君     黄川田仁志君
  石崎  徹君     古川  康君
  後藤 祐一君     逢坂 誠二君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
     ――――◇―――――

#2
○松島委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣人事局内閣審議官藤田穣さん、国家公務員倫理審査会事務局長佐々木雅之さん、法務省大臣官房政策立案総括審議官西山卓爾さん、法務省刑事局長川原隆司さん及び防衛省大臣官房報道官伊藤茂樹さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○松島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○松島委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。葉梨康弘さん。

#5
○葉梨委員 自民党の葉梨康弘です。
 与党を代表して、十五分ですので、早速質疑に入らせていただきます。
 緊急事態宣言、全国民が外出自粛要請でストレスをためている中、新聞記者といわゆるかけマージャンを行っていた黒川前検事長の行動には強い批判があります。また、その黒川氏に対し内規による訓告で済ませ、退職金も満額支給という法務省や内閣の措置は、正直、評判が悪いんです。
 もとより、今回の措置には理由があると思います。政府には国民への丁寧な説明が求められるにもかかわらず、私にはいまだ十分な発信があるとは思えません。その意味で、本日の委員会は、今まで以上に、与野党を問わず、質問者の向こうに国民がいるんだ、そういう意識を持って、しっかりした対応をお願いしたいと思います。
 まず、いわゆるかけマージャン行為の評価の問題です。
 昨日も、ある支援者から、だって犯罪者でしょう、法務大臣も、週刊誌の内容が事実とすれば賭博罪みたいなことを言っていたのに、何で懲戒免職にならないのかという苦情をいただきました。これは、先週木曜日、多分、森大臣、路上でのインタビューだと記憶していますけれども、事実とすれば賭博罪に当たるおそれといった発言を指したものと思います。
 ただ、私も、あのときあのニュースを見て、正直、不用意で不適当な発言だという印象を持ったんです。といいますのは、私も昔、暴力団犯罪の捜査をした経験があります。賭博罪に当たるか否かというのは、勝敗に偶然性があるのか、社会通念上、一時の娯楽の用に供するものなのかなどを、個別の事情を判断しなきゃいけません。そして、常習性の判断についても、反復継続性だけではなくて、組織性や営業性などの要素を総合的に勘案して賭博をしたか否かを判断すべきものです。一概に言うことはできません。
 そこで、さきに述べた大臣の発言、いささか不用意と考えられます。多分、ぶら下がりという場ですので、全く罪となる可能性が排除されるものではないという思いを述べたと思いますけれども、検察庁という組織、さらに刑法という法律、いずれも所管する大臣としては不用意で舌足らずではなかったかと思います。その真意を問います。

#6
○森国務大臣 まず、このたびの黒川元検事長の行為については、検察の信頼を損なう不適切な行為であり、まことに遺憾でございます。国民の皆様に大変な御迷惑をおかけし、法務大臣としておわびを申し上げます。
 また、委員御指摘のとおり、犯罪の成否については、捜査機関により収集された証拠に基づき個別に判断されるべき事柄であります。御指摘のぶら下がりの発言はあくまでも一般論を述べたものでございますが、一般論であるということを明示的に述べていなかったことで委員御指摘のような誤解を招いたとすれば、それは不十分な説明に起因するものであり、まことに申しわけなく思います。

#7
○葉梨委員 そういうようなことを言われるものですから、テレビのコメンテーターの中には、法務省はいわゆる点ピンレートのかけマージャンは賭博罪に当たらないとはっきり言えばいいなどと発言される方もいるんです。そんな、事は単純じゃないんですよね、実際問題として、捜査をやった側からすると。
 ただ、法務省においては、さきに述べたような各種の事情を総合的に判断して、本件については社会通念上も犯罪を問うまでは認められないと認定したんじゃないかと思うんですが、刑事局長、ちょっと答えていただけますか。

#8
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 犯罪の成否につきましては、捜査機関により収集された証拠に基づき個別に判断される事柄でありますので、これはお答えを差し控えさせていただきます。
 その上で、人事上の処分を決するという観点から申し上げれば、黒川氏が金銭をかけたマージャンをしたことについて、先例を考慮するなどした上、国家公務員法上の懲戒処分ではなく訓告としたものでございます。

#9
○葉梨委員 国家公務員法、懲戒処分となる賭博事案と認定したんですか、しなかったんですか、刑事局長。

#10
○川原政府参考人 金銭をかけるマージャン行為でございますが、これは国家公務員法上の懲戒処分の対象となる賭博行為ではなく、あくまで訓告としたものでございます。

#11
○葉梨委員 いずれにしても、ちょっと後でも質問いたしますけれども、ぶら下がりとはいえ、発言にはしっかりと気をつけていただきたい。国民は見ていますのでね。
 さて、黒川さんは、マージャンを行いながら記者のハイヤーに同乗したということを認定されています。
 まず、人事院国家公務員倫理委員会ですか、国家公務員倫理法、国家公務員倫理規程、これは利害関係者という規定がありますけれども、新聞記者、これは当たりますか。

#12
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
 利害関係者の定義につきましては、国家公務員倫理規程第二条に定めが置かれております。一般的に、新聞記者は利害関係者には該当しないものと解されているところでございます。

#13
○葉梨委員 ハイヤーについて、便宜供与じゃなかったというような答弁が前回の質疑の中でもあったんですが、週刊誌が事実とすればなんですが、その前に新聞記者が飲食物を購入して、多分マージャンしながら飲食をしているんですよね。
 利害関係者と飲食をすることは、国家公務員であれば、まあ割り勘だったらいいという話もあるんだけれども、大体今は控えていると思いますが、この飲食ということについては、問題がある、あるいはないのか。そこら辺のところは、刑事局長、どうですか。

#14
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねの点でございますが、黒川氏が利害関係者に該当しない報道機関関係者から社会通念上相当と認められる程度を超えて飲食物の提供を受けていた事実は認められず、御指摘の点は問題がなかったと考えております。

#15
○葉梨委員 緊急事態宣言下にもかかわらず、不要不急のかけマージャンを行っていた黒川さんの行為、これは厳しく非難されるべきだと考えます。ただ、現行の刑法あるいは国家公務員倫理規程によれば、先例に照らして、処分について、私も国家公務員をやっていたことがありますけれども、懲戒処分だとか停職などという選択肢は、この事案の場合はなかなか考えられないかなというふうに思います。
 定年延長というのは確かに異例の人事なんです。それに、理由についてはいろいろあるんでしょうけれども、その異例の人事を行った側に対しての批判というのは、百歩譲って全くわからないではない。ただ、その人事の対象となった人に責めがあるわけではないんです。ですから、そういった意味では、黒川氏の今回の問題についても一般の公務員と同じ基準で私は判断すべきなんだろうと思います。
 黒川氏に対して多額の退職金が、退職手当が支払われること、これに疑念を呈する国民が非常に多うございます。
 そこで、今回、黒川氏には幾らの退職手当が支払われるのか、また、国家公務員法上の懲戒処分である戒告あるいは減給、これを受けた場合に退職手当は減額されるのかどうか、お答えいただきたいと思います。

#16
○西山政府参考人 お尋ねが個人の退職金額についてということでございますれば、個人のプライバシーにかかわるものでありまして、お答えは差し控えさせていただきます。
 その上で、一般論として申し上げれば、東京高検検事長の役職にあった者が、休業等による除算がなされることなく、例えば勤続期間三十七年で自己都合により退職した場合をモデルケースとして試算いたしますと、その退職手当の額は約五千九百万円となります。
 また、お尋ねの減給処分及び戒告処分の場合、これらの処分を受けたこと自体により退職手当の支給額に影響を及ぼすことはないものと承知いたしております。

#17
○葉梨委員 そうなんですよね。さきに述べたように懲戒免職であるとか停職というのが想定できない以上、国家公務員法上の懲戒処分である戒告とするか、あるいは監督上の措置である訓告とするか、これによって黒川氏が受け取る退職金の金額というのが変わるものではないんです。何が違いがあるか。結果としての違いというのは、勲章をもらうのが何年おくれるかぐらいかなと、それぐらいしかちょっと私は想定できないんですけれども、事実上の退職金ということでは全然差がないということなんです。
 ただ、この処分を決定したプロセスについて、総理とそれから法務大臣の説明が食い違っているという報道があります。すなわち、この処分については、総理は、処分は検事総長が適切に行い、その報告が法務大臣からなされた、私も黒川氏の辞任を了承したと説明していますが、大臣は、内閣とさまざまな協議を行った、最終的に内閣で決定したものを私が検事総長に、こういった処分が相当と申し上げ、検事総長から、訓告処分にするとの知らせを受けたと述べられています。
 これは一体誰が処分を決めたんでしょうか。そこら辺の経緯をしっかりと説明をしてください。

#18
○森国務大臣 黒川氏の処分については、法務省として、調査結果を踏まえ、監督上の措置として最も重い訓告が相当であると考えました。そこで、検事長の監督者である検事総長に対し、法務省が行った調査結果とともに、法務省としては訓告が相当と考えるという意見を伝え、検事総長においても訓告が相当であると判断したものです。したがって、黒川氏の訓告の処分内容を決定したのは、あくまで法務省及び検事総長です。
 そして、任命権者である内閣に報告したところ、法務省としての決定に異論がない旨の回答を得ました。そこで、改めて検事総長に対し、訓告が相当であるということを伝え、検事総長から黒川氏に対し訓告の措置がなされたものです。
 総理に対しては、最終的に、調査結果、これを踏まえて処分したこと、及び、辞意が表明されたのでこれを了解したことを私から報告し、法務省の対応について了承を得たというのが経過です。
 なお、法務省及び検事総長が処分を決定するまでの過程において、法務省から内閣に対し、事務的に、調査の経過の報告、先例の説明、処分を考える上で参考となる事情の報告等を行っています。
 二十二日の記者会見における私の、内閣において決定がなされた旨の発言は、法務省及び検事総長が訓告が相当と決定した後、内閣に報告したところ、その決定に異論がない旨の回答を得たことを申し上げたものでございます。

#19
○葉梨委員 まあ、ちょっとやじもありますが、本当に、そういうような扱いのものを、最終的に内閣が決定したというふうに表現していいものかどうか、私も個人的にはちょっと、いささか不正確だったかなというような感じがいたしますが、しっかり、経緯をちゃんと説明していただかなきゃいけないと思います。
 今回の件で検察に対する信頼は傷つけられました。これに加えて、このような処分を行ったこと、その処分の経緯について、この質疑でも、本当に短時間ではありましたけれども質疑をいたしましたが、これが国民に疑念を持たれるようでは、更に法務省や検察に対する信頼というのは大きく揺らいでしまうんです。ですから、法務大臣始め法務省には、今、本当に、十五分で、もっとやりたかったんですけれども、この質疑で、ポイントで明らかになった点、あるいは、私からも要望して、更にもっと具体的にちゃんと説明してくれというような点、これについては丁寧に国民に説明をしていただくこと、これを強く求めまして、私の質疑を終わらせていただきます。

#20
○松島委員長 次に、階猛さん。

#21
○階委員 立国社の階猛です。
 最初に、ちょっと事実関係。
 きのうの総理の記者会見での発言と食い違うところがありました。総理は、黒川氏に対して退職手当の減額がなされるということをおっしゃっていたと思うんですが、先ほどの事務方の答弁では、減額はされないということでした。どっちが正しいんですか。法務大臣、お答えください。

#22
○森国務大臣 訓告を含む監督上の措置とされた場合には、これらの処分を受けたこと自体により退職手当の支給額は影響を受けないものと承知をしております。
 他方で、黒川氏の場合は、いわゆるかけマージャンを行ったものとして訓告処分に付されており、これは非違行為に当たるものと考えられます。そのため、黒川氏は、国家公務員退職手当法第五条の、その者の非違によることなく退職した者とは認められず、黒川氏には、同条が規定する定年退職等の規定ではなく、同法第三条の自己都合退職の規定が適用されることとなるものであります。これにより、黒川氏の退職手当の額は、同法第五条の定年退職等の規定を適用されて支給される場合より相当額少なくなるものと承知をしております。総理は、その点を捉えて、減額されると発言したものと承知をしております。
 いずれにしても、黒川氏の退職手当は、国家公務員退職手当法の規定に基づき支給されるものでございます。

#23
○階委員 一般論で結構ですが、自己都合の場合は、非違行為で退職しない、通常の退職の場合と違ってどれぐらい退職金は減額されるんでしょうか。

#24
○森国務大臣 あくまで一般論ですが、一般論として申し上げれば、東京高検検事長の役職にあった者が、休業等による除算がなされることなく、例えば勤続期間三十七年のモデルケースで、自己都合により退職した場合と定年により退職した場合を比較いたしますと、自己都合退職した退職手当額は、定年退職した退職手当額よりも約八百万円程度低くなります。

#25
○階委員 先ほど五千九百万円という数字が出ましたけれども、これは減額された後の数字ということでよろしいのか、それともここから減額するのか、どちらなんでしょうか。

#26
○森国務大臣 今のモデルケースでございますと、自己都合退職が約五千九百万円、定年退職が約六千七百万円でございます。

#27
○階委員 いずれにしても六千万円ぐらいの退職金はもらえるということが、果たして国民の理解を得られるかという問題があるわけです。
 そこで本題に入りますが、検察の信頼回復のために引き続き業務に当たってほしいと総理から言われたので、進退伺を出したけれども、引き続きその任にとどまることにしたということを先般の質疑で法務大臣はおっしゃっていました。信頼回復のために大臣として何をするのかというのが全く明らかになっていません。
 まず、それを聞く前に、そもそも検察への信頼が失われたのは何が原因だとお考えですか。法務大臣、お答えください。

#28
○森国務大臣 このたびの黒川氏の行動は甚だ不適切であり、国民の皆様に憤りや御不安を与えたこと、検察に対する信頼を損ねたことに対して、法務大臣として改めておわびを申し上げるとともに、私としても責任を痛感しております。
 信頼回復のための手段でございますが、後任をまず速やかに選任をして、本日から着任をいただきました。
 また、原因についてのお尋ねがございましたが、法務・検察に対しては、この間、国民の皆様からさまざまな御指摘、御批判をいただいております。法務・検察が適正にその役割を果たしていくためには、国民の皆様の信頼が不可欠であり、総理からも、法務・検察の信頼回復のために力を尽くすように指示を受けたところでございます。そこで……(階委員「原因は何かと聞いています」と呼ぶ)原因に関しては、このたびの検察の信頼を損なう不適切な行為等により信頼を失ったと考えております。
 また、このたび、今般、さまざまな御指摘を受けている……(階委員「答えていない。原因は何かと聞いているんです。とめてください」と呼ぶ)

#29
○松島委員長 大臣の答弁中ですから。
 信頼を失う原因についてと何か強調されていましたので、原因だけよろしくお願いします。

#30
○森国務大臣 はい。
 原因についてもさまざまな御指摘をいただいているところでございます。そこで、今般、法務省内に法務・検察行政刷新会議を設置し、その原因を始め、これからの法務・検察行政に関する必要な検討を開始することといたしました。
 国民の皆様の声に真摯に耳を傾けて、法務・検察の信頼回復のため、務めを果たしてまいりたいと思います。

#31
○階委員 もう一度聞きますね。
 信頼回復に努めるということで大臣の地位にいらっしゃるわけでしょう。その信頼回復を果たしていくためには、どうして信頼が失われたのか、その原因を把握していなければ信頼回復の手段なんか考えられないし、まず原因の把握があってしかるべきじゃないですか。これから考えるんですか。おかしいでしょう。自分で原因も把握していなくて、あなたに信頼回復の任が務まるわけないじゃないですか。
 まず、信頼を失った原因について、大臣のお考えで結構ですから、具体的に述べてください。

#32
○森国務大臣 このたびの件については、黒川氏については、東京高等検察庁のトップとして、公私を問わずにみずからを律し、国民から疑念を抱かれないよう格段に意を注ぐべき立場にあったにもかかわらず、かけマージャンをしたこと、また、その時期が、緊急事態宣言下の外出自粛等を国民の皆様にお願いしている時期であったこと等により、社会に大きな影響を与えました。国民の皆様に大変な御迷惑をおかけしたものと考えております。
 また、この間、国民の皆様からさまざまな御疑念、御指摘がございました。そういった意味で、検察の倫理また法務行政のあり方等全般について、その原因について分析するとともに、そのあり方について検討してまいりたいと考えております。

#33
○階委員 今、黒川氏の行為を取り上げられましたけれども、私はそれだけではないと思いますよ。
 今回、首相が廃案も検討するとした検察庁法改正案の問題はおいておくとしても、私は、森法務大臣のもとで検察の信頼が損なわれた原因が三つあると考えています。
 まず第一に、解釈変更という名目で、従来、検察官には適用がないとされてきた定年後の勤務延長を認めたこと、これにより、時の政権に都合のいい人物を長く同じ地位にとどめることができるようになったのではないかということです。そして、厳正公平、不偏不党を旨とする検察官の職務執行への信頼が失われたものと考えております。
 そこで、これを回復する手段について、大臣の見解を伺います。
 日付のある証拠文書すらないこの解釈変更をまずは撤回するのが、今の点に関する信頼回復の最善の手段だと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

#34
○森国務大臣 解釈変更については、またその手法について、一義的に方法が定まっているものではないというふうに考えておりますが、今般は、検察庁法を所管する法務省において有権解釈として解釈をしたものであり、また、適正なプロセスを踏んでおり、問題はないものと考えております。

#35
○階委員 この点だけでも十分時間をとりたいところなのですが、後の質疑者にも譲り、第二の問題を申し上げたいと思います。
 第二として、黒川氏の勤務延長の閣議決定は、いわば余人をもってかえがたいという理由で、現行憲法のもとで初めて行われました。それだけ高い評価を受けた黒川氏であったわけですが、そのような方ですら犯罪行為を繰り返し、しかも、それを秘して検察組織の上層部に勤務延長によって居座り続けたわけです。
 その証拠です。この同意書。これは、一月二十九日付で、「八月七日まで勤務延長されることに同意します。」黒川さんの署名捺印がありますけれども。
 黒川氏、今回の法務省の調査結果でも明らかになっているとおり、この時点ではもう何度もかけマージャンをしているわけですよ。かけマージャンをしているということであれば、これは犯罪行為にも当たり得る。実際に当たるかどうか、それは先ほど葉梨筆頭からもいろいろ議論がありましたけれども、でも、構成要件に該当することは間違いない。そして、常習性があるとなれば三年以下の懲役ですよ。検察庁法によれば、禁錮以上の刑に処せられた者は検察官に任命できないことになっていますよ。そういうことも知りながら、唯々諾々と、肝心なことは秘したまま要職に居座り続けた。
 これはどんな信頼が失われたかというと、検察官は国民の刑事責任を追及するわけですから、それにふさわしい廉潔性というのが検察官には当然求められるわけです。この検察官の廉潔性への信頼が失われたわけでありまして、これを回復する手段としては、黒川氏の勤務延長を認めた閣議決定を取り消し、この閣議決定にかかわった者は責任をしっかりとるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

#36
○森国務大臣 勤務延長については、検察庁を所管する私、法務大臣から内閣総理大臣宛てに閣議請議を行って、適切なプロセスで閣議決定をされたものでございます。
 国家公務員一般の定年の引上げに関する検討の一環として検察官についても検討を進める過程で、検察庁法を所管する法務省において必要な検討を行った上で、関係省庁からも異論はないとの回答を得て解釈を改めたものでございますが、その解釈変更の後、適切なプロセス、先ほど申し上げました適正なプロセスを経たものである上、黒川氏の勤務延長については、検察庁の業務遂行上の必要性に基づき閣議決定されたもので、勤務延長自体に問題はなかったものと考えております。

#37
○階委員 本当に問題ないんですか。
 廉潔性に対する信頼が失われたのではないか、このことについて大臣の見解はどうですか。

#38
○森国務大臣 黒川検事長の勤務延長は、先ほどのとおり、適正に行われたものと承知をしておりますが、このたびの件については、検察の信頼を損なう不適切な行為であり、まことに遺憾であると考えております。
 黒川氏は、東京高等検察庁のトップとして、公私問わずみずからを律し、国民から疑念を抱かれないように格段に意を注ぐべき立場にあったにもかかわらず、かけマージャンをしたことにより世間に大きな反響をもたらしました。国民の皆様に大変な御迷惑をおかけしたと思っております。

#39
○階委員 端的に答えてください。
 これは重要な問題ですよ。検察官は、国民のことを訴追するわけですよね、刑事責任を追及するわけですよね。だとすれば、みずから清廉潔白でなくてはいけない。ところが、清廉潔白どころか、犯罪行為にも当たるかけマージャンを何度も繰り返しつつ、そして、その事実を秘して勤務延長を同意して、要職に居座り続けたわけですよ。これは検察官に対する大きな信頼を損なったと思いますよ。これは、国民が、検察官ですら遵法意識がないんだから我々も法律を守らなくていいんじゃないかということで、法治国家の根幹にかかわりますよ。なのになぜ、今回の調査結果それから処分の理由書、先週金曜日にもらいましたけれども、その中ではどこにも触れられていない。
 どういう理由でここに触れられていないんですか。私はここが一番大事なことだと思いますよ、法治国家、法の支配にとって。大臣、なぜ、この点について調査していないんですか、処分の理由に掲げられていないんですか。お答えください。

#40
○森国務大臣 調査報告書については、皆様の方にお知らせをいたしました。
 その上で、処分をする理由でございますが、検察官は、刑事訴訟法上、唯一の公訴提起機関であり、その職務遂行の公正が直接刑事裁判の結果に重大な影響を及ぶ職責を担っております。
 そして、黒川検事長は、令和二年五月当時、みずから検察官であったことはもとより、東京高等検察庁検事長として、同高等検察庁管内の全検察官を含む検察庁職員を指揮監督する立場にありました。
 そのような立場にありながら、黒川検事長は、調査結果のとおり、令和二年五月一日ごろ及び同月十三日ごろに、東京都内において、それぞれ、記者らと金銭をかけたマージャンを行ったものです。
 また、これらの行為が行われた時期は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために、政府による緊急事態宣言が行われ、広く外出自粛等が呼びかけられていた上……(階委員「同じことを繰り返さないでください。関係ないことを答えないでください。なぜ調査されていないのか」と呼ぶ)お尋ねの処分理由というところを読み上げておりますが。調査については、必要な調査を行い、ただいま述べた理由が、途中ではございますけれども、信頼を失ったということで処分に至ったものでございます。

#41
○階委員 いや、だから、触れられていないんですよ、どこにも。なぜ触れられていないのかという理由を聞いているんですよ。触れられていないのであれば再調査をすべきではないかということを言っているわけですよ。このままだと、到底この調査は不十分ですし、こうしたずさんな調査をもとにした処分も全く不十分だと思いますよ。どう考えても、黒川氏は、自分が検事長の職にふさわしくないという事実を知りながら同意書にサインしているじゃないですか。これは大変な問題ですよ。なぜここが不問に付されているんですか。この点もちゃんと処分の理由に入れれば、全く違う結論になってくると思いますよ。そうなりませんか、大臣。
 この点について考慮した結果というのがどこにも書いていない。なぜなんですか。もう一回、同じことの繰り返しは結構です、なぜこの点について触れられていないのか。私は大臣に聞いています。お答えください。

#42
○森国務大臣 黒川氏の訓告の対象となった事実の本質は、自粛要請期間中にあるにもかかわらず金銭をかけたマージャンに及んだことに強い非難が加えられる点にあります。法務省の調査結果を前提とすれば、黒川氏は勤務延長の同意書に署名した時期にも金銭をかけたマージャンをしていたとも考えられますが、それを秘していたことは処分量定を変える事情までとは言えず、考慮はしておりません。

#43
○階委員 それこそ国民の常識に反しますね。詐欺まがいのことをして検事長に居座って、そして検察への信頼を傷つけている。それを不問に付していいというふうに大臣はお考えになるんですね。とんでもないと思いますよ。
 そして第三に、黒川氏の犯した行為の責任は、大臣も極めて重大だという認識はあるんだと思うんですが、私は、今の点も含めて、情状酌量の余地はないと思っています。にもかかわらず、不透明な手続といいかげんな調査で、訓告という不当に軽い処分しか行われず、自己都合の退職者と同じく、退職金をもらうだけではなくて、ボーナスについてもほぼ日割り計算で支給されるということだそうです。これによって、事案の真相に見合う、国民の良識にかなう相応の処分を実現するというのが検察の理念という文書にも、検察官の目指すべきものということでうたわれておりますけれども、こうしたことへの信頼も失われたんだと思います。
 これを回復するためには、処分の決定にかかわった者が責任をとり、退職手当の支給を差し止めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

#44
○森国務大臣 退職金の差止めについてのお尋ねがございました。
 黒川氏の退職に係る退職手当管理機関は内閣でございますが、内閣の一員であり、かつ検察庁を所管する立場として調査を行った法務大臣としては、黒川氏の場合、国家公務員退職手当法第十三条二項一号又は二号に規定されている退職手当支払い差止め処分の要件に該当しないものと考えております。

#45
○階委員 今の退職手当法に関する説明がありまして、私もきょうの資料でつけておりますが、十一ページにありますけれども、十三条の二項というところに、退職をした者に差止めができる要件が書いてあります。「その者に犯罪があると思料するに至つたときであつて、その者に対し一般の退職手当等の額を支払うことが公務に対する国民の信頼を確保する上で支障を生ずると認めるとき。」ということで、右側にその解説が書いてありますが、二つ要件がありまして、「犯罪があると思料するに至つたとき」ということと、あと、「その者に対し一般の退職手当等の額を支払うことが公務に対する国民の信頼を確保する上で支障を生ずると認めるとき。」
 今回、黒川氏の件でいえば、本人も賭博行為をしたと言っていますので、「犯罪があると思料するに至つたとき」という方は、この右の解説を見ても満たすと思います。
 そしてもう一つ、後段の要件は、法定刑の上限が禁錮以上の刑に当たる犯罪であることが必要なわけですけれども、単純賭博罪か常習賭博罪かで結論が分かれます。単純賭博罪だとこれに当たらない。でも、常習賭博罪だと、三年以下の懲役なので禁錮以上の刑に当たるということなんですが、注目していただきたいのは、この資料十一ページの右の下の方ですね。
 ある事実が犯罪となることについては相当程度の確証があるが、それが法定刑の上限が禁錮以上の刑に当たる犯罪であるか、罰金以下のものでしかないかについては判断しかねるという場合もあり得る。こうした場合には、禁錮以上の刑に当たる犯罪である可能性が十分にある場合には、支払い差止め処分を行い得ると解される。
 こういうふうになっています。要するに、グレーゾーンの場合は差止めができるということなわけですよ。
 今回、常習性が認められるかどうかということについては、調査が不十分なので、まだここははっきりしていないと思います。なぜならば、裏づけとなる調査を相手方の報道関係者には行っておりません。
 また、黒川氏自身、今回、賭博行為を行ったのは、大臣も言ったように、緊急事態宣言下で外出自粛要請がかかっている、そういう中で、自分が世間の注目を浴びているということも認識しているので、通常であれば外出なんかしないはずですよ。そして、あろうことか、外出しただけではなくて、報道関係者とかけマージャンという犯罪行為にも及んでいるわけです。このかけマージャンという犯罪行為をマスコミとこの時期に行ったならば、どう考えたって、自分のスキャンダルが週刊誌などに報道されるリスクがあるじゃないですか。でも、それをあえてやるということは、私は、もう完全にギャンブルに対して依存している、規範意識が鈍麻している、まさにこれこそが常習性の発露ではないかと。だから私は、もっとしっかり調査をして、常習性を認定すべきだと思います。
 当然、刑事処分をこれから検察庁の中でも検討すると思いますが、その中で常習性が認められて常習賭博罪が成立する可能性がある以上、今の段階で退職手当を支給するのはよろしくない。よって、この十三条二項に基づいて退職手当の差止めをするべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#46
○森国務大臣 委員御指摘の運用指針において、禁錮以上の刑に当たる犯罪である常習賭博における常習性があるかどうかということでございます。
 人事院の処分指針では、常習性に関する明確な解釈等は示されておりません。その上で、常習性の事実認定に当たっては、刑法の常習性についての考え方が参考になると考えられます。常習として賭博したか否かは、賭博の種別、賭博の複雑性、賭場の性格、規模、賭金額の多寡、本人の役割、賭博の相手方、営業性等の諸般の事情を総合的にしんしゃくして判断されるべきと言われております。
 本件は、旧知の間柄の者との間でマージャンを行ったものである上、かけ金も必ずしも高額とは言えず、また営業性を帯びているものとも言えないことから、常習として賭博をしたものとは認められなかったものでございます。

#47
○階委員 十ページに、常習賭博罪の常習性を認定する際の参考となる判例が挙げられていますけれども、下線を引いていますが、判例は常習者説を採用し、賭博常習者とは、賭博を反復累行する習癖ある者をいい、主観的な習癖の成立を要するということであります。
 主観的な習癖、私は、黒川氏にはあるんだと思っていますし、反復累行の客観的事実があるかどうかということについては、法務省も認めているとおり、まだ全然調査が特定するところまで進んでいないわけですね。これを特定していくための調査を本来するべきであったし、当然、刑事事件になれば、ここはしっかり調べられるんだと思います。
 本当に検察の信頼を回復する気があるのなら、こういうことをしないうちに退職金の支払いはするべきではない。これは国民の一般的な常識でそうだと思いますよ。大臣はそう思いませんか。退職金の支払いをすることが国民一般の理解を得られると思っているんでしょうか。お答えください。

#48
○森国務大臣 退職金の支払いについては法令にのっとってなされるものと承知しておりますし、委員御指摘の差止めについては、先ほど答弁したとおり判断したものでございます。

#49
○階委員 全くもって、検察の信頼回復に努めるつもりがないということがはっきりしてきました。大臣、本当にその任にとどまる意味があるんでしょうか。そもそも、御自身も、検察の信頼を損なうような虚偽の発言を国会でしてきましたよね。その上更に、今回の黒川氏の件についても、信頼回復のためになすべきことをやらない。それで本当に法務大臣として務まるんでしょうか。
 私の方で退職金の話を取り上げましたけれども、まず、そもそも、訓告にする手続自体もおかしいわけですね。さっきのお話だと、法務大臣が調査をして、そして検事総長に、この処分案でどうですかということを言ったということですが、そういう法務省の内規になっていますか。
 法務省の内規は、五ページ目にありますけれども、検事長に監督上の措置、すなわち訓告などを行う場合は、検事長の上司に当たる検事総長の方でこれは行うわけであって、その権限は、調査の権限も検事総長にあるというふうに思われるわけですけれども、どういう権限に基づいて今回の調査を行ったんでしょうか。法令上の根拠を挙げてください。

#50
○森国務大臣 監督上の措置である訓告を申し渡す主体については検事総長でございます。
 調査については、最高検による調査を行うことも考えられますが、先例として、法務省が行った場合もございます。
 本件は、検察庁とも話し合った結果、検察に対する国民の信頼を損ねる甚だ不適切な事案であることから、法務省としてできる限り速やかに必要な調査を行うことが重要であると考え、法務大臣の指示で、職員の人数が比較的少ない最高検察庁ではなく、法務省が調査を行ったものでございます。

#51
○階委員 ということは、法令上の根拠はないということですね。
 任命権者である内閣は、この調査あるいは処分には当然かかわっているんだと思いますけれども、大臣は、その内閣の指示により検事総長に対して調査を行わせるのではなくて、自分で調査を行ったということなんでしょうか。

#52
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、委員御指摘のように、検事長に関する監督上の措置の措置権者は検事総長でございます。ただ、これは、監督上の措置を打つ場合に誰の権限で打つかということでございます。
 法務省は検察に関することを所管しておりますので、最高検察庁が調査をするということも考えられますが、法務省で調査することも考えられるわけでございます。
 また、任命権は内閣にございますが、御承知のように、内閣の権限行使は合議体である内閣が行うものでございます。私ども法務省、法務大臣は、内閣の一員として検察に関することを所管しております。したがって、例えば、内閣で何か決定をしていただく、閣議決定をしていただくということがあれば、法務省から閣議請議をして、内閣による決定を行うという関係に立ちますので、今件の場合であるならば、調査は最高検察庁か法務省いずれかによって、それぞれの権限によって行うということでございまして、今回は、できるだけ速やかに必要な調査を行うことが重要などの観点から、まず法務省で調査をし、法務省で調査をした結果、法務省で検討いたしまして、本件は懲戒処分ではなく監督上の措置が適切だと考えたことから、措置権者である検事総長にその旨を伝えて、検事総長がさらに監督上の措置権者として判断して、訓告処分にしたということでございます。

#53
○階委員 訓告を含む監督上の措置を行う場合の要件、四ページの第一条にありますけれども、まず一つ目は、「国家公務員法第八十二条第一項各号のいずれかに該当する場合」というのがあります。
 法務大臣、八十二条は懲戒に当たる場合を定めたものなんですが、懲戒事由を定めたこの各号のいずれかに当たるという認定をされたということは、まずよろしいですね。大臣、お答えください。

#54
○森国務大臣 はい、そうです。

#55
○階委員 ということは、懲戒事由もあるということですから、内閣の任命権者の判断で懲戒処分にすることもできたわけですね。でも、そちらをとらなかった。それはなぜかというと、二つ目の要件です。「服務の厳正を保持し、又は当該職員の職務の履行に関して改善向上を図るため必要があると認められるとき」という要件を満たすから、こちらの訓告の方に行ったわけですね。
 ところで、今回の黒川氏の場合は、改善向上を図る必要があるんでしょうか。改善向上を図る必要なんかないですよね、現に退職していますし。そもそも、改善向上を図る必要がある人が、こういう要職に勤務延長までしてとどまるんでしょうか。この二つ目の要件、なぜ満たすのか、大臣、お答えください。

#56
○松島委員長 では、速記をとめます。
    〔速記中止〕

#57
○松島委員長 速記を動かしてください。
 大臣。

#58
○森国務大臣 御指摘の条文は、「服務の厳正を保持し、又は当該職員の職務の履行に関して改善向上を図るため」と、又はとなっておりまして、又はの前の「服務の厳正を保持し、」という必要があると考えます。

#59
○階委員 確かに、「服務の厳正を保持し、」ということもかかっていますね。服務の厳正を保持するということは、退職しないでそのままその任にあり続けることを前提にしていますよね。なぜ辞職を認めたのですか。お答えください。

#60
○森国務大臣 検察の服務の厳正を保持するために必要であると考えます。

#61
○階委員 服務の厳正を保持するという観点で訓告にしたのならば、なぜ辞職を認めたのでしょうか。

#62
○森国務大臣 ですから、こちらの条文を読みますと、「服務の厳正を保持し、又は当該職員の職務の履行に関して」となっておりますので、検察一般の服務の厳正を保持するために必要であると考えます。

#63
○松島委員長 質疑時間が終了いたしております。

#64
○階委員 はい。
 全く意味がわかりません。服務の厳正を保持するのであれば、その任にとどめて、必要あれば、法務大臣の権限で、検察官の適格審査会に今回の件について審査をお願いすべきだったと思います。
 また、最後に申し上げますけれども、人事院に調べてもらったところ、過去には、法務省の中で、賭博で免職になった人、停職になった人もおりまして、こうした事例と本当に黒川氏の処分がバランスがとれるのかということも申し上げたいと思います。

#65
○松島委員長 持ち時間が終了しております。

#66
○階委員 国民の検察への信頼回復は全くこれではおぼつかないということを申し上げまして、質問を終わります。
 以上です。

#67
○松島委員長 次に、山尾志桜里さん。

#68
○山尾委員 おはようございます。
 私、今の質疑を聞いていましたけれども、この検察定年延長問題をめぐる一連の出来事の核心は、黒川さんのかけマージャンではなくて、森大臣の請議に始まった違法な閣議決定だと思いますよ。きょうはその話をしますけれども、その前に、もう一つ、ちょっと今やらなきゃいけないことがありますので、香港の問題を最初に取り上げさせていただきたいと思います。
 森大臣、伺いますので。まず聞くことは、中国政府による香港への国家安全法案の一方的な導入の動きに対しての大臣の事実認識と評価を伺います。準備をしておいてください。
 少し説明します。
 今、こうした動きに対して、国際社会から非難をする声が拡大をしております。イギリス、オーストラリア、カナダの外相は共同声明で、香港の住民、議会、司法の直接参加なしの立法は一国二制度を明確に弱体化させるとして深い懸念を表明しました。EUの外相も、香港の高度な自治の維持を中国に求めています。アメリカでは、トランプ大統領が、実現すれば、我々は非常に強力に対処するというふうに述べたりとか、オブライエン大統領補佐官は、高度な自治が維持されているとは言えなくなり、制裁を科すことになるだろうというふうに発言をしております。
 それぞれ言い方、又は、我が国の大臣、政府としての適切な言い方というのはあるんだろうと思いますけれども、やはりこうしたことに対しては、政府からもきちっと明確な発信をしていただきたい。
 森大臣は、法務委員会、三月六日の所信で、京都コングレスの文脈で、ピース・アンド・ジャスティス・フォー・オールと言っていました。法の支配を貫徹することで全ての人が平和と公正を享受できる社会を実現することは、法務行政に課された責務だとおっしゃっていました。まさに今、中国政府による一国二制度の実質的な破棄行為が不公正に行われようとしていると私は思います。香港の憲法である香港基本法に、香港市民の関与がないままに香港市民の自由と権利を脅かす法律が書き込まれようとしております。法の支配の貫徹が揺らいでいます。私は、この中国政府の動きに対しては強く抗議をしたいと思います。
 この状況について、森法務大臣の事実認識と評価を伺います。

#69
○森国務大臣 お尋ねの香港での国家安全法制案の審議をめぐる状況に対して、我が国政府としては強い懸念を持って注視をしており、自由で開かれた香港が安定的に繁栄することが重要であると考えているものでございます。
 それ以上の同法案に対する政府としての対応のあり方等については、法務省の所管ではないことから、お答えを差し控えざるを得ません。
 また、委員御指摘の、国際社会での重大人権侵害に対する公正な制裁を、失礼いたしました。以上です。

#70
○山尾委員 多分先の答弁を読まれようとしたんだと思いますけれども。
 今、森大臣から言葉がありましたけれども、法務省の所管ではないというふうにおっしゃいましたが、私は、やはりこういう問題については、外交的なポジションと離れて、フェアに法の支配の立場から法務大臣が発信するという役割が、外務大臣とは別の、なすべきあるいはできる役割としてあるんだろうというふうに思っていますので、ここはしっかり外務大臣と連携しつつ分担をして、森大臣、法務大臣だからこそできる法の支配に対する強い懸念というのをしっかり表明をしていただく必要があるというふうに思います。
 その上で、国会議員の皆様にもぜひ呼びかけたいんですけれども、皆様のお手元に配っている資料ですが、これは、中国政府による香港への国家安全法の一方的な導入に反対するという共同声明です。今の時点で二十六カ国から二百三十三人の議会人が署名をしています。きのうの時点では日本からの署名はなかったんですけれども、現時点で私と山田宏議員が二名、署名で参加をしております。
 ぜひ、日本の国会議員として、基本的人権と法の支配という普遍的な価値を守るという意思表示、これをしていただきたいというふうに思いますし、そのことは、日本という国家の価値観を示すことにもなるというふうに思います。ぜひ、みずからの正義に照らして、その正義を行動で示していただきたいというふうに思います。
 また、個々の議員の動きだけではなくて、国会としての意思表示や決議もするべきだと思います。さっきは外務大臣と法務大臣の役割分担の話をしましたけれども、やはり、外交上のさまざまなことを考えると、内閣と国会の役割分担というのもあるんだろうというふうに思います。なので、国会、立法府として、ぜひ、超党派で、幅広い国際社会からの意思表示に加わって、普遍的な価値へのコミットを示すための決議に向けてお力をかしていただきたいというふうにお願いをします。
 その上で、もう一度法務大臣に質問を戻します。
 多分先ほどちょっと答弁されようとしたことなのかなと思いますけれども、今回は中国政府の振る舞いが問題となっているわけですけれども、大切なのは、どの国家の振る舞いであっても法の支配を潜脱したり基本的人権を侵害することは許されないということだし、そうした振る舞いに対してはどういう国家に対してもフェアに対処をするということが日本にとって大事なことだと思います。だから、外務大臣じゃなくて法務大臣に、やるべきことがあるんだというふうに申し上げたわけです。
 そこで、国際的なこういう重要な人権問題に、フェアな立場で、政府だけではなくて国会も主導的な立場をとってコミットしていくような法制度というのが国際社会で今広がっております。それこそアメリカ、カナダ、そして今はオランダなどを中心にEUでも広がっていますけれども、つまり、看過できない国際的な重大な人権問題について、国会主導で制裁を検討する、あるいは調査を求めることができる、グローバル・マグニツキー法と言われるものですけれども、これが広がっています。
 日本でも、北朝鮮の拉致問題など、我が国にとって看過できない重大な、深刻な人権問題については、政府が主導で資産凍結や往来規制、輸出入規制など制裁を科してきたわけですが、ここから先、制度を一歩前に進めて、こうした重大な国際的な人権侵害行為に対して、政府のみならず、国会も含めて調査を要求し、制裁を科すことができるような、こうした法制度を検討すべきだと思います。
 アメリカでは、例えば、個別に、香港人権法とかあるいはウイグル人権法とか、そういうものも進んでいるわけですけれども、まず、その前提として、普遍的な一般法があった上で、個々の事案に法律で対処をしようとしているわけですが、私は、日本という国にとっては、何か個別の事案に、個別の国家に対して法で何かを問うというよりも、そうした普遍的な、一般的な法制度のもとに、しっかり言うべきことを言い、やるべきことをやっていくということがふさわしいのではないかなというふうに思っていますが、日本にはこうした普遍的な法制度はそもそもないし、議論もされておりません。ぜひ問題意識を持っていただきたいのですが、大臣の認識を伺います。

#71
○森国務大臣 もとより、国際社会において法の支配や基本的人権の保障が極めて重要であることは言うまでもなく、各国が、こうした基本的価値の下で、自由で開かれた体制で、民主的、安定的に発展していくことが重要であると考えております。
 その上で、委員御指摘の、国際社会での重大人権侵害に関して国会も一緒になって調査をし、公正な制裁を可能とする制度というふうに述べられましたが、こういった新たな制度をつくっていくことに関しては法務省の所管ではありませんので、所見を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。

#72
○山尾委員 法務省の所管ではないというのが私はそもそも違うというふうに思いますし、ぜひ、この機会にこのことに問題意識を持ってもらって、やはり、少なくとも今閣僚の一員ですから、法の支配のつかさですし、国際的に法の支配を貫徹する立場にあるわけですから、しっかりと検討していただきたいというふうに思います。
 その上で、次のテーマに移るんですけれども、ここまでは国際的な法の支配をいかに守り抜くかという話でした。ただ、国内で法務大臣が法の支配を骨抜きにしている状態で、正直、森大臣のもとで国際的な正義の存在感を日本国家が出していくことができるんだろうかということを私自身は極めて懸念をしております。
 もし、四月二十日に京都コングレスが予定どおり開催されていたら、この検察定年延長の問題で国内で法的信頼の基盤が揺らいでいる法務大臣に、本当に、各国の法務大臣に対して、法の支配とか基本的人権の尊重とか、そういう権力分立というのをどういう顔で説得的にメッセージできていたんだろうかというふうに、正直、大変懸念を覚えますし、延長されて開催される際には、申しわけないですけれども、しっかりと法的信頼の基盤の上に立った法務大臣で国際的な会議には登場してもらいたいというふうに思っています。
 その上で、今回のこの定年延長問題ですけれども、私、最初に申し上げました、核心は黒川問題ではない、黒川さんのかけマージャンは不適切だけれども、それ以上に不適切なのは、森大臣の違法な閣議決定を依頼する請議、一月二十九日であり、その請議に基づいてなされた安倍内閣の違法な閣議決定人事だというふうに思います。
 そこで、森大臣に伺います。
 一月二十九日に森大臣は、黒川さんを定年延長すべしという閣議請議をしております。そして、一月三十一日にその閣議決定がなされていました。そして、森大臣の現時点の答弁を踏まえると、検察官に定年延長ができるというふうに解釈の変更がなされたのは一月二十四日であったということになっております。
 大変シンプルな質問ですのでお答えください。
 一月二十四日に既に解釈変更がなされていたのであれば、二月十日、予算委員会で、私が森大臣との質問に立って、まさにこのテーマをやりとりしたときに、解釈を変更しておりますという事実を言わなかった理由は何ですか。

#73
○森国務大臣 今般の解釈について述べていたと思います。

#74
○山尾委員 もう一回だけ質問します。答えてください。
 解釈を変更しましたという事実を言わなかった理由は何ですか。

#75
○森国務大臣 解釈を変更したかというお尋ねではなかったからです。

#76
○山尾委員 解釈変更どころか、過去の政府見解すら、検察官の定年延長はできないという過去の政府見解、これにすら言及しなかったのはなぜですか。

#77
○森国務大臣 二月十日の山尾委員の御質問は、議事録を見ていただければわかるとおり、昭和五十六年当時の国会議事録についての認識を質問され、パッケージ論というようなものを述べておられたと承知をしております。

#78
○山尾委員 勝手に議事録をねじ曲げて、私の見解をパッケージ論というふうにレッテル張りするのはやめてください。
 そして、議事録を見ていただければわかるとおり、私は六回聞いています。六回目は、議事録のことを聞いていません。過去の政府見解に対する認識を尋ねています。そして、それに対して森大臣は承知しておりませんというふうに言っておりますし、これは議事録に明記をされております。
 知っていたのに知らないと言ったのは、じゃ、なぜなんですか。

#79
○森国務大臣 当時の二月十日の山尾議員の御質問でございますが、議事録についての御質問ということの通告の内容について事務方とすれ違いがあり、私の手元には議事録がなかったわけでございますので、なかったことを、今手元にないことを申し上げ、その詳細については認識をしていないということを述べたものであり、検察官には勤務延長制度の適用はないという従前の解釈が、それがないという趣旨で答弁したものではございません。

#80
○山尾委員 ちょっとわからないんですけれども、私、まだちょっと手元にありませんけれども、特にその議事録について何か詳細に通告をしたという記憶はないんですけれども、何が森大臣と事務方の間で、何についてすれ違いがあって、何の準備に問題があったんですか。

#81
○森国務大臣 議事録を私が手元に、委員会室に持ってきておりませんでした。

#82
○山尾委員 持ってきているかどうかは聞いていないんですね。
 議事録の詳細について知らないというふうに大臣が答弁したのは私もしっかり記憶をしておりますが、私が言っているのは、議事録の質問だけではなくて、私は過去の政府見解に対する認識を尋ねていますよね。それを議事録しか尋ねられていないというふうに勝手に矮小化するのもやめていただきたい。
 さっき、もう一点、何で解釈変更しましたと言わなかったんですかと私が尋ねたら、尋ねられなかったからと言いましたか。質問されなかったと言いましたか。
 森大臣、伺います。
 こうした検察庁法という検察の独立にかかわる法律の重大な解釈変更について、まさにその旨を質問されない限り、こういった委員会を通じて国民に知らせる義務はない、そういうことですか。

#83
○森国務大臣 今般の解釈については申し上げたつもりでございます。

#84
○山尾委員 変更をしたということについては知らせる必要はないということですか。

#85
○森国務大臣 知らせる必要がないということではなく、国会では御質問されたことに対して真摯にお答えをしておりますので、その際の御質問に適した回答をしていた、そういう理解でございます。

#86
○山尾委員 知らないことをその場で知ったかぶりをしてしまうというのは、人間、間々あるんですよ。でも、知らないと正直に言ってしまっておきながら、実は知っていましたと言い張るのは前代未聞なんですね。
 しかも、国会の予算委員会で大臣として答弁しているわけです。今でも、誰でもアーカイブで見られるんですよ、森大臣が承知しておりませんということを言っているのが。インターネットでもこの様子はどんどんシェアされて、繰り返し再生されているんですね。それを見ている国民に対して、いや、私は知っていたんです、聞かれていなかったから答えなかっただけですと。本当にそういう説明で、法務大臣として、自分の良心が耐えられるんですかね。
 私はこの間ずっと一連のやりとりをしてきましたけれども、結局、森大臣、二月十日の時点では、過去の政府見解、あえて言えば二月十日当時の政府見解、これを知らなかっただけだと思いますよ。検察官の定年延長は現時点で法の解釈として許されない、国公法は適用されないという、その当時の政府見解を知らなかっただけでしょう。
 だから、結局、今回の一月三十一日の閣議決定というのは、私は二重の違法があると思っています。一つは、そもそも解釈変更の限度を超えた解釈変更であるという違法。そしてもう一つは、実際は二月十二日から十三日にかけて、つまり人事院の松尾さんが今も変わっておりませんと言っちゃってから、その当日から翌日にかけて行われた解釈変更を、一月二十四日に既に行われたことにして、時点をずらした違法。私は時点をずらした違法なんて言ったこともないんですけれども、こんな時空を超えた違法なんて法務省がやると思っていなかったから、今まで。
 こんな二重の違法を抱えた閣議決定はやはり撤回していただきたいんですが、大臣、いかがですか。

#87
○森国務大臣 二月十日の山尾委員からの御質問は昭和五十六年当時の議事録についての御質問でございましたが、その議事録には、定年延長が適用されないというふうにダイレクトに記載はされておりません。定年制について適用されないと書いてあり、その定年制の内容が何かということが問題になってくると思います。
 そして、その定年制の内容については、定年年齢と退職時期の二点であるというふうに私がこの二月十日のときに御説明したつもりでございます。

#88
○山尾委員 余り意味のない答弁で時間を浪費しないでほしいんですね。閣議決定はもう撤回するべきだということに対して的外れな答弁がされるわけですけれども、私は本当にこの閣議決定というのは撤回されるべきだと思います。大臣がかわった後の大臣でも構いませんよ、この中で誰かがなったら、撤回してほしいと思います。
 その上で、今、あともう一つ宙に浮いている検察庁法改正案の特例部分の問題があります。
 これはまさに、自民党の中でも、出し直す際にはいろいろちょっと考え直そうと、廃案というような声も聞こえているやにも聞いていますけれども、ちょっとこのことを、しっかり法務大臣とやりとりを今のうちにしておきたいというふうに思いますが、大臣、お伺いします。
 検察庁法改正案の特例部分、個別の特別扱い部分については、現在の法務大臣の認識として、今なおこれが必要だというお考えですか。

#89
○森国務大臣 定年延長と役おり特例の特例部分でございますね。
 はい。必要であると考えております。

#90
○山尾委員 その必要性はどこにあるんですか。

#91
○森国務大臣 社会経済情勢の変化及びこれに伴う犯罪の複雑困難化が進んでいる中で、公務の運営に著しい支障が生ずる場合があると考えられるところから、勤務延長、役おり特例を認める立法事実はあると考えております。

#92
○山尾委員 その事実に基づいて戦後唯一、定年延長がされた黒川さんが今やめているんですけれども、それでは、黒川さんが指揮していたいかなるプロジェクトのいかなる事件のいかなる捜査や公判に今著しい支障が生じているんですか。

#93
○森国務大臣 黒川検事長については、勤務延長のときの閣議請議に記載されておりますように、東京高検管内の重大、複雑事件又は管内部下職員への指揮監督等について理由にしておりますが、その個別の内容についてここで言及することは、それぞれ個別の事件の捜査にも影響を与えることから、差し控えさせていただいております。

#94
○山尾委員 ここにいる皆さんおわかりのとおり、著しい支障なんて具体的に生じていないというのは、もう森大臣以外全員が共有している感覚だと思うんですね。
 その上で、今の答弁でわかるのは、万が一にもこの特例法案が制度として成立した場合に、定年延長がなされる、特別に役職維持がなされる、そして、なぜこういう特別扱いがされたんですかというふうに私たちがこの国会で質問する、そのときに法務大臣の答弁は今の森大臣の答弁になるということなんですよ。幾ら基準を明確にしたって、なぜその基準にこの人が該当すると考えたのかという質問をしても、今の法務大臣以上の答弁は返ってこないということなんですよ。
 つまり、そうした特別扱いを納得させるだけの国民に対する説明責任を果たすつもりもなければ、果たせるような制度にもなっていないということが、今の森大臣の答弁で明らかになるわけですよ。
 森大臣、そういった基準に対する当てはめの部分を、一切、個別の事件なのでというふうに言ってこれからやっていくんだったら、今後こんな制度をつくられたって、国民は、何でこんな特別扱いが必要だったのか、許されるのか、全く判断するよすががないということになるんですけれども、もし、それでいいということであれば結構ですが、それでは困るとお思いなら、もうちょっとちゃんと、当てはめ、具体的な事情を言っていただけませんか。どっちでもいいですよ。必要がないなら必要ないで結構です。

#95
○森国務大臣 改正国家公務員法の勤務延長の要件は、現行法と比して緩められておらず、また、役職定年制の特例の要件も、勤務延長と同様の要件が定められております。そして、これらのより具体的な要件は、新たな人事院規則において適切に定められることになっております。
 一方、検察庁法において検察官の勤務延長や役おり特例が認められる要件については、職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該職員の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣が定める事由などと規定をし、改正国家公務員法と比しても緩められておらず、より限定的となっております。その上で、これらの要件をより具体的に定める、内閣が定める事由についても、新たな人事院規則の規定に準じて定めることになっております。
 そして、国会での御指摘も踏まえ、新たな人事院規則について、人事院になるべく早く作成いただくように要請をしている傍らで、並行して、我々の方においても、内閣で定める事由について具体的な内容をお示しできるように検討に着手をしているところでございます。

#96
○山尾委員 私は基準の話を聞いておりません。どんな基準を立てても、森大臣のような当てはめの説明では国民に納得がいかないですよ、もうちょっとしっかり具体的な当てはめを説明できるというなら、今少なくとも唯一あるこの事例で具体的な当てはめをおっしゃったらいかがですかというふうに言っておりますので、今の答弁はまるっきり私の質問に対する答えになっておりません。
 つまるところ、だから、もっとちゃんと具体的に当てはめてくださいよと言って、一切ないわけだから、結局、著しい支障という立法事実そのものがないとしか思えないわけですよね。立法事実がないのに、この特例法案というのは物すごくデメリットが大きい。
 その話もしなきゃいけないんですが、もう一つ、私、気になっていることがあるんです。この特例法案の目的について、森大臣がちょっと別の説明を挟み込み始めているように感じております。それは、国民主権のもと、内閣による検察人事を通じて民主的統制を図るんだということであります。
 森大臣に伺います。
 特例人事を制度化する目的に、この、内閣による検察人事を通じて民主的統制を図るという目的も含まれるんですか。
    〔委員長退席、越智委員長代理着席〕

#97
○森国務大臣 国会の中の御指摘の中に、検察官の独立性という御指摘がございます。もちろん、検察官は、準司法機関として、検察官の独立性が重要な要請でございますが、一方で、検察は行政機関の一部でございますので、任命権者がもともと内閣又は法務大臣となっているところでございます。その理由について、民主的統制という言葉を使わせていただいたところでございます。

#98
○山尾委員 もう一回だけ聞きますね。
 今回の検察庁法の特例部分の制度化の目的には、内閣による検察人事を通じて民主的統制を図るという目的が含まれているのか、含まれていないのか、どちらですか。

#99
○森国務大臣 今御説明したことの繰り返しになりますが、任命権者が内閣又は法務大臣となっていることが民主的統制を及ぼすということでございます。
 そして、新たな人事院規則に準じて定めるものが内閣が定める事由とされているのは、任命権者がするものであることから内閣が定める事由としたということを御説明しているところでございます。(発言する者あり)

#100
○越智委員長代理 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

#101
○越智委員長代理 速記を起こしてください。
 改めて質問を。

#102
○山尾委員 じゃ、もう一回だけお伺いをいたします。
 この検察庁法の改正案の特例人事を制度化する部分について、その立法目的には、内閣による検察人事を通じて民主的統制を図るという目的が含まれるんですか、含まれないんですか。

#103
○森国務大臣 含まれておりません。

#104
○山尾委員 じゃ、含まれていないということは、五月十五日の内閣委員会あるいは二十二日の法務委員会で藤野委員の質問に対して、こういうことをやると検察の独立が害されるんじゃないですかという趣旨の質問だったと思うんですけれども、それに対して、国民主権のもと、内閣による検察人事を通じて民主的統制を図るんですという答弁は、これは違ったということになるんですか。

#105
○森国務大臣 私の答弁の内容は、検察官については、法律上、その人事権者は内閣又は法務大臣であり、改正前後で変わるところはないと述べております。それについて、その改正前後で変わるところはない人事権者が内閣又は法務大臣であるということの理由として、国民主権の見地から、公務員である検察官に民主的な統制を及ぼすためであるというふうに述べております。

#106
○山尾委員 そうだとすると、任命権が内閣にあるという法目的にそういった統制ということがあるんだとすれば、任命権と定年延長をめぐる判断権者が同一であるべきという前提に今立たれているわけで、だとすると、そういった定年延長の判断権者が内閣にある、こういう法制度の立法目的にも、つまるところ、人事を通じた民主的統制という目的が維持されるというか、同じように及ぼされるというふうにしか私は受けとめられないんですけれども、なぜそこは変わるんですか。

#107
○越智委員長代理 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
    〔越智委員長代理退席、委員長着席〕

#108
○松島委員長 では、速記を起こしてください。
 大臣、答弁を。

#109
○森国務大臣 先ほど申し上げましたが、検察官については、法律上、その人事権者は内閣また法務大臣であり、改正前後で変わるところはございません。これは、任命行為において民主的な統制を及ぼすところであります。
 一方、勤務延長については、あくまで公務上の支障を回避するために行うものであります。

#110
○山尾委員 そうだとすると、ここに、五月十五日、藤野委員に対する森大臣の答弁があるんですけれども、このように書いてあります。答弁ですね、森大臣の。国民主権の見地から、公務員である検察官に民主的な統制を及ぼすために、行政権が検察官の人事を行うというふうにされたものでございますと。
 そうすると、この人事の中に、定年延長するかどうかだとか、するとして役職をどうするかだとかということは含まれないということになりますけれども、それでよろしいんですか。

#111
○森国務大臣 恐れ入りますが、ちょっと質問の趣旨が把握できなかったので、もう一度お願いできますか。(山尾委員「そうしたら、とめていただいたら、議事録を見ていただいたらいいんじゃないですか」と呼ぶ)

#112
○松島委員長 それでは、速記をとめてください。
    〔速記中止〕

#113
○松島委員長 じゃ、速記を起こしてください。
 大臣。

#114
○森国務大臣 失礼いたしました。人事制度の目的は民主的統制を及ぼすものというふうに申し上げましたが、人事制度全般についての目的でございまして、個々の制度、例えば勤務延長制度については、公務の支障を回避するために行う、それが目的であるということです。

#115
○山尾委員 ちょっとよくわからないんですけれども、内閣が有する検察に対する人事権ということは、もちろんその任命をする際にも発動されるわけですし、私は大反対ですけれども、今、皆さん、大臣が提案しているのは、定年になった後、延長するかどうかとか、あるいは役職をどうするかとか、これは全部合わせて人事ですよね。
 それは、それぞれ、民主的統制以外の目的があるんでしょう。だって、検察官を任命するにも、当然、そういう検察官がやるべき必要な公務があるから、それにふさわしい者を任命するという目的があるわけですよね。多分、定年延長でも、皆さんの話だと、どうしてもこの人じゃないと務まらない業務をやるためという目的があるわけですよね。
 それぞれ、そういう具体的な目的を果たすために、その最終的な判断権を内閣が持つということの立法目的というのは、つまるところ、検察内部に任せるのではなくて、やはり民主的な背景を持っている内閣がやるのがふさわしいという統制がその背景にある、こういうことなんじゃないんですか。
 任命権のところだけは民主的統制という背景、プラス、公務に必要ですよね、任命するということは。があるのに、なぜ、この定年延長という話になると、突然その本質的な背景の部分がなくなって、業務の遂行という目的だけになるんですか。

#116
○森国務大臣 全体の背景が突然なくなるという御疑問をお述べになりましたけれども、先ほど申し上げましたとおり、検察官については、法律上、その人事権者は内閣又は法務大臣であり、改正前後で変わるところはございません。
 ですので、人事制度全般については民主的統制というものが目的にございますけれども、個々の制度についてはそれぞれ目的がございまして、勤務延長については、公務の支障を回避するというところが目的でございます。

#117
○山尾委員 いや、そうであれば、任命権のところも、その目的というのは、検察という必要な業務に適切な人事をするためという目的があるということならわかるんですよ。だけれども、どうして、さまざまな検察人事にまつわるさまざまな判断権を内閣が持っているということの、人事制度全体の目的は民主的統制にあるのに、その個々の判断権の制度の背景にはそれがなくなるのかということが私にはわからないんですけれども。

#118
○川原政府参考人 検察官の人事制度と法案の目的に関することですので、私からお答えをさせていただきます。
 先ほどから大臣が任命権とおっしゃっておられるのは、要するに、山尾委員がおっしゃるように、人事制度全体がありまして、これを誰がつかさどるべきかという問題だろうと思います。
 これは、内閣あるいは法務大臣が検察官の人事権をつかさどることによりまして民主的統制を及ぼしているという関係は間違いないということで、その人事権を誰がつかさどるかということをもって任命権ということで説明しているところでございます。ですから、いろいろなことについて任命権者が任命権者がという形で出てくるのはそういうことでございます。
 次に、山尾委員の御質問で、じゃその上で、新たに改正法によって役おりの特例とか勤務延長、まあ勤務延長は現行法でもできるというよりは、その規定を整備するというのは何かと。
 これは、検察官の人事制度の中で、個別に公務の支障を回避するための制度を整備する必要があるからとやるものでございまして、その制度の導入という場面に限定すると、そこに新たな、現行と違う民主的統制を入れるという趣旨はございません。
 ただ、その効果といたしまして、例えばA高等検察庁の現在の検事長Xが勤務延長されましたら、それは、内閣によって任命された、すなわちそういった形の民主的統制を受けたXがその検事長になっている。もしここが、定年延長しないでYが検事長になれば、そのA高等検察庁の新たな検事長Yは民主的統制を受けているという関係になりますので、そこのポストにいる、そのときいる検事長は民主的統制を受けているのかと申しますと、人事を誰がつかさどるか、すなわち任命権者は誰かという問題によって民主的統制を受けておりますが、今申し上げましたように、Xが勤務延長された場合、そのXの勤務延長は新たに民主的統制を加えるためかと申しますと、それは異なりまして、公務支障を回避する、そういう関係でございます。

#119
○松島委員長 山尾さん、持ち時間は終了しております。

#120
○山尾委員 法案の目的ですので私がとおっしゃいましたけれども、法案の立法目的は大臣が語るべきことであって、その支える基礎的な数字などの事実は刑事局長だということだと思います。ただ、その上で、法務大臣の答弁よりは刑事局長の答弁を聞いた方がよほど、私も半分ぐらいは理解をできました。このことはすごく極めて重要なことだと思います。
 ただ、今整理したのは、今、法務大臣の認識として、この宙に浮いている特例部分の法案の法の目的の中に民主的統制というのは含まれないということなので、そうすると、必要性として残るのは、業務の問題だけですよね。その業務の問題については、何も具体的な支障が具体的に語られないという状態の中で、この特例法案の必要性は、つまるところ顕出されていない、ないという状態なわけです。

#121
○松島委員長 持ち時間が終了しておりますので、短く終えてください。

#122
○山尾委員 はい。
 最後に、この法案を廃案にする可能性の有無についてお答えください。

#123
○松島委員長 持ち時間が終了しておりますので、短くお願いします。

#124
○森国務大臣 国会のことは国会の運営の中でお決めになることと思います。

#125
○山尾委員 いや、だって、閣法なので、内閣が提出してきた法案を、じゃ、このまま継続する意思があるのか、それとも引っ込める可能性があるかというのは、内閣であり、その担当大臣の法務大臣の意思が必要なんじゃないですか。
 これは本当にいいんですか。いいですよ、今の答弁で終わりでも。私は関係ない、国会が決めることだと、それでよろしいですね。

#126
○森国務大臣 私は、先ほども御答弁申し上げましたとおり、必要かつ重要な法案であると考えておりますが、国会審議のスケジュールについては国会がお決めになることと承知しております。

#127
○松島委員長 時間が終了いたしました。

#128
○山尾委員 まあ廃案にすべきだというのは、私、これは与野党を超えてあると思いますので、ぜひちょっとこちらの皆さんも、時間がそれこそできましたので、大臣はよく時間ができたので考え直したと言っていますので、この点についても考え直していただきたいと申し上げて、終わります。

#129
○松島委員長 では、速記をとめてください。
    〔速記中止〕

#130
○松島委員長 では、速記を起こしてください。
 次に、後藤祐一さん。

#131
○後藤(祐)委員 立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの後藤祐一でございます。
 黒川前検事長の問題を取り扱いたいと思いますが、訓告処分が適切であったのかどうかについて、三つほどの観点から議論をしたいと思います。
 まず一つ目は、法令上の基準に照らして適切であったかどうかであります。
 先ほど森大臣は、この黒川前検事長の行為は検察の信頼を損なう不適切な行為であったという答弁がありました。お手元、配付資料に国家公務員法第九十九条を配付しております。信頼失墜行為の禁止、「職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。」黒川前検事長は国家公務員法第九十九条違反ですか、森大臣。

#132
○松島委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

#133
○松島委員長 速記を起こしてください。
 大臣。

#134
○森国務大臣 当たると考えます。

#135
○後藤(祐)委員 九十九条で、信用失墜行為があった場合には懲戒処分をするものなんですよ。
 先ほどの階先生が配付した資料の六ページ目に、国家公務員法第八十二条、懲戒についての規定がありますが、以下のいずれかに該当する場合は懲戒処分ができるとあって、階先生の資料、事務方の方、大臣に渡してくださいね、先ほどもう指示してありますから。
 六ページ目、第一号では、この法律に違反した場合。今、九十九条違反が明確になりました。第二号、職務上の義務に違反した場合。明確です。第三号、国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合。明確です。八十二条、明確に当たりますよね、大臣。この三つ、いずれも当たりますよね、大臣。

#136
○森国務大臣 はい、当たると考えますが、「懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。」と規定されていると承知しております。

#137
○後藤(祐)委員 懲戒処分ができる場合の事由、三ついずれにも当たるという答弁がありました。だとすれば、懲戒処分にすればいいじゃないですか。
 懲戒処分にしない説明責任が森大臣にはありますが、これも先ほど階先生が配付していただいた資料の十二ページ目に、人事院の懲戒処分の指針というのがございます。大臣、お手元に用意してください。
 この中で、十二ページの一番下のところ、標準例、標準例というのは、賭博をしたら減給又は戒告、常習であれば停職というのが標準例ですが、この標準例に掲げる処分の種類より軽いものとすることが考えられる場合として、1「職員が自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出たとき」、これにまず当たるのかどうか。そして、2「非違行為を行うに至った経緯その他の情状に特に酌量すべきものがあると認められるとき」、この二つだけが挙げられていますが、この二つのいずれかに該当するんですか、森大臣。

#138
○松島委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

#139
○松島委員長 速記を起こしてください。
 大臣。

#140
○森国務大臣 1は該当いたしません。
 2に関しては、今回、事実を認めて深く反省していること、また、これまで法務省及び検察庁において長年にわたり勤務してきたものであり、その勤務態度は良好で、組織に対して多大な貢献をしてきたものであって、本件までに懲戒処分等を受けたこともなかった等の事情を考慮しております。

#141
○後藤(祐)委員 情状に酌量するところがあったんですか、黒川検事長は。
 私の配付資料の二枚目を見てください。
 少し前に、財務省の福田次官がセクハラ問題でやめたときがありました。辞職になった後、減給処分二〇%六カ月というのを処分しています。このときに、財務省の秘書課長が、人事院のガイドラインに当てはめた、そして、綱紀に責任を持つ立場にある、そういう役職の人物がやった、この二週間余りの状況は御存じのとおりで、国会審議も含めて非常に信用失墜に重い責任を持つということで、処分の量定については、今申し上げたようなことを加味して決めていると。こういうぐらいはやるものなんじゃないんですか。それなりの立場にある人間であり、そして、国会をこれだけ混乱させたら、通常は標準的な例よりも厳しくするぐらいなんじゃないんですか。
 もう一回、階先生に戻りましょう。先ほどの階先生の配付資料の十二ページ。むしろ、標準例に掲げる処分の種類より重いものとすることが考えられる場合というのも挙げられています。大臣、手にしてください。
 この中、これ、階先生、あらかじめマルとかバツとかつけていただいていますが、1はちょっと微妙かもしれませんが、2、3、5について聞きましょう。
 2「非違行為を行った職員が管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき」に該当しますか。3「非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき」に該当しますか。5「処分の対象となり得る複数の異なる非違行為を行っていたとき」に該当しますか、大臣。

#142
○森国務大臣 今御指摘のものも含めて、今回の事案に当てはめまして、検察官は、刑事訴訟法上、唯一の公訴提起機関であり、その職務執行の公正が直接刑事裁判の結果に重大な影響を及ぼす職責を行っているところ、黒川検事長が、みずから検察官であり、かつ、東京高等検察庁検事長として、同高等検察庁管内の全検察官を含む検察庁職員を指揮監督する立場にあった等の認定をしております。

#143
○後藤(祐)委員 答えていないです。2、3、5に当てはまるかどうか、答えていないです。

#144
○森国務大臣 今御指摘上の指針の1、2、3、5等について、今私が述べたような事実認定を行っているところでございます。

#145
○後藤(祐)委員 答えていないです。当てはまるか当てはまらないか、答えていないです。
 階先生の資料十二ページの懲戒処分の指針の、標準例よりも重くする場合として、非違行為を行った職員の職責が特に高い、非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きい、複数の異なる非違行為を行っている、この三つの要件、該当していますか、黒川さんは。

#146
○森国務大臣 2、3、5についてのお尋ねだと思いますけれども、2、3が当てはまると思います。また、5については、かけマージャンを複数回行っていたということで当てはまると思います。

#147
○後藤(祐)委員 以上で明らかになったのは、国家公務員法九十九条の信用失墜行為に該当することが明らかになりました。八十二条の懲戒処分をする場合として定められている一号、二号、三号、いずれにも該当することが明らかになりました。そして、標準例より重くするもののうち、三つの要件に該当することが明らかになりました。
 そして、標準例より軽くするもののうち、唯一、要は標準例としない理由として説明になったのが、情状に酌量する余地があると。どんな余地があるんですか大臣と聞きたいところですが、同じことを言うでしょうから。
 これしか、この情状酌量の余地として先ほど答弁した、反省している、あるいは、これまで勤務態度がよかったと。これだけですか、標準例より下げた理由は。訓告にした理由は。

#148
○森国務大臣 先ほど述べたとおりでございます。

#149
○後藤(祐)委員 これ以外にないということでよろしいですね、大臣。

#150
○森国務大臣 先ほど述べたように、内容も含め、諸般の事情を総合考慮して判断したものでございます。

#151
○後藤(祐)委員 今の情状酌量のところ以外に理由はないということでよろしいですね、大臣。

#152
○松島委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

#153
○松島委員長 速記を起こしてください。
 大臣。

#154
○森国務大臣 委員がお示しのこれらはあくまで例なので、必ずしもこれに当てはめる必要性はなく、総合考慮するものと考えております。
 それに当たって、検討結果に記載した事情、先ほど一部読み上げましたけれども、それを考慮して全般的に検討した結果でございます。

#155
○後藤(祐)委員 これ以上時間を使いたくないので、文書で提出してください。この標準例に掲げる処分よりも軽いものとすることができる場合として、この情状酌量に当たるんだとすればその情状酌量に当たる理由と、それ以外の理由があるのであるとすれば、これは例だというので、それ以外のものをちゃんと文書で提出するよう、委員長、お計らいいただけますでしょうか。

#156
○松島委員長 後刻理事会で協議し、結論を得たいと思います。

#157
○後藤(祐)委員 しかし、情状酌量というのは、検察がそんなのを中心にしちゃっていいんですか。検察は人を有罪にする仕事ですよ。情状酌量があり過ぎる検察ってどうなんですか。
 次に行きます。
 訓告処分の論点の二つ目は、前例との関係であります。
 本日、防衛省大臣官房報道官、お越しいただいておりますが、防衛省では、平成二十六年から二十八年ごろにかけて陸上自衛隊青野原駐屯地内でかけマージャンを行い、自衛隊員九人が停職処分となり、一部書類送検された事案があると伺っておりますが、事実でしょうか。そして、そのときのレートなど金額の多寡、頻度などはどうなっていたんでしょうか。

#158
○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。
 委員お尋ねの陸上自衛隊青野原駐屯地における賭博行為については、平成二十九年三月二十七日に処分をされております。これは、同じ部隊に所属いたします隊員九名が、平成二十六年五月上旬から平成二十八年三月ころまでの間、少ない者で一回、多い者で数十回、駐屯地内におきまして、金銭をかけたマージャンを行ったものとして、七名の者に停職五日、強引に他の隊員を誘った二名の者に対して停職三十日の処分をしております。
 レートにつきましては、千点百円としまして、一回当たり五千円から一万円の範囲の金銭を授受したものというふうに承知をしております。
 以上です。

#159
○後藤(祐)委員 まさに点ピンじゃないですか。黒川検事長と同じようなやり方じゃないですか。停職処分になっているじゃないですか。
 森大臣に伺います。
 五月二十二日の法務委員会で、山尾委員の質問に対して、「人事院の基準については、それに当てはめる過去の先例等も調べた上で、法務省においては、かけマージャンについては、この賭博による減給又は戒告に当てはめられたことはないわけでございます」と答弁していますが、この黒川氏の処分に当たって、法務省だけではなくて、自衛隊も含めた国家公務員の、かけマージャンをしたときの処分がどうなっているか、過去数十年、調べたんですか、大臣。

#160
○森国務大臣 人事院の事例集など、先例を調べましたが、法務省のものについては調査がつきましたが、他省庁のものについては限界がございました。

#161
○後藤(祐)委員 つまり、この自衛隊の事例は、先例として調べていなかったということですか。

#162
○森国務大臣 私のところには上がってきておりませんでした。

#163
○後藤(祐)委員 ということは、同じ点ピンで一回で休職になった人もいるんですよね、というような処分が自衛隊で行われていたということは、この黒川検事長の処分を判断するに当たって参照していないということですね、大臣。

#164
○森国務大臣 自衛隊の処分について参考にしているかどうかは、事務方に調べさせたいと思います。

#165
○後藤(祐)委員 それでは、調べた上で委員会に提出してください。

#166
○松島委員長 理事会で協議いたします。

#167
○後藤(祐)委員 それでは、自衛隊のこの案件以外の、法務省以外の国家公務員のかけマージャンによる処分についての先例は、過去、網羅的に調べましたか。

#168
○松島委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

#169
○松島委員長 速記を起こしてください。
 大臣。

#170
○森国務大臣 人事院の事例集を調べましたけれども、法務省以外の先例では、他省庁のものについては限界がございました。見つけられることはなかったです。

#171
○後藤(祐)委員 他省庁のもの、自衛隊のものも含めて、過去、さかのぼって、各省に聞けばわかりますよ、そんなの。人事課、秘書課にありますよ。私も秘書課にいたことがある。何でそれを徹底して調べなかったんですか。標準例に従った処分をするのであれば、まだわかりますよ。標準例と違う処分をするんですから、そこまで徹底して調べるに決まっているじゃないですか。
 それを調べた上で、この委員会に提出していただけますか、大臣。

#172
○松島委員長 確認ですが、後藤さんの質問は、調べる内容というのは、人事院の、他省庁の全部の。

#173
○後藤(祐)委員 人事院じゃなくて、他省庁の事例です。

#174
○松島委員長 他省庁のマージャンをした場合ですか。

#175
○後藤(祐)委員 マージャンをして、処分をされた場合の事例。

#176
○森国務大臣 法務省においては可能な範囲で調査したわけでございますが、法務省における先例は見つかったわけでございますが、他省庁の事例については、国会の御指示に従いたいと思います。

#177
○後藤(祐)委員 法務省として他省庁の事例を調べないという答弁ですか、今のは。調べてくださいよ。

#178
○松島委員長 時計をとめてください。
    〔速記中止〕

#179
○松島委員長 速記を起こしてください。
 大臣、答弁願います。

#180
○森国務大臣 法務省における事案でございますので法務省の先例は調べましたので、これを提出することはやぶさかではございません。
 また、他省庁の例については、法務省の中で処分を検討するに当たり、可能な範囲で調査をいたしましたけれども、事案の詳細を確認することは困難であったことから、参考となるものが見当たりませんでした。
 法務省としては、処分に必要な調査は尽くしたと考えておりますが、国会からの御要請があれば、またそれに対応することを検討したいと思います。

#181
○後藤(祐)委員 さっきの自衛隊の事例は、私が検索したらすぐネットで出てきた情報ですよ。そんなものすら調べていないじゃないですか。法務省の調査能力はどうなっているんですか。
 ぜひ理事会で、他省庁、自衛隊も含めて、他省庁のかけマージャンでどのような処分があったのかという事例を、網羅的に、過去にさかのぼって調べて、それを法務省が調べて、この委員会に提出していただきますよう、理事会で御協議ください。

#182
○松島委員長 後ほど理事会で協議いたします。

#183
○後藤(祐)委員 訓告処分が適切であったかどうか、まず法令の基準との関係、そして過去の事例との関係、今二つ審議をさせていただきましたが、当の黒川検事長が行ったかけマージャンの調査内容そのものについて次は伺いたいと思いますが、まず、千点百円、いわゆる点ピンというレートだったということですが、これは五月一日、十三日についてはそうなんでしょうが、約三年前から一カ月に一回か二回程度行っていた際も、全て点ピンだったんですか、大臣。

#184
○森国務大臣 調査した限りでは、そうであります。

#185
○後藤(祐)委員 調査した限りではというのは、どこまで調査したか、じゃ、言ってくださいよ。三年前から一カ月に一回か二回というと、相当な回数になるじゃないですか。そのうち何回ぐらい調べたんですか。

#186
○森国務大臣 三年前から月一、二回程度でかけマージャンを行っていたときの、点ピンと言われるレートで行っていたという調査がなされております。

#187
○後藤(祐)委員 ちょっとボーナスが入ったし、きょうはちょっとレートを上げてやりますかとか、そういうことがなかったかどうか、ちゃんと調べたんですか、大臣。

#188
○森国務大臣 私の方にはそのような報告が上がっております。なお詳細な調査については、事務方に説明させます。

#189
○後藤(祐)委員 詳細な調査を全て大臣に報告しておくようにと私通告しておりますから、大臣にお答えいただきたいと思いますが。
 それでは、レートについても、もしかしたら点ピンでない回があったかもしれない。そうしたら、この処分の正当性は極めてゆるがせになるわけですね。
 じゃ、いろいろ聞いてみましょう。
 レートだけじゃないんですよ、マージャンというのは。例えば、役満賞とか、裏ドラが何枚乗るとどうとか、何かチップみたいのが置いてあって、それでやりとりしたりとか、あるいはいわゆるウマと言われる、四位の人が一位に幾ら払ってとかというような、順位によってお金を払ったりですとか、こういった、他に、レート以外にお金が相当動くような要素があり得ますが、これについて、五月一日、十三日及びそれ以前、過去三年、調べましたか、大臣。

#190
○森国務大臣 調査結果としては、参加した者の間で一万円から二万円程度の現金のやりとりがなされていたと報告されております。これは一日も十三日も同じでございます。

#191
○後藤(祐)委員 幾ら結果として動いたかというのは、勝ったり負けたりするから、それは差引きだから。最終的に何回かやって差引きに払った額ということよりも、どの程度のレート、プラス、レートに似たようなものですよ、役満賞とか裏ドラだとかチップだとかウマだとか、レート以外の、かけ得る賭博的な要素がどうなっていたか、調べたんですか、調べていないんですか、大臣。

#192
○森国務大臣 私の方には報告は上がってきておりませんが、処分の量定に必要な範囲で調査結果の報告を受けております。

#193
○後藤(祐)委員 今の、役満賞、裏ドラ、チップ、ウマなど、どうなっていたか、調べた上でこの委員会に提出していただきますよう、委員長、お計らいください。

#194
○松島委員長 そのような調査の仕方があったかどうかについて、調べてもらうかどうか、後で協議します。

#195
○後藤(祐)委員 さらに、調査内容として、黒川氏はこのマージャンをやった場所までどうやって行ったんですか。そこから帰るときは記者の用意したハイヤーに乗って帰ったという報告がなされていますが、どうやって行ったんですか。
 その記者のハイヤーだとか、もしかして公用車で行ったとか、そういう可能性があるんじゃないかと思いますが、五月一日、十三日及びそれ以前の三年について、どうやって行ったのか、そして、以前三年については帰りも含めて、調査結果を教えてください。

#196
○森国務大臣 処分を決定するに当たり考慮した事項については先ほど申し上げたとおりでございまして、それ以上はプライバシーにかかわる事柄でもあることから、お答えは差し控えます。

#197
○後藤(祐)委員 行きのハイヤーがどうなっていたか、お答えを差し控えるなんですか。何でですか。だって、これで公用車を使っていたら大変な話じゃないですか。あるいは、記者のハイヤーだとしたら、役所からその現場まで直接送ったんだとしたら、もしかしたら記者が乗っていたかどうかも怪しいじゃないですか。そうしたら、黒川さんのためにまさに用意したということになる可能性があるじゃないですか。
 お答えを差し控えますというのはどういうことですか、大臣。お答えください。

#198
○松島委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

#199
○松島委員長 速記を起こして。
 大臣。

#200
○森国務大臣 その点につきましては私の方に報告が上がってきておりませんので、事務方に確認したいと思います。

#201
○後藤(祐)委員 事務方が調査した内容を全て大臣に上げておくようにと、私、きのう通告してあります。つまり、ないということじゃないですか。再調査しないとわからないじゃないですか、真実が。過去三年まで含めて。
 きょう時間がないので、次に行きたいと思いますが、再調査することを約束していただけないですか、大臣。全然答えられないじゃないですか、大臣。

#202
○森国務大臣 処分の量定に必要な調査を行ったと報告を受けております。

#203
○後藤(祐)委員 すごく厳しい処分をして、その根拠としてすごくまずい話があったんだったらわかりますよ、それ以外に調べなくてもいいと。標準例より甘い処分をしているんですよ。ほかに、より厳しい処分をしなきゃいけないような具体的な行為が出てきたら、処分を変えなきゃいけなくなるじゃないですか。何で処分に必要な調査を終えていると言えるんですか、大臣。
 でも、多分同じ答弁の繰り返しでしょうから、これは理事会で御協議ください。再調査をしてもらうべきかどうか、ぜひ御議論ください、委員長。

#204
○松島委員長 理事会で協議します。

#205
○後藤(祐)委員 ちょっと時間がかなりとられてしまったんですが、さて、この処分を決めるプロセスについて伺いたいと思います。
 きのうの参議院決算委員会の勝部議員の質問に対し、森大臣はこう言っています。大臣、よく聞いてくださいね。法務省内そして任命権者である内閣とも協議を行いました、もちろん協議の中でさまざまな意見も出ましたという答弁をされておりますが、実質的に黒川検事長の処分内容はこの協議で決まったということですか、大臣。

#206
○森国務大臣 黒川氏の処分については、法務省として、調査結果を踏まえ、監督上の措置として最も重い訓告が相当であると考えました。その上で、検事長の監督者である検事総長に対し、法務省が行った調査結果とともに、法務省としては訓告が相当と考える意見を伝え、検事総長において訓告が相当であると判断したものでございます。
 そして、任命権者である内閣に報告したところ、法務省としての決定に異論がない旨の回答を得ました。その後、検事総長から黒川氏に対し訓告の措置がなされたものです。
 総理に対しては、最終的に、調査結果、これを踏まえて処分したこと、及び、辞意が表明されたのでこれを了解したことを私から報告し、法務省の対応について了承を得たというのが経過です。
 なお、法務省及び検事総長が処分を決定するまでの過程において、法務省から内閣に対し、事務的に、調査の経過の報告、先例の説明、処分を考える上で参考となる事情の報告等を行っております。
 二十五日の参議院決算委員会における、私の、内閣と協議した旨の答弁は、法務省及び検事総長が処分を決定するまでの過程において、法務省から内閣に対し、事務的に、調査の経過の報告、先例の説明、処分を考える上での参考となる事情の報告等を行ったことを申し上げたものでございます。

#207
○後藤(祐)委員 この法務省と内閣側との協議で決まった、今、協議結果という言葉を使われましたが、協議結果は、処分の内容は何だったんですか。訓告だったんですか。

#208
○森国務大臣 法務省から内閣に対し、調査の報告、先例の説明、処分を考える上での参考となる事情の報告等を行いましたが、処分の内容を訓告にすることについては、法務省内で決定をいたしました。

#209
○後藤(祐)委員 法務省内で正式にというか、検事総長に申し入れる内容を決めたのはそうなのかもしれませんが、協議結果という答弁をされましたから、協議結果は何だったんですかと聞いています。法務省側と内閣側の間の協議結果というのは、処分の内容は何だったんですか。訓告だったんですか。

#210
○森国務大臣 内閣と協議をした内容については、先ほど申し上げましたように、調査の結果の報告、先例の説明、処分を考える上で参考となる事情等について協議をいたしました。
 その内容を踏まえて、処分の内容については法務省内で、法務省内の協議をし、決定をいたしました。

#211
○後藤(祐)委員 そうしますと、法務省と内閣側との協議においては、訓告だとか、あるいは懲戒処分だとか、処分の内容については具体的には一切議論にならなかったということですか。

#212
○森国務大臣 はい、そうでございます。
 そして、私が内閣に報告をしたところ、その決定に異論がない旨の回答を得たときに、初めて訓告ということに異論がないものの決定を、回答を得たわけでございます。

#213
○後藤(祐)委員 すごい答弁ですね。法務省は何しに行ったんですか、内閣側に。相談しに行ったんじゃないんですか、そこについて。
 検事長の処分の内容については一切そこの協議では議論されていない、虚偽答弁じゃないんですか、今のは。これは予算委員会や何かで内閣側にも来てもらって、やってもらいましょう。
 先ほど、刷新会議なるものを設置して、これから、検察の信頼を失った状態からどうしていくかというようなことを検討されるというふうに大臣はおっしゃいましたけれども、以下のことをちゃんと検討対象にすることを約束してください。
 一つ目、今回の改正法案に入っている定年延長、役職定年延長を本当に導入するのかしないのか。二つ目、現行の国家公務員法八十一条の三に基づく勤務延長、これを解釈変更されていますが、もう一回戻して、やはりこれはできないこととするのかどうか。この二つ、この刷新会議での検討内容に入れるんでしょうか、大臣。

#214
○森国務大臣 法務・検察の信頼回復のための会議でございます。その内容については、今後更に検討、調整した上で、改めて御説明してまいります。

#215
○後藤(祐)委員 これから考えるんですか。こんな大事なことを検討対象にしないで、どうやって国民の検察に対する信頼を取り戻すんですか。まあ、でも、同じことを聞いても、これから検討してまいりますと言うでしょうから。
 最後に、東京高検検事長、本日、林氏が後任として就任されました。これで障害がなくなったんですか、大臣。

#216
○森国務大臣 もう一度、御質問の趣旨をいただきたいと思います。

#217
○後藤(祐)委員 黒川さんがやめて、その後任がまだついていなくて空席となっていたので業務の遂行に重大な障害が生じている、だから後任を速やかに決定したいと言っていたじゃないですか。それで、きょう林さんが東京高検検事長についたので、業務の遂行に重大な障害はなくなったということでよろしいですか。

#218
○森国務大臣 黒川氏の辞職があったことにより、検察庁の業務遂行の観点から非常に問題が生じたのは事実でございます。その上で、黒川氏の後任者の選任を可能な限り迅速に行うということで、選任をしてまいりました。
 私の方で承認し、きょうから、林氏を選任したものでございます。黒川氏の抜けた穴を埋めることのできる経験、知識等を有する最適な後任者であるものと考えており、東京高検管内の部下職員を指揮監督して、適切な業務執行を行っていただけるものと期待をしております。

#219
○後藤(祐)委員 つまり、きょうからは業務の遂行に重大な障害はなくなったということでよろしいですね、大臣。

#220
○森国務大臣 就任してすぐその業務の遂行ということが、ゼロか一〇〇かということではなかなか判断できかねるものでございますけれども、業務の継続をなるべく円滑に行っていくように、そして、失われた信頼を回復するように、手腕を発揮していただきたいと思っております。

#221
○後藤(祐)委員 答えていないんですが、引継ぎの例えば数日なんかは、私も役所にいましたから、それは大変ですよ。若干の支障がもしかしたらあるかもしれない。それはどんな異動だってそうなんです。でも、その引継ぎに最低限必要な日にちを経て、それでも支障が発生することがあるんですか、大臣。

#222
○森国務大臣 仮定の御質問でありますけれども、業務に支障が生じないように、手腕を発揮していただきたいというふうに期待をしているところでございます。

#223
○後藤(祐)委員 時間なので、終わりにしますが、引継ぎに必要な日にちが終わった後、業務の遂行に重大な障害がその後も発生するのかどうかについて、文書をこの委員会に提出いただきますようお願い申し上げます。
 委員長、お取り計らいください。

#224
○松島委員長 協議します。

#225
○後藤(祐)委員 終わります。人事院総裁、済みませんでした。
 ありがとうございました。

#226
○松島委員長 次に、藤野保史さん。

#227
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。
 大臣は、黒川元東京高検検事長のかけマージャンの問題で安倍総理に進退伺までお出しになって、総理から検察の信頼を立て直してほしいと強く慰留されて、大臣の職にとどまっております。つまり、検察の信頼回復というのが森大臣の最大の仕事の一つだと思うんですね。
 その点で今最も問われているのは、黒川氏への処分について誰がどういう理由で決定したのか、国民に納得できる説明を大臣がされることだと思います。これ抜きに検察の信頼回復はあり得ません。なぜ黒川氏は訓告処分なのか。裏返しますと、誰が黒川氏を懲戒処分にしないという決定を行ったのかということであります。
 もちろん、前提としてですけれども、我々は、黒川氏の定年延長の閣議決定自体が違憲、違法だ、だから黒川氏が検事長の職にとどまったこと自体に法的根拠がないと考えておりますから、職にあることを前提に懲戒処分が妥当かどうかというのは、本来は筋の違う話です。閣議決定と法案特例部分の撤回こそが本筋ではあります。
 しかし、その上で、今回、誰が黒川氏の懲戒処分について決定したのかということの説明が、安倍総理始め、全く納得いかないわけですね。ですから、この処分のプロセスを検討していく。まずは、処分が重いかどうかはこの際考えません。おいておきます。この処分のプロセスについてお聞きしたいと思います。
 特に、現行法上、検事長を懲戒処分にすることができるのは誰か、あるいは、懲戒処分にしないことを決定できるのは誰なのか。検事総長なのか、法務大臣なのか、内閣なのか、これから見ていきたいと思います。
 国家公務員法の第八十四条は、「懲戒処分は、任命権者が、これを行う。」と規定しております。内閣府にお聞きしますが、懲戒処分を行使する権限、これを誰に与えるかというのは、人事行政上極めて重要な問題だと思います。この懲戒処分は任命権者が行うとしている国公法八十四条の趣旨はどこにあるんでしょうか。

#228
○藤田政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、国家公務員法第八十四条第一項におきまして、「懲戒処分は、任命権者が、これを行う。」と規定をされてございます。
 この趣旨につきましては、一般論といたしまして、任命権者は、任命権を始め、事務の統括権、服務統督権を有しており、部内の事情について通暁している者であることから、任命権者に公務員関係の部内秩序を維持するための懲戒権を与えることが最も適切であるとされたものであると承知をしてございます。
 以上でございます。

#229
○藤野委員 そういう理由で、「懲戒処分は、任命権者が、これを行う。」と。ですから、懲戒権を持っていない人間が懲戒処分をするかどうかを決めるようなことがあってはならないんですね。
 大臣、確認したいと思うんですが、懲戒権者でもない人間が懲戒権を行使したら、人事行政上とんでもないことになる、これは当たり前のことだと思うんですが、大臣も同じ認識ですか。

#230
○森国務大臣 はい。懲戒処分は任命権者が行うものであると考えております。

#231
○藤野委員 検事長の任命権者は、これは検察庁法十五条で、「検事総長、次長検事及び各検事長は一級とし、その任免は、内閣が行い、天皇が、これを認証する。」と規定しております。つまり、検事長の任命権者は内閣である。
 としますと、大臣、お聞きしますが、検事長を懲戒処分にするかどうかという極めて重い判断をする権限を持っているのは内閣であって、検事総長にも、法務大臣にもその権限はない。間違いないですか。

#232
○森国務大臣 任命権者は内閣でありまして、閣議決定において任命をされますが、その閣議を閣議請議するのが法務大臣でございますので、その限りで法務大臣にも責任がございます。

#233
○藤野委員 私が聞いているのは、懲戒処分という極めて重い国家公務員法上の処分をすることができる、これを検事長についてすることができるのは、検事総長でもなく、法務大臣でもなく、内閣ですねということなんです。任命権者である内閣だけですねということなんです。

#234
○森国務大臣 はい。懲戒処分の主体は任命権者でございますので、内閣でございます。

#235
○藤野委員 大臣は、二十二日の記者会見で、最終的に内閣で決定がなされた、こうおっしゃっているんですね。
 ここで最終的に内閣で決定されたという中身は、任命権者である内閣として黒川氏を懲戒処分にしない、しないという決定。これはほかの人はできないんです。懲戒処分にするかどうかという重い判断は内閣にしかできません。だから、大臣が二十二日に、最終的に内閣で決定したというその中身は、懲戒処分にはしない、まずはここを決めた、そういうことでよろしいですか。

#236
○森国務大臣 二十二日の記者会見における私の、内閣において決定がなされた旨の発言は、検察庁を所管する法務省、そして内閣の一員である法務大臣である私、そして検事総長が訓告相当と決定をした後に、内閣に報告をし、内閣から、その決定に異論はない旨の回答を得たことを指します。

#237
○藤野委員 そこは違うんですよ。法務大臣にも、検事総長にも、懲戒処分にするかどうかというそこの判断はできないんです。そこは内閣だけに、任命権者だけに与えられているんです、国家公務員法上。これは検察官にも適用されるんです。
 大臣、私が聞いたのは、出口の段階で最終的に訓告にするか、これはまた別の話で、今回、今議論がありましたけれども、標準例で懲戒処分なんです。ですから、懲戒処分をどうするかというのをまず入り口で検討しないといけない。その検討権者、判断権者は誰かというと、内閣だけなんです。ですから、大臣が、法務大臣と検事総長が相談して決めたと。これは法律に反するんじゃないですか。

#238
○森国務大臣 法務省及び検事総長が訓告という処分を決定するまでの過程において、法務省から内閣に対し事務的に、調査の経過の報告、先例の説明、処分を考える上で参考となる事情の報告等を行っております。

#239
○藤野委員 悪質な御飯論法だと思いますけれども。
 要するに、訓告にするのを決めたのは誰かは今問題じゃないんです。それ以前に、標準例である懲戒処分、これをするかしないか。どっちでもいいですよ、判断。判断の別はおきましょう。しかし、懲戒処分をするかどうかという判断権者は内閣なんです。法務大臣が勝手に決めちゃいけない、任命権者じゃないんだから。ましてや、検事総長は決められない。それを、あれこれ内閣とは別のところで話し合って決めたと。これは法律違反じゃないですかということなんですよ。

#240
○森国務大臣 まず、検察を所管している法務省において事案の調査を行いましたので、その調査の経過の報告、それから先例の説明、処分を考える上での参考となる事情の報告等を内閣に対して行っておりますので、その上で、法務省内でも、もちろん私は内閣の一員でございますし、閣議請議をしたという責任において処分内容を検討し、その意見を内閣に報告をし、了承を得たという流れでございます。

#241
○藤野委員 じゃ、ちょっと聞きますけれども、懲戒処分が標準例なんですね。大臣は、これを検討の出発点にされたんですか。懲戒処分を大臣が検討されたんですか。

#242
○森国務大臣 処分の案については事務方の方で持ってまいりましたが、それから私の方で幹部と協議をする中で、人事院の条項というものはもちろん検討をいたしました。

#243
○藤野委員 全くお答えになっていないんですが。
 つまり、国家公務員法上の措置である懲戒処分、これは極めて重い処分です。極めて重い。だから、懲戒権者は誰かというと、今の現行法上は任命権者と人事院に限っているんですね。任命権者が第一次的に、懲戒権を発動するかどうか、この人しか決められないんです。この発動するかしないかを検討して初めて、国家公務員法ではない監督上の措置として、訓告にするのか、厳重注意にするのか、注意にするのか。これは確かに問題になります。しかし、私が聞いていますのは、監督上の措置をする前に、これは標準例として懲戒処分なんですから、懲戒処分をするかどうかを検討しないといけない。そして、それをどうするか、するかしないかを決めるのは内閣なんです。これは何で内閣がやっていないんですか。

#244
○森国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、私の方で意見を申し上げ、内閣に報告し、内閣からその決定に異論がない旨の回答を得ておりますので、任命権者の方がきちっとその手続に乗っているというふうに理解をしております。

#245
○藤野委員 全く違うんです。決定権者が自分で決めたということと、懲戒処分という重い処分について全然別の人が決めたのを後で了承するということは全く違います。今それが本当にそうだとすれば、安倍総理自身が現行法を踏みにじっているということになるんですよ。
 内閣として決定しなければならない。検事長という重い職責にある人を懲戒処分にするかどうか。しない判断もある。する判断もあるでしょう。しかし、そういう重い判断は任命権者である内閣じゃないとできないんですよ。
 ですから、内閣が了承したからいいとかいう問題ではない。内閣がみずから決定しないといけない。どこか別のところで決めたものを了承する、そんな制度になっていないんですよ、現行法は。おかしいじゃないですか。

#246
○松島委員長 川原局長、ちょっと、ルールだけ説明をしてください。

#247
○川原政府参考人 具体的な経過でなくて、一般的な制度として御説明を申し上げます。
 委員御指摘のように、検事長の懲戒を行うのは任命権者の内閣でございます。しかしながら、私どもの法務省は一方で検察官に関すること、検察官の人事も所管しております。このような場合に、内閣が、法務省とは離れて、全ての事務について検討作業だとかやるわけではございません。
 この場合は、権限者は内閣ではございますが、内閣の一員である法務大臣、これは主任の大臣になります、それからそれを補佐する私ども法務省事務当局において調査をし、さらに、どのような処分が適切かを判断する、その上で、こういう案ですということを大臣が答弁されていますが、それを内閣に報告しているということでございますので、法務省が検討したことをもって現行のルールから見ておかしいということではございません。

#248
○藤野委員 いや、おかしいんです。懲戒処分をするかどうかというのは法務大臣段階では決められないんですよ。どうしますかというのを上げるのはわかりますよ。いろいろな材料を上げるのはわかる。しかし、懲戒処分をしないという決断、あなた方のレベルではできないんです。内閣でやらないといけない。そして、内閣でやった後に、それはそのままでおいておけないよねというので、次は監督上の処分がある。勧告にするのか訓告にするのか、いろいろありますよ。しかし、今の制度というのは、懲戒処分という重い処分についての判断権者は任命権者である内閣しかないんですよ。
 ちょっと、大臣、お聞きしますけれども、先ほど、総理、了承したとおっしゃいました。そのとおりの答弁をされております。二十五日の会見でも、昨日の会見でも、法務省が訓告が相当と伝え、検事総長も訓告が相当と判断したと。要するに、決定の主体は法務省と検察庁だという答弁です。これは違うんですよ。
 そして、昨日の参議院決算委員会では菅官房長官が、我が党の山添委員の質問に対して、懲戒処分が不要だと判断したのはなぜかと聞かれまして、そのようなことは判断しておりませんと答弁しているんですね。私、驚きました。今まで見てきたように、現行法というのは、まさに任命権者である内閣にその判断を委ねているんです。判断できるのは内閣だけなんです。それが、判断しておりませんと。一体、この内閣は現行法をどういうふうに考えているのか。
 検事長という重い職責にある人の懲戒処分をするかどうかというこの重い判断について、全く現行法を踏みにじっている。まさに、私は、予算委員会が必要だと思うんですね。本当にそういう意味では、総理と官房長官に説明してもらわないといけない。そうしないと、今回の処分について誰が決定したのか、この肝心かなめの核心の部分が明らかにならないどころか、総理も官房長官も全く現行法と違う答弁しているわけです。これは絶対に曖昧にできません。
 そして、改めて別の問題も聞きますけれども、中身についても全く調査が私はされていないと思うんです。先ほど後藤委員からハイヤーの問題がありました。私も、これは大変気になっているんですね。
 ちなみに、人事院の懲戒処分の指針だけではなくて、東京高検がみずから、「品位と誇りを胸に 今一度見つめ直そう 自分の行動と職場の風土」、東京高等検察庁非違行為等防止対策地域委員会という、まさに人事院のものを更に東京高検に落とし込んだものがあるんですね。
 これを見ますと、例えば先ほど出ましたマスコミ関係者についても触れております。利害関係者ではないけれども、以下の者について、この中にマスコミも入るんですが、利害関係者に当たらないとされていますが、職務の公正さを疑われるような接触は厳に慎むべきであると、これに書いてあるんですね。
 どんなものを慎むべきかというのがもう何個も書かれていまして、その中に、十三ページのエというところには、利害関係者から無償で役務の提供を受けてはならない、この無償で役務の提供を受けるとは、ハイヤーによる送迎の提供を受けることなどがこれに該当しますと。そして、キというところには、利害関係者と一緒に遊技又はゴルフをしてはならない、遊技とは、マージャン、パチンコ、ポーカーなどが該当しますということで、まさに今回の事案が当てはまるような話であります。
 そして、ハイヤーについてお聞きしたいんですが、調査結果報告や検討結果というのも拝見しました。そこには、黒川検事長個人のために手配されたハイヤーを利用したものではなく、記者Bが帰宅するハイヤーに同乗したものであったと認められ、黒川検事長個人のために手配されたハイヤーではないと認定されております。
 先ほど来お話ありましたけれども、帰宅するハイヤーと書いてあるだけで、行くときに乗ったかどうか書いてないんですね。公用車かもしれない。ハイヤーかもしれない。ここは明らかになっておりません。再調査を求めたいと思います。
 そして、記者の手配したハイヤーと書いてあるんですけれども、普通、ハイヤーというのは、個人契約というのはなかなかないと聞いております。これは記者Bが手配したハイヤーなのか、新聞社が手配したハイヤーなのか。
 やはり、普通の会社は、個人が、社員個人がマージャンをするためにハイヤーを使わせないと思うんですね。やはり、その会社の仕事にかかわるからハイヤーを使わせる。新聞社でいえば、取材であります。帰宅する途中などで、行くときかもしれませんが、密室で単独取材ができる、だからこそ社のハイヤーを使わせたんじゃないかというふうに思います。
 実際、産経新聞の調査結果の中では、「記者二人の説明では、取材対象者の送迎には、記者が用意して同乗するハイヤーを利用し、主にこの車内で取材が行われていました。調査では、実際に取材メモなどが確認されました。」と、産経新聞、一面トップで書いてあるわけですね。
 大臣、お聞きしますが、ハイヤーという密室で取材ができる、だからこそ社が負担した、まさに、事実上、黒川検事長のために手配されたハイヤーなんじゃないですか。

#249
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の調査につきましては、これまでもお答えを申し上げておりますように、黒川氏から聴取するとともに、その時点で二つの新聞社が公表していた内容をもとに調査を行っております。
 なお、それぞれの記者あるいはそれぞれの記者の所属する新聞社に対する調査につきましては、今委員も御指摘になりましたように、取材活動にかかわり得る可能性があったということで、これは差し控えるべきであるということで、これを調査しておりません。かつ、その取材について、取材一般についての調査はしておりませんので、そのハイヤーが、新聞社の、あるいは記者の意図において取材のために手配したものであったかどうかという点については、今申し上げたような事情で、私どもの調査としてどうであったと言っているものではございません。
 その上で、調査結果に記載しておりますように、記者が手配した、これはその費用の負担がどこかということは別にして、当該記者が手配したという黒川氏の認識でございますので、その記者が帰宅するハイヤーに乗せてもらった、そういう事実を認定したというものでございます。

#250
○藤野委員 私がなぜこだわるかといいますと、この検討結果のところで、かけマージャンは認定した、これはけしからぬ、まことに不適切なものであると認められると書いていて、他方でと続いて、他方で、ハイヤーについては、社会通念上相当と認められる程度を超えた財産上の利益の供与があったとまでは認められない、そこでということで、結論に持っていっているんですね。ですから、このハイヤーの部分というのは、要するに、情状酌量とまでは言いませんが、大したことはないんだという認定に使われているわけであります。しかし、そんなことは全く通用しない。
 これは、再調査について、私も委員長に強く求めたいと思います。

#251
○松島委員長 理事会で協議いたします。

#252
○藤野委員 常習性についてもさまざまな議論がありました。これも私は調査についてお聞きしたいんです、刑事局長で結構ですけれども。
 法務省の調査結果では、記者A、記者B、記者Cとともに約三年前からという認定になっておりますが、朝日新聞の調査では、三年間で月二、三回なんですね。大分違うんです。産経新聞の調査では、月に数回という言い方です。これも大分違う。
 月一、二回という調査結果なのか、月二、三回なのか、月数回なのか、お調べになったんでしょうか。

#253
○川原政府参考人 調査の方法は、先ほど申し上げたとおりでございます。
 その上で、調査終了の時点で、調査結果報告にございますように、三年前から月一、二回という形で調査をしてございます。
 なお、委員の御指摘は、その回数、頻度が重要な要素ではないかということで御指摘されていると思います。
 たしか、人事院の処分指針を見ますと、常習賭博と賭博ということで、懲戒処分の種類が、標準例が異なっております。この常習性、人事院の処分指針における常習性というのはどういうことかというのは必ずしもつまびらかではございませんが、刑法の常習賭博罪の常習性の考え方が参考になると考えましたところ、この刑法の常習賭博罪の常習性については、単なる回数であるとか頻度によって認定するという考え方はとられておらず、常習として賭博をしたか否かは、賭博の種別、賭博の複雑性、賭場の性格、規模、かけ金額の多寡、犯人の役割、賭博の相手方、営業性等の諸般の事情を総合的にしんしゃくして判断されるべきであるとされておりまして、このようなことから、私どもは、総合的に考慮いたしまして、この職責の検討結果に記載しておるような事情から、常習性はないものと認定しております。

#254
○藤野委員 やはり、今回の調査は極めて調査の名に値しないものであって、そのもとで今回の処分が行われているということで、本当にこれは納得できない。大臣も、国民の信頼を回復するために職にとどまっていらっしゃるわけですから、これでは到底その職責を果たしているとは言えないというふうに思うんですね。
 そして、ちょっと私は、そもそものところでまた戻っていきたいんですけれども、桜を見る会で、安倍総理は、一月十四日に刑事告発をされております、背任容疑で。東京地検特捜部は、黒川氏の定年延長が閣議決定された一月三十一日に、まさにその日に、この告発状を受理しないという通知を行っているんですね。その理由は、代理人による告発は受理できないというものなんです。しかし、森友問題でも河井前法務大臣の問題でも、代理人によって、つまり、弁護士を通じて刑事告発が行われ、受理をされてきているわけであります。
 なぜ安倍総理への告発に限って受理をしなかったのか。大臣、これはなぜですか。

#255
○川原政府参考人 検察当局の具体的活動でございますので、私からお答え申し上げます。
 お尋ねは捜査機関の活動内容にかかわる事柄でございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと考えます。

#256
○藤野委員 いやいや、差し控えるというか。
 既にもう、はっきり言いますけれども、これはなぜなのか、要するに森友問題、河井大臣の問題。代理人を通じてやるということはもう当たり前のことでありまして、なぜ今回不受理になってしまったのか。
 じゃ、法務省にお聞きしますが、過去にこういう例はあったんでしょうか。

#257
○川原政府参考人 御指摘のような観点から法務当局として網羅的に把握しているものでございませんので、お答えすることは困難でございます。
 なお、法律の規定について申し上げますと、刑事訴訟法二百四十条が、「告訴は、代理人によりこれをすることができる。告訴の取消についても、同様である。」ということで規定しておりますが、告発について、代理人による告発に関する規定を刑事訴訟法は有しておりません。したがいまして、通説的な見解、これはあくまでも通説的な見解でございますので、個別の場面において検察当局がどうするかとは別の意味で一般論としてお答えいたしますが、通説的な見解では、一般に、告発については、今言った刑事訴訟法の規定をもとに代理を認めないと解しているところでございます。

#258
○藤野委員 認めないと言っても、実際やっているわけですね。しかも、今までさんざん、定年延長は規定されていないからできるんだできるんだと言っておいて、この告発。その二百四十条、告訴は私も知っていますよ、告訴については代理人と明記してあります。書いてないからというあなた方の論理なら、できることになるじゃないですか。しかも、実際やってきているわけですね。いずれにしろ、統計も示さずにそういうことだけお答えになるというのは、本当に不誠実だと思います。
 つまり、安倍総理のこの桜を見る会の刑事告発だけが、理由にならない理由で受理されなかった。その日付が一月三十一日、黒川検事長の定年延長の閣議決定が行われた日だということなんです。私、既に閣議決定の悪影響がこういう形でもあらわれていると思うんですね。
 大臣、お聞きしますが、やはり、この閣議決定、この撤回がどうしても必要だと思います。大臣、撤回してください。

#259
○森国務大臣 勤務延長の閣議決定につきましては、業務継続性の必要性に基づき、適正なプロセスでなされたものであると承知をしております。

#260
○藤野委員 終わりますけれども、閣議決定と、そして法案の特例部分、この二つの撤回が本筋であり、これを引き続き強く求めて、質問を終わります。

#261
○松島委員長 次に、串田誠一さん。

#262
○串田委員 日本維新の会の串田誠一でございます。
 当初の予定よりもかなりずれてしまいましたが、森法務大臣も答えられないこともあるかもしれませんが、聞いていたら、法務大臣であれば答えられることも、周りにたくさんの人が寄ってきて、答えられないというような姿を国民が見ていたら、これは信頼回復は果たしてできるんだろうかというふうに私は思われるのではないかなと思うんですけれども。
 まず最初に、きょうは川原刑事局長にじっくりちょっとお聞きをしたいと思っているんですが。
 なぜかといいますと、今、国民は、何までやっていいのか、何までやっちゃいけないのか。例えば、点ピンという話が飛び交っていました。きょうの委員会でも飛び交っていましたが、世の中の人がそんなにマージャンばかりやっているわけじゃないんですよ。点ピンと言われたって、何のことだかわからない人がいっぱいいると思うんですよね。そうすると、今の我が国が、賭博に関して、どうも、やっていいものとやっちゃいけないものがあると。それが、検察官の検事長という大変な地位の人が、今、世の中では黒川基準と呼ばれているらしいんですけれども、何か黒川さんがすごく基準を示したみたいだみたいな。これをやはり明確にしていかなければいけないんじゃないか。
 特に罪刑法定主義、これはなぜそういうことが大事かと言われたら、国民に、どこまでやっていいのか、どこまではやっていけないのかということを明確に示すことが罪刑法定主義の明確性。要するに、本来はやっていいものも、わからないうちに国民がちゅうちょしちゃう、本来は自由であるのにちゅうちょしてしまう、こういうことは避けなければいけないということで境目をしっかりと定めなければいけないのが、私は罪刑法定主義だというふうに教わってきたんですが。
 そういう意味では、賭博罪、百八十五条には、賭博をすると有罪になると書いてある。なのに、どうも黒川基準で許されるということになっている。そして、その許される基準が、点ピンという、マージャンを知らない人はわけがわからない基準で示されているということなので、きょうはしっかりと答えていただきたいと思うんですが、まず、川原刑事局長は検察官出身であるということを確認させてください。

#263
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 私は検察官でございます。

#264
○串田委員 法務省に入られる前に最高検検事をされて、それ以外の詳細なことは私、知りませんが、検察官出身であるということは間違いがありません。
 そこで、今回この調査結果を読ませていただいたんですが、非常に肝心なところが抜けているというふうに思っているんですけれども、黒川元検事長は、点ピンと言われているかけマージャンに関して、当時行っているときに、犯罪は成立するという認識だったのか、犯罪は成立するけれども起訴はされないという認識だったのか、これについての調査結果はないんですが、それはどちらなんでしょうか。

#265
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 私ども、処分に必要な調査を行っております。それは、どのような行為が行われたかということを中心に考えておりまして、当事者の主観その他は、特段の考慮、処分の上で重要な事実でないと考えて調査をしておりませんが、ただ、黒川検事長も検察官でございます。したがいまして、金銭をかけるマージャンがおよそ許される行為だと思ってやっていたとは到底考えていないところではございます。

#266
○串田委員 そうすると、犯罪は成立するという認識はあったんだろうという答えでよろしいですか。

#267
○川原政府参考人 若干微妙なお答えを申し上げざるを得ませんが、犯罪の成否そのものというのは、捜査機関により収集された証拠に基づき個別に判断される事柄でありますので、黒川検事長が個人としてやっていたときに犯罪の成否を確たるものとして判断するものではないと思いますが、ただ、そういうものに当たり得るという認識は、それは、検察官だけではなくて、社会の皆さん、一般的にお持ちではないかと思います。

#268
○串田委員 大変歯切れが悪い感じが私はするんですよ。人を起訴する検察官ですよね。そして、余人にもかえがたいほどの優秀さを持っている人が、自分がやっていることが犯罪が成立しているかどうかと認識できないんですか。はっきりしてください。認識しているか、いないか、はっきり答えられないんですか。

#269
○川原政府参考人 そういう認識を有していたかどうかという形では調査をしておりません。
 ただ、繰り返し申し上げますように、その立場からすれば、犯罪に当たり得るということは認識していただろうと一般的に推測をしております。

#270
○串田委員 先ほど葉梨委員からの質問で、曖昧になったのは、犯罪に問われるかどうかということの質問をされた。犯罪の成否は聞いていないでしょう。犯罪が成立するということと、成立した犯罪が正式に刑事事件として起訴されるかどうか、これは別の話なんですよ。
 ところで、過去の判例を確認させていただくということで通告をさせていただいてありますけれども、刑法百八十五条には何かただし書きがあるというのは世の中は知っていて、どうもそのただし書きなんじゃないかという議論をしている部分もあるんですが、ただし書きには、「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」と書いてある。一時の娯楽に供するものをかけたときにはと書いてあって、これにはしっかりと判例がございます。
 例えば、大判昭和四年二月十八日、一時の娯楽に供するものとは、関係者が即時娯楽のために費消するようなものをいうと。
 そして、次に、これは大審院の判例ですけれども、最高裁が違った判断をしない限りは裁判所法施行令十九条二号でまだ生き続けているわけですが、金銭は、その性質上、一時の娯楽に供するものとは言えないという判断がなされている。ですから、金銭である限りはこの百八十五条のただし書きには該当しないというのが、これはずっとこれまでの判例ですよ。
 そして、先ほど、レートが低いと言って、世の中の人がわけがわからない点ピンの話がありましたが、これに関しては、最高裁は、昭和二十三年十月七日、かけ金が少額な事情等があるとしても、偶然の輸贏、勝敗ですね、に関し金銭の得喪を争ったものであることは法文上明らかなところであって、単に一時の娯楽のためにしたもので罪となるべきものではないとは言えないということで、一般の国民は有罪にされているんですよね。低額でやっても一般の国民は有罪にされているわけですよ。
 ところが、前回の川原刑事局長は、点ピンで一般的に低額であるとかいうことで。
 これ、起訴するのは検察官ですよね。検察官が一般の国民を低額でも起訴して、裁判所は有罪にしているわけでしょう。何で検察官がみずから行うと低額の場合には許されるのか、明確に答えていただきたいと思います。

#271
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 今、串田委員は犯罪ということを前提に御質問されておりますが、繰り返し申し上げますように、犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき個別に判断されるべき事柄でございまして、法務当局としてお答えは差し控えるべきものでございます。
 したがいまして、先日のこの衆議院法務委員会における私の答弁におきましても、私は犯罪の成否について述べたのではございません。議事録等を御確認いただきたいと思いますが、今回の処分を決めた理由を御説明申し上げる中で、その処分を決めた事情の一つとしてこのレートについて申し上げております。
 私は、その際に、かけマージャンは許されるものではないということもきちんと言わせていただいております。その余で、かつ、これは処分をするという前提で、どのような量定にするかに当たっての評価ということを申し上げておりますので。
 刑事と処分は違いますので、これを単純に比較することはいかがかと思いますが、御質問に従ってあえて申し上げますと、有罪、無罪という話をしたのではなくて、有罪であることを前提に、どのような量刑をするかに当たって、このレートが検討した事情の一つであるということを申し上げたのでございまして、繰り返しでございますが、私は、犯罪の成否、すなわち黒川氏の刑事責任について何らかのお答えを申し上げたものではないということは、ここではっきりと御理解賜りたいと存じます。

#272
○串田委員 今の話をすると、国家公務員法上の処分と、そして刑事上の処分とは違うと。ですから、刑事事件として、賭博罪として起訴されるということは十分あり得るということでよろしいですか。

#273
○川原政府参考人 お尋ねは、仮に捜査機関が捜査を開始した場合の捜査機関の処分に関することでございますので、仮定の質問であると同時に、個別事件における捜査機関の活動にかかわることでございますので、私の立場としてはお答えを差し控えさせていただきます。

#274
○串田委員 ですから、最初に、川原刑事局長は検察官ですかとお聞きをしたのは、検察官の刑事局長がまた検察官に戻ることもあるわけでしょう。民事局長だって、裁判官が民事局長として答えて、そして前回の小野瀬民事局長も裁判所長になっているわけですから。ですから、今のお答えというのは、検察官が起訴をするかしないかというものの基準というふうに国民も感じるわけですよ。そのときに、点ピンならば低額で云々という話をすれば、じゃ、低額ならば日本は賭博罪にならないのかな、そういうふうに考えるのもごくごく自然だし、今そういうふうに世間では受け取っている人は多いと思いますよ。
 そのときに、川原刑事局長にお聞きしたいんだけれども、点ピンという難しい、マージャンを知らなければわからないようなことではなくて、一回のかけ金が一万円から二万円ということであれば、かけごとにおいて二万円以内であれば犯罪として起訴されないということになるのかどうか、これは明確にしていただかないと。
 なぜかというと、起訴するのは検察官なんですよ。検察官は、御自身のところに基準があって、これ以上は起訴されないからやっても自由だと。でも、国民は知らないわけですよ。国民は、恐らくたくさんの人が、賭博というのは一切やっちゃいけないんだなと思って、そういうふうに思って守っている人はいっぱいいると思うんですよ。だけれども、検察官の方で、内部的にここまではいいんだといって自分たちだけは自由にやっているというのは、これは国民として私は納得できないと思うんですよ。その点、明確にしていただけないですか。

#275
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 繰り返しでございますが、私の先日の答弁は、犯罪の成否について申し上げたものではございません。あくまでも、処分をする、かけマージャン、金銭をかけたマージャンは許されないので処分をするという、まずこれは許されない行為だという評価を前提にした上で、その処分をどの程度のものにするかということを考慮するに当たって検討した事情の一つだということを申し上げております。
 逆に申し上げれば、余計なことかもしれません、串田委員がこうやって御質問していただくことによって、犯罪の成否について私が答弁したような誤解がもし解けるとすれば、私としては大変ありがたいところでございます。

#276
○串田委員 感謝されたわけでございますけれども。
 言わんとしていることはわかりますよ。だけれども、点ピンだから低額だというようなことをこういう法務委員会で言うこと自体、果たしていかがなものかと私は思っているんですよ。
 というのは、世の中の人は駐車違反として反則金を払ったりしているわけですけれども、そういうときに世の中に駐車違反がないかといったら、山ほどあるわけですよね。そして、駐車違反としてそうやって、緑のおじさん二人がいろいろ張っていったりしたときには、いや、これは運が悪いなと思う。だけれども、そういう国民も、周りみんなやっているじゃないかというふうに言いわけはしちゃいけないんだという覚悟はできているんですよ。そうやって指摘された以上、これはもうしようがないんだという覚悟はできているんだと思うんですよね。
 そういう意味では、私は、世の中では、娯楽だ、許されるか許されないかグレーゾーンの中でいるということはあるにしても、検察官が、このような法務委員会の席上で、そして、これが明らかになった以上は、建前を通さなければいけないんじゃないかと私は思うんですけれども、川原刑事局長は違いますか、認識は。

#277
○川原政府参考人 済みません、ちょっと質問の御趣旨が、建前を通すというのは、ちょっと私、意味を十分に承知できなかったものですから、もう一度ちょっとお願いできませんでしょうか。

#278
○串田委員 余り長く話したくはないんですけれども、要は、検察官で、検事長で、要するに、世の一般国民を起訴する、有罪にするような立場の人が、娯楽でやっているんだというのはわかりますよ、点ピンでやっているということもあるのかもしれないけれども、駐車違反と同じで、いざ、こういう法務委員会で、そして世の中の人がすごく注目されている人だったじゃないですか。そういうような人がかけマージャンをやったときには、ほかの民間人はともかくとして、検察官としては、刑事事件としてしっかりと受けて立つということをやはり示していかないと、示しがつかないと思うんですよ。建前を言っていかないと。
 刑事局長が、いや、点ピンで低額だからというようなことを言ってしまうということになると、世の中、もう法秩序はめちゃくちゃになりますよ。じゃ、私たちがやったらいいのか悪いのか、はっきりしないわけでしょう。
 そこの中に、娯楽としてある程度、国民生活を脅かさないような金額であるならば起訴まではしていないと。犯罪は成立する。構成要件も違法性も、私は否定はしにくいと思いますよ。だけれども、有責性の限界の中で、起訴するまでは必要ないんだということを検察官が一般国民に対してするのは、これは私は理解できるんですよ。だけれども、検察官が建前を尊重しなかったら、法秩序がめちゃくちゃになると思うんですが。
 川原刑事局長、今私の質問というのが、検察官は建前を尊重しませんかということなんですが、処分に関してもいかがでしょうか。

#279
○川原政府参考人 御質問の趣旨は十分わかりました。
 まさにそのように考えるからこそ、黒川氏には訓告処分という処分をして、無罪放免にしているわけではございませんし、繰り返しますが、私も答弁の中で、かけマージャンは許されるものではない、それはきちんと申し上げた上で御答弁申し上げておりますので、そういった認識は有しております。

#280
○串田委員 堂々めぐりをしたいとも思わないし、川原刑事局長もいろいろつらい返答だったんだろうなと思いますので、次の質問に移りますが、先ほどからの森法務大臣の今回の定年延長に関する趣旨というのがはっきりしたという点では、私はよかったと思います。
 といいますのは、検察官も暴走するんだ、だから内閣が人事権としてこういう法改正をするんだ、そういう説明をされる人もいたけれども、これは間違っていますよね。暴走をとめようとしているのに一年ずつ延ばすという。これは、短くするならわかりますよ。六十五歳の定年を一年ずつ延ばすのが暴走をとめるとはとても思えない。これは間違った説明であるということを明確にしてください。森法務大臣にお聞きします。

#281
○森国務大臣 勤務延長制度自体は、公務の継続に必要性があるときに、その公務の断絶の支障を回避するために行うものでございます。

#282
○串田委員 その点が明確になったのはいいと思うんですけれども、そこで、公務の運営に支障があるかどうかということをどうやって判断するのかということを私は前から、前回もお聞きをしました。サイバー犯罪ということがあるので、今、国民はそういう犯罪にさらされているのかどうかというのが大変心配なんですが、その点、明確に答えていただきたいんです。
 今、黒川元検事長がおやめになったことによって、サイバー犯罪ということを挙げられた森法務大臣としては、今、国民はそういう危険に直面をしているんでしょうか、していないんでしょうか。

#283
○松島委員長 じゃ、速記をとめてください。
    〔速記中止〕

#284
○松島委員長 速記を起こしてください。
 大臣。

#285
○森国務大臣 勤務延長制度に関する解釈変更の話と、黒川検事長の個別的な人事と、分けて御答弁を申し上げたいと思いますが、勤務延長制度を解釈変更によって認めたときの立法事実として、国際的な犯罪でありますとかインターネット犯罪について例を挙げたときはございます。
 また、それとは別に個別の人事が行われたわけでございますが、黒川検事長の今般の不適切行為については大変遺憾でございます。この黒川検事長の辞任によって、東京高検内の重大、複雑な事件について、業務継続に支障が生じましたが、本日、後任が選任されましたので、これをなるべく早く回復していただきたいと期待しているところでございます。

#286
○串田委員 先ほど、林真琴名古屋高検検事長が後任になられたということなんですけれども、今の回答によりますと、森法務大臣は、個別の検察官が捜査をしている個別の案件の情報を日ごろから収集しているということを明らかにしたということでよろしいですか。

#287
○森国務大臣 そんなことはございません。
 黒川検事長の勤務延長については、閣議請議の理由書に記載しましたとおり、東京高等検察庁管内において遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査、公判に対応するために、同高等検察庁検事長黒川弘務の検察官としての豊富な経験、知識等に基づく管内部下職員に対する指揮監督が必要不可欠であり、同人には、当分の間、引き続き同検事長の職務を遂行させる必要があるという理由をしたわけでございますが、事務方からこのような必要があるという説明を受けて、認定をしたところでございます。

#288
○串田委員 個別の案件は何かといったら答えられない。答えられないけれども、情報収集しているのかといえば、情報収集していないと。だけれども、六カ月で解決はするというこの見積りをした根拠は何なんですか。

#289
○森国務大臣 当面の間でございます。

#290
○串田委員 本来であれば、重大事件で余人にかえがたいと言っていて、一年延長してもいいのに、わざわざ六カ月にして、そして簡単に辞職を認める。
 例えば、今でいうならば、新型コロナウイルスのワクチンをつくっていて、この人がいなければ、余人にかえがたい、ワクチンがつくれないということであれば納得するし、もし仮にそういう人が何か問題を起こしたとして責任をとられるとしても、ワクチンだけは最後までつくってくれと、私はそういうような判断もあっていいと思うんですが。
 こんなに余人にかえがたいと言いながら、あっさりとやめさせることを認め、そして、何のために定年延長したのかということもはっきりと言えない中で、六カ月という非常に中途半端な期間。まさにこれは、検事総長との入れかえだったらぴったりする期間じゃないですか。だから、国民がこのような不信を抱くのはごくごく当たり前だと思いますよ。
 そして、あす、あおり運転の審議をするわけですけれども、このあおり運転の審議をするに当たっても、こういう時期だからこそ、非常に重大な問題もはらんでいるわけです。世の中の人がみんな、あおり運転はやめろと言うようなときこそ、気をつけなきゃいけない。なぜならば、捜査をする側はそれを拡大解釈しようとするから。それを制限しなきゃいけないというので、国会議員は一生懸命あすの質疑を考えているわけですよね。
 この質疑なんですよ。行政は捕まえようとするから、法律は幾らでも自由に解釈できる方が便利に違いないんです。だけれども、それが過度に国民の人権を侵害することがあってはならないと思って質疑をして、限定して、議事録に残して、そして世に出ていくのが法律なわけでしょう。
 だけれども、森法務大臣は、立案者が自由に解釈変更してもいいんだということになったら、あすの質疑、何のためにやるんですか、森法務大臣。解釈変更を将来することができるんだったら、限定するために一生懸命質疑しても意味がないと思うんですけれども。あす、何のためにやるんですか。答えてください。

#291
○森国務大臣 あす何のために審議するんですかという御質問でございますが、あおり運転によってとうとい命が失われている現状の中で、これまでの法令で対応できない態様について、急ぎこれを改正する必要があるということで法案を提出させていただきましたので、国民の命を守るため、刑事法についてしっかりと議員の皆様の御審議をいただきたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。

#292
○串田委員 時間になりましたが、あおり運転で、国民を守るというのはわかるけれども、その条文が広く解釈されて、本来は犯罪にならないものまで広められるんじゃないかと思って、一生懸命、国会議員が限定解釈をしようと思って、あした質疑しようとするんですよ。その質疑を将来幾らでも解釈変更することができるんだったら、質疑する必要がないじゃないか。これをずっと、黒川検事長の定年延長で言わせていただいたんです。そういう解釈変更を自由にされる法務大臣のもとで、あした質疑をしなければいけない。大変残念だと思います。
 終わります。ありがとうございました。

#293
○松島委員長 次回は、あす二十七日水曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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