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2020/05/26 第201回国会 衆議院 第201回国会 衆議院 総務委員会 第18号 令和2年5月26日
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2020/05/26 第201回国会 衆議院

第201回国会 衆議院 総務委員会 第18号 令和2年5月26日

#1
令和二年五月二十六日(火曜日)
    午前八時四十五分開議
 出席委員
   委員長 大口 善徳君
   理事 大西 英男君 理事 古賀  篤君
   理事 坂井  学君 理事 冨樫 博之君
   理事 中根 一幸君 理事 重徳 和彦君
   理事 吉川  元君 理事 國重  徹君
      井林 辰憲君    池田 道孝君
      石田 真敏君    小倉 將信君
      金子万寿夫君    川崎 二郎君
      木村 次郎君    木村 哲也君
      木村 弥生君    小林 史明君
      佐藤 明男君    斎藤 洋明君
      鳩山 二郎君    穂坂  泰君
      松野 博一君    務台 俊介君
      宗清 皇一君    山口 俊一君
      山口 泰明君    岡島 一正君
      奥野総一郎君    佐藤 公治君
      高木錬太郎君    長尾 秀樹君
      西岡 秀子君    緑川 貴士君
      山花 郁夫君    太田 昌孝君
      本村 伸子君    足立 康史君
      井上 一徳君    初鹿 明博君
    …………………………………
   総務大臣         高市 早苗君
   総務副大臣        寺田  稔君
   厚生労働副大臣      橋本  岳君
   総務大臣政務官      木村 弥生君
   総務大臣政務官      斎藤 洋明君
   国土交通大臣政務官    佐々木 紀君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 田中 俊恵君
   政府参考人
   (内閣府地方創生推進室次長)           長谷川周夫君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 小柳 誠二君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局審議官)            伊藤  豊君
   政府参考人
   (総務省大臣官房総括審議官)           前田 一浩君
   政府参考人
   (総務省自治行政局公務員部長)          大村 慎一君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局長事務取扱)        谷脇 康彦君
   政府参考人
   (消防庁次長)      米澤  健君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 山中  修君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           蝦名 喜之君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官) 達谷窟庸野君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    橋本 泰宏君
   政府参考人
   (中小企業庁長官官房中小企業政策統括調整官)   木村  聡君
   政府参考人
   (国土交通省鉄道局次長) 寺田 吉道君
   政府参考人
   (海上保安庁警備救難部長)            伊藤 裕康君
   参考人
   (日本放送協会副会長)  正籬  聡君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十六日
 辞任         補欠選任
  石田 真敏君     木村 哲也君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 哲也君     石田 真敏君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律案(内閣提出第二七号)
     ――――◇―――――

#2
○大口委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として日本放送協会副会長正籬聡君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君、内閣府大臣官房審議官田中俊恵君、内閣府地方創生推進室次長長谷川周夫君、警察庁長官官房審議官小柳誠二君、金融庁総合政策局審議官伊藤豊君、総務省大臣官房総括審議官前田一浩君、自治行政局公務員部長大村慎一君、総合通信基盤局長事務取扱谷脇康彦君、消防庁次長米澤健君、外務省大臣官房参事官山中修君、文部科学省大臣官房審議官蝦名喜之君、厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官達谷窟庸野君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長橋本泰宏君、中小企業庁長官官房中小企業政策統括調整官木村聡君、国土交通省鉄道局次長寺田吉道君及び海上保安庁警備救難部長伊藤裕康君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#5
○大口委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。穂坂泰君。

#6
○穂坂委員 皆さん、おはようございます。自由民主党、衆議院議員の穂坂泰です。
 本日は、このような質問の機会をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。
 それでは、質問をさせていただきます。
 まず、このような障害者基本政策を国の方で進めていただくこと、大変ありがたいな、そんなふうに思っているところであります。
 今回のコロナでも、障害者の方々はさまざまな被害を受けたというふうに聞いております。私のところに入ってきているのは、就労支援施設におきまして、A型は雇用されているから雇用調整助成金が使えるけれども、B型の方は雇用じゃないから何も出ないという形になっていたんです。工賃というのはほんの数万円かもしれませんけれども、その数万円が非常にその方々の生活にとっては大事なものであって、やはりこういったところもしっかりと見てあげなければいけないな、そんなことを感じさせていただきました。
 でも、そういったところを見るのは、やはり地方がしっかりときめ細やかに見ていくことも大事かなと思う中で、今回、地方創生臨時交付金という形で出ました。こういったものを活用してそういったきめ細やかなサービスをしていかなければいけないというふうに思っているんですけれども、この配分の仕方について少し御質問をさせていただければと思います。
 今回のこの新型コロナウイルス感染症対応の地方創生臨時交付金、目的を見ますと、新型コロナウイルスの感染拡大の防止及び感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活の支援を通じた地方創生を図ることを目的とする、このように書いてあります。そして、第一次補正予算で一兆円の地方創生交付金が出ました。これを各市町村に割り振って、私は埼玉県の衆議院議員なんですが、各市の人口、一人当たりの交付額、調べさせていただきました。
 私は、埼玉県の朝霞市、志木市、和光市、新座市、この四市から選出をいただいているんですけれども、その中で一番感染者の多い新座市、二十八人が、一人当たり交付金二千百五十円、続いて和光市、二十一人で、千六百九十五円、それで、志木市が十六人で、二千五百九十円、朝霞市が十八人で、千八百七十一円、こういった金額でありました。
 一方、一番感染者数の多かった所沢市、今回クラスターも出ましたので、百四十六名感染しているんですが、一人当たりの単価が千七百六十三円なんです。川口市も八十七人で、千七百七十八円になっていて、ちょっとほかの市町村を見させていただいたときに、何と、東秩父村、これは東秩父村がいい悪いと言っているわけじゃなくて、計算式でいくとこうなってしまうんです。一人当たり一万四千七百五円なんです。感染者数がゼロです。続いて多いところが長瀞の八千九百八十一円で、こちらも感染者数がゼロという形になります。町村だからと言うかもしれませんけれども、市で見ても、秩父市、人口が六万三千もいるんですけれども、秩父市も一人当たり三千九百二十一円、感染者数は二人です。
 こういった感染者数が多いところ、少ないところでも、交付金の金額にこれだけの差がついてしまう。私は、この計算とか配付の仕方に少し課題があるのかなというふうに思っております。
 計算式を見ますと、市町村の配分の仕方が、四千八百円掛ける人口掛ける、特定警戒都道府県であるのか、保健所があるのか、そしてまたスケールメリットがどうなのか、こういったことを見ますけれども、こういったところで余り差がついていないんですね。やはり一番最後に差がつくのが、最後の掛け算の、財政力を見たDのところ、このDで大きな差がついてしまうんです。財政力によって先ほど言った目的が達成できるのかというと、やはり感染者数が全然違うのに、片や一方、ないところに物すごい金額が行ってしまう。
 こういう状況になっているのをやはり変えるべきだな、そんなふうに思っておりますが、こちらの配付、配分方法の考え方について御質問させていただければと思います。

#7
○長谷川政府参考人 お答え申し上げます。
 第一次補正予算における地方創生臨時交付金の各自治体に対する第一次交付限度額、これは地方単独事業七千億円余りを配分させていただきましたけれども、今委員のお話にありましたように、人口、財政力、新型コロナウイルスの感染状況等をもとに算定したものでございます。
 新型コロナウイルス感染症の影響は日本全国各地に及んでいることを踏まえますと、各自治体が地域の実情に応じて、医療提供体制の整備、あるいは感染防止対策、あるいは地域経済や雇用への必要な対策、住民生活の支援、こういった対策に取り組む際に、財政力の差異によって対応能力に大きな違いが生じないよう、その差異を緩和するために、交付限度額の算定に当たりまして財政力の要素を加味することは必要であるというふうに考えておるところでございます。

#8
○穂坂委員 ありがとうございます。
 ぜひとも第二次補正予算で、金額的にはどうなるかわかりませんけれども、もしも出た場合には、やはり感染者数を見ながら、そしてまた、東京と隣接地域で、私どもの地域もどんどんどんどん、東京に通勤通学される方が多い地域でありますので、ぜひともそういったところも考慮しながら配分基準を御検討いただければと思います。ありがとうございます。
 続きまして、法案の方の質問に入らせていただきます。
 こちらは、今回、障害者基本法において国、地方公共団体に義務を課している三分野の中の一つだというふうに思います。公共施設のバリアフリー化に関してはバリアフリー法が制定されて、また、雇用の促進等に関しては障害者雇用促進法が制定をされております。
 情報の利用におけるバリアフリー化が今回の分野であると思うんですけれども、今回、この法案自体、私は賛成です。ぜひとも進めていただきたいな、そう思う中で、このタイトルが「聴覚障害者等」という形で限定されているところが少し気になるなというふうに思いました。やはり、障害にはさまざまなものがあります。そういったものも加味して、やはり広く構えていくこと、これも大事だなというふうに思っております。
 また、「電話の利用の円滑化」ともあります。では、情報のバリアフリーというのは電話しかないのか。これもやはり限られた狭い分野になってしまうのかな、そんなふうに思っているんですけれども、私は、もっともっと広い意味で、この情報のバリアフリー化、たくさんの方々に享受を受けていただきたいな、そんなふうに思っております。
 この限定するような意味合いにとられがちな、このように限定した理由がありましたら、ぜひとも教えていただければと思います。

#9
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 電話は、国民の日常生活や社会経済活動における基幹的な通信手段でございますが、緊急通報を利用できるサービスとして重要な役割を担っております。
 一方で、電話は、専ら音声による通信サービスであるため、聴覚や発話に障害のある方は、介助を受けずに利用することが困難であり、自立した生活の確保に支障が生じている状況でございます。
 こうした状況を踏まえまして、公共インフラとしての電話リレーサービスの適正、確実な提供など、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に資する総合的な取組を講ずるため、本法案におきまして所要の制度を整備するものでございます。

#10
○穂坂委員 ありがとうございます。
 こちらは総務大臣の方に、高市大臣の方にお聞きしたいんですけれども、やはり今、5Gがどんどんどんどん進みまして、また、総務省が進めているICT技術もどんどん進んでまいります。こういった技術の恩恵というものは、やはり、競争社会で生かす、これも一つかもしれませんが、そういった社会の中の弱者と言われているような方々もしっかりと恩恵を受けられるような体制を私はつくっていくべきだな、そんなふうに思っておりますが、ぜひとも高市大臣の方針というか考え方をお聞かせいただければと思います。

#11
○高市国務大臣 本法案をお認めいただきましたならば、総務大臣が定める基本方針におきまして、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関連する技術開発の推進に関する方針を示し、自動音声翻訳技術の活用など、関係者による未来を見据えた技術開発についても積極的に促してまいります。
 また、電話以外にも、放送やインターネットなど国民生活に密着した情報通信サービスは数多く存在しておりますので、AIやスマートフォンなどの技術革新を最大限生かしてバリアフリー化を進めていくことが極めて重要だと考えております。
 総務省は、これまでも、音声認識技術を活用した放送番組への自動字幕付与に関する実証、また、障害者の利便の増進に資する情報通信機器・サービスの研究開発を行う者などへの助成などの施策を講じてまいりました。
 引き続き、しっかりと技術革新に取り組んでまいります。

#12
○穂坂委員 ありがとうございます。
 私もいろいろな障害者の方々とつながりがありますので、国の方としてもしっかり進めていくということを広げていきたいなというふうに思っております。
 続きまして、こちらの法案の中身なんですが、今までこういったリレーサービスは日本財団がやられていたというふうになっております。これまで民間も一回やってやめたという経緯もあった中で、今回、日本財団がやめて国が引き受けてやるという形になっておりますが、この日本財団がやめる理由というものもしっかり検証した上で、国がその課題をどう克服していくのか。
 そして、こういったサービスは一度やったらやはりやめちゃいけないサービスだというふうに思いますので、その課題の検証、そしてまた、それをどのように改善して国が進めていくのか、そちらの方を教えていただければと思います。

#13
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 公益財団法人日本財団が、電話リレーサービスの必要性、有用性を検証するために実施をしてまいりましたモデルプロジェクトにつきましては、平成二十五年の開始から六年以上が経過をいたしまして、一定の知見も蓄積され、その役割を一定程度果たしたことから、令和二年度末に終了することが公表されていると承知をしております。
 こうした中、本法案の成立後、電話リレーサービスが公共インフラ化されれば、持続的、安定的なサービスの提供が可能になるものと考えております。

#14
○穂坂委員 ありがとうございます。
 そして、運営において、交付金の話が出てまいります。お配りした資料にも書いてありますけれども、この電話リレーサービスのお金について、諸外国を見ますと、電話事業者から取る場合もあれば、また国からお金を出す場合もあります。
 今回、国がこのような交付金を使ってやろうというように決めた経緯、こちらも教えていただければと思います。

#15
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、一般論として申し上げますと、特定のサービスの提供に要する費用は、それによって利益を受ける方の負担によって賄う受益者負担の原則に従うことが適切であると考えております。
 本法案によりまして、公共インフラとしての電話リレーサービスが実現をすれば、耳の聞こえる方同士だけではなく、聴覚や発話に障害のある方と耳の聞こえる方との相互のコミュニケーションも可能となり、電話の利便性を高めることとなります。
 したがいまして、電話リレーサービスの提供に要する費用は、受益者負担の観点から、国費ではなく電話提供事業者が負担をすることとしているところでございます。

#16
○穂坂委員 ありがとうございます。
 そういったことですと、電話提供事業者からお金をもらうということは、やはり、国民が負担をしていって、このユニバーサルサービスを全国でつくっていこう、そういった形になるというふうに思います。であるならば、この提供機関に関しての運営も、しっかりとしたガバナンス、透明性、そういったものも求められるというふうに思います。
 お金が国からどんどん入ってくれば、余ったら、じゃ、別のサービスをやろうよ、どんどんサービスが肥大化するおそれもあるというふうに思いますし、また、漫然とそのままのサービスでいってしまう、イノベーションも起きない、そういった状況にもなりかねないというふうに思います。
 そういったガバナンスや透明性、またイノベーションが起こるような仕組みとか、コストを削減する仕組み、そのようなことをやることによってインセンティブを与えていくとか、そのような仕組みがあれば、ぜひ教えていただければと思います。

#17
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 電話リレーサービス提供機関によるサービス提供に当たりましては、利用者である聴覚や発話に障害のある方の利便性を確保しながら、効率化を図ることによって、交付金の規模を抑制し、負担を最小化するための仕組みが必要となってまいります。
 このため、本法案におきましては、電話リレーサービス提供機関とは別に、専門的な知見を有する電話リレーサービス支援機関を置き、客観的な見地からサービス提供に要する費用の適正性の確認などの業務を担わせることとしております。
 さらに、交付金の額につきまして、毎年度総務大臣の認可を要することとし、国がその適正性を確認することとしております。
 また、将来的には、音声を手話に自動変換する技術の向上などにより、電話リレーサービスの提供を効率的に実現する可能性があると認識しております。
 このため、総務大臣が定める基本方針におきまして、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関連する技術開発の推進に関する方針を示し、未来を見据えた技術開発につきましても積極的に促してまいりたいと考えております。

#18
○穂坂委員 ありがとうございます。
 ぜひ、国民のお金を入れる以上、しっかりとした運営が求められると思いますので、その運営についてよろしくお願い申し上げます。
 そしてまた、こういった運営、やるに当たり、やはりサービスレベル、質というものも問題になってくるというふうに思います。
 今までのこの財団のやり方を見ていますと、手話の方に一定の基準を設けていったり、そういった質の確保というところでハードルを設けたというふうに思いますが、今回の法律では、そういった形が特に書いていないなというふうに思っております。
 また、先ほど話もありました、将来AI等でやるにおいて、そういったところも障害になってくるのかなというふうに思ったんですけれども、そういった部分、質を担保するところについて、そういったものがあれば教えていただければと思います。

#19
○大口委員長 橋本社会・援護局障害保健福祉部長、簡潔にお答えください。

#20
○橋本政府参考人 電話リレーサービスを公共インフラとして安定的に運営していくためには、オペレーターの質が確保されているということが大変重要なことでございます。
 日本財団の方のモデルプロジェクトにおきましては、オペレーターにつきまして、手話通訳技能認定試験、手話通訳者全国統一試験、全国統一要約筆記者認定試験、これらの合格者、あるいはそれと同等若しくはそれ以上の知識と技術を持った者を採用するように努めなければならないというふうにされてございます。
 法案の成立後に基本方針を策定することになるわけでございますが、その検討に当たりまして、日本財団における現在の実施状況を参考にしながら、オペレーターの要件についてしっかりと検討させていただきたいと思います。

#21
○穂坂委員 ありがとうございました。質問を終わります。

#22
○大口委員長 次に、國重徹君。

#23
○國重委員 おはようございます。公明党の國重徹でございます。
 きょうは、十五分という限られた時間になりますので、早速質問に入らせていただきます。
 電話リレーサービス、これは、単に電話がかけられるようになるということだけにとどまるものではありません。利用者である聴覚障害者の方たちに、自立できるという実感、自分の力で社会の中で生きていけるんだという自信を与える、そして命、安全を守る、極めて価値のあるサービスです。これが今般、いよいよ国の制度として整備される、このことを私も大変うれしく思っておりますし、評価をしております。
 その上で、電話リレーサービスがその真価を発揮するためには、電話リレーサービスの存在、また、それがどんなサービスなのか、その内容について、社会全体で共有されることが不可欠であります。
 これまで、日本財団のモデルプロジェクトでは、オペレーターが電話をつないだ際に、相手の方が、電話リレーサービスの存在を知らなくて、戸惑ったり怪しんだりして、切ってしまうことも多々あったと聞いております。
 今般、国の制度になったとしても、オペレーターの方が、繰り返し、自分がどういう立場で電話をしているのか、どういうサービスなのか、電話口の相手の方に説明をする、こういうことが毎回続いていくと相当大変であります。時間も手間もストレスもかかる。
 今は、周知方法として、例えば、政府広報、テレビCM、ネット広告、いろんな方法があります。広報のプロの知恵もかりることも一つの手だと思います。どうしたら広く皆さんに知っていただくことができるのか、ぜひ工夫を凝らして周知に取り組んでいっていただきたいと思います。
 今後の周知に向けた取組について、お伺いいたします。

#24
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 電話リレーサービスをしっかりと普及をさせていくためには、聴覚や発話に障害がある方のみならず、その意思疎通の相手方である耳の聞こえる方にも電話リレーサービスを知っていただいて、社会的に存在を浸透させる必要がございます。そうした観点からも、委員御指摘のとおり、周知、広報が極めて重要であると認識しております。
 総務省といたしましては、ホームページを始めとする総務省の施策を発信する媒体などを通じて制度についての周知を行うほか、広報の専門家の御知見もいただきながら、実務を担う提供機関や支援機関、厚生労働省などの関係省庁、障害者福祉施設などと連携する地方公共団体、電話の利用者に直接接することとなる電話提供事業者などと連携をし、周知広報活動にしっかりと努めてまいりたいと考えております。

#25
○國重委員 ぜひよろしくお願いします。
 次に、電話リレーサービスがきちんとワークしていくためには、その担い手、オペレーターの確保が極めて重要、不可欠であります。
 そこでまず、どういった方にオペレーターの実務を担ってもらうことを想定しているのか、オペレーターの基準としてどのようなものを想定しているのか、お伺いいたします。

#26
○橋本政府参考人 先ほど申し上げましたように、日本財団が平成二十五年九月からやっておりますモデルプロジェクトにおきまして、このオペレーターにつきましては、手話通訳技能認定試験、手話通訳者全国統一試験、それから全国統一要約筆記者認定試験、これらの合格者、あるいはそれらと同等若しくはそれ以上の知識と技術を持った者、これを採用するように努めなければならないというふうにされてございます。
 今後の法案成立後に策定いたします基本方針の検討に際しまして、現在の実施状況というものを参考にしながら、このオペレーターの要件について検討させていただきたいと思っております。

#27
○國重委員 平成二十八年の厚生労働省、生活のしづらさなどに関する調査によりますと、聴覚・言語障害がある方は、障害者手帳を所持している方だけで約三十四万一千人います。一方で、今、電話リレーサービスのオペレーター業務を担っているのは二百人程度です。これで、今般国の制度にしてマンパワーが足りるのか。
 特に、これまでのモデルプロジェクトでは、利用者が障害者手帳を持っている人に限られていましたけれども、今回の制度化によって、誰でも使える制度になります。しかも、八時から二十一時までであった、時間が限られていたサービス提供時間が、夜間も含めて二十四時間体制になります。利用数の増加が見込まれる中で、今のマンパワーで足りるのか。
 政府として、先ほど示した基準に当てはまるようなオペレーターの方がどれくらい必要だと想定して、現状とのギャップをどう認識しているのか、お伺いいたします。

#28
○橋本政府参考人 この電話リレーサービスのオペレーターの必要数でございますが、その前提となりますサービス需要の見込みですとか、あるいはオペレーターの働き方など多様でございますので、現段階で正確に見込むということはなかなか難しいわけでございますけれども、今のモデルプロジェクトの現状を踏まえて、一定の仮定を置いて機械的に推計いたしてみますと、サービスの提供開始後、例えば五年程度後に利用が平準化するとしまして、利用者数が大体現在の三倍程度にふえ、さらに、今委員がおっしゃいましたように二十四時間三百六十五日の対応になることをも考慮いたしますと、利用回数で見ますと、大体今の四倍程度にふえるのではないかというふうな見込みを立てております。
 これをもとにしまして、オペレーターの必要数ということを見込んでまいりますと、現在のオペレーターの人数というのは、常勤、非常勤合わせて二百人弱でございますが、五年程度の間で現在の従事者数の約四倍程度が必要になってくるということになりますので、毎年約百人強、常勤換算でいいますと四十人程度の人数の確保をしなければならないのではないかというふうに考えてございます。
 現段階での、あくまでも粗い見込みでございますが、こういった必要数が確保されるように、しっかりとした養成に努めてまいりたいと考えております。

#29
○國重委員 今後、人材確保が肝になってくるわけですけれども、人材を確保しようにもオペレーターの処遇改善がされなければ担い手はふえません。
 では、現状、一体どうなのか。
 例えば、オペレーターの担い手の一つとして想定されている手話通訳士、これはなるのが非常に難しくて、試験合格まで平均十年半かかります、十年半。非常に大変であります。でも、平均給与は月約十六万六千円にとどまっています。この処遇では、人材はなかなか集まらないんじゃないかと心配をしております。また、手話通訳士、手話通訳者の平均年齢は五十五・三歳と、高齢化も徐々に進んでおります。新たな若者人材を確保するためには、この処遇の改善、これに加えて、キャリアパスが描けるようにして、魅力ある仕事にしていかないといけないと思っております。
 これらの人材確保に向けた課題について、今後政府としてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

#30
○橋本政府参考人 御指摘のように、オペレーターの処遇等の改善を図るということは、この仕事を魅力的なものにする上で大変重要なことだというふうに思います。
 私ども厚労省といたしましては、総務省とともに取りまとめました電話リレーサービスに係るワーキンググループの報告書も踏まえまして、今年度、手話通訳者に対するアンケート等を行います調査研究事業を実施しまして、まずは、このオペレーターの労働条件あるいは健康面などに関する課題をしっかりと把握したいというふうに考えております。
 また、試験合格につなげるための現任研修等を行います意思疎通支援従事者キャリアパス構築支援事業、あるいは、若い方々に普及を図る上で、大学等で手話通訳の養成研修をモデル的に行う若年層の手話通訳者養成モデル事業、こういったものにも新たに取り組もうというふうに考えてございます。
 こういったさまざまな取組を通じまして、オペレーターの業務が魅力あるものとなるよう努力してまいりたいと考えております。

#31
○國重委員 ぜひよろしくお願いします。
 次に、緊急通報について伺います。
 これまでの電話リレーサービスでは、緊急通報は受け付けない、こういうたてつけになっていました。でも、過去には、聴覚障害者の方々の海でのボートの転覆事故、あるいは山での遭難事故など、緊急通報の電話リレーサービスの必要性を強く示すような事故も頻発してまいりました。
 今般、国の制度にするに当たって、二十四時間化に加えて緊急通報も対応可能にすること、これによって、いついかなるときも命が救われるような仕組みが整うことは大きな前進だと思っております。
 その上で、緊急通報、これは命にかかわることですので、迅速で正確な対応がより求められます。より高度な能力や専門性が要求されるために、緊急通報を担うオペレーターについては、より限定をして、質の担保をしていく必要があるんじゃないかと考えますけれども、これに対する見解についてお伺いします。

#32
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、緊急通報は迅速かつ正確に対応されることが必要であり、緊急通報を取り扱う通訳オペレーターには、特に、緊急通報で必要となる情報のやりとりなどを理解した人材を確保する必要があると認識をしております。
 このため、電話リレーサービスの提供に当たり、通訳オペレーターが緊急通報を適切に取り扱うことができるよう、電話リレーサービス提供機関が体制の整備や研修などを適切に行うことを、総務大臣が基本方針において定めることを想定しているところでございます。

#33
○國重委員 ぜひしっかりとした制度設計をお願いしたいと思います。
 最後に、悪意ある電話への対応についてお伺いいたします。
 電話リレーサービスの利用者の中には、悪意のある者、悪意のあるやからがいないとも限りません。詐欺やストーカー、ハラスメント的な内容がかかってきた場合に、オペレーターの方はどう対応したらいいのか。電話リレーサービスが通信である以上、途絶えてしまうことは適切ではないと考えられますけれども、その一方で、犯罪や危険が利用者の身に迫っていると認識をしながらそれを守れない、これもいかがなものかと思います。
 利用者の命、財産を守る、そして、はざまに置かれているオペレーターの方を守るためにも、違法行為やその疑いのある電話がかかってきたときの対応、これについては、政府としても明確な規定を設けることが必要なんじゃないかと考えております。
 今後、政府としてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

#34
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 電話リレーサービスは、通訳オペレーターが手話、文字と音声を通訳することによりまして、聴覚や発話に障害のある方と耳の聞こえる方とのやりとりについて、原則的には、内容を変えずにそのまま仲介するサービスでございます。
 他方、委員御指摘のとおり、やりとりの内容が、犯罪や、公序良俗に明らかに抵触するなどの正当な理由がある場合には、例外的にサービス提供の中断や利用停止などの措置を講ずる可能性があることにつきまして、提供機関において、あらかじめ利用者に同意をいただくことを想定しております。
 また、こうした点につきましては、総務大臣が定める基本方針におきまして明確化することを想定しております。

#35
○國重委員 以上で終わります。ありがとうございました。

#36
○大口委員長 次に、山花郁夫君。

#37
○山花委員 立国社の共同会派の山花郁夫と申します。
 きょうは、電話リレーサービスについての質問を始めたいと思います。できるのはここまでです。
 まず、ちょっと、この法案の背景として、障害者の権利条約というのがございますけれども、もともと、障害者の権利宣言というのが一九七五年に、日本も共同提案国として採択されております。アドホック委員会における条約交渉を経て、障害者権利条約が二〇〇六年に採択されまして、日本政府は二〇一四年に批准をしていると承知をいたしております。
 この障害者権利条約採択に至るまでの国際的な経緯と、そこにおける政府の取組について、ちょっと事実関係を確認させていただきたいと思います。
 また、ナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アスというスローガンのもと、アドホック委員会には障害の当事者が関与したと承知しておりますけれども、この点についてもお答えをお願いいたします。

#38
○山中政府参考人 お答え申し上げます。
 一九七五年に、障害者もさまざまな権利を有することなどを明記した障害者の権利宣言というものが国連総会において採択をされております。これを端緒といたしまして、その後、障害者の権利実現を目指すさまざまな決議等が国連総会において採択されております。
 例えば、一九七六年には、一九八一年を国際障害年とする決議が、一九八二年には、障害者に関する世界行動計画、国連障害者の十年決議がそれぞれ採択をされております。そして、一九九三年には、障害者の社会的障壁を取り除くべきとの理念を示した障害者の機会均等化に関する標準規則決議が採択をされております。
 こうしたことを踏まえ、二〇〇一年十二月の国連総会において、障害者の権利及び尊厳を保護、促進するための包括的、総合的な国際条約決議が採択されました。条約起草に関し議論するためのアドホック委員会を設置することも決定されました。
 日本は、条約起草の交渉に積極的に関与し、日本の政府代表団には障害当事者が顧問として参加をされました。この委員会での八回にわたる議論を経まして、二〇〇六年十二月、障害者権利条約が国連総会で採択をされ、日本は、同条約につきまして、二〇〇七年に署名、二〇一四年に批准を行っております。
 御指摘のありましたナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アス、私たちのことを私たち抜きに決めないでというこのスローガンは、障害者の方々が自身に関する問題に主体的に関与するとの考え方でございます。アドホック委員会におきましては、このスローガンのもと、障害者団体が発言する機会が設けられ、日本からも延べ二百名ほどの障害者団体の関係者が参加したと承知をしております。

#39
○山花委員 経緯について御説明いただきました。
 るるお話しいただきましたけれども、日本はその条約起草の交渉に積極的に関与したということ、また、日本の政府代表団の中に障害当事者が顧問として参加をしたということ、また、障害者団体が発言する機会が設けられて、日本からも延べ二百名ほどの障害者団体等の関係者が参加したということについて確認をすることができました。
 委員長、外務省はこれで結構です。

#40
○大口委員長 それでは、外務省山中大臣官房参事官、退出してください。

#41
○山花委員 さて、そこでですけれども、こうした経緯がある中で、今コメントいただきましたが、ナッシング・アバウト・アス、私たちのことを私たち抜きで決めないでというのは、一九六〇年代のアメリカで始まった、自立生活運動というのだそうですけれども、インディペンデント・リビング・ムーブメント、この中から出てきた言葉であって、障害者権利条約の制定過程においても障害当事者の皆さんの間で口々に叫ばれていた重要なスローガンだとされております。
 この精神は国内法にはどのような形で反映されておりますでしょうか。内閣府にお尋ねいたします。

#42
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 障害者が政策に係る意思決定過程に積極的に関与する機会を有するべきであるという障害者権利条約の基本的な考え方を踏まえ、障害者基本法第十条第二項において、「国及び地方公共団体は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を講ずるに当たつては、障害者その他の関係者の意見を聴き、その意見を尊重するよう努めなければならない。」こととされております。
 各府省におきましては、この規定を踏まえ、関係施策を講じることとなっております。

#43
○山花委員 各府省としてこういうことをやるべきだという話ではあるんですけれども、今回、理事会でも御協議いただいて、ちょっと残念だったなという思いが個人的にはあるんです。
 全ての法案で、委員会でということはなかなか難しいと思いますけれども、電話リレーサービス、特に新法ですし、多くの当事者の方々が、楽しみにしているという言葉が適切かどうかですけれども、注視をいたしております。できたら、こういった委員会の院内の中継だと、手話通訳などがつくことができたらよかったなと思います。
 今回は今回ということですけれども、委員長、また理事の方々も、どうか、総務委員会ですから余り、むしろ厚労委員会とかの方が機会があるのかもしれませんけれども、今後、機会があればぜひ考えていただきたいなと、委員長はうなずいていただいておりますので、よろしくお願いします。

#44
○大口委員長 ただいまの件については、国会全体のあり方を議論する場で検討をいただく必要があると考えますが、理事会で協議いたします。

#45
○山花委員 ありがとうございます。
 また、これも新型コロナの対策ということでなかなか難しかったということでございますが、本来であれば、できるだけ当事者の参加をというのが今政府側からあった話です。ぜひ国会の方でもということで、参考人の質疑などもということでお話をさせていただいていたと思うんですけれども、なかなかこういう状況の中でこの場に来ていただいてということが困難だということでございます。
 きょう、当事者の方々からの御意見について机上配付をさせていただいておりますので、これも、ここで当事者の方々がお話しいただくことがかないませんので、ぜひ議事録に残すような形でという形でお願いをさせていただいておりましたけれども、委員長、御発言よろしいでしょうか。

#46
○大口委員長 そのとおりにさせていただきます。

#47
○山花委員 ありがとうございます。
 さて、それではまた対政府の質疑ということに戻りたいと思います。
 このような、できるだけいろんな局面で当事者の方々が参加をしていただこうという経緯からいたしますと、新法制定に当たり、この法律をつくるに当たっても、当事者の方々の参加であるとか意見反映というのが必要だと思いますが、この法律作成に当たりまして、当事者の関与、これはどういった形で実現されたんでしょうか。

#48
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 電話リレーサービスの実現に当たっては、聴覚や発話に障害のある方など、関係者の御意見は不可欠であるというふうに認識をしております。
 このため、本法案の策定に先立って総務省、厚生労働省において共催をいたしました、電話リレーサービスに係るワーキンググループにおきまして、聴覚障害者団体に構成員として参画いただくなど、当事者の御意見をいただきながら検討を進めてきたところでございます。
 今御審議をいただいております法案は、このワーキンググループにおいて合意された基本的な考え方を踏まえて策定をしているものでございます。

#49
○山花委員 今、不可欠というお答えもございました。これはこの法案を提出するに至る過程ということでございましたけれども、これは新法ということで、もし両院で可決して成立した後、まだまだその後、先々のこともあろうかと思いますし、見直しをという機会も出てくるのではないかと思います。
 これはぜひ大臣にお伺いしたいと思いますけれども、今後、この法律が仮にできたとして、運用であるとか、あるいは、将来的に見直しの機会があれば、当事者が参加をしてそういったプロセスに入っていく、意見表明の機会等々が確保されるべきであると思いますけれども、政府としての認識をお答えいただきたいと思います。

#50
○高市国務大臣 制度設計につきましても当事者の方々の御意見を伺ってまいりましたけれども、この法律案をお認めいただきましたなら、今後、本法に基づく省令や基本方針の策定など、制度の具体的な運用に加えまして、将来、ニーズや技術動向の変化を踏まえて、必要に応じた見直しを検討するような場合に当たりましても、パブリックコメントなどを実施いたしまして、聴覚や発話に障害のある方も含め、幅広く、国民の皆様、利用者の皆様の御意見の把握に努めてまいります。

#51
○山花委員 今、パブリックコメントという話がありましたけれども、そこは多分マストの話だと思います。ぜひ、今後、いろんな形で工夫をしていただければと思います。
 さて、今回のこの法案、先ほど穂坂委員の方からも少し議論があったと思います、今回の法案の背景として障害者基本法の第二十二条があると思いますけれども、これはそのとおりでよろしいでしょうか。総務省、お答えください。

#52
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御認識のとおり、本法案は、障害者基本法第二十二条の情報の利用におけるバリアフリー化に関する国の責務を踏まえて制度化をしようとするものでございます。

#53
○山花委員 この障害者基本法については所管が内閣府ということだと思いますけれども、第十二条に「政府は、この法律の目的を達成するため、必要な法制上及び財政上の措置を講じなければならない。」と定められています。
 先ほども御議論あったと思いますけれども、十九条以下の施策ということでいうと、ちょっと後発的な印象がございますけれども、今回は電話リレーサービスという形です。
 ただ、障害のある方に対して、割と健常者の方というのは、ちょっと極端に物を考える傾向があるのかなという印象を持っていまして、何か、耳の聞こえない方は手話で、目の見えない方は点字みたいな発想の方も少なくないんですけれども、実は、耳の聞こえない方で手話が使える方というのは、比率としてはそんなに高くないですよね。中途失聴の方で、まだ手話を勉強していませんという方もいらっしゃれば、そもそも、我々よりちょっと上の世代ですと、聾学校で手話はむしろ、手まねはしちゃいけませんという、禁じられていた時代があったということもございます。また、目の見えない方、点字がみんなできるかというと、必ずしもそうじゃなくて、弱視の方なんかはむしろ大活字だとか、いろんな取組があり得るんだと思います。
 情報のバリアフリー化ということについては、今回、これはあくまでも一つの施策だと思いますけれども、今後、政府としてのこうした取組についてどのようにお考えでしょうか。内閣府、お願いいたします。

#54
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 社会のあらゆる場面でICTが浸透しつつある中、ますます情報アクセスの確保等の重要性が高まっているものと考えております。
 障害者基本法に基づき策定いたしました第四次障害者基本計画においては、基本原則において、手話を含む言語その他の意思疎通のための手段について選択する機会の確保を図ることを旨として障害者施策を実施することを掲げるとともに、各分野に共通する横断的視点の一つとして、社会のあらゆる場面におけるアクセシビリティーの向上を掲げております。
 また、同計画における分野別施策の一つに、情報アクセシビリティーの向上及び意思疎通支援の充実の項目が設けられているところであり、情報通信における情報アクセシビリティーの向上、情報提供の充実等、意思疎通支援の充実や行政情報のアクセシビリティーの向上の各種施策を各省庁において実施しております。
 政府といたしましては、障害のある方も円滑に情報にアクセスし、コミュニケーションを図ることができるよう、政府全体で障害者基本計画に基づく施策を着実に実施してまいりたいと存じます。

#55
○山花委員 今回は特に聴覚障害の方ということでございますけれども、今御答弁いただいたように、本当に多岐にわたると思いますので、政府として、それぞれ役割分担があるんだと思いますけれども、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 委員長、内閣府はこれで結構でございます。

#56
○大口委員長 では、田中審議官、御退出ください。

#57
○山花委員 では、引き続き。また総務省に戻りたいと思います。
 電話リレーサービスについては、既に先行して取り組んでいる国々があると承知をいたしておりますが、恐らくこういった国々の取組について参考とされたのではないかと思います。
 日本以外でどんな国が取り組まれてきているのかという、大体、トレンドといいましょうか、そういったことと、あと、先ほども少し御議論がございましたけれども、費用負担のあり方について、どんな国がどんなやり方をとっているんですかということについて教えてください。

#58
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 電話リレーサービスは、諸外国におきましても広く提供されておりまして、G7、先進国主要七カ国では、日本を除く全ての国において制度化をされていると承知をしております。
 費用負担のあり方についてでございますけれども、これは各国ごとに制度が異なっておりまして、例えば、米国、オーストラリア、カナダでは、電気通信事業者が拠出する基金によりまして電話リレーサービスの提供に要する費用が賄われております一方で、韓国におきましては、通信事業者の負担に加えて国も費用を負担しているというような状況でございます。

#59
○山花委員 そこでなんですが、先ほど来内閣府とやりとりをいたしておりました、情報の利用におけるバリアフリー化等というのが障害者基本法の第二十二条に定められていて、主語が、国及び地方公共団体はということであります。電気通信及び放送の役務の利用に関する障害者の利便の増進、中略いたしますが、障害者の意思疎通を仲介する者の養成及び派遣が図られるよう必要な施策を講じなければならないと書かれておりますので、ざっくりまた中略いたしますと、国及び地方公共団体は、必要な施策を講じなければならない。
 これは、読みようによっては、今、こういう国もありますがと言って、ちょっと例外ですみたいな言い方でしたけれども、国の方で、国費で賄うというのも一つの考え方ではなかろうかと思いますけれども、そうはしなかったということについて、どういう検討の結果こうなったのかということについてお答えいただきたいと思います。

#60
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 費用負担のあり方につきましては、これまでの検討過程におきましてもさまざまな議論があったわけでございますけれども、一般論として申し上げますと、特定のサービスの提供に要する費用はそれによって利益を受ける方の負担によって賄う、いわゆる受益者負担の原則によることが適切であるというふうに結論を出しているところでございます。
 本法案によりまして、公共インフラとしての電話リレーサービスが実現をいたしますと、耳の聞こえる方同士だけではなく、聴覚や発話に障害のある方と耳の聞こえる方との相互のコミュニケーションも可能となりまして、電話の利便性が高まることになります。
 したがいまして、本法案では、電話リレーサービスの提供に要する費用は、受益者負担の観点から、国費ではなく電話提供事業者が負担をするというふうに整理をしているところでございます。

#61
○山花委員 言いかえると、この障害者基本法の二十二条の、必要な施策を講じなければいけないというのは、必ずしもお金の面のことだけではなくて、あるいはこういう法律を整備をしたりとか、そういったことも含めて政府の役割だという中で、費用のことについては、今、こうですよというお答えだったと受けとめたいと思います。
 である以上は、今回のケースに限らず、総務省として、今後、情報のバリアフリー等々、ちょっと顔を見ると通信に限られちゃうような気がするんですけれども、こうした障害者の関係で取り組むべき課題があればしっかりとやっていただきたい、費用負担のことに限らずというふうに思います。
 さて、今回の電話リレーサービスということについては、もともと当事者の団体の方から、ぜひこういうことをやってくれ、国の制度にしてくれという運動の中で、一つは、電気通信事業法などで、今、要するに、どうも聴者のため、聞こえる人のための通信になっているのではないか、やはり、音声通話に限らず、こうした電話リレーのようなこともしっかりと位置づけていただきたい、こうした御意見もあったと承知をいたしております。
 そういう中で、今、基礎的電気通信役務というものがありますけれども、要するにユニバの話ですが、考え方の問題です。そうすべきかどうかというのはもちろん政策判断ですけれども、基礎的電気通信役務の中に電話リレーサービスを位置づけるというのも考え方としてはあり得たのではないかと思いますけれども、そうではなくて今回の形をとったというその判断について、どういう判断だったのかということについて教えてください。

#62
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどG7の例を申し上げましたけれども、例えば、カナダあるいはオーストラリアにおきましては、それぞれの通信法におきまして、電話リレーサービスをユニバーサルサービスとして位置づけているという例もございます。
 しかしながら、我が国におきましては、この電話リレーサービスは、通訳オペレーターが介在するため、現行の電気通信事業法における電気通信役務には該当しないというふうに整理をしてございます。
 このため、地理的格差を是正することを目的とする基礎的電気通信役務、いわゆるユニバーサルサービス制度を参考としながら、電話リレーサービスを安定的に提供するための交付金制度を新たに設けたものでございます。

#63
○山花委員 つまり、ユニバーサルサービスという概念そのものは、これは郵便でもありますけれども、誰でも、どこでも、あまねく、公平にということで、例えば山の上でも離島でもと。今、地理的なというお話がありました。ある意味、そういうハード面といいましょうか、去年なんかでも、台風の被害があって、ケーブルが、島につなぐやつが傷んでしまってそれをかえるというようなところに使うということが基礎的電気通信役務という話なんだ、こういうことですけれども。
 先ほども御議論がございましたけれども、考えようによっては、むしろ別建てにしておいて、そのための御負担いただいたお金の中でやっていくということの方が受益と負担の関係というのも明確になるのかなという形で受けとめさせていただいているところであります。間違っていないですよね。うなずいておられますので、答弁は結構です。
 さて、今回のこの法律ができますと、現在では、緊急通報などは、今、あくまでも日本財団がやっているのはモデル事業ということですから、万が一のときに責任がちょっととれませんよということで、受けておられないという話でありますが、そうはいってもということで、事実上行っているというお話も伺います。
 ただ、今後、二十四時間体制になって、かつ、救急車を呼ぶとか消防車を呼ぶとかそういったケースですと、本当に命にもかかわるケースが出てまいります。そうなりますと、本当に、緊急時に例えば救急車を呼んで、自分の症状がどうなんだみたいなことをお伝えしたりとかしなければいけないような話になっております。
 そこで、電話リレーサービスのオペレーターの、先ほどから質の確保という話があって、ここはなかなか難しいところだとは思うんです。余り、物すごく難しい、高度な質を求めてしまうと、そもそもそんなことできる人、数がこれぐらいしかいませんという話になりかねません、二十四時間でやりますので。
 ただ、他方、そうはいっても、今申し上げたように、いざというときにしっかりと緊急のコミュニケーションがとれる、そういったことというのは必要だと思います。
 実は、この点について事前にいろいろやりとりをさせていただいたときに、法律、どこを読んでもよくわからなかったんですよ。一体どうやって担保するのですかという話について、いろいろ説明を聞くと、そういうことなのかとわかったんですけれども。
 ちょっと議事録に残す形でやりたいと思いますが、今の話というのは、この法律案の第七条の第二項の第三号、電話リレーサービス提供業務の実施方法及び電話リレーサービスの利用に係る料金に関する事項その他電話リレーサービスの提供業務に関する基本的な事項ということで、基本方針で定めます、こういうようなことのようですけれども、このオペレーターの質の確保ということ、先ほどもちょっと議論ありましたけれども、改めて、どういう形で確保されるのかということについてお答えをいただきたいと思います。

#64
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 電話リレーサービスのオペレーターの質を一定水準以上に保つ必要があることから、手話通訳士などの一定程度の能力を有することを要件として総務大臣が定める基本方針に規定することを想定しております。これが、今委員御指摘いただきました、法案の第七条第二項第三号にかかわる部分でございます。
 また、電話リレーサービス提供機関は、この基本方針を踏まえまして、オペレーターに関する具体的な基準を業務規程におきまして規定することとなりますが、この業務規程を総務大臣が認可をすることによりまして、オペレーターの質を担保してまいりたいと考えております。

#65
○山花委員 ということで、運用の方でしっかりやっていただきたいと思います。
 先ほど、これも穂坂委員の方からも御指摘がございましたけれども、やはり、今回のこの聴覚のケースだけではなくて、広く情報のバリアフリーということ、これは特に与野党で対立のある話ではないと思います。ぜひ、今後も政府としても進めていただきたいと思います。
 また、既に手話言語条例というのを制定している自治体もございますけれども、国としても手話を言語として位置づけて、手話の獲得だとか学び、守ることを法制化する手話言語法案という議員立法を私どもも既に提出をいたしておりますし、また、聴覚障害者等の手話以外の意思疎通のための手段による情報の提供について、公共的施設やスポーツや文化芸術等の活動において努力を促し、あるいは国や自治体に必要な措置を求める情報コミュニケーション法案というのを昨年六月十四日に衆議院に既に提出をいたしております。
 ぜひ、各党各会派の御賛同をいただきまして、今後こういった議論ができる場が設けられることを祈念いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#66
○大口委員長 次に、重徳和彦君。

#67
○重徳委員 立国社の重徳和彦です。
 まず初めに、五月二十三日に亡くなられた人気女子プロレスラーに対しまして、生前、SNS上で誹謗中傷があったことが報道されております。まず何よりも心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、SNSへの匿名の悪質な書き込みへの法規制が不十分じゃないかと考えます。
 現行法、プロバイダー責任制限法では何ができるのかを含めまして、大臣の御見解を答弁願います。

#68
○高市国務大臣 木村花さんの御逝去につきましては謹んで哀悼の意を表します。
 特に、媒体が何であれでございますが、匿名で他人を誹謗中傷するという行為は、人としてひきょうで、許しがたいものだと思います。まずはユーザーの情報モラルを向上していくことが最も重要だと認識しています。
 現行法でということのお尋ねでございますが、ネット上の権利侵害情報の削除や匿名の発信者の情報開示手続は、プロバイダー責任制限法において規定されております。ネット上の誹謗中傷を抑止し、被害者救済を適切に図ろうとしますと、発信者の情報開示手続について適切に運用されなければなりません。
 そこで、総務省では、先月、有識者会議を設置したところでございます。プロバイダー責任制限法に基づく開示対象となる発信者情報の追加、それから開示手続を円滑化する方策などについて検討を開始いたしました。匿名の者が権利侵害情報を投稿した場合に発信者の特定を容易にするための方策について検討を進める予定でございます。
 この検討結果を踏まえまして、制度改正などの対応をスピード感を持って進めてまいります。

#69
○重徳委員 総務省でも制度改正を検討されているということでありますが、我々立法府においてもしっかりと議論を進めてまいりたいと思います。
 特に、警察ではこの件は自殺と見て調べているというふうに報じられておりますけれども、有名人の自殺のメディア報道の後は、自殺リスクの高い方々が模倣自殺ということをされることが間々あります。放送行政も所管されます総務省としても、報道のあり方について十分御留意を願いたいということを要望申し上げます。
 さて、きょうは、電話リレーサービスの法案についての審議でございます。
 私は、基本的には、障害者が暮らしやすい社会というのは健常者にとっても暮らしやすい社会につながるということを基本的な考えとして持っている者でございます。ですから、電話リレーサービスというのは、聴覚障害者の方はもちろん、全ての人に貢献する政策と捉えて、より多くの国民の皆さん方の理解を広げていくべきだと考えております。
 まず、前提としてなんですけれども、知っておきたいのが、手話通訳を通じた意思の伝達というのは、通常の音声、言葉を耳で聞く、こういうやりとりに比べまして、その情報量、情報密度というのはどの程度なんでしょうか。厚労省の方から御答弁願います。

#70
○橋本政府参考人 現在実施されております電話リレーサービスのガイドラインにおきましては、通訳オペレーターに対しまして、サービス利用者やその相手方に係る発言内容の等価性ということを重視して通訳することを求めております。すなわち、通常の会話と手話との間で、表現の手段は異なるものの、通訳オペレーターを介した会話において情報の欠落が発生しないようにするということが基本的な考え方でございます。
 ただ、例えば医療ですとか法律ですとか、そういった専門性の高い分野の用語について一人一人のオペレーターの理解度に多少の差があったり、あるいは、まだ標準化されていないような新しい用語が会話の中に含まれていたりですとか、あるいは、手話にさまざまな地域差があったりですとか、現実には今申し上げたようなさまざまな事情というものが生じ得ますので、その場合には、結果として情報が細部まで十分に伝わり切らないというふうな可能性も考えられます。今後のオペレーターの養成に当たりまして、できるだけそういうことが生じないよう、質の向上に努めてまいりたいと考えております。

#71
○重徳委員 もちろん、条件によりますけれども、必ずしも、残念ながら一〇〇%ではないというようなお話でございました。
 そういう意味では、聴覚障害の方の中にも中途失聴者とか難聴者という方もいらっしゃいまして、みずからの声、音声で伝えるということができる人がいるわけであります。今回の電話リレーサービスは、手話と文字ということによる伝え方、もちろん、しゃべることはできても聞くことが困難あるいは無理だという方々はいるわけですから、そういう意味ではリレーサービスが必要なんですが、音声で発するということを選択できるようにすべきではないかという指摘があります。
 これを実現するために乗り越えなきゃいけない課題、どうすれば実現できるのか、御答弁願います。

#72
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の聴覚に障害があるけれども発話はできる方につきましては、自身の音声を相手に直接伝えれば、通訳オペレーターを介さずに、直接の意思疎通を図ることができるわけでございます。
 こうした、必要に応じてオペレーターを介在させないシステムといいますものは、技術的には実現可能でございますけれども、システムの構築や運用が複雑になるおそれがあるため、利用者のニーズを勘案しながら検討を進めてまいりたいと考えております。

#73
○重徳委員 技術的には可能ということでありますので、そしてニーズは確実にあると考えておりますので、今々はできないということでありますが、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 また、一方で、UDトークなんと言われる、音声をそのまま文字に自動的に変換する、そういったアプリといいましょうか、技術が既に充実してきておりますし、マスコミの方の取材でも最近はよく使われるようになってきていると承知しております。
 音声の文字変換技術というものをこのリレーサービス、人手を介さずに、技術を導入する、そういうことができる段階に入っているんじゃないかと思うんですが、この点についての御認識はいかがでしょうか。

#74
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の音声認識技術につきましては、総務省と厚生労働省で共催をいたしましたワーキンググループにおきまして議論がございまして、技術的に通訳オペレーターを代替するほど成熟していないという指摘があった一方で、補助的に利用することで効率的な通訳の実施に資するのではないかといった御意見も承っているところでございます。
 こうした議論を踏まえまして、総務大臣が定める基本方針におきまして、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関連する技術開発の推進に関する方針をお示しし、音声認識技術の活用などの技術開発についても積極的に促してまいりたいと考えております。

#75
○重徳委員 電話という意味だけじゃなくて、情報技術、ICTを所管する総務省がこのサービスを所管されているわけですから、今局長がおっしゃったような、音声を文字に変換する、そういう技術も、いろいろな側面からの検討はされてきたということではございますが、ぜひ技術開発についてもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 こういった技術面を含む話をさせていただきましたのも、やはりICTは世の中を本当に変える技術でありますから、このリレーサービスについても、まずは今の制度についてしっかりと世の中に定着させていくということと、これからの展開ということについても視野に入れていくべきであるということを申し上げたいわけでございます。
 大臣にお聞きし、また確認したいことがあります。
 それは、まず、今のリレーサービス、現状は、やはり文字に変換するとかいうことに、要するに通訳に時間がかかります。ですから、利用者側が発したメッセージが相手側に伝わるのにやはり空白の時間ができちゃったりする、こういったことをもって、通常の音声電話になれ親しんでいる感覚からすると、ちょっと、あれ、何だろう、この空白はというふうに感じてしまうような場面も想定されますが、リレーサービスというのはそういうものなんだということもしっかりと周知させる必要があると思うんですね。これが一点。三点申し上げますが。
 それから、二つ目は、このサービスというのは、専ら障害者が、普通の電話では意思の疎通ができないということから、そういう人たちがどこかに連絡をとりたいためのサービスだというふうに説明されがちなんですが、しかし健聴者、耳がちゃんと聞こえる方からしても、聴覚障害者に対して連絡をとりたいときにこれまた使えるサービスなんであるということもはっきりとさせるべきではないかということでございます。
 そして、もう一点は今後の話ですが、今、谷脇局長からも、自動の文字変換技術というのは相当進んでいるということで、技術開発には取り組んでいくということですから、障害者施策としてのみでなく、やはりこれからは、日本語を外国語に変換する、こういう技術も当然ながら視野に入っているわけですから、そういったことによって、外国語の苦手な方が多い日本人、それから、もちろん、英語はできてもほかの言葉はできないという方だっていっぱいいるわけで、こういったユニバーサルな、さまざまな使途、目的に使えるようなサービスに更に大発展させていくべきじゃないかと考えるんですが、この点についての大臣のお考えをお聞かせください。

#76
○高市国務大臣 まず、一点目についてでございますが、電話リレーサービスにおいて、聴覚や発話に障害のある方から電話を受ける方につきましては、手話通訳などに一定の時間を要するという点も含めて、このサービスの存在や仕組みを十分に知っていただいた上で、円滑にコミュニケーションを図っていただくことが重要でございます。
 ですから、本法案をお認めいただきました後には、関係者とも有機的に連携しながら、周知、広報に全力で取り組んでまいります。
 また、二点目でございますが、電話が双方向のサービスであるということも踏まえまして、本法案第二条におきまして、電話リレーサービスの提供に当たり、聴覚や発話に障害のある方と耳の聞こえる方の双方から利用できるようにすることを要件としております。この点についても周知してまいります。
 それから、三点目でございますが、重徳委員がおっしゃったとおり、我が国が抱える高齢化やグローバル化といった環境変化を踏まえますと、聴覚や発話に障害のある方に限らず、情報のバリアフリー化を進めることは極めて重要だと思います。
 総務省では、公共分野のウエブサイトの利用におけるアクセシビリティーに関するガイドラインの策定などを推進してまいりました。また、障害者の方の利便の増進に資する情報通信機器・サービスの研究開発を行う者などへの助成といった施策も切れ目なく講じてまいりました。また、外国の方への対応としては、NICTの多言語翻訳技術の開発普及を通じて、言葉の壁の解消に努めてまいりました。
 本法案に基づく基本方針に盛り込む電話リレーサービスに係る技術開発の推進とあわせて、さまざまな情報通信サービスの利用におけるバリアフリー化についても積極的に取り組んでまいります。

#77
○重徳委員 障害者が暮らしやすい社会は全ての人が暮らしやすい社会なんだということにおいて、この情報技術は大変重要な鍵を握るものだと思いますので、今大臣、若干、総花的な御答弁でありましたが、とにかく突き進んでいくということで、ぜひお願いしたいと思います。
 ちょっとリレーサービスからは外れますけれども、現状認識をお尋ねしたいと思います。
 これは厚労省にお聞きしたいんですが、障害者施策というのは、障害者の置かれた現状を正しく理解するということが第一歩だと思います。その意味で、聴覚障害者特有の世の中の認識というのがあると思います。二点申し上げますので、ちょっとまとめて御答弁いただきたいんです。
 一つは、世間では、先ほどありました、中途失聴者とか難聴者の中には、ちゃんとしゃべれる、話すことはできるんだよという方もいらっしゃいます。だから、聴覚障害者というのはそもそもしゃべれないんじゃないか、話せないんじゃないかといった思い込みというか、誤解もあると思いますが、こういったことについて正しく認識していただく必要があるというふうに思いますが、現状認識をお聞きしたいのが一つ。
 それから、もう一つは、そうやってしゃべれる方もいらっしゃるぐらいに、ぱっと見たお姿では、聴覚に障害があるということが一目でわからない、こういう方もいらっしゃいます。視覚障害やほかの障害とはちょっと違って、普通に暮らしておられるとわからないんですね、はた目にわからない。
 こういったことが、逆に、障害のある当事者からすると、気づいてもらえないとか、いろいろと複雑な心理があるというふうにも聞いておりますが、この点、国としては、厚労省としてはどのように認識されているんでしょうか。

#78
○橋本政府参考人 聴覚あるいは言語の障害を有する方々、約三十四万人いらっしゃるというふうに推計いたしております。
 聴覚障害者の中には、先天的な障害のために耳が聞こえず、かつ音声で話すことができない方もいらっしゃいますし、また、中途失聴のため、耳が聞こえないけれども発語は可能な方など、非常にさまざまな状態の方が含まれるわけでございます。また、外見だけでは障害を有するということがわかりにくいため、例えば耳が聞こえるというふうに誤解をされるような場面というのも想定されます。
 ある聴覚障害者の団体の方でつくっておりますリーフレットなどを見てみますと、こんな書き方がされております。外見ではわかりにくい障害のため、周囲に気づいてもらえないことがあります、特に難聴、中途失聴の場合は、話せる人も多く、挨拶をしたのに無視されたなどと誤解されることがありますと。まさにこういったことに日常的に遭遇しているというのが聴覚障害者の置かれている現状ではないかというふうに考えております。
 こういった点につきまして、やはり国民に広く、聴覚障害者というものはどういう人なのかということにつきましての認識を共有していくということは大変大事なことだというふうに考えております。

#79
○重徳委員 と同時に、聴覚障害者の方々がしっかり社会に参画できるということを応援していくということが必要なんだと思います。
 もう一点申し上げます。
 今、コロナで新しい生活様式というものが求められておりますが、聴覚障害のある子供たち、児童生徒にとって、健常者の常識では、要するにマスクをつけて学校でもどこでも生活しましょうということになるんですが、聴覚障害の方の中には、口元を見て、口話法ですね、読唇術なんて言われるときもありますが、そういう口元を見て言葉を理解する方もいらっしゃるわけで、普通にマスクをしちゃうとコミュニケーションができなくなっちゃう、こういうケースもあるわけであります。
 聾学校では一定の配慮が進んできているというふうにも聞いておりますが、聴覚障害児、生徒が通う普通校において学校の対応はどのようになっているのか、どうしていくべきなのかについて御答弁願います。

#80
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 学校教育活動におきまして、児童生徒や教職員が密接をする場面におきましては、飛沫を飛ばさないよう、児童生徒及び教職員はマスクを着用することが望ましいものと考えられております。
 他方で、聴覚に障害のある児童生徒につきましては、その障害の状態等に応じまして、音声、文字、手話、指文字など多様な手段を用いて意思疎通を行っておりますけれども、特に口の動きも使ってコミュニケーションをとる児童生徒にとりましては、委員御指摘のように、マスクを常時着用することによりコミュニケーションが困難となるということが考えられます。
 このため、聴覚障害の特別支援学校でありますとかあるいは小中学校などの特別支援学級におきましては、教員や児童生徒が透明なフェースシールドでありますとかあるいは透明なマスクを着用して、口の動きが見えやすくするような取組でありますとか、あるいは教員がなお不足する情報を筆談や黒板に記載することにより補っていくといったような指導上の工夫が行われているところでございます。
 これに関連しまして、文科省におきましては、令和二年度の第一次補正予算に、特別支援学校でありますとか特別支援学級を含む学校におきます感染症対策のためのマスク等の購入支援の経費を補助する事業を盛り込んだところでありますが、学校等において透明マスクなどを整備する場合もこの事業による支援の対象とすることとしてございます。
 引き続き、学校におきます感染症対策を着実に推進をするとともに、聴覚に障害のある児童生徒の情報保障が着実に行われますように、特別支援学校などでの好事例について、小中学校も含めて周知を行い、共有できるようにしていきたいと考えております。

#81
○重徳委員 マスク以外にも、距離をとらなきゃいけないとか、横並びで、正面で向き合えないとか、子供たちを取り巻く環境でいろいろな課題があると思いますので、よろしくお願いいたします。
 話をリレーサービスに戻しますけれども、聴覚障害者の方から聞きますと、電話しなきゃいけない緊急事態の一つとして、一番困ったことの一つとして、クレジットカードを紛失してしまったときにカードの利用をとめてくれという連絡をしなきゃいけませんね。そのときに、本人確認をされるときに、本人かどうかは音声で伝えない限りそのカード会社が確認したことにしてくれない、いや、それができないから困っているのに、こういう場面があるというふうに言われております。
 この点についても、やはり音声での本人確認に限らない合理的な配慮が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

#82
○伊藤(豊)政府参考人 お答えいたします。
 委員、クレジットカードと今おっしゃいましたけれども、私どもは銀行を所管しておりますので、銀行のキャッシュカードについても同様のケースがございますので、これについてお答え申し上げたいと思います。
 委員御指摘のとおり、キャッシュカード、それから預金通帳なんかをなくした場合に、聴覚障害の方から一時利用停止のお申出が金融機関にあることがございまして、こういった受け付け手段を確保することは非常に重要であるというふうに私どもも考えております。
 既に幾つかの金融機関におきましては、こうした場合に、リレーサービスのような第三者である手話通訳者の方からの電話を介しての手続に応じているところもあるとは承知しておりますけれども、まだ少数にとどまっているというふうに承知しておりまして、金融庁といたしましては、障害者の方の利便性向上を図る観点から、このような今取り組んでいる金融機関の取組事例を共有するなどいたしまして、今般の電話リレーサービスの活用が検討されるように促してまいりたいというふうに考えております。

#83
○重徳委員 そもそも、我々も、本人様ですかと言われて、はいと、それで確認できましたなんというのはおかしなもので、何の確認になるんだろうなんてよく思うんですけれども、それはちょっと余談であります。
 そして、次に、今回のサービスによりまして、現行と比べてサービス向上しますね。二十四時間三百六十五日対応になるということ、緊急通報も対応となるということでありますが、聴覚障害者が文字で通報できるシステムとして、昨年開発されました、リレーサービスとちょっと別の話ですが、ネット一一〇番とかネット一一九番というのがあるんですよ。警察庁と消防庁がそれぞれ、それぞれというところが問題なんですけれども、それぞれ開発しているんです。
 それぞれ、仕様も違うし、入り口も違うし、システムも全然違うというふうに聞いておりますけれども、この普及率も含めて現状をお聞かせいただけますでしょうか。

#84
○米澤政府参考人 まず、消防庁よりネット一一九について御答弁申し上げます。
 ネット一一九は、聴覚・言語機能に障害がある方が音声によらず一一九番通報ができるシステムでございまして、ことし一月一日時点で七百二十六の消防本部のうち二百三十五の本部で導入されておりまして、約三二%の普及率でございます。約一万一千人の聴覚・言語障害者の方々に御登録をいただいているところでございます。

#85
○小柳政府参考人 お答え申し上げます。
 警察におきましては、聴覚に障害のある方等、音声による一一〇番通報が困難な方が、スマートフォンなどを利用して、文字等により警察に通報できる一一〇番アプリシステムを運用しております。
 同システムは昨年九月から全国の都道府県警察で運用しておりまして、現在約三千人が利用者の登録をしていただいていると承知をしております。
 警察としては、今後も関係する障害者団体や関係行政機関と連携しながら、本システムを必要とする方々への周知に努めてまいりたいと考えております。

#86
○重徳委員 今お聞きになっただけでは十分わからなかったかもしれませんが、登録者数も全然違うんですよね。登録できる人も、消防庁のシステムは障害者手帳を持っている方に限定されておりますし、アプリじゃなくてブラウザーから入らなきゃいけないという仕組みであります。
 警察庁の方はアプリがあるんですね。こちらは誰でも登録できるということで、先ほど警察の方は三千人とおっしゃいましたけれども、これは障害者だけではなくて、いろいろな方がいるということでありまして、こういったことを、まあ、外国人にこだわるわけじゃないですが、やはり日本に来て緊急通報するときに、ネットでやれると非常にいいと思うんですけれども、その仕組みがそもそも別々なんですよ。
 こういうことも、やはり開発するときから、検討するときから一元的にやっていく必要があるんじゃないでしょうかと思うんですが、大臣、よくお聞きいただいたと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。答弁はいいです。
 リレーサービスについてなんですが、フリーダイヤル、普通に使える〇一二〇のフリーダイヤル、これは使えるのかどうか、検討中なんでしょうか。フリーダイヤルならフリーでダイヤルできるように、このリレーサービスを通じてでもできるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#87
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 日本財団によります電話リレーサービスモデルプロジェクトにおきまして、〇一二〇から始まるフリーダイヤルへの通話が現在も可能でございます。したがいまして、公共インフラとしての電話リレーサービスにおきましても、引き続き無料でこのフリーダイヤルが利用できるようにするということが望ましいと考えております。

#88
○重徳委員 確認できました。その方向でよろしくお願いいたします。
 最後に二点、大臣にお聞きしたいと思います。
 一つは、今回のリレーサービスで、オペレーターの方、一生懸命やっていただきますけれども、でも、通訳のミスがもし生じて、それによって何か経済的な被害が発生してしまったとか、何かしらそんな事態が発生した場合に、法案には規定がありませんけれども、これについてどうお考えなのでしょうか。
 これまでの民間のサービスにおいても問題になったことはなかったのかなというふうにも思いますし、故意とか重い過失があった場合には責任を問うべき場面もあるかもしれませんが、余り責任論ばかり言っていると、もともとどうやって人をふやしていくんだという課題がある中で、オペレーターをやっていただけるような方が、なり手が減少してしまう、なり手がいなくなっちゃう、こういう問題が出てきてしまうと思います。いかがお考えでしょうか。

#89
○高市国務大臣 電話リレーサービスの提供に当たっては、通訳オペレーターの方は、限られた時間内で手話や文字を正確かつ迅速に通訳することが必要となります。誤訳ができるだけ生じないように、手話通訳に関する一定の能力を有することをオペレーターの要件とするよう基本方針で定めることを想定いたしております。
 ただ、サービスの性格上、通訳の正確性を完全に担保するということは困難でございます。サービスの利用に関する責任の範囲を基本方針で定めることによって、通訳オペレーターの方が不測の不利益をこうむらないように対応してまいります。
 基本方針で定めるサービスの利用に関する責任の範囲の具体的な内容につきましては、電話リレーサービス提供機関において、サービスの利用規約にあらかじめ明記していただくということを想定いたしております。

#90
○重徳委員 重要なところだと思いますので、よくよく御検討いただきたいと思います。
 最後に、もう一点。今回の法案の十五条に、オペレーター等の秘密保持義務が規定をされています。こういった義務が課される以上は、先ほど来議論になっております処遇もしっかりしなきゃいけない、そして、それをちゃんと全うできるだけの人材も確保しなければならないと思います。
 先ほど、國重委員の質問の中で、平均年齢が五十五歳という話もありました。働きながらいろいろと勉強して、そしてこういったオペレーターの担い手になるということもあろうかと思います。そういった忙しい方にはオンラインの講習ができるようにすべきじゃないかとも思いますし、ぜひ、採用に当たっては、公務員ではありませんが、しかし、非正規的な扱いじゃなくて正職員として処遇をいただき、また、頸肩腕障害、腕を振ることで障害が出る、こういった健康診断とか保険とか、こういったことについてもきちっと整えていただきたい、そのための交付金の配分もしっかり行っていただきたいと思いますので、御答弁をよろしくお願いします。

#91
○大口委員長 高市総務大臣、もう時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。

#92
○高市国務大臣 厚生労働省としっかり連携して、まずは人材の確保、育成、それからまた処遇についても適切に配慮をしてまいります。今、重徳委員が御提言くださいましたオンライン講習も含めて検討をしてまいります。
 通訳オペレーターは大きな責任を有しておられますので、電話リレーサービス提供機関への交付金の認可を通じてこの人件費を適切かつ安定的に確保するなど、処遇にしっかり配慮をしてまいります。

#93
○重徳委員 ありがとうございました。終わります。

#94
○大口委員長 次に、高木錬太郎君。

#95
○高木(錬)委員 共同会派立国社、立憲民主党の高木錬太郎と申します。
 よろしくお願いいたします。
 五月も終わりになりまして、六月になりますと梅雨のシーズンが来ます。ことしこそは大きな災害は起こってほしくないと願うばかりですが、大雨、豪雨の季節に入ります。
 済みません、法案の前に二つだけ確認させていただきたいことがありましたので質問しますが、複合災害です。
 現在、コロナ蔓延防止のためにさまざま御尽力いただいておりますが、そんな中で、自然災害が発生したときの複合災害、大変懸念するところであります。そうした中で、現在、各自治体間で対口支援を行っているところでありますが、現下のコロナ禍における自然災害が発生した場合の対口支援について、現状の取組と課題認識について教えていただけますでしょうか。

#96
○大村政府参考人 お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の発生が続く状況下におきまして豪雨等の大規模災害が発生した場合、被災市区町村応援職員確保システムに基づく対口支援、応援職員の派遣につきましては、感染症予防対策に万全を期すことが肝要であると考えているところでございます。
 総務省では、応援職員の健康管理を始めとして、災害対策本部や避難所等の活動の場における感染症予防対策などの留意事項につきまして、関係府省庁の考え方も踏まえて、五月二十二日付で地方自治体に対して通知をしたところでございます。
 また、派遣調整を行うに当たりましては、被災自治体と、応援に入る都道府県、指定都市双方の意向を丁寧に確認する必要があると考えているところでございます。
 今後とも、被災地への応援派遣について、全国知事会始め地方三団体、指定都市市長会とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。

#97
○高木(錬)委員 ありがとうございます。
 洪水、雨だけではないですね。最近、日本列島、地震が続いています。本当、繰り返しですが、起こってほしくはないんですけれども、自然災害が発生したとき、ただでさえ現在疲弊している自治体です。ぜひ、総務省といたしましても、災害発生時、応援職員が迅速に活動に入れるように、平時から備えを何とぞよろしくお願いしたいと思います。
 法案の前にもう一つ確認させてください。特別定額給付金についてです。
 特別定額給付金のポータルサイトがあります。そこのトップページに「日本にお住いの、すべての方へ。お一人につき」という、これまではトップページにその文言が入っていたんですが、金曜日、私が今紹介しましたこの文言が削除されました。これはなぜですか。

#98
○前田政府参考人 お答え申し上げます。
 特別定額給付金の特設ホームページにつきましては、補正予算成立後の五月一日に開設いたしまして、制度概要、申請方法、よくある質問などを掲載し、新たにお知らせすべき情報があれば追加するなど、日々更新を行いまして、これまで情報提供に活用してきたところでございます。
 御指摘の「日本にお住いの、すべての方へ。お一人につき」という記載につきましては、特別定額給付金は、原則として、基準日、具体的には四月の二十七日でございますけれども、これに住民基本台帳に記録されている方を対象としていることを踏まえまして、趣旨をわかりやすくお伝えする観点から、「特別定額給付金 はじまります」という表現の中で記載しておったものでございます。
 その上で、五月二十二日の時点で、オンライン申請を行っている団体が全体の九八%に達しました。また、申請書の郵送を開始している団体も八八%となった、こういう状況を踏まえまして、このたび、このホームページの記載の部分を、「十万円の 特別定額給付金 はじまっています お住まいの市区町村の受付開始状況をご確認ください」という形で更新したところでございます。
 給付対象者や受給権者につきましては、引き続き、トップページ上に概略を記載した上で、問合せの多い内容につきましては、ホームページの中で、よくある質問として更に詳しく記載するなどしているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも、ホームページの充実を図るなど、引き続き、皆様にわかりやすい広報の実施に努めてまいりたいと考えております。

#99
○高木(錬)委員 五月一日から五月二十二日までは、日本国内にお住まいの全ての方へお一人につき、全ての方へが実現できていなかったんですけれども、トップページにその文言があったわけですね。
 四月二十八日に私は当委員会で、この特別定額給付金について質問させていただきました。その際、日本人あるいは住基に載っている方々と同じように生活を制約され、自粛を行い、感染リスクを負っている外国人の方々に対しても支給すべきではないかという趣旨の質問をいたしました。
 その後、さまざまな取組をなさってくださって、徐々にですが支給されるようにもなっていますが、五月一日から五月二十二日の間、日本国内に住む全ての方々に支給されていないにもかかわらず、そのような文言がトップページにあったことは、私は大変、どうなのかなと指摘せざるを得ないというふうに思います。不誠実だと思います。
 そのことを指摘させていただいて、法案に入ります。
 中身、定義等々、細かいことを順次伺ってまいります。
 まず、第二条の定義です。
 「聴覚障害者等」という文言がありますが、聴覚障害者等には、高齢で耳が遠くなった方も含まれますでしょうか。これまでの日本財団による電話リレーサービスモデルプロジェクトにおける利用対象者との違いを含め、御説明いただけますでしょうか。

#100
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案におきます聴覚障害者等には、先天性の聴覚障害者のみならず、高齢で耳が遠くなった方など、後天的に聴覚障害となった方も含まれるわけでございます。
 また、日本財団によるモデルプロジェクトでは、聴覚・言語障害の身体障害者手帳を所持していることが利用者の要件となっておりますのに対して、本法案に基づく公共インフラとしての電話リレーサービスでは、こうした制限を設けることは想定をしていないところでございます。

#101
○高木(錬)委員 次に、第三条、伺います。国の責務です。
 第二項にあります、国が行う教育活動、広報活動とは、具体的にどのようなものを想定していますか。

#102
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する国民の理解を深めるための教育活動の例といたしましては、例えば、電話リレーサービスによる電話の受け手にこうしたサービスの存在や仕組みを理解されずに受信拒否されることがないように、電話リレーサービスについて広く御理解をいただくような活動を想定しております。
 また、広報活動といたしましては、ホームページや広報誌など、総務省の施策を発信する媒体などを通じた周知、広報や、厚生労働省などの関係省庁と連携した周知、広報を想定しているところでございます。

#103
○高木(錬)委員 次に、同じく第三条の第二項、「その実施に関する国民の協力を求める」、あるいは第六条の国民の責務のところには、「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に必要な協力」と書いてありますが、今申し上げました国民の協力や、あるいは国民の責務に書いてございます必要な協力というものは、一体何を意味しているのでしょうか。教えてください。

#104
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 現状の日本財団のモデルプロジェクトにおきましては、電話リレーサービスによる電話の受け手にこうしたサービスの存在や仕組みを理解されずに受信拒否される課題も判明したことから、本法案により実現する公共インフラとしての電話リレーサービスに関して広く御理解をいただくこと、これが国民の協力としての具体例として想定をしているところでございます。

#105
○高木(錬)委員 さきの委員からも何度となく御質問がありました基本方針についてですが、策定の時期と申しますか、めどはいつぐらいを考えていらっしゃいますか。

#106
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 基本方針につきましては、厚生労働大臣との協議、パブリックコメントの実施を経まして、本法の施行と同時に策定することを想定をしております。
 なお、本法案は、附則におきまして、公布の日から起算して九カ月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしておりますため、遅くとも令和二年度中に本法の施行、基本方針の策定を行うことを想定してございます。

#107
○高木(錬)委員 今ある日本財団による電話リレーサービスモデルプロジェクトは来年の三月三十一日に終了予定と、あくまでも予定となっていると存じ上げておりますが、このモデルプロジェクトが終了した後、利用者の方々、当事者の方々のことを考えますと、切れ目なく、スムーズに本法に基づく電話リレーサービス事業に移行していくことが求められているというふうに思います。
 そこら辺の、先ほどおっしゃられた基本方針の策定も含めた全体のスケジュール感、本法に基づくリレーサービスがスタートするまでのスケジュール感をもう一度教えていただけますか。

#108
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 本法を施行した後、電話リレーサービス提供機関、それから支援機関の公募あるいは指定を行いまして、所要の認可などを経て、令和三年度中に公共インフラとしての電話リレーサービスが提供されるようになることを想定をしております。
 この際、日本財団のモデルプロジェクトに既に多数の利用者がいらっしゃるということを踏まえまして、サービスの提供に空白期間が生じないよう、厚生労働省や日本財団と調整をしてまいりたいと考えております。

#109
○高木(錬)委員 今のところは大変重要だと思います。もう十分御認識だとは思うんですが、ぜひ、モデル事業の所管である厚生労働省と十分な協議をしていただいて、スムーズに移行できるように、電話リレーサービス事業がスタートできるように、ぜひよろしくお願いいたします。
 続きまして、当事者に入っていただいてさまざま御意見をいただいたりということについては、先ほど山花委員が大分詰めておられましたので、私の方は、重なっておりますので割愛させていただいて、次に行きます。
 第八条の電話リレーサービス提供機関及び第二十条にあります電話リレーサービス支援機関、双方とも一般社団法人又は一般財団法人と限定されていますが、この意味を教えてください。

#110
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 国による指定を受けまして、交付金により公益的業務を遂行するなどの特別な権利の付与を受けた者が営利性を有することは、制度の趣旨に照らして適当ではないことから、主体要件としてあらかじめ営利性を排除するため、一般社団法人又は一般財団法人であることを指定の要件としているところでございます。

#111
○高木(錬)委員 続きまして、第二十四条、交付金の交付のところについて伺います。
 この電話リレーサービスの開始年度の利用者数、利用回数をどのくらい見込まれており、その結果、交付金はどのぐらいを現時点で想定されているのでしょうか。教えてください。

#112
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 現在の日本財団のモデルプロジェクトにおける利用者数の動向などを踏まえまして、厚生労働省と総務省が一定の前提に基づいて行った試算によりますと、本法施行後のサービス開始年度の利用者数は約一・四万人程度、一カ月当たりの利用回数は約四・六万回程度を想定をしてございます。
 この場合、サービス開始年度の交付金の額は、システム構築費等も含めて年間約十億円になると想定をしております。

#113
○高木(錬)委員 次に、第二十五条、負担金の徴収のところです。「電話リレーサービス支援機関は、毎年度、電話提供事業者であって、その事業の規模が総務省令で定める基準を超えるものから、第二十一条第二号に規定する負担金を徴収しなければならない。」とあります。
 ここにあります特定電話提供事業者というのは、何社ぐらいを想定されていますでしょうか。例えば、ユニバーサルサービス制度でありますと、要件がありまして、十億円以上、現在は二十社と承知しておるんですが、現時点でどのように想定されていますでしょうか。

#114
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 特定電話提供事業者の対象は、今後省令の策定により具体化を図ってまいりますけれども、一定の収益規模以上の事業者を対象とすることを想定しております。
 委員から今お話がございましたけれども、本法案の検討の際に参考といたしました電気通信事業法における基礎的電気通信役務、いわゆるユニバーサルサービス制度におきましても同様の基準を設けておりまして、負担対象事業者は令和二年一月現在で十九社となっておりまして、本法におきましても大体同程度となることを想定をしてございます。

#115
○高木(錬)委員 引き続き、負担金額ですが、今のお話、あるいは先ほど交付金の話をいたしましたが、そこで聞きますが、想定される負担金額というものはございますでしょうか。

#116
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 厚生労働省と総務省が一定の前提に基づき行った試算によりますと、制度運用開始五年後の時点で、交付金の額は年間約二十億円となると見込まれております。この場合、電話の利用者一人当たりの負担額は、当面毎月一円以下になると想定をされます。仮に一人当たりの負担額が毎月一円を下回る場合、隔月で徴収する等の徴収方法をとることも想定されるところでございます。

#117
○高木(錬)委員 今御答弁にありました、一円という話がありました。負担金は電話提供事業者が電話リレーサービス支援機関に納付するものでありますが、その最終的な負担は、さきの委員の議論でもありましたが受益者負担ということで、利用される方々が、総務省さんの資料にも「当面、負担額は毎月一番号あたり一円以下を想定」というふうにありまして、今も御答弁でありましたけれども、この一番号、番号というものの定義を教えていただけますでしょうか。

#118
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案における電話提供事業者の定義は、電話の役務を提供する電気通信事業者であって、総務大臣から、電気通信番号、いわゆる電話番号の指定を受けて利用者に付している者としております。
 具体的には、この電気通信番号には、固定電話番号、携帯電話番号、〇五〇IP電話番号などが含まれるところでございます。

#119
○高木(錬)委員 その負担金の話ですが、今御説明がありましたが、教えていただきたいのですが、負担金というのは全額利用者に転嫁するものだ、全て、先ほど来申し上げているとおり受益者負担だと、法文上それ以外は想定されていないということになっているんでしょうか。教えてください。

#120
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案の検討に当たり参考といたしましたのが、電気通信事業法のユニバーサルサービス、あまねく電話サービス制度でございますけれども、この制度におきましては、負担事業者が負担金を利用者に転嫁するかどうかという点については、法令上は規定をせず、各事業者の経営判断に委ねることとしておりまして、本法案におきましても同様の整理としております。
 なお、ユニバーサルサービス制度におきましては、ほとんどの事業者が負担金を利用者に転嫁をしているところでございます。

#121
○高木(錬)委員 先ほど山花委員からも、全額国費にすべきではないでしょうかという御議論もありましたが、それでは、今御答弁いただきましたが、持続的、安定的にこのサービスがずっと続いていかなければいけないということを考えたときに、将来的に、なかなか現時点で想定しづらいかもしれませんが、需要が伸びて、あるいはさまざまな経費がかかって、想定以上の交付金であり負担金になった場合、一部国費が投入されることは法文上可能なんでしょうか。

#122
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案におきまして、電話リレーサービスの提供に要する費用に充てる交付金の原資につきましては、条文上、全額を特定電話提供事業者の負担とすることとしておりますので、国費を投入するということは想定をしておりません。

#123
○高木(錬)委員 定期的に見直すという附則のところもあります。それだけ需要が伸びればいいなとも思いながら、皆さんが御利用できればいいなというふうに思いながらも、先ほどの山花委員からの御指摘と私も同じ思いでありまして、国費が入ってもよかったのではないかなというふうに思わなくもないです。
 それでは、何人かの先生方がもう質問されていますが、私からもやはり確認したいことが、オペレーターのところであります。
 何度となくもう御答弁なさっておりますが、とりわけ私は、二十四時間三百六十五日提供に対応する人材確保のところが非常に心配しているところであります。重複しますが、それについての御答弁をお願いしたいと思います。

#124
○橋本政府参考人 お答えいたします。
 オペレーターの要件につきましては、今後、基本方針の策定の中で検討していくわけでございますが、オペレーターの質の確保ということが重要でございますので、今後、電話リレーオペレーターとして必要となる能力やカリキュラムの研究などを実施しまして、その成果を質の確保ということにつなげていきたいと思っております。
 また、今委員からお話ございました二十四時間三百六十五日のサービス提供ということでございますので、これに必要となるオペレーターの人材を確保していくため、私ども厚労省といたしましては、今後とも、手話通訳士試験を実施するなど、そういった養成を行うほか、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業において、手話通訳者などを養成する地方自治体に対する財政支援といったことをしっかりと実施させていただきたいと思っております。

#125
○高木(錬)委員 私からも、繰り返しになりますが、ぜひその点はよろしくお願いいたします。
 次に、これまたさきの委員の方からも御質問ありましたが、緊急通報について私からも伺いたいと思います。
 私の方からは、緊急通報受理機関である警察庁、消防庁、海上保安庁それぞれの皆さんに、本法が成立した後、利用者の方が、聴覚障害者の方が通報してきたときにしっかりと対応できるような体制をお願いしたいところですが、それぞれ御答弁をお願いしたいと思います。

#126
○小柳政府参考人 お答えいたします。
 一一〇番通報など警察への緊急通報は、国民が事件、事故等に遭遇した際に助けを求めるなどに用いられるものであり、障害のあるなしにかかわりなく、国民の安全、安心のために必要不可欠なものと認識しているところでございます。
 これまでも、警察におきましては、緊急通報に対して迅速的確に対応してきたところでありますが、電話リレーサービスを介した緊急通報につきましても、これまでと同様、迅速的確に対応してまいりたいと考えております。

#127
○米澤政府参考人 お答えいたします。
 消防への緊急通報は、火事や急病の際に消防へ助けを求める、国民の安全、安心に不可欠なものと認識してございます。
 消防では、電話リレーサービスによる緊急通報につきましても、通常の一一九番通報と同様にしっかりと対応してまいります。

#128
○伊藤(裕)政府参考人 海上保安庁への緊急通報用電話番号一一八番は、海上における事件、事故を最寄りの管区海上保安本部などへ通報するために運用されているところでございます。
 海上保安庁では、電話リレーサービスが開始された後も、これまでの緊急通報一一八番と同様に適切に対応してまいります。

#129
○高木(錬)委員 ありがとうございました。それぞれよろしくお願いいたします。
 次に、金融庁に伺います。先ほども議論がありました本人確認の件です。
 山花委員がお配りになられた資料にも書いてございますが、金融庁さんも実態を把握されておりまして、二〇一九年に金融庁が調査した結果、全金融機関千三百四機関のうち、聴覚障害者からの連絡について、電話リレーサービスを用いた連絡でも対応しているかという問いに対して、たったの三・四%しか対応していないという問題が発生しています。
 金融庁さんにおかれましては、毎年当事者の皆さんと十分コミュニケーションをとって、しっかり対応されていると思いますが、これからも、所管されている金融機関がきちんとこのサービス開始後には対応されるように、金融庁さんから何かしらの金融機関への通知等をお願いしたいところですが、御見解を伺います。

#130
○伊藤(豊)政府参考人 お答えをいたします。
 金融庁といたしましても、金融機関に対しまして本法の周知を行いまして、障害者における利便性向上を図る観点から、利用を促してまいりたいというふうに考えております。

#131
○高木(錬)委員 最後に大臣に伺います。
 いま一度、大臣からの御答弁としていただきたいんですけれども、本法案が成立した後、この電話リレーサービスがしっかりと社会の中で定着できるように、いろいろな方々がこのサービスを認知する必要があり、周知、広報していく必要があろうかと思います。それに向けての大臣のお考えをお願いいたします。

#132
○高市国務大臣 高木委員が御指摘のとおり、本法案、お認めいただきました後には、電話リレーサービスをしっかり普及していかなければなりません。そのために、聴覚や発話に障害のある方のみならず、その意思疎通の相手方でもある耳の聞こえる方にも電話リレーサービスを知っていただき、社会的に存在を浸透させる必要がございます。周知、広報が大変重要なものだと考えております。
 総務省としては、ホームページを始めとする総務省の施策を発信する媒体、総務省フェイスブックとか総務省ツイッターですとかさまざまございますが、こういったものを通じて制度の周知を行いますし、また、広報の専門家の御知見もいただきながら、実務を担う提供機関や支援機関、厚生労働省などの関係省庁、障害者福祉施設などと連携する地方公共団体、また、電話の利用者に直接接することになる電話提供事業者などと連携しながら、周知広報活動に努めてまいります。

#133
○高木(錬)委員 最後になりますが、この電話リレーサービスの制度化に向けて、これまで長年にわたって取り組んでこられた当事者の皆さんに改めて敬意を表したいと思います。また、その御尽力にも大変頭が下がる思いであります。
 本法案が成立した暁には、きょうも質疑で、少しでもそういった方々のためにお役に立てればという思いで細々聞いてまいりましたが、私も、しっかりこのサービスを多くの国民の皆さんに知っていただくよう努力していきたいというふうに思います。
 そもそもを言えば、障害者基本法第一条にあります「全ての国民が、障害の有無によつて分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現する」という、その仕事に、あるいはその障壁になっていることがあればそれを取り除いていくという仕事にこれからも邁進していきたいと思います。
 ありがとうございました。

#134
○大口委員長 次に、本村伸子君。

#135
○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 二十四時間三百六十五日、救急も使える電話リレーサービスの実現は、聴覚障害がある方々を始め関係者の皆様方の御尽力で実現する運びとなった法律案だというふうに思います。心から敬意と感謝を申し上げたいというふうに思いますし、この公共インフラとしての電話リレーサービスを国がしっかりと整備をするということは非常に重要で、私どもも賛成でございます。
 今、聴覚障害の方々がどういう状況なのかということで、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う視覚障害者・聴覚障害者が抱える困難に関する緊急アンケートというのを、ダイアローグ・ジャパン・ソサエティという団体の皆様が行っております。
 聴覚障害がある方の声なんですけれども、仕事がなくなってしまったという方のことも、資料で出させていただいておりますけれども、書かれております。
 また、マスク着用によるコミュニケーションの難しさ、筆談もペンの貸し借りをしないように気をつけている、筆談への遠慮ということで、コミュニケーションをとることが困難になっている実態がわかるわけでございます。
 こういうときに体調を崩したりけがをしても、ほとんどが電話対応のため、病院などはどうすればいいのかわからないというお声や、あるいは、実際に、家族が体調不良で、新型コロナウイルス感染症のおそれを感じて、ファクスで聴覚障害があることも伝えた上で問合せをしたのですが、返信が二日後でした、その間不安でした、さらに、ようやく届いたファクスに書かれていた内容の最後に、悪化した場合は電話で御相談くださいという一文が書かれていたときにはがっくりしましたというお声も書かれておりました。
 また、電話リレーサービスを使ったが、いつもより対応業者が少なかったというお声もございました。
 感染症の影響で聴覚障害がある方々にこういう実態があったということはしっかりと把握をして、例えば電話リレーでも、こういうときもしっかりと使えるように危険手当を出すですとか、国の施策に生かしていかなければいけないというふうに思っております。
 特に、電話対応で困っている事例では、この公共インフラとしての電話リレーサービスが充実、普及していくことで、困ることがない国に前進していかなければいけないというふうに思っております。また、聴覚障害がある方々に対する理解、合理的配慮、まだまだ前進させていかなければならないということを痛感をしております。
 新法ですから、本来であれば、参考人として、聴覚障害の当事者の方々、あるいは手話通訳の方々、要約筆記の方々、関係者の皆様からお話を直接聞いて審議をするというのが筋なんですけれども、今般の感染症の防止の観点から、今回は参考人質疑はできなかったということで、本当に残念でならないというふうに思います。
 この感染症の問題が落ちつきましたら、基本方針も定められますので、ぜひ参考人質疑をお願いしたいというふうに思います。
 また、ほかの、与野党を超えた委員の皆様方からも、手話通訳、要約筆記、字幕など、委員会質疑でインターネット中継できるようにということでお声がございますので、委員長、議院運営委員会の皆様方にもぜひ要求していただきたいということを、改めてお答えいただきたいと思います。

#136
○大口委員長 委員御指摘のとおりでございまして、今回につきましては、参考人については、会議録に参照掲載するという形をとらせていただきました。
 今後も、参考人については理事会で協議させていただきます。
 さらに、議院運営委員長にも、聴覚障害者の方に対する配慮等についての対応についても、私の方から、この理事会や、また先生御指摘のことについてはお伝えをしたいと考えております。

#137
○本村委員 御丁寧な御回答、ありがとうございます。
 資料で提出をさせていただいておりますけれども、全日本ろうあ連盟の皆様方や、あるいは全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の皆様と全国要約筆記問題研究会の皆様方が連名で、衆議院の総務委員会宛てに、法案への御意見をいただいております。ほかにも、関係団体の皆様方から独自にヒアリングなどを行いまして御意見を伺っておりますので、しっかりと審議に生かしていきたいというふうに思います。
 この電話リレーサービスをよりよいものにしていくために、先ほども山花委員からもお話がありましたように、障害者権利条約の大事な柱でございます、私たち抜きに私たちのことを決めないでということがしっかりと貫かれ、そして、聴覚障害がある皆様の意見があらゆる場面でしっかり反映できるものにしなければならないというふうに思っております。
 障害者権利条約の第四条、一般的義務のところに、「締約国は、この条約を実施するための法令及び政策の作成及び実施において、並びに障害者に関する問題についての他の意思決定過程において、障害者(障害のある児童を含む。以下この3において同じ。)を代表する団体を通じ、障害者と緊密に協議し、及び障害者を積極的に関与させる。」こう書かれております。日本も批准しておりますので、締約国としての義務を果たさなければなりません。
 これを前提とした上でこの法案を見てみますと、そのことをちゃんと意識されてつくられたのか、私は非常に疑問に思いました。単にパブリックコメントで意見を聞くということだけではなく、障害者の皆様方と緊密に協議をして、そして積極的に関与していただくということが必要でございます。
 そこで確認なんですけれども、この法案が成立した後につくられる基本方針を決める際に当たっても、そして、提供機関の事業計画とか運営、支援機関の諮問委員会、そして法の見直しの際にも、オペレーターの養成なども含めて、あらゆる段階で聴覚障害がある方々、利用者、手話通訳、要約筆記の方々の御意見が反映される仕組みが必要だというふうに思いますけれども、これは大臣にお願いしたいと思います。

#138
○高市国務大臣 公共インフラとしての電話リレーサービスの実現に当たりましては、本法案をお認めいただきました後、利用に係る料金などを定める基本方針の策定時に加えて、交付金の額の算定方法などを定める省令の制定時においてもパブリックコメントを実施することによって、当事者である聴覚や発話に障害のある方も含め、幅広く国民の皆様、利用者の皆様の御意見を伺ってまいります。
 さらに、電話リレーサービスの利用環境を一層整備していくという観点から、必要に応じて、当事者を含めた関係者の方々のお声を伺う場も設けてまいりたいと存じます。

#139
○本村委員 具体的に見ていきたいというふうに思いますけれども、全日本ろうあ連盟の皆様方からの御意見でもありますように、法案には、電話リレーサービス提供機関や電話リレーサービスの支援機関に当事者である聴覚障害の皆様方の意見が反映できる仕組みが明記をされておりません。
 電話リレーサービス提供機関は、二十四時間三百六十五日サービスを提供し、そして、警察、消防、海上保安庁などの緊急通報を含め、法案には聴覚障害者等とありますけれども、耳の聞こえない方、聞こえにくい方と耳の聞こえる方の意思疎通を担い、また、命、人権、プライバシーにもかかわる内容を通訳していただくということで、とても重要な業務を担っていただく機関でございます。
 しかし、そこに、提供機関において聴覚障害がある方々の声を反映する仕組みが明記されていないということで、提供機関におけるコンプライアンス、ガバナンス、個人情報保護の観点からも、当事者が参画をして利用者の声を反映させる、そういう仕組みが必要だと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#140
○高市国務大臣 本村委員がおっしゃいますとおりに、当事者の声をサービス内容に反映させるということは重要だと考えております。電話リレーサービス提供機関の運営につきましては、総務大臣が、聴覚や発話の障害のある方を含めた関係者の御意見もしっかりと踏まえながら、適切に監督を行ってまいります。
 電話リレーサービス提供機関は、サービスの適正性を担保する観点から、総務大臣が定める基本方針に従う必要がありますので、しっかりとここは見させていただきます。

#141
○本村委員 本来、当事者の声を反映できる仕組みを法文に書くべきだったと私は思いますけれども、今総務大臣がお答えいただきましたように、総務大臣が、あるいは総務省が責任を持って当事者の皆様方の声を提供機関に届けていただくということで御答弁いただきましたので、確認をさせていただきたいと思います。
 日本財団さんが現在行っている電話リレーサービスのモデル事業では、専用のサポートセンターを設けて、聞こえない方、聞こえる方から月平均七百件ぐらいの問合せがあるというふうに伺っております。新たな法律に基づくこの電話リレーサービスにも、サービス提供にかかわる相談窓口が必要だというふうに思います。提供機関にも必要ですし、そして、総務省にも、人をふやして相談窓口の設置が必要だというふうに思います。
 総務省なんですけれども、特別定額給付金でも、夜中まで本当に頑張ってくださっていて、私、人が本当に足りないというふうに思っております。人をふやして、そうした機関をつくるべきだと思いますけれども、大臣、御答弁いただきたいと思います。

#142
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 総務大臣が定める基本方針におきまして、利用者と直接接する電話リレーサービス提供機関が利用者からの苦情などに適切に対応することを記載することを想定しております。
 また、委員お尋ねの総務省におきましても、サービス利用者からの苦情や相談などについて、体制のあり方を含め、適切に対応してまいりたいと考えております。

#143
○本村委員 ありがとうございます。
 電話リレーサービス支援機関においても、聴覚障害がある皆様の声を反映させる仕組みが法文には明記をされておりません。支援機関は、電話提供事業者から負担金を徴収し、そして提供機関に交付金を交付する業務を担うわけでございます。
 支援機関には諮問委員会を設置するということになっておりますけれども、その委員には聴覚障害がある当事者の皆様が参画をするということが法案には明記されておりません。法案に明記されている委員というのは、電話提供事業者及び聴覚障害者等の福祉に関して高い見識を有する者その他の学識経験のある者となっております。
 負担金、交付金の話というのは、当然、サービスの質ですとか、手話通訳、文字通訳、要約筆記の質、オペレーターの労働条件、利用料金、こういうことにもかかわってくる、大事なことを話すところだというふうに思います。当然、諮問委員会にも当事者を入れるべきだと思いますけれども、大臣、御答弁いただきたいと思います。

#144
○高市国務大臣 本法案におきましては、交付金の支出などを行う第三者機関である電話リレーサービス支援機関に学識経験者などから成る電話リレーサービス支援業務諮問委員会を置き、交付金の額の適正性などについて審議するということになっております。
 この際、サービスの直接の受益者である聴覚や発話に障害のある方をこの諮問委員会の委員とするということは、客観性、中立性を担保する観点から望ましくないと考えております。
 一方で、適切なサービス水準の確保に必要となるコストについて審議をしなければなりませんので、聴覚障害者等の福祉に対して高い識見を有する者などを委員に任命するということにいたしております。

#145
○本村委員 誰のための電話リレーサービスかということをぜひ考えていただいて、当事者を入れるべきだというふうに思います。そして、障害者権利条約の中でも、意思決定過程において、障害者と緊密に協議し、障害者を積極的に関与させるという国の義務があるわけですから、ぜひ果たしていただきたいと思います。
 この諮問委員会、議事録は公開されますでしょうか。

#146
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 議事録については公開をするということで考えております。

#147
○本村委員 ありがとうございます。
 次に、電話リレーサービスの通訳オペレーターを担う手話通訳、要約筆記の人材確保について伺いたいというふうに思います。
 全日本ろうあ連盟の皆様の御意見の中でも記載されておりますけれども、聞こえない人の命や人権にかかわること等に対応するため、有資格の経験者が必要とあります。専門の、オペレーターの養成機関がない現在、当面、通訳オペレーターは手話通訳士、手話言語通訳者の方々又は同等の資格や技量を有するものが必要であるというふうに言われております。
 また、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の皆様方と全国要約筆記問題研究会の皆様方は、通訳をする部分の技術は登録試験合格をもって担保できることから、要約筆記者の活用が望ましいというふうに言われております。
 聴覚障害がある方々が安心して任せられる知識や技量、恣意性が入らないようにするという見識、そういうものがオペレーターには当然必要だというふうに思います。どう担保されるのか、御答弁いただきたいと思います。

#148
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 電話リレーサービスのオペレーターの質を一定水準以上に保つ必要があることから、手話通訳士などの一定程度の能力を有することを要件といたしまして、総務大臣が定める基本方針に規定することを想定しております。
 また、電話リレーサービス提供機関は、この基本方針を踏まえまして、オペレーターに関する具体的な基準を業務規程において規定することとなりますが、この業務規程を総務大臣が認可をすることによりまして、オペレーターの質を担保することとしております。

#149
○本村委員 そもそも、この手話通訳、要約筆記を担う方々の絶対数が少ないという問題がございます。
 ワーキンググループの報告書の中では、電話リレーサービスの需要と費用の予測について試算がされておりますけれども、それによりますと、サービス開始の年から十年後、十一年目の年ですね、需要予測、利用者四万人から十二万人、中利用を想定して検討を進めることが適当というふうになっております。
 この予測について、ワーキンググループの委員からは、四倍、十二倍と利用者がふえた場合を見据えて、相当速いピッチで通訳者を確保する必要があるというふうに指摘をされております。
 しかし、現在、先ほど来質疑がございましたけれども、手話通訳士、手話通訳者の試験合格率はとても低く、ワーキンググループに参加をされた社会福祉法人聴力障害者情報文化センターの皆様方の二〇〇九年の手話通訳士実態調査によりますと、手話通訳士の合格率は九・八%、合格者の手話の学習年数は十三・一年というふうになっております。短期間に簡単になれるものではないということがよくわかるというふうに思います。
 この電話リレーサービスのオペレーターの養成も当然進めなければならないわけですけれども、その担い手となっていただくことになる手話通訳をやっていただく方、要約筆記をやっていただく方々の絶対数をふやしていくことが必要だというふうに思います。電話リレーサービスを普及させていくためには、この手話通訳者、要約筆記者の人材確保、人材育成がどうしても必要になってくるというふうに思います。
 現在、高齢化ですとか人材不足になっているところがふえております。どう対策をとるのかということが課題でございます。国が計画を持って養成する、人材育成を費用面でも協力して支援していくということが重要だというふうに思いますけれども、きょう、厚生労働副大臣、来ていただきました。よろしくお願いしたいと思います。

#150
○橋本副大臣 お答えをいたします。
 電話リレーサービスを安定的に供給していくためには、そのオペレーターとなり得る通訳者、手話通訳士、手話通訳者及び要約筆記者の方々ですけれども、この養成を推進していくことは大変重要であるというのは委員御指摘のとおりだと考えております。
 必要となるオペレーターの人数につきましては、現段階で正確に見込むことは困難ではございますが、日本財団が行っているモデルプロジェクトの現状を踏まえ、一定の仮定を置いて機械的に推計をしてみると、制度施行後五年程度で現在の従事者数の四倍程度必要と考えられ、これを充足するためには、毎年、常勤、非常勤合わせて約百人強、常勤換算で四十人程度の養成確保が必要と見込んでいるところでございます。
 一方で、各資格試験の合格者数に関しては、手話通訳士試験は毎年百名前後、手話通訳者や要約筆記者の試験では毎年二百名から三百名前後となっておりまして、これらの合格者や既に合格している方々を中心にオペレーターを確保していく、このようになっておるところでございます。
 厚生労働省では、通訳者の育成を推進するため、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業において、手話通訳者や要約筆記者を養成する地方自治体に対して財政支援を実施する、あるいは各地域で実施される養成研修における指導者の養成を関係団体に委託をするなどの取組を実施しているところでございまして、オペレーターの必要数を確保できるように、引き続き通訳者の養成に努めてまいりたいと考えております。

#151
○本村委員 今の電話リレーサービスの利用を前提にしますと、かからない、つながらないということもございまして、もっと養成をしていく、そして配置をしていくということが必要だというふうに思います。
 ワーキンググループの委員の皆様方からは、手話通訳者、手話通訳士、要約筆記の仕事は、社会的責任が大きく、役割も非常に大きい、しかし、国や地方、行政から手話通訳事業に充てられる予算は非常に少額だというふうに指摘をされております。今後、オペレーターとして公的施設などに手話通訳者、手話通訳士を配置することは、職業的な地位の向上が期待できるという御意見がございます。
 手話通訳、要約筆記を担う方々をふやすためにも、国が数値目標を持って、今から十分な予算をつけて養成するべきだ、今の額じゃなくて、もっとふやして。これまで日本財団さんが電話リレーをやっていたわけですけれども、そこに対する補助金もこの電話リレーサービスに生かすということも含めて、ぜひ予算の増額をお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

#152
○橋本副大臣 お答えをいたします。
 電話リレーサービスのオペレーターとなります通訳者につきまして、必要となる人数を確保するためには、必要な予算を確保して、さまざまな事業を実施していくことが重要であると考えております。
 このため、令和二年度予算においては、先ほど申し上げました地域生活支援事業による地域の通訳者養成を推進する取組や、団体に対する研修、指導者の養成の委託のほか、手話通訳者等の養成を更に推進するため、地域の需要や必要数を踏まえた通訳者の養成計画の作成、地域課題の把握、改善手法の検討等を実施する事業の創設、あるいは、若い方に手話通訳等の普及を図るべく、大学などで手話通訳者の養成研修をモデル的に実施する事業の拡充などに必要な予算を確保しているところでございます。
 また、先ほどお触れになりましたが、現在、厚生労働省では、日本財団の電話リレーサービスモデルプロジェクトを実施している聴覚障害者情報提供施設に対して定額の補助を実施しているところでもございます。
 現在の日本財団による電話リレーサービスモデルプロジェクトによる事業は令和二年度までの予定ではありますが、公共インフラによる整備が開始されるまでの間、日本財団によるモデルプロジェクトとのサービスに空白期間を設けないように、厚生労働省としては総務省や日本財団と調整することとしておりまして、本事業についても、その状況を踏まえ、必要な対応を検討していくこととしておりますし、また、更にその先を見通して予算を確保していくべき、こういうことでございますけれども、しっかりと予算が確保できるように私たちも頑張っていきたい、このように考えております。

#153
○本村委員 ありがとうございます。
 通訳オペレーターの養成なんですけれども、現在、厚生労働省の方で、電話リレーサービスにおいて、オペレーターのカリキュラムをつくるために、群馬大学の中野聡子准教授に委託をして調査研究を行っているというふうに思います。
 ちょっと時間がないので御答弁いただけないんですけれども、実際にそういうカリキュラムができたとしても、そのカリキュラムを使った養成、研修は一体誰が責任を持って行うことになるのかということが、当事者団体の皆様方から大変不安に思われているわけでございます。
 障害者団体の皆様方からは、手話通訳オペレーターの体制的整備、養成、研修など、誰が責任を持つのか具体的にしてほしい、その計画が示されることで安心できる、誰の責任のもとで行われる制度なのか、事業所だけに責任が押しつけられることがないように国の責任を明確にしてほしいとのお声も聞いております。
 国や自治体の役割と責任はどこまでなのか、責任と役割の範囲の明確化を求める声は、当事者の皆様、その関係団体の皆様方から、ほかにも伺っております。
 聞こえない人の、聞こえづらい方々の命、人権を守る業務を担うことになる通訳オペレーターの皆様方の役割は非常に重要だというふうに思います。通常の対面の通訳とはまた違った専門領域ですとか特殊な技能、知識を要することになります。
 全日本ろうあ連盟の皆様方の意見書の中にも、主に当事者団体、聞こえない、聞こえにくい当事者団体による養成や研修への協力や意見の反映が必要であることを法律等に加えてくださいとの御意見をいただいております。
 また、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会、全国要約筆記問題研究会の皆様方も、その実績から、人材育成、確保に大きく貢献できる、文字オペレーターの検討に際しては、検討会等への参加が可能となるように強く要望をされております。
 通訳オペレーターの養成について、国が責任を持つこと、そして当事者の皆様方の参加、こうした声に応えていくべきだと思いますけれども、これは総務大臣と厚生労働副大臣にお願いしたいと思います。

#154
○高市国務大臣 電話リレーサービスにおいて、意思疎通の仲介を行っていただく通訳オペレーターは不可欠な役割を担っておられ、特に緊急通報の対応など、通常の通訳とは異なるノウハウも必要になると認識をしております。
 このため、電話リレーサービスの特性も踏まえて、通訳オペレーターが適切に対応を行えるよう、総務大臣として、電話リレーサービス提供機関が体制整備や研修を適切に行うということを基本方針において定める予定でございます。

#155
○橋本副大臣 オペレーターの養成や体制の確保に向けまして、国としても一定の役割を果たしていく必要があると考えております。
 このため、厚生労働省におきましては、これは先ほど申しましたとおり、地域生活支援事業による国庫補助でありますとか、各自治体が実施する研修において指導者となる者の養成等を行う委託事業の実施、あるいは、電話リレーサービスのオペレーターに求められる資質や養成カリキュラムに関する研究などに取り組むこととしておるところでございます。
 また、本法律案におきまして、今、高市大臣からも答弁ありましたとおり、総務大臣は、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する基本的な方針を定めることとされておりますけれども、この基本的な方針の内容にはオペレーターに関する事項も含まれておりまして、厚生労働省もこの基本的な方針の作成や変更に協力をするということになります。
 厚生労働省といたしましては、政府の一員としての責任を持って、総務省などとも連携をしつつ、オペレーターの養成や体制の確保に向けて、今後ともしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

#156
○本村委員 国の責任と当事者参加、この部分でもぜひお願いしたいと思います。
 通訳オペレーターの労働環境、処遇の保障についても確認をしたいというふうに思います。
 現在、手話通訳士、手話通訳者の有資格の方でも通訳の仕事だけでは生計を立てられない現状にございます。不安定な雇用のために、健康管理も十分ではなく、頸肩腕症候群などを発症するということも伺いました。
 ワーキンググループの報告書の中にも、例えば手話通訳士については、平均年齢が五十五・三歳、男女比が約一対九であること、そして、通訳者が一部の地域に偏在していること、給与水準が低いこと、手話通訳士の給与の平均というのは月十六万六千七百八十三円というふうになっております。通訳者となるためには相応の期間、手話通訳士の試験に合格するまでの学習年数は平均十・五年を要すること、資格を生かした職についている人が少ないという実態があり、必ずしも将来に向けて通訳者が十分に確保できる環境が整備されているとまでは言えない状況であるというふうにワーキンググループの報告書でも書かれております。
 厚生労働省の賃金構造基本統計調査の賃金の中で、一般労働者の賃金を見てみますと、二〇一九年は月三十万七千七百円、平均年齢四十三・一歳、勤続が十二・四というふうになっておりまして、平均年齢も低いのだけれども、十万円以上の開きがあるということでございます。
 電話リレーサービスのオペレーターを含めた手話通訳者、要約筆記者の絶対数をふやすためにも、この通訳オペレーターの処遇を抜本的に改善することが必要だというふうに思います。二十四時間三百六十五日、責任を持って稼働していただくためにも、最低でも夜勤のある専門性の高い職種の平均賃金は保障しなければいけない。正規でしっかりと生計が立てられるように、ぜひとも平均賃金は保障できる単価を設定して保障するべきだというふうに思いますけれども、総務大臣、お願いしたいと思います。

#157
○高市国務大臣 通訳オペレーターの方々が果たしてくださる役割は極めて重要ではございますが、国として、特定の業種に対してあらかじめ一定の賃金水準を保障するということは適切ではないと考えております。
 通訳オペレーターの賃金につきましては、電話リレーサービス提供機関において適切に検討されると考えております。総務省としては、交付金に係る総務大臣認可を通じて通訳オペレーターの方々の人件費を適切に確保するといったことなど、厚生労働省とも連携しながら、通訳オペレーターの処遇にはしっかり配慮をしてまいります。

#158
○本村委員 賃金が低ければ、やはり人を確保するということが難しくなってしまう。これは電話リレーサービスの質にもかかわる根幹の問題だというふうに思います。
 ぜひ、人材を確保するためにも、交付金、負担金の積算の上で、ちゃんと賃金が一般労働者の平均賃金を保障できるような積算をできるようにするべきだというふうに思いますけれども、大臣、もう一度お願いしたいと思います。

#159
○高市国務大臣 電話リレーサービスの提供に際して発生した赤字部分を交付金、負担金によって全額補填することを総務省令において定めるということを想定しております。
 したがって、負担金の額につきましても、通訳オペレーターの人件費を確実に担保することができますように、総務大臣認可を通じて定めることとなります。

#160
○本村委員 ぜひ、しっかりと一般労働者の平均賃金は保障できるように積算をするべきだということも強く申し上げたいと思います。
 オペレーターの方々、関係団体の皆様からは、働く人の健康問題が一番心配、二十四時間三百六十五日になると、深夜の場合、一人職場になる可能性がある、一人で待機して、電話がかかってこない場合でも八時間一人で拘束されれば、精神、メンタルを壊してしまうとのお声も聞いております。
 ワーキンググループの委員からも、対人の翻訳業務は非常に精神的にも過重であって、電話という特殊なツールの中で翻訳していく行為は、それにも増して精神的なストレスや過重労働が懸念されるということが指摘をされております。
 健康診断ですとか、労働安全衛生上の職業病を予防する方策の強化ですとか、保障の強化ですとか、オペレーターの健康を守る、しっかりと保障していくということは当然求められるというふうに思いますけれども、厚生労働副大臣、お願いしたいと思います。

#161
○橋本副大臣 お答えをいたします。
 手話通訳をされる方が、業務上、例えば、先ほどちらっとお触れになりましたが、頸肩腕障害というのをされたり、あるいは今お話しいただいたような精神的なプレッシャーだとか、そうしたこともあるんだろうというふうに思います。そうしたことによってさまざまな健康の障害が出るということは予防しなければいけないというのは、全く大事な観点だというふうに認識をしております。
 このため、厚生労働省におきましては、自治体が手話通訳者等の派遣事業を行うに際しては、手話通訳者の健康管理にも留意するように通知をしてきておりまして、具体的には、意思疎通支援者に対する頸肩腕障害に関する健康診断の実施、あるいは、業務の内容や時間を勘案した複数体制の確保などをお願いしているところでございます。
 また、今年度、手話通訳者に対するアンケート等を行う調査研究事業を実施する予定としておりまして、まずは、健康面などに関する課題をより明らかにしたい、その中で今お話しいただいたようなことにつきましてもしっかり取り組めればいいな、このように思っているところでございます。
 いずれにいたしましても、厚生労働省といたしましては、総務省や実施機関と連携をしながら、電話リレーサービスのオペレーターの健康管理にもしっかりと留意をした制度設計を行ってまいりたいと考えております。

#162
○本村委員 ありがとうございます。
 次に、聴覚障害者の負担軽減という問題で質問させていただきたいと思います。
 聴覚障害の方々の働いている方の平均賃金というのは、厚生労働省の調査では、月二十万五千円だということでございます。先ほども申し上げましたように、同じ二〇一八年で賃金構造基本統計調査を見てみますと、一般労働者は男女計で三十万六千二百円ということになりまして、やはり十万円以上の開きがございます。
 雇用率もやはり健聴者よりも低くなっておりまして、例えば、障害者生活実態という東京都の調査を見てみますと、聴覚障害がある方の収入を見てみますと、複数回答ですが、年金の方が八〇・五%、賃金、給与が二一・七%ということで、年金が主な収入であるという方が多いわけでございます。
 そして、長崎県の高齢聴覚障害者実態調査報告書、これは二〇一七年のものですけれども、見させていただきますと、五十五歳以上の会員全員と離島の非会員の方ということなんですけれども、年収六十万円未満というのが三%、六十万円から百二十万未満が五一%ということで、半分以上が百二十万未満の年収ということで、相対的貧困率の基準、二〇一七年は百二十二万円ですから、やはり経済的に苦しいということがわかるわけでございます。
 この電話リレーサービスには、スマートフォン、パソコン、タブレットなどの通信機器が必要ですし、動画を送るということになりますと、外でデータが多いということで大変値段が高くなってしまう通信料金もございます。また、電話料金が必要になってまいります。お金がないと電話リレーサービスを使うことができない、こんな制度にしてはならないというふうに思います。
 厚生労働省には、日常生活用具の支援制度がございますので、ぜひ電話リレーサービスに使う通信機器を日常生活に入れること、そして福祉電話の制度で利用料金も支援していただくということ、そして総務省にもトータルな負担軽減策をとっていただきたいと思います。最後にお願いしたいと思います。

#163
○大口委員長 橋本厚生労働副大臣、もう時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。

#164
○橋本副大臣 それでは、ちょっと簡潔に申し上げますが、今御指摘の日常生活用具給付等事業につきましてですけれども、これは要件がございまして、一般に普及していないものというものがその要件の中に入っております。
 御提案のありましたタブレットやスマートフォンにつきましてはその点に合致をしていないということでございまして、現時点では、障害者以外の方々との公平性の観点から、日常生活用具給付等事業の支給対象とするのは適当ではない、このように考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、厚生労働省といたしましては、障害者の自立と社会参加の促進に向けて、各般の施策の充実に努めてまいります。

#165
○本村委員 大臣……

#166
○大口委員長 もう終わりました。

#167
○本村委員 では、ぜひ、負担軽減策、総務省の方でもとっていただきますようお願いを申し上げまして、質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#168
○大口委員長 次に、足立康史君。

#169
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 共産党の委員の方は、相変わらず、時間が来てからもう一問というのがデフォルトになっています。ちゃんと時間を守ってやるのはもう基本だと思うので、委員長、これは一回理事会で議論させてください。

#170
○大口委員長 理事会で協議いたします。

#171
○足立委員 きょうは、聴覚障害者の方に係る電話リレーサービス、これは大変私も印象深いテーマでございまして、よく覚えています。
 二〇一八年十一月の七日、改めて調べると一八年の十一月七日だということですが、薬師寺参議院議員が、私はテレビで見ていたかな、テレビ入りの予算委員会でこの話を取り上げました。
 その際に、安倍総理が、これは重大な公共インフラで、このリレーサービスが重大な公共インフラで、拡大のために、手話通訳の育成、確保や、誰がコスト負担するかなど課題がある、ごめんなさいね、携帯を見ていまして、課題がある、今後は総務省総合通信基盤局が担当して検討を進めるというふうにおっしゃった。これを受けて、総務省で御検討いただいてこの法案になったということで、大変感慨深いものがあります。
 また加えて、野党、今回の法案審議に当たって、山花郁夫議員を中心に修正案が出されまして、これについても我が党も全面的に賛成ということで対応をさせていただいています。
 この法案、大変重要でありますが、もう委員の先生方から再三、細部も含めて御質問がありましたので、このテーマ自体については質問は割愛させていただきますが、ただ、障害者全般について一つ確認をさせていただきたいと思います。
 私、実は、障害者とICTということで質問をこれまでもさせていただいてきました。この総務委員会でも、二月の十八日に、いわゆる通所サービスの方々が新型コロナの影響で課題があるということで、就労継続支援事業について柔軟な対応をお願いするということをこの場で申し上げました。
 また、二日後の二月二十日、予算委員会で同じ質問をさせていただきました。
 それに対して、厚生労働省の方から、同日、二月の二十日付で通達を出していただいて、通達にはこのようにあります。事業所が在宅でのサービス提供が可能である場合には、必要に応じて、在宅でのサービス利用を認める等、感染拡大防止の観点から柔軟な対応を適宜検討いただきますようお願いしますということで通知をしていただいて、現場で柔軟な対応がなされるようになってきました。
 これはまさに、厚生労働省が、新型コロナにおいて、テレワーク、テレワークと言いますけれども、健常者の皆様はそれなりに御苦労はあるんだけれどもテレワークを進めていますが、実は障害者の皆様も同じように、新型コロナのもとで、通所サービスを利用されていた利用者さんたちが、在宅にいながらでも、要は、ITを使って在宅でも作業ができる、そういう環境を整えている作業所については柔軟な対応をいただいてきたと承知をしています。
 ただ、問題は、いよいよ、きのう全面的に緊急事態宣言が解除をされた。解除をされても、健常者の方はテレワークを続ける選択肢があるわけです。ところが、この柔軟な対応がもし緊急事態宣言が出ている間だけであれば、障害者の方は、また選択肢なく、通所サービスは通所サービスでしょうということに、型にはまった対応になります。
 これについて、ぜひ厚労省の方で引き続き柔軟な対応をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

#172
○橋本政府参考人 お答えいたします。
 就労継続支援事業所での在宅でのサービス利用につきましては、従来から一部認めてきたものの、今般の新型コロナウイルス感染拡大の事態ということを受けまして、自治体に対しましては、要件を緩和するなど、大変柔軟な取扱いということを認めているところでございます。
 この取扱いでございますが、緊急事態宣言が解除された後、これが直ちに変わるものではないというふうに考えてございます。
 また、令和二年度第一次補正予算におきまして就労継続支援事業所等におけるテレワーク導入経費等の補助を実施するほか、在宅での取組事例を収集して自治体にお示しするなど、その取組の後押しをさせていただいているところでございまして、私どもといたしましては、障害者の在宅就労の推進につきましては、御指摘も踏まえながら、引き続き対応してまいりたいと考えております。

#173
○足立委員 ぜひよろしくお願いします。
 橋本部長には、今申し上げた経緯で、当初から大変迅速に、私がこの総務委員会で取り上げた二日後には通知を出していただいた。大変その対応には感謝をいたしております。
 ただ、新型コロナのもとで柔軟に対応する、これは比較的、政府はいろいろやっていただいているわけでありますが、問題は、ポストコロナ、あるいはウイズコロナと言われているこれからの対応が問われているわけですね。
 そのときに、今までは柔軟にやっていたけれども、これからはだめよということではなくて、健常者について働き方が、いわゆる通所というか通勤の勤務と在宅勤務の垣根がなくなりつつある新しい時代において、障害者福祉、あるいは就労支援施策において、A型、B型とかいろいろありますが、在宅と通所というものがあくまでも二元論で論じられ続けることについては、特に、作業所についてもICTを活用したさまざまな取組が進んできていますので、そのあたり、橋本部長には、引き続き、国としての見解をまた明らかにしていただきたいと思います。
 今、足元で起こっていることは、緊急事態宣言が解除された結果、都道府県によって、地域によって差がまた出てきています。もちろん、地域のイニシアチブで差ができるのはいいんですよ。しかし、結局、厚労省の政策を都道府県がどう解釈するかでぶれるというのは大変不公平だと思っていますので、ぜひ引き続き、橋本部長、お願いをしたいと思います。
 新型コロナに絡んで障害者施策について質問しましたが、ここからは、またちょっとお時間を頂戴して、マイナンバーについて議論したいと思います。
 今、御承知のとおり、国会においてマイナンバー法の改正の議論をしています。そのときには、一番足元でやらねばならないことは、銀行口座をひもづける、要すれば、給付をするその振り込み口座をマイナンバーにひもづけて管理をする、そうしなければ大変不合理なことになっているということは、先日、高市大臣からも御紹介をいただいたとおりであります。
 じゃ、その銀行口座なんですけれども、きょう、金融庁、お越しをいただいています。銀行口座を持たない方、もしかしたら障害があられる方もいらっしゃるかもしれませんが、それはおいておいて、銀行口座を持たない方の割合、これを、もしわかれば教えてください。

#174
○伊藤(豊)政府参考人 お答えをいたします。
 全国銀行協会におきまして、平成三十一年二月に、個人利用者としての決済手段等に関するアンケート調査というのをしております。この調査は、いろいろな項目が含まれておりまして、三年ごとに全銀協がやっているものでございます。全国の十八歳から七十九歳までの約三千人を対象に、インターネットでサンプル調査をしているというものでございます。
 この調査によりますと、いずれかの銀行で個人口座を持つ方の割合は合計で九一・九%ということでございますが、この調査は、ゆうちょ銀行、信用金庫、信用組合、農協などにのみ口座を持っておられる方を含んでおりませんで、銀行の口座を持っている方が九一・一という調査でございます。

#175
○足立委員 そうですか。すると、今おっしゃった除外している金融機関も、いわゆる振り込み口座としては指定できる、できないものははじかれているんじゃないですよね。ちょっとその辺、もうちょっと教えてください。問題意識は、振り込み口座として国民の何割がいわゆる口座を用意できるかという問題ですので、その点、ちょっと解釈を交えてお願いします。

#176
○伊藤(豊)政府参考人 お答えをいたします。
 今最後に申し上げました、ゆうちょ銀行、それから信用金庫、農協などの口座も振り込み口座となり得ますので、これはもともとサンプル調査でございますけれども、九一・一以外にも振り込み口座として利用できるものがあるということでございます。

#177
○足立委員 ここからは金融庁に余り更問いをすると酷だと思うんですが、もしわかればですが、そういうものも含めれば、ほぼ皆さん、国民の皆様は持っているのかもしれませんが、要すれば、今回問題になっている給付制度、例えば銀行口座を持っておられる方に限って給付するとすると不公平が生じるのかどうか。だから、何%かもし銀行口座を持たない方が国民の中にいらっしゃるとすれば、それはどういう理由なんだろうと。わからないよね。思いつくことはありますか。

#178
○伊藤(豊)政府参考人 お答えいたします。
 先ほどの統計の限界を申し上げたところでございまして、それを超えて、ゆうちょ銀行でございますとか農協の口座すら持たないという方の理由でございますけれども、これはなかなかわかりかねるところがございますが、そもそも銀行取引をしない方ということでございますので、相当限定的な方であろうというふうに思います。

#179
○足立委員 私は、とにかく、このマイナンバーについてこの委員会でも再三議論してきたのは、やはり行政の効率化です。
 そういうふうに考えたときに、今回議論しているのも、自民党で議論いただいている内容は、銀行口座を登録する、マイナンバーにひもづけるに当たっても、本人同意を前提にする枠組みが議論されています。
 それはいいんだけれども、本人同意を前提にすると、同意されない方は、また別トラックで行政処理を、給付事務をしなければならない。これは、どうしても、ダブルトラック、トリプルトラックみたいになってくると、せっかく合理的な、迅速な給付をうたっていながら、これは国会の側ですよ、議員立法ですから国会の側ですが、ちょっと課題が残るなと思って今悩んでいるわけですが。
 これは総務大臣に通告入っていますか。ちょっと、せっかく、もし御見識があられましたら、その辺、どうお考えか、教えていただければと思います。

#180
○高市国務大臣 まだ、議員立法でということで御検討いただいている最中でございますし、これは与野党協力して議論を進めてというふうに伺っておりますので、国会で御検討いただけたらと思います。
 なお、先ほど足立委員がおっしゃいました、銀行口座を持っていらっしゃる方だけに特別定額給付金を給付したらええんちゃうかという話なんですが、それはちょっと、このたびの緊急経済対策、閣議決定の文書の中に、人々が連帯して、一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない、このため、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うということになっておりますので、口座を持っておられない方について、そのことだけを理由として給付を行わないというのは適切ではないと考え、非接触型で、基本は口座振り込みですけれども、どうしても持っていらっしゃらない方は窓口でということになったことを御理解ください。

#181
○足立委員 大臣おっしゃった、今の制度は全くそのとおりだと思うし、別にそれを私も否定するものではありません。ただ、今後の国の仕組みを考えていくに当たって、現金での手渡しというか、そういうオプションを国民の皆様に御用意することが、やはり、どういう理由で必要性が担保できるかについて、私もちょっと個人的に悩んでいるというか考えている状況ですので、引き続きこのテーマはまた。
 要は、金融庁も先ほど御答弁いただいて、どういう方が、ゆうちょでも農協でも、あるいは一般の銀行でも、口座はとにかく持たないんだという中で、そういう生活を国が認めないのも確かにおかしいんだけれども、その辺は行政事務の効率性との関係でのバランスなのかもしれませんが、引き続き、ぜひ、この質疑を見ていただいている、また私、ユーチューブに上げますので、国民の皆様で、いや、こういう理由で私は銀行口座を持たないのであるという事情がもしおありの方がいらっしゃったらぜひ教えていただきたい、また、委員の先生方も御指導賜りたい、こう思います。
 このテーマはいいですかね。向井さん、さっき手を挙げていらっしゃったけれども、いいですね、これは。ありがとうございます。
 それでは、続いて所得情報。今回、議員立法、議論しています。議員立法もなかなか難産をしていまして、まだまだ成否はわかりません。自民党を中心にやっていただいている案について、与党、それから野党とこれから調整をしていくわけでありますが、先ほどあった振り込み口座のひもづけについて余り議論はないと思います。
 一方で、これから、給付制度、一律十万円であれば所得情報は要りませんが、例えば低所得の方に給付をしようというふうになると、たちまち所得情報をひもづけていく必要が出てきます。
 これについては、きょう、向井内閣審議官、お越しをいただいています。マイナンバー法上、マイナンバー法の枠組みの中で所得情報をマイナンバーにひもづけて活用するとした場合に、制度的にどういうふうに理解されるのか、御紹介をいただきたいと思います。

#182
○向井政府参考人 お答えいたします。
 まず、所得情報というのも実はいろいろございまして、例えば今回の持続化給付金、経産省でやっております百万円、二百万円でございますけれども、その場合には、事業所得、そういう項目をとっている。
 ところで、通常マイナンバーで使われているのは自治体が持っておられるいわゆる最終的な所得でございまして、これについては、税のシステム内で当然入っているわけですから、情報連携が可能になります。
 この情報連携を考える場合に、どういうシステムにどういう情報が入っているかということがまず重要でございまして、特殊な情報、例えば、一時期議論になりました、ことしの三月から四月のとか、ある年の一月の所得というのは基本的に情報としてありませんので、これはもう情報連携の対象になり得ない。
 通常の所得ということを前提に考えますと、例えば現在のマイナンバー法の運用では、昨年の所得というのは大体ことしの六月末ぐらいに確定するということになります。六月末に確定する昨年の所得を使うということを前提にお話しいたしますと、税法上、まず、これは国税、地方税にかかわらずですが、守秘義務が職員に加重されておりまして、その守秘義務と、それからマイナンバーの情報のやりとりというものの情報の守秘義務というところとの法律的な調整が必要となってございまして、現状もマイナンバーで行われておりますのは、そういう実際に給付する側の法律に、そういう所得を必要として、それについて例えば検査権がある、典型的には生活保護なんかは所得を検査する権限がありますけれども、そういう場合又は本人の同意のある場合について情報連携を行うこととなってございます。
 その上で、まず、所得の情報連携をするには、原則、基本的には、マイナンバー法の中で別表がございまして、給付をする主体が給付をするために市町村の持っている税情報、税の中の所得情報を使うというふうに法律で書かないとできないということでございます。
 ただ、マイナンバーを利用するという点だけでいいますと、条例でも、例えば税、社会保障、災害に類するものについては、市町村が条例で定めると、マイナンバーを使えることになってございます。
 ただ、庁内で、例えば同じ市町村内で、税務部局が持っている情報を給付部局が使う場合にも、先ほどの税の守秘義務がかかってまいりますので、やはり条例だけではだめで、本人同意が必要になってくるというふうになろうかと思っております。

#183
○足立委員 なかなか込み入った話でありますが、幾つか論点があると思います。
 まず、向井さん、今おっしゃっていただいたのは、通常の年ベースというか年次ベースの税務情報ですが、例えば、今、持続化給付金について言えば、新型コロナの足元で、何といいますか、収入が減っていらっしゃる方を、一定の資料、帳簿とかそういうものを出していただいて判断をしています。
 それも、例えば、経産省がそれは集めているわけです。経産省が集めている。私が考えているのは、経産省の持続化給付金も、法人は法人番号で整理しているけれども、個人事業主はマイナンバーで整理していったらいいではないかということを私個人は思っているわけであります。
 そうすると、そういう経産省が集めた足元の、これは事業ですけれども、事業所得のデータを、ほかの役所あるいは市町村がそれを使いたいというふうなことが考えられるとすると、それはまた、経産省がまず持続化給付金をマイナンバー法上に位置づけた上で、持続化給付金の給付事務で取り扱っている足元の事業所得の情報を各役所でシェア、共有しますよということを法律上手当てをしなければ、それはできないということでしょうか。

#184
○向井政府参考人 お答えいたします。
 まず、経産省の持続化給付金自体が法律の根拠のない給付金でございますので、これのまず法律上の根拠を与える必要があろうかと思います。
 その上で、法律上、マイナンバー法上、どこが使うかわかりませんけれども、使うところを特定して、それが法律にある給付金に使えると。したがって、使う方も法律で特定する必要があるということだと思います。
 その上で、法律上はそれは問題ございませんけれども、そうすれば法律上可能になりますが、実際にデータベースがどうなっているかというのは、実は私、承知しておりませんので、したがって、現実にはそのデータベースがちゃんと、何といいますか、マイナンバーで個人をひもづけられていて、一定のものを引っ張り出せるようになっており、それを更に連携するということになりますと、相当、もともとのデータベースがそれにたえ得るかどうかもわかりませんし、たえたとしても、今度はやりとりをするシステム、マイナンバーのやりとりをするシステムにつなげるということもございますので、直ちにというわけにはいかないというふうに思います。

#185
○足立委員 それから、もう一つの論点が、先ほどあった市町村が既に持っている所得情報、これを使いたいわけですね、本当は。
 市町村が持っている所得情報を、例えば今回のような、今回もう今やっていますけれども、今回のようないわゆる給付事務に使いたいというふうになると、先ほどあったように本人同意か調査権云々、こうおっしゃいました。だから、例えば、今回、議員立法を議論しているわけですが、そのときに、市町村が持っている所得情報をマイナンバーにひもづけて当該市町村がそれを利用するとなれば、法律上の手当てなくしても、国民に申請をしていただくときに、本人同意欄をつくって、これを、あなたの、私たち市町村が持っている所得情報を給付事務に使わせてもらいますよという本人同意をとれば、法律上の手当ては要らないということでしょうか。

#186
○向井政府参考人 お答えいたします。
 マイナンバー法上、マイナンバーをそもそも使うのに条例の根拠は要りますけれども、今の御提示の場合ですと、本人同意がありますので、情報をやりとりすることについての法律の根拠は要らないということになろうかと思います。

#187
○足立委員 あと、ごめんなさい、最後の論点ですが、検査権、調査権ですね。これは難しいね、大臣はよくおわかりかもしれぬけれども。
 検査権、調査権、例えば既存の社会保障、これは向井さん、何でも向井さんに答えてほしいんだけれども、既存の社会保障制度の中でマイナンバーは使われていますね。そこにあっては、いわゆる本人同意を一々とっていません。これはさまざまな法律上、マイナンバー連携をしながらそうした情報を使って社会保障サービスを提供していくことについては、調査権で担保されている、検査権で担保されているという理解でしょうか。

#188
○向井政府参考人 お答えいたします。
 実際にそういうものがない場合もございまして、その場合は同意をとって、現在も同意をとって運用しているものもございます。一方で、そういう、法律上、本人が所得情報を報告する義務を有していて、それに対して何らかの調査、検査ができるという場合もございます。
 両方ございますが、いずれにしても、それがない場合は同意をとっている、これも結構ございます。

#189
○足立委員 それから、本人同意ですけれども、本人同意があれば何でも許されるのかな。
 例えば市町村が持っている所得情報を、例えば給付事業、これからまた総務省には、十万円の特別定額給付金の第二弾、第三弾というのも私たちはあり得ると思っています。
 そもそも、今維新の会は、ベーシックインカムまで含めて、給付つき税額控除、あるいはベーシックインカム、新しい社会保障、あるいは新しい最低保障制度みたいなものを党内でも議論していますので、いろいろ考えられるわけでありますが、市町村に今集まっている所得情報を国が一括して国民全体に給付制度をどんとやることが理屈上はあり得るわけですね。もう国でやっちゃえと、市町村を全部通さないというようなことを想定して、市町村が持っている所得情報を国も使わせてくれとなると、これはやはりマイナンバー法上の手当てが要ると思いますが、そういう理解でいいですか。

#190
○向井政府参考人 お答えいたします。
 先ほどの場合は同じ市町村内でということでマイナンバー法の手当ては要らないんですが、機関を越えて情報をやりとりする、マイナンバーつきでやりとりする場合には、本人同意にかかわらず、マイナンバー法上の手当てが必要となってまいります。

#191
○足立委員 もう時間が来ますので終わりますが、今委員の皆様もお聞きをいただいて、大変難度の高い仕事だということは御理解いただけたと思います。
 私もこれをずっとやっていて、いよいよ、高市大臣もこれから閣法も含めて議論をいただくということで表明をいただいているわけでありますが、そもそものマイナンバー法が私はちょっと硬直的に過ぎると思っているわけです。今のマイナンバー法のもとで合理的な行政制度をつくることは大変でありますが、しっかり、きょう議論させていただいたことも踏まえて、議員立法、閣法のサポートをしていきたいと思います。
 きょうは以上で終わります。ありがとうございます。

#192
○大口委員長 次に、井上一徳君。

#193
○井上(一)委員 井上一徳です。
 よろしくお願いいたします。
 電話リレーサービス法案については、各委員の方々からもありましたように、聴覚障害者の方々がこの法案について審議している内容を直接理解できるような工夫、これをやはりぜひすべきだったと思います。今回は、残念ながら、技術的な課題が多くてできないということでしたけれども、また引き続き議院運営委員会で議論していただきたいというふうに思います。
 それで、きょうはNHKに来ていただいているんですけれども、NHKは、「ニュース845」これは手話のニュース、それから、世田谷にあります放送技術研究所で、手話のコンピューターグラフィックス、これの技術開発を進めておられたり、聴覚障害者の方々への情報提供については非常に力を入れておられるというふうに思います。
 ここで、今回この審議の内容が聴覚障害者の方々に、やはり直接伝えることができなかったので、私は、編集の自由権があることは十分承知しておりますけれども、ぜひ、こういった電話リレーサービス法案について、今国会で審議しているんだとか、こういう内容なんだとか、これをできる限り聴覚障害者の方々とか国民の方々にわかりやすく情報提供をしていただきたいと思うんですけれども、一般論になるかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。

#194
○正籬参考人 お答えいたします。
 法案審議のニュースや番組での取扱いについてですけれども、編集権にかかわる事項ですのでお答えは差し控えさせていただきますが、御意見として受けとめさせていただきます。
 なお、この法案にかかわる内容については、去年一月そして十一月に、教育テレビ、Eテレの「手話ニュース」などでお伝えしております。
 NHKは、高齢者や障害のある方など、全ての視聴者が見やすく、聞きやすく、わかりやすく、安心して視聴できる、人にやさしい放送・サービスを充実することを公共放送、公共メディアの使命と位置づけておりまして、今の三カ年経営計画の重点事項にも掲げているところです。
 今後も、視聴者の皆様の御要望も参考にしながら、人にやさしい放送・サービスの充実に取り組んでまいります。

#195
○井上(一)委員 できる限り情報提供をよろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、法案の中身になりますけれども、随分委員の方々から質問がありましたので、私は一点、ちょっと処遇に絞って御質問をしたいと思います。
 これは、今までの通常の時間帯ではなくて、二十四時間三百六十五日ということですから、もう正直なところ、今まではボランティア精神に頼って、日本財団がモデル事業をやっていただいていたと思っています。今までの日本財団の方々の苦労というか、こういう取組に敬意と感謝を申し上げたいというふうに思います。
 ただ、これはもう二十四時間三百六十五日ですので、今までの発想の延長線上ではなくて、やはりごろっと変えて、このシステムが本当に永続的にうまくいくようなシステムにしていかないといけない。そうすると、やはり処遇というのをしっかりしておかないと人が集まらないと思うんです。
 今まで議論ありましたように、月の平均給与が十六万七千円、これでは絶対生活していけないと思うんです。やはり生活できるような処遇、これを考えておく必要がある。平均年齢が五十五歳以上、男性と女性の比率が一対九で、もうバランスがとれていない。
 そういうことを考えると、処遇についても抜本的な見直しというか、本当に普通の人が働ける処遇、これを確保する必要があると思っているんです。
 大臣も先ほど答弁していただきましたけれども、これは、総務大臣が電話リレーサービス支援機関とか電話リレーサービス提供機関を監督できるわけですね。そういったことで、交付金額とか負担金額、これについてはやはり処遇をしっかり考えた事業計画を認可していただいて、その上で交付金、負担金を決めていただきたいと思うんですけれども、総務大臣、何回も答弁していただいていますが、よろしくお願いしたいと思います。

#196
○高市国務大臣 通訳オペレーターの方々には、欠かせない役割を担っていただくことになります。
 手話通訳士の方々の給与水準について、先ほども答弁したとおり、総務大臣としてコメントをするということは難しいのですけれども、電話リレーサービス制度を運用する立場から、電話リレーサービス提供機関への交付金の認可を通じて通訳オペレーターに係る人件費を適切かつ安定的に確保することなど、厚生労働省とも連携しながら、通訳オペレーターの方々の処遇にしっかりと配慮をしてまいります。

#197
○井上(一)委員 ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 やはり二十四時間ですから、これはもう相当大変な激務ですので、処遇については十分な配慮をしていただきたいということをよろしくお願いいたします。
 それでは、ちょっと資料を配っているんですけれども、精神障害者の方について質問したいと思います。
 ちょっとめくっていただきまして、さきの百九十八国会で請願が採択されております。この中身は、三行目になりますけれども、「障害者が移動をする際に公共交通機関の役割は必要不可欠なものとなっているが、現在、身体・知的障害者に適用されている交通運賃割引制度から精神障害者は除外されている。」「ついては、精神障害者も身体、知的障害者と同等にJRなど交通運賃割引制度の適用対象にされたい。」ということで、これは請願が採択されているわけです。国会の意思として政府に求めております。
 これの処理経過ということで、「平成三十年十月には新たに航空業界においても導入されるなど、精神障害者割引を実施している事業者は増加傾向となっている。政府としては、精神障害者割引の導入が広がっている状況について、事業者に幅広く周知するなど、引き続き、精神障害者割引についての理解と協力を求めてまいりたい。」ということであります。
 資料一で、一ページ目を見ていただきたいんですけれども、公営で、札幌市、函館市、計十一事業者の方々が精神障害者に対する運賃割引を実施しております。大手民鉄等についても二事業者、それから中小の民鉄については八十事業者ということになっております。このように多くの事業者が精神障害者の運賃割引を実施しているんですが、JRはまだ実施しておりません。
 私は、やはりJRこそ先頭を切って、こういった精神障害者、障害者に対する取組についてはまさにリーダー的な役割をしていただきたいと思うんですけれども、国交省としても働きかけてはいるとは思うんですけれども、今どんな状況なんでしょうか。

#198
○佐々木(紀)大臣政務官 お答え申し上げます。
 委員御指摘の、JRに精神障害割引の導入を働きかけるべきではないかという御指摘でございますけれども、この障害者に対する公共交通機関の運賃割引というのは、事業者の自主的な判断により行われております。
 その上で、身体障害者及び知的障害者の割引については、JR六社、大手民鉄十六社、大半の事業者が導入をしているということは御承知のところでございます。精神障害者の割引についても、従来より、国土交通省から交通事業者等に、その導入について理解と協力を求めてきたところでもございます。
 鉄道分野においては、平成十八年に障害者自立支援法が施行されておりまして、このときに精神障害者手帳の様式の見直しというのを、これは国交省が助言をして進めてまいりましたけれども、その前とその後では、導入した事業者を比較しますと、導入前は四十二社であったものが、令和二年四月時点では九十三社と増加をしてきているところでもございます。
 委員御指摘のとおり、通常国会、百九十八回国会において、精神障害者の交通運賃に関する請願が採択されているということもございまして、精神障害者の方々から大きな期待を得ているというところも感じているところでもございます。
 したがって、精神障害者割引の導入が、今、本当に少しずつではございますけれども広がっている状況、あるいはその請願が採択に至った現状等について、JRを含め鉄道事業者に幅広く周知をして、国土交通省として引き続き、精神障害者割引について理解と協力を求めてまいりたい、そのように考えております。

#199
○井上(一)委員 周知をしていただいているというのは私も承知しているんですけれども、ぜひ国交省としてもJRに強く働きかけをしていただきたいと思うんです。
 例えば、政務三役からJRの幹部に対して、今こういう状況なんだ、精神障害者の方々に対して運賃割引をぜひやってくれないかというような、お願いというんですかね、依頼をしていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。

#200
○佐々木(紀)大臣政務官 ありがとうございます。
 御指摘のとおり、国会で請願が採択されているということでございますし、また、JRを含む鉄道事業者に精神障害者割引について理解と協力を得るよう、今後とも適切に対応してまいりたいというふうに考えています。

#201
○井上(一)委員 ぜひ強く申入れをしていただきたいということをお願いしたいと思います。
 残りの時間で、新型コロナウイルス対策の、まず持続化給付金、これについて現状を聞かせていただきたいと思うんです。
 やはり地元でも、この持続化給付金について、申請はしているんだけれどもなかなか給付金がおりてこないとか、それから、書類が不備で戻されるケースというのが結構あるんです。
 今現在どのぐらいの申請があって、給付したのはどのぐらいで、今まさにそういった書類の不備とかそういうので申請ができていない、そういった件数について教えていただきたいと思います。

#202
○木村政府参考人 持続化給付金についてお答え申し上げます。
 この給付金につきましては、去る五月一日から申請受け付けを開始しておりまして、今月二十五日時点で、百二十万件以上の申請を受け付け、約四十六・四万件、約五千九百九十億円について、事業者の皆様のお手元にお届けをさせていただいているところでございます。

#203
○井上(一)委員 あと、高齢者の方々が、やはりスマートフォンとかコンピューターで申請するのはなかなか難しいということで、今、中小企業庁の方でも、それとは別な形で申請をできるようにということとか、あと、いろんなサポートをする体制を構築されているということも聞いていますけれども、今どんな状況でしょうか。

#204
○木村政府参考人 持続化給付金のサポート体制についてお答え申し上げます。
 御指摘ございましたように、高齢者の方を始めといたしまして、電子申請にふなれな方もおられます。こういった方々を対象に、商工会議所などの協力を得まして、全国に申請サポート会場を設けることといたしております。
 具体的には、五月の二十四日までに二百九十九カ所で開設をいたしております。そして、五月末までに全国で四百六十五会場を設置をいたしまして、六月以降も会場を追加させていただきたい、このように考えてございます。
 以上でございます。

#205
○井上(一)委員 やはり持続化給付金、手続も大変だし、なかなか給付金もおりてこないし、もう本当に店を畳もうかと言っておられる人もおられるので、ぜひ、至急、こういった方々に給付金が行くように、これからも力を入れていっていただきたいというふうに思います。
 続いて、雇用調整助成金と、今度新たにできる、休業者給付金というんですかね、休業している労働者が直接申請できる手当を創設ということで、今回の第二次補正で新しい制度としてできるということです。
 この雇用調整助成金も、なかなかやはり申請が難しい、書類が多い、大変だ、そういう声が聞こえます。そして、今回また、休業者給付金という新たな制度ができるようですので、事業者の方は、これは書類の申請も大変だし、時間もかかるし、なかなかおりてこない、であるならば、この休業者給付金ができるまでちょっと様子を見ようかという人がおられます。
 それで、この休業者給付金、今どういう検討をされているのか、お聞かせいただきたいと思います。

#206
○達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。
 厳しい状況の中にあって、事業主の皆様に雇用を維持していただくために、まずは雇用調整助成金の拡充や支給の簡素化、迅速化等を実施しているところでございまして、企業において雇用の維持が図られるよう、徹底的に下支えをすることに取り組んでいるところでございます。
 その上で、委員から御指摘ありました新しい給付金制度でございますが、今般、休業中であるが賃金を受けられない中小企業の労働者に対して新たな支援金を支給する事業を実施するための制度の整備に向けて手続を進めているところでございまして、早急に検討し、具体化を図っていくということで取り組んでいるところでございます。

#207
○井上(一)委員 報道によれば、もうあした補正も決定ということですので、もう少し中身のある説明をしていただきたかったんですけれども。
 それで、よく私に質問があるのは、この雇用調整助成金というのは、いずれにしても、企業が払った分について政府の方で補助をする、幾らかの持ち出しは、必ず企業が出てくるわけですね。他方で、休業者給付金は、これは全く、休業者と政府との関係ですので、事業者が入ってこないということですから、持ち出しがないわけです。
 そうすると、経営者の人は、持ち出しがある制度よりは全く持ち出しがない制度の方をやってくださいというのが事業者としての判断だと思うんですけれども、この休業者給付金については事業者の負担がない、そういう整理でよろしいですか。

#208
○達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、雇用調整助成金も、現在、一部特例措置として、助成率十分の十ということで、事業主の皆様の御負担がない形での助成というところでございます。
 その上で、新しい制度でございますが、新たな支援金につきましては、労働者の個人の申請により、労働者個人に対して支給するものでございまして、その支給に際して、事業主における金銭的な負担は想定していないところでございます。
 ただ、一方で、支給事務におきましては、休業中の賃金支払いの証明などについて事業主に御協力をいただく必要があるというふうに考えているところでございます。

#209
○井上(一)委員 雇用調整助成金、十分の十という話ですけれども、これはもう一部、御承知のとおり一部の部分だけですから、やはり基本的には雇用主、事業主の方に負担が生じると。他方で、こっちの休業者給付金の方は、事業者の負担は今想定していないという話がありましたので、そうしたら、これはみんな待つと思うんです、この制度を。
 私は、やはりこの雇用調整助成金も、完全に国が全て負担する、助成するという制度にしないと、これは混乱すると思いますよ、この制度。本当に、これから雇用調整助成金を申請する人は、もう今からストップしますよ。それでこっちの新しい制度ができるまで待ちますよ。
 私は、これはもう本当に混乱すると思いますから、一回ちょっと整理する必要があると思うんですけれども、最後にそれを質問して終わりたいと思います。

#210
○達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。
 今回、新しい支援金を導入することによりまして、休業中である労働者の方につきまして二つの制度があるということでございますので、その関係については、しっかりわかりやすく整理していきたいというふうに考えてございます。

#211
○井上(一)委員 本当に、事業者の方々が混乱しないように、もうこれは書類の準備だけでも大変ですから、困らないような制度づくりをぜひしていただきたいということを強く要望して、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#212
○大口委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――

#213
○大口委員長 この際、本案に対し、中根一幸君外五名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、公明党、日本共産党、日本維新の会・無所属の会及び希望の党の六派共同提案による修正案が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。山花郁夫君。
    ―――――――――――――
 聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

#214
○山花委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、提出者を代表いたしまして、その内容について御説明申し上げます。
 本修正案では、総務大臣は、基本方針を定めようとするときは、聴覚障害者等その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならないものとしております。
 以上が、本修正案の内容であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#215
○大口委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――

#216
○大口委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、中根一幸君外五名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#217
○大口委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#218
○大口委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――

#219
○大口委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、中根一幸君外五名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、公明党、日本共産党、日本維新の会・無所属の会及び希望の党の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。重徳和彦君。

#220
○重徳委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。
 一 電話リレーサービス提供機関及び支援機関の運営については、聴覚障害者等その他の関係者の意見を踏まえ、指導監督を行うこと。
 二 電話リレーサービスのオペレーターについては、専門的な技術や知識を要することを踏まえ、手話通訳士、手話言語通訳者又はこれらと同等の資格や技能を有する者を基本とすること。また、オペレーターの養成カリキュラムの策定に当たっては、手話通訳者及び要約筆記者養成にかかる現行制度及び聴覚障害者等その他の関係者の意見を踏まえて行うこと。
 三 オペレーター人材を安定的に確保するため、その雇用条件が技能の特性に見合った適正なものとなるよう、電話リレーサービス提供機関に対して助言を行うこと。
 四 電話リレーサービスに対する国民の理解を深めるための、教育活動、広報活動等については、地方公共団体、聴覚障害者団体及び聴覚障害者情報提供施設と協力して行うこと。
 五 電話リレーサービスを用いた緊急通報については、警察、消防等の受理機関が確実に対応できるよう、地方公共団体等に対して周知徹底を図ること。
 六 電話リレーサービスの利用にかかる聴覚障害者等の経済的負担について検証を行うこと。
 七 本法の施行の状況について検討を加えるときは、聴覚障害者等その他の関係者の意見を踏まえること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#221
○大口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#222
○大口委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。高市総務大臣。

#223
○高市国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――

#224
○大口委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#225
○大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――

#226
○大口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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