くにさくロゴ
2020/05/20 第201回国会 衆議院 第201回国会 衆議院 厚生労働委員会 第14号 令和2年5月20日
姉妹サイト
 
2020/05/20 第201回国会 衆議院

第201回国会 衆議院 厚生労働委員会 第14号 令和2年5月20日

#1
令和二年五月二十日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 盛山 正仁君
   理事 後藤 茂之君 理事 新谷 正義君
   理事 冨岡  勉君 理事 長尾  敬君
   理事 平口  洋君 理事 小川 淳也君
   理事 岡本 充功君 理事 高木美智代君
      あべ 俊子君    安藤 高夫君
      上野 宏史君    大岡 敏孝君
      大串 正樹君    大隈 和英君
      木村 哲也君    国光あやの君
      小島 敏文君    小林 鷹之君
      後藤田正純君    佐藤 明男君
      塩崎 恭久君    繁本  護君
      白須賀貴樹君    田村 憲久君
      高橋ひなこ君    谷川 とむ君
      百武 公親君    船橋 利実君
      堀内 詔子君    三ッ林裕巳君
      山田 美樹君    阿部 知子君
      稲富 修二君    尾辻かな子君
      岡本あき子君    下条 みつ君
      白石 洋一君    中島 克仁君
      西村智奈美君    山井 和則君
      伊佐 進一君    桝屋 敬悟君
      宮本  徹君    藤田 文武君
    …………………………………
   議員           尾辻かな子君
   議員           早稲田夕季君
   厚生労働大臣       加藤 勝信君
   厚生労働副大臣      橋本  岳君
   厚生労働大臣政務官    小島 敏文君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  安居  徹君
   政府参考人
   (国税庁課税部長)    重藤 哲郎君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)         椿  泰文君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官) 達谷窟庸野君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  宮嵜 雅則君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         鎌田 光明君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局長)            小林 洋司君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         藤澤 勝博君
   政府参考人
   (厚生労働省子ども家庭局長)           渡辺由美子君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局長)           谷内  繁君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    橋本 泰宏君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  大島 一博君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  高橋 俊之君
   政府参考人
   (厚生労働省人材開発統括官)           定塚由美子君
   厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十日
 辞任         補欠選任
  佐藤 明男君     百武 公親君
同日
 辞任         補欠選任
  百武 公親君     佐藤 明男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四三号)
 介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(山花郁夫君外八名提出、衆法第一一号)
 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案(山花郁夫君外八名提出、衆法第一二号)
 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の一部を改正する法律案(山花郁夫君外八名提出、衆法第一三号)
     ――――◇―――――

#2
○盛山委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案並びに山花郁夫君外八名提出、介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官安居徹君、国税庁課税部長重藤哲郎君、厚生労働省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官椿泰文君、大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官達谷窟庸野君、健康局長宮嵜雅則君、医薬・生活衛生局長鎌田光明君、職業安定局長小林洋司君、雇用環境・均等局長藤澤勝博君、子ども家庭局長渡辺由美子君、社会・援護局長谷内繁君、社会・援護局障害保健福祉部長橋本泰宏君、老健局長大島一博君、年金局長高橋俊之君、人材開発統括官定塚由美子君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○盛山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○盛山委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。安藤高夫君。

#5
○安藤(高)委員 自由民主党の安藤高夫でございます。
 質問の機会をありがとうございます。
 では、早速始めさせていただきたいと思います。第一問目は、地域共生社会についてでございます。
 今回の法案では、地域住民の複雑化、複合化したニーズに対応すべく、福祉サービスの整備を進めていくとされております。共生社会を目指していくというものでございます。国民にとって、地域共生社会という言葉はまだまだなじみが薄いものではないでしょうか。また、医療や介護の現場においても地域包括ケアという言葉が一般的でございまして、まだ地域共生社会という言葉は聞きなれていないというふうに言われております。このように、地域共生社会という言葉の浸透ぐあいも気になるところでございます。
 そこで、政府の考える地域共生社会とはどのようなものなのか、改めて見解をお伺いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

#6
○加藤国務大臣 今御指摘がありましたように、地域共生社会はニッポン一億総活躍プランにも記載をされております。また、昨年の十二月にまとめられました地域共生社会推進検討会の最終とりまとめにも理念等々が書かれておりますけれども、一言で言えば、全ての人々が地域、暮らし、生きがいをともにつくり高め合う、どちらかが支える側、どちらかが支えられる側というのではなくて、お互いそれぞれがまさにともに生きていく、こういう社会をつくっていきたい、その理念として掲げさせていただきました。
 具体化するために、平成二十九年の社会福祉法改正において、市町村が地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制づくりに努める旨が盛り込まれ、そして、今提出させていただいております法案においては、そのための包括的な支援体制の整備を行う新たな事業を創設するとともに、社会福祉法の第四条に「地域福祉の推進は、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現を目指して行われなければならない。」という理念を改めて明記をいたしました。
 また、この実現に当たって、先ほど申し上げた地域共生社会推進検討会の最終とりまとめを踏まえて、本法六条において、福祉あるいは医療のみならず、住まい、町づくり、広範な分野の連携が必要であるということで、保健医療、労働、教育、住まい、地域再生等に関する施策との連携に配慮するよう努めなければならないと規定をされております。
 まさに、あらゆる施策を総動員して先ほど申し上げた社会をつくっていく、それを目指していきたいというふうに思っております。

#7
○安藤(高)委員 大臣、力強いお言葉をどうもありがとうございました。
 今回のコロナの流行下のもとで、医療相談や福祉相談だけではなくて、在宅の機会がふえてきたということでございまして、児童への虐待や高齢者への虐待、そしてDVの相談等、その他生活に付随したさまざまな相談が持ち込まれると思いますので、その辺もきっちりやっていく必要があると思っております。
 また、今回制定される予定の社会福祉連携推進法人、これはさまざまな福祉の事業者が法人をつくって連携していくというものですけれども、将来的には、一歩踏み込んで、地域医療連携推進法人というさまざまな医療機関が連携して一つの法人をつくっているものがありますけれども、それと統合、合体して福祉医療連携推進法人のようなものができれば、更に地域の方々に役に立つものができるのではないかな、そう思っておりますので、そのようなことも御検討をお願いしたいと思っております。
 次に、第二問目ですけれども、介護人材の確保でございます。
 介護人材の確保においては、今後、世代、職業、そして人種を問わず、さまざまな方々に参加をしていただくような仕組みをつくっていく必要があると思います。例えば、元気高齢者による介護助手というものが考えられておりますけれども、これは、介護のコアだけではなくて、周辺の部分、事務作業を含めてアシスト、フォローしていくというものですけれども、今回コロナで失業された方々とかあるいはアルバイトを失った学生さんなどに介護の助手として加わっていただくのも一つの方法ではないかと思います。
 この介護助手によって、現場としては非常に離職率も下がっていく、あるいはモチベーションも上がるというようなアンケート調査の結果もございます。このような介護助手についてどのように考えるのかというのが一つの質問でございます。
 もう一つは、外国人の介護の問題ですけれども、例えば、EPAの看護師の国家試験、これは非常に難しくて、合格率が二〇%もいかないような状況なんです。そういう方は自分の母国に帰らなきゃいけない。あるいは、看護師の試験に落ちても准看護師の試験に合格した外国人の方がいらっしゃいますけれども、その方たちも四年間しかいられないということになっております。
 そういう人たちが介護人材として引き続き活躍していける場があれば、これは本当に、現場の人たちも、外国人の方々も、また送り出した国も、日本にせっかく送り出したのに、試験に受からなくて帰っていかなきゃならない、日本もちょっと冷たいんじゃないかと思われないためにも、このように介護職として残れればウイン・ウイン・ウインの関係になってくると思います。
 そこで、例えば、特定技能の一号にスムーズに移行できるように、現行制度で必要な試験の合格を免除するとか、そういうような方法があればいいと思うんですけれども、そこら辺をどういうふうに政府は考えているのか、お聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。

#8
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 先生から二点につきまして御質問をいただきました。
 まず、介護助手の活用でございますけれども、介護人材を確保していく上で、人材の裾野を広げるべく、御指摘のように、多様な人材の活用が重要でございます。
 先生の御指摘になられた介護助手ですけれども、特に地方から取組がなされたのを受けまして、国といたしましても、平成三十年度から、地域医療介護総合確保基金を活用して、介護に関する入門的な知識、技術を習得する研修の実施を支援しているところでございます。
 これに加えまして、今年度、令和二年度から、特に健康な高齢者を中心的なターゲットとしておりますけれども、そこは幅広くこれからは募集していきたいと思いますけれども、介護分野への関心を持ってもらい、補助的な業務から参画してもらうためのセミナーを実施することとしておりまして、こうした事業を通じまして、高齢者のみならず、さまざまな人材の方の介護分野への参入を促してまいりたいというふうに考えております。
 また、もう一点、特定技能への移行につきまして、二つの問題につきまして御指摘いただきました。
 まず、看護師国家試験に不合格となったEPA看護師候補者に関するものでございますけれども、この件につきましては、議員から今までも御要望をいただいております。また、複数の方からも御要望をいただいておりまして、介護人材の確保の観点を踏まえまして調整を進めているところでございます。今後とも引き続き調整していきたいというふうに思っております。
 また、在留期間を満了した外国人准看護師に関する御提案でございます。これは、今回初めてお聞きいたしたものでございます。その方々が医療分野で培った能力、経験と介護分野で求められます能力、経験との関係の整理など、課題も多いですけれども、議員の御要望を受けとめつつ、対応を考えていきたいというふうに思っております。

#9
○安藤(高)委員 どうもありがとうございました。ぜひとも外国人の方たちにも優しい制度づくりをよろしくお願いしたいと思います。また、介護助手を受け入れる施設の方にも支援を検討していただくと、またモチベーションが上がると思います。
 介護人材に関しては、これは多くの議員の方たちからも御要望がありますけれども、現在、介護施設の介護職には処遇改善加算がついておりますけれども、医療機関で介護をやっている方にはついていないということで、このアンフェアな制度を少しでも改善をしていただければ、そう思っております。
 次に、三問目ですけれども、認知症施策の総合的な推進について質問をさせていただきたいと思います。
 まず、認知症の身体合併症への対応を行う急性期の病院においては、不必要な身体抑制とか排尿バルーンカテーテルの導入を行うことによって認知症の方のADLやQOLがますます下がってしまうということがあって、これは起きてはならないことだと思っています。それを防ぐためには、質の高い標準的な、介護そしてリハビリテーションの基準をつくっていくというのも一つの方法ではないかと思います。
 また、介護の現場においても認知症の方への対応が不適切な事例があります。例えば、よく現場で見られるのは、認知症の方がトイレに行きたいと何度も何度も何度も繰り返しお話をされる、現場も忙しいので、ついつい、認知症なんだからもういいでしょうというふうにほっぽってしまう。それを他の患者さんとか家族が見ると、やはり本当に現場との信頼関係が壊れてしまいます。そのような、ほっておかないケアというものを進めていく必要があると思いますが、それをどういうふうに考えていくのかということ。
 また、医療、介護の現場に限らず、地域で認知症の方を支えていく人材確保ということも非常に重要になってくると思います。
 そこで、今回の法案でこのような状況にどのように寄与していくのかということをお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

#10
○大島政府参考人 委員御指摘のとおり、認知症の方が住みなれた地域で暮らし続けていくためには、一つには、認知症の方を支援する医療、介護関係者の方々のレベルの向上といいますか、認知症対応の質の向上、それから地域での見守りなどの日常生活の支援体制をつくることが重要と考えます。
 まず、研修の関係でございますが、厚労省におきましては、先生がおっしゃられた身体合併症、あるいは行動心理症状、BPSDが見られた場合にも治療と認知症の方へのケアの双方が適切に実施されるよう、看護職員の方あるいは一般病院勤務の医療従事者向けの認知症対応力向上研修というのを実施しております。また、これに加えまして、認知症の方の日常診療を行いますかかりつけ医の方向けの対応力向上研修、あるいはかかりつけ医をサポートする認知症サポート医の養成研修も実施しております。
 それから、介護職員向けの実践研修も実施しておりまして、その中では、認知症の方の具体的なケアの方法をカリキュラムに盛り込んでおります。視線を合わせて話をしたり、丁寧に説明をしながらケアを行っていくという、まさにほっておかないケアもその中に入っているところでございます。
 できる限り認知症の進行をおくらせて、BPSDを予防できるような資質の向上に努めているところでございます。
 それから、地域における支援体制ですけれども、これに関しましては、これまでも認知症の方についての応援団である認知症サポーターの養成を進めているところでありますが、今後は、とりわけ生活環境の中で認知症の方と接する機会が多いということで、小売とか金融あるいは公共交通機関、こういったところで勤めていらっしゃる方々、あるいは学生、子供、こういった方々へのサポーター養成の機会の拡大を図っていきたいと考えております。
 また、介護者の負担軽減のために、認知症の方やその家族の方が地域の方あるいは専門家と相互に情報を交換したり、お互いに話合いをするような場であります認知症カフェの取組も推進しているところであります。
 今回の法案におきましては、国、地方公共団体の努力義務としまして、認知症の人と地域住民の地域社会における共生の推進、それから地域における認知症の人への支援体制の整備といった規定を盛り込んでおりまして、こういったことを通じまして更に認知症の方への支援の取組を推進して、安心して暮らし続けることができる地域づくりを進めてまいりたいと考えております。

#11
○安藤(高)委員 どうもありがとうございました。
 認知症の方が興味を示すさまざまなプログラムというのがスキルとしてありますので、そういうものを組み入れるといいと思います。
 最後の質問になりましたけれども、医療、介護のデータ基盤の整備についてでございます。
 質の高い医療や介護サービスを提供していくためにも、医療、介護のデータ基盤を整備していくということが非常に重要になっております。現場ではデータの電子化自体をまだハードルが高いと考える部分もありますが、そこら辺はどう思っていらっしゃるのかというのが一つ。
 また、介護のデータにおいては、リハビリに関するVISIT情報や高齢者ケアでのCHASEの情報などが収集されております。これに加えて、私が思うには、ケアマネジャーの情報、ケアプラン情報というのが非常に重要だと思っております。更に必要なのは、そのようなデータについて、ぜひとも、集めるだけではなくて、現場に生かせるような仕組みをつくっていくこと、すなわち、このようなデータを本人、家族そして現場にフィードバックさせていくということが最も重要だと思っておりますけれども、そこら辺に関する政府のお考えはいかがか、よろしくお願い申し上げます。

#12
○大島政府参考人 介護の分野におきましては、レセプトは制度創設当初から電子化されております。先行しておりましたが、ケア記録の電子化の方が十分進んでいないという状況にございます。
 このため、令和元年度から、各都道府県の総合確保基金を用いまして、ケア記録を入力するための介護ソフト、それからタブレット端末等への助成を行っております。さらに、今年度の当初予算あるいは一次補正の中で補助単価の引上げあるいは補助対象の拡充を行っておりまして、WiFiの設置費用も対象としたところであります。ケア記録の導入は、データの分析に役立つということだけでなく、介護職の省力化にもつながりますので、ぜひ推進を進めたいと思っております。
 それから、介護データは国が集めることにしておりますが、こうしたデータは、国、研究機関が解析に用いるだけでなく、実際にケアを提供する介護現場において介護の質の向上に活用していただくことが重要と考えます。
 こうしたことで、まず、通所・訪問リハビリテーションの情報を集めているデータベース、VISITと呼んでおりますが、こちらにつきましては、データを収集したものを解析し、それぞれの人ごと、施設ごとにその分析結果をつくりまして、提出していただいた介護事業所にフィードバックしております。それを多職種が参加するリハビリテーション会議等において活用していただけるようなことを考えております。
 また、今後システムが導入されます、高齢者の状態やケアの内容を収集するデータベース、CHASEにおきましても、同様に、データを登録いただいた事業所にフィードバックするシステムを設けまして、現場における利活用を促していきたいと考えております。

#13
○安藤(高)委員 どうもありがとうございました。
 今後、地域共生社会を構築する意味では、さらに、障害者福祉のデータも一致するといいと思いますので、どうかこの辺もよろしくお願いいたします。
 これで私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

#14
○盛山委員長 次に、伊佐進一君。

#15
○伊佐委員 おはようございます。公明党の伊佐進一です。
 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 冒頭、アビガンについて伺いたいと思います。
 前回、私はアビガンについてさまざまな質問をさせていただきました。治験を重ねているアビガンですが、総理の方からも、有効性が確認されれば今月中にも承認をするという発言もございました。その上で、けさほどの報道でありますが、有効性が示せず、早期の承認困難か、こういう報道がございました。
 軽症あるいは中等症での治療に期待が寄せられているアビガンの現状について伺いたいと思います。

#16
○鎌田政府参考人 御指摘のアビガンについてでございますが、御案内のように、観察研究、特定臨床研究、そして企業による治験が進められているところでございます。また、これらにつきまして、御指摘のような、有効性に関する報道なども承知しているところでございます。
 ただ、開発中の品目ですとかあるいは当該品目に関係する進行中の研究に関するものにつきましては、研究の進捗や信頼性あるいは審査に影響を与えますので、従前からお答えしていないところでございます。
 一方で、承認申請につきましては、現在、企業側とどのような資料を使うかとかの相談をしておりますし、また、厚生労働省におきましてもさまざまな有効性あるいは安全性に関する情報を収集しているところでございます。そうしたことを経まして、今後有効性が確認されれば承認するという方向で今作業を進めているところでございます。

#17
○伊佐委員 今、現状について御説明するのはやはりなかなか難しいということでありました。
 これは非常に期待されています。日本だけじゃなくて、世界じゅうが注目していると思います。もちろん、これは副作用もありますのでしっかりと臨床試験を進めていく必要がある、決しておろそかにはできないと当然思っております。その上で、このプロセスが少しでも早く進むように国としてもぜひ全面的にバックアップしていただきたいというふうに思っております。
 それでは、その他の質問に入らせていただきたいと思いますが、法案はまた後ほど質問させていただきます。
 ちょうど今二次補正の予算編成の指示も総理から出ておりますので、そのタイミングとしての質問を幾つかさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、最前線でコロナと戦っていただいている医療従事者の皆さんは、自分が感染するかもしれない、家族にうつすかもしれない、こういう思いでやっていただいて感謝しかございませんが、コロナの患者を受け入れている病院の声として私もよく伺うのは、コロナの患者の皆さんを受け入れることで、いざとなったら潰れてもいいんだ、こういう使命感でやっているというふうに病院の方からはお話を伺っております。
 病院団体から緊急調査が先日発表されました。外来が減って今大幅な赤字になっている、非常に厳しい数字が並んでおりました。この数字自体も、診療報酬というのは二カ月おくれて来ますので、来月から恐らくますます厳しくなるんじゃないかというふうに思っております。
 私が問題だと思いますのは、コロナの患者の皆さんを受け入れた病院の方が受け入れていないところよりも赤字が拡大しているというところです。第二波、第三波が来たらもうもたないというような声もいただいております。
 とりわけ民間病院についてですが、私の地元大阪は八割が民間病院でして、救急も民間の病院が担うところが非常に大きいです。
 病院の皆さんの思いというのは、余りはっきりとは言わないですが、例えば、今までずっと診療報酬で搾られてきて、内部留保があったらそれは全部吐き出せと言われて、これは医療法人だけじゃなくて、今回の法改正の社会福祉法人もそうだと思います。ところが、いざとなったときに、こうやって赤字がふえて銀行からお金を借りようと思っても、内部留保がないから貸してくれないという状況だそうです。
 今、政府の方では、病院の資金繰りで、福祉医療機構から無利子無担保、据置き五年の危機対応融資というのを設定していただいております。ただ、これは、無利子分の限度額が一億円、無担保分が三億円。病院の経営を考えますと、例えば、コロナの患者の皆さんを受け入れているような病院というのは、数字が先日発表されたところ、平均で月一億二千万の赤字が出ていると。月です。そういう意味では、一億の枠では全く不十分だという声が上がっております。
 ぜひ、この無利子無担保の貸付けの枠を拡大していただいて、とりわけコロナの患者の皆さんを受け入れて今頑張っていただいている病院に対してはより優先的な、より配慮のある資金繰りの支援を強力に行っていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#18
○加藤国務大臣 先日、医療関係の団体が調査をした結果で、病院のみならず診療所も含めてでありましたけれども、今回の新型コロナウイルス感染症の直接、間接の影響があって、受診に来られる方が減少し、またそれぞれの診療報酬等も減少している、こういう数字が示されたところであります。
 そうした中で、特に、委員御指摘のように、この新型コロナウイルス感染症の最前線に立って、高いリスクの中で、それを顧みることなく果敢にこの問題に取り組んでいただいているまさに医療機関であり、そこで働く方々に対するしっかりとした支援をしていくということは、当然我々として、国としての責務だというふうに認識をしております。
 いろいろな施策、これは、新型コロナウイルスの直接ではない、間接的にも、それ以外の医療もありますから、そういったことも含めて、今、第二次補正予算の中で議論をさせていただいておりますが、しかし、特に目の前の経営ということを考えれば、まずキャッシュフローが大事だという御指摘だと思います。
 いわゆる福祉医療機構の融資枠の拡大、これらも含めて、まずは当面のキャッシュフローがしっかり確保されて、そしてその後、経営に対するさまざまな支援等々、こういった議論に、優先順位としてはそういうことになっていくんだと思いますが、それはしっかり認識をしながら、トータルとしての議論を今させていただいております二次補正に向けて、また公明党を始め与党の御意見も承りながら対応させていただきたいと思っております。

#19
○伊佐委員 大臣、ありがとうございます。まず当面の資金繰り、そしてその後の経営の安定化に向けて、二段階の議論を進めていただいているというお言葉をいただきました。
 私は、さっき、民間の医療機関にとって、今までずっと搾り込まれていて、急にこうなったから協力してくれと言われてももう限界だという声をお伝えさせていただきましたが、もちろん信念を持って病院の皆さん、医療従事者の皆さんは対応してくださっている、でも、一たび例えば中規模ぐらいの病院で院内感染が起こってしまったら病院を閉めざるを得ない、潰れるかもしれないし、潰れても仕方がない、その中でやっていただいているのには本当に頭が下がります。
 新型コロナウイルスの影響もまだまだあると思います。まだ腰を落ちつけて議論する段階ではないと思いますが、ただ、これを奇貨として、病院のあり方とかあるいは医療政策の方向性というものをいま一度しっかり考えるべきじゃないかというふうに思っております。
 例えば、今回も、やはり、医療提供体制、医療崩壊を防ぐためということで、ネックになっているのは決して病床数が足りないとかそういう話じゃないと思います。医師の配置の問題であったりとか、公的病院の役割が果たしてどうなのか、そもそもクリニックと病院の役割をどうするのかとか。
 もちろん、今までは地域医療構想として議論してまいりました。でも、受け取られ方、見え方というのは、この地域医療構想というのは、病床数を減らしましょう、こういう議論ばかりに見えているところがあるというふうに思っています。本来であれば、もっと、それぞれの病院の役割をどういうふうにはっきりさせていくか、感染症はどういうところでどういうシステムで受け入れるか、こういう議論が必要だったというふうに私も反省をしております。
 まだまだゆっくり考える状況ではないかもしれませんが、今のところの、地域医療構想も含めて、医療のあり方という点について大臣の現在の思いを伺いたいと思います。

#20
○加藤国務大臣 我が国の医療提供体制を取り巻く課題として、これまでも、一つは、いわゆる医師の偏在、これは地域偏在と診療科間の偏在というまさに人材確保の問題、それから、働き方改革から見て、特に医療機関で働いている方が、一般的に言えば明らかな、過労死とも言える水準を超えて働いておられる、こういう指摘もなされておりました。それから、それぞれの地域で見たときに、これからの人口構造を見て、当然求められる医療の内容が変わってくる、それに対応した仕組みあるいは構造になっているのか、こういった指摘がある中で、偏在対策と働き方改革と地域医療構想、これを一括して進めさせていただいてきたわけであります。
 そうした中で、今回の新型コロナウイルスの感染症への対応ということで、こうした新たな要素も加味して議論していく必要があるというふうに思いますし、加えて、医師の養成あるいは偏在、働き方改革等々を含めて、今お話がありました、医療機関の中とかあるいは医療機関の内外を含めて役割分担、タスクシェアをどうしていくのか、こういう議論も当然あってしかるべきだと思っておりますので、先ほど申し上げたこれまでのそうした課題に加えて、今回、新型コロナウイルス感染症への対応の中で浮かび上がってきた問題も含めて、しっかりと議論を進めていきたいというふうに思います。

#21
○伊佐委員 ありがとうございます。
 私は、我々の、こちら側の責任でももちろんあると思っておりますので、しっかりとまずはコロナ対策に全力を尽くしていく、その上で大きな議論もしていく必要があるというふうに思っております。
 次の質問ですが、五月の七日に我が党から大臣に申入れを行った中で、就労系の障害福祉事業所、就労継続A型、B型への支援も盛り込んでおりました。その中で、特に障害者の施設の就労系の事業所は、今仕事がなくなって大変だと。この仕事から障害者の皆さん、利用者の皆さんに工賃を払っていくわけですが、仕事がないので払えない。仕方がないので、施設の運営費の基本報酬のところから工賃を払わざるを得ないという状況になっております。
 A型の施設であれば、雇用契約がありますので雇調金が使える。でも、B型は使えない。持続化給付金についても減収五〇%以上というのが条件です。通常の基本報酬は障害者施設には出ていますので、この対象にもならない。感染対策で、クラスターにならないようにというような緊張感の中で、この費用も膨らんで支出もふえている。非常に手詰まりになっております。
 この就労継続支援事業所に対して、障害者の皆さんの就労継続のために、生産活動を強力に応援できるような支援をぜひ二次補正でお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

#22
○橋本政府参考人 今御指摘いただきましたA型やB型といった就労継続支援事業所は大変大切な地域資源でございますし、また、そこを利用されている利用者の方々への影響ということをできる限り小さくしたいというふうに考えてございます。
 今委員から御指摘がございましたように、こういった生産活動が停滞してしまっている事業所に対しましては、生産活動に限らず、利用者の居宅等でできる限りのサービスを提供した場合において通常と同額の報酬の算定を可能にするですとか、あるいは、そこで働く利用者への賃金や工賃の支払いに障害報酬すなわち自立支援給付費を充てるということを可能とする、こういった障害福祉サービス上の柔軟な取扱いを認めているところでございます。
 また、今年度の補正予算に盛り込んださまざまな事業がございますが、この中でも、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業所の生産活動を積極的に支援するということといたしております。
 現在、第二次補正予算案の検討を行っているわけでございますけれども、先ほど委員からお話がございましたように、今月の七日に御党からいただいた緊急提言の中におきましても、生産活動の収入が全く入らず、家賃、人件費などがかさみ、大変な状況である、こういった指摘をいただいているところでございますので、こういった御指摘を踏まえて、どういった支援ができるか、よくよく検討させていただきたいと考えております。

#23
○伊佐委員 ありがとうございます。
 障害者の就労施設の皆さんへの支援を厚労省でもいろいろやっていただいて、つなぐマスクプロジェクトというので、恐らく、今、大臣あるいは副大臣のされていらっしゃるマスクは、障害者の皆さんが就労継続施設でつくられたマスクをつけてくださっているんだというふうに思います。しっかりと応援をしていただきたいというふうに思っております。
 法案に入りたいと思います。
 今回の社会福祉法の改正におきまして、自治体が作成する介護保険計画で、いろいろなニーズを把握してどのように介護のリソースを組み立てていくのか。この保険計画ですが、これは今までも当然やっていたわけですが、今回の法改正で、現状把握のために一歩進んで、必要な情報を更に確認することになるというふうに伺っております。この介護保険事業計画がどう変わるのか、伺いたいと思います。

#24
○大島政府参考人 大きく二点ございまして、一つは、二〇四〇年に向けた、長期の見通しも踏まえたサービス計画づくりをお願いするという形にいたしました。
 二〇四〇年の段階では、都市部を中心に介護ニーズが急増する市町村も多い一方で、人口が減少する市町村もございます。まさに地域によって状況は異なりますので、介護サービスの需要に応じた過不足ない基盤整備を進めるためにはこうした視点も必要になるだろうということでございます。こういう人口動態、人口構造の変化の見通しにつきましても法律上規定をして、市町村の介護保険事業計画上、それを踏まえたものとするという変更点が一つでございます。
 もう一つは、近年、有料老人ホームあるいはサービスつき高齢者住宅といった高齢者向けの介護つきの住まいがふえておりまして、多様な介護ニーズの受皿となっております。この点につきましても、事業計画の中で設置状況を位置づけまして、各種の介護サービスの必要な整備がきちんと算出できるよう、今回の法案におきまして位置づけを行うということとしたいと思っております。
 二〇二一年から第八期の事業計画期間が始まりますので、こうした長期の視点、あるいは、もう少し視野を広げた介護基盤の状況、住まいの状況、こういったものを踏まえた適切な計画づくりを進めていきたいと考えております。

#25
○伊佐委員 確かに、大阪の方でも、特養に入れなかった方の行き先として、有料だったりとかサ高住だったりとかが非常に多いです。サ高住は大阪で非常に多いんですが、こういう設置状況というのを把握しておくのは非常に大事だというふうに思っております。
 最後の一問になりますが、さっき安藤委員からも質問がありましたデータ基盤、CHASE、VISITの話。
 今までの医療保険と介護保険のデータは、既にこの秋から一緒に連結される。でも、どちらかといえば適正化というようなイメージがすごく強いんですが、このVISIT、つまり通所・訪問リハの情報であるとか、高齢者の状態あるいはケアの内容のCHASE、こういうものが統合されることで国民の皆さんにとってどういうメリットがあるのかをぜひわかりやすく、安藤委員で答弁していただいたところは重複を避けていただいて結構ですので、最後に、わかりやすく国民への説明をお願いいただければと思います。

#26
○大島政府参考人 例えばでございますが、要介護三の方が通所リハを利用しました、そこで歩行訓練を受け、頻度は一日三時間、週三回でした、同時に、その方の栄養の状況、あるいは体重とか身長の状況、摂取しているカロリーの状況、こういったことも今回データに入ってまいります。そうした結果、仮に、例えば要介護一に変わったとかいうことがありましたときに、そういう利用する前後の状態像と利用されたサービスの内容、種類との関係、こういったものがわかるようになりますので、そうしますと、どういう状態の方にどういうケアを提供すればどういうことになるであろうという予測が立てやすくなります。したがいまして、よりよいケアプランが立てられるようになるといった効果が考えられるのではないかと思っております。

#27
○伊佐委員 時間になりました。
 今回、現場ではより問題が複雑化して複合化している状況の中で、地域共生社会の基盤をつくる非常に大事な法案だというふうに思います。各地域地域で頑張れるところとそうじゃないところ、いろいろありますので、ぜひ、この法案が成立した後はしっかりとそれが実行されるように、丁寧なバックアップをお願いしたいと思います。
 終わります。

#28
○盛山委員長 次に、藤田文武君。

#29
○藤田委員 日本維新の会の藤田文武でございます。
 きょうは、法案関係からスタートさせてもらいたいと思います。
 医療、介護のデータ基盤の整備の推進、これはこの法案の中でも非常に今後重要になってくる課題だというふうに捉えておりまして、これをいかに新しい時代の政策に生かしていくかということが、私は、今後の介護、医療の現場をどう効率化していくかということにつながってくるというふうに考えておるわけでございます。
 今回ちょっと質問させていただきたいのは、五月十二日の本会議でも質問させていただいたところで、答弁いただいている内容を少し突っ込んでさせていただきたいと思います。
 医療、介護分野の調査分析そして研究を進めるためにデータ基盤の整備を推進するということで、例えば、今回、もともとセットされているNDB、介護DBの連結に加えて、データの名寄せ、連結精度の向上を図っていくということで、被保険者番号を軸としてひもづけをやっていくということなんですけれども、端的に言えば、私はマイナンバーをやはり活用していくという方向性をもっと進めるべきだという意見です。
 ちょっと考えてみたいんですが、今、マイナンバーというのが医療、介護の現場では、今回、オンライン資格確認等では使われますが、非常に消極的な使われ方にしか踏み込めていないというのが一つ問題であるというふうに考えております。
 総理の答弁にもあったんですが、薬剤情報や健診情報を本人がマイナポータルで見られるようになる、これは非常にいいことだと思いますが、マイナンバーを軸にひもづけることによって、やはり、データの解析、AI、ビッグデータを使った取組を政策の質を上げていくという観点から進めないと、諸外国に対して医療、介護施策というのがおくれてくるんじゃないかという問題意識があります。
 具体的に言いますと、自民党さんも今マイナンバーPTを立ち上げて前向きにやっているということで、口座のひもづけというのはやっていこうということで提言を、私どももしておりますけれども、しておりますが、私が思うに、例えば納税情報、資産、所得の状況、それから労働市場でどのような動きがあるかということがこの医療、介護情報とひもづくことで、リスク予備軍をケアする政策を打てたり、又はこの今回の非常事態のようなときに適切な給付につながっていく、そして社会的弱者を守っていけるということにつながるのではないかというふうに思います。
 マイナンバーを軸に、厚生労働省はもうちょっとこのマイナンバーをとりに行ってほしいというように思うんですが、政府の見解はいかがですかということと、また、ハードルがやはりいろいろあると思うんですね、そのハードルをどのように認識しておられるかというのをお聞かせいただけたらと思います。

#30
○橋本副大臣 お答えをいたします。
 これは総理の答弁もあったわけでありますけれども、地域において効率的かつ質の高い医療、介護、福祉サービスの提供体制を構築していくためには、医療、介護分野のデータ基盤を整備し、調査分析、研究の促進を推進していくことが重要でございます。
 既に安藤委員それから伊佐委員の御質疑でも触れていただきましたけれども、今、医療の分野のデータベース、そして、今回の法案によって介護分野のデータベースについても連結できるようにしよう。それはどうやってやるかというと、来年三月から、医療保険の資格情報をオンラインで確認できる仕組みがあるわけですけれども、それを活用することで、マイナンバーカードを健康保険証として利用する取組が開始されることになっておりまして、マイナンバーそのものではありませんけれども、今回の法案においてこの仕組みを活用してデータの連結精度を向上させることとしておりまして、そうしたデータの解析等々の調査分析、研究の推進が期待される、こういうことを今回の法案では御提案申し上げているわけでございます。
 マイナンバー制度につきましては、昨年閣議決定した新たなデジタル・ガバメント実行計画に基づきまして、薬剤情報や健診情報を御本人がマイナポータルで統一的に管理できるようにするなど、議員の御指摘も踏まえ引き続き国民の日常生活のさまざまな場面でマイナンバー制度の利活用を進めてまいりたい、こういうふうに考えているところではございますが、一方で、先ほど申し上げたような、医療の現場等々でマイナンバーそのものを使うということにつきましてはさまざまな御意見があるというところで、そうした御意見をしっかりと承りながら考えているというようなところであります。
 現在の法律のもとでは、マイナンバーは社会保障、税、災害分野で行政機関等の情報管理等のために利用することというふうにされておりまして、利用できる主体や制度が限定的になっております。医療、介護等の分野におけるマイナンバー制度の具体的な利活用の方法につきましては引き続き関係省庁とも連携をしながら検討してまいりたい、まずは、その前に、今回御提案の法案の中でとりあえずデータの連結ができるようにということをお願いさせていただいておりますので、そちらを進めさせていただきたいと思っているところでございます。

#31
○藤田委員 橋本副大臣、ありがとうございます。
 多分前向きなお考えだと認識しているんですけれども、このマイナンバーをいかにあらゆるデータにひもづけていくかということは、個人情報の観点から嫌がる方はたくさん、世論の中でもあると思います。セキュリティーの問題だったり、又は犯罪につながるとかそういったことももちろん危惧されるんですが、あらゆる個別に管理された番号、記号というものを一つに統合することによっていかに合理的な政策決定に生かしていくかというものが一番重要な論点だと思っています。
 そこの考え方の中で、分散型、分散されて管理されている方がセキュリティー的にいいんだという方もいらっしゃいます。それはそれで一理あると思いますが、私は、もうここらあたりで、やはり一つの番号で、セキュリティーをもちろん強化する前提を置いてひもづけていくことで、市民サービス、国民のサービスの向上というものにかじを切っていかなければいけないんじゃないかということで、結局はマイナンバー法の問題になってくると思うので、それはまた別途議論させていただきますが、ぜひとも、厚労省には特にマイナンバーをとりに行ってほしいなというふうに思いますので、意見として申し上げさせていただきます。
 それから、続きまして、介護サービス等における業務の効率化、それから申請手続の簡素化について。
 これも本会議で総理から、押印の廃止や添付書類の簡素化、郵送、メールによる申請受け付けなどを自治体に既にお願いしているというふうに答弁がありましたが、実際の現場でいうと、ほとんど、余り進んでいないというのが現状です。それから、今後三年の間に政府が主導して自治体ごとのローカルルールの解消や統一化を進めて、ウエブ入力、電子申請化の導入を図っていくこととしておりますというのが、これは検討事項に上がっているということなんですね、やると決まっているわけではない。
 非常にこれは重要な問題で、介護現場の事務処理というのはすごく煩雑で、例を挙げると、介護の指定事業所があって、管理者がかわりましたとか職員の数が変わりました、営業時間が変わりましたというのは変更届を出さないといけないんですけれども、これは基本的に紙で行われる。これを一個一個全部やっていると、現場の運用として、毎月のように出さないといけないとかいうことが起こる事業所も時期によっては出てくるので、そうすると、ちょっとまとめてやろうかとかといって数カ月置いて、これもある程度運用上行政側も認めていることなので、リアルタイムに反映されていかない、こういうことが起こる。
 あと、複数の都道府県や市町村にまたがる、例えば総合事業なんかは市町村が指定権者ですから、またがるものについては市町村ごとにフォーマットがちょっとずつ違う。これもコピペできないし、本当に、一回一回書き直さないといけないというのがあって、こういう無駄を一切排除していくというところはそんなに苦労なくできる話だと思うわけです。
 本会議で前向きな答弁をいただいておりますが、これを具体的に本当に進めるんですかということを一つ問いとして言いたいと思いますが、いかがでしょうか。

#32
○大島政府参考人 確かに、介護保険の中では、事業所の指定の関係、介護報酬の請求のときの関連の条件、それから自治体の指導監査といった場面でたくさんの文書が求められております。
 それで、これらにつきまして、添付文書を含めまして見直しを行いまして削減、簡素化をすること、それから、自治体ごとのローカルルールもございます、今先生御指摘の書式の問題もございます、こういったものを統一化していくこと、それから、やはり最終的にはウエブ入力、電子申請をやっていくことといったことが文書の削減、負担軽減にとっては重要な柱だと思っておりまして、この三つを進めていくということにしております。
 今既に、判ことか来訪の負担の最小化というのは自治体にお願いをしました。まだお願いしたばかりですので、効果が出てくるのはこれからだと思いますが、自治事務であるということもあるわけでありますが、この趣旨の大切さを伝えながら、自治体の理解と協力を求めていきたいと思います。
 社会保障審議会の中に昨年八月に介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会というものを設けまして、この中に、介護事業者の代表者の方、学識経験者の方に加えまして自治体の職員の方も入っていただきまして、自治体も一緒になって、つまり、負担を軽減するということは、介護事業者にとってのみならず、自治体の職員にとっても負担軽減につながるんだという認識のもとに、できる限りローカルルールをなくし、そしてウエブ入力、電子申請に持っていこうということで、雰囲気づくりはでき上がっていると思いますので、ぜひ、スケジュール、今後、二年、三年の間には最終の目的まで到達したいと考えております。

#33
○藤田委員 ありがとうございます。
 いろいろな議論があるので二年、三年ということだと思うんですが、やはり早くやってほしいなというふうに思います。先ほど御指摘がありましたように、行政職員の人も結局紙のものを打ち込んでいるという現場ですから、これは本当にしんどいと思うんですよ。
 書式の統一だったりというのはやはり政府がユニバーサルに主導しないとどうしても進んでいかないものですから、指定の権限をおろしていくには、私らは地方分権を推進する政党ですから、これは本当にやっていかないといけないことであると思いますが、一方で、そういった守りの戦略の部分というのはぜひとも政府が主導してやっていただきたいというふうに思います。引き続きこの件については訴えていきたいと思います。
 それから、続きまして、介護職員と、障害福祉もそうですけれども、そういった事業にかかわってくださる方々の処遇を改善していくというのは非常に重要なことで、今回、野党からも特別措置法の案が出ていまして、私も説明を受けましたが、助成金スキームでやるという。つまり、報酬に乗せ込むと利用者さんの負担額が上がるという意味で、助成金のスキームを使ってやるというのは、私はこれはいいんじゃないかなというふうに個人的には思っています。きょうはこっちは質問しませんが、処遇を改善していくというのは、今回のコロナだけじゃなくて、そもそも論として非常に重要なことだと思っています。
 ただ、この処遇改善加算というのは非常に評判が悪い制度だというふうに思います。というのも、いろいろ運用上の問題もありまして、今回、もともとの処遇改善加算に加えて介護福祉士に関係するものも先日出てきましたけれども、これは非常に議論が、きょうは割愛しますが、ありました。
 この処遇改善加算というのは、御存じの方には釈迦に説法ですが、実際には計画を先に出して、それから報酬がおりて、一年ごとに毎年その実績を報告しないといけない。処遇改善加算で事業者がいただいた報酬というのは全て従業員に還元しないといけないということなので、実際的に最初は見込みで出さないといけないわけです、お金がおりるのは後なので。
 そうすると、結局は、少なく出してしまうと、後で調整で、ぼんとボーナスで出してしまおうかとかということが起こるわけです。多くの良心的な事業所さんは少し多目に払うわけです。そうすると、これは事業者にはマイナスなんですよね、経済的に言うと。こういうこともあるわけで、先ほどの書類やそういうものの手続の簡素化という面でも、毎年毎年これをやるのはなかなか面倒くさい話でして、しかも、自治体ごとに出すとかということも起こってくるわけです。
 ですから、結論としては、基本報酬をやはり増額して、この人手不足の時代なので、人にそういうふうに手厚くしてあげた企業が事業者としてはよい企業として生き残っていくという、マーケットメカニズムにある程度放り投げてしまう方が私はよっぽど合理的じゃないかなというふうに思うんですが、その前段としてちょっと確認したいところは、処遇改善加算が導入されたことによって介護職全体の平均給与とか報酬の水準というものはどの程度上昇したんでしょうか。

#34
○大島政府参考人 処遇改善を行った際には毎回、全国で調査を行っておりまして、処遇改善を実施した事業所の介護職員が処遇改善を行った年とその前の年の給与を比較して把握しています、これを単純に積み上げますと、平成二十一年度以降、合計で月額五万七千円分の賃金改善を行ったことになります。
 実際の給与への当てはめは、人の入れかわり等がございますのでそのまま反映されるわけではございませんが、単純に計算をすると、平成二十一年以降でそういった水準になっております。

#35
○藤田委員 これはレクのときにデータがなかったのでまたちょっと勉強させてもらいたいんですが、現場でいうと、いわゆる処遇改善加算をとっていない事業所さんがことしからとるようになりました、その場合、いわゆる処遇改善加算を乗せ込むので、給与水準はそれは上がります。しかしながら、これを毎年毎年とっていくと、毎年どれぐらいの処遇改善加算がおりてくるかというのが既にいわゆる労働市場に織り込まれるんですよね。そうすると、それを織り込んで、リーダー格には幾らにしようということが起こってくるわけです。つまり、二年目以降は、給与上昇の、いわゆる底辺の底上げには貢献しても、労働市場全体を見て、介護職員の給与の引上げという力学は働かないんですよ、この制度だと。ですから、私は単純に、事務手続の簡素化という視点も含めて、やはり基本報酬で措置するというのが一番の王道じゃないかなというふうに思うわけです。
 特に、今は介護人材が不足している。あり余っているときにそれをすると、一つの懸念として、行政側は、事業所側が要するにちゃんと分配せずに、自分たちのものにしてないないするということを懸念されるわけで、実際にそういう企業はあるでしょう。しかしながら、人手不足で、今は介護職員に対する報酬を上げないと人が来ない時代になっていますから、多くの企業は紹介会社に高い金を払っているわけです。ですから、基本方針のように措置してしっかりと健全な経営ができるという、そして無駄な事務手続も省いていくという方向にぜひかじを切っていただきたいなというふうに思います。
 何か御意見はありますか。

#36
○大島政府参考人 もう委員が論点を整理されていますので、あとは判断というか、どちらの方に重きを置くかということかと思います。
 我々としましては、やはりどうしても職員の手元に、ちゃんと賃金の引上げにつながるというところの担保を重視しておりまして、その結果、加算方式ということで、書類の手間等のデメリットがあったとしても、今のところ、そちらの方を採用したいと考えているところでございます。

#37
○藤田委員 大臣も、興味を持っていただきまして、ぜひ検討していただけたらと思いますので、よろしくお願いします。
 それから次に、新型コロナ関連を最後に少しさせていただきたいと思います。
 小学校の休業等対応助成金というのが制度としてありまして、今、雇用調整助成金の件は自民党さんも前向きにかなり言っていただいたことで、私らもずっと言っていますけれども、これは上限額の引上げが恐らくなされるという方向性で、一万五千円程度ですかね。あと、自民党さんも、やはり雇用環境の悪化があるので大企業にも適用してやったらどうかということもおっしゃられていて、私も、先週か先々週か忘れましたが、質疑でもさせていただきました。
 これは非常に重要なことだと思うのでやっていただきたいと思うんですが、雇用調整助成金の上限額、それを基準として、小学校休業等対応助成金も八千三百三十円に上限額が設定されているという経緯がございます。これについて、やはりあわせて上限額の引上げを検討すべきだというふうに思いますが、いかがですか。

#38
○藤澤政府参考人 お答えを申し上げます。
 御指摘の助成金ですが、小学校などの臨時休業などに伴いまして子供さんの世話をされるために仕事を休まざるを得ない保護者の方を支援しよう、そういう趣旨、目的で実施をしておりますので、おっしゃいましたような上限額につきましても、助成金の制度の趣旨とかあるいは内容などを踏まえまして、どのように対応していくかということを検討していく必要があるというふうに考えているところでございます。

#39
○藤田委員 なかなか今明言をするのは難しいと思いますが、合理的に考えればやはりそれを基準に、八千三百三十円、雇用調整助成金見合いで考えられた制度については、大もとが変わるのであれば同じように考えないといけないというのは必然だと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 最後に、先週もやりました、前回もやりましたが、出口戦略についてお聞きしたいと思います。
 緊急事態宣言があす解除されていくという方向で、私の地元の大阪も解除されるんじゃないかという報道が出ておりますけれども、再流行の兆しが出たときに、どうしても、再度緊急事態宣言の発令がされる可能性は誰もがあるんじゃないかというふうに思っているわけでありますけれども、この可能性とその基準についてお聞きしたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#40
○安居政府参考人 お答え申し上げます。
 今後、緊急事態宣言を解除した場合であっても、再度感染が拡大し、蔓延のおそれがあると認められる場合には、専門家の意見を聞きつつ、改めて緊急事態の宣言を検討することとなります。
 その際には、四月七日に緊急事態宣言の発出を行った際と基本的には同様の考え方等に立ちまして、オーバーシュートの予兆が見られる場合には迅速に対応することとし、具体的には、直近一週間の新規感染者数の報告数、感染拡大のスピード、感染経路の不明な症例の割合、また医療提供体制の状況等も踏まえ分析、評価を行い、総合的に判断することを基本的対処方針にお示ししております。それぞれの指標につきまして専門家に評価、分析していただき、適切に判断してまいりたいと思います。

#41
○藤田委員 ありがとうございます。
 この件についても、意思決定の根拠や過程というものをやはりもう少しクリアにすべきだというのは、私も予算委員会や本会議等を含め各所で訴えているところなんですが、総合的に判断するというのは、よくわかります、意味は。しかしながら、今、いつまで自粛が続くかわからないし、出口がはっきり明言ももちろんできないという中で、国民の皆さんの協力をどのように得ていくかということを考えた場合に、私、地元の大阪、吉村知事がされている大阪モデルというのは非常に明確でわかりやすいし、目標設定としては府民の理解を得やすいんじゃないかというふうに思います。
 基本的対処方針で示されているものは、ざっくり言うと、総合的に考えて、危なかったら判断しますよということなんですよ。ですから、これは基準を設定しているとは言えないなというふうに私は思うわけです。これも非常に難しいと思いますが、やはりこういう基準の明確化というのはキーになってくると思うので、ぜひとも考えていただきたいということ。
 それから、何度も大阪の例を言って申しわけないですが、吉村知事は、自粛要請の解除を言うとともに、ウイルスと共存していこうということを結構最近は繰り返し強調しておられます。特に経済活動を再開、活発化させていくことで府民の生活を守っていこうということを何度もおっしゃられていて、これは反面、もちろん、感染のリスクを下げる新しい生活様式をやりながらではありますが、ある種皆さんに覚悟してもらって、より感度高く感染予防をやってくださいということとセットで言っているわけなんですけれども。
 つまり、第二波、第三波の可能性というのはずっと言われていまして、恐らく起こる可能性が高いという中で、長期戦をやるという中で長期の出口戦略を、我々も提言していますが、これをずっと考えていくと、一つの選択肢として、重症化リスクの高い方というのは明らかにデータとして出ているので、そういう高齢者とか基礎疾患を保有されている方に対して資源を集中的に投下する、又は、集中的にその方に自粛要請をお願いするとかある種の行動制限をお願いしていくという、国民一律にではなくて、そういうリスク予備軍に、リスクの高い方々に対して集中的に資源を投下しメッセージを発していくということ、これは私は恐れずに選択肢として検討すべきだというふうに思うわけでありますけれども、このあたり、政府の見解はいかがでしょうか。

#42
○盛山委員長 時間となっておりますので、簡潔な御答弁をお願いします。

#43
○安居政府参考人 お答え申し上げます。
 特措法に基づく外出自粛要請につきましては、いわゆる蔓延防止の観点から都道府県の住民に対しまして不要不急の外出自粛を要請するものでございます。人と人との接触を低減させ、感染拡大の防止を図るとともに、重症者を始め感染者の治療を十分に行うことのできる医療提供体制の維持を可能とするためのものと考えてございます。
 また、特措法五条で基本的人権の尊重が規定されている趣旨や附帯決議の御指摘を踏まえまして、本法の運用に当たっては私権の制限が必要最低限のものとなるよう十分に留意する必要があるため、委員の御指摘については慎重に検討されるべきものと考えております。

#44
○藤田委員 ありがとうございます。
 もう時間なので終わりますが、今後、感染状況によって、特措法対象を外していくべきかとか、感染症法の二類を五類にすべきだとかという議論も恐らく早晩出てくる。これは別に、もう終息しましたよというわけじゃなくて、対処の方針の中でやはり一番適切なものを選んでいかないとというふうに思いますので、また合理的な議論ができればというふうに思いますので、引き続きよろしくお願いします。
 以上です。ありがとうございました。

#45
○盛山委員長 次に、岡本充功君。

#46
○岡本(充)委員 きょうは、質疑の時間をいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、限られた時間ですので、早速質問に入りたいと思います。
 まずは、新型コロナウイルス感染症の今の現状について確認だけしておきたいと思います。
 感染症が蔓延し、さまざまなクラスター対策をとってきた我が国として、厚生労働省はいろいろウイルスの特性を把握しているんじゃないかと思います。我が国として今回の新型コロナウイルスの基本再生産数は幾つだというふうに考えているのか、まずそれについて聞きたいと思います。

#47
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
 最新の日本の実効再生産数の数値でございますが、五月十四日に示された専門家会議の状況分析・提言によりますと、発症日データのみを用いた推定による最新の推定値は四月二十八日時点で全国で〇・六というふうになってございます。

#48
○岡本(充)委員 基本再生産数は幾つかと聞いているんです。実効再生産数は聞いていないんです。ちょっと、整理してもらうんならとめてください。

#49
○盛山委員長 とめてください。
    〔速記中止〕

#50
○盛山委員長 時計を動かしてください。
 宮嵜健康局長。

#51
○宮嵜政府参考人 申しわけございません、最新の基本再生産数というのはちょっと今手元にはございません。たしか、御質問というか御指摘いただきましたのは、最新の実効再生産数というふうにお伺いいたしていましたので、先ほどお答えさせていただきました。

#52
○岡本(充)委員 きのうさんざん言ったはずですよ。実効再生産数はもう既に理事会協議事項になっているから、このウイルスの特性として、基本再生産数は我が国としてどう評価しているのかということについて聞きますよと言っているんです。もう一回答弁を求めます。

#53
○盛山委員長 では、とめてください。
    〔速記中止〕

#54
○盛山委員長 動かしてください。
 宮嵜健康局長。

#55
○宮嵜政府参考人 済みません、基本再生産数ということで承ったという理解に達していなかったので。ちょっと今手元にその数字がございませんので、論文等を調べなきゃいけないので、そこはちょっと、別途お時間をいただければというふうに思います。(岡本(充)委員「委員長、とめてください」と呼ぶ)

#56
○盛山委員長 ちょっと時間をとめてください。
    〔速記中止〕

#57
○盛山委員長 時計を動かしてください。
 宮嵜健康局長。

#58
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
 日本の基本再生産数につきましては、論文等では示されておりませんので、そういう形での数値は出ていないところですけれども、委員から御指摘のありました、我々は、例えば接触者を八割減らすというところで用いているというか使っている基本再生産数は、二・五という数値を使って、それで八割減らして〇・五にすると抑えられるというような形の数値を使ってございます。

#59
○岡本(充)委員 そうですね、二・五という数字を使って八割削減を求めてきたわけです。
 そろそろ、さまざまなウイルスの特性がわかってきているわけですから、この二・五が本当に正しいのかどうか、やはりもう少しクラスター対策をしてきた厚生労働省ならではの数字が出せるんじゃないかという意味で、大臣、ぜひ、今数字を出してくれというのは無理なんです。ただ、これからどういう性質だったのかというのを検証していく上で、この基本再生産数は日本なりにもう一回評価する必要があると思いますが、どうですか、大臣。

#60
○加藤国務大臣 それぞれの国が基本再生産数を幾らだとは多分決めていなくて、多分、それぞれのアカデミアを含めたそうした研究成果を活用させていただいているんだろうというふうに思います。
 そういった意味で、我々としても幅広く、最近でもさまざまな提言もありますから、そういった提言のベースにどういった数値を使っておられるのか、よく情報を収集していきたいと思っておりますし、また、専門家会議の先生方にも、今委員からそうした御指摘があったということ、それはお伝えさせていただきたいと思います。

#61
○岡本(充)委員 日本がさまざまな取組をする中で、日本ならではの研究ができる素材があるのではないかという意味で指摘をしているわけで、ぜひお願いをしたいと思います。
 それで、資料の二ページ目のところに、コロナウイルス感染症の発生状況について、厚生労働省が発表の方法を変えてきました。アフターの方で見ると、私どもの関心事でありました、入院の適用であるにもかかわらず入院できずに自宅待機をしている者の数が今わからなくなっていますし、また、もちろん、ホテルで待機している人、軽症だから自宅で待機している人、こういった人の数もわからなくなっています。
 現状の最新の数字を知りたいわけでありますが、今、全国で、感染症にかかっていることがわかっていながら自宅で待機している人、ホテルで待機している人がそれぞれ何人いて、その中には本来入院すべき症状であるけれども入院できていない人は何人いるのか。この三つの数字をお答えいただきたいと思います。

#62
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
 御質問のありました、自宅で療養されている方、あるいは宿泊で療養されている方の数値につきましては、今委員が資料の方でお示しいただきました資料とは別の形でホームページの方には出させていただいているかと思いますが、五月十三日の時点で、自宅療養者の数は六百四十五人、それから宿泊療養者の数は六百十一人となっております。
 そのうち、入院待機中の方がどのくらいかというのは、各都道府県からの御報告の中で、確認中であったり不明というような計上もございますので、網羅的に把握されているわけではございませんけれども、この御報告をいただいた時点の数字を申し上げますと、自宅での入院の待機者というのは百二人ということで、不明のところがあるのでプラスアルファになるかと思いますが、百二人、それから宿泊施設での入院待機者数はゼロ人というふうな報告をいただいております。

#63
○岡本(充)委員 では、重ねて聞くわけですけれども、ゼロ人だという宿泊施設において待機していたけれども、そこから入院が必要になって実際に入院した方、そして、場合によってはその後亡くなられた方はそれぞれ何人いらっしゃるんでしょうか。

#64
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
 そこまではちょっと御報告いただいておりませんので、把握してございません。

#65
○岡本(充)委員 つまり、ホテルや自宅からきちっと入院につながるのかというのが大きなテーマだったはずです。したがって、先ほどお話がありましたように、ホテルでは現状はゼロかもしれないけれども、ホテルで状態が悪くなって、宿泊施設から入院にしなきゃいけない方が一体どのくらいいて、そこがきちっとオペレーションできたのかどうかは検証する必要があると思います。ぜひその人数を把握して御報告いただきたいと思うわけでありますが、御報告いただけますでしょうか。

#66
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどの御質問で待機者数はということで、今把握している人数はゼロということで申し上げましたが、その後、今委員から御指摘がありました数字につきましては、重要でございますので、ちょっと精査させていただいて、御報告できるものをしっかり御報告させていただければというふうに思います。

#67
○岡本(充)委員 きのうの夕方に質問通告をしたので、それから全部調べるのはなかなか、全都道府県は難しいと私も正直思いますので、ここで絶対に今すぐ報告しろということでもないわけですけれども、やはりそれはきちっと把握する必要があるということを認識していただいたということでありますから、御報告をいただいて、どういうケースがあって、困難なケース、病院に入れなくて待機してしまう、そういう状況があったのかどうかはぜひ検証していただきたいと思います。
 コロナウイルス関連でもう一つ。更にめくっていただくと、国税庁にきょうは来ていただいています。コロナウイルスの例えば治療に当たる医療従事者、また介護の現場、緊張感を強いられて仕事をしている方もいらっしゃいます。また、スーパーマーケットのレジで仕事をされている方も、今回、緊急事態宣言の中、大変重要なお仕事をしていただいたと思います。こういった皆様方は、緊張感を伴う中、お仕事をされたわけで、経営者側から一時金のようなお金が出ることがあろうかと思います。
 これについて、国税庁においては、通達にもありますように、五月十五日付の通達で既に非課税だと。こういう通達をいただいている、相当額の範囲ということでありますけれども。これについて、どういう趣旨でこういうものができて、そして今現在は非課税だという私の発言が正しいということについて、国税庁の方から御答弁いただきたいと思います。

#68
○重藤政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、一般論として申し上げますと、企業が従業員に各種の手当などを支給する場合、その金銭は原則として給与所得として所得税の課税の対象になります。ただ、例外として、例えば香典とか見舞金といったようなもので従業員に支給する金銭につきましては、社会通念上相当の金額のものであれば所得税は課税しないというのがまず一般的な取扱いでございます。
 今回、新型コロナウイルスの関係で、この感染症が拡大する中、また、緊急事態宣言が出されているもとにおいて事業の継続を求められる企業の従業員で、感染する可能性が非常に高い業務に従事して心身に大きな負担がかかっている、そういった方に対して企業から支給される見舞金につきましては一定の要件を満たせば非課税所得として取り扱うという、従来の考え方に当てはめてもそういうことになるということを通達の形で明らかにしたものでございます。
 その場合に、実際に払われる見舞金につきましては、その見舞金が心身又は資産、この場合、主に想定されるのは心身ということになるかと思いますが、に加えられた損害につき支払いを受けるものである、また、支給額が社会通念上も相当である、それから、その見舞金が役務の対価たる性質を有しているものではない、こういった要件がありますが、そういったものを満たすものについては非課税として取り扱うということを明らかにしたものでございます。

#69
○岡本(充)委員 それを受けて、今、ちょうど四月から六月というのは社会保険料の標準報酬月額を決める定時決定の時期であります。ことしの九月から来年の八月までの社会保険料が決まる時期なんですね。この時期に一時金を受け取ると、もちろんいろいろな規定があって、もちろん随時に見直しもある。階級が二つずれれば見直しだということはわかりますが、今言った、例えば一万円、二万円、三万円といったような金額であれば、報酬の階級が二つもずれないことが想定される。
 そうすると一年間にわたって、もし報酬として認定されると、従業員がもし協会けんぽで厚生年金だとすると一四・三%ですかね、とにかく、合わせたお金を一年間払わなきゃいけなくなります。そういう意味で、ここはやはり配慮が必要なんじゃないかと思うんですけれども、年金局長にきょうは来てもらっていますので、御答弁いただきたいと思います。

#70
○高橋政府参考人 一般的な考え方でございますが、個別の会社の手当がどうかという点については一概にはお答えは難しいんですけれども、社会保険におきましては、名称のいかんを問わず、労働の対償として受け取るものは全て報酬に含まれるという規定がございます。規定の解釈につきましては、手当の支払いの目的、内容、支払いの態様などにおいて個別に判断する必要があると考えてございますけれども、今先生御指摘いただいたような、見舞金のような恩恵的な給付につきましては報酬に該当しない場合があると考えてございます。
 一般論として、危険手当ですとか特別な勤務手当など、労働に伴う負担増加に対する手当は労働の対償性がありまして報酬に該当すると考えられますが、見舞金について、税において示されたような、心身への損害について支払われるもの、役務の対価としての性質を有しないもの、支給額が社会通念上相当であることの三つの要件に該当するものとして、給与所得等でなく非課税所得として取り扱われるようなものは社会保険におきましても恩恵的な給付として報酬に該当しないというふうに一般的に解されるものと考えております。

#71
○岡本(充)委員 それを現場にしっかり周知していただけますか。ぜひ周知をお願いしますよ。はい、うなずいていただいたので。ぜひ、頑張っていただいた皆さんにしっかり報いるような制度にするべきだと思います。
 それでは、法律について問うていきたいと思います。
 まず、そもそもこの法律にはいろいろな問題意識を持っているんですが、今回新しく重層的支援体制整備事業というのが行われるんですが、この事業は一体どのくらいの市町村で行うことが見込まれるのか。かなり費用負担も発生するでしょうし、自治体はみずから財源を用意しなきゃいけないということになりますよね、全額国費じゃないわけですから。一体どのくらいの自治体がやることを想定しているか。そして、この法律で定めるところの重層的支援体制整備事業に類似の事業をやっている先行事例が全国にあるのか、それについて。
 あわせてお答えください。局長で結構です。

#72
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 先生から、まず、どの程度の自治体がこの重層的支援体制整備事業について手を挙げるのかという御質問をいただきましたけれども、現段階で確定的な数字を申し上げることはなかなか難しゅうございますけれども、二十九年改正以降、さまざまなモデル事業を例年続けてきておりまして、令和元年度でございますと二百八自治体が包括的な支援体制に係るモデル事業を実施していただいておりますので、そういったモデル事業をやっている自治体から令和三年度に向けましてこの事業に移行していただければ、今、現時点ではそういった思いでいるところでございます。

#73
○岡本(充)委員 法律で言うところの重層的支援体制整備事業と同事業をやっている自治体はないですよね。ない。今、モデル事業というのはさまざまなものであって、法律で言うところのまさにこうした体制をとっている、支援会議をつくってやっている、そういうところはないですよね。

#74
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 今回の法律で規定いたしております重層的支援体制整備事業でございますけれども、相談支援並びに町づくりの支援については一体的にやるというような概念でやっておりますけれども、特に相談事業につきましては、窓口を総合化しているような自治体は幾つかございますので、その点に関しては一切ないというわけではございませんけれども、ただ、国の支出がどうしても縦割りになっておりますので、補助金の配分については各自治体において非常に慎重にやっているというふうには承知しているところでございます。

#75
○岡本(充)委員 では、具体的に言ってください。本当にこの事業をやっているところがあるんですか。あるんなら言ってください。ないんでしょう。ないなら、ないと言ってください。

#76
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 済みません、先ほどの答弁が舌足らずだったかもしれませんけれども、法律に規定されたそのものをやっているというところはないということでございますけれども、それに至るまでのところの事業をやっているところはあるのではないかということで、先ほど答弁させていただきました。

#77
○岡本(充)委員 それは似たようなもの。相談事業をやっていない、いろいろなところの話を聞かない、そんな自治体はなくて、ほとんどの自治体は似たような事業をやっているんですよ。ただ、今回法律で定めた法定事項としてこういう事業をやりましょうと言っていることが本当にできるのか。
 もしこの事業に手挙げする自治体が少なかったときに、五年の見直しまでの途中でも何らか対応をとるべきじゃないかと思うんですけれども、それについてはいかがですか。

#78
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 この事業につきましては今まさに御審議をいただいておりまして、仮に通していただければ、この事業につきまして、自治体に対しまして、令和三年の施行に向けまして、新たな事業を適切かつ有効に実施するための指針や運用上の留意点を示すマニュアル等を自治体へお示しできるよう検討を進めているところでございまして、できるだけ多くの自治体に、令和三年度からやるところはそんなに多くないかもしれませんけれども、その後できるだけ手を挙げていただくように、国としても自治体に向けて働きかけていきたいというふうに考えております。

#79
○岡本(充)委員 今局長が言ったのは六条三項のところですね。だけれども、六条三項は手を挙げてくるところに対しての支援であって、手を挙げてこないところに対する支援をやはり考えるべきじゃないか。
 大臣、今の局長答弁はあれが限界だと思います。やはり、途中で進捗が悪いときには働きかけをしていく、アウトリーチじゃないですけれども、国の方からこういう事業をぜひやってくださいとやっていくべきじゃないか。そういう意味で、五年と言わず中間的に見直して、課題について整理して対策をとるべきじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。

#80
○加藤国務大臣 令和元年の十一月の社会保障審議会の福祉部会で、宮本部会長代理からも、最終的には必須事業にしていく必要がある、ただ、当面は任意事業でいろいろな試行錯誤を重ねて、どの自治体で行っても間違いのないフレームワークができ上がってから必須事業に移行していくという、一つの考え方も示されたというふうに思います。
 現状においても、四事業が全部の自治体でやられているわけでもありません。したがって、これからそうした選択肢がまずできるよ、そしてそれを我々としても積極的に支援をしていく。第六条は別に、手を挙げるんじゃなくて、適正かつ円滑に行われていくようということでありますから、手を挙げていないところも含めて、我々としては積極的な周知啓発をすることによって、こうした今回の新しい重層的な、統合的な事業も各自治体で積極的に行われていけるように努力をしていきたいというふうに思います。

#81
○岡本(充)委員 必須事業にしていくまでに、このままだと相当時間がかかるんですよ。やはり途中で何が課題なのかというのを見ていく必要があるということを私は指摘をしておきたいと思います。
 その上で、法律の中身ですけれども、守秘義務の書き方についてちょっと確認したいんです。
 ほかの法律がどういうふうに守秘義務をかけているかというのをいろいろ調べたんですけれども、社福法の今回新しくできる百六条の四の第五項ですか、例えば、前項の規定による委託を受けた者若しくはその役員若しくは職員又はこれらの者であった者は、正当な理由がないのに、その委託を受けた事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないと。事務なんですね。何でこれは事務なんだろう、事務以外のことは漏らしていいのかな。
 例えば、国家公務員法百条は、職務上知り得たこと。それから、刑法などでのいわゆる守秘義務なんかは、業務上取り扱ったことについてという、広く捉えてですが。厚生労働省の関係の法令にこの事務という表現が多いんです。例えば生活困窮者自立支援法ですか、これもそうです。
 なぜ事務ということに限定しているのか。ここにかかる守秘義務というのは、事務以外でも知り得たことについて全て広範にかかる守秘義務というふうに理解していいのか。局長に問います。

#82
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 今議員から御指摘いただきました、厚労省のこの法律改正及び生活困窮者の法案の中におきましても守秘義務に係ることにつきましては事務という表現をさせていただいておりますけれども、その事務の範囲につきましては、今議員御指摘のとおり、広く解釈していただいて結構でございます。

#83
○岡本(充)委員 なぜそういうふうになっているのかがちょっとよくわからないんです。厚生労働省の関連するところにこういった書き方が多くて、サイバーセキュリティーに関する法律に事務という言葉が出てくるんですけれども、なかなかほかの法律ではないということです。ただ、広く解釈するという法令上の解釈をしっかり周知をしてもらいたいということで、お願いしておきたいと思います。
 次は、社会福祉連携推進法人について確認します。代表理事を選べる、選任することになっていますが、この代表理事の選任、解任は一体誰がどういうふうにして行うということになっているのか、法令上、どこにどういうふうに定めるのか、確認したいと思います。

#84
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 まず、社会福祉連携推進法人のガバナンスでございますけれども、昨年十二月にまとめられました社会福祉法人の事業展開等に関する検討会報告書を踏まえまして、社会福祉法人と同様のガバナンスを確保する制度としております。
 ただ、具体的な法律上の規定方法でございますけれども、社会福祉連携推進法人が、社会福祉法人と異なりまして、一般社団法人を認定する仕組みでございますから、まずは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律が適用されます。適用されるものにつきましては、今回の改正法には盛り込んでございません。また、社会福祉法人並びで、社会福祉連携推進法人のみに適用される規定を社会福祉法に規定しております。
 したがいまして、議員御指摘の代表理事の選出でございますけれども、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第九十条の第二項第三号に基づきまして理事会が代表理事を選定することになるということでございます。

#85
○岡本(充)委員 ということであるとすると、法律にもはっきり書いています、この社会福祉連携法人は社会福祉事業ができないんです。したがって、連携をした結果として、この事業体自体をつくるメリットが、一般社団法人にどういうメリットが出てくるのか。ファイナンスの上でメリットが出るのか、それとも事業運営でメリットが出るのか。
 つまり、書いていますよ、どこかの法人に災害があったときにはこっちの法人が助けましょう、こういうことでやりくりしましょうというようなことは書いてありますけれども、しかし、実質的には、それぞれの法人がそれぞれに事業を営むことを継続していく中で連携することによってどういうメリットが出てきて、これをやることによって一般社団法人として法令上の効果がどう及ぶのか、それについてお答えいただきたいと思います。

#86
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 社会福祉連携推進法人制度でございますけれども、先ほど議員が御指摘になりましたように、福祉分野での専門性を有します社会福祉法人などがそれぞれの強みを生かしながら連携、協働するとともに経営基盤の強化を図ることができるよう、新たな連携方策として創設するものでございます。そのメリットは何ぞやということでございます。
 まず、御指摘になりましたけれども、地域共生社会の実現に資する業務の実施に向けた種別を超えた連携支援などの社会福祉連携推進業務を行うことができる、こうした業務にメリットを感じるところがまず参加されると思いますけれども、法令上のメリットにつきましては、例えば貸付けの話を御指摘いただきましたけれども、それ以外にも、社員が行う労働者の募集の委託については、一定の要件のもと、委託募集の特例を認めていたり、さらに、メンバーになった社員につきましては、社会福祉連携推進法人の社員であることを明示することも法令上のメリットになるというふうに認識しているところでございます。

#87
○岡本(充)委員 明示するのがメリットですかね。課題がいろいろあるんじゃないかと思います。これも本当に、それぞれの皆さんがメリットを感じてもらえる仕組みにする必要があると思います。
 もうちょっと聞きたいんですけれども、時間が来ていますから、また機会を見つけてやりたいと思います。
 最後に、介護福祉士の資格のあり方について。大臣、これはいろいろな議論があるとは思います。どっちから見るかでいろいろな考え方があると思いますけれども、やはり、介護現場で働く皆さん方の資質の向上だとか、もっと言えば働く皆さん方の目的意識を高めていくためにも、いつまでもこれをやっているのはまずい、そういう認識だけは、大臣、持っていただかなきゃいけないと思います。この猶予をずっと続けていくわけにはいかないんだ、そういう意識だけは持っているということを最後に大臣に確認をして、私の質問を終わりたいと思います。

#88
○加藤国務大臣 今回、この措置について更に延長させていただくことになりました。延長に当たっても、賛否両論、さまざまな御意見がありました。
 そうした中で、最終的に延長するという形で法案を提出させていただきましたけれども、本来は養成施設についても国家試験が義務化されている。これは本則でありますから、この本則がしっかり適用できていく環境をつくるべく、これまでも申し上げさせていただきましたけれども、そうした養成施設における教育内容の充実、あるいは養成校ごとの国家試験における対応状況の公表等々を通じて、この五年の中でしっかりそうした体制をつくって、本則に、五年後といいますか、適用期限が切れた段階では戻れる、こういう状況をしっかりつくっていきたいというふうに思います。

#89
○岡本(充)委員 終わります。

#90
○盛山委員長 次に、阿部知子君。

#91
○阿部委員 立国社の阿部知子です。
 本日は、この間大変お忙しい加藤厚生労働大臣に、ただいま出口戦略という言葉が使われ、緊急事態宣言から、いかに日常の、ある意味でコロナと共存と言ったらいいのか、そこにあるということを前提にした体制をつくっていくかということが問われている中でありますから、私は、ぜひ加藤厚労大臣にリーダーシップをもっと発揮していただきたい、その観点から本日は御質問をいたします。
 恐らく、私は参加できませんでしたが、昨日、医師の国会議員の皆さんが大臣のところに要望書を持っていかれたかなと思いますが、私が参加していないので確実ではありません。
 いずれにしろ、この間、日本医師会を中心に有識者会議というものが設けられまして、この日本医師会の有識者会議はタスクフォースというものを設けておりますが、COVID―19感染対策におけるPCR検査実態調査と利用推進タスクフォースというものがございます。五月の十三日付で中間報告も出ておりますが、加藤大臣はごらんになったことがあるか、御存じか、まずお願いいたします。

#92
○加藤国務大臣 まず、国会議員の皆さんの、たしか一昨日だったように記憶をしておりますけれども、お話をいただきました。
 済みません、いろいろな要請をいただいているので一個一個つぶさに記憶はしておりませんが、いただいた要請にはできる限り目を通すようにはしております。

#93
○阿部委員 私も日にちがずれるくらいですから、もっとお忙しい大臣にあってはさもありなんと思いますが、私は、この間のコロナ感染症対策において、やはり基本は検査と医療体制だと思います。それをますます、この緊急事態の出口と言われるものに当たって日常的に何を準備しておくかということで、ぜひ大臣のお心に強くとめていただきまして、この医師たちの提言というものも見ていただきたい。
 特に、私が今御紹介いたしましたのは、検査体制、実態がどうなっているか、これを進めるためのタスクフォースをつくれ、そういうヘッドクオーターがないために日本は入り口から出口まで検査の体制が一貫して不備であるという指摘でございます。
 私たちも現場でそう思いますし、例えば、今、大臣御存じかと思いますが、諸外国の中には入国時に既にPCRで陰性証明を求めているところもございます。我が国にあっては、検査をどこまで拡大するかとか、極めておくれた議論をしていると思います。そのこと一つをとっても国際化に間に合わない。私は大変懸念をしておりますし、単に間に合わないだけではなくて、患者さんの人命、人権、これを守れないと思いますので、重ねて大臣にはこのタスクフォースの中間報告をお読みをいただいて、やはり大臣が動かなければ事は成りません。
 きょう、実は、午後、専門家会議の皆さんに予算委員会でヒアリングをするという予定がございます。事は専門家会議にとどまらず、政治のヘッドクオーターの問題なんだと思います。政治が何をこの問題で解決の第一と考えるかというところが一貫して不鮮明でありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、入院時の検査については、このタスクフォースのまとめにおいても、入院時のスクリーニングが効果的に行われないことにより院内感染が拡大していると端的に指摘をしてございます。果たして、今、入院時、医師が必要とする検査は保険適用で行えるという通達もございますが、新規の入院について、医師が必要と認める全例について保険適用ができるのか。医師が必要と認める全例について。これをスクリーニングと申しますが、いかがでしょう、大臣。

#94
○加藤国務大臣 よくわからないんですが、医師が必要と認める全員というのは、医師は目の前にいる患者さんについて判断するんだと思うので、医師の認める全員という意味がにわかにわかりませんが、医師が認められる分については、医師が必要と認められる全ての患者さんに対するPCRは保険適用でやれるということでございます。
 それから、先日、全国医学部長病院長会議の皆さん方から、PCRはやれるといってもDPCの中に入っちゃっていて、経費がその方が陽性であればDPCの疾患とは別になりますから、要は、検査自体は別項目で保険請求できるんだけれども、陰性だとDPCの中でやったことになるので、その分が別途もらえない、結果的に持ち出しになる、こういうお話があったので、そこはちょっと今切り分けて、PCR検査そのものが陰性であったとしても別建てにできるようにしていきたい。ただ、これは何か申請の手続みたいなものがいろいろあるみたいなので、その課題は別途解決しなきゃいけませんが、そういう方向で今対処しているということでございます。

#95
○阿部委員 スクリーニングとして検査ができるのかと聞くと、必ず厚生労働省は言を左右に、言葉を濁すわけです。
 私たちは、今大臣がおっしゃったように、ほとんどの大学病院等では入院時に新規の入院の患者さんそして出産の患者さんにPCRを行います。おっしゃったように、DPCに入っていないから費用の問題も起きてきているのも事実です。例えば、慶応病院では、先般、ここは永寿病院から来た患者さんで院内クラスターが起こったということも踏まえまして、たとえ自覚症状が入院時になくても全員に、手術や入院や出産の患者さんについては病院がPCRをやるということで、しかし、これは自費でございます。著しい負担をかけます。また、自分のところでできないところもあります。
 今の大臣の御答弁は、今おっしゃったようなDPCの仕切りができた場合に、さかのぼって、この慶応病院等々で行われていたPCRは入院患者全員、手術の患者全員、妊婦さん全員に適用されますか。いかがですか。

#96
○加藤国務大臣 事務的な話なので、本来は局長から答弁した方が正確だと思いますが、基本的な考え方だけを申し上げれば、保険適用ということで、これは保険適用にしたのではなくてもともとそうだったということを確認をしたわけでありますから、それを前提に事務処理がなされるべきものというふうに思います。

#97
○阿部委員 ぜひそれを前提にやっていただきたいと思います、病院機能が立ち行かなくなりますので。
 引き続いて、今お尋ねいたしました分娩時のPCR検査について伺います。
 これは、公明党の高木議員も前回の御質疑で、私も準備いたしましたが、きょうに送らせていただいてお伺いをいたします。
 大臣には既に御承知のように、妊産婦さんの健診においては、前期の検査の項目に、HIVや、B型、C型肝炎、あるいは梅毒のワッセルマン検査など、ルーチンに検査しなければならないものというか、地財措置で、財政措置も含めて検査が組み込まれております。この中に、後期、三十八週内外でよいと思います、ぜひPCR検査を組み込んでいただきたいが、どうでしょうか。

#98
○渡辺政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のございました妊婦健診というのは、そもそも母子保健法に基づく地域保健という枠組みでやっておりまして、母親あるいは子供の健康の保持増進を図るということを目的としております。
 その中で、今御指摘のありましたB型肝炎ですとかHIV、梅毒など幾つかの感染症も検査の対象としてございますが、これらの感染症はいずれも、胎児等へのいわゆる母子感染、健康影響に関するエビデンスが明確であって、かつ標準的な感染防止策が確立している、こういう位置づけで検査対象としているものでございます。
 一方で、新型コロナウイルス感染症につきましては、今申し上げたようなエビデンスの確立、あるいは標準的な感染防止策についてもまだ確立されていないという状況でございますので、現行の妊婦健診の枠組みの趣旨に鑑みますと、今の枠組みの中に新型コロナウイルスのPCR検査等を対象とするというのはなかなか難しいのではないかというふうに考えております。

#99
○阿部委員 そういうとろいことを言っているから、失礼な言い方ですが、本当に妊婦さんは守られないんですよ。
 確かに母子感染の予防のためでもあります、エイズも、B型、C型も。同時に、そこに介助する、働く皆さんの問題でもあるんですよ。今おっしゃったように、妊産婦健診のルーチンには入れられない、子供には影響がないかもしれないから。確かにコロナが血液感染したということは聞きません。それはそうです。しかし、その一方で、PCRが行われないためにどんなリスクをお産の現場が背負っているかを全く意識していない答弁だと思います。
 そもそも、皆さんがまとめた、私の資料の五枚目になりましょうか、これは、新型コロナ感染症対策の基本的対処方針という中に赤線を引きましたが、発症前二日の者や無症候の者からの感染の可能性が指摘され、激しい呼気や大きな声を伴う運動についても感染リスクがあると。
 お産の現場を考えてください。激しい呼気ですよ。時に声を出すこともあるでしょう。ここに言っているとおりじゃないですか。もっと言えば三密ですよ。助産師さんあるいは医師が密接にそこにかかわってお産を完遂するわけですよ、取り上げるわけですよ。なぜこれが今言ったようなしらっとした答弁にしかならないのか。妊産婦健診に入れないんだったら、ほかに検討しているんですか。そういう一つ一つに国民を守るメッセージがないんですよ。少子化大綱を幾らつくろうと、守れなければ意味がない。
 大臣、どうですか。そもそも、PCR検査をしていないからと入院でたらい回しになったりした人もあるわけです、緊急、駆け込みでは。それはあるでしょう、介助者だって心配ですから。しかし、現実にどう対応していくのかが政治であり、そのための厚生労働行政であります。
 大臣はこの前、いろいろな団体にお聞きになっているとおっしゃいました。私は、例えば妊産婦健診でやったらどうですかと。そうしたら、子供にうつらないから対象外だと。じゃ、ほかの手でどうですか。介助者だって大変なんです。うつらないなんてことは言っていられない、そうするとお産が遠ざけられちゃう、この実態についてどう思いますか、大臣。

#100
○加藤国務大臣 今の局長の答弁は、委員から妊産婦健診ということがあったので、そのフレームワークで入れることはなかなか難しいのではないかという趣旨の答弁であります。
 妊産婦向けのPCR検査について議論していないわけではなくて、ただ、PCR検査は、委員御承知のように保険という位置づけというのはなかなか難しいわけでありますけれども、このPCR検査というものをどう受けられるようにしていくのか、そして、それだけではなくて、例えば陽性判定された方でも安心して分娩できる周産期体制をどうするのか、あるいは、一時期は生まれた赤ちゃんに対する感染防止から離されるわけですから、やはりそこの心理的な不安をどうサポートするのか、それらも含めたトータルとしての支援事業ということを、今、中で議論をさせていただいております。
 それに対して我々は全く関心がないわけではなく、そこはむしろ委員と同じで、これは対処すべきだと。そのときに一番いいやり方は何なのかということについて、関係者の意見も聞きながら、補正の中でしっかりと体制固めをさせていただきたいというふうに思います。

#101
○阿部委員 前向きな御答弁をありがとうございます。
 先ほど私が御紹介した、PCR検査実態調査と利用推進タスクフォースの中でも繰り返し触れられております。もちろん、PCRを公費でやっていただいて結構です。お産が保険適用外だから、今、実は先ほど申し上げましたような妊産婦健診のスタイルをとっているだけで、何でやっていただいても結構です。妊婦さんの安全と介助者の安全、安心が確保できればそれで結構です。
 そして、今、ただでも子供の生まれる数が減っておるわけです、大臣も御存じのように。そして、このコロナ問題がやってまいりました。ぜひとも、ここは一刻も早くです。これも私は実は何カ月も前から取り上げて、お尋ねをする機会を待っておりました。遅くなればなるほどお産の不安は高まります。
 あと、大臣がお答えいただきましたが、今は、PCRがプラスだと全例が帝王切開になっております。しかし、本当に帝切が必要なのか。血液を介さないものだったらそうではないんだろうと思います。どんな取り上げ方がいいのかも、ぜひ、母子のために、あるいは介助者のために御検討いただきたい。よろしくお願いします。うなずいていただきましたので、御理解いただいたと思います。
 次に、今、コロナ感染症は、我が国は全体の死者数が少ないと言われながらも、じわりじわりと死者の数は上がってきております。その大きな原因が医療や介護でのクラスターにあるということは大臣も既に御承知かと思います。クラスター班のおまとめによると、クラスター発生が二百五十三で、医療機関が八十六、いわゆる介護、福祉施設、あるいは障害者、児童施設などが五十九件ということで、医療施設に次ぐ、御高齢者の施設や障害者の施設でのクラスターの発生でございます。
 私は、きょうは、特に老人保健施設について取り上げさせていただきます。
 実は、この間、千葉で三十七名の死亡者数、ちょっとさかのぼりますが、そのうち十七名が老人保健施設の入所者であったという事案が起こりました。また、目下です、ただいま現在、札幌の老健で、入所者と職員の八十一人が感染という事態が起きております。このうち、入所者は六十四人が感染。老人保健施設ごと、丸ごと感染しているような事態が起きております。
 何でこうなっているのか。このことについて、私はぜひ大臣に是正していただきたいものがございます。
 実は、老人保健施設は、余り知られておりませんかもしれませんが、リハビリのための中間施設で、病院から在宅の間を、リハビリをしていただく。医師は百人の入所者にほぼ一人という状態ですが、医師がいるということにはなっておりますが、果たしてここで重症者が治療できるかというと、全くそうではありません。
 にもかかわらず、大臣、資料の後ろから二枚目をあけていただきたいと思います。老人保健施設から保健所に患者発生の連絡が行くと、上の方の段です、これは老人保健施設がおまとめですが、保健所等からは、老健施設には医師がいるのでそのまま入所させておいてくれということになります。そして、札幌では今六十四人とか、みんなかかってしまいました。
 じゃ、本当はどうあるべきかということで、要望書も提出されておりますが、高齢者や基礎疾患を有する者等である場合は原則入院。これは厚労省の通達にもあります、原則入院。そして、感染が判明したら優先的かつ速やかに、ハイリスク群ですから病院へ入院させていただきたい。ところが、保健所指導のこの返事は、恐らく厚労省の通達を見てこうなっているんだと思いますが、医師がいるのでそのまま診てほしいと。
 じゃ、厚労省の出している通達はどんなものなのというので、一枚お戻りいただきまして、ここには、高齢者は原則入院することになるとなっておりますが、ただし書きがついております。ただし、入院調整までの一時的な期間について都道府県の指示により介護老人保健施設等で入所継続を行うことがあると。
 保健所にしてみれば、たくさん発生した患者さんをどこにどう受け取っていただくのかの調整の中で、とりあえずお医者さんがいるんだったらそこにいてくださいというようなことが私はこのただし書きによって生じているのではないかと思います。保健所が意図してそうしているというよりも、こうただし書きがつけられれば、現状、ベッド体制がなければそのようになっていきますが、大臣、このただし書きは極めて誤解を生みやすい。三十七度五分と一緒です。
 こういうことで何人も亡くなられていっている、このことについて是正していただきたい、ただし書きを削っていただきたい。きちんとハイリスク群は病院で治療を受けるべきです。いかがでしょう。

#102
○加藤国務大臣 いや、削っても、実際何が起きていたかというと、東京都の例を見ても、自宅療養が意図せざる形で起きていたんですよね。ですから、もちろんしっかりした医療提供体制をつくっていくということは当然でありますけれども、ここで言っているのは、仮にそういった場合においても一日も早くその状況を解消すべく努力してほしい、そういった趣旨でつくっているということでありますので、多分、これを抜いたから答えが出てくるということではないんじゃないのかなというふうに私は思います。
 委員御懸念の点もありますので、要するに、例えば、余力があるにもかかわらず、引き続き入院をしている、これはもちろん入所者の希望とかいろいろなことがありますので一概には言えないと思いますが、そういった状況であれば、しっかり入院して、これは原則に戻っていただかなきゃいけないわけでありますから、そういった点も含めて状況をしっかり把握をしながら、基本的には原則として入院、まさに原則に従って対応してもらえるように、更に我々としても保健所等とよく連携をしていきたいと思います。

#103
○阿部委員 大臣が今御指摘されたように、根本原因は医療側の受皿がないということに起因しています。千葉の老人保健施設で大量に亡くなったのもそうです。今、札幌で起きていることもそうです。
 実は、この間、私は病院の体制整備を何度もお尋ねしてきましたが、圧倒的にこうやってハイリスクの方が亡くなっていっている。大臣は永寿病院という病院での感染の拡大を御存じかと思いますが、永寿病院でどういう患者さんが亡くなっていかれたか。
 実は、永寿病院の亡くなられた患者さんの集計を最後におつけしてあります。ここでは、陽性の方は職員も含めて百三十一人出て、そのうち入院患者さんが百九人、そのうち四十二人がこの病院でお亡くなりであります。この亡くなった四十二人の内訳を見ていくと、実は、最初はもちろんコロナに感染していないのです。血液疾患の基礎疾患を持っている方が何と二十二人もここで亡くなっているんです。本来、この方は感染していないんだから、早くによそに移してさしあげれば命は助かったと思います。こうやっていつまでもとめ置かれることによって感染が拡大していく、これは永寿病院の例でも老人保健施設でも一緒です。
 そこで、大臣には御提案があります。
 私は、これまでコロナの患者さんの受入先を、例えば、中等症を中心に、重症、軽症を分けてそのシステムをつくってくれと申し上げました。もう一つ必要なものがあります。感染が発生した病院で転院できない患者さんがたくさんおられて、それが結果的に感染して亡くなっている。この事態は、医療提供体制総体を見て、どのような患者さんをどこに移してさしあげられるか、ここに本当に力を入れていただかないと犠牲は後を絶ちません。これこそ厚生労働行政であります。各自治体としっかりとタッグを組んで、二度と再びこういう不幸な犠牲者が起きないように御尽力いただきたいが、いかがでしょう。

#104
○加藤国務大臣 永寿総合病院、私も現地に行ったことがないのでつまびらかに承知しているわけではありませんけれども、地域の中核病院という位置づけで、今言われた血液の疾患のある患者さんもある意味では専門といいますか、そういったことも含めた専門性のある病院だというふうに承知をしております。
 クラスター班が永寿総合病院に入って、支援報告書、これは病院とも一緒に出しているんだと思いますけれども、これを読ませていただきますと、三月三十日時点では、複数の病棟にPCR陽性患者と陰性患者が混在している状態であり、病棟内での隔離が行われているものの、感染対策上ウイルス伝播のリスクが高い状態と考えられた、そこで、病棟単位で分けるコホーティングを行う方針とし、徐々に移動を進めるとともにゾーニングを明確にする対策を行った。
 ちょっとフラットに書いてはありますけれども、多分ここに反省すべき点があるんだろうと思います。そういった意味で、病院の中で対応できる病院と、それから病院の中では対応できない病院が多分あるんだろうと思います。これまでもかなり高機能の病院においても発生をしていたわけでありますけれども、そういったところで、違うところに移すというよりも、それはやはりそういった病院で対応していただかなきゃいけない部分もあるんだろうと思いますから。
 ただ、委員がおっしゃったように、例えば、どちらかというと高齢者が非常に多い、療養型に等しい病院であれば、こうした感染症が発生すれば違う病院でしっかり対応しなきゃいけない、そういった状況状況を踏まえながら、そういった可能性も念頭に置いた医療提供体制といいますか受入れ体制についても、これまでのさまざまな経験、反省すべきところは反省をしながら考えていかなきゃいけないなというふうに思います。

#105
○阿部委員 ですから、当然、そういう中で、公立病院改革とか公的病院改革で削減している場合ではない、このことも申し伝えます。むしろ、もっと機能的に機動的に患者さんの転院やお互いの協力ということをつくっていく時代です。
 最後にお伺いいたします。
 先ほど岡本議員も御質問でありましたが、今回の本来の法案改正の中で、いわゆる介護福祉士について、養成学校卒業者について、その後試験に落ちたとしても五年間等々は准介護福祉士という名目がもともとあって、実質令和九年からスタートするということですが、これはあらゆる意味で問題が大きいです。一つは、介護福祉士が国家資格であるという重要な意味をないがしろにしている。それから、准介護福祉士という方がいわば一段下の者とみなされる差別ということもございます。
 大臣に伺いたいですが、この平成十九年の養成学校を出て国家試験を受けるという措置は、そもそもフィリピンとのEPAの協約がその前の平成十八年にあったために暫定措置として設けられたものだと思います。その後、幾多の改正を重ねて延期、延期、延期となっていますが、もともとを考えれば、フィリピンのEPAで入っている方の処遇をめぐってフィリピンとお約束したこと、来るときには試験を受けなくていいと言ったのに今度は試験を受けなくちゃとなることに対しての、私はそこの溝を埋めるためだけのものだったと思います。いつの間にか、介護の人手が足りない、外国人の人が介護資格で入ってきて、その方たちもどうなろうか、どんどん変遷をしております。
 そもそも、根幹になったフィリピンとのその後のお話合いはどうなっているのでしょう。これを示してくれと事務方に申しましたが、これは私たち国会議員に知らせることができない、そのようなものだと言われました。だったら、この法案は審議できません。どんな取決めをどんなふうにお話しされてきたのですか、つまびらかにしていただきたい、大臣に。

#106
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 議員御指摘のとおり、准介護福祉士がそもそも創設されましたのは、フィリピンとのEPAの締結が進められていたこととの整合性を確保する観点から設けられたものということでございます。
 この准介護福祉士につきましては、前回の二十八年の社会福祉法の改正の際にも衆議院、参議院で附帯決議をつけていただきまして、例えば参議院では、准介護福祉士の名称とか位置づけを含む制度のあり方について介護福祉士への統一化を含めた検討を速やかに行いなさい、早急にフィリピン側と協議を行う等の附帯決議をつけていただいているところでございます。
 これを踏まえまして、当然、我々としては、今までも、介護に関する外国人労働の枠組みがどんどん変わっている中でフィリピン政府との協議をしておりますけれども、現段階ではまだ結論を得られていないというような状況でございます。

#107
○阿部委員 私は協議の内容を教えてほしいと申し上げたんです。そうやっていつまでも結論がない、何をしたかも明示しない、そんなことでこの法案を審議はできません。
 委員長にお願いがあります。
 理事会に、このフィリピンとの協議の内容についてきちんと提示していただきたい。そんなものも見せられないで、また延長だ、延長だなどは到底納得できません。大臣、お手が挙がりましたので。

#108
○加藤国務大臣 御指名いただきましたので、ありがとうございます。
 これは、委員御承知のように、フィリピンとのEPA交渉全体の中の話なんですね。したがって、これを交渉するときは、EPA全体のものをどうするか、こういう話につながってくるので、この点だけ交渉するというほど外交交渉は決して容易なものではないことは十分御承知だと。したがって、トータルとしてのこちら側の戦略もあるし、向こう側の戦略もあって、そういったやりとりの中での議論ということですから、なかなか内容についてはお示しすることは難しいということはぜひ御承知をいただきたいと思います。
 ただ、今般の国家試験義務づけの経過措置に関する福祉部会の議論においても、准介護福祉士の位置づけは十分に考えるべきではないか、考え直すべきだという趣旨だと思います、また、制度そのものについては反対である、こういった意見もいただいておりますので、こういった意見も踏まえながら、引き続き我々の方として対応を考えていきたいというふうに思います。

#109
○阿部委員 私は全部を示せと申したわけではありません。しかし、この審議の前提として必要です。
 委員長、お願いいたします。
 理事会でお取上げいただきまして、もし公で聞けないんだったら理事会で聞いていただいて結構です。そうでなければ、大体、平成二十三年から、EPAでフィリピンからはこの養成校コースの方はおられません。だのに、いつまでもそこに、どんな話をしているのかわからない、白紙委任せよということはできません、立法府として。ぜひ理事会で協議してください。お願いいたします。

#110
○盛山委員長 後日、理事会で協議いたします。
 次に、中島克仁君。

#111
○中島委員 立国社の中島克仁です。
 時間をいただきましたので、質問させていただきます。
 まず、おわび申し上げますが、私、ちょっと持ち時間を勘違いしておりまして、十五分長いのかと思って、かなり多く通告をしてありまして、おわびを申し上げたいと思います。積み残した質問に対しては、また後日質問させていただきたいと思います。
 先週、十二日の火曜日に本会議でも質問させていただきました。政府提出の社会福祉法等改正案、地域共生社会の実現ということ、介護サービスの提供体制、認知症対策、新たな事業の創設ともろもろの内容となっておりますが、本会議でも指摘をさせていただきましたように、今回の新型コロナウイルス感染症によって、地域の介護・障害福祉、ただでさえ脆弱なその基盤が危機的状況にある、そのような状況を徹底的に調査して分析し、その基盤が崩壊しないことを大優先にするべきだということを改めて強く指摘をさせていただきたいと思います。
 その上で、まず大臣にお尋ねをいたしますが、今般の新型コロナウイルス感染症によって介護・障害福祉の現場にどういった影響が出ていると認識されておるのか。介護・障害福祉現場の実態把握が十分にできていると考えておられるのかも含めて、お尋ねをしたいと思います。

#112
○加藤国務大臣 先ほど阿部委員との質疑でもお話がありましたけれども、最近の感染症の実態を見ると、医療施設、そして高齢者施設を含む福祉施設、ここにおけるクラスター発生が大半と言ってもいい状況でありますから、言い方をかえれば、こうしたところの感染防止、これをしっかりやるということが今喫緊の課題になっているというふうに思います。
 そういった意味で、今、福祉を中心としたお話でありましたので、我々としても、これまでも、それぞれの事務所における感染防止についてはたび重ねて申し上げ、そして、感染が残念ながら発生した場合には、場合によってはクラスター班のメンバー等も派遣をしながら、早期に、感染が拡大しないような形で、あるいはそうしたところでの入所者の搬送等についてもそれぞれできる支援をさせていただきました。
 また他方で、やはり、そうしたところで働いている方々も、日々そうした感染のリスクを感じながら、また、実際に感染が発生するとより一層それが顕在化していくわけでありますから、そうした強いプレッシャーの中で頑張っていただいている、そういう状況もあります。そうしたトータルのことを考えながら、一方で、これはいわゆるエッセンシャルな、大変大事なサービスであります。感染症が拡大しているからといって自粛を要請するような対象ではなくて、むしろそうした中においてもしっかりと提供していただかなきゃならない、そうしたサービスでもあります。
 そうしたことも踏まえて、また引き続き、感染症が終わっても引き続きこのサービスが継続していただける、まさに経営の問題もいろいろ指摘をされておりますから、そうしたさまざまな問題も含めて対応を考えていかなきゃいけないということで、今回の二次補正も含めて、中でも引き続きそうした対応がとれるように努力をしていきたいと思っております。
    〔委員長退席、冨岡委員長代理着席〕

#113
○中島委員 先ほど阿部先生からも老健での、現在進行形で、札幌の茨戸アカシアハイツですか、私も、中に入っている看護師さんと連絡を連日とり合って状況を把握しようとしております。今大臣はもろもろおっしゃいましたが、ヨーロッパ、北米もそうですけれども、諸外国の介護施設でお亡くなりになる方の数が非常に高いことが報告されているわけです。その対策をとる上で、本当に今現在の実態が把握されておるかどうか、私はまだまだ十分できていないんじゃないかと。
 あくまでも現場の実際の声ですが、介護・障害福祉現場は後回しにされていると。実際に現場で、先ほど従事者の方のお話にも触れられましたが、そのような声が実際にある。
 富山県の富山リハビリテーションホームでは五十人以上が感染、群馬の藤和の苑でも家族を含めて六十人以上が感染、障害福祉施設においては、千葉県船橋市の北総育成園で確認がされた、そしてクラスター化した状況。先ほども申し上げましたが、今現在も、茨戸アカシアハイツで入所者の六割以上が感染し、八人が死亡しておる。こういった介護・障害福祉施設での新型コロナウイルス。
 今、市中感染の蔓延に関しては減少傾向にある。一方で、介護・障害福祉施設は、本会議でも申し上げましたが、現場で働いている方々が、私も三月まで普通に外来をやっておりましたが、ハイリスクな方に私自身、従事者自身が感染源になって感染させてしまうんじゃないか、そのような恐怖の中で日ごろ仕事をしておると。
 私も十二日の火曜日に質問したんですが、今回の新型コロナウイルス感染症によって介護施設でお亡くなりになった方の割合、また、介護施設で感染が確認され、その後病院で亡くなった方の数も含めて、私は火曜日の本会議で質問させていただいたわけですが、総理に答弁いただき、十二日の時点では、現在把握を行っているところだが、自治体からの報告体制に限界があって、その総数や割合について現在明確に述べることは困難というお答えをいただきました。
 その二日後の木曜日に、共同通信が独自の調査で、介護施設で亡くなった方の割合は一四%と。そして、先週の金曜日、川内議員、また西村議員の同じ質問に対して、全国四十施設中二十四施設での報告から、介護施設での感染者は四百四十六人、うち介護施設で亡くなった方は三十九人と厚労省から答弁されているわけです。
 その数字ですね。厚労省が把握している三十九人という割合は、全死亡のうち恐らく五、六%。共同通信の介護施設で亡くなった方の割合は一四%ということになると思います。これは政府、厚労省にまずお聞きしますが、全死亡のうちの介護施設で亡くなった方の割合、また、介護施設で感染が確認され、その後病院でお亡くなりになった方の数は把握されておりますか。
    〔冨岡委員長代理退席、委員長着席〕

#114
○大島政府参考人 昨日時点でございますが、集団感染があった事案で、自治体又は施設が公表している事案で厚労省が把握しているものにつきまして集計しますと、昨日時点で施設内でお亡くなりになった数は少なくとも二十三人であると承知しております。
 また、施設ではなく病院とお尋ねがありましたが、必ずしもそうでない方が病院で亡くなられたかどうかがわからないんですけれども、いわば高齢者福祉施設の入所者で亡くなられた方の数というのは、同様に自治体又は施設が公表している事案で厚労省も把握できているものがございまして、それを集計すると少なくとも六十一名というふうになります。先ほどの二十三名を引きますと最大で三十八ということになりますが、ほとんどは病院であろうかと思いますが、病院で亡くなられたかどうかまでは確認しておりません。

#115
○中島委員 今のは、介護施設で最後はお亡くなりになった方の数が足し引きで三十八、三十九ということでよろしいですか。

#116
○大島政府参考人 施設内で亡くなられた方は少なくとも二十三です。施設に関連して亡くなられた方が六十一。六十一のうち施設内が二十三ということですので、六十一から二十三を引きますと三十八になります。ですので、恐らくこの三十八名の方が病院で亡くなられた方であろうかとは思われます。

#117
○中島委員 各自治体の報告体制、公表されていない部分もあるということで未確定だということだと思いますが、一方で、共同通信の調査結果では、七十九人が介護施設でお亡くなりになっていると。全体の一四%という数字です。
 大臣にお尋ねいたします。厚生労働省に現在把握している数を今お答えいただきましたが、一方で共同通信の介護施設で亡くなった割合、一四%、この数字を大臣としてどのように評価して認識されているのか、お尋ねをしたいと思います。

#118
○加藤国務大臣 数字的には今局長からも答弁をさせていただいたので、共同通信の報道そのものの数字についてはコメントはちょっと控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしても、そうした実態をよく把握しながら、また、それぞれの施設で亡くなられた方のそれぞれの事情、こういったことも我々はしっかり把握していく必要があるというふうに思っております。

#119
○中島委員 資料の一枚目の共同通信の記事ですね、「介護施設 死者全体の一四%」。この記事を読んでいくと、先ほどの阿部委員からの老健が圧倒的に多いわけですが、一時的に宿泊する場所、ショートステイの利用者が百六十四人も感染、そのうち九人が亡くなっていると。この詳細を、今、先ほど政府からもお答えいただいた、施設、ショートステイで亡くなったのか、あるいは病院に行ってから亡くなったのか、こういった現状を詳細に私は調べる必要があると思うんです。ほんの一週間前には全くお答えいただけなかったのが、その後の共同通信の発表、先週の金曜日、そしてきょうと。
 私、先ほど諸外国の例にも触れましたが、イギリスでは四月二十九日まで、いわゆる介護施設また御自宅も含めた新型ウイルスで亡くなった人の数は全体数に入っていなかった、四千四百人が追加になった。米国でも一万一千人以上が介護施設で亡くなっておる。スペインに関しては五七%が介護施設で亡くなっておる。
 初めて国内での感染が確認されてから四カ月がたち、最も重症化、また死亡率が高いと言われている介護施設でのケア、最も警戒しなきゃいけない部分に関して、私は、やはり、今現在進行形の札幌の施設では大変な状況だと思いますよ。そういった状況を、今後、市中感染は今はおさまっているところでありますが、引き続きこれは最大の警戒をしなきゃいけない部分だと思います。
 加えて、この数字は、私は大変高い数字だなと思っています。
 なぜなら、先ほど阿部委員との質疑もございましたが、我が国の感染対策の基本は、重篤化また死亡者を減らす、ふやさない、そしてピークをおくらせるという対策。原則は入院です。しかも、高齢者、基礎疾患を持つ方は大原則として入院という対策をとってきた一方で、共同通信の調査結果が一四%ということであれば、これは大変高い数字だ。
 それは、ヨーロッパ各国の数字に比べればということはあるかもしれませんが、そういった意味からいって、先ほどお答えいただいた数字、最終的に介護施設で亡くなった方が、原則入院という大方針のもとで、どういった経緯で、どういった状況で最後は施設でお亡くなりになったのか、御説明をいただきたいと思います。

#120
○大島政府参考人 委員も御指摘されていますが、高齢者は原則入院という原則であります。したがいまして、ごく一部、例外的に老健で引き続き感染者がいらっしゃる場合もありますが、今、多くの場合は実際に入院していただいている、そんな状況にございます。
 したがいまして、そういうもとで、日本の施設の中での死亡者の率というのは欧米に比べますと少なくなっている。やはり、入院がちゃんと確保できているということ、それと、施設の現場の方々が予防を相当一生懸命やっていらっしゃるということにも少し目を向けておく必要があるかと思います。
 それで、今お尋ねの点でございますけれども、感染した入所者の方々が例外的に施設内にとどまっているというケース、これは極めて少ないわけですけれども、その要因は、やはり、地域の病床の逼迫ということで入院までに調整を要しているということ、それともう一つは、御家族の御意向ということもあり得るものでございます。そういったことでとどまって亡くなられたということでございまして、個別のケースにつきましても引き続き把握に努めたいと思います。

#121
○中島委員 経緯については、恐らく、各自治体、私の知っている施設でもそうですが、万が一、老健もそうですけれども、特別養護老人ホーム等々で利用者に感染が確認された場合の事前の申合せみたいなのはされていると思います。
 今も少し触れられましたが、一つ目は、入所者、利用者の生活支援も同時にしなきゃいけないということ。いわゆる認知症の方に感染が確認された、病院に行っても対応がなかなか難しいだろう、個室がある施設においては、感染対策をして施設でという意味が一つ。もう一点は、今、地域の医療体制というお話がありましたが、当然ながら、今も茨戸アカシアハイツではたくさんの方の感染が確認されていて、その方々が一遍に入院するとあっという間に病床が埋まってしまう、いわゆる医療崩壊との関係性。こういった問題が地域地域ごとに起こっている。
 でも、一方で、介護従事者は、先ほどの介護・障害福祉が後回しにされているという声は、働いているスタッフはそういうことを想定していないわけですよ。感染症の、もしかしたら重篤化している利用者さんが最終的に介護施設で亡くなる、そういったケアをもともと想定していない介護スタッフが、もちろんDMATが入ったり行政が入ったりクラスター班が入ったりして対応はしているでしょうが、その緊張感の中でお亡くなりになる人がいる。
 こういう実態を、先ほどは今わかっている範囲でお答えいただきましたが、例えば、今、茨戸で起こっていることを、一体何がよくて何が大変な状況に陥っている要因なのか、こういったことを、これからまだまだ最も警戒しなきゃいけない介護施設では十分に対策を練らなきゃいけないわけです。
 そういった観点から、介護施設でどのような状況でお亡くなりになっているのか、私は正直、それをつぶさに警戒して調査して厚生労働省が知っておるかといえば、正直そういう姿勢は見えないと私は思います。もちろん、それ以外のことでも大変な思いをされておりますが、少なくとも今後、介護・障害福祉施設はそういった状況が今後も続くということでありますから、しっかりとその辺について早急に調査をして、介護・障害福祉施設、警戒すべき施設の今後の対策に何がよくて何が間違っていたのかということを反映させていただきたいというふうに思います。
 そんな状況の中で、人材不足も含めて、ただでさえ大変な介護現場は更に厳しさが増している、これも本会議で指摘をさせていただきました。特に介護・障害福祉施設において、介護施設であれば、通所に関しては利用抑制ということで慢性的な経営難、これが二月以降ずっと続いておる。さらに、先ほども言ったように、想定していなかった状況の中で人材が確保できなくなっている。こういった状況が平時より続いている中、今回の新型コロナウイルス感染症によって更に厳しい状況。
 そんな中で、野党から提出されております介護・障害三法案、処遇改善法案、食事・送迎加算存続法案、重度訪問介護就労支援法案、現状の課題に対応するための三法案が提出されております。
 食事加算存続について政府と提案者にお尋ねをしたいわけでありますが、資料の二枚目にございます。
 食事加算の存続の是非の前提となる調査結果について、これは二枚目の資料でございますが、厚生労働省の平成三十年度の障害者総合福祉推進事業における調査でありますが、その結果と、きょうされんが独自に調査した内容、その結果に随分開きがあります。厚生労働省の食事加算算定事業割合の五五%に対して、きょうされんの調査によると算定している事業所は九一%というふうになっております。
 提案者と政府にお尋ねをいたしますが、この前提となる調査結果の相違、乖離について、それぞれの御見解。また、法案提出者には、新型コロナウイルス感染症の影響によって、平時以上に危機的状況に陥っている中、食事・送迎加算を廃止されたら更に厳しい大変な状況になると考えられますが、認識と見解をそれぞれお尋ねをしたいと思います。

#122
○早稲田議員 御答弁申し上げます。
 厚生労働省が平成三十年に実施をいたしました食事提供体制加算及び送迎加算の実態調査は次期報酬改定を検討するために行われたものでございますが、障害者通所サービス全体で食事提供体制加算を算定、請求している事業所の割合については、議員のおっしゃったとおりに、厚生労働省が実施した調査では五五・五%であるのに対しまして、障害者団体であるきょうされんの実施した調査では九一・〇%となり、両方の結果に大きな差が見られました。
 この結果の相違について申し上げますと、厚生労働省の調査におきましては、食事を提供していない事業所を含めた全ての回答事業所を母数として食事提供体制加算を算定、請求している事業所の割合を算出しているのに対し、きょうされんの調査では、食事の提供をしている事業所を母数といたしまして食事提供体制加算を算定、請求している事業所の割合を算出したために生じているものと承知しております。
 このために、厚生労働省の調査結果はいささか誘導的なものとなっており、この調査結果をもとに報酬改定の検討が行われれば、来年度の報酬改定で食事提供の支援体制に対する報酬の廃止、減額の方針が打ち出されることが確実視されております。
 このことに対して、障害者団体や当事者の方から、厚生労働省が食事提供体制加算の廃止を提案した三年前の報酬改定に向けた議論のときと同様に大きな不安の声が上がっております。そこで、食事提供体制加算等の廃止、減額を阻止すべく、今回、法案を提出したところでございます。
 以上です。

#123
○加藤国務大臣 まず、委員御指摘の食事提供加算というのは利用者負担に関する経過措置であるということですね。それに対する見直しについて、平成二十七年の十二月の社会保障審議会障害者部会報告書において、時限的な措置であること、施行後十年を経過すること、平成二十二年度より障害福祉サービスは低所得の利用者が無料になっていること、他の制度とのバランスや公平性を踏まえて検討すべきであるという指摘を受けての検討がるる行われておりまして、平成二十九年のときには、最終的に、食事の提供に関する実態についての調査研究を十分行った上で今後の報酬改定について対応するという方針を述べさせていただいたわけであります。
 それを踏まえて今回実態調査をし、そして、今御指摘のように、きょうされんととり方が違うということでありますから、では中身を計算したらどうだということも含めて、ちょっともう個々のことは申し上げませんけれども、具体的な数字については、それぞれ、その数字についてきちんと説明をしていけばいいんだろうというふうに思います。
 いずれにしても、食事提供体制加算のあり方については先ほどるる申し上げた経緯があります。今後、令和三年の四月の報酬改定に向けて、この調査結果だけで判断するのではなくて、関係団体へのヒアリングなどを踏まえて、障害者の皆さんのニーズ、事業者の実態、これをしっかり把握した上で議論をし、結論を得ていきたいというふうに思います。

#124
○尾辻議員 新型コロナウイルス感染症と食事加算、送迎加算存続の必要性の関係性についてお答えを申し上げます。
 食事提供体制加算は、施設を利用する障害者に対する栄養バランスの行き届いた食事の提供や、刻みやペースト状の加工食など、障害に応じた調理、食形態への対応等を通じ、利用者の健康管理の維持のため重要な役割を果たしております。
 食事提供加算が廃止されれば、調理員等の人件費の確保が困難となり、多くの事業所では、利用者負担に転嫁されて利用者負担が増すか、又は食事の提供が廃止されることが想定され、利用者の貴重な栄養摂取の機会が奪われてしまうことが危惧されております。
 また、障害者の障害特性や地方の交通事情を踏まえれば、送迎加算の引下げが行われ、それにより送迎サービスが縮小、廃止されれば、障害者の施設への通所は困難となります。
 利用者の所得水準が改善されない中でこれらの加算が廃止、減額されれば、障害者にとって過重な負担となります。さらに、新型コロナウイルス感染症及びその蔓延防止のための措置による影響により、現在、障害者の方々も厳しい生活を余儀なくされております。こうした平常時より厳しい状況のもとで、障害者の負担増を回避し、サービス利用の機会を確保していくため、食事提供体制加算、送迎加算の存続、拡充はますます必要になるものと考えております。
 なお、障害者団体等からも三法案の早期成立を求める声が出されておりますので、何とぞ委員皆様のお力で早期成立をお願い申し上げたいと思います。
 以上でございます。

#125
○中島委員 先ほどの新型コロナに対する介護・障害福祉現場の詳細な実態、今の食事加算についても詳細な調査、そして現場の声をしっかり取り入れて対策をしていただくことを強くお願い申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#126
○盛山委員長 次に、宮本徹君。

#127
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。
 まず、伊佐さんからもありました、けさの報道についてお伺いします。
 共同通信が、アビガン、有効性示せずということで配信をいたしました。藤田医大の臨床研究では、今月中旬に厚労省に報告した中間解析結果で、ウイルスの減少率に明確な差が出なかったということであります。
 一方で、総理は五月中に承認を目指すということを言われているわけであります。ちょっと大臣に一点だけ御答弁いただきたいと思いますが、この報告を恐らく大臣も聞かれているとは思うんですけれども、やはり有効性、安全性を臨床研究、治験でしっかり確認するというのが薬の承認では大前提だと思うんですね。ですから、総理が五月中ということを言っているわけでございますけれども、時期がどうのこうのということじゃないと思うんですね。やはりしっかりと有効性、安全性についてエビデンスを持って承認手続は行っていく、この点についてはっきり御答弁いただきたいと思います。

#128
○加藤国務大臣 済みません、総理のそのときの発言がちょっと今手元にないので正確ではありませんが、たしかあのときも安全性、有効性が確認されればと言っておられたと思います。そうすれば、今月中にもできるように、ここから先は私どもの体制の問題ですね、審査手続の問題ですから。それはしっかり、政府としてそうした体制はしきますよということであります。ただ、確認されればまでのところは、我々政府ではなくて、それぞれの観察研究、臨床研究あるいは治験、そういったことの結果あるいはその分析、それを待つということでありますから、いずれにしてもその姿勢は変わるものではありません。

#129
○宮本委員 しっかりそこは科学的にお願いしたいと思います。
 次に、新しく検討されている休業給付金について何点かお伺いしたいと思います。
 登録型派遣で働いている方は、百四十万人いる派遣労働者の半数を占めております。この間も、観光業で働く添乗員の皆さんが全く収入がなくなったということだとか、本当に悲鳴が上がっているわけですが、この新しい休業給付金は、登録型派遣、日雇派遣も対象にするという方向で検討が進んでいるということでよろしいんでしょうか。

#130
○小林政府参考人 お答えいたします。
 新たな給付の制度のお尋ねでございます。これはまさに検討中でございますが、雇用調整助成金がまず基本にあるというふうに考えております。雇用調整助成金を活用いただきながら、休業手当をお支払いいただく。ただ、個別の事情によって休業手当を受けられない労働者の方がおられるということで、そういう場合に個人が個別に申請できる仕組みを設けるというものでございます。
 したがいまして、雇用調整助成金と新給付、これは基本的にパラレルの関係で捉える必要があるというふうに考えておりまして、雇用関係が継続していることを前提に、事業主の命によって休業している方が対象となるというふうに考えております。派遣労働者につきましても、そうした状況を満たせば対象になりますし、満たさなければ対象にならない、これは労働者共通の考え方でございますが、そういうことになるのではないか。
 いずれにしても、現在検討中でございまして、今後具体化を急いでまいりたいというふうに思います。

#131
○宮本委員 雇用が継続しているということを言われますと大変心配になってしまうんですけれども。
 登録型派遣、日雇派遣はそのときそのときに雇用が発生するということになるわけですよね。登録型派遣でいえばそうですよね。日々日々発生して、それが長く継続しているのかといったら、そうなっていない方はたくさんいらっしゃるわけです。ただ、その時々の雇用は一々ぶつぶつ切れているわけですけれども、働いているという点でいえば、月に二十日間ぐらいしっかり働いていた方々というのはいるわけですね。ですけれども、そういう登録型派遣や日雇派遣みたいな方々こそ今本当に何の休業補償もなく苦しんでいるわけですから、そこはしっかりと手当てすることを検討していただきたいということを強く求めておきたいと思います。
 それから、あともう一点。先ほどの答弁からいえば、どうするのかなと思ってしまうんですけれども。
 今、高齢者の方でも、年金が大変少ない方がシルバー人材センターで収入を得ているという実態がかなり広くあります。ただ、このシルバー人材センターも現下のコロナの状況のもとで発注が減り仕事がなくなったということで、私たちの地元のところでもどうにもならないから生活保護につなぐということなんかもやっているわけでありますけれども、こういう方々は、年金だけでは暮らせない、しかし雇用ではない。派遣労働者も、登録型派遣、日雇派遣はまだ雇用ですけれども、雇用でもない方々がいるわけです、収入を得てきた方々が。そういう方々にはどう対応されるんでしょうか。

#132
○達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。
 シルバー人材センターは、共働、共助という基本理念のもと、地域の企業や地方公共団体等から発注される請負等の業務を中心に、会員の能力と希望に応じて臨時的、短期的又は軽易な就業機会を提供しており、高齢者の多様な就業機会の確保を担うものでございます。
 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、休校や事業活動の自粛に伴いまして、主に公共施設の管理業務や学校関連の業務の発注減少が大きい地域があるものと承知してございます。このような発注減少によりこれまで就業していた業務に従事することができなくなった会員に対しては、能力と希望に応じてシルバー人材センターにおいて他の就業機会を提供するほか、再就職を希望する方についてはハローワークへの誘導をするなど、各地域のシルバー人材センターの状況もお聞きしながら、会員の就業機会が確保されるよう、しっかりと対応してまいりたいというふうに考えてございます。

#133
○宮本委員 ほかの就業機会を確保しようにも、現時点ではなかなかないというのが現状なわけですよね。
 ですから、本当に、コロナで収入が減った方々というのを漏れなく穴なくどうやって救うのかということをしっかり制度設計をしていかなければいけないというふうに私は思いますので、この点は大臣にもしっかり考えていただきたいというふうに思います。
 更に言えば、日雇派遣みたいな働き方自体、私たちはもともと禁止すべきだということを言ってきましたけれども、今これを緩和しようという議論があるわけじゃないですか、政府部内にも。それは全く違う方向だと思いますよ。私は、日雇派遣、やはりこういう不安定な働き方は禁止するという方向に持っていかなければいけないということを強く申し上げておきたいと思います。
 その上で、前回に続いて、介護福祉士の国家試験にかかわって質問させていただきます。
 前回、社会保障審議会の福祉部会の議事録について政務三役の方々は読まれていなかったということでございますが、大臣、該当の部分を読んでいただけたでしょうか。御感想をお聞かせいただきたいと思います。

#134
○加藤国務大臣 二〇一九年十一月十一日の第二十三回と十二月十六日の二十四回において先ほどの国家試験にかかわる議論がなされた、そこの議事録を読ませていただきました。
 例えば、全国福祉高等学校長会の皆さん方からも、若い方がどういう思いで歯を食いしばりながら受験、合格しようとして頑張り、また、モチベーションといいますか志望の動機を維持しているかとか、さまざまな現場の熱い思いも感じさせていただきました。
 一方で、そうしたことは十分承知をしているけれども、やはり介護の現場等から来て、ここはぜひとも延長してもらわなければ、こういう必死の声も他方であったということでありまして、そうしたそれぞれの声を受けとめながら、今回の法案をこうして出させていただきました。
 ただ、そこで皆さんの言っておられたことは、介護福祉士のこうした質というもの、量の確保とともに質の向上を図っていく必要性についてはみんな共有の意識を持ち、また、そのための一つの手段として国家試験があるんだということについては皆さん共有の認識をされていたということでありますから、我々として、今回五年の延長をさせていただきますけれども、この間にさまざまなできる限りの対応をさせていただいて、そうしたそれぞれの皆さんが思う状況というのでしょうか、環境をつくるべく努力をしていきたいというふうに思います。

#135
○宮本委員 全国福祉高等学校長会の方の熱い思いを感じたという大臣からの答弁がありましたけれども、実は、けさ、こういう話を聞いたんですね。この全国福祉高等学校長会の方が署名を集めたそうなんですね。署名を集めて、厚労省の担当部署に話を聞いてほしいと言ったけれども、返事すら来なかった、署名も受け取ってもらえなかったと。五百筆の署名を何で受け取らないんだという話なんですけれども、事実関係をちょっと確認していただけますか。(発言する者あり)

#136
○盛山委員長 時計をとめてください。
    〔速記中止〕

#137
○盛山委員長 時計を動かしてください。
 谷内社会・援護局長。

#138
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 今、担当の者から確認させていただきましたけれども、昨年の時点で担当室長が校長会の方から署名を受け取ったというふうに今聞いているところでございます。

#139
○宮本委員 昨年じゃないですよ、ことしの話なんですよね、これは。ことしの三月の話みたいなんです、私が聞いている話は。

#140
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 ことしの三月の件に関しましては、私自身も話を聞いておりませんし、担当の室も話は聞いていないというふうに今伺っているところでございます。

#141
○宮本委員 ちょっと改めて確認していただきたいと思います。こういう話を伝えてほしいという話で私も伺っているので、これは確認していただきたいというふうに思います。
 それで、前回の質疑でこういう答弁があったわけですね。経過措置を終了すれば介護福祉士資格を取得できない可能性が高まるように感じられ、介護福祉士資格の取得を目指す外国人の方々がふえつつある流れに水を差すという答弁がありましたけれども、こういう言い方というのは議事録の中には出てこないせりふだったんですけれども、これはどなたが考えた理屈なんでしょうか。

#142
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 議員御指摘の点でございますけれども、先週十五日の厚生労働委員会におきまして審議官から委員に御答弁申し上げたところでございます。また、同じような内容につきまして大臣から尾辻かな子議員に対しまして答弁した内容でございますけれども、これにつきましては、福祉部会やその他の場において表明された経過措置の延長を求める意見を踏まえまして、厚生労働省において整理したものでございます。
 特に、介護施設団体や養成施設団体から、養成施設に入学してくる外国人の留学生の人数が毎年倍々のようにふえているような状況である一方、留学生の国家試験合格率は低調であるという状況の中で、経過措置が終了すると国家試験不合格となった外国人留学生が帰国することにつながり、今後、養成校への留学生がなかなか集まらなくなるのではないか、したがって人材不足が進んでしまうとの意見、さらに、外国人受入れにつきましてさまざまな新たな制度が施行されておりますけれども、制度が定着するまでは経過措置の延長はやむを得ないといった御意見があったことを踏まえつつ、省内で検討して、このような答弁を行ったものでございます。

#143
○宮本委員 福祉部会の意見とこの厚労省の整理の間には大分乖離があるわけですね。
 ちなみに、大臣も議事録を読んでいただけたと思いますけれども、帰国する人がいる、特定技能は難しいんだみたいな誤解された養成施設協会の方の発言に対して、厚労省自身がその場で、いえいえ、養成施設を卒業すれば特定技能で残れますというふうに福祉部会で訂正しているわけですよ。そうですよね、議事録を読んだらそうなっているわけです。ですから、本国に帰るというのは、私が議事録を読んだ限りでは、そういうことにはなりませんねということを厚労省自身が表明されているわけですよね。
 ところが、先日の答弁では、議事録とは全く違う理屈が出てきたわけですよ。本当に、不合格でも資格が取れるから資格取得を目指す外国人がふえているんだ、この流れに水を差すのはだめだという論理でいけば、これはいつまでたっても介護福祉士の国家資格試験の一本化は私はできないのではないかと思いますよ。そこを真剣に考えていただきたいというふうに思います。
 その上で、次に、介護福祉士の養成施設で学んだ外国人留学生の実績について伺います。
 二〇一八年度に卒業して介護福祉士の資格を得た方のうち、国家資格試験に合格した方の比率を教えていただきたいと思います。また、二〇一八年度の外国人留学生の卒業生がいた介護福祉士養成施設は何施設あって、介護福祉士の資格を得た者のうち国家資格試験合格者の占める比率が一〇%未満の施設は幾つあるのか、教えていただけますか。

#144
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 平成三十年度に介護福祉士養成施設を卒業した外国籍の方につきましては、国家試験に合格した方が百八名、あと、経過措置による資格登録を行った方が三百七名でございまして、合計すると四百十五名ということでございますので、議員お尋ねの国家試験に合格した方がこの合計に占める割合は二六・〇%というふうになります。
 また、この四百十五名の方々が在籍されておりましたのは九十五の介護福祉士養成施設でございまして、この中で国家試験に合格した方の割合が一〇%未満の養成施設は六施設、さらに、〇%の養成施設は二十九施設となっているところでございます。

#145
○宮本委員 一〇%未満が全部で二十九プラス六で三十五施設、そのうち〇%が二十九施設。ですから、九十五施設のうち二十九施設が合格した人はどなたもいない、だけれども試験は落ちても資格は得られるということで、資格を得たということであります。中には試験を受けずに資格を受けている人もいるということだと思うんですけれども。なかなか、私も初めて今数字を聞きましたけれども、ゼロ%がそれだけあるというのは驚きですね。三分の一近くが合格者が誰もいないということなんですよね。
 これまで、社会福祉士については学校ごとに受験者数、合格者数、合格率などが公表されてきましたが、介護福祉士については、そうしたデータを集めながらも、この間公表してきませんでした。しかし、前回の質疑で、今後は養成施設ごとの合格率を公表するという答弁がございました。これはいつから行うんでしょうか。過去の実績も含めて公表するんでしょうか。そして、合格率を出す場合は、日本人と外国人留学生と別枠で出すということでよろしいでしょうか。

#146
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 十五日の委員会でも審議官から今後は養成施設ごとの合格率を公表するという答弁をさせていただきましたけれども、これにつきましては、この経過措置延長に際しまして各養成施設における合格率向上の取組を促すために、次回の令和二年度に、来年の一月か二月だったと思いますけれども、行われる国家試験から、各養成施設の受験者数、合格者数、合格率を、新卒さらに既卒ごとに、また日本人受験者、留学生受験者ごとに、それぞれについて公表することとしております。
 また一方で、先生からの過去のものにつきまして、実は介護福祉士養成施設の卒業者は平成二十九年度国家試験から受験しておりまして、過去三回の実績がございますけれども、これにつきましては、今後、関係団体や、養成施設からの報告、集計の実務を担う都道府県等の意見を聞いていきたいというふうに思っております。

#147
○宮本委員 ぜひ、過去の実績も含めて公表をしていただきたいというふうに思います。
 きょうは配付資料を配っておりますが、これは介護福祉士養成施設の協会の留学生向けのホームページからとったものであります。英語表記のものですけれども、キャリアがどんどんこうなってアップしていきますよということが書いてあるわけですね。
 上は、初めはスチューデントビザで、日本語学校、それから養成施設。それから、日本に来て四年目からは働けますよと。ちなみに、スチューデントビザのときはインカムは毎月十万円と書いてありますね。働き始めたら二百五十万から四百万円になりますということですね。日本に来て十年目、ですから、働き始めて七年目以降には、年収は、チームリーダーになれば四百万から五百万円、マネジャーになれば五百万から六百万円、ディレクターになれば八百万から一千万円ということが書かれているわけであります。
 ディレクターまで行くと、足を投げ出して踏ん反り返って座っているわけですけれども、ディレクター、社長じゃないですね、この場合は施設長というふうに訳すのかなと思いますけれども、ただ、私なんかはいろいろな施設長さんからお話を伺いますけれども、施設長であれ、施設の理事の方であれ、こんなに踏ん反り返っていないですよね、一生懸命働いていますよ、本当に。
 それで、一千万円もらっている方が一体全体どれだけいるのか。あるいは、日本で働き始めて七年目から四百万円もらっている方がですね。
 というのは、平均よりも高いですよね。厚労省の出している介護福祉士の平均、八・四年目で年収換算にして三百七十六万円というのが厚労省の出している調査でしたから、そういうことなんですよね。ちなみに、これを見たある大学の先生は、大学の先生をやめて、このコースで私も一千万で施設長をやろうかななんて言っていましたけれども。
 かなり盛ったものが、盛りまくりという声も出ていますけれども、盛ったものが留学生向けに宣伝されているわけですよね。ちなみに、このキャリアの中には国家資格試験を受験しますという話も、この絵の中には、あるいは表の中には出てきません。私はこういう勧誘の仕方はどうなのかなと思いますけれども、大臣、これをごらんになって感想はございますか。

#148
○加藤国務大臣 これは、介養協というのは介護養成施設協会ですかね、そのホームページからということで、海外向けということだと思います。
 これについて、今初めて見たので一つ一つ見ておりませんけれども、いずれにしても、海外から来られた方に、さっき言った盛ったというか、誤解のないようにというか、実態を踏まえた情報提供をしていくことが大事なんだろうと思います。

#149
○宮本委員 実態を踏まえてやるべきだという点でいえば、ちょっと実態とは違うんじゃないかという大臣の思いも入っているのかなというふうに受けとめたんですけれども。そうであったら、うんとうなずいていただければ。いや、大臣はこれが実態だというふうに肯定されるわけでもないとは思うんですよね。
 ちょっと時間がなくなってきてしまったんですけれども、やはり介護福祉士というのは専門職ですよ。専門職ですから、高度な知識と技能の獲得を問わずに、養成施設を卒業すれば国家試験に落ちても専門職とみなすというのは本当にまずいと思います。そして、実際に一生懸命試験を受けて合格して介護福祉士になった方々のやる気をそぐことにもなると思いますし、介護の質の担保という点でも大変問題があると思います。求められる介護福祉士像を実現するためには私は国家試験に合格するということは最低条件だと思いますが、大臣はそうお考えになられないんですか。

#150
○加藤国務大臣 まさに、国家資格試験の義務化を導入したその背景には、やはりこうした試験をすることによって質の向上を図っていきたい、ただ、もともと養成施設についてはこうした試験の資格がなくても福祉士資格も与えられてきた、そうした歴史的な経緯もあって、その当時、五年間の延長が図られたということであります。
 今回については、先ほど福祉部会等の議事録も読ませていただいて、さまざまな議論がある中で、やはり更に五年延長する必要があるということでありますけれども、しかし、この間においても、養成する中においてしっかり養成が図られていくということ、それから、もう一つ大事なことは、介護福祉士が資格を取られたとしても、それからそれぞれの現場で活躍をしていただき、そしてある意味ではチームリーダーとしてその力を発揮していただく、そうした支援もあわせて進めることによって働く方の更にスキルアップがなされ、そして、それにのっとって、そうしたことを背景に、またそれを目指す人もふえていく、こういういい循環をまさにつくっていくべく努力をしていきたいと思います。

#151
○宮本委員 やはり、介護福祉士の養成施設の人たちにも、学んでいる人たちにはちゃんと国家資格試験に合格してもらって資格を取る、そのための援助こそ私は全力でやらなければいけないというふうに思います。
 ちなみに、EPAルートのベトナム人の合格率というのは九〇%だという話なんですよね。やはりN3があって来ているわけですね。でも、実際は、養成施設は名目上はN2だということを言っていますけれども、実態はN2じゃなくて、N3どころかN4の人たちもいっぱい受け入れているから全然合格しないところも出ているというのが実態なわけですよね。
 ですから、私は、本当に、日本で介護福祉士を目指す人には、日本語教育の支援も含めて、しっかりとそういう支援をやっていくことこそやるべきだということを強く申し上げておきたいと思います。
 最後に、障害者福祉について、通告が全部できないんですけれども、質問させていただきたいと思います。
 コロナの影響で障害者福祉の事業所が大変影響を受けているというのは、私も何度も取り上げてまいりました。放課後デイの問題や就労Bの問題、工賃の確保の問題も言ってきましたが、とりわけ利用が大きく落ち込んでいるものの一つが移動支援です。
 感染拡大と外出自粛の中で、先日もお話を伺っていたら、それまで月二百万あったものが五十万の収入にまで、四分の一にまで収入が落ち込んでいるという話です。ヘルパーさんは休んでもらうけれども、移動支援の担当の方の人件費というのは出ていくわけですよね。経営面から見ても大変厳しいというお話でした。この移動支援の事業所の減収をどう把握しているのか、そして、こうしたところも含めて障害者福祉の減収にどう対応されるのか、伺いたいと思います。

#152
○橋本政府参考人 御指摘の移動支援事業でございますが、こちらは、障害のある方の社会参加を促進し、地域での自立した生活を支える地域生活支援事業の一つでございます。新型コロナウイルスの影響が広がる中でも継続して支援が提供される必要がございます。しかしながら、今般の感染症の拡大に伴いまして、障害者の方々の予定されていた外出の中止ですとか、あるいは外出時間の短縮などによりまして事業所の収入が減少しているといった声も私どもの方に聞こえてきております。
 このため、今般の感染症の拡大に伴いまして、移動支援による外出ということを予定しておりました障害者が外出時間を短縮したり、あるいはやむを得ず外出を自粛せざるを得ないような場合におきまして、移動支援の事業所が居宅等において必要な支援を行った場合には移動支援事業を実施したものと取り扱ってよい旨をお示しして、柔軟に対応させていただいているところでございます。
 このほか、委員御案内のとおり、無利子無担保の融資の制度ですとか雇用調整助成金による支援、あるいは持続化給付金といったものもございます。
 引き続き、現場の状況などを踏まえながら、機動的に必要な支援を講じてまいりたいと考えております。

#153
○宮本委員 時間になりましたから終わりますけれども、居宅の支援を全部できるわけではないわけですね、実際は、現場の実態は。それで利用料が発生するという問題も、とても現場の感覚からいえば合わないわけですから、しっかりと二次補正予算で、障害者福祉施設の減収分への対応、そして、私の前の委員からも指摘がありましたけれども、就労Bの工賃などへの対応も行うことを強く求めまして、きょうの質疑は終わらせていただきます。残った質問はまた次回やらせていただきます。

#154
○盛山委員長 次回は、来る二十二日金曜日午前八時四十五分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト