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2020/05/14 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 農林水産委員会 第12号 令和2年5月14日
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2020/05/14 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 農林水産委員会 第12号 令和2年5月14日

#1
令和二年五月十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         江島  潔君
    理 事
                高野光二郎君
                堂故  茂君
                舞立 昇治君
                徳永 エリ君
                宮沢 由佳君
    委 員
                岩井 茂樹君
                野村 哲郎君
                藤木 眞也君
                宮崎 雅夫君
                山田 修路君
                山田 俊男君
                石垣のりこ君
                打越さく良君
                郡司  彰君
                森 ゆうこ君
                河野 義博君
                塩田 博昭君
                谷合 正明君
                石井 苗子君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   江藤  拓君
   副大臣
       農林水産副大臣  加藤 寛治君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       藤木 眞也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣官房日本経
       済再生総合事務
       局次長      佐藤 正之君
       文部科学省大臣
       官房文教施設企
       画・防災部技術
       参事官      笠原  隆君
       農林水産省経営
       局長       横山  紳君
       林野庁長官    本郷 浩二君
       中小企業庁次長  鎌田  篤君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○森林組合法の一部を改正する法律案(内閣提出
 )
    ─────────────

#2
○委員長(江島潔君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 森林組合法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房日本経済再生総合事務局次長佐藤正之君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(江島潔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(江島潔君) 森林組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#5
○宮崎雅夫君 おはようございます。自由民主党の宮崎雅夫です。本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、森林・林業分野の新型コロナウイルス対策について質問をさせていただきます。
 先月末に補正予算が成立をいたしました。森林・林業の関係の対策では、農林水産物の販売促進として、公共施設等の木造化、木質化のプロモーションの支援でございますとか、在庫が著しく増加をしております原木について、一時保管に要する費用の支援が含まれております。
 新型コロナウイルスが経済に及ぼす影響につきましては内外で大変厳しい見方が示されているところでございますけれども、今後、景気の停滞で木材需要が更に縮減をし、それが一時保管にとどまらず山元にも影響すれば、木材価格も現在下落傾向にある中で、今後の価格の問題もありますので、木材の供給を調整せざるを得ないということになります。
 林業の現場を支えている皆さんの賃金の支払形態については日給制が多く、所得水準が低いだけでなく、不安定なものとなっております。新型コロナウイルスの影響で主伐等ができなければ、収入が減少をいたしまして、まさしく生活に大きな影響が出るということでございます。
 需要拡大策は引き続き積極的に行っていく必要があります。それと同時に、木材は農産物と異なりまして供給調整が可能でございますので、森林組合を含めた林業事業者でございますとか林業従事者の皆さんのなりわいを守るため、そして将来の林業のためにも、この際、生産を伴わない森林整備を集中的に実施することも今後検討していく必要があると思いますけれども、御見解をお伺いをいたします。

#6
○政府参考人(本郷浩二君) 新型コロナウイルスの感染拡大により中国向けの木材輸出の停滞、住宅建築の遅れが生じ、今後木材需要の動向が不透明なことから、林業、木材産業においては、木材製品の減産や原木在庫の増加、これに伴う原木価格の低下などの影響が生じております。
 このため、今般の経済対策において原木の利用促進策等を講じておりますが、現在も全国的に影響が拡大しており、原木の入荷制限や製品の減産を行う製材・合板工場もあり、仮にこのような影響が長引く中で従前どおりに原木生産を続けることとなれば、需給バランスが崩れ、原木価格の更なる下落を招くことも懸念されるところでございます。
 このような事態を回避するためには、地域の需給状況を見極めつつ原木の生産量を調整するとともに、若者を始めとする既存の林業従事者を失うことがないよう、原木生産を伴わない造林あるいは保育間伐へのシフト、主伐よりは原木の生産量の少ない搬出間伐へのシフト等が有効と考えているところでございます。
 林野庁においては、引き続き、地域の需給状況を踏まえ、都道府県と連携してそのような対応を促しながら、原木価格や林業労働力への影響を最小限にとどめられるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。

#7
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。
 地域によって事情は大分異なってくると思いますけれども、大変厳しい状況が予想されますので、引き続き関係者の皆さんとしっかり意見交換をしていただきながら取り組んでいただきたいというふうに思います。
 リーマン・ショックの後でございますけれども、平成二十一年の木材供給量、これは輸入材が相当落ち込みました。国産材の影響も同様に落ち込んだんですけれども、その後右肩上がりとなりまして、木材自給率も回復をして、今は三六%ぐらいになっているという状況でございます。
 今回のピンチを将来に向けて是非チャンスにしていくと、つまり、木材自給率まだまだ上昇させていかないといけないということでございますけれども、そのために、国産材の活用のための思い切った補助を行うことで輸入材に取って代わる基盤を築く、こういう必要があるというふうに思いますし、今、本郷長官からもお話ありましたけれども、ポストコロナということを考えても、円滑な生産のための体制の維持でございますとか確保についても引き続き御検討をお願いしたいというふうに思います。
 次に、今回の森林組合法改正案に関してお伺いをしたいと思います。
 森林組合は、全国における植林や間伐などの森林整備の半分以上を実施するなど、地域の森林経営の中心的な担い手であり、さらに、昨年四月にスタートいたしました森林経営管理制度の担い手としても大きな役割を期待をされております。また、戦後造成をされました人工林の本格的な利用期を迎えて、今後の再造林を促進をしていくことが必要でございます。そのためには山元への利益がちゃんと還元されないといけないわけでございまして、今後の持続的な資源の管理という観点からも大きな役割がございます。
 森林と農地は水でつながっております。森林で涵養された水が農業用水として利用されております。土地改良区の皆さん方とお話をしておりましても、宮崎さん、土地改良はもちろんだけれども山もしっかりやってくれと、最近水路に入ってくる土砂も結構多いというお話もありますし、山の仕事はやはり五十年、百年の仕事だから、やっぱりそれは政治がしっかりやらないといけないというようなお話も伺っております。加えて、森林が持つ公益的な効果の適切な発揮という観点でも森林組合はこれまで重要な役割を果たしてきたわけですけれども、今後とも更にその役割を果たしていっていただきたいというふうに思っております。
 そこで、森林組合の役割をどのように考えておられるのか、また、今回の法改正によりましてどのような効果を期待をしているのか、江藤大臣にお伺いをいたします。

#8
○国務大臣(江藤拓君) もう委員の方から、森林組合の果たしてきたこれまでの役割、その功績についてはるるお述べをいただきましたので、全く我が意を得たりということで、そのとおりだと思います。
 これまでもいろんな工夫をしてまいりました。やはり戦後の時代から、一時は、もういわゆる拡大造林の時代を経て三兆円以上の負債を抱える時代もありましたが、これを分割したりして、いろんな工夫をして山を守ってきた、その中心のプレーヤーはやはり森林組合であったというふうに私は思っております。半分以上の森林経営の管理、施業をやってきたのも森林組合でありますから、これから山を守っていく、森林経営管理法の新しい制度の下でもメーンプレーヤーとして活躍するのは森林組合、そして、お話がありましたように、山が農地につながり、そしてその水がまた海に出て、豊かな海をつくるのもまた山であると、そして、都市部で暮らす方々にとっては、山が荒れれば必ず川が氾濫して、そして堤防を突き破ったり海では海面養殖を破ったり、いろんなことが起こりますので、やはり今後、この需要期に向かって山がしっかり循環されて再生産をされて、そして、そこで山元の方々にもしっかりと利益が還元される形を構築することによって山が将来にわたって守られていくんだろうと思っています。
 そのために、今度、新たな方法として、今まで行われていた事業譲渡だけではなくて、吸収であったり分割であったり、いろんな方法をお示しをさせていただきました。それぞれの組合の強みを集めて、競争力というか、市場の価格形成力をより森林組合等が持つことによって山元への還元率も上げていく。山にお金が戻れば、やっぱり将来に向かってもう一回再造林をしようという意欲が湧くことによって山も将来にわたって守られていくと、そういうようなことを期待してこの法案を提出させていただいた次第でありますので、是非、御審議いただいた上で御可決いただきますように、よろしくお願いいたします。

#9
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。
 大臣の御答弁をお伺いをして、このインターネット中継を見られておられる森林組合の皆さんも、やはりその役割、大臣もそういうふうに思っておられると、これからもしっかり頑張っていこうという気持ちになられたんじゃないかなというふうに思います。
 次に、森林組合の経営状況などについてお伺いをしたいというふうに思います。
 森林組合につきましては、昭和二十九年に五千二百八十九組合あったものが平成二十九年には六百二十一組合と、これまでの合併などによりまして、組合数はほぼ十分の一になりました。一定規模の経営基盤を有する森林組合の割合は着実に増加をしておるわけでございますけれども、一方で、組合員数が平均の二分の一以下、これは千人というような感じになるわけですけれども、それ以下の小規模な組合も全体の三分の一程度あるという状況でございます。
 今回の法改正の趣旨については、販売事業の拡大による経営基盤の強化のため、先ほど大臣からもお話をいただきましたように、合併だけではなくて、組合間の多様な連携が可能となるような枠組みを用意をするというものでございます。
 森林組合の全体の事業内容、これを見ますと、森林整備、これが約半分でございます。販売部門が約三分の一強ということでございまして、収益も、販売部門より森林整備部門が現在では大きい状況になっていると、これはあくまでも全体ということでございますけれども。
 そこで、現在の森林組合の経営の現状、それから販売事業拡大による経営基盤の強化の見通しについて御認識をお伺いをしたいと思います。

#10
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 森林組合の経営状況につきましては、これまで、健全な経営基盤の確立に向けて合併の推進等に取り組んできたところであります。現在、全体の約八割の組合が黒字となっている状況でございます。
 一方、山元では、林業採算性の長期低迷や経営意欲の低下等によりまして伐採後に再造林されていない箇所が発生をしており、このような状況の改善を図るためには森林組合が山元への一層の利益還元を進めていくことが重要であると、このように認識をいたしておるところでございます。
 そのためには、森林組合が、近年拡大している大規模製材工場や輸出といった大口の需要に対して、複数の組合の連携による安定供給体制を構築をしまして、山元にとって有利で安定した価格で買ってもらうためのマーケティング強化を図ることが重要であろうと考えております。
 現に、宮崎県と鹿児島県の一部の森林組合による海外輸出の取組や中部圏の複数の森林組合連合会による大規模製材工場等との取引など、圏域を越えた広域的な連携の動きもあり、連携に向けた素地も既にあるところでございます。
 農林水産省といたしましては、今回の法改正により導入する連携手法の制度の周知徹底や連携事例の横展開を図ることなどによりまして系統の取組を後押ししながら、販売事業の拡大に向けた体制の構築が着実に進むよう、都道府県と連携をしながら的確に指導してまいりたいと、このように考えております。

#11
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。
 具体的な事例もお話をいただきましたけれども、やはり販売事業を拡大していくことが最終的に再造林ということにつながっていくというようなお話であったわけでございますけれども。
 森林組合の系統でも、地域によっては、合併について協議会で話をまとめても、地域の事情によって単組の段階では合意が得られなくて、これまで合併に至らなかったケースも結構あるというふうにお伺いをしております。合併以外の選択肢をいただくことは非常に有り難いというようなお話も私も伺っておるところでございます。
 新たな枠組みができて、先ほど副大臣からも御答弁いただきましたように、うまく回っていけばもちろんいいわけでございますけれども、せっかくこの枠組みが法改正によってできても、うまくこれ活用されなければやはり余り意味がないというわけでございますので、森林組合の皆さんであるとか連合会の皆さんがやっぱりその気になってもらわないといけないということでございます。
 私も、森林組合の皆さん方と意見交換をさせていただく機会もあるわけでございますけれども、まだまだやはり法改正の内容について御承知じゃないところもあったりもいたします。内容はもちろんなんですけれども、具体的な連携の可能性であるとか、今副大臣からお話があった、やっぱりこういうふうにしていけば経営基盤が強化をされて、結果的に山元に利益が返ってきてうまく回っていくんだというような具体的な話もしていただくなど、しっかり周知をやはりしていただきたいというふうに思っております。
 次の質問に移りたいと思います。
 森林組合のやはり経営基盤、これが強化されて引き続き重要な役割を担っていただくということを私も期待をしたいというふうに思いますけれども、その一方、森林組合だけではなくて、地域では中小の民間、個人の事業者も当然おられるわけでございまして、今回の法改正が民業の過度な圧迫になるんじゃないかというような懸念の声を持っておられる、そういう地域もございます。対立ではなくて、お互いがここは切磋琢磨をしてそれぞれが活躍をいただけるような環境整備、これを併せてやっていく必要があるというふうに思います。
 そこで、今回の法改正による森林組合の経営基盤の強化という、こういう対策を踏まえまして、今後の地域の民間、個人の事業者の育成にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをしたいと思います。

#12
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 今委員おっしゃられたとおり、今回の法改正によりまして森林組合の法案が民業を圧迫するようなことがあってはいけないというふうに私も思ってございます。
 そういう中で、製材工場等の大規模化に伴い原木供給の規模拡大が必要となっている中においては、森林組合の連携強化等を促進する今回の法改正は、安定供給体制の構築、川上側の価格交渉力の向上が図られることにより、森林組合だけでなく、周囲の川上側の民間、個人の事業者にも収益性の向上というメリットをもたらすものと考えているところでございます。
 農林水産省としては、引き続き、民間、個人事業者についても、森林組合と同様、地域の森林経営の主要な担い手として事業が展開できるよう、高性能林業機械の導入や林業経営を担う人材育成、林業従事者の確保、育成などを支援するとともに、来年に改定する予定である森林・林業基本計画の策定作業の中で今後の民間、個人事業者の育成の方向などについても検討してまいりたいと考えているところでございます。

#13
○宮崎雅夫君 藤木政務官からも、やはりみんなでしっかりやっていこうと、森林基本計画のことにも触れていただきましたので、これからしっかり議論をさせていただきたいというふうに思います。ありがとうございます。
 最後に、森林組合の事業体制の強化につきまして。
 今回の法律案で、理事のうち一人以上は法人の経営に対しまして実践的な能力を有する者でなければならないというふうになっております。先ほど、森林組合の規模の大小についてお話をいたしました。経営形態でも、生産、販売が主体というようなところもあるわけですし、また、森林整備でありますとか指導事業が主体のところまで、いろんな組合がもちろん存在をするわけでございます。外部からそのような方を仮に招聘しないといけないということになれば、林業に詳しいそういう適切な方がいるのかなというようなことも不安に思っておられる方もあると思います。
 また、先ほども質問させていただきましたけれども、森林組合と地域の民間、個人の事業者の方、連携を図って、皆さんが共同して地域の森林・林業を発展をさせていくという観点から、森林組合の理事として、そういった民間、個人の事業者の方が理事として参画をするというようなことも有効ではないかというふうに思うわけでございます。
 そこで、法人の経営に対しまして実践的な能力を有する者、何らかの資格や経験を有するなど具体的にどんな方を想定をされているのか、お伺いをしたいと思います。

#14
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 これまで、森林組合法においては、販売事業等に関し実践的な能力を有する理事を配置すべき旨についての規定を置いておりませんでしたけれども、販売事業を拡大していく中で山元への一層の利益還元を図るためには、有利な販売を行うことができるよう、販売事業に精通した理事を配置することが重要だと考えております。このため、これを法律上に明文化し、森林組合のマーケティング強化を促進したいと考えております。
 販売事業等に関し実践的な能力を有する理事につきましては、各組合で実態に応じて判断していただくことになりますが、例えば、森林組合の販売事業においてこれまでも中心的な役割を担っている職員、あるいは森林組合の原木市場でございます共販所、そういうところに勤務した経験があって木材の販売についてノウハウがあり、また地域の林業者あるいは木材産業とつながりをいろいろ有している、そういう者を登用するというようなことも考えられます。また、委員からもお話ありましたが、外部から販売や経営のノウハウがある者を招くというようなことも想定しております。
 令和二年度予算において新たに措置したこれからの林業経営を担う人材を図るための予算というのも活用しながら、実践的な能力を有する理事の育成、確保を推進してまいりたいというふうに考えております。

#15
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。
 地域の実態に応じてということと、具体的にちょっと事例も挙げていただいたわけですけれども、これは絶対もう既に質問が各森林組合さんからも来ていると思うんですけど、どんな人なんですかということだと思いますので、具体的にやはり事例を挙げていただいて、これもいろんな形で周知をしていただければいいんじゃないかなと思います。
 経営のかじ取りを行う役員もこれは大変重要ですけれども、今回の改正にも含まれておりますけれども、世代交代でございますとか女性の参画ということも大変重要なことだと思います。是非進めていただきたいと思いますし。
 最後にもう一つだけ。
 やっぱり人が、現場に人がちゃんといないとこれは絵に描いた餅ということになるわけでございますので、現場の方のやはり人材確保、育成について、引き続き、所得のことも申し上げましたけれども、しっかり取り組んでいただくようお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございます。

#16
○打越さく良君 立憲・国民.新緑風会・社民の打越さく良です。
 法案に関する質問に入らせていただく前に、この間準備していまして印象的だったことをまずお話しさせていただきます。
 私、昨年議員になりまして、この農林水産委員会を希望して所属させていただいたんですけれども、すぐに、農林水産と呼ばずに農水、農水と呼ぶものなのだということを学びまして、そして、前回までの質問要旨には農水というふうに書かせていただいていたんですけれども、地元でこの間法案についての御見解を伺っている際に、もう農水という略称自体が林業を軽視しているということの表れで、とても納得できないというお話伺いましたので、深く反省して、今回からは質問要旨にしっかり農林水産省というふうに書かせていただきました。
 それで、通告はしていないんですけれども、この農水というふうにちょっと言われがちなことについて、大臣のお考えがあればお話しください。

#17
○国務大臣(江藤拓君) 私のところは日本一の杉の産出県でございます宮崎県なんですけれども、非常に林業に対する思いがほかの議員よりもとても強いところの出身なものですから、余り農水という言い方はしたことが私自身はなくて、しかし、ややもするとそういう傾向がありますので、先生からそういうお話もせっかくいただいたので、役所内でも時々そういう紙の出し方をすることがありますから、気を付けていきたいというふうに改めて思っております。

#18
○打越さく良君 ありがとうございます。
 まず、新型コロナウイルス感染症の影響について伺います。
 というのも、やはり地元の林業関係者の方々にこの法案について御見解をということで伺おうとしたところ、別にこの法案に異論があるとかいうことではないんだけれども、今は、とにかくそういうことではなくて、コロナのことでとんでもないことになっている、消費税増税の影響も需要減につながっていて、とても参っていたところで更に追い打ちを掛けられたと、製材工場が引き取ってくれないという事態になっていて、法の改正をしていただくのはいいんだけれども、それで何か上向きになるようなことには思えないということだったんですね。
 農林水産省の方で、林業、木材産業者が活用できる支援策、リストアップしていただいていますけれども、例えば、支援分野の一つ、木材の利用促進というものは具体的にどのように進んでいるのか、補助率というのは定額とありますけれどもどの程度なのか、教えていただければと思います。

#19
○政府参考人(本郷浩二君) 新型コロナウイルスの感染拡大により中国向けの木材の輸出の停滞、住宅建築の遅れが発生しまして今後の木材需要の動向が不透明なことから、今委員おっしゃられましたように、林業、木材産業の事業活動に大変影響を及ぼしているところでございます。
 このため、今般の経済対策においては、木材の利用促進ということで、学校あるいは保育園、老人ホーム等の公共施設等の木造化や木質化、公共の用に供する公園等に設置する塀や柵、遊具等の外構施設、こういうものにおける木材の活用に対して支援を行うこととしております。補助率につきましては、基本二分の一を考えております。
 林業、木材産業の事業活動への影響を食い止めるよう、本事業の早期実施に努めてまいりたいと考えております。

#20
○打越さく良君 今のお話の中でも学校などの木造化についてもお話しいただいたんですけれども、元々、文部科学省の方で公立学校施設における木材利用状況を調査していらっしゃると思うんですが、どのような状況になっているのか、教えてください。

#21
○政府参考人(笠原隆君) 先生の方から、公立学校施設の木材利用の調査のお尋ねがございました。
 公立学校施設における木材利用状況に関する調査を取りまとめましたところ、平成三十年度に新しく建築された全学校施設七百六十棟のうち、内装の木質化を含めました木材を使用した学校施設は四百六十九棟、その割合は六一・七%となってございます。

#22
○打越さく良君 ありがとうございます。
 資料でも提出させていただきましたが、そうした政策が進められているところだということで、本当に、文科省のホームページを見させていただいても、その木造校舎の写真を見るだけでも私もちょっと温かみを感じますし、やっぱり地球の温暖化が今大変に問題になっていますけれども、そうしたことにも、そうした抑制にもつながることですからしっかりやっていただきたいと、やはり本当にコロナウイルス感染症でますます林業が苦境になっているというところで支援にもなると思いますので、更に進めていただきたいと強く要望いたします。
 そして、木材の輸出にコロナウイルス感染症もとても影響を与えるのではないかというふうに思いますが、輸出額の推移についてお知らせいただければと思います。

#23
○政府参考人(本郷浩二君) 新型コロナウイルスの感染拡大により、令和二年の三月の木材輸出額は前年同月比で約三割減、特に、輸出の多くを占める中国向けの木材輸出額については前年同月比で五割減になるなど、我が国からの木材輸出にも大きな影響が生じているところでございます。
 このため、滞留している輸出原木、輸出向けの原木を一時保管するための運搬経費あるいは借地料、防腐処理費用等の掛かり増し費用について支援をするとともに、付加価値の高い木材製品を輸出するためのPR活動など、新たな輸出先の開拓の取組も支援することとしております。
 今後とも、新型コロナウイルスによる木材輸出の影響を注視しつつ、本支援の早期執行に努めてまいりたいと考えております。

#24
○打越さく良君 早速支援事業を行っていただいているということですが、例えば輸出原木保管等支援事業、これについて、始まったばかりとは思いますけれども、申請状況など、御存じであれば教えてください。

#25
○政府参考人(本郷浩二君) 今周知をしているところですので、まだ具体的なものは上がってきておりません。
 早期に執行してまいりたいと思っております。

#26
○打越さく良君 しっかりお願いします。
 そして、コロナ以前のデータですけれども、輸出入額の方を資料にまとめました。
 やはり金額ということになると圧倒的に輸出額よりも輸入額の方が多いということがこの資料でも明らかになるのかと思います。こうなると、素人考えですけれども、国内市場がコロナの影響でがくんと縮小する、国際的な海外の市場も縮小するとしても、国内産のものの需要に切り替えていただく余地があるということであれば是非そういう政策も頑張っていただきたいというふうに、これは要望で述べておきます。
 それで、更なる支援策ということでお願いしたいんですけれども、やはり一般的な持続化給付金、これも林業、木材産業者も活用できるということですけれども、これも、始まったばかりでなかなかデータはないかもしれないんですけれども、林業、木材産業者の申請状況はどの程度か、お分かりでしたら教えてください。

#27
○政府参考人(鎌田篤君) お答えいたします。
 持続化給付金につきましては、幅広い業種を対象に百万社以上を支援するものであることから、業種別の実績については集計しておりません。
 なお、全体の申請件数につきましては、五月一日より申請受付を開始し、十一日までの合計で七十万件以上の申請を受け付けているところでございます。このうち約二万七千件、約三百三十億円について事業者の皆様のお手元にお届けしたというところでございます。

#28
○打越さく良君 窓口も本当に大変で、なかなか業種別に統計を取るとかそういった把握は難しいのかもしれないんですけれども、どの業種に周知が徹底されていないのかとかそういうことを今後把握する上でも、申請状況について、できれば把握していただきたいというふうに希望しております。
 それから、我が会派は持続化給付金の差押禁止について法案を提出しておりますので、是非実現していきたいということも申し添えておきます。
 そして、森林組合法の改正案について、関連して御質問させていただきます。
 先ほど、宮崎委員の御質問の中でも林業における森林組合の役割についてございましたけれども、改めて、森林組合の所有森林面積と、それが民有林の何割を占めるか、教えていただければと思います。

#29
○国務大臣(江藤拓君) 森林組合の組合員の所有する森林の面積は民有林面積の約七割を占めておりますほか、植林、下刈り、間伐といった非常に一番負担の大きい、ここが一番林業の今の課題でありますけれども、こういったきつい仕事、そういった森林整備の主な作業について六割を受託いたしております。ですから、先ほどから副大臣、政務官が申し上げているように、森林整備、森林管理のメーンプレーヤーとしてこれまでも頑張ってきていただけたということでございます。
 今後は、まさに意欲と能力のある林業経営者こそが、まさにこれは森林組合そのものを示していると私は思っておりますので、先ほど御紹介いたしました事業譲渡、それから吸収分割、新設分割、こういった新たな手法も是非御活用いただいて、原木価格の価格決定するその力も是非山元に持つということもありますし、そして、その利益を更に山元に還元して、山が再造林されて循環型の資源管理ができるようなそういう体制が組めるように、引き続き森林組合の皆様方には是非御協力いただきたいということでございます。

#30
○打越さく良君 大変重要な役割を担っている森林組合ですけれども、なかなか、地元の方々からお話を伺ったところ、事業として、最近の傾向として、それが正確かどうか分かりませんけれども、実感としては、整備部門、森林整備部門はおろそかにしていいというか、そういうふうに誘導されているような気がすると、販売部門に力を入れろと慫慂されて、整備部門の方はおろそかにしなくてはいけないのかというか、そういう方がいいのかというような印象を受けていて。でも、やはり循環、環境保護ということであると、とても森林整備部門をおろそかにしていいわけはないんだけれども残念だと、残念な傾向にあるんじゃないかというような御見解をいただいたんですけれども、それについてはどのような御見解か、教えてください。

#31
○国務大臣(江藤拓君) その御指摘に対して、全くそれは違いますと言えないところが今の森林整備の課題だと思っております。
 特に、これから暑くなってまいりますと、植林した後の、植林したら、周りに草が生えてしまいますと光が当たらなくなって木が育ちませんので、ちゃんと刈ってやらなきゃいけないんですけれども、斜面での下草刈りの作業というのは、危険ですし、しかも暑いし、肉体的な疲労が非常に大きいということで、高性能林業機械のオペレーターになりたいという若者はたくさんいるんですけれども、そういう従来型の林業、枝打ちとかそういったものをやりたいという人がなかなかいない。
 ですから、我々としては、植林にしても、ポット型、ポットで入れて花粉の少ないやつをやると補助をするような制度もつくりましたしいろいろやっておりますけれども、やはり森林組合自体の所得水準、職員のですね、それも上げていく努力もやはりしていかなきゃならないんだろうと思いますし、施業班の所得を向上させる努力もしていかなきゃならないんだろうと思っています。
 そういうことをすることによって、全体の数字としては森林組合の職員の数もこれ減っておりますから、今回の法改正によって、やはり販売部門に力を入れることによって森林組合全体が余力を持つ、それによって給与水準にもそれが反映されて、地道な森林整備の作業にも若者が従事していただけるような環境を整えていきたいというふうに考えております。

#32
○打越さく良君 是非、整備部門をおろそかにしろと言われているんじゃないかという疑いを払拭していただきたいというふうに思っております。
 そして、今回の改正には多種多様な組合間の連携方法を導入するということなんですけれども、農業協同組合法には、事業譲渡、新設分割の規定はあるけれども吸収分割の規定はないと。水産業協同組合の方には、事業譲渡の規定はあるけれども吸収分割、新設分割の規定はないと。それとの比較において、どうしてこういう盛り込み方をしたのかということを御質問させてください。

#33
○政府参考人(本郷浩二君) 御指摘ございました農協や漁協においては、以前から事業譲渡の手法が制度として措置され、事業譲渡による取組が一定程度活用されている一方で、森林組合においては、これまで合併の手法しか制度として措置されていなかったところでございます。今回の法改正では、森林組合等における事業ごとの連携強化が可能となる枠組みとして、農協や漁協で活用されてきた事業譲渡に加え、債権債務者が多い場合に権利義務関係を包括的に承継することで取組を進めやすくする手法として、吸収分割及び新設分割の制度を導入することとしたものでございます。
 なお、御指摘ございました農協については、平成二十七年の農協法改正により新設分割が措置されておりますけれども、これは多様化、複雑化した農協の事業を細分化させるために導入したと聞いておりまして、今回森林組合法で措置する吸収分割や新設分割とは導入の目的、趣旨が異なっているということかなというふうに思っておりまして、森林組合の事業ごとの連携が可能になるような仕組みとして取り組んでまいりたいと考えております。

#34
○打越さく良君 昨年十月の全国森林組合代表者大会でも、事業連携の強化などが重要であるということで、制度改正を要望する旨の決議があったということは存じ上げているんですけれども、私が伺った森林組合の方は、事業連携の強化で何か今苦しい状況が好転するのだろうか、別に反対するものではないんだけれどもというような感じで、半信半疑でいらしたんですね。連携しているところはもうしているし、何が変わるのかなというふうにいぶかしげであったんですけれども、この制度の利用見込みについて何かお考えがあれば教えてください。

#35
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 現在も、申合せなどに基づいて、広域的な連携によりまして木材の販売を取りまとめる取組が行われております。このような場合には吸収分割や新設分割の活用が可能となるように考えております。
 こうした連携手法を活用する効果としては、職員の帰属や事業に係る費用負担等を明確にした上で、販売に関する直接の契約の主体として需要の変化に応じて機動的に対応できるようになることによりまして安定供給体制の構築が可能となるものと考えております。

#36
○打越さく良君 今回の改正で正組合員資格を拡大することについても、地元では、反対はしないんだけれどもそれで増えるものだろうかと、そもそも林業が厳しい状況というのが問題なのだけれどもということでありました。
 まずは、そもそも正組合員資格を拡大する必要性について教えてください。

#37
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 現行制度においては、森林所有者に加え、同一世帯に属する者のうち森林所有者から指定を受けた一人について正組合員となることを可能としているところでございます。
 しかしながら、子が所有者と同一世帯に属していないケースが増えていること、また、配偶者と子など複数の者が経営に参画している場合に、一人しか指定できないことにより指定が行われにくく、配偶者や若年層が組合員になりにくいといった課題がございます。
 このため、若年層や女性の参画を促進していく観点から、同一世帯に属する者を推定相続人に改めるとともに、指定を受けることができる人数の制限を設けないこととするものでございます。

#38
○打越さく良君 今まで、その後継者規定というものの活用状況が、六百十二組合中、その規定を全く利用していないところが三九%あって、ある程度活用があるというのが四八%、かなりあるというのが一三%ということだったんですけれども、これが、なかなか見込みというのはお答えが難しいのかもしれないんですが、この今回の法改正によってどの程度変わるか、後継者世代が増える見込みがあるのか、ちょっと難しいかもしれませんが、見通しを教えてください。

#39
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 なかなか見込みと言われても、はっきりと答えるというのは非常に難しいかと思いますが、今回の改正により同一世帯要件を緩和すれば、子や配偶者の組合員が増えると考えているところでございます。
 森林組合における組合員の後継者世代や女性の参画については、森林組合系統が自主的に取り組んでいただくことが重要であると考えております。そのためには、本年秋に策定される系統運動方針において系統としての数値目標が決定されることも重要であると考えており、農林水産省としても系統に働きかけてまいりたいと考えております。
 また、若年層や女性が組合員となって組合の活動が活性化している事例等を紹介し、横展開を図ることによって系統の取組を後押しするなど、取組状況の進展の度合いに応じた適切な促進策などを講じることにより、組合員の若返りと女性の参加の一層の後押しを行ってまいりたいと考えております。

#40
○打越さく良君 資料の方をお持ちしましたけれども、資料三の方ですが、正組合員に占める女性の割合が、直近の数値で、農協が平成二十九年で二二・〇%、森林組合は一〇・四%ということにとどまっています。
 そもそも、森林組合の方でも、今までも同一世帯に属する妻が正組合員になるということは制度的には可能であったにもかかわらず正組合員の女性が少なかったという、この認識でよろしいでしょうか。

#41
○国務大臣(江藤拓君) 先生の御認識はほぼほぼ正しいと思いますが。
 例えば、おやじがやっていて、正組合員で、息子も一緒に施業をしていると、ばりばり山に入って。しかし、嫁をもらって通りの向こう側に家を建てて、一緒に事業は毎日やっているんだけれども、世帯は別なので、この場合は正組合員の資格がなかった、今はないわけであります、法案が通っていませんから。法案が通ると、もう実際には一緒におやじと施業していて、結婚等をきっかけに、もう本当に、並びでも別世帯ですから、世帯としては別ですからという人も、やはり想定相続人として認定されていれば、これから正組合員としての資格を得ると。
 やはりどのような組織も、女性や若い方々がそういう組織になるべく入りやすくして、そして、いろんな多様な経営の在り方とか意見の提言をすることによって組織は活性されるものだと思います。ですから、今回の改正によって、私は、組合員数の数は確実に増えると、定量的にどれぐらい増えるということを申し上げることは難しいですけれども、できるだけいろんな方々の意見を取り入れながらこれからの森林経営をするためにも、今回の法案はかなり有効なものになるのではないかというふうに考えております。

#42
○打越さく良君 今回の法改正で、事業の執行体制の強化ということで、性別に著しい偏りが生じないように配慮ということを盛り込まれるということは私も賛成なんですけれども、改めて、それで役員に占める女性の割合というのを資料三で確認しましたところ、本当に驚くような、森林組合では〇・五%、女性の割合が〇・五%ということで、なかなか厳しい数字だなというふうに思っております。
 御存じと思いますけれども、平成十五年に内閣府男女共同参画推進本部が、社会のあらゆる分野において二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも三〇%程度にする目標というものを掲げました。今年二〇二〇年ということですが、なかなか余りにも程遠い数字であると言わざるを得ないかというふうに思います。
 それで、先ほども数値目標のことなどもおっしゃっていただきましたけれども、なかなか、現実を見据えてということは必要だと思いますけれども、やはり女性の参画の推進というのを目指すのであれば法案というわけではなくて政策の中でということになると思いますけれども、数値目標を掲げるというようなことを御検討いただけないでしょうか。

#43
○国務大臣(江藤拓君) 数値目標については政務官から先ほど申し上げさせていただきましたけれども、系統の皆さん方に、今回の法案の趣旨としても、それぞれの森林組合によって事情が違いますので、それぞれの地域によって足し上げる形で目標を立てていただかなければなりませんから、こちらの方から、我々は極めて公的な機関ですので、これをやらなければなりませんということはなかなか難しいですが、しかし、連携をして、こういう方々に対しても数値目標を是非定めてほしいという要請はさせていただこうというふうに思っております。
 それで、やっぱり女性が少ないのは、やっぱり山の仕事はずっと3Kと言われておりまして、非常に危険できつくて、脱水症状で倒れる人なんというのはもう日常茶飯事の厳しい職場ですから、ですから、なかなか女性が山に入るということは難しかった。それで、機械も、例えば農家で使う草刈り機なんかよりもずっと刃が厚くて、ちょっと間違えると足を切り落としてしまうようなパワーのでかいやつを使いますので、そういうこともあって、こういう現場の事情もあってこういうことでありますが。
 ただ、男女共同参画社会の実現ということで、決して山に入ることだけが森林組合の経営じゃありませんので、販売であったり福利厚生であったり、いろんなほかの部門で組合の中で女性が活躍いただける場面というのはたくさんあると思います。もちろん山に入っていくことも含めて、これから、そういう団体の方々とも、運動方針の策定に当たってはできるアドバイスはしっかりさせていただきたいと、そう考えております。

#44
○打越さく良君 ちょっと時間が足りなくなってまいりましたので、御用意いただいたと思いますけれども、若干割愛させていただいて。
 今お話ありましたように、この林業というものはとてもやりがいのあるお仕事ですけれども、なかなか危険も伴う業種のお仕事でもあるということで、非常に大変なところがある。
 死亡災害もあるというふうに伺うんですけれども、直近で把握されている死亡者数、教えていただけますでしょうか。

#45
○政府参考人(本郷浩二君) 林業労働災害について、平成三十年については三十一名の方が林業労働災害として亡くなっております。大変残念なことでございます。

#46
○打越さく良君 本当に大変な数字だと思いますので、それは、本当にそういう労働災害発生率が高いということですと、従事しようということをちゅうちょさせますし、離職を考えさせるようなことにもつながると思います。
 令和四年までに林業労働災害死傷者数を平成二十九年比で五%以上減少させる政策目標を掲げているということだと思いますけれども、その目標達成のためにどのように取り組まれているのか、教えてください。

#47
○政府参考人(本郷浩二君) お話ございました第十三次労働災害防止計画について、令和四年度までに死亡者数を一五%以上、死傷者数を五%以上減少させるという政策目標を掲げているところでございます。
 このような中、平成三十年の実績は、死亡者数は二二・五%減でございまして目標は達成しているものの、死傷者数については二・一%増えております。目標を達成できていないという状況にございます。また、死傷年千人率という指標がございますが、これは、林業、全産業が二・三に対して、約十倍高い二二・四という数字でございます。
 労働安全の確保に向けまして、農林水産省では、林業経営体が行う研修や巡回指導に対する支援ですとか、安全性を高める最新のトレーニング装置を導入する研修、高性能林業機械を導入することによって労働の安全の確保につなげるというような取組を行っているところでございます。
 さらに、作業の自動化あるいは無人化というようなことにつきまして、伐採の作業について、リモコン操作の伐採作業車や画像解析を行うAIを活用して自動で集材をする架線集材機械、自動で丸太の運搬、荷降ろしする運材作業車、こういうものを開発したり、傾斜地でも走行可能な、地ごしらえ、下刈りなど複数の作業を行えてリモコンで操作できる造林機械などの開発、改良を取り組んでいるところでございます。

#48
○打越さく良君 私、この法案の質問の準備に当たって勉強させていただいて、本当に林業の意義というものを感じましたので、持続可能なものにするために、私としてもしっかり考えていきたいと思います。
 ありがとうございました。

#49
○森ゆうこ君 法案の審議に入る前に、資料をお配りさせていただいておりますけれども、林業政策に関しましては、未来投資会議において、非公開の場でもいろいろな、あの竹中平蔵会長の意思が貫徹されるようにという様々な働きかけがあったということは先般の委員会で指摘をさせていただいたところでございます。
 ところで、二〇二〇年、今年の一月十五日、これは非公開でございます。官邸のホームページにはまだ公開をされておりませんけれども、未来投資会議の構造改革徹底推進会合がございました、実は。それについての資料を内閣官房から御提出をいただきました。テーマになったのは、一番が国有林における樹木伐採権制度の具体化の進捗状況ということで、あとはいろいろあるんですけれども、そこで、これについて林野庁にお聞きをしたいと思います。
 まず、去年の国会で成立をいたしました、そして今年の四月一日施行されましたけれども、国有林野管理経営法の施行状況について伺います。
 樹木採取権の契約成立及びその内容について、説明できることがあればお願いいたします。

#50
○政府参考人(本郷浩二君) 樹木採取権については、基本となる規模である面積数百ヘクタール、権利存続期間十年程度のものを十か所程度パイロット的に設置すべく、現在、具体の樹木採取区の指定や公募に向けた準備を行っているところでございます。
 このため、現時点において樹木採取権の設定及び契約締結に至ったものはございません。

#51
○森ゆうこ君 具体的に何か話が出ているところは、地域、あるんですか。

#52
○政府参考人(本郷浩二君) 今、どこで設定するかということを森林管理局と調整をしているところでございまして、特別ニーズとして上がってきているということではございません。

#53
○森ゆうこ君 それで、この一月十五日に行われた未来投資会議の構造改革徹底推進合同会合では、この樹木採取権について何が話し合われたんでしょうか。

#54
○政府参考人(本郷浩二君) 林野庁からは、テーマとされた樹木採取権制度に関連し、昨年十一月十八日の未来投資会議構造改革徹底推進会合において竹中会長から説明を求められていた、より規模の大きな樹木採取権の考え方について、その検討状況を説明したところでございます。
 そして、事前に事務局からあった質問及びその回答と同趣旨のやり取りがあったのみで、説明資料については了解されているということでございます。

#55
○森ゆうこ君 いや、具体的にどのような説明を行い、竹中会長からどのような御指摘、御要望、御意見があって、どのようにお答えになったのか。今、何に基づいて、この一月十五日の決定会合で何が話し合われたのかということについて私に答弁してくださっているんですか。何が具体的に話し合われたんですか。
 これ資料を、当日配られた資料は今皆様のお手元にお渡ししたところでございますけれども、この資料に基づいてまず説明したということなんですか。

#56
○政府参考人(本郷浩二君) 国産材の需要、ニーズが特に大きな地域について、その地域の需要動向や森林資源の状況などを勘案しつつ、十年を超える期間も設定できることとしていることを国会審議では御説明させていただいているところでございます。
 会合では、より規模の大きな権利設定の考え方について、国会で説明した内容に沿って、国有林の資源面、地域における木材需要面から考察し、近年の大型製材工場等の平均的な規模である年間原木消費量をモデルに、規模の大きいニーズについてどう対応するかということを御説明させていただきました。
 出席した職員に確認しましたけれども、竹中会長からは、事前に事務局に回答した質問と同趣旨の、国有林からもっと供給してほしいという要望があった場合に柔軟に対応いただきたいとの発言がありまして、林野庁からは、同じく事前に回答した内容に沿って、当該地域における国有林の資源量や民有林材を圧迫しないか等を勘案しつつ真摯に検討したい旨を回答したということでございました。

#57
○森ゆうこ君 さっぱり何が話し合われたのかよく分かりませんけれども。
 この一番最初のリスト、ほかの役所も呼ばれているわけですが、他の役所からは私は議事メモをいただいております。林野庁に対して、この一月十五日の議事メモを、本来であれば内閣府、内閣官房、未来投資会議、そこが全部出すべきなんですよ。だけど、残念ながら、国家戦略特区、未来投資会議、規制改革推進会議、なぜか分からないけれども、非公開にした会議については何を言っても出してきませんからね、もう山ほどありますけれども。
 やむなくほかの役所からいろんなものを出していただいておりますし水産庁からも出していただきましたし、先日は林野庁からも、退職したはずの福田元内閣官房長官補佐官が辞めた後も部屋を持っていて、そしてこの林野行政に口を出していたというその打合せについての議事メモを出していただきましたが、これ本当にないんですか、議事メモは。

#58
○政府参考人(本郷浩二君) 出席した職員に確認しましたけれども、事前に事務局と回答していた内容と同趣旨のやり取りがあったのみでございまして、こちらからは、説明資料に対して基本的に了解したという趣旨でございましたので、特にメモというものは取っていないということでございます。

#59
○森ゆうこ君 あり得ませんね。メモを取らずに報告できないでしょう、長官に対して、どういう会議がありましたって。
 大臣、どう思われます。メモを取らない役所なんてあるんですか。メモがないわけないじゃないですか。今言った話だって、メモに基づいて話をしているんでしょう。どのような竹中会長から御指摘、御要望、御意見があり、それに対して林野庁がどのように答えたのか。別に隠す必要ないじゃないですか。議事メモを御提出いただきたい。

#60
○政府参考人(本郷浩二君) 今も申し上げましたように、事前に事務局に回答していた内容と同じやり取りでしたので特段メモを取る必要がなかったと聞いておりまして、私どもには口頭でこのとおりでございましたという報告をいただいた記憶がございます。

#61
○森ゆうこ君 じゃ、事前にやり取りした資料を出してください。

#62
○政府参考人(本郷浩二君) 資料については四月二十八日に内閣官房から森ゆうこ議員に手交済みと聞いておりますけれども、当方からも提出させていただきます。

#63
○森ゆうこ君 いや、それはここに今日配ったやつの話ですよ。私が内閣官房からもらったのはこの資料のことです、今日配付した資料の一ページから四ページ。資料を出す出さない、あるべき資料を出す出さないで時間取らせないでいただけます。
 当然、今おっしゃったじゃないですか、事前にメモをやり取りして、そのとおりですと。それで終わったんだというんだったら、その事前の竹中会長の問いかけと、そしてそれに対して林野庁が事前に御報告した内容と、そのメモを出していただければいいんじゃないんですか。

#64
○政府参考人(本郷浩二君) 事前の質問、回答については四月二十八日に内閣官房からお出しをしているというふうに聞いておりますけれども、当方からもお出しします。

#65
○森ゆうこ君 それでは、皆様、五ページを御覧ください。これどういう意味なのか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
 これが当日林野庁が配付された資料、昨年の国有林野管理経営法の施行状況について、長期、大ロットの樹木採取権に係るマーケットサウンディングについて。これは一番竹中会長が、お聞きするところによりますと御関心があって、これちゃんとやるのかと、どんどんやれということを強くおっしゃっているということでございまして、それは、先般皆様にお配りした例の福田元補佐官との打合せの中でもそれを更にプッシュするような話がかつてもあったということでございます。
 この資料についてちょっと説明していただきたいんですけれども、今後の予定ということで、令和二年度、マーケットサウンディングの実施を行うと、その次、三年から四年はその結果を公表し、そのマーケットサウンディングの結果を反映した権利設定に向けた条件整備を行うということなんですけれども、左側見ていただけますか、皆様。募集の案、募集する事項、いろいろ書いてあるんですけど、希望する樹木採取権の設定期間、約十年以上と、十年からというふうに書いてありますけれども、これはどういうことですか。

#66
○政府参考人(本郷浩二君) 御指摘の資料は、十年を超える存続期間の樹木採取権の設定を行う必要性について検討するためにマーケットサウンディングを行うことを説明するためのものであったことから、期間について十年からとしたところでございます。
 なお、林野庁では、同資料の三ページにあるとおり、規模の大きな権利について考えているところでございます。

#67
○森ゆうこ君 いや、去年の国会審議と話が違うじゃないですか。
 まず、法案の改正のときには、とにかく五十年もの長期の権利を一民間業者に渡すということはいかがなものかというのがやっぱり最大の論点で、いや、とにかく十年が基本ですからということで、そのことについては、徳永委員の条件付反対的賛成討論の中でも、そういうことを条件にして、必要な部分もあるからやむなく賛成という表明がなされ、繰り返し、いや十年ですという話だったんですけれども。
 でも、これ見ると、竹中会長の御下命に応じて、とにかく十年以上のニーズがあるんだと、それでどんどん募集して、それが出てきたら二十年、三十年、それに基づいて、右側を見ると、その結果を反映した権利設定に向けた条件整備を行うと。話が違うじゃないかと普通だったら思うと思うんですけれども、違うんですか。

#68
○政府参考人(本郷浩二君) 御指摘の資料で掲載している提案募集は、十年を超えて樹木採取権を設定する必要があるかどうか、また設定する際の規模、期間をどうするかなどを検討するために、今年度末から来年度にかけて、地域における新たな需要の創出の動向を調査しようとするものでございます。
 なお、国会審議におきましては、これまでも、国産材の需要のニーズが特に大きな地域については十年を超える期間も設定できることとしている旨を御説明させていただいているところでございまして、国会審議の際の説明と特に異なることではないと考えております。

#69
○森ゆうこ君 いや、違いますよ。
 じゃ、そういう話だったら、これ十年と書く必要ないんじゃないんですか。ここに十年以上と、十年以上ということを書く必要ないんじゃないんですか、国会答弁と同じだというんだったら。どういう御要望があるのか、皆さんの、民間の人たちにいろんな提案をしてもらうということであれば十年以上と書く必要ないじゃないですか。
 これは誰が見たって、我々に約束した、もうとにかく十年だからという話と違って、やっぱり超長期の権利が欲しいという人たちは早く手を挙げてくださいみたいな。それを手を挙げてもらったら、それに基づいて、右側に書いてあるじゃないですか、そのマーケットサウンディングの結果を公表して、それを反映した権利設定に向けた条件整備をするという、そういうふうにしか読めませんよ。大臣、どうですか。

#70
○国務大臣(江藤拓君) 私も、先生からの質問要旨を見させていただいて、国会での答弁、それから本会議での答弁の要旨も全て読ませていただきましたけど、十年を基本ということを申し上げていることであって、この募集事項につきましては十年からというふうになっておりますから、下は見ていないけどこれから上も見ているという書き方でありますから、先生の御指摘が全く外れているとは思いません。
 ただ、マーケットサラウンディングを今年の末ぐらいからやろうと思っておりますが、一年以上掛けてやろうと思っています。やはり需要のないようなところ、特に無理のあるようなところに十年以上の権利設定をするつもりは私どもとしては全くありません。
 そして、その樹木採取権を一旦取得しても、そして、毎年毎年それがしっかりと最初の約束どおりの樹木採取が行われているかどうか、そういったものは毎年報告義務を課しているわけでありますから。自分としては、採取権の設定はまだ実際に行われておりませんけれども、設定をしたら毎年毎年かなり厳しく見させていただいて、そして、それが駄目ということであれば採取権を剥奪することも当然やろうと思っています。
 ですから、この十年間以上になるということは、例えば、私の宮崎には中国木材というとてつもないでかいフルオートメーションの工場ができました。そういうところに、例えば、森林組合がこれからの非常に、今回の法案でも書いてありますけれども、事業のメーンプレーヤーとしての担い手になり得るわけですから、このでかい工場が、何十億円も掛けた工場ができたところに十年以上の権利設定がされても、それは、蓋然性としても客観的な評価としても、これはおかしいじゃないかということには私はならないんだと思います。
 ですから、マーケットサラウンディングをしっかりして、そして、無理のあるようなところに設定はしないですよ。思い切り輸出をする見込みが確実にあると、そして、大きな工場で国産材が有効に、そして国有林の材木も有効に活用されることが確実だということであればあるかもしれませんが、今の段階で、竹中さんの言われたように、特定の方々にそんな権利を与えるようなことにくみするつもりはございません。

#71
○森ゆうこ君 そもそも、これ、やっぱり林業の成長産業化という考え方自体がおかしいんじゃないんですか。
 これの一ページ、林野庁の説明ペーパーの、当日配付資料ですね、改めてですけれども、カナダの森林と日本の森林が比べてあります。長期、大ロットで樹木を取れるようなところなんてほとんどないんじゃないですか。違いますか。そういう説明じゃないんですか。
 それで、もしこの長期、大ロットを無理やりやろうとすれば、結局それは、特に大ロットということになれば当然取りやすいところから、しかも、皆伐して全部伐採しないとこのコンセプトは成り立たない。これは、国がこういうふうに去年法案を改正して、そして、おととしからでしたっけ、その皆伐に対しても補助金付けていますよね、資源高度何とかかんとかという、ごめんなさい、すぐ出てこないんですが。それが、ちょっと質問飛ぶんですけど、間違ったメッセージを与えていて、本当に森林が持続可能と言えるのかどうかということについて、私は、今回、地元の森林組合の皆さんからいろんな御意見、どこどこ組合と言いたいところなんですが、非公表にしてくれという皆さんの御要望なので何組合とかは申しませんけれども、このままだと豊かな森林、国土が崩壊してしまい荒地化が進むばかりじゃないのかという御懸念でございます。
 だから、日本の森林、カナダの森林と全然違うわけですよ。ということで、そもそも林業の成長産業化、そのためには大ロットで大規模で長期にわたってと、これ、そもそも成り立っていないんじゃないんですか。
 そして、大ロットで取れば、今は売りさばくところがなくてたまっていて、それは北海道も一緒だし新潟も一緒です。そういうことで何が起きるかといえば、木材価格が下落する、山元に利益が還元されない、薄利多売、そして、A材で本来取引されるべきものもB材、C材、D材、バイオマスに行ってしまうと。
 とにかく数量を取ればいい、大ロットで取ればいいと、その設定自体が間違っているんじゃないですか。どうですか。

#72
○国務大臣(江藤拓君) やはり私は山の中で育ってまいりましたので、林業の世界は、私は山主ではありませんけれども、友人はたくさんいます。私の友人で一番幼稚園の時代でお金持ちだったのは、やっぱり山主だったり製材所の息子だったですよ。初めておやつをごちそうになったのもそういう家だった、まあ余計な話ですけれども。
 しかし、そういう三万円とか四万円の時代があって、山主の人たちは子供一人に必ず乳母さんが付いて、御飯も食べさせてもらいブランコも押してもらうような時代もありました。物すごくすごい時代がやっぱりあって、その後、拡大造林の時代を経ていろんなことがあって、今では、私が通ったのが平成十五年ですけれども、そのときは、もう材価は九千円とか八千円とかとんでもない時代になって、そんな中で、成長産業化はやはり望んでいるんだろうと思います。成長産業化イコールやっぱり山元への利益の還元であったり施業班への所得の向上であったり、そういうことだろうと思っています。
 そして、大規模ロット化については、確かに切りやすいところから切るというところの問題は私もあると、それは思っていますけれども。
 もうちょっとだけよろしいですか。工場ができることによって、今まで引き受けてもらえなかったC材、D材も製材できるような能力を持っている工場も今でき始めていますから、今までだったらもう燃やすか山に切捨て間伐するしかないような材もお金に換わるということも大きな工場が誘致されることで可能になっておりますので、決して大規模化を目指すことイコール間違いだというのは全てではないというふうに私は考えております。

#73
○森ゆうこ君 だけど、結局、木材価格は下がっているわけですよ。だから、安くそれが売れても全然潤うようにはならないわけで、そして、それでもとにかくもう売っちゃえみたいになってしまうと、皆伐して。あるいは許可を受けたと偽って隣の森まで伐採をしてということで。
 ちょっと改正案についてのところ後で戻りますけれども、大臣の地元ですけど、一番問題になっていたのは盗伐、これ、ようやく一つ有罪判決が出ました、今年の一月二十七日に。私は、森林のおととしからのいろんな法律のときに林野庁に聞いても、えっ、盗伐なんてないですよみたいな、そういう感じだったんですよ。
 それで、盗伐の現状をどういうふうに把握していて、きちんと対応されているのかどうか。そして、これちょっとまとめて聞きますけれども、つまり、今回こうやって成長産業化で結局皆伐を認める、皆伐の補助金まで付いている、大ロットだ長期契約だと、こういう方向性でいくと国が率先して皆伐を推し進めていると、これは持続可能になりませんよ。だから、実際に地元の組合の人たちからも、主伐、皆伐が進んでいるんじゃないかと、そういう現状を国はしっかりと把握しているのかということを心配する声もいただきました。この法案よりも、役に立つか立たないかよく分からないけれども、この森林組合の改正案よりもそっちでしょうという御意見も複数いただいております。
 三番の我が国の森林の現状についての一番と二番足しますけれども、盗伐の現状、把握数、対応はどうなっているのか。そして、主伐、皆伐が行われているのが現在森林面積の何%で、そして、その主伐、皆伐したことについて、きちんと再造林何%ぐらい行われているのか、順調に行われているのか、その点についてお答えください。

#74
○政府参考人(本郷浩二君) 御質問ございました盗伐の現状、把握数でございます。
 平成三十年一月から十二月までの間に市町村や都道府県に無断伐採に関する相談などが寄せられた件数は七十八件でございました。その多くは境界が不明確であることによるものでありますが、故意に伐採された疑いがあるものも六件含まれております。これは都道府県を通じて調査をしたところでございます。
 このような状況を踏まえて、農林水産省では、都道府県、市町村に対し、警察と連携したパトロールなどの取組、無断伐採の未然防止に対した対策を強化しているところでございます。
 それから、再造林について御質問いただきました。
 近年の主伐の実績は、推計値で年間七万から八万ヘクタールで推移しております。我が国の人工林面積一千万ヘクタールの一%にも満たない水準ではございます。一方、人工造林の実績は年間二万から三万ヘクタール程度となっておりまして、これらに基づくと、主伐後に植林が実施された場合は三割から四割の水準にあると、残余は、天然更新というような形で天然力を活用した森林の再生というものを目指すというものが多うございます。
 人工林の多くが主伐期を迎えているということでございますが、森林資源の循環利用をしていくために、主伐後の適切な再造林を確保していくことが重要と考えております。

#75
○森ゆうこ君 主伐しなきゃいけないというものでもないんですよね。
 結局、主伐はイコール皆伐につながりかねず、そして、皆伐が行われたところに関しては、再造林、今おっしゃった程度しか行われていない。しかも、去年の法案の審議のときも問題になりましたが、今、鳥獣害の被害がすごいですから、苗を植えても育たないということで、はげ山がどんどん、気が付いたときにはもう手遅れという、環境破壊ってそういうものなんですよ。しかも、主伐に対して、高度資材活用何たらということで、今まで付けなかった補助金まで付けている、これは絶対に間違っていますよ、大臣、方向性が。
 それで、今、きちっと点検すると、盗伐についても点検するとおっしゃいましたけれども、そもそもマンパワーが足りていないじゃないですか、林野庁の。だから、あれなんじゃないですか、会計検査院にこの間のような指摘を受けるんじゃないんですか。林道設備の点検について、マニュアル違反、ガイドライン違反、かなり詳しく会計検査院も調べて指摘を受けましたけれども、マンパワーが不足していてきちっと対応できていないんじゃないんですか。

#76
○政府参考人(本郷浩二君) 無断伐採のチェックにつきましては、市町村あるいは警察、都道府県、そういうところと連携をして実施をしてきているところでございます。
 今、林道の検査のこともございましたけれども、これにつきましては、林道の安全な通行がきちっと確保されるよう、施設の損傷の有無などは点検をしてきたところでございますけれども、今般、会計検査院の指摘を真摯に受け止めて、ガイドライン等に基づいてより厳格に行うように対応してまいりたいと考えております。

#77
○森ゆうこ君 大臣、今回の会計検査院の指摘、結構厳しいですよ、具体的で。そんな、一生懸命やってきたけど指摘されちゃった、ごめんなさい、しっかりやりますという、それじゃ困るんですよ。何でこうなったんですか。

#78
○政府参考人(本郷浩二君) 林道の長寿命化についての点検でございますけれども、これにつきまして、国有林が先んじて点検要領、作成要領を作成して、国有林として実施してきたところでございます。その後、ガイドライン、マニュアルというものを林野庁で整備したところでございますけれども、その内容が国有林の中で十分作成要領として改正、反映されていなかったということが原因でございます。

#79
○森ゆうこ君 私はマンパワーの不足なんじゃないかと思いますよ、きちっとやられていないというのは。ここまで詳しく会計検査院に指摘をされて、ガイドライン違反、マニュアル違反と、重く捉えていただきたいというふうに思います。
 ちなみに、もう一回言いますが、去年の法案、国有林野の管理経営法の賛成は条件付でしたからね。こういうマンパワーもきちっと充実して、管理もしっかりやっていく、それから、五十年なんてとんでもないと、そういうふうにならない、そういういろんなことを条件を付け、必要な部分もあるのでやむなく国民民主党としては賛成したということを言っておきたいと思います。
 それで、その今の流れは私は間違っていると思います。決して、森林組合の人たち、所有者、そして何よりも労働がきつい、それは所有者じゃなくて林業労働者です。その人たちは組合員ではない。日給月給ですよ、大変ハードな危険な。私も、まきストーブたいているので、チェーンソー、そしておのを使いますよ。まき割りのできる国会議員ということで前にもこの委員会でちょっとアピールしたことあるんですけど、いや、危険ですよ、いつでも。もう跳ね返って、それで大けがをする可能性もあるので。山に来てくれと言われたこともありますけれども、それだけの大変な仕事なんですよね。でも、賃金が安い、日給月給と。だから、そこを改善しなきゃいけないというふうに思いますし。
 それで、この改正案なんですが、何で目的変えたんですか。その流れから事業の目的変えたんじゃないんですか。元々は、事業の目的は、「その行う事業によつてその組合員又は会員のために直接の奉仕をすることを旨とすべきであつて、営利を目的としてその事業を行つてはならない。」というふうになっていたわけですけれども、これが今回は、「組合は、その事業を行うに当たつては、森林の有する公益的機能の維持増進を図りつつ、林業所得の増大に最大限の配慮をしなければならない。」、この目的を変えた。
 大臣、これ何でこういうふうに目的変えたんですか。目的を変えるって大きいことですよ。

#80
○国務大臣(江藤拓君) これまでの法律の趣旨、これまでやってこられたことについては一〇〇%尊重する。ですから、しつつというふうに先生今お話をいただきましたけれども、それをやりながら、これからは、出資配当等はできますけれども、組合ですから利益を基本的には追求してはならないという趣旨において経営をされてきたわけでありますけれども、やはり今度、分割したり吸収したり新たにつくったりしてこれをつくるということは、少しでも、例えば、川下にいるでかい製材工場の人たちとしっかりと価格交渉をして、高く売るものはしっかり高く売って、その利益を山元に還元して、そのことによって山主も再造林への意欲が湧き、そして、先生が今御指摘されました日給月給、特に日当払いの人が多いので、雨が降ると山に入れない、一か月のうちに十日しか山に入れなかったなんということもあります。そういう体制もしっかり直すためには、森林組合としてもやはり利益を追求するということも決して駄目ではないんですよということを法案の中に明文化することによって、組合としても、それから山元にしてもしっかりとした体制強化を図れるように、目的をこのように一部書き換えさせていただいたということでございます。

#81
○森ゆうこ君 その目的の変更は非常に大きいと思いますよ。営利を目的としないところから、もう利益を最大限追求する、これ、組合じゃなくて企業じゃないですか。企業じゃないんですか。だったら企業でやればいいんですよ。そうじゃないでしょう、森林組合の役目というのは。そういうことを懸念する声もいただいています。
 森林の持つ多面的機能を維持しているのは組合なんだと、組合を中心として地域の中でやっていくんだと、これは、産業政策というよりは、大臣の得意な社会政策じゃないんですか。それを切り捨てて、結局、今までの竹中平蔵さんラインのやり方で、成長産業化だと、皆伐して大ロットで売ればいいんだと。気が付いたらもう回復不可能になっていたりするんじゃないんですか。それを国が率先してやれというのが去年の国有林野の管理経営法の改正だったわけでしょう。それが具体的になかなか進まないからこの一月十五日に呼び出されたんだと思いますけれども。やめた方がいいですよ。無理ですもの、だって。さっき言ったように、大ロット、長期間といったら、さっき言ったむちゃなことをやらざるを得なくなるんですよ。
 そして、国産材の自給率高める、自給率高めるのは重要ですよ。でも、中身が重要でしょう。二束三文に、本来であれば大切にもう少し育てて、七十年、八十年、去年もそういう意見がたしか平野さんからあったと思いますけれども、持続可能なちゃんと森として守っていくという方向に変換した方がいいんじゃないんですか。私は、何げないかもしれないと思っているかもしれないけど、この事業の目的の改変というのはよろしくないと思いますよ。で、これを修正を求めたんです。修正を求めたんですよ、我が会派としては。残念ながら乗っていただけなかった。大事なことだと思いますが、そう思いませんか、大臣。

#82
○国務大臣(江藤拓君) 組合ですから公益性を持っている、出資配当は基本でありますけれども、利益だけを求めるということではないということは先生の御指摘のとおりだと思います。しかし、その一方で、やはりこれから、例えば、自給率についても随分上がりました。私が初当選の頃がたしか一八%ぐらいだったんですけど、今は三六ぐらいになっているので、大体倍に上がってきている。それから、CLTとか新たな技術もあります。
 そして、山ももっと育てるという御質疑もありますけれども、木の口径も、なかなかでかくなり過ぎると、立派な木、素人目には立派な木なんですが、製材所にしてみればこんなでかい木は受け入れられないということもありますから、一定の樹齢になったらやっぱりしっかり切って、しっかり再植林をやって、その後の山の保全をするということがとても大事なんだろうと私は思っています。
 山も、もうかる林業をやっぱりやって、山に従事する仕事はやりがいがあって楽しい。私の田舎なんかは結構若い二十代の林業従事者も増えていますので、結構な所得も取っています。ですから、そういう方々を応援するためにも、この法律の目的の中にしっかりと、営利を目的として事業を行ってはいけないという部分を弱めさせていただいて、もちろん公益的な、社会政策的な役割をしっかり果たしていきながら、やはり買手に対して強く出ることのできる組織力を山元でつくっていこうと、それによって買いたたかれないようにしようということをこの法案には込めたつもりでございます。

#83
○委員長(江島潔君) 残りは僅かです。

#84
○森ゆうこ君 未来投資会議、資料にお付けしました。この間の議論の経緯を林野庁がまとめてくださいました。
 この中で、変化していくわけですけれども、全然関係ない人たちが林業の哲学を知っているのか、山のことを。私だって知りませんよ、まきは割っているけど。そういう全然関係ない人がとにかく成長産業すればいいんだと、ちょっと方向性が違うと思いますよ。それはもう一回考え直していただきたい。
 未来投資会議とかに好きなようにやられるのはもうやめましょうよ。やめましょう、もう世界は変わるんですよということを申し上げ、ただしかし、反対することもできない部分もあってやむなく賛成しますけれどもということを申し上げて、質問を終わります。

#85
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭です。
 森林組合法改正案の質問に入る前に、新型コロナウイルス感染拡大による林業、木材産業への影響についてまずお伺いをしたいと思います。
 例えば住宅建設業界でも、新型コロナの影響で設備機器や住宅建材の納期遅れなどが発生をしたり、国内外での木材需要の減少やこれに伴う在庫の増加といった事態が起きております。また、中国向けの丸太輸出の状況は、一月から三月の累計で三割減、金額ベースで三八%減になっております。新型コロナの影響で売れずに在庫が増加をしていると、このような状況がございます。
 そこで、令和二年度の補正予算には、滞留している原木の保管費用等への支援事業が盛り込まれております。苦しい今こそ新たな支援策をしっかり使っていただきたいですし、また、そのためにも幅広く支援策の周知徹底を図っていただきたいと思います。
 まず、大臣に、こうした現場に寄り添う取組への決意をお伺いいたします。

#86
○国務大臣(江藤拓君) こういう緊急事態でありますので、こういうのがありますということをただ公表させていただいてこちらから待っているということではなくて、こちらの方からこういうものがありますので是非御利用くださいという、勝手伺いじゃないですけれども、そういうような体制を農業も林業も水産業もしっかりやるようにということをやらせていただいております。
 持続化給付金等についても、なかなか林業の場合は、去年全く切っていない人がいたりしますし、例えば、森林組合も持続化給付金の対象には当然なるんですけれども、そのことをまだ理解されていないところもあるやの報告も受けておりますので、しっかり今回の、その保管に関する費用等も含めて、まずはこれの周知徹底をしっかり図らせていただいて、そして、正直、この補正予算を要求したときと今の原木価格の動向、それから材木の滞留の状況が大きく変わりました。例えば、地区によっては、私の宮崎は原木価格一〇%減ですけれども、熊本辺りは二五%以上下がっていますので、相当山元にもきつくなってきております。
 ですから、もし今後の補正予算があれば、皆様方のまた御意見をいただいて、山元やいろんな川上、川下、川中も含めてどのような支援策が可能か、また検討させていただきたいと考えております。

#87
○塩田博昭君 今大臣からお話しいただいたとおり、今本当に大変な時期でございますから、しっかりこちら側から周知徹底を積極的に図っていただきたいと、このように思います。
 では、森林組合法改正案の質問に入りたいと思います。
 戦後に植栽された民有林が今大きく育ちまして、本格的な利用期を迎えております。ところが、その一方で、林業従事者は年々減少を続けており、高齢化も進んでおります。そこで、伐採や植林を担う森林組合の活性化が課題となっております。山村を支える人々の利益につながるように、組合員の拡大や若返りを図るなど森林組合の体制強化を急がなければならないと、このように思います。これが今回の法改正の背景だと私も理解をしております。
 最初に、組合間の多様な連携手法の導入についてでありますが、これまで、森林組合の合併等によって一組合当たりの生産量は増えています。しかし一方で、販売規模が小さい組合も依然として相当数存在をしております。そこで、組合の経営基盤を更に強化をするために、森林組合法の改正案には、これまでの組合の合併に加えて事業ごとの連携強化が可能となるように、事業譲渡、吸収分割、新設分割という連携手法の導入が盛り込まれております。
 確かに、合併という手法では、経営基盤の強化や資本装備の充実は図れますけれども、地元に森林組合を残したいという意向や、実際に山に入って森林管理の作業に従事するという性質上、地理的に広域化が難しい場合があります。しかも、組合組織を市町村の区域を越えて合併する場合はハードルが高いケースもあると指摘をされています。
 新たな連携手法は合併とどのような点で異なり、どのようなメリット、デメリットがあるのか、まず、その認識から伺いたいと思います。

#88
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 合併が組合の組織単位で権利義務の全てを別の組合に承継させる制度であるのに対して、新たに導入する事業譲渡、吸収分割、新設分割は、事業ごとの連携強化が可能となる点で異なっております。また、合併による手法は、資本や役職員が増えることによる直接的な経営基盤の強化が図ることができる一方、今も委員からお話がございましたように、市町村や森林組合の組合員からは地元に森林組合が残せないというような御意見もあって、合併が進まない場合もございます。
 新たな連携手法は、森林組合を地元に存続したまま事業ごとに連携を強化することが可能であるということがメリットになるかというふうに思っておりますけれども、合併に比べると組織全体の合理化ということにはつながりにくいという面もございます。このため、合併による経営基盤の強化が可能な場合には合併を活用し、できるところは、合併をする必要があるところは進めていきたいと考えておりますし、地域の事情等により合併が進まない場合には新たな連携手法を活用することになると考えております。
 メリット、デメリットをよく現場で説明して、森林組合それぞれの状況に応じた連携手法が選択されるよう、都道府県と連携しつつ取り組んでまいりたいと考えております。

#89
○塩田博昭君 次に、新たな連携手法が可能となった場合でありますけれども、例えば、東北地方のある県では、県内の森林組合が生産した木材を県森連が取りまとめて大規模工場に木材を安定供給する取組を行っております。大ロットでの供給となり、大規模工場と対等の立場での取引が可能となっています。また、価格交渉力を高め需給調整を行うため、全国森林組合連合会の担当者が各県の連絡調整を行い、大手製材工場との取引や海外輸出のコーディネーター役を担う取組も行われていると聞きます。
 新たな連携手法が可能となった場合、どのような活用を想定し、林野庁としてどのように推進していくのでしょうか。見解を伺いたいと思います。

#90
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
   〔委員長退席、理事堂故茂君着席〕
 本改正案が成立した場合には、新たな連携手法を活用して販売部門を統合した連合会を設立をして、圏域を越えた木材流通の取りまとめ、大規模工場等に対する価格の交渉、海外輸出への展開など、広域的な販売体制の強化を図る取組が進むことが期待をされます。こうした連携による販売体制については、現に、宮崎県と鹿児島県の一部の森林組合による海外輸出の取組や中部圏の複数の森林組合連合会による大規模製材工場等との取引など、圏域を越えた広域的な連携の動きもあり、連携に向けた素地も既にあるところでございます。
 農林水産省といたしましては、今回の法改正により導入する連携手法の制度の周知徹底や連携事例の横展開を図ることなどによりまして系統の取組を後押ししながら、販売事業の拡大に向けた体制の構築による系統の経営基盤の強化が着実に進むように、都道府県と連携をしながら指導してまいりたいと、このように考えております。

#91
○塩田博昭君 では次に、森林組合の正組合員資格の拡大についてお伺いをしたいと思います。
 森林組合は森林所有者の組合でありますから、林業の場合、苗を植えてから木材として出荷できるようになるまでに数十年掛かることから、組合員が植えた木については収穫を得るのは後継者であることが多いために、後継者世代にも正組合員として組合に関わることが求められています。
   〔理事堂故茂君退席、委員長着席〕
 そこで、核家族化等により後継者が同一世帯に属していないことも多くございます。これまでの同一世帯要件が後継者を正組合員にする障壁にもなっていたため、改正案では、正組合員として指定される人を推定相続人とし、森林所有者と同居していない子供らに正組合員になれる道を開き、人数制限も撤廃するとしております。
 同一世帯の要件を緩和することで、森林所有や森林管理、組合活動に関心のない正会員も増えることが予想されます。親元を離れて暮らす推定相続人と連絡調整がスムーズに行われず、組合の意思決定に支障を来すことにはならないか、組合活動への関心を高め積極的に参加してもらうにはどうするのか、見解を伺いたいと思います。

#92
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 今回の改正による正組合員資格の拡大後も、森林所有者に加えて正組合員に追加できるのは森林所有者から委託を受けて森林経営を行うものとなっておりまして、経営に関わる後継者ということでございます。新たな森林組合員となる方も森林組合の経営に対して関心を持っているということを想定しているところでございます。
 一方で、親元から離れて暮らす経営に関わる組合員にとって、総会への出席などが負担になり、組合の関心を維持することが難しくなることも考えられるところではございます。このような組合員が組合への関心を更に高めるように、広報誌やホームページなどにより組合が積極的に情報を発信するとともに、離れた場所でも書面やインターネット等の手段を用いて総会に参加できるようにすることなどにより、組合員が組合の意思決定に積極的に参加できる環境を整えることが必要だと考えているところでございます。
 農林水産省としても、系統の情報開示と遠隔地からの総会への参加などが一層進むよう、しっかりと指導してまいりたいと考えております。

#93
○塩田博昭君 今御答弁いただいたように、組合への関心を高める取組が重要であると考えておりますので、是非よろしくお願いをいたします。
 そして、後継者をあらかじめ指定しておくことで、所有者不明の森林の発生を防ぐ効果があると思います。一方で、共有相続される場合や相続トラブルが発生する場合もあるのではないでしょうか。こうした問題が起こらないように、しっかり取り組んでいただきたいと思います。見解をお伺いいたします。

#94
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 現行の森林組合法の制度では、複数の子供が経営に関与している場合に、そのうち一人しか正組合員として指定することができないということでございましたので、林業経営の後継者を一人に絞る必要があったところでございます。
 このような中で、系統と意見交換を行った結果、現行制度の下では、場合によっては相続後にトラブルのもとになることが心配されるということでございます。このことも一因となっていわゆる後継者規定の活用がこれまで十分には進んでこなかったものと認識しております。
 一方、今回の改正によって、後継者となり得る子供が複数いる場合には、まず全員に組合員になっていただくことが可能になります。これにより、林業経営に携わりながらそれぞれの林業経営体においてよく話し合っていただき、誰を最終的に後継者とするかなど、林業経営の将来像や森林の相続について丁寧に決めていただくことが可能になると考えております。
 このため、今回の法改正は相続トラブルの発生防止にもつながるものと考えておりますけれども、現場にしっかり周知すること等により、御指摘のようなトラブルが発生することのないよう、最善を尽くしてまいりたいと考えております。

#95
○塩田博昭君 次に、事業の執行体制の強化についてお伺いをいたします。
 組合の販売事業や法人の経営に関して実践的な能力を有する理事を一名以上配置することを義務付けるとしておりますけれども、森林組合や森林組合連合会にとって、能力のある理事の確保、育成が重要ではないでしょうか。なかなか人材が育たない中でどう考えているのか、これについて見解を伺います。

#96
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 販売事業に関して実践的な能力を有する理事については、販売に関して実務経験のある者、経営の分析の可能な者などが当たるということで、具体的には各組合で実態に応じて判断してもらうことを考えておりますけれども、例えば、組合の販売事業において中心的な役割を担っている職員、あるいは原木市場、森林組合の木材共販所、そういうものに勤務した経験がございまして木材販売に関してノウハウのある者を登用することなどが想定をされるところでございます。
 令和二年度予算においても新たに措置したこれらの林業経営を担う人材の育成を図るための予算を活用しながら、理事の育成、確保を図ってまいりたいというふうに考えております。

#97
○塩田博昭君 また、森林組合等は理事の年齢や性別に著しい偏りが生じないように配慮すべき旨の規定を設けておりますけれども、組合員の若返りと女性の参画をどこまで進め、組合活動の活性を図ることができると考えておられるのか、見解を伺います。

#98
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 森林組合における組合員の若返りと女性の参画をどこまで進められるかについては、森林組合系統が自主的に取り組んでいただくことが重要であると考えております。そのためには、本年秋に策定される系統運動方針において系統としての数値目標が決定されることも重要であると考えております。農林水産省としても、系統に働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 また、若年者や女性が理事となっている事例などを紹介し、横展開を図ることによって系統の取組を後押しするなどの、取組状況の進展の度合いに応じた適切な促進策などを講じることにより組合員の若返りと女性の参加の一層の後押しを行ってまいりたいと考えております。

#99
○塩田博昭君 次に、林業イノベーションの推進についてお伺いをいたします。
 林業には危険な作業が伴い、労働災害率が極めて高いこと、造林に人手や費用が掛かる上に伐採、出荷まで長期間であることなど様々な課題がございます。こうした林業が抱える課題に加えて、少子高齢化や人口減少などの社会の課題にも対応するため、ICTを活用したスマート林業に加えて、林業の特性を踏まえた新技術を活用した林業イノベーションを推進し、新技術の実証、実装を通じて林業現場へ導入していくことが求められております。
 特に、木を切り倒す伐倒作業はとても危険で、林業における死亡災害の七割を占めております。近年は、高性能の林業機械の普及に伴い、林業労働における死傷災害の発生件数は長期的には減少傾向にあります。危険な作業に自動化技術を導入することにより労働災害を更に減少させることが期待をできます。
 伐採、集材、運材等の自動化について、開発の現状と実用化の見通しについてお伺いをいたします。

#100
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 農林水産省では、生産性の向上や作業強度の軽減を実現するとともに労働災害の減少にも資するため、ICT等の先端技術を活用した林業機械の自動化に向けた開発に取り組んでおるところでございます。
 具体的には、伐採等の作業については、リモコン操作の伐倒作業車や画像の解析を行うAIを活用して自動で集材する架線集材機械、また、自動で丸太の運搬と荷降ろしを行う運材作業車や、造林作業については、傾斜地でも走行可能な、地ごしらえ、下刈りなど複数の作業を行うリモコン操作の造林用機械などの開発、改良に取り組んでおるところでございます。
 今後においても、各作業の自動化などによりまして、人手を掛けずに楽に作業ができ、安全性の向上につながり死傷者の更なる減少が期待できる機械開発を進めて、現場への早期実装と普及に努めてまいりたいと思います。

#101
○塩田博昭君 次に、早生樹の取組についてお伺いをいたします。
 通常、植林から伐採、出荷までには五十年程度の期間を要しますけれども、早生樹という成長が早く、植林から三十年程度で収穫できる品種が注目をされております。早生樹の採用によって下刈りの期間や育林期間が短縮をされるため、育林コストの低減や資本回収期間の短縮が期待をされます。
 早生樹の採用を進めていくことが重要と考えておりますけれども、この取組の現状についてお伺いをいたします。

#102
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 今委員御指摘の部分というのは非常に大切なことだと認識をしております。
 コウヨウサンやセンダンといった早生樹は、成長が早いことから二酸化炭素吸収量の増大につながるほか、短期間での収穫が可能となり、収入機会が増加すると考えております。また、植栽本数の低減や下刈りの省略などにより早期保育経費の低コスト化が図られるなどの経営上の効果が期待されており、今後の主伐後の再造林を進めていく上で重要な役割を果たすものと認識をしているところでございます。
 このため、農林水産省としては、早生樹のモデル的造林への支援などを行っていくほか、早生樹の植栽、保育に係るガイドラインを令和元年度に作成、公表したところでございます。また、令和二年度当初予算においても引き続き早生樹のモデル的造林への支援を計上しているほか、新たな優良早生樹の種穂の採取源の確保に向けた母樹林の整備などへの支援を計上しているところでございます。
 今後とも、これらの取組を着実に推進し、再造林での早生樹の活用を図ってまいりたいと考えております。

#103
○塩田博昭君 ちょっと時間がなくなってまいりましたので一問飛ばさせていただいて、最後に、公共建築物の木造化率の向上についてお伺いをいたします。
 二〇一〇年に公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が施行されまして十年がたちます。直近の木造率を見ますと、施行された年と比較して、低層の公共建築物などの木造率は僅かに上昇していますが、建物全体では若干下がっております。例えば、新しい国立競技場や山手線に新設をされた高輪ゲートウェイ駅などでも木材利用が積極的に進められております。
 価格や工法などの兼ね合いもあると思いますけれども、今後更に公共建築物の木造化率を高めていくべきと考えますが、最後に大臣の見解をお伺いいたします。

#104
○委員長(江島潔君) 簡潔にお願いします。

#105
○国務大臣(江藤拓君) まさにそうしたいと思っております。
 法施行後、二十二年、三十年で上がってはおります。それから、低層のものについても一七・九から二六・五へと上がってはおりますけれども、まだまだ特に公共施設においては積極的に使っていくことが必要ですし、これから民間におきましても、CLT等の新しい技術を採用していただいて、高層のものについても、まだコストの面で合わない部分がありますから、技術開発等にも協力していきたいと考えております。

#106
○塩田博昭君 終わります。

#107
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 今まで長くこの会議のいきさつを聞いておりまして、私も、この農水というのに林が入っていないなというのは、あっ、そうでしたねと思ったんです。
 それが一つと、本当に閉ざされた業界で、私のような人間がにわか勉強してもさっぱり追い付きません。周りの人に聞いても、農水という言葉が表しているように、山に関心のある日常生活を送っている人がいかに少ないか。それを今度は、一体大学や高校でどのくらい教えているんだといったら、林業の専門というのはいないと、ほとんど。学問はあるんですよ。学問はあるんですが、なかなか林業の専門家はいないと。今日お伺いしていても、畜産とか農業はすごく皆さん御経験の中から話が出てくるんですが、林業になると急に何か紙を読んでいる方が多いなという感じがするわけなんです。
 やっぱり国土と財産と命というのは、国が絶対にこれは方向転換をしてでも現在に合わせて持続可能性を考えていかなきゃいけないと思うわけです。国土の三分の二が森林であるという割には、どうしてこんなに関心がないか。地球温暖化だといっても全く森に目を向けない。それは、経産省にちょっと聞いてみたら、火事が少なくなりましたからねというお答えだったんですね。
 私、東京の台東区の出身でございますが、私の母の実家の横は木材屋さんだったんですけど、幼稚園のときからもうなくなってしまいまして、隣に、江東区に木場があるんですけれども、こちらの方もなかなか勢いがあるというような感じではございません。まず木造建築がなくなり、ちゃぶ台がなくなり風呂が木でなくなりと、木と生活というものがだんだん遠ざかっていくので、国土の三分の二が森だぞといっても、国民の皆さんが関心を持っていかない。そろそろ高齢化になってまいりまして、では女性の皆さんに入ってもらいましょうという、こういう考え方じゃ駄目だと思うんですね。
 今日は通告を九つ用意しておりまして、まず、七から行かせていただきます。
 改正案四十四条十項でございます。林産物その他の物資の販売の事業を行う組合に当たっては、さっきから私感じていることは、販売中心で物を売ろうとしているということはよく分かります、国土と財産と命ですから。でも、国内でこれほど木の需要がなくなってきて木造建築もなくなってきている中でどう方向転換をしていくかとなれば、やっぱり森ゆうこさんがおっしゃったように、国が方向転換するのは大きなことですから、これは、大臣が自分がどう思われるかということを前面に出してもらって改正案というのを作っていっていただきたいんです。
 その中に、販売の事業を行う組合にあっては、理事のうち一人以上は、林産物の販売若しくはこれに関連する事業又はこれらの事業を行う法人の経営に関し実践的な能力を有する者ではならないと書いてあります。これは、この国が今の状態にあって生活様式がどう変わってというようなことの専門家が、この販売を、森を維持していくことについてどうやっていけばいいのかという実践的な能力を有する者というのを入れていかなければならないと思うんですね。具体的などのような人材を想定しているのか、その人材が十分にいて、リクルートしてくる者も現実的で可能だということなのか、ここをまずお伺いしたい。改正案の四十四条十項に出している実践的な能力を有する者についてお答えください。

#108
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 販売事業に関し実践的な能力を有する理事については、販売に関して実務経験のある者や経営の分析が可能な者などが当たるというふうに考えてございます。
 具体的には各組合で実態に応じて判断してもらうことを考えておりますが、組合の販売事業において中心的な役割を担っている職員や、原木市場などに勤務をした経験があって木材販売に関してノウハウのある者などを登用することが想定されているところでございます。
 私も、地元辺りを考えてみますと、意外と地元の民間の製材所の社長さんであったり、そういう関連の会社の方々もこういった森林組合の役員さんにも入っていらっしゃったりするところもございます。その辺を考えると、地元地元にもそういう方々というのは非常にたくさんいらっしゃるんじゃないかなというふうにも想定をいたします。
 令和二年の予算において新たに措置をしたこれからの林業経営を担う人材の育成を図るための予算も活用しながら、こうした理事の育成、確保を促進してまいりたいと考えております。

#109
○石井苗子君 地元から山に親しい人を理事に持っていくということではなくて、方向転換するということは、もう少し国土と山と環境と、そういうことをグローバルに考えられる方。
 先ほどカナダの例がありましたけど、私もブラジルへ行って勉強してきたんですけど、この間。何でこんなに女性の役員が多くて、女性が森林で働いているのだという質問をしたところ、国土を守るためだと、国土を守るというのは、伐採があって売ればいいということではなくて、この国土を守るために地球環境の、地球温暖化とか気候変動とか全部学んで勉強して、そういう人たちが森林の組合に入っている、だから女性も多いのだと聞いて、先ほどから、作業はいろいろ肉体的に大変だったらどこの国でも同じだろうと思っていたんです。
 この比べ方として、改正案の四十四条十一項に、組合はその理事の年齢、性別に隔たりや偏りが生じないようにというふうに書いてあります。で、配慮しなければならない。配慮しなければならないんだったら、配慮して中を変えていかなければ意味がないわけで、昔からこうでしたからということでは、ここから先は森先生がおっしゃるような持続可能な国土の維持というのができなくなってくると思います。
 どのように売ればいいのか、どのように持続可能にしていけばいいかということなんですが、組合の理事というところをこれ読みますと、五人以上に、監事の定数は二人以上となってあって、別に、ここからして、もう全然、女性を入れてはいけないとか、そんなふうには書いていないわけなんですね。地域で何人とも書いていないわけなんです。
 女性の正組合員が占める割合、平成二十九年度で一〇・四%です。農協は二二%です。これは、やっぱり食べるものだとか野菜がどうだとかということに、生活に密着しているからだと思うんですけれども。先ほどもございましたが、女性の占める割合が平成二十九年で〇・五%。〇・五%というのは、ほとんどいないというんじゃなくて、計算していくと、分母と分子で計算していくと割合として〇・五%。これを計算すると、農協では七・七%。ですから、大体、分母の違いというのが何百万単位で違うんじゃないかと私は思うんですが。
 森林組合にどうして女性の役員がいない、少ないというこの理由なんですけれども、配慮しなければならないという規定になっているんだったら、この規定だけではなかなか女性の登用は進まないと思います。これ、何らかの指針を上げるということで、私は附帯決議にこれ書いたんですけれども、考え方を新しくできるような女性を何人か入れるというふうにインセンティブを設けるという施策がないと駄目だと思うんですが、配慮しますとか考えますとかということでは。
 もちろん、私は女性だけでなくていいと思っていますよ。これからは考え方が、もう少し違った意見を言える人が中に入っていかなきゃいけないんではないかと思うんですが、インセンティブを設けるなどの施策というのはお考えでしょうか。

#110
○政府参考人(本郷浩二君) まず、森林組合に女性の役員が少ないのは、根本的に、森林所有者が正組合員ということでございまして、登記簿の名義上、男性となっているケースがほとんどでございます。そういうことで森林組合に女性の正組合員というものが少なく、それを母集団にした役員も少なくなっているということにつながっていると思っております。
 森林組合系統において、先生お話ございました森林の環境を学ぶ学生は多いわけでございまして、役所に入るのも環境省に行きたがるということで、林業をやりたいといって森林組合に入る女性の大学生とかそういうものは少ないような状況で、森林の組合にも女性が少ないという状況ではございます。
 インセンティブということでございますけれども、なかなか難しい話ではございますが、森林組合系統が自主的に取り組む、農協もそうやって自主的に取り組んできたというふうに、目標を定めて自主的に取り組んできたことと思っております。
 本年秋に策定される系統運動方針において系統としての数値目標が決定されることも重要でありますし、そういう働きかけをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

#111
○石井苗子君 もうこれは根本的に変わっていかないと駄目だということがよく分かりましたので、それでは、どのような考え方に変えていけばいいか。一つ鍵があるとしたら、三番目、スマート林業についてというところですけれども。
 林野庁はスマート林業の推進を掲げています。先ほどから申し上げておりますように、国土の三分の二が森林である我が国は、森林資源の活用と林業の成長産業化というのをどの方向でこれから進めていくかということは非常に大切で重要であると考えております。
 そのために、少子高齢化が進む中で、労働生産性の低いと言われている林業はICTの活用や成長産業化というのが鍵だと思うんですが、先ほど加藤大臣から御説明がありました目的とか意欲は分かりましたが、そうではなくて、経済財政運営と改革の基本方針というのが二〇一九年に出されています。
 この中で、スマート林業について具体的に、セルロースナノファイバーの研究と開発、精密な、精度が高いということですね、高精度な資源情報を活用した森林の管理、先ほどありました自動化機械の開発とICTによる木材の生産管理と、この五つ書かれているわけなんですが、どれを取って読んでみても、まず分かりにくいし、絵に描いた餅のように私には見えたんですが、一つでもいいですから、このようにしたら具体的にこうなるんだという内容を一つでいいですから表していただけますか、目的とか意欲ではなくて。お願いいたします。

#112
○国務大臣(江藤拓君) なかなか御通告の内容と違うので難しいお答えになりますけれども。
 過去を振り返ると、最初、北欧で使われていた高性能林業機械を日本に持ってきて何ほどの効果があるんだという議論は大変ありました。例えば、ドイツなんかは平たんな地理的な条件の下で使われている機械でありまして、例えば、私の地元の椎葉村のような急峻な山にも高性能林業機械が入ったんですけれども、この急峻な山で使うのと平地で使うのは全然違うんじゃないかと随分批判もありましたけれども、実際、それからもう大分時間がたって、やはり事故率の話もさっきありましたが、随分減りました。
 例えば枝打ちも、こう木の根元に付けてばあっと登りながら枝を払っていく機械であったり、切って、その後所定の寸法にぱっぱっぱっぱっと切って、その後グラップルでつかんでトラックなりに積んでというような作業は、昔は本当に積む作業自体でも事故を起こす人もおりました。そういうものも、IoTではありませんけれども、機械化の流れの中で新しい先端的な技術が林業における生産性の向上と事故率の低下に貢献してきたと思います。
 先ほども話しました、山で一番きついのは地ごしらえとか下刈りですから、この技術はまだ完璧に開発はされておりませんけれども、こういったやっぱり一番やりたくない、一番しんどい仕事について新しいIoTの技術、そういったものが実装されていけば、より若い人たちも山で頑張っていこうという人たちが増えていくんだろうというふうに思っております。

#113
○石井苗子君 やっぱり労働のエネルギーと収入のエネルギーというのがバランスを取らないとやはりリクルートはできないと思いますし、こういった具体的な政策をきちんと内容的に決めて方針を固めていくというのも大事だと思います。
 ちょっと国民の皆様が余りにも関心が少ないこの山でございますが、唯一関心があることが、私の病院でも山はどうなっているんだと聞かれるのが花粉症でございまして、花粉症となるといきなり山、山と言い出すんですけれども。
 その花粉症は、戦後復興の木材の需要が急速に高まったのを受けて、農林省が杉やヒノキなどの成長が早い樹木を大規模に樹林したのが原因であると言われています。杉花粉症は国民の三〇%が罹患しているという国民病と言われておりますけれども、平成十三年にスギ花粉発生源対策推進方針が設定されて、三十年四月に改定されて、スギ花粉発生源対策推進方針というのが、基本的な考え方が変わっているはずですけれども、ちょっとお伺いします。基本的に考え方はどのように策定されているでしょうか。

#114
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 林野庁において花粉発生源対策に取り組んでおり、その実施に当たっては、林野庁だけではなく、都道府県、市町村、森林・林業関係者が一体となって取り組むことが重要であると、そういう観点からスギ花粉発生源対策推進方針を定め、その対策や推進方向を示し、都道府県、市町村、森林・林業関係者に普及しているところでございます。
 具体的に、当推進方針については、令和十四年度までに花粉症対策に資する杉の苗木の割合を約七割に……(発言する者あり)令和十四年でございます。令和十四年度までに花粉症対策に資する杉の苗木の割合を約七割に増加させる目標を定めたほか、杉人工林等の伐採、利用と植え替えの推進、花粉の少ない苗木の生産拡大、対策に係る調査等の実施などの花粉発生源対策を推進内容として示しているところでございます。

#115
○石井苗子君 整理しますと、平成四十四年、ですから二〇三二年ですね、これがたしか杉の苗木の年間生産量に占める割合を約七〇%、七割に増加させると書いてあります。
 これも花粉をたくさん飛ばすような杉を植え続けるのかということなんですが、今の御発言だと、花粉の少ない杉を植えますといっても、そう簡単に植え替えることはできないと思うんですね。だから、花粉の多い杉をこれから植林していくのではないかという、これ国民の皆さんの関心事なんですけれども、たまったものじゃないという人がたくさんいるんですけれども、ここのところはどのように対策を取っていらっしゃいますか。

#116
○国務大臣(江藤拓君) 先ほど長官から御説明させていただきましたように、二〇三二年までに七割ということでありますけれども、三十年の段階で、いわゆる花粉が少ない新しい苗木の切替えは、今、五割ほど進んでおります。
 元々、先ほどから皆伐、それから全伐の話も出ましたけれども、再植林に対しましては、国からの助成は七〇%の補助率でありますけれども、花粉の少ない苗木に、ポット苗ですけれども、これを使っていただくということであれば一ヘクタール当たり四十五万円更に補助金を出させていただいて、かなり現場では採用していただけていると思います。
 先ほど五割と申しましたが、十年前は七十四万本でした、平成二十年でですね。それが平成三十年では一千九十七万本となっていますから、大体規模的には十五倍まで増えておりますので、このペースで推進していけば目標年度までに七割には何とか到達できるんじゃないかと思っておりますので、現場の方々の御協力を求めていきたいと思っております。

#117
○石井苗子君 是非このように国として対策を取って、杉の山も変わってきたんだというような、そうすると、その管理をこれから維持していこうというような国民の関心も行くと思いますし、そういった科学的な考え方を山に持っていこうという人たちが増えていかないと、これからの管理というのは世界と比較してやっていけないのではないかと思っております。
 残りの時間が五分ありますので、通告の五番目、森林組合の合併について。
 一番最初に申し上げましたように、これ非常にクローズな世界で、業界としては、分かりにくいんですけれども、ちょっと整理をしてみました。
 森林組合というのは、六十年前の一九六〇年代に始まった森林構造改革事業でありまして、国が政策として育成してきたものだと理解しております。昭和三十八年から平成十三年まで森林組合の合併助成法というのがあって、合併の促進によって経営基盤の強化を図ってきたというふうに整理したんですが、経営基盤の弱小な組合の割合が多かったことが業界全体の経営不振の原因であるとして、森林組合の合併を促進して規模の拡大を図るという方針にしてきました。
 今回の改正で、吸収分割し、新設分割の制度が導入されているわけなんですが、これまでの規模拡大政策の中で、この吸収分割、新設分割というのはどのように位置付けられていたのでしょうか。
 販売が重要になってくるので、組織消滅することなく事業面の連携できる分割制度が今後は必要になってくるというふうにお考えだったのか、そこのところを確認させてください。

#118
○国務大臣(江藤拓君) これまで、事業譲渡という形は現行の制度の下でもやられておりましたし、先生御指摘のように、昭和三十八年から、税制上の優遇措置を設けた上で森林組合の合併助成法というものは運用されてまいりました。もう大分古い法律になってございます。
 今回、新しい方式として採用されますこの吸収分割と新設分割につきましては、まず吸収分割は、事業に関する権利の包括的な承継が可能、これが事業譲渡とは違うと。それから新設分割については、簡単に言うと、それぞれの森林組合が自分のところでこの部分については外に出すと、Aはこれを外に出す、Bはこれを外に出す、そういうものを集めて、新しいものをみんなでがっちゃんこしてつくって、そこで新しい事業を展開しようというものであって、これは今までほぼほぼないやり方でありますので。
 これをやると、新たに設立する連合会に継承させるものでありますから、事業に関する権利義務の包括的な承継が可能になるということでありまして、この吸収分割と新設分割については、もちろん、会社じゃありませんから会社法の適用がそのまま当たるわけではありませんけれども、会社法の規定を準用する形でやらせていただくということであれば経営の効率化が図られていくのではないかというふうに考えております。

#119
○石井苗子君 今回導入する分割のメリットのようなものが分かったんですが、ちょっと教えていただきたい。最後の質問になります。
 調べましたら、農業協同組合法には新設分割の規定というのはあるんです。あるんですけれども、これまで新設分割が行われた実績がないんです。ないんですね。農業協同組合でこれまで新設分割が行われなかった理由は何なのか、ここが分からない。
 そして、これから、その今大臣が御説明になったようなメリットというのは、林業組合でも、実際にはその吸収分割、新設分割が、つくってみたものの利用されなかったということにはならないのか、これとても心配なんですが、どうでしょうか。

#120
○政府参考人(横山紳君) まず、農協の件について御説明をさせていただきたいと思います。
 委員から御指摘ございましたとおり、これまで実績というのはございません。ただ、そもそもそういう規定を設けた趣旨が、農協が大きくなってくるという中で合併が進みます、大きくなってきます。そういう中で、組合員も様々な方々がおられる、果樹をやっている方もいれば畜産をやっている方々もおられる。そういういろんな組合員の方々のニーズに応えるために、むしろ一部分割して新しい組合をつくった方がよりその組合員のための事業ができるんじゃないかということで、オプション、選択肢として設けたものということでございます。
 実際、それぞれの農協が今後の事業、組織の在り方を検討していかれる中で、そういう選択肢を設けること自体は重要なことと我々としては認識しているところでございます。

#121
○委員長(江島潔君) 時間ですので、まとめてください。

#122
○石井苗子君 はい。
 新しい組合をつくったというふうに考えればいいわけですね、分割して。新設分割は、規定があるけど農協で今まで実績がないというのは、私は間違った判断を、理解をしていたということですね、分割して新しい組合をつくってきたと。
 だから、今度は森林組合で吸収分割、新設分割ができたときには、これは必ず利用されなかったということはないということですね。そこのところ、ちょっと分からないんですけれども。

#123
○委員長(江島潔君) 時間が過ぎておりますので、まとめてください。

#124
○国務大臣(江藤拓君) これは、システムを用意させていただいた、それぞれの強みのあるところを持ち出して、新しい連合会で、また組合連合会の下に設立するということでありますから、この仕組みはつくらせていただきましたけれども、これを使うかどうかについてはそれぞれの地域で御判断いただくことになると思いますが。
 ただ、農協に比べて森林組合は扱っているものが極めて限られておりますので、農協だと、畜産もやっていたり施設をやっていたり花をやっていたりトマトをやっていたり米をやっていたり、それからもういろいろありますけど、ちょっとJAと森林組合というものは体質的に事業内容の性質がちょっと違うということは御理解いただければ有り難いと思います。

#125
○石井苗子君 終わります。ありがとうございました。

#126
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 まず初めに、新型コロナ対策の持続化給付金についてお聞きします。
 コロナ感染防止のために、飲食店の休業などによって今いろんな分野が影響を受けているんですけれども、例えば木炭の出荷も大きく減少していると。北海道のある木炭の製造業を営む方からのお話なんですけれども、飲食店の休業によって需要が一気になくなり、在庫が過剰ぎみだと、札幌や苫小牧などの道内の飲食店だけでなく本州の焼き鳥チェーン店にも卸していて、毎月発送してきた、現在は半減だと、外出自粛でイベント中止が続出して需要がなくなっているという話です。
 この方は、実は胆振東部地震でもって、四つの炭焼きの窯があったんだけど、全部崩壊しちゃったと。その後、十か月ほど営業ができずに、昨年六月に窯が復活をして、木炭の製造がようやっと軌道に乗ったやさきということです。事業所が被災したことによって二〇一九年に休業を余儀なくされていた事業者は持続化給付金の対象にならないんじゃないかと思っていたんですけれども、これ、なるのかならないのかをちょっとお聞きします。中小企業庁、お願いします。

#127
○政府参考人(鎌田篤君) お答えいたします。
 持続化給付金におきましては前年同月比での事業収入の減少を要件の一つとしているところでございますけれども、幅広い事業者の皆様に申請をしていただけるよう、様々な特例を設けているところでございます。
 この特例の一つとしまして、御指摘のように、罹災が原因により一定期間の休業を余儀なくされていた場合などにつきましては、前年同月との事業収入の比較による申請が難しい事業者に御利用を検討いただけるものも用意しているところでございます。具体的には、二〇一九年又は二〇一八年に発行された罹災証明書などを提出することで、証拠書類として罹災前年分の確定申告書類を用いることができることとしております。
 罹災によりまして本来よりも前年の事業収入が下がっている場合には、こうした特例の活用も御検討いただきたいと考えております。
 以上でございます。

#128
○紙智子君 つまり、前年と比較する場合、前年がゼロなので比較するものがないということだったんだけれども、もっとその前から比較することができるということで、対象になるということだと思います。
 余り知られていないのがあって、対象となる方が申請から漏れることのないように、やっぱり引き続いて周知徹底をしていただきたいと思います。
 それで、給付対象の要件の売上げが五〇%以上減というのがあって、これが支援対象を狭めていると思うんですね。持続化給付金が幅広い農林漁業者が活用できるように、大臣、是非ともこれ要件を緩和すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#129
○国務大臣(江藤拓君) 今経産の方から説明がありましたように、罹災証明等の手続は必要ですけれども、そういった胆振の対応もできるということでありますから、そういった周知についても、農林省としても努力をさせていただきたいと思います。
 私どもとして一つ引っかかっていたのは、所得の把握ができなきゃいけない、申告をしていなきゃ駄目だと、青申か白申じゃなきゃ駄目だよという話が最初は経産あったんですけれども、その後経産さんもいろいろ考えていただいて、住民税の申告をしていればいいということになりましたので、農業所得を、基本的には農林水産業に係る所得を申告していれば対象になるということでありますから、そういうことであればほぼほぼ全てというレベルに近い範囲で網羅ができると思います。
 ただ、この五〇%というものについては、農業は一年中平準的に収入があるわけではなくて、ある月とない月ありますので、昨年一年分を前年同月比ということではなくて、十二で割っていただいてその平均値と、来年の一月十五日までがこれ締切りでありますから、なかなかそこまで持続化給付金を待つだけの体力がないという事情があることは重々承知をしておりますけれども、五〇%を切る月を是非選定していただいてやっていただくと、例えばハウスなんかでも、全く消毒の期間なんというのは収穫がないわけでありますから、極めてこの持続化給付金を受給する要件としては、農林水産業はハードルがほかの業種に比べては低くなるのではないかというふうに考えておりますけれども。
 まだ足らざる点があれば、また関係省庁としっかり協議をさせていただきたいと思います。

#130
○紙智子君 コロナの影響で相当大変な思いしている人がたくさんいらっしゃると思いますので、是非受け取れるように、閣僚の一員としてそのことを強く求めていただきたいと思います。
 それから、森林組合法の改定案についてお聞きします。
 先ほど森議員も質問されていましたけれども、未来投資会議がこの森林組合について指摘している箇所があります。未来投資戦略の二〇一八年とか昨年六月二十一日の成長戦略フォローアップとか、ここのところで触れているんですけれども、どういうふうに触れているのかというところをちょっと紹介をいただきたいと思います。

#131
○政府参考人(佐藤正之君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘のございました未来投資戦略の記述でございますけれども、まず、令和元年六月に閣議決定をされました成長戦略フォローアップにおきまして、森林組合について、製材工場等の大規模化等に対応し、組合間の連携手法の多様化に向けた検討を行うという旨の記述がされております。
 加えまして、平成三十年六月に閣議決定されました未来投資戦略二〇一八におきましては、製材工場等の大規模化等に関連しまして、大規模製材事業者を中心としたバリューチェーンの全国での展開に向けて、ロット、品質共に安定した供給ができるよう、関連事業者との連携や製材工場、合板工場等の大規模化を進める旨の記述がされております。

#132
○紙智子君 今回の法案は未来投資戦略の具体化というふうにも言えると思うんですね。
 そこで、国産材の年間消費量が五万立方メートルから十五万立方メートル規模の大規模な製材工場なんですけど、これ、二〇〇八年のときは十六か所だったんです。それが二〇一七年には五十か所と、三倍以上になっているわけですね。
 なぜ、これ、森林組合が今こうやってどんどん増えている大規模製材工場に対応しなければならないのか。大規模製材工場などに国産材を安定供給するために、これ森林組合に大規模伐採を求めるんでしょうか。

#133
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 森林組合が地域の林業の担い手として役割を果たしていくためには、地域の森林整備にしっかり取り組みながら販売事業を拡大して、山元への利益の還元を進めていくことが必要となっております。こうしたことを実現していく上で、製材工場が大規模化している状況に対応し、原木の供給の規模拡大を図り、安定供給することで供給サイドの価格交渉力を強化していくことは非常に重要なことだというふうに考えております。現に、現場の動きとしても、森林組合連合会や森林組合が連携して川下の大規模工場と価格交渉を行う、海外輸出に取り組むといった事例も出てきているところでございます。
 このような森林組合の連携強化を促進する今回の法改正により、安定供給体制の構築、川上側等の価格交渉力の向上、こういうものを踏まえて山元への利益の還元ということに取り組んでまいりたいと思っております。

#134
○紙智子君 大規模製材工場や輸出に向けて素材生産量を増加させるために言わば森林組合を巻き込む、担わせていくということになるわけですけれども、そうなると、山づくり、山村地域はどうなるのかなということなんですね。
 山づくりについてお聞きしますけれども、安倍政権は、森林所有者は経営意欲がないとして、集約化や大規模化を進める森林経営者を育てる森林経営管理法を作りました。国有林も、それでもって開放していきます。
 安倍政権は皆伐施業を推進しています。林野庁は伐採後の造林未済地の調査をしていると思うんですけれども、これについて説明をしていただきたいと思います。

#135
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 伐採後に造林されていない造林未済地の面積、これにつきましては、平成二十六年度末の八千九百十六ヘクタールから、平成二十九年度末には一万一千四百四十四ヘクタールに増えているところでございます。
 林業採算性の長期低迷や経営意欲の低下等によりこうした造林未済地が発生しており、この解消を図ることが重要と考えております。

#136
○紙智子君 お配りしている一枚物の資料ですけれども、これ見てほしいんですけれども、今おっしゃったことですね。安倍政権になって三年間で、この造林未済地、つまり木を切った後造林されていない山林が二千五百二十八ヘクタールも増えているわけですよね。
 なぜ再造林されないのかということを、林野庁としては原因を分析していますか。

#137
○政府参考人(本郷浩二君) 造林未済地が増えているということにつきましては、林業採算性の長期低迷とか経営意欲の低下ということでございますけれども、特に、山元に、森林所有者にきちっとお金が返っていないということで、再造林を見込まない、計画しないという森林所有者が出ているということだと思っておりますし、また、後継者が、先ほどもお話ございましたけれども、自分の代で収穫できるものではないということで、後継者が山に関心がない、あるいは都会に行ってしまって戻ってこないと、そういうような方々が再造林をすることをためらっていらっしゃるということだというふうに感じております。

#138
○紙智子君 感じておりますという最後なんですけど。
 私これ最初に聞いたときに把握していなかったんですよ、何でそういうことになっているのかということを。いや、数字は集めているけれども、なぜそうなっているかというところまでは分析されていないんですよ、もう驚いたことに。それなのに皆伐を進めるんでしょうか。
 二〇二五年の国産材の供給目標というのは、これ四千万立方メートルですよね。そこに向けて大規模伐採を進めれば、これ、造林未済地が更に増えることになるんじゃありませんか。

#139
○政府参考人(本郷浩二君) そのような造林未済地が発生しないように、森林所有者等に関しては再造林に対する助成を行っているところでございます。
 また、伐採、造林を一貫に行う一貫作業の導入、路網整備等による造林のコストの低減、先ほどございましたが、成長の早いエリートツリーや早生樹の植栽というようなことで育林コストを低減させる、こういうことを踏まえて森林所有者の造林意欲を向上させるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 また、これに加え、経営管理法では、林業の採算ベースに乗らないものについては市町村に委託をして、市町村として森林整備を実施していただくというようなことも考えていきたいというふうに考えております。

#140
○紙智子君 説得力がないんですよね。
 森林組合の方にお話を聞いたんですけど、皆伐した場合は、五十年から六十年の人工林で一ヘクタール当たり三百万から四百万の売上げがあるが、現在、三割程度の還元があって初めて植栽の費用がペイできると、しかし一割しかないというんですね。つまり、現在の市場経済においては林業所得の増大や山元への利益も還元できないと、だから山に植えるお金が出てこないということなんです。
 採算が合わない皆伐を進めれば山はどうなるのかということですけれども、近年、台風や豪雨災害、地震などの自然災害が多発する中で、森林が有する土砂災害防止機能あるいは洪水を緩和する水源涵養機能が損なわれています。二〇一一年の紀伊半島の豪雨、二〇一七年の九州北部豪雨、二〇一六年の台風十号では岩手県の岩泉町の水害でも多くの崩壊が起こりました。中下流域に甚大な被害をもたらしています。昨年の台風十九号も、河川の氾濫や決壊を引き起こして甚大な被害を及ぼしました。
 大型林業機械を使うために造った幅広い道が川になってしまって、大規模に伐採した山が崩壊を招いているという状況もあります。森林崩壊によって谷に土砂が流れて、河川の川下の河床を押し上げて、それで氾濫リスクが高まっているという指摘もあります。これについて林野庁はどのように認識されていますか。

#141
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 近年、記録的な豪雨による山地災害が多発しており、このような災害を防ぐためには、森林の立地条件に応じた多様な森づくりを進める必要があると考えております。
 このため、森林法に基づき市町村が策定する市町村森林整備計画において、森林が求められる機能に応じたゾーニングを行っており、例えば、傾斜が急なところなどには山地災害防止機能の発揮が求められており、長伐期の施業であるとか複層林といった施業を進めているところでございます。また、皆伐を行うに当たっても、伐採区域の形状や面積規模の配慮を求めるなど、地域の実情に応じた伐採方法の規範を定めているところでございます。
 一方で、林業採算性の長期低迷、経営意欲の低下により手入れ不足の森林、造林未済地が発生したところでございまして、昨年度スタートした経営管理制度によって、意欲の低下した所有者から意欲と能力のある者や市町村への経営委託を進めることにより、手入れ不足の森林における間伐等の実施や伐採後の再造林の確保を推進しているところでございます。
 また、平成二十九年の九州北部豪雨や昨年の台風十九号などの記録的な豪雨による災害の発生メカニズムの専門家による検証では、森林の機能を大きく超える自然の力が働いた結果発生したものとの報告がされております。
 このような災害に備えるため、治山施設の設置等により山腹崩壊の防止を図る治山対策も併せ推進することによって災害に強い森づくりを進めてまいりたいと考えております。

#142
○紙智子君 川下の大型木材産業のために皆伐を優先した林業の成長産業化路線では、森林の荒廃に歯止めを掛けることにはならないと思います。
 次に、森林組合が一体この先どうなるのかということですけれども、現行法の第四条について聞きます。
 森林組合の事業の目的から非営利規定を削除しますけれども、なぜ削除するんでしょうか。

#143
○政府参考人(本郷浩二君) 森林組合については、改正後も森林組合員への直接の奉仕が求められることには変わりがございません。さらに、今後は、森林経営管理制度の創設を受けて、意欲と能力のある林業経営者として山元への一層の利益還元に向けてますます大きな役割を果たすことが期待されているところと考えております。
 このような中で、営利を目的としてその事業を行ってはならないとの規定を今後とも残したままとすると、あたかも組合が組合員の利益増進のためであっても利益を得てはならないというような誤解を与えかねませんし、現実に、組合員が組合の利益増進のためでも利益を得てはならないと発言する森林組合の役員もいたりすることから、このような規定を削除した上で、組合員への利益の還元、組合の事業に従事する者の処遇の改善を促すため、林業所得の増大に最大限の配慮をしなければならないということを公益的機能の維持増進を図ることと併せて規定に追加したところでございます。

#144
○紙智子君 誤解があると言ったんですけど、誤解があるんだったら周知すればいいんですよ。法律から非営利規定を削除する理由にはならないと思うんですね。非営利規定を削除するのは、要は、森林組合が本来の地域を越えて大規模伐採を進めるには四条の非営利規定が邪魔になるからなんじゃないんですか。
 続けてちょっと言いますけれども、非営利規定を削除して四条二項を新設をし、森林所得の増大に最大限の配慮をしなくてはならないという文言を追加しています。
 ある森林組合の役員さんは、こん包材とか製材などを行っている加工部門が赤字だけれども、地元の雇用を守るために事業を継続していると。それでもって、公共土木で使ってもらえるように営業活動をしたり、黒字化するために単価を改善させるなど努力をしていると。だから、首切らないために精いっぱいそうやって、赤字なんだけれども努力していると。
 森林所得を最大限に配慮するというふうに言われたら、これ、赤字部門を切り捨てる森林組合が出てくるんじゃないんですか。

#145
○政府参考人(本郷浩二君) 森林組合につきましては、地域の森林・林業の担い手として重要な役割を果たしてきてもらっているところでございますし、今後もその位置付けは変わらないというふうに考えております。
 林業所得の増大に最大限の配慮でございまして、今委員が申し上げられましたような、地域の雇用を守る、地域の森林を守るということも森林組合の、特に組合員の利益を守っていくためにも必要なことだというふうに思っております。

#146
○紙智子君 ちょっと時間が押してきたので。
 第四十四条の十項において、販売事業や法人経営に関する実践的な能力を有する者を理事に置くことを義務付けていると、素材生産者と競争させることになるんじゃないのかと。四千万立方のこの供給目標を達成するのが今の目標だと思うんですけれども、そうなると、山村の雇用というのは一体どうなるんだろうかと。
 法案では、会社法の手法である事業譲渡、吸収分割、新設分割を可能とするものになっています。第八十八条の七項で、吸収分割による労働契約の継承については、事業を分割する組合と承継する組合で協議した後に分割する事業に従事する労働者と協議することになっているんですけれども、この労働者の労働条件というのが維持される保障はあるんでしょうか。

#147
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 まず、法の四十四条第十項の関係でございますけれども、例えば、交渉力を高め、高く販売することで川上へ利益を還元することは周囲の、川上側の民間の個人事業者にも収益性の向上というメリットをもたらすものと考えており、民間の素材生産事業者と競合するということではなく、共に生きていくという取組にしてまいる考えでございます。
 また、分割によって労働者が組織を移る場合には、森林組合法第八十八条の七第二項の規定により読み替えて準用する会社分割に伴う労働契約の承継に関する法律第三条の規定に基づき、既存の労働契約が承継されることとなっております。
 また、森林組合が分割を行う場合には行政庁の認可を要することとしており、法令に違反する分割の認可が行われ、森林組合に雇用される方が不利益を受けるような分割が行われることのないよう、しっかりと監視、指導を行う考えでございます。

#148
○紙智子君 不利益を受けないように監視しなきゃいけないという話なんだけど、実際に担保できるかどうかというのは分からないですよね。
 事業は移ったと、あなたは今まで外で木切ってきたけれども今度は事務になりますよと言われて、いや、自分は事務はできないと、やっぱり引き続き外でやりたいということになって、そこに行かないということだって出てくるわけですよね。そのときにその人どうするのかとなったら、やっぱり経営的に大変だったらそのまま雇用できないということになりかねないという事態はあると思うので、そこのところは担保できないんじゃないかということを非常に懸念として思います。経営基盤を強化したけれども人がいなくなってしまったというような、そういう山村づくりとか山づくりではやっぱり良くないと思うんですよね。
 それでもう一つ、今、大きな投資が必要な大規模集約型の林業じゃなくて、山を大事にして山を育てる自伐型の林業というところにも注目が集まっています。
 自伐型の林業というのは、皆伐などの過度な伐採はせずに、必要最小限の間伐で良い木を残すことで山全体の価値を上げていくと、そして、作業道も幅広いのを造らないで、小道を山林に整備をして、いつでも車両で入れるような山をつくって、そして大雨にも耐える壊れない道造り、余計な山崩れを予防することにもつながると、こういう自伐型の林業の研修参加者が今全国で四千五百人を超えているというんですね。山に入って木を切って出荷、販売している人が約千七百人ということなんですけれども、こういう自伐の林業の取組が広がっているのはなぜだと思いますか。

#149
○政府参考人(本郷浩二君) いわゆる自伐型林業については、各地に取組が広がっていると認識しております。
 その主な理由としては、地域の活性化のための支援措置が充実することにより自伐型林業に必要な小型機械の装備が容易になっていること、自伐型林業は労働者を雇うことなく自ら施業を行うことでコストを抑えることによって収益を上げることができることなどから、U・Iターンなどで山村に移住し、自伐型林業を始める方が増えているということが挙げられると考えております。

#150
○紙智子君 一昨年、私、高知県の佐川町というところに調査に行ったんですね。そのときに、町長さん自身が、この町はもう山しかないのでこれで食っていかなきゃならないということで自伐林業に取り組んでいて、地域おこし協力隊の制度を活用しながら若い人を呼び込んで、何組も研修をやって、そして実際に定着させていると。皆伐じゃなく間伐を繰り返して、持続可能な林業をやっているんですね。こういう自伐型林業で長期多間伐施業を行うことで持続可能な環境保全型の林業を実践しているということなんです。
 最後にちょっと聞きたかったのは、政府としてはこういう長期的な視野に立った山づくりの取組を応援していくことも大事じゃないのかと、どういう支援があるんですかということを最後にお聞きしたいと思います。

#151
○委員長(江島潔君) 簡潔にお願いします。

#152
○政府参考人(本郷浩二君) はい。
 自伐林業については、地域林業の活性化や山村振興を担う重要な活動の一つと考えておりまして、自伐型林業を行う者を里山林等の保全利用のための共同活動として支援しているということ、地域における自伐林業グループ等による林業経営の集約化等の取組に関して支援しているところでございます。また、自伐型林業を行う者による森林整備についても、要件を満たせば森林整備事業の支援の対象になっているものでございます。
 今後とも、こうした施策により自伐型林業への支援を行ってまいりたいと考えております。

#153
○紙智子君 時間になりましたので、終わります。

#154
○委員長(江島潔君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#155
○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、森林組合法の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。
 安倍政権は、戦後以来の林業改革に挑戦します、意欲と能力のある林業経営者に森林を集約し大規模化を進めますと豪語し、森林経営管理法を制定しました。昨年は、国民の共有財産である国有林をも売り渡す国有林野管理経営法の改悪を行いました。改正案はこれに続くもので、いずれも未来投資戦略と規制改革推進会議の提言の具体化です。
 新型コロナウイルス感染症が拡大し、緊急事態宣言を出しているさなかに、森林組合や林業関係者の意見を聞くこともなく法案の審議を進める必要はありません。そのことをまず指摘しておくものです。
 反対する理由の第一は、森林組合が大型製材工場等の求めに応じて木材の伐採、販売を進めれば、森林の荒廃が進み、国土保全や水源の涵養機能などの森林の有する多面的機能を一層後退させるからです。
 現状でも造林未済地の面積は一万千四百四十四ヘクタールに拡大しており、林野庁は、再造林がされていない現状を分析すらしていません。
 第二の理由は、森林組合を森林所有者による相互扶助の協同組織から企業的組織に変質させるものだからです。
 現行法の四条から営利を目的としてその事業を行ってはならないとの規定を削除し、事業譲渡、吸収分割、新設分割など会社法の手法を取り入れるとともに、販売事業や法人経営に関する実践的な能力を有する者を理事に置くことを義務付けています。利益を上げるために不採算事業の整理縮小が進むとともに、リストラなどの人員整理にもつながりかねません。これでは、地域の森林と山村の守り手、地場産業としての林業の担い手である森林組合の役割は果たせません。
 森林組合は、政府が進める皆伐のための集約化、大規模化、企業化の道を進むのか、それとも本来の協同組合の自主性や自立性を基本にした道を維持するのか、鋭く問われることになります。森林組合の企業化が進めば、森林の公益的機能が発揮されないばかりか、山村地域の一層の過疎化、空洞化が進みかねません。今、農業などを行いながら森林の所有者などが皆伐でなく長伐期多間伐施業を行う自伐型林業が広がりつつあります。
 安倍政権が進める林業の成長産業化路線の転換を求めて、反対討論とします。

#156
○委員長(江島潔君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 森林組合法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#157
○委員長(江島潔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、徳永君から発言を求められておりますので、これを許します。徳永エリ君。

#158
○徳永エリ君 私は、ただいま可決されました森林組合法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    森林組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  戦後造成された人工林が本格的な利用期を迎える中で、森林経営管理法が制定され、また、国有林野の管理経営に関する法律が改正されたこと等に伴い、森林の経営管理の集積・集約、木材の販売等の強化、さらにこれらを通じた山元への一層の利益還元の推進が求められている。森林組合には、公益的機能の維持増進とともに地域の林業経営の重要な担い手として役割を果たしていくことがますます期待されている。
  よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 森林組合に対しては、本法により創設される新たな連携手法の利用促進に向けた制度の周知に努めるとともに、連携手法を選択しない場合も含め、個々の状況に応じて、経営基盤の強化に向けた自主的な取組を引き続き支援すること。
 二 正組合員資格の拡大に当たっては、後継者等が正組合員として森林組合の運営に参加することが促進されるよう、制度の周知を図ること。また、理事に女性や若年者が登用されることが促進されるよう、必要な施策を行うこと。
 三 森林組合が行う林産物の販売等の強化に当たっては、本法により創設される新たな連携手法等による販売その他の事業活動の拡大を通じ、地域林業の活性化、更には地域経済への貢献が図られるよう指導すること。
 四 森林の有する公益的機能の維持増進を図りつつ事業を実施する森林組合が、「意欲と能力のある林業経営者」として、森林経営管理制度や樹木採取権制度の円滑な実施に貢献できるよう、人材の育成、施業技術の向上等の必要な支援を行うこと。
 五 森林経営管理制度の円滑な実施に向けては、森林組合を始めとする林業事業体における新規就業者の確保及び定着が喫緊の課題となっていることに鑑み、林業就業者の所得の向上、労働安全対策を始めとする就業条件改善に向けた対策の更なる強化を図ること。
 六 台風等の自然災害による森林被害が頻発している現状に鑑み、災害発生を予防し、災害復旧を迅速化する観点から、倒木の防止や除去等を含め、間伐を始めとする適切な森林整備を推進すること。また、市町村が主体となった森林整備の着実な推進に向け、林地台帳の整備、境界の明確化、森林所有者の明確化等を一層推進すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

#159
○委員長(江島潔君) ただいま徳永君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#160
○委員長(江島潔君) 多数と認めます。よって、徳永君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、江藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。江藤農林水産大臣。

#161
○国務大臣(江藤拓君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。
 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。

#162
○委員長(江島潔君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#163
○委員長(江島潔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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