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2020/05/20 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 資源エネルギーに関する調査会 第4号 令和2年5月20日
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2020/05/20 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 資源エネルギーに関する調査会 第4号 令和2年5月20日

#1
令和二年五月二十日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十六日
    辞任         補欠選任
     滝波 宏文君     高階恵美子君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     高階恵美子君     堀井  巌君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     こやり隆史君     岩本 剛人君
     高野光二郎君     清水 真人君
     高橋はるみ君     山田 太郎君
     堀井  巌君     三木  亨君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         宮沢 洋一君
    理 事
                阿達 雅志君
                岩井 茂樹君
                森屋  宏君
                斎藤 嘉隆君
                平木 大作君
                梅村  聡君
                山添  拓君
    委 員
                岩本 剛人君
                こやり隆史君
                清水 真人君
                高野光二郎君
                高橋はるみ君
                長峯  誠君
                堀井  巌君
                三浦  靖君
                三木  亨君
                宮崎 雅夫君
                山田 太郎君
                岸 真紀子君
                古賀 之士君
                塩村あやか君
                浜野 喜史君
                矢田わか子君
                杉  久武君
                若松 謙維君
                音喜多 駿君
                市田 忠義君
                嘉田由紀子君
   副大臣
       経済産業副大臣  松本 洋平君
       環境副大臣    佐藤ゆかり君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        亀澤 宏徳君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      佐藤  暁君
       文部科学省大臣
       官房審議官    千原 由幸君
       経済産業省大臣
       官房審議官    河本 健一君
       経済産業省産業
       技術環境局長   飯田 祐二君
       資源エネルギー
       庁次長      平井 裕秀君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    覺道 崇文君
       環境省大臣官房
       審議官      白石 隆夫君
       環境省地球環境
       局長       近藤 智洋君
       環境省総合環境
       政策統括官    中井徳太郎君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房緊急事
       態対策監     山形 浩史君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  大村 哲臣君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  市村 知也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○原子力等エネルギー・資源に関する調査
 (「資源エネルギーの安定供給」のうち、エネ
 ルギーの安定供給)
    ─────────────

#2
○会長(宮沢洋一君) ただいまから資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、滝波宏文君が委員を辞任され、その補欠として堀井巌君が選任されました。
    ─────────────

#3
○会長(宮沢洋一君) 原子力等エネルギー・資源に関する調査を議題といたします。
 本日は、「資源エネルギーの安定供給」のうち、「エネルギーの安定供給」について政府から説明を聴取し、質疑を行った後、委員間の意見交換を行います。
 本日の議事の進め方でございますが、経済産業省及び環境省から合わせて三十分程度説明を聴取し、一時間三十分程度質疑を行った後、一時間程度委員間の意見交換を行いたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、初めに経済産業省から説明を聴取いたします。松本経済産業副大臣。

#4
○副大臣(松本洋平君) 調査会に御指示いただいた項目に沿って御説明させていただきます。
 まずは、現下の新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停滞、それに伴う原油市場の不安定化など、我が国を取り巻く資源エネルギーに関する国際情勢について御説明させていただきます。
 まず、油価の動向について御説明いたします。
 二ページを御覧ください。
 アメリカ、ロシアといった産油国の生産拡大により原油市場は供給過剰となり、OPECの協調減産が進められてきました。そうした状況の中、新型コロナウイルスの感染拡大を契機とし、原油価格を下支えしていた中国での需要が減少に転じ、油価は大きく下落をいたしました。
 三月上旬にOPECプラスによる協調減産が試みられましたが、交渉は決裂し、三月下旬には、世界の代表的な原油価格市場でありますブレント原油価格は二十ドル台まで下落いたしました。産油国の経済財政や石油産業への打撃が懸念され、株価も急落をいたしました。
 四月以降、協調減産に向けた調整が行われ、四月十二日、OPECプラスは日量九百七十万バレルの減産に合意をいたしました。これは、世界の石油需要である日量約一億バレルの約一割に相当する大規模なものであります。
 しかしながら、三ページ目の油価の推移のとおり、原油需要が一層減少する中、協調減産の合意後も油価は下落を続けました。その後、五月初旬以降、欧米諸国による経済活動再開の動きなどが見られる中、ブレント原油価格は三十ドル台まで上昇しています。
 当面、油価は不安定な動きが続くことが考えられます。引き続き、原油動向、日本の石油事業者への影響を注視することが必要と考えております。
 なお、御説明内容を補足するものとして、OPECプラス減産合意の内容、昨年来の中東情勢について資料を御用意しております。御確認ください。
 次に、このようなエネルギーをめぐる国際情勢を踏まえ、日本のエネルギー安全保障を確保するための取組について御説明いたします。
 まず、日本の現状について御説明いたします。
 七ページには、我が国の原油、LNG輸入の国別シェアを示しております。
 我が国は、原油、天然ガスのほぼ全量を海外からの輸入に頼っております。中東情勢の緊迫化といった地政学リスクの高まり、新興産油国の台頭といった供給構造の変化、国際的な資源獲得競争の激化が進むことが見込まれる中、資源の安定的かつ低廉な調達は引き続き重要な課題であります。
 我が国は、海外での権益確保、国内の資源開発、燃料の備蓄によってエネルギーの安定供給を図っております。それぞれの取組について御紹介いたします。
 八ページは、主な海外権益獲得などの取組をまとめたものであります。
 アジアを中心とする新興国の台頭に伴い、需要量減少により我が国の交渉力が低下する中、上流権益の獲得による自主開発比率の向上や資源の調達先多角化の実現といった対策を講じています。
 具体的には、二〇一八年二月に世界有数の埋蔵量を誇る油田の権益を再獲得したUAEや、二〇一八年七月に日本企業が主導する初の大型LNGプロジェクトであるイクシスLNGが生産を開始した豪州のほか、シェールガス由来のLNG輸出が増加する米国や、北極圏に豊富な資源のポテンシャルを有するロシアなどと共同プロジェクトを戦略的に推進しています。
 次に、国内資源開発について御紹介いたします。
 国内資源は、地政学リスクに左右されない安定的な資源であるため、エネルギー安全保障の観点から非常に重要です。
 石油、天然ガスについては、我が国周辺の潮流の速い海域など探査実績の少ない海域において、昨年就航した三次元物理探査船「たんさ」を活用するなど、機動的な探査や試掘を実施します。
 メタンハイドレートは、小さな体積から大きなエネルギーを生み出す、日本近海に大量に存在するエネルギー資源です。安定的にメタンハイドレートからガスを生産するための技術など、今後の商業化に向けた技術開発をしっかり推進していきます。
 十ページを御確認ください。
 国内外の積極的な資源開発を行うとともに、有事に備えて我が国は石油を備蓄しております。現在、国内消費量の二百日分を超える量が確保されています。緊急事態が発生した場合においても円滑に対応できるよう、平時より、石油精製、元売各社との連携強化、情報収集、共有を行っています。
 次に、日本のエネルギーミックスの進捗状況について御説明いたします。
 十三ページは、二〇一八年七月に閣議決定いたしました第五次エネルギー基本計画の概要です。
 二〇三〇年に向けて、エネルギーミックスの確実な実現のため、再エネについては、主力電源化に向けてコスト低減の取組強化、再エネの大量導入を支えるネットワークの整備などに取り組みます。
 原子力については、徹底した省エネや再エネの導入などに取り組み、原発依存度を可能な限り低減する方針の下、安全最優先で地元の理解を得ながら再稼働を進めていきます。
 化石燃料については高効率火力の有効活用などに取り組み、省エネについては省エネ法に基づく規制と支援策を一体的に講ずることとしております。
 十四ページは、エネルギーミックスの推移を示しております。
 エネルギーミックスは将来の需給構造の見通しです。あるべき姿として、3EプラスS、すなわち安全性の確保を大前提に、安定供給、経済効率性及び環境適合について、達成すべき三つの政策目標をバランスよく達成する姿として示したものであります。上段の棒グラフは日本におけるエネルギー供給全体のエネルギー構成の推移を、下段の棒グラフはその中での電力部門における電力構成の推移を示しております。
 十五ページでは、震災前から現在までの電源構成などの進捗を示しております。
 二〇一三年度と比較をいたしまして二〇一八年度には、エネルギー起源CO2排出量が十二・四億トンから十・六億トンまで減少、電力コストは年間九・七兆円から八・五兆円まで減少、エネルギー自給率は七%から一二%まで改善いたしました。先ほど御説明させていただいた取組により、いずれの指標についても着実な進展が見られております。
 他方、ミックスの達成はいまだ道半ばの状況にあり、確実にミックスを達成するため、引き続き取り組んでまいります。
 続いて、再生可能エネルギーについてです。
 十八ページを御確認ください。
 FIT導入以降、日本の再エネ比率は大幅に拡大しており、着実に再エネの導入は進んでいます。他方、電力の安定供給を確保しつつ再エネの導入を進めるためには、系統制約への対応が必要です。様々な対応を行ってもなお電力の供給が需要を上回る場合には再エネの出力制御を行うこととしており、それを前提とすることで再エネの接続を拡大しています。
 九州では二〇一八年度から出力制御を実施していますが、今後の一層の再エネ導入拡大に向けて、電力系統の整備、運用面において更なる対策を講じてまいります。
 十九ページを御確認ください。
 その対策の一つが日本版コネクト・アンド・マネージの推進です。系統制約の克服に向けてまずは既存系統を最大限活用すべく、一定の条件の下で系統への電源の接続などを認める仕組みであります日本版コネクト・アンド・マネージを導入しており、効果も確認されております。
 続いて、二十ページを御確認ください。
 二つ目の対策が電力系統の整備です。既存系統の利用には限界があり、今後の更なる再エネ導入拡大には、系統自体の増強が必要となります。このため、既に地域間連系線の増強や、東北北部における電源募集プロセスなどの地域系統の増強を進めています。
 さらに、今通常国会において、プッシュ型の系統形成と系統増強費用を全国で支える仕組みを導入するための制度整備に係る法案を提出したところであります。
 続いて、二十一ページを御確認ください。
 三つ目の対策が分散型エネルギーシステムの構築です。分散型電源である再エネの特性を生かし、地域のレジリエンス向上と地産地消型のエネルギー供給を目指す分散型システム実現への取組を進めております。
 具体的には、災害時に自立的な電力供給を可能とする地域マイクログリッドの実証を実施するとともに、配電事業に関する必要な制度整備案を今通常国会に提出いたしました。
 続いて、二十二ページを御確認ください。
 再エネの導入拡大に向けては、系統制約問題への対応に加え、蓄電池の普及拡大が重要です。蓄電池は、系統安定化のための調整力、自家消費の促進、さらに災害時の電力供給源としても期待される技術である一方、今後の普及拡大には技術面の検証や低コスト化が課題となっております。そのため、蓄電池を導入した実証事業や革新的電池の技術開発を通じ、蓄電池の普及拡大に向けて取り組んでいるところであります。
 続いて、二十三ページを御確認ください。
 新たなエネルギーの一つである水素は、運輸、産業、電力などの様々な分野での利用が可能であり、余剰再エネの貯蔵機能としても期待されています。二〇一七年に水素基本戦略を策定し、水素の製造、輸送・貯蔵、利用での技術開発、市場創出を実施するとともに、二〇一八年から水素閣僚会議を日本で開催しております。
 昨年十二月には神戸で世界初の液化水素運搬船が進水し、今年三月には、世界最大級の水電解装置により、再生可能エネルギー由来の水素製造実証を行う福島水素エネルギー研究フィールドが開始をいたしました。引き続き、水素社会実現に向けた取組を推進してまいります。
 このように、再エネを日本のエネルギー供給の一翼を担う長期安定的な主力電源にしていくため、必要な取組を一つ一つ進めてまいります。
 次に、具体的な温室効果ガス削減の取組について御紹介いたします。
 パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略で示されているとおり、日本は、二〇三〇年度に温室効果ガス排出量を二〇一三年度比二六%削減するとともに、二〇五〇年までに八〇%削減し、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会を実現することを目指しています。
 日本は順調に温室効果ガスを削減しておりますが、今後の温室効果ガス排出量の大幅な削減は従来の取組の延長では実現することが困難であり、非連続なイノベーションを実現していくことが不可欠です。その具体的な取組を御紹介いたします。
 二十五ページの火力発電の高効率化に関する資料を御覧ください。
 現在、広島県の大崎上島では、高い発電効率が期待できる石炭ガス化複合発電、いわゆるIGCCにCO2の分離回収を組み合わせた実証事業を実施しています。今後は、IGCCに燃料電池を組み合わせた更に高効率な火力発電である石炭ガス化燃料電池複合発電、IGFCの実証試験も実施する予定です。IGCC、IGFCの実用化により、環境負荷の少ない石炭火力発電が活用可能になります。また、今年度から、大崎上島はカーボンリサイクルの実証研究拠点として整備されております。
 二十六ページのカーボンリサイクルに関する資料を御覧ください。
 カーボンリサイクルとは、CO2を資源として捉え、回収して化学品や燃料、コンクリートなどの原料に再利用する、日本で考案されたコンセプトです。具体例としては人工光合成やCO2を吸収するコンクリート製造技術などがあり、実用化に向けた技術開発を進めています。
 二十七ページのCCSに関する資料を御覧ください。
 CCSとは、二酸化炭素を大気に放散する前に回収し、地下へ貯留する技術を指します。CCSは将来の脱炭素化を実現する上で鍵となる技術であり、苫小牧におけるCCSとカーボンリサイクルの実証拠点化を進めます。
 このような様々なイノベーションを通じ、世界のCO2の実効的な排出削減に貢献してまいります。
 一昨年の北海道胆振東部地震、昨年の台風第十五号、台風十九号等による大規模かつ長期間の停電を踏まえ、強靱かつ持続可能な電力の供給体制の確保が重要な課題となっております。
 このため、今通常国会にエネルギー供給強靱化法案を提出しております。その主な内容につきまして御説明いたします。
 二十九ページを御覧ください。
 一般送配電事業者に対して災害時連携計画の策定を義務付け、事業者間で連携するのみならず、自治体や自衛隊といった関係機関の災害時における連携を強化するための措置を講じます。災害時連携計画とは、台風や地震といった災害時においても電気の安定供給を可能にするために事業者が作成するものです。これにより、電源車の地域間融通など、事業者が柔軟に災害に対応することが可能となります。
 次に、三十ページの左の図を御覧ください。
 全国の送電鉄塔の多くが建設から四十年から五十年経過しており、既存設備の更新の必要性が高まっております。このため、送電鉄塔などの送配電設備の老朽化の程度を把握しつつ、必要な投資をタイムリーに行うことが電力システムの強靱化にとって重要です。
 そこで、一般送配電事業者に対し、送配電設備の計画的な更新を求める制度を整備いたします。さらに、レジリエンス強化のための必要な送配電投資を事業者が着実に実施すると同時にコスト効率化にも取り組むため、託送料金制度改革を実施します。
 三十二ページを御覧ください。
 昨年の台風第十五号では、東京電力管内の鉄塔や電柱が倒壊、損傷しました。これを踏まえ、鉄塔や電柱に係る技術基準を見直すなど、電力供給設備の強靱化を推進してまいります。
 こうした取組を通して、強靱かつ持続可能な電気の供給体制を確保してまいります。
 以上が経済産業省からの説明になります。

#5
○会長(宮沢洋一君) 次に、環境省から説明を聴取いたします。佐藤環境副大臣。

#6
○副大臣(佐藤ゆかり君) 環境副大臣の佐藤ゆかりでございます。
 今回、気候変動対策に関する内外の取組について御説明を求められておりますところ、一年目でもありますことから、まず、気候変動をめぐる国際的な概況を含めたパリ協定を始めとする国際協調について御説明させていただいた後に、我が国の気候変動対策について、我が国の中長期目標等に加え、特に御指示をいただいた地域における脱炭素化、ESG投資、カーボンプライシングについて、資料に沿って御説明を申し上げたいと存じます。
 二ページ目を御覧いただきたいと存じます。
 昨年夏に房総半島台風及び東日本台風が立て続けに日本に上陸をしまして、強風や多量の降雨により甚大な被害を及ぼしたことは記憶に新しいところでございますが、同様に、アジアや北米での大雨、ヨーロッパでの熱波、オーストラリアでの森林火災など、世界各地で数多くの自然災害が発生しております。
 世界気象機構、WMOでも、最近の顕著な降水や高温の増加傾向は長期的な地球温暖化の傾向と関係しているとの見解が示されておりまして、更なる平均気温の上昇により、こうした影響はより深刻化すると想定されております。
 三ページ目を御覧ください。
 気候変動問題に関し科学的知見を提供する学者の集まりでありますIPCC、気候変動に関する政府間パネルでは、二〇一八年に発表した一・五度特別報告書において、現状のペースでいけば、世界の平均気温の上昇を一・五度を大きく超えないためには、二〇五〇年前後のCO2排出量を正味ゼロにすることが必要との見解を示しました。
 四ページ目を御覧ください。
 一方、こうした気候変動の原因となっている温室効果ガスのうちエネルギー起源のCO2については、二〇一七年に世界全体で三百二十八億トンが排出されており、中国、アメリカ、インドの排出量がそのうち半分を占めております。
 引き続き、世界第五位の排出国であります我が国の排出を削減するとともに、その他の国の排出量を引き下げるための取組も重要でございます。
 五ページ目を御覧ください。
 こうした中で、二〇一五年にパリ協定が採択され、本年より実施されております。世界のCO2削減の取組は先進国のみでは達成できません。パリ協定では、先進国のみならず全ての国が参加する新たな、パリ協定は新たな国際的枠組みでございます。全ての国に削減目標等の国の決定する貢献、いわゆるNDCの五年ごとの提出を義務付けるとともに、その実施状況を確認する仕組みを構築いたしました。
 一方で、残念ながらアメリカは本年十一月にパリ協定を脱退する予定でございまして、世界第二位の排出国であるアメリカの取組をパリ協定外でどのように進めていくかは課題でございます。
 六ページ目を御覧ください。
 昨年十二月にマドリッドにおいて開催された気候変動枠組条約第二十五回締約国会議、COP25では、このパリ協定の実施に必要な市場メカニズムの実施指針についての交渉が行われました。本会合では結論が得られませんでしたが、小泉環境大臣が主要関係国と精力的に調整を行った結果、次回のCOP26での採択に向けた道筋を付けることができました。
 七ページ目を御覧ください。
 市場メカニズムは、他国におけるCO2削減を自国の技術等を導入することで削減した場合に、その削減量の一部を自国の削減量としてカウントできることにより、技術が不足する特に途上国のCO2削減を進める制度でございます。我が国は、各国に先行してJCMと呼ばれる市場メカニズム制度によって日本の優れた脱炭素技術などを展開することで、特にアジア諸国のCO2削減に貢献をしておりまして、今後、アジア諸国だけではなく、アフリカ諸国や、GDP当たりのCO2排出量の大きい中東諸国にも広げてまいりたいと考えております。
 八ページ目を御覧ください。
 ここからは、我が国の気候変動対策について御説明申し上げます。
 まず、我が国の温室効果ガス排出量ですが、二〇一八年度の時点で約十二億四千万トンでありましたが、中期目標の基準年度である二〇一三年度に比べて一二%減、五年連続で削減をしております。ここ五年連続で削減を達成したのは、G7では日本とイギリスのみでございます。また、この間、我が国のGDPは増加しておりまして、経済成長と同時に温室効果ガスを削減する、いわゆるデカップリングを達成いたしております。
 九ページ、十ページ目を御覧ください。
 我が国は、昨年六月にパリ協定に基づく長期戦略を策定し、G7の中では初めて長期戦略の中でカーボンニュートラルへの道筋を示しました。今世紀後半のできるだけ早い早期に、できる限り二〇五〇年に近い時期に脱炭素社会を実現することを目指しております。
 一方で、この実現は、従来の取組の延長では実現困難でありまして、非連続なイノベーションを通じた環境と成長の好循環の実現が必要でございます。
 十一ページ目を御覧ください。
 このため、本年一月には、このイノベーションを創出するための革新的環境イノベーション戦略を策定いたしました。世界のカーボンニュートラル、さらには過去のストックベースでのCO2削減、いわゆるビヨンド・ゼロを可能とするため、例えば、浮体式洋上風車技術の確立やCCUSの実用化などの革新的技術を二〇五〇年までに確立することを目指しております。
 十二ページ目を御覧ください。
 さらに、本年三月にパリ協定に基づくNDCを更新いたしました。このNDCにおいては、一、二〇三〇年度二六%削減の確実な達成と、これにとどまらない更なる削減努力、二、具体的実行計画である地球温暖化対策計画の見直し着手、三、更なる削減目標の検討は、今後のエネルギーミックスの改定と整合的に、更なる野心的な削減努力を反映した意欲的な数値を目指すことを表明しております。このNDCに基づき、地球温暖化対策計画の見直しを検討してまいります。
 現在、政府を挙げてコロナ対策に取り組んでおりますが、今般の新型コロナウイルスへの対策をきっかけに、暮らし方や働き方が変化してくることも想定されます。計画の見直しに当たっては、そうした動きも踏まえつつ、持続可能な脱炭素社会への移行を促していく対策を考えていきたいと考えております。
 十三ページ目を御覧ください。
 先般成立しました令和二年度補正予算におきましても、脱炭素化社会への移行を促す施策を盛り込んでおります。
 今後、新型コロナウイルスを契機にサプライチェーンを国内回帰する動きが出てくる可能性も指摘されておりまして、そのような場合にも防災にも資する省エネ設備や再エネ設備が導入されることが重要であります。
 環境省では、今年度予算や補正予算によりましてこうした設備の導入への補助を行います。また、設備導入による削減量を売買可能なJ―クレジットとして認証することで、民民の取引を通じた投資回収の後押しもしてまいります。引き続き、新型コロナウイルスの状況も踏まえながら持続可能な脱炭素社会への移行を促してまいります。
 十四ページ目を御覧ください。
 ここからは、政府以外の主体、自治体や企業の動きについて御紹介したいと存じます。
 我が国の目標は、さきに述べましたとおり、今世紀後半のできるだけ早期に、できる限り二〇五〇年に近い時期に脱炭素社会を実現するということでありますが、その一歩先を行く目標である二〇五〇年排出実質ゼロを掲げる自治体、いわゆるゼロカーボンシティが増加をしております。人口規模では日本の人口の過半に迫る大きな動きとなっておりまして、今後は各地域のゼロカーボンシティ実現に向けた実効性のある取組の後押しが課題になってまいります。
 十五ページ目を御覧ください。
 地域の脱炭素化に向けた様々な取組が進んでおります。
 千葉県睦沢町では、太陽光発電やガスコージェネレーション等の分散型エネルギーの活用を進めております。これによって、平時にはCO2削減につながっておりますが、昨年の房総半島台風の影響で地域に停電が発生した際にも、この分散型エネルギーが稼働して地域に一定のエネルギー供給を継続できたという実績がございます。こうした好事例を全国各地に創出していきたいと考えております。
 十六ページ目を御覧ください。
 また、地域を超えた取組も進んでおります。
 横浜市は、再生可能エネルギーが豊富に存在する東北十二市町村と連携し、再生可能エネルギーの供給を受けるとともに、住民、企業間の連携による地域間のつながりを強めております。こうした地域循環共生圏の創造が地域の脱炭素化と地域の活性化を同時に進めていく鍵であると考えております。
 十七ページ目でございます。
 こうした自治体の動きに加えて、企業でも脱炭素経営を進める動きが加速しております。TCFD、SBT、RE一〇〇といった気候変動に関する様々な国際イニシアティブに賛同、参画する日本企業が増えており、世界でもトップクラスの数となっております。
 十八ページ目を御覧ください。
 こうした企業の取組を金融面から後押しをするのがESG金融でございます。世界的なESG金融の拡大が先行しておりますが、我が国でも近年急拡大をしております。
 十九ページ目でございます。
 環境省としては、ESG金融の更なる拡大に向けて、ESG地域金融の普及のための地域金融機関への働きかけ、ポジティブインパクトを生み出す金融に向けたガイドの整備等を進めてまいります。
 二十、二十一、二十二ページ目でございます。
 カーボンプライシングについては、既に導入されているものとして地球温暖化対策税がございますが、脱炭素社会に向けてあらゆる資源の戦略的な配分を促し、新たな経済成長につなげていく原動力として、更なるカーボンプライシングの可能性について検討をしているところでございます。
 また、炭素税や排出量取引とは異なりますが、省エネ、再エネ設備の導入等による温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証し、その取引を可能とするJ―クレジットという制度もございます。このJ―クレジット制度については、現在、ブロックチェーン技術等のデジタル技術を活用した利便性の向上について、私が中心となって検討を進めているところでございます。
 こうした自主的なクレジット取引の活性化を通じて、家庭や中小企業、地方公共団体における環境投資を促進するとともに、脱炭素化に向けた取組を後押しすることにより、環境と成長の好循環の実現を目指してまいります。
 以上でございます。

#7
○会長(宮沢洋一君) 以上で政府からの説明聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言いただくようにお願いいたします。
 また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようにお願いいたします。
 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力お願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 三浦靖君。

#8
○三浦靖君 ありがとうございます。自由民主党の三浦靖です。
 私は島根県の出身でございまして、唯一県庁所在地に原発を抱える、島根県東部の松江市に島根原発一号機、二号機を抱える、また西部には三隅火力発電所を抱えております。本調査会での貴重な質疑の機会を頂戴いたしましたことに感謝申し上げます。
 限られた時間でございますので、早速質疑の方に入らせていただきたいと思います。
 先ほど松本副大臣より、エネルギーをめぐる国際情勢、またエネルギー安全保障、ベストミックスに関して御説明をいただきました。もとより我が国は化石燃料を始めとする地下資源に乏しく、特に原油、天然ガスを輸入に頼らざるを得ない中、先ほどもおっしゃられていましたけれども、国際情勢に大きく左右されています。
 一九七〇年代の二度にわたるオイルショックは忘れられない教訓となっておりまして、くしくも今次の新型コロナウイルス感染症の問題でもトイレットペーパーの買占めなど同様な現象が起きてしまったことは、非常に残念なことでございました。一方で、マスクなどの医療関係資材の海外依存リスクや基幹産業のサプライチェーンの断絶リスクを浮き彫りにし、そういった意味で、電力資源である化石燃料の大部分を海外に依存している我が国のエネルギー事情は、安定供給において大きなリスクを負っていると再認識しなくてはならないということではなかったのでしょうか。
 そこで、比較的国際情勢に左右されにくい準国産エネルギーとも言える原子力の安全運転を軌道に乗せることは、我が国にとって必要不可欠のエネルギーの安全保障ではないかと考えております。
 もちろん、御説明いただいた3EプラスS、Sの部分でございます安全性が大前提ではございますけれども、必要な審査を行うのは当然ではありますけれども、マンパワーの拡充や審査の工夫、効率化などにより可能な限り審査の早期化を進めていくことが必要な時期に至っているのだと考えておりますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。

#9
○会長(宮沢洋一君) どなたに対する質問ですか。

#10
○三浦靖君 経産省ですね。

#11
○政府参考人(山形浩史君) お答えさせていただきます。
 審査は、大前提である安全性について判断を行う場であるからこそ、実際に現場の安全に直接携わっておられる申請者の方、そういう方と十分な議論を行って共通理解を得るべく、納得のいくまで議論をして結論を得るということが重要と考えておりまして、規制委員会としては、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえて厳正な判断を下すことが重要であると認識しております。その上で、審査の時間は申請者にとってでなく我々にとっても重要でございますので、審査を効率的、効果的に進めることが望ましいと考えております。
 このため、審査の予見性を確保するため、審査について、審査項目ごとに進捗状況や残っている主な論点を整理しました審査進捗状況表を作成、公表すること、また、審査の過程における主要な論点や適合性の結果をまとめた審査書、確認書、そういうものを作成、公表すること、また、同じような型の原子炉の審査が並行している場合には他の事業者の同席を認めることなど、そういうことを心掛けて効率的な審査に取り組んでございます。
 以上でございます。

#12
○会長(宮沢洋一君) 先ほど申し上げましたけれども、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようにお願いいたします。

#13
○三浦靖君 大変失礼いたしました。
 先ほども申し上げましたように、島根原発を抱えておりますけれども、一号機は既に廃炉が決定しております。そして三十年以上経過する二号機は適合審査中、さらには、三号機も建設中という形にはなっておりますが、新しいものが今あるというところでございますが、現在、我が国の原子力の運転期間は四十年に制限されておりまして、二十年の延長を一度限り認めるという運転期間が制限されております。
 しかしながら、海外では運転期間の制限を採用していない、そういった国もあり、米国では既に八十年運転の承認事例も順次出始めているそうなんですけれども、エネルギーの安定供給を環境適合的、また経済的に達成していくためには、そうした既設発電所の有効活用を科学的根拠にのっとって検討していくことが肝要ではないかと考えております。
 科学的なエビデンスに基づいて安全性の根拠を検討する動きも出ておるというふうに聞いておりますけれども、現在の状況についてお知らせいただけますでしょうか。原子力規制委員会、お願いいたします。

#14
○政府参考人(大村哲臣君) お答え申し上げます。
 御指摘の原子力発電所の運転期間四十年につきましては、国会審議におきまして、技術的研究のみならず、幅広い観点から議論が重ねられた上で法制化されたものというふうに認識しておりますけれども、原子力発電所の経年劣化につきましては、技術的な見地から丁寧かつ慎重な議論が必要であるというふうに考えてございます。
 この経年劣化に関しましては、現在、原子力エネルギー協議会、ATENAとの実務者レベルの技術的意見交換会を開催しておりまして、これまで二回開催をしております。次回は、五月二十二日にテレビ会議により開催をする予定としてございます。
 事務局といたしましては、六月も引き続きこの技術的意見交換会を行う予定としておりまして、議論がまとまり次第、報告書を取りまとめ、原子力規制委員会に報告したいというふうに考えてございます。

#15
○三浦靖君 ありがとうございます。是非、そういった関係者と緊密に連携を取っていただいて、少しずつ進めていただければと思っております。
 先ほど、運転期間、発電を行っていない点検・審査期間や震災以降の休止期間も含まれている、この運転期間の中に含まれているということ、これ自体が科学的に本来ふさわしいものなのか、経済的にはもちろん合っていないということは皆さんお分かりだと思いますけれども、そういった中で、全く規模の違う話になり大変恐縮なんですけれども、発電停止期間の同様な事例として、小水力発電について少しお尋ねしたいと思います。
 小水力発電は、再生可能エネルギーとして、天候に左右されず、安定的でかつ急峻な日本国土、地形に適した効率的な発電であるとともに、また環境にも非常に負荷の少ない優れたものではないかと考えております。
 現在、多くの事業体がFITに移行しているようですけれども、ただ、この買取り期間に、近年頻発している大規模自然災害、大型台風やゲリラ豪雨による河川の増水や土砂崩れ、そういった被害によって発電所の稼働を停止をせざるを得ない、そういった状況の生じた期間も含まれているということでございます。
 これは再生可能エネルギーを推進する施策に即したものにはなっていないと考えておりまして、規模が小さい事業体であり、さらには、先ほどお話がありましたように、地域の地産地消型エネルギー供給を実現させていくということであれば、不可避な災害、事故、修理期間、発電停止期間を買取り期間から除外して、実際の稼働期間でカウントしていただくことが望ましいと私は考えておりますけれども、経済産業省のお考えをお伺いいたします。

#16
○政府参考人(覺道崇文君) お答え申し上げます。
 再エネ特措法に基づきますFIT制度は、国民が負担する賦課金を用いまして再エネ電気を長期固定価格で買い取ることによって、投資回収の予見可能性を担保し、再エネ導入初期における普及拡大と、それを通じたコストダウンを実現することを目的とした特別措置でございます。
 再エネ電気の買取り単価である調達価格は、再エネ電気の供給に通常要する費用を基礎としまして、適正な利潤等を勘案して算定しているところでございます。このうち適正な利潤は、事業リスクに見合ったものとして設定されているものでございます。
 調達期間内における自然災害等による発電停止につきましては、事業を実施する上で事業者が負うべき一般的なリスクでございまして、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制との両立を図る観点からは、当該発電停止期間を買取り期間から除外するべきではないというふうに考えてございます。
 なお、自然災害への対応につきましては様々な損害保険サービスが提供されておりまして、近年の自然災害の増加等を踏まえまして、事業用太陽光発電に関して今年度から損害保険への加入を努力義務化したところでございます。
 事業者による経営努力を促しまして、コスト効率的な再エネの導入拡大を図ってまいりたいと考えてございます。

#17
○会長(宮沢洋一君) 時間ですので、おまとめください。

#18
○三浦靖君 はい、時間ですので。
 ありがとうございました。

#19
○会長(宮沢洋一君) 古賀之士君。

#20
○古賀之士君 立憲・国民.新緑風会・社民、合同会派の国民民主党、古賀之士でございます。
 先ほどの御説明、報告を聞いておりまして、改めましてこの参議院独自の資源エネルギー調査会、資源のない、資源の乏しい我が国にとりまして本当に存在意義それから今後のことを考えていく上で重要な調査会だということを、認識を新たにさせていただきました。
 言わずもがなですが、かつては水資源を求めて争いが起き、さきの大戦でも石油資源を求めて大きな戦火に包まれたのは皆さんもよく御存じのとおりでございます。そういった資源に乏しい我が国にとりまして、技術を前面に押し出しながら奇跡の復興を遂げてきたわけでございます。
 そういった観点から、まず質問は、新しい原子炉技術の開発についてお尋ねをさせていただきます。新しい原子炉技術の開発状況について、経産副大臣又は参考人に伺います。
 第五次エネルギー基本計画に取り組むべき技術課題として示されております高温ガス炉、それから小型モジュール炉、溶融塩炉について、現在どのような開発段階にあり、また、発電開始までのロードマップはどのようになっているでしょうか。また、フランスで建設が進んでおります、二〇二五年の運転開始を目途としております国際熱核融合実験炉、これはITERと呼ぶそうですが、このITERはどのように我が国として捉えていらっしゃるんでしょうか。

#21
○副大臣(松本洋平君) ITERの部分は文科省からお答えになるのが適当かと思いますので、私の方からは革新的な原子力技術の開発支援状況ということでまずお答えをさせていただきたいと思います。
 二〇一八年七月に閣議決定をいたしましたエネルギー基本計画に記載をしておりますとおり、二〇五〇年までに八〇%の温室効果ガスの排出削減を目指すという長期的目標の達成に向けまして、脱炭素化のあらゆる選択肢を追求していくことが重要であります。そのため、原子力については、実用段階にある脱炭素化の選択肢といたしまして、安全性の一層の向上に加えて、多様な社会的要請の高まりも見据えたイノベーションを進めていく方針としております。
 その一環といたしまして、先ほど委員からも御紹介をいただきましたようなそうした新しい技術分野について、令和元年度から民間企業などによる革新的な原子力技術の開発支援を開始したところであり、今後も原子力のイノベーションに向けた取組を進めてまいりたいと存じます。

#22
○政府参考人(千原由幸君) お答え申し上げます。
 核融合エネルギーは、エネルギー問題と環境問題を根本的に解決する将来のエネルギー源としてその実現が期待されておりまして、現在、科学的、技術的実現性の確立を目指している段階にございます。この段階にある主要プロジェクトでございます御指摘のITERの建設につきましては、世界七か国・地域の協力によりフランスで進められておりまして、二〇二五年に予定される運転開始まで約六九%まで進捗してございます。
 文部科学省といたしましては、ITER計画を進めるとともに、日欧連携により取り組んでおりますITER計画の補完、支援を目的とする幅広いアプローチ活動等を通じ、核融合の科学的、技術的実現性を検証してまいります。それを踏まえ、二〇三〇年代に実験炉の次の原型炉への移行判断を行い、今世紀中葉までに核融合エネルギーの実用化のめどを得るべく研究開発を進めてまいります。

#23
○古賀之士君 今、今世紀中頃までというお話がありましたように、二〇五〇年代以降、つまり二十一世紀の後半にはこの新しい技術がどのように生かされていくのか、私たちにとりまして、いや、世界にとりましても重要な案件でございますので、きちっとした見極めと、そして開発への努力を怠りなくお願いをいたします。
 さらに、その新しい原子炉技術がもたらす環境への影響につきまして、環境副大臣又は参考人にお話を伺います。
 新しい原子炉技術が実現に至れば、二〇五〇年までの温室効果ガス八〇%という、現状ではなかなか厳しい数字ですが、今世紀後半の脱炭素社会に向けて大きく前進するのではないかと思われます。環境省として、新しい原子炉技術と温室効果ガスの削減との関係につきましては、今、現段階でどのようにお考えでしょうか。

#24
○副大臣(佐藤ゆかり君) お答え申し上げます。
 昨年六月に閣議決定をいたしましたパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略におきましては、エネルギー転換、脱炭素化への挑戦を進めていくために、再生可能エネルギー、蓄電池、水素、原子力、CCS、CCUなど、あらゆる選択肢の可能性とイノベーションを追求していくことが重要としてありまして、原子力は脱炭素化の選択肢の一つと位置付けられていると承知をいたしております。また、原子力関連技術のイノベーションを促進するという観点が重要であるとも記載をされております。一方で、同戦略では、原子力は、安全を最優先し、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減すると位置付けられていることも承知をいたしております。
 環境省といたしましては、外局として独立性の高い三条委員会であります原子力規制委員会を所管しておりますことから、原発推進の是非については控えさせていただくことと存じますが、こうした政府方針に沿って、環境省としても徹底した省エネルギーや再生可能エネルギーの最大限の導入を進めてまいる所存でございます。

#25
○古賀之士君 相矛盾する大変難しい課題だとは思いますけれども、副大臣始め、今日の環境省の皆さん方、一層の奮起でひとつ脱炭素社会に向けての行動をよろしくお願い申し上げます。
 そして、今度は、また再び経産副大臣にお伺いをいたします。
 コミュニケーションの充実について、第五次エネルギー基本計画、この質問を最後にさせていただきますが、この基本計画の中に国民各層とのコミュニケーションの充実と示されております。エネルギーに関する広報の在り方、客観的な情報データのアクセス向上による第三者機関によるエネルギー情報の発信促進及びエネルギー教育の推進について、具体的に現状どのような取組を行っていらっしゃるでしょうか。

#26
○副大臣(松本洋平君) エネルギーは、国民生活や産業活動の基盤であります。エネルギーに関する国民各層の理解が深まることで、省エネルギーの徹底や再生可能エネルギーの活用を始め国民の主体的な取組が広がっていくものと考えております。こうした考えの下、議員御指摘のエネルギーに関する広報につきましては、資源エネルギー庁のホームページやパンフレットを始めとする様々な媒体、イベントや講演会などの機会を通じて情報発信をさせていただいています。
 例えば、資源エネルギー庁ホームページでは、スペシャルコンテンツといたしまして、様々な切り口でエネルギーに関するテーマや基礎用語を解説した記事を定期的に配信しており、毎月二十から三十万件のアクセスがございます。
 第三者機関によるエネルギー情報の発信の促進に向けた取組といたしましては、メディアや民間調査機関、非営利法人といった第三者がエネルギーについて独自の分析や情報発信をする際に活用していただけるよう、資源エネルギー庁のホームページに統計情報のポータルサイトを設けて国内外のエネルギー関係統計を一覧性のある形で提供しており、毎月二十万件ほどのアクセスをいただいているところであります。
 エネルギー教育の関係では、先生方が授業でそのまま利用できる教材を開発、提供する取組などを実施しております。例えば、昨年十二月に作成をいたしました最も新しい教材は、これまでに十五万冊以上を教育現場にお届けをしているところであります。
 引き続き、エネルギーに関する国民の理解が深まるよう取り組んでまいります。

#27
○古賀之士君 終わらせていただきますが、最後に要望として、この資源エネルギーの問題というのはかつては、先ほど申し上げましたように、水や石油を争ってきた歴史もございます。そして、戦後の復興では、今、一バレル当たり石油は三十ドルぐらいになっているかと思いますが、日本が復興を遂げた際は一バレル一ドルから二ドルでした。こういったその石油価格の、原油価格が低廉化していた、安かったということも、幸運もありました。
 そういった資源エネルギーと我が国との歴史、こういったものもしっかり、今と未来の問題ではなく、過去の歴史と照らし合わせてこの資源エネルギーの将来を考えていくという行為、こういったものがもう少しあったらより国民の皆さんの理解を得られると思いますので、よろしくお願いをいたします。
 以上で質問を終わります。

#28
○会長(宮沢洋一君) 若松謙維君。

#29
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 まず、松本経済産業副大臣にお尋ねいたします。
 経済産業省の資料の十三ページを開きながら質問させていただきますが、御存じのように、今、新型コロナウイルス感染症の影響で新しい生活様式が求められております。
 そういう中、今後のエネルギー政策にどのように反映させていくかお尋ねするわけでありますけれども、ちょうど二〇二一年七月まで、いわゆる第六次基本計画ですか、その検討を開始するということでありますが、ちょうどここに、3EプラスS、これに、これからの新しい考え方は3E・SプラスNLと、ニューライフ、新しい生活様式、これもしっかり盛り込むべきではないかと、そう考えまして、そういった考え方を含めて政府の見解をお尋ねいたします。

#30
○副大臣(松本洋平君) まずもって、新型コロナウイルス感染症によりまして経営環境が厳しさを増す中、経産省としては、企業活動の継続と雇用を何としてでも守り抜くという決意の下、幅広い支援策を講じてまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 お尋ねの点でありますが、まずは感染症流行終息に全力で取り組みつつ、それと同時に、感染症による影響の長期化も見据えまして、ウイルスの存在を前提にする新しい生活様式を産業界や国民の皆様とともに実践をしていくことが重要であると考えております。
 例えば、接触を減らして感染症の拡大を抑制するため、多くの企業でテレワークの導入が拡大され、オンライン会議の利用も増加をしておりますし、また医療分野では、病院内感染のリスクを減らすため、初診も含めた電話やオンラインによる治療が解禁されたほか、教育分野でも遠隔教育等の取組が拡大をしているところであります。
 委員御指摘がございましたように、こうして国民生活の変化というものが生まれている中で、この変化を踏まえた新しい生活様式の下、人々のエネルギー消費の在り方にどのような変化が生じるのかを我々としてもしっかりと見極めていかなければいけないと思いますし、その結果というものを来年予定されているエネルギー基本計画の改定の議論などに是非反映をしてまいりたいと考えております。

#31
○若松謙維君 佐藤環境副大臣にお尋ねをいたします。
 環境省の資料四ページを見ながら質問させていただきますが、先ほども副大臣が二〇一八年公表のIPCC特別報告書を御紹介されまして、現在の温暖化が続くと二〇三〇年から二〇五〇年の間にパリ協定目標一・五度上昇幅を超えて温暖化になるとの指摘があり、いわゆるクライメートチェンジではなくてクライメートクライシスになると、そういうふうに言われております。
 今年からパリ協定が本格運用を開始するわけでありますが、CO2排出国が、特に多い七か国、ちょうど中国、米国、EU、インド、ロシア、日本、そして韓国と、こういった国で年間約二百二十六億トン、地球全体の六九%を占めているということでありまして、これらのCO2削減の、あっ、排出大国ですね、CO2排出大国に削減の加速化を促すためにも、イギリスに次ぐCO2削減の実績がある日本がパリ協定実行のリード役として、来年へ延期される、今年ですね、秋ですか、冬になりますけど、COP26成功に向けまして日本がリーダーシップを取るべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

#32
○副大臣(佐藤ゆかり君) お答えをいたします。
 委員御指摘のとおりでございまして、主要国の排出量を引き下げるための取組というのは非常に重要であると考えております。
 まず、日本自身の取組といたしましては、二〇一四年度以来、日本は五年連続で温室効果ガスの排出量を削減しておりまして、その間の削減幅は二〇一三年度比で約一二%と、G7の中で英国に次ぐ大きさとなっております。
 引き続き、パリ協定に基づく削減目標の実現に向けて、日本自身のまず積極的な貢献を実施してまいるというところでございます。
 その上で、御指摘のこのパリ協定の推進においてでございますけれども、この推進において、パリ協定の実施に必要な市場メカニズムの実施指針について、来年開催を予定されておりますCOP25において合意されるということが必要でございます。日本では、既にこの合意に向けて、COP25で結論が出なかった論点に対してデータや数値を用いた定量的な分析を行っておりまして、ウエブ会議なども活用しながら、COP26の議長国であります英国を含む各国との調整を精力的に進めているところであります。
 引き続き、委員御指摘のインドなどですね、この排出量の多い途上国も巻き込みながら、主導的な役割を果たしてまいりたいというふうに考えております。
 この関連で、四月末には、国連事務総長、それからメルケル・ドイツ首相や約三十か国の閣僚が参加をしましたペータースベルク気候対話がウエブ会議で開催をされております。ここでは、小泉環境大臣より、新型コロナウイルス感染症からの復興を気候変動、環境対策の観点から持続可能なものにするとともに、COP26に向けた国際協調の機運を維持するべく、希望する全ての国が参加可能な形で復興に関する各国の取組について共有し、互いに連携をするオンラインプラットフォームの設置を提案したところでございます。
 英国などの各国や気候変動枠組条約事務局とも連携をしながら、日本としてCOP26の成功に向けて貢献をしてまいりたい所存でございます。

#33
○若松謙維君 次に、経済産業省にお伺いいたします。
 これも経済産業省の二十三ページの資料を参照しながら質問させていただきますが、三月七日に、安倍総理、梶山経済産業大臣出席された浪江町の福島水素エネルギー研究フィールドの開所式に私も出席させていただきました。同施設は、先ほども御紹介ありましたが、世界最大級の再エネ由来の水素製造施設ということで、五年前の予算委員会でも私はこの水素社会形成の提言を安倍総理に行い、それがこの福島新エネ社会構想に発展した経緯があり、同構想の目玉という認識をしております。
 こうした取組を通じて水素製造技術は確立しつつありまして、今後は、水素技術の社会実装、水素社会の更なる形成推進に向けて、水素製造コストの低減が重要なポイントとなります。是非、触媒の低コスト等、政府は更なる水素イノベーションのための予算をしっかり確保するべきと考えますが、いかがでしょうか。

#34
○政府参考人(覺道崇文君) お答えを申し上げます。
 脱炭素化社会の実現に向けましては非連続なイノベーションが不可欠でございまして、先生が御指摘されました水素は大きなポテンシャルが期待される技術の一つでございまして、水素の供給コストの低減と、またその需要の創出が重要と認識をしてございます。
 経済産業省としましては、今年度、水素関連予算を増額をしまして、水素の供給コストの低減に向けまして、先ほど御紹介のございました本年三月から稼働をしました福島水素エネルギー研究フィールドにおきまして、再生可能エネルギーから水素を製造する技術の高効率化、高耐久化に向けた技術実証を始めたほか、豪州において安価な褐炭から水素を製造し日本に輸送する技術実証のプロジェクトを行ってございます。
 また、水素の需要の創出に向けましては、燃料電池自動車の導入や水素ステーションの整備、家庭用燃料電池の導入などへの支援措置を講じてございます。
 今後も、更に取組を強化し、供給コストの低減と需要創出を図りまして水素社会を実現してまいりたいと考えてございます。

#35
○若松謙維君 次に、時間があと一分しかありませんので主張だけして終わらせていただきますが、経済産業省に、ちょうど資料の二十ページに関することなんですけれども、今年の四月から送配電分離が始まりまして、電力広域的運営推進機関による全国の電力安定供給の監視機能が増すと。あわせまして、再エネの主要電源化に伴う送配電網の再投資が必要になると、これも触れていただきました。
 一方、胆振東部地震による北海道全道ブラックアウトの教訓から、昨年三月に稼働を開始しました新北本連系線に加え、更なる電力レジリエンスのための新々北本連系線の増強計画も進んでおりまして、その際の概算工事費が四百三十億円以上になると見込まれておりまして、これらの送配電投資が従来のように送配電事業者だけで負担すると再エネ生産地に過度な負担になると、そういうこともありますので、ちょうどこれを改善するための法案が出ておりますけれども、一刻も早く法律を通していただいて、全国安定供給、それも再エネの安定供給のために尽力していただきたいことを要望して、質問を終わります。
 ありがとうございました。(発言する者あり)

#36
○会長(宮沢洋一君) いや、質問じゃなかったんです、今の。意見をおっしゃるということでしたので。

#37
○副大臣(佐藤ゆかり君) 訂正をさせてください。訂正をさせてください。

#38
○会長(宮沢洋一君) 佐藤副大臣。

#39
○副大臣(佐藤ゆかり君) 済みません、恐れ入ります。
 先ほど私の発言の中で、来年開催のCOP26と申し上げたつもりでございますが、念のため、COP25ではなくて26でございますので、申し上げさせていただきます。

#40
○会長(宮沢洋一君) 梅村聡君。

#41
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。
 今日は、一番最初に、経済産業省のちょっとコンプライアンスの問題について一つお伺いをいたします。
 新聞報道等で、三月、今年の三月十六日に経済産業省から関西電力の方に、いわゆる役員の方の金品受領問題に当たりまして業務改善命令が出されました。この業務改善命令を出す、本来はですね、本来はその命令の前に電力・ガス取引監視等委員会から意見聴取をしてからこの命令を出さなければいけないと。ところが、この聴取を失念をされていまして、その結果、その命令後に聴取を行って、ですから、その日付は、聴取の日付は命令の後なんですけれども、本当は、実際にはその命令の三月十六日よりも前に聴取をしたと。日付を書き換えて、まあこれが隠蔽ということで発覚したという事案がございました。
 これ、よく見てみますと、実は、その関西電力の改善計画の期日は三月中に出してくださいということですから、別に普通に考えれば期日を書き換える必要も当然なかったはずなんですけれども、これ本来、これ気付いたときに、聴取をしていないと気付いたときに本来どうすべきだったのか、なぜそういうことが起こったのかということを改めて経済産業省の方に御答弁をお願いいたします。

#42
○政府参考人(覺道崇文君) お答え申し上げます。
 手続の不備があったにもかかわらず事実と異なる日に決裁をしたように取り繕ったことは、行政の意思決定プロセスに対する国民の視線が厳しい中にあって不適切であり、誠に遺憾でございます。経済産業行政に対する信用を損なったことにつきまして、改めておわび申し上げます。
 今回の事案につきましては、不適切な手続があったことを把握した後、三月二十九日に電取委に対する意見聴取を改めて実施した上で三月十六日の業務改善命令を取り消し、改めて業務改善命令を発出したところでございます。本来であれば、三月十六日に意見聴取の手続が取られていないことに気付いた時点で速やかにこうした手続のやり直しを行うことが適当であったというふうに考えてございます。
 経済産業省としましては、今回の一連の不適切な行政手続を真摯に反省をしました上で、今後、適切な行政手続を進めてまいりたいと考えてございます。

#43
○梅村聡君 やっぱり行政文書の書換えというのは、これ何にも増して国民の信頼を失う行為だということを改めて申し上げておきたいと思います。
 それでは、今日御説明いただいた中身について質問をさせていただきます。
 一つは、今回、第五次エネルギー基本計画、二〇三〇年に向けた対応ということで、こちらの方では、二〇三〇年度の電源構成、原子力が二二%から二〇%、そして再生可能エネルギーが二二%から二四%が想定をされていまして、これが二〇三〇年の温室効果ガス二六%削減、これの達成に対して必要不可欠な目標であるということになるかと思います。
 一方で、この原子力の割合というのは東日本大震災前の割合にほぼ近いものであるということですから、当然、今それぞれ再稼働も含めて検討する中で、これから先不透明になっていく、原子力の割合が不透明になっていく可能性というのも当然あると思いますが、その場合、再生可能エネルギーの割合を、これを上積みしていくということが想定をされているのか、仮にもしそうなれば、そのときの国民負担がどれぐらいのものになるのか、そういったシミュレーションがあれば教えていただきたいと思います。

#44
○政府参考人(覺道崇文君) お答え申し上げます。
 エネルギーミックスは、単一の完璧なエネルギー源がない中で3EプラスS、すなわち、安全性、セーフティーの確保を大前提に、経済性、エコノミックエフィシェンシー、気候変動、エンバイロンメントの問題に配慮しつつ、エネルギー供給の安定性、エネルギーセキュリティーの政策目標をバランスよく同時に達成するぎりぎりの姿としてお示しをしたものでございます。その進捗は、着実に進展してきているものの、道半ばでございます。まずは、エネルギーミックスの確実な実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えてございます。
 なお、御指摘どおりのシミュレーションは行っているわけではございませんが、エネルギーミックス策定時には、電源構成を変化させた場合の国民負担及びCO2排出量につきまして感度分析を行ってございます。それによりますと、仮に原子力の比率を一%減らして再エネの比率を一%増加させた場合には、一定の仮定の下で機械的に計算をいたしますと、二千百八十億円の国民負担増加が見込まれると、こういうことになってございます。

#45
○梅村聡君 ありがとうございます。
 そういった負担がどうなっていくのかとか具体的な姿ということをしっかり国民に示していくことが大事なことだと思います。
 それではもう一点は、今日は、日本のエネルギー安全保障の観点から、国内エネルギー資源開発のことについても御説明をいただきました。その中で、日本近海におけるメタンハイドレートの、これをしっかり商業化を目指して開発をしていくというお話がありましたけれども、太平洋側の埋蔵のお話がありましたけれども、大体、日本近海含めてどれぐらいの埋蔵量が現時点で想定をされているのか、それから、商業化に向けた技術開発がどの程度進捗しているのか、この点についてお伺いしたいと思います。

#46
○政府参考人(覺道崇文君) お答え申し上げます。
 日本周辺海域に豊富に賦存することが期待されるメタンハイドレートの開発は、エネルギー安定供給の観点から極めて重要でございます。これまでの海洋調査から、例えば、静岡県沖から和歌山県沖に広がります東部南海トラフ海域におきまして、日本の天然ガス消費量の約十年分に相当するメタンハイドレートの存在が推定されてございます。
 また、メタンハイドレートの開発につきましては、エネルギー基本計画等におきまして、二〇二三年度から二七年度の間に民間企業が主導する商業化に向けたプロジェクトが開始されることを目指して技術開発を行う、こうしたことを目標に掲げてございます。この目標に向けまして、主に太平洋側に賦存する砂層型と主に日本海側に賦存する表層型につきまして、それぞれの研究段階に応じた工程表を策定し、必要な技術開発等を推進してございます。
 引き続き、貴重な国内資源であるメタンハイドレートの商業化の実現に向けまして、しっかりと取り組んでまいります。

#47
○梅村聡君 ありがとうございます。
 それでは、時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。

#48
○会長(宮沢洋一君) 山添拓君。

#49
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 感染症と環境の観点から質問をいたします。
 この半世紀の間に、HIV、エボラ出血熱、SARS、MERS、そして新型コロナウイルスなど、数十の新たな感染症が生まれたと言われています。こうした状況を招いた背景として、京都大学の山極学長は開発を指摘しています。資料にお配りしておりますが、毎日新聞に寄稿もされています。
 近年、エボラの発生が増えているのは、伐採で森林が分断され、これまでめったに接触しなかった類人猿とコウモリが同じ果樹で出会う機会が増えたからではないかと、こういう推測がされているといいます。手付かずだった原生林に開発の手が入り、動物たちの動きが制限されて接触の機会が変化したことが感染経路を広げたことは確かだと、こういう指摘もされています。
 環境省に伺いますが、人の手による生態系への無秩序な侵入、とりわけ、開発行為と感染症の拡大についてどのように認識されているでしょうか。

#50
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。
 感染症の拡大という観点でいいますと、山極先生がおっしゃられているとおり、現代の人間社会がグローバルに人と物の流れが拡大しているというところが背景にございますけれども、その原因となる感染症につきましては、自然界には様々な未知の生物が存在しておりまして、その中に人にも感染する感染症の原因になり得るものがあるというふうに認識してございます。
 このため、国際的にも持続可能でない農業、森林開発、工業、インフラ開発等の自然環境の無秩序な開発によりまして、野生生物から人への未知の感染症への感染リスクが高まるというふうに指摘されてございます。
 例えば、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム、IPBESと呼んでいますが、これの地球規模アセスメント共同議長らが四月に出しました声明におきましても同様の指摘がなされてございまして、あらゆるセクターが環境に配慮する社会に変容すること、トランスフォーマティブチェンジが必要だというふうに述べてございます。
 また、国連の生物多様性条約事務局の事務局長代理が、四月の世界保健の日、七日でございますが、これに出した声明におきましても、無秩序な開発や森林破壊による生態系の劣化、これがグローバル化と相まって感染症の拡大をするおそれがあるというふうに指摘してございます。自然を中心とした持続可能な世界経済を築くことが重要としてございます。
 このように、国際的にも無秩序な開発行為が感染症の拡大の原因になるというふうに指摘されてございまして、新型コロナウイルス感染症終息後の経済的な復興を進める際には、生物多様性保全の取組にも十分配慮しながら進めていく必要があるというふうに認識してございます。
 以上でございます。

#51
○山添拓君 やはりこの人間社会の変化がその自然界に対しても影響を与えて、またそれが人間社会に返ってきていると、こういう点、やっぱりあると思うんですね。
 環境省は二〇〇七年に、「地球温暖化と感染症」と題するパンフレットを発行しています。温暖化、気候変動による感染症のリスクについてどのように述べているのか、御紹介ください。

#52
○政府参考人(近藤智洋君) 環境省ではこれまで、委員御指摘の二〇〇七年の報告、公表にとどまらず、気候変動の感染症への影響を含め様々な分野における気候変動の影響につきまして収集してまいりました。
 例えば、デング熱等の感染症を媒介するヒトスジシマカという蚊でございますけれども、これの生息する北限は一九五〇年時点で関東周辺でございましたけれども、二〇〇七年には岩手県や秋田県に、二〇一六年には青森県に達しているということの予測をしております。また、今後更に広がるとも予測しております。
 平成二十七年三月には気候変動影響評価報告書を作っておりまして、この中では、気候変動に伴う水温の上昇によりまして海水中や淡水中の細菌類が増加し、こうした水を媒介した感染症のリスクの増加、あるいは気温の上昇による食品の製造、流通過程における細菌汚染、増殖を通じまして、食品を媒介とした感染症のリスクが増加する可能性を指摘させていただいております。
 今年、気候変動適応法に基づくものとしまして、気候変動影響評価報告書を取りまとめる予定でございます。その評価を踏まえまして、来年には気候変動適応計画の見直しも行ってまいります。この中で、気候変動による感染症の影響について新たな知見を評価に含めるとともに、必要な施策を計画に盛り込んでまいりたいと思います。
 また、新型コロナウイルスに関しましては現在知見を有しておりませんけれども、今後も、気候変動と感染症の研究に関する科学的知見の把握に努めてまいりたいと考えております。

#53
○山添拓君 かなり駆け足で御紹介いただきまして、ただ、まだいろんな知見が、新しい知見が全て得られているわけではないという点でもあると思うんです。
 二〇〇七年のその懇談会で座長を務めた国立感染研の倉根氏が、各種感染症に対する温暖化影響評価のための方法論が十分確立されているとは言えない、その技術を早急に確立していく必要があると、こういう指摘もされています。
 環境省としても、最新の知見はおおむねこの二〇〇七年のパンフレットに示されているものだと伺いました。世界的には今かなり調査研究が行われておりますし、それを日本の政策にも、あるいは国際社会に対して発信していく上でも生かすように、支援も含めて是非検討していただきたいと思います。
 こうした感染症の甚大な影響を目の当たりにする中で、改めて気候変動対策が重要な政策課題だと思います。暮らし方、働き方が変わると先ほど環境省からの報告にもありました。
 ところが、政府のエネルギー基本計画では、二〇三〇年目標で石炭火力の発電比率が二六%、原発や再生可能エネルギーを上回っています。石炭火力の建設中あるいは計画中のものは約二十あり、これを数十年稼働させようとしています。
 二月二十六日の本調査会で、飯田哲也参考人は、パリ協定で掲げた一・五度目標の達成を目指して、九〇年比で二〇三〇年に五五%削減、二〇五〇年に九〇%削減は可能だと指摘をされておりました。これ、結局は政策と政治次第だと、飯田氏はこのようにも述べておりました。今、再生可能エネルギーのコストは驚異的に低下をしており、十分実現可能な目標だと思います。
 こうした点を私ども指摘をする際に必ず一方から指摘がありますのは、再エネはコストが高いと、そしてそれに比べて原発は安いと、こういう点であります。
 資料の三ページを御覧ください。
 エネルギー庁の二〇一八年九月のコストダウンの加速化についてと題する資料では、世界では、太陽光発電、風力発電共に二〇一三年以降、コストが大幅に低減していると。太陽光発電が九・一円、キロワットアワー当たりですね、陸上風力発電は七・四円程度だとしています。
 資料の二ページにありますが、一方で政府は、原子力がキロワットアワー当たり十・一円であることをもって、ほかのエネルギーと比べても最も安いと、こう主張してきました。
 エネルギー庁に伺いますが、再エネコストの世界的な趨勢は原子力のコストを下回っている、これは間違いないですね。

#54
○政府参考人(覺道崇文君) 海外での再エネの発電コストについてでございますけれども、海外の再エネコストは直近の数年間で、技術革新やFIT制度などによる大量導入を背景としまして大きく低下をしてございます。
 例えば、民間調査機関が示しているデータによれば、世界の発電コストは、二〇二〇年度上半期に設置された案件で、大規模太陽光で五・五円、キロワットアワー当たり、洋上風力で同様に八・六円、陸上風力で四・八円などとなってございます。
 現在、日本の再エネコストは海外と比べて高い状況にございますけれども、世界の状況を日本においても実現すべく、コスト低減の取組を強化しつつ、電力市場への統合を図るとともに、長期安定的な事業運営の確保等の取組をしっかりと一つ一つ進めてまいりたいと考えてございます。

#55
○山添拓君 今御説明いただいたのは太陽光、風力の関係でありますけれども、一方で、原子力は十・一円からと、十・一円からという表記ですけれども、それで安いとされてきたわけです。
 ところが、この十・一円というのは、私、この調査会で何度か指摘をしてきたんですが、原発をこれから新設して四十年動かすという前提です。しかし、今、新増設の計画はありませんし、新たに造る場合の安全基準すらありません。この十・一円というのは、福島事故前の旧型の原発を新設する、新たに造る、そういう場合のコスト計算です。言わば虚構の計算なんですね。先ほど自民党の議員から、四十年以上原発運転するべきだと、こういう話もありましたが、その場合はなおさら十・一円では無理だろうと思います。
 この試算から五年以上たちます。現に原発を運転する場合のコストを試算するには、今ある原発を再稼働する場合の発電コスト、これ、政府として計算するべきだと思います。最後に御答弁いただけますか。

#56
○政府参考人(覺道崇文君) 今御指摘のあった発電コスト、これは発電コスト検証に基づくものですけれども、これは、エネルギーミックスを検討する際に他電源と発電コストを比較するために行ったものでございます。
 他電源との比較におきましては、一定の共通条件での下でなければ、発電単位当たりのコストを比較することが困難でございます。したがいまして、既存の特定の原子力発電所のコストは、それぞれのサイトごとに追加安全対策の規模、運転期間、出力などが異なるために他電源との発電コストの比較に用いることは適当ではないと、このように考えてございます。

#57
○会長(宮沢洋一君) 時間が来ております。

#58
○山添拓君 時間が来ましたので終わりますけれども、比べてはいけないものを比べている、こういう表はやはり改めるべきだということを指摘して、質問を終わります。

#59
○会長(宮沢洋一君) 嘉田由紀子君。

#60
○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田でございます。お時間をいただき、ありがとうございます。
 まず、原子力規制庁さんにお伺いをしたいんですが、今の山添議員の続きですけれども、原子力発電のエネルギー政策、これ、コストの問題、そして安定的供給、それから環境というこの三つの部分から、私たちはやはり原子力は問題だろうと思っております。そして、一番問題なのは廃棄物処理の方向がないと。よく言われるように、トイレのないマンションだと一般の方に説明をすると分かっていただけるんですけれども。
 今回、核燃料サイクル政策の中の中核施設であります青森県の六ケ所村の再処理施設、ここはもう皆さん御存じのように、二十三年前の一九九七年に完成する予定だったんですが、トラブル続きで二十四回も延期されております。ここが今回、新規制基準適合審査に合格したということですけれども、原子力規制庁さんにお伺いしたいんですが、今後の手続、スケジュール、どうなっているでしょうか。具体的な日程なども含めてお願いいたします。

#61
○政府参考人(市村知也君) お答えいたします。
 日本原燃株式会社再処理施設の新規制基準適合性に係る事業変更許可申請についてでございますが、これは今先生御指摘のように、審査を重ねてまいりまして、去る五月十三日に開催をいたしました原子力規制委員会におきまして審査書案というものを了承がされてございます。
 翌日の五月十四日から三十日間の科学的、技術的意見の募集、いわゆるパブコメの募集をしているところでございます。また、あわせて、原子力委員会及び経済産業大臣の意見を聴くことを決定をしてございます。今後、その意見募集の結果、それから原子力委員会及び経済産業大臣からの意見を踏まえて、原子力規制委員会として改めて事業変更許可処分の判断を行うということになります。
 この現在議論をしている事業変更許可というものは、この再処理施設の基本的な設計方針というものを審査をしているものでございまして、今後この再処理施設というものを稼働するためには、この事業変更許可に加えまして、施設や設備の具体的な設計を確認するための認可、あるいはその組織の体制や作業手順等を定めた保安規定の変更認可といった手続が必要になります。
 これら、そのほかの認可も含めた具体的なスケジュールにつきましては、日本原燃からの申請の状況、それからその内容等にもよりますので、現時点でその具体的なスケジュールをお答えすることは難しいところでございますけれども、原子力規制委員会としては、事業者の申請がなされれば、その内容について厳正に審査をしてまいる所存でございます。

#62
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 ちょっと時間がないので次の質問をスキップさせていただきますけど、今のように、原子力規制庁さんの方では、いつ具体的に再処理施設が動き出すか日程的にも見通しが立たないということですけれども、経産省の資源エネルギー庁さんにお伺いしたいんですが、使用済核燃料の貯蔵実態、これ、現在、国内で貯蔵しております使用済核燃料一万八千トンですが、国内の貯蔵容量の七五%です。原発を動かしたら毎日この使用済核燃料たまっていくわけですけれども、六ケ所村の再処理施設が遅れた場合、どのような方策を考えていらっしゃるんでしょうか。

#63
○政府参考人(覺道崇文君) お答え申し上げます。
 全国の原子力発電所や再処理工場で現在保管をされております使用済燃料は、二〇一九年十二月末時点で約一万九千トン、管理容量二・四万トンの約八割に達してございます。早期に再処理工場を稼働し、使用済燃料の再処理を開始することが重要と認識してございます。
 日本原燃においては、安全確保を大前提に、六ケ所再処理工場の稼働に向けて、引き続き、原子力規制委員会の指導の下、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに考えてございます。
 また、使用済燃料は原子力発電に伴って確実に発生するものでございますので、その使用済燃料を安全に管理することは非常に重要な、核燃料サイクルの重要なプロセスでございます。
 このため、政府としましては、二〇一五年に決定をしました使用済燃料対策に関するアクションプランで示した方針に基づきまして、地元の御理解を得ながら、乾式貯蔵の導入への重点的な支援を行う方針を示してございます。
 さらに、事業者は、このアクションプランに基づきまして、乾式貯蔵の建設、活用も含む使用済燃料対策推進計画というのを策定をしまして取組を進めているものと承知をしてございます。実際に、既に使用済燃料の一部を乾式貯蔵に移管しております日本原電の東海第二発電所に加えまして、中部電力浜岡原子力発電所、四国電力伊方発電所、また九州電力玄海原子力発電所では、乾式貯蔵施設の安全審査を原子力規制委員会に申請中でございまして、具体的な取組が進んでいるところでございます。
 こうした取組を通じて、引き続き使用済燃料対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。

#64
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。時間がないので、私は、もうこの核燃料サイクルは破綻していると、経済的にも技術的にも、そもそも「もんじゅ」が動いていないわけですから、と思っているんですが、皆さんがそれをどう判断するか、これは政治的判断が必要だと思います。
 先ほど来、私たちは、実は滋賀県はすぐ近くに若狭湾岸の十四基の原発がございます。ここに万一のことがあったら、命の水源、一千四百五十万人の琵琶湖が汚染されるということで、滋賀県としては、エネルギービジョンを作りまして、原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現ということで計画を作り、実践をしております。
 皆さんのところに図一から二、三と、カラーのをお出ししておりますけれども。原発を卒業しようといっても、じゃ、あなたたちどうするんだということで、自分たちから示そうということで、二〇一〇年に滋賀県の電力の三割近くが原発供給でした。これを二〇三〇年までに原発の部分を再生可能エネルギーとそれから地域の天然ガスコージェネなどで代わるようにという計画を作りまして、二〇一八年、既に、その図にありますように、再生可能エネルギー八・七%、天然ガスコージェネなど一二%ということで、計画どおりに進めております。これがまさに原発から卒業する道を地域から開いていくということだろうと思っております。
 そのことについて、どうでしょうか、御感想というか御見解をエネルギー庁さんからいただけると有り難いんですが、ちょっと短めにお願いいたします。

#65
○政府参考人(覺道崇文君) お答え申し上げます。
 ただいま委員から御紹介をいただきました、しがエネルギービジョンのような、地域において主体的に再エネの導入を促進していくような取組は、再エネの導入のための重要な方策の一つと考えてございます。
 他方、資源に乏しい我が国におきましては、全国大で責任あるエネルギー政策を行っていくためには、単一の完璧なエネルギー源がない現状を踏まえますと、再エネ、天然ガス、原子力などの多様なエネルギー源をバランスよく活用することが重要であると考えてございます。また、再生可能エネルギーの賦存量とエネルギー消費量の分布は必ずしも地域的に一致しないことから、地域単位だけでなく全国大でのエネルギー需給の効率化も重要な課題でございます。
 このため、引き続き、政府としましても、地域の自主的な取組も応援しつつ、3EプラスSの実現に向けて取り組んでまいります。

#66
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 あと一分ぐらいしかないので、最後に温暖化の問題ですけど、実は琵琶湖に既に温暖化の影響が現れているということで、四ページ。なかなか関西でこの琵琶湖の話題提供されないんですが、日経新聞にありましたので御紹介します。
 琵琶湖は、深いところで実は冬に冷やされる。で、全層循環、上下、水が混じって、湖底の百四メートル、一番深いところですけれども、酸素供給される。それが、温暖化によって供給されず、深呼吸ができない。深呼吸というのは私自身が名付けたんですけど、何か琵琶湖の身になると苦しいなあというので、科学的には全層循環というんですけれども、それを深呼吸、本当に深呼吸ができなくなっているという深刻な問題が温暖化の問題で出ております。
 それに対して、これはもう地元として二〇三〇年CO2半減の計画を立てまして、それから今、次の三日月知事が二〇五〇年CO2ゼロということで、先ほど環境庁さんからも紹介いただきましたけれども、自治体として頑張っております。それを具体的にどういうライフスタイルなり、あるいは地域の仕組みに落とし込むかというのが地域循環共生圏でございます。
 こういうことも、今日お越しの中井徳太郎さん、ありがとうございます、サポートいただきまして、それぞれの地域から積み上げで、ボトムアップでやっていくということを国家全体としても見通していただいて、そして国と自治体が協力してやっていただけたら、まさにポストコロナ、私はニューディール政策、今、グリーンニューディールが必要だと思っているんですけれども、ポストコロナの時代、生物と共生しながらというところで、地域地域からグリーンニューディールのようなこと、是非環境省さんの方でも、今日、副大臣がお越しですけれども、既に取り組んでいると思いますけれども、よろしくお願いいたします。
 以上です。ありがとうございました。
    ─────────────

#67
○会長(宮沢洋一君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、堀井巌君が委員を辞任され、その補欠として三木亨君が選任されました。
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#68
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。
 斎藤嘉隆君。

#69
○斎藤嘉隆君 立憲・国民・社民共同会派の斎藤嘉隆です。
 まず、経産副大臣に、通告していないんですけど、お伺いをしたいんですね。
 今、コロナとそれぞれ諸外国も含めて世界中が闘っているこういう状況の中で、もちろん経済的な苦境も様々な面で出ていると、こういう状況であります。恐らく景気刺激策ということで、大きな財源をもって、この後も二次補正などが組まれて様々な支援がなされていくんだろうというふうに思っています。
 これ、一昨日でしたか日経新聞にも出ておったんですけれども、今諸外国では経済対策を、単なる経済対策ではなくて環境重視というか、地球環境をいかに守っていく、そういう対策としての経済対策をどう打っていくかと、こういう視点が、ヨーロッパだけではない、世界中の国々で様々広がっているんです。
 例えば、再生可能エネルギーの利活用施設を造るということに対して大きな今回支援をするとか、あるいは環境関連の条件を付加した上で大企業を支援をするとか、あるいはエコカーにもうこの際なので、車も売れないので、エコカーに大きく転換をしていくことに大規模な補助をするとか、今回のコロナの対策として使うこの財源、限りがある財源を、どうせならこの機に環境重視の政策につなげていこうと、こういう動きが見られるんです。
 ところが、我が国の緊急経済対策を見ていてもなかなかこういう視点が残念ながらない、ない。もちろん目の前の生活に苦しむ多くの国民を支えるということは分かるんですけれども、経済対策として中長期的な視野あるいは地球規模的な視野を持って、今こそ、こういうときだからこそ今しかできないような経済対策を、環境重視の経済対策をしていくべきだというふうに思っておるんですが、この点について経済産業省の中でどのような議論がなされているのかをお聞かせをいただきたいと思います。

#70
○副大臣(松本洋平君) まずは、本当に、今回のコロナ感染症の拡大に伴いまして我が国経済大変大きな痛手を負っておりますし、またそれは、国民生活並びに事業者の皆様方の御商売にとっても大変大きな影響が出ているところであります。まずは、こうして足下大変苦しい立場にいらっしゃる皆様方を何とか我々としてはお助けをしていくということが第一義的な課題であるというふうに理解をしているところであります。
 一方で、先ほど来質問の中でもいただいておりましたけれども、今回のコロナ感染症の拡大に伴いまして、生活の在り方でありますとか、我々の、何というか、国民生活全体が大きな変化というものが生まれるということがいろいろと予想され、そして言われている中におきまして、これらに対しましてどのように対応をしていくのかということは、これは、足下の課題とはまた別に、中長期的な課題といたしまして私たちとしてしっかりと考えていかなければいけないということだと理解をしております。
 今先生からもいろいろな御意見を頂戴をいたしましたけれども、こうした御意見等々もしっかりと踏まえながら、今後のポストコロナをしっかりと見据えて我々としても政策の立案に取り組んでまいりたいと考えております。

#71
○斎藤嘉隆君 是非、このコロナによって苦しむ今の状況をポストコロナの時代にどう生かしていくか、もうそのキーワードは環境だと思うんですね。そこのところを是非、これまずリードするのは経産省だというふうに思いますので、こういう視点を持って二次補正の編成などにも是非取り組んでいただきたいと思います。
 同様の視点で、これ、環境省さんにもお伺いをしたいというふうに思っています。
 経済活動が世界中でストップをして、環境が改善をしたというふうに言われています。公益財団法人の研究とか世界中のいろんな国の研究者の研究などを見ると、CO2の削減もかなり減少して、一部にはオゾンホールがもう閉じたんじゃないかみたいな話が出ていたり、あるいはもうPM二・五もかなり減少していると、こういうような話があるんです。
 これ、やっぱり同じように、コロナによる生活様式の変化とか働き方の改革とか、そういったものをどのように環境社会につなげていくか、環境重視社会につなげていくか、持続可能な社会につなげていくかというのが、これはまさにそのプランを作るのは環境省の仕事だというふうに思うんですけれども、同様の質問でありますけれども、環境省の中でこうした議論がどのように今展開をしているのか、具体的にお知らせをいただきたいと思います。

#72
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。
 今般の新型コロナウイルスの事態終息後、経済社会の在り方は大きく変わっていくと考えておりますけれども、持続可能で強靱な脱炭素社会の構築に向けました流れが今の世界の潮流であることには変わりないと考えております。事態終息後の反転攻勢を進めていくに当たりまして、脱炭素社会、環境調和型の社会への移行を推進するという観点、大変重要でございまして、こういう観点から環境省でも政策の検討をしております。
 具体的に、今般の実は補正予算、第一次補正予算でも、経済活動の回復と脱炭素化を併せて後押しする事業も盛り込んでございます。具体的には、新型コロナの影響で毀損したサプライチェーンの再編、生産拠点の国内回帰を目指す企業に対しまして、防災や使用電力一〇〇%再エネで賄うRE一〇〇を目指しますそういう企業への自家消費型太陽光発電設備の導入の支援、また、この三密の回避ということと脱炭素化を併せて後押しするべく、飲食店等の大規模感染リスクを低減する省CO2に資する高機能換気設備の導入なども実は事業で入れさせていただいてございます。
 今般の事態、非常に流動的に動いておりますけれども、環境への影響をしっかり見極めて、経済社会構造をより持続可能でレジリエントなものとする、脱炭素社会に導く地域循環共生圏を実現すると、こういう視点で検討し、今後更に積極的な政策展開を図ってまいります。

#73
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 今の環境省さんの施策についても存じておるつもりでありますけれども、ただ、まだまだ常識的な範囲を超えていないと思うんですね。もう今だから、今だったらできるというような政策、施策がいろいろあると思うんですよ。是非そういったことについて積極的な御議論を省内でしていただいて、是非政府をリードしていただきたい、そんな思いを申し上げさせていただいて、質問を終わりたいと思います。

#74
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。──他に発言もなければ、本日の質疑はこの程度といたします。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#75
○会長(宮沢洋一君) 速記を起こしてください。
    ─────────────

#76
○会長(宮沢洋一君) 次に、中間報告書を取りまとめるに当たり、これまでの調査を踏まえ、委員間の意見交換を行います。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 発言を希望される方は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言いただくようにお願いいたします。
 また、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、発言時間は一回当たり五分以内となるように御協力をお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、発言のある方は挙手をお願いいたします。
 岩井茂樹君。

#77
○岩井茂樹君 自由民主党の岩井茂樹でございます。
 調査会一年目は、エネルギーの安定供給という観点で、専門家、有識者の方々から幅広い視点での昨今の情勢について話を伺いました。
 調査会として議論を重ねてまいりましたけれども、この度の中間報告書を作成するに当たり、私からは、資源エネルギーを議論する上で重要な三つのポイントについて述べさせていただきます。具体的には、最初としてエネルギーの安定供給、そしてエネルギー供給源の多様化、三つ目に原子力発電所の再稼働の三点です。
 まず、一点目のエネルギーの安定供給について申し上げます。
 朝起きてお湯で顔を洗うところから、夜、部屋の電気を消すところまで、我々の生活というのはエネルギーを抜きに語ることはできません。オフィスや店舗、工場など生産現場も同じような状況です。他方、我が国のエネルギー自給率は二〇一八年時点で一一・八%にすぎず、約九割を海外からの輸入に依存する状況にあります。国民生活や経済活動などあらゆる活動の基盤となるエネルギーの安定供給をいかに図るのか、これは資源に乏しい我が国にとって常に最重要の課題の一つであります。
 エネルギーの安定供給といえば、多発する自然災害が国内の供給ネットワークに与える影響についても対応が必要です。一昨年の北海道胆振東部地震や昨年の台風十五号、十九号が発電所を含む送電ネットワークに深刻な打撃を与え、停電によって被災地の方々の生活に多大なる支障を生じさせたのは記憶に新しいところです。
 新型コロナウイルス感染症への対応という文脈でも、エネルギーの安定供給が不可欠であるということは論をまちません。人工呼吸器のような高度な医療器具は電力供給なしでは使用できませんし、私が党で部会長を務めている水産の分野でいえば、外食の需要が低迷する中で行き場のない生鮮食品を保存する冷凍冷蔵庫が今いっぱいになっておりますけれども、これも電気なしに保存することができません。
 こうした状況において、万が一にも地震など災害が発生し、停電が起きれば、各方面に甚大な被害が生じることになります。国家として責任あるエネルギー政策を実行するためには、地震や台風といった災害、さらには大規模な感染症や想定し得るあらゆる事態に対応できるよう、エネルギーの安定供給体制を強化していくことが不可欠です。
 二点目は、資源、エネルギーの多様性の確保についてです。
 資源やエネルギーを特定の供給源に依存することは大きなリスクであり、国民負担に留意しながら、可能な限り多様な資源、エネルギーを調達していく必要があります。全ての面で優れたエネルギー源はなく、それぞれに一長一短があります。
 政府は、再生可能エネルギーを主電源としていくものと位置付け、FIT制度で強力に後押しをしております。しかし、天候に発電量が大きく左右されるなどその安定性にはまだ課題が残るほか、我が国では発電コストが高いという点も考慮する必要があります。再生可能エネルギーの主力電源化と国民負担の増加の抑制のために、FIT制度の抜本的見直しなど、知恵を絞っていく必要があります。
 火力発電については、例えば石炭火力は発電コストが安く経済的であるという利点がある一方、CO2排出という環境面の課題もあります。また、その燃料について、海外依存度が高い我が国には常に供給途絶リスクが伴うため、供給源の多様化を進めていく必要があります。
 その上で、原子力について申し上げれば、低炭素で安定した発電が可能、また、数年にわたって国内に保有している燃料だけで発電が維持可能な準国産エネルギーであるといった特徴があり、安全を確保した上で活用していくべきだと私は考えます。
 最後に、三点目として、今申し上げました原子力発電所の再稼働について更に述べさせていただきます。
 福島第一原発事故の教訓を踏まえ、原子力規制委員会が新規制基準に適合するものについては再稼働を進めることとされています。震災から九年がたった現在、再稼働九基、設置変更許可済み七基、新規制基準の審査中十一基、未申請九基という状況です。もちろん安全の確保が大前提となりますが、地元の同意も得ながら、再稼働にできるものについてはできる限り再稼働を進めていくべきであります。
 本調査会において、今後、合理的な原子力規制の在り方についても議論を深めていきたいと思います。
 以上、エネルギーの安定供給、エネルギーの供給源の多様化、原子力発電所の再稼働という三点に絞って意見を申し述べさせていただきました。本調査会におきましても、引き続き真摯な議論を積み重ねていければと思います。
 これで私からの意見表明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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#78
○会長(宮沢洋一君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、こやり隆史君、高野光二郎君及び高橋はるみ君が委員を辞任され、その補欠として岩本剛人君、清水真人君及び山田太郎君が選任されました。
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#79
○会長(宮沢洋一君) 塩村あやか君。

#80
○塩村あやか君 共同会派の塩村あやかでございます。
 本調査会一年目の調査の締めくくりに当たりまして、意見を表明いたします。私からは、再生可能エネルギーと原発の二点について端的に申し上げさせていただきます。
 まず、再生可能エネルギーについてです。
 二〇一八年七月に策定されました第五次エネルギー基本計画には、再生可能エネルギーの主力電源化が明記されました。しかしながら、多くの分野での導入が可能であるにもかかわらず、十分に進んでいるとは言えません。北海道のブラックアウト、千葉での送電網の断絶による広域の大停電が記憶に新しいところですが、これらは大規模集中発電所を中心に据えている現在のエネルギー政策に問題があるもので、再生可能エネルギーを活用した分散電源の導入を進めることで抑制ができるものと考えています。
 特に、再生可能エネルギーの主力電源化の実現のためには、これまでの延長線上で物事を考えていては前に進みません。これまでの様々なしがらみを断ち切って、エネルギー政策におけるパラダイムシフトを図らなくてはいけません。にもかかわらず、再生可能エネルギーについては、既存系統への接続といった既存の制度を前提とした検討ばかりが行われている状態です。
 私は、社会の治安の維持、国民の生活を守るためには、再生可能エネルギーを活用した分散型電源を地域に導入していくことで、大規模集中電源に依存している日本のエネルギー供給構造を転換し、これによってブラックアウト等の大規模な停電を抑止する、あるいは街灯や信号機といった生活インフラへの無停電化を実施をする必要があるものと考えます。
 こうした取組は、技術革新を待たずとも実現ができる真の主力電源化につながるものです。しっかりと前に進めていくべきです。
 続いて、原発についてです。
 原子力発電をめぐっては、三・一一以降、国民の原発への不安が解消されないどころか、原発不信を増大させる不祥事が続いています。
 また、現在、稼働可能な原発は僅か九基、エネルギーミックスの六%にすぎないにもかかわらず、第五次エネルギー基本計画ではこれを二〇%に増やす目標としています。この計画では、一方で再エネの主力電源化を明記しながら、同時に原発比率を高めようとしていますが、これは整合が取れているのか甚だ疑問と言わざるを得ません。
 さて、原発の多くは既に廃炉が決まっており、この作業を適切に進めていくには原発分野の人材が欠かせません。そのため、こうした貴重な人材は今後その必要性がますます高まる廃炉等での分野での活躍を期待すべきであり、再稼働という場ではないと考えます。加えて、高レベル放射性廃棄物、すなわち核のごみの処分方法は、その候補地はおろか、文献調査さえ行われないまま時が過ぎており、原発が運転をされることで廃棄物が増え続けており、大問題です。
 原発自体の危険性はもとより、国民の原発に対する不信や不安が今なお大きい。そして、そもそも廃棄物の処分方法もない。エネルギー政策の在り方として、原発という負の財産を断ち切って検討していくべきものと考えます。
 以上、意見を申し上げました。
 最後になりますが、当調査会は、資源エネルギー政策について、国民の社会生活の安定に欠くことのできないエネルギー政策の在り方を与野党の枠を超えて率直な意見を交換をし合うという貴重な場として今後更なる活躍が期待をされているということを申し上げ、意見とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#81
○会長(宮沢洋一君) 杉久武君。

#82
○杉久武君 公明党の杉久武です。
 エネルギーの安定供給につきまして意見を申し述べます。
 我が国は、世界有数のエネルギー消費国でありながら、エネルギー自給率は一二%程度と、その資源の大半を輸入に頼っております。つまり、我が国のエネルギー安全保障は、エネルギーの産出国に左右されるという大変厳しい現実がございます。
 エネルギー資源の安定確保は国の至上命題であり、今日に至るまで官民挙げての資源獲得に奔走しておりますが、こうした現実を見据えれば、エネルギー産出国との友好関係は我が国の命綱と言えるものであります。
 目下、我が国の外交、特にエネルギー安全保障に資する外交という点におきましては、長期に安定した自公連立政権の下で、首脳外交を始め関係国との大変積極的な連携によって安定した外交成果を得ておりますが、この点に関しまして、本調査会に出席をいただいた参考人の皆様からも一様に高い評価をいただいたところでございます。
 その上で私から指摘しておきたいのは、我が国が輸入するエネルギー資源の八八%が中東に依存しておりますので、中東地域における我が国のプレゼンスを引き続き最高の状態に維持するとともに、中東地域の不安定要因に対し我が国は常に警戒していく必要がございます。平和を維持し、自由で開かれた貿易を堅持することが我が国生存の唯一の道であるとの認識の下に、引き続き、不断かつ高度の外交努力を続けることが肝要です。
 他方、近年の目まぐるしい技術革新は、再生可能エネルギーの抜本導入という道筋を確かなものにしようとしています。資源小国日本が独自のエネルギーを大量にかつ安定的に確保できるチャンスであり、化石燃料など従来のエネルギー資源をしっかり確保しつつも、エネルギー自給率向上の切り札である再生可能エネルギーの導入に向け、引き続き余念なく進めていかなければなりません。
 特に、電力の観点から一点指摘をいたしますと、再生可能エネルギーの基盤となる太陽光や風力発電は、いまだ需要に合わせた供給調整が難しいエネルギー源でございます。再生可能エネルギーを主力電源化、ベースロード電源として確固とした地位を占められるよう、国は需給調整を可能とする技術革新、ブレークスルーを大胆に後押しし、脱炭素社会の実現を追求すべきであると考えます。
 最後になりますが、現下の新型コロナウイルスに伴う経済活動の停滞は、皮肉にも温室効果ガスの排出量の減少をもたらすのではないかとの指摘がございます。現に、リーマン・ショックの際、排出量は大きく減少しました。しかし、それは一時的な事象であり、ショック後の景気回復とともに、温室効果ガスの排出量は再び増大をしました。
 今般の新型コロナウイルスの一日も早い終息を私も祈っておりますが、言わばコロナ後の我が国の経済の立て直しに当たっては、一刻も早い景気、経済回復は当然として、他方で、持続可能な社会の構築という観点からの経済対策、特に温室効果ガスの削減とエネルギーの安定供給の両立に向けた対策も視野に入れることが今後我が国により良い影響を与えるのではないか、このように申し上げまして、私の意見といたします。
 ありがとうございました。

#83
○会長(宮沢洋一君) 梅村聡君。

#84
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。
 今回、一年間の調査に対しまして、我が会派を代表して意見表明をさせていただきます。
 私から申し上げたい点は二点でございます。
 一つは、エネルギーの安定供給について、直近では二〇三〇年のエネルギーミックスを着実に達成をしていく、このことが非常に大事だと思っております。その議論の際に我々が必要と考えているのは、国民の皆さんにその議論の過程、材料、そこをしっかり提供して、国民的な議論の下でこれを達成していくことが非常に大事だと考えております。
 今日の質疑でもさせていただきましたが、原発の再稼働、これの検討と、そして一方で、それによって再生可能エネルギーの割合がどのようになっていくのか、それによって国民負担、あるいはお一人お一人の国民負担がどれぐらいの規模になっていくのか、こういったものをしっかり国民の皆さんと一緒に、提供して、見える化した上で議論をしていくことの必要性、このことについてまず指摘をさせていただきたいと思います。
 そして、二点目については、再生可能エネルギーの更なる構築であります。この点につきましては、従来の、これまでの取組から更にブレークスルーを起こしていくことが大事だと考えております。
 具体的には、今、新型コロナウイルスの蔓延で、経済的にも非常に日本も厳しい状況にあります。一方で、再生可能エネルギーは、現時点のままで拡大をすれば、これは国民負担の増大につながる。ですから、そこに徹底的な投資をしていく、あるいはその投資がきちんと国民の皆さんにフィードバックをされていく、そのような投資を私はしていかなければならないと考えております。
 その投資の大きな論点とすれば、一つは税制であります。税制は国の形を決定いたしますから、税制の形でどういう対応をして再生可能エネルギーの普及を図っていくのか。さらには、特に開発事業者、電源の開発事業者に対して、研究開発減税等の、そういった制度をきちっとつくっていくことができるのか。
 さらには、今日は少し質問には入れることができませんでしたが、水素社会の実現。そのためには、今、例えば、燃料電池自動車に対して全国で百二十七か所の水素ステーションが建設をされていますけれども、これが二〇二五年には三百二十か所。ある一定の規模を超えてくれば、これは一気にブレークスルーが起こってコストが下がっていく、あるいはそういう社会を実現していくということが可能になってきますから、やっぱりそのブレークスルーに向けて我々がしっかり投資をしていく、その投資は国民の皆さんに返っていく、そういった社会をしっかりつくっていくことが大事ではないかなと考えております。
 日本維新の会は、繰り返しになりますが、安定供給に向けての国民を巻き込んだ議論をしていく、そして、ブレークスルーに向けた思い切った投資とそして税制をつくっていく、このことを我々の意見表明とさせていただきまして、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#85
○会長(宮沢洋一君) 市田忠義君。

#86
○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。
 新型コロナウイルスの感染拡大は、世界と日本の暮らしと経済を直撃しています。国際エネルギー機関は二〇二〇年の世界のエネルギー需要が前年比六%落ち込むとの予測を示していますが、これは第二次世界大戦が終わった一九四五年以来の減少幅と言われています。
 国内での感染拡大防止のために提起されている新しい生活様式、これが広く実践されることになれば、エネルギー需要は長期にわたり変容することにならざるを得ません。新型コロナへの対応は、我が国においてもエネルギー政策そのものの見直しを迫るものであることを初めに指摘しておきたいと思います。
 日本のエネルギー自給率は、二〇一七年度で僅か八%にすぎません。化石燃料を中心に中東地域への依存が顕著です。日本は、この地域の緊張を高める動きに対して、憲法九条に基づく対話による外交的解決のために力を尽くすべきであります。
 ところが、安倍政権は、今年一月、トランプ米大統領の指示で行われたイラン司令官殺害を公式に批判しませんでした。参考人から、どこの国であれ、要人の殺害を法的に認めるのは難しいなどの指摘がありましたが、無法な行為は毅然とした態度を示すべきであります。イラン核合意から一方的に離脱したのはアメリカであります。参考人が述べたように、核合意が最後まで遵守されるよう主張することも、本来、日本政府の役割であります。
 化石燃料への依存そのものを低減させることが必要であります。日本は、パリ協定でCO2の二〇三〇年削減目標に合意をしながら、国内では石炭火力発電の新増設を進め、国外の石炭火力発電事業へも公的融資など支援を行い、国際社会から批判を浴びています。IPCCの一・五度特別報告書を受け、二〇三〇年削減目標の引上げが求められています。
 本調査会では、恐竜のいた時代は暖かかったとか、今年の冬は雪が少ないのは温暖化のせいだ、だからCO2を減らさなければならないというのは短絡的だなどの意見も示されました。しかし、飯田哲也参考人が指摘したように、今やIPCCを始め世界の査読付論文の圧倒的多数が温暖化は人為起源であることが有力だとしていることを、私たちは政治家として踏まえるべきだと思います。
 世界的には、太陽光発電のコストは石炭火力発電の新造より安くなっているとの指摘がありました。国際再生可能エネルギー機関の展望では、二〇五〇年の電力の八六%を再生可能エネルギーで賄うことができ、そのほとんどが風力と太陽光だとされています。
 ところが、政府のエネルギー基本計画は、依然として原発や石炭火力をベースロード電源とし、再エネは主力電源化するといいながら、二〇三〇年時点でも電源構成の二二から二四%という、世界的に見ても大変低い比率であります。この基本計画にしがみつく弊害は気候変動対策の遅れにも現れ、長期戦略では脱炭素社会の実現を掲げながら、多くの国が廃止を打ち出す石炭火力への依存を続けようとしています。
 また、政府は、脱炭素化のためと称して原発の再稼働を進め、新しい炉も開発するといいます。しかし、今や、資源エネルギー庁も認めるとおり、世界的な太陽光や風力発電のコストは原子力をも下回っています。増加する追加安全対策費、事故対応費、停止中の維持費、今後の稼働期間と廃炉費用、最終処分費などを考慮すれば、原発が決して安くないことは明らかであります。
 福島原発事故から九年、地域を壊され、ふるさとを奪われ、なりわいを失い、今なお元の暮らしに戻れないという方が多数おられます。原発は、一たび事故を起こせば、その被害は時間的、空間的、社会的に無制限で甚大な影響をもたらします。日本は、今こそ、原発ゼロを決断し、再エネ拡大による脱炭素社会の実現を目指すべきであり、それが政治の役割だということを強調して、意見表明とします。

#87
○会長(宮沢洋一君) 嘉田由紀子君。

#88
○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田でございます。
 先ほどは済みませんでした。ちょっと進行を中断をしてしまいました。申し訳ありません。
 私は、今この時代、このエネルギー政策、中間報告ですけれども、グリーンニューディール政策を今こそ取り上げ、そしてそこに投資をするタイミングだろうと思っております。
 背景は二つです。
 一つは、先ほど山添議員が紹介くださいました、山極京大総長の疾病と人間。実は、感染症は人間が起こしてきている。例えば今のコロナですけれども、ここは、BC八〇〇〇年前に、牧畜が始まったときに人間世界にコロナが広がり、そして中世のペストは、都市化に合わせて都市、ネズミが増えて、そしてペストが増えるというようなことで広がっているわけです。結核もアフリカから森の開発等ということで、近年のエボラ出血熱なりHIVだけではなくて、人間世界のこのいろいろなウイルスは皆自然破壊からきていると。
 これまで人類が撲滅できたウイルスは天然痘しかありません。ほかは何千年も付き合ってきたわけです。そういうところからすると、人間の感染症の歴史ですけれども、今、この後、コロナからどうやって次を見ていくのかというときに、撲滅はできない、付き合っていかざるを得ないというところで、先ほど環境省さんが言われた、温暖化を防ぐ、そして生物多様性を維持するという環境保全が大変大事になってくる。
 もう一つは、エネルギーのこの問題ですけれども、ニューディール政策は、言うまでもなく一九三〇年の大恐慌の後アメリカのルーズベルト大統領が言わば公共事業で経済を再生しようとしたわけですけれども、今、この後、大変な影響だと思います、一九三〇年の経済破壊、大恐慌並みの不況が襲ってくるだろうという予測もされております。
 そういう中で、今こそ、ニューディール政策にグリーンを付けるグリーンニューディールということが大事ではないかと。先ほど斎藤議員がおっしゃっておられましたけれども、その新しい時代に対してグリーンニューディールは三つ柱があるだろうと。
 一つは、再生可能エネルギーが大幅にコストダウンをし、そして、日本は資源がないといいますけれども、おてんとうさまはたくさんあります、太陽エネルギー。そして、風もうまく使えたら、そして地熱ということで、ここは、ないないではなくて、あるものをうまく利用するということで、コストダウンに合わせた再生可能エネルギー。
 それから二つ目は、移動です。今、移動の分野で石油、ガソリン使っていますけれども、この移動の分野で電気自動車が増えてきています。電気自動車はここ十年で千倍にもなっております。ここに、増えているのと反比例して蓄電池のコストも下がっておりますので、移動分野での再生可能エネルギーが使えるだろう。
 それから三点目は、私たち、シェアリングエコノミーと、共有経済と言っておりますけれども、例えば太陽光発電と風力発電をつないでベースロード電源にする、それもICTとかAIとかそういうものを活用することによって、今までできなかった技術、つなぐ技術ができてくる、共有する技術ができてくるというところで、このシェアリングエコノミー。
 ですから、グリーンニューディールの再生可能エネルギー、それから移動の分野、シェアリングエコノミー、この辺に投資をすることで、感染症とも付き合いながら、かつ経済も再生できるという形での政策提言を是非この調査会からもしていただけたらと思います。
 時間が来ましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

#89
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。
 矢田わか子君。

#90
○矢田わか子君 共同会派、国民民主党、矢田わか子です。
 本調査会の一年間の締めくくりとして、エネルギーの安定供給に関し、これまでの有識者からのヒアリング、また所属する政党におけるエネルギー政策の検討結果を踏まえ、簡潔に意見を述べさせていただきます。
 まず、我が国におけるエネルギーの安定供給の議論をする際の大きな課題、四点を挙げさせていただきたいと思います。
 まず第一に、中長期的に原子力エネルギーに依存しない電気エネルギーの供給体制をいかに構築していくのか、そしてこのことについて国民的な合意形成が図れるのかという点が最大のものだと考えます。
 第二には、温室化効果ガスの排出抑制という国際的なエネルギー政策の課題について、我が国としてどのように対応していくのかという課題があります。特に、この地球環境問題に関しては、国際的に石炭火力を中心に火力発電に対する反対運動が高まる中で、現在、電源の七七%を火力電源に、発電に頼っている現状、また発電効率化や排出ガス低減技術に取り組んできた経過の中で今後どのように修正していくのかという課題も議論しなければいけないと思います。
 そして、第三には、脱原子力と温室化ガス排出抑制という二つの課題を同時に解決することができるのか。再生可能エネルギーの普及拡大でありますが、技術的な問題や経済性の問題など残されている課題も多く、今後の技術革新の方向性についても大いに議論していかなければならないと思います。
 さらに、第四には、直近の課題です。先ほどの資源エネルギー庁からの報告にもありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による原油価格の暴落が今後、産油国の経済にどのように影響し、そして金融市場への影響も含め我が国経済にどのように影響してくるのか、しっかりと注視していく必要があると思います。新たな課題として浮上してきたものですが、この議論の必要性も強調しておきたいと思います。
 次に、エネルギーの安定供給に関し、国民民主党として、党のエネルギー調査会において一年間にわたり議論してきました。その中間取りまとめが出ましたので、具体的に特筆すべき三点について御紹介をいたします。
 まず第一に、社会性と持続性の確保ということであります。
 資源に乏しい日本において、いわゆるエネルギーの3EプラスSの観点から多様なエネルギー源を組み合わせることが重要であるということは言うまでもありませんが、それに加えて、今後の日本社会の少子高齢化と人口減少、地方の過疎化と経済活動の低下、そして災害への備えという構造変化において、エネルギーの政策というのは、地域社会の持続性や安定性の確保、つまりソサエティーとサステーナビリティーという二つのSという新しい観点、3Eプラス3Sの観点からも検討すべきだと考えております。
 二つ目に、地域分散型発電の推進という観点です。
 コンパクトシティー、再生可能エネルギーを中心に、地域内での効率的発電を行い、また各施設や住居を熱伝導管で結束するなど熱エネルギーの効率化利用、そして住宅の省エネ、断エネを推進するなど、エネルギーの地産地消を実現する施策を推進すべきと考えます。
 三つ目には、自治体のスマートコミュニティー化です。
 産業振興や人口流出防止の観点から、各自治体がデジタル技術やIT技術を活用したスマートコミュニティーづくりをエネルギー政策面からも支援することが今後一層求められると思います。また、この政策の延長線上にスマートコミュニティー同士が連結すれば、広域での電力の供給、両面での効率化が図られることとなります。さらに、電力に余剰が出た場合は、EVへの充電を含めた蓄電システムの整備をしたり揚水発電用のダムの積極的活用をするなど、地域産業の電力利用について効率的な供給体制を整備し、自治体主導で地域の振興に寄与できるエネルギー政策を講じていく必要があるとも考えております。
 以上、私どもで検討してきたエネルギー政策の将来的展望を一部御紹介申し上げ、意見とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#91
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。──他に御発言もなければ、以上で委員間の意見交換を終了いたします。
 各委員におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。
 本日伺いました御意見も踏まえ、各理事とも協議の上、中間報告書を作成してまいりたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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