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1951/05/20 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第71号
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1951/05/20 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第71号

#1
第013回国会 大蔵委員会 第71号
昭和二十七年五月二十日(火曜日)
    午前十一時十二分開議
 出席委員
   委員長 佐藤 重遠君
   理事 小山 長規君 理事 佐久間 徹君
   理事 内藤 友明君 理事 松尾トシ子君
      有田 二郎君    島村 一郎君
      清水 逸平君    苫米地英俊君
      夏堀源三郎君    三宅 則義君
      宮原幸三郎君    武藤 嘉一君
      深澤 義守君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 岡崎 勝男君
        大 蔵 大 臣 池田 勇人君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (大臣官房長) 森永貞一郎君
        大蔵事務官
        (理財局次長) 酒井 俊彦君
        大蔵事務官
        (管財局長)  内田 常雄君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  河野 通一君
        大蔵事務官
        (銀行局総務課
        長)      福田 久男君
        大蔵事務官
        (銀行局銀行課
        長)      大月  高君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (理財局管理課
        長)      横山 正臣君
        大蔵事務官
        (理財局外債課
        長)      上田 克郎君
        大蔵事務官
        (管財局閉鎖機
        関課長)    堀口 定義君
        専  門  員 椎木 文也君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
五月二十日
 委員有田二郎君辞任につき、その補欠として森
 幸太郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月十九日
 貸付信託法案(内閣提出第一三〇号)(参議院
 送付)
同日
 札幌村地内旧陸軍飛行場敷地の払下げに関する
 請願(宇野秀次郎君紹介)(第二八二四号)
 石炭手当及び寒冷地手当の免税に関する請願(
 椎熊三郎君紹介)(第二八八八号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 参考人招致に関する件
 長期信用銀行法案(内閣提出第一一三号)
 日本開発銀行法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一三八号)
 閉鎖機関令の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一四三号)
 高金利等の取締に関する法律案(内閣提出第一
 八四号)
 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に
 伴う措置に関する法律案(内閣提出第一九〇
 号)
 貴金属管理法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一二九号)(参議院送付)
 貸付信託法案(内閣提出第一三〇号)(参議院
 送付)
    ―――――――――――――
#2
○佐藤委員長 これより会議を開きます。前会に引続き長期信用銀行法案、貴金属管理法の一部を改正する法律案、貸付信託法案、日本開発銀行法の一部を改正する法律案、閉鎖機関令の一部を改正する法律案、高金利等の取締に関する法律案、及び国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案の七法案を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許可いたします。深澤義守君。
#3
○深澤委員 日本開発銀行法の一部を改正する法律案について、まずお伺いしておきたいと思うのであります。これも大体すでに質問はかなり盡されて来ているのでありますが、総合してみますと、日本開発銀行の資本は見返り資金並びに政府出資を含めまして三百億となる。それから復金の出資金を資本に振りかえましてそれが八百五十二億、それから見返り資金の私企業分を承継するということになりますと、厖大な日本で最大な銀行になると思うのであります。こういう大きな銀行を政府がつくり上げまして、その目的とするところは非常に私は大きな目的があると思うのです。單なる日本の経済の再建、産業の復興ということでなしに、いわゆる日米経済協力の建前から、今後日本経済の支柱として発展する可能性がこの銀行に負わされているのではないかというぐあいに、われわれは考えるのでありますが、この際日本開発銀行がこのような大きな資本をかかえて再出発するということに対しまして大蔵当局はどういう構想を持つておられるのか。その点をひとつお伺いしておきたいと思うのであります。
#4
○福田(久)政府委員 ただいまお話にございましたように、日本開発銀行の資本金は今回の改正によりまして三百億円になりまして、それに復興金融金庫に対する出資金が、現在開発銀行に対する貸付金になつております八百五十二億を加えますと、千百五十二億になります。また見返り資金の私企業投資を加えますと、相当の金額にはなりますけれども、現在それらのものは貸付に運用されておりますものでありまして、それをただ一箇所にまとめて政府資金を一括して管理、運用するという意味においての効果をになつておるのでありましてこれがために特に開発銀行の性格を特殊なものに持つて行こうというような意図は、毛頭考えておらないのでございます。ただすでに融資されておるものを幾つもの機構によつて管理、運用することは非能率的でもありまするので、それを一括して管理、運用しようという意図に出ておるのであります。
#5
○深澤委員 それから見返り資金の私企業分を、ある適当な時期にその権利義務を承継するのだというふうに法案には出ているのでありますが、適当の時期というのは一体いつを予定されているのか。その点をひとつ伺いたい。
#6
○福田(久)政府委員 ただいまのところ、時期はどの分についてはいつごろということは、はつきり予定いたしておりませんが、たとえば電力、海運、一般産業、中小企業融資というような幾つかのグループがあるわけでありますが、今後その時期等につきましては、どういうグループをいつごろ承継するかということは、今後検討して参りたいというふうに考えております。
#7
○深澤委員 今後決定すると申しますが、何らかの契機がなければならないと思うのです。そして何らかの根拠があつて、初めてその時期に見返り資金の私企業を承継するのだということの目標が立てられていると私は思うのです。それはおそらく見返り資金の根本方針がきまつたときであろうと考えるのでありますが、そういうような一つの目標というものが何かなければ、適当な時期というものが出て来ないと思うのです。ちようど大蔵大臣がお見えになりましたので、先般から見返り資金の問題についてのお伺いをしたいと思つておりましたから、この際大蔵大臣に質問を申し上げたいと思います。
#8
○池田国務大臣 ただいま政府委員よりお答えした通りでございまして、各部門の分につきましては開発銀行の実情等を見きわめまして適当にいたしたいと思つております。
#9
○深澤委員 見返り資金の根本方針について大蔵大臣にこの際お伺いしたいのであります。
 見返り資金はアメリカの対日援助に見合うところの売払い代金を積み立てて来たのでありますが、この見返り資金は、従来の運用は占領軍当局の指示によつて運営されて来たということはこれは占領下においてやむを得ない事情でございますが、今後この見返り資金をどういうぐあいに運営されて行くのかという問題であります。それはアメリカに対する援助資金の返済という問題にからみまして、この見返り資金自体を返済のために運用されるのか。それともその返済は別個に一般会計から、つまり国民の税金から返済する方針を持つておられるのか。その見返り資金をどういうぐあいに援助資金の返済と見合いまして、返済されて行く方針を持つておられるのか。その点大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
#10
○池田国務大臣 ただいま深澤委員より、占領治下においては見返り資金の運用について、司令部の指示を受けるのもやむを得なかつたという言葉を聞いて今までとはよほど考え方がお違いになつたのに驚いたのでありますが、今後は見返り資金の運用につきましては、日本政府独自の考えで行くつもりであります。そうしてこの見返り資金が主として民間に投資せられましたが、これが直接債務とつながるわけではない。これは従来も国会で答弁しておりましたように、別個の問題であるのであります。対日援助をどういうふうにして返すかということは、われわれ、たびたび申し上げておりますように、まだ債務と心得ておるわけですが、国の法律的、予算的債務にはなつておりません。従いまして今後折衝の上どれだけのものをどういうふうにして支払うかということは、見返り資金の貸付先の問題と別個にきめるべき問題と考えております。
#11
○深澤委員 新聞において、すでにアメリカから返済の申入れがあつたように報道されておることを、われわれは見ているのであります。さらにこれに対して大蔵当局といたしましても、この返済の方針がある程度きまつておられるように発表せられておるのでありますが、一体この二十億ドルに近いところの対日援助に対する返済の方針について、どういう構想を持つておられるのか。もしも政府の方針がきまつておりましたらば、大蔵大臣からお答え願いたいと思います。
#12
○池田国務大臣 きまつておりません。この問題について大蔵省が発表したことはございません。
#13
○深澤委員 それから次に、日本開発銀行法の一部改正にも、あらかじめ外資の導入ということが見込まれておるようでありますが、この外資の導入の問題につきましては、はなはだ困難の状況に当面しているように、われわれは聞いているのであります。政府が借款の供与の問題についても、アメリカと相当交渉されたように新聞には報道されておるが、アメリカの財界におきましては、日本の信用状態というものに対して、必ずしも借款の供与をするというような状態でないような報道も行われているのであります。日本財界はこの外資導入について相当な期待を持つております。政府もこれに対して相当の努力をされておるということも、われわれは聞いているのであります。この外資導入の見通しについて、この際大蔵大臣の見解を承りたいと思います。
#14
○池田国務大臣 この問題については、各委員会でたびたび申し上げましたが、今の事情から申しまして、民間同士の外資導入あるいは輸出入銀行を通じて借りる分は相当実績が上つております。しかし国際復興開発銀行あるいは政府同士の借款につきましては、たとえば国際通貨基金への加入の問題とか、あるいは今までの外貨債の支払い等の問題が前提條件としてありますので、この問題の解決を急いで、そうしてそれが成功するならば、私は相当の期待が持てることと思つておるのであります。
#15
○深澤委員 新聞に発表されておりますところによれば、日本軽金属に対しまして、カナダのアルミニウム・リミテツド社が外資を入れるという問題について、大蔵省はこれに反対されているというような報道がございますが、この日本軽金属に対するリミテツド社の外資の導入の問題については、どういういきさつになつておりますか。その点をひとつお伺いしたい。
#16
○池田国務大臣 こまかいいきさつは私は存じませんが、日本軽金属の外資導入の計画につきまして、まだ十分私には納得できない点がありますので、一応外資委員会の方へは大蔵当局は反対の意思を表明したようであります。
#17
○深澤委員 それからもう一つ、これはしばしば問題になつておりますが、今国会において制定されました遺家族等に対する問題であります。これに対する交付公債は大体八百億ということでありますが、この現金化の問題が非常に大きな問題になつております。たしか大蔵大臣は国民金融公庫の金を運用するというような御答弁を、予算委員会かで行われたように聞いているのでありますが、この問題を本委員会で取上げまして、国民金融公庫の総裁に対しまして御質問しましたところ、現在国民金融公庫といたしましては、そういう余裕がないということを明言されております。この公債の現金化の問題については、政府はどういう方針を持つておられますか。その点をひとつお伺いしたい。
#18
○池田国務大臣 これはたしか八百数十億円の厖大な額でありますから、一時に現金化ということは考えておりません。原則として一年すえ置き九箇年の償還、こういうことにしておるのであります。国民金融公庫の貸出しの場合におきましては、遺家族の方につきましては他の方々よりも特に優先的と申しますか、特に同情を持つて融資について便宜を与えよう、こう言つておるのであります。何分にも国民金融公庫への出資は、今までの分全部で百億足らずでございますし、しかもその金は相当すでに出ておりますので、国民金融公庫をして今の交付公債の現金化ということは、なかなか困難な問題であると思います。
#19
○深澤委員 なおもう一つ最後にお聞きしたい点は、御承知のごとく税金問題について、特に申告納税等が非常に停滯しているやに聞いております。さらに二十三年、四年、五年の滯納税金も相当今問題になつておるのでありますが、税金問題は、占領下におきまして日本国民が背負いました相当大きな負担であつたのであります。占領の解除と同時に、税批判に対する犯罪等は恩赦の特典を得たのでありますが、依然として占領下における重税による滯納等については、何ら容赦ないわけであります。私は講和発効を機会といたしまして、従来の滯納税金等に対しては何らかの緩和措置を講ずる必要があると考えているのであります。その点について大蔵大臣は何らか方針を持つておられますか。その点をひとつお伺いしたい。
#20
○池田国務大臣 今回の講和発効に伴いまして、大赦の規定によつて刑事訴追を受けた人に対しましての大赦をいたしておるのでありますが、税金の滯納あるいは加算税等につきましては許していないのであります。それから昭和二十二、三、四年ごろの滯納につきましては、さきの国会で特別措置を講じまして、一応二、三年の調査期間を置いて、そして徐々に整理して行こうという建前にいたしました。実情に沿つたような租税の徴收方法を考えております。
#21
○深澤委員 刑事訴追を受けたような人に対しまして、もちろんそれは税金の免除ということではないにいたしましても、その犯罪の恩赦をいたしたのであります。刑事訴追を受けておるような者は非常に悪質な者でありましてそうではなく、税金を納められないような実情にある者が実は相当あるのであります。従つて税金を納めるために借金をしているというような事情の者も相当あります。あるいは自殺、発狂等の問題も事実問題として出て来ておりました。こういう問題につきまして、この講和発効を機会といたしまして、従来の滯納税金に対する特別の措置を政府がとるということも、また一つの政治であると私は考えるのであります。そういうことを大蔵大臣は考えておられるかどうか。その点をひとつお伺いしたい。
#22
○池田国務大臣 従来議会の協賛を経まして、特別の措置をとりつつあるのでありまして、それ以上のことは考えておりません、
#23
○佐藤委員長 夏堀源三郎君。
#24
○夏堀委員 きようは大蔵大臣、外務大臣のお二人がお見えになつております。実は私いろいろなことを御質問申し上げたいと存じて、資料をまとめようと思つておりましたが、きよう参りまするとちようどお二人がお見えになつておりますので、またあとにまわしまするといつになるかわからないし、会期も幾らもありませんので、はなはだ粗雑なまとまりのつかぬことでありまするけれども、大ざつぱなことを二、三点お伺いしたいと思います。
 日米経済協力に関連した関税政策は、アメリカが日本に対して経済的に協力するという大きな政策のもとに発表になつております。ただ具体的に、しからばどう持つて来るであろうかということは、私どもまだはつきりわかりません。関税政策は各国内の産業を保護し、及び各国の経済を調整することにあると私どもは考えております。ただこの点においてはたしてこの大きな政策がその通り行つておるかどうか。どことなく矛盾した点もあるのじやないかと私は考えるのであります。一例を申し上げますると、日米加漁業協定によつて公海の自由が認められて、今後日本漁業が大きく発展するであろう。そうした線に沿うてアメリカが政策上、関税問題も日米協力の線に沿うて御協力していただくことは、国民としてもたいへん大きな期待を持つている次第であります。ところが実際の面においては、最近――新聞の報道でありまするから詳しいことがわかりませんが、まぐろの関税、これが大分やかましい問題になつて、日本からも業界の代表が行つて何か折衝したということも聞いております。けれどもこれに対しては、何ら効果的にその結論がつかなかつたのじやないか。その後の情勢は一体どうなつておるのであるか。新聞発表によりますると、国務省と議会の方との意力は若干食い違いがあるというようにも考えられるのでありますが、この内容等について外務大臣からできるだけの御説明を承りたいのであります。
#25
○岡崎国務大臣 まぐろの関税は昨年下院を通過しまして上院にまわされて来たのであります。今月の上旬に上院の財政委員会を通りまして、本会議にかけられることになつております。但しまだ本会議にいつ上程されるかということはきまつておりません。アメリカの国会も大分会期が迫つておりまするから、どうなりまするかまだはつきりわかりません。その際に国務省のアチソン長官が、まぐろの関税等についてはこれは日本の外貨獲得の大きな一つの財源であるから、こういうものに税金をかけることは国務省としては反対であるという、かなり強い発言をいたしております。強い発言をいたしておりますが、立法府と行政府は日本の場合よりももつとはつきりとアメリカではわかれております。また立法府の人々が、国内の産業の保護ということをまず第一に考えるのは自然でありまするから、この法案がどうなりますかまだはつきりわかりませんが、通過する場合もあり得ると聞いております。われわれの方では、いろいろの実際上の事情等を、あるいは民間の專門家を通じ、あるいは政府の意向として、国務省その他の方面にできるだけ連絡をしておりまして、アチソン国務長官の言明も、おそらくそういうことによつて日本の実情もよくわかつてくれたからではないかと思つております。また上院の委員会の決定を見ますると、賛成と反対がかなり接近しておりまして、非常な多数をもつて可決されたというわけでもないようであります。従つてこれが本会議にかかつたときにどうなるかというと、必ずしも本会議で通過するとも限らないのじやないかと思つております。また本会議で通過された場合にも、政府の態度がアチソン国務長官の言明のようでありますれば、大統領がこれに対してある種の措置を講ずるということもあり得るのでありまして、われわれとしては、そういう場合に日本の立場をできるだけよく了解してもらうように、相当努力を続けて来ているような次第であります。
#26
○夏堀委員 ただいまのまぐろの問題はその一例を引いて申し上げたのでありますが、大きな経済政策という面について申しますと、たとえば中共との貿易はアメリカがあまり好まないのではないかというような感じがいたすのであります。しかし日本とすれば、中共との貿易が――共産主義の国との間には外交機関もありませんので、経済を積極的に、全面的貿易に持つて行くということは不可能ではありましようけれども、何かしら、やはり中共に対する貿易がある程度進まなくては、日本の経済も非常に困難ではないだろうか。いわゆる自立経済の面において困難ではないだろうかと考えるのであります。そこで一例を申し上げたのですけれども、アメリカのいわゆる関税政策が、このまぐろの問題のようなことを、このままにしておいてもやむを得ないではないかというようなことに処理いたしますれば、関税政策において今後はたして日本の自立経済ができるかどうかということが、非常に憂慮される問題であろうと思うのであります。しかして一方においては関税政策においてふさがれ、これに対して何か打開策を講じようとしたところで、東亜の大市場の中共というものもふさがれ、東南アジアという線もありましようけれども、結局大きな線はアジアだから、その中共が最も大きな役割を持てばたいへんけつこうなことであると存じますが、その線はまだ容易ではない。そういたしますと、やはりアメリカとの経済協力という線に沿うて、このまぐろのような考え方で関税政策全体を見ることがあるかないか、私どもが今ここでそれを論議することは当らないかもしれませんけれども、ある一角からそういうことが行われるといたしますると、その他の商品に対しても、それが行われないと断言することはできないであろうと思います。ここに日米経済協力という線が関税政策のその一角からくずれるということがなければいいが、もしあつてはたいへんだというようなことで今お伺いした次第です。この問題は今申し上げたような事情で非常に大きな問題でありますので、本委員会においても一応どういう取扱いをすればいいか――これはまぐろだけを取上げるか、全体を取上げるが、政府の方でも今ある程度の手は打つていると御説明になりましたが、国会においてもこれに対応して、アメリカ政府あるいはその他に対して、適当にこれを懇請するというような便法なり、あるいはその他の方法であちらの方にお願いするということが、日米経済協力の線を強化する意味において、正しい意見であると私は考える次第であります。この問題につきましてはきようは理事の方々もまだお二人お見えになつておりませんので、理事がおそろいになりましたならば、委員長より理事を通じ、そうして委員会全体にお諮りになつて、この問題を国会としても強く取上げて、今後の処置に対して日米経済協力の線を堅持する意味においての、何らかの要請をすることがよろしいではないか、こう考える次第であります。この処置に対しては、委員長はきようでなくともよろしいのですから、いずれ最も近いうちに委員会にお諮りになつて適当な御処置あることを私より申し添えておきます。なお外務大臣にもう一点お伺いいたします。この間これは大蔵大臣にもお伺いしたのですが、時間がありませんのでごく簡單に申し上げたのですが、韓国の在外資産の問題に対して請求権があるという言明であり、外務委員会においても、外務大臣からその通りの御答弁があつたように新聞に発表になつておるようであります。その通りに私ども承知してさしつかえないだろうと存じます。台湾の平和條約が締結になり、そうしてこれに対するいわゆる民間の資産は、一体これはどう処理されるようなことになつておるのか。この点をおさしつかえのない程度において、御説明を願いたいと存じます。
#27
○岡崎国務大臣 これは原則としては、両国政府間の協議によつて決定するということになつております。今後いろいろ協議をいたして行くはずでございます。ただし両国間の主張は、かなり隔たりがあるということは当然想像されるのでございまして、現に朝鮮の場合でも、先方は日本に請求権なしという建前を強くとつております。従つて協議に入る前に、請求権があるかなきかの根本問題で意見が合わないから、なかなか協議に入るところまで参らない。やはり非常に気を長くして、よく彼我の事情を話し合つて、これは実際的に解決するように努力する必要がある、こうわれわれは考えます。
#28
○夏堀委員 これからの協議によつてとりきめる、こういう御説明でありますが、いわゆる韓国の場合は請求権ありということですが、韓国と同様に台湾の場合も――そういう言葉を使うことは適当であるかどうかわかりませんけれども、大体今後の折衝は、そういう方針によつて御折衝になるとは思います。これに対しては過般も申し上げたのですけれども、これまでは占領治下において、どちらかといえば遠慮せんければならぬ。そうしてアメリカの御意向等も十分に参酌して、行動をしなければならなかつたのであります。今後も、ある程度はそういうことも含まねばならぬとは存じますけれども、独立国家となつた今日、今後の折衝の上において国民の言わんとするところ、そうしてこう思つてやつてほしいというところ、それはやはり政府としても相当その意を体して、強腰といえば語弊があるかもしれませんけれども、結局正当な意見をもつて御折衝にならなければならない。外務大臣は、外交政策等についてはいろいろ御意見も御発表になつておるようですが、これは抽象的ですけれども、今後の日本の外交を、大きく政治問題等に対しても、経済がその根幹をなさなければならない。その意味において今申し上げたようなことは、日本の自立経済に大きな影響を及ぼすのでありますから、この点に対しては、特に外務大臣は外交上の面において、正しい意見を強く御発言になり、そうして国民の期待に沿うように持つて行つてほしい、こういうことを私は国民の代表として、外務大臣に本日はつきりと申し上げたいのであります。これは私が申し上げなくとも、外務大臣は專門家でありますから、それは適当に御処置になるでありましようけれども、やはりこういうようなこともさつきのまぐろの関税と同様に、国会議員の立場において強くこれを強調して、そうして今後の折衝について、国民の鞭撻といえばちよつと言葉が強過ぎるかもしれませんけれども、そうした意味において、外務大臣に一層の御努力をお願いしたいと思うのであります。外務大臣に対しての質問は時間がないそうですから、これで私は打切ります。
#29
○佐藤委員長 ちよつと夏堀君に申し上げます。外務大臣は公の用事で時間がないようでございますから、あとの御質問は他日に留保していただきまして、きようはこの程度でお見送りをお願いいたします。大蔵大臣はずつと引続いておいでになりますから、どうぞ……。
#30
○夏堀委員 外務大臣は都合によつて退席されましたので、さつきの続きですが、これは今外務大臣が御答弁になりましたのでその通りであろうとは存じますけれども、結局所管の関税問題でありますので、この日米経済協力の線をその一角からくずすというようなことは、アメリカの本意でもなかろうと存じます。これに対してはこの関税問題に関連して、私大蔵委員長をやつておつた当時、たしか十国会であつたと存じますが、イギリス、フランス、アメリカその他の自由国家の商工会議所の代表の人方が十数名見えまして、私に対して、あの関税定率法の実施を延期してほしいという陳情を受けたことがあります。まだ占領治下でありましたけれども、日本の法律に対して、各個々の利害関係に基いてそれを簡単に修正することはどうかと存じまして、婉曲にこれをお断りしたことがありました。その際に、あちらの経済人は本国に連絡があつたと見えて、国務省から総司令部に電報があつて、たしか総司令部から政府に何かの申入れがあつたと存じます。但しその延期は向うの申出通りには行かなかつたかもしれませんけれども、延期したことは事実であつたと考えております。そういうこともあつたので、日本としては讓歩するところは讓歩してあるのだ、そういうこともあつたのだ、今この一例を引いて申し上げたまぐろの関税問題は、公海の自由をアメリカが認め、そうしてこれによつて産業の発展を認め、経済の自立態勢を持つて行こうとする御意図に対しましては、非常に敬服するのでありますけれども、その反面に関税においてこれを押えるということは、その政策は非常に矛盾しているのではないかと考える次第であります。こうしたような大きな問題は、ただいま申し上げましたように、ただまぐろだけのその線でとどまることはないじやないか。その一角からこの政策はくずれるというふうになりますれば、日本の自立経済に及ぼす影響は今後相当大きいだろうと存じますので、この際大蔵大臣としての、この問題に対する御意見を拝聴いたしたいと存じます。
#31
○池田国務大臣 まつたく同感でございます。われわれといたしまては、この関税政策もできるだけ自由貿易の線に沿つて行きたい。特別の場合に保護政策をやるべきであるというふうに考えておるのであります。これは各国と相関関係にあるものでございますから、今お話のような趣旨で各国とも進んでもらうように、外交関係を通じて努力すべきだと存じます。まぐろが今問題になつておりますが、陶器その他のことも問題にならぬときまつているわけではございません。全般的に国際的に有無相通ずるという方針で各国が行くように、こちらから懇請あるいは協力すべきだと考えております。
#32
○夏堀委員 ただいまの大蔵大臣の御答弁によつて、私どもの考えておる線と同一であるということがはつきりいたしたのであります。この問題は政府としても特段の御考慮を払つて、何かの形において協力してもらう方法をとつていただきたい。先ほど申し上げましたように、国会としてもこの問題を取上げて善処するように、委員長として特段の御処置を願いたい。これをあらためて申し上げておきます。
 もう一点、この間銀行局長に私の意見として申上げたのですが、今本委員会に政府案として提案になつておりまする長期信用銀行、開発銀行の一部改正法案、この改正法案に関連して、あらためて大蔵大臣に申し述べるつもりであります。まだ今の開発銀行が発足しない前に、私司令部に参りましたときに、司令部のこの所管の方々に対して、いろいろ懇談いたしました際に、開発銀行のような銀行を設置することはたいへん望ましい、こういうことを申されまして、そのときに日本の未開発の土地を開発する意味において、そういう銀行を設置することを非常に急速にやつてほしいのだが、政府でもそのようなことをお考えになつているそうですから、あなた方の方でももつと政府を鞭撻して、これを急速に持つて行くことがたいへんよいことじやないかと、こう申したことがございます。これはそのときの私の感じでありますけれども、各地区の資源の開発、そういう方面に相当力を注がなければならぬじやないかということの意味にも、そのときは承つたのであります。けれども今は別にその人がおるわけでもありませんし、独立国家としての建前から独自の立場において、自主的にその方法の構想とその立案を持つて行かなければならないのであります。それはまあその通りでありましよう。ただそうした期待を持つておつたのでありましたが、その後発足した開発銀行は、未開発の資源開発もその目的の中にはあるでありましようけれども、大体重点産業に集中されておる。それはたいへんけつこうだと思います。重点産業に集中して、日本の産業を急速に発展させる原動力はここから生れるのであるから、けつこうなことではありますけれども、しかしそうかといつて、未開発の資源開発というそういう線を軽視することは、これは政策上どうかと思います。よつて開発銀行の支店設置あるいはそれに関連して長期信用銀行、これは若干その性格が違うでありましようけれども、肩がわり及び長期資金を貸し出すという意味において、大きな似寄つた点もあります。こうした面を長期信用銀行の本店あるいは開発銀行の支店――私は地区のことは申し上げません。全国をにらみ合せて未開発の地方を開発する意味において、そういうようお考えを一段と御考慮に入れて、未開発産業のその地方の開発を進めていただきたい。これを強く大蔵大臣に申し述べる次第であります。資金量の問題で困難であるということもお考えになりましようが、なるほどそうでありましよう。しかしこれも賢明な大政治家の大蔵大臣のことでありますから、そうこの面に対してもびくつくようなことはない、やればやれることであろう、こう存じますので、私の今申し上げたことは、もしそれが適正な意見である、とこうお考えであれば、その点も今後の開発的な面を強くひとつ案の中に取入れて、銀行を指導するようにしていただきたい。これを申し上げる次第であります。まだ答弁をお伺いしないうちに自分かつてな意見を述べて、そうせよそうせよということもどうかと思いますけれども、私がいつも申し上げるように、いわゆる国会議員としての立場において、憲法の十三條、十四條を今ひつぱり出すわけではありませんけれども、これをやはり国政の上において調整しなければならぬということは、厳然たる事実であると思います。この間申し上げたけれども、ある地区においてはこのごろは娘の身売りが非常に多くなつて来た。これは人道問題である。これも一片のりくつであると申せばそれまででありますけれども、娘に身売りをさせて生活しなければならぬということは、これは確かに人道問題であり、そうして一方は恐るべき資本主義の発達によつて――経済の発展はけつこうなことでありますけれども、その極端ぶりがあまり強過ぎると、いわゆる国民の輿論と申しましようか、そうした面も相当やはり考えなければなりませんので、そうした点についての多少の調整はやつて行かれることが政府のとるべき道ではないか、こう考える次第であります。かつてなりくつを申し上げましたが、これに対して、それは反対であるとおつしやるか、賛成であるとおつしやるか、いずれかこれに対する御意見をこの機会に承つておきたいと存じます。
#33
○池田国務大臣 まことにごもつともなことで、全面的に賛成でございます。ただ問題は、開発銀行が資金量の点から、どの程度まで夏堀委員のおつしやるようなところまで手が伸ばされるか、資金量の問題と時期の問題でありますが、われわれといたしましては、今のお話のような点は、片一方で農林漁業資金として相当開発資金に合うようなものも実は考えておるのでございます。開発銀行の方と、農林漁業資金特別会計等で、地方の産業開発を計画しておる次第でございます。今後開発銀行におきましても、できるだけ資金をふやしまして、お話のような点にも進んで行きたいと考えております。
#34
○夏堀委員 農林漁業資金においてカバーする。それはその通りでありましよう。けれども、農林漁業資金は本年は二百億程度であります。これは全国的にその申請によつて処理されるのであるが、今私が申し上げたような特別のいわゆる未開発資源の開発的なものは、どの程度その恩恵にあずかるかといえば、これは少い。御方針としてはわれわれけつこうと思いますけれども、具体的に言うと、それは大したものじやないということになるのではないだろうか。そこで、あえて原始産業を固持するわけではありませんが、原始産業に加えて未開発の産業を開発することによつて、地方民の経済力がある程度向上することは当然であろうと思うのです。今御答弁になつた農林漁業の御方針はごもつともでありますけれども、しかしそれは全国的な問題で、私の申し上げた趣旨にぴつたり来ないおそれが多分にあると思います。今申し上げた金融は、財政面において考えることがほんとうであろうと思いますが、開発銀行、長期信用銀行の両法案が今出ておりますので、この金融政策の上においても特段の御考慮を払つてほしい、こういうことをお願いする次第であります。
#35
○佐藤委員長 ちよつと諸君に申し上げます。大蔵大臣は内閣委員会に御出席になることになつておるようで、たいへん急いでいるそうでありますから、きようは大蔵大臣に対する質問はこの程度で打切つていただきたいと思います。――深澤義守君。
#36
○深澤委員 貸付信託法について質問いたしますが、最近政府は資源の開発、資源の開発ということで、大分いろいろな法案を出しているのであります。非常に厖大な電源開発というような計画をされておるので、その資金のかき集めにあらゆる手を使わなくちやならない、こういうような立場に置かれているんじやないかと思うのです。そういう立場からこの貸付信託法も大体出て来たのだというふうにわれわれは考えるわけですが、大体この貸付信託法というものがつくられたその根本的な要請は一体どこにあるのか。一般投資者というか、一般投資者にこういう要求があつて出て来たのか、それとも政府自体が、資源開発資金等のかき集めのために、こういう形でひとつ集めようじやないかということで出て来たのか、一体これは大衆の要求なのか、それとも政府の政策の上から出て来たのか、その点をまずお伺いしておきたいと思います。
#37
○河野(通)政府委員 この貸付信託法の趣旨は、先般御説明申し上げました通り、零細な資金をしかも長期的な資金をいろいろな形で蓄積いたして参りまする一つの方法として、この制度をつくつたわけであります。それにあわせてその集まつた資金を産業開発のための必要な資金に充てる、こういう目的でできておるわけでありまして、もちろん政府の政策としてこういう案を御提案申し上げたのでありますが、その裏はやはり一般の投資者が、できるだけ投資の魅力を感じて投資が自発的にできるような道を開いて行く。これには何も貸付信託だけが唯一の方法ではないのでありますが、いろいろな方法の一つの方法として、投資者がその好みに従つて、こういう制度が非常にいいならば、資金蓄積の方法としてこの制度を使おうということに相なるかと思うのでありまして、そういう促進の方法としてこの法案を御提出申し上げておる次第であります。
#38
○深澤委員 現在いろいろな投資の方法があるのでありますが、たとえば国民貯蓄債券の問題もありまするし、無記名定期預金の問題もあります。それから証券信託の方法もあるのでありますが、この貸付信託がそれらのものよりも非常な魅力を持つて、大衆がこれに投資するという特質が一体どこにあるのか。その点を私はひとつ、銀行局長が何か特別の魅力があるように申されたので、その魅力のある点を御説明願いたいと思うのであります。
#39
○河野(通)政府委員 まあいろいろな方法が――やはりみんな国民の方々が好みに従つて資本の蓄積をやられるわけなんですが、その一つの方法としてこの制度を考えたと申し上げたのです。ほかの方法よりも特に一般的に魅力があるというものではありませんが、この制度は先般の国会で通過いたしました証券投資信託と、やはりよく似た制度になるわけです。信託の方式を利用しながら、その受益権を有価証券化する。しかもその有価証券は無記名の有価証券とする。そういつた形で長期信託の場合には、その受益権の内容が株とか有価証券になるわけでありますが、この貸付信託におきましては、その受益権の内容が緊要なる産業に対する長期の貸付金という形に相なるわけでありまして、そこにおのおの特色を生かして、好みに従つて資金の蓄積を促進して参りたい、かような趣旨であります。
#40
○深澤委員 それで今までおそらく御答弁になつておられると思うのですが、大体利率関係はどんなふうになつておりますか。
#41
○大月政府委員 大体資金蓄積の手段としては、銀行預金がございますし、一般の合同運用の金銭信託がございますし、それから一般の社債なりあるいは金融債というものがございます。この貸付信託は、そのうちのどの辺にあるというように考えておるかと申しますと、大体におきまして預金と金融債の間に位するものであると考えております。従いましてこの貸付信託の利率につきましても、もちろん建前は実績配当ということでございますので、何分何厘と今からきめるわけには参らないわけでございますが、ちようど預金と金融債との間になろうか。具体的に申し上げますと、七分一、一厘のところから、五年ものにいたしまして九分一、二厘、そのくらいのところを今のところ考えております。
#42
○深澤委員 それではとても大衆の投資を誘発する魅力にならないと私は思うのです。現在民間には月二分、三分という配当を予定いたしまして、この投資信託――そういう形の投資信託法に基くものでないが、たとえて言えば保全経済会のごときは、そういう形で月二分、三分の配当というような形で、十億に余る金を集めているというのが存在するのであります。従つてこういう法律が出ても、特別な魅力を感じて、この投資信託によつて大衆の投資を誘発するということは私はおそらくできないと思う。その問題を一体どういうぐあいに考えておられるか。それからもう一つは、この投資信託によつてどのくらいの投資額を集めることができる見込みを持つておられるのか、その点を伺いたい。
#43
○河野(通)政府委員 この問題は結局程度問題だと思うのでありまして、一般の正常な金融機関以外のルートでいろいろ高い配当等が行われておりますことは、今御指摘の通りでありますが、別にそれらと同じベースにおいて資金蓄積の競争をする必要はないと思うのです。現在一般の正常な金融機関におきましては、大体預金にいたしましても金融債にいたしましても、御承知のような一定のレートがあるわけであります。これらを比較いたしまして、正常な金融機関のルートを通しての資本蓄積の範囲内におきましては、やはりこれは一つの特色を持つたものである。そのラインを進めて行きたいというのでありまして、保全経済会とかいろいろ言われましたようなそういうものの資金を集める道、それがつけておりますような配当、それと競争して、この貸付信託の資金の集め方を進めて行くというようには、私どもは考えておらぬわけであります。第二点のお尋ねは、大体どの程度を本年度考えておるかという話でありますが、現在のところでは大体五、六十億ぐらい、とりあえず本年度としてはこれによつて資金が集まるのではないかというふうに――これは大体の見通しでございますから、はつきりしたことは申し上げられませんが、大体そういうところになるのじやないかという程度に考えております。
#44
○深澤委員 ざつくばらんに申し上げますが、これは大体電源開発の資金として予定されて集めようということですか。
#45
○河野(通)政府委員 電源開発とは限つておりません。あるいは緊要産業のうち造船等の関係の資金でありますとか、あるいは石炭等の採掘のための資金、これらの資金についても、信託会社におきましてこれらを適当とするようなものでありますならば、この第一條の目的に入ります範囲におきまして考えて参りたいと思います。ただ目下のところ信託会社が計画いたしておりますものは、大体やはり電源関係の電気事業者に対する長期資金の貸付というものを、対象にして考えているようであります。まだこれは具体的に申請が参つておりませんので、はつきりしたことは申し上げられません。
#46
○小山委員 貸付信託についてはいろいろ質問が出て来たのでありますが、一、二確かめておきたいので質問いたします。信託証券の買いもどしの制度を認めておるのでありますが、これは約款にそう書かせるという方針でお進みになるのか、それとも買いもどしは原則としてやらぬという方針でお進みになるのか、行政上の方針はどういうおつもりでありますか、伺つておきたいのであります。
#47
○大月政府委員 この貸付信託の制度におきまして、信託会社が場合によつてはこの受益証券を買つてもいいという制度はこれによりまして換金の必要の起りました投資者に対しまして便益を与えるという意味でございます。従いまして、建前といたしましてはどんどんこの受益証券が売れて行くということでございますれば、需要は幾らでもあるということになりまして、買いもどしの請求も非常に少いであろう。しかも流通性もございますので、別に信託会社に売らなくてもお互いにさばき得る、こういうことになると思うのであります。従いまして建前といたしましてはなるべく買わないで、どんどん広く投資者の方に広がつて行くことを希望いたしております。ただそういう不時の必要のある場合に、この制度を設けておかなければすぐにも困るというような人があつた場合に不都合だ、こういう趣旨でございます。
#48
○小山委員 この買いもどしについては、約款上は無制限に買いもどしをすることになつておりますか。一定の制限をすることになつておりますか。
#49
○大月政府委員 この制度の趣旨といたしましては、制限を設けないつもりでございます。
#50
○小山委員 ある会社には買いもどしを認め、ある会社には買いもどしを認めない――認めるというと語弊がありますが、ある会社の約款は買いもどしを認めることになつておる、ある会社はその買いもどしを認めないということになりますと、ある会社は資金の分量がフルに動くし、ある会社はある程度差引いた資金で動くということになりまして、その面から利益配当がかわつて来るというような傾向は生じませんか。
#51
○大月政府委員 かりに信託会社がこの受益証券を買いとりましても、その立場からいたしますと、一受益権者の立場においてその証券を持つわけでございます。そしてその運用につきましては、受託者といたしまして金額を運用いたしておるわけでございますから、一般の配当にはいささかも影響はない、経理は固有勘定の分と信託勘定の分と判然と区別することになつておりますので、影響は全然ございません。
#52
○小山委員 次には損失補填の約款を認める制度ができておるのでありますが、今申したように、ある会社の場合には損失補填の約款がついておる、他の会社には損失補填約款がついていない。損失補填の約款がつきますと、どうしても損失を補填するためのあるリザーヴをとらなければならぬ。従つて配当率が違つて来るという問題が起るかと思うのでありますが、この点は会社の申請によつて、ある会社は損失補填の約款をつけたい。従つてたとえば手数料を幾らとりたいという希望があり、ある会社にはそれがないために手数料が少いというようなことで、配当率には甲と乙との会社の間に、おのずからその面から来る差があつてもよろしいというお考えでありますか。あるいはこれは均一でないと証券の売れ行き上困りはしないかという問題はお考えになつておりませんか。
#53
○大月政府委員 この損失補填契約をつけるかどうかということは元本に対する安全感をどのくらい投資者に与えるかという問題だと思います。従いまして今の御質問にもございましたように、安全性はあるけれども、もし損失補填契約をいたしますと、一定のリザーヴをとらなければいけない。そういう意味において、実績の利益配当の面においては制約が多い、こういうことになると思います。従いまして信託会社の判断といたしまして、收益率は少くても安全度の高い方が売れやすいか、あるいは若干元本について補填しないという形式的な危険性はあつても、收益率の高い方が売れやすいか。これは一つの営業政策として考えらるべきものであろうと思います。従いまして、かりにAという信託会社が損失補填契約をつけたい、Bという会社はつけたくないということで参りましても、それは監督の立場から申しますれば、自由にまかしておきたいと思います。ただ制度の建前といたしまして、信託というものは本来損失補填契約なしに、直接本人が投資するかわりに、受託者として運用してやるというのが本来の姿でございますので、指導の気持といたしましては、できるだけ損失補填契約をつけないでやつてみるということから、始めさせたいと思つております。
#54
○佐久間委員 ただいま議題となつております法案中貸付信託法案につきましては、すでに質疑も盡されたと思われますので、この際質疑を打切り、討論を省略してただちに採決に入られんことを望みます。
#55
○佐藤委員長 ただいまの佐久間君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○佐藤委員長 御異議ないようでありますから、貸付信託法案につきましては、佐久間君の動議のごとく、質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決に入ることにいたします。
 これより貸付信託法案を議題として採決をいたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#57
○佐藤委員長 起立多数。よつて右案は原案の通り可決されました。
 なお本案に関する委員会報告書の件につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。
    ―――――――――――――
#58
○佐藤委員長 次にちよつとお諮りいたします。ただいま本委員会におきまして審査中の長期信用銀行法案及び国立病院特別会計所属の資産の譲渡に関する特別措置法案の両案につきましては、まだ種々論議の余地があると思われますので、それぞれ利害関係者または学識経験者を参考人として招致し、その意見を聴取いたしたいと存じますが、この点御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○佐藤委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。なお参考人の選定等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じます。
 次会は明二十一日午後一時から開会することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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