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2020/05/12 第201回国会 衆議院 第201回国会 衆議院 本会議 第23号 令和2年5月12日
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2020/05/12 第201回国会 衆議院

第201回国会 衆議院 本会議 第23号 令和2年5月12日

#1
令和二年五月十二日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十五号
  令和二年五月十二日
    午後一時開議
 第一 道路法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 道路法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出)並びに介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(山花郁夫君外八名提出)、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案(山花郁夫君外八名提出)及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の一部を改正する法律案(山花郁夫君外八名提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議

#2
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――

#3
○議長(大島理森君) この際、新たに議席に着かれました議員を紹介いたします。
 第四百三十六番、静岡県第四区選出議員、深澤陽一君。
    〔深澤陽一君起立、拍手〕
     ――――◇―――――
 日程第一 道路法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

#4
○議長(大島理森君) 日程第一、道路法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。国土交通委員長土井亨君。
    ―――――――――――――
 道路法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔土井亨君登壇〕

#5
○土井亨君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、安全かつ円滑な道路交通の確保及び道路の効果的な利用の推進等を図るため、大型車両の通行に係る手続の合理化や特定車両停留施設及び自動運行補助施設の道路の附属物への追加等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、去る四月十四日本委員会に付託され、翌十五日赤羽国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、五月八日に質疑を行い、質疑終了後、討論を行い、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――

#6
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#7
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

#8
○議長(大島理森君) 日程第二、年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長盛山正仁君。
    ―――――――――――――
 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔盛山正仁君登壇〕

#9
○盛山正仁君 ただいま議題となりました年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、社会経済構造の変化に対応し、年金制度の機能強化を図るため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、
 第一に、短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の企業規模要件について、段階的に引き下げること、
 第二に、六十歳代前半の在職老齢年金について、支給停止が開始される賃金と年金の合計額の基準を引き上げること、
 第三に、年金の繰下げ受給の上限年齢を七十歳から七十五歳に引き上げること、
 第四に、確定拠出年金について、加入可能年齢を引き上げるとともに、受給開始時期の選択肢を拡大すること
等であります。
 本案は、去る四月十四日の本会議において趣旨説明が行われた後、同日本委員会に付託されました。
 本委員会におきましては、同日加藤厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取し、十七日から質疑に入り、安倍内閣総理大臣に対する質疑を行いました。
 同日、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムより修正案が提出され、趣旨説明を聴取し、二十四日から原案及び修正案に対し質疑を行い、五月八日、修正案について撤回を許可した後、質疑を終局しました。
 次いで、自由民主党・無所属の会、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、公明党及び日本維新の会・無所属の会の四会派より、附則第二条第一項及び第二項の検討は、これまでの財政検証において、モデル年金の所得代替率に占める基礎年金の額に相当する部分に係るものが減少していることが示されていることを踏まえて行うものとする旨の規定を追加すること等を内容とする修正案が提出され、趣旨説明を聴取した後、討論、採決を行った結果、修正案は全会一致、修正部分を除く原案は賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――

#10
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#11
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。
     ――――◇―――――
 地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出)並びに介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(山花郁夫君外八名提出)、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案(山花郁夫君外八名提出)及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の一部を改正する法律案(山花郁夫君外八名提出)の趣旨説明

#12
○議長(大島理森君) この際、内閣提出、地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案並びに山花郁夫君外八名提出、介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の一部を改正する法律案について、順次趣旨の説明を求めます。厚生労働大臣加藤勝信君。
    〔国務大臣加藤勝信君登壇〕

#13
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま議題となりました地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 少子高齢化が急速に進行し、我が国の社会が人口減少に直面するとともに、単身世帯の増加等家族の在り方や地域社会も変化する中で、個人や世帯の抱える課題が複雑化、複合化しています。こうした状況を踏まえ、市町村の包括的支援体制の構築、地域包括ケアシステムの推進、医療、介護のデータ基盤の整備等を通じて、全ての地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現を図るため、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、市町村において、既存の相談支援等の取組を活かしつつ、地域住民の抱える課題の解決のための包括的な支援体制の整備を行う新たな事業及びその財政支援等の規定を創設することとしています。
 第二に、地域の特性に応じた認知症施策や介護サービス提供体制の整備等を推進するため、認知症施策の総合的な推進に向けた国及び地方公共団体の努力義務を規定するとともに、有料老人ホーム等の設置状況を介護保険事業計画に位置付けます。
 第三に、地域の特性に応じた質の高い医療・介護サービス提供体制を構築するため、介護分野のデータベースの収集情報の拡大、医療・介護情報の連結精度の向上等により、医療、介護に係るデータ基盤の整備を推進します。
 第四に、介護人材確保及び業務効率化の取組を強化するため、その取組を介護保険事業計画に位置付けるとともに、介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置の延長や、有料老人ホームの設置等に係る届出事項の簡素化のための見直しを行います。
 第五に、地域における良質かつ適切な福祉サービスの提供及び社会福祉法人の経営基盤の強化を図るため、社会福祉事業に取り組む社会福祉法人やNPO法人等の業務連携を推進する社会福祉連携推進法人制度を創設することとしています。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、令和三年四月一日としています。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ―――――――――――――

#14
○議長(大島理森君) 提出者早稲田夕季君。
    〔早稲田夕季君登壇〕

#15
○早稲田夕季君 立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの早稲田夕季です。
 ただいま議題となりました障害福祉関連三法案につきまして、提出者を代表して、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 団塊世代の全てが後期高齢者となる二〇二五年を前に、高齢者、障害者に対して質の高いサービス提供が求められているにもかかわらず、介護、障害福祉の現場では人手不足が深刻化しています。著しく低い賃金水準が一番の原因です。安倍政権は、昨年秋の消費増税の際、経験ある職員に重点化した処遇改善を実施したものの、甚だ不十分であり、既に人手不足で倒産も発生するなど、現場は崩壊の危機に瀕しています。
 こうした状況に追い打ちをかけるのが、新型コロナウイルスの感染拡大です。介護、障害福祉の現場からは、悲鳴とも言える声が多数寄せられております。食事やトイレ、入浴介助を行うのに、濃厚接触を避けることなど、どうしてできるのでしょうか。マスクや手袋、消毒液が不足する中で、施設内感染も発生しています。介護、障害福祉従事者は、医療現場以上に、感染リスクに身をさらしながらも、笑顔を絶やさず働いているのです。介護離職ゼロを掲げる安倍総理は、こうした実態を御存じなのでしょうか。
 このような待ったなしの状況も踏まえ、既に提出済みの処遇改善法案の内容をバージョンアップし、再提出した次第です。
 政府には、介護、障害福祉の現場において新型コロナウイルス感染症対策を十分に講ずることができるよう、予算措置をぜひともお願いいたします。
 また、厚生労働省が、来年四月の障害福祉サービスの報酬改定に向け、食事加算と送迎加算の調査を実施して、この二つの加算の廃止、減額の方針を打ち出そうとしていることに、障害者や家族、そして支援団体の皆様から大きな不安の声が上がっています。前回改定時に、厚生労働省は食事加算廃止を提案した経過があるからです。
 新型コロナウイルス感染拡大で以前にも増して厳しい生活を強いられている障害者の負担増となる食事加算等の廃止、減額を阻止すべく、法案を提出いたしました。
 さらに、重度訪問介護サービスについては、かねてより通勤や就労中に利用できないことが問題となっており、障害者や地方自治体から見直しが求められております。
 厚生労働省は、重度訪問介護利用者の就労を支援する事業主への助成金の拡充を決めたものの、重度訪問介護自体の改善には踏み込んでおらず、多様な働き方には対応できません。
 そこで、我々は、重度訪問介護を通勤や職場で利用できるように、法案を提出した次第であります。
 これら障害福祉関連三法案は、先ほど加藤厚生労働大臣から御説明のあった地域共生社会の実現に資するだけでなく、安倍内閣が掲げる一億総活躍社会、介護離職ゼロの実現に向けても有効な対応策と確信をしておりますので、ぜひ党派を超えて多くの皆様に御賛同を賜りますよう強くお願いを申し上げます。
 以下、三法案の概要を御説明いたします。
 まず、介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案について申し上げます。
 本法律案では、都道府県知事は、介護、障害福祉従事者の賃金を改善するための措置を講ずる事業者の申請に基づき、助成金を支給することとしております。ケアマネや事務職の方を含め、介護、障害福祉に従事する全ての方を対象に、平均して一人当たり月額一万円賃金を引き上げるべく、助成金の支給に要する費用は全額国負担といたします。
 また、ホームヘルパー等へのセクハラ、パワハラを防止するために、適切な就業環境の維持について、国や事業者等に努力義務規定を設けることとしております。
 次に、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案、いわゆる食事加算等存続法案について申し上げます。
 本法律案では、食事提供体制加算等の廃止、減額を阻止するため、当分の間、食事提供体制加算等を廃止してはならないものとするとともに、送迎加算についても、サービス利用者に不利な内容の算定基準を定めてはならないこととしております。
 最後に、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の一部を改正する法律案、いわゆる重度訪問介護就労支援法案について申し上げます。
 本法律案では、職場での介護及び通勤における移動中の介護を重度訪問介護の対象とするとともに、行動援護など重度訪問介護以外の職場及び通勤における支援の実施、また、障害者等の通学における支援の拡充並びに重度の障害者等を雇用する事業主に対する支援の拡充についての検討規定を設けることとしております。
 以上が、三法案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ御賛同をいただきますよう、重ねてお願いを申し上げます。
 最後に、コロナ対策における新しい生活様式というのは感染症専門家の意見にすぎません。今後のコロナと共生する時代の生活については、私たち政治家が、責任を持って皆様にこの科学的根拠をしっかりと開示をして、そして、経済、介護、また教育の現場の多様な意見を反映して、責任を持って決定をしていくべきではないでしょうか。出口戦略こそ政治の出番ということを申し上げまして、私の趣旨説明とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
     ――――◇―――――
 地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出)並びに介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(山花郁夫君外八名提出)、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案(山花郁夫君外八名提出)及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の一部を改正する法律案(山花郁夫君外八名提出)の趣旨説明に対する質疑

#16
○議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。長尾敬君。
    〔長尾敬君登壇〕

#17
○長尾敬君 自由民主党・無所属の会の長尾敬です。
 私は、自由民主党並びに公明党を代表して、ただいま議題となりました地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
 質問の前に、二点触れさせていただきます。
 まず、新型コロナウイルスによって亡くなられた方々に心よりお悔やみを申し上げるとともに、感染された方々の一刻も早い御回復をお祈り申し上げます。そして、感染症に最前線で向き合ってくださっている医療従事者の皆様を始め、介護の現場など生活に必要なサービスの維持に当たられている多くの皆様に、心より御礼を申し上げます。
 もう一点。
 今月八日、中国海警局の船が尖閣諸島周辺の日本の領海に侵入、さらには、操業中の日本漁船を追尾した問題に関し、中国外務省の報道官は、昨日、十一日、日本の漁船は中国の領海で違法に操業していたため海域から出るよう求めた、日本の海上保安庁の違法な妨害にも断固として対応したなどと正当化しました。
 尖閣諸島は、国際法上も、歴史的にも、我が国が実効支配する日本固有の領土であり、その周辺海域が中国の領海であるなどという発言は到底認められるものではありません。中国政府に対し、強い憤りを持って、断固抗議いたします。
 日本政府には、武漢からウイルスを世界じゅうにまき散らした責任追及とあわせて、毅然とした態度で、中国の力による支配を排除し、尖閣諸島を、日本の主権を断固守り抜くことを強く求めます。
 法案の質問に入ります。
 我が国は、かつて経験をしたことのない少子高齢化、人口減少社会に直面をしております。人口動態の変化を見ると、二〇二五年に向けて高齢者人口が急速に増加した後、その増加は緩やかになります。また、大都市等では高齢者が増加する傾向にある一方で、地方では、高齢者が増加せず、減少に転じる地域も見られます。さらに、社会の主たる担い手である現役世代の減少が二〇二五年以降加速することが予想されています。
 こうした人口動態の変化に加え、血縁、地縁、社縁といった共同体の機能が脆弱化する社会構造の変化も起きています。
 これらを背景として、子育てと親の介護といったダブルケアや、高齢の親と働いていない独身の五十代の子とが同居している世帯のいわゆる八〇五〇問題など、複合的、複雑化した課題が顕在化しております。
 各地では、自治体やNPOの方々などが対応に奮闘されていますが、事例ごとにオーダーメードで対応することが必要で、行政の複数の分野にまたがる事例であることから、現場で対応に苦慮している様子もお聞きいたしております。
 今回の法改正では、こうした地域住民の支援ニーズに対応するため、既存の相談支援等の取組を生かしつつ、相談支援、参加支援、地域づくり支援に向けた支援を実施する事業を創設し、市町村の包括的な支援体制を構築することを目指すとしています。
 そこで、相談支援、参加支援、地域づくり支援を一体的に取り組む必要性について、さらに、この改正が実現すれば住民にとってこれまでと何が変わることになるのでしょうか、加藤厚生労働大臣にお伺いいたします。
 社会福祉法人については、今後、経営基盤を強化しつつ、複雑化、多様化する住民のさまざまな地域生活課題に対応するため、法人の自主的な判断のもと、法人同士で連携、協働化しやすい環境整備を図っていくことが求められます。
 今回、新たに社会福祉連携推進法人制度を創設する趣旨、目的について、加藤厚生労働大臣にお尋ねいたします。
 介護保険制度は、創設から二十年が経過し、高齢者の生活の支えとして定着、発展してきました。
 そのような中で、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、介護サービスにも大きな影響が出ており、介護従事者の皆さんも大変な御苦労をされながら業務を続けられています。今回改めて明らかになったのは、介護サービスが高齢者やその家族の生活に欠かせない重要な生活インフラだということであります。
 新型コロナウイルス感染症への対応としては、感染防止対策を強化しつつ、サービス継続を支援することが最も重要です。
 その上で、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年、さらには団塊ジュニア世代が六十五歳以上となる二〇四〇年も見据えながら、介護が必要になっても住みなれた地域で暮らし続けられるよう、介護サービス基盤を整備していくことが必要です。
 現在感染が広がっている新型コロナウイルス感染症の中で、介護施設等を支援していくことへの決意と、二〇二五年、さらにはその先の二〇四〇年を見据え、高齢者が安心して暮らせる介護サービス基盤をどのように構築していくお考えなのか、安倍総理にお伺いいたします。
 また、特に都市部では、介護需要が急激にふえる一方、住民のライフスタイルに応じた多様な介護サービスの展開が求められています。このため、特別養護老人ホームなどの整備とあわせ、有料老人ホーム、サービスつき高齢者向け住宅など、多様な民間サービスも活用していくことが重要ではないかと考えます。
 都市部の介護を必要とする高齢者を支えていく観点から、どのように機動的に介護基盤を整備していくのか、その中で民間サービスの活用をどのように進めていくお考えなのか、加藤厚生労働大臣にお伺いいたします。
 以上、少子高齢化、人口減少が進む中でさまざまな不安、悩みを抱える国民の皆様にしっかりと安心していただけるような答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

#18
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 長尾敬議員にお答えをいたします。
 介護サービス基盤の構築についてお尋ねがありました。
 このような緊急事態の中にあっても、介護の現場では、多くの職員の皆さんが、感染予防に細心の注意を払いながら、介護サービスを必要とされる方のために業務を続けてくださっていると承知しております。国としても、引き続き、現場の状況も踏まえながら、機動的に必要な支援を行ってまいります。
 また、我が国においては、二〇四〇年に向けて、都市部を中心として介護ニーズがふえ続ける自治体もあれば、人口が減少する自治体もあり、今後の介護サービスの基盤整備に当たっては、このような地域ごとの人口動態の変化を踏まえ、介護サービスの需要に応じて過不足なきよう進める必要があると考えております。
 このため、改正法案では、市町村における介護保険事業計画の作成に当たり、新たに人口構造の変化の見通しについても勘案することとしており、今後は、各自治体において、二〇二五年や二〇四〇年といった中長期的視点も踏まえて、介護サービスの計画を立て、必要な整備を進めてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣加藤勝信君登壇〕

#19
○国務大臣(加藤勝信君) 長尾敬議員より三問の御質問をいただきました。
 相談支援、参加支援、地域づくり支援に一体的に取り組む新たな事業の意義についてお尋ねがありました。
 近年、個人や世帯の抱える課題が複雑化、複合化する中、地域住民の多様なニーズに柔軟に応える包括的な支援体制の整備を後押しすることが必要と考えております。
 このため、本法案では、市町村が相談支援、参加支援、地域づくりへの支援を一体的に実施する新たな事業の創設などを盛り込んでおります。これらの三つの支援の一体的な実施を通じ、相談支援で明らかとなった課題に応じた多様な社会参加のメニューが整備されること、地域において新たな居場所や社会資源が開拓されること、人と人とのつながりが強化され、地域住民の気づきが生まれやすくなり、周囲の人が課題を抱える本人に声がけをすることなどを通じ、相談支援へ早期につながりやすくなることといった相乗効果が見込まれます。そのために、三つの支援を一体的に行う必要があると考えております。
 また、今回の法改正により、本人だけではなく世帯全体の複合的な課題が包括的に受けとめられ、地域での必要な支援につながるとともに、地域の支え合いが強化され、住民が安心して暮らせる地域社会が生み出されることが期待をされます。
 社会福祉連携推進法人制度の創設の趣旨、目的についてお尋ねがありました。
 人口動態の変化や福祉ニーズの複雑化、複合化に対応していくためには、福祉分野での専門性を有する社会福祉法人が、それぞれの強みを生かしながら、連携、協働するとともに、経営基盤の強化を図り得るようにしていくことが必要と考えております。
 このため、合併、事業譲渡などの既存の手法に加え、社会福祉法人間の新たな連携方策として、社会福祉事業に取り組む社会福祉法人やNPO法人等の業務連携を推進する社会福祉連携推進法人制度を創設することといたしました。
 本制度は、地域共生社会の実現、さらには、災害対応に係る連携体制の整備、福祉人材の確保などへの対応の選択肢の一つになるものと考えております。
 今後の介護基盤整備に当たっての民間サービスの活用についてのお尋ねがありました。
 介護サービス基盤の整備については、介護離職ゼロの実現に向け、二〇二〇年代初頭までに約五十万人分の介護の受皿整備を行うこととしております。整備に当たっては、地域ごとに、今後の高齢者人口や介護ニーズを中長期的にも見据えながら、計画的に進める必要があります。
 特に都市部においては、介護ニーズが増大するとともに多様化をしており、民間サービスを活用しつつ介護基盤の整備を図ることが喫緊の課題となっております。その中でも、介護つきホーム、特定施設入居者生活介護型の有料老人ホームは、重度者の受皿としての役割を果たすとともに、みとりを行うなど、その機能を果たしていることから、今年度より、新たに、地域医療介護総合確保基金を活用して、介護つきホームの整備への支援を行うこととしたところであります。
 こうした取組を通じて、都市部の介護サービス基盤整備を後押ししてまいります。
 また、御指摘のとおり、介護つきホームなどの有料老人ホームやサービスつき高齢者向け住宅といった高齢者向け住まいが、都市部を中心に多様な介護ニーズの受皿の一つとなっております。このため、地方自治体が作成する介護保険事業計画において、これらの設置状況なども踏まえた上で、特別養護老人ホーム等の各種介護サービスの必要な整備が盛り込まれるよう、今般の法案において見直しを行うこととしております。
 こうしたことを含め、今後とも介護サービスの基盤整備を適切に進めてまいります。(拍手)
    ―――――――――――――

#20
○議長(大島理森君) 中島克仁君。
    〔中島克仁君登壇〕

#21
○中島克仁君 共同会派、立国社の中島克仁です。
 ただいま議題となりました、政府提出、地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案及び野党提出、介護・障害三法案について、会派を代表して質問をいたします。(拍手)
 新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、治療、療養されている方々、御家族に心よりお見舞い申し上げます。また、医療従事者、介護、障害福祉従事者始め、社会活動維持のため御尽力されている全ての皆様に、心より感謝と敬意を表します。
 国内で初めて新型コロナウイルス陽性者が確認をされてから四カ月がたちます。この間、医療現場への感染防護品の調達不足、PCR検査体制の不備、健康観察するホテル等の確保、位置づけ、給付金、受診の目安の変更などの迷走は、数え上げれば切りがありません。
 政府の対応は全てが後手後手、現状追認、地方、現場丸投げであり、政府の危機意識の欠如は明らかで、政府の不作為が国民の不安の増長、緊急事態宣言の発令、延長となっている本質的な原因です。象徴的なのが、PCR検査体制の不備、曖昧な受診目安の設定です。PCR検査の少なさは日本の恥だ、山梨大学島田学長は明確に指摘しています。
 当初より、政府の感染対策は、重篤者、死亡者をふやさないこと、感染のピークをおくらせ、その間に体制を整備することでありました。しかし、ピークをおくらせた間に、感染の実態把握をするための検査体制の見直し、人員拡充を含めた環境整備、保健所機能の分担化や医療体制を整備するべきところ、着手がおくれ、手をこまねいたことが、検査件数をふやせず、いまだ感染の実態が把握できていない要因です。
 総理は、四日の会見で、PCR検査を本気で取り組んでこなかったのではとの記者からの質問に、本気で取り組んでいたと反論しておりましたが、本気でやっていたのに検査数がふえず、感染実態が正確に把握できていないことが問題なのです。
 総理の言う、検査数をふやすことに全力を尽くすとは、従来どおりのPCR検査能力を高めることのみならず、実態把握、早期発見、対応、また医療崩壊を防ぐため、PCR迅速器、抗原・抗体キットの導入、さらに、検査適応を見直し、人員拡充など予算の確保も含め、総合的に検査体制を見直し、検査数そのものをふやして的確な対策をとるという意味で間違いないか、お尋ねをいたします。
 加藤大臣は、受診の目安の変更について、目安ということが、相談とか、あるいは受診の一つの基準のようにとられたならば、我々から見れば誤解であります、受診の目安は検査の目安ではないなどと発言されております。
 早い段階から医療崩壊を防ぐため健康観察できるホテルなどの確保を進められず、検査体制のさまざまな課題を見直せなかった政府の不作為を現場、国民に転嫁するのは余りにも無責任です。政府が示した受診の目安が検査の目安となっていたことは事実であり、言いわけをする前に、検査を受けられず失われた命があったことを対策本部長である安倍総理は真摯に受けとめるべきです。
 総理も加藤大臣と同様に、国民、現場の誤解であり、受診の目安は検査の目安ではなかったと考えているのか。失った命、命が脅かされた現実を真摯に受けとめ、謝罪するべきではないかと考えますが、総理にお尋ねをいたします。
 多くの国民が目に見えないウイルスを相手に強いストレスを感じながら日々生活を送っている中、緊急事態が延長されました。
 改めて、なぜ緊急事態を延長しなければならなかったのか、これまでの対策で何が成功して、何が失敗だったのか、第二、第三波が懸念される状況で、今後の取組上、大変重要ですので、明確にお示しください。
 現在進行形の感染症災害において、対策は、危機管理上、広く大きくとるのが原則です。総理は、山中伸弥教授との対談で、今後の対策は先手対応をと求められておりましたが、総理は、感染症災害として、これまで先手で大きく広く対策をとってこられたと考えておられるのか。先手を打って対策したという事実を具体的にお示しください。
 東京商工リサーチの調査で、新型コロナウイルス関連の経営破綻が四月に急増したことが明らかになっております。緊急事態の延長で休業が長期化する事業所は、一層窮地に追い込まれております。
 政府は、早急に追加支援を講ずるべきです。まずは、持続化給付金の拡充、雇用調整助成金の上限を今すぐにでも一万五千円に引き上げるべきだと考えますが、総理の見解を求めます。
 学生団体の調査によれば、学費が払えないことを理由に大学、専門学校生の約二割が退学を検討しているとされております。昨日、野党で学生支援法案を国会に提出いたしましたが、学生の実態は日々深刻さを増しております。
 授業料を半減させ、持続化給付金をアルバイト減収の学生にも適用する、あるいは、その他の方法により、約百万人に対し上限二十万円の給付を行うべきと考えますが、総理の見解を求めます。
 また、一人親世帯の多くは、平時でさえ苦しい生活状況にある中、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、収入の減少に加え、学校の休業で食費、光熱費などの支出が増加しており、より厳しい生活を強いられております。
 我々は、一人親家庭にも児童扶養手当と同額の特別給付金を支給し、事実上、児童扶養手当を倍増する子供支援法案を今週金曜日、十五日に提出いたしますが、低所得の一人親家庭の支援のため、児童扶養手当の大幅拡充あるいは特別給付金を支給するべきと考えますが、総理の見解を求めます。
 収束に向けては、治療薬の存在が不可欠です。
 特例承認されたレムデシビル、総理が今月中にも薬事承認すると明言しているアビガン、有用だと思う一方で、副作用の懸念があります。
 私の母校、山梨県立韮崎高校の尊敬する大先輩であり、ノーベル生理・医学賞を受賞された大村智博士は、今回の新型コロナウイルス感染症について、感染実態を正確に把握し、安全性を第一に、より信頼できる薬を患者さんに届けるため、迅速かつ正確な評価が必要だと私に話をしてくれました。
 四十年前に大村博士により開発されたイベルメクチンは、新型コロナウイルスの治療薬として治験の申請予定でありますが、全世界、各世代に長年使用されてきた実績があり、安全性にもすぐれています。国内で効果が実証されれば、最も使用しやすい治療薬となるはずです。
 新型コロナウイルスの治療薬は、決め打ちをせず、各世代、性別、病状など、個別性に応じてより安心できる薬を選択できるように、安全性を第一に、全ての候補薬を同じスタートラインで、迅速かつ正確な評価がなされるよう、政府として幅広く支援することが必要と考えますが、総理の見解を求めます。
 新型コロナウイルス感染拡大により、感染防護品、医薬品原料の海外依存、ICUや専門医の不足、地域医療の脆弱性など、さまざまな課題が浮き彫りとなっております。
 感染症は、国家安全保障戦略の中で課題の一つとして触れられているものの、今回の検査体制の不備、感染防護品の不足などの迷走と混迷、後手後手の経済対策は、新型感染症に対する政府の甘い認識にほかなりません。
 今後も、未知のウイルスが脅威となる可能性やバイオテロも懸念され、医療を安全保障の観点で見直す必要性があると考えます。感染症病床評価を加えた地域医療構想の見直し、プライマリーケア、予防医療を重視する、かかりつけ医の制度化、日本版家庭医制度の創設などは、すぐにでも取り組むべき課題です。
 全ての国民が家庭医に登録していれば、政府の曖昧な受診の目安に翻弄されることなく、適切に相談、受診、検査へとつなげられたはずです。医療体制、医療制度を安全保障の観点で見直し、医療における危機管理の仕組みをつくるべきと考えますが、総理の見解を求めます。
 政府提出の社会福祉法等改正案は地域共生社会の実現を図ることが目的となっておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響で、平時より脆弱な介護、障害福祉基盤が崩壊の危機にあります。地域共生社会の実現以前に、目の前の危機的状況に対応していくことが最も優先されます。
 野党からは、介護、障害福祉現場におけるさまざまな課題を解決するための、介護・障害福祉従事者処遇改善法案、食事加算等存続法案、重度訪問介護就労支援法案の三法案が提出をされております。この三法案は、介護、障害福祉現場の深刻な実態に応えるものであり、また現場で懸命に働く方々、障害当事者、支援団体からすくい上げた声を形にしたものと承知をしております。
 三法案についてもそれぞれお尋ねいたしますが、まず、食事加算、送迎加算は、対象や支給額を削減せず、維持するべきではないかと考えますが、総理、法案提出者の見解を求めます。また、就労支援のために重度訪問介護の制度を通勤や職場でも利用できるようにするべきだと考えますが、総理、法案提出者に見解を求めます。
 新型コロナウイルス感染拡大を受けて、介護、福祉、施設内感染が多発しております。米国では介護施設で少なくとも一万一千人以上が亡くなったと報告されるなど、諸外国では介護施設での高齢者の死亡割合は非常に高いことが報告されております。
 我が国において、新型コロナウイルス感染症死亡者のうち介護施設でお亡くなりになった方はどのくらいの割合なのか、介護施設で感染が確認され、その後病院でお亡くなりになった方も含めてお尋ねいたします。加えて、介護、障害福祉施設の感染対策は万全と考えているのか、総理の見解を求めます。
 医療、介護の前線で働く方々は、新型コロナウイルスに暴露される危険にさらされている以上に、特に介護、障害福祉現場においては、基礎疾患を持つ高齢者、障害者との密接が避けられず、自分自身が感染源となり、重篤化、死亡リスクの高い利用者に感染させてしまうのではないかという恐怖の中、綱渡りとも言える状況で仕事に従事をしています。ただでさえ慢性的に人材不足の介護、障害福祉現場において、限界が来ています。
 新型コロナウイルス感染症により、苦境に陥る介護、障害福祉現場では、人材確保は更に厳しさを増しています。一刻も早く処遇改善を行うことが必要と考えますが、総理、法案提出者の見解を求めます。
 また、感染対策、利用者減少により経営が逼迫する事業者の実情に即した、特別支援金の支給、介護、障害福祉報酬の十分な手当てなど具体的な支援を行う必要があると考えますが、総理の見解を求めます。
 厚生労働省は、先月中旬、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で全国八百五十八の介護事業所が休業と公表しました。緊急事態宣言が全国に拡大、また、更に延長という状況から、休業している施設は更に増加していると考えられます。
 休業している介護事業所は現在どのくらいとなるのか、影響を受けている利用者の数も含めてお示しいただくとともに、休業する事業所がふえ、介護サービスが利用できなくなることにより、高齢者の認知症の悪化、介護の重度化が想定されることにどのように対応されるつもりなのか、総理の見解を求めます。
 介護、障害福祉の基盤が崩壊すれば、再構築するのに莫大なコストと時間がかかります。介護、福祉の現場の危機的状況に耳を傾け、介護、福祉崩壊を防ぐことが重要と改めて強く指摘をさせていただきます。
 最後に、検察庁法改正案についてお尋ねいたします。
 現在、内閣委員会では、検察官の定年引上げを含む国家公務員法等改正案が審議されておりますが、国民が強い疑念を抱いている中、ましてや新型コロナウイルス感染症で国民が不自由な生活を強いられている中で、強行的に審議を進めるということは絶対あってはならないことであります。
 総理にお尋ねをいたしますが、今回の法改正の動機として、これまでのモリ、カケ、桜など、みずからの疑惑を検察に追及されたくないという気持ちがあるのではないですか。
 総理には、今回の法案から検察官の定年延長及び役職定年の特例を削除するよう強く求めます。
 総理の見解をお尋ねして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

#22
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中島議員にお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症対策に関するこれまでの取組についてお尋ねがありました。
 PCR検査については、医師が必要と判断した方が確実に検査を受けられるようにすることが重要と考えており、機器の整備等により、検査能力の一日二万件への増強を行うこととしています。
 検査の実施件数については、特に東京などの大都市圏において、検査、採取を行う人員や拠点も限られる中、更に効率的に実施することが必要であると考えており、PCR検査センターを設置し、地域の医師会等へ委託する形で運営することや、歯科医師にも検体採取に御協力をいただくことなどの取組を推進することにより、検査拠点の確保を図っていくこととしています。
 政府としては、こうした取組を財政面で支援するため、緊急包括支援交付金を新たに創設し、さらに、地域のPCR検査センターの運営等に要する費用等についても別途補助対象としているところです。
 これらに加えて、現行のインフルエンザ検査と同様な形で迅速な結果判定が可能な抗原検査も有用であると考えており、あすにも薬事承認の予定です。このほか、抗体検査キットの性能評価及び疫学調査についても速やかに実施してまいります。
 御指摘の相談、受診の目安については、PCR検査を実施する基準ではなく、帰国者・接触者相談センター等に御相談いただく際の目安です。そうしたことについての国民の皆様への周知が足りなかったことについては真摯に反省し、今般、専門家の御意見もお伺いした上で、国民の皆様にとってよりわかりやすいようなものとするよう見直しを行うこととしたものです。国民の皆様に御理解いただけるよう、しっかりと周知を図ってまいります。
 これまでの対策についてお尋ねがありました。
 本年一月に、中国経由の第一波がありましたが、WHOの公衆衛生上の緊急事態が宣言された直後、我が国は、世界に先駆けて中国湖北省からの入国制限に踏み切りました。さらに、二月末には、大規模イベントの自粛要請、学校一斉休校などのほか、徹底したクラスター対策によって、先日、国立感染症研究所が発表したゲノム分析によれば、中国経由の第一波の流行は抑え込むことができたと推測されているところです。
 入国制限も、学校一斉休校も、大規模イベントの自粛も、本邦初の取組であり、国民の皆様には御迷惑もおかけをし、また、一部に拙速だとの御批判もいただきましたが、早目の大きな対応が成果につながったと認識しております。
 他方、三月に入ってから、感染の第二波があり、三連休の緩みも加わって、感染が全国的な広がりを見せることになりました。しかしながら、緊急事態宣言によって強い外出自粛をお願いした結果、実効再生産数が一を下回り、収束への道を着実に進んでいると考えております。
 このように、国民の皆様の大変な御協力により着実に成果があらわれている一方で、新規感染者数の減少がまだ十分な水準に達しておらず、また、医療現場では過酷な状況が続いています。こうした状況などを踏まえ、緊急事態宣言を、全国を対象として五月三十一日まで延長することとしたものです。
 これまでの国民の皆様、医療従事者や保健所の職員等の関係者の方々の努力により、これまでの取組は間違いなく成果を上げています。緊急事態のその先にある出口に向かって、国民の皆様とともに一歩一歩前進してまいります。
 各種の支援策についてお尋ねがありました。
 厳しい状況の中にあっても歯を食いしばって頑張っておられる事業者の皆さんに、何としても、事業を継続していただくため、さまざまな支援策をスピード感を持ってお届けすることが重要であると考えます。
 そのため、最大二百万円の持続化給付金について、補正予算成立の翌日、五月一日から受け付けを開始し、一週間後の五月八日から入金をスタートしたところです。まずは、この使い道が自由な現金を一日も早くお手元にお届けできるよう全力を尽くす考えです。
 雇用調整助成金についても、これまで特例措置の拡充を図ってまいりました。これに加え、御指摘の上限額の見直しについても、与党における議論を踏まえ、また、野党の御意見も伺いながら、政府として早急に具体化してまいります。
 一人親家庭を含む子育て世帯に対しては、緊急小口資金等の特例貸付制度を実施するほか、緊急経済対策で、一人当たり十万円の特別定額給付金や子供一人当たり一万円の一時金により、支援を行っていく考えです。
 その上で、今回の感染症の影響によって子供たちの学びの機会が奪われるような事態は決してあってはなりません。このため、生活に窮した学生に対しては、先月スタートした高等教育の無償化の枠組みの中で、入学金や授業料のみならず、家賃支出なども加味した学生生活の費用をカバーするために返済不要の十分な給付型奨学金を支給するとともに、感染拡大などの影響を受けて家計が急変した場合は、それを反映した所得を見込んで支援の対象とすることとしています。
 さらなる支援についても速やかに実施し、意欲ある全ての子供たちが家庭の経済事情にかかわらずしっかりと学びを続けることができるよう、全力で取り組んでまいります。
 新型コロナウイルス感染症の治療薬についてお尋ねがありました。
 治療薬、ワクチンの研究開発については、日本じゅう、世界じゅうの企業、研究者の英知を結集して研究開発を進めているところであり、一日でも早く国民の皆様の不安を解消できるよう、政府としても、さまざまな候補薬について、決め打ちをすることなく開発支援を行っているところです。
 御指摘のレムデシビル、アビガン、イベルメクチンに加え、例えば我が国で開発されたオルベスコ、フサンなどを含め、幅広い選択肢の中で、有効性と安全性が確認された治療薬を一日でも早く国民の皆様にお届けできるよう、研究開発を力強く後押ししてまいります。
 危機管理の観点から、医療体制の整備についてお尋ねがありました。
 感染症に係る医療管理体制を強化していくことは重要な視点であり、これまでも感染症指定医療機関の整備や感染症専門医の養成等を進めてきたところですが、今般の感染拡大を踏まえ、危機管理への対応力を一層高めていきたいと考えております。
 今後の感染拡大や新たな感染症発生への備えの観点からは、マスク等の医療防護具や医薬品、医療機器など国民の健康にかかわる重要な物資の生産、そしてそのサプライチェーンはしっかりと国内で確保することが重要であり、引き続き、産業界と連携して、国内生産体制や備蓄の増強等に全力を挙げていくこととしています。
 また、我が国のICU等の状況は、適切な国際比較によれば、欧州の主要国を上回る整備水準となっておりますが、引き続き、感染拡大に備えた治療体制を整備してまいります。
 地域医療構想の取組においても、感染症対策も含め、地域において必要とされる医療提供体制の議論を深めていただきたいと考えております。
 さらに、感染症に適切に対応するためにも、日常診療を通じて患者の基礎疾患等を把握し、発熱時の相談対応や適切な医療機関への紹介を行うかかりつけ医を持つことは重要であり、引き続きその育成を推進してまいります。
 引き続き、感染の収束に向けて全力で取り組み、危機管理の観点から、医療体制の構築に向けてもしっかりと対応していきます。
 障害福祉に関するお尋ねがありました。
 地域共生社会の実現のためには、障害福祉現場やサービスを利用する障害者のニーズを踏まえた対応を行っていくことが重要であると考えております。
 このため、食事提供体制加算や送迎加算については、昨年度実施した実態調査の結果や関係団体へのヒアリングなどを踏まえ、今後、丁寧に議論してまいります。
 また、重度障害者を含む障害者の就労支援については、これまでも福祉施策と労働施策が連携して対応してきたものの、特に、通勤や職場等における支援については制度の谷間となっており、働く機会を得られないとの指摘もありました。
 そこで、令和二年度においては、意欲的な企業や自治体を支援するため、障害者雇用助成金の拡充を図るとともに、自治体における地域生活支援事業を活用する新たな取組を事業化したところです。
 政府としては、こうした新たな取組が円滑に実施されるよう努めるとともに、その利活用の状況等を踏まえ、必要な対応について検討してまいります。
 介護、障害福祉現場における感染拡大の状況と対策についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症で介護施設やそこから病院への搬送後に亡くなられた方については、クラスター等の監視を通じて把握を行っているところでありますが、現状においては自治体からの報告体制に限界があり、その総数や割合等について現在明確に述べることは困難です。
 介護や障害福祉の施設においては、感染拡大防止を徹底する観点から、手洗い、消毒などの予防に加え、感染が疑われる入所者が発生した場合の対応などについて具体的な取組方針を示すとともに、マスク等の物資についても支援を行っているところです。
 また、職員の処遇改善については、これまでの累次の処遇改善に加え、昨年十月にも月額最大八万円のさらなる処遇改善を行ったところであり、この定着に努めてまいります。
 さらに、介護報酬等の特例的な弾力化措置を講じるとともに、感染者が発生した介護施設等が感染予防を図りながらサービス提供を継続するため、介護職員の確保に関する費用などのかかり増し経費については全額公費で助成を行うこととしています。この支援策を最大限活用いただけるよう、自治体や事業者にしっかりと周知してまいります。
 新型コロナウイルス感染症の影響により休業している通所、短期入所系の介護事業所は、緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大した後の四月二十日の調査で八百五十八カ所、全事業所の約一%であり、多くの事業所でサービス提供を継続いただいているものと承知しています。他方で、休業している事業者を利用されている方に対しては、ケアマネジャー等により、必要な代替サービスの確保が行われるよう周知等を徹底しているところです。
 引き続き、現場の状況も踏まえながら、機動的に必要な支援を講じてまいります。
 検察官の定年引上げを含む国家公務員法等改正案についてお尋ねがありました。
 まず、大前提として、検察官も一般職の国家公務員であり、検察庁法を所管する法務省において、一般法たる国家公務員法の勤務延長に関する規定が検察官にも適用されると解釈することとしたところです。
 その上で、今般の国家公務員法等の改正法案の趣旨、目的は高齢期の職員の豊富な知識、経験等を最大限に活用する点などにあるところ、検察庁法の改正部分の趣旨、目的もこれと同じであり、一つの法案として束ねた上で御審議いただくことが適切であると承知しております。
 今般の法改正においては、検察官の勤務延長に当たって、その要件となる事由を事前に明確化することとしており、みずからの疑惑隠しのために改正を行おうとしているといった御指摘は全く当たりません。
 なお、法案審議のスケジュール等については国会でお決めいただくことであり、政府としてコメントすることは差し控えたいと思います。(拍手)
    〔岡本充功君登壇〕

#23
○岡本充功君 介護、障害福祉従事者の一刻も早い処遇改善の必要性についてお尋ねがありました。
 介護、障害福祉従事者の皆様方の処遇は大変厳しいものがあります。
 介護職員の皆様方に関しましては、二〇〇九年十月から二〇一二年三月まで、一人一月一万五千円の処遇改善交付金という形で明確に処遇改善がなされ、そして平成二十四年の介護報酬改定で処遇改善加算として実施をされるなど、政策が推進されてまいりました。
 安倍政権になってからも、特定処遇改善のための加算が本年四月からなされたと承知はしておりますけれども、政権が掲げる生産性向上という観点からは、介護職員そして障害福祉従事者の皆さん方の生産性向上というのはなかなか難しいものがあり、これになじむものとは考えておりません。
 そういった中で、その賃金は大変今でも低い現状が続いています。こうした状況を改善していく必要があるというのは、議員皆様方も御承知いただけると思います。
 さらには、今般の新型コロナウイルス感染症への対応が大変現場を厳しいものとしております。感染予防に細心の注意を払いながら、そして、さまざまな物品を更に購入しなければならないなど、経済的にも、そして精神的にも多大な負担がかかっている介護現場であります。
 こうした現場の皆様方の声をしっかり受けとめて、今回の法案を提出させていただきました。
 そこで、介護、障害福祉従事者の職業生活の安定と離職の防止を図る観点から、現場の介護職員とそれを支援する管理部門の全ての職員の賃金の引上げについて、早急な対応が必要であると考えております。
 私たちが提出をいたしました介護・障害福祉従事者人材確保法案は、介護、障害福祉従事者の賃金の引上げの措置を講ずる事業者に対して、全額国費負担の介護・障害福祉従事者等処遇改善助成金を支給するものとしております。
 なお、この助成金は、早急な対応を必要とすることから、本法施行後、一カ月で施行日を求め、そして支給をすることとしております。
 これにより、介護、障害福祉現場にすぐれた人材が集まり、そして、その労苦を報いることができるだけでなく、介護サービス基盤の整備の上でも必要な政策と考えており、皆様方に御提案をさせていただきました。(拍手)
    〔池田真紀君登壇〕

#24
○池田真紀君 食事提供体制加算等の質問についてお答えいたします。
 二〇一七年のきょうされんが行った調査では、今でも少ない収入なのに、食事加算廃止によって毎月六千円も負担がふえるなら、通えなくなるという声や、加藤厚労大臣と面談した方々は、障害のある娘が福祉事業所で働いて二十五年、月五千円の給料で、現在の給食費はほぼ給料と同じ、食事加算廃止によって毎月六千円自己負担はつらいとか、工賃は月六千円なのに給食費は月七千円、今でも親子ともに年金暮らしの身にはつらいなどの声が上がり、大反対となりました。
 今でも利用者の所得水準が改善されない中で、これらの加算が廃止されたら、食事がとれなくなる方が七割以上、食事を食べなくなる方が五割以上という調査結果も現在あります。
 送迎加算も引下げによって送迎サービスが縮小、廃止されることとなれば、そもそも通所の手段を失い、通所は困難となることが懸念されます。
 それにもかかわらず、厚生労働省は、次期報酬改定に向けて、食事提供加算等の廃止、送迎加算の減額の方針を打ち出すことが確実視されています。また自己負担にしようとしているのか、三年前の悪夢がよみがえったと、今、当事者や御家族は、新型コロナウイルスの影響の不安、その上に安倍政権によるこの制度の改悪というダブルパンチで、恐怖におびえています。
 先ほどの安倍総理の御答弁、現場の現状やニーズを踏まえて丁寧に議論をするというものの、必要であるサービスであるとはおっしゃいませんでした。当事者や御家族、事業者はますます不安になったんじゃないでしょうか。加算の廃止、削減はしないと約束をしていただけなかった答弁に、本当に残念でなりません。
 本法律では、それぞれの加算について、障害者が障害福祉サービスを受ける機会を確保する必要性に鑑み、当分の間、障害者に不利な内容となる算定基準を定めることのないよう、法律上、規定を設けることとしております。
 続いて、重度訪問介護の支援拡大についてお答えいたします。
 こちらについても、制度のはざまというものの、企業や事業所についてこれから支援をするという安倍総理大臣の答弁は不十分でございました。私も、非常にショックであります。
 現行法においては、告示五百二十三号通知が就労の壁になっています。通知には、「外出(通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出を除く。」とあり、この通知自体の撤廃を求める声は今も引き続き多くあります。
 本来、個別給付の支援の内容である排せつや食事の介助は、仕事をするか否かにかかわらず必要な日常生活の介助であり、就労中にこうした支援を受けるとしても、あくまで日常生活の延長線上にある支援と言えるため、個人の経済活動を公費で支援することにはならないと考えられます。
 また、勤労は全ての国民に保障されている権利であり、常時介護を必要とする重度の障害者であっても働くことのできる社会の実現を図るためには、支援の拡充によって就労の壁を取り除いていくことが必要であると考えています。
 また、他の障害福祉サービスにおいても、職場での介助や通勤における移動中の介助、障害児の通学に対する支援のあり方などは、本法案の検討事項といたしました。
 安倍総理は、第二百回臨時国会の所信表明演説で、障害や難病のある方々が個性を発揮し、生き生きと活躍できる時代をつくり上げると訴えました。安倍総理は自民党総裁でもあるわけですから、まさか自民党が採決に応じないとか三法案に反対するとか、あり得ないと思います。まさに三法案が成立できれば、歴史的な一歩になると思います。
 誰もが地域で当たり前に暮らし、当たり前に学び、当たり前に働くことのできる共生社会の第一歩として、介護・障害福祉従事者処遇改善法案、食事加算等存続法案、重度訪問介護等就労支援法案の成立をお願いするものであります。(拍手)
    ―――――――――――――

#25
○議長(大島理森君) 宮本徹君。
    〔宮本徹君登壇〕

#26
○宮本徹君 日本共産党の宮本徹です。(拍手)
 冒頭、二点お伺いいたします。
 総理、検察庁法改正案への抗議がなぜ大きく広がっているとお考えですか。時の権力をそんたくする検察にしては絶対ならないからです。民主主義の根幹を揺るがす大問題だからであります。
 法改正で恣意的な人事は行われないと言いますが、これまでの法解釈を変えて恣意的な検察人事を行ったのは総理御自身ではありませんか。
 審議の強行、あすの採決強行など、到底許すわけにはまいりません。検察庁法改正案は撤回すべきであります。
 総理の最初の自粛要請から二カ月半。補償がおくれる中、国民からは悲痛な声が上がっております。支援から抜け落ちる人をつくっては絶対になりません。
 十二月途中に開業したカレー屋さん、売上げが激減し、テークアウトも頑張っていますが、給付金の対象外です。新規事業者、開業者も支援の対象にすべきであります。
 家賃が数百万円のミニシアターなども、文化芸術支援として大胆に支援する必要があります。
 必要な事業者に必要な規模で支援することを約束していただきたいと思います。
 多くの一人親家庭は深刻な状況です。児童扶養手当は倍増すべきであります。収入を失い、困窮した人に、十万円一度の給付では全く足りません。
 生活保護も、日弁連会長声明のように、資産要件を抜本的に緩和するコロナ特例を設けるべきではありませんか。
 また、労働基準法違反の無給休業は厳しく是正すべきであります。
 雇用を守るために、雇用調整助成金は、上限を二倍に引き上げると同時に、事後審査による前払いへと仕組みを抜本的に見直すべきであります。昨日、総理は、事後チェックの導入と答弁しましたが、それでどれだけ支給は早くなるのですか。
 緊急事態宣言の延長の大きな理由とされたのが、医療体制の逼迫です。収束まで感染拡大の波を繰り返します。少な過ぎるICUの整備、ECMOの整備と訓練など、重症患者を治療する体制を目標を持って拡充すべきであります。中等症の病床、軽症者の療養施設も、ゆとりを持って確保すべきです。早期発見、早期隔離のために、抗原検査、PCR検査体制の拡充が必要です。
 新型コロナ対策の中、減収が十億円を大きく超える病院も出ています。病院の減収の補償を急ぐべきです。
 感染リスクの中、家族を感染させないために、私生活を犠牲にしている医療関係者も少なくありません。新型コロナ対策に当たる医療従事者に危険手当を国の責任で出すべきではありませんか。ドイツでは、高齢者施設の介護職の皆さんに特別手当の支給を決めました。総理、利用者のために感染症と闘う介護、福祉職場の皆さんに、国の責任で特別手当を支給すべきであります。
 次に、社会福祉法等改定案及び野党提案について質問いたします。
 総理、コロナ禍の中で、この間、自助、共助を優先し、国の責任を回避してきたひずみ、介護、社会福祉の基盤の脆弱さが浮き彫りになっているのではありませんか。
 その最たるものが、介護、障害者福祉の人手不足です。とりわけ、通所介護を使えなくなった利用者の新たな訪問介護のヘルパー確保は困難をきわめています。確保のための緊急策を検討すべきです。マスク、手袋、消毒液、ガウン、非接触型体温計なども、国の責任で安定的に供給すべきであります。
 慢性的な人手不足のもと、特養ホームなどの施設介護では、ベッドはあいているのに入所者を受け入れられない事態もあります。ケアマネ不足も深刻です。人材確保のために、介護、障害者福祉のさらなる処遇改善は急務であります。
 政府は処遇改善加算を行ってきたと言いますが、さまざまな要件を課しているために、職員全体の賃上げにはつながっていません。国費の直接投入による介護、福祉職員全体の賃金引上げを図るべきではありませんか。
 安倍首相は、介護離職ゼロを掲げ、二〇二〇年代初頭までに、特別養護老人ホームの整備を進め、待機者をなくすと表明しました。二〇一九年度、特養ホームの待機者は約二十九万人。総理、必要な整備、介護離職ゼロはいつ達成できるのですか。
 法案にも入れられた有料老人ホームやサービスつき高齢者住宅は、平均でも月額二十二万八千円もします。国民年金の平均は五・五万円、女性の年金の平均は十・三万円。とても利用できるものではありません。国の責任で、待機者解消の計画を策定し、特養ホームの抜本的増設を行うべきではありませんか。
 人手不足の中、人材紹介会社の紹介料、派遣料がはね上がり、介護事業所の重い負担となっています。紹介料の上限規制を行うべきではありませんか。
 基盤整備や処遇改善を行えば、保険料、利用料にはね返るのが現在の仕組みです。既に保険料は全国平均で月五千五百円、二〇二五年には月八千百円に引き上がる見込みです。保険料、利用料の高騰を抑えながら制度の充実を図り、持続可能な制度にするため、介護保険の国庫負担割合を大幅にふやすべきではありませんか。
 最後に、来年度の介護報酬改定で補足給付の見直しが行われようとしており、利用者の不安を招いています。利用料の増大によって、介護を必要とする高齢者を制度からますます遠ざける見直しは、行うべきではありません。
 また、前回の障害者福祉の報酬改定では、食事提供加算の廃止が狙われ、当事者の声と超党派の取組で阻止をしました。食事提供加算、送迎加算の廃止、縮小は絶対してはならないと申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

#27
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 宮本議員にお答えいたします。
 検察庁法の改正案についてお尋ねがありました。
 検察官も一般職の国家公務員であり、検察庁法を所管する法務省において、一般法たる国家公務員法の勤務延長に関する規定が検察官にも適用されると解釈することとしたところです。
 その上で、黒川検事長については、検察庁の業務遂行上の必要性に基づき、検察庁を所管する法務大臣からの閣議請議により閣議決定され、引き続き勤務させることとしたものであり、私が恣意的な人事を行ったとの御指摘は全く当たりません。
 法案審議のスケジュール等については国会でお決めいただくことでありますが、今回の国家公務員法と検察庁法の改正については、高齢期の職員の豊富な知識、経験等を最大限に活用する等の同一の趣旨、目的が認められるところであり、一つの法案として束ねた上で御審議いただくことが適切であると承知しております。
 なお、インターネット上のさまざまな御意見に対して政府としてコメントすることは差し控えますが、今般の検察庁法改正案は検察官の独立性を害するものではなく、国民の皆様の御理解が深まるように、引き続き丁寧な説明に努めてまいります。
 事業者への支援についてお尋ねがありました。
 持続化給付金については、新規事業者についても、昨年創業した方については、前年同月との売上高の比較ができない場合も含め支援対象とするなど、柔軟な対応を行っています。
 その上で、創業間もない事業者に対しても、持続化補助金の特別枠の対象とすることで、テークアウトを実施するために必要な投資や販路開拓などを広く支援してまいります。
 持続化給付金の額については、固定費である地代、家賃などの平均六カ月分に相当する金額を参考に、その負担を軽減する観点から、中堅・中小企業には二百万円、フリーランスを含む個人事業者には百万円を上限に給付することとしたところです。
 多くの事業者の皆さんがあすの支払いにも御苦労をしておられる中で、最も重要なことはスピード感であると考えております。今回、補正予算成立の翌日、五月一日から受け付けを開始しましたが、一週間後の五月八日から入金をスタートしたところです。まずは、この使い道が自由な現金を一日も早くお手元にお届けできるよう、今後とも全力を尽くす考えであります。
 厳しい状況にある方々への支援についてお尋ねがありました。
 一人親家庭に対しては、八十万円までの、返済免除も可能な緊急小口資金等の特例貸付制度を実施するほか、緊急経済対策で、一人当たり十万円の特別定額給付金や子供一人当たり一万円の一時金により、支援を行ってまいります。
 生活保護制度については、資産、能力、その他あらゆるものを活用いただくという基本原理は維持しつつ、現下の状況を踏まえた運用の弾力化等により速やかな保護決定を促してまいります。
 労働基準法に違反するおそれのある休業手当の不払い事案を把握した場合には、労働基準監督署が監督指導を行い、休業手当の支払いの徹底を図っていきます。
 雇用調整助成金がより迅速に支給されるよう、事後チェックの導入も含め、厚生労働省において手続の簡略化を進めているところであり、支給まで従前二カ月を要していたものを最速二週間程度まで短縮することを目指しています。また、上限額の引上げについては、与野党での御議論も踏まえ、政府としてもしっかりと検討し、早急に具体化してまいります。
 あらゆる政策を総動員し、厳しい状況にある方々を徹底的に下支えし、雇用と生活を守り抜いてまいります。
 医療提供体制の確保等についてお尋ねがありました。
 重症者対策を中心として医療提供体制を強化していくため、既存の医療機関の病床を重症者の入院に重点化していくとともに、個人防護具等の整備など、都道府県が必要な医療提供体制を構築していくため、しっかりと支援を行っていきます。
 ICU等については、適切な国際比較によれば、欧州の主要国を上回る整備水準となっているところであり、ECMOについては、現在、新型コロナウイルス感染症の治療に全国で三十台程度が稼働しており、このほか九百台以上のあきがあります。加えて、専門人材の養成も実施しているところです。
 また、現在、約五千六百名の入院患者に対して、医療機関と調整の上、既に三万床を確保できる見込みであり、今後の感染者の変動にも対応できる体制を整備しています。加えて、軽症者等の受入れ可能な宿泊施設は、現在、九百室程度が使用されていますが、全国で約一万六千室が確保されております。
 PCR検査については、特に大都市部を中心に、検体採取を行う人員や拠点も限られる中で、更に効率的に実施することが必要であると考えており、PCR検査センターを設置し、地域の医師会等へ委託する形で運営することや、歯科医師にも検体採取に御協力をいただくことなどの取組を推進することにより、検査拠点の確保を図っていくこととしています。加えて、現行のインフルエンザ検査と同様な形で迅速な結果判定が可能な抗原検査も有用であると考えており、あすにも薬事承認の予定です。
 経営に影響が出ている医療機関への支援も重要です。
 今般の緊急経済対策において、無利子無担保を内容とする経営資金融資による支援を行い、経営が厳しい医療法人や個人診療所に対しては、今般の持続化給付金の対象とした上で、医療法人は二百万円、個人診療所は百万円を上限に現金給付を行うこととしているところですが、さらに、医療機関の資金繰り支援の観点から、各種支援策の実施状況を踏まえつつ、どのような対応ができるか検討してまいります。
 また、感染症の患者に直接向き合う医療従事者の皆様に危険手当として四千円相当が支給されることを念頭に、人員配置に応じた診療報酬の引上げなどを行っており、介護職員についても、危険手当の支給を含む職員の確保に関する費用などのかかり増し経費について全額公費で助成を行うこととしています。引き続き、こうした方々に対する手当の支給等について、必要な支援を検討してまいります。
 介護、障害者福祉の人手、物資確保と処遇改善についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症の影響により通所系の事業所が休業した場合は、ケアマネジャー等により、必要な代替サービスの確保が行われるよう周知等を徹底してまいります。
 また、事業者に対しては、一時的に人員の基準を満たすことができない場合にも報酬を減額しない等の特例を設けるとともに、休業要請を受けた事業所等が感染予防を図りながらサービス提供を継続するため、介護職員の確保に関する費用などのかかり増し経費について全額公費で助成を行うこととしています。
 さらに、マスク等の衛生用品については、布マスクの配布や消毒用エタノールの優先供給に加え、都道府県がガウン等を購入する際にはその費用を補助の対象とするなど、国として必要な支援をしっかりと行ってまいります。
 職員の処遇改善については、昨年十月から、介護報酬において満年度で公費一千億円、障害福祉サービス等報酬において満年度で公費四百五十億円を投じ、月額最大八万円のさらなる処遇改善を実施しており、この取得を促すことで確実な賃金改善につなげてまいります。
 引き続き、現場の状況も踏まえながら、機動的に必要な支援を講じてまいります。
 介護離職や介護施設の整備についてお尋ねがありました。
 介護離職ゼロという目標の達成に向けて、二〇二〇年代初頭までに、特別養護老人ホームを含めた五十万人分の介護の受皿の整備、介護職員の処遇改善を含む介護人材確保対策、仕事と介護の両立支援などを総合的に進めているところです。
 特別養護老人ホームを始めとする介護施設の整備は、三年ごとの介護保険事業計画に沿って各自治体が進めており、国としても施設整備や開設準備の費用に対する支援を行ってまいります。
 介護、障害者福祉の報酬改定等についてお尋ねがありました。
 紹介手数料の水準については、労働市場の需給の状況に応じて変動し、また、求人の内容に応じてさまざまであるため、一律に上限を設けることについては慎重な検討が必要であると考えています。
 その上で、民間の職業紹介事業者について、手数料等の情報開示を義務づけるとともに、法律や指針に適合する宣言を行った事業者のリストを公表するなど、利用者が安心して選択できるように環境整備を進めているところです。
 介護保険については、高齢化が進展する中で、必要なサービスが適切に提供されるとともに、保険料、公費、利用者負担の適切な組合せにより、制度の持続可能性を確保していくことが重要であり、低所得の高齢者の方々には、消費税財源を活用し、保険料軽減を実施しております。
 また、介護施設における食費や居住費への助成について、現行制度においては、年金収入の水準いかんによって助成額に大きな差異が生じる場合もあり、社会保障審議会において、こうした年金収入段階ごとの助成額の差をなだらかにする見直し案が検討されているものと承知しております。引き続き、厚生労働省において検討を進め、二〇二一年度からの次期介護保険計画期間が始まるまでの間に成案を得ることとしております。
 障害者サービスの食事提供体制加算や送迎加算については、昨年度実施した実態調査の結果や関係団体へのヒアリングを踏まえ、次期障害福祉サービス等報酬改定に向けて丁寧に議論を行ってまいります。(拍手)
    〔高橋千鶴子君登壇〕

#28
○高橋千鶴子君 宮本徹議員より、介護、障害者福祉のさらなる処遇改善の必要性についてお尋ねがありました。
 介護の社会化を目指して介護保険制度がつくられ、二十年がたちました。しかしながら、利用者がふえるにつれ、保険の範囲は縮小され、家族介護のための離職と介護従事者の離職が後を絶ちません。支え手の不足は一層深刻になっています。
 厚労省の二〇一七年調査で、働く人や家族介護を経験した人などに聞いたところ、介護についての相談先はケアマネジャーがトップでした。ところが、ケアマネジャーは現行の処遇改善の対象となっておらず、資格の維持のための研修など負担が大きいにもかかわらず処遇が改善されない、やめたいとの声も上がっています。
 このような現状を踏まえ、介護・障害福祉従事者人材確保法案では、ケアマネジャーを含め、現場の介護職員と管理部門の職員全体を対象に、平均一人当たり月額一万円賃金を上昇させることを想定した給付金の支給について規定をしております。
 さらに、介護現場におけるハラスメントの防止を念頭に、事業者に対し、適切な就業環境の維持についての努力義務を課すことにより、給与面以外での処遇改善についても規定をしております。
 次に、国費の直接投入による介護、福祉職員の賃金引上げの必要性についてお尋ねがありました。
 今、介護、福祉の現場では、要介護者や障害者など感染リスクの高い利用者さんをいかに守るか、必死で奮闘をされています。個々の利用者の特性に応じたきめ細かい対応が求められる専門職でありながら、その賃金は他の業種と比較して極めて低い水準にあります。
 こうした中、政府も処遇改善策を講じてきましたが、さまざまな要件が課されているために職員全体の賃上げにつながっていないことは、議員の御指摘のとおりです。
 そこで、介護、福祉職員の職業生活の安定と離職の防止を図る観点から、介護・障害福祉従事者人材確保法案では、現場の介護職員とそれを支援する管理部門の職員全体について、その賃金引上げの措置を講ずる事業者に対し、全額国費負担の介護・障害福祉従事者等処遇改善助成金を支給することといたしました。
 これにより、介護、福祉職員にすぐれた人材を確保し、要介護者、障害者等に対するサービスの水準の向上に資するものであります。(拍手)
    ―――――――――――――

#29
○議長(大島理森君) 藤田文武君。
    〔藤田文武君登壇〕

#30
○藤田文武君 日本維新の会・無所属の会の藤田文武です。
 ただいま議題となりました地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問いたします。(拍手)
 まず冒頭、新型コロナウイルスに対する政府の対応について質問いたします。
 緊急事態宣言が延長され、国民の生活不安は増大し、多くの事業者は存続の危機に瀕しています。
 我が党は、これまで一貫して社会の活力としての切磋琢磨やチャレンジを推奨し、時にはマーケットメカニズムの中で淘汰も認めるという政策思想で改革を提言し、実行してまいりました。しかし、これは平時の考え方であり、緊急事態下においては、生活者や事業者を徹底的に守らなければならないのは当然のことであります。
 マーケットメカニズムが停止し、半ば強制的に経済活動をストップさせられているにもかかわらず、明確な出口戦略や十分な追加支援策も明示されず、長期戦、持久戦になるとだけお願いされている。現在の政府の支援策では、量的にも質的にも、そしてスピード面でも明らかに不十分であります。企業の業績は軒並み悪化しており、既に倒産、失業、労働者の収入激減は顕在化しております。この状況は更に悪化の一途をたどると予想されております。よもや、現状に耐えられない企業は淘汰されてもよい、潰れてもよいとは考えてはいないでしょうか。
 仄聞するところによると、とあるネット番組で、ある自民党幹部が、これでもたない会社は潰すからと発言されたことが紹介されておりましたが、まさかそうした設計思想で支援策を考えてはいませんでしょうか。総理、お答え願います。
 また、政府の経済対策は常に後手後手であり、支援策の拡充、手続の簡素化、要件緩和などを小出しに実施することが利用者の混乱を招き、制度運用上の大きな問題になっております。
 例を挙げれば、雇用調整助成金は拡充や要件緩和が小出しにされ、セーフティーネット保証融資の指定業種は少しずつ追加され、最終的には全業種に拡大されました。持続化給付金の二百万円、百万円も地方創生臨時交付金の一兆円も、この額では全く不十分であり、第二弾を求める声が与野党ともに各所から上がっております。これは政策思想における中長期的な戦略視点が欠如している証拠であると言わざるを得ません。
 現行制度の制約と平時の発想にばかりとらわれて、戦力の逐次投入とも言える短期的視点で微修正を繰り返すという政策の打ち出し方は、緊急時の支援策としては明らかに問題があると考えますが、総理の見解をお聞きいたします。
 続いて、法案について質問をいたします。
 本法案では、地域の医療、介護の状況を正確に把握し、医療・介護分野の調査分析、研究を促進するため、データ基盤の整備を推進することを目指しております。被保険者番号を活用した医療・介護分野のデータの名寄せ、連結精度の向上は欠かせない要素ではございますが、今後は更に一歩進んで、コロナ収束後の介護保険制度の持続可能性を考える意味でも、マイナンバーの活用が必要だと考えます。
 既に幾つかの諸外国では、税や社会保障のみならず、多くのデータを個人IDの活用で一元管理し、AIやビッグデータを用いた分析や研究を進めることによって、より質の高い政策設計を目指す方向に向かっております。
 超少子高齢化や地域課題の多様化が急速に進む我が国においても、客観的データや科学に基づいた医療、介護、福祉政策の提供は必須であり、各所に散らばっている連結されないでいるデータを統合していくことは大きな課題と考えます。
 新型コロナにおける支援策の非効率性が問題になっている今こそ、医療、介護、福祉の分野におけるマイナンバーの活用を進めていくべきであると考えますが、総理の見解をお聞きいたします。
 次に、介護サービス等における業務の効率化、申請手続の簡素化についてです。
 新型コロナによって新しい生活様式の定着が求められている今、アナログきわまりない行政手続においても、テクノロジーを活用した新しい様式への進化が求められております。
 現在、各種申請や届出は、原則的に紙で行われており、多くの手続では担当窓口への持参が求められています。今後は全てにおいてオンライン申請を目指すとともに、都道府県や市町村ごとに異なる書式が使用されている非効率な運用を改善し、政府が主導して統一プラットフォームを提供していくことが必須だと考えますが、いかがでしょうか。総理の見解をお聞きいたします。
 最後に、今、新型コロナウイルスの影響によって苦しんでいる国民の皆さんを見捨ててはなりません。今こそ新しい経済社会モデルを目指した改革を進めるとともに、国民の皆さんに寄り添う支援策を引き続き提案し、政府に求めていくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございます。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

#31
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 藤田議員にお答えをいたします。
 事業者の支援についてお尋ねがありました。
 感染症の影響が長引く中、これまでになく厳しい経営環境のもとで、多くの中小・小規模事業者の皆さんが歯を食いしばって頑張っておられます。こうした事業者の皆さんの努力を無にすることがないよう、政府として、何としても、事業を継続していただき、雇用と暮らしを守り抜いていく決意であります。
 事業者の皆さんがあすの支払いにも苦労しておられる中で、最も重要なことはスピード感であると考えます。
 実質無利子、元本返済最大五年据置きの融資については、日本政策金融公庫や商工中金では、OB採用による窓口強化、休日返上での対応により、一カ月余りで、通常の五倍以上のペースで、既に、二十三万件、四兆円以上の融資を実行しています。さらに、五月一日からは、史上初めて、民間の金融機関でも同様の融資を受けられるようにしたところであり、資金繰り対策に万全を期してまいります。
 加えて、使い道が全く自由で返済不要の現金、最大二百万円を支給する持続化給付金を、今回初めて創設いたしました。補正予算成立翌日の五月一日から受け付けを開始し、給付額の確認書類を二種類に絞る、オンライン申請とするといった対応により、一週間後の先週八日から入金をスタートしました。八日の一日だけで、二万三千件、そして二百八十億円の現金を事業者の皆さんにお届けしたところであり、今後一層加速してまいります。
 事業者の皆さんにさまざまな支援を一日も早くお手元にお届けできるよう、今後とも全力を尽くすことで、現下の困難な状況をともに乗り越えてまいります。
 経済対策の取りまとめ方針についてお尋ねがありました。
 感染拡大を一日も早く収束させるべく全力を尽くすとともに、その間、雇用と事業活動、生活を徹底的に下支えして守り抜いていく。こうした明確な政策スタンスを掲げ、前例にとらわれることなく、あらゆる政策を総動員し、これまでにない規模の対策を実施しているところであります。この対策を政策の総力を挙げて迅速に実行し、必要としている方々のお手元にしっかりとした支援を速やかにお届けしてまいります。
 その上で、時々刻々と変化する事態の推移をしっかり見きわめ、足らざる部分があれば、随時、制度の見直しを行うとともに、追加的な対策を講じていくことも重要であると考えています。与党における検討を踏まえ、また、野党の皆さんの御意見も伺いながら、必要な追加策を早急に具体化してまいります。
 マイナンバーの活用についてお尋ねがありました。
 地域において、効率的かつ質の高い医療、介護、福祉サービスの提供体制を構築していくためには、それらに係る情報を個人単位でひもづけし、地域の状況をより正確に把握し、分析することが重要です。
 既にマイナンバーを利用し、情報連携を行っている事務においては、添付書類の省略等効率的な行政運営が可能となっておりますが、来年三月からは、これに加え、医療保険の資格情報をオンラインで確認できる仕組みを活用することで、マイナンバーカードを健康保険証として利用する取組が開始されます。
 今回の法案においては、この仕組みを活用して、医療・介護分野のデータの連結精度を向上させることとしており、ビッグデータを用いた有益な解析も期待されます。
 引き続き、昨年閣議決定した新たなデジタル・ガバメント実行計画に基づき、薬剤情報や健診情報を御本人がマイナポータルで統一的に管理できるようにするなど、国民の日常生活のさまざまな場面でマイナンバー制度の利活用を進めてまいります。
 介護サービス等における業務の効率化等についてお尋ねがありました。
 少子高齢化に伴い、介護の需要が増大する中で、より効率的に業務を執行する観点から、文書の作成等に関する負担軽減は重要な課題であり、これを踏まえ、まずは、介護事業所の指定申請や介護報酬の請求に対して、押印の廃止や添付書類の簡素化、郵送、メールによる申請書類の受け付けなどを自治体にお願いしたところであり、さらに、今後三年の間に、順次、政府が主導して、自治体ごとの申請書類等に関するさまざまなローカルルールの解消、統一化を進めた上で、ウエブ入力、電子申請化について導入を図っていくこととしております。(拍手)

#32
○議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――

#33
○議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十七分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣  安倍 晋三君
       厚生労働大臣  加藤 勝信君
       国土交通大臣  赤羽 一嘉君
 出席内閣官房副長官及び副大臣
       内閣官房副長官 西村 明宏君
       厚生労働副大臣 橋本  岳君
ソース: 国立国会図書館
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