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2020/05/20 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 予算委員会 第20号 令和2年5月20日
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2020/05/20 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 予算委員会 第20号 令和2年5月20日

#1
令和二年五月二十日(水曜日)
   午後三時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     東   徹君     片山 大介君
     伊藤  岳君     田村 智子君
     倉林 明子君     大門実紀史君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     熊谷 裕人君     有田 芳生君
     石井 苗子君     柳ヶ瀬裕文君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     柳ヶ瀬裕文君     石井 苗子君
     山添  拓君     岩渕  友君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     中西  哲君     森 まさこ君
     岩渕  友君     倉林 明子君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     森 まさこ君     中西  哲君
     倉林 明子君     山添  拓君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     岡田 直樹君
     山添  拓君     武田 良介君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     中西  哲君     高橋 克法君
     武田 良介君     山添  拓君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     中西  哲君
     高橋 克法君     高橋はるみ君
     有田 芳生君     熊谷 裕人君
     大門実紀史君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金子原二郎君
    理 事
                石井 準一君
                福岡 資麿君
                三宅 伸吾君
                山田 修路君
                森 ゆうこ君
                蓮   舫君
                浜田 昌良君
                浅田  均君
                山添  拓君
    委 員
                青山 繁晴君
                朝日健太郎君
                石井 正弘君
                小川 克巳君
                小野田紀美君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                こやり隆史君
                古賀友一郎君
                佐藤 正久君
                高野光二郎君
                高橋はるみ君
                滝沢  求君
                中西  哲君
                松川 るい君
                元榮太一郎君
                山田  宏君
                伊藤 孝恵君
                石川 大我君
                石橋 通宏君
                熊谷 裕人君
                塩村あやか君
                杉尾 秀哉君
                田村 まみ君
                徳永 エリ君
                福島みずほ君
                矢田わか子君
                伊藤 孝江君
                里見 隆治君
                高瀬 弘美君
                竹谷とし子君
                石井 苗子君
                片山 大介君
                小池  晃君
                田村 智子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤井 亮二君
   参考人
       新型インフルエ
       ンザ等対策有識
       者会議基本的対
       処方針等諮問委
       員会会長     尾身  茂君
       新型コロナウイ
       ルス感染症対策
       専門家会議座長  脇田 隆字君
       慶應義塾大学経
       済学部教授
       新型インフルエ
       ンザ等対策有識
       者会議基本的対
       処方針等諮問委
       員会構成員    竹森 俊平君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
 (新型コロナウイルス感染症への対処等に関す
 る件)
    ─────────────

#2
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りをいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に山添拓君を指名いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(金子原二郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のうち、新型コロナウイルス感染症への対処等について、本日の委員会に新型インフルエンザ等対策有識者会議基本的対処方針等諮問委員会会長尾身茂君、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議座長脇田隆字君及び慶應義塾大学経済学部教授・新型インフルエンザ等対策有識者会議基本的対処方針等諮問委員会構成員竹森俊平君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#6
○委員長(金子原二郎君) 予算の執行状況に関する調査のうち、新型コロナウイルス感染症への対処等に関する件を議題といたします。
 本日は、本件について参考人の方々から御意見を伺うことといたします。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただきまして、本当にありがとうございました。本委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 本日は、参考人の皆様から忌憚のない御意見を拝聴いたしまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、会議の進め方について申し上げます。
 まず、お一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構です。
 それでは、まず尾身参考人にお願いいたします。尾身参考人。

#7
○参考人(尾身茂君) 尾身でございます。よろしくお願いします。
 四点を申し上げさせていただきます。
 まず一点目は、緊急事態宣言発出の効果についてであります。
 四月上旬に爆発的感染拡大、いわゆるオーバーシュートの軌道に接近し、都道府県によっては医療崩壊の寸前の地域もありました。しかし、四月七日の緊急事態宣言発出の前後から、市民の懸命なる努力のおかげで、感染は今のところ確かに終息の方向に向かいつつあります。
 日本は法律的な拘束力を持たず、他国のようなロックダウンもせず爆発的感染拡大を回避できたのは、極めて困難な状況に対しての市民の努力のたまものだと思います。今の感染状況は、東京都を例に取って言えば、三月上旬から中旬の、感染者が急激に増加したその直前のレベルに戻っております。
 二つ目であります。これから何が起こるかについてであります。
 早晩仮に全都道府県が緊急事態宣言から解除されたとしても、あるいは報告者数ゼロが短期間続いたとしても、見えない感染が続いていると考えるべきだと思います。冬の到来を待たず、再び感染の拡大が起こることは十分予測、予想されます。
 社会経済活動を再開した諸外国では、比較的早期に再度感染が拡大した例も報告されています。その際は、徐々に感染が拡大するというよりは、クラスター感染が突然顕在化することがあり得ると考えております。これからは、社会経済活動を徐々に再開しながら、感染拡大防止のための努力を継続することが極めて重要だと思います。
 この三か月で我々は多くのことを学んできたと思います。一つ目、感染のリスクが高く、クラスターが発生しやすい場所、状況が分かってきたこと。二つ目、身体的距離の確保、フィジカルディスタンスの確保、マスクの着用、手洗いの実施など、基本的な感染対策が感染防止に有効であること。三つ目、高齢者施設や病院がクラスターとなっている例が多く、引き続きこうした場所での徹底した感染対策が重要であること。こうした点を十分注意しながら社会経済活動を徐々に再開していくという、言わばめり張りの付いた対策が求められると思います。
 三番目は、各都道府県の知事にお願いしたいことであります。
 感染状況、医療の供給体制、検査の体制などの様々な指標を国の支援を得ながら定期的に評価していただき、感染拡大の兆候があれば速やかな対策を取っていただければと思います。また、感染拡大に備えて、医療提供体制や検査体制の強化、発熱外来の更なる増設、保健所体制の強化など、今までと変わりなく強いリーダーシップを取っていただければと思います。
 最後に、国にお願いしたいことであります。
 医療機関、保健所、自治体の職員の皆さんは、極めて困難な状況の中、日々懸命な努力を続けていただいております。国としては、地方自治体を尊重しつつも、今まで以上にこうした現場に対し支援をしていただければと思います。
 具体的な例を挙げれば、一般の医療機関への感染防御具の供給を始めとして、各都道府県への技術的、経済的支援をお願いしたいと思います。また、迅速抗原検査については、その精度の評価及びPCR検査との役割分担について更なる検討をお願いしたいと思います。抗体検査についても、しっかりと精度管理を行った上で実行されたいと思います。また、市民が期待する治療薬やワクチンについては、安全性と有効性に関する適切な審査を行った上で使用していただければと思います。
 国内が終息方向に向かったとしても、感染が地球規模で終息しない限り、ウイルスの国内流入のリスクが続きます。したがって、特に医療資源の乏しい国々に対しての技術的、経済的支援もお願いできればと思います。
 最後に、これまで日本が取ってきた政策について、諸外国から誤解を受けることがないよう、しっかりとした説明をお願いできればと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。

#8
○委員長(金子原二郎君) ありがとうございました。
 次に、脇田参考人にお願いいたします。脇田参考人。

#9
○参考人(脇田隆字君) このような機会をいただきまして、予算委員会の皆様、関係者の皆様に深く感謝をいたします。
 我が国では、一月から二月にかけまして、中国武漢市及び湖北省を中心とした地域からの感染の流入による第一波の流行及び三月以降の欧米からその十倍以上の規模の流入による第二波の流行がございました。
 二月七日には、新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードが厚生労働省に設置されました。クルーズ船内における感染の対策及び国内の流行対策を議論をしてまいりました。
 そのアドバイザリーボードですけれども、二月二十日には形を変えまして、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議として設置をされております。構成員は、感染症、公衆衛生学、ウイルス学、臨床医学、社会学などの専門家で構成をされ、必要に応じて、座長の求めにより、そのほかの専門家にも出席を要請してきたところでございます。
 その上で、二月二十四日からは、科学的な分析、見地から、見解あるいは状況分析及び提言を発出してまいりました。厚生労働省内のクラスター対策班とは密接に連携をし、サーベイランスデータの分析から、この新型コロナウイルス感染者の約八割が他人には感染をさせないこと、しかし、残り二割の多くの部分が、密閉された環境で密集、密接することにより、多数に感染をするクラスター感染を起こすということを明らかにされ、その対策を提言してまいりました。
 このクラスター対策によりまして、第一波の流行に対しては一定程度の封じ込めがなされてまいりました。しかし、三月中旬以降、第二波の流行が拡大し、リンクの追えない新規感染者が増加をし、四月七日には政府が緊急事態宣言を発出、この流行対策として外出自粛要請を行ったところです。
 その間、営業自粛や休業要請も行われ、その途上、自粛要請で大丈夫なのか、あるいはロックダウンは必要ではないのかという声もありました。他方で、終盤には、経済が困窮していて自粛どころではないという声もありました。医療現場においても、三月後半から、本当にベッドが日に日に倍増をしつつ対応していただくこともあり、現場のスタッフの皆様の毎日の努力で何とか経過をできたところになります。
 市民の皆さんの各自の生活で御尽力いただき、この感染、終息の方向に向かっておるところであります。この終息の状況を今後も維持することが重要と考えておりますけれども、しかし、ワクチンの開発まで長丁場の対応が必要となると考えております。
 そこで、我々は、我々専門家は、今後、今回の緊急事態宣言の効果を科学的に分析をして今後の対策に役立てるということが重要と考えております。国会の皆様、政府、自治体の皆様には、引き続き対策に御支援をお願いいたしたいと考えております。
 最後に、新型コロナウイルス感染の被害に遭われました皆様の一日も早い御回復をお祈りしますとともに、不幸にも命を落とされた皆様には心より御冥福を申し上げて、私の最初の説明とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#10
○委員長(金子原二郎君) ありがとうございました。
 次に、竹森参考人にお願いいたします。竹森参考人。

#11
○参考人(竹森俊平君) 私は医療関係者ではないので、まず自分の自己紹介からしたいんですが、私が今まで経済学の方で興味を持ってきたテーマというのは金融危機、経済危機と、そういったものであります。
 私の記憶を探ってみて、パンデミックがその原因で経済危機が起こったことがあるのかというのを考えてみたんですが、残念ながら知らないと。被害という点では、一九一八年から一九二〇年に、スペイン風邪と言われる、日本ではスペイン風邪と言ったスペイン・インフルエンザがあって、その死亡率は非常に深刻でしたが、当時は第一次大戦の終末期で、戦争があったためにそれを、景気を刺激したためか、不況にはならなかった。
 その当時を申しますと、戦争を遂行するために邪魔になるのでインフルエンザという情報は一切隠蔽し、一方で、アメリカ軍が初めてヨーロッパで大々的に展開されるというので輸送船の中にすし詰めになって、キャンプの中にすし詰めになって、ざんごうの中ですし詰めになって、病院ですし詰めになってという状態が続くわけで、そのアメリカからヨーロッパに行ったという説が強いですが、それで二千万から五千万という死者が出たということであります。
 今度、医療が主役である。ここにいらっしゃる先生たちは、医療の問題と同時に、景気にとっても一番大きな鍵を持っているわけですね。こういうことであるならば、経済学者としても、医療関係者の意見を聞き、協力してやっていかなければならないと考えたわけであります。
 西村大臣は、諮問会議とウイルス対策の諮問委員会の橋渡しを期待しているということですが、私個人からして、ともかく経済対策を考えるんだったら、医療関係のことがどうなっているか、ウイルス問題がどういうふうに展開しているかを知らなければ駄目だと思うわけです。
 よく今の経済対策を景気刺激策と表現することがありますが、私はこれは間違っていると思います。景気を見るには、渋谷とか新宿のもう繁華街ですね、その人出を見れば大体分かるんですが、今は渋谷、新宿に人がいないようにするということが政策のポイントであるときに景気なんか刺激できるわけがないわけでありまして、今の経済政策は基本的に困っている人を助けることが主眼であって、じゃ、景気対策はどうなのかと申しますと、アメリカの連銀のパウエル議長が、来年秋にワクチンが実用化するならば、恐らく景気が本格回復するのは来年の秋だろうと、これはざっくりした表現で非常に分かりやすいわけです。ただ、その前から経済の状況を良くしようということ、良くできるだろうかということを検討するためには本当に医療関係者との二人三脚が必要だというふうに今認識しているわけであります。
 今やっているのを、今やっているようなその措置をソシアルディスタンシング、私は社会的隔離と呼んでいますけれども、なぜそもそも社会的隔離が必要かと申しますと、SARSの場合は割と感染するとすぐ症状が出てくる、隔離することが簡単だった。ところが、新型コロナウイルスは潜伏期があって、その発症初期があって、そこでも感染するということですよね。潜伏期、発症初期の患者を一般国民と見分けるのができない、区別することが難しいということで、一般国民の接触そのものを下げる、つまり全体のアクティビティーを下げないとこの感染の拡大が防げないということから、この社会的隔離というのが広がっているわけであります。
 それを何とかしないで済むのか、済まないのかというと、これ、要するに検査をして分ければいいだろうという考えになるんですが、それでPCR検査という、一番スタンダードで精度が高いのがPCR検査と言われています。
 ところが、これ、今そのPCR検査を一番熱心にやっているドイツでも一日当たり実行できる件数が十万件。ということは、三百六十日で三千六百万件。ドイツの人口は八千三百万人おりますので、ドイツでも国民全部をひとわたり検査するのには二年以上掛かって、その間にもう一度その感染が起これば全部台なしになるということで、さすがのドイツでもこのPCR検査だけで隔離が可能だというふうには考えていない。となると、社会的隔離という方法も必要だというわけです。
 日本の場合、感染かどうか分からない部分のうち、感染者との濃厚接触があった人を経路を追跡して、そこをまず潰そうというか、そこをまず見付けようということをずっとやってきたんですが、だんだん感染者が増えてくるとそれだけでは十分にならなかったというのは皆様御承知のとおりだと思います。
 それで、社会的隔離をして感染者の、新しい感染者が増えることを抑えながら、潜伏期の人が有症者になったらそこの段階で検査をして、それを隔離をするということで感染者全体の規模を下げていくという作戦を取られたんだと私は理解しておりますけれども、その成果が出ていることは、今、尾身先生あるいは脇田先生がおっしゃったとおりだと思います。
 ただ、私は、今回の作戦が成功するとすれば、まああとちょっとだと思いますが、最大の貢献者は日本国民自体であって、今、脇田先生、尾身先生もおっしゃいましたが、この程度の緩い社会的隔離策でうまくいくかというのを、私の友人がニューヨークにいますが、何か日本の政策見たけど、こんなんじゃできるわけないだろうというような感じで送ってまいりまして、私自身、外から見ていて、これは電車を全部止めるとかバスを全部止めるぐらいのことをしなきゃ無理ではないかと思ったものが何とかここまで来れたというのは本当にすばらしいことだと思います。
 それで、ポイントはこれからどうするかということで、これからその隔離が、解除された、緊急事態が解除されたところで、まだそのワクチンもないし免疫もできていない、非常に薄氷の状態なのでもう一度スパイクが起こる可能性があります。スパイクが起こったら、その発生者のスパイクが起こる可能性があります。
 それにどうするかということが一番のポイントで、時間が経過している間に日本の体制も整ってきて、ITCの技術をいよいよ導入できるということで、接触アプリというものをこれから使うようになるわけですね。取りあえずは、接触した場合はその人のところに警告が行くだけですけれども、例えばその方の同意が取れれば、保健所との間でその同意を取れれば、私はこういう者ですと、私のところに、ここに住んでおります、私のところにこういうアラームが来ましたから、どうぞそれを利用してトラック、感染者のトラックをしてくださいというようなことができるわけですね。是非そういうことをしていただきたいと思うんです。
 ともかく、今後のことは、早く動く、もう一度この同じことが繰り返すというのは、恐らく国民にとっても心理的にだけではなくてビジネスの上でも大変なその不確実性があって困ることだと思うので、もうともかく行動を早く早く、その対応を早く早くということをしていく必要があるのではないかと思います。
 私は、危機のときにいろんなところで引用される一つの言葉がありまして、その言葉を引用したいと思います。十八世紀のスコットランドの哲学者のトーマス・リードという人が言った言葉ですが、鎖の強度、強さですね、はその一番もろい箇所の強度、強さに等しい、なぜなら、その鎖の一番もろい場所、部分が崩れたら鎖全体がばらばらになって崩れ落ちるからだという言葉があります。
 私は、このことは非常に考えるので、今、今回の危機でもって日本社会の中に弱い部分があった、それは中小企業であり、非正規の労働者であり、フリーランスの労働者であり、で、我々がまずするべきことは、先ほど申しましたように景気刺激というのは今の段階で余り考えられないので、むしろそういう弱い部分を何とか接合し、守りということを第一にするべきだと思います。
 また、これを国際的に見ますと、そもそもこういう感染が来たのは、警戒の緩い国、そのアラームの十分働かないところからそういうものが来たわけですね。この弱い部分をどうやって埋めていくのかということは今後国際的に考えていく必要があります。もう一度国際活動を再開する、もう一度人間が国際的に移ることができる、どうしたらそれができるかということですね、安全性について、これも医療関係者の、医療の専門家と相談して、そのルール、基準を作っていくことが絶対に必要だと思います。
 その意味で、今後とも、我々は二人三脚で、医療関係者と経済関係者、政府、二人三脚で行動していく必要があると思いますので、皆様にも御協力をいただきたいと思います。
 以上です。

#12
○委員長(金子原二郎君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 それでは、これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。

#13
○福岡資麿君 自由民主党の福岡資麿と申します。
 本日は、三人の先生方におかれましては、衆議院に引き続き、貴重なお時間をいただいてこういった議論をさせていただく機会をいただきましたこと、まず心から感謝を申し上げさせていただきます。
 また、新型コロナウイルスでお亡くなりになられた方に心から哀悼の誠をささげますとともに、御闘病なされている方の一日も早い回復をお祈りし、心からお見舞いを申し上げさせていただきます。また、医療関係者始め、感染拡大防止に大変御尽力いただいている全ての方々にも併せて敬意を表させていただきたいと思います。
 まず、尾身先生にお話を伺いたいというふうに思います。
 これまで、第一の震源地となった中国だったり、第二の震源地となった欧米、地域の医療提供体制は本当に厳しい状況になって、これまでに至るまで、アメリカでは九万人近い方がお亡くなりになられていますし、また欧州でも、イギリス、イタリア、フランス、スペインといった国々では、それぞれ約三万人の方々がお亡くなりになられています。比較的死亡者を抑えられたと言われているドイツにおいても、八千人近い方がお亡くなりになられているというような状況です。
 日本においては、これまでも、PCR検査の検査数少ないじゃないかとか、先ほどありましたように、欧米のロックダウンに比べて比較的緩い要請だというようなことが指摘されてきた中において、現状でお亡くなりになられている方が七百名台ということでございます。これもまあお亡くなりの方が出ないのが一番でございますが、比較的、その欧米と比較したときにお亡くなりになられている方が抑えられている。
 それは市民の努力のたまものだというようなお話も先ほどありましたが、その比較的抑えられている要因としてどういうふうに分析していらっしゃるのか、その点について尾身先生にお聞かせください。

#14
○参考人(尾身茂君) お答えいたします。
 幸いにも、まあ死亡された方は残念ながらおるわけですけど、諸外国に比べて低いのはなぜかという御質問ですけど、最終的な評価は少し後になって客観的な研究が必要だと思いますけど、今の時点で言えることは、私は、まず一番は、国民のこの健康意識といいますか、今回の緊急事態宣言の後にも非常にいろいろ大変な状況の中でも協力をしていただいて、国民の意識というか文化というか、そういうややサイエンスとは違う部分があったんではないかと思います。
 それから、日本の医療制度はもちろんいろんな改善すべき点があると思いますけど、それでも比較的、いわゆるフリーアクセスという、世界に冠たるユニバーサル・ヘルス・カバレッジというようなことが今回も随分効いていると思います。
 それから、初期の、特に第一の波のほかの国ではすぐにこう上がってしまうのをかなり抑えてきたというのが初期にあったわけですけど、これはもう関係者のクラスター対策が一定程度効いていたということはあると思います。
 それと、今回の緊急事態宣言での国民、市民のこれだけの協力、そういうことが複合的に重なって今のところ幸いに死亡者が諸外国に比べては低い、その原因ではないかと、今のところ考えております。

#15
○福岡資麿君 まだ確定的なことは言えないと言いながらも、今の時点でお考えになられることをお聞かせいただきました。本当にありがとうございます。
 その上で、尾身先生、諮問委員会の会長でありながら、あえて国に対して申し上げたいことということでいろいろおっしゃられました。最後に、誤解を、これまで取ってきた政策が誤解を受けることのないように発信をすべきだということを最後におっしゃったところがちょっと私自身気になったわけですが、私なりに解釈すると、決して、取ってきたことは、まあ足らざる部分はあったにしても間違ったことはやってきていないんだけど、それが誤った形で海外とかで捉えられているんだとすれば、それに対してきちっとしたメッセージを発信していくべきだというニュアンスでもしおっしゃったんだとすれば、どういった点が誤解を受けているのか、どういった点を正していくべきなのかといった点について先生のお考えをお聞かせください。

#16
○参考人(尾身茂君) 私は、日本の政府がやってきたことが全く完璧で改善すべきことがないというふうには思っておりません。様々改善点があると思います。
 ただし、ここまで、今申し上げたようなところで、死亡者が少なく抑えている、こういうことについては、諸外国では、まだ何か検査体制が少ないので実態が分かっていない、何か日本だけが世界とは違った方向に行っているんじゃないかという、そういうイメージが多くあると思うんですけれども、ここはやはり、こういうグローバルな社会ですから、日本の、一体どういう考えで、どういう根拠でどういうことをやってきたんだということを、まあ改善点も、課題もあったわけですよね、いろいろ、そういうことも含めて、こういう考えでやってきたということを全世界に対してオープンにすることによって、また国際的な理解も深まってお互い学ぶことができるんじゃないかと思います。

#17
○福岡資麿君 おっしゃられている真意が分かりました。ありがとうございます。
 続いて、脇田先生にお聞かせいただきます。
 先ほど来、検査体制、PCR検査について、これまでもこの委員会でも様々議論が行われてきました。国においても大分その検査体制増強してきていまして、今、二万二千件、一日当たり二万二千件を超えるところまで検査能力は来ているということです。
 一方で、検査されている方というのは、四月にピークで、九千四百人ぐらいがピークで、それ以降も、大体平日だと七、八千件、まあ休日だともっと下がるわけですけれども、要は、その検査能力に対して検査されている方の割合が少ないじゃないかということがこれまで議論されてきたわけであります。
 実際に検査を受けるべき人が少ないんであればそれで結構なんですが、本当に受けなきゃいけない方がもしそれが受けることができていないんであれば問題だという観点で様々議論がされてきたんですが、大分これまでもいろいろな状況改善策を講じてきて、現時点でその検査能力に対して検査数が少ないというのは何か問題があるのかどうか、そういったところについての現時点でのお考えをお聞かせください。

#18
○参考人(脇田隆字君) お答えいたします。
 PCR検査等につきましては、これまでも専門家会議の方へも様々な意見をいただいております。中でも議論をしていまして、必要な方にPCR検査が受けていただけるような体制を強化すべきだという意見は当初より我々も出してきました。実際にこれが必要な方に届けられているのかということになりますと、結果として見れば、現時点で、先ほどの死亡者に対する検査数というところで見ると、各国に比べて日本が決して検査数が少ないわけではないということになりますし、現在のPCR検査の陽性率を見ましても、十分にされているということはあると思います。
 ただ、一方で、四月上旬の時点で、感染の流行が拡大していった時点で、やはり検査、PCRの陽性率がかなり高くなってきたという局面がありました。そういう局面においても十分な検査が供給されるような、検査を受ける必要がある方にきちんと検査が提供されるという体制を強化していくべきだというふうに今現時点では考えております。

#19
○福岡資麿君 その観点でいいますと、もう一度、脇田先生にお聞かせいただきたいんですが、今、政府が取っている二万二千という今の現存の体制というのが本来望ましい検査体制の数に対してどうなのかというところについてのお考え、若しくは、今、例えば医師が必要だと思う方はPCR検査を受けることができる、私はその全ての方が受けることができるというのは慎重であるべきだと思うんですが、少なくとも医師が必要だと判断すれば、症状があろうがなかろうが、そこはある程度専門的見地から判断されているわけですから受けることができるようになった方がいいんじゃないかとも思いますし、また、今、濃厚接触者についても、医療機関とかは別ですが、普通に家族とか職場とかだと濃厚接触者の場合も症状が出ないとPCR検査にたどり着けていないというようなこともありますので、少なくとも、そうやって濃厚に接触した方に対して、今検査能力が少し余裕あるんだったら、そこは検査していただくというのも大切なことじゃないかと思いますが、その点についてお考えをお聞かせください。

#20
○参考人(脇田隆字君) お答えいたします。
 PCR検査で一つ注意をしておくべきことは、陰性だからといってそれが感染していないということを証明しないということなんですね。つまり、陰性の証明ではないということになります。そのポイントを十分に頭に置いた上で、適切な治療が受けられるように、な方に、陽性者を判定するというために検査が必要であるということになろうかと思います。
 今の時点でかなり流行が収まってきて、検査を希望される方もかなり減ってきている状況だと思います。この時点でやはり検査の体制を再構築していくということが重要なことで、現在、PCRとともに抗原の検査というものも導入をされ、PCR検査は毎日一日二万二千件が可能である、そして、その抗原の検査も二万件やれるようになるということで、しかも、抗原検査は、その場で、その場で三十分程度で検査は終わります、で、結果が出ればすぐに、もし陽性ということが判断できればすぐに治療に行けるという利点があります。一方で、感度はPCRよりも更に少し弱いですから、陰性であったとしても更にPCR検査はやる必要があるというようなことを踏まえて、あと、これまで感染したことがあるかどうかを見るためには抗体検査というものもできてきたということなので、PCR検査、抗原検査、抗体検査を駆使して検査体制というものを構築していく必要があると考えております。

#21
○福岡資麿君 ありがとうございます。
 竹森先生にお聞かせいただきたいと思います。
 なかなか、先ほどおっしゃっていたように、社会経済活動と感染拡大防止を両立させるということは極めて難しい話で、おっしゃるように、本格的に景気を回復させようとするためにはワクチンみたいな抜本的な対策が講じられなければ難しいみたいな御見解がございました。
 一方で、先ほど来話ありました、例えば、そのワクチンの開発が来年九月よりももっと前倒しできるんだったら前倒しする、医療機関の提供体制もできるだけ余裕をもっと持たせて、いざというときにもういつでも入院できるんだという安心感を与えたり、その治療薬等についても、今未承認のやつを適用することも含めて、こういうのがあるんだということの安心感を持っていただくということが景気をある程度下支えしていく上では極めて大事だというふうに思います。
 ですから、先ほどおっしゃったように、今困っていらっしゃる方に対して何らかの措置を講じる、これも大事なことですが、今後、その景気を回復させていく上に当たって、経済学的にも、やっぱり今の医療というところにもっと予算的な資源も含めて多くを投入して安心感を与えることが経済的にもいい方向に向かうというようなことの認識でよろしいのかどうか、お聞かせください。

#22
○参考人(竹森俊平君) 全くそのとおりだと思います。
 今回の経済危機はちょっと、日銀の総裁より尾身先生の方がその景気に対するという影響でも非常に大きいわけでして、これから薬が出てきて重症化率、死亡率がインフルエンザ並み、季節インフルエンザ並みになればこんなことをしなくても済む、もうちょっと緩いことが、行動が取れると。それで、あと、どこにその感染の危険があって、そこを何とか避ければというようなことがだんだんプロファイリングができてくると、そこだけ逃して動かすということもできてくる。
 ということで、だんだん感染の絵がはっきり見えてきて、パターンがはっきり見えてくるのに合わせてちょっとずつ経済活動を刺激できるということなので、先ほど申しましたように、これからは医療関係者との二人三脚で経済対策をつくっていくことが大事だと考えております。

#23
○福岡資麿君 ありがとうございます。
 最後の質問になると思います。
 今の時点においては感染者が減少傾向にあると、これは好ましいことだと思いますが、先ほど来おっしゃるように、いつまた次の波が来るか分かりませんし、また新型コロナウイルスとは別の感染症が出てくる可能性も否定はできないわけであります。
 そういう意味においては、今若干、まだまだつらい状況にありますが、医療機関とかの逼迫状況が今少し緩和されてきつつある中で、やっぱり、例えば韓国がMERSのときの教訓を受けて次なる体制構築に向けていろんなことをやった、教訓を受けて次なる体制をつくったということでいうと、今その次に向けてやるべきこと、国として次に向けてやるべきことはあるかということについて、尾身先生、脇田先生からお聞かせいただきたいと思います。

#24
○参考人(尾身茂君) これ、今の時期にやるべきことは幾つかもうある、はっきりしていると思います。
 一つは、医療体制、検査体制の充実ということですよね。これはもう異論がないと思うんです。
 それから、今、実は、ワクチンという話が随分皆さん、当然ですよね。だけど、その前に、今ここに来ていろんな、先ほど脇田先生の方からあった抗原検査等が出てきて、あるいは治療薬の効果がもうすぐだんだんと分かってきますから、こういうことで、実は今我々の一番の心配は、感染をするかもしれないけれども、感染そのものよりも、やっぱり感染した後に重症化するという、この懸念が我々一般の市民にあるわけですよね。
 そういう中で、少し、感染はするんだけれども余り重症化しない、あるいは早く感染したことが分かるというような、今、これは医学、サイエンスの力ですよね。こういうことにも、先ほど予算の話が出ていますけど、これには、医療機関にしっかりと経済的支援をすると同時に、このリサーチの方、これについてはしっかりとやっていただくと、世界が少しずつ変わるんじゃなくて、変わることになると私は思います。

#25
○委員長(金子原二郎君) 脇田参考人、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。

#26
○参考人(脇田隆字君) はい。
 尾身先生おっしゃるとおりだと思いますけれども、治療薬の治験に関しましては、やっぱり、患者さんが亡くなってくるとなかなかその治療薬、治験もできなくなってくるということですので、国際的な協力が必要だと考えております。

#27
○福岡資麿君 終わります。ありがとうございました。

#28
○熊谷裕人君 立憲・国民.新緑風会・社民の熊谷裕人でございます。
 初めに、コロナ感染症でお亡くなりになりました方と御家族の皆様方に心よりお悔やみを申し上げます。また、感染症を発症し、今なお闘病中の皆様方の一日も早い御快癒を心よりお祈り申し上げます。そして、何よりも、日々コロナ感染症に打ちかつために昼夜を問わずに御奮闘されている医療関係者の皆様方を始めとした全ての皆様方に敬意を表したいと思います。
 参考人の皆様方には、衆議院に続いてお疲れさまでございます。なるべく衆議院の議論、そして、さきの議論に重ならないように皆様方に所見をお尋ねしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 最初に、脇田参考人にお尋ねをしたいと思います。
 脇田さんは、新型コロナウイルスはかなり特殊なウイルスだというふうにかねてからおっしゃっています。これまで積み重ねてきた治療なりの知見で、コロナウイルスがどんなウイルスなんだということが今の時点で判明をしているんでしょうか。例えば、感染力だとか、致死率だとか、感染する年齢層はどういうところが多いのかとか、無症状の感染者の実態はどうなのか。そして、軽症の方が急激に重篤化するという場合がかなり報告をされていますが、その特徴はどうなのかとか、また、昨日も大阪で出ておりますが、陰性になった方が再陽性化をしたと、こういったこの再陽性化の真相などについて、専門家としてどのような御意見があるかをお聞かせをいただきたいと思います。
 そして、今後のこともやっぱり考えなきゃいけなくて、これまで対処をしてきた科学的知見の積み重ねが今どこまで積み重なって、今後にどれだけ役立つ知見が今そろっているのかというところについて御簡潔に御説明をいただければと思っております。

#29
○参考人(脇田隆字君) ありがとうございます。お答えいたします。
 非常に幅広い御質問ですのでお答えなかなか難しいんですけれども、この新型コロナウイルスは、二〇〇三年に流行しましたSARSウイルスに非常に近いウイルスということはもう既に知られています。ただ、その性質はかなり違っております。SARSウイルスの感染の場合は、その感染者はほぼほぼ発病をして、発病していると感染力があるということですので、感染者は発症者を見付けて隔離をすれば、その流行は抑えられるという特徴がありました。
 一方で、この新型コロナウイルスは、その感染をした後に呈する症状が様々でございます。無症状であったり、軽症であったり、肺炎を起こしたり、肺炎の中でも重症化するという様々な病態を示すということが特徴であるために、無症状の人は動き回るわけですね。病院にも行かないと。そうしますと、そういう人たちが感染をさせる危険性もあると。それから、症状が出たとしても、その症状が出る前に感染力が強いという報告が出ています。そうしますと、なかなかそのアウトブレークをコントロールするのが非常に難しいということが一つ挙げられます。
 ただ、そこのところは、これまでクラスター対策班の解析で分かってきましたことは、感染力は比較的強くないのではないかと。つまり、十人の感染者がいたとして、そのうち八人を調べると、誰にもうつしていないということが分かります。残り二人の人がたくさんの人にうつしていく。その人たちがどういうところでうつしているかということが、調べると、密閉、密集、密接した場所で多くの人にうつしていると。これが言わばクラスター感染ということになります。
 特に、発声をしたり、それからジムのようなところで運動をして呼気が荒くなると感染をしやすくなるという、そういうことが分かってきましたので、先ほど竹森先生が言われたように、そういった場所を避けると、ハイリスクの場所を避けることによって感染の伝播を抑えることができると、そういうことが分かってきたということになります。
 それで、治療等に関しましても新たな知見が生まれてきていますので、効果のある抗ウイルス薬の開発が今望まれているというところになります。
 以上になります。

#30
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 これから、いろんなデータ見ますと、一時的に終息に向かうのかなというふうに思われておりますけれど、秋にも二波、三波というものが来ると予想されておりますし、日本国民が集団免疫を獲得するまでなかなか収まらないのか、それともワクチンが開発されるまで、実用化されるまで収まらないのかというところは議論があるところだと思うんですが、先生はワクチン開発まで一、二年掛かるだろうというふうにおっしゃられております。
 これまでの知見を利用して、それまでの間にPCR検査、先ほどもおっしゃっていましたけど、抗原検査、それから抗体検査を効果的に打っていくという備えをしなければいけないと思っておりますが、これからどのようにその体制を整備していくおつもりなのか、もしお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

#31
○参考人(脇田隆字君) ありがとうございます。
 やはり、このウイルス感染症はそんなに簡単に封じ込めることはできないということだと思っています。
 第一波が中国の武漢から参りまして、それが一月、二月というところで、何とかこれをクラスター対策で抑え込みつつあったところに、欧米からの、への旅行者が戻ってきて、その規模が約三十倍程度というふうに我々は分析していますけれども、それがあったためにかなりの流行が拡大をしたということで、今回の緊急事態宣言の発令になったということになります。
 今回辛うじて収まりつつあるということでそれは非常に良かったんですけれども、今後の対策としては、やはり早期発見をして早期診断をすると、そして治療に結び付けるということですので、先ほどの抗原検査、これを使いますと、その場で結果が出ます。PCR検査ですとなかなか数日間掛かったりすることもございますので、やはり早く診断をして早く治療をすると、あるいは早く隔離をするということによって次の感染も抑え込むことができる、それから本人の治療にもつながるということですから、そういったところをしっかりやっていくために、そのまずは抗原検査をできるだけ多くのところでできるようにする。そして、陰性になった方はPCR検査が漏れなく受けられるようにする。それから、感染者が見付かりましたら積極的疫学調査いたしますので、濃厚接触者の方にもきちんと検査をやると、そういう体制を構築するべきだと思います。
 それから、抗体検査によって今現状どのぐらいの感染者が存在しているのかということをしっかり把握することが感染の規模を知るということになりますので、そちらも重要になると考えています。

#32
○熊谷裕人君 そうですね。私も、定期的に抗体検査、世論調査みたいにしてするべきではないかなというふうに思っております。
 次に、時間なくなりましたけど、竹森さんの四月と五月に出した新聞の寄稿を読ませていただきました。その中で、やはり大規模な抗体検査必要だというふうに書かれておりますし、これからウイズコロナということでうまく感染対策と経済対策を両立させなければいけないと思っていますが、大臣から期待されている橋渡しのところをどのように考えて、これから、この新しいメンバーに加わって、竹森さんとしては今後その会議の中でどんな主張をされていくか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

#33
○参考人(竹森俊平君) この問題は国全体として当たらなきゃいけない。どういうその保護が、国民に対する保護が必要か、これはどれぐらいこの問題が長引くかということに関わります。それから、制度とか仕組みを直さなきゃいけないこともある。保健所を強化するという話がありました。
 そういうことで、こういうこと必要だという、ここに予算が必要だということであれば国がすぐ動ける体制をつくっていきたいと思っています。

#34
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 最後に、尾身先生に。
 前回の新型インフルエンザの法制のときにも参考人で先生出られておりまして、そのときの議論見させていただきました。そのときの先生のおっしゃっていた教訓というか、四つ、いろんな私権制限をしなきゃいけないとき注意する点なんというふうにおっしゃっていましたけれど、今回の新型コロナウイルス対策でその二十四年の当時に先生の懸念をしていたことがどのように生かされてきたのか、改めてお聞かせをいただければと思っています。よろしくお願いいたします。

#35
○参考人(尾身茂君) 二〇〇九年の新型インフルエンザのときにも、いろんな反省会といいますか、総括があったんですよね。その中で今でも活用できるのは、当時、幾つかキーメッセージがあったと思うんですけれども、しっかりとした、政府の中の責任体制をはっきりしたり、役割分担をはっきりさせるということが一つあったと思います。それから、国と地方の関係ですね、これも役割分担、責任の在りかということもしっかりやったらいいというのがそのときの一つの提言だったと思います。それから、いわゆる政府の中の専門家委員会と政府との関係というのもどういうふうにしたらいいかというのをしっかりするということ。
 それから、もう一つ大事だったのは情報発信、リスクコミュニケーションの方法というのは、日本はなかなかそういうのは余り、沈黙が金みたいなところがあったので、そういうところが全体としては、文化としてはだけれども、こういう危機に際してはしっかりと責任者を決めてリスクコミュニケーションをすると。
 そういうことが当時あって、今でもそれが適用されるんではないかというふうに思っております。

#36
○熊谷裕人君 終わります。ありがとうございました。

#37
○森ゆうこ君 今日は、三人の先生方、大変ありがとうございます。
 立憲、国民、社民共同会派、国民民主党の森ゆうこでございます。
 今、尾身先生の方からリスクコミュニケーションというお話がありましたが、私もこの予算委員会で度々安倍総理にそのリスクコミュニケーションの話をさせていただいたところなんですが、脇田先生に伺いたいんですけれども、リスクコミュニケーション、やっぱり情報公開、きちんとデータを開示していく。やっぱり皆さん不安なんですよ、国民の皆さんは。きちんとした情報が開示されているのだろうか、対策がきちんと行われているのだろうかということ、それがやはり目に見える形でやっていただくということは一番重要だと思うんです。
 それで、いろいろ分析、例えば実効再生産率とかですね、そういうのを発表していらっしゃいますけれども、その分析の基になったデータというのが発表されておりませんというふうに私は認識しているんですけれども、それを、やはり具体的な数値も公開すべきではないか。
 その情報公開という観点からいいますと、実は、四月二十九日、三十日の両日にわたって私は、ダイヤモンド・プリンセス号、これは感染研がサンプルを採取して分析をいたしました、このことについて質問いたしましたけれども、なかなか詳しいことは分かりませんでしたが、その後、五月三日にホームページで感染研が発表されましたが、一ページの報告書だけで、やはりその基になっている、採取の結果、どういう、船室と船室の間で空調の関係がどうなっていたのかとか、そのサンプルがどうだったのかということについては、そのデータについてはまだ、求めておりますけれども、公開されておりません。
 先ほど衆議院の方で先生は、技術革新に貢献していくというふうにおっしゃいました。やはりリスクコミュニケーション、そしてその技術革新のためにもタイムリーに、専門家会議で分析をしたそのデータ、数字、具体的なものを発表していくべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。

#38
○参考人(脇田隆字君) 御質問ありがとうございます。
 情報公開、リスクコミュニケーションについては非常に我々も重要だと考えております。
 ただいまありましたような実効再生産数のデータ、あるいはそれに関するコードについてはもう既に公開がされておりまして、一般の方にもそれを再現をしてもらって確認をしてもらうというような状況になっていますので、我々、全てを隠しているという状況ではなくて、公開できるものは順次公開をしていくということになります。
 それから、感染研が行いました調査に関しましては、これも簡単なサマリーをホームページの方には報告させていただきましたけれども、実際には英文論文としてこれも公開をしていくということを今やっておりますので、順次データについても公開をしていくというふうに考えております。

#39
○森ゆうこ君 解析はとうに終わっているわけですので、やはりそのデータをオープンにしていただきたい。
 このダイヤモンド・プリンセス号は非常に、大変な犠牲を払いましたけれども、いろいろなデータが蓄積されているということで、先生方もそこで得られた教訓をいろんな対策に役立てていると、分析結果を、ということはこれまでも発言していらっしゃるわけです。
 私が今こだわっているのは、これ、エアロゾル感染の可能性があったのではないか。そのことによって、今もう暑くなってきてエアコンを使う、そうすると循環する、換気がおろそかになる、そこで、そのエアロゾル感染による感染の拡大、心配しなくていいのか、換気の必要性をもっともっと専門家会議としてアピールすべきではないか。それから、いろんな方に聞かれるんですが、そもそも地下鉄は大丈夫ですかというふうに言われるんですけれども、その辺についての知見はどのようにお持ちですか、脇田先生。

#40
○参考人(脇田隆字君) ありがとうございます。
 エアロゾル感染、あるいはマイクロ飛沫といった感染につきましては、それを否定するものではないというふうに我々考えています。先ほど申し上げたように、特に、呼気が荒くなるような状況、あるいは大声で発声をするような状況、大きな声で歌うといったところで感染というのももう明らかになっています。ですから、そのエアロゾル感染を否定するものではないというふうに考えます。
 ただ、そのダイヤモンド・プリンセス号で実際にそれがあったかということは、現在、例えばトイレのその床の辺りにかなりウイルスの遺伝子が検出されるというような状況はありましたけれども、それが実際にエアロゾルなのかどうかという、実際にそれで感染が起こるかといった知見にまでは至っていないと、情況証拠的にはそういったものがあるということになります。

#41
○森ゆうこ君 フィルター、換気のフィルターにもあったという報告があるんですが、詳しいデータについてはまだいただいていませんので、是非早くオープンにして、いろんな専門家がそれを待っていますので、それに基づいてまた違った角度で検証して提案をしていくということも私はこれ重要だと思うんですね。政府の専門家会議だけではなくて、他の専門家の皆さんにもデータをきちっと提供して、別なB案を提案してもらうということも私は重要だと思うんです。
 それで、明日また重要な判断が迫られるわけですが、その緊急事態宣言の緩和、あるいは再指定と言ったらいいんでしょうか、その根拠となる基準、例えば大阪モデル、陽性率七%未満、一週間にわたってというふうな、そういう分かりやすい具体的な数値の基準をいろいろ言っていらっしゃるんですが、なかなか政府のその判断基準というものが余り明確に伝わっていない部分がありますので、尾身先生、どの数値がどうなれば緊急事態宣言を緩和するのか、明日のことはまだ今の段階ではお話しになれないかもしれませんけれども、宣言を緩和するのかあるいは強化するのか、できるだけ定量的な数字をお答えいただければ有り難いと思います。

#42
○参考人(尾身茂君) お答えいたします。
 解除の方についての基準は先日の我々の専門家会議で明示をさせていただいたと思います。それは、主なのが二つで、直近一週間の人口十万当たりのあれが〇・五、それからあとは、前の週の積算の累積と直近のがだんだん減っているというようなこと、それ以外にも、もちろんリンクの追えない人の割合とかその他のことを考慮する、それから医療体制、検査体制について。
 したがって、我々としては、数値目標も含め、定量的、定性的な指標については先日示していただいて、またあしたもまた判断をする機会があると思いますけど、客観的には、恣意的になっては困りますよね、そういう意味では、ある程度全国に、これは我々の場合には全国を評価するということが仕事になっていますから、そこが各都道府県はもう非常に、その県の中のことですから、そういうこととちょっと違った観点で見ていて、そういうことで、定量的、定性的な指標を基にあしたも多分判断をすることになるんだろうと思います。

#43
○森ゆうこ君 脇田先生、ワクチン、出口戦略にワクチンが必要だ、しかしSARSもMERSもジカ熱も安全で有効なワクチンができていない、ADE、抗体依存性感染増強ということがあり、ワクチンができない場合の出口戦略もやはり専門家としては検討して提言しなければいけないと思うんですが、簡単に答えていただけますか。

#44
○参考人(脇田隆字君) ADEは、デング熱あるいはそのSARSのワクチンのときも報告をされています。ただ、実際の、人に対するワクチンを使ってそのADEが本当に起きたのかということに関してはまだ知見がありません。あくまで動物実験においてそういった関連の病原性が増加するということで報告をされています。
 ですから、まずはワクチンの開発を我々としては期待して、それを促進するようにしていきたいと。で、ワクチンがなかなか難しいというときには、やはり効果的な治療薬ですね、重症化を抑え、そして死亡を抑えるといった治療薬の開発というのがその次には必要だというふうに考えます。

#45
○森ゆうこ君 時間になってしまったので竹森参考人には質問できなかったんですが、先生の、今は弱者を救うべきだと、そして医療者に、きちっと一緒にやっていくべきだと、それこそが経済対策であるということで、私はその意見に大賛成でありまして、やはり継続的に、一回こっきりではなく、何と言ったらいいんですか、ベーシックインカムと言ったらいいんでしょうか、給付付き税額控除と言ったらいいんでしょうか、継続して、安心して生活できる、そういう対策を政治の側で打つべきであるということだと思います。
 今日は、先生方、大変ありがとうございました。

#46
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 改めまして、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられました方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、闘病中の方々の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。
 三人の参考人の皆様、本日はありがとうございました。
 新型コロナウイルスから国民の命を守らなければなりません。また、と同時に、国民の生活も守らなければなりません。この命を守ると生活を守る、その両立の鍵の一つとなるのが市中感染者の早期発見、早期隔離によって実効再生産数が安定的に一を下回る社会システムを構築するということであると思っております。
 そこで、感染拡大防止のためのコロナウイルスの特性に応じた検査体制の今後の在り方と課題、その政策的効果につきまして、尾身参考人と竹森参考人に質問します。
 今回のコロナウイルス、COVID―19は、今までの参考人のお話にありましたように、従来のSARSやMERSと異なりまして、無症状者が多いとか、また発症前でも市中感染力が高いと報告されております。よって、今までのPCRの受診の目安でありました発熱などの有症状者を中心とした検査体制から、一定の無症状者を含めた検査体制の拡大も検討しなければならないのではないかと思っております。
 そこで、先ほど竹森参考人が紹介されました、政府で開発して進めております接触確認アプリ、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム、これを最大限活用しまして、保健所と連携して、そのアプリで陽性者との一定の接触が確認できた方々についてできるだけ幅広くPCR検査が受け得るようにして、陽性の方々の早期隔離を拡大してはどうかと考えますが、また、そのための課題はどうなるでしょうかと。
 我が国でも、PCR検査数をある程度拡大しても、無症状、軽症状者のホテル等での療養体制やドライブスルーPCR等の検査体制も整ってきてまいりました。政策予算としても、我が国では導入が遅れている全自動PCRの全国配備などの検査体制の、また医療体制の拡充に一兆円から二兆円投入することの方が、第二波、第三波を考えれば自粛に伴う経済対策を積み増すよりも長期的には効果的との声もありますが、両参考人にその効果も含めて答弁をお願いしたいと思います。

#47
○参考人(尾身茂君) 今先生、検査体制の拡充のお話ですが、その中で特に最初先生がおっしゃったのは無症状の人たちの検査をどうするかということで、いわゆるアプリですよね、こういうものを使ったりすることがこれから更に求められるという、我々全く同意見であります。そういうことがこれから必要だし、又は、あとは抗原検査の方も、これはPCRよりも少し感度が低いんですけど、ウイルスの排出量が多い人はかなり探知できるはずなんで、こういうことも一緒にしておく必要があると思うんですね。
 我が国の場合は、私は、この今の検査に対する人々の関心というのが大きく分けて二つのことがあると思うんですよね。一つは、公衆衛生学的に日本の検査体制が諸外国と比べてどうなのかという話と、それから、一般の人々にとって、医師なんかが必要と判断されたのに必ずしも、時々は、必要とされたのに検査までが時間掛かってということがよく報告されていますよね。この二つはちょっと、公衆衛生学的なことと個人の安全に対する感覚というのをちょっと分けておくと、やっぱり、まずは個人の方の、医師が判断をして必要だと言っているのに少し時間が掛かったり、あるいはできなかったりするというのは時々報告、これについては私はもう全力でこのギャップは埋める必要があって、これについては様々な今努力がされつつありますけれども、これもまた感染がまた拡大することもありますので、それに備えてやっていくと。
 もう一つの公衆衛生学的な日本の検査体制が、前の衆議院議員の方でもちょっと脇田先生がちょっと答えていただきましたけど、これについては実は、検査数は少ないですけれども、これは、例えば死亡者当たりの、死亡者の数当たりの、分母が死亡者です、当たりの、で、分子が検査数を比較すると、これは、日本はもう、よりも、より多くやっているのは韓国がやっているだけで、ほかのドイツなんかに比べ、つまり何を言うかというと、一人の死亡者あるいは感染者を見付けるために行った検査数は日本は圧倒的に多いということもあるんですよね。
 そういうことで、しかし、一般の市民にとっては、国際的比較して、いいからといって安心できるわけではないので、その個人の人々が、一般の人が持つ、もう少し安全であってほしいということに対しては、私は、もう少し関係者が努力を少ししてそういうことのないようにすべきだというふうに思います。

#48
○参考人(竹森俊平君) 私は、ちょっとこれ、医療専門家じゃないんですが、いろいろと考えまして、一つは、やっぱり全員、国民全部を検査できるとかそういう場合は別で、もし全部検査できないとすれば、例えば、八割は検査できるけど二割その検査し残したというんで、じゃ、二割は、もう八割やったんだからいいでしょうといって勝手にさせたら、そこから感染が爆発するわけですよね。
 精度も、精度のことも非常に大事で、私は、東大だって一〇〇%利口な人だけ取っているわけじゃないかなとか思っていたんですが、例えば九割は正しく見たけど一割は間違っていた場合、そのやはり一割から爆発するわけですね。ということは、我々、限られた検査能力を持っていたとすると、それを有効に一番危ないというか可能性の高いところに投入しなきゃいけない。私の考えるところ、その症状が、例えば四日間熱が出ているわけじゃないけど何かおかしいという、その辺りはやっぱり可能性が高いから、先ほど脇田参考人もおっしゃいましたが、そういう方がまず検査を受けられる、この体制をともかくつくることが第一だと思います。
 それから、アプリについては、これから、これアプリというのはこれから出てきて、プライバシーの問題と、それと安全性の問題のジレンマが起こります。
 今の私の知る限り、アプリというのは、本人の名前はどこにも知らさず、それから感染者が誰だったかも知らさず、ただ何か感染がありましたということが、シグナルが来るだけだということですね。もっとこれを有効にするためには、本人が分かり、どこにいるかが分かり、感染者が誰かだか分かるというのがいいですが、これはコンセンサスというか、要するに本人の同意を得て、その上でそれを登録してもらうというようなことをすればある程度その緩和ができるので、それぐらいのことは進めた方がいいんではないかと私は思います。

#49
○浜田昌良君 ありがとうございました。
 次に、新たな検査方法について脇田参考人に三点質問させていただきます。
 第一には、従来、PCR検査の検体採取には採取時の医療従事者の二次感染が懸念されましたが、唾液を活用したPCRが北海道大学病院の豊嶋検査部長が提案されています。現在、国立感染症研究所で検証中とのことですが、その評価はどうなっているでしょうか。
 第二には、五月十三日に感染の有無が十五分程度で簡易に判断できる抗原検査キットが保険承認されました。精度はPCRよりも低いですが、陽性の確定検査として有用であると思っています。先ほどの、唾液を活用した抗原検査も検討されていると聞きますが、その状況も併せてお聞かせ願いたいと思います。
 第三には、感染後に体内で生成する抗体検査も、我が国でも一万人規模で実施が検討されておりますが、新聞報道では、海外製の抗体検査キットでは精度が不十分で、国が検討した五種類とも今後の大規模検査には使えないと報道されております。
 この背景には、我が国と欧米やアジアの各国との自然免疫が同等ではないことから、海外の各地の感染者の抗体の閾値、海外の感染者の抗体の閾値で設計された輸入品のいわゆる定性的な抗体あり、抗体なしの抗体検査キットでは我が国では十分精度が得られないからではないかとの声もあります。
 むしろ、抗体の定量検査法のうち伝統的なエライザ法とか最新の化学発光法等によりまして我が国感染者の抗体生成過程を臨床的に時系列で分析しまして、我が国の感染者の陽性、陰性の判断に適した閾値を設定し直すということが必要ではないかという声もありますが、この三点についてお答えいただきたいと思います。

#50
○参考人(脇田隆字君) お答えいたします。
 まず、第一のPCRでございますけれども、こちら様々な研究論文が出ておりまして、唾液とそれから拭い液を比べて、感度が良い、あるいは感度が悪いというものが出ています。その中で、北海道大学からもそういった報告が出ているものと承知しておりまして、我々も以前から唾液には注目をしていまして、AMEDの研究班の中でその検証を進めています。
 ただ、例えば、その研究室において唾液を採取してその場で検査をするとそれは良い結果が出るということはもちろんあると思うんですけれども、実際の現場では唾液を患者さんに採取してもらってそれを検査センターまで輸送をして、その上で検査をしますので、そういったステップが入りますから、そこのところの評価もしっかりやっていかなければならないというふうに考えています。これも我々のところで評価をしているところです。
 それから、抗原検査につきましては、今、現状では拭い液を使います。拭い液を更に、何といいますか、抗原を抽出するための液体に浸して、それで抗原検査を行うということですので、唾液がそういったものにきちんと反応できるかということも、こちらも検証しております。ただ、やはり感度は多少落ちるのではないかというような現状の分析をしております。
 最後に、抗体検査ですけれども、やはり特異度というものが一番問題になりまして、例えば、どんな抗体検査でも九九・五%程度の、九九%程度の特異度があればこれは非常にいい検査ということになるわけですね。だがしかし、九九%であれば、百人検査をすると一人偽陽性が出てしまうということは、これ一%の判断はできないわけですね。
 ですから、実際に厚生労働省の報告がありましたけれども、昨年の血液を使っても〇・四%、今年の血液を使っても〇・六%ということは、やはり特異度の問題がまだそこを超えていないということになりますので、先生がおっしゃいましたエライザ法、より感度のいい定量法であるとか、それから、抗体のゴールデンスタンダードになるのは中和抗体法というのがございます。
 感染研におきましては、このエライザ法、それから抗原の、抗体、ああ、そうですね、感染した細胞を使ったエライザ法、それから抗原を使った方法、そして最終的には中和法で確認するということで、今、抗体の解析チームをつくって、なるべく早くその結果を出していくということで、少し大きめのコホートで我々も検証していきたいというふうに考えております。

#51
○浜田昌良君 最後に、竹森参考人に、ポストコロナ、ポストコロナでなくてウイズコロナかもしれません、の経済社会について質問します。
 私は、リモートワーク、リモート医療、リモート教育などの分散型社会への転換、大都市集中からゆとりある豊かな社会への転換、新しい生活様式による真の地方創生を目指すべきではないかと思いますが、そのような社会をどう描かれるか、また、そのためには短期、中期、長期にどのような経済対策を取るべきか、お答えいただきたいと思います。

#52
○参考人(竹森俊平君) まず、デジタルというのは、今回、そのリモートワークとか何かで非常に活躍しているわけですね。会社に行かないでいいということは、一時間、一時間、その二時間ですね、一日に節約できる、それを家族と一緒に過ごせる。むしろそのプラスの面がだんだん分かってくる。その間は読書をしてもいいし、勉強してもいい。それを新しい生き方として、おっしゃるとおり、今度、地方のところに、こんなに集まる必要があるのかと、こんな東京みたいに集まる必要があるのかと、そういう意識も出てくると思います。
 短期、中期ということで言うならば、そこに行くためには、東京の人が地方に行って、そこにオフィスを建ててという動きが必要です。私は何かパスポートという感覚なんですけど、今は一つの県と別の県は不要なことだったら行かないでくださいということになっている。いつ行けるようになるのかと、この基準というのをまず医療関係者と相談して、それで動けるようになって、じゃ、地方にいれば安全じゃないか、ここまだ全然感染出ていないよというのであれば、これは中期というふうに考えられます。
 その短期、中期といったときに、これは単に時間の問題ではなくて、そこにイベントがあって、いつその薬が入るのか、いつワクチンができるのか、それによって短期から中期に、中期から長期へ移れると思うので、再びですけれども、医療関係者と相談しながら短期、中期、長期の計画を立てていきたいと考えています。

#53
○浜田昌良君 皆様、ありがとうございました。

#54
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 まず、新型コロナウイルスで亡くなられた方に心から哀悼の意を示すとともに、今も闘病されている方に心からお見舞い申し上げたいと思います。そして、この新型コロナウイルスに打ちかつために尽力されている医療関係者始め全ての方々に心から敬意を表したいと思います。
 三人の先生方、今日は貴重な話を本当にありがとうございました。
 まず私がお伺いしたいのが、今も緊急事態宣言が継続されている八つの都道府県についてです。
 明日、諮問委員会は改めて判断をすることになると思いますが、この八つの都道府県についての感染状況について、今どのようにお考えなのかを教えていただけますか、尾身先生。

#55
○参考人(尾身茂君) お答えいたします。
 八つの県の感染状況については、既にいろいろなところで発表されているので、私がここで申さなくても公開されているのですが、あしたの多分我々諮問委員会はどう思うんだと、判断を、あなたたちはどう思うかという意見を求められると思いますが、その際には、先ほども申しましたとおり、これは県の知事が早く解除してほしいとか、そういうことじゃなくて、これはやっぱり客観的に説明ができるようなことが必要ですよね。
 そこには、先ほども申し上げましたような客観的な、定量的及び定性的な指標というのをもう我々は示してあるので、それを基に今の都道府県、八つの都道府県をどう判断するかということで、関西の方と関東の方が二つ大きくあると思うんですけど、それについてどう判断するかというのは、直近の、あしたのいろんな感染の指標ですね、それと、あとは病院の体制の問題とか検査体制の問題も総合的に判断しますので、そういう中で判断がされるのではないかと思います。

#56
○片山大介君 その今言われたことなんですが、一週間前の三十九県の解除の際、具体的な基準として示されたのが、例の直近一週間の人口十万人、新規感染者が〇・五人以下だと。それ以外については余りきちんと明確にされなかった。
 どのような具体的なデータに基づいて確認し、そして政府の考えを妥当と判断したのか、説明が足りなかった点もあるかと思うんですが、そこについてはあした、ある程度、県や地域、解除されるところも出てくるかもしれませんけれども、そこの説明はいただけないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#57
○参考人(尾身茂君) 実は様々な指標がありますよね、実効再生産数だとかリンクの追えない割合だとか倍加時間。実は、これいろんな様々な指標がある理由は、感染という実態をそれぞれの指標は一部しか見ないんですよね。
 今回の解除に当たっては、最も重要なものとして我々①、②と言ったのは、感染のどれだけ累積にされているか、それを一週間前と見せる、それから新規の感染が人口十万当たりということが最も大事。しかし、それだけでこの大事な感染症の全てのピクチャーを見るわけにいかないので、それ以外にも、例えばPCRの割合だとかリンクの追えない割合とかその他、いろんな指標を総合的に見るということで、さらに、そうした医療以外のベッドの確保状況というのも既に示してありますので、重症度がどうだとか、それから一般病床、それから検査体制がある程度、一定程度の合理的な範囲にできているかということを総合的に判断するということで、それについては数を、定量的なことを示していない部分もありますけど、そういうことを総合的に判断をするということで示したので、それをあした、その指標と比べてどうするかという判断が求められているんだと思います。

#58
○片山大介君 そうしたら、その再流行の判断、備えも必要なんですけれども、ようやく緩めた行動基準をまた、行動規制をまた再び国民に求めるということになるわけですよね。これは国民にとって相当な負担になりますから、それこそ最初に宣言を出した以上の、ハードルが上がるというかね、ある程度今考え方、それも三つ示しておりますけれども、そこはきちんと説明する必要が出てくると思いますけど、そこら辺どのようにお考えなのか、教えていただけますか。

#59
○参考人(尾身茂君) 先生の、再指定の話でございますよね。
 実は、この緊急事態宣言の、日本のどなたもあの緊急事態宣言をもう一度出したいと思った人は多分いないと思うんですよね。したがって、我々は絵でイメージというのをこの前の専門家会議でも出させていただきましたけれども、一度下火になっても、必ずと言っていいほど小さな山は来ると思います。その小さな山というのを早く探知して、そんな緊急事態宣言をもう一回出すなんということになる前に、ここの部分は実は都道府県の知事さんのリーダーシップが極めて重要で、今の感染状況、各都道府県の感染状況の指標というのを国の方も示してありますので、各、それにいろいろ加えていただいても十分、それで早く、感染が少しでも再燃したときには早くいろんな対策を、また都道府県の県民の人に協力していただく部分もあると思うし、医療体制をしっかりすると、そういうことで、なるべくこの小さな山が大きな山にならないように。
 ただし、最悪の場合は、これはもうないことをみんな祈っていると思います、最悪の場合、また同じようなことが起きたとする場合には、四月七日に出したあの宣言よりももっと早い時期に出すということが必要だということは、あそこまで行かないで、もうちょっと早く、だけど、それはなるべく避けるため、そういうことにならないように、小さな山が出たときには抑えるということが各都道府県で求められるんだと思います。

#60
○片山大介君 それで、今、各県のことも言われましたけど、例えば大阪とかは会議の様子をオープンにしています。会議の様子をオープンにしています。それで国民が状況を正しく判断をして、そして、そうした方針を理解してもらうということが不可欠で、それが国民にとっても予見性につながっていくということになると思うんですね。
 そう考えると、政府の専門家会議もある程度議論の内容をもっとオープンにしてもいいんじゃないのかというふうに思いますが、そこは脇田参考人、いかがでしょう。

#61
○参考人(脇田隆字君) ありがとうございます。お答えいたします。
 もちろん、議論の透明性を高めていくということが非常に大事だということは重々承知しておりますので、今回、この流行がある程度これで収まって終息の方向に向かったときに、今後、我々専門家会議も同じような体制でやっていくかどうかということについては十分検討する必要があると考えています。その上で、情報公開の在り方についても考える必要があるというふうに思います。

#62
○片山大介君 是非それを考えていただきたいと思います。
 それで、経済活動の再開に当たって注目されているのは、命か経済かの二者択一ではなくて、命も経済も、まあ二兎戦略というか、それがあると。
 アメリカのハーバード大学の倫理センターが公表したパンデミックに強い社会への道という提言では、一日五百万件以上の大量検査体制を確立して、それで社会基盤を担う職場から順番に正常化に近づけていく。第一段階はエッセンシャルワーカーで、陽性者は公的な所得補償をした上で隔離し、職場にはほぼ感染者がいない状況で安心して働ける環境をつくっていくと。
 この大量検査体制、まあこれが現実的かどうかは別として、日本の今検査体制というのは、先ほどから話あるように、PCRとそれから抗原合わせても一日の目標五万件です。これはやはり少ないというふうにお考えか、どの程度あればいいかというふうにお考えか、尾身先生、お考え聞きたいと思いますが。

#63
○参考人(尾身茂君) 先ほども申し上げましたように、日本の検査体制を公衆衛生学的に見るのと、個人のレベルと違って公衆学的な観点から見ると、日本の感染の検査の体制というのは、一人の死亡者あるいは一人の感染者を見付けるために行っている検査数は諸外国よりも多いんです、絶対数は少ないですけど。感染の状況に応じた、つまりレベルというのでは日本の検査数は諸外国に劣っていることはないという。
 ただし、そのことと個人の不安ですよね、先ほども申しましたように、お医者さんに行って検査をした方がいいと判断されているのにもかかわらず、検査するまでに時間が掛かったあるいは検査できないというのは報道でもありましたよね。このこととその公衆衛生の話は別で、このことに対しては、お医者さんが、軽い症状があったりいろんなことでもう検査する必要があると、今回、また厚生省の方も受診の目安を変えていただきましたよね、四日間というようなことがなくなって。そういうことで、もう検査の指針は変えたけれども、実際は行っても検査ができないということが時々報告。これについては、私は国も挙げて、それから都道府県が結構これキーなんですよね。なぜかというと、知事が都道府県の検査の状況を把握して、必要だったら問題解決するという今仕組みに、これ基本的対処方針にもそう書かれているんですけど、こういう意味でも、ここの今、個人のいろんな安全、安心の問題について今まだ足りないところがございますから、これについてはそのギャップを早く、今だんだんと良くなってきていますけど、まだ私は更に改善する余地があると思っております。

#64
○片山大介君 それで、次、竹森先生にお伺いをしたいんですが、先日の経済財政諮問会議で、検査、追跡、救命と感染遮断を徹底して進める体制を整備し、世界に先駆けて社会、経済を正常に戻すべきと提言をされました。
 そうすると、先ほどのハーバードの考えとも先生近いのかなというふうに思いますが、先生がお考えのその検査と隔離を徹底させて経済活動を進めていくというのは可能なのかどうか、そこを先生はどのようにお考えでしょうか。

#65
○参考人(竹森俊平君) まず、改善のできる余地はあるわけですね。今議論が出たように、症状を感じた人がすぐ診られる体制、これは個人面でだけではなくて、その症状から感染も起こっている可能性があるので、これを下げることはできる。
 そのスピードということでは、取りあえず五月中に一応問題が収まりそうだというのはスピード的に必ずしも遅くないと思いますね。アメリカで、まあ広げて言いますけれども、要するに、例えばヨーロッパでいえば、緩和したというのは、喫茶店に行くことができるようになるとか買物に行くのができるようになるとか、我々よりもはるかに制限されている中のことで、我々は今そんなに遅れてはいないと思います。というか早いと思います。
 そこから先ということになると、今度国際的にどうなのか。つまり、スピードの差が出てくるときに、我々は先に人を外国に送ることはできるけど人を入れるのはちょっと心配だという段階になったときに、その基準を設けて、我々はだから外国に行けるようにする、そういう形での次の国際基準を作るみたいなところでリーダーシップを取れるんじゃないかという意味であの提案を出させていただきました。

#66
○片山大介君 解除後も国民はしばらく新しい生活様式というのを求められるわけなんですが、そのいずれかの時点で、密集の制限もある程度やっぱり緩和せざるを得なくなってくるのかなというふうに思っています。というのは、感染抑止とそれから経済活動というのはどうしてもこの間で両立できない部分があるのは分かるんですけれども、ただ、今のままの状態だと、特にサービス業とか困窮している業種の事業者は先々の事業継続をやっぱり解除されたとしても諦めてしまう人がすごく多くなっています。だから、この密集に対しての考え方、どのようにお考えでしょうか。

#67
○参考人(尾身茂君) お答えします。
 実は、これは極めて複雑というか難しい問題ですけれども、これだんだんとサイエンスで治療薬が出てきたり、あるいは診断薬が出てくると、感染のリスクをゼロに、まだ感染しても症状がない人もいるわけで、多く、でも感染をともかくゼロにしたいというゼロリスクという考えでやるのか、症状が軽いところで終わればいいということで、随分アプローチが違いますよね。
 そういう中で、私は、経済活動を少しずつ解除するというのは、バランスを取ってやるというのは今もう日本のコンセンサスだと思うんですよね。そういう中で、じゃ、三密のいわゆる身体的距離を今から空けていいのかという議論ですね、このことと、フィジカルディスタンスを取るということと経済活動を全部やめるということは全く違う次元の話ですよね。経済活動をしつつフィジカルディスタンスというのを、特に三密のようなところを回避するということは両立できるというのがこの両立の考えですので、そういう意味では、いろんな経済活動、社会活動をしながら、しかし、このまま、今ここで下火になっている、いますよね。我々専門家としての判断は、このまま完全にフィジカルディスタンスというものを、この考えをやめてしまうと、これは冬を待たずに、早晩、まだ感染は続いていますから、今は見えているのが少なくなっているということで、実は見えていない感染があるというのが今回の感染症の一番難しいところで、今感染がゼロになったのが数日あったとしても、その地域でいわゆるウイルスの感染が止まっているかというと、そうではないと考える方が自然です。
 したがって、社会活動をする、でもフィジカルディスタンスを今の時点でやめていいということになると、これは普通、我々の公衆衛生学的な常識を考えますと、この前の韓国であれ中国であれ、いろいろなところで起こりましたよね、ああいうことが冬を待たずに必ず来る、ごめんなさい、必ずとは言えませんけど、来る蓋然性が極めて高いというのが我々の判断で、だから、経済活動はする、いろんなことをする、しかし、感染対策。あるいは、先ほどもフィジカルディスタンス、これが実は、今残念ながらワクチンがない、今の時点、これが唯一の最も強力な公衆衛生学的な対策なんですね。
 だから、そこだけは、あとはまあ、今日、先生方、皆さん、マスクと手洗いと基本的なことは守っていただきながら経済活動を徐々に解決するというのは、もう私ども前から申しています、これはめり張りのある、両立ができるということでそこは三密の話を。これは今、実はこの感染症は、こうずるずる、ゆっくり上がるということじゃないんですね。こう来て、がっと、すっと、こう階段、これがいわゆる今回のクラスター感染の特徴なんです。これには理由がありまして、まあ後でゆっくり、もし御興味があれば。
 こういうことなんで、ここが実は一人一人の感染……

#68
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。

#69
○参考人(尾身茂君) はい。
 そういうことで、このクラスター感染を防ぐためには距離を控えるということが極めて重要。

#70
○片山大介君 ありがとうございました。

#71
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。よろしくお願いします。
 新規感染者数が減少しつつあります。国民の皆さんが本当に大変な中、感染拡大防止に協力をし、そして医療従事者が本当に献身的に奮闘したたまものではないかと思いますが、やはりそうした努力に応えた政治の責任を果たさなければならないし、今の時期こそ医療や検査や補償の体制をつくることが何よりも大切だという立場で質問したいと思います。
 尾身参考人にPCR検査体制についてお聞きしたいんですが、専門家会議は、次なる感染者数の拡大にもきちんと備えられるようにしておくための検査システムの確立を言われております。そして、PCR検査件数を一定数以上担保されていることを求めています。
 先ほどもちょっと議論あったんですが、要するに尾身参考人は、現時点でこれからのその感染を考えた場合にPCRの検査体制は十分だというふうにお考えなんでしょうか。そうではないのであれば、じゃ、それを増やしていくために今最も鍵を握っているのは、課題は何なのか、教えてください。

#72
○参考人(尾身茂君) 私は、先ほど申し上げましたように、検査体制の強化は必要だと思います。
 何がブロックかと。まあ検査体制がなかなか進まなかった理由については、私ども前、あれしましたけど、様々な理由が、ベッドがないということと、あと、保健所機能、あるいは検査に行くまでのプロセスが今まではいわゆる公的なルート、帰国者外来、帰国者センターで、やっとここに来て医師会なんかの協力でこっちのコロナ外来ということができ、まあ様々な要因があるんですけど。
 やっぱり一番大事なのは、これは地域でやるので、国のサポートも必要ですけど、県の中で実は会議体というものをつくってPCRの検査体制を把握してもらいたいということを前から申し上げて、検査の体制は県、全ての県でできたと思う、会議体。それをこれからもしっかりとPCRの体制をモニターして、まあどんどんパーセントが上がるということは、陽性率が上がるということは検査数が少ないことの指標ですから、もしそうなった場合にはもっと上げてもらうということが必要だと思います。

#73
○小池晃君 その県の体制ということについて関連して、先日の記者会見で尾身参考人は、一つの要因として、地方衛生研究所のやはりその歴史的な、検査能力がなかなか伸びていないというか、問題があるということを掲げて、挙げられました。
 しかし、この問題は十年前の新型インフルエンザ対策総括会議の報告書で既にこういうふうに指摘されているんですね。とりわけ、地方衛生研究所のPCRを含めた検査体制について強化するとともに、地方衛生研究所の法的位置付けについて検討が必要であると。なぜこの十年前の総括が生かされなかったんでしょうか。

#74
○参考人(尾身茂君) それは、私ども、そのことはよく知っていまして、これについては、そこはまあ政治家の先生の前で申し上げるのはなかなか難しいですが、やはりこれは国民から選ばれた政治家の先生たちが今まで以上にしっかりやっていただくことが必要だと思います。

#75
○小池晃君 こういうふうに、やはり報告書で言っていたのが十年間やっぱり放置されてきたというのは、やっぱりこれはもうおっしゃるとおり政治の責任だと私思うんですね。
 検査と並んで、やはり次なる課題は、やっぱり医療体制の強化、今の時期こそ医療体制の強化に全力を挙げなければいけないというふうに思うんですが、尾身参考人、今後の感染拡大を想定した場合に、今の時点での確保している入院体制、あるいは軽症者や無症候者の宿泊療養施設で十分だとお考えか、今後のことを考えた場合にですね。その場合、急いで強化する、すべきポイントはどこか、教えていただけますでしょうか。

#76
○参考人(尾身茂君) 宿泊施設あるいはベッドの方は、今のまま、皆さんの努力のおかげで下がってきたので、ある程度飽和状態ということはない。東京都でもそうなっていますけど。これからまた感染が拡大する可能性があるという意味では、もう少し余裕を持ってベッド等、あるいは発熱外来ですね、そういうもの。
 あともう一つは、クラスター感染ということを申し上げましたけれども、高齢者施設とか院内感染が結構多く報告されているので、これに対する対策というもの、例えば感染防具の供給とかそういうものも、これは都道府県というよりも国の方がしっかりと財政的支援を含めてやっていただければと思います。

#77
○小池晃君 その財政支援の問題なんですけれども、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の三団体の調査では、四月の医業利益はマイナス一六%、一病院当たり平均で一億二千万円を超える赤字だと。コロナを受け入れている病院も大変ですけれども、受け入れていない病院でも患者数が激減をして、四月大変なことになっておりますし、こういうコロナの危機の中で医療機関がばたばた倒れるようなことは絶対に防がなければいけないと思うんですね。
 日本医師会の横倉義武会長は、全国医学部長病院長会議とともに、第二次補正予算では七兆五千億円の確保を求められました。一次補正は医療機関支援は僅か千四百九十億円なんですね。尾身参考人、二次補正予算ではやはり桁違いの医療機関、医療体制、検査体制に対する財政支援、財政措置が必要だと思いますが、この点での御意見をお聞かせください。

#78
○参考人(尾身茂君) 私、予算額が幾らかというのはちょっと専門じゃないので分かりませんが、私自身も今JCHOの理事長をしておりまして、そういう中で医療機関が、国は、これはどこの、我々のJCHOだけじゃなくて一般の医療機関もそうですけれども、国あるいは都道府県の要請を受けて感染者を受け入れているわけで、そのために医療の今の成績が私どもも非常に悪くなっています。
 そういう中で、先生おっしゃるように、このことで、感染じゃなくて医療経済のために崩壊するということは絶対避けなくちゃいけないので、この点も政府のリーダーシップを是非お願いしたいと思います。

#79
○小池晃君 竹森参考人にお伺いします。
 経済界の皆さんが検査をやるべきだと声をそろえていることに注目をしております。安心して消費者が消費するためにも、企業が安心して投資をするためにも検査が必要だと。医療上の必要性だけではなくて、経済的な合理性からも検査の抜本的強化が必要だというふうに主張されていることに大変注目をしているんですが、その思いというか趣旨というか、なぜそういう主張をされているのか、お話しいただけますでしょうか。

#80
○参考人(竹森俊平君) 一番最初に申し上げたとおりに、今全部の国民のアクティビティーを抑えなきゃいけないというのは、普通の国民と感染者とのボーダー、グレーゾーンというのがあって、そこでどちらか選べれば、感染者だけピックアップできれば全体のアクティビティーを下げないで済むということなんですけれども、ただ、それは理論的にはそうなんですけど、実際にどうするかということで、先ほど申しましたように、国民全部をPCR検査に掛けられれば、しかもそれを二週間でとかできればまあいいと。
 だけど、それをやっている国はどこにもない、すぐ実現できそうな国もいないということで、PCRでともかくここにありそうだというところにつぎ込んで、それで少なくともこの感染者数を減らしていくことが必要だということでこの間も書いて。
 これから、アプリのトラッキングとか使えば、それがどこを狙えば感染者がいるかというのを、だんだんその推理力が出てくると。ともかく、ピックアップして、それを、感染を、隔離すれば、その全体のアクティビティーを下げる必要は下がってくるということは確かだということで申し上げました。

#81
○小池晃君 その点でいうと、このコロナの特徴としては無症候感染者が多い、軽症者が多いということでいうと、かなり、要するに今までのようなもう入院直前になるまでというんじゃなくて、もう検査の対象を大きく広げるべきだというのが経済界のかなり共通した思いだというふうに理解してよろしいんでしょうか。

#82
○参考人(竹森俊平君) 私はそのように理解しています。ともかく、こういうアクティビティーを下げるという、自粛というのはできるだけ早く解除してもらいたい。幸い、取りあえず、これはもう古典的な、つまり、この社会的隔離というのはどんなとき、例えば一九七六年のエボラのときのアフリカの部族がみんな協力して隔離をやった。そういうことをやって取りあえず下がってきて、もう一回爆発することはやめようということで、もうここから先は科学技術を全部投入して、ともかく早く終息するということを目指していきたいということだと思います。
 経済界の希望もそうだと思いますので、それ、全くその政府の考えと違いはないと私は考えています。

#83
○小池晃君 私も全く同感であります。
 国立感染症研究所の所長でもある脇田参考人にお伺いをしたいんですが、感染研は多数の感染症の専門家がいます。疫学センターもあります。国の唯一の感染症の研究機関として期待も大きいわけですね。これまで経験のないような課題に直面する中で大変な御苦労もあるかと思いますし、予算や人員を削減されてきたという困難もあるかと思います。しかし、感染研のやっぱり長年の実績と持っている能力、貴重な専門家の知見を生かして、やっぱり文字どおり全所体制で研究、検査に力を注ぐ、もっともっと大きな役割を果たせるのではないかなと。
 これ、期待も込めてですが、感染研の今後の課題は一体何か、予算や人員の強化の必要性も含めてお話しいただければと思います。

#84
○参考人(脇田隆字君) ありがとうございます。お答えいたします。
 感染症研究所は、このような新型の感染症の流行に対しての研究だけを行っているわけではなくて、あらゆる国内にある感染症に関する研究、そして検査、サーベイランス、そしてもう一つ大きな役割としてはワクチンの国家検定というものを担っております。ですから、現在、緊急事態宣言の下では、まず第一に全所を挙げて新型コロナウイルス関連の業務を行うということ、それから、ワクチンの供給が止まらないように検定業務を行うということで現在進めさせていただいております。
 感染研の元々の成り立ちといいますのは、基本的には病原体のラボの集まりのような形なんですね。ですから、私は元々肝炎ウイルスの研究者ですけれども、それ以外にも日本脳炎の専門家とかデング熱の専門家とか、あるいは麻疹、風疹の専門家の集まりといったような形になっています。逆に言いますと、その公衆衛生の専門家、疫学センターはもちろんありますけれども、その感染研のごく一部門でしかないというところなんですね。ただし、こういった新しい感染症の流行においては、そういった疫学センターの力というのは非常に大きい、求められるところも大きい。
 それから、FETPというのがございまして、実地疫学の専門家の研修コースですね。これが日本では年間十名の研修生が来ています。これは、韓国の場合であれば年間百名の研修生がいて、そのFETPは今回の新型コロナウイルスに対する封じ込めにも非常に活躍をしているというふうに聞いています。
 ですから、やはり今後のこういった新興・再興感染症の流行に対しては、そういった疫学の、公衆衛生の専門家の育成というのが非常に重要であって、感染研においてもそういった専門家の集団というのを育成していく必要があるというふうに考えています。

#85
○小池晃君 是非全所挙げての取組を強くお願いしたいというふうに思います。
 最後になるかと思いますが、WHOの西太平洋地域事務局長も務められた尾身参考人に、感染症に対する国際協力の問題をお聞きしたいんですが。
 今、アメリカは自国第一主義ということで、パンデミック乗り越える国際的な協力に背を向けております。WHOの対応については、これは今後検証が必要な問題多々あると私は思いますが、しかし、拠出金を停止するという振る舞いは、これは愚かではないかなと。一方で、中国は、この初動の遅れというのは明らかに人権の欠如という体制の問題点と結び付いたものだったと思うんですね。そういう中で、今、米中の対立ということになっている。
 かつての感染症の歴史を見れば、天然痘でもあるいはポリオでも米ソが協力したという歴史もありますし、近いところでは、アメリカのオバマ政権はエボラ出血熱の克服のために国際的な協力のイニシアチブを取りました。私は、しかし、今こういう国際的な協調ができていないというのは非常に深刻ではないかなと思うんですね。
 政治的な問題というよりは、感染症に対する国際協力の在り方として、やっぱりパンデミックの終息のための米中の協調、その中での日本の役割、WHOの事務局長も務めた役割として、尾身参考人の御意見をお聞かせください。

#86
○参考人(尾身茂君) WHOは、本来、いろんな加盟国同士が政治的な対立があってもこのヘルスの分野では中立を守るということで、一九四九年以来ずっとやってきた組織です。私どもがいたときの、SARSのときもいろんなことがあったけれども、これは今のような米中のバトルはございませんでした。
 そういう中で、私は、率直に申し上げますと、アメリカが今拠出金を云々、それから中国もまあ少し初期の対応が悪かったところは、私はそう思います。したがって、そういう中で、私は、日本が、これから国内の問題も大変でしょうけれども、このWHOを通して、あるいはこの二国間の、この米中の、それが終わって、またこれから日本がいろいろ貢献できる部分もあると思いますので、いろんな政治的ないろんな損得、利害は当然外交上ありますよね、だけど、それはおいて、このヘルスのためにみんなが団結する、一致する、その中で日本がリーダーシップを取る。今言葉求められたので、是非日本政府にはそちらの方面での協力、リーダーシップをよろしくお願いしたいと思います。

#87
○小池晃君 ありがとうございました。終わります。

#88
○委員長(金子原二郎君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、参考人の方々に一言御礼を申し上げます。
 本日は、有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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