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2020/05/13 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 本会議 第16号 令和2年5月13日
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2020/05/13 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 本会議 第16号 令和2年5月13日

#1
令和二年五月十三日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十六号
  令和二年五月十三日
   午前十時開議
 第一 投資の促進及び保護に関する日本国とア
  ラブ首長国連邦との間の協定の締結について
  承認を求めるの件(衆議院送付)
 第二 投資の促進及び保護に関する日本国とヨ
  ルダン・ハシェミット王国との間の協定の締
  結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 第三 包括的な経済上の連携に関する日本国及
  び東南アジア諸国連合構成国の間の協定を改
  正する第一議定書の締結について承認を求め
  るの件(衆議院送付)
 第四 投資の促進及び保護に関する日本国とモ
  ロッコ王国との間の協定の締結について承認
  を求めるの件(衆議院送付)
 第五 投資の相互促進及び相互保護に関する日
  本国政府とコートジボワール共和国政府との
  間の協定の締結について承認を求めるの件(
  衆議院送付)
 第六 割賦販売法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 第七 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促
  進に関する法律の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、元本院議長倉田寛之君逝去につき哀悼の件
 一、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律
  案(閣法第五号)(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 元本院議長倉田寛之さんは、去る四月七日逝去されました。誠に痛惜の極みであり、哀悼の念に堪えません。
 つきましては、この際、院議をもって元本院議長倉田寛之さんに対し弔詞をささげることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされ さきに参議院議長として憲政の発揚につとめ 特に院議をもって永年の功労を表彰せられ また国務大臣としての重任にあたられました 元議員従二位桐花大綬章倉田寛之君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
     ─────・─────

#4
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案(閣法第五号)について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。北村誠吾国務大臣。
   〔国務大臣北村誠吾君登壇、拍手〕

#6
○国務大臣(北村誠吾君) 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 国家戦略特区は、岩盤のように固い規制や制度を打ち砕き、我が国経済社会の構造改革を進める突破口として、待機児童の解消、先端医療の促進、農業への民間参入、新たな観光市場の開拓といった多様な分野において、これまでに百一項目の規制改革を実現し、これらを活用した合計三百四十五の事業を実行に移してまいりました。
 我が国における地域課題、とりわけ人口減少、超高齢化、労働人口の減少等に的確に対応するには、AIやビッグデータの活用を含む、我が国が有する最先端技術を暮らしに実装し、未来の生活を先行実現することが不可欠であります。国際的にもこれらの最先端技術を取り込んだ町づくりが急速に進みつつあり、我が国においてもその場を積極的に創出していかなければ、第四次産業革命の成果を自国の経済活力に取り入れるための世界的な競争に取り残されてしまいかねません。
 本法律案は、こうした情勢を背景として、国家戦略特別区域会議や全国の地方公共団体、産業界からの提案を踏まえ、国家戦略特別区域諮問会議等において検討した結果に基づき、第四次産業革命における最先端技術を活用し、未来の暮らしを先行実現するスーパーシティ構想の実現に向けた制度の整備など、地域からの要望の強い新たな制度改革事項を盛り込んだものであります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、スーパーシティ構想の実現に向け、複数の先端的サービス間でデータを収集、整理し、提供するデータ連携基盤の整備事業を法定化し、事業の実施主体が、国や自治体等に対し、その保有するデータの提供を求めることができる規定を盛り込むこととしております。
 また、スーパーシティを構成する複数の先端的サービス事業が、同時かつ一体的に実現できるよう、複数分野の規制改革を一体的、包括的に進める特別の手続を規定することとしております。
 さらに、スーパーシティについて、各府省による協力を強化するために国がデータ連携基盤を整備する者を援助する規定、データ連携基盤整備事業の実施主体に都市間の相互連携強化のための基準を遵守させる規定を盛り込むとともに、法施行後三年以内を目途に施策を検討し必要な措置を講じることを規定することとしております。
 第二に、自動車の自動運転、無人航空機の遠隔操作又は自動操縦その他の技術革新の進展に即応した高度な産業技術の有効性の実証を行う事業を定めた区域計画について、関係行政機関の同意の上、内閣総理大臣の認定を受けたときには、道路運送車両法等の関連四法の特例措置を受けられることとしております。
 第三に、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業について、認定を受けることができない者として、暴力団員等を規定するとともに、認定を受けた事業者に対する立入検査及び業務改善命令、それらの違反者に対する罰則についての規定を盛り込むこととしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
 以上です。ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────

#7
○議長(山東昭子君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。福島みずほさん。
   〔福島みずほ君登壇、拍手〕

#8
○福島みずほ君 立憲・国民.新緑風会・社民の福島みずほです。会派を代表し、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 質問の前に、新型コロナウイルス感染症で亡くなられた皆さんに心から哀悼の意を表します。また、現在闘病されている皆さん、御家族に心からお見舞いを申し上げます。
 そして、懸命に現場で医療に従事している皆さん、公務員の皆さん、介護や保育、公共輸送やスーパー、コンビニ、ドラッグストアなどで必要な物資を販売してくださっている皆さんに心から感謝を申し上げます。
 感染症対策として緊急事態宣言の延長がなされました。解除も検討されています。しかし、感染の実態が分かっていなければ決定できません。日本の最大の問題は実態が分かっていないことです。
 総理は、一日に二万件の検査が可能だと言いましたが、程遠い現状です。厚生労働省は、最近、三十七・五度が四日間続くという基準を削除しました。
 厚生労働大臣にお聞きします。
 多くの人がPCR検査を受けられなかったという反省はあるのでしょうか。政府はPCR検査の抑制をしてきたという自覚はあるのでしょうか。その根本的な転換が行われたと理解してよろしいでしょうか。
 また、検察庁法改正法案が衆議院で審議されています。この法案は、内閣が検察官の人事に介入できるもので、準司法官たる検察官の独立性を破壊し、法の支配を踏みにじるもので、断じて許すわけにはいきません。ツイッターデモが行われ、六百万を超えるツイートがありました。国民の中に反対の声が広がっています。与党の皆さんもこの法案がおかしいと思われませんか。
 そこで、法務大臣の見解をお聞きします。
 法務大臣はこの法案の答弁のため委員会に立つべきだと考えますが、いかがですか。
 大臣は、昨年十一月一日の大臣就任の訓示で、法務省の使命は国民の皆様からの信頼なくしては成り立たないとして、国民の皆様の声にしっかりと耳を傾けていくことをしたいと強調され、国民に信頼される法務行政を一緒につくり上げていきたいと訴えています。そして、困難を抱える皆様を一人でも減らしたい、正義を実現したいという意思を強く持って職務に取り組んでいただきたいと呼びかけました。
 今回の改悪法は、内閣が個々の検察官を審査して役職定年の除外や定年延長を可能にするもので、政権の意のままになる検察づくりそのものです。検察官の独立性、公平性を破壊する大改悪であり、三権分立と法の支配を踏みにじるものです。六百万を超えるツイッターの声にしっかり耳を傾けてこそ、信頼される法務行政をつくることになるんじゃないんですか。黒川高検検事長の定年延長のごり押しを正当化する法案で正義は実現できるのですか。弁護士になってからは、弱い者を守り、頑張る者が報われる社会を目指して頑張ってきたという森法務大臣の率直な思いはいかがですか。
 次に、国家戦略特別区域法、スーパーシティというバーチャルな社会を実現させる法案について、地方創生担当大臣にお聞きします。
 これは、現実には住民のためのものでなく、自治と公共性を破壊し、プライバシーのないミニ独裁国家を生み出そうとする法案です。バーチャルな都市をみんなが望んでいるんでしょうか。多くの人が望んでいるのは、医療や介護や子育て、補償など具体的なことであり、リアルな生活に優しい地域づくりです。
 スーパーシティ構想は、二〇一八年十月、竹中平蔵氏を座長とする「スーパーシティ」構想の実現に向けた有識者懇談会が発足し、二〇一九年二月に最終報告がまとめられました。その直後、内閣府は法改正案を国会に提出する準備に掛かりますが、内閣法制局から待ったが掛かります。何が問題となったのでしょうか。憲法九十四条に反することが問題になったのではないですか。
 スーパーシティ構想の肝は、政府や自治体、企業、個人など、異なる主体が保有するデータです。例えば、国は、国民の年金給付や納税、介護や医療に関する情報などを保有しています。自治体も、各人の住民税等の納税、住民票や戸籍、教育、水道など公共サービスの利用状況等、多くの情報を有しています。企業は、更に多様な個人情報、金融機関であれば預貯金額、電子決済企業であれば購入履歴、さらにIT企業はインターネットの閲覧履歴、スマホの位置情報を通じた行動履歴などを保有します。
 これら個人情報は、国、自治体、企業が各法令に基づいて適切に管理することが定められており、各主体が個人情報を勝手に提供し合うことはできません。しかし、スーパーシティ構想ではこの垣根を取り払い、事業主体となる国家戦略特区データ推進基盤事業者が必要なデータを集めて管理、活用しようとするものです。改正法案の条文上では、データ連携基盤事業の実施者は国や自治体にデータの提供を求めることができる規定が盛り込まれています。
 北村大臣は、国や自治体が持つ住民の個人情報について、本人同意が得られていないなど個人情報関係法令に違反している場合、国や自治体は提供を拒むことができると答弁しました。しかし、国に適用される行政機関個人情報保護法は、公益に資する場合などの特別の理由があるときに、本人同意や通知がなくても国は事業者への個人情報を提供してもよいと認めています。
 スーパーシティ構想の下では、個人情報の提供がなぜ特別の理由に当たるのですか。政府は、個別事例で検討としています。それでは行政機関個人情報保護法が今まで個人情報を保護するために作られ、整備されてきたことを覆し、破壊してしまうのではないでしょうか。どこに正当性があるのでしょうか。
 また、自治体の場合はそれぞれの個人情報保護条例に沿う形になりますが、ここでも本人同意なくデータが提供されるかどうかは各区域会議での判断によるとされています。国や自治体が本人への合意や通知なく個人情報を事業者に渡す可能性もあることが国会審議でも明らかになりました。
 法律で個人情報保護をしてきたにもかかわらず、スーパーシティであれば、なぜ同意なしに個人情報を提供することができるのですか。なぜスーパーシティであれば、他の地域と違ってプライバシーや人権を考慮しないことができるのでしょうか。
 国家戦略特区データ連携基盤は、データの連携を可能とする基盤を通じ、データを収集、整理し提供するとされています。しかも、他の都市と相互接続することができます。その地域の個人の様々な情報が他の都市にも流れていくということではないですか。
 国や自治体や民間企業、個人が持っているデータがAPI、そしてデータ連携基盤に集積され、さらに、企業に転用されます。国や自治体が持っている巨大な個人情報や他の民間企業が持っている情報をある民間企業が入手し、その会社に蓄積し、その会社の様々な利益のために利活用することを推奨するのでしょうか。個人の利益は優先されないのでしょうか。
 データ連携基盤を運営する事業者とはどういうものを念頭に置いているのですか。巨大IT企業か、コンサルタント企業か、外資系企業も含まれるということでよろしいですね。その事業者の選定は適切に行われるのでしょうか。
 また、その事業者が個人の同意なく個人情報を得ることができるのなら、個人情報の管理を適切に行っているか監視するための機能が必要です。どうやって、誰が、事業者の事業を監視するのでしょうか。
 データ連携基盤を運営する事業者や情報を入手する企業は、自らの事業のために、利益を上げるためにスーパーシティの事業に関わります。それでは、スーパーシティは住民のためにあるのでしょうか。
 カナダ・トロント市では、市がウオーターフロント地区をスマートシティーにしようと計画しました。グーグル関連企業が参画し、監視カメラデータで住民の行動データを利用することが含まれていました。裁判が提訴され、原告は、カナダはグーグルの実験用マウスではないと主張しました。五月七日、グーグル関連企業はプロジェクトから撤退すると発表しました。住民の懸念の声が政策を変えたのです。
 アメリカのサンフランシスコ市議会では、二〇一九年五月十四日、公共機関による顔認証システムの導入を禁ずる条例案が可決をされました。大企業による顔認証システムの使用は、住民のプライバシー権の侵害を始め重大な問題をもたらすとして地域の住民が反対をしたのです。警察や市交通機関を含む全ての地方機関は顔認証システムの導入ができなくなり、ナンバープレートリーダー、DNA解析などを含む監視技術を新たに導入する際には、市の承認が必要となりました。
 住民は、監視社会をつくり、大企業が情報を独占し、利益を上げるための手段ではありません。住民はバーチャルな未来都市ではなく、リアルな医療、介護、子育て、教育、公共輸送などのインフラを守り、住みやすい町を望んでいるのではないでしょうか。
 IT化を始め科学技術イノベーションを暮らしや地域に取り入れ、地域の課題を解決していくことにはもちろん一定の意義と効果があります。問題は、それが住民の実態やニーズを踏まえ、ボトムアップで提案され、かつ運用や責任に自治体や住民が参画して行っているかです。スーパーシティの中で住民自治や民主主義に基づく決定や運用が担保されているとは到底思えません。どのように住民自治と民主主義を担保しているのですか。
 そもそも、規制改革会議やPFI推進室などは、この間も水道法民営化法や種子法廃止、卸売市場法廃止など、暮らしの基盤を支えるルール、規制を壊し、自治や公共性を攻撃、後退させてきました。スーパーシティや地方創生という名の下で自治体が競争に駆り立てられ、終わってみれば利益は東京に還流されていくという悪循環は断ち切らなければなりません。
 なぜ規制改革が全国に展開せず、日本全体の経済成長にもつながらないのか。それは、国家戦略特区が、地方自治体の実態やニーズよりも官邸の意向ありきで立案され、各省庁を飛び越えたトップダウンで進められてきた点が関係しているのではないでしょうか。これまで内閣府は国家戦略特区の立案において、地方の声を本当に聞いてきたのでしょうか。
 国家戦略特区の決定プロセスも透明性が低く、特定の委員やその関連企業など利害関係者の関与の疑いが強いと言われています。その象徴的な事例が加計学園の獣医学部新設問題で、申請から決定に至るまで、首相の圧力ないしは官邸のそんたくによって公正な判断がゆがめられたのではないかと追及されました。国家戦略特区は、その公平性や透明性がないことが指摘され続けています。国家戦略特区は廃止すべきではないでしょうか。
 安倍政権が新型コロナウイルス感染症対策において迷走に次ぐ迷走を行い、余りに遅く、的確な対応が打てない最大の理由は、安倍政権が国民の命と生活に向き合う政治を一切してこなかったからではないですか。国会では、このスーパーシティ法案、検察庁法改悪法案、種苗法改悪法などが審議をされています。今はコロナの問題の解決に専念し、全力を挙げなければならないときです。これらの不要不急の法案の審議をすべきときではありません。
 自粛と補償はセットだと私たちは言ってきました。感染で亡くなるだけではなく、政府の無策によって亡くなる人が出てきてしまうのではないでしょうか。野党が提案している家賃支援法案、コロナ困窮学生支援法案、子ども支援法案などこそ成立させていこうではありませんか。
 住民の情報を吸い上げて大企業が潤う構造のスーパーシティ構想は、憲法にも法律にも反し、住民のためにならないということを申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣北村誠吾君登壇、拍手〕

#9
○国務大臣(北村誠吾君) 初めに、憲法第九十四条との関係についてお尋ねがございました。
 スーパーシティ構想の実現に向けた有識者懇談会において、地方公共団体がその事務に係る政省令について条例で特例を定めることができるようにする可能性が提示されたと承知しております。
 これを受けまして、内閣府が内閣法制局に相談をいたしましたところ、憲法第九十四条において、地方公共団体は法律の範囲内で条例を制定することができると規定されていることから、条例により政省令の特例を定める、いわゆる条例による上書きはできないとの明確な見解が示されたと承知いたしております。その見解を踏まえて内閣府から内閣法制局に改めて相談をいたし、条例により政省令の特例を定めるのではなく、条例が必要とする国の複数の法令の改正を同時、一括、迅速に実現できるよう、特例的な手続に関する規定を盛り込んでいます。
 次に、行政機関個人情報保護法との関係についてお尋ねがありました。
 行政機関個人情報保護法が行政機関の保有する個人情報を行政機関以外の者に提供することを認める特別の理由としては、該当する個人情報を行政機関に提供する場合と同程度の公益性があることなどは必要とされています。
 現状では、スーパーシティであることが直ちに特別の理由に当たることにはならないと考えていますが、具体的には、提供を要請された行政機関において提供に係る個人情報の性質や利用目的等に即して個別に判断されるものと認識しています。
 次に、各地方公共団体の個人情報保護条例との関係についてお尋ねがございました。
 各地方公共団体が保有する個人情報は、地方公共団体が定める個人情報保護条例に基づき取り扱われていると承知しております。スーパーシティにおいても、各地方公共団体が保有する個人情報の提供の是非は、各地方公共団体において個人情報保護条例に基づき個別に判断されるものと認識しています。
 次に、他の都市への個人情報の流出についてのお尋ねがありました。
 本法案では、データ連携基盤整備事業者には、これまでと変わることなく個人情報関連の法令遵守を求めることとなります。また、政府が定めるデータの安全管理基準により、サイバーセキュリティー対策等を義務付けることとしています。このように、個人情報の管理には法令や基準に基づき万全を期してまいります。
 次に、データの集積と活用についてお尋ねがありました。
 データ連携基盤は、基本的にデータの蓄積を行うものではなく、それぞれのデータの活用については、それぞれのサービスを提供する事業者が担うことになります。その際、各事業者が個人情報を始め法令に規定された一定の手続が必要なデータを扱う場合には、各個人の意向が十分に尊重されるよう、各事業者に当該法令の遵守が求められることになります。
 次に、データ連携基盤整備事業者の選定及び監視についてのお尋ねがございました。
 データ連携基盤整備事業者を始めとする事業者は、スーパーシティエリアの選定の後に設置される区域会議の構成員として公募等により選ばれることとなります。この公募は、法の規定に基づいて内閣府自身で手続を行い実施するものであり、この段階で事業者の選定の透明性を担保することとしています。また、選定されたデータ連携基盤整備事業者には、これまでと変わることなく個人情報関連の法令遵守を求め、さらに、政府が定めるデータの安全管理基準により、サイバーセキュリティー対策等を義務付けることとしています。このように、内閣府としても、区域会議による確認を含め、個人情報の管理には、法令や基準に基づき万全を期してまいります。
 さらに、住民自治と民主主義の担保についてお尋ねがございました。
 区域会議が規制改革の案とともに区域計画の案を内閣総理大臣に提出する際には、本法案に基づき、住民その他の利害関係者の意向を踏まえる必要があります。具体的には、内閣府や地方公共団体等を構成員とする区域会議で、実際に提供されるサービスの内容や範囲に応じて住民等の意向の適切な把握方法を十分に検討してまいります。
 国家戦略特区の立案における地方の声についてお尋ねがございました。
 国家戦略特区は、地域からの様々な提案やニーズに基づき、地方創生に資する規制改革を実現する制度でございます。例えば、兵庫県の丹波篠山市における古民家の再生、あるいは兵庫県の養父市における遠隔服薬指導による過疎地への医療ニーズの対応、さらに秋田県の仙北市における農業体験を中心としたグリーンツーリズムの推進など、あらゆる機会を捉え、地域からの様々な提案やニーズを聞き取り、各地域ならではの特色を存分に生かした地方創生を進めてきました。今後とも、地域の提案やニーズにしっかりと応えながら、規制改革を着実に実現してまいります。
 最後に、国家戦略特区制度の公平性、透明性及びその廃止についてお尋ねがございました。
 獣医学部の新設をめぐっては、法令にのっとり、一貫してオープンなプロセスで進められてきており、その選定のプロセスにおいては、民間有識者も一点の曇りもないと述べておられると承知しております。今後とも、適切かつ透明な国家戦略特区制度の運営に努めてまいります。
 以上であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕

#10
○国務大臣(加藤勝信君) 福島みずほ議員にお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症に関する相談、受診の目安についてお尋ねがありました。
 相談、受診の目安は、特に高齢者や基礎疾患のある方々などが確実に必要な診療につながるよう、専門家の方々の御意見を踏まえ、どのような方がどのような場合に相談、受診していただくのかの目安として示したものであります。しかしながら、この目安がPCR検査の一つの基準のようになり、検査が受けられないなどの御指摘も踏まえ、繰り返し各都道府県等に対し通知をし、医師が必要と判断した方に対して検査を実施するよう、周知に努めてきたところであります。
 国民の皆さんへの周知が足りなかったことについては真摯に反省するとともに、今回の見直しでは、季節の変化によりインフルエンザなど他の風邪のような症状のある疾患が減少してきた状況なども勘案し、専門家の御意見も踏まえ、すぐに御相談いただきたい場合を分かりやすく整理するとともに、これらに該当しなくても相談は可能であること、この目安は国民の皆さんが相談、受診する目安であり、検査については医師が個別に判断していくことを明確にしたものであります。
 引き続き、国民の皆様への分かりやすい情報発信に努めていくとともに、医師が必要と判断した方が確実に検査が受けられるように努めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣森まさこ君登壇、拍手〕

#11
○国務大臣(森まさこ君) 福島みずほ議員にお答えをいたします。
 検察庁法改正法案についてお尋ねがありました。
 今般の検察庁法改正法案は、一般職の国家公務員の定年の引上げに合わせて検察官についても定年を六十五歳まで段階的に引き上げるとともに、役職定年制及びその特例と同様の制度を導入するなどするものであり、本来的に検察権行使に圧力を加えるものではなく、検察官の独立性を害さず、三権分立に反するものでもありません。
 また、同改正法案においては、検察官の勤務延長等に当たってその要件となる事由を事前に明確化することとしており、内閣による恣意的な人事が行われるといった御懸念は当たりません。
 そして、今般の国家公務員法等の改正法案の趣旨、目的は高齢期の職員の豊富な知識、経験等を最大限活用する点などにあり、検察庁法改正法案の趣旨、目的も同様であって、黒川検事長の勤務延長とは関係がありません。同改正法案は、平成三十年八月の人事院からの国家公務員の定年引上げについての意見の申出を受け、検討を進めてきたものです。
 インターネット上の様々な御意見は承知しており、国民の皆様の御理解が深まるよう、引き続き真摯に御説明してまいります。
 国会の審議の進め方については、国会において決定される事柄ですので、それに従ってまいります。(拍手)
    ─────────────

#12
○議長(山東昭子君) 柳ヶ瀬裕文さん。
   〔柳ヶ瀬裕文君登壇、拍手〕

#13
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文です。
 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案について、我が党を代表して質問させていただきます。
 冒頭、今般の新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に心よりお悔やみ申し上げますとともに、闘病中の方々にお見舞い申し上げます。また、日々医療現場の最前線で働いておられる医療従事者の皆様の御尽力に深く敬意を表します。
 日本維新の会は、今後も新型コロナウイルス対策について真摯に建設的な政策提案を行っていくことをお誓い申し上げ、法案の質疑に入ります。
 まず、規制改革の必要性についてお伺いをします。
 私は、日本経済を長期にわたって低迷させてきた最大の要因は、政府による過剰な規制にあると考えています。テクノロジーは日々進化しています。これに合わせて、民間企業は創意工夫し、新たなサービスや商品を実現しようとする。しかし、網の目のように張り巡らされた規制によって阻まれる。今回の新型コロナウイルス対策でも、オンライン診療やオンライン学習の実現を遅らせたのは、極めて細かい、そして合理性のない規制でありました。変化によって損失を受ける人たちは、変化を拒む。規制によって守られることを望み、そこに利権構造が形成されてきました。規制は、安全を守るなど大きな役割を果たすとともに、一部の団体などの利益を守る装置として機能してきたのであります。
 日本維新の会が企業・団体献金を受け取らないのは、利権構造にくみすることなく、全体の奉仕者でなければならないとする決意の表れでありますし、聖域なき規制改革に取り組む覚悟の表れでもあります。
 まず、地方創生大臣にお伺いしますけれども、国家戦略特区に代表される規制改革がなぜ必要だとお考えなのか、基本認識をお伺いしたいと思います。
 次に、地方創生と国家戦略特区の関係について伺います。
 真の地方創生に向けて、地域の自立が必要です。これまでの地方創生の様々な施策はどれだけの成果を上げてきたのでしょうか。東京一極集中の是正という掛け声は勇ましいものの、人口の流出を止めることはできず、地方の疲弊は加速し、困難な状況は続いています。地方創生を実現するためには、小手先の手法や単なる財政支援ではなく、抜本的な政策転換が必要です。何よりも地方分権と規制改革が重要であると考えています。
 権限と財源を地方に移譲することで、地方が自主自立をする。地方がそれぞれの地域の特性に合った創意工夫ができるよう規制を撤廃していく。このことを通して民間活力を引き出し、地域経済を活性化することが、まさに地方創生につながるのではないでしょうか。世界で一番ビジネスをしやすい環境を目的に大胆な規制改革を行う国家戦略特区制度は、それぞれの地域が個性を生かして飛躍することのできる、非常に大きな役割を持つ制度と考えます。この制度を存分に活用することで地方創生を図り、ひいては日本全体の成長につなげていくべきと考えますが、地方創生大臣の見解を伺います。
 次に、国家戦略特区制度の現状について伺います。
 平成二十五年十二月に国家戦略特別区域法が成立してから六年が経過しましたが、残念ながら当初の期待どおりの成果を上げることはできていません。平成三十年十月の国家戦略特区諮問会議での資料には、特区の岩盤規制改革力が事実上機能停止に陥っており、岩盤規制改革を始めた当初の原点の思いに帰り、国家戦略特区の再スタートを切るとあります。しかし、この再スタートの後においても、例えば、令和元年度に実現した規制改革措置は十二件にとどまるなど、岩盤規制改革は著しく停滞していると言わざるを得ません。
 昨年十一月八日の参議院予算委員会において、我が党の東徹議員の問いに対し、安倍総理は、規制改革は安倍政権の成長戦略の中核であり、様々な岩盤規制を打ち砕くために、その突破口となる国家戦略特区を創設したと述べられていますが、現状をどのように評価しているのでしょうか。現在の国家戦略特区が岩盤規制に穴を空ける突破口としての役割を十分に果たし、日本の成長に真に貢献していると言えるのでしょうか。現状認識を地方創生大臣にお伺いをします。
 続いて、スーパーシティについて伺います。
 スーパーシティ構想は、最先端技術を活用し、未来の暮らしを先行実現する丸ごと未来都市としており、特に大胆な規制改革を対象エリアを絞って集中的に進めていくものであります。このスーパーシティについては、住みやすい、ビジネスがしやすい最先端の町づくりとしてのショーケースの役割を果たすとともに、複数分野の規制改革を同時、一体、迅速に実現するという起爆剤としての役割を期待するものでありますが、幾つかの課題について質問してまいります。
 スーパーシティの区域の選定については、本法成立後、速やかに国家戦略特区基本方針に選定基準を定め、ごく少数の区域を透明なプロセスで選定するとされています。再び制度への批判を招かないよう透明かつ公正な選定が何よりも求められますが、何件程度の区域を、どのような基準により選定をしていくのか、地方創生大臣に見解を伺います。
 また、本法案におけるスーパーシティ型では、地方公共団体、事業者、内閣府から成る国家戦略特別区域会議において事業計画の立案がなされることとしております。では、特別区域会議に加わる事業者の選定において、外形的公正性の担保はどのようになされるのでしょうか。事業者の選定を行う上で、事業者と政治家及び政府、地方公共団体関係者の接触について制限を設けることや、面会実績の概要公開を行う必要があると考えますが、地方創生大臣の見解を伺います。
 従来の国家戦略特区制度では、事業計画案の検討中に新たな規制の特例措置について各省調整を行い、その段階で多くの事業が断念若しくは個別に内容の修正を受けるという大きな問題がありました。本法案では、この点を克服すべく、各省調整の前段階で事業計画案を公表することにより、各省の検討が同時、一体、包括的に進むよう後押しする仕組みとされています。最初に案の全体像が示されることで国民にも分かりやすい形で規制改革の議論が進むことが期待されますが、一方で、スーパーシティ区域に指定された後に各省調整が行われることから、その段階で計画が行き詰まるリスクも否定できません。そのようなことがないよう、スーパーシティ区域の指定時には、その事業計画案に対し各省の協力が得られるとの見通しがなければならないと考えますが、地方創生大臣の見解を伺います。
 新型コロナウイルスとの闘いの中で、社会は変化を余儀なくされています。テレワーク、オンライン学習、オンライン診療。AIやビッグデータを活用し、行動変容のための提案がなされています。スーパーシティは、私たちが感染症対策として実現しようとしている社会の姿そのものだと言えます。
 感染拡大は一旦下火になりつつあるように見えますが、いつ爆発するか分かりません。また、第二波、第三波の到来も予測されています。このような状況で、どのような手段で対抗すべきなのか。新しい生活様式によって個人個人の行動変容が推奨されていますが、同時に、政治の責任として、長期的な視点に立って感染症と共存できる新しい社会、町づくりに踏み出すべきではないでしょうか。
 規制改革を進め、次の世代に不安のない社会をつないでいく、これが私たちの役割です。日本維新の会はその先頭に立っていく、このことをお誓い申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣北村誠吾君登壇、拍手〕

#14
○国務大臣(北村誠吾君) 初めに、国家戦略特区に代表される規制改革の必要性についてお尋ねがございました。
 規制改革は、新しい時代を切り開く成長のメーンエンジンであり、安倍内閣の成長戦略の中核であります。日本の底力を阻害するような規制に真正面から挑戦し、スピード感を持って改革を進めていくことが重要であります。
 特に、国家戦略特区では、これまで全国的に実現が困難であった規制改革であっても、区域を限定しつつ、一定の要件を課すことなどにより、農業、医療、保育などの幅広い分野において、合計百項目以上の岩盤規制改革を実現してきました。引き続き、世界で一番ビジネスのしやすい環境の整備に向け、岩盤規制改革を進めてまいります。
 次に、国家戦略特区制度と地方創生の関係についてお尋ねがございました。
 国家戦略特区は、地域からの様々な提案やニーズに基づき、地方創生に資する規制改革を実現する制度であります。例えば、兵庫県の丹波篠山市では、建築基準法の特例により宿泊施設として古民家の有効活用を実現なさっています。このほか、兵庫県の養父市においては、過疎地における医療ニーズに対応する遠隔服薬指導も全国に先駆けて実現なさいましたし、秋田県の仙北市の旅行業務取扱管理者に関する特例によって農業体験を中心としたグリーンツーリズムなどを実現しています。今後とも、地域の提案やニーズに応えながら規制改革を着実に実現することにより、地方創生を図り、日本全体の成長につなげてまいります。
 次に、国家戦略特区の日本の成長への貢献についてお尋ねがございました。
 平成二十五年十二月の制度創設以来、国家戦略特区は岩盤規制改革の突破口として、都市公園内での保育所設置による待機児童対策、そして農家レストランの設置による農業の六次産業化の推進、また、これまでにない新たな市場を創出することで地方創生や経済成長に大きく貢献してまいりました。
 また、首都圏の都市再生プロジェクトについては、都の試算で約十一兆円の経済波及効果が見込まれるとともに、福岡の都市再開発プロジェクトについては、市の試算で年八千五百億円の経済波及効果が見込まれるなど、その地域の経済成長につながっています。
 先ほど申し上げた都市公園内での保育所設置や農家レストランの設置を始めとして、特区限定の特例措置を全国展開することにより新たな市場を開拓しておりますから、引き続き規制改革を我が国の経済成長につなげてまいります。
 次に、スーパーシティの区域の数及び選定基準についてお尋ねがございました。
 スーパーシティの区域は、可能な限り定量的な指標も用いつつ、客観的な評価に基づいて検討を行い、五都市程度を、五つの都市程度を選定する予定であります。その指標など具体的な選定基準は、今後、特区基本方針を改訂し、閣議決定する予定であります。
 次に、スーパーシティの区域会議に参加する事業者の選定についてお尋ねがありました。
 事業者は、内閣府も入った区域会議の構成員として、公募により選定されることとなります。このため、事業者の選定の外形的公正性はこの段階で担保されるものと考えております。
 最後に、スーパーシティ区域の指定時における各省の協力についてお尋ねがございました。
 スーパーシティの区域の選定に当たっては、特区諮問会議など有識者などの第三者が加わったオープンな場に諮った上で、最終的には政令により指定することとなります。このため、この段階で各省にも協議を行い、了解を得た上で閣議決定することとなります。
 以上であります。どうぞよろしく御賛同のほどお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#15
○議長(山東昭子君) 田村智子さん。
   〔田村智子君登壇、拍手〕

#16
○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました国家戦略特区一部改正法案について、北村地方創生担当大臣に質問いたします。
 質問の前に、検察庁法改定法案について一言申し上げます。
 検察幹部の役職定年を内閣の判断で特例延長できるという法案に、日弁連は三権分立を揺るがすおそれさえあると反対の声明を発表。ネット上でも抗議の声が瞬く間に広がっています。法案を押し通すことは断じて許されません。このことを申し上げ、質問に入ります。
 本法案は、スーパーシティ構想の推進を主たる内容としていますが、新型コロナ感染症で緊急事態宣言が延長されている今、審議すべき法案なのでしょうか。
 アメリカ・グーグル社の姉妹企業サイドウォーク・ラブズは、カナダ・トロントでのスマートシティー事業を中止しました。元々市民の反対も強く行き詰まっていたところに、新型コロナ感染症の流行を受け中止に追い込まれたとの報道です。本法案の策定過程でも海外の好事例とされたものであり、トロントでの事業中止をどう受け止めているのか、大臣の答弁を求めます。
 今、日本も、リーマン・ショックをはるかに超える経済危機に直面しています。政府、自治体、そして企業にとっても、倒産、廃業、失業をどうやって回避するのか、また今後、長期にわたる生活様式の変容の下でどうやって事業と生活を支えていくのか、かつて経験したことのない課題に直面しているのです。新型コロナ感染が起こる前のスーパーシティ構想は一旦止めて、未来を展望するためにも、目の前にある危機と不安の解決に予算も施策も集中すべきではありませんか。
 あわせて、お聞きします。危機を乗り越える上で、地方創生臨時交付金が既に足りない、また休業要請に応じた中小事業者への協力金が自治体の財政力によって大きな差が生じている、これらの問題にどう対応するのか、お答えください。
 不要不急の法案ではありますが、法案についてお聞きいたします。
 そもそも、スーパーシティとはどのような未来都市なのでしょう。法案では、AIやビッグデータの活用のため、データ連携基盤、都市オペレーションシステムの整備、区域データの収集、整理、また、区域データをスーパーシティ事業の実施主体に提供するとしています。この区域データとはどのようなデータなのでしょうか。
 内閣府の資料では、移動、物流、支払、行政、医療・介護、教育、エネルギー・水、環境・ごみ、防犯、防災・安全などの領域から、少なくとも五つ以上、生活全般にまたがってビッグデータを集積、解析し、AIの活用を図ることが具体像として示されています。つまりは、区域内の住民が、いつ、どこからどこに移動したか、何を買ったか、どのような医療や教育を受けているかなどの情報を集積、整理し、活用することを目指すのではありませんか。
 政府は、個人情報の匿名加工を強調しますが、スーパーシティ事業では地域丸ごとキャッシュレス、遠隔医療などが想定されており、厳格な個人認証抜きには成り立ちません。例えば、既に国内一部企業で行われている顔認証によるキャッシュレス販売のようなことが地域丸ごとで行われるのでしょうか。これまでとは次元の違う個人の生体情報が大量に集積され、活用されることになるのではありませんか。
 海外の事例として内閣府も紹介する中国杭州市では、市内に四千台を超えるカメラが配置され、リアルタイムで交通情報をAIが監視、信号の自動操作だけでなく、交通違反の取締りも行っています。ナンバープレートや顔認証によって個人の行動を監視しているとも伝えられています。
 このように、海外のスマートシティー構想の中には、個人の行動履歴が集積され、AIによって分析、活用されるだけでなく、行政機関によるチェックも可能となる市民監視社会とも言える事例が見受けられますが、これも日本の目指す未来社会のモデルなのでしょうか。市民監視社会にはならないというのならば、その保証はどこにあるのでしょうか。
 以上の指摘を踏まえて、そもそもスーパーシティ丸ごと未来都市とはどういうものなのか、国民に分かるように御説明ください。
 個人情報のビッグデータ化と利活用こそが理想の未来都市だと政府が決め付けることに、私は疑問を抱かずにはいられません。
 二〇一三年、JR東日本は、Suicaの履歴を匿名加工して日立製作所に販売すると発表しましたが、炎上とも言える批判によって中止に追い込まれています。法令上は適正な行為ですが、自分の行動履歴が匿名化されたとしても、一企業のビジネスに利用されることに気味の悪さや不快感を抱く市民が少なくないことを示しています。データ販売はしないまでも、法案が目指す区域データの活用とは、交通IC履歴も含まれるのではありませんか。
 また、昨年は、就職情報サイト、リクナビが個々人の内定辞退予測を企業に提供していたことが明らかとなり、社会問題となりました。登録者のネット閲覧履歴などによって個人情報をプロファイリングしたことが問題となったのです。個人情報保護委員会は、個人情報の使用について説明と本人同意がなかったことを問題にしましたが、就職情報サイトでは、個人情報の使用に同意しなければ登録は完了しません。利用者は不安を持っていても同意せざるを得ないのが実態です。また、個人情報のプロファイリングについては、法律上何の規制もありません。
 AIやビッグデータの活用が進む下で、個人情報の利活用について国民的な議論、自らの個人情報の利活用を制限してほしいという権利をどう保障するのか、こういう検討こそ求められているのではありませんか。
 次に、スーパーシティ構想を進める国家戦略特区の仕組みについて質問します。
 国家戦略特区では、規制緩和の提案は自治体も民間も自由に行えますが、その内容を非公開とすることが可能です。また、どの提案がワーキンググループのヒアリングを受けるのか、その選定過程は完全なブラックボックスです。
 スーパーシティ構想では五十三団体がアイデアを提案していますが、その内容が公開されていないのはなぜでしょうか。
 また、区域指定に当たり、住民との事前の協議や合意について何も示されていませんが、住民が知らないうちに区域指定されることもあり得るのでしょうか。
 内閣府は、区域指定後、区域計画の策定では住民合意を前提とするとしていますが、それは、住民投票などによって住民の多数の意思を確認するのでしょうか。それとも区域会議への自治体代表の参加でも合意とみなされるのでしょうか。
 また、事業内容に賛成できない住民の個人情報はどう扱われるのでしょうか。協力できない住民が事実上排除されるような社会の新たな分断が持ち込まれるのではありませんか。
 今回の法案は、「スーパーシティ」構想の実現に向けた有識者懇談会の最終報告を受けて策定されていますが、竹中平蔵氏を座長とする懇談会では、中国などと比べてビッグデータの活用が遅れていることへの危機感を丸出しにして、国際競争に勝つために、政府と自治体の首長が強力なリーダーシップを発揮して、迅速にスーパーシティを実現することを求めています。
 国際競争のためではなく、EU並みの個人情報保護を実現し、住民の利益や福祉の向上に資するためにIT・AI技術を活用する検討が政府に求められているのではありませんか。
 以上、答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣北村誠吾君登壇、拍手〕

#17
○国務大臣(北村誠吾君) 初めに、法案審議の必要性についてお尋ねがございました。
 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、外出できなくなった高齢者の生活や、ライフラインの脆弱な中山間地域での暮らしをどのように支えていくかは重要な課題であります。また、都市部を含め、感染経路の見える化や三つの密の回避のために、遠隔教育や遠隔診療の活用など、最先端技術の暮らしへの導入と定着が喫緊の課題となっています。まさに、スーパーシティは、このようなときだからこそ技術による社会的課題の解決に向けその重要性を増しているところであり、その実現を急いでまいります。
 次に、カナダ・トロントでの取扱いについてお尋ねがございました。
 トロントの取組は事業計画を最終決定する直前であったと承知していましたが、財政的な事情とはいえ、事業者がスーパーシティ構想と類似の事業から撤退することになったことは、誠に残念であります。ただし、トロント市は新たなパートナーを見付けることを表明なされており、事業構想そのものが頓挫、中止になったわけではないと承知しておるところであります。
 次に、スーパーシティ構想を一旦止めるべきではないかとのお尋ねがございました。
 先ほども御説明したとおり、新型コロナウイルスの感染の拡大を防止すべく、新しい生活様式を確立するためにも、スーパーシティのような最先端の技術を活用して未来の社会、生活を実現することは喫緊の課題となっており、引き続きその実現を急いでまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金についてお尋ねがございました。
 本交付金は、地域の皆さんが力を合わせて新型コロナウイルスと闘うため、地域の実情に応じた取組を行うための財源として用意したものであります。それぞれの地域の御判断によって自由度高く使うことができる仕組みである以上、一兆円の枠内で、地域の知恵と工夫を凝らして有効に活用していただくものと考えております。各地方公共団体の具体的な執行はこれから始まるものであることから、今後については、しっかり地域の実情を見極めた上で考えてまいります。
 また、御指摘の、休業要請に応じた中小事業者への協力金を含め、自治体がどのような措置を講じるかについては、地方自治の中でそれぞれの自治体が自らの地域の実情や財政力等を踏まえ個別に判断するものと考えており、内閣府としてもその判断を尊重したいと考えております。
 次に、法案の区域データについてのお尋ねがありました。
 区域データとは、スーパーシティにおいてサービスを提供する事業者がその事業の実施に当たって活用するデータでございます。例えば、通常の小売サービスであれば、顧客データや顧客の購買履歴あるいは決済情報など、サービスを提供するために必要な情報が該当いたします。
 さらに、区域内の住民の情報の集積、整理、活用についてのお尋ねがありました。
 スーパーシティでは、サービスを提供する事業者が各事業の中で必要な情報を得るために区域データを集積、整理、活用することも考えられます。その際、各事業者が個人情報を始め法令に規定された一定の手続が必要なデータを扱う場合には、各事業者に当該法令の遵守が求められることになります。
 次に、個人の生体情報等の個人情報の集積、活用の可能性についてお尋ねがございました。
 生体情報等の個人情報は、個人情報関係の法令に基づき、本人の同意が得られる範囲の中で関係するサービスに用いられることになっており、個人の意向に反するような形でその情報を集積し、活用することは予定してはおりません。
 次に、市民監視社会についてお尋ねがありました。
 個人の行動履歴については、個人情報関係の法令に基づき、本人の同意が得られる範囲の中で関係するサービスに用いられることになっており、個人の意向に反するような市民監視社会にはつながらないと考えております。
 次に、スーパーシティ丸ごと未来都市についてお尋ねがありました。
 丸ごと未来都市とは、自動走行や自動ごみ収集、高齢者や子供の見守り、あるいは行政手続のフルオンライン化など、最先端技術を活用したサービスを日々の暮らしに実装することにより、国民が住みたいと思うより良い未来の社会、生活を包括的に先行実現するものであると考えます。
 次に、交通IC履歴の活用についてお尋ねがございました。
 スーパーシティでは、交通サービス事業者が従来どおり交通IC履歴を保有し、活用することも考えられます。その際、各事業者が個人情報を始め法令に規定された一定の手続が必要なデータを扱う場合には、各事業者に当該法令の遵守が求められることになります。
 個人情報の利活用に関する国民的議論についてお尋ねがございました。
 AIやビッグデータの活用と個人情報関係の法令の規定の遵守は両立するものと考えております。スーパーシティでも、個人情報の管理には法令に基づき万全を期することが大前提となり、その利活用については、内閣府も入った区域会議で住民等の意向も踏まえて議論されることになります。
 次に、五十三団体のアイデアの提案内容が非公開である理由についてお尋ねがございました。
 アイデア公募は、今後の制度の詳細設計や関連施策の政策決定に生かすとともに、そのエッセンスについて内閣府と意見交換を行うことで、地域におけるスーパーシティ構想の検討を促すためのものであります。このため、地域の方々から忌憚のない御相談をいただけるように、提案内容は公表いたしておりません。
 また、住民が知らないうちに区域指定されることがあり得るかについてお尋ねがありました。
 区域指定に当たっては、地方公共団体への公募を行った上で、応募があった候補について特区諮問会議など有識者が加わったオープンな場に諮ることにより、透明性を確保しながら進めることにしています。このため、区域指定の前の段階で住民との協議や合意を行うことは各地方公共団体の判断に委ねられますが、住民が知らないうちに区域指定されることにはならないと考えています。
 次に、区域計画策定における住民合意の方法についてお尋ねがございました。
 住民合意の方法は、例えば、住民代表や地方公共団体、事業者等による協議会における協議、あるいは議会の議決、あるいは条例を議会が制定いたし、それに基づく住民投票などが挙げられます。これらの手段から、地域で提供されるサービスの内容や範囲に応じて住民等の意向が的確に反映されるよう、内閣府や地方公共団体が入った区域会議によって選択されることになります。
 次に、事業内容に賛成できない住民の個人情報の取扱い及び事実上の排除についてお尋ねがございました。
 個人情報は、個人情報関係の法令に基づきまして、本人の同意が得られる範囲の中で関係するサービスに用いられることとなっており、個人の意向に反するような形で情報を取り扱うことは予定しておりません。また、住民等の意向の確認は、その後の各住民の意向のありようを法制度的に拘束するものではないことから、事業内容に賛成できない住民を直ちに排除することにはならないと考えております。
 最後に、IT・AI技術の活用における個人情報保護についてお尋ねがございました。
 個人情報保護や住民の利益、福祉の向上とIT・AI技術の活用は両立するものと考えています。スーパーシティでも、個人情報の管理には我が国の法令に基づき万全を期することが大前提となるものであります。
 長くなりましたが、御清聴ありがとうございました。(拍手)

#18
○議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────

#19
○議長(山東昭子君) 日程第一 投資の促進及び保護に関する日本国とアラブ首長国連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第二 投資の促進及び保護に関する日本国とヨルダン・ハシェミット王国との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第三 包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定を改正する第一議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第四 投資の促進及び保護に関する日本国とモロッコ王国との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第五 投資の相互促進及び相互保護に関する日本国政府とコートジボワール共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
  (いずれも衆議院送付)
 以上五件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長北村経夫さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔北村経夫君登壇、拍手〕

#20
○北村経夫君 ただいま議題となりました条約五件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、アラブ首長国連邦、ヨルダン、モロッコ及びコートジボワールとの投資協定は、投資に関する内国民待遇及び最恵国待遇等、投資の促進、保護等に関する法的枠組みについて定めるものであります。
 次に、日・ASEAN包括的経済連携協定第一改正議定書は、我が国及び東南アジア諸国連合構成国の間の現行の協定にサービスの貿易、自然人の移動及び投資に関する規定の追加等を行うものであります。
 委員会におきましては、五件を一括して議題とし、アラブ首長国連邦、ヨルダン及びモロッコとの投資協定が保護型となった理由、アラブ首長国連邦との協定における天然資源の扱い、我が国の投資協定の締結状況と今後の交渉方針等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、討論に入りましたところ、日本共産党の井上理事より五件に反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、順次採決の結果、五件はいずれも多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#21
○議長(山東昭子君) これより五件を一括して採決いたします。
 五件を承認することに賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#22
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、五件は承認することに決しました。(拍手)
     ─────・─────

#23
○議長(山東昭子君) 日程第六 割賦販売法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長礒崎哲史さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔礒崎哲史君登壇、拍手〕

#24
○礒崎哲史君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、情報技術の進展に伴い、近年、高度な技術的手法を用いた新たな与信審査が可能となっているとともに、電子商取引の拡大により、少額の包括信用購入あっせんに係る取引が増加している状況に鑑み、新たな手法により与信審査を行う事業者の認定制度及び少額の包括信用購入あっせんを行う事業者の登録制度の創設を行い、あわせて、決済方法の多様化を踏まえてクレジットカード番号等の適切な管理を行うべき者の対象を拡大する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、少額包括信用購入あっせん業者の登録制度を創設する意義、新たな審査手法の認定等に係る過剰与信の防止に向けた実効性確保の在り方、カード決済等に係る消費者被害の防止やセキュリティー対策の強化に向けた更なる取組の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#25
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#26
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
     ─────・─────

#27
○議長(山東昭子君) 日程第七 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長田名部匡代さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔田名部匡代君登壇、拍手〕

#28
○田名部匡代君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の一層の促進を図るため、市町村が作成する移動等円滑化基本構想に係る事業の追加など、国民の理解の増進及び協力の確保を図るための制度整備、公共交通事業者等に対する役務の提供方法に関する基準遵守の義務付け等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、バリアフリー化の現状と取り組むべき課題、心のバリアフリーの一層の推進、当事者の意見を反映したバリアフリー対策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#29
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#30
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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