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2020/05/19 第201回国会 衆議院 第201回国会 衆議院 東日本大震災復興特別委員会 第5号 令和2年5月19日
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2020/05/19 第201回国会 衆議院

第201回国会 衆議院 東日本大震災復興特別委員会 第5号 令和2年5月19日

#1
令和二年五月十九日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 伊藤 達也君
   理事 小里 泰弘君 理事 小田原 潔君
   理事 高橋ひなこ君 理事 冨樫 博之君
   理事 根本  匠君 理事 落合 貴之君
   理事 谷田川 元君 理事 浮島 智子君
      あべ 俊子君    青山 周平君
      安藤 高夫君    安藤  裕君
      伊藤信太郎君    上杉謙太郎君
      鴨下 一郎君    神田  裕君
      木村 次郎君    黄川田仁志君
      国光あやの君    小寺 裕雄君
      古賀  篤君    田畑 裕明君
      中曽根康隆君    長坂 康正君
      古川 禎久君    穂坂  泰君
      細田 健一君    本田 太郎君
      三谷 英弘君    宮澤 博行君
      阿久津幸彦君    小熊 慎司君
      岡本あき子君    金子 恵美君
      岸本 周平君    玄葉光一郎君
      近藤 和也君    階   猛君
      矢上 雅義君    山崎  誠君
      國重  徹君    高橋千鶴子君
      杉本 和巳君
    …………………………………
   国務大臣
   (復興大臣)       田中 和徳君
   復興副大臣        菅家 一郎君
   復興副大臣        横山 信一君
   内閣府大臣政務官
   兼復興大臣政務官     青山 周平君
   経済産業大臣政務官    中野 洋昌君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 小平  卓君
   政府参考人
   (復興庁統括官)     石田  優君
   政府参考人
   (復興庁統括官)     石塚  孝君
   政府参考人
   (復興庁統括官)     小山  智君
   政府参考人
   (復興庁審議官)     奥  達雄君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   阪田  渉君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           矢野 和彦君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           蝦名 喜之君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           道野 英司君
   政府参考人
   (林野庁林政部長)    前島 明成君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           河本 健一君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房福島復興推進グループ長)   須藤  治君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            松山 泰浩君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  眞鍋  純君
   政府参考人
   (原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官) 山田 知穂君
   衆議院調査局東日本大震災復興特別調査室長     武藤 裕良君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十九日
 辞任         補欠選任
  津島  淳君     細田 健一君
  堀内 詔子君     田畑 裕明君
同日
 辞任         補欠選任
  田畑 裕明君     堀内 詔子君
  細田 健一君     津島  淳君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 復興庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三三号)
     ――――◇―――――

#2
○伊藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、復興庁設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りをいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官小平卓君、復興庁統括官石田優君、復興庁統括官石塚孝君、復興庁統括官小山智君、復興庁審議官奥達雄君、財務省主計局次長阪田渉君、文部科学省大臣官房審議官矢野和彦君、文部科学省大臣官房審議官蝦名喜之君、農林水産省大臣官房審議官道野英司君、林野庁林政部長前島明成君、経済産業省大臣官房審議官河本健一君、経済産業省大臣官房福島復興推進グループ長須藤治君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長松山泰浩君、国土交通省住宅局長眞鍋純君及び原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官山田知穂君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○伊藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。根本匠君。

#5
○根本(匠)委員 皆さん、おはようございます。
 きょうは、復興庁を十年延伸する、そして必要な法改正をするということで、私は安倍内閣の初代復興大臣をやらせていただいたので、私がトップでやった方がいいという声を受けて、私が最初に質問させていただきたいと思います。
 私が復興大臣に就任した、これは二〇一二年の十二月二十六日、年末でした。そして、年が明けてからすぐに補正予算、本予算、これを組み替えて出せ、こういう指示だったので、年末年始返上で、いかに復興を加速するか、その具体的な施策を全身全霊を込めて練り上げました。
 そして、年が明けてから新たな予算を計上したわけですが、幾つかポイントを申し上げると、あのときの五年間で復興財源十九兆円と言われた。これは、果たしてこれで大丈夫かと言われたので、二十五兆円にする。
 あるいは、福島復活プロジェクトとして、例えば、福島の場合は避難指示を受けていましたから、その地域で災害公営住宅をつくるわけにいかないので、行政区域の外で、これは町外コミュニティーという概念ですが、復興公営住宅をつくって、仮設からいかに早く安定した生活に戻っていただくか。
 あるいは、福島の子供たちは、しばらく放射能の問題があって外遊びを制限されていた。真夏でも室内にいた。これはやはり福島の子供たちの体力をしっかりつけていかなければならない。その意味では、屋内でもいいし屋外でもいい、運動施設を整備する、あるいは遊具は全て新しくする。
 復興も、復興加速化予備費というものをつくりました、六千億、これはいつでも使えるように、そして復興調整費、これも二百億、柔軟に使えるようにということで組み上げた。これは、やはり復興は急ぎますから、私はファースト・ハンドレッド・デーズ、この百日間に魂を据える、こういうことで対応いたしました。その意味では、ここで質問させていただくというのは非常に感慨深いものがあります。
 まず、復興庁の意義、役割についてお話をしたいと思います。
 復興庁、これは復興の司令塔ですから、しかも内閣官房の一部を分担している。その意味では横並びの官庁ではありません。内閣官房の一部を分担しているんだから、これは復興庁は総合調整官庁、そして安倍内閣では復興大臣が司令塔、そして全ての閣僚は復興大臣、こういう位置づけにある。その意味では、復興庁が大きく各省庁を動かしていく、ここに復興庁の大きな役割があると思います。
 私が就任したときの安倍内閣、これは、三本柱、重点を挙げました。経済再生、デフレ脱却、復興加速、国の危機管理、これが最重点。復興を加速する、現場主義に立って、各省庁横断的に横串を刺して取り組む、具体的には、テーマごとに、復興大臣を中心に、関係省庁の局長で構成されるタスクフォースをつくりました。例えば住宅再建・まちづくりタスクフォース。
 お手元に資料をお配りしてありますが、我々はどういうことをやったか。実は、あのとき言われたのは、用地が取得できなくて復興がおくれる。超法規的な法律をつくって、すぐに用地を取得できるような法律をつくってくれと、これは随分自治体の首長さんから要請を受けました。
 まあ、私も、しばらく山の中の土地というのは動いていないんだから、例えば一定期間公告をして取得できる、そういう法律をつくれないかと頭を悩ませたけれども、やはり憲法があるから非常にこれは難しい。その意味で、それなら用地取得抜本改革をやろう。土地収用については、土地収用改革七本柱、被災地特化型の土地収用制度をつくる。収用手続は一気に短縮しました。
 例えば、所有者不明土地、これは大きな問題だった。そして、土地収用法というのは伝家の宝刀で、三年八割ルールというのがある。任意買収してから八割集積をする、あるいは幅ぐいを打ってから三年、これを経て初めて伝家の宝刀を抜くのが土地収用法。しかし、今回は所有者不明の土地ですから、私は、最初から収用法を適用すればいい。最初から伝家の宝刀を抜く。実は、所有者不明土地は収用法でも簡易な手続になっていますから、簡素になっていますから、これをやって一気に収用手続をスピードアップした。
 もう一つは、財産管理人制度というのがある。これは裁判所が二回関与する。裁判所で財産管理人を選んでもらう。裁判所の許可を得て財産管理人が土地を処分できる。これは、調べたら公共事業で一年以上かかっていました。これは時間がかかると。結論から言うと、最短で三週間でやれるようになった。これは、裁判所が書記官を増員してくれたり、総合窓口をつくってくれたり、QアンドAをつくってくれたり、非常に裁判所も協力していただいた。これを可能にしたのは、この住宅再建・まちづくりタスクフォースで徹底的に議論した、この成果であります。
 用地取得抜本改革をやりました。例えば、高台移転事業の用地取得、これは一年間で四九%から八九%、一気に進みました。そして、次は工事。市町村は技術者が不足しております。URを投入する。まちづくりのノウハウを持っていますから、URを投入した。URは千四百ヘクタールの土地を整備して、五千戸の復興公営住宅を整備しました。
 夢のかけ橋というのがある。これは陸前高田で、高台の用地を、山を削って、津波被災地のかさ上げをする。これはトラックで六年かかると言われた。ダンプで六年かかる。これは実はベルトコンベヤーを導入して一年半でやり遂げた。実は、復興加速というのは、我々は評論家じゃないから、具体的にネックが何だ、それを乗り越える、これが復興加速策だと思います。
 高台移転事業の着工率も、安倍内閣発足時は一二%でした。一年九カ月たって九五%にもなりました。これはやはり、なぜできたかというと、復興大臣のもとに局長クラスを集めて、タスクフォース、これは作業部隊と訳すけれども、私に言わせれば戦略実行部隊、そして各省庁に横串を入れて動かす。現場主義、現場で何が問題か徹底的に詰める、知恵を出す、これは私は政府の統治能力が試されていると思いました。
 いよいよ、復興、復興庁十年延伸ですから、やはり、これからの復興、復興庁の役割は変わらない。復興は現場主義と司令塔が重要です。復興庁は司令塔。これから更にどう動かしていくのか、大臣の決意をお伺いしたいと思います。

#6
○田中国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。
 もう根本委員には、復興大臣の御経験もおありになりますし、また、地元の代議士としても大変御活躍をいただき、今日まで復興事業については本当に大きな御貢献をいただき、御指導をいただいてまいりましたことにまず感謝を申し上げつつ、お答えをさせていただきたいと思っております。
 復興庁は、内閣直属の、各省庁より一段高い立場にある組織として司令塔機能を発揮し、また、現場主義を徹底して、被災地に寄り添いながら復興推進の役割を担ってきたところでございます。これまでも、各種のタスクフォースを復興大臣のもとに設けて、まちづくりの加速化を始めとする課題の解決に取り組んできたところであります。最近でも、風評払拭に関するタスクフォースにおいて、私から関係省庁へ、取組のさらなる強化の検討を指示をさせていただいておるところでございます。
 今回の改正法案においては、こうした司令塔機能の維持をさせていただくとともに、政治の責任とリーダーシップのもとで東日本大震災からの復興をなし遂げられるように、復興庁の設置期間を十年間延長することとなっておるのでございます。復興・創生期間後も、各省庁の役割を乗り越え、思いを一つにして復興に取り組んでいくことができるよう全力を尽くしてまいりたいと思います。
 安倍総理もしばしばおっしゃっておられます。今、根本委員からも御指摘ありましたように、全ての大臣は復興大臣、こういう認識を持って頑張るようにと安倍内閣挙げて取り組んでいくというお示しをいただいておるわけでございまして、復興大臣として更に努力をしてまいりたいと思っております。

#7
○根本(匠)委員 大変力強いお言葉、本当にありがとうございます。これからもぜひ頑張っていただきたいと思います。
 復興庁は各省庁から人材を集めている。大臣のもとに、これからも司令塔として復興庁の皆さんには誇りを持って仕事をしてもらいたいと思います。
 次に、風評被害対策について申し上げたいと思います。
 福島はいまだに風評被害が残っている。風評被害をいかに克服するか、これが大きな課題であります。
 風評対策は、これまでも関係省庁を束ねてリスクコミュニケーションなど対策に努めてきました。来年で復興十年目、帰還困難区域の再生、福島のさらなる復興、次の十年に向けてこれまでの風評対策を総点検し、改めて取組を強化する必要がある。根源的な問題として、空間線量や食品の基準値の意味が正しく理解されていない、伝わっていない、風評被害の一因にもなっているのではないかと思います。
 震災直後に除染の基準となる空間線量や食品の基準値を決めた。十年がたった今、改めて基準となる空間線量あるいは食品基準値の考え方、この時点で改めてその考え方を専門的に評価、判断してもらいたいと思います。復興の区切りの十年目に向けて、リスコミの強化の観点から正しい理解、対応が必要だと考えます。
 復興大臣就任後、私はすぐに、放射線、放射能の影響などについてできるだけわかりやすく、正しく理解してもらおうと思い、各省庁、特に専門家の意見も聞いて、放射線リスクに関する基礎的情報をまとめました。その中で、ICRPの考え方、事故直後あるいは事故が収束した段階、それぞれの段階に応じた考え方も示しています。その意味で、事故直後に講じた措置については、当時の考え方、そしてその後の推移を含めて総点検し、現段階の評価や考え方を改めて整理をすべきではないかと思います。
 二つの問題を提起したいと思います。
 除染などの実施基準となる空間線量の考え方と食品基準値の考え方。この九年間で、放射性物質のメカニズムを含め、科学的知見は相当蓄積された。科学的知見に基づいて正しい理解を求めていく。科学的エビデンスに基づいて、科学的、合理的な政策につなげていく。コロナ対応でも問われているのは、科学と政策、科学的エビデンスに基づく政策だと私は思う。
 除染の基準となる空間線量については、年間の被曝線量を一ミリシーベルトと置き、一定の生活パターンを想定し、安全サイドに立って個人が受ける線量を推計し、一時間当たり〇・二三マイクロシーベルトとしています。年間一ミリシーベルトの目標、これはあくまでも長期的な目標であって、健康へ影響するかしないか、危険か危険ではないかの境目ではありません。ガラスバッジで実際の線量を測定すると、〇・二三マイクロシーベルトは実は一マイクロシーベルト程度だと専門家が報告をしています。
 国連科学委員会によれば、年間五ミリシーベルト以上の地域に世界では一千万人が住んでいる。食品中の放射性物質の基準値についても、事故直後、一般食品で五百ベクレル、一年後の二〇一二年四月に百ベクレルに引き下げられました、キログラム当たり。民間事業者の中には、引き下げた基準を更に下回る実施基準を設けているところもある。
 資料に「ベクレルの嘆き」という資料をお配りしてあります。この記事によれば、食品に含まれる放射性セシウムの許容線量を厳しくした際の厚生労働大臣の小宮山洋子氏は、暫定基準の年間五ミリシーベルトでも安全は確保されていたが、安心してもらうために年間一ミリシーベルトにしなければならなかった、最後は私の政治判断だと述べておられます。
 一ミリシーベルトは、食品の国際基準を策定しているコーデックス委員会の資料に沿ったものとされておりますが、食品の基準値を設定するに当たっては、もう一つの要因として占有率という考え方がある。占有率とは、我々が食べるものの中で、放射性物質を含む食品の割合。
 日本が食品の基準値を設定するに当たって参考としたコーデックス委員会では、この占有率は一〇%。一〇%の背景は、世界各国の主食の平均輸入率が一〇%であり、汚染された地域のみから主食を輸入していると仮定したものであります。これに対して、日本は、食料自給率を約五〇%として、国内の食品その全てが汚染されている、言いかえれば、日本全土が汚染されているという前提で占有率を五〇%としました。
 この点について、私は当時から疑問を持っておりました。なぜなら、二〇一二年の四月一日なら、原発事故によってどれだけの放射性物質が日本のどれだけの地域に広がっていたのか、当時であっても既に確認されておりました。日本は原発事故を起こした国だからという理由で、日本国内の食品の全てが放射性物質を含むと仮定すること、特定の地域の事象を国全体に広げて国内の占有率を一〇〇%とすることは、果たして科学的、合理的か、論理が飛躍しているのではないか、今でも私は率直に言って疑問です。
 このある意味厳し過ぎる基準で、いまだに福島県では原木シイタケの出荷が制限されている。山菜もほとんど百ベクレルを超えるものはありませんが、一つでも百ベクレルを超えるものが出たら出荷制限。山の幸を売り物にする中山間地域の道の駅、山の幸が、山の恵みが売れない。山林も制限がかかっている地域もある。豊かな山が生かせない。質の高い福島の牛肉も、震災前に比べ二割程度下がっていると聞きます。一次産業はいまだに大きな打撃を受けている。私は政策判断の基本は科学がベースにあるべきだと思う。コロナ問題もまさに科学的エビデンスに基づいた政策をどう打ち出すかが問われている。
 ここで質問します。
 放射線審議会の事務局たる原子力規制庁に聞きたい。放射線審議会で、空間線量と個人線量の関係、あるいは食品基準値の検証作業を進めたと聞いておりますが、どう検証されたのか伺いたいと思います。

#8
○田中国務大臣 根本委員の先ほどの答弁の中で、各省庁の役割と申し上げましたが、縦割りの間違いでございます。訂正させていただきます。申しわけございません。

#9
○山田政府参考人 放射線審議会におきましては、東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえた放射線防護に係る基準について、平成二十九年九月から五回にわたって検討が行われ、三十一年一月に報告書が取りまとめられてございます。
 この報告書では、東京電力福島第一原子力発電所事故後に策定された食品に関する基準、それから空間線量率と実効線量の関係を取り上げ、運用実態等について整理を行ってございます。
 その中で、数値基準がもともと想定していた用いられ方を超えてその数値を用いた場合があること、数値基準を運用する過程で、基準の意味を理解しないまま、数字のひとり歩きが生じたとの指摘があること、数値基準の意味合いや位置づけを正しく伝えられていなかった場合があること、食品に関する現行基準は、策定した際の仮定、シナリオに比べ、実際の食品中の放射能濃度は大幅に低く、食品の摂取から推定される線量についても、年間一ミリシーベルトを十分に下回っており、放射線防護の観点からは、モニタリングの根拠として現行基準値を使用し続ける必要性を説明することはできない状況であることといったようなことが知見として取りまとめられているところでございます。

#10
○根本(匠)委員 まさしく、専門家たる放射線審議会で今のような分析をしていただきました。
 特に、最後申し上げていただいたことが私は大事だと思いますが、食品に関する現行基準値は、策定した際の仮定、シナリオに比べ、実際の食品中の放射能濃度は大幅に低く、食品の摂取から推定される線量についても、年間一ミリシーベルトを十分に下回っており、放射線防護の観点からも、モニタリングの根拠として現行基準値を使用し続ける必要性を説明することはできない状況である、これが実は専門的な、科学的な、合理的な見解だと私は思います。
 そして、質問に入りたいと思います。
 私は基準を変えるべきだと言うつもりはありません。しかし、基準と規制がストレートに結びついているから、科学と政策、科学的エビデンスに基づいて合理的な政策のあり方を考えるべきだと思う。
 空間線量の考え方や食品の基準値の考え方やあり方について、原発直後ではない、現在の落ちついて冷静に考えられるこの時点、復興の大きな節目に、復興庁が中心となって、専門家を交え、検証する場をぜひ設けてもらいたい。科学的知見に基づいた現在の考え方、政策はどうあるべきか、検証してほしいと思います。

#11
○菅家副大臣 根本委員の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、風評払拭に向けては、正確で効果的な情報発信が何よりも重要であると考えるものであります。
 復興庁としても、これまで、風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略に基づき、風評被害対策タスクフォースの場などで関係省庁とともに各種の課題を検討し、対策を実行してきたところであります。
 御指摘の放射線基準等に関する科学的な検証の重要性については十分理解するものであります。
 復興庁としても、関係省庁とも連携しつつ、被災地等関係者の意見も聞きながら議論をしてまいりたい、このように考えているところであります。
 以上であります。

#12
○根本(匠)委員 菅家一郎副大臣もこの問題に非常に詳しい。よく勉強されている。
 我々は、原発事故当時、地元にいました。直接体験しただけに皮膚感覚が違う、現場感覚が違う。チェルノブイリに行って、当時のホローシャ長官からも長時間話を聞きました。そして、日本の専門家、個人的に専門家の話も聞きました。放射線リスクに関する基礎的情報もまとめました。現場の実態を踏まえてしっかり検証していただきたいと思います。
 ちょっと時間の関係で、出荷制限をクリアするための山菜などの検査、これは省かせていただきますが、山菜の検査、これは検査の運用の工夫によって安全、安心を確保した上で販売を可能にするといった工夫ができるのではないか、あるいは、モニタリングの考え方も、最新の知見を活用した、より簡素、効率的な検査ができるのではないかと思いますので、ここはもう一度検討してもらいたいと思います。
 最後に、新たな課題への対応を幾つか申し上げたいと思いますが、これも今回の法改正、要は帰還困難区域の再生、創生、これが大きな課題で、今回の法改正によって、新たな支援策として移住、交流の促進、農地の大規模集約化を規定しております。これも時間の関係で質問は省きますが、農地の大規模集約化、これは所有者不明土地も含めて集約を促進する。生産性の高い農業の可能性が広がります。担い手をどう確保するか、呼び込むか、これは官民合同チームの役割に期待しています。
 官民合同チームは一人一人に寄り添った支援をしている。農業のみならず、なりわいの再生を含めて官民合同チームの強化拡充が必要ですが、ちょっと一分だけ答弁してもらいたいと思います。

#13
○須藤政府参考人 お答えをいたします。
 官民合同チーム、御指摘がございましたように、一者一者に寄り添ってきめ細かい対応を実施しております。
 御指摘がありました営農再開支援、楢葉町、JA、福島県と連携して農地の集積や営農再開を支援した事例などございます。また、事業者支援についてもきめ細かくやっておりますけれども、最近ではコロナの影響について、千二百者、個別に連絡をとって影響をお聞きして相談に乗ったりということをしております。
 今後とも、委員の御期待の声にも沿えるように、福島県、関係機関や関係省庁とも相談をして、必要な体制の整備を図ってまいりたいと考えております。

#14
○根本(匠)委員 官民合同チームが一人一人、あるいは一事業者一事業者に寄り添って、二人一組で相談にあずかって、販路開拓も含めてアドバイスをしている。これは私は画期的な取組だと思っていますから、ぜひこれからも頑張って取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、帰還困難区域の将来像をどう描くかということについて質問したいと思います。
 帰還困難区域の復興については、特定復興再生拠点づくりを中心に、地域の復興を急ぐとともに、土地活用に応じた避難指示解除の類型を考える必要があるのではないかと思います。
 帰還困難区域については、空間線量は大幅に下がっているし、そもそも空間線量の考え方についても、例えば、個人線量一ミリシーベルトに相当するのは、除染の基準とされた一時間当たり〇・二三マイクロシーベルトというよりも、実際に一マイクロシーベルト程度とされております。
 最近、飯舘村の菅野村長から飯舘村の長泥地区の整備構想の話を聞きました。
 長泥地区の拠点は二三年春ごろの避難指示解除を目指す。長泥地区の拠点区域外について、住民の帰還意向が低いことを踏まえて、家屋解体を行った上で避難指示を解除して、村営の復興公園として整備したい、住民が自由に立ち入れるようにしたい、私はよく考えられたよい構想だと思います。ぜひ後押しをしていきたいと思います。
 避難指示を出した地域については、これまで、放射線量に応じて、帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域という地域の設定で対応してきましたが、発想を変えたらどうか。土地利用に即した新たな対応ができないか。例えば、帰還困難区域の土地活用については四類型が考えられるのではないか。
 一つは特定復興再生拠点。これは居住機能と産業などの活動の拠点、日常生活の拠点。二つ目は農地、集約化して大規模化する。三つ目は産業団地など産業の拠点。四つ目は山林、里山、これは人の居住しない自然環境ゾーン。これらの類型ごとに空間線量の状況を踏まえ、効果的な放射線防護措置を適切に実施する。
 これから質問をいたします。
 帰還困難区域の特定復興再生拠点外について、一律の避難指示解除基準を適用するのではなく、土地利用に応じた解除、類型を考えるという発想が大切なのではないかと思いますが、答弁をお願いしたいと思います。

#15
○須藤政府参考人 帰還困難区域につきましては、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意のもと、可能なところから着実かつ段階的に、政府一丸となって一日も早い復興を目指して取り組んでいくこととしております。
 特定復興再生拠点区域外については、これまでも地元の皆様から御要望をいただいておりまして、大変重く受けとめております。
 昨年十二月に閣議決定された基本方針においては、地域の実情や、土地活用の意向や動向、地方公共団体の要望等を踏まえ、避難指示の解除に向けた今後の政策の方向性について検討を進めることとしております。
 御指摘のとおり、飯舘村からも御要望を頂戴しております。こうした各町村の具体的な御要望を踏まえながら、拠点区域外の方向性を検討してまいりたいと考えております。

#16
○根本(匠)委員 では、上杉謙太郎議員の時間を三分ほどいただいて、最後に申し上げたいと思います。
 最後に、コロナ対応への復興の教訓と、新しいステージに入る福島の復興の二点について申し上げたいと思います。
 一点目は、コロナ対応に復興の教訓を生かす。
 コロナ対応は、感染リスク、経済リスク、外出自粛に伴う心身のリスク、いずれもトレードオフの関係にある。感染リスクの防止は最優先だが、この三つの視点から最適解を見出していく、複眼的視点で適切なバランスを見出すことが大事だと思います。
 復興も、科学と政策のあり方、科学的エビデンスに基づく政策のあり方、これは問題意識として申し上げました。放射線リスクを最優先するという考え方と、農、林、水の第一次産業への打撃をどう緩和するか、避難指示の長期化に伴う被災者の心身の健康リスクへの影響など、全体のリスクを俯瞰した上でそれぞれのリスクを多元的に捉え、科学的、合理的に政策の最適解を見出していく、これが私は復興の教訓だと思います。福島の復興の教訓をコロナに生かすべきだと思う。
 二点目は、福島の復興はいよいよ新しいステージに入る。
 私は復興大臣として、復興加速策を講じるとともに、将来の被災地の復興のビジョンとして、創造と可能性の地としての新しい東北というビジョンを掲げました。そして、具体的な復興の動きを応援すべく、震災復興を契機として、日本が抱える課題を地域の創意、発意を引き出しながら克服し、国内はもちろん、世界の先進的なモデルとなる「新しい東北」先導モデル事業も創設しました。モデル事業が契機となって、復興に向けて若い方々に挑戦の機会を提供し、さまざまな成功事例が生まれてきた。
 例えば気仙沼、若手の皆さんが、サメの街気仙沼構想、こういう構想を打ち出して進めてきている。そこに私は東北の底力、活力、復興を乗り越える強い意思を感じることができました。
 また、この九年間で福島のイノベーション・コースト構想の拠点も整備された。例えば、自然エネルギーでもある水素の拠点、福島水素エネルギー研究フィールド、ドローンなど新たなモビリティーの拠点、福島ロボットテストフィールドが完成しました。
 さらには、将来の福島を担うふたば未来学園が創設され、足元で福島浜通りの国際教育研究拠点についても検討がされるなど、グローバルな視点を大切にしながら、将来を先取りした構想をもとに復興が進められてきました。
 震災の前の姿に戻すだけでは復興庁を延長する意味はありません。震災前の姿を超えて新しい東北を実現するために、復興を更に加速してほしいと思います。
 私も、これからも、新しい福島、新しい東北に向けて、被災地の皆様とともに頑張りたいと思います。
 以上で終わります。

#17
○伊藤委員長 次に、上杉謙太郎君。

#18
○上杉委員 おはようございます。自民党の上杉謙太郎でございます。
 きょうも、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず冒頭、新型コロナウイルス感染症で亡くなられた皆様にお悔やみを申し上げます。
 また、医療関係の方々始め、また、それぞれ皆さん、なりわいで今一生懸命努力されているというところに本当に敬意と感謝を申し上げたいというふうに思います。
 また、私ども福島県においては、コロナのみならず、震災から、そしてその風評、また去年は台風十九号の被災もありました、そしてコロナ。店舗の方々も、企業さんも、また農家の方も、いろいろな方々が、ある意味、三重苦、四重苦というところになっております。
 復興庁さんを始めとして政府の皆様には、そういった福島県の特殊な事情も考慮いただいた上で、コロナに対する支援策をこれからもちょっと進めていただければありがたいというふうにお願いを申し上げます。
 それでは、質問に参りたいというふうに思います。
 今、根本先生からありましたが、きょう、自民党三人、根本先生がトップバッターで、次が私、三番目が群馬から中曽根先生ということで、三人が質問させていただきます。真ん中の私が、今五分なくなりましたけれども、十五分の中で限りなく具体的に御質問させていただきたいというふうに思います。
 根本先生の大枠のお話、していただきましたので、私はちょっと細かいところの話になるんですが、まず、今回の復興庁設置法、また福島特措法等々、改正に当たって、今まで我々福島県は、自民党福島県連でいいますと、根本会長を筆頭に、そこに県議の先生方がいらっしゃって、私ども衆参国会議員、また市町村の議員さん、この間ずっと、地元をくまなく歩いて、タッグを組んで連携をして、そして地元の生の声をしっかりと集約をしてきました。自民党福島県連でしっかりと要望を八回にわたって取りまとめをさせていただいて、党本部の方の復興加速化本部で更に議論を重ねて党としての提言をまとめて、それを政府の方に御提出をさせていただきました。
 そういった私ども福島県の思いをしっかり盛り込んだ提言を今回政府の方で受けとめていただいた結果、この法改正になったというふうに考えております。
 十年というものが、組織そのままに十一年目以降も継続する。私ども福島県においていえば、やはり十一年目以降もしっかりと、今までの政策、また、それに加えて新たなことをしていかないといけないというふうに考えております。
 特に、福島県において復興に必要なものというのは、やはり、根本先生の放射線のお話に関連させていただきますと、本当に科学的根拠に基づく放射線への正しい理解、これが絶対に必要だと思います。これがあって初めて風評が払拭されていく。これは国内においてもそうでありますし、海外においてもそうであります。今というふうに、今というときを見たら、今というときにあって対応する国内対策、海外に対する対策ということで、風評対策がこれからも必要になってくる。
 例えば、海外の方でいえば、いまだに、fukushimaと横文字で調べると、まだ原発の事故の写真ばかりががあっと出てきますよね、検索をしますと。日本のヤフーとかグーグルで検索すると、最近、fukushimaと入れると、「Fukushima50」の映画の画像も出てくるようにはなりましたけれども、例えばヤフーのアメリカの方のサイトで検索すると、まだまだそういうのばかり出てきます。そういったところを一つ一つ細かく対応していかないといけない。
 そういうところで、復興庁さんは今まで、風評払拭・リスクコミュニケーション戦略ということで、知ってもらう、食べてもらう、来てもらうをやっていただいてまいりました。これから十一年目以降もしっかりとその政策を継続するということと、まだまだこれからも風評の払拭には時間がかかりますから、更に強化してやっていただきたいというふうに思いますけれども、大臣の意気込みを教えていただけますか。

#19
○田中国務大臣 福島がお地元の上杉委員からも各種の御要望等、御指摘もいただいてまいりました。
 風評払拭に向けては、風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略に基づいて、知ってもらう、食べてもらう、来てもらうの観点から、正確でわかりやすい効果的な情報発信や被災地産品の販路拡大など、政府一体となって取り組んでおります。
 復興庁では、テレビ、インターネット、SNSやラジオなど、あらゆる媒体を活用した、放射線に関する正しい知識や福島の現状等についてのわかりやすく効果的な情報発信等を実施しておるところでございます。
 これらの取組によって一定の成果が得られている一方で、御指摘ありましたように、依然として風評による影響が残っていることも事実でございます。
 このため、復興・創生期間後においても、引き続き関係省庁及び福島県としっかりと連携を密にさせていただき、官民挙げて風評の払拭に全力を尽くしてまいりたいと思います。
 特に、福島県の観光業では、震災での風評被害に加えて、足元の新型コロナウイルス感染症による影響も受けて、大変厳しい状況にございます。状況が落ちつき次第、緊急経済対策や復興事業を通じて、V字回復に向けて需要喚起をしっかりと支援してまいりたいと思います。
 いずれにしましても、内外に向けての発信が非常に重要だ、このように思って、私自身も真剣な取組をいたしておるところでございます。

#20
○上杉委員 ありがとうございます。ぜひ進めていっていただきたいというふうに思います。農業、林業、水産業、そして観光業、特にそうでありますので。
 特に、今も言及いただきましたけれども、コロナがありますから、観光は、旅館だけでなくて、バス会社もそうでありますし、旅行会社もそうであります。今まで、インバウンドで、コロナ以前は日本も海外の旅行客がふえて観光業は盛んでありましたが、福島県においては、やはり風評が原因となって、伸びてはいましたけれども伸び悩んでいたというところがありました。ぜひこれからも、ことしで十年でありますが、そして十一年目以降もより強化してやっていただきたいというふうに思います。
 続いて、その風評対策の、今でなくて、今度は未来に対して風評対策をしないといけないということでありますが、部会でも委員会でも何度もやらせていただいておりますが、文科省さんにきょうお越しをいただきました。いつもありがとうございます。
 随分、放射線副読本については力を入れさせてやらせていただいてまいりましたけれども、十一年後も子供たちに今まで配っているこの放射線副読本を継続して配るおつもりでいらっしゃるか。
 また、前も何度も言いましたけれども、データはどんどん新しくなるわけでありますから、改訂もまた時期を見て必要だというふうに思うんですね。
 今、学校も全国再開されて、また九月入学と、文科省さんは忙しい中だと思いますが、しっかりお心にとめていただいて、十一年目以降も継続するという形でお願いをしたいんですけれども、いかがでございましょうか。

#21
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
 東日本大震災から約九年が経過したわけでございますけれども、現在におきましても、原発事故に伴う風評の払拭やいわれのない偏見、差別の解消には、大変残念ながら、今なお課題があるというふうに認識しておりまして、児童生徒が放射線に関する科学的な知識を理解した上で、原発事故の状況、復興に向けた取組についての理解を深めるということが引き続き大変重要だと認識しております。
 このため、令和二年度におきましては、引き続き、全国の小中高等学校等の新入学児童生徒に放射線副読本を配付するとともに、令和三年度に向けましても、全国の小中高等学校等への放射線副読本の配付のあり方について、今後、復興庁とも連携しつつ、検討してまいりたいというふうに考えております。
 また、放射線副読本の改訂の検討につきましては、現在行われています放射線教育や放射線副読本に対するニーズやその内容に変更が生じるなど、状況の変化に応じ、進めることが非常に重要であるというふうに認識しております。

#22
○上杉委員 ありがとうございます。
 検討されるということでしたので、継続するということを前提に検討していただけたらありがたいなというふうに思います。
 また、そのあり方も、確かに、今は放射線単独のものでありますから、理科の授業の一環、社会の授業の一環、いろいろな使い方があると思います。放射線以外のいろいろなさまざまなものを一つに入れた、そういう副読本という形もありだというふうに思いますので、いずれにしても、放射線の教育がなくならないように検討をお願いしたいというふうに思います。
 これは、子供たちに今から科学的根拠に基づいた正しい放射線教育をしておくことが、十年後、二十年後に風評をなくすということになりますから、未来に風評を残さないために、未来の子供たちに放射線というのは正しいんだと理解してもらうために、まさに今これを教育しておかないといけないということでありますから、ぜひ引き続き、必ずこれをやるということで、前向きに検討していただけたらありがたいというふうに思います。
 続きまして、風評に関して最後の質問になりますけれども、もう何度も申し上げてきましたが、一番この風評に対する被害が大きい、影響が大きいというのは、分野でいうとやはり農業。お米の価格、牛の価格、いろいろなところで影響がまだまだ出ております。林業もそうであります。水産業もそうであります。先ほどお話ししました観光業もそうであります。
 今回の福島特措法の改正に当たって、こういう風評の影響のある業界の方々に対しては、しっかりと十一年目以降も支援が必要だというふうに思います。
 そういった中で、新しく税制、風評税制といいますか、そういったものを検討していくべきだというふうに思いますし、また、そういったときに、被災十二市町村ですが、浜通り、中通り、会津、何か県内でエリアを分けるということなしに、福島県ということで風評があるわけでありますから、県内全域を対象とした、そういった新たな税制、そういったものを検討してやっていくべきだというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。

#23
○菅家副大臣 上杉委員の御質問にお答えをさせていただきます。
 福島県は、風評被害の深刻な影響が広範に懸念されたことから、これまで、復興特区税制の要件を緩和し、県内全域をその対象としてきたところであります。
 福島県では、現在も農林水産業における産出額が震災前の水準に戻らず、かつ他地域より低調であり、また、観光業においても、外国人延べ宿泊者数の伸びが他地域と比べて小さく、教育旅行も震災前の水準に戻っていないなど、農林水産業や観光業等で原子力災害による風評被害が根強く残る状況でございます。
 このため、復興庁としては、今般、復興特区法の対象地域の見直しにより、復興特区税制の対象地域を沿岸部に重点化することに当たり、福島県については、農林水産業や観光業等の風評被害による深刻な影響が残る業種を踏まえて、県内全域を対象とする方向で課税の特例を検討してまいりたい、このように考えております。
 以上です。

#24
○上杉委員 菅家副大臣、ありがとうございます。ぜひ課税の特例をお願いをしたいというふうに思います。
 また、副大臣の御地元におかれましては、牧場の会津というのが昔あったというふうに思います。私の選挙区の新白河で新幹線をおりて、先生の選挙区の会津に行かれる観光客もたくさんいらっしゃいます。また、根本先生の郡山でおりて、菅家先生のところに行く方もいらっしゃいます。私たち中通り、会津も含めて福島県でありますから、しっかりとこの全県エリアを対象として、また、一番風評被害の大きい農業、林業、水産業、観光業等を重点的に税制をお願いしたいというふうに思います。
 続いて、今お話しした中の今度は林業についてなんですけれども、これも今までずっと県連の方で森林組合さん始めたくさん要望を伺ってまいりました。
 ふくしま森林再生事業でありますけれども、ちょっと時間がなくなってきてしまいましたので途中の説明はちょっと省かせていただいて、もう質問だけさせてもらいますが、これも十一年目以降も継続してもらいたいというふうに思います。継続しないといけないというふうに考えております。かつ、現行、今事業対象としている地域、市町村があります、それを全部対象にすべきだということでありますけれども、大臣の意気込みを御教示いただけますでしょうか。

#25
○田中国務大臣 ふくしま森林再生事業については、私も大臣就任以来、福島県の関係自治体、森林・林業関係者の皆様から事業継続の強い御要望をいただいてまいりました。
 これらを受けて、同事業については、昨年十二月に閣議決定をいたしました「復興・創生期間」後における東日本大震災からの復興の基本方針において、復興・創生期間後も継続することを明記したところでございます。これに基づいて、復興・創生期間後においても適切な事業の推進に努めてまいります。その上で、具体的な対象地域についても、地元の御意見、御要望をしっかりと踏まえながら、農林水産省と連携をし、検討を進めてまいりたいと思います。

#26
○上杉委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。
 最後の質問をさせていただきます。
 時間がなくなってまいりましたので、端的に説明して質問をさせていただきますが、先ほど根本先生から、新しい東北というのがありました。私は、十一年目以降は、新しい東北創生期間という形にして、地方創生も含めて福島県がしっかりと復興の姿を見せるということと、ほかの都道府県また自治体の模範となるような地方創生を進めていけたらいいのではないかというふうに考えております。
 そういった中で、イノベーション・コースト構想がありますけれども、いろいろな最先端の研究をやってくださっています。ロボットもそうでありますし、水素エネルギーもそうであります。
 どうしてこれが必要なのかというと、前回の復興特でもちょっと申し上げましたけれども、昭和の時代の最先端科学技術であった原子力というのがあって、それが平成の時代に事故を起こした。今、新しい時代に変わって、令和の時代であります。この令和の時代では、エネルギーを含めて、新たな、より最先端な技術をやはり福島でこそ研究開発をする、政府が福島から全国に、世界に発信する、このことが非常に重要だというふうに思っております。
 そうしていくためにも、やはりまた一方で、じゃ、その原因となった原発、また原発の今廃炉が進んでおります。この廃炉はしっかりと進めていかなければならない。まだ四十年以上かかるとも言われております。先ほどの、最初の風評、放射線という話に戻れば、やはりこの原発の廃炉が完了しないと実際に風評ですとか復興というのは終わらないかもしれないわけであります。
 そういった意味で、最後の質問は、一つ、廃炉について、報道でも出ておりますけれども、ここ最近の進捗状況と、また今後の見込み等々を最後に教えていただけますでしょうか。

#27
○須藤政府参考人 お答えいたします。
 福島第一原発の廃炉・汚染水対策は、世界にも前例のない困難な取組でありまして、先生御指摘のとおり、福島復興の基盤となるものと考えております。
 このため、中長期ロードマップに基づき、三十年から四十年後の廃止措置終了を目標として、一歩一歩着実に進めてまいります。
 最近の主な進捗でございますが、燃料取り出しについては、三号機の使用済み燃料プールからの今年度内の取り出し完了に向けまして、現在、五百六十六体の燃料のうち、百十九体を取り出したところでございます。
 また、一、二号機の共用排気筒の解体工事については、地元企業が装置の製作や遠隔操作による作業に取り組みまして、本年五月一日に作業を完了しております。
 現在、新型コロナウイルスの感染症の中ではありますけれども、万全の感染防止対策を講じながら、着実に進めてまいりたいと考えております。
 また、感染予防のため、視察受入れを今中止したり、あるいは国際フォーラム等のイベントも中止になっておりますけれども、現在の廃炉の進捗状況を実感いただけるように、積極的に進捗を情報発信するように心がけてまいります。
 引き続き、安全確保を最優先に、国も前面に立って、しっかりと取り組んでまいります。

#28
○上杉委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。
 廃炉もしかり、放射線もしかりであります。十一年目以降もしっかりと復興を継続していく、これは、四十年後、五十年後にしっかり希望ある美しい福島県をつくるために必ず必要でありますので、それを念願をして、質問にかえたいと思います。
 ありがとうございました。

#29
○伊藤委員長 次に、中曽根康隆君。

#30
○中曽根委員 自由民主党の中曽根康隆でございます。
 私はいわゆる東北の被災地出身ではありませんけれども、きょう、こういった機会をいただきまして、心から感謝申し上げます。(発言する者あり)ありがとうございます。
 二〇一一年三月十一日、私は、前の職場のオフィスビル三十一階におりまして、あのときの左右に揺れる、体が吹き飛ぶようなあの揺れというのは今でも鮮明に覚えております。また、その二週間後、三月下旬には、南相馬市にボランティアとして行きまして、炊き出しをしたり、また、歯ブラシとかカップラーメンを袋に詰めて被災者の皆さんに配付をさせていただいた。あのときの地震、津波による現地の悲惨な光景というのは、本当に今でも脳裏に焼きついております。
 そういった意味で、十年たった今、この国会の場で、復興特の委員としてこの質疑をできること、心から皆様に感謝申し上げながら質問に入りたいと思います。
 政府は、震災後、復興期間を十年間と定めて、最初の五年間を集中復興期間、そして後半の五年間を復興・創生期間と位置づけて、さまざまな施策を講じてまいりました。
 本法案では、復興庁の設置期間の十年間延長を始め、復興・創生期間の後の復興を支える仕組みとか組織とか、また財源について総合的に手当てをしているものというふうに認識をしております。
 政府の現在の見解では、地震、津波被災地域においては、復興のもう総仕上げの段階に入ってきている一方で、原子力災害被災地域においては、これまでも復興再生は進んではいるけれども、まだまだ中長期的な対応が必要とされていると考えております。
 そこで、これまでの取組の整理といいますか総括も含めてお伺いをしたいんですけれども、この十年間、当初の目標のどれくらいのものを達成できて、何がいまだに達成できていない課題であって、そして、これからの十年間で一体何を必要としていくのか、何を達成していくのか、そういったところをぜひとも田中大臣に御答弁をいただきたいと思います。

#31
○田中国務大臣 中曽根委員のボランティア活動等をされた経験も今述べられたわけでございますが、その後、経過の中で、地震、津波被災地域では、住まいの再建、復興まちづくりがおおむね完了するなど、復興の総仕上げの段階に入っておるところでございます。被災自治体の御意見も踏まえ、心身のケア等の被災者支援を始めとする残された事業について、復興・創生期間後の五年間において、全力で取り組むことといたしておるところでございます。
 あわせて、人口減少等の中長期的な課題に対しては、復興局の職員を地方創生部局の併任として被災地における相談窓口とするなど、地方創生を始めとする政府全体の施策を総合的に活用して、持続可能で活力ある地域社会をつくり上げていくこととしておるところでございます。
 原子力災害被災地域では、本年三月に帰還困難区域を除く全ての地域で避難指示が解除されるなど、復興再生が本格的に始まっておるところでございますが、まだ長期にわたり避難生活を送られていらっしゃる方々がおられるなど、今後も中長期的な対応が必要でございます。
 このため、当面、十年間、復興のステージが進むにつれて生じる新たな課題や多様なニーズにきめ細かく対応をしつつ、本格的な復興再生に向けた取組を行うこととしておりまして、具体的には、これまでの帰還環境の整備や被災者の生活再建等に加え、移住の促進等の新たな活力の呼び込み、国際教育研究拠点の構築等の新たな取組を進めることとしておるところでございます。
 今後も、現場主義を徹底し、被災地に寄り添いながら、復興に全力で取り組んでまいりたいと思っております。

#32
○中曽根委員 大臣、ありがとうございました。
 私の時間があと八分しかないということを今知らされましたので、ちょっと質問を巻きながら質疑させていただきます。
 今御答弁いただいた、総仕上げとか、又は復興再生に加えて、今回、地方創生のモデルとなるような復興というのを掲げられております。
 今、被災地のみならず全国の地方都市が、少子高齢化とか人口減少によって、この地方創生の名のもとに生き残りをかけた戦いをしています。そういった中で、この東北が地方創生をなし遂げて全国に横展開できるようなモデルをつくっていくというのは、極めて重要なことであるというふうに認識しております。
 政府の方では、復興・創生期間後の復興の基本方針においても、課題先進地である被災地において、地方創生の施策を始めとする政府全体の施策を活用して、持続可能で活力ある地域社会をつくり上げるというふうに示されております。
 これらを踏まえて、被災地における地方創生の取組、今後どのように進められていくのか、政府の見解をお伺いしたいと思います。

#33
○石田政府参考人 お答え申し上げます。
 被災地が抱えます人口減少などの課題に対応するためには、まずは、復興のまちづくり、産業、なりわい再生など、復興に全力を尽くすことが重要であります。
 その上で、先ほど委員御指摘の復興期間後の基本方針にありますように、地方創生の施策を始めとする政府全体の施策を活用して、持続可能で活力ある地域社会をつくり上げていく必要があると考えております。
 このため、例えば、昨年十二月閣議決定されました第二期のまち・ひと・しごと創生総合戦略におきまして、地方創生のモデルとなるような復興を目指し、地方創生施策のさらなる活用に向けた、東日本大震災の被災地域における地方創生の加速化が明記されております。
 具体的には、先ほど大臣の答弁にありましたとおり、復興局職員の一部を内閣府の地方創生局に併任することによる窓口機能の強化や、復旧復興事業と地方創生推進交付金事業との連携、地方創生人材支援制度の活用、プロフェッショナル人材事業の沿岸部への展開などの取組を図っていくこととしているところでございます。

#34
○中曽根委員 ありがとうございます。
 十年後に全国の地方都市が東北モデルをまねしたくなるような、そういった地方創生の形をつくっていただきたいというふうに思います。
 続きまして、本法律案において、福島特措法改正で、帰還環境整備交付金の名称を帰還・移住等環境整備交付金と変更するとしています。いわゆる移住等という新しい言葉が追記をされております。
 これは、福島の現状を踏まえて、そして将来を見据えたときに、やはり、帰還環境の整備に加えて、移住等の促進、また関係人口の拡大というものをしっかりやっていって、新しい活力を呼び込んでいくことが不可欠だという強い覚悟が示されているものだというふうに考えております。
 原発事故の被災地域に新しい移住者を呼び込むというのは大変なことだというふうに思います。働く場所や移住環境をしっかり整備するとともに、かつてない大胆な取組をしていかなきゃいけないというふうに考えておりますし、また、関係人口の拡大というのはいわゆるその地域のファンをつくるということとなりますので、人を引きつける核となるコンテンツをしっかりとつくって、それを戦略的に発信する、そういったことが求められてくるようになると考えております。
 今回の名称変更とともに交付金の対象事業も追加されておりますけれども、どのような戦略のもとに移住等又は関係人口の拡大を促進していくのか、政府の見解をお伺いしたいと思います。

#35
○田中国務大臣 福島特措法の改正案においては、交付金の対象として、新たな住民の移住、定住の促進や交流人口、関係人口の拡大に資する事業を追加をしております。地元からは、使い勝手の面での柔軟性の確保、あるいは十分な予算の確保について要望もいただいておるところでございます。
 委員の指摘のとおりに、その地域のファンをふやしたり、交流人口、関係人口を拡大し、さらに、移住、定住につなげるために地域の魅力や創意工夫を最大限引き出しながら、新たな活力を呼び込めるように思い切った施策を講じてまいりたいと思います。また、選ばれる地域とするためには、魅力ある、また、働く場づくりだとか生活環境の整備も重要でございます。
 こうした施策を総動員して、帰還促進のみならず、新たな住民の呼び込みや定着にしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 以上でございます。

#36
○中曽根委員 大臣から非常に力強い御答弁をいただきましたこと、感謝を申し上げます。
 時間もなくなってきましたので、最後に質問をさせていただきます。
 根本議員そして上杉議員からもありましたけれども、風評被害について御質問をさせていただきます。
 今般の福島特措法改正においては、海外における風評対策や、また輸入規制の撤廃、緩和に向けた働きかけの推進について規定がされております。私自身も、この風評の問題というのは非常に大事だというふうに考えております。
 今、台湾において、私の地元群馬県を含む五つの県、五県産の農産物の禁輸が続いております。私も昨年台湾の方に行きまして、蔡英文総統に直接この禁輸の解除をお伝えする機会をいただきましたけれども、地元群馬においてもその他の地域においても、この風評被害というのは十年たつ今でも、まだまだ今の深刻な問題として残っております。
 そんな中で政府は、令和十二年までに農産物、食品の輸出五兆円という非常に大きな目標を掲げております。国内の農業従事者を後押しするためにも、一刻も早い輸出の解禁、これに取り組まなきゃいけないと思いますけれども、それに向けての政府の意気込みを教えていただきたいと思います。

#37
○道野政府参考人 お答え申し上げます。
 台湾におきましては、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴い、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の五県産の酒類を除く全ての食品の輸入を停止しております。また、輸入が認められている五県産以外の食品については産地証明書の添付が義務づけられており、さらに、その一部の食品については放射性物質検査報告書の添付を義務づけております。
 また、一昨年十一月には、台湾で行われた公民投票において五県産食品の輸入規制継続が可決され、この施策については二年間の継続という予定になってございます。
 これまで台湾に対しましては、日本台湾交流協会を通じて、モニタリング検査において基準値を超える食品がほとんどないことや我が国の安全管理措置に関する情報を提供して、科学的根拠に基づき、規制の早期撤廃を働きかけてきたところでございます。
 引き続き、農林水産省といたしましては、外務省を始め関係省庁と連携をして、我が国が行っている安全管理措置により基準値を超える食品が流通又は輸出されることがないということにつきまして改めて台湾側に伝え、輸入規制の緩和、撤廃を粘り強く働きかけていくこととしております。

#38
○中曽根委員 ありがとうございます。
 今御答弁いただいたとおり、関係省庁、外務省を始めそういったところとしっかりとチームワークを組んで、これは感情論ではなく、先ほどからずっと言われていますけれども、科学的なエビデンスをもとに安全性をしっかりと示して、その上で、必要であればその基準の見直しなどもしっかり議題に上げた上で、一刻も早い禁輸の解除に向けて頑張っていただきたいというふうに思います。
 最後に、これは質問ではありませんけれども、一言申し上げますと、ちょっと財源について申し上げます。
 これまで、復興には三十一兆円を超えるお金が投入されてまいりました。この復興というのは、政府、そして国の一丁目一番地の政策であって、その金額に当然私も異論はないですけれども、一つ覚えておかなきゃいけないのは、この財源の中には復興特別所得税を含めた国民の税金というものが入っているということです。国民の復興を願う気持ちというのがこの貴重な財源になっていることを我々は忘れてはいけない。
 そういう意味でも、国民が納得する、そして目に見える復興をなし遂げていただきたいというふうに思いますし、引き続き、復興庁がリーダーシップをとって、政府一丸となってこの復興再生、そしてこれからの躍進を強く推し進めていただくことを心からお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#39
○伊藤委員長 次に、國重徹君。

#40
○國重委員 おはようございます。公明党の國重徹です。
 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 法案の具体的な質問に入る前に、新型コロナウイルス感染症によって延期をされました東京オリンピック・パラリンピックに関して、まず何点かお伺いしたいと思います。
 来年に延期をされました東京オリンピック・パラリンピック、これは東日本大震災からの復興の意義を込めた大会となるはずでありました。もっとも、新型コロナウイルスの世界的な感染状況に鑑みれば、来年のオリンピック、五輪はコロナ克服五輪となって、東日本大震災からの復興五輪という色が薄れてしまうんじゃないか、こういった懸念の声が上がっております。
 東日本大震災からの復興は、日本の五輪招致の原点でありました。来年は震災からちょうど十年目という節目の年でありまして、東北、被災地に寄り添う心、これを忘れてはならないのは当然のことであります。
 他方で、新型コロナウイルス感染症によって、これだけ日本じゅう、そして世界じゅうの方々が大きく影響を受けている現状に鑑みますと、来年の五輪にコロナからの復興という意義を込めたくなるのも、これもまた自然な感情の発露だろうと思います。
 そこで、政府として来年の五輪にどのような意義を込めるつもりなのか、改めて見解をお伺いいたします。

#41
○青山大臣政務官 國重委員にお答えをいたします。
 復興五輪は、閣議決定されたいわゆる基本方針にも位置づけられている東京大会の最も重要な柱であり、その意義に変更はございません。
 東京大会については、来年夏に延期されることとなりましたが、世界の注目が集まる大会であることに変わりなく、東日本大震災における被災地の復興を世界にアピールする絶好の機会でございます。
 政府としては、人類が新型コロナウイルスに打ちかったあかしとして東京大会を完全な形で実施することを目指す中で、引き続き、世界じゅうの皆様方からいただきました心温まる支援のおかげで力強く復興しつつある被災地の姿を実感できる復興五輪となるよう、被災地はもとより、IOC、大会組織委員会等との緊密な連携のもと、さまざまな取組を進めてまいりたいと考えております。

#42
○國重委員 ありがとうございます。
 ただ、その上で、世界ですね、世界の意識としては、どうしても東日本大震災からの復興というよりはコロナからの復興というところに行くんじゃないかと思われます。
 ことし読売新聞が行ったアンケート調査によりますと、岩手、宮城、福島の沿岸と福島第一原発周辺の計四十二市町村長のうち九割以上が、ことしの五輪が復興をアピールする場になると期待していたことが明らかになっております。経済界からも当然大きな期待が寄せられておりました。
 こういった思い、期待も踏まえまして、復興五輪で注目されるはずであった東北が埋没してしまわないように、仕掛けや工夫が別途必要だと考えます。これに対する見解、今後の取組についてお伺いいたします。

#43
○菅家副大臣 國重委員の御質問にお答えをさせていただきます。
 まず、東京大会の復興五輪としての位置づけ、これは延期後も決して揺らぐものではなく、大会を、被災地の復興しつつある姿、これを発信する絶好の機会として生かしていく考えであります。例えば、被災地には安全でおいしい農林水産物やすばらしい観光地がたくさんあり、安心してお越しいただけるといった情報をしっかり発信することが重要だ、このように考えております。
 委員御指摘のことは、まさに私もかねがね問題意識として有するものでございまして、まずは、被災地の機運の維持やさらなる醸成に向け、復興五輪に携わる地元関係者等にどのように働きかけ、後押しをしていくのか、また、復興の情報発信に関しては、まず、新型コロナウイルス感染症の状況も見据えつつ、被災地においてどのようなイベント等が実施できるか、また、被災地での実施が困難な間もホームページやSNS等の情報ツールを活用してどのような取組が可能かといったことをよく検討してまいりたいと考えております。
 これらの点を踏まえ、私が議長を務める復興五輪連絡調整会議の枠組みも活用し、引き続き、被災三県や組織委員会、内閣官房等と連携しながら、復興五輪として、被災地の復興しつつある姿の発信、それを通じた復興の後押しを進めてまいりたい、このように考えているところであります。
 以上であります。

#44
○國重委員 菅家副大臣、ぜひよろしくお願いいたします。
 東京五輪の延期に伴いまして、聖火リレーも延期となりました。
 聖火は一時、聖火リレーのスタート地点でありました福島県のJヴィレッジで展示をされておりましたけれども、緊急事態宣言などを踏まえて、一般公開が中止となりました。本来であれば、四月二日から四月三十日までの間、展示されるはずでありましたが、四月七日までで終わってしまっております。地元からは、再度Jヴィレッジで聖火を一般公開してほしい、こういった声が届いております。
 聖火は、東北の被災地の皆様にとりまして希望の光であります。もちろんコロナ収束後のことではありますけれども、この地元の声も踏まえた対応を今後ぜひ検討していただきたいと思いますけれども、御見解をお伺いいたします。

#45
○青山大臣政務官 お答えをいたします。
 聖火の一般公開においては、新型コロナウイルス感染症への対策を講じながらではございますが、多くの方にごらんいただいたというふうに伺っております。聖火、そして大会への関心の高さを強く感じております。来年の東京大会実施に向けて、現在、組織委員会において、聖火リレーも含めて検討を進めております。
 本日委員からお話がありました福島の皆様の思いもしっかりと受けとめつつ、大会の準備を着実に進めてまいります中で、IOCや組織委員会、関係省庁などと連携しつつ、どのような取組ができるのか検討してまいりたいと考えております。
 現下の新型コロナウイルス感染症の厳しい状況を乗り越えることが前提でございますが、日本にある聖火を希望のともしびとして有効に活用していくための方策を検討することは非常に大切なことと考えております。

#46
○國重委員 ぜひよろしくお願いします。
 それでは、法案の具体的な中身に入ってまいりたいと思います。
 今般の復興庁設置法の一部改正案では、復興庁の設置期間を十年延長することとされております。引き続き、東日本大震災からの復興に特化した組織が維持されることは評価をしたいと思います。
 一方で、地震、津波被災地域につきましては、昨年十二月に閣議決定をされた基本方針におきまして、五年間で復興事業が役割を全うすることを目指すとされております。これに対して地元知事からは、被災地に対して厳しいメッセージだ、目標以降、支援を絶対やらないと言われると困る、被災地の実態を踏まえて進めてほしい、こういった、実情に応じた柔軟な対応を望む声が上がっております。ましてや、新型コロナウイルス感染症の影響もある中で、本来進む予定だったものが進まなかったり、うまくいっていない、こういったこともあると思います。
 そこで、田中復興大臣、地震、津波被災地域の六年目以降の対応につきまして今後国はいかなる立場で臨んでいくのか、御見解をお伺いいたします。

#47
○田中国務大臣 國重委員のお尋ねにお答えをいたしてまいります。
 地震、津波被災地域においては、住まいの再建や復興まちづくりがおおむね完了するなど、復興の総仕上げの段階を迎えており、まずは復興・創生期間後五年間で、国と被災自治体が協力をして、残された事業に全力で取り組んでまいりたいと思っております。
 その上で、地域の要望が非常に強い面がございます心のケアなどの被災者支援や被災した子供さんたちに対する支援で期間後の五年間で終了しないものについては、被災自治体の御要望も踏まえ、年末の基本方針において、個別の事情を丁寧に把握させていただいて、事業の進捗に応じた支援のあり方を検討して、適切に対応していくこととしておるところでございます。
 また、今般の新型コロナウイルスによる影響については、事業内容の見直しに柔軟に対応するなどにより、被災者支援事業等の復興事業に支障が生じることがないように万全を期してまいりたいと思います。
 いずれにしましても、きめ細かく丁寧に対応してまいりたいと思っております。

#48
○國重委員 田中復興大臣、今、地元、被災地に寄り添った丁寧な支援をやっていくというようなことでありました。ぜひよろしくお願いいたします。
 復興庁設置法の一部改正案では、附則に、東日本大震災からの復興に関する知見の活用に関する規定が置かれてあります。知見、ノウハウを活用するのはある意味当然のことであって、この当然の規定があるわけでありますが、あえてこの規定を置くことでどのような具体的効果があると考えているのか、お伺いいたします。

#49
○石田政府参考人 お答えさせていただきます。
 これまで東日本大震災からの復興の取組を進めてまいっております中で、復興庁には、生活再建のステージに応じた被災者支援を始めとするさまざまなノウハウの蓄積が行われております。
 委員御指摘の本法案の規定につきましては、政府においてこうしたノウハウを積極的に活用していくことを明示するために設けさせていただいたものでございます。この規定を通じまして、関係行政機関とのノウハウの共有、活用を一層円滑に進め、復興のさらなる推進を図りますとともに、近年多発します大規模災害に対する防災力の向上にも寄与できるものと考えているところでございます。

#50
○國重委員 恐らく今の答弁の趣旨は、第一義的には東日本大震災からの復興にしっかりとノウハウを活用していく、そういうことを通しながら他の大規模災害にもそういった知見を生かしていくということでありました。私も、そういった広い観点も重要だと思います。
 これまでに東日本大震災からの復興を通じて蓄積されてきた知見、復興庁が持つノウハウ、これは、東日本大震災からの復興だけにとどまらず、広く他の災害においても活用されていくべきだと考えております。そのためには、内閣府防災や国交省を始めとする関係省庁とも連携をしながら、これはなかなか、私が事前に聞いたところによりますと、余りノウハウ共有のための協議の場、こういうものも特段あるわけではないと聞きましたので、こういったノウハウ共有のための協議の場なり仕組みづくり、こういったことに取り組んでいくことが極めて重要であると考えます。
 復興庁には、ぜひその旗振り役となっていただきたいと思います。これに関する田中復興大臣の見解をお伺いいたします。

#51
○田中国務大臣 國重委員からは、ノウハウの活用に際し、関係行政機関等との共有のあり方について大変重要な御指摘をいただいたと認識をいたしておるところでございます。
 復興庁に蓄積された復興に関するノウハウについては、さまざまな手段を通じて積極的に共有、活用を図ることによって、近年多発する大規模災害に対する防災力の向上にも寄与するものと考えておるところでございます。
 このため、今後、関係行政機関等とよく連携をさせていただきながら、復興に関するノウハウの共有、活用の具体的なあり方を検討してまいりたいと思います。
 以上でございます。

#52
○國重委員 これまでも、全く連携していないわけではなくて、個々には連携していると聞いています。ただ、今、復興大臣が力強い決意の御答弁をいただきましたけれども、こういった仕組みづくりですね、システム、こういったものをつくることによって、やはり現実にノウハウが広く共有されていくことになると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 その上で、より具体的にお尋ねしてまいります。
 福島相双復興推進機構、いわゆる官民合同チームの活動には、復興時のみならず、平時のさまざまな支援にも生かせるノウハウや経験がたくさん蓄積されていると評価をしております。
 官民合同チームは、経済産業省や福島県庁などの官、そして大手商社、銀行、メーカーなどの民間から二百人余りを集めまして、平成二十七年八月に創設をされました。以来、これまでに五千四百の事業者と千九百の農業者の計七千三百者以上を個別訪問いたしまして、なりわいの再生支援、営農再開の支援、まちづくりの支援などを行ってきたと承知をしております。地元事業者で知らない人はいないというふうにも聞いております。
 この活動を通じて得たノウハウは、国がさまざまな支援を打っていく上で、必ずや大きな財産になると確信をしております。知見を他省庁とも共有し、ぜひ活用していっていただきたいと思います。
 そこで、政府として、官民合同チームの活動をどう評価をし、そして、その知見を今後どのように生かしていくのか、御見解をお伺いいたします。

#53
○須藤政府参考人 お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、官民合同チームは、原子力被災地域の復興再生に向けまして、待っているのではなくてこちらから出かけていく個別訪問を通じてニーズを把握し、きめ細やかな支援を行うなど、被災事業者、農業者の再開に向けて幅広く取り組んでいるところでございます。こうした取組によりまして、訪問した事業者のうち、約千五百者が御地元にて、また約千二百者が移転されて、それぞれ事業を再開するなど、着実な成果につながっております。
 それぞれの支援活動により蓄積された数多くの知見やノウハウは、まず事業者のデータベースや支援マニュアルとして活用するだけではなく、平成二十七年度からは、支援事例などを紹介する成果報告会を開催し、復興庁や関係機関とも共有させていただいております。また、今年度農水省を中心に発足いたしました営農再開推進チームのサポートチームの一員に加えていただきまして、これまでの知見やノウハウの横展開を図っているところでございます。
 引き続き、官民合同チームで蓄えてきたノウハウを福島モデルとして、経産省のみならず、他省庁も含めて、ほかの災害対応や企業等への支援に展開できるよう取り組んでまいります。

#54
○國重委員 これもぜひよろしくお願いいたします。
 続きまして、水素ステーションの保安検査についてお伺いしたいと思います。
 福島復興再生特別措置法の一部改正案では、福島イノベーション・コースト構想の推進を軸とした産業集積の促進が一つの柱となっております。
 ことし三月には、福島水素エネルギー研究フィールドもオープンをいたしました。福島県として、新産業創出の一環として水素エネルギーの利活用に取り組まれているところであります。
 中でも、いわき市では取組が盛んであります。地元企業が定置式の商用水素ステーションを設置して、また、いわき商工会議所が中心となって燃料電池車の購入を促すなどした結果、市内では五十台以上の燃料電池車が走るに至っております。東北では初となる燃料電池バスも、先月、四月から導入をされました。
 ただ、このような取組を進める中で、ネックとなっていることがあると地元の皆様から声をいただきました。そのネックとは、水素ステーションの高圧ガス保安検査であります。
 この保安検査は年に一度ありまして、検査期間は二週間、費用は平均一千四百万円、検査の間は水素を供給することができなくて、運営している企業は売上げチャンスを失ってしまうと。また、いわき市の場合、市内には一つの水素ステーションしかなくて利用者には不便も生じてしまう。そのため、検査期間の短縮と費用負担の軽減ができないか、こういうお声、御相談でありました。
 もちろん、水素は最大約八百気圧という超高圧の状態にありまして、かなりの危険が伴います。安全確保が最優先でありまして、そのための保安検査が非常に重要であることは当然のことであります。また、これまでも期間短縮やコストダウンに取り組んできた、このことも評価をしております。
 その上で、こういった現場の声も踏まえまして、さらなる見直しの余地がないのか、引き続き検討していっていただきたいと思いますけれども、これに関する見解をお伺いいたします。

#55
○河本政府参考人 お答えいたします。
 水素の利用に当たりましては、安全の確保が大前提でございますが、そのために、水素につきましては、高圧ガス保安法によりまして、水素を含みます高圧ガスによる災害を防止するということを目的といたしまして、その取扱い等について規制を行っております。
 一方で、水素社会の実現に向けまして、安全確保を前提に、新しい安全技術に対応した科学的、合理的な規制へと見直していくことも重要であると認識をしております。
 こうした認識のもと、閣議決定によりまして策定されました規制改革実施計画に基づいて、関係省庁とともに燃料電池自動車全般に関する規制の見直しに取り組んでおり、平成二十五年から現在まで、水素ステーションあるいは水素スタンドと申しますが、その関連では四十二項目のうち三十七の項目について措置をしてまいりました。
 委員御指摘の保安検査に関しましても、規制改革実施計画に基づきまして、昨年一月に、有識者による審議を経まして、従来よりも簡素化、適正化を図った民間の検査基準を採用する見直しを行ったところでありまして、これによって従前よりも検査期間が短縮され、検査費用も削減されることになったというふうに認識をしております。
 引き続き、いわき市において水素エネルギーの利活用に熱心に取り組んでおられます地元事業者の方の声もお聞きしながら、検査方法のさらなる合理化に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上です。

#56
○國重委員 よろしくお願いいたします。
 また、福島水素エネルギー研究フィールドで生産をする水素の利活用に関しまして、県内使用分については無償供給してほしい、こういった声もございます。私、これだけにこだわるものではありませんけれども、例えば福島県内に優先供給をする、こういったことなど、福島水素エネルギー研究フィールドで生産をする水素の福島での利活用につきまして特段の戦略を構築していくということも考えていくべきだろうと思います。これに関する見解をお伺いいたします。

#57
○松山政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の福島水素エネルギー研究フィールドは、二〇一六年に策定されました福島新エネ社会構想の一環としまして、福島県浪江町において実施中の、再エネを活用した水素製造実証プロジェクトでございます。本年三月七日にその開所式を、安倍総理、梶山経産大臣、そして田中復興大臣にも御出席賜りまして開催し、現在実証実験を進めているところでございます。
 この施設では、再エネを活用した水素製造についての技術開発を進めてコストダウンしていくわけでございますが、あわせて、委員御指摘のように、これをどう使っていくかということは非常に重要な課題でございますし、水素の社会というのはこれから実現、取り組んでいかなきゃいけない話でございます。
 そういう意味では、この施設で製造されました水素を活用いたしまして、福島の近隣地域におきまして燃料電池の活用システムですとか燃料電池自動車のネットワークの形成など、水素社会のモデルの構築を目指した取組を進めていきたいと考えてございます。
 その際、御指摘がございましたような価格を含めた水素の提供の仕方につきましては、この御指摘を踏まえて今後検討していくことにしていきたいと考えております。
 いずれにせよ、福島の地域におきまして、地域の方々や企業の皆様方と一緒になって、水素社会の実現に向けた技術開発及びモデル事業の実証というのを進めていきたいと考えてございます。

#58
○國重委員 ぜひよろしくお願いします。
 私、きょうは十問質問を用意しまして、時間、もう少し、五分程度ありますけれども、最後の質問にさせていただきたいと思います。
 福島イノベーション・コースト構想、これは今般の復興において極めて重要なもの、柱の一つでありますが、私もこの委員会でも質問もさせていただきました、広報をもっと強化していくべきだ、このようなことも言いましたけれども、残念ながらまだまだ認知度が低い状況でございます。また、広報にも限界がございます。
 そこで、例えば、今春から日本でも本格商用がスタートをした通信の大変革、5G、この中でローカル5Gを導入をして、この福島イノベーション・コースト構想、こういったところで好事例を生み出していく、それが報じられていけば、認知度も上がって注目をされていくと考えます。
 ローカル5G導入、これを積極的に促していく、こういったことも重要と考えますが、御見解をお伺いいたします。

#59
○小山政府参考人 お答えいたします。
 福島イノベーション・コースト構想の推進には、委員御指摘のように、構想の取組やその成果を広く知っていただくことが重要と考えております。
 同構想の拠点の一つであります福島ロボットテストフィールドは、ロボットやドローンに関する世界に類を見ない一大研究拠点として、この三月末に全面開所を迎えたところでございます。
 昨年末、復興庁、経済産業省、福島県は、同構想を基軸としました産業発展の青写真というものを取りまとめました。その中で、福島ロボットテストフィールドにおいては、今後、5G等先端技術を用いた実証事業等により、同拠点を活用する企業、研究機関の増加を図るということを明記させていただいております。
 既に同フィールドには十六の企業等が入居し、ドローンや災害対応ロボット等による施設の活用事例、これはもう百七十を超えております。これらの取組や成果については、同拠点のウエブサイト等での掲載、各種イベントでの発表、展示や、報道関係への積極的な情報提供等により、情報発信、普及啓発に努めておるところでありますが、更に一層頑張っていきたいと思っております。
 福島イノベーション・コースト構想につきましては、あらゆるチャレンジが可能、地域の企業が主役、構想を支える人材育成を取組の三本柱として、政府一丸となって推進し、自立的、持続的な産業発展につなげてまいりたいと考えております。

#60
○國重委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。ありがとうございました。

#61
○伊藤委員長 次に、岡本あき子君。

#62
○岡本(あ)委員 震災から九年二カ月、ことし三月十日現在で、死者一万五千八百九十九名、行方不明者二千五百二十九名。公表されている震災関連死三千七百三十九名です。加えて、コロナの死者数七百六十八名。昨年の台風でも犠牲になられた方々がいらっしゃいます。改めて、災害や感染症危機で犠牲になられた方々に御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 さて、新型コロナウイルスの影響を踏まえた復興の取組について伺わせていただきます。
 コロナの影響で建設事業者の工事中断や対面での仕事ができなくなり、土地収用等、折衝の機会や説明会の開催に支障が起きていると聞いております。
 復興のハード事業において、震災十年目の今年度で本来終了できる見込みがずれ込んだりすることがないのか、確認をさせてください。

#63
○田中国務大臣 岡本委員のお尋ねにお答えをいたしたいと思います。
 今回の新型コロナウイルス感染症のいろいろな影響はもう各所に出ておりまして、お地元の仙台等でも大変な影響があるかと思っております。
 今お尋ねの点でございますが、復興関連事業の一部において建設工事の一時中止の措置がとられておりますけれども、現時点では全体の工事工程には影響は生じていないと承知をさせていただいておるところでございます。
 復興庁としては、新型コロナウイルスの影響によって復興事業に支障が生ずることのないように、被災地の状況を注視しつつ、被災自治体や関係省庁ともしっかりと連携をして、引き続き復興に万全を期してまいりたいと思います。
 いずれにしましても、きめ細かい対応を必要とすることだと思っておりますので、努力をしてまいります。

#64
○岡本(あ)委員 大臣、もう一言お聞きしたいんですが、工期には影響がないという方向性、ちょっと安心はしておりますけれども、一方で、例えば、このコロナウイルスの関係で、現実、折衝に支障が起きていたり、あるいは工事の中断とかがあった場合に、下請の方々にしわ寄せが来たりとか、あるいは工期を逆に急がせたりとか、契約金を見直して減額されたり、あるいは追加費用が発生しているにもかかわらず、そこをのみ込めみたいなことは決してあってはなりませんので、工期は守っていただきたいという願いは込めつつも、一方で現場に不当なしわ寄せがないように、そこの配慮だけはお願いしたいということを重ねて申し上げたいので、それに対してもお答えをいただければと思います。

#65
○田中国務大臣 ただいまの御指摘についてでございますけれども、私どもも、関係省庁あるいは地元の自治体とも十分連携をとりながら、また、それぞれの事業の状況等も把握させていただいて、しわ寄せなどが下請等にも及ばないように、総体的な対応をしっかりといたしてまいりたいと思っております。

#66
○岡本(あ)委員 そのお言葉を聞いて少し安心いたしました。
 続いて、事業者への重ねての資金繰りの支援について伺わせていただきたいと思います。
 新型コロナの影響で全国の全業種で厳しい状況となっていますが、被災地では震災でダメージを受けました。福島県や宮城県では、昨年の台風でも更にダメージを受けております。水産加工業、宿泊、飲食業など、懸命に復興のために取り組んできたところで、三重苦となっている事業者がいると聞いております。
 資料一をごらんいただければと思います。これは水産加工業ですけれども、資料での復興状況の説明においては、売上げが八割以上回復した業者は五〇%ということで、復興が順調に進んでいるかのような表現がありますが、私が赤で囲みましたけれども、一〇〇%以上、震災の前に戻っているところはわずか二二%です。
 今回、コロナウイルスでも、五割削減されたら、事業規模が縮小したらもう存続の危機で、持続化給付金とかの対応になっています。五%縮小でも、社員を休業させなきゃいけない、雇用調整助成金の状態でございます。決して八割以上回復したから大丈夫ということではなくて、震災前までしっかりまずは戻す、この二二%と書いている方々を更にパーセントを広げていくというのが復興の役割だと思っています。
 宿泊、飲食、観光業でも、風評被害から何とか復活をと思って頑張っているところですが、残念ながら、今回のコロナの影響で、ゼロに戻っていないよりも、更にマイナスという状況がございます。
 ぜひ、事業者への資金繰りの支援、お願いをしたいと思っておりますが、経産省や金融庁のメニューでは、特段、この被災事業者というところで、コロナというこの三重苦に対してというメニューが見当たりません。県の産業復興機構や震災再生支援機構など、地元企業、中小事業者の再生を支援していますけれども、今回のコロナの影響について、さらなる支援をするなど、メニューを用意する、そういう配慮はございませんか。お答えください。

#67
○田中国務大臣 お答えをさせていただきます。
 これまで被災地においては、グループ補助金の創設や東日本大震災事業者再生支援機構による二重ローン対策など、被災地特有の課題に対応するためのさまざまな支援策を講じてきたところでございます。
 これに加え、現在、新型コロナウイルス感染症で大きな影響を受けている被災事業者に対しましても、先般政府が決定した緊急経済対策等に基づく実質無利子無担保融資だとか持続化給付金など、強力な資金繰りの支援をいたしております。
 さらに、先ほど申し上げた震災支援機構においても、支援先の企業のための返済猶予や他の金融機関からの新規借入れの調整など、現下の状況に応じた各般の支援策を講じておるところでございます。
 復興庁としては、被災地の実情等の把握に努めるとともに、関係省庁としっかりと連携して、被災地の事業者が今回の新型コロナウイルス感染症を乗り切れるように最大限の支援に努め、震災からの復興が円滑に進むように努力をいたしてまいりたいと思っております。

#68
○岡本(あ)委員 再生支援機構など、申請の申込みが来年の三月までとなっておりますので、もう一度、計画の見直しですとか、あと、先ほど二重ローンの御紹介がありましたけれども、三重ローンになる可能性もあるということも含めて、柔軟な計画変更、そして、支援を切るのではなく、支援をしていくという姿勢を貫いていただきたいと思います。
 続きまして、新たな基本方針の中で私が最も期待しているのは、やはり被災者の心のケアです。コロナの影響でもストレスや心のケアが求められていますが、復興の取組でも被災者への継続支援が求められています。
 資料二をごらんください。復興庁が継続するという中での当面五カ年の事業規模の見込みの資料でございます。この中の被災者支援という事業、五カ年でおおむね〇・一兆円と見込まれています。単純に五年で平均すると、一年度当たり二百億円という計算になります。
 資料三では、昨年度、そして今年度の予算額でございます。被災者支援は、昨年度は六百十四億円、今年度は四百九十三億円です。これらに比べて大きく減額されることになるのではないでしょうか。
 心のケアは長期的にむしろ強化すべき事業だと思いますが、なぜこんな減額する想定になっているのか、お答えいただきたいと思います。

#69
○田中国務大臣 御指摘の被災者支援の事業規模については、応急仮設住宅の解消の進展によって撤去等の費用が減少する見込みであることだとか、応急仮設住宅における見守りや高齢者のサポート事業などの支援が減少する見込みであること、また、住宅再建関連の支援が減少する見込みであることなどを踏まえて、令和三年度以降、五年間で一千億円程度とあらあら見込んでおるところでございます。
 他方で、被災者支援は復興・創生期間後も重要な課題であると認識をしております。
 このため、被災者の心のケアやコミュニティー形成支援など、今後も対応が必要な事業はしっかりと行うことで被災者に寄り添ってまいりたい、このように思っております。

#70
○岡本(あ)委員 今、来年以降、仮設住宅の関係とか住宅再建のところが不要になる御説明がありました。
 資料三の令和二年度の予算でも、ここに関する部分は百五十億ぐらいなんですね。約五百億のうちの百五十億を除いても、逆に、三百五十億という部分が本来であればそういう見守り、心のケアに使われるべきだと私は思っています。
 資料四をごらんください。仮設住宅の見守りは確かになくなるかもしれませんが、一方で、災害公営住宅で孤独死をされる方がふえております。しかも、健康悪化というのが一番の理由ですけれども、第二位の理由としては、みずから命を絶たれる方八%、一割弱の方がみずから命を絶っている状況でございます。せっかく助かった命なのにと思わざるを得ません。
 今々もですけれども、アフターコロナで対面でのケアや集会的なケアの方法自体も見直すことも出てくるのかと思います。より人的体制を組んだ上で健康観察をする、あるいは見守りをする、そういう事業を更に強化をされるべきだと思っています。私からすると、決して二百億では足りないということを申し上げさせていただきます。
 ぜひ、この人的支援も含めて強化を求めたいと思います。お答えいただけますか。

#71
○田中国務大臣 ただいま御指摘をいただきましたことについて御答弁申し上げましたけれども、更にお答えをしてまいりたいと思います。
 災害公営住宅の入居者の皆様が、今般もありましたけれども、孤独死の件を防止する心身のケアのためには、自治会の形成等のコミュニティー形成支援、あるいは生活支援の相談員による見守り、心のケアセンターにおける相談支援などの自治体の取組を被災者支援総合交付金によって幅広く支援をしておるところでございます。
 昨年末の基本方針においても、復興・創生期間後もこうした心のケア等の被災者支援を継続することとしておりまして、必要な事業を行うことで引き続き被災者に寄り添ってまいりたいと思っておるところでございます。

#72
○岡本(あ)委員 縮小ありきではなく取り組んでいただきたいと思います。
 今御紹介いただきました被災者支援総合交付金も、既に昨年度と今年度で減額されております。決して減額ではなく、実態に合わせていただきたいというのはもちろんですけれども、私からすると、やはりより見守りを強化しなきゃいけない、アフターコロナを想定するからこそ、この見守り活動、それからコミュニティー形成も、残念ながら、災害公営住宅でコミュニティーの役割を担っている若手の方々が家賃超過で退去せざるを得ない、そういう現象が実際起きております。
 このコミュニティー形成についても、外からの支援というところも強化しなきゃいけないということをぜひ心に置いていただきたいと思います。ここは答弁は結構でございます。
 続きまして、児童生徒に対する支援、この資料三でいきますと、緊急スクールカウンセラー等活用事業、載っておりますが、これも残念ながら年々減少しております。二〇一六年度は二十七億円、翌年度も二十七億円でしたが、その後、二十五億、二十四億、二十二億と縮小です。
 基本方針の中で、「復興・創生期間後五年以内に終了しないものについては、」と記載がありますが、私は、そもそも子供たちの心の問題は決して五年では解決しません。五年で解決しようということ自体が問題なんだと思います。
 先般、テレビでも紹介をされておりました。震災直後非常に優等生だった当時の子供さんが、大学生になって、突然大学に行けなくなった。社会に出て、つまずいていて、何とか、八年、九年たって、今もがいている、そういう方もいらっしゃいます。阪神大震災のときも、避難所のアイドル的だった子供が、あるきっかけで激しく落ち込み、何もできなくなるというケースも紹介されております。
 時間がたつにつれ、無意識にも無理をしている子供や、成長とともに環境の変化で心に影響を及ぼすことも出てきます。児童生徒への心のケアは決して五年を目標とすることなく、しかも縮小することなく、長く続く前提で取組を進めていただきたいと思います。お答えください。

#73
○蝦名政府参考人 お答えを申し上げます。
 被災した児童生徒に対するきめ細かな学習支援でありますとか、心のケアなどのための指導体制の整備につきましては、地元の要望を踏まえながら継続的に取り組んでいくということは極めて重要であると考えてございます。
 そのため、特別な教職員の加配ですとか、議員御指摘のスクールカウンセラーの配置については、令和二年度予算において、被災自治体の要望も踏まえた形で、教員加配については七百十一名、スクールカウンセラーについては二十二億円を措置をいたしたところでございます。
 また、今ほど御紹介ございましたように、復興・創生期間後の取扱いにつきましては、昨年十二月の「復興・創生期間」後における東日本大震災からの復興の基本方針におきましても、東日本大震災の影響に鑑み特別に措置される教員加配、スクールカウンセラー等の配置について、過去の大規模災害における取組事例等を踏まえ、支援の必要な子供の状況など、事業の進捗に応じた支援を継続するというふうにされているところでございます。
 文科省といたしましては、こうした基本方針も踏まえながら、また、子供たちの状況も、発災後に生まれた子供たちも今小学校に上がってきているというように、変化もしてきていると思います。
 こうした状況を踏まえながら、被災自治体とよく丁寧な情報交換を行いながら、そしてまた復興庁とも連携をしながら、引き続き必要な支援に努めてまいりたいと考えてございます。

#74
○岡本(あ)委員 私、前回も質問に立たせていただいたとき申し上げましたけれども、やはり卒業式、入学式という人生の節目という機会を失っているお子さんもいらっしゃいます。それから、今申し上げたとおり、長期になってから、実は、小さな積み重ねでいろいろな、心が傷ついている、そういうお子さんもいらっしゃいます。一人一人にしっかり寄り添える、そういう環境を整えていただきたいと思います。
 自治体からの要望に基づいてとなっておりますけれども、多分、自治体からは、やはりコロナの影響も受けて、更に要望が強くなるという予想も立っております。決して上限ありきとかそういうことではない形で、子供たちをしっかり支えていただきたいと思っております。
 次に、財源のことについて伺います。
 基本方針を発表した際には、事業規模はこれまで確保した財源でおおむね見合うと見込んでおりました。ただ、今回、エネルギー対策特別会計におけるエネルギー需給勘定から電源開発促進勘定へ借入れすることを可能とする案が盛り込まれております。
 資料五に載せましたけれども、勘定間で貸し借りをするということは問題がないということなのか。それから、当初は確保した財源でおおむね見合うと見込んでいた、これが甘かったということなんでしょうか。この点、確認をさせてください。これは財務省になりますか、お願いします。

#75
○阪田政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、特別会計制度の趣旨との関係でございます。
 特別会計は、財政法上、特定の歳入をもって特定の歳出に充て、一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合などに設置が求められているということでございますが、こうした受益と負担の関係を明らかにするなどの趣旨を損なわない範囲で、法律の根拠に基づき、施策に関連がある特別会計の勘定間の繰入れ、繰戻しを規定した例はこれまでもございます。
 今回の改正案について申し上げますと、エネルギー需給勘定と電源開発促進勘定があるわけでございますが、これらについては、財源の負担者という意味で共通する面もあるほか、エネルギーの安定供給という観点では施策の目的は関連していること。それから、加えまして、この繰入れ、繰戻しの規定でございますが、一つは、電源開発促進勘定の逼迫に鑑みた一時的な貸借であるということ。そして、エネルギー需給勘定からの一時的な繰入金を繰り戻さなければならない旨の規定を設けるということで、石炭石油税は、後日、再生エネルギーの推進などに充当されることが制度的に明確になっておりまして、引き続き受益と負担の関係は明確であることから、特別会計制度の趣旨を損なうものではないと考えております。

#76
○岡本(あ)委員 今ほど御答弁で前例があるとおっしゃったので、そこを御紹介いただきたいと思います。

#77
○阪田政府参考人 前例でございますが、具体的には、農業共済再保険特別会計というものでございます。異常災害の発生に伴う各事業勘定の共済の再保険などの支払い財源の不足に充てるため、勘定間の繰入れ、繰戻しを認めていた例があるということでございます。

#78
○岡本(あ)委員 それはいつの事例でしょうか。

#79
○阪田政府参考人 もともとは設けられておりましたのですけれども、過去形でお答えしましたのは、平成二十六年四月にそもそもこの特会全体が食料安定供給特別会計という別の特会に統合されたものですから、上記の繰入れ、繰戻し規定は削除されたということでございます。

#80
○岡本(あ)委員 それは特会の改革法によって削除されたんじゃないかと思うんですが。だから、逆に言うと、前例として紹介したのも、今の現行法でいくと前例に当たらないんじゃないかと思うんですけれども、確認させてください。

#81
○阪田政府参考人 前例があると申し上げましたのは、繰入れ、繰戻し規定があった特会があったかという意味で、そういう意味で申し上げたということでございまして、今回のエネルギー特会における繰戻し、繰入れ規定につきましては、先ほど申し上げたことでございますので、特会制度の趣旨に反するものではないということで、そういう法律を提案させていただいているところでございます。

#82
○岡本(あ)委員 特別会計の改革法施行後は初めてになるということですよね。先ほどの御答弁では趣旨を損なわないということでしたけれども、私からしますと、勘定を分けるというのは、やはり収入と支出の目的というのは異なるから勘定を分けるんだということだと思います。
 そして、エネルギー需給勘定は、石油、天然ガス、石炭の資源開発促進、備蓄、省エネ、新エネの普及事業等です。ここに原子力という言葉は一つもないんですが、目的を損なわないと言い切れるものなのでしょうか。もう一回確認させてください。

#83
○阪田政府参考人 それぞれの勘定の法律上の規定はそれぞれ確かに、細かく見ますと、目的等々が別々に書いてあるわけでございますけれども、先ほど申し上げたことの繰り返しになって恐縮でございますが、まず、負担者の面で共通している部分があるということ、それから、エネルギーの安定供給という観点では共通点があるということ、さらに、一時的な貸借として、後日繰り戻すということも明確になっているということから、今回、受益と負担の関係は明確であることが担保されていると考えているものでございます。

#84
○岡本(あ)委員 今申し上げたとおり、やはり法律が変わって以降は初めてのものなんだという意味でいくと、非常に慎重に判断をしていただきたいと思っています。これが逆に言うと前例になって、安易に勘定間でお金をやりとりする、そういうことはあってはならないと思います。
 それからまた、必ず返還すると御答弁されていらっしゃいますけれども、これは担保というのはどういうふうにとられるものなのか、そのことも教えていただきたいと思います。
 今回のこれがあるから勘定間では幾らでも貸し借りしていいんだ、後で返せばいいんだ、本来、これは特別会計も必要以上の資産は持つなという規定も設けていますよね。ほかの勘定に回せるようなお金を持っているということ自体、もう本来精査しなきゃいけないことになりかねないものですから、これは安易に勘定間は貸し借りしていいんだということにはならないということは、ぜひ確認をさせていただきたいことと、返還する担保、何をもって返還がされることを確認するものなのか、そのことについてもお答えいただきたいと思います。

#85
○阪田政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、安易に認めないということでございますが、これは委員御指摘のとおりでございまして、受益と負担の関係を明確にするという特別会計制度の趣旨を踏まえながらも、今後とも慎重に、そういう事例があれば検討してまいりたいと思います。
 それから、繰り戻す担保でございますけれども、これはもちろん予算に定めるところで今後繰り戻していくわけでございますけれども、その担保というのは、もう法律以上の担保はないのではないかと考えておりまして、今回の法律に、その繰入金に相当する金額に達するまでの金額をエネルギー需給勘定に繰り入れなければならないとはっきり書きますので、それが担保になると考えております。

#86
○岡本(あ)委員 復興庁の組織は延長がまず十年ということは認められておりますけれども、この会計への処理については十年で終わる話ではないのかなと。実際、貸し借りが発生するかどうかもわかりませんけれども、本当は、最初は、従来確保したお金でペイするんだという説明が今回こういう形で変わっている中で、極力これを適用を避ける努力をするというのはもちろんだと思いますけれども、組織がなくなっても、この会計ということは、必ず返す、もし万が一借りたとしたら必ず返すということを、ここで先ほど御答弁いただいたことをもって確認をさせていただきたいと思います。
 ちょっと時間がなくなりましたので、最後に大臣に一言いただきたいと思います。
 ちょっと本当は細かく災害時の避難所の運営ですとかデータの活用とかお聞きをしたかったと思うんですが、新基本方針で、近年多発する大規模災害に対する防災力の向上に資するためノウハウを生かすんだと先ほども御答弁されていらっしゃいました。
 昨年の台風、今まさに新型コロナウイルス、それから、昨今、連日のように地震も国内あちこちで続いております。天災も含め、災害が途切れることなく起きている状況で、復興庁の役割は、災害発生時を除いた復興の部分ではなくて、まさに防災から発災直後のあり方、また長期化する被災者を取り巻く環境への対応など、教訓と知見を生かしていただきたいと思います。
 ちょっと、当局とやりとりをすると、いや、これは内閣です、災害ですという話ばかりなんですが、復興庁として、トータルでの知見を持っているという自信を持って、ぜひ関係省庁と連携していただきたいと思いますので、最後にそこをお答えいただきたいと思います。

#87
○田中国務大臣 お答えをいたします。
 多発する大規模災害に対する防災力の向上に資するため、東日本大震災の発災から復旧復興に至る過程で蓄積をされました知見の共有、活用は極めて重要である、このように認識をしております。
 こうした観点から、今般国会に提出をいたしました復興庁設置法等の一部を改正する法律案においても、復興に関する施策を通じて得られた行政の内外の知見を活用する旨の規定を盛り込んでおるところでございます。
 復興庁としても、これまでの復興の取組によって蓄積されました復興の知見等を取りまとめ、関係行政機関等と共有し、情報の発信を行い、今後の防災・減災対策等に寄与してまいりたいと思っております。

#88
○岡本(あ)委員 復興庁の存続とともに、復興庁がリーダーシップを持って各省庁にも知見を活用していただく、あるいは、必要な予算もですけれども獲得も含めて御尽力いただくことを期待申し上げ、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#89
○伊藤委員長 次に、階猛君。

#90
○階委員 立国社共同会派の階猛です。
 復興・創生期間の終了が近づいてまいりました。次第に復興予算が縮小される中で今回のコロナ禍になっているわけです。そして、新たな苦境に直面している被災地の事業者がたくさんいらっしゃるわけです。
 そうした事業者に対する資金繰り支援のための活動の状況と実績について、経産省の方から御答弁をお願いします。

#91
○中野大臣政務官 階委員の御質問にお答え申し上げます。
 東日本大震災における被災事業者を始め、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業・小規模事業者の事業継続にとりまして、資金繰りの確保は何よりも重要でございます。
 このため、売上げが急減した中小・小規模事業者に対しましては、三月から、政府系金融機関による実質無利子無担保、最大五年間元本返済据置きの融資という強力な資金繰り支援策を講じたところでございます。
 岩手県、宮城県、福島県の被災三県の事業者に対しましては、四月の末までに、日本政策金融公庫及び商工中金では約九千件、金額にしまして約千三百九十億円の融資、そして、信用保証協会では約千八百件、金額にしまして約三百四十億円の保証を既に決定をしているところでございます。
 さらに、融資窓口を拡充する観点からも、地方公共団体の制度融資を活用いたしまして、民間金融機関でも同様の実質無利子無担保かつ最長五年間元本据置きの融資を、五月一日から申込み受け付けを開始したところでございます。
 東日本大震災の被災事業者を始め苦境に直面している事業者に対しまして、引き続き、迅速な資金繰り支援の実現に総力を挙げて取り組んでまいります。

#92
○階委員 ありがとうございました。
 経産省の方でも頑張って支援をしているということで承りますが、ただ、これが必要十分かどうかというと、まだこの収束がいつになるか見えないということなんですね。
 実際に被災地の事業者の皆さんに聞いておりますと、とりあえず三月から五月分ぐらいまでの資金不足については調達はほぼできているんだけれども、その後も、恐らく今のままだと資金繰りが厳しい状況が続くんだろうということで、二度目、三度目の資金繰りのための融資を受けなくてはいけないということなんですね。
 ところで、そもそも、先ほど政務官がおっしゃられた政府系金融機関からのさまざまな融資制度、あるいは信用保証協会を使った融資、これで最大どれぐらい借りられるかということをちょっと足し上げてみますと、政府系の金融機関では、特別貸付け三億円とセーフティーネット貸付け七・二億円、合わせて十・二億円ぐらい借りられることになっています。
 また、信用保証協会の方では、そもそもの一般保証が二・八億円、それと、セーフティーネット保証、危機関連保証それぞれ二・八億円ということで、保証の方で八・四億円、特別融資と合わせますと十八・六億円、かなり大きな枠が最大限借りられるという制度になっております。
 そこでお尋ねしますけれども、この今申し上げたような枠内であれば、二回でも三回でも、必要に応じて事業者が融資を受けられるという理解でいいのかどうか、これも政務官からお答えいただけますか。

#93
○中野大臣政務官 お答え申し上げます。
 売上げが急減した中小・小規模事業者に対しましては、政府系金融機関による実質無利子無担保、最長五年間元本返済据置きの融資を実施しております。
 先ほど委員から御質問がございました、複数回の利用が可能かということでございます。
 本特別貸付けは、枠内でということではございますけれども、状況に応じまして、複数回の御利用が可能ということになっております。
 また、五月から実施している地方公共団体の制度融資を活用した民間金融機関による実質無利子無担保かつ最長五年間元本据置きの融資につきましても、政府系金融機関による特別貸付け等と併用が可能ということになってございます。
 経済産業省としましては、こうした事業者の資金需要に柔軟に対応することで、この難局を乗り越えることができるよう、しっかりと取り組んでまいります。

#94
○階委員 最後の方、民間金融機関のお話もありましたけれども、これはもうやはり信用保証協会つきの融資なので、私が先ほど申し上げました数字の枠内の話ということでよろしいですね。

#95
○中野大臣政務官 委員の御指摘のとおり、枠内でということで、複数回あるいは併用が可能ということで理解しております。

#96
○階委員 ありがとうございます。
 そういう中で、必要額を今度は仮に借入れで調達できたとしましょう。ただ、こういった状況ですから、先行き、どういう事業環境になるかわからない。場合によっては、借りたはいいものの、返済に窮するという場面もあるかもしれない。
 そこで出番となるのは、私は、産業復興機構とか東日本大震災事業者再生支援機構、これは、震災直後に、当時民主党政権でしたけれども、私もかかわりましたが、与野党で協議をしまして、東日本大震災事業者再生支援機構というのもつくりました。また、そのちょっと前には、経産省主導でつくられた産業復興機構というのもありまして、そうした二つの組織が連携して二重ローン対策などに当たっていこうということだったんですが、またこの二つの機構の出番なのかなというふうに考えております。
 そこでお尋ねしますけれども、それぞれの機構について、産業復興機構については政務官から、また、震災支援機構については復興大臣から、今回のコロナ以降、現に支援している事業者にどういうふうな支援をしているか、また、それ以外の一般の事業者についてはどんな支援をしているか、あるいはしようとしているか、このあたりについて、それぞれお答えいただけますか。

#97
○中野大臣政務官 産業復興相談センター及び産業復興機構につきまして、経済産業省の方からお答えさせていただきます。
 産業復興相談センター及び産業復興機構は、東日本大震災により二重債務問題に直面する被災中小企業、小規模事業者の事業再生を支援をするために設立したものでございます。
 支援中の被災事業者が今般の新型コロナウイルス感染症の影響により資金繰りに関する新たな相談を行った場合にも対応してございます。
 また、戦後最大の危機とも言われます新型コロナウイルス感染症の影響が深刻化する中、支援中の被災事業者の継続的な支援にとどまらず、被災地域におきまして、新型コロナウイルス感染症の影響により新たに課題を抱えることとなった事業者の相談対応にも対応しております。
 こうしたケースでも、必要に応じまして、復興庁所管の二重ローンファンドでございます東日本大震災事業者再生支援機構に、震災前の債権についてでございますけれども、債権買取り案件として紹介をするなどの連携を行っているところでもございます。
 経済産業省としましては、産業復興相談センターや産業復興機構を通じまして、新型コロナウイルス感染症の影響によりさらなる苦境に立たされている被災事業者の事業継続や経営改善に向けまして、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#98
○田中国務大臣 階委員にお答えをいたしてまいりたいと思います。
 震災支援機構では、支援中の事業者について、新型コロナウイルス感染症による影響の把握に努め、機構の保有債権について返済猶予などに柔軟に対応するとともに、日本政策金融公庫や民間金融機関からの新規借入れの調整等の支援を行っておると承知しておるところでございます。
 また、支援先以外の被災事業者からの新規相談受け付けも継続をいたしておりまして、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大によって資金繰りに窮した事業者の皆様からの相談を受けた場合には、震災前の債務がなく支援対象とならない場合でも、他の支援制度、支援機関への橋渡しなど、丁寧な対応に努めておるところでございます。
 新型コロナウイルス感染症の影響によって苦境にございます事業者に対しては、日々変化する状況に応じて、担当府省において実質無利子無担保融資だとか持続化給付金などさまざまな支援策が講じられております。復興庁としては、そうした施策が効果を発揮し、被災地の復興が円滑に進むよう、関係府省と密接に連絡をしてまいりたいと存じております。
 なお、今後、政府部内においても震災支援機構の被災地向け二重ローン対策に係る知見が必要となれば、復興庁としてもそうしたノウハウの提供に努力をいたしてまいりたいと思っております。
 以上でございます。

#99
○階委員 大臣、次の質問についてもちょっと先走って答えられましたけれども、まず、順を追って今の前半の答弁についてお聞きしたいんです。
 大臣もお答えいただいたとおり、きょうお配りしている資料の二ページですけれども、今回、震災支援機構が今まで支援していなかった先を支援する場合の条件として、震災前から借入金があったというのが前提になっているわけです。
 ただ、もう震災から九年たっていますから、もう震災前の借入金というのはほとんどのところは返済が終わっています。ただし、震災以降借入れをどんどんしてきた、更にコロナで借入れが膨らむということで経営が苦しいというところはたくさんあるわけですね。
 だから、震災前借入金があるかないかをメルクマールにして支援をするかしないかを決めるということになりますと、ちょっと支援の先が狭まってしまうのではないか。
 私はここを、震災前からの借入金を問わず、被災地で震災前から事業を行ってきて、これまで大変な苦労をされながら続けてきた、そして今回コロナで苦境にあるというところについては、やはり、この震災支援機構が新たな支援の対象として債権買取り、あるいは、出資という機能もあるわけですから、出資ということになれば返済負担もないわけでして、こういったことも取り組んでいくべきではないかと思います。
 大臣の見解を伺います。

#100
○田中国務大臣 ただいまお答えを申し上げたとおり、新型コロナウイルス感染症によっていろいろな影響が各方面に出ておるわけでございまして、実情に応じて私どもも対応を柔軟にしていかなければならない、このように思っておるわけでございます。
 いずれにしましても、今お話がありましたこと等についての視点は、十分に我々も今後勘案して対応してまいりたいと思いますし、検討をいたしたいと思っております。

#101
○階委員 ぜひ検討をしていただきたいと思うんですね。
 それで、私は、被災地の事業者だけではなくて、全国のコロナで苦境にある事業者にも、今まで培ってきた震災支援機構あるいは産業復興機構のノウハウを生かして、債権買取りや出資といったようなことも考えていっていいのではないかと思っております。
 例えば、きょうお配りしている資料でいいますと、三ページ目を見ていただきたいんですけれども、三ページ目にちょっと網かけしてある部分、「今後の大規模災害において、二重ローン対策を講じる場合、今回の両機構による支援の取組が参考となる。」というくだりがあります。
 もちろん、これは大規模災害というふうに言っていますので、コロナが厳密な意味で災害と言えるかどうかという問題はありますけれども、これまでの政府の答弁でも、今回のコロナの問題は災害と同じようなものだといったような表現もあります。
 そして、もう一つ指摘しておきたいのが、資料の四ページ目、この中で、やはり網かけしてある部分ですね。「近年多発する大規模災害に対する防災力の向上」、その後、「等に資するため、これまで蓄積した復興に係るノウハウを関係行政機関等と共有し、活用する機能を追加する。」というのがあります。
 今引用した三ページ目、四ページ目、いずれも「復興・創生期間」後における東日本大震災からの復興の基本方針から抜粋したものでありまして、こういう表現があるということも踏まえて、ぜひ、これまでのノウハウを生かし、コロナ対応をしていただきたいのですが、もう一回決意を伺います。

#102
○田中国務大臣 お答えをいたしたいと思います。
 仮に今後、政府部内において震災支援機構の被災地向け二重ローン対策に係る知見が必要となれば、復興庁としてもそうしたノウハウの提供に努めてまいりたいと思いますし、今、階委員からもいろいろと御指摘がありました。非常に重要な視点だ、このように私自身認識をしておりまして、十分検討して対応していかなければならない、このように思っております。

#103
○階委員 それで、今回の法案の中で、ひょっとしたら、今読み上げた四ページ目の「ノウハウを関係行政機関等と共有し、活用する機能を追加する。」ということが条文であるのかなというふうに見ておったんですが、これに関係しそうな条文というのは、附則の第三条に、東日本大震災からの復興に関する知見の活用というのがあります。
 ただし、この条文を見ていると、被災地で得られた復興庁の知見を全国に展開するというよりは、復興が進んでいる地域の知見を他の復興がおくれている地域に生かすということで、あくまで復興の対象となる地域の範囲内でのノウハウあるいは知見の活用にとどまっているわけですね。
 条文上はこうなっていますけれども、もうここは、私も被災地の一員ですけれども、震災のときに大変全国の皆様から応援をいただいて、支援もいただいてここまで来たわけですから、せっかくそうした中で我々が得てきた教訓や知見をこの機会に全国に提供する、還元する大きなチャンスだと思っていますので、この附則三条の条文を改正してほしい気持ちもありますけれども、もし大臣の答弁で、ここにはこう書いているけれども、全国に知見、ノウハウは活用していくんだという思いがおありでしたら、ぜひ積極的な答弁をお願いします。

#104
○田中国務大臣 お答えをいたしたいと思います。
 今後、関係行政機関等と当然よく連携をしながら、復興に関するノウハウの共有、活用の具体的なあり方を検討していかなければならないと思っております。
 特に、新型コロナウイルスの感染症についてのいろいろな問題は、新たなことではありましたけれども、非常に重要なことでございますし、地域に及ぶ影響も大きいわけでございますので、真剣な取組をしてまいります。

#105
○階委員 ぜひ、復興に関する知見を、今回のコロナの問題について、被災地域以外、全国にも活用していただきますようお願いします。
 さて、次のテーマですけれども、復興事業で整備した土地の利用の促進ということが大変重要になってきていると思います。
 去年九月段階で、被災三県の造成完了した土地区画整理事業、通常、かさ上げを伴うわけですけれども、やはりかさ上げですので時間がかかるということで、時間がたっているうちに利用の当てがなくなっちゃっているということで、少なくとも三五%、二百三十八ヘクタールが未利用の状況だというデータがあります。
 私も去年の十一月のこの委員会で、未利用の土地の活用に関して、台風などで被災した方々など、住宅再建しようとする場合に造成地を購入してもらうということを提案しました。その際に、大臣からの御答弁は、かさ上げ地、区画整理の土地というのは大半が民間の方が持っているものなので、その方の意向がないとなかなかそういう、他の方に利用してもらうことはできませんというような趣旨でした。そのためのマッチングもやっているということだったんですが、そこで、そのマッチングというのが実際進んでいるのかどうかということを教えていただけますか。

#106
○田中国務大臣 お答えをいたしたいと思っております。
 今御指摘をいただきましたとおり、東日本大震災で整備した宅地の利用促進は非常に重要な課題でございます。私どもも、東日本大震災の復興においては、住まいの復興工程表に基づいて宅地の整備等を進めてまいったところでございます。
 いずれにしましても、今日いろいろと御指摘の課題があるわけでございまして、今後、宅地の利用状況等の、促進も含めて最善の努力をいたしてまいりたいと思います。
 いずれにしましても、現況をしっかりと把握しながら地域の要望等をいろいろと承ることが重要でございますが、町の将来の姿がわからないとなかなか居住する人たちも判断できないということもありますし、また、住宅や商業施設の再建見通しを図面化してイメージをしっかりと提示するということも大事だと思っております。
 また、空き区画の解消のために、みずからの所有地を活用できない土地所有者と利用者との引き合わせの仲介を行うマッチング支援あるいは町の核となる商業施設の整備を進めていくなど、土地の利用の促進に向けて各自治体が懸命に努力しているところでございまして、国においても、各種支援制度や各自治体の取組の事例の紹介など、助言を通じて努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
 復興庁としても、引き続き、職員が現地に出向いて助言等を行うとともに、住まいの再建だとか産業あるいはなりわいの再生等、関係省庁と連携して、あらゆる施策を総動員して被災自治体とともに取り組んでまいりたいと思っております。

#107
○階委員 るる御説明いただきましたけれども、私が伺っているのはマッチングの実施の状況がどうなっているのかと。
 報道によれば、陸前高田市の例ですけれども、平成三十年度からマッチング制度を導入したけれども、ことしの一月時点で契約成立は八件だったというのがあります。去年の十一月にマッチング制度をやるんだということだったので、そこからさらには進んでいると思うんですが、実際どうなんでしょうか。

#108
○田中国務大臣 マッチング支援ということでございますけれども、土地を利用したい人と提供したい人との……(階委員「数字だけでいいですよ」と呼ぶ)数字でございますけれども、陸前高田などでやらせていただいておるわけでございます。
 また、まあ数字的にはなかなかまだ明確なものではございませんけれども、例えばいわき市においては、令和元年度にかさ上げ造成地において既存の不動産業と連携したオープン型マッチングの仕組みを構築をいたしましたし、令和二年度より運用開始を予定をしておるところでございます。今後とも努力をさせていただき……(階委員「直近の数字はないですか」と呼ぶ)まあ、数字的には、事務方からあればということでございますが、はい。(階委員「ちょっと、じゃ、とめてもらって。ないですか」と呼ぶ)申しわけございません、数字は、今のところ、答えを持っておりません。

#109
○階委員 この数字がないというのは非常に私は問題だと思っていまして、ただマッチングをやるやると言っても、インセンティブがなければ売り主も買い主も動かないわけでして、そこで御提案しますけれども、売り主側、もとの所有者には、売ったときの売却益に対する課税を減免してあげるとか、あるいは、買い主側には、補助金を出してあげたり、移転する前の土地の買上げを行政がしたりとか、インセンティブを与えるということもぜひ検討していただきたい。
 あわせて、これは御提案申し上げますけれども、陸前高田市は本当に未利用地が残念ながら多いんですけれども、それに関して、戸羽市長のコメントというのが、これも報道で出ていまして、五年程度で復興できるよう、土地収用とかの手続を簡素化し、災害に特化した区画整理事業が必要だ、今回の事例を検証し、制度を変えないと問題は解消されないということをおっしゃっていたようです。
 そこで、もう一つの提案は、やはりいかにスピーディーにやるかということが大事なわけですね、未利用地を防ぐためには。そこで、戸羽市長もおっしゃっているように、今回の事例を検証する、そして、必要があれば制度を変えるということで、先ほど根本大臣もいろいろ大変御苦労された取組の実例を御紹介されていましたけれども、それでもなお不十分なところがあったということでありますので、私ども野党の共同会派としても、この土地収用の問題を解決するための復興特区法改正案あるいは相続された土地の処分を円滑化するための法案、こういったものも国会に出していますので、別にこれをそのまま通せというわけではありません。こういったものも参考にしていただきつつ、ぜひ、次の災害に備える意味でも、いざというときに復興事業を円滑に進めるための制度づくり、そして、その前提として今回のやり方の検証というのをやっていただきたいと思います。
 ちょっと長くなりましたけれども、マッチングを進めるためのインセンティブをつくる、そして、今回の事例を検証して、復興事業のための土地の確保を円滑にするための制度づくりをしていくという二点について、大臣の見解を伺います。

#110
○田中国務大臣 非常に重要な施策でございまして、私どもも、地域の自治体、関係者の皆さんの御意見を十分受けとめさせていただき、御相談をしながら、実の上がる形で最大の努力をいたしてまいりたいと思っております。

#111
○階委員 もう一つ重要な問題、これは、三月十日にお尋ねした件ですけれども、被災地からの人口流出に歯どめをかけるための定住、移住促進策、検討してほしいと、私は三つほど提案しました。
 その関係で、復興庁としてどんな取組を今しているのか、お答えいただけますか。

#112
○田中国務大臣 東日本大震災の被災地の抱える人口減少等の課題に対応するためには、まずは、復興まちづくり、産業、なりわいの再生等の復興に全力を尽くすことが一番重要だと存じております。例えば、被災地外の方も対象として、被災地域の企業の人材確保だとか、土地活用のマッチング等の支援を実施しておるところでございます。
 あわせて、人口減少等の中長期的な課題に対しては、復興局の職員を地方創生部局の併任として被災地における相談窓口とするなど、地方創生を始めとする政府全体の施策を総合的に活用して、持続可能で活力ある地域社会をつくり上げていくこととしておるところでございます。
 今後も、現場主義を徹底し、被災地に寄り添いながら努力をいたしてまいりたいと思います。

#113
○階委員 余り具体策がないのですが、時間が参りましたので、最後に一言だけ。
 新しい東北をつくるというのが復興基本方針の大きな目標だと思います。そのために、町に人が戻ることを目指すのみならず、先進技術の導入や地域資源の活用等により産業、生業や教育、研究を振興し、交流人口、関係人口や移住者の拡大を図っていくということが基本方針にうたわれています。
 その新しい産業を興していくために、国際リニアコライダー、ILCの誘致というのも被災地として取り組んでおりますので、ぜひここにも復興庁として積極的に関与、協力していただきますようお願いを申し上げ、私からの質問を終わります。
 ありがとうございました。

#114
○伊藤委員長 次に、高橋千鶴子君。

#115
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 きょうは、復興公営住宅の問題について絞ってお伺いをしたいと思います。
 資料の一枚目なんですが、東日本大震災特別家賃低減事業、これは随分前から使っている資料でありますが、改めて、これを説明したものであります。
 復興交付金によって、当初五年間は国四分の三、残り五年間は国三分の二を支援し、かつ自治体負担分も交付税措置で支援するという形で、通常の災害公営住宅より上乗せした支援策をやってきました。
 ところが、本会議でも指摘をしたように、復興の基本方針では、復興交付金の廃止によって、「別の補助に移行した上で引き続き支援する。」こういうふうにあるわけですね。被災自治体も、当然、ここに書いているように、当初五年間、以降五年間ということで、供用開始から十年はこの仕組みがあるものと理解をしているわけです。別の補助ということで、これが、補助の形が違ったとしてもこのスキームは同じなのか、当然そうだと思っているわけですから、確認をしたい。はっきりお答えください。

#116
○田中国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。
 東日本大震災特別家賃低減事業は、東日本大震災復興交付金の基幹事業として、地方公共団体が独自に実施する低所得者向けの家賃減免に要する費用の一部を支援するものでございます。管理開始から五年間は特段の減額措置を実施をいたしまして、以降五年間かけて段階的に通常家賃へと引き上げることとなっておるところでございます。
 一方で、東日本大震災復興交付金は、令和二年度末をもって廃止されることとなっております。そのような状況のもとで、特別家賃低減事業については、昨年十二月に閣議決定した復興の基本方針において、これまでの復興交付金による支援から別の補助に移行した上で引き続き支援をさせていただくところとしたところでございます。その際、管理開始時期が異なる被災地方公共団体間の公平性等を踏まえ、適切に支援水準の見直しを行うこととされております。
 復興庁では、基本方針に示されたこのような考え方に基づいて検討を国交省とともにさせていただき、鋭意努力をいたしておるところでございます。
 以上でございます。

#117
○高橋(千)委員 引き続きでとまればいいんですよ。何で、異なる自治体があって、それで水準をどうのこうのという話になるのか。
 私が最初に質問したように、供用開始がばらばらなんですから、当然十年間は同じだとみんな思っている、そうじゃなかったら不公平なんです。そこを確認したい。一言で答えてください。

#118
○石塚政府参考人 お答え申し上げます。
 特別家賃低減事業は、入居者が無理なく負担……(高橋(千)委員「説明しないで、時間ないんだから。今大臣言ったじゃないの。何で探しているの。委員長、時間をとめてくださいよ」と呼ぶ)済みません。
 特別家賃低減事業の見直しに当たりましては、昨年十二月に発表されました、閣議決定されました基本方針に従いまして、管理開始時期が異なる住宅間によって不公平が生じないようにする観点等も含めて見直しについて検討するというふうにされております。

#119
○高橋(千)委員 だから、不公平にならないためには、復興交付金がなくなったとしても、このスキームは供用開始から十年間一緒です、そう言ってくれればいいんです。なぜ言えないのか。

#120
○石塚政府参考人 特別家賃低減事業は、復興交付金の基幹事業として、低所得者向けの家賃減免に要する費用の一部を支援するものでございます。
 そして、この復興交付金は令和二年度末をもって廃止されることとなっておりますけれども、繰り返しになりますが、管理開始時期が異なる被災地方公共団体間の公平性等を踏まえまして、適切に支援水準の見直しを行うこととされておりまして、この考え方を踏まえ、鋭意見直しに向けた検討を進めておりますので、現在、管理開始後十年間支援を続けるというこの仕組みのあり方も踏まえまして、適切に支援水準の見直しを行うことといたしております。

#121
○高橋(千)委員 本当に驚く話なんですよね。十年続けますと言えない。
 ここは、本当に根っこの重大な問題なんです。自治体は当然十年続くと思っていますよ、供用開始が全く違うんですから。それが、今見直しをしてあれこれと言って、答えられない。これは本当に、言ってみれば自治体に対する裏切りだと思います。直ちにこれは続けるということを表明できるように、大臣、お願いします。まだきょう質問を続けますので、後で必ず答えていただきたいと思います。
 それでは、国交省に簡単なことを聞きますね。
 今私が言ったように供用開始がばらばらなわけですが、実際に管理戸数がどのくらいあって、それに対し供用開始から一体何年という状態なのかということと、もう一つ、復興公営住宅は新築も随分あるわけで、当然年数がたった市営住宅と比べても本来家賃が高いわけですよね。だから、軽減事業をしていっても、やはりそれが六年目以降の負担増につながるということはやむを得ないというか、実際そういうふうになっているということを確認をしたいと思います。

#122
○眞鍋政府参考人 東日本大震災の災害公営住宅につきましては、令和元年度末時点で約三万戸完成した状況にございます。
 今御指摘いただきましたように、管理開始時期は複数年度にまたがっておりまして、平成二十四年度管理開始のものが一番早く、現時点で管理開始後七年が経過しております。また、最新のものでは令和元年度管理開始のものもございまして、令和二年度、つまり今年度中に完成するものもございます。管理開始戸数が最も多い年度は平成二十七年度でございまして、約九千戸がここに集中しているわけでございます。
 今御指摘いただきましたような家賃の水準につきましては、先ほど復興庁の方からも御説明がありましたように、通例、公営住宅については、応能応益家賃として低廉な家賃で提供されるように、国が事業主体である地方公共団体を支援してございますけれども、今回、東日本大震災の復興公営住宅、災害公営住宅につきましては、特別の措置といたしまして、事業主体、公共団体の判断で更に低減した場合、家賃の低減をした場合に特別の支援をしております。
 具体的に言いますと、特に収入の少ない入居者に対して特別家賃低減化事業をしておりますが、当初五年目までは収入に応じて通常の応能応益家賃から入居者が無理なく負担し得る水準までを減免する、六年目から十年目にかけては段階的に補助額が低減するということでございます。このときに当初の応能応益家賃水準にだんだん近づいていくということになりますので、その段階で公営住宅、団地ごとに家賃の水準は異なる、あるいは収入によって家賃の水準は異なるわけでございますけれども、段階的に上がる段階で家賃の水準、負担額がふえていくという場合があろうかなというふうに思います。

#123
○高橋(千)委員 わざわざ資料を使って説明しているし、さっき大臣も答弁したことを繰り返さないで。かつ、一番聞いていることには答えていないんですよ。
 つまり、新築の復興公営住宅というのは、本来家賃で比べると、どうしても年期の入った公営住宅よりも本来家賃が高くならざるを得ませんよねと、軽減を無視した話、もとに戻ったときの比較を聞いているんです。簡単に答えてください。

#124
○眞鍋政府参考人 公営住宅の家賃は応能応益でございますので、築年数の古いもの、築年数の新しいもの、家賃の水準が異なってまいります。そういう意味で、新築の公営住宅については家賃の水準は高目になるということが言えるかと思います。

#125
○高橋(千)委員 その一言でよかったんです。
 資料の2を見ていただきたいんですが、東京新聞の三月五日付、「生活苦 家賃滞納三億円超」ということで、被災三県の災害公営住宅二千三百世帯、調べた中で、やはり、もともと低収入や高齢者、生活保護の世帯、働けなくなった、そうした事情を抱えて払えなくなって滞納している、あるいはもう出ていくしかない、そういう声が聞こえているということが紹介されています。ようやく落ちついた復興公営住宅は実はついの住みかではなかったということが今表面化しているのじゃないかなと思います。
 三月末に私が訪ねた仙台市内のある復興公営住宅団地は、六十五歳以上が百七十四名で五割強です。これがあと五年たてば七十歳以上になる。国民年金で四万から六万の方が、例えば二Kで家賃が今五千百円なんですが、通常の家賃になると一万六千七百円、これを本当にどうやって払えるかということですごい悩んでいるわけですね。
 このように、復興公営住宅の入居者は年金生活者も多く、深刻な暮らしぶりが多いと思いますが、その認識は共有できるでしょうか。一言で。

#126
○石塚政府参考人 お答え申し上げます。
 被災三県の公営住宅に入居されている方の中で、高齢者、六十五歳以上の方の割合でございますが、災害公営住宅の場合ですと全体で四一・八%になっております。一方で、一般の公営住宅は二五・八%でございまして、比較して高くなっていることは事実でございます。
 また、滞納状況でございますけれども、災害公営住宅に限った滞納状況を私どもは必ずしも把握、調査していないのでありますが、公営住宅の家賃滞納世帯全体につきまして、平成二十九年度時点で調べましたデータによりますと、全国で約十九万世帯、滞納率は八・九%という数字を承知しております。
 災害公営住宅の家賃は、基本的には、住宅に困窮する低額所得者に対しましていわゆる低廉な家賃で提供するものとして、応能応益家賃で提供されているものでありますけれども、その際、さらなる家賃の負担軽減、低廉化のために支援をしているということでございますが、一方で、公営住宅法におきましては、入居者が病気にかかっている場合など、家賃の支払いが困難になった場合には、個々の事情に応じて家賃の減免や徴収猶予を行うことが可能とされております。
 このため、これは国土交通省においてでございますが、公営住宅の家賃滞納について、入居者の収入等の状況、事情を十分に把握した上で、所得が著しく低額又は病気等に著しく多額の支出を要するなど、家賃の支払いが困難な状況におきましては、家賃減免の適用等の負担軽減措置を講じると同時に、民生部局とも十分に連携を図るよう、各事業主体に要請を行われていると承知をいたしております。
 あわせて、特に困窮度の高い世帯につきましても、民生部局などとの、関係する各部局と緊密な連携を図りながら、生活保護を始めとします居住安定のための支援策の情報提供や助言等を行うなど、特段の配慮の要請がなされているというふうに承知をいたしております。

#127
○高橋(千)委員 一般の住宅よりもやはり高齢化率が高いという御答弁だったと思います。また、福祉に結びつけてそういう経済的な事情を把握することもやっている、あるいは減免制度もやっているという御答弁でありました。
 被災地では、そのためのさまざまな心のケアの事業だとかやっているんだけれども、これもやはり、交付金と並びで減らされていくことを見込んで、自治体もなかなか縮小しているという実態もありますので、これは引き続きやっていく必要があるんじゃないか、このように思います。
 それで、資料の三枚目なんですが、これは東松島市です。上の方が国の制度を当てはめた場合、下の方が市の方でやっている今の事業なんです。言っておきますが、十年までは国の特別低減事業が当然続くという前提でつくっております。これは政令月収八万以下の低所得世帯なんですが、上の方は、国の制度のみの場合は、六年目には今軽減されている六千六百円が一万三百円になり、八年目には一万三千七百円となって、上がっていくわけなんですね。十一年目以降、このままだと二万一千円になり、三倍以上にはね上がることになります。
 今、市の方は、下の方を見ていただければわかるように、十年間は独自支援を足して六千六百円のままで頑張っているんです。これが、十一年目以降は何とか続けたいと思っているわけですよね。当然だと思うんです、だんだん高齢化してもっと大変になっていくわけですから。
 そのためにも国の支援は必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。一言だけ。

#128
○石塚政府参考人 お答え申し上げます。
 災害公営住宅の整備に当たりましては、建設費に対しまして通常より手厚い補助等々を行っております。自治体の特段の負担軽減が図られておるところでございます。
 これに加えて、委員御指摘の特別家賃低減事業により、入居者が無理なく負担し得る水準まで地方公共団体が独自に家賃減免を実施する場合に要する費用の一部が支援されているところでございます。
 この特別家賃低減事業による支援対象期間の十年でございますが、過去、大規模災害における取組事例を踏まえて設定をされているものでございます。今、支援対象期間十年そのものを直ちに延長するという考え方はございませんが、一方で、建設費等への手厚い補助を含めて、家賃設定に際し柔軟な対応をとり得る特段の負担軽減措置が既に講じられているところでございます。
 また、災害公営住宅の家賃につきましては、家賃を上昇させないように自治体の判断で柔軟に対応できる制度となっておりまして、今後とも地方公共団体の判断で家賃の減免を継続することで、入居者の負担を軽減することも十分可能であるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、引き続き、入居者の居住の安定が図られるよう、しっかりと努めてまいりたいと考えております。

#129
○高橋(千)委員 まず、問題意識は共有していただけていると思うんですね。ただ、明確なお答えがないということで、それは最初の質問と同じ状態になっておりますので、ここは重ねてまたお願いをしたいし、次の機会にしたいと思うんですね。
 収入超過者についてなんですが、公営住宅法二十八条第一項で、三年以上入居している場合、政令月収が十五万八千円を超えるともう明渡しの努力義務が生じ、通常の家賃に割増し賃料が加算をされると。これで復興住宅に住み続けるという人が五六%しかいないんだというショッキングな記事が毎日の三月二日付にありました。
 本会議のときにも、私、陸前高田のみなし特定公共賃貸住宅の制度を紹介しましたけれども、今、市営の復興公営住宅五百三十九戸のうち、みなし特公賃に移行した世帯は三十四戸あるんです、既に。この制度のおかげで退去せずともよかった。同時に岩手県内の中で、団地の自治会の会長さんですとか役員ですとか、要するに、一緒に住んでいた子供さんが働き始めたということで収入超過というので退去しなきゃいけない、だからもう団地自体が成り立たない、こういう状態になっているんですね。
 この実態をどのくらい把握されているのか。こうしたことがこれからますます起こってくるわけですね。自治体によってはまだ八年据置きで、これから起こってくるということも大変多いんですけれども、やはり何らかの支援、今言ったみなし特公賃のような制度は必要だと思いますが、一言だけお願いします。

#130
○石塚政府参考人 お答えを申し上げます。
 災害公営住宅にお住まいの収入超過者の数を調査によって直ちに把握したものは今手元にございませんが、一方で、現在災害公営住宅を管理しておられます被災自治体にそれぞれ照会をいたしておりました中では、一部の自治体で、収入超過により家賃が上昇し、かつ転出されている事例が生じているということは承知をいたしております。その中で、災害公営住宅においても、一般の公営住宅と同様、コミュニティー形成を図る観点から、このような収入超過者の方への対応が一定必要な場合があるということも十分理解をいたしております。
 私どもとしては、このような実態を踏まえまして、引き続き、実態把握も含めて、しっかりとフォローをさせていただきたいというふうに思っております。

#131
○高橋(千)委員 実態把握とフォローをまずお約束をしていただきました。この続きをまたやりたいと思います。
 ありがとうございました。

#132
○伊藤委員長 次回は、来る二十一日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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