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2020/05/19 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 厚生労働委員会 第12号 令和2年5月19日
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2020/05/19 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 厚生労働委員会 第12号 令和2年5月19日

#1
令和二年五月十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         そのだ修光君
    理 事
                石田 昌宏君
                小川 克巳君
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                山本 香苗君
    委 員
                片山さつき君
                自見はなこ君
                島村  大君
                高階恵美子君
                羽生田 俊君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                本田 顕子君
                川田 龍平君
                田島麻衣子君
                田村 まみ君
                芳賀 道也君
                福島みずほ君
                下野 六太君
                平木 大作君
                東   徹君
                梅村  聡君
                倉林 明子君
   衆議院議員
       修正案提出者   岡本 充功君
   国務大臣
       厚生労働大臣   加藤 勝信君
   副大臣
       厚生労働副大臣  稲津  久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       法務省大臣官房
       審議官      竹内  努君
       外務省大臣官房
       審議官      高杉 優弘君
       厚生労働省大臣
       官房年金管理審
       議官       日原 知己君
       厚生労働省健康
       局長       宮嵜 雅則君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  鎌田 光明君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       村山  誠君
       厚生労働省保険
       局長       浜谷 浩樹君
       厚生労働省年金
       局長       高橋 俊之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○年金制度の機能強化のための国民年金法等の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(そのだ修光君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省年金局長高橋俊之君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(そのだ修光君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(そのだ修光君) 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。加藤厚生労働大臣。

#5
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま議題となりました年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 今後の社会経済の変化を展望すると、人手不足が進行するとともに、健康寿命が延伸し、中長期的には現役世代の人口の急速な減少が見込まれる中で、特に高齢者や女性の就業が進み、より多くの人がこれまでよりも長い期間にわたり多様な形で働くようになることが見込まれます。こうした社会経済の変化を年金制度に反映し、長期化する高齢期の経済基盤の充実を図る必要があります。
 今般、こうした社会経済の変化に対応し、年金制度の機能を強化するため、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、被用者保険の適用範囲を拡大するため、短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の企業規模要件について段階的に引き下げます。また、五人以上の個人事業所に係る適用業種に、弁護士、税理士等の資格を有する者が行う法律又は会計に係る業務を行う事業を追加します。
 第二に、高齢期の就労継続を早期に年金額に反映するため、在職中の老齢厚生年金受給者の年金額を毎年定時に改定することとします。また、特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度について、支給停止が開始される賃金と年金の合計額の基準を引き上げ、支給停止とならない範囲を拡大します。
 第三に、現在六十歳から七十歳までとされている年金の受給開始時期の選択肢を六十歳から七十五歳までに拡大します。
 第四に、確定拠出年金の加入可能年齢を引き上げるとともに、受給開始時期の選択肢を拡大します。また、確定拠出年金における中小企業向け制度の対象範囲の拡大、企業型確定拠出年金加入者の個人型確定拠出年金加入の要件緩和など、制度面及び手続面の改善を行います。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、令和四年四月一日としています。
 以上がこの法律案の趣旨でございますが、この法律案につきましては、衆議院において修正が行われたところであります。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。

#6
○委員長(そのだ修光君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員岡本充功君から説明を聴取いたします。岡本充功君。

#7
○衆議院議員(岡本充功君) ただいま議題となりました年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして、御説明申し上げます。
 修正の要旨は、第一に、受給資格者が障害基礎年金等の給付を受けることができるとき等の児童扶養手当の支給の制限に係る政令を定めるに当たっては、監護等児童が二人以上である受給資格者に支給される児童扶養手当の額が監護等児童が一人である受給資格者に支給される児童扶養手当の額を下回ることのないようにするものとすること。
 第二に、附則第二条第一項及び第二項の検討は、これまでの財政検証において、国民年金の調整期間の見通しが厚生年金保険の調整期間の見通しと比較して長期化し、モデル年金の所得代替率に占める基礎年金の額に相当する部分に係るものが減少していることが示されていることを踏まえて行うものとする規定を追加すること。
 第三に、政府は、国民年金の第一号被保険者に占める雇用者の割合の増加の状況、雇用によらない働き方をする者の就労及び育児の実態等を踏まえ、国民年金の第一号被保険者の育児期間に係る保険料負担に対する配慮の必要性並びに当該育児期間について措置を講ずることとした場合におけるその内容及び財源確保の在り方等について検討を行うものとする規定を追加すること。
 第四に、政府は、国民が高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を行うに当たって、これに対する支援を公平に受けられるようにする等その充実を図る観点から、個人型確定拠出年金及び国民年金基金の加入の要件、個人型確定拠出年金に係る拠出限度額及び中小事業主掛金を拠出できる中小事業主の範囲等について、税制上の措置を含め全般的な検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする規定を追加すること。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#8
○委員長(そのだ修光君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#9
○本田顕子君 自由民主党の本田顕子でございます。
 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 冒頭、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、治療中の皆様の一日も早い回復を心からお祈り申し上げます。また、命や暮らしを守るために感染のリスクと隣り合わせで医療、生活を支えてくださっている皆様、外出自粛要請に応じておられる皆様、全ての皆様に心からの敬意と感謝を申し上げます。
 では、質問に入らせていただきます。
 私が年金について質問をさせていただくことは初めてでございます。私は、学生の皆さんの前で一度だけ、我が国の社会保障制度の現状と題して講義の時間をいただいたことがございます。今から九年前の二〇一一年です。熊本の崇城大学薬学部で、医療経済論の講義に薬学を学んだ外部講師として七十分お話をさせていただきました。学生の皆さんに分かるように、私自身の理解を深め、準備しました。受講していただいた学生さんも今は卒業され、薬剤師として社会に貢献されています。その方たちのこれからの人生設計にかなうものとなるように思いを込めて質問をさせていただきます。
 今回の質問に当たり、二〇一一年に私が作成した講義用資料を読み返しました。当時から随分変わった部分もございました。より安定した年金制度の確立を常に目指し、改正を重ねてきたものと理解しています。今の仕組みは、戦後の高度成長期に設計された昭和の標準人生モデル、いわゆる二十年学び、四十年働き、二十年の老後設計です。これが標準的で幸せな生き方とされ、社会保障制度もこのモデルに沿うようにつくられ、整備されたと思います。
 しかしながら、長寿化、デジタル化、経済社会環境の構造的変化、個々の生き方、働き方も多様となりましたので、モデルが今の時代に合っていないことは明らかでございます。今回の改正も、こうした変化に対応し、進化していくものと理解しております。
 そして、新型コロナウイルス感染症の恐怖があるからこそ、議論は大切だと思います。年金は年を取ったときにもらうだけのものではありません。老齢年金、障害年金、遺族年金がございます。突然の予期せぬことに遭遇したとき、受給を受けたいと思っても、ある一定の期間保険料を納めていないと受け取ることができないのが年金です。予期せぬ感染症に遭遇している今、自助だけでは乗り切れないと感じる皆様のために大切な議論だと思います。
 しかしながら、年金の議論となりますと、常に聞こえてくるのが不安でございます。年金と一口に言いましても、内容が広く多岐にわたります。ともすれば、数字合わせで給付削減、負担拡大と思われがちであります。
 そこで、お伺いいたします。今回の公的、私的年金制度改革の趣旨及び目的について御説明をお願いいたします。

#10
○政府参考人(高橋俊之君) 今先生から御指摘いただきましたように、年金制度の見直しは、そのときそのときの時代の変化に合わせて、それに対応して変えていくということが一番の基本だと考えてございます。
 今後の社会経済の変化を展望いたしますと、より多くの方々がこれまでよりも長い期間にわたり多様な形で働く社会になっていくというふうに見込んでございます。こうした社会経済の変化を年金制度に反映して、長期化する高齢期の経済基盤の充実を図るということが大事だと。少子化で働く方が減っているというようなことがありますけれども、健康寿命はどんどん延びていますから、より高齢期の方でも働く社会になってくると、それに年金を合わせていくということでございます。
 このため、老後生活の基本を支える公的年金制度につきましては、多様な就労を年金制度に反映するような被用者保険の適用拡大、また、就労期間の延伸による年金の確保、充実のためには、在職老齢年金制度の見直し、在職定時改定の導入、年金受給開始時期の選択肢の拡大などについて見直しを行うものでございます。
 また、公的年金に併せまして、老後生活の多様なニーズへ対応するため充実、普及を図っております私的年金につきましても、就労期間の延伸による年金の確保、充実のため、DC、確定拠出年金の加入可能年齢の引上げあるいは受給開始時期の選択肢の拡大、そして、より多くの企業や個人が制度を活用していただけますよう、中小企業向け制度の対象範囲の拡大、企業型DC加入者の個人型DC加入の要件緩和等々の見直しを行うものでございます。

#11
○本田顕子君 ありがとうございました。
 人生百年時代における生き方多様化に対応できるものと理解いたしました。社会保障の理念を生かした働いても損をしない仕組みとなるよう、信頼を取り戻すことにも心掛けていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 それで、通告は八番目とさせていただいておりましたけれども、ちょっと今から確定拠出年金について御説明させていただきたいと思います。配付資料も用意しておいたんですけれども、済みません。
 私が、この確定拠出年金でございますけれども、加入したのは、二〇〇七年、製薬企業に勤めていたときです。会社を退職してからも運用を続け、十四年目になります。加入したときに受けた説明では、基礎年金はこれから増えないので、少しでも自分で運用して老後を安心に暮らせるようにしましょうというものでした。
 最初は、運用することが初めてでしたので、元本保証型からスタートしました。そうしますと、手数料を引かれるのはもったいないと思うようになり、投資を始めました。今回の質問に当たり、久しぶりに自分の運用状況を見てみましたら、ゼロになっていなかったので、ひとまず安心しました。
 しかしながら、投資ですから、もうかるとき、もうからないときがございます。今回の改正により確定拠出年金の加入可能年齢を引き上げ、受給開始時期の選択肢を拡大することに私は異論ございません。しかしながら、運用の安定が前提でございます。
 資料は、平成二十三年、二〇一一年、これを見ますと、年金運用、三・七兆円が赤字でした。赤字となった原因は、欧州債務危機などで世界的な金融不安が広がり、国内外の株価が大きく下落したことが原因でした。四半期ごとの運用結果では、リーマン・ショックの影響で二〇〇八年度には五兆六千六百一億円の赤字となったケースが最悪でございます。最悪でした。今回は、百年に一度と言われる経済のコロナショックでございます。リーマン・ショックを超えることは世界が知るところです。
 五月十五日の参議院本会議におきまして、小川克巳議員が本年一月から三月の年金積立ての運用状況から過去最大の十七兆円を超える赤字の試算に触れ、運用面、年金給付の安定性について質問され、大臣答弁もいただいているところでございますが、ほぼ五年ごとに赤字を繰り返している事実は否めません。そして、今回のコロナショックによるダメージは相当なものでございます。
 現在の運用状況と対応について御説明をお願いいたします。

#12
○政府参考人(高橋俊之君) 公的年金制度の運用は、GPIFに委託して運用してございます。
 GPIFにおける運用は長期の、超長期の運用ということでございまして、四つの資産、外国の株、債券、国内の株、債券に分散して、市場は変動いたしますので、この分散投資によりまして長期的なリターンを安定的に取っていくと、成長の果実をしっかり取り入れると、そういったことが重要でございます。
 そういう意味で、このような大きな経済の変動があるときには、短期的にはぶれが出ますけれども、株式等々あるいは外国の資産を組み入れることによりまして長期的な利回りをしっかり取り、経済の成長の果実を取っていくといったことが重要だと思っていまして、そういったことをよく丁寧に説明してまいりたいと思っています。
 また、先生から御指摘いただきました確定拠出年金につきましても、同様に、これは個々人が商品を選択して運用するわけでございます。
 具体的な数字としては、全般の数字じゃないんですけれども、例えば二〇一八年度末の大手金融機関四社の企業型のDCの加入者の平均でいきますと、平均的な利回りは大体一・八六%ぐらいと。これ、個人個人違いますので、マイナスになっている方もおられますが、よく投資教育等々をしっかりやりまして、そこのところにつきましての心配なきようなところにも努めてまいりたいと考えてございます。

#13
○本田顕子君 ありがとうございます。
 安定した運用のためには、私は安定した雇用実現が必要不可欠と思います。政府は、強い経済の実現に向けた取組を通じて得られる成長の果実によって、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それが更に経済を強くするという成長と分配の好循環を掲げておられます。さきの本会議答弁でも加藤厚生労働大臣から、生産性向上の支援も続けていくと答弁をいただいております。是非とも長期的視野で支援もよろしくお願いいたします。
 次に、被用者保険の適用拡大についてお伺いさせていただきます。
 働きたい人が働きやすい環境を整える、そして社会保障制度における取扱いによって選択をゆがめられたり不公正を生じることがないようにするために、短時間労働者に対する年金等の保障を厚くする観点から、被用者保険の適用拡大が進められております。
 二〇一六年十月、従業員数が五百人超の企業で働く短時間労働者について被用者保険の適用拡大がなされました。さらに、今回の改正でより多くの短時間労働者が被用者保険に加入することとなれば、将来受け取る年金が増えることに加え、障害がある状態になった場合でもより多く年金を受け取ることができるようになります。さらに、健康保険に加入されるなら、疾病手当金や出産手当金を受け取ることができるようになりますので、重要な改正と考えます。
 被用者の皆様にとっては厚生年金加入のハードルが大きく下がり、年金等の保障を厚くする観点から生活の安心、安定のためにも歓迎すべきところと思いますが、労働への影響がございます。前回の適用拡大の際には、就業調整した人より労働時間を延ばした人の方が多く、実際に適用を受けた短時間労働者の収入は増加傾向であったと聞いております。
 そこで、お伺いいたします。適用拡大に伴う短時間労働者の就業調整についてどのように見通しているか、また就業調整にどのように対応していくつもりか、お答えください。

#14
○政府参考人(高橋俊之君) 今先生から御紹介いただきましたように、前回五百人規模の適用拡大を行った際の状況につきまして、労働政策研究・研修機構、いわゆるJILPTで調査を行ってございまして、二〇一六年十月の施行につきましてのその後の調査でございますけれども、適用拡大によりまして働き方が変わった、基本的に変えなかった方の方が多かったわけでございますけれども、変わった方の中でも、配偶者の扶養に入っている三号被保険者で見ても、労働時間を短くした人よりも延ばした人の方が多かったと。短縮した人は三号被保険者では三七%、むしろ延ばした人が五四%ということで、延ばした人の方が多かったということ。それによりまして、また標準報酬月額の分布を見ましても、収入が増えたことが多いわけでございます。
 こうした結果となりました際には、企業が従業員に対しまして被用者保険加入のメリットを丁寧に説明したということがアンケートの結果で分かってございまして、今回の改正法案によります適用拡大に当たりまして、中小企業等の対象になりますので、事業主が丁寧に従業員に説明することを支援するために専門職による説明支援を行う予算も確保しておりまして、こういった支援を通じまして、就業調整などの働き方や雇用の選択へのゆがみが生じないように努めてまいりたいと考えてございます。

#15
○本田顕子君 ありがとうございました。
 続けて、同じく適用拡大について、事業者に与える影響に関してお伺いさせていただきます。
 全世代型社会保障検討会議中間報告に、厚生年金の適用拡大について書かれております。この実現には、中小企業・小規模事業者の生産性向上への支援も必要不可欠と存じます。人手不足が加速する中で、産業界にも現役世代に対する人的投資の重要性を理解していただく必要があるのではないかと思います。
 その上で、中小企業等に悪影響が生じることのないようにどのような対策をお考えになられているか、具体的に教えてください。

#16
○政府参考人(高橋俊之君) 今般の適用拡大を進めるに当たりまして、中小企業の経営への配慮というのは大変欠かせないと考えてございます。
 現下の状況を考えますと、まずは中小企業が新型コロナウイルス感染症による難局を乗り越えた上で、その先に適用拡大にもしっかり対応いただけるように取り組むことが大事だと考えてございまして、まずは、現下の新型コロナウイルス感染症による状況を乗り越えていただくための実質無利子無担保、最大五年元本返済据置きの融資による資金繰りの支援、雇用調整助成金による雇用維持、中堅・中小企業等には最大二百万円、個人事業主には最大百万円の持続化給付金、そして税、社会保険料の無担保、延滞金なしでの猶予といった事業継続に向けた施策を講じているところでございます。
 また、その上で、生産性向上施策でございます、三千億円を上回るものづくりの補助金、IT導入補助金、持続化補助金による生産性向上支援、中小企業庁を中心に取り組んでございます。また、短時間労働者の被用者保険加入と処遇改善を行う事業主に対するキャリアアップ助成金による支援、そしてまた、被用者保険の適用拡大に向けた周知や専門家の活用の支援など、適用拡大の円滑な施行に向けた環境整備の施策を積極的に講じてまいりたいと考えてございます。

#17
○本田顕子君 どうもありがとうございました。
 次に、未婚の一人親等への対策についてお伺いいたします。
 私は全国比例区でございますが、居住区は熊本でございます。同じ厚生労働委員でもあられます小川理事、馬場委員と同じく、チーム熊本の一員でございます。熊本からいただいている要望を御紹介させていただきます。
 二〇二〇年五月、蒲島郁夫熊本県知事、池田和貴熊本県議会議長名、国の施策等に関する提案・要望、女性が輝き力を発揮できる社会づくりを進めるためには、特に企業や働く男性及び女性の意識改革を促すこと。二〇一九年十二月、井手順雄熊本県議会議長名意見書、社会保障制度の充実、多様で柔軟な働き方が選択できる環境整備。上記要望書は加藤厚生労働大臣にも提出されております。
 女性活躍推進につきましては政府で積極的に進めていただいているところでございますが、環境整備、特に年金につきましては、目先のことだけで精いっぱいというのが当事者の状況でございます。いざとなったときに支えがないことや無年金になってしまっていたことに気付く方も多いと伺います。
 少し古い話ですが、二〇〇六年、厚生労働省が行った社会保障に関する国民の意識調査変化では、二十歳代では自助努力を重視する人が多く、三十歳、四十歳と重ねるほどに、「将来のことは予測できない面があるので、自分で準備するといっても限界がある。社会保障のための負担が重くなってもよいから、老後の生活はなるべく社会保障でみてもらいたい」と社会保障を重視する方が多いという結果が出ておりました。
 今の社会保障の標準モデルは、女性が一人親でも生き抜くことは想定されていなかったのではと思います。時代の変化に対応し、意欲を持った女性が活躍できるためにも、今回の未婚の一人親等を寡婦と同様に国民年金保険料の申請全額免除基準に追加するものと存じます。追加の趣旨及び予想される効果についてどのように考えておられるか、お伺いいたします。

#18
○政府参考人(高橋俊之君) 国民年金保険料の申請全額免除基準でございますけれども、これまで個人住民税の非課税基準に準拠しております。現行の国民年金法では、地方税法上の障害者や寡婦につきましては、一般の基準と比較して所得要件を緩和して全額免除の対象になりやすくしているところでございます。
 令和二年度の税制改正大綱を受けまして先般改正法が提出されて成立されました地方税法改正におきまして、婚姻歴の有無や性別にかかわらず、生計を一つにする子供を有する単身者に対しまして税制上の措置が講ぜられました。これを踏まえまして、国民年金保険料の申請全額免除につきましても、地方税法改正と同様に、一人親について地方税法上の障害者、寡婦と同じ所得要件を適用するものでございます。
 この見直しによりまして国民年金保険料の申請全額免除が受けやすくなるということで、本来は納付していただいて将来の年金に結び付けていただくのがいいのではございますけれども、なかなか納付が難しいという方には、未納になってしまうままではなくて、免除手続をしていただくことによりまして国庫負担部分が付く、また将来は、年金生活者給付金も免除期間相当分の更に加算がございますので、そういった可能性も出てまいります。
 そういったことを活用して将来の年金の充実に資するようにしていただけるよう改正を盛り込んだ次第でございます。

#19
○本田顕子君 ありがとうございました。
 持続可能で安定的な公的年金制度の確立と無年金者をできる限り救済する、このことと女性活躍推進は両輪であるべきと考えますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、在職高齢年金、以後、低在老と述べさせていただきます。この基準額の見直しについてお伺いいたします。
 低在老につきましては、年金額と月給、賞与に応じて年金額は減額され、場合によっては全額支給停止になる方もいらっしゃいます。人生百年時代に対応し、公的年金制度も長く働くことを応援する人生百年型年金に転換し、七十歳を超えても働くことができる環境整備の一つになるものと思いますが、今回、新型コロナウイルス感染症で特に注意が必要な方として、持病を持つ方、高齢者等が該当します。年を重ねることで感染リスクが増えてまいります。こうした皆様の不安に応えるためにも、厚生年金に加入しながら受け取る低在老の見直しを行い、働いても収入がある方が生活が安定し、かつ安全である、そして生きがいにもつながると思っていただけることが大切ではないかと思います。
 低在老の基準額の見直しの趣旨及び目的は何か、お伺いいたします。

#20
○政府参考人(高橋俊之君) 今回の六十歳代前半の在職老齢年金、いわゆる低在老の見直しでございますけれども、低在老につきましては就労に与える影響が一定程度確認されていると、高在老に比べまして基準が低い、大変厳しくなっておりまして、一定程度あると。また、六十歳代前半の就労、特に二〇三〇年、令和十二年まで支給開始年齢の引上げが続きます女性の就労を支援するという観点、そしてまた、低在老を高在老と同じ基準にすることは制度を分かりやすくすると、とかく分かりにくい年金でございますので分かりやすくすると、こういった観点もあろうかと思いまして、現行の二十八万円から高在老と同じ四十七万円の基準に合わせるものでございます。
 今般の低在老の見直しによりまして、年金制度が就労に対してより中立的となることによりまして、多くの方にとって年金が調整されることを気にせず就労していただけるようになると考えてございます。

#21
○本田顕子君 ありがとうございました。
 人生には六十歳、七十歳の節目のお祝いがございます。以前、私がお祝いの席に出席した際、七十歳の方が、昭和の頃であれば六十歳の還暦で引退だったけれど、今は職場で古希のお祝いをしていただけるようになりました、こき使われる人生と言えますと笑い話をされておりましたが、今回の改正がエイジフリー社会の実現に向けて背中を押す一歩となりますよう、よろしくお願いいたします。
 さて、自民党厚生労働部会では、令和時代の社会保障改革として、人生百年時代や人口減少社会の到来の構造変化に対応した新しいこの国の形の基礎となる社会保障改革が必要と、取りまとめを行っております。
 言うまでもなく、社会保障の持続可能性は受益と負担のバランスによって決まります。現役と高齢者の比率、すなわち支える側と支えられる側の人数のバランスは重要な要素の一つとなりますが、若いときに加入したけれども脱退せざるを得ない方もおられます。特に、就職氷河期世代と言われる方々です。こうした方たちが安心して年金制度に加入していただけることも、大変重要な要素と思います。
 就職氷河期と言われる方々も含め、年金制度への理解をどのように深めていくつもりか、お答えください。

#22
○政府参考人(高橋俊之君) 御指摘いただきましたように、老後の生活の基本を支える公的年金、これは世代間扶養の仕組みでございます。したがいまして、御指摘いただいたような就職氷河期世代を含む現役世代の皆様方に対しまして、しっかり広報いたしまして理解を深めていただくということが大事だと考えてございます。
 例えば、今回の法案の中で申し上げますと、パート労働者に対する被用者保険の適用拡大は、短時間労働で厚生年金の適用が受けられていない、要するに国民年金で、それもなかなか払えていないと、こういったような方々、いわゆる就職氷河期世代の方々も含めまして、現在、一号被保険者である方々にとりましては、適用拡大によりまして将来の年金水準を充実させるということにつながるのではないかなと考えてございます。
 こういったことも含めまして、今回の法案の趣旨、あるいはそもそもの年金制度の意義等につきまして、今SNSですとか多様な広報媒体もございますので、その世代特性を踏まえて分かりやすく広報に努めてまいりたいと考えてございます。

#23
○本田顕子君 ありがとうございました。
 政府が進める一億総活躍社会は、若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会でございます。今回私が思いますのは、新型コロナウイルス感染症に対する不安から地方での就職を望む方が増えてきているという報道もございます。いわゆるIターンであります。職業の選択もこれまでと意識が変わってくるのではないかと思います。人と関わることの難しさを経験した方にとっては、在宅で仕事ができることやオンライン学習の機会によって、心の不安を軽くして社会につながることもできると捉えている方もおられるのではないでしょうか。もう一度社会にチャレンジし、年金に加入していただけるように、日本の暮らしを支える現場経験を積むことへの環境整備も併せてお願いいたします。
 次に、新型コロナウイルス感染症により国民年金保険料を支払えないと不安に感じておられる方への対応についてお伺いいたします。
 五月一日から、日本年金機構において特例免除申請の受付も開始されております。丁寧に国民の皆様へ年金免除の仕組みを説明していくことが必要不可欠と存じますが、救済措置の周知方法についてお伺いいたします。

#24
○政府参考人(日原知己君) 今お話をいただきましたように、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして収入が急減するなどし、当年中の見込み所得が国民年金保険料の免除基準相当に該当される方につきましては、簡易な手続によりまして保険料の免除などを可能とする臨時特例措置を講じているところでございます。
 この内容でございますけれども、厚生労働省や日本年金機構のホームページやツイッターへの掲載に加えまして、チラシやポスターを作成をいたしまして、市町村に対しまして、こうしたチラシの設置、またポスターの掲載などの協力をお願いして、周知に努めているところでございます。
 またさらに、日本年金機構では、第一号被保険者の方に対しまして、保険料の納付を勧奨するための文書、これをお手元にお届けしておりますけれども、その中にもこの特例措置の内容を掲載するなど周知に努めているところでございまして、しっかりと制度を活用していただけるように対応してまいりたいと考えてございます。

#25
○本田顕子君 どうもありがとうございました。
 通告させていただいた私の質問は以上でございますけれども、最後に要望として加藤厚生労働大臣に申し上げさせていただきたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症により経営が悪化している医療機関についての検討も進んでおります。同じ医療提供施設として医療法に明記されている薬局は対象外になりがちです。現場は今、財政的にも心身共に疲弊に向かっています。薬局はどのような状況でも処方箋に基づく調剤を行う義務があり、現場の皆様が途切れることなくその責務と地域医療への貢献を続けてくださっております。支援策を講じるときにどうか薬局を忘れないでいただきたいということを強く要望させていただき、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#26
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 今般の国民年金法改正案につきまして、これまで加藤大臣の方からも、例えば、全世代型社会保障の流れの中での法案の意義、あるいは人生百年時代という話の中での位置付け等、いろいろ説明があったわけでありますが、改めて今日、私の方からは、議論のスタートとして、昨年八月に公表されました五年に一度の財政検証、こことこの法案との接続というところについて確認をさせていただけたらというふうに思っております。
 まず、これ、昨年八月、まとまってこの委員会でもなかなか議論ができていないなという思いがありまして、この財政検証から明らかになったこと、主なことってどういうことがあるのか、そして、その結果というものがこの法案にどう反映されているのか、もう一つ言うと、議論がまだまだ成熟せずに当然見送られた部分があるかと思うんですけれども、この積み残しの部分、これを併せて大臣から御答弁いただけたらと思います。

#27
○国務大臣(加藤勝信君) 昨年の財政検証、これは、財政検証のメーンは、一定の経済成長を置いた中で所得代替率が将来にわたって五〇%が確保できるかどうかと、言わばその検証ということでもあります。現行制度においても、経済成長と労働参加が進むケースにおいては引き続き所得代替率は五〇%以上確保できる、これが確認された、これがまず第一点目であります。
 加えて、今回、オプション試算をやらせていただきました。被用者保険の適用拡大、就労期間、加入期間の延長、繰下げ受給の選択、そういったものが年金の水準確保にどう影響があるかという中で、これはそれぞれ効果が大きいということが確認できたというふうに認識をしております。
 この結果を踏まえて、この法案では、高齢者を踏まえ、多様な就労を年金制度に反映する被用者保険の適用の拡大、あるいは就労期間の延伸による年金の確保、充実のための在職老齢年金制度の見直し、年金受給開始時期の選択肢の拡大等については見直しを行うということで、この法案の中に盛り込まれております。そして、より長く多様な形になるよう、就労の変化を年金制度に反映して、長期化する高齢期の経済基盤の充実を図っていきたいと思っているところであります。
 今回の改革によって、将来世代の所得代替率も財政検証で示した調整後の所得代替率と比べて〇・二%のプラスの改善という、これは試算ということでありますが、示されたところであります。
 それから、積み残しとなった検討課題ということでありますけれども、検討規定には被用者保険の適用範囲に加えて公的年金制度の所得再配分機能の強化についても盛り込んでおります。基礎年金、これ所得再配分機能という役割を担っておりますが、その機能維持に向けてどういう方策が可能か、引き続き検討が進むべき課題として認識をしているところであります。

#28
○平木大作君 大臣から、今簡潔に昨年の財政検証の結果、また本法案の趣旨について御説明をいただきました。
 改めて、今回、この今いろいろ御紹介いただいたオプション試算等を通じて明らかになったこと、一つの結論は、やはり被用者保険の適用拡大ということが、所得代替率ですとか、あるいは基礎年金の水準確保に効果が大きいということだったというふうに思っています。これをしっかりと今回法案の中に盛り込むことができた。
 ただ、一方で、今後の検討課題ということで今御説明をいただいたとおり、まだまだやらなければいけないことは多い。その中で特に、やはり基礎年金そのものの充実。依然、この適用拡大が仮に進んだとしても、基礎年金のみを受給する方というのがまだたくさんいらっしゃる、また、厚生年金受給されていても、賃金水準がそもそも低いとか、あるいは加入期間が短いということで給付の水準自体がやはり十分でないという方もたくさんいらっしゃるわけでありまして、この基礎年金そのものの議論というのはやはりしっかりやっていかなければ、全ての人の生活安全につなげると先日も安倍総理が答弁されておりましたけれども、この意義をしっかりと確保することはできないんだろうというふうに思っております。
 改めて、満額でもまだ月六万五千円程度という基礎年金の給付水準をやはり放置したままではいけない、この委員会でも皆様と闊達な議論をこれからしていきたいなというふうに思っておりますけれども、特に、例えばこれまでも何度か議論はされてまいりましたけれども、加入期間を四十五年に延ばして給付水準を高めるですとか、更なる年金制度の機能強化に向けた議論、必要と考えておりますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

#29
○国務大臣(加藤勝信君) 基礎年金というものが一体何を、どういう機能を担うのか。元々、国民年金の時代、これは主として自営業者の方が中心でやってきた、それが今日、基礎年金のみをもらっている方、いわゆる国民年金の方が随分その対象も変わってきていると。こういう状況も踏まえながら、一体この年金金額そのものの水準がどうあるべきなのかという議論は、これまでもいろいろとこの委員会等でも御議論いただいたところであります。
 それに加えて、もう一つあるのは、財政検証を四回、五回、四回かな、やってくる中で、四回ですね、特に最初と二回目、要するに、二〇〇四年と二〇〇九年の財政検証でマクロ経済スライドの効き方がかなり違ってきて、結果的に、その報酬比例の調整が早まって基礎年金が遅れることによって、当初はトータルとしてのモデル年金の比率、これは当然抑制されるんですが、それに応じて基礎年金も比例部分も同じように減額していた、減額される結果になっていたものがずれが出てきたという、大きく二つの論点が多分あるんだろうと思っております。それぞれ大事な論点であります。
 いずれにしても、先ほど申し上げた基礎年金の持っている所得再配分機能といったものを含めてこれをどう維持をしていくのか、そして、この間生まれてきた様々な課題をどうその中で解消していくのか。それから、今お話があった点に関して申し上げれば、結果的には基礎年金そのものの金額は当初より高くなりますから、当然、年金で、年金保険料によって賄う部分は五年間の部分で賄っていくことは可能なんだろうと思いますけれども、半分は国庫負担ということになりますから、その国庫負担をどういう形で財源を確保していくのか、そういった課題も当然出てまいります。それらも含めてしっかり議論していく必要があるというふうに思います。

#30
○平木大作君 大臣にも、課題の認識について非常に我々と同じ認識を持っていただいているんだなということを改めて確認をいたしました。また、今後も引き続き、委員の皆様と一緒にこの議論を進めていきたいというふうに思っております。
 さて、ちょっと各論に入る前に、先週金曜日の本会議においてちょっと気になる答弁があったので確認をさせていただきたいというふうに思っています。これ実は、先ほど本田委員が言及されたところとも重なるんですけれども、株式市場等の動向による一時的な評価損というものがGPIFの担う年金財政及び年金給付額に与える影響ということを問われた際の答弁なんですね。そのまま引用させていただきますと、こうなっています。
 自主運用開始以降、収益額の累積は約七十五・二兆円となっており、このうち半分程度の約三十六・五兆円は株価下落時等でも着実に収益として確保される利子や配当収入等のインカムゲインであり、それ以外の約三十八・七兆円は評価損益等のキャピタルゲインであり、これは時価の変動により上下する性質のものであります。このため、市場の動向などによる一時的な評価損が生じたとしても直ちに年金財政上の問題は生じず、年金給付額に影響するものではありませんと、こういう答弁でございました。
 これ、どういう意味なんだろうと。インカムゲインに非常に焦点を当てて答弁をされているというのは、恐らくこの市場の荒い値動きに比べて相対的に小さく見える例えば債券のクーポンとか配当というものが、でも長期のトータルリターンの中で見ると非常に大きな貢献をしているんだと、こういうことを多分おっしゃりたくて説明されているんだろうなと思うわけでありますが、問いそのものになかなか実はこれ答え切れていないんじゃないかという認識を持っております。
 そもそも、もう二十年以上前に時価会計制度が導入されてからは、期中に利払いとか配当というものが行われるかどうかというのは基本的にリターンにも全く影響しませんし、ある意味、運用の安定性というものを説明できるものにはちょっとなっていないということでありまして、また、もっと言うと、受け取った配当とかあるいはクーポンというのは即座に再投資されますので、そういう意味でいくと、マーケットリスクに全額さらされております。
 そういう意味では、改めて、ちょっと今日、そもそもGPIFが取り組む長期分散投資の効用ということを中心に御答弁いただけたらなと思うんですが、いかがでしょうか。

#31
○政府参考人(高橋俊之君) 御指摘のように、インカムゲインの大きさを強調して最近お答えしているのは、評価損、株式がどんと落ちてこれだけ損したというところにどうしても注目が行くものですから、むしろGPIFの運用は超長期でございますので、しっかりとインカムゲインを取りに行くような、そういうような運用、短期の上がり下がりに余り惑わされずに、それが大事だということを少し強調したいということでございます。
 先生御指摘のように、そもそもの長期的な観点から行う年金の積立金の運用でございますので、株式を含めて、リスク、リターンの特性が異なる複数の資産を適切に組み合わせて分散投資を行う、これが一番の基本でございます。ポートフォリオ全体としてのリスクを抑えつつ、リスクというのは、短期的なリスクというよりも、長期的な利回りが取れなくなるのがリスクでありまして、そこのところをしっかり取れるようにしていくということが運用方針の基本でございます。したがいまして、株式市場を含む市場の一時的な変動にとらわれることなく、利子や配当収入、あるいは長期的な株価の上昇でございますとか、そういったことも含めまして、長期的かつ安定的な経済成長、世界の経済成長の果実をしっかり取り込んでいくということが基本方針でございます。
 GPIFの運用におきまして、自主運用開始以来、平成十三年度から去年の十二月末まで、累積収益七十五・二兆円というふうになっておりますけれども、一時的な評価損というのがありましても年金財政上の問題は生じないということで考えてございまして、そのうち、先生御指摘いただきましたように、インカムゲインがその半分、三十六・五兆円もあるということで、利子や配当収入等、こういったものをしっかり取っていくと。
 最近、低金利なものですから、国債で運用していてもそれを全く取れないということで、株を持つことによりまして、しっかりとしたインカムゲインを取る、少し変動があっても長期戦略としてはこれが重要だということの運用方針の下で、そういったことをよく丁寧に説明してまいりたいと考えてございます。

#32
○平木大作君 このインカムゲインというところ、先ほど申し上げたように、強調し過ぎると逆に誤解を生むところでありまして、例えば定期的に利払いがある、クーポンがあるみたいなことと対極にあるのは、例えば無配当の株式であったりゼロクーポン債という運用になるわけですけれども、そんなもので運用している年金ファンドって基本的にはありませんが、ただ、これ、無配当のものであっても、基本的にはタイムバリューのものというのは、時間がたつにつれて、払出しがなかったとしても時価には反映されてきますから、そういう意味でいくと、やっぱり同じことなんです。なので、インカムについて余り説明していただくと実は誤解を生むというところを改めて強調させていただきたいと思います。
 その上で、GPIFについてもう一問だけ確認をしておきたいと思います。
 本年四月一日に、GPIFの基本ポートフォリオが変更となりました。これ、どういう方針でやられていたかというと、基本的には、世界経済が低成長を迎えているという、こういう大変な運用環境の中で、一・七%の運用目標を満たしつつ、最も小さいポートフォリオを選択する、こういうチャレンジをしていただきまして、これまでに検討作業班による検討の回数が三十二回、そして経営委員会による十三回の議論、これをもって決定をしたということであります。
 私は、中身についてはしっかりこれはいい検討ができているんじゃないかなと思っているんですが、唯一残念なのは、やっぱりちょっとタイミングでありまして、これはもうどうにもコントロールが利かないわけですけれども、四月一日からですから、今回のある意味コロナ感染症の影響というものが、公表資料を見る限りにおいては、リスク検証ですとかストレステストにおいても考慮されていないようであります。
 今後の運用に当たっては、そういう意味では、これ、今のマーケットの状況というものを勘案して、追加的な検証、場合によっては基本ポートフォリオの再度の見直しということも含めて私はやるべきじゃないかと思っておりますが、いかがでしょうか。

#33
○政府参考人(高橋俊之君) 今般の基本ポートフォリオの見直しでございますけれども、国内の金利の低下、債券のですね、金利低下等々の運用環境を踏まえまして、GPIFにおきまして専門的知見に基づいて慎重な検討を行って策定したものでございます。
 その策定過程におきましては、リーマン・ショックのような大幅な株安ですとかあるいは円高の局面も含めまして、過去の様々な大きな変動があった実績、こういうものを考慮して様々な試算を行った上で策定されたものでございます。新型コロナウイルスの影響による足下の市場変動、それ、直接踏まえた、時期的にですね、ものではありませんけれども、そういうような変動があり得るといったことを十分織り込んで策定をしたものと考えてございます。
 年金の積立金の運用におきまして株式市場を含む市場の一時的な変動にとらわれるべきではありませんで、長期的な運用目標を下回るリスクをできるだけ抑制する、そういった意味で、今回、外国債券の組入れ比率を引き上げましたけれども、これによりまして、二十五年あるいは五十年と長期にわたって運用した場合には、年金財政上必要とされる積立金額から下振れリスクが見直し前の基本ポートフォリオに比べまして小さくなったという試算でございます。
 いずれにしましても、安全かつ効率的な運用を長期的な観点から行うということで、引き続きよく検証しながら進めてまいりたいと考えてございます。

#34
○平木大作君 基本ポートフォリオというのは基本的にころころころころ変えるものでは当然ないというふうに思っておりますが、一方で、今回のコロナの影響というのはこれまでのいわゆる深い谷と果たして同列に考えていいのかということをやっぱりもう一度考えなければいけない可能性があるだろうと。谷の幅自体が物すごく長くなる、広くなる可能性があるわけでありますから。そこについて、特に債券の運用環境が海外においても極めて今急速に悪化しておりますので、そういったものをしっかり柔軟に受け止めて検証を進めていただけたらということをお願いしたいと思います。
 残りの時間で各論にちょっと入っていきたいんですが、まずは、繰下げ受給の上限年齢の引上げについてお伺いをしたいと思います。
 現行七十歳までの繰下げ受給については、その上限年齢が、現行で七十歳までというものが今回七十五歳に引き上げられるわけであります。これは、個々人のライフプランに応じてこの受給開始時期を選択できる、その選択肢が広がるということでありますし、なおかつ、繰り下げた場合に一月当たり〇・七%増額するということでありますから、大変重要な見直しであろうと思うわけですが。
 一方で、現時点で繰下げ受給というのを選択される方というのは極めて限られている、一%台ということだそうでありまして、まず、なぜ、数字だけ見るとお得に見えるわけですけれども、この繰下げ受給選択される方がこれだけ少ないのか、その要因をどう認識されているのかということ。改めて、これやるべきだとかいう話ではないんですけれども、当然活用していただけるような環境をしっかりつくっていくことが何よりも政府には求められると思っておりますけれども、その点についてお伺いをしたいと思います。

#35
○政府参考人(高橋俊之君) 繰下げ受給につきましては、現在の利用率が非常に低いといったことの背景として一番大きいと考えられることでございますが、現在、厚生年金の支給開始年齢の六十五歳への引上げの途上でございまして、六十歳代前半のいわゆる特別支給の老齢厚生年金がまだ支給されてございます。この特別支給の老齢厚生年金には繰下げ制度がございませんので、まずはそこを受給するということだと思います。
 六十代前半で既に年金収入を前提とした生活が形作られているということでございまして、そうなりますと、六十五歳になったときに、そこで繰下げ受給をして一旦年金受給をやめるというふうになかなかなりにくいというのも大きな一因なのではないかなと考えてございます。こういった事情は、支給開始年齢の引上げが男性は二〇二五年、女性は二〇三〇年に完了しますと解消されるものでございます。そうなりますと少し状況は変わってくるかなというふうに考えてございます。
 今後、若いうちからも含めまして、繰下げ制度ということについての周知を含めまして積極的な取組、情報提供をいたしまして、就労環境やライフプラン等を若いうちから検討していただけるような、そういった情報提供をしっかりしてまいりたいと考えてございます。

#36
○平木大作君 関連して確認をしておきたいんですが、今回、繰下げじゃなくて、今度繰上げですね、繰上げ受給については、従来一月当たり〇・五%の減額だったんですけれども、令和四年四月以降、〇・四%の減額に変更されるわけであります。
 これ、繰上げされる方にとっては、とてもうれしいというか、減る分が小さくなるということでありますからうれしいわけでありますけれども、この理由についてまずちょっと確認をしておきたいということと、この繰上げに伴う減少率あるいは繰下げに伴う増加率というのはどのくらいのいわゆるスパンで見直しをしていくものなのか、併せて御答弁いただけたらと思います。

#37
○政府参考人(高橋俊之君) 繰下げの増額率又は繰上げの減額率でございますけれども、これは数理的に年金財政中立を基本として設定したものでございます。
 この数字でございますけれども、受給者の生活設計の安定を考慮いたしますと頻繁に変更するというものではないんではないかなというふうに思ってございまして、今般は、受給開始時期の選択肢を七十五歳まで拡大すると、こういった契機に改めて計算をしてみたと、これも一つのタイミングということで見直すこととしたものでございます。
 計算の基礎となる前提につきまして、最新の平成二十七年完全生命表に基づく年齢別死亡率、そしてまた二〇一九年財政検証の長期の経済前提、これを用いた結果から、繰上げ受給の減額率については一月当たり〇・四%、平均余命が延びたということで繰上げ受給の減額率については〇・四に減ったと。一方で、繰下げ受給につきましての増額率につきましては十年間のスパンで計算するということで、同額でそろえたものでございます。
 今後につきましては、今般の社会保障審議会の年金部会の議論でも、将来の寿命の延びを勘案しても増額率に大きな変化はないということは確認してございますけれども、頻繁に変更すべきではないということを踏まえながら、長期的な動向を踏まえながら、将来仮に必要になれば対応していきたいと考えてございます。

#38
○平木大作君 ありがとうございます。
 先ほど申し上げたように、繰上げ受給される方というのは多分いろんな御理由があって繰上げをされるわけでありますけれども、生活が大変だろうからちょっと減額幅を小さくしようみたいな政策的な意図を持ってやっているということではないということなんだろうと思います。
 今御説明いただいたとおり、例えば平均余命ですとか財政検証を通じて出てきた様々な経済状況、こういったものを反映して、ある意味機械的に決まってくる数字。そんなに頻繁にころころ変えるものではないけれども、一方で、ある意味機械的に変えていくわけでありますから、変えるタイミングが来たら変わるということであります。これ、そのとおりだと思いますし、しっかりとここ説明をしていただく必要がやっぱりあると思うんですね。
 というのは、私たちも現役世代の皆さんにいわゆる年金について説明する機会ってやっぱり時々あるんですけれども、そのときに必ず言うのは、繰下げ受給すると何%増えますよという話をする。今回の法改正でも、まさに、十年間繰り下げると受給額は八四%増えますというのは、ある意味正しいセールスというんでしょうかね、なかなか難しくて、八四%ということばっかりずっと言い続けていると、実は将来的に下がっちゃう可能性があるわけであります。
 なかなかちょっと表現の仕方は難しいと思いますけれども、ここのところをきちっとやっぱり理解していただかないと、年金不安の解消につながらないなというふうにも思っておりまして、増えます増えますみたいなところだけじゃない、やっぱり広報というか、しっかり厚生労働省としてもしていただけたらというふうに思っております。
 続いて、企業型DC加入者のiDeCo加入についてお伺いをしたいと思います。
 これ、従来から企業型DCの加入者というのはiDeCoにも加入ができたんですけれども、実は要件とか手続が複雑で、ほとんど選択をされる方、利用されている方がいらっしゃらないという状況でございました。
 今般、事業主掛金を管理する企業型DCのレコードキーパーとiDeCoの掛金を管理する国民年金基金連合会が情報連携するということでありまして、この掛金の合算管理の仕組みを構築するということで利便性の改善が図られるようなんですが、まず、これ具体的にどう変わるのか、お示しいただけたらと思います。

#39
○政府参考人(高橋俊之君) 現在、企業型のDCに加入されている方が個人型のDC、確定拠出年金、iDeCoに加入する場合、併用する場合でございますけれども、それができるのは、iDeCoの加入を認める規約がその企業型DCにありまして、そして事業主掛金の上限、上限が通常は五・五のところを三・五万円に引き下げた企業の従業員に限られているわけでございます。
 何でこうなっているかと申しますと、企業型DCと個人型DCで掛金額を管理している主体が異なるものでございまして、月額五・五万円以内というDC全体の拠出限度額の管理を簡便に行う観点から、企業型の上限は三・五と、iDeCo、個人型の上限は二万円というふうに区分して、そういうふうに区分されている場合のみ併用できるということにしたものでございます。このために、企業型DCを実施している多くの企業では上限五・五になっているわけでございますので、そこの従業員はiDeCoに加入したくてもできないという状況になっております。
 そこで、今回は、企業型DCの事業主掛金を管理する記録管理運営機関、レコードキーパーになっております金融機関、四社ございますけれども、そことiDeCoの掛金を管理する国民年金基金連合会との間で掛金の合算管理の情報交換をして合算管理をする仕組みを構築することによりまして、個々の企業型DCで規約の定めや事業主掛金の上限の引下げがなくても、全体の拠出限度額から事業主掛金を控除した残余の範囲内でiDeCoに加入できるように改善を図るものでございます。

#40
○平木大作君 この情報連携、具体的にシステムを実際につくっていただいて、利用者がウエブサイトでも幾らまで加入できるのか、拠出できるのかということを確認もしていただけるようになるということですが、改めて、これ、今私も例えばiDeCoのウエブサイト上の情報開示、アクセスして見てみているんですけれども、やっぱりこれ、誰が一体見るんだろうというぐらい、ちょっと情報の提供が貧弱な状況にもあります。それこそ、年金の運用というのは長期で見ていくんだと言いながら、出てくる情報って、基本的には、時価評価が今どうか、損しています、得していますという話が最初にどんと出てきて、あと、いわゆる払込みの履歴ですね、それが出てくるだけでありまして、これ、本当であれば、将来の受給のやっぱりシミュレーションに役立つような情報みたいなものが出てこないと、なかなか身近なものにならない、使っていただけるものにならないんじゃないかというふうに思っています。
 今回も、そういう意味でいくと、システム改修にかなり時間も掛かるということのようでありますけれども、こういったところもしっかりやっていただきたい。
 改めて、これ併せてなんですけれども、やっぱり、より重要なのは、私的年金の中だけで完結しても余り意味がありませんで、やはりこの私的年金と公的年金、基礎年金というのがしっかり連携をしていくということだろうというふうに思っています。ねんきん定期便ですとか、あるいはねんきんネットですか、ネット上の基礎年金の情報というのは私的年金よりは大分進んでいると私は思っていますけれども、これがやっぱり一元的に管理できないとなかなか意味がないんじゃないかなと思っています。
 公的、私的年金の一元管理、政府としてお取り組みいただけるのかどうか、お伺いしたいと思います。

#41
○政府参考人(高橋俊之君) 御指摘のように、個々人が公的年金は将来どのくらいもらえるのかなとか、あるいは私的年金、DCやDBもありますから、それらが横断的にどうなるのかなということを簡便に分かりやすく視覚的に見れるようなこういったもの、是非必要だろうと思っております。
 そのためには、それぞれの実施機関の御協力をいただきながら、どういったことがどういうふうにできるか、そこをまずよく十分議論する必要があると思っていまして、まずは、DCにつきましては、記録運営管理機関、レコードキーパーのところのウエブサイトの表示をもう少し改善していただくと。個々人の老後の支給額がどうなるかというのを若い頃から見通せるようにしていくといったことが大事だと思っておりますし、さらにその上で、公的年金、私的年金を通じまして全体の見える化というものをどのようにしたらできるか、関係者のよく御意見を聞きながら検討してまいりたいと考えてございます。

#42
○平木大作君 いろいろ実は調整しなきゃいけないことが多いんだということはよく分かるんですが、是非とも利用者の方の目線でより良い制度にしていただけたらというふうに思っております。
 時間がちょっとなくなってきましたので、もう飛ばしまして、最後の問いだけ、大事な論点だと思っていますので、お伺いして終わりたいと思います。
 被用者年金の適用拡大に関してなんですが、これに伴って、実は望ましくない就労調整が起きるんじゃないかという御懸念が一部から指摘をされております。どういうことかというと、これまで、国民年金の第三号被保険者ですとかあるいは夫の扶養家族になるための基準、年収百三十万円、これ未満になるように就労調整をしてきた方というのは当然パートの方等を含めていらっしゃるわけですが、今回、このある意味適用の拡大に伴って、今度は、厚生年金の被用者保険加入の目安となる百六万円の壁、これを意識して、これまで百三十万円というところを目安にしてきた方が百六万以下に抑えてしまう、未満に抑えてしまうという、ある意味これまでよりも低いところでの年収で就労調整を進めてしまうようなことが起きるんじゃないかという御指摘がございます。
 この点について政府の御認識を最後にお伺いしたいと思います。

#43
○政府参考人(高橋俊之君) まず、前回、五百人規模の適用拡大した際には、労働時間を短くした人よりも延ばした人の方が多かったということがあるというのがまず一つございます。
 その上で、百三十万円の壁というのと、百六万円が壁なのか何なのかという点でございますけれども、保険料負担のない三号被保険者や被扶養者が百三十万円の扶養認定基準を超えると国民年金や国民健康保険の加入者となると、これ、いわゆる百三十万円の壁でございますけれども、将来の年金額ですとかあるいは医療の給付というのが増えずに保険料が新たに負担が増えると、これは確かに大きな壁だろうと思います。
 一方で、百六万円の賃金要件を満たして被用者保険の加入になる場合には、保険料は事業主との折半ではございますし、その一方で、基礎年金に加えて二階の報酬比例部分が付いてくると、また、健康保険も傷病手当金が付いてくると、それから、働き方の面におきましても、被用者保険適用後は扶養の範囲を気にすることなく希望に応じて働き方を選択できるという、こういったメリットが大きいわけでございまして、これは必ずしも壁とは言えないのではないかなと考えてございます。
 就業調整の回避には、こういったメリットを丁寧に説明していくことが大事だと考えてございまして、そこのところ、よく中小企業等への専門家派遣等々の支援を行いながら丁寧な説明をしてまいりたいと考えてございます。

#44
○平木大作君 第三号被保険者は今八百四十七万人ということでありまして、その半分ぐらいが、半数近くの方が働いていらっしゃるということであります。しっかりと、今御説明いただいたようなメリットも含めて、よくよく制度を御理解いただけるように努めていただきますようお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#45
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 年金制度の法案に入る前に、一問、大臣に。
 この間、妊婦さんの休業補償のことについて、多くの皆さんから何らかの対応をしてもらいたいという声が続いておりまして、私ども公明党としても、何とかしてもらいたいという要請をこの場でちょっとさせていただきたいと思います。
 といいますのも、先日、我が党の地方議員通じましてある大きな病院の事務長さんから、コロナ対策として妊娠している医療従事者の方を休ませてあげたいんだと。しかしです、この雇用調整助成金の対象となる条件である売上げ五%以上減が満たせないと。今、病院が減収になっているところもあるんですけれども、その病院は逆に、精神科が主な業務で、そして、現在も地域の患者さんたちのために頑張って休まずに経営続けておられて、ほとんど減収にならないそうなんです。
 このように、事業主側に休業する経済的な理由がない場合には雇用調整助成金が使えません。そして、今、新たな仕組みを御検討いただいておりますけれども、あちらの方でも、労働者の都合で休むということを念頭に置いたような仕組みにはならないと思うんです。そうしますと、救済する方法がありません。是非とも、新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置において、休業が必要な全ての働く妊婦さんを、安心して休業できるような別途新たな仕組みをつくっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#46
○国務大臣(加藤勝信君) 新型コロナウイルス感染症が拡大していく中で、妊婦の皆さん方の不安あるいは様々なストレス、それが増大をしている。そういった中で、先日、様々な御指摘もいただいて、男女雇用機会均等法に基づく指針を改正をして、母性健康管理措置について、妊娠中の女性労働者の母性健康管理を適切に図ることができるよう改正をさせていただいたところであります。
 母性健康管理措置として、休業が必要な場合に、休業中の賃金をどのようにするかについて、これ、現状においては個々の事業主に任されているということでありまして、雇用調整助成金の支給対象であればそれは対象に当然なるわけでありますけれども、本来、その事業主が対象にならなければその対象に該当しないということであります。また、就業規則に特別休暇の規定を整備した中小企業向けには助成金制度を設けておりますけれども、これがどのぐらい実効性があるのかという指摘も頂戴をしております。
 私どもとしては、一つは、まず、休みやすい環境を整備していただくよう経済団体、労働団体にもお願いをしているところでありますけれども、委員御指摘のように、妊婦の方々が安心して休業、休業が必要だといった場合には休業していただく、そして出産をしていただける、そのためにどうした対応が必要なのか、またそれぞれ、与党また野党の皆さんの中における御議論も踏まえながらしっかり検討させていただきたいと思います。

#47
○山本香苗君 これは恐らく全ての会派の総意でもあると思いますので、是非重く受け止めていただきまして、第二次補正予算の中にもしっかりそうしたものを盛り込んでいただけるよう、重ね重ね、重ね重ねお願いしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 先ほど来、年金のお話、公明党として、今、平木大作さんの方から今回の法改正の重立ったところを質問していただきましたけど、私、いつも思うんですね、この年金制度改革のときに。年金は別に老齢年金だけじゃない、障害年金もあるし、遺族年金もあると。でも、この五年に一度の財政検証をやった後の議論で全然そういったところないんですね。でも、今回の年金制度改革というのは、人生百年時代という中で、高齢者の方だけじゃなくて障害者もいるし女性もいるしと、そういう観点からちょっと質問させていただきたいと。特に障害年金、日原審議官としっかり議論させていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 知的障害のあるお子さんの親御さんからお声をいただきました。特別支援学校を卒業して、二十歳を迎える頃になって障害基礎年金の申請の準備をしようとした。そうしたら、そこで初めて病歴・就労状況等申立書というものを提出しなきゃいけないということを知ったそうです。この病歴・就労状況等申立書には何書くかといったら、発病したときから現在、すなわち申請時までの経過を物すごい詳細に書かなきゃいけないんです。具体的に言いますと、通院期間だ、受診回数だ、入院期間、治療経過、医師から指示された事項、転医・受診中止の理由、その他日常生活状況、就労状況と、これ全部書かなきゃいけないと。御相談していただいたそのお子さんって、生まれつき障害を持って生まれたお子さんですから、生後からその時点まで約二十年間、全ての記録を記録しておかなかったら書けないようなものになっているわけなんですね。子育てに必死で、いつ、どの病院にかかったかなんて覚えていませんと、ここまで書かないと障害基礎年金ってもらえないものなんでしょうかと。
 高橋局長が年管審でいらっしゃったときに、障害基礎年金の初診日が二十歳前だったことを確認できたらそれで申請できるように大幅に改善していただいたんです。私、それで終わっていたと思っていたんです。そうしたら、これ書かないと駄目だというまだ運用が残っていまして、是非速攻見直していただきたいんですが、いかがでしょうか。

#48
○政府参考人(日原知己君) 御質問をいただきましたのは、二十歳前の障害基礎年金に係るその病歴・就労状況等申立書でございますけれども、昨年二月に初診日認定に係る医療機関による証明手続を緩和したこと、これを踏まえるとともに、請求者の方の今お話ございましたように負担の軽減を図るという観点から、本年秋頃より、初診日認定の確実な実施を図りつつ、病歴等の経過の記載を簡素化させていただきたいというふうに考えております。
 具体的には、昨年の見直しによりまして、二番目以降に受診した医療機関の証明書類によって対応できることとされたケース、こちらにつきましては、発病から証明書類を発行した医療機関の受診日までの経過、これにつきまして一括してまとめて記載いただければよいこととしたいと思っております。
 それから、知的障害などの方の場合でございまして、生年月日が初診日であるというふうに申立てされているケースにつきましては、特に大きな変化があった場合を中心に、出生時から請求時点までの状況を一括してまとめて記載すればよいということにさせていただきたいというふうに考えてございます。

#49
○山本香苗君 言われなくてもこういうことをやってもらいたいと思うんですよね。
 先天性で治らないのに、なぜ三年に一度更新手続をしなくちゃいけないのか、こういう声もよく伺うところだと思います。
 障害年金には、更新を不要とする永久認定というものと、一年から五年の間で期間が定められ、更新を必要とする有期認定というものがございますが、どういう障害が永久認定になるのか、有期認定で、一年とか、何で三年とか五年とか、どう違うのか、これ何回聞いてもこの明確なルールがないんですね。症状が全く変わらないのに、短ければ一年で再び診断書取ってこいと、提出しなきゃいけないというのは、私、障害年金受給者の方にとって物理的だけじゃなくて心理的にも大きな負担だと思うんです。
 そこで、例えば再認定の際に、症状が全く変わりませんと、障害等級等が継続されている場合はこの更新期間を長めに設定するとか、もうちょっとこの更新期間の設定の仕方というものも改善していくべきじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。

#50
○政府参考人(日原知己君) 障害年金におきます更新期間につきましては、審査の標準化を進めていくという観点から、今御指摘をいただきましたとおり、その改善を図っていくということが大変重要であるというふうに考えてございます。
 このため、本年秋頃を目指して整備を進めております障害年金の業務統計におけるデータですとか、また実際の障害認定の事例などを踏まえつつ、障害年金におきますその更新期間の設定方法、この改善に向けた検討を進めていきたいというふうに考えております。

#51
○山本香苗君 ということは、更新期間を長くしていくということもしっかりやっていただけるということでよろしいでしょうか。

#52
○政府参考人(日原知己君) 今御指摘をいただきました点、またその審査の標準化等を推進していくといった点、こういった点を含めまして、先ほど申し上げましたような各種のデータですとか、それから事例などを踏まえながら、実態に即した検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

#53
○山本香苗君 やっていただけると認識しながら、次に進みたいと思います。
 がんのように、症状が固定せず、進行している障害につきましては、基本的には初診日の一年六か月というところが障害認定日となるわけですけれども、じゃ、何で一年六か月なのかということになると、これは原則として健康保険の傷病手当金と合わせて切れ目ない保障を行うためだということなんですが、障害認定日にすぐ障害年金を受給しているケースというのは一体どれぐらいあるんでしょうか。
 例えば、がんとの闘病で生きているのが本人も家族も精いっぱいで、障害年金まで頭が回らなかった、それどころじゃなかったと。治療を続ける中でお金に困って相談した先で、がんで障害年金もらえる場合がありますよということを知って申請に至ったという方、結構いらっしゃいます。その場合、例えば初診日から一年六か月後に受診した病院のカルテが必要になってくるわけですけれども、病院がなくなっていたり、カルテがなかったりすると、これ一切遡及できないという形になっています。
 また、初診日から一年半時点での障害認定日ではまだそれほど悪くなかったと、悪くなかったけど、徐々に症状が悪化していったと。悪化していって、三年前ぐらいからもう人工透析を受けるようになった。こうした場合は、三年前から同様の症状が続いていると、人工透析入れてずっとやっているということがたとえ証明できたとしても、三年前まで遡ることができないんですね。請求日の翌月からしか受け取ることができない。せめて、人工透析だとか今人工関節など、その等級に該当することが疑いない場合は、それに該当した時点に遡っての請求ということが認めることができないものだろうかと、そういう声も上がっていると思うんですが、この点については何か検討していただけないでしょうか。

#54
○政府参考人(日原知己君) 今御指摘いただきました点につきましては、国民年金法等の規定に基づきまして、障害の認定日後に重症化をされて障害等級に該当された場合、この事後重症の請求につきましては、請求日の翌月から障害年金が支払われるというところになっているということでございます。

#55
○山本香苗君 それ分かった上で聞いているわけなんですけれども。
 要は、そういう形で法律上はなっているけれども、そういう検討をしてもらえないかと。

#56
○政府参考人(日原知己君) 大変繰り返しで恐縮でございますけれども、法律上は今のような、御説明したような規定になっているということでございます。
 ただ、そういう状態にある方が円滑に障害年金を受給していただけるようにということも大変重要であるというふうに考えておりまして、一つ考えておりますのは、傷病手当金を受給されている方のうち障害状態にある方が円滑に障害年金を受給できますように、障害年金の仕組みや事後重症請求も含めた請求方法など、こちらを御紹介するリーフレットを作成して、医療保険者から傷病手当金受給者への周知を依頼すると。それから、日本年金機構におきまして、傷病手当金の受給者の方や医療保険者からのお問合せや相談に対して丁寧に対応するといったことを進めてまいりたいと考えております。
 また、特に事後重症請求などを行ったケースにつきましては、実態をよく把握いたしまして、こうした周知の在り方などを検討してまいりたいというふうに考えてございます。

#57
○山本香苗君 障害に該当する時点になったら早めに請求すればいいじゃないかということなんですけど、そこを判断するのが非常に難しいわけでありまして、是非、周知はもちろんのことであります、丁寧に説明することも当たり前のことです。この事後重症請求ってどうなっているのかと、そこの実態を是非よく見ていただきたいと思っております。切にお願いしたいと思っております。
 初診日認定というのはいつも問題になるわけですけど、困難な例として挙げられておりました脳脊髄液減少症につきましては、昨年十二月に判断基準を明確にしていただきました。ありがとうございました。
 そのほかにも判断が難しいものとして、慢性疲労症候群や線維筋痛症、重症筋無力症などを挙げられています。これらについても是非明確化を図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#58
○政府参考人(日原知己君) 今御指摘いただきました慢性疲労症候群、それから線維筋痛症、それから重症筋無力症についてでございますけれども、これらにつきましては、発症直後に確定診断がされないという事例も見られるところでございまして、障害年金の請求に当たりましてその初診日の判断が難しい場合があると、そういった御指摘もございます。
 このため、請求者の方が申し立てられました初診日、それと確定診断日が異なっているという事例、こちらをきちんと把握、収集いたしまして検討することによりまして、この初診日をより円滑に認定するため、判断基準ですとかあるいは審査方法がどうあるべきかといったことについて検討してまいりたいというふうに考えてございます。

#59
○山本香苗君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 障害年金の申請をして不支給になったものの諦め切れずにもう一回申請をされる場合、また、症状が悪化したため改めて同一傷病で障害年金の再請求をする、そうした場合に、初診日の証明書等を再度提出しなければならないとお伺いしました。もう既に、この初診日は、変わらない限り、機構にその書類あるんですよね。是非、最初の申請の際に機構に提出されたこの初診日の証明書を、新たに出せじゃなくて、それを使っていただくという優しい運用はできないものでしょうか。

#60
○政府参考人(日原知己君) 今御指摘いただいた点でございますけれども、現在は、今お話しいただきましたとおり、不支給などに一度なられた後で、症状が悪化されたために初回請求時と同一の傷病かつ同一の初診日で障害年金の再度の請求を日本年金機構に対して行っていただいた場合でありましても、再度、初診日に係る証明書類を提出いただいているということでございます。
 ただ、こうした場合におきましては、今お話ございましたように、再度医療機関においてその証明書類の取得をお願いするということは、これ請求者の方の御負担という面がございますので、請求者の方からお申出をいただきまして、日本年金機構におきまして初回請求時の証明書類を確認できる場合、こちらにつきましては、本年秋頃からこうした初診日に係る証明書類の提出、これを不要とすると、そういう方向で進めてまいりたいというふうに考えてございます。

#61
○山本香苗君 是非、確認できる場合にはなくしていただきたいと。もう一回取るためにすごく苦労されていらっしゃるわけなんですね。是非ともそういう優しい運用を、言われるまでもなく是非やっていただきたいと思います。
 障害年金は障害のある方の生活の基盤として極めて重要なんですが、私もこの間ずっと、障害年金のいろいろと御意見を賜りながら、いろいろと委員会質疑等でも取り上げさせてきていただいておりますけれども、知られていないし、私たちも知らないこともたくさんあるし、ましてや障害年金を受給するような状況になると自分が思っていなかった方々からすれば、そこから勉強して何かという話で、非常に分かりにくいし、優しくない制度だと。是非とも、年金制度全体を考える中で、特にここには配慮をしていただきたいと思いますし、引き続き改善を言われるまでもなくやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 もう一つ、離婚時の年金分割制度についてお伺いさせていただきたいと思います。
 この制度は以前もうつくって、制度自体は知られているんですけれども、離婚から二年以内に請求しなければならないということは、余りというよりほとんど知られていません。年金機構のホームページにも書いてありますけれども、ちゃんとした広報もされていなかったと伺いまして、先般、法務省の民事局と連携をしていただいて周知を図っていただいたと伺いました。
 そもそもなんですが、何でこれ二年となっているんでしょうか。

#62
○政府参考人(高橋俊之君) 今御指摘いただきました離婚時の年金分割でございますけれども、これ、離婚した一方の当事者からの請求によりまして婚姻期間に係る一方の厚生年金保険料の納付記録をもう一方に分割する、こういった制度でございます。
 そういった意味で、この分割請求は、年金受給権が相続や譲渡の対象とならない一身専属権である、権利関係の早期確定の要請も強いと、こういう中で、民法で離婚時の財産分与請求権の除斥期間が二年とされていると。こういったことを踏まえまして、離婚が成立した日の翌日から起算して二年を経過する日までに行わなければならないことと規定されたものでございます。

#63
○山本香苗君 ということは、今高橋局長から御答弁いただきましたけれども、この年金制度の方が準拠している民法の方の財産分与の請求が二年ということだからということだという御答弁でよろしいんですよね。
 この財産分与についても、二年以内ということは知らない方が結構いらっしゃいます。実際、知らないがゆえに、二年たった、そうなったらもう一切請求ができなくなるというわけですよね。そのため、弱い立場にある方ほど泣き寝入りをしているケースがあると、いろんな形で支援をされていらっしゃる方が、弁護士の方々からも多くのお声をいただいております。法務省としてはそういった実態というものを把握されていらっしゃるんでしょうか。
 私は、是非この二年というところも、これが本当に妥当なのかどうかというところも含めて是非とも御議論いただきたいし、見直しをしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#64
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 財産分与制度につきましては、御指摘のとおり、離婚のときから二年を経過したときは家庭裁判所に対して財産分与の請求をすることはできないこととされております。この点につきましては、昨年六月、公明党の女性議員の先生方や日本女性法律家協会から当時の山下法務大臣に対し、様々な事情で期間内に請求することができない方がいるとして、この期間を延長する方向での見直しを求める提言をいただいたところであります。
 財産分与制度の在り方につきましては、現在、御指摘の期間制限の見直しも含めまして、公益社団法人商事法務研究会が主催する家族法研究会で検討されておるところでございまして、御提言の趣旨を踏まえ、法務省の担当者も積極的に議論に加わっているところでございます。
 また、御提言では、併せて財産分与制度及びその期間制度の周知の重要性についても御指摘をいただいているところでございます。法務省は、本年三月、離婚時に考えておくべき事柄について分かりやすくかつ網羅的に情報提供しようということでウエブサイトを新たに設けまして、財産分与や年金分割等の解説をするとともに、その期間制限について注意喚起をするという記事を掲載いたしました。
 今後も、財産分与の期間制限の見直しに向けて必要な検討を鋭意進めさせていただくとともに、現行の制度を国民の皆様に分かりやすく周知するために積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

#65
○山本香苗君 事前に法務省の方にも、この二年という、そもそも民法で定まっているこの二年という根拠は何かというと、余りはっきりとした理由ってないんですね。ですので、改めてよく実態を見ていただいて、そして、いろんな法的な安定性とか様々な理由はあるかもしれませんけれども、是非ここのところの改善を速やかに図っていただけるように、検討会の状況も引き続きフォローさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に稲津副大臣にお伺いしたいんですが、結局これ、先ほどの年金の話に戻りますけど、この年金分割というのは、決して片方が言っただけではできなくて二人が合意しないとできないものでありますが、離婚後二年間で合意するのが困難なケースというのがあります。
 例えば、DVで避難しているケースなどといった場合は協議することすら難しいわけでありまして、こうした場合には、二年過ぎたら、じゃ、泣き寝入りすることしかないのかというわけではなくて、二年以内に審判又は調停の申出を行えば、二年を過ぎても、審判等が確定した日の翌日から一か月以内は請求することが可能になるわけであります。このことも知られていないわけですね。
 是非周知をしっかりしていただきたいと思いますし、あわせて、今申し上げたように、審判又は調停が確定した日から一か月以内に請求することになっているわけです。これ一か月というのは実際実務上どれぐらい大変なのかと聞きましたら、結構タイトらしいんですね。請求に当たっていろんな必要な書類を集めなくちゃいけないと。弁護士の方等専門家のサポートがあれば、一か月でがあっとやってどうにか間に合わせるということは可能だと伺いましたけれども、例えばシングルマザーで仕事が休めなくて、子供を抱えながら、なかなか決まった時間の役所の開庁時間、開いている時間に行けないと。そうすると、あっという間に一か月ってたっちゃうわけです。ですから、是非、この一か月というところ、何か理由があるのかよく分かりませんが、この一か月をせめて半年に延長していただくことはできませんか。

#66
○副大臣(稲津久君) お答えさせていただきます。
 離婚時の年金分割に関わって、まず、今、二年の期限等についての周知の必要性についてのお話がありました。
 既に年金事務所の窓口での周知ですとか、あるいはこれは法務省さんにも御協力をいただいて、市区町村の戸籍担当課にもしっかり周知をさせていただくことになっています。これらについては更にしっかり徹底をしていきたい、また御協力もいただきたいと思っています。
 その上で、御指摘の一か月の請求期限についてでございますが、年金分割を請求された側が再婚した後に年金分割が行われると、これは請求された方がお亡くなりになった場合、その再婚相手が受給し得る遺族年金が減額されると。こんなこともあって、第三者の利害に影響が及ぶものであるために、権利関係の早期確定の観点からこのように設定をされておりますが、しかしながら、今議員からも御指摘がございましたように、この審判の確定から必要書類をそろえたときに年金事務所に提出するための期間、そうしたことを考慮すると、一か月ではこれは大変短過ぎるという意見も多く寄せられているところでございまして、御提示いただいた六か月の期限の延長を行うよう、できる限り速やかに厚生年金保険法施行規則の改正を行ってまいりたいと、このように考えております。

#67
○山本香苗君 ありがとうございます。
 六か月という形でありますけど、実態を踏まえまして、いろいろとまたこれからも運用上改善していただけるところがありましたらやっていただければと思います。
 以上で終わります。

#68
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 ちょっと冒頭に、委員長にこの厚生労働委員会の運営の在り方についてちょっと一言申し上げておきたいと思います。
 厚生労働委員会、これは今日、決まったのが昨日の五時ですからね、夕方の。こんな遅い時間に決めるというのはやっぱり良くないです。もしそれから通告出したら、厚生労働省の職員の皆さん、答弁書くのに物すごくまたこれ遅い時間まで仕事しなきゃいけなくなるわけですから、きちっともっと早くやっぱり委員会を立てていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。

#69
○委員長(そのだ修光君) はい、承知しました。

#70
○東徹君 それでは、年金の質疑をする前にコロナの関係について、前回ちょっと通告をしておって質疑できなかったものがありますので、先にちょっとそこから質問をさせていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 まず、抗体検査について前回ちょっとお聞きしました。今の感染状況どうなのかということを、是非実態を把握していく意味でも抗体検査を大規模にやっていくべきではないのですかということで質問させていただきました。いつからかということはそのときおっしゃらなかったんですけれども、次の日には六月からというふうなお話でありましたが。
 これは、報道でもありますが、一万件ぐらいらしいですが、東京、大阪、宮城、それ以外もあるのかどうか、それぞれどれぐらいの規模でこの抗体検査をやるのか、是非お示しをいただきたいと思います。

#71
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 献血者を対象とした調査結果を踏まえまして、我が国の社会全体の抗体の保有状況を把握するために、統計学を始めとした専門家からの助言を得ながら、早ければ来月から、複数の自治体で一般住民を対象に全体で一万人程度の規模の調査を開始したいと考えているところでございます。
 御指摘の対象地域等につきましては、現在感染が流行している地域と必ずしもそうでない地域を含む幾つかの都道府県に対しまして今検討を依頼しているところでございまして、委員からも具体的な言及もございましたが、現時点で明確に申し上げられるものではないということは御理解いただければと思います。しっかり取り組んでまいりたいと考えております。

#72
○東徹君 いや、大阪三千人と言っていますよ。もう報道で出ているじゃないですか。何でそれが言えないんですか。東京も三千人でしょう。違うんですか。報道出ていませんか。

#73
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 そういう報道があるということは承知しておりますが、我々としては、今現時点では幾つかの自治体と調整をさせていただいている段階ということでございますので、具体的に地域とか数については、ちょっと申し訳ございませんが、差し控えさせていただければと思います。

#74
○東徹君 いやいや、報道じゃなくて、ごめんなさい、知事が言っているんですね、もう。そうやって知事が三千人ともう言っているんですから、じゃ、あとどこなのか、それぐらいちょっと言ってもらってもいいと思うんですね。これは厚生労働委員会で質問しているんですから、きちっと答弁してくださいよ、それぐらい。
 続きまして、ちょっとWHOのことについてお伺いしたいと思います。
 昨日からWHOの総会が始まっております。世界で最も新型コロナを抑えられている地域の一つである台湾なんですけれども、オブザーバーでやっぱり参加すべきだというふうに思っておりますが、今回参加も、オブザーバーの参加もやっぱりできなかったという状況であります。
 台湾の知見というのは新型コロナ対策に立ち向かう上で非常に重要な部分だというふうに思っておりまして、やっぱりきちっと台湾のそういったことも話を聞いて世界各国が対策を講じていくべきだというふうに考えますが、これ、大臣、台湾の参加が拒否されたことについてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。

#75
○国務大臣(加藤勝信君) 台湾問題の取扱いについては、台湾のオブザーバー参加を議題として提案がなされました、参加国からですね。それについて議長が関係者と調整をした結果、秋以降に開催が想定される追加のWHO総会、ここでは、本総会、今回の総会ですね、で議論できなかった議題を取り扱うために予定をしていたわけでありますが、そこにおいてこの議題、まさに台湾のオブザーバー参加の議題についても議論するということで提案がなされ、総会で了承がなされたと、こういう経緯であります。

#76
○東徹君 別に経緯は聞いていないんですね。参加を拒否されたことについてどう思われますかということをお聞きしているんです。

#77
○国務大臣(加藤勝信君) ごめんなさい。
 それについて、私、今朝の七時頃に発言をさせていただいて、こうした地勢的な空白を公衆衛生を進める問題においてはつくるべきではない、空白の地域をつくるべきではないと。これは従前から申し上げてきていますが、今回それについても申し上げたところでありますし、また、台湾も一つの事例として、非常にうまくいっている事例として台湾の事例も挙げさせていただいたところであります。

#78
○東徹君 今日は外務省さんも来ていただいているので、外務省もしっかりとこれ、台湾をやっぱりオブザーバーとして参加していくべきだという働きかけをしっかりやるべきだというふうに考えているんですが、どうですか。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕

#79
○政府参考人(高杉優弘君) 外務省といたしましても、今回のWHO総会に台湾がオブザーバー参加できなかったことは残念に考えております。
 我が国として、従来より、国際保健課題への対応に当たっては地理的空白を生じさせないべきという観点から、台湾のWHO総会へのオブザーバー参加をこれまでも一貫して支持してまいりました。特に、今回のような全世界に甚大な影響を与える感染症に対しては、自由、透明、迅速な形で各国・地域の情報や知見が広く共有されることが重要でございます。その意味で、新型コロナウイルス感染症対策のため、今後とも国際社会が一体となって万全の対策を講じる必要があると考えております。
 引き続き、あらゆる機会を捉えて我が国の立場をしっかりと主張してまいります。

#80
○東徹君 是非、加藤大臣におかれましても、WHOにやっぱり台湾をしっかりとオブザーバーとして参加してもらうべきだということをやっぱり主張をしていただきたいというふうに思います。
 今回、世界各国で、この新型コロナウイルスの感染源のことについて真相究明していくべきだという意見が出ております。私も、これからまた新たなウイルスとかそういったものが出てきたときのためにも、やっぱり今回の感染源をきちっと調査しておくべきだというふうに考えます。中国武漢のあの研究施設が感染源ではないかというふうなことも言われておりますけれども、日本にとっても大きな影響をこれは受けているわけであります。
 WHOの総会において、政府は、WHOの初動対応の検証、通報ルールの厳格化、WHOの改革を求めると報道ではされております。WHO、十分機能しているか非常に懸念があるわけですけれども、WHOにこういった調査を任せるのではなくて、欧米各国と歩調を合わせて我が国も感染源の調査を進めるべきだというふうに考えますが、加藤大臣、いかがでしょうか。

#81
○国務大臣(加藤勝信君) 今回のWHOのパンデミックについて、私も、先ほどの台湾のお話もありましたけれども、あわせて、この総会において、今後このような事態、まさに新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりパンデミックとなったと、こういった事態を未然に防止できるよう、WHOの対応、感染源、感染拡大ルート等について公平、独立かつ包括的な検証が必要だということは強く申し上げさせていただいたところであります。
 これまでも、G7の保健大臣会合も重ねさせていただいております。それぞれ皆さん意見がありますけれども、そうしたG7も一体になりながら、WHOの場、これ、場といったら別にWHOの中でも検証する仕組みもあります。そういったところを含めて、やっぱり参加国がそういうような中でしっかりと検証がなされていくということが必要なんだろうというふうに思っております。

#82
○東徹君 日本としても独立的な調査をやるべきだというふうなことで、今日の報道でも出ていましたけれども、独立的な機関でもってやるというふうな報道もされておりました。でも、本当に、じゃ、独立的なものはどこまで独立的なものなのかどうかというのはやっぱり分からないわけでありまして、その辺はやっぱりきちっと欧米諸国と歩調を合わせて対応を是非やっていただきたいというふうに思います。
 是非、昨日も、中国がWHOに二年間で二千億円ですか、拠出するというふうなことで、これも非常に大きな金額を中国がやっぱりお金を出しているわけですね。だったら、やっぱり本当に独立的な機関が本当どうなのかどうかというのも、これもよく分からないわけでして、是非、加藤大臣、ここは欧米諸国と合わせてやっぱりやっていくということを言っていただきたいと思いますが、いかがですか。

#83
○国務大臣(加藤勝信君) これまでも欧米諸国、特にG7の場等においても議論をさせていただいております。
 ただ、やっぱりG7それぞれ立場がかなり違うという部分もありますから、やっぱりそこはG7一体となってこれはまず進めて、G7が一体となりながら全体としてこの議論が進んでいくようにしていく必要があるんだろうというふうに思います。

#84
○東徹君 是非、しっかりと検証を進めていかないといけないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 新型コロナの対応の司令塔についてお伺いをしたいと思います。
 これも、十一日の予算委員会で安倍総理に司令塔誰ですかというふうに質問すると、総理自身が司令塔だと、で、担当大臣は西村大臣がおって、厚労大臣には加藤大臣がおるということなんですが、やはり、そうではなくて、現場をやっぱりしっかりとどういう状況かというのを把握して現場に対してきちっと指導できる、マネジメントできる、そういった司令塔が私は必要だというふうに思います。
 そういった司令塔、責任者、チームみたいなものをつくって、これからまた第二波、第三波が来るかもしれないわけですから、それに備えて今からでもそういった司令塔をつくるべきだというふうに思いますが、加藤大臣、いかがでしょうか。

#85
○国務大臣(加藤勝信君) いわゆる日本版CDCの設置等についてもいろいろ御指摘をいただいておりますが、いわゆる特措法改正時の附帯決議においても、専門的知見を活用し、感染症対策を一元的に行う危機管理組織の在り方を検討することとされているわけであります。そういった意味で、今般の事案、また今の附帯決議も含めて、感染症の危機管理体制、これ不断の見直しを図っていく必要があるというふうに考えております。
 今委員がおっしゃられたあそこでも、私もたしかあの場にいて、委員と総理とのやり取りも聞かせていただきました。その司令塔という意味と、それから現場現場でそうした情報を集めながらその部分について機能していく部分というのが、多分それはそれぞれあってしかるべきなんだろうと思います。
 現状においても、それぞれの、医療であれば、私どもの下にいる、下というか、私どもの厚労省にいる人間がそれぞれ都道府県と連携をしながら対処させていただいているという、こういう構図で、その動き全体を誰がきちんと把握していくのかと、そういう問題なんだろうと思いますが、それは最終的に政務の話にもなってくるわけでありますので、その辺の役割分担の仕方含めて、これは、今の形が、私も常に今の形が一番いいということを思っているわけではありません。常に必要な改善を図っていく必要はあるだろうというふうに思います。

#86
○東徹君 ほかの海外の成功しているところを見ましても、やっぱり強力な司令塔がいるというふうなことを報道でも見るわけですね。だから、やっぱり日本でも、CDCとかじゃなくて、やっぱり大臣の下にそういった司令塔になる人が、責任を持ってやっていく人、そういった人が要るんじゃないですかというふうなことを申し上げさせていただいております。
 大臣はやっぱりこうやって政府とおっしゃいますけれども、政府の人たちは、やっぱりこういった委員会があったり予算委員会があったり、また記者会見やったりとか、そういったことで大変時間が取られるわけですから、そうではなくて、現場を本当に時間に関係なくやれる人というのがやっぱり私は必要だというふうに思いますので、是非御検討をしていただきたいなと思います。
 続きまして、今回の補正予算で五億円が感染防止対策等による高年齢労働者の職場環境整備事業に上がっておりまして、この感染防止というふうな名前になっているんですけれども、具体的内容をこれ確認してみると、高齢者は熱中症になりやすいから体調を管理するためのウエアラブル端末の購入費を補助するとか、新型コロナとは関係ないものに対象となっているわけでして、これ条件を満たせば若者も対象になるというふうなことで、これ、よく分からない事業なんですね。
 こういう事業に五億円ではなくて、本来きちっと医療従事者とかそういったところにお金を回していくべきというふうに考えますが、いかがですか。

#87
○国務大臣(加藤勝信君) これ、本予算にのっておるものを増額をさせていただいて、感染症がこうして拡大する中で働いておられる方々、社会福祉施設、医療保健業、また旅館業、飲食店においてそれをどう防止をしていくのか、それを支援するということで、この補正でも五億円の積み増しをさせていただきました。
 具体的には、例えば介護施設においては移乗用リフトを導入をして利用者と密に接触せずに移動させられること、あるいは旅館業、飲食店においては配膳台の運搬を、要するに無人搬送車をすることによって接触をできるだけ抑制をしていく、そういったことが対象になっているわけでありますので、あと、労働者の体温や心拍数をリアルタイムで把握するウエアラブル端末を導入して健康状態を管理をしていく、そして何かがあればその者というものを休ませる、必要によっては受診をさせると、そういうことにもつながっていくということでありますので、それぞれ新型コロナウイルス感染の防止に資する取組だというふうに我々認識をさせていただく中で補正予算をさせていただき、これ補正で積み増したので、まだこれから募集ということでありますが、これから募集をし、具体的な取組がそれぞれの現場現場で進んでそれが感染防止につながっていけるように、この予算もしっかりと活用していきたいというふうに思っています。

#88
○東徹君 これ、コロナとはやっぱり関係ないですよ、余り。それはもう移動用リフトとかウエアラブル端末とか、こういったものは余りコロナとは関係ありません。ふだんの補助設備としてやっていくという分については何となく分かりますが、コロナとは余り関係ないですよということだけは申し上げておきたいと思います。
 続きまして、年金の方に入らせていただきますけれども、まず、iDeCoのことについてお伺いしたいと思います。
 現状、自営業者というのは基礎年金だけに加入している人がやっぱりほとんどです。先ほどもほかの委員からもお話がありました。第一号被保険者のうち国民年金基金に加入している人というのは約三十六万人でありまして、第一号被保険者約一千四百万人の二%にしかやっぱりすぎないわけであります。また、iDeCoの加入者について見ると、第一号被保険者は約十七万人で、第一号被保険者全体の一%にとどまっているということで、加入がまだまだこれは進んでおりません。
 iDeCoを始め今の年金制度、自営業者の人にとって安心して老後を迎えられるようなものになっているのかどうか、まずお伺いしたいと思います。

#89
○政府参考人(高橋俊之君) 自営業者の方々、まず公的年金としては国民年金制度でございます。これにつきましては、自営業の方ですと、老齢期に入った後も生活の手段を有して緩やかに引退していくと、こういう自営業者の特性に対応して定額負担、定額給付の制度設計として発足したという経緯がございます。
 国民年金のみの加入者が将来受け取ることができる基礎年金は、それだけで老後の生活の全てを賄うわけではなくて、現役世代に構築した生活基盤や貯蓄と組み合わせて老後の生活を送るという考え方に立って定額給付の水準設計が行われている。そういう意味で、この水準で十分かと言われると、そもそもの制度設計がこういう趣旨であるということでございます。
 その上で、多様な希望やニーズがある中で、公的年金を基本としながら、国民年金基金や個人型確定拠出年金、iDeCoによる資産形成の支援にも取り組んでいるわけでございます。
 しかしながら、自営業者の方々、経済環境は様々でございますので、それでiDeCoや国民年金基金の加入につきましてもなかなか難しいという方々もおられます。全ての方々に安心して老後を迎えられるようなものになっているかと言われれば、必ずしも十分ではない点もございますが、できる限りの努力をしているところでございます。

#90
○東徹君 先ほどもありましたけど、手数料が高いとかいう話もありました。だから、個人事業主の方に入りやすい制度なのかというと、やはりいろいろ課題があると思うんですね。やっぱり、そういったところをやっぱりしっかりと分析すべきだということを言わせていただきたいと思います。
 自営業者の方なんですけれども、先ほどおっしゃったように、国民年金だけでは、やっぱりこれ、将来の生活というのはやっぱり成り立たないわけでありまして、自営業者の方にも老後安心して生活できる、そういったことを施策としてどのように考えていくのかということを考えているのか、お伺いしたいと思います。

#91
○政府参考人(高橋俊之君) まず、一階部分の基礎年金を今後どういうふうにしていくかと。全国民共通の基礎年金、所得の多寡にかかわらず一定の年金額を保障する所得再分配機能を有する給付でございますので、この機能を将来にわたって維持することが自営業者の国民年金のみの加入者にとっても、また厚生年金の加入者にとっても重要でございまして、ここのところを今後しっかりやってまいりたいというふうに考えてございます。
 今回の改正では、被用者保険の適用拡大が国民年金財政を改善させるということであり、その第一歩ということで五十人規模までの適用拡大を行っておりますけれども、今般の改正法案の検討規定には、被用者保険の適用範囲の今後の検討に加えまして、公的年金制度の所得再分配機能の強化についても盛り込んでいまして、基礎年金の所得再分配機能の維持に向けてどういった具体的な方策、どういったことができるか、引き続き検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 また、自営業者も利用できるiDeCoにつきまして、今回の改正で幾つかの見直しを行っておりますけれども、さらに、引き続きどういったことができるか検討してまいりたいと考えてございます。

#92
○東徹君 自営業者の方にとっては、選択肢としてはiDeCo、それから国民年金基金と二つあるわけですけれども、このiDeCoなんですけど、これiDeCoって何って、普通の人はやっぱり知らない人の方が多いですよ。
 iDeCoと聞いて年金って、どうやってこれ想像付くんですかね。名前が非常に悪いんですね、名前の付け方が。厚生労働省っていつもそうなんです、ネーミングが。くるみんにしたってそうですし、今回のコロナのことで、接触者外来、何だったかな、帰国者・接触者外来、これ、名前聞いても、これコロナのあれなのかどうかってこと分かりにくいですよね。名前からやっぱりきちっとそのものが想像できるような名前を、ネーミングをやっぱり考えるべきだと思うんですね。
 iDeCoって、それは、我々、会館の下にりそな銀行があって、そこにiDeCo、iDeCoと書いてあるから、iDeCoって、ああ、年金かと分かりますけれども、一般の人は、やっぱりiDeCoって、それは存在自体知らないですから。
 これ名前、やっぱり是非考えを見直すべきだと思うんですね。大臣、いかがでしょうか。

#93
○国務大臣(加藤勝信君) こればっかりは、私どもが決めたというよりも、二〇一六年の九月に、実施主体である国民年金基金連合会のほか信託協会、生命保険協会、全国銀行協会など多くの民間金融団体が参画する普及・推進協議会、その場で愛称を決定された、こういう経緯があります。
 iDeCoというのは、インディビジュアルタイプ・ディファインド・コントリビューション・ペンションズ・プランという中のそれぞれを取ってiDeCoというふうになったということであります。
 まだまだ名称が届いていないということでありますけれども、引き続き、民間金融団体においても、今お話があった議員会館の下の金融機関でも利用されているということでありますので、しっかりその定着や周知を図っていきたいというふうに思っております。

#94
○東徹君 一回アンケート取ってみて、このiDeCoというのが国民にとって分かりやすい名前なのかどうか、一遍アンケート取ってみたらどうですかね。恐らく多くの人はiDeCoって分からないと思いますよ。
 でも、iDeCoは国の制度なんですよ。そうでしょう。これ、国が決めている制度なんですから。だから、やっぱりこんな名前じゃ、そりゃ加入者増えないのも当然だなというふうに思います。是非ネーミングも考え直していただきたいと思います。
 今回の新型コロナウイルスのことによって、今非常に景気が悪化しておって、戦後最悪のおそれとかいうふうなことを言われています。ただでさえ、昨年の消費税増税によってGDPも年率換算でマイナス七・三%というふうなことが言われておりますし、今回の一月から三月も年率換算でマイナス三・四%というふうに言われています。四月から六月期になると年二〇%のマイナスになるんではないかというふうなことが言われている中で、非常に、大変経済的には厳しいというふうに思います。
 我が国でも四月の景気ウオッチャー調査というのがありますが、現状判断指数はリーマン・ショックのときよりも低くて過去最低というふうな結果が出ておりまして、二、三か月先の景気に関する先行き判断指数も過去最低ということで、非常にこれ、景気の悪化は深刻な状況にあるわけです。
 年金財政というのはよく百年間の均衡に見るというふうに言われていますけれども、百年に一回とも言われているような今回の不景気によって年金財政への影響がこれ軽いと言い切れるのかどうか、是非見解をお伺いしたいと思います。

#95
○政府参考人(高橋俊之君) 年金財政、御指摘いただきましたように、百年程度の財政均衡期間を通じて年金財政の均衡を保たれるように運営するという仕組みでございます。
 財政検証におきましても、百年間にわたる超長期の推計でありますので、足下の一時的な変動にとらわれずに、超長期の視点に立って妥当と考えられる範囲での経済前提を設定する必要がある、こういったことが専門家の会議でも常々指摘されているところでございます。
 また、年金財政は、経済の要素だけではなくて、人口要素ですとか、あるいは労働参加が進むという、働き手が増えると、こういった要因の影響も大きいわけでございます。
 そういった意味で、今般の新型コロナウイルスの感染症の年金財政への影響でございますけれども、数十年単位の超長期で見た場合に直ちに影響を与えるといったものではないとは考えておりますけれども、感染症の状況をよく見ながら、四年後の次期財政検証でも五年ごとにしっかりと点検をしてまいりたいと考えてございます。

#96
○東徹君 非常に今回の、昨年の消費税の増税から含めて、非常に厳しい経済状況だというふうに思います。この二十年間見ても、リーマン・ショックがあったりとか、それから東日本大震災があったりとか、いろいろとあったわけですから、非常に厳しいというふうに思います。
 これは、年金保険料の上限というものが設定されておりますけれども、将来引き上げるということはないということでよろしいんでしょうか。

#97
○政府参考人(高橋俊之君) 公的年金制度、二〇〇四年の改正におきまして、将来の保険料水準の上限を固定する、そしてまた、その収入の範囲内で給付水準を時間を掛けて調整するマクロ経済スライドの仕組みを導入する、そして将来世代の負担が過重なものとなることを避けながら、将来世代の給付水準を確保する年金財政のフレーム、こういったフレームの中で行っているわけでございます。
 そういった意味で、足下の一時的な変動を重視すべきものではなくて考えていく必要があるわけでございますが、今後とも、その枠組みの中で物を考えますと、年金の財政フレームの中でその保険料率自体の引上げを行うといったことは検討の過程に上がるということではないのではないかなと考えてございますが、そもそも人口構造の変化、生産年齢人口が減少する中で健康寿命も延びておりますので、できるだけ働き手、労働参加を広げていくと、そういったこと、あるいは生産性の向上ですとか賃金の全体の水準が上がっていくと、こういったことの中で支え手が広がったり、あるいは賃金水準が上昇して保険料水準が全体として取れると、そういったことの展望もこれまたあるのではないかと、あるいはそういったためにどういったことをしていけばいいかと、こういう全体の中で年金制度を考えていく必要があるんではないかなと考えてございます。

#98
○東徹君 是非、年金財政検証も今回だけはちょっと前倒しでやった方がいいんじゃないかなというふうにも思ったりもしますので、ちょっと時間になりましたので、これで質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#99
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。
 前半は、新型コロナウイルス感染症に対する対応について質問をさせていただきたいと思います。
 先週の五月十三日に新型コロナウイルスの抗原検査キットが承認をされました。これ、報道ベースでは、この検査キットは、今までPCR検査をやっていたような施設、例えば帰国者・接触者外来ですとかあるいは一部の発熱外来とか、そういったところで使うというふうな報道をされております。
 一方で、私の問題意識としては、やっぱりこれだけ短時間で判定ができるキットが承認をされたわけですから、例えば今救急でも発熱の、例えば交通事故の患者さんとか、あるいは発熱をしている心不全の患者さんなんかも結構たらい回しのことが起きているというふうに言われていますから、そういった救急外来ですとか、あるいはもっと幅広くいろんな場所でこの抗原検査キットを使えるようにすればいいのではないかと、そういう問題意識を持っておりますが、そういう使用の場所の拡大、こういった検討というのはされているんでしょうか。

#100
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 委員から今御指摘ございましたが、先週十三日にこの抗原検査キットが薬事承認され、保険適用されておりますが、この検査に当たりましては、PCR検査と同様に適切な感染防護策を講じた上で検体採取を行っていただく必要があるということから、適切な検査実施体制が確保されている医療機関等に対して抗原検査キットを供給していくこととしております。
 また、この抗原検査キットの特徴として、無症状者では検査前確率が低いことが想定されまして、無症状者に対するスクリーニング検査目的の使用は適切な検査性能を発揮できないことから現時点では推奨されず、感染を疑う症状がある方であって検査を実施する必要がある、医師が判断した場合に使用するというふうにされております。
 五月中は四十万回分の供給見込みということでございますので、まず、ニーズや緊急性を踏まえまして、帰国者・接触者外来や検査センターにつきましては、最近の新規感染者数が多い都道府県の施設等を優先した上で月末には全国の希望する施設に配布していく、あるいは中核的な機能を果たしているとか感染リスクが高い医療機関にも優先的に配布していく、あるいは院内や施設内感染の発生事例のそのクラスター対策として国立感染研にストックした上で発生した医療機関等で個別に対応するというようなこととしているところでございます。
 厚労省としては、この抗原検査キットを活用することが想定される医療機関において幅広く実施していただけるように周知に努めますとともに、開発企業と協力して更なる生産性の拡大に努めてまいりたいというふうに考えております。

#101
○梅村聡君 今お答えいただいたように、いわゆる感度がPCR検査に比べて低いので、だからその症状がない方にずっとやっていくことというのは余り適切じゃないと、検体採取に関してはPCRと同じ条件が必要だから、ある程度の施設を絞っていくと、そういう答弁をされたんですけれども、これ、もう一つ、報道ベースの話によりますと、この抗原検査キットは感度がPCRに比べて低いので、陰性と出たら、陰性と出た人のPCR検査をもう一度やってもう一回チェックをするというふうに報道されていますけど、これ、ちょっと数字で考えたら結構な手間になるんじゃないかなと私たち考えているんですね。
 どういうことかといいますと、じゃ、例えば一万人の人に検査をしたとしますと、例えばその病気、新型コロナウイルスの方が五%いたとしたら患者さんは五百人いるんですね。一万人検査して五%だったら五百人ですよね。仮にPCR検査の感度が七〇%として、この抗原検査のキットの感度が六〇%としますと、PCR検査陽性に出る人が三百五十人なんです。で、この抗原検査キットで陽性と出る人が三百人なんですね。そうしたら、三百五十と三百ですから、この五十人の差を見付けようとするがために、抗原検査の三百人以外、九千七百人をもう一回PCR検査しないといけないんですよ。これ、結構大変なことだと思うんですね。
 このPCR検査と抗原検査の感度の差のこの部分を見付けるために、抗原検査に引っかかってこなかった人全員PCRやるとなると、これほぼ一万人もう一回検査するのとほとんど作業は変わらないと思うんですけれども、これ膨大な、まあ無駄とは言いませんけど、物すごい作業量になって、これ余計現場に負担が掛かるんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

#102
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘がございました抗原検査キット、PCR検査と比較して感度が低いという点も踏まえまして、そのPCR検査の前段階として実施することとして、陰性であった場合に再度PCRを行うということを想定しておりますが、今の話の流れの中で、抗原検査キットで陽性が出た場合にはもうその段階で確定診断ということになりますので、その分はPCR検査を実施することがなくなりまして、入院措置等を行うことができるので、トータルとしてPCRの実施件数というのは減っていくんじゃないか。要するに、パイが増えなければ、その分、抗原検査で陽性とした分が除かれるので、PCRの分は逆に減っていくんじゃないかということで、実際、現場での負担というのもそんなに過重にならないんじゃないかというふうに考えておりますし、ただ、PCRにしても抗原にしてもそうなんですけれども、そもそも、今の相談センターとか接触者外来の関係は、いろいろとそういう意味で業務が大変になっているということもありますので、ほかのドライブスルー方式とか検査センターのそういう取組も引き続き進めていって、しっかり体制はつくっていきたいというふうに考えております。

#103
○梅村聡君 一万人が九千七百人になるから三百人分は助かるという考え方だと思いますけど、現実にマスでやればほとんど作業量変わらないんじゃないかなと思うんですね。
 それよりも、先週私がお話ちょっとさせていただいたように、感度がこれぐらいの検査なんだと、PCR検査の感度が一〇〇%で抗原検査の感度が六〇%なんだったら今の考え方も一つやと思いますけれども、どっちも一〇〇%じゃないんですから、これぐらいの感度のものだということを世の中に発表されて、一〇〇%じゃないんですということの前提で検査を進めていけば、九千七百人をもう一回PCRするという作業は私はしなくてもいいんじゃないかなという感想を持っています。ですから、やっぱり感度とか特異度というものをしっかり調べて、それを世の中に発信していくということは大事なことじゃないかなというふうに思いますので、また是非運用を改善して、あっ、大臣、お答えありましたらお願いいたします。

#104
○国務大臣(加藤勝信君) 局長の話にも入っていたとは思うんですけれども、取りあえず今、当座ですね、当座、要するにこの五月に配る部分等を使って、今委員御指摘のように、PCRとこれがどの程度違うのか。今言った七〇と六〇というお話ありました。七〇と六〇なのか、七〇と五〇なのか、いやいや、七〇と六五なのか、この辺ちょっと見極める必要があるんだろうということで、取りあえず実際の実施に当たっては、もう拭うときには二つ一遍に拭ってもらって、大変ですよ、そこは大変なんですけど、ただ、それ一定のサンプルの中でやっていこうと思っています。そこで答えが出てくれば、それに応じて、今委員御指摘のように、ほぼ二割だった、だったらこうだと、かなり違うというんだったらどう使うのかという使い方に出てくるんだろうと思います。かなり近いものであれば代替的に使っていくという、そして、よりシビアに見なきゃいけないところはPCRでお願いをする、そうでないところは抗原キットで役割分担をするとか、そういうふうに考えていきたいというふうに思っております。
 最初の御質問にあった一般機関等も、まあ拭うという問題ありますから、これが本当に唾液まで行けば随分話が変わってくるんですけれども、いずれにしても、そうしたところにも量が増えていけば使っていただいて、いろんなレベルのいろんな医療機関の中で、状況状況に応じてこのPCRやあるいは抗原キットが使ってもらえるような、そういう状況を私たちも目指していきたい。
 そのためにも、これが使えるものであれば、抗原キット、今四十ですけど、来月になったら倍になるということであります。それから更なる生産の増量といったものも当然我々としても考えていかなきゃいけないと思っています。

#105
○梅村聡君 是非データを、早く目安を出していただくということをお願いしたいと思います。
 それではもう一つ、これは先週の本会議場で私も総理に質問したんですけど、ちょっとアビガンの使い方についてお伺いをします。
 これは、はっきりしてきたことは、いわゆる企業治験というやり方から、臨床、観察研究のデータをそこに入れて、そして承認を前倒ししていくという、こういうやり方をしていくんだということが答弁の中で分かってきましたけれども、使い方がどうなのかって話なんですね。企業治験を最後まで、六月末までやって使い方というものが承認される場合と、今回前倒しをするわけですから、今まで日本ではやってこなかったというか、そういうやり方の承認だと思うんですけど、そうなると使い方というものもかなり限定されるんじゃないかなというふうに私は感じています。というのは、当初の承認をするときの観察例とかはもうちょっと多かったわけですから、今回、五月中に承認されるとなればかなり限定的に使い方を限定されるんじゃないかというふうに思っています。
 最終的には、やっぱり軽症者の方も含めて、じゃ、例えばこれを外来で処方するのか、あるいはもうちょっと幅広く使ってもらえるのかということを考えれば、限定された使い方から、もう少し治験も同時に進めていただいて、そして、使い方もより幅広にしていただくということが大事なんじゃないかなと思いますが、この使い方に関してはどうなっているんでしょうか。

#106
○政府参考人(鎌田光明君) お尋ねのアビガンについてでございますが、現時点では、御案内のとおり、承認申請もされてございませんので、現時点で投与対象をどうするかということは、申請を待って、適正使用の在り方を含めて今後検討させていただきます。
 ただ、一般論といたしまして、承認後に得られたデータに基づきまして、適正使用の在り方を含めまして安全対策措置の変更ということは行ってございますし、また、先生が、議員がお触れになられた新型コロナウイルス感染症に対する医薬品につきましては、先日出しました通知に基づきまして、承認後に治験等の成績が出れば、それを踏まえまして必要に応じて承認事項の変更なども行っていくこととしております。
 ただ、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、承認審査でどのようなことをするか、条件を付けたりするか、あるいは、その後の安全対策をどうするかということは、企業からの申請を待ちまして、得られたデータ、治験に基づきまして有効性、安全性を評価して適切に判断していくということを考えているところでございます。

#107
○梅村聡君 要は、前倒しにしたからこの使い方だということではなくて、やっぱり不断の、データを集めていただいて、一番適切な使い方というのを考えていただければと思います。
 済みません、新型コロナ、もう一問だけさせていただきたいと思いますが、本来、電話による再診とか、それからオンライン診療、これが臨時的、時限的に今回規制が緩和をされました。二月の当初は、電話再診で、要は今までもらっていた慢性病の薬を継続して出してもらえると。ここから随分広がってきまして、慢性病でも症状が変わった場合でもオーケーだと。そのうち、今までかかっていなかった方も慢性病だったら出せるとか、あるいは、全くの初診でも、そういう特別な地域においては電話初診あるいはオンライン初診ができるということになりましたけど、これはあくまでも臨時的、時限的措置だと思いますけれども、これ、いつまでを臨時的、時限的措置にされるんでしょうか。これ、緊急事態宣言とこれは絡んでいるのかどうかも含めて、お答えいただきたいと思います。

#108
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 新型コロナウイルスの感染が拡大する中におきまして、患者さんと医療従事者双方の安全、安心を確保する観点から、オンライン診療を含みます、電話再診も含みます遠隔医療の活用は重要と考えております。
 このため、御指摘のとおり、新型コロナウイルスの感染が拡大し医療機関の受診が困難になりつつあることに鑑みた時限的、特例的対応といたしまして、初診も含めまして、医師の責任の下で医学的に可能と判断した範囲におきまして、希望する患者が電話や情報通信機器を用いて診断、処方を受けられることといたしまして、診療報酬におきましても、電話等を用いた初診を行った場合に初診料二百十四点を算定可能とするなどの対応を行ったところでございます。この時限的、特例的対応につきましては、感染が終息するまでの間の対応といたしておりまして、必ずしも緊急事態宣言とリンケージしているものではございません。
 特例を終了する具体的な時期につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大あるいは医療機関等の状況を踏まえながら、今後、専門家も交えて議論した上で検討してまいりたいということでございます。

#109
○梅村聡君 状況を見ながらということだと思いますが、これ、私からの要望なんですが、是非、今回の電話診療あるいはオンライン診療が医療機関、患者さんにどんな影響が出ているのかということをしっかり調べていただきたいと思います。というのは、今のままでいきますと、結局、これ臨時的、時限的だから、終わればそれで全てがなくなるということだと思いますけど、やっぱり、例えば在宅医療の現場なんかでも意外と携帯電話を使うということが役に立っているじゃないかという状況なんかもあると思いますので、是非どういういい面があるのかということをピックアップしていただいて、これが時限的、臨時的で終わるんではなくて、恒常的な仕組みとして残っていく部分はどこなのかということも是非考えていただければなというふうに思っております。
 それでは、本日の国民年金法等の一部改正案についての質問をさせていただきます。
 今回、一つの大きなテーマは被用者保険の適用拡大ということになると思いますけれども、二〇一六年十月から今の短時間労働者への適用拡大が行われましたけれども、その対象は五百人以上の事業所だということになっておりました。それ以外の条件は、今回変わるのは企業規模と、あと勤務の見込み期間、ここが今回の法案の中では改正されるというふうに書かれておりますけれども、ということは、これ学生さんを除外するということについては、この条件は今でも残っているんだと思います。
 一般的には、学生さんというのは高校生、大学生、短大生ということになるかと思いますが、大学院生はどうなのかなということなんですね。今までは、会社の業務命令等で大学院に行きなさいといった方については、これは適用除外ではありませんから保険適用される、被用者保険が適用されるということなんですが、二十時間になってきますと、やっぱり大学院の方でも週二十時間働く方というのは出てこられると思うんです。大学院生は、これは今、大学院大学になっていますから、結構年齢が高かったり御家族を持っていたりすることがあるかと思うので、私は、ここ学生適用除外かもしれませんが、大学院生をどうするかということは、ここはテーマとして残ると思うんですが、これについての見解をお伺いします。

#110
○政府参考人(高橋俊之君) 学生の適用を除外していることを今運用している理由、経緯でございますけれども、学生につきましては学業修了後に本格的な就労を控えた時期であると、その期間は通常は短期間にとどまるということから、学生の期間中の短期間の就労につきましては、前回の適用拡大の際には、被用者としての保障を受ける必要が比較的高くないでありますとか、あるいは頻繁な入職、退職に伴う事業所の事務負担があると、こういった理由で適用除外とされた経緯がございます。今回もそれの関係では維持しているわけでございます。
 こうした趣旨は大学生のみならず大学院生につきましても変わらないということで、基本的には大学院生も学生要件によって適用除外とした上で、今御指摘いただいたような社会人大学院生のような、雇用関係を存続して、事業主の命によって、事業主の承認を受けた大学院生、これは適用とすると、こういった例外を設けているわけでございます。
 その上で、御指摘いただいたように、博士課程在籍者のように学生である期間が比較的長期間に及ぶ方でございますとか、あるいは学び直しの方でございますとか、学生像や働き方の多様化も進んでおりますので、そういった状況の変化もしっかり注視しながら、引き続きの今後の検討課題とさせていただきたいと考えてございます。

#111
○梅村聡君 特に、週二十時間まで拡大されていますから、この博士課程の方というのは、やっぱりこれ年齢も三十代の方も結構おられると思いますので、将来の経済基盤のことも考えたときに是非ここは考えていただきたいなというふうに思います。
 それからもう一つは、これも五百人超規模の会社では既に起こっている課題だと思うんですが、いわゆるダブルワークの問題ですよね。これ、三十時間以上という場合は、労働基準法から考えて、なかなかダブルワーク、二つの会社で被用者保険を適用されるということはほとんど考えにくかったんですが、今、五百人超の規模の会社では、ダブルワークで、そして両方の会社で被用者保険が適用されると、こういうことが現実的には起こってきているんだと思います。
 これ、手続的に言うと、二つ両方適用される場合は保険料なんかも案分しなければいけませんので、まず従業員本人が自分は両方共に適用されるんだということにまず気付かないと駄目なんですよね。まあ教えてもらう場合もありますけれども、気付いた上で、正式にはこれ健康保険厚生年金保険所属選択二以上事業所勤務届、これを作成して年金事務所とかそれから健康保険組合に提出をすると、そこから手続がスタートするということですけれども、これに気付かなければ、後になって気付いて、一つの会社が、ああ、そうだったのかといってまた手続に忙殺されるということが、事務手続上は煩雑なことが起きてくるので、やっぱり今回の、まあ前回の二〇一六年からそうなんですけれども、従業員本人がこの仕組みをきちっと理解をして、自分はその適用対象なんだと気付くように、本人さんへの周知徹底が必要だと思うんですが、これについてはどういう対策を考えておられますでしょうか。

#112
○政府参考人(日原知己君) 今お話をいただきましたように、被保険者の方が同時に二か所以上の適用事業所に勤務されている場合には、御本人からその二以上事業所勤務届を年金事務所に出していただく必要があるということになってございます。
 現在、こうした被保険者の方に対しましては、こうした事務手続の流れ、書類の提出方法について日本年金機構のホームページで周知に努めておりますほか、御指摘の勤務届が未提出であると思われる方に対しましては、日本年金機構から文書で提出の勧奨を実施させていただいているというところでございます。
 今回の適用拡大に伴いまして、こうした複数の事業所で適用要件を満たす方というのは増加が見込まれますので、この適用拡大の対象となる方あるいは事業者の方に向けた分かりやすいパンフレットを作成していくなど、制度の周知徹底に努めていきたいというふうに考えてございます。

#113
○梅村聡君 従業員というか労働者にきちっと通知をするという、後押しするということと、それから、やっぱり書類も結構ややこしいみたいでして、書き方がどうなんだという、そういう問合せなんかも結構あると言われているので、できるだけその書類の簡略化なんかも進めていただきたいなというふうに思います。
 同じようなダブルワークが生じたときに、今度は、事業者側にもどういう通知をしていくのか、どうやって事務作業を減らしていくのかということは結構大事なことだと思うんですが、今回、五十人超規模まで最終的にはなりますので、やっぱりかなりの企業がその対象になると思います。
 それから、今たまたまダブルワークと私一言で言いましたけど、ダブルワークでも、片一方の会社が例えば季節変動があったりとかしてそのダブル適用が抜けたりとか、あるいは、ダブル適用じゃなかったのに、労働時間が増えてくることによって結果的には被用者保険にダブルで入るという、途中で動いていく場合もあると思うんですね。
 ですから、今度は、従業員だけじゃなくて、そういう事業者側へのこういった手続の必要性、これからどんどん言っていかなければいけませんし、あるいは、今申し上げたような途中で切り替わっていくような複雑なこともありますので、事業者側にどういう対応を考えておられるのか、これもお伺いしたいと思います。

#114
○政府参考人(日原知己君) 今御指摘いただきました事業所側への事務負担の軽減あるいは円滑化という観点で申し上げますと、今後、事業所におきます事務処理、これに関しましてマニュアルを分かりやすい形で整備、周知を図らせていただくということ、それから、この適用拡大に際しましては、日本年金機構の方から企業におきます説明会へ講師を派遣させていただくといったことを進めたいと考えておりますけれども、そうした中で、この二以上事業所勤務の場合の手続についても御説明をさせていただくと。こういった取組によりまして事業所側の事務負担の円滑化にも努力をしていきたいというふうに考えてございます。

#115
○梅村聡君 本来、今回の法改正の目的は、やっぱり短時間の労働者に対しても将来の経済基盤を、老後の経済基盤をしっかり用意するということが本来の目的ですので、このダブルワークで事業所が余りにも忙殺されるというのはちょっと副作用みたいな話ですので、この点に関しては十分対応していただきたいというふうに思います。
 もう一つは、前回労災認定のときにもあったんですけれども、ダブルワークの本当の、もっと短時間の方をどうしていくかという課題はあると思います。
 例えば、今、二十時間以上の方は今日のこの内容でいけるかと思うんですが、例えばA会社で十八時間とB会社で十五時間と、三十時間超えるわけですよね。だから、以前の基準でいけば十分これは被用者保険適用される方が、現実的にやっぱりここが網が漏れてくるということになると思います。
 今回は、それは法案改正の中では適用の話ではないんですけれども、これから将来にわたってダブル、トリプルと、いろんな働き方があるわけですよね。こういった方々をどのように被用者保険で考えていくのか、あるいは、今の一号、国民年金の中でどうしていくのか、こういう議論に関しては審議会等で何か議論が出ているのか、また、その紹介をお願いしたいと思います。

#116
○政府参考人(高橋俊之君) 今御指摘いただきました単独の労働時間、一つ一つの事業所では社会保険適用、二十時間超えないけれども合算すると当たるというような、そういった方につきましての議論、社会保障審議会の年金部会でも議論が出てございます。
 ただ、なかなか具体的には課題があるなということでございまして、一つは、現行の被用者保険の基本的な枠組みは、事業所単位で適用関係をする、適用関係につきましての事業主が届出等をする責任を設定すると。こういったこととの関係で、どのように整理するかと。また、複数事業所における労働時間や賃金、お互いに、各事業所、相手のことを知らないわけでございまして、そこの把握というのが非常に困難で、実務上実行可能かどうかと。
 それからまた、短時間労働者への適用拡大につきまして、現在、週二十時間以上の労働時間要件を設けた上で、まずは企業規模要件を段階的に縮小していると。こういった途上の中で、個々の事業所で労働時間が二十時間未満でも複数合算すると該当すると。やっぱり、こういった課題につきましては、まずは二十時間の規模要件の解消をした次の段階としての議論になるんでしょうけれども、そこまでちょっと議論につきまして事業主側の理解も得られるかという、多分幾つかの課題があろうかと思います。
 しかしながら、重要な論点ではございますので、労働法制上の進展ですとか社会保険についての様々な課題を含めてどのように整理すべきか、引き続き検討してまいりたいと考えてございます。

#117
○梅村聡君 私もこれ、ちょっとここまではアイデアがないんですけれども。というのは、とても膨大な鑑定作業ということが必要になってくると思いますので。ただ、一方で働き方が多様化していますので、是非この点は考えていただければなというふうに思います。
 もう一つは、今回、国民年金手帳、まあ私も二十五年前にもらったやつがまだあるんですけど、この手帳からいわゆる基礎年金番号通知書への切替えということが今回の法案の中に入っております。私も余り年金手帳を見ることがないので、この質問をするときにちょっと見たら、手帳ですから、何ページかいろいろ書いてありまして、その用語の解説であるとか、それから届出ですね、二号から例えば一号に切り替わったときはここへ届け出てください、そういうものが書いてあるわけなんですけれども、今回、この基礎年金番号通知書というものは具体的にどんな様式でどんなものが書かれてあるのかと。やっぱりこれ、恐らく二十歳になって最初に届くものだと思いますから、そこに是非、年金の基本的な用語解説とかあるいは届出の仕方とか、どんな種類があるのか、あるいは今回出ている被用者保険、この適用の条件というのはどういうものかと、そういうものも同時に届け出るような、そういう取組をしていただきたいと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。

#118
○政府参考人(日原知己君) この度、年金手帳に切り替えて交付する予定でおりますこの基礎年金番号通知書でございますけれども、こちらの記載内容につきましては、その基礎年金番号や氏名の記載、こちらを基本とする予定でございます。
 ただ、御指摘を今いただきましたように、送付に当たりましては、引き続き年金制度ですとかそれから被保険者の方に行っていただく届出、こちらに係る周知も行いますように、お届けをする際にはこれ必要な資料を同封したいというふうに考えておりまして、具体的にどのような内容のものとすることが効率的、効果的かということをしっかり検討してまいりたいというふうに考えてございます。

#119
○梅村聡君 時間が来たので終わりますけれども、今日のテーマは、これ非常に仕組みとしては、さっきiDeCoでもお話が出ましたけど、要するに、被保険者本人が自分がどのような状態であるかということがなかなか分かりにくいというのが今の年金、健康保険を始めとする制度の課題でありますので、是非、本人がどうすれば知ることができるのか、このことについて十分注意を払っていただいて考えていただきたいというふうに思います。
 以上で終わります。ありがとうございます。

#120
○委員長(そのだ修光君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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