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1951/05/24 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第75号
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1951/05/24 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第75号

#1
第013回国会 大蔵委員会 第75号
昭和二十七年五月二十四日(土曜日)
    午前十一時二十六分開議
    ―――――――――――――
 出席委員
   委員長 佐藤 重遠君
   理事 小山 長規君 理事 佐久間 徹君
   理事 松尾トシ子君
      有田 二郎君    島村 一郎君
      清水 逸平君    苫米地英俊君
      夏堀源三郎君    宮幡  靖君
      高田 富之君    深澤 義守君
      久保田鶴松君    中野 四郎君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  西村 直己君
        大蔵事務官
        (主計局長)  東條 猛猪君
        大蔵事務官
        (理財局長)  石田  正君
        大蔵事務官
        (理財局次長) 酒井 俊彦君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  河野 通一君
        大蔵事務官
        (銀行局銀行課
        長)      大月  高君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主税局税関部
        調査統計課長) 藤田  茂君
        大蔵事務官
        (理財局総務課
        長)      宮川新一郎君
        大蔵事務官
        (理財局管理課
        長)      横山 正臣君
        専  門  員 椎木 文也君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
五月二十四日
 簡易生命保險及郵便年金特別会計法の一部を改
 正する法律案(内閣提出第二四一号)
 資金運用部資金法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第二四二号)
同月二十三日
 金融機関従業員の給与に対する大蔵省の干渉及
 び統制の排除に関する請願(佐久間徹君紹介)
 (第三〇四五号)
 公認会計士法の一部を改正する法律案に関する
 請願(田中啓一君紹介)(第三一三五号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 国民金融公庫貸付金割当に関する陳情書(鹿児
 島県議会議長米山恒治)(第一九四三号)
 葉たばこ收納取扱所の整理統合に関する陳情書
 (鹿児島県議会議長米山恒治)(第一九四四
 号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 長期信用銀行法案(内閣提出第一一三号)
 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に
 伴う措置に関する法律案(内閣提出第一九〇
 号)
 昭和二十七年度における行政機構の改革等に伴
 う国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に
 関する法律の特例に関する法律案(内閣提出第
 一九七号)
 接收貴金属等の数量等の報告に関する法律案(
 内閣提出第二三一号)
 貴金属管理法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一二九号)(参議院送付)
 日本品の輸入関税に関する件
    ―――――――――――――
#2
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 議案の審査に入ります前にちよつとお諮りいたします。去る二十日本委員会において夏堀委員から米国の関税政策に関し、日米経済協力の線を堅持する意味において、アメリカ政府あるいはその他の機関に対して適当にこれを懇請すべく、委員長に対し特段の御処置を願いたい旨の御発言がありましたが、このときの速記録はただいまお手元に印刷物として配付してありますので、書類によつてごらん願うこととし、委員長といたしましては理事諸君と協議の上、次の決議を本委員会で御協議願い、議長に報告してアメリカ政府並びに関係機関に対し、伝達方を依頼いたすことに決定いたしました。
 次にその決議案文を朗読いたします。
  日本品の輸入関税に関する件
  現在アメリカ合衆国において採られつつある日本品の輸入関税の引上げについては、日米間の友好的経済協力が日米相互の利益となることに鑑み、本委員会はアメリカ合衆国が、急速に、好意ある取扱をされることを要望するものである。
  右決議する。
 本決議を委員会の決議として決定し、議長に報告の上、米国政府その他の関係機関に伝達方を依頼することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○佐藤委員長 御異議ないようですからさよう決定いたします。
 なお議長のもとに提出いたします報告書の件につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
    ―――――――――――――
#4
○佐藤委員長 次に長期信用銀行法案、貴金属管理法の一部を改正する法律案、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案、昭和二十七年度における行政機構の改革等に伴う国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の特例に関する法律案、接收貴金属等の数量等の報告に関する法律案の五法案を一括議題として、質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許可いたします。有田二郎君。
#5
○有田(二)委員 長期信用銀行法案について、銀行局長に御答弁をいただきたいと思います。昨日の委員会で大体の線が出て来たわけでありますが、昨日も申し上げましたように、拓殖銀行なり勧銀が商業銀行として片方でやりながら、片方で債券を出して行くということは一定のわらじである。これは他の銀行に比べましてアンバランスで、これは断固として排斥いたしまして、一足のわらじにすべきことはもちろんであります。結局商業銀行として将来成り立つて行くということにつきまして、昨日拓銀なり勧銀の方々に私が質問をいたしました要旨につきましては、当時銀行局長もおられましてお聞きになつておられる通りであります。ここで大きく問題になるのは、日本銀行との関係とそれから銀行支店設置の問題であろうと思います。私の調査いたしました状態では、大体東京におきまするA級銀行の支店を調査いたしますると、一番少いのが三和銀行で二十四店でございます。それから大阪におきまするやはりAクラスの銀行の支店の一番少いところは、第一銀行で十二という数字です。それに対しまして現在の勧銀の店を調べてみますると、東京におきましては十一店であります。それから大阪におきましては六店であります。こういうような状態でこれが市中銀行として、商業銀行として発足して行くのにつきましては、現状のそれらの最低線を持たなければならない。しかも御存じの通りに第一銀行は東京に本店を持ち、三和銀行は大阪に本店を持つているのでありまするから、東京における二十四以上でなければなりませんし、また大阪の十二以上でなければならぬと考えられるのでありまするが、これに対する銀行局長の御所見を伺いたい。
#6
○河野(通)政府委員 長期信用銀行法案を御議決いただきまして、それが施行されましたあかつきにおきましては、お示しのようにおそらく勧業銀行及び北海道拓殖銀行は商業銀行に転換することになる。その場合におきまして、結局預金に営業の資源をもつぱら仰ぐということに相なるわけでありまするから、預金というものがお話のように店舗に依存する度合いが非常に大きいということも、十分考えて参らなければならないことであると思います。現在の勧業銀行は、御承知のように従来の戦争中からの古い特殊銀行としての勧業銀行を、そのまま引継いで参りました関係上、店の配置等は必ずしも商業銀行の店の配置に適合いたしているとは申しがたい。これらの点につきましては十分に考慮をいたしまして、この転換にあたつて、大都市商業銀行としての勧業銀行が、営業上財産上におきましても、また資金量におきましても成り立つて参りますように、十分配慮をいたして参らなければならぬ、かように考えております。その点におきまして、今具体的にお示しのように、東京に本店を持つている大銀行の東京における店の数、あるいは大阪に本店を持つておりまする大銀行の東京における店の数、少くともその程度のものは必要ではないかというお話でありますが、今後銀行が商業銀行となりましたあかつきにおきまして、発展して参るに応じまして、店の配置につきましては十分考慮いたして参りたいと思います。しかし今有田先生からお示しのような、大阪における第一銀行の店の数、あるいは東京における三和銀行の店の数等と比較して、絶対数においてこれよりも多くするということを一挙に行つて参ることは、必ずしも私は必要ではないと考えるのであります。逐次大銀行、大都市銀行としての体裁及びそれにふさわしいような店舗の配置を、だんだん整えて行くということについては、これはどうしてもやつて参らなければならぬ。時期及び方法、具体的な数等につきましては、御趣旨の点は十分含んで善処いたしたいと考えますが、今ただちに一挙にそこへ持つて行くということは、いろいろ準備の都合もございましようし、必ずしもその必要はないと考えているのでありまして、行く行くはそういうラインでこの問題の解決をいたしたいと考えている次第であります。
#7
○有田(二)委員 銀行局長は、自分の方で債権を打切るときは、一日も早いことがいいというような打切り方の方へ非常に努力しているが、商業銀行として発足するのに最低線のものは私は必要だと思う。三和銀行は大阪に本店があつて大阪には相当の店を持つているが、東京では非常に少くて二十四より持つてない。その最低線よりも上にしてやつてくれという私の話は、これは私は当然だと思う。それからまた第一銀行は東京では支店がたくさんあるが、大阪にはたつた十二よりない。その十二の最低線よりは上にしてやつてくれということが、必ずしもその必要がないということは私は当らぬと思うのですが、もう一ぺん御答弁を願いたい。
#8
○河野(通)政府委員 第一銀行と勧業銀行と比較いたしますると、勧業銀行は今過渡的な状態にありますので、必ずしも今の状態をそのまま預金銀行として比較するということは、適当でないと思いまするが、預金量から申しましても、御承知のように大阪における店は、勧業銀行の方が第一銀行の大阪における店よりも多くなければならぬということには、必ずしもならぬと思うのであります。店舗の配置につきましては、大阪とか東京というような大都市に集中をいたして参りますことがいいのか、あるいは勧銀等は昔からの取引の状況等もありますので、やはりある程度地方の都市等に分散した形でやつて行くのがいいか、この点につきましてもおのおのその銀行の性質等も十分考えて参らなければならぬ。私どもは大銀行の店があまり地方に出て、地方の銀行の業務を圧迫するということになりますことは、これはまた行き過ぎになつてはいけないということで、店舗の配置につきましては十分な調整を加えているのでありますけれども、同じ大銀行におきましても、やはりそこにはおのずからニユアンスがあるわけでありまして、東京なり大阪なりに店舗の配置の数から行きまして、非常にウエートを重く置いている銀行と、同じ大銀行のうちでも、やはり東京、大阪にもちろん重点はありますけれども、地方都市にも相当足場を持つて活動いたしている銀行もあるわけであります。これらの点につきましてはやはり各大都市の銀行の業務の性格と申しますか、そういう特色を十分生かして行くことが必要であろう。非常に失礼な申し分でおしかりを受けるかもしれませんが、必ずしもこの問題はそうしやくし定規に、第一銀行の大阪の店の数よりも多くなければならぬというふうに、割切つて考えることが適当であるかどうか、しばらく研究をさせていただきたい。御趣旨の点は十分伺つておきます。
#9
○有田(二)委員 この点は法案を通す上において必要なことです。そう簡単にまかせられぬのです。長期信用銀行法案を通す上において、あと勧銀が商業銀行としてうまくやつて行けるか、どうかということについて関心を持つのはあたりまえのことで、お尋ねしたいのは、三和銀行の大阪における支店の数と東京における支店の数、第一銀行の東京における支店の数と大阪における支店の数、これをお示し願いたいと思います。
#10
○河野(通)政府委員 お答え申し上げます。第一銀行の東京における支店の数は三十一であります。大阪における支店の数は今お示しのありましたように十二であります。三和銀行の東京における支店の数はこれもお示しがありましたように二十四、大阪における支店の数は五十二、こういうことに相なつております。
#11
○有田(二)委員 そうすると私が今申し上げたのは、三和銀行が大阪では支店が五十二あつて東京に二十四ある。第一が東京で三十一あつて大阪が十二である。これは両方とも大阪、東京における最低線のところから見て参つたのでありますが、これに対して勧銀がどういう要求をいたしているか知りませんが、この両方の最低線以上のところに許可をいたすべきだ。三和銀行にしましても、かりに最低線としましたら東京が二十四である。その場合は第一銀行は東京は三十一だ。ですから三和銀行の例を見ますと、大阪に五十二店があつて東京に二十四店。従つてこの最低線の東京二十四、大阪十二の上を行くべきであるという私の考え方が、間違いであるという結論には私は納得できない。これははつきりしてもらいたい。おそらく勧銀は商業銀行として好んでいないのです。きのうの答弁にある通りそれを好んでいないけれども、われわれが国会においてそういう商業銀行と債券と両方二重のアンバランスなこともやることはいけないということを、私は予算委員会でも再々大蔵大臣にこの点をつき、また大蔵委員会においてもこの点を私は大蔵大臣についておつた。その他の原因もあつたでしようが、ここに長期信用銀行法案というものが出て来たのは、まことにけつこうなことであります。長期信用銀行法案の通ることを、われわれは大いに歓迎するのでありますが、一方に商業銀行を好んでおらない勧銀のことが一つあるわけです。この銀行が将来においてやつて行けるという見通しがつかなければ、この法案を通すことはできぬのです。それは当然のことであります。ですからそれに対するあなたの考え方、少くとも最低以上のところに目を通してやることは、私は当然の義務であたりまえのことだと思う。第一が東京が三十四で大阪が十二、三和が大阪が五十二で東京が二十四ということになりますと、私は勧銀がどういう要求をしておられるか知りませんけれども、おそらくこれより以下の問題であろうと思う。たとえば東京に支店がいるといいましても、今勧銀が東京にお店があるのは十一であります。従つて東京における第一銀行の三十一までにしようと思つたら、二十の支店をふやさなければならないことになるわけですから、そんな二十も支店をふやすということは、おそらく勧銀としてはお考えにはならないだろうと思うが、しかし少くとも最低の線である三和銀行の二十四以上は――これは東京に本店があるのですから、大阪に本店がある三和銀行が東京に二十四ある。それより以下の支店であるということは私は考えられないのです。また大阪における第一が十二であれば、少くとも十二かその辺の線までは私は持つて行くべきだ、こう思うのですが、さらに御答弁をいただきたいと思います。
#12
○河野(通)政府委員 長期信用銀行法が施行されまして、勧業銀行がかりに商業銀行に転換いたすというふうなことになりました場合に、商業銀行として成り立つて行くように、店舗の点についても、また経営の点についても十分に考えられることが必要であることは、御指摘の通りであります。私どもも行政上許された権限の範囲内において、極力商業銀行として成り立つて行くようにして参りたいと思うのであります。しかし有田先生のお言葉に返すようでありますが、店舗の問題は、必ずしも都市、特に東京とか大阪の大都市の、他の銀行の店舗よりもどうしても多くなければならない、最低線は必ず持たなければならぬということには、私は必ずしもならぬと思います。先ほどちよつと言葉が足りないようでしたが、申し上げましたように、銀行の店舗は、御承知のように第一銀行は今全国で八十七の店舗を持つております。三和銀行は非常に多いのでありますが、百八十七というふうになつております。勧業銀行は現在百五店舗を持つておりまして、第一銀行に比較いたしますれげ、店舗の数は多いわけであります。これは先ほどもちよつと申し上げましたように、おのおのその銀行の性質からいいまして、大都市に非常に集約的に店舗を配置いたしておりますものと、比較的地方の都市に分散いたしておりますものとが、同じ大都市銀行においてもあるわけでありまして、これらの点も十分考えてやらなければならぬ。必ずしも東京と大阪の店舗の数だけを押えるわけにも参りませんので、日本全体としての店舗の数をまず頭に置きながら、その中で東京と大阪にどの程度のウエートを置いて行くか、これは各銀行によつてみな違うわけであります。既存の商業銀行、プロパーの商業銀行の大都市銀行におきましても、おのおの東京、大阪とその他の地域における店舗の数のウエートというものは、それぞれ違つて来ておるわけであります。これはやはり同じ大都市銀行でありましても、その特色を生かして行くということが考えられなければならぬ。しかしいずれにいたしましても、勧業銀行がかりに商業銀行に転換いたしました場合には、今の店舗数では支障を来す、少くとも十分でないということは、これは有田さんのおつしやる通りだと思います。特にその点で一番大きい問題は、やはり東京とか大阪の大都市における店舗の配置が、やや手薄であるということも私は同感であります。しかし、具体的にその店舗の数を幾らにするかという点につきましては、今にわかにここで私から御言明を申し上げることは、なかなかむずかしいのであります。御趣旨の点は十分わかつておりますし、そういうふうな考え方で今後は進めて参りたいと思いますけれども、問題は程度の問題であろうと思います。重ねて申し上げますが、勧業銀行としてこれが商業銀行になりました場合には、日本全体における店舗の数もやや不足であります。それから特にこの中でも、東京、大阪については店舗の数が不足いたしておる。従つて今後商業銀行プロパーになりました場合には、できるだけその点に十分なる考慮を払いまして充実をはかつて参りたい、かように考えている次第であります。
#13
○有田(二)委員 お尋ねしたいのは、東京における市中銀行の一番お店の少いのは、おそらく第一銀行の三十一じやないかと思うのですが、どんなものでしよう。
#14
○河野(通)政府委員 東京に本店を持つておりまする銀行の、東京における店では、第一銀行の三十一が一番少いわけであります。
#15
○有田(二)委員 従つて銀行局長のお話によると――東京の第一銀行が三十一だから三十一以上にしなければならぬという意見ならば、あなたのお話も私は納得できる。しかも第一の支店が八十七よりないということは、帝国銀行と第一が近くわかれたということにも原因して、地方の方に少い。勧業銀行は御存じの通り各県庁の所在地には、勧業債券の発行その他の点で多かつたのかもしれませんけれども、とにかく全部ある。東京に店舗の一番少い第一銀行の三十一よりも多くしろ、少くともこの線までは持つて行かなければならぬという意見ならば、私はあなたのお話は納得できると思う。しかし私の申し上げているのは、大阪に本店があり、店舗が五十二あつて、東京に支店が二十四ある三和銀行の線と、第一銀行の三十一の店との間において、支店の設置が許可されるべきものである、こう私は考えるのです。これは無理を言つているのではない。当然長期信用銀行法案が通つたあとの問題について、大体支店のあり方について私たちが聞くのはこれはあたりまえのことだ。それからまた大阪においても、第一銀行が十二であれば、その十二を前後したところのものを勧業銀行に持たせるということは、これは無理な話じやないと思います。もう一ぺん銀行局長の御答弁を伺いたい。
#16
○河野(通)政府委員 御趣旨の点はよくわかるのでありますが、具体的に店舗の数を、必ず東京においては少くとも二十四、三十一の間、大阪においては第一の十二以上というふうに、数としてはつきりここで約束を命ぜられても、なかなか私としては実は御答弁がむずかしいのであります。これは卒直におわびを申し上げなければなりませんが、先ほど申し上げましたように、東京、大阪の勧業銀行の店舗の数は少い。現状においてはこれが商業銀行プロパーの形になつた場合には少い。従つてこれは商業銀行として、しかも大都市の商業銀行として成り立つて行くように、店舗の配置については十分考える。ただ具体的に、それでは幾つの店舗を認めるか、こういうふうな点につきましては、ただいまとしてまだ十分なるお答えができない。非常に申し訳ないのでありますが、お許しをいただきたいと思うのであります。
#17
○有田(二)委員 銀行局長の苦衷はよくわかりますから、あまりつつ込んでは言いませんが、常識で考えてそういうことが言えるわけなんです。勧銀は東京に本店があるのですから、商業銀行として出発させるのならば、第一銀行の最低の線が三十一ですから、三十一の前後のものを許可してやつてくれということは私は言い得ると思う。しわも大阪の三和の東京に支店を持つ二十四の線と、第一の三十一の線とのまん中くらいが私は妥当なところじやないか。これは長期信用銀行法案を通すのですから、約束はしてもらわぬでも、大体そんなところでしようくらい言つてもらわなければ、心配でわれわれは法案を通すわけには行かぬ。今まで三百億からの債券を扱わしておいて、びしやつと打切つて、その銀行を商業銀行としてあすから出発せいといつてやらせるのですから、アンバランスだからいけないというて支店をきめる以上は、あと商業銀行としてやり得る最低の線――ですから第一銀行が三十一だから三十一以上にしろという私の意見と同じなら、あなたの御答弁も私は当ると思う。あなたはなるべく行政府の権限に、立法府がくちばしを入れてもらつては困るというお考えだろうと思いますが、これは当然長期信用銀行法案を通す附帶的な條件です。最低の線を私は確保すべきであると思う。かような考えを持つておるので、必ずしますという御答弁は必要ない。私の申し上げる第一の三十一とそれから三和の二十四とこの中間のところで、何とか考えてもらいたいということが一点と、それから大阪における第一の十二という数が出ておるから、これと前後したところで十分な御考慮をしてやつてもらいたいという私の希望に対して、十分御趣旨に沿うように最善の努力をいたしたいという御答弁を得れば、私はこれで了承したい。銀行局長のさらに御答弁を求めます。
#18
○河野(通)政府委員 おしかりを受けたのでありますが’御趣旨は十分にわかりますので、できるだけ努力したいと思います。
#19
○有田(二)委員 質問を終ります。
#20
○宮幡委員 ただいま有田委員の質問を承つておりますと、なかなか結論に到達しないようですが、すでに長期信用銀行法案も、これは仕上げの段階に入つております。参考人の意見も聞きましたし、おおむねの見当はついたわけであります。私は第一番にこの法律案の配付を受けたとき感じましたことから、少しお尋ねしてみたいと思います。長期信用銀行法というものは、他の法令に比べて、相互銀行などは十九條か二十條ぐらいしかないのでありますが、これは二十二條ばかりあるのであります。普通銀行は三十何條、こういうことでありまして、内容の是非善悪はしばらく別といたしまして、この法律に基きますことは、大きな部面、大部分といつてもいいくらいが、行政運用というか行政措置にゆだねられるところの法律だという感じがいたしたわけです。従いましてこのままの法文そのものの、法律そのものの解釈よりも、むしろどうしてやつて行くのだということの方に重点があるがごとき感じを、初印象として持つたわけです。あまりあつさりした長期信用銀行法で、もつと丁寧に法律に書きそうなものだ、こういうふうな感じがしたのであります。しかしながらその後審議を続けて参りますと、一応この観念は薄らいで参つた。ところがただいま有田委員の質問等を伺つておりますと、なかなかむずかしい法律だ。やはりどの法律もそうでありましよう。いずれ政令なり省令なりというもので補足して、運用をなさるということはこれは必然であります。しかしほんとうの精神はなるべく委任立法的なものはやめまして、法律の上に明文を表わしたいというのが、現在の立法府としての考え方であろうと思います。そうしますと、すべてどういう取扱いをするのだかというようなことは、究極までひとつ確かめて参らないと、なかなか簡単な法律の條文だけに賛意を表することはできない。(「その通り」)そういうことになるのではなかろうか。せつかく忘れておりましたことが、有田委員の質疑応答の中におきまして、また私の頭の中に芽ばえて参つたのであります。もしこれを単純に通過成立せしめた場合において、われわれがひそかに期待しておりましたような方向とは違つた運用をされたと仮定いたしますならば、われわれの議決というものは、あるいは国民あるいは世間の期待にそむくのではなかろうかという心配が濃厚になつて参つた。支店設置の問題等はまつたくこれは技術的なものであり、しかもその土地の実情及び全体の金融機構といいますか、金融構造といつた方が当るかもしれないが、そういうものから大乘的に大蔵省が考えるべきものでありまして、算術的な数字をもつて云々すべきではなかろうとは存じますが、しかしある程度のものを認めて行くという――相当数のものは、どうせやるならやらなければならない。もしそれに不適格なものなり、あるいは不適当、行き過ぎというもの、あるいは金融行政の上に無用な摩擦を生ずる、いわゆる自由競争の弊害というものが助長されるのだというために、これを押えなければならないという特殊事情が出て来た場合は別でありますが、通常の観念においてはこの程度は認めて行く方針であるというようなことは、むしろはつきり言われた方が私は感じとして非常によいのであります。しかしこれは有田委員の質問でありますから、私がかわつてそれを取上げて結論を得ようとはいたさないのでありますが、そこで運用という面を配慮してみますると、なかなか問題があります。昨日の参考人の意見によりましても、実施期日を明年の四月一日以後にしてもらつたら妥当である、さもなければ、全般的に法の精神はよいが、時期尚早である、こういうような言い方があるようであります。尚早という意味はどういう含みをもつておつしやるのかと、私は参考人に反問いたしましたが、さつぱりそれに該当する答えが実はなかつたのであります。あくまで参考意見でありますから、究極までせんじ詰める必要がありませんから、それでとどめておきましたが、一体銀行局としてどう考えておるか。私どもが尚早であるということを緩和してやる場合には、さしあたつては対象が勧業銀行と北拓であります。こういうものは預金銀行として存続するのだということは、参考人がはつきりと申し述べておりました。しかしながら一面においては長期信用銀行にも協力を惜しまない、こういう言葉を言つております。その協力というのは何かみずから設立するという準備があるという意味が、あるいは他にできたもの、複数を認めるということになると思いますが、他に設立されることも考えられる。それに何かひとつ参加でもしようというか、その点ははつきりいたしません。しかしわれわれが施行の期日を相当延ばすべきである。たとえば暦によります昭和二十八年四月一日というようなことにこだわらずとも、延ばすべきだという観念は、もし勧業銀行なり北海道拓殖銀行なりが、現在の銀行は預金銀行として存続させるが、別に長期信用銀行をつくりたいのだ。こういうような希望があつたといたしますならば、その方法として一番何がよいかを順次考えていきますと、いろいろな方法があります。たとえて申しますと、勧業銀行に対して、別にまた資本金五億円を越えます要件を持つておりますところの単なる普通銀行の設立を免許いたしまして、そうしてまだ実施せられるまでは債券発行の能力が残つておるのでありますから、これに債券の発行をいたさせる。しかも進んで預金部資金等をもつて、これはいわゆる金融債として消化して参りまして、そうしてこの法律を施行いたします場合においては、附則の規定におきまして移行を認める、こういうようなことをいたすためには、相当法律の公布から実施の期間を置くということが、妥当であるというりくつになるのであります。こういう方法は一つの移りかわりのために考えられる構想でありまして、こういうことを、いやそういう新銀行は、商業銀行として残ろうとする勧業銀行のほかに、もう一つの預金銀行としての設立は免許しないのだと、大蔵省が行政方針としまして決定いたしたとするならば、この移りかわりの方法は運用されないことになる。しかしながら今の日本勧業銀行のほかに、もう一つ新勧業銀行と言つてもよろしい普通銀行を設立する。しかも債券を発行する法律の効果のある間に債券を発行する。しかもこれを預金部資金等によりまして消化せしめることを援助してやる。その銀行がかりに一月一日までにできましてそういう行動をする、そういう場合におきまして、今度は一月一日に長期信用銀行法が施行せられた場合に、ただちに移行さしてやる、こういうような取扱いができるとするならば、非常にそこにうまみがあろうと思います。すでに前段の質問におきまして、紙の債券の承継というものが法律にはきめてありますけれども、事実上困難であるということは、政府御当局も認められたわけであります。法律的にも実際的にもこれは行われるべきではない。しかしこういうことも行われ得るということを規定してあるだけであるという御答弁でありますから、その点は満足したわけであります。従いまして、紙の債券の承継ができない。三百億からの債券を順次返して行かなければならぬ。そして返した後に普通銀行として発足できる現在の勧銀であります。しかも別に長期信用銀行を設立いたしまして、そして今までのお得意様に対します長期部門のサービスを続けて行こう、こういう構想があると昨日の参考人の意見の中から察知しました場合においては、ただいま私の申し述べましたような移りかわりの運用ということは、必至であろうと思います。従いまして、こういう場合に暫定的な新銀行を設け、それを附則の第二項でありますか、二項の規定によつて移りかわりをさせるという御用意があるかどうか。この点をはつきりさしていただきたいと思います。
#21
○河野(通)政府委員 この法案が実施をされますまでの経過的な問題の前に、先ほど有田さんからお話がありましたが、店舗の問題について一言申し上げておきたいと思います。
 実は私あまりはつきりは申し上げられないのでありますが、店舗の数につきましては、実は大都市銀行の大都市における店舗の数が多過ぎるという説が現在あります。特に場所についてもいろいろ言われておりますが、軒並に大銀行の店舗が並んでおるではないか、非常にむだであるというような意見も実は出ておるわけであります。これらの点につきましては、私どもも十分その点には留意し、大都市銀行の大都市における店舗の配置につきましては、相当考えて参らなければならぬ点もございますので、今絶対数としてこれはお約束はできないということを申し上げたので、これは有田さんにお答え申し上げたようなところで、ひとつごかんべんをいただきたいと思います。
 次にこの法律が公布されました後において、新しい銀行、長期信用銀行の移りかわりの問題についていろいろな構想があるではないか、これがためには、日にちは何も四月一日と限らないにしても、相当準備の期間もいるではないかというお話でありますが、この点はまさにごもつともだと思います。従いまして、普通の法案では大体公布の日から一箇月とか、あるいは二箇月とか、そういつたところで施行されるのでありますが、この法案におきましては、そういう点も十分考慮いたしまして、公布の日から一年以内に施行する。一年以内と申しますのは、半年で大体準備ができるか、あるいは九箇月かかるか、あるいは三箇月でできるか、その辺は実は今後法律が公布された後における準備の進行状況によると思います。私どもはこの施行の期日を早めることによつて、無理をして新しい銀行制度に移りかわつて参ります経過におきまして、非常な摩擦あるいは支障を起すようなことは絶対にいたさないように、できるだけ円滑に行くようにして参りたいと考えております。そのために必要な施行までの期間は、十分に置いて参りたいと考えておるのであります。
 それから今勧業銀行の例が実は出たわけでありますが、ある銀行が今後長期信用銀行になる。それまでの間に普通銀行法に基く銀行を一応設立して、これを免許する。そして債券発行法による債券の発行を認めながら、この法律の施行されたときにおいて、それが長期信用銀行に移行するというような構想が考えられないかというお話でありますが、この点はいろいろな方法のうちの一つとして、まさに考えられる方法であろうと思います。私どもも必ずしも唯一の方法とは考えませんが、そういう方法は十分考えられる方法であろうと思うのであります。ただ今具体的にそういう方法は必ず認めるということは、なかなかむずかしいのでありまして、実は法案もまだ通過いたしておりませんので、具体的にどういう計画がありますかは、少くともまだ公式的には私ども伺つておらぬのでありまして、この法案が通りまして公布となりましたあかつきにおきましては、私どもといたしまして、そういう具体的な申出がありました場合には十分好意的に考えて、この移りかわりの円滑なる実施に資したいつもりでおります。この点ははつきり申し上げられると思います。
#22
○宮幡委員 まだ支店の点については割切れないようでありますが、私はそれに思いをいたしまして、きのうの勧銀の参考人の意見を聞いてみました。支店が必要であろう、こういうことを率直に聞いたところが、必要でございますという答弁でした。ところが、今度はそれを裏打ちします必要性は何であるかというと、都市にほしいということであります。地方ではないということです。私は地方から資金を吸收して散布するという意味で、ほしいのかと思つたのです。ところが、どうも私が思つておつたところのその逆な答弁でありまして、実は意外であつたのであります。私どもはむしろ大蔵省の行政指導をする面におきましては、ただいま不動産担保金融というものは一応閉塞した形になつておるが、やがて土地も正常なる方法によつて農業経営の零細化を防ぎ、かつ農業相続等の順調なる移りかわりを認めるために、やはり不動産担保の金融が地方におきましては重点的になつて来ると思うのであります。従いまして勧業銀行の支店等は、それぞれの中小都市に支店を設置いたしまして、その地方の預金を吸收すると同時に――これはあるいは残ります商業銀行としてやるべきかもしれませんが、とにかく観念的には地方にも置いてもらう。そして不動産担保金融をまかして、それとの取引関係においてさらに預金を集める。こういうようなことに行つてもらいたいと思つておりましたが、参考人の意見はそうではなく、都市に置きたいということで、長期金融が都市に傾くということ、あるいは重点産業とか、巨大産業とかいうようなものが中心になる。もちろん必然的にそうなるが、そうなると、何か観念的にはやはり地方の長期金融を相当まかなつてやる大蔵省としまして、地方の長期信用銀行というような制度は認めたくない。普通銀行がその両方をやつたらいいじやないか、こういうような意見もほのかに聞いたこともあるのでありまして、これらの点につきましても、支店の問題はなかなか一朝一夕には片づくまいと思う。都市では確かに店舗が多過ぎるという非難もあることは知つております。また現実において無用な競争をしているとさえ考えられますので、それがために資金コストが上りまして、貸付金利も低金利政策へ移行し得ない悩みもあるわけです。これらの点はもちろん行政上の判断で、十分やつてもらうことは必要でありますが、逆に新しく発足いたします勧業の長期信用銀行なり、あるいは残ります預金銀行なり、いずれにいたしましても、営業範囲拡大のために必要と認められる支店の設置を、はばむという気持があつてはまさにならぬと思う。この点だけははつきり局長から御答弁がいただけると思う。必要と認められ、弊害のなき限度においては、残ります預金銀行としての勧業銀行の支店を、都市にも認めて行くのだという方針をとる、こういうことだけははつきり御言明がいただけると思いますが、その限度においてどうですか。
#23
○河野(通)政府委員 今お尋ねの御趣旨の点は、私どもはつきり必要の限度において認めて参りたいと考えております。実は私きのう途中で失礼いたしておりましたので、参考人の方の御意見は十分伺つておりませんが、おそらく参考人の言われたのは、商業銀行として残る――勧業銀行と名前がなりますか、どうなりますか、わかりませんが、その方の銀行が大都市に店を持ちたいということじやなかつたかと思います。長期信用銀行としてどういう形でできますか。どこもまだ公式に伺つておりません。どういう構想があるか存じませんが、その場合におきまして、これらが大都市の大企業だけの産業資金をまかなつて、地方における産業資金を全然ないがしろにするということがあつてはならぬ。これは大企業だけではいけない。また中小企業に対しても十分なる産業資金、特に長期資金につきましても遺憾なきを期さなければならぬことは、今後の行政指導においても十分考えて参りたい。これがために必要な範囲において店舗の配置についても十分考慮はしております。また店舗の配置が十分に行きません場合には、たびたび申し上げておりますような代理貸しという制度も十分活用して参りたい。これによりまして、中央銀行等を通して十分なる提携をいたした上で、地方の産業資金、ことに長期資金の供給にできるだけ遺憾のないように考えて参りたいということを、はつきり申し上げておきます。
#24
○宮幡委員 続いて先ほど移りかわりの実例的なことをお尋ねしましたが、これはそういうことが必然的に起つて来るであろう、そういう場合には十分考慮の余地がある、こういう御答弁でありましたが、法律も通過しておらぬというまくら言葉があつてのことでありまして、法律が通過するか、しないかわからぬほど御自信がない銀行局でもなかろうと思う。法律は通過すると思われておるのに、そういうまくら言葉であとを片づけられては困るのです。そういう方法も一つの考え方として取入れる用意がある。このくらいは――これから取入れない事情ができたら、これは取入れないでいいが、これは行政の方がなかなか幅が広いのでありますから、説明の余地がある。しかし現在においてこれをうまく移行させようということになりますと、やはり普通銀行の免許を並列的に与えておいて債券を発行させ、そうしてこれを移行さして長期信用銀行とする、こういう方法がやはり一つの考え方としてはよいことと、私はかたく信じておるのであります。私が事務屋として考えました場合、もしそういうことに認可を得なければならぬという法律があるならば、私はそれに対する認可の要件を具備いたしまして、大蔵省といえどもそうだと納得せしむるだけの材料を持つて申請するくらいのことはできると思う。それでありますから、こういう点は確定的には申されないにしても、大いにひとつ尊重していただきたいと思うのであります。と同時に、問題になりますのは実施期日の問題でありますが、四月一日としたいというのが私どもの念願であります。しかしこれはあくまでも固定的な意味を持つておるのではありません。それまでに準備がもつと早くできたならば、そのときに実行してもさしつかえない。しかし今の段階では、大蔵省が何らかの適当な措置をとらない限りは、どうも三月三十一日までには準備段階がむずかしかろうと私どもは心配しております。そんなことはないと仰せられるかもしれませんが、実情から見るとそうではなかろうかと思う。そうかといつて、一年というのを一年一ぱい置くということも、よい趣旨の法律を遅らす意味で好ましい方法ではない。だから四月一日より早くない時期において実施するというくらいのことはいたすべきである、こう考えまして、実は同僚委員とも相談いたしまして、附則第一項を修正いたそうとする用意を持つておるわけであります。しかしながらこれはあくまでも移りかわりが円満に行きまして、早期に長期信用銀行なるものの発足ができれば、してやるべき問題ではないのであります。従いましてこの際大蔵当局としまして、実施期日については、一応目安として妥当であろうと考えられる昭和二十八年四月一日をめどといたしまして、それより準備が早くできて円満に行くなら、いつやつてくれてもさしつかえない。今日そのことにこだわるわけではありませんが、無理をしてまでも四月一日より早くしない、こういうことをはつきり御言明いただいたならば、あるいはわれわれの修正しようという希望も、行政に信頼いたしまして、そのままに見通すという場合もあろうかと思いますので、その点についてはひとつ責任のある御答弁をいただきたいのであります。
#25
○河野(通)政府委員 第一点の施行までの間における切りかわりの措置につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、お示しのようなやり方は、一つの非常に有力な考え方と思います。先ほど法律も通つておらぬしと申し上げましたのは、そういう意味で申し上げたのではないのでありまして、法律も通過いたしませんので――具体的にこの切りかわりの問題につきましては、当事者の自発的な意向、希望をできるだけいれて参りたいと考えておるのでありますが、しかし自発的なお申出もまだ実は受けておるわけでもございませんので、そういうふうなお申出がありました場合には、これは非常に円滑に切りかわりをやつて行くための一つの有力な考え方であることは、先ほど申し上げた通りであります。そういうふうな観点から、具体的にそういうお申出がありました場合には十分好意的に考えて参りたい、かように考えております。
 それから施行期日の問題でありますが、今お示しのように、私どもは無理をしてまでなるべく早く施行して参りたいとは、毛頭考えておらぬのであります。円滑なる切りかわりの措置ができますように、極力考えて参りたいと思うのであります。無理をしてまで四月一日以前に施行しようということは毛頭考えておりません。場合によりましては、あるいは準備がうまく行かない場合には四月一日といわず、あるいは五月になるかもしれません。その点については絶対に無理をいたしません。御趣旨の点は十分に尊重いたします。この点ははつきりここで申し上げることができると思うのであります。
#26
○宮幡委員 施行期日の点においては無理をしないということを申されましたので、私はそれを信頼いたします。従いまして、委員長もこの場合において責任を持てというと、はなはだ押しつけがましいことでありますが、責任を持たれまして、行政措置においてこの誓約に背反しないように、もし偽りを申した場合におきましては、委員会の権威にかけまして、必ずとがめ立ていたすということの保証人になつてもらいたいということをお願いいたしまして、長期信用銀行法に対しましては、相当長い時間私は質問をいたしておりますので、あと條文のことにつきましての質問は省略いたしまして、銀行局長の言明と申しますか、それに百パーセントの信頼をいたしまして、質問を終ることにいたします。
#27
○佐藤委員長 了承いたしました。次は深澤義守君。
#28
○深澤委員 長期債用銀行に関する法律案について、二、三の質疑をいたします。
 第四條第二項に、大蔵大臣は長期信用銀行を免許する場合において、その免許を申請した者の人的構成及び事業收支の見込み云々とあるのですが、少くとも制度として確立したときに、その人的な構成が大蔵省の免許の対象になるということについて、われわれは非常に了解に苦しむのであります。もちろん事業收支の見込みとか、経済金融の状況その他というようなことは了解できるのでありますが、その人的構成によつて免許するしないという問題が出て来ることについては、どうも了解に苦しむ。この法案に載せてあるこの人的構成を免許の根拠にした理由は、一体どこにあるのか伺います。
#29
○大月政府委員 現在普通銀行法におきましても、やはり銀行をつくります場合に、大蔵大臣の免許を受ける必要があることになつております。普通銀行法は昭和二年の立法でございまして、当時の簡単なという趣旨から申しまして、免許をする要件が書いてありません。しかし現在御存じのように、一昨年以来地方銀行が今までに八行できております。その場合に免許に際しまして、一々審査をいたしているわけでありますが、その場合の審査の要件は、ここにございますように、人的構成あるいは事業收支の見込み、あるいはその地方においてそういう銀行が必要であるかどうか、そういうことを十分に審査いたして免許いたしているわけであります。従いまして、この銀行の性格といたしまして、これは何と申しましても信用機関でございます。別に技術を持つているわけでもございませんし、大きな資産があるわけでもございません。もつぱら人間が信用を持つて運営するのが本質でございますので、普通銀行をつくります場合につきましても、その地方の名望家であり、しかも一般の信頼があり、金融に関しても十分の知識経験を持つていることを十分に勘案して、免許いたしているわけであります。この長期信用銀行につきましても、その人的構成を勘案するということは、別に大蔵大臣がきめるという意味ではございません。従いまして、民間の銀行でございますれば、申請をして来られたときに、どういう人が首脳者になつて、どういう方が経営されるかということを十分に見てこの免許をきめる、こういう意味であります。
#30
○深澤委員 私はそこに問題かあると思うのです。結局大蔵大臣がこの人はいけないという人がまじつておつたとするならば、これは認めないという結果になる。そうでなくて、少くとも制度というものは人間の問題ではなくて、一つの組織としてまとまつてやつて行ける可能性があるならば、それは免許しなければならないが、一々個々の人間について好悪あるいはその他の感情によつて左右される危険性が非常にあるので、そういうことが法律の中に盛り込まれておること自体が、はたして法律として適当であるかどうかということについて、われわれは疑問を持つのでありますが、その点もう一ぺんお聞きしたいと思います。
#31
○大月政府委員 何分にも銀行ということになりますと、一つは信用を受ける面がございますし、一つは信用を与える面がございます。信用を受ける面から申しますと、銀行といたしましては主として債券を発行いたしまして、お金を集めることになります。その場合に、その銀行に信用がなければ、引受けてくれるかどうかわからないという問題が起つて来るわけでございます。単に計数的に、これだけの債券によつてこれだけの金が集まるという計数が出たといたしましても、ちようど魚がおつても、つれるかどうかという問題と同じでざごいまして、魚が食つてくれるようなえさをつけなければいかぬ、そういう意味におきまして、人的要素というものは銀行において最も重要なものだと考えるのであります。これは信用銀行の問題だけではなくして、あらゆる金融行政のかなめになつておるかと存ずるわけでありまして、それも個人の好ききらいとか、そういう意味ではございませんで、客観的な社会的ないろいろな評価をもつて見るわけでございます。大蔵大臣と申しましても、一つの組織を持つておるわけでございまして、しかもその選定いたしました人物、免許いたしました人物というものが、はたしてこういう銀行の経営者として適当であるかどうかということは、社会的な評価を受けるべきものでございます。そういう意味におきまして、この要素はやはり免許のときの第一の要件になるべきものだと考えております。
#32
○深澤委員 もつと具体的につつ込んでお伺いいたしますが、人間にもいろいろあるのであります。あなたは今地方の名望家と言われたが、名望家の中にも、非常に人格高潔で、すべての人が信頼し得るような人があるが、しかしそういう人の多くは金がないという人が多いのであります。ところが高利貸し的な仕事をやつて、金はあるが、まことに人格的に悪辣な人間もあるわけです。一体人的構成の判断をする場合において、どこに基準を求めるかということが、私は相当問題になると思います。あなたの言ういわゆる地方の名望家というものは、人格の点において結局は判断するのか、それともその人の持つておる財産において判断するのか、どこに基準があるのか、その点を伺いたい。
#33
○大月政府委員 あらゆる要素を勘案して免許することになると思います。もちろん信用のある機関でございますので、人格の低劣な人であつてはならないことは当然でありますが、社会的にどのくらいの評価を受けておられるかということも、やはり大蔵省といたしましても、もし地方の問題でございますれば財務局もございますし、財務部もございますし、直接お目にかかることもございますし、どなたでも御意見は聞けるわけでございます。もちろん資産の面につきましても、一つの信用機関といたしまして、全然資産を持つておらない方がはたして適当であるかどうか。もちろん資産だけが唯一の條件ではございませんので、資産のない方でも非常に経験なり技能なり学識なり、それに応じて金融の経営者として適当であるということならば、これもまたけつこうであろうと思います。そういう各種の要素を勘案いたしまして、この方ならば銀行の経営をおまかせしてもいい、そういう方を私たちは考えておるわけであります。
#34
○深澤委員 その免許の基準となるべきものは、省令か何かできめるのですか。
#35
○大月政府委員 この法律に基きます命令は、第十九條にございます手続だけでございまして、運用上この法律が全部でございます。従いましてもし省令で書くといたしましても、今申し上げましたように人格だとか、経験だとか、あるいは資産だとか、そういう抽象的なものを書く以外に何も書けないのではなかろうか。従いまして別に省令を出すということは考えておりません。
#36
○深澤委員 その他の金融機関の免許の場合には、たとえば個人の財産二百万円以上云々という基準もあつたように、私は記憶するのでありますが、そういう基準を省令か何かできめることになるのではないでしようか。
#37
○大月政府委員 現在の金融関係の立法におきまして、資産の條件をつけておるものは全然ございません。
#38
○深澤委員 先般も私は銀行局長にお聞きしたのでありますが、さらに宮幡委員も問題にされているようであります。それは不動産を担保とする貸付をするということでありますが、不動産担保の問題には、必ず農地の担保という問題が起つて来るのであります。農村において担保にすべきものは、もう農地以外にないというのが現状だと思うのです。先般銀行局長は、はなはだ明確でない答弁をされておつたのでありますが、その後大分日時も費されておりますので、当然農地の担保をどうするかという問題も、政府部内で話合いや何かができておると思うのでありますが、農地の担保の問題についてはどういう措置を講ぜられるのか、その点を伺いたい。
#39
○河野(通)政府委員 お尋ねの点は、この前も御質問があつてお答えいたしたのでありますが、農地が担保力を持ちますことは、金融の便宜のためには非常に都合がいいということだけははつきり言えます。しかし農地に担保力をつけることがいいか悪いかということは、農地制度全体の問題であります。従つてその程度については、まだ政府全体としての意向がきまつておらないように聞いております。従いまして先般も十分御満足の行くような御答弁ができなかつたのですが、その後の経過におきましても、当時お答え申し上げましたところをまだ出ておりません。この問題は、いずれそういう形でかりに農地の担保力が認められるということになつた場合には、この規定によりまして不動産担保ということが十分に動いて参るわけであります。それを認めるか認めないかについては、ただ金融だけの問題ではなくして、農地制度あるいは農業政策全体の問題として考えられなければなりませんので、ただいまにおきましても、私から御答弁申し上げることはむずかしいと言わなければならないのであります。
#40
○深澤委員 その問題が解決しなければ、この長期信用銀行の長期貸出し資金というものは、結局農村には行かないという結論になると思う。従つて都市中心、大産業中心という結果にならざるを得ないのでありまして、いくらあなたが農業方面を無視しない、中小企業も無視しないと言われても、結局結論としては大産業中心の長期資金になるというぐあいに考えられるのですが、長期信用銀行の設備資金その他長期運転資金に関する貸付というものは、大産業あるいは当面する電力関係の事業等をおもな目的として、この法案ができ上つて来たのではないかというぐあいにわれわれは考えるのでありますが、その点はどうですか。
#41
○河野(通)政府委員 その点もたびたび申し上げておるのでありますが、私どもは中小金融あるいは農業金融を、長期信用銀行の運用から締め出すつもりはございません。これらにつきましても、必要な長期資金の供給につきましては、十分に遺憾のないようにして参りたいと考えております。お尋ねの農地が担保にならない場合には、長期信用銀行として、その方へ金が出せないのではないかというお話でありますが、これは必ずしもそうはならないのであります。しかし一般論としては、やはり農地が担保になつた場合の方が、銀行としては金融しやすいということは、先ほど申し上げましたようにはつきりいたしております。なおこれらの問題を解決することの困難性とも関連いたしまして、農村漁業資金融通特別会計あるいはこれによる資金融通法等によつて、あるいは預金部資金でありますとか一般会計から、相当多額の資金をこの方へ放出いたしております。農地の改良、農業の振興のための必要な資金は、これによつても十分に並行してまかなわれて参つておるわけであります。もちろんこの点は、金額は十分でないというおしかりはあるかと思いますけれども、財政その他の観点から、できるだけその軽重の度合いに応じて、財政資金の配分をいたしておるわけであります。これらの制度と相まつて農業に対する金融は進められておる、かように御了承いただきたいと思います。
#42
○深澤委員 銀行局長は農林漁業資金が農村へまわつておると言われるが、私はあの金では不十分だと思います。あの金は経営資金ではなくて、結局土地改良とか水路の設備であるとかいう設備に費される金です。現在農村で必要なのはやはり経営資金です。その経営資金が大きな問題なんです。かつての昭和初年の農業恐慌のときに、ほとんどがその農地を担保として金融を受けて、あの恐慌を切り抜けるべく、農民が非常に努力をしたという例があるのです。最近における農村恐慌が非常に深刻になりつつあるということは、現実の問題であります。従つて農林漁業資金の方では、当面の要求する経営資金、普通の事業で言う運転資金の方へは全然まわつて来ない。そこでどうしても経営面の資金を要求しているのです。そういうものに長期信用銀行が十分役立ち得るものなら、われわれもあながちこれは全部反対ではないのでありますが、だんだん聞いておりますと、農村の全融は農林漁業資金だ、農地が担保にできない限りは、結局この長期信用銀行というものは、あまり農村では役立たないという結論になつて来ますので、どうもわれわれ農村の出身者といたしましても、そういう金融を欲しておりますがゆえに、長期信用銀行もそういう方面の仕事をやつてくれれば、という期待を持つておるのでありますが、それができないとすると、どうしても都市集中、そうして結局大産業中心の銀行になるという結論にならざるを得ないのであります。従つて農林漁業資金、農林漁業資金とおつしやるが、あれは結局設備にまわるのであり、決して農業経営の運転資金にはまわらないのである。その経営資金を一体どうするかということが未解決の問題になつておるということでありまして、結局そういう結論から、この長期信用銀行の業務のの範囲内において、農林関係の経営資金を長期に貸し得るような道が必要ではないか、というぐあいに考えているのでありますが、そういう見地から長期信用銀行の運営という問題が、農村に縁のないものになるという結論になると私は思つておるのであります。もう一ぺんこの点についてひとつ御説明願いたい。
#43
○河野(通)政府委員 農家の経営資金につきましては、運転資金と申しましても、固定的な運転資金あるいは短期の運転資金もございます。経営資金につきましては、あるいは農業手形でありますとかその他の制度及び一般の金融機関、あるいは農協、信連、その他の機関を通じても金融の道はつけられておる。ことに農業手形等は、御承知のように相当活溌に利用されておるわけであります。運転資金という意味におきましても、なかなか観念がはつきりしない点があるのでありまして、長期信用銀行がこれを行います場合には、長期の固定的な運転資金、平素繰りまわして参ります普通の運転資金ではなくて、むしろ資本的な意味における固定的な運転資金を考えておるわけであります。今お話のような普通の経営資金等につきましては、先ほど申し上げましたような農業手形の制度、その他一般の金融機関の制度をもつて、これをまかなつて行くというのが筋合いのものと思つております。もちろんこの点も、先ほど来お話もありましたように、金額的に十分であるかどうかの点につきましては、いろいろ御意見もあるかと思いますけれども、私どもはそういうルートでもつて、できるだけ農家の金融の道、ことに運転資金、短期運転資金の道をつけて参りたい、かように考えておる次第であります。
#44
○佐藤委員長 次に委員長から政府当局に対して資料の要求をいたしておきます。すなわち昭和二十七年度国際收支見込み、第一に貿易收支、ドル圏、ポンド圏、オープン・アカウント圏別。第二に貿易外收支、駐留軍関係、朝鮮特需関係、日米経済協力関係、東南亜開発関係、その他。第三に以上の合計。その資料の御提出をお願いいたします。
 次会は明後二十六日午後一時から開会することといたして、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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