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2020/05/12 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 農林水産委員会 第11号 令和2年5月12日
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2020/05/12 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 農林水産委員会 第11号 令和2年5月12日

#1
令和二年五月十二日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     加田 裕之君     高野光二郎君
     宮崎 雅夫君     山崎 正昭君
     塩田 博昭君     山口那津男君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     山崎 正昭君     宮崎 雅夫君
     山口那津男君     塩田 博昭君
 五月一日
    辞任         補欠選任
     宮崎 雅夫君     末松 信介君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     末松 信介君     宮崎 雅夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         江島  潔君
    理 事
                高野光二郎君
                堂故  茂君
                舞立 昇治君
                徳永 エリ君
                宮沢 由佳君
    委 員
                岩井 茂樹君
                野村 哲郎君
                藤木 眞也君
                宮崎 雅夫君
                山田 修路君
                山田 俊男君
                石垣のりこ君
                打越さく良君
                郡司  彰君
                森 ゆうこ君
                河野 義博君
                塩田 博昭君
                谷合 正明君
                石井 苗子君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   江藤  拓君
   副大臣
       農林水産副大臣  加藤 寛治君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       藤木 眞也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  浅川 京子君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  光吉  一君
       農林水産省大臣
       官房政策立案総
       括審議官     岩濱 洋海君
       農林水産省食料
       産業局長     塩川 白良君
       農林水産省経営
       局長       横山  紳君
       農林水産省農村
       振興局長     牧元 幸司君
       農林水産省政策
       統括官      天羽  隆君
       水産庁長官    山口 英彰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (新型コロナウイルス感染症拡大時における農
 林水産分野の制度変更に関する件)
 (新型コロナウイルス感染症拡大時における食
 料安定供給に関する件)
 (新型コロナウイルス感染症対策としての水産
 業への支援に関する件)
○森林組合法の一部を改正する法律案(内閣提出
 )
    ─────────────

#2
○委員長(江島潔君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、加田裕之君が委員を辞任され、その補欠として高野光二郎君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(江島潔君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(江島潔君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に高野光二郎君を指名いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(江島潔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産省大臣官房総括審議官浅川京子君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(江島潔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(江島潔君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#8
○徳永エリ君 皆さん、お疲れさまでございます。共同会派、国民民主党の徳永エリです。
 江藤大臣、検察庁法の改正に反対する国民の声が広がっています。インターネット上のツイート、五百万ツイートを超えるという状況であります。民主主義や法治国家としての在り方、その根幹を揺るがすこういった法案を、この新型コロナウイルス感染の拡大、緊急事態宣言が延長され、先が見えない、不安でいっぱいの国民がたくさんいます、生活に困窮している人もたくさんいます、こんな状況で国民を更に不安におとしめるような、そんな法案を審議するべきでもないし、採決をするべきでもないと、そんな声がどんどん広がっております。
 これまで農林水産委員会でも、重要な法案の審議の際には視察に行きました。そして、現場の皆さんの声をしっかり聞かせていただいて、その声を審議に反映させてまいりました。しかし、今それができません。また、感染リスクを低減するために長時間の審議もできるだけ避けるようにさせていただいております。こんな状況の中で、特に急ぐ必要もない、そして反対や懸念の声が農業生産者や市民から上がっているような、そんな法案を十分な審議もせずに成立させることは大変に大きな問題だと思っております。私は、もうやめた方がいいと思います。コロナ対策に集中するべきだということを申し上げておきたいと思います。
 特に、今国会で審議予定の種苗法の改正案、これも全く急ぐ必要はありません。特に、種苗法の改正は、自家増殖禁止法案、農家負担が増大する、外国資本の種子会社から訴えられ、農家が莫大な損害賠償を求められるようになる、政府は家族経営農家を、日本の伝統的農家を壊そうとしている、そんな声が市民の中に広がっています。
 もちろん、誤解もあります。でも、誤解を解く場がないんです。これまでは、種子法の廃止のときも院内で集会が行われ、そこに農林水産省の皆さん来ていただいて説明をしていただいたり意見交換をしたり、そういう場がありました。しかし、全く今はそういう場をつくることができないんです。
 さらに、今日も共同会派の農林水産部会が朝ありましたけれども、そこで農水省に伺いましたら、この種苗法に関して、検討会で農業団体の皆さんや一部農家の代表の皆さんの意見は聞いておりますけれども、全国各地を回ってこの法案の中身を説明をするということはしておりません。現場の皆さんはよく分からないから、だから不安なんです。
 今、私たちのところに毎日のようにファクス、メール、電話、この種苗法の審議入りをやめてくれと、あるいは反対をしてくれと、こういう声がどんどん届いております。
 一つ御紹介をしたいと思います。北海道釧路市在住の方です。
 農家の自家増殖を狭め、種子大企業に種苗を委ねる危険がある種苗法。北海道の大切なジャガイモやイチゴの再生産が難しくなる危険もはらんでいます。種子法廃止に続き本法が改悪されると、農業は外国資本や大手資本の手に渡ってしまい、安心、安全、しかも廉価な食品が入手しづらくなります。コロナ情勢下で、国民が集会を持ったり署名を集めたりといった、そういった行為をしにくくなっている今、ろくな審議もせず拙速に成立させるのはもってのほかです。法改正は短時間の議論で行うべきではありません。種苗法改正の法案審議入りをしないように全力を尽くしてくださいと、こういう声が届いております。
 こういった声に対して、江藤大臣、どのように受け止めておられますか。

#9
○国務大臣(江藤拓君) ただいま先生からいろんなお声を聞かせていただいて、私が初めて聞くようなことも多いわけでありますけれども、私もこの種苗法の改正法案については、ほかの法案ももちろんですけれども、かなり相当突っ込んで勉強させていただきました。
 私個人の考えを申し上げさせていただきますと、これはこの間、皆様方の全会一致をもって通させていただきました畜産の、いわゆる精液や受精卵が海外に出て日本の強みが奪われてしまうと、そういうものをみんなで防ごうじゃないかと、ある程度、家畜人工授精所の登録を行わないと横の取引ができないとか、いろいろ制約も生産者の方々に掛けますけれども、それを乗り越えて、やはりこういった知的財産、そして先人から受け継いだ財産を守ろうという意識で全会一致で通させていただいたんだと、大変感謝をいたしております。
 私としては、これは畜産版であって、今度の種苗法の改正は、これは果樹とか野菜とかそういったものについての、果実とかそういうものについての法律であって、これ、両方あって日本のいわゆる農業、畜産業のいわゆる知的財産、かけがえのない日本の輸出競争力というものが担保されると思っておりますので、大変大事な法案だというふうに思っております。
 ですから、国会においてはしっかり質疑をしていただいて、是非とも、畜産の法案と同じように、皆様方の御理解をいただいた上で全会一致の法案成立を目指したいというふうに思っております。

#10
○徳永エリ君 知的財産権を守らなければいけないということ、種子の海外流出を止めなければいけないということ、それよく分かっております。しかし、そのために本当に法改正をする必要があったのかということ、また、この種苗法の改正案が出てくるまでのプロセスが明らかではありません。
 私たちは、これまでも、規制改革推進会議、未来投資会議、現場のことをよく知らない方々が自分たちの思いだけを押し通してきた、こういった経緯をよく分かっておりますので、大変に不安に思っている。それは国民の皆さんも同じだということを受け止めていただいて、本当に今国会で審議していいのかどうか、もう一度考えていただきたいと思います。今、政治と国民の間に必要なことは信頼です。信頼の二文字です。これ以上不安や不信感を募らせるようなことは是非ともやめていただきたいと思います。
 そして、施行期日が迫っている法律も、施行日を遅らせることなども省内で検討するべきではないでしょうか。
 例えば改正漁業法。施行期日は、水協法の一部規定を除き公布の日、平成三十年十二月十四日から二年以内で政令で定める日となっております。恐らく年内になるんでしょう。これは七十年ぶりの大改正です。いまだに現場に行きますと、誰のため、何のための改正なのかが全く分からない、水産庁から説明を聞いてもよく理解できない、法律が施行されたら何がどう変わるのか本当によく分からないんだという声をよく聞きます。
 水産庁の海面利用制度ガイドラインに対して、規制改革推進会議から水産政策に関する提言が出されました。政省令の内容に規制改革推進会議の提言の中身をねじ込もうとしている、そんな意図がうかがえます。
 そして、昨年十二月、規制改革推進会議の農林水産ワーキング・グループに提出された資料には、漁業権の優先順位に代わる適切かつ有効規定、漁業の許可又は起業の認可の適格性についての判断基準である漁業を適確に営む生産性の判断基準を水産庁長官通知で定める予定としています。具体的には、既存の漁業者については、その申請に係る漁業を持続的に営むために必要となる収益性の確保がされていない場合、経営体の償却前利益、税引き前が二年を超えてマイナスであることであって、単位当たりの生産量又は生産額の向上が見込まれないことを基準として判断をするとしています。
 昨年は、私の地元の北海道、水産物漁獲量は過去最悪でした。サンマもスルメイカも捕れませんでした。アキサケも四十年ぶりの不漁でした。そして、今年は新型コロナウイルスの影響で外食需要が大きく減少しています。需要減、価格も下がっています。そんな中で、どのようにして適格かどうかの判断をするんでしょうか。これも施行期日を遅らせるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

#11
○政府参考人(山口英彰君) お答えいたします。
 今先生から御指摘がございました大臣許可漁業に係る生産性に係る適格性の問題、これにつきましては改正漁業法の中に規定が設けられたものでございまして、漁業経営が持続できるかどうかを確認するものでありまして、これを判断する基準として収益性をもって判断することにしたものでございます。
 具体的には、償却前利益が三年連続赤字となった場合について、漁船の乗組員一人当たりの生産量などの動向も見た上で判断を行うということにしております。ただし、漁業が資源動向や来遊状況など様々な不確定要因により左右される産業でございますし、また、漁業種類によって資源管理の状況等が異なることから、こうした漁業者の責めに帰すべきでない事情を考慮するという運用を考えているところでございます。
 このような判断基準に関する考え方につきましては水産庁長官通知に盛り込むこととしておりまして、漁業の実態に即し適切に運用してまいりたいと考えております。

#12
○徳永エリ君 このような状況の中で難しいんじゃないかということなんです。もう本当に漁業者の方々の収入は下がっています。大変に厳しい状況です。
 ともすると、この適格性の判断基準、これによっては新規参入したいいわゆる民間企業、こういったところに非常に優位に働くのではないかということを懸念をいたしております。ここも本当にこのまま施行していいのかどうか、このコロナの終息をして落ち着いたところでしっかり現場にも周知していただく、そういった環境をつくるべきなのではないかと思いますので、是非とも御検討いただきたいと思います。
 そして、今日も日農新聞の記事にもなっていました農産物検査制度の見直しについてお伺いいたします。
 農林水産省は、昨年の一月二十八日に農産物規格・検査に関する懇談会の第一回会合を開き、これまでに三回の会合の中で、平成二十九年に施行された農業競争力強化支援法の第十一条の二項を踏まえて見直しの検討をしてきました。そして、幾つかの政令改正、告示改正を行ってまいりました。皆さんにお配りしたお手元の資料にあります。しかし、農産物検査について、少なくとも私は、地元の北海道の農家から見直しをしてほしい、見直しが必要だという声は聞いたことがございません。
 これまで農産物検査を行ってきた理由と、これまで農水省が主導してきた見直しによって農家にとってどんなメリットがあるのか、まずは御説明をいただきたいと思います。

#13
○政府参考人(天羽隆君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、農産物規格検査は、全国統一的な規格によりまして、玄米を精米にする際の歩留りなどの目安を示すことにより、現物を都度都度確認することなく大量、広域の流通なり取引を確保する仕組みでございます。
 平成二十八年十一月に策定された農業競争力強化プログラムにおきまして、農産物検査法の規格については流通ルートや消費者ニーズに即して見直すということとされておるところでございます。
 これを踏まえまして、先生御指摘のとおりですけれども、農林水産省において、農業法人協会、集出荷団体、卸、中食、外食、消費者及び学識経験者などから成る農産物規格・検査に関する懇談会を開催いたしまして、昨年三月、中間論点整理をいたしました。
 これを踏まえまして、これまでに検査場所の緩和ということでは、農業者の庭先での検査が柔軟にできるよう手続を簡素化したり、検査試料抽出の効率化ということでオートサンプラーの活用を位置付けたり、検査事務の効率化、さらには、穀粒判別器といいまして、機械で死米とか胴割れ粒などの鑑定ができるような機械でありますけれども、この活用を推進すること、さらには、異種穀粒の規格の簡素化、推奨フレコンの規格の設定などについて省令や告示の改正等を順次実施してまいりました。
 また、着色粒などの規格の項目や検査関係事務のデジタル化などにつきまして、引き続き検討作業などを進めているところでございます。
 これらを通しまして、農産物検査の必要な見直しや農業者負担の低減に取り組んできたところでございます。

#14
○徳永エリ君 農家負担の軽減、コストの削減、農水省が主導して行ってきた見直しは農家のための見直しであります。
 三枚目の資料に農業法人協会からの要請が書いてありますけれども、今年に入って一月三十一日、第五回規制改革推進会議農林水産ワーキング・グループにおいて、生産者、外食・中食事業者から農産物検査の現状や要望についてのヒアリングが行われ、日本農業法人協会から資料にあります四項目の要請が出されました。三月十一日に開かれた第七回農林水産ワーキング・グループでは、所管省庁である農林水産省、消費者庁、財務省が呼ばれ、ヒアリング。農林水産省からは、日本農業法人協会からの要望にどのように対応するかというような御説明がございました。
 ところが、四月二十一日に行われました第九回農林水産ワーキング・グループに農林水産省がまた突然呼ばれました。そこで出てきた資料が、農産物検査規格の国際化の必要性についての提案、農産物検査制度のJAS化の提案であり、農産物検査のJAS化により現行の農産物検査法は不要と書かれています。これも資料に付いております。
 農林水産省は、農産物規格・検査に関する懇談会でも、天羽政策統括官は、農産物検査を廃止するということで懇談会を開催するわけではないと最初の懇談会でおっしゃっていましたよね。JAS化に関しては農水省は反対していると私たちは聞いております。しかし、いつもの規制改革推進会議農林水産ワーキングチームのやり方では、突然資料がぼんと、見たことも聞いたこともない資料が出てくると、そっちの方向に向かっていくんですね。これ、JAS化へ一本化されるのではないかと大変に危惧をいたしております。今日の日農新聞を見て、余計心配しております。
 農林水産大臣、この動きについて御見解をいただきたいと思います。

#15
○国務大臣(江藤拓君) 私がこの場で発言すればしっかり議事録にも残ることでありますので、責任を持って発言をさせていただきますが。
 先ほど申し上げましたように、農林水産省主導で、現場の方々がいわゆる費用負担、そういうものが減るように、また手間が減るように、しかるべき改正はしっかりやってきたという自負はございますということをまず申し上げた上で、この農産物検査を、農業者が望めば誰もが必ず利用できるいわゆるベースラインの検査であるというふうに私は認識をいたしております。これは絶対に必要です。こういう認識の下、JASに一本にすることは困難だというふうに考えております。

#16
○徳永エリ君 困難だではなくて、させないとおっしゃっていただきたいと思います。
 また、規制改革推進会議では、農地転用の規制を緩和する議論も始めていますよね。農地転用許可制度で、転用は二アール未満の農業用施設、倉庫、それから温室、畜舎などは特例措置として許可が必要ありませんけれども、規制改革推進会議は、許可なしで転用できる農地の面積の拡大などを検討して、併せて農業用施設に加工販売施設を加えることを提起しているということであります。
 農地法の改正のときに、あのコンクリートで農地を固める、植物工場を造るといったときに、さんざん議論したじゃないですか。高さの制限、あるいは日照の問題、風通しの問題、土壌や環境に影響がないか、そこで厳しく制限したはずなんですよ。施設は専ら農業の用に供するとしたはずなんですよ。それが、せっかくここで議論をしてみんなで決めても、農水省が頑張っても、また突然規制改革会議に持ち出されて、規制改革推進会議の委員の思うようになってしまうと。これじゃ駄目なんですよ。だから、種苗法も心配なんですよ。
 農水省の説明で私たちが理解しても、そのとおりになるかどうか分からないんですよ。だから、しっかりと、これは大丈夫だと納得制度をつくっていただきたい。そのためには時間が足りない、審議する時間が足りないんです。どうか、こんなコロナ禍のときに、農業、農村の現場を混乱させるような既存の制度の抜本的な見直しや規制の緩和などを行うべきではないということをもう一度考えていただきたいと思います。
 そして、江藤大臣、農業、農村のことは農林水産省が、江藤大臣が主導すると、その強い思いで、江藤大臣の大嫌いな規制改革推進会議、内閣府としっかり闘っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#17
○国務大臣(江藤拓君) 悪い提案ばかりをするとは思っておりません。議論は、いろんな意見を多方面からいただくことは悪いと思いません。
 例えば、畜舎について、建築基準法を緩めるべきだという提案を規制改革推進会議からいただいておりますが、まあ大変結構な話でありまして、そういうものはしっかりいただけばいいわけでありまして、しかし、我々はあくまでも現場を見て行動するのが農林水産委員会であり、私の政治信条でもあります。
 今回の今お話がありました農地転用の規制につきましても、これまでもトイレとか脱衣所とか駐車場とか、それについては認めてきた経緯があります。大変な議論を行いました。しかし、今回、転用許可の規制を緩和して行政のチェックが働かないような範囲を拡大するということになりますと、先生が先ほどおっしゃいました日照の障害とか排水の影響とかいろんなことが起こるということが容易に想像されることでありますから、違反転用の温床になるようなことは厳に慎まなければならないというふうに考えております。

#18
○委員長(江島潔君) 間もなく一分です。

#19
○徳永エリ君 江藤大臣、規制改革推進会議のおかしな議論は是非とも押し戻していただきたいと思います。期待しておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 最後にもう一言。本当に今は、急がない法案、あるいは国民の不安を助長するようなそんな法案の審議はやめた方がいい、落ち着いた環境の中でじっくり議論して納得してもらう形で法律を成立させる、その方が私はいいのではないかと思いますので、御検討をいただきたいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#20
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 本日は一般審議ではございますけれども、我が党は新型コロナ緊急事態における日本の農林水産業界に与える影響についての審議に特化させていただいております。
 なお、我が党は、法案審議につきましては、今御発言がございましたように、時間を掛けてじっくり審議するべきとお伝えくださいということなので、私個人もそう思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、コロナの緊急事態下におきますところで、私は、貿易に与える影響と国内の人手不足について主に質問させていただきます。
 大臣が、四月の二十一日にG20の農業大臣テレビ会議が行われまして、江藤大臣が出席されたことを確認しております。新型コロナウイルス感染症が蔓延する中で、世界の食料安全保障上の諸問題、課題を話し合ったということですが、会議の中で採択された新型コロナウイルス感染症に関するG20農業大臣声明の中で、不当な農業貿易関連措置の回避という言葉が使われております。
 不当な農業貿易関連措置というのはまず具体的にどういうものなのかという御説明をいただきたいんですけれども、ルールはあるんですが、不当なという英語がアンフェアとアンリーズナブルとあります。アンフェアというのはずるいという意味です。アンリーズナブルというのは理由ない裏付け、裏付けがないという意味なんですが、各国はそれぞれの食料安全保障を盾に取りまして輸出を制限してきます。でも、それは輸入国から思いどおりに食料が入らない事情がある。この新型コロナの影響でというのが、アンフェアにもアンリーズナブルにも当てはまらないんですね。理由はあるんです。しかし、ここは、こうした最悪の事態を念頭にリスク管理を強化するべきだと私は考えておりまして、対策としては、生産性や効率性ばかりを重視した大型化の政策ではなくて、今こそ、ピンチがチャンスでありますので、中小の農家や条件の不利な地域での農家の経営を支援するという足腰を鍛えておかないと、のんきなことは言っていられないと私は思うわけなんですが、強い日本型の農業の再構築、これを今後は考えていく時期だと思っております。
 では、先ほどに戻りますが、まず一番最初の質問ですが、アンフェアでアンリーズナブルだという不当な農業貿易関連措置、アグリカルチュラル・リレーテッド・メジャーメントと書いてありますけれども、メジャーズか、失礼しました。具体的にはどのようなものが不当な農業貿易関連措置というのでしょうか、御説明をお願いします、次の質問の前に。

#21
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
 先月二十一日にG20の農業大臣会合開かれまして、テレビ会議の形でございます。我が国からは江藤大臣が御出席され、会議において、議員御指摘のとおり声明が採択されたところです。
 この声明では、フードサプライチェーンの機能維持、不当な農業貿易関連措置の回避、WTOルールに基づく措置の励行などについて緊密に協力していくことが盛り込まれました。
 いわゆる輸出規制につきましては、WTO協定におきまして原則禁止とした上で、食料そのほか輸出国にとって不可欠な産品の危機的な不足を防止し緩和するため、一時的に課する場合に認められているという状況でございます。今回の声明の不当な農業貿易関連措置は、こうしたWTOルールと整合しないような措置を指すものと理解しております。

#22
○石井苗子君 つまり、そのルールにのっとって、ルール違反をした、WTOの、私が調べましたところ、通報していないとか、食料危機ではないのに輸出をしないとか等、それはコロナのこういう事態ですからというようなことをするということは、これはアンフェアだと思うんですよね。しかし、彼らはリーズナブルだと言ってくるわけなんです。
 大臣に御質問させてください。
 通告の六番目になりますけれども、こうした新型コロナウイルス関連で輸出制限をしている国はどのくらいの数になるのか。それから、四月の下旬の時点で、ロシアの小麦など各国の輸出制限について、日本の農水は、これらの国からの輸入実績は大きくないので影響はないと、影響は限定的でありますと断言していらっしゃるんですが、私、そんなのんきなこと言っていられないと思うんですよね。今後、各国の食料輸出制限が拡大する危険が大きいと思われます。将来的に我が国の食料が不足する可能性について、大臣の御見解をお伺いします。まず、制限している国はどのくらいの数になるのかも含めて、お願いいたします。

#23
○国務大臣(江藤拓君) 現在、食料の輸出制限に踏み切っている国は十六か国でございます。その中で、先生が今御指摘されましたロシアも入っておりますけれども、そもそもロシアに輸出をほぼほぼ頼っておりませんので、今のところは影響がないということでございます。
 この新型コロナが発生した当初の段階からエッセンシャルワークフォースについては、アメリカを中心にやはり操業を止めてはならないという意向が強く働いておって、それはあらゆる国でそうです。ただ、EUにおいては外国人労働者に頼っている割合が非常に大きくて、その影響があって営農活動が停滞している、それから運輸、輸送について停滞しているという状況がありますけれども、この十六か国が輸出規制を実施したことによって、今のところ、日本に対する影響は今のところはないというふうに思っております。
 しかし、先生先ほどおっしゃった大規模化だけが正しくないんだということはそのとおりなんですけれども、しかし、戦略作物、麦、大豆とか、そういうものを作るということであると、やはりある程度の農地の集約化というものも必要でありますし、そこにはやはり機械化、スマート農業の導入ということも有効であると思います。それに加えて、九万二千ヘクタールの荒廃農地をもう一度農地に復活させる努力と、条件とか規模の大小にかかわらずあらゆる地域、中山間地も含めて農地として復活させることが今こそ求められているというふうに認識いたしております。

#24
○石井苗子君 ありがとうございます。
 ちょっと踏み込んだ質問をさせていただきたいんですが、今のような状況でありますけれども、緊急事態食料安全保障の指針について、専門的な話になりますけど、お伺いします。
 これ、出していらっしゃると思うんですけれども、このレベルというところを読まさせていただきました。レベルというところの、特定の品目供給が平時の供給の二割以下下回ると予測される場合がレベル一なんです。レベル一以降の事態に発展するおそれがある場合がレベル〇になるんですけれども、この現在の新型コロナウイルス感染状況から見て、近い将来レベル〇に該当する事態となる可能性があると見ていらっしゃいますでしょうか。その状況でないと考えているんでしたら、その裏付けもお願いいたします。

#25
○政府参考人(浅川京子君) お答えいたします。
 農林水産省ですが、緊急事態食料安全保障指針を定めまして、事態の深刻度に応じてレベル〇からレベル二までの三段階を設定して、それぞれの事態に応じて講ずべき対策の基本的な内容を示しているところでございます。
 レベル〇、一、二、いずれも食料供給が減少することによって生ずる事態というのを想定しておりますが、現時点では輸入の減少等により食料の供給が減少する兆候が現れていないということで、この指針が定めるレベル〇から二のような緊急時には該当していないと考えております。

#26
○石井苗子君 特に私が危惧しましたのは、レベル一のところ、そんなに日本は安全じゃないと思うんですね。買占めの是正など適切な流通の確保、買占め防止法などというのもレベル一に入っていますけど、こういうことありましたし、それに緊急の増産というのもレベル一に入っていまして、こういうこともありましたので、今後は、国民の皆様に対して、自給率がカロリーベースで三七%で生産ベースで何%とこの間からずっとやっているんですが、非常に分かりにくい、非常に国民の皆様には分かりにくいんですが、やはりカロリーベースで我々は計算しているのであれば、こういう事態に陥らないように、レベル二までは確実に農水としては体制を組んでいますというようなこともホームページに書いていただきたいと私は強く望んでおります。
 次の質問ですけれども、ポストコロナの食料供給体制について考えてみたいと思います。
 喫緊の課題となってきますが、特に食料自給率、今申しましたものも上げていくことと、それから食品ロスの削減について、これはこの間も私質問いたしましたけれども、取り組んでいく必要があると思いますが、二つの課題に力を入れて取り組む必要があるか、この点について大臣はどのようにお考えかを教えていただきたいです。食料自給率を上げていくことと食品ロスの削減についての取組ですけれども、通告の九でございますが、よろしくお願いいたします。

#27
○国務大臣(江藤拓君) 食料自給率は是非とも上げていきたい。今回のコロナの一件を受けて、国民の皆様方の中には、つい最近もパンケーキの粉がなくなったとか、最近も私の地元でも、江藤君、バターがないよとか、本当はあるんですけれども、バターが一瞬なかっただけでももう、ほかのスーパーに行けばあるんですけれども、不安になるとか、いろんなことが国民の間で起こっておりますので、食料自給率を上げていく努力というものはこれは欠かせないと思います。
 それにはやはり担い手も育成しなければなりませんし、新しい技術、二〇二五年までにデータを利用した農業の拡大ということも今計画いたしておりますけれども、新技術の導入とか、それから担い手の育成、そして農地の生産性の向上、そういったものを併せてやらなきゃいけないと思っておりますが。
 その反対側で、作ったはいいけれども廃棄されてしまうということであれば、それは生産者の方々にも申し訳ないことでありますので、これまた徹底しなければなりませんが、平成二十九年は食品ロス量は六百十二万トンということであって、二十八年が六百四十三万トンでしたから、減少傾向にはある。これは、国民の皆さん方の御理解もあるのももちろんでありますけれども、納品期限の緩和、働きかけ、これも結構効いたんだと思います。食品業界における食品ロスの削減の取組、これが大分進んできたんだと思います。
 ですから、フードバンクとか、それとか、今子供の貧困等大変問題になっておりますので、子供食堂とかそういうところに、物はあってもいかにそれをお届けするかということが大変実は難しい、物はあってもですね。そして、食品は腐りますので、例えば今日も午前中、佐賀の大串先生の質疑をしましたけれども、大串先生のところのタマネギは新タマネギなので水分が多くて保存に向かない、長期保存に向かないということもありますので、そういった食材がここにはあって、ここでは欲しい人がいるけれども、そこをつなぐ人がなかなかいないということでありますから、そういったコーディネーターの方々の育成ということも併せてやりながら、主要食料、食品ロスの削減と食料自給率の向上を同時に目指して頑張っていきたいと考えております。

#28
○石井苗子君 ありがとうございます。やっぱり流通の問題というのも、これ農水の担当、管轄かどうか分からないんですけれども、やはりいろいろと連携を取ってやっていっていただきたいと思います。
 残りの時間を人手不足のことについてお伺いいたしますけれども、四月二十八日の大臣の会見で、来日できない技能実習生二千四百名いるということで、加えて、農水業の方でも三百名というデータが出ております。合わせますと二千七百名になるわけですけれども、現時点で、この三百名ですが、この数どのくらいになっているかという質問が一つと、補正予算で四十六億円余りを計上して農業労働力確保緊急支援事業というのを始めておりますけれども、地域のその農業従事者、ほかの産業の従事者や学生さんなどの就農を支援するということの事業のようでございますけど、これいつからスタートしているのかということ、また、問合せ局が女性課というところになっているというのも非常に不思議に思うんですけれども、この辺の説明をしていただきたい。
 ちょっと複雑で、たくさん盛り込んでしまいましたけれども、まず、現時点で来日できない技能実習生、農水の方では三百名ということですが、この数がどのくらいになっているか、あと、四十六億円の計上をした農業労働力確保緊急支援事業ということについてお答えをお願いいたします。

#29
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 今回の新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、受入れの見通しの立たない技能実習生等につきましては、各都道府県から聞き取りを基に積み上げてみますと、五月七日時点で農業で二千四百名程度となっており、人手不足による営農への影響が懸念されておる状況にございます。
 このため、農林水産省といたしましては、補正予算で措置した農業労働力確保緊急支援事業によりまして、農作業の経験のある即戦力人材に加えまして他産業からの人材も受け入れて農作業に従事していただけるように、交通費、宿泊費、研修費、労賃等の掛かり増し部分の費用や農業現場でのマッチング費用等を支援することといたしております。
 これらの取組を通じて、各地での労働力確保の取組を後押ししながら、人材不足の解消と農業生産の維持を図ってまいりたいと考えております。

#30
○石井苗子君 いつからスタートしていらっしゃいますか。質問、いつからスタートして、もうスタートしていますか。

#31
○政府参考人(横山紳君) 予算成立後スタートしておりますし、それは四月一日まで遡って適用することといたしております。

#32
○石井苗子君 今の人数ですけれども、農水の方で三百名で、どのくらいの数に今なっていますか。

#33
○政府参考人(横山紳君) お答え申し上げます。
 まず、農業の方については二千四百名、これは前回と同じで、五月七日時点ですが、二千四百名です。水産の方につきましては、五月一日時点で九百名でございまして、前回、四月二十二日時点で三百名という数字を申し上げたことがございます。

#34
○石井苗子君 来日できない人ですよね。増えているということですよね。そうですね。

#35
○政府参考人(横山紳君) 御指摘のとおりです。来日できない方、あるいは、これから来日を予定しているんだけれども、現時点で見通しが立っていない方、これも含めての人数でございます。

#36
○石井苗子君 生産現場の農作業の停滞を防ぐためには人材確保、これ急がないといけないと思っております。
 出入国在留管理庁というのがありまして、そこではこう言っていますね。技能実習生に対する雇用維持支援というのを行っているようで、農業分野ではJAなどで人材マッチングを行っているということですけれども、農業分野のマッチングの成果というのをあるのかどうか。マッチングというのは、成功事例を説明して、御紹介ください。

#37
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 地域のJAなどにおいて人材マッチングの取組が進められており、例えば長野県のJA佐久浅間が地元の旅館組合と協力して旅館従業員と、また、群馬県の嬬恋村では地元の事業協同組合が休業中の宿泊施設と、また、茨城県のJA岩井及び農業法人がシルバー人材センターや地域の方、県内の外食業で休業中の方とのマッチングが行われていると承知をしているところでございます。また、青森県や北海道が相談窓口とマッチングサイトを開設したり、JA全農において九州及び中国四国ブロックで労働力支援協議会を設立しているところでございます。
 労働力確保を支援する取組が行われているところでございまして、これからもそのマッチング、具体的なマッチングを促してまいりたいと考えております。

#38
○石井苗子君 いやいや、数。成功例って、やっているじゃなくて、何人ぐらい。技能実習生に対する雇用維持支援ということで、農業分野でマッチングの成果って何人ぐらいになっていらっしゃいますか。

#39
○委員長(江島潔君) 時間僅かですので、簡潔にお願いします。

#40
○政府参考人(横山紳君) 委員の御指摘は、まさに技能実習でほかの分野でやっていた人がどれだけ農業の方に従業しているかという御質問かというふうに理解しました。
 その点については、四月二十日から開始しておりますが、現時点では、まだその措置によって特定活動という在留資格の許可を受けた者はいらっしゃらないというふうに承知してございます。

#41
○石井苗子君 ということは、成果はないということですよね。

#42
○政府参考人(横山紳君) この措置、出入国管理庁の方で四月二十日からやられていて、まずはいろんな相談は来ているというふうに聞いておりますし、また、申請も上がってきているというふうに聞いています。ただ、それを受けて、実際に、じゃ、人が結び付いた実績は今現段階ではないと、こういうことでございます。

#43
○委員長(江島潔君) おまとめください。

#44
○石井苗子君 最後に大臣にお伺いしますけれども、こういった新型コロナ対策における自粛とか休校とか、農林水産の需要が減少しているというような状態にありますけれども、これ、農林水産業者の方々の経営に既にどのくらいの影響が出ているのかということを総括してお伝えいただけますでしょうか。

#45
○委員長(江島潔君) 簡潔にお願いします。

#46
○国務大臣(江藤拓君) 業態によって様々です。例えば、野菜にしても、白菜とかキャベツを作っている方と、例えば果物を作っていて観光農園でイチゴを売っている方々とは全く違いますので、一概にこの短い委員長の御指導の下で答えるのは難しいと思いますけれども、いずれにしましても、幅広く大きな被害が生じているというふうに認識をいたしております。

#47
○石井苗子君 終わります。ありがとうございました。

#48
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 政府は、四月七日に新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて緊急事態宣言を出して、五月四日に期限を今月三十一日まで延長しました。感染症を封じ込めるために人の接触を減らそうということで、各方面で努力がされていると思います。こういう努力されている皆さんに改めて敬意を申し上げたいと思います。
 いわゆる三密を避けるために国会でも努力されていますが、どうしてもやっぱり委員会を開いていきますと、関係者がそれに伴って動きますので、三密になりかねない側面があると。当然、国民の苦難を解決するために、この新型コロナ対策の議論を行って迅速に対策を打ち出していくという必要性があるんですけれども、政府自身が緊急事態だというふうに言っているわけですから、急ぐ必要がない法案、例えば規制改革推進会議が求めているような法案とか予算に関係しない法案までどんどん進める必要性はないと思います。少なくとも、緊急事態宣言が解除されてからでもいいんじゃないかというふうに思います。
 さて、今日は水産関係の新型コロナウイルス対策についてお聞きします。
 私も北海道にいつもどおり帰れる状況になっていないものですから、北海道の党の事務所や地方議員の皆さんと連絡取り合いながら、この間、状況を把握し、必要な対策を求めています。北海道で我が党は畠山和也前衆議院議員が新型コロナウイルス対策本部長をやっておりまして、情報交換を行っています。
 そこで、ホタテについてお聞きをしたいと思います。
 ホタテ漁は、この間、北海道の噴火湾でのへい死の被害がありましたが、今、全道的には比較的好調というふうに言われています。北海道漁連の集計によりますと、二〇一九年度、つまり去年の四月から今年二〇年の三月まで、この間の道内のホタテの水揚げは前年比で一一%増と、約三十九万トンということなんですね。
 それで、畠山本部長が漁協などの関係者から話を聞いたところ、新型コロナの影響で中国への輸出がストップをしていると。強い外出自粛要請で道内の需要が落ち込んでいると。北見市の漁協では、殻付きの浜値が四割下がってホタテの在庫がだぶついていると。冷凍施設もいっぱいで、保管できる施設を探してこれ確保することが、今オホーツクの地区、十四漁協あるんですけれども、十四漁協全体の課題になっているということなんです。組合長は、SARSとかリーマン・ショックもあって経験してきたけれども、影響がこの浜まで押し寄せてきたというのは初めてだというふうに言われています。
 そこで、冷凍施設がいっぱいなので、何らかの方法で施設を確保する必要があると、そういう努力しているんですけれども、そういう必要があるときにどういう支援をするのかということをまずお聞きしたいと思います。大臣、お願いします。

#49
○国務大臣(江藤拓君) 当省からの不十分な答弁であるということは承知した上で申し上げますが、そもそもは当初予算では措置されていない、ホタテは措置されておりませんけれども、今回このコロナの感染症の影響を受けて、特定水産物の供給平準化事業、これの対象にして冷凍保管をすると、買い取って保管して、いずれ売っていただくというような制度をやっておりますけれども、肉も同じでございまして、そういう制度があってもなかなかその保存する場所がないということであって、これについては非常に頭を痛めているところでありますけれども、今現在お示しできる制度はこれでございます。

#50
○紙智子君 調整保管に要しての保管料とか、それから入出庫料、それから運搬料、これらについて二分の一の助成というのがあるというように聞いていますけれども、そうなんでしょうか。

#51
○国務大臣(江藤拓君) これは、国と生産者の方々とリスクを分担し合いましょうという制度で元々スタートしている制度でございます。
 買い取って、いずれ保管をして売るときに、また輸出がまた中国では大変引きが強くて、このコロナが起こる前は日本の輸出の大きな柱になっていたこのホタテでありますから、いい値で売れれば、今値段が下がっているところで買い取っていますから、これはいい値で売れれば、二分の一助成であっても二分の一にはならない、収益が上がるわけですから。しかし、その値段で売れなかった場合も二分の一の水準は必ず国が責任を持って補填をするという制度でありますので、多分これでは不十分だと、もうちょっと助成率を上げろという御指摘をいただくのかもしれませんが、今のところはこれでやらせていただいているというところでございます。

#52
○紙智子君 今のところ二分の一の助成ということを話されたんですが、そうすると残りが漁業団体が負担をするということになるわけです。
 ホタテの需要が落ち込んでいるのに、これ保管するために二分の一負担しなければならないということでは、この新型コロナ感染症の終息が、これすぐ終わればいいけれども、長引いた場合、これ漁業団体の重荷になるんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

#53
○国務大臣(江藤拓君) 繰り返しの答弁になって恐縮ですけれども、今、大変悲しいことではありますけれども、今買い入れる価格は下がって、安い値段で買い取っている状況でございます。
 これを、もし、世界の需給が回復しなきゃなりませんし、中国との行き来も、人も含めてまた回復することも必要かもしれませんが、また輸出という窓が開けば、これは今買い取っている値段よりも高い値段で売却することができますので、そうなると、いわゆる漁業者の方々、いわゆるその漁協の負担も二分の一よりも更に軽減されるという最終的には結果にはなるということでございます。

#54
○紙智子君 だけど、その先がなかなか見えていないわけですから、やっぱり状況を見て、ずっと長引く状況になれば、その状況に応じながら考えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

#55
○国務大臣(江藤拓君) 今回、一度補正予算に五千四百四十億ほど積ませていただきました。これも、我々も経験したことのないことに対する対策でありますので、かなり水産庁も林野庁も、それから生産局や各局もそれぞれ皆知恵を出してやったんですけれども、足らざる部分があったことは率直に認めたいと思いますが。
 今私が省内で申し上げていることは、まずは第一発目はこの補正予算についてしっかり周知をして、給付金についても、持続化給付金についても、皆さん方が対象になるんですよ、漁業者の方々も対象になるんですよということをこちらから申し出るような形で、待つのではなくてこちらから声を掛ける形で周知徹底を図っていきながら、そしてこの予算を消化していく中で足らざるところがあれば、もしも次の追加の補正予算の要求があれば、そこを埋めていきたいというふうに考えております。

#56
○紙智子君 団体のやっぱり重荷にならないように考えていただきたいということを求めておきたいと思います。
 そこで、水産庁長官にお聞きしますけれども、特定水産物供給平準化事業の対象魚種について教えてください。

#57
○政府参考人(山口英彰君) お答えいたします。
 今回の補正予算で措置しております特定水産物供給平準化事業につきましては、まず、新型コロナウイルス感染症の影響で需要量が減少し又は取引価格が下落しているもの、次に、漁業者の自助努力、例えば生産調整等でございますが、これのみでは供給過剰状態の解消が困難なもの、また冷凍保管等により価格が著しく低下しないと見込まれるもの、さらに、新型コロナウイルス感染症終息後に放出された保管水産物が輸出拡大等によりまして需要回復につなげられると見込まれるもの、こういった要件を満たした魚種につきまして事業計画ごとに承認をするという形になっております。

#58
○紙智子君 つまり、魚種は特に決めてはいないということですよね。はい。
 特定水産物供給平準化事業は、かつて水産物の調整保管事業とか需給変動調整事業というふうに言われていました。ところが、二〇一七年の行政事業レビューで事業者の自助努力又は地方公共団体により行われるべきという指摘を受けて、この事業は今年度、つまり平成二十九年度で終了すると、新規事業においては対象水産物を限定するということになりました。対象から外した魚種を教えてください。

#59
○政府参考人(山口英彰君) 平成三十年度に外れたものといたしましては、ホタテガイということでございます。

#60
○紙智子君 三十年度ホタテで、その前はホタテのほかにマグロとかホッケとかもあったと思うんですけど。あっ、いいです、いいです、いいですよ。三十年度はホタテが外れているということですよね。
 それで、全国に流通する水産物なのに、これ自助努力、地方自治体で行うように求めて予算と対象魚種を削ったということで、迅速な対応ができなくなったと思うんです。今回は新型コロナウイルス感染症で需要が減少したわけですが、迅速な対応ができずに現場が苦境に陥ったんじゃないでしょうか。補正予算という一時的な対応ではなくて、いざというときの備えが必要だと思うんです。そういう意味では、恒常的な制度に戻すべきではないかと思いますけれども、大臣、これ、いかがでしょうか。

#61
○国務大臣(江藤拓君) ホタテが三十年に外れたのは、極めて人気があって、輸出でも主役を張るような品目でありましたから、冷凍して保存するような必要性がなかったということで外れたということでございますけれども、確かに昔の調整保管という性質から見ると若干弱くなったということは事実でありますけれども、理屈なく外したわけではないということだと思います。
 しかし、このコロナウイルス終息後のことは、先ほど先生が度々おっしゃっているように、どのような経緯を経てこれが平準化され、終息に向かうのか。まあロードマップは正直日本だけのことではなくて世界のことですから見えないところがありますので、今後、この対象魚種について、またこれを継続的にホタテを採用していくのかどうかについては検討の余地があるというふうに私は考えております。

#62
○紙智子君 是非検討してほしいと思うんですね。特定水産物供給平準化事業として補正予算で対応したことは前進だとは思うんですけれども、現場の苦難に応えるように拡充するように求めておきたいと思います。
 そこで、現場の苦難に応えるために、総額一兆円、新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金というのが創設をされております。新型コロナウイルスの感染拡大の防止及び感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活の支援を通じた地方創生を図るということが目的なんですけれども、非常に幅広くあると思うんですね。
 漁業の町で、さらに北方隣接地域の根室市、ここの市長さんは、余りにも現場を分かっていないんじゃないかと、情けないというふうに怒っておられます。根室市の交付金の配分額は一億五千三百万円で、これは実はリーマン・ショックのときに地域活性化・経済危機対策として当時三億千三百万円だったので、その半分なんですね。市長が怒るのもこれ当然だなと思うんですけれども、大臣、是非これ予算を抜本的に増やすように、所管は農水ではないと思うんだけれども、しかし、政府内で是非リーダーシップを取ってもらっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#63
○国務大臣(江藤拓君) リーマン・ショックのときと比べて根室市がそれだけ少ないというのは、ちょっと私も勉強不足で知らなかったわけでありますけれども、もう言うまでもなく、これ、内閣府において五月一日の通知ということでありまして、全く所管外で、他省がやったことについて私がいいとか悪いとか適切だとか不適切だと言うことは、これはもうまさにそののりを越えておりますから御勘弁いただきたいと思いますが。
 ただ、この緊急事態宣言自体は全国に及んだものでありまして、全国すべからくこの影響は受けているわけでありますから、閣僚懇談会とかいろんな場面があります、今はなかなか閣僚も集まって話ができない状況でありますけれども、そういう機会には、私としてリーダーシップが取れるとまでは申しませんけれども、こういうことについてどうなんだろうという議論はしてみたいというふうに思っております。

#64
○紙智子君 本来、内閣府とかに聞かなくちゃいけない、総務省とか言わなきゃいけないんですけれども、是非、やっぱり水産の町でもありますので、それが成り立たないと全体大変ということでもありますので、是非イニシアチブを発揮していただきたいと思います。
 それから、沿岸漁業者、そして産地市場でも影響が出ていますが、JCFU、全国沿岸漁民連、調査を行っております。鮮魚出荷価格が全国的には二分の一、三分の一以下に下落をし、採算割れが生じていると。地方から都市部への出荷が滞る中で、産地市場では値が付かず、やむを得ず休漁せざるを得ない地区や漁船が続出していると。養殖業でも出荷量が三割減少した地区もあるということです。
 過去には燃油が高騰したときに休漁せざるを得ないことがありましたけれども、そのときは支援策を拡充しました。今回は、コスト高ではなくて新型コロナによる需要の減少による休漁ということでケースは違うんですけれども、これ支援策を是非拡充すべきではないでしょうか。

#65
○国務大臣(江藤拓君) 特に沿岸漁業で漁をされている方の中には、もう捕っても値段が安いので燃油代にもならないと、ということであればもう漁に出ない方がましだという、これ、私、門川町という港町の育ちで友達はみんな漁師ですから、そういう声は生声として聞いております。そういうものを聞くと、自分としても、そういう人に何ができるのかと、その燃油高騰対策のときにこの対策を打ったことのことも正直自分でも覚えております。
 これからまだ補正があるということを断定的に申し上げることはできませんが、今漁場が休んでいるということに着目して何かするとか、何かいい手はないかということで一生懸命考えています。今はこれをやるということを申し上げられませんけれども、先生がおっしゃるように、これがいつ終息するかが分からない。まあ四十人とかになって、このまますうっといい感じになってくれればいいですけれども、また第二波が来るかもしれない。ということであれば、ある程度中期の、それから、長期ということは余り考えたくはありませんが、ある程度スパンの長いことも考えざるを得ないのかなと思っておりますので、もし補正の審議が正式に行われるということになれば、この沿岸漁業に対して何ができるか、具体的な指示がまだ出ておりませんけれども、しっかり省内で検討させていただきたいと考えております。

#66
○紙智子君 ちょっと確認なんですけれども、積立ぷらすの基金積み増したことは聞いているんですけれども、新たに漁業者の自己積立金の仮払いとか、あるいは契約時の積立猶予を行っているというようにも聞いたんですが、それは間違いないですか。確認します。

#67
○国務大臣(江藤拓君) 積立猶予を行っております。それから、新しく今まで積立ぷらすに入っていなかった新規の参入の方が入るときにも、この部分については猶予をさせていただくということになっております。
 そして、これまで、三月三十一日まで、いわゆる年度末で締めるまでこれお金触れないという制度の立て付けになっておりますけれども、この積立ぷらすの部分については期中であっても仮払いという形で、今お金が必要な方というのは結構いらっしゃいますので、そういう方々については仮払いという形でお金を支出することも可能という運用の改善をさせていただいております。

#68
○紙智子君 急いで手にしたいという場合にはそういうことも有効かなとは思います。是非更に拡充していただきたいと思います。
 それから、積立ぷらすは減収分が全額補填されるわけではないということもあり、漁業共済未加入者も中にはいると。それらも含めて是非支援策の拡充を考えていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、浜の産地市場では需要の減少で値が付かないと、そして中央卸売市場では物流そのものが、物量ですね、そのものが減少していると。水産経済新聞の報道では、大阪市の水産物卸協同組合の調査では、百二十五社のうち六十九社が昨年比で取引五〇%未満になっていると報道しています。また、宮城では、県の休業要請の対象外で協力金はもらえないということです。
 そうなりますと、卸業者とか仲卸業者の経営が成り立たない。固定費である施設使用料が重荷になってきます。これも支援策が必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

#69
○国務大臣(江藤拓君) いわゆる市場については大小がありますけれども、今現在私どもで把握しているのは、中央卸売市場を開設した四十都市ございますが、この中の大阪とか東京辺りの九つの都市においては、いわゆる卸売市場の施設使用料等の支払猶予の措置が行われています。
 しかし、これは国の施策ではありません。当該自治体が行っているものでありますので、これについて国として何かすべきでないかという検討はさせていただこうと思っておりますが、今日の段階で、このいわゆる九都市だけに限ったものではありませんので、市場というのは大きいところ、小さいところ、私の地元でも本当にちっちゃいところもありますので、果たしてどのぐらいのカバー率でどのようなことができるか、もし補正があれば検討の対象にはなり得るんだろうというふうに思っております。

#70
○紙智子君 緊急事態宣言を出しているのは政府なわけですから、対応は違うといっても、この飲食店とか居酒屋の臨時休業をしたことから影響が出ているというのは明らかだと思うんです。
 卸売や仲卸の経営実態がどうなっているのかというのはちょっと全体把握しないとよく分からないということもありますけれども、開設者の支援が果たしてされているのか。されているところもあると思うんですけど、されているのかどうか早急に把握をして、これ、自治体任せにせずに対策を取るように強く求めておきたいと思います。
 最後に一言、それについての答弁いただいて、終わりたいと思います。

#71
○国務大臣(江藤拓君) 卸も卸、仲卸と業態が様々で、仲卸の方々も、どういう商流を持っていらっしゃるかで、例えば料亭に商流を持っている方は影響が大きいとか、仲卸一くくりでなかなかジャッジするのは難しいですけれども、できるだけ現場の状況を把握する努力はさせていただきたいと思います。

#72
○紙智子君 終わります。

#73
○委員長(江島潔君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────

#74
○委員長(江島潔君) 次に、森林組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。江藤農林水産大臣。

#75
○国務大臣(江藤拓君) 森林組合法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 森林所有者の協同組合である森林組合は、地域の林業経営の重要な担い手として、森林の整備、山村地域の活性化等に寄与してきたところであります。
 このような中、戦後造成された人工林の本格的な利用期の到来や、近年における森林経営管理制度の創設等を受けて、森林組合は、森林経営管理制度の担い手である意欲と能力のある林業経営者として、森林の経営管理の集積、集約、木材の販売等の強化、さらにこれらを通じて山元への一層の利益還元を進めることがこれまで以上に期待されております。
 このため、森林組合が、組合員との信頼関係を引き続き保ちつつ地域の森林整備に取り組みながら、販売事業を拡大して経営基盤の強化を図ることができるよう、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、組合間の多様な連携手法の導入についてであります。
 森林組合等における事業ごとの連携強化が可能となるような枠組みを用意することとし、具体的には、事業譲渡、吸収分割及び新設分割の制度を導入することとしております。
 第二に、正組合員資格の拡大についてであります。
 森林所有者の推定相続人であって、当該所有者の委託を受けてその森林の経営を行うもののうち、当該所有者が指定する者については、定款が定めるところにより、正組合員となる資格を有するものとすることとしております。
 第三に、事業の執行体制の強化についてであります。
 森林組合等の理事の一人以上を林産物の販売等に関し実践的な能力を有する者とするとともに、理事の年齢及び性別に著しい偏りが生じないように配慮しなければならないこととしております。また、森林組合等が事業を行うに当たっては、森林の有する公益的機能の維持増進を図りつつ、林業所得の増大に最大限の配慮をしなければならないこととしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

#76
○委員長(江島潔君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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