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2020/04/30 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 本会議 第15号 令和2年4月30日
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2020/04/30 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 本会議 第15号 令和2年4月30日

#1
令和二年四月三十日(木曜日)
   午後六時三十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十五号
    ─────────────
  令和二年四月三十日
   午後五時三十分 本会議
    ─────────────
 第一 令和二年度一般会計補正予算(第1号)
 第二 令和二年度特別会計補正予算(特第1号
  )
 第三 令和二年度政府関係機関補正予算(機第
  1号)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一より第三まで
 一、地方税法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 一、令和二年度特別定額給付金等に係る差押禁
  止等に関する法律案(衆議院提出)
 一、新型コロナウイルス感染症等の影響に対応
  するための国税関係法律の臨時特例に関する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
     ─────・─────
   午後六時三十一分開議

#2
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 日程第一 令和二年度一般会計補正予算(第1号)
 日程第二 令和二年度特別会計補正予算(特第1号)
 日程第三 令和二年度政府関係機関補正予算(機第1号)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長金子原二郎さん。
    ─────────────
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔金子原二郎君登壇、拍手〕

#3
○金子原二郎君 ただいま議題となりました令和二年度補正予算三案の審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 補正予算三案は、去る四月二十七日に国会に提出され、昨二十九日、衆議院から送付を待って、財務大臣から趣旨説明を聴取し、同日及び本日の二日間、安倍内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、質疑を行いました。
 質疑は、主に新型コロナウイルスの感染拡大について活発に行われ、具体的には、緊急事態宣言の効果と今後の見通し、院内感染防止の重要性と医療提供体制の維持拡充、PCR検査数増加に向けた取組、特別定額給付金の給付方法及び金額、家賃補助等の休業支援の在り方、臨時休校に伴う児童生徒の教育の機会と食事の確保、虐待対策、学生に対する就学支援、地方自治体への財政支援拡充の必要性、ワクチン及び治療薬の開発、普及の加速、マスクの安定供給に向けた取組、出産に係る支援並びに妊婦の感染対策及び雇用問題など多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論、採決の結果、令和二年度補正予算三案は全会一致をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#4
○議長(山東昭子君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。伊藤孝恵さん。
   〔伊藤孝恵君登壇、拍手〕

#5
○伊藤孝恵君 国民民主党の伊藤孝恵です。
 私は、共同会派を代表し、令和二年度補正予算三案に対し、賛成の立場から討論を行います。
 冒頭、新型コロナウイルスでお亡くなりになられました方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御家族の悲しみはいかばかりかとお察し申し上げます。また、治療中の皆様の一日も早い御回復を心の底よりお祈り申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症に対する不安が日本中を覆っています。自分が感染する恐怖はすなわち自分の大切な人に感染させる恐怖であり、自分の命より大切だと思える存在をある日突然失う恐怖に直結しています。
 もしも家族が、我が子が発熱し、PCR検査も受けられないまま自宅待機を命じられ、保健所の電話も通じない中で容体が急変したとしたら。病院で付き添うことは許されず、臨終にも立ち会えず、かけがえのない人の最期の瞬間にありがとうも言えず、愛してるからねと伝えることもできず、その亡きがらを抱き締めて泣くことすらかなわない。ただ焼かれ、骨になって帰ってくるのを濃厚接触者として家で待つだけ。それを我が身と想像し、胸を引き裂かれない者はおりません。その悲しみが現実に目の前で起きているから、みんな怖いのです。そんなときに、なぜ小さな布マスク二枚に四百六十六億円も掛けるのか、そこじゃあないだろうと腹立たしいのです。
 政治が自分たちの気持ちを受け止めていないと感じれば、社会の不安は増幅します。だからこそ、各国のトップは国民との信頼関係構築に腐心しています。
 ドイツのメルケル首相は、現実を否定したり情報を隠したりせず、現状を真剣に受け止めることから始めるのですと、冷静かつ断固たる姿勢で国民に語りかけ、即座に検査を開始しました。
 デンマークのフレデリクセン首相は、大人の参加を禁じた子供向けの記者会見を開き、恐怖を感じることはいけないことではないのだと、時間を掛けて説明しました。
 台湾の陳政府対策本部長は、毎日の記者会見で質問が尽きるまで答え続けることで、国内のフェイクニュースや差別、誹謗中傷といった分断を消し去り、時には、学校でからかわれた小学生をかばうため、ピンク色のマスクをして会見に臨むなど、温かく実直な対応で、定心丸、安心させてくれる人と呼ばれています。
 政府は、現状を把握するためのPCRや抗体検査をもっと積極的に実施すべきです。その上で、事実を公表し、数字に基づく透明性ある決定を提示し、ここを政府は頑張るからこの部分は国民の皆様にお願いしたいと役割分担を丁寧に説明する。役割分担、つまり国民の皆様には自粛を、政府は、補償の充実や治療薬、ワクチンの開発、医療の最前線を守るなど、誰も死なせない、国民の命と財産を守るための政策遂行です。
 自粛は、強制ではなく要請しているだけだから、政府が責任を取る必要は法的にはない。財源は有限なんだから、融資や支払猶予はいいけど、補償は難しい。そんな冷酷な本音が透けて見える補正予算ではありますが、一刻も早い対応が必要との見地から、本案には賛成いたします。
 しかし、対策の十全ではない点をお伝えし、更なる追加措置を早急に検討いただくため、以下、本案の問題点を具体的に指摘させていただきます。
 第一に、予算の対象期間が不明であり、先を見通すための措置として量的、質的に十分でない点です。
 総理が世界最大級だと胸を張る事業規模百十七兆円の緊急経済対策は、その実、前年度補正予算の未執行分や、以前から予定されていた消費増税対策費、税と社会保険料の支払猶予や貸付け分まで加えて水増しされており、国が新たに支出する、いわゆる真水の部分はたったの二十七・五兆円にとどまります。
 前例のない事態には前例のない対策が必要です。例えば、低金利の今だからこそできる百年国債による百兆円規模の大胆な財政出動、このコロナ国債こそ、ほかの誰にもできない、まさに政治決断なのではないでしょうか。
 第二に、治療薬とワクチンの開発予算が余りにも少ない点です。
 人類としてウイルスの抗体を持っていない以上、治療薬とワクチンの開発が目下の最重要課題です。現下の社会においては、たとえ国内感染が収束したとしても、また国外からウイルスは入ってきます。ワクチンがなければ、社会全体が集団免疫を有するまで、すなわち多くの国民が感染するまで事態は好転しません。
 ウイルスと付き合っていくための合理的な議論もなく、ワクチン開発支援もたった百億円である日本を尻目に、アメリカでは三十億ドル強、およそ三千二百億円の予算が組まれています。
 我が国は既に抗体検査をしないといけない段階に至っています。しかし、いまだに厚生労働省は活用を決断できず、検査キットの開発や確保のための予算が計上されておりません。これらは、予備費であっても迅速に対応すべきです。
 第三に、医療現場の現状認識が余りに乏しい予算である点です。
 今回、自宅で入院を待っている間に失われた命は、避けられた災害死だと言えます。平時であればその地域において日常的に受けられた初期治療がなされなかったことによる死亡を指す、避けられた災害死。この悲劇を繰り返さないためには、都道府県ごと、保健所ごとに患者を分けるのではなく、県をまたぎ、地域で連携して病床を確保していく必要があります。と同時に、医療現場が今直面している人的崩壊と経営的崩壊という二つの危機に対し、国による手当てが必要です。もはや、医療従事者の崇高な使命感に頼る次元をとうに超えています。
 第四に、事業継続や家計支援が手薄な点です。
 中小企業や個人事業主、商店主などの間で諦め倒産が広がっているとの指摘があります。国の支援があれば何とか事業継続をしようと奮い立つこともできるのに、今回の支援内容では先が見通せず、倒産を選ぶというものです。
 フリーランスを含めた事業者向けの持続化給付金は、給付要件を緩和するとともに、現在、二・三兆円とされている予算を倍増してください。
 あわせて、雇用調整助成金や小学校休業等対応支援金の日額上限を引き上げ、手続を簡易迅速化してください。また、財政状況の厳しい自治体であっても地域において十分な補償を行えるよう、一兆円の臨時交付金は、自治体の裁量権を高めた上で五兆円まで増額してください。さらには、おととい、全ての野党共同で提出した家賃支払支援法の早急な審議を求めます。これがなければ、来月には倒産と廃業が続出すると断言できます。
 安倍総理からいただきたいのは、歯を食いしばって頑張っておられる皆さんこそ日本の底力などという美しいねぎらいの言葉ではなく、直接の補償です。
 我々は、当初から、全ての国民に対し一律十万円を給付することを主張してきました。家にいてくださいと言うのであれば、補償はセットだという当たり前の論理です。この提案を掃いて捨てたことが一連の混乱を招いた反省を踏まえ、今後のビジョンとスケジュール、第二弾、第三弾の給付のめどは早く周知してください。また、その際は、くれぐれも受給権者を世帯主ではなく個人に改めていただきますよう要望いたします。
 最後に、感染拡大の収束が見通せないにもかかわらず、ゴー・ツー・キャンペーン事業として一・七兆円もの予算が計上されている点も指摘せねばなりません。この不急な予算については、どうか全額、国民の生活と事業の補償に組み替えてください。
 政府は、V字回復フェーズを意識したものと説明しますが、緊急事態宣言が延長されようとしているこの時期に、かかる事業に多額の予算を計上することは滑稽です。どこにゴー・ツーすればいいのでしょうか。
 アフターコロナを考えるのも、もちろん政治の大切な責務です。しかし、今は一刻を争う人の元に支援を届ける予算が先です。
 感染防止資器材がないまま治療に当たる医師、看護師、救急隊、介護や保育の現場があります。家族の反対を押し切って働いてくださっているエッセンシャルワーカーたちがいます。給食がないからおなかがすいて眠れないと言っている子供や、自分が陽性になってしまったらこの幼い子供はどこに預ければいいのかと不安を抱える一人親、もう大学をやめるしかないと荷物整理を始めている若者や、イベント中止の損失額の大きさに途方に暮れている人がいます。また、基礎疾患があるのに、おなかに子供がいるのに今日も出勤せざるを得ない人がいる一方で、解雇によって仕事も住む場所も一気に失った人たちもいます。その絶望感を想像してみてください。日本中が今、安心を欲しています。
 以上、令和二年度補正予算三案の問題点について申し述べました。
 過去の歴史に学べば、生活者の命を奪ってきたのは、感染症だけではなく、間違った経済政策でもありました。だからこそ、我々は、今後も政府に対し、強力な補償、強力な経済政策こそが強力な感染症対策だということを繰り返し訴えるとともに、具体的な提案をもって果断な意思決定を求めていくことを申し上げ、私の討論を終わります。(拍手)

#6
○議長(山東昭子君) 伊藤孝江さん。
   〔伊藤孝江君登壇、拍手〕

#7
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。
 私は、自民、公明を代表して、令和二年度補正予算三案に対し、賛成の立場から討論を行います。
 冒頭、新型コロナウイルスに感染し、お亡くなりになられた方々に心より御冥福をお祈り申し上げますとともに、治療を受けておられる方々が御快癒されることを心よりお祈りいたします。また、医療現場や社会生活を支えてくださっている皆様に対し、深く感謝申し上げます。
 今月七日、七都府県に対して緊急事態宣言が発令され、十六日には対象地域が全国に拡大されました。この緊急事態宣言を境に国民生活を取り巻く環境が激変したことに対応し、この補正予算案はより強力に編成されました。
 収束の兆しが見えない中で、経済や生活の不安にさいなまれながら努力と我慢を重ねている国民の皆様に一日も早く支援を届けるためにも、総額二十五兆六千九百十四億円となる本補正予算案を速やかに成立させる必要があります。
 以下、本補正予算案に賛成する理由を申し上げます。
 第一の理由は、感染拡大防止策と医療提供体制の整備、治療薬の開発のための財政措置を講じている点です。
 国民の不安を解消するために、新型コロナウイルスの感染拡大防止策を充実させることは何よりも重要です。約千八百三十八億円の財政措置を講じてマスクや消毒液等を確保し、必要なところに適切に物資を行き渡らせます。また、医療提供体制の整備に向け、都道府県が地域の実情に応じて柔軟かつ機動的に医療提供体制を整備できるよう、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を創設し、千四百九十億円を計上するとともに、人工呼吸器の確保、重症者増加に備えた人材確保のための予算も計上されています。さらに、感染拡大を根本的に解決するため、有効な治療薬やワクチンの開発を加速化するための予算として約二百七十五億円が計上されています。これらを始めとする事業は、逼迫する医療の崩壊を防ぐための対策でもあります。
 第二の理由は、国民の生活を支えるための財政措置が講じられている点です。
 所得制限なしで一律十万円の特別定額給付金を支給するための予算として約十二兆八千八百二億円が計上されました。緊急事態宣言発令後の状況からすれば、一人十万円の給付は迅速かつ的確に家計への支援を行うものとして国民の期待に広く沿うものと評価できます。
 また、児童手当の受給者に対し、子供一人当たり一万円を支給する臨時特別給付金や住居確保給付金による支援の拡充など、生活を支える支援もなされています。
 第三の理由は、主に中小・小規模事業主を対象に、雇用の維持と事業の継続のための財政措置を講じている点です。
 雇用調整助成金の特例措置を拡充し、業績が悪化した企業において従業員の雇用を維持させるために約八千三百三十億円が計上されています。また、大規模な無利子、無担保融資のために約三兆七千四百八十五億円、売上げが減少した中堅・中小企業や個人事業主に給付する持続化給付金のために約二兆三千百七十六億円が盛り込まれており、事業の継続を支えるとともに、資金繰り対策が強化されています。
 第四の理由は、地方自治体への支援のための財政措置が講じられている点です。
 感染防止対策に有効な施策を実施するために地方自治体との連携が欠かせない中、地方自治体に対する財政面での力強い下支えが不可欠です。その観点から、さきに述べた新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金に加え、一兆円の地方創生臨時交付金が計上されました。これは、自治体が地域の実情に応じて必要な事業を実施するために利用でき、自治体からも待ち望まれております。
 これらに加え、次の段階としての官民を挙げた経済活動の回復に一兆八千四百八十二億円、強靱な経済構造の構築のために九千百七十二億円の予算が計上されています。また、一兆五千億円の予備費が計上され、感染症の状況や経済動向を踏まえた必要な対策をちゅうちょなく講じていくことが可能となっております。これらによって、局面に応じた政策を展開していくことができます。
 新型コロナウイルス感染症は全世界が共有するリスクであり、世界全体で経済活動が縮小しています。我が国経済にも甚大な影響を及ぼし、この闘いが長期戦となることも覚悟しなければなりません。国際社会が連帯してこの未曽有の危機に打ちかつため、安倍総理におかれましては一層のリーダーシップを発揮されることを期待いたします。
 本補正予算案で目指している各種給付金の支給を始めとする事業の実施を、事業者に、生活者に、全国民に一日も早く確実に届けることが今まさに政治に求められている役割です。本補正予算の早期成立、執行こそ何よりも優先すべきであります。
 そして、今後も、引き続きこの国難ともいうべき危機的な状況に立ち向かうために、一致結束して総力を挙げて対策を講じていくことをお誓い申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)

#8
○議長(山東昭子君) 片山大介さん。
   〔片山大介君登壇、拍手〕

#9
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 私は、党を代表して、令和二年度一般会計補正予算、令和二年度特別会計補正予算そして令和二年度政府関係機関補正予算に対し、賛成の立場から討論いたします。
 まず、新型コロナウイルスで亡くなられた方々にお悔やみを申し上げます。そして、治療中の方々とその御家族にお見舞いを申し上げます。さらに、今、この瞬間も見えない敵である新型コロナウイルスと最前線で必死に立ち向かっている医療従事者の方々に心から敬意と感謝を申し上げます。
 今回の補正予算の目的は何か。それは、新型コロナウイルスによって困窮している人たちに救いの手を差し伸べることです。そして、それは一刻の猶予も許されないものであり、今回ほど政治にスピードが求められているときはありません。なので、この補正予算案の国会提出自体が遅くなったことは残念なことです。さらに、優先順位を間違っていると思われる施策も随所に見られます。
 でも、成立は待ったなし。速やかに必要な施策を実行していただきたい、その上で更なる対策を求めていきたい、そう思います。
 日本維新の会では、今年一月二十三日、中国武漢で感染症が流行していること、そして、春節が始まれば多くの中国人旅行客が訪日することに危機意識を持ち、いち早く党内に対策本部を設置、その後、今月二十七日提出の第四弾まで、四回にわたって提言書を政府に渡してきました。党内で熟慮を重ねてきた提言です。そのうちの一つが、国民一人当たり十万円の現金給付でした。
 感染症による経済危機においては、従来から支援が必要であった弱者や低所得者層だけではなく、これまで社会経済を支えてきた階層も大きな打撃を受けます。こういう状況下では、従来の枠にとらわれていては危機を乗り越えられません。だからこそ、我々は十万円の現金給付を提案したわけですが、今回、特別定額給付金という名で盛り込まれたことは大いに評価します。ただ、これで国民に広がる先行きの不安と危機意識が解消されるわけではありません。
 我々の提言では、家賃支援についても求めています。外出の自粛や営業の自粛で、店舗は売上げが減っています。売上げがなければ賃料を支払うめどは立たず、貸し手と借り手、双方共に困窮します。政府はまだ救済の手を差し伸べる施策を打ち出していません。なので、維新は、ほかの野党とともにそのための法案を衆議院に提出しました。与党にも参加していただき、この法案を成立させ、困窮する事業者への家賃支援を実現させていきたい、そう思います。
 そして、感染症対策は特措法に基づいて実施されており、休業要請などで都道府県の知事が指揮をしています。ここで必要なのは、地方が適切な対策を実施するための資金です。今回の補正予算では地方創生臨時交付金が一兆円付きましたが、全く足りません。今回の補正予算の成立後、更に三兆円の上積みを政府に求めます。
 このほか、政府が打ち出した様々な支援策、国民経済縮小の打撃を受けた中小企業に向けた資金繰りなど、拡充されるものも多くあります。
 でも、一つ一つの制度を見ると、改善の余地が見られます。
 例えば、従業員に出す休業手当を支えるための雇用調整助成金、全国的に支給件数が低迷しています。平時に実施する給付の対象拡大という措置だけでは、有事においては時間が掛かり過ぎます。政府答弁では制度を拡充したことばかりを強調していますが、制度がありながら困窮している人たちに十分に手を差し伸べることができているのか、改善の余地はないのか、改めて考えていただきたい、そう思います。
 さらに、省庁や担当課の制度ごとに問合せ先も分かれているので分かりづらく、申請窓口はワンストップにもなっていません。使い勝手が悪いとしか言いようがなく、パッケージとしての支援策も見えてきません。だから、事業主が、自分が受けられる支援策にたどり着けず、最初から諦めている人もいます。それでは本末転倒です。個々のニーズに即した支援の組合せを考えられるようにしていただきたい、省庁横断の窓口をつくっていただきたい、そう願います。
 そして、何よりも問題なのは、電子化されていないことです。クラスターを決してつくらないという条件の下では、窓口業務で大量の申請を処理することはできません。電子化の遅れが、給付、融資の支援の遅れにつながっているのです。
 日本維新の会は、かねてよりマイナンバーの活用を訴えてきました。法人番号と個人番号を銀行口座と結び付けて活用すれば、申請自体を電子化できます。そして、特別定額給付金や持続化給付金といった複数の施策の名寄せをすることもできるようになり、スピーディーな支援が可能になるんです。危機の中にある今、すぐには実現できず、残念でなりません。今後、是非前向きに検討していただきたい、そう思います。
 最後に、医療従事者についての支援を述べさせていただきます。
 医療従事者の方々は、自ら感染するリスクがある中、医療活動を続けています。維新は、新型コロナウイルス感染症を専門に扱う病院又は施設を設置し、マンパワーを集中させることを提案しています。特に、酸素投与が必要ではあるが人工呼吸器までは要らない患者、容体が急変して重症化する可能性がある中等症の患者を収容する専門病院を増設し、そこへ十分な予算措置を行う必要があると考えています。また、発熱外来や、民間の検査機関を利用するなど、様々な形式によるPCR検査センターも積極的に設置していくべきです。
 そして、ワクチンについて、国内における開発、製造体制を構築することは必須です。開発されたワクチンの薬事承認を取るまでの期間を可能な限り短縮する特例措置をとるとともに、製造を担う企業が設備投資に尻込みすることのないよう、一定量のワクチンを国が買い上げることなどの措置をとるべきです。
 その医療従事者を守る防護服やマスクなどの医療資材はどこも足りずに困っています。医療資材の不足は生産を外国に頼ってしまったために生じた問題で、大きな教訓です。より感染力の高い感染症の流行に備え、安全保障上必要とも言ってもよい健康に関わる物資について、国内の生産体制を強化しておく必要があります。工場の国内回帰を促すためにも、設備投資への補助金をもっと考えるべきではないでしょうか。
 アメリカで最も深刻な状況にあるニューヨーク州で指揮を執るクオモ知事はこう説いています。
 あなたが健康ならばどんな問題でも解決策を見出すことができる。そして、生きてさえいればあとの問題は何とでもなる。まずは生き抜かなければいけない。まさにそのとおりだと思います。そのための施策こそ必要で、国民一丸となってこの見えない敵である新型コロナウイルスと闘い、勝利することを強く望みます。
 今回の補正予算の成立後もスピード感持って更なる対策を取ることを改めて求め、令和二年度一般会計補正予算等三本の予算に賛成いたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

#10
○議長(山東昭子君) 山添拓さん。
   〔山添拓君登壇、拍手〕

#11
○山添拓君 日本共産党を代表し、二〇二〇年度補正予算案に賛成の討論を行います。
 初めに、新型コロナウイルスで亡くなられた方への哀悼とともに、闘病中の方へお見舞いを申し上げます。
 感染爆発と医療崩壊を食い止め、命と健康、生活となりわいを守り抜くことが最優先の政治の責任です。一律一人十万円の現金給付は、いち早く分かりやすい給付をという世論の力が実現させたものです。フリーランスを含む中小事業者への持続化給付金、地方自治体への臨時交付金などは、更なる拡充を課題としつつ、一刻も早く実現するべき施策です。我が党は、現下の必要性と緊急性を踏まえ、本補正予算案に賛成するものです。
 同時に、本案は未曽有のコロナ危機への対応に不十分であるばかりか、不急の予算を多額に計上しています。以下、提案を含め指摘します。
 医療崩壊を阻止するための予算は、極めて乏しいと言わなければなりません。
 いまだに多くの人がPCR検査を受けられず、結果として市中感染が広がり、院内感染が多発し、医療崩壊が始まりつつあります。総理はようやくPCR検査センターの設置へと方針転換しました。本案にその費用を計上したといいますが、それは患者の負担軽減分であり、人件費や備品費、感染防止対策費などセンターの運営費用は含まれません。東京都医師会が目標とする都内二十か所だけでも月十億円、全国に横展開するには大胆な予算措置が必要です。
 東京杉並区の試算では、コロナ患者を受け入れる病院は月平均二億円の減収です。全国千二百の指定病院で同様に補填すれば一月で二千四百億円。総理は緊急包括支援交付金を創設したといいますが、一千四百九十億円では全く足りません。
 コロナ患者を受け入れていない地域医療を担う診療所や病院も深刻です。マスクや消毒液は依然不足し、東京保険医協会のアンケートでは、外来患者が激減、保険診療の収入が九割以上減るといいます。このままでは経営困難で閉院という現実がすぐそこに迫っています。
 医療費削減政策の下で、多くの病院がふだんからぎりぎりの経営です。そこを襲ったコロナ危機です。総理が、医療体制は国が責任を持って守る、コロナ対応で病院経営が困難になることがあってはならないと言うのであれば、日々最前線で奮闘されている医療関係者を支えるために、桁違いの予算を組むべきです。
 自粛と一体の補償をという圧倒的多数の声にもいまだに背を向けています。
 都内のタクシーは、約半数が休車、営業中止に追い込まれ、四月の収入は五割から二割にまで落ち込んでいます。そもそも低賃金で、六割の休業手当ではとても生活できないと悲鳴が上がっています。
 雇用調整助成金の助成率を十分の十に引き上げるといいます。しかし、事業者負担が完全にゼロになるのは、休業要請を受けている、上限の八千三百三十円を超える持ち出しがないなど、複数の条件をクリアするごく限られたケースだけです。要件を緩和し、上限額を引き上げ、事業者への事前支給を可能とするべきです。
 雇調金のモデルとされたドイツの操業短縮手当制度は、影響の長期化を見据え大幅に拡充されています。通常六割の補償額が、四か月目に七割、七か月目に八割と引き上げられ、子供がいる場合の加算もあります。日本でもコロナ特例で賃金の八割補償を実現すべきです。
 ミニシアター、小規模映画館は観客ゼロでの上映が続き、休業要請による休館のまま閉館につながりかねないと危惧されています。
 セーブ・ザ・シネマ・プロジェクトに一週間で五万三千人が賛同署名を寄せました。あるミニシアターには、九十四歳の常連客が、映画は私の大学と書き記し、再開を待つ手紙を寄せています。多様性を育む、日本に独特の文化芸術拠点は、多くの人々にとって心の糧です。
 政府はこれまで映画やアニメ、音楽やゲームをコンテンツ産業と位置付け、クールジャパンと称して海外にも売り込んできました。総理、文化の灯は絶やさないと言うなら、給付金二百万で、あるいは借金でしのげではなく、必要な補償を行うべきです。
 バーやナイトクラブ、ライブハウスなど、政府が名指しで利用自粛を求めた業種を始め補償なき緊急事態宣言の下で多くの事業者が苦境に立たされています。
 質疑を通じて、持続化給付金の売上げ五割以上減少という要件に具体的根拠はなく、予算上の制約にすぎないことが明らかになりました。
 総理は、長引けば更なる対応も考えると言いますが、つい先ほど、緊急事態宣言の延長方針を自民党に伝えたといい、長期化は必至です。少なくとも予算を倍加し、対象も拡大し、一回きりではなく、文字どおり持続可能な支給とするべきです。
 まともな補償がない下で、最低限の生存すら脅かされています。
 生活保護の相談などを行う団体では、日雇派遣で仕事がなくなった人やDV被害者など、手持ち金百円以下という方の相談が急増しています。ネットカフェの休業で住まいを失い、電話料金が払えず、無料WiFiが使える場所からメールでSOSが送られてくるといいます。
 申請しても水際作戦で追い返され、どうにか受理されても、十数人相部屋で三密の無料低額宿泊所を案内されるなど、感染リスクを踏まえない対応も相次いでいます。
 連休中も生活保護や各種貸付けの窓口対応を行うとともに、失業給付や住居の無償提供など、災害時と同様に応急対応するべきです。
 全国百七十一の大学で学費減額などを求める運動が広がっています。政府による一律学費半額と大学への予算措置を求める署名に、五日で一万人が署名しました。
 高等教育無償化プロジェクト、FREEによる実態調査の最新集計では、退学を検討する学生が五人に一人、現に退学を決めた学生もいるといいます。アルバイト収入が激減し、元々高い学費と生活費、さらにはオンライン講義の環境整備など追加負担も生じ、学生は追い込まれています。
 本案の学費減免予算は七億円です。大学、短大、専門学校に通う学生は約三百六十九万人、一人二百円足らずです。文科大臣も必ずしも十分でないと述べました。大学が独自に行う支援を後押しするためにも、抜本的に拡充するべきです。
 全ての妊婦が安心して安全に出産できるよう、国の支援が必要です。産科が院内感染で閉鎖され転院先が見付からない、転院により分娩費用が跳ね上がるということがないよう、バックアップが求められます。
 保健所の業務が逼迫し、乳幼児健診や両親学級、新生児訪問などの機能が損なわれており、その回復は子供にとっても親にとっても急務です。
 本案では、配偶者暴力の相談体制強化に一・五億円が計上されていますが、DV、虐待防止に特化した予算はこれだけです。電話やSNSによる相談体制、シェルター、人員体制の確保に従来の延長でない対策を求めるものです。
 こうして不十分な点が多数ある一方、収束後のゴー・ツー・キャンペーンには一兆七千億円、大企業支援に使われてきたリバイバル成長基盤強化ファンドには一千億円も計上しています。しかし、今、政治に求められるのは、目の前の命と暮らしを救うことであり、政策も財政もそこに集中すべきです。
 当初予算にも改めるべき項目があります。辺野古埋立てやイージス・アショア、カジノ推進など、不要不急の予算は執行を停止し、医療と補償に回すよう求めます。
 野党は、衆議院で、持続化給付金の倍増、雇調金の改善、地方創生臨時交付金の抜本的増額など、予算の組替えを提案し、家賃支援法案も提出しました。党派を超えて既に必要性を共有している課題です。政府も真摯に検討するよう強く求めて、討論を終わります。(拍手)

#12
○議長(山東昭子君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────

#13
○議長(山東昭子君) これより三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#14
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、三案は可決されました。(拍手)
     ─────・─────

#15
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 令和二年度特別定額給付金等に係る差押禁止等に関する法律案(衆議院提出)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#16
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長若松謙維さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔若松謙維君登壇、拍手〕

#17
○若松謙維君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案は、新型コロナウイルス感染症及びその蔓延防止のための措置が納税者等に及ぼす影響の緩和を図るため、個人住民税、不動産取得税、自動車税、固定資産税等に係る特例措置を講ずるとともに、固定資産税等の減収を補填する措置を講ずる等の改正を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、地方税における徴収猶予等に伴う減収に対する措置、特別定額給付金の迅速な支給とDV被害者等に支給する際の対応、新型コロナウイルス対応地方創生臨時交付金及び持続化給付金の在り方、自治体の協力金を非課税とする必要性等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、令和二年度特別定額給付金等に係る差押禁止等に関する法律案は、令和二年度特別定額給付金等の支給の趣旨に鑑み、その支給を受けることとなった者が自ら同給付金等を使用することができるようにするため、同給付金等について、差押えの禁止等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、衆議院総務委員長大口善徳君から趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#18
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#19
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。(拍手)
 次に、令和二年度特別定額給付金等に係る差押禁止等に関する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#20
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
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#21
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#22
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長中西祐介さん。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔中西祐介君登壇、拍手〕

#23
○中西祐介君 ただいま議題となりました法律案につきまして、財政金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、新型コロナウイルス感染症及びその蔓延防止のための措置が納税者に及ぼす影響の緩和を図るため、国税関係法律の特例を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、納税猶予の特例措置の内容と今後の課題、中小企業や家計の資金繰りに対する更なる支援の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#24
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#25
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後七時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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