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2020/04/17 第201回国会 衆議院 第201回国会 衆議院 厚生労働委員会 第9号 令和2年4月17日
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2020/04/17 第201回国会 衆議院

第201回国会 衆議院 厚生労働委員会 第9号 令和2年4月17日

#1
令和二年四月十七日(金曜日)
    午後一時三十分開議
 出席委員
   委員長 盛山 正仁君
   理事 後藤 茂之君 理事 新谷 正義君
   理事 冨岡  勉君 理事 長尾  敬君
   理事 平口  洋君 理事 小川 淳也君
   理事 岡本 充功君 理事 高木美智代君
      あべ 俊子君    安藤 高夫君
      上野 宏史君    大岡 敏孝君
      大串 正樹君    大隈 和英君
      木村 哲也君    国光あやの君
      小島 敏文君    小林 鷹之君
      後藤田正純君    佐藤 明男君
      塩崎 恭久君    繁本  護君
      白須賀貴樹君    田村 憲久君
      高橋ひなこ君    谷川 とむ君
      堀井  学君    堀内 詔子君
      三ッ林裕巳君    山田 美樹君
      和田 義明君    阿部 知子君
      稲富 修二君    尾辻かな子君
      下条 みつ君    白石 洋一君
      中島 克仁君    西村智奈美君
      山井 和則君    柚木 道義君
      伊佐 進一君    桝屋 敬悟君
      宮本  徹君    藤田 文武君
    …………………………………
   内閣総理大臣       安倍 晋三君
   厚生労働大臣       加藤 勝信君
   厚生労働副大臣      稲津  久君
   内閣府大臣政務官     神田 憲次君
   厚生労働大臣政務官    小島 敏文君
   厚生労働大臣政務官    自見はなこ君
   国土交通大臣政務官    佐々木 紀君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 海老原 諭君
   政府参考人
   (内閣府地方創生推進室次長)           長谷川周夫君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 桑原  進君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       日原 知己君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  吉田  学君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  宮嵜 雅則君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  高橋 俊之君
   政府参考人
   (中小企業庁事業環境部長)            奈須野 太君
   参考人
   (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君
   厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十七日
 辞任         補欠選任
  船橋 利実君     堀井  学君
同日
 辞任         補欠選任
  堀井  学君     和田 義明君
同日
 辞任         補欠選任
  和田 義明君     船橋 利実君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三四号)
 年金積立金管理運用独立行政法人法等の一部を改正する法律案(岡本充功君外五名提出、衆法第七号)
     ――――◇―――――

#2
○盛山委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案及び岡本充功君外五名提出、年金積立金管理運用独立行政法人法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、参考人として独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣府大臣官房審議官海老原諭君、地方創生推進室次長長谷川周夫君、外務省大臣官房審議官桑原進君、厚生労働省大臣官房年金管理審議官日原知己君、医政局長吉田学君、健康局長宮嵜雅則君、年金局長高橋俊之君、中小企業庁事業環境部長奈須野太君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○盛山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○盛山委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。国光あやの君。

#5
○国光委員 質問の機会をいただきまして、大変ありがとうございます。衆議院議員の国光あやのでございます。
 きょうは、年金改正法案の質疑ということで、機会をいただきまして、ありがとうございます。
 その前に、本当に、加藤大臣始め、新型コロナ対策に御尽力をいただいていることに心から感謝を申し上げたいと思います。
 私も、三年前まで厚労省におりました。十三年勤めており、その間、新型インフルエンザ対策やSARS、そして東日本も経験をさせていただきました。恐らく今、困っていらっしゃることが多々おありだと思うんですけれども、一番のお困りは、私も経験をさまざまさせていただきましたけれども、マンパワーの不足なのではないかと思います。
 このマンパワーの不足、このような有事は特にそうですが、平時も非常に厚生労働省の一番のボトルネックと言えることでございますので、昨年、政務経験者を中心にチームをつくって、定員の増を要望いたしまして、実は、昨年までは本省定員の増が毎年七十人だったんですけれども、ことしに関しては百四十人の増ということになりました。この四月から定員の増になっているかと思いますけれども、なかなかコロナ対策で十分にマンパワーが足りないところ、少しでもお力添えができるということがありましたら、何よりの喜びでございます。
 さて、足元の年金改正法案でございます。こちらにつきましては、非常に重要な法案だと私自身も感じております。
 社会保障制度が、やはり昭和の時代のモデルを少しずつ変えていかねばいけない、その直面をしている中でこの年金の問題は非常に大きいものがございます。人生百年時代で、多様な働き方をいかに支えていくかということ、そして、今、六十歳以上の方でアンケートをとると、六十五歳以上まで働き続けたいという方は八割に上るという数字もございます。平均寿命も間もなく百年に到達するという時代を迎えつつあります。しっかり働き方を変えていかねばいけない。英語で言いますと、ワークロンガーとよく言われますけれども。
 私自身も、実は、隗より始めよということで、自分の事務所も、今まさに個人事業主で、職員が十三名、パートタイムを含めますと。中小零細企業の事業主でございます。私の事務所は、パートも含めて実は全て被用者保険に入っておりまして、やはり実感しますのは、被用者保険に入っていると雇用が安定します。やめません。これは、まず隗より始めよで、私自身も身をもって感じているところでございます。
 ぜひ、短時間労働者を始めとした被用者保険の適用拡大や、そして年金受給開始時期の選択肢の拡大、まさに働き方を選ぶという中でとても大事な法案だと思いますので、改めて、きょうは年金局長がお越しでございます、改正法案の効果についてと、そして特に、今コロナ対策で、せっかく、まず二〇二二年から、五十人以上の規模の事業者様に拡大を、短時間の労働者の被用者保険の拡大がされるということで、恐らく被雇用者の方は非常に期待されている部分が大きいと思います。ただ、二年後でありますので、どうなるかということですけれども、コロナの目下の足元では、その前に解雇をされるとか、いろいろな状況が出ております。
 そのような年金制度と、そして、特に、低年金や、非常に困っていらっしゃる、いわゆる今後シニア世代を迎える方に対してのメッセージも含めまして、この年金改正法案の意義について改めてお伺いさせていただきたいと思います。

#6
○高橋政府参考人 お答えを申し上げます。
 今般の年金制度改正法案でございますけれども、年金制度につきまして、より長く多様な形となる就労、世の中がそういうふうに変わってくる、これにつきまして、年金制度をこれに反映していく、長期化する高齢期の経済基盤を充実する、こういった基本的な考え方でございまして、被用者保険の適用拡大、年金受給開始時期の選択肢の拡大などの内容を盛り込んだところでございます。
 とりわけ、被用者保険の適用拡大でございますけれども、これまで短時間の方は国民年金、国保であったわけでございますけれども、適用拡大をすることによりまして、厚生年金の二階部分をしっかりと確保していただく、また、これまで国民年金で未納や免除となっていた方も、事業主負担が入りますので、基礎年金も一階、二階ともどもしっかりと確保していただける、そういったことで低年金の防止に大いに役立つと考えてございます。
 そのほか、多岐にわたる今般の改正事項でございますけれども、全般的に年金制度の機能の充実に役立つものとなっております。ぜひともよろしくお願い申し上げます。

#7
○国光委員 ありがとうございます。
 ぜひ、今おっしゃった年金改正の意義を踏まえながら、この新しい時代に向かってしっかり対応できるように努めていただきたいと思います。
 そしてまた、改めて、この被用者保険の適用の拡大が今後どういうふうに進んでいくのか。特に、やはり、この審議の過程の中で、さまざま、私も地元茨城から、もう既によくお耳に入っている話かと存じますけれども、被用者保険を拡大することで、事業主の負担、私自身もみんなの、私の全雇用者、パートタイムも含めて十三人分の被用者保険を払っておりますけれども、やはり結構つらいです。年間二百万弱ぐらい払っております。なかなか、このつらさを、何とか、収入と、そして魅力的な職場にして人が定着するかというバランスの中で事業主は非常に苦労されているわけでございますけれども、どのようにそのあたりも含めながらしっかりこの適用拡大を進めていくのかを改めてお伺いさせてください。

#8
○高橋政府参考人 今回の被用者保険の適用拡大でございますけれども、従業員の方にとっては、ぜひとも、この適用拡大、規模要件の撤廃に向けてできるだけ速やかに進めていくべきということでありますけれども、一方で、先生御指摘のように、中小企業を中心として、事業主の負担、これに対する影響は大変大きなことでございまして、その経営への配慮も欠かせないところでございます。
 こういった要請がある中で、具体的に適用拡大をどのように進めていくかということを、ここ一、二年、関係者の意見を丁寧に聞きながら議論を重ねてまいりまして、今回の改正では、まず二〇二四年十月に五十人規模超までの企業を適用する。それまでの間におきましても、二〇二二年の十月、その中間年に百人規模まで拡大すると。しかも、まだ二年、四年ございますので、それに向けて、事業主又は従業員の方への丁寧な説明でございますとか、あるいは事業主の方への生産性向上等々への支援でございますとか、そういったことに努めまして、円滑な実施に努めてまいりたいと考えてございます。

#9
○国光委員 ありがとうございます。
 二年後の十月にまずは百人以上の規模、そしてその二年後の二〇二四年に五十人以上の規模の事業者に拡大がされます。その中で、まず二年後にはちょうど四十五万人の方が今までの試算ですと対象になる、その後、その二年後には六十五万人が対象になる。合計百十万人の方が、厚生労働省の試算によりますと、この被用者保険の拡大によってしっかりともらうことができるということになっております。
 ただ、繰り返しますけれども、やはりコロナがその試算の後で今生じておりますから、雇用を継続されていないとこのメリットを受けることができません。そのあたりの雇用対策も、コロナの中でしっかりと、ぜひ年金局とされても目配りをされながら努めていただきたいというふうに思います。
 そして、受給開始年齢の拡大、こちらも本当に、働き方を選択する、自主的に選ぶ、恐らく、私も厚生労働省に在職していたときに思いましたけれども、やはり、お上がこうしなさいというふうに、上から目線の制度というのは必ず反発されます。恐らく、今後のキーワード、いろいろなイシューを、論点を両立するには、個人の方がいかに選べるかという余地を残すことだというふうに私自身も日々痛感をしております。
 この中で、選ぶことができる、選択に基づく受給開始年齢、この選択肢の拡大の意義、改めてお伺いさせてください。

#10
○高橋政府参考人 これまで、公的年金では、個々の受給者が六十歳から七十歳の間で自由に受給開始時期の選択をできる、こういうふうなことでございます。
 今後、より長く多様な形で人々が就労することが見込まれるということでございますので、長期化する高齢期の経済基盤をますます充実させていく、また就労と年金の柔軟な組合せを可能にしていく、そういった繰下げ受給のニーズというのも今後は高まっていくのではないかなと考えてございます。
 そのため、今回の改正では、現在七十歳までとされております繰下げの年齢を七十五歳まで拡大いたしまして、それぞれ御自身の就労状況に合わせまして年金受給の時期を選択する幅を広げるというものでございます。これによりまして、高齢期でありましても意欲を持って働く高齢者が年金を充実させていく、そういう一つの選択肢をふやすというものでございまして、今後、高齢期になってからということではなくて、若いうちから、例えばねんきん定期便等々でこういったものを丁寧に説明しまして、将来こういうふうな活用ができるといったことを広めていくことによりまして、活用を図っていきたいと考えてございます。

#11
○国光委員 ありがとうございます。
 七十五歳まで延ばしましたら、年金の受給額が一・八四倍にまで拡大されるということでございます。若い世代も、私はちょうど四十一歳でございますけれども、私ぐらいの世代も含めて非常にこの選択肢の拡大には大きな関心を持っておりますので、きょうは質問いたしませんでしたけれども、私的年金とともに、選択できる年金のあり方ということもぜひ年金局さんはリードされて、しっかりとPRをいただければと思います。ぜひわかりやすい広報に努められていただければと思いますので、よろしくお願いします。
 以上です。ありがとうございました。

#12
○盛山委員長 次に、桝屋敬悟君。

#13
○桝屋委員 公明党の桝屋敬悟でございます。
 限られた時間でございますから、端的に御質問したいと思います。
 きょうはコロナの問題もどうしてもやりたいと思いますが、最初に、順番を変えて、年金の問題を二題、確認をさせていただきたいと思います。
 今回の年金制度の改正、長期化する高齢期の経済基盤の充実を図るということが目的だというふうに理解をしております。
 そこで、受給開始時期の選択肢の拡大でありますが、これは、六十歳から七十歳の間となっておる現在の制度を六十から七十五歳に拡大する。多くの国民が、また年金が遠のいてしまうんじゃないかという心配もあるわけであります。現に私のところにも届いておりまして、今回の制度改正で六十五歳受給開始という基本哲学は変わらないということをまずは確認をさせていただきたい。
 その上で、これも、我々の説明も悪いのかもしれませんが、マクロ経済スライド、年金の価値の目減りということが将来あるから、これは七十五歳まで年金の受給開始年齢を延ばしたら何とかカバーできるよという誤解をされている向きもあったりしますので、これから、マクロ経済スライドを見て、実際に年金水準を維持しようとすれば、何歳まで年金受給開始を延ばせばそこが見合うのか、その辺をまず確認をさせていただきたいと思います。局長、お願いします。

#14
○高橋政府参考人 現在の年金制度、将来世代の負担を過重にしないということのために、二〇〇四年の改正におきまして、保険料の上限を固定した上で、その範囲内で給付水準を調整するマクロ経済スライドを導入しておりまして、そういう意味で、六十五歳の支給開始年齢をしっかりと維持した上で年金財政の長期的なバランスがとれる、こういう仕組みになってございます。
 このため、年金の支給開始年齢につきましては、昨年六月に閣議決定されました骨太方針でございますとか、昨年十二月に取りまとめられました全世代型社会保障検討会議の中間報告におきましても、現在六十五歳からとなっている年金の支給開始年齢については引上げは行わないというふうに書いてございます。
 また、マクロ経済スライドによりまして年金の水準が調整されますけれども、昨年の財政検証では、代表的なケースにおきまして、現在、二〇一九年度に二十になる一九九九年生まれの世代、例えばでございますが、その方ですと、六十六歳九カ月まで就労して繰下げ受給を選択すれば、一年九カ月長く就労して繰下げ受給を選択すれば、現在、二〇一九年度、六十五歳の世代と同じ所得代替率六一・七%を確保できる、こういった計算になってございまして、計算上は一年九カ月、その程度の、少し長く働いていただいて繰り下げていただくということで十分確保できるというものでございます。

#15
○桝屋委員 ありがとうございます。
 ぜひ、この点も、六十五歳受給開始、この大原則は変わらない、マクロ経済スライドを考えたとしても、今御説明がありましたように、六十六歳九カ月に繰り下げればここもクリアできるんだというようなことも、あわせてしっかりPRしなきゃいかぬなと私どもも考えている次第でございます。
 あと、きょうは総理も入ってこられますけれども、年金制度を考えますときに、今回の制度改正、これは避けて通れないと私も思っておりますが、大臣、やはり、基礎年金の所得保障機能というのが、今回はなかなかそこまでいきませんけれども、将来の課題としてこれは必ず起きるだろうと思っておりまして、マクロ経済スライドが動いておりまして、厚生年金のマクロ経済スライドと基礎年金のマクロ経済スライドを考えますときに、どうしても基礎年金の方が時期が長くなるわけでありまして、その分、所得保障機能が劣化するというようなこともある。
 私はいつまでも国会議員はやれないと思っておりますが、将来の課題として、厚生年金のマクロ経済スライドは終わったのに基礎年金はまだ続いているというような状況は私は国会議員として耐えられないんじゃないかというふうに思っておりまして、次なる課題として、ここはやはりテーマとしてお考えいただき、更に議論を進めなきゃならぬと私は思っているんですが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

#16
○加藤国務大臣 結論から申しますと、問題意識は桝屋議員と同じでございます。
 二〇〇四年の改正のときは基礎年金も報酬比例部分も調整時期は一緒でありましたから、当然全体の所得代替率の減りぐあいがそれぞれ同じにかかっていたんですが、五年後の検証以降、基礎年金がぐっと調整期間が延びて、反動的に報酬比例部分が短くなっているというアンバランスが生じ、今回とその前を比べると、やや改善はしていますけれども、その根本的な差異は残っている。
 この背景にあるのは、御承知のように、賃金で調整するか、物価で調整するかというところが、それまで物価を優先していたということで、物価より賃金が低かった、こういった情勢からそういった状況が生まれた。一応そこは解消したので、今後そのアンバランスが更に拡大することはかなり解消しているのではないかと思いますが、しかし、足元のアンバランスをどう考えるか、これは引き続き検討すべきことだと考えておりまして、私どもの今回の法案の中にも検討規定が二つありますけれども、その一つの中にあえて公的年金制度の所得再分配機能の強化ということを明示をさせていただいておるというのは、その思いも含めたものであるということであります。

#17
○桝屋委員 ありがとうございます。そうした問題についてもこの国会でしっかり議論をさせていただきたいと思います。
 さて、コロナ対策であります。
 あえてこの時間に発言をしたいと思っておりますのは、今、新型コロナウイルス感染症の緊急包括支援交付金が、四月七日に閣議決定されました緊急経済対策で今計画が進んでおりますが、私の地元の県本部、私の地元の党の組織が県当局と勉強会をいたしまして、県当局からも、寄せられた要望をぜひとも確認をしてもらいたいと。設計の最中だろうと思いますが、ぜひこの声を届けてほしい、こういう要請をいただいておりまして、幾つか申し上げますので、まとめて御答弁いただきたいと思います。
 この新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金、これは裏負担部分として地方創生の臨時交付金が充てられるということも当然理解をした上で申し上げるわけでありますが、一つは、交付決定前の事業開始も認めていくべきじゃないかというふうに思います。恐らく地方創生の臨時交付金をこれから一カ月ぐらいで事業計画をつくって出すということになると思いますが、タイムラグができますので、交付決定前の事業開始を認めていただきたい。
 二点目が、事業メニューとして二つの要望をいただいております。一つは、医療機器の整備でありますけれども、ポータブルの人工透析器、あるいはポータブルのエックス線装置、いずれも本体は補助対象になっていると思うんですけれども、今の状況、移動可能な医療機器がぜひ必要だという声がございます。ぜひとも補助対象にしてもらいたい。
 あるいは、三点目でありますが、地方は今後、軽症者に対して臨時施設あるいは発熱外来などの取組も行われると思うんですけれども、こうした場合の医者あるいは看護師の派遣の際の旅費、あるいは危険手当という声もございます。さらには、仮にドクターがそこで感染して、そのドクターが経営されているクリニック、診療所が二週間閉鎖というふうになった場合の休業補償を何とか考えてほしいという切実な声がございます。あるいは、今回のコロナ対策、通常こうした交付金は人件費がなかなか対象になっていないのでありますけれども、ぜひ人件費も対象にお考えいただきたいというような声が届いております。
 検討中でありましょうから、お答えできないところもあると思いますが、方向性についてお示しをいただければ幸いです。お願いいたします。

#18
○宮嵜政府参考人 まず、健康局長の方から答えさせていただきます。
 まず、事業開始の関係でございますが、交付決定前の事業開始でございましても、補正予算が成立すれば今年度から遡及して対象とすることを検討してございます。
 それから、機器の関係で、ポータブルの人工透析器とかエックス線装置の御質問がありました。現段階で直接その新型コロナウイルス感染症への対応として必須となるかというとどうかなというところもございますが、今後は、その地域の需要などを伺う中で必要があれば検討してまいりたいというふうに考えております。
 それから、軽症者の施設療養を行う場合、そこに派遣される医師、看護師等の関係でございますが、賃金とか旅費等については補助の対象とすることを検討してございます。
 いずれにしても、新型コロナウイルス感染症への対応として緊急に必要となる医療体制の整備等について、地域の実情に応じて柔軟かつ機動的に実施できるように検討してまいりたいと考えております。

#19
○吉田政府参考人 続けまして、休業補償の御要請をいただきました。
 今回の緊急経済対策、今御説明いたしました緊急包括支援交付金のメニューの中で、休業を余儀なくされた医療機関が診療を再開する場合に必要となる費用などについては対象とする方向で検討を進めてございます。一方で、一般的に、個別の休業した診療所について、その個別の損失を国が補償するのはなかなか難しいというふうには思っておりますので、先ほど申し上げましたような、再開する場合の費用ということに着目をさせていただいております。
 ただ一方で、新型コロナウイルス感染症に対応するために、融資の面では、福祉医療機構が行う融資によりまして、やむを得ず機能停止になった医療機関などに対しては無利子無担保の優遇を行わせていただく、あるいは、経営の安定に支障が生じている事業者への資金供給の円滑化を図るために、信用保証協会がやっておられるセーフティーネット保証五号の対象職種に医療機関を追加するというような施策も考えさせていただいております。
 さらに、政府全体の中では、中小企業庁におきまして、医療機関も含めて、特に厳しい状況にある中小・小規模事業者などに対して事業の継続を下支えするための持続化給付金を創設する方向でありますとか、あるいは、感染症に伴う経済上の理由による事業規模の縮小に伴い、事業主が雇用調整のために労働者を休業させ、休業手当を支払った場合などには雇用調整助成金などの支援もさせていただこうと思っております。
 引き続き、この感染拡大の中で奮闘されておられます医療現場のお声も伺いながら、新型コロナウイルス感染症対策のさらなる支援のあり方を検討してまいりたいと考えております。

#20
○桝屋委員 引き続き、我が党も、現場の声をしっかりお届けをしたいというふうに思います。
 以上で終わります。ありがとうございます。

#21
○盛山委員長 次に、西村智奈美君。

#22
○西村(智)委員 西村です。
 まず冒頭、委員会の開催について一言申し上げたいと思います。
 緊急状況、新型コロナウイルス感染症への対応に厚生労働省のリソースが大分割かれており、本当に昼夜を問わず皆さん大変な中で、年金の法案も極めて重要な法案であるからこそ、私は、やはり、このような開会で、異例の形で、審議初日に総理が入るなどという審議のあり方はおかしいというふうに申し上げたいと思っております。まず、しっかりと切り分けて、新型コロナ対策は対策として議論をする、そして、年金は大事な議論だからこそ、しっかりと時間をかけて審議をした上で総理に入っていただく質疑をやるということをやっていただかなければ、厚生労働委員会としての審議の質の担保ができないと思いますので、強く委員長に申し上げたいと思っております。
 さて、新型コロナウイルス関連について、資料でお配りしておりますが、先週、タクシー会社が六百人を一斉解雇したという報道がありました。大変重大なことだと思っております。新型コロナウイルス感染症で休業手当が出るというふうに私は理解をしておりますし、それに基づいて雇用調整助成金も支払われるということなんですけれども、この報道を見ますと、社長が休業手当を支払うよりも失業給付を受け取った方がメリットが大きいというふうに判断をして解雇したということのようなんです。ところが、退職合意書というものにサインをした中には、詳しいことはわからないままサインをしたということをおっしゃっている方もいて、地位確認の申立ても行っているということのようなんですけれども、こういうことが報道として出て、相次いでいってしまわないか、この後も似たようなことが。
 ということからすると、やはり大臣の言葉で、休業補償はこの新型コロナウイルスによる自粛要請で休まざるを得なかった人にもきちんと出るんだということ、これははっきり言っていただいて、なお、休業手当の不払いというのは労基法違反になるというふうにも承知しておりますので、ぜひそこのところは強く訴え、また、必要であれば、法改正等も必要だというふうに思うんですけれども、大臣、いかがお考えですか。

#23
○加藤国務大臣 まず、労働基準法の当該条文をどう解釈するのかという以前の問題として、まず事業主においては雇用の維持の努力を、これまでもお願いをしてきているところでありますし、引き続きお願いをしていく、そして、事業を休止し、労働者を休業させる場合であっても、労使でよく話し合っていただいて、休業中の手当の水準や、休業日、休業時間の設定、これについては労働者の不利益を回避するように努力をしていただきたいということであります。
 それからまた、労働基準法上の休業手当の要否にかかわらず、雇用調整助成金は、今回、正規のみならず非正規雇用の方に対しても対象とし、助成率も引き上げる等の特例措置を講じているわけでありますから、ぜひこれをしっかりと活用していただくということを申し上げていかなければならないというふうに思います。
 その上で、基準法の要否については、これまでこの委員会でも申し上げてまいりましたように、責めに帰する事由かどうかについては、そうした事案がいわゆる不可抗力かどうかということがポイントになります。事案の発生の要因と、そしてそれに対してどう対応してきたのか、それが総合的に判断されるということなので、一律に、当該地域が非常宣言のもとに置かれている、あるいは、都道府県知事等からさまざまな自粛の要請、指示等があるということをもって、一律には判断されるものではないということはこれまでも重ねて申し上げてきているところでありますけれども、大事なことは、今申し上げた前半の部分の、引き続き雇用の維持を最優先で図っていただく、あるいは、休む場合においては労働者の不利益を回避するよう努力していただく、このことを、引き続き、経済団体はもとより、さまざまな業界団体に対しても申し上げていきたいというふうに思っています。

#24
○西村(智)委員 私は、もう少し制度、仕組みとしての検討をしないと、この後も似たような事例が続出するのではないかということを強く懸念をしております。
 あわせて、雇用調整助成金ですけれども、新型コロナの関係で助成された件数はまだ数件であるというふうに聞いております。手続が簡素化されて、先日、尾辻委員への答弁でもありました、一カ月で支給されることになったというふうなことなんですけれども、実際に資金繰りに困っておられる中小企業の皆さんには、本当にこの一カ月でもきつい、本当に切実な状況だと思います。
 もっと早くできないか、これをぜひ検討していただきたいんですが。

#25
○加藤国務大臣 まず一つは、この雇用調整助成金は、休業手当が支給されたということがあった上において申請をされるということでございますので、支給申請件数も、三月二十三日は三十五件、四月三日が二百十四件ということで、これから更にふえていくということが想定されるわけでありますので、しっかりこれを迅速に処理できる体制を引き続き構築していきたいと思います。
 そういった中で、もちろん提出していただいた資料がどの程度きちんとなっていたかどうかにもよるわけでありますけれども、きちんと整備されていたものについては、今委員お話しのように、一カ月以上かかるということになると、その人件費を更にもう一カ月分自分で調達しなければならないということにもなるわけでありますから、その辺もしっかりと認識をしながら、一カ月とは言わずにより短期にできないかということを今指示させていただいておりまして、できる限り、一回目は御自身の資金調達で休業手当を払っていただかなければなりませんが、二回目の支給に当たっては、雇用調整助成金の支給も含めて対応していただける、こういう環境をつくっていきたいというふうに思います。

#26
○西村(智)委員 緊急小口貸付けなんですけれども、全国でこの相談窓口に相談が殺到しているというふうに伺っております。
 ある方は、受付に連絡して相談に行きたいと言ったら、今からの予約であれば六月の下旬だ、そこまで予約がとれないので、それまで待ってくれという話。相談した方は、お金がなくて困っているというふうに申し上げたら、誰かから借りてくれというふうに言われたというんですよ。それは、誰にも借りられないから緊急小口を活用したい、利用したいというふうに思って電話をしているわけで、こんなことをやっていたら、本当に真面目に大変なことになる。冗談でなく、餓死者が出るというレベルだと思います。
 相談の窓口に人員を補充していただくとか、あるいはウエブでできるようにしていただくとか、ほかの仕組みでやっているような、そういったことをぜひ検討していただきたいんですけれども、早急に、いかがでしょうか。

#27
○加藤国務大臣 まさに委員御指摘のように、この緊急小口貸付けというのは、迅速に支給することによって、まさにその日の生活が成り立たない、そうした方々を支援する、こういった仕組みであります。
 現時点で、三万九千五百七十九件の申請があったものに対して、決定としては三万一千九百三件の決定をさせていただいているところではありますけれども、まだなかなか申請にまで届かないというお話も今の委員の御指摘なんだろうというふうに思います。
 そういった意味においては、相談体制をしっかり強化していくということで、臨時の職員等を雇用していただく等、その体制強化に努めるとともに、厚生労働省にもコールセンターをつくって、一般的な質問はそちらで対応させていただく等、現場の負担を軽減するべく対処させていただいています。
 加えて、郵送で申し込むということも一つの選択肢として、既に実施しているところがあります。実施していないところも含めて、郵送で申し込むということについても一つの方法として広げていきたいというふうに思っておりますし、また、金融機関にも御協力いただいて、社会福祉協議会以外の窓口を活用して体制を強化していくということも考えていきたいというふうに思っているところであります。

#28
○西村(智)委員 予算の裏づけが必要です。ぜひそこも強力にやってください。
 国土交通省に伺います。
 飲食店などのテナントの家賃について、国交省は、三月の三十一日に、賃料の支払い猶予に応じるなど、柔軟な措置の実施を要請しております。いいことだとは思うんですが、要請しただけなのかということなんです。ビルオーナーの方やあるいは中小の賃貸業者などへの支援がセットでないと、要請しただけでは、皆さんだってお金が必要なわけだから、これはどうにも対応できないということなんじゃないでしょうか。やはりそういった支援がセットであるべきだというふうに思います。
 そもそも、福岡市や山形市など、国が動かないからということで、自治体が独自でそういった家賃の補助に乗り出しているところもあります。まさにそういうことこそ国交省が先陣を切ってやるべきではないかと思うんですけれども、どうでしょうか。

#29
○佐々木(紀)大臣政務官 委員御指摘のように、飲食店を始めとして、本当に事業活動が縮小して賃料の支払いが大きな負担となっているということを国交省としても認識をしているところでもございます。それに伴って、賃料支払いの猶予あるいは減免について、貸しているビル賃貸事業者、あるいはテナント事業者、借りている方、両方から相談を受けているところでもございます。それぞれについてしっかり対応していきたいというふうに考えております。
 まず、借りる側、テナント事業者の方ですけれども、実質無利子無担保の融資であるとか持続化給付金、こういったことを活用していただいて、賃金の支払いも含む、事業継続に必要な資金をしっかり確保していただく、そういうことをやっているところでもございます。
 次に、貸す側、ビル賃貸事業者の方、今御指摘のあった内容でございますけれども、先月三十一日に、賃料の支払い猶予など、柔軟な措置をとるように要請をしたわけでございます。要請だけではなかなか踏み切れないんじゃないかというような御指摘だったかというふうに思います。そういった貸し手側のメリットというんですか、こういったこともやはりしっかりと手当てをしていかなければいけないと思っておりまして、今月九日に、幾つか、不動産関係団体を通じて、こういった施策もありますので活用してくださいということで案内もしているところでございます。
 その幾つかというのを申し上げますと、まずは、賃料の減免等を行った場合は、その損失額を損金算入できる制度がありますよということであるとか、事業収入が大幅に減少した場合は固定資産税の減免を受けられますよとか、あるいは、金融機関に対して既往債務の返済猶予、条件変更等の依頼をかけていますよといったようなことを通知をさせていただいているところでもございます。
 そして、それに加えて、本日でございますけれども、大臣の記者会見をさせていただきましたが、賃料の支払いを猶予した場合でも、一年間、国税、地方税、社会保険料の納付猶予が受けられること、固定資産税の減免が受けられることについて発表させていただいたわけでございます。つまり、家賃を減免した場合はもちろん収入の減少として見られるわけでございますけれども、猶予した場合についても収入減とみなしますよというようなことを発表させていただいたわけでございます。
 状況は日々刻々と変化しておるわけでございますので、可能な限りリアルタイムで状況を把握して必要な対策をとっていきたい、そのように考えております。

#30
○西村(智)委員 固定資産の猶予とか減免というのは、これはすぐにでもできる話であって、私は、今月の九日、きょうですか、きょう発表されてやるというのは、ちょっと遅過ぎるぐらいだというふうに思うんですよ。
 そうこうしているうちに自治体の方がこうやって先行的な取組をしていて、家賃が払えないから店を出なきゃいけない、閉めなきゃいけないというふうに考えておられる方が一体どのくらいたくさんいらっしゃるか、皆さん、想像したことがありますか。ひどいものですよ、これ。本当に大変ですよ。
 そんな、支払いを猶予してもらったとか減免したとかいうようなやり方で、私は本当に、テナントの方がそこにとどまろうという判断ができるというふうにはやはり思えない。直接的な家賃の補助がやはり私は必要だというふうに思います。ぜひそれは検討していただきたい。
 それとあわせてなんですけれども、今度は住まいの方です。
 賃貸で暮らしている方は、大体三割とか四割、特に首都圏であればあるほど賃貸で暮らしている方の割合というのは高くなってくると思います。先ほど私が緊急小口のところでも申し上げた、家賃がやはり払えないと心配している方がすごく多いです。住宅政策そのものは国交省にあるわけで、国交省の方ではいわゆる住んでいる方の住宅についてどういった策をとっているのか、ぜひお聞かせをいただきたい。
 時間がないので、既に教えていただいている、例えば公営住宅の家賃の減免とか公営住宅への入居の優先とか、そういったこと以外の策があるのかどうか、それについて教えてください。
 なければ、厚労省で生活困窮者自立支援法の中での住居確保給付金というのがあります。その対象にならない方もやはりいらっしゃることになると思います。そういった方々への家賃の支援、あるいはテナント、テナントというか、ビルオーナーの方への支援制度、これはやはりつくるべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#31
○佐々木(紀)大臣政務官 住まいに困窮する方が低廉な家賃で入居できるようなことを国交省としてもしっかり取り組むべきではないのかというようなことの御指摘だったというふうに思います。
 一口に住居といいましても、公営でやっているものもあれば、民間でやっているものもございます。国交省としては、公営住宅については家賃を……(西村(智)委員「時間がないので短く答えてください」と呼ぶ)はい。
 つまり、国交省は、やはり、我々ができるのは、建物を供給していくという観点から立っておりまして、なるべく家賃が低廉な物件を提供できるように、イニシャルコストであるとかランニングコストの補助をしているわけでございます。セーフティーネット住宅の家賃の低廉化なんというのもそういった事業の一環でございます。
 いずれにしましても、そこに住んでいる人の家賃の補助等々については、やはりこれは福祉部局と相談しながらしっかりやっていかなければいけないことだというふうに考えておりますので、引き続き厚労省と連携しながらしっかりやっていきたいというふうに考えています。

#32
○西村(智)委員 時間が短いので簡潔にお願いしますと申し上げたんですけれども、内容のないことを長く答弁されるのは困ります。
 一言で言うと、国交省は住宅政策、公営住宅に関してのみはやるんだけれども、それ以外のものについてはほとんど持っていない、できない、やらないということなんですね。
 福祉部局と協力してやるというふうに言っていますけれども、厚労省に今住宅政策はないですよ。生活困窮者自立支援法の中でつくったのがこの住居確保給付金というものであって、その対象にならないというのであれば、それはやはり国交省の方でやるしかないじゃないですか。これは真剣に考えてください。というか、これは我が国の欠陥だと思います。住宅政策を本当に真剣にやってくれるところがないというのは大変な欠陥だと思います。
 厚労省に伺います。
 生活困窮者自立支援制度というのは、就労につなぐための制度というか、そういうことでつくりました。住居確保給付金を受けようという人は、ハローワークに登録して就労支援を受けなければなりません。今回、新型コロナでハローワークへの登録もウエブでできるようになった、これは前進だと思うんですけれども、でも、例えばフリーランス、アーティストの方とか専門職の方というのは、別にほかの就職を探したいんじゃないんですよね。自分が持っているスキルを生かして、だけれども自粛になっているから仕事がなくなっているというだけであって、仮にハローワークに登録して住居確保給付金を受けたとしても、就労支援、これも法律ではやることになっていますが、それを支援機関の誰かができるというふうには考えられません。結果として、ミスマッチをもたらすだけになりかねません。
 先日の答弁の確認ですけれども、フリーランスの方々は、転職せずに、今の立場のままで住居確保給付金が受けられますか。

#33
○加藤国務大臣 今の御質問、今回、住宅確保給付金の対象を、従来の、離職や廃業した方で住宅を失うおそれのある方に加えて、離職や廃業に至っていないが、こうした状況と同程度の状況に至り、住居を失うおそれが生じている方について対象を拡大した、それに伴い、まさに、廃業してしまえば次の仕事を求めるわけでありますけれども、引き続き現在の仕事をしながらといった方に対しては、現在の仕事を完全に断念していただく必要はありません。
 そして、先ほど委員からインターネットで仮登録等ができる等々ありましたけれども、そうした措置に加えて、例えば、御本人の意向や状況に応じ、アルバイトなどの短期的な雇用で当面の生活費を賄うといったことも可能でありますので、こうしたことについての就労支援といいますか、求職活動について我々はお手伝いをする、それで足りるというふうに考えています。

#34
○西村(智)委員 フリーランスの方々は多様なんですよ。本当に、私もいろいろなタイプの方からお話を聞きましたけれども、一つの型にはなかなか入らない。ぜひ、その多様性を踏まえた上で、厚労省としては各窓口にきちんと通知を出していただいて、全国どこの窓口でもフリーランスの方々が門前払いなどをゆめゆめされることがないように、ぜひお願いをしたいと思います。
 年金の質問をします。
 二〇一九年の財政検証で、大変御苦労されて、将来の年金受給額をどうやったら確保できるか等、いろいろなシナリオが示されましたが、今まさにこの新型コロナの影響で経済成長のシナリオそのものが崩れております。
 二〇一九年の財政検証では、経済成長が横ばいの場合は、夫婦二人のモデル世帯で所得代替率が五〇%を確保できるケースであっても、給付水準は約二割、基礎年金では約四割低下する見通しとなっています。二〇一九年の財政検証を平たく言えば、基礎年金の給付水準は、二〇一九を一〇〇とすると、どんなシナリオであっても七三から六〇%ということで、非常に低下する見通しだということが示されたわけです。そこにもってきて今回の大打撃であります。
 今、状況がまさに変化した中で、二〇一九年の財政検証を前提とした法案を審議するということが適当なのかどうか、あるいは、今の起きている状況に対してきちんと対応ができている法案だというふうに大臣は自信を持って言えますか。

#35
○加藤国務大臣 まず、財政検証そのものが足元の一、二年を見ただけで答えを出しているわけではない、これはもう委員よく御承知のとおりだと思います。おおむね百年間という長期的な給付と負担の収支の見通しを確認することを目的としているわけであります。
 また、経済前提については、財政金融の専門家で構成される専門委員会において、財政検証がおおむね百年にわたる超長期の推計であることを踏まえ、足元の一時的な変動にとらわれず、超長期の視点に立ち、妥当と考えられる範囲内において設定する必要があるという基本的な考え方も示されているわけでありまして、これを踏まえ我々は財政検証をさせていただき、それを踏まえて今回の法案を提出させていただいている、こういう経緯であります。

#36
○西村(智)委員 いや、もういろいろな専門機関が今回の新型コロナの影響は何年も続くというふうに言っていますよ。恐らく、今回の感染症をもって、世界的には、働き方、経済活動、さまざま大きく変動が出てくると思います。であるとすれば、やはり私は、今回の年金法の議論に際しても、しっかりと材料をそろえた上でこの法案の審議もしなければいけないというふうに思うんです。
 生活保護との関係で伺います。
 資料にもおつけしていますけれども、六十代、七十代の生活保護受給率は年々増加をしております。ほかの世代と比較しても保護率が非常に高くなっているという現状において、将来本当にこのままで年金が大丈夫なのかという心配は誰しもが持っているというふうに思うんです。
 ですので、お伺いをしますけれども、現行の公的年金制度を所与のものとして、国民の家族構成や就業パターンが余り変化しないというふうに想定した場合に、所得が生活保護の基準額を下回る人の比率、これはどのくらい上昇すると見込んでおられますか。また、高齢世帯に対する生活保護費の増大もおのずと見込まれるということになりますけれども、どの程度の金額だというふうに見込んでおられますか。

#37
○加藤国務大臣 生活保護を受けている方に占める高齢者の方々の割合が増加をしている。もちろん、高齢者そのものの人口比に占める割合も増加をしておりますが、加えて、世代別に見ても、六十五歳以上におけるいわゆる保護率というのは年々増加している。ほかの世代では、いっとき増加しましたけれども、最近では少し減少しているという中においては、そうした流れがあることは指摘できると思います。
 ただ、今申し上げた、それぞれの試算をするということは、年金の受給額の分布推計が必要になりますけれども、これはなかなか、正直言って、個々の分布というのは、現役期の就業形態や賃金の変遷などを考えていく必要があり、これは技術的に難しいところがあるのはよく御承知のところだと思います。さらに、今後、高齢者の就労が進んでいるわけでありまして、まさに多様な、高齢期の中でさまざまな形で働くことが考えられる。
 そういった、先が見えない、あるいは前提を置けない、こうした状況がいろいろあるわけでありますから、今おっしゃられた一つ一つについて見通しを推計して、その数字を申し上げるというのは非常に難しいということはぜひ御理解いただきたいと思います。

#38
○西村(智)委員 時間ですので、続きは後で質問させていただきます。
 ありがとうございました。

#39
○盛山委員長 次に、尾辻かな子君。

#40
○尾辻委員 立国社の尾辻かな子です。
 ちょっと質問時間が短いので、簡潔に御質問させていただきたいと思います。
 ただ、質問に入る前に、やはり私も一言申し上げなければいけないと思っております。
 新型コロナウイルス対策のことは、二月の上旬にダイヤモンド・プリンセス号が着岸というか横浜に来て、そこからもう二カ月以上たっています。その最前線でやってきておられた厚労省の皆さんの精神的な疲労と肉体的な疲労を考えると、本当に限界だろうなと。それでも次々と起こる未知のこと、今までに起こったことのないことに一生懸命やっていただいていることは間違いないわけです。
 そういうときに、本当に、今私たちがこの場で年金法案を質疑して、加藤大臣に年金のことについて御答弁いただく、それを国民の皆さんが今見ている。皆さんがどう思われるんだろうか。何をやっているんだ国会は、何をやっているんだ厚労省は、そういうふうに思われませんか。私は、今……(発言する者あり)いや、本当に、だから、皆様も葛藤されていると思います。ここで年金法案を議論するというのは本当に悲しいことだし、ずれていると言わざるを得ないなと思います。
 医療現場も、皆さん御承知のとおり、マスクもない、フェースガードもない、グローブもない、そして防護服もない、丸腰でどうやるんだ、ICUももういっぱいだ。こういうことを本当に最優先してしなければいけないときだと思います。ですから、今やるということですからやりますけれども、やはりこの優先順位はもう一度考え直していただきたいというふうに強く申し上げておきたいと思います。
 今、西村委員の方からもまずありました。世界恐慌以来の大不況が来るということで、もう予測がされております。本当に、今、この年金法案、出される前提は財政検証ですけれども、この財政検証の、経済の例えばTFPとかそういった指数、数字と、これから先がやはり物すごく私はずれてくるんだと思うんですね。
 先ほどちょっと大臣にこのことについては御答弁いただきましたのでここは割愛しますけれども、私としても、ここは、少し財政検証をやはりやり直した方がいいんじゃないか、特に、これがある程度終息した時期に、もう一度、経済成長の見通しや内閣府のTFPも含めて見直してからこの年金のことを考えた方がいいんじゃないかと思うんですが、大臣、この財政検証の見直しなどを考えていただけないでしょうか。

#41
○加藤国務大臣 先ほどと同じ答弁になるんですけれども、財政検証というのは百年間先を見ながらやるということでありますから、足元一、二年、もちろん足元も大事でありますけれども、それについては、先ほど申し上げた専門委員会での、まさに、足元の一時的な変動にとらわれず、超長期の視点に立ち、妥当と考える範囲内において設定する必要があるというところがまずその基本になると思います。
 それからあと、今委員おっしゃった、ここ数年かかるとなると、また次、五年後の財政検証ということになるわけでありますから、五年ごとに財政検証をさせていただく中で、当然、次の五年後の財政検証においては、これからの五年、実質四年だと思いますが、その間の経済の状況、もちろんこれも踏まえながら検証する、そういうことになるんだろうと思います。

#42
○尾辻委員 私は、もうちょっと現実的にするために、財政検証をこの経済状況を見てやるべきだということを申し上げておきたいと思います。
 ちょっとコロナ関係を一点だけ、年金関係というか、社会保険料関係でお尋ねをしておきたいと思います。
 今回の緊急経済対策、社会保険料は基本的に猶予なんですね。猶予というのは、いつかは支払わなければいけないという先送りであって、これが負担軽減ということでは、私はやはり効果がないんじゃないかということを感じています。今影響を受けている企業の企業負担を考えると、今は猶予ではなくて、やはり減免をすべきときではないかというふうに思います。国民健康保険なんかは減免されていますけれども、やはり社会保険料も今回減免を考えるべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#43
○加藤国務大臣 まず、今回、今委員御指摘のように、多くの事業者の収入が急減している状況を踏まえて、税制における対応と同様の措置として、新たに無担保かつ延滞金なしで一年間、社会保険料の納付を猶予できる特例を設けているところであります。
 なお、今お話があった社会保険料の免除ということになりますと、社会保険制度そのものが、制度に加入している被用者を保障するための費用を企業と被用者全体が納める保険料によって賄う制度であるということ、ここにしっかり立脚をしておかなければならないんだろうと思います。保険料負担が給付との見合いで設定されており、年金や医療等の社会保険料給付は、経済状況にかかわらず継続をしていかなければなりません。
 したがって、売上げが急減した事業者への対応としては、今回行う延滞金を課さないという特例的な手当てを講じた上で、厚年保険料の納付猶予の特例措置において対応するとともに、さらに、それ以降については、社会保険料の納付が困難な場合には現行の納付を猶予する仕組みもございます、そういったものも活用しながら対応していくということになるんだろうと思います。

#44
○尾辻委員 今、本当に今までにない危機で、そして緊急事態宣言まで出ている中で、基本的な考え方はそうかもしれませんけれども、減免と免除ということも考えないと、企業が、では本当に一年後で大丈夫なのかとか、数年後は本当に大丈夫かというところで、事業継続ができなくなる、そう思うんです。ですので、しっかりとこの減免、免除もメニューとして考えていただきたいということを強く申し上げておきたいというふうに思います。
 次に参ります。
 社会保険が適用されない労働者の社会保障のあり方ということで順次お聞きしていきたいと思います。
 今、社会保険、厚生年金、健康保険は、労働者の老齢、障害、死亡や、疾病、負傷、出産に関する保険給付を行うことを目的とした制度で、ただ、この大事な制度が、いまだに短時間労働者や非適用業種の個人事業所で働く労働者が対象外になっているわけです。これはやはり非常に大きな問題だと思います。
 現状、労働者は五千七百万人いるわけですけれども、何万人が社会保険の対象となっていて、何万人に社会保険が適用されていないのか。まず、この現状をお伺いしたいと思います。

#45
○高橋政府参考人 昨年の財政検証のオプション試算におきましても今の点を整理してお示ししてございますけれども、二〇一八年度時点の雇用者全体が五千七百万人、そのうち厚生年金被保険者は約四千四百万人でございます。両者から機械的に差引きいたしますと、雇用者のうち厚生年金の適用となっていない方が千三百万人というふうになってございます。

#46
○尾辻委員 これは非常に大きな数字だと思うんですよ。だから、一刻も早くこの対象外の人たちにやはり対処していくべきだと思います。
 労働者のうち、こういうふうに社会保険が適用されていないのは、労働時間が短かったりとか、賃金が低かったり、中小企業で働く方々なんですよね。こうした脆弱な労働者が社会保険による社会保障を受けられない、労使折半による保険料負担ではなくて全額本人負担で、しかも保険水準は社会保険よりも低い状態、本当にこのままでいいのか。やはりこれは理不尽な状態ではないかと思うんですが、大臣の御見解をお伺いします。

#47
○加藤国務大臣 まさに雇用者、今回でいえば被用者という言い方なのかもしれませんけれども、この方に対しては適用範囲を拡大していく、これは私どももそういった姿勢で取り組んでいるところであります。
 ただ、同時に、どういったところで被用者としての実態を考えていくのか。一番大きいのは、保険料の場合には労使折半ということでありますから、企業側の負担増がどうなのか、こういったことを含めてこれまでも議論し、今回も、そうした事業者団体、労働者団体を含む関係者の意見、あるいは社会保障審議会年金部会等における専門家の意見、そうした中で丁寧な議論がなされた。
 それを踏まえて、まずは五十人超の規模までの適用拡大ということをこの法案に盛り込ませていただいたところでありますので、これまでも一歩一歩、今五百人であります、途中経過で百人、五十人と、一歩一歩ではありますけれども、こうした適用拡大を図っていく、こういう努力は引き続き行っていきたいというふうに思います。

#48
○尾辻委員 そのスピードが、本当にこのスピードで大丈夫なのかということなんですね。だから、現実にはそういう方々がいらっしゃって、今もそういうふうに社会保険に入れない状況がある。なので、私は、早く、やはり全ての被用者の人に厚生年金などの社会保険を早急に適用すべきだというふうに思うんです。
 今、企業規模要件のことがありましたので、企業規模要件のことについて、ちょっと質問を飛ばして聞かせていただきます。
 先ほど大臣がおっしゃったように、五十人以下というところ、ここを今度はどうしていくのかというのが大きな問題に、課題になっていくと思うんです。年金機能強化法の附則に、当面の間、経過措置として規定をされたもので、私は、やはり適用拡大を進めるためには早急にこの撤廃をしていくべきなんだというふうに思うんです。ただ、今回、それが政府の法案には明示をされていないわけです。そうすると、労働者もそうですけれども、事業主の方も先が見通せないわけですから、経過措置の間、十分に準備を行うこともままならないということがあると思います。
 なので、この企業規模要件は撤廃時期を明確に定めた上で、それまでの間に必要な支援を事業主の方とかに計画的に実施して、着実に適用拡大を進めていくべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#49
○加藤国務大臣 まず、もともと本則には企業規模要件はないわけです。附則によって企業要件が足されているということであります。
 ただ、それに当たって、先ほど申し上げた中小企業の経営への影響というのはしっかり配慮していかなければならないということで、今回、二〇二四年十月に五十人超規模までいくということ、そして、その中間点として二〇二二年の十月には百人超の企業まで適用する、いわば段階的な適用をし、できるだけ多くの労働者への保障を、中小企業の経営への配慮も行いつつ、早期に充実させようということであります。一番大事なことは、まず、このスケジュールに沿ってしっかりと適用拡大を進めていくということであります。
 今後の適用拡大の検討については、今回の附則に記載されておりますけれども、政府は、この法律の公布の日以後初めて作成される、まさに財政の現況及び見通し等を踏まえ、厚生年金保険及び健康保険の適用範囲について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずると書いてあるわけでありますので、この検討規定にのっとって対応していきたいというふうに思います。

#50
○尾辻委員 やはり、労働者の中に社会保険に入れる方と入れない方、企業規模によって分けられるというのは本来あるべきではないと思うんです。同じように働いているんですから、同じように社会保険に入れるべきである。
 ただ、企業さんの負担、事業主の負担もありますから、そこは厚労省として、しっかりと事業主の方を支援していただきながら、今の社会保険に入れる人と入れない人というのがなくなるように、原則全員適用になるように、これはしっかり道筋をつけるべきだというふうに思います。
 時間がなくなってきたので、ちょっと質問を飛ばしていきたいと思います。
 桝屋議員のところにもあったように、基礎年金を今後どうしていくのかというのは、これは本当に大きな議論をしなければいけないというふうに思っているんですね。
 もう少し細かく申し上げると、特に就職氷河期の世代ですね。団塊ジュニアで、私もまさにその団塊ジュニアでして、学校を卒業したときにやはり良質な雇用機会に恵まれていないんですね。どうしても不安定雇用とか比較的低賃金の労働しかない。
 そういう私たちが高齢期を迎える二〇三五年以降、この世代、私たち世代をどうしていくのかということなんですけれども、社会保険の適用されない雇用についた場合、みずから国民年金保険料を払ったとしても、昨年の財政検証の結果によると、所得代替率が二〇四〇年には、ケースの三、中程度のところで二〇%低下なんですね。ですから、現在の基礎年金額六万五千百四十一円が五万二千円まで下がる、ケース三で五万二千円まで下がってしまうということなんですね。
 特に、国民年金保険料の納付率は自営業者より労働者の方が低いということも明らかになっていて、失業期間の保険料減免も考えると、この満額ですら非正規労働者はなかなか受けられないんじゃないかということで、基礎年金のマクロ経済スライドによる給付水準の低下は、このような脆弱な労働者の老後や、障害を負ったときの生活に深刻な影響をもたらすんじゃないか。この団塊ジュニア世代は約八百万人というボリュームもありますから、この世代の高齢期の所得確保をやはり今から考えておかないと、社会不安へ大きくつながっていくと思います。
 なので、そこで厚労大臣にお伺いをしていきたいと思いますけれども、基礎年金は生活の基礎的な部分を保障するための給付と考えられます。その基礎年金の給付水準は、本来どのような考え方で設定をされるのか。そして、二〇一九年財政検証においてマクロ経済スライドの発動によって基礎年金の給付水準が大きく低下することが明らかになったんですけれども、給付水準のあり方についてというのは具体的な検討が行われておりません。この具体的な検討を行っていない理由というのは一体何なのかということについてお伺いしたいと思います。

#51
○加藤国務大臣 まず一つは、将来の年金支給額をどうやって割り戻すかというのは、今委員は賃金で割り戻されたわけですが、一般的には、その年金でどういう生活ができるかということを考えれば、普通は物価で割り戻すのではないか。そうやって見ると、今はそんなに大きく減少しているわけではないということが言えるんだろうと思います。
 それから、基礎年金の考え方でありますけれども、これだけで老後の生活を賄うというものではありません。現役世代に構築した生活基盤や貯蓄等、また、厚生年金受給者については二階部分を基礎と組み合わせて老後の生活を行うという考え方に立って、全国民共通の定額給付の設計とされているということであります。
 ただ、先ほど桝屋委員とも御議論させていただいたように、賃金に対する所得代替率について見ると、二〇〇四年のときにはどちらも同じ変化だったものが、二〇〇九年の財政検証以降、基礎年金部分と報酬比例部分が大きく乖離をしてきたといったこと、そして、そういう中で、基礎年金が持っている所得再分配機能をどう考えるのか、やはりこれはしっかり考えていかなければいけないんだろうと思います。
 残念ながら、今回の年金の改正においてはそれについて結論を出すことはできなかったところではありますけれども、次に向けて、これはなかなか容易な話ではありませんけれども、どういうやり方があるのか、しっかりと議論していかなければいけないというふうに思っています。

#52
○尾辻委員 やはり五年を待たずにこの制度改正を考えていかないと、これは私は間に合わないというふうに思うんですね。
 この基礎年金を本当にどうやって底上げしていくのかということは、年金の信頼性において本当に大事なところだと思います。
 その底上げのやり方というのは、いろいろなやり方があると思うんですね。実は、私たち、参議院選挙のときには、住宅手当を創設すると。低年金の方々でいうと、家賃が非常に大変だということがありますし、更に言うと、今、年金には給付金ができましたけれども、私たちの対案の方では、六千円にしよう、五千円を六千円にしようという対案を出していますけれども、こういうこともやはりしっかりと考えていかなければいけないと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

#53
○加藤国務大臣 年金の中で住宅手当を考えるというのではなくて、別途住宅問題を考える、そういう御指摘なんだろうと思いますので、それは先ほど西村委員との御議論もありました、どこでどういうふうに考えていくのかという課題もあるんだろうと思います。ただ、住宅の問題というのは、やはり特に若い世代において住居費がふえてきている、こういう実態がある、そのことは我々は認識をして考えていかなければいけないんだろうというふうに思います。
 それと、給付金の関係でありますけれども、これについては、そもそも、当時私どもは野党でありましたけれども、三党協議の中で、五千円にする、そして保険料納付も踏まえて対応する、こういう合意に基づいて、そして、その段階でやはり財源を確保しなければならないわけであります。基礎年金の国庫負担を三分の一から二分の一にするときにも、財源確保で相当皆さんが苦労されたわけでありますので、やはりそういったことも含めて議論していかなければならないんだろうと思います。

#54
○尾辻委員 ここら辺とかもあわせてしっかりやっていかないと、これから就職氷河期、団塊ジュニアの世代が老後を迎えたときに生活できないということが本当に起こってくるし、今働いていても、やはり皆さんは老後の不安というものをすごく感じているわけですよね。今コロナでも不安だし、更に自分の老後も不安だということにならないように、ここはしっかりと、いや、大丈夫なんだ、基礎年金がしっかりと生活をできる部分は賄うんだ、やはり、私は、そういう考え方で基礎年金のあり方をもう一度見直していく、しっかりと検討を始めていくことが大事だというふうに思います。
 あと、再分配の話もちょっと議論させていただければと思うんですが、厚生年金保険料の標準報酬最高限と健康保険の最高限がそれぞれ違うわけですよね。やはり所得再分配が日本で機能していない一因がここにあるんじゃないかという指摘があります。
 厚生年金保険料は、月額でいうと六十二万円を超えると、あとは、それが百万になろうが二百万になろうが三百万になろうが月額は一緒なわけですよね。健康保険の方だと、例えば協会けんぽだと最高は百三十九万円なんですね。だから、これは、六十二万円と、協会けんぽだと百三十九万円で、全然標準報酬最高限が違うわけです。こういったことがやはり所得再分配が進まない原因の一つになっているというふうに大沢真理先生なんかも指摘されているわけですけれども、それについて、その指摘や認識が厚労省にあるのかどうか、お伺いしたいと思います。

#55
○加藤国務大臣 先ほどからの議論なんですけれども、社会保障制度を本当に議論するときは、これは恒常的に経費が必要なので、やはりそれに対する安定的な財源を抜きにして議論しても、余り建設的な議論にはならないのではないかなというふうに思います。
 その上で、今のお話なんですけれども、年金制度は、要するに保険料に応じて年金支給額がふえる、こういう格好になっておりますから、当然、それだけふやせば、それだけ高額の公的年金を支給するということになります。本当にそれだけ高い年金をこの公的年金制度の中で支給すべきなのか、こういう議論もあって、一定の抑えがあって、基本的に、全厚生年金被保険者の標準報酬額の平均の二倍が現行の標準報酬月額の上限を継続的に超える、こうした場合にはそれを引き上げる、これは法律に書いてありますけれども、こういった考え方をとっているということなんだろうと思います。

#56
○尾辻委員 日本の社会保険料のあり方がやはり所得再分配に効果的になっていないという指摘ですので、この指摘もやはり踏まえていただきたいというふうに思います。
 時間が来たので、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

#57
○盛山委員長 次に、阿部知子君。

#58
○阿部委員 立国社の阿部知子です。
 本日は年金の審議ということになっておりますが、もう何人かの委員がおっしゃられたように、今なぜ緊急性があるんだろうということで、もっと深い論議がしたいと私も思っております。
 そして、きょうは、特に、緊急事態宣言が全国に広がる、また一方で、専門家会議の医師の表明というか会見等々で、このまま八割の接触制限がかなえられなければ四十一万人のお亡くなりになる方が出ると。非常に国民にとっては恐怖と脅威が今広がっております。
 そうした中で、まず政治として何をすべきか。私たちはこうするから、国民の皆さん、一緒にやろうとか、安心してくださいとか、私は何かそういうメッセージがあるべきだろうと思って、きょうは実は専門家会議の副座長である尾身先生に御出席をお願いをいたしました。大変お忙しい中で恐縮ですが、私は、尾身先生が今国民に対してぜひメッセージをしていただきたいことがございますので、その観点から質疑を進めさせていただきます。
 まず、尾身先生は、二〇二〇年の二月十四日からコロナの専門家会議の副座長として、もっと言えばスポークスマンとして連日いろいろな発表をしてくださっておりますが、もともとは、独立行政法人地域医療推進機構、JCHOの理事長として平成二十六年四月に御就任で、日本全国の五十七病院を預かる、まさに地域医療のかなめとなる方でございます。JCHOのことは、言うまでもなく年金と深くかかわっておりまして、年金保険料の無駄遣い問題が露呈いたしましたときに、年金保険料で成り立つような厚生年金病院や社会保険病院を本当にこれから活用していくためにどうあればよいかと、一旦は整理回収、そして再出発したのがJCHOでございます。
 尾身先生にまずお伺いしたいですが、この理事長をお引き受けなさるときに、私は、尾身先生のキャリア、特に、WHO等にも行かれました、公衆衛生も御専門であります、そのお立場から、現下の感染症問題、これは、JCHOの関連病床が一万五千床以上、また職員も三万人弱おられますので、ここが、しっかりと国民に対して、感染症を始め地域医療の受皿となってこれからしっかり日本の医療を守っていくんだというメッセージが欠かせないと思いますが、恐縮ですが、この点に関して、まず一問、お願いいたします。

#59
○尾身参考人 阿部議員お尋ねのJCHOの新型コロナウイルスの感染症に対する協力に関してでありますけれども、新型ウイルス感染症患者の受入れについては、JCHO病院では、クルーズ船及び検疫所からの入院受入れのみならず、関係自治体からの要請により、感染症指定医療機関のほか、一般病院においても入院患者の受入れを行っております。四月の十四日までに、計百四十九名、十八病院で新型コロナウイルスの感染症の患者さんを受け入れております。
 また、今般の厚生労働省からの協力依頼を受け、今後更に患者を受け入れるための病床確保に努めるよう、緊急事態宣言を今回は全県に行ったわけですけれども、全五十七病院について、地域医療を支える役割を果たしていきたいと考えております。
 今後とも、国、都道府県等関係自治体と連携しながら、新型コロナウイルス感染症患者の受入れに努めていきたいと思います。
 実際に、もう既に、一つの例としては、東京都新宿区が開催する、全体のチームでやるというところに、私どもの病院の新宿メディカルセンター及び東京山手メディカルセンターが患者の受入れを実際にしている。これからも頑張るつもりでおります。

#60
○阿部委員 私は、国民には、ぜひそういうしっかりしたメッセージというか、これからどうやって国民を、都民を支えられるんだろう、あるいは、全国に広がった緊急事態宣言の中、まさに全国に散らばる地域医療推進機構がしっかりと支えになるんだというメッセージも送っていただきたいと思うんですね。本当に、四十一万人が死んでいくとただ言われても、国民は、じゃ、どうすればいいのだと。もちろん接触を避けることは努力しますが、医療が何を提供できるかがともにないと、私は単なる国民を不安に陥れるだけのメッセージになってしまうと思います。
 今、尾身理事長からお話しいただきましたように、既に十八病院で受け入れてくださっている。また、感染症指定病院は、皆様のお手元の表にございますが、JCHOの中に十三ありますが、それ以外のところでもお受入れをいただいている。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 そして、この表を見ていただきますとおわかりのように、地域医療推進機構のもともとの病院、社会保険病院や厚生年金病院は大体昭和三十年代にできましたので、今建てかえの時期に入っております、老朽化をして。ここに、十四の病院が既に建てかえられた、あるいは今建てかえ中であるというところで横に書き出していただいておりますが、これからますますハードもソフトも充実させて頑張っていただかなければならないと思いますので、その観点から二問目をお願いしたいと思います。
 実は、病院の建てかえあるいは移転ということに関しまして、いわゆる病院がどんな場所に立地すべきであるか。特に、災害大国の日本では、地震、津波、浸水、土砂崩れ、この間あらゆる危険性が、コロナは感染の危険ですけれども、もともとのその地域を襲う危険があるわけです。私は以前から、病院の立地条件、そもそもどんなところに立地がかなうかということで考えておりますが、果たしてJCHOにあっては立地ということをどんなふうにお考えであるのか。
 私がこうしたことを伺いますのは、まだここで具体的な検討にはなっておりませんが、静岡にございます桜ケ丘病院というところも、実は平成に入りましてすぐに建てかえ問題が浮上はいたしましたが、なかなか、移転先の土地の問題があり、まだ着手もされてはおりません。ただ、老朽化もしてまいります。今の計画ですと、市の庁舎のところに移るといいますが、これが二・二メートルの浸水と津波の襲うところであるということで、そういう立地条件をちゃんとクリアしたところに私はぜひ設置をしていただきたいと思いますが、尾身さんに伺います。

#61
○尾身参考人 お答えいたします。
 JCHOとしては、当然、地域医療のかなめとして、災害時においても地域住民の生活を支え、地域住民の生活がしっかりと機能するように、安全性を勘案することが極めて重要だと思っております。
 今先生御指摘のありましたように、JCHOの病院の建てかえを計画するに当たっては、個々の地域の実情に応じて個別に決定されるため、一律に基準として定めることが難しいのは当然でありますが、災害に対する安全性をしっかりと考慮した上で、かつ、自治体からの要請、患者の利便性、地域の医療ニーズなど、地域の実情も総合的に勘案して決めていきたいと思っております。

#62
○阿部委員 済みません、尾身理事長には私の資料がお手元にないかもしれませんが、あけていただきますと、例えば、総務省の広域防災拠点三要件ということを示してございます。
 利便性、住民が行きやすいこと、これは総務省の定める広域防災拠点の要件ですが、それから、自立性というところに、液状化とか津波被害の危険性がないと。要するに、ないところに立地せよということなんですね。今見ておりますと、あるけれども、ちょっと高くすればいいとか、そういうのはだめなんです。高くしても、もっと高く来るかもしれないし、これは大事な拠点病院ですから。
 私は、この総務省の三要件はすごくよくできていると思うんです。液状化や津波被害の危険性がない。もちろん、災害に耐えられる施設であること。それから、代替性は、交通の便等々、災害時のエネルギー供給等。私は、JCHOが地域にとって大変大切な病院であると思いますので、ぜひこの視点を入れていただきたい。
 実は、今度は厚生労働省吉田医政局長に伺いますが、以前に私は国立病院機構についても同じようなお尋ねをいたしました。不思議なことに、厚生労働省の設けますさまざまな公立・公的病院においては、立地について記載されたものを見たことがございません。私はこれをちゃんと定めていただきたい。東日本大震災、熊本の震災、そして大雨によるさまざまな被害、あらゆることが襲ってまいります。それなのに病院というところがとりでになれないような状態では困るので、吉田医政局長に伺います。

#63
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 医療機関につきましては、災害拠点病院はもとより、それぞれ、災害時において地域の皆様方の命を守る重要な拠点の一つだというふうに思っております。
 委員が御指摘いただきましたように、これまで、規制あるいは基準という形で立地について明確にルールとして定めたものはございません。個々、いろいろなところにおいて、災害拠点病院についての留意点でありますとかというところにおいて考慮したところはございますけれども、それぞれの地域の事情、ニーズ、あるいは医療機能を果たすに当たって必要な敷地の確保などを踏まえた上で個々にこれまで設定されてきたというふうに承知をしておりますので、今後、災害を考える際に当たっての一つの私どもの検討の視点として受けとめさせていただき、課題としたいと思います。

#64
○阿部委員 尾身先生、ありがとうございます。お忙しい時間を大変ありがとうございました。これからも頑張っていただきたいと思います。ありがとうございます。
 今の答弁、今度は加藤大臣に伺いますが、私は病院こそ立地基準をつくってほしいんですね。浸水、津波がないところ、液状化はないところ、もともと建てるときにそうしたことをしていただきたい。原発の施設等は活断層を避けるとかいろいろあるんですけれども、なぜか病院というものはそういう表に表明された基準がありません。その上でいろいろ探していくというふうにしないと、これから災害は残念ながら温暖化の中で拡大をしてまいります。でも、そのときに命を支えられる、地域を支えられる何よりの拠点なんです。
 今、吉田局長は検討の視点に入れたいとおっしゃいましたが、更に大臣にお尋ねをいたします。ぜひしっかりした基準をこの総務省のような形で出していただきたいが、いかがでしょう。

#65
○加藤国務大臣 よくハザードマップもありますけれども、ああいったものを見ながら、さまざまな施設、今病院の話もされましたけれども、社会福祉施設もそうなんだろうと思います。
 そういった中で、どういうところに、少なくともここは建てない方がいいよというようなことは当然あるんだろうと思います。
 余り基準が強過ぎると、今度、にっちもさっちもいかなくなっても、これは地域の医療機関としてなかなか難しいと思いますけれども、ただ、これまでの災害の経験も日本の各地区でしているわけでありますから、そうした中で、災害時において医療の拠点となる、特にそうした病院については、やはり、ハザード上の観点からも、これから建てかえをするとき、あるいは場所を変えるときは十分配慮してもらうということは大事な視点なんだろうというふうに思います。

#66
○阿部委員 ありがとうございます。千曲川の浸水でも、多くの介護施設等々が浸水するところにあったんですね。これを見ると、この視点は抜きに今後の医療、介護、福祉施設はつくれないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 本来の年金の質問を幾つか挙げてございましたが、時間の制約でお尋ねができませんので、もしその関係の答弁者がおられたら、御退席いただいて結構であります。
 次に、新型コロナの問題に行きたいと思います。
 先週の四月八日に、私は加藤大臣に、医療現場ではマスクも予防衣もフェースシールドもないんだ、とにかく盾をくれと、守れないんだということを切実に訴えました。大臣の御答弁は、中国大使から四月七日、橋本副大臣の方にマスクや予防具の寄附のお話があったということですが、果たしてそれは地方自治体にもう届いたでしょうか。大臣にお願いいたします。

#67
○加藤国務大臣 四月七日とおっしゃいましたが、四月九日に寄贈は実質は受けているということであります。ちょっと済みません、手元の資料で。具体的には、サージカルマスク五十万枚、フェースシールド一万個、ガウン五千着などを寄贈いただきました。
 こうした医療物資については、もちろんこれまでも国内での増産、輸入をお願いしてまいりましたけれども、そうした物資については順次送付をさせていただいております。中国大使館からいただいた物資もあわせて、今後、医療機関等に速やかに配付をしていきたいというふうに思います。

#68
○阿部委員 先日、四月の十日だったと思いますけれども、沖縄の那覇医師会の皆さんが、マスクもガウンも何もかもあと十日しかないんだと切実な記者会見をなさいました。私は、今の大臣の御答弁がその方たちに本当に届いていればいいなと思います。皆さん、それくらい切実です。阪大では、ガウンがないから、雨がっぱを寄附してもらって、ポリ袋をかぶってやっているわけです。これで感染を防御することというのは、本当に身の危険と役割を考えながらみんな命がけですので、ぜひ、実際に届いたかどうかの確認の部分までよろしくお願いしたいと思います。
 引き続いて、私は先週同じく質問をして、果たして今後の入院病床はどうであろうか。先ほど尾身理事長にもお答えをいただきましたが、実際には厚生労働省の出された通達どおりに事が運んでいないように思います。
 大臣にあけていただきまして、年金部分を飛ばして、五枚目の資料になりましょうか、これは厚生労働省が三月二十七日付で発出されたもので、先回は、私がこの真ん中の表を吉田医政局長に埋めてくれと申しましたら、いや、健康局長だと言われました。きょうは宮嵜健康局長をお呼びしてございますが、ここには、感染症のいわゆる病棟、そして感染症指定病院の病床以外の一般病床、さらに、二、三、四といろいろな区分を設けて、病床が一体幾つ必要なのかということが厚生労働省側から出され、試算もなされております。
 ちなみに、二の感染症指定医療機関のところでは二万七千床、その他のところでは二万二千床、そして現在使われている感染症病床では千床で、五万だと。よく安倍総理は五万、五万とおっしゃいますが、果たしてそんなに確保されているんだろうか。
 きょうの東京新聞によりますれば、全体で一万といかない、一万少々だということでありましたが、宮嵜局長、一体これはどうしたことでしょう、この集計結果との余りの差。皆さんは五万とおっしゃいます。感染症指定病院の全部のベッドと、それから公立病院、公的病院とその他で五万だと。もう全然いかない。これは果たしてどうしたことでしょう。御答弁をお願いいたします。

#69
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
 病床の確保につきましては、今委員の資料の方の御提示もございましたが、感染症指定医療機関だけではなくて、二月十八日付の事務連絡に基づく医療機関、それから新型インフル協力医療機関、公立・公的医療機関、その他の医療機関における空き病床も活用することによりまして、今後、五万床を超える病床を確保していくこととしているところでございます。
 お話がありましたように、感染症指定医療機関の感染症病床のうち、あいているという御報告があった約千床、それから一般病床につきましては約二万七千床、それ以外のところということで、合わせて五万床分の確保を目指していくという考え方でございます。

#70
○阿部委員 考え方を聞いたんじゃなくて、各都道府県に投げて、その結果がどうでしたかと聞いているんです。一万そこそこでしょう、まだ。そのギャップはどう考えるんですか。机上の空論というんです、こういうのを。
 自治体だって、一生懸命、要請だから出していますよ。でも、到底、この二万七千のところだって、残る二万二千だっていかないんですよ。それで、計算だけしていい、数だけ合わせればいいとしていたら、患者さんはたらい回しになって路頭に迷うんですよ。
 私は、その真剣さが厚労省にないことが、何回も、先週も同じ質問をしているんです。でも、宮嵜局長だって今の私の質問の意味を理解していないでしょう。あなた方はこれをつくりましたと言うけれども、地方から返ってきた答えは幾つですか。今、地方から返ってきて、獲得されている、確保されている病床は幾つですか。明確に答えてください、宮嵜さん。
    〔委員長退席、長尾(敬)委員長代理着席〕

#71
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
 三月二十七日の事務連絡において報告を求めたところで、三月三十一日現在での状況を報告を求めたところでございますが、現在、この報告につきましては、未提出の自治体等に対しましても数値の確認を依頼していますとともに、公表の可否につきまして再確認を行っているところでございまして、確認が終了次第、速やかに公表していきたいというふうに考えております。

#72
○阿部委員 先週も同じ答弁ですよ。
 なぜ自治体がこれを提出できないのか、何がネックなのか。皆さんのつくっている数値だけの、表向きだけの、あいているからそこを全部使えるでしょうという考え方がだめなんですよ。指定感染症病棟があって、病院があって、使っていないところは全部使えるでしょうとやるからですよ。
 次の私の質問です。同じことを毎週聞いているんですから。
 お手元の資料の終わりから二枚目、これは二年前に総務省から厚生労働省が受けた感染症病床についての勧告であります。加藤大臣にもこの前申し上げましたから、感染症指定医療機関における診療体制等の適切な整備がないという総務省の勧告であります。見ていただければわかりますように、指定医療機関における必要病床数の確保は、例えば、三の上の方ですね、四十四機関中十は指定病床数どおりの患者の受入れを危惧する、それから、その下は、受入れ可能な病床数が基準病床数を下回る、これが十六都道府県中十二、七五%あるんですね。
 これは、もともと、平成二十九年の暮れに厚生労働省に、こういうのじゃ困りますねという総務省からの勧告が出たんですよ。それは、厚労省もみずから点検しない、そして、今、各地方に出しなさい、上げなさい、数でこれだけ空いているでしょうという。こういうやり方をしても、大臣、本当に病床はそこから出てこないと思います。いかがですか、加藤大臣。

#73
○加藤国務大臣 今の空きベッドの話と、そして、その空きベッドが本当に使えるかどうか、そのためには、医師や看護師等の皆さん、医療従事者の提供、これで初めて可能になるわけでありますし、また、実際、その病院ごとの、交通整理というのでしょうか、感染症を受け入れるに当たってのさまざまな手配も必要になってまいります。
 それについては、我々も、予算上の手当てもさせていただきながら、先ほど局長からもお話がありましたけれども、一定の係数を前提とした、必要な入院の態様、あるいは重症者の態様、それをそれぞれで計算をいただいて、その確保を、これはそれぞれの地域にお願いする以外に手がありませんから、お願いをさせていただいているところでありますが、ただ、別に事務局の熱意がないということではなくて、やはり、都道府県の現場も、そうした見通しをつける以上に、今、日々日々の対応に大変な御苦労をいただいている、そういった状況もあるんだろうと思いますけれども、なかなか数字がいただけない、そうした状況もあります。
 その辺をそれぞれの都道府県ともよく連携をとりながら、それぞれの地域地域におけるまさに医療の実態、これを我々は認識をしながら、しかし同時に、やはりこれから増加をする状況に対する体制も構築していかなきゃいけないわけでありますから、それについても連携をとりながらやらせていただきたいというふうに思います。
    〔長尾(敬)委員長代理退席、委員長着席〕

#74
○阿部委員 備えあれば憂いなしと申しますが、平成二十九年に出た勧告をいまだに厚労省が実施していない、その備えのなさが、こういう感染症の流行にあって、実は保健所に一番負担をかけているんです。保健所は、帰国者・接触者外来の窓口で受けて、検査して、さて入院病棟はどうだろうと思ったとき、ないんですよ。結果、救急車のたらい回しに。百二十カ所聞いたというお話もあります。
 私は、この三十年間で保健所の数は実は八百五十二から四百七十に半減しているんです、その少ない保健所がハンドルしながら、そして本来厚労省がチェックすべき指定病棟の中身がわからないまま、本当に暗中模索の保健所なんだと思います。その負担を少しでもとらなきゃいけない、そしてたらい回しをなくさなきゃいけない。
 そのために、例えば、こんなに遅い報告を待っていられないから、臨時の病棟をつくったところもあります。私の神奈川でも、百八十床を五月に向けてもうつくっております、もちろん重点病院も決めております。東京都では、船の科学館を日本財団の笹川さんが使ってくれと言って出しておられます。待っても待ってもらちが明かないものであれば、とにかく早急に入れてさしあげなければならない。
 私は、これを厚生労働省はしっかりと自覚して、これまでの行政の足らざるところですので、今の緊急をどうにか、命を助けるべく切り抜けていただきたい。大臣にはよく自覚していただきたい。
 そして、最後に、ではそういう病棟がないから自宅でという方針は、やはり私は間違っていると思うんです。自宅で過ごすということは、よほどの感染隔離の体制がとれないとミニクラスターの原因になります。
 大臣に伺います。
 基本方針は、感染者あるいは軽症者が入れる施設を準備することである。これはWHOの勧告であり、方針であり、総括であります。我が国においてはそれをどのようにお考えか、よろしくお願いします、御答弁を。

#75
○加藤国務大臣 今のお話の中も、別に国が関与していないわけではありません。東京都の取組もお話がありました。我々は一緒になってやらせていただいている、このことは委員もよく御承知のところなんだろうというふうに思います。
 それから、軽症者等々の受入れでありますけれども、これは、基本的対処方針に、患者が増加し重症者等に対する入院医療の提供に支障を来すおそれがある場合には、入院治療が必要ない軽症者等は自宅療養とし、その際、家族構成等から高齢者や基礎疾患を有する者等への感染のおそれがある場合には、宿泊施設等での療養を行うなど、家族内感染のリスクを下げるための取組を講ずることということがなされ、四月二日の事務連絡では、宿泊療養、自宅療養対象者や解除の考え方、宿泊療養のマニュアル、自宅療養患者へのフォローアップの仕組み、症状が悪化した場合の対応などを都道府県等に周知をさせていただいたところであります。
 また、私どもも、観光庁と連携をとりながら、こうした宿泊施設として提供可能なものがあるのかどうか、これを、それぞれの都道府県に情報の提供もさせていただいているところであります。
 それぞれの都道府県においては、そうした療養所を確保していただいて、そして、本人の御希望を踏まえながらそうした療養場所について決定をされていくものというふうに承知をしております。

#76
○阿部委員 私が申し述べたのは、国民に送るメッセージの基本なんですね。
 例えば、大臣、最後のページにつけた資料を見ていただきたいですが、軽症者等が医療従事者と同居している場合にも、高齢者等と同居している場合と同様に生活空間を必ず分ける等の対応をとることと出ていますが、医療従事者が患者さんと同居して、そこで新たなクラスターになったら困るんです。
 私は、こういう安易な書き方をしないでいただきたい、そのために十分な施設を確保していただきたいと申し添えて、質問を終わります。

#77
○盛山委員長 次に、宮本徹君。

#78
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。
 法案について質問します。
 今度の法案は、これまで七十歳だった年金の受給開始時期の選択肢を七十五歳開始まで広げるということです。本会議では、高齢者が意欲を持って働ける環境整備なんだ、こういう説明がありました。本当にそうなのかな。年金がふえたら、年金にかかる税金や社会保険料も当然ふえるわけですよね。
 ちょっと計算を出してほしいんですけれども、例えば、単身者で、六十五歳から八十五歳まで月十五万円の年金をもらう場合と、七十五歳から八十五歳まで、その一八四%の月二十七万六千円の年金をもらう場合で、もし仮に年金所得のみの場合、それぞれ、年金にかかる所得税、住民税の負担はどれぐらいで、負担総額はどれぐらいふえるんでしょうか。

#79
○高橋政府参考人 年金額にかかります所得税、住民税の計算でございますが、御指摘の要件で機械的に単純に計算を申し上げますと、例えば、六十五歳から月額十五万円の年金額を受給する場合には、所得税、住民税の月額は所定の要件で約千八百円程度でございます。年金を七十五歳に繰り下げて八四%増額して月額二十七万六千円の年金額を受給する場合には、所得税、住民税の月額は約一万九千円程度となるものでございます。
 また、八十五歳まで総額で幾らになるのかというお尋ねでございます。
 六十五歳の平均余命は二十一・八歳でございますし、また、もっと長生きされる方も多数おられますので、八十五歳までの総額で比較するということは適切ではないと考えてございますけれども、お求めでございますので計算を行いますと、六十五歳から八十五歳までの二十年間、十五万円の年金を受給すると、総額で三千六百万円、所得税、住民税の総額は四十二万円、一方、七十五歳から八十五歳までの十年間、月額二十七万六千円の年金額を受給すると、総額が三千三百万円、所得税、住民税の総額は二百二十五万円となります。
 これは単純に比較すべきものではございませんで、どのくらい長生きするかわからない中で、増額した年金を終身で受け取るということが保険としての意味が大きい、そういった点がこの繰下げの時期の選択肢の拡大といった趣旨であることを御理解いただきたいと思います。

#80
○宮本委員 ちょっと早口だったんですけれども、つまり、六十五歳から八十五歳までもらったら、かかる税金はその二十年間で四十二万円だ、同じ年金を繰り下げて七十五歳から八十五歳まで受け取ったら、かかる税金は二百二十五万円だと。百八十万円ぐらい、年金にかかる税金だけでもふえる。
 さっき、平均二十一・八歳ですか、もらうのは。もしこれを、六十五歳から八十五じゃなくて、六十五歳から八十七でとったら、その差はもっと大きくなるわけですよね。年金だけにかかる税金ということで見れば、二百数十万、実際は繰延べした方が多くなるということになるわけですよね。延びれば延びるほど、長生きすればするほど、当然、かかる税金もどんどんどんどん、もっとたくさん払っていくということになるわけですよね。
 ですから、ちょうどバランスがとれる同じ金額になるところまで年金を受給したとしても、実際の手取りは減る。税金、所得税、住民税だけでもそれだけかかるわけですよ。これに介護保険料や国民健康保険税というものも含めたら、年金から引かれるものはもっと多くなるということになるわけですよね。ですから、高齢者が意欲を持って働ける環境整備だと言いますけれども、引かれるものは物すごく桁違いにふえるということですよね。
 もう一点お伺いしたいんですけれども、今七十歳まで年金支給の繰下げを選んでいる方は、どういう理由からこれを選んでいるのか。主な理由を教えていただけますか。

#81
○高橋政府参考人 年金局で行いました年金制度に関する総合調査というのがございまして、公的年金を六十五歳よりも後から受け取りたい理由、又は実際に受け取った理由につきましての質問を行いましたところ、生きている限り受け取ることができる年金の額が高い方が安心できるからというのを選んだ方が四一%、六十五歳以降も働くつもりだからを選んだ方が三七%、また、配偶者などの収入や自分の貯金などがあるからが六・六%、自分は長生きすると思うからが五・七%ということでございます。

#82
○宮本委員 つまり、貯金があって余裕があるからということじゃなくて、将来の安心のために選んでいる方が一番多い、四一%という話です。
 私の知り合いなんかでも、離婚して蓄えも少ない、年金も少ない、体が動くまで働かないと将来が見通せない、そういう方で、年金を我慢して七十歳まで頑張って働く、あるいは七十歳を過ぎても働く、こういう方は結構たくさんいるんですよね。ですから、結局、年金が不十分だから繰延べして働かなきゃいけないという方がかなりいらっしゃるということだと思うんですよね。
 今マクロ経済スライドをやっているわけですけれども、これから先どんどんどんどん年金を減額していくということになったら、今は七十歳まで繰延べというのは一%ちょっとということになっていますけれども、年金がどんどんどんどん減れば、やはり、将来の安心のためには、将来自分が生活していける年金を確保しようと思ったら、もっと頑張って働かなきゃいけないという方がどんどんふえていくということなんじゃないかなと思います。
 もう一点お伺いしたいんですけれども、今、七十歳まで繰り下げれば年金は一四二%になります、七十五歳まで繰り下げれば一八四%です、こういう説明があるわけですけれども、マクロ経済スライドの仕組みでは、将来世代ほどスタート時点から年金は実質減るわけですよね。所得代替率でいえば、基礎年金は今よりも三割減るということであります。
 すると、ちょっとこれはお伺いしたいんですけれども、基礎年金でいえば、今現在七十歳まで繰り下げて支給される年金と、あるいは、マクロ経済スライドで、ずっと先ですよ、全部調整が終わった後にその方が七十五歳まで繰り下げて受給した場合の年金、この水準を比べたらどっちが高くなるんですか。

#83
○高橋政府参考人 マクロ経済スライドは、賃金や物価の伸びの範囲内で年金の伸びを抑えるというもので、年金額が減るわけではございません。
 その上で、将来の年金水準を見通す上で、現役の賃金との比較である所得代替率と、年金受給者の購買力を示す、物価上昇分を割り戻した実質価格、この双方を見ているわけでございますけれども、実質価格で見ますと、マクロ経済スライド調整期間の終了によりましては、おおむね横ばい、例えば、二〇一九年の基礎年金額六・五万円が二〇四七年度に六・二万円になる、こういった試算でございます。
 これに繰下げを組み合わせますとということでございますが、今の六・五万円の一・四二倍よりも、将来のマクロ経済スライド調整後の六・二万円の一・八四倍、七十五歳まで繰り下げた一・八四倍の方が当然明らかに大きいわけでございます。

#84
○宮本委員 じゃ、購買力の方で見たらどうですか。

#85
○高橋政府参考人 今申し上げたのが、物価上昇で割り戻した、購買力であらわす実質価格での比較でございまして、六・五万円、将来六・二万円というのがそのものでございます。

#86
○宮本委員 所得代替率で見たらどうですか。

#87
○高橋政府参考人 所得代替率は現役との比較でございますので、年金額が減るか、どちらが大きいかということでいきますと、実感に合うのは、物価上昇率で割り戻した、購買力である実質価格での比較が正しいかと思います。

#88
○宮本委員 いや、そういうことを聞いているんじゃなくて、所得代替率で見たらどういうふうになるんですか。七十五歳まで繰り延べた場合、マクロ経済スライドが全部調整し終わった後、七十五歳まで繰り延べた場合の所得代替率と、現在の七十歳まで繰り延べた場合の所得代替率は、どちらが大きいですか。

#89
○高橋政府参考人 所得代替率で申すと、将来は所得代替率が低下していくものでございますから、それで増額した場合の所得代替率は低くなるというものでございます。

#90
○宮本委員 ですから、今の年金のもとで七十歳でもらう所得代替率よりも、将来、マクロ経済スライド調整後、七十五歳でもらう所得代替率の方が低い、そういうことでよろしいですか。

#91
○高橋政府参考人 代替率ベースでの比較ではそのとおりでございます。

#92
○宮本委員 つまり、所得代替率ベースで見ると、結局、マクロ経済スライドでどんどん年金を目減りさせていくということは、今の年金制度のもとで七十歳まで頑張ろうと思った人は、七十五歳まで頑張らなきゃというか、七十五歳まで頑張ってもそういう所得代替率の年金は得られないということになってしまうわけでありますよ。そういう中でどうするのかということが問われていると思うんですね。
 初めに桝屋議員との議論の中で、大臣も、今のままの基礎年金の削減のやり方でいいとは思わないというニュアンスに、そうじゃなかったですか、そういうニュアンスで私は大臣の答弁を聞いていたんですけれども。基礎年金の方ばかり大きく減らしていくと、報酬比例部分ではなくて基礎年金の方ばかりどんどんどんどん減額が続くと、やはりこの仕組みを続けていくということには大変無理があると思うんです。これは秋も議論させていただきましたけれども、私は、厚生年金と国民年金の財政統合をやっていくということが必要だと思っております。
 それで、きょうは厚労省の認識もお伺いしたいんですけれども、国民年金と厚生年金の財政統合を行った場合、私は大半のケースでモデル世帯でも単身者でも現状より年金給付はふえるというふうに思っていますが、減る世帯も若干あると思っているんですけれども、これはどういう世帯でどれぐらい減るという見込みでしょうか。

#93
○高橋政府参考人 今御指摘いただいた、国民年金と厚生年金の財政統合をしたらどうなるかということでございますけれども、国民年金と厚生年金は保険料や給付の設計が全く異なってございますので、現在の仕組みを変更して財政統合を行うということにつきましてはさまざまな御意見があると承知しております。
 先般の財政検証の結果におきまして、当面は厚生年金、基礎年金双方にマクロ経済スライドが同時にかかっていく、また、マクロ経済スライド調整は時間をかけて徐々に給付水準を調整するという仕組みでございますので、今すぐ、直ちに指摘されるような財政統合を検討しなければいけない状態になっているということではないと考えてございます。
 したがいまして、御指摘いただいたような試算は現在行っていないところでございまして、試算を行うためには、さまざまな制度の考え方や具体的な仕組みを整理してからでないと行えないと考えてございまして、容易に行えるものではないと考えてございます。

#94
○宮本委員 試算ぐらい、こっそりやっているんじゃないですか。だって、この間、新聞報道では、いろいろいろいろ、五年後に向けて検討課題だみたいなことが何回か報道でも出て、観測気球を上げているじゃないですか。何かやっているのかなと思うんですけれども。
 私たちもちょっと試算をしてみました。そんなに力があるわけでもないのでケース一しかしていないですけれども、単身者の平均月収を五万円刻みで試算したら、標準報酬月額の上限に近い人以外は、財政統合した場合は現状より年金給付はふえます。ただ、上限に近い人より上は若干減りますけれども、ケース一でいえば一%程度かなというのが私たちの試算なんですね。
 やはり、本当に、所得再分配をどう進めて低所得者の皆さんの基礎年金の水準が減っていくのを避けていくのかということを考えた場合に、私は財政統合は大変有力だと思いますので、ちょっと、至急、試算していないということじゃなくて、試算をするように、大臣、いろいろな学者の皆さんもいらっしゃいますし、力をかりて検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#95
○加藤国務大臣 私が先ほど申し上げたのは、削減の仕方、要するにマクロ経済スライド調整が問題だと言ったわけではなくて、そうした中で、基礎年金部分と報酬比例部分が二〇〇九年の財政検証からぐっと離れてきている、この状況をどう考えるか。ただ、その後について、最近においては、御承知のように、年金の調整の仕組みが変わりましたから、今以上に差が開くということはかなり解消されている。これは先ほど桝屋委員に答弁をさせていただいたということでありますので、そういうことを先ほど申し上げさせていただいた。
 それから、今お話があった統合するかしないか、これはいろいろな議論があると思いますが、ただ、どういうふうに統合するかという仕組みをつくらないと、それを抜きにして試算をするというのは不可能でありますので、まずは、これに対する、統合するかどうかも含め、幅広く、基礎年金というものをどう捉えるのか、こういった議論をしていくということが必要なんだろうと思います。

#96
○宮本委員 ぜひいろいろな制度設計を考えていただいて、私たちとしてもいろいろな試算を示していきたいと思いますので、引き続き議論していきたいと思います。
 きょうは終わります。

#97
○盛山委員長 これより内閣総理大臣出席のもと質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。繁本護君。

#98
○繁本委員 自由民主党の繁本護でございます。
 冒頭、新型コロナウイルスの感染症によりお亡くなりになりました方への哀悼の意をささげ、そして今この瞬間にも感染者の治療と蔓延拡大の防止に全力で取り組んでおられる全ての関係者に敬意を表し、心から感謝を申し上げる次第であります。
 それでは、早速ですが、内閣から提出されました年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法案につきまして、総理に質問をさせていただきます。
 新型コロナの拡大により、我が国と世界の経済に深刻な影響が出ております。きょうの速報によりますと、中国の一―三月期の経済成長もマイナス六・八%という報道もございました。今週の十四日にはIMFは世界経済の見通しを改定いたしまして、二〇二〇年の成長率予測をマイナス三・〇%に引き下げました。今回の下方修正から単純計算されます世界経済GDPの損失規模は五百四十兆円超えとなり、リーマン・ショック時の二・五倍に相当いたします。一九三〇年代の大恐慌以来の、最悪の不況を経験する可能性が高いとの危機感が市場を駆けめぐっているところでございます。
 このような中、本年一月―三月期におけるGPIFによる年金積立金の運用成績は十七兆円を超える赤字と報じられており、この赤字額は、米中貿易摩擦の影響で過去最大でありました二〇一八年十月―十二月期の赤字十四兆円を上回っており、四半期ベースでは過去最大であります。これは、二〇一三年度から年金積立金のポートフォリオに占める国内、国外の株式運用比率を五〇%に引き上げたことで、今般のパンデミックに伴います世界的な株安の影響をそのまま受けた結果であると言えるのではないでしょうか。
 現時点でパンデミックが終息する時期につきましてはなかなか見通しを立てることは困難ですが、パンデミックの終息を抜きにして我が国と世界経済の回復は期待できず、また、世界経済の成長なくして確かな年金積立金の運用益は期待できないわけであります。
 年金積立金の運用に係る見通し、これからも安心して年金を受け取ることができるんだという国民への安心感、並びにパンデミック終息に向けて日本が果たすべき役割、極めて大きいわけでありますが、これらの点につきまして、総理の認識をお聞かせください。

#99
○安倍内閣総理大臣 年金積立金の運用については長期的な観点から行うこととされておりまして、平成十三年度の自主運用開始以降、昨年末までの積立金の累積収益は約七十五・二兆円となり、年金財政上必要な収益を十分に確保しております。
 もちろん、先ほど御紹介されたようなポートフォリオの組みかえを行っておりますから、短期的に影響を受けることはあります。しかし、年金ですから、長い年月の中でどうなっていくかということを見ていくことが必要なんだろうと思います。引き続き、内外の経済動向等を考慮しつつ、安全かつ効率的な運用に取り組んでいきます。
 また、新型コロナウイルス感染症対策については、政府としても、一日でも早く国民の皆様の不安を解消できるよう、有効な治療薬やワクチンの開発を世界の英知を結集して加速してまいります。先般テレビ電話で実施されたG7サミットでもG20サミットでもそのことを強く主張し、世界の首脳たちから賛同を得たところであります。さらには、現在、アビガンを始めとする治療薬や、あるいはワクチンなどの開発に向けて、大学や企業でもさまざまな動きが出てきております。これらを政府が力強く後押ししてまいります。
 日本だけではなくて、世界じゅうを未曽有の不安と恐怖が覆う中で、日本は持ち前のイノベーションの力で希望の灯をともす存在でありたい、このように考えております。

#100
○繁本委員 ありがとうございます。
 さて、本法律案では、短時間労働者に対する被用者保険の適用対象とすべき事業所の企業規模要件を令和四年以降段階的に引き下げるスケジュールが明記されております。新たに被用者保険の適用となりますのは、令和四年十月時点では四十五万人、これは百人超えの事業所であります、令和六年十月時点では六十五万人、これは五十人超えの事業所となりますが、事業主の負担増はそれぞれの時点で一千百三十億円、一千五百九十億円と推計をされております。
 令和四年十月までにはこの新型コロナウイルス感染症は終息し、国内外の社会経済活動が平常に戻っていてほしいと期待しているところでありますが、現在従業員数が五百人未満の事業所には旅館業や飲食業、小売業が含まれており、その多くは、現在、感染症拡大の影響を真っ正面から受けているところであります。
 このたび全国に広がりました緊急事態宣言、これが出されている期間、軒並み営業自粛をせざるを得ない極めて厳しい経営環境に置かれていますが、何とかして事業を継続し、そして従業員の雇用を守り、既往債務にまた上積みの融資を借りて、借金に借金を重ねようとしているわけであります。
 その一方で、本法律案に関しましては、関係者の多くから、中小企業は働き方改革への対応等の真っ最中であります、旅館、飲食、小売など、パートを多く雇用しているところの適用拡大の影響は大きい、このため、準備期間の十分な確保など、激変緩和策や支援策を検討すべきではないかとの御指摘もかねがねいただいておったところでございます。
 さて、本法律案により、短時間労働者に被用者保険を適用する事業者のうち、新型コロナの拡大に伴う影響が直撃している事業者の割合はどれぐらいあるでしょうか。ほとんどかと思います。また、被用者保険の適用拡大の見直しによって事業主はこの負担がふえます。さらには、新型コロナ対策によるさらなる負担増もあるわけでありますが、こういった小規模事業者の今後の経営環境をどのように理解して、コロナ対策も含めてどのような支援を講じていくのか、総理の見解をお聞かせください。

#101
○安倍内閣総理大臣 人生百年時代の到来を見据えまして、年金制度においても、働き方の変化を中心に据えた改革を進めるため、パートの皆さんへの厚生年金の適用拡大を進めることが重要と考えています。
 今回は、中小企業への影響も踏まえまして、五十人超の中小企業まで、段階的に適用範囲を拡大することとしました。新型コロナウイルス感染症により、御指摘の旅館業や飲食業、小売業を含む幅広い分野で売上げや発注の減による甚大な影響が生じており、各地の中小企業からは大変厳しい状況にあるとの声がたくさん寄せられています。
 こうした声を踏まえまして、中小企業の皆さんには、まずは現下の新型コロナウイルス感染症による困難な状況をしっかりと乗り越えていただくべく、実質無利子無担保、最大五年間元本返済不要の融資制度による資金繰り支援、雇用調整助成金の拡充を通じた従業員の皆さんの雇用と収入の確保、事業者負担の軽減、税や社会保険料の猶予による手元資金の確保、売上げが大きく減少した中堅・中小企業には最大二百万円、個人事業者には最大百万円の給付金による事業継続の支援など、あらゆる手段を駆使して、困難に直面している事業者の皆さんを支えていきたいと思います。
 その上で、三千億円を上回るものづくり補助金、IT補助金、持続化補助金について、今回の経済対策における予算の増額と補助率や補助上限の引上げ、そして経営環境悪化に伴う下請取引へのしわ寄せの徹底排除に向けた対応などを通じて、中小企業が難局を越えた先の道筋をしっかりとつけ、適用拡大にもしっかりと御対応いただけるようにするために、政府としても総力を挙げて取り組んでまいります。

#102
○繁本委員 総理に対しまして、ぜひこれからも国民の気持ちに寄り添いながら蔓延防止対策と経済対策を両輪として強力に進めていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。

#103
○盛山委員長 次に、桝屋敬悟君。

#104
○桝屋委員 公明党の桝屋敬悟でございます。
 総理、毎日の激務、本当に御苦労さまでございます。
 十六日、我が党の山口代表が総理に、未曽有の戦いとなっておりますコロナ対策のため、国民に励ましと連帯のメッセージを送る必要がある、全国民を対象に、一人十万円、一律給付を行うべきと強く要請をさせていただきました。我が党の思いは、ひとり公明党の思いではありません。多くの国民の思いでありまして、ここにいる同僚議員の思いでもあると私は思っております。
 総理はこれを真正面から受けとめていただきまして、緊急事態宣言の対象地域を全国的に拡大するとともに、新たに一律十万円の給付を決断されました。総理の決断を高く評価したいと思いますし、感謝したいと思います。この上は、ともかくスピード感を持って一日も早く国民の皆様に届けることが何より肝要と考えておりますが、総理の御認識を改めて伺いたいと思います。

#105
○安倍内閣総理大臣 今回、緊急事態宣言を全国に拡大することによって、全ての国民の皆様にさらなる御協力をいただくことになります。
 当初、収入が著しく減少し、厳しい状況にある御家庭に限って一世帯当たり三十万円を給付する措置を予定しておりましたが、この際、これにかわり、更に給付対象を拡大した措置を講ずべきと考えました。今回の緊急事態宣言により、外出自粛を始めさまざまな活動が制約されることとなる全国全ての国民の皆様を対象に、一律に一人当たり十万円の給付を行う方向で、与党において再度検討を行っていただくこととなります。
 一日も早く必要な支援を国民の皆さんの手元にお届けするため、速やかに検討いただいた上で、できる限り早期に補正予算を提出し、速やかな成立をお願いしたい、こう考えております。

#106
○桝屋委員 異例のことでございますけれども、我が党も与党の一員として全力で取組をさせていただきたいと思います。
 それから、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金、厚労省で取り組まれております。あるいは、新型コロナ感染症対応地方創生交付金が補正予算としてともに計画をされております。
 緊急事態宣言の全国的拡大に合わせ、特定警戒都道府県が指定をされる中、都道府県知事が行う各業界への休業要請についても、各自治体が知恵を出していわゆる協力金みたいな形で支援策を検討されていますが、これも対象にしてもらいたいという声も強い。一方で、全国の自治体は、そうした事業以外の、最も大事なコロナ対策、いわゆる病床確保なども予定をし、交付金を期待しておられるわけであります。これは、よほど整理をしないと、とても一兆円では足りないというような事態になるわけでありまして、この辺の整理が、総理、必要だと思いますが、いかがでしょうか。

#107
○安倍内閣総理大臣 今回の緊急経済対策では、全国の中小・小規模事業者への新たな給付金を始め、ほとんどの事業が地方公共団体には負担が生じない全額国費負担の事業となっています。そうした中でもリーマン・ショック時の臨時交付金と同じ規模となる一兆円の予算を確保したところであり、各自治体がそれぞれの知恵と工夫を凝らして活用いただける余地はより大きいと考えています。
 今後の制度設計に当たっても、地方の声を当然よく伺いながら、極力自由度の高いものとすることで一兆円の予算が十二分に効果が発揮できるようにしていきたい、もちろん更に今後地方の声に耳を傾けていきたいと思っております。

#108
○桝屋委員 ありがとうございます。我が党も、しっかりと、三千名の議員のネットワークで取組を進めたいと思います。
 最後に、年金について、先ほど大臣とも話合いをしたのでありますが、今回はどうしても避けて通れない年金の改正が行われるわけでありますが、やはり基礎年金の所得保障機能というのが大変に今この委員会でも議論になっております。次なる課題として、総理と私がいつまで国会議員をやっているか、これはわかりませんが、先のことを考えますと、どうしても決着をつけなきゃいかぬ。
 総理は本会議で、難しい問題がある、このようにおっしゃったのでありますが、こうした問題意識を改めて伺いたいと思います。

#109
○安倍内閣総理大臣 年金の財政検証結果によると、調整終了後の所得代替率は、代表的なケースでは、前回検証時の五〇・六%に対し、五〇・八%と改善をいたしました。それに先立つ過去二回の財政検証では、マクロ経済スライドの調整期間が延びて、所得代替率も下がる傾向にありましたが、昨年の検証結果では、厚生年金被保険者の増加といった年金財政へのプラス要素もあり、所得代替率の低下にも歯どめがかかったところであります。
 この結果にもあらわれているとおり、誰もが幾つになっても活躍できる人生百年時代を見据えて、全世代型社会保障改革により支え手をふやしていくことが、まさに今後の年金制度の保障機能を強化していくためにも重要であるということが改めて確認されたところだろうと思います。さらに、被用者保険の適用拡大は、厚生年金のみならず、基礎年金の水準を確保する上でもプラスの効果を持つことが確認をされたところであります。
 先ほどの支え手をふやしていくことに加えて、今般の法案に盛り込まれているパートの皆さんへの適用拡大をしっかりと進めていくことによって、基礎年金水準の向上を図っていきたいと考えております。

#110
○桝屋委員 以上で終わります。ありがとうございました。

#111
○盛山委員長 次に、山井和則君。

#112
○山井委員 二十六分間、質問をさせていただきます。
 まず、何よりも、今、緊急事態宣言が出ておりますこの日本において、医療現場において医療従事者の方々が、コロナの感染のリスクを感じながらも、命がけで国民の命を守るために働いてくださっております。まず、医療従事者の皆様方に心より御礼と感謝を申し上げたいと思います。
 そして、私たちは、命がけで患者さんのため、国民の命を守るために働いてくださっておられます医療現場の方々が、院内感染や医療崩壊、そういうことにならないように、私たち与野党も政府と協力してこの国難のときに挑んでまいりたいと思います。
 この年金法案、本当でしたらきっちりと審議した上で最後に安倍総理にお入りいただきたかったんですけれども、冒頭になってしまったことは極めて残念であります。
 緊急事態宣言も出ております。そういう中で、私もきょうも年金について幾つか質問通告をさせていただきました。
 ただ、今までの同僚議員の質問にもありましたように、コロナで倒産になる、失業になる、廃業になる、そういうことになれば年金保険料も払えないということで、このコロナ対策というのは非常に最優先の危機的な問題だと思っております。そういうことで、年金法案のことは後半に回しまして、まずコロナウイルス対策について質問をさせていただきたいと思います。
 まず、私が昨日大変驚きましたのは、十万円の給付金を全国一律で行うと。私たち野党が一カ月前に提案をしておりましたことですから、結論としては私たちは歓迎であります。やっと野党の、そして与党の方々からも提案があったと思います。国民からも、何よりも、三十万円を限られた人にじゃなくて、一律十万円ということは国民の中からもずっと前から要望があったんですね。やっとその声が届いたかということで、ほっとしました。
 しかし、その反面、何でこんなにおくれてしまったんだと。多くの与野党を超えた国会議員、多くの国民が十万円の一律給付がいいとずっと言っていたのに、なぜ安倍総理は補正予算を出す直前まで結果的には間違った判断をされたんでしょうか。そのことについては、もちろん結果は私はよかったとは思いますが、これによって補正予算の成立はおくれる。国民の不安も、十万円は皆さん喜んでおられると思いますが、どたばた感、朝令暮改ということについて不安を持っておられるんじゃないかと思います。
 そこでお聞きしたいんですが、安倍総理、安倍総理は四月七日の緊急事態宣言の記者会見のときに、一律、全員に給付すると届くまでに大体三カ月ぐらい時間がかかってしまう、今回はスピードも重視したということでありますということで、あの三十万円の給付。一律は三カ月かかる、スピードを重視するから三十万円にするということを記者会見で安倍総理はおっしゃっておられました。この御認識は今も変わっておられませんか。

#113
○安倍内閣総理大臣 我々は、まず最初に、収入が大幅に減った御家庭、世帯の方に対しまして三十万円の給付を行うということを、党でも議論を行いながら決定をしたところでございます。
 そして同時に、そのとき、かつてリーマン・ショックのときに一万二千円を全ての国民の皆様に給付するという政策を行ったときのこととの比較を考えたところでございますが、当時は約三カ月間かかったのは事実でございまして、亡くなった方もおられ、また住所をかわった方もおられるので、一度、最初に出して、そしてまた返信をいただく、チェックをするという中においてそういう時間がかかった。他方、この三十万円については手挙げ方式でいくのでこれは大変速いという説明を我々も受けておりましたので、これはスピード感が大切であろうということもあり、そういう御説明をさせていただいたところでございます。
 同時に、今回、この三十万円の、手挙げ方式でありますが、給付を行うという仕組みをつくっていく中において、例えば住民基本台帳等を活用する方式等についても総務省においてもいろいろな議論がなされていたということでございまして、そしてまた、今回、改めて、この変更をすることにおいてどれぐらい時間がかかるのかということを確認させていただいているところでございますが、前回よりも相当短縮することが可能であるという話を、今総務省からもお話をいただいているところでございまして、できる限りの短縮を図っていきたい、こう思うところでございまして、ですから、七日に答弁をさせていただいた前回の三カ月間よりも相当短縮は可能であるということでございまして、今現在の認識としては、かなりこの短縮は可能である、このように考えております。

#114
○山井委員 ということは、緊急事態宣言の後の記者会見で安倍総理は、一律給付は三カ月かかるという、結果的には虚偽の説明をされたということですか。
 本当だったらもっと、もちろん、定額給付金は三カ月だったかもしれません。でも、私たちは別に定額給付金をやれと言ったんじゃなくて、一律十万円を配りましょうと提案したわけですからね。それに対して安倍総理は、三カ月かかるから、三十万円、絞った方がスピーディーだとおっしゃった。
 ここは、安倍総理、はっきりしていただきたいんです。ということは、一律は三カ月かかるという認識、説明は間違っていた、もっと早くできることがわかったから今回は一律十万円にする、こういう理解でよろしいですか。

#115
○安倍内閣総理大臣 あのときに答弁をいたしましたのは、まさにリーマン・ショックのときに全ての国民の皆様に一万二千円をお配りするという方式において、我々はそういう経験しかなかったものでありますから、その方式でいけば三カ月かかると。今回はそれではなくて、該当すると思われる方々が手を挙げていただくという方式であれば三十万円を給付する、よりスピーディーに行うことができるということで御説明をさせていただいたところでございます。
 確かに、今、山井委員がおっしゃったように、そのときに、もう少し、では、この期間について、さまざまな方法の中において、短縮するその方式があるかどうかということについても説明すべきだったと言われればそれはそのとおりかもしれませんが、私がお答えしたときには、三十万円を、一番最初に、もう少し前の段階で、我々が党と政府として判断をしたときの段階において、手挙げ方式で行う方式と、かつて麻生政権で行ったときの期間との差ということで判断をしたところでございます。
 しかし、この三十万円の給付についていよいよ進めてくる段階において、この方式において詰めていく中において、住民基本台帳を活用した形、また、さらには、まだ不十分でございますが、マイナンバー等を活用した形等々も含めて今検討させていただいているところでございまして、どこまで短縮できるかはわからないわけでございますが、三カ月よりは大分、大幅に短縮できるのではないかという説明を今受けているところでございます。

#116
○山井委員 私は十万円を給付していただくことには感謝していますから余り批判はしたくないですけれども、あんまりじゃないですか。今、緊急事態です。会社が倒産する、廃業になるかもしれない、食べていけないかもしれない、住宅ローンが払えない。国民はもう必死なんですよ。そういう必死の思いで、すがるような思いで、与野党の議員が、一律十万円にしてください、絞ったら遅くなるでしょうと、本当に国民を救いたいという思いで提言したのに、いや、三カ月だと思っていたけれども、精査したら大幅に早くなることがわかったと。となると、今後私たちは安倍総理の緊急記者会見の発言をどこまで信用していいのかなとなってくるんです。これはかなりでかい話ですよ。
 安倍総理、一カ月前に野党がこういうことを提案したとき、なぜ、もっときっちりと精査して、三カ月もかからない、もっと早くできるんじゃないかということを精査されなかったんですか。もしされていたら、もう一カ月前、二、三週間前に十万円が決まっていて、それが入った補正予算ができて、来週に審議できて、早く国民の手にも届いていたんじゃないんですか。ここは、三カ月かかると思っていましたけれども、もっと早くできました、ちょっと思い違いをしていましたでは緊急事態は済まないと思うんです。ここは国民の命と生活がかかっています。安倍総理、いかがですか。

#117
○安倍内閣総理大臣 先ほどは、まさに記者会見のときの私の考え、どのように考えたかということを御説明をさせていただきましたが、この三十万円の給付ということを判断したのは、今よりももうしばらく前のときの話でございました。緊急事態宣言を出すときの前のときでございましたが、そのときにおいては、我々は二つのフェーズにおいて対策を打っていくということを決めたのでございます。
 この状況の中において、例えば観光業等々、もちろん飲食業や、そういう分野の方々を中心に大変収入が減っている、劇的に減っている方々がおりますので、そういう方々に手厚く支援を行っていくべきであろう、こう考えたところでございまして、そのときの考え方のもとにおいて一世帯三十万円ということを判断をさせていただいたところでございます。そして、リーマン・ショックのときには一万二千円をお配りをさせていただいたんですが、多くは銀行預金になったというのも事実でございまして、そういうときの反省の上にあの政策判断をさせていただいたということが、この三十万円の決定における考え方でございました。
 今回は、しかし、国民の皆様から、緊急事態宣言が発出をされ、多くの人たちがより大きな不安を抱えている、今はまだ自分の収入は減っていないけれども、収入が減っていくかもしれないと。そしてまた、外出ができないという中において、大変なストレスと困難の中で生活をしている、そういう方々に広く、全て拡大をして給付を行うべきだという国民の皆様の声もあり、野党の皆様からもそういうお話をいただき、そして与党からもそういう話がございました。
 そこで、さらに、今回、緊急事態宣言を全国に広げる中においてこの経済対策も変えていくという判断をさせていただいたところでございまして、そこの中におきまして、より給付の時間を短縮できないかということで、前回とは違った形で工夫できないかと。また、今回、三十万円の給付を行う中において、さまざまな仕組みをつくっていく中でさまざまにわかったこともあり、今回こういう判断をし、そして、できるだけ短縮をしていきたい、こう考えているところでございます。

#118
○山井委員 記者会見で三カ月かかると言い、その後のNHK番組でも全ての方にお配りすると約三カ月かかると言って、さらに、三日前、四月十四日の本会議答弁でも、全戸に対する給付案内等の準備に三カ月もの時間を要したこと、だから、その経験を踏まえて、今回は、全世帯に一律の給付を行うのではなく、甚大な影響を受けて収入が減少し、生活に困難を来している御家庭に集中することで、スピーディーに、思い切った額である三十万円を給付する、迅速かつ効果的な支援なんですと。これは三日前ですよ。三日前に、三十万の方がスピーディーだと、一律でやると三カ月とおっしゃっているんです。
 そうしたら、安倍総理、三カ月じゃなくて大幅に、一律でも支給が短縮できるとお知りになったのはいつですか。

#119
○安倍内閣総理大臣 この方式でございますが、今はまだ、最終的にどれぐらいかかるかということはまだ明らかになっていないところでございますが、三カ月よりも大幅に短縮することができるということについて、その可能性があるという話を伺ったのは、これは、おとといの夜ときのうの朝、その説明を受けたところでございます。

#120
○山井委員 ちょっと、申しわけないけれども、繰り返して言います。十万円支給してくれるのはありがたいんです。私も喜んでいます。でも、一カ月も、三カ月かかるかかると国民に言って国会にも言って、無理です無理ですと言っていたのが、おとついの晩、いや、実は、早くできますという説明を聞いて考えが変わりましたって、それはちょっと。緊急事態で国民の命と生活がかかっている大きな判断にしては、ちょっとそれは、さすがにいいかげん過ぎるんじゃないんですか。
 なぜこだわっているかというと、きょうも記者会見されるんですよね。今後、この緊急事態をどう、与野党を超えて私たちも政府に協力しますよ、協力します。その大前提は、安倍総理のおっしゃっていることが信用できるという前提なんですよ。今回みたいに、三カ月かかるから無理ですと言われて、いや、実はそれは間違っていましたと。そうなると、私たちは何を信じていいのかわからなくなるんです。
 私たちは、申しわけない、足を引っ張る気は本当にありません。ありませんから、ぜひとも、そこは、今後、きっちりと、こんなことがないように、野党や国民の声も聞いていただければと思います。
 それで、もう一つ、関連してお聞きしたいのが、今回、一律、全自治体に緊急事態宣言が出たんです。これも私はびっくりしました。
 というのが、私は地元が京都で、先週から緊急事態宣言を出していただきたいという要望をしていました。京都も非常に感染者がふえて大変なんです。ところが、政府からは三要件があるんですと。感染者数と、経路不明の方と、それとスピード。専門家が専門家会議や諮問会議で議論しますから、政治的には決められませんから、要件がありますから、緊急事態宣言はそんなに簡単に出せませんと言われていたんですよ。ところが、きのうの晩になって急に、全国、全都道府県に緊急事態宣言と聞いたら、一晩にして緊急事態宣言の要件が変わってしまったんですよ。
 いや、私、結論としてはよかったと思います。よかったと思うけれども、安倍総理、専門家会議や諮問会議の方々も、全ての自治体が緊急事態宣言になるというのはきっちり議論していないとおっしゃっている方もおられるんですが。安倍総理、全ての自治体で緊急事態宣言というのは、いつどこで誰が言い出された話なんですか。

#121
○安倍内閣総理大臣 このところの新型コロナウイルス感染症の感染状況でありますが、専門家によれば、都市部からの人の移動等によりクラスターが各地で発生し、全国的な感染拡大の傾向が見られるということでありました。特に地方には重症化リスクが高いと言われる高齢者の方々がいらっしゃるため、いざ感染リスクが高まれば地域医療に大きな負担となりかねない。
 このため、今後、特に大型連休を迎えるに当たり、長期間の旅行や帰省等で多くの人の移動が生じることが想定されることから、人の移動を最小化する観点から全都道府県を緊急事態宣言の対象とすることとしたものでございまして、全国の自治体を対象とするかどうかということについては、例えば西村担当大臣とそして尾身座長との間ではずっと議論を実は重ねてきているところでございます。
 その中で、前回、私が記者会見をしたときにも、いわばこれは若い皆さんが各地域に出かけていって感染を広げるということもあるという趣旨のこともお話もしたこともあるわけでございまして、つまり、今の段階では出ていないけれども、そういうときに、例えばあの三連休のときにも拡散した可能性も指摘をされている中において、ですから、今の段階では出ていないけれども、例えば今度の連休において、当然注目をしていたわけでございます。連休において、そこで、今は出ていないけれども、まさに例えば東京圏から多くの人たちがそちらに出ていくことによって感染が拡大をしていく危険性もあるということについては、それは、多くの人たちがそのことについて注目をしてきたということは事実であろう、こう思います。

#122
○山井委員 緊急事態宣言が発令されるかどうかというのは、各自治体にとってはめちゃくちゃ大きいですし、お店の方々にとっても、住民の生活にとっても、商売にとっても大きな影響が出ます。それが急に全ての自治体に出た。今、前から議論されていたとおっしゃっていましたけれども、諮問委員会や専門家会議の方々の声を聞くと、そんな議論はしていないという声も出ております。
 私、失礼かもしれませんが、何かこう、ころころと方針が変わっている気がするんです。あえてお聞きしますが、十万円の一律給付に方針転換するときの一つの理由づけとして全都道府県に緊急事態宣言を発令するというふうに、セットで考えたということはありませんか。十万円に一律給付をしなくても、全自治体に緊急事態宣言を出そうと考えていられたんですか。

#123
○安倍内閣総理大臣 それは、全くそんなことはございません。
 では、専門家の皆さんの中で全国に反対した方が誰かおられるということなんですか。そうではないですよね。専門家の皆さんは一致しておられます。当然、それは、その中において、先ほど専門家の諮問会議でということでおっしゃったんですが、私が言ったことは、西村大臣と尾身座長との間においてはさまざまな話合いが行われてきたということは事実でございます。そういう中において、今回、これは、我々がそう決めればそうなるわけではもちろんないんですよ。専門家の皆さんがそれぞれの見地から判断をされたわけでございまして、全く根拠のないことをここでおっしゃるのはやめていただきたいと思います。

#124
○山井委員 繰り返し言いますよ。私は、全国での緊急事態宣言の発令はよかったと思いますよ。でも、その前日までは、三要件があるからそう簡単には認められませんということを言われていたわけですよ。だから、全国の自治体さんもびっくりされていると思います。
 例えば、全国で自粛をするということになれば、私たち野党がかねがねから言っている、自粛と損失補償、減収補償、休業補償はセットだと思います。先ほども全国の知事会が開かれまして、全国で自粛をしてほしいというのであれば、国にしっかりとした休業補償、損失補償を求めようというふうになりました、知事会でも。
 多くの方が自粛をするには、なぜ自粛ができないか、多くの方がまだ会社やお店に行かざるを得ないかというと、休業補償がないからなんです。ですから、安倍総理が昨日全自治体に緊急事態宣言を広げられたのであれば、補正予算を組み替えられるのであれば、セットでぜひ休業補償、損失補償を入れていただきたいんです。これを入れないと自粛は進みません。五月六日の緊急事態宣言の解除は無理ですから、何とか休業補償を補正予算に、きっちりと、今以上に大幅に入れていただけませんか。

#125
○安倍内閣総理大臣 休業に応じていただいたところに対して更に支援金を出す東京都等の例はあります。また、今回、我々は一兆円の交付金を出すわけでございまして、それを活用してというところもあると思います。
 国としてやっていることは何かといえば、休業していただいたところだけではなくて、全てのいわば収入が減っている事業者に対して最高二百万円、百万円、それぞれ支援をさせていただく、ある意味では補償をさせていただく。これはいわば休業を要請した業種だけではなくて、その周辺の業種の方々も大きな収入減になるわけでありまして、ですから、そういう収入が減った企業あるいは事業主に対して全て我々は給付を行う、支援を行っていく、ある意味では補償を行っていくということをこれから実施していきたい、こう考えているところでございます。

#126
○山井委員 安倍総理、このままいくと、お店や中小企業は倒産、廃業、解雇が続出しますよ。自粛は進みません。お店をあけないと、働かないと生活していけないんですから。ここに、飲食店の方々からの倒産防止策を求めますという署名の用紙もお配りをしました。その中に入っています。
 安倍総理、このままいくと五月六日に解除できないと思いますよ、自粛が進まないから。そうすると、だらだらだらだら長期的に緊急事態宣言が続くことになります。もし休業補償をせずに、自粛が進まずに緊急事態宣言がだらだらだらだらと続くことになったら、安倍総理、それこそ経済も死んでしまいます。多くの国民が路頭に迷います。そうなったら、安倍総理、責任をとられますか。

#127
○安倍内閣総理大臣 今私たちがお願いをしていることは、更に最低でも七割、そしてできるだけ八割、人との接触を避けていただきたい、削減していただきたいということをお願いをさせていただいております。
 その中で、東京では、例えば、夜の町クラスター等ということを言われておりますが、新宿の歌舞伎町においても通常よりも九割削減されているわけでございまして、また、六本木においても約九割近く、渋谷においても約九割近くが削減をされているところでございまして、そのように、相当多くの皆さんに御協力をいただいているのは事実であろう、こう思います。
 全国でも、我々は見ておりますが、東京だけではないかという指摘がございましたが、そうではありません。例えば、大阪におきましても、キタあるいはミナミにおいても約九割近くが削減されているのは事実でございまして、このような協力をぜひこれからもお願いをしていきたい、このように思っております。
 私の責任は、一日も早くこの新型コロナウイルスの感染拡大を終息をさせていくということであろう、このように思っております。

#128
○山井委員 時間が来ましたので終わりますが、残念ながら、今の安倍総理のやっていることは言行不一致です。自粛しろ自粛しろと言いながら、補償はしっかり出さない。これでは、緊急事態宣言、五月六日になっても私は終わらせることはできないと思います。大幅に政策を転換していただきたいと思います。
 ありがとうございました。

#129
○盛山委員長 次に、岡本充功君。

#130
○岡本(充)委員 まず、私は、冒頭、年金の問題について確認します。
 今回の年金改革法の中で、この法改正で、低年金者、無年金者の皆様方への対策が盛り込まれていないと思います、現時点の方。なぜ今回こうした低年金、無年金の方への対策を法改正に入れなかったのか、総理の答弁を求めます。

#131
○加藤国務大臣 今回の法案の趣旨は、一つは、昨年の財政検証の結果を踏まえてやっているということであります。(発言する者あり)いや、最後まで聞いてくださいよ。そして、それを踏まえて、基礎年金水準の確保につながる被用者保険の適用拡大などを行い、高齢期の経済基盤の充実を図るということにしているところであります。
 今御指摘ありました低所得者や無年金、低年金の高齢者の方々については、年金受給資格の二十五年から十年への短縮や、年金生活者支援給付金の支給、さらには医療や介護の保険料軽減、これらの実施を既にしてきているところであります。

#132
○岡本(充)委員 同じ話を二回も三回も聞いてもしようがない。これは総理に聞いているんです。ちゃんと答えてもらいたい、私は。
 その上で、私は今回盛るべきだったということを指摘して、コロナの対策について確認をしたいと思います。
 先ほどから話題になっている十万円の給付金の話、できるだけ早くと言っています。総理の目標としては、それでできなかったから、もちろん目指すんですけれども、それで何だという話になるから言えないということもあるのかもしれないけれども、目指すべくは、五月の一日若しくは四月の三十日に補正予算が成立したのであれば、このころまでにはお届けしたいというめど、目標、これをお話しいただけませんか。

#133
○安倍内閣総理大臣 今この段階で、いついつまでに通知が届きますという話がもちろんできればいいのでありますが、まだ、今そうした詰めの作業を行っているところでございます。
 御承知のように、これは自治事務でもあるわけでございまして、そうした通知等々を出すのは各市町村が出すわけでございまして、これは各市町村の状況にもよるわけでございまして、今そこと相談をしているところでございまして、その方式についても、どういう方式でやるかということを最終的に、これは総務省と財務省も含めて相談をしているところでございまして、いわゆる手挙げ方式でいくのか、また、そうではない方式でいくのかということも含めて、今相談をしている最中でございまして、今ここで申し上げることができることは、できるだけ早い段階でお届けをさせていただきたい、こう思っているところでございます。

#134
○岡本(充)委員 では、逆に聞きます。
 総理、この間、もう既に新型コロナウイルス対策として国民の皆さん方に支給した助成金、一体どういう助成金が何件、それぞれの皆さんのところにお金として届き、若しくは支給決定をされているのか、この総数を教えてください。

#135
○加藤国務大臣 ここは厚生労働委員会ですから。
 まず、雇用調整助成金については、支給決定件数は三件で、支給決定金額は六十七万円であります。また、小学校休業等対応助成金・支援金については、四月十二日時点でありますが、支給決定件数は、企業向けの助成金で六件、個人向けの支援金で六件、支給決定した金額の合計は、企業向けの助成金で約十一万円、個人向け支援金で約二十一万円となっております。これらについては、早急に支給決定をとるべく、今、改善手続にも着手しているところであります。
 なお、緊急小口資金の特例については、これは四月十一日時点でありますけれども、貸付決定件数は三万一千六百八十九件、貸付決定金額は約五十四億円となっているところであります。

#136
○岡本(充)委員 総理、総理は全体の本部長なんですから。総理、全体を俯瞰して、今言われたお金以外に、ほかにどういうものが決定され、支給されていますか。

#137
○安倍内閣総理大臣 ただいま厚労大臣から御説明をさせていただきました。政府としても、国民の皆様に御説明をさせていただいた緊急小口資金については多くの方々が利用していただいていると思いますが、まだ十分に広報も徹底していないということでございますので、多くの方々にこれを御活用いただきたい、こう思っております。
 また、現在、やはり、中小企業や個人事業主の皆さんにとっては、手持ちの資金がなくなって、いわばフローのお金がないということが一番大変な悩みなんだろうと思いますが、多くの中小・小規模事業者の皆さんの事業継続にとって最大の課題の資金繰りについては、実質無利子無担保、そして五年間元本返済据置きの融資など、これまでにない強力な資金繰り支援を行い、既に三兆円を超える融資、保証を行っているところでございます。これは、日本政策金融公庫等だけではなくて、民間の金融機関にもそれを今手伝っていただいているところでございますから、更に多くの方々が御利用いただけるものと思っております。
 また、国民生活にとって最も重要な雇用を守るための雇用調整助成金制度を大幅に拡充いたしまして、休職中の賃金補償を国費によって最大九割まで、正規、非正規を問わず行うこととしております。
 さらに、仕事が減るなどにより収入が減少した、生活に困難を来すおそれがある御家庭には、先ほど申し上げました緊急の小口資金、支援、これは最大八十万円まででありますが、返済免除も可能である。返済免除が可能であるということも十分に周知をしていないところもございますので、これから丁寧に説明をしていきたい、こう思っております。
 また、さらに、事業者に対して公共料金の支払い猶予を求めるなど……(発言する者あり)全部説明してくれとおっしゃったので説明をさせていただいているところでございますが、また、無利子無担保融資などにより……(岡本(充)委員「そんなこと聞いていないでしょう。件数ですよ」と呼ぶ)件数。(岡本(充)委員「件数と金額を聞いているんです」と呼ぶ)
 先ほど件数等について厚労大臣から答弁をさせていただきましたが、また、無利子無担保融資などにより、資金繰り支援を四十五兆円を超える規模にまで……(岡本(充)委員「制度なんか聞いていない」と呼ぶ)制度についても説明させていただかなければ、件数等についても説明ができないんだろうと。(岡本(充)委員「件数と金額を聞いているんだ。何をやったのかと聞いているんです」と呼ぶ)
 また、何をやったのかといえば、例えば、税や社会保険料は総額二十六兆円の猶予を行います。そして、先ほど申し上げましたように、フリーランスを含めた個人事業者の方には百万円、中堅・中小企業の方には二百万円の現金給付をする。これは補正予算でございますから、まだこれは出ていないということでございます。

#138
○岡本(充)委員 答弁を延ばさないでください。やったことは何なのか、できたことは何なのかということを聞いているんです。世界各国のさまざまな制度は始まっているんです。何で日本がこんなに遅いんだという声があるんです。だから私は聞いている。
 結局、何が今できているんですか。先ほどの話で、小学生の子供を持つ御家庭の休業対応助成金は、支給決定は六件、もらった人はたった八人ですよ、今。全国で八人しかいないんですよ。総理が二月に決めたあの休校措置によって会社を休まざるを得なくなった方、八人ですよ。これはどうですか、総理。少なくないですか。

#139
○加藤国務大臣 ですから、個々の話ですから、担当大臣が答弁するのは当然ですよ。
 今、先ほど申し上げましたように、これについては民間委託をさせていただきました。そして、そこの中で、なかなか不備な資料も多くて、それを今それぞれチェックをさせていただいている。ただ、個々に細かい点までチェックをしたのではなかなか支給が行かないということで、やり方をもう一回精査させていただいて、これを大幅に、申請を支給決定に結ぶべく、今調整をさせていただいているというところであります。

#140
○安倍内閣総理大臣 確かに、委員が御指摘のように、この仕組みをスタートしてからまだ八人というのは大変少ないと私も思います。
 ですから、国の施策において、ぜひ使っていただきたいと思っても実は使い勝手が悪かったりするということはありますので、今厚労大臣が答弁をさせていただきましたように、なぜそこにとどまっているかということを十分に精査しながら、多くの方々に使いやすく使っていただけるよう、こういう厳しいときですから、対応させていきたい、このように思います。

#141
○岡本(充)委員 あれができます、これができますじゃないんですよ。できました、これをやりましたということをやはりふやしていかなきゃいけない。
 続いて、マスクの話をしたいんです。
 医療現場でマスクが足りないです。中国からこれから来ると言っているマスクはまだ来ていない、輸入ができていない。医療の現場からは、都道府県を通じて、一月二百万枚必要だ、三月の時点でそういう声が上がっている。
 しかし、これから先、日本でN95がなくなるんです。これがなくなった中でも、総理、医療関係者はやらなきゃいけない。やはり正直に、マスクが足りないけれども頑張ってもらいたい、ここでそうメッセージを発するべきですよ。これから来ます、来ます、待っていてください、マスクが来ますと言っても、来ないんだから。ここで、ちゃんと心を込めて、医療関係者の皆さんに、自分の責任で確保するから頑張ってくれと言ってください。

#142
○安倍内閣総理大臣 確かに、委員の御指摘のとおり、医療現場で必要な防護具について大変不足している、それは大変申しわけない思いであります。その中で本当に頑張っている、命を守るために頑張っている皆様に感謝したいと思いますし、敬意を表したいと思います。
 現場で必要となる医療物資の不足状況を緩和するために、プッシュ型で提供していくこととしておりまして、当初、緊急事態宣言が発出された七都府県に対して、サージカルマスクを今週中に約一千万枚、医療用ガウン及びフェースシールドを、それぞれ今週中に約十万枚、今月中に約九十万枚、N95マスク、またKN95マスクを、今週中に七万枚、今月中に約七万枚配付する予定であります。
 その上で、今般の緊急経済対策では、現場で必要となる医療物資の不足状況を緩和するため、国として確保し、配付を行うための予算を盛り込んだところでありまして、また、昨日、一昨日には、医療物資の増産等の取組を進めていただいている企業の代表者の方と意見交換を行い、さらなる給付確保に向けた協力をお願いいたしました。従来の医療機器メーカーだけではなくて、自動車メーカーやあるいは電機メーカーなど、異業種の皆様も含めて、まさに国の総力を結集して医療現場を支えていきたいと思います。
 また、あわせて、全国的に不足状況が続いている状況に鑑み、N95マスクなどの再利用や継続使用について、あくまでも例外的な取扱いとして、医療関係者にお願いをしているところでございます。
 確かに、委員がおっしゃっているように、不足をしているのは事実でございまして、そういう事実ともちろん我々も向き合わなければいけませんが、医療現場の皆様にまたこれから大変な御努力をお願いしなければいけませんが、我々もぜひ確保に全力を挙げていきたい、このように思っております。

#143
○岡本(充)委員 ガウンが足りなくて、雨がっぱだという話があるんですよ、ごみ袋だって。総理、それを御存じですか。そういう話になっているのを御存じですか。そういう姿で頑張っている医療関係者に、国のトップとして、確保できていないことを申しわけない、その一言ぐらい言ったらどうですか。どうですか、総理。
 確保できていない、事実、そうなんですよ。この四月も、来るかどうかまだ確定していない。中国の輸入ができるかどうかもまだわからない。それが現実なんでしょう。だったら、申しわけない、だけれども頑張ってくれ、こういうことを言わなきゃいけない。ぜひ、総理、もう一回言ってください。

#144
○安倍内閣総理大臣 それは、医療現場で頑張っていただいている医師の皆様、看護師あるいは看護助手の皆様、病院関係者の皆様や臨床検査技師の皆様には大変な御負担をおかけしています、そういう防具がない中で。十分に供給できないということは本当に申しわけないと、私は総理大臣として思っております。
 その中で、関係業界にも本当に頑張っていただいて、設備を増強していただいて、今までやっていなかったところにも設備を増強していただいています。シャープもそうですが、そういう生産に当たってもらっています。そして、万が一、増強して売れ残ったらどうしようという不安をなくすために、全て国が買い取るということも申し上げておりますし、設備投資についての補助金等もしっかりと行っているところでございますが、我々も全力を挙げていきたい、こう思っております。

#145
○岡本(充)委員 総理、絶対にその姿勢が必要だと思いますよ。
 今、さまざまなお金も決定が遅くなっている。今回も予算の組み替えになってしまって、結果として、支給が、ほかのものも含めて遅くなってしまう可能性が出ている。これも、総理、やはり、責任者として申しわけない、必ず届けるから頑張ってくれと。これも同じことだと思います。
 医療関係者以外の、いろいろな業界で頑張っている人がいる。総理として、決意を持って頑張るんだ、そういう姿をやはり先頭に立って見せてもらいたい。その意味でも、同様に、さまざまな助成金、補助金、届くのが遅くなっている、申しわけない、だけれどもこれから届けるんだ、そのメッセージをぜひお願いします。

#146
○安倍内閣総理大臣 こういう状況にあっても、社会機能を維持する上において、レジの対応で頑張っている皆さんもおられますし、また、物を滞りなくお届けするために、昼夜を分かたず配送で頑張っているトラック運転手の皆さんを始め、そういう関係者の皆さんもおられます。もちろん言い尽くせないわけでありますが、この中で、大変厳しい状況の中で頑張っていただいている皆さんには本当に心から感謝を申し上げたいと思いますし、我々の対応がもちろんこれは十分でないところもあると思います、至らない点もあると思いますし、その点については申しわけないと思っておりますが、これから更にさまざまな声にしっかりと耳を傾けながら、ただ、今まで中国等、一部に生産を依存していたものがたくさんあり、それを今回はしっかりと見直す機会にしていきたいとも思っております。

#147
○岡本(充)委員 ぜひそういう姿勢で、やはり、今本当に頑張っている人たちが、残念ながらがっかりする話にならぬようにしてもらいたいというのがあります。
 先ほど山井議員が聞かれたもう一つ重要なポイント、全国に広げたという今回の措置です。
 これまでの説明では、二週間頑張ってもらって患者さんの数が減ったら、二週間後にその状況がわかってきて、緊急事態宣言は一カ月必要だ、こう説明してきたわけですよ。だから五月六日だと言ってきた。
 きのうから、若しくはきょうから対策をとったとしても、やはり一カ月間、患者さんが減るまでには時間がかかる。したがって、新しく宣言をした愛知や京都やこうした都道府県、特定警戒都道府県にしてもらったそうでありますけれども、こういうところにおいては、これから効果が出るまでにやはり一カ月必要、そういう認識ですよね。だとすると、五月六日には結果が出ないんじゃないかと思っているんです。
 そういう意味で、これも、五月六日が絶対ではなくて、延びる可能性が、やはり、きょう指定をする、きのう指定をするということだと出てきてしまう、そういう状況にあるということを正直にお話しされた方がいいんじゃないんですか。責めるわけじゃないんです、わからないんだから。
 だけれども、正直に、さっきの話じゃないけれども、五月六日だと思って走っていったら、いきなりゴールが遠くなるというのはきついから、今現状で、新たに指定したものは一週間おくれたわけですから、こういった都道府県の結果が出るのにやはり一カ月かかる。ここも、残念ながら、結果が出るのに、五月六日には出ない可能性があるので、延びる可能性がある、これはちゃんと認めておいた方がいいんじゃないですか。どうでしょうか。

#148
○安倍内閣総理大臣 それは、最初に緊急事態宣言を出したときから、いわばこれは専門家の皆様の分析、御判断に我々は従っているわけでございますが、まずは最低七割、そして八割減らすことができれば二週間後には成果が出てくる、更に二週間、そしてもう少しということで、一カ月ということで判断をしていただいたところでございます。
 でも、しかし、それが十分でなければ、これは八割ということでこの一カ月なんですが、七割であれば更にこれは延びていくということは専門家の皆様にもお話をいただいているところだ、このように思うわけでございます。もちろん、かつ、そう簡単な目標ではないわけでありますが、それに今挑戦をしているところでございまして、より一層の協力をお願いしたい。
 そして今、更に加えたところについては、それは、加えた皆様が更に一カ月ということではなくて、まず、今、とりあえずは五月六日ということで合わせるべきだということが専門家の皆さんの御意見でございましたので、そこに合わせているところでございます。
 ただ、その中で、このゴールデンウイークを超えて、大分ではまだ一人も、大分ではなくて、岩手県ではまだ一人も出ていません。その岩手県も今回は含めたということは、ゴールデンウイークの中において、都市部から岩手県にたくさんの人たちが旅行で行く可能性を排除しようということもあるわけでございまして、それぞれの地域がどうなるかということを、私は、今の段階ではこれは判断のしようが、今確たる判断を申し上げることはできないのでございますが、もちろん、それが十分でなければ、国民の命と健康を守るために、やるべきことはやらなければならない、このように考えております。

#149
○岡本(充)委員 はっきりと、延びる可能性があるんだということはちゃんと言っておいた方がいいんじゃないですか、延びる可能性。だって、一カ月かかるんだから、判断するのに、専門家の考え方だと。したがって、一週間おくれて指定した以上は、やはり一週間おくれてじゃないと結果は出ないんですから、八割減らしたところで。
 したがって、延びる可能性があるということだけは、それは今言っておくべきじゃないですか。可能性はありますよね。

#150
○安倍内閣総理大臣 今私がさまざまな可能性についてここで申し上げるのは、私は専門家でございませんので、専門家の皆様の御意見を御紹介させていただきたいと思うわけでございますが、いわば七割という、最低でも七割、八割減少しなければ二週間では効果が出ないというのが、これは緊急事態宣言を発出したときの尾身座長からの御発言であったわけでございまして、ですから、我々は八割を目指してやっている。しかし、まだそこまではいっていないというのが恐らく現状だろうと思います。

#151
○岡本(充)委員 つまり、八割までいっていないということは、五月六日まででは難しいということを今お話しされたわけです。やはり、それがちゃんと正式に出るのはそのタイミングでしょうけれども、国民の皆さんに、リスクコミュニケーション、ちゃんと話をしていく必要があるという意味で私は指摘をしました。
 それから、最後に、総理が図らずも大分の話をされましたが、一点だけ確認させてください。
 これは、それぞれの御家族のことはあるでしょう。私だって、仲間や家族と外でスポーツをすることはあります。
 しかし、総理自身が、三密は避けてください、自身の身を守る警戒をしてくださいと言っていた翌日、しかも特措法が施行された翌日に、総理夫人が五十人の皆さんと一緒に参拝をしていた、大分の神社を。
 これは、総理、御存じだったんでしょうか。そしてまた、それについて何らか、御存じだったらコメントをされたんでしょうか。どうですか。

#152
○安倍内閣総理大臣 私の妻によれば、三月十五日に御指摘の大分県の神社を参拝したとのことでございますが、報道されている団体のツアーに参加したものではありません。
 参拝のみ当該団体と合流して行ったものでありまして、この大分訪問は、小池都知事が週末の外出自粛を都民に要請した三月二十五日より前に行ったものでございますし、また、私が不要不急の自粛を呼びかけたのは三月二十八日であったわけでございますが、また、参拝以外は特に観光等は行っていない、そして、参拝時に限ってあえてマスクを外したということでございます。もちろん、三密については私が申し上げていたところでございますが、訪問中を通じて、感染拡大の防止には十分に注意して行動していたということでございます。
 なお、私の妻が大分県を訪問し神社を参拝することについては事前に本人より聞いていたところでございますが、その際、三密については、三密とならないようにこれはしっかりと気をつけてもらいたいということは申し上げていたところでございます。

#153
○岡本(充)委員 では、総理が御存じのうちで、総理の奥様が東京以外の府県を訪れられているケースは、この三月十五日以降きょうに至るまで、ほかにはあるんでしょうか、もうないんでしょうか。

#154
○安倍内閣総理大臣 今すぐにお答えできないと思いますが、いわば不要不急の外出を自粛するようにということを申し上げて以降は、もちろん、東京都から出ていることはないんだろうと思います。
 その段階で、いわば大分を訪問した段階においては、国会議員の皆さんも含めて、多くの方々も御地元に帰っておられるのではないか、このように思います。

#155
○岡本(充)委員 いや、我々は地元に帰る、私も帰っていますよ。帰るけれども、それは、仕事と、それから選挙区と、選挙区のニーズを聞いていくというのは我々の仕事だから、それは行くんです。
 ただ、今の話で、大分に行くというとやはりちょっと違うのかな、ましてや三密のところというのはやはり違ったのかなという気は私はします。そこで、外で何かアクティビティーしたというならまた別だと思いますよ。
 ただ、三密の状況をつくるなと言っておきながら、やったということについてはやはり問題があった、結果として三密ができてしまったということについては問題があったという認識を総理はお持ちですか。最後にそれだけ聞いて、終わりたいと思います。

#156
○安倍内閣総理大臣 いわばこの神社の参拝ということについては、密閉ということについては、密閉ではないわけでありまして、人が集まっている、ただ、密接が、密接であったかどうかは別だろうと。人が何人か集まっているということでは密集ということかもしれませんが、これは、三密が重なったらだめだということを私は申し上げているわけでございます。ただ、今はフェーズが、そのときと今はフェーズが変わっていますから、そのとき、いわば不要不急の外出ということについては、これは今は行うべきではもちろんないのは当然のことであろうと思います。
 ただ、地方に行くという、人が地方に動くかどうかということであれば、例えば地元に帰って意見を聞くのであれば、例えば我が党においては、電話において、地元に帰らずに地域の皆さんの意見を聞いてくださいということを徹底しているわけでございまして、本人が動くということ自体も自粛を今はしていただいているということでございますから、ぜひそういうことについても御協力をいただきたい、このように思います。

#157
○岡本(充)委員 時間になりましたので、終わります。

#158
○盛山委員長 次に、宮本徹君。

#159
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。
 全国に緊急事態宣言が出ましたけれども、既に国民の暮らしは緊急事態なんですよ。余りにも遅過ぎるんじゃないですか。先ほどの話を聞いても、雇調金が届いたのは三件六十七万円、学校休校の父母への助成金、合わせて十二件三十三万円。余りにも遅過ぎますよ。そして、今度の予算をめぐるどたばたであります。
 総理は、きのう、国民の声に押されて、一人十万円の給付に転換されました。しかし、見直さなければならないのは、私はそこだけじゃないと思うんですよね。事業者への補償、ここをしっかり見直さなきゃいけないと思います。
 事業者向けの持続化給付金、中堅・中小企業は上限二百万円、個人事業主は上限百万円。これでは全然足りないという声が、悲鳴の声が上がっております。この二百万円と百万円の積算根拠というのは何なんですか。これは何カ月分ということなんですか。

#160
○安倍内閣総理大臣 まさに、積算根拠という予算事務の詳細については、担当である経済産業省を呼んでいただければしっかりとお答えできるものと考えておりますが、給付金額の算定に当たっては、何カ月分かといった発想ではなくて、中小・小規模事業者の皆さんが平均的に要する家賃など、固定費負担を参考にしたものと承知をしております。

#161
○宮本委員 いや、固定費を参考にしても、何カ月分というのがなかったら根拠が全くわからない。一カ月分ということなんですかね、そうしたら。全く今の説明ではわからないんですが、二百万円では全く足りないところはどうするのかという問題があると思うんですよね。
 私、先日、あるミニシアターを経営されている社長さんにお話を伺いました。家賃は二カ所で月五百万円だというお話です。二百万円じゃ全く足りない、一カ月分にも足りない。東京都の協力金、一カ所五十万円、二カ所で百万円、これを足しても三百万円なんですよ。一月分の家賃にも全く足りないんですよね、東京都の協力金を足し上げても。
 中堅・中小企業の経営者の皆さん、個人事業主の皆さんも、今、売上げが急激に落ち込んで、あるいは売上げが全くなくなる中で、家賃を払い、リース料を払い、人件費を払い、固定費を払うことには、本当に大変な、深刻な事態にあるわけです。ですけれども、この給付金、名前は持続化給付金という名前ですけれども、この規模では持続化できないという声が上がっているんですよ。持続化できないと。私は、二百万円という上限の抜本的な引上げが必要だと思いますよ。

#162
○安倍内閣総理大臣 今回、世界各国がさまざまな対策を行っておりますが、中小企業、中堅企業や個人事業主等に対する給付としては、日本のこの二百万円、百万円というのはいわば相当思い切った額でもあるんだろう、こう思っております。
 そして、今までになかったことを今回やらせていただいているところでございますが、例えば、今回、実質無利子無担保、最大五年間の元本返済不要の融資も行っていくこととしておりますし、雇用調整助成金による人件費の補助、そして、国税や地方税、社会保険料の猶予のほか、持続化補助金の上限額を通常の二倍の百万円に引き上げるなど、特別な枠を措置するなど、さまざまな政策を駆使して手厚く支援をしていく考えであります。
 また、緊急の小口資金につきましても、最大八十万円、これは返済免除つきでございますから、そういうものも活用していただきたい、このように考えております。

#163
○宮本委員 ですから、そういうもろもろのメニューをおっしゃったけれども、雇調金はいつ出るかわからない事態にもあるわけですよ。人件費は、一人一日八千三百三十円を上限に九割まで出すということになっても、一割は出さなきゃいけない。さらに、何よりも、先ほども言いましたけれども、家賃ですよ。あるいは、工場だとかだったらリース料なんかもあるでしょう。そういうものを出し続けなきゃいけないのに、出し続けられなくなったら倒れちゃうじゃないですか。
 総理は、コロナが終わった後はV字回復だ、その予算も組むんだということを言っていますけれども、V字回復の前に事業者が倒れちゃうんですよ、この水準では。だから、もっと上限を引き上げるだとか、やる必要があるんじゃないですかと言っているわけですよ。事業所が持続し続けるためには固定費を賄い続ける規模での支援が必要なんだ、その問題意識は総理はあるんですか、ないんですか。

#164
○安倍内閣総理大臣 いわば、事業を営んでいる人たちにとって最大の課題というのは、手元の資金がちゃんと確保できているかどうかということが一番の悩みでもあります。それを確保できるように我々も今支援をしている。今、先ほど申し上げました二百万円、百万円とは別に、手元の資金として、これは、例えば、先ほど申し上げました最大三千万円まで無利子無担保で五年間返済が免除されるもの、それによって何とか手元資金を確保することが当然できるわけでございます。
 そしてまた、同時に、賃貸料等々について何とか延ばしていただけるように我々もお願いをさせていただいているところでございますし、それを進めていくために何ができるかということも考えているところでございます。

#165
○宮本委員 貸付けに手を出して返せる当てがあるのかないのかという、ここのちゅうちょもあるわけですよ。それは、当然、従業員の給料も払わなきゃいけない、家賃も払わなきゃいけない。貸付けには手を出すでしょう。だけれども、限度があるわけですよ。
 先ほど来議論になっていますけれども、五月六日で終わる話じゃないわけですよ。ハーバード大の研究者の皆さんは、二〇二二年までアメリカでいえば断続的に対策をとり続けなきゃいけない、こういう発表をされているじゃないですか。山中教授だって、一年を見越した、一年は覚悟した戦いだということをおっしゃっているわけですよ。そうすると、今回、五月六日までみんなで八割接触を絶って頑張ったとして、だけれども、またどこかから感染が広がったら、また同じことを繰り返していくわけでしょう。
 そうしたときに、こういう規模で足りないという声が上がっているんだから、もっと、じゃ、映画の文化を潰すわけにいかないと。総理も映画は好きじゃないですか、よく年末にごらんになっていますよね、総理の動静を見ても。
 例えば、日本の映画なんかでいえば、上映されている映画の大半は実はミニシアターなんですよ。昨年公開された一千三百本のうち、一千本はミニシアターだけの上映なんですよね。国民にとっても、そういう本当にかけがえのない役割を果たしている。映画だけの話じゃないですよ。どの中小事業所でも中堅企業でも、同じように日本社会にとってなくてはならない役割を果たしているわけですよ。それに足りないんですよ。そこは本当に真剣にどうすればいいのかというのは考えていただきたいと思います。
 それから、もう一点、この持続化給付金は大きな問題があります。
 売上げが五〇%以上減った場合、この要件があるわけですよね。これは本当に対象が狭過ぎますよ。私が地元の民主商工会の事務所にお話を伺いましたら、今、国から給付金がもらえるんじゃないかと思って、次から次へと事務所に訪れたり電話がかかってきて相談がある、だけれども、売上げ五〇%減となると、飲食の人なんかは売上げがどんと落ち込んでいますから対象になりますけれども、それ以外、対象になる人は本当に少ないと言っていましたよ。
 一〇%売上げが落ちただけでも大変なんですよね。昨年、消費税増税がありました。全部を価格に転嫁していませんから、みんな利益が落ちているわけですよね。さらに、二〇%売上げが落ちたら、本当に小さなところは致命的なわけですよ。とりわけ、家賃を払わなきゃいけないところ、人を抱えているところ、こういうところほど大変な事態になっているわけですよ。
 この五〇%という要件も緩和しないと、本当に日本の小さなお店が持続できないですよ。持続化給付金というんだから、持続できるように要件を緩和してくださいよ。総理、どうですか。

#166
○安倍内閣総理大臣 今回の感染症によって、多くの事業者の皆さんが休業などで売上げがゼロになるような厳しい状況にありますが、今回の給付金は、そのように休業を余儀なくされた事業者のみならず、大きな困難に直面している事業者の皆さんを幅広く対象にしているものと承知をしています。
 その上で、売上高が半減まで至らない事業者についても、先ほど申し上げましたように、実質無利子無担保、元本五年間据置きの融資等々について、さまざまな政策を駆使して手厚く支援をしていきたい、このように考えております。

#167
○宮本委員 本当に冷たいですね。中堅企業ぐらいだったらまだ、その後を考えて、返せるかなと思って、貸付けに手を挙げる人がいるかもわからないですけれども、本当に小さな事業所からいったら、貸付けに手を出すこと自体が怖いわけですよ、返せるのかなという思いがあって。だから、給付金という話を聞いて、みんな喜んで、自分ももらえるんじゃないかと思って、よく要件を見たら、自分のところはもらえない。
 恐らく与党の多くの政治家の皆さんのところに同じ声が届いていると思いますよ。この五〇%売上げ減は余りにも対象が狭過ぎる、もっと緩和すべきだと。恐らく、手を挙げてくださいときょうは言わないですけれども、皆さんのところに同じように届いていると思いますよ。そうですよね。与党の政治家の皆さん、みんなうなずいていらっしゃいますよ。
 だって、雇用調整助成金の要件を緩和したわけじゃないですか。雇用調整助成金は売上げ五%減まで対象を拡大したわけですよ。何でこっちの給付金の方は、五〇%売上げが減る、こうならないと対象にならないのか。もっとこれは考え直すべきですよ、総理。

#168
○安倍内閣総理大臣 これは、例えば、ここに座っている自民党、公明党の支持者の多くも実は個人事業主が大変多いわけでありまして、そういう皆さんから切実な声が来ています。その皆さんは、今、お金を借りることということを、やや、借りたいという人は余りいないかのごとくのお話をされましたが、お金を借りることがいかに大変かということを皆さん切実に考えておりまして、普通は担保がなければ貸してくれない、そして利子がある、また元本を返さなければいけない。これは五年間据置きとなるわけでありますから、これをまずしっかりとやっていくということも大切なことなんだろうと思います。
 それとともに、この百万円、二百万円の給付につきましては、五割ということでございますが、これから十二月までの間において一カ月でもこの五割に当たれば百万円を給付させていただくということの中において、そういう中において我々も相当柔軟に考えているわけでございまして、そういう中で事業者の方々も考えられるんだろう、こう思うわけでございまして、できるだけ必要な人に必要なお金がなるべく早く届くように我々も努力をしていきたい、こう思っております。

#169
○宮本委員 もっと町場のお店の意見を総理も聞かれた方がいいですよ。五割減る月がやってくるまで待つ前にお金がもたなくなりますよ。ぜひ、与党の皆さんからもそういう声も出るでしょうけれども、総理御自身が町場の意見を聞いて考え直していただきたいと思います。
 最後に、家計への支援についてもお伺いします。
 今回、一人当たり十万円の給付ということになったわけですけれども、収入を失ったりとか大幅な減収になったフリーランスや非正規の皆さんは、一回こっきりの十万円ではとても暮らしがもたない、こういう声も聞いていると思います。例えば、テーマパークで残業代込みで二十万円で働いていた方が、休業手当は六万円しか出ていない、これでどうやって生活していけるんだということで声を上げていらっしゃいます。
 やはり、収入が大きく減少した方々に対して、私は継続的な給付の支援が欠かせないと思いますよ。これをちゃんと考える必要があるんじゃないですか、総理。

#170
○安倍内閣総理大臣 今例として挙げられたフリーランスについては、個人事業主に当たれば、先ほど申し上げました百万円の給付が行くことになります。そしてまた、緊急の小口資金につきましても、これは三カ月間継続して収入が減っていけば、三カ月、二十万、二十万、二十万と行くわけでございまして、これと別の仕組みの二十万がございますので、合計で三カ月間で八十万円の資金が行くということでも支援をさせていただきたい、このように思います。
 それぞれの方がどういうメニューが利用可能かということを、わかりやすく、これからもしっかりと広報していきたいと思っております。

#171
○宮本委員 非正規の人には、二十万、二十万、二十万、借金をしてくれ、そして将来稼いで返してくれ、そういう話じゃないですか。だって、将来免除になるのは非課税世帯だけですよね、今度の特約というのは。そうでしょう。ですから、非正規の皆さん、非課税よりもちょっとわずか出る方々に、借金をして、三カ月、二十万、二十万、二十万、借りてくれと。
 そうじゃないでしょう。例えばイギリスだって、三カ月、八割、フリーランスであろうが雇用者であろうが給料を補償するとやっているじゃないですか。そういうことを日本でもやるべきだということを強く申し上げて、時間になりましたので、質問を終わります。

#172
○盛山委員長 次に、藤田文武君。

#173
○藤田委員 日本維新の会の藤田文武です。
 総理、きょうは御多忙の中お越しいただきまして、ありがとうございます。
 短い時間ですので、二問通告させていただいていますが、あわせてさせていただきます。
 新型コロナの影響は、経済的ダメージをかなり長期にわたって起こしていく。総理も長期戦の覚悟が必要だということはおっしゃられておりますけれども、政府の経済対策や支援策、私も細かく見ていまして、よくできているとは思うんですが、やはり、時間軸をもう少し長く見て、出口戦略がなかなか描けない中、これでは足りないのではないかという声が、国民の皆様からも、きょうは他党の皆様からも、いろいろな、例えば、先ほどは、持続化給付金についてもっと上げたらどうかとか、要件を緩和したらどうかという声もありまして、私もそれは賛同します。
 きょうは、その中で、雇用調整助成金と社会保険料について、提案も含めて質問させていただきたいと思っているんですが、今やるべきことは、倒産をいかに防止していくかということと、それから失業をいかに回避していくか、そしてまた収入が激減している人たちにどう救済策を打っていくかということをやらなければ、やはり、V字回復のときに、経営資源が全部ずたぼろになって、復活できないという形になると思います。
 先ほどから、融資を緩和しているセーフティーネット等を含めて無担保無利子をやっていますけれども、これは私は資金繰り策としてはすぐれていると思いますが、やはり結局は返さないといけないということで、特に人のところにどう手当てしていくかというのを、きょうは厚労委なので、させていただきたいと思います。
 今、中小企業は特に足元で苦しんでいますけれども、これは必ず大企業もしんどくなってきます。大企業の方も、休業手当、大分閉鎖されてくるというのがもう既に起こっていますし、家賃の問題がずっとありますけれども、これは不動産の相場にも影響してきますし、それから、特に、中小企業に貸付けをしている地銀、こういったところもそのうち厳しくなってくるということがありますから、今のうちに事業者を手当てするというのが非常に重要なことです。
 一つ目は、雇用調整助成金、今、日額の上限が八千三百三十円ということですが、これを大幅に増額すべきだというのが私の提案なんです。
 ちょっと考えていただきたいのは、日額八千三百三十円で、助成率が中小企業でいうと十分の九ですから、大体日額が九千円ちょっとぐらいの方には企業は一割負担で済む、こういう形なんですけれども、これでいうと、大体月収が二十万円に届かないぐらいの方しかカバーできていないわけです。そうすると、三十万円、四十万円というふうにもらっていらっしゃる方に満額支給ないし九割、八割の休業手当を打とうとすると、企業が大分吐き出さないといけない。これはなかなか、持続していくのは非常に厳しいというのが現実であります。
 これは、仮に日額二万円にすると、大体月収五十万円、年収にして六百万円ぐらいまでの層に例えば満額支給しても企業は一割負担で済む、こういう計算になるんですね。そうすると、六百万円ぐらいの層というのは、給与所得者の八割ぐらいをカバーしています。
 ですから、やはり、メッセージとしては、例えば、解雇をせずに休業手当を九〇%以上支給した、中小企業も大企業もこの後苦しいですから、企業規模を問わず、そこまで解雇せず頑張ってくれたところは九割補償をやりますよ、日額二万円までやりますよと。
 こうすると給与所得者の八割ぐらいはカバーできるわけですから、やはり、こういう、どこまでをカバーして、どれぐらいのスパンでというのは、一度提案も含めてさせていただきたい。緊急提言をうちも党としてもやらせてもらいますが、お考えを聞かせていただきたいのが一点。
 続きまして、社会保険料。
 きょうは年金の法案質疑なんですけれども、社会保険料は支払い猶予、これは確かにありがたいことだと思いますが、結局、一年間猶予されて二年目は二倍払うということを、経営者はそれを織り込んで経営しますから、なかなかこれはもたないですね。これを、BSもPLも一年間猶予されてもぼろぼろになっていく中で、人件費というものがやはりなかなか固定費として抑えにくいところを、私は、これは党としてもずっと言っていますが、支払い猶予から免除にまで踏み込んでやっていただきたい。
 支払い免除にすると、労働集約型の人材をたくさん抱えていらっしゃるところほど恩恵を受けるんですが、これは雇用維持の観点からいうと非常に合理的だというふうに思います。これは、医療保険はなしにして年金の部分だけですと、やはり四十兆ぐらいの大きな財源が必要になるわけですけれども、私はこれは雇用継続の意味ではやるべきだというふうに思います。ですから、社会保険料は猶予から実際に免除にまで踏み込んでぜひやっていただきたいというふうに思います。
 御見解、この二点、聞かせていただけますでしょうか。

#174
○安倍内閣総理大臣 雇用を継続をしていく、雇用を守るという観点から御質問をいただきました。
 我々も全く思いは同じでございまして、雇用を継続するために本当に歯を食いしばって頑張っている企業等についてはしっかりと応援をしていきたいと思っています。
 その中で、雇用調整助成金について、お尋ねの上限額については厚労大臣から答弁させたいと思うんですが、雇用調整助成金については、今回の感染症の影響を踏まえて、解雇等を行わず雇用を維持する企業に対して、正規、非正規にかかわらず、休業手当の助成率を最大で中小企業は九〇%、大企業でも七〇%に引き上げるなどの措置を講じているところでございますが、従業員の皆さんの雇用と収入の確保と事業者負担の軽減を図っているところでございます。
 その中で、今、上限について、それが一つの大きな壁ではないかと。それは、我々もそういう議論を、党においてもそういう議論をしております。今後、これがどのように更に長引いていくのか、この深刻さが深まっていくかということの中においては、我々もよく議論をしていきたい、こう思います。
 そしてまた、社会保険料につきましては、今回、一年間猶予を行う、また延滞金はゼロにしているわけであります。
 全く免除するかどうかというお話でございましたが、まずは延滞金をゼロとした形で一年間の猶予を行うということを決定させていただいたところでございますが、その中で、プラス、中堅・中小企業の皆様には二百万円、個人事業主の方には百万円の現金給付を行いながら支援をしていきたい、このように思っております。
 こうした支援を御活用いただくことで、保険料負担等の負担軽減に充てることも可能となっており、政府としては、しっかりと活用していただけるように周知に努めていきたいと思います。

#175
○盛山委員長 時間となっております。簡潔にお願いします。

#176
○加藤国務大臣 まず、雇用調整助成金については、ここでもいろいろな御意見を頂戴しておりますけれども、まず、失業した場合に支払われる雇用保険の基本手当日額の最高額、これを上限としているということでありますので、この金額そのものをいじるということはなかなか難しさがあるのではないかというふうに思います。
 それから、保険料の支払い猶予でありますけれども、これについては、その後について、さらに猶予措置、納付の猶予というのがあります。そういった中で検討していかなきゃいけないと思いますが、ただ、いずれにしても、これは全部社会保険料で賄っている仕組みそのものでありますから、当然、その中でやろうとするのには一定の限界があるのではないかなというふうに思います。

#177
○藤田委員 時間なので終わりますが、今、加藤大臣にお答えいただいたのは、やはり技術的な話だと思うんです。でも、これは技術的な微修正ではなかなかもたないところまで来ていると思いますので、この雇用調整助成金の件は、自民党の先生方も大きくうなずいていらっしゃった方がいらっしゃったので、党派を超えてこの大幅拡大はぜひ検討していただきたいと思います。よろしくお願いします。

#178
○盛山委員長 これにて内閣総理大臣出席のもとの質疑は終了いたしました。
 内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。
    ―――――――――――――

#179
○盛山委員長 この際、内閣提出、年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案に対し、岡本充功君外二名から、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム提案による修正案が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。岡本充功君。
    ―――――――――――――
 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

#180
○岡本(充)委員 ただいま議題となりました年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 昨年八月に公表された財政検証では、将来の所得代替率が五〇%を確保できるケースであっても、年金の給付水準は約二割低下、基礎年金では約三割低下することが明らかになっています。今回の年金制度改正に当たっては、この基礎年金の給付水準の低下への対策が最大の課題であるにもかかわらず、政府案は適用拡大の範囲を始めとして不十分な内容にとどまっています。また、高齢期の所得確保をより充実させる観点から、個人型確定拠出年金の加入可能期間のさらなる延長や拠出限度額の見直しを進める必要があるほか、児童扶養手当と障害年金の併給調整の見直しについても、子の数がふえるほど受給できる差額が少なくなることのないよう法律で定める必要があると考えます。
 こうした認識のもと、政府案では十分とは言えない年金制度の機能強化をより一層進めるため、本修正案を提出いたしました。
 次に、本修正案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の企業規模要件について、令和四年十月一日以降は五十人超規模の事業所まで適用し、令和六年十月一日以降は企業規模要件を撤廃するとともに、政府は、被用者保険の適用範囲の拡大が中小企業者に与える影響に鑑み、これにより新たに適用対象となる事業所に対する支援について、必要な措置を講じなければならないこととすること。また、賃金要件を月額六万八千円に引き下げるものとすること。
 第二に、政府は、老齢基礎年金の保障機能を一層強化する観点から、国民年金の加入期間について、任意で六十五歳まで最大四十五年間加入することを可能とするため、また、第二号被保険者及び第三号被保険者について、最大四十五年間の加入期間として、年金額を算定することを可能とするため、必要な法制上の措置を講ずるものとすること。
 第三に、国民年金基金、個人型確定拠出年金の加入資格を有していたにもかかわらず加入していなかった期間がある場合について、現行の加入資格にかかわらず、加入期間を任意で延ばすことを可能とすること。また、個人型確定拠出年金の拠出限度額は、企業型確定拠出年金と確定給付企業年金を実施している場合の企業型確定拠出年金の拠出限度額と同額となるよう、政令で定めるものとするほか、確定拠出年金の中小企業向け制度について、制度を実施可能な従業員規模を政府案の三百人以下から五百人以下に拡大するものとすること。
 第四に、児童扶養手当と障害年金の併給調整について、障害基礎年金の受給者に対する児童扶養手当の支給額は、子の数にかかわらず、子が一人の場合の額を下回ることのないよう政令で定めるものとすること。
 第五に、公的年金制度及びこれに関連する制度についての検討事項のうち、マクロ経済スライドに係る検討事項を削除するものとすること。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#181
○盛山委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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