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2020/04/27 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 本会議 第14号 令和2年4月27日
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2020/04/27 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 本会議 第14号 令和2年4月27日

#1
令和二年四月二十七日(月曜日)
   午後三時四十六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十四号
  令和二年四月二十七日
   午後三時三十分開議
 第一 国務大臣の演説に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する
  法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件
 財務大臣から財政について発言を求められております。これより発言を許します。麻生太郎財務大臣。
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕

#3
○国務大臣(麻生太郎君) さきに閣議決定をいたしました新型コロナウイルス感染症緊急経済対策を受けて、今般、令和二年度補正予算を提出することとなりました。その御審議をお願いするに当たり、補正予算の大要について御説明をさせていただきます。
 新型コロナウイルス感染症は、内外経済に甚大な影響をもたらしております。先行きにつきましても、感染症拡大の収束が見通せるまでは極めて厳しい状況が続くと見込まれております。
 こうした認識に立ち、安心と成長の未来を拓く総合経済対策に加えて新たな補正予算を編成し、前例にとらわれることなく、財政、金融、税制といったあらゆる政策手段を総動員することとし、財政支出四十八兆円、事業規模百十七兆円の新型コロナウイルス感染症緊急経済対策を閣議決定いたしております。
 具体的には、第一に、感染症拡大の収束にめどが付くまでの間、緊急支援フェーズにおいて、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の創設等により、感染拡大防止策と医療提供体制の整備を進め、事態の早期収拾に強力に取り組みます。また、雇用調整助成金の特例措置の拡大やこれまでにない強力な資金繰り支援、さらには、中小・小規模事業者や全国全ての方々に対する新たな給付金制度の創設等により、雇用と事業と生活を守り抜いてまいります。
 第二に、収束後の反転攻勢に向けたV字回復フェーズにおいて、観光・運輸、飲食、イベント等大幅に落ち込んだ消費の喚起のため、官民を挙げたキャンペーンとして大規模な支援策を講じるとともに、デジタル化、リモート化などの未来を先取りした投資の喚起の両面から反転攻勢策を講じてまいります。
 次に、緊急経済対策の実行等のため、今国会に提出いたしました令和二年度補正予算の大要について申し述べます。
 一般会計につきましては、総額で約二十五兆六千九百億円の歳出追加を行うことといたしております。その内容としては、緊急経済対策に基づき、感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療開発薬の開発に係る経費に約一兆八千百億円、雇用の維持と事業の継続に係る経費に約十九兆四千九百億円、次の段階としての官民を挙げた経済活動の回復に係る経費に約一兆八千五百億円、強靱な経済構造の構築に係る経費に約九千二百億円、今後への備えとして、新型コロナウイルス感染症対策予備費を一兆五千億円計上するとともに、国債整理基金特別会計への繰入れとして約一千三百億円を計上いたしております。
 この財源につきましては、建設公債を約二兆三千三百億円、特例公債を約二十三兆三千六百億円発行することといたしております。
 この結果、令和二年度一般会計補正後予算の総額は、一般会計当初予算に対して歳入歳出共に約二十五兆六千九百億円増加し、約百二十八兆三千五百億円となります。
 また、特別会計予算等につきましても、所要の補正を行ってまいります。
 財政投融資計画につきましては、緊急経済対策を踏まえ、事業の継続を強力に支援すべく、中小・小規模事業者や中堅企業、大企業の資金繰り対策等に万全を期すため、約十兆一千九百億円を追加いたしております。
 以上、令和二年度補正予算の大要について御説明申し上げました。
 何とぞ御審議の上、速やかな御賛同をいただきますようよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#4
○議長(山東昭子君) ただいまの演説に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。難波奨二さん。
   〔難波奨二君登壇、拍手〕

#5
○難波奨二君 立憲・国民.新緑風会・社民共同会派、立憲民主党の難波奨二でございます。
 私は、ただいま議題となりました財政演説、令和二年度補正予算案に対して、総理に質問いたします。
 まず、新型コロナウイルスでお亡くなりになられた方々に衷心より御冥福をお祈りいたしますとともに、治療を受けられている皆様にお見舞いを申し上げます。
 また、この見えない敵から人々の命を救うため、国民生活と我が国の経済を守るために、最前線でリスクを抱えながら社会を支えていただいている皆様にも心から感謝と敬意を表したいと思います。
 感染拡大防止に向けて、政府は、四月七日に歴史上初の国民の自由や権利を制約する措置が可能となる緊急事態宣言を発出しました。この宣言により、国民は生活や健康への不安を抱きながらも、国を信じて真摯に要請と向き合っています。だからこそ、政治に携わる者の責任は極めて重要であると訴えます。
 しかし、この間の政府の対応は、決して国民の信頼を得てきたとは言えません。クルーズ船対応、唐突な一斉休校、習近平国家主席の訪日延期、オリパラの延期、布マスクの配布、コラボ動画の配信、三十万円の給付撤回等の政府の判断、方針は政治的思惑を含み、場当たり的対応、迷走により、遅きに失したと国民は強い疑念を持っていると指摘します。
 さて、総理、内閣総辞職に値する前代未聞の事態を引き起こしたと、まずもって強く抗議します。
 あの東日本大震災と同様、今回の新型コロナウイルス対策は、国難に立ち向かう政治の覚悟と姿勢が問われていると言っても過言ではありません。それにもかかわらず、国民が一刻も早くと待ち望む生活支援金を含む補正予算案を、一旦は閣議決定しながら、審議直前になって予算を組み替えたことは、そのことはさておいても、政治利用のそしりは免れません。
 また、有事とも言える緊急事態宣言下において、我慢を強いられる国民生活や、いつ終息するか分からない不安が蔓延している現状からすれば、政府の取るべき施策が更に遅れる愚行は厳しく指弾されて当然であります。
 その点を強く申し上げた上で、以下、補正予算案について具体的に質問をいたします。
 最初に、なぜ目玉政策が変更に至ったかの理由と、その内容についてお聞きします。
 不評三点セットの一つとなった収入減世帯三十万円給付、生活支援臨時給付金を、全国民一律一人十万円給付、特別定額給付金へと政策目的を変更した理由を、各々のメリット、デメリットを示し、お述べください。一律十万円給付は、私たちが当初から求めていた支援策でもあります。今後においても野党の声を率直に受け止める姿勢を強く求めますが、いかがですか。
 一律給付金は全国民への支援を目的としたものですが、三十万円給付は収入減世帯に対する支援金です。感染の長期化を想定した場合、収入減世帯に対する給付も状況に応じて追加実施すべきと考えますが、御認識を伺います。
 一律給付金の支給は住民基本台帳に記載されている者とのことですが、路上生活者やネットカフェで寝泊まりしていた人たち、住民基本台帳にやむを得ない事情で記録されていない外国人、また、住民票を移せないまま世帯主と別居しているDV被害者等はどうなるのでしょうか。あわせて、高齢者や障害者等、自分の力だけでは申請の困難な人への配慮も必要ですが、具体的にどう対応するのか、お聞かせください。
 総理は、緊急事態宣言を全国に拡大することに伴い、救済の対象を拡大した措置が必要となった旨発言されていますが、拡大宣言当日の動向からして、一律支給への変更に伴う補正組替えの大義に宣言の全国拡大を利用したのではありませんか。
 緊急事態宣言は五月六日までの期間となっています。その宣言を解除する基準及び延長する基準を、判断する時期とともに明らかにするよう願います。また、全国に地域を拡大するに当たり、緊急事態宣言の対象区域選定の三要素をなぜ短期間で変更したのか、お述べください。
 政府が七日に決定した経済対策では、事業規模は国内総生産の二割の百八兆円で、世界的に見ても最大級の経済対策だと総理は述べられました。今回の八・九兆円の増額を加えて、約百十七兆円となります。しかし、内容を見れば、税、社会保険料の猶予等で二十六兆円、昨年度の総合経済対策費等二十二兆円、財政投融資はあくまで融資で、額は十二・五兆円、民間支出等が四十二・七兆円と、巨額な対策との印象操作が行われています。
 また、十万円の一律給付も国債発行を財源とすることから、新規国債発行額は当初の補正額の十六・八兆円から二十五・七兆円になり、財政赤字は一層膨らむこととなります。
 そこで、お聞きします。
 二十三日公表の四月の月例経済報告は、約十一年ぶりに国内景気が急速に悪化と判断しました。総理は、この経済危機をどう克服し、あわせて、一層高まる公債依存度の中、財政健全化に向けてどう取り組むか、御認識を伺います。
 また、新たに組み替えた補正予算は対象期間が不明であり、国民が安心できる予算措置として量的にも質的にも十分ではありません。いわゆる真水の金額をお述べください。
 緊要性の乏しい経費を計上することは、財政法の規定の趣旨にも反します。本補正予算にあるゴー・ツー・キャンペーン事業費約一・七兆円を組み替え、緊急性の高い事業への充当を検討すべきと考えますが、いかがですか。
 緊急事態宣言を全国に拡大したことから、経済や雇用、国民生活に大きな影響が及ぶことが想定されます。事態の長期化を含め、第二弾、三弾の経済対策に向けた基本的な方針をお聞かせください。
 我々は、当初予算の審議において、マイナンバーポイント還元事業を中止して二千四百七十八億円を削減することを提案しました。また、カジノ関連予算の三十八億円も緊要性はありません。当初予算にあるこういった不急の予算執行を停止し、緊急に必要な補正予算の財源に充てることの認識を伺います。
 緊急事態宣言による休業要請や感染症蔓延防止のための休業、不要不急の外出自粛要請等で経済活動は瀕死の状態にあるとも言えます。しかし、国民の幸福と経済成長は表裏一体のものであり、経済活動を維持するためにも産業基盤が弱体化しないよう、企業倒産を防ぎ、雇用を守り、生計を維持することが極めて重要だと考えています。
 そこで、お聞きします。
 まず、休業要請と補償はセットであるべきという我々の要求についての見解を伺います。
 休業要請に協力してくれた事業者への支援金に地方創生臨時交付金を活用したいとの自治体からの要望に政府はようやく応じましたが、地域の実情に即した施策を支援するためには、地方の裁量権をもっと認めるべきと考えます。また、一兆円程度では事業の維持、継続は困難であり、増額が必要と考えますが、見解をお述べください。
 家賃の未払によって廃業や立ち退きに至れば、終息後の経済の立て直しは見込めません。賃料支払猶予の法制化を急ぐべきではありませんか。
 労基法第二十六条では、会社都合で社員を休ませる場合、非正規労働者も含め、賃金の最低六割を休業手当として支給する旨規定されています。その目的は労働者の最低生活の保障であり、たとえ緊急事態宣言下であっても、事業主判断による休業については休業手当の支払義務は免れ得ないとの判断を明確にすべきだと考えますが、総理の見解をお示しください。
 雇用調整助成金の特例の全国展開は、遅過ぎたとはいえ、一定評価します。しかし、企業に一定の自己負担がある上、手続も複雑で支給まで長い時間が掛かるため、休業手当を申請、支給しない事業者が続出する懸念が強まっています。そこで、中小企業の雇用調整助成金の助成率を十分の十に引き上げるとともに、支給上限額の引上げや手続の更なる簡素化と支給の迅速化を求めますが、いかがでしょうか。
 今回の事態を受けて、既に多数の解雇や雇い止め、内定取消し等が発生しています。政府はこれまでどう対応し、これからどう支援の手を差し伸べるつもりなのか、説明ください。また、リーマン・ショックのときのように、外国人労働者や技能実習生、外国人留学生が厳しい状況に陥っていますが、政府はどのような保護、支援策を講じているのか、お述べください。
 感染者の急増で全国各地の医療崩壊が現実味を増す中、医療現場への一層の支援が急がれます。診療報酬等の見直しも実施されるところですが、病床の不足や緊急搬送車のたらい回し等も指摘されており、今後の診療の在り方や患者の受入れ体制等に質問いたします。
 国民の不安払拭にはPCR検査の拡大が急務となっています。PCR検査を受けて陽性だった人の割合が増加している現実がありながら、検査を希望しても受けることのできない国民のいら立ちは当然であります。
 政府は、去る六日に、検査を一日二万件実施できる体制までに拡充する方針を示しましたが、直近の保健所、地方衛生研究所、民間、検疫所、大学等の検査可能数と実際の実施数を明らかにするとともに、なぜ検査件数や人数が増えないのか、理由と課題をお述べください。
 また、ドライブスルー検査やオンライン診療、抗体検査、新薬、ワクチンの開発等についての現状を御説明ください。
 さらに、医療従事者の使う医療用マスクや防護服等の不足が深刻化しており、国による買取り制度の導入や新規参入の支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 以上述べたように、緊急に必要となる医療提供体制の整備は急務で、そのための地方自治体への緊急包括支援交付金の迅速な執行とその二分の一の負担割合を全額国費にすべきと考えますが、いかがですか。
 終わりに、感染症によるパンデミックは古来より見られ、世界に大きな被害を与えてきました。十四世紀のペストに始まり、十六世紀には天然痘、十九世紀から二十世紀にかけてはコレラが大流行。一九一八年から一九一九年にはスペイン風邪が全世界で流行。二〇〇九年の新型インフルエンザを経て、昨年末からの新型コロナウイルスは、四月二十六日時点において、全世界で約二百九十万人の感染者と二十万人を超える死者を生んでいます。
 人類が感染症と常に闘ってきた歴史を踏まえ、英知を結集して克服していくとともに、我が国は民主主義と人権を守りながら今回の脅威に立ち向かっていくことの重要性を強く訴えまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#6
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 難波奨二議員にお答えいたします。
 特別定額給付金についてお尋ねがありました。
 国民の皆様への現金給付については、給付の対象や水準について、それぞれメリット、デメリットはありますが、ヒアリングの結果も踏まえつつ、特に厳しい状況にある方々に支援を集中することとして検討を進めてまいりました。
 しかしながら、感染症の影響が長引き、全ての国民の皆様が厳しい状況に置かれており、長期戦も予想される中で、国民の皆様とともにこの難局を乗り越えていくため、全国全ての皆様を対象に一律に一人当たり十万円の給付を行うことといたしました。もっと早くという御批判は、私自身の責任としてしっかりと受け止めなければならないと考えております。
 その上で、まずはこの補正予算成立後、前回よりも一日も早く現金を国民の皆様のお手元に届けられるよう、給付事務の工夫やマイナンバーカードを活用した申請手続のオンライン化など、実施に当たる自治体や関係機関の方々と協力をし、政府を挙げて全力で取り組んでまいります。
 その際、住民基本台帳法の適用の対象となる方々のうち、住所が定まっておらず、いずれの市区町村の住民基本台帳にも記録されていない方々や、家庭内暴力で住所を実態どおりに登録できていない方々、御自身では申請が困難な方々についても、一定の手続を経て給付金をお受け取りいただけるよう対応してまいります。
 その上で、その先については、できる限り早期に収束できるよう全力を挙げる中において、事態の変化を十分注視するとともに、国会における御議論もよく踏まえ、検討してまいります。
 緊急事態宣言についてお尋ねがありました。
 四月七日の緊急事態宣言の対象区域については、地域ごとの累積感染者数、クラスターの状況、感染源が分からない感染者数の動向といった地域の感染状況、医療提供体制の逼迫の状況、広域的な人の移動や交通の状況など地域の特性を踏まえ、基本的対処方針等諮問委員会の意見を聞いて総合的に判断を行ったものです。
 その後も、専門家の皆さんから各地の感染状況の分析を伺う中で、都市部からの人の移動等によりクラスターが各地で発生し、全国的な感染拡大の傾向が見られること、特に、地方には重症化リスクが高いと言われる高齢者の方々が多くいらっしゃるため、いざ感染リスクが高まれば地域医療に大きな負担となりかねないこと、今後、特に、大型連休を迎えるに当たり、帰省等で多くの人の移動が生じることが想定されたことから、諮問委員会の意見を聞いた上で、十六日に全都道府県を緊急事態宣言の対象区域としたものであり、いずれの判断も専門的な立場からの御意見を踏まえて行ったところです。
 他方、現金給付については、感染症の影響が長引き、全ての国民の皆様が厳しい状況に置かれ、このウイルスとの長期戦も予想される中で、この国難を乗り切るためには国民の皆様との一体感が大切との考え方の下、全国全ての国民の皆様を対象に一律に一人当たり十万円の給付を行うと決断をしたものであります。
 また、緊急事態宣言の解除の可否については、専門家の皆様の提言もいただきながら判断していきたいと考えておりますが、まずは、何としても八割の接触機会の低減を実現するべく、政府としても感染拡大防止に向けた取組を徹底してまいりたいと考えています。
 緊急経済対策についてお尋ねがありました。
 今般の緊急経済対策においては、困難に直面している御家庭や中小・小規模事業者の方々にこの難局を何としても乗り切っていただくため、考え得る政策手段を総動員して事業と生活を守り抜いていく考えです。
 対策の規模については、事業規模で百十七兆円、財政支出は四十八兆円となっております。この経済対策により、できるだけ早く日本経済を正常な成長軌道に復帰させることが、今は財政健全化を達成する意味でも最も重要なことと考えております。
 また、今回の補正予算では、収束後を見据えた対応について、事業者の皆様がこの機に事業計画の見直し等を行い、あらかじめ準備を行うことのできるよう必要な事業等を盛り込んだところであり、当初予算に計上されている御指摘の予算についてもそれぞれ必要なものと考えておりますが、まずは感染拡大の防止と事業や生活、雇用の維持に全力で取り組んでまいります。
 その上で、今回の経済対策を実行するための補正予算を御承認いただいた上で、これを迅速かつ着実に実行に移し、この難局を乗り切るとともに、その先については、できる限り早期に収束できるよう全力を挙げる中において、事態の変化を十分注視するとともに、経済や国民生活への影響を注意深く見極めながら、必要に応じて対応してまいります。
 休業要請と補償等についてお尋ねがありました。
 今回の緊急経済対策では、厳しい状況にある事業者の皆さんの切実な声を伺い、売上げ等の減少に充てていただくための支援を多数用意しています。
 まず、持続化給付金によって、中堅・中小企業には二百万円、フリーランスを含む個人事業者には百万円を上限に、自粛要請等により休業を余儀なくされた方々を始め売上げが大きく減少した事業者を、業種に関わりなく幅広く支援していきます。
 これに加えて、雇用調整助成金の拡充により、休業手当の大半を国が肩代わりすることとし、延滞金なしの税や社会保険料の猶予による手元資金の確保、実質無利子、無担保、最大五年間元本返済不要の融資制度によって資金繰りに万全を期すなど、あらゆる手段を駆使して困難に直面している事業者の皆様を支えることとしています。
 こうした支援策を始め今回の緊急経済対策では、ほとんどの事業が地方公共団体の財政負担を伴わない全額国費負担の事業となっております。
 そうした中でも、今回の地方創生臨時交付金については、リーマン・ショック時の臨時交付金と同じ規模となる一兆円の予算を確保したところです。
 同時に、一兆円の予算が十二分に効果を発揮できるよう、御指摘のいわゆる協力金を含め、それぞれの自治体の判断によって自由度を高く使うことができる仕組みとしたところであり、各自治体には、それぞれの地域の実情を踏まえながら、現下の困難に対応するため、効果的に御活用いただきたいと考えております。
 家賃支払の猶予については、外出自粛などの状況の下で多くの事業者の方々が売上げが大きく減少し、家賃の支払が大きな負担となっているとの切実な声を伺っています。
 このため、政府としては、ビル賃貸事業者の方々に対して、賃料の支払猶予などの柔軟な措置を検討いただくよう要請を行っています。事業収入が大幅に減少した場合の固定資産税の減免などの支援策を講じることにより、賃料の猶予がスムーズに行われるよう後押しいたします。
 また、テナントとなる中小・小規模事業者の皆さんに対して、固定費負担である地代、家賃などの平均を参考に最大二百万円を給付することにより、飲食店などの皆さんを徹底的に支援してまいります。
 雇用の維持等についてお尋ねがありました。
 雇用調整助成金については、これまでも解雇等を行わず雇用を維持する中小企業に対して助成率を九〇%に引き上げる等の拡充を行ってきたところですが、さらに、休業手当の給付水準を引き上げる観点から、労基法が定める六〇%を超えて支給する場合については、その部分に係る助成率を十割に拡大します。また、休業等の要請を受けた場合は、休業手当全体の助成率を十割に拡大いたします。
 なお、一日当たりの助成額は、失業した場合に支払われる雇用保険の基本手当の額を上限としており、その水準は維持することとなります。
 また、労働局、ハローワークの人員体制を大幅に拡充するとともに、記載事項を半減するなど申請書類の簡素化を行い、迅速な給付の実現に努めてまいります。
 なお、労働基準法第二十六条に定める休業手当の支払義務については、緊急事態宣言下であることをもって一律に休業手当の支払義務がなくなるものではないことを厚生労働省から明確に示しているところです。
 また、政府としては、既に、経済団体等を通じて企業の皆様に対して、解雇、雇い止め、採用内定の取消しを防止するため、最大限の経営努力を行うこと等をお願いしてきたところです。
 さらに、外国人労働者については、日本人の方と同様、雇用調整助成金等を活用してしっかりと雇用を維持していただくことが大切であり、関係省庁と連携の上、外国人留学生も含め、こうした支援を活用できることを多言語により適切に周知を行っているほか、新型コロナウイルス感染症の影響により解雇等をされ実習が継続困難となった技能実習生等に対し、我が国での雇用を維持するための支援を行っているところです。
 新型コロナウイルス感染症に係る各種検査や医療機関への支援等についてお尋ねがありました。
 PCR検査については、四月二十二日時点で一日当たり一万五千件以上の検査能力を確保しており、同日の実際の検査件数は約八千六百件となっています。それぞれの内訳については、地方衛生研究所が約四千九百件の検査能力に対して約四千八百件、民間検査会社が約五千二百件に対し約二千四百件、大学、医療機関等が約二千件に対して約九百件、検疫所が約二千三百件に対して約三百件という状況です。
 検査能力と実際に検査が必要な検査数は別のものであり、医師が必要と判断した方が確実に検査を受けられるようにすることが重要と考えています。検査の実施件数については都市部を中心に増加してきているところですが、検体採取を行う人員や拠点も限られている中で、更に効率的に実施することが必要であると考えており、PCR検査センター等の増設や歯科医に御協力をいただくなどの取組を推進してまいります。
 抗体検査については、検査キットの性能評価と疫学調査を関係者の協力を得ながら速やかに進めてまいります。
 また、院内感染のリスクを減らすため、初診も含めた電話やオンラインによる診療を解禁したところであり、これを推進する観点から、実施医療機関については順次公表しているところです。
 治療薬、ワクチンの研究開発については、政府としても、一日でも早く国民の皆様の不安を解消できるよう、日本中、世界中の企業、研究者の英知を結集して開発を進めているところです。
 我が国が開発したアビガンについては、既に二千例以上の投与が行われ、症状改善に効果があったとの報告も受けています。希望する患者の皆さんへの使用をできる限り拡大するとともに、可能な限り早期の薬事承認を目指すべく努力しております。今般の補正予算においては、アビガンの備蓄量を現在の三倍、二百万人分まで拡大することとしております。
 また、日米が中心となって国際共同治験を実施してきたレムデシビルについても、間もなく薬事承認が可能となる見込みです。
 ウイルスとの闘いの最前線である医療現場に、一つでも多くの医療防護具を届けることは重要であり、医療従事者の皆様の感染予防に万全を期すため、サージカルマスク、N95マスク、ガウン、フェースシールド等について、全国の物資不足に直面している医療機関に速やかに届けることとし、これに加えて医療防護具を国が直接、優先的に提供するためのウエブを活用した状況把握システムの構築、体制整備を早急に進めることとしています。
 なお、緊急包括支援交付金による事業の実施に当たっては、今般、併せて創設することとしている地方創生臨時交付金によって実質全額国費による対応も可能としているところであります。(拍手)
    ─────────────

#7
○議長(山東昭子君) 丸川珠代さん。
   〔丸川珠代君登壇、拍手〕

#8
○丸川珠代君 自由民主党の丸川珠代です。
 自由民主党・国民の声を代表して、ただいま議題となりました令和二年度補正予算案に係る財政演説に対して質問いたします。
 冒頭、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた皆様に謹んで哀悼の意を表しますとともに、感染により治療を受けておられる皆様の一日も早い回復を心からお祈り申し上げます。
 また、私たちの命や暮らしを守るために、今この瞬間も感染のリスクに身をさらしながら活動を続けてくださっている皆様、感染拡大を防ぐため外出自粛要請に応じてくださっている皆様、新型コロナウイルス感染症と闘う全ての皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。
 政府が初めて国民に外出の自粛を呼びかけたのは二月二十五日です。その後、総理が七都府県に対し緊急事態宣言を発出してから今日で丸二十日、その対象区域を全国に拡大してから十日が過ぎました。この間、国民の多くの皆様が困難な状況にあってもじっと耐え忍んでくださっています。その皆様の御労苦が感染拡大を食い止めることにつながっているのか、総理にお伺いします。
 この週末の東京都の感染者の増加は、土曜、日曜を合わせて百七十五人、全国では五百五十人となりました。私たちは、オーバーシュートと言われる医療崩壊を招くような爆発的な感染拡大から逃れることができたのでしょうか。それとも、今後更に急激な感染拡大が見込まれる状況にあるのでしょうか。総理の現状認識をお伺いします。
 総理は、緊急事態宣言の期限まで二週間を迎えた先週水曜日、一人一人の対策の徹底を訴える十のポイントを示されました。外出自粛の中でも混雑が生じている場面について不安に思う方々の懸念に答えるものであり、更なる対策の徹底に向けて一人一人の覚悟を後押ししていただいたと思います。
 一方で、緊急事態宣言の解除には更に時間が掛かるのではないかとの受け止めも広がっています。政府の専門家会議の一員である西浦博教授は、仮に緊急事態宣言が解除となっても、少なくとも一年間は感染の流行と付き合っていかなければならないと述べています。
 ヨーロッパでもアメリカでも厳しい外出制限を緩和する動きが広がっていますが、その水準は現在の日本とほぼ同等レベルまでの活動を認めるものであり、どの国も感染拡大のリスクと経済的なリスクのバランスを図りながら出口を模索しています。
 経済活動を再開できる時期は、ワクチンや治療薬の開発状況、検査体制や医療体制強化の進捗にも左右をされますが、苦しい局面にある皆様に協力を仰ぎ、雇用の継続を企業に判断していただく上でも、あらかじめ一定の見通しを示すことは重要と考えます。
 今後の経済活動の再開について、国民に分かりやすい指標を基に、どの業種から、どのような段階を踏んで経済活動を元に戻していくのか示していくおつもりはありませんか。総理にお伺いします。
 二月の感染拡大当初、特定の業種に集中していた影響は、感染の拡大に伴い幅広い分野に広がっています。失業や長引く休業により、直ちに支援を必要とする人が増えています。困難な状況にある皆様に直接、迅速に支援を届けなくてはなりません。
 今回の補正予算には、全ての国民に対し一人一律十万円の特別定額給付金や、売上げが激減した中小企業に対し、法人であれば二百万円、フリーランスを含む個人事業者であれば百万円を支給する持続化給付金が盛り込まれています。
 特別定額給付金は、所得制限なく一律十万円としたことで世帯ごとに収入の減少を確認する必要がなくなり、給付に当たる地方自治体の事務負担は相当軽減されるものと思います。
 一方で、住所そのものが定まっていない、あるいは家庭内暴力などの事情により住所を実態どおりに登録できないといった方にも確実にお届けをしなくてはなりません。そして、こうした支援は全てスピード感が問われています。自治体を始め実際の給付の事務に携わる方々に御協力いただいてこそ迅速な支援が実現します。
 事業主向けの持続化給付金も合わせてより早く確実に支援を届けるため、国としてどう取り組みますか。給付の事務を預かる皆様にはどのような協力を仰ぎますか。総理にお伺いします。
 休業要請の有無にかかわらず、外出の自粛に伴う売上げの減少により賃料が払えない、猶予や免除を制度化してほしいとの声が多く寄せられています。
 新型コロナウイルス感染症緊急経済対策には、政策金融公庫だけではなく民間金融機関でも実質無利子、無担保の融資を受けられる制度、収入が減少した事業者の租税や社会保険料を無担保かつ延滞税や延滞金なしで一年間猶予する特例などのメニューが盛り込まれています。
 これらは貸し手が賃料の軽減を考えるきっかけとなっている一方で、明示的に賃料について触れているものではありません。是非、賃料についてはもう一段踏み込んだ支援について政府の対応を御検討ください。
 また、働く人への休業補償については、最大九割まで国が支援を行うよう、企業に支払う雇用調整助成金が拡充され、これを最大十割まで引き上げることが決まりました。新入社員やパート従業員の方も対象となります。小規模事業者でもこうした制度を活用していただけるよう、周知を徹底し、社会保険労務士の皆様に御協力をいただくなど相談、申請の支援体制を強化してください。
 検査体制の強化について伺います。
 全国各地でドライブスルー検査が続々と始められています。総理からも自治体の取組を後押しする発信をされています。
 また、政府は来月中にも、インフルエンザの感染検査のように、ごく短時間で結果が出る抗原検査を薬事承認すると報道されています。精度など確認すべき点はありますが、この検査キットは国産です。是非、性能評価を急ぎ増産を支援してください。医療崩壊を防ぐため、まずは重症化のリスクが高い人に接する現場からスクリーニング検査を行う等の積極的な活用を進めてください。
 一方、いまだ帰国者・接触者相談センターの電話がつながらない地域があります。運営主体である保健所への支援を更に後押ししてください。また、民間の検査機関の活用を明確に促してください。
 保健所や地域医療の現場の皆様には、改めて、医師が総合的に判断した結果、新型コロナウイルス感染症を疑う場合には積極的に検査を行うべきであることを徹底してください。後の診療報酬の審査や査定においてもこの趣旨が共有されるよう、国の方針を周知徹底してください。
 まずは、検査を受けるべき人が受けられていないという不信を払拭する、このことを最優先に、最大限の努力をお願いします。
 他方、都市部では、PCR検査数に対する陽性者の割合が高まり、市中感染の拡大を把握し切れていないのではないかとの懸念が強まっています。抗体検査に期待する声もあります。国内でも進む抗体検査で得られるデータをどう生かしていくのか、国民に分かりやすい説明をお願いします。
 また、こうした抗体検査に使われる検査キットやPCR検査を全自動で行える検査機器、処理の容易な検査試薬はいずれも海外メーカーのものであり、今、世界中で奪い合いとなっています。総理には、政権を挙げて処理能力の高い検査機器や検査試薬、検査キットの獲得に動いてくださるようお願いを申し上げます。
 ほかにも、PCR検査を行う人材の育成や検査の精度データの医療機関との共有も必要です。国は、今後の検査能力の強化にどのような方針を持って臨み、地域の検査体制をどのように支援するのでしょうか。我が国にも米国のような統一的な精度管理の枠組みが必要ではないでしょうか。厚生労働大臣にお尋ねします。
 次に、医療体制の強化について伺います。
 東京都では先週、医療者の感染等により、十五ある特定機能病院のうち二つが相次いで救命救急センターの受入れ停止や手術の大幅な削減を余儀なくされました。たとえ医療者に感染がなくても、新型コロナウイルス感染者を受け入れている病院では、通常の手術を大幅に削減しています。治療に複数のICUが必要となるためです。感染患者の受入れ数に対して、その二倍から三倍の病床を通常の医療から振り向けているといいます。
 このように、地域の医療提供体制が大きな影響を受けている中で、今後、更に新型コロナウイルス感染者の受入先を増やしていかなければなりません。
 東京や埼玉県では、症状を抱えながら、入院や検査に至る前に亡くなられるケースが相次いでいます。急激に悪化するこの感染症の特徴を踏まえ、地域の医療機関の連携を図りつつ、新型コロナウイルス感染者のための医療も、それ以外の通常の地域医療も、共に確保しなければなりません。
 国は、この補正予算で医療体制を支援する緊急包括支援交付金を用意し、診療報酬の引上げも行いました。こうした施策はどのように現場で生きてくるのでしょうか。マスクやガウンなどの医療用資材も不足しております。国として更なる医療体制の支援強化をどう進めるのか、厚生労働大臣、お聞かせください。
 新型コロナウイルスとの闘いは、今後、医療資源の乏しいアフリカや中南米などでの感染拡大、あるいは欧米における流行の再燃等により、社会、経済の停滞が長引くことを覚悟しなくてはなりません。この長期戦を国家として生き抜くために、私たちは感染症との共存を前提とした強靱な社会や経済の構築にできることから着手すべきではないでしょうか。
 例えば、これまで対面や書面が原則であった行政手続を始め教育や医療などあらゆる分野で通信技術の活用を前提とするよう、物理的インフラと制度的インフラの両面を整備する必要があります。また、暮らしや経済の底割れを防ぐための支援を継続的に行いながら、感染症対策に欠かせない医療資材を始めとするサプライチェーンの見直し、国内生産基盤の再構築や新規雇用の創造につながる産業育成などの施策が求められます。新たな技術や知見を備えた人材は一朝一夕には育ちません。今、困難な中にあるからこそ、立ち上がるための支えが必要です。
 長期的な感染流行にも負けない強靱な社会経済構造の構築に向けた総理の御覚悟を最後に伺って、私の質問といたします。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#9
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 丸川珠代議員にお答えいたします。
 現在の感染状況及び今後の見通しについてお尋ねがありました。
 現在、全国で、国民の皆様には外出自粛や三密の回避等、大変な御協力をいただいていることに心から感謝申し上げたいと思います。
 こうした国民の皆様の御協力や医療現場の皆さんの献身的な努力により、現在の感染状況については、今のところ、諸外国のような爆発的な感染拡大、いわゆるオーバーシュートは発生していない状況にあります。他方で、いまだに多くの新規感染者が発生しており、引き続き厳しい状況であると認識をしております。
 また、人の流れについても、都市部を中心にその減少は見られるものの、接触機会の八割削減のためには、より一層の国民の皆様の努力が必要な状況です。
 この緊急事態をできるだけ早期に収束に向かわせるためには、今が非常に重要な時期です。専門家からは、八割の接触削減に向けて分かりやすい十のポイントも示されました。国民の皆様には、この緊急事態を早期に収束に向かわせるため、いま一度行動を見直していただき、何としても八割の接触機会の削減に御協力をいただきたいと考えております。
 今後の経済活動の再開についてお尋ねがありました。
 治療薬、ワクチンの研究開発については、政府としても一日でも早く国民の皆様の不安を解消できるよう、日本中、世界中の企業、研究者の英知を結集して開発を進めているところです。
 我が国が開発したアビガンについては、既に二千例以上の投与が行われ、症状改善に効果があったとの報告も出ています。希望する患者の皆さんへの使用をできる限り拡大するとともに、可能な限り早期の薬事承認を目指すべく努力をしております。今般の補正予算においては、アビガンの備蓄量を現在の三倍、二百万人分まで拡大することとしています。
 日米が中心となって国際共同治験を実施してきたレムデシビルについても、間もなく薬事承認が可能となる見込みです。
 また、重症者対策を中心とした医療提供体制の強化のため、国で確保した医療用マスク、ガウン等を優先配布、重症者に対応できる医師、看護師等の確保、病床及び軽症者等の療養場所の確保、帰国者・接触者外来の拡充も含め、人、物、両面からの抜本的強化を図ることとしています。
 さらに、常に感染リスクに向き合う医療従事者の処遇改善に資するため、重症者治療への診療報酬を倍増するとともに、自治体における病床の確保やPCR検査機器の整備等を緊急包括支援交付金による支援により支援することとしております。
 引き続き、医療の現場を守りつつ、感染拡大防止及び重症化予防に向けて、自治体と連携しながら検査体制の強化、医療提供体制の整備に取り組むとともに、国際的な協力も得ながら治療薬等の開発に全力で取り組んでまいります。
 その上で、お尋ねの今後の経済活動の再開については、その時点での感染拡大防止等の在り方も勘案しつつ、専門家の皆様の提言もいただきながら判断をしていきたいと考えております。まずは、何としても八割の接触機会の低減を実現するべく、政府としても感染拡大防止に向けた取組を徹底してまいりたいと思います。
 特別定額給付金及び持続化給付金についてお尋ねがありました。
 特別定額給付金については、簡素な仕組みで迅速かつ的確な家計への支援を行うという給付金の趣旨に鑑み、早い地方団体においては五月中のできるだけ早い時期を目標に給付を開始していただくこととなるよう、準備を進めてまいります。
 具体的な給付の実務については総務省において検討を進めており、住民基本台帳法の適用の対象となる方々のうち、住所が定まっておらず、いずれの市区町村の住民基本台帳にも記載されていない方々や、家庭内暴力で住所を実態どおりに登録できていない方々についても、一定の手続を経て給付金をお受け取りいただけるようになるものと承知をしております。これらの実施に当たっては、市区町村の各種支援団体と協力して取り組んでまいります。
 持続化給付金については、本日、申請要領等を公表させていただきましたが、今後、事業者の皆様の事前準備をしっかりと御支援をし、補正予算成立の翌日から申請受付を直ちに開始し、早ければ五月八日にも事業者への給付を開始することを目指し、スピード感を持って対応してまいります。
 なお、持続化給付金の申請に際しては、迅速かつ正確に手続を進めることができるよう、電子申請を原則とし、さらに、必要な方には、感染防止対策も講じた上で、対面での申請支援の仕組みも用意することとしております。
 強靱な社会経済構造の構築についてお尋ねがありました。
 今はこの緊急事態をできるだけ早期に収束に向かわせることが最優先ですが、このピンチを未来に向けた社会変革の契機とし、強靱な社会経済構造を構築していくことも極めて重要です。
 そのため、遠隔教育やテレワークなど、社会のあらゆる分野でオンラインによる遠隔対応を進めていきます。児童生徒一人一台の端末整備を進めるとともに、先般の緊急経済対策では中小・小規模事業者向けのテレワークに必要なIT導入に対する補助金も盛り込んだところです。また、院内感染のリスクを減らすため、初診も含めた電話やオンラインによる診療を解禁しました。
 さらに、医療資材といった国民の生命と健康を守るために必要とされる製品や部素材については、単なる価格競争力だけで左右されない安定的な供給体制を構築することも必要です。
 緊急経済対策等に基づき、例えばマスクについては国内生産能力を増強するための国内の生産設備投資への支援を行うなど、製造業の生産拠点の国内確保、多元的な供給体制の構築など、強靱なサプライチェーン構築支援等に取り組んでまいります。
 今後とも、この機会に、未来を先取りする変革を一気に進めるため、必要な施策を講じてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕

#10
○国務大臣(加藤勝信君) 丸川珠代議員から二問の御質問をいただきました。
 新型コロナウイルス感染症に関する検査体制の強化についてのお尋ねがありました。
 PCR検査については、医師が必要と判断した方が確実に検査を受けられるようにすることが重要と考えております。四月七日に取りまとめました緊急経済対策において、PCR検査のための装置の設置支援などにより、検査能力をまず二万件まで増強することとしております。
 また、検査体制については、四月十五日に事務連絡を発出し、地域の実践例を踏まえ、ドライブスルー方式を含めた帰国者・接触者外来の増加策及び対応能力向上策についての具体的な検査拡充の方策、帰国者・接触者外来や帰国者・接触者相談センターの運営委託がそもそも可能であること、地域外来・検査センターの運営委託についての具体的な方策について都道府県等にお示しをしたところであります。整備や運営に要する費用については、国として必要な支援を行ってまいります。
 PCR検査の精度については、国立感染症研究所の病原体検出マニュアルに基づく方法などを地方衛生研究所やその他の検査実施機関に周知し、精度管理に努めております。
 抗体検査については、AMEDの補助を受けた研究班において、複数の抗体セットを用いて精度も含め性能評価を行っているところです。さらに、補正予算において、抗体検査キットの性能評価及び疫学調査を進めることとしています。
 また、抗原検査については、本日、一社から薬事申請が行われたと承知をしております。厚生労働省としては、PMDAと協力して優先的に審査を行うとともに、その他の抗原検査の研究についても支援を行ってまいります。
 新型コロナウイルス感染症に対する医療体制の強化についてお尋ねがありました。
 医療提供体制の確保や医療機関、医療従事者の方々への支援のため、補正予算案において新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を創設し、都道府県に対する財政的な支援を進めます。あわせて、診療報酬において、重症患者等に対する治療や医療従事者の感染リスクを伴う診療に関する評価を特例的に行うこととしています。
 これにより、入院医療の提供体制の確保については、現在、治療のために必要な病床として感染症指定医療機関の病床を最大限動員するほか、その他の医療機関における空き病床の活用により、五万床を超える病床を確保することを目指してまいります。
 加えて、宿泊療養について、交付金でその整備を更に進めるとともに、軽症者等については、家庭内での感染事例が発生していることや、症状急変時の適時適切な対応が必要であると考えられることから、宿泊施設が十分に確保されている地域においては、例えば小さなお子さんがいらっしゃるなど個々の家庭の事情により自宅での療養を選択される場合を除き、宿泊療養を基本としていただくようお願いをしたところであります。
 医療機関、医療従事者の方々への支援としては、マスク、ガウン等の防護具について企業に増産や輸入拡大をお願いし、供給量の確保を図りつつ、必要とする医療機関等への優先配布を行うとともに、人員体制の整備や人工呼吸器、ECMOの整備等を緊急包括支援交付金により支援をしてまいります。
 また、診療報酬において、重症患者等に対する治療や医療従事者の感染リスクを伴う診療に関する評価を特例的に行っております。
 厚生労働省としては、新型コロナウイルス感染症の早期終息に向け、これらの取組により感染拡大の防止に引き続き取り組むとともに、医療提供体制の強化を進めてまいります。(拍手)
    ─────────────

#11
○議長(山東昭子君) 谷合正明さん。
   〔谷合正明君登壇、拍手〕

#12
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました財政演説に対し、総理に質問いたします。
 まず冒頭、新型コロナウイルスに感染し、お亡くなりになられた方々に心より御冥福をお祈り申し上げますとともに、現在も治療を受けておられる方々の一日も早い御回復を心よりお祈りいたします。
 また、医療現場の最前線で感染拡大防止に取り組まれている皆様、社会生活を支えてくださる皆様、この場を借りて深く感謝を申し上げます。
 新型コロナウイルスの感染拡大は、世界の状況をまさに一変させました。あまねく人類に降りかかった未曽有の危機であり、我が国でも国民は様々な我慢を強いられています。先行きの見通しの利かない中、経済活動は大幅に縮小し、家計や事業経営をめぐる状況は厳しさを増す一方です。特に、弱い立場に置かれた方々にその影響のしわ寄せが来ています。
 まさに国難ともいうべき危機的な状況に対し、政治は、国民の命と生活を守るとの一点で、総力を挙げ、対策を講じ、一致結束して乗り越えていかなければなりません。
 以下、具体的に質問します。
 初めに、緊急事態宣言について伺います。
 宣言は、今月七日に発令され、十六日に全国に拡大されました。人との接触機会を八割減らすために、国民には多大な協力をいただいています。最初の宣言発令から約三週間が経過しました。この間の感染者数の推移、病床の確保、外出自粛の効果など、宣言発令の所期の目的が達成されているのか、総理から報告をいただきたいと思います。
 また、緊急事態宣言の全国拡大は、特に、ゴールデンウイークの人の移動を最小限にすることを目的としたものでありますが、学校や事業経営再開にも影響を与えるものであり、五月六日以降、延長するのか否かの判断について国民は大変関心を持っております。総理の説明を求めます。
 政府は、昨年度来、補正予算の編成や予備費の活用等により対策を講じ、今月七日には緊急経済対策を取りまとめました。しかし、緊急事態宣言を境に国民生活を取り巻く状況は激変しました。
 国民からは、明日の生活が見えない、政治は何をしているのか等、窮状を訴える厳しい声が相次ぎました。非常時に際し、事態の変化に政治が機敏に対応していかなければなりません。異例なことではありますが、まさに国民のためにとの一点で、この補正予算はより強力に組み直されました。
 ついては、本補正予算の速やかな成立をもって、国民に一日も早く支援を届ける必要があります。総理の本補正予算成立に向けての決意を伺います。
 次に、喫緊の課題である医療提供体制の整備に関して伺います。
 国民にとって重要なのは、万一感染しても、しっかりと検査、診療を受け、安心して生活できることです。しかし、医療現場は極めて深刻な状況です。そこで、感染者の急増や家庭内感染の防止に対応するための病床の確保や、医療崩壊を防ぐための医療従事者に対する十分な支援が必要不可欠です。マスク、医療防護服、人工呼吸器等の不足は命に関わる深刻な事態を招きかねません。
 PCR検査も、医師により感染が疑われる者の診断を更に迅速に行うため、また、重症化する患者の治療を適切に行うため一層強化される必要があります。さらに、院内感染を防ぐ観点から、無症状の患者に対しても検査の保険適用を広げていくべきです。
 以上、医療提供体制の整備に向け、具体的な方策を総理に伺います。
 次に、家計への支援並びに事業者への支援について伺います。
 本補正予算では、家計への支援として、一律に一人当たり十万円の給付を行う特別定額給付金、児童手当の対象児童一人当たり一万円を上乗せする子育て世帯への臨時特別給付金が計上されました。また、住居確保給付金による支援の拡充が講じられるほか、既に個人向け緊急小口資金等の特例措置も講じられています。
 事業者向けには、資金繰り対策の強化、雇用調整助成金の特例措置の拡大、また、売上げ減少した中堅・中小企業、個人事業者に対する持続化給付金が計上されたほか、総額二十六兆円規模の税、社会保険料の猶予措置など、前例にない対策が講じられます。
 これらはまさに命綱であります。支援が必要な人、支援が必要な事業者に迅速に確実に届くよう、制度の縦割りを排し、当事者に寄り添った周知や相談体制の強化を急ぐべきです。総理の見解を求めます。
 この度の定額給付金は全ての人を対象にしたもので、先が見通せず困っている状況に、皆で一緒に乗り越えるというメッセージになるものと私たち公明党は考えており、迅速な支給が何よりです。いつ、どうすれば給付を受けられるのか等、この制度を国民に向けて丁寧に御説明ください。また、DV被害者への対応、給付金を狙った詐欺への対応も併せて説明を求めます。
 今、ぎりぎりの状況を訴える事業者の声が日ごとに増えています。先が見えない状況の中、事業継続に困っている事業者、特に休業要請を受けた事業者への支援については、継続的に実施、強化する必要があると考えます。総理の見解を伺います。
 あわせて、地方公共団体への支援について伺います。
 本補正予算では、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金、また、一兆円の地方創生臨時交付金が計上されています。言うまでもなく、感染症対策に自治体との連携は欠かせません。間断なく感染拡大防止に有効な施策を実施できるよう、柔軟な使途の確保と財政面での力強い下支えは不可欠と考えます。加えて、国と自治体の緊密な連携、国による自治体間の広域調整などに積極的に取り組んでいただきたいと考えますが、総理の見解を伺います。
 最後に、学校休業と学生の就職活動に関して伺います。
 休業の長期化、拡大により、児童生徒の多くは自宅学習を余儀なくされ、特に受験生やその保護者からは学習遅れや学習環境の格差に不安の声が上がっています。子供たちの未来が懸かっています。オンライン学習の整備、夏休みの対応含め、児童生徒の学力確保に向けた対策について、総理の見解を伺います。
 同様に、大学生らの今後の就職活動にも深刻な影響が現れています。既に内定の取消しも発生する中、企業収益の悪化により、新規採用人数を抑制する動きも増えています。第二の就職氷河期世代を生まないために、官民挙げた対応が必要です。総理は、現状をどう認識しているか、また、今後の見通し及び対策も併せて伺います。
 新型コロナウイルスは、世界中の人々の生活に影響を及ぼしています。この未知の感染症が怖いのは、病気から生まれる不安が社会全体に広がり、特定の人、地域、職業に向けられる嫌悪、偏見、差別につながっていくことだと言われます。
 このウイルスとの闘いは長期戦になるかもしれません。また、私たち人類は今後も感染症の挑戦を受けることになるかもしれません。だからこそ、国民の連帯や協力、国際的な協調を通じてこの危機を乗り越えていかなければなりません。
 明けない夜はない。私たち公明党も、国と地方議員が結束し、必ずやこの国難を克服していくことをお誓いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#13
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 谷合正明議員にお答えをいたします。
 緊急事態宣言の目的の達成状況と解除の判断についてお尋ねがありました。
 四月七日から四月二十一日の間で見ると、全国ベースで感染者数は七千五百九十人増、約二・九四倍となっています。他方で、ここ数日間の動きを見ると、新規感染者数は三百人台から四百人台となっています。ただし、これらのデータは二週間程度前の感染の状況を反映したものであることに留意が必要です。
 また、治療のために必要な病床として、感染症指定医療機関の病床を最大限動員し、三万二千を超える病床を確保しているところです。
 二十二日の専門家会議においては、ここ二週間の行動変容を踏まえた現状分析をいただきました。
 人の流れについては、都市部では感染拡大前に比べて平日でおおむね六割以上、休日ではおおむね七割以上減少している状況にあるとされたところです。他方で、接触機会の八割削減に向けては、より一層の国民の皆様の努力が必要な状況との指摘もいただいています。
 この緊急事態をできるだけ早期に収束に向かわせるためには、今が非常に重要な時期となります。専門家から示された十のポイントも参考にしながら、国民の皆様により一層の御協力をお願いしているところであります。
 また、緊急事態宣言の解除の可否については、専門家の皆様の提言もいただきながら判断していきたいと考えておりますが、まずは、何としても八割の接触機会の低減を実現するべく、政府としても、感染拡大防止に向けた取組を徹底してまいりたいと考えています。
 令和二年度補正予算についてお尋ねがありました。
 緊急事態対策は、困難に直面している事業者や御家庭の皆さんをあらゆる手段を駆使して支え、国民の健康と暮らしを守り抜いていくためのものであり、今般、その実行のための補正予算を提出したところです。
 感染症の影響が長引き、全ての国民の皆様が厳しい状況に置かれ、長期戦も予想される中で、国民の皆様とともにこの難局を乗り越えていく、その決意の下、この強力な補正予算の早期成立を図り、一日も早く十万円の現金給付を始め各種の支援が国民の皆様のお手元に届くよう、政府を挙げて全力で取り組んでまいります。
 医療提供体制の整備についてお尋ねがありました。
 感染拡大防止と同時に、国内で患者数が大幅に増えた場合に備え、重症者対策を中心として医療提供体制を強化することは喫緊の課題です。
 このため、今回の緊急経済対策では、感染拡大の防止、医療提供体制の整備等に最優先に取り組むこととしており、医療用マスク、ガウン等の必要な医療機関への優先配布、人工呼吸器の確保、重症者に対応できる医師、看護師等の確保、病床及び軽症者等の療養場所の確保、帰国者・接触者外来の拡充、保健所の体制やPCR検査体制の強化も含め、人、物両面からの抜本的強化を図ることとしています。
 また、PCR検査については、症状の有無にかかわらず医師が感染を疑い、診療のために必要と判断した場合は保険適用としているところであり、こうした取扱いについて広く現場に周知してまいります。
 引き続き、医療の現場を守りつつ、感染拡大防止及び重症化予防に向けて、自治体と連携しながら全力で取り組んでまいります。
 緊急経済対策についてお尋ねがありました。
 今般の緊急経済対策では、あらゆる手段を駆使して、困難に直面している事業者や御家庭の皆さんを支えることとしており、支援が必要な方々に行き届くよう、その周知等に政府一丸となって取り組んでまいります。
 特別定額給付金の給付時期については、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うという給付金の趣旨に鑑み、早い地方団体においては五月中のできるだけ早い時期を目標に給付を開始していただくことになるよう、準備を進めてまいります。
 手続については、感染症拡大防止に留意し、郵送やオンラインによることを基本とする方向で準備を進めているところであり、一日も早く国民の皆様の手元にお届けできるよう、全力で取り組む考えです。その際、家庭内暴力で住所を実態どおりに登録できていない方々についても、一定の手続を経て給付金をお受け取りいただけるよう対応してまいります。
 また、特別定額給付金に乗じた詐欺などの被害を未然に防止するため、関係省庁が連携してホームページやSNSを通じた注意喚起を行うなど、取組を行っているところです。
 特に、休業要請を受けた事業者の方には、今回の経済対策において、売上げ等の減少や休業している方の賃金の支払などに充てていただくため、現金給付を始め多数の支援策を用意しているところであり、事態の変化を十分注視しながら、事業者の皆様への必要な支援を引き続きしっかりと行ってまいります。
 感染症対策に関する地方公共団体との連携についてお尋ねがありました。
 今回の緊急経済対策では、感染拡大の防止、医療提供体制の整備等に最優先に取り組むこととしており、新たに緊急包括支援交付金を創設し、各都道府県が必要とする対応を柔軟かつ機動的に実行できるよう、強力な財政支援を行います。
 具体的には、重症者に対応できる医師、看護師等の確保、病床及び軽症者等の療養場所の確保、広域患者搬送体制の整備など、自治体間の広域調整を推進する取組を含め、人、物両面からの抜本的強化を図ることとしています。
 また、感染拡大の防止や、感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活を支援し、地方創生を図るため、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を創設し、地域の実情に応じたきめ細やかな事業の実施を支援することとしております。
 引き続き、医療の現場を守りつつ、感染拡大防止に向けて、自治体と緊密に連携し、全力で取り組んでまいります。
 児童生徒の学力確保、学生の就職活動についてお尋ねがありました。
 感染拡大の防止のため学校の臨時休業に取り組まざるを得ない中、子供たちの学びに著しい遅れが生じないようにすることは極めて重要です。
 政府としては、学校の臨時休業のガイドラインにおいて、学校が主体となって家庭学習を課すこととしており、子供たちが自宅等で活用できる教材や動画等をインターネットで提供するとともに、こうした取組を効果的に実施するため、今般の補正予算では一人一台のIT端末の早期実現や家庭でもつながる通信環境の整備を推進してまいります。
 さらに、学校再開後には学習指導員等を追加的に配置するとともに、補習の実施を含めて臨時休業による学習の遅れを取り戻す取組を促すなど、子供たちの学びの保障に努めてまいります。
 また、就職活動についても、企業の皆様に中長期的な視点に立って採用を実現していただけるよう要請を行うとともに、雇用調整助成金に特例措置を設け新入社員の方々についても助成対象としたほか、ハローワーク等を通じたきめ細かな支援に取り組んでいます。
 今、この厳しい局面においても、官民を挙げて前途ある学生の皆さんの雇用を守るという決意で、全力で対応してまいります。(拍手)
    ─────────────

#14
○議長(山東昭子君) 鈴木宗男さん。
   〔鈴木宗男君登壇、拍手〕

#15
○鈴木宗男君 日本維新の会の鈴木宗男です。
 質問の前に、今、この時間でもコロナ感染症患者と必死に向き合っている医師、看護師、医療関係者に、さらに、お支えされている御家族の皆さんに心からの敬意と感謝を申し上げます。
 あわせて、お亡くなりになった方々の御冥福と、今、感染症と向き合い頑張って治療されている皆さんの一日も早い御全快を心から祈るものであります。
 私は、日本維新の会を代表して、安倍総理にお尋ねします。
 補正予算に十万円の一律給付が盛り込まれています。国民生活を守るための現実的対応と評価をいたします。朝令暮改、迷走、遅いと批判している一部政党もありますが、国民の声、最大公約数に応じるための君子豹変と私は理解しております。
 一月二十日、国会が始まり、新型コロナウイルス問題が起きているにもかかわらず、桜を見る会、IRの質問に時間が使われたことは残念でなりません。
 そこでやじっている共産党の皆さん、君子豹変とは、君子は速やかに過ちを正し善をなす、それが君子豹変ですから、しっかり易経を勉強してほしいと思います。安倍総理が、最終的に国民に寄り添い、国民のためになる君子豹変は、適切な、現実的、正しい判断であるとあえて私は強調させていただきます。
 日本維新の会は、この十万円を国会議員、地方議員、首長も含めて受け取り、全額を寄附することに決めました。安倍内閣は、国務大臣、副大臣、大臣政務官は受け取らないと決められました。
 そこで、総理、併せて国務大臣、副大臣、大臣政務官は、今年のボーナスを受け取らないと決めたらいかがでしょうか。
 国会議員は給料が下がりません。国民に我慢や協力をお願いする以上、内閣、立法府が率先して身を切り、範を正すべきであり、内閣がボーナス返上を決めると、立法府たる国会議員も同調せざるを得ません。総理の英断を求めます。
 昨年の通常国会で、参議院定数六増に伴い歳費削減法が成立し、月当たり七万七千円の自主返納を取り決めましたが、実行していない党、会派があります。今やじっている皆さん方の党であります。そういう党、会派は、政府を批判する前に、まず約束を果たすべきではないでしょうか。
 定数増に対する自主返納と新型コロナ感染に際して議員歳費を削減することは全く別の話であり、両方実施すべきであることを重ねて申し上げます。
 日本維新の会所属国会議員は、平成二十九年一月から歳費の二割相当分を被災地に寄附することを続け、さらに、文書通信費使途公開法案、企業団体献金禁止法案など、身を切る改革法案を提出しました。
 今回、国会議員の歳費削減法案を委員会で御審議いただき、歳費が一年間二割カットすることになりましたが、私のところには、なぜ二分の一にしないのか、少なくとも三割カットすべきだとの声がたくさん届いています。
 閣僚等の給与については、二〇一二年四月から総理大臣は三割、国務大臣、副大臣は二割、大臣政務官は一割返納されており、歳費二割削減は内閣にとって今までと変わりありません。内閣、国会議員は特権的待遇と国民は見ています。改めて、総理、ボーナスの返上を強く求めるものであります。
 国権の最高機関におられる議員の皆さん、歳費カットは二割だけでなく、しかも一年に限ることなく、国民目線で率先して身を削り、国民の負託に応えていくのが責任ある政治ではないでしょうか。
 総理、マスク、防護服、消毒剤等は十分あるのでしょうか。補正予算では百十七億円の計上ですが、これで間に合うのか、国民が安心できる説明をお願いします。
 今回の補正で、観光分野に一兆三千億円の枠が設けられていますが、具体的な使い方、制度設計が明らかになっていません。
 一昨年の北海道胆振東部地震では、ふっこう割という地域で何にでも使える、これは熊本地震、西日本豪雨、昨年の台風十五、十九号でも生かされ、これを活用することが地域振興につながると思いますが、安倍総理の見解を尋ねます。
 刑事施設においてもコロナ感染者が出ています。
 狭い空間に大勢の人が収容されており、感染の危険度は高く、医療体制は脆弱です。受刑者にも人権はあると考えますが、総理はいかがお考えですか。
 私自身、国策捜査の結果、一年間の収監経験で感じたのは、凶悪犯を除く経済事犯での高齢受刑者は、長く懲役にさせるのではなく、社会奉仕活動とか慈善活動をさせることが更生への道ではないかと思いました。
 刑事訴訟法四百八十二条一号には著しく健康を害するとき、同条二号には年齢七十歳以上であるときと規定し、刑の執行を停止することができるとなっています。
 例えば、受刑成績が特に良好、財産犯で被害弁償がなされ被害者が許している、刑期の二分の一を経過している、確実な身元の引受人がいる、特に満八十歳を超える人については優先的に考慮するなどの一定の基準を設け、仮釈放をさせることがコロナ感染症対策、人道的見地からも有効と考えますが、総理のお考えを伺います。
 緊急事態宣言により休業要請しておりますが、お願いする以上、最低限の補償があって当然だと考えます。
 今回、休業要請に応じた方々のみならず、売上げが減少し、休業を余儀なくされたお店のテナント料、家賃に対しても補償すべきと考えますが、総理の御見解を伺います。
 新型コロナウイルスにより、若者は進学、就職、将来に不安を持っています。
 若い人、やる気のある人に夢を与えるのが政治です。そのためには学生の奨学金返済の減免、給付型奨学金の拡充を大胆に行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 議場の皆さん、全ての産業、業種が大変ですが、自然と向き合っている第一次産業、中でも酪農家は、学校が休みになり、牛乳が余っており、もう一杯飲んでいただくと救いになります。同じく牛肉、水産物も滞っております。消費拡大の運動を政府と一緒になって我々も行い、一人一人ができることを実行するのが今求められているのではないでしょうか。
 安倍総理、五月九日、ロシアでの戦後七十五周年ファシズム戦勝式典が延期となりました。私は一月三十日の予算委員会でも、この式典に安倍総理が出席し、首脳会談を行い、北方領土問題解決、日ロ平和条約締結、それができるのは安倍総理しかいないと申し上げました。
 新型コロナウイルス終息後の日ロ関係に対する安倍総理の決意と覚悟をお聞かせください。
 安倍総理、戦後七十五年、今年は節目の年です。戦後、廃墟と化した日本が、国民の英知と努力で雄々しく立ち上がり、世界に冠たる地位を築きました。先人の労苦を振り返れば、この国難にも我々は立ち向かっていけると確信をしております。今、我々が直面しているのは、見えざる敵、新型コロナウイルスとの闘いであり、それは世界の国々との協力、連携が不可欠で、強いリーダーシップが必要です。それができるのは、安倍総理、あなたであります。
 議員の皆さん、今闘うべき相手は大災害ともいうべき新型コロナウイルスであり、政府ではありません。反対のための反対の政党では立ち行かないのであります。

#16
○議長(山東昭子君) 鈴木さん、時間が経過しております。簡単に願います。

#17
○鈴木宗男君(続) 危機的状況下の今、全会派、全国会議員ワンチームとなって知恵を出し合い、政府と協力し、見えざる敵との闘いに勝利することではないでしょうか。
 日本維新の会は、これからも……

#18
○議長(山東昭子君) 簡単に願います。

#19
○鈴木宗男君(続) 提案型政党として活動していくことをお約束し、私の質問といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#20
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 鈴木宗男議員にお答えをいたします。
 身を切る改革についてお尋ねがありました。
 我々政治家は、政策を実現するため、真摯に努力を続け、国民の負託に応えていかなければなりません。また、常に自らを省みる必要があることは当然です。日本維新の会がそうした観点から率先垂範して身を切る改革を続けてこられていることにつきましては、敬意を表したいと思います。
 その上で、政治に要する費用の問題は、議会政治や議員活動の在り方、すなわち民主主義の根幹に関わる重要な課題であることから、国会において国民の代表たる国会議員が真摯な議論を通じて合意を得る努力を重ねていかなければならない問題であると考えています。
 なお、安倍内閣においては、これまでも、行財政改革を引き続き着実に推進する観点から、内閣総理大臣にあっては月額給与及び期末手当の三割、国務大臣及び副大臣にあっては二割、大臣政務官にあっては一割に相当する額を国庫に返納しているところです。
 その上で、今般、十万円の特別定額給付金については申請を行わないこととしたほか、国会議員の歳費月額を二割減額する法案が成立すれば、歳費減額に相当する額を更に国庫に返納する方針です。それ以上の措置の要否については今後の国会での御議論を踏まえつつ、適切に判断をしてまいりたいと思います。
 マスク、防護服、そして消毒剤等についてお尋ねがありました。
 医療物資については、企業に対して増産や輸入拡大をお願いし、供給量の確保に取り組んでまいりましたが、今回の補正予算においては、千五百七十六億円を計上し、マスク等を国が買い上げ、物資が不足する全国の医療機関に届けるとともに、感染者の診療や検査を行う医療機関に国が直接優先的に医療物資を提供するための体制整備を早急に進めることとしています。引き続き、医療機関に十分な量の医療物資が行き渡るよう、万全を期してまいります。
 観光分野の地域振興策についてお尋ねがありました。
 現在は、感染拡大を収束させるため、国民の皆さんに外出自粛などを強くお願いをしているところですが、感染が抑制された段階で思い切った支援策を展開し、観光業の回復を強力に後押ししていきます。
 具体的には、従来のふっこう割と同様に宿泊旅行商品の割引を支援することに加え、地場の土産物店、飲食店、観光施設、交通機関など幅広く使用できるクーポンの発行により、観光需要をしっかりと喚起してまいります。
 まずは事業の継続、雇用の維持に全力を挙げることが重要ですが、その上で、これらの支援策により、厳しい状況にある宿泊業や旅行業、運輸業を始めとする地域の事業を支え、地域の消費喚起と再活性化を図ってまいります。
 刑事施設における医療体制及び仮釈放についてお尋ねがありました。
 刑事施設においては、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとされており、受刑者の人権を尊重し、受刑者の健康を保持することは国の責務であると考えています。
 また、仮釈放は、受刑者の改善更生を促進するなど刑事政策上極めて重要な制度であり、悔悟の情、改善更生の意欲、再犯のおそれ、保護観察に付することの相当性、社会感情を考慮して決定することとされており、引き続き適切に判断されるものと承知しております。
 休業を余儀なくされた事業者の家賃等に対する補償についてお尋ねがありました。
 緊急事態宣言により、休業の有無にかかわらず、多くの事業者の方々から、売上げが大きく減少する中で家賃の支払が大きな負担となっているとの切実な声を伺っています。
 このため、政府としては、ビル賃貸事業者の方々に対して、賃料の支払猶予などの柔軟な措置を検討いただくよう要請を行っています。事業収入が大幅に減少した場合の固定資産税の減免などの支援策を講じることにより、賃料の猶予がスムーズに行われるよう後押しいたします。
 また、テナントとなる中小・小規模事業者の皆さんに対して、固定費負担である地代、家賃などの平均を参考に最大二百万円を給付することにより、飲食店などの皆さんを徹底的に支援してまいります。
 このような取組を通じて、困難に直面している皆さんの事業継続をしっかり下支えしてまいります。
 奨学金についてお尋ねがありました。
 これまで安倍政権では、返還を必要としない給付型奨学金制度の創設や無利子奨学金の充実を進めるとともに、大学等を卒業後、経済的理由から奨学金の返還が困難となった方には返還の期間を猶予したり、将来の収入に応じて返還できる制度を導入したりするなど、きめ細やかな救済措置を講じてきたところであります。
 さらに、給付型奨学金については、本年四月に開始した高等教育の修学支援新制度において大幅に拡充するとともに、今般の新型コロナウイルスの感染拡大などの影響を受けて家計が急変した場合には、それを加味した所得見込みで支援の判定を行うこととしております。
 政府としては、こうした取組を通じて、家庭の経済事情にかかわらず、子供たちの誰もが自らの意欲と努力によって明るい未来をつかみ取ることができる社会をつくってまいります。
 ロシアとの関係についてお尋ねがありました。
 御指摘の式典の延期は、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大する現下の情勢を踏まえ、国内外からの出席者の健康と安全を最優先に考えて判断されたものと受け止めています。
 今後の外交日程については、新型コロナウイルス感染症をめぐる状況の推移等を見極める必要がありますが、状況が落ち着き次第、地域の安定と繁栄にとって重要な日ロ関係を、政治、経済、文化を始め幅広い分野で国益に資するよう発展させていきたいと考えています。
 北方領土問題については、一九五六年宣言を基礎として交渉を加速させ、領土問題を解決して平和条約を締結する、この方針に全く揺らぎはありません。私とプーチン大統領の手で成し遂げていく決意であります。(拍手)
    ─────────────

#21
○議長(山東昭子君) 田村智子さん。
   〔田村智子君登壇、拍手〕

#22
○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、安倍総理に質問いたします。
 初めに、新型コロナ感染症で亡くなられた方々に心より哀悼の意を表し、御遺族の皆様にお悔やみ申し上げます。
 感染症と懸命に闘う医療従事者の皆様をしっかりと支え、命、暮らし、営業を守る予算と施策となるよう全力で取り組んでまいります。
 政府がイベント自粛を呼びかけてから既に二か月、緊急事態宣言から三週間になります。手元資金がもうなくなる、事業を諦めるかどうかという事業者が日を追って増え続けており、生活と事業を潰さないという補正予算が切望されています。この立場から、提案を含めて質問いたします。
 一つは、持続化給付金です。中小企業に最大二百万円、個人事業主に同じく百万円というまとまった給付を一日も早く受けたいと、多くの事業者が求めています。ところが、給付対象は売上げ半減以下とされています。三割減、四割減でも倒産、廃業を目前にしている事業者はたくさんいます。なぜ救済の手を差し伸べられないのですか。また、新規事業者は前年同月比の売上げ減を示すことができません。要件を撤廃し、新型コロナの影響を受けている事業者を広く対象とし、継続的な給付を行う、こうした改善が必要ではありませんか。答弁を求めます。
 ある社会福祉協議会の窓口では、緊急小口資金の借入れも相談予約が六月になると答えています。また、雇用調整助成金は先に給料を払わないと助成が受けられないため、資金力の弱い事業者ほど使えないという矛盾に陥っています。これら全て、簡易な申請ですぐに資金を出すことが求められているのです。総理、制度があっても使えていない事態をどう認識し、どのように改善するのでしょうか。
 休業要請をしている都道府県の大多数、また全国各地の自治体が独自の協力金や支援金を出して、苦境にあえぐ地元中小業者を支えようとしています。しかし、その金額はばらつきが大きく、家賃の支払を含め、事業を支えるには少な過ぎます。
 同じ日本の中小企業、事業者なのに、支援に格差があるのはおかしいのではありませんか。多くの国民が、外出自粛、休業要請に国が補償をと求めてきました。国として統一した基準を示し、それに見合う財政支援を行うべきです。そのためにも、地方創生臨時交付金一兆円を少なくとも二倍に、その後も継続的支援を視野に、更なる増額を検討すべきではありませんか。
 非正規雇用、派遣労働は、三か月ごとに契約更新を繰り返す労働者が多数います。四月十八、十九日、全国で電話相談に取り組んだ団体には、こうした労働者から雇い止め、派遣切りによる生活苦、住宅を失ったなど、約五千件の相談が寄せられました。雇い止め、派遣切りが急速に拡大しているのです。相談を行った団体は、安易な解雇、雇い止めの規制、失業給付を早く支給し、給付日数を大幅に増やすこと、債務の返済停止、住宅確保、生活保護を緊急に受けられる措置など政府に緊急要望しています。
 仕事を失い、生活の見通しが立たない非正規雇用の方々を政府はどのように支援し、生活を守るのか、答弁を求めます。
 野党は、持続化給付金の拡充、雇用調整助成金の上限引上げなどを含む補正予算の組替え、家賃負担で事業者を潰さないための法案を共同で提案しています。生活と事業を守るために、こうした提案を真摯に検討していただきたい。総理の認識をお示しください。
 補正予算は、医療に関わる予算規模が余りにも小さ過ぎます。緊急交付金として一千四百九十億円、都道府県に二分の一の財政負担を求め、PCR検査機器購入、軽症者を受け入れる施設の確保、医療機関への支援などを行うとしていますが、これで感染症と闘えるのか、以下、具体にお聞きします。
 まず、PCR検査です。
 市中感染が増え続ける下で、大規模な検査が必要という判断から、検体採取を専門に行うPCR検査センターの設置が自治体の判断で始まりました。これを受けて、総理も検査センターをつくると明言しました。
 新宿区は設置に当たり一か所月五千万円の経費を見込んでおり、全国的に進めるためには大きな予算が必要なことは明らかです。総理、補正ではどれだけの予算を組んでいるのですか。また、地方二分の一負担では地域格差が生じるのではありませんか。PCR検査センターの費用は国が全額負担するという抜本策が必要ではありませんか。
 既に医療機関は感染患者受入れの限界に達しようとしています。政府は、感染ピーク時の病床数をどのように見込み、どうやって医療体制を構築するつもりなのでしょうか。
 感染患者を受け入れる医療機関を増やすためには、医療機関への大きな財政支援が必要です。
 愛知県は患者受入れ一人当たり最大四百万円として当面三十億円、杉並区は患者を受け入れる四病院に対して一か所平均二億円、三か月分として約二十四億円の予算を組んでいます。感染患者を受け入れると、人員強化と院内感染予防などで費用が増える。同時に、他の病床を減らすことで大幅減収となり、病院が経営破綻してしまうからです。総理は診療報酬を二倍にしたと胸を張りますが、それでも大幅な赤字は必至だと理解しておられますか。献身的に奮闘する医療機関に対して、必要な経費は全額持つ、赤字の心配なく頑張ってくれと言うべきではありませんか。
 感染者を受け入れていない医療機関も、患者数の減少で大きな影響が出ています。このままでは地域の医療機関の経営破綻が続出しかねません。今後、予想される第二波、第三波の流行に対処するためにも、安心して医療を継続できる支援が必要です。総理、そのための施策は補正予算のどこにあるのでしょうか。
 欧州では、介護施設の集団感染、死亡が相次ぎました。介護、障害者、保育の施設でも職員は集団感染の不安の中で勤務を続けていますが、感染防護対策への支援や減収対策も十分ではありません。抜本的な対策が急がれるのではありませんか。
 サージカルマスク、防護服、フェースシールドの不足は余りに深刻です。
 日本医師会は、サージカルマスクだけで月四億から五億枚が必要と試算し、このまま防護具がない状態で診療すれば医療崩壊が起きると厳しく指摘しています。
 ところが、政府のマスク調達は予備費と補正を合わせて六か月分で二・七億枚、防護ガウンやフェースシールドと合わせて二千億円足らずです。これで医療従事者を感染から守ることができるのでしょうか。
 私は、医療用マスクの必要量を製造時点から押さえて買い上げる戦略を持つべきだと提起してきましたが、厚労省は特定の事業者からの調達というやり方はできないと繰り返しています。しかし、安倍総理肝煎りの全世帯への布マスク配布は、あらかじめ国が買い取ることを約束して増産を要請したのではありませんか。医療用のマスク等防護具こそ、必要量を確実に調達する対策が必要ではありませんか。
 医療体制整備と文字どおり桁違いの予算が、旅行などを喚起するゴー・ツー・キャンペーン事業、約一兆七千億円です。これはいつ執行できるというのでしょうか。第二フェーズ予算は全額目の前の感染症との闘いに充てるべきではありませんか。
 終わりに、当初予算にも不要不急の予算は多々あるはずです。とりわけ、イージス・アショアや辺野古埋立てなど、地元の反対を押し切るような予算の執行を止めて、感染症から命と暮らしを守ることに集中するよう強く求め、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#23
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 田村智子議員にお答えをいたします。
 持続化給付金の要件についてお尋ねがありました。
 今回の感染症によって、現在、多くの事業者の皆さんが休業などで売上げがゼロになるような大変厳しい状況に置かれています。
 そのため、今回の給付金は、そのように休業を余儀なくされた事業者のみならず、大きな困難に直面している事業者の皆さんを幅広く対象に支援を行うものです。昨年創業した新規事業者についても、前年同月との売上高の比較ができない場合も含め支援対象とするなど、柔軟な対応を行ってまいります。
 まずは、この現金を一日も早く大きな困難に直面している事業者の皆さんのお手元にお届けすることができるよう、補正予算の速やかな成立に向けて、改めて御理解と御協力をお願い申し上げます。
 その上で、売上げが半減に至らない事業者にも、実質無利子、最大五年間元本返済不要の融資や、雇用調整助成金による人件費の補助、国税、地方税、社会保険料の猶予のほか、持続化補助金の上限額を通常の二倍の百万円に引き上げる特別枠を措置するなどの措置を総合的に講じ、経営状態の苦しい事業者の皆さんの支援に万全を期してまいります。
 緊急小口資金、雇用調整助成金の手続の簡素化等についてお尋ねがありました。
 緊急小口資金の貸付けについては、現在、都市部を中心に相談が集中していることから、当座の生活費に特に急を要する場合は、住民票等の添付書類が整わない段階でも、窓口への来所を促し、住民票等は後日提出とすること、相談を経ずとも郵送で申し込める環境を整えること、社会福祉協議会に加えて全国の労働金庫でも申請を受け付けるなど、手続の迅速化を進めているところです。
 雇用調整助成金についても、労働局、ハローワークの人員体制の大幅拡充や記載事項の半減、計画書の事後提出などによる手続迅速化、強力な資金繰り支援や税、社会保険料の大胆な猶予、さらには持続化給付金による手元資金の確保などの措置を講じることとしているところです。
 引き続き、あらゆる施策を総動員して雇用を守り抜くとともに、給付の迅速化を図り、支援を必要とする方に確実に給付が行き届くよう、現場の対応を徹底してまいります。
 休業要請と補償についてお尋ねがありました。
 休業要請を行っている自治体では個別に協力金をお配りする動きもあり、そうした自治体の独自の判断は尊重いたしますが、国としては、休業要請に応じ売上げが大きく減少してしまった皆さんはもちろんのこと、様々な事情で厳しい状況にある事業者を全国的に幅広く支援することとし、中堅・中小企業の皆さんには二百万円、フリーランスを含む個人事業者の方には百万円の現金給付を行うことといたします。
 これに加えて、雇用調整助成金を大幅に拡充し、特に休業要請に応じた中小企業については休業手当の全額を日額上限の範囲で国が肩代わりすることとし、さらに、延滞金なしで税や社会保険料を猶予することで手元資金を確保するとともに、実質無利子、無担保、最大五年間元本返済不要の融資制度によって資金繰りに万全を期すなど、あらゆる手段を駆使して事業の継続を強力に後押しし、雇用を守り抜いてまいります。
 こうした支援策を始め今回の緊急経済対策では、ほとんどの事業が地方公共団体の財政負担を伴わない全額国費負担の事業となっております。
 そうした中でも、今回の地方創生臨時交付金については、リーマン・ショック時の臨時交付金と同じ規模となる一兆円の予算を確保したところです。同時に、一兆円の予算が十二分に効果を発揮できるよう、御指摘のいわゆる協力金を含め、それぞれの自治体の判断によって自由度高く使うことができる仕組みとしたところであり、各自治体には、それぞれの地域の実情を踏まえながら、現下の困難に対応するため、効果的に御活用いただきたいと考えております。
 非正規雇用の人々に対する支援策についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、経済も大きな影響を受けており、事業者の皆様の経営にも大きな、大変な打撃となっております。
 こうした中にあって、政治に課された最大の使命は、何とか事業を継続していただき、また、しっかりと雇用を守っていただくことであり、そのために最大限の努力をし、できることは全て行っていく所存です。
 既に、経済団体等を通じて、企業の皆様に対し、解雇、雇い止め等を防止するため、雇用調整助成金、雇用調整助成制度の対象に非正規雇用を追加した上で、その活用を促すなど、最大限の経営努力を行っていくこと等をお願いしてきたところです。
 その上で、離職や廃業により住居を失うおそれのある方等に対しては、住居確保給付金を支給し、安定した住まいの確保を図るとともに、仕事が減るなどにより収入が減少し、生活に困窮されている方に対しては、八十万円までの返済免除も可能な小口資金の貸付けを進めています。このような重層的なセーフティーネットにより、雇用を維持するとともに、生活の下支えをしてまいります。
 補正予算の組替え、野党提案の法案についてお尋ねがありました。
 議員提出法案などの取扱いについては、国会でお決めになることであり、政府としてコメントすることは差し控えます。
 その上で、今回の補正予算では、現在の困難な状況の下で歯を食いしばって頑張っておられる中小・小規模事業者の方々に、この困難、難局を何としても乗り切っていただくため、最大二百万円の現金給付、雇用調整助成金の助成率の過去最大までの引上げなど、前例のない措置を大胆に講じることとしております。
 政府としては、まず何よりも、一刻も早くこれらの支援措置を困難に直面する事業者の皆さんのお手元に届けることが大切であると考えております。速やかな成立に向けて、改めて御理解と御協力をお願いいたします。
 検査体制についてお尋ねがありました。
 PCR検査については、医師が必要と判断した方が確実に検査を受けられるようにすることが重要と考えており、緊急経済対策において、検査体制の一日二万件への増加を行うこととしております。
 PCRセンターについては、感染を予防しながら効率的かつ集中的に検査を実施する取組として、これを感染者が特に急増している都市部などで広く実施していくことは効率的であると考えております。都道府県に対しては、PCR検査センターを設置し、地域の医師会等へ委託する形で運営することについて周知しているところです。
 政府としては、補正予算において千四百九十億円計上し、緊急包括支援交付金を新たに創設することによって設置等に関する都道府県の取組を支援するとともに、地方創生臨時交付金の活用により実質全額国費による対応も可能としているところです。また、これらの交付金とは別に、地域のPCR検査センターの運営等に要する費用について、国の負担分を補正予算に計上しております。
 医療機関等への支援等についてお尋ねがありました。
 患者数が大幅に増えた場合に備えて、病床の確保については、国から示した計算式に基づき、各都道府県において、ピーク時の患者数を見込んだ上で、これを踏まえて必要な医療提供体制を整備しているところです。現在、治療のために必要な病床として、感染症指定医療機関の病床を最大限動員し、三万二千を超える病床を確保しているところです。今後、更に感染が拡大した場合に備え、その他の医療機関における空き病床も活用することにより五万床を超える病床を確保していくこととしており、これらの病床を確保するための必要経費を補正予算に計上しております。
 また、病床の確保に併せ、軽症や無症状で入院している患者については宿泊施設等に移行していただき、既存の医療機関の病床を重症者の入院に重点化していくことを進めることや、重症患者のケアに必要となる人工呼吸器や個人防護具等の整備など、都道府県が必要な医療提供体制を構築していくため、しっかりと支援を行っていく考えであり、今回の補正予算において、緊急包括支援交付金を新たに創設をし、千四百九十億円を計上しているところです。
 新型コロナウイルス感染症により、経営に影響が出ている医療機関への支援も重要です。
 常に感染リスクに向き合う医療従事者の処遇改善に資するため、重症者治療への診療報酬を倍増するとともに、今般の緊急経済対策において、無利子、無担保を内容とする経営資金融資による支援を行い、経営が厳しい医療法人や個人診療所に対しては、今般の持続化給付金の対象とした上で、医療法人は二百万円、個人診療所は百万円を上限に現金給付を行うこととしているところです。このような緊急事態の中にあっても、介護や福祉の現場では多くの職員の皆さんが業務を続けてくださっており、国として必要な支援をしっかりと行ってまいります。
 高齢者施設等における感染予防対策のため、布マスク二千万枚を順次配布するとともに、消毒用エタノールについても優先供給の仕組みを構築いたしました。さらに、介護事業者等への経営支援のため、報酬等における特例措置や無利子、無担保を内容とする経営資金融資を創設するとともに、経営が厳しい事業者に対しては二百万円を上限に現金給付を行うこととしております。
 医療防護具の確保等についてお尋ねがありました。
 ウイルスとの闘いの最前線である医療現場に、一つでも多くの医療防護具を届けることは重要であり、サージカルマスク、N95マスク、ガウン、フェースシールドを国が買い上げ、物資が不足する全国の医療機関に届けるとともに、感染者の診療や検査を行う医療機関に、医療防護具を国が直接、優先的に提供するための体制整備を早急に進めることとしています。こうした取組によって、物資の不足による医療崩壊といった事態を招くことのないよう、政府として全力を挙げてまいります。
 なお、全世帯を対象とした布マスクの配布については、四月から五月にかけて、布マスクを一億枚程度確保できるめどが立ったことから、感染拡大の防止等を目的として実施してきたものであり、あらかじめ国が買い取ることを約束して事業者に増産を要請したものではありません。
 また、今回の補正予算では、収束後を見据えた対応について、事業者の皆様がこの機に事業計画の見直し等を行い、あらかじめ準備を行うことのできるよう必要な事業等を盛り込んだところでありますが、まずは感染拡大の防止と事業や生活、雇用の維持に全力で取り組んでまいります。(拍手)
    ─────────────

#24
○議長(山東昭子君) 増子輝彦さん。
   〔増子輝彦君登壇、拍手〕

#25
○増子輝彦君 国民民主党・新緑風会の増子輝彦です。
 共同会派を代表して、安倍総理に質問いたします。
 まず冒頭に、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方々の御冥福をお祈り申し上げます。また、治療中の皆様に一日も早い御回復をお祈りし、厳しい医療現場で治療に当たられている医療従事者の皆様に心から感謝を申し上げます。そして、国民の皆様には、感染されないように気を付けていただき、一日も早く穏やかな社会生活を取り戻せるよう、力を合わせていきたいと思います。
 全ての国民が、道はいかに長く険しくとも、力を合わせてコロナウイルスを克服していかなければなりません。そのためには、総理大臣が国民に信頼され、総理が国民を信頼しなければなりません。
 総理、あなたは国民に信頼されているとお思いですか。公文書の改ざん、隠蔽の繰り返し、森友、加計学園問題、桜を見る会、検事長定年延長問題など、挙げれば切りがないほど総理の言動は真実から程遠いと国民から疑われるといっても言い過ぎではありません。それでも、我々はこの国難を安倍総理の下で克服していかなければなりません。
 以下、質問に入ります。
 総理、ナチスと戦い抜いた第二次世界大戦の際のチャーチル首相のように、まず、国民の声、野党の提案に真摯に耳を傾けて、国を挙げて共に闘っていく謙虚な姿勢を明確に示す必要があります。総理と野党のトップによる国難突破協議会といったものを設置すべきですが、いかがでしょうか。
 総理は、二月二十七日に一斉休校を唐突に要請し、営業、外出の自粛要請、そして遅まきながら四月七日に七都府県に緊急事態宣言の発令と進めました。ところが今度は、僅か九日目に医療体制や経済対策が中途半端のまま宣言を全国に広げました。政権がダッチロールしているとしか言いようがありません。
 このように急いで拡大するなら、四月七日に全国一律に緊急事態宣言をしていれば感染拡大をかなり抑制できたはずです。総理の判断ミスと言わざるを得ませんが、いかがですか。
 また、五月六日までに危機を脱することができると考えているのか。できなかった場合には、延長することとすれば、何を基準に、いつ判断し、いつまで延長するつもりか、明確にお答えください。
 次に、医療崩壊が心配されています。感染防止のためのワクチンの開発、そして治療薬の実用化が肝要です。現状と見通しをお示しください。
 PCR検査はいつから希望者全員が受けられるのでしょうか。医療マスクや防護服、手袋などの不足はいつ解消し、人工呼吸器やECMOの必要な数と重症者を救命する集中治療室はいつまでに確保できるのですか。具体的にお答えください。スピードが求められています。
 命懸けでコロナ治療に当たっている医療従事者、病院にとり心配なのは、院内感染による病院閉鎖が起きることです。病院にもセーフティーネットが必要です。院内感染防止対策、医師が感染した場合の代替医師の確保などに使える緊急包括支援交付金について、地方の負担分が二分の一を全額国費負担に切り替えた上で、総額一兆円になるよう増額すべきです。
 総理、コロナ専門病床として自治体から指名を受けているコロナウイルス対応をしている病院で、風評被害で外来患者が既に三割、五割ほど減少をしていることを御存じでしょうか。風評被害や院内感染などで病院閉鎖に追い込まれてしまった場合の休業給付も検討すべきと思いますが、御所見を伺います。
 次に、閣議決定後の予算の組替えは極めて異例であり、異常です。総理、補正予算の提出が遅れたことも含め、この政治責任をどのようにお取りつもりか、お答えください。
 また、本来、緊急事態に伴う休業・自粛要請は補償とセットであり、補償なくして休業なしです。収入減に対する補償はいまだ微々たるものです。政府は、事業者やフリーランス、非正規社員の皆さんの苦境に思いが及んでいません。政治が暮らしや事業の脅威になってはなりません。資金繰りも金利・借入返済猶予も必要です。
 外出、休業要請とそれに連鎖する経済縮小と消費減少による収入ゼロ状態が続いています。今回の一律十万と中小・小規模事業者への持続化給付金が支給されても、とても生活と事業を継続できません。国民への追加給付を行い、持続化給付金を倍の四・六兆円に増額を求めます。
 また、地方自治体への理解と協力が必要です。自治体には財政力にかなりの差があり、休業補償をするにしても大きなばらつきが生じます。したがって、コロナ感染症対策の地方創生臨時交付金を四兆円増額して計五兆円として、自治体の裁量権を高めるべきです。共同会派として予算の組替えを要求します。
 また、我々は、収入が減った事業者にとり大きな支出項目である家賃の支払を猶予する家賃猶予法案を他党と協議しつつ準備しております。速やかな審議と成立を求めます。
 コロナ感染拡大により日本経済が深刻な景気後退に陥っているのは明らかです。四月以降、経済活動自粛により一段の落ち込みが確定的であり、ある経済研究所によれば、現時点で四月―六月期GDPがマイナス一六・五%と予想しています。このような状況でコロナ感染収束後の日本経済のV字回復を実現すると総理はおっしゃっていますが、その根拠と、その時期はいつになるか、予測しているのか、お答えください。
 先日、総理は自宅でくつろいでいる姿をツイッターで発信されました。総理のように余裕がある国民ばかりではありません。感染の恐怖と闘いながら、医療の最前線に立つ人たち、スーパーでレジを打ち、交通機関を動かし、宅配業務に汗を流し、幼い子供の世話をする人たちがいます。一方で、生活と事業の先行きが不安でならないのに、休業要請で仕事を休まざるを得ない人もいます。人々の暮らし、痛みを理解する必要があります。どのように受け止めているか、お答えください。
 学校にいつ行けるのか、新入学、進級で心弾む時期なのに、小学生、高校生ばかりか、大学生も不安を募らせています。学校給食もなくなって十分な食事を取れない困窮家庭の子供たちもいます。希望者には給食の代替措置が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 また、就職内定を取り消されたり、いまだに会社に行けない新卒者もいます。アルバイトもできなくなってしまった学生たちが学費納入に苦しんでいます。支援が必要です。安倍総理には彼らの不安の一つ一つに応える責務があります。御見解を。
 トランプ大統領はWHOへの拠出停止を表明しました。総理はWHOにどう向き合うおつもりなのか。トランプ大統領と親密な関係にあるならば、世界が一つになってコロナウイルスと立ち向かうためにWHOへの考え方を協議する用意はありますか。御所見をお聞かせください。
 最後に、コロナの脅威は、自国優先の全面的な転換を進めるのか、それとも国際連携を維持するかの選択を迫ってもいます。
 日本は、資源とエネルギー、食料を海外に依存し、また、産業も工業製品の海外輸出が頼りで、孤立化への転換がおよそ成り立たないことを認識しなければ国の進路を誤ります。自国第一主義は世界経済の停滞を招き、ブロック経済を生みかねません。先ほど申し上げたように、我が国の秀でた治療薬やワクチン開発を促進して、国として全面的に支援して、世界に貢献することを強く求めていきたいと思います。
 また、テレワークの拡大が就労形態を変化させ、余剰人員の存在が明らかになるかもしれません。だからといって、人員整理を進めれば、個別企業は利益を確保できたとしても、全体の需要と減退と経済の萎縮を招きます。
 コロナウイルスの脅威が終息した後、安心、安全な暮らしが守られる世界をいかに存続させるか、利益優先のグローバリズムを是正する機会にできるか、人類の英知が試されています。真の脅威はこれから訪れます。果たして、安倍総理には、大局を見据えてこの脅威に立ち向かう覚悟と準備がありますか。なければ……

#26
○議長(山東昭子君) 増子さん、時間が超過しております。簡単に願います。

#27
○増子輝彦君(続) 直ちに退陣してもらい、我々に政権を渡すことを求めて、御見解を伺い、私の質問を終わります。
 ありがとうございます。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#28
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 増子議員にお答えをいたします。
 私に対する国民の信頼と、政府と野党の協議の在り方についてお尋ねがありました。
 国民からの声は真摯に受け止めさせていただきますが、この国難とも言える状況の中で、総理大臣として国民の命と暮らしを守るため、先頭に立って責任を果たしていく、その決意に変わりはありません。
 野党の皆様も含め、国を挙げて新型コロナウイルス感染症に立ち向かうための一つの場として、政府・与野党連絡協議会をこれまで五回開催しています。各党から、新型コロナウイルス感染症に対する感染拡大防止対策や経済対策を始め様々な御意見をいただいているところです。
 国難とも言える新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止し、国民の命と健康を守り、国民生活や経済への影響を最小限に食い止めることは国家としての最重要課題であり、協議会で各党からいただいた御提案についても政府としてしっかり受け止めながら、この難局を乗り越えるために全力を尽くしてまいりたいと思います。
 緊急事態宣言についてお尋ねがありました。
 緊急事態措置については、私権の制限を伴うものであり、その実施に当たっては慎重に判断を行うべきとの指摘もある中で、四月七日には七都府県を対象として緊急事態宣言を行いました。
 これは、地域ごとの累積感染者数、クラスターの状況、感染源が分からない感染者数の動向といった地域の感染状況、医療提供体制の逼迫の状況、広域的な人の移動や交通の状況など地域の特性を踏まえ、基本的対処方針等諮問委員会の御意見を聞いて総合的に判断を行ったものであります。
 その後も、専門家の皆さんから各地の感染状況の分析を行う中で、都市部からの人の移動等によりクラスターが各地で発生し、全国的な感染拡大の傾向が見られること、特に、地方には重症化リスクが高いと言われる高齢者の方々が多くいらっしゃるため、いざ感染リスクが高まれば地域医療に大きな負担となりかねないこと、今後、特に、大型連休を迎えるに当たり、帰省等で多くの人の移動が生じることが想定されることから、諮問委員会の意見を聞いた上で、十六日に全都道府県を緊急事態宣言の対象区域としたものです。
 これらの判断は、時々刻々と感染状況が変化する中で、専門家の意見も踏まえながら適切に行われたものであり、御指摘のような判断ミスとは考えておりません。
 また、お尋ねの緊急事態宣言の解除の可否については、その判断要素についても専門家の皆様の御提言もいただきながら判断していきたいと考えておりますが、まずは、何としても八割の接触機会の低減を実現するべく、政府としても感染拡大防止に向けた取組を徹底してまいります。
 医療提供体制についてお尋ねがありました。
 治療薬、ワクチンの研究開発については、政府としても、一日でも早く国民の皆様の不安を解消できるよう、日本中、世界中の企業、研究者の英知を結集して開発を進めているところです。
 我が国が開発したアビガンについては、既に二千例以上の投与が行われ、症状改善に効果があったとの報告も受けています。希望する患者の皆さんへの使用をできる限り拡大するとともに、可能な限り早期の薬事承認を目指すべく努力をしております。
 また、日米が中心となって国際共同治験を実施してきたレムデシビルについても、間もなく薬事承認が可能となる見込みです。
 PCR検査については、医師が必要と判断した方が確実に検査を受けられるようにすることが重要と考えており、緊急経済対策において検査体制の一日二万件への増加を行うこととしています。
 サージカルマスクについては、既に五千八百万枚を都道府県に配布してきたところですが、今月中に更に千五百万枚を配布します。医療用ガウンなども感染者数の多い都道府県を中心に配布を開始していますが、今月中にN95などの高性能マスク百五十万枚、医療用ガウン百三十万枚、フェースシールド百九十万枚を都道府県を通じて全国に配布し、特に物資不足に直面している医療機関には、国が直轄して直接お届けする体制を構築しています。
 また、現在、治療のために必要な病床として、感染症指定医療機関の病床を最大限動員し、三万二千を超える病床を確保しているところであり、今後、その他の医療機関における空き病床も活用することにより、お尋ねの集中治療室も含め、五万床を超える病床を確保していくこととしています。
 このほか、人工呼吸器については約一万二千台以上、ECMOについては約九百台以上を使用可能な状態として確保しており、今回の緊急経済対策では、こうした機器を正しく使える知識を持った人材を養成するとともに、新たに緊急包括支援交付金を創設し、人工呼吸器やECMOの更なる整備を強力に推進してまいります。
 さらに、この緊急包括支援交付金による事業の実施に当たっては、地方創生臨時交付金の活用により、実質全額国費による対応も可能としているところです。
 新型コロナウイルス感染症の影響により休業した病院については、今般の緊急経済対策において、無利子、無担保を内容とする経営資金融資や、持続化給付金による現金給付策による支援を行ってまいります。
 緊急経済対策についてお尋ねがありました。
 感染症の影響が長引き、全ての国民の皆様が厳しい状況に置かれ、ウイルスとの闘いが長期戦も予想される中で、国民の皆様とともにこの難局を乗り越えていくため、全国全ての皆様を対象に、一律に一人当たり十万円の給付を行うことといたしました。
 決定に至ったプロセスにおいて混乱を招いてしまったことについては、私自身の責任であり、国民の皆様に心からのおわびを申し上げたところであります。
 一日も早く現金を皆様のお手元に届けられるように、実施に当たる自治体や関係機関の方々と協力し、政府を挙げて全力で取り組んでまいります。
 また、今般の補正予算では、厳しい状況にある国民の皆様の切実な声を聞き、売上げや所得の減少に充てていただくための支援に当面必要となる予算を計上しています。
 御指摘の持続化給付金については、今後も売上げが半減する事業者が更に増える可能性があることも考慮した上で、幅広い事業者の事業の継続を支えるための予算として二・三兆円を計上しており、地方創生臨時交付金については、地域の実情に合わせたきめ細やかな対策の実施に必要な財源として、リーマン・ショック時の経験を踏まえ、一兆円を確保しています。いずれも、今この時点において必要な水準を確保しているものと考えております。
 家賃支払の猶予については、外出自粛などの状況の下で、多くの事業者の方々から、売上げが大きく減少し家賃の支払が大きな負担となっているとの切実な声を伺っています。
 このため、政府としては、ビル賃貸事業者の方々に対しては、賃料の支払猶予などの柔軟な措置を検討いただくよう要請を行っています。事業収入が大幅に減少した場合の固定資産税の減免などの支援策を講じることにより、賃料の猶予がスムーズに行われるよう後押しいたします。
 また、テナントとなる中小・小規模事業者の皆さんに対して、固定費負担である地代、家賃などの平均を参考に最大二百万円を給付することにより、飲食店などの皆さんを徹底的に支援してまいります。
 その上で、御党が検討中の法案については、国会においてお決めになることと考えております。
 感染収束後の日本経済についてお尋ねがありました。
 世界経済は戦後最大ともいうべき危機に直面しています。我が国経済も、感染症拡大の影響により急速に悪化しており、まさに国難ともいうべき厳しい状況に置かれています。
 最も重要なことは、感染拡大防止と早期収束に全力を尽くすとともに、その間、雇用と事業活動、生活を守り抜いていくことです。
 このため、緊急経済対策を速やかに実行に移し、一日も早く必要な支援を皆様のお手元にお届けすることで危機をしのぎ切り、収束後の力強い回復の基盤を築いていきたいと考えております。
 現時点で感染症がいつ収束できるか、確信を持って予見することは専門家をもってしても困難ですが、とにかく今は、皆様に更なる御協力をいただきながら、一日でも早く収束させるべく全力を尽くしてまいります。
 人々の暮らしや痛みへの理解についてお尋ねがありました。
 御指摘のSNSでの発信については、最近二十代を中心に若者の感染者が増加しており、特に若者の皆さんに外出を控えてもらう必要があったことから工夫をさせていただいたものであります。もちろん様々な批判があったことということは受け止めておりますが、賛否両論あったのだろうと思います。
 いずれにしても、大切なことは、国民の皆様と力を合わせ、人と人との接触を避けることに力を尽くしていくことです。引き続き、年代を問わず、幅広い国民の皆さんにあらゆる手段を尽くして最大限の協力を求めていくとともに、感染拡大防止に向けた取組を徹底してまいりたいと思います。
 子供たちの食事の確保や、学生、新卒者への支援についてお尋ねがありました。
 学校の臨時休業期間中において、子供の食事を確保することは重要であると考えています。
 このため、政府としては、地方公共団体が学校給食の施設や調理員を活用したり、民間企業や子供食堂の運営者等と連携したりしながら地域の実情に応じた取組を進めていくことができるよう、必要な支援を行っています。
 新卒者の採用について、雇用調整助成金に特例措置を設け、新入社員の方々についても助成対象としたほか、内定取消しを受けた方などに対してはハローワークにおいて学校とも連携しながら新たな就職先の確保に取り組むなど、丁寧な就職支援に取り組んでまいります。
 今この厳しい局面においても、前途ある学生の皆さんの雇用を守るという決意で、全力で対応してまいります。
 さらに、本年四月に開始した高等教育の修学支援新制度については、今般、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響を受けて家計が急変した場合には、それを加味した所得見込みで支援の判定を行うこととしています。また、今般創設した緊急小口資金の特例等についても、収入の減少などにより返済が困難となった場合には、それを免除する仕組みを導入しています。
 政府としては、こうした支援を通じて、子供たちの食事の確保や、学生、新卒者の不安の解消に向けてしっかりと取り組んでまいります。
 WHOとの関係についてお尋ねがありました。
 トランプ大統領も参加した今月十六日のG7首脳テレビ会議では、今回のような世界に甚大な影響を与える感染症に対しては、WHOを中心に国際社会が一致して対応すべきであり、その上で、今後の同様の事態に備えるためにも、WHOの機能については、今回の事態が終息した後に十分な検証が行われるべきである旨述べたところであります。
 引き続き、WHOの国際機関と協力しつつ、米国を含め関係国と協調しながら、新型コロナウイルス感染症への対応を進めていく所存です。
 新型コロナウイルスの脅威に向き合う覚悟についてお尋ねがありました。
 まず、この脅威に打ちかつためには、国際社会全体が一致団結して対応することが不可欠です。その鍵となる取組は、有効な治療薬、ワクチンの開発です。一日も早く皆さんの不安を解消できるよう、世界の英知を結集して加速していかなければなりません。
 先般、テレビ電話で実施されたG7サミットでも、G20サミットでも、そのことを強く主張し、世界の首脳たちから賛同を得たところであります。研究開発を一気に加速するとともに、国際協調的な取組にも我が国がリーダーシップを発揮してまいります。
 また、このピンチを未来に向けた社会変革の契機とし、将来の成長につなげていかなければなりません。
 例えば、テレワークなど、社会のあらゆる分野でオンラインによる遠隔対応を進めていくことで生産性を向上させていくこともその一つです。こうしたイノベーションは、中長期的な産業構造の変化を招いています。このこと自体は避けられませんが、生産性が高く、新たな雇用ニーズも生まれることも確かです。
 さらに、今回の感染拡大によってあぶり出された経済構造の脆弱性に対処することも重要です。
 経済のグローバル化により、国際的な価格競争力に乏しい製品は生産の海外移転が進んだ結果、マスクや防護服など国民の安全、安心に係る製品について、中国等からの供給量が大きく減少するといった課題が生じました。このため、保健衛生、安全保障などの観点でも必要な製品は、単なる価格競争力だけで左右されない安定的な供給体制を構築することが必要であり、自由で公正なルールに基づく国際経済体制を堅持しながら対応してまいります。
 先行きが不透明で難しいかじ取りが求められている中ではありますが、私自身、国民の安全、安心を守り抜くとともに、我が国経済の持続的な成長のために全力を挙げることで、国民からいただいた負託にしっかりと応えていく覚悟であります。(拍手)

#29
○議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────

#30
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#31
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長松村祥史さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔松村祥史君登壇、拍手〕

#32
○松村祥史君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、国会議員の歳費の月額について、令和三年四月三十日までの間、二割削減する措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、本法律案と東徹君外一名発議による国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(参第六号)を一括して議題とし、質疑を行いましたが、その内容は会議録によって御承知願います。
 本法律案について質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本維新の会を代表して東徹理事より賛成の旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#33
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#34
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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