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2020/04/16 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 法務委員会 第7号 令和2年4月16日
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2020/04/16 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 法務委員会 第7号 令和2年4月16日

#1
令和二年四月十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     岩本 剛人君     山崎 正昭君
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     山崎 正昭君     宮崎 雅夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹谷とし子君
    理 事
                高橋 克法君
                元榮太一郎君
                有田 芳生君
                矢倉 克夫君
                柴田  巧君
    委 員
                磯崎 仁彦君
                小野田紀美君
                中川 雅治君
                福岡 資麿君
                宮崎 雅夫君
                山下 雄平君
                渡辺 猛之君
                櫻井  充君
                真山 勇一君
                安江 伸夫君
                山添  拓君
                高良 鉄美君
                嘉田由紀子君
   国務大臣
       法務大臣     森 まさこ君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局長   村田 斉志君
       最高裁判所事務
       総局人事局長   堀田 眞哉君
       最高裁判所事務
       総局民事局長
       兼最高裁判所事
       務総局行政局長  門田 友昌君
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   安東  章君
       最高裁判所事務
       総局家庭局長   手嶋あさみ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       内閣府男女共同
       参画局長     池永 肇恵君
       警察庁長官官房
       審議官      小柳 誠二君
       法務省大臣官房
       司法法制部長   金子  修君
       法務省民事局長  小出 邦夫君
       法務省矯正局長  大橋  哲君
       法務省人権擁護
       局長       菊池  浩君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      依田  泰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、岩本剛人君が委員を辞任され、その補欠として宮崎雅夫君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(竹谷とし子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省大臣官房司法法制部長金子修君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(竹谷とし子君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○小野田紀美君 自民党の小野田紀美です。早速、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。
 まず、今回の各定員の増減について、今後の民事訴訟事件審理、家事事件処理の内容や件数の伸びの予想を踏まえての必要性、また、今後IT化が更に進んだ先に人員がだぶついてしまったというようなことがないように、裁判の件数だけではなくて、これからのIT化のスピードであったりとか内容と仕事量をよく考えた上で、今後の中長期的な計画をお願いします。

#7
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答えを申し上げます。
 今回お願いしております増員は、民事訴訟事件の審理充実、これは複雑困難化への対応ということでございますし、また、家庭事件につきましては、当事者の対立が先鋭化しやすいということで、その充実強化ということで判事の増員をお願いしております。
 お尋ねの中長期的な計画ということでございますけれども、判事等の定員の今後の在り方につきましては、事件動向、事件処理状況、そして社会経済情勢の変化やこれに伴う事件の質的変化、法改正の状況など、その時々の諸情勢によって定まるものでございまして、もちろん中長期的な視点を持っての検討ということに我々としても努めているところではございますけれども、今申し上げました要素がなかなか中長期的にわたって正確に予測するということが難しい面があるということは御理解を賜りたいというふうに思います。
 その上で、事件の件数だけではなくて、IT化というところもよく考えてという御指摘かと思いますけれども、IT化の進展に伴う人的体制につきましては、このIT化のための今法改正の議論をされております。また、IT化のためにどういうシステムをつくっていくかというこの内容の問題もございます。IT化による事務処理の合理化、効率化、こういうことも図っていかなければいけないというところもございますので、これらを踏まえて検討していくということになるために、現時点で具体的に申し上げるというのは難しいところではございますけれども、いずれにしましても、裁判所としては、IT化の状況を踏まえまして、また、御指摘いただきました、この御指摘の趣旨かと思いますけれども、IT化が進んだ先に余剰人員を抱えるというようなことのないようにというところも十分踏まえさせていただきまして、必要な人的体制の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。

#8
○小野田紀美君 事件の複雑化がどうなっていくかというのはなかなか確かに予想が付きにくいと思うんですけれども、今まさにそのIT化に関してはおっしゃるとおり法改正をしているところで、これからもどんどんしていくと思いますので、どういうシステムを使うんだろうかな、ああ、じゃ、ちょっと五年後はこうなるかなというのを、難しい予想ながら、そこはちょっと敏感に感じていただきながらやっていただけたらというふうに思います。
 裁判所事務官の増員についてなんですけれども、先ほどもお話しになりました、裁判手続のIT化の検討、準備、裁判事務を支援するシステムの開発等の事件処理支援のための体制を強化していく中で裁判事務の合理的、効率的な運用を図り、事件処理が円滑に進むよう裁判部門の支援を行うための人的体制の確保が必要というふうに説明でされているんですけれども、今回増やす予定の三十四人というのは具体的にどのような支援体制に資する人材を登用するのか、またその人材をどういうふうに選定するのかをお答えください。

#9
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。
 委員の御質問は、今回増員をお認めいただいた場合に、その理由としていますところのIT化の推進等によって裁判事務支援あるいは事務の合理化をするという目的を掲げているわけでございますけれども、この目的を果たすために、その目的にかなった専門性を有する者を裁判所職員として新規採用するようなイメージをお持ちになった上で、その登用、選定等についてお尋ねになられているんではないかというふうに理解をしたんでございますけれども、しかしながら、裁判所の職員は国家公務員試験の一つである裁判所職員の採用試験の合格者の中から採用しておりまして、IT等の専門性に特化した採用の枠組みというふうにはなっていないという点が一点ございます。
 他方において、IT化に必要な専門的知識や技術などにつきましては、外部の専門業者からコンサルティング等により取得することの方がより専門性の高いものを効果的に得られるのではないかというふうに考えておりますので、現時点ではIT等の専門家を直接裁判所の職員として採用するという方向のところは考えていないところでございます。
 では、じゃ、今回のその増員の目的と増員とをどういうふうに結び付けていくんだというところかと思いますけれども、これにつきましては、増員をお認めいただいた場合にはそれをもちろん活用させていただいて、外部のその専門業者等から得られる専門的知識等のこの受皿となるIT化等の検討の部署がございます。これを中心に人的体制の強化を図りまして、その中で、その裁判手続や法制に関する裁判所が元々持っている知見と、それから外部から得られるようなITの技術面に関する知見とを効果的に組み合わせていくということによりまして、裁判手続のIT化の検討、準備を進める過程で生じる様々な問題、課題、業務への対応をし、また、裁判事務の合理的、効率的な運用を図るための各種システムの最適化を図って、併せて情報セキュリティー対策のより一層の充実強化ということを通しまして裁判事務を支援していきたいというふうに考えているところでございます。

#10
○小野田紀美君 じゃ、新しくIT人材をぼこっとこう三十四人というよりは、今の中でもできる人をそういった受皿の中にしっかり入れていきながら全体のボリューム感をしっかり確保していくという御説明ということですね。そうですね、確かに、採用の仕方が公務員試験というような、そこから採ってくるというようなことであれば、今の時点で多分、その公務員の中で、じゃ、あなたのITスキルがどうなんですかとかという試験はないとなると、確かに、外部から人材を呼んで、その中でしっかり連携をしていくというのが非常に重要だと私も思います。
 ただ、受皿になるといっても、本当に、今ちょっと若ければITできると思っている人が結構いらっしゃるんですけれども、実は、また若過ぎると、今度スマホしか触ったことなくてパソコンとかそっち系が分かりませんという方もいらっしゃったりするので、できれば、これは公務員試験全般に関わるんですけど、もうちょっとITスキル、これ議員もですけどね、ITスキルをしっかりできる人を採用していけるような仕組みをつくっていかなきゃいけないなと個人的には思いますが、是非その連携をしながら能力を高めていっていただけたらというふうに思います。
 この新しいところの話も、新しい方の話もさっき聞いたんですけど、今の在職者が書記官九千七百六十二名、事務官等が八千七百五十五名のこのITスキル、今いらっしゃる方たちのITスキルも、受皿の部署があるというけど、それ以外の方もこれからITは全部関わってくると思いますので、その方たちがこれから法改正をしてIT化がどんどん進んだときに戦力外になってしまうみたいなことがあってはいけないので、この少ない人数で効率的に回すための現在の職員の方のITスキルの向上の研修であるとかその能力の状況、今の状況というのはどのような状況になっていますでしょうか、教えてください。

#11
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。
 裁判所におきましては、従前からシステムの操作マニュアル等を整備いたしますとともに、個々のシステムの導入時を含みます各種の研修等を実施いたしまして、各職員が職務を行いながら習熟を図るということができるよう支援を行ってきたところでございまして、各職員におきましては、現在導入されておりますシステムにつきましては適切にこれを利用して事務処理を行うことができているものと承知をしております。
 今後とも、各種マニュアル等を整備いたしますとともに、研修等を行うなどいたしまして、各職員に対する適時適切な支援を行ってまいりたいと考えております。

#12
○小野田紀美君 現在のシステムには対応していただける、それはそうだと思うんですけれども、今後新しいものが入ってくるスピードも増えてくると思いますので、速くなってくると思うので、そういったところにも対応できる十分な研修の体制、マニュアル等の整備を引き続きよろしくお願いいたします。
 ちょっと、またもう一点、このIT化以外に御説明としていただいていたのが、女性活躍とワーク・ライフ・バランスの推進というところを理由に挙げていただいているんですけれども。
 これ、元々、国の指針として女性活躍・ワークライフバランス推進協議会の中でこれやっていくよという取組計画があって、裁判所もやっていこうということだと思うんですけれども、なので裁判所が悪いわけではないんですが、私、これ引っかかっていまして、女性活躍推進とワーク・ライフ・バランス、裁判所も五〇%以上女性職員がいるからこれやっていこうという、この書き方がちょっと引っかかるんです。
 なぜかというと、ワーク・ライフ・バランスをやらなきゃいけないのは女性だけではないんですよ。女性が増えたから、女性は子育てと仕事の両立が大変だろうからやろうねじゃなくて、男の人もするんですと考えたら、男の人もワーク・ライフ・バランス、育児と家庭と仕事の両立というのをもっともっと推進する空気をつくっていかないといけないというふうに思っているので、この資料によりますと、現在、男性の育児休暇取得率の目標が二〇%というふうに書いてあるんですけれども、これが現在どうなっているのか、また、今後、男性のワーク・ライフ・バランスをどのように考えていらっしゃるのか、こちらもお答えください。

#13
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 裁判所におきましては、御指摘のとおり、男性職員の育児休業の取得率を令和二年度までに二〇%とすることを目標といたしまして取組を進めてきたところでございますが、平成三十年度につきましては、女性職員の取得率が一〇〇%、平均取得期間が十五・七か月に対しまして、男性職員の取得率は三一・四%、平均取得期間は三か月というふうになっているところでございます。
 女性職員のみならず、男性職員につきましてもワーク・ライフ・バランスを実現できる勤務環境の整備はもとより重要と考えているところでございまして、これまでも、管理職員において部下職員の執務状況や家庭の事情等に十分目配りをいたしますほか、各職場において業務の効率化、合理化に取り組みましたり、仕事と家庭生活を両立するための各種制度の利用促進に努めるなどしてきたところでございますが、今後とも、男性職員の育児休業等の計画的取得の促進も含めて、こうした取組を進めてまいりたいと考えております。

#14
○小野田紀美君 目標を定めてもなかなか達成できないところが多い中で、令和二年度に二〇%の目標を掲げていたのに平成三十年度で三一・四%まで上げてきたという、これ本当にすばらしい取組だというふうに思います。
 ただ、また一点引っかかるのは、女性は一〇〇%で平均の取得期間が十五・七か月、男性は三一・四%で平均三か月ということで、短いというふうにやっぱり思ってしまうので、ここをどうやって両方一〇〇%で、この十五・七と三か月、確かに産休はもう女性しかしようがないのでいいんですけれども、育休はもう両方同じだけちゃんと取ろうよと、ここに余り隔離があるようなのもちょっとおかしいよねというふうに私は思うので。
 これをなぜそんなに言っているかというと、どうしても、女性活躍、女性活躍というふうに言うと、今度、男性が自分も育休でいっぱい子供と接したいですというのがなかなか、女性のためでしょうみたいに言われると職場の雰囲気的に言いづらくなってしまうというのがあるので、この書き方というのもまたいろいろちょっと心を留めていただいて、男性ももっとちゃんと子供を育てたいですという人は休めるような空気を一緒に、せっかく目標を超えてきてくださっているので、より高みを目指して頑張っていただきたいなというふうに思います。
 そして、ちょっと視点が変わるんですけれども、これから複雑化していく事件の中で、先ほど家庭事件の話がよりいろいろ難しくなってくるという話もありました。
 ここで調停委員のお話をちょっとしたいんですけれども、専門的な知見を要する事件において、例えば家事調停の調停委員などはどういうふうに選ばれているのかなというのをすごくいろんな人に聞かれるんです。
 専門家調停委員というのはどのように選んでいるのか、家事事件において。ほかのときでもいいんですけど、調停委員はどういうふうな基準で選ばれているのか、どういう人材が務めているのか、その方たちへの研修というのはどういうふうにやっているのか、また調停委員に寄せられるクレームとはどのように把握して対応しているのか、この調停委員の質の確保について是非お答えをいただきたいなというふうに思います。

#15
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 まず、家事調停委員を前提にお話しさせていただきたいと思いますが、家事調停委員の選任関係でございますが、家事調停委員は、家事紛争の解決に有用な専門的知識経験や社会生活上の豊富な知識経験を有し、人格識見の高い方の中から最高裁判所によって任命されます。
 候補者の選考に当たりましては、公正を旨とすること、豊富な社会常識と広い視野を有し、柔軟な思考力と的確な判断力を有すること、人間関係を調整できる素養があることなどに特に留意しなければならないものとされておりまして、これらを踏まえまして適切な人材が任命されるように努めてきているものと承知しているところでございます。
 次に、研修関係でございますけれども、実践的かつ効果的な研修を継続的に行っていくことが重要であるというふうに考えております。
 具体的には、新任の家事調停委員に対しましては、調停委員として必要な心構え、例えば当事者の話を中立公正な立場から丁寧に聞くことなどや基礎的知識を習得させる研修を行っておりまして、また、ある程度実務経験を積んだ後には事例研究などを通じて実践的な知識や技法を習得させる研修等を行っております。
 このように、調停委員の経験に応じた研修を行うなどしまして、適切な調停運営を行うことができるように支援しているものと承知しております。
 また、調停委員に対する苦情があった場合の対応等でございますが、当事者の方から裁判所職員に対して調停委員に対する不満の申出等があった場合には、その内容に応じまして、速やかに裁判所内で情報共有を図った上で、裁判所として調停委員に対する必要な指導をするなど、適切な対応、措置をとっているものと承知しております。
 さらに、質の確保、調停委員の質の確保についてでございますが、委員御指摘のとおり、当事者の方が調停手続において納得感のある解決を得られるようにするためにも調停委員の質の確保は重要と考えております。
 そのための取組といたしまして、多様な分野の人材を確保すべく、各裁判所におきまして、法律専門職を含む様々な専門職団体や地方公共団体に調停委員の採用について周知するなどのリクルート活動を行っているものと承知しております。また、任命された調停委員につきましては、先ほど申し上げましたとおり、経験年数に応じた効果的、実践的な研修を行うことで調停委員の質の向上に努めているものと承知しております。
 最高裁判所としても、今後も、任命、研修の両面において必要な取組支援を行ってまいりたいと存じます。

#16
○小野田紀美君 この話をいろいろするときに聞いたんですけど、例えば土地の争いであったら土地家屋調査士とか、あと弁護士とか、医療関係だったら医師とか、有資格者が調停委員として選ばれるときにはすごく分かりやすくていいんですよ、ちゃんとその専門的な勉強をした資格者。ところが、この家事事件に関しては、さっき言ったように、ほわっとしているんですね、その選ばれる基準が、社会的な常識があって、ある程度知識があって。そうなってくると、大体いい感じに人生を歩んできた地域の偉い人とか、そういう人が選ばれがちなんじゃないかなというふうに思うんです。
 これ、何でこういうことを言い出したかというと、調停を受けた人たちからすごい言われるんですよ。調停をしに行ったのに、いや、あなたの我慢が足りないのよとか、もう説教されて帰ってくる、何のための調停なのとか、さんざん、例えば養育費の問題だったら、親と暮らしている方が年収四百万、離れている方が二百万、それだけ見たらすごく親元、子供がいる方が収入がいっぱいあるから、養育費算定表でいけばここだよねというのがあるんですけど、実際よく話を聞いてみたら、家のローンをたんまり残して出ていかれたので、結局払う額というのが物すごい、収入があっても高いから、結局苦しい生活をしていると。だから、これぐらい、普通の算定表の養育費とかでは困るんですというのを調停委員にしっかり話しても、じゃ、それで、よく分かりました、でも結局は算定表で決まるんだけどと言われて算定表で決められちゃうとか、あと、世間話みたいなので帰ってきて、毎回弁護士費用が掛かって、何なのこれとか、この調停委員に対する納得感というのがなかなか、いい人ももちろんたくさんいるというのは分かっているんですけれども、専門家というその資格がないがゆえに不満感がすごくたまっているのがこの家事調停というふうに私は思っています。
 これ、長いですし、何度も何度もしますし、そうなってきたときに、もうちょっとこのクレームを真摯に受け付けていただいて、これ、注意をしてまた研修してというんですけど、その調停というのは一回限りしかないわけなんですよ、その人たちにとっては。そういう人たちが、リコールじゃないですけど、駄目だよねというふうになかなかならないシステムになっているというのがこれ私は非常に問題だと思っていまして、裁判官は、調査官とかはちゃんと二年間の研修があって、心理学とか心理テストとか社会学とかのこういう公正な、何というんでしょう、専門的な勉強をしていくわけなので、もうちょっと家事調停に関しても、専門家と言える人たち、要は、何というんでしょうね、いい暮らしをしてきて、なかなか、そういうトラブルを向き合って人生送ってこなかった方たちとか、なかなか、いろんな人がいるので、納得感のある調停をやることがこの裁判所全体への信頼につながると思いますので、ここは引き続き、私、もうちょっと見ていきたいと思いますし、また、一部、説によっては、裁判官が調停委員を選ぶので、調停、もうこんな調停委員じゃやっていられない、不成立にすると言ったらその選んだ裁判官の信頼にちょっとバツが付いてしまうから調停不成立になかなかしてくれないとか、いろんな今意見があります。誤解であれ、それが本当であれ、この一つ一つの思いを酌んでやっていかなくては信頼できる裁判ではないのかなというふうに思いますので、是非よろしくお願いします。
 質問一つできませんでしたけれども、今後のIT化を、法律が改正した暁には、各裁判所の職員の皆様にはしっかり対応していただいて、より国民が納得感を持って、スピード感を持ってこの裁判システムを利用できる、そういった裁判所を引き続き目指していっていただきたいと思います。
 定員の充足もよろしくお願いします。

#17
○真山勇一君 立憲・国民.新緑風会・社民会派の真山勇一です。今日は、この裁判所職員定員法についての質問をさせていただきたいと思います。
 私たちの会派は基本的に賛成の立場ということなんですが、一点、ちょっと質問させていただきたい点があります。
 お配りした資料を見ていただきたいと思います。司法試験の関係の数字の資料です。法務省からいただきました。
 左側の表が旧司法試験の推移ですね。それから、右側の横書きになっているのが新司法試験になってからの数字です。この新司法試験の方は、ちょっと見方が、右側から見ていきますね、右側から左側に向かって見ていくんですね、そういう表なんですが。
 この中で是非注目していただきたいのは、旧制度のとき、平成元年から記録をいただきましたけれども、一番左側が出願者数、右側が合格率なんですね。旧制度では、二万人、三万人、それから、一番多いときが平成十五年度、五万人超えています。これが最高ですね。それから、それで、合格率の方を見てみますと、大体二%から三%ぐらいということです。
 右側の新制度を見ていただきたいんですが、新制度は平成十八年から始まっています。これで見ますと、旧制度と新制度が併用されている時期がある、十八年から平成二十二年までの間。ですから、ちょっと平成二十三年以降で見ていただきたいんですが、志願者が一万人やっと。途中から九千人、六千人、令和元年、去年は四千九百三十人ということになっています。合格率の方は二〇%から三〇%、三人に一人ぐらいが合格ということで、合格率は確かに上がっているということなんですが。
 私、ここでちょっと注目したいのは、志願者が本当にこれもう激減しているということなんですね。今回の職員の定員法というのは訴訟環境改善のためのものであるということは承知しているんですが、気になるのは、そういう環境とは以前の法曹界の人材育成について、これちょっと問題があるのではないか。まあ長いこと関係者内では言われてきたことだと思うんですね。
 こういう旧制度から新制度になったこういう大きな動きについて、法務大臣、どんなふうな見方、評価をされていらっしゃるでしょうか。

#18
○国務大臣(森まさこ君) 法曹志望者の大幅な減少は深刻な事態であるというふうに受け止めております。より多くの有為な人材が法曹を志望していただきたいですし、質の高い法曹が多数活躍する環境を整備することは、国民に対する法律サービスということでも非常に重要であるというふうに感じています。
 このような中で、去る百九十八回通常国会において、法科大学院改革、司法試験制度改革を内容とする法科大学院の教育と司法試験等との連携に関する法律等の一部を改正する法律が成立しました。これにより、法科大学院教育の充実が図られるとともに、法曹資格を取得するための時間的又は経済的負担が大幅に軽減されることになりますので、この改正の施行を通じてより多くの有為な人材が法曹を魅力あるものとして志望するようになることを期待しております。
 法務省としては、この法改正の着実な実施及び円滑な導入に向けた取組について、文科省を始めとする関係機関との連携をこれまで以上に十分に図ってまいりたいと考えております。

#19
○真山勇一君 やっぱりこの辺は是非手を着けていただきたいことだなというふうに感じるんですね。法曹界の方も感じていらっしゃると思うんです。
 特にその中で法科大学院の在り方なんですけれども、この辺りを含めて、やはりどう改革するか考えていらっしゃるか、その辺をちょっと伺いたいと思います。

#20
○国務大臣(森まさこ君) この改正を通じても様々な御意見が寄せられたところでございますので、法科大学院の内容を含め、多くの意見に耳を傾けながら、より多くの人材が法曹を志願していただき、そして質の高い人材が多くこの法曹で活躍するという環境整備のために努力してまいりたいと思います。

#21
○真山勇一君 やっぱり、これ旧制度と新制度を見ていると、法科大学院というのができたというものをきっかけにして大きな変化が出たと思うんですね。これがうまくいったのか失敗したのかというのはそれぞれいろんな評価はあると思いますけれども、私は、その法曹界のいろんな方から聞いていると、やっぱり弁護士になるまで時間が掛かるとか、あるいは、学費が莫大に掛かって、卒業して弁護士になるときに何百万という借金抱えてスタートするということから、やっぱり弁護士に対しての魅力がなくなってきて志願者が少なくなっているんじゃないかという見方もあるわけですね。
 ですから、その辺りも踏まえて、法科大学院ももうできてから大分たちますんで、この辺どうなのか、やっぱり、通り一遍の評価ではなくて、やっぱりこの辺ちゃんと評価をして、大学院ですから文科省との関係もあると思うんですけれども、この辺り是非、法務大臣は弁護士さんの出身でもありますし、是非、これから法曹界を目指す人材のためのやはり司法試験の在り方というのを是非思い切ってこれ考えるときにもう来ているんじゃないか。
 今回、コロナで司法試験、今年、今年度は中止になったというふうに伺っています。やっぱり……(発言する者あり)えっ、延期ですか。延期ですね、ごめんなさい、延期ね。延期になったと伺っていますので、こういう時期にやっぱりじっくりこういうことを一回考えて、こういう大きなことのときにやっぱりどういうふうに対応できるかということを考えていただきたいというふうに思います。
 それでは、次の質問に移ります。コロナ対策についてお伺いしたいと思います。
 七都府県に緊急事態宣言が先週出されました。もう一週間余りたちます。ただ、二週間が山と言われていますけれども、なかなか感染者数、東京を始め減りません。非常に深刻な状態だと思います。この拡大防止のため、とにかく今現場では、医療関係者、医療従事者、それからコロナ対策に関わっている皆さん、いろいろいらっしゃいます。もう本当に夜を日に継いでのぎりぎりの活動をなさっているというふうに思います。いろんなことが起きています。その中で、数を減らす一番大事なことをもういろんな方が呼びかけています、専門家の方が。外出を是非自粛してほしいということですね、最も大切だと言っています。
 ただ、その一方で、なかなかその人出が減らない、特に繁華街なんかはそんな傾向があったという。それから、最近は各地の観光地がちょっと逆ににぎわいを見せているなんということもあるんですけれども、警察にお伺いしたいんですが、地方自治体から警察の方へ何かそういうことで協力求められているようですが、どんな対応をしているのか、お聞かせいただきたいと思います。

#22
○政府参考人(小柳誠二君) お答え申し上げます。
 緊急事態宣言を踏まえまして、東京都を始めとする七都府県の知事が新型インフルエンザ等特別措置法の規定に基づく外出自粛要請等を行っているものと承知をいたしております。警察といたしましては、知事からの要請を踏まえまして、外出自粛要請に伴う繁華街でのトラブル等の発生を防止するため、制服によるパトロールを強化し、警戒活動等の所要の措置を講じておりますほか、そうした活動を通じて、状況に応じ、国民に対し外出自粛要請が出されている旨の一般的な声掛けを行うなどの協力を行っているところでございます。
 引き続き、知事が新型コロナウイルス感染症拡大防止のための対応を行うに当たり、警戒活動等所要の措置を通じて適切に対応してまいりたいと考えております。

#23
○真山勇一君 一部の自治体の首長さんからこんな声が出ているんですよね、繁華街、特にナイトクラブなど、一斉立入りをする取締り強化をしてほしいというような言葉をおっしゃっていた方もいるようなんですが。これ、警察は、今、声掛けという話が出ましたけど、法的な根拠というのはどういうことになるんでしょうか。

#24
○政府参考人(小柳誠二君) お答え申し上げます。
 先ほど、状況に応じ、国民に対し外出自粛要請が出されている旨の一般的な声掛けを行うなどの協力を行っているところと申し上げたところでありますが、こうした活動につきましては、警察法第二条に規定をいたします個人の生命や身体の保護等、警察の責務を果たすための活動であるというふうに考えてございます。

#25
○真山勇一君 分かりました。
 一部の自治体の長の方には、その辺勘違いして、割と何か取り締まってもらうんだみたいなことをおっしゃっている方がいる。この辺はやっぱりそういうことじゃないという辺りを是非丁寧に説明をしていただきたいと思います。やっぱり警察は、今回こういうことがあって、一般市民も頼りにしていると思いますので、是非神経を使ってやっていただきたいというふうに思います。
 そういうことで、これ長引けば、いろいろな問題、治安の問題も出てくるという懸念も言われておりますけれども、警察官もやっぱり感染者出ていますね。例えば北海道ですとか、それから警視庁の管内も出ていますし、兵庫でも出ている、そんなことを言われているんですが、警察官が感染者が出た場合、警察の対応というのはどんなふうに、やっぱり、その周辺で接触した人が、接触した警察官は待機になってしまうようなことになると、やっぱり勢力がかなりそがれるんじゃないかと思うんですが、その辺の対応はどういうふうにしていらっしゃるんでしょうか。

#26
○政府参考人(小柳誠二君) お答え申し上げます。
 四月十五日までに、全国で合計六十名の警察職員の感染が判明しているというふうに承知をしてございます。職員の感染が確認された各都府県警察におきましては、保健所が行う濃厚接触者や感染経路等の調査に積極的に協力をしておりますほか、庁舎等の消毒の実施、当該職員と接触のあった他の職員の自宅待機措置及び健康観察の実施、それから、本部からの支援要員の派遣等による業務継続体制の確保等の取組を行っているものと承知をしております。
 このような取組によりまして、現在のところ、職員の感染が確認された都府県警察におきまして警察業務の継続について問題は生じていないところでございますけれども、引き続き、管内の治安維持に支障が生じることのないよう適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

#27
○真山勇一君 ちょっと、いつ終わるかという、その終息の時期がなかなか今見えないときですので、やはり警察が治安を守るということで、とても大事な立場ではないかというふうに思います。その一方で、やっぱり警察官はいろいろ声を掛けたりなんかして接触もあるわけですけれども、細心の注意を払ってやっていただきたい、皆さんも気を付けていただきたいというふうに思います。
 そうしたことの一方で、関連していろんなことも起き始めています。感染者ですとか医療従事者ですとか外国人に対して、感染した人に対する誤解とか偏見も少しずつ見られるという懸念も示されています。いわゆるコロナいじめとかコロナ差別という、そんな言葉を使ってやっておりますけれども、法務省としては、こうしたコロナをめぐる誤解とか偏見、こうしたこと、実態というのは把握しておりますでしょうか。

#28
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症に関連して、感染者や医療従事者等に対する誤解や偏見に基づく差別やいじめ等を行うことは許されないと考えております。
 また、そうした案件について人権相談等があった場合には本省の人権擁護局に報告するよう法務局、地方法務局に求めているところでございますけれども、今の段階においてどれだけの件数があったかというところまでの集積には至っておりません。

#29
○真山勇一君 じゃ、何か、そういうことに備えての具体的な何か対策考えておられますか。

#30
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。
 法務省の人権擁護機関におきましては、人権啓発であるとか、あるいは人権侵犯事件の調査、救済という形で、こういったコロナいじめあるいはコロナ差別と言われる事案に対して適切に対処していきたいと考えております。

#31
○真山勇一君 そういうのは、いろいろやっていてもなかなか末端まで届くということがとても大変だと思いますので、是非徹底してやれるように、是非そういう体制を取っていただきたいというふうに思います。
 そして、一番今コロナ対策で私たちに求められている外出自粛ですね、この外出自粛ということで、当然、家にいる時間が長くなる、家族と過ごす時間が増える。まあ逆の面で捉えれば、ふだんなかなか忙しいお父さんとお母さんと子供たちが話す機会ができていいなということもあるかもしれません。ところが、やっぱり在宅で勤務しているとなかなか仕事が進まないとか、あるいは、長時間家族が一緒にいることによって、逆にふだんなかなか見えないものが出てきてしまう。例えば家庭内のDVですとか、それから、最近はもう離婚が増えているというようなことも言われています。まあ日本ではまだそんなに大きな傾向ないということですけれども、例えばイギリスなどではDV被害の相談が二五%増えたというような報告も入っているそうです。それから、国連も、都市封鎖をしている国で家庭内暴力が急増しているという報告書、これを出したそうです。
 こういうことありますけれども、国内ではこうした傾向はどうでしょうか。それに対する何か手は打っておられるでしょうか。

#32
○政府参考人(池永肇恵君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス問題に起因する外出自粛や休業などが行われる中、生活不安、ストレスからDV等が増加したり、深刻化することが懸念されます。
 内閣府といたしましては、DV相談窓口について、内閣府のホームページやSNS等を活用した情報発信を強化しているところでございます。また、四月三日には、内閣府と厚生労働省が連名で、地方公共団体に対して、DVの相談対応から保護に至るまでの継続的かつ迅速な支援の実施を依頼いたしました。四月十日には、橋本男女共同参画担当大臣から、DV対応に関するメッセージも出しているところでございます。
 四月七日に閣議決定した緊急経済対策には、DV相談体制の拡充を盛り込んでおります。深夜、休日にも対応できる電話相談窓口の設置や、常に配偶者が一緒に家にいて電話できないという環境もあり得ることから、SNSや電子メールを活用した相談などを速やかに実施いたします。
 DVの被害に遭われた方が相談や支援につながることができるよう、相談体制の拡充などの取組をしっかりと進めてまいります。
 以上です。

#33
○真山勇一君 特に家族が一緒にいるし、その中からコロナに感染した方が出るなどということがあると、本当に不安とかストレスが大きくたまっていくんじゃないかというふうに思っています。やっぱり食い止めることが第一ですけれども、こうしたコロナのこと、とにかく長期間にわたりますので、このストレスとか不安で、本当にこれまで起きなかったような予想外なことが起きると思いますね。
 これ、やっぱり今の間にいろいろなことが起きるということをしっかりとつかんでいって、それで、またその後、終わった後、まだいつ終わるか分からないし、かなり長期にわたるということも考えられますので、やはりこれ、是非その後もしっかりと体制を取っていていただきたいというふうに思います。
 それから、法務省にまたお伺いしたいんですが、刑務所とか少年院というのがありますね。そういう、一つ、限られた空間ということなんですけれども、そういう辺りもやっぱりコロナの波は来ているんじゃないかと思うんですが、実際にどういうような状態になっているか、伺いたいと思います。

#34
○政府参考人(大橋哲君) お答え申し上げます。
 矯正施設における感染症の発生の予防及び発生した感染症の蔓延の防止は、多数の被収容者等を収容する矯正施設において、被収容者等の健康及び衛生を保持する上で重要な使命であると考えております。そのため、矯正施設においては、職員及び被収容者の双方に対する手洗いの励行、消毒の実施、換気等を徹底し、感染予防に危機感を持って取り組んでいるところでございます。
 今後、更に職員及び被収容者の健康管理に努めますとともに、感染症防止対策を徹底し、万全を期してまいりたいと考えております。

#35
○真山勇一君 ちょっと、すると、私どもが一般的に考えると、刑務所とか少年院の中の方、収容されている受刑者とか少年たちがかかるというケースは今までに、これまでに出ているのか、あるいは、そういうことが起きるとすると、どういうことで感染することが考えられるのか、ちょっと伺いたいと思います。

#36
○政府参考人(大橋哲君) 矯正施設に収容されている被収容者が感染症にかかる場合でございますけれども、まず第一に考えられるのは、矯正施設の職員から感染するケース、またあるいは、外部の様々な方が刑務所あるいは少年院に出入りしますので、そういう方から感染するケースが考えられるというふうに考えられます。
 職員に対しましては、感染症予防のための手洗い励行等、きっちり仕事をするようにというふうに指導しておりますし、また、外部からの施設に出入りする方たちに関しては、検温の実施あるいはアルコールによる手指の消毒、マスクの着用など、そういう指導を徹底いたしまして、施設内に新型コロナウイルスが持ち込まれないように徹底しているところでございます。

#37
○真山勇一君 万が一収容されている人に感染者が出た場合、その対応の仕方、例えば病院へ収容しなくちゃいけないと思うんですけれども、そういう辺りはどんなふうな方法を取るということを考えておられますか。

#38
○政府参考人(大橋哲君) 被収容者に感染が判明した場合でございますけれども、まず本人を単独室で収容するなどをいたしまして隔離をし、また、それに対応する職員につきましても防護体制を取って戒護をするとともに、保健所等と連携を取りましてその収容者を今後どうするかということを相談いたしまして、施設内で処遇する、あるいは保健所の指導により外部の病院に搬送するというような手だてになると思います。

#39
○真山勇一君 分かりました。
 今回のこのコロナ感染、どんなことが起きるか分からないというような状況が続いていると思います。是非その辺り慎重に対応をお願いしたいと思います。
 それから、ちょっとこれ質問には入れてなかったんですが、ここのところ、ちょっといろんなニュースやネットで伝えられている、刑務所で受刑者がマスク作りという記事が出ています。刑務所の作業というのはいろいろあるんですけれども、これ、マスク作りというのはこれどんなふうなことなのか、ちょっと説明をしていただきたいと思います。

#40
○政府参考人(大橋哲君) ただいま、民間企業からの受注によりまして布マスクの作成をしている施設が一部ございます。また、医療現場で不足している防護服の作成をしている施設も一部ございます。防護服の作成につきましては、今後、他の施設に生産を拡大するなど、検討しているところでございます。
 また、同じく不足しておりますアイソレーションガウンにつきましても生産をしてほしいというような依頼がございまして、現在、関係省庁と調整をいたしまして、協力できるものについては積極的に協力したいというふうに考えております。

#41
○真山勇一君 私、これ非常にいいアイデアだと思います。というのは、私も保護司をしている立場で、矯正施設の製作販売会何回か行っております。評価としては、とってもいい品物が出ているという評判を私は受けています。
 例えば家具ですとか、それからいろんな日用品で使うようなものを受刑者の方が作っておられる、それを一年に一回ですかね、販売をするということで、非常に評判もいいわけですね。品質もいい、しっかりできている。ですから、そういう人たちが、マスク作りって、ふだんやっていないから、これはまた技術を習得するのは大変だと思うんですけれども、でも、こういうことでマスク作りをやって、社会貢献が本当にできると思うんですね。
 私、これ大事なのは、作って配る、配った後やっぱり評価を、是非これ、いいアイデアなので評価を聞いていただきたい。評価を聞くことによって、やはり作った受刑者の人たちがどれだけそれで励まされるか。社会復帰のときに、もしかしたら自分は役に立てる人間ということがこういうことで私芽生えてくるんじゃないかと思うんです。これ是非、いいことなので、追跡調査をちゃんとして、評価を受刑者の、作った受刑者の方に伝えていただきたい、そう思います。
 そんなことで、ちょっとこういう制度を是非やっていただきたいので……

#42
○委員長(竹谷とし子君) 真山勇一君、お時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。

#43
○真山勇一君 大臣から一言だけ。

#44
○委員長(竹谷とし子君) 森法務大臣、簡潔にお願いいたします。

#45
○国務大臣(森まさこ君) 真山委員の御指摘、大変重要だと思います。
 特に、今の被収容者が社会の方の役に立っているというそういう意識を芽生えさせるという観点も、しっかり御要望を踏まえて、なお一層取り組んでまいります。

#46
○真山勇一君 終わります。ありがとうございました。

#47
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。今日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 まず、法律の質問に入る前に、若干、この新型コロナウイルスの関連で、裁判所の業務に関連して質問をさせていただきたいと思います。
 現在、緊急事態宣言が発出をされている状況下であります。当然、裁判所の裁判官、職員等においても、このコロナウイルスの感染対策を十分に行うこと、当然必要であるとともに、司法の機能を停滞させない、こうした職員の皆様の感染症対策と、またこの司法機能ということの両立が非常に重要かと考えます。
 そこで、今の現状とその方針について伺いたいと思います。

#48
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。
 最高裁といたしましても、感染拡大防止措置を徹底しつつ裁判所として必要な機能を維持することは極めて重要であるというふうに考えております。
 そこで、緊急事態宣言の対象地域に所在する裁判所におきましては、裁判所における新型インフルエンザ等対応業務継続計画に基づきまして、令状に関する事務ですとかいわゆるDV事件に関する事務など、特に緊急性の高い事件に関する事務を継続する体制とすることにいたしまして、裁判所として必要な機能を維持できる範囲に業務を縮小いたしまして、裁判所を利用する当事者あるいは職員の移動等をできる限り回避するというようなこととしております。
 裁判所職員の勤務体制につきましては、緊急の事態であることに鑑みまして、このような業務を行う上で必要な職員のみが裁判所に来て職務をし、それ以外の職員につきましては自宅において勤務をしているというところでございます。
 裁判所としては、今後とも、日々刻々と変化する状況を注視しつつ、適切な対応を取ることができるように検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

#49
○安江伸夫君 引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。
 また、これ前回、四月二日の法務委員会におきまして元榮委員が御指摘いただいた点でございますが、例えば、上訴などの期間制限がある手続についてどのように今般の新型コロナの影響を受けて対応されるのかということの御答弁で、例えば、民訴法九十六条や九十七条に基づく適切な判断をということで答弁いただきました。
 これを受けまして、特に上訴というものが非常に訴訟手続において重要である、審級の利益はもとより、裁判を受ける権利そのものに関わる重要な行為であります。
 したがって、この際、例えば民事訴訟法九十七条、訴訟行為の追完の規定、付言をいただきましたが、当事者のその責めに帰することができない事由、あるいはその事由が消滅した時点等について一定の指針を予測可能性を担保するという意味で示すべきと考えますが、いかがでしょうか。

#50
○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。
 今般の新型コロナウイルス感染症の影響により不変期間である上訴の期間を遵守できなかったとして、民事訴訟法九十七条の訴訟行為の追完の主張がされる場合が想定されることは委員御指摘のとおりでございます。
 ただ、今般の事態の下においては、同条の要件である、当事者がその責めに帰することができない事由により不変期間を遵守することができなかった場合であるかどうかや、その事由が消滅した時点がいつであるかについては、事案ごとの個別性もございまして、一般的な指針等を示すことにはなじみにくいというふうに考えております。
 もっとも、訴訟行為の追完が問題となる事案に関しましては、当事者の方から具体的な事由について主張、立証がされることになると思われますので、個々の裁判体において、これらの主張、立証に基づき、同条の規定やその趣旨も踏まえまして適切に判断されることになると認識しております。

#51
○安江伸夫君 是非、現下の状況を踏まえた適切な訴訟指揮ということをお願いをしたいというふうに思っております。
 それでは、本法の本体の内容について質問させていただきたいと思います。
 まず、本当に基本的なところになりますが、そもそも、今回、判事、判事補の増員を、定員を、員数を変えるということでございますが、前提として、判事、判事補、そもそもどうした権限、役割があるのか、どう違うのか、それについて確認させてください。

#52
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。
 判事と判事補につきましては、任命資格と職務上の権限、職権に違いがございます。
 まず任命資格の点でございますけれども、判事は判事補等の職にあって通算して十年以上になる者の中から任命されるのに対しまして、判事補は司法修習を終えた者の中から任命されると、こういう違いがございます。
 また、権限の方でございますけれども、判事は裁判官として完全な職権を有するのに対しまして、判事補は原則として一人で裁判することができないほか、裁判長になることもできないといったような形で、その職権が制限されているというところでございます。
 下級裁判所の裁判官の官職をこのように判事と判事補に区分しまして違いを設けている趣旨は、裁判官として完全な職権を有するためには、法曹として一定の期間、職務経験を積んで、法廷の主宰者として必要な資質能力を十分に備えることを要求することによって裁判の適正迅速な処理を図るとともに、裁判に対する国民の信頼を保持しようとするものと考えられるところでございまして、そのようなところから申し上げたような違いが生じていると考えております。

#53
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 その上で、今回、判事の定員を三十人増、また判事補の定員を三十人減ということでございます。こうしたことを行うということで、これによりそもそも業務に支障が生じないのか、その趣旨とするところを改めて確認をさせてください。

#54
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。
 令和二年度におきましては、事件動向及び事件処理状況を踏まえまして、民事訴訟事件の審理充実及び家庭事件処理の充実強化というこの観点から判事の定員三十人の増員をお願いしているところでございます。
 具体的には、民事訴訟事件は、昨今の社会経済情勢の変化や国民の権利意識の高まり等を背景に、個々の事件が複雑困難化するとともに、専門的知見を要する事件や先例のない事件が増加をしております。これらの複雑困難化する民事訴訟事件を適正迅速に処理するためには、三人の裁判官によって構成される合議体による審理を更に充実させていくことが必要と考えております。
 もう一方の家庭事件でございますけれども、高齢化社会の進展等によりまして、成年後見関係事件が増加する中で、成年後見制度利用促進基本計画に基づく自治体ですとか各種団体の取組が進められておりますが、裁判所としてもこれに積極的に対応していくことが求められているところでございまして、さらには、それとはまた別に、審判、調停事件の件数が非常に高い水準にありますが、当事者の対立が非常に先鋭化しやすい子供をめぐる事件等、解決が容易でない事件というのも多くございまして、これに適切に対応していく必要がございます。
 そのために事件処理にたけた判事の定員を三十人増員するということをお願いしている一方で、判事補につきましては、これは充員がなかなか難しいという状況が続いておりまして、平成二十九年三月三十一日に、衆議院の方でございますけれども、法務委員会の附帯決議等をいただいているということもございまして、これらを総合的に踏まえて検討した結果、判事補の方は定員三十人を減員するということをお願いしているところでございます。

#55
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 そして、今回、その三十という数字であります。なかなか答えにくいところかもしれませんが、三十、どうしてこういう数字になったのか、御説明いただけませんか。

#56
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 三十という判事増員数の根拠につきましては、多くの庁では裁判官がいろいろな種類の事件を合わせて担当しておりますので、単純化して計算式のようなものを用いてお示しすることができないということは御理解を賜りたいと思うんですけれども、申し上げたとおりの複雑困難化する民事訴訟事件のほか、増加する成年後見関係事件、あるいは当事者の対立の先鋭化が激しくなっている子供をめぐる事件等に適切に対応していくためには判事の増員が必要であるというところと、その一方で、判事の給源、申し上げましたとおり、十年の経験を経てというようなところで、判事の給源というのは限られておりますので、すぐになれるというものでもございませんので、いただいた定員をちゃんと充員できるのかという見込みも踏まえました結果として三十人という増員をお願いしているところでございます。
 一方、判事補の減員数の方の三十でございますけれども、これにつきましては、先ほど申し上げたとおり、その充員が困難な状況が続いておりまして、先ほど申し上げた附帯決議等を踏まえた結果と、あわせて、それを減らしても当面の事件処理ですとか判事補の採用に悪影響を与えないかといったところも考慮いたしまして、三十人は減らさせていただいてもそこに支障はないと考えてお願いをしているところでございます。

#57
○安江伸夫君 最大限丁寧に御説明いただいたというふうに思いますが、やはり三十という数字、できれば数字等、事件数の動向等を踏まえて説明できるのが最大限ベストかなというふうに思うので、そうした要望をさせていただきたいというふうに思います。
 一問飛ばしまして、今回の定員の改定に限ったことではございませんが、判事、判事補の定員の増減によって影響を受けるのは当然当事者でありますが、やはり現場の裁判官の皆さんも影響を受けるかというふうに思います。裁判官の員数は法律事項でございます。国会のコントロール下にあるわけでありますが、裁判所という組織の一員である裁判官の皆様の声、現場の声といったものもきちんと聞き届けるという民主的なプロセスができる限り必要ではないかと思います。また、そうした実際の現場の声を聞くということが不可欠であるかというふうに思いますが、この定員の変更に当たって現場の裁判官の声を聞く機会があったのか、確認させてください。

#58
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 人的体制の検討に当たりましては、事件動向や事件処理状況に応じたものとすることが重要と考えておりまして、裁判官の加わります各種の協議会あるいは研修等の機会を捉えまして現場の実情の把握に努めてきたところでございます。その中では、現場の裁判官から、個々の事件が複雑困難化しているということですとか、先例に乏しい非典型的な事件の対応に苦慮しているといった声を聞いてきたところでございます。
 こうした事件処理の実情を踏まえまして今回の増員をお願いしているところでございまして、今後も各庁における事件処理の実情を把握し、これを踏まえて適切な事件処理が図られるよう、必要な体制の整備に努めてまいりたいと考えております。

#59
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 時間の都合上、最後の質問にさせていただきたいと思います。最後に、法務大臣にお尋ねをさせていただきたいと思います。
 今回の法改正は、裁判所の適正かつ迅速な事件処理等、事務の合理化及び効率化を更に進めるということでございます。そうした観点で、今後もこういった員数については検討していくべきかと思いますし、先ほど小野田委員の方からも戦略が必要だという指摘がありました。やはり、員数は法律事項でございます。やはり、法務大臣の戦略的な観点、またリーダーシップが必要かと思います。今後の中長期的な戦略について、法務大臣の御所見をお伺いします。

#60
○国務大臣(森まさこ君) 裁判所職員の定員については、業務の性質上、事件の質や量といった事件動向が特に重要な考慮要素となりますので、訴訟事務の在り方や充員の見込み等を踏まえて多角的に検討する必要があると考えております。これらを長期的に予測することはなかなか困難であるということから、毎年、最高裁判所において必要な検討をした上で、必要に応じて所要の見直しを行っているものと承知をしております。
 裁判所の体制整備の在り方については、裁判所を取り巻く様々な状況を踏まえて最高裁判所において適切に判断されるべきものと考えておりますが、安江委員の御指摘もございますので、法務省としても、裁判所職員定員法を所管する立場から、引き続き、最高裁判所の判断を尊重しつつも、国民に身近で頼りがいのある司法を実現するために適切に対処してまいります。

#61
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 最後に、これ、通告していないので質問はしないんですが、先ほど司法試験のことについて真山委員から指摘がありました。今回、延期を受けて多くの司法試験受験生、大変に不安な思いに駆られると思います。経済的にも本当に苦しい中、二回目、三回目の受験にチャレンジしている受験生がいらっしゃいます。私自身も受験生のことがありました。是非、そうした司法試験受験生のことにも全力で法務省は取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#62
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
 質問に入る前に一言。今日は、我が党所属の議員がそれぞれの委員会などで同趣旨のことを申し上げることにしておりまして。
 というのは、何かというと、先般、自民党さんと立憲民主党さんの国対委員長会談で、議員歳費を二割一年間限定でカットするということのようであります。果たして一年間でいいのかというのが私たちの考えでありまして、東日本大震災のときも二年間の時限措置でやりました。我々は反対しましたが、そのまま元に戻って今日に至っております。復興特別税はいまだに多くの国民の皆さんに御負担をお願いをしているわけで、その後も私どもは二割報酬カット法案を出し続けておりますが、また先般の緊急提言でも盛り込んでおりますが、なかなか御賛同を得られませんので我々は自ら二割カットをしているところですが、今般こういうまた話が出てきたことは結構なことでありますが、一年間で限定で果たしていいのか。これはやっぱり、我々が申し上げているように当分の間ということにすべきではないかと思っていまして、是非、全議員の、また会派の皆さんの御賛同を得られるようにお願いを申し上げて、質問に入りたいと思います。
 まず最初は新型コロナウイルスの感染の問題でありますが、いわゆる矯正施設でも今大変広がりを見せております。今月五日には大阪の拘置所で四人の刑務官が、続いて十一日には東京拘置所で収容されている六十代の被告が、そして、今日の新聞によりますと、昨日でしょうか、北海道の刑務所でこれは刑務官が感染したということのようであります。
 この拘置所や刑務所は、いわゆる三つの密がそろっているようなところでありますから、一気に感染が拡大するのではないかと懸念をいたします。過去には、インフルエンザですが、やはり刑務所の収容者が集団感染したんですが、このときは治療薬もあるし、あるいは隔離策で何とか鎮静化していったということのようですが、新型コロナの場合は今のところ治療薬もありませんので、しかも、収容者が感染した場合、重症でなければ民間の医療機関に入院できない可能性もあるということですから、大変厄介だということになろうかと思います。
 そういう中で、十三日でしょうか、この矯正施設での感染対策を検討するための作業チームが設置をされて防止策の検討に本格着手をしたということですが、今後、ガイドラインを作成をして全国の矯正施設で共有するとともに、危機管理上の対応策も検討するということですが、早急にこれはやはり作業を進めるべきではないかと思いますが、どのように取り組もうとしているのか、大臣にお尋ねをしたいと思います。

#63
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘ありがとうございます。
 元々、私の方で、コロナ対策に限らず、こういった危機的状況のときに対応できるためにということで、大臣就任後、法務省危機管理専門家会議というのを立ち上げておりましたが、その専門家会議の下にぶら下げる形で矯正施設のコロナ対策に特化したタスクフォース、これを立ち上げさせていただいて、専門家会議の中から三名の矯正施設又はコロナ対策に専門的な委員に入っていただいたという形でございます。
 現在、大阪拘置所及び月形刑務所において職員の新型コロナウイルスの感染が判明し、また東京拘置所において被収容者の感染が判明しているところでございます。
 大阪拘置所に関して言えば、一例目が発生した直後に、関連している接触職員を広めに取りまして、百十九名もの職員を自宅待機にいたしました。その自宅待機の中から現在まで五名出ているという観点でございます。
 こういった閉鎖的な空間であることを踏まえての対処というものを、御指摘のとおり、ガイドラインに落とし込んでこれを全国共通の認識にして横展開していくというために、タスクフォースを立ち上げてガイドラインを作成をしているところでございます。これまでも何回も随時通知を出しておりますが、またガイドラインを迅速に作って共有してまいりたいと思います。

#64
○柴田巧君 本来もっと早くそういうきちっとした対応をされるべきだったと思いますが、いずれにしても、これ以上広がらないように早急に作業を進めていっていただきたいと思います。
 では、本法案に関連をして、先ほどからも一部出ておりますが、裁判手続のIT化についてお聞きをしたいと思います。
 この裁判手続のIT化、欧米では、海外では随分進んで、アジア諸国でもシンガポールや韓国など随分普及、定着をしておりますが、我が国では残念ながら大変これも遅れてしまっておりまして、昨年公表された世界銀行のビジネスのしやすさランキングの裁判分野では日本は五十位に位置しているところであります。
 ようやく、先ほどからもお話があるように、IT化の作業が進んできているところでありますが、基本的にこのIT化を進めることは賛成ですけれども、迅速な裁判への効率化と同時に、この民事訴訟のIT化は、民事訴訟を国民にとってももっと利用しやすい仕組みにするということ、あるいは利用者の目線に立ったものにしていくというのは必要だと思っていまして、そういう中で懸念されるのは、一つはやはりデジタルデバイドの問題かと思います。
 やはりインターネットは、六十代から若い世代はほとんどの方はできるとしても、それから上の人はやはりなかなかできない人もかなりまだいらっしゃるというような状況ですから、オンライン申立てを義務化した場合に、ITに習熟していない人たちの司法アクセスを損なうことになってはなりません。
 したがって、裁判所や法テラス等においてサポートのために必要なサービスを提供するということが不可欠だと思いますが、どのようなことを検討しているのか、お尋ねをしたいと思います。

#65
○政府参考人(金子修君) まず、法務省からお答えします。
 委員御指摘のとおり、民事裁判手続等のIT化を進めるに当たり、将来オンライン申立て等が広く義務化された場合には、代理人として弁護士等が選任されていないいわゆる本人訴訟について、IT機器を有していない本人やその利用に習熟していない本人に配慮した十分なサポート体制を構築することが重要であると認識しております。そのようなサポート体制を構築するためには、日本弁護士連合会、日本書士会連合会等の士業団体等を含めた関係機関が連携、協力して取り組んでいくことが必要であると考えております。
 例えば、御指摘のあった法テラスにおきましては、関係機関とも連携した上で、IT化に伴いサポートが必要となる方に対し、IT化された民事裁判制度や相談窓口に関する情報提供を行うこと、契約弁護士等による法律相談援助等において法的助言を含めた実質的なサポートを行うことが考えられます。また、例えば裁判所のシステムにアクセス可能な機器を設置して利用者に提供し、訴状等の書面の電子化等のサポートをすることも考えられるところでございます。
 今後、IT化の範囲や導入されるシステム等の具体的内容等を踏まえ、法テラスにおいて提供可能なサポートの内容について検討してまいりたいと考えております。

#66
○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) 裁判所の方からもお答えいたします。
 裁判所としましても、その公平中立の立場といったことにも配慮しながら、IT機器に習熟していない方に対し必要なサポートを行っていくべきものと認識しております。
 具体的には、例えば裁判所に提出する書面の電子化作業を行うための機器を裁判所に設置するというように、裁判所の中立性に反しない範囲でのサポートを外部機関のみならず裁判所においても行うといったことが考えられるところでございます。
 委員の御指摘も踏まえまして、裁判所においてどのようなサポートを行うことが相当であるのかにつきまして、法制審議会における調査審議と並行して、今後しっかりと検討してまいりたいと存じます。

#67
○柴田巧君 是非、そのITに習熟していらっしゃらない方が司法アクセス権を損なうことのないように十分配慮して準備を整えていただきたいと思います。
 また、この訴訟記録には個人情報や企業秘密なども含まれておりますので、もし万が一サイバー攻撃などを受けた場合は情報が漏れていくということが心配をされます。そうなると、当事者だけではなくて、が被害を被るだけではなくて、司法全体の信頼も損なうということになりかねません。
 そこで、この民事裁判のIT化を進めるに当たってはサイバー攻撃からの防御など情報セキュリティー対策が非常に重要だと考えますが、どのように取り組んでいこうとしているか、お聞きをしたいと思います。

#68
○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) 委員御指摘のとおり、民事訴訟手続においては個人情報や営業秘密などの機微な情報を扱いますので、情報セキュリティー対策には十分な配慮を要すると考えております。システムの具体的な設計は、法制度の具体的な内容を見ながら今後作業を進めていくことになりますけれども、裁判上の機微な情報が漏えいすることのないよう、必要なセキュリティー対策を講じるよう努めてまいりたいと考えております。

#69
○柴田巧君 是非この面でもしっかり対応を取っていただきたいと思います。
 ちょっと時間の関係があるので一問飛ばしていただいて、次の質問に移りたいと思いますが、先ほどもございましたが、このIT化が全面的に実現されれば、当事者や弁護士さんなどの利便性が向上する効果も期待されますが、何よりもこの審理期間が短縮をされる、あるいは事務処理の合理化が図られるということになりますので、そうなれば、この裁判官の定員削減なども含め、裁判所職員の定員や業務の在り方をやはりいろいろ検討する必要性が出てくるのではないかと思っていますが、先ほども質問がございましたが、改めて私の方からも、重なる部分はありますが、最高裁の所見をお聞きをしておきたいと思います。

#70
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。
 裁判手続のIT化が進んでいきました場合には、これに伴って事務処理のやり方自体も変えていかなければいけないというところも多々出ようと思いますし、その中の局面におきましては事務処理の合理化も期待されるというところは委員の御指摘のとおりであろうというふうに考えております。
 裁判手続のIT化の進展が裁判所職員の定員等を含む人的体制に与える影響については、現時点で確たることを申し上げるのは難しいところでございますけれども、事件数の動向や事件処理の状況に加えまして、IT化によって事務処理がどう変容していくかというところをしっかり踏まえながら、必要な人的体制の整備に向けた検討、実施を努めてまいりたいというふうに考えております。

#71
○柴田巧君 そのIT化に向けては大分出口が見えつつありますので、そういう段階になってきましたので、それを踏まえた今後の定員やあるいは業務の在り方を、検討の準備をしっかりしていただきたいと思います。
 次に、司法通訳のことについてお尋ねをしたいと思いますが、在留外国人などが増えるに伴って、外国人の法的紛争などが増える傾向にあります。全国の地裁、簡裁でそのために通訳人が付くということになりますが、裁判などで。付いた事件はこの数年で一・六倍から七倍ぐらいに増えています。
 そういう意味で、この司法通訳の確保は大事なんですが、これは一方で、しかし、司法通訳の数はこの数年で、六、七年で逆に四千六十七人から三千五百三十三人、五百人ぐらい減っているわけで、この司法通訳の確保、育成というのは大変大事になってきていると思いますが、どう取り組むのか、お尋ねをしたいと思います。

#72
○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、通訳人の確保、育成は裁判所にとって重要な課題であると認識しております。
 まず、通訳人の確保のための取組としましては、法廷通訳に関するパンフレットを大学や大使館等に配布したり、裁判所のホームページにおいて通訳人の募集を行うといった広報活動に加えまして、近時、裁判官が通訳人候補者の供給源となることが期待される大学に出張しまして法廷通訳に関する説明会を実施する取組を行っており、これらの大学のネットワークを活用して通訳人候補者を紹介していただく協力関係も構築しております。
 また、通訳人の育成に関しましては、毎年、通訳人候補者を対象としまして、通訳言語や法廷通訳経験の多寡等に応じました三種類の研修やセミナーを全国の高裁、地裁で実施しております。これらの研修ではいずれも模擬記録を用いての模擬通訳実習を行うなどしておりまして、法廷通訳の経験が豊富な外部講師からのアドバイスを受けながら、法廷通訳の実践的な知識や技能を習得できるようにしております。
 今後も引き続き状況を注視しつつ、法廷通訳の充実に努めてまいりたいと考えております。

#73
○柴田巧君 この司法通訳については、確保も大事なんですが、これ最後の質問にしますが、大臣にお聞きしますけれども、質の、レベルの向上といいますか、それが非常に重要だと。過去には公判での誤訳が問題になったケースもありますし、それによって冤罪になるということも、可能性もないわけではありませんから、通訳の質を担保することがどうするかというのは非常に重要なことだと思います。
 ただ、今、現段階では日本にはそういう資格制度みたいなのは残念ながらありませんで、語学に堪能な人の中から書類審査あるいは面接で選ばれているということでありますので、アメリカやオーストラリアのように、質を担保するためにもその司法通訳の資格制度を我が国でも設けるべきではないかと思いますが、大臣の御見解を聞いて最後にします。

#74
○委員長(竹谷とし子君) 森法務大臣、御簡潔にお願いいたします。

#75
○国務大臣(森まさこ君) はい。
 委員御指摘のとおり、通訳人の質の確保、大事な問題だと思います。国家資格制度はアメリカなどではあるということですが、現在日本にはありません。
 法廷通訳人のその質の向上については、現在裁判所において研修やセミナー行ったり、実際の通訳人の選定に当たっても、事件内容に応じて適切に運用しているものと承知しておりますが、こうした裁判所の運用状況にも注視しつつ、この質の確保に向けての選択肢の一つである国家資格制度についても慎重に検討してまいりたいと思います。

#76
○柴田巧君 終わります。ありがとうございました。

#77
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 私からも、新型コロナに関わって、拘置所、刑務所での面会制限について伺います。
 法務省は、緊急事態宣言の対象となった七都府県の拘置所や刑務所で被告人や受刑者が面会できる相手を原則として弁護人に限定をすると、その措置をとっていると報じられております。しかし、刑事収容施設法上、感染予防のために面会を制限できる規定はありません。また、判決確定前は無罪推定の原則があります。接見交通権といって、弁護人以外の人と面会するのは権利であります。例えば、先日無罪となりました湖東病院事件の西山さんのように、毎月両親が面会に来てくれて無罪を争う支えになったという場合もありますし、これは冤罪で服役中の場合にも同様のケースがあり得ると思うんです。
 この面会制限の法的根拠は何か、また認めるケースもあるのかどうか、大臣に伺います。

#78
○国務大臣(森まさこ君) 現下の新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえて、緊急事態宣言下においてその対象となった七都府県の刑事施設で、被収容者の生命や健康の保持を責務とする刑事施設として、面会の実施による被収容者や職員への新型コロナウイルスの感染を防ぐために弁護人以外の外部の方の面会者の立入りをお断りしているものでございますが、特に法的な根拠があるわけではございません。
 ですので、その例外については個別の事情に応じて刑事施設の長が判断をするということになっておりまして、例えば当該被収容者への福祉的支援の必要などから面会を認めることが相当な場合には面会を認めることとしております。

#79
○山添拓君 外出自粛が要請されておりますので、面会したくても控えざるを得ないという方が多いと思います。それでも面会を希望するというのはよほどのケースですので、弁護人以外は一律面会禁止という運用にならないように留意していただきたいと思います。
 最高裁は二〇一六年六月に新型インフルエンザ等対応業務継続計画、BCPを発表し、これは先ほども議論になっておりましたが、感染症が発生した下でも継続する業務と、中断、縮小する業務とを定めております。
 ちょっと伺いますけれども、これ、最少で何割ぐらいの職員が出勤できるという想定なのでしょうか。

#80
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。
 どの程度の職員が必要かにつきましては、これは担当する部署によりまして様々でございまして、なかなかそれを一律に何割という形で申し上げるのは困難な状況にあるということは御理解いただければと思います。

#81
○山添拓君 BCPの中では、被害状況の想定として、最大四割が欠勤するということも書かれております。ただ、これは、職員が感染をするとかあるいは家族の看護が必要だとか、こういうことを想定しているもので、感染拡大防止という観点は必ずしも反映されていないんだと、私、読ませていただいて思いました。今、出勤の七割削減が呼びかけられていることを考えますと、このBCPでは想定外の事態が起こっていると、こう言わざるを得ないと思うんですね。
 そこで、感染拡大の防止というのは、利用者にとっても職員にとってももちろん重要です。同時に、国民の裁判を受ける権利の保障もおろそかにしてよいものではないかと思います。そのバランスをどのように取っていくのかということで、先ほども議論がありました。
 ちょっと東京の弁護士に話を聞きますと、四月の民事事件というのは全件取消し、そして追って調整ということになっているそうなんですね。和解が間近の事件のように、このタイミングでなら解決できたのにと、こういうケースもあると伺います。ですから、長期化を見据えて必要な対応をお願いしたいと思いますけれども、最高裁の対応はいかがでしょうか。

#82
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 最高裁といたしましては、感染拡大防止措置を徹底することと国民の裁判を受ける権利に配慮をしつつ裁判所として必要な機能を維持することは、それぞれ重要な問題であると考えております。
 御指摘のようなその二点、さらには、職員、利用者の健康確保といったところも含めまして、このバランスをどう取っていくかというのはなかなか難しい問題であるというふうには考えておりますけれども、感染拡大の程度等あるいは今後の状況変化、各庁の実情をしっかり踏まえつつ、適切に検討してまいりたいというふうに考えております。

#83
○山添拓君 是非それは丁寧な対応をお願いしたいと思います。
 外出自粛要請で自宅で過ごす時間が長くなる中で、子供に対する暴力、虐待の増加が懸念されております。ユニセフなどの共同声明は、学校休校が世界の十五億人の子供たちに影響を与えているとし、移動の制限や収入の減少、社会から隔絶され過密した生活環境でストレスや不安が高まる中、以前から暴力的な扱いを受けていたり適切な育児環境になかった子供たちが家庭で身体的、心理的あるいは性的虐待を経験したり目撃したりする可能性が高まっていると警鐘を鳴らしております。特に、学校が虐待の兆候をつかめないということは深刻だと思うんですね。
 厚労省に伺いますが、現状について児童相談所などからはどのような状況が報告されているでしょうか。

#84
○政府参考人(依田泰君) 学校休業や外出自粛等が行われる中で、子供の生活環境の変化を的確に把握していくことが重要となっているところでございまして、こうした認識は地方自治体も持っておりまして、要保護児童対策地域協議会等を通じまして、支援対象児童等の状況の把握等に関して協議が行われているものと承知をしております。
 特に、委員から御指摘ございましたけれども、これまで学校において日常的に見守りを行っていた子供については、子供と接触する機会が減少していることに鑑みまして、学校現場等とも連携いたしまして、例えば、学校の休校の期間中の登校日におきまして教職員等が支援対象児童と面会いたしまして状況の聞き取りを行うことや、また、学校が配付したタブレット等のIC機器を用いて状況の確認を行うなどの対応につきましても、地域の実情に応じながら行っていただいているものと承知しているところでございます。
 厚生労働省といたしましても、こうした地方自治体の事例も収集して、またお示ししながら、学校現場での取組を通じた子供の状況の共有、また、要支援児童につきましての状況の把握を行う体制についての確認を改めてお願いしているところでございます。

#85
○山添拓君 ちょっと伺いたいんですけれども、政府の緊急経済対策では、配偶者間のDVについては相談体制の拡充に予算を計上していると、先ほどお話もありました。児童虐待については、新たに予算化する予定があるんでしょうか。

#86
○政府参考人(依田泰君) お答え申し上げます。
 学校休業や外出自粛等を行う中で、児童虐待を早期に発見して未然に防止していくための体制の整備は重要と認識しております。
 こうした観点から、例えば予算の関係でいいますと、これは新規に計上したものではございませんけれども、従来から厚生労働省としましても児童虐待の通報のダイヤル、これ一八九でございますけれども、無料化を実施をしているところでございます。また、こうした窓口、また子供との関わりについての工夫のポイント等も含めまして、ツイッター及びフェイスブックも活用して周知啓発に努めているところでございます。
 それから、令和二年度予算で大幅に拡充しておりますけれども、国庫補助事業におきまして、児童本人からの相談にも対応できるSNSを活用した相談窓口の設置事業ございますけれども、こうした事業の活用を通じましたSNSの相談窓口の設置の検討についても自治体に依頼しているところでございます。
 こうした取組も含めまして、児童虐待の早期発見や未然防止が図られるよう、状況をしっかり注視しながら、地方自治体と連携してしっかり取り組んでまいりたいと存じます。

#87
○山添拓君 次の質問にももうお答えいただいたんですけれども、予算を新たに付けるということではなく従来の枠組みでというお話なんですね。従来の延長でよいのかどうかについては改めて検討いただくべきだと思います。
 私が質問しようとしておりましたのは、これ新たな虐待事案を見逃さないことも大事だろうという観点で、今、国際NGOのセーブ・ザ・チルドレンが政府に対して要望を出しております。子供が相談しやすい状況をつくるために、従来からある電話の相談窓口だけでなくSNSですね、先ほどもお話ありましたが、子供が家にいても使える相談窓口を拡充することや、子供には暴力から守られる権利があるということ、相談窓口があるということの周知啓発が必要だと、こういう指摘をしております。これ、やはり急いで必要だと思いますので、引き続き是非取り組んでいただきたいと思います。
 資料でお配りしておりますが、児童相談所への児童虐待の相談件数は急増しております。二十年前の十四倍、十年前と比べても三・六倍です。虐待する親から子を守るための親権制限や児童福祉法二十八条による施設への入所措置など、家庭裁判所の審判、承認に当たって家裁の調査官が関与する事件も増えています。
 ところが、裁判所は二〇〇九年以来、家裁調査官の増員を要求すらしなくなりました。少年事件が減ったからだとされておりますが、少年事件は質的に変化をし、かつて多かった集団的な非行とは異なり、家族構成や経済的背景、生育環境の個別の分析が求められるようになっています。虐待事件でも個々に深く実態解明することが欠かせません。
 最高裁、伺いますが、かたくなに増員を求めないのはなぜですか。

#88
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。
 最近の事件動向といたしまして、児童福祉法二十八条の事件ですとかあるいは子供をめぐる事件が全体として増加傾向にあるというところは委員御指摘のとおりでありますし、そういった事件におきまして家裁調査官の役割が重要であるということも同様の認識を持っておるところでございますけれども、家事事件全体の事件数の増加傾向は平成二十九年から百万件を突破してなお増加しておりますけれども、この傾向の大きなところといたしましては、やはり主には成年後見関係事件が累積的に増加しているというところのボリュームが非常に大きいところでございます。ところが、この成年後見関係事件では、裁判官、書記官の果たす役割というのが非常に重要な一方、家裁調査官がその専門性を発揮できる部分というのは非常に限定的なところだというところでございます。
 また、御指摘にもございましたが、少年事件の事件数を見ますと、平成二十一年には十七万二千七百五十一件であったものが平成元年には五万六千五百八十一件、これは推計値でございますけれども、こういった形で十万件以上減少しているという、まあ激減でございます。
 このような事件動向や事件処理状況等を考慮した結果、令和二年度におきましては現有人員の有効活用をすることによって家庭事件の適正迅速な解決を図ることができると判断したものでございますけれども、今後の事件動向や事件処理状況等を踏まえまして必要な体制整備には今後も努めてまいりたいというふうに考えております。

#89
○山添拓君 先ほど村田局長御自身が、判事については子をめぐる事件を理由にして増やしてきたという説明されたんですね。調査官については十年以上定員増を求めないと。これはやはり現場の実態にそぐわないと思いますし、少子化の下で、離婚事件や子の監護をめぐる事件、これ、調査官が関わる事件が、事件数においても、その割合においても増えております。これ、反映させるべきだと指摘をしたいと思います。
 最後に、新型コロナがもたらす影響は既に社会の各層で甚大に及んでいます。今後、労働事件や破産執行事件、あるいは児童虐待やDVなど、更に増大していくことも想定されるだろうと思います。これらに対応できる人員体制を整えていくことが必要だと考えますが、最高裁の見解を伺います。

#90
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 新型コロナウイルス感染症の蔓延は国民生活に甚大な影響を及ぼしておりまして、そこから生じる法的紛争に対して適切に対応していくことは裁判所の責務でございますので、そのために必要な体制整備を図ることは極めて重要だというふうに考えております。
 今、この新型コロナウイルスが猛威を振るっていて、それに対していろいろな取組もされている最中でございますので、今後の事件の動向にこれがどのような影響をもたらすかということは、現時点では何とも分かりかねるところでございますけれども、いろいろな影響は確かにあり得るだろうなとも思いますので、裁判所といたしましては、この蔓延に伴う影響を含めて、引き続き、これが事件動向等にどう影響を与えるかなどを注視して、事件処理に支障を来すことのないように必要な体制整備に努めてまいりたいと考えております。

#91
○山添拓君 本法案は、裁判所職員について抜本的な増員を行わず、定員シフトで地方から大規模庁への定員振替を続け、地方の人員不足に拍車を掛ける結果となっております。全体としても十七名の減員で、これは過去最大です。政府の総人件費抑制方針に裁判所が追随し続けている結果だと言わなければなりません。その姿勢を改めて、全国であまねく司法サービスを充実させる、それによって国民の裁判を受ける権利を保障することができるように重ねて求めまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#92
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美でございます。
 裁判所における女性活躍についてお伺いします。
 裁判官、調査官、書記官など、裁判所の職員に占める女性の割合と管理職に占める女性の割合について伺います。最高裁判所の方、よろしくお願いします。

#93
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。
 令和元年十二月一日現在におきます裁判官に占める女性の割合は二二・六%でございます。
 裁判官以外の裁判所職員につきましては、令和元年七月一日現在の数字ということになりますが、裁判所書記官が三五・九%、家庭裁判所調査官、これは家庭裁判所調査官補も含んだ数字でございますが、が五四・四%、裁判所事務官が四三・二%というふうになっております。
 裁判官以外の裁判所職員の令和元年七月一日現在におきます最高裁課長相当職以上に占める女性の割合は一四・三%、下級裁の課長と最高裁の課長補佐相当職に占める女性割合は二八・三%、係長相当職に占める女性割合は四五・五%となっております。

#94
○高良鉄美君 今ありましたけれども、最高裁を含めて上級審に行けば行くほど女性の割合は低いというのがありますけれども、最高裁は、たしか裁判官、女性の方お二人ですね。それ以前は三名だったと思います。各小法廷にお一人いたんですけれども、後退していると言った方がいいのかもしれません。
 最高裁は、二〇一七年九月一日から裁判関係文書においても旧姓の使用を認めています。
 最高裁にお尋ねしますが、二〇一七年九月以降、旧姓使用の申出がなされた件数をそれぞれお示しください。

#95
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) それぞれの時点で旧姓を使用している者の人数ということでお答えさせていただきますが。
 そういう旧姓使用者の数でございますが、裁判関係文書につきましても旧姓使用を認めることといたしました平成二十九年九月一日の時点におきましては裁判官が十八人、裁判官以外の職員が二百三人でございましたところ、その後につきましては、毎年十二月一日現在の数で申し上げさせていただきますと、平成二十九年十二月一日現在では裁判官が二十八人、裁判官以外の職員が二百二十九人、平成三十年十二月一日現在では裁判官が五十一人、裁判官以外の職員が三百十五人、昨年、令和元年十二月一日現在では裁判官が七十九人、裁判官以外の職員が四百九人となっております。

#96
○高良鉄美君 今お示しいただいたように、毎年上がっていっているということでありますけれども、こういった面も含めまして、女性活躍の振興というんですかね、そちらにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 家事事件の増加に伴う家庭裁判所の充実についてお伺いします。
 訴訟事件件数の中で増えているのが、この家事事件のみなんです。それで、その事件内容も複雑化して、紛争の自律的解決としての調停合意に向けて困難な状況もあると承知しております。専門性を持つスタッフの果たす役割は極めて大きく、家事事件の増加、複雑化に伴い、調査官、医師などを増員するべきとの意見も多くあります。最高裁は、現有人員の有効活用によって全体として適正迅速な処理を図ることが可能であると、こういった姿勢ですけれども、現場からは逆に、裁判官だけじゃなくて、人的、物的にも更なる充実を求める声が上がっています。
 改めて、家裁の充実についてどのように取り組まれるのか、最高裁に伺います。

#97
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。
 令和二年度におきましては、民事訴訟事件の審理充実と併せてではございますけれども、家庭事件処理の充実強化のために判事三十人の増員をお願いしておりますが、これのみではございませんで、家庭事件処理の充実強化のために裁判所書記官八人の増員もお願いしているところでございます。
 家事事件の新受件数が高水準にございまして、特に、高齢化の進展を背景として後見関係事件が増加傾向にございます。その適正な処理を図るとともに、成年後見制度利用促進基本計画に基づく市町村や各種団体の取組に対して家庭裁判所も積極的に協力してまいりたいと考えているところでございます。
 また、近年の少子化や国民の権利意識の高まり、あるいは家庭の問題解決機能の低下というようなところも言われているところでございまして、これに伴いまして、当事者の対立が先鋭化しやすい子をめぐる事件等も高水準にございます。こうした中で、裁判官が適切にリーダーシップを発揮しつつ、調停委員と連携して、事案ごとの特徴を見極めながら円滑に調停運営を行うなどして当事者の納得性の高い調停を実現し、面会交流などの当事者の対立が激しく解決が容易でない事件にも適切に対応していきたいというふうに考えております。
 裁判所としては、今後とも、事件動向を注視しつつ、家庭裁判所がその役割を適切に果たしていくことができるような人的な体制の整備という点では今申し上げたお願いをしておるわけでございますけれども、このほかにも、パンフレットの充実ですとか庁舎の設備の整備といった物的なところにも併せまして体制整備ということで対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。

#98
○高良鉄美君 家事調停を含めて取り組んでいくということで、これだけ複雑な状況に、そして多様化しているということから、是非また取組を深めていただきたいと思います。
 渉外家事事件、そしてハーグ条約案件ですね、こういったものの増加によって、国際化による当事者の多様性、人間関係、親族関係が希薄化して、当事者間の合意形成が困難なことも少なくありません。また、家族関係の多様化、例えば再婚家庭の形成における面会交流、養育費問題など、非常に複雑化しております。
 調停、審判において、紛争解決のためにより一層専門性が必要だと言われています。裁判官の増員には賛成ですが、その他の職員も削減するべきではないということを申し上げて、外国人も含めた多様化、国際結婚もありますので、この家事調停委員を含め、民事調停委員を含めて、この調停委員の任命において外国籍の者を排除していることについて伺いたいと思います。
 前回といいますか、四月七日の法務委員会で、調停委員任命において外国籍者が排除されている問題について質問いたしました。最高裁の答弁には到底納得できません。
 改めてお伺いしたいと思います。
 前回の質問で、外国籍の者を排除している法的根拠について質問したところ、法的根拠は示されませんでした。それは、調停委員は公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員に該当し、その就任には日本国籍を必要とすると答弁されました。
 調停委員が公権力を行使するとおっしゃっていますが、過去にどのような公権力を行使したのでしょうか。また、国家意思の形成に参画する者ではないという実態面をどういうふうに認識されていますでしょうか、お伺いしたいと思います。

#99
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。
 先日もお答え申し上げたとおりでございますが、民事調停委員、家事調停委員の法令上与えられております権限でありますとか職務内容等に鑑みますと、調停委員は公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる非常勤の公務員に該当するというふうに考えておりまして、その就任には日本国籍を必要とすると考えているところでございます。

#100
○高良鉄美君 一九七四年七月二十二日付けで、事務総長依命通達ということで民事調停委員及び家事調停委員の任免についてというものが出されております。任命等の上申について、地方裁判所及び家庭裁判所は、当該裁判所の民事調停委員又は家事調停委員として相当と認める者について、最高裁判所に任命及び所属裁判所の指定の上申をするものとすると。上申は、所轄高等裁判所を経由してするものとし、高等裁判所長官はこれに意見を付すことができる。地方裁判所及び家庭裁判所は、調停事件の実情を十分に検討し、民事調停委員又は家事調停委員の職業、専門分野等の構成が全体として適正なものであるよう、あらかじめ適切な計画を立てるものとする。
 先ほども冒頭に、小野田委員の質問の中に答えられた中に、地方公共団体、弁護士会、医師会、大学、不動産鑑定士協会、その他適当と認められる団体に候補者とすべき者の推薦を求めるなど、広く社会の各界から適任者を得るように努めなければならない。候補者とすべき者については、推薦者及び適当な関係者から、経歴、業績、社会的活動状況を聴取するなど、その人物、識見を知るための参考となる事項について調査するものとすると。特に必要がないと認められる場合を除き、候補者とすべき者について裁判官が面接を行うものとするとしています。
 調停委員の任命は、最高裁内部で、最高裁長官又は最高裁事務総長に委任され、最高裁判官会議は関与していないと伺っています。地裁及び高裁は外国籍弁護士を調停委員候補者として最高裁へ上申することを拒否していますが、これは最高裁事務当局の指示によるものと聞いています。
 私は、先ほど調停委員は実態において公権力行使と国家意思の形成に参画するとは言えないと申し上げました。
 さらに、手続面でも問題があります。法律、最高裁規則、最高裁事務総長依命通達、こういったものには国籍ということが入っていません。そういったものにも基づかずに排除が行われているということについてどのように認識されているか、伺いたいと思います。

#101
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。
 調停委員の就任に日本国籍を必要とするということにつきましては、法令上明文の規定はないところでございますけれども、公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とするというのが公務員全般に関する当然の法理であると解されていると承知しておりまして、問題はないものと理解をしております。
 また、公務員の国籍要件の規定の在り方につきましては、公務員に関する法体系全体のバランス等を踏まえた公務員全般の問題として検討される必要がありまして、調停委員の国籍要件につきましても、そのような公務員全般の国籍要件の問題との関係において検討される必要があると考えているところでございます。

#102
○高良鉄美君 この公務員全体のバランス、そして公務員全般に関連するということが当然であるということになっていますが、これ、実は、一九五三年の三月二十五日の法制局第一部長回答では、その後半に、公務員に関する当然の法理として、公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とするものと解すべきでありと、これが前回言われたんですが、その後があるんです。他方においてそれ以外の公務員となるためには、日本国籍を必要としないものと解せられると、こういうふうに言っているんですが、前回、この他方の部分が抜けているんです。それが、他方の部分がどうして公務員全般から外されているのかということが私は非常に疑問なんですね。
 そういった面で、公務員全般に関する当然の法理というのは論理飛躍じゃないかということでお伺いしたいと思います。

#103
○委員長(竹谷とし子君) 堀田人事局長、時間が過ぎておりますので、簡潔に答弁をお願いいたします。

#104
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員以外の公務員となりますためには日本国籍を必要としないものと、そのように理解されていることはもちろんでございますが、調停委員は公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員に該当するということから、前回お答え申し上げたときには御指摘のその後段については言及しなかったところでございます。

#105
○委員長(竹谷とし子君) 高良鉄美君、質疑をおまとめください。

#106
○高良鉄美君 はい。
 私の質問はこれで終わりたいと思いますが、この問題も引き続き取り上げていきたいと思います。
 ありがとうございました。

#107
○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田由紀子でございます。
 新型コロナウイルス問題、子供たちが家庭で過ごす時間が増えております。特に百二十万戸を超える離婚後の片親、一人親家庭では、民法上、片親親権制度というところで構造的に孤立を余儀なくされております。仕事と子育ての両立にも困難が生まれ、経済的困窮に追い打ちが掛けられていると私の知り合いの母子家庭のお母さんたちからも訴えがございます。
 そういう中で、例えば明石市は児童扶養手当を受けている約二千百世帯に対して月三万円、特に五月ですね、三万円上乗せ支給をするということでこの支援をするということでございます。
 この片親家庭の経済的困窮に関しましては、養育費支払問題が常に取り上げられております。四月十日の日経新聞ですが、本日もおられます小野田紀美議員の発言の紹介がございます。養育費不払、是非急ぐと。「ひとり親、コロナ追い打ち」という見出しの山内菜穂子記者による記事が掲載されております。資料一として配付させていただきます。
 この記事では、国民民主党が提出予定という養育費支払義務付けの法案の紹介もされております。与野党の垣根を越え支援をという山内記者の意見もございます。子供の可能性が家庭環境で壊されないという方向、国家としての大事な共通目標でもあります。また、ここでは、「欧米、政府が積極介入」として、米国、英国、オーストラリア、スウェーデン、ドイツ、フランスでは、養育費支払について国家として支援しているという事例が紹介されております。
 また、偶然にも同じ四月十日には、法務省民事局が父母の離婚後の子の養育に関する海外法制調査結果、公表されました。待ちに待った報告書です。この調査に御尽力いただきました関係者の皆様に感謝申し上げます。その概要は本日、資料二として提示させていただいております。
 この海外調査では、二十四か国を対象としております。EUと日本を除いた全てのOECD諸国十八か国、日本と関わりの深いオランダ、スイス、スウェーデン、スペイン、タイ、フィリピンの六か国を加えた二十四か国です。これだけの多様な国を同じ項目で比較対象とした調査は前例がなく、関係者の御尽力に感謝いたします。
 ここでの調査項目は五点です。まず一点目ですが、離婚後の親権行使の態様と、父母が共同で親権を行使することを許容する制度が採用されている場合の親権の内容、父母の意見が対立したときの調整方法。二点目ですが、裁判所が関与しない協議離婚制度の有無。三点目は、離婚時の取決め内容、特に面会交流や養育費支払方法。四点目は、公的機関による面会交流支援の有無とその内容。そして五点目が、離婚後の監視親の転居制限の有無、内容でございます。
 そこで、まず、法務大臣にお伺いいたします。
 日経新聞が養育費支払に政府が積極介入をしていると紹介している六か国は、今回の二十四か国調査に幸い含まれております。その調査結果に基づき、この日経新聞の取り上げている六か国では、日本の民法八百十九条で言うように、離婚後は父か母のどちらか一方を親権者と定めなければならないというような単独親権の法的規定がある国はございますか。
 もちろん、親権という概念には国による内容の違いは大前提としまして、これら六か国は、今回の調査では父も母も同時に監護者や親権者になれるいわゆる共同養育あるいは共同親権の国と考えてよいかと思いますが、いかがでしょうか。御答弁、簡潔にお願いいたします。

#108
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘の海外法制調査の結果によれば、御指摘の六か国については、いずれも父母の離婚後にもその双方が親権を行使することも可能とする制度が採用されていると認識をしております。
 もっとも、制度の詳細を見ますと、イギリスでは、父母の離婚後は父母の双方が親権を持つが、原則としてそれぞれが単独で親権を行使することとされているなど、必ずしも父母が共同して親権を行使することとされているわけではないものと理解しております。

#109
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 いずれにしろ、これら六か国は、家族法的には共同養育、共同親権が可能となると、選択肢として、あるいは義務としてということでございます。当然、離婚後も父母共に共同養育の義務があるという国であるならば、日常的に監護していない親が養育費を支払うことへの抵抗感は少ないのではないかと思います。
 では、これら六か国で養育費の支払を法的に義務化している国は何か国ございますか。事務方の答弁、お願いいたします。

#110
○政府参考人(小出邦夫君) お答え申し上げます。
 海外法制調査の結果によりますと、御指摘の六か国のうち、オーストラリアでは、両親は離婚時に養育費を含め、子の養育、福利及び成長について合意しなければならないとされておりまして、養育費の取決めが法的義務になっているものと承知しております。他方で、それ以外の五か国につきましては、離婚時に夫婦間で養育費の取決めをすることが法的義務とはされていないものと承知しております。

#111
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 法的義務はオーストラリアだけで、ほかの五か国は法的義務はないということでございますけれども、養育費の支払を進める工夫というのはあると思いますが、その具体的工夫も含めて教えていただけますか。

#112
○政府参考人(小出邦夫君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたとおり、オーストラリア以外の五か国では離婚時に養育費の取決めをすることが法的義務とはされておりませんが、今回の調査結果によりますと、それらの国々でも各国の事情に応じ養育費の支払を促進する方策が講じられていると承知しております。
 まず、離婚時における養育費の取決めに関しましては、例えば、イギリスでは養育費算定のための計算式が広く提供されておりまして、ドイツでは行政機関が関係者間の合意形成等を支援する仕組みが設けられております。また、取り決められた養育費の履行確保として、例えばスウェーデンでは、義務者が養育費を支払わない場合には、国がまず権利者に対して保護費を支払って、その後に義務者から保護費に相当する金額を求償する制度が採用されております。また、アメリカのワシントンDCでは行政機関が権利者に代理して養育費債権の回収を行うといった制度が採用されていると承知しております。

#113
○嘉田由紀子君 御丁寧にありがとうございます。
 これら六か国では、それでは、面会交流はどのように表現されているでしょうか。日本語の語感でいう面会交流という表現、いささか限定的でして、常々私申し上げておりますけれども、何か言わば犯罪容疑者に窓口で面会するというイメージに狭められていることが残念でございます。
 共同養育、共同親権を理念とする国では、たとえ夫と妻が離婚しても、父子、母子の関係、さらにはその背景にある祖父母との関係は切れるものではない、共につなげていこうという前向きの意欲と意思が離婚後の親子交流に込められていると思われます。
 面会交流をめぐる表現について、この調査で分かったところ、言葉の表現も含めて、法務大臣、お願いできますか。

#114
○国務大臣(森まさこ君) 今回の調査では、面会交流に対する、面会交流という言葉の用語の調査というのは特に行ってはいないんですけれども、調査により判明した国もあるので御紹介をいたしますと、オーストラリアでは、子と共に時間を過ごす、スペンド・タイム・ウイズという概念により離婚後の親と子の交流が規定されております。フランスでは訪問権との用語で表現されております。イギリスではコンタクトと表現されます。など、国によって様々な表現が用いられております。

#115
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 この国の、今法務大臣お答えいただきましたけど、それにプラスして、私はカナダのPAS、ペアレンティング・アフター・セパレーションという表現、これも大変分かりやすいと思います。また、アメリカではペアレンティングタイム、常々申し上げておりますけれども、単に、ある時、時間を限っての面会ではなくて、ペアレンティング、言わば日常生活も含めて、親であること、その下で親子が交流するという、イングが大変大事だろうと思っております。もちろん、虐待やあるいはDVの問題などございますから、ここにはそれなりの制限があると思いますが、この表現も大変大事であろうと思います。
 今回の二十四か国の運用状況、大変よく分かり、調査に感謝を申し上げます。
 また、この六か国の中で面会交流が義務化されている国はありますか。法的義務とはされていないが、公的機関が面会交流の支援をしている国はありますか。具体的にお教えいただけるでしょうか。法務大臣、お願いいたします。

#116
○国務大臣(森まさこ君) 今回の調査結果によれば、御指摘の六か国のうち離婚時に面会交流の取決めをすることが法的義務とされているのはオーストラリアのみであり、それ以外の五か国では面会交流の取決めが法的義務とはされていないものであると承知をしております。もっとも、これら五か国でも、面会交流が適切に行われるよう、公的機関による様々な支援策が講じられております。
 例えば、アメリカのワシントンDCでは、子の監護に関する裁判所の手続において全ての親が子育てに関するクラスを受講しなければならないこととされておりまして、ドイツやスウェーデンでは、行政機関による面会交流の取決め支援が行われております。イギリスでは、面会交流を実施する際の専門家による調整や監督といった支援が行われております。

#117
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 それぞれ、事情に応じての支援、面会交流が大事だという基本的な理念に基づいた運用がなされているんだろうと解釈できます。
 六点目の質問ですけれども、今回の調査、二十四か国の中で、日本のように単独親権、それが義務化されていると、法的に、そういう国は何か国あったでしょうか。逆に、共同養育、共同親権取っている国、何か国でしょうか。法務大臣にお願いします。

#118
○国務大臣(森まさこ君) 法務省が実施した今回の調査結果によれば、調査対象国二十四か国中インド及びトルコでは、父母の離婚後には父母のいずれかによる単独での親権行使のみが認められておりました。また、英国及び南アフリカ共和国では、父母の離婚後は父母の双方が親権を持つが、原則としてそれぞれが単独で行使するという制度が採用されておりました。他方で、これらを除く二十か国では、父母の離婚後に父母が共同して親権を行使することを可能とする制度が採用されていたものと認識をしております。
 もっとも、例えばメキシコでは、父母の離婚後に父母の双方が共同で行使することとされているのは財産管理権のみであり、監護権については父母の一方が行使することとされているなど、離婚後共同親権制度が採用されている国においてもその具体的な内容は必ずしも一様ではなかったものと理解しております。

#119
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 新聞の、日経新聞四月十一日は、共同親権導入二十二か国、そして単独親権のみはインドとトルコだけという記事になっておりますけれども、今の法務大臣の表現ですと、二十か国がということですね。その二か国のずれというのはイギリスとそれから南アフリカなんですけれども、私、知り合いもいながら調べておりますと、イギリスや南アフリカ、これは日本のような単独親権ではございません。日本は単独親権が義務化されているということで、共同親権導入しているのは二十二か国という方がこの調査結果の表現としては正しいと私は思っております。もし異論があったらお願いをしたいと思います。
 さあ、このように、はい、時間ですね、今回、トルコとインドがある意味で日本と同じ単独親権のみということで、これは今、本当に社会状況が変わっている中で……

#120
○委員長(竹谷とし子君) 嘉田由紀子君、お時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。

#121
○嘉田由紀子君 はい。
 日本は大変出遅れているということを今回申し上げ、そして次回以降は、この調査結果に基づきまして、協議離婚なりあるいは共同養育計画をどう作るかというところに絞らせていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

#122
○委員長(竹谷とし子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#123
○山添拓君 日本共産党を代表し、裁判所職員定員法改正案に反対の討論を行います。
 日本国憲法は、裁判官の職権の独立を明文で規定し、その実効性を担保するために、裁判官の身分保障と司法の独立、自主性を認めています。裁判が他の権力に干渉されず、公正、厳格に行われてこそ基本的人権を尊重し、擁護できるからです。ところが、本法案は、政府が進める定員合理化計画に最高裁が協力し、裁判所全体で十七名純減という過去最大の減員を行おうとするものです。司法権の独立と国民の裁判を受ける権利をないがしろにし、司法インフラの充実という社会的要請に背くものです。
 最高裁が地方から大規模庁への定員シフトを続けてきた結果、地方の人員不足が深刻です。いわゆる二人庁は、二〇一二年の十七庁から三十五庁へと倍増しており、裁判所としての機能が危ぶまれています。
 書記官は、概算要求から五名抑制の八名増とされ、職場の増員要求に応えるものとなっていません。
 家裁調査官は、家事審判、家事調停の新受件数が増加しているにもかかわらず、二〇〇九年の五名増員を最後に本法案でも現状維持です。最高裁は、少年事件の減少を理由としますが、少年事件の質的変化や、離婚、虐待など複雑困難事件の増加などを背景に調査官を質、量共に強化することこそ求められています。
 また、速記官は、一九九八年に新規養成、採用が打ち切られて以降、自然減が続き、裁判員裁判で速記録が作成されない場合など、公正で迅速な裁判を行う上での支障が指摘されています。
 毎年削減されている技能労務職員は、警備や運転手など、裁判所のきめ細かな運営を担ってきた方々です。地方における活動の制約やプライバシーに関わる懸念など、外注対応の限界が指摘されています。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今後司法の役割がますます増大することが予想される中、本法案は、最高裁が概算要求で求めた書記官数すら抑制するもので、国民の裁判を受ける権利をあまねく保障することが危ぶまれます。
 定員削減ありきで現場の職員に負担を強いる姿勢を改め、職員の抜本的な増員と裁判所予算の拡充への転換を求めて、反対討論とします。

#124
○委員長(竹谷とし子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

#125
○委員長(竹谷とし子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、有田君から発言を求められておりますので、これを許します。有田芳生君。

#126
○有田芳生君 私は、ただいま可決されました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民、公明党、日本維新の会、沖縄の風及び碧水会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
 一 民事訴訟事件の内容の複雑困難化及び専門化について、引き続き、その実情を把握し、必要な対応を行うとともに、訴訟手続の審理期間及び合議率の目標を達成するため、審理期間が長期化している近年の状況を検証し、審理の運用手法、制度の改善等に取り組んだ上で、目標達成に必要な範囲で裁判官の定員管理を行うこと。
 二 裁判所職員定員法の改正を行う場合には、引き続き、判事補から判事に任命されることが見込まれる者の概数と判事の欠員見込みの概数を明らかにし、その定員が適正であることを明確にすること。
 三 最高裁判所においては、引き続き、判事補の定員の充足に努めるとともに、判事補の定員の在り方について、更なる削減等も含め検討していくこと。
 四 現在の法曹養成制度の下での法曹志望者の減少が法曹の質や判事補任官者数に及ぼす影響につき必要な分析を行い、その結果を国会に示すとともに、法曹養成機能の向上、法曹志望者の増加等に向けた取組をより一層進めること。
 五 司法制度に対する信頼確保のため、訟務分野において国の指定代理人として活動する裁判官出身の検事の割合の縮小に関する政府方針を踏まえ、必要な取組を進めること。
 六 離婚後の子どもの養育費の不払、面会交流の実施をはじめとする子をめぐる事件の複雑困難化、家庭裁判所の家事事件の新受件数の増加等に対応するため、家庭裁判所の機能強化を図り、家事事件の専門性に配慮した適正な人員配置を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#127
○委員長(竹谷とし子君) ただいま有田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

#128
○委員長(竹谷とし子君) 多数と認めます。よって、有田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、森法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森法務大臣。

#129
○国務大臣(森まさこ君) ただいま可決されました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
 また、最高裁判所に係る附帯決議につきましては、最高裁判所にその趣旨を伝えたいと存じます。

#130
○委員長(竹谷とし子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#131
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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