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2020/03/31 第201回国会 衆議院 第201回国会 衆議院 法務委員会 第6号 令和2年3月31日
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2020/03/31 第201回国会 衆議院

第201回国会 衆議院 法務委員会 第6号 令和2年3月31日

#1
令和二年三月三十一日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 松島みどり君
   理事 伊藤 忠彦君 理事 鬼木  誠君
   理事 田所 嘉徳君 理事 葉梨 康弘君
   理事 藤井比早之君 理事 稲富 修二君
   理事 階   猛君 理事 山尾志桜里君
   理事 浜地 雅一君
      安藤 高夫君    井出 庸生君
      井野 俊郎君    奥野 信亮君
      門山 宏哲君    神田  裕君
      黄川田仁志君    国光あやの君
      小林 茂樹君    繁本  護君
      出畑  実君    中曽根康隆君
      古川  康君    宮崎 政久君
      山下 貴司君    吉川  赳君
      和田 義明君    高木錬太郎君
      日吉 雄太君    松田  功君
      松平 浩一君    山川百合子君
      竹内  譲君    藤野 保史君
      串田 誠一君
    …………………………………
   法務大臣         森 まさこ君
   法務副大臣        義家 弘介君
   法務大臣政務官      宮崎 政久君
   政府特別補佐人
   (人事院総裁)      一宮なほみ君
   最高裁判所事務総局総務局長            村田 斉志君
   最高裁判所事務総局人事局長            堀田 眞哉君
   最高裁判所事務総局経理局長            笠井 之彦君
   最高裁判所事務総局刑事局長            安東  章君
   政府参考人
   (内閣法制局第二部長)  木村 陽一君
   政府参考人
   (人事院事務総局職員福祉局長)          合田 秀樹君
   政府参考人
   (人事院事務総局給与局長)            松尾恵美子君
   政府参考人
   (法務省大臣官房政策立案総括審議官)       西山 卓爾君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          金子  修君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    川原 隆司君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  菊池  浩君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁次長) 高嶋 智光君
   法務委員会専門員     藤井 宏治君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十三日
 辞任         補欠選任
  落合 貴之君     階   猛君
同月三十一日
 辞任         補欠選任
  越智 隆雄君     安藤 高夫君
同日
 辞任         補欠選任
  安藤 高夫君     繁本  護君
同日
 辞任         補欠選任
  繁本  護君     越智 隆雄君
同日
 理事山尾志桜里君同日理事辞任につき、その補欠として階猛君が理事に当選した。
同日
 理事越智隆雄君同日委員辞任につき、その補欠として藤井比早之君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
三月三十日
 単独親権制度の撤廃に関する請願(下条みつ君紹介)(第三九六号)
 同(串田誠一君紹介)(第四三五号)
 国籍選択制度の廃止に関する請願(近藤昭一君紹介)(第三九七号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第三九八号)
 同(高木美智代君紹介)(第三九九号)
 同(西村智奈美君紹介)(第四〇〇号)
 同(荒井聰君紹介)(第四三九号)
 同(長尾秀樹君紹介)(第四四〇号)
 同(阿久津幸彦君紹介)(第四四四号)
 もともと日本国籍を持っている人が日本国籍を自動的に喪失しないよう求めることに関する請願(近藤昭一君紹介)(第四〇一号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第四〇二号)
 同(高木美智代君紹介)(第四〇三号)
 同(西村智奈美君紹介)(第四〇四号)
 同(荒井聰君紹介)(第四四一号)
 同(長尾秀樹君紹介)(第四四二号)
 同(阿久津幸彦君紹介)(第四四五号)
 子供の性搾取被害悪化の現状に鑑み国連勧告に沿った児童買春・児童ポルノ禁止法の第三次改正を求めることに関する請願(大河原雅子君紹介)(第四三八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)
     ――――◇―――――

#2
○松島委員長 これより会議を開きます。
 理事の辞任についてお諮りいたします。
 理事山尾志桜里さんから、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○松島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任及び委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○松島委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に
    藤井比早之さん 及び 階   猛さん
を指名いたします。
     ――――◇―――――

#5
○松島委員長 次に、内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣法制局第二部長木村陽一さん、人事院事務総局職員福祉局長合田秀樹さん、人事院事務総局給与局長松尾恵美子さん、法務省大臣官房政策立案総括審議官西山卓爾さん、法務省刑事局長川原隆司さん、法務省大臣官房司法法制部長金子修さん、法務省人権擁護局長菊池浩さん及び出入国在留管理庁次長高嶋智光さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○松島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#7
○松島委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局総務局長村田斉志さん、人事局長堀田眞哉さん、経理局長笠井之彦さん及び刑事局長安東章さんから出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#8
○松島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#9
○松島委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。神田裕さん。

#10
○神田(裕)委員 おはようございます。自由民主党の神田裕でございます。
 本日は、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案につきまして、時間が限られておりますので、早速質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、基本的なところから質問をしていきたいと思います。
 今回の法案の内容ですが、これは、裁判官について、判事の定員を二千百二十五人から二千百五十五人に三十人増員をし、判事補の定員を九百二十七人から八百九十七人に三十人減員をするとのことであります。そこで、まず、これら増員、減員の理由につきまして、改めまして最高裁にお伺いをいたします。

#11
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 令和二年度におきましては、事件動向及び事件処理状況を踏まえまして、民事訴訟事件の審理充実及び家庭事件処理の充実強化という観点から、判事の定員三十人の増員をお願いしているものでございます。
 具体的に申し上げますと、まず一点目の民事訴訟事件でございますが、昨今の社会経済情勢の変化や国民の権利意識の高まり等を背景に、個々の事件が複雑困難化しておりまして、専門的知見を要する事件や先例のない事件が増加しているところでございます。こうした複雑困難化する民事訴訟事件を適正迅速に解決するためには、三人の裁判官によって構成される合議体による審理を更に充実強化していくことが必要と考えております。
 二点目の家庭事件につきましてでございますが、高齢化社会の進展等によりまして成年後見関係事件が増加する中、成年後見制度利用促進基本計画に基づく自治体や各種団体の取組に対して、裁判所としても積極的に対応していくことが求められているところでございます。また、審判、調停事件の事件数が高い水準にある中で、当事者の対立が先鋭化しやすい子をめぐる事件など、解決が容易でない事件に適切に対応していく必要がございます。
 そのため、事件処理にたけた判事の定員を三十人増員することをお願いしている一方で、判事補につきましては、充員が困難な状況が続いていることや、平成二十九年三月三十一日に衆議院法務委員会で附帯決議を御決議いただきました、こういったことも踏まえまして、総合的に検討した結果、判事補の定員を三十人減員することをお願いしているものでございます。

#12
○神田(裕)委員 ただいま最高裁から、民事訴訟事件の複雑困難化という話がありました。実際に民事訴訟については、全体の事件数そのものにつきましては落ちついてきてはおりますが、特に社会の注目を集めるようなそういった訴訟につきましては、連日のように報道をされるようなこともあります。こうした訴訟に対応していくこと、それは確かに大変なことだろうと思っております。そこで、このような民事訴訟事件につきましてどのように審理の充実化を図っていくのか、最高裁に伺います。

#13
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 裁判所といたしましては、従前から、複雑困難化する民事訴訟事件の適正かつ迅速な処理を図るために、訴訟の場合には裁判所だけでというわけにまいりませんので、当事者あるいは代理人等の訴訟関係人の理解と御協力を得ながら、また、裁判官同士でもいろいろな審理の知恵、工夫を話し合い、それを活用するなどして審理の運営改善に取り組んできたところでございます。
 また、質的な負担が増加している民事訴訟事件を適正かつ迅速に処理していくためには、手続の主宰者である裁判官が強いリーダーシップを発揮し得る人的体制の充実強化を図ることが必要と考えているところでございます。
 判事を増員していただくことによりまして、判事が個々の事件に注力しやすい環境をつくりまして、これによって、裁判官が一人で担当いたします単独事件の審理のさらなる充実促進はもちろんでございますが、それを前提として、複雑困難な事件を処理するための合議体による審理の充実強化を今まで以上に図ることができるというふうに考えているところでございます。

#14
○神田(裕)委員 裁判官以外の裁判所職員の方々は、裁判所や訴訟を現場で支える者として大変重要な存在だと思っております。今回、この職員については、トータルとしては十七人の減員ということでありますが、具体的なその内訳、増員又は減員の理由についてお伺いをいたします。

#15
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 先ほども申し上げました成年後見関係事件等が増加しておりまして、こうした家庭事件処理の充実強化をする必要がございますのと、また、システム開発等の事件処理の支援のための体制強化、さらには、国家公務員の女性活躍、ワーク・ライフ・バランス推進といったことのために、裁判所書記官八名、裁判所事務官三十四名、合計四十二名分の増員をお願いしているところでございますが、他方において、アウトソーシング、外注によりまして事務を合理化、効率化するということも進めたいと考えているところでございまして、この関係では、技能労務職員を中心に合計五十九人、この中には裁判所速記官の定員二人分を含みますけれども、これらを減員いたしまして、以上の増減を通じて裁判官以外の裁判所職員の員数としては、合計いたしますと十七人減員ということで考えているところでございます。

#16
○神田(裕)委員 判事の増員の理由、また書記官の増員の理由としまして、家庭事件処理の充実強化が挙げられております。
 この家庭事件、例えば、成年後見事件につきましては、高齢化を背景として増加が続いており、また、子をめぐる事件の対応が非常に難しくなっていると聞いております。そうした中で、面会交流については、法務委員会でもよく取り上げられておりますが、激しく対立する夫婦の間又は元夫婦の間に入って、面会の日時や場所を調整し、調停を成立させていくわけでありますが、現場では大変な苦労をされているんだろうと思っております。このような家庭事件の処理をどのように充実強化をさせていくのか、最高裁に伺います。

#17
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 委員から御指摘ございましたとおり、家庭事件、新受件数が非常に高水準にある中、御指摘のとおり、高齢化の進展を背景といたしまして後見関係事件が増加傾向にございます。家庭裁判所の人的体制を充実強化することで、引き続き、成年後見関係事件の適正な処理を図るとともに、成年後見制度利用促進基本計画に基づく市町村あるいは各種団体の取組に対して家庭裁判所も積極的に協力してまいりたいと考えております。
 また、これも委員から御指摘ございましたとおり、近年の少子化や国民の権利意識の高まり、あるいは家庭の問題解決機能の低下というようなことも言われているところでございますが、当事者の対立が先鋭化しやすい子をめぐる問題、こういった事件も非常に事件数として高い水準にございます。
 こういったものにつきましては、裁判官が適切にリーダーシップを発揮しつつ、裁判官とタッグを組む調停委員がじっくり当事者からお話を聞くといったことも含めまして、こうした連携をして事案ごとの特徴を見きわめながら円滑に調停運営を行うなどして当事者の納得性の高い調停を実現し、その中で、これも御指摘いただいたところですが、事件数も伸びており、また大変難しい事件になっております面会交流事件などにつきましても、当事者の対立が激しく、解決が容易でないわけですが、今申し上げたような工夫を用いまして適切に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。

#18
○神田(裕)委員 今回、裁判所事務官の増員理由としまして、ワーク・ライフ・バランスが挙げられております。
 例えば、近年の裁判官以外の職員では、採用者に占める女性の割合が五割を超えていると伺っております。このことは、職場環境の向上に努めているその結果であると推測するわけでありますが、実際に女性活躍とワーク・ライフ・バランスの向上に向けてどのような取組をしているのか、最高裁に伺います。

#19
○堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 裁判所におきましては、平成二十八年三月に、いわゆる女性活躍推進法に基づきまして特定事業主行動計画を策定するなどいたしまして、女性の活躍や職員のワーク・ライフ・バランスの推進に取り組んできているところでございます。
 具体的には、女性活躍に向けた取組の重要性等について幹部職員から意識啓発を行うなどして職員の意識改革に取り組んだり、事務の簡素化、合理化や会議の効率的運営等に取り組んで仕事の進め方を見直したり、仕事と育児の両立を支援する諸制度の周知を積極的に行って利用促進を図るなどしているところでございます。
 今後とも、男性職員による育児休業等の取得促進も含め、こうした取組を進めてまいりたいと考えております。

#20
○神田(裕)委員 次に、司法をめぐる課題につきまして、少し広い視点から質問をしたいと思います。
 経済のグローバル化に伴いまして、司法の国際化という課題についても、今後避けて通ることはできないものと思っております。それに対応したインフラ面における強化としまして、法務省においては、日本法令の外国語訳の拡大に取り組んでいるものと思います。これは、外国人が日本の司法サービスを利用するに際しまして非常に重要な施策であります。しかしながら、法令の外国語訳の公開が必ずしも迅速になされていない、そういった指摘もあると聞いております。今後、法務省としては、法令の外国語訳の拡大を一層強力に進めていく必要があると思いますが、その取組状況について伺います。

#21
○金子政府参考人 お答え申し上げます。
 社会のグローバル化が急激に加速する中、重要な日本の法令を翻訳して国際発信することは、国際化に対応したインフラ整備として大変重要な取組であり、日本の国益に資する優先度の高い課題であると認識しております。
 法務省におきましては、法令外国語訳整備プロジェクトとして、これまでに、関係府省庁の協力を得まして、法令外国語訳専用のホームページにおいて約七百五十の日本法令の英語訳を公開等しているほか、昨年九月からは、重要な改正のあった改正法の概要情報の英語訳の公開サービスも開始しており、同ホームページには一日当たり約十万回のアクセスがございます。
 最近の取組ですが、昨年十二月、本プロジェクトの司令塔となる日本法令の国際発信の推進に向けた官民戦略会議を立ち上げ、ユーザーである経済団体等の民間側構成員の御意見等をいただいた上、本プロジェクトの重要課題や優先順位等を幅広く御議論していただいたところでございます。この会議での議論の結果は、政府の翻訳方針や翻訳整備計画等に適切に反映したいと考えております。
 法務省としては、今後も、関係府省庁とも協力の上、日本法令の国際発信に向けて、ユーザーの意見も踏まえ、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#22
○神田(裕)委員 ありがとうございます。
 最後に、大臣にお伺いをいたします。
 最近では、裁判手続のIT化ということで、裁判所の方でもウエブ会議を実施されまして、また、法制審にも諮問がされておりますが、裁判所をめぐる状況も今後ますます変わっていくものと思っております。こうした中で、裁判所においては今後一層、人的な体制の強化が重要になってくるものと思っておりますが、この点につきまして、法務大臣にそのお考えをお伺いいたします。

#23
○森国務大臣 社会が複雑多様化する中で、国民に身近で頼りがいがある司法を実現する観点から、これまでも、複雑困難な訴訟に対応するため裁判所職員定員法の改正による判事の増員がされてきたものでございますが、今回の法案においても、このような理由から判事を増員するほか、裁判手続のIT化の検討、準備等の業務に適切に対応するため裁判所事務官を増員するなど、裁判所を取り巻く状況を踏まえた体制強化を図るものとなっております。
 今後とも、社会が複雑多様化する中で、司法権を担う裁判所の体制を更に充実させることにより、事件の適正迅速な処理が促進され、また、委員御質問の国際化にも対応し、国民の司法アクセスも一層向上されていくということは大変重要であると考えておりますので、裁判所の判断を尊重しつつ、適切に対応してまいります。

#24
○神田(裕)委員 ありがとうございます。
 時間となりましたので、終わります。ありがとうございました。

#25
○松島委員長 次に、浜地雅一さん。

#26
○浜地委員 おはようございます。公明党の浜地雅一でございます。
 私は、十五分間、この裁判所定員法の質疑をさせていただきたいと思います。
 質問に入る前に、今、各裁判所でマスクの義務づけをやはり原告代理人、被告代理人に義務づけられているような裁判所もあると聞いています。大変いいことだと思っておるんですが、実は、なかなかマスクがなくて法廷に入りにくいというような声もございます。御案内のとおり、裁判所に行きますと、裁判官の席と原告席、被告席というのはかなり離れておりますので、飛沫が飛ぶような距離ではないかと思います。恐らく委員長と私の距離よりも遠い距離で、どんな狭いところでも法廷は距離がございますし、また、弁論準備手続の中では、若干狭い部屋でございますけれども、参加人数も少なくございますので、そのあたりは臨機応変にやっていただければと思っています。
 当然コロナの対策は大事なんですが、要は、マスクがなくてなかなか傍聴に行けないとかそういった声もあるようでございますので、一点、ちょっと現場の声を伝えさせていただいて、質問をしたいと思っています。
 私もちょっと基本的なところからこの裁判所定員法、聞いてまいりますが、現在の法律上の判事及び判事補の定員の数と、実際に在籍をしている判事及び判事補の数ですね、充足率について、まず端的にお答えいただければと思います。

#27
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 判事は、二千百二十五人の定員に対しまして、令和二年一月十六日の時点での現在員が二千七十三人。したがいまして、欠員が五十二人となっております。
 判事補の方は、九百二十七人の定員に対しまして、同じく一月十六日時点の現在員が七百七十二人。ですので、欠員が百五十五人となっているところでございます。

#28
○浜地委員 そうなると、素朴な疑問として、今、判事は二千百二十五の定員に対して二千七十三名いらっしゃって、五十二名欠員があるわけでございます。判事補は更に多い欠員があるんですが。ですので、充足率は大変余裕があるわけでございまして、しかし今回、判事の定員を三十名ふやしたいということでございます。毎年のように、判事の人数をふやし、判事補の人数を減らすという毎年毎年改正が行われておりまして、私も法務委員会、もう二年目でございますが、昨年も行いました。ですので、充足率に、特に判事については五十二名余裕があるのであれば、今回改正せずに単に三十名の定員の増を図ればよろしいように思うんですが、なぜ定員をまだ余裕があるのにふやす必要があるのか、ここについてお答えいただければと思います。

#29
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 令和二年度には、事件動向などを考慮して判事三十人の増員をお願いしているところでございますけれども、この後、令和二年九月及び令和三年一月に判事補から判事へ任官する者が予定されておりまして、これによって適切に充員できる見込みがございますので、増員をする必要があると考えております。
 先ほど、判事の欠員は五十二人というふうにお答えいたしましたが、これは昨年の裁判所職員定員法の改正で四十人の増員をお認めいただいた結果でございまして、仮にこの増員が認められていなかったとしますと、充足率が九九・四%に達するという、かなりぎりぎりの状況になっていたことが想定されるところでございます。
 この点、判事の充員要素としては、判事補からの任命のほかに、行政官庁等からの出向から復帰してくる者、あるいは弁護士任官をされる者といったものが主たるものとして挙げられるところでございます。他方、もちろん、マイナスになっていく要素といたしましては、定年退官のほか、依願退官ですとか、行政官庁等に逆に今度は出ていく方の勤務が挙げられるところでございまして、なかなか、退官等を希望する者の数などをあらかじめ完全に把握しておくということは難しい要素が含まれてございます。
 そのため、その正確な見込みを立てることにおのずと限界がございますので、裁判官には身分保障があるというところもございまして、結果としては、一定程度、充足率に余裕が生じることはやむを得ないというふうに考えておりまして、この点についてはぜひ御理解をいただきたいと考えております。

#30
○浜地委員 今の説明で、ことしの、今現在の定員の余力といいますか、欠員は五十二名だけれども、去年四十名ふやさないとかなりきつかったということですね、十二名になって。十二名の余裕だと九九・四%の充足率になる中で、出向される方は判事にカウントされていませんから、出向された方が戻ってきたりすると、またこれはカウントされるということでございます。あとは、定年についても、当然、定年の年齢はありますけれども、やはり、早く退職される方とか、要は法曹資格を持ったまま例えば裁判官になられる方とか、そのあたりはなかなか難しいので少し余裕を持っているという説明でございますね。
 私も素朴に、この質問をするのは、充足率に余裕があって何でだということだったんですが、今のさまざまな特殊性というものも理解したところでございます。
 しかし、そうはいっても、毎年毎年、定員の改正を行っていかなきゃいけないわけでございます。今回のように、新型コロナウイルス、まだ国会があいているからいいようなものの、例えば国会が封鎖になるような事態になってしまうと、それこそ定員の充足というのが高まって、柔軟な対応ができない場合もあろうかと思っています。
 そこで、私は、実際は、将来の判事や判事補の適正定員というものをしっかり裁判所に決めていただいて、ある程度将来像というものを示していただいた方がよろしいんじゃないかというふうに思っておりますが、そういった将来の定員の計画のようなものはつくっていらっしゃらないのか、理由も含めて御答弁いただければと思います。

#31
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 判事、判事補の適正定員、どれぐらいの数が必要かといったことにつきましては、事件動向、事件処理状況、社会経済情勢の変化、これに伴う事件の質的変化、法改正の状況などさまざまな事情によって定まるものでございまして、もちろん将来のこういった点についての予測、検討には努めているところではございますけれども、近年の増員をお願いしている理由の中で、やはり事件の質的変化が非常に大きな柱になっているところにもあらわれておりますとおり、なかなか、数、数値化するのも難しい要素もあるなどといった点から、正確な予測をしていくというところが難しい面がございます。将来の適正定員がどの程度かといった計画のようなものをお示しするのは、そういう点で極めて困難であるということは御理解をいただきたいと思っております。
 しかしながら、裁判所といたしましては、今後の事件動向、事件処理状況等も踏まえつつ、必要な体制整備について、委員の御指摘の点も踏まえつつ、更に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

#32
○浜地委員 去年の理由も同じ理由ですよ、知財がある、あと家裁で複雑化している。なので、要は、定員、なかなか難しいと言いますが、いろいろな質的要因ということでありますけれども、私が聞いた限りによると大体毎年同じような理由でございますので、そういった意味では、しっかりと計画みたいなものを、やはりある程度アウトラインというものは示すべきであろうというふうに思うところでございます。
 そこでもう一つ、技能労務職員の定員、今回減少をさせられておりますけれども、先ほどもございましたとおり、今般、裁判のIT化というのが始まりました。今は、弁論準備手続においてテレビ会議等を使っているということでございますので、そんなに難しいITの技術は必要とされていないところでございますが、フェーズツー、フェーズスリーと行きますと、恐らくIT化に対応する技術的な職員が必要ではないかというふうに思っております。
 そこで、裁判官以外の事務職員の配置計画、先ほど私が申し上げました裁判のIT化の視点も含めて、今後どのような計画になっているのか、今後どうするのか、そこを最高裁にお答えいただきたいと思います。

#33
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 今回、裁判所職員の方の減員をお願いしている部分もあるわけでございますけれども、これは技能労務職員の減員を念頭に置いているところでございまして、庁舎の清掃であるとか電話交換といった庁舎管理などの業務を行う職員の定員についての減員を考えているところでございます。したがいまして、裁判事務そのものには特段の影響はないものというふうに考えております。
 その上で、委員御指摘のIT化に関する体制整備につきましては、今回の改正でも、裁判手続等のIT化の検討、準備等を含む事件処理支援のために裁判所事務官の増員をお願いしておるところでございまして、このような形でIT化のためにも体制整備を図っていきたいと考えております。
 しかしながら、IT技術者等の専門的な人材ということになりますと、これをどのように活用していくか、あるいは将来の配置計画をこれについてもお示しするということになりますと、これは今まさに検討が進められております法改正の内容ですとかIT化に係るシステム、これがどういったものになっていきそうかといった内容などを踏まえる必要がございまして、現時点でこれについて具体的に申し上げることが難しいというところがあることは御理解をいただければと思います。
 いずれにしましても、裁判所としては、IT化の状況を踏まえて、それに必要な人的な体制の整備には努めてまいりたいと考えております。

#34
○浜地委員 ぜひしっかり、裁判のIT化に向けて専門的技術者の配置等も考えていただきたいと思います。民事法制度改革の大きな柱の一つでございますので、そのあたり、設計は進んでいても、実際の対応がきちっと具体的に進んでいないということになりますと、おくれますので、ぜひよろしくお願いできればと思っています。
 次のテーマは、法廷通訳人の現状についてお聞きをしたいと思っています。
 公明党としても、この法廷通訳人、特に外国人の皆様方の裁判を受ける権利の実質的な保障という点で、法廷通訳人は大変重要だというふうに提言もしているところでございます。
 現在の使用言語とか、実際に裁判で使われた法廷通訳人の方の裁判の回数であるとか、また、法廷通訳人はどのように選任をされるのか、費用については、刑事の場合は誰が負担するのか、民事の場合は実際に誰が負担しているのか、その概略的なところを簡単にお答えいただければと思います。

#35
○安東最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 裁判所では、具体的な事件において裁判体が速やかに適切な通訳人を選任できるように、通訳人候補者名簿を作成しております。名簿の登録人数でございますが、全国の通訳人候補者数は平成三十一年四月一日現在で三千五百八十六人、登録言語数が六十一言語でございます。
 それから、平成三十年一年間の実績でございますが、全国の地方裁判所、簡易裁判所で被告人に通訳人がついた外国人事件、こちらの終局人員でございますが、三千七百五十七人でございまして、同じ平成三十年に裁判所の法廷で使用された外国語の種類、こちらは三十八言語でございます。
 それから、選任について御質問がございました。裁判体の判断事項でございますが、一般論として申し上げますと、通訳が必要な事件ごとに、先ほど申し上げた名簿を活用するなどしまして、事件内容あるいは通訳人の経験等も踏まえまして、事件にふさわしい通訳人を選任している、そのように承知してございます。
 最後に、通訳人の費用の負担についてでございます。刑事事件については、通訳人に支給される通訳料を被告人に負担させるかどうかは裁判体の判断で決定されますところ、実際上は、国際人権規約の関連規定の趣旨も考慮しまして、外国人である被告人には通訳料を負担させない取扱いが一般的であると承知してございます。また、民事事件におきましては、通訳料は原則として敗訴した当事者の方で負担する、そういうことになってございます。

#36
○浜地委員 間もなく時間ですので最後の質問にしたいと思っておりますけれども、当然、今後も在留外国人の増加が見込まれるわけでございまして、民事においても裁判の国際化というものも民事司法制度改革の中でテーマとなりました。ですので、刑事にかかわらず民事についてもまた在留外国人の増加が見込まれる、また国際化ということがテーマになってきますので、今後、法廷通訳人の需要はますますふえると思いますが、今後、法廷通訳人に対する裁判所としての充実の姿勢について、どのようにこれを扱っていくのか、最後に御答弁いただいて、質問を終わりたいと思います。

#37
○安東最高裁判所長官代理者 裁判所におきましても、法廷通訳の充実を重要と考えまして、通訳人の数の確保に努めているところでございます。
 少し具体的に申しますと、法廷通訳に関するパンフレットを大学や大使館などに配布する、あるいは裁判所のホームページにおいて通訳人の募集を行うといったこれまでの広報活動に加えまして、近時は、裁判官がみずから通訳人候補者の供給源となることが期待される大学に出張いたしまして、法廷通訳に関する説明会を実施する取組を始めてございます。そして、少数言語の通訳人についても、これらの大学のネットワークを活用して候補者を紹介していただく、そういった協力関係を構築しているところでございます。
 今後、今委員から御指摘ありましたとおり、更に外国人事件が増加しまして法廷通訳の需要が高まりましても、事件処理の方に支障が生じることのないよう、通訳人の数の確保に努めてまいりたいと考えております。

#38
○浜地委員 以上で終わります。ありがとうございます。

#39
○松島委員長 次に、階猛さん。

#40
○階委員 立国社共同会派の階猛です。
 きょうから法務委員会にまた戻ってまいりましたので、よろしくお願いします。
 さて、きょうは裁判官の定員法の審議でございますが、私、毎年この法案については質問させていただいておりまして、その論点の中では、今も御指摘があったように、特に判事補については、定員に比べて実員が少なく、したがって欠員が多過ぎるのではないかということを指摘させていただいたわけであります。
 それに関しまして、他の官職についてはどうなのかということで、検察官についても比較対象として述べてまいりました。検察官は、私はむしろ今まではいい例として挙げておったわけですけれども、きょうの資料の一枚目にもありますとおり、検察官については、一番右の数字が最終的な欠員ですね、要は定員の余り分ということなんですが、定員の余っている数字が直近ですと三十六ということで、裁判官に比べると非常に少なく抑えられている。定員管理がうまくいっているということの例としてこれまでは取り上げてきたわけであります。
 これが、昨今議論されている定年延長あるいは定年後の勤務延長、こういったことが行われることによって、果たしてこの定員管理がうまくいくのかどうかということを問題意識としては持っております。
 そこでお尋ねしますけれども、一点目の質問ですが、現在の検察官の定年制度のもとで、過去五年間、定年退官者はどれほどであったのかということ、過去五年間それぞれについてお示しください。

#41
○西山政府参考人 まず、検事の過去五年間の定年退官者数でございますが、平成二十七年度三人、二十八年度二人、二十九年度四人、三十年度一人、令和元年度五人でございます。
 副検事の過去五年間の定年退官者数は、平成二十七年度二十三人、二十八年度二十七人、二十九年度三十人、三十年度二十三人、令和元年度三十五人でございます。

#42
○階委員 今、副検事の方の数字もおっしゃっていただきましたけれども、副検事の方は、検察庁法ではどのような規定になっているんですか、定年については。

#43
○西山政府参考人 副検事も検察官でございますけれども、定年については六十三歳と定められております。

#44
○階委員 要は、検事も副検事も同じカテゴリーとして考えていいということですから、この定員とか欠員とかを考えるに当たっては、全部まとめて考えていいということですよね。それでいいわけですね。うなずいていただいていますが、いいですね。

#45
○西山政府参考人 おっしゃっていただいたとおりなんですが、今委員がお示しの表は検事の数ですので、検事ですので、副検事は含まれておりません。

#46
○階委員 そうしたら、誤解を招くので、副検事の話をするんだったら、この表と関係ない話なのでということは言ってください。私は今この表について取り上げているわけですから。
 それで、要は、過去五年間、三、二、四、一、五と非常に少ない人数が定年までお勤めになっているということで、そもそも定年延長のニーズがそんなに高くないような気もするんですが、一方で、今回、定年を六十五歳に引き上げて、定年後の勤務延長を検察官について可能とするという法改正が行われようとしているわけです。
 この件について、検察官の欠員に与える定量的な影響はどういうふうになるのか。これもちょっと誤解のないように、副検事の話はこの際考えない方がいいと思いますので、そのような答弁をお願いします。

#47
○西山政府参考人 お尋ねが法改正後の検事の退職状況等にかかわるものでございまして、現時点において正確な答弁は困難でございますけれども、その上で、参考までにでございますけれども、仮に、検事について、令和二年二月一日現在の在職者が定年まで勤務を続けるものと仮定した場合、改正法が施行される予定の令和四年度以降、各年度末において検事総長以外の検事の現行法上の定年である六十三歳を超えて勤務することとなる検事の数でございますけれども、令和四年度十一人、令和五年度二十八人、これが定年六十四歳でございます。次に、令和六年度から定年六十五歳になることとなりますが、令和六年度が六十一人、令和七年度が七十二人、令和八年度が七十一人と推計されます。
 もっとも、お答えした人数はいずれも、先ほど言いましたように、令和二年二月一日現在の在職者が全員定年まで勤務を続けるものと仮定した場合の推計にすぎませんので、実際には、定年に達する前に退職する検事も相当数存在するものと思われます。
 また、勤務延長については、個別の検察官ごとに、その職務の遂行上の特別の事情を勘案して、退職により公務の運営に著しい支障が生じると認められるかどうか判断されることになりますため、改正法施行後に何人の検事が勤務延長されることとなるかを推計することもまた困難でございます。
 そのため、冒頭申し上げたように、現時点において正確な答弁を行うことは困難でございますけれども、検察官の定員については今後も引き続き適切に運用してまいりたいと考えております。

#48
○階委員 目先はそこまでふえない、定年や勤務が延長されて、それで残る検察官は、そんなにふえないということなんですが、だんだんとふえてきて、そのうち六十人、七十人ということになってくると、当然今のような定員では足りなくなってくるということだと思います。足りなくなってくるという中で、この定員に与える影響も考えながら法改正というものは議論していかなくてはいけないというふうに考えます。
 ところで、こういう定員にも影響を与える検察官の定年を引き上げたり定年後の勤務延長を可能としたりということが、特に定年後の勤務延長に関しては、法律を改正する際にしっかりとした議論が行われなくてはいけないんですが、そういう法改正の前に、あえて、法解釈の変更ということで、法改正の内容を一部先取りする形で運用を始めた、その理由は一体どこにあるんですか。

#49
○森国務大臣 検察官の定年引上げに関する法律案については、昨年十月末ごろには内閣法制局第二部長の審査が終了しておりましたが、法律案の提出には至っておりませんでした。そこで、本年の通常国会の提出に向けて、その提出までに時間ができたので、同法律案を改めて見直しながら検討作業を行っておりました。具体的には、定年年齢の引上げや、これに伴う諸制度について検察官への適用等を改めて検討する中で、特に勤務延長制度と再任用制度について検討を行いました。
 すなわち、勤務延長制度と再任用制度については、従前は検察官には適用がないと解釈しており、これを前提として先ほどの法律案を作成しておりましたが、昨年十二月ごろ、担当者において、果たしてこの解釈を維持するのが妥当なのかどうかという観点に立ち戻って検討を行うなどし、その後の省内での議論を経て、勤務延長制度について今般の解釈に至ったものでございます。

#50
○階委員 答えていません。
 法改正を、十一月の段階から、時間ができたので見直しましょうということで、法改正をどういう内容にするかということを再検討する過程で勤務延長とかの検討もされたということなんですが、私が尋ねたのは、その法改正が、実際に案がつくられる前に、法解釈を変えて黒川氏の定年延長がされた。なぜ、その法改正を待たずして法解釈を変更して、そして運用をしなくちゃいけなかったのか、ここを聞いているわけですよ。お答えください。

#51
○森国務大臣 先ほどもお答えをしたのですけれども、法務省においては、通常国会への提出が予想されていた検察官の定年引上げに関する法律案の策定の過程で、昨年十二月ごろから現行の国家公務員法と検察庁法との関係について必要な検討を行っておりました。その結果、本年一月十七日までには、法務省内において、検察官の勤務延長について一般法である国家公務員法の規定が適用されるとの解釈に至ったところでございます。
 この解釈を前提に、法律案に勤務延長制度を取り入れるのであれば、急ぎ、法律案の策定作業を開始しなければならず、早期に最終的な結論を得る必要があったことから、直ちに関係省庁と協議を行い、この解釈変更について異論はない旨の回答を経て、最終的に結論を得たものでございます。

#52
○階委員 やはり私の質問にちゃんと答えていないと思うんですね。
 最終的に法案を策定する過程で、人事院とか法制局に、この解釈でいいですかということを一月の十七日ごろに法務省内で固めて、相談をされた。ここはそういうものだったというふうにしましょう。ただ、だからといって、法改正を待たずして、もう解釈変更したから運用しますよというのはまた別の話で、法改正を待って、そして法改正を経て運用すればいいわけで、冒頭で申し上げましたとおり、この法改正によってさまざまな定員面の影響というのもあるわけですから、そういった多角的な法案についての審議を経て、そして成立した後に、新しい法解釈に基づいた運用をすべきだと思うんですね。
 そういうことを一切飛ばして、いきなり、法案の策定過程でこういう解釈になったから、もう法案を通す前に運用を開始するというのは、何でそんな急ぐ必要があったのか、全くわからないんです。なぜそれを急ぐ必要があったのか、お答えください。

#53
○森国務大臣 法務省においては、検察官の定年引上げに関する法律案において勤務延長制度や再任用制度をどのように取り扱うかを考える前提として、現行法の勤務延長制度や再任用制度について、国家公務員法と検察庁法との関係を検討しておりました。
 その結果、検察官の勤務延長については一般法である国家公務員法の規定が適用されるとの解釈に至ったことから、直ちに本年一月十七日から同月二十四日にかけて関係省庁と協議を行い、異論はない旨の回答を得て、同日の段階で最終的に結論を得たものでございます。

#54
○松島委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

#55
○松島委員長 速記を起こしてください。
 森まさこ大臣。

#56
○森国務大臣 法改正の前に、論点として勤務延長制度や再任用制度について検討していたわけでございます。その中で解釈を変更するということの結論に至りまして、関係省庁と協議をした結果、法解釈の変更に至ったわけでございますけれども、その後の個別の人事との関係については、お答えを差し控えさせていただきたいというふうに思います。
 法改正との関係は、解釈変更が調ったので、その旨、またそれを法改正に反映させたということであると思います。

#57
○階委員 個別の人事のことを聞いているんじゃなくて、法改正の過程の中で検察官の勤務延長のことも議論されて結論が出ました、そうしたら、結論が出たものは改正される条文に反映すればいい話であって、なぜ、まだ法案の条文もできていないうちから、解釈を変えたからといって運用する必要があるのかと。普通はそんなことはしないはずだし、私は、こんな解釈の変更を、法案の、今ちょうど変えようとしているタイミングですからね、変えようとしているタイミングで、もうすぐ法案を出すというんだから、法案を出して審議をして、国会で成立した後に運用を開始するというのが当たり前だと思いますよ。
 なぜ、法案の前に、解釈が固まったからといって運用を急ぐ必要があるんでしょうか。これは一般論としてお聞きしていますけれども。

#58
○森国務大臣 法改正については、その時期は、当然、所管省庁として改正をお願いする前提で動いておりますが、実際、前の国会でも改正法の提出に至らなかったという経緯もございまして、いつ改正されるかというのはまた別の話だと思います。
 解釈変更については、この改正法案を検討する過程で、検討していたときに、これは解釈変更できるし、すべきであるというような結論に至り、それを法制局や人事院と協議を行い、異論はない旨の回答を得たもので、ここで最終的に解釈変更の結論を得たものでございます。
 実際の運用については、特に急いだとか、そういうことについて、個別の人事についてはお答えを差し控えさせていただきますけれども、適正なプロセスを経て法解釈が変更されたと考えております。

#59
○階委員 ちょっと質問をかえますけれども、大臣の中で、今回の解釈変更というのは重要な変更であるという認識はありましたか。
 つまり、昭和六十年ですか、改正の国家公務員法が施行された時点では、検察官については定年後の勤務延長はないということで解釈は確定していたわけですね。これを百八十度変えるということだから、私は、もし解釈変更ということであれば、解釈変更にも重要度がいろいろあるとすれば、極めて重い解釈変更だと思いますが、そういう認識はあったということでよろしいですか。

#60
○森国務大臣 法務省における過去の法解釈の変更も、幾つか、私の方では事務方に出させて目を通しましたけれども、法解釈の変更というのはそれぞれ全て重要なものであるというふうに考えておりますが、過去、実際に法解釈を変更してきた例はあったものと承知しております。

#61
○階委員 法務省ではないですが、集団的自衛権の関係の憲法の解釈の変更というのも、あれは解釈を変更してすぐ運用を開始したわけじゃなくて、法案を通して、それから運用が始まっているわけですね。
 事ほどさように、法律の解釈の変更というのは極めて重いものだと思いますし……(発言する者あり)憲法も法令ですから、法律の一種ですから。ただ、これは、条文の……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。
 私は、この検察官の定年後の勤務延長というのは、憲法とは確かに、法律と憲法ですから、それは法律のレベルは違いますけれども、ただ、本当に大きな話ですよ。これは、今までできないと言われていたものをできるというふうにするんだったら、本当に、法律を変えてからやるべきだと思うし、もし本当に法律を変える前に必要があるんだというのであれば、それ相当の理由がないとできないと思いますよ。それぐらい重要な話だと思うんですよ。
 そんな、法律を変える前から運用を開始しなくちゃいけない理由は私はないと思うんですけれども、なぜそういう必要があったのかということを、もう一回お尋ねします。

#62
○森国務大臣 憲法の解釈とは違うと思いますが、今回は法解釈の変更でございます。そして、法解釈の変更については、有権解釈として、所管省庁である法務省において第一義的に判断を行うということになっているというふうに思います。
 一月二十四日の段階で、現行法の解釈として、検察官にも勤務延長の規定が適用できるものというふうに解釈が決定したわけでございますので、その後、運用したということでございます。

#63
○階委員 なぜ運用したのかというと、要するに、黒川氏の定年の延長を認めるためにやったというふうにしか捉えられないわけですよね。それ以外の理由は全く考えられないし、きょうは、一般論として聞いても、全く答えが返ってこないんですよ。
 ですから、要は、黒川氏のために、法改正の前に今回の解釈変更を行ったというふうに捉えられる。これはもう、世間一般から見て必ずそうなると思いますよ。それに対して、そうじゃないんだというふうに反論してもらわないと、これは法の支配じゃなくて人の支配ということになると思いますね。
 ちゃんと、一般論として、なぜ法改正の前に運用を開始しなくちゃいけなかったのかということを説明してもらわないと、私だけではなくて、国民は納得しないと思いますよ。そこをちゃんと説明してくださいよ。説明できないのなら、黒川氏のためでしたというふうに認定せざるを得ません。どうですか、大臣。

#64
○森国務大臣 黒川氏の、個別の人事のために今回の法解釈の変更をしたわけではございません。
 先ほどから申し上げましたとおり、現行法の解釈として、一月二十四日の段階で、検察官にも勤務延長の規定が適用できるものと解釈したわけでございます。
 その後の人事については、その現行法の解釈について、その現行法の解釈を前提に、検察庁の公務遂行上の必要性から、勤務延長の閣議請議を行ったものでございます。

#65
○階委員 まあ、結局、一般論として、法改正前から定年後の勤務延長の運用を始めなくちゃいけないということについては全く説明ができていないというわけで、やはり黒川氏のためだったのかという疑念が強まるわけですね。
 それともう一つ。さっきから解釈変更があったという前提で説明していただいておりますけれども、本当に解釈変更があったのかということを私は疑問に思っています。
 なぜならば、その解釈変更の証拠とされる、この二ページ目、三ページ目、これは法務省から一月二十二日に人事院へ交付した勤務延長制度の検察官への適用についてというペーパーですけれども、ここについては、全く解釈変更ということは出てきておりません。それを受けて、この件に関する回答について、人事院の方でも、解釈変更ということはどこにも出てきておりません。単に、検察官にこの勤務延長に関する規定を適用するかどうかということについてどういう解釈をとるかということは述べられていますけれども、解釈変更ということはどこにも触れられていないんですね。
 さっきから、運用を開始することは法改正の前になされていたということについて指摘させていただきましたけれども、もし本当に解釈を変更するんだったら、従前の解釈をいつ、どの段階から変えるのかということが日付として明示されていなくてはおかしいと思うんですね。ところが、この両方の文書、どこにも日付も出てきておりません。作成日もなければ、新解釈の運用開始日も出てきていない。
 これは解釈変更じゃないですよね。解釈がこうだよねということを確認したというにすぎないのではないですか。解釈変更はやっていないんじゃないんですか、少なくとも黒川氏の人事の前には。どうですか、この点。
 解釈変更は黒川氏の人事の前にやっていたというのであれば、この書面だけからはそれは証明できません。解釈変更をやったという証拠はありますか。

#66
○森国務大臣 はい。解釈変更しております。黒川氏の、個別の人事の前に、解釈変更をしております。
 法務省においては、検察官の定年引上げに関する法律案の策定の過程で、現行の国家公務員法と検察庁法の関係について必要な検討を行った結果、検察官の勤務延長については一般法である国家公務員法の規定が適用されるとの解釈に至ったものであることは先ほどお答えをいたしましたが、このように、法律案策定の過程で解釈を改めるに至ったことは当然の前提でありました。人事院も法制局についても、従前の解釈については当然の前提でございましたので、御指摘の二〇二〇年一月十六日付の文書、それから人事院に提出した文書、それから内閣法制局等の協議に用いた文書には、特段その旨は記載しなかったものと聞いております。
 また、法務省においては、あくまで法律案策定の前提として解釈変更を行ったものであることから、御指摘の文書に御指摘のような基準日の記載は特段しなかったものというふうに聞いております。
 他方で、例えば二〇二〇年一月十六日付文書を見ていただきますと、検察官について勤務延長制度を適用する必要性があることを述べていると評価できる記載はなされておりまして、御指摘は当たらないものと考えます。

#67
○階委員 今、最後の方で、二〇二〇年の一月十六日のメモということが御指摘がありましたけれども、私はこれも見ました。
 これを見ると、要は、これを踏まえてさっきの法務省の一月二十二日に人事院に交付した文書というのがつくられているということだと思うんですが、この一月十六日のメモ、この中には、三ページ目ですけれども、検察官については、そもそも国公法の定年制度の対象とはならないとの考え方もあり得るところである、こういう記述があって、これは、考え方もあり得るどころか、政府として定まった解釈だったわけじゃないですか。何で、あり得るなんですかね。
 あり得ると言っていること自体、そもそも、従前の解釈、政府の解釈は何たるかということをこの人は知らなかった。この人は知らないのに、さっき言ったような一月二十二日、人事院に出されたペーパーがつくられているから、解釈変更という議論は全くされていなかったんじゃないですか。

#68
○森国務大臣 二〇二〇年一月十六日の文書は事務方のメモでございますけれども、この文書から、法制局に提出をした、一月十七日からの法制局との協議に使った文書を最終的には作成をしたというふうに聞いておりますが、その法制局に行く直前に、私のところにレクというか説明に来た際に、従前の解釈について述べておりましたので、従前の解釈については当然の前提として皆が共有していたものでございます。

#69
○階委員 全く説得力はなくて、二十二日のペーパーの前提となったメモには、考え方もあり得るという表現なんですね。政府の統一解釈、有権解釈を、考え方もあり得るなんということを、法務省の官僚がそんな軽々しく扱っていいとは到底思えません。これは別に悪気があってそうしているわけではなくて、多分、従前の解釈を知らなかったんでしょう。知らなかったから、要するに、解釈変更というようなたてつけのペーパーには一月二十二日になっていません。
 そして、人事院にもやはりこの点については確認しておかなくてはいけないと思いまして、きょうは、総裁の責任でこのペーパーが、四ページ目の人事院の名義のペーパーがつくられたと聞いております。そこで、お越しいただきましたので、お尋ねしたいんですが。
 勤務延長に関する規定の検察官への適用についてと題する書面、これは解釈変更を行うための議論の過程でつくられたのか。それとも、今回解釈を確定するために、従前の解釈と変更ということを意図したものではなくて、もともと条文上こういう解釈なんだよねということを確定するために法務省から出されてきた意見に対して、人事院として返答したものなのか。解釈変更なのか、そうでないのか、どちらの趣旨で書かれたものなのか、お答えいただけますか。

#70
○一宮政府特別補佐人 一月二十二日に、当方の事務総長が法務事務次官から検察庁法の解釈が示された文書を受領いたしました。
 人事院といたしましては、それまで、検察官については国家公務員法の勤務延長を含む定年制度は検察庁法により適用除外されていると理解しておりましたので、私とほかの二人の人事官、事務総局が一堂に会して検討を行いました。
 その結果、国家公務員法と検察庁法の適用関係は、検察庁法に定められている特例の解釈にかかわることであり、法務省において適切に整理されるべきものであることから、一月二十四日に、これまでの人事院の認識を付記した上で、異論を申し上げない旨の文書を作成いたしました。これを受けて、同日、当方の事務総長が法務事務次官に直接当該文書をお渡しして、人事院の考えをお伝えいたしました。
 なお、回答の方法としては、結論である異論を申し上げないという部分のみを口頭又は文書でお伝えすることもあり得たところでございますが、今回の照会の性質上、経過を文書に残すべきと考えましたので、私の指示で、人事院の考え方を整理した文書を作成させました。

#71
○階委員 日付がありませんね。これはなぜですか。

#72
○松尾政府参考人 お答え申し上げます。
 今、総裁も御答弁したところでございますけれども、一月二十四日に法務省に対して直接文書をお渡ししておりまして、特に日付を記載する必要がなかったということから、記載をしなかったということでございます。

#73
○階委員 今、勝手に手を挙げて答えられた局長、国会でとんでもない答弁をしていますよね。
 つい言い間違えたというあり得ない答弁をして、私は当然責任をとってやめられるのかと思ったんですが、まだいらっしゃるのでお尋ねします。
 この重要なペーパーがあるわけですが、これは総裁以下幹部の方でつくったペーパーですよね。それで、もし一月二十四日にこのペーパーがつくられたとしたら、当然、そのことは認識した上で国会の答弁に出ているはずだし、そうであるとすれば、二月の十日でしたか、これは後藤さんの質問だったと思いますが、後藤さんの質問で、従来の解釈を維持していますというような答弁はあり得なかったと思うんですね。
 後藤さんの質問の日付、二月の十二日ですね、二月十二日の答弁で松尾政府参考人がおっしゃっているのは、「制定当時に際してはそういう解釈でございまして、現在までも、特にそれについて議論はございませんでしたので、同じ解釈を引き継いでいる」と。これは二月十二日ですよ。本当に一月の二十四日にこのペーパーをしっかりとした手続でつくっているというのであれば、これはほかの委員もいろいろな場で質問していますけれども、絶対にこんな答弁にはならないわけですね。
 本当に、繰り返し聞きますが、この人事院のペーパー、一月二十四日につくったものだと、ここを真実だと言い切れますか。総裁、お答えください。

#74
○松島委員長 階委員、先に確認ですけれども、御質問の中で、後藤さんとか、名前が出てきましたが、委員会は、何委員会における質疑ですか。

#75
○階委員 失礼しました。
 二月十二日の衆議院予算委員会、後藤祐一さんの質疑の中で、松尾政府参考人は先ほどのような答弁をしております。

#76
○一宮政府特別補佐人 これは、先ほどお答えいたしましたとおり、私が直接経験したことをここで説明申し上げていることでございますので、真実でございます。

#77
○階委員 真実だという前提で、それではお尋ねします。
 このような重大なことを一月二十四日に決められていた、ペーパーを出されていたということに対して、松尾局長は全くそれと反するようなことを国会で答弁されました、二月十二日に。これは問題ないんですか。どのように考えていらっしゃいますか。総裁に聞いていますよ、今の点は。

#78
○一宮政府特別補佐人 二月十二日の衆議院予算委員会において給与局長は事実関係に基づいて答弁したものでありますが、同日の予算委員会における答弁について表現として適切でないという御指摘があり、二月十九日の予算委員会において必要な修正をさせていただいたものと認識しております。

#79
○階委員 必要な修正は、つい言い間違えたで通るんでしょうか。それが通るんだったら、はっきり言って、検事の取調べだって全く意味をなさないですよ。取調べのときに私は犯罪を犯しましたと言って、公判でいきなり、あれは言い間違えましたと言ったとしても通らないですよね。そんなことが通るんだったら、刑事司法も成り立ちません。
 それで、松尾さん、本当にそれでいいんですか。私は二月十二日の答弁の方が正しかったと思いますよ。解釈変更なんということは全くやられていなかった、二月十三日に総理が解釈変更ということを本会議で答弁されたので、後づけで解釈変更という話にしていったということだと思います。
 先ほど人事院の総裁がこのペーパーは真正なものだ、真実この日につくられたものだと言いましたので、私はそれを信じたいと思いますが、そうだとしても、このペーパーの趣旨は、解釈変更とは関係なく、解釈を確定するためにつくられたものだというふうに考えていますけれども、その理解で違うと言い切れますか。松尾局長、お答えください。

#80
○松尾政府参考人 二月十二日の私の国会での答弁についてお答えを申し上げます。
 国家公務員法における定年制度の制定当時は検察官には国家公務員法の定年制度の適用はないと解釈されておりまして、その後も今回の法務省からのお話があるまではと正確に答弁すべきところを現在という言葉を使ったことが適切ではなかったということで、二月十九日に、御指摘を受けまして必要な修正をさせていただいたところでございます。

#81
○階委員 全くもって今回の解釈変更の経緯が証明されていない。解釈変更であれば、日付が入った形で、ちゃんと、いつの時点で変更がされたか、そして、それをいつから運用するかということを明らかにするべきであるのに、そういうものがないということで、疑惑は深まるばかりです。
 その点については、本当に解釈変更がされたのかどうかということをしっかり証明できる資料をこの委員会に出していただきたいというふうに考えております。これはもう従前から、ほかの委員会からもあると思いますので、引き続き理事会で協議をお願いします。

#82
○松島委員長 はい。

#83
○階委員 その上で、本題に戻りますけれども、判事の定員がどうかということは、先ほど別の委員も指摘していましたので割愛します。
 そして、判事補の定員を三十人減少させるということなんですが、判事補の定員は本当にこれで減員は十分なのかということなんです。
 五ページ目を見ていただきますと、下級裁判所の判事、判事補の定員、現在員等内訳ということです。欠員のところを見ていただきますと、判事補の方、一番下に百五十五という数字がありますが、これは、仮に三十人減員すれば百二十五という数字になります。百二十五という数字になるわけですけれども、これから一年間、出入りがある中で、最終的にどうなるのかということの見積りを出してもらいました。それが七ページ目です。
 七ページ目を見ていただきますと、まず、ちょっとグレーにしている部分なんですが、プラス百一というのが、今、司法修習をしている人で、司法修習になったときに裁判官を希望していた者の数ということで、そこから今度は判事補から判事に上がる方なども差し引いていきますと、最終的には欠員は百十四から百二十四ということで、先ほどの数字と比べますと、大体、今回、三十人判事補を減らすことによって欠員を百五十五から百二十五にするわけですけれども、この百二十五と大差ないような数字になるわけです。
 そもそも、百十四から百二十四という欠員が非常に多いと思いますけれども、まだこれでも楽観的な見込みだと私は考えております。
 なぜならば、次のページを見てください、八ページ目ですけれども、司法修習生になったときの裁判官を希望していた数に比べて、実際に採用する数というのはうんと少ないわけです。去年でいいますと、百二十七人志望者がいて、採用は実際は七十五人。ところで、今回は百一人しかいません。入り口の段階で百一人しかいないということは、相当ここから減るわけです。ということは、仮に前年と同じぐらいのペースで、百一人が六十人ぐらいになったとしましょう。六十人ぐらいになったとすれば、最終的な欠員数は、ここに四十ぐらいプラスされるわけですから、やはり百五十を上回ってくるということになります。
 結局、三十定員を減少しても、百五十以上欠員が見込まれるのではないかということで、全く、この定員、法案改正後も余剰が多過ぎるのではないかと思っていますが、なぜそのようなことになるのか、最高裁から説明をお願いします。

#84
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 裁判所としては、できる限りの判事補の定員の充員に努めているところでございますけれども、新任判事補の採用数が伸び悩みまして、その結果として欠員数が高水準となっているところでございます。
 この理由としては、裁判官にふさわしい資質、能力を備えていることが必須、前提になるわけですが、まず前提として、判事補の給源となる司法修習終了者の人数自体が減少しております。これに加えまして、弁護士として活躍する分野が広がっていることですとか、あるいは渉外事務所等を中心とする法律事務所の大規模化等に伴いまして、採用におけるこれらとの競合が激化しております。また、異動、転勤への不安を持つ司法修習生がふえているといったことが、こうしたことになっている理由と考えているところでございます。

#85
○階委員 司法修習の終了者が減っているということなんですが、今、千五百人はキープしましょうということで、受験者がどんどん減っていく中で合格者だけは千五百人になっているということなんです。
 出願者がうんと減っているという状況については、これはきょうの資料でいいますと関連するのは九ページ目、法科大学院修了者が年々減ってきていて、五年前は二千五百十一人いたのが、今では千四百五十六人、この五年間で千人も減ってきています。
 これがどんどん出願者が減ってくることにつながっているわけでありまして、出願者が減るということは、法科大学院を修了した人が司法試験を受けられるのが原則である今の受験資格制度に問題があると思っています。
 司法試験の受験資格の制限が出願者の減少につながっていると思うんですが、この点について大臣の御所見をお願いします。質問の十番目です。

#86
○森国務大臣 司法試験は、法科大学院課程を修了した者及び予備試験に合格した者に与えられているわけでございますが、委員御指摘のとおり、出願者数が平成十五年をピークに減少しておりまして、昨年は四千九百三十人、本年は四千二百二十六人でございます。
 このような司法試験の出願者数の減少についてはさまざまな要因が考えられますが、その一つとしては、委員御指摘のとおり、法科大学院入学者数が減少し、それに伴い、司法試験の受験資格を有する法科大学院修了者数が減少していることが影響していると考えられます。

#87
○階委員 法科大学院の修了者はまだこの後も減りそうですね。どんどん減っていっています。こういう中で、出願者はそれに伴って減ってくるということになりますと、当然、母集団が減るわけですから、出願者の質の低下にもつながると思いますが、この点について法務大臣の見解を伺います。

#88
○森国務大臣 法科大学院を中核とする法曹養成制度が導入される前の旧制度下については、司法試験という点のみによる選抜の方法について、受験競争が厳しい状況にあり、受験者の受験技術優先の傾向が非常に顕著となっていたことや、質を維持しつつ大幅な法曹人口の増加を図ることに大きな困難が伴うこと等、さまざまな問題点が存在したことが指摘されておりました。
 それを克服するために、新たに法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度が導入されまして、高度の専門的な法的知識を有することはもとより、幅広い教養と豊かな人間性を基礎に十分な職業倫理を身につけ、社会のさまざまな分野において活躍する法曹を確保することが目指されていたものでございます。
 このような制度が導入された趣旨とともに、委員御指摘の人数確保についても、五者協議等を通じて、これからさまざまな改革を図ってまいりたいと思います。

#89
○階委員 昨年法改正がされましたが、ことし法科大学院に入る人数は、まだ入学者ではなくて合格者の段階ですけれども、激減しております。
 全く法改正によっても法科大学院の人気は戻ってきていないということと、法科大学院、いろいろな理念を掲げてスタートしていまして、そもそも、十ページ目を見ていただくと、司法試験法で第五条というところに予備試験のことについて書かれていますけれども、予備試験は、要は、法科大学院修了者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的としているわけで、同等ですから、本来であれば、法科大学院修了者と予備試験合格者、それぞれ司法試験を受けた場合の合格率が同じぐらいじゃないとおかしいわけですね。おかしいわけなのに、この最後の十一ページを見ますと、直近のところを見てください、合格率、法科大学院修了資格で司法試験を受けた人は二九・〇九%、予備試験を合格して司法試験を受けた人は八一・八二%、うんと開きがあります。この開きというものは全く改善されておりません。
 近年、法科大学院修了者の合格率が上がっているというのは、要は修了している人が減っているから上がっているだけなんですよ。予備試験合格者との間の能力格差というのは、この数字を見る限り全く明らかであるし、法科大学院をやった方が能力が上がるんだと言っているのは全く結果には反映されていないということで、むしろ、受験資格を制限することは法科大学院修了者を優遇するためだけにやられているわけで、そういったことで受験者をどんどん減らしていくよりも、むしろ、受験資格制限を撤廃して、司法試験には広く有為な人材が申し込んでくるような、そういう仕組みにするべきだと私はかねがね申し上げております。
 最後に、この点について大臣の所見を伺います。

#90
○森国務大臣 委員御指摘のとおり、法科大学院修了資格による受験者の司法試験合格率と予備試験合格資格に基づく受験者の司法試験合格率に差があることは承知をしております。
 予備試験の合格者は、実際の試験結果に基づいて、法科大学院修了者と同程度の学識、能力等を有するかどうかという観点から、予備試験考査委員の合議により適正に判定され、これに基づき司法試験委員会において適切に決定されているものと承知しております。
 予備試験の合格者の判定は、試験の独立性、中立性を確保する見地から、学識経験を有する予備試験考査委員に委ねられておりまして、その判定に基づいて司法試験委員会が決定するものとされておりますので、法務大臣として、この司法試験予備試験の合格者数の当否を論ずることは差し控えさせていただきます。(階委員「その答弁、違います。質問と答弁がずれている。最後の質問で、受験資格を撤廃すべきではないかということについての所見を求めています」と呼ぶ)失礼いたしました。
 委員の撤廃すべきではないかという御質問をいただきましたけれども、先ほど法曹養成制度の趣旨について述べさせていただきましたが、法科大学院を中核とするプロセスによる法曹養成制度については、法科大学院全体としての司法試験合格率が当初期待されていた状況と異なるものとなっているなどの問題も確かに指摘されておりますが、その一方で、法曹有資格者の活動領域の拡大や、いわゆる司法過疎地の大幅な減少による司法アクセスの向上といった成果も上がっているものと認識しております。
 このような中、去る第百九十八回通常国会において、法科大学院改革と司法試験制度の見直しを内容とする、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律が成立をいたしまして、これにより、法科大学院教育の充実や、法曹資格を取得するまでの時間的、経済的負担の大幅な軽減が図られることとなりますので、この法改正を通じて、より多くの有為な人材が法曹を魅力あるものとして志望することにつながっていくものと期待しておりますので、今後また、こういったプロセスとしての法曹養成を前提とした上で、今般の法改正の着実な実施及び円滑な導入に向けた取組をしっかりと進めることが最優先と考えておりますので、今段階ですぐに司法試験の受験資格の制度を見直すことは考えておりません。

#91
○階委員 全く客観的なデータと相反するような今の御説明でしたけれども、この点については、ぜひ政府の中でもう一回見直しをお願いしたいと思います。
 終わります。

#92
○松島委員長 次に、松田功さん。

#93
○松田委員 立国社、衆議院松田でございます。
 それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。
 裁判官の働き方改革、それについて少し御質問させていただきたいと思います。
 今回の裁判所職員定員法の改正に当たりまして、民事訴訟事件の審理充実と家庭事件の処理の充実強化のためにという説明をされました。民事訴訟事件についても、家庭事件にしても、平均審理時間や事件内容、事件数などを示されましたが、実際に一人一人の裁判官がどの程度の仕事を抱えているのか全くわかりませんでした。
 それぞれの裁判所によって仕事量が変わるのか。地域差はあるのか。裁判官も専門分野があるでしょうから、それによっても仕事量が変わるでしょう。しかし、裁判官一人一人の仕事量が適切かどうかを判断する材料がございません。国民の人生を左右する判決をされるわけですから、じっくりと取り組んでいただくためにも、審理期間や事件数といったものではなく、裁判官一人一人が適切に職務を遂行できるかという、人からも考えるべきであると思います。そのためにも勤務実態を調査されるべきだと思います。そうして、適切な人員を確保するために改正案を出されるべきではないかと思います。
 こちらに、「裁判官も人である」という、ことし出版された本でありますが、裁判官の素顔がかいま見える読み物でございました。裁判官にも当然、人生もあります。一人の人間として生活をする裁判官の働き方改革を考えるためにも、勤務実態を調査して、そちらから検証することも必要と考えますが、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、田所委員長代理着席〕

#94
○堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 裁判官につきましてもワーク・ライフ・バランスは重要であると考えておりまして、各庁の事件動向等に応じた配置や担当事務の分担の工夫などを行って、積極的に取り組んでいるところでございます。
 勤務の実態についてでございますが、各地の裁判所におきましては、個々の裁判官が休日や夜間にどの程度仕事をしているのかや、手持ちの事件数や内容も含めた負担がどの程度かにつきまして、部総括裁判官を始めとする周囲の者がさまざまな形できめ細かく把握するよう努め、必要に応じて、その働き方について指導助言をしたり、事務負担を見直したりするなどして、裁判官の心身の健康等にも配慮しているところでございます。

#95
○松田委員 裁判官の心身の健康等々とございます。やはり、人の人生をいろいろ決める部分でもありますので裁判官の働き方というのは非常に重要なものでありますし、そういった観点からもしっかり検証していただきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 先日、自殺をしてしまいました財務省職員の赤木俊夫さんが残した手記が公開をされました。私も全文読みましたが、非常に葛藤されていたことがわかります。不正に加担したくなかったがせざるを得なかった、抵抗したけれども抵抗し切れない財務省という組織、非常に怖いと感じました。
 パワハラという罪はないと発言された大臣もおりますが、人権侵害について相談、救済制度を持つ人権擁護局を設置している法務省のトップとしてこの問題をどう思うか、見解をお聞きいたしたいと思います。これは人権侵害事件でございますでしょうか。よろしくお願いします。

#96
○森国務大臣 元近畿財務局職員であった赤木俊夫さんがお亡くなりになったことについては、心から御冥福をお祈りしたいと思います。
 お尋ねの件でございますが、これが人権侵害事案ですかというお問合せに対しては、個別事案に係る事柄でありまして、また、訴訟が提起されていると承知しておりますので、法務大臣としての所感を述べることは差し控えたいと思います。

#97
○松田委員 そういった、個別案件だということでお答えができにくいということを言われることかとは思いましたが、これ自体はハラスメントになるのかどうかということでお伺いしたら、いかがでしょうか。

#98
○森国務大臣 委員のお尋ねなのではございますが、個別事案に対する当てはめということでありますと、お答えは差し控えざるを得ないところでございます。

#99
○松田委員 では、この件じゃなくて、一般論としてはいかがでしょうか。

#100
○森国務大臣 一般論ということでございますので一般論として申し上げますと、官民を問わず、一般に、パワーハラスメントは、働く人の心身の健康を害し、職場において生き生きと働くことのできる環境を阻害するもので、その人格や尊厳を踏みにじるものとして、人権擁護上、看過できないものでございます。
 そのため、法務省の人事擁護機関では、人権啓発の充実、適切な相談対応、人権侵害の疑いのある事案の迅速な救済等に取り組んでいるところでございます。
 パワーハラスメント事案に関しては、依然として発生していることを踏まえまして、パワーハラスメントが決して許されないものであることについて、各種啓発冊子の配布や講演会の開催などさまざまな手段を通じて、社会全体に向けた各種人権啓発活動に粘り強く取り組むとともに、被害者が相談しやすい体制の充実、相談体制の周知、広報に取り組み、実効的な救済にしっかりと努めてまいります。
 済みません。今、人権擁護と言うところを人事というふうに読み間違えてしまいました。人権擁護上、決して看過できないものでございます。失礼いたしました。

#101
○松田委員 要は、一般的にこれはもうパワハラだということを国民一人一人が思っている部分があるということで、そのことが、ほかにも同じように、したくもない文書の改ざんや破棄を上司に命ぜられてせざるを得ない目に遭った方も多く存在するのではないかというふうに懸念がされるわけです。今後、赤木さんのような方を生まないためにも、赤木さんが置かれた状況のようなことはハラスメントに当たると法務大臣みずからが認定されて、そういう相談があった場合は必ず救済措置をとりますと明言をしていただかないと、こういった本当に悩んで苦しんでいる人たちがみえる、それの部分でないと自殺まで追い込まれてしまうような人を減らすことは僕はできないと思うんですね。
 そういった意味において、このような人権侵害を認めないと大臣みずからが発することが法務大臣としての役割と考えますが、いかがでしょうか。
    〔田所委員長代理退席、委員長着席〕

#102
○森国務大臣 一般論として申し上げますと、先ほど申し上げましたとおり、官民を問わず、パワーハラスメントは人権擁護上、看過できないものでございます。
 その上での個別事案の当てはめについては、法務大臣の立場からはお答えはできかねますので、差し控えさせていただきます。

#103
○松田委員 本当にこれは人が一人亡くなってしまった事案ということ。個別案件だと言いにくいということであれば一般論であっても、これはもう完全にパワハラだというふうでないと、それは相談に乗る人も相談できにくくなっていることをつくって。ちょっとお話もありましたが、第三者委員会をつくってきちっとこれはやるべきであって、そうでないと命の大切さは伝わらないというふうに思いますし、ここはやはり、それぞれ相談窓口があるだけで何の役にも立っていない状況になっちゃう。この当たり前のことが発信できないようじゃ全く意味ないよねというふうに思うわけです。
 ですから、一般論的に言ってでも結構ですから、やはり大臣の方として、きちっとこれは調べて、きちっとこういった、一般論で結構ですけれども、そういうことによって、例えば上司が、改ざんしてとかやってと言うことで、それに対して、やりたくない、そんなつもりで僕はこのところに来たわけじゃないと思いながら、葛藤しながらやって、最後は自分で命を絶ってしまうということからすると、そういった事案だったらどうですかと確認されたら、これはパワハラですというふうに言える状況でないと、誰も判断できないと思うんです。
 ですから、そのこと、この単純なことですら認められないとなったら、もう誰も信じられない。相談なんか行かないですよ、そんなんだったら。こんな当たり前のことが大臣が言えないこと自体が、もう全く理解ができない。
 そのことについて、もう一度確認します。
 これはそれだということを言うか言わないか。本当に国民全員がそれがパワハラかどうか確認したいと思っているところだから、しっかり答えてください。

#104
○森国務大臣 パワーハラスメントというのは、一般的に、同じ職場で働く者に対して、職場上の地位、経験、年齢、人間関係、専門的知識などが職場内で優位であることを背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的、身体的苦痛を与えること、又は職場環境を悪化させることをいいます。
 個別事案に対する当てはめについてはお答えを差し控えざるを得ませんが、委員御指摘のとおり、法務省の人権擁護機関で更に、人権啓発の充実や適切な相談対応、こういったことの広報、周知に尽くしてまいります。

#105
○松島委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

#106
○松島委員長 速記を起こしてください。
 今の松田委員の質問については、法務省の人権擁護局長菊池さんから、法務省としての立場、人権擁護局長としての考え方を、誰それがということでなく一般論として答弁をお願いします。

#107
○菊池政府参考人 お答えいたします。
 一般的に申し上げまして、大臣からも御答弁申し上げたとおり、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位、経験、年齢、人間関係、専門知識などが職場内で優位であることを背景として、業務の適正な範囲を超えて、精神的、身体的苦痛を与えること、又は職場環境を悪化させることがパワーハラスメントに当たると考えております。
 このような事案について、法務省の人権擁護機関に人権相談あるいは人権侵害の申立てがなされた際には、法務省の人権擁護機関におきましては、必要な調査を行い、その調査結果に基づいて、説示、勧告等の必要な措置を講ずるよう努めているところでございます。

#108
○松田委員 されていることはわかっているんですよ、いろいろな救済のこと。そのことを聞いているんじゃなくて、一般的に、こういうこと、改ざんしてね、やってね、やりたくない、でもやった、やらされた、それで自殺になった。その葛藤で自殺になっちゃったわけ。誰とかじゃなくて、それはパワハラですよねということは、要は、例として、そういうことが起きたらパワハラです、認定ですということを確実に言ってもらわないとそれはわからないですよねと、相談に行くにしても。

#109
○菊池政府参考人 お答えいたします。
 ある言動がいわゆるパワーハラスメントに該当するかどうかということにつきましては、当該言動の内容のみならず、当該言動がなされることとなった原因、当該言動が行われた状況等をも総合考慮して判断すべきものでございまして、一概に、こういう場合はこうであるというふうにお答えすることは困難であることを御理解いただきたいと思います。

#110
○松田委員 済みません。普通の、相談窓口だから、それがそれに当たるかどうか、例えば今この事案にしても、わかりやすくそれを言って、それでも答えられないといったら、それは相談に行く意味がなくなっちゃうよと言っているんです。(発言する者あり)

#111
○松島委員長 委員席からの発言は控えてください。

#112
○松田委員 いろいろな御意見はあるかもしれませんが、そうやって思う人もいるということです。だから、相談に行く人の気持ちになって考えてあげてくださいねと言っているだけですよ、それが当たる、当たらないじゃなくて。
 だから、わかりやすく今聞いているだけなのに、そのことに対してやじもあったら、それは誰も行かないよ、そんなんだったら。意味ないじゃん。そういうことを考えてみんな相談に行くのに、そうやって今のやじみたいな形になったら、それは行かないよ。(発言する者あり)

#113
○松島委員長 委員席からの発言はやめてください。

#114
○松田委員 そういうことを考えて、今の発言もいろいろ含めて、とにかく相談に行きやすい体制をつくることが重要であるし、そのことでわかりやすくすることが重要であるということでありますから、そのことが私は重要だと思っているので、お答えも、繰り返しになりますが、そういうことを十分理解していただきたいと思います。
 次、人事院の方は、ことし、公務職場におけるパワーハラスメント防止対策検討報告をまとめられました。パワハラ事例なども明記されており、今後も事例を積み上げられ、公務員からの相談に対し、対応されることとなると思います。
 大臣にお聞きしたことと同じでありますが、今後、人権侵害に遭い命を落とすことがなくなるように、今回の赤木さんのような件も事例として認めて、再発防止に向けて発信されるべきと思いますが、いかがでしょうか。

#115
○合田政府参考人 お答えいたします。
 国家公務員の方が亡くなられたということは、まことに痛ましいことだというふうに私どもも受けとめているところでございます。
 委員お尋ねのパワーハラスメント対策でございますが、委員御指摘のように、本年一月に、公務職場におけますパワーハラスメント防止対策の検討会から報告書が提出されたところでございまして、現在、これを受けまして、人事院におきまして、新しい人事院規則の制定等に向けて作業を進めているというところでございます。
 ハラスメントにつきましては、人格、尊厳を害する行為であってはならないということでございまして、一つには、そういうパワーハラスメントについて、規則上はっきりと定義を置き、このようなことを禁止するということを規定するとともに、この問題に関しましては、ハラスメントを受けられた方の救済ということが非常に重要になってまいりますので、各省におきまして相談体制等を講じて迅速、適切に対応していただくということに加えまして、これはほかのハラスメントでもございますけれども、国家公務員の方は、それぞれの省庁の相談窓口に行くことに加えて、人事院の公平審査局の方に相談をするということも設けております。
 これで、相談が参りました際には、相談者の意向に沿いまして事実関係の確認等を行ってもらう等により、相談に係る問題の迅速かつ適切な解決に取り組んでいるというところでございまして、御指摘のパワーハラスメントの問題につきましても、新しく制定いたします規則等に基づいて、人事院としても、しっかりと相談の対応等についても対応してまいりたいと考えているところでございます。

#116
○松田委員 今回の件の一つも、一般論的に事例として記載をしていただくようなことは考えていますか。

#117
○合田政府参考人 お答えいたします。
 先ほどお答えしましたように、新しく制定いたします人事院規則の中ではパワーハラスメントの定義等を規定するということを予定しておりますし、また、それを受けます通達で、どのようなものがそれに該当するかについても書いていくということを予定しているところでございます。

#118
○松田委員 ぜひ検討して入れていただきたいと思います。
 ちょっと時間がないので、次に進みます。
 送還忌避者について、ちょっとお伺いをいたします。
 法務省の出入国管理政策懇談会のもとに設置されております収容・送還に関する専門部会について伺います。
 この専門部会の趣旨について、法務省のホームページには、送還忌避者の増加や収容の長期化を防止する方策やその間の収容のあり方を検討することは出入国管理行政にとって喫緊の課題と書かれております。
 単刀直入にお伺いしますが、送還を忌避している被収容者の数は増加しているのでしょうか。

#119
○高嶋政府参考人 お答えいたします。
 送還忌避者は増加しております。これは、特に長期収容者の増加という形であらわれてまいります。
 収容期間が六カ月以上の者の人数は、平成二十五年末では二百六十三人でありましたが、平成三十年末には六百八十一人へと増加している、こういう数字でございます。

#120
○松田委員 政府は、二〇一九年の十二月の福島みずほ議員からの質問主意書に対する答弁で、二〇一三年から二〇一八年の各年における送還忌避被収容者の数については、いずれも集計を行っておらず、お答えすることは困難であると答えております。送還忌避者が増加していると言っているのにもかかわらず、過去の数字が存在をしないわけでございます。
 また、政府の統計を見ると、送還件数は年々増加していて、二〇一七年以降は、退去強制令書が発付されている人よりも送還されている人の方が多いくらいでございます。送還を忌避している人、実はふえていないのではないでしょうか。
 更に言えば、送還忌避者という言葉の定義について、二月二十五日の衆議院の予算第三分科会の山内康一議員からの質問に対して入管庁は、法令上の用語ではなく、入管実務で用いられている用語と回答をしております。法令で明確に定められた定義が存在しているわけではなく、例えば、入管法上送還されてはいけないことが明示されている難民申請中の方も、この数字に含まれたりしているわけです。
 こういった曖昧な言葉を振りかざして、ふえていますと言われたところで、それが本当なのか、疑問を抱かざるを得ません。送還忌避者が増加という専門部会の設置の大前提が揺らいでおります。専門部会の目的や趣旨の再検討が必要でないかと思われますが、いかがでしょうか。

#121
○高嶋政府参考人 御質問にお答えしたいと思います。
 送還を忌避していない者は直ちにほどなく送還手続をとって帰国して、自国に帰っていきますので、いわばフローとして把握されている数字は相当大きな数字になります。それに対して送還を忌避している者は、いわばどんどんどんどんストックとして数がふえていきます。各年度の一番最後の段階である収容者数というのは、本来、送還を拒否していない者であればその数はある程度一定の数になるはずでございますが、この数がふえていくということは、いわば送還を拒否している者がふえている、こういうふうに理解するということで我々は数字を把握しているものでございます。
 また、現に収容所において収容を担当しております職員がふだん見聞きしている感覚におきましても、やはり、現に拒否している者が非常に多数に及んでいる、こういう実態がございます。
 そういう実態を踏まえまして、やはり送還忌避問題を何とかしなくてはいけない、こういう段階になってきております。そこで、専門部会においてさまざまな方策を御議論いただいているということでありまして、この議論の重要性については極めて重要であるというふうに考えております。

#122
○松田委員 専門部会についてでございますけれども、再検討の方向としてぜひ提案をしていきたいというふうに思います。
 送還数がふえていることを見るに、入管庁は送還できる人はどんどん送還しているものだと思います。送還忌避者がもしふえているとしたら、それでも送還ができない、若しくは送還をしてはいけない人たちの存在が明らかになったからではないかと思われます。それならば、検討すべきは、送還を促進するための施策ではなくて、そういった方たちを収容から解放してどのように日本社会で受け入れていくのかという点だと思います。現行の法制度では、難民認定や在留特別許可といった手段があるかと思います。ぜひそれらを進めるべきと提案をさせていただきたいと思います。
 質問、次に移ります。
 引き続き送還に関した質問でございますが、法務省は二〇一九年十月一日に、「送還忌避者の実態について」という資料をホームページで公開をいたしました。送還忌避者とされる人についてさまざまなデータが記載されております。十月の資料の中に、仮放免中の人がかかわった具体的な事件を挙げているページがあるのですが、これは実は、判決結果を踏まえたものではなくて、入管に通報された内容のみに基づいたものでありました。実際に紹介された事件の中には、判決において一部無罪となった事件が含まれているという指摘が、昨年の十一月二十八日、参議院厚生労働委員会において石橋通宏議員よりもなされております。
 これを受けて、ようやく三月二十七日、ついこの間発表された「送還忌避者の実態について」の資料の中からは、仮放免中の被収容者が国民の安全を脅かす旨の文言は削除されておりました。しかし、指摘があるまでこのように事実と異なる事件をホームページに掲載し、また昨年の十月一日の法務大臣の記者会見でもこの間違った資料を紹介されておりました。
 この件について、きちっと御説明をいただきたいと思います。

#123
○宮崎大臣政務官 今御指摘をいただきました昨年十月公表の資料における記載は、委員からも御指摘ございましたけれども、入管法の第六十二条の規定に従いまして関係機関から入管当局になされた通報により把握した事件の内容を記載したものでございます。
 この事例に関する記載につきまして、判決結果と異なる記載がある、このような御指摘を受けまして確認をしましたところ、確かに、御指摘のとおり、判決結果を踏まえた内容となっていないというものが判明をいたしました。
 そこで、私は、出入国在留管理庁に対して、判決結果を踏まえた適切な対応をするようにという指示をいたしまして、まず、この指示、先ほど御指摘がありましたとおり昨年十一月二十八日の参議院での御指摘でありますけれども、その後速やかに、御指摘の資料につきましては、これを掲載していた法務省のホームページからリンクを外しまして、閲覧ができないようにまずいたしました。
 その後、昨年の十二月の二十日、ホームページにおきまして、ただいま申し上げましたような経緯を御説明しますとともに、今般の御指摘を真摯に受けとめますという旨の見解を掲載させていただきまして、引き続き、今後、公表のあり方について検討をさせていただいていたところでございます。
 そして、委員から今御指摘がございましたとおり、ことしの三月の二十七日、関係の統計はアップデートをさせていただいて、また、事例の紹介を含まないという内容にいたしまして、改定をした形で送還忌避者の実態をホームページに掲載をさせていただいております。
 出入国在留管理庁といたしましては、御指摘の記載は、社会的な耳目を集めた事例の例としてお示しをしたものでございます。事実を歪曲したり犯罪内容を誇張するという意図はなかったところでございますが、今般御指摘を受けましたので、これを真摯に受けとめまして、今後の公表などに際しては十分に留意をするように徹底をしてまいりたいと思っているところでございます。

#124
○松田委員 ぜひ、注意をしていただいて進めていただきたいと思います。
 これは、収容・送還に関する専門部会で、「送還忌避者の実態について」、入管から資料としてもう使用されてしまった部分もございます。また、一回目の会合で、冒頭で、入管庁の担当者から、一ページずつその資料に基づいて丁寧に説明をしてしまっているということで、専門部会設置の大前提とも言える情報が書かれた資料が誤っていて、その修正に三月二十七日まで時間がかかっている状況であるということは、非常に問題であるというふうに思います。
 また、専門部会の部会長からも、事務局からこの部会に御提出していただく資料というものは議論の前提となりますので、正確性を期したものを出していただくようにくれぐれもお願いしますという発言もあったと議事録に載っておりました。
 ぜひ、丁寧に今後進めていただいて、誤りのないように進めていただきたいと思います。
 次に移ります。ちょっと時間が押しておりますので、難民認定問題についての方に行きたいと思います。
 三月十日、東京地裁において、ミャンマー国籍の少数民族カチンの女性が難民認定を求めた裁判があり、難民認定を国に命じる判決が出ました。判決理由として、ミャンマー政権の関係者から暴行を受けた兄が、妹が帰国すれば遺体すら見ることができないと言われたとの手紙を残していたことから、女性の活動は軍事政権にも認識をされていたと認定をしたからでございます。
 当然、女性は同じ証拠を入管庁にも提示したと思われますが、なぜ入管庁では不認定となったのでしょうか。不思議でございます。
 このように、難民不認定処分取消し訴訟、難民不認定処分無効確認請求訴訟、難民認定義務づけ訴訟において国の敗訴が確定した場合、どのような対応をとることになるのかをお答えください。

#125
○高嶋政府参考人 確定を前提としての御質問でございますので、その前提でお答えいたします。
 難民に該当することを理由に難民不認定処分の取消し判決がなされて取消し判決が確定したものにつきましては、一旦、難民としての地位が公権的に確認されているものであるということでございますので、我々としては、その後、難民と認定することとしております。
 取消し判決が確定しただけでは、法律上、当然に難民認定の効果が生ずるものではなく、改めて行政庁による難民認定手続が必要でございます。ただ、御質問のとおり、取消し判決が確定したというその司法的判断を尊重して、難民を認定することとしております。

#126
○松田委員 ちょっと時間が押しておりますので、次の質問に移りたいと思います。諸外国に比べて難民認定率の低さの原因をどう分析されているかをお伺いしたいと思います。
 認定率と保護率を別に計算しているとか、逃げている国の傾向が違うためと伺いましたが、逃げてきている国ごとに比べても、認定率は非常に低いと思われます。
 また、日本は、恐怖に十分に理由があるの解釈に政府から殊さらに注視されていなければならないと、かなり狭めているように思います。国によって基準が異なることは本来あってはならないはずでございます。日本の難民条約に対する解釈は本来の難民保護の意図から外れているのではないか。弁護士や研究者から、国際的に通用しないという指摘があることも承知と思います。

#127
○松島委員長 質疑時間が終了していますので、簡潔にお願いします。

#128
○松田委員 それらの意見を踏まえて、原因についてお答えをいただきたいと思います。

#129
○松島委員長 簡潔にお答えください。

#130
○高嶋政府参考人 難民認定率が少ないことについての御質問でございますが、他国と異なり、欧州等と異なりまして、我が国では、シリア、コンゴ、アフガニスタンといった大量の難民、避難民を生じさせる国の出身者からの難民認定申請が非常に少ないという状況がございます。
 また、さまざまな国の難民認定制度、それぞれ、いろいろ政策的に違っている面がございます。どのような具体的事案において、どのような事情を申し立てて、どのような申請を行ったのか、どのような認定がなされたのか、必ずしも難民認定率のみをもって単純に比較することは困難であるというふうに考えております。
 我々としましては、このような状況の中で、申請内容を個別に審査し、難民条約の定義に基づいて、難民と認定すべき者を認定しているところであります。また、難民と認定できない場合でありましても、本国情勢などを踏まえて、人道上の配慮が必要と認められる場合には、我が国への在留を、これは庇護として認めているところでございます。
 引き続き、難民認定を適切に運用し、また、庇護を必要とする場合には庇護をしっかりやってまいりたいと考えております。

#131
○松田委員 ありがとうございました。
 それでは、ちょっと時間がなくて質問できなかった、また、来ていただきまして、申しわけございませんでした。またよろしくお願いします。
 ありがとうございました。

#132
○松島委員長 次に、藤野保史さん。

#133
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。
 新型コロナウイルスは日本社会全体に大きな影響を与えていると思います。さまざまな省庁にかかわる動きの中で、当法務委員会との関係でいいますと、きょう、冒頭取り上げさせていただきたいのは、この新型コロナの問題を特定の国へのヘイトスピーチに悪用している動きがあるという問題であります。
 昨日、志村けんさんもお亡くなりになりました。私も心からお悔やみを申し上げたいと思っております。
 しかし、この亡くなられた志村けんさんのことまでヘイトスピーチに悪用されて、例えば、志村さんは中国人に殺されたとか、中国人が殺したとか、そういう憎悪をあおるような悪質なツイートが大量に拡散されてしまっていたり、あるいは、それにとどまらず、相手方の殺害とか、あるいは相手方を排除するということを呼びかけるような声まで出てきている。まさにこれはヘイトスピーチだと思います。
 森大臣は、今月六日の所信表明の際にもこのヘイトスピーチについて取り上げられて、丁寧かつ粘り強く取り組みますというふうに表明をされました。そのとおりだと思うんですね。やはり丁寧な、粘り強い取組が必要だと思います。
 昨年の十一月十四日の参議院の法務委員会でも、ヘイトスピーチ解消法の質疑の際に、「国籍、人種、民族等を理由として、差別意識を助長し又は誘発する目的で行われる排他的言動はあってはならないと考えます。」と答弁されております。
 新型コロナへの不安というのは、今後どのような形で噴き出すのか、我々もわからないところがあると思います。それがヘイトスピーチという形で再び起きてくる可能性もこれはあるわけでありまして、今こそやはり政府は、法務大臣としてメッセージを発するべきだというふうに思います。
 そこで、大臣に、やはりこの新型コロナの問題をめぐっても、特定の地域に住む人々や特定の人種や民族、これを攻撃したりあるいは排除するような、敵対心をあおるような行為は許されないんだ、あってはならないんだという強いメッセージを改めて発していただきたいと思うんですが。

#134
○森国務大臣 このたびお亡くなりになられました志村けんさんの御冥福を心からお祈りするとともに、新型コロナウイルスでお亡くなりになった全ての方の御冥福をお祈りいたしたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症に対する国民の不安は増大しております。そのような中で、新型コロナウイルス感染症に関連して不当な差別や偏見があってはならないことは言うまでもないことでございます。
 法務省としては、これまでも、SNS等においてその旨のメッセージを発信しております。例えば、人権擁護局のツイッターにおいて、新型コロナウイルス感染症に関する誤った情報に基づく人権侵害がないように、日本語のほかに中国語でも発信しているところでございます。
 法務省としては、ヘイトスピーチの解消を始め、偏見や差別のない社会、そして全ての人がお互いの人格や尊厳を大切にして生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現に向け、人権擁護活動にしっかりと取り組んでまいります。

#135
○藤野委員 この新型コロナの問題というのは長期化するというふうに言われております。ですから、今後も、大臣が所信でおっしゃったように、このヘイトの問題、ヘイトスピーチ、どのような形で出るかわかりませんので、丁寧かつ粘り強い取組を求めたいというふうに思います。
 その上で、本法案の質疑に入りたいと思うんですが、本法案は、裁判官についての定員は増減なしと先ほどありました。しかし、裁判官以外の裁判所職員について十七名の減員を行うという中身になっております。全体で十七名の減員というのは過去最大の減員でありまして、裁判所の人的体制というのは、これによってますます不十分になっていくことになります。
 そもそも、司法府というのは三権の一つを担う存在でありまして、司法の独立、憲法で定められた国民の裁判を受ける権利、この充実のために独自の、行政とは違った独自の司法府としての予算と体制をつくる責任と権限をお持ちなわけですね。
 ところが、その裁判所が、行政府、内閣が策定した定員合理化計画にある意味協力している。協力する義務はないわけですね、これはもう当委員会でも何度も確認しておりますけれども、協力する義務はないんだけれども、これを協力してきたということで。しかも、これは一回、五年間でしたかで終わったんですけれども、この計画自体は。今度の五年間もこれから始まるわけですが、これにまた協力しようという。本当に、そういうことで憲法で定められた国民の裁判を受ける権利、これを保障する責任を果たすことができるのかということだと思います。
 私たちは、これは、この間の定員合理化計画への協力を見ても、裁判所の体制というのは本当に弱まっている、ですから、この法案には反対という立場をとりたいというふうに思っております。
 その上で、きょうは、新型コロナウイルスが裁判所の現場に与えている影響についてお伺いします。
 最高裁にお聞きしますが、裁判所にどのような影響が今出ているでしょうか。

#136
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 全国の裁判所におきましては、今回の新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、期日の性質や当事者の意向等も考慮した上でございますけれども、特に急ぐというものでない事件につきましては期日を変更したり、あるいは期日を実施する場合であっても電話会議を利用したりすることなど、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止ということの対策に努めているところでございます。
 もう少し具体的に申し上げますと、例えば、実際に、当事者に発熱等の症状があるという御連絡をいただいて、裁判体の判断によって期日の変更を行ったというような事案もございますし、また、手続が終わってから、発熱等の症状が関係者に出たという連絡をいただいて、当事者の動線等を振り返って確認した上で消毒等の必要な対応をとったというものもございます。また、感染防止の観点から、多数の傍聴者が見込まれる事件について、間隔をあけて着席させるように傍聴席の利用法を定めて、そのような期日を実施したというような形で事例が生じているものもございます。
 このような形で、事件処理の面におきましても一定の影響が出てきているところでございます。

#137
○藤野委員 もうちょっと数字的なものを私はお伺いしたかったんですけれども、まあ、いろいろな影響が出ているということでありました。
 東京地裁などでは、五十二の傍聴席のうち三十三を使えないようにして間をあけるとか、そういう取組もやられているということが報じられております。さいたま、水戸、岐阜、横浜、千葉、名古屋、浜松、大津などの地裁や支部で、裁判員裁判の公判や選任手続、これが取り消されたというふうに、きょうも報じられております。東京新聞ですね。
 やはり、なかなか大きな影響がこれからも出てくる可能性というのは、これは否定できないというふうに思うんですね。
 というのは、やはり裁判というのは当事者が法廷や調停室に集まって話し合うということで進めていく性質のものでありますので、どうしたってこれは、なかなか限界もあるというふうに思います。特に刑事事件について言うと、やはり、憲法に定められた迅速な裁判を受ける権利というのがあるもとで、その要請があるもとで、じゃ、今回、その対策とどう調整をとっていくのかという難しい問題もあるというふうに思います。
 最高裁は、事務連絡をことし二月二十六日に出されておりまして、今少しおっしゃられたさまざまな検討もされていると思うんですが、もう少し具体的に、例えばこういう検討をしているとか、そういうのをもう少し具体的に御紹介いただけますか。

#138
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 委員御指摘の、二月二十六日付の事務連絡におきまして、御指摘があったとおり、事件処理については閉鎖空間において近距離で会話を行うといったこともあり得るわけですので、そういった性質の期日かどうか、あるいは当事者の意向はどうかといったことも考慮した上で、先ほど申し上げたように、柔軟に期日変更等をするというようなことも事務連絡に記載をいたしまして、対策の検討を求めております。
 これを受けまして、全国の裁判所におきましては、先ほど申し上げましたが、期日の性質、緊急性の度合い、当事者の意向等を考慮した上で、委員の御指摘にもあったとおり、期日の変更をしたりしている例がございます。また、期日を行う場合であっても、電話会議を利用したりするということなどで感染症の対策に努めております。
 また、その後も、三月の六日付で別途事務連絡を出しておりまして、多数の傍聴者が見込まれる事案につきましてはおおむね一メートル以上の間隔をあけて着席していただくといった形にいたしましたり、あるいは、傍聴券交付事件におきましては傍聴券を求めるための列ができるわけですけれども、そこにおいても、感染の拡大というようなことにならないよう対策をとるようにというようなことの検討を求めているところでございまして、そういったことが実際に行われているというところでございます。

#139
○藤野委員 私も、全司法労働組合の皆さんから現場の実態を伺ってまいりまして、この間の事務連絡、最高裁が出されているのでいいますと、そういう距離をとるとかはいいんですが、例えば体制の問題で、必要に応じて関係機関と連携し、支部や独立簡裁についても必要な人員を確保できるよう応援体制を検討しておくというのもあるんですね。ここの部分が今現場任せになってしまっていて、非常に大きな矛盾を生んでいるというお話を聞いております。
 例えば、現在のところ、家族的責任を抱えた職員は親族を動員して何とかやりくりしているので目立った混乱はないものの、じわじわ休みの方がふえているとか、あと、深刻なのは介護なんですね。老人のデイサービスが閉所になったところもあり、老人介護を抱えた職員は悲鳴を上げていると。一斉休校の関係では、現場に近い管理職である主任書記官などの年代が一斉休校のお子さんがいる年代なんですけれども、それが一斉休校で苦労して、職場から欠ける状態が生まれているとか。こういう実態が既に私どもにも寄せられております。
 ですから、事務連絡で応援体制とおっしゃっているのはいいんですけれども、必要な人員を確保というのはおっしゃっているのはいいんですけれども、具体的にどうするのかというところまで踏み込んで支援しなければならないというふうに思うんです。
 というのも、この間、裁判所職員については抜本的な増員が行われず、地方から都市へということで大規模な振りかえが行われて、職員が二人しかいない、ここにも出てくる独立簡易裁判所、いわゆる二人庁、二人しかいない二人庁というのが、二〇一二年には十七庁でしたけれども、これが今三十五庁にふえているんですね。倍増しております。ですから、ただでさえ少人数のところに今回のコロナの問題も起きているということですから、きめ細やかな対応を求めたいと思うんですね。
 その点で、人事院にお聞きしたいんですけれども、特別休暇という制度を今回とられていると思うんですね。特別休暇というのはいいんですけれども、いいんだけれども、やはりこの制度が、特別休暇の中にもいろいろな号がありまして、十七号とか十八号とかいろいろあるんですけれども、これとの関係で、出勤困難という枠組みを使った結果、例えば、一度出勤して途中でお迎え、例えば幼稚園とかだと十五時に来ないといけませんから、その十五時に行くためには途中で退勤しないといけないんですが、そういうのに対応できないとか、いろいろあるんですけれども、これになかなか対応できない。
 済みません、人事院じゃなくて、そちらでお答えいただければいいんですが、これは柔軟に対応できないんでしょうか。

#140
○堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 裁判所職員につきましては、休暇に関する人事院規則等を準用しておりまして、特別休暇についても人事院に準じた運用を行っているところでございます。

#141
○松島委員長 もうちょっと大きい声で。

#142
○堀田最高裁判所長官代理者 はい。
 今般の出勤困難に関する特別休暇につきましても人事院に準じて運用をしているところでございますが、新型コロナウイルス感染症対策に伴う小学校、中学校等の臨時休業等により、子の世話を行う職員が当該世話を行うため出勤が困難となる場合等に認められる特別休暇でございますので、出勤に関するものということでございますので、退庁時には利用できないものと承知しているところでございまして、裁判所においても同様の運用となっているところでございます。

#143
○藤野委員 いや、私が聞いたのは、それを知った上で、ただそれではいろいろ矛盾があるので、柔軟にできないかと。
 例えば、幼稚園は十五時までにお迎えに行かないといけないんですね。学童だってあるわけです。あるいは、時差出勤とか、いろいろ関係もあったりして、なかなか対応できない。あるいは、免疫不全の持病があるために、感染予防のために自宅待機をしたいんだけれども、これは、今の特別休暇のあれでは、予防、自主的なやつは自宅待機できないと言われたというふうに、そういう声も、実例も挙がっているわけですね。
 新型コロナに感染している可能性があると言われたけれどもどうしようかという判断のときに、ずばっと、そういうのはいいですよ、自宅にいてくださいと言ってくれればいいんだけれども、そこがはっきりしないので、可能性では適用外だと言われているんですね、今の段階。これでは、本当の意味での感染拡大防止にもならないというふうに思います。
 人事院に準じてとおっしゃっておりました。この出勤困難休暇というのは、人事院の規則一五―一四の二十二条の一項十七号だと思うんですね、十七号。これ以外にも、例えば、十八号は台風などの災害時に早い退庁が認められる、あるいは、十六号は、災害等やこれに準ずる場合で職員が勤務しないことが相当と認められるときという規定があるんですが、これが日数制限があったりしてとか、いろいろあるんです。
 確かに制限はあるでしょう、あるんですけれども、かつてない事態なわけですから、ここら辺は、やはり準じてとおっしゃるのであれば、柔軟に運用できませんかということを聞いているんです。ちょっと、もう一回お願いします。

#144
○堀田最高裁判所長官代理者 先ほどの制度的な限界もあるところでございますが、裁判所におきましては、例えば、早出遅出勤務等といいまして、他の制度も利用して勤務時間を早めることで一定程度早目に帰ることもできるといったようなことも、運用上、工夫をしているところでございまして、今後も制度の枠内でできる限りの配慮をしてまいりたいと考えております。

#145
○藤野委員 早出遅出とおっしゃいましたけれども、まさにそれが、十五時までに幼稚園に行かないとというのに使えないんですよ。幼稚園、十五時までの対応というのは、早出遅出というのは認められたけれども、一番早い出動班というのが七時から十五時半という枠でして、枠外になっちゃう。だから、この早出遅出出勤ではだめだということを寄せられているんですね。
 ですから、制度の枠内と最後おっしゃいましたけれども、そこじゃなくて、これだけの事態が起きているわけですから、そこを本気で、裁判所としても、感染拡大も防止するし、職員もちゃんと守るという立場に立てば、そういう制度の枠にとらわれず対応していくべきだというふうに思っております。
 もう一点だけお聞きしますが、例えば二月二十五日に政府の基本方針が出されて、一斉休校などの、もう突貫工事をやって、突貫工事の合間で、三月に入るまでに休まざるを得なかったという職員もいらっしゃって、その場合、休暇に認められるのかといったときに認められないというんですね、今の場合。
 これもやはり、さかのぼって特別休暇を適用して、特に非常勤の方などは無給になってしまう、非常勤の方は一番深刻なんですね。ですから、こういう方にもしっかりと給料が払えるように、多分、お答えは同じになると思うので、柔軟な運用を求めたいというふうに思います。
 やはり、これは本当にかつてなかった事態でありますので、柔軟な対応をしていくことが感染防止にもつながるし、裁判の体制にもつながるということで、ぜひ御努力をいただきたいと思います。
 次に、検察官の定年延長問題についてお聞きをします。
 政府は先日、検察庁法の改正案を国会に提出しまして、第二十二条は、内閣が定めるところによるという文言がたくさんある条文がつけ加えられております。
 東京弁護士会は三月十七日に会長声明を出しまして、このような改正がなされれば、時の内閣の意向次第で、検察庁法の規定に基づいて上記の東京高検検事長の勤務延長のような人事が可能になってしまう、しかしこれは、政界を含む権力犯罪に切り込む強い権限を持ち司法にも大きな影響を与える検察官の独立性、公平性の担保という検察庁法の趣旨を根底から揺るがすことになり、極めて不当である、こういう会長声明ですね。
 改憲問題対策法律家の六団体連絡会も三月二十四日の共同声明でこうおっしゃっているんですね。この検察庁法改正案は、検察官全体の人事に政権が恒常的に介入することを合法化し、刑事司法の独立と公正をじゅうりんし続けるものであることから、その影響ははかり知れませんと。
 まさに、今回の法案というのは、三権分立の見地から、刑事司法の独立という点から、与野党を超えて、これは認めてはならない問題だというふうに思います。
 内閣法制局にお聞きしますけれども、検察庁法二十二条というのは、ことし一月、法務省が解釈変更すると言い出した後でつけ加えられた、これは間違いないですか。

#146
○木村政府参考人 今回の国家公務員法等の一部を改正する法律案におきます検察庁法二十二条の改正案ということでございますけれども、それに国家公務員法の勤務延長制度の適用を前提とする読みかえ規定でございますとか管理監督職勤務上限年齢による降任等に相当する独自の制度についての特例規定、こういったものが盛り込まれましたのは、本年一月の解釈変更の後ということでございます。

#147
○藤野委員 要するに、一月までこの改正文というのはなかった。それはなぜかというと、改正する必要がなかったからだと思います。
 配付資料の二を見ていただければと思うんですが、これは三月十八日の当委員会で私が委員長にお諮りをして、その後の理事会でも確認されて提出された、法務省から提出された検察庁法の改正案の検討を示す文書であります。私が御紹介したのは通し番号で百六十二というもので、これは昨年十月末段階の検討状況、検討結果を示したものであります。
 ここに4ということで、「検察官につき管理監督職勤務上限年齢による降任等の特例と同様の規定を設ける必要はないことについて」とあると思うんですね。(1)はいいんですけれども、(2)のところ、ア、イとあるんですが、法務省、これをちょっと紹介していただきたいんですが。

#148
○川原政府参考人 御指摘の資料の御指摘の部分を読み上げさせていただきます。
 まず、ア、検察官については、管理監督職勤務上限年齢制を導入し得ないことから、本条の適用はないところであるが、管理監督職上限年齢制の趣旨を踏まえた仕組みを導入することから、改正国家公務員法第八十一条の五と同様の規定を設けることも考え得る。しかしながら、検察官については、職制上の段階がなく、降任等が概念し得ないことから、ほかの一般職の国家公務員に比してより柔軟な人事運用が可能である。また、検察官は、定年に達したときに退官することとされているため、同時期に一斉に退官することとはされていない。さらに、管理監督職上限年齢制の趣旨を踏まえて導入する仕組みにおける異動時期は誕生日を基準としていることから、一斉に異動することにもならない。このように、検察官については、適切な時機に異動を前倒しするなどすることが容易であって、異動により補充すべきポストが一斉に生ずることにもならないことから、現在も国家公務員において導入されている定年による退職の特例(国家公務員法第八十一条の三)に相当する規定も置かれていない。
 イ、したがって、改正検察庁法第九条第一項、第十条第一項、第二十条第二項及び第二十二条第二項により管理監督職勤務上限年齢制の趣旨を踏まえた仕組みを導入したとしても、それにより公務の運営に著しい支障が生ずるなどの問題が生ずることは考えがたく、検察官については、改正国家公務員法第八十一条の五と同様の規定を設ける必要はない。
 以上でございます。

#149
○藤野委員 私は、これは極めて論理明快な文章だと思います。検察官は職制上の段階がなく、降任等が概念し得ない、同時期に一斉に退官しない、同時期に一斉に異動もしない、だから、公務の運営に著しい支障が生じるなどの問題が生じることは考えがたく、勤務延長の規定を設ける必要はないと。
 大臣にお聞きしたいんですが、要するに、職制上段階がないとか、一斉に異動しないとか、一斉に退官しないとか、三つのないといいますか、三ないというべき状況、これは十月末の段階の文書なんですが、この十月末からこの状況は変わったんでしょうか。

#150
○森国務大臣 昨年の十月末ごろ時点では、御指摘のように、退官や異動により補充すべきポストが一斉に生ずるおそれがあるかないかという視点のみから検討をしておりました。(藤野委員「あるかないかだけ、まず答えてください」と呼ぶ)はい。これについては現在も同様でございます。

#151
○藤野委員 まさにここは、私は立法事実にかかわる問題だと思うんですね。昨年十月の段階では、この三つ、三つというか、要するに、全く検察官には国家公務員一般職の問題は当てはまらないんだ、なぜなら検察官にはまさにこういう特性があるからだということなんですね。まさにこれは立法事実の部分です。
 立法事実の変更はないと今大臣はおっしゃいました。これは重大な問題だと思うんですね。こういう理由で検察官には同様の規定を設ける必要はないと言っていた、ここを変えるのではなくて、全く別の、昭和五十六年から何かインターネットが発達したとか、よくわけのわからない理由を持ってきて、今回、この後ろの部分、きょうはちょっと紹介しませんけれども、後ろの部分ではるるそういうものをやっている。
 私は、この間に何が変わったのかなと。要するに、去年の十月末からこの一月までの間にですね。
 十月末の後でいえば、十一月八日には、桜を見る会で、参議院で予算委員会での質問があり、火を噴きました。十二月七日には、東京地検特捜部があきもと司衆議院議員の元秘書宅を捜索する。十二月二十五日には、東京地検特捜部が同議員を収賄で逮捕する。二十七日には、広島地検が河井あんり議員の捜査に着手したと報じられました。一月十四日には、安倍総理自身が桜を見る会で刑事告発されるんですね。一月十五日には、広島地検が河井夫妻の自宅などを捜索する。それを受けて、法務省が一月十六日に、例の内部メモですね、二〇〇一一六メモなるものを、本当にそのときにつくったのかわかりませんが、十六日。十七日には、内閣法制局と法務省の意見照会が行われる。一月二十二日には人事院。一月三十一日に閣議決定。こういう流れなんですね。
 つまり、昨年、こうやって、検察官には当てはまりませんよと言っていた後、変わったのは、この検察官の当てはまらないという特殊性ではなくて、いわゆる刑事告発される、安倍総理自身が刑事告発されるというような、まさに安倍政権をめぐる刑事的な環境が変わっているわけです。
 それを受けて出てきたのが、配付資料の一のこの改定案ですね。
 これは私もびっくりしましたけれども、上が新しい方で下が古い方なんですが、下の現行法の方は、検察庁法二十二条というのは、この書きぶりで、この形式でいうと三行しかないんですね。それが、新しい方は、私数えてみたら、百四行もあるんですよ。めちゃくちゃふえているんですね。ふえているのはなぜかというと、無理やり、必要ないと言っていたものを当てはめるために、条文を物すごくひねくり回しているわけです。
 きょうは、その中のうち、内閣の定める事由があるときというところに焦点を当てたいと思うんですけれども、この内閣が定めるところによりという、この内容というのは今決まっているんでしょうか。

#152
○川原政府参考人 お尋ねはその内閣が定めるところによりの中身ということでお答えをさせていただきますが、検察庁法の改正案第二十二条第六項で、内閣の定めるところによりという要件につきましては、役おりの特例の期限の延長の要件を慎重に判断するものとするため、判断の手続や判断に際し考慮すべき事項などについて定めることを検討しております。
 いずれにいたしましても、今後、国会での御審議を踏まえ、内容や具体的な形式について検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

#153
○藤野委員 結局、いずれにしろの後で言ったように、今後の話なんですね。まだ何にも決まっていない。
 大臣にお聞きしますが、要するに何も決まっていないもとで、この法律案の中に、検察官の人事への不当な政治介入を防ぐ担保となる規定というのはどこかにあるんでしょうか。

#154
○森国務大臣 まず、検察官の人事の任命権者は内閣又は法務大臣であるということを確認させていただきます。
 改正案の検察庁法第二十二条第六項では、検察官の役おりの特例の延長について、御指摘のとおり、内閣の定めるところにより、任命権者である内閣が延長することができる旨、規定をしております。
 その定めについては、今後、国会での御審議を踏まえて検討を進めることになりますが、現時点では、検察官の役おりの特例の延長について、より慎重に判断するものとするため、判断の手続や判断に際し考慮すべき事項などについて定めることを検討しております。
 このように、その定めにより、判断、手続が事前に明確化されることから、濫用を防止でき、適切に判断がなされるものと考えております。

#155
○松島委員長 質疑時間が終了しておりますから、簡潔にお願いします。

#156
○森国務大臣 はい、わかりました。
 以上でございます。

#157
○藤野委員 もう終わりますけれども、要するに、全く立法事実は変わっていないのにこういう解釈というか法案を出されてきたということ、そして、その法案の中には、法律上、全く、人事介入していく、政治介入していく歯どめはないということも明らかになりました。この問題は、引き続き厳しく追及していきたいと思います。
 終わります。

#158
○松島委員長 次に、串田誠一さん。

#159
○串田委員 日本維新の会の串田誠一です。
 きょうは裁判所裁判官の定員等の話なんですが、出向についてちょっと質問させていただきたいと思いますが、現在の法務省の民事局長は小出民事局長であります。その前は小野瀬さん、その前は小川さん、その前は深山さん、その前は原さんということで、全て裁判官なんですね。元裁判官が法務省の民事局長になっている。これはどういう理由でそうなっているんでしょうか。

#160
○堀田最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
 法務省民事局長の人選につきましては、政府において行われているものと承知しております。

#161
○串田委員 政府が裁判官を選んできているということなんでしょうけれども、私は、小野瀬民事局長といろいろとやりとりをさせていただいて、その真摯なお答え、答弁の仕方に関しては大変敬服をしております。意見については、全く考え方は違うんですけれども、その答弁の仕方については非常に真面目な答弁をされていらっしゃると思うんですけれども、この小野瀬民事局長は、東京地裁に平成二十七年に就任をし、民事局長には平成二十九年になられました。この民事局長になられる直前の平成二十八年には夫婦別姓の判決を出されております。平成二十八年十月十一日。
 これは、ある学校の教師がその学校から戸籍名を使えと命じられていたことに対して損害賠償を訴えていた裁判なんですけれども、小野瀬民事局長は、旧姓を戸籍姓と同じように使うことが社会に根づいているとまでは言えず、職場で戸籍姓の使用を求めることは違法ではないという判断をされたわけであります。
 この平成二十八年の判決の前に、最高裁の平成二十七年十二月十六日の判決がありまして、そこには、やはりこれは夫婦別姓の訴訟ですけれども、最高裁は、夫婦同氏制は婚姻前の氏を通称として使用することまで許さないというものではなく、近時、婚姻前の氏を通称として使用することが社会的に広まっているということで、選択的夫婦別姓まで必要と今は言えないという判断を最高裁がしていた。これが二十七年です。その後の二十八年に小野瀬民事局長は、旧姓を戸籍姓と同じように使うことが社会に根づいているとまでは言えず、職場で戸籍姓の使用を求めることは違法ではないという判断をしているんですね。非常に、そういう意味では、最高裁の判断よりも少し後退しているんじゃないかというふうに思います。
 私は、今、裁判官のこの判断をとやかく言うつもりはないんですね。それはもう思想、信条の事情でいいと思うんですけれども、こういう裁判官が民事局長として採用され、私も選択的夫婦別姓やいろいろ子供の人権についてやりとりをさせていただいた。それに対して、政府側の立場で、いや、これは問題ないんだという答弁をずっとされているわけです。
 問題は、その後、その民事局長になった裁判官が、任期なのでしょうか、その後また裁判所に戻るわけですよ。通常は、裁判所、小野瀬民事局長の場合には今、宇都宮所長になられています。大概、大体、高裁レベルの長官になっていて、最高裁の判事にもなるエリートコースなんですね。要するに、政府の側で一生懸命、政府には問題がないんだというふうに答弁をしている裁判官をまた裁判所は採用して、エリートコースになって最高裁に行ったりしている、長官になったり所長になったりしている。
 私は、国民は、憲法で定められた三権分立で、国会や行政が、憲法に守られていない、立法不作為だ、違憲じゃないか、憲法の番人、何とかしてくれよといって、本当に真摯な思いで訴えを起こしていると思うんですよ。その裁判官が、かつて行政の側で一生懸命答弁している、政府は問題がないんだといって答弁しているその者が、エリートコースになってまた長官や所長になるというのは、これは極めて問題だと思うんですが、公正性は保たれるんでしょうか。

#162
○堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 法曹は、法という客観的な規律に従って活動するものでございまして、裁判官、検察官、弁護士のいずれの立場においても、その立場に応じて職責を全うするところに特色があるものと考えております。
 そのようなことから、一般的に申し上げまして、裁判官であった者が法務省民事局長となり、その後、再度裁判官になったといたしましても、裁判の公正性は保たれるものと考えております。

#163
○串田委員 全くそういうふうには国民は思わないと思いますよ。
 私は、何で民事局長が元裁判官でなければならないのかというのも一つ問題があるんですけれども、いろいろ経験を積んだ中でしっかりと答弁をするという意味で元裁判官を採用しているのかもしれない。小野瀬民事局長の場合には、法務省に来たり、また裁判所に行ったり、また戻ってきたりと何回も何回も往復しているんですけれどもね。そういう中で、一旦行政でしっかりと歯車に入った場合は、それはもう行政で最後まで務めるべきなんじゃないだろうか。最高裁の判事としていくのは、やはり、国会や行政と距離を置いた司法の場で生え抜きの人間が、優秀な人間が私は最高裁の判事になっていくべきなんじゃないかな。
 こうやって国会質疑を国民はずっと見ていて、顔も見ている民事局長が、政府は問題がないんだ、問題がないんだと答弁していながら最高裁の判事になったり所長になったりしたときに、法のもとによって公正に判断していると思うのかどうか。やはりそれは、外形的な公正性というものを私は守っていかなきゃいけないんじゃないかと思うんですが、方向性としてそうあるべきではないかと私は思うんです。すぐに変えられないかもしれないけれども、やはり、こういうように行政の中に裁判官が入ったり出たり入ったり出たりしながら、そして三権分立、私は守れないんじゃないか、あるいは国民が大変不審に思うと思うし。
 きょうのNHKの「おはよう日本」も、子供の児相問題、一時保護をやっていました。刑務所のようだということをNHKも言っていましたけれども、私もさんざん子供の人権条約に関して質問をさせていただいています。選択的夫婦別姓についても、二十四条違反じゃないかとずっと言って、それに対して民事局長は、いや、問題ないんだ、問題ないんだと答弁されている。その民事局長が、エリートコースで裁判官になっていって、場合によったら最高裁の判事になっていって、果たして本当に国会や行政の立法不作為をただす立場の判断をすることができるだろうかということを真剣に考えていただきたいと思うんですが、問題ないというお考えは変わらないんですか。

#164
○堀田最高裁判所長官代理者 考え方につきましては先ほどお答えしたとおりでございますが、再度裁判官になりました後は、各裁判所におきまして、個別の事件に関する個別具体的な事情も踏まえまして、事件が分配された裁判体において裁判の公正を妨げるべき事情があるような場合には、監督権を有する裁判所の許可を得て当該事件の回避等をいたしますほか、事務分配規程に定める手続等を経て当該事件の分配を変更するなどして、公正な裁判が行われるよう適切に対応しているものと承知しております。

#165
○串田委員 そんなことを言っても、この法務委員会だってありとあらゆるものを答弁するわけですから、以前自分が答弁したのでこれについては判断できないといって本当に退くなんてことは、到底それは理論的にも不可能じゃないですか。
 そういう意味でこの検察官の延長問題をちょっとお聞きしたいんですけれども、私は、こういうような意味での、裁判官が行政の民事局長になる、それはいいとしても、その後また裁判所に戻るというのは国民の信頼を私は損ねると思うので検討していかなきゃいけない。そういう意味で、検察官の延長を、今この国会の法務委員会の委員の一人として、これは認めるべきではないと思っているのでずっと質問させていただいているんですが、法務大臣、昭和五十六年、国会の質疑をお読みになられたことはありますか。

#166
○森国務大臣 はい、ございます。

#167
○串田委員 当時、耳目というか、国民の非常に注目を浴びていた事件があったんですが、御存じでしょうか。

#168
○森国務大臣 昭和五十六年の国家公務員法の改正の中ででございましょうか。残念ながら存じ上げておりません。

#169
○串田委員 知らないからといって責めるつもりはないんですけれども、昭和五十一年に発覚したロッキード事件、これが、東京地裁で昭和五十二年から係属をし、判決は昭和五十八年なんです。御存じのように、証人尋問というのは公判で集中的に行われる。昭和五十六年のときには、蜂の一刺し、そういう証人尋問が行われ、連日のようにそれが報道されていた真っ最中のときなんですよ。私は、恐らく、自民党にとって歴史的に一番厳しい、一番国民の信頼をつなぎとめなければいけない、そういう時期だと思います。
 当時の総理大臣は鈴木善幸総理大臣、法務大臣は奥野誠亮、セイリョウさんと呼ばれることもあるんでしょうけれども、奥野法務大臣でございました。
 私も、毎日のように、その国会質疑、いろいろな質疑を読ませていただいております。ロッキードという言葉を検索します。五十八年が判決ですけれども、五十一年から五十六年だけを検索しても、会議数千百七十六回、該当箇所は八千九百十九。ロッキードという言葉がこの国会を飛び交っていた時代なんですね。
 そのとき、やはり国民の信頼をかち得ようと思って鈴木善幸内閣が行ったのは、人事院の勧告を無視したことなんです。国家公務員の給料を上げなかった。そして、民間の定年、年齢が来たらいや応なしにやめさせられていた民間が、国家公務員は理論的にいつまでも働ける、これは民間格差が余りにもひどいじゃないかということで、国家公務員にも定年を認めた。要するに、身を切る改革をしていったのが国家公務員法改正なんですよ。
 そして、その質疑の中には、ロッキード事件、これは本当に厳正に、検察官は本当にすごいな、時の権力者を刑事被告人にしてしまうんですからすごいなという中で、これは、やはり検察官に対して公正な判断をしてもらいたいということで、国会でも、圧力を加えるということはないでしょうねということでさんざん国会の質疑がなされた。だからこの回数になっていったんですけれども。その際には、奥野法務大臣が人の道発言などをして、国会が紛糾していたこともありました。そして、弁護人に検察官のOBがいるというだけで、圧力を加えるんじゃないかというような質疑までなされていたときなんですね。
 ですから、この時代は、検察官への人事への介入などということを一言でもしゃべっていたら、恐らく政権は維持されていないと思いますよ。このときに、そんなことは一切ないんだということで想定問答集もつくられ、そして、もしも社会的情勢が変化したら改正されるんですかなんという質問をされて、そんなことあるわけないじゃないか、時の、昭和五十六年の内閣はそう答えていたと思いますよ。そうでなかったら、次の中曽根内閣につながっていかないですよ。
 国民も、その真摯な奥野法務大臣や鈴木善幸総理の答弁を聞いて、検察官への人事介入はないんだと、これは公正に自由にやるんだという奥野法務大臣の答弁も何度も何度も出てきて、それを信頼して今の自民党があるんじゃないですか。
 それを、事もあろうに、昭和五十六年のこの改正でもって検察官の人事への解釈変更をする。これに対して一番残念に、憤慨しているのは、私は昭和五十六年の内閣の面々だと思います。今いらっしゃらない方ばかりですけれどもね。本当に残念だな、そんなつもりでこの改正をしたんじゃないんだというふうに私は思っていると思うんですが。
 森法務大臣、この大きな事件というのを知らなかったというお答えでしたけれども、立案者という話がされました。法務大臣に私、二度聞いたんですよ、前回ね。それに対して、政府だと。なぜかといったら、内閣提出法案だと。私は、内閣提出法案は百も承知で二度も聞いたんですよ。
 昨年の会社法に関しても、困惑という言葉で、削除に応じていただきました。そうやって国会が質疑をし、解釈の質疑を議事録に残し、そして狭め、そして場合によっては附帯決議がつけられる。そういうことの最終的な形に関して法務委員会が採決をとって、そして私たちの代表である松島委員長が衆議院の本会議に提案をし、皆さんの賛同を問うんじゃないですか。私はそこが立案者だと思っているんですよ。それを、政府だと答えるものだから。
 国会質疑なんて、時代背景なんて関係なく、定年制という言葉を三つに、時の法学者が考えもつかなかった三つに分解して、定年年齢と終期だけは適用されないけれども延長は適用される、制度的にそうなんだと、制度的に五十六年の内閣が国民を欺いているような解釈のそういう考え方を披露しているということに関して、今、時代背景、御存じだと思うんですけれども、今でも、解釈変更、それも口頭でやることに関して何ら問題がない、そういうお立場でしょうか。

#170
○森国務大臣 解釈変更について今お尋ねがございましたけれども、今般の解釈変更は適正なプロセスによって行われており、問題がないというふうに承知しております。

#171
○串田委員 そのプロセスというのが、制度的に五十六年のときにもそういう解釈ができたんだ。そんな抜け道を昭和五十六年の内閣の方々はこれっぽっちも思わなかったと思いますよ。必死になって、国民の信頼をかち得ようと思って、とどめようと思って、答弁もしていたんだと私は思います。本当にこれは、身を切る改革の改正なんですよ。こんなような形で行政の権限を拡大していく、当時は全く想定もしていないような解釈論を、言葉を分解して解釈変更していくということは、行政が立法行為をしているのと同じじゃないですか。
 六十三歳の定年を六十五歳にする法律改正、すればよかったんじゃないですか。一律にするということが大事なんですよ。延長というのは、選ぶんでしょう。選ぶ中に、法務省の中には裁判官もたくさん入っているし検察官もたくさん入っている中で、行政の、政府の言うなりになっている人たちがエリートになっていくんだというのを目の当たりにしている人たちが、延長を誰にするかと決めるわけでしょう。そういうようなことをしないで、一律に六十三歳から六十五歳にすればよかったじゃないですか。何で、これをそういう法改正ではなくて解釈変更によって行ったんでしょうか。

#172
○森国務大臣 法改正によらず解釈変更したことについてのお尋ねでございますが、検察官の勤務延長に関しては、検察庁法を所管する法務省において必要な検討を行い、国家公務員法の勤務延長の規定への検察官の適用について、従前の解釈を変更することが至当であることの結論が得られたものでございます。
 法解釈でございますので、有権解釈として、一義的に所管省庁である法務省において法解釈の変更を行いました。ですから、法改正によらず、今般の解釈変更を行ったものでございます。

#173
○串田委員 先ほどからほかの委員の質問の答えを聞いていましたけれども、今の答えの、なぜなのかということに関しては、それが至当だからということなんですよ。何にも理由を述べないで至当だと言われたらば、質問することができないじゃないですか。
 なぜなんですか、何で法律改正で六十三から六十五にしないで延長という解釈変更、それも、昭和五十六年のロッキード事件のさなか、自民党が国民の信頼をかち得ようと思って一生懸命やっているその法律を使って、なぜ検察官への圧力にも、影響力にも関係するような解釈変更にするのか、法律改正して堂々と国会で審議すればいいものを、なぜ解釈変更にしなきゃいけないのかと聞いたら、至当だと思うからです。答えになっていないじゃないですか。森法務大臣はそれが答えだと思っていますか、至当だというのが。

#174
○森国務大臣 先ほどの委員の御質問は、なぜ法改正によらず法解釈をしたのかということですので、有権解釈として、担当省庁として、改正ではなく解釈変更を行いましたというふうにお答えをさせていただきました。
 そこで、今般、法解釈について、どうして法解釈に至ったかという理由についての質問でございますので御答弁を差し上げますけれども、この法解釈というものについて、さまざまな観点から、つまり、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものとされていると理解をされております。
 そこで、この検察庁法について検討をいたしましたところ、検察庁法上、検察官について勤務延長を認めない旨の特例は定められていないこと。検察庁法で定められる検察官の定年による退職の特例は定年年齢と退職時期の二点であり、国家公務員が定年により退職とする規範そのものは、検察官であっても一般法たる国家公務員法によっているべきであるということ。特定の職員にも定年後も引き続き職務を担当させることが公務遂行上必要な場合に、定年制度の趣旨を損なわない範囲で定年を超えて勤務の延長を認めるという勤務延長の制度は、検察官にもひとしく及ぶべきこと。

#175
○松島委員長 簡潔にお願いします。

#176
○森国務大臣 社会経済情勢の多様化、複雑化に伴い犯罪の性質も複雑困難化する状況下において、国家公務員一般の定年の引上げに関する検討の一環として検察官についても改めて検討をし、その解釈の変更が至当であると解釈したところでございます。

#177
○串田委員 何度も聞いていますから、もう覚えられますけれどもね。
 前回も、立案者の、社会情勢や背景を考慮しと言うから、私は森法務大臣に昭和五十六年の時代背景をお知らせしているんですよ。ロッキード事件で大変な時代だったんですよ、検察官への人事介入というのは一切許されないような社会情勢だったんですよということを言っているんですよ。それを考慮すると言っていらっしゃるんだから、当然そのときの時代背景も御存じなんですねと質問したら、それは知らないと言いながら、時代背景を考慮しと言って解釈変更されるから、おかしいんじゃないですかと言わざるを得ないんですね。
 この奥野法務大臣というのは、憲法改正にも非常に期待されていたというか、願っていらっしゃった方なんですけれども、社会情勢が変化すると解釈変更が許されるというのは、内閣の総意という理解でよろしいですか。

#178
○森国務大臣 法律の解釈変更についてでございますけれども、その法令の解釈については、過去の質問主意書の答弁にもございますとおり、先ほど述べたように、当該法令の規定の文言、趣旨、立案者の意図、立案の背景となる社会情勢等の考慮、そして、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性、そういうものに留意をして論理的に確定されるべきであるものであり、政府による法令の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであるということで、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、これまで、今言ったような考え方を離れて政府が自由に法令の解釈を変更することができるという性質のものではない。このようなことを前提に検討を行い、従前の解釈を変更することが至当であるとの結論が得られた場合には、これを変更することがおよそ許されないというものではないという考え方が政府見解であるというふうに承知をしております。

#179
○串田委員 森法務大臣がずっと答弁されているから時間がなくなりましたけれども、今、政府は、憲法改正で九条に自衛隊を明記しても権限は変わらないんだということでおっしゃっている。でも、自衛隊が発動するときって、社会的情勢が変化するときですよね。そのときに、解釈は変更していいんだという政府が国民に、憲法改正の議論を信じてくださいと言える資格があるかどうかという点を含めましても、森法務大臣は解釈変更を撤回するということをしないと、これからの国会質疑、私は成り立たないと思います。
 以上です。終わります。

#180
○松島委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
 次回は、来る四月三日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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