くにさくロゴ
2020/04/02 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 農林水産委員会 第8号 令和2年4月2日
姉妹サイト
 
2020/04/02 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 農林水産委員会 第8号 令和2年4月2日

#1
令和二年四月二日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     山下 雄平君     山田 修路君
     伊藤 孝恵君     森 ゆうこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         江島  潔君
    理 事
                高野光二郎君
                堂故  茂君
                舞立 昇治君
                徳永 エリ君
                宮沢 由佳君
    委 員
                岩井 茂樹君
                野村 哲郎君
                藤木 眞也君
                宮崎 雅夫君
                山田 修路君
                山田 俊男君
                石垣のりこ君
                打越さく良君
                郡司  彰君
                森 ゆうこ君
                河野 義博君
                塩田 博昭君
                谷合 正明君
                石井 苗子君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   江藤  拓君
   副大臣
       文部科学副大臣  亀岡 偉民君
       農林水産副大臣  加藤 寛治君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       藤木 眞也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       文部科学省大臣
       官房審議官    矢野 和彦君
       農林水産省大臣
       官房長      枝元 真徹君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  浅川 京子君
       農林水産省大臣
       官房政策立案総
       括審議官     岩濱 洋海君
       農林水産省消費
       ・安全局長    新井ゆたか君
       農林水産省食料
       産業局長     塩川 白良君
       農林水産省生産
       局長       水田 正和君
       農林水産省経営
       局長       横山  紳君
       農林水産省農村
       振興局長     牧元 幸司君
       農林水産省政策
       統括官      天羽  隆君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      菱沼 義久君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (食料・農業・農村基本計画に関する件)
    ─────────────

#2
○委員長(江島潔君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、山下雄平君及び伊藤孝恵君が委員を辞任され、その補欠として山田修路君及び森ゆうこ君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(江島潔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省大臣官房審議官矢野和彦君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(江島潔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(江島潔君) 農林水産に関する調査のうち、食料・農業・農村基本計画に関する件を議題といたします。
 まず、政府から説明を聴取いたします。江藤農林水産大臣。

#6
○国務大臣(江藤拓君) 新たな食料・農業・農村基本計画が三月三十一日に閣議決定されました。
 基本計画は、食料・農業・農村基本法第十五条の規定に基づき政府が策定するものであり、おおむね五年ごとに変更することとされております。
 以下、その内容につきまして御説明申し上げます。
 我が国の農業は、国民生活に不可欠な食料を供給するとともに、その営みを通じて国土の保全等の多面的機能を発揮している、まさに国の基であります。
 また、農村は農業者等の生活の場であるとともに、農業生産の場であり、農業の持続的発展の基盤です。
 しかしながら、現下の農業、農村をめぐる状況は、人口減少に伴う国内マーケットの縮小、農業者の減少、高齢化といった問題が深刻化するとともに、TPP等の新たな国際環境への対応、頻発する自然災害やCSF、ASF等の家畜の伝染性疾病への対応、さらには、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う経済環境の悪化への対応などの課題に直面しております。
 このような課題に対応するためには、地域をいかに維持し、次の世代に継承していくのかという視点から、農業の生産基盤の強化を着実に推進することが必要であると考えています。
 このため、「まえがき」におきましてこうした認識を示した上で、農業者はもとより国民の皆様に、農業、農村が直面している現状や課題への御理解を賜り、国民全体で農業、農村を次の世代につないでいくための道筋を示すことを、この基本計画の重要なテーマとして位置付けております。
 次に、第一の食料、農業及び農村に関する施策についての基本的な方針におきまして、これまでの施策の評価及び食料、農業、農村をめぐる情勢の変化と課題を整理した上で、施策を推進するに当たっての基本的な視点を示しております。
 基本的には、農業の成長産業化を促進する産業政策と、農業、農村の有する多面的機能の維持、発揮を促進する地域政策を車の両輪として推進してまいります。
 このことを通じ、国内の農業生産の増大を図り、農業者の所得を向上しつつ、将来にわたって食料を安定的に供給し、食料自給率の向上と食料安全保障の確立を図ることとしております。
 施策の推進に当たっては、環境に配慮した生産活動を後押しし、SDGsの達成に貢献してまいります。
 次に、令和十二年度における食料自給率の目標を定めております。
 前基本計画の検証結果を踏まえ、食料安全保障上の基礎的な目標である供給熱量ベースの食料自給率目標を四五%とし、生産額ベースの目標を七五%と設定しました。
 また、家畜農家の増頭、増産への努力を正しく評価するため、飼料が国産か輸入かにかかわらず国内生産の状況を評価する指標として、食料国産率という新たな目標を設定しております。
 さらに、我が国の食料の潜在生産能力を示す食料自給力指標についても、令和十二年度の見通しを示すとともに、農地に加えて労働力の確保や農業技術を考慮することとしました。
 第三といたしまして、食料、農業及び農村に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策を定めております。
 一つ目は、食料の安定供給の確保に関する施策です。
 今後、本格的な人口減少に伴って、国内における農林水産物・食品について消費の減少が見込まれる中、農業の生産基盤を維持していくためには、国内需要に応じた生産を推進する必要があります。
 また、食の外部化が進んでおり、生産者と食品事業者との連携を強化します。
 その上で、我が国の高品質な農林水産物・食品を輸出に仕向け、拡大する海外市場を開拓します。
 このため、農林水産大臣を本部長とする農林水産物・食品輸出本部を設置し、輸出先国による規制の緩和、撤廃に向けた協議、施設認定などの輸出を円滑化するための環境整備等により、農林水産物・食品の輸出額を令和十二年までに五兆円とする目標を設定し、その達成に向けた取組を通じて農業者の所得向上につながるよう、政府一体となって輸出拡大に取り組みます。
 また、食品の安全と消費者の信頼を確保するため、科学的知見に基づき、リスクの評価や管理を引き続き着実に実施するとともに、消費者、生産者、食品関連事業者とのリスクコミュニケーションを積極的に行ってまいります。
 さらに、食品表示の適正化等を通じた食品に対する消費者の信頼の確保に取り組みます。
 加えて、CSF、ASF等の家畜の伝染性疾病や植物病害虫への対応を強化するとともに、不測の事態に備え、食料の安定供給に係るリスクを分析評価するなど、総合的な食料安全保障の確立を図ります。
 二つ目は、農業の持続的な発展に関する施策です。
 農業者の一層の高齢化と減少が懸念される中、我が国の農業が成長産業として持続的に発展し、食料の安定供給等の役割を果たしていくためには、持続可能な農業構造を確立することが重要です。
 このため、担い手の育成確保や、新規就農、経営継承、女性や高齢者など多様な人材の活躍の促進とともに、規模の大小や中山間地域といった条件にかかわらず、農業経営の底上げにつながる対策を講じてまいります。
 また、農地中間管理機構の推進体制の強化による担い手への農地の集積、集約化の一層の促進と優良農地の確保、農業生産基盤整備の推進により、農業の生産性向上等を図ってまいります。
 さらに、農業経営の安定化に向け、収入保険制度等の利用拡大に取り組んでまいります。
 品目別の施策として、畜産物、加工・業務用野菜の需要増加に対応するため、生産基盤を強化するとともに、米については水田フル活用を着実に推進します。
 これに加え、スマート農業の加速化などデジタル技術の利活用により、生産、流通現場の技術革新を強力に推進します。
 環境については、最近の特に激しい気象変動に対応し、再生可能エネルギーの活用、有機農業の取組面積の拡大、堆肥等の活用による土づくりなどを促進します。
 三つ目は、農村の振興に関する施策です。
 食料の安定供給、国土の保全といった農業の有する多面的機能が発揮されるためには、農村地域を維持し、次の世代に継承することが重要です。
 このため、生産基盤を強化し、収益力を向上させることで農業の活性化を図ることに加え、農泊など農村の多様な地域資源を組み合わせて新たな価値を創出し、農村地域の所得と雇用機会を確保してまいります。
 また、日本型直接支払制度の充実や鳥獣被害対策の推進などにより、中山間地域を始めとした地域のコミュニティー機能を維持強化してまいります。
 さらに、棚田地域の振興や都市農業の推進などにより、農村への国民の関心を高め、関係人口の増大等を通じて、地域を支える人材の確保を図ります。
 こうした農村施策の実施に当たっては、関係府省との連携を深め、総合的に推進してまいります。
 四つ目は、東日本大震災からの復旧復興と大規模自然災害への対応に関する施策です。
 東日本大震災からの復旧復興については、農業者の経営再開を支援するとともに、食品の安全について正確かつ分かりやすい情報供給を行うことで国内外の風評被害を払拭してまいります。
 大規模自然災害への対応については、過去の災害の教訓を生かした事前防災の徹底や、防災・減災対策、早期復旧への支援等を推進します。
 五つ目は、団体に関する施策です。
 農協系統組織が、農村地域の産業や生活のインフラを支える役割等をこれからも果たしながら、各事業の健全性を高め、経営の持続性を確保するため、引き続き、自己改革の取組を促してまいります。
 農業委員会系統組織、農業共済団体、土地改良区についても、その機能や役割を効果的、効率的に発揮できるようにしてまいります。
 六つ目は、食と農に関する国民運動の展開等を通じた国民的合意の形成に関する施策です。
 農産物・食品に込められた生産者の思いへの理解を醸成し、農業、農村の重要性について国民の皆様と認識を共有するため、交流人口の拡大や、農泊の推進等を通じた農林漁業体験機会の増大、食育や地産地消の推進など、食や農とのつながりを深めるための国民運動を展開してまいります。
 七つ目は、新型コロナウイルス感染症を始めとする新たな感染症への対応です。
 国民が必要とする食料の安定供給を確保するためにも、内需、外需の喚起と生産基盤を守るための対策を機動的に講じます。
 最後に、第四におきまして、食料、農業及び農村に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項を定めております。
 農業者を始めとする関係者の負担軽減等を図るため、デジタル技術を活用した施策の推進体制の整備や業務の抜本的見直し等を推進します。
 農林水産省といたしましては、この基本計画に基づき、施策を着実に推進してまいります。
 その推進に当たっては、多くの方々の御理解と御協力が不可欠であります。
 このため、この基本計画の周知を丁寧に行い、関係者が一体となって活力ある農業、農村を実現し、食料の安定供給の確保を図ってまいります。
 委員長を始め理事、委員各位の一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

#7
○委員長(江島潔君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#8
○郡司彰君 共同会派の郡司でございます。
 今日は、今ほどの大臣のお話にもありましたけれども、コロナの対策というようなことで会場も変わっておりますけれども、限られた時間で集中の審議ということでございますので、基本計画に絞って質問をさせていただければなというふうに思っております。
 まず冒頭お話を伺いたいのは、二十五日の日に農政審高野会長から答申を受けられたということでございまして、そのときに会長からは、要約すれば、国民の理解を得ることが第一の課題なんだというようなお話があったそうでございますけれども、このことに関しまして大臣の感想なりお考えをお聞かせいただきたいと思います。

#9
○国務大臣(江藤拓君) 正直な気持ちといたしまして、とかく農家は甘やかされているとか、いろんな批判をこれまで、あらぬ批判を受けていた側面が私はあったのではないかと常日頃から思っております。しかし、農は、農林水産業は国の基であるという気持ちをこの審議会の先生方とも共有をさせていただいて、そして、やはり国にとって欠くことのできないものであって、これをしっかり守っていくことが国の安全保障の上でも欠くことができないという認識の下でこのような御答申をいただいたことは大変有り難いというふうに思っております。
 少し駄弁を弄しますけど、私が一番尊敬した先生は中川昭一先生でございまして、私、今無派閥なんですが、派閥を出た理由も先生がいなくなったことも大きな原因の一つなんですけれども、その先生が九九年にこの基本法をお作りになられて、そのときの思い、ですから、八八年の牛肉・オレンジ自由化、それから九三年のガット・ウルグアイ・ラウンド、それにその先に見込まれていたWTO農業交渉、こういうことを踏まえた上で国際環境の変化に関する危機感を強くお持ちになられて、そのときに、先生も中川先生と一緒にこの法律を作るときには御議論をしていただいたというふうに承知をいたしておりますが、消費者の観点からの食料、それから地域の視点からの農村、それから法律の対象の幅を広げて、食料の安定供給、農業の持続的発展、農村の振興、多面的機能の発揮、この四つの理念、これを今回は私も改めて見直しをさせていただきました。
 進歩がないという御批判もあるかもしれませんが、しかし、守らなきゃいけない農業政策の根幹がやはりここにはあるということでありますので、今回いただいた答申をしっかり受け止めて、先ほど申し上げましたように、この基本計画に基づいて着実な政策の実行に努めてまいりたいと考えております。

#10
○郡司彰君 大臣の、中川先生の話も含めて、思いを聞かせていただきました。
 これから、僅かな時間でありますけれども、いろいろ批判めいた話もしたいなというふうに思っております。これ、特に大臣にとか自民党にとかということではなくて、私どもの短かったときのことも含めて、農政全般でやはり考えなければいけないということに関してでございますので、お聞きをいただければというふうに思います。
 会長が国民の理解が大事なんだということをお話しになったということを裏返して考えますと、まだ理解が十分に行き届くような形ではないんだと、つまり、関係する農業者や消費者や関連の業者の方々にとってさほど関心が高くない、あるいは薄いというようなことにも取れるわけでありまして、そのことに関してはどのようにお考えでしょうか。

#11
○国務大臣(江藤拓君) 大変残念なことだと思っております。
 私は田舎の生まれですので、私の世代はそうでもないですけど、ワンジェネレーション前になると、非常に先進的な農業をやっている地域のリーダーの農家の方も、おまえは百姓になるなと、大学に行って一流一部上場企業に就職せいと、そういうようなことを言われている率が極めて高かったと思います。生産現場の中にも余り農業の未来について明るい展望は開けなかったということは、やはり政策的に私たちも反省しなきゃいけない部分がたくさんあると思います。
 そして、何かやはりほかの国と比べても、大きな経済成長の流れの中で、まあ拝金主義とまでは申し上げませんけれども、やはり経済成長重視、まあこれ、またこれを言うと怒られるかもしれませんが、やはり貿易国家である以上、経済成長を重視しなきゃいけない、毎年GDPがどれだけ伸びるかということについて議論しなければならない、じゃ、一次産業はGDPへの貢献度がどれぐらいあるのかという話をすると、とかく隅に追いやられるような議論があったことは良くないと思います。
 今回、このコロナの問題が起こって買いだめ等が起こって、国民の食に対する不安はある意味で顕在化した部分があると思います。ですから、今回このタイミングで食料・農業・農村基本計画も書き直しということでありますから、是非これから、今、先ほども申し上げましたように、国民運動をしっかりやって、やはり国家の根幹である農業を守っていく、農業がなければ国の足下が危ないということを御理解いただくような運動を、食育とかあらゆる機会をつかまえて教育の現場でもやっていきたいというふうに今思っている次第でございます。

#12
○郡司彰君 いろいろと全般的に言うと、今大臣がおっしゃったようなことだろうと思います。しかし、それぞれのその要素を、どういうところに原因があるかということを詰めていかないと、なかなか全体としての関心を持つことにはならない。
 例えば、大臣も御覧になったかもしれませんけれども、今日の話の中でEUの共通政策に関わっての話もさせていただきたいと思いますが、イギリスが離脱をすることになりました。今年度、二〇一三年の改革が、一四年から今年、二〇二〇年までということでEUの方は共通政策が続いておりますけれども、その中で、今年フランスで、二月ぐらいだったと思いますけど、農業者がトラクターを連ねて、自分の国だけではなくて、ベルギーのEUの本部に押しかけるようなことがありました。理由は何だといえば、分担金が減るから、これまで同様の、例えば大きな柱である価格・所得政策のフランスの農民に対する金額が減るんじゃないかというようなことでのデモだったというふうに覚えておりますけれども、つまり、この基本計画が直接農業者や消費者や関連の業者にどこまで関係するんだというところの度合いが非常に薄いんだろうというふうに思っております。
 また、いろんなところの声を聞かなければいけないということになるんだというふうに思いますけれども、これまでの農政の柱がやはり、どこの時点でということは申し上げませんけれども、いずれにしても、認定農業者に大きく任せていくような農業に切り替えていきましょうと、そして、そこのところの施策を重点的に行っていきましょう。つまり、認定農業者でいえば二割強ぐらいでしょうか、二割、三割弱ぐらいの数になるんだというふうに思いますけれども、残りの人たちの声というものが、本当に国や農水省や政府が考えているんだろうかというようなことにもなってくるだろうというふうに思いますし、そこの人たちの声が、俺たちの声は届かないというふうに思っているやもしれません。
 また、一方で、例えば規制改革会議なども含めて、どこの声を聞いてこの国の農政は行われているんだというような疑念をお持ちの方々が増えているように思っております。
 そのことについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。

#13
○国務大臣(江藤拓君) 先輩のおっしゃることはあると思います。それは、やはり棚田法案をやったときに棚田地域の視察に行きましたけれども、最初に行ったときにはその地域の方が、また政治家が何か見に来た、観光半分なんだろう、どうせ本気じゃないんだろうと大変冷たい対応をされました。でも、食事をしながら、私、宮崎の焼酎も持っていって、酒を飲みながら、そうじゃないんだと、立法も考えているんですよという話をしたら少しずつ心がほぐれて、ああ、それじゃいろいろ本音の話をしましょうという話をしていただいて、随分参考になった経験がございます。
 ですから、そういういわゆる条件の悪いところ、規模の大きくないところ、いわゆる産業構造上生産性のそう高くないところで営農されている方は、特に国家における自分たちの役割、位置付けというものについて国が余り顧みてくれていないんじゃないかなという気持ちを持っておられ、それイコール我々の声はどうせ政策には反映されないんだという諦めの気持ちを持たせてしまったことについては、政治家の一人として、大臣としても大いに反省しなきゃいけないことはあると思っております。
 ですから、これからの政策運営に当たっては、度々申し上げておりますが、全体を底上げをしたいと。兼業農家の方々に対してどうも冷たかったという部分もあります。小規模についても冷たかった。認定農業者は二十四万ぐらいしかない。基幹的農業従事者が百四十万ですから、非常に認定農業者の数は更に基幹的農業者よりも絞られている現状でありますので、それぞれやはり収入保険とか考えると青申をやってほしいとかいろんなことはありますけれども、幅広いスパンを持って農業というものをやっていただいていることは国家というものに貢献しているんだという誇りを取り戻していただけるようなことを、ちょっと遠大なことを申し上げて申し訳ないんですけど、そういう気持ちを持って政策の立案に当たっていきたいと思っております。

#14
○郡司彰君 認定農業者の数は二十三、四万ということで、それの分母のところはちょっと捉え方がいろいろでございまして、二百万という捉え方の場合もありますし、先ほど言った百四十万ということもありますから、いずれにしても、少ない方でいえば二十何%の、それから、法人を加えても全体としては三〇%に満たない声ということも言えるんだろうというふうに思っております。
 それからさらに、猫の目農政、今のような私たちの声が届いていないという人たちに加えて、今までいろいろやってきたけれどもその都度変わっているじゃないか、こういうような話もあるだろうというふうに思っています。
 私もどこかで昔からそういう言葉を聞いたなと思って、ネットでちょっと戻って調べましたらば、二〇一三年の三月の日本経済新聞、猫の目農政の過ちを繰り返すな、これ私が言うんじゃなくて日本経済新聞の記事でございますから。その中の文章を読むと、例えば、民主党政権が導入した戸別所得補償制度は経営所得安定対策と名称を変えて一三年度も継続する、ただ、政府は一四年度以降については見直しの方向だけを示し、詳細は決まっていない、また、その後、自民党が戸別所得補償の代替として考えている支援策、農地を農地として維持するということに目的としておりというようなこと、それから、ソバの実をいっぱい作っていこう、ところが、作ったけれども実際には流通に入らなかったとか、いろんなことがあって、この猫の目農政ということに対しての批判というものもこれはかなり以前からあります。
 それに対する批判が、先ほど言いましたように、自民党だけではなくて、これは私どもなんですよ。今回は、二〇〇九年の政権交代の前に水田フル活用というのを当時の自民党政権が打ち出しました。その考えの下で、転作奨励金を五万五千円にするんですよというのを、それなりの時間を掛けて国会でも議論をして五万五千円に決まりました。ところが、その後すぐに総選挙になるという直前になりまして、五万五千円じゃない、八万円だと、急遽二万五千円上がったんですね。それは選挙目当てかといったら、まあそうで、みたいなこともあったんでありますが、それはおいておいて、選挙が終わったときに私どもの方はその八万円をどうするんだということを議論をしました。いろいろ問題があるかもしれないけれども、これは継続性を持たなければ農家の方々は政策、政権を信用しないということで、その八万円は継続をさせていただきました。
 これまでの一つ一つの政策について申し上げることはいたしませんけれども、やはりこの計画が作られた、先ほどのEUは一三年改革で一四年から今年まで一貫したものをやっているんですよ。ところが、私たちの国の中では、政権が替わったりだけではなくて、規制改革会議が強くなったり、その都度政策がころころ変わっているようなことの印象を拭えない。このことをなくしていかないと、今度の基本計画、最後のところに、これは十年間なんですよ。ただ、五年ごとに一定見直しをするけれども、十年間なんですよ。本当にこれで十年間やるというような確信がなければ、私は多くの関係の方々は信用しないというふうに思いますけれども、どうでしょうか。

#15
○国務大臣(江藤拓君) 政策の継続性とか一貫性とか中長期、目先、今すぐやらなきゃいけないことと中期と長期で目指す目標というのはしっかりと示して、農政に限らず、政策は実現されるべきだと思っております。
 少し勇気を持って申し上げますけれども、農業政策は絶対に選挙の道具になってはならないと私は常日頃から思っております。選挙の前に何かぽっと出るというのはとてもいいことではないと。議論の期間が短かったり、そういうことは厳に避けるべきですし、私はまだ半年ちょっとしかこの職にはおりませんけれども、農林水産委員会の質疑には真剣に取り組ませていただいておりますし、先生方の御意見については、いただいたものについては必ずすぐ役所に戻って検討し、できるものは取り入れさせていただく。それは、やはり国会は熟議の場ですので、特に農林水産委員会においては与野党の壁を越えてやることが大切だと思っております。
 確かにこの八万円、五万五千円から八万円のことは私もよく覚えております。ちょうど一万五千円が七千五百円になって、ゼロになったとき、私は副大臣をしておりましたので、金丸さんとか新浪さん辺りと大分ばちばちやり合ったのは私でありますのでよく覚えておりますが、その後、農地維持支払と資源向上支払に切り替わり、八万円が出てきて水田フル活用だと。猫の目行政じゃないかという御批判は、これは承らなきゃいけないと思っています。
 しかし、先生、これ、またお酒でも飲む機会があったら是非御指導いただきたいと思うんですけど、なかなかこれ、選挙を戦うと、やはりそれぞれの政党が政策の目玉を持ち、相手の政策に対してはやはり批判的な部分は批判的で、そして選挙のときに公約として掲げたものはやはり実行する責任が有権者の方々に対してはあるという部分もあって、なかなか難しい部分がありますが、御指摘は十分理の通ったものだというふうに受け止めさせていただきます。

#16
○郡司彰君 時間が余りありませんので、私、おとなしい性格なんで、ただ、言われると少し反論したくなったりしてですね。例えばほかのことでも、選挙というのは一つの国民の投票の内実もあるわけであります。例えば、私どもが政権取ったときは、取ったら戸別所得補償やりますよというような審判をいただいたのかなというふうに思っています。その次、政権が替わるときには、残念ながら、自民党の皆さん方はTPP反対なんだというポスターを貼りながら終わったらば調印というようなこともあって、そのことまでは余り申し上げませんでしたが、やはりその辺の継続性というものをきちんとしないと、やはり信用できないのではないかというような感じをいまだに持っている人たちが農家の方々の中では多いんだということもお話をさせていただきます。
 それから、時間がありませんので、もう一つ、私が常々前から思っておりますのは、EUの所得補償も日本の戸別所得補償もそうなんでありますけれども、これはEUの域外のスイスもそうでありますが、この予算は、国の大事、食料安全保障という言葉も時折使われておりますけれども、だとすると、農林水産予算、農業予算ではなくて、別な国の根本的な予算の中で考えるべきだというふうに思っているんです。だから、EUの中の分担金いろいろ変わりますけれども、当初の率より少し下がりますけど、今でも三八%、これはEUの中の最大の比重を占めているのが価格、そして農村政策もありますけれども、そのようになっている。
 この辺のところを、これは、与野党ではなくて、一度いろんな意味で議論をして、所得補償なりそういうようなところのものについては、もっとシンプル化しなければいけないところもありますけれども、やっぱり農業予算の枠内で捻出をするということは、私はもう限界があるだろうと。
 一九八二年の三・七兆円から、今年は二・三兆円、六二%まで減ってきています。全体の予算の規模が減っているかというと、そうではない中で、いろいろなことの事情もあったのかと思いますけれども、私は、今回の、大臣が別なところでも答えておりましたように、いざというときの備蓄が足りるのか足りないかというその水準だけではなくて、この国の安全や存立のためには、やはり命の産業、命の源であるものに対しては、農業予算じゃなくてきちんと考えるような議論をすべきだろうと。これは私どもの反省も含めてでありますけれども、お考えがありましたらばお聞かせください。

#17
○国務大臣(江藤拓君) 私も同じ気持ちを持っておりますので、ですから、棚田法案をやったときに、農業政策ではないのだと、国家の意思として棚田地域の営農、その地域の原風景を守るのだということでありますから、計画は内閣総理大臣が立てて、内閣として責任を持って、いろんな省が束になって掛かって地域を守っていくのだということにするので、四年近く時間が掛かりました。
 ですから、理念的には、やはり安全保障という言葉も、今回の基本計画の中に随分これまでよりも強調する形で書かせていただきましたのですから、これスケールの大きい議論にはなると思いますが、その戸別所得補償を全ての農地にいきなり導入するということはまた別の議論の場でやらせていただくとしても、しかし、私が棚田法案をやらせていただいても、十アール当たり一万円なんですね、正直なところ。一万円なんですよ。果たしてそれでかなりの後押しになるのかなというのは、私自身も足らざる部分があるだろうと。それに併せて中山間直接支払の要件を緩和をしたり拡大をしたり新設をしたり、合わせ技でやらせていただきますけれども、しかし、農地が四百四十万ヘクタールを切ってこれが止まらないというようなことになれば、国家の判断として大きな政策判断をしなきゃいけないタイミングがそう遠くなく来ても私はおかしくないんではないかと、政治家としては思っております。

#18
○郡司彰君 ありがとうございます。
 今までも何人かの大臣とこのようなお話をさせていただいて、やはりそうではないかという考えの方も、これまでも自民党の大臣の中にもいらっしゃいました。こういうところの議論を、本当に国民的にできるようなものを何か農水委員会の中で醸成できればなというふうに思っております。
 それから、SDGsなどが今回の中にも含まれております。このこと自体をどうのこうのということではありませんが、先ほどのEUの関係でいいますと、二〇一三年の改革が終わった後に、大体はデカップルなんですけれども、カップルの部分もありますよ。これは、一定の枠の中で生産の手助けするようなこともあってもいいけれども、大体はデカップルの方だと。その中で、大きな価格・所得補償の政策、これを行う際に、改革のそのときの一番の目玉だと私は思っているんですが、これまでだけではなくて、要するに気候や環境の利益になるような農業をやっている人には払いますよと、義務化をされたんですよね。こういうような形の中でSDGsや何かというものが根付いてきている。
 例えば、もうハロウィンは渋谷で騒ぐみたいなものではなくて、ハロウィンが過ぎれば、もう冬物の野菜なんだからカボチャが主流ですよと。それまでのトマトやキュウリや、例えば日本でいえば、これはもう通常では出てこないんだと、もしそこに、お店にそれがあるんだったらば、それは輸入をしたかCO2をいっぱい排出をして並べているんだから、これは高くなくちゃいけないというようなものが消費者の間にも当たり前のようになってきているわけです。
 このSDGsの関係でいえば、いろいろちょっと時間がないのでもう簡単に言いますけれども、それを行うようなところに対してはきちんと政策的に補助が行く。例えば、ハウスの中で園芸をする、スマート農業や、それからもうかる農業、多分にこの園芸の部分というのはかなり比重が多くなると思います。しかし、これまでと同様に、重油を使ってCO2を出して作っているものをこの私たちの国は当たり前になっていて、だから、ハロウィンのカボチャもただの遊び道具みたいな形でやっているようなものを変えていくようなことを政策としてやっていかないと、先ほど大臣が言ったような国民的なものにはならないし、よしんばこのままの状態で続けていけば、私は、この国の中で、いろいろな消費者の方々の中からそういう農業、そういう生産物に対して要りませんというような対応が早晩出てくるだろうと思います。
 私は、地元の農協を回っているときには大体組合長にはいつもこの話をして、いつまでも、これでもうかっているからといって、重油を使うような園芸はもうどこかで変えるべきだ。いろんな地域でいろんな取組がされていますけれども、このことに特化してがっぽり予算をつくって、こういうモデルをつくってというようなことをまずやるということが大事なんじゃないでしょうか。お答えいただければと思います。

#19
○国務大臣(江藤拓君) 地球の上で生きていく限りは、このサステナビリティーということはとても大事だと思っております。消費者の方々も、キュウリは真っすぐなものだと、曲がっているのは味は変わらないんだけど、もう半値でも買わないと。ですから、その国民の意識を変えていかなければいかないのだと思います。
 確かに、私の宮崎なんかは大園芸農業地帯でございまして、もうほかの県に行くとハウスが少ないんでびっくりするぐらいハウスだらけ、ですので、その分、今のところはパプリカとかキュウリとか作って非常に所得が高い園芸農家がたくさんおります。家族農業でも一千万軽く上げる人もたくさんいますし、それは農業のモデル的なことでありますが、しかし、これから先は、米においてもグルテンフリーからグルテンゼロとか、それとかオーガニックの野菜とか、今回、オリンピック、パラリンピックで随分フューチャーされましたけれども、そういうものに対する意識が向いていけば消費者の方々もそういう選択をしていただけるのかなと思います。
 イオングループも無農薬のスーパーなんかを都内に開店したりしておりますので、一部の変革は見られますが、ただ、価格が高い、値段が、ハウスで作ったものに比べて。これは価格が安ければ、無農薬とかそういうものでコストを掛けずに作って安く流通することになれば、価格の面でも消費者の選択はそちらに向かうかもしれませんが、これ時間は掛かるかもしれませんが、そういうことも見据えてまたよく勉強させていただきたいと思います。

#20
○郡司彰君 幾つか考えていたことがもう時間の関係でできませんけれども、私は、これは大臣も同じなのかもしれませんが、食の問題というのは二つしかないと、これは飽食と飢餓だと。飢餓と飽食しかこの世界の中で食の問題はありません。だから、飢餓に対してどうするのか、飽食に対してどうするのか、これは裏表の関係なんですよ。
 例えば、五兆円を目指して輸出をやっていきます、今度は牛の肉を一生懸命売ろう、私はそのことを否定もしません。しかし、一方で、餌になるトウモロコシを餌として買える国よりも、主食としてトウモロコシを食べなければいけない国では買えないという人たちが飢餓に陥っているわけです。そして、牛は、御存じのように、一キロの肉のために穀物が十三キロ以上は掛かるわけであります。そういうものが、考えたときに、世界中どこでも牛が食えるということは、これはあり得ません。これ、構造的にもうあり得ません。
 だとすると、牛のげっぷのCO2も含めて、この国土の中でどのような飼い方をして、EUの話で恐縮ですけれども、あそこは草地を五%、国や地域で減らしたらばもう駄目ですよというようなことも決めておりますけれども、どういう餌で牛を育てるんですか。例えば、その排出されたものは、先ほど言ったハウスの、園芸用の、何というんでしょう、エネルギーに代わるような取組もなされております。
 この国全体で牛を育てる、いいことでありますけれども、それが世界の飢餓の問題とどこで調和ができるんだろうか、この国で何十万頭、何百万頭飼うということが理想的な頭数なんだろうか、そういうようなことを先ほどのことと同じように常に国民に向かって訴える姿勢がないと、やっぱり私は、いつまでたっても、この基本計画そのものに対して、あるいは農政そのものに対する理解というものが少なくなってきてしまうのではないかなということで、具体的な個別の大事なところについての質問は今日ちょっとできませんでしたけれども、また大臣とこのような話をしながら、最後にちょっと、あと十五秒ほど。
 いろいろな政策ありますけれども、この頃、緑の政策だとか黄色の政策だとか青の政策だとかというような区分が余り議論をされておりません。私どもも、やっぱりこれはやっていい、これは少し遠慮した方がいいとかということを含めて、だけど、やらなければいけないものが黄色の中でもあるんだということの議論も大切だろうと思っておりますので、一度そういうものが議論できるような場もお願いしたいというふうに思います。
 終わります。ありがとうございました。

#21
○徳永エリ君 お疲れさまでございます。共同会派、国民民主党の徳永エリでございます。よろしくお願い申し上げます。
 五年前の基本計画の見直しのときには、農業の成長産業化ということで、規模拡大、コストの削減、それから企業参入、こういった現政権の農業改革の流れの中で、水田農政の突然の転換、そして農協、農業委員会の改革、また農地法の見直し、こういったことがありまして、基本計画についても大きな不安が実はありました。農業がこの五年、十年の間に大きくその姿を変えてしまうんではないか、あるいは農村の営みが大きく変わってしまうんじゃないかと、そんな不安がありました。
 ところが、今回の見直しに関しましては、案の段階で私たちもいろいろと議論をさせていただきまして、この案に対して提案もさせていただきましたし、あと文言の修正などもさせていただいて、私たちの意見も大分反映させていただきましたし、ある意味、農業の生産基盤の強化とか小中の規模の農家を大事にしていくという、その大臣の思いがしっかりこもった基本計画なのではないかと期待をしているところであります。
 せっかくすばらしい計画を立てたわけでありますので、これを是非とも実行に移していただいて、また五年、十年たったときにはこの計画が形になったというふうに是非していただきたいと思いますが、まずは大臣の思いをお伺いしたいと思います。

#22
○国務大臣(江藤拓君) 基本的に、田舎者でありますので、田舎で暮らしている人の気持ちをいつも思い浮かべながら政治活動をさせていただいております。条件の恵まれている人と恵まれていない人は農業に限らず必ずおられて、しかし、恵まれていない人も同じ日本人としてひとしく政治の光を浴びる権利は有していると思いますので、今回は先生方の御意見も賜った上で、そのような趣旨も今回の基本計画には込めさせていただきました。
 そういった方々が一歩でも前に、二歩でも前に出ていただくことで全体が底上げをされて、食料自給率も三七というていたらくでありますけれども、それを四〇%にし、そして四五%という目標を達成するというためにもこういった理念を盛り込ませていただきましたので、これから、基本的には五年後の見直し、計画としては十年先を見据えたものでありますので、これに基づいて例えば五兆円というどでかい目標を立てたわけですが、じゃ、それを実行するためには何が必要で、どのような政策でどれだけの予算が必要なのかということを組み上げていくのはこれからですから、しっかり取り組ませていただきたいと思いますので、また御議論賜りますので、よろしくお願いいたします。

#23
○徳永エリ君 これまでも委員会で何度か大臣と議論させていただいて、先ほど郡司先生との議論もありましたけれども、非常に正直に物をおっしゃるというところと、それと行動力が私はあると思っておりますので、本当に頑張っていただきたいと。もう本当に農業、農村は今もう深刻な状況にあると思いますので、是非ともまた活気を取り戻していただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 ちょっと足らないところ、これも何度も申し上げましたけれども、食の安全、安心、これが、自由貿易などもどんどん進んでおりますので脅かされているところがあります。残留農薬の基準が厳しくなるどころか緩和されたりとか、あるいは海外でいろんな報告があっても、日本はあくまでも科学的根拠をもって安全だと言い通す。やはり、この食の安全、安心に関しては、海外の情報もしっかりキャッチしながら、国民の命と健康を守るという観点からしっかり取り組んでいただきたいということを付言しておきたいと思います。
 今回、食料・農業・農村基本計画には、新型コロナウイルス感染症など新たな感染症の発生へのリスク、また対応策についても書かれております。本当は食の安全、安心について私、今日お話ししたかったんですけど、この現状の中で消費者の方々がいろいろ不安に思っておりますので、この新型コロナウイルスの対応について今日はお聞きをしたいと思っているんです。
 まず、感染がどんどん拡大している中で、あるいは医師会、経済界からも緊急事態宣言を発令するべきだという声が高まっております。報道などでは数日のうちに緊急事態宣言が発令されるのではないかという話もある中で、私のところにもいろんな方から、これまでも予算委員会などで質疑がありましたけれども、食料は大丈夫なのかと、しっかり確保できているんだろうかと、そういった不安な声が届いております。これに関しまして、改めて大臣から今の状況をお伺いしたいと思います。

#24
○国務大臣(江藤拓君) 森先生との質疑の中でお答えをさせていただきましたけれども、米については、民間百七十万トン、あのとき十万トン余計に積み上がりましたけれども、国が棚上げできた百万トンありますし、麦についても百万トン弱でありますけれども備蓄がありますので、差し当たりはすぐに困るということではない。
 そして、緊急事態宣言がなされたからといって、例えば食品工場が止まるとか、地域での営農活動が止まるとか、それで輸入がいきなりストップするとか、そういうことでは、イコールではありませんので、国民の皆様方が余りこれに過敏に反応されてまたスーパーに走るようなことになると、また食品棚から物が消えてしまうということになります。
 しかし、自粛が、あの宣言がなされた後、その当日の夜には、もう農林水産省からは食品メーカーの方々に、在庫を放出、そして土曜、日曜も休まずに食品を供給してほしい、そして生産能力も大体一・三倍に上げていただくということで御同意をいただいてやっておりますので、パニックになる必要は全然ないと思いますが、ただ、根本的な議論としては、やはり食料自給率が三七%しかないという数字を見ると国民の方々がやはり不安になられて、その数字を見てスーパーに行く方もおられるかもしれません。
 ということであれば、今回、この食料安全保障、食料自給率ということが大きく皆さん方と議論させていただいたことは天佑と申しますか、時節を得た議論になったなと改めて思っているところでございます。

#25
○徳永エリ君 農林水産省でもこの食料の問題に関しては、団体の皆さんからも情報を得ながら安心のための発信をしていただいていることはよく分かっておりますけれども、なかなかそのホームページを見る方というのは、特に高齢者の方々は自分で見れないわけでありますから、発信の仕方をもう少し考えていただきたいなと思いますし、それと、やはり連日報道を見ておりますと、米国、あるいは中国、それからヨーロッパ、もう生産活動が止まっているんじゃないかと。農業者の方々もそうです。あるいは、加工業者の方々もそうです。物流関係者の方々もそうです。そういう中で、本当に我が国への食料の輸入、これが止まらないのかと、このことを大変懸念しているんですが、その辺りの情報は関係国からしっかり得ておられるんでしょうか。

#26
○国務大臣(江藤拓君) それは情報収集をいたしております。
 アメリカにおいても、まあ毎日状況が変化しておりますので確定的なことを今時点で申し上げるのは難しいですけれども、それから、その上でも、農業とか食品産業とかそういった分野については米国においても継続するようにというふうに指導がなされているということでありますので、米国においても物が滞るということは今のところはないと、生産活動が止まるということはないと思いますが、例えばトウモロコシとか小麦ですね。
 しかし、その一方で、物流に支障が出る可能性は否定できないと思います。農場で物はできていても、それを港まで運ぶマンパワーがもしかしたらないかもしれない、都市がシャットダウンされるとハイウエーが閉鎖されるというような可能性もゼロではないと思います。
 悲観的に思えば可能性は幾らでも、悪い観測は幾らでもできるわけですけれども、そういうときに備えて、小麦だったらウクライナとかロシアとか、大豆だったらどことか、それぞれ可能性のある国については常にリストアップをし、商社の方々とも連絡を取り合って既に商流の確保については話をしておりますので、できる限りというか、もう何としても国民の皆様方に食で御不自由を掛けないように努力をさせていただいているところでございます。

#27
○徳永エリ君 今のところ輸入にも問題はないということでありましたけれども、しかし、小売の現場からは、一部加工品が入りづらくなっているという声もあります。それから、エア便、船便、コンテナの手配ができずに出荷できないとか、コンテナが止まっているというような状況もありますし、それから、港の封鎖等があることで大幅な納品遅れということもあります。
 それから、こういった緊急対応時には配送料金がぐっと上がるわけですよね。ですから、採算の面で中小がなかなか入荷できないとかそういった状況も生まれてくるということで、私は、やっぱりここは、まあ食品は大丈夫と言いながらも、ある意味、食料供給の上、食料安全保障上の緊急事態だという受け止め方をやはりして、しっかり対応していかなければいけないというふうに考えますが、大臣、いかがでしょうか。

#28
○国務大臣(江藤拓君) 小麦等については国家貿易でありますので国の責任としてやりますが、大豆については民間貿易でありますので。
 いろんなところで、例えば倉庫料の負担が増えている、それから横持ち、輸送に関するコストが増えているということでありますが、そういったことについても十日程度でまとめろという御指示を総理からいただいておりますので、ありとあらゆることについてカバーできるように今省内で知恵を出しているところでありますので、先生の御指摘は参考にさせていただきたいと思います。

#29
○徳永エリ君 支援するべきところはしっかり支援していただきながら、物流が滞ることがないように是非対応していただきたいと思います。
 また、これ緊急宣言が発令されたとしたら、資料お配りいたしましたけれども、農林水産省のホームページ、十分な供給量を確保しているので、安心して、落ち着いた購買行動をお願いいたしますと。食料品は必要な分だけ買うようにしましょう、過度な買いだめや買い急ぎはしないでください、転売目的の購入はしないでください、そのとおりなんです。そのとおりですけど、これを守られるかどうかが問題なんですね。ですから、これ守れるやっぱり方策を考えなければいけない。それも、緊急事態宣言が発令される前にしっかりその方策を考えて、現場に伝えていかなければいけないと思うんですよ。
 そこで、あるスーパーが、午前中の何時間かは高齢者の方だけ買物をする、これ防疫の観点からも重要だと思うんですよ、感染を避けるために。そんなことをしていたりとか、あるいは時間ごとにお客さんを入れ替えたりとか、あるいは一人何点までですよということをきちっとレジでチェックしながら買い過ぎがないように、買いだめがないように対応するとか個別に対応しているわけでありますけれども、これも、緊急事態宣言ということになれば、やっぱり買物ルールのガイドライン、これをしっかり作っていただいて下ろしていただくと、現場では非常にやりやすいんだと思います。是非ともここも御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#30
○国務大臣(江藤拓君) 緊急事態宣言がなされても、なかなか国の命令として各個別の販売店に対してやっていただくということはできないということは御理解をいただきたいと思いますが、しかし、高齢者の方々が若い方々と一緒に買物をして列に並ぶということもリスクが高いし、もしかしたら押されて倒れてしまうというようなことも十分可能性があると思います。
 ですから、我々としてはそういった、特に食品流通に関する大手の方々が中心になりますけれども、協力をお願いしますという形で要請はさせていただこうということで今準備もさせていただいておりますが、命令ができないんでどこまで徹底できるか分かりませんが、かなりのレベルで御理解がいただけるのではないか。しかし、若い人がお店に行って、この時間は高齢者だけですよと言われて、何だと、ちょっと怒って帰ることも、もめることもあり得ますので、実行するに当たっては、やはり国民の皆様方にこういうことを農林水産省として大手スーパーさんを含め食品販売メーカーの方々にお願いをしていますということをしっかりと広報をしないと混乱を招く可能性もありますので、それが時間的に間に合うのか、周知徹底ができるのか、それも含めてしっかり検討させていただきたいと思います。

#31
○徳永エリ君 販売員とか従業員に対するお客さんからのクレームってすごく問題になっているんですよね。ましてや、こういうときですから、みんないらいらしている、不安だというところもあって、大変なんだと思うんです。
 いろんなその責任という問題もありますので、命令をするということではなくて、しっかりガイドラインを作って、皆さんこのガイドラインに沿って対応してくださいということを国から発信することが現場としては非常にやりやすくなりますので、是非とも早急に御検討をお願い申し上げたいと思います。
 それから、これいつまで続くか分からないという状況の中で、今は大丈夫という話がありましたが、これから恐らくどんどん外出に対する自粛の意識というのが高まっていくと思います。どんどんみんな外出しなくなるんだと思うんですね。そうすると、飲食店も、今は休業しているところと店を開けているところがありますけれども、恐らく休業せざるを得ないという状況になってくるんだと思います。そうすると、その食材、これがまた需要がなくなるわけであります。そうすると、結果的には市場あるいは生産者に影響が出てくる。
 今後のことを考えながら、農林水産業、生産者への影響、そして、大臣としては今後長期的なスパンでどう対応していきたいとお考えでしょうか。

#32
○国務大臣(江藤拓君) 長期的なスパンにならないことをまず祈りたいと思いますが、三十一日に、北海道から九州まで九名の方に御参加をいただいてスカイプで意見交換をさせていただきました。それぞれ悲痛な声聞かせていただいたわけでありますけれども、まず今たまっているものについて何とかする。その生産、流通のところでもう止まってしまっていますので、消費まで、まあ消費が止まっていることが原因ですけれども。ですから、何とかこの流れができる、回復ができる補正予算の中での予算措置を是非したいと思っております。
 魚についてもなかなか厳しい状況で、マグロも大変安い状況でもありますし、ホタテも、先生の御地元も、中国が止まって大変なことになっておりますし、インバウンドで道の駅で食べる人もほぼほぼいないということでありますから。花のこともありますし、農林水産省は何しろウイングは広いんで、商店に対することも必要ですが、例えば商店が今までよりもいいお値段で商売が成り立つような値段で仕入れができるようなことができれば、もしかしたら、お客様、今は自粛、東京は特にそうですけれども、そういうことがまだ行われていない地方都市は日本中たくさんあるわけですから、そういうところでは消費を喚起することができるのではないかと思いますし、とにかくその生産、流通、それから消費という流れがもう一度動き出すような補正を組むべく、今努力中でございます。

#33
○徳永エリ君 昨日の日農新聞の記事になっておりましたけれども、大臣の御地元の宮崎県の農家の方が訴えておられました。枝肉価格の下落で肥育経営が悪化し、それに伴い子牛価格も下落し繁殖経営も危機的状況だと。三月の子牛相場が前年比十五万円の値下がりということであります。さっき、そのたまっているものを出すというお話がありましたけれども、今、外食需要の減少でA5、A4という高級和牛肉、これが在庫が積み上がっているということであります。
 自民党の農林部会から和牛券という話が出まして大ひんしゅくを買っておりましたけれども、やっぱり背景を皆さん分かっていないんですよね。積み上がっているものをやっぱり出さなきゃいけないと、回転させないとそれこそ肥育農家にまで影響が出るという、そういったところまでちゃんと伝えていただかないと、なかなか皆さんに分からないんだと思います。
 それで、JAでも、一万円の和牛をキャンペーンで五千人でしたっけ、に無料でプレゼントするという、これも在庫が積み上がっているので吐き出して回転をしなければいけないと。でも、これ、いつまで続くか分からないので、本当に一時的なものなんですよね。だから、何とかしてこの高級和牛を吐き出すその対策を考えていかなければいけないと思うんですけど、大臣、どのようにお考えでしょうか。

#34
○国務大臣(江藤拓君) いろいろ考えております、具体的に。財務と毎晩遅くまでがりがりとやらせていただいております。
 とにかく、先生がおっしゃるように、一時的に一回やっても多分、全農さんがやったことは気持ちが農家にも伝わりますし、すごくいい取組をしていただいたと感謝をいたしておりますが、できれば全農さんも継続的にやっていただきたいと思いますし、我々の場合は政策で予算措置でありますから、一時的な効果ではなくて継続的に、生産、流通、それから在庫に積み上がったものを軽くすることに効果がある施策をやらねばならないと思っておりますので、もうあした金曜日ですので、もうとにかく、ここは譲れないところでありますから、しっかりやらせていただきたいと思います。

#35
○徳永エリ君 高級和牛、ブランド牛ですから、非常事態だからといって価格を下げて売ることはなかなかできないと思うんです。下げたら、今度上げるの大変ですから。
 でも、何とか在庫をさばかなければいけないという部分では、例えばですけど、安価な牛肉とこの黒毛和牛をセットで売る。例えば、三人、四人の家族で焼き肉用の肉をスーパーに買いに行ったときに、ほとんどが値段の安いお肉かもしれませんけれども、一部黒毛和牛が入っていて、僅かかもしれないけれども、家族でちょっとこの黒毛和牛の高級牛を食べてみると。
 これ、食べたことがない人だっていると思いますよ、家計の厳しい家庭では。それが、今回その安いお肉の中に、焼き肉セットの中に一部高級和牛が入っていて、家族みんなで分けて食べて、おいしいね、和牛、和牛。増頭も国も支援して取り組んでいる。和牛ってこんなにおいしいんだということを知っていただく機会にもなると思うので、いろんな工夫をしてみると、一気にどっとさばくことができなくても、いろんな出し方があると思います。
 例えば牛乳なんかもそうなんですよ、大臣。実は、高齢者の方々が買物したときに、牛乳飲みたいなと思っても、五百ミリのパックとか一リットルのパックって結構重たいんですよ。特に私の母なんか乳がんやっているので、牛乳飲みたいんだけど重くて持てないというんですね。
 だから、逆に、給食用の二百ミリリットルのパックを開けてしまって加工に回さずに、そのまんま、例えばレジの横に氷を置いて、その上に二百ミリリットルのパックを並べたら、レジでお金を払うときに、あっ、牛乳、二百ミリリットルだったら飲み切れる、あっ、給食、牛乳余っているから応援しなきゃ、一個、二個買っていく、それが全国で起きればそれなりの数になると思うんですよね。そういう何か取組をいろいろしてみていただけたらいいんじゃないかなというふうに思います。
 農林水産省でも、給食の食材が余ったからといってホームページで御紹介をしたら、もう飛ぶように買いたいという方々がアクセスしてきたということを聞きましたけれども、どうかなと思いながらもやってみたら意外な反応ということがいろいろあると思いますので、なかなか、官僚の皆さんが頭を突き合わせて、どうしたらいい、こうしたらいいと考えても柔軟な発想は出てこないと思いますので、消費者の皆さんとか、できれば我々も、女性議員たくさんいますから、生活感覚みんなありますから、是非とも意見を聞いていただいて、どうやって今余っている農林水産物、これを売っていくかということを一緒に考えていけたらいいなというふうに思っております。
 そして、基本計画には、食料供給のリスクを見据えた総合的な食料安全保障の確立について書かれております。
 平成十四年に策定されたもので、当初は不測時の食料安全保障マニュアルという題名だったものが、平成二十四年九月の一部改正で緊急事態食料安全保障指針となったということなんですが、これを見てみますと、食料供給に影響を及ぼす緊急の要因として様々なリスクが書かれております。国内におけるリスク、これ、大規模自然災害や異常気象、家畜・水産動物の伝染性疾病や植物病害虫、食品の安全に関する事件、事故、食品等のサプライチェーンの寸断、地球温暖化等の気候変動となっておりますが、この国内のリスクに人間の感染症が入っていないので、これまでこれ七回改正されているので、是非ともここに人間の感染症もしっかり入れていただくということ。それから、海外におけるリスクについては、大規模自然災害や異常気象、家畜・水産動物の伝染性疾病や植物病害虫などなどなど、十七項目書かれているんです。
 そして、平素からの取組に関しては、食料自給力の維持向上、それから備蓄の運用及び安定的な輸入の確保として適切かつ効率的な備蓄の運用、安定的な輸入の確保、そして国内外の食料需給に関する情報の収集、分析、提供、食料事情等の各層における理解の促進、国際的な取組の推進、そして関係府省会合の役割と、しっかりこういうものがあるんですが、じゃ、これが日頃からきちんとやられているのかなと思うと、特措法もそうでしたけれども、急にやろうとしてもなかなか難しいところがあって、日頃からやるべきこと、これ平素から取り組むと書いてあるんですから、ここに書かれているものは平素からしっかり取り組んでいただきたいと思うんです。
 ここには食料自給力というふうに書かれておりますけれども、先ほど大臣からもお話ありましたけれども、やっぱり三七%のこの食料自給率を何とか上げていかなきゃいけないと思うんですよね。かつては七〇%、八〇%近くあったわけですから。
 資料に付けさせていただきましたが、都道府県別の食料自給率とあります。北海道、青森、岩手、秋田、山形、新潟、こういったところは食料自給率は一〇〇%を超えております。我が北海道は二十九年度二〇六%ということで、何と二十八年から一年間でプラス二一%ということで、食料自給率を引き上げるために相当努力をしていると思うんです。
 これぱっと見ると、恐らく米どころという要素があるんだと思いますけれども、非常に、まあ東京とか大阪は仕方がないのかもしれませんが、低いところがあります。こういう低いところがなぜ低いのかというところもしっかり分析をしていただいて、やっぱり府県ごとにもう少し自給率を上げていく努力というのも必要ではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#36
○国務大臣(江藤拓君) 適地適作がありますので、米が作るのが適しているところ、雪も降るから一年一作だという固定観念がこれまでありましたけれども、私、山形に行ったとき、あるJAさんは、もううちは米を作っていないというJAさんも山形でもありました。宮崎辺りは正直言って余り米作っていなくて、総農業生産指数の半分以上はもう軽く畜産で占められているような県でありますから、それ自体が悪いとは思いませんけれども、やっぱり全体で見る必要があるんだろうと。もう郡司先生のお話を聞けば、牛はげっぷもするし、ハウスは燃料をたいているし、SDGsにも余り貢献しないからちょっといつまでも続かないという御議論もさせていただきましたけれども、しかし、やはり、衆議院の方でも若干申し上げたんですけど、例えば戦略作物で自給率が一二%しかない小麦、これなんかはしっかり作れば米を作るよりも平均単収ははるかに高くなるわけでありますけれども、そのためには、湿田ではできませんので、排水暗渠を入れて基盤整備もしっかりした上で作付けていただかないとまともな単収を取れませんので、ですから、基盤の整備と併せて、そして、食料自給率の低い戦略作物、特に小麦、大豆辺りについての作付けを奨励していくことは、北海道から沖縄、九州まで、どこに限らず、地域の適地適作はありながらも、考えていく必要があるというふうに考えております。

#37
○徳永エリ君 私たちは今、我が国の食料自給率がカロリーベースで三七%だと、約、食料の六割を海外から輸入しているんだということを分かっています。でも、多くの消費者の皆さんがそれを理解しているかというと、そこは私、甚だ疑問だと思うんですね。
 やっぱりこの機会に、食料安全保障を考えたときには、まずは国内の生産を増大させて食料自給率を上げていく必要があるんだと。そして、確かに、家計を考えれば安いものを買いたいという気持ちは分かりますけれども、しかし、こういった危機を、初めてです、ある意味経験して、海外から入ってこなくなるという不測の事態が起きる可能性もあるということもみんな実感しているわけであります。こういうときだからこそ、国民にしっかりと理解をしていただいて、少しくらい値段が高くても国産のものをしっかり買って食べて応援をしていく、自給率を上げていくんだと、そういう意識を是非とも喚起していただいて、今回も四五%まで十年後は上げるんだという目標を立てたわけでありますから、十年たったときに、四五%まで上がったね、今の状況だったらもっと上げられるかもしれないねと、そういう状況に是非とも大臣していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#38
○国務大臣(江藤拓君) 幾つあれば国民に対する食の安全、その食料安全保障が担保されるかということは、数字で示すのはなかなか難しいと思います。自給力という議論も、ですから並行でやらせていただかなければならないと思いますけれども、何度も申し上げているように熱供給ベースというものが議論の中心でありますから、これはやはり大黒柱でありますので、やはりこれが半分以下というのはなかなか国民の皆様方の不安を払拭するには及ばないというふうに思っております。
 今回、四五パーということで、これでも難しいという御批判もありますけど、何としてもここににじり寄っていって、そして最終的に十年後、できればもっと早い段階でこれを達成して、そして次の目標を立てられるような状況にできるように、難しい課題ではあるとは承知をしておりますけれども、挑戦していきたいと考えております。

#39
○徳永エリ君 先ほど大臣から、農家の皆さんは甘いという声もあったというお話がありましたけれども、こういった自給率なんかを見ていただいても、やっぱり東京とか、それから大阪とか、こういう大都会の方々はやっぱり地方の食料生産によって支えられているんだと、このことを是非お示しをしていただいて理解を広めていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。残しましたけど、申し訳ありませんでした。
 ありがとうございました。

#40
○石垣のりこ君 立憲・国民.新緑風会・社民会派の石垣のりこでございます。よろしくお願いいたします。
 まずは、新型コロナウイルスで亡くなられた方にお悔やみを申し上げますとともに、感染した方へのお見舞い、そして一日も早い回復を祈っております。また、全国各地でコロナウイルスと闘っていらっしゃる医療関係者の皆様、日々本当に大変な状況下で御尽力されていらっしゃると思います。皆様の御努力に敬意と、そして心からの感謝を申し上げます。
 さて、安倍総理が瀬戸際の一、二週間とおっしゃいました二月の二十六日からははや一月以上が経過をいたしました。三月十一日にはWHOが世界的なパンデミックを発表し、三月二十四日にはオリンピック延期が決定し、翌二十五日には外務省が全世界を対象に危険情報のレベル二を出しまして、不要不急の渡航を自粛するように求めています。
 その間、イベント、集会等、人が集まること、また全校、全国一斉の休校要請などもありました。さらにはテレワークの奨励など、もう感染拡大防止のための様々な要請がなされてまいりました。外出するな、集まるな、接触するな、このようなするな、するな、するなと協力を求めるばかりで、コロナ対策本部立ち上げからおよそ二か月余り、世界各国が早々に現金給付や所得補償を具体的に決定し、人工呼吸器の増産を指示する中で、政府から全国民を対象にこれをすると具体的に伝えられたのは、マスク二枚を全世帯に二枚ずつ配るということだけでございます。この二か月、一体何をしてきたんでしょうか。余りの稚拙な対応に、憤りを通り越してもう嘆息すら漏れます。
 しかし、ここで肩を下ろしてばかりはいられませんので、私も、この農林水産委員会に所属し、食の安全という点から、今日は食料・農業・農村基本計画について質問をさせていただきたいと思います。
 さて、江藤大臣、先ほど徳永委員からの質問の中でも、今の現状をどのように捉えていらっしゃるかということで危機感についてお話がございましたけれども、この危機感に関してなんですが、緊急事態食料安全保障指針、先ほど徳永委員の中にもございました、平成十二年、食料・農業・農村基本法及び基本計画を受けて、平成十四年に策定されたものですが、こちらのこのシミュレーション、レベル〇からレベル一、二とございます。お手元の資料にもございますが、現在、一応この指針というのは何らかの形で参考にされていらっしゃるんでしょうか。

#41
○国務大臣(江藤拓君) もちろん正式に決められたものでありますから参考にはせねばなりませんが、先ほど徳永先生から内容について御説明いただいたように、レベルが三つあって、一番きついやつは、一人一日当たりの供給熱量が二千キロカロリーを下回るというような状況になったときはレベル二ということで一番厳しい。その前にレベル一、レベル〇があります。今、レベル〇は大不況、それから大不作、それから輸出先国から物が入ってこなくなったときがレベル〇が適用されるんですが、今のところ、アメリカとかブラジルとかその他の国についても、穀物とか飼料作物も含めて輸入が滞っている状況にはありませんので、この指針に基づいて何かを発表する段階には今のところはないということでございます。

#42
○石垣のりこ君 現在はこのレベルに該当する状況ではないということでしたが、昨年九月、そして十二月にこの指針を基にシミュレーション演習をされたということを伺っておりますが、具体的にどのようなことをされたのか、お話しいただいてよろしいですか。

#43
○政府参考人(浅川京子君) お答え申し上げます。
 昨年の九月と十月ですが、不測の事態が生じた場合に食料供給の確保が迅速に図られるように、この指針に則して、不作というのが海外で発生したというシナリオを想定しましてシミュレーション演習を実施いたしました。私ども農林水産省の関係部局や外部の商社の方なども集まりまして、対応手順の確認と実効性の検証ということを行っていたところでございます。先ほど言いましたように、コロナウイルスの発生を直接的に想定はいたしませんでしたけれども、具体的なやるべきことというのはある程度共通しているということでございます。
 シミュレーションの中身は、情報収集の強化や主食である米や小麦、飼料作物の備蓄の円滑な活用、ほかの輸入国からの代替輸入の確保、国内における緊急食料増産などについての手順なりを関係者同士で検討したということでございます。こうした演習を通じて、品目ごとに食料を調達する上で押さえておくべき具体的なセクターや調達ルートというのをもう少しシミュレーションを更に深化させる必要があるですとか、あと、消費者に冷静な行動をしていただくための情報提供のタイミングと具体的な内容についてもう少しシミュレーションでやらなくちゃいけないという共通認識を得まして、次回のシミュレーションに生かしていきたいと考えているところでございます。

#44
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
 そのシミュレーション、くしくもといいますか、年が明けてこうしたコロナウイルスの対応というところに至ったと思うんですけれども、何かそのシミュレーションで得られた知見が今回のコロナウイルスの対応について生きているというところはございますか。

#45
○国務大臣(江藤拓君) 委員会等での御指摘もいただいておりましたので、早速、小麦とか大豆について、もしその商流が途絶えたときに代替としてどこの国があるのか、それはもうシミュレーションしておりましたが、買うのは小麦については国家貿易ですから国になりますけれども、大豆は民間ですので、それにしても商社の方々の、現地の商社の方々の御協力がないとできませんので、そういう商流を持っている方々と連絡をしっかり取らせていただいて、今すぐ切り替えるということではもちろんないけれども、不測の事態が起こったときにできるだけそのタイムギャップが出ないように、スイッチングができるような対応については、これはオフィシャルと言うと若干問題があるかもしれませんけれども、しっかりとそういった方々とは話をさせていただいております。
 ですから、これまでのシミュレーションが生かされている場面はあると思いますし、食品製造メーカーの方々においても、今回の自粛制限が出たときにすぐお電話をさせていただいたら、分かりましたと、すぐに日曜日も配送しますと、そして生産工場の生産能力も一・二倍から一・三倍に上げますというすぐ返事がいただけたのは、このシミュレーションが生かされたんではないかというふうに考えております。

#46
○石垣のりこ君 このシミュレーションは省内で行われたものというふうに聞いておりますけれども、実際その備蓄食料を全国に今度配分していくような事態が生じた場合に、例えば他省庁との連携に関してはいかがでしょうか。

#47
○国務大臣(江藤拓君) 備蓄については、まず、米が百万トンありますけれども、そういうことになれば、こういうときこそ省庁の縦割りを排する必要があると思います。米を出すということになると相当な事態ですから、先生、これはですね。これは都道府県の皆様方にもお願いをしなきゃいけませんし、そのときには、果たして備蓄をしている倉庫から全国にくまなくこれが配送できるかということも考えなければなりません。
 そういうことを考えると、この百万トンの棚上げ備蓄の米を今のうちに分散させる必要があるのではないかという議論もないわけではありませんが、しかし、余りそういう行動を早い段階でやってしまうと国民の不安を惹起するのではないかという意見も他方あり、状況によっては考えさせていただきますが、今のところ棚上げ備蓄分まで出すという状況ではありませんし、民間で百七十万トンありますから、まず民間で十分な供給能力がありますので、もしそういう事態になったら遅滞なく配らなければなりませんが、まず、そうならないように全力を尽くすことが大事だろうと思っております。

#48
○石垣のりこ君 対応がすごい後手後手になっている状況で、残念ながら明るい兆しが見えないと私自身も感じておりますので、やはり食の基本、今回、東京の自粛要請もあった際には買占めというような行動も見られましたので、やはり食の安全に関して、でき得る限りの対応を日頃からしていただければと存じます。
 その上で、今回のコロナウイルス対策に関連してお伺いしたいんですが、農林水産省は動植物の検疫も行っております。人と動植物の違いはありますが、検疫の基本的なノウハウを持っているということで、今回のコロナ対策においても、要請があれば応えられるような準備をしているというお話だったと記憶しておりますけれども、農林水産省の管轄下で現在コロナウイルスのPCR検査が可能な数というのはどのくらいなんでしょうか。

#49
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 新型コロナ感染症のPCR検査につきましては、病原性のある検査材料を適切に取り扱うことができるということで、セキュリティーレベル、BSL2以上の検査室であるということ、それからリアルタイムPCRという機器であることということがございます。
 現在、農林水産省で、動物医薬品検査所、それから動物検査所の保有するリアルタイムPCRでこれらの可能な、こういう検査室にあるというものは、前回の答弁では二十二台というふうに申し上げておりましたが、保守点検等を勘案いたしましたところ、十九台ということでございます。
 それに加えまして、検査を実施する人材ということが必要でございます。これにつきましては、国立感染症研修所に派遣をいたしまして研修をしておりまして、即応できる体制を整備しているところでございます。

#50
○石垣のりこ君 台数は十九台ということで、修正が入ったということは分かりましたけれども、一日に可能な検査件数は、能力的にはどのくらいあるんですか。

#51
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 これらの施設の処理能力、それから実際にその機械を稼働する曜日、それから県が検査をこれらの施設に依頼する場合の連絡先等につきまして、厚生労働省にリストとして提供しております。厚生労働省におきましては、これらのリストを県に提供し、県がPCR検査するときのいわゆる候補の施設として現在リストの中に入っているというふうに承知しております。
 それらの処理件数でございますけれども、動物医薬品検査所、それから動物検疫所を含めまして、全体で数十検体、一日当たり数十検体ということでございます。

#52
○石垣のりこ君 十九台動かして数十件というのは、これ相当処理能力としては低いなという印象なんですけれども。
 もちろん、先ほどお話にありましたように、人材を確保しなければいけないという問題もあるし、あとは、バイオセーフティーレベル2を扱い、その扱うことができる場所の問題ということもありましたが、これは具体的に、どうしてここまで数が制限されてしまうのか、逆に通常業務としてふだん何のための検査をどのぐらいのチームで行っているのか、ちょっと絵が見えるような形でざっくり御紹介いただきたいんですが、お願いしてもいいですか。

#53
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 まず、通常業務との関係につきまして御説明させていただきます。
 動物医薬品検査所におきましては、動物用ワクチンの品質を確保するための検査等を日常的に行っているということでございます。それから、動物検疫所につきましては、家畜の疾病の侵入防止という観点から、海外から輸入されている動植物の検査ということで、最近でございますと旅客者が持ち込んだASF、アフリカ豚熱の遺伝子の検出でありますとか、それから輸入された家畜の細菌検査等が日常業務でございます。
 こういう中におきまして、両所におきましては、新型コロナウイルスの感染症のためということで、可能な、どれだけ人員が配置できるかということを精査してまいりました。実際また、検査上の制約というのもございます。国立感染症で研修したところにおきますと、やはり複数名がチームを組んで自分にうつらないようにしっかり管理するのが必要であるということで、動物のように一人ではできないということ、それから、実際にリアルタイムPCRは四時間から六時間時間が掛かるということでございますので、それらを合わせますと数十検体、一か所の規定で十検体ということでございます。
 このレベルは、各県におきまして実際に依頼をされております各県の衛生協会等も大体そんなにたくさんできるものではないというふうに聞いておりますので、能力としては最大限我々も協力したいと思っております。

#54
○石垣のりこ君 実際にそのように備えていらっしゃるということですが、厚生労働省若しくは西村担当大臣などから具体的な要請はありましたか。

#55
○国務大臣(江藤拓君) 早い段階で加藤大臣とこの話をいたしまして、我が省でも協力できる部分があるかもしれない、私、科学的知見はその段階では持ち合わせておりませんでしたけれども、検査機器はありますので、バイオセキュリティーのレベルとか複数人数での対応とかいうことは抜きにして、そういう話はもうかなり早い段階、もう初期の段階でさせていただきました。
 その上で、厚生労働省からはいろんな情報をいただいたり、そういう研修等を行ってきたわけでありますけれども、最終的には都道府県等から具体的な要請をいただかなければならないわけでありますが、今のところ、当省に対して是非農林省でやっていただきたいという要請はいただいておりません。

#56
○石垣のりこ君 現在のところ要請はないということで、一日数十件でも非常にこれできるだけいいというふうな考えもあると思いますが、残念ながらまだ稼働されている状況ではないというお話を伺いました。
 農水省のノウハウがあるということで、もう数十件でも何でもどんどん検査をしていかなければならないという状況に私自身はあるというふうに認識しております。この農水省のノウハウを最大限活用していただいて、各省庁ができるだけのことをやってコロナウイルスに対応していくということが必要であると思います。豚コレラ改め豚熱への対応も含め、農水省には感染症対策のノウハウがあるということで、是非積極的にできることを施策として取っていただきたいと思います。
 さて、見直しが行われました食料・農業・農村基本計画ですけれども、食料供給のリスクを見据えた総合的な食料安全保障の確立という項目がございます。その中には、不測時に備えた平素からの取組ということで、今申し上げました新型コロナウイルスへの対応というのもその中に盛り込まれていくような内容になるのかなと思いますが、本年見直しが行われたこの計画、これまで日本、食料自給率三七%という、これはカロリーベースですけれども、現実がございます。やはり、このコロナウイルスの影響を受けて、皆さんが食料政策本当に大丈夫なのかと危機意識を強められるというのは非常に自然なことだと思います。
 これまで五年間掲げてきました自給率目標並びに五年間の食料自給率実績、カロリーベースで御紹介いただけますか。

#57
○政府参考人(浅川京子君) お答え申し上げます。
 平成二十六年度から平成三十年度の食料自給率の推移ですが、カロリーベースについて、二十六年度三九%、二十七年度三九%、二十八年度三八%、二十九年度三八%、三十年度三七%となっております。また、生産額ベースですが、二十六年度は六四%、二十七年度六六%、二十八年度六八%、二十九年度六六%、三十年度六六%となっております。
 また、新たな基本計画における自給率目標ですが、令和十二年度までにカロリーベース四五%、生産額ベース七五%と設定しております。

#58
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
 新しい基本計画の目標においてもカロリーベース食料自給率四五%が掲げられておりますけれども、この四五%というのは一体どのような根拠を基に設定されているんでしょうか。

#59
○国務大臣(江藤拓君) これは、その向上に向けて、食料自給率の向上に向けて、農業生産面とそれから消費の面、この取り組むべき事項をそれぞれピックアップした上で、品目ごとに目標を設定して、それを積み上げた上での数字でございますので、全く当てずっぽうに四五というものを設定したものではありません。

#60
○石垣のりこ君 品目ごとに設定されているということでしたけれども、その品目数及びこの五年間でその品目ごとに努力目標が達成されたものはございますか。

#61
○政府参考人(浅川京子君) お答え申し上げます。
 前の基本計画では令和七年度の生産努力目標を設定しておりまして、二十一品目でございますが、平成三十年度時点で既に目標を設定したものは米、鳥肉、卵の三品目になっております。また、生産努力目標を達成したこの三品目は、全体の品目数二十一品目のうちの一割程度となっております。

#62
○石垣のりこ君 全体の食料自給率、カロリーベース四五%を達成するために、二十一品目、個々に掲げている努力目標の数字そのものがもう既に目標を達成できていない、一割程度しか達成できていないということで、やはり食料自給率を目標値に近づけていくためには、より細かく項目別に対応を、現状を見た上で対応を考えていかなくては、これ、じり貧でこの自給率も下がっておりますけれども、なかなか次の段階においても自給率の達成は難しいのではないかということが今の御答弁からも推測されます。この辺を受けまして、大臣、いかがでしょうか。

#63
○国務大臣(江藤拓君) 言われることはそのとおりだと思います。
 それぞれの品目について、何をすればその目標を達成できるのかという政策的な検討を具体的にやる必要があると思いますが、政策を立てた上で、それ以外の、お金が全てではありませんが、やっぱり財政的な裏付けも当然必要になってくると思います。かつて三兆円を超えていた農林水産省の予算というお話を郡司先生からいただきましたけれども、いきなりそこまで行くとは思いませんが、しかし、今回の新型コロナの議論の中で、先生もおっしゃったように、国民が食の安全それから食の安定供給に対して極めて意識が今変わろうとしているこのタイミングは、やっぱり我々はしっかりつかまえていかなければいけないんだろうと思います。
 ですから、これから、補正の議論もまだ始まっておりませんけれども、また夏になると概算とかいろんなことが始まってまいりますが、それまでにその政策を練り上げるということも大事ですから、ただお金だけいっぱいくれといっても裏付けがないとできませんので、この二十一について一割しか達成できなかったことはしっかりと反省を、それぞれ品目ごと、まずしっかりとした上で、それで、今度、これからの十年間の目標で四五を達成するために品目別に細かく政策立案に努力をしたいと思います。

#64
○石垣のりこ君 是非お願いしたいと思います。
 そして、この直近の三七%という過去最低水準の食料自給率上げるためにも、生産基盤の強化、また農業に従事する方、働く人がいなくては作物を作っていくことはできないわけですけれども、さらにはその植える野菜なり穀物なりの種、種が安定的に供給されなくては、やはり自給率も含め、作物を育てていくことができないという根本的な問題がございます。
 稲などの種子の安定供給と品質管理を都道府県に義務付ける種子法、二〇一八年に廃止されましたが、種子法に代わる条例を制定している都道府県数、現在どのくらいあるでしょうか。

#65
○政府参考人(天羽隆君) お答え申し上げます。
 主要農作物種子法についてでございますが、昭和二十七年に、戦後の食料増産という要請を背景に制定された法律でございます。その後、食料不足は解消されたわけでございまして、消費者のニーズにも大きな変化が見られたということで、先生御指摘のとおり、平成三十年四月一日に種子法を廃止してございます。
 種子法の廃止後、種子に関して新たな条例を制定した道県は十八道県、条例の骨子案を示したりパブコメを実施するなど、制定に向けた具体的な準備をしている県が三県と承知をしてございます。

#66
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
 各県の対応状況はまだまだこれからというところもあると思いますけれども、種子法が廃止されまして、その後、種子の安定供給のために、地方自治体、都道府県が予算確保に向けて、国としてはどのような措置を講じていらっしゃいますか。

#67
○政府参考人(天羽隆君) お答え申し上げます。
 主要農作物種子法の廃止後の平成三十年度以降におきまして、稲、麦、大豆の種子の供給に係る事務につきまして都道府県が実施するということが引き続き見込まれるということでございましたので、地方交付税の措置が講じられることになっております。
 具体的に申し上げますと、地方交付税を所管する総務省から地方公共団体の財政部局に対しまして、今年度、令和二年度につきましては、令和二年度の地方財政の見通し・予算編成上の留意事項等についてという文書が発出されているというふうに承知をしてございます。この中で、主要農作物種子法に基づき都道府県が実施することとされていた事務については、種苗法等に基づき従前と同様に実施することとされていることから、当該事務に要する経費について引き続き地方交付税措置を講ずることとしているというふうに示されてございます。
 農林水産省といたしましても、これを踏まえまして、都道府県の農政部局に対しまして、令和二年度における稲、麦類及び大豆の種子に係る地方交付税措置の取扱いについてという文書を発出しておりまして、都道府県の予算編成事務の執行に当たって参考とされたい旨の通知をしてございます。

#68
○石垣のりこ君 予算編成上ということで、一応留意事項ということでの通達は行っているということですけれども、やはりこうでもしないと忘れ去られてしまう、意識を持っていただけないという可能性すら感じるような状況にあるのではないかと思いますが、廃止後の二年間、二〇一八年、二〇一九年度の予算と、廃止直前、二〇一七年度と比較して、この予算に関しての金額、どのように変遷していますか。

#69
○政府参考人(天羽隆君) お答え申し上げます。
 稲、麦、大豆の種子の供給に係る都道府県の予算につきまして、農林水産省から各都道府県にその予算額を聞き取ったところ、全国の合計でございますけれども、まず平成二十九年度が七・七億円、平成三十年度が七・五億円、令和元年度が七・五億円というふうになってございまして、各県ごとに見ますとそれぞれ凸凹あるわけでございますけれども、各県の財政事情の下でおおむね同様の額が計上されているというふうに承知をしております。

#70
○石垣のりこ君 現在のところは、廃止直後ということもありまして、おおむね変更、大きな変化はないということですが、今後もしっかりと見守っていかなくてはいけないところだと思います。検討の余地があるかと考えております。
 種もみを作っている種もみ農家について伺いますけれども、全国に現在何軒ぐらいあるんでしょうか。

#71
○政府参考人(天羽隆君) お答え申し上げます。
 稲、麦類及び大豆のいわゆる採種農家数についてでございます。農林水産省が各都道府県から聴取したものでございますけれども、平成二十九年産につきまして、稲の採種農家数は七千四百戸、麦の採種農家数は二千四百八十五戸、大豆の採種農家数は千三百七十九戸というふうに承知をしております。

#72
○石垣のりこ君 済みません、これは政府としての正確な統計ではないんでしょうか。済みません。

#73
○政府参考人(天羽隆君) 農林省の私どもの部局から都道府県の担当部局に聞き取ったデータでございます。

#74
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
 戸数、平成二十九年度が最新版ということですけれども、今種もみを作っている農家の方が、非常にやはり検査体制も厳しくて、かといって、それだけの実入りがあるかというとなかなか難しいところもあり、高齢化が進んでいて、一般的な水稲も含めた農家の皆さんよりもより厳しい状況に置かれて離農していく方が多いという声も非常に聞こえております。
 この種子を守っていくということが今回の食料・農業・農村基本計画における自給率、食料安全保障の面でも非常に重要なことなのではないかと思いますが、これ、済みません、通告しておりませんけれども、種子の自給率というのは現在どうなっているのか。食料自給率、エネルギーベースの先ほどの二十一項目に関してなんですが、種子及び種苗になるかもしれませんけれども、今お答えいただけるようでしたら教えていただきたいんですが。

#75
○委員長(江島潔君) 時間がありませんので、簡潔にお願いします。

#76
○政府参考人(天羽隆君) お答え申し上げます。
 手元に正確な資料はございませんけれども、私の記憶で申し上げると、稲は一〇〇%、麦、大豆もほぼ一〇〇%だったと記憶をしております。

#77
○委員長(江島潔君) 時間ですので、まとめてください。

#78
○石垣のりこ君 はい。
 米、麦に関しては一〇〇%ということですが、二〇一二年の統計で、野菜では二割程度というようなデータもあるようです。今回の基本法の見直しにおいても、今日は食の安全保障の観点から質問申し上げましたけれども、自給率の根本として、農作物の種が十分自給できていないもし現実が今後予想されるのであれば、これについても直視して取り組んでいく必要があることを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#79
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 コロナウイルスでお亡くなりになられた方に心からお悔やみを申し上げますとともに、今感染で苦しんでいらっしゃる方については、頑張って治っていただきたいと思います。
 本日は、基本計画の集中ということなので、私がふだんから疑問を感じておりますことを十三問用意させていただきましたので、一問一答でお願いをいたします。
 基本計画に盛り込まれておりますけれども、新型コロナウイルスの流行、日本の農産物の輸出にはどのような影響を受けるとお考えでしょうか。

#80
○国務大臣(江藤拓君) 今もう既に大変な影響が出ております。今は海外のレストラン等でも閉鎖が続いておりますので、日本からの食材は基本的に高級なものが多いということであります。
 ですから、今私どもで努力しているのは、今までどおりの量を輸出することは大変難しい、牛肉においては四千トン以上を海外に輸出いたしておりましたけれども。しかし、今回のことによって商流、いわゆる取引のラインが切れてしまうようなことがないように、いずれこういうウイルスの問題については、歴史を振り返ってもいずれは人類は克服するわけでありますから、そのときにもう一度商流を元に戻し、さらには、六万五千五トンとか様々な、いろんな中国のラインも開くことも予想されますので、そういうところに積極的に打っていけるように、今は、苦しんでおられる在庫の整理であるとか、そういったものについて流れが滞らないような努力をすることが大事ではないかというふうに考えております。

#81
○石井苗子君 新しい局面を世界的な輸出の構造が迎えていると思っております。
 次の質問に行きます。
 資料を用意させていただきました。これは、皆様が御参考にしていらっしゃるかどうか分からないんですけれども、農水の調査室の資料というのがありまして、私、今回、これを基に質問を用意させていただきました。その資料の二十七ページに載っております。
 先ほどから御質問がたくさん出ております食料自給率の長期的な推移というところについて質問させていただきます。
 カロリーベースの食料自給率は現在三七%と先ほどから出ておりますけれども、このグラフを見ますと、ここは二〇二五年までしかグラフがありませんけれども、資料の一です、二〇三〇年度に四五%に引き上げる目標というのを掲げております。
 今回のこの基本計画から食料自給率を反映しない食料国産率目標というのを掲げていらっしゃいますが、これは二十七ページに載っております。食料国産率目標という指数、これを導入した理由をお伺いいたします。

#82
○国務大臣(江藤拓君) これは、今までどおり、カロリーベース、熱供給量ベースの食料自給率が国民の生活、それから食の安全保障の指標であることはこれまでと何ら変わりはないということがまず前提にあって、これまで、例えば一頭の牛は、ほぼほぼトウモロコシなんかはアメリカから買って、そのトウモロコシを食べて大きくなっている。食料自給率の貢献度は一頭当たり大体一一%しかないというのが現状でございます。
 ということであれば、これから国内のことを評価するときに、畜産農家の方々ももう立派な農家であって、一次産業従事者であって、日本の農林水産業、畜産業も日本の一次産業を支える大きな柱でありますから、それらの方々の御努力が、自給飼料であろうが輸入飼料であろうができ上がったものは国産ですから、国産牛として流通させ、海外にも売るわけでありますから、そういった指標も取り入れることも有効ではないかということで、このような目標を新たに立てさせていただいたということでございます。

#83
○石井苗子君 ではありますが、餌が来る来ないとかという話になりますと、食料安全保障の観点から見てどうなのかという疑問が残るんですが、この食料国産率目標、食料安全保障観点から見て重要度が低いと思われるか、どうでしょうか。

#84
○国務大臣(江藤拓君) 食料安全保障に直結する指標は、先ほども申し上げましたけれども、熱カロリーベース、熱供給カロリーベースの従来の食料自給率であるということでございますが、食料安全保障にこの新しい指標が直結しているということではありません。しかし、様々国内政策を振興することによって輸出も含めて生産基盤が強くなれば、それは最終的には食料自給率にも貢献する効果もあるということでありますので、全く無関係ではありませんが、必ず直結する指標であるというふうな整理はいたしておりません。

#85
○石井苗子君 御回答は、食料安全保障の観点から見て重要度は低いと、ということ……(発言する者あり)関係ないということ。関係ない。

#86
○国務大臣(江藤拓君) 関係ないとは申し上げませんが、大きく関与するものではないということであります。

#87
○石井苗子君 今日は一問一答なので、済みません、次へ。
 資料一のグラフを見てください。食料自給率の目標に関して、先ほどからもデータ出ていますけれども、私も調べました。平成十二年四五%、平成十七年四五%、平成二十二年五〇%、平成二十七年四五%。このグラフ見ますと、この期間の実績見ますと、四〇%から三七%まで下がり続けているわけなんです。こうなると、もはやできないんじゃないのかなと。ただ、できないのに、できるわけないのに惰性で四五%、四五%って言っているんじゃないかと、私素人なので、そういう目標掲げているんじゃないのかなということに思ってしまうんですが、今回もこの目標が達成できるという、是非、先ほどから品目別にという御答弁ありましたけれども、今回の目標が達成できるという根拠、教えてください。

#88
○国務大臣(江藤拓君) 今この段階で正確に根拠をお示しすることは難しいと思いますが、先ほどの御質問にもありましたけれども、この数字を掲げたからにはやはり政府としても責任がありますし、国民に対しても責任があると思います。
 品目別に目標数値を定めて、その数値を達成するためには何が足りないのか、何をするべきなのか、何をすればこれが達成できるのかということを政策的にまず十二分に検討する必要がありますが、政策を実行する上では財政の裏付けも必要になってきますので、まずは、まずよく考える、アイデアを出す、そして過去を振り返って足らざる部分についてはしっかりと反省もする、そして、その財政の裏付けによって政策を実行することによってですね、私は、できないとは思っておりません。
 ただ、現在の四百四十万ヘクタールを切ってしまった今の農用地面積、それから基幹的農業従事者の数が百四十万人しかいない、それから認定農業者が二十数万人しかいないという状況の中で、いろんな知恵を出さなきゃならないと思いますが、今スマート農業とかITの活用とかいろんなことをやりながら生産性を上げる、そして効率も上げる、そして農家の所得を上げる。農家の所得が上がることによって農業が魅力的な産業に若い人たちに映れば、農業に挑戦しようとする若者の数も増えてくると。そういうような好循環が生まれることによって四五%は実現されるものではないかというふうに考えております。

#89
○石井苗子君 でも、平成十二年から四五%なんです。私が申し上げているのは、もう少し根拠に基づいて、数字を正確に出した方がいいのではないかと思って御質問をしました。
 先ほどからサステナビリティーという、持続可能性という意味ですけれども、出ておりますが、TPP、これ調査室の資料の四十八ページにありました。日EU経済連携協定の発効とか日米貿易協定の合意と最近相次いでいろいろ出ているんですけれど、農産物の市場開放が進んでいるということだと思います。
 市場開放によって食料自給率が低下するんじゃないかと思っていますが、一方で、日本の皆様の食料の安全保障も極めて私は重要なことだと思っております。自給率低下圧力をはね返すような食料自給率目標達成に向けた施策というのを、大臣、お示ししていただけますでしょうか。

#90
○国務大臣(江藤拓君) 先ほど申し上げましたように、この場でなかなか具体的に全体像をお示しするのは難しいと思いますけれども、決して達成できないものではないというふうに思っております。
 確かに経済連携協定によって関税が下がる、肉については最終的には九%まで下がる、時間は掛かりますけれども、今二〇%台ですから半分以下になるということでありますから、これは間違いなく海外の肉の競争力は上がるということは、これはもう認めなければならない事実だと思いますが、しかし、その一方、我々はこれから、四月から私が本部長になりました、看板掛けもできませんでしたけれども、これから海外の市場に打って出ていきたい。
 中国の方々の日本の和牛に対する興味が極めて強い、いろんなことを考えていきますと、TPPを始めとする経済連携協定によって、農家の置かれている国際的な競争環境というのは大きく変わっていくかもしれません。それが自給率に影響するかもしれませんが、主に肉ですから、肉とか豚。豚の場合は、濃厚飼料に対する依存度が極めて高いということもあって、食料国産率には大いに貢献いたしますが、食料自給率には余り、貢献しないと言うと言い過ぎなんですけれども、数字の上ではですよ、数字の上では、先ほど申し上げましたように牛が一頭当たり一一%ということも考えると、余り貢献しないということでありますから、経済連携協定の推進によって農家の足腰が弱らないように、これまで一兆六千百八十四億円、TPP等関連対策大綱に基づいて国内対策をやってまいりました。元年度予算でも、三千二百五十億円の予算を獲得してやってまいりました。それによってクラスターとか産地パワーアップ事業とか様々な政策を組み合わせて、国内の農業の国際競争力も含めて強くする努力をしていきたいと考えております。

#91
○石井苗子君 国際競争力というのを、大臣、本当に弱腰じゃ駄目なんですよ。弱くなく、大臣がやると言ったら何でもできるわけですから、私、日頃からもう少し強気になっていただきたいと農水では言っておりますが、次の質問に移ります。
 資料の二、これは調査室の資料の二十八ページですけれども、これちょっとよく分からなかったので、ゆっくり質問いたします。
 日本の農林水産業が有する潜在生産能力をフルに活用することにより得られる食料の供給熱量を示す指標として食料自給力指標という、これは食料の潜在生産能力を評価する指標と言われておりますけれども、これが設定されております。
 そこで、資料を見ますと、平成三十年度の食料自給力指数に関する農林水産省の試算は、現在の食生活に比較的近い米、小麦中心の作付けでありますが、この作付けでは、農地面積の不足により、人一人当たり一日供給可能熱量一千七百二十八キロカロリーが、推定エネルギー必要量というのが一人、人一日当たり二千百六十九で達しないというふうに書かれているわけです。
 しかし、芋類中心の作付けの一部を米、小麦などのエネルギーが少ないという省力的な作物に置き換え、農地と労働力を共に最大限活用されるよう適正化ですね、適切化した場合によっては供給可能熱量が二千五百四十七キロカロリーとなって必要量を超える水準が確保されるということを、一生懸命に考えるとそういうことを説明されているんだと思うんですけれども、これは正しいですか。それだったら、潜在的な食料自給率、つまり、いざというときに供給できるカロリーは、国民の皆さんのエネルギー必要量を超えているので安心していいということをこの表でおっしゃっているのでしょうか。

#92
○政府参考人(浅川京子君) お答え申し上げます。
 食料自給力指標ですが、我が国農林水産業が有する潜在生産能力を評価するために、農地等の農業資源、農業者、農業技術をフル活用することによって得られる食料の供給可能熱量を試算した指標でございます。
 御指摘のように、今回の試算結果で、芋類を中心とした作付けでは日本人の平均的な推定エネルギー必要量は上回っておりますけれども、これをもって芋中心の食生活であれば安心だと言いたいわけでは全くなく、むしろ、栄養バランスを考慮しつつ、より現実の食生活に近い米、小麦を中心とした作付けではこの日本人の平均的な推定エネルギー必要量を下回るという結果と対比することで、通常の食生活を維持するためには、農業資源、農業労働力、農業技術をそれぞれ確保していくことが将来とも必要だというメッセージを出したいという趣旨で試算したものでございます。
 平素の指標である食料自給率とともに、不測時の指標であるこの自給力指標を併せて示すことで、食生活を維持するためには農地や農業者や農業技術を確保していくことが重要だということについて、国民の御理解と、それから食料安全保障に対する議論の深化というのを図っていきたいと考えているところでございます。

#93
○石井苗子君 大変真剣に考えていてくださっているということはよく伝わってまいりましたが、加えて、緊急事態で恐縮なんですが、九十三ページにありました、調査室の資料です。
 栄養バランスを一定程度考慮した食料自給率指標というのを出されておりまして、田と畑と、これ田んぼと畑と分けていらっしゃるんだと思いますが、米、小麦中心の作付けの体系ですと、田では表作では水稲、これ稲作という意味だと思うんですけど、水稲を作付け、都府県の二毛作可能田、田んぼの方ですね、においては裏作で小麦を作付ける。ただし、沖縄においては水稲の二期作を実施し、畑では実際の生産条件を考慮して、一作目では小麦、大豆、野菜、果実、てん菜、サトウキビ、牧草を作付けて、都府県の二毛作可能な畑においては二作目で小麦を作付けという計画になっているというふうに理解したんですが、まずこれが正しいかどうか。
 緊急事態、いざというときにこのような作付けをしてもらうために、ここから先はどのような方法があるんでしょうか。私にはさっぱり分からないんですが。現状ではこれは奨励金などを出してお願いするしかないのかなというふうに思うんですが、いかがなものでしょうか、教えていただきたいんです。

#94
○政府参考人(浅川京子君) お答え申し上げます。
 食料自給力指標はこの潜在生産能力について試算したものですけれども、農地や農業者、農業技術という最も基礎的な構成要素について着目をしているものでございます。仮定を置いておりまして、例えば生産転換に要する期間は考慮されておりませんし、また、肥料や農薬などの生産要素については十分な量が確保されているという、一定程度の前提条件を置いて計算したものでございます。
 一方で、実際に不測の事態で食料の供給に影響が及ぶ場合は、先ほどから御議論がありますこの緊急事態食料安全保障指針に基づき、事態の深刻度に応じて、例えば熱量効率の高い生産転換をするですとか、そういう事態のレベルに応じた増産や生産資材の確保、また農地の確保といった措置を講ずるということをすることにしております。

#95
○石井苗子君 これ、どのような方法でというのがまだなくて、奨励金か何かでお願い……(発言する者あり)

#96
○政府参考人(浅川京子君) 今ありましたけれども、その緊急時に想定されております法律の活用ですとか、また、今回のような形で補正予算なりの機会がありましたら、そのようなときに予算を確保して措置を実施するということを想定しております。

#97
○石井苗子君 御丁寧にありがとうございます。分かりました。
 それでは、私も五年前の基本計画のときにはここにおりませんでしたので、ちょっとお伺いしたいんですが、一般の国民としては不思議に思っていたことなんですが、食料自給率にカロリーベースと生産額ベースというのがありまして、食料国産率にもカロリーベースと生産額ベースというのがあります。さらに、食料自給力指数にもカロリーベースと生産額ベースというのがあって、かなり私、これ分かりにくいと思うんですが、国民の皆さんにはこのようなことを説明される機会がないと思うんですけど、どのようなふうに説明されておりますか。

#98
○政府参考人(浅川京子君) お答え申し上げます。
 食料自給率ですけれども、これは、平素において国内の食料消費が国内の食料生産でどの程度賄えているかというものを示す指標であって、国産飼料のみで生産可能な部分は厳密に評価しているというものでございます。食料国産率については、畜産業の増頭、増産への努力など生産基盤の確立に向けた取組を測る指標ということで、飼料が国産か輸入かにかかわらず、平素の国内生産の状況を評価するものでございます。さらに、食料自給力指標は、こちらは不測の事態の発生時にどれだけの潜在能力があるかというものを示したもので、それぞれ確かに性格といいますか、それぞれが発するメッセージというのは違うわけでございます。
 今後、新しい基本計画ができましたので、パンフレットや広報誌を始めとして、あとフェイスブック等のSNS、また動画配信のBUZZMAFFというものを始めましたけど、そういうものを、いろいろな媒体を活用した情報発信を行うことで、それぞれの指標の意義や目的についてまずは丁寧に説明をして国民に御理解をいただいた上で、この食料安全保障についてもきちんと説明をしてまいりたいと考えております。

#99
○石井苗子君 是非お願いします。
 国民の皆様が、今回のコロナショックの悪影響で、政府に、あるいは国が何をやっているんだろうかとか、食べ物は大事だろうがということに、政治に関心を持ったということは、近頃本当に珍しい、と言ってはいけないんですけれども、大切な動きがあって、行動変容というのが起きていると思いますので、よろしくお願いいたします。
 ちょっと話題変えまして、四十一ページの方にありました輸出診断という言葉なんですが、農林水産物・食品輸出プロジェクトという、グローバル・フード・プロジェクトというんでしょうか、先ほどのTPP関連で質問したいんですが、輸出診断とはどのようなことを指して言うんでしょうか。

#100
○政府参考人(塩川白良君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘の農林水産物・食品輸出プロジェクトですが、これ、グローバル・ファーマーズ・プロジェクトと……(発言する者あり)いや、これ四つありまして、あとフィッシュメンとフォレスターと、あとフードマニュファクチャー、全部Fが付くものですから総称しております。それで、これを三十年八月に実は立ち上げをしまして、現在、二千八百の方々に御登録をいただいているところでございます。
 それで、これの、いろんなサービスをしているんですが、目玉の一つに今先生のおっしゃった輸出診断というのがあるんですが、従来、生産者の方が輸出するには手探り状態でやっていたものを、そこから脱却をいたしまして、輸出先国の需要、それから規制、これに対応して輸出ができるように、専門家の方がその生産者のところに出向きまして、その農林水産物あるいは食品の輸出の可能性があるかどうか、これをまず診断をしていただくと。それから、輸出先国の開拓だとかあるいは商品開発、これについてもアドバイスをするということでございまして、今まで三百六十件対応してございますが、かなりこの御要望多くて、順次今対応しているところでございます。
 今後とも、輸出診断だけじゃないんですが、GFPの取組を進めることによりまして輸出拡大にも取り組んでまいりたいというふうに思っています。

#101
○石井苗子君 診断という言葉は医療分野でよく使われる言葉でありまして、診断を伴うには診断術というのが必要で、見立てというのが必要ですので、あらかじめそれが非常に正しいという基準を決めて、そこからどう外れているかということが診断ですので、ルールを決めるだけではなくて、しっかりプロの方が、ここが水準で例えばここから先が熱が出ていたら駄目だとかという、そういうような診断術というのをはっきり出していっていただきたいと思います。
 話題変えます。九十六ページと百十七ページ、農地面積の見通しの考え方について質問させていただきます。
 農地面積ですが、令和元年度には四百三十九・七万ヘクタールで、年平均で〇・五万ヘクタールの減少抑制効果というのが認められているものの、荒廃農地等が見通しを上回り発生しているというふうにも書かれております。ここなんですけど、荒廃農地の発生が見通しを上回ってしまったと。上回る理由というのは何でしょうか、荒廃を進めないためにどのような方策を取っていらっしゃるのか、お伺いします。

#102
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
 この前回、平成二十七年基本計画策定時の荒廃農地の見通しにつきまして、直近五年間の実績と比較した場合に、見通し三万ヘクタールに対しまして実績が七・七万ヘクタールとなっておりまして、御指摘のように上回っているということでございます。
 この要因といたしましては、特に中山間地域におきまして荒廃農地が多く発生をしているということでございます。中山間地域におきまして、平地に比べまして高齢化、人口減少が急速に進みまして担い手不足が著しいこと、また、圃場の大区画化でありますとか大型機械の導入、農地の集積、集約化が容易ではないというようなこと、また、特に豪雪地帯などにおきましては高収益作物の導入等にも制約があるといったようなことなどによりまして、中山間地域直払いによる発生抑制効果はあったものの、見通しを上回る発生が生じているというふうに考えております。
 これに対する対策といたしましては、多面的機能支払交付金でございますとか中山間直払いによりまして、地域住民の皆様方によりまして共同で守るための活動をしていただく、また、鳥獣害被害が大変ネックになっておりますので、鳥獣害被害対策によりまして農作物の被害の軽減を図る、また農地中間管理機構によります担い手への農地の集積、集約化を進める、こういったことが基本計画に規定をされているところでございまして、これに沿って発生防止解消に向けまして戦略的に進めていきたいと考えております。

#103
○石井苗子君 担い手不足というのは、もう何十年言われているんだろうと思うんですけれども、そして、人口が、構造、人口動態といいますけれども、これが高齢化が進んでいるということも、この三十年間、もう医療も含めまして何もやってこなかったということもあると思うんです。反省しなければいけないと思うんですが、その資料の五十二ページにもありますように、高齢化、減少局面に我が国の人口が直面しているということに鑑みまして、農業従業者数が引き続き減少するということが見込まれているんですが、その中で、今回の食料・農業・農村の基本計画の見直しでは、担い手の育成と確保と担い手の農地集積、集約等を総合的に推進していく上での将来のビジョンとして担い手の姿を示すとともに、望ましい農業構造の姿を明らかにすると。今御説明にもあったようなことでございますけれども、この担い手を目指している目標ですけれども、担い手への農地集約を現状の六割から八割に増やすということですけれども、農地の集積を六割から八割に増やすと、担い手への農地集積が進むのが望ましいということをちょっと私はよく理解できないんですが。
 もう一度言います。農水省は効率的かつ安定的な農業経営をしていく、している者ですね、それを目指している者を担い手として、担い手への農地集積を現状の六割から八割に増やす。これもう一度整理して、最後の質問なんで、教えてください。

#104
○委員長(江島潔君) 時間がありませんので、簡潔にお願いします。

#105
○政府参考人(横山紳君) お答え申し上げます。
 委員からも御発言がありましたとおり、我が国の農業従事者の方々、減少しておりますし、また高齢化も進んでございます。
 そうした中にあって、やはり我が国の農業をこれからも持続的に発展していく、そして食料の安定供給という役割を果たしていく、そのためには持続可能な農業構造が必要になってまいります。そのために、もちろん担い手を育成確保していきますが、それと併せて、まさにその担い手に対して農地の集積、集約を行います、それによりまして規模拡大も進め、全体として農業の生産性の向上を図っていく、そうしたことが農業の成長産業化のためには必要というふうに考えております。

#106
○委員長(江島潔君) 時間ですので、まとめてください。

#107
○石井苗子君 終わります。ありがとうございました。

#108
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 初めに、新型コロナウイルスの感染症の対策についてお聞きします。
 全国の小中学校一斉休校に伴って学校給食が中止になったことで、食材を納入している納入業者、生産者の経営が直撃を受けたことから、文部科学省は支援制度をつくりました。学校臨時休業対策費補助金を使うかどうかということは、これ学校設置者の判断ということなので、食材の納入業者と行政区との間でこれ混乱が生まれています。自己破産申請の準備に入った業者もあるというふうに報じられております。
 それで、例えばある自治体では、三月分の食材で保存が利くものは四月に使用できるので、これは支援の対象外というふうに言っていると。しかし、年間通じて食材を計画的に納入している業者にとっては四月分が宙に浮いてしまうと。
 総理の政治判断で一斉休校したということですから、これキャンセル分は支援すべきではないかというふうに思います。文部科学省、お願いいたします。

#109
○副大臣(亀岡偉民君) ただいま質問があったように、今回の一斉臨時休業要請に伴う学校給食休止により関係者に生じる負担については、今お話にあった三月十日に決定された新型コロナウイルス感染症に関する緊急対策第二弾において、新たに学校臨時休業等対策費補助金を創設し、政府として対応して今おりますが、本事業においては業者への違約金等の支払も補助の対象としております。学校設置者におかれましては、事業者への違約金等の支払についても、関係事業者と十分協議を行うなど、関係者の理解と協力を得られるよう丁寧に対応いただきたいと考えております。
 文部科学省としては、違約金が補助の対象となっていることについては既に学校臨時休業対策費補助金に関するQアンドAにおいて周知しているところでありますが、学校給食の安定的な実施の観点からも、学校設置者に対し事業者との十分な協議を改めてしてくださいという周知徹底をして、お願いをしているところであります。これを徹底させていただいた上で、できることは文部科学省として全部やるということを決めておりますので、今対応させていただきます。

#110
○紙智子君 つまり、キャンセルということになった事態に対しては支援の対象になるということだったと思います。
 それで、なかなかちょっと決まらなかったというのもあって、食材納入業者がどこまで補償されるのかということで学校設置者に何回も聞いたと。そうしたら、そんなに言うんだったらもう取引やめると言われたという人もいるということなんですね。
 それで、学校設置者の方も、なかなか、いつになるかということがはっきりしなかったということもあると思うんですけれども、この学校設置者と協議がうまくいかないときには、やはり設置者任せにせずに相談に乗って解決するべきではないかと思うんですけれども、もう一度いかがでしょうか。

#111
○副大臣(亀岡偉民君) 今委員のお話にあったように、なかなか、周知徹底をすべく我々も頑張っているんですが、ただ、設置者と、学校との、業者間との関係というのは詳しく分かりません。できる限り我々は周知徹底をする努力をしますが、万が一それがうまくいかない場合においては個別に文科省としてもしっかりと対応するということは決めておりますので、これは、何かあったときは設置者も含めて文科省に相談してくれということを言っておりますので、これは徹底してやっていきたいと思います。

#112
○紙智子君 それで、この食材の納入業者と学校設置者との間でなぜ混乱が生まれたのかということで、ちょっと調べてみたんですけれども、文科省の通知が分かりにくいということがあったんだと思うんですね。つまり、文部科学省の補助金交付要領には目的が書かれているんですが、学校給食費返還等事業、その目的は名前のとおりですけれども、学校給食休止に係る学校給食費を保護者に対して返還等するための経費を支援する、この補助金で保護者の負担軽減等に資するというふうにあるんですね。つまり、納入した給食費を返還するということが書かれていて、この食材納入業者の減収を補償するということは書いていないわけなんですよ。
 保護者にこの給食費の返還をするというのは、これは当然のことだと思うんだけれども、納入業者の収入減少を補償する仕組みであることをやっぱり周知徹底するというのが大事だと思うんです。これがまず一つね。
 それから、もう一つなんですけど、これ、つい最近の話なんだけれども、東京のある区から、四月いっぱい給食を中止するという連絡が来たということなんですね。やっぱり、そうなってくると新たな対策が必要ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#113
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。
 委員から御指摘ございましたように、本事業の補助対象には、学校設置者がキャンセルせずに事業者から購入した食材に係る経費及びその処分に要した経費のほか、事業者に対して既に発注していた食材に係る違約金等が含まれます。
 文部科学省におきましては、事業者との契約主体であり本補助金の申請主体である学校設置者に対し、補助対象経費について必要な情報提供を行うとともに、関係事業者との十分な協議についても改めて周知する予定でございまして、あくまでも学校設置者に対する補助だということ。それと、四月以降につきましては今後検討させていただきたいと考えております。

#114
○紙智子君 四月以降については今後検討ということなんですけど、やっぱりもうスピーディーにやらないと、それこそ自己破産を選択しようかというところが出ているわけですから、急いでいただきたいと。
 それから、同じように農水省にもお聞きします。この給食納入業者や生産者にも収入減少分は補償されるということが分かるように農水省としても周知すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

#115
○政府参考人(塩川白良君) お答え申し上げます。
 農林水産省でも、この食材を納入する事業者や農業者が学校給食の休止に伴う支援を円滑に受けられますように、三月六日から地方農政局に新型コロナウイルス感染症に関する相談窓口を設置いたしまして、相談に一元的に対応しているところでございます。
 また、学校給食における食材の調達方法、実は実態は様々ございますことから、三月十一日、二十五日、三十一日に、食品関連団体あるいは農業団体を通じまして、事業の内容、それからその対象になる納入の具体的形態などに関するQアンドAを、これは文科省の方でお作りいただいたものをこちらの方のルートからもしっかり通知をしているところでございます。
 引き続き、影響を受けた方々が円滑支援が受けられるようにしっかり対応してまいりたいと思います。

#116
○紙智子君 一斉休校にしたのは安倍総理の政治判断ですから、納入業者や生産者が被った被害は国が責任を持って補償すべきだと思います。
 同時に、四月からの学校再開に向けて既に契約が始まっているというのもあるし、一方、引き続き感染症が広がって休校せざるを得ない場合に対応できるように予算を含めた対策を求めておきたいと思います。
 さて、次に基本計画についてです。
 食料・農業・農村基本法についてお聞きしますが、食料・農業・農村基本計画を作り出してから二十年がたちました。耕地面積は、耕地及び作付面積統計によると、二〇〇〇年は四百八十三万ヘクタール、二〇一〇年度は四百五十九万ヘクタール、二〇一九年は約四百三十九万ヘクタールと減少を続けています。
 それから、農業構造動態調査によると、二〇〇〇年の販売農家は二百三十三万七千戸、二〇一〇年の段階で百三十三万戸、二〇一九年は百十一万戸と半減しています。基幹的な農業従事者も、二〇〇〇年は二百四十万人だったのが、二〇一〇年は二百五万人、二〇一九年は半分近く減って約百四十万人と。
 なぜこれ、減少に歯止めが掛からないのでしょうか。

#117
○政府参考人(横山紳君) お答え申し上げます。
 まず、耕地面積でございます。耕地面積自体、例えば令和元年と平成十一年、これ平成十一年、基本法が制定された年でございますが、これを比べますと約四十七万ヘクタール減少してございます。二十年間で四十七万ヘクタールということでございますが、これは荒廃農地の発生でありますとか、あるいは宅地への転用といったことによるものということでございます。
 また、委員から御指摘がございました販売農家数、これも二十年間で約百三十四万戸、基幹的農業従事者数は約九十三万人減少ということでございます。これにつきましては、そもそも我が国の農業構造といたしまして、昭和一桁世代の方々、これがかなり多数を占めるという農業構造になっておりましたけれども、この方々が高齢化されることに伴いましてリタイアをされていったということによるものというふうに考えているところでございます。

#118
○紙智子君 今のお話しになったのは、現象面なんですよね。荒廃農地の増大とか、だんだん昭和一桁が多くて高齢化になっているというのは、現象はそうなんですよ。そうじゃない、現象じゃなくて、なぜ減ってきているのかというその理由の根本のところですね、それをどういうふうに考えているのか、お聞きしています。

#119
○国務大臣(江藤拓君) 理由は様々あろうと思いますが、やはり私も田舎でございますけれども、やはり大学進学率はそう高くはない宮崎であっても、高校を出たら一度はやはり都会に出てみたいという人間がやっぱり大多数を占めるという時代が長く続きました。最近は随分地元で頑張ろうという人間がおりますけれども、都会への憧れというものは職業選択上の自由ということもあり、認めなければならない部分はあると思います。
 そして、その昭和一桁世代という話、今局長からもさせていただきましたけれども、どうも私の周辺、私の一世代の上の方々は、自分の息子たちには、おまえは百姓になるなと、こんなつらくてしんどい仕事をおまえにはさせられぬと言って農業従事を積極的に勧めなかったということもあります。そのことが悪いと言っていることではありませんけれども、それだけ農業というところはつらくて、きつくて、天候にも左右される厳しい産業であるという側面もあったと思います。それに沿って政策的にも我々一生懸命やってきたつもりでありますが、それを補うだけの効果を上げられなかったということも率直に認めなければならないというふうに思っております。

#120
○紙智子君 若い人でもやっぱり離農する人がいるわけですよね。これから働き盛りという人でも離農する人がいると。それで、農業では生活できないということだとか、あるいは将来的に今の自由化路線で行ってしまったら見通しが立たないということから途中でやめてしまうということがあるわけで、私はやっぱり、現状があるわけで、それに対して政策を打って、それがどうだったのかという、見返りというか、そこのところの分析がなければいけないんだと思うんですよ。打った政策がどうだったのかということについては、もう率直に言って安倍政権の下でやられてこなかったんじゃないかというふうに言わざるを得ないんですね。
 例えば、担い手が減っても、担い手への農地の集積が進んで耕地面積が維持されていれば、これ構造再編、構造政策としてはまあ成功しているというふうに、政府としてはそういうふうに言うんだろうと思うんですけれども、現実は若干の耕地面積も減っているわけですよ。あっ、肝腎の耕地面積も減っていると。政府が目指した構造政策がこれ成功しているというふうに言えるんでしょうか。

#121
○国務大臣(江藤拓君) 数字は極めて冷静なものでありますから、この四百四十万ヘクタールを切っているということ、それから荒廃農地も増えているということも、予想以上に増えているということはこの基本計画の中にも正直に書かせていただきました。ですから、このことについてうまくいっているということを強弁することはやはりできないんだろうと思いますが。
 しかし、その一方、農地の集積というものは地域の農業者が求めていることです。私の友人で極めて一生懸命農業をやっている人間がいるんですけれども、ちょっと前までは、江藤さん、私が一日朝五時から仕事をして、日が落ちるまで仕事をしますけれども、主に移動ですと、あっちの畑に行って、こっちの畑に行って、また向こうの畑に行って、もう半分以上は車のハンドルを持っている時間の方が長いんですよというお話を聞いたのがもう十数年前です。
 ですから、担い手でやる気のある人間に、分散錯圃をしているそういう農地の環境を修正して作業効率を上げてやるということは極めて重要な政策だったと思います。ですから、そういう担い手を、農地利用集積率はこの二〇%で、平成十年度の二五・一%から三十年度で五六・二%、三一%増えておりますので、その面においては成功した面も認めていただいていいのではないかと思っております。
 そして、一時大変疑問符が付いて私も憤慨しておったんですが、やはり地域では話合いがとても大切だと私は思っております。この人・農地プランというものをもう一回活発にワークさせていただいて、地域の話合いの下において、この農地については次の世代はどこどこの誰が引き継いでいくのだ、そして後継者がいなくても第三者承継がきちっとなされていくのだと、そういった話合いを通じて地域をこれから守っていく努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。

#122
○紙智子君 集約そのものは、必要なところは集約すると思うし、話合いが大事だという話もそのとおりだと思うんですよ。ただ、やっぱり政府として構造政策そのものがうまくいっていないから生産基盤の弱体化が進んできたんだと思うんです。
 それで、新たな食料・農業・農村基本計画では、農業分野において、経営規模の大小や中山間地といった条件にかかわらず、農業経営の底上げにつながる生産基盤の強化を図るとあります。この規模の大小にかかわらずと、それから、担い手としてそれも位置付けるというのは、これいいことだというふうに思うんですね。政府が目指した農業構造は中小・家族経営ではないんですよね、目指したのは。基本法が目指す望ましい農業構造というのは、効率的かつ安定的な農業経営を育成する、これは規模拡大する農業経営だと思うんですけれども。ところが、今回、中小・家族経営も大事だというふうに言っているわけです。
 なぜそういうふうに言い方を変えてきているのかということでいうと、やっぱり効率的、安定的な農業経営だけでは農業は維持できないんじゃないかと、生産基盤を強化できないから中小農家経営にもやっぱり頼ってやらなければいけないということになったのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#123
○国務大臣(江藤拓君) 先生のおっしゃるところに同意する部分もあるんですけれども、しかし、これから地域政策が大事だということで、人・農地プラン、それから地域の話合いが大事だということも先ほど申し上げさせていただきました。
 家族経営であっても、規模の小さい中小の農家であっても、効率的、安定的であるということはやはり私は求められていくんだろうと思います。小さくてもサンショウはぴりりと辛いというような、私の地元でも、ハウスを二つしか持っていないけれども、非常に作業効率も良くて生産性も高くて、すばらしい所得を上げている農家もあります。ですから、大きいから小さいからということではなくて、それぞれの地域に合った、土地の条件もありますし、様々な条件がありますので、それに合わせた政策を打っていくことが全体の底上げという言葉につながっているんだというふうに御理解をいただきたいと思います。
 ですから、その部分は、基本計画の四十二ページにしっかりと書かせていただいて、これから両方を並行する形で、産業政策と地域政策、並行してやらせていただければというふうに考えております。

#124
○紙智子君 中小・家族経営を大事にするというのはいいことです、何回も言いますけど。じゃ、所得は確保できるのかというのが次に来る問題で、効率的、安定的な農業経営は、他産業従事者と遜色のない水準の生涯所得を確保し得る経営というように言っているんですけれども、じゃ、中小・家族経営の位置付け、所得というのは、どこにも、自分の近くで頑張っているのがいるというのはあるんですけれども、こういう中小の家族経営は本当にその遜色ないような所得というのは確保されるんでしょうか。

#125
○国務大臣(江藤拓君) 様々な形態があると思います。先ほど申し上げましたように、中小でも高い収益性を上げる場合もあるでしょう。それで、これから先は、例えば農家の中には、主たる収入が農業ではない、サラリーマン収入が主たるものであって、一部農地、例えば茨城辺り、振興農業でいうとレンコンの栽培なんかを一部やりながら、サラリーマンでありながら地域のコミュニティーにも参加して農業の生産活動も引き続きやるというような形もあるんだろうと思います。
 私の宮崎なんかだと、山の方では特に、山をやりながら、高原野菜をやりながら、牛を育てながら、米も作りながら、時には高千穂の町に出て仲居さんのバイトをしたり、それから、男性、女性もですけれども、公共事業のバイトに出たり、いろんな複合収入によって地域の農家の経営というのが守られているというのが現状でありますので。
 そういった方々について、農業そのものだけでなかなか収入を確保し、生活を安定させるということは現実的には難しい側面あるかもしれませんけれども、しかし、その農業収入の率というものを何とか上げていきたいという努力を、これから特に条件不利の地域についてはやらせていただきたいという気持ちを込めてこのような基本計画にさせていただいたということでございます。

#126
○紙智子君 中小・家族経営が大事だということ、これは言われていると思うんですけれども、やっぱり位置付けが本当にちゃんとなっているのかなというふうに思うわけですね。しかも、この農業生産基盤強化プログラムでは、海外で高まるニーズを捉え、輸出を更に拡大するとともに、こうした新しい需要にも対応できるよう、中山間地域や中小・家族経営も含め、幅広く生産基盤の強化を図るというふうになっていて、そういうふうに言われると、輸出戦略にも動員されることになるんじゃないのかなと思うわけですね。
 二〇一九年から、国連が決議した家族農業の十年というのが始まっているわけです。中小・家族経営が大事だというふうに言っているわけなんだけれども、この基本計画の中にはこの国連が呼びかけている中身の言葉も出てきていないということなんですよね。それはなぜなんでしょうか。

#127
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。
 国連は二〇一七年に、二〇一九年から二〇二八年を家族農業の十年と定め、各国に家族農業に係る施策を実施することを奨励しており、我が国としてもその重要性を認識しているところでございます。日本の農業経営体の約九八%は家族経営であり、こうした方々が地域の農業生産や美しく活力ある農村を支えているのが実態であり、このため、規模の大小や生産条件の優劣にかかわらず、全体の底上げを図っていくことが極めて重要だと考えております。
 このため、今回の基本計画では、国連の家族農業の十年とは明記していないものの、その趣旨を踏まえつつ、家族経営など多様な経営体について新たな項目を立てるなど、しっかりと書き込んだところでございます。

#128
○紙智子君 だから、どうして明記しないのかなというのが疑問なんですけど、国連決議は、家族農業十年に向けて五つの取組を提起したわけですよね。日本からも参加して賛成していると思うんだけれども、そのうちの一つとしては、全ての国家に対して家族農業に関する公共政策を策定し、改善し、そして実施すると、政府及び国際的な、また地域的な機構は、国連家族農業の十年の実施を積極的に支援するというようになっているんですね。
 だから、各国に対して計画作って進めなさいよということが言われていて、日本政府としても何をするのかということをやっぱり基本計画で示すというのは自然だと思うんですけど、どうですか。

#129
○国務大臣(江藤拓君) もう閣議決定いたしましたので、ある程度御了解をいただかなきゃならぬと思いますが、四十二ページを読んでいただくと、明文化はされていないまでも、こういった趣旨は書き込んであるということは多分御理解をいただけるんだろうというふうに思います。
 先ほど、生産基盤強化プログラムの話で、輸出に巻き込まれていくようなお話を若干されましたけれども、私は、条件が不利なところであっても、輸出にかむとか参加するという話ではなくて、やはりこの五兆円の目標達成の過程においては、所得の向上の恩恵があってしかるべきだと思っております。
 三十一日に農水省で、スカイプを使って意見聴取をいたしました。次の補正予算の編成に向かって何を望むのかという意見聴取を九人の方からさせていただきましたけれども、やはり中山間地域では大変畜産というものの位置付けが日に日に高まっております、やはり一頭当たりの利益率が高いものが見込めるということもあってですね。ですから、生産基盤強化プログラムの中でもうたわれておった理念も生かした上で二十四万六千円という増頭対策も今回立てさせていただいてやっているわけでありますので、全体として、何度も申し上げて申し訳ないんですけれども、底上げということを今回の基本計画では目指しておりますが、誰かが後ろに取り残されるということではなくて、全体でみんなで前に出ていこうということを中心的な議題として上げさせていただきますので、御理解を賜れればというふうに思います。

#130
○紙智子君 国連が家族農業年を決めたきっかけというのは、二〇〇七年のリーマン・ショックによる世界的な経済危機だったんですよね。貿易を自由化すれば貧困、飢餓問題は解決されるという考え方だったけれども、現実には逆に貧困、飢餓が更に深刻になってきていたと。気候変動を含めて、持続可能な社会を目指すSDGsというのはありますけれども、そこで、やっぱり近代化や大規模化を進めてきた国際機関も小規模家族経営をもっとやっぱり大事に見直す必要があるんだというふうにかじを切ったわけです。
 加えて、今、さっきも議論になりましたけれども、新型コロナウイルスの感染症で世界的な危機に直面しようとしているときに、食料はやっぱり自国の生産を基本にする、そのためにも家族経営の位置付けが必要なんだというふうに思うんですね。
 さて、食料・農業基本計画の方向性についてお聞きするんですが、私、三月十日の農林水産委員会で、日本の農業の基軸というのは、農業基本法の理念を示したプログラム、つまり食料・農業・農村基本計画でいくのか、それとも安倍政権が目指している規制改革推進会議の意向を酌んだプログラムなのか、どちらを基軸に進めるんですかと聞いたときに、大臣は、両方のいいところはしっかり取り入れてやらせていただきたいと言われたんですね。
 つまり、事実上、二つのこういうプログラムがあるということを認められたということなんだけれども、そうすると、カロリーベースの食料自給率がどうなったかというと、目標は現行と同じ四五%なんだけれども、輸出目標五兆円を組み込んだものになっているわけですよ。輸出五兆円は食料自給率でいえば三%に相当するんだという説明がありましたから、輸出を除くと実質的には四二%に下げることになるんじゃないのか。いかがですか。

#131
○国務大臣(江藤拓君) そういう見方をされる向きもおられることは否定はいたしません。しかし、輸出される部分が潜在的な国内のカロリーベース、自給率に換算することができるということは御理解をいただきたいと思います。
 その上で、この部分が乗っかったんだから基礎的な部分を下げたのではないかという御指摘だと思いますけれども、決してそういうことではないと思っています。五兆円が達成されて、この三%という答弁を前回局長はいたしましたけれども、この三という数字も、機械的に計算した上では今のところそうなっておりますが、この三兆円のうちのどれだけのものが生産現場に還元されるのかということが一番問題になってくる大事なところだと思っています。
 これがしっかり生産現場に利益として還流されれば、農業の生産基盤は確実に強くなりますし、農業に関わる方々の所得も向上し、生産に対する意欲も上がっていくんだろうと思いますが、そうなれば、現在ある九万二千ヘクタールの荒廃農地、今すぐにでも農地に回復できる農地が存在しているわけでありますから、こういう環境にあれば、この荒れた農地をもう一回農地に復元しようという意欲も十分湧いてくるのではないかということも期待しております。
 ですから、決して、この五兆円の部分が乗っかって、それが三%というものであるから、食料自給率目標四二%というふうに実質的に下げたということには私は考えておりません。今までどおり、四五%という数字は国民の皆様方にまずは中間目標として達成すべき目標として掲げさせていただいたというふうに御理解いただければと思います。

#132
○紙智子君 基本法の第二条で、国民に対する食料の需給及び貿易が不安定な要素を有していることに鑑み、国内の農業生産の増大を図ることを基本にすると。この基本法の位置付けが、私、変わってくるように思うんですよね。基本計画が規制改革推進会議の意向を酌んだ農業生産基盤強化プログラム、この考えを色濃くした計画に変わっていくんじゃないかという危惧があります。
 今回の基本計画は、自給率目標にしても、生産基盤を強化する担い手の位置付けにしても、基本法が目指した路線と、TPPなどのメガFTAが発効した下で安倍政権が目指す成長産業化、攻めの農政の路線のはざまで混迷した計画になっているんじゃないかということを私は感じます。
 大臣は、思いを込めて率直に自分の言葉で語られようとすること自体は私はいいと思うんだけれども、本当にそれをやろうと思うと、こういうはざまで揺れるんじゃなくて、ちゃんとやっぱり決別して進めるべきだというふうに思います。
 農業の位置付けが大事だけれども、私、各地回ると言われるんです、一体日本に農業は必要なのか必要でないのかと、はっきりしてくれと。そういう思いでいるということなんですよ。こういう思いに応えるためには、やっぱり命を支えるのは農業なんだということではっきりと語っていただきたいということを最後に申し上げて、答えいただいて、質問終わりたいと思います。

#133
○委員長(江島潔君) 簡潔にお願いします。

#134
○国務大臣(江藤拓君) 先ほど輸出を三兆円と言ったようですけど、五兆円の間違いでございますので、答弁、若干修正させていただきます。
 あなたがおっしゃるように、農業はなきゃいけないに決まっているわけであって、一度失ったものは、例えば農地なんていうのは、一度駐車場にしても、すぐにまた農地として復活できると勘違いしていらっしゃる国民が結構いらっしゃいます。農地は、三年余り放置をすると、農地として復活させるのに大変な手間が掛かると。ですから、継続的に農地を維持し、それが国民の安全保障につながり、農業に従事していらっしゃる方々は大変な国家的役割を果たしていらっしゃるんだということを強く、やはり広く国民に知っていただきたい。ですから、この国民の理解の醸成ということをこの基本法の中でも強調して書かせていただいたということでございます。

#135
○紙智子君 時間になりましたので、攻めの農政ではなくて、やっぱり人と環境に優しい農政に変えていただきたいということを呼びかけまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#136
○委員長(江島潔君) 午後一時四十分に再開することとして、休憩をいたします。
   午後零時四十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十分開会

#137
○委員長(江島潔君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査のうち、食料・農業・農村基本計画に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#138
○野村哲郎君 久々の質問で大変固くなっておりますけれども、後ろから声援も飛んでくるようでありますが、弾だけは飛ばさないようにしていただきたいと思います。
 一番最初にお聞きしたかったのは、やはり先ほど来ほかの先生方からも質問が出ておりましたコロナ対策でございます。私ども、この食料・農業・農村基本計画については後ほどまた触れたいと思いますけれども、やはりこのウイルス対策、コロナについていろいろと政府の考え方、特に農水省の考え方をお聞きをしたいと思っています。先ほど石垣委員の方から、政府はマスクを二枚ぐらいずつしか配らないと、この程度のものかというお話がありましたが、今農水省の方でどういう考えをされているのか。
 私どもも、実はもうこの二週間、コロナ対策で朝昼晩議論をさせていただきまして、そして党としてまとめました。それで、そのことで、あした、明日三日には政府側からある程度の内容が出てくるだろうと思うし、また六日も朝八時からあります。それで、七日に最終的に数字入りのものが出るんだろうと、こういうふうに思っておりますが、特に農水省の方で最重点に、まあ緊急的なものもあるだろうし、あるいは長いスパンで考えなきゃいけないものもあるだろうと思うんですが、当面、今回の補正予算に対する基本的な考え方を大臣の方からお聞かせいただければ有り難いと思っております。

#139
○国務大臣(江藤拓君) 野村先生がおっしゃるように、緊急にやらなければならない部門が我々の目の前にはあると思っております。
 我々、畜産県だからということではなくて、牛はどんどん大きくなりますし、大きくなれば当然肉として供されなければなりませんし、そうならなければ当然牛を飼う必要もないわけであって、そして繁殖農家では子牛だったものがいつの間にか成牛並みに大きくなってしまう。お年寄りがそれを扱えるはずがない。いろんな、地域的にも産業的にも、和牛生産の現場、これ和牛だけじゃなくてF1もホルスの飼い直しも含めて、ホルスの雄の、飼っている方々いらっしゃいますから、そういう方も全部含めて大変な問題だと思っています。
 魚の世界も、あの北海道の、お名前は何とおっしゃったかな、この間、意見交換したときの、川崎さんですか、川崎さんとスカイプでつながせていただいて、保存の問題とか横持ちの問題とか、それからセーフティーネットの一階部分、それから二回目、それから運用の部分とか、いろんな御提言をいただきました。
 花の世界でも問題がありますし、様々なところで短期的な影響が出ているものについては早急に対応しなければならないと思っておりますが、今まだその回復後のことを議論するタイミングにはないというふうに思っておりますから、まず、生産現場の方々が農、林、水、全ての分野で、これだけのことをやってくれるのかと、だったら歯を食いしばって頑張ろうと思っていただけるような内容と金額を確保すべく日夜努力をしている最中でございます。

#140
○野村哲郎君 我々がこの議論をしているときに、某新聞がお肉券というのを書いて出してしまったんですね。我々は、これはまだ正式な形での党の方に上げた内容じゃなくて議論の最中だったんですけれど、それが出た瞬間にネットでもたたかれました。それは、おまえたち族議員は食肉業界のために声を出しているのかとか、今欲しいのは現金だとか、こんなのがネット上で炎上いたしました。
 我々は、お肉券というのを、何でそういうことを議論したかといいますと、これは後ほど藤木政務官に答えていただきたいんですけれども、私どもの地元では大変農家の皆さんが悲鳴を上げている。それはお肉が売れないから悲鳴を上げている、あるいは価格が下がったから悲鳴が上がっているということではなくて、実はもう私の鹿児島では一日大体八十頭の牛を食肉にしておりますけれども、これはJAグループだけですけれども、その八十頭の牛の出荷を止めざるを得ないと。これは、大臣のところの方の宮崎と鹿児島と全農が話し合って、それでいつまで処理ができるかというのが、大体私どものところで今月いっぱいぐらいです。
 そうしますと、牛の出荷を止めるということはどういうことになっていくのかということを、国民の皆さんやあるいは一般の方々、御存じないんですね。牛はもう枯れるまで肥育していきますから、枯れる直前に食肉処理場に出していくわけですが、もうそれを出荷を停止されたらどうなっていくのか、あるいは何日ぐらい、じゃ、その肥育農家のところで止められるのかというのを、自分で八百頭も一千頭も飼っておられる藤木政務官の方から実情を教えていただければ有り難いと思います。

#141
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 肥育牛の場合、個体差はあると思います。個体差はあると思いますけれども、二、三日のうちにズルが入ったりという牛が、早い牛では出てくるかと思います。(発言する者あり)体中にもう、うみみたいなやつが入っていくというズルという症状が出るんですけれども、であったり、目が見えなくなったりという牛が日を追うごとに増えてくると思います。大体十日から二週間もすればほとんどの牛がそういう状態になってくると思います。
 できるだけスムーズに出荷ができるように頑張っていきたいと思っております。
 以上です。

#142
○野村哲郎君 今、現場からの声でございまして、要は、牛を食肉処理場に出せないということは、今、藤木政務官の方から御説明をいただきましたように、牛がもうへたっちゃう。立てなくなります、まず。目が見えなくなります。で、どうするのかといいますと、もうこれは事故牛として処理をされていってしまいます。だから、通常、食肉処理場に出しますと百三十万とか、いい牛になりますともう二百万とかで売れるんですけれども、もう事故牛になってしまってお金にならないんです。ですから、農家の人たちが悲鳴を上げているのは、早く食肉処理場に出して、そして処分をしていただかないと、とてもじゃないけど、もちろん後の子牛の方も入れられないわけでありますから。
 そういう意味で、我々は、何とかお肉を処理、処理というよりも食していただかないと農家が困る、そういう視点でお肉券というのを実は提案をさせていただいたわけでありますけれども、その真意がどうも伝わらずに、何か食肉業界のために族議員が一生懸命やっているよというような感じにしか見えていなくて、我々の本意とするところではなかったということを同僚の議員の先生方にも是非分かっていただきたいと思っております。
 しかも、今日、資料を出しておりますが、これだけ牛肉なり子牛の価格が、直近のノードを見ていただきますとこんなに下がっているんです。これは、繁殖農家と肥育農家と一貫経営をされている方もおられますが、ほとんどの経営体は繁殖は繁殖、肥育は肥育という形でそれぞれ分業形態を取っているのが主であります。そうしますと、ここの肥育の方の皆さんが出荷がなかなかできない、あるいは出荷しても非常に安くなったというのがあります。そうしますと、それが今度は子牛の値段に跳ね返ってきまして、子牛の値段がこんなにも急激に落ち込んでおります。
 ですから、私どもは、これは特に南九州は畜産が中心でありますので、こういったことになっていきますと、これは和牛だけの話じゃありませんで、北海道のホルスタインにしてもそうであります。全く同じようなもので、何とかここを打開していかなきゃならない。そのためにお肉券あるいは学校給食の子供たちにも何とか牛丼ぐらいを出さないと、子供たちに和牛なり日本の国産の牛も食べてもらおうじゃないかと、こういう議論を実はしていたやさきにお肉券が独り歩きしまして、我々もパッシングを受けたわけでありますが。
 これからどうにかしてこの滞留している肉、しかも輸入牛肉もあります。これは、商社の人たちあるいは輸入業者の人たちがオリンピック需要を見込んでどっと入れております。ですから、今、冷蔵庫は五か月分、いわゆるその需要の五か月分ぐらいを保管しておりますから、冷蔵庫に入らないから処理ができないと、こういうことになっておりまして、これは魚もそうであります。魚も、一番のマグロ、そしてまたカツオ、そしてノドグロ、こういうものが滞留しておりまして、高級肉といいますか、魚類もそういうものが出ていない。だから、お魚も牛肉も同じような状況で、冷蔵庫に入らないぐらいにぱんぱんに入っちゃってしまっているものですから、次から次へ肥育したものが処理ができないと、こんな状況になっておりますので、是非ここのところは皆さん方もよくお考えいただきながら、我々も提案はしておりますが、また農水省も多分そのことは大臣を中心にしてお考えいただいているというふうに思いますので、是非とも、この実現については是非とも、補正予算の中で議論が具体的にされていくと思いますので、どうか御協力、御支援をお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、早速この基本計画について質問をさせていただきたいと思います。
 基本計画、私ども、昨年の九月の三日から、大変、平場で大体十回ぐらいやってまいりましたし、そのほか役員会だとかインナーで、延べにしますと二十数回やったと思います。その中でいろんな、今日出ておりますような例えば自給率の問題であるとか、あるいはまた輸出の問題であるとか、こういったことも議論をさせていただきました。
 ただ、この基本計画を今回作るに当たって、私どもが最も前提として捉えなければならないことがあるなというふうに思っておるところでございまして、そのことは役所とのいろんなヒアリングの中でやり取りをさせていただきました。それは何かといいますと、今までの延長線上での基本計画ではないということだけは是非農水省も頭に入れておいてほしいと、このことを申し上げました。
 それはなぜかといいますと、先ほどもほかの先生方の質問の中でもありました、日本の人口は減少しております。当然、農業就業人口も減っていくはずであります。あるいは農地もそのようなことでありまして、大体その農業就業人口がここ二十年の間には半減するだろうと、今のトレンドでいくとそういう考えであります。それから農地も、先ほど来お話があったような形で、農地もやはりこれは荒廃農地として使えなくなっていくのではないのかと。
 特に、私は、自分のところを考えますと、昔、本当に畑がなくて、あるいは水田がなくて、開墾をしてやったような中山間地の、しかも山の奥合いみたいなところは、もうそれこそ竹林になったり木に変わっていたりして、こういうところはもうしようがないんです。もう何の機械も入りません。ですから、そういうところはもう当然、例えば放牧をしていくとかほかの使い道でしていかないと、そこの畑で野菜を作るとか、そういうことはもうやっぱり無理なんだろうと、こんなふうに思います。ですから、そういうもう山に変えていかなきゃならない、あるいは、できるものならば牛の、あるいはそのほかの動物なんかの放牧場にしていくという、そういう考え方もできるのではないか。ですから、農地としての地目は変わっていくかもしれませんけれども、そこはやっぱり地域の方々でやってほしいなと、こう思うわけです。
 ですから、ちょっと余計なことを申し上げましたが、要は何を言いたかった、今までの計画は延長線上で大体判断が付いたんですが、これからの十年後の日本の農業、二十年後の日本の農業を考えながら、この十年間は、この計画を作って、それに基づいて誘導していくべきじゃないか、政策もそこに集中させる必要があるのではないかということを我々は本当に何回も議論しました。そして、あと十年したときに、どれぐらいのトレンドで行ったときに農家が残るのか、あるいは農地が残るのか、そのことを前提にしながら、もちろん農家の新規就農の我々は支援もしていかなきゃならないし、また政策誘導もしていかなきゃならないんですが、そういうことは、しかし、自然減というものもありますので、何とかそこを乗り切って今の生産基盤を維持あるいは持続させるためにどうすればいいのかということを前提に置きながら実は議論をしてきた経過がございます。
 したがって、先ほども大臣がいろんな質問の中でお答えいただいておりましたが、農水省として、そういったような、どういったようなトレンドを踏まえながら、これからの十年、日本の農業をどうしていくのかということを、大前提はどうだったのかということを、是非大臣からお聞きしたいというふうに思います。

#143
○国務大臣(江藤拓君) これまでの計画については、単純延長のような感覚ではないということは先生の御指摘のとおりでございます。しかし、その中で、法律ができたときの根本的な四つの理念、これはしっかり維持、継承すべきものとして尊重させていただきたいと思います。
 日本は、残念ながら、人口も減少する、基幹的農業従事者の数も減っていくかもしれません。しかし、先生のおっしゃるように、私の地元でも、本当に一日に何時間日が差すんだろうというようなところで懸命に米を作っていらっしゃるような農地があります。じゃ、そこを、担い手といっても、面積も本当に十アールかそこらあるかないかなところもありますし、なかなか厳しい部分もありますので、やめろと言うことはもちろんできませんが、しかし、今後、今、農地のデジタル化ということで今進めておりますので、そのときに、今後の計画として地域の話合いの中でこれをどういうくくりの中に入れていくのかという議論は必要なんだろうと思います。
 しかし、これから先、この四百四十万弱の農地を何とか維持をさせていただいて、荒廃農地を何とか農地として復旧させていただいて、それをやるために頭数が減ってしまうということであれば、そこにはスマート農業とか無人化とか、いろんな最先端技術でその部分を補うということも可能だろうと思っておりますし、日本の人口が減り、胃袋は小さくなっても周辺諸国の胃袋はどんどん大きくなっていくという外部環境もありますので、それも取り入れながら、日本の内需に見合った作り方、そして外国のマーケットも取りに行く作り方ということを考えながら、今度の基本計画に沿ってやらせていただければというふうに考えております。

#144
○野村哲郎君 今大臣からお答えいただきましたように、これからの日本の胃袋はだんだんだんだん小さくなっていく、それで、その中で日本の農業をどうしていくのかと。人口が減る、高齢化が進む、そうすると、もう米が最初に遭遇しましたように消費が減退していく。肉なんかも当然そうなっていきます。だけど、今まで我々はそのことを前提にやってきたんじゃなくて、何とか外国にも打って出ようじゃないかということで戦略的に輸出もしてきましたが、今回このコロナで、本当にどのぐらいまた輸出が今後できるのかなと、こんなことも思っていますが、そのことは最後にまた御質問をさせていただきたいと思いますが。
 なぜ私が今このようなことを申し上げたかというと、二枚目の資料をちょっと見ていただきたいと思いますが、何も自分の県の自慢話をしようなんということは思っておりません。私がちょうど農協、JAに入ったときが四十四年です。このときに、鹿児島の農業は変わるんだということを盛んに先輩の人たちからたたき込まれました。見ていただきますと、四十四年に一番はやっぱり米です。そして、あと二位が工芸作物、これは鹿児島のカンショです。あと、お茶ですけれども、こういったものが上位を占めておりました。三十年のこの右側を見ていただきますと、米は七位になってまいりました。このときのキャッチフレーズが、米からの脱却だったんです。
 このときの法律は何があったかといいますと、この今の基本法の、新農業・農村基本法ではなくて、農業基本法というのが昭和三十六年にでき上がったんですね。これは郡司先生なんかもうよく御存じですけれども、その法律の第一章に選択的拡大という新しい言葉が出てきました。その選択的拡大とは何かといいますと、要はこれからの日本の経済は成長していく、食べ物も変わってくる、米だけ作っていたって農家は生き残れないぞと言ったのがこういう最後はなってきたんですが、そのときの選択拡大というのが、要は野菜を作りましょう、果樹を植えましょう、そして畜産を養いましょうと、こういう選択的拡大で、要は日本人の消費者の好みに合ったものを今からの農業は作っていかなければいけないんだということで、私どもは徹底的にこのことをたたき込まれました。
 下の方を見ていただきますと、当然、全国の産出額の全国順位は北海道がやっぱり一位でありますが、そのときの鹿児島の、四十四年の鹿児島の順位は十八位だったんです。今、全国で二年連続二位になってございます。もちろん、茨城とか千葉はこういった大消費地帯を抱えていますから、ここは当然だとしても、そして、大臣のところの宮崎もそうでありますが、園芸に大変力を入れていただきながら伸びてきている状況であります。
 ですから、これがいわゆるターニングポイントだったんで、私はやっぱり、先ほど言いましたように、今どういう時期なのかというのを想像したときに、これから日本の人口は減っていく、そしてまた高齢化も進んでいく、そうすると消費は減っていく、そして、やはり今の生産基盤を守るならば外に打って出なければできないだろうと。ですから、輸出の五兆円という目標が今回掲げたわけでありますけれども、今の生産基盤を是非とも守っていかなけりゃならない、そして、そのことを世界に打って出てやらなけりゃならないと。今まで日本が輸出国なんということはほとんどなかった、考えてもいなかったことでありますけれども、今からは日本は大きな食料の輸出国、しかも世界の方々も、日本の安心、安全な食べ物が非常に評価を受けておりますので、やはりそこが日本の強みだろうと、こんなふうに思います。
 前の農水大臣の林芳正大臣が大臣時代に、おい、日本にリピーターで来た人たちが何を一番日本食の中で食べたいか知っているかと言うから、いや、存じ上げませんと申し上げましたら、そのときに私が言ったのは、おすしですか、すき焼きですかと、こういう日本食の中心的なものを挙げたんですが、違うと、卵掛け御飯だというわけですよ。香港だとかシンガポール、日本に来られたインバウンドの方々が、もう一遍日本に行ったら何を食べたいかというアンケートを農水省で取ったところが、卵掛け御飯を食べたいと。ですから、農水省はそんなにも力を入れなかったんですけれども、どんどん卵が伸びているんです、今。
 それは、生で食べられる卵というのは、これは日本しかないんですよ。ですから、外国の方々が、生で日本人は卵を食べている、しかも朝、御飯に掛けて食べている、こんなにおいしいものがあったんだということでインバウンドの方々のリピーターは大体卵掛け御飯を最初に所望されるそうでありますけれども、やっぱりそういった我々日本の生産者というのは安全、安心なものを生産をしている、だから自信を持ってやっぱり打って出れるというところが私はあるんだろうと思います。
 ですから、そこで、時間もなくなりましたので。先ほど自給率の話が出ました。今回、自給率と一緒に、私もまだ言葉を覚え切れないんですけれども、新しい言葉を作ってもらいました、食料国産率という。我々は、この自給率を議論するときに一番私が農家の人たちから言われたのが、自給率で、先生、俺たちは、卵は日本で消費者の皆さん方に一〇〇%提供していると思っているけれども、何で一一%の自給率しかないんだよと、こういう話です。生産者から見たら、これは大変おかしな数字なんだろうなと思います。ですから、生産者の皆さん方も見て納得がいく、それは、餌がほとんど外国から輸入されているから、その分を引くんですよと、こういうことを我々は分かっていましたから話をしましても、なかなか生産者には納得をいただけません。
 私がそこで役所に言ったのが、おい、じゃ、米はどうなんだと。肥料は、窒素、リン酸、カリは全部外国です、輸入物ですよ。だったら、これを引いたらどうなるんだ、米の自給率なんというのも物すごい低くなるはずだよと。こういうことを考えながらやっぱりやっていかないと、本当に今言っている自給率でいいのかと。だから、いろんな自給率の表示の仕方というのはあるだろうということで、今回この食料国産率というのを出してもらいました。ですから、これは役所が、どうも自給率が伸びないのでこれで目くらましをしているなんということは絶対思わないでください。これは、我々自民党がこういう方法でも出したらどうかと。
 そして、外国も調べてもらいました。一番下を見ていただければ分かりますが、餌を引いているのは韓国だけですよ。イギリスが高いとかいろいろ言われておりますけど、全部加味していないですよ。
 だから、私はやっぱり、先進国の中で日本は低いじゃないかとかと言われるんですけれど、じゃ、国際比較ができるぐらいに統一したやり方で比較していかないと、これは間違いを起こす、間違った情報を出してしまうというふうに思いますので、ここは是非こういったような表示の仕方もあると、あるいはこういう見方もあるということだけは是非とも分かっておいていただきたいということをお願い申し上げて、今後もこういう自給率はいろんな形でやっていただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#145
○山田俊男君 山田俊男であります。本日、こうした機会をいただいてありがとうございました。
 野村先生には、基本計画の制定も含めまして農林部会長として大変御尽力いただいたわけで、大変大事な話をされていましたから、私は出番なくてもいいだろうと、野村先生にもうその分だけやってもらった方が値あるぞというふうに思っておりましたが、約束事だということでありますので、やらせていただきます。
 まずもって、五回目の基本計画の見直しだったわけでありまして、私もその見直しに取り組むことができまして大変感謝しております。もちろん、江藤大臣始め副大臣、政務官、それから役所の皆さん、もう本当に一生懸命頑張っていただいてこの形ができ上がっているんだろうと、こんなふうに思います。
 ところで、私、田舎、圧倒的な中山間地であり、かつ農業地帯、水田農業地帯なんですね。この正月に二日間、本当びっちり各地区の代表の皆さんお見えになりまして、ほとんど農業者です。それでやり取りありましたが、皆さん、ともかく用水の土砂が崩れているとか、それから水田の底が抜けているとかいう話も含めて、そんな話いっぱいなんです。
 考えてみて分かりましたね。要は、村の中で世話役がちゃんといて、それぞれ土地改良の皆さんの役員だったり農業委員会の皆さんだったり、農協の役員だったりという人も、兼ねておられる人もおいでになるんだろうけれど、やっぱり中心になって地元の農業をちゃんと考えておられる人が高齢化して、それで集まりに出てこられなくなったとか、そういうことが物すごいやっぱり影響していますね。このことだけ考えていたら、日本の農業どこへ行っちゃうんだという危機を本当感じさせていただいた次第であります。
 こうした地方の動きを踏まえながら、この基本計画でしっかり政策展開を進めていかなきゃいかぬことになるわけでありまして、大臣始め、それから各党の皆さんにおかれましても、政治家としてはやはり一緒になりまして、この現状の改革、改善にどんなふうに取り組むかということを全力でやろうじゃないですか。私は、今回の基本計画はまさにそのための道しるべ、こんなふうに思っている次第であります。
 ところで、私、これはもう皆さん御存じのことばかりだからいいんだけど、資料を持ってきました。農業をめぐる主要指標の推移と動向です。
 これ見てみますと、左上の基幹的農業従事者数と平均年齢、こんな状況ですよ。もう一貫して基幹的農業従事者は減っちゃって、そして高齢化しているんです。もう御案内のとおりです。これが更に五年、十年進む中で、一体どんな現場が出てくるのかということを考えなきゃいかぬというふうに思っております。
 下に新規就農者数の推移が出ておりますが、これも物すごい。平成二十二年から平成二十七年の五年間、伸びたなと。伸びたんですよ。伸びたのは、要は新規就農のための支援資金ですね、農業次世代人材投資事業、名前が格好よ過ぎて私は余り好きじゃないんですが。要は担い手育成確保、就農してもらうための、私は大事な予算だというふうに思いますが、この仕組みができたことが大きかったし、それからそのことが、農業高校卒業生、新規就農に対する皆さんに対して思い切った様々な手だてを、農林水産省、きちっと入れてくれましたよね。このことがやっぱり大きいですね。予算額として百七十億とか百八十億に近い金額をこの約十年余りずうっと手当てしてきたわけですから、このことがやっぱり影響しているんだなということで思いますから、いい仕組みです。
 ただ、残念ながら、これ最近時の数字は、こうして見ると二万三千人になっているでしょう、新規就農者の動向。しかし、直近の三十年は何と、この線が書いていないんだけれど、がくっと下がって一万九千人にまで減っているんです。減っているんです。
 だから、本日も、それこそ各党の皆さんからも、紙先生もそうだったし、それから江藤大臣とのやり取りもなかなか興味深かったわけでありますけれども、そういう中でもやはり若い就農者をどんなふうにちゃんと定着していくかということを取り組むのは物すごく私は大事だと、こんなふうに思っている次第であります。
 さらに、もう余り時間ないですから、一気に行きますからね。
 それで、基本計画の中で、新規就農者の増加に向けて、基本計画で、中小・家族経営、これをちゃんと明記した上で、そして、地域農業生産を維持する上での協力関係をつくり上げると言っている。一体、協力関係と言っているのはどういう意味で、どういう絵姿を描いて、それから、若い人が就農する、そして次世代人材投資事業の内容を思い切って例えば改善して充実していくとかいう取組も含めてこの協力関係というふうに入れ込んでいるとすれば、私は大賛成なんですがね。この意味をちょっと聞かせていただきたいと思います。

#146
○国務大臣(江藤拓君) 先生がおっしゃるように、しっかり地域で人と人とがつながって、人・農地プランのように、将来像を見据えた話合いをすることによって、話をする。そしてまた、先生が先ほどおっしゃったように、大変中核的なリーダーの方が高齢化されているという現実もありますが、しかし、その片側で、若い人たちもこの次世代人材育成支援事業などを活用して定着している率もそう低くありませんので、これも、事業も一時期予算が足りないような指摘がありましたが、過不足ないようにしっかりと確保してまいりたいと思っております。
 今回、基本計画の中に中小・家族経営の文言、これを入れさせていただきました。集落営農も様々な協力が必要だということでございますが、これは規模は関係ないんだと。多様な経営体がある、そして地域によって千差万別であります。北海道と本州では全く違います。九州ではまた違う。自然環境も違うし、雪が降るところ、一年中、宮崎や鹿児島のようにいろんな農作物が作れるところと、環境が違いますので、その中には多様な経営体の中心になるのがJAである場合も当然あるんだろうと思いますが、そういったことをやりながら、統一的にみんなで話し合いながら販売戦略とかそういったものを組み上げていきながら、品目別の対策であるとか、特に中山間地域では中山間地域直接支払の申込みをしていただかなければなりませんので、集落営農組織も編成していただかなきゃいけませんので、そういったこともやっていただくということを盛り込むということで、こういう書きぶりにさせていただいたということでございます。

#147
○山田俊男君 大臣が率直にかつ丁寧におっしゃっていただきました。私は、そのことをどうぞ新規就農の皆さん、担い手確保の手だての中に入れ込んで、そして具体化しましょうよ。
 さっき言いましたように、新規就農者、二十七年、二万三千人いましたが、今、何と一万九千人まで減っちゃってきているんですよ、今の時点で、更に今、このままでいったら一体どこへ行っちゃうのかという気がします。
 是非、農業高校の卒業生の皆さんにどんなふうに就農してもらうか。二枚目の紙に書いてあるけど、農業高校の卒業生、農業高校、三百三校あるんです。二万七千人の卒業生があります。しかし、その中でまさに農業に就農された人は八百人でしかない。もちろん県立の大学校へ行かれたり、それからもちろん大学へ行かれた人で就農された人もおいでになりますから、トータルでも二万七千五百五十人でしかありません。
 どうぞ、どんな魅力を持って農業に就農してもらうか、ここにどんな手だてを講じていくかということについて、もっともっと我々工夫しようじゃないですか。是非、やりたいと思いますし、大臣にも切に切にお願いします。
 ところで、どうしても納得できないことがあるんですよ。何かといったら、農水省の責任でも何でもない、規制改革推進会議が、経団連が株式会社の農地所有による農業参入を提言しているんですよ。つい最近もそのことが大々的に新聞報道にもあるし、経団連の広報の資料の中にもそのことが含まれておりました。
 私は株式会社が農業に参入することについて全部否定するものではありません。しかし、ましてや、私の近所にもおいでになりますけれど、おやじさんが社長さんで、そして、息子さんが専務さんでということで、家族農業経営の発展の形としてすばらしい経営体をつくっておられるというのはよく承知しております。
 その形はいいんだよ。ところが、この形で株式会社が国家戦略特区でやってきたことは一体何ですか、どんな反省があるんですか。一・五ヘクタールしか農地所有していないんだよ、一・五ヘクタールしか、五社で。そして、いかにも経営やったという形で言っているわけでしょう。そのベースに立った上で、今回また経団連は株式会社の農地所有による参入を提言しているわけです。
 一体、農林水産省、この基本計画をちゃんと持っていって、そしてきちっと経団連に、これ違うんじゃないのかと。同じに支え合って農業を強くしていこうということは当然だと。それはそうです。加工、流通、販売、輸出対策にしても、経済界に頑張ってもらわなきゃいかぬこといっぱいあるんだ。だけど、地域において共同の取組で、この気候、天候の中で、この土地条件の中で頑張っている。ここの勢いというかな、意気というか思いをきちっと酌まないと駄目じゃないかということを言わないと。私はどうもいつまでたってもこの関係は直らないんじゃないかというふうに心配していまして、大臣、私の提案いかがでございますか。

#148
○国務大臣(江藤拓君) こういう立場になると不自由なものだなとつくづく思いますが、そもそも、先生とも野村先生とも党内で随分、インナーで議論させていただきました。農地法に係ることは農政の私は背骨の根幹だと思っていますが、やっぱり農地は農地として次世代にいかに正しく継承されていくのか、地域の財産として、そして国民の安全保障を確保するための最低限のバックグラウンドとしてこれは守っていかなければならない責任が国にあると、国に。株式会社にあるのではないというふうに私は思っておりますが、ですから、農地法というものの中でしっかりとした規律が保たれているんだというふうに思っております。
 経済界の方がいろいろ言うことについては、それは御自由な議論ですから、私の方から直接何だと一々言うつもりはありませんが、しかし、今回、コロナのような問題も起こって、今まさに国民の間で食に対する関心、食料安全保障に対する関心、そして、本当に日本は三七%という自給率で大丈夫なんだろうかという議論が巻き起こっておりますが、そういうことであれば、やはり今回の議論も、この基本計画の中でもしっかり書かせていただきましたけれども、そういう方々の意見は意見としてやりながら、我々はしっかりとした原点を忘れずに惑うことなくやらせていただくことは正しいというふうに考えております。

#149
○山田俊男君 私なんかは短絡的なものですから、すぐかっと頭に血が上るみたいなところがあるんですが、いや、やっぱり、さすが大臣ですね。腹に据えて、ちゃんとやることはやるぞというふうにおっしゃっておられますので、期待するところであります。
 ところで、若い担い手をどんなふうにつくり上げていくかということと関係し、さらにまた、農業にしっかり就農するぞと、地域の中で頑張っていくぞという本当の担い手グループ、これらの皆さんに対して、実は、経営所得安定対策、様々ありますよ。今もう収入保険の仕組みもありますし、農業共済の仕組みもありますし、酪農や畜産なんかは特別の手だてもあります。米についても対策はあります。まあまあいろんな形での品目の特性に応じた経営安定対策があるわけでありますけれども。
 ところで、今回、収入保険の仕組みも前面に出して、そして経営安定対策を講じていこうというふうにしているわけですが、我が国が、それぞれの経営安定対策として出されている品目ごとの、ないしは担い手に対する所得の補填割合なんというのは、全国平均で、これ、ちょっと古い数字になるから残念なんですが、早くどなたかが時間掛けて分析してもらわなきゃいかぬというふうに思いますけれども、農業所得のうちの三〇%足らずなんです、農業所得のうちの三〇%がそうした経営安定対策による補填の水準なんです。おおよそそんなものですね。
 ちょっと待ってくださいよと、ヨーロッパはどうなんだと。ヨーロッパは、農業所得、農業者の所得に、報酬の中で何しろ八〇ないし九〇%占めているんですよ。これはまあ驚きです、驚きです。
 かくのごとく、かくのごとく、もちろん、私は、これはあると思っているんですよ。我が国は、圧倒的なこの梅雨どき、それから台風も含めて、雨の地帯ですから、だから、いかに農地の基盤を確保するか、河川をどうするかということを考えなきゃいかぬわけで、そこに相当の予算措置を講じているということは間違いないです。よく分かっています。
 しかし、ヨーロッパは、なかなかそこまで、地域によりますけれど、圧倒的に畑作地帯ですからね。そういう面では比較的経営安定対策として予算措置を講じやすいというところがあるのかもしれない。日本は、その分だけ、基盤整備の予算の分だけ苦労しているというところがあるわけです。
 しかし、じゃ、こうして経営を発展させていく、継続させていく、若い担い手は加わってもらうといったときに、これだけの格差がある。農業所得の三〇%しか出し切れていないところと、九〇%近く出し切れているところの差なんですよ。ここをどうするかということを考えて、そして是非是非これからの経営安定対策の在り方について考えなきゃいかぬと思うんです。
 基本計画、これ出していただきました。そして、経営安定対策を講ずるという措置も入れてもらっています。しかし、もうちょっと踏み込んだ計画を作り上げていくという取組が私はどうしても必要じゃないかと、こんなふうに思っているわけでありますが、その点についてはいかがでございますですかね。

#150
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 我が国においては、直接支払制度として、いわゆるゲタ対策ですね、畑作の直接支払交付金でありましたり、水田活用の直接支払交付金、また多面的機能支払や中山間地域等の直接支払などを内容とする日本型直接支払制度など、我が国農業の実情や現場のニーズに応じたきめ細やかな施策を実施しているところでございます。
 我が国とヨーロッパの補助金全体を比較したデータは承知しておりませんが、直接支払の比較においては、農業所得に占める割合について、ヨーロッパが我が国より高いことは理解をしてございます。我が国においては、直接支払に限らず、先生先ほどおっしゃりましたように、基盤整備等の条件整備など、現場の皆さんの様々な取組に対する支援をしっかりと行っているところでございます。
 新たな食料・農業・農村基本計画においても、直接支払を含めたこれらの施策について、引き続き安定的に実施していくことなどを明確に位置付けており、こうした政策により農家の所得確保を実現してまいりたいと考えております。

#151
○山田俊男君 藤木政務官からおっしゃっておられました直接支払といいますか、経営所得安定対策のヨーロッパとそれと日本との比較の中でやはり日本の方が劣っているぞという整理でありまして、これ、役所と気持ち合わせることができたというのは私は大きいというふうに思います。
 どうぞ、これをどんなふうに、今後、基本計画の運営の中で、さらにまた予算措置の運営の中で、さらにまた事業、具体的な担い手育成のための事業をどんなふうにしっかりつくり上げていくかという中に徹底して入れ込んでいっていただきたいというふうに思っております。
 ところで、今コロナがこんな形で我々の生活の生産も含めて席巻しているわけでありますが、これコロナの動向いかんによりまして、我々の、国民全体の生活の在り方だけじゃなくて、とりわけ、自然と一緒に地域で農業生産を行って、動物もまた相手にしながら、植物も相手にしながら、そうして外へ出て地域の農地を守るという取組も一生懸命やってもらわなきゃいかぬ農業者の皆さんね、この皆さんに一体コロナがどんな形で影響を与えるかということをやっぱり頭に入れておかなきゃいかぬというふうに思っております。
 どうぞ、今後のコロナのウイルスの動向をよくよく踏まえていただきまして、さらにこの基本計画の中のどことどこをどんな形で埋めていくのか、強化していくのかということを是非是非、大臣、詰めていただきたい、こんなふうに思います。
 とにかく、とりわけ、やはり農業者、若い農業者、それから、さらにはこの地域の中に住んだ跡継ぎの皆さんなんかがちゃんとこんな形で経営して生活して地域をつくるぞと言っている、この動きをしっかりつくる。ここに全力を挙げて仕事する。私は、何度も今日言いました、経団連から言われる、経済界から言われる、学者から言われるが、経営安定対策の内容は必ずしも十分じゃない。農業の在り方についても、本当に誰が一生懸命に汗かいて大事だぞということを発言しているかというふうになってくると、今日お見えの皆さんは、ここの皆さんは全部一つにまとまっていますけれど、どうぞ、政策の方向を過たないように徹底して頑張ろうじゃないですか。よろしくお願いします。
 一言、大臣。

#152
○国務大臣(江藤拓君) 本当に、農林水産業は国の基であるともう本当にずっと言われてというふうに思われる方もおられるかもしれませんけど、そのことをやはり我々は常に肝に銘じなきゃいけないと思っています。
 本当にやっぱり食べるということは全ての基本で、少し古い話になりますけど、私のおふくろの方は結構いい家だったんですね、慶応大学の裏辺りに家があったらしいんですけど。戦後になったら食べ物が全然なくて、本当に高い着物とかそういったものが全部もう本当に三個、四個の芋に変わってしまった、全てなくなってしまった。そういう時代を私たちは、百年もたたない、もう七十数年前に経験をしているわけで、食べるということが非常時になったらいかに困難なのか。そして、この国会議事堂の中も芋畑になっていた時代があるのだということを学校の教育の場でもやはり教える必要があるでしょうし、この機会に、食の安全保障も考えながら生産基盤もしっかり守り、そして、若い者たちが、先生おっしゃるように、地域で営農活動をすることに夢を失わないように、へたり込むことがないように、そのヨーロッパとの比較も参考にしながら、この農業政策の立案に努めてまいりたいと考えております。

#153
○山田俊男君 ありがとうございました。
 頑張ってください。頑張りましょう。

#154
○谷合正明君 公明党の谷合でございます。
 まず、食料・農業・農村基本計画、五年に一度の改定ということで、長い時間を掛けまして議論をした末にこの基本計画が取りまとめられました。まず、大臣始め関係各位、農林水産省の皆様に敬意を表したいというふうに思っております。
 さて、その基本計画の中に、新型コロナウイルス感染症を始めとする新たな感染症への対応が記述をされたところでございます。以前、この委員会の中でもそうしたやり取りをさせていただいたところでございます。大事なことは、どんな事態にありましても食料の安定供給の確保、これが基本なんだというふうに思います。
 先般、政府によりまして新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針というのが取りまとめられまして、その中では、食料品等の増産や円滑な供給を関連事業者に要請するというふうに入っております。当然、今も農林水産省としてそういう対応をしていただいているというふうに承知をしておりますが、今後、仮に、よく言われておるように緊急事態宣言が発出されるような状況になるのか、また、発出されなかったとしても、総理も長い闘いだというふうに言われておるわけでありまして、そういう状況にあったとしても食料品の安定的な供給について支障はないんだと、そういう体制ができているんだと、また、それがしっかり国民に伝わっていかなければならないというふうに思います。
 一方で、我が国の場合はこの緊急事態宣言は要請ベースですから、ヨーロッパとかに見られるような強制的に罰則を決めて外出できないとか営業できないとかいうようなことはできないんですけれども、ただ、この宣言がなされると相当な抑止効果があるのではないかなと思います。例えば、交通機関等々様々な影響があるのではないかと。
 午前中にもやり取りありましたけれども、食料の安定供給のためには、当然、生産者のみならず、食品産業、加工業やまた物流、小売、最終的には、そういうところは川上から川下までがしっかりと事業継続されていなければならないと思うんですけれども、食品の円滑な供給を要請するだけじゃなくて、そういう事業継続ができるような環境をつくっていくということが大事じゃないかなと。特に多くの人と接触せざるを得ない人をどう守っていくのか。マスク一つ取りましても、食の衛生関係者は、食品の関係でマスク必要ですけれども、今のところ医療とか介護とか、そういうところに優先配布されておりますけれども、まだまだこういうところまでは優先配布ということにはなっていないわけであります。
 まず、お伺いしますけれども、今このコロナウイルス感染症対応を全力で挙げていただいていると思いますが、この緊急事態宣言がなされた場合、食料品の円滑な供給体制、これについてどうなっているのかについて確認したいと思います。

#155
○政府参考人(岩濱洋海君) お答えいたします。
 三月十三日に新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律が成立したところでございます。農林水産省新型インフルエンザ行動計画でも、お尋ねの緊急事態宣言のような事態では、法第五十条の関連で食品等の物資及び資材の供給、法五十一条の関連で備蓄の活用等について検討し、食品の安定供給に努めることが記載されております。委員御指摘の御懸念については、新型インフルエンザ等対策特別措置法において緊急事態が宣言された場合でも、食品等の生活必需品の売場は事業継続が可能となっております。
 その上で、農林水産省では、同法が施行される三月十三日の同日に、国民への食料供給を安定的に確保する観点から、酪農家、水田・畑作農家、食品製造業及び卸売市場等のサプライチェーン全般にわたります事業継続に関するガイドラインをそれぞれ取りまとめまして、農政局、業界団体を通じて全国の関係者への周知に努め、事業継続のガイドラインを示させていただいております。
 農水省としては、このような食品に関するサプライチェーンの安定的な事業継続に加え、主食でありますような米や食糧用小麦の備蓄の活用及び国内生産、そして輸入を適切に組み合わせて、引き続き消費者に対する円滑な食料供給を確保してまいりたいというふうに考えております。

#156
○谷合正明君 事業継続が可能であるということは、そう私も承知しているんですけれども、ですから、その事業継続がしっかりできるように、特にその川上から川下までいろんな今後影響が、まあ想定しない影響もあるかもしれないというときにあって、しっかりと継続できるような配慮を是非農水省からもしっかりアンテナ張ってやっていっていただきたいというふうに思っております。
 また、基本計画の新たな感染症への対応のところには、国産農産物の消費拡大運動などによる内需の喚起、また、国産原料への切替えや経営改善などの中食、外食、加工業者対策などを機動的に講じていくとあります。基本計画でありますから、今後十年を見据えた計画であります。こうした中期的な展望に立った取組は大事でありますけれども、喫緊の課題でもあります。今回の新たな経済対策ではこうした観点が反映されていくと考えておりますけれども、その見解を伺いたいと。
 また、総理が先週の土曜日の会見でこう言いました。中小企業への現金給付を検討と、このような趣旨で発言されましたけれども、今まさに具体化作業を進めているところと承知しておりますけれども、こうした経営が苦しくなる、厳しくなっているところ、これ、農林水産業、食品産業でもあるところはあるわけでありますから、そうしたところに漏れがないよう対象にして調整していただきたいと思いますけれども、併せて見解をお伺いしたいと思います。

#157
○国務大臣(江藤拓君) この機会に、やはり地産地消も含めた内需の拡大ということが大変求められると思っています。地域のものをやはり、例えば農産物でも、全てキュウリでも真っすぐであるわけではありません。そういったものを含めて、地域の助け合いの精神を今こそ、人・農地プランとは若干違うかもしれませんが、発揮するときが来ているんだろうと思います。そういう国産原料への切替えにつきましては是非進めたいと思っています。
 今回、進めるに当たって、この非常時のときだけ一過性で切り替えて、それでまた通常の商流が戻ったら元に戻すということであれば、余り我々としては応援しがいがないなというふうに思います。ですから、国民に対する加工食品の供給という視点だけに立てばそういうこともあるかもしれませんが、しかし、将来につながるような支援ということがそれに加われば更に実効性は高いものになりますので、そういった方向性も、先生の御指摘を踏まえながらしっかり、もう明日は金曜日でありますので、週末に向けても検討を重ねてまいりたいというふうに思っております。
 それから、総理がおっしゃいましたその給付金制度につきましては、今まさに政府の中で検討されているということでありますけれども、我々としては、農林水産業、食品産業も対象になるようにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#158
○谷合正明君 是非、一過性じゃない、将来にわたるそうした取組を進めていただきたいと思います。
 また、その基本計画の中には、食料品の安定供給について消費者に分かりやすく情報を提供というふうにあります。特に今は買占めの話題がこの質疑の中でも出ておりますけれども、農林水産省のこの点について対応はどうであるのかと。私もホームページ等は見させていただいているんですけれども、主要食糧の主要在庫や供給の状況ということがどうなっているのか。
 また、諸外国でよくロックダウンという言葉、定義はいろいろありますけれども、報道になって心配の向きもあるんですけれども、ただ一方で、例えば今日も、私の知り合いでスイスの方いますけれども、ただ、外出できないけれども、生活必需品はちゃんとあると、購入できると、食料品はしっかりあるんだ、スーパーにもしっかりあるということでありました。むしろそういうパニックになることが怖いというふうに言われておりました。
 となると、やはり過度の買占めというのが、このパニックになるということは控えていかなきゃならないと思うんですけれども、そもそもなぜ過度の買占めがいけないのか、控えないといけないのかということがなかなか伝わっていないのではないかというふうに思っております。これ、消費者にとっても回り回って不利益になる結果になるからだというふうに私は思いますけれども、そうした情報も併せて提供していく必要があるのではないかと思っておりますが、この点についてお伺いしたいと思います。

#159
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 一部の食料品において店頭等で品薄状態になっていることは承知をしておるわけでございますけれども、農林水産省といたしましては、卸売業者や食品メーカーに対し在庫と増産により円滑な供給を要請をしまして、通常以上の供給を確保をいたしておるところでございます。
 我が国の主食である米については、安定的な食料供給という観点から、政府備蓄米が約百万トン、民間在庫が約二百七十万トンの在庫がございます。そうしたことから、いつでも安心して御飯を食べていただける状況にございます。また、外国産小麦につきましても備蓄が約九十三万トンございますので、皆様方への供給が不足する心配はないと考えております。
 一方、食料品を必要以上に購入をするということは一時的な品薄状態につながるとともに、食べ切れずに食品ロスの発生を引き起こすこともございますし、また、通常以上の製造供給体制を強いるなど、事業者や物流へ過度な負荷を掛けることになりますので、国民の皆様方には正しい情報に基づきまして冷静な対応をお願いをしておるところでございます。
 今後とも、小売事業者とも連携をしながら、状況を丁寧に把握をしまして必要な対応を迅速に講じるとともに、消費者への啓発チラシを活用するなど、関係省庁とも連携をいたしまして、国民の皆様の理解を促すよう情報発信に努めてまいりたいと、このように考えております。

#160
○谷合正明君 先ほど、過度の買占めがなぜいけないのかということについて触れていただきました。
 私、今、配付しておりませんけど、手元に米の販売数量ですとか小売価格の資料を持っているんですけれども、二月末に、実は政府が一斉休校の発表をしたときに、あのときに米の販売数量が一気に伸びたわけですね。その発表の前の週は七百トン余りの販売数量だったのが、その発表のあった週の一週間は一気に引き上がって、千トンぐらい行くんですね。また一週間後には元に戻ると、平常時どおりに戻りました。これ、食料、在庫や備蓄が十分、供給力が十分あるということでこういう動きにつながりました。
 販売数量が一気に伸びるこの状況の中で、当然これ価格も釣られて上がっているんですね。このちょうど二月の末の一週間だけぽんと価格が上がって、また価格下がってですね。ですから、今回はどういう影響になるか私分かりませんけれども、結局、食料品が十分供給、在庫がある中でこういう過度な買占めがあると価格の面にも大きく結局影響あって、これは消費者にとっても私は不利益なんだというふうに思っております。その意味でも、情報提供というのはいろんな多様なアングルから提供していただきたいというふうに思っております。
 その中で、今回、情報伝達におけるメディアの役割というのは大きいなというふうに思っております。例えばテレビ報道でも、繰り返し大臣が言われているとおり、在庫は十分あるので、落ち着いた購買行動を呼びかけていただいておりました、アナウンサー等がですね。ただ一方、テレビ報道でそういう呼びかけているその映像自体は、スーパーの商品棚、空の商品棚を映像に、背景にして流しているわけですね。これは逆効果ではないだろうかと私も思うんです。そういう声も実際にありました。ただ、そのエビデンスありませんけれども、それは検証する価値はあるんじゃないかなというふうに思います。
 例えば、自殺報道に関するものは、WHOが自殺予防のメディアの関係者のための手引というものを作っているんです。昔ですと、自殺があると多分その遺書を映像で流しているときもあったんです。ただ、それは自殺を誘引するということで、結局そういうことはやめようというガイドラインを作っているんです。それは厚労省のホームページでも掲載しております。
 買占めに関する報道に関してはそこまでのまだ知見が集められていないということはあると思うんですけれども、メディアも当然そんなあおる意図もないんです。ですから、情報提供元の農林水産省と、今回の報道の自由にも十分留意しながらも、メディア側とともにリスクコミュニケーションの向上に努めていくべきではないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

#161
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 三月二十五日の東京都の外出自粛要請を受け、都内の一部のスーパー等において食料品の欠品が生じた状況についての報道がなされたことは承知をいたしております。国民の皆様に冷静な購買行動を取っていただくためには、食品の供給能力についての正確な情報提供を図っていくことが重要と考えております。
 都の外出自粛要請の翌日の三月二十六日には、農林水産大臣から、在庫は十分であり、買占めは不要である旨の国民の皆様に呼びかけを行っていただいてございます。また、農林水産省のホームページやツイッターなどを通じ、関係業界団体のサイトへのリンクを掲載し、品目ごとの供給状況や潤沢な倉庫を有する冷凍倉庫の画像情報についても紹介をいたしました。メディア各社に対してもこのような情報を紹介し、冷静な購買行動を呼びかけるような報道を依頼したところでございます。このような取組の結果、ツイッターでの投稿は約二百三十万件の閲覧がございましたとともに、各種テレビのニュースや新聞において大臣の呼びかけが多数取り上げられたところでございます。
 報道の内容を制限することは困難でございますが、農林水産省としては、引き続きメディアとも協力し、国民に対してスピード感を持って適切な情報の提供に努めてまいりたいと考えております。

#162
○谷合正明君 ありがとうございます。
 トイレットペーパーのときもそうだったんですね。やっぱり最初は商品棚にないというのでびっくりしましたけど、ただ、工場の倉庫にいっぱい積んである映像が流れたときにやっぱり安心感が増えてきたということもありますので、よくやっていただきたいと思います。
 さて、東京オリンピック・パラリンピックがこのコロナウイルスの関係で延期になりました。一年延期ということであります。このオリンピック、パラリンピックに向けまして、例えばGAPの食材を選手村で提供するであるとか、各県産材を国立競技場に、これは既にもう使われておりますけれども、やっております。また、国産の花を例えばビクトリーブーケで使うであるとか、そもそも聖火リレーの各地域においては沿道に花を並べようとか、いろんな様々な取組を企画をされていたわけであります。
 このオリンピックを契機に一次産業を応援して世界中にPRする機会を設けていたところなんですけれども、このオリンピック、パラリンピックの延期に伴う影響はあるのか、またこの延期に対して農林水産省としてどのように受け止めているのかについて、まずお伺いしたいと思います。

#163
○国務大臣(江藤拓君) 大変残念なことでありますが、なくなったわけではないということをまず皆様方と共有をさせていただきたいと思います。
 GAPはお金も掛かることでありまして、自己負担も伴いながらGAPを取っていただきました。そして、世界のアスリートの皆さん方に、オリパラ両方ですね、日本の食を広めるチャンスということで意気込んでいらっしゃった方に対しては、そのテンションをやはり失わないようにしていただくことがやはり求められるんだろうと思います。
 ビクトリーブーケにつきましては、花の業界の皆さん方が、自分たちがその実費については全部見るんだと、オリンピック委員会にも、全く、準備委員会にも迷惑を掛けないからということから話が始まって、その線でずっとやってきたんですけれども、これが一年延びるということになると、更に実費も何も出さないで皆さん方の御厚意に甘えますというのは、ちょっと無理があるのではないかと私は思っております。
 三十一日にスカイプでお話を伺ったときも、これまでは自分たちの花の業界の底上げのために自腹でもやらせていただきたいということであったけれども、一年延びるとなると正直しんどいですという率直な言葉も聞かれました。
 ですから、その言葉を受け止めて、今回の経済対策で何かできるのかも含めて考えさせていただきたいと思いますし、木材利用も随分進めてまいりました。
 ですから、今後、まだ、新しい実施本部も発足させるということでありましたから、大会組織委員会と、この一年後、七月の二十三日でしたかね、ちょっと日にちがあれですけれども、七月の開催に向けて、また遜色のないしっかりとした、復興五輪という、そういう意義も踏まえた上の対応を農林水産省としては考えていきたいと考えております。

#164
○谷合正明君 まずは終息が第一だと思います。その上で、中止になっているということではありませんから、しっかりと、今大臣からのメッセージというものをしっかり受け止めさせていただいたところであります。
 基本計画で、実は、前回までは基本計画の副題というんですかね、というものが入っていなかったというふうに承知をしております。食料・農業・農村基本計画というだけなんですけれども、今回は「我が国の食と活力ある農業・農村を次の世代につなぐために」という副題が入りましたけれども。まず、今回新たに副題が入った理由とその趣旨、さらには前回の基本計画には入っていないんだけれども今回の基本計画に新たに盛り込んだもの、主なもの、どういうものがあるのか、先ほどコロナウイルスのことは分かっておりますけれども、どういうものがあるかということについて確認させていただきたいと思います。

#165
○政府参考人(浅川京子君) お答え申し上げます。
 基本計画の検討を担った食料・農業・農村政策審議会企画部会の御議論の中で、新たな基本計画を国民の皆様に分かりやすく御理解いただくために内容を象徴するサブタイトルを付けてはどうかという御提案をいただきまして、今回新たに副題を付けさせていただきました。
 今回の見直しの中では、農業者の減少や高齢化が深刻化する中で、地域をいかに維持し、次の世代に継承していくのかという視点が重要であるということから、この審議会の企画部会とも相談の上、「我が国の食と活力ある農業・農村を次の世代につなぐために」という副題を付けたところであります。
 副題にもありますように、今回のポイントということですけれども、地域の次世代への継承とそのための生産基盤の強化であるというふうに考えておりまして、新たに、経営規模の大小や中山間地域といった条件にかかわらず農業経営の底上げにつながる生産基盤の強化ですとか、新たな輸出目標を掲げ、大臣を本部長とする司令塔組織の下での更なる輸出拡大、また、中山間地域等直接支払等の見直しや関係府省と連携した農村政策の推進、また、農林漁業体験機会の増大や食育、地産地消など、食や農とのつながりを深める国民運動の展開といったところを今回の基本計画に盛り込んだところです。
 また、国内生産の状況を評価する指標として食料国産率目標の設定、また、食料自給力指標については、農業労働力や農業技術を考慮するとともに将来の見通しを今回提示するといった点についても新たなところでございます。

#166
○谷合正明君 新たに盛り込んだところについてまた触れさせていただきたいと思いますが、スマート農業について。
 これは、前回もあったと思うんですけれども、今、このスマート農業、もう本当にいろんなところで言葉を聞きます、いろんなところに予算が付いているということなんですけれども。私も、このスマート農業自体に目的があるんじゃなくて、スマート農業を手段としてどうしていくのかということが問われていくんだと思います。
 その意味で、今回は基本計画で、特に、私ども公明党も、小規模家族経営の農家、また、中山間地など条件不利地域で営まれている農業、その日本の特徴である多様な営農形態に光を当てるべきであるというふうに訴えてまいりました。その中で、スマート農業というのはまさにこういったところに光を当てていくし、そういうところを引っ張っていく可能性があるものであります。ですから、そのスマート農業をやること自体が目的じゃなくて、スマート農業とは手段だということは、私が申し上げるのはそういう趣旨であります。
 実は、先週は本当は沖縄の南大東島を訪問してサトウキビの農家をお尋ねする予定であったんですけれども、このような状況で視察を取りやめさせていただきましたが、この地域でもスマート農業を活用してサトウキビ産業の更に生産性向上に努めているということであります。
 まず、改めて聞きますけれども、この条件不利地域あるいは小規模農家等、こうしたところでスマート農業をどう推進しようとしているのか、この点についてお伺いしたいと思います。

#167
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 省力化が急務とされる家族経営や条件不利な棚田などが存在をする中山間地域の農業の維持強化にはスマート農業の展開が重要と認識をしているところでございます。
 このため、農林水産省では、令和二年度スマート農業実証プロジェクト、これは全国で五十二か所認定をしているわけですが、その中の三十一か所が中山間地域、この三十一か所の中の五か所は棚田の地域ということでございます。こういった棚田や中山間地域を対象に、小型で自動走行のトラクターや田植機、傾斜地でも対応できるリモコン式の草刈り機、一筆ごとの水田管理が可能となる自動水管理システムなどの実証を展開することとしております。さらに、家族経営の農家がスマート農業を導入する際に初期投資に掛かるコストを低減し、導入しやすい環境を整備するため、新たにスマート農機のシェアリングやリースなどを組み入れた実証を行うこととしております。
 今後とも、実証結果を参考にしつつ、小規模家族経営の農家や中山間地域でのスマート農業の推進に取り組んでまいりたいと考えております。

#168
○谷合正明君 引き続いて、そういう中山間地域等での農業についてお伺いしたいんですけれども、地域政策、よく産業政策と地域政策と、これは車の両輪だということで、今回の基本計画にもうたわれております。これまでもこの農政の一つ、車の両輪だということは基本中の基本みたいなところであるんですけれども、今回、この地域政策については従来よりも厚みを増して記載されているのではないかなと。
 具体的には、例えば地域資源を活用した所得と雇用機会の確保、中山間地域等を始めとする農村に人が住み続けるための条件整備、さらには、農村を支える新たな動きや活力の創出のこの三つの柱を継続的に進めるために関係府省で連携した仕組みづくりということが書かれております。
 先ほど、新しい基本計画の部分ということで、関係府省で連携という言葉が出てきたんですけれども、まさにこの関係府省の連携なんですけれども、農林水産省だけではできない、これからは関係府省としっかりやらなきゃならない。ただ、農林水産省が手を引いたわけじゃない、当然。農林水産省がリードしなければ関係府省も付いてこないわけでありますから、ここは、関係府省との連携というのは言うはやすしで、これしっかりやっていかないと、本当にこの意味での地域政策というのはうまく回っていかないんじゃないかというふうに思っております。この点について、農林水産省としての決意をお伺いしたいと思っております。

#169
○国務大臣(江藤拓君) 確かに書くのは簡単ですけど、実行するのはなかなか難しいと思います。
 私の地元の話をして申し訳ないんですが、椎葉村というところはとてもいいところです。観光客も平家まつりのときにはたくさんお越しいただきますが、なかなかの道でございまして、国道が、残酷の酷と書いた方がいいような道でございまして、離合するのにバックしなきゃいけないようなところが何か所もありますが。
 ということであれば、その地域がですね、次の世代に、このすばらしい観光資源も持っている、人柄もすばらしい、そして様々な地域の資源も持っています。そこにアクセスできないということであれば、これはやはり国土交通省のような役所と連携していくことも大事だと思いますが、観光資源を民泊その他を生かしてこれから更に伸ばしていくには観光庁との連携も必要になってくるでしょうし、景観を守るということであれば環境省との連携も必要になってくると思います。
 棚田の方を皆さん方と御議論をさせていただいたときにもこのことは常に意識をさせていただいたことでありますが、地域を守っていくのは決して農林水産省だけの役目ではなくて、国家としてやるべき大きな仕事だというふうに考えさせていただいておりまして、そのことをこの基本計画の中に盛り込ませていただいたつもりでございます。
 先生がおっしゃるように、農林水産省は決して後ろに下がるものではありません。我々が地域政策においてはリーダーシップを取って、そして、これだけのすばらしい資源があって、これだけのアクセス網さえできればもっと生かされ、この地域が守られるということを、横串をしっかり刺して他省をリードしていきたいというふうに考えております。

#170
○谷合正明君 よろしくお願いいたします。
 それでは、食料自給率についてお伺いしたいと思います。
 食料自給率のカロリーベース目標は、この度、前回と同様に四五%ということになりました。様々、この食料自給率の特にカロリーベースにつきましては、その達成については難しいという指摘もある中で、今回、数値目標が維持された理由というのはどういうものなのでしょうか。また、この従来の取組の検証というものはどういうものだったんでしょうか。さらに、今回、カロリーベースあるいは金額ベース、そして飼料自給率、そして食料国産率、この食料国産率はそれぞれカロリーベース、金額ベースにそれぞれに該当していくということなんですけれども、いろいろな指標が出てきておりますけれども、カロリーベースというものが基本であるという理解でよろしいのでしょうか。

#171
○国務大臣(江藤拓君) 供給カロリーベースが基本であるということは間違いありません。ほかの数字についても、しっかりとした数字であるというふうに自信は持っておりますが、それぞれの多角的な検証に耐えられるようにこれは出させていただくものだという御理解をいただければ結構だと思います。
 今回、カロリーベースが維持されたということは、どうしてもやはりこの四五%、本当はもっと上の目標に向かって、独立国家、しかも島国である日本としては、努力する目標としてこれ到底下げられるものではないと。現実に即した数字を出せというような御議論もあることは承知をいたしておりますが、しかし、それでもこれをやっぱり達成するための努力は決して怠ってはならないものだというふうに考えております。
 食料・農業・農村政策審議会でも御議論をいただきました。麦、大豆につきましては、国内の市場が伸びているにもかかわらずまだ一二%、六%と自給率が低く、湿田が多いということでもあって、日本は、まだまだ基盤整備が進んでいないこともあって単収が伸び悩んでいるというような御指摘もいただきました。それから、野菜、果樹に当たっては、どうしても作業時間が長い、収穫時に労働力が集中的に短期で必要になってしまうという欠点があって、労働生産性の向上を図らないとこれ以上はなかなか伸ばすのが難しいというような御提言もいただきました。畜産物についても、なかなか省力化等に資するような先端技術の普及、こういったものがまだまだ十分じゃない。いろいろ機械は開発されました。妊娠を知る、発情期を知る機械とか万歩計みたいなやつとかですね、いろんなものが開発されましたが、いろんな課題が挙げられております。
 こういったものをしっかりやらせていただいて、関係者が総力を挙げてこれを全体としてしっかりと理解した上で、食料自給率、それから食料自給力、その向上を図ってまいりたいというふうに考えております。

#172
○谷合正明君 大臣、率直な御答弁ありがとうございます。
 次は輸出について伺う予定だったんですけれども、もう答弁が出ておりますので、ちょっと次に飛ばさせていただきたいと思います。
 最後、最後というか、国民への理解ということでお伺いしたいんですけれども、この基本計画は、我々、ここの場で議論している者だけでもありませんし、また農業関係者、農政関係者だけでもなくて、国民のためのものであるというふうに私はもう常々思ってまいりました。こうした基本計画、これは計画だけじゃなくてこれ実行していくわけですけれども、この実行には、今後の農政の考え方をしっかり分かりやすく伝えて国民的な理解を得ていく必要があるというふうに思っております。
 副題にありますとおり、まさに次の世代につなげていくということが大事なんだというふうに思いますから、国民の理解、とりわけ若い世代に対しても工夫してこういう基本計画の理念というものを伝えてほしいと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

#173
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 新たな基本計画で示した施策などを進め、基本計画で掲げた目標を達成していくためには、基本計画の内容を分かりやすく説明し、国民の皆様に農業、農村が直面している現状や課題への御理解を賜ることが重要と考えてございます。また、国民全体で農業、農村を次世代につないでいくためには、とりわけ若い世代の方からの御理解と御支持が重要と認識をしているところでございます。
 このため、農林水産省としては、パンフレット、広報誌やフェイスブックなどのSNSのほか、本年一月からは当省で始め、大変好評をいただいている動画配信、BUZZMAFFなどの様々な媒体を活用した情報発信や、子供から大人までの世代を通じた農林漁業体験、食育、地産地消といった施策について、消費者、食品関連事業者、農業協同組合を始めとする生産者団体を含め、官民が協働して推進する国民運動を通じて、若い世代の方々からも共感が得られるようにしてまいりたいと考えております。

#174
○谷合正明君 動画のBUZZMAFFについては、私も最近見るようになりまして、九州農政局の若手二人がよう頑張っているなと、再生回数もすごい伸びているなというふうに思っております。藤木政務官におかれましても、しっかりとリードして頑張っていただきたいというふうに思っております。
 最後の質問にします。SDGsについて伺います。
 私はSDGsの重要性というのを何度も訴えてまいりました。今回の基本計画には是非このSDGsをしっかりと反映すべきだということも訴えてまいりましたので、今回、基本計画にこのSDGsのことが大分盛り込まれているなというふうに思って、評価をしております。何か所このSDGsという言葉が出てくるのかなと数え始めたんですけど、何かいっぱい出てくるものですから途中で諦めましたけれども。ただ、大事なことは、例えば食品ロスの削減という個別の政策、これも極めて大事ですけれども、このSDGsという観点を農政の横串として刺していくということが大事ではないかというふうに思っております。
 この国連の持続可能な開発目標、SDGsの達成に農政がどう貢献していくか、この観点について、最後、決意をお伺いしたいと思います。

#175
○国務大臣(江藤拓君) これ、日本という国が世界に対して果たしていくべき大きな責任の一つだと思っております。サステナビリティーということは、これは、農業は特に農地とか水などの自然界の物質循環、これを利用して営まれるものであるということでありますから、経済、それから社会、環境の要素、これをしっかりバランスを取っていくということが求められていく、それがSDGsの理念そのものを実現していくということにつながるというふうに思っております。
 施策の推進に当たっての基本的な視点の一つとして、この農業分野の基本的考え方は今回の基本計画にも書かせていただきました。たくさん書かせていただきましたので、いかに重要視しているか分かっていただけると思いますが、しっかりと先生おっしゃるように横串を刺して、これからの政策立案、実行にもこれを生かしていきたいというふうに考えております。

#176
○谷合正明君 しっかりよろしくお願いしたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。

#177
○委員長(江島潔君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト