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2020/04/07 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 文教科学委員会 第5号 令和2年4月7日
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2020/04/07 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 文教科学委員会 第5号 令和2年4月7日

#1
令和二年四月七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月六日
    辞任         補欠選任
     佐藤  啓君     徳茂 雅之君
     梅村みずほ君     高木かおり君
     吉良よし子君     井上 哲士君
 四月七日
    辞任         補欠選任
     衛藤 晟一君     元榮太一郎君
     徳茂 雅之君     三宅 伸吾君
     森屋  宏君     松川 るい君
     蓮   舫君     塩村あやか君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川ゆうみ君
    理 事
                赤池 誠章君
                石井 浩郎君
                こやり隆史君
                水岡 俊一君
    委 員
                上野 通子君
                徳茂 雅之君
                松川 るい君
               三原じゅん子君
                三宅 伸吾君
                元榮太一郎君
                森屋  宏君
                伊藤 孝恵君
                石川 大我君
                塩村あやか君
                横沢 高徳君
                蓮   舫君
               佐々木さやか君
                高瀬 弘美君
                高木かおり君
                松沢 成文君
                井上 哲士君
                舩後 靖彦君
   国務大臣
       文部科学大臣   萩生田光一君
   副大臣
       文部科学副大臣  上野 通子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      伊藤  信君
       内閣府沖縄振興
       局長       原  宏彰君
       法務省大臣官房
       審議官      竹内  努君
       外務省大臣官房
       サイバーセキュ
       リティ・情報化
       参事官      大隅  洋君
       文部科学省初等
       中等教育局長   丸山 洋司君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
       スポーツ庁次長  瀧本  寛君
       文化庁次長    今里  讓君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    本多 則惠君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       村山  誠君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      依田  泰君
       観光庁審議官   加藤  進君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○文化観光拠点施設を中核とした地域における文
 化観光の推進に関する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(吉川ゆうみ君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、吉良よし子さん、梅村みずほさん及び佐藤啓さんが委員を辞任され、その補欠として井上哲士さん、高木かおりさん及び徳茂雅之さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(吉川ゆうみ君) この際、萩生田文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。萩生田文部科学大臣。

#4
○国務大臣(萩生田光一君) おはようございます。
 昨日の会見で安倍総理から、基本的対処方針等諮問委員会の意見を伺った上で、一か月程度の期間を目安として、七都府県を対象地域として緊急事態宣言を本日にも発出したいとの御発言がございました。
 文部科学省では、緊急事態宣言が出されましたら臨時休業の実施に関するガイドラインを改訂し、緊急事態宣言が出された場合の臨時休業の在り方等について、教育委員会等に対して示してまいります。
 加えて、教育現場の実態に基づいた対応が行われ、子供たちの学びが保障されるよう、緊急事態宣言の対象地域となる地方自治体と緊密に連携し、必要な助言を行ってまいります。
 あわせて、オンライン等も活用した家庭学習と教師による対面での学習サポートや学習状況の把握の組合せにより、子供たちの学びを支援するとともに、ICTを活用し、家庭等でも学び続けられる環境整備を急ピッチで進めてまいります。大学、専修学校等についても、同様の観点から必要な対応をしてまいります。
 文部科学省としては、緊急事態宣言の下でも子供たちの学びの保障に社会全体が責任を持って取り組んでいくことが重要であると考えており、そのための取組を関係省庁、地方自治体と連携して進めてまいります。
 以上です。
    ─────────────

#5
○委員長(吉川ゆうみ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官伊藤信さん外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(吉川ゆうみ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(吉川ゆうみ君) 文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#8
○石井浩郎君 おはようございます。自由民主党・国民の声の石井浩郎でございます。感染防止の観点からマスクを着けさせていただきます。
 まず冒頭、新型コロナウイルスでお亡くなりになりました方に対しまして、心からお悔やみを申し上げるとともに、現在感染されている皆様にお見舞いを申し上げます。
 さて、現在、新型コロナウイルスが欧米を中心に急拡大し、猛威を振るっております。特にアメリカ、その中でもニューヨークにおいて蔓延しておりまして、急増する感染者に対し、医療が追い付かない医療崩壊の危機に直面しております。約三週間前のニューヨークと東京の今の感染者の推移が似ており、なおかつ面積や人口密度の高さなど共通点が多いことから、今、日本で懸念されていることは、ニューヨークと同じように東京も感染が急速に広がるのではないかということであります。国民の意識が緩み、緊張感を欠いた行動が増せば、あっという間に感染拡大してしまう可能性がございます。
 あくまで私見でありますけれども、学校現場での混乱、そして親御さんの負担はあったにせよ、そして様々賛否もありましたが、安倍総理が二月二十七日に全国一斉休校を要請したことが国民の皆さんに緊張感と危機感をもたらし、結果的に全国に様々なイベントや外出の自粛ムードが広がったことが、これまで日本が欧米のような爆発的な感染拡大にならなかった理由の一つだと考えております。
 また、直近の世論調査でも、適切と答えた方が七割弱を占めております。二月の時点では大変難しい判断だったとは思いますが、総理の全国一斉休校の要請は一定の成果があったものと評価しております。あとは、学校をいつどういう形で再開させていくのかが重要でございます。
 三月二十四日、文科省は学校再開に向けたガイドラインを通知されましたが、これから各都道府県や各自治体、また学校関係者は大変難しい判断を迫られることになると思っております。
 現場において集団感染、クラスターを起こさないように最大限気を配りながら、どのように学習の遅れを取り戻していくのかなど様々な課題がございますが、是非文科大臣には強いリーダーシップでこの難局を乗り切っていただきたいと思っております。
 一方で、外国からの入国制限やまた自粛によって経済的に大変厳しい状況に追い込まれている方、また事業者がたくさんいらっしゃいます。また、本日、緊急事態宣言を発出されるということでありますが、より一層厳しさが増す可能性がございます。是非とも、迅速かつ大胆な経済的支援をお願いしたいと存じます。
 新型コロナウイルスとの闘いは長期戦になると言われております。この国難に打ちかつためには、与野党を超えた立法府、そして行政府、そして国民が一丸となることが大事だと思っております。総理を先頭に政府が総力を挙げて、引き続き国民の健康、生命を守るよう全力で取り組んでいただきたいと思っております。
 もう一点、三月二十四日、東京オリンピック・パラリンピックは遅くとも二〇二一年夏までに実施するとして延期が決まりました。選手を始め関係団体のこれまでの努力を考えますと、中止にならずにまず本当によかったなというふうに思っております。また、延期が決まってから僅か六日後に来年の開会日を決められたことも評価しております。
 しかし、大会の経費の追加負担、会場の確保、販売済みのチケットの取扱い、代表選考の方法など、課題も山積しております。東京都、JOC、また組織委員会など関係団体が緊密に連携して、いち早く課題解決に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 スポーツを所管する文科大臣のお考えをお聞かせください。

#9
○国務大臣(萩生田光一君) オリンピック・パラリンピック東京大会につきましては、三月二十四日の安倍総理とIOCバッハ会長との電話会談において、総理からおおむね一年程度の延期を提案し、その後、関係者間における協議を経て、来年七月二十三日から開幕が決定されたところです。
 委員御指摘のように、大会が中止になることなく、さらに、日程が早い段階で決定したことは、アスリートの皆さんにとっても、また大会運営に携わる人々にとっても具体的な目標が定まったという意味でよかったと思っております。
 御指摘いただいた様々な課題については、組織委員会を中心に、IOCや東京都、内閣官房オリパラ事務局、競技団体等と十分に連携を図りながら一つ一つ解決し、大会の成功に向けて万全を期していく必要があると考えています。
 文部科学省としては、国立競技場等を所管する立場でありますので、新しい日程での会場の準備について組織委員会と調整を進めるとともに、アスリートが練習に集中し、大会本番でもその成果を遺憾なく発揮できるよう最大限の支援に努めるなど、来年七月の開幕に向けてしっかりと準備を進めてまいりたいと思います。

#10
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 大会経費の追加負担であるとか会場の確保、また販売済みのチケットの取扱い、この辺はしっかりと関係団体が緊密に連携をして、そして知恵を出し合えば何とかなる課題だと思っております。
 私が懸念しておりますのは、選手、特に代表が決まっている、内定している選手、百人ほどおります。来年また、競技団体によっては代表選考をやり直すということがある競技団体もあると思います。これも大変ですし、横滑りで来年もまた代表でいれるという競技団体もあると思います。この一年間、緊張感とまた重圧に耐えながら来年もまた同じパフォーマンスができるのか、またけがもしないのか、こういう心配をしている選手がたくさんおると思います。
 選手は、競争社会といいますか、勝負の世界におりますので、前向きなことしか言いません。後ろ向きなことは言いません。だから、今も一年の延期は大丈夫だと、こういう発言をほとんどの選手はしておりますけれども、選手も本音と建前がありますので、内心は大変心配している、精神的な負担というか、かなりあると思いますので、我々国民もしっかりとその辺を理解して選手の苦労を分かってあげると、このことが大事ではないかなと思っておりますので、文科大臣、そしてオリパラ担当大臣の橋本大臣にも、これから選手の負担を極力軽減する、軽くするような発信を是非していただきたいと思っております。
 それでは、文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案について質問させていただきます。
 日本では、各地域に根差した伝統的な文化はもちろん、国内外の美術品、芸術作品や漫画、アニメ、ゲームなども含めて、世界に誇るべき豊かな文化的土壌が育まれてまいりました。このような文化が集積し、誰もが触れることのできる機会を提供しているのが博物館や美術館を始めとする文化施設であります。このような文化施設に着目し、観光や地域活性化という文脈につなげていくような取組は、これまでにない画期的なものだと考えております。
 そこで、この法案によって何が実現されるのかを大臣にお伺いします。

#11
○国務大臣(萩生田光一君) 本法案は、文化の振興を観光の振興と地域の活性化につなげ、これによる経済効果が文化の振興に再投資される好循環を創出することを目的とするものです。
 このためには、文化施設がこれまで連携が進んでこなかった地域の観光関係事業者等と連携することによって、来訪者が学びを深められるよう、歴史的、文化的背景やストーリー性を考慮した文化資源の魅力の解説、紹介を行うとともに、来訪者を引き付けるよう、積極的な情報発信や交通アクセスの向上、多言語、WiFi、キャッシュレスの整備を行うなど、文化施設そのものの機能強化や、さらに、地域一体となった取組を進めていくことが必要となります。
 本法案は、このような観点から、文化観光を、文化資源の観覧や体験等の活動を通じ、文化についての理解を深めることを目的とする観光と定義し、また、文化観光拠点施設を、文化資源の保存及び活用を行う施設のうち、国内外からの来訪者が文化についての理解を深めることに資するよう解説、紹介をするとともに、文化観光の推進に関する事業を行う者と連携をすることにより、地域における文化観光の推進の拠点となるものと定義します。
 その上で、文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光を推進するため、主務大臣が定める基本方針に基づく拠点計画及び地域計画の認定や当該認定を受けた計画に基づく事業に対する特別の措置等を講じるとともに、財政面の支援を充実するものであります。

#12
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 他方、現在、新型コロナウイルスの対応で文化イベントの自粛に伴う文化関係者への影響、また、インバウンドの減少で観光業界への影響が出ております。こんなときに文化観光の推進を議論するのかという声も一部あるように聞いておりますが、こういうときだからこそ、この困難な状況が終息した後にどうするのかを考えておくことは重要だと考えております。
 この法案を準備しておくことの重要性についてお伺いいたします。

#13
○政府参考人(今里讓君) 新型コロナウイルスの感染症の対応につきましては、今まさに感染の流行を早期に終息させるために重要な時期にございまして、その封じ込めが最優先であるということは言うまでもございません。
 また、委員御指摘のように、観光業につきましては、国外からの来訪者の減少によりまして、経済的な影響が懸念されているところでございます。政府一体となった支援が必要でございます。
 本法案との関係で申しますと、現在の感染拡大防止に取り組む期間は、本法案が目指す文化観光の推進による地域の活性化に向けての助走期間として、各施設や自治体において取組の構想を検討いただく期間と位置付けられると考えております。
 具体的には、地域の現状分析ですとか目標の設定、これらを行った上で、文化資源の魅力の向上、多言語化、キャッシュレス、交通アクセスの充実など、事業への円滑な着手に向けて計画を検討していただければと考えてございます。
 本法案における取組を早期に行いたいという要望を文化施設から自治体からいただいているところでございまして、本法案の成立後、速やかに政省令の制定、基本方針の策定を行いまして、文化観光を推進するための制度的な仕組みを整えたいと考えてございます。

#14
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 この法案では、地域における文化観光の拠点となる施設について、文化観光拠点施設と定義されております。この法案のまさに中核となる施設であり、この施設がどのようなものになるかによってこの法案の成否が決まると考えております。
 そこで、文化観光拠点施設とは具体的にどのような施設なのかを伺います。
 日本が誇る文化資源には、歴史的資料や美術品などの有形のものだけではなく、例えば地域の伝統的なお祭りなどの無形のものも当然ありますが、全て対象に含まれることとなるのか伺います。また、この法案ではなぜこのような施設を中核とする必要があるのかも併せて伺います。

#15
○政府参考人(今里讓君) 本法案における文化観光拠点施設とは、文化資源の保存及び活用を行う施設のうち、国内外からの来訪者が文化についての理解を深めることに資するよう解説や紹介をするとともに、文化観光の推進に関する事業を行う者と連携する、こういったことによりまして、地域における文化観光の拠点となるものでございます。これは定義でございまして、このような定義からは、文化観光拠点施設には、歴史博物館や美術館のみならず、動物園、漫画、アニメの資料館や寺社仏閣の宝物館、お祭りなどの伝統芸能の資料館等も含まれ得るものでございます。
 また、有形無形の文化的所産などの文化財の保存、活用につきましては、文化財保護法等に基づいて各種施策を講じてきたところでございますが、本法案のように、施設に着目して文化観光を推進する法律はこれまでなかったところでございます。
 本法案におきましては、魅力ある文化資源が集積して、その魅力について解説、紹介を行う施設が中核となり、その周辺地域も巻き込んだ取組を通じて文化観光の推進に当たり、これらの拠点となる施設と地域の事業者や自治体とが恒常的に連携した事業実施体制、これを構築することとなります。
 こうした仕組みによりまして、文化観光拠点施設や周辺地域へ国内外からの観光旅客が一時的ではなく恒常的に来訪し、その経済効果が文化の振興に再投資されることで、文化、観光、地域活性化の好循環を生み出すことができると考えております。

#16
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 文化観光拠点施設の定義として、文化資源についての解説、紹介や文化観光推進事業者との連携ということがその要件として定められておりますが、これはどういった趣旨でどういう内容を想定しているのか伺います。

#17
○政府参考人(今里讓君) まず、文化資源についての解説、紹介につきましては、国内外からの来訪者が文化についての理解を深めることに資するように、例えば文化資源の魅力について歴史的、文化的背景などとともに分かりやすく伝えることですとか、二次元コードなどの活用による解説、紹介のデジタル化や、高精細映像やVR等を活用した体験プログラムなどの情報通信技術の活用、我が国の文化に関する前提となる知識や理解を補って、外国人にも分かりやすい内容での多言語化などを行うことが必要となると考えてございます。
 また、文化観光推進事業者との連携につきましては、観光地域づくり法人、いわゆるDMOでございますが、これら、あるいは観光協会、旅行業者等の民間事業者など、地域において文化観光の推進を戦略的に行うための企画、立案ができる者とともに多様な関係者との連携体制の構築、各種データの収集、分析、これに基づく戦略の策定、KPIの設定やPDCAサイクルの確立、国内外への情報発信などを行うことに加えまして、地域の交通事業者、飲食店や土産物屋、宿泊施設等の関係事業者とともに共同事業の企画や実施を行うことが必要になる、このように考えているところでございます。

#18
○石井浩郎君 この法案におきましては、拠点計画と地域計画の二つの計画を認定する仕組みが設けられております。認定された計画に基づき実施される事業に対して法律上の特例措置や予算措置が行われることとなると認識しております。
 そこで、これらの計画をどのような基準に基づいて審査し、認定するのか伺います。

#19
○政府参考人(今里讓君) 本法案における認定基準でございます。
 基本方針に照らして適切かということ、それから文化観光拠点施設としての機能の強化や地域の文化観光の推進に寄与するか、さらに円滑かつ確実に実施されると見込まれるか、これでございまして、申請された計画がこれら全てに適合すれば認定されることとなります。
 今ほど基本方針と申しましたけれども、この法案におきましては、文部科学大臣と国土交通大臣が共同で基本方針を定めることになってございます。この基本方針におきましては、国内外の幅広い来訪者への分かりやすい解説を行うことなどの文化観光拠点施設の目指すべき姿、それから施設を中核とした文化観光を推進する地域の目指すべき姿、これらを定めることを想定しているところでございます。

#20
○石井浩郎君 ちょっと時間がありませんので少し飛ばさせていただきまして、本法案では、文化観光推進事業者との連携が必須となっております。このような関係者を巻き込んで文化観光を進めていくに当たって一番大事なのは人材だと考えております。しかし、特に地方の文化施設では日常業務で手一杯で、新たな取組を行う余裕がないのが現状だと思っております。
 この法案で推進する文化観光を担う人材の育成確保に対してどのように支援していくのか伺います。

#21
○政府参考人(今里讓君) 本法案では、拠点計画と地域計画に基づきまして文化資源の魅力の向上に取り組んでいただくわけでございますが、その中で、文化資源について専門的知見を有する学芸員等の人材の育成確保、あるいは文化資源の魅力の解説、紹介や情報発信、関係者間の調整など文化観光の推進に関する専門的知見を有する人材の育成確保、これらにも取り組んでいただくことを想定してございます。
 このため、支援でございますけれども、本法案の関連予算である博物館等を中核とした文化クラスター推進事業では、このような学芸員や文化観光に対応できる職員に係る人件費に対して支援をすることとしているところでございます。

#22
○石井浩郎君 この法案は、所管省庁である文部科学省、国土交通省が一体となって実施していくことは当然でありますが、地域において文化観光を効果的に推進していくためには、他の幅広い関係省庁とも緊密な連携を取っていくことが重要ではないかと思っております。
 現在、コロナウイルスの影響でインバウンドが激減しておりますが、いずれコロナウイルスが終息したときには、インバウンドを再びまた呼び戻すためのこの法案が起爆剤となることを期待をいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#23
○横沢高徳君 皆様、おはようございます。立憲・国民.新緑風会・社民の横沢高徳でございます。提出法案について質問させていただきます。本日もどうぞよろしくお願いを申し上げます。
 また、学校再開に向けて御尽力をいただいております文部科学省を始め各教育委員会、教育現場の職員の皆様に敬意と感謝を申し上げます。
 まず冒頭、新型コロナウイルスの影響による学校休校、学校再開についてお伺いをいたします。
 二月二十七日にありました一斉休校の要請は、安倍総理の政治判断によるものでした。そして、三月二十日に全国一斉休校要請を延長しないとして、感染拡大の地域を除き、四月からの学校再開を促されました。
 学校再開について発表した後、三連休は外出する人も見受けられました。再開発表後から東京都の新型コロナウイルスの感染者は右肩上がりに増えてきました。中には、オリンピック・パラリンピックの延期が決まってから感染者が軒並み増えてきたという声もあります。
 今回の件で、学校休校、学校再開が国民全体に与えるメッセージ性は極めて重いものがあると改めて感じました。
 大臣、学校休校、そして学校再開のメッセージ性のこの重みについて、大臣はどうお感じになられていますでしょうか。

#24
○国務大臣(萩生田光一君) 特に、全国一斉で休校をお願いをしたというのは過去にもなかったことなので、そういった意味では、国民の皆さんに感染が拡大している地域も、あるいは身の回りに感染者がいなくてなかなか実感として感じていなかった地域の皆さんにも、このコロナ対策に対しての思いというものが高まったという点では大きな成果があったのかなというふうに思っております。他方、やっぱり子供たち、日々の暮らしの中で学校というのは極めて重要な施設、拠点でありまして、この間、学校を休むことによって様々な社会活動にも大きな影響を与えたということは重く受け止めていかなくてはならないと思います。
 あのときには、とにかく子供たちの安全を守るということを第一に判断を了としましたけれども、再開に当たっては、今先生御指摘のように、あの三連休で何かトンネルから抜けたかのような思いを持ってしまった方も中にはいらっしゃるんだと思いますけど、決してそうではなくて、緊張感を持って感染拡大防止に力を入れながら、言うならばおそれを持って再開に臨んでいただくことを、再開をする自治体とは連携を取りながらしっかり対応していきたいと思っています。

#25
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 それでは、まず、学校休校が長引いた場合の授業日数についてお伺いをいたします。
 臨時休校を要請する二月二十八日付け通知において、制度上は、今回の臨時休校により学校教育法施行規則に定める標準授業時数を下回る場合でも問題ないとされております。また、補充の授業日数の必要性について、四月三日付けの通知で送付されているQアンドAの中にも、補充の授業を必ず行わなければならないものではなく、各学校で弾力的に判断することとなるようです。
 この点について改めて確認と、新年度においても方針に変わりはないものか、お伺いをいたします。

#26
○国務大臣(萩生田光一君) 学校保健安全法第二十条に基づく学校の臨時休業の措置が行われた場合、当該臨時休業期間中は指導要録上授業日数に含まないものとして取り扱われるため、欠席として記録されることはありません。
 また、臨時休業により学校教育法施行規則に定める標準授業時数を踏まえて編成した教育課程の授業時数を下回った場合は、そのことのみをもって法令に反するものとはならず、児童生徒の各学年の課程の修了又は卒業の認定等に当たっても弾力的に対処し、その進級、進学に不利益が生じることのないよう配慮することを依頼しているところです。
 さらに、その場合においても、児童生徒が授業を十分に受けることができないことによって学習に著しい遅れが生じることのないよう補習等を通じて学習支援を行っていくことが重要であり、今後とも学校の臨時休業を行う自治体と緊密に連携し、着実に取り組んでまいりたいと思います。
 四月以降の対応についても、三月の休校時と同じ対応を引き続きお願いしてまいりたいと思っています。

#27
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 今答弁いただいたように、変わりはないということなんですが、現場の先生の中には、年度が替わり、認識がまだ曖昧な先生も大勢いらっしゃるということです。そして、不安を抱えながら働いている方もいらっしゃるということをお聞きしましたので、これ、文科省の方で是非分かりやすくまた発信していただきたいと思うんですが、この点についていかがでしょうか。

#28
○政府参考人(丸山洋司君) 非常に大事な御指摘だというふうに考えております。
 先ほどもお話がありましたように、我々も様々、QアンドA等で周知を図っているところですけれども、適時適切に様々な形で情報提供をしっかりやっていきたいと思っております。

#29
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 それでは、設置者ごとに学校休校の継続か再開か判断が分かれる点についてお伺いをいたします。
 三月二十六日に新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく政府の対策本部が設置されまして、これを受けて、各都道府県にも教育委員会も構成員となる対策本部が設置されました。
 学校の再開をめぐっては、都道府県の境目や市町村の境目の問題もあります。隣の地域と学校再開、休校で判断が分かれる場合も当然出てくると思います。主な生活圏が隣の地域だったりということも当然想定されます。
 地元岩手県だと隣、宮城県気仙沼市で四月五日に感染者が発生しました。すぐ隣は一関市。県北ですと八戸でも四月三日に感染者が発生しております。共に生活圏は一緒でございます。このような場合、設置者も非常に判断に悩み、再開、休校の根拠を示すことが非常に難しいと思います。
 文科省が一概に判断できる事案ではないとは思いますが、もう最後の最後、この判断に迷ったときに、文科省としてこのような場合どう判断したらよいものなのか、まず大臣の御見解をお伺いいたします。

#30
○国務大臣(萩生田光一君) 地域一斉臨時休業については、新型コロナ感染症対策専門家会議の分析・提言によれば、感染拡大警戒地域における一つの選択肢と示されているところです。また、学校については、地域のみならず、生活圏ごとの蔓延の状況を踏まえていくことが重要であると示されております。
 地域の感染拡大の状況は様々であり、また児童生徒の生活圏や学校種、また児童生徒の発達段階により異なると思います。このため、設置者により判断が異なるのは当然の帰結と考えますが、文科省としては、それぞれの個別の状況に即して必要な情報の提供や助言を行うことにより教育委員会等の設置者をしっかり支援してまいりたいと思います。
 ちなみに、今日仮に緊急事態宣言が発令されて都市が指定された場合には、その都市については違う対応をしていかなきゃならないと思いますので、現在発出しているガイドラインとこれから指定をされると言われている七都府県の対応については、若干対応といいますか、国としての支援の仕方が変わってくることは御理解いただきたいと思います。

#31
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 次に、公立と私立の判断が分かれた場合についてお伺いをいたします。
 私立の学校は学校ごとの判断となると考えます。同じ地域の中で公立学校と私立学校の判断が違うというケースがこれからも考えられます。このような公立の設置者と私立学校の設置者の温度差について、文科省としてどのように対応していくお考えでしょうか。

#32
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 専門家会議では、例えば感染拡大警戒地域において、その地域内の学校の一斉の臨時休業も選択肢というような提言がなされているわけでございまして、そういった場合において、学校については、いわゆる地域のみならず、生活圏ごとの蔓延の状況等を踏まえていくことが重要であるというふうにされているわけでありまして、臨時休業の在り方について、児童生徒の生活圏内においてどの程度の感染が広がっているのかといったようなことを細やかにしっかり見極めながら、地域や児童生徒の実態を踏まえて対応していく必要があると思います。
 それぞれのエリアの中で、公立の学校、それから私学、どこに所在をしているのかとか、あるいは、私学の場合であれば通学が公共の交通機関を使っているようなケースも当然あるだろうというふうに思いますし、そういった様々な条件もいろいろ加味をしながらそれぞれで考えていく、検討していくと、設置者の方で考えていくということになろうというふうに思いますけれども、その辺りについて、先ほど申し上げましたように、しっかりした政府全体の現下の情報等についてしっかり周知をしながら、それぞれ対応を促してまいりたいというふうに考えております。

#33
○横沢高徳君 公立学校と私立学校のそういう情報共有の場というのはあるのでしょうか。

#34
○政府参考人(丸山洋司君) 公立の学校については地域の中で教育委員会の所管でございますし、それから、私学については首長部局の学事といったところの所管でもございますけれども、それぞれの中での、お互いの間での情報提供というのがあるかどうかというのはちょっとにわかには、それぞれの自治体の中でのお話かなというふうに思いますけれども、いずれにしても、しっかりした情報提供を国としては行っていくといったことかなというふうに思っております。

#35
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 やっぱり情報共有する場がこれからコロナウイルス感染症の対策について必要だと思うんですが、それは文科省の方でちょっとそのような対応をしていく考えはありますか。

#36
○政府参考人(丸山洋司君) これからそれぞれの都道府県において対策の本部が設置をされるということになると思います。その対策本部において、それぞれの学校設置者に対して要請であったり、また指示といったようなことも出てくるのかなというふうに承知をしておりますので、基本的にはその各都道府県の対策本部において検討していくということになりますが、文部科学省からも様々な通知、それから先ほど申し上げたQアンドA、そういったものを使いながら、政府全体としての情報提供ということについてはしっかりやっていきたいと思っています。

#37
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 是非、情報共有できる場をつくっていけるように取組をお願いしたいと思います。
 次に、新型コロナウイルス感染者及び医療従事者等を家族に持つ子供への偏見や差別についてお伺いをいたします。
 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、学校休校や外出自粛もあり、子供たちには大きなストレスが生じております。その中で、感染者の家族や医療従事者を家族に持つというだけでその子供が偏見やいじめを受ける事例が報道をされておりました。
 学校内外での偏見やいじめに対してどのように認識し、対応を検討されておられますでしょうか、文科大臣の御見解をお伺いいたします。

#38
○国務大臣(萩生田光一君) 新型コロナウイルス感染症を理由としたいじめや偏見は決して許されることではありません。
 このため、二月七日に保護者の方や教職員の皆さんに対する私からのメッセージとして、正しい知識に基づいて冷静に行動すること、このため、正確な情報を収集、把握すること、いじめや偏見は決して許されることではなく、適切な対応を取っていただくことについて文部科学省ホームページの特設サイトに掲載するとともに、SNS等で発信をさせていただきました。
 また、三月二十四日に作成した新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドラインにおいて、感染者、濃厚接触者とその家族、この感染者の対策や治療に当たる医療従事者とその家族に対する偏見や差別につながるような行為は断じて許されないこと、新型コロナウイルス感染症に関する適切な知識を基に発達段階に応じた指導を行うことなどを通じ、このような偏見や差別が生じないようにすることを改めて示させていただきました。
 新型コロナウイルス感染症を理由としたいじめや偏見が生じないよう、引き続き教育委員会等と連携しながら、子供たちに寄り添った適切な対応を行ってまいりたいと思います。

#39
○横沢高徳君 これは社会全体の空気感もあると思いますが、ここは是非大臣のリーダーシップで、偏見やいじめが発生してから対応するのではなくて、先手先手の取組が必要だと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

#40
○国務大臣(萩生田光一君) 御指摘のとおりでありまして、二月の段階で既に学校現場にそういったメッセージを発出をさせていただいて、この間、休校になるまでの間に、各学校の総合学習の時間ですとか道徳の時間などにこのことをテーマに多くの自治体が取組をしていただいていると思います。
 いずれにしましても、まだこの状況が続きますので、そういった皆さんへの偏見や差別があってはならない、このことを改めて教育現場としっかり共有していけるように努力をしてまいりたいと思います。

#41
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 これは子供だけの問題ではなくて、親も含めて新型コロナウイルスに対しての偏見や差別をなくすために政府として強いメッセージが必要だと考えますが、大臣、済みません、もう一度いかがでしょうか。

#42
○国務大臣(萩生田光一君) 例えば、指定区域に指定されるであろう東京都などにおいては、医療崩壊が寸前まで進んでいるということで、今日から民間のホテルを借り上げて、軽症の方、症状のない方にはそこに移っていただくという新たな方策を試みると承知しております。その関連で、我々も所有している文科省所管の施設を東京都にお貸しをする用意を今させていただいております。
 近隣の皆さんにもきちんと説明をした上で、やっぱり社会全体でこういった環境を整えていかなければ、誰もが感染するリスクがあるわけです。今は健常体であっても、あしたは自分が患者さんになる可能性もあるわけですから、是非こういった取組も社会全体で御理解いただけるように、政府全体でこのことはしっかり取組を、改めて先生の今の御指摘も踏まえて頑張ってまいりたいと思います。

#43
○横沢高徳君 どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、部活動に関わる問題なんですが、スポーツくじ、totoから助成を受けて、地域型スポーツクラブが地域の部活動を支えている現状があります。
 そこで、新型コロナウイルスの影響で、totoですね、totoの大会が軒並み中止になっております。totoについては身近にスポーツを楽しめる環境整備などのスポーツ振興の財源確保のために導入されており、地域型スポーツクラブにも助成しています。その地域型スポーツクラブ等が部活動や地域の学校教育と密接に関わっております。その現状の中、今スポーツくじのスポーツイベント、大会が軒並み中止になり、totoも発売されておらず、財源が確保されていないと考えられます。ということは、スポーツ振興全般への助成も減り、部活動や学校教育への影響が予測されます。
 totoの財源確保が難しく、来年度のスポーツ振興助成につきまして、文科大臣、御見解をお伺いいたします。

#44
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 令和元年度のスポーツ振興投票の売上げは、新商品のMEGABIGの発売などによりまして一千億円台に到達するペースで順調に推移してきたところでございましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によるJリーグ開催延期の影響等により、最終的には九百三十八億円、これは対前年度比で十億円の減でございますが、にとどまったところでございます。
 この売上げによります令和二年度、新年度のスポーツ振興くじ助成財源につきましては、対前年度比で四億円減の約百五十億円を確保したところでございます。まずは、この財源につきまして、スポーツ振興の観点から効果的な配分に努めながら、翌年度以降におきます安定的な財源確保のため、スポーツ振興投票の売上げ拡大に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。

#45
○横沢高徳君 売上げ拡大に努めるということなんですが、大会が開かれないと売上げもないわけですので。
 スポーツくじですね、toto、BIG、スポーツ振興助成金は今まで約一千九百三十三億円、これまで九百十三億円を国庫に納付し、教育、文化、青少年健全育成、スポーツの国際交流事業に充てられております。新型コロナウイルスの影響で大幅な減収分が考えられ、これは国が今後支えていくべきだと考えますが、萩生田文科大臣、この件に関して御見解をお伺いいたします。

#46
○国務大臣(萩生田光一君) 今次長が答弁しましたとおり、令和二年度については一定の財源確保をされております。先生御指摘のように、これ、Jリーグの試合が始まらないとtotoも当然売れないわけですから、売上げ見込みが立たないというのはもう現実問題だと思います。
 二年度についてはこのお金でしのぎながら、仮にそういう状況が長く続くことであれば、これ、この財源から今御指摘があった地域のスポーツクラブや様々なスポーツ活動に支援をしているわけですから、それが滞ってしまったら何の意味もないので、その場合には、新たな局面になった場合には国の責任でそれはしっかり対応していきたいと思っています。

#47
○横沢高徳君 ありがとうございます。対応いただくということで答弁をいただきました。
 続きまして、文化観光についてお伺いをいたします。
 まず、この委員会でも何度も議論になっておりますが、新型コロナウイルス感染拡大で文化観光への影響についてですが、二月二十六日に政府が全国的な大規模イベント等の自粛を要請いたしました。全国から人が集まることによる各地への感染リスク、クラスター発生の可能性を考えればやむを得ないことですが、自粛が長引くことで、文化イベントの関係者はますます経済的にも、経営上も非常に苦しい状況に置かれております。
 総理は三月二十八日の記者会見で、こういうときだからこそ、人の心を癒やす文化や芸術、スポーツの力が必要です、困難にあっても文化の灯は絶対に絶やしてはなりませんとおっしゃいました。大臣も三月二十五日、今回のコロナによって日本の文化芸術の灯が消されるようなことがあってはならないと答弁されました。
 文化芸術関係者に対しての支援、緊急経済対策が発表されると思いますが、どのようなものを今行う予定か、補償が行われるのか、お聞きしたいと思います。

#48
○政府参考人(今里讓君) 御指摘のように、新型コロナウイルスの感染の拡大を受けまして、様々なイベントが中止、そして文化観光の源泉となる文化資源の公開等につきましても影響が甚大なものとなっているところでございます。文化イベントの中止ですとか延期、それから規模縮小、博物館等の文化施設の閉館又は開館時間の短縮等の対応ということが具体的なことでございます。
 お尋ねの緊急経済対策の関係でございますけれども、これにつきましては、関係省庁と連携をいたしまして、まず、事業継続や生活維持に係る支援、これは文化芸術関係者ということでございます。それから、新型コロナウイルス感染症対策を含め、活動再開ということがありましたら、そのときに向けた支援ということ、それから、各地域での多種多様な文化芸術の体験や鑑賞の機会創出などについて検討をしているところでございます。
 引き続き、この困難を乗り越えるために、文化芸術に関わる皆様の意見を聞きながら文化芸術の振興に取り組んでまいりたい、このように考えております。

#49
○横沢高徳君 文化の灯を消さないように、今非常に厳しい状況ですので、引き続き、長期にわたって長引いた際の検討も今からよろしくお願いを申し上げます。
 文化観光の法律案についてお伺いします。
 従来にも同様の事業がある点についてですが、令和二年度予算には、本法律案で認定された拠点計画、地域計画に基づく事業に対しての支援を行う新規事業として博物館クラスター推進事業が計上されております。一方、文化庁は、平成三十年度及び令和元年度にも同趣旨の事業を計上し、観光振興、多言語化による国際発信、ユニークベニューの促進など、博物館を中核とした文化集積地区、クラスターの創出に向けての支援を行ってきました。
 従来の予算事業を充実させていくのではなく、あえて本法律案を提出する必要性は何なのか、従来の予算事業には何の問題があったのか、お聞きをしたいと思います。

#50
○政府参考人(今里讓君) 今御指摘ございましたように、従前より博物館クラスター形成支援事業という事業が私どもにはございまして、これは、博物館を中核として地域の文化資源の面的、一体的整備を行うために、地域の歴史、芸術等の魅力の発信ですとか開館時間を延長する、こういった取組などに対する支援を行っていたところでございます。
 こうした取組を本法案と相まって更に進めるために、今ほどございました新たな博物館等を中心とした文化クラスター推進事業というものを、この法案によりまして認定が行われた計画、拠点計画、地域計画での取組に対して支援をするということを考えているところでございます。
 まず、既存事業から支援対象経費を拡充した点について御説明を申し上げますと、新たに文化資源の磨き上げですとかWiFi、キャッシュレスの整備、それから学芸員等の確保、バリアフリー、展示改修等の整備等について支援を従前より上乗せして行えるというところでございます。
 こういった点を加えていくということは、私ども、その従前の事業を進めて、それから地域からの声をいろいろと丁寧にお伺いする中で、やはり例えば観光事業者との連携が不十分である点ですとか、あるいは交通アクセスの点でありますとか、それから外国人の対策というところがまだまだこれから取り組んでいきたいという声を非常に聞いているところでございますので、ここのところを支援するというスキームを法案とこの事業で進めたい、このように考えて提出しているというところでございます。

#51
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 部会でもいろいろと議論をしたんですが、非常に分かりにくいと皆さん、議員の皆さんも頭を抱えていましたが、そういうところでございます。
 それでは次に、拠点計画、地域計画の作成、特に学芸員の育成等についてお伺いをいたします。
 実効性のある計画作成や的確な計画認定がこの事業の成功の鍵を握ることとなると思います。計画作成に関わる文化施設側の中心的な人材としては、資料の専門家である学芸員が考えられると思います。ただし、現状の学芸員は、資料の収集、保管、調査研究などの関連事業についての専門的事項をつかさどるとされ、業務が非常に多岐にわたっています。その上、学芸員の数の平均は、博物館法の博物館でも一館当たり四人、博物館類似施設では〇・七六人にすぎません。こういった体制の中で、特に小規模の地方の博物館などですと、拠点計画、地域計画の作成にチャレンジしたいと思っても、それを申請するだけの時間と余力があるかという問題が生じます。
 拠点計画、地域計画を作成したいと思った施設がチャレンジ可能となるような環境づくり、特に小規模の博物館の実情を踏まえた学芸員等の配置の充実を実現できるような取組が必要だと考えますが、この点についてどうお考えでしょうか。

#52
○政府参考人(今里讓君) まず、先生御指摘のように、この拠点計画、地域計画、こういったものに基づきまして文化資源の魅力の向上等に取り組む、その際には、文化資源について専門的知見を有する学芸員の方々、こういった方々の人材の育成確保というのが非常に重要であります。
 また同時に、この文化観光の推進におきましては、文化資源の魅力の解説、紹介ですとか情報発信、それから関係者間の調整など、文化観光の推進に関する専門的知見を有する人材の育成確保、これにも取り組んでいただくと、こういうことが重要であるというふうに考えているところでございます。
 このため、本法案の関連予算でございます先ほど御説明いたしました博物館等を中核とした文化クラスター推進事業では、このような学芸員や文化観光に対応できる職員に係る人件費に対して支援をすることとしております。
 また、学芸員の育成あるいは能力の向上といったことにつきましては、従前より学芸員に対する研修ですとか様々な支援を私どもとしても行っているところでございまして、これは引き続き充実させていき、この文化観光の推進にも担い手となる部分の学芸員の育成、更に進めていきたいと考えてございます。

#53
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 次に、拠点計画、地域計画の認定、特にバリアフリー関係についてお伺いをいたします。
 拠点計画、地域計画が認定された場合、共通乗船券の発行、バス、船便の増便手続の簡素化といった特例措置が受けられます。しかしながら、地方圏によっては、そもそも地方交通が脆弱な地域もあります。また、高齢者や障害者がスムーズに乗り降りするためのバリアフリー化が遅れている地方もあります。
 地方などの交通、公共が脆弱な地域に所在する文化観光拠点施設への交通アクセスの向上をさせるための方策をどのように考えていますでしょうか。また、今回は東京オリンピック・パラリンピックを契機としたということですが、国内外からの来訪者も考えて、アクセスの向上、バリアフリー化の促進について、文科大臣、どのようにお考えでしょうか。

#54
○政府参考人(今里讓君) まず、バリアフリーと交通アクセスの向上の観点でございます。
 委員御指摘のように、文化観光の推進に当たりましては、様々な年齢層、それから国籍や文化背景を持つ方、障害者の方など、国内外からの多様な来訪者に対して文化資源の魅力に触れる機会を提供することが重要であると考えているところでございます。
 そのためには、もちろん館そのもののバリアフリーですとか多言語化、WiFiなどによって魅力をきちっと伝えていくと、こういう取組が必要でございますけれども、今御指摘のありました交通アクセス、これも非常に重要な観点でございます。
 そのためでございますけれども、本法案における拠点計画と地域計画におきましては、文化施設等が交通事業者等と連携をして、様々な交通手段を活用した快適で満足度の高い交通アクセスの実現に取り組むことを想定してございます。その際には、障害者の方、それから外国人の方も含めた幅広い来訪者を想定いたしまして、各交通手段のバリアフリー化の観点、それからこの交通アクセスに係る表示の多言語化ですとか、そういったことにも取り組んでいくと、こういうことを想定しているところでございます。

#55
○横沢高徳君 いろいろ想定しているという答弁でしたが、文化施設等のバリアフリーは目が行きがちなんですが、やっぱり文化施設へ行く、交通のアクセスという部分ですね、点々ではなくてルートでつなぐ、ちゃんとラインでつながるようなバリアフリーが見落とされがちなんです。大臣、ここはしっかりと取り組んでいただきたいんですが、どうでしょうか。

#56
○国務大臣(萩生田光一君) 御指摘のとおりでありまして、この法律の言うなら肝は、同じ文化施設でも、どちらかというと地域に依存していて余り脚光を浴びなかった、外からなかなか人を呼び込むことができなかった、しかし学芸術的にいろいろ調べていくと非常に深みがあって、そういったものを多言語で解説をしたり様々な環境を整えることによって、日本国内の他府県の人たちからも来ていただく、あるいは外国の人たちにも見てもらうという、そういう魅力ある資産を持っている自治体に是非磨き上げで頑張っていただきたいということであります。
 あわせて、それをきっかけに施設のバリアフリー、当然のことですけど、そこへ行くアクセスも含めた公共交通機関、道路交通網、こういったものの整備というのも同時にやることで初めて意味があると思っていますので、これを機会に、文字どおり拠点として、クラスターとして、町づくりの一環としてしっかり使っていただくことが大事だと思っておりますので、これは国交省とも連携をしながら、しっかりこの事業に合わせて支援をしていきたいと思っています。

#57
○横沢高徳君 ありがとうございます。ここが肝となるところだと思いますので、是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 それで、聴覚障害の方についての配慮についてちょっとお伺いしますが、調査によりますと、聴覚障害者用の字幕スーパー入りの映像などが整備されている博物館は一割にも届いていないという情報があります。
 聴覚に障害のある方が目で見て文化についての理解を深めることができる対応が必要だと考えますが、この点についていかがでしょうか。

#58
○政府参考人(今里讓君) 先ほど申し上げましたように、多様な来訪者が当然想定されるところでございます。その中に障害者の方ということで、先ほどバリアフリーというどちらかというと物理的な障害についてのことを比較的中心に申し上げたところでございますが、視覚に障害を持たれる方あるいは聴覚に障害を持たれる方、それぞれにつきましては、展示の工夫、それぞれの多様な方々のニーズといいますか、状況に応じた形での魅力がきちっと伝わるという形が必要でございますので、それぞれの取組はそれぞれの館でということになるわけでございますけれども、例えば東京国立博物館で様々な取組してございますので、そういった状況を各館にも情報を提供して取り組んでいっていただきたい、このように考えているところでございます。

#59
○横沢高徳君 今までもいろんな取組をされてきた結果、まだ一割という状態ですので、ここは改めて、今までどおりではなく、新たな取組として前に進めていただきたいと思います。
 あわせて、視覚障害の方についてもお伺いをしたいと思います。
 平成三十年に障害者文化芸術推進法が施行されてから、視覚障害者向けの音声ガイドなども充実してきているという報道もあります。視覚に障害のある方が文化芸術品を手で触れて感じ取れるような模型のような物を整備するという先進的な取組をしているところもあります。参議院の見学のロビーにも、国会を手で触れる模型が置いてあります、大臣も御存じだと思いますが。
 このような先進的な取組をやっぱり文科省としてしっかり今回のこの法律案に合わせて進めていく必要があると思いますが、改めて取組をよろしくお願いいたします。

#60
○政府参考人(今里讓君) 博物館等を中核とした文化クラスター推進事業、先ほど予算のことを御説明を申し上げましたけれども、その中でのバリアフリー対応として私ども想定してございます。想定しているというのは、これで取り組むことが可能だということでございますけれども、多言語化等の訪日外国人等のインバウンド向けのほかにも、例えば、文化施設内のスロープや障害物用のトイレ等の整備などに加えまして、視覚障害者向けの音声ガイドですとか点字プログラムの制作、こういったバリアフリー化の取組を支援していくこととしておりますので、こういった取組を各館でも進めていただきたいと、このように考えているところでございます。

#61
○横沢高徳君 なかなか、バリアフリー、バリアフリーという文言は耳に入ってくるんですが、具体的にどういうことを進めたらいいかというのはこれから、特に計画を立てる自治体は情報がないところもたくさんあると思いますので、是非積極的に情報提供をしていただけるようにお願いを申し上げます。
 それで、税金を投入してこのような事業を進めるに当たって、やっぱりふだん目が届きにくいところこそ整備を促進していく必要があると考えます。改めて、萩生田文科大臣、この点について御見解をお願い申し上げます。

#62
○国務大臣(萩生田光一君) 言うならば、自立をしているこういった施設については、もうその試みを更に続けてもらえばいいんだと思います。せっかく、この法案はどちらかというと、年間何十万人も人が集まる施設のすぐ近くにあるにもかかわらず、その交通アクセスがなくてなかなか人が回遊しない、だけどすごくいいものあるんですよというものを地元でアピールしてもらって、人を呼び込んだりすることが大事だと思っています。その取組を省庁横断でやっていこうというのがこの法案の大きな肝の一つです。
 あわせて、博物館や美術館を大きく見直す大きなきっかけになると思います。今先生御指摘いただいたように、バリアフリーといいますと、どうしても段差がなくなることがバリアフリーかのようなことになっている一面もあるんですけれど、フルスペックでバリアフリーのこういった文化に触れることができる大きなきっかけの一歩にしたいなと思っていますので、御指摘のあった点については様々目配りをしながら、細心の注意でいいものをつくっていくように、自治体と連携しながらやっていきたいと思っています。

#63
○横沢高徳君 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。

#64
○石川大我君 立憲・国民.新緑風会・社民の石川大我です。
 最初に、新型コロナウイルス対策についてお伺いをしたいというふうに思います。
 今日発出がされるのではないかというふうに言われております緊急事態宣言ですけれども、最初に、厚労省来ていただいておりますのでお伺いをしたいんですが、この緊急事態宣言が出た場合の業務の停止、それに伴う休業手当の義務なんですけれども、これが対象外になるんではないかと。企業の自己都合とはこの緊急事態宣言が発出することによって言えなくなるというような新聞報道、メディアの見解が出ているようですが、これ問い合わせたところ、そうではないんだというようなお話がありましたが、その辺り、お聞かせください。

#65
○政府参考人(村山誠君) お答えを申し上げます。
 ただいま委員御指摘の労働基準法第二十六条では、使用者は、その責めに帰すべき事由による休業について休業手当を支払わなければならないとされているところでございます。その上で、御指摘の新型インフルエンザ特別措置法に基づきます緊急事態宣言がなされた場合についてでございますけれども、緊急事態宣言がなされることによって一律に休業手当の支払義務がなくなるものではございません。
 そもそも、労働基準法に基づく休業手当の支払の要否につきましては、使用者の責めに帰すべき事由に当たるか否かが先ほども申しましたように法律上問われるわけでございますけれども、これにつきましては、使用者としての休業回避のための具体的な努力、例えば自宅勤務などの方法によってその労働者の方を業務に従事させることが可能な場合においてこれを十分検討されたかどうかでありますとか、あるいは労働者の方をほかに就かせるような業務が社内にあるというような場合であるにもかかわらず休ませていたかどうかでありますとか、そうした諸般の事情を総合的に勘案して判断する必要があるものでございますため一概にお答えすることは難しいわけではございますけれども、過去の裁判例等を見ても、事例ごとに判断されてきているというものでございます。
 こうした考え方につきましては、ただいま委員から御指摘もございましたように、様々御指摘もございますことから、厚生労働省のホームページにおきましても分かりやすくお示ししているところであり、また、本日の閣議後の記者会見におきましても、今申し上げたようなことについて加藤厚生労働大臣から御説明を差し上げているということでございます。
 取りあえず、休業手当の要否については以上でございます。

#66
○石川大我君 その辺り、是非しっかりと告知等、アナウンスしていただきたいと思います。緊急事態宣言が出れば、会社としてはもう休ませたものはお金払わなくていいんだというような、そんな乱暴なものではなくて、お話がありました休業の回避とか、そういったことをしっかりしていただいて、働く人たちのしっかりと雇用が守られるように、生活をするお金がしっかりと出るようにということをしっかりやっていただきたいと思います。
 それで、小学校の保護者の皆さんですけれども、小学校休業等対応助成金・支援金の給付期間ですけれども、三月三十一日に適用日を六月三十日まで延ばすというような発表がありました。これ、今後、緊急事態宣言が出た場合、休校が予想されますけれども、この場合も給付対象になるということで、確認ですけれども、よろしいでしょうか。

#67
○政府参考人(本多則惠君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金及び支援金につきましては、休暇取得の対象期間を六月三十日まで延長するというプレスリリースを三月三十一日に行ったところでございます。

#68
○石川大我君 ありがとうございます。
 是非よろしくお願いしたいんですが、ただ、この給付金の申請なんですけれども、これ、例えばウエブ申請ですることができなかったりと、基本的に紙でやるということだったりとか、いろいろ各書類が煩雑だったりもしますが、この辺りもう少しスムーズに、スマホで申請ができるような、そんなシステムというのは考えていらっしゃらないんでしょうか。

#69
○政府参考人(本多則惠君) お答えいたします。
 今回の助成金・支援金の制度を設計いたします際に、極力簡便な手続になるように検討いたしたところでございます。ただし、ウエブ申請につきましては、そのシステム構築等に時間が掛かるということで、迅速に支給を開始したいという趣旨から、今回は郵送での申請ということにいたしております。そのほか、処理を迅速にするなど、極力利便性を図っていきたいというふうに考えております。

#70
○石川大我君 是非この申請、なるたけ簡単な方法にしていただきたいというふうに思っています。
 これ一回、ひとまず二月の二十七から三月の三十一日までということで、もう既に申請が始まっているかと思うんですが、申請、これたくさん来ていますでしょうか。あと、まだ支給の方はゼロ件だというふうにお話を聞いているんですが、これゼロ件ということでよろしいでしょうか。

#71
○政府参考人(本多則惠君) お答えいたします。
 申請の状況でございますが、この小学校休業等対応助成金及び支援金につきましては、三月十八日から支給申請の受付を開始いたしまして、現在、確認作業等を鋭意行っているところでございます。
 現在、手元にあります数字が三月二十九日時点のものになりますが、申請書の到達件数が、企業向けの助成金が約百八十件、個人向けの支援金が約百五十件でございます。三月二十九日時点では支給決定はまだ行われていないところでございます。その後、申請は増加しているというふうに聞いております。

#72
○石川大我君 これ、いつ頃給付が始まる見込みでしょうか。つまり、三月お仕事がなくて、それで、通常ですと、三月お仕事したものが四月の半ばですかね、四月の二十日、二十五日ぐらいにお給料が入るというような、そういった、通常ですと、お仕事をしているとそういう段取りだと思いますけれども、これできるだけやっぱり早く、四月の半ばから下旬ぐらいにこの支給というものができるんでしょうか。

#73
○政府参考人(本多則惠君) お答えいたします。
 現在、到着したものから審査を開始いたしまして、できるものから極力速やかに支給をしていきたいというふうに考えております。

#74
○石川大我君 時期はいつ頃を考えておりますでしょうか。

#75
○政府参考人(本多則惠君) 申請いただいたものの内容によりますけれども、中には申請の記載漏れがあったり添付書類に不備があった場合には修正していただくことも必要になりますが、そうでないものについてはできるだけ速やかに処理をしてまいりたいと考えております。
 はっきりと日数を申し上げることはちょっと難しいと思っております。

#76
○石川大我君 目安というものはあると思うんですね。やはり三月働けないというような状況で、やっぱり四月の半ばから下旬にかけてお給料が入るべきものが入らない、それをきちんと補填をしてもらうということが大切だと思いますが、せめて目安は示していただきたいと思いますが、いかがですか。

#77
○政府参考人(本多則惠君) お答えいたします。
 ほかの助成金については目安を示しているものもございますけれども、例えば、一か月とか二か月とかそういう目安が示されているものもあると承知しております。
 今般の助成金・支援金につきましても、到着して審査を極力迅速に行いまして、できるだけ早い支給を行っていきたいと考えております。

#78
○石川大我君 時期を言っていただけないんですけれども、今はいいんです、今はまだ蓄えがあるけれども、あともう一か月、二か月もたないという方たちたくさんいらっしゃいますので、是非迅速にしていただきたいと思います。
 あともう一つ、フリーランス向けの支援金ですけれども、一日四千百円ということで、暴力団、接待飲食業、性風俗業の関係者、この方たちには不支給ということでしたが、昨日の委員会で菅官房長官、見直したいというふうに答弁しましたが、厚労省の方、具体的にどのような見直しになっておりますでしょうか。

#79
○政府参考人(本多則惠君) 今般の小学校休業等対応助成金・支援金の支給要件につきましては、前例のない事態に迅速に対処することが求められる中で、まず雇用関係助成金に共通の支給要件に準ずる形で設定をしたものでございます。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大や学校休業の延長が見られる状況の中で、本助成金・支援金につきましては、接待飲食など自粛要請によって厳しい環境にある関係の皆様について、子供の健康、安全の確保と保護者の生活支援を第一に考え、風俗関連事業者につきましても限定なく対象することといたしました。
 本日朝の会見で大臣の方からそのような発言をしておりまして、本日中にプレスリリースもさせていただく予定としております。

#80
○石川大我君 これは、合法的に働いている方たちにこれ支援金で差別するということ、絶対にあってはならないというふうに思います。
 そしてまた、接待飲食業や性風俗業の方々というのは、やっぱり社会的に弱い立場にある人たち、またシングルマザーなども含まれているというふうに思います。こうした方にこそ光を当てていくべきだと思いますが、大臣にお伺いしたいんですが、学校で差別や排除を受ける可能性の高い方たち、こうした方たちに支援金支給しないんだというような決定が一回なされ、そして今回支給をされるということですけれども、こうした方々にまた差別が起こらないように努めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#81
○国務大臣(萩生田光一君) 政府として今その対応を全体で考えていると承知をしております。当然、職業によって差別があるようなことはあってはならないと思いますので、徹底してまいりたいと思います。

#82
○石川大我君 ありがとうございます。是非対応をよろしくお願いをいたしたいと思います。
 あと、DVに関しても深刻な状況になっているというふうに思います。
 五日の日に国連のグテーレス事務総長が会見をしまして、新型コロナウイルス対策の主要項目として女性への暴力防止と教育を各国に求めるというふうに言っております。フランスでは一週間で家庭内暴力の件数が三割以上増えたというようなデータもあるようですけれども、様々な見守りが学校の中で必要だというふうに思っております。
 多忙な教職員の皆さんの負担増にならないようにしつつ、特に配慮を要する子供や家庭への見守り、これを充実させていくべきだというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

#83
○政府参考人(依田泰君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の発生と対応に伴いまして、委員御指摘のように、子供や家族をめぐる生活環境が変化していることが想定されるところでございます。
 このため、学校の臨時休業等を踏まえまして、三月四日、地方自治体に対しまして、教育委員会等の学校関係者、また関係機関と緊密に連携いたしまして支援対象児童等の状況の変化の把握に努める、また要保護児童対策地域協議会の実務者会議でありますとかまた個別検討会議を適宜開催いたしまして、主たる支援機関の見直しも含めまして、地域におきまして支援対象児童等に必要な支援が講じられるよう取組をお願いする旨の依頼を行ったところでございます。
 厚生労働省といたしましても、引き続き、状況を注視しながら、支援が必要な子供に適切な対応が行われるよう、文部科学省等関係機関と連携しながら取り組んでまいりたいと存じます。

#84
○石川大我君 最悪の事態、これを想定をしていただきたいというふうに思います。
 イタリアでは、DVや児童虐待の被害者に対して避難所を提供するということができない場合、ホテルや空いている住宅などを確保し、その費用を政府が負担するというふうに発表しています。こうした緊急の対策もしっかりしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#85
○政府参考人(依田泰君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症への対応につきまして、外出の自粛でございますとか休業等の状況下におきまして、生活不安でありますとかストレスによるDV被害の増加や深刻化が懸念されるところでございます。このため、十分な感染防止対策を行いつつ、DV被害者等に対する相談支援から保護に至るまでの支援を継続的かつ迅速に実施するよう自治体に対しても要請を行っているところでございます。
 児童虐待についても先ほど申し上げたとおりでございますけれども、委員御指摘の例えばDV被害者でございますとか児童虐待を受けた児童、一時保護ということで保護するわけでございますけれども、DVでありますと婦人相談所で自ら保護する、また婦人保護施設、また母子生活支援施設、民間シェルター等を活用してそういうところに一時保護する。また、児童虐待であれば児童相談所、また児童養護施設等に委託をして、こういうところで委託をしてというようなことで、連携しながら対応していくということで、しっかり対応してまいりたいと存じます。

#86
○石川大我君 今の状況、通常時と違うんだという認識を持ってやっていただきたいと思います。
 アーティストの皆さんへの支援についてお伺いをしたいと思います。
 おとといの日曜日ですけれども、事務所のスタッフが杉並区を拠点に活動している日本フィルハーモニー交響楽団の方にインタビューをさせていただきまして、この委員会でもその状況をお伝えすることを許可をいただきましたけれども、四月末までに日本フィルハーモニー交響楽団、二十二公演が中止になっております。一億二千万円減収をしているということで、会場費とか、これエキストラと呼んでおりますけれども、楽団以外の方たちでサポートに入る楽器を弾く方、この方たちのキャンセル料というのも支払っていると。あと、固定費は一か月で四千万円。百人の正規雇用の方たちがいらっしゃいまして、スポンサーがいないため演奏でしっかり稼いでいるということで、七割が演奏の収入で賄っているということで、非常にしんどい状況で借入れなどもしているということですが、こういった皆さんの支援、必要だと思いますが、いかがでしょうか。

#87
○政府参考人(今里讓君) 今回の新型コロナウイルス感染症の拡大を受けまして、文化芸術関係者の方々、現時点で活用できる支援策につきましては、政府全体の話になりますが、金融公庫等による緊急貸付けですとか保証枠の拡充、それから雇用調整助成金の特例措置の大幅拡充などがございます。
 また、現在、緊急経済対策として関係省庁として連携いたしまして、事業継続や生活維持に係る支援、新型コロナウイルス感染症対策を含め活動の再開に向けた支援、各地域での多種多様な文化芸術の体験や鑑賞機会創出などについて検討しているところでございます。
 委員御指摘のように、文化芸術の灯を絶やさないためにも、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため文化芸術活動の自粛を余儀なくされた方々に対して支援を行うことは重要でございます。今後とも、必要な支援策を政府全体で検討してまいりたいと考えております。

#88
○石川大我君 この問題、終息した後に、みんな、例えば学校単位で音楽を聴きに行く機会を増やそうとかそういうプログラムはあるんですが、今ここにある危機をしっかり乗り越えられるような、そういった経済的な支援というのをしていただきたいというふうに思っております。
 ドイツ政府などは、アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだということを言ってみたり、しっかりとこの文化芸術を守っていくということ、大切だというふうに思います。
 そして、先ほどの日本フィルなんですけれども、社団法人という、一般財団法人に関する法律で規定をされているんですが、一般社団法人の資格を持っておるんですが、これですね、純資産が二年間三百万円を下回ると解散というこれルールがありまして、債務超過が確実というふうにおっしゃっている中で、これやっぱり少し対応を考えていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

#89
○政府参考人(今里讓君) 今お話がございましたオーケストラが財団法人、社団法人といったいわゆる公益法人の形態を取っているものが多いということは私ども承知をしているところでございます。そして、その法人に関する、内閣府の所管になりますけれども、一般的なルールとしてそういったことがあるというのも承知をしているところでございます。
 しかし、こういう状況でございますので、そういったルールというものにどのように柔軟に対応することができるのか、政府部内でちょっと研究をしてみたいと、このように考えております。

#90
○石川大我君 是非、緊急事態ですので、このような債務超過によって法人格失うというようなことがないようにしていただきたいというふうに思いますし、場合によってはこれ法改正も必要ということもありますので、そういったところも視野にしっかりと検討いただきたいというふうに思っております。
 続きまして、学校に関してなんですけれども、学びの確保、これ必要だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

#91
○国務大臣(萩生田光一君) 学校の臨時休業期間に際して、児童生徒が学習を進める際にICTを活用することも有意義でありまして、既にICT環境整備が進んでいる自治体においては積極的に活用いただきたいと考えております。
 いずれにしましても、プリントを渡して、それが記述がしてあって学校に提出されたから、それをもって授業時間を確保されたということにはならないと思います。思いますというのは、不利益を被らないという意味では、それはきちんと保障していきたいと思うんですね。進級ができないとか進学ができないということがないようにしたいと思います。他方、それをやったから授業の補習や何か一切しなくていいんだということにはならないと思います。
 今我々心配していますのは、特に指定区域の学校、一か月といいますけど、どういう状況になるか分かりません。また、指定区域外でも、感染拡大警戒区域などは休校を少し長く取らなきゃならない自治体も出てくると思いますので、これ、今先生もおっしゃいました緊急事態、異常事態だと思います。今までの例に倣った支援策じゃなくて、マンパワー含めてしっかりサポートして、失われた時間がないように、しっかり授業の確保ができるように、しっかり頑張っていきたいと思っています。

#92
○石川大我君 まさに大臣おっしゃったように、今後、これ緊急事態ということで休校と再開を繰り返すような事態もあるというふうに思っております。文科省が作成した学校の臨時休業の実施状況、取組事例等についてというのがとてもウエブページで参考になると思います。
 ICT化、これをきっかけにしっかりと積極的に進めていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

#93
○国務大臣(萩生田光一君) ICT化を当然進めていかなきゃいけないと思いますけれど、既に休校が始まりますので、できる限り既存インフラで子供たちの、学校、オンラインがつながるような努力をしていきたいと思っています。
 具体的には、学校にあるパソコンやタブレットの持ち帰りを容認していくという自治体との連携をしていきたいと思うんですけれども、しかし、持ち帰ったところでWiFi環境がなければ使えないという端末も中にはありますので、ルーターの買上げをして、それを児童生徒に貸し出すということも考えていきたいと思っています。
 また、この際、御家庭にパソコンやタブレットがあって、それを学校との連絡、授業に使っていいという了解をいただければ、そういったものも活用させていただければ、御家庭にある家庭はそれを使っていただく、ない家庭は学校のを持ち帰りをしていただく。しかし、そうはいっても、一年生から六年生、中学一年生から三年生まで全部持ち帰るだけの環境整備が今なされているかというと、まだそういう状況にありませんから、優先順位を付けて持ち帰りをしていただくようなこともして、自治体とこれから連携を取って対応していきたいと思います。
 いずれにしても、この機会にICT進んだと逆にいつの日か振り返ったときに言ってもらえるような努力を、これはもう全力で加速を増して頑張っていきたいと思います。

#94
○石川大我君 五年の目標というのがあるわけですけれども、新品でばんとそろえるというわけでなく、先ほどお話ありましたが、活用できるものは何でも活用して、そして緊急事態宣言が出るような地域を優先しながらということもあってもいいのではないかというふうにも思っておりますので、進めていただきたいと思います。
 済みません、法案について御質問をしたいと思います。時間が少しなくなってまいりました。
 本法案によって博物館を中核とした文化クラスターが推進され、魅力ある博物館を増やし、その基盤を厚くしていくことというのはとても大切なことだというふうに評価をする一方、一部の博物館に光が当たってしまって、大多数の博物館については逆にこれ競争にさらされてしまうのではないかという危惧がありますけれども、その点いかがでしょうか。

#95
○政府参考人(今里讓君) 全国各地の博物館は、資料の収集、保管、展示、調査研究、教育普及などの様々な活動を通じて、地域の教育、学術、文化の発展に寄与しているところでございますが、そのうち、今御指摘のございましたような少なくない博物館が、調査研究に充てる予算や学芸員の減少、来館者の不足など、様々な運営上の課題を抱えていると認識しております。
 本博物館は、このような日頃日の当たらないような、光の当たらないような博物館についても、魅力の向上ということで光を当てて支援をしていく、そして文化の振興、経済の振興、観光の振興といった好循環をつくり出して文化の振興につなげていくと、こういうことでございますので、その中で、こういった取組を進めていく、文化観光の推進の取組を進めていく博物館について支援をしてまいりたい、このように考えてございます。

#96
○石川大我君 この法律できることで、当該の文化財や地域の魅力の増進についてどのように役立つというふうにお考えでしょうか。
 先日、衆議院で城井議員も質問されておりましたが、改正文化財保護法で実現できず、本法で実現するものは何でしょうか。いま一つ分かりにくかったので、もう一度丁寧にお答えいただければと思います。
 共通乗車船券などの仕組みや、町や村、都道府県による文化財の登録の提案については、実際のニーズに基づいたものなのか、これまでの実績も踏まえてお知らせください。

#97
○政府参考人(今里讓君) まず、この法案の目的でございます。
 今ほど少し申し上げましたけれども、文化財の保存、活用につきましては、既存の文化財保護法、これに基づく予算措置等により対応していたところでございますけれども、本法案では、文化の振興を基盤として観光の振興と地域の活性化につなげ、これによる経済効果が文化の振興に再投資される、こういう好循環を創出することを目的としております。
 これまでの施策との関連で申しますと、このため、本法案では、これまで連携が進んでこなかった文化施設と地域の観光関係事業者等との連携、これを制度として新たに設け、法律上の特例措置とともに、国土交通省、文部科学省を中心に各省連携の下、各種の予算措置等を集中的、一体的に講じてまいるということでございます。
 また、文化財の登録の提案につきましては特例として設けているわけでございますけれども、昨年四月から施行された文化財保護法上も同様の措置を設けておりまして、実際に検討を進めている自治体もございます。本法案におきましても、このような特例が活用されることによりまして、文化財の魅力の発信や当該文化財の知名度の向上に伴って来訪者を引き付けることが可能となると考えております。
 また、もう一つの特例として設けております共通乗車船券の発行等の交通アクセスの向上についてでございます。
 これまで同様の特例が設けられている既存の法律につきましても一定の活用実績があるところでございますけれども、本法案におきましては、既存の法律とは異なりまして、文化観光拠点施設や地域への来訪を目的にしたものを発行することを可能とすること、それから、外国人の観光旅客とともに、それだけではなくということでございますけれども、国内の来訪者も対象とすることとしておりまして、これによりまして公共交通事業者を含めた様々な関係者を巻き込んで計画を策定し、それに基づき文化観光拠点施設の機能強化及び公共交通の利便性の向上が図られることを期待している、こういうところでございます。

#98
○石川大我君 法が実際に動き出す時期についてなんですけれども、従来、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの競技大会の開会式がある二〇二〇年七月二十四日に間に合うことが望ましいとされてきましたが、延長が決まりました。これらに変化がないのかということと、本法の制度は必ずしも十分に自治体に周知されていないようにも感じますが、二十五件認定して六月末に行って終わりということではなくて、もう少し何期かに分けてこういったもの、いいものは順次採用していくという方向が望ましいと思いますが、いかがでしょうか。

#99
○政府参考人(今里讓君) 本法案につきましては、早急に取り組みたいという要望を文化施設や自治体からいただいているところでございます。本法案の成立後速やかに政省令の制定、基本方針の策定を行いまして、文化観光を推進するための制度的な枠組み、これを整えたいというふうに考えているところでございます。
 その上ででございますけれども、本法案の施行後は、新型コロナウイルスの感染の状況などを踏まえつつ、自治体や施設所有者などの関係者にとって適切な形で計画の申請受付などの実務を行っていく、このような必要があると考えてございます。
 このため、四月から文化庁に新設をいたしました文化観光担当の参事官においてできる限りの丁寧な周知を行うとともに、今年度に関しては複数回の申請の受付を行うなどの工夫をする、こういう必要があると考えているところでございます。

#100
○石川大我君 今、複数回の受付という言葉、おっしゃっていただきましたので、是非、周知もしながら、いいアイデアを採用していただきたいなというふうに思っております。
 オリンピック・パラリンピックの延期も決まりました。インバウンドの回復にも相当な年月が必要な状況となっています。それでも博物館などを中核とした文化クラスターの形成は大変意味があると思いますので、是非これは成功させていただきたいと思います。
 ただ、先ほども述べましたとおり、インバウンドの獲得を目的とするのではなくて、インバウンドを契機とした、日本の博物館の質を高め発展させていただくことを目指すものであってほしいというふうにお願いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#101
○水岡俊一君 立憲・国民.新緑風会・社民の水岡俊一でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず、大臣にお伺いをいたします。
 本法案を読み込んでみると、例えば第二条第四項にこういう言葉がございます。「観光旅客の移動の利便の増進」、次の行には「文化観光に関する利便の増進」、またその三には「観光旅客の利便に供する施設との連携の促進に関する事業」と、こういうふうな言葉があるんですね。
 こういう文言が並んでいるところを見ると、何かそういう経済面ばかりが優先をされて、本来、文化資源の保存及び活用という、そういった面、言い換えると社会教育面ですね、そういったものがないがしろになるんではないかという、そういう危険性を強く感じるところです。我が党でも、この法案を検討したときに多くの疑問点が出たというか、不安な意見が寄せられたのはこの点であります。
 こういったところを大臣はどのように考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

#102
○国務大臣(萩生田光一君) 先生、貴重な御視点を御指摘いただいたと思っています。
 間違っても、観光が先にあって文化芸術が後になるのでは困るので、その証左として、主務大臣、二人おりますけれども、この文科、文部科学委員会で御審議をいただき、私が主務大臣として答弁をさせていただいたのはまさにそのことでございます。
 法案の文面を見るとそういう誤解も一部あるかもしれませんけれど、ここは先ほど他の委員にも御答弁させていただいたように、博物館や美術館の大きく見直しをするチャンスだと思っておりますので、中身も含めて充実、努力をさせていただきたいと思っています。

#103
○水岡俊一君 非常にその点大事なところだと思いますので、是非ともしっかりとした考えを持って臨んでいただきたいなというふうに思っておりますが。
 文化資源の保存及び活用という、文化面ということを私申し上げました。これに関わっては、先ほど横沢委員の方からも御質問がありましたが、我が国の文化活動の基盤を担う人材として、例えば文化財の位置などを分かりやすく説明できる、そういった学芸員があるというふうに思います。
 この学芸員のことについて先ほども質問があったんですが、その人材の育成確保等に向けた施策についてどのように考えているのか、これについて衆議院からもいろんな質問が出ておりました。そのお答えも大臣からもいただいているんですが、是非ここで具体的な数字を加えた上で御答弁をいただければより分かりやすいのではないかなと。どのように学芸員を確保しようとしているのか、その学芸員の育成にどういうふうに関わってきているのか、そういった点をお答えをいただきたいと思います。

#104
○政府参考人(今里讓君) 今御指摘ございましたように、全国各地の博物館は、資料の収集、保管、展示、調査研究、教育普及などの様々な活動を通じまして、地域の教育、学術、文化の発展に寄与しております。その中で、学芸員を始めとした専門職の方々、重要な役割を果たしていると認識しております。
 文部科学省では、従来から、学芸員を始めとした人材の育成確保などに向けた取組といたしまして学芸員の資質向上のための各種の研修事業等を実施しておりますが、令和二年度からは、こうした人材育成に係る予算や内容面について拡充をして実施していく、そういう所存でございます。
 具体的には、博物館の人材育成に関する経費、昨年、令和元年度予算ではこれは一千三百万円でございましたけれども、これを約四倍の五千六百万円とし、拡充した予算を組んでいるところでございます。
 そして、これを活用いたしまして、従来から取り組んできた中堅学芸員、新任博物館館長、博物館マネジメント層、教育普及活動向けなどの多様な研修を実施するほか、令和二年度からは若手学芸員等の海外研修事業の対象人数や期間を拡大。具体的に申しますと、令和元年度はその人数が二名から五名程度であったところが、令和二年度は予算上五名から十名を派遣する、そして期間につきましては、令和元年度一か月から三か月程度としておりましたのを三か月から一年の期間とするという形に拡充をいたしまして、派遣期間中の人的な補填も行うなど、多様なニーズに対応した人材育成に努めてまいるところでございます。
 また、このような予算の事業を進めつつ、平成三十年十月の文化庁の組織再編に伴いまして、従前、美術館及び歴史博物館のみが所管であったものを博物館全体の所管を文化庁に一元化した、こういうことを踏まえまして、昨年十一月、文化審議会に新たに博物館部会を設置したところでございます。
 この博物館部会におきまして総合的な博物館の振興方策の検討に着手したところでございまして、そこでの検討も踏まえて、学芸員などの人材育成も含めた今後の博物館支援策を講じてまいりたい、このように考えております。

#105
○水岡俊一君 学芸員を確保していくという点においては、学芸員として本当にしっかりとした働く場所、そして働く目的、そしてしっかりとした雇用の安定、そういったものが非常に大事だと思うんですね。
 これは通告をしていないんですが、そういった学芸員の社会的地位の向上ということについて、私は非常に大事だと思うし、これは関係省庁からしっかりとそこの部分を見ていただきながら向上を目指していくことが大事だと思うんですが、大臣、これについてはお考えありますか。

#106
○国務大臣(萩生田光一君) 全国の学芸員の皆さん、その増減は余り変わっていないんです。一定の人数はいらっしゃるんですけれど、しかし、例えば、先生、三十年前に地元にできた美術館で学芸員で専門職として採用された地方公務員の方、三十年間その美術館守って頑張って働いていらっしゃるんだけれど、予算の関係でほとんど展示物が変わっていない。これ、新しいことを学ぶ機会もなくて、専ら駅前再開発で遺跡が出た場合の遺跡調査のサポートに回っているという、こういう感じが地方の学芸員の皆さんの一般的な仕事に今なってしまっています。
 ですから、今次長から答弁がございましたように、もうちょっと全国的に交流をさせて皆さんの質の向上を図っていく、言うならば知識の向上を図っていくことも大事だと思いますし、実は二十一条に国の責任が記されているんですけれど、今まで門外不出だった国の美術館や博物館のものも、この指定をされれば貸出しを積極的にしていこうと思います。なぜ上野の博物館の学芸員の皆さんがわくわく仕事をしているかといったら、常設展示物じゃなくて常に特別展があって、新しいものが入ってくるのでみんな勉強するんですよね。
 ですから、そういう機会を地方の皆さんにもしっかり提供していきたいと思いますし、学芸員という仕事が生涯の仕事になれるように、この機会に、博物館、美術館だけじゃなくて、学芸員という職業にもしっかりスポットライトを当てて伴走していただきたいなと。私自身はこの法案をきっかけにしっかりサポート体制を強化していきたいと思っていますので、逆に御支援をお願いしたいと思っています。

#107
○水岡俊一君 大臣、今、学校再開のことについても先ほどから議論がございました。
 三月の二十四日に大臣が答弁をされているところを私、読んでみますと、こういう御発言がございました。手洗い、せきエチケット、消毒による清掃などの基本的な感染症対策の徹底に加え、集団感染リスクを防ぐ観点から、毎朝の検温、授業ごとの換気の励行、また、近距離での会話や発声などの際のマスク等々という、こういうような御発言がございました。
 これ大臣、具体的に例えば毎朝の検温と、こういうふうにおっしゃいましたけれども、具体的なイメージ、学校でそれがどういうふうに行われるかという、そういうイメージってございますか。

#108
○国務大臣(萩生田光一君) 基本的には、登校前に家庭で検温していただいた表を提出していただくということをイメージしています。しかし、忘れてしまったり、あるいはその機会がなかった子供たちのためには保健室などで学校で対応していただくことを二段階で考えているところでございます。

#109
○水岡俊一君 当然そうだろうなと思うんですけれども、実際に学校再開ガイドライン、これは、文科省が三月の二十四日に新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドラインの中にこういう記述があるんですね。実際よく読んでみると、おうちで検温してくださいね、それが漏れたら今大臣がおっしゃったように保健室でやりましょうと、これはもう理解できるところなんですよ。
 ところが、この中にチェックリストというのがあるんですね。これこれちゃんとできていますかというチェックをずっと入れていくチェックリストの中にこう書いてある。児童生徒及び教職員の毎朝の検温、風邪症状の有無等の確認を行う準備ができていますか。こう書かれると、何か学校でやらなきゃいけないような、そんな錯覚に陥る、そういった人たちもいるんですね。ですから、もう少し丁寧に書いてほしいなと、こういうふうに思っているところであります。
 そういった中で、保健室で検温をする、これ、今までの感覚だったらそれほど何か難しい話でもないし、違和感がある話でもないんですが、今ここに至っては、保健室で体温チェック、何でするかですよね。それはもう体温計といえばそうなんですが、昔のように脇に挟んで体温を測るという方法だけだと、これは感染のリスクも出てきますよね。実際に学校には高度な非接触の体温計があるとはちょっと思えませんし、今後、これ文科省としてはどういうふうな、子供たちの検温においてどういうふうな指導をしていかれるおつもりか、あればお聞かせをいただきたいと思います。

#110
○国務大臣(萩生田光一君) 脇に挟む体温計の場合はその都度の消毒などの作業が必要になります、朝の忙しい時間に。少人数でしたらそんなに負担にはならないと思うんですけど、万が一ということも考えなきゃならないんで、今日夕刻に決まります経済対策、補正予算の中に非接触の体温計を是非準備したいと思って、考えているところでございます。

#111
○水岡俊一君 そういったものが本当に緊急に必要だと思うので、予算を付けていただくことがまず大前提でありますけれども、予算は付いたけど物はないということではどうにもならないので、そこは政府主導でしっかりと学校現場に行き届くように配慮を願いたいと、こういうふうに思っております。
 そういったときに、養護教諭と言われる方々、大変御苦労されるんですね。
 学校というのは規模がいろいろありまして、三十学級ないと養護教員は二人配置にならないんですよね。ということは、例えば一学年四学級で六学年ある、二十四学級だと養護教員一人なんです。この養護教員一人で約千人にも上る子供たちの中で朝体温を測れなかったから保健室に来なさいとか言って、これは大変な話になると思いませんか。
 ですから、こういったことも具体的なシミュレーションをしながら指示を出していただくというか、いろんなことの検討をいただきたいな、私は思うところです。学校現場というのは本当に子供たち、まあ基本的に子供たちは素直ですが、でも、年齢が余りにも若いだけに大人の思いどおりにはならないことがいっぱいあるわけですね。だから、そんな中で保健室の検温というのが本当に現実的なことなのかということも含めて、是非県の教育委員会等ともよく連絡を取っていただいて対応を考えていただきたいなと、こんなふうに思っております。
 養護教諭が大変だというお話を今したところですが、もう一つここで取り上げたいことがございます。
 大臣、御存じでしょうか。学校で歯科健診をいたしますね。それはどの学校でもやります。これはもう養護教諭の職務の中にちゃんとありますから、健康健診ですね、そういったことであるんですが、虫歯を予防するために全国の多くの学校で、全部とは言いません、多くの学校でフッ素洗口というものが実施されているのを大臣御存じでしょうか。委員の皆さん方も御存じでしょうか。
 フッ素洗口、フッ化物洗口とも言いますが、どういうことかというと、フッ化ナトリウム、フッ化ナトリウムという薬品の〇・二%水溶液十ミリリットルを口に含んで、ぶくぶくと一分間うがいをしてべっと吐き出すという、これがフッ素洗口ですね。
 皆さん、私は理科の教員なので……(発言する者あり)そうなんですよ、理科の教員なので、理科室に薬品庫みたいなものがちゃんとあって、そこに劇薬であるとかそういったものをちゃんと保管をすることを私たちはやってきたんですけど、その中でフッ素というのは、これ皆さん、毒物なんですよ、毒物。劇薬、劇物よりもまだ上ですね。ですから、これ非常に危ないもの。フッ化ナトリウムという化合物にはなっておりますけれども、これは大変なものなんですね。これを薄めて子供たちにぶくぶくうがいをさせる、この問題が本当にいいことなのかどうなのかという議論がずっと続いてきています。
 これが意味があるのかないのか、虫歯予防に、あるいは危険であるのかないのかという議論があるんですが、取りあえず、それよりも前に、今これを学校でやるということについて緊急的に考えなきゃいけないときだと思うんですよ。それはもう言わずと知れた、要するに感染ですよ、感染リスクがある。なぜならば、子供たちはぶくぶくとうがいをしている間にどんどんどんとぶつかったりして吐き出したり、あるいは自分がうがいをした後をどこかに吐き出したり、水に流すのを嫌がるところはティッシュか何かに染み込ませてそれをごみ箱に捨てるみたいなことをやっている間に、物すごい感染リスクにさらされると私は思うんですね。
 だから、そういう議論の前に、今この時点ではこのフッ素洗口というのはやめるべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#112
○国務大臣(萩生田光一君) 集団でのフッ化物による洗口については、児童生徒の実態等により、必要とされる場合に取り入れている学校もあると承知をしております。
 文部科学省では、学校歯科保健参考資料「「生きる力」をはぐくむ学校での歯・口の健康づくり」において、学校における集団でのフッ化物による洗口を実施するに当たっては、学校歯科医の管理と指導の下、教職員、保護者等がその必要性を理解し、児童生徒及び保護者の同意を得ること、厚生労働省のフッ化物洗口ガイドラインを参考にして慎重かつ適正に行うことについて留意する必要があると示しているところです。
 集団でのフッ化物洗口について感染リスクが高いという知見を文部科学省として承知しておりませんが、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえたフッ化物洗口の実施の是非や在り方については、学校歯科医と相談するなどして各学校や学校設置者等において適切に御判断いただくものと考えております。

#113
○水岡俊一君 予想していたお答えですが、大臣、それでは感染を防ぐことにはなかなか結び付きませんよ。なかなかその、現場で御判断いただきたい、あるいは各教育委員会で御判断いただきたいということであれば、これまでいろんな議論がされているにもかかわらずそのフッ素洗口をやってきたという経緯の中で、なかなかこれは止まらないという可能性は非常に高いですね。
 これ、なぜこのことについて極めて、何というか、強く推し進めている人たちがいるのか、私には理解できないところですが、やっぱりこれはまた別の機会に時間を取って、本当に問題点を明らかにしていきたいと思うんですね。
 お金が絡むだとかあるいはいろんなことがありますので軽々に語ることはできないと思いますが、私、ここでどうしても指摘をしておきたいと思うのは、このフッ化ナトリウムというのは非常に危険な毒物、劇物だというお話は今しました。これを〇・二%に薄めてうがいをするということになりますけれども、じゃ、〇・二%の薬剤というか製剤が何かボトルに入って学校に送られてくるならまだ分かります。でも、そういうものはないんですよ、ほとんど。だから、実際学校現場で行われているのは、お金も掛かることだから安く済む方法を考えるんですね。
 だから、どういうことかというと、実際には、今市販されている薬を見ると、ミラノールとかオラブリスとかという日本のメーカーが作っている製剤があるんですが、これは、例えばミラノール顆粒、顆粒状になっているものが濃度一一%なんです。この一一%の顆粒を持ってきて、はい、今から百人分のうがいの薬を作りなさいと言われて、皆さんできますか。これ難しいですよね。ちょっと理科の教員の私もちゃんと書いてみないとこれ分からないよなみたいな。ですから、一リットルで考えたって、十グラム入れると濃度一一%なので一・一グラムだなとか、これを〇・二%にするにはどうしたらいいか、物すごい難しいわけですよ。物すごい難しいし、間違える可能性もあるわけですよ。そして、それは劇物ですから、誤って飲んじゃうと体に害がある。
 そういう中で、いや、薄いから大丈夫という議論があるんですけれども、それは、正しく〇・二%だったら例えば四人分飲んでもちょっとまだ大丈夫じゃないかみたいなそんな議論はあるけれども、これ濃度というのは、ちょっと間違えるとパーセントなんかは大きく変わってしまいます。そうなると、子供たちに劇物を飲ませてしまうという、そういう事故につながっていくという点から極めてこれは問題だと私は思うんですね。
 そして、その上で考えなきゃいけないのは、養護教員がそういう薬物を薄めるというようなこと、薬物を量ってそれを水の中に入れて攪拌して薄めてこれを提供するということは薬事法違反だと言う人もいるんです。これは見解が分かれるんですけど、これ、いずれはっきりさせたいと私は思っています。
 でも、一回皆さん聞かれただけでも、これはおかしいんじゃないかと思われませんか。つまり、学校に保管場所もないような毒物、劇物を学校に持ってきて、それを資格のない人が薄めて、それを子供たちにうがいをさせる。危ないですよ、これは。
 私は、そういう意味でこの議論はしたいと思いますが、先ほど、その議論はいろいろ時間が掛かるから、まずは感染リスクということからこのことについて明確なお考えをいただきたいというふうに私は思いましたが、今の私の話を聞いていただいて御感想はございますか、大臣。

#114
○国務大臣(萩生田光一君) 先生、逆に、フッ化洗口が感染リスクがあるからやめた方がいいんじゃないかということには直ちに同意ができなかったのは、うがいはやっぱりした方がいいと思うんですね。ですから、フッ化洗口のうがいだけが感染リスクがあるんだとすればこれはやめた方がいいと思うんですけど、こうなりますと、いわゆるごろごろうがいもやらなくなってしまう可能性がありますから、これはこれで御理解いただきたいと思います。
 他方、劇物であるフッ素を保健教諭の皆さんだけに管理を任せ、またその作業をしなければ実際のうがいに使えないということが延々と続いているとすれば、ここは私、専門的知見ございませんので、学校歯科医を所管する歯科医師会等とも相談をさせていただいて、有効性ですとか方法ですとか、これは是非これを機会に勉強させていただきたいと思います。

#115
○水岡俊一君 是非、多くの議論が巻き起こっている問題ですので、慎重に子供たちの命と安全を守る観点からお願いをしたいと、こういうふうに思っております。
 最後にちょっと時間をいただいて、大臣にお伺いをしたいんですが、大臣は国会の発言の中でも、ピンチをチャンスに変えて学校教育環境を変えていきたいと、こういうふうにおっしゃったこともございます。そして、私は萩生田光一文部科学大臣と必ずしも意見は一致しない。一致しない面の方が多いんですけれども、私は、萩生田大臣は極めて現実主義を取られているんではないか、リアリズムをしっかりと自分の中に置きながら政策に取り組んでおられると、こういうふうに思うんですね。
 そこで、私が大臣に申し上げたいのはどういうことかというと、学校一斉休業からもう既に一か月半近くがたちました。学校再開が望めない地域も出てきました。そういった中で、いかに学習を補填するというか補習して、子供たちの学習、失われた学習を取り戻すと、こういうことを目指してあらゆる手段を今考えていただいていると思うんですね。しかし、これ、この失われるだろう数か月というのはもう戻ってこないと私は思うんです。そして、全国一律に子供たちにその遅れた学習を取り戻すということはなかなか難しい。その上で、大臣に頭の体操としてお話を聞いていただきたいというか、お考えがあればと思っています。
 正直、大臣、今から私がお話しすることは大臣もお考えになっているんだろうと思っているんです。お考えになっているとしたら是非述べていただきたいんですが、この際、学校を始める月を九月にしてはどうですか。学年が始まる月を九月にする、つまり多くの世界標準と言われる秋始まりですね。そういったことをこれまでからずっと検討されてきたけれども、できなかった。いろんな障害が今でもあると思う。しかし、今この時期、そういう意味ではベストなタイミングですね。これ、秋だったらできません。だけれども、今この半年間を利用してゆっくりと子供たちに次の学年というか一学年を有効に過ごしていくという、そういう観点で日本の教育制度をごろっと変えていく、そういうことができないか、あるいはそういうことをお考えになっていないか、大臣、お聞かせいただけますか。

#116
○国務大臣(萩生田光一君) 未曽有の事態で子供たちも不安の中で毎日を過ごしていると思います。先生おっしゃるように、この二か月間というのはもうかけがえのない時間ですから、後で補習をしたからその穴を埋められたと簡単に物理的に考えることだけでは解決しないこともたくさんあると思います。心のケアなども含めて、これはもう本当に社会全体で学校のあるべき姿というのを考えていかなきゃいけないと思っています。
 直ちに九月入学、九月からの始業式というのを考えていたかと言われれば、考えていないと言えばうそになりますので、考えているといいますか、心の中には選択肢の一つとしてはあるんですけれど、それが、この状況がいつまで続くのかということを横にらみをしながらいろんなことを今考えております。そういう中で、大学など九月、新学期が始まっている学校も数多くございますので、あるいは世界のスタンダードを考えたときにそういったことも一つの選択肢では、決して否定するもので私ないと思います。
 ここは、ピンチをチャンスにというのは、これがピンチとチャンスになるかどうか、ちょっと私も直ちに答えは持っていませんけれど、本当に一日も早い再開を望みますけれども、仮に状況が長引くようなことがあればいろんなことを考えていかなきゃいけないと思って、今関係各局とも様々な意見交換、毎日のようにしているところでございます。

#117
○水岡俊一君 大臣としては軽々に答えられない問題だと思いますが、世界の流れ、このウイルスに関してですね、そしてアメリカの様子を見たときに、日本が今から横ばい状態になるとか、あるいは早期に回復をするとかというのは望めない状況だとすれば、日本はもうかつてない重大な局面を迎えているわけですね。それは経済面だけじゃなくて、子供たちの教育という面でもそうだと思います。
 だからこそ、今こそ考えるときではないのかな。これは思い付きだとかそういうことではなくて、是非大臣の関係するところでそういった検討委員会とか学習会とか、そういうものをつくっていただいて前向きに検討いただきたいな、こんな思いを持っているということを述べて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#118
○委員長(吉川ゆうみ君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#119
○委員長(吉川ゆうみ君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、蓮舫さん及び徳茂雅之さんが委員を辞任され、その補欠として塩村あやかさん及び三宅伸吾さんが選任されました。
    ─────────────

#120
○委員長(吉川ゆうみ君) 休憩前に引き続き、文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#121
○高瀬弘美君 ありがとうございます。公明党の高瀬弘美です。マスクを着用したままの質疑となりますことをお許しいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 コロナウイルス感染症に関しまして、海外にいる日本人留学生についてお伺いをいたします。
 三月二十五日の予算委員会におきまして、我が党の三浦信祐参議院議員より、海外にいる日本人留学生の奨学金が停止をしていること、また、自費による現地滞在ですとか自費による帰国を強いられていること等を指摘させていただき、その際に大臣から、奨学金を継続いただくことや文科省関連施設を貸すことも検討するという前向きな御答弁をいただきました。大変にありがとうございました。
 確認となるのですが、今、帰国のための飛行機代、飛行機の本数自体も大変減っているんですけれども、航空会社も経営が厳しくなっているということもありまして、大変高額になっております。例えば、つい昨日、私の知り合いもオーストラリアのシドニーから帰ってまいりましたけれども、直行便がないために乗換え三回行って、東京に着いたときにはもう三十時間掛かり、片道三十万円という大変高額な航空券で帰ってまいりました。それに加えまして帰国後二週間待機しなければいけないということで、首都圏に家がない方はホテルに滞在をしないといけない場合もあります。
 こうした飛行機代ですとか宿泊費について日本人留学生に支援すべきと考えますが、大臣、この点いかがでしょうか。また、現地に残るという選択をする学生さんもいらっしゃいます。海外に残った学生さんも、今アルバイトができずに生活費が枯渇する場合も考えられますが、そういった場合の支援についてもどうお考えでしょうか。

#122
○国務大臣(萩生田光一君) 飛行機代の高騰や帰国後十四日間の健康観察のためホテル等へ滞在を求められるといった状況により帰国が困難な状況にある日本人留学生に対しては経済的な支援を行うことが必要と考えており、現在、具体的な対応を検討しているところでございます。
 また、日本学生支援機構の奨学金において、これまで留学中に危険情報レベルが二以上となった場合に、速やかな帰国を促すため奨学金の支給を停止することとしていた取扱いを変更し、速やかな帰国が困難なため現地に残る選択をした場合にも奨学金による支援を継続することとしております。
 引き続き、新型コロナウイルス感染症の流行状況を踏まえながら、関係省庁とも連携しつつ、必要な対応を行ってまいりたいと思います。

#123
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 経済的支援について大臣も必要という御認識で御検討いただいているということで、なるべく速やかに御結論を出していただき、留学生の皆様、安心していただけるような支援策を打ち出していただきたいとお願い申し上げます。
 文科省に続けてお聞きいたします。
 今現在、各国にいる日本人留学生、一番学生が多くいる国はどこで、何人学生がいるのでしょうか。

#124
○政府参考人(伯井美徳君) お答えいたします。
 日本学生支援機構の調査によりますと、大学間交流協定等に基づく日本人留学生は、二〇一七年度において十万五千三百一名となっております。最も留学生の多い留学先はアメリカ合衆国でございまして、一万九千五百二十七名となっております。

#125
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 大変多くの方が今現在も留学していることがこの数字からも考えられます。
 中国の武漢で当初チャーター機が運航されたことから、今後、日本への帰国を希望している人が多数いらっしゃる中で、なかなか飛行機の手配ができないような場合にチャーター機を飛ばしてほしいとの要望がありまして、私の下にもそうした声が届いておりますけれども、こうした御要望について外務省は今どういう方針でしょうか。

#126
○政府参考人(大隅洋君) お答えいたします。
 海外に渡航、滞在する邦人の保護、外務省の最も重要な責務の一つでございます。今、世界各地で国境閉鎖や外出禁止措置等により邦人旅行者等が行動の制約を受けている事例や、航空便の突然の運航停止により影響を受ける事例が発生しております。こうした中で、出国困難な状況にある邦人の方々の出国に向けて、各国の在外公館が支援を行ってきております。
 例えば、ペルーによる民間チャーター機の運航に当たっては、在ペルー日本国大使館が出発スロットの確保のためペルー政府と調整に当たりました。また、留め置かれた邦人等の希望の取りまとめや搭乗者が空港まで安全に移動するための協力等、全面的な支援を行ってまいりました。これにより、駐ペルー台北経済文化事務所が手配したチャーター機では邦人旅行者二十九名、旅行会社が手配したチャーター機では邦人旅行者百四名が、それぞれ日本時間三月二十九日及び三十日にペルーを出国することができました。
 また、ポーランドにおいては、ポーランド政府は、日本に在留する自国民がポーランドに帰国できるよう、特別チャーター機の運航を決定しました。これに当たり、同国政府と在ポーランド日本国大使館が連携し、日本への帰国を希望するポーランド滞在中の邦人も同機に搭乗することとなり、結果、四月二日夕刻に約八十名の方々の日本への帰国が実現することとなりました。
 今後とも、外務省としては、出国を希望する邦人の方々の状況把握に努めるとともに、その方々への支援のため、移動制限緩和に向け現地当局への働きかけを行ってまいるとともに、また、各国ごとにどういった出国手段が最もふさわしいかや邦人の方々がどのような希望をされているかなどを踏まえて、帰国手段の確保に向けて丁寧に、かつしっかりと対応してまいりたいと存じます。

#127
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 チャーター機も含めて、各国のそれぞれの事情に合わせて御調整いただいているということかと思います。
 ヨーロッパの都市ですとかニューヨークにおいては、レストランも全部閉まっておりますし、スーパーも買占め等も起こっているようでありますけれども、どうしても単身で行っている日本人の留学生というのはそうした場所では生活弱者になってしまいます。これは留学生に限らず、海外にいる在留邦人全てに関してになりますけれども、各都市でのコロナウイルスの拡大を受けまして、外務省としてはどのように海外にいる日本人に対して情報提供を行っていますでしょうか。

#128
○政府参考人(大隅洋君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、現在、世界各国の少なからずの都市において外出・移動制限措置等がとられていると承知しております。これにより影響を受けている在留邦人に対しては、各地域の最新状況、自宅待機等についての各国の中央政府及び地方政府の方針、各地域における航空便、都市交通の運行状況等について領事メールをきめ細かく発出しつつ、そうした情報の在外公館ホームページや外務省海外安全ホームページへの掲載等による情報提供を行うなどして、邦人の方々に対して必要な支援を行ってきております。
 今後とも、関係省庁などとも連携しつつ、適時適切な情報提供に万全を期したいと思っております。

#129
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今、大使館から領事メール等で海外にいる日本人に対しては情報提供を行っているということでございますが、これ、文科省にも是非お願いしたいんですけれども、海外にいる留学生の皆さん、こうした大使館からのメール受け取っている場合もあれば受け取っていない場合もあるかと思います。先ほど大臣から御答弁いただきましたとおり、今後、海外にいる留学生に対して経済的支援も含めて動きがあったような場合には、そうした学生の皆さんに情報発信していただくとともに、こうした外務省の情報もしっかりと併せて学生の皆さんの元に届くように御配慮をいただきたいと思いますので、この点、お願いしたいと思います。
 文科省の皆様も外務省の皆様も、これ、ずっとコロナが始まってから、この海外にいる留学生の皆さん、また在留邦人の皆さんのために激務が続いていると思いますけれども、本当に今この瞬間にも帰りたくてもなかなか帰れない方たくさんいらっしゃいますので、どうか、大変だと思いますけれども、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 少し話題変えまして、四月の一日に非常に大事な学校教育法施行規則の一部が改正されました。この概要、文科省、御説明いただけますか。

#130
○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘の省令の改正でございますが、高等学校段階において、病気療養等のため病院等で同時双方向型の遠隔授業を履修する場合の要件を緩和するものでございます。
 具体的には、同時双方向型の遠隔授業により修得する単位数は三十六単位を超えないものとして定められておりましたが、今般の改正によって、病気療養等のため病院等で遠隔授業を受けて修得する単位については、その例外として、単位数の上限の算定には含めないことといたしております。
 文部科学省としては、学校現場や医療現場等において円滑な運用を図っていくことを含め、引き続き、病気療養中の生徒などに対する教育環境のより一層の充実に努めてまいりたいと考えております。

#131
○高瀬弘美君 これ非常に大事な改正だと思っておりまして、例えばがんで闘病中の高校生の方などは、今免疫が低下をしておりますので、体調的には学校に行ける状況であったとしても、このコロナウイルスの中で学校に行くのは非常に怖いという場合もあるかと思います。そうした場合に、この改正によりまして、オンラインとか遠隔授業であっても三十六を超えても単位を取ることができるということで、これ、今長期入院中の方にとってはもう非常に大きなニュースだと私は思っております。
 大臣にお願いしたいんですけれども、これ非常に大事な改正であるんですが、今現在、もう文科省からもこのコロナ関係で山のように通知が教育委員会ですとか自治体に行っておりますので、私の懸念としましては、この大事な改正もそうした通知の中に埋もれてしまうのではないかと思っております。特に、病院で入院している生徒さんたちに届くというのが大事だと思いますので、全国にはこうした長期療養の方がいらっしゃる拠点病院あります。そうした拠点病院の院内学級には例えば文科省から個別に連絡いただくとか、きちんと徹底していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#132
○国務大臣(萩生田光一君) 今般の改正は、一人一人の学習ニーズにきめ細かく対応する観点から、病気療養等のために通学して教育を受けることが困難な生徒に対しても、ICTを効果的に活用して教育機会を確保することに大いに資するものであると考えております。文科省としては、今回の省令改正について、これまでも、全国特別支援学校長会等の関係団体を通じて、こうした制度を求めておられるニーズの高い学校現場等に対して周知を図ってきたところです。
 今後とも、個々の学校現場や医療現場等において、生徒の学び第一の観点に立ち、個別のニーズに応じて円滑に実施していただくことができるように、各都道府県等の自治体のみならず、今御指摘のありました医療機関など関係団体とも連携を図りながら、周知の徹底を図ってまいりたいと思います。
 今まさにコロナの問題で、この三十六時間の上限の柔軟な対応を普通の御家庭でもやっている最中なので、ちょっと話が混同しちゃっている部分もあると思います。入院中の皆さんが安心して授業を受けられるように、改めてしっかり連絡を取ってまいりたいと思います。

#133
○高瀬弘美君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 同じくコロナウイルスの関連で、先日、公明党の文部科学部会としまして、文化関係者の皆様からヒアリングを行いました。その中で、日本博物館協会ですとか全国美術館会議などからいただいた御意見としましては、今、全国の博物館、美術館も九割程度が臨時休館、ほぼ全ての施設でイベント等は中止をしていると。こうしたものはやむを得ないと認識はしているということではありましたが、やはり収入減であり、さらには、こうした美術館、博物館の受付や館内案内の方というのは非正規の職員の方が大変多くいらっしゃるということで、その対応に苦慮しているとの御意見がありました。
 こうした声に対しての文科省の対応策を副大臣にお伺いしたいと思います。

#134
○副大臣(上野通子君) 高瀬委員にお答えします。
 二月二十六日に政府から、全国的な文化イベントの開催中止、延期又は規模縮小等の対応を要請して以降、博物館関係団体などから、館の休業に伴う収入の減少や事態終息後の再開支援などについて、現状の報告や様々な御要望をいただいております。
 三月十日に新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策として、国内でのイベントの自粛等に伴い事業活動の縮小を余儀なくされた事業所に対して、厚生労働省において、御存じのように、雇用調整助成金の特例措置を大幅に拡大しております。また、フリーランスを含む事業者に向けては、各関係機関における経営相談窓口の設置や金融公庫等による緊急貸付・保証枠として五千億円の確保等の措置を講じるなどの対応が取られているところでございます。
 今後とも、事態の進展に鑑みて、各団体や施設の声も踏まえた上で、政府全体で速やかに経済対策を講じることにより、各施設の再開支援に取り組んでいきたいと思います。

#135
○高瀬弘美君 同じヒアリングにおきまして、もう一つ御意見としてありましたのが、博物館、美術館が早期に開館できるように国から明確なガイドラインを出してほしいという強い声がございました。この点についてはどのような方針でいらっしゃいますか。

#136
○副大臣(上野通子君) 博物館や美術館の開館も含めて、多数の方が集まるような文化イベント等の開催の可否については、地域における感染者の実情やその必要性を鑑みて、各施設の設置者や主催者において御判断いただくべきものと考えております。
 三月十九日に政府の専門家会議が公表した提言においては、全国的な大イベント等について、主催者がリスクを判断して慎重な対応が求められることを前提に、各設置者や主催者が開催するに当たっては、まず、人が集まる場の前後も含めた適切な感染予防対策の実施等への対策を講ずることなどが求められるとされております。
 また、四月一日に公表されました専門家会議の提言では、地域区分の考え方について三つの区分が示され、イベントの開催について想定される対応が示されており、速やかに文化団体に周知しているところでございます。
 提言では、具体的に申しますと、まず、感染拡大警戒地域では、地域レベルであっても十名以上が集まる集会、イベントの参加を避けること、感染確認地域では、屋内で五十名以上が集まる集会、イベントの参加は控えること、感染未確認地域では、適切な感染症対策を講じた上で、それらのリスクの判断を行って、感染拡大のリスクの低い活動については注意をしながら実施することが想定される対応として示されております。
 各設置者や主催者におかれては、専門家会議における提言も踏まえながら、開館やイベント開催の可否を御判断いただきたいと考えております。

#137
○高瀬弘美君 ありがとうございました。
 それでは、法案の中身について質問させていただきます。
 本法律案は、観光立国において重要な位置付けにあります文化資源の一層の活用のために、文化観光に関する拠点機能の強化が不可欠であることから、博物館のうち積極的な取組を行う施設を文化観光拠点施設とし、これを中核として地方自治体が文化観光を推進する地域を形成していくものとなっております。
 まず、確認をさせていただきたいのですが、観光立国における文化観光の現状と課題というのはどう認識されていますか。

#138
○政府参考人(今里讓君) 訪日外国人観光客のうち約三割が美術館、博物館に来訪するなど、文化観光は観光立国の実現において重要な役割を果たしており、これまでも既存の法律の枠組みや予算措置等を活用しつつ、観光政策の重要な分野の一つとして推進されてまいりました。
 課題でございますけれども、一方、近年、文化施設におきましては、文化施設の関係者と観光関係事業者との連携の点ですとか、あるいは分かりやすい解説、紹介、発信に関する課題、それから交通手段等の利便性の向上に関する課題、こういった課題が生じていると認識をしてございます。

#139
○高瀬弘美君 観光基盤の充実強化を図るために国際観光旅客税というものがございます。令和元年度は五百億の見込みでありましたけれども、コロナの影響で減収となるものと思われておりますけれども、この国際観光旅客税は、この文化観光という、限ったものについてはどういうふうに、幾らぐらい使われていますでしょうか。

#140
○政府参考人(今里讓君) 令和二年度予算案では、文化資源を活用したインバウンドのための環境整備として、国際観光旅客税財源のものは九十八億円を計上しているところでございます。
 具体的には、日本博の開催を契機として、これまでにない形で文化資源を活用したインバウンド向けの観光コンテンツを全国各地で創出し、訪日外国人の地方訪客、消費拡大を促進する事業といたしまして、日本博を契機とした観光コンテンツの拡充に四十五億円、日本の歴史、文化、芸術の魅力を先端技術を駆使しながら主要空港で発信する事業として、日本文化の魅力発信に十七億円、史跡における当時の様子をARを活用して体験するなど文化財をより魅力的なものとするための取組を支援する事業といたしまして、リビングヒストリーに十八億円、博物館のサイン等の多言語化の整備や夜間開館に合わせたコンテンツの造成などを支援する事業といたしまして、文化財、博物館等のインバウンド対応に十八億円を計上しているところでございます。

#141
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 五百億近くあるうちで九十八億が文化関係に使われているということで、結構使われているなというのが私の正直な印象でございます。
 この国際観光旅客税を使いまして文化施設のバリアフリー化ですとか多言語表示を進めるというのが当初この旅客税を入れるときの目標の一つでございましたけれども、進捗状況はいかがでしょうか。

#142
○政府参考人(今里讓君) 博物館、美術館等のバリアフリー等の進捗状況でございますけれども、博物館、美術館等のうち博物館法に基づく博物館におけるバリアフリー化につきましては、平成三十年度の社会教育調査によりますと、博物館法に基づくスロープ、障害者用トイレ、点字による案内等のバリアフリー関係設備のいずれかを所有する館は約九割となっているところでございます。
 また、多言語対応につきましては、例えば文化庁における都道府県及び政令市立の主要館への調査によりますと、四か国語以上のパンフレットを整備している館が約五割、四か国語以上の解説板を整備している館は一割弱となっているところでございます。

#143
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 バリアフリー化が九割に比べますと、多言語化はまだまだ途上かなという印象でございます。
 今回の法案が成立しますと、やる気のある自治体や文化施設が手を挙げてくるものと思われますけれども、案件はどのような基準で決定をしていくのでしょうか。

#144
○政府参考人(今里讓君) 今ほどございましたように、本法案では、文化施設の機能強化に取り組む拠点計画と、文化施設を中核といたしまして地域単位で文化観光の総合的かつ一体的な推進に取り組む地域計画、この二つの計画を用いて地域における文化観光の推進を図るところでございます。
 お尋ねの計画認定の基準でございますけれども、まず基本方針に照らして適切か、円滑かつ確実に実施されると見込まれるか、そして拠点計画におきましては、文化資源の魅力増進や分かりやすい解説といった事業の実施により文化観光拠点施設としての機能強化に寄与するか、そして地域計画におきましては、地域の交通アクセスの向上や商店街との連携等の事業の実施によりまして地域の文化観光の推進に寄与するかという点でございます。申請された計画がこれら全てに適合すれば認定される、こういうことになってございます。

#145
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 是非、小さな自治体からも手が挙がってくるかと思いますので、いろいろアドバイスも含めて丁寧に御対応をいただければというふうに思います。
 続きまして、世界文化遺産について伺います。
 熊本地震から間もなく四年目を迎えます。深刻な被害を受けました地域の一つに熊本の阿蘇の地域がございます。この阿蘇の地域は、山の中を通っておりました主要の道路が山崩れで完全に駄目になりまして、国直轄で工事をして復興に向かっておりますけれども、阿蘇地域というのは元々観光産業の盛んな地域でありまして、四年前の地震で大変大きな打撃を受けました。廃業に追いやられた旅館業の方もたくさんいらっしゃいました。
 そうした中で、三月の二十六日に阿蘇カルデラの世界文化遺産登録に向けてユネスコの暫定リスト入りを目指した提案書というものが地元から文化庁に提出をされました。この阿蘇カルデラが世界文化遺産となれば、熊本地震を経験された皆様にとっては大変大きな希望となります。
 実は、この阿蘇のカルデラは二〇〇七年にも暫定リストに応募をしましたが、選ばれなかったという経緯があります。今回は是非暫定リスト入りをしたいと地元も思っておりますけれども、大臣、熊本復興という観点からも是非大臣にも応援いただきたいのですが、いかがでしょうか。

#146
○国務大臣(萩生田光一君) 阿蘇のカルデラにつきましては、これまで熊本県と関係七市町村が一丸となって文化財の保存と活用に取り組まれてきたことに敬意を表したいと思います。
 たまたま私、四年前のこの震災のときに官邸で副長官を務めておりまして、一番最初に熊本県と連絡を取ったのは私だったという御縁もあって、その後、復興状況、何度もお邪魔をしております。最近、周辺がすごくきれいに戻ってきたことを大変うれしく思っている一人でございます。
 我が国の世界遺産の暫定一覧表にはいまだ六件の文化遺産が掲載されておりまして、世界遺産の審査が文化遺産と自然遺産を合わせて年一件に限られ、ICOMOSによる審査が厳格化している現状では、まずはこれらの世界遺産登録を着実に進めることが基本であると考えております。
 世界遺産の登録に向けては、国際的な観点からの価値の証明などの学術的な研究成果が必要であることから、この熊本周辺のチームの皆さん、大変学術的な勉強を続けて、資料を整えていることも評価したいと思います。
 関係法律ですとか条例等による開発や景観の規制なども取組に必要となりまして、このエリアですよというのは、我々日本人は行政区域で分かりますから分かりますけれど、外から来た外国人にとって、町村が違うからといって、その手前までは物すごく景観が悪くて、急にきれいになったから指定してくれと言ってもなかなか難しいので、進入路なども含めて、アクセスも含めていい整備をしてくださいねと、こんなことも実は助言をさせていただいているところでございます。
 文科省におきましては、御要望を踏まえつつ、専門的あるいは技術的な助言を行ってまいりたいと思いますが、大臣として応援してくれと言われますと、登録してある六の団体もありますので、公平公正に応援をしてまいりたいと思います。

#147
○高瀬弘美君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、民俗文化財の保護について伺います。
 全国には有形無形合わせて数多くの文化財がありますけれども、この保存と継承については文化庁が中心となって、特に重要なもの、必要なものなど適切に分類しながら、貴重な財産を守っていただいております。
 私の地元福岡でも、既に指定されて登録を受けた文化財もありますし、また現在も、例えば北九州市八幡西区においては、およそ四百年前から継承されています黒崎祇園山笠、これは記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財、通称では民俗文化財記録選択と言いますけれども、この登録に向けて、県、市、地元の方々が協力しながら積極的に推進しているところでございます。
 こうした民俗文化財が全国的にまだまだ多くありますことから、専門家の協力も得ながら、国としてより積極的に調査をしていただきたいと思いますが、政府の見解、教えてください。

#148
○政府参考人(今里讓君) 地域のお祭りなどを始めとした民俗文化財は、日本の歴史、風土の中で生まれ、世代から世代へと繰り返し受け継がれてきた貴重な地域の財産でございます。
 文部科学省におきましては、今ほども委員御指摘のとおり、特に重要なものを重要有形民俗文化財や重要無形民俗文化財としてこれまで五百四十一件を指定するなど、民俗文化財の保存、継承に努めてきたところでございます。
 また、重要有形民俗文化財の修理ですとか重要無形民俗文化財の伝承者養成、それから地方自治体等が行う地域の民俗文化財の調査等の取組に対する支援といたしまして、令和二年度予算においては三億五千九百万円ほどを計上しているところでございます。
 こうした取組を通じまして、引き続き、地域の民俗文化財の保存、継承、活用に努めてまいりたいと考えております。

#149
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今言及いたしました黒崎山笠も大変気合を今入れているところでございますので、どうぞ御助言も含めて、よろしくお願いを申し上げます。
 今回の法案のテーマでもあります文化観光ですとか芸術観光、こうした観光立国として欠かせないものとしまして、通訳案内士という国家資格をお持ちの皆様がいらっしゃいます。この通訳案内士に関しましては、いわゆるインバウンドでいらっしゃった外国人の方と一緒に付いていただくガイドさんでありますけれども、通訳の資格もお持ちで、ほかの国の言葉で日本の文化や歴史、地理について御説明いただく、そういう役割を果たしていただいております。
 この通訳案内士に関しましては、二年前に法改正が行われました。この法改正の趣旨を簡潔に、観光庁、御説明ください。

#150
○政府参考人(加藤進君) お答えいたします。
 委員御指摘の通訳案内士法改正前のことでございますが、訪日外国人旅行者に対する観光案内の質の確保を通じて満足度の高い訪日旅行を提供するため、一定の水準を満たす者として資格を付与された有資格者、この有資格者のみが通訳案内士として業務を行えることとされていました。しかしながら、訪日外国人旅行者数が急増する中、通訳案内士の数が不足するとともに、訪日外国人旅行者のニーズにつきましても多様化してまいりました。
 こうした通訳案内士に対する量、質双方のニーズに応えるため、二〇一八年一月に施行されました通訳案内士法の改正におきまして、通訳案内士制度につきましては業務独占を廃止して、通訳案内士以外の者、例えばボランティアガイドや留学生も含めた様々な主体が創意工夫を凝らしながら有償でガイドできる環境を創出するとともに、一方で、質の高い旅行商品を企画する旅行事業者において引き続き有資格者を求める声もあるなど、我が国の地理、歴史、文化等に関する正確な知識を有し、訪日外国人旅行者に満足度の高い案内を行うことができる者として通訳案内士が重要な役割を担っていることを踏まえまして、有資格者に限りこの通訳案内士の名称を認める名称独占を存続することとした次第でございます。

#151
○高瀬弘美君 つまり、国家資格をお持ちの通訳案内士の方もいらっしゃいますけれども、資格を持っていなくても通訳案内士と同じようなお仕事もできるようになったのが二年前の法改正でございます。
 この通訳案内士さんですけれども、この四月の一日から、国家資格をお持ちの方のみ通訳案内士のバッジを付けることになりました。配付資料で観光庁の資料を配らせていただいております。これが実際のバッジのデザインでございます。弁護士さんですとか会計士さんのように、国家資格をお持ちの方はその業種ごとのバッジを付けていらっしゃいますけれども、この通訳案内士のバッジを付けることで国家資格を持っている通訳案内士さんだなと分かるようになります。このバッジのメリットについても、観光庁、簡潔にお答えください。

#152
○政府参考人(加藤進君) お答えいたします。
 委員御指摘のこの全国通訳案内士につきましては、高い語学能力を有し、我が国の地理、歴史、文化等に精通していることに加えまして、現場において高いホスピタリティーを持つとともに臨機応変に対応できるプロフェッショナルなガイドとしてインバウンドの促進に重要な役割を担っているところでございます。
 今般の全国通訳案内士法のバッジの導入によりまして、全国通訳案内士であることが一目で認識しやすくなる、こういったことを通じて認知度の向上が図られます。これによりまして、全国通訳案内士の活躍の場が広がることが期待されておりますし、また、こういった通訳案内士の方々の御活躍により、より多くの訪日外国人旅行者の方々に対して質の高いガイドが提供され、インバウンドの促進に一層寄与することが期待されます。

#153
○高瀬弘美君 このバッジの活用法につきまして、文化庁及び大臣にお願いがございます。
 実は、通訳案内士の皆さんというのは、ベテランの方はもう何十年も前からこの仕事をしてこられておりまして、この仕事が好きで従事している方が多くいらっしゃいます。ここ数年、国が観光立国を掲げるまでは地道にこの観光立国の素地をつくってきた方々でもございます。
 数年前までは、通訳案内士の方が下見のために美術館や博物館に行ったときには、下見をさせてくださいと言うだけで無料で入らせていただいていたそうであります。ところが、ここ数年、観光客が増えていることや、もしかすると法改正も関係しているのかもしれませんけれども、下見で行っても普通に入場料を取られることが多くなっていると。通訳案内士の方々は、もちろん展示物について勉強することもありますけれども、ほとんどはトイレの場所確認ですとか、バスを降りてからの動線確認ですとか、レストランまでの行き方とか、そういう、バリアフリーも含めて、普通の入場する方々とは違う目的で美術館、博物館に入りたいわけであります。せめて下見のときには、この国家資格を持った通訳案内士の方々、今後は、バッジを付けていれば、このバッジは一人一人シリアルナンバーも入っておりますので国家資格を持っている方と明らかに分かりますので、このバッジの方々については無料で確認作業を行えるように元のこうした慣行に戻していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#154
○政府参考人(今里讓君) 文化観光を推進していくに当たりましては、国外からの来訪者に分かりやすく文化資源等の魅力、解説、紹介していくことが重要でございます。博物館等の文化施設が通訳案内士の皆さんと連携することも効果的な取組の一つと考えているところでございます。
 この度、今ほどから御紹介のございます観光庁さんにおきまして導入される全国通訳案内士が着用するバッジ、この導入に合わせまして、国立、公立の博物館等に対し、通訳案内士と積極的に連携を図る中で、その入場料の減免等について可能な範囲で御検討いただけるように周知を図ってまいりたいと考えております。

#155
○高瀬弘美君 ありがとうございます。是非この機会に、下見についてはできれば無料でできるようにお願いをしたいと思います。
 最後に、首里城についてお伺いいたします。
 沖縄の首里城の正殿についての再建工程表というものができました。令和二年度に設計に入りまして、令和四年に工事に着工ということでありますが、沖縄の皆さんにとっては大変大事な首里城であります。必ず地元の声を丁寧に拾いながら工事を進めていただきたいと思いますが、政府の御決意、聞かせてください。

#156
○政府参考人(原宏彰君) お答えいたします。
 去る三月二十七日、関係閣僚会議において首里城正殿等の復元に向けた工程表が決定されたところでございます。この工程表は、首里城復元に向けた技術検討委員会におきまして、沖縄県民の意見を十分に反映できるよう沖縄県の参画も得ながら検討を進めて、取りまとめられた報告も踏まえて策定されたものでございます。
 その内容といたしましては、防火対策の強化や木材、漆といった材料調達の方向性などを示すとともに、首里城正殿につきまして、先ほど御言及ありましたけれども、令和二年度早期に設計に入ります。令和四年中には本体工事に着手し、令和八年までの復元を目指すということとされまして、首里城の復元に向けた大きな一歩になるものと考えております。
 また、同じく工程表には、今後、沖縄県や地元の関係者の意見も踏まえながら、技術検討委員会において、北殿等でございますけれども、工程表を踏まえた詳細な検討を進めることとされておりまして、引き続き、国営公園事業である首里城の復元に向けまして、関係省庁等と連携し取り組んでまいります。

#157
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 県民の皆さんの声もしっかり聞いていただけるということで、今後復元していくほかの場所についても是非同じようにしっかりと地元の声を反映をしていただきたいというふうに思います。
 少し時間残りましたけれども、大変大事な法案でもありますし、また、コロナウイルスの中でいろいろ難しさはありますけれども、こういうときだからこそしっかりとこの文化観光を前に進めていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 終わります。ありがとうございました。
    ─────────────

#158
○委員長(吉川ゆうみ君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、森屋宏さんが委員を辞任され、その補欠として松川るいさんが選任されました。
    ─────────────

#159
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文でございます。
 今回、いわゆる地域文化観光振興法案が出てきました。私も、日本の観光振興においては、もちろん近代的なディズニーランドのようなテーマパークをつくるのも観光振興の一つでしょうが、日本のすばらしい歴史、伝統文化、これを観光資源として広く国内、国民の皆さんにも海外からの皆さんにもアピールして、その魅力を伝えて観光振興を図るというのは大事だと思っていましたので、この法案が出てきたのは賛成ですし、中身で具体的に反対をするというのは余りないんですよ。
 ないんですが、ただ、この法案がなぜ急にというか、ここで出てきたかというと、一つは東京オリンピック。オリンピックで海外の人もたくさん来る、だから日本のすばらしい文化を中心とした地域の観光ネットワークに誘客できないだろうかというのが一つの目的だったと思うんです。
 ただ、オリンピックは幸か不幸か一年延期が決まってしまって、この七月ではないんですね、来年の七月。私はこの前、本会議で、来年の七月は危ないんじゃないかと、二年後にしておいた方がいいんじゃないかと言うぐらいに、それはなぜかというと、今度は新型コロナウイルスの被害です。この新型コロナウイルスの感染の被害がもう全世界、特に日本でも相当大きくなっていますから、一番大きな影響を受けているのは観光業なんです、観光地なんです。オリンピックは一年後になった、コロナウイルスで観光業界ががたがたのときに焦ってこの法案をとにかく作るというのがちょっとこのままでいいのかなというのが、私のこの正直状況が変化したことによる感想なんですね。そうした視点も含めて、今日は質問させていただきたいと思います。
 まず初めに、本法案で予算措置の対象となる文化資源保存活用施設の中で、特に博物館と美術館の数はどれぐらいあるんでしょうか。そのうち、新型コロナの影響で現在閉館してしまっている施設はどの程度か、割合を教えていただければと思います。

#160
○政府参考人(今里讓君) 本法案は、既存の取組や実績を評価して文化施設や地域自体を認定するのではなくて、文化施設や地域がこれから取り組む計画を認定して、計画に基づく事業に対して国等による支援を行うものでございます。
 このため、現時点で拠点計画や地域計画の申請を行う施設や地域がどれくらいあるかについてお答えすることは困難でございますが、四月から文化庁に組織した文化観光担当の参事官におきまして法案に関する説明会の実施など情報発信等に取り組むことで、積極的に申請を行っていただけるように努めてまいります。
 ですから、その中でどのくらいの割合の施設が閉館しているのかということにお答えすることはできないわけでございますけれども、日本博物館協会の三月中旬時点の集計では、その博物館協会に加盟している施設の三割程度が臨時休館している状況と報告を受けているところでございます。

#161
○松沢成文君 全ての状況が把握できないのは分かりましたが、これ、国が関与している国立とか、あるいは国の関係の団体が運営している博物館、美術館、これが幾つぐらいあって、現在閉館しているのはどれぐらいか、これは分かりませんか、国の方は。

#162
○政府参考人(今里讓君) 博物館、美術館ということでございますと、国立の博物館と美術館、それぞれ独立行政法人の機構でございますけれども、それは、現時点では全て閉館をしてございます。

#163
○松沢成文君 これだけ多くの施設が、これは公立、国立ですけれども、私は民間も含めてかなり閉館されていると思いますが、この閉館されている現状がある中で、まだ新型コロナの終息というのは全然見通せていません。そういう中で、再開のめどというのが全く立っていないわけですよね。そういう中で事業者や施設が計画を作成して申請するというのは、私はもう状況として難しいと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうかね。

#164
○政府参考人(今里讓君) 本法案の構想段階におきまして、文化庁におきましては、全国百を超える自治体や文化施設との意見交換を行っておりまして、その中で、早急に取組を進めたいという声もいただいているところでございました。
 多くの施設は現在閉館などを余儀なくされてはおりますが、感染拡大防止に取り組む期間は、本法案が目指す文化観光の推進による地域の活性化に向けての助走期間として各施設や自治体において取組の構想を御検討いただく期間、このように位置付けられると考えております。
 具体的には、地域の現状分析や目標の設定を行った上で、文化資源の魅力向上、多言語化、キャッシュレス、交通アクセスの充実など、事業への円滑な着手に向けて計画を検討していただいているものと考えております。

#165
○松沢成文君 それは国側の論理かなとも思いますが、もうちょっと具体的に言いますと、例えば、新型コロナの終息の見通しが立たない中で、例えば民間の博物館や美術館などの施設にとっては、私は、学芸員や職員の雇用確保が今最大の問題になっちゃっているんじゃないかと思いますよ、この状況で。
 そういう現状では、この施設等の整備とか、あるいは計画を作ったりとすることよりも、むしろ事業費の助成、民間の博物館はお客さんが来なきゃ潰れちゃうわけですから、それを今考える時期じゃないかと思いますけど、いかがでしょうか。

#166
○政府参考人(今里讓君) 本法案によって拠点計画や地域計画が認定を受けた場合には、それに基づきまして、令和二年度予算である博物館等を中核とした文化クラスター推進事業で取組が支援されるということでございます。
 本予算案におきましては、施設案内等の多言語化ですとかバリアフリー化、こういった施設整備のみならず、学芸員及びインバウンド支援職員等の雇用や来館者に館の魅力を伝えるためのガイドツアーの実施、こういった施設の魅力や来館者の満足度を高めるための取組を推進することが可能でございます。施設の文化観光拠点としての機能強化や地域の魅力の深化を図ってまいります。
 もちろん、文化芸術の振興にとりましては、学芸員等の博物館専門職員の人材育成は極めて重要でございまして、文化庁といたしましても、それぞれの職種や経験に応じた多様な研修を毎年度実施しているところ、今後とも、このクラスター推進事業も活用しながら、博物館専門職員の確保、質の向上を推進してまいりたいと考えております。

#167
○松沢成文君 博物館の職員や学芸員の質の向上、教育、これが重要なのは当たり前です。ただ、今、平時じゃないんですよね、どこでも。だから、それよりも、もうこの人たちを雇っていられるかどうかという現場の現状があるのに、そんな悠長な話を僕は聞いているんじゃないんですけれども。
 これ大臣、この新型コロナの影響と、それに伴って東京五輪が一年延期になった。そういう状況の中で、今年の夏の五輪までに急いでこの特別の措置を講じて早く計画を進めようと、そういう時期じゃないと思うんですけれども、大臣はいかがですか。

#168
○国務大臣(萩生田光一君) 先生冒頭に、この法案が出てきたことに対しての唐突感、違和感をお話しされました。私も、せっかく御審議いただいているので正直に申し上げますけれど、元々はオリンピックまでに何とか間に合わせようということで、予算関連法案として国会にお認めいただきました。既に衆議院を通過して、参議院の先生方に御審議いただいております。じゃ、その前提は保たれているのかと言われれば、崩れたわけですから、そんなに慌てる必要ないじゃないかという御意見も一つごもっともだと思います。
 しかしながら、今まで、これ唐突ではなくて、文化庁の方でいろんな自治体と、既存のクラスターの法律に基づいて更なる上乗せ、横出し、どんな支援をしたらみんなが元気が出るだろうか、施設がクローズアップされるかということで、様々な自治体や館とヒアリングを百以上超えてきまして、その皆さん方がこの法案の行く末といいますか、その先行きにすごく期待をしています。そういう意味では、今回、せっかく御審議いただきましたので、何とか進めさせていただきたいというのが正直なところです。
 ですから、成立後、慌てて選定をすることもないと思いますので、少しじっくり取組をしてみたいと思いますし、また、先ほど他の委員にも御説明しましたけれども、一回のチャンスじゃなくて、ブラッシュアップしながら複数回申請することも認めていきたいと思います。
 それと、決して言い訳じゃないんですけど、他方、開館をしながら数少ない学芸員の皆さんといろんなプランニングするより、今は時間があるものですから、しっかり取り組んでいただけるという自治体や館も中にはございますので、もちろんその人たちの雇用もすごく大事なことですから、それはそれでまた別枠で応援はしていきたいと思いますけど、ふだんと違う環境なので、逆に、今まで考えていた以上にブラッシュアップした提案が出てくるんじゃないかということも逆に期待をしておりますので、そこはいい面で、ポジティブに考えていきたいなと思っています。

#169
○松沢成文君 大臣も私と同じ問題意識を持っていたのは安心しました。ただ、せっかくここまで来ているので、しっかりと法案を作り上げて、その内容を少し吟味していきたいと思いますけれども。
 もしこの法案が成立したとしても、この整備等に対する予算措置額は、初年度で一か所五千万円を二十五か所で十五億というふうに予算措置をされていますけれども、今大臣言うように、これ、コロナである意味でダメージも受けているから、それをもう発想の転換で、もう一度大きなプランを作り直してどんとやろうじゃないかという発想もあって私はいいと思うんですよね。
 私は、この十五億というのでは、新型コロナの影響を受けた後、ダメージを受けた観光を文化を中心にもっと発展させようということを考えると少な過ぎるというふうに思っているんですが、いかがでしょうかということと、新型コロナの終息を見据えて、予算額を今後は増額して、本法案を見直すとともに、ほかの観光業などに対する政府支援策とセットにして、合わせ技で大きく展開した方が有効ではないかというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。

#170
○政府参考人(今里讓君) まず、この十五億円という御指摘のあった予算でございます。
 本法案に基づく事業に対する支援として、令和二年度予算に十五億円を計上しているものでございます。
 具体的には、地域の多様なニーズや動向を踏まえますと、支援件数としては二十五件程度になると見込んでいるところでございます。これは、先ほど大臣からもございました全国の百を超える自治体や文化施設と意見交換を行って、我々のその状況を踏まえての数字でございます。
 また、一件一件の支援規模でございますけれども、本法案に基づいて実施されることとなります文化支援の磨き上げですとかWiFi、キャッシュレスの整備、学芸員等の確保、バリアフリー、展示改修等の整備等に必要な経費として、一件当たり五千万円というのを想定しているところでございます。
 そして、新型コロナ感染症終息後にほかの政府支援策とセットということでございますけれども、新型コロナウイルスの文化観光を含めた観光への影響に対しましては、政府全体として引き続き対応を検討してまいりたいと、このように考えてございます。

#171
○松沢成文君 この法案が成立しますと、文化観光拠点施設を中心とした拠点計画というのと地域計画というのを出していただいて、大臣は認定をしていくというふうになるんですけれども、私がちょっと危惧するのは、これ、皆さん自由にどんどん出してくださいとなると、すごく地域的なばらつきができちゃうんじゃないかなと。
 特に、京都や奈良なんていうのは文化的な拠点施設はたくさんありますよね。それを使っていかに観光客を呼ぶかって幾らでも考えられると思いますが、逆に過疎地では、もう日本の長い悠久の歴史の中で過疎地にもすばらしい文化はあるんですけど、どうしても出てくる件数が少ないと思います。そうなると、何か今まで観光客が集まっているところになおさらこの拠点計画、地域計画が認定されてそこは有利になるけれども、この過疎地はなかなか認定されなくて人が行かないと。
 これ、やっぱり観光も、日本の各地に観光客が回って、日本のそれぞれの地域の良さを、今まで知らなかった良さを体験してもらうというのが重要だと思いますので、例えば地域バランスを考えるというか、全国の均等な観光における発展を目指して最初は都道府県は一つずつにするとか、そういう私は戦略があってもいいんではないかなと。じゃないと、地域的なばらつきが相当出てしまうんじゃないかなと心配しているんですけれども、その辺りはいかがでしょうか。

#172
○政府参考人(今里讓君) 例えば都道府県ごとに一つというような御提案でございますけれども、本法案ではあらかじめ地域ごとに認定の数を設定するということは想定しておりませんで、文化施設や地域がこれから取り組む計画を認定して、計画に基づく事業に対して国等による支援を行うものでございます。
 歴史、文化の集積がある地域ではオーバーツーリズムに悩んでいると。一方で、日が当たらないところもあるという課題を御指摘いただいたところでございますけれども、この法案におきましては、今申しましたように、これから取り組む計画を認定ということでございますので、既に誘客に成功している文化施設や地域が更なる文化観光の推進のために計画を策定して認定を受けるということも可能ではございます。可能ではございますが、これまで、国内外からの観光旅客を引き付けるための解説、紹介、発信に関する課題、それから国内外からの観光旅客が来訪しやすくするための交通手段等の利便性の向上に関する課題、こういったものを抱えてそれらについて意欲的に取り組んでいこう、こういう地方の文化施設や地域が本法案に基づく支援によって一層の文化観光の推進を図ることができると考えてございます。
 これまで必ずしも十分光の当たらなかった文化施設においても、意欲を持って取り組んでいただくことで地域における文化観光の中核になっていただくことができる、このように考えてございます。

#173
○松沢成文君 是非とも、そういう視点でお願いしたいと思います。
 例えば、京都とか今鎌倉なんていうのは観光客が来過ぎちゃって、その公害が起きちゃっているわけですよね。だから、本当に今後のこの京都や鎌倉の観光の発展を考えると、そういうオーバーツーリズム対策を、どうこの観光客が来過ぎることを制御して、皆さんに余裕を持って観光を楽しんでもらうというような計画が出てくる可能性だってありますよね、これ。そういうものも含めて、幅広く観光の、いい意味での健全な振興を図っていただけるようなプランを認定していただきたいなというふうに思います。
 次に、このいただいている資料で、説明資料で、私何度か担当の職員の方に申し上げたんですが、この文化観光拠点施設の例示が、まず一つが博物館、美術館、次が劇場、音楽堂、三つ目に寺社仏閣と書いてあるんですよ、寺社仏閣と。
 これが例示なんですけれども、私何度も言っているんですが、なぜ例示に城郭を入れてくれないんだと。これ、結構、例示ってこれだけしか出てきませんから、ああ、なるほど、こういうものを中心につくっていくんだなと感じちゃうんですが、実は今お城というのは大ブームなんですよ。
 それで、このお城は、とにかく中世、戦国期から江戸時代、城下町として栄えるんです。ですから、お城というのは町の中心にあることが多いんです。戦国の前期の方は山城なんかがあって過疎地にお城あったんですが、それから平山城、平城となってくると、これ町の中心にあって、そこで政治や行政が行われて、そのお城の周りに武家屋敷ができたり、あるいは商人の町ができたり、あるいは道路や水路がお城を中心に都市計画が組まれて、それで市場もできたり、一つの、何ていうかな、町の文化の中心なんですよね。
 ところが、お城というのは軍事施設、政治施設ですから、結局、戦国時代なんかで戦闘があって政権交代があると必ず燃されて破壊されちゃっていたんで、今残っていないところが多いんですよね。
 例えば、そういう城郭を復元したりして、それで、城郭だけじゃない、町、城下町全体のネットワークを使って観光をしてもらう。そういう意味では、私は、お城というのはすごく可能性がある歴史的な観光資産だというふうに思っています。
 今、デジタルの世界でも、アニメとかですね、なると、戦国武将、物すごい人気で、そうすると、今、侍とかあるいは忍者なんていうのは、これもう世界語ですよ。世界中の若い人たちが、日本のアニメから、侍、忍者、言葉まで覚えているんですね。日本に観光に来ると、侍、忍者いるところどこだと、お城。お城が今すごい人気があって、昔は中年のおじさんが主でした、お城の観光は。今、若い女性と外国人が物すごい多いんですよね。
 ですから、そういう意味では、日本の中世から近世にかけてのすばらしい歴史資産である城郭というのを使って、これを文化の観光振興に使うというのは私は非常に重要だと思っていて、そういう意味で、例示の中に必ず城郭を入れてくれと何度も言っていたんですけど、なかなか入ってこない。
 大臣、城郭は非常に観光の拠点になりますので、是非ともそういう意味で取り組んでいただきたいんですが、いかがでしょうか。

#174
○国務大臣(萩生田光一君) 関東周辺では、お城といえば松沢先生というぐらい大変御理解と熱心な様々な取組していること、私も承知しています。
 たまたま神社仏閣等となっていますが、行政用語で恐縮ですが、この等の中に大きく城郭は入っていると私は認識しております。
 本法案では、文化観光拠点施設を、文化資源の保存及び活用を行う施設のうち、国内外からの来訪者の文化についての理解を深めることに資するよう解説、紹介するとともに、文化観光の推進に関する事業を行う者と連携することにより、地域における文化観光の推進の拠点となるものと定義しています。
 城郭の場合は、城郭そのものや刀剣ですとか甲冑ですとか、様々な文化資源を保存、活用する施設としてこのような文化観光拠点施設の定義に該当するものがあると承知をしております。城郭の施設や地域の関係者を含め、多くの文化施設、地域での本法案の活用を積極的に御検討いただけるように、適切な情報発信に努めてまいりたいと思います。
 一枚紙の方には例示として城郭を入れさせて、小さくなんですけれど、別に先生から御提案があったのを無視してこういう形にしたわけじゃないんで、今後何か説明文書の中にまた分かりやすいように例示を示していきたいと思います。

#175
○松沢成文君 大臣の御地元の八王子城もすごく整備されて、多分、観光客大分増えたと思うんですよね。やっぱり歴史に興味のある方は多いんで、是非ともそういう戦略眼を持って進めていただければなというふうに思います。
 お城の話はまた時間が残ったらやりますが、ちょっと次に文化的なイベントの支援についてお伺いをしていきたいと思うんですが、地域における文化観光の推進も結構でありますが、現時点では、古典芸能なども含めた文化芸術やスポーツといったいわゆるライブエンターテインメント事業者をこの新型コロナの災禍からいかに救っていくか、救済していくか、これが非常にもう重要なものと迫られているというふうに思うんですけれども、政府の自粛申請から早くも一か月が過ぎました。これからも、緊急事態に今日なると思いますから、また一か月は、少なくともですね、ほとんどのこの文化のエンターテインメント、舞台だとかコンサートだとか、あるいはスポーツ、これは自粛で中止になっていくというふうに思うんですよね。こうした文化イベントの主催者に、完全に収入の道が途絶えている個人や事業者もかなりおります。
 実は、私の地元鎌倉に鎌倉能舞台という能の団体がありまして、実は文化庁からも支援をもらって、小学生に能を見てもらおうなんという活動もしておりますけれども、この能楽師さんたちは、例えば能楽協会なんてあるらしいんですけど、そこからお給料もらえているんじゃないんですね。あくまでも能舞台をやって、その入場料から出演料が出ているわけで、それがなくなると、それ来ないんです。もう一つは、お弟子さんたちからの月謝なんですね、こういう伝統芸能というのはつながっていますから、縦に。でも、お弟子さんたちも今来ない。全く収入が途絶えちゃっていて、もうアルバイトしなきゃ生きていけないと、こういうことですよ。
 ですから、まず、そういう状況を理解いただいた上で、国内の文化芸術やスポーツなどのエンターテインメント事業において、新型コロナによる影響、影響の経済損失ですね、今どれぐらい生じていると考えておるでしょうか。

#176
○政府参考人(今里讓君) 文部科学省といたしましては、政府の要請によりまして、文化芸術、スポーツイベントの開催を自粛している関係団体から現状ですとか今後の必要な対策等についてお聞かせいただきまして、状況把握に努めているところでございます。
 その中で、先月の二十四日でございますが、総理官邸で行われた業界団体からのヒアリングにおきまして、コンサート、演劇、ミュージカル、スポーツなどの新型コロナウイルスによる中止、延期等となった公演、試合の入場料の総額は、仮に五月末まで現状が続いた場合には三千三百億円に上ることが見込まれるという報告があったと承知をしてございます。

#177
○松沢成文君 私もそれ読みました、新聞情報で。このまま五月までこの状況が続いてしまえば、損失見込額は今おっしゃったように三千三百億円ですね。これは、年間のライブエンターテインメント市場規模九千億円の実にもう三七%、四割近い大変な損失が出るわけですね。
 その中で、三月二十七日に、文化庁の宮田亮平長官は次のようにメッセージ発表しているんですよ。日本の文化芸術の灯を消してはなりません、この困難を乗り越え、ウイルスに打ちかつために、文化庁長官として私が先頭に立って、これまで以上に文化芸術への支援を行っていきたいと考えています。大変いいことをおっしゃった。
 ここで言うこれまで以上の支援というのは、具体的にどういうことを言っているんですか。

#178
○政府参考人(今里讓君) 先日、今委員から御指摘のございましたメッセージ、これでございますけれども、それは、文化の灯を消してはなりませんという内容が含まれておりまして、これまで以上に文化芸術への支援を行っていきたいというメッセージでございました。
 我が国の文化芸術の灯を消さないよう、イベントの中止等による影響が出ている企業、団体ですとか実演家、スタッフ等への大胆な経済的支援、これが重要と考えていることは当然でございます。
 現在、緊急経済対策といたしまして、関係省庁とも連携をいたしまして、事業継続や生活維持に係る支援、新型コロナウイルス感染症対策を含め活動再開に向けた支援、各地域での多種多様な文化芸術の体験や鑑賞の機会創出などについて検討しているところでございます。
 引き続き、この困難を乗り越えるために、文化芸術に関わる皆様の御意見を聞きながら、文化芸術の振興に取り組んでまいりたいと考えております。

#179
○松沢成文君 こうした事業者のために、今おっしゃっていました特別貸付制度などの対策講じて損失を補償したいということですが、でも、これ貸付けですから、損失を完全に補償するものじゃないわけですよね。
 それで、今日の経済対策に入ると思いますが、新しい対策で、そのチケット代金の税制優遇制度というのを盛り込んでいくなんというのも何か新聞報道では出ておりました。でも、これは、払戻しをしない場合に代金相当額を主催者に対する寄附とみなして所得税の優遇措置を受けられるようにするものでありますから、私は限定的だと思います、効果は。
 そこで、総理は三月二十七日の記者会見で、損失を税金で補償するのは難しいが、給付金も考えておきたいというふうに述べています。この給付金というのは、具体的にどのようなものを検討しているんでしょうか。

#180
○政府参考人(今里讓君) 今ございましたように、政府の自粛要請に基づき中止した公演につきまして、政府全体の方針として、個別の損失を直接補償する、こういうことは困難であるというふうに考えているところでございます。また、今委員から御紹介がございましたように、金融公庫等による緊急貸付けや保証枠の拡充、雇用調整助成金の特例の大幅拡充などの措置がとられてございます。
 そして、これも御紹介ございましたように、緊急経済対策の取りまとめの総理の指示でございますけれども、新たな給付金の制度の創設について言及があったところでございます。これにつきましては、事業継続に係る新たな給付金、それから生活維持に係る新たな給付金、この二種類ということを中に盛り込むべく今検討をしているところでございます。

#181
○松沢成文君 この問題の最後にちょっと大臣の見解を伺いたいんですが、収入が途絶えて明日の生活にも苦しんでいる役者さんとかスポーツ選手とか、これたくさんいらっしゃるんですよ。やっぱりこういう皆さんに、イベント中止でもう活動なんか全然なくなっちゃっているわけですから、私は、ここは本当に緊急の臨時的な措置としてしっかりと損失補償するということを政府がきちっと打ち出すべきじゃないかと思うんですが、大臣はいかがお考えですか。

#182
○国務大臣(萩生田光一君) 文化芸術の灯を消してはならないと思います。今次長からも御紹介がありましたが、金融公庫による緊急貸付けや保証枠の拡充、あるいは雇用調整助成金の特例の大幅拡充などの措置は既にとられております。
 また、経済対策の中に、新たな給付金制度の創設や、少し落ち着いた後に文化芸術団体が更なる元気を出していただくような施策も盛り込ませていただきたい、こう願っているところでございます。
 補償、個別の補償というのはなかなかやっぱり芸術の世界では難しいところもありますので、何とか今、既存のメニューでつないでいただいて、落ち着きを取り戻したときにこのV字回復、芸術文化業界のV字回復、これ別枠でしっかり応援をしていきたいと思っておりまして、一気に皆さんが再び文化に楽しめるような機会を倍増できるような、そういう施策を盛り込んでしっかり応援をしていきたいと思っております。

#183
○松沢成文君 私は、こういう臨時のときには、本当に個人への給付というのをしっかりと政府としても考えていかなければいけないというふうに思っていまして、是非ともこうした文化を支える皆さんへの御配慮をお願いします。
 最後に、またちょっとお城の問題に戻りますが、先ほど高瀬委員からも首里城の問題、提起があって、質問ありました。
 この前、報道にも出ていましたけれども、せっかく内閣府の方来ていただいているので、今後の首里城復元に向けての工程表をもう一度、どんなふうに復元していくか、ちょっと御説明いただきたい。

#184
○政府参考人(原宏彰君) お答えいたします。
 三月二十七日、関係閣僚会議におきまして工程表が決定をされたところでございます。この工程表におきましては、首里城の復元に向けた技術検討委員会からの報告も踏まえまして、防火対策の強化や材料調達の方向性などを示すとともに、首里城正殿について、令和二年度早期に設計に入り、令和四年中には本体工事に着手し、令和八年までの復元を目指すとされたところでございます。また、復元過程の公開でありますとか観光振興など、地元のニーズに対応した施策を推進するという点にも言及がございます。
 引き続き、国営公園事業である首里城の復元に向けまして、関係省庁等と連携し取り組んでまいります。

#185
○松沢成文君 その中で、首里城、木造ですからね、木材。木材で、これ分かったらでいいんですけれども、台湾ヒノキを使おうということで、今、台湾にもそれを供出してくれないかと要請していて、話が進んでいると聞いているんですが、その辺りはどうなるかは分かりますか。

#186
○政府参考人(原宏彰君) 台湾ヒノキにつきましては、自民党の関係議連といいますか、そういうところを窓口として現在いろんなお話が進んでいると聞いておりますけれども、まだ調査途上であるというふうに伺っております。

#187
○松沢成文君 それから、これは文科省側になるのか分かりませんが、答弁はですね。大きな歴史的建造物を修復なりあるいは復元する場合に、その修復過程、復元過程も見てもらって観光資源とすると。
 実は私、姫路城の平成の大修復のときに視察に行ってきました。中上れて、いろいろ職人さんたちが、宮大工さん始め修復しているところを全部見て、ああ、すごいんだな、日本の技術はということで勉強もできたわけですよね。世界的に見ると、バルセロナでしたっけ、サグラダ・ファミリアなんて永遠に修復していますからね。それをずっと観光資源にしているわけですよね。
 今後、私も期待している城郭の復元、首里城を始め、名古屋城もあるでしょう。これを、今までの発想だと、何かシートを掛けて危ないから外とシャットアウトして復元するというやり方でしたけれども、発想が。これを是非とも、安全性を確保した上で多くの方が、多分二年、三年掛かるのであれば、その間だんだんとできてくる様子も観察ができて、その日本の伝統的な建築技術を学べるということになるかと思うんですが、これを是非とも推進していくべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

#188
○政府参考人(今里讓君) 歴史的建造物の復元過程の公開は、史跡等の価値の理解の向上に資するものであります。そのほか、伝統的な建築技術への興味、関心を高めるとともに、観光振興にもつながり得るものというふうに認識をしてございます。
 このため、今ほどお話のありました首里城正殿の復元に際しましても、先月末の開催された関係閣僚会議におきまして復元過程の公開を行うこととされているところでございまして、文部科学省といたしましても、技術的な助言等を行っていきたいと考えているところでございます。
 その他の歴史的建造物の復元につきましても、史跡等の理解や伝統的な建築技術への興味、関心が高まるように、「歴史活き活き!史跡等総合活用整備事業」などによりまして、その復元過程を公開するための支援等を行ってまいりたい、このように考えております。

#189
○松沢成文君 最後に、また大臣にもう一度お聞きしたいと思うんですが、いよいよ我々の東京の江戸城も、これ、私は再建をしていくべきだというふうに思っているんです。ただ、今、江戸城があったところは皇居になっておりまして、吹上の御所の方がある昔の西の丸の方には両陛下がお住まいになっていたり、あそこで様々な皇室関係の行事も行われて、宮内庁もあるわけですよね。ただ、その東側にあります今でいう東御苑、昔の本丸跡は、宮内庁関係の施設は少ないんですよね。でも、宮内庁が管理しているんです。皇居、旧江戸城というのは広大な敷地がありまして、その両陛下が住む御所と江戸城の例えば天守閣があった天守台とは六百三十メーター離れているんですよ。
 ですから、私は、この際に、やっぱりこの観光の、大きなその文化観光の目玉として、譲位という御慶事もあったので、東御苑、そしてこの本丸跡地を是非とも国民に両陛下から御下賜いただいて、それでここを城址公園として整備すると。そうすれば、ひょっとしたら天守閣の再建もできますし、あるいはやぐらとかお堀とか昔の江戸城のすばらしいものをどんどん復元していって、東京を代表する一大文化観光資源にするという大きな発想があってもいいと思いますし、私は、両陛下も、国民の皆さんが喜んでくれるのであれば、こんな広いところを全部宮内庁で持っていなくてもいいと、間にはちょうどお堀もあるわけですから。そうやって私は御下賜いただくことも可能じゃないかと思っているんですね。皇室の御慶事にはこういう御下賜があって、それで上野公園も上野恩賜公園です、井の頭公園も井の頭恩賜公園で、旧皇族が持っていたものを国民に御下賜して、それが今都民や国民の憩いのすばらしい公園になっているわけです。
 私は、皇居、旧江戸城もこうした大きな発想を持って再整備していく、大臣は東京選出でもありますし、これは東京観光、日本観光の必ず目玉にもなりますし、文化の成長戦略にもなるし、これを民間資金でやっていくぐらいの大発想でやっていけば、私は新たな成長戦略につながると思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。内閣でもちょっと検討していただきたい。

#190
○国務大臣(萩生田光一君) 一般論として、東御苑については貴重な文化資源でありまして、文化観光の振興に寄与するものと私も考えております。松沢先生のお話を聞いておりますとわくわくしてくるんですが、しかし、東御苑は皇室用の財産であり、こうした場所の扱いについては東御苑を所有、管理する宮内庁の判断によるものであるため、この場でのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。

#191
○松沢成文君 じゃ、今度プライベートでゆっくりやりましょう、一度。
 どうもありがとうございました。

#192
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 文教科学委員会での質問は十三年ぶりで、伊吹大臣以来となりますので、よろしくお願いをいたします。
 政府は今日、コロナ対策での緊急事態宣言を出します。その下で、文化芸術関係、改めて法律に基づく自粛要請が行われることになります。これまでも、政府の自粛要請によって中止、延期された公演、イベントによって、先ほど、五月まで続けば三千三百億の損失になると、こういうお話もありました。この重大な危機に直面している文化芸術活動への支援が必要でありまして、その上で、まず、大臣の基本的な認識をお聞きしておきたいと思うんですね。
 三月十日の当委員会で、こういう支援を求められた際の大臣の答弁は、少なくとも文化は国民の皆さんの心を癒やすツールだというものでありました。私、ちょっと議事録読んで、率直に言って物足りなかったんですね。
 一方、ドイツ政府は、一度失われたものは早急には再建できないとして、三月二十三日に、文化分野での補償を含む数千億円規模の文化芸術への緊急支援措置を公表いたしました。その際に、ドイツの文化大臣は、芸術家は必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要な存在だと述べられました。私は、このドイツの大臣のような踏み込んだ認識で支援をしてもらいたいと思うんですが、重大な危機に直面している文化芸術活動の灯を消さないために、改めて大臣の文化芸術に対する認識をお聞きしたいと思います。

#193
○国務大臣(萩生田光一君) ドイツの文化大臣が発言された趣旨について詳細は承知しておりませんけれども、文化芸術基本法は、その前文において、文化芸術を創造し、享受し、文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは人々の変わらない願いである、文化芸術の役割が今後においても変わることなく、心豊かな活力ある社会の形成にとって極めて重要な意義を持ち続けるとしております。
 私としましても、この国の文化芸術のすばらしさを我々が共有することはもちろん、次世代につないでいくために、文化芸術界の皆さんと一緒になって取り組んでいくことが重要であると考えており、文化芸術の灯を守り抜くため、文化芸術の振興に努めてまいりたいと思っております。

#194
○井上哲士君 今日の出される緊急経済対策の中では、人々の心を癒やし、明日への希望を与え、社会の基盤を成す文化芸術という記述があるようでありますけれども、この立場でしっかり取り組んでいただきたいと思うんですね。
 その上で、私たちはこれまでも自粛と補償はセットだと強調してきました。緊急事態宣言を出すならば、その措置に伴って生じる損失への補償を一体のものとして行うことがいよいよ重要であります。要請に応えて営業をやめてもキャンセル料などが重くのしかかる、それから賃料や雇用維持のための固定費が掛かるということは、今日も、そしてこれまでも繰り返し指摘をされてまいりました。
 ライブハウスなどを舞台に活躍するアーティストや音楽関係者でつくるSave Our Spaceという団体の要望書には、集団感染を防ぐことが大切だと理解しながらも、経済的事情で営業を続けざるを得ない状況に陥っている文化施設もあるというふうに述べております。自粛だけを要請してあとは自己責任でということでは文化芸術の灯が消えてしまいますし、感染症対策としての自粛の実効性も確保できないと思うんですね。この団体が自粛要請を受けて収入が減った文化施設への助成を求めて取り組んだ署名活動は、三月二十七日の夜から僅か四日間で一気に三十万を超えました。
 是非、この緊急事態宣言の下で改めて法律に基づく自粛要請を行うに当たって、自粛と補償はセットだと、この声に応えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#195
○政府参考人(今里讓君) 文化芸術団体からは、今先生からも御指摘のございましたように、政府の自粛要請に基づいて中止した公演について損失の補償を要望されているところでございます。しかしながら、政府全体の方針といたしまして、個別の損失を直接に補償するということは困難でございます。
 一方、文化芸術の灯を絶やさないためにも、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため文化芸術活動の自粛を余儀なくされた方々に対して支援を行うことは重要であると考えておりまして、必要な対策を政府全体として検討してまいりたいと考えております。

#196
○井上哲士君 今日発表される経済対策では、先ほども少し話題上がりましたけれども、いわゆる新しい給付制度が盛り込まれると承知をしております。これまでは融資一本やりだったのが、フリーランスの皆さんも含めて事業継続のためのこういう給付金、こういうものが行われるということは一つの新しい方向だと、こう思うんですね。
 しかし、やっぱりそこには自粛と補償はセットという考え方が欠落をしておりますし、中身も非常に抽象的でありまして、具体的な基準も、それから規模も示されておりません。政府が今日、緊急事態宣言を出すに当たって、基本的対処方針諮問委員会に意見を午前中聞いておりますけど、この諮問委員会の会長である尾身茂先生も、土曜日、四日の夜に放映されたNHKスペシャルで、特措法には経済的支援をする部分が法律に入っていないと、自動的には、だから、ここには法律の範囲を超えた政治的な決断、リーダーシップが非常に重要で、そうでないと、ただ一方的に要請しても実効が伴いません、経済的支援をすることがカップルになってやらないと実効が上がらないと、こう述べておられるんですね。
 ですから、この文化芸術の灯を消さないという点でも、そしてこの自粛の実効性を確保するという点でも、方法は様々だと思います、先ほどありました。実態として損失を補填するという規模と内容がなければ、この感染防止対策の実効も上がらないし、文化芸術も守れないと思うんですね。
 改めて、私は大臣自身の御認識をお聞きしたいと思います。

#197
○国務大臣(萩生田光一君) 既に発表しております貸付け等の融資などのメニューに加えて、今日、新たな経済対策の中で給付金制度が提案されることになると思います。
 芸術家、芸術関連者といいましてもいろんな雇用形態があるものですから、一概に団体に補助をしたり、一概に個人に補助するということはできないんですけれども、自分の属性に合わせてそれら複数のメニューの中から是非申請をしていただいて、取りあえずしっかり、この芸術を諦めないという期間、頑張ってほしいと思っています。
 その上で、我々、文化庁を所管する文科省としては、その後の反転攻勢、少し落ち着いた段階で皆さんの仕事のチャンスを増やすことに注力をしていきたい、こう思っているところでございます。

#198
○井上哲士君 繰り返しになりますけれども、やはりこの補償、損失の補填ということが基本に座る必要があると思うんですね。
 反転攻勢とかV字回復というお話がありました。文化庁長官の声明の中にも明けない夜はないと、こういう言葉もあるんですね。だけど、今の状況は、そこまでもたないという悲鳴が上がっているわけですよ。夜が明けてみたら夜逃げしてしまうしかなかったとか、夜が明けたらもう息を途絶えていたとか、そんなことも起こりかねないわけでありますから、今苦境にある文化芸術への支援、これが本当に必要だと思います。しかも、これ、いつまで続くか分かりません。
 ですから、一時的な給付金というような形だけではなくて、いろんな補償も含めて継続的な、事態が続く限りやっぱり支援をすると、こういうものが必要かと思いますけれども、これはいかがでしょうか。

#199
○政府参考人(今里讓君) 今ほど大臣からも答弁ございましたけれども、継続的な支援ということでございますと、その先のやはり文化芸術振興を倍増していくような取組といった形での支援ということが一つ考えられるかと思います。
 そこまでの実施といたしまして、先ほどからお話しになっております新たな給付金の制度の創設、こういったことですとか、あるいは金融公庫等による緊急貸付・保証枠、雇用調整助成金の特例措置の大幅な拡充、こういったことを総合的に進めていくと、このように考えているところでございます。

#200
○井上哲士君 この影響がいつまで続くか分からないということでありますから、改めて、一時的な給付金にとどまらず、事態終息までの継続的な支援、そしてそれからの新しい支援ということを改めて強く求めておきたいと思います。
 続いて、法案でありますけれども、この法案は、文化観光拠点として中核となる施設、文化資源保存活用施設として位置付けられる施設、博物館、美術館などを挙げております。
 博物館は、もちろん単なる展示場ではありません。様々な役割を持っております。私は、とりわけ重要なのは、この資料収集、保存、そして調査研究だと思いますけれども、まずその認識、いかがでしょうか。

#201
○政府参考人(今里讓君) 博物館法は、その目的を、社会教育法の精神に基づき、博物館の設置及び運営に関して必要な事項を定め、その健全な発達を図り、もって国民の教育、学術及び文化の発展に寄与することとしているところでございます。
 そして、その同法第二条におきまして、博物館は、歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関とされてございまして、御指摘の資料収集や調査研究につきましても、博物館の本来の取組として重要なものと認識をしております。

#202
○井上哲士君 博物館がそういう本来の役割を果たして文化財を生かしていく上で、この歴史的、文化的な価値、これを見出していくことが大変重要だと思います。これはやはり専門家たる学芸員による調査研究があって初めて成り立つわけです。
 文化庁の委託事業で昨年三月に持続的な博物館経営に関する調査の報告書が出されておりますが、この中で、一九九七年から二〇一三年にかけて、一館当たりの常勤の学芸系の職員数の推移はどうなっているでしょうか。常勤の学芸・事務管理系職員、非常勤職員の学芸系職員の推移と併せてお答えください。

#203
○政府参考人(今里讓君) 今ほど御紹介のございました平成三十年度に文化庁からみずほ総合研究所株式会社に委託して実施をいたしました持続的な博物館経営に関する調査、これによりますと、一館当たりの常勤の学芸系職員数に注目すると、一九九七年から二〇一三年にかけて二・七人から二・一四人に大きく数を減らしている一方で、常勤の学芸・事務管理系職員の数は一九九七年から二〇一三年にかけて一・九四人から二・二三人に数を増やしている。また、非常勤職員についても同様に注目すると、学芸系職員数は〇・五六人から〇・六三人に、学芸・事務管理系職員は〇・四〇人から一・〇〇人にそれぞれ増やしているという記述がございます。

#204
○井上哲士君 先ほどの答弁で大臣が、学芸員については余り変わっていないという御答弁ありましたけど、今のこの報告書は、特に常勤の学芸員については大きく減らしていると、こういうふうに報告をしているわけですね。常勤の学芸員が減る中で、常勤の学芸・事務管理系職員が増えているけれども、全体としては減らしているという状況になっております。
 この同じ報告書が、博物館財政が逼迫する中で、常勤の学芸員についても、学芸事務に専従するのではなく、事務や管理業務について求められるようになっていると述べて、学芸員は、調査研究、収集、保存、展示、教育という博物館の基本的な機能を担う存在であり、学芸員の業務の事務管理系業務への広がりや雇用形態の非常勤化はこうした機能を損なう可能性があると指摘をしております。ですから、常勤の学芸員が減り、かつその常勤の人がいろんな事務にも仕事を広げているということで、本来の機能を損なう可能性があると指摘をしているわけですね。
 こういう博物館の基本的な機能を発揮するためにも、やっぱり常勤の学芸員がしっかり配置をされるようにするべきだと考えますけれども、大臣の認識、いかがでしょうか。

#205
○国務大臣(萩生田光一君) 先生、一概には言えないんですけど、事務方に回されているというよりも、いわゆる収集、保存、研究の仕事がなくなっちゃっているというところに多分大きな問題があるんだと思います。それは、さっき私、他の委員の質問にも答えましたけど、できたときはもう本当に町じゅう皆さんで盛り上がってスタートした博物館が、残念ながら、なかなかリニューアルや新しい展示物が入ってこない中で入場者が減っていく、結果として仕事が減っていくということが今まであったんだと思います。ここは反転攻勢に出る、私、この法律は機会だと思っておりまして、まさしく文化芸術の振興にとって学芸員等の博物館専門職員の人材育成は極めて重要であります。
 文化庁としても、それぞれの職種や経験に応じた多様な研修を毎年度実施しておりまして、令和二年度からは若手学芸員等の海外研修事業を拡充するなど、人材育成にも努めております。令和二年度予算である博物館等を中核とした文化クラスター推進事業においては、本法案において認定を受けた拠点計画や地域計画に基づき実施される取組を担う学芸員やインバウンド支援職員等の人件費も支援の対象としており、博物館、美術館の魅力向上、文化観光拠点としての機能強化が図られることになります。
 また、中長期的な学芸員の在り方については、総合的な博物館の振興方策を検討するため、昨年十一月に文化審議会に新たに博物館部会を設置をさせていただきました。
 今後とも、クラスター推進事業も活用しながら、学芸員を始めとする博物館専門職員の確保、質の向上をしっかりと努めてまいりたいと思います。

#206
○井上哲士君 大臣の言われる、とりわけ地方の博物館の資料収集とか研究予算が不足しているということはちょっと時間あれば後ほど御質問したいと思うんですが、博物館や美術館の人員不足というのはもう地方の博物館に限った話ではないんですね。国立の美術館、博物館においても同様だと思います。
 東京国立美術館の外部評価委員会の報告書が出ておりますが、そこでは職員の業務量についてどういうふうに述べているでしょうか。

#207
○政府参考人(今里讓君) 独立行政法人国立美術館外部評価委員会でございますけれども、これが取りまとめました平成三十年度の外部評価報告書では、職員の業務量の増加について次のように記載されてございます。
 常にサービス向上のため様々な改善を進めている職員の業務量が増え続けている。展覧会以外にも、美術館へ足を運んでもらうための様々なイベントや多言語化への対応により業務量が増大し、時間外労働につながることは看過できない。
 以上でございます。

#208
○井上哲士君 業務量が増え続けているという指摘なんですね。
 これに加えて、今回の法案では、国立の館の所蔵品の貸与が規定をされております。先ほど、それが非常に地方の博物館などにもたらす意義について大臣からお話がありました。私もそれは大事だと思うんですね。
 ただ一方、この同じ報告書ではこう言っているんですね。作品貸与に対応するには、一点ごとに行われる貸出先との綿密な点検作業に多くの時間と労力が必要とされる上に、重要作品に対する貸出要請が重複しがちな状況において、貸出先の展示環境などの調査に加えて自館におけるコレクション活用等との調整も必要になり、人員が限られる中で各館研究員の負担が増大していることが懸念されると、こういうふうに書いております。
 この法案が貸与を規定しているということであれば、やっぱりそれにふさわしくこの国立の博物館、美術館の人員増も進めるべきではないかと考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#209
○国務大臣(萩生田光一君) 国立美術館に対する平成三十年度外部評価報告書において、展覧会以外にも、美術館へ足を運んでもらうための様々なイベントや多言語化への対応により業務量が増大し、時間外労働につながることは看過できないと記述されていることは承知をしております。
 国立美術館は我が国のナショナルセンターとして世界各国の主要な美術館に比肩すべき役割を担っております。そのためにも、国立美術館が今後も国内外に誇り得るナショナルコレクションの形成、継承、質の高い展覧会の開催等、その役割を十分果たしていくことができるよう、必要な人材確保等に向けた取組の支援に努めてまいりたいと思います。

#210
○井上哲士君 是非必要な人材確保を求めたいと思います。
 それから、先ほど少し大臣からございましたけれども、博物館にとって、所有する資料、それからそれぞれの館の独自のコレクションを整えていくということは、魅力ある博物館、美術館になっていくために必要なことだと思いますが、じゃ、そういう資料購入の予算がどうなっているのかと。先ほどの委託事業の報告書ではこの点についてはどういうふうに述べているでしょうか。

#211
○政府参考人(今里讓君) 先ほど申し上げました持続的な博物館経営に関する調査でございますけれども、これによりますと、博物館等の資料購入予算につきましては、平成二十四年度の博物館の館種別資料購入予算額から、資料購入予算がなかったとする館は全体の五二・七%に達していることが分かる。特に郷土博物館の約七〇%、歴史博物館の約六〇%が予算がないと回答しており、厳しい運営を強いられていることを読み取ることができる。資料の収集、保存はそれ自体が博物館の発揮すべき機能であるとともに、展示、教育や調査研究といったその他の機能の基盤となるものである。予算の確保をどのように実現するか方策を考える必要があるとございます。

#212
○井上哲士君 資料収集の保存はそれ自体が博物館の発揮すべき機能だというふうに言われながら、この全体の半分を超えるところがその予算がないと、こういう状況であるわけであります。
 同時に、資料があっても、学芸員の皆さんによる調査研究があって初めて歴史的、文化的な価値が生み出されるわけでありますが、同じ報告書ではこの調査研究の予算についてはどのように述べているでしょうか。

#213
○政府参考人(今里讓君) 同じ調査でございますけれども、調査研究に関する予算につきましては、調査研究についても半数以上の多くの博物館が予算がないと回答している。また、資料の収集、保存と同様に、予算がないと回答している比率が最も高いのは郷土博物館であり、六四・二%の博物館が調査研究のための予算がないことが分かるとしてございます。

#214
○井上哲士君 全体で五二・六%の博物館が調査研究に充てる予算がないと、こうなっているわけですね。
 ですから、人も不足をしている、そして資料の収集、保存の予算も、そして調査研究の予算もないというところが半数を超えると、こういう事態があるわけですね。ないない尽くしで、私は博物館の本来の機能が十分果たし得ない現状にあると思うんです。関係者からは、博物館の危機だと、こういう声も聞こえてまいります。
 本法案は、一部の地域、一定の地域の博物館の支援をするわけでありますが、これにとどまらず、文科省全体として日本全体の博物館の支援を強化すべきだと考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#215
○国務大臣(萩生田光一君) 全国各地の意欲ある博物館等については、本法案によって認定を受けた拠点計画や地域計画に基づき、クラスター推進事業による支援を活用していただき、その文化観光推進の取組が広く波及することを期待をしております。
 一方で、全国の博物館のうち少なくない博物館が様々な運営上の課題を抱えていることは認識しており、博物館の本来業務を推進することが必要と考えています。
 そのため、文科省としては、博物館全体への支援として、学芸員の資質向上のための各種の研修事業、博物館の地域文化の発信や学校や地域との連携を促進するための支援など、事業を着実に進めているところでございます。
 こうした事業を進めつつ、平成三十年十月の文化庁の組織再編に伴い博物館政策が文化庁の所管となったことを踏まえ、昨年十一月、文化審議会に新たに博物館部会を設置し、総合的な博物館の振興方策の検討に着手したところであり、そこでの検討を踏まえて、今後の博物館支援策をしっかりと講じてまいりたいと思います。

#216
○井上哲士君 法案では、地域の文化財を観光に活用していくということも述べられておりますが、例えば紙に描かれたものでいいますと、光が劣化の原因になるため展示期間を定めております。びょうぶなら二年で六週間ほど、日本美術だと一年で二か月だと聞いております。ですから、一年三百六十五日ずっと展示するわけにはいかないわけですね。観光に役立つ、稼げるからといって文化財を毀損してまで展示するようなことになってはならないし、後世にまでしっかり守ることが大事なことだと思っております。
 文化観光を進めていく上でも、人と予算はしっかり確保して、保存と展示がそれぞれ適切に行われる事業を進めていくべきだということを強く申し上げるとともに、コロナ対策、文化芸術の灯を消さないために自粛と補償をセットと、大きな支援をしていただきたいということを改めて申し上げまして、時間ですので質問を終わります。
    ─────────────

#217
○委員長(吉川ゆうみ君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、衛藤晟一さんが委員を辞任され、その補欠として元榮太一郎さんが選任されました。
    ─────────────

#218
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。
 初めに、現在、急速に感染が広がっております新型コロナウイルスについて、一言申し上げたく存じます。
 感染でお亡くなりになった方々に心よりお悔やみ申し上げます。また、療養中の方に対しては、一日も早い御快癒をお祈り申し上げます。
 さて、新型インフルエンザ等特別措置法に基づき、安倍首相は本日にも七都府県を対象におおむね一か月程度をめどに緊急事態宣言を発出すると発表いたしました。
 新型コロナウイルス対策が新たな段階に入ったことを受け、法案質疑の前に休校対策としての遠隔授業についての質問をいたします。
 三月二十四日、全国で一斉休校が続く中、文部科学省は新学期からの学校再開などに向けた指針を公表し、さらに四月一日にその改訂版を出しました。指針では、児童生徒や教職員の感染が判明した場合、直ちに臨時休業とするのではなく、感染した人が学校内でどのような活動をしていたかや、学校周辺地域の感染状況を踏まえて自治体が判断するよう求めています。一方で、新規感染者数や感染経路が明らかでない感染者が急激に増加している感染拡大警戒地域においては、自治体の長が地域全体の活動自粛を強化する一環として学校の設置者に臨時休業を要請する可能性もあるとしています。
 しかし、ここ二週間、東京とほかの大都市部で感染経路が不明な新たな感染者数が急増し、新型コロナウイルスをめぐる情勢は油断できない状況です。このような状況を鑑みますと、今後も登校できない児童生徒が増え続けると考えられます。既に、都立、大阪府立の高校、特別支援学校を始め県庁所在地と政令指定市、東京二十三区の計七十四自治体のうち三十五自治体の公立小中学校が五月連休明けまで休校を継続するとされています。
 安倍首相による一斉休校の要請は比較的授業の少ない三学期でしたが、新学期以降も休校が続く場合、開校している学校と比較して、授業に参加できない児童生徒の学習の遅れが懸念されます。
 資料一を御覧ください。
 これは、上海の公立学校で休校になった際に自宅でオンライン授業を受けている様子を紹介した記事です。韓国でも新学期開始を四回遅らせていましたが、ついに四月九日から順次自宅で遠隔授業を受けることで新学期スタートを切ることを決定したと報じられています。日本でも遠隔授業を本格実施しないと、児童生徒の学習の遅れが深刻化します。
 そこで、大臣にお尋ねします。
 文部科学省は、一斉休校の期間中、遠隔授業など、どのような対策を打つか、どの程度話し合ったのでしょうか。

#219
○国務大臣(萩生田光一君) お答えします。
 学校の臨時休業期間に際して、児童生徒が学習を進める際にICTを活用することは有意義であり、既にICT環境整備が進んでいる自治体においては積極的に活用いただきたいと考えています。
 文部科学省では、我が国の遅れた学校ICT環境を抜本的に改善すべく、令和元年度補正予算において、GIGAスクール構想の実現として、学校における高速大容量の通信ネットワークと児童生徒一人一台端末の一体的な整備を開始したところであり、今後早急に整備を進めてまいりたいと思います。
 既に補正予算は成立しておりまして執行が可能でございますので、休校になってしまいますと、学校のネットワーク整備は子供たちがいない中で逆に工事ができるのでいつでも進めてもらいたいと思うんですが、端末はできるだけ早めに買い取っていただければ、休校の、在宅でのツールとしても活用が可能なのではないかということを期待をしております。
 臨時休業期間中の児童生徒の学習支援に向けては、児童生徒及び保護者等が自宅等で活用できる教材や動画等を紹介するポータルサイトの開設、周知、各地域におけるICTを活用した取組事例等に関する情報のホームページの掲載、周知なども行っているところでございます。
 我が省としては、まずはあらゆる機会を捉えて、スピード感を持って令和の時代のスタンダードとしての学校ICT環境の整備を進めるとともに、一方で、休校が続く自治体があるわけですから、これ率直に申し上げて、御家庭のパソコンやタブレットなどのお持ちのものが使えるかどうか。家庭にはそういう環境がない御家庭に関しては、学校である程度のストックがあるわけです。これを、ひとしく平等にというと一人一人に一台まだ整備ができていないんですけれど、だからといって貸し出さないという後ろ足をそろえるのではなくて、各自治体や学校設置者とも相談をしながら、例えば六年生を優先に貸そうとか、こういう柔軟な対応で、あるインフラは全て使って、是非、休校中のオンライン授業、できるところからしっかりやっていきたいと思っております。
 また、あわせて、NHKのEテレですとかこういったところにも協力要請をさせていただいておりますので、在宅でできる限り学習に遅れがないように、文科省としては、関係自治体と連携をしっかり取りながら、ICTの活用も含めて支援策を講じてまいりたいと思っております。

#220
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 私は、前回の委員会質疑で、情報通信技術を使って国会審議に遠隔参加することの御検討をお願いいたしました。同様に、学校現場でも当然、ICTを使っての授業あるいは遠隔授業を進めていただきたいと強く望んでおります。
 日本は、PCR検査の拡充だけでなくICTを使った遠隔授業でも対策が周回遅れで、随分のんびりしているという印象が否めません。
 政府は、GIGAスクール構想の推進のため、令和元年度の補正予算で、児童生徒向けの一人一台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するための経費として二千三百十八億円を盛り込みました。そのほか、教育のICT化に向けた環境整備五か年計画に必要な経費として単年度一千八百五億円の地方財政措置が講じられています。
 そこで、大臣にお聞きします。
 これらの金額の中に児童生徒が自宅で遠隔授業が受けられるようにするための環境整備の費用は入っておりますでしょうか。

#221
○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。
 我が国の教育におけるICT活用状況は世界から大きく後塵を拝しており、その基盤となる学校ICT環境について整備が進んでおらず、自治体間で差が生じております。
 このため、これまでの地方財政措置に加え、令和元年度補正予算、GIGAスクール構想の実現では、まずは我が国の遅れた学校ICT環境を抜本的に改善をするため、所要の予算を計上したところであります。
 これまでの整備を進める上では、家庭での端末の利用について、各自治体、学校において適切に判断いただくこととしておりましたが、今回の新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業をきっかけとして、ICTを活用して学校と家庭をつないだ学習を支援する必要性が高まっているところであり、今後、様々な取組を検討し、進めてまいりたいと考えております。

#222
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 新型コロナウイルスの影響で休校が長引く場合、中国や韓国でも進んでいるように、児童生徒が遠隔で授業を受けられる環境整備が必須になると思います。
 資料二を御覧ください。
 休校措置期間中、先進的自治体におけるICTを活用した学習や個別指導、健康状態のチェックなどの取組が紹介されています。しかし、その中に、接続環境にない家庭には電話等でフォローとあります。GIGAスクール構想によって一人一台端末を与えられ、学校で様々なアプリを使った授業が可能となっても、家庭の経済状況により通信環境が整備されていないお宅では、遠隔の授業を受けたり担任とのやり取りができたりしません。それでなくても、休校中に塾に通って補習授業を受けたり、学習アプリやオンライン授業を活用して自主的に勉強を続けられるお子さんと、経済的な理由でそれができないお子さんとの間で格差が生じていると考えられます。こうした格差をそのままにしておいてよいものでしょうか。
 コロナ危機は、ピンチであると同時にチャンスとも言えます。NHKニュースによりますと、自民党内からも、小中学生が家庭で端末を使って学べる環境整備の要望が出ているということでした。また、義務教育段階だけでなく、日本私立大学教職員組合連合からも、学生の修学保障措置の一つとして、大学が遠隔授業を行う場合、通信費の補助などの要望が出されています。
 報道によりますと、文部科学省は、低所得者世帯のインターネット環境の整備のため、モバイルルーターを貸し出すなどの方針を固めたとされています。しかし、通信費は補助対象外とのことでした。
 義務教育を受ける児童生徒が、家庭の経済力に関わりなく、世界最先端のネット環境で自宅にいてもスムーズに授業を受けられるよう、通信費の補助等を含む更なる財政出動を実施していただくことをお願いしたく存じます。
 大臣も冒頭の発言で触れられておられましたが、きっと格差のない学習環境の保障を果たしてくださると考えております。数十年後に教育関係者から、あのときの萩生田大臣の英断が日本の教育を変えたと思えるような提案をしていただきたいと存じますが、いかがでしょうか。

#223
○国務大臣(萩生田光一君) 学校の臨時休業期間中に児童生徒が学習を進める際に、ICTを活用することは有意義であると考えております。文科省としては、GIGAスクール構想実現に向けて、自治体や学校の通信費等の負担ができるだけ軽減されるよう、私から直接民間企業等に対して、学校向けの安価な通信料の設定などについて協力をお願いをしてきたところでございます。
 また、今先生から御指摘がございましたこの休校が続く中でパソコンの、あるいはタブレットの持ち帰りを認める自治体にあっては、しかし、端末はあっても、いわゆるそのルーターがないと、WiFiがないと使えないという環境の御家庭もありますので、まだ正式には決まってないんですけれど、文科省としてはその支援もしていきたいと思っています。持ち帰ったタブレットが使えるように、ルーターの貸出しというのも考えていきたいと思います。
 それから、これも相手のいることなので現段階で全て発表できないんですけれど、これ小学生、中学生のみならず、高校生、大学生も学校を休むことになりますので、オンライン授業ですとか、あるいはオンデマンド授業を続けていかなきゃなりません。パソコンやタブレットの通信環境がいい御家庭は結構なんですけれど、そうじゃないと、大学生などはもうパソコン持たずにスマートフォンで授業の閲覧をしようという子もいます。
 ところが、ギガ数が余りにも学生が契約しているものは小さいものですから、結果として授業一時間分を見たらもうそれで後使えなくなっちゃうなんということがありますので、実は民間の大手企業にお願いして、二十五歳以下の学生を対象に、期間限定ではありますけれども、例えば夏ぐらいまでの間、これは一定通信料を一部無償化することをお願いをさせていただいておりまして、大方、皆さんから大変御協力的なコメントをいただいているところでございます。二十五歳以下ということは、中学生や小学生も入りますので。ただ、一応ルールを作ろうということで、中には授業以外で映画などをダウンロードしてしまう学生さんなどがいるので、そこをどうやってルール化ができるかということで今最後の調整をしておりますけれども。
 先生御指摘いただいたように、全ての子供、児童生徒が学校のみならず家庭での通信環境も確保できるように、今後とも様々な取組をして、あのときは大変だったけど、あの時代があって日本のICT環境、教育現場変わったなと皆さんに後で言ってもらえるような、そういう努力を今全力で取組をさせていただきたいと思います。

#224
○委員長(吉川ゆうみ君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#225
○委員長(吉川ゆうみ君) 速記を起こしてください。

#226
○舩後靖彦君 代読いたします。
 格差のない学習環境の整備を実現してくだされば、大臣のお名前は歴史に残ることでしょう。改めて御決意をお願いいたします。

#227
○国務大臣(萩生田光一君) 私の名前が歴史に残っても残らなくても、ここはもうしっかり使命として、格差のないICT環境をしっかり整備をしていきたいと思います。

#228
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 それでは、文化観光拠点法案への質問に移らさせていただきます。
 本法案は、文化観光の振興、観光客の来訪促進のために、博物館などの文化施設のうち、意欲のあるところを文化観光拠点施設として、その機能強化や地域の文化観光推進を国が後押しすることを目的としています。
 ところが、我が国の多様で豊かな観光資源の活用に向け、観光庁において、平成二十四年に観光立国推進基本計画が策定されました。二十九年改訂版の中には、博物館、美術館等文化施設の充実がうたわれています。
 また、文化庁は、平成二十七年度より、地域の核となる美術館・歴史博物館支援事業に取り組んでいます。平成二十五年から二十六年度には、地域と共働した美術館・歴史博物館創造活動支援事業も行っております。
 その他、地域の歴史的魅力等を通じた文化伝統を語る日本遺産の認定や、文化資源を使って日本を訪れる外国人旅行客を増やすための環境整備事業など、様々な既存の取組があります。
 そこでお尋ねします。
 本法案で想定されている目的、効果は、既存の取組とどのような違いがあるのでしょうか。

#229
○政府参考人(今里讓君) 本法案において推進します文化観光につきましては、今委員からも御指摘のございましたように、既に閣議決定をされた観光立国推進基本計画、これにおきましても、日本の歴史、伝統といった文化的な要素に対する知的欲求を満たすことを目的とする観光として明確に位置付けられておりまして、既存の法律の枠組みや予算措置等を活用しつつ、今御指摘のありました事業などを通じ、観光政策の主要分野の一つとして推進されてきたところでございます。
 他方、近年我が国の文化的な魅力を体験することを目的に訪日される方が増えてきておりますが、文化施設におきましては、国内外からの観光旅客を引き付けるための解説、紹介、発信に関する課題や、国内外からの観光旅客が来訪しやすくなるための交通手段等の利便性向上に関する課題などが生じているという指摘がございます。
 このため、本法案におきましては、こういった課題を解決していくために文化施設を文化観光の推進の拠点として位置付けまして、法律上の特例措置とともに、国土交通省、文部科学省を中心に、各省連携の下、各種の予算措置等を集中的、一体的に講じてまいります。
 さらに、各地域におきましては、文化施設の関係者と観光地域づくり法人や旅行業者、交通事業者等との連携が必ずしも十分ではないという課題があったことから、本法案の新たな枠組みの下で、両者が一体となって文化資源の魅力を実際の来訪者数の増加や旅行消費の活性化に結び付けていく機運を高めていきたい、このように考えております。

#230
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 次の質問に移ります。
 本法案では、基本方針に基づき、施設と事業者が共同で拠点計画を作成、申請し、主務大臣が認定することとなっております。市町村又は都道府県が策定する地域計画も同様に、自治体と文化資源保存活用施設、文化観光推進事業者が共同で計画を作成、申請し、主務大臣が認定することとなっております。
 えてして、このような計画策定にはコンサルタントを入れて進められることもあるかと思います。そのような場合、認定という結果を重視し、地域の実態や要望と懸け離れた内容が盛り込まれてしまい、せっかく作って認定された計画が地域住民から浮いてしまうということになりがちです。その点、地域文化の拠点となることを重視した計画策定が重要ではないかと考えております。
 大臣にお尋ねします。
 拠点計画、地域計画を認定するに当たり、どのような項目、基準をお考えでしょうか。

#231
○国務大臣(萩生田光一君) 本法案では、文化施設の機能強化に取り組む拠点計画と、文化施設を中核とし地域単位で文化観光の総合的かつ一体的な推進に取り組む地域計画の二つの計画を用いて地域における文化観光の推進を図ります。
 両計画については、計画における基本的な方針、二つ目として計画の目標、三つ目として実施する事業の内容、実施主体、実施時期、四つ目として事業を実施するために必要な資金の額及びその調達方法、五つ目として計画期間などを記載することを規定しております。
 これらの計画を認定する際の基準として、基本方針に照らして適切か、円滑かつ確実に実施されると見込まれるか、拠点計画においては文化資源の魅力増進や分かりやすい解説といった事業の実施により文化観光拠点施設としての機能強化に寄与するか、地域計画においては地域の交通アクセスの向上や商店街との連携等の事業の実施により地域の文化観光の推進に寄与するかであり、申請された計画がこれら全てに適合されれば認定される可能性は高くなります。
 基本計画、基本方針においては、国内外の幅広い来訪者への分かりやすい解説を行うなど文化観光拠点施設の目指すべき姿や、施設を中核とした文化観光を推進する地域の目指すべき姿などを定めることを想定しております。
 今先生の御質問の中にも、コンサル経由でこういったものが出てくるんじゃないかという御指摘がございました。私も、法案提出に当たってこのことは文化庁ともよく話しして、要するに説明上手な申請書が出てきて、それをもって了とするのではなくて、すごく大事なのはやっぱり地域の盛り上がり、地域の皆さんの協力だと思います。
 誤解を恐れず申し上げますけど、市長さんがよくこういったものを申請してきて、後ろを向いたら議会の人たちは誰も了解していなかった、知らなかったなんてことではせっかくのクラスター事業にならないわけでありますので、地域の皆さん、様々な人たちと協力しながら是非申請書を作っていただき、皆さんが同じ思いでその認定を待っていただくということが極めて大事だと思いますので、コンサル任せの申請書をうのみをするようなことのないように、しっかりと目を配ってまいりたいと思っております。

#232
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 次の質問に移ります。
 資料三を御覧ください。
 平成三十年度文化庁委託事業の持続的な博物館経営に関する調査によりますと、一九八七年から一九九九年の間に博物館の数は倍増しましたが、その一方で、一館当たりの地方公共団体の予算は、一九九三年度の八千万円から二〇一五年度には三分の一以下に落ち込んでいます。公費が削減された上、博物館の自主財源である事業収入がない館が一七・四%、百万円未満が二五%となっています。
 こうした財政難により、収集、保存、調査研究、教育、展示といった博物館の基本的な機能が十分行えていない現状があります。半分以上の館で資料の購入予算も調査研究に充てる予算もない状況です。
 人員配置に関しても、常勤職員が減らされ非常勤職員が増え、常勤の学芸員が事務管理系の仕事を兼ねている実態が浮かび上がってきます。来館者、リピーター確保のために魅力的な展示や博物館運営をするには何よりも企画力が必要であり、それは人材によることが大です。こうした逼迫した状況では地域の文化観光拠点となる拠点計画を作成することすら難しく、結局、拠点計画を作成できるのは現状で予算や人員に余裕のある施設に限られてしまうのではないかという懸念があります。
 本法案の趣旨には賛成ですが、地方に立地して自治体の予算措置がままならない博物館や文化施設の活動の持続性を担保するためには、事業化によって予算措置するだけではなく、国として恒常的に博物館、美術館等を下支えする文化予算、地方公共団体の文化行政への補助金を確保することも大切と考えます。その辺りの現状がどうであるかと、現状に対する大臣の認識をお聞かせください。

#233
○政府参考人(今里讓君) 全国各地の意欲ある博物館等につきまして、本法案によってクラスター推進事業による支援を活用していただきまして、文化観光の推進の取組が広く波及することを期待しているところでございます。
 一方で、委員御指摘ございましたように、全国の博物館の中で少なくない博物館が様々な運営上の課題を抱えていることは認識しており、博物館の本来業務を推進することが必要と考えてございます。
 そのために、文部科学省といたしましては、地域の博物館等に対しまして、今回の法案を通じた支援に加えまして、博物館の地域文化の発信や学校や地域との連携を促進するための支援、さらに学芸員の資質向上のための各種の研修事業、こういった事業を着実に進めているところでございます。また、昨年、文化審議会に博物館部会を新設いたしまして博物館の総合的な施策の検討に着手しておりまして、博物館に関する振興方策に関する検討を今後とも進めてまいりたいと考えております。

#234
○舩後靖彦君 ありがとうございました。

#235
○委員長(吉川ゆうみ君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#236
○委員長(吉川ゆうみ君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、水岡さんから発言を求められておりますので、これを許します。水岡俊一さん。

#237
○水岡俊一君 私は、ただいま可決されました文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民、公明党、日本維新の会、日本共産党及びれいわ新選組の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、本法に基づく博物館等に対する財政的支援が、文化観光を推進する少数の拠点への集中的な支援であることを踏まえ、我が国全体の博物館等を広く下支えする財政的支援にも努め、文化芸術の保存、継承や発信、社会教育等といった博物館の基本的機能の維持向上を図ること。
 二、国、地方公共団体及び本法に定めのある独立行政法人は、本法における計画の認定を受けた者に対する助言その他の援助等にとどまらず、我が国の博物館等の振興のため、広く一般の博物館等からの助言等の求めに対し、可能な限り応じるよう努めること。特に博物館等の社会教育施設が国民の知る権利、思想・表現の自由に資する施設であることに鑑み、格段の配慮をすること。
 三、文化観光拠点施設の機能強化を図る上で、文化財の価値等を分かりやすく説明できる学芸員等の育成・配置が重要であることを踏まえ、我が国の文化活動の基盤を担う人材の育成・確保等に向けた更なる研修制度の充実、社会的地位の向上及び雇用の安定等の処遇改善に努めること。
 四、本法における共通乗車船券や道路運送法の特例等の認定拠点計画及び地域計画に対する特例措置及び支援については、既存の法律及び予算によって対応が可能と考えられるものもあることに鑑み、国は、本法に係る予算の執行等に当たり、政策の重複による税金の無駄遣いとならないよう十分留意すること。
 五、本法は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした文化観光の推進という目標を掲げているものの、同大会が延期されたことに鑑み、本法の成立に期待をかける地方公共団体や文化観光拠点施設等の関係者の要望を勘案しつつ、十分な配慮と責任を持った判断に基づき、本法の施行に向けた万全の準備に取り組むこと。
 六、本法に基づき文化観光推進施策を進めるに当たっては、主務大臣である文部科学大臣と国土交通大臣による緊密な連携が不可欠である。さらに、地域の要望に適切に応えるためには、本法に関連する各種事業に係る企画立案業務に関して、環境省、警察庁、経済産業省など、幅広い省庁との調整等を遺漏なく行うことが必要であることから、効果的・効率的な事務遂行と必要な体制整備のため、政府において特段の配慮を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#238
○委員長(吉川ゆうみ君) ただいま水岡さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#239
○委員長(吉川ゆうみ君) 全会一致と認めます。よって、水岡さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、萩生田文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。萩生田文部科学大臣。

#240
○国務大臣(萩生田光一君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。

#241
○委員長(吉川ゆうみ君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#242
○委員長(吉川ゆうみ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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