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2020/03/26 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 国土交通委員会 第6号 令和2年3月26日
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2020/03/26 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 国土交通委員会 第6号 令和2年3月26日

#1
令和二年三月二十六日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     末松 信介君
     武田 良介君     山下 芳生君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     末松 信介君     小野田紀美君
     山下 芳生君     武田 良介君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田名部匡代君
    理 事
                朝日健太郎君
                酒井 庸行君
                舟山 康江君
                伊藤 孝江君
                武田 良介君
    委 員
                足立 敏之君
                青木 一彦君
                岩本 剛人君
                小野田紀美君
                金子原二郎君
                清水 真人君
                鶴保 庸介君
                豊田 俊郎君
                和田 政宗君
                小沢 雅仁君
                長浜 博行君
                野田 国義君
                浜口  誠君
                森屋  隆君
                里見 隆治君
                宮崎  勝君
                室井 邦彦君
                上田 清司君
   国務大臣
       国土交通大臣   赤羽 一嘉君
   副大臣
       国土交通副大臣  青木 一彦君
       国土交通副大臣  御法川信英君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       佐々木 紀君
       国土交通大臣政
       務官       和田 政宗君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  浩之君
   政府参考人
       法務省大臣官房
       審議官      竹内  努君
       林野庁森林整備
       部長       小坂善太郎君
       国土交通省総合
       政策局長     蒲生 篤実君
       国土交通省国土
       政策局長     坂根 工博君
       国土交通省土地
       ・建設産業局長  青木 由行君
       国土交通省住宅
       局長       眞鍋  純君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○土地基本法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(田名部匡代君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、青山繁晴さんが委員を辞任され、その補欠として小野田紀美さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(田名部匡代君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(田名部匡代君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に武田良介さんを指名いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(田名部匡代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 土地基本法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省土地・建設産業局長青木由行さん外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(田名部匡代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(田名部匡代君) 土地基本法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#8
○豊田俊郎君 自民党の豊田でございます。
 オリンピック・パラリンピックの一年延期が決定されるなど、ある程度予測はされたとはいえ、新型コロナウイルスをめぐる状況は大きな転換期を迎えております。
 世界的に感染が拡大する中、我が国経済は前例のない落ち込みを見せております。感染拡大防止に向け、やむを得ないことではありますが、人の流れ、物流、公共工事などが停滞、減少しており、国土交通省が所管する運輸業、観光業、建設業などにおいても大変厳しい状況が続いております。
 感染拡大が終息期に入れば、経済のV字回復に向け、官民一体となって需要喚起などに努めていく必要があると思います。そのときまで、これらの産業において安定的に事業が継続され、来るべくV字回復期においては十分な対応を図ることが可能となるよう、国土交通省は十分な対策を講じる必要があると思います。大臣の御決意を伺いたいというふうに思います。

#9
○国務大臣(赤羽一嘉君) 今お話ございましたように、国交省が管轄をしております運輸業、観光業、建設業は、中小企業また小規模事業者が大変多い状況でございまして、もう現状でも新型コロナウイルスのこの影響は大変甚大な、また深刻なものというふうに承知をしております。
 最大の支援は、この状況を長く続かせないように一日も早い終息を実現するということだというふうに思っております。加えて、来るべきV字回復のときに、実際その人たちが潰れたり倒産したりというような状況にならないように、今は資金繰りの応援と、あと雇用の維持について政府を挙げて全力で取り組んでいるところでございます。
 そして、観光の例えば環境自体は、観光資源自体は毀損をされていませんので、この状況が落ち着き次第、間髪入れずにまさにV字回復ができるように、大型の需要の喚起策、今現場の皆さんと何を打ったら効果的かということをヒアリングをしておりますので、しっかりと打って、随分インバウンドを始め観光の実績も落ち込みを受けておりますので、本当に回復ができるようにしっかりと取り組んでいきたいと。その先頭に立って闘うつもりでございます。

#10
○豊田俊郎君 間髪入れずにという御発言でございます。是非十分な備えをした中で対応していただきたい、その先頭に立って御尽力をいただければというふうに思います。
 それでは、本題でございます土地基本法の改正案について御質問を申し上げます。
 防災・減災、地域への外部不経済の発生防止、解消の観点から、所有者不明土地対策、管理不全土地対策などが重要な課題となっております。そのため、土地基本法改正案では、土地に関する施策の目的として新たに適正な土地の管理を追加するとともに、法全般で、周辺に悪影響を与えないように管理することの重要性等を明確化することといたしています。
 この管理でございますけれども、特段の定義は設けられていないことは御案内のとおりだというふうに思います。目的規定に追加された適正な土地の管理として具体的にどのような管理が想定されておるのか。今後の土地政策の基本となる事項でございますので、この辺をまず確認をしたいというふうに思います。

#11
○副大臣(御法川信英君) 本案で新たに規定する土地の適正な管理の内容につきましては、周辺地域の良好な環境の形成を図るとともに、先生御指摘のとおり、周辺地域への悪影響を防止する観点から行われるべきであり、そのために必要となる物理的管理と、登記を始め所有する土地の権利関係の明確化や境界の明確化といった法的管理があると考えてございます。具体的には、物理的管理として、一部自治体の条例で義務付けられている草刈りなどの管理行為、法的管理として、民事基本法制の見直しにおいて義務化が検討されている相続登記などを想定しているところでございます。
 なお、管理の具体的な義務付けにつきましては、本法案で示された基本理念等を踏まえ、個別法等において規定することとなると思います。

#12
○豊田俊郎君 少し細かく御質問をしていきたいというふうに思います。
 今改正案の中に六条が追加をされております。第六条で土地所有者等の責務規定が設けられましたが、同条第二項において、土地所有者は、その所有する土地に関する登記手続その他の権利関係の明確化のための措置及び当該土地の所有権の境界の明確化のための措置を適切に講ずるように努めなければならないとしております。
 一般的な責務規定に加え、特に所有する土地に関する登記手続その他の権利関係の明確化と土地の所有権の境界の明確化のための措置を土地所有者に努力義務として課すことを明示した理由について、まずはお伺いをしたいというふうに思います。
 これらの事項については、土地所有者の責務として特に重く、政府としても積極的な対策を講じていく趣旨と考えてよろしいのか、この辺についてもお聞きをしたいというふうに思います。

#13
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 近年、登記などが真正な土地の権利関係を反映していないこと、あるいは境界が不明確である土地の存在、こういったことが所有者不明土地の増加を招きまして、適正な土地の利用、管理に大きな阻害要因となってございます。
 このため、提出しております本法案におきましては、御指摘ございましたように、土地所有者等の責務規定を創設いたしました上で、その責務の内容といたしまして、土地の権利関係と境界を明確化するべきこと、これを特段に規定をさせていただいたところでございます。
 これによりまして、例えば民事基本法制の見直しにおける相続登記の義務化でございますとか、あるいは土地所有者の協力を得まして地籍調査の円滑化、迅速化を図る、こういった具体的な施策の展開、これを後押ししていくことを狙いとしているところでございます。

#14
○豊田俊郎君 さらに、この六条の二項の規定の新設を踏まえて、土地所有者がその責務を果たせるよう今後どのような支援策を講じていくのか、お伺いをしたいというふうに思います。
 特に、土地の相続や土地の売却に当たっては、当該土地の相続人や相隣関係にある者に境界確定のための立会いを求める必要も生じてまいりますが、本条例に基づいた措置によって境界立会いについてどの程度の効果が上がるとお考えであるか、その辺の御見解を伺いたいというふうに思います。

#15
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 土地所有者が土地の適正な利用、管理の責務といたしまして、お話しさせていただきました権利関係、境界の明確化の責務を果たしていくための支援として、その所有者の皆さんの負担をできるだけ軽減することが大変重要であるというふうに思ってございます。
 このため、例えば、その相続登記の申請人の負担軽減のために、相続人からの簡易な申出による氏名、住所のみの報告的な相続人申告登記の新設といった法務省さんの方の御検討でございますとか、あるいは、本法案で併せて措置させていただきたいと思っております地籍調査に関しての現地立会いが困難な場合、その場合に郵送、集会所での確認を可能とする措置などを推進していくことも重要というふうに考えてございます。
 また、御指摘ございました境界の明確化に関する責務規定の新設によりまして、土地の相続や売却の際の登記を行うための必要な測量等に当たりまして関係者の立会いが円滑に行われるようになること、これも期待しているところでございます。
 さらに、基本法制見直しの中でも、境界の明確化に資する仕組みといたしまして、その境界を確定する先ほど申し上げた測量のために、その隣地の使用権の見直しなどについても現在検討が進めてございまして、国交省といたしましても、その検討に協力をして進めてまいりたいと考えております。

#16
○豊田俊郎君 相隣関係についても引き続き検討を進めていくというお話でございましたので、期待をしたいというふうに思います。
 戦後今日まで、相続登記においては、これはもう税制上必ず相続が発生すれば次の世代に所有権というのは移っていくわけでございますけれども、登記が義務化をされていなかったということが大きな要因であるというふうに思います。そういう意味では、今回のこの六条の新設によってある一定の私は効果が期待できるというふうに思っておりますので、しっかりした対応、対策を更に打っていただければというふうに思っております。
 それでは、この改正の中の二十条の地方公共団体に対する支援規定でございますけれども、国は、地方公共団体が実施する土地に関する施策を支援するため、情報の提供その他必要な措置を講ずるように努めるものとする旨の地方公共団体に対する支援規定が新設をされました。これは、土地に関する基本的施策として、地方公共団体に、低未利用土地の適正な利用及び管理の促進、また所有者不明土地の発生の抑制及び解消並びに円滑な利用及び管理の確保などと、多くの施策の実施が求められることになることがこの改正の理由の一つだというふうに思います。
 そこで、お尋ねでございますけれども、本規定を新設する趣旨を確認をするとともに、地方公共団体の中には、基本施策として新たに加えられた業務に関し、専門職員やノウハウ、必要な財源などが必ずしも十分ではない団体も多く存在すると思われます。同条に基づく十分な支援が求められますが、御見解を伺いたいというふうに思います。

#17
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 申し上げましたように、所有者不明土地問題等への対応、これが喫緊の課題となってございまして、適正な土地の利用それから管理の確保に資する各種施策、これが重要になってまいります。一方で、その地域の住民に一番近い存在、地域の実情に通じている、そういった施策を講じることが期待される地方公共団体においては、御指摘ございましたように、マンパワー、ノウハウの不足など多くの課題を抱えているものというふうに認識してございます。
 このため、本法案では、御指摘ございました国による地方公共団体への支援規定というものを創設させていただきまして、今後、人材派遣も含めた人的な支援でございますとか、あるいは様々なガイドラインの作成など技術的な支援、こういったものを通じまして、これまで以上に一層サポートを行ってまいりたいと考えてございます。

#18
○豊田俊郎君 局長の御答弁いただいたわけでございますけれども、是非その辺の専門職員また必要な財源などを十分確保できるように、政府としても御尽力をいただければというふうに思います。
 二十条の新規事項に続いて、二十一条についてもちょっとお尋ねをしておきたいというふうに思います。
 政府は土地に関する基本方針を定めなければならないことが新たに位置付けられたわけでございますけれども、政府による土地基本方針の策定は、国、地方公共団体、事業者及び国民の土地政策に対する認識の共有化を図るとともに、土地対策の推進に向け各主体に施策の方向性を示唆していくため、極めて重要であると考えられます。
 土地基本方針策定の意義、期待される効果について伺うとともに、法律公布後、どのような実際のスケジュールをお持ちなのか、この辺があればお知らせを願いたいというふうに思います。

#19
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 御指摘ございましたように、本法案で土地基本方針、この規定を新設させていただいているんですけれども、これは、関係省庁が一体性を持ってこれからの人口減少時代に対応した土地政策の再構築、これを進めていくということでございます。そのために、土地基本法の中で規定されております理念、あるいは基本的施策で定める内容、これに基づいた今後の施策の方向性、これを具体的に示す方針を新設しようということでございまして、この策定、更新を通じまして、所有者不明土地対策、管理不全土地対策を始めとした個別施策を着実に展開していくこととしてございます。
 また、この土地基本方針につきましては、法の公布、施行後、パブリックコメントを直ちに行いまして、国土審議会の意見を聴取した上で、もう一つお願いをしております国土調査促進特別措置法に基づきます国土調査事業十箇年計画と併せまして、速やかに閣議決定することを想定しているところでございます。

#20
○豊田俊郎君 十箇年計画の策定に当たっては、今日までの実績また成果等を十分踏まえた中で、新たな十箇年計画をしっかりこの辺は作っていただくことを要望をさせていただきたいというふうに思います。
 また、先ほどの六条の規定でございますけれども、外国人の土地の所有に関すること、この六条の責務規定の対象となる土地所有者には当然外国人も含まれるわけでございます。外国法人も併せて含まれると思われますが、第六条の趣旨を外国人等に対してはどのように周知をしていくのか、お伺いをいたします。
 外国人については、皆さんも御案内のとおり、帰国するなどしてその所在地が日本人以上に不明になりやすい傾向にあると思われますが、どのように考えているのか、お聞きしたいというふうに思います。

#21
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 まず、第六条の土地所有者の責務規定の対象でございます。御指摘ございましたように、これは国籍を要件としてございませんので、外国人、外国法人も当然に含まれてございます。
 今般創設いたしました土地所有者の責務を含めました改正法の趣旨、これを外国人の方々に周知することにつきましては、従来やってまいりました土地月間あるいは土地白書など、これまで講じてきました周知、広報の取組を含めまして、例えば多言語化による発信など、その効果的な方法を検討していきたいというふうに考えてございます。
 また、もう一つ御指摘がございました、外国人等が土地所有者になりますと、帰国されると連絡先が分からなくなる、あるいは所在が不明になりやすいといったこと、これはおっしゃるとおり、日本人の場合以上に所有者探索が困難化したり、あるいは所有者不明土地問題が深刻化する懸念、これがございますので、大きな課題の一つというふうに認識しているところでございまして、関係省庁で連携して検討を進める必要があるというふうに思いますけれども、現在議論を開始をしていただいているところでございます。

#22
○豊田俊郎君 さらに、外国人の土地所有については、所有者の所在地が不明になることによる管理不全化などに加えて、防衛施設の周辺地の外国人による土地所有など安全保障上の課題もあるというふうに思います。
 昨年六月に所有者不明土地対策の推進のための関係閣僚会議が発表した基本方針の中では、「国際化の進展を踏まえ、国内外を問わず土地所有者の所在地を的確に把握できるような仕組みの在り方についても検討する。」と、こういうふうな記載がございました。
 この検討状況についてお伺いをしたいというふうに思います。

#23
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 近時、国際化の急速な進展に伴いまして、不動産の所有者が国外に居住しているケースが増えてきており、そのようなケースについて所有者の所在の把握に困難を伴うことがあると指摘がされております。委員御指摘の関係閣僚会議の基本方針は、こうした背景を踏まえたものと承知をしております。
 法務省では、現在、法制審議会民法・不動産登記法部会において調査審議を行っております。その中では、外国に住所を有する所有者の所在を把握するための方策といたしまして、まず、外国に居住する所有者に関して、国内における連絡先を登記する制度の新設、あるいは外国に住所を有する外国人が不動産登記の申請をする際に必要となる住所確認書類を外国政府等の発行したものに限定するなどの見直しについて検討が進められ、これらの論点を盛り込んだ中間試案が本年三月十日まで二か月にわたってパブリックコメントの手続に付されたところであります。
 政府の基本方針等におきましては、民事基本法制の見直しについて、令和二年中に必要な制度改正の実現を目指すということにされております。法務省といたしましては、パブリックコメントの結果を踏まえつつ、引き続き法制審議会における充実した調査審議に努めてまいりたいと考えております。

#24
○豊田俊郎君 本当に大きな課題だというふうに思います。そういう意味では、十分な審議を重ねた中で、しっかりした取組を期待をしたいというふうに思います。
 それでは、地籍調査について若干御質問を申し上げます。
 地籍調査に関しては、未着手・休止市町村が平成三十年度末時点で四百三十九自治体、約二五%存在するとともに、南海トラフ地震、首都直下型地震で著しい地震災害が生ずるおそれがある地域の市町村においても進捗率が必ずしも高くなく、未着手・休止市町村数も相当数あることが課題となっております。
 この未着手・休止市町村における地籍調査の実施、再開に向けた契機となることが期待をされております今回のこの調査法の改正でございますけれども、国土交通省としてどのような技術的支援を行っていくのか伺いたいと思いますし、また、平成二十二年の国土調査法改正に基づき、市町村は、地籍調査の実施、工程管理などを土地家屋調査士、測量士など民間事業者に包括的に委託することが可能となっております。
 未着手・休止市町村の解消に向けては、この包括委託制度の活用促進を図ることも求められていると思います。そのためには事業者団体との一層の連携を図っていくことが重要と考えますが、御見解を伺いたいというふうに思います。

#25
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 御指摘ございました地籍調査に未着手あるいは休止中の市町村の解消に向けましては、まずもって地籍調査の意義や重要性をこれらの市町村に御理解いただくとともに、これも御指摘ございました市町村の実施体制に対する支援が必要というふうに考えてございます。
 このため、国土交通省では、新たな今回十箇年計画の策定に向けまして、地方公共団体との意見交換を始め様々な機会を捉えまして、例えば災害対策、インフラ整備に資する、こういった地籍調査の意義でございますとか重要性を市町村に周知をいたします。そして、都道府県とともに着手、再開に向けた働きかけを行っていきたいというふうに考えてございます。
 また、地籍調査を着手あるいは再開しようとする市町村の実施体制に対する支援でございますけれども、今回法律にも位置付けいただいてございます地籍アドバイザーあるいは国の職員の派遣等による援助のほか、これも御指摘ございました調査、測量等の業務を包括的に民間に委託する制度の更なる活用を図ることが必要というふうに思います。
 そのため、地方公共団体と連携をいたしまして、現場での調査、測量を担う測量業者あるいは土地家屋調査士といった民間事業者の役割、これが極めて重要でございまして、例えば事業者団体において、地籍調査に関する研修会等を開催していただいて人材育成にも取り組んでいただいているところでございますけれども、国土交通省としても協力をさせていただいているところでございます。
 今後、こういった研修会などでも、今お話し申し上げたような未着手・休止市町村の状況でございますとか、あるいはその解消に向けて包括民間委託制度が果たす役割、こういったことを説明するなどいたしまして、事業者団体との更なる協力、連携の強化を図ってまいりたいと考えてございます。

#26
○豊田俊郎君 そのことについてはよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 そしてさらに、地籍調査に関しての大きな変更がございました。これは調査の成果の特例の新設でございますけれども、地籍調査に関しては都市部の進捗率が、先ほど申し上げましたように、二五%と比較的低位に止まっていることが課題として挙げられますが、この点に関し、今回改正案では、街区を形成する道路と民地との境界、いわゆる官民境界を先行的に調査し、その成果について都道府県知事等の認証を得て公表する街区境界調査成果に係る特例を新設することといたしたわけでございますけれども、ここで質問なんですけど、この特例措置により官民境界の先行調査は従来と比べどの程度進捗すると考えているのか、また、この新設を踏まえ国土交通省としてどのような支援のスキームがあるのか、この辺、この二点についてお尋ねしたいというふうに思います。

#27
○政府参考人(青木由行君) お答え申し上げます。
 御指摘ございましたように、都市部につきましては土地が細分化され、また権利関係も複雑であることから、民地と民地との間の境界調査、これには時間と労力が掛かります。そこで、道路と民地との間、いわゆる官民境界と申しますが、ここだけでも明らかになっておれば、災害が発生した場合において道路の復旧を早期に進めることが可能となります。
 このため、都市部の公共団体の大変強い要望によりまして、今回の法律改正におきまして、街区境界調査として官民境界を先行して調査、公表できる、こういった手続規定も置いたところでございまして、この法律上の位置付けが与えられたことによりまして、現在約七十ぐらいの自治体が実施していただいているんですけれども、これまで以上に多くの自治体がその官民境界の先行的な調査に取り組んでいただけるものというふうに期待をしているところでございます。
 国土交通省といたしましては、こういった都市部の地方公共団体に対しまして、災害対策等の観点からこの官民境界を先行的に調査することの意義、こういった新しい制度の趣旨をきちんと御説明していくということ、それから、担当者向けのマニュアルの整備、こういったことを通じましてこの先行調査の促進を図ってまいりたいと考えてございます。

#28
○豊田俊郎君 ただ、地籍調査という視点からすれば、これはそれだけでは私は本来の目的は達成されないというふうに思っております。街区境界調査は、最終的には民民の調査まで完成、完了しなければ意味を成さないというふうに思いますけど、その辺についての御見解を伺っておきたいというふうに思います。

#29
○政府参考人(青木由行君) お答え申し上げます。
 今回の法律で位置付けました街区境界調査は、官民の境界を先行して調査することによりまして、都市部など調査に時間、労力が掛かる地域におきまして、やや一部ではありますけれども、大変重要な地籍調査の効果、これを早期かつ広域的に発現していこうということを目指しておりますので、御指摘ございましたように、最終的には後続の地籍調査を行いまして、民地と民地との境界併せて調査を完了すべきものというふうに考えてございます。

#30
○豊田俊郎君 その辺はよろしく、そこで止めることなく、更に事業として継続をしていただければというふうに思います。また、あわせて、地籍調査以外の測量成果の活用について、これは要望でございますけれども、国交省としてしっかりした技術指導をした中で、これらも十分に活用していただければというふうに思います。
 それでは、時間も迫ってまいりましたので、筆界案の公告制度についてお伺いをしたいというふうに思います。
 国土調査法に基づき規定されている地籍調査作業規程準則第三十条において、市町村は、慣習、筆界に関する文書等を参考とし、かつ土地所有者等の確認を得て筆界を調査するものとされております。これはもう私は、本当に新たな境界に対する大きな考え方の変化だというふうに思います。今日までは、いわゆる確認点、認定された点と、はたまた未定の点、私はこの二つの構図だったというふうに思いますけれども、その中に割って入るのが今回のこの公告制度だというふうに思います。
 ある筆界が未定になることで、所有者の確認が得られている他の土地の筆界も未定になる場合があります。土地取引の支障にもなり得るなど影響が大きく、できる限り筆界未定を生じさせない必要があります。そのため、市町村は所有者不明土地について所有者の所在の確認などに時間を費やすことにより、地籍調査における遅延要因の一つとなっています。
 この点に関し、昨年六月に取りまとめられた国土調査のあり方に関する検討小委員会の報告書、この中に載っておりましたけれども、「所在が判明した一部所有者等により筆界案の調査・確認が可能なときは、例えば、筆界案の公告等の一定の手続を経た上で、調査を進めることができる仕組みなどを検討することが必要である。」というふうな指示になっておるわけでございますけど、これを受けて、今回の国土調査法の改正と歩調を合わせて、これは省令の改正ということだそうでございますけれども、所有者不明の場合の筆界案の公告により調査を可能とする制度を創設するとしておりますが、具体的にどのような手続を検討しているのか。そして、丁寧なこれは手続が求められるというふうに思います。その辺の御所見も伺っておきたいというふうに思います。

#31
○政府参考人(青木由行君) 現在、地籍調査におきましては、共有地で所有者の一部が不明である場合においては、その所在が判明した方々の間では筆界に異論がないにもかかわらず、一人でもその所在が判明しなければそれまでの調査の成果は生かせず、お話ありましたような筆界未定ということになってしまうわけでございます。
 このため、今回導入する所有者不明の場合の公告での調査でございますけれども、まず、実施主体側の方で所有者の探索を尽くしてもその所在が判明しない場合でありまして、そしてさらに、その所有者側に対しまして筆界案の公告により意見を申し出る機会を付与しても申出がない場合に、判明している所有者に御同意いただいた筆界案で調査を進めていただくというものでございます。
 なお、公告による調査の後でも、地籍図の完成前に、閲覧の段階で改めて所有者が意見を申し出ることができる機会も確保されているところでございます。

#32
○豊田俊郎君 新たな取組ということでございますので、十分検討した中で実施をしていただければと。
 あわせて、今回の改正でございますけれども、これも大きな改正になるというふうに思います。市町村による筆界特定の申請が可能となる、このことでございますけれども、地籍調査の一層の推進に向けて、その意義は大きいものと思われます。一方、本制度が適切に活用されるためには、筆界特定申請に対応する筆界特定登記官や土地家屋調査士などの民間専門家が担う筆界調査委員が十分に確保されることが重要だというふうに思います。
 この体制整備を図ることが求められますが、このことにおいてはどんな対応を考えているのか、お聞きをしたいというふうに思います。

#33
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 今回の不動産登記法の一部改正によりまして、地籍調査の中で、土地所有者間で筆界についての認識にそごがあるなどの理由から筆界を特定することができないような場合に、土地所有者のうちいずれかの者の同意を得て市町村が筆界特定の申請をすることができるようになりまして、筆界特定事件の申請件数が増加することが見込まれております。そのような中で筆界特定手続を適正、迅速に進めるためには、その作業を担う筆界特定登記官ですとか土地家屋調査士などが任命される筆界調査委員の確保に向けた体制整備を図ることが不可欠であると考えております。
 この体制整備に関しましては、令和二年度予算案においても必要な予算の計上がされておるところでありまして、法務省といたしましては、今後も必要な体制整備を図ることで地籍調査事業の推進に協力してまいりたいと考えております。

#34
○豊田俊郎君 昨年の六月でございますけれども、平成三十年に制定された所有者不明土地法が全面施行されたわけでございます。そして、今回の土地基本法の改正、それから地籍調査の円滑化法案の改正ということで、土地を取り巻く状況、環境というものが戦後七十数年たった中で大きく変化をしようとしております。このことが、我が国における今日、未曽有の災害等も本当に目をみはるものがございます。一日も早いこの減災対策、また国土強靱化に寄与することを願って、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#35
○小沢雅仁君 立憲・国民.新緑風会・社民の小沢雅仁でございます。
 土地基本法等の一部を改正する法律案について質問する前に、改めて新型コロナウイルス感染症の支援対策について質問を冒頭させていただきたいと思います。
 東京オリンピック・パラリンピックの一年程度の延期が正式に決定をいたしました。そして、昨夜、東京都の小池知事が感染爆発の重大危機という認識を示し、平日の自宅勤務や、夜間や週末を含めた不要不急以外の外出自粛などの協力を呼びかけられておりました。既に観光業を始め様々な産業が大きな打撃を受けているわけでございますけれども、既にリーマン・ショックを超える影響が出ているという報告もございます。東京五輪の延期によって、宿泊施設やバス会社など、計り知れない大打撃になるというふうに思っております。
 また、東京を始め全国で感染者数が拡大している中で、学校再開へ向けた文部科学省の指針を都道府県教育委員会に通知をされましたが、今回の一斉休校によって私の地元である山梨県内の給食用食材卸業者が事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったと昨日報じられているところでございます。事業継続の見通しが立たなければお金を借りることもできないわけでございまして。
 そして、もう一点、今日申し上げておきたいことがありますが、航空会社の現状について申し上げたいと思いますが、現在、国際線の予約状況は対前年比で三月が六〇%減、四月が四六%減、国内線の予約状況でも三月も四月も四五%減となり、実際の搭乗者数はもっと減っているという報告を受けております。当面四か月で航空会社全体で四千億円の減収、年間では一兆円規模の減収が見込まれているということでございまして、リーマン・ショック時の減収である三千億円を既に大きく超えてしまう減収の見通しが出ております。昨日、外務省が全世界への不要不急の渡航自粛も求めていることから、国際線の搭乗者数は更に減少する見込みが出ております。
 ここ数年続いてきた訪日需要の急増に対応すべく航空各社は積極的に人材確保を進めてきた中、雇用の維持確保が観光先進国の実現に不可欠でございまして、是非とも航空会社に対して、航空機燃料税や軽油取引税などの減免措置の拡大、空港使用料や保安料の軽減、雇用助成金制度や緊急融資などの適用、雇用維持を最優先にした公租公課の緊急時限的な軽減と資金繰りへの支援など、航空会社と関連会社を守るとの立場で是非積極的な経済的支援をお願いしたいと思います。
 どうか、国土交通省所管産業いろいろございますけれど、それぞれの当事者側に立った実効性ある経済対策、財政支援を改めて強く要請させていただきたいと思いますが、赤羽大臣のお受け止めと今後の更なる具体的支援策について、まずお伺いしたいと思います。

#36
○国務大臣(赤羽一嘉君) 先ほども答弁させていただいたとおりでございますが、国交省の管轄、大変幅広くて、観光関連でも旅行業、宿泊業のみならず、貸切りバス事業ですとかハイヤー・タクシー業、鉄道、航空、フェリー、また地元での飲食業ですとか物品の小売業と、大変裾野の広い状況でございます。それだけに、この業界がというよりも地域経済そのものが相当深刻な状況になっているということはよく認識をしているつもりでございます。
 今政府の中でも業種別の具体的なヒアリングも持たれておりまして、それも総理始め全閣僚が共有できたということはよかったんではないかというふうに思っておりますが、一つは、こうした状況を長く続かせないということが最大の支援だというふうに思っておりまして、一日も早い終息を目指してやっていくというのが一つ。
 もう一つは、先ほど述べたとおりでございますが、業を潰さない、そのための資金繰りの支援と雇用の維持確保のための最大のバックアップと。資金繰りも、中小企業が多いので、個別の審査ですとなかなか思うような融資を受けられないというような事例も出ることは予想されておりますし、加えて、融資を受けても返さなければいけないと。返す当てがないのでということで、既往の債務の返済猶予ですとか、公租公課とか公共料金の免除とか猶予、こういった声も出ておりますので、精いっぱいそうしたことで応えていきたいと。
 そして、一日も早く終息をした後は反転攻勢に出れるように、ディスカバー・ジャパン・アゲインというか、ディスカバー・ジャパンと言って分かっている人は年もばれるような感じですけど、ディスカバー・ジャパン・ナンバーツーみたいなことで、国際社会よりも、国内はまずは封じ込め、先にできると思いますので、まず国内旅行を中心にしっかりと立ち上げて頑張っていかなければいけないと、こう決意をしておるところでございます。

#37
○小沢雅仁君 ありがとうございます。もうやれることは何でもやるという決意の下、是非様々な支援を重ねてお願い申し上げたいと思います。
 それでは、法律案に対する質問に入りたいというふうに思います。
 土地基本法等の一部を改正する法律案については、所有者不明土地問題を契機に提出されたものと承知をしております。
 そこで、所有者不明土地についての現状認識と、所有者不明土地が増えることによってより具体的にどのような問題が生じるのか、まずお聞きをしたいと思います。

#38
○政府参考人(青木由行君) お答え申し上げます。
 御指摘ございました所有者不明土地でございますけれども、これは私どもが担当しております地籍調査で、平成二十九年度の数字でございますが、この調査に当たりまして、不動産登記簿から直ちには所有者の所在が判明しなかった土地の割合、これが筆数ベースで約二二%ということになってございます。
 不動産登記簿に当たっても連絡が付かないこの約二二%というところから、膨大な時間、費用、労力を掛けて所有者を探索していかなければならない、こういったことが公共事業あるいは民有地の管理不全土地の対策、こういったことを進める上での大きな障害となってございまして、防災・減災の観点からも看過できない大変重大な問題になっているというふうに認識をしているところでございます。

#39
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
 今回の一部改正においても、この所有者不明土地問題を基本的施策として位置付け、新たな土地基本方針を定めると伺っておりますが、そこで大臣にお伺いをしたいと思いますが、今般の改正により、基本的施策に所有者不明土地対策を位置付けるとともに、新たに土地基本方針を策定するとしておりますけれど、この土地政策をどのように再構築をされようとしているのか、まずお聞きしたいと思います。

#40
○国務大臣(赤羽一嘉君) 昨今の人口減少社会において、地域の活性化また持続可能性を確保していくためには、まずこの土地を、不動産の有効活用をしっかり図っていくということが大事だというのが第一点と、また防災・減災の角度、そしてあと地域への外部不経済の発生防止、解消、そのままにしておくと他の隣の人が迷惑を被るとか、そういったことを解消することが必要だと考えております。
 そのために、これ、多分相当大きな転換になると思いますが、土地政策の基本の適正な利用に加えて、適正な管理という概念をしっかりと位置付けることが重要だというふうに思っております。こうした所有しているものは管理しなくても、何というか、ほったらかしてもいいということではなくて、しっかり管理をしてもらうという、そうした観点の変更から土地政策を再構築するというふうに考えておりまして、そのための重要な基本施策として所有者不明土地対策を本法案で位置付けたところでございます。
 そして、今回新たに創設させていただきます政府全体の土地政策の具体的な方向性を示す土地基本方針、ここにおきまして、所有者不明土地の円滑な利用と発生抑制、解消に向けて具体的に、例えば相続登記の義務化等を内容とする民事基本法制の見直しですとか、また地籍調査の円滑化、迅速化による土地の境界の明確化の推進ですとか、また所有者不明土地を活用した公共的な利用の促進などの取組を盛り込んでいきまして、新たな制度づくりや政策展開といった土地政策の再構築にしっかりとつなげていけるようなことを考えておるところでございます。

#41
○小沢雅仁君 ありがとうございます。是非、政府一体となり、土地政策の再構築を進めていただきたいというふうに思います。
 また、これらの取組は、国土交通省のみならず法務省における取組も重要と考えております。
 法務省にお尋ねをいたします。法務省において、登記制度の見直しなど、民法、不動産登記法の改正について検討が行われていると承知をしておりますが、現在の検討内容や検討スケジュールについてお尋ねをしたいと思います。

#42
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 法務省におきましては、昨年二月、所有者不明土地問題の解決に向けて、法制審議会に対しまして民事基本法である民法及び不動産登記法の改正に関する諮問を行いまして、昨年三月から法制審議会民法・不動産登記法部会において調査審議が行われております。
 この部会におきましては、昨年十二月、相続登記の申請の義務化や土地所有権の放棄に関する規律の創設のほか、民法の共有制度、財産管理制度や相隣関係に関する規定の見直し等を含む中間試案がまとめられまして、本年一月十日から三月十日までの二か月間、パブリックコメントの手続が行われております。
 政府方針では、民事基本法制の見直しについては、令和二年中に必要な制度改正の実現を目指すこととされております。パブリックコメントの手続で寄せられました御意見につきましては現在集計中でございますが、法務省といたしましては、その結果を踏まえながら、法制審議会において更に充実した審議が行われるよう努めてまいりたいと考えております。

#43
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
 この所有者不明土地問題については、以前より様々な指摘がされておりますし、既に政策対応も進められていると承知をしております。
 そこで、所有者不明土地問題について、既に所有者不明土地特別措置法が制定をされておりますけれど、その効果と活用状況についてお尋ねをしたいと思います。

#44
○政府参考人(青木由行君) お答え申し上げます。
 御指摘がございました所有者不明土地法につきましては、昨年六月に全面施行されたところでございます。
 その様々な特例の活用状況につきましては、まず、公共事業等の実施の準備のために固定資産税課税情報など、土地所有者に関する情報の利用を可能とする特例、これは現在までに承知をしている限りで百件を超える相当数の案件でその活用が進んでいると承知をしてございます。また、もう一つの特例でございます公共事業の用地取得の収用手続を合理化、円滑化する特例につきましては、先般、その手続を開始いたしました最初の事例が出てきたところというふうに承知をしてございます。
 また、加えまして、所有者不明土地を地域住民のための公共的事業に最長十年間の使用権を設定するいわゆる地域福利増進事業につきましては、これは所有者の探索などに一定期間を要していることなどからまだ実例は出てございませんが、今年度、その活用を想定したモデル事業が全国で六件動いてございます。
 これらの先進事例の成果について横展開を図って、活用を図っていきたいというふうに考えてございます。

#45
○小沢雅仁君 百件の活用状況も出てきて、最初の事例も出ているということでございますので、是非積極的に進めていただきたいというふうに思います。
 また、この所有者不明土地問題については、農地、森林においてもより大きな問題だと認識をしております。私の地元の山梨県でも山林が多く存在をし、所有者不明土地問題への対応が急務であるというふうに考えているところでございます。
 そこで、共有者・所有者不明の森林は全国に今どのくらいあるのか、所管する林野庁では現在どのように認識をしているのか、お聞きしたいと思います。あわせて、森林経営管理法では共有者・所有者不明森林対策としてどのような施策を講じているのか、さらに森林経営管理法に基づく措置の活用状況についても林野庁にお聞きをしたいと思います。

#46
○政府参考人(小坂善太郎君) お答えいたします。
 まず最初に、所有者不明森林の規模感のことについてお答えいたします。
 先ほど国交省の方からも御答弁ございましたけれど、平成二十九年度の地籍調査において、不動産登記簿から直ちに所有者の所在が判明しなかった森林、森林についての割合は筆数ベースで二八%。先ほど二二という数字がございましたけど、森林の場合は二八%だったというようなデータがございます。おおむねこの程度の割合の森林が登記簿上の氏名、住所から所有者がやっぱり特定できない、そういう実態にあるのかなというふうに考えているところでございます。
 そのような中、平成三十一年四月に森林経営管理法が施行されまして、経営管理が適切に行われていない森林のうち所有者が不明なものについて、市町村が森林所有者を探索するなど一定の手続を経た上で経営管理を行う権利を市町村が取得する、そういった制度が措置されたところでございます。現在、この制度に基づきまして、市町村が所有者を対象とした経営管理の意向調査、さらに意向調査で所在が分からない場合、所有者の探索、昨年、令和元年十二月現在で十三の市町村でこの探索作業に入っているという報告を聞いているところでございます。
 林野庁におきましては、この経営管理法が円滑に運用され、所有者不明森林を含め森林の適切な経営管理が進むよう、引き続き市町村への指導助言、行ってまいりたいと考えているところでございます。

#47
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
 まあ二八・二%ということでございまして、今後もそれぞれの役所での成果や課題について関係者間で協力をしていただき、より一層効果的に対策を講じていただきたい、重ねてお願いをしたいと思います。
 続きまして、地籍調査についてお尋ねをいたします。
 今回の法改正は地籍調査を円滑化、迅速化するためであると承知をしておりますが、我が国の三分の二を占める森林については所有者の高齢化などが進んでおりまして、地籍調査が困難になっていると聞いております。
 そこで、お伺いしたいと思いますが、森林施業や災害防止等の観点から、山村部の地籍調査をスピードアップさせるためにどのような対策を考えているのか、お尋ねをしたいと思います。

#48
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 御指摘ございました山村部でございますけれども、調査対象面積が大きく、また急峻な地形が多いということ、それから、御指摘ございましたように、土地所有者の高齢化が進んでいるということ、そしてさらには、草木の繁茂等によりまして従来目印となっておりました里道などが見えなくなっているケースも多いということで、現地での立会い、測量が困難になっているということから、測量調査手法の効率化が急務となっている状況でございます。
 このため、これまで私どもの方で現場で技術的な実証を進めてまいりましたリモートセンシングデータを活用した新しい調査手法、これがその見通しが立ってまいりましたので、次の十箇年計画で本格的に導入、展開を進めてまいりたいというふうに考えてございます。これによりまして、例えば、従来、現地で所有者の立会いを求めておったわけなんですが、こういった境界の確認を例えば集会所などで多くの方々にまとめて実施することが可能にもなってまいりますので、また、現地での測量作業というのが不要になってまいりまして、そのデータを活用して言わばパソコンの中で図面などができてくるということで、大幅な効率化が図られるものというふうに考えてございます。

#49
○小沢雅仁君 ただいまリモートセンシングデータを活用するということがございましたけれど、この手法は大変画期的であるというふうに考えておりまして、全国で導入することを期待をしておりますけれど、実際にこれを活用して地籍調査を行うということに向けては、地方公共団体に使用していただかないと意味がないというふうに思っております。
 そこで、このリモートセンシングデータを活用した新手法の導入について国としてどのような普及策を講じていかれるのか、お尋ねをしたいと思います。

#50
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、リモートセンシングデータを活用した新しい手法につきましては、国の方で技術的な実証、これを行いまして、必要な精度の確保、あるいは住民の説明会で活用できる筆界案の作成などが可能であるということは確認できたところであります。
 ただ一方で、本格的にその調査主体である市町村がこの手法で実際に地籍調査を実施するのは今回の新しい十箇年計画からというふうになってまいりますので、国土交通省としては、まずその手法を、この新しい手法を活用するためのマニュアル等の整備、それから研修を実施したいと思ってございます。
 それから、加えまして、これ地籍調査の現場で、その公共団体、そこを担当している公共団体と連携しながら、国の職員が出かけていきましてリモートセンシングデータを活用した調査を実際に行って、そのノウハウを、そこには周辺の公共団体にも来ていただいて、こういった方々も含めて普及、定着を図っていきたい、このように考えてございます。

#51
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
 今回の土地基本法の一部改正では、地籍調査の円滑化、迅速化のために不動産登記法の改正事項も盛り込まれております。その内容についてお尋ねをしたいと思います。
 今回の不動産登記法の改正では、筆界特定申請を地方公共団体ができるようになりましたが、この改正の狙いについて法務省にお尋ねをしたいと思います。

#52
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 地籍調査におきましては、土地の所有者等が立会いに応じない場合、あるいは筆界の現地における位置の認識について隣接する土地の所有者間で争いがあるという理由から、筆界を特定することができず、筆界が未定の土地が生ずることがございます。このような筆界未定地が生じますと、所有者にとりましても売却あるいは賃貸等の土地取引が困難になりますし、地方公共団体にとりましても各種公共事業等の大きな障害となる可能性があります。周辺地域を含めて土地の有効活用が妨げられ、結果的に管理不全な地域の出現にもつながってまいります。
 そこで、このような筆界未定地が発生することを防止する観点から、地方公共団体が所有者等のうちのいずれかの者の同意を得て、法務局の筆界特定登記官が現地における土地の筆界の位置を特定する筆界特定制度を活用することができるとする不動産登記法の改正を行うものであります。

#53
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
 地籍調査は、調査結果が登記所に送られて地図となるなど、不動産登記制度と密接に関連をしております。登記事務をつかさどる法務省との連携がとても重要であるというふうに考えているところでございます。
 法務省として、この地籍調査を所管する国土交通省や実務を担う地方公共団体に積極的に協力をする必要がある、もう既に協力をされていると思いますけれど、改めてこの法務省の所見を教えていただきたいというふうに思います。

#54
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 地籍調査事業の成果であります地籍図等は、法務局に送付されまして、登記所備付け地図として備え付けられ、不動産登記と相まって土地の権利関係を明確にするなど、重要な社会インフラとなるものであります。
 そのため、法務局は、地籍調査の積極的な推進に資するため、地方公共団体の実施する地籍調査事業に対して様々な協力を行ってまいりました。その中でも主要なものといたしましては、住民に対する説明会において不動産登記や筆界に関する説明を行い、質問について対応することですとか、あるいは地方公共団体に対して登記所に存する資料等を用いて説明や助言を行うということがあります。
 法務省といたしましては、地籍調査の積極的な推進に資するため、地籍調査を所管する国土交通省やその実務を担う地方公共団体に対して引き続き必要な協力を行ってまいりたいと考えております。

#55
○小沢雅仁君 是非とも連携をしっかりして進めていただきたいというふうに思います。
 冒頭からこの所有者不明土地などの現状と課題もお聞きをしておりますけれど、本当に地方は人口減少がどんどんどんどん進んでおりまして、私が住んでおります山梨県甲府市も、中心である甲府駅に近い住宅地もどんどん古い家が潰され、潰して更地化が進んで、本当に歯抜けのような形になってまいりました。まだ家を潰されるということは所有者がしっかりしているわけでございまして、しかし、私の妻の実家も今もう誰も住んでいない空き家になっておりまして、今、潰すか潰さないかという判断を非常に家族会議で悩んでいるところでございまして、潰してしまうと固定資産税が上がってしまうということもあって、そういった課題もいろいろ抱えながら、空き家をどうするのかということも非常に大きな課題になっていると思います。空き家もどんどんどんどん増加をしているということで、この空き家についてはまた別の角度から議論をさせていただきたいというふうに思っておりますが。
 最後に、地籍調査の実施主体であります国土交通省にもう一度お尋ねをしたいと思いますけれど、今回の法改正では国土交通大臣による援助の規定も追加をされております。国土交通省としても、地籍調査を実施する市町村をどのように支援していくのか、赤羽大臣に最後お伺いをしたいと思います。

#56
○国務大臣(赤羽一嘉君) 地籍調査を行うのは地方公共団体であって、とりわけ市町村の現実は、専従職員が十分に確保されていないなど、実施体制大変厳しい状況にあるというふうに承知をしております。そのために、市町村等への実施体制の支援が重要であり、国としても、先ほどの答弁にもあったかと思いますが、測量業者ですとか土地家屋調査士の方々の民間事業者への包括的な業務委託を行うというのが一つ。
 また、今回の法改正で、いわゆる測量士、土地家屋調査士、また地方公共団体の職員、また元職員といった専門家の皆様を地籍アドバイザーとして指定をして、そうした方々とか国の職員を派遣することによって市町村への支援を一層強化してまいりたいと、こう考えているところでございます。また、今回の法改正では、所有者探索におけるこれ固定資産課税台帳の活用ができるようにしますし、また、判明した所有者の確認のみで調査を進められるようにするなど、現地調査の手続の見直しも行っているところでございます。
 この空き地、空き家が増えるということは、冒頭申し上げましたように、様々な面で支障が生じてしまいますので、これはしっかりと、国民の皆さん、全ての皆さんが関わる大きな問題と捉えて、今回の法改正、第一歩としてしっかりと継続して取り組んでいきたいと思っております。
 以上です。

#57
○小沢雅仁君 以上で私の質問は終わります。ありがとうございました。

#58
○浜口誠君 立憲・国民.新緑風会・社民の浜口誠でございます。今日はよろしくお願いしたいと思います。
 まず、冒頭、私からも新型コロナウイルス感染症に関しましてお伺いしたいと思います。事前のあれは行っていないので、今日の新聞記事なんかも踏まえて冒頭質問させていただきたいと思います。
 まず、赤羽大臣が先ほどから言われているように、この感染症を早期に終息させる、これは本当、与野党、政府を挙げてしっかりと、一日も早く日常を取り戻すための活動が極めて大事だというふうに思っておりますし、また、国土交通省が管轄する幅広い事業分野の事業継続、そして雇用をしっかり守っていく、このことにも全力で取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。
 その後、一旦ですね、終息して、経済をもう一度やはり活性化させるためにも、人の動き、物流、これをどんどん高めていく、動かしていく、このことが経済の活性化にも必要不可欠だというふうに思っております。そういった意味で、各交通モード、航空であったり鉄道であったり、あるいはトラック、バス、タクシー、いろんな交通モードの需要喚起策というのもしっかりと打ち出していただきたいと、こう思っております。
 今朝の新聞等の報道によりますと、政府が検討されている経済対策の一つとして、高速道路の無料化というのも検討の中に入っているという報道がございました。私がこれを言うと、また言い出したなという先生もいらっしゃるかもしれませんけど、非常に高速道路も本当に経済を活性化して、地方と都市を結ぶ、この流れを高めていくためには非常に重要な施策の一つだというふうに考えております。
 そこで、今の検討状況、高速道路料金に関してどのような議論が政府の中で行われておるのか。直近の状況について赤羽大臣の方から御説明いただける点がありましたら、冒頭、その点を是非お伺いしたいと思います。

#59
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私も今朝の新聞記事見ましたけど、これ、何を根拠に書いているのか全く分からないような状況で、具体的に国交省の中で高速道路の無料化といった指示があるわけではございません。
 ただ、交通モードが安く使えるようにということ、先日、二十三日の月曜日だったと思いますが、運輸関係、観光関係の皆さん、官邸でのヒアリングの場がありまして、もちろん高速道路のことも希望された方もいれば、フェリーの業界からも出ておりまして、前回、高速道路千円になったときに具体的なフェリー会社とか航路が廃止されたというような話も相当事実に基づいて話されたりとかして、いろんなことを、何というか、これは推測ですけれども、政府の考え方として需要喚起をしなければいけないと。そのときに、一つの分野が物すごくそれによって業界が潰れてしまうようなことがあってもいけないというふうな配慮をしなければいけないというコンセンサスの中で、来るべき経済対策を今検討中だというふうに承知をしております。

#60
○浜口誠君 今の状況については大臣から御答弁いただきましたけれども、我々野党も、今、政府、与野党での協議会も設置をさせていただいて、いろんな経済対策等々について議論する場もございますので、しっかりとそういう場面も活用させていただきながら、本当に国民の皆さんの目線で、今後必要な経済対策は何かというところはしっかり議論もさせていただきたいなというふうに思っております。
 それでは、土地基本法に関連して質問に移らさせていただきます。
 まず最初に、土地基本法、そもそも制定されたのが平成元年であります。そのときに、土地のことに関して基本的な理念をまとめたのが今の土地基本法だというふうに思っております。その当時はバブルの時期でありまして、土地の投機的な取引なんかも非常に多くて、そういった投機的な取引を抑制する、こういった社会的ニーズにも対応するための土地基本法の制定だったかなというふうに思っております。
 それから三十年たって、今回、大幅な改正が行われるということですけれども、今回の土地基本法の改正するに当たっての環境変化、あるいは、どういった問題意識の下に今回の土地基本法の改正をやろうという判断に至ったのか、その辺りについてまず赤羽大臣にお伺いしたいと思います。

#61
○国務大臣(赤羽一嘉君) 前回の平成元年の前後というのは、私はちょうどサラリーマンで海外駐在しておりまして、海外駐在に行くまで、当時、東京では高級マンションというのは三千万円、帰ってきたらそれが一億円になっていた、本当にびっくりしました。家庭の主婦はどなたも株の取引をしていたりとか、いい悪いは別にして、そういった時代状況があり、土地も投機的な取引も大変な状況であったということを記憶しております。そうしたことを鎮静化するためにこの土地基本法というのは制定されたものというふうに承知をしております。
 それが今は、人口減少が進む中で、土地利用のニーズの低下を背景に所有者不明土地ですとか、また管理不全土地といったものが大変増加をしていて、先ほど申し上げましたように、地域住民の生活環境の悪化の原因になったりとか、インフラ整備が進まないとか、また防災・減災のときの重大な支障になるとか、様々な状況が露見しているということだと思います。
 私の神戸の地元でも、一昨年ですか、土砂災害があって、そのところは所有者不明的な土地、登記上は所有者がいるんですけど、結局どこにいるか分からない管理不全な土地が原因で、同じところで二度、結構大規模な土砂災害がありました。
 これは、全国的にも、民地であるがゆえに地方自治体は何も手を出せないというようなことで、これ、大変大きな問題だなということの中から、この土地の在り方、土地の所有権ってすごく強いわけですけど、所有をしている以上はやっぱり適正な管理が求められる、また、あと、使われていない土地についてもできれば有効な利用もしていかなければいけないと。そうした意味で、加えて、所有者不明的な土地、管理不全な土地の発生の抑制、解消を図っていこうということで、私、これ相当大きな土地政策の基本的な考え方、転換だと思います。
 これ自体は基本法でありますので、基本方針を設けて、様々な関係省庁とも連携を取ってこれから進めていくわけでありますが、それはしっかりこれから、この大きなテーマに対して、この法改正を第一歩にしっかりとしたものを取り組んでいかなければいけないと、こう考えております。

#62
○浜口誠君 ありがとうございます。まさに大きな考え方の変化を今回の法改正でやっていこうということだと思います。
 この土地基本法の第二十一条に、国の役割として、国は土地に関する基本方針を定めなければならないということが明記をされております。この国が定める土地の基本方針、ここに具体的に、じゃ、どういう内容を書き込んでいくのか、その点に関してお伺いしたいと思います。

#63
○政府参考人(青木由行君) この改正法では、法で規定される理念に基づきまして、言わば人口減少時代に対応した、大臣御答弁申し上げましたような、利用に加えて適正な管理を確保すると、こういった観点から土地政策を再構築するということで、土地基本法を新設し、これを通じて具体の施策を展開していくことになります。
 この土地基本方針には、例えば所有者不明土地法の円滑な施行でありますとか、あるいは民事基本法制の見直しなどによりまして、所有者不明土地の円滑な利用、発生抑制、解消の促進、こういったことでございますとか、あるいは周辺に悪影響を与える管理不全の土地の適正な管理に向けた対策の推進、それから税制の特例措置、あるいはランドバンクの取組、こういったことを通じた低未利用土地の利用、管理の促進など、適正な土地の利用、管理の確保のための政府全体の施策の方向性を記載するということを想定してございます。

#64
○浜口誠君 しっかり土地の基本方針というのを策定していただいて、これが国としての今後の指針になりますので、しっかりとした方針を策定をしていただきたいというふうに思っております。
 同じ第二十一条の四に、国土交通大臣は、土地基本方針の案を作成しようとするときには、国民の意見を反映するための必要な措置を講ずるということが明記をされております。この国民の意見を反映するために講じる必要な措置、これは具体的にどのようなことをやっていくのか、お伺いしたいと思います。

#65
○政府参考人(青木由行君) お答え申し上げます。
 この土地基本方針は、国民のいろんな活動にとって不可欠な土地というものにつきまして、言わば政策の具体的な方向性が盛り込まれることになりますものですから、広く国民一般からの意見を募りますためにパブリックコメントを行うということを考えてございます。

#66
○浜口誠君 パブコメもしっかりやっていただいて、幅広く国民の皆さんの土地基本方針に対する意見集約して、織り込むべきものは、またそういった意見も踏まえた上で、しっかりと反映をしていただきたいなというふうに思っております。
 この所有者不明土地は、今、資料を御覧いただきたいと思いますけれども、二〇一六年にいろんな調査がありまして、所有者不明土地、日本全体でどれぐらいあるかということでまとめたのがこれなんですけれども、日本全体で二〇一六年時点で四百十万ヘクタールという、これはもう九州と同じぐらいの広さです。何も今後対応しないと将来的にどれぐらい更に所有者不明土地が広がっていくかというのが二〇四〇年の数字で、二〇四〇年には七百二十万ヘクタールと、もうこれは大体北海道ぐらいの広さの所有者不明土地が日本に今後広がっていく可能性があると、こういうデータも示されております。
 それを踏まえて、先ほど来いろいろ議論になっていますけれども、所有者不明土地利用円滑特措法というのが二〇一八年にできて、いろんな施策が展開されてきたというふうに認識をしております。実際、この特措法ができて、どれだけの所有者不明土地に対して効果があったのか、まずはその特措法の成果についてお伺いしたいと思います。

#67
○政府参考人(青木由行君) 御指摘の所有者不明土地法につきましては、平成三十年に制定されまして、昨年六月から全面施行ということでございます。
 その活用につきましては、まず、固定資産税課税の情報を活用できるという特例につきましては、先ほど申し上げましたけれども、百件を超える、相当数使っていただいているということでございます。
 一方で、地域住民の公共的事業に最長十年間の使用権を設定する地域福利増進事業につきましては、ちょっと所有者の探索に時間が掛かるということを申し上げましたけれども、まだ実例は出ておりません。今年度、そのモデル事業を六件動かしておりまして、ここから横展開を図る中で是非とも活用を図っていきたいと思います。
 それから、公共事業用地の取得手続の合理化、円滑化につきましては、先般、その手続を開始した最初の事例が出てきましたので、これ、地域で整備局とか公共団体と連携する体制なども整備しておりますので、こういったことも含めて成果をこれから上がるように努力をしていきたいと思います。

#68
○浜口誠君 ありがとうございます。
 まだ成果が明確に出ていない事業もあるというお話でありましたけれども、その中で、今局長が御説明いただいた地域福利増進事業というのがございます。これは、地域の公益的な目的のために所有者不明土地が地域住民の方が最長十年間利用できるという事業なんですけれども、この事業が、まだ具体的には実施はされていないという今段階ですけれども、やっぱり使いづらいという意見も結構あるんですね。
 この所有者不明土地というのは、所有者がもし判明すれば、事業が終わった後、更地に戻して返還しないといけない、建物があればその建物を壊して返還しないといけない、さらには補償金を供託しないといけない。例えば、十年間使うんだったら二百万供託して、更に十年間延長するんだったら更に二百万供託しないといけないということで、地域の住民の皆さんからすると、制度はできたんだけれども非常に地域の皆さんの負担感が大きい、こういう意見も具体的に回り出したら出てきたというふうに私は認識をしております。
 こうした地域福利増進事業に対して出てきている課題に今後どのように向き合っていくのか、現時点での政府の御見解がありましたら、お伺いしたいと思います。

#69
○政府参考人(青木由行君) お答え申し上げます。
 御指摘の所有者不明土地法の地域福利増進事業について設定されております補償金の供託、それから使用権、十年間終了いたしまして、その原状回復義務、こういったことにつきましては、その土地所有者の財産権を保護する観点から規定をされてございます。
 この事業につきましては、スムーズに積極的な活用をしていただこうということで、御指摘もございました補償金の見積りであるとか原状回復義務を含めまして運用のガイドラインを作成しまして、その内容の普及に努めているところでございます。
 一方で、先ほどお話し申し上げました地域福利増進事業を国費で支援をしながらモデル事業をやってございまして、今六件実施しているんですけれども、ここで、事業者の負担の観点も含めまして事業の円滑な運用への課題の把握に取り組んでいるところでございまして、必要に応じまして、先ほど申し上げたガイドラインの充実を図っていきたいと考えてございます。

#70
○浜口誠君 国費でやっている六件というのはどれぐらいあれですかね、国費を投入して対応されているのか、何か具体的な事例ってございますか。住民の皆さんの負担を少しでも軽減するためにということで多分対応されていると思うんですけれども、具体的な国費の対応状況についてお伺いしたいと思います。

#71
○政府参考人(青木由行君) 一件当たり三百万限度ということで進めてございまして、具体的には所有者の探索ですとか、あるいは地域の合意形成に要する経費を支援させていただいているところでございます。

#72
○浜口誠君 じゃ、それをあれですか、補償金に対して何らかの国費としてサポートするということではないということなんでしょうか、今のお話ですと。

#73
○政府参考人(青木由行君) おっしゃるとおりでございます。補償金そのものということではなくて、その取組に係るいろんな経費を支援させていただいているということでございます。

#74
○浜口誠君 目標としては、この地域福利増進事業全体では百件を国土交通省としては目指していきたいというのが当初法律を制定したときのKPIだというふうに認識しておりますので、やっぱりしっかりと地域のこの制度を活用したいという方の意見を聞いていただいて、本当に地域の住民の方が所有者不明土地、地域のために使いたいんだという、そういうニーズにうまくマッチしたような使いやすい制度に是非していっていただきたいなというふうに思っておりますので、本当に公共的な目的であれば、ある程度行政側がその補償金なんかも支援するというようなことも当然これ考えていっていいんじゃないかなというふうに思いますので、もし御見解があればお伺いしたいと思います。

#75
○政府参考人(青木由行君) このモデル事業の中で、例えば事業の中でいろんな課題が出てきてございます。例えば、今御指摘あったような補償金そのものではないかもしれませんけど、何らかの公共的な事業をやるときの財源の問題、こういったことも浮かび上がってきておりますので、地域の方で、先ほど申し上げた関係省庁とそれから専門家、地方公共団体との間で協議会もつくっておりますので、そういったところからのしっかりと課題を解決する方向を見出していきたいと思います。

#76
○浜口誠君 ありがとうございます。是非、地域の皆さんの意見と行政側の皆さん、しっかり向き合っていただいて、より良い事業となるようにお願いしたいと思います。
 使用者不明土地をやっぱり根本的に直していくためには、いろんな課題があると思います。やっぱり一番は、いわゆる未登記ですよね。相続のときに登記がされない、あるいは住所変更したときに登記がされない、こういった未登記をなくしていく。今、義務でも何でもないので、任意なのでそういう状況が起こっているということなんですけれども、やはり登記を、とりわけ相続したときの登記をもう義務化する、そういう議論も今行われておりますけれども、こういうことは非常に重要だというふうに思います。
 さらに、土地の中には、いわゆる課税免除になる、固定資産税が免除になる土地がございます。標準課税額が年間三十万未満の土地は課税されないんですね。こういった土地は、やはり登記簿とか固定資産課税台帳等にも、登記簿には載ってくるかもしれませんけど、固定資産の課税台帳には載ってこないと。したがって、その土地の所有の情報がやっぱり更新されない、こういった懸念も大きいと思います、非課税の、免除される土地は。こういった土地をどう対応していくのかという課題もあると思います。
 さらに、登記の負担ですね。手続もそうですし、登録免許税、これもやっぱり軽減していく。さらには、相続の手続ってややこしい、難しい。こういったものをやっぱり専門家の方がサポートしていって、登録に係る負担というのを軽減させていく。こういったことを総合的にやっていかないと、やっぱり根本的な所有者不明土地の解決にはつながっていかないというふうに思っておりますので、これらの課題について是非政府にはしっかりとした対応をお願いしたいと思いますが、御見解があればお伺いしたいと思います。

#77
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、所有者不明土地問題への対策として、相続未登記や住所変更未登記の状態を解消するということが重要であると認識しております。
 現在、法制審議会民法・不動産登記法部会におきまして、この問題につき調査審議が行われているところでありまして、この部会では、相続登記や住所変更登記の申請の義務化についても具体的に検討が進められております。そして、これらの論点を盛り込んだ中間試案が本年三月十日まで二か月間にわたってパブリックコメントの手続に付されたところでございます。
 また、これらを義務化する施策と併せまして、登記の手続負担を軽減するため、相続人の一人であることを申告する簡易な登記制度の新設や、あるいは被相続人の複数の所有不動産を目録形式で証明する制度の創設などの提案も盛り込まれているところでございます。
 このほか、相続登記の手続に伴います金銭的な負担を軽減する観点からは、現在におきましても、令和三年三月三十一日までの間は、数次にわたる相続を経ても登記が放置されている土地ですとか、あるいは市街化区域外の土地で不動産の価格が十万円以下の土地につきまして、所定の要件の下で土地の相続登記に対する登録免許税を軽減する措置が設けられておりますが、このような観点からの検討も更に必要ではないかという指摘がパブリックコメントの手続においても寄せられております。
 政府方針におきましては、民事基本法制の見直しにつきまして令和二年中に必要な制度改正の実現を目指すこととされておりますので、さらに、法務省といたしましては、この所有者不明土地問題の解決に向けて、引き続き関係省庁と連携しながら対策を推進してまいりたいと考えております。

#78
○浜口誠君 ありがとうございます。是非、いろんな観点について取り組んでいただいているというのはただいまの答弁でも認識をしましたので、より登記がスムーズに行われるバックアップをお願いしたいというふうに思っております。
 先ほど来議論になっています法制審議会の民法・不動産登記法部会の中で、中間試案が昨年十二月に出されています。この中間試案の中に、もう一つ重要な論点として、土地の所有権の放棄を認める制度、これをつくっていこうというのが打ち出されております。
 今後、この土地所有権の放棄を認めるかどうかというのは、非常に、財産権の話もあって、ずっと議論が行われてきているんですけれども、お手元の資料の二には、これまでいろんな土地に関する法改正、ここ数年一気に動いているという感じがあるんですけれども、いろんな法改正されていますけれども、土地所有権の放棄の認めるかどうか、今後の論点、中間試案には織り込まれているというのは認識しておりますけれども、今後の論点と、今後、法改正に向けてどのような進め方を法務省さんとして御検討されているのか、その辺りを御答弁いただきたいと思います。

#79
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、法制審議会民法・不動産登記法部会の取りまとめました中間試案では土地所有権の放棄を認める制度の創設を提案しておりますが、これにより、土地の所有者が一方的に土地の管理コストの負担を免れ、これを国の負担とすることになりかねない等の問題点もありますので、そのようなことを踏まえまして、例えば現状のままで土地を管理することが将来的にも容易な状態であるということなどの限定された要件の下で放棄を認めることとされております。
 今後、法制審議会におきましては、土地所有権の放棄を認めるための要件あるいは手続の在り方等について更に調査審議が進められるものと承知をしております。
 中間試案についてのパブリックコメントの手続で寄せられました意見は現在集計中でございますが、法務省といたしましては、その結果も踏まえながら法制審において更に充実した調査審議が行われるよう努めてまいりたいと考えております。

#80
○浜口誠君 三月十日までパブコメが行われたということで、今取りまとめ中という御答弁、先ほど来ずっとありますけれども、いつまでにまとめるというか、何か日程感はどうなっているんですかね。

#81
○政府参考人(竹内努君) パブリックコメントをちょうど締め切ったばかりでございまして、なかなか数も多いものですから、二百件以上の御意見が寄せられているところでありまして、集計に少し時間を要するかとは考えております。ちょっといつまでというところの今締切りはまだ設けておりません。

#82
○浜口誠君 ありがとうございます。二百件の意見が来ているという御答弁でしたけれども、しっかり早期にまとめていただいて、次の議論にやっぱりそのパブコメもしっかり反映していただかないといけないというふうに思っておりますので、できる限り早くおまとめいただくことをお願い申し上げたいと思います。
 実際、この放棄される見込みの土地、これは未利用な土地、利用していない土地、あるいは低利用の土地が多いと思うんですけれども、こうした放棄が見込まれる土地についても、自治体とかNPOとか、そういったところで活用していただくようなことをやっぱり考えていく必要があるんじゃないかなというふうに思っています。
 是非、そういった登記が見込まれるような土地の新たな活用の仕組み、受皿づくりというのもしっかり考えていくことが重要だと思っておりますけれども、この点に関して政府としてどのような対応を考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

#83
○政府参考人(青木由行君) 御指摘ございましたように、土地の所有権の放棄の議論、もちろんされているわけなんですが、その放棄がされる前の段階で可能な限り土地の有効利活用を進めていく、これが重要なことと思ってございます。
 このため、国土交通省といたしましては、例えば低額不動産の流通促進のための税制特例措置の創設、活用でございますとか、あるいは地域の不動産のマッチングを行います空き地・空き家バンク、それからランドバンクといった取組、それから、近年見られておりますけれども、地域の空き地とか空き家を活用して交流広場やコミュニティー施設などを整備、管理する取組、こういった土地の有効活用を促進する取組を進めてまいりたいというふうに考えておりまして、今後、関係省庁、地方公共団体とも連携を図りながら、低未利用土地対策を検討を加速してまいりたいと思います。

#84
○浜口誠君 是非、土地の利活用に向けて対応というのはしっかりと、いろんなアイデアが今出てきていますので、そういった新しい取組もうまく活用していただいて、より放棄される土地が少なくなるような対応を考えていただきたいなというふうに思います。
 その一方で、土地に関する情報基盤というのが今、正直言って整備がされていないなというふうに思います。いろんな情報あります。登記の情報とか農地台帳とか森林簿とか、あるいは固定資産課税台帳だとか戸籍だとか住民基本台帳だとか、いろんな情報は国も持っている、地方自治体も持っている。でも、それがつながっていないために非常に時間も掛かる、所有者を見付けるのにですね、把握するのに時間が掛かるというのが今の現状じゃないかなというふうに思いますので、それをうまくコンバインして全体が分かる土地情報基盤を整備していく。
 自治体を超えていろんな情報にアクセスして、速やかにいろんな情報が関係する皆さんが把握できる、こういった体制を国がやっぱりリーダーシップ取ってつくっていただくことが非常に重要だというふうに思うんですけれども、是非これ赤羽大臣、もう赤羽大臣の責任の下に各省庁、自治体、取りまとめていただいて、土地の情報基盤しっかり整備していこうぜというのを打ち出していただきたいんですけど、いかがですか。

#85
○国務大臣(赤羽一嘉君) 今回、先ほど申し上げましたように、土地の基本的な考え方、在り方を大きく転換するわけでありますので、それを実現するために支障となる、今御指摘のような土地の情報の共有化ということは大変大きなことだと思いますし、新しい土地政策を実現するための最大のインフラと捉えて関係省庁連携しながらしっかりと前に進めていきたいと、こう考えております。

#86
○浜口誠君 是非、赤羽大臣のリーダーシップで、本当、せっかくある情報なんですから、やっぱりこの情報を活用していくのは非常にクールな対応だと思いますので、是非そういった点で国土交通省さんがリーダーシップを取っていただきたいなと、こう思っております。
 続きまして、今回の土地基本法の第六条に、先ほども御議論ございましたけれども、豊田先生からお話ありましたけれども、要は、土地所有者の責務というのが今回明確にうたわれております。様々な責務を土地所有者の方に担っていただくことは非常に重要だと思いますけれども、その責務があるよというのをどう理解をしていただいて浸透させていくかというのがこれまた重要だと思います。法律に書き込んだからといって、そう簡単に土地を持っている方が責務を果たすというマインドにはならないと思いますので、どうそれを理解していただくような行動を政府として取っていくのか。
 あと、一方で、新たな責務が加わるということは、土地所有者の方にとっては負担が増えるということにもなりますので、こういった負担が増えることに対して、政府としてどう今後、そういったサポート、支援を含めて対応されようとしているのか、その点に関してお伺いしたいと思います。

#87
○政府参考人(青木由行君) お答え申し上げます。
 御指摘ございましたように、今回の法案で規定をしております土地の適正な管理という基本理念でございますとか、あるいはその中で土地所有者の責務、これを明確化しましたけれども、これを国民に御理解いただくということが大変重要ということでございます。
 国交省でこれまで、例えば十月の土地月間とか土地の日とか、そういったことを含めまして、公共団体、関係団体と連携した広報活動などもやってきておりましたけれども、今回新しく土地基本法できますので、こういった新しい理念、責務、こういったものは防災・減災の観点からも大変重要なことというふうに思いますので、いろんな多角的な角度から強く国民に訴えていく活動、これを進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、もう一点御指摘がございました土地所有者の負担についてでございますけれども、具体的な責務というのは、土地基本法の基本理念にのっとりまして個別法で定められていくことになるんですけれども、大きく言えば、土地所有者の方々の負担をできるだけ軽減していくということ、そしてその責務について所有者の方にやっぱり御理解をいただく、こういったことが重要というふうに考えてございますので、例えば相続登記でありますとか、あるいは今回審議をお願いしております地籍調査につきましても、それぞれ所有者の負担を軽減する取組、こういったものも規定をすることを目指して検討を進めてございます。
 また、様々な事情でなかなか所有者御自身には土地の管理が難しいというようなケースもございますので、こういった場合には、必要に応じて公共団体とかあるいは地域の住民の皆さん、所有者以外の方々が役割を担って、土地の適正な利用、管理の確保のための取組を推進するということも重要であると考えてございまして、この点につきましては、この法案につきましても規定をさせていただいているところでございます。
 以上でございます。

#88
○浜口誠君 是非、今答弁いただきましたけれども、両面ありますので、土地所有者の方の責務、しっかり理解していただいて、その責任を果たしていただく、そのためのやっぱり理解活動というのは、これ政府、いろんな工夫をしていただかないといけないなというふうに思っておりますので、是非しっかりやっていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、第二十条に国として地方公共団体の支援というのが、これも新しく新設をされております。土地の利用だけではなくて、先ほど来空き家の話もありましたけれども、空き家も、特定空き家、年間四十棟ぐらいしか代執行等で対応ができていない。空き家対策なんかも主体は地方公共団体です。
 もう本当に、こういった土地の対応、空き家の対応、地方に相当な負担を掛けながら対応しないといけないというのが今の実態だというふうに思っておりますので、国がそこに対してどう支援していくのかというのはすごく重要な、地方から見ても、国は何をやってくれるんだというのは必ず出てくると思いますので、この二十条を踏まえた地方に対する国としての支援、どういう点を重点的にやっていこうと思っているのか、最後にお答えいただきたいと思います。

#89
○委員長(田名部匡代君) 申合せの時間が来ておりますので、簡潔に答弁をお願いします。

#90
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 住民に一番近い存在である地方公共団体が今後の土地政策で果たす役割、大変大きいと思います。しかしながら、マンパワー、ノウハウの不足の課題があるのは御指摘のとおりです。
 国交省といたしましては、今回の法案の規定にものっとりまして、一つは、その所有者不明土地問題を契機として、先ほど申し上げました公共団体と地方整備局との連携する協議会、これを様々な分野に活用していくといったこと、あるいはガイドラインといったような技術支援、さらには職員の派遣といった人的支援、こういったことでより一層サポートを行ってまいりたいと思います。

#91
○浜口誠君 じゃ、終わります。

#92
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず法案の前に、私からも、今回の新型コロナウイルス感染の影響を受けた観光業等の観光分野での経済対策について一つお伺いをしたいと思います。
 もう既に、先ほど大臣からも御答弁をいただきましたとおり、政府でも各分野からのヒアリングを進めていただいていると、私の公明党からも政調会長、一緒に入らせていただいて聞いているということで伺っておりますけれども、我が党としても、各分野、各業界、各団体から様々お伺いをしております。
 また、私、地元愛知県でございますけれども、愛知県では既に二月の中旬に、これはどちらかというと中国からのインバウンドの影響でございますが、愛知県の温泉街の観光旅館が破産申請をするといったことで非常に大きな影響を二月からもう既に受け始めていると、そんな状況でございます。
 こうした中で、旅館、ホテル関係の皆様から大変な状況を伺っております。客足が止まり、売上げが激減する一方で、資金繰り、雇用維持もままならず、また雇用以外では、これはホテル、旅館ならではの問題だと思いますけれども、土地、建物などの固定資産税の負担、また電気、ガスなどの公共料金はもとより各客室のテレビのNHKの受信料、こうした負担についてもお伺いをしております。これらが経営の重圧となっているということでございます。
 そして、今回の東京オリンピック・パラリンピックの延期の影響がまた様々な受け止めとなっております。大胆な資金面の支援に加えて、今申し上げたような固定資産税などの税の軽減、減免、そうした要望も受けておりますし、また、大臣がおっしゃる今後の反転攻勢に備えて、例えば従来のふっこう割などということも参考になると思いますけれども、宿泊業を始め観光産業の基盤を支えるための経済対策を強力にこれから進めていただきたい。大臣のお考えをお伺いいたします。

#93
○国務大臣(赤羽一嘉君) 宿泊業というのは大方装置産業みたいなところがありまして、相当維持の経費が掛かると。NHK一つ取っても、百部屋あると、まあ百戸払っているかどうかはいろいろあると思いますが、相当な負担になっていると。加えて、どうしてもその中で、従来の既往債務を持たれているところもたくさんあるので、新たな債務の枠というのはおのずと制限が出てくると。ですから、私も地元の観光関係の皆さんと話をすると、既往の債務の返済猶予ですとか、公租公課、固定資産税、これ地方税でありますけど、そうしたものの免除とか猶予とか、そうしたことの声が強いというのも、私もそうしたことを実感しております。
 これ、必ずしも所管ではありませんけれども、業界を所管しているのは私たちでありますので、しっかりと業界の声を関係省庁しっかり反映させて、皆さんの期待にというか切実な要望に応えられるような対応をしなければ、反転攻勢をするときに、肝腎の宿泊業が随分例えば廃業になってしまって受け入れられるキャパが相当制限されたみたいな話になっては元も子もございません。
 また、ちょっと御質問には出ておりませんが、通訳案内士の方からもこの前、聞きまして、通訳案内士の方、もうほとんど自営業で、今の対策で、就学児童を持たれている方たちについてはフリーランスでもそれなりの支援がありますけど、大体子育てが終わった方たちが通訳案内士やられている方が多くて、この人たちは、とてもじゃないけど、もう辞めざるを得ないという話がありました。これ、インバウンドが復活したときに通訳案内士の方が一人もいないみたいな話になってしまっては大変な状況になりますので、そうした方たちに対しても配慮が行くような支援策を講じていきたいと思っております。

#94
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 それでは、法案について御質問いたします。
 まず、基本的なところからでございますが、先ほど来お話がありますように、この土地基本法、三十年ぶりの、制定以来の大きな改正でございます。この改正、なぜこのタイミングに行われるのか、その背景、経緯、必要性などを改めてお伺いしたいと思います。
 所有者不明土地問題につきましては、二年前から関係閣僚会議など政府全体で取り組まれておりまして、既に二年前には所有者不明土地法が成立、施行されております。基本法という名前のとおり、本来は基本的なコンセプト、全体の青写真を描いて、それから各法ということであろうかと思いますけれども、こうした一連の法改正の中で、この基本法の位置付け、意義についてお伺いをいたします。

#95
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 経緯といたしましては、まず、東日本大震災の復旧復興に際しまして所有者不明土地問題が深刻な問題として認識された、これが大きな契機になったと思いますが、言わば土地が放置されたり有効活用されない、そういった地域に悪影響を与えるという、こういった諸課題に政府一体となって取り組むべきというふうに認識されてきたと思っております。
 こういった認識の下、御指摘もございましたけれども、平成三十年一月に設置されました所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議、ここで政府一体となった対策が講じられてきているということでございます。
 これも御指摘ございましたけれども、所有者不明土地、ある意味、この現状をいかに受け止めるかという観点から、公共的な事業のために活用する、これを内容とする所有者不明土地法が昨年六月から全面施行されてきているということでございます。
 他方で、この現状の所有者不明土地の現状を変えていく、言わば発生抑制、解消をいかに図っていくかと、こういった次のフェーズの検討に入りまして、こういった問題については、人口減少の進展に伴う社会構造の変化に対応して、土地政策を言わば抜本的に再構築していく必要があるという認識が政府全体で形成されてきてまいりました。
 そういった状況の中で、国土交通省といたしましては、今般、この土地基本法につきまして、管理の重要性の明確化でございますとか所有者の責務規定、さらには土地基本方針の新設など、全面的な見直しを行うということにしたところでございます。
 今回のこの土地基本法の改正を踏まえまして、例えば法務省における相続登記の義務化でございますとか財産管理制度の見直し、こういった民事基本法制の見直しを始めとした土地に関する様々な制度の見直しが進むよう、政府一体となって取組を進めてまいりたいと存じます。

#96
○里見隆治君 法案では、基本理念として、現行の土地の適正な利用に加えて管理の必要性を追加されております。そして、責務に関しては、現行の国、地方公共団体、事業者、国民に加えて土地所有者の責務を新設し、土地所有者に対して土地の適正な利用や管理について責務を課しております。
 法案でこの土地の適正な管理に関する基本理念や土地所有者の責務を追加することは、これまでの土地に関する財産権の制約についての理念を定めた第二条、つまり土地についての公共の福祉の優先との関係においてどのように整理をされるのか、この点お伺いしておきたいと思います。
 ちょっと御答弁いただく前に、私、ちょうど三十年前に公務員試験を受験いたしまして、人事院からの面接で、個人の財産権と公共の福祉、どちらが優先しますかと、そういう質問をいただきまして、私余り勉強不足で、どちらがいいのか、これ、この条文がまだ当時法律としてはございませんでしたけれども、憲法からすれば土地についての公共の福祉の優先と答えるべきだったかもしれませんが、迷った挙げ句、どちらも重要ですと言って、まあ通していただいたのでそれはそれでよかったんですが、この法律においてはそこが明確に記されているわけでございます。
 こうした整理、この法律においてどのようにされているか、お伺いいたします。

#97
○政府参考人(青木由行君) 御指摘のように、土地基本法第二条、これは土地の性格に由来をいたしまして公共の福祉が優先される旨規定されてございます。
 そして、今回、この法案につきまして、土地が適正に管理されるべきこと、これを基本理念で明確化した上で、新たに土地の適正な管理などに対して土地所有者の責務を追加することといたしてございます。
 こうした土地の適正な管理は、言わば近年の人口減少による土地利用ニーズの低下等によりまして強く必要性が認識されるようになっておりますけれども、これは、今回規定をしました三条の二項で、周辺土地の良好な環境の形成、あるいはその周辺地域への悪影響の防止という、まさに公共福祉の観点から求められるものでございまして、先ほどお話し申し上げました第二条に定める公共の福祉の優先の理念に基づく財産権の制約の範囲内であるというふうに整理をしているところでございます。

#98
○里見隆治君 法案では、所有者不明土地対策とともに、低未利用地対策についても、国、地方の基本的施策として新たに位置付けられております。
 土地基本方針については何点かもう既に御答弁をいただいておりますけれども、特に私からお伺いをしたいのは、低未利用地対策として、予算や税制など、どのような具体策、具体的な取組をこの中で、土地基本方針の中で位置付けることを想定されているか、お伺いいたします。

#99
○政府参考人(青木由行君) 今回の法案でも、御指摘の低未利用土地対策というのが非常に大きい施策の柱となってございまして、その上で、基本的施策として、国、地方公共団体が適正な土地の利用、管理を行う意思と能力を有する者を念頭に、そういった者に空き地、空き家といった低未利用土地を取得する支援、こういった措置を講ずるということを規定をいたしております。
 具体的には、低未利用土地の流通促進のために、低額不動産の譲渡についての税制特例でございますとか、行政、専門人材が連携して地域の不動産のマッチング、コーディネートを行うランドバンクの取組の支援、こういったことが重要と考えておりまして、今般、新たに創設する土地基本法に盛り込むことも想定しております。

#100
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 次に、地籍調査についてお伺いをしたいと思います。
 今日、資料としてもお配りをしておりますけれども、資料の一枚目に地籍調査の対象地域全体の進捗率と、これ、全国の進捗率については何度か質疑、答弁ありましたけれども、これを県別に見たものでございます。これを拝見いたしますと、東北や九州など進捗しているところもあれば、関東、中部、近畿など遅れているところもありまして、地域によって相当差があるということでございます。
 この地籍調査について、全国の地域によって進捗の差が生じていること、これは、国土交通省としてその要因、背景は何であると考えているか、この点お伺いいたします。

#101
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 御指摘のように地籍調査の進捗に地域差がある、この主な要因といたしましては、まず、この調査は戦後すぐに始まったんですけれども、当時の世相から、その初期には農用地、これを中心に調査が進められてきた、こういった経緯がまずございます。そして、さらには、土地が細分化されて権利関係が複雑な都市部、やはりそういった都市部で調査が遅れてきたということ。それから、地籍調査の必要性に関する市町村の認識に差がありまして、実施体制、予算の確保の状況、これが地域によって異なること、こういったこともあろうかと思っております。
 また、近年には、東日本大震災等を契機といたしまして、災害への備えとしての地籍調査の重要性を強く認識された市町村では、意欲的に取組を進めていただいて進捗を大きく伸ばしているところも出てきている、こういうふうな状況でございます。

#102
○里見隆治君 私、気になりますのが、この赤いところ、黄色いところ、つまり進捗率が四〇%未満というところは、いつ起こるか分からない南海・東南海トラフ大地震、これにまさに当たっているわけでございます。
 今お話しの東日本大震災の例もございまして、私、今日、これもまた国土交通省からいただいた資料ですが、岩手県宮古市の、これは好事例、地籍調査が進んでいたために高台移転が速やかに行われた好事例ということで御紹介いただいておりますけれども、こうした事例から鑑みましても、今後の大災害に備えて地籍調査、これを早急に進めていかなければならないというふうに思います。
 赤羽大臣は、よく阪神・淡路大震災の御経験ということも踏まえてその思いを語っていただいておりますけれども、防災・減災に資する地籍調査の意義という点について大臣の認識をお伺いしたいと思います。

#103
○国務大臣(赤羽一嘉君) 今お話ございましたように、東日本大震災、これもう大変大きな被災であったこと、言うまでもございません。私も、この宮古市の田老地区というところ、宮古市の市長も住まわれている地域で、もう本当、ほぼ全滅という状況でありました。こうしたところの防災高台移転ですとか、こうしたことって、なかなか権利関係を調整するだけで物すごく時間が掛かるといった状況でありましたが、この宮城県では地籍の調査の率が八八%、岩手県では九〇%ということでございまして、防災集団移転事業の実施ですとか、また復興道路の整備などについても想定よりも相当早く用地取得が円滑に進み、事業が迅速に実施できたということがございます。
 宮古市では、予定ですと約二年間掛かるだろうと言われておりましたが、実際は一年四か月で実施できて、八か月間の短縮効果があったと。これ実は、三十年の西日本豪雨でも、広島県の呉市でもこの直轄砂防事業、あそこも急傾斜地多いものですから、そのところも地籍調査、日頃から進んでおりまして大変早期に着手ができた、このときも三か月ぐらい工事期間を短縮できたという話もございまして。
 これは、防災・減災が起こったときに、都市部、軒並み大変低くて、そうしたところで起きる、首都直下なんかが起きたときとか、東南海、南海、あの危ないところが今この地籍の調査の進捗率が低いものですから、ここは意識して当該の地方自治体にもしっかりこうしたことをお知らせしながら、権利関係の調整とか都市部の方が難しいのはよく承知をしておりますが、これ、地方自治体と、あと専門の土地家屋調査士の方々とか測量事業者の方々と一緒になってしっかり進めていくと。先ほどの土地の基本法の大きな改正の一つの重要なファクターだと捉えて、しっかり進めていきたいと思っております。

#104
○里見隆治君 今大臣から、各自治体の首長とというお話をいただきました。自治体の業務だと言ってしまえばそれまでですが、これだけばらつきがある。また、災害となれば、これはもう国を挙げての支援体制となるということであれば、先んじて手を打つべき事項だというふうに思います。
 これ平時でも、実は私、最近いただいた御相談で、市街地の昔からの国道をバイパスで移し替えたいと。移し替えるべき土地がもうほとんど耕作放棄地のような場所でありまして、もちろん場所はもうがらがらに空いている、別に誰かが使っているわけではない、もう草がぼうぼうと生えている。しかしながら、過去の区画整理の際に地籍がきちんと整理されていなかったがためになかなかバイパスが造れないと、町の中の細い国道が渋滞という、そういう全く公共の福祉という、利益という観点からすると反するような事態が生じておりまして、そういった観点でも是非、今ほど大臣がおっしゃったリーダーシップで各自治体に頑張っていただく、そんな仕組みを是非進めていただきたいというふうに思います。
 次に、地籍調査、これが十箇年計画に基づいて進められるということでございますけれども、現在の第六次十箇年計画で定められていた地籍調査の目標事業量二万一千キロ平米、これが達成が難しい状況ということでございます。国土交通省としても様々手は打っていただいているとは思いますけれども、これ、実は昨年十二月に政策評価法に基づいての総務省からの是正勧告を受けておられるというふうに承知をしております。今日も三枚目の資料でその政策評価の結果、概要を添付させていただいております。
 国土交通省から、この総務省の勧告の内容、また国交省としてどのような対応を取る御予定か、改めて御説明をお願いいたします。

#105
○政府参考人(青木由行君) 御指摘ございましたように、昨年十二月六日に公表されました地籍整備の推進に関する政策評価におきまして、その地籍整備の現場で地方公共団体が抱える様々な問題を克服して更に取組を進められるよう、特に法務省と国土交通省、市町村の連携促進などの措置を講じるべきという指摘をいただいたところでございます。
 今回の改正では、この勧告にも対応いたします部分といたしましては、不動産登記法の筆界特定制度を地籍調査においても活用できるような、こういった制度の創設など法務省との連携促進等を図る措置でございますとか、あるいは、その地籍調査に関する有識者であるアドバイザーの派遣などを通じた国による地方公共団体の支援の規定の創設、こういったことを盛り込んでおりますし、様々な運用でも今回の勧告をしっかりと受け止めて改善をしてまいりたいというふうに考えてございます。

#106
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 こうしたことを踏まえて、今回の法改正によって地籍調査の円滑化、迅速化を図り、これが実現されるような新たな十箇年計画の策定、これ是非お願いしたいと思います。
 新たな十箇年計画では、国土調査事業の迅速かつ実効的な実施を図るための措置に関する事項を定めるものとされておりますけれども、今後どのようにこの地籍調査、スピードアップされていくのか、お伺いいたします。

#107
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 今回の土地基本法の改正に当たりましては、この地籍調査の課題である所有者の探索、境界の確認に時間を要するという、こういった課題を克服いたしますために、調査のボトルネックにつきまして実施主体の地方公共団体にもよく意見をお伺いをさせていただきました上で、一つには、所有者の探索を容易にいたしまして、所有者不明等の場合でも調査が進められるような、そういった調査手法の見直しと、それから都市部における官民境界の先行的な調査、それから山村部における航空写真などのリモートセンシングデータの活用といった地域の特性に応じた効率的手法の導入、こういったことを行うこととしてございます。
 二年度から始まる新しい十箇年計画におきまして、これらの措置を位置付けまして、調査の円滑化、迅速化を図りまして、今後十か年で現行計画の実績の約五割増しの進捗を図ることを目指してまいりたいと考えております。

#108
○里見隆治君 よろしくお願いします。
 時間が間もなくでございますので、最後もう一度、土地基本法の質問に戻りまして、先ほどお話がありました地方自治体の役割、その自治体への国からのサポートという、先ほど来出ている法第二十条関連で御質問しておきたいと思います。
 私は、この地方自治体を支えていくに当たって、特に地方整備局、また法務局、これが相連携して自治体をサポートしていくことが重要だと思いますけれども、今後どのようなサポートを行っていかれるか、お伺いいたします。

#109
○政府参考人(青木由行君) 今後、政策、対策を進めていく上で、公共団体のマンパワー、ノウハウの不足の課題、これにいかに向き合っていくかが重要だと思っておりまして、この支援に当たりましては、御指摘のとおり、地方整備局と法務局、これが連携することが重要というふうに考えておりまして、具体的には、所有者不明土地法の制定を契機として、地方整備局と法務局との連携で設置された地方協議会をさらに管理不全土地対策であるとか土地の有効活用にも使っていく、こういったことで技術支援も行ってまいりたいと思っております。
 また、加えて、専門的な知識、経験を有する整備局等の職員の派遣を通じた人的支援、こういったことで技術面、人材面から地方公共団体へのより一層のサポートを行ってまいりたいと考えております。

#110
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。ありがとうございました。

#111
○室井邦彦君 日本維新の会の室井でございます。
 各先生から冒頭に、今回のこのコロナウイルスの件で大変な、世界中が巻き込まれているというか、大きなことに拡大してまいりました。また、日本の国は、御承知のとおりオリンピックという世界のこういう祭り事を抱えている国でもあります。その後の経済の関係やら、まあ一年後というようなことも言われているようでありますけれども、その間、どうこの国を引っ張っていくのか、これも大きな宿題というか問題であります。
 ここで一言、激励といいますか、私も阪神・淡路大震災の経験者で被災者でありますけれども、あのときには大変な状況でありましたけれども、あの四十三号線の阪神高速は直径三メーターか四メーターの柱が皆寸断されて折れてしまったと。あっという間に回復して、復旧また復興したと。そういう中で、ピンチをチャンスに変えるというか、ボランティア元年という新しい言葉が阪神・淡路大震災のときに出ました。
 そして、今度、東日本大震災のときには、世界各国にあの状況を放映されました。あの寒空に隊列を崩すことなく、食料とか配給されるものを皆さん方が列を崩さずにずっと並んでおられたという、ああいう光景が世界の皆さん方の感動、涙を誘ったと。日本人はすごいなというような、そういう場面もありました。
 そして、最後は、日本の国は大戦のときに無条件降伏して、瓦れきの山から世界の経済大国として今日こうして繁栄を期しているところであります。
 この底力を今こそ見せ付けなくちゃいけない。野党も与党もなく、我々が、政治家がしっかりと一丸となって体を挺してでもこの問題を進めていくという、後退してはならぬと、このような私は決意を自分自身に問うて言い聞かせておりますけれども。
 ラグビーの経験者、その若さとパワーで、私はあなたを信じておりますけれども、しっかりと頑張っていただきたいと期待を申しておりますけれども、同じ兵庫県でもありますので応援をさせていただいておりますけれども、一言、何か頑張れという激励、言葉を、パワーをいただければ有り難いなと思っています。

#112
○国務大臣(赤羽一嘉君) 阪神・淡路大震災で阪神高速神戸線が倒れたところの実は私すぐ北側に住んでおりまして、あの現場、当日直後に行ったときにはまさに夢を見ているような状況でもありましたし、当時、阪神高速道路というか、高速道路が倒れるということは常識的にはあり得ないと思っていたことが展開されてしまったということで、大変、私、当時は神戸が震源地になっているとは思っておりませんでした。神戸は震災が来ないと思っていましたので。ですから、日本中どうなったのかなということを思いながら、また、これからこの復興はどのくらい掛かるのかと、こう考えておりましたが、官民一体となった中で順調に来たというのは、まさに日本の底力だったというふうに思っております。
 今回も新型コロナウイルス、大変な状況でありますけど、私は、日本国内、油断をするわけじゃありませんけど、これまでヨーロッパ各国と比較をすると、その広がり方が非常にそんなに一気に広がっていないというのは、これまでの手の打ち方もあると思いますが、私は、日頃からの公衆衛生のレベルの高さ、やっぱりうがいをするとか手洗いをするとか、そうしたことというのは、世界中の、私も結構世界いろいろ行っていますけど、日本人ってやっぱり相当レベルが高いんじゃないかというふうに思っております。
 こうしたことというのはやっぱり日本人の特性だと思いますし、また、こうしたことを、我が国だけが良ければいいわけじゃありませんので、国際社会が全体的に良くなっていかなければ我が国も生きていけないという思いなので、そうしたことも、世界で大変苦しまれている国家もありますし、そうしたところにも裨益ができるようにしっかりと取り組まなければいけないと。
 その中で、もちろん経済政策もしっかり、状況が落ち着き次第、反転攻勢で手を打とうということは着々と準備しなければいけないと、こう考えております。頑張っていきたいと思います。

#113
○室井邦彦君 ありがとうございます。私も老骨にむち打って頑張ってまいります。
 それでは、本題の質問にさせていただきますが、この土地基本法、平成元年、一九八九年に制定されたと聞いておりますけれども、今回の法改正は初めてでありまして、ただ、これに関連する国土調査法とか国土調査促進特別措置法は六回目の見直しと、六回目の改正ということでありますが、その間、いろんな社会の変化によりいろいろと改正を、手を加えていかなくちゃいけないと、こういうことでありますけれども。
 この地籍調査がなぜこれだけ遅れているか、進まなかったかということも各先生方からそれぞれ、青木さんがお答えしていただいておりまして、私も理解をしておりますのでそれ以上の重複することはもう控えさせていただきますが、いずれにいたしましても、今回の土地所有者に対する土地の管理と責務ということ、いろいろと分けて行政も連携しなくちゃいけないという問題も次の質問でさせていただきますけれども、今回はそういう土地の管理、土地の所有者の責務ということについて、このことにつきましてもう一度深く確認しておきたいのは、その土地所有者に対してどのような管理を求め、この実効性を確保していくということになっていくのか、改めてもう一度その点をしっかりと御説明をしてください。

#114
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 御指摘ございました今回の所有者に対しまして土地の適正な管理の責務を課すという規定でございますが、これは個別法等によりまして、管理の具体的内容、そして実効性確保の仕組み、これが措置されていくということが重要ポイントと考えてございます。
 今回の法律で考えておりますその管理の内容につきましては、いわゆる物理的な管理と、それから権利関係の明確化とか境界の明確化といったような法的な管理、大きく二つあろうかというふうに思っておりまして、これをそれぞれ個別制度の中で実効性確保していくことが大事になってくるということでございます。
 例えば、物理的な管理といたしましては、これは既に一部地方公共団体の条例で事例がありますけれども、土地所有者に草刈り等の管理を責務として規定をして、そしてこの責務を果たさない場合に、行政自らが必要な措置を講じた上で所有者から費用を徴収するような仕組み、こういった事例も出てきてございます。
 また、法的な管理といたしましては、何度かこの議場でもお話しさせていただきましたが、民事基本法制の見直しの中で、相続登記の義務化であるとか、あるいは地籍調査の見直しにおいても、土地所有者の協力を得ることによりまして調査の円滑化、迅速化を図るというようなことを進めたいというふうに思っているところでございます。
 いずれにいたしましても、今般新たに創設いたします土地基本方針の策定を通じましてしっかりと具体策を着実に展開していく、こういったことでございます。

#115
○室井邦彦君 今の人口減少に伴って土地の地価が下落しておるという状況でもあり、またそれぞれの所有者不明の土地が増加をしていっているといういろんな社会背景がありまして、そういう中での、またさらには都市のスポンジ化という問題も現象が出てきておると、こういうことを早急に対応していかなくてはいけないという、こういうことであると思っておりますけれども、しっかりと対応していただき、こういう現象に歯止めを掛けていただくように是非お願いを申し上げたいと思いますが。
 ただ、民間とかこういう関係者に責務を負わせるという、これもありますが、要するに、国、行政、地方公共団体、業者、それぞれが役割分担をしっかりと明確化していかないと、土地の所有者ばかりにそういうことで指導するよりも、まずこういうところで連携を取っていただかなくちゃいけない、私もそのように思っておるわけでありますが。
 そこで、その専門家や地域コミュニティー等の連帯体制もしっかりと構築していくために、国土交通省としては、土地の適正な利用、管理をどのように図っていこうと考えておられるのか、お聞かせください。

#116
○政府参考人(青木由行君) 御指摘ございました土地所有者、国、地方公共団体、事業者の役割分担という点でございますけれども、本法におきましては、まずもって、適正な土地の管理の確保のためには土地所有者に一次的な責務があるということを明確化させていただいております。
 一方で、様々な事情によりまして土地所有者自身による取組が難しい場合には、必要に応じまして、地方公共団体、地域住民など所有者以外の地域に関係する主体の方々に役割を担って、その土地の適正な利用、管理を確保する取組を推進する施策、こういったことについても規定をさせていただいているということでございます。
 具体的な例を申し上げますと、例えば、空き地を市町村がマッチングすることで、地域のNPO、コミュニティーが所有者に代わって土地の草刈りや見守りなどの管理を行うと。あわせて、地域の庭やイベント広場として活用するような取組でございますとか、あるいは、市町村が主導する空き地・空き家バンクにおきまして、地域の宅建業者さんがマッチングの役割を果たしていただくような取組、さらには、地方公共団体、地域の土地に関する専門人材が連携をいたしまして、地域の土地の利用、管理を確保するためのマッチング、コーディネートを行うランドバンクによる取組など、こういった取組を推進してございまして、現場におきまして、行政、専門人材、地域のNPO、事業者の連携体制を構築する、これは重要な視点であるというふうに考えているところでございます。
 こういった取組も含めまして、関係省庁とも連携をしながら、地域の様々な主体が連携をして、土地の適正な利用、管理の確保を図るための具体的施策を展開していきたいと考えております。

#117
○室井邦彦君 それでは、最後の質問をさせていただきます。
 最後の質問は、土地分類調査の今後の方針について少しお伺いしたいことがあるんですが、この第六次計画から、土地本来の自然地形の改変履歴ですね、災害履歴等の調査を内容とする土地履歴調査を実施されているというふうにお聞きしておりますが、私も、前回、前々回ですか、ちょっと触れさせていただいた広島の土砂災害のことにもう一度触れさせていただきますが、平成十一年の広島豪雨による土砂災害が発生した場所は、災害の歴史をたどる、蛇落地悪谷、蛇が落ちてくる道の悪い谷と書いて蛇落地悪谷という、昔からこの地名があったんです、ここには。これは昔の、過去の先人たちが、ここは恐ろしいところだよ、大雨が降ったりするとこういう事故が起きるよということをずっと先人が伝えてきたんですが、やはりこういう名前を付けると土地の価値観がまずいと、ちょっと名前変えて格好いい名前付けようやないかと地域の名前を付けられたと。そうしたら、この間の災害で大きな犠牲者を出したという、こういうことについてどう考えておられるのか。
 そういう関係があって新たなその土地履歴調査をされておると思うんですが、どこまで進んでいるのか、そういうことを少し、もう時間がございませんので、お聞きをしたいと思います。確認をしておきたいと。

#118
○政府参考人(坂根工博君) 今委員の方から土地履歴調査についてのお尋ねがございました。
 今の進捗状況と今後の取組について申し上げますと、御紹介になりました国土調査事業十箇年計画、これ今年度までの計画でございますが、これによりまして、これまでに、三大都市圏のほか、南海トラフ地震の被災想定地域に含まれる一部の地方都市等において、人口集中地区等を対象に調査を実施してきたところでございます。また、令和二年度からの新たな十箇年計画におきましては、対象範囲を調査未実施となっております政令指定都市や中核市等の地方都市に広げていきたいというふうに考えているところでございます。
 また、この情報の提供の在り方とか活用についても大事だと思っておりまして、それについて申し上げますと、この成果についてはGISデータとしてオープンデータ化をしているところでございます。これによって人口分布とか公共施設等の位置情報と重ね合わせることが可能になるわけでございます。
 こういった成果については、地震による地盤の揺れやすさあるいは過去の浸水範囲など、ハザードマップを作成する際の基礎的な情報として活用をしたり、地域の災害リスクを考慮した安全、安心なまちづくりや不動産取引における災害リスク情報の説明などに活用できるものとなっておりまして、今後とも、私どもとしては地方公共団体あるいは民間事業者において広く活用していただきたいというふうに考えている次第でございます。

#119
○室井邦彦君 よろしくお願いします。
 終わります。

#120
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 早速、土地基本法、法案の質疑に入らせていただきたいと思います。国土交通省は三月十八日に地価を公示されました。全国平均では五年連続、宅地は三年連続、商業地は五年連続で上昇と、いずれも上昇基調を強めているということでありました。
 最初に国土交通省に確認したいと思いますけれども、商業地の上昇の要因は何でしょうか。

#121
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 令和二年一月一日を評価時点といたします令和二年地価公示におきましては、商業地の全国平均の対前年変動率は三・一%と上昇となりました。これは、景気回復や良好な資金調達環境などを背景に、人材確保等を目的としてオフィス需要が堅調であり、空室率の低下、賃料の上昇傾向が継続していること、国内外からの訪問客が増加している地域や、交通インフラの整備や再開発が進展している地域において店舗、ホテル需要等が堅調であることなどから商業地の地価が上昇しているものと認識してございます。

#122
○武田良介君 商業地では、例えば外国人観光客がいらっしゃるだとか、そういった店舗、ホテルの需要が旺盛になっていると、それが地価の上昇の要因だという、そういうことだと思います。
 具体的にもう少し見ていきたいと思うんですけれども、国交省の令和二年地価公示説明資料、これ見ますと、今回の調査で東京圏で一位の上昇率になっているのが台東区の浅草駅近隣だということであります。これ、どのように書いてあるか、御説明いただけますか。

#123
○政府参考人(青木由行君) 令和二年一月一日を評価時点といたします令和二年地価公示では、東京メトロ浅草駅付近の地点が前年から三四・〇%上昇と、東京圏の商業地において最も高い上昇率となりました。これは、浅草寺、雷門周辺を訪問する国内外の観光客の増加により、浅草地区を中心に店舗、ホテル等の需要が旺盛であることによるものと認識してございます。

#124
○武田良介君 今御答弁いただいたのを資料の一に付けてございます。その太枠で囲ったところが浅草であります。
 それで、少し経年的に見てみました資料の二であります。二〇一〇年から二〇二〇年までの浅草二の一の一の公示地価の推移、これを表したものであります。左の縦軸が公示価格、右の縦軸が前年比でありまして、比率を表すためにゼロ%のところに黒の横棒を引かせていただいております。ですから、二〇一〇年から一二年までは黒の下ですから前年比マイナスということになるわけです、下落ということになるわけですけれども。一三年からは上昇を始めておりまして、前年比では二〇一九年三五%、二〇二〇年三四%と急激に上昇しているわけであります。地価は、二〇一〇年と比べますと二〇二〇年は約三倍というふうになっているわけですね。理由は、先ほど御答弁もありましたように、外国人観光客のために店舗だとかホテルが増えてきているということだと思います。
 これで、町はにぎわったということだけで喜ぶわけにはいかないという状況があるわけです。その地価の上昇、ホテルの乱立、こういうことによって地域住民に悪影響も出ているというふうに思いますけれども、どのようにつかんでおられるでしょうか。

#125
○政府参考人(青木由行君) 近年の地価上昇は、かつてのバブル期とは異なりまして、地域の実需に基づくものというふうに認識しておりまして、これによりまして地域に深刻な悪影響が出ているとは認識してございません。近年、地価が上昇している地域におきましては、消費の活性化、地域の事業者の売上げの増加、雇用の増加など、地域経済の活性化などの好影響が生じているというふうに認識してございます。

#126
○武田良介君 悪影響を与えているとは認識していないという話でしたけれども、その地価の上昇の要因になっているのはホテルの建設だとか再開発だとか、そういうことがやられてきたからでありまして、こういうホテルの建設あるいは再開発が行われれば、地価も上がって地域住民の方に影響が出るということは、これ想像付いたんじゃないかというふうに思うんですけれども。
 大臣にも少しお伺いしたいと思うんですが、ホテルの建設だとか再開発があれば、大臣の御地元でもあったかと思いますけれども、地価が上昇するだとか、そういうことによって影響が出てきたという住民の声、聞かれたこともあるんじゃなかろうかというふうに思うんですけれども、私は、その浅草に住まわれております町会長さんからもお話を少し聞きました。お二人の方の声、ちょっと紹介したいというふうに思っております。ちょっと読み上げ、紹介します。
 浅草駅周辺は、インバウンド観光客を狙ったホテルや簡易宿泊所の建設、東武や東京メトロが再開発狙いでの土地買収が相まって地価を押し上げているのではないか。先頃、雷門すぐ隣のおもちゃ屋が閉店したが、十一坪の土地が二・一億円で売れたという。ずっと商売をやってきた個人商店が営業できなくなっている。長年の住民も住み続けることが困難になっている。大変迷惑な環境の変化だ。特に、高齢者が年金で暮らすことができず町会の運営が困難になり、コミュニティーが壊れ始めているというお話でありました。
 また、別の町会長さんですけれども、大江戸線、つくばエクスプレスができ交通の利便性が格段に良くなったことで、中高層のワンルームマンション建設が進み、地価が上がり続けてきた。そこに、インバウンドを当て込んだ民泊やシェアハウス、旅館業法改正で猫の額のような土地でもホテルが可能になるなど、規制緩和が重なって地価の高騰に拍車を掛けているのではないか。最近は、賃貸マンションの一部屋から事業者が借り上げる民泊などが増えており、近隣住民の住環境が壊れ、安心、安全が脅かされていると、こういう話だったわけであります。
 その地価の上昇の背景には、一方でこうした地域住民が住み続けられないだとか、あるいはコミュニティーが壊されてしまう、こういった事態が進行しているというふうに思います。これが土地の利用だとか取引の在り方として望ましい姿なんだろうかというふうに私は思うわけなんですけれども、大臣、どのようにお考えでしょうか。

#127
○国務大臣(赤羽一嘉君) 地価の動向のときに問題なのは、先ほど局長から答弁がありましたように、それが実需に基づくものなのか投機的なものなのかということだというふうに思いますよ。
 ですから、昨日も予算委員会で共産党の委員の方からも質問されましたが、ほかの党もそうですけど、今こうした状況の中で観光業が大変打撃を受けている、インバウンドが来ない、そうして結局は地方の経済が駄目になり切っていると今日の委員会でも受けたとおりです。
 それというのは、じゃといって反転攻勢をすると、そうすると、当然、そこの中に価値が出て、投資が生まれ、そしてその結果、土地の価格が上がるというのは、これは経済原理上、これはある意味じゃ自然だというふうに私たちは、私はそう認識をしております。
 ただ、これ、余りにも強烈にちょっと異常な上がり方をしている、いわゆる先ほどありました平成元年前後のバブルの上昇、また終わりのとき、これは余りにも行き過ぎて、本当にそのときは、質問の通告にもありましたように、地域住民が住めないような現象、メリット、デメリットでいうと圧倒的にデメリットが多いような現象があったというふうなことで土地基本法を制定したということもあったと思います。
 私は、今の状況は、長年続いてきたデフレ不況の中で賃金は上がらない、なかなか投資は呼び込めない、そうした中から比べると随分改善してきているというふうに思います。その結果、地価が全国で一・四%の上昇というのは、私は極めて健全な数字だと思います。
 それとオーバーツーリズムの問題というのはちょっと別であって、観光客が来るから必ずしもそれが地域住民の弊害になっているというのは、そうしたことを言われる方もいらっしゃいますが、そのことによって地域の経済が潤っていると言われている方もかなりいらっしゃると思います。
 インバウンドが来られて本当に迷惑だと言われている方もいらっしゃるかもしれませんが、私は観光担当大臣としていろいろな地域を回っている中で、やはりもう少子高齢化、人口減少化の中で地方創生も全く見通しが立たない中で、このインバウンド政策によってこれからも地方創生に立ち上がろうとしているところは数多くあるというふうに、これがもう客観的な事実なんじゃないんでしょうか。全く価値のなかった地域にそれが価値を生んで、地価が余りにも異常な数字じゃなければ、それはその地域が非常に価値を持ったという意味で、私は今のところの中では健全なのではないかと。
 それとは別に、オーバーツーリズムの問題というのは、これ世界、G20の観光大臣会合でも共有したようなことでありまして、その地価の問題というお話ではなくて、別の形でオーバーツーリズムの問題は対処するべきだというふうに私は考えております。

#128
○武田良介君 先ほどの実態を是非聞いていただきたいというふうに思いましたし、そのオーバーツーリズムという話もありましたけれども、いずれにしましても、その今回の法案も、住民生活の犠牲の上に成り立つ、そういう土地の利用だとか取引、そういうものを認める法律であっていいのだろうかと、大きく私はそういうことを考えているわけであります。
 同時に、この今回の法案は土地の管理ということにフォーカスしておりますけれども、三条の二項のところは、土地は、その周辺地域の良好な環境の形成を図るとともに当該周辺地域への悪影響を防止する観点から、適正に利用し又は管理するものとするという条文がこれ新設されているわけですけれども、これが、今言いましたようなホテルの建設、再開発やってはならないと、こういう意味合いがこの条文に含まれないんでしょうか。

#129
○政府参考人(青木由行君) お話ございました本法案の第三条第二項におきまして、周辺地域の良好な環境の形成、周辺地域への悪影響の防止の観点から、適正な土地の利用、管理を行うべきことを基本理念として明確化するということにしてございます。
 この基本法の性質上、本法の規定内容に基づきまして、具体的な施策につきましては、関係省庁あるいは地方公共団体の個別法あるいは個別施策によって措置されることになってまいりますけれども、御指摘の再開発につきましては、これまでも行ってきております、より周辺地域の環境と調和をして、より周辺地域に好影響が波及する事業とする取組、これを充実する方向で検討が進められるものというふうに考えてございます。

#130
○武田良介君 要は、規律するものではないということだと思うんですけれども、いずれにしても、土地の利用ですとか取引、これやっぱり地域住民の理解と納得が前提だというふうに思います。
 もう一つお伺いしたいんですが、今度の法案は、逆にその土地の取引に関して懸念される条文が盛り込まれているんじゃないかというふうに思っておりまして、その第一条の目的のところには土地の取引の円滑化ということがうたわれ、四条に土地の円滑な取引という条文がこれも新設をされております。
 これは、今進行しております、先ほど言いました地域住民への悪影響を考慮しないようなホテルの乱立だとか再開発を後押しすることにならないのだろうかと、そういう懸念を否定できるんでしょうか。

#131
○政府参考人(青木由行君) 近年、空き地、空き家など低未利用の土地あるいは放置された土地が増加する中で、土地の有効活用、適正な管理を確保するために、こういった土地を利用、管理する意思と能力を持つ者に土地等を円滑に移転することが必要であるとの問題意識から、本法案におきまして、円滑な取引について基本理念として新たに規定することとしたところでございます。
 加えまして、国、地方公共団体が講じることとなる基本的施策の一つとして、これは十四条一項になりますが、円滑な土地取引に資するための不動産市場の整備に関する措置等を講じることを規定しております。この規定に基づきまして、例えば、古民家再生のためのクラウドファンディングの活用などの不動産投資市場の整備でありますとか、既存住宅の流通のための不動産市場の整備など、低未利用の土地の有効活用に資する取組を推進することを想定しているところでございます。

#132
○武田良介君 私が紹介しました事例というのは、他の地域でも起こっていることであります。
 京都では、京都市の中京区で、親の代から住み慣れた土地で暮らしておられたという高齢者の方が、土地の所有者が替わったら立ち退きを求められたと。家賃も数倍に値上げをされる。それでも立ち退きを拒否していたら裁判を起こされたと。周りには民泊に利用できるマンションが次々と建っておりまして、この方が住んでいる土地も民泊目的ではないかというようなことも言われておりました。
 結局、現行法でも今度の法改正でも、地価の上昇の背景にあるホテルの建設あるいは再開発、こういうものによる地域住民への悪影響を解決するものではないんじゃないだろうか、土地基本法はそういったものでいいんだろうかというふうに思いますけれども、大臣、最後にいかがでしょうか。

#133
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私は、ちょっと随分意見が、何というか、かみ合わないなと思って聞いていましたが、やっぱり放置されて、様々な防災・減災という視点ですとか、必要なインフラが整備できないですとか、何というか、周辺の人たちが迷惑を被るとか、こうしたことを利活用する、そして、誰が持っているか分からないような土地は少なくとも解消しながら管理不全な土地は解消していくというのは、防災・減災、また国土強靱化というか、安心、安全な国民生活に資する、私はすばらしい法案なのではないかというふうに思っております。

#134
○委員長(田名部匡代君) 時間が来ています。

#135
○武田良介君 今大臣が答弁になったところは私も何ら否定するものではありませんけれども、こういう懸念を申し上げさせていただき、質問とさせていただきました。
 終わります。

#136
○上田清司君 無所属の上田でございます。
 住生活基本計画について、前回に引き続いてお尋ねをしたいと思います。
 まず、この住生活基本計画、平成十五年、二十三年、二十八年と、三次にわたって計画が作られておりますが、そもそもの目的は何なのか、ポイントを絞ってお答えしてください。

#137
○政府参考人(眞鍋純君) 住生活基本計画の目的についてお尋ねをいただきました。
 住生活基本計画は、平成十八年に制定いたしました住生活基本法の枠組みに基づきまして制定されたものでございます。この法律に基づく規定を読んでみますと、住生活基本計画とは、住生活基本法が掲げる国民の住生活の基盤となる良質な住宅の供給等の基本理念にのっとり、基本的施策その他の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため国が策定するとさせていただいておるところでございます。

#138
○上田清司君 要は、造って壊すのでなくて、いいものを長く使えるようなストック重視の政策にしっかりやっていこうと。また、既存住宅も、市場で評価されて流通することによって資産として次代に残るような、継承できるような流れを作ろうということにあると思っております。
 二番目に、成果指標は何のためにあるのか。今度は一分以内で答えてください。

#139
○政府参考人(眞鍋純君) 住生活基本計画の成果指標は何のためにあるのかということでございます。
 これは、平成十七年九月の社会資本整備審議会の答申に規定されてございます。その答申を見ますと、成果指標は二つの機能があるとされています。基本目標の達成状況を評価し施策の効果を分かりやすく国民に示す機能、市場に提示することで、個人の居住の選択や事業者による住宅の供給、居住サービスの提供に際して判断指標として豊かな住生活の実現に誘導する機能、この二つの機能を有するものとして定めるべしとされているところでございます。

#140
○上田清司君 一分以内に終わりました。ありがとうございます。
 ストック重視の住宅市場をしっかりしろということだというふうに理解します。
 三番目に、国交省として、十八年の計画成果というものを二十三年にどのように生かされたのか、こういうことでございますけれども、一番ポイントは、やはり資産としての既存住宅の流通向上、これが一番のポイントだと思うんですが、こうしたものをどんな形で生かされるようにしたのか、お伺いしたいと思います。

#141
○政府参考人(眞鍋純君) 住生活基本計画、先ほど御指摘いただいたように、平成十八年、二十三年、二十八年にそれぞれ策定してございます。平成二十三年の計画は、平成十八年の計画に基づく施策の推進状況、状況の変化などの評価を踏まえまして、社会資本整備審議会の有識者の御意見をいただいて見直しを行ったものでございます。
 先ほどお尋ねいただきました成果指標につきましては、十八年の計画では十五の指標がございましたが、二十三年の計画では十九の指標というふうに広げてございます。
 特に御指摘いただきました既存住宅の流通に関する指標につきましては、瑕疵担保履行法ですとか長期優良住宅法というような新しい法律が施行したことを踏まえまして、これまでの指標に加えて新たに二つの指標を追加したということで見直しを行ったものでございます。

#142
○上田清司君 是非大臣、資料①と資料②を見ていただきたいんですね。資料①と資料②は、新しい分野が、新築住宅における認定長期優良住宅の割合というものが新しく増えております。
 何よりも、それぞれ平成十八年と平成二十三年の住計画の部分で流通シェア、この部分が、計画のスタートを平成十五年一三%、目標が平成二十七年で二三%、平成二十年の実績が一四%で、ほとんど成果が出ておらないと。こういうことを踏まえて、平成二十三年にまた、計画のスタート年度を平成二十年にして一四%、これは、平成二十年一四%でしたからスタートポイントとしては当然だと思いますが、目標を平成三十二年、令和二年だと思いますが、二五%と。そして、その結果、平成三十年に一四・五%と、ほとんどこれも伸びていないと。
 まさに、平成十八年の計画と平成二十三年の計画は、このように全く計画のスタートと目標と実績がかみ合っていない。かみ合っていないにもかかわらず、また同じような計画を作るということになっているところに私はいかがなものかという考え方を基本的に持っております。
 その上で、大臣にお聞きしたいのは、実はこの平成二十三年の住生活基本計画、この指標を見ていただいて、その次に資料②の平成二十八年の住生活基本計画を見ていきますと、全部新になって、新築住宅における認定長期優良住宅の割合だけが残って、あとは全部新になっていると。
 先般、このことを指摘しましたら、住宅局長さんは、ちゃんと観測指標の中に入っておりますと、このような答弁をなされたわけであります。しかし、問題は、まさに主文と補足みたいなのがあるわけですけれども、やはり主たるこの計画の中に継続的に入れていかないと、何がどうなっているかというのは判断のしようがなくなる。五年たったら指標が全部変わる。
 例えば、IMFの世界経済の各国の指標というのが、それぞれ毎年指標が変わったら、あるいは五年置きに変わったら、どう比較するんだという話になりかねませんし、政府の出す月例経済報告も当然指標というのは一定程度変わらないわけでありまして、変わる場合には当然ただし書があり、それ相応の中身を踏まえた上でそうした中身に、内容に変わってくるわけですが、何のただし書もなく、こうして二十三年と二十八年、こういう形で新たに指標が出てくるときには全部新になってしまうと。
 それでは、二十三年のときの指標は一体どこに行ったんだと。いや、ありますよ、観測指標として欄外のところに出ていますよと、こんなことを言われても、我々が見るところとは違うところにあるわけですから、決して隠そう隠そうと思ってやられたものではないとは思いますが、この頃そういう話が多いもので、ちょっとうがった見方をせざるを得ないというところで失礼な言い方をしているところですけれども、こうした一貫性のない指標の作り方ということに関しては、私はやっぱり間違いではないか、基本的にやってはいけないんじゃないかというふうに思いますが、大臣は非常に誠実な政治姿勢で、丁寧な御答弁をいただいているところですが、これは是非二者択一で、こういう計画の立て方でいいのか悪いのか、どちらかでお答えしていただければ大変有り難いと思います。

#143
○国務大臣(赤羽一嘉君) 二者択一というのはちょっと難しいんですけど、上田先生が御指摘になって、ちょっと住宅局ともいろいろ私も確認しまして、既存住宅の流通シェアというのが既存住宅流通の市場規模に変わっているんですね。これ、何でだと確認したら、シェアですと、例えば既存住宅が増えていなくても、新規住宅の着工数が減ったりすると、既存住宅自体は増えていないんだけどパーセンテージは上がるとか、そうしたことから議論があったそうで、市場規模で二十八年からは評価しようというようなことになったらしいんですが、あらぬ、何というかな、疑いを持たれてもおかしいので、これ両論でちゃんと書くようにというのは指示しました。
 他方、私もちょっと悩んでいるんですけど、住宅政策というのは十年前とか十五年前とかとずっと変わらないものかというと、そうじゃないと思うんですね。元々、日本というのは持家政策で来たけれども、持家政策って、ちょっと荒っぽい言い方をすると、持家を持った瞬間に将来空き家となる可能性のストックを増やしているみたいなところがあるし、本当にそういったことがいいのかどうかとか、私は、既存住宅の市場流通というのは若い若年世代でも持家ができるということで大事だし、いいストックを大事にという思いなんですけど、なかなかそういうふうに国民の皆さんの消費性向が伴わないということになると、本当にこのまま残しておいていいのかという、そういう見直しは私はあると思うんです。
 このときに私が確認したのは、計画の目標の置き方というのを三つの視点、八つの目標というふうにしたので、この二十三年と二十八年はちょっとフレームが変わっているということでございました。でも、ちょっと分かりやすいように、それは、以前のところはどう残すのか、新しいものはどうするのかというのはちょっと丁寧にしないと、先生が一番懸念されているのは、この基本計画自体が何か意味がないものになってしまうのではないかという御指摘だろうと思いますので、せっかくやる以上はちゃんとしたものにしなきゃいけないと思います。済みません、長くなって。

#144
○上田清司君 せっかく短くしようと思ったんですが、長くなりました。今後、今大臣の御指摘を踏まえた上で計画資料などは作っていただきたいと思います。
 空き家対策総合支援事業についてお伺いしたいと思います。
 これは資料③を見ていただきたいんですが、国費を使って、分かりやすく言えば、いわゆるもう崩壊寸前の空き家だとか、あるいはお化け屋敷みたいなものだとか、あるいはごみ屋敷みたいなものとか、そういったものを地方自治体が積極的に除却しろと、そうしたものについて国が応援したいという形でお金を出している事業であると、こんなふうに、少し分かりやすくし過ぎて誤解を与えるかもしれませんが、そういう事業であります。
 国費も、二十八年から元年まで、二十億から三十三億まで、除却件数も着実に、四百十棟、七百九十棟、一千百二十棟、また令和元年の見込みも千九百五十棟と、非常に成果を上げているという事務方の評価がちょっと陰で聞こえてまいりました。
 確かに見ている限りでは評価があるんですが、大臣、これ、一件当たり幾ら掛かるか、暗算でぱっと見ていただければと思っていますが、まあ暗算がしにくいんでありますけれども、これは、例えば平成二十八年、一件につき四百六十万ぐらい使っていますね。それから、平成三十年、一件につき百七十万使っていますね。百万円やるから早く片付けろという方が早いんじゃないかと。これ、一切人件費とか入っていませんから、その他の事務費は。そういうことを考えれば、これ行政コストとしていかなるものかと、こういう評価を誰もしないのかと。余りにも国の政策としての規模感が小さ過ぎるんじゃないでしょうか。
 さいたま市をちょっと調べてみました。昨年の八月までの累計で六十七件、除却四件。しかし、六十七件、今も継続中にやっているんですね、四件を除いて。それはそれで確実に尻上がりに良くなるとは思いますけれども、しかし、多くの方々が関わってこれだけの成果。百三十万のところで四件ですから、ある意味ではこの平成二十五年のペースでしょうか、四百十件という感じですね、全国的なレベルでいえば。さいたま市は百三十万ですので、日本全国一億三千万と見ればそういう割合になってまいりますが、こういう規模感で政策を遂行していいのか、いかがなものかと私は非常に疑問を持ちます。
 そういう意味で、こうした事業はもっと丁寧に見るべきではないかなということを大臣に申し上げ、大臣の所感を伺って、質問を終わらせていただきたいと思います。

#145
○委員長(田名部匡代君) 申合せの時間が来ていますので、大臣、答弁簡潔にお願いします。

#146
○国務大臣(赤羽一嘉君) 行政のプロの上田先生の御指摘ですから、これはしっかり見直したいと思いますし、そもそもこうした空き家が発生しないように、解消するようにということを趣旨に今回の法改正お願いしているものですので、そうしたことも併せていきたいと、こう思っております。
 ただ、公のためにやっぱりこの不経済な政策というのはあるんではないのだろうかと、時と場合によって、必要性に迫られてですね。そうしたことも加味しながら、しっかり、御指摘ですから受け止めて改善をしていきたいと、こう思います。

#147
○委員長(田名部匡代君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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