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2020/03/31 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 総務委員会 第10号 令和2年3月31日
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2020/03/31 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 総務委員会 第10号 令和2年3月31日

#1
令和二年三月三十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     松下 新平君     青山 繁晴君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     松下 新平君
     吉田 忠智君     蓮   舫君
     西田 実仁君     安江 伸夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         若松 謙維君
    理 事
                徳茂 雅之君
                堀井  巌君
                江崎  孝君
                森本 真治君
                山本 博司君
    委 員
                青山 繁晴君
                石井 正弘君
                進藤金日子君
                滝波 宏文君
                二之湯 智君
                野上浩太郎君
                長谷川 岳君
                松下 新平君
                三浦  靖君
                森屋  宏君
                山本 順三君
                小林 正夫君
                難波 奨二君
                増子 輝彦君
                吉川 沙織君
                吉田 忠智君
                蓮   舫君
                西田 実仁君
                安江 伸夫君
                片山虎之助君
                柳ヶ瀬裕文君
                伊藤  岳君
   国務大臣
       総務大臣     高市 早苗君
   副大臣
       総務副大臣    寺田  稔君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  木村 弥生君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤 研資君
   政府参考人
       総務省情報流通
       行政局長     吉田 眞人君
   参考人
       日本放送協会経
       営委員会委員長  森下 俊三君
       日本放送協会経
       営委員会委員(
       監査委員)    高橋 正美君
       日本放送協会会
       長        前田 晃伸君
       日本放送協会専
       務理事      木田 幸紀君
       日本放送協会専
       務理事      板野 裕爾君
       日本放送協会専
       務理事・技師長  児野 昭彦君
       日本放送協会専
       務理事      荒木 裕志君
       日本放送協会理
       事        松原 洋一君
       日本放送協会理
       事        松坂 千尋君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を
 求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(若松謙維君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動につきまして御報告いたします。
 昨日、松下新平君が委員を辞任され、その補欠として青山繁晴君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(若松謙維君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省情報流通行政局長吉田眞人君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(若松謙維君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(若松謙維君) 参考人の出席要求に関する件につきましてお諮りいたします。
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本放送協会経営委員会委員長森下俊三君外八名を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(若松謙維君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(若松謙維君) 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。高市総務大臣。

#8
○国務大臣(高市早苗君) 日本放送協会の令和二年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第七十条第二項の規定に基づき、総務大臣の意見を付して国会に提出するものであります。
 まず、収支予算について、その概要を御説明申し上げます。
 一般勘定事業収支につきましては、事業収入が七千二百四億円、事業支出が七千三百五十四億円となっており、事業収支における不足百四十九億円につきましては、財政安定のための繰越金の一部をもって充てることとしております。
 一般勘定資本収支につきましては、資本収入が千百二億円、資本支出が九百五十二億円となっております。
 次に、事業計画につきましては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関する放送サービスの実施、防災・減災報道の充実、多言語対応の強化、4K、8Kの推進などに取り組むこととなっております。
 総務大臣といたしましては、この収支予算等につきまして、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関する放送サービスの実施、受信料の還元策の実施などを考慮するとやむを得ない面があるとした上で、今後も受信料の公平負担の徹底により増収を確保するとともに、徹底的に支出の精査、削減に取り組むことにより赤字額をできる限り減少させるよう努めること、さらに、業務全体の抜本的な見直し、予算編成の在り方の見直しなどにより早期に黒字を確保できるよう努めることを強く求めております。
 また、日本放送協会の在り方について、業務、受信料、ガバナンスの三位一体改革について具体的な取組内容を早期に明らかにし、次期中期経営計画などに反映することを強く求める旨の意見を付しております。
 なお、この度、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の延期が発表されましたが、日本放送協会においては、具体的な開催日程を踏まえ、適切な予算執行に努めていただきたいと存じます。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願いを申し上げます。

#9
○委員長(若松謙維君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。前田日本放送協会会長。

#10
○参考人(前田晃伸君) ただいま議題となっております日本放送協会の令和二年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、御説明を申し上げます。
 令和二年度の事業運営に当たりましては、放送法に基づく公共放送の原点を堅持し、公正公平で正確な情報を伝え、命と暮らしを守る防災・減災報道に全力で取り組みます。東京オリンピック・パラリンピックにつきましては、競技中継などは延期となりますが、これに適切に対応し、引き続き大会に向けて準備を進めるとともに、これまでの取組を基に、大会関連番組など、4K、8K放送を含め、最高水準の放送サービスを視聴者に提供してまいります。さらに、常時同時配信、見逃し番組配信サービスなどによる視聴機会の拡大や人に優しい放送サービスの拡充に取り組み、多彩で魅力的なコンテンツを届けます。
 また、積極的な国際発信により世界各国との相互理解を進めるとともに、地域の魅力や課題を広く発信して多様な地域社会に貢献いたします。
 受信料につきましては、公平負担の徹底に向け、受信料制度の理解促進と営業改革を引き続き推進し、支払率の向上を図るとともに、令和元年十月に行った実質値下げに加えて、令和二年十月から受信料の値下げを実施いたします。
 関連団体を含めたNHKグループが一体となり、効率的で透明性の高い組織運営を推進するとともに、働き方改革を通じてより創造性を発揮できる環境の実現に取り組みます。
 次に、建設計画におきましては、緊急報道設備や地域の放送会館の整備を進めるとともに、いかなる災害時におきましても安定的に放送サービスを継続するための設備整備等を実施いたします。また、東京渋谷の老朽化いたしました放送センターの建て替え事業を引き続き推進してまいります。
 以上の事業計画に対応する収支予算は、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入七千二百四億円、国内放送費などの支出七千三百五十四億円を計上いたしております。事業収支における不足金百四十九億円につきましては、財政安定のための繰越金の一部をもって充てることといたしております。
 また、資本収支につきましては、収入として減価償却資金など総額千百二億円を計上し、支出には建設費九百五十二億円を計上しております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。
 以上、令和二年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その概要を申し述べました。事業計画の一つ一つの施策を着実に実行し、公共放送として視聴者の皆様の期待に応えてまいりたいと存じます。
 委員各位の御理解と御支援をお願い申し上げ、あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。

#11
○委員長(若松謙維君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#12
○堀井巌君 自由民主党の堀井巌でございます。
 本日は、貴重な質問の機会をいただきました。先輩、同僚諸氏に心より感謝を申し上げます。時間が限られておりますので、早速質問に入らせていただきます。
 まず、中国武漢で発生をしました新型コロナウイルスの世界的な拡大に伴いまして、東京二〇二〇年オリンピック・パラリンピックが延期となりました。昨日、また本日も出ておりますけど、報道によりますと、オリンピックについては来年の七月二十三日、そしてパラリンピックについては八月二十四日に開会されるというふうな報道も出ておるところでございます。
 令和二年度のNHK予算案には、オリンピック、パラリンピック対応の経費として二百六十四億円が計上されております。この辺の使途についてどのような扱いになるのか、お聞かせいただきたいと存じます。

#13
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 東京オリンピック・パラリンピックの延期に伴いまして、競技中継や期間中のハイライト番組、関連したイベント等の経費の支出はなくなることになります。一方で、通常編成に戻すことに伴う定時番組の制作等の対応が必要となるほか、延期されました大会に関連した番組や準備のための費用が掛かると見込んでおります。東京オリンピック・パラリンピック関連経費二百六十四億円の大半は、令和三年度の支出に備えることとなります。支払が必要な経費や通常編成に戻すことに伴う定時番組の制作等に係る費用等は令和二年度の支出となります。
 令和二年度予算の執行に当たりましては、こうした東京オリンピック・パラリンピック延期に伴う様々な影響を見極めながら、放送法に基づき、国会で承認された予算の範囲内で適切に執行してまいります。

#14
○堀井巌君 ありがとうございました。
 令和二年度について、この二百六十四億円、そのままの形で計上する中で対応されるというふうに承知をいたしました。
 次に移りたいと思います。
 今回のこの新型コロナウイルスの感染拡大により、我が国国内においても経済的な影響が広まってきております。特に甚大な影響を受けておられるのが、中小零細の飲食店の方であるとか、また宿泊業の方々であろうというふうに拝察します。こういった、もちろん様々な業種で甚大な影響を受けておられるわけです。
 今私が例に挙げましたこういった飲食業あるいは宿泊施設を例に取れば、こういったところ、例えば宿泊施設であれば、NHKの受信設備であるテレビが各部屋に置かれているわけでありまして、NHKの受信料というものも相当な負担になるんではないかというふうに思うところでございます。
 今回のこの経済的な影響に鑑みて、NHKにおかれては、こういった影響を受けている方々をしっかりと見据えて、支払の猶予や、あるいはでき得れば減免といったことを行っていくべきだというふうに考えますが、NHKのお考えを聞かせていただきたいと思います。

#15
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の拡大、感染拡大によりまして、多くの世帯や事業所が影響を受けていることは十分承知いたしております。
 NHKでは、新型コロナウイルスにより影響を受けた皆様から受信料のお支払に関する御相談をお受けする窓口を三月二十五日より開設し、支払期限の延伸などに関する御相談をお受けいたしております。また、事業所契約につきましては、一年間支払がないと割引を受けられなくなりますが、この割引の解除期間の緩和などの措置を講じております。
 新型コロナウイルスの感染拡大が急速に進み、未曽有の状態となっていることも踏まえまして、高市総務大臣から御要請がありました旅館やホテルなどの中小企業者向けの受信料負担の軽減につきましては、前向きに検討をいたしております。
 政府の検討や取組などを参考にしながら、免除の要件や範囲、規模等の検討を急ぐとともに、協会の財政への影響を見極めた上で、NHKとしての対応をスピード感を持ってお示しできるように取り組んでまいりたいと思います。

#16
○堀井巌君 御答弁ありがとうございます。
 今のお話の中で、もちろん支払猶予についての検討、そしてまた、特に中小の旅館やホテルについては高市大臣からの要請を受けて減免についても検討をしていくと、前向きに検討するというふうな御答弁をいただきました。是非ともそれを実現いただくようにお願いをしたいと思います。
 こういった危機の中では、やはりNHK受信料を含めた固定費の負担というのが経営の継続に大変大きな負担となってくるわけであります。何とかここはNHKの方でもその点についての御理解をいただいて、みんなで支え合って、そしてこの危機を乗り越えていくことが重要であると思いますので、是非とも前向きな御検討をしっかりと実現をいただきたい、強く要望を申し上げます。
 次に、森下経営委員長に一問お伺いをいたしたいと存じます。
 経営委員会の議事が行われ、そして様々な形でNHK本体の方に意見述べられているということだと思いますけれども、経営委員会の中で、自由闊達な意見を保障するために非公開だという扱いとなっていた委員会の議事の内容の一部が外部に出まして、それが報道をされたという事案がございます。そして、その報道を基に今、国会でも質疑が行われているという状況にございます。
 私は、その中身は格別、本来の在り方からすると、まずきちんと議事で公開できるものはやはり国民の代表である国会にきちっと出していただきたい、これ本筋だろうと思います。また、仮に、自由闊達な意見交換を保障するためにこの部分は非公開であると、やりますということであれば、やはりこれはきちんとその情報の保持に内部として努めていただく、そして外部に流出しないようにしながら運営を進めていく、また、仮に今回のように出たのであれば再発防止にしっかりと努めていく、これがガバナンスの在り方ではないかというふうに思うわけでございます。
 そこで、森下経営委員長におかれては、今回のこの事案についてを基に、どのように再発を防止し、経営委員会としてのガバナンス、コンプライアンスをしっかりと強化していくお考えかをお伺いしたいと思います。

#17
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 当時の経営委員会でのやり取りがどのような形で漏えいしたかは定かではありませんが、ガバナンスの基本である情報管理を徹底できなかったことは大変遺憾に思っております。
 再発防止につきましては早急に対応する必要がありますので、今月二十四日の経営委員会で、改めて経営委員会委員の服務に関する準則の遵守について経営委員に署名をしていただき、情報管理の徹底に向けて、機密保持、情報の私的利用の禁止についても確認をいたしました。あわせて、議事録等につきましては、管理方法を見直し、情報セキュリティーの強化を図りました。引き続き、更なる強化に向けた対策を検討してまいります。
 情報漏えいの原因調査の方法についても検討を進めておりますが、まずは、当時の経営委員会での郵政三社からの書状の扱いに関するやり取りに出席していた者に確認していきたいと考えております。
 以上、お答え申し上げます。

#18
○堀井巌君 御答弁ありがとうございます。
 経営委員会というのは大変重要な役割を果たしておられて、NHK本体に対するこのガバナンスの在り方についても様々な意見をお述べになられる、そういうお立場でございます。経営委員会の方の、自身のガバナンスについても更に一層、是非御留意をいただきたい、これに強く御期待を申し上げたいと存じます。
 次に、NHKの前田会長の方に質問をさせていただきたいと思います。
 各番組の編集権というものがございますが、この最終的な編集権は放送法に照らし誰に帰属するんでございましょうか。

#19
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 放送法第五十一条の規定から、NHKの番組制作と編集の最終責任は会長にございます。実際の業務運営に当たりましては、放送部門の最高責任者であります放送総局長が分掌しております。個々の番組の編集内容につきましては、その都度、放送法や国内番組基準、放送ガイドラインに基づき、各番組の担当責任者が総合的に判断をいたしております。

#20
○堀井巌君 ありがとうございました。最終的な編集権は前田会長御自身にあられるという御答弁でございました。
 大変重い責任を背負っておられることにまた敬意を申し上げるとともに、公共放送としての在り方を是非、前田会長のリーダーシップで更に進めていただきたいと敬意を表するもの、期待をするものでございます。
 そこで、前田会長にもう一問お伺いをしたいと思います。
 放送法に基づく公共放送の原点を堅持し、公平公正で正確な情報を伝えるべく注力する、これはもう重要であることは言うまでもありません。NHKの皆様から出ている説明資料にもるるそのように書かれているところでございます。
 そんな中で、これはもう私のちょっと感想を述べさせていただきますが、これはいかにこの公平公正な番組を作るか、これは相当いろんな努力が必要ではないかというふうに思います。
 NHK、民放問わず、例えばテレビを見ているときに、ある番組で町の声を聞くときに、三人の賛成の方と一人の反対の方を聞くと、何となくやはり視聴者からすると賛成が多いように見えてしまうわけであります。また、映像で反対派の人の映像だけを使うと、これは反対が多いんだなというふうな印象を受けてしまいがちに私は一般論としてなると思います。コメンテーターやキャスターの方がとある意見を、例えば一方的な意見だけをおっしゃった、別の角度の意見がなかったら、ああ、そういう意見が大体この問題の捉え方なんだというふうに視聴者の方は思ってしまうかもしれません。
 私は、この番組、例えば、新橋でよく街頭でサラリーマンの方の声を聞いてみましょう、町の声を聞こうということで新橋が選ばれるんですけれども、なぜ新橋なのかというのも私はちょっと分からないところなんです。なぜ隣の浜松町やどこかじゃ駄目なのかと思うわけでありますけれども、事ほどさように、できる限り多角的な視点で丁寧に番組作りを行っていく、その際には、様々な角度の意見が公平にそして幅広く番組の中に反映されるような取組を、これ、会長以下、NHKの方々一人一人が丁寧に行っていくということが公平公正な番組作りには大変重要ではないかというふうに思うわけでありますけれども、会長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

#21
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 ただいま現在のNHKビジョンでは、公共放送の原点を堅持するとして、放送法の精神にのっとり、公平公正で正確な報道と、豊かで質の高い多彩なコンテンツを更に強化充実して、信頼される情報の社会的基盤として、健全な民主主義の発達や文化水準の向上に貢献すると明記いたしております。
 放送法は、放送による表現の自由を確保するために、放送の不偏不党や政治的公平を求めております。NHKは、放送法に基づく国内番組基準で、政治上の諸問題は公正に取り扱う、意見が対立している問題につきましてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることを規定しております。こうした基本姿勢につきましては今後もきちんと堅持し、NHKらしい豊かで良い番組、放送番組を作り、届けてまいりたいと思います。

#22
○堀井巌君 ありがとうございます。
 是非ともその多角的な視点からの番組作りをよろしくお願いしたいと思います。特に、やはり公共放送としてのNHKに対する、やっぱり我が国の国民の方々、視聴者の方々の信頼というのはこれは非常に大きなものがあると思います。特に、こういった新型コロナウイルスのような不安が広がっているときに、正しい情報を迅速、的確に伝えていただくときの公共放送の役割というのは大変大きいものがあると思います。その公共放送の中に多角的な視座がしっかりと取り入れられている、そのような番組作りがされているということを感じるときに、視聴者の方々の信頼はなお一層私は深まるのではないかというふうに思うところでございます。是非とも取組を御期待を申し上げます。
 次に、また前田会長にお伺いをしたいと思います。
 このNHKの収支予算と事業計画の説明資料というものも大変今いろいろと工夫しながら作っていただいておりますけれども、分かりやすく作っていただいておりますが、その中の例えば一例で挙げますと、給与、退職手当・厚生費の欄がございます。この中に、NHKの給与の推移や定員の推移が出ております。例えば、給与でいいますと、ピークはこれは平成十年度の予算でしたが、そこから今三百五十二億円減になっているということで、いろいろ取り組んで、コスト削減に取り組んでおられるということが分かるわけであります。要員についても、一万六千九百二十人という時代から今は一万三百四十三人ということで、いろいろと工夫されている、これは私は敬意を表したいというふうに思います。
 他方で、やはりこれから、例えば国際放送の海外発信の強化であるとか、いろんな新しい分野もNHKとしてはしっかり取り組んでいかなければいけない、そういったときに、やはり一番重要なことは、視聴者の方々、受信料を払う方々の信頼とそして期待と支持を得て更なる新しい分野に取り組んでいくことが重要だと思います。そのためには、こういった人件費や定員やこういった分野についてしっかりとした説明責任を行っていくことが私は重要と考えております。
 例えば、地方公共団体では、定員については全ての地方公共団体で部門別や役職別にいろいろ事細かく説明をして、住民の方、納税者の方の理解を得ようという努力がなされています。これは、都道府県、市町村を通じてそういった取組が行われているわけでございます。
 是非、NHKの方でも、こういった地方公共団体の取組なども横に見ながら、今後、一層の説明責任を果たしていただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。

#23
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 NHKは、視聴者への説明責任を果たす観点から、職員の給与等の支給の基準を定め、給与と退職金の支給基準につきましてホームページで公開をいたしております。また、管理職の基本年俸や一般職のモデル年収なども公表をいたしております。平均年間給与では、在京民放や大手新聞社と比較して、現在の水準は一割から二割程度低い水準となっております。
 職員給与につきましては、受信料で成り立つ公共放送として適正な水準の確保を図るとともに、視聴者の理解と信頼を得られるよう、丁寧な説明や情報の公開等に努めてまいりたいと思います。

#24
○堀井巌君 ありがとうございます。是非とも取組を進めていただければと期待を申し上げます。
 総務大臣にもお伺いをしたいと思います。
 先ほど説明のございました総務大臣意見の中にも、情報公開を一層推進することにより、運営の透明性の向上を図り、自ら説明責任を適切に果たしていくことという総務大臣意見をNHKに対して述べられておられます。
 こういった人件費を含めた説明責任の重要性について、総務大臣としての御見解をお聞かせください。

#25
○国務大臣(高市早苗君) NHKの人件費につきましても、これは経営の透明性の確保の観点から、放送法第六十一条において、職員の給与などの支給基準を定め、公表することとなっております。一定の情報公開がなされていると考えます。
 NHKの職員の給与について一層丁寧な説明が必要だというのが委員の問題意識だと思いますが、これはNHKで自律的に御判断をいただくべきものではありますが、国民・視聴者の皆様の受信料によって支えられている公共放送でございますので、様々な情報を分かりやすく公開し、説明責任を果たしていただきたいと存じます。

#26
○堀井巌君 ありがとうございました。
 NHKにおかれては、今、国際放送、一生懸命取り組んでおられます。テレビですと、日、英の二か国語、また、ラジオですと十八言語で今報道されているというふうに承知しております。私も時々拝聴しますけれども、これは大変重要なことであると思います。
 また、BS放送では、海外のニュースについて朝からニュースを、様々な国のニュースを放映されておられます。特に、こういった新型コロナウイルスのことで不安が広がっているときに、それぞれの国に的確な情報をタイムリーに届けていただく、こういった取組、公共放送の私は在り方として大変重要であるというふうに思います。
 今後も公共放送の使命を、特にこの新型コロナウイルスの不安が広がっているときだからこそしっかりと果たしていただくことを期待申し上げまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#27
○二之湯智君 おはようございます。堀井議員に引き続きまして、自民党の二之湯智が質問をさせていただきます。
 今日、新型コロナウイルスの問題を避けて通ることはできませんので、このウイルスとNHKとの関連の問題について質問をしたいと思います。
 先日、三月二十四日、これはまあ再放送でございましたけれども、「パンデミックとの闘い」という番組を見ておりました。やたらとこの横文字が多いんですね。PCR検査、パンデミック、クラスター、そしてロックダウン、さらにはオーバーシュート、これ一体、国民の皆さんが聞いていて、見ていてどこまで理解しているのかなと、このように疑問に思わざるを得ないのであります。そういう面では、もう少しNHKも国民目線に立って易しい言葉、分かりやすい言葉でやはり放送すべきだと、私はそのように思うんですね。
 最近、私、インターネット、ネット見ておりませんけれども、東京都の知事がやたらと横文字が多いということでかなり批判されているようでございますけれども、NHKもその二の舞を踏まないように、やはり国民に分かりやすく、今、拡大防止のためには、あるいは感染予防のためにはどうしたらいいかということを、もっともっと分かりやすい言葉で話すべきだと思いますけれども、この点いかがでございましょうか。

#28
○参考人(木田幸紀君) お答えいたします。
 新型コロナウイルスに関するニュースや番組では、専門用語が分からない方にも理解していただけるよう、できるだけ言い換えてお伝えしております。御指摘があったように、視聴者からも専門用語は分かりにくいといった声が寄せられております。こうした声も踏まえて、例えば、パンデミックは世界的大流行、クラスターは感染者の集団、オーバーシュートは感染者の数が爆発的に増える事態、ロックダウンは都市の封鎖などと言い換えて表現しております。また、放送では、言い換えた表現を字幕で随時表示してお伝えするようにしております。
 放送の言葉は、正確さと同時に分かりやすさが基本だと考えております。視聴者の皆様からの御意見も踏まえながら、引き続き丁寧にお伝えしていきたいと思います。

#29
○二之湯智君 是非とも、今国民が関心の高い問題でございますから、国民に分かりやすい放送に努めていただきたいと、このように思います。
 さて、オリンピックは順延になったわけでございますけれども、オリンピックのために相当NHKは体制を整えておられたと、このように思うんですね。正規職員と臨時職員を含めて、オリンピックのために準備されておった人数というのはどれぐらいの数になるんでしょうか。

#30
○参考人(木田幸紀君) 東京オリンピック・パラリンピックに向けては、放送サービスの全体計画策定や体制整備を進めるため、NHK内に二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック実施本部を設置し、放送技術、管理の各職場から集まった専従者が放送サービスの内容やそれを支える技術やロジの対応など、多方面にわたる準備を進めています。
 実施本部の現在の専従者は四十九人です。専従職員以外のスタッフ等の雇用につきましては、今後の大会の計画を踏まえて検討していきたいというふうに考えております。

#31
○二之湯智君 このために臨時的な、臨時の職員、アルバイト職員というのは雇っていなかったわけですか。

#32
○参考人(木田幸紀君) これまでの準備の段階でもある程度のスタッフを採用して働いていただいたのですが、この先一年延期ということですので、どのような雇用の計画にしていくかは、大会の計画の進行と併せて改めて考えたいというふうに考えています。

#33
○二之湯智君 オリンピック組織委員会でも、こういうアルバイト職員というんですか、そういう方の雇用はできるだけ継続していくと、こういうことも言われておりますし、さらにまた、今、国の方でも、こういう問題で職を失うということのないように努めたいと、努力したいと、こういうことでございますので、NHKにおいてもそういう方の処遇をきちっとしていただきたい、こういうことも要望をしておきたいと思います。
 さらに、先ほど堀井委員も触れられましたけれども、このコロナの問題について、相当経済的に困っておられる方がいらっしゃると、こういうことでございまして、今、受信料の問題についてもそういう配慮をすると、こういうことでございますので改めて申しませんけれども、これは是非とも堀井委員がおっしゃるようなことを進めていただきたいと、これを要望をしておきたいと、このように思います。
 さらにまた、NHKの本体だけじゃなくて関連会社にもかなりの影響を与えているんじゃないかと、このように思うわけでございますけれども、そういう関連会社に対する援助というか、損失補填というか、こういうものもよく考えておられると思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。

#34
○参考人(板野裕爾君) お答えいたします。
 新型コロナウイルスの感染拡大による関連団体への影響は、例えば、NHKが制作を委託しております公開番組が無観客収録になるなど規模が縮小したり、海外ロケが中止になるなど、様々な影響がございます。
 中でも、東京オリンピック・パラリンピックの延期によって、その関連番組の制作やPRイベントなどが中止となるために、関連団体の業務内容や収支にも大きな影響があるというふうに考えております。
 NHKが委託、発注して中止となった番組やイベントなどにつきましては、これまで準備に掛かった要員に対する報酬や機材などの物件費を含めまして、それぞれ契約内容に沿って適切に支払を行っていきたいというふうに考えております。現在、関連団体を含めました外部業者と契約を行った各部局との間で、新型コロナウイルス感染防止対策に伴う契約変更について精査を行っているところでございます。

#35
○二之湯智君 今はオリンピック順延になってのいろんな影響についてお話をいただいたわけでございますけれども、NHK自身も相当、聖火リレーから始まって最後のオリパラの、パラリンピックのですね、終了まで相当な時間をこれに費やしているといいますか、当てておったと思いますけれども、どれぐらいの一体時間がこのオリパラのために費やされるのか、そういうことをちょっとお伺いしたいと思いますけれども。

#36
○参考人(木田幸紀君) 大会延期が発表された三月二十四日の時点で、大会の競技中継や聖火リレーを含めた関連番組などの放送計画はまさに作成途上でありました。そのため、はっきりした時間数をお答えすることは難しいと思われます。
 ただ、前回、二〇一六年に行われたリオデジャネイロ・オリンピックのテレビでの競技放送時間はおよそ六百時間でありました。自国開催のオリンピック・パラリンピック東京大会では、日本選手の出場が過去最大規模になると見込まれることなどから、リオの実績を大きく上回り、NHKとして過去最大規模の放送になるというふうに想定しておりました。全国を巡回する聖火リレーの関連番組なども含めて、しっかりとお届けしたいというふうに考えておりました。

#37
○二之湯智君 ざっと考えて、いろいろな、千時間ほどの時間が穴が空いたと、こういうことになるわけですね。これを三、四か月の間に埋めていくというのは大変なことだと思いますけれども、NHKとしては、このオリンピックを予定しておった番組の穴埋め対策といいますか、これは今どのようなことを考えておられるんですか。

#38
○参考人(木田幸紀君) オリンピック、パラリンピックの大会期間に競技中継を編成する予定だった放送枠につきましては、基本的には定時番組を主体とした通常編成に戻す方向で検討しております。定時番組の中には、海外取材やイベントと連動した番組など、新型コロナウイルス対策によって取材、制作が難しくなるものもあるんですが、取材や演出に工夫を凝らして新たな魅力を提供する企画を開発していきたいというふうに考えています。
 例年、夏は特集番組を軸に編成する期間なんですけれども、新型コロナウイルス関連の最新動向や戦後七十五年関連の企画など、正確な情報で取材を重ね、視聴者の関心に応える見応えのある番組を編成していきたいと思います。
 また、競技中継以外のオリパラ関連番組につきましては、引き続き取材を続けて適宜放送し、一年後に延期された大会の盛り上げに貢献したいというふうに考えております。

#39
○二之湯智君 分かりました。
 先ほど、またこれも堀井委員の質問と重複するわけでございますけれども、今回の予算では二百六十四億円のオリンピック関連予算が計上されておるわけですね。もしこれが中止になれば、延期になれば、これが本当は普通は執行されないということでございますけれども、今おっしゃったように、来年度も含めて関連予算としてこれは使っていくということでございますから。
 だけれども、来年もまたオリンピックの関連の予算が計上されると思うわけでございますけれども、改めて、この二百六十四億円の使途についてお伺いしたいと思います。

#40
○参考人(松坂千尋君) お答えいたします。
 東京オリンピック・パラリンピックの延期に伴いまして、競技中継ですとか期間中のハイライト番組、関連したイベント、それから関連するロジスティック、こういったことに二百六十四億円を計上しておりました。オリンピック、パラリンピックが延期になりましたので、こうした支出はなくなることになります。一方で、通常編成に戻すことに伴う定時番組の制作などの対応が必要となるほか、延期された大会に関連した番組ですとか準備のための費用は掛かると見込んでいます。
 いずれにいたしましても、令和二年度の東京オリンピック・パラリンピック関連経費は減りますので、二百六十四億円の大半は令和三年度の支出に備えることになると思います。一方で、支払が必要な経費や通常編成に戻すことになる定時番組の制作などに係る費用は令和二年度の支出となります。
 令和二年度予算の執行に当たりましては、こうした東京オリンピック・パラリンピック延期に伴う様々な影響を見極めながら、国会で承認された予算の範囲内で適正な予算の執行管理に努め、令和二年度の赤字幅については、これを減らすことにつなげていきたいというふうに考えております。

#41
○二之湯智君 今年度は百四十九億円の赤字予算を組んでおるわけでございますから、今申しました二百六十四億円はできるだけ経費を切り詰め、ひとつ、いろいろと批判のないような執行に努めていただきたいと、このように思います。
 さて、ここからまた大河ドラマの話に移りたいと思うわけでございます。
 私は、大河ドラマの決定過程についての話はするわけじゃございませんですけれども、昨年のオリンピックに関連したこの大河ドラマ「いだてん」がかなり低い視聴率だったと、こういうことで、我が党の通信部会でも、この「いだてん」のプロデューサーの責任、あるいはこの番組の担当者の責任は問われなくていいのかという話が出ておったわけでございますけれども、なかなか、大河ドラマというのは一人や二人の人間がこれでいこうということではないから、連帯責任というようなことになるわけですかね。この辺ちょっとお伺いしたいと思うんです。

#42
○参考人(木田幸紀君) 番組につきましては、視聴率も指標の一つではあるんですが、公共放送としては質の高い番組を届けることも重要であると考えておりまして、例えば感動であるとか、新しい切り口や演出への挑戦などといった点も含めて総合的に評価しております。
 昨年の大河ドラマ「いだてん」は、これまでの大河ドラマのように歴史的に有名な人物ではなく、余り知られてこなかった人物を主人公に据え、語りを落語にするなど、非常に挑戦的な大河ドラマとしての質の評価は非常に高かった点がありました。一方で、時代が頻繁に行き来することが分かりづらいといった御意見もいただいておりました。そういった御意見を踏まえながら、なるべく分かりやすくするように対応したんですけれども、結果としては高い視聴率にはつながらなかったわけです。
 そうした原因を詳細に分析してドラマの制作現場で共有した上で、今後も幅広い年代の方々に楽しんでもらえる良質な大河ドラマをお届けできるよう尽力していきたいというふうに考えます。

#43
○二之湯智君 苦しい答弁、よく理解をいたします。
 さて、今、大河ドラマ「麒麟がくる」、これは地元京都府を中心に長年運動した成果が実ったと、このように思うわけでございますけれども、大河ドラマは「西郷どん」以降、今まで五十回の大河ドラマが四十七回になって、そして今度、「麒麟がくる」は、オリンピックの関連番組の放送ということで三回減って、四十三回が完結すると、こういうことでございます。
 ところが、これ、オリンピックが順延になりましたから、また元の四十七回に戻すおつもりがあるのかどうか、この辺についてお伺いしたいと思います。

#44
○参考人(木田幸紀君) 東京オリンピック・パラリンピックの大会の延期は先週決まったところでございますので、期間中の大河ドラマの在り方については現在検討を進めているところでございます。
 新型コロナウイルスの感染拡大で困難な時期だからこそ、大河ドラマを始めとする良質な娯楽番組をお届けすることで社会不安の軽減に貢献して、公共メディアの役割はしっかりと果たしてまいりたいというふうに考えております。

#45
○二之湯智君 せんだって、京都市の隣にある亀岡市の大河ドラマ館をのぞいてまいりました。しかし、人がさっぱり入っておりませんでした。したがって、まあ地元とすれば地域おこしの当てが外れたと、こういうことなんですね。できれば、あと三回、前回と同様な長さにしてこの「麒麟がくる」が完結できたらいいなというのが恐らく地元の要望ではないかと思いますけれども、その点について十分にひとつ考えていただきたいなと、このように思います。これは要望しておきます。
 次に、受信料ですが、ようやくかつての六〇%台から七〇%台、そして今もう八四%に届こうとするところは、非常にNHKの努力を多としたいと思うわけでございます。しかし一方、あと一五%のこの方々に受信料をいただくというのは大変なもう至難の業だと思うんですね。
 元々NHKの受信料なんか払いたくないという人、あるいは一方、NHKは偏向しているという人、あるいはNHKは、まあこれは、何といいますかね、一つ、民放のような、余り民放化されてきて、NHKになぜ金払うんだというような人もあるわけですね。あとのこの一五%の、そういうある意味じゃ確信犯的に払いたくない人に対してどのようにアプローチしていくのか、これ大変難しい問題だと思いますけれども、今後の一五%対策についてお伺いしたいと思います。

#46
○参考人(松原洋一君) お答えいたします。
 現在、支払率は都道府県によってもばらつきがあって、主に大都市圏で支払率が低いという状況になっています。その主な要因は、大都市圏においては移動率が高くて単身世帯が多いと、それから集合住宅の割合が相当高くて、ロックマンション等でなかなかお会いできないということがあります。
 今後、支払率を来年度は八四%を目指して活動するわけですけど、その核になるのは、今申し上げた大都市圏でいかに支払率を上げていくかということで、一つは訪問要員の体制の整備、あるいは訪問によらないポスティング等の対策の強化等をやるということで、一方で、協会全体でもう一歩進んで受信料制度あるいは公共放送の役割について御理解をまたいただく活動を強めていきたいというふうに思っています。

#47
○二之湯智君 この正月に全国都道府県対抗駅伝大会のレセプションがありまして、そこで私、大阪の局長と名刺交換したときに、まあ、NHK大阪局長という名刺だけだったんですね。あっ、局長、おたく、理事じゃないんですかと、いや、理事じゃございません、こういうことございました。
 私、やはり仙台とか名古屋とか大阪とかあるいは福岡とか、あとまた主要都市はあるわけでございますけど、そこの局長、やはりこの理事という肩書があった方がいいんじゃないかと。例えば、恐らく大阪の支店長、福岡の支店長、仙台の支店長、どこの上場企業でも大抵、執行役員、常務、大阪だったら専務、副社長、こういう肩書の人が多いわけでございますけれども、まあこれ、NHKの理事の定員の枠というのは決まっておるようでございますけれども、経費的には大したことないわけですね。
 だから、理事待遇じゃなくて理事と、理事、大阪局長、理事、名古屋局長、こういうやはり待遇をした方が、やっぱりNHKの主要都市の局長というのはそこのもう名士ですからね、いろんな会合に呼ばれるわけでございますから、そういうことを是非やっていただきたいなと、このように思いますけれども、これ、いかがでございましょう。

#48
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 専務理事、理事のうち六人が今度任期満了を迎えることから、先月副会長に昇格した理事の後任を含めまして、来月、四月二十五日付けで役員の人事を行うことにしております。人選につきましては現時点では白紙でございますが、二〇二一年度からの次期中期経営計画の検討を進める中で、人、物、金の経営資源の再配分など抜本的な改革をスピーディーに進めるために、改革意欲のある人材を適材適所で起用してまいりたいと思います。
 放送法の規定に基づきまして、理事の任命には経営委員会の同意が必要でございまして、決まり次第、新しい執行部役員体制を公表したいと思います。
 貴重な御意見として承ります。

#49
○二之湯智君 終わります。

#50
○青山繁晴君 皆様、改めまして、おはようございます。自由民主党の青山繁晴です。
 総務委員会の皆様におかれましては、不肖私に質問の機会をお与えいただき、ありがとうございます。
 今日は、NHKの国際放送に絞って御質問いたしたいと思いますが、いつものとおり、党利党略のためでなく、日本の尊厳と国益を守るためにこそ質問いたします。
 今回の危機で命を落とされた全ての皆様に魂から御冥福をお祈りいたします。
 今日は、極めて厳しい条件の中でも主権者の方がたくさん傍聴に来ていただきまして、ありがとうございます。ただ、参議院当局の密集を避けるという方針に従いまして何分の一かに絞らせていただきましたけれども、快く御協力いただき、ありがとうございます。
 さて、今日は、念のためですけれども、放送法第三条、「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」という定めにのっとって、その範囲内で御質問いたしたいと思います。
 今、皆様御承知のとおり、日本と世界は感染症の新たな危機に苦しんでおります。それとNHKの国際報道の関わりについて、ちょっと早口ですけれども、御質問いたしたいと思います。
 日本に感染症法というきちんとした法律がありまして、その冒頭辺りを見ていただきますと、一番恐ろしい一類に分類される感染症が並べられています。例えば、エボラ出血熱のエボラはアフリカの川の名前ですし、クリミア・コンゴ出血熱のクリミアは半島の名前、コンゴは国の名前、ラッサ熱はナイジェリアの村の名前、そして、マールブルグ熱はドイツのとてもきれいな大学都市の名前であります。なぜ全て地名が付いているか。まさか差別と偏見のためではなくて、人類とウイルスの闘いのために発生源を明らかにするために付けてこられたわけです。
 この積み重ねられてきたこととは対照的に、西暦二〇一五年にWHOは感染法に地名を付けるなという指針を新たに出しました。ところが、その指針の後もこれら感染症の名前は一切何も変えられてはおりません。この指針は、実は、中国がWHOに送り込んだところのチャン事務局長の下で出されました。チャンさんがWHOの事務局長に就任したのは、皆さん御記憶の鳥インフルエンザが中国で猛威を振るっていたあの時期です。チャンさんの作った指針は、やがて中国で新たな感染症が発生したときに備える意味もあっての指針だった可能性を、あくまで可能性としては考えざるを得ません。
 そして、これは不肖私の意見ですけれども、案の定と言うべきか、中国は今、発生源を曖昧にしていろんな責任を日本やアメリカに回避する、日本に持ってくるような実は動きがあります。しかし、今回のウイルスは昨年十一月に武漢から始まったことは明らかであります。不肖私は、二十二年間、感染症とテロリズムを軸にした国家危機管理の実務にも携わってまいりました。専門家の端くれであります。その立場から、武漢熱とあえて呼んでおります。アメリカを始め諸国にも同様の動きがあります。
 そこで、NHKは、国際放送において、この中国の武漢が発生源であることを否定するかのような動き、それに対抗するアメリカの動きなどについて国際放送で報道されていますでしょうか。残念ながら日本政府からの動きはまだないんですけれども、こういう動きを報道されているならば、実例を示してください。もし報道されていないなら、その理由をお示しください。会長にお伺いします。

#51
○参考人(前田晃伸君) 新型コロナウイルスに関しましては、世界中の視聴者の皆様の最大の関心事項と申し上げてもいい状況となっておりまして、NHKワールドJAPANでも毎日きめ細かに情報を発信いたしております。アメリカや中国につきましても、それぞれの状況や立場などを事実関係に基づいて報道をいたしております。

#52
○青山繁晴君 会長、今私がこれを御質問した一つの理由は、NHKの国際放送の中国語版におきまして、一時期、その放送の中身が、中身に干渉はしませんけれども、日本で日本型の新型コロナウイルスが流行していると報道しているんじゃないかという、もうはっきり言うと誤解が広まりまして、不肖私も中国語はできませんので、中国語の専門家、複数の方に当たって翻訳を確認すると、これはあくまで誤解ですね。
 ただし、あえて申せば、誤解が生まれるような土壌が実はNHKの国際放送の積み重ねにありはしないか、つまり、日本の立場を世界に発信するよりも、特に中国や韓国に配慮をして、そちらに偏っているのではないかという、言わば一般的な常識とも呼ぶべき感情があるからこういう誤解につながったんじゃないかと思うんです。
 その意味から、これ、通告した項目の中に詳しく入れていませんけれども、会長、そういう誤解を解くためにどういう努力が可能かということをお答え願えますでしょうか。

#53
○参考人(前田晃伸君) 報道は、国内、海外問わず、公平公正に行っておりまして、そのどちらの肩を持つとか、そういう報道をしたことはございませんし、今後もそういう報道をするつもりはございません。

#54
○青山繁晴君 NHKの国際放送の在り方をめぐりまして、実は、平成二十六年、総務省にNHK海外情報発信強化に関する検討会、早口で申し訳ないですけれども、これが設置されました。新藤義孝総務大臣の時代でありまして、ここにいらっしゃいます高市総務大臣におかれても、一期目に受け継がれました。
 不肖私は、当時、構成員という不思議な名前でしたが、要は委員を委嘱されまして、その際に、いわゆる歴史問題について、中韓の偏った発信に、客観的に公平に発信することが必要で、それができるのはNHKの国際放送しかないから、それをいかに強化するかという議論をしてほしいと要請されたと私自身は受け止めたわけであります。
 ところが、実際に議論が始まると、今だからありのままに申しますが、数多い委員の中で歴史問題について発信強化を求めたのは私一人でありました。ほかの御意見については、字幕を付けなさいとか、もちろん大事ですけれども、歴史問題に触れるような話はありませんでした。そして、総務省が中間報告書をおまとめになって、その原案を拝見したときに、私の発言が省かれていまして、当時お願いをして入れていただきました。最終的には入ったわけであります。ただ、これ、中間報告書のままで止まっていて、最終的な報告書は出なかったと記憶しているんですが、それでも中間報告書はNHKは必ず御覧になったはずです。
 会長に再びお聞きします。どのように内容を受け止められたでしょうか。

#55
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 NHK海外情報発信強化に関する検討会では、平成二十七年一月に中間報告がなされまして、多岐にわたる御意見をいただいたと承知しております。NHKといたしましては、これらの意見を踏まえつつ、自主自律の立場に立ちまして、国際放送の充実強化に取り組んでおります。
 国際放送は、放送法に基づいて自ら設けました国際番組基準に従って実施をいたしております。この中では、内外のニュースを迅速かつ客観的に報道するとともに、我が国の重要な施策及び国際問題に対する公的見解並びに我が国の世論の動向を正しく伝えることなどを定めております。
 NHKは、報道機関としてこれまでも自主的な編集判断にのっとって一貫して必要な国際報道を適宜適切に実施しているところでございまして、こうした基本姿勢は今後も変わることはございません。

#56
○青山繁晴君 今の会長の御答弁は誠実な御答弁であったと思います。
 ただ、改めてやっぱり強調せねばならないのは、国際放送に関しては受信料だけではなくて国庫からの資金も入っているわけですね。その意味でこの検討会も置かれたと思うんですけれども、その部分についての責任についてもう一度答弁願えないでしょうか。

#57
○参考人(前田晃伸君) お答えいたします。
 国際番組基準では、先ほど申し上げた事実、事項に加えまして、報道番組の基準として、ニュースは、事実を客観的に取り扱い、真実を伝える、解説、論調は、公正な批判と見解の下に、我が国の立場を鮮明にする、我が国の世論を正しく反映するように努めると定めております。これらに従いまして、NHKは報道機関として自主的な編集判断に基づきまして国際放送を実施しており、日本政府の見解や反応などをきちんと取り上げながら適宜適切にニュースで伝えております。
 例えば、尖閣列島に関する一連の報道でも、尖閣列島は日本の領土であるとの立場を明確にし、機会あるごとに日本の立場を発信しております。竹島に関する一連の報道でも、竹島が日本の領土であるとの立場を明確にいたしております。テレビでは、この三十年間で、尖閣列島問題につきましては百三十件、竹島関連につきましては七十五件報道したところでございます。
 国際放送の実施に当たりましては、今後も放送法と国際番組基準に従ってしっかりと伝えてまいります。

#58
○青山繁晴君 会長の誠実なお人柄の表れだと思いますが、次に私が聞こうとしたことを先にお答えになったんですけれども、でも、私がお聞きした、国庫からの支出もあるということについてのお答えにはなっていたと思います。
 今、会長も、これ、僕はある意味画期的な答弁だと思います。まず、日本の立場を鮮明にするということを会長の口、自身からおっしゃいました。それから、日本政府がどういう立場でいるかということもきちんと明確に伝えるという責任についてもおっしゃいました。
 それから、尖閣諸島の問題については百三十件、竹島についても七十五件、これ、僕、実は直近三年ということで事前にお聞きして、その三年の間のことだと思いますが、実はこれだけ報道されているというのはそのとおりなんですよね。答弁に飾りはなかったと思います。
 ただ、その上で、改めて誠実な会長に確認したいのは、なぜさっきのような誤解が生まれるかというと、例えば、件数についてはそのとおりなんです。不肖私もメディア出身ということもあってNHKの報道ぶりには随分接してきましたけれども、例えば尖閣については、中国は、習近平国家主席を安倍総理が国賓として迎えようとしていたさなかに、今延期になりましたけれども、さなかにも実は連日のように尖閣諸島の領海や接続水域に武装船を侵入させようとしていたわけですから、そうすると、例えば新聞が三行であっても、新聞はあくまで全く自由に発行しているわけですけれども、公金まで入ったNHKの放送の中身としては正直見ていて物足りないものがあると。
 例えば、尖閣諸島には領土問題すら存在していなくて、歴史的に見ても日本の領土の一部であるというふうなことが、内容としてはやはり物足りないという印象があるんですけれども、そこはいかがでしょうか。もう一度お答え願えますか。

#59
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 ただいまの御指摘の件でございますが、NHKといたしましては正確な報道に徹してまいりたいと思います。

#60
○青山繁晴君 あと四分ぐらいですけれども、次は経営委員長にお尋ねしたいと思います。
 今るる申し上げましたのは、一つには歴史、いわゆる歴史問題に関する公共放送の在り方、それからさらには、例えば中国や韓国との間で深刻な紛糾もあるということについての、歴史問題もバックにあるんでしょうが、そういうことについて、日本が決しておろそかにできない問題について、さっき会長もまさしく、いみじくもおっしゃったとおり、日本の公正な立場を、特に政府が国民の信託を得てどのように臨んでいるかということについて、公共放送がまさしく公共のために世界に発信する責任について経営委員長としてはいかがお考えでしょうか。お願いします。

#61
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 個別の放送内容について申し上げることは控えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、客観報道に努めるとともに、日本の重要政策や公的見解、世論の動向を正しく伝える取組を更に推進していただくことを期待しております。
 以上、お答えいたしました。

#62
○青山繁晴君 今委員長が、経営委員長がおっしゃいましたとおり、個別の番組の内容に介入されることはもちろんないと承知しておりますけれども、今おっしゃいました日本政府の公的な立場、あるいは公正な立場、あるいは世論の動向について公共放送でお伝え願うということを今後ともよろしくお願いいたします。会長にもよろしくお願いいたします。
 あと三分あるんですけれども、最後に、高市総務大臣にお聞きしたいと思います。
 今日、冒頭に皆さん御承知の放送法をあえて引用したのも、NHKはあくまで公共放送であって国営放送ではありません。なかなかこれが国民にそう簡単に理解はされていないと思うんですね。公共放送と国営放送の区別、なかなか付かない。
 あえて申せば、私も「チコちゃんに叱られる」は大好きですし、「ブラタモリ」は日本を地政学から見直した画期的な番組だと、パソコンに録画していつも見ているわけです。しかし、まあジャンルでいったらエンタメの世界です。つまり、今日ずっとお聞きした国際放送でも、例えば風光明媚なところであったり、そういうところも紹介するというのが大変実はウエートが大きいですよね。
 それ考えますと、あくまで国営放送じゃなくて公共放送の立場であるのにテレビを買っただけで受信料を取られるというのは、一般国民からしたら、これもう簡単に受け入れられる話ではないと思います。私はもちろん払っておりますけれども、払わない人の気持ちも大変よく分かるわけです。
 その上で、今日はもう時間もありませんので、何を申し上げるかというと、NHKは、あくまで国会といえども内容に踏み込むことはできません。そこで、表現と言論の自由を守るためにこそ、放送法は放送として、新たに国営放送設置法を立法し、国の政策を世界と国内に直接に発信する純然たる国営放送が別途小規模であっても必須ではないでしょうか。
 高市総務大臣におかれては、総務大臣になられる前からこのような問題にも取り組んでこられたと理解しております。いかがでございましょうか。

#63
○国務大臣(高市早苗君) 放送法、現在の放送法においては、国が放送の実施主体となることは全く想定されておりません。それは委員も御承知のとおりでございます。
 国が放送の実施主体となる国営放送をつくるべきかどうかということについては、これはもう放送法によって実現するかどうかにはかかわらず、放送制度の根本に関わる問題でございますので、極めて慎重な検討が必要だと認識をいたしております。

#64
○青山繁晴君 じゃ、終わります。ありがとうございました。

#65
○吉川沙織君 立憲・国民.新緑風会・社民の吉川沙織でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 昨年十二月二十四日、前経営委員長の下で職務代行者を務めておられた現経営委員長が新たに選任をされ、本年一月二十五日には前会長に代わり新会長が就任なさいましたが、経営委員会と執行部のトップが同時期に交代するのは、平成元年四月十二日に経営委員長と会長が同日に就任して以降、約三十年ぶりのことでございます。
 明日から始まる新年度は現経営計画の最終年度であり、NHKにおいては、新会長率いる新たな体制の下で、改正放送法に基づく新たな中期経営計画の策定に向けて取り組むこととなりますが、残念ながら、前体制の下で生じた経営委員会による会長厳重注意問題は依然として国民・視聴者の納得を十分に得るには至っておらず、公共放送たるNHKの在り方、存在意義が問われる事態となっています。
 そこで、まず、新会長の考える公共放送とは何かについて伺います。

#66
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 NHKの設立目的は、放送法第十五条で、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い番組、放送番組による国内放送を行うとともに、放送及びその受信の進歩発展に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うことと規定されているものと承知しております。
 公共放送でありますNHKは、放送法を踏まえ、公共の福祉のため、広く視聴者・国民の皆様の負託に応え、自主自律を貫き、公平公正、不偏不党を堅持し、豊かで、より豊かで良い放送を行う、これによりまして、視聴者・国民の皆様の知る権利に応え、信頼される情報の社会的基盤の役割を果たしていくものと考えております。
 放送と通信の融合時代におきましても、放送を太い幹としつつ、インターネットも効果的に活用し、公共メディアとしてしっかり期待に応えてまいりたいと思います。

#67
○吉川沙織君 会長は、一月二十五日の就任を経て、一月二十七日の会長会見で公共放送たるNHKの役割について端的にお述べになっておられましたので伺いました。もしよろしければ端的にお答えいただけると非常に有り難く存じますので、よろしくお願いいたします。
 現行経営計画において、NHKは、重点方針の第一として、今、公共放送ですけれども、公共メディアへの進化というのを掲げておられます。本年三月、つまり今月からNHKプラスとして地上放送のインターネット同時配信と見逃し配信が開始され、今月五日時点で十万件を超える申込みが行われていると承知しています。
 新年度予算案では、常時同時配信等のインターネット活用業務について、東京オリパラ関連経費を除き、受信料収入の二・五%以内で実施するとしていました。昨日、東京オリパラは来年七月二十三日開幕と決定されましたが、このインターネット活用業務について、令和三年度も同様の方針に基づいて予算編成を行うことになるのでしょうか。会長の方針を伺います。

#68
○参考人(前田晃伸君) 令和二年度のインターネット活用業務につきましては、オリンピック・パラリンピック東京大会に関する費用を除きまして、受信料収入の二・五%の枠内で実施することといたしておりました。大会が来年に延期されたことを受けまして、令和二年度と三年度にどのような形で放送サービス、インターネット活用業務を適切に実施していくか、大会組織委員会やIOC、国際オリンピック委員会などの議論を注視しながら検討することといたしております。
 令和三年度につきましては、令和二年度の実績を踏まえつつ、オリンピック、パラリンピックに係るインターネット活用業務を適切に実施するためにも、所要の実施基準の見直しを行うことを含めて対応を検討していく必要があると考えます。

#69
○吉川沙織君 つまり、今の御答弁踏まえますと、次期経営計画策定の中で、オリパラ関連経費も含めたインターネット活用業務の経費全体について、改めて二・五%の上限の妥当性を検討するということでよろしいでしょうか。

#70
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 インターネット活用業務実施基準では、附則の第九条で、この基準は、インターネット活用業務の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、随時必要な見直しを行うこととすると定めております。
 令和三年度につきましては、オリンピック、パラリンピックが開催されることを踏まえ、インターネット活用業務を適切に実施するためにも、所要の実施基準の見直しを行うことを含めて対応を検討していく必要があると考えております。

#71
○吉川沙織君 では、この常時同時配信について違う観点から、今度は技師長に伺いたいと思います。
 令和二年度においては、同時配信は地上放送のみ、一日十八時間の実施とされていますが、今後、例えば二十四時間実施に拡大する、4K、8Kも含めた衛星放送まで常時同時配信を拡大することになれば、通信網の逼迫も想定をされます。
 常時同時配信による通信網への影響について、現時点の状況と今後の見通しについて端的にお答えください。

#72
○参考人(児野昭彦君) NHKプラス配信では、通信網への負荷を分散できるよう、コンテンツ・デリバリー・ネットワーク、CDNという仕組みを使用しています。さらに、アクセス数が集中し通信網への負荷が大きくなる場合を想定しまして、配信する画質を落とすことで負荷の軽減を図る仕組みを用意しています。
 三月からサービスを開始いたしまして一日十七時間の配信を行っていますけれども、負荷分散は適切にコントロールできておりまして、通信網への過大な負荷は発生していないと認識しております。一日十八時間あるいは二十四時間に拡大した場合においても、同様に適切に対応できると考えています。
 なお、4K、8Kの番組配信については現在のところ検討しておりません。

#73
○吉川沙織君 次の問いまでお答えになりましたけど、今伺おうと思ったのは、現状の状況、それから今後の見通し、次に、例えば、今は一日十七時間若しくは十八時間ですけれども、令和二年度に予定している十八時間、二十四時間実施となった場合、4K、8K、想定されていないということでしたので、これは想定すべきものと考えますが、技師長、いかがでしょうか。

#74
○参考人(児野昭彦君) 今時点では4K、8Kの配信については想定しておりませんけれども、ごく一般論としてですけれども、仮に実施した場合には相当な負荷になるものと思われます。

#75
○吉川沙織君 4K、8K、想定されていないということでしたが、例えば、全国規模で4K画質の番組の常時同時配信の実施には、専用光ファイバー網などインフラ整備が必須です。公共放送、そして公共メディアというのであれば、日本全国で常時同時配信を受信できる環境の整備にもNHKは責任を負うのではないでしょうか。
 常時同時配信による通信網の整備に対する認識を技師長に伺います。なければ結構です。

#76
○参考人(児野昭彦君) 現在のところ検討しておりません。

#77
○吉川沙織君 検討なさいますか。

#78
○参考人(児野昭彦君) 通信網の整備という意味では、我々の検討の対象ではないと思っております。

#79
○吉川沙織君 確かにそうかも分かりません。ただ、公共放送である以上、受信料を負担する国民・視聴者がサービスを享受できる環境を整備する責務というのは公共放送たるNHKにあるのではないかという点で、現状の認識と見通し、想定は不可欠であると思いますので、是非、次期経営計画策定の中できちんとやっていただきたいと思います。
 改めて、また会長に伺いたいと思います。
 会長は、一月二十八日の第千三百四十六回経営委員会においてこうおっしゃっています。「NHKの中は、紙洪水文化がまん延していまして、毎日捨てる紙が山のようにあり、今やっと執行部側の紙退治をしてほぼ電子化することにしています。」。職場の風土など、NHKに根深く残る古い体質を変革したいという強い意思がかいま見えました。
 就任から約二か月が経過する中で新会長がお感じになったNHKの風土、体質について、率直な見解を端的にお伺いしたいと思います。

#80
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 NHKは多様で優秀な人材が集まり、職種ごとの縦割り意識が非常に強い組織だと感じております。縦割り組織におきましては、それぞれの職種の中で職員の専門性が磨かれるというメリットがありますが、組織横断的な問題への連携が難しいという弊害もあると認識しております。
 私は民間で育ちましたので、民間の経営感覚を生かしながら、私が先頭に立ちまして、改革すべきことはスピーディーに改革し、将来にわたって公共メディアとして持続可能な組織にしていきたいと考えております。

#81
○吉川沙織君 衆議院の総務委員会のNHK予算案の審議の中でも、そして今日これまでの答弁の中でも、会長はスピード感とか改革という言葉をよくお使いになっておられます。その改革精神の表れでしょうか、会長は、昨年四月、理事に就任したばかりの方を副会長として、まあ言い方あれですけど、末席の理事だった方を副会長に抜てきされました。
 二月十二日、第千三百四十七回経営委員会において会長は副会長人事についてこうおっしゃっています。「この組織は完全に年功序列になっているのです。このようなことをやっていますと永久に改革できませんので、現役の方には申し訳ないのですが、少し違った形で、本気でやるという意思を示させていただきたい」とおっしゃっています。
 抜てきした理由を会長に伺います。

#82
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 二月十二日の経営委員会で同意をいただきまして、理事を務めておりました正籬聡氏を新たに副会長に任命いたしました。
 メディア環境や社会環境の変化の中でNHKがスピード感を持って改革を実現するためには、適材適所の人材登用が不可欠と考えているところでございますが、正籬副会長は問題意識をしっかりと持っており、スピード感のある改革には若さも必要だと考えました。また、正籬副会長は、政治部長、報道局長を務め、報道部門に精通しているほか、大阪放送局長や広報局長を歴任するなど、NHKの業務を幅広く経験しておりまして、会長を補佐する立場としても適任だと考えました。

#83
○吉川沙織君 来月、といいましてももう明日から四月になるわけですが、同じ経営委員会で会長はこうおっしゃっています。「役員は、次は四月に大量に任期が来ます。今回一人だけ動かすのもかえって混乱します。」と、こう議事録に載っています。
 先ほどの答弁の中でも、理事の人事について、今は白紙、抜本的にやりたい、スピーディーにやりたい、改革の人材を適材適所で行うと答弁されていましたが、そういう方針ということで、ほかに何かあれば。なければ答弁結構です。いかがでしょう。

#84
○委員長(若松謙維君) 前田会長、ないということですね。

#85
○参考人(前田晃伸君) ほかにはございません。

#86
○吉川沙織君 会長就任以降、会長就任会見の模様、それからこれまでの経営委員会の議事録で公表されているものを拝見いたしますと、紙文化の退治とか、それから抜本的、スピーディーにNHKらしさを追求していきたいとおっしゃっていますので、そういう方針でどの程度の理事の方が交代になるのか分かりませんけれども、注意して見ていきたいと思います。
 ここで、情報公開の在り方について伺いたいと思います。
 昨年九月に発覚した経営委員会による前会長の厳重注意問題は、NHKの古い隠蔽体質の現れであると私は強く感じています。受信料を財源とするNHKには、国民・視聴者に対して十分な情報公開を行い、高い透明性を確保することが求められています。
 会長は、NHKにおける情報公開が現時点において公共放送として十分であると考えていらっしゃるか、そうでないかだけお伺いしたいと思います。

#87
○参考人(前田晃伸君) 現時点での情報公開は私はかなりよくできていると思います。十分かどうかと言われると大変答えづらいんですけど、普通の会社に比べてかなり充実していると思います。

#88
○吉川沙織君 普通の会社と比べてとおっしゃいました。会長、先ほどの御答弁の中でも、民間の経験が今に生きているという御趣旨の答弁なさいましたけれども、どのような点が、じゃ、充実しているとお思いでしょうか。

#89
○参考人(前田晃伸君) お答えします。
 財務諸表や業務報告書など、事業活動全般にわたって情報の提供をしておりますが、二〇〇〇年から、NHK情報公開基準を策定いたしまして、放送による言論と表現の自由を確保し、説明責任を果たすために、NHKが保有している文書の開示をしております。一般の会社で公開している以上に、かなり大量の公開文書、それからホームページで開示していると私は認識しております。

#90
○吉川沙織君 普通の会社と比べて情報公開や透明性が求められるのは、もう会長も経営委員長もよくよく御存じでいらっしゃると思いますが、それは当然です。なぜならば、公共放送は国民・視聴者からの受信料によって支えられて、公共放送だからそれは強く求められるものだと思っています。
 経営委員長にも同じ問いをしたいと思います。今のNHKにおいて、情報公開、その透明性というのは十分であるとお考えでしょうか。

#91
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 二〇一九年の放送法改正によりまして、情報公開による透明性確保のための制度の整備に、透明性確保のための制度の整備として、NHKグループに関する情報提供の義務が課せられました。NHKは受信料によって支えられる公共放送として、視聴者・国民の皆様に対して事業計画や事業活動や財務内容などを十分に説明し、理解していただく義務があると考えております。

#92
○吉川沙織君 国民・視聴者の皆様に公共放送の成り立ち、そしてその内容を理解いただくためには、公表されるべきものは公表されていないとそれを判断するすべがないということになります。
 ここで、総務大臣にお伺いいたします。
 放送法第四十一条では経営委員会の議事録を公表することとされていますが、その趣旨について端的にお教えいただければと思います。

#93
○国務大臣(高市早苗君) 放送法第四十一条の趣旨でございますが、これは経営の透明性を確保する観点から、経営委員会の定めるところにより作成、公表を行うこととされております。
 この経営委員会の定めるところによりという文言により、経営委員会の判断で議事録の一部を非公表とすることができるようにしている趣旨は、経営委員会において議論となり得る個人情報、企業等の機密情報などを例外なく公表させると第三者に不測の損害を生じさせるおそれがあることなどを踏まえたものであると承知しております。

#94
○吉川沙織君 今総務大臣から、放送法第四十一条に定める経営委員会の議事録の作成と、経営委員会の定めるところにより一部非公表があると伺いました。
 この一部非公表とされる根拠は何に基づくものか、経営委員長に伺います。

#95
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 放送法第四十一条では、「委員長は、経営委員会の終了後、遅滞なく、経営委員会の定めるところにより、その議事録を作成し、これを公表しなければならない。」と規定されております。これに基づきまして、経営委員会として自律的に内規の経営委員会議事運営規則を策定し、議事録を作成、公表いたしております。
 経営委員会議事運営規則では、議事録について、審議、検討又は協議に関する情報であって、公表することにより、その審議、検討又は協議が円滑に行われることを阻害するおそれがあるものなど、一部を非公表とすることを規定しております。

#96
○吉川沙織君 経営委員会として議事運営規則を定めて、その条項にのっとって公表とするか公表としないもの、原則公表ですから、公表としない例を定めているという経営委員長からの答弁でございました。
 三月十日の第千三百四十九回経営委員会において、前NHK会長に対して厳重注意を行った際の議事録を公表するかどうかが議論されましたが、経営委員会からはこういう意見が相次ぎました。非公表ということだったので結構自由なことを言った、それを出すとなると、これからの経営委員会で自由なことが非常に言いにくくなる、一切番組の中身について内輪だけでも話してはいけないとなったら、それではいろんな議論ができないとの意見が出されました。
 放送法第四十一条では、先ほど総務大臣から御答弁いただきましたように、経営委員会の議事録作成と公表を基本規定しています。NHKの経営に関する最高意思決定機関である経営委員会が、自由なことが言いにくいという曖昧な理由によって議事録の非公表を前提に議論を行うことは、放送法第四十一条の趣旨に反すると考えます。
 放送法第四十一条において、「経営委員会の定めるところにより、」と規定し、議事録を非公表とする余地を残した理由は経営委員が自由に物を言えるためだったんでしょうか、総務大臣に伺います。

#97
○国務大臣(高市早苗君) 先ほど御説明したように、経営委員会で議論となり得る個人情報、企業等の機密情報などを例外なく公表させると第三者に不測の損害を生じさせるおそれがあるということを踏まえております。

#98
○吉川沙織君 明確な御答弁ではありませんでしたけれども、原則公開です。公表が基本です。
 先ほど経営委員長から、先ほど非公表とする根拠として議事運営規則、いまだ公表されておりませんが、私、六年前の当委員会の質疑で、当時の経営委員長、浜田経営委員長でしたけれども、議事運営規則の国会提出と公表を求めたところ、国会には出していただきました。
 先ほど答弁ありました議事運営規則の第五条第四項には、非公表とする場合が列記されています。昨年十一月二十八日の当委員会において、前経営委員長は、前会長に対する厳重注意に関する議事録を非公表とした根拠規定の一つとして、先ほど経営委員長が答弁なさった第三号を挙げられました。この第三号に規定されるような、公表により審議等が円滑に行われることを阻害するおそれがあるか否かというのは、これは誰が判断するんでしょうか。

#99
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 経営委員会では、説明責任を果たすことは重要と認識しておりまして、視聴者・国民の皆様の御理解をいただけるよう透明性の向上に向けて検討を進めております。
 経営委員会議事運営規則第五条第四項第三号、先ほどありましたが、審議、検討又は協議に関する情報であってという部分でありますが、これは基本的には当時の委員長がまず判断をいたして決めております。

#100
○吉川沙織君 三月十九日の衆議院総務委員会でも、経営委員長は、「経営委員会の運営や議事の扱いを含め、経営委員長が議事進行を行って決めております。」と答弁なさっているので、そこに関してはそごはないと思います。
 ところで、森下経営委員長は、経営委員から今のお立場になられています。経営委員への就任は平成二十七年三月一日でいらっしゃいますから、現経営委員長は、籾井元会長時代のことをよく御存じでいらっしゃると思います。籾井元会長に対して、経営委員会は、平成二十六年一月二十八日、記者会見、就任記者会見での発言で一回、平成二十六年二月二十五日には経営委員会における発言で、平成二十七年四月二十八日はハイヤーの私的利用の三回にわたって注意を行って、全てこれは議事録として公表されています。
 経営委員から会長への事例がこれまで何例あるのか、また、そのうち議事録が公開されていない事例は何件あるのか、件数だけ、経営委員長、教えてください。

#101
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 籾井元会長に対して三回、先ほど御説明ありましたが、三回注意をいたしまして、議事録で公表いたしております。そのほかのものはありません。

#102
○吉川沙織君 前会長に注意なさったんじゃないんですか。

#103
○参考人(森下俊三君) 失礼いたしました。
 前会長の分は一件ありまして、これは非公開ということですね。

#104
○吉川沙織君 本来、議事運営規則に忠実にのっとって公表するか否か決定すべきものであることはそもそも論をまちませんが、先ほど、経営委員長の判断で決めると。先ほど経営委員長が引用された第三号の規定だと物すごい範囲が広く読めるんです、非公表の。ですから、広範囲に取られる可能性は非常にありますし、議事録を公表するか否か、本来、議事運営規則にのっとって忠実にやるものをその時々の経営委員長が判断するということになりますと、恣意的な議事運営規則の運営になりやしないかという、こういう可能性は排除できないと思います。
 経営委員長のNHKにおける情報公開の在り方と透明性確保の認識にも反するものではないかと考えますが、別の観点から伺いたいと思います。
 平成二十六年六月十七日、先ほども申し上げましたが、当時の浜田経営委員長に対しまして、この議事運営規則、公表されていません、まず国会に出していただいて、その上で検討をしてくださいねと申し上げましたところ、検討いたしますと答弁があって、そこから約五年放置。で、去年の十一月二十八日、前経営委員長にもお伺いしましたところ、こう答弁がありました。「公表について改めて検討してまいります。」。
 森下経営委員長の下で先週二十四日にまとめられた「郵政三社からの申し入れに関する経営委員会での対応の経緯について」では、議事運営規則の公表も含めて検討するという、こういう一文が、最後の一文で書いてあります。
 まず、現在検討しているか否かのみ伺います。

#105
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 二月十二日の経営委員会で、公表について改めて検討をいたしました。その際、経営委員会議事運営規則は非公表を前提として策定した規定でありましたので、内部のルールを公表することの妥当性や公表することで問題が生じないのかなど、引き続き慎重に検討していくということになりました。
 ただ、先日の、今月の二十四日の経営委員会でも議論をいたしまして、説明責任の観点からも経営委員会の透明性の向上について議事運営規則の公表を含めて引き続き検討していくことを確認をしたところでございます。

#106
○吉川沙織君 最初に議事運営規則の公表を求めてから六年、実はこの数年間全く議論もされていませんでしたので、検討をしていただいていること自体は結構かと思うんですが、なぜこんなに時間が掛かっているのか、また、その内容についても、本来であれば議事録として公表すべきものではないかと思っています。
 昨年十一月二十八日の当委員会において、総務省情報流通行政局長は、この点について、検討状況も踏まえて、NHKの、「もしも必要に応ずれば、制度的な面についても改めて総務省としても検討をしてまいりたいと考えております。」と答弁なさいました。
 総務大臣は、三月十七日の衆議院総務委員会において、「放送法第四十一条に基づいて、やはりこれは、経営の透明性を確保する観点から」「NHKでもっと説明責任を果たしていただきたいと思います。」と答弁なさっています。
 総務大臣は、経営委員会は説明責任を十分に果たしていない、透明性を確保するためには不十分な面があるとの認識で合いますでしょうか。

#107
○国務大臣(高市早苗君) 今般のNHK予算に付しました総務大臣意見の中でも、情報公開を一層推進することにより、運営の透明性の向上を図り、自ら説明責任を適切に果たしていくことというふうに私は意見を付けさせていただきました。
 経営委員会におかれましては、国会での御質疑も受けて、今月の二十四日に自主自律の下で引き続き検討を行うということをまとめていただきましたので、私は、まずはその対応を見守りたいと考えております。
 しかしながら、委員が御指摘いただいたように、局長答弁もございます。今後、経営委員会がスピード感を持って十分な透明性の向上に向けた取組を行わなかった場合には、総務省としましても、経営委員会が議事運営規則の情報提供を行うよう、所要の省令改正を検討させたいと考えております。

#108
○吉川沙織君 総務大臣、前向きな御答弁ありがとうございます。
 最初に本当に指摘申し上げてから相当の時間、ようやくその議論が始まったばかりですけれども、国民・視聴者からの受信料によって成り立つ公共放送であるNHKにとって、その経営の透明性を確保するためには、今総務大臣からも御答弁ありましたけれども、必要不可欠です。議事運営規則を速やかに公表、公開すべきと考えますが、改めて、経営委員長、端的に御答弁いただければと思います。

#109
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 先ほども御説明いたしましたが、議事運営規則は経営委員会の内規でございますので、経営委員会に諮る必要がありますが、私といたしましては、できるだけ早く公表したいと考えております。

#110
○吉川沙織君 それぞれ御答弁いただきました。
 NHKのウエブページにはこう書いてあります。「全役職員は、放送の自主・自律の堅持が信頼される公共放送の生命線であるとの認識に基づき、すべての業務にあたる。」。経営委員会において、どのように公共放送の担い手たるNHKの経営に関する基本方針等の重要事項は決められているかは、放送の自主自律の在り方に大きな影響を与えますと。
 NHKは、放送の自主自律を堅持していることを国民・視聴者の皆様に証明するためにも、まず、なぜ私こだわっているかといいますと、まず、議事録の公表基準、公表するかしないのか、これを定めているのが議事運営規則ですから、それをまず公開することで、その上で、その基準の妥当性につき開かれた場所で議論をしていくことが公共放送たるNHKに求められるからだと思って、ずっとこの点、訴え続けてまいりました。
 今日は、国民・視聴者の立場から、少しでも開かれた情報公開があって、そして経営の透明性が図られる公共放送NHKの在り方という観点で質問に立たせていただきました。これからも立法府の側から厳しくチェックしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

#111
○難波奨二君 共同会派、立憲民主党の難波奨二でございます。
 我が会派は、先ほど吉川委員の方からもNHKのこの経営委員会問題、まあ今回の郵政の問題に絡む経営委員会が取った対応について、大きな問題意識を持ってこの間、まあ半年間ですね、国会の中でNHKとも議論し、そして国会の中でも追及をしてきたところでございます。
 NHKの持つ公共放送としての使命、役割、そして視聴者の皆さんの期待の大きさ、これを重く受け止めまして、思いはございますけれども、来年度のNHK予算につきましては賛成をしてまいりたいというふうに冒頭申し上げておきたいと思います。
 今朝、残念なことがございました。それは、先ほどから議題になっております、議論になっておりますこのオリンピック、パラリンピックの予算の執行のありようの問題でございますけれども、オリンピックの、オリパラの延期が決定をいたしまして、NHKの方から、私は参議院の立憲民主党の国対の役割といたしまして、御説明においでいただきまして、私どもは私どもなりの御返答をいたしました。
 つまり、衆議院での予算審議というのは、NHKの予算審議というのは、ここにあるそのものの内容での審議でございました。そして、オリンピックが、オリパラが延期したということになりまして、お話ございました二百六十四億円のこの扱いについて、参議院における審議はどのように取り扱ったらいいでしょうかというお話がNHKから私どもの方にあったわけです。私がお答えしたのは、これ、今更予算の組替えはできないし、そして総務省の政省令で決まっているこの金額というもの、予算というものを変更も急には無理だろうから、これは理事会において丁寧に取り扱って、そして、今日の冒頭にございました大臣の提案説明や会長からの提案説明の中に含めていただければこの審議というのはスムースにいくんじゃないかという私は御提案を申し上げたんですね。御返事は、総務省と相談してまいりますと、こういうことでございました。
 そのことは、吉田局長、御存じでございましたか。

#112
○政府参考人(吉田眞人君) 今委員御指摘の、今委員御指摘の点自体については、私ちょっと直接はそのこと自体は承知をしておりませんが、ただ、今回はオリンピック、パラリンピックが延期が急遽決まったということでございまして、それの対応で、この委員会でどのように趣旨説明等をさせていただくのかということについての検討はいたしまして、冒頭、大臣から御発言させていただいたような形での御説明としております。これについては、NHKと総務省でどのような冒頭の発言にするかということの情報共有はさせていただいております。

#113
○難波奨二君 会長は御存じでございましたか。

#114
○参考人(前田晃伸君) 突然のオリンピックの中止とかありまして、衆議院通った直後にいろんな事態が変わりまして、大変いろんなことを心配をいたしましたが、それぞれの情報はいただいておりました。

#115
○難波奨二君 よく聞こえなかったんですけど、会長は報告を受けたという理解でいいですか、私は。

#116
○参考人(前田晃伸君) 結構でございます。そのとおりでございます。報告いただきました。

#117
○難波奨二君 結論については、私、大臣に申し上げるつもりもございません。しかし、一応、公党がこういう要望をしたわけで、こういうふうになりますという返事ぐらいは党に対して私はいただいてもよかったんじゃないかと思うんですが、この辺りは、会長、いかがでございます。

#118
○参考人(前田晃伸君) 御指摘の点、申し訳ないと思います。しっかりとこれから対応してまいります。

#119
○難波奨二君 ガバナンスの問題をこの間指摘をしてきたわけですけれども、私、今回の案件も、今私が申し上げた案件も、私は、やっぱりガバナンスの一つのNHKの問題だろうというふうに思いますし、また総務省の方は、やはり国会審議というのは丁寧にやっていくことが重要で、変化が起きたわけですから、そういうやっぱり配慮というのは役所も私は要ったというふうに思いますよ。自民党の方の御質問で答弁されるというこの絵面も、ようございますけど、しかし、やっぱり全体で、この総務委員会、参議院の総務委員会全体でNHKの予算審議というのはこうやってやっておるわけでございますので、是非私は問題意識を持っていただきたいというふうに冒頭申し上げておきたいと思います。
 その上で質問してまいりますけれども、このNHKの経営の体制の在り方について、冒頭、私、御質問、議論してまいりたいというふうに思いますが。
 平成二十年にこの放送法の改正が行われたわけでございますけれども、その目的と意義と、そして、なぜその改正法に至ったかと、改正に至ったかという背景につきまして、局長の方からお答えいただきたいと思います。

#120
○政府参考人(吉田眞人君) ただいま御指摘のございました、いわゆる平成十九年改正と言っておりますけれども、平成十九年の放送法改正では非常にかなり大規模な改正ございまして、例えば、NHKの関係といたしましては、例えば経営委員会の機能強化あるいは監査委員会制度の導入といったような、ガバナンスに関するものでは例えばそのようなものが導入されております。これは当時の様々な、そこに至る、平成十九年、二十年に至る様々な過程の中のNHKの運営状況などを勘案して、経営委員会の機能を強化することが必要であろうというふうな判断に立ってなされたものというふうに承知をしております。

#121
○難波奨二君 もう少しお答えいただきたいと思うんですけれども、申し上げたように、その背景ですよね、どういった問題が起きてきたからそういう改正に至ったかということをお述べいただけますか。

#122
○政府参考人(吉田眞人君) これは、この十九年改正に至る以前におきまして、例えばNHKの執行部の方でNHKの会長交代が様々な問題等もあってあったとかというような状況もございまして、やはりNHK、経営委員会と執行部の言わば二頭立てといいますか、両方がある意味緊張感を持って協力をし合いながら自律的に運営される組織でございますけれども、経営委員会の機能をより強化する必要があるのではないかというふうな議論がなされておりまして、そういう流れの中で、特にそのガバナンスに関しましては、経営委員会を強化し、その中で、当初は監事という役割ございましたけれども、特にそれも強化をして監査委員会という制度を導入したというふうな形と承知をしております。

#123
○難波奨二君 二〇〇八年から、それまで協会の方が会長を務めていたという、そうした流れから、民間出身の方が会長になっていくという、こういうことになりまして、現在の会長は五代目ということになるわけです。
 つまり、様々NHKに当時不祥事が起きまして、この今の間もずっと御議論ございましたけれども、やはり透明性のあるそうした放送行政をやっていかなくちゃならない、運営をやっていかなくちゃならない、そういうことが重きにあったんだろうというふうに思いますが、資料でも提出しておりますけれども、この改正というのは、経営委員会、そして監査委員会というのも新しく設けまして、執行部と三権分立の関係をつくって、それぞれがやっぱりきちっとガバナンスの任務を果たそうということで、こういう経営体制というものをつくったわけですね。
 今回の問題で申し上げますと、余り細かい話は今日はしたくはないんですけれども、当初、郵政のこの抗議に対して監査委員会で議論をなされているわけですよね。しかし、その監査委員会の議論では、NHKの取った行動というものは瑕疵がないというふうに監査委員会では経営委員会で御発言をなされているわけでございますけれども、その辺の事実関係につきまして、高橋さんの方から御発言いただきたいと思います。

#124
○参考人(高橋正美君) 二〇一八年十月の二十三日に、監査委員会から経営委員会に対しまして口頭で報告を申し上げました。内容は以下のとおりでございます。郵政三社からの経営委員会宛ての書状において協会のガバナンス欠如の指摘がなされたことにつきまして監査を行いました。本件の情報が会長までいち早く報告されていることなど、組織対応がなされており、執行部の対応について組織の危機管理上の瑕疵があったとは認められない、かように判断した次第でございます。

#125
○難波奨二君 今ほどのような監査委員会の報告がなされて、そして経営委員会ではその結論というのが覆るわけでございますけれども、なぜ監査委員会の今の報告が経営委員会の中で覆ったのか、森下委員長、どのような経過でございましょう。

#126
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 監査委員会から監査結果、先ほど御説明ありましたが、この本件の情報が会長までいち早く報告されており、組織対応がなされていることから、協会の対応について組織の危機管理上の瑕疵があったとは認められないと判断した、こういうことでありました。
 しかしながら、経営委員会としては、次の二点、二つの観点から会長に注意を申し入れております。まず一点目は、番組制作と経営は分離しているため番組制作について会長は関与しないというチーフプロデューサーの発言は、編集権についての考え方が組織にきちんと共有されていないという見逃してはいけないガバナンス上の問題が含まれていると考えたこと、もう一点は、郵政三社からの書状は、二〇一八年八月に会長宛てに質問の文書を送ったのに、二か月近くたっても回答がなかったために経営委員会に文書を出したとの趣旨でございましたので、協会の業務執行が視聴者目線に立っていないと考えたことであります。
 以上の二点で会長に注意を申し入れました。

#127
○難波奨二君 もう私、その中身については申し上げませんけど、先ほど申し上げたように、森下さん、先ほど申し上げたように、経営委員会があって、監査委員会があって、そうした執行部があるわけですよ。それぞれ独立したやはりこれは組織なわけですよ。その一つの監査委員会、目的はガバナンスを更に強化していこうと、これが目的でつくられた監査委員会の報告をある意味無視をするというか、その意見というものを全く聞き及ばないという経営委員会のこの姿勢というものは、私申し上げたような、この改正を行ったにもかかわらず、その当時の思い、そしてあるべきその経営の体制、組織の体制の在り方というものを自ら覆すようなそういう結果になっているというふうにはお思いになられませんか。

#128
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 先ほど御説明したとおりで、組織上の危機管理上の瑕疵があったとは認められないということは、現場の情報が会長までいち早く報告されていると、組織上の対応がなされているということでありまして、それについては監査委員会の調査のとおりだというふうに思っております。
 しかし、私どもが指摘したのはそういうことではなくて、先ほど御説明しました二点についてであります。

#129
○難波奨二君 大臣にお聞きしたいというふうに思いますけど、御案内のように、監査委員というのは経営委員会のメンバーから選出をされておりまして、経営委員会、十二名いらっしゃるわけでございますけれども、いわゆる常勤と言われる方はお一人でございます。そのお一人が監査委員の高橋さんになるわけでありますけれども、申し上げているように、経営委員会の独立とやっぱり監査委員会の独立ということを考えるならば、経営委員と監査委員が兼務をしているという今のこの体制の在り方というのは見直すべきじゃないかというふうに私は考えるんですが、いかがでございましょうか。

#130
○国務大臣(高市早苗君) NHKの監査委員会につきましては、平成十九年の放送法改正によりまして、NHKのガバナンス強化の一環として、経営委員会とは別個の組織として独立して設けられております。これを踏まえまして、経営委員会及び監査委員会はそれぞれ独立した事務局を有するなど、自律的な運営は行われていると承知をいたしております。
 監査委員につきましては、これは放送法第四十二条第三項によりまして、経営委員の中から経営委員会が任命することとされておりますが、これは経営委員としての職務を通じて得た知見を監査に生かすことにより、機動的かつ十分な監査ができるという考えに基づくものでございます。監査委員会の独立性を担保した制度的枠組みを前提としながら、経営委員会の委員の中から監査委員を任命するというのが現行制度の立て付けでございます。
 総務省としましては、NHKが国民・視聴者の皆様からの受信料によって支えられているということを十分に踏まえまして、経営委員会と監査委員会が現行制度の下でそれぞれの役割を果たすことによってガバナンス強化に取り組んでいただきたいと希望をいたしております。

#131
○難波奨二君 大臣はそのようにおっしゃるんでしょうけど、やはりこういう問題が起きたということは、一定程度、こういう仕組みができて年数がもうたっております。そして、今回のような問題も起きたわけでございますから、やはり見直しというのはあってしかるべしだというふうに思いますので、今後の、ひとつ、役所、総務省としての検討課題ということで、私は是非取り組んでいただきたいというふうに思いますし、そして、これをずっとこの国会でこの間も議論してきた問題なんですけど、経営委員会の選出の在り方についても、これも課題として残されたままなんですよ。
 籾井会長のときには特に大きな問題になりました。クローズアップされたわけでございますけれども、やはり政権寄りの方がNHKの経営委員になるという、こうした問題が指摘されたわけでございまして、経営委員会の委員の選出のありよう、そして監査委員会と経営委員会のありよう、執行部とのありよう、この辺のやはり残された課題については引き続いて、これは政治の分野含めて、そして総務省の中でも是非問題意識としてこれから残していただきたいというふうに御要望を申し上げておきたいというふうに思います。
 森下さんにお聞きするんですけど、事実かどうかの話でございますが、新聞報道でございます。これも驚くような報道が出たんですけれども、前上田会長の御発言でございますけれども、郵政側の意向に沿い、チーフプロデューサーの言い間違いを理由に会長を注意したことが明らかになれば、NHKとしては本当に存亡の危機に立たされることになりかねないという発言を、経営委員会であったという報道があったわけですが、これは事実でございますか。

#132
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 二〇一八年十月の経営委員会では、ガバナンスの議論の前提といたしまして、郵政三社からの書状に記載されている経緯や状況について確認するために意見交換をしたのは事実であります。その後、会長を注意したことの重要性や透明性の観点から、昨年十月に議事経過を公表いたしました。また、今月二十四日には、郵政三社からの申入れに関する経営委員会での一連の対応の経緯につきまして公表いたしましたので、御理解いただきたいと考えております。
 なお、新聞報道についてでありますが、申し訳ございませんが、一つ一つコメントすることは差し控えさせていただきます。(発言する者あり)

#133
○委員長(若松謙維君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#134
○委員長(若松謙維君) 速記を起こしてください。

#135
○参考人(森下俊三君) では、お答えいたします。
 今月二十四日に公表いたしました経営委員会の一連の対応の経緯、その中に回答している中で、上田会長がいろいろと発言していることも箇条書で書いてありまして、先ほどのような感じの発言もあったかと思います。

#136
○難波奨二君 再度確認いたしますけれども、同様の趣旨の御発言があったという理解でよろしいですね。

#137
○参考人(森下俊三君) はい、そうです。

#138
○難波奨二君 前会長がそこまで御発言したにもかかわらず、厳重注意という異例の結論を経営委員会の皆さんは下されたわけですね。
 これはやっぱり非常に問題でございまして、私はこれもお聞きしたいんですけれども、これも私、履き違えておられるんじゃないかというふうに思いますが、NHKはやはり視聴者の皆さんの目線で報道もしなくちゃならないし、経営委員会の委員の皆さんはそういうお立場で私は業務の執行をなされなくちゃならない。監査委員会も当然そうなんですけどね。郵政は視聴者じゃないんですよ。抗議を行った一民間企業なわけですよ。視聴者の側に立った経営委員会としてのやっぱり判断を経営委員会はすべきだった。一民間企業の抗議を、それに重きを置いた経営委員会というのは私は大きな大きなやっぱり問題を今回残したんだろうというふうに思います。
 改めて、経営委員長、お伺いいたしますけれども、半年間にわたりまして国会においてこのような議論を重ねてまいりました。改めて、今回のこの事象、経営委員長になられてどのように今、今後、経営委員長としてその任を務めていこうと思われていらっしゃるのか、その決意と御覚悟を聞きたいと思います。

#139
○参考人(森下俊三君) 委員の御指摘のとおり、三月二十四日の経営委員会では、郵政三社からの申入れに関する経営委員会での対応の経緯について議論し、当日公表いたしました。
 その中で、経営委員会議事録は公表が原則でありまして、非公表とする場合には妥当性をその都度確認することを徹底することを決めるとともに、経営委員会の透明性の向上について引き続き検討していくことを確認しております。
 最高意思決定機関である経営委員会が視聴者・国民に対する説明責任を果たすことは重要と認識しております。透明性の向上に向けた具体的な対応を今後取ってまいります。

#140
○難波奨二君 先ほど御紹介した上田会長のこのNHKの存亡の危機という、そういう御発言を聞いて森下さんはどういうふうな感想をお持ちになられましたか。

#141
○参考人(森下俊三君) 先ほどちょっとありましたが、放送法第二十七条には、「協会は、その業務に関して申出のあつた苦情その他の意見については、適切かつ迅速にこれを処理しなければならない。」と定められておりまして、郵政三社からの申入れについて具体的な対応を求めるものではありませんが、視聴者の皆様からの御意見や御指摘に真摯に向き合うことは視聴者対応の基本でありまして、本件に関して言えば、二か月近く回答していないと受け止められたということは、協会側の業務が、執行が視聴者目線に立っていないと考えたことでもあります。
 それから、先ほど御説明いたしましたが、経営委員会としては、チーフプロデューサーの発言は、編集権についての考え方が組織にきちんと共有されていないではないかと、見逃してはいけないガバナンス上の問題が含まれているということも含めまして、経営委員会として対応したものでございます。
 なお、議事録の扱い、議事の公表について視聴者の皆様に分かりやすく説明することができず、結果的に多くの問題で……(発言する者あり)

#142
○委員長(若松謙維君) ちょっと御静粛にください。

#143
○参考人(森下俊三君) 世間をお騒がせしたことにつきましては、厳しく受け止めております。経営委員会でのやり取りにより、視聴者・国民の皆様に誤解を与えてしまったことについては大変申し訳ないと思っております。
 以上です。

#144
○難波奨二君 これは新会長もお聞きいただきたいと思いますけど、やはり今回の問題というのは、ただ単に会長のこの厳重注意ということで終わっていないんですよ。そこから派生する現場への影響なんですよ。そのことによって、報道の現場や制作の現場、そうした方たちに萎縮を与える、そういうことに結果つながったことになるから、大きなやはり問題になるわけですよね。NHKに求められている、まさに自主自律、不偏不党、そうした事実を報道しなくちゃならない公共放送NHKが今回の問題で、大きな大きな、私は、不幸なやはり被害を被ったというふうに思うわけです。
 是非、残り時間も少なくなってまいりましたけれども、新会長、今回のこの一連の流れを見まして、頑張っていただく、上田会長も非常に頑張られたんですよ、経営委員会の無謀な横暴に対して、是非しっかりと執行部として頑張っていただく決意をお述べいただけますか。

#145
○参考人(前田晃伸君) 私は、いずれにいたしましても、放送の自主自律や番組編集の自由が損なわれた事実はないと上田会長から聞きました。そういう意味で、会長の、前会長の発言をそのまま受け止めたいと思いますし、また、現場がそのことによって萎縮したという事実もございません。

#146
○難波奨二君 全く残念な御発言だというふうに思いますよ。
 申し上げたように、今までの協会からの会長じゃなくて、民間からの御出身の方をトップに添えるという、そういう改正も行ったわけですよ。何のために前田会長がそこにお座りなのかということは、私は、しっかりしていただかないと今後も大きな問題が起きてくるんじゃないかというふうに私は危惧しますよ。
 最後、森下委員長、森下委員長、最後、改めて、この後のNHKの情報公開の姿勢等、その決意、述べていただけますか。

#147
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 今回いろいろありましたので、その反省の上に立ちましてでありますが、経営委員会議事録は公表が原則でありまして、非公表とする場合には妥当性をその都度今後厳しく確認することを徹底するということを進めるとともに、経営委員会の透明性の向上について引き続き検討してまいります。
 最高意思決定機関である経営委員会が視聴者・国民に対する説明責任を果たすことが重要と認識しております。透明性の向上に向けた具体的な対応を今後取ってまいります。

#148
○難波奨二君 これをもって終わります。ありがとうございました。

#149
○委員長(若松謙維君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#150
○委員長(若松謙維君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、青山繁晴君が委員を辞任され、その補欠として松下新平君が選任されました。
    ─────────────

#151
○委員長(若松謙維君) 休憩前に引き続き、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#152
○森本真治君 お疲れさまでございます。立憲・国民.新緑風会・社民の森本真治でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 午前中、我が会派の二人の委員の質問に続いて三番バッターということでございますが、通告が幾らか重複しているところもありますけれども、再確認の意味も込めながら、通告どおり質問もさせていただきたいというふうに思います。
 まずは、午前中も様々議論がありました、事の発端、郵政三社からの申入れに関する経営委員会の対応ということで、このことから私もお伺いをしたいというふうに思います。
 今回の案件で、今、この間もずっとこの委員会でも議論が続いた一つのポイント、まあ二つのポイントと言っていいかもしれませんけれども、一つは、NHK会長への厳重注意をしたことについての、その議論の過程で放送法の三十二条違反というのがあったのではないかということですね。番組のこの編集権への介入があったのではないかということが一点。それと、そもそものNHKのこの経営体制、今日も午前中、難波委員が指摘をされましたけれども、経営委員会のそもそもの役割というものが十分に果たされているのかということですね。この二点があるんではないかというふうに思っております。
 それで、午前中の指摘にもあったとおり、三月の二十六日に、これは朝日新聞でございますが、NHK存亡の危機だという、今回のこのやり取りの中で、経営委員会の中で、当時のNHK会長が大変な危機感を持たれて発言をしたという記事が報道されて、午前中に経営委員長、事実を認められました。
 まず、委員長にお伺いします。
 当時の上田前会長は何をもってNHKの存亡の危機だというふうに危機感を持たれているのか、経営委員長はどのようにそのことについて思われるでしょうか。

#153
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 直接本人に確認したわけじゃございませんので分かりませんが、この種の議論が外に出ると問題になるのではないかという意識であったというふうに認識しております。

#154
○森本真治君 この議論のことが外に出ること自体が存亡の危機ですか、ということですか。そういうふうに、委員長、思われますか。

#155
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 経営委員会としては、会長がその種の発言をされたということは認識しておりますが、しかしながら、経営委員会としては、御説明していますように、二つの観点ですね、番組制作と経営は分離しない、編集権の問題、それから相手側に対して二か月文書を返していないという、そういう趣旨で問題だというのが経営委員会の認識でございましたので、そういった意味では、会長がおっしゃったことに対しては、経営委員会としては、まあそれは会長の意見としてはありますが、経営委員会としては二点を指摘しないといけないということで注意したものでございます。

#156
○森本真治君 私なりにこの当時の上田前会長のこのNHK存亡の危機だという、この危機感、まさに、私は、どのような思いを持ってこの危機感を持たれたかということについて、難波委員も御指摘をされましたけれども、そもそもNHKが経営する上で、皆様もそうだと思います、どのような視点を何よりも一番に重要視しなければならないのか。私は、NHKの自主自律を守る、このことが一番重要なことだと思いますけれども、そのことについて大きく揺らいでいるのではないか、上田前会長はその危機感だったと思いますけれども、私のこの指摘に対しては、委員長、どのように思われるでしょうか。

#157
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 自主自律につきましては、基本的には経営委員会も全く反対はしておりませんし、そのとおりだということであります。

#158
○森本真治君 今回のこのかんぽ報道問題を議論した経営委員会の中での経営委員会のこの議論の進め方なども含めて、これが非常にNHKの自主自律というものを脅かすのではないかという危機感を上田前会長は持たれたんではないかというふうに私は思うんですけれども、そのことについては委員長はどのように思われますか。そのようなことはないというんであれば、はっきり言ってください。

#159
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 当日の委員会ではそういう認識はなかったというように思います。

#160
○森本真治君 ちょっと御答弁よく分からないんですけれども、経営委員の中には、皆さんにはそういう認識がなかったということですね。

#161
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 経営委員会としては、先ほどお話ししたとおりでありますが、とにかく、編集権の問題と、相手側から来た書状に対して二か月放置されていた、そういったことで、これは対応すべきだという判断をしておりまして、そういった意味では、あくまでもその二点のガバナンスについての議論でありましたので、そのほかについては議論はしておりません。

#162
○森本真治君 その後、この国会、この我々の委員会でもいまだにこの議論が続きます。そして、その都度、経営委員会としても何らかの説明責任を果たさなければいけないのではないかということで、幾つかの対応もしていただいたことも承知しております。先般の三月二十四日の経営委員会においても、これまでの経緯について、詳細というか、報告書をまとめていただいたことも承知をしております。
 しかし、この度のこの三月二十六日の新聞の記事というのは、この三月二十四日にそれなりの対応を取ったにもかかわらず、更に新たなことが次から次に出てくる。本当にこれイタチごっこの状況が続いているというような状況もあります。
 まさに、今これ、経営委員会、非常にその今の状況、非常に大きな危機感、危機的な状況が置かれているんではないかということを私は非常に憂慮をします。その危機感もしっかりと持っていかなければならないんですけれども、大前提であるこの自主自律、どのようにNHKの自主自律を守っていくのか、さらには不偏不党ということもありますね。そのことについてもしっかりとどれだけ経営委員会の皆さんが意識をされているのかということでございます。
 一点だけ確認させてください。
 昨年の参議院選挙におきまして、経営委員会の委員の方が特定の自民党候補の応援でマイクを持たれたというふうに情報が入っておりますけれども、それは事実でしょうか。

#163
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 その件については、私は報告を受けておりません。

#164
○森本真治君 経営委員長の認識をちょっと聞かせてください。
 経営委員会、NHKには不偏不党というものが求められます。当然経営委員会にも求められている、経営委員会もNHKの一つでございますので。経営委員が特定の選挙で表に出て選挙活動をすることということは、この不偏不党というその今置かれている立場にとって適切だというふうにお考えでしょうか。

#165
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 NHKにつきましては、経営委員会では、平成二十六年に経営委員の言動についてということで申合せをしております。それは三点ございます。
 経営委員としての職務以外の場において、自らの思想信条に基づいて行動する自体は妨げられるものではないと認識している。二点目、また、経営委員会は、経営委員会委員の服務に関する準則を自ら定めており、経営委員はこの準則を遵守する義務を負っている。三点目、経営委員会において、経営委員一人一人がこの準則にのっとり、公共放送の使命を、社会的責任を深く自覚するとともに、一定の節度を持って行動していくことを改めて申し合わせると。この三点が平成二十六年に申し合わされております。
 今回、この一部の、一人の委員が活動されたということだということでありますが、この申合せにのっとり対処していただいているものと思っております。

#166
○森本真治君 委員長は具体的に承知をしていないという先ほど答弁がありました。具体的にそういう選挙活動をされた方がいるのかどうかということも承知されていないということでございましたので、これは委員長にお願いでございます。
 是非、経営委員会の方で、昨年の参議院選挙において、委員の方が特定の候補の応援に、しかもこれは対外的に応援をされた方がいらっしゃるのかどうかということを是非経営委員会の中で調べていただいて、そしてその報告をこの総務委員会の方に提出していただくように委員長にお願いしたいと思います。

#167
○委員長(若松謙維君) 後刻理事会において協議いたします。

#168
○森本真治君 もう一点でございますけれども、先ほども、冒頭申し上げましたように、今回の問題で放送法三十二条違反があったのではないかということについてでございますけれども。
 これは総務省の方にお伺いしたいと思いますけれども、これまで大臣も何度か、そのような国会での指摘に対して、これは衆議院も含めてでございますけれども、その都度、答弁をされた時点で、現時点では放送法の三十二条の違反がないというふうに、それぞれNHKの見解、経営委員会の見解を基に御答弁をされているというふうに認識をしておりますけれども、今、様々なこのような、経営委員会としても報告をされた後も、マスコミなどを通じてその当時の状況が明るみになっている今の現状においても、この放送法の三十二条違反は現時点ではないというふうに、その立場であるのかどうか、確認をしたいと思います。

#169
○国務大臣(高市早苗君) 三月二十四日に経営委員会が公表した一連の経緯を説明する資料は、私も熟読をいたしました。
 経営委員が非公開を前提とした自由な意見交換の場において、既に放送された番組などについて意見や感想を述べたものであり、具体的な制作手法などについて指示したものではないとされておりました。また、上田前会長を始めNHK執行部においては、今日に至るまで一貫して放送の自主自律が損なわれた事実はないと表明されております。
 ですから、現時点において、経営委員が個別の放送番組の編集に介入することを禁じている放送法第三十二条に直ちに抵触するものではないと考えております。

#170
○森本真治君 ちょっとこれ、局長さんの方で結構なんで、ちょっと総務省の見解を教えていただきたいんですけれども。
 例えば、放送事業者が放送法違反というものを犯しているのではないかというような事案がもし発生した場合というのは、これは、放送法違反であるというような指摘は総務省の方ですることは可能なんですか。例えば調査をしたりとか、そういうようなことはできるのかどうか、ちょっと局長の方、お答えください。

#171
○政府参考人(吉田眞人君) お答えをいたします。
 今御指摘になったような点について、総務省に放送法上、その調査権のようなものはございません。
 一般的に、過去の例を申し上げますと、これは様々な事例がございますが、例えば、番組で事実を誤ったりといったような事例で何か社会的に提起をされて、そのことで例えば放送事業者の方が自ら誤りを認められて、不適切であったというふうなことを認められるような事例が過去にはございました。そのような場合、それはいつもいつもというわけではございませんが、その時々の状況下で、総務省として、放送法に基づいて、そういう放送事業者自らが不適切と認めたような事例について、再発の防止を期する観点から、再発の防止を努めていただきたいという、いわゆる行政指導的なことを行うことは過去には事例としてはございます。

#172
○森本真治君 そうしますと、事実関係というか具体的な事象に対して、それについて、じゃ、真実を明らかにしていく。ただ、これはいろんな解釈とか見解によってもいろいろ難しいところはあるんですけれども、基本的には、例えばNHKであったり経営委員会のまさにこれは自浄作用というもので解決をしていかなければならないという理解でよろしいですか。

#173
○政府参考人(吉田眞人君) 放送法は、放送事業者の自主自律を原則としております。ですから、基本的には、様々な業務の運営上の課題、問題が生じた場合も、まずは放送事業者において自主自律の精神の下でその対応をしていただくというのは基本であろうかと考えております。
 ただ、私どもその法を所管する立場でございますので、事案の状況によりましては、先ほど申し上げましたように、総務省として、やはり重要な業務でございますので、再発防止をしていただきたいというふうな観点からいわゆる行政指導をさせていただくということも場合によってはございます。

#174
○森本真治君 ちょっと、その中でちょっと確認したいのが、この度、総務省の中に有識者会議を設置しまして、公共放送の在り方について議論をされるということで、この間衆議院などでも御説明をいただいておるのを拝見させていただきました。
 大臣が直接この思いを述べられているところで、ちょっと私が特に大臣の思いとして感じたのは、例えば受信料制度の在り方などについてしっかり議論をしたいんだということで、是非それを検討していただきたいということがあったんだけれども、これ、局長さんの方の答弁だったんですけれども、NHKの三位一体改革についても議論をするというようなことがちょっと書かれていたと思うんですけれども、そのようなこともこの有識者会議で議論するんですか。
 ちょっと気になったのが、例えばガバナンスの問題などというのは、先ほどのお話にもあったけれども、これ、NHKの自浄能力というか、自分たちでまずは解決すると、どのようにしていくのかということが求められていて、総務省の方でもそのようなことについてNHKに対して言うことは、制度じゃないところですよね、ガバナンスの問題ですよね。これについても議論をして何らかの指摘ってできるんですか。

#175
○政府参考人(吉田眞人君) 今御指摘のあった有識者会議につきましては、これから様々な議論をしていただこうと思っておりますけれども、その中で、受信料制度の在り方とともに、私も三位一体改革ということにつきまして先般御答弁を別の場でさせていただきました。
 基本的にNHKは受信料で支えられます公共放送でございますので、その業務運営の在り方につきましては、やはり様々な、国民・視聴者の広い御意見があろうかと思います。また、それを体現するという形で、この予算案につきましても、大臣の意見として、これは放送法に基づくものでございますけれども、大臣意見を付させていただいておりまして、その中でもその三位一体改革について触れております。
 そのような観点から、私ども問題意識として、やはり今後、NHK次期中期経営計画もこれから作られるというふうに承知しておりますけれども、そういうことにおいて、私どもなりの問題意識というものをやはり何らか表明していくということもあっていいのではないかということで考えております。

#176
○森本真治君 ということで、ちょっとガバナンスのことなんかについても議論ができるんではないかということでございましたので、これはちょっと是非、大臣の方に、有識者の方にお願いをしていただきたいのが、ガバナンスの問題というのは、これは当然、NHKの今の、NHKだけではなくて経営委員会のガバナンスですね、このことについても、まあガバナンスだけではなくて、そもそも経営委員会に課せられた役割というものが今本当に機能しているのかどうかということですね。
 昨年の放送法の改正でも、経営委員会に課せられた義務というか、職務というものが追加をされているような状況もあって、しっかりと、やはりそこの部分がしっかりしないと、例えば経営計画、また予算もこれ経営委員会の方でしっかりと承認するということになっておるわけでございまして、しっかりと経営委員会の在り方についてもこの有識者会議の中で議論してもらうようにお願いしてもらいたいと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

#177
○国務大臣(高市早苗君) まず、有識者検討会では、非常に私の強い問題意識でもございましたが、通信・放送融合の時代を迎えて、受信料制度を含む公共放送の在り方などについて専門的な見地から御議論していただくことといたしまして、経営委員会に関しましては、昨年五月に成立した改正放送法で、中期経営計画及びグループの内部統制について議決事項とするなど、役割を強化したところでございます。
 ですから、有識者会議においては、まずはこれらの実施に向けた経営委員会の取組をしっかりと確認してまいりたいと存じます。

#178
○森本真治君 なかなか今日の段階ではそこまで踏み込んでいる答弁はちょっといただけなかったと思いますけれども、問題意識は是非御理解をいただいて、引き続きこの国会の中でも議論も続けさせていただきたいというふうに思っております。
 続いて、今の新型コロナウイルス感染拡大のことでちょっと確認だけさせていただきたいと思います。
 先般、新型インフルエンザ等対策特別措置法が改正をされて、国会の中でも様々な議論があったんだけれども、そのときに、指定公共機関として日本放送協会も位置付けられておりますが、そのときに、この対策本部の方での様々な総合調整や指示が及ぶ範囲ということについての議論がありました。これは、総務大臣の方でも、この放送法の第三条ですね、そこを超えてのこの総合調整や指示が及ばないというふうな答弁をされたというふうに私は理解しておるんですけれども。
 そういう中で、ちょっとNHKの方に是非これは確認させていただきたいんですけれども、今このコロナウイルス感染拡大が非常に深刻な危機的な状況を迎える中で、指定公共機関として、責務というか、やらなければいけないということが、備えをしっかりやっぱりしていただくことがもうこれ法律的に課せられていると思うんですけれども、今このコロナウイルス感染拡大の対応として、指定公共機関として今どのような対応をされているのかということを御説明いただきたいと思います。

#179
○参考人(木田幸紀君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス対策の特別措置法が成立したことを踏まえ、NHKは、指定公共機関として、そして公共メディアとして果たす役割を視聴者・国民の皆様に示すため、今月、三月二十四日に行動指針を策定し、公表しました。
 この中では、正確な情報を迅速に届け、安全、安心を守ること、経済社会活動への影響の軽減に貢献すること、必要な放送サービスを届ける機能の維持に万全を尽くすことなど、六つの柱を掲げております。この行動指針に基づいて、視聴者・国民の皆様の役に立つ放送サービスを届けるという使命を果たしてまいりたいと考えております。

#180
○森本真治君 現段階でも、私もNHKの番組を見させていただく中で、まさにこれは、本当に自主的に情報番組などでもこのコロナウイルス感染をテーマにして、国民の皆さんにしっかりと心掛けていただきたいこと、対応していただきたいことなどを特集で、それも連日、今放送していただいているということについては私も感謝を、国民の一人として感謝を申し上げたいと思います。
 今後更に緊迫した状況が発生した場合に、いろんなそれこそ放送法との兼ね合いなどもあると思いますけれども、政府なり行政ともしっかりと連携もこれはしていただきながら、その使命というものを果たしていただくということもお願いをさせていただきたいというふうに思っております。
 それともう一点、このコロナウイルス感染拡大の派生ですけれども、午前中もありました、東京オリンピック・パラリンピックが延期されたことによって、今回の令和二年度予算でも二百六十四億円の予算を組まれていたものが、これがどうなっていくのかという議論がありました。
 本当、この緊急、急遽ですね、オリンピックが延期になったことで、なかなかこれ予算の組替えというところまでの、当然、衆議院ももう終わって今参議院に来ている、このタイミングでなかなかそれを変更するということは難しいということは重々承知をしておりますけれども、その一方で、今回の予算というのは当初の編成の中でももう既に赤字予算ということで、大臣意見も、やむを得ない面があるものということを前提にいろんな指摘をされている。どちらかというと、まあ消極的とまでは言いませんけれども、今回、赤字予算だけれどもということで、大臣の意見もあるということですね。
 そして、今日も午前中とかにもありましたけれども、じゃ、この二百六十四億円というものが、もう既に今の段階で、年度が始まる前で、執行をどこまでされるのかということも今後だと思いますけれども、これは是非、やはり我々としては、きちんと予算を審議しなければならないという立場ですね、適正に編成をされているのか、これは不可抗力のところはありますけれども、社会情勢がこのようになってしまって、急遽ではありますけれども、本当に今のこの予算編成が適切ではないというのは、もちろんオリンピックがないんですからということは事実としてあるわけでございまして、今後やはり説明責任を果たしていただくという観点からも、早急に予算の見直しといいますか、ちょっと手続的なこともあるんですけれども、じゃ、オリンピックがなかった場合のしっかりとした事業計画、予算というものもやはりそれなりに立てていく必要があるんではないかと私は思っておりますが、NHKとして、そのようにオリンピックが延期された後のこの予算というものをもう一度どのように計画されるのか、これやっぱり国会にも示していただきたいと思うんですけれども、今後ですね、そのことについてのお考えをお伺いします。

#181
○参考人(前田晃伸君) 東京オリンピック・パラリンピックの延期に伴いまして、競技の中継や期間中のハイライト番組、関連したイベント等の経費の支出はなくなることになります。一方で、通常編成に戻すことに伴う定期番組の制作等の対応が必要となるほか、延期された大会に関連した番組や準備のための費用が掛かると見込んでおります。
 東京オリンピック・パラリンピック関連経費二百六十四億円の大半は令和三年度の支出に備えることとなると思います。支払が必要な経費や通常編成に戻すことに伴う定時番組の制作等に係る費用等は令和二年度の支出となります。令和二年度の予算の執行に当たりましては、こうした東京オリンピック・パラリンピック延期に伴う様々な影響を見極めながら、放送法に基づき、国会で承認された予算の範囲内で適切に執行してまいりたいと思います。

#182
○森本真治君 いや、だから、会長、多分、年度の途中でいろいろ、例えば受信料の徴収が思ったよりも収入が入らないとか、当然それはあって、最終的には決算で確認をするんだけれども、今回は予算の設定自体の前提がもう崩れてしまっているんですよ。これは別にNHKが悪いということではなくて、社会情勢が変化しているんだから、そもそものNHKとしての予算というものを、ちょっと手続的なところは抜きにしても、大体こういうふうに変わりますよというのは数字で示していただかないと、なかなか我々としても、今の段階でもうこれ、二百六十四億円もほとんどこのとおりにならないというのが分かっている段階で、予算を認めるということは難しくなってくるから、今後、四月以降でも結構なので、先ほど言われましたね、具体的な数字もおおよそやっぱり見当は付くと思うんですね、このまま残すとか再来年度に持ち越すとかというの分かるので、それを示してほしいということなんですけれども、これちょっと難しいですか。もう一度、会長、お答えください。

#183
○参考人(前田晃伸君) ちょっと直ちに数字をお示しするのはなかなか、申し訳ないんですけど、なかなか難しいと思います、個別のいろんなことを全部チェックしなきゃいけないものですから。先ほど申し上げましたとおり、放送そのものをまた作り替える必要もございます。ですから、ちょっとそこはお時間をいただきたいんでございますが、是非この事情を御理解いただきたいと思います。

#184
○森本真治君 ちょっと今日の段階ではなかなか明快なところが難しいということは分かりましたが、もう当初予算の前提が崩れているという状況の中で、引き続き事業の進捗はしっかりと見させていただくということを申し述べさせていただきたいと思います。
 ちょっとあっという間に時間なので、一問だけ。
 今回の事業計画の中でも一つやっぱりNHKとしてもしっかりとアピールするというか、なっているのは、やっぱりこのインターネット活用業務が新たにスタートすることを含めたデジタルサービスということが今後更に強化をされていくんだというふうに思うんですね。
 それで、このデジタルサービスに係る予算とそのうちのやっぱり人員に掛けるお金ですね、人件費の方に掛かるお金というのがどのぐらいあるのかということを教えていただきたいのと、一つこれ提案なんですけれども、今例えば政府の方でも地方創生とか新たな産業を地方に創出するというようなことを努力をしているんですけれども、特にこの情報通信分野とかデジタル分野というのは決して東京にいなくてもできるわけですね。やはりそのような部署はしっかりと各地方の局の部分に配置をして、そこでしっかりとこのデジタル分野についての事業をしていく、そのことがこの地域貢献にもつながるし、地方への雇用創出や産業の創出にも私は波及効果も含めてつながると思うんだけれども、そのことについての会長のお考えをお伺いしたいと思います。

#185
○参考人(前田晃伸君) デジタルサービスにつきましては、専門に担当している職員のほか、ニュースや番組の制作などを担う職員がデジタルサービスを兼ね業務を行っているケースがたくさんあります。インターネット活用業務に関わる人数は、業務量などから、おおむね百八十人程度になると見込んでおります。
 二〇二〇年度予算における当該人件費につきましては、二十八億円でございます。内訳は、国内インターネット活用業務が二十五億円で、そのうち、二十二億円がニュース、災害情報の発信、三億円が常時同時配信業務等でございます。このほかに、国際インターネット活用業務が三億円となっております。
 なお、これらとは別に、東京オリンピック・パラリンピック関連で九千万円を計上いたしております。
 常時同時配信などの業務に必要な要員は、既存業務の見直しなどによりまして要員を再配置して確保しておりまして、二〇二〇年度もデジタル関連部門に増員を実施する予定であります。
 今後も、必要に応じて要員の再配置などを進めていくとともに、デジタルに精通した人材の採用や育成の強化にも取り組んでまいりたいと思います。

#186
○森本真治君 終わります。

#187
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 今日は、まず資料を御覧いただきたいと思いますけれども、これ、財政安定のための繰越金の推移、見通しということでございます。
 NHKの繰越金、いわゆる財政安定のための繰越金は、毎年、見ていただくと分かるとおり、収支改善金が毎年ほぼ繰り入れられておりまして、結果として、この十年で平均して一千億円の繰越金というのが発生をしております。これはもう御案内のとおり、平成元年から衛星放送が始まりまして、衛星受信料収入、これが財源を確保したと言えると思いますし、様々な御努力があったと思います。受信料は、いろいろありますけれども、基本的には右肩上がりになってきているということであります。
 そこで、まず、私もこのコロナウイルス感染症の件でお伺いしたいと思うんですけれども、やはりこのNHKという公共放送を国民の、視聴者の皆様に感じていただくには、この業務はもちろんでありますけれども、経営ということでも国民の皆様、視聴者の皆様にNHKを感じていただくということが大変重要ではないかというふうに思っております。
 今、このコロナ感染症への対応で大変な困難に直面している方々に、これだけの繰越金が積み上がっている今だからこそ可能な思い切った支援をやはり検討していかなければならないのではないか。多額の繰越金、これひとえに受信料のおかげということであります。これにつきましては、午前中も議論が既にございました。
 改めて確認ですけれども、総務大臣も、今日ではありませんけれども、前に、NHKの受信料について、このコロナ感染症対応ということで、その不払でサービスが停止されることはありませんと、また、延滞料、延滞利息も、支払期限から四か月は発生しないことも周知してもらいたいという御発言もなさいました。NHKとしても、専用の相談窓口を設けて、支払が困難な方々の相談を受けて対応しているということも承知をしてございます。
 ただ、今、与党といたしましても、私自身も、今日午前中、そうした打合せ、意見交換しましたが、このコロナの影響により著しく業績が落ち込んでいる企業に対して、国税や地方税、あるいは社会保険料、これについて大胆な納税、納付の猶予ということを今検討してございますし、特に税に関しましては、いわゆる延滞税というものは課されるべきではなく、また、納付能力の要件についても大幅に緩和していくと、こういう方向で今検討を進めております。
 先ほど、大臣の要請を受けて減免も検討されるというお話がなされたと思いますけれども、改めてお聞きしたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症により著しく影響を受けている個人、事業者に対して、例えば受信料の免除でありますとか、少なくともこの延滞利息が四か月というのは、今、税の方で一年ぐらいを延滞利息なしでやろうというふうにしていることからしても、もっと思い切った負担軽減ということが必要ではないかと、このように検討すべきではないかと思いますけれども、まず会長の御所見を伺います。

#188
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりまして、多くの世帯や事業所が影響を受けていることは承知いたしております。NHKでは、新型コロナウイルスにより影響を受けた皆様からの受信料のお支払に関する御相談の窓口を三月二十五日より開設し、支払期限の延伸などに関する御相談をお受けしています。また、事業所の契約につきましては、一年間支払がないと割引を受けられなくなりますが、この割引の解除期間の緩和などの措置を講じております。
 新型コロナウイルスの感染拡大が急速に進み、未曽有の状況となっていることも踏まえまして、高市総務大臣から要請がございました旅館やホテルなど中小企業者向けの受信料負担の軽減につきましては、前向きに検討をさせていただきます。
 また、政府の検討や取組なども参考にしながら、免除の条件、要件や範囲、規模の検討を急ぐとともに、協会の財政への影響も見極めた上で、NHKとしての対応をスピード感を持って積極的にお示しできるように取り組んでまいりたいと思います。

#189
○西田実仁君 大臣にお聞きしたいと思いますけれども、今会長からお話がございましたが、租税というのは、言うまでもなく租税債権って非常に重いものですけれども、それについても猶予をし、さらには延滞利息も取らないというようなことを今与党としても考えているわけですね。当然、それは、NHK受信料は公共料金とは言い切れないけれども、しかし、租税に比べれば当然、優先というか、順位は低いわけですけれども、その一番重い租税ですらそのぐらい減免あるいは負担軽減を大胆にやろうとしていることからすれば、NHKの受信料についても、それよりも下回るということはあり得ないのではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

#190
○国務大臣(高市早苗君) 新型コロナウイルス感染症が拡大する中でございますので、とりわけ旅館、ホテルを始めとする中小企業、中小事業者の経営に対する影響が深刻化しております。
 そこで、昨日でございましたが、前田会長にお目にかかり、この受信料の負担軽減についてのお願いを正式にさせていただきました。今ほども前向きな、御検討いただけるという答弁がございました。
 この支払猶予期間の延長ですとか受信料の減免につきましては、放送法の規定によって、NHKが受信規約や免除基準を定めて総務大臣の認可を受けることとされておりますので、NHKからこれらの変更認可申請がなされましたら、迅速に対応したいと存じます。

#191
○西田実仁君 公益財団法人の新聞通信調査というところが毎年メディアに関する全国調査というのを行っております。第十二回が昨年の八月から九月にかけて行われたわけでありますけれども、これ、二〇〇八年に始まって以来、ずっとこの情報信頼度という点ではNHKテレビが第一位を占めてきました。昨年初めて、これが新聞に第一位の座を譲ったということがございました。
 これについてどう受け止めておられるのか、会長にお聞きしたいと思います。

#192
○参考人(前田晃伸君) 報道された内容は承知いたしております。メディアにとりまして信頼は何よりも大切なものと考えておりまして、視聴者の声や様々な調査を真摯に受け止めながら、視聴者・国民の皆様の信頼を得られるよう、放送とサービスの不断の向上に努めてまいりたいと思います。

#193
○西田実仁君 森下経営委員長は、NHKが公平公正、不偏不党、そして真実を伝える公共放送としての役割を果たすためには、編集権は会長にあるという認識を全役職員に徹底することはガバナンスの観点から極めて大切なことと、先ほども委員会の質疑でお話がございました。
 この編集権が会長にあるというのはもちろんですけれども、私もメディア出身で思うことは、番組制作の自由もないと、これは編集権が会長にあるのは当然なんですけど、現場で作る人の思いということも、両方ないと、もちろん放送の自主自律というのは維持されないんだろうというふうに思います。すなわち、このガバナンスという内部統制と番組制作の自由ということのこの調和をどう図っていくのかということが大変大事でありまして、それこそがまさに放送の自主自律ということにとっての要であろうというふうに思います。
 この放送業界におきましては、民放におきましても、例えば過去いろんな問題が起きたときに、その検証のために設置した外部調査委員会なるものが例えば倫理・行動憲章を制定したり、あるいは良心に反する業務から番組制作者を守るため、番組制作現場からの救済の申立てにも対応する放送活性化委員会というものを設置することを提言したりということがかつてございました。
 そこで、今日は、NHKの中にも放送現場活性化会議というのがあるやに聞いておりまして、私が考えるその放送の自主自律、これを堅持していくには番組制作の自由と内部統制の調和が大切という意味でも、この放送現場活性化会議ということは重要な役割を果たすべきものではないかというふうに思っておりますが、この会議がいつ何のために設置をされたのか、その構成員、また、これまでの開催数についてお聞きしたいと思います。

#194
○参考人(木田幸紀君) お答えいたします。
 放送現場活性化会議は、現場で十分な議論を経た上でなお制作、取材に関する問題提起があった場合、問題の経緯や原因等を調査報告することで放送現場の活性化に資することを目的に一九八九年一月に設置したものです。会議は、放送総局長を座長に、考査室長、そして座長が指名する関係部局長などで構成します。
 なお、番組制作に当たり、放送現場では日常的に活発な議論が交わされており、結果的に会議の開催には至っておりません。

#195
○西田実仁君 八九年一月に設置をされてもう三十年余りであります、三十年ぐらいですけれども、今のお話ですと、これまで三十年間、一回もこの放送現場活性化会議というものが開催されてこなかったというお話だと思います。
 三十年間、こういう放送現場活性化会議が開かれてこなかったのはなぜか、先ほどちょっと一行ぐらいお話があったと思いますが、もう少し詳しく教えてください。

#196
○参考人(木田幸紀君) 番組制作に当たって、放送現場では、提案段階、企画の提案段階とか制作過程、あるいは放送後などに、様々な段階で日常的に活発な議論を行っております。
 放送現場活性化会議というものは、放送現場の活性化に資する補完措置として位置付けられたもので、開催すること自体を目的としているものではありません。各職場で様々な議論を真摯に積み上げてきたことで、放送現場活性化会議の開催には至っていないものというふうに承知しております。

#197
○西田実仁君 だから、これは要らないじゃないですか、会議。なぜあるんですか。

#198
○参考人(木田幸紀君) 繰り返しになりますけれども、これは補完措置として、様々な議論を積み重ねていった上での補完措置としての機能を位置付けて置いてあるものでございます。この開催に至っていないことは、日常的に活発な議論が行われていることの証左であろうというふうに考えております。

#199
○西田実仁君 これ、でも、なぜ八九年一月にできたんですか。背景を教えてください。

#200
○参考人(木田幸紀君) これは、一九八九年一月四日に、当時の組合からの要求を受けて設置した業務レベルの会議であります。
 当時、やはり取材、制作に関わったスタッフ及び職員との間でのいろいろな議論が必要であろうということが背景にあったというふうに考えております。

#201
○西田実仁君 結局、目的はそうでも開かれてこなかったということで、考えられるのは、今現場でいろいろ議論が活発になっているからこの会議にかけるまでもなかったという御説明だったと思いますけれども、考えられる理由としてはまずそれが一つですね。
 もう一つ考えられるのは、やっぱり会議体そのものが機能していないので、問題が、じゃ、八九年につくられた前にいろいろありました。その後もいろいろ社会問題になることもありました。途中で辞めちゃった職員の人とかもいるわけですし、全く、現場での積み上げがあって、何も会議にかける問題が一つもなかったからというのは、なかなかこの三十年間の歴史を見たときに考えにくいと正直、率直に思います。
 そういう意味で、この会議体そのものが本当に機能しているのかという問題提起をしたいというふうに思います。今いろいろ取り上げられている問題についても同様な面があると思いますけれども、こうした名前にあるとおり、現場の活性化ということに資する放送現場活性化会議というものであれば、そういう、まあ名前はともかくとしてでも、そういう機能というものは、NHKの業務、受信料、ガバナンスというこの三位一体改革にとって私は必要ではないかというふうに思います。
 しかし、これまで、正直言って、三十年間、どんなにすばらしい職場で積み上げてこられたのか、私もつぶさにはもちろん存じ上げませんけれども、何か問題あっても、結局、こういう会議体を設置しても、そこにかけてこられなかったということ自体は、この会議が本当に要らないのであればもう別にやめればいいと思いますけれども、こういうものが補完的にせよ必要であるとするならば、それがこれまで開かれてこなかった、もっと率直に言えば、機能してこなかったということを率直に見詰め直して、どういうふうにすれば経営陣と職場の皆さんとの対話がよくできて、より自主自律のNHKになるのかということを考えていくことこそ大事なんじゃないですか。会長にお聞きしたいと思います。

#202
○参考人(前田晃伸君) 私も、委員御指摘のとおり、私は現場第一主義でこれまでやってきましたし、今後もやっていきたいと思っております。
 改革を進める上で、役員と職員が対話や意見交換を通じて意思疎通を図ることは極めて重要であると認識しております。
 現在、各部局で年一回以上、役員と職員との対話活動を行うことにしておりまして、昨年度は全国で八十六回、三千五百人余りの職員が参加いたしております。また、全職員を対象に、仕事や職場、上司、経営、処遇への意識を調査する職場環境評価をずっと毎年実施いたしておりまして、それぞれの職場でその結果を共有、分析して職場の改善に取り組んでおります。また、労働組合とも毎年、放送担当の役員が出席する会議を開催し、広く放送に関する問題について意見交換を行っております。
 引き続き、現場第一で、現場での自由闊達な意見を尊重し、様々な機会を捉えて役員と職員の間の距離を縮めてまいりたいと思います。

#203
○西田実仁君 是非、その中でこの活性化会議なるものをどういうふうにして位置付けていくのかということも御検討をいただければというふうに思います。
 最後に、会長にお聞きしたいと思いますが、NHKという特殊法人の経営というのは大変難しいんだろうというふうに思います。労使の信頼による民間企業的な経営を目指すのか、それとも公務員的な制度による経営を目指していくのかと、そのどちらでもないからこそ、特殊法人であり、そこに難しさがあるんだろうというふうに思います。
 しかし、この頑張る努力目標を掲げるのも大事なんですけれども、もっと何をするかというのを明確にしていかないと、なかなかこの曖昧さの中で、居心地はいいかもしれませんけど、何でもかんでもやるわけにいきませんでしょうし、かといってこれだけやればいいということでもないと思いますが、そういう難しいこの特殊法人の経営をされていく中で、今後どういう明確な目標を掲げていくのか、そして、曖昧になりがちなNHKという特殊法人の経営を今後どうかじ取りをしていくのか、それを最後お聞きしたいと思います。

#204
○参考人(前田晃伸君) お答えします。
 NHKは、公共放送、公共メディアとして、放送法の精神にのっとりまして、正確で迅速なニュースや質の高い多彩なコンテンツをお届けし、信頼される情報の社会的基盤としての役割を果たすことを目指しております。
 そのために、NHKの役割を表す公平公正や地域社会への貢献など十四の経営指標を設定し、世論調査で視聴者の皆様の期待度とそれに対する実現度を測ることによりまして、三か年経営計画とNHKが追求する六つの公共的価値の進捗を評価しております。
 六つの公共的価値というのは、正確、公平公正な情報で貢献すること、安全で安心な暮らしに貢献すること、質の高い文化の創造、地域社会への貢献、日本と国際社会への理解の促進、教育と福祉への貢献、この六つの公共的価値の追求でございます。
 経営資源が限られる中、今後も公共放送、公共メディアとしての役割を果たし続けるために、業務に優先順位を付け、効率的で効果的な業務運営を行うことによりまして、労働環境を守りながら、職員がモチベーション高く働き続けられるような組織運営に努めてまいりたいと思います。

#205
○西田実仁君 終わります。

#206
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、NHKの予算審議ということで、前田会長を始め関係の皆様に伺いたいと思います。
 まず、前田会長に伺います。
 本年一月に会長に御就任され、約二か月が経過をいたしました。会長は、民間の金融機関での御経験が長く、これまでとは違うお立場でもあり、御苦労も多いかと思います。前田会長は、就任の記者会見の冒頭で、公共放送の使命を果たすためにしっかりと軸のぶれない組織運営をしていきたいと、こう表明をされました。
 そこで、お聞きしたいと思いますけれども、公共放送の使命とはどのようなものであるのか、認識されているのか、まずお伺いしたいと思います。

#207
○参考人(前田晃伸君) お答えします。
 NHKの設立目的は、放送法第十五条で、公共の福祉のため、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内放送を行うとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うことと規定されております。
 公共放送でありますNHKは、放送法を踏まえ、公共の福祉のため、広く視聴者・国民の皆様の負託に応え、自主自律を貫き、公平公正、不偏不党を堅持して、豊かで良い放送を行い、これによりまして、視聴者・国民の皆様の知る権利に応え、信頼される情報の社会的基盤の役割を果たしていくものと考えております。
 放送と通信の融合時代におきまして、放送を太い幹としつつも、インターネットも効果的に活用し、公共メディアとしてしっかり期待に応えてまいりたいと思います。

#208
○山本博司君 ありがとうございます。
 多くの国民の受信料を財源として成り立っているのがNHKでございます。今お話ありましたとおり、放送法の理念に基づいて、国民の知る権利と健全な認識の発展に寄与するようにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 NHKの令和二年度の予算では、受信料の値下げを実施するなど、事業収支は約百四十九億円の赤字となる見込みとのことでございます。赤字予算は二年連続でございますけれども、この赤字解消にどのように取り組むつもりなのか。また、これ以外にも様々な課題が山積しておりますけれども、解決していかなくてはならないと思います。
 そこで、会長に伺います。会長就任以来初めての予算でありますけれども、予算への基本的な考え方、お伺いしたいと思います。

#209
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 基本的には、このNHKの予算制度は、収支はバランスするということだと思います。ただ、私は、そうは言っても、単年度で常にバランスするというのは、これだけ変化が激しい時代におきましては、誠に申し訳ないんですけど、ちょっとやっぱり長期的に見ていただきたいと思います。
 特に、今回の場合のように受信料を値下げするというようなことになりますと、赤字決算を組まないと下げられないというような会計上の問題もございますので、ここら辺は、基本的には、バランスさせていくというのは、私も銀行員ですので赤字は好きでございませんので、基本的には、黒字にしたいんですが、ちょっと、二、三年の範囲でバランスさせるというような少しの弾力性をお許しいただきたいと思います。

#210
○山本博司君 ありがとうございます。
 四月から三か年の経営計画が最終年度を迎えるわけでございますけれども、令和三年度からの次期経営計画についてもこれから議論が始まると思います。放送をめぐる社会環境の変化に柔軟に対応していただくとともに、こうした受信料の公平負担を徹底して、事業の効率化に取り組んで、この赤字額を減らす努力、努力をしていただきたいと思います。
 それでは次に、新型コロナウイルスの感染防止対策に関して伺いたいと思います。
 今月の十二日に、総務大臣が、NHK国際放送に対しまして、新型コロナウイルス感染症に関する国内の最新の状況に特に留意すること、こういう要請をいたしました。この要請に限らず、我が国の事実に基づいた最新の情報をNHKのテレビ、ラジオ、国際放送によって発信をするということは、海外滞在の日本人の方や、また外国人観光客にとってもとても有益な情報源になると思います。また、今インターネットで様々な情報があふれております。国内放送においては、正確な情報を迅速に伝えることで国民の安心感につながると思います。
 そこで、こうした新型コロナウイルス関連の情報発信にどのように取り組むのか、お聞きしたいと思います。

#211
○参考人(木田幸紀君) お答えいたします。
 新型コロナウイルスをめぐって、NHKでは、命と暮らしを守る報道の使命を果たすため、テレビ、ラジオ、インターネットと、あらゆる伝送路を使い、最新の情報や支援策など、海外を含めて連日お伝えしているほか、視聴者の疑問や不安に応える番組を編成するなど取組を強化しております。
 令和元年度の国際放送の実施要請の変更の要請につきましては、内容を検討した結果、これを応諾した場合でもNHKの番組編集の自由を確保できると判断し、今月十三日に応諾の回答を行いました。
 新型コロナウイルス対策の特別措置法が成立したことを踏まえ、NHKは指定公共機関として今月二十四日に行動指針を策定しました。また、その行動指針の英語版も公表したところであります。この中では、正確な情報を迅速に届け、安全、安心を守ることのほか、六つの柱を掲げております。
 NHKとして、NHK全体として、この行動指針に基づいて視聴者・国民の皆様の役立つ放送サービスを届けるという使命を果たしてまいります。

#212
○山本博司君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 次に、オリンピック、パラリンピックに関して伺います。
 新型コロナウイルスの影響で、東京オリンピック・パラリンピック、おおむね一年程度延期となりました。昨日、七月二十三日に東京オリンピックの開幕日、またパラリンピックは八月二十四日開幕ということが決定したわけでございますけれども、大会までのスケジュールや施設とか人材確保、こうした運営面に加えまして、この大会の主役となる選手の、代表選手などの競技面においても課題が山積をしており、様々な影響が懸念をされます。
 午前中にも議論がございましたけれども、この東京オリンピック・パラリンピック競技大会につきましては、NHK予算におきましても、五十六年ぶりの自国開催ということで最高水準の放送サービスで提供すると、こういうことを目指しておりました。
 これから放送内容等の変更等、様々な見直しが必要になってくると思いますけれども、しかし、この機を、延期の決定のこの機を捉えまして、開催までの機運を更に高める質の高い番組を是非とも提供していただきたいと思います。
 そこで、今後どのように見直していくのか、会長にお聞きします。

#213
○参考人(前田晃伸君) お答えします。
 NHKといたしましては、東京オリンピック・パラリンピックの延期の決定を受けまして、放送サービスの見直しや事業運営に与える影響などの検討、精査に着手したところでございます。
 昨日、東京オリンピックにつきましては来年七月二十三日に開幕することなどが発表されましたが、延期された大会の詳細についての大会組織委員会やIOCなどの議論を注視しながら、放送サービスを適切に実施してまいります。
 NHKといたしましては、延期されましたこの大会につきましても、引き続き最高水準の放送サービスを提供することを目標に掲げ、公共メディアとして適切に準備を進めて、視聴者の皆様の期待に応えてまいりたいと思います。

#214
○山本博司君 大変御苦労は多いかと思いますけれども、是非内容の充実を目指していっていただきたいと思います。
 次に、人に優しい放送サービスの充実に関して伺います。
 共生社会の実現に関しまして、高齢者や障害のある人など誰もが快適に情報を入手できるよう、この放送分野における情報アクセシビリティーの確保、これ大変重要でございます。
 総務省が平成三十年四月に公表しました放送分野における情報アクセシビリティに関する指針では、字幕の付与や解説放送、手話放送についても数値目標が定められておりまして、更なる拡充が必要でございます。
 特に、我が党が提案してまいりました国会中継における字幕放送、平成三十年十月より本会議の総理の所信表明演説で実施、実現ができたわけでございます。こうした字幕放送の一層の充実に是非とも努めていただきたいと思います。
 また、音声認識による字幕制作システムの研究であるとか、また、新たな解説放送サービスやコンピューターグラフィックスを用いた手話アニメーションのこうした技術研究、これも早期の実用化を目指して推進をしていただきたいと思いますけれども、こうした人に優しい放送サービスの充実に向けての取組、お伺いをしたいと思います。

#215
○参考人(木田幸紀君) NHKでは、二〇一八年二月に策定された放送分野における情報アクセシビリティに関する指針にのっとり、字幕放送、手話放送、解説放送の拡充に取り組んでおります。
 具体的には、字幕放送に関しましては、令和二年度の総合テレビにおいて、普及目標の対象となる午前六時三十分から二十四時三十分の間の番組では九八%程度の番組に字幕を付与する計画です。手話放送につきましても、令和二年度は地上波において一週当たり四時間程度の放送を計画しております。副音声で情景描写などをコメントする解説放送は、令和二年度は百六番組で実施する計画です。いずれも拡充して、継続して拡充に努めていきたいと思います。
 また、技術開発の面では、高齢者や障害のある人など誰もが快適に御覧いただけるための人に優しい放送サービスをインターネット、ICTも活用して構築することを掲げ、研究開発をしております。気象情報の手話CGの研究や自動音声認識字幕付与装置の実験を一部の地域放送局で行うなど、取組を進めております。
 今後も、どのような課題があるか、公共放送として今可能なのか、引き続き検討を重ね、全ての視聴者が見やすく、聞きやすく、分かりやすく、安心して視聴できる人に優しい放送サービスの充実に努めていきたいと考えております。

#216
○山本博司君 やはり視覚障害の方々の解説放送や、また聴覚障害の方々の手話を含めて、是非とも研究も含めて人に優しい放送サービスに取り組んでいただきたいと思います。
 次に、受信料の負担軽減ということで伺いたいと思います。
 平成三十年四月から、公益性の高い社会福祉施設への受信料の免除の対象が拡大をされました。この件につきましては、私も、平成二十八年の十一月、また平成二十九年三月、この当委員会で質問したほか、公明党が長年訴え続けてきたことが実現をしてきたわけでございます。
 この受信料免除拡大の対象事業は、小規模保育や、病児保育や、手話通訳、介助犬訓練、小規模多機能居宅介護など、保育、介護、障害福祉など二十五事業、約二万事業所、この総額免除額は年間約二億円になるわけでございます。
 先日、新たに対象となった愛媛県松山市のこの小規模保育事業の施設を訪問させていただきました。お会いした理事長からは、年額一万六千円、BSも含めて約三万円の受信料ではございますけれども、こうした小さな声に配慮していただいて本当にうれしいと。また、一昨年の西日本豪雨災害、愛媛県も被害ございましたけれども、不安な中、NHKのテレビの災害情報を必死に見詰めましたと、テレビの必要性を実感しましたという声もいただいた次第でございます。
 また、受信料免除の対象になっていることを知らない施設もあるかもしれません。こうした対象施設への周知が求められますけれども、NHKに確認しましたら、現在、約一万事業所、年間一億円の利用にとどまっているということでもございました。
 やはり受信料の免除を受けるには申請が必要でございます。こうした施設への周知、しっかりと行っていただきたいと思います。また、親元などから離れて暮らす奨学金を受給している学生等にもこの受信料の免除制度が導入されておりますけれども、こうした方々への周知も大変重要でございます。
 こうした周知の必要について見解を伺いたいと思います。

#217
○参考人(松原洋一君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、受信料の免除については、その対象となる方に対して周知を徹底するということが大変重要であるというふうに認識をしております。
 このため、社会福祉施設や奨学金受給対象等の学生への免除の実施に当たっては、これまでもテレビのスポットやラジオ、あるいはダイレクトメールの送付、それから関係団体等への協力を得ながら周知を行ってきたところであります。
 引き続き、免除の対象の方に周知が行き届くように、関係団体等への協力要請も含めて御案内の徹底に努めていきたいというふうに考えています。

#218
○山本博司君 是非ともこの点、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、災害報道に関して伺います。
 地震や台風などにより毎年のように災害が多発しております。また、南海トラフや首都直下型地震、三十年以内に起きる可能性は七〇%とも言われておりまして、今後の災害への備えがとても重要でございます。
 先日、NHKの総合テレビで東日本大震災から九年目の節目としての特別番組がございましたけれども、大変すばらしい内容でございました。これまで災害で明らかになった数々の課題や教訓を決して忘れることなく次の災害に生かせなければ、命を守ることができません。
 今回のNHK予算の資料には、安心、安全を守るために、防災・減災報道、緊急報道を充実し、被災地の復興を支援すると書かれておりました。
 一昨年の西日本豪雨災害の被災地では、ラジオの役割も大変大きかったという声もお聞きしております。テレビ、ラジオ、インターネット、それぞれの特性を生かして、日頃よりこの防災・減災に取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、災害からこの国民の命を守るNHKの役割とは何か、こうした災害報道の充実に向けて具体的にどのように取り組むのか、お聞きをしたいと思います。

#219
○参考人(木田幸紀君) 令和二年度の予算、事業計画でも、安全、安心を守るため、防災・減災報道や緊急報道を充実し、被災地の復興を支援することを重点事項の一つに挙げております。
 委員御指摘のように、昨年の台風十五号や十九号の際には、停電などの影響でテレビやインターネットを見られない方々に情報をお届けするため、ラジオで被災した方々に必要なライフライン情報を放送するとともに、番組内で今知りたいことや伝えたいことを募集して内容を紹介しました。テレビやインターネットでも、自治体ごとの詳しい被害の状況やライフライン情報など、各地の放送局と本部が連携して、被災地の放送局をその他の放送局が支援するなどして地域に密着した情報を伝え続けました。
 引き続き、テレビ、ラジオ、インターネットなどそれぞれの特性を生かしながら、早めの避難の呼びかけや、被害の状況、ライフライン情報を始め、被災した方々に寄り添って生活の支援や再建に必要な情報などをきめ細かくお伝えしていきます。
 また、令和二年度は東日本大震災から十年目という節目に向けた一年になります。力強く復興を進めている姿や、教訓や課題の検証など、ニュースや番組で被災した方々に寄り添いながら様々な角度からお伝えしてまいりたいと考えております。

#220
○山本博司君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、この常時同時配信サービスに関して伺います。
 今月一日よりインターネットで常時同時配信を行うこの新サービス、NHKプラスの試行が始まってからおよそ一か月が経過をしました。明日から本格的なスタートになりますけれども、この放送と通信の融合、今後の大きな可能性を秘めております。そうしたときだからこそ、民業圧迫になるのではないかとか、費用の更なる圧縮に努めるべきではないかとか、経営改革が必要ではないか、そうした課題の解消に向けて積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 その意味で、会長におかれまして、冒頭申し上げました公共放送の使命を改めて考え、新たなこの常時同時配信サービスに取り組んでいただきたいと思いますけれども、スタートに当たり、どのような姿勢で取り組むのか、最後にお聞きしたいと思います。

#221
○参考人(前田晃伸君) お答えいたします。
 インターネットが暮らしに急速に普及をした現在、放送だけでなくインターネットも適切に活用し、視聴者の皆様に公共性の高い放送番組や情報などのコンテンツを視聴できる機会を拡大することはNHKの使命であると考えております。
 NHKプラスは、その役割を果たすための重要な手段と位置付けております。放送を見逃したときや、友人との会話やSNSで話題になった番組を見たいと思ったときに、スマートフォンなどのモバイル端末で、いつでも、どこでも、何度でも、それぞれの場所や環境、スタイルで番組を御覧いただき、日々の暮らしに一層役立てていただきたいと考えております。また、放送の視聴につながってもらえばと期待をいたしております。
 放送と通信の融合が更に進む中、放送を太い幹としつつも、インターネットを適切に活用することによりまして、信頼される情報の社会的基盤の役割を果たしてまいりたいと思います。

#222
○山本博司君 以上で終わります。
    ─────────────

#223
○委員長(若松謙維君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、西田実仁君及び吉田忠智君が委員を辞任され、その補欠として安江伸夫君及び蓮舫君が選任されました。
    ─────────────

#224
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。
 今日はNHKの予算の審議ということで、NHKの公共放送としての役割というのは一体何なのかということを、ちょっと大きな概念ではありますけれども、この点についてお伺いをしてまいりたいというふうに思います。
 その前に一つ、先般、総理の会見がありました。二十五日でしょうか、なんですけど、これが質疑に入って途中で打ち切られたんですね。これ、衆議院の方でも総務委員会で議論されたということが聞いておりますけれども、非常に残念だったという意見をたくさんいただきました。
 例えば高校野球、当然その後にニュース番組をやらなければいけないという編成上の都合があったというのはよく分かります。ただ、今この新型コロナウイルス対策が何よりも重要なことでありますし、またその中で、この国のトップである総理が何を言うのかというのは極めて重要な情報だというふうに考えております。甲子園の放送も、ニュースの時間帯になると教育テレビの方に番組が移行して続けるというようなことがなされているというふうに存知をしております。
 是非、この新型コロナウイルス対策において、重要な情報、適切な情報、これをしっかりと国民の皆様にお届けいただけるように、まず要請を申し上げたいというふうに思います。答弁は求めません。
 先般、NHK見ていまして、まあNHKでいろんな番組やっているんですね。非常に面白いなと思った番組がありまして、マウンティング講座というのがあるんですけど、これ、大臣、御存じですかね。余り御存じないですね。マウンティング講座というのをやっていたんですよ。これ、ちょっと面白さを表現するのなかなか難しいんですけど、四人ぐらいの広告代理店の会議のシーンがあって、誰がマウントを取れるのかということを解説するという講座、番組だったんですね。私、忙しかったんですけど、二十分ぐらいちょっと見入ってしまって、ああ、すごいなというふうに思いました。本当に面白いなというふうに思ったんですね。
 ただ、それと同時に、私は面白いなというふうに思って単純に見入っていたわけでありますけれども、これ、公共放送NHKとしてどういった番組を流すのが本来の役割を果たしているということになるのかなということも考えたところであります。多くの国民の皆様が今のNHKの現状に満足していないという状況があると思います。そのうちの一つは、NHKがこの公共放送としての役割を果たしていないんではないかといったところ、これがあるんではないかというふうに考えています。
 これ、翻って公共放送とは一体何なのかということ、概念でありますけれども、これ、NHKウエブサイトによりますと、公共放送とは営利を目的とせず、国家の統制からも自立して、公共の福祉のために行う放送ということがあるんですね。じゃ、この公共の福祉というのはどこまでが公共の福祉になるのかといったところ、これは極めて漠然として曖昧になっているわけであります。
 また、NHKの番組の基準による分類の中では、番組を幾つかの基準で分類しているわけですけれども、教養、教育、学校放送、児童向け、報道、スポーツ、芸能、娯楽というふうに分類がされているわけですけれども、どこからどこまでがこの公共の福祉に当たるのかといったこと、これは極めて漠然としている中でこの番組作りがされているということだと思います。
 私は、今NHKを抜本改革しなければいけないという中で、本来この公共放送NHKが制作して国民の皆様にお届けする番組の内容というのはどうあるべきなのかという、この公共放送の在り方、これをもう一度しっかりと仕分をすること、明確化すること、これがこのNHKの抜本改革には欠かせないんではないかというふうに考えています。
 その上で、前田会長にお伺いしたいんですけれども、前田会長は、中期経営計画を先頭になってまとめるということをおっしゃっています。その中で、NHKらしさを追求するんだというキーワードを出されているわけですけれども、じゃ、会長の考えるこのNHKらしさというのは一体何なのか、これ端的にお答えいただければと思います。

#225
○参考人(前田晃伸君) お答えします。
 端的と言われると大変難しいんですけど、これ自分で考えたんですが、NHKらしさとは、NHKの存在価値そのものでございまして、受信料を財源とすることによりまして、特定の利益や視聴率に左右されず、社会生活の基本となる確かな情報や豊かな文化を育む多様な番組をあまねく提供する役割を果たすということでございます。民間がやっていることをまねするとかそういうことではなくて、NHKでなければできないことを追求していこうというのが本音でございまして、それをNHKらしさということで一応キーコンセプトにしたいと思っております。
 ちょっと漠然としておりますけど、公共とその他を分けるというのは大変至難の業でございまして、放送法でもかなり幅広く規定されていますので、特定の価値ではないという意味ではそういうことなんですが、やっぱりNHKらしさ、NHKというのはやっぱり公共放送ですので、そっちの方に向いていこうというのがメッセージでございます。

#226
○柳ヶ瀬裕文君 誠実な御答弁をありがとうございます。
 ただ、今会長おっしゃったように、このNHKらしさを規定するというのは極めて難しい作業だと思うんですけど、ただ、それにちゃんとしっかりトライしていただきたいというふうに思うんですね。それをしなければ、じゃ、NHKがやるべきこととやらなくてよいことの仕分はできないというふうに思います。ですから、そこをこの中期経営計画の中でもこれしっかりと表現をしていただきたいということを申し上げたいと思います。
 私たち維新の会は、このNHKの改革のコンセプトを提案をさせていただいておりまして、ちょっと読み上げさせていただきますけれども、防災情報などの公共性の高い分野は無料化して、スマホ向け無料配信アプリを導入していくと。有料部分は、放送のスクランブル化と有料配信アプリを導入すると。民間にできる番組は民間に委ね、災害時の緊急放送や報道等に番組内容を限定し、公共性の高いコンテンツを視聴する機会を広く国民に提供するべきであると。これ、公共NHKと私たちが呼んでいることですね。それ以外の分野は民放事業者との公正な競争環境の下で競い合うべきだということで、これ、民間NHKというふうに私たちはちょっと区分して考えているわけです。
 本来、公共放送NHKがやる部分と、民間でもできる、でもそれをNHKはやってもいいと思います。これ、民間NHKと言われている部分に私たちはこれを仕分をして分割して、民間でできることは民間に、民営化していくという手法、こういった抜本的な考え方、改革、これを是非検討いただきたいというふうに思うんですけれども。
 高市大臣はこのNHK改革にかなり思いを持っていらっしゃるというふうに存知しております。是非、高市大臣の下でこれから開かれる検討会でも、こういった大きな、抜本的な、本当に抜本的な仕分という改革に取り組んでいただきたいというふうに思いますけれども、見解を伺いたいと思います。

#227
○国務大臣(高市早苗君) 御党の案をそのまま受け止めるかどうかは別として、NHKの改革ということについては強い思いを持っております。それは、国民・視聴者の皆様の受信料によって成り立っておりますから、業務の効率化、合理化もしていただかなきゃいけませんし、これからの時代の変化に合った改革、これも、放送・通信の融合の時代の中で受信料をどう考えていくか、こういったことにまずは取り組んでまいりたいと思います。
 その公共NHKと民間NHKですか、そのお話ですが、NHKには公共放送として、現在の放送法上でございますが、広告主の意向や視聴率にとらわれない豊かで良い番組を放送することによって文化水準の向上に寄与すること、また、地方向け番組の提供などが求められております。
 現在、NHKでは、報道番組や教養番組を始め、豊かで良い番組を放送することで公共放送の基本的な役割を果たしていただいておりますので、今直ちにNHKを分割・民営化すべきとは私は考えておりません。

#228
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。誠実な御答弁をありがとうございます。
 受信料制度について抜本的に取り組むんだという御意欲がすごいよく分かります。ただ、私は、先ほどの合理化ということも含めて、じゃ、どうやって合理化するのかということを考えたときには、やっぱりNHKが本来果たすべき役割とは何なのかというこのコアなコンセプトをもうしっかり明確化しなければ、これは形上の合理化をしても意味がないというふうに思います。
 また、規模の問題が議論されているわけですけれども、今、七千億で、これが五千億がいいんじゃないかとか、自民党の議員の方の中でもこういったことをおっしゃる方がいらっしゃるわけですけれども、この規模の議論をするときも、規模ありきではなくて、やっぱり内容から精査をして、それに見合った適正な規模というのはどれくらいなのかということを議論していくというのが本筋ではないかというふうに思いますので、是非この抜本的な議論をお願い申し上げたいというふうに思います。
 私は、このNHKの予算を審議するときに、やっぱりこれは最もゆゆしき問題ということで言わなければいけないなというふうに考えてきたのが、この苦情の問題ですね。いわゆるNHKの受信料を徴収するときに当たって非常に多くのクレームがあって、私の周りにも本当に嫌な目に遭ったという方がもう山ほどいるわけですね。その代わり、徴収率は上がっていますよ。徴収率は上がっている。でも、それと比例して、嫌な目に遭って、まさに、何というんでしょう、警察に駆け込んだとか、そういった事例ももうたくさん聞いているわけであります。
 この件に関しては、この委員会でも様々議論されてきました。これ、消費生活センターの方にもたくさんの苦情が来ているわけですけれども、去年、二〇一八年度八千件ですか、ということであります。これ、若干減少傾向ということでありますけれども、具体的事例として生活センターで挙げているものを挙げさせていただくと、独り暮らしを始めた未成年の娘が夜間に訪れた徴収員に受信契約を強要された。公共放送の勧誘員に指示され、衛星放送が見られないにもかかわらず衛星放送の受信契約を締結された。高齢の義母宅は公共放送の解約手続済みなのに、勧誘員が受信料が支払われていないとやってきたということであります。これは枚挙にいとまがないわけですよ、こういったクレームがですね。
 衆議院でこの現状に対してどうなのかといったときに、年間、月当たり三千件のペースが二千四百件に落ちているんだというような答弁をされていたなというのを見たわけでありますけれども、この現状についてどのようにお考えなのか、是非会長に御答弁いただければと。あっ、どうぞ。

#229
○参考人(松原洋一君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、ふれあいセンター等への苦情は、昨年度一か月当たり三千件から今年度においては二千四百件に減少をしているという数字になっています。
 中身については、訪問員の態度とか、先ほども指摘がありましたけど、説明不足、あるいは訪問時間等による苦情があります。訪問要員の対応に問題がある場合は、一件一件内容を把握した上で、必要に応じてNHKの職員が直接指導を行うなど、再発防止に努めております。
 この苦情の中には、訪問員に起因するものだけじゃなくて、受信料制度等への理解が少なくて、そういうクレームも含まれているということをひとつ御理解をいただきたいというふうに思います。
 減少傾向にありますけど、まだまだその訪問要員に起因するというところがありますので、そこは更に削減をしていかなければいけないというふうに思っています。
 引き続き、訪問要員の教育とか指導を徹底して、発生の抑止に努めていきたいというふうに考えています。

#230
○柳ヶ瀬裕文君 それは分かるんですけど、これ、だから、三千件が月当たり二千四百件になったということなんですけど、それでいいのかということなんですよ。でも、二千四百件でも、年間にすればこれ三万件近くでしょう。三万件のクレームを、今その徴収員の態度だけではないんだということなんですけれども、このトップの相談項目というのは徴収員の態度だというふうにこれは確認をしています。つまり、徴収員に極めて無礼な態度で不愉快なことを受けたと。不愉快ぐらいだったらいいですよ。ただもう本当怖くて仕方なかったというような、一人で暮らしている女性の方、特にですね、からのクレームを聞いているわけです。
 こういうことがやっぱりNHKのブランドを極めて大きく毀損してきたということは明らかです。明らかなんです。ですから、これは多少減少しているといっても、これは話になりません。こういったことはもう絶対に行わせないんだという、これゼロ件にするのは難しいかもしれません。でも、徴収率を上げるために多少こういうことがあってもしようがないんだというような態度であるわけにはいきません。
 是非、会長の方から、もうこれは、これからこういった事例があったならばもう辞任するんだというぐらいの決意を聞きたいわけですけど、会長、いかがでしょうか。

#231
○参考人(前田晃伸君) お答えします。
 そのようなことがないように教育指導をやってまいります。すぐ辞任しろと言われてもちょっと困るんですけど、一生懸命やりますので、どうか御理解いただきたいと思います。

#232
○柳ヶ瀬裕文君 やっぱり前田会長、新しく会長になられたということです。ですから、これは心機一転するチャンスですし、意識を大きく変えることのできるチャンスだというふうに思うんですね。
 僕は、NHK問題、今日もいろんなことがおっしゃられていて、もう大変勉強させていただきましたけれども、私は、この徴収の在り方というのはもう極めて根幹の問題、国民との信頼関係においてですね、だというふうに思っています。ですから、一度この態度を受けた人はもう周りに言いますよ、言いますよ。そこから不払につながっていく、で、何とか党ができてくるというようなことにつながってきたわけですね。ですから、これはもうゼロ件にするんだという固い決意をしっかりと持ってこの改革に取り組んでいただきたいということを申し上げたいというふうに思います。
 これは、やっぱり徴収をどうしていくのかというのは大きな問題で、これ、高市大臣がずっとおっしゃっているわけですけれども、やっぱりこの徴収の費用が七百億円程度掛かっているわけですね。ですから、七千億円の売上げに対して七百億円のこの徴収だけの費用が掛かっているということであります。こういった苦情の在り方と、この徴収のやり方、これをセットで考えて、やっぱりここをできるだけ低廉化していくということ、これが必要だというふうに思います。
 私は、ここで怒られることを思いながらも言ってしまうと、私は、まあ税にするということも検討から除外しないということが必要だというふうに思っているわけであります。もちろん、それは民間NHKと公共NHKということをしっかりと分けた上での考え方でありますし、またスクランブル化といったこともこれは真摯に検討していただきたいというふうに思いますけれども、大臣、この徴収費用は受信料収入の一〇・八%を占めているということで、これはもったいないので低廉化をすべきだということをおっしゃっているわけであります。
 この徴収の在り方について、じゃ、どうするのかということについて何かアイデアをお持ちであるならば、それをちょっと御披瀝いただければというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。

#233
○国務大臣(高市早苗君) 令和二年度の予算を拝見しますと更に増えておりまして、受信料収入の一一・一%を占める徴収費用になっています。これはやっぱりもったいないと思います。
 私としましても、この費用の低廉化、どんな方法があるのかなと、まだ結論は自分なりには出ないのですが、例えばマイナンバーカードを活用した電子手続化ということも一案だと思います。
 そこで、どっちみち通信・放送融合の時代でございますので、例えば、テレビチューナーが付いていない大型ビジョンが大変普及した場合ですとか、それから、テレビチューナー付いていないものを買っちゃっているんだけれどもNHKは見たいという方がいらっしゃったり、様々なニーズも出てきましょうから、受信料制度を含むこの公共放送の在り方というものを有識者会議に、これかなり思い切った対応でございますけれども、御検討、専門的に御検討いただくようにお願いしたところであります。

#234
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 是非その思い切った検討をしていただきたいというふうに思いますし、またこれは高市大臣にしかできないことなのかなというふうに思いますので、是非取り組んでいただきたいというふうに思います。
 ちょっと話は変わるんですけれども、先ほど規模の話をしました。七千億が妥当なのか五千億が妥当なのか、これは内容から決めるべきなんだということをお話ししましたけれども、やっぱりNHKの予算ということを見ていても、やっぱり一番大きい問題というか、はお金がもうだぶついちゃっていると、ちょっと悪い言い方しますけど、だぶついているというところに問題があるというふうに思います。
 これ、キャッシュフローを見ていくと、非常にこれびっくりしたわけですけど、このNHKのキャッシュフローというのは毎年度一千億円以上これ計上しているわけですね。一千億円のキャッシュフローがある企業というのはこれなかなかありません。売上げ七千億ですよね。平成三十年度は一千二百十六億円の事業活動キャッシュフローということであります。
 じゃ、そのだぶついたお金をどう使っているのかといったならば、給与水準も、極めて高い給与水準だと私は思います。これ一人当たり、単純に平均すると一千百二万円と。職員給与は一千百四十億円、職員数約一万人ということから割り返すと、これ一人当たりの給与額は一千百二万円ということになります。また、これ、原価となる番組制作費、これもNHKって桁外れですよね。例えば、日本テレビが平成三十年度の番組制作費が約一千、九百七十七億円なのに対してNHKは三千四百七十五億円ということで、極めて多額の番組制作費を掛けているわけですよね。
 でも、そういうふうにお金を使っても、多額の給与を払って多額の制作費を使っても、それでもお金が余って一千億円になっているということなんですよ。じゃ、その一千億円を何に使っているのかといったならば、毎年、有価証券を買っているわけですよね。毎年、大体これは五百億から七百億円規模の有価証券を買っているわけです。これ、毎年積み上がっている有価証券の平成三十年度末の帳簿価格は五千七百二十九億円ということで、巨額の資産を有しているのがこのNHKということであります。
 このNHKは、資産の大半を定期預金、政府系機関、高速道路会社の債券で運用しています。この集めたお金を事業に投資するということではなくて、証券で運用しているばかりか、その証券も実質的にはこれはほぼ現金に等しいような債券ばかりであります。ですから、これは受信料を現金でため込んでいるというふうにも言えるんではないでしょうか。
 これ、放送事業にこれだけ莫大な金額を使わないということであれば、これは受信料の値下げ、この原資として、もうしっかりと使っていくべきだというふうに考えますけれども、この点についてはいかがでしょうか。会長、いかがでしょうか。

#235
○参考人(松坂千尋君) お答えいたします。
 今委員が御指摘のように、NHKのキャッシュフロー、一千億を超えております。この事業活動におけるキャッシュフローというものは、受信料収入や、効率的な事業運営の結果である当期事業収支差金、それから、あまねく放送を行うために設備投資をしてきました固定資産の減価償却費などで構成されていまして、その範囲内で事業運営を行っているということであります。
 それから、有価証券についてお話がありましたけれども、この有価証券につきましては、翌年度の放送サービスに使う受信料の前受金ですとか、放送センター建て替えのための積立金などについて、実際の支払に充てるまでの間、少しでも有効に運用するため、そしてなおかつ安全性が高いということが非常に重要ですので、安全性の高い国債や政府保証債、譲渡性預金などとして保有しているということでございます。
 事業活動によるキャッシュフロー、保有している有価証券共に事業を適切かつ安定的に運営していくためのものであると認識しておりまして、御理解いただきたいというふうに思います。

#236
○柳ヶ瀬裕文君 御理解できないですよね。それだけ、一千億のキャッシュフローって、前田会長、民間出身ということでありますから、これがどれだけ巨額のものかということはよく御存じだというふうに思います。それを有価証券にしていると、安定的だからということ、それはそのとおりなんでしょう。ただ、もうこれは明らかにお金がだぶついているという、外形的に見てそうですよ、明らかに。
 これ、それだけではなくて、例えば子会社、NHKの子会社もお金がだぶついちゃっているんですよね。利益の剰余金、子会社の利益の剰余金でありますけれども、これ毎年毎年の利益を積み立てたお金でありますけれども、これが、平成十六年度は七百三十五億円でありましたが、そこからうなぎ登りに上って、平成三十年度で九百六十四億円ということで、子会社の、子会社のですよ、利益剰余金が約一千億円あるということなんですよね。
 これは、総務大臣はこれに対してしっかりと意見を言っていて、これ適正な規模に努めるべきということをおっしゃっているわけですけれども、じゃ、例えばこの子会社の利益剰余金の適正な規模というのをどのように考えているのか、NHKに伺いたいと思います。

#237
○参考人(板野裕爾君) お答えいたします。
 子会社の利益剰余金につきましては、最大の株主という立場からも、NHKが適切にコントロールし、NHKの財政への貢献をすることが適正だと考えております。
 利益剰余金の扱いにつきましては、これまでも自主的に内規を作り、運用してまいりました。また、これに加えて、放送法が改正をされまして今年一月に施行されたことや、総務省から新たなガイドラインが示されることを踏まえまして、経営委員会による内部統制関係議決において、利益剰余金の協会への還元の在り方の考え方を明らかにした上で、執行部による関連団体運営基準に配当方針を明記して、ホームページ上でも公表しているところでございます。
 具体的には、関連団体運営基準に次のような内容を新たに記載をしております。子会社の配当につきましては、財務状況、事業計画、株主構成などを勘案し、NHKと協議の上、実施、規模を決定する。普通配当は、原則当期純利益の五〇%とする。当期純利益が事業計画を上回る場合は、その超過分の八〇%を配当に充てる。経営、資金両面が比較的安定している子会社については、事前に協議の上、特例的に大型配当を随時実施する。大型配当は、関連団体の維持発展に必要な内部留保を除いた剰余金を原資とする。
 こうした利益剰余金への考え方と配当方針を明らかにすることで、子会社の利益につきましてはNHKに還元し、ひいては視聴者の受信料負担を軽減することにつなげてまいることを明確にした次第でございます。

#238
○柳ヶ瀬裕文君 ちょっと時間があと二分ぐらいなんですけど。
 これ、例えば積立金なんかも、子会社はもうずっと使っていない積立金が、十年以上同じ金額が留保されているとかという案件も幾らでもあります。つまり、子会社もだぶついているんですね、お金が。また、そういった関連団体とのNHKの取引ですけれども、これも、特命随意契約、まあ特命とは言わないのかな、随意契約の割合が九〇%超ということになっています。
 この随意契約については、もうずっとまた高市大臣もこれは指摘をしてきたわけですけれども、これ変わらないですね。変わっていないでしょう。だから、大体、随意契約の割合は九三%ということで、二十七年度、大臣が指摘されたのは、多分、二十八年度には大臣はこの在り方を、適正化を進めていくんだということをおっしゃっているというふうに思いますけれども、そこからもこの随意契約の割合というのは、NHKと関連団体とのですね、九二・七%、平成二十七年度、平成二十八年度九三・五%、平成二十九年度は九二・六%、三十年度は九二・五%ということで、もうほとんど変わりません。
 つまり、これずっと問題は明らかなんですね。問題は明らかで、その当時のNHK会長も総務大臣も、これ問題だと、適正化すべきなんだということを言ってきたけれども適正化されてこなかったという事例ですよ。じゃ、それが今回の中期経営計画でちゃんと適正化されるのかということなんですけれども、時間がなくなりましたので、大臣に、これしっかりと適正化していくんだという決意をお伺いしたいと思います。

#239
○国務大臣(高市早苗君) NHKと子会社との取引の財源というのは、その多くが私たちの受信料でございます。NHKによる子会社などへの業務委託の金額が近年増加しておりますし、業務委託のうち随意契約の占める比率が非常に高い水準となっております。
 それで、昨年秋に総務省がガイドラインを公表させていただいて、業務の効率性を確保するため、業務委託について適正かつ明確な基準を設けることが適当だとさせていただきました。NHKの方でも対応を進めていただいておりますけれども、このガイドラインの趣旨を踏まえて業務の効率化を十分に図るように促してまいります。

#240
○柳ヶ瀬裕文君 終わります。

#241
○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。
 二〇二〇年度NHK予算について質問します。
 二〇二〇年度予算は、NHK二〇一八から二〇二〇経営計画の最終年度となる年であり、また、インターネット常時同時配信が始まる年の予算となります。したがって、単年度の経費の使い方と併せて、中長期的な在り方の検討も求められると思います。
 さらに、経営委員会が日本郵政グループの抗議を受けてNHK番組の内容に介入し、NHK会長を厳重注意するという前代未聞の事態が明らかになるなど、NHKの番組及びNHK経営の自主自律が厳しく問われる中での予算の承認案件となっています。
 まず、午前中の議論を受けて、質問順番を変えて、かんぽ不正販売問題に係る番組への介入問題について聞きたいと思います。
 資料を用意いたしました。午前中から議論になっている朝日新聞、二十六日付けの記事です。ここにありますように、下から三段目ですかね、上田会長は、NHKとしては本当に存亡の危機に立たされることになりかねない、また、リードの部分では、経営委員会の厳重注意に強く上田会長が反発していたと報じられています。この記事にあるような上田前会長の発言があったことを、午前中、難波議員の質問に対して森下経営委員長は認められました。
 ところが、二十四日にNHK経営委員会が提出した公表資料には、かんぽ不正販売問題を取り上げた番組、「クローズアップ現代+」について、インターネットの情報は偏っているので、番組の作り方に問題があるのではないかとか、一方的になり過ぎた気がするなどは記されてはいるものの、先ほどの上田前会長の発言、NHKの存亡の危機に立たされることになりかねないとの発言は一切触れられていません。
 なぜこの公表資料には、NHKとしては本当に存亡の危機に立たされることになりかねないという、上田会長、当時の発言が記載されていないのですか。経営委員長、お答えください。

#242
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 二十四日、今月二十四日に郵政三社からの申入れに関する経営委員会での一連の対応の経緯について公表いたしました。それは、一年前にガバナンスについての議事経過を公表いたしましたが、その内容とガバナンスについては同じでありますが、その中で上田会長の発言が五点ほど整理してありました。一応、基本的には上田会長の趣旨を全部そこに出したということで考えて、私どもとしてはその五点を議事経過のところに載せてありました。
 その中に先ほどの発言がなかったということでありますが、私どもは、会長はそういう発言されたんですが、あくまでも私どもはガバナンスの観点で、編集権及び回答がないということで注意をしたという、それに関して抵抗なさったということでございます。

#243
○伊藤岳君 委員長、午前中の難波議員の質問に対して、この上田前会長の発言は表に出ると危機に立たされることになるというふうに思って言ったと言われましたが、なぜ表に出ると危機に立たされるんですか。

#244
○参考人(森下俊三君) 午前中私がお話ししましたのは、あくまでも会長はそう考えられたのではないかということで回答いたしました。
 経営委員長以下経営委員は特段、大事なことは基本的にガバナンスのことであるので、そういったことについては特段意見は述べなかったということであります。

#245
○伊藤岳君 いや、森下委員長は、なぜ表に出ると危機に立たされると上田前会長が思ったと思われるんですか。そこを聞いているんです。

#246
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 これは、あくまでも私は会長がそう思ったのではないかと推測しただけでございますけど、一応非公表の中で、相手があることで議論をした内容が出ると、もしそれが問題ではない、問題になるのではないかと、そういうように解釈されたのではないかというように私は思いました。

#247
○伊藤岳君 表に出ると危機に立たされるって、これはかなり重大な推測ですよ。だから、これは放送法に抵触するというふうに森下経営委員長も感じられたから言われたんじゃないですか。
 当時の会長がNHKの危機になりかねないと訴えているんです。この経営委員会の中での議論で、言わば最も重大な発言ではないですか。日本郵政からのクレームに対するNHKの対応についての意見交換だったのであれば、郵政側の意向に沿って会長を注意すればNHKとしては本当に存亡の危機に立たされることになりかねないというのが上田前会長の発言であれば、議論のど真ん中ちゅうのど真ん中の発言ではないですか。
 繰り返して聞きます。なぜこのど真ん中の会長発言が、これまでの野党ヒアリングの中でも、その後の議事経過でも、二十四日の公表資料でも一切なぜ出ないんでしょうか、経営委員長。

#248
○参考人(森下俊三君) 昨年の十月に議事経過を公表いたしました。その中で、会長の発言が五点整理してありました。その時点での議論もそうですが、先ほど言いましたこれが外に出ればという発言については、経営委員としては特に重大だと思っておりませんでしたので、それは入れていないということでございます。一応、会長の発言として大事なことの五点は、議事経過の中に昨年の十月から載せているとおりでございます。

#249
○伊藤岳君 森下委員長、経営委員会の中で、この公表資料は経営委員会の合意の下に公表されましたが、上田会長のこの発言が記載されていないことについて、経営委員の誰からも異論が出ませんでしたか。

#250
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 出ませんでした。ありませんでした。

#251
○伊藤岳君 異常だと思いますね。議事録を出せ出せと言われて、ようやく公表資料のようなものが出てきました。そして、今日、朝日の記事が出たら、その記事のような発言はあったと今日渋々認められた。全て後追いじゃないですか。そして、隠蔽じゃないですか。
 森下委員長、これでは経営委員会の議論を隠蔽していると言われても仕方がないと思いますが、認識はどうですか。

#252
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 そうは思っておりません。

#253
○伊藤岳君 問題をすり替えないでいただきたいと思いますね。
 当時のこの上田会長の発言の経緯も含めて、「クローズアップ現代+」の番組についてのやり取りの全文、いよいよ出すべき必要が出てきたと思います。経営委員会の議事録全文の提出が必要だと思いますが、提出していただけますか、委員長。

#254
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 二〇一八年十月二十三日の経営委員会における郵政三社からの申入れ及び会長への注意に関するやり取りにつきましては、外部からいただく手紙やそれに関する対応として慎重に対応する必要があること、自由な意見交換と多様な意見の表明を妨げるおそれが考えられることなどから、議事録を非公表といたしております。
 今月十日の経営委員会で、改めて当時の非公表を前提として行った意見交換に関する議事録の扱いについて議論いたしましたが、その結果、当時の議事録を公表することになりますと、非公表の前提を覆すことになり、今後の経営委員会の運営に支障を来すことが考えられますので、経営委員会の総意として公表しないことを確認をいたしました。

#255
○伊藤岳君 繰り返しますが、NHKの存亡の危機になりかねないというこの上田前会長の発言、なぜこれからの経営委員会の支障に来すことになるんですか、教えてください。どう支障を来すんですか。

#256
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 私としては、別に支障を来すとは考えておりません。それは、先ほどお話ししましたように、会長がもしそういうことをおっしゃったらそうだろうと推定してお話ししただけで、私は全然そういうふうに思っておりませんし、経営委員会としても、その当時の、昨年の十月ですね、この議事経過を議論したときも、要するにガバナンスの観点で二点、編集権の発言の話と回答が遅いという、それについて注意すべきだという議論をいたしまして、特にそういう、先ほどの発言に関しての意見は一切出ませんでした。

#257
○伊藤岳君 上田前会長もこういう発言をしているわけですから、しかも、先ほど森下委員長はその上田前会長の発言をお認めになったわけでしょう。出せるじゃないですか、そのやり取りの部分。出してくださいよ。繰り返し求めます。どうですか。

#258
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 私は、会長がそういうようにおっしゃったのを推測しただけでありまして、私ども経営委員会としては、経営委員は別にそれがNHKの存亡の危機だという認識は特にありませんでしたし、そういった意味では、先ほど何度もお話ししましたが、今年の十月もですね、十日の日もですね、議論して、非公表ということでまた改めて確認させていただいたということですので、御理解のほどよろしくお願いいたします。

#259
○伊藤岳君 理解なんか全くできませんよ、委員長。だって、あなたは、先ほど難波議員の質問に答えて、朝日新聞の記事は事実だと認めたわけでしょう。認めたら公表するのが当たり前じゃないですか。何で公表できないんですか。もう一度聞きます。公表してください。

#260
○参考人(森下俊三君) お答えいたします。
 先ほどお話ししましたのは、会長が存亡の危機だという発言があった、そういった発言があったということを、ありましたという話ししただけでありまして、そういった意味で、そのところを御理解いただきたいというふうに思います。

#261
○伊藤岳君 全く本当に理解ができません。
 当時の上田会長が経営委員会から厳重注意を受けるに当たって、そうなればNHKとしては本当に存亡の危機に立たされることになりかねないと抗議の発言をしたことは、今日の委員会の中で少なくとも明らかになりました。経営委員会のやり取りが放送法第三十二条及び第三条に違反することだからこそ上田会長が非常な危機感を持ってこの発言になったことは、もう今日テレビを御覧の皆さん、全て分かったんじゃないでしょうか。
 上田前会長から直接話を聞く必要がいよいよ出てきたと思います。
 委員長に理事会で御協議いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#262
○委員長(若松謙維君) 後刻理事会にて協議いたします。

#263
○伊藤岳君 大臣にこの件で伺います。
 大臣意見の中で、議事録など協会の組織、業務及び財務に関する基礎的な情報等の提供が制度化された、自ら説明責任を適切に果たしていくことなどが述べられています。
 先ほど吉川委員の質問に対して、省令改正も視野に入れると答弁をされましたが、踏み込んだ発言だと思います。同時に、省令改正されたとしても、今回の議事録は対象になりません。
 NHK経営委員会に議事録の全文の提出を、そして説明責任が果たされていないということ、果たすべきだということを改めてしっかり求めていただきたいと思います。いかがでしょうか。

#264
○国務大臣(高市早苗君) 先ほどの吉川委員への答弁は、確かに総務省が想定をしていなかった答弁でございます。踏み込んだ答弁だったと思いますが、私は必要な改革だと考えておりますので、是非ともNHKにおかれましてはスピーディーに改革の対応を進めていただきたいと思っております。
 今回の件でございますが、今月の二十四日に、一連の経緯を説明する資料を取りまとめ、公表をされました。それを私も拝読したんですが、その内容については恐らく読まれた方によって様々な評価があると思います。ただ、経営委員が、経営委員会が今月の十日、そして二十四日と時間を掛けて議論してまとめていただいたものだと思いますので、私は経営委員会の判断を尊重したいと考えております。
 ただ、やはり私どもの、皆さんの受信料で運営されているNHKでございますので、今回、非公式ということを前提に経営委員会がある一定の時間議論をされたということでこのような事態が起きたんですが、今後、やはりできるだけこの放送法の理念に立って、より透明性の高い御議論をいただき、そして公表をしていただくということが重要だと思います。
 今回の件に関しては、二十四日の資料で、私は、これ経営委員会の御判断でございますので、尊重したいと考えております。

#265
○伊藤岳君 私、公共放送としての役割や価値が投げ出されたような、重大な、まさに危機的な事態だと思っています。改めて議事録全文の提出を強く求めていきたいと思います。繰り返しこれからも質問していきたいと思います。
 次に移ります。
 NHK番組の公平公正、正確、迅速に対する世論調査について聞きます。
 NHKは、経営計画の重点方針の達成状況を測る世論調査というものを行っています。この世論調査では十四の経営指標について調べていますが、この中の公平公正の指標は期待度と実現度の差が二〇一八年七月調査の十倍に広がりました。正確、迅速な情報の提供の指標は期待度と実現度の差の開きが更に大きくなっています。
 NHK会長に聞きます。
 公平公正、正確、迅速な情報の提供は、公共放送としての公共的価値の柱を成すものだと思います。なぜ、国民・視聴者の期待と実現度に差があり、広がってきているのだと思われますか。

#266
○参考人(前田晃伸君) お答えします。
 NHKでは年二回、公平公正、正確、迅速な情報提供など十四の指標に対しまして、視聴者の皆様の期待度とそれに対するNHKの実現度を評価いただく世論調査を実施いたしております。この期待度と実現度のギャップを縮めていくことが公共放送の機能を高めることにつながると考えております。
 二〇一九年七月の調査結果では、公平公正の期待度と実現度の差は二・九、正確、迅速な情報提供につきましては七・五でございます。
 意見が対立する問題を取り扱う場合には双方の意見を伝えるなど、公平公正な放送を目指すことや、正確、迅速なニュース、番組を放送することは、公共放送として基本的な姿勢であると考えます。今後とも、このギャップがなくなるように経営をしてまいりたいと思います。

#267
○伊藤岳君 繰り返しますが、今、NHKの公共的価値が問われていると思います。
 常時同時配信、インターネットの常時同時配信についても、例えばインターネットの特性上、自分に都合の良い情報だけを見る傾向が強くなったり、また事業者側が個人の嗜好に沿ってレコメンドすることからフィルターバブルといった現象が発生するなど、公共空間の維持が困難になりやすい問題があります。
 そうしたインターネットの世界の中でNHKがその役割を果たすとすれば、NHKが流すものは公平公正で正確、迅速な情報の提供をしているということを、私たち国民からの信頼だと思います。これが揺らいでいるということに真剣に向き合うことが今NHKには求められているということを強く指摘をしておきたいと思います。
 最後に、オリンピック、パラリンピックの延期に伴う対応について聞きます。
 NHK二〇二〇年度予算では二百六十四億円の関連予算が計上されています。そのうち、スタッフの滞在費用などロジスティックを除いた番組制作そのものの経費は幾ら計上されているのか、また、この番組制作費用分、経費分は、延期に伴う新たな通常番組制作費分に充てるということになるのか、お答えをいただきたいと思います。

#268
○参考人(松坂千尋君) お答えいたします。
 オリンピック・パラリンピック関係予算のうち番組制作に関する予算は、二百六十四億円のうち二百十三億円を見込んでおりました。令和二年度のこの東京オリンピック・パラリンピック関連で支出を見込んでおりました番組制作費につきましては、一部を通常編成に戻すことに伴う定時番組の制作などに充てるほか、延期された大会に関連した番組ですとか、準備のための費用は掛かるというふうに見込んでおります。
 その一方で、残りのかなりの部分は支出されませんので、これ、令和三年度の支出に備えることになるというふうに考えております。
 来年度予算の執行に当たっては、東京オリンピック・パラリンピック延期に伴う影響も見極めながら、国会で承認された予算の範囲内で適切に執行してまいりたいと考えております。

#269
○委員長(若松謙維君) 時間が参りましたので、おまとめ願います。

#270
○伊藤岳君 共同の報道によれば、一千時間近い放送枠の番組の差し替えになると言われています。国民・視聴者が知りたい、役立つ情報を配信する、是非そういう観点から番組編成をお願いして、私の質問を終わります。

#271
○委員長(若松謙維君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#272
○柳ヶ瀬裕文君 私は、日本維新の会を代表して、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件、いわゆるNHK令和二年度予算案に対し、反対の立場から討論いたします。
 反対の第一の理由は、必要以上に蓄積された剰余金に見られるNHKの肥大化であります。
 NHKの経営は国民・視聴者からの受信料収入を財源として維持されているにもかかわらず、NHKの純資産は年々増加し、約七千六百億円を超え、さらには財政安定のための繰越金も一千億円を超える状況に至っています。また、NHKの子会社についても、剰余金の額がこの十年間で四割強も増加し、九百億円を超えております。
 NHKは、早急に抜本的な受信料の引下げなど、受信料を負担した国民・視聴者への還元を積極的に行っていく必要があります。
 我が党は、公共放送として役割をよりコアな部分に絞り込み、公共NHKとその他の民間NHKとに分割する改革案を提示しており、このような役割、業務の見直しにより受信料の大幅な引下げが可能となるものと考えます。
 第二の理由は、まさにそのための業務、受信料、ガバナンスを聖域なく抜本的に見直すことがNHKにおいて全く進んでいないことにあります。
 我が党は、放送と通信の大融合時代におけるNHKの経営ビジョンの提示を重ねて求めてまいりましたが、前田会長からは、今年の夏頃までに次期中期経営計画の案を先頭に立ってまとめ、NHKらしさの追求をキーワードにする旨の発言がなされるにとどまり、その具体的なビジョンは依然として示されておりません。
 NHKから具体的な経営ビジョンが示されず、肥大化が放置された現状のままでは、NHK予算案を認めることはできません。
 我が党は、多くの国民・視聴者が望んでいる放送のスクランブル化を含め、NHKの改革について引き続き議論をリードしていく所存であります。
 最後に、NHKの経営が国民・視聴者からの受信料収入を財源として維持されていることを深く自覚し、早急にNHKとしての経営ビジョンを提示することを強く求め、反対討論といたします。

#273
○伊藤岳君 私は、日本共産党を代表して、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件、いわゆるNHK二〇二〇年度予算の承認に対して反対の討論を行います。
 日本郵政グループによるかんぽ生命の不正販売によって、多数の国民に深刻な被害者が広がっています。NHKが視聴者・国民の知る権利に応え、これを報道することは公共放送としての重要な役割であります。
 ところが、NHK執行部は、二〇一八年四月の番組でこの問題を取り上げて放送しましたが、その後、日本郵政グループからの抗議を受け入れ、予定していた第二弾の放送を取りやめました。その上、経営委員会は日本郵政側の要求に屈して、NHK会長に厳重注意を行っていた事実が明らかになっています。
 経営委員会の行為は、放送番組は何人からも干渉されないとする放送法三条及び第三十二条に違反し、公共放送たるNHKの自主自律を脅かす重大なものであり、決して許されるものではありません。しかも、こうした会長への厳重注意の経過を、原則公開とされている経営委員会の議事録から隠すなどの隠蔽行為も行われています。
 こうした下、NHK執行部が編成し、経営委員会が最終決定した本予算に対して、事件の真相を解明し、責任を明らかにしないままに承認するわけにはいきません。二〇二〇年度NHK予算の承認に対しては反対とします。
 経営委員会が放送法を遵守し、職務を果たしていくことを強く求め、討論といたします。

#274
○委員長(若松謙維君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#275
○委員長(若松謙維君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 この際、森本君から発言を求められておりますので、これを許します。森本真治君。

#276
○森本真治君 私は、ただいま承認されました放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  政府及び日本放送協会は、公共放送の使命を全うし、国民・視聴者の信頼に応えることができるよう、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、経営委員会は、本委員会の審議を踏まえ、経営委員会の放送番組の編集への介入の疑念について、十分な総括と反省を行い、改めて、放送番組は何人からも干渉され、又は規律されることがないことを規定した、放送法第三条の放送番組編集の自由を十分理解し、その自由を侵害する行為はもとより、侵害を疑われる行為を絶対に行わないこと。
 二、経営委員会は、放送法が定める協会の自律性を保障するために、協会の経営に関する最高意思決定機関として重い職責を担っていることを深く認識し、協会が放送法に定められた役割を確実に果たすよう、権限を行使すること。
   また、協会は、国民・視聴者からの受信料でその運営が行われていることを深く認識し、その運営について、情報の十分な開示・説明を行うため、議事録の適切な作成・管理・公表を行うこと。特に、経営委員会は、その意思決定に至る過程等について、公表を原則に適切な議事録等の作成を行うこと。
 三、監査委員会は、放送法に基づく調査権限を適切に行使し、役員に不適切な行為がある場合、又は、公共放送の倫理観にもとる行為がある場合には、経営委員会と十分に連携しながら、時宜を失することなく厳格に対処すること。
 四、協会は、関連団体を含めた不祥事に対し、国民・視聴者から厳しい批判が寄せられていることを踏まえ、公共放送を担う者としての役職員の倫理観を高め、綱紀の粛正、コンプライアンスの徹底、再発防止策の確実な実施等を組織一体となって行うことにより、信頼回復に全力を尽くすこと。
 五、協会は、公共放送としての社会的使命を認識し、公正を保持し、事実を客観的かつ正確、公平に伝え、真実に迫るための最善の努力を不断に行うとともに、意見が分かれている問題については、できる限り多くの角度から論点を明らかにするなど、放送法の原則を遵守すること。また、国民・視聴者から寄せられる様々な意見に対し、必要に応じ自律的に調査し、その結果を速やかに公表すること。
 六、政府は、日本国憲法で保障された表現の自由、放送法に定める放送の自律性を尊重し、協会を含めた放送事業者の番組編集における自主・自律性が保障されるように放送法を運用すること。
   また、経営委員の任命に当たっては、その職務の公共性を認識し、公正な判断をすることができる経験と見識を有する者を、全国、各分野を考慮して幅広く公平に選任するよう努めること。
 七、協会は、業務の目的の明確化や業務改革等の不断の努力を通じ、受信料引下げ等を要因とする二年連続の事業収支差金の赤字を見込んだ予算編成から、早期の収支均衡を実現し、より安定した業務体制を確保するよう努めること。
 八、政府及び協会は、放送と通信の融合の更なる進展の中で、公共放送の在り方及び受信料の在り方について、真摯に検討を行うこと。
   また、その結果を踏まえ、政府は、所要の措置を講ずるとともに、協会は、新体制の下で次期中期経営計画を策定するに当たっては、繰越金の現状や今後の事業収支の見通し等を踏まえ、新しい社会と技術に対応した公共メディアとしての経営ビジョンを構築すること。
 九、協会は、受信料制度に対する国民・視聴者の理解を促進し、受信契約の締結は視聴者の理解を得た適正なものでなければならないことを認識した上で、公平負担の観点から、受信料支払率の向上に努めること。
   また、受信料減免の拡大について引き続き検討すること。
 十、協会は、常時同時配信等のインターネット活用業務を行うに際しては、その影響力の大きさを十分認識し、国民・視聴者のニーズや動向を的確に把握するとともに、民間放送事業者等の見解を幅広く聞きながら、関係者間での情報共有及び連携を図り、適正な規模・水準の下、節度をもって適切に実施すること。
 十一、協会は、各地域の関係者と様々な分野で連携を強化しながら、それぞれの地域ならではの魅力を紹介し、地域の活性化及び発展に寄与するコンテンツを充実するとともに、国内外に向けた積極的な発信に努めること。
 十二、協会は、我が国の経済・社会・文化等の動向を正しく伝えることの重要性を踏まえ、我が国に対する理解が促進されるよう、国際放送の一層の充実を図ること。特に、外国人向けテレビ国際放送については、番組内容の充実、国内外における認知度の向上等に努めること。
 十三、協会は、グループとしてのガバナンスを不断に強化し、子会社等からの適切な還元を図るとともに、重複業務の整理等を推進し、透明性の高い効率的なグループ経営の構築に向けて、迅速かつ確実に取り組むこと。
 十四、協会は、障がい者、高齢者に対し、十分な情報アクセス機会を確保し、デジタル・ディバイドを解消するため、字幕放送、解説放送、手話放送の一層の充実等を図ること。
 十五、協会は、自然災害が相次ぐとともに、新たな感染症が発生している現状に鑑み、いかなる事態においても放送・サービスが継続されるよう、地方局と連携し、放送設備と体制の強化を図るとともに、正しい情報を国民・視聴者に伝達し、その予防・拡大防止に寄与するよう万全を期すこと。
 十六、協会は、サイバーセキュリティ基本法に定める重要社会基盤事業者であること及び東京オリンピック・パラリンピックに向けてサイバー攻撃の脅威が高まっていることに鑑み、関係機関と緊密な連携を図り、サイバーセキュリティの確保に取り組むこと。
 十七、協会は、労働法制の改正を受けて、ハラスメント防止の事業主の措置義務を果たす取組を一層促進し、ハラスメントをなくすとともに、過労死の再発防止のため、協会の業務に携わる者の健康を確保し、適正な業務運営と労働環境確保に全力で取り組むこと。
 十八、協会は、障がい者の法定雇用率を達成し、雇用率を一層高めるとともに、職場での差別禁止や合理的配慮を徹底し、障がい者の働く環境の改善を進めること。
   また、女性の採用・登用について、より高い数値目標を設定し、性別に関係なく仕事と家庭が両立できる職場の環境改善を進めること。
 十九、政府は、新型インフルエンザ等対策特別措置法の指定公共機関である協会に対する同法に基づく指示については、報道の独立性及び国民の知る権利を最大限に尊重すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#277
○委員長(若松謙維君) ただいま森本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#278
○委員長(若松謙維君) 多数と認めます。よって、森本君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、高市総務大臣及び前田日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。高市総務大臣。

#279
○国務大臣(高市早苗君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいります。

#280
○委員長(若松謙維君) 前田日本放送協会会長。

#281
○参考人(前田晃伸君) 日本放送協会の令和二年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御承認を賜り、厚く御礼申し上げます。
 本予算を執行するに当たりまして、御審議の過程でいただきました御意見並びに総務大臣意見の趣旨を十分に生かしてまいります。
 また、ただいまの附帯決議は、協会運営の根幹を成すものでございますので、十分踏まえて業務執行に万全を期してまいりたいと考えております。
 本日はありがとうございました。

#282
○委員長(若松謙維君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#283
○委員長(若松謙維君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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