くにさくロゴ
2020/03/31 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 厚生労働委員会 第8号 令和2年3月31日
姉妹サイト
 
2020/03/31 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 厚生労働委員会 第8号 令和2年3月31日

#1
令和二年三月三十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         そのだ修光君
    理 事
                石田 昌宏君
                小川 克巳君
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                山本 香苗君
    委 員
                片山さつき君
                自見はなこ君
                島村  大君
                高階恵美子君
                羽生田 俊君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                本田 顕子君
                川田 龍平君
                田島麻衣子君
                田村 まみ君
                芳賀 道也君
                福島みずほ君
                下野 六太君
                平木 大作君
                東   徹君
                梅村  聡君
                倉林 明子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   加藤 勝信君
   副大臣
       厚生労働副大臣  稲津  久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       安居  徹君
       内閣官房就職氷
       河期世代支援推
       進室次長     黒田 岳士君
       内閣府大臣官房
       審議官      伊藤  信君
       文部科学省大臣
       官房審議官    蝦名 喜之君
       厚生労働省大臣
       官房総括審議官  田中 誠二君
       厚生労働省大臣
       官房高齢・障害
       者雇用開発審議
       官        達谷窟庸野君
       厚生労働省医政
       局長       吉田  学君
       厚生労働省健康
       局長       宮嵜 雅則君
       厚生労働省労働
       基準局長     坂口  卓君
       厚生労働省職業
       安定局長     小林 洋司君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  藤澤 勝博君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    渡辺由美子君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    谷内  繁君
       厚生労働省年金
       局長       高橋 俊之君
       厚生労働省人材
       開発統括官    定塚由美子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(そのだ修光君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 雇用保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長小林洋司君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(そのだ修光君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(そのだ修光君) 雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。

#5
○足立信也君 おはようございます。共同会派、国民民主党の足立信也です。
 もちろん雇用保険法等については質問いたしますけど、まずはやっぱり新型コロナウイルス感染症についてお聞きしたいと思います。
 うわさの類いかもしれませんが、東京にある某有名老舗ホテルが、四月、五月、予約は受け付けないという形で、政府が借り上げたといううわさもありますけれども、うわさですよ。これは、緊急事態宣言、あるいは病床に類似するものの確保、いろいろ捉え方はあると思うんですが、東京が今大変だということで、ロックダウンの可能性もある、この辺のことが今いろいろ騒がれております。でも、あらかじめ準備ということは極めて大切なことであって、この緊急事態宣言あるいは東京ロックダウン、このことについての現在のお考え、お聞きしたいと思います、内閣から。

#6
○政府参考人(安居徹君) お答えいたします。
 ホテルの借り上げにつきましては、各省庁に問合せいたしましたけれども、そのような事実があるとは現状承知しておりません。

#7
○足立信也君 承知していないと言って一日、二日でどうこうというのはよくあることでございますので。私は、かなり現実に近くなっている。昨日の医師会の記者会見もございましたし、十分私は準備の面で、これはもう一月から言っている話なので、もう二か月たちますので、こういう事態は想定の中に置いておかないと、慌てて慌ててというのがこの二か月間の私は印象ですので。
 そこで、クラスター、大分で院内感染中心に見られました。クラスター対策班の調査では、マスクや消毒を十分にやっていたから、集団院内感染の原因の一つが、電子カルテ入力に使うようなタブレット端末とかマウスなどの医療機器を介した接触感染の可能性があると、そういうふうに言われております。となると、これは、今の状況から考えるとあらゆる職種に関わってくる話で、影響は極めて大きいということで、準備が必要なわけです。
 そこで、先ほどのうわさの話ですが、これはいろんな方も、私もそうですが、軽症者、必ず入院して、あるいは無症状者、入院してやる必要性はないのではないかということになってくると、指定感染症の二類ということがやっぱり問題になってくるんです。
 健康局ですか、これ、もう東京もキャパシティーをオーバーしつつあると、あるいはしているのかもしれませんが、この指定感染症二類ということで陽性者は入院ということについては、これ、今の事態でも、あるいは今後の、次のステップのときでも見直しが必要となると思うんですが、この点についてはいかがなんでしょうか、入院についてですね。

#8
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の点は、陽性者だと入院させなきゃいけないというふうに今なっているということかもしれませんけど、例えば、まさにこれからの検討になると思いますけれども、無症候性とかでもPCR検査陽性が出てくる人出てきていますけれども、この辺のところは入院、できる規定ですので、まさに今議論されている宿泊施設のようなところを用意するかとか自宅にいてもらうかとか、そういうところは今基本的対処方針等でも、先日取りまとめられた基本的対処方針でもそういう方向を示させていただいておりますので、具体的には状況に応じて各地方自治体と御相談させていただきながらその辺を進めていくというような段取りになろうかと考えております。

#9
○足立信也君 そこで、冒頭申し上げたうわさのホテル借り上げの話が現実味を帯びてくるということだろうと思います。
 もう一つ、大分のことなんですが、これ、ついでに申し上げておきますと、この前の古川委員の質問や予算委員会の私の質問で、PCRの感度のことですが、これ、自衛隊中央病院、クルーズ船の感染者を診たわけですけど、そのデータ、これ医療従事者専用ページなのでなかなか皆さん御覧になれないかもしれませんが、感度ですね、感染者のPCRで陽性に出る感度七割だということが出ております。それに偽陽性ということもありますから、全体の信頼度、精度というものは推して量るべしだろうと思います。
 そこで、これも今までの委員会、予算委員会あるいはこの委員会でも何度も申し上げてきたんですが、緊急対応策で公費で見ると宣言して、その後保険診療だと、そして、特措法に新型インフルエンザ等と入れたことによって特別交付はありますけれども、やっぱり保険診療が主だと。この前の予算委員会の大臣の答弁も原則保険診療だと、そして、自己負担分は公費という答弁でした。これは間違っていると私はずっと言っているわけですが。
 例えば、大分でクラスターが見付かり、六百人を超える方々にPCR検査しましたけれども、私が問い合わせたところでは全部公費で県と市が見ているという話ですし、東京のある支援者の方は自己負担もあるというような話も聞いております。で、どっちなんだろうと。地方から見れば、保険診療にして一部院内で、あるいは外注でという話もあっても実際は地衛研にやってもらっていて、全部公費なわけですね。ここら辺がその土地土地によって違うのかなと、それじゃいけないなと思うんですが、もう一度、このPCR検査を含む治療費の公費の負担というのはどういう考え方になっているのか、もう一度確認したいと思うんですが。

#10
○国務大臣(加藤勝信君) PCR検査、大きく分けると二つあります。今委員御指摘のように、ある陽性者が判明をした、その周辺の濃厚接触者に対してPCR検査を行っていく、これは言わば積極疫学的調査の一環として実施をしていくというわけでありますから、これは当然公費、行政検査として今でも実施をしていく位置付けであります。他方で、診療の関係で帰国者・接触者外来に行かれた方が医師の判断でPCR検査が必要だと言われた場合にはそれは保険適用というのは、これは一つの、という分け方をさせていただいています。保険適用はするけれども、残りの自己負担分については公費で負担をすると。この大きな二つのフレームワークになっております。
 ただ、地域によって、なかなか民間の検査会社等のアクセスが余りうまくいかないところも正直あります。そういったところにおいては、言わば地衛研がその分を肩代わりしているという形で過渡期の運用がなされているということは承知をしておりますが、あるべき姿としては、今申し上げたように、積極的疫学調査についてはこれは行政検査で行う、いわゆる診療の一環として行うものは保険適用という、こういう整理をさせていただいているところであります。

#11
○足立信也君 地方によって違うという話もありましたが、その最初の感染者なんですね。大分の場合は、院内感染が広がりましたけれども、最初の感染者についてもあるいは業者についても、これは公費負担でやっているんですよ。だから、今の説明と違うんですね。
 だから、私は、それは全国決まった取扱いというのが大事だと思いますよ。その点はまだ揺らいでいるところがあると僕は思うので、是非統一的な公費負担、今、国がやらなきゃどうするんですかという気持ちが強いんですね。そこをもう一度確認していきたい、もらいたいと思います。
 もう一つだけコロナについてですが、オンライン診療、オンライン服薬指導がこの委員会でも取り上げられましたし、言葉も統一されましたし、診療報酬改定でもかなりオンラインで行われるようになりましたが、ここに来て経済団体あるいは医療者から、初診においてもオンライン診療を認めるべきではないかという意見がかなり強く出ています。これは、いきなり来られると、通院中の患者さん、持病のある患者さんに対してもリスクですし、もちろん診療所そのものに対してもリスクですし、あるいは、中には最近、陰性であることを証明してもらってこいみたいなことを言われて受診する方もいらっしゃるというようなことがあります。
 これは、オンラインの服薬指導はまだ初診からでも私、可能だと思いますが、オンラインの初診、診療の初診ということになると、一つ確実に言えることは検査はできないということだろうと思いますね。
 そこで、いろいろ意見はあるでしょうが、初診のオンライン診療ができない、あるいは余り望ましくない、その理由を挙げていただきたいんですが、いかがでしょうか。

#12
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 オンライン診療、もちろんその通院による感染のリスクを軽減しながら患者に対して必要な医療を提供するという効果のある反面、オンライン診療でございますから物理的な距離があり、行える診療が問診と視診、目で見る視診に限定されて重症者を見落としてしまう可能性がある、あるいは直ちに治療が必要な場合に対応が困難なことがあるということから、感染症患者などいわゆる急病急変患者の方々については原則として対面の診療を行うということにしているところでございます。
 なお、この問題、新型コロナウイルスへの感染を疑う患者さんへの診察について、今、初診からという御指摘いただいております。三月十一日に私ども検討会を開催いたしまして、医療の関係者あるいはオンライン診療の関係者に感染症の専門家も参考人としてお呼びをして検討会、公開で行わせていただきました。
 その中において、三点ほど一定の方向性をお示しいただいたんですけれども、対面診療を行うことによる感染拡大のリスクを踏まえても、オンラインのみで感染症の患者の診療を適切に行って治療を行うということは重症者や疾病の見逃しのリスクが大きいということから困難ではないかという方向をいただいております。
 一方、この検討会を踏まえまして、感染拡大を防止する観点からは、慢性疾患などを抱える定期受診患者については、想定される症状の変化の範囲内であれば電話やオンラインで診療、処方を可能であるという方向をいただきましたので、それについて三月十九日に自治体や関係団体に対して事務連絡をしております。
 あとは、三つ目といたしまして、同じく新型コロナウイルスの感染を疑われる患者さんに対する医療的な相談あるいは受診の勧奨につきましては、あらかじめ対面をして診療していない場合であっても、電話やオンラインで行うことが可能であるという方向をいただきました。
 医療機関の受診を迷われている方については、これらの仕組みも活用していただけるように取り組んでいく、オンライン診療の新型コロナウイルス感染を疑う患者さんの初診の問題については、このように私ども、検討を踏まえて今取り組んでいるところでございます。

#13
○足立信也君 実態は、熱が出ている、あるいはせきがある等々、あるいは味覚、臭覚、嗅覚、そこら辺のこともあるでしょうが、そういうことは分からないで来る患者さんが実は多いという現実ですよね、現実そういうものがある。そこが感染していた場合に、通院患者さんや診療所そのもの、あるいはスタッフ、リスクがある。
 今、見逃しがあるという話がありましたけれども、これはオンライン診療の形でやれば、今のSNS使いながらでもやった場合に、見逃しにつながるというのはもう、広い意味ではあり得るかもしれないけれども、余り大きな理由にはならないと私は思うんですね。今の相談についてはということになると、これは一般の診療所にいきなり来る方々がそうじゃないところを一回相談してという話になってきて、そこがなかなかうまくいかないから今オンラインの話が出ているんじゃないでしょうか。
 そこで、私がやっぱり一番難しいかなと思うのは、やっぱり採血やあるいはPCRそのものの検体の検査とか、こういう機会がもし必要であるという場合にはちょっと奪われちゃうのかなと、最初からオンラインですとね。それはありますけれども、そこは先ほど、トリアージというか入口の整理でクリアできる話だと思いますね。
 診療所にオンラインのブースとそれから診察のブースをそれぞれ持ってという形は非常に難しい話だと思いますね。ここは今検討されていると局長おっしゃるので、そういう要望が多いということは、やはり自らが、あるいはその診療所が場合によっては閉鎖せざるを得ないというような状況が目の前に来ているからそういう意見が強いわけであって、是非進める方向で、せっかくここまで進んできたわけですから、考えていただいたらどうかなと、そのように思います。今日はその程度でとどめます。
 さて、議題の法案ですけれど、いろんな方が今まで質問、あるいは参考人の方のことを聞きました。私どもは、政党として、生活者、納税者、消費者、働く者の立場に立つということを掲げている政党でございます。それを考えたときに、これは一体働く者の立場から出た法律案なのかどうかと極めて大きな疑問を持ちます。出どころが未来投資会議であるし、その後の経済財政諮問会議との合同会議でもあるし、これは、働きたいという希望を持っている方がよりディーセントワークですね、それを目指していることの後押しになるのか。あるいは、この人材不足、人手不足の中で、高齢な方々でもできるだけ働かせやすいようにできないかという議論から成り立っているような気がしてならないです。これでどうして賛成できるのかなと私は大きな疑問を持っています。
 そこで、特に高年齢者雇用安定法についてですが、いろんな方がこれ質問されているので、私は詳しくは言いません。ただ、知りたいのは、いろんな資料、調査室が作られた資料を見ても、本当に七十歳まで働くということがその方々の希望なのかどうか、やむを得ずなのかどうか、そこら辺が分からないんです。あるいは、これは、人手不足の中でこの六十五から七十までの方々を働かせたい、その希望なのか、このデータをいろいろ見ても分からないんです。
 実際のところ、働く側の希望なのか、使用者側の希望なのか、それはどうなんでしょう。大きな大本の話ですけど、そういうデータはあるんでしょうか。是非教えてもらいたいです。

#14
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 七十歳までの就労に関するニーズについてでございますが、内閣府の調査によりますと、仕事をしている六十歳以上の方のうち、七十歳以上まで仕事をしたいという方の割合が約八割ということでございます。また、独立行政法人労働政策研究・研修機構の高年齢者の雇用に関する調査、これは企業調査でございますが、これの速報値によりますと、六十五歳以降の雇用確保措置の実施又は実施の予定ありとしている企業の割合が四六・〇%でございまして、労働者側、使用者側双方に七十歳までの就労に関するニーズがあるものと考えてございます。

#15
○足立信也君 その八割というものは、やはり理由が付随してというか、理由があるからそう言っているということが非常に多いわけで、これは、やはり生活の糧というようなことの中で年金や安定した雇用ということに問題がつながっていくんだと思います。
 本当に元気な限り働いていたいという方々が、今の六十代、七十代はそうかもしれませんけれども、だんだんそうではないような気が私はするし、もう私もあと二か月ちょっとで六十三になりますけど、ううん、その後ぐっと働きたいかなと思うと、そんな気持ちもないなという気もせざるを得ないような気もします。
 そこで、じゃ、今のにつながって、雇用によらない働き方、これを希望する人がどれぐらいいるんですか、データはあるんですか。

#16
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げました独立行政法人労働政策研究・研修機構が行いました六十代の雇用・生活調査、これ、労働者、働く方に関する調査でございますが、その速報値におきますと、六十五歳以降に仕事をする場合の希望する働き方についてという中の回答におきまして、起業による自営業ということを希望しているという回答が六・八%ございました。また、実際に起業している高齢者の方もいらっしゃいますことから、雇用によらない働き方を希望する高齢者は一定割合いるものと考えているところでございます。
 また、なお、昨年十二月に連合が行いました高齢者雇用に関する調査における、六十五歳以降どのような働き方を希望するかという質問に対する回答として、会社を辞めてフリーランスとして働くが一二・一%、会社を辞めて有償の社会貢献活動をするが六・九%、会社を辞めて起業して働くというのが三・三%あったというふうに承知してございます。

#17
○足立信也君 今のデータをどう考えるかですけど、起業をしたいという方が六・八という、だから一定割合の方々は雇用によらない働き方を希望する人がいるんだと。それは、いないとは言いませんよ。でも、一定割合といっても十分の一以下じゃないでしょうか。
 それと、この前、石橋理事もおっしゃっていましたが、六十五歳までがまだ不安定な方々が多いのにと、まずはそこからじゃないかということの中で、連合のデータ、推薦していただいている身としては言いづらいですが、連合の組織率の中で、大きな企業が多い中でですよ、その方々が定年を迎えられた後の働き方、ディーセントワーク、フリーランス、そういうことをおっしゃる方々もいるでしょう。でも、一六%、今、組織率。それ以外の大半の方々は安定した雇用を望んでいるんじゃないでしょうかね。決して、それが雇用によらない働き方を多くの方が希望しているとはとても言えないと思いますよ。そこが、ずれがあるんじゃないでしょうかね。
 やっぱり、そういうデータを引っ張り出して一定程度いるんだという考え方というか、それを持ってくるのは、やはり私は働かせる側というか、使用者側の論理だと思いますね。だから、どうしても違和感が拭えないという。高年齢者の雇用安定に関しては、総論的な話になりますけど、実際にデータに基づいて、だから今これがやらなきゃいけないことなんだという説得力は極めて私は弱いと、そのように思います。
 次は、高年齢雇用継続給付。二つありますけれども、その中で、今回は、高年齢雇用継続給付、これが一〇%に縮小されると、そういうことになるわけですが、五%縮小という形になるんですけれども、ここを縮小する意味、これはどういう意味合いがあって縮小ということになるんでしょう。

#18
○政府参考人(小林洋司君) お答え申し上げます。
 六十五歳までの高年齢者の雇用につきましては、六十五歳までの雇用確保措置の義務化等が着実に進展を見ているところでございまして、六十歳直前と比較しての六十一歳時点の賃金水準の低下率というのを見ますと、ここ十年間で、三割程度であった低下率が二割程度の低下率となっております。こうした賃金低下の状況ですとか、この四月から均等・均衡待遇に関する法規制が順次施行される等の状況を踏まえまして、今般の見直しでは、現行一五%の三分の二、一〇%、引き下げるということにいたしました。
 なお、施行に当たりましては十分な準備期間を確保する必要があるということで、令和七年度からの施行、また、その間に高年齢労働者の処遇の改善に向けて先行して取り組む事業主に対する支援策を講ずることによって円滑な施行に配慮してまいりたいというふうに考えております。

#19
○足立信也君 賃金の低下率が三割から二割になったので、それに見合った形ですよね、見合った形で縮小するということなんですが、これが、やはり現下の情勢を非常に気にするわけですけれども、時間はあるとはいえ、この低下率が仮にまた三割に戻るとかいうことになった場合は、これはその時点で見直すということなんでしょうか。

#20
○政府参考人(小林洋司君) お答えいたします。
 令和七年度ですので、十分状況を見ていく時間というのはあるわけでございますけれども、これまでの推移申し上げますと、先ほど申し上げましたように、平成二十二年度が七一・一、六十に比較しての低下状況でございますが、七一・一。それが、平成二十八年度には七三・五、直近ですと七八・七ということで、右肩上がりで上がってきております。先ほど申し上げましたように、これから均等・均衡待遇も順次施行されてまいりますので、この動きというのは継続していくのではないかというふうに我々としては考えております。

#21
○足立信也君 現下の情勢というふうに私申し上げましたけれども、まさにコロナショックというか、新型コロナウイルス感染症の影響がどう出てくるかというのは、七年度ですからかなり先だということは認めますけれども、やはり現在一番問われているのはそこの経済対策じゃないでしょうかね。
 一刻も早い補正予算、私は、途中で休会してでも来年度予算を積み増しあるいは見直し、どうせ執行できない部分はあるだろうからという話をしましたけれども、早めの補正予算を組むことが極めて大事なんだろうと、そう思います。
 次は、副業、兼業のことなんです。
 この前、梅村委員が健康確保措置の指摘をされました。まず私がお聞きしたいのは、労働災害の予防措置とか教育とかですね。
 五十人以上の事業所は産業医の方がいらっしゃって、チェックがあると。もちろん、これで兼業、副業になってきた場合に、五十人未満のところと五十人以上のところと、どっちも兼業されているという方が当然出てくるわけですけれども、その場合はそれぞれの、この健康確保措置というのはそれぞれがその責を負うんでしょうが、この産業医がいる、いないのところになった場合はどちら、あるいは、これはもう誰が考えても産業医がいるところとなると思うんですが、そこら辺のどちらが主体的にという形の取決めはあるんでしょうか。

#22
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 今委員のお尋ねでございますけれども、労働安全衛生関係法令におきましては、事業者には、使用する労働者が副業、兼業を行っているか否かにかかわらず、当該事業場での労働時間や作業内容等に基づいて労働者の健康確保措置を行うことを求めております。例えば、具体的には、長時間労働の場合に面接指導というような形で、八十時間を超えた場合に労働者から申出があった場合に面接指導を事業主に義務付けておりますけれども、こういったものも各事業所ごとの労働時間に基づいて行うということでございます。
 今委員お尋ねのように、例えば産業医は五十人以上の規模で選任義務が掛かっておるということでございまして、それぞれの小規模のところにつきましては産業保健推進センター等で健康管理の支援をするということが現行の取組ということでございます。
 ただ、御指摘の副業、兼業の場合の健康確保の在り方については、他事業所の労働者でどういう働き方をしていたかという把握であったりとか、あるいは、なかなかその事業者がほかの事業者に対して先ほどのような面接指導の後のいろいろな措置を講ずるというようなことは、なかなか労務管理であったり経営管理というような形でお話をするというのもなかなか難しいという面等々、いろんな課題がございまして、昨年秋から労働政策審議会において御議論をいただいているという状況でございます。
 今、副業、兼業認めている企業からのヒアリングを行ったり、あるいは企業における副業、兼業実施者に対する健康確保措置の実施状況等の実態把握を進めているところでございまして、そういった点を踏まえて丁寧に議論いただいて、どうすべしかということについて御議論いただきたいと思っております。

#23
○足立信也君 御議論いただきたいという、これからの話になるということなんですが、その際に、その産業医の所掌範囲といいますかね、やっぱり産業医の方がいらっしゃるところとそうじゃないところの兼業になった場合、やっぱり産業医がいる方のところが主というか、表現悪いですけど、主になると思うんです。そういった場合、産業医の方々が把握する、ほかの事業所のことを把握しなきゃいけないということになってくるわけですね。それの助言がつながるようにならなきゃいけないわけですよね。
 そういう産業医の役割ということについても、もちろん審議のこれからの検討の項目にはなっているわけですね。そこを確認したいんですが。

#24
○政府参考人(坂口卓君) 御指摘のように、また先ほども御答弁させていただきましたが、まさに他副業先のどういった働き方をされているかという把握を、労働者の方からの申告、あるいはどういった形での把握ということも含めて、どういう形でやるかということもございますし、そういったことも含めて健康管理について重要な役割を果たされる産業医の方がどう関わっていくかということは、当然この健康確保措置のありようについてのテーマとしては重要な課題ということで、御議論はいただくということでございます。

#25
○足立信也君 十分そこは検討していただきたいと思います。
 それから、二つないし三つ兼業された場合の業務上の負荷を合算する、で、評価する、それは当然ですし、賃金等も合算して給付額を決定すると、そういうふうになっているわけですが、これは、一つ気になるのは、評価する側の、何というか、仕事量の問題なんですけれども、これが、今でさえなかなかそこまで目が届かないという状況の中で、これ、二つ、三つということを評価していくというのは、実際に今いる、これ監督署でしょうか、できるのかなということで、今後のこの人材確保の予定ですね、実際これによってどれだけ増やしていく予定なのかということを、予定を聞かせてください。

#26
○政府参考人(坂口卓君) お尋ねの今回改正を御提案している内容としては、業務上の負荷を複数の場合に合算して評価する、総合的に評価する、それから、賃金額についても非災害発生事業場の賃金額を合算して日額を決定するということで、この関係の業務については労働基準監督署で行うということとしております。
 この今回の改正の内容については労働政策審議会でも御議論いただいたんですけれども、その全体の業務のプロセスについても御議論もあり、年末に取りまとめられました労働政策審議会の建議におきましては、現行においても複数就業先での過重負荷等の申立てがあった場合には監督署が複数就業先での労働時間等を調査しており、このプロセスは維持することが適当であると。言わば、今回総合評価する部分は確かに追加になるんですけれども、複数就業していたときにそれぞれ業務上になるかならないかということについては、複数であったとしてもそれぞれの部分についてはこれまでも調査し見ていたということがあるので、そういったプロセスも維持しながら今回の業務に当たるということ。
 それからもう一つは、非災害発生事業場における賃金額等の把握の手続については証明事項を必要最小限にとどめる等の対応を検討することが適当であるというような建議もいただいておりまして、今後、法案成立させていただきましたら、施行に向けて、こういった建議の御指摘も踏まえて、運用に際して効率的に業務が遂行できるように工夫をしていきたいとまず考えております。
 ただ、議員御指摘のように、今回こういう形で新たな業務が追加されるということは事実でございます。ただ一方で、なかなか厳しい行財政の中で定員増員を増やしていくということについてもなかなか容易でないということもございますので、私どもとしましても、そういった努力はしつつでございますけれども、一方で労災業務の関係の効率化というようなことで、例えば問合せ等についてコールセンターを利用するとか、そういったいろんな効率化を進めるというようなこと、あるいは非常勤職員の活用というようなことも含めて、今回の改正についての業務ということが円滑に進むように努めてまいりたいと思っております。

#27
○足立信也君 聞くところ、予算措置としては三十一人増やすというらしいですけど、実際に、辞められる方もいらっしゃるので、真水で何人増えるのかなというのが一つ聞きたいのと、もう一つは、それぞれの事業所の業務上の負荷ですね、労働に関しての負荷、これはやっぱり把握すると思うんですが、二つあることあるいは三つあることのそのものの負荷というのはどう判定、どう評価するのかなって私は極めて疑問なんですよ。
 一足す一が二じゃないんですね。二つあることによってもっと負荷が加わっているというのが実際なんですよ。そこのところの評価というものが、先ほど新しい業務が加わるとおっしゃいましたが、今の時点でどう考えていますか。一つの業務負荷、もう一つの業務負荷ではなくて、二つあることの業務負荷です。ここはどう捉える予定なんでしょう。人数と併せて。

#28
○政府参考人(坂口卓君) 前段の部分の人数につきましてでございますけれども、委員からも御指摘ございましたように、全体の定員事情につきましては、監督官以外の職員が労災保険業務と安全衛生の関係の業務を遂行しておりまして、そのトータルでは若干の減ということになりますが、新たに三十一名の非常勤職員を確保するということで、全体としての同水準の体制ということを維持しながら、先ほどのような効率的な実施ということに努めてまいりたいと考えております。
 それから、認定の業務負荷の関係につきましては、現在も、例えば精神ストレスの負荷等についても、例えば一事業所であったとしても、一つの負荷だけで強というストレスの負荷がなくても、例えば中程度のものと中程度のものがあったら合算するというような形で評価するというようなプロセスもあり、委員の専門家の方からいくと、複数の就業先の負荷を総合する場合についても、そういった現行の認定基準の枠組みを基礎として基本的には対応可能だろうということをその労政審の過程で御紹介をしております。
 ただ、委員御指摘のように、実際の運用に当たりましては、更にそういった負荷を総合評価するという部分の適用をどう細かく運用していくかということもございますので、今後、更に有識者の検討会において医学的専門家から意見を聞くなど、適切に対応した上で施行に向けてしっかり準備をしたいと思っております。

#29
○足立信也君 大臣、時間なくなったので、最後、一言で。
 これ、参考人の方も二人の方が、保険料率の引下げあるいは国庫負担の暫定措置の延長については苦渋の決断だとはっきりもうおっしゃっていました。更にコロナショックが加わって、もっと、苦渋どころではない苦渋だと私は思うんですよ。
 そこで、これは施行されるのが来年四月だと思いますけど、保険料率についてはですね。それから、弾力条項で千分の〇・五引下げが可能になりますね。大臣の、今の状況、このコロナの状況を考えて、保険料率それから国庫負担について所感をお聞かせ願いたい。

#30
○国務大臣(加藤勝信君) 現在の国庫負担並びに保険料率、昨年の十二月の段階での財政収支の見通しの中で試算をし、その中で対応可能という判断をさせていただきました。
 その際も、この委員会でも御説明しましたように、仮にリーマン・ショックが起きた場合であっても令和三年度末時点の積立金が二・九兆ある、リーマン・ショックだと二か年にわたって約一兆円の支出増になっている、そういった意味においては、なお二・九に対して一兆円になりますから、積立金はなお残存はする、こういう見通しであり、もちろんその場合には、少なくとも令和四年度からの保険料率の引上げ、場合によっては三年度における弾力的な対応、そういったことも当然必要になってくるということはあろうかと思いますけれども、いずれにしても、今回においては今申し上げた形で予算を出させていただき、また、それにのっとった保険料率あるいは国庫負担ということでセットさせていただいておりますけれども、今後の動向を見ながら必要に応じた対応を取っていきたいというふうに思います。

#31
○足立信也君 終わります。

#32
○川田龍平君 参議院議員の川田龍平です。今日はマスクをしたまま質問させていただきます。聞き取りにくかったら外しますが。
 私も、元々HIVに感染をしていることもあって基礎疾患がありますので、大変感染症についてはふだんから気を付けておりましたが、今月の初旬にちょっと熱が出まして、三十七・五度、三十八度と熱が出て、ちょっと国会も一日休むことになってしまったんですが、やっぱり病院に問い合わせても、やっぱり四日間三十八度を超えていないと、あっ、三十七度か、三十八度を超えていないとPCR検査はしないということになっているということで検査はしなかったんですが。私も、やっぱり非常に周りの人に感染させてはいけないという思いで、やっぱりちょっとできるだけ不要不急のものはしないとか会合にもできるだけ出ないようにしていたんですけれども。
 比較的、今回の風邪と同じようなやっぱり症状が起きるこの新型コロナについては、やはり本当に病院がパンクしないことというのがすごく大事なことだと思いますので、特に私も病院の検査、定期検査、三か月に一回行っているんですが、それも遅らせて、本当に今、自分のかかりつけの病院というのがちょうど感染症のこういう外来や何かもありますので、そういう意味では、やっぱりそこに行くと、逆にそこの発熱外来に行くことでまた余計に感染してしまうんではないかということも恐れて、そういう意味ではなかなかそういった発熱外来に行くこと自体も僕はちょっと余り行かないようにしていたんですが。
 そういう意味で、やっぱりこの感染しているかもしれないという人がどのような状況で病院に行くべきなのか。特に、それから現場の人、現場の人が、今、陽性者だということが分かったときにどういった対応を医療機関が取るべきなのかということについて、これはおさらいですけれども、質問しておきたいと思います。

#33
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員からもございましたが、受診の相談の目安とか受診の目安を示させていただいております。
 その考え方としては、もう委員からもお話ありましたが、いきなり外来に殺到して逆に感染のリスクが上がるとか、あるいはいきなり来られて医療従事者の方もリスクが上がるとか、そういうことも含めて示させていただいておりますが、一方で我慢すればということでもなくて、今の時期でしたら当然風邪とかインフルエンザを疑って早めにかかることがあると思いますけれども、段階を追って、問題があったらセンターに相談してというような、そういうことをしていただきたいということで示させていただいておりますので、それも含めて、最終的にはそれぞれのところで柔軟に御判断いただくというのが一番大事だなというふうに思っております。

#34
○川田龍平君 陽性者が出た場合の現場の対応としては三月九日に通達が出ていると思いますが、それについてお答えいただけますか。

#35
○政府参考人(宮嵜雅則君) 三月一日の通知の委員の御指摘のところというのは、高齢者とか……(発言する者あり)九日ですか。
 ちょっと済みません、確認させてください。

#36
○川田龍平君 要するに、現場のお医者さんが指定感染症であるということで隔離しなければいけないんじゃないかと思ってしまうところを、今回自宅で療養することも、それも範囲に入れるということで通達が出ていたと思うんですが、それについて現場の先生たちから、やっぱりそういったことが現場で本当に徹底されているのかというところが、やっぱりこれから本当に混乱が起きないかどうかということについてやっぱり懸念をしているということであります。
 それから、PCR検査のキャパですとかそれからECMOとか人工呼吸器の数など、これ、厚労省の方で把握しているんでしょうか。

#37
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 まず、PCRのキャパシティーの関係でございますが、昨日時点で全国では九千件を超える検査能力を確保しているというような状況でございまして、それから、各地方衛生研究所、あるいは一部保健所でもやっておられますが、その実施可能件数というかキャパも都道府県ごとに把握しているところでございます。
 また、今、人工呼吸器、ECMOの関係の御質問もありましたが、人工呼吸器、ECMOにつきましても、各都道府県を通じて各感染症指定医療機関の保有状況及び稼働状況を把握させていただいております。人工呼吸器につきましては、三月二十四日の時点になりますが、感染症指定医療機関で八千台保有しておりまして、そのうち四千台が使用可能という御報告をいただいております。ECMOにつきましては、保有の時点は二月二十二日で六百台保有ということですが、三月二十四日の時点で約四百台が使用可能というような御報告をいただいております。
 それからあと、感染症病床の関係でございますが、これは三月二十六日の時点で四十四の道府県で御報告をいただいておりますが、感染症指定医療機関のうちの空き病床が一千床、それからそれ以外の一般病床が約二万四千床ということで、全国で二万五千床確保しているという御報告をいただいているところでございます。

#38
○川田龍平君 ありがとうございます。
 東京がこれから大変危機的な状況になるかもしれないという状況の中で、東京二十三区や三多摩地区の隔離病棟などもしっかり整備するのかといったことも含めて、東京とやっぱり是非連携をしっかり密に取っていただきたいと思います。
 そして、ECMOなど人工呼吸器、特に医者がそのまま使えるわけではなくて、皆が使えるわけではなくて、技術が必要です。特にメディカル、そういった技術者というか、そういった人たちの力も必要になってきますので、是非そういった人の確保をやっぱり是非するためのこれからの養成なども含めて、是非しっかりやっていただきたいということで、要請で終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、雇用保険法改正案の質疑に入ります。
 早速ですが、この法案の大前提である雇用保険特別会計が潤沢であるということは事実なのかどうかということを一問目に用意していたんですけど、足立先生に聞かれましたので、その雇用保険法改正案の前提となる特別会計の潤沢かどうかということについて先ほど聞かれてしまったんですが、三月の月例経済報告で景気の総括判断を、新型コロナウイルス感染症の影響により足下で大幅に下押しされており、厳しい状況にあるとして、また、安倍総理もリーマンを超える経済対策を打つと言及されています。
 これ、新型コロナ感染症が日本経済に負のインパクトを与えるということで総理も認められているということでしょうが、実際に個人事業者や中小企業の経営者から大変悲鳴にも近い声が日夜報道されています。このような不安定な状況、経済状況の中で、現状が潤沢であるから大丈夫ということではなく、国庫負担金を低くしたままでよいという論理はこれ成り立たないのではないでしょうか。
 基本的なこととして確認したいのですが、国がこの新型コロナウイルス感染症禍の影響によってどれほどの失業率、失業者があると見込んでいたのか、また、可能性も勘案した上で特別会計が潤沢であるのかそうでないのかという議論をすべきと思いますが、リーマン・ショックのときにこの失業給付金が七千億円の支給だったという事実、これは現状と比較して十分に積立てがあるという言い方をしますが、しかし、安倍総理ですらリーマン・ショックを超えると言及しているのですから、リーマンと比較して大丈夫だという議論では矛盾していると思います。
 これはきちんと、政府であらかじめきちんと試算しておくべきだと考えますが、大臣、このコロナ新型ウイルス感染症禍の影響についてどのような見積りを出しているでしょうか。

#39
○国務大臣(加藤勝信君) 足下の状況を踏まえてリーマン・ショックを超えるということだと思いますけれども、雇用ということになると、一時的なショック以上に、どのくらいの期間それが続くのか総合的に判断しなきゃいけないので、直ちに雇用全体として見たときの影響というのはこれはなかなか算定しにくいんだろうというふうに思います。
 例えば、リーマン・ショックのときの完全失業率というのは五・五です。今、令和二年の、今日出たのがたしか二月が二・四だったと思います。それから、有効求人倍率も〇・四二と一・四五ということですから、随分、その足下の水準は随分違うということがまずあるんだろうというふうに思いますので、それがこれからどう動いていくのか、これはしっかり注視しなければならないと思います。
 その上で、リーマン級のことの、これ時間軸も含めて、起きたときに支えられるのかということに関しては、一定程度の試算ではありますけれども、単年度で七千億、二か年にわたると約一兆の支出増ということが当時の状況から試算をされるので、仮にそのぐらいの支出が今の支出に乗ったとしても積立金の幅を考えると対応はできる、こういうことを判断をしているところであります。
 もちろん、その場合には、その後の運営もありますから、保険料率をどうしていくのか、それから二か年終わった後の国庫負担をどうしていくのか、これは当然議論しなきゃいけないところだと思います。

#40
○川田龍平君 この失業者の試算というのはしているんでしょうか。

#41
○政府参考人(小林洋司君) そういう状況は試算しておりません。平成三十年度の状況を基に今の状況で推移すればということでやっております。

#42
○川田龍平君 これ、二年前の二〇一八年の三月二十九日にちょうど質問主意書を出したんですけど、私の出した質問主意書で国際観光旅客税の関係の質問主意書を出したときに、訪日外国人旅行者が減少する影響だけで、当時ですね、二年前に、経済損失で二・七兆円、観光業などの雇用が五十八万人これ失業するということで、当時、二年前に政府が出しているんですね。
 それによって、今回、国際観光の観光業だけじゃない今この経済的な損失が生じているということを考えると、一年間でということになるとまた違ってくると思うんですが、本当に現時点でやっぱりそういった試算をやっぱりしっかりしておくべきではないかと思います。そして、試算に基づいてやっぱり法案を提出すべきではなかったかと思います。
 この当時も、国際観光旅客税のこういった使用目的として、これやっぱり旅行目的ということになっているんですが、これやっぱり国際的な感染症対策にもこれ広げるべきではないかと思いますが、大臣、いかがですか、通告していないんですけど。国際観光旅客税について、是非これ国際的な感染症対策にも税金をやっぱりちゃんと振り向けていくということを考えてはどうかということなんですが。

#43
○国務大臣(加藤勝信君) その国際観光旅客税自体を、ちょっと済みません、十分に承知をしておりませんが、多分それは何に使うかという決まったものなんだろうというふうに思います。
 ただ、いずれにしても感染症対策はもう現時点では最優先の課題でありますから、どの税金ということに関係なく必要なものをしっかり実施し、それに対する財源措置を様々な形で対応していく、そういうことなんだろうと思います。

#44
○川田龍平君 是非、国際観光旅客税、二年前に議論になったときにそういったことを質問させていただいていたんですが、観光をスムーズにするために使うとか言っていたんですけど、全く使われていないということで、やっぱりこの感染症対策にもっと国際観光旅客税をちゃんと使っていくようにと、それが日本国内だけではなく海外にも使えるようにということをやっぱり是非主張しておきたいと思います。
 次に、法案の高齢者の就業機会の確保及び就業機会の促進についてですが、厚労省の法案資料によれば、七十歳までの雇用を目的として雇用以外の措置を検討する場合は労働者の過半数を代表する者の同意を求めるとしています。
 この同意の公平性の証明については、衆議院の議論でも複数回質問されていますし、また先日の石橋委員からも質問がありました。しかし、政府答弁を聞いていても、全くもって政府の誠意を感じることができません。これもまた無責任というか、被用者の人生に対して余りに他人事、人ごとのような答弁しかないんです。
 労働者の過半数を代表する者というのが例えば組合であれば、会社の言いなりの組合、御用組合とかちょうちん組合の場合、この要件自体が無意味にならないでしょうか。経営者の希望どおりに受け入れられるような組合であっては高齢の被用者の権利を守ることはできませんし、ましてや、組合がないような企業の場合に、会社にとって都合の良い人間ばかりが労働者の過半数を代表する者として選ばれることも珍しくありません。
 そんな恣意的な代表者の同意でどれほどの意味があるのか分かりませんが、政府にこれは聞きたいと思いますが、同意はもちろんですが、こうした意思決定プロセスにおいて被用者の意見を正しく反映するためにどういった措置を具体的に立てるつもりなのか、お考えを教えてください。

#45
○政府参考人(小林洋司君) お答えいたします。
 労働組合の組織率一七%程度という現状の中で、今御指摘いただきましたような過半数代表者の選任を適切にするということは非常に重要な意義を有しておるというふうに考えております。一方で、過半数代表者の選出につきましては、例えば会社側が指名する等の不適切な方法で行われているという割合も一定程度というような調査結果があることも承知をしておるところでございます。
 このため、創業等支援措置を講ずる場合の過半数代表者の選出の手続等についてでございますが、必要な内容を省令に規定することといたしたいと思います。また、適切な手続により選出する必要があるということを指針に明示するということで審議会で御議論いただきたいというふうに考えております。
 また、実際に同意を得る際でございますが、措置の内容ですとか当該措置を選択する理由、あるいは雇用関係がない場合には労働関係法令が適用されないことといったことについて過半数代表者等に十分説明するということも重要でございますので、こういったことも指針に明記する方向で審議会の方で御議論いただきたいというふうに思います。

#46
○川田龍平君 ガイドラインを示すといっても、問題は、このガイドラインをきちんと遵守して同意を得られたのかどうかということが問題なのではないのでしょうか。
 同意を取るプロセスが適切であったかどうかの確認はどのように取るのでしょうか。また、この同意プロセスが適切でなかった場合には、当該企業に罰則も含む適切な指導をするという理解でよろしいのでしょうか。

#47
○政府参考人(小林洋司君) 先ほど申し上げましたように、労働者の側がこの同意プロセスあるいは創業等支援措置が労働関係法令が適用されないといったことについて十分な知識を持っていていただく必要があると思いますので、そういった基本的な認識を労使でしっかり共有していただくということが必要になるというふうに思います。
 その上で、罰則についてのお話ございました。今回新設する措置につきましては、努力義務ということもございますので、罰則については法律上規定していないわけでございますけれども、この労使合意というのは創業等支援措置をする上での非常に重要なプロセスだというふうに思いますので、ここの欠落といったような法の趣旨を逸脱した取扱いがなされているような場合には、都道府県労働局により必要な指導、助言等を行ってまいりたいというふうに思います。

#48
○川田龍平君 この罰則がない努力義務で企業が守るのかということなんですが、こんな不適切な同意プロセスで被用者の権利は守れないと思います。税務上のペナルティーなり何らかの罰則を考えるべきだと思いますが、是非検討をお願いしたいと思います。
 さらに、不当にこの同意が得られたという事実があった場合、具体的に、圧倒的に不利な条件で非雇用状態になってしまった高齢者について教えていただきたいと思います。
 瑕疵のある同意プロセスあるいは労働者の意見が正しく反映されないプロセスで形成された同意によって雇用が失われたことが後になって分かった場合、この非雇用状態を雇用の状態に戻すことは可能なのでしょうか。こういう場合に、元被用者が個々に裁判に訴えなければ元被用者の原状回復、この場合でいえば地位確認ができないとなると、この法律は天下の悪法となってしまいます。
 ここはしっかりと国家が管理して、きちんと原状回復させる強制力を持つようにすべきと思いますが、この同意プロセスが不当であった場合の非雇用契約の取扱いについて教えてください。

#49
○政府参考人(小林洋司君) この過半数代表者等との同意が適切な方法で行われていない場合でございますが、一義的には、十条の二の本文の方に雇用によるという選択肢が定められておりますので、そこに戻るという形になりますが、一方で、改めて適切な方法で過半数代表者等の同意が得られればそれは創業等支援措置として有効になり得るということでございますので、そこの二つの選択肢の中でどちらを選択していくかということになろうというふうに思っています。
 いずれにいたしましても、そういった中で雇用を選択するということになった場合でございますけれども、その場合には、その創業等支援措置の対象になっていた高年齢者についても、本人の希望を踏まえて、新たに講じる措置の対象とするということが求められてくるというふうに思います。
 今後、法の趣旨を踏まえた適正な運用が図られるように、必要に応じて都道府県労働局により指導、助言等を行ってまいりたいというふうに思います。

#50
○川田龍平君 確認ですけれども、行政が、瑕疵ある同意であった場合にはこの原状回復を強制するという理解でよろしいんですね。

#51
○政府参考人(小林洋司君) 先ほど申し上げましたように、しっかりとした同意ということが形成されれば創業等支援措置という選択肢も生きてくるわけでございまして、そこが欠落していれば雇用の方に戻ると、そういう関係でございます。

#52
○川田龍平君 やはり、確実に元の状態に戻せるようにできなければフェアな労働契約とは言えません。人生百年時代を安心して生き抜くためにも、きちんと対応をお願いしたいと思います。これは、何でもかんでもこれ救済しろと言っているわけではありませんで、適切な同意プロセスを経ていない企業にその同意プロセスによって生じた不利益を是正するように命ずるだけですから、是非よろしくお願いします。
 次に、高齢者の雇用環境という点から質問させていただきます。
 この法案では七十歳まで働くことが前提とされていますが、高齢者が気持ちよく、それこそ健康に働き続けるためには、それに応じた労働環境が整備される必要があります。まずは、高齢者が働く場所である就業環境の改善はどうなるのか。例えば、バリアフリー、照度の調整、聴力サポート、若年層とは異なる労働安全衛生教育の必要性、ここでは健康面ではなく事故防止という観点ですが、こうした様々な問題があると思います。
 労働契約を延長するという前提で、被用者である高齢者が働きやすい環境についてどう考えているかについて明らかにしてください。

#53
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 近年、労働者の高齢化が進む中で、労働災害で死傷された方のうち六十歳以上の方々の占める割合が上昇し、特に女性の転倒災害が増加するなど、高齢者が安心して安全に働ける職場環境づくりが重要な課題となってございます。
 このため、厚生労働省におきましては労使が取り組むべき内容をまとめたガイドラインを策定したところでございまして、その周知啓発を通じて高齢者の安全と健康確保のための労使の取組を促進することといたしてございます。

#54
○川田龍平君 この職場環境というのは、一般に働く人々の意識改革も必要だと思います。エイジフレンドリーガイドラインと称したガイドラインがあるということですが、ここには事業者と高齢者である被用者への意識改革を求めているだけで、高齢者ではない同僚の意識改革までは書き込まれていません。フレンドリーとうたっているのであれば、労働者全体の意識改革も必要です。そういうことにも力を入れていただきたいと思います。職場全体がフレンドリーになれるようにする施策を期待しています。
 それでは、同様に、高齢者である被用者の健康状態の把握はどうなのでしょうか。就業者の年齢構成の幅が広がるのですから、労働者が健康かつ安全に働いていくための労働安全衛生についても再考が必要です。高齢者が働くという状況に備えて、労働安全衛生法の適正化、特に法定健康診断の中身を改めるなどの措置や産業医に対して老齢医療について十分な知識を付けるような研修制度の充実などは検討しているのでしょうか。また、健康診断でリスク因子をしっかりと確認して健康に働けるような環境を整える、その上で産業医が労働環境の改善について助言する、そのためには十分な知識がなければ高齢者が安心して働ける環境などつくれるはずもありません。
 健康面への配慮はどうなるのかについて教えてください。

#55
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘のように、近年の高齢化が進む中で、高齢者の方が安心して安全に働ける職場環境づくりが重要であると私どもも認識しております。
 そういった認識に立ちまして、また、七十歳までの就業機会の確保に向けた今般の法整備に対応して、有識者会議の提言を踏まえまして、高年齢者、高年齢労働者が健康かつ安全に働くために労使が取り組むべき内容をまとめたガイドラインを策定したところでございます。その中では、健康診断あるいは体力チェックによって高年齢労働者の健康状態や持久力、バランス、筋力等の状況を把握するということでありましたり、あるいは高年齢労働者の特性を考慮した作業内容の見直し、具体的には短時間勤務等への勤務形態の工夫とか、あるいはゆとりある作業スピードへの改善等を推奨をしているというところでございます。
 加えて、今委員から御指摘もございました労働安全衛生法に基づく一般定期健康診断につきましてでございますが、これは、労働者の健康状態を把握して労働時間の短縮等の事後措置を行い、脳・心臓疾患の発症の防止等を図るために事業者に義務付けているものでございますけれども、その項目につきましては、制度の目的も踏まえつつ、今後も引き続きエビデンスを収集し、エビデンスに基づいて今後とも検証してまいりたいと考えております。
 また、もう一点御指摘ございました産業医を対象とした関係でございますけれども、産業医を対象とした高年齢者の作業管理に関する研修につきまして産業医科大学において行われているところでございますけれども、こういった研修のカリキュラムというものが広めていけないかということにつきまして関係機関と相談をしてまいりたいと考えております。

#56
○川田龍平君 先ほどのエイジフレンドリーガイドラインですけれども、資料にありましたが、米印の、請負の形式による契約により業務を行う者についても参考にすることを期待とか、結構備考にも大事なことが書いてあるかなと思うんですが、このエイジフレンドリーガイドライン、この労働者に求められる取組のところには、日頃から運動を取り入れ、食習慣の改善等により体力の維持と生活習慣の改善に取り組む、これは高齢者だけではなくて、今これ、今コロナウイルスなんかの状況も含めて、やっぱりこれ本当にしっかりと日頃からやっぱり運動したり食習慣を改善することってやっぱり免疫を高めていくためにすごく大事なことじゃないかなと思っていて、本当にこういったことをやっぱりもっと周知してもっと徹底していくことが大事ではないかと思うんですが。
 例えば、今、ガス給湯器のコロナという会社がありますが、あっちの会社のコロナの方は、結構、社食を改善することによって、そして家族も含めて食習慣を改めることによって、大分その効果を上げてきているというようなことも聞いています。そういった、私は今、今年、特に学校給食に力を入れているんですが、学校給食もそうですけれども、社食など含めて、食習慣を変えていくことというのはやっぱりすごく体力維持と体力、生活習慣改善にとっては非常に重要なことだと思いますので、是非この食習慣の改善ということにもっと力を入れていただきたいと思います。
 また、国や関係機関による支援の活用ということで、社会的評価を高める仕組みの活用などもやっぱり是非しっかりやっていただきたいと、そういった会社なども是非入れていただいてやることも含めて検討していただければと思います。
 次に、高齢になれば多くの疾病とお付き合いしながら就業する被用者も増えてくるはずです。疾病を抱えて程よく病と付き合いながら就業できる環境を整えなければ、働きながら生活することは難しいと思います。広く一般に治療と仕事の両立支援ガイドラインというガイドラインを作成しているようですが、こちらは高齢者特有の疾病を書き込んでいるとは言えないのではないでしょうか。重篤な疾病だけでなく、軽度な疾患でも、年齢に応じたつらさというのがあります。端的に言えば、つらいものはつらいということがありますし、あるいは、完治はしたものの、完全な健康とは言えない状態で働かなければならないという人もいるはずです。こうした人々が個々の才能を最大限発揮できるような環境を一時的でも整えられるような制度も必要です。
 高齢者特有の健康状態をターゲットにした両立ガイドラインは策定されると考えてよいのでしょうか。

#57
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 労働安全衛生法におきましては、事業者に対しまして、中高年齢者等、労働災害の防止に当たって特に配慮を必要とする労働者については、これらの者の体力等に応じて適正な配置を行うように努めなければならない旨規定しております。また、働き方実行計画において、今委員御指摘がございましたような病気の治療と仕事の両立支援に取り組むということが取りまとめられたものでございます。そういったことから、委員御指摘がございましたこの事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドラインということを策定して、今は事業者等に対して両立支援の取組を働きかけているところでございます。
 このガイドラインにつきましては、確かに年齢にかかわらず全ての労働者を対象としているというところでございますけれども、特に、がん、脳卒中を始めとした疾患、これは高齢者等になればその発症が増えているというような状況のものでございますけれども、そういった疾患について、とりわけ適切な就業上の環境整備、あるいは個別の労働者への支援の進め方ということを含めた事業場における取組等をまとめさせていただいておるところでございます。
 今後、ガイドラインの周知等を通じましていろいろ意識の醸成ということを図りますとともに、両立支援コーディネーターという、労働者の方をトライアングル体制で支える、継続的に支えるコーディネーターの養成であったり、あるいは企業と医療機関との連携を通じた取組ということについて、高齢者も含む形でしっかり取組を進めてまいりたいと思います。

#58
○川田龍平君 また、重篤な疾病に罹患して就業機会が失われてしまった高齢の労働者が再度雇用を希望する場合の道筋はどうなっているのでしょうか。高齢となって突然の病で仕事を辞めなければならなくなった場合、病を克服した後の働き場所がないということになれば、健康でなければ働き続けることはできません。働くことが前提の人生百年プランを作るのであれば、第一線から退いたことを余儀なくされた高齢者の就業機会の確保も重要な課題となります。
 こういう話をすると、ハローワークで高齢者向けの職業紹介をしているという話を出されますが、実際はそういった求人というのはほとんどありません。紹介されるのはむしろシルバー人材の紹介で、時給があるのかないのか分からないような生きがい労働です。
 こんな不安定な状態で百歳まで安心して生きられるかということで、しっかりとした収入が確保できる仕事をきちんと紹介できるようにしなければ、一度でも病をしたら働けない世の中になってしまいます。高齢者が生き生きと働けるための再雇用制度や就業機会の創設こそが今求められると思いますが、これについて腹案があれば教えてください。

#59
○政府参考人(小林洋司君) お答えいたします。
 今、ハローワークのお話ございましたが、ハローワークの方では生涯現役支援窓口というのを全国的に整備を図っておるところでございまして、しっかりした求人がまだ十分ではないという御指摘もあるかもしれませんが、高齢の方に対する寄り添い型のきめ細かな支援に努めております。それから、実際に高年齢者の方を雇い入れていただいた事業主の方に対しましては特定求職者雇用開発助成金といった助成金もございまして、こういったものをうまく組み合わせて事業主に雇用を促しておるところでございます。
 また、長期療養者就職支援事業というのも行っております。これは、がんですとか肝炎等の疾病によって長期にわたる治療等を受けながら就職を希望する方に対して、ハローワークと医療機関が連携して就職支援を実施するといったものでございます。
 こういった取組を行うことによりまして、働く意欲のある高齢者、その有しておられる能力というのを発揮できるように支援に努めてまいりたいというふうに思います。

#60
○川田龍平君 次に、複数就業者の問題について質問します。
 本法案にある副業、兼業に係る労災保険について、その範囲を拡大することはとても重要です。自らの能力を磨くために空いている時間を使ってほかの仕事に従事する、才能開発の点でもすばらしいことです。
 ただ、そういった前向きな副業、兼業がある一方で、兼業しなければならない人々もいるということに注意しなければなりません。兼業の本質にある、兼業しなければ生活できないというような生活環境があるのだとすれば、この生活環境こそ改善することが真の労働政策ではないでしょうか。低賃金で労働時間を被用者から搾取する事業者がいるのであれば、こうした事業者の意識を改善させることが求められているのではないでしょうか。低賃金にあえぐ労働者や国民の就業環境を改善することも重要な労働政策と考えます。
 例えば、低賃金にあえがなければならない国民のキャリアアップについて国はどのように考えているのでしょうか。

#61
○副大臣(稲津久君) お答えさせていただきます。
 議員御指摘のように、キャリアアップを図っていく、また賃金上昇させていく、大変重要なことでございまして、様々な機会を通じて職業能力を開発する、そういう環境をまずしっかり整備をしていくということが重要だと思っています。
 少し厚生労働省の取組を早口で簡潔に御紹介させていただきたいと思いますが、例えばキャリアアップにつきましては、全国のポリテクセンターや都道府県の職業能力開発施設におきまして、地域の企業で働く方々に対して短い期間で受講することができる在職訓練を実施しているところでございます。それから、在職者訓練の一つとして、ポリテクセンターそれから生産性向上人材育成センター、これを設置をいたしまして、中小企業が労働生産性を高めるための人材育成について総合的な支援を実施をしております。
 それから、社員の育成に取り組む事業主、ここも支援していこうということで、助成金をつくりまして、事業主が非正規雇用労働者を正規雇用労働者に転換するための訓練を実施する際の訓練経費ですとか期間中の賃金等の一部を助成するコースを設けまして、キャリアアップの後押しをさせていただいているところでございます。
 それから、雇用保険を受給できない方を対象にした求職者支援訓練におきましても、働きながら訓練が受講しやすいように、一日の訓練時間の下限を五時間から三時間に見直すと、そうした要件を緩和しております。
 厚生労働省として、こうしたことを通してしっかり環境整備を図っていきたいと思っております。

#62
○川田龍平君 是非、そのキャリアアップのための講習を受けた人がどれぐらいその賃金が上昇したのかとか、そういった結果についても今後是非検討して、しっかり調査して、調べて教えていただきたいと思います。それやったからといって、なかなか賃金がどれぐらい上がったのかというのはまだ分からないと思うんですが、是非これしっかり調査していただきたいと思います。
 ちょっと時間がありませんので次に行きますが、そもそも労災申請がなければならないという事態についてですが、この副業、兼業で労災対応になる場合、ひょっとすると働き過ぎた結果として注意力が落ちて何らかの事故に巻き込まれるということも考えられると思います。注意散漫で事故が起こらないようにする、これは労働安全衛生法の立法趣旨かと思いますが、難しいこととは思いますが、この副業、兼業のときにもそういったことにならないようにするための安全弁が必要ではないでしょうか。
 兼業、副業の場合の労働時間管理や健康管理をどのようにするのか、また誰が責任を持って対応するのかの大臣の考えを教えてください。

#63
○副大臣(稲津久君) お答えさせていただきます。
 副業、兼業について、これは働き方改革実行計画におきまして、新たな技術の開発、オープンイノベーション、それから起業の手段、第二の人生の準備と、こういうことで大変有効ということから、この計画におきまして、副業、兼業の普及、これが長時間労働を招いては本末転倒だと、こういう考えで進めております。
 そこで、この副業、兼業を行うことで長時間労働になって労働者の健康が阻害されないように様々な健康確保を図ることが重要なことから、昨年の秋から、これは労働政策審議会におきまして、副業、兼業の場合における労働時間の管理ですとか健康の在り方について議論を行っているところでございます。
 こうした労政審の議論の推移を見まして、今後も様々な取組をさせていただきたいと考えております。

#64
○川田龍平君 これ、厚労省の方で二週間前にアプリを開発して発表したということなんですが、これはどうなんですか。労働管理についてのアプリがあるということなんですが。

#65
○副大臣(稲津久君) 今のアプリケーションのお話でございますけれども、厚生労働省で、複数の事業所における労働時間をスマートフォンなども使いまして労働者が自ら入力するツールとしてこのアプリケーション、これマルチジョブ健康管理ツール、これを開発いたしまして、三月の十二日に公開をいたしているところでございます。
 今議員から御指摘いただきましたが、このアプリケーションの活用等を進めまして、副業、兼業をする労働者の方々の御支援に努めてまいりたいと考えております。

#66
○川田龍平君 昨日のちょっとレクで知ったので資料を用意できなかったんですけど、このアプリができていて、本当に自分で、プライバシーの問題がある中で、やっぱりそれを自分で健康管理をするということができるようなこのツールをやっぱり是非使ってこれやった方がいいのではないかというふうに思います。
 最後に、中途採用に関わる情報公表についてですが、人材の流動化という観点から見れば、この中途採用の現状を見えるようにするという透明化は求職者にとって貴重な情報となり得ます。しかし、人材の流動化、これ働きやすい企業とは限らないのではないでしょうか。一方で、入社した社員を丁寧に育てる環境があるのかないのか、入社してから安心して働ける環境かどうか、キャリアアップをきちんと考えてくれる職場かどうかなどの要素も分かる指標も必要ではないかと思います。単に流動化が激しいだけの会社というのは、ある意味で使い捨ての会社とも言わなければなりません。こういうことをきちんと把握できるような指標というのを考えなければならないと思いますが、いかがでしょうか。

#67
○政府参考人(小林洋司君) 今回義務化をするのは中途採用比率のみでございますが、これについても過去数年間の比率を公表していただくということを予定しておりますので、企業の中途採用に対する態度というのは把握することができるというふうに思っております。
 その上で、こうした義務化の項目以外に様々な情報が自主的に公表されるように促してまいりたいというふうに考えておりまして、例えば中途採用者の定着率の状況、あるいはキャリアパス、人材育成、処遇といった情報、あるいは中高年齢者、就職氷河期世代の中途採用比率等々が考えられるところでございまして、こういったものを通じて求職者の方にもプラスになるようにしてまいりたいというふうに思います。

#68
○川田龍平君 最後に、氷河期世代の特に就職の問題については、本当にこれは、私もその世代に掛かりますので、本当にその同世代の人たちの今大変苦労している状況というのを何とか改善しなきゃいけないということで、この就職氷河期世代、これ今ちょうど三年間の集中期間になるということで、是非集中プログラムに沿ってしっかりこれ政府の方で施策を進めていただきたいと思いますが、特に中高年者の引きこもり支援の問題とか、ちょうど玄田参考人から資料をいただいたこの資料の中に、特に就職氷河期の世代とそれからこの高齢の親、この四十代、七十代がペアで、セットで就労するというのを玄田教授が提案されています。
 親子ペア就労という、このペア就業というものについてどのように考えるか、手短にちょっと一言だけお願いできればと思います。

#69
○政府参考人(小林洋司君) 就職氷河期世代の引きこもりの方について、例えばお母さんと御本人みたいな形でペアで就労することによって、お互い助け合いながら自立していくという御趣旨だと思います。ちょっとそれ以上のことを申し上げられませんが、そういう御提案はしっかり受け止めたいというふうに思います。

#70
○川田龍平君 玄田教授によれば、昔はペア就業というのは、自営業者で八百屋さんとかだったら親子で就職というか、同じように仕事していたわけですね。そういう関係でもって仕事をするということを通じて、是非今の氷河期世代、特に引きこもりやそういった仕事に社会参加ということ自体が求められる人たちの就業という意味と高齢者の就業というのがセットでできる、またこれ画期的なことではないかと思います。これ、大変難しい問題だと思いますが、是非検討していただければと思います。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。

#71
○福島みずほ君 共同会派の福島みずほです。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 六十歳から六十五歳に再雇用される場合、賃金が、前回、七八・七であるという答弁がありました。
 長澤運輸事件というのがあります。定年、六十歳になって再雇用で、そして賃金が二一%下がったと。一審は労契法二十条違反であると、合理性ない、高裁は合理的である、最高裁は高裁を踏襲しましたが、超勤手当はこれがないのはおかしいという判決が出ました。私は、これ一審判決が正しいというふうに思っています。
 六十から六十五歳の間で二〇%給料が下がる、これおかしいと思いますが、いかがですか。

#72
○政府参考人(藤澤勝博君) 最高裁の判決についての御質問でございますけれども、御指摘の事件に係る判決でございますが、正社員と定年後に継続雇用された有期雇用労働者との待遇差に関して個別の手当ごとに判断するなど、本年四月から順次施行されます同一労働同一賃金の解釈にも示唆を与えるものというふうに考えております。
 このため、私どもの同一労働同一賃金ガイドラインにおきまして、定年後に継続雇用された有期雇用労働者の取扱いについて、同一労働同一賃金による正社員と非正規雇用労働者との不合理な待遇差の禁止規定の対象となること、また、正社員との待遇差の不合理性については、定年後に継続雇用されたことのみをもって直ちに不合理性が判断されるものではなく、様々な事情が総合的に考慮されて判断されるものであることなどの内容をガイドラインに盛り込んだところでございます。
 このガイドラインの周知を現在行っているところでございまして、今後とも必要な周知にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

#73
○福島みずほ君 六十から六十五歳の間で二割給料が下がるわけですよ。もっと悪条件で働いている人もいます。今回、六十五から七十ということなんですが、更に、六十から六十五までを放置して、六十五からの労働条件は更に悪くなることは火を見るより明らかだと思います。
 現場の高年齢雇用安定法が再雇用後の賃金水準も示さず正規の雇用形態の縛りもないため、給料や待遇の低下が規制されない中、この措置を七十歳まで拡大すると、六十五歳以上は年金の受給できることを理由に更なる給与の低下を招くおそれがあるんじゃないでしょうか。

#74
○政府参考人(小林洋司君) 定年後の高年齢者の賃金などの労働条件でございますが、基本的にはそれぞれの労使において決定していただくもの、これは六十五歳以上の継続雇用制度の対象となる場合についても同様でございます。
 それから、同一労働同一賃金のお話ございました。定年に達した後に継続雇用された有期雇用労働者についてもその保護の対象になるわけでございますけれども、そこで考慮される様々な事情というところには、年金が支給されるということも事情の一つに入ってくるのであろうと。
 ただ、その上ででございますが、現在六十五歳までの高年齢者雇用確保措置に関する指針の中で、継続雇用制度の賃金については、継続雇用されている高年齢者の就業の実態、生活の安定等を考慮し、適切なものとなるよう努めるということが書かれております。今後、六十五歳以降の高年齢就業確保措置について検討していくことになるわけでございますけれども、同様にそういった指針で同じようなことを定めるということについて審議会でしっかり御議論いただきたいと思っております。
 また、能力や成果に基づく処遇が行われるということが大事でございますので、そういった普及促進にも努めてまいりたいというふうに思います。

#75
○福島みずほ君 定年引上げ、再雇用、定年の廃止のうち一つでも加われば労働組合の同意を取らなくてもよいわけです。雇用関係なしの働き方しか提供しないのなら労働組合の同意が必要です。
 でも、こういう在り方だと、結局、再雇用ちょっと取っていますというので、実態は雇用関係なしの働き方が中心になってしまうんじゃないか。労働組合の同意要りません。これ、大問題ではないですか。

#76
○国務大臣(加藤勝信君) 今般の改正法案においては、七十歳までの高年齢者就業確保措置として、現行の六十五歳までと同様の措置に加えて新たな措置を設け、そのいずれかの措置を講ずることを事業主の努力義務とし、また、高年齢者就業確保措置については七十歳までの間の就業を確保することを条文上明記し、措置の対象となる高年齢者が七十歳になるまで就業することができる制度を導入することを事業主の努力義務としているわけであります。
 雇用の措置と雇用によらない措置の両方を講ずる場合には、雇用の措置により努力義務に対応できていることから、雇用によらない措置に関して過半数代表者等の同意を得るという法の規定が直接及ぶものではありませんが、この場合においても労使双方が十分に話し合い、労使双方が納得した措置が講じられることが望ましいのは当然であります。
 このため、高年齢者就業確保措置の実施及び運用に関する指針の策定に当たり、雇用による措置を含めどのような措置を講じるか労使間で十分協議を行うこと、創業支援等措置の内容等について書面での運用計画を策定すること、雇用の措置と併せて雇用以外の措置を講ずる場合においても過半数代表者等との同意を得ることが望ましいことを盛り込むなどについて、ここでの御議論も踏まえ、労働政策審議会においてしっかりと議論をし、結論を得たいというふうに考えております。

#77
○福島みずほ君 形だけ再雇用などの形態取っても、実際には業務委託契約が中心となって労働者の保護ができなくなる。労働組合の同意が不要な方法を取ることは企業にとって抜け道となります。労政審での議論でしっかりここ、私は法の欠陥だと思いますので、しっかりこれは労働組合の同意と同じ、それ以上何かチェックをすべきだということを強く申し上げます。
 創業支援等措置についてお聞きをいたします。
 そもそも、この制度は未来投資会議で議論されたものです。未来投資会議は、政府が二〇一三年に設置した産業競争力会議などを引き継いで一六年九月から始まっております。初代、初代というか途中から、その労政使協議会などに連合の会長が参加しますが、元々、竹中平蔵さん、経団連会長などが未来投資会議で、ここで決めていたわけです。これで本当にいいんでしょうかということなんです。
 というのは、就労者の保護をまず考えるべきであって、雇用でない働き方、雇用類似の働き方をここで導入してしまうというのは極めて問題ではないでしょうか。厚生労働省の雇用類似の働き方に係る論点整理等に係る検討会で一定議論があるものの、中間報告が取りまとめられましたが、課題を整理した段階です。しかも、労働者性、労働者の範囲については、議論があったにもかかわらず中長期的な課題としており、本格的な保護法制の制定は見通しが全く立っておりません。順番が全く逆ではないでしょうか。
 雇用でない働き方、雇用類似の働き方の保護の議論に先行して、なぜ今回、六十五歳以上で就業確保策を例示し、事業主の雇用確保措置を免除するというやり方は順番が逆さまであると、順番が逆であると思いますが、いかがですか。

#78
○政府参考人(小林洋司君) 今回、高年齢者就業確保措置といたしまして、今御指摘のございました雇用によらない選択肢も設けておるところでございますが、これは、六十五歳以上が年金が支給され、また就業ニーズが多様化するということに対応するものでございます。
 その上で、今御指摘ございましたように、この雇用によらない選択肢につきましては労働関係法令が適用されないということがございますので、その適正さあるいは納得性を確保していくのにどうするかということになります。そこで、法律といたしましては、運用計画を定め、労使合意を得るということを要件としておるわけでございます。
 この労使合意が適切に履行されていくためには、幾つか重要な点があるというふうに思います。一つは、運営計画に必要な事項が定められること、また過半数代表者が適切に選出されること、また実際に措置の適用を受ける高齢者の希望が尊重されること等々ございまして、こういった点については省令あるいは指針において必要な事項あるいは留意点を定める方向で検討をしたいというふうに思います。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
 また、偽装雇用についてのお話ございました。偽装雇用にならないような留意点というのをあらかじめ定めておくですとか、あるいは労働者性に関する労使双方の知識を高めておくですとか、また実際に問題が生じた場合に労働局における助言、指導等を行う、そういった対応についてもしっかりやってまいりたいというふうに思います。

#79
○福島みずほ君 これは、まさに厚生労働省が未来投資会議に負けたんだと思うんですよ。なぜこんなへんてこりんな雇用によらない働き方が盛り込まれるんですか。大体、順番が逆じゃないですか。しっかり労政審で雇用によらない働き方でもどうやって、労働者性どうやって保護するかという議論を確立してから導入するならまだ分かる。しかし、順番が全く逆であると思います。こんなのを労働法制の中身の法律の中に盛り込んでやるのは、私はこれ、厚生労働省の本当に敗北だと思います。
 業務委託契約についてお聞きをしますが、例えば業務委託に切り替えた際に保護がされないおそれがある。どうやって労働者性を判断し、どう労働者保護を担保できるのか。
 以前も話しましたが、ウーバーのドライバーに関してフランスで最高裁の判決が出ました。自営業の人は、クライアントを自分で管理する、価格を設定する、タスクをどのように実行するかを決めるの三つが自営業の場合は必要であると。しかし、ウーバーの場合は、自分で自前の顧客ベースを構築できない、価格も決められない、ウーバーが仕事を監督している、乗車の提供を三回断るとまだ働いているのというメッセージが来る、自由がないということから、自営業ではなくて労働者だとやりました。そのとおりだと思います。ベルコの闘争もあります。
 実は、自営業と言われながら労働者だという働き方、いっぱいあるじゃないですか。どうするんですか。

#80
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 労働基準法上の労働者に該当するか否かは、契約の名称にかかわらず、実態を踏まえて個別具体的に判断し、労働基準法上の労働者と認められる場合には必要な保護を行っているところでございます。
 今般の法改正で新たに盛り込む業務委託契約により高年齢者の就業を確保する場合においても、実態として指揮命令が行われ雇用関係が成立していると判断されるような事案が生じることがあってはならないと考えてございます。
 先ほども申し上げましたが、偽装雇用のような働き方が広がらないよう、労働者性の要件に照らして留意すべき点を指針に定めることなどについて、今後、労働政策審議会で議論してまいりたいと考えてございます。

#81
○福島みずほ君 これは日本の例で、こういうグループホームの働き方があります。夕方十六時から二十時までの四時間は雇用契約、夜二十時から朝六時までの十時間は業務委託契約、朝六時から十時までは四時間雇用契約。これは、グループホームの世話人業務とかに従事している人のものです。同じ職場で同じ労働者で相手が同じなんだけれど、時間によって労働者、そして夜中は業務委託、そしてまた労働者になるわけです。夜間の二十時から朝六時までの十時間は業務委託契約で、一律五千円です。最賃の潜脱じゃないですか。同じ同一人物で同じ場所ですよ。
 こんなこと、時間によって労働者になったり業務委託契約になったり、こんなの許されるんですか。これ、大問題だと思いますが、いかがですか。

#82
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員からの御紹介ありましたちょっと個別の事案については答弁は控えさせていただきますが、夜間のみ業務委託契約に切り替えられているというような場合におきましても、労働基準法の労働者に該当するか否かは、契約形態にかかわらず、実態を勘案して総合的に判断されるものでございますので、労働者としての実態があれば労働基準関係法令の適用を受けるものでございます。
 また、そういった関係について働く方から労働基準関係法令の違反があるということで監督署の方に申告がなされました場合には、監督指導を実施しまして、必要に応じて、労働基準法の適用、あるいは労働者性を判断の上、労働基準関係法令違反が認められた場合はその是正をしっかり指導していくということとなると考えています。

#83
○福島みずほ君 これ、お弁当とか介護の現場であるんですよ。同じ職場でなぜ夜間だけ十時間業務委託なのか。同じ人ですよ、同じ場所ですよ、同じ仕事ですよ。これ、問題でしょう。どうですか。

#84
○政府参考人(坂口卓君) 繰り返しになりますけれども、ちょっと個別の事案についての答弁は控えさせていただきます。先ほどのような形で申し上げたとおりでございますので、一般論としまして先ほど申し上げたとおりでございますので、監督署の方に申告がなされた場合には、監督指導を実施して、必要に応じて、労働基準法の適用、労働者性の判断をした上で、基準関係法令違反が認められた場合はその是正を指導するということでございます。

#85
○福島みずほ君 六十五から七十の間、やっぱり少しでもお金が欲しいと思ったらやむなく働く。それ、業務委託だったり個人営業と言われたりしているけれど、実際は労働者だったときと変わらないという働き方の延長線上で働かされる。もう本当に高齢者ワーキングプアというか、高齢フリーランスワーキングプアへの道で、しかも、ワーキングプアですらない。先日のこの厚生労働委員会で、労災については今後しっかり検討するという答弁が大臣からありましたが、本当に労働者保護から本当にそれが奪われているわけですね。
 という意味では、ここはしっかり、業務委託だとかいうのではなくて、労働者性があるということに注目して、厚生労働省、頑張って保護してくださいよ。いかがですか。

#86
○政府参考人(坂口卓君) 済みません、一般論としては、先ほど申し上げたように個別の態様に基づいて対応させていただくということでございますし、今般の問題につきましては、労働者性の要件に照らして留意すべき点を指針に定めるというようなことなども含めて、今後、安定局の方で、労政審の方で議論をするということとなると思います。

#87
○福島みずほ君 新型コロナウイルス感染の問題についてお聞きをします。
 先ほども足立理事、委員からもありましたが、済みません、足立理事からもありましたが、済みません、失礼しました。大臣、今の状況、とりわけ東京の状況をどう見ていらっしゃいますか。

#88
○国務大臣(加藤勝信君) 新型コロナウイルスの東京における感染状況ということであります。
 昨日、知事からも緊急の会見もありました。特にリンクの見えない孤発の事例が増えてきている、そうしたことを踏まえて、まさにこれから感染者が急激に増加するかどうかの分かれ目に来ている、重大な局面にある、こういう認識だというふうに思います。

#89
○福島みずほ君 お手元に配付資料をお配りしております。今年の三月六日の厚労省が各都道府県に出した事務連絡です。
 そこでいろんなシミュレーションをしていて、厚労省はこれをシナリオというふうに書いていらっしゃいますが、ピーク時は、各都道府県等において疫学的関連性が把握できない程度に感染が拡大した時点からおおむね三か月後に到来すると推計されていると。それぞれどういう形になるのか、重症者の治療が必要な人はどれぐらい出るか、入院治療が必要な患者数の計算方式まで出しています。
 私、これを見て、実はこれ見たのは割と最近なんですが、三か月後にピークが起きるって、五月か六月でしょう。オリンピックの直前じゃないですか。そもそもオリンピックなんてやれなかったんじゃないですか。

#90
○国務大臣(加藤勝信君) これはあくまでも、他国における情勢等を踏まえながら、専門家がどういう形でこれからの地域における医療ニーズを計算したらいいだろうかということについて一定の式を提出し、そしてそれぞれの地域の特に年齢構成に応じて計算をしていただいて、入院、外来、入院重症者、それぞれの数を算出し、それに応じた提供体制を取ってほしいということでありますから、これ、ほかの話で、ほかに何があるかということではなくて、まさに感染拡大したときの入院医療体制をどうすればいいのかという、まさにその点に集中をした議論だということでありますので。そこから周りにおいては、多分、オリンピックの話もありました、それ以外に経済社会に対する影響とか、それはいろんなことがあるんだろうと思いますけれども、これはあくまでも医療ニーズについての今申し上げた見通しを取った中で、仮にこれから感染が拡大してもしっかりと地域において医療が提供できる、そのための準備をしていこう、こういうための資料であります。

#91
○福島みずほ君 東京都は他に比べても検査数がとても少ないんですね。最近は感染者の数が六十とか上がってきておりますが、非常に少ない。特に三連休とか休みのときは数件という例もあるんですよ。
 オリンピックの延期を決める、というか、二十一日の日に厚生労働省は東京都に、兵庫、大阪に配ったような資料を渡している、そして、月曜日の二十三日にまさに総理が予算委員会で延期の可能性を言う、そして、その次の日の二十四日、正式に延期する、そうしたら、二十五日の夕方、突然、小池さんがロックダウンの可能性とか言い出すわけですね。じゃ、二十一日にもらっていたら五日間あるわけじゃないですか。つまり、オリンピックの延期が決めるまで本当に検査件数などを抑えてきたんじゃないか。何でそれ、いろんなシミュレーションとかあったのに一切それ言わず、今になって極端なロックダウンとか言うのかというのは大変不信感を持っております。
 軽症者の隔離についてお聞きをいたします。
 選手村を使うというのはどうかというのを都知事は提示をいたしました。厚生労働省、是非、こういう点頑張ってほしいと。
 年越し派遣村があったのは二〇〇八年の十二月末からお正月にかけてです。十二月三十一日の夜は、私は厚生労働省の講堂におりました。大村副知事が来てくれて、そして、当時は舛添大臣です。どこにも行き場がない人たちは、大みそかの夜、厚生労働省の講堂を開放してもらったので、凍えないで、そこでみんな寝たんですよね。たくさんの人が寝ておりました。
 軽症者の隔離のためとか、もちろん医療とかが必要なことも大変分かります。厚生労働省、知恵絞ってくださいよ、かつてやってくれたんだから。どうでしょうか。

#92
○国務大臣(加藤勝信君) いや、ごめんなさい、何を、そうした派遣等、住所がなくなった人の確保の話なのか、軽症者への対応なのか、済みません、ちょっとどちらか分からなかったです。

#93
○福島みずほ君 ですから、軽症者の隔離などについて場所の提供等を是非努力していただきたい。どうでしょうか。

#94
○国務大臣(加藤勝信君) これも、これまで基本方針あるいは専門家会議からの提言も出されておりました。地域において重症者を優先するというために、入院治療の必要のない軽症者や無症者、無症状の陽性者は自宅療養として健康状態を把握するということ、また、これらの自宅療養する方が高齢者や基礎疾患がある方と同居していて家族内感染のおそれが高い場合、症状が軽い陽性者等が宿泊施設等での療養を行うなど、接触の機会を減らす方策を検討することなどが挙げられているわけであります。こうした体制の確保に向けて、これ、それぞれの地域において議論をいただき、またそのための費用等に対しては我々もしっかり支援をしていくということにしております。
 今、具体的なオリンピック選手村を活用するかどうかということについては、これは東京都が御判断するということだと思いますけれども、いずれにしても、それぞれの地域においてそうした、今申し上げたのは軽症者あるいは無症状の陽性者を別途病院以外においてお入りいただくための施設を確保していく、そういう議論があるわけでありまして、その辺は我々もよく連携を取りながら、財政的な支援も含めて対応していきたいと思います。

#95
○福島みずほ君 海外からの帰国者について、政府が二週間隔離できる場所を提供すべきではないですか。

#96
○国務大臣(加藤勝信君) 今、海外から、一定入国制限をしておりますけど、相当の数の方が来られております。これを全て私どもだけで、しかも十四日間、これはとてもとても、人数的にも万を超えるオーダーになりますので、これは大変難しいというふうに思っております。
 実態、現在でも、レベル三の地域から入ってこられる方についても、公共交通機関を使わずに自宅に帰られる方は自宅でPCR検査をした後お待ちをいただく、こういう対応をさせていただいているところであります。ただ、そこまでのそういった対応が取れない方に対しては、私どもも宿泊施設等の情報を提供する中でそういった宿泊施設でお待ちをいただく、こういう仕組みの中で今どうにか運用しているところでありますので、これから更にそうした対象が拡大していく可能性もあるわけでありますので、こうした仕組みの中でしっかりとそうした水際での対応ができるようにまずは体制をつくっていきたいというふうに思っています。

#97
○福島みずほ君 自宅に帰れる人はいいですよ、公共輸送を使わず、公共交通機関使わずに。そうでない人がいる。そして、ホテルからは宿泊を断られる。行き場がないんですよ。だったら帰っちゃえとかいう形になりかねない。ここはしっかり対応すべきであって、ここからまさに感染が拡散していくということをやっぱり止める、止めなければならないというふうに思います。
 次に、生活保護ホットラインの結果とその要望書が出ております。
 その要望は、不動産、自動車等の資産を所有している場合も含め、預金等の即時活用できる資産、能力がなく、かつ手持ち現金が乏しい場合には、急迫した事由があるもの、生活保護法四条三項として幅広く認め、保護を開始すべきではないかというものです。いかがでしょうか。

#98
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 委員御指摘の預貯金等の即時活用できる資産、能力がなく、かつ手持ち現金が乏しい場合でございますけれども、全てのケースにつきまして生活保護法第四条第三項の急迫した事由があるものとして職権保護を適用するのは適当ではなく、病気により要保護者本人に十分な意思能力がない場合等におきまして真に急迫した事由があるケースにおきまして職権保護を適用することになります。
 議員御指摘のケースですけれども、通常の場合であれば原則どおり保護の申請をいただくことになりますけれども、処分して生活費に充てることが必要となる不動産や自動車等の資産が直ちに処分できないときで生活保護の要件に該当する場合には先に保護を開始していただいて、資産を処分後、既に支給した保護費を返還していただくといった取扱いも可能となっているところでございます。

#99
○福島みずほ君 派遣切りのときも、あのとき生活保護のやっぱり支給を頑張ってもらったんですね。あのときはワンストップサービスをどうつくるかというのも大きな課題でした。
 是非、要するに生きるか死ぬかという、そういう状況に本当になりかねないわけで、是非命綱たる生活保護がこういう場合こそ作動すべきであるということを強く申し上げます。
 子供とそれから女性に対するケアのことについて、次に御質問いたします。
 セーブ・ザ・チルドレンが子供たち九百六十一人から回答をもらっています。子供たちのいろんな声が本当に集計されているんですが、子供の声、コロナになったら死ぬのが怖い、小学校二年、愛知県、コロナウイルスが気になって外に出ることが怖い、小二、宮崎県とかあるんですね。
 その中でもこういう声があります。これは小学校五年生、大阪府、急に決めて急に始めないでほしい、みんな戸惑っているし、先生がすごいしんどそう、みんなどれだけ大変な思いをしていたのか知っていますか、そこまで決めてから言ってほしかったというのがあります。それから次、小学校五年生、東京都、なぜ休校になったのかきちんと教えてもらっていない、デンマークでは偉い人が子供に向けてきちんと説明してくれたとお父さんが教えてくれた、日本でもしっかり話をしてほしい。
 いかがでしょうか。子供たちにしっかり説明する必要があるんじゃないでしょうか。文科省、厚労省、いかがでしょうか。

#100
○政府参考人(蝦名喜之君) お答えをいたします。
 新型コロナウイルス感染症に関する子供たちへの情報につきましてでございますが、厚生労働省、経済産業省、消費者庁と連携をして、例えば手洗いの正しい方法を含む新型コロナウイルス感染症から身を守る方法でありますとか、他人にうつさないために心掛けることなどを子供にとって分かりやすく紹介した動画を作成をいたしまして、文部科学省のホームページにおいてもこれを公開するとともに、三月二十五日付けの事務連絡で教育委員会等に周知を行ったところでございます。
 また、三月二十四日付けで発出をした新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドラインにおきましても、正しい手の洗い方を図示をした上で、学校における手洗いの指導を徹底することや新型コロナウイルス感染症に関する適切な知識を基に発達段階に応じた指導を行うこと等について、教育委員会などに対しまして依頼を行ったところでございます。
 引き続き、感染症の予防等について子供たちが適切な行動を取ることができるよう、健康教育の推進に努めてまいりたいと考えてございます。

#101
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 子供に分かりやすくというのは、もうまさに委員御指摘のとおりだと思います。
 二十八日に策定されました基本的対処方針におきましても、政府として、国民に対する正確で分かりやすく、かつ状況の変化に即応した情報提供や呼びかけを行い、行動変容に資する啓発を進めることとか、SNS等の媒体も積極的に活用することとされておりまして、厚生労働省におきましても、これまでもホームページを通じて啓発資料とかリーフレットを載せていますほか、先ほど文科省の方からも御紹介ありましたが、一緒に動画というような手法で手洗いの方法とかマスクの着け方とかも広報させていただいているところでございます。
 引き続き、正しく分かりやすい情報発信に努めてまいりたいと考えております。

#102
○福島みずほ君 お手元に配付資料をお配りしておりますが、全国女性シェルターネットが要望書を出しています。新型コロナウィルス対策状況下におけるDV・児童虐待防止に関する要望書です。女性の暴力に関する国連特別報告者も、世界各国が外出制限などを打ち出す中で、家庭内暴力が増えるおそれが非常に強いと警告する声明を発表しています。
 まさに、相談窓口が閉まっていたり、家の中で夫と一緒にいる、子供もいて、なかなか子供もストレスフルだし、親もなかなか大変である、経済的にも大変だという中でDVがもう増えるというのは割と言われていますし、今世界はこのことに取り組み始めています。例えば、緊急の状況下においてもDVや虐待の相談窓口を閉じないでくださいという要望もあります。いかがでしょうか。

#103
○政府参考人(伊藤信君) お答えいたします。
 今御指摘ありましたとおり、新型コロナウイルス問題に起因する外出自粛ですとか休業などが行われる中、生活不安、ストレスからDV等が増加したり深刻化したりすることが懸念をされてございます。
 内閣府といたしましては、まずはDV相談窓口について内閣府のSNS等で情報発信したところでございます。さらに、来年度におきましては、民間シェルター等におけるDV被害者支援の取組を促進するため、新規に予算を計上いたしましてパイロット事業を実施することとしておりまして、被害者支援の充実を進めていく予定でございます。
 今後、関係団体等の御意見も伺いつつ、更に必要となる取組の検討を行い、できることから速やかに実施をしてまいりたいというふうに考えてございます。

#104
○福島みずほ君 これについて、しっかり取り組んでください。
 今日はGPIFにも来ていただいています。
 二〇一四年、ここの委員会で塩崎大臣と随分論争をしました。まさに四分の一の株を二分の一まで運用するというもので、ポートフォリオを変える必要があるのではないですか。
 それから、今日付けで理事長と二人の理事が退職すると聞いておりますが、退職金を教えてください。

#105
○政府参考人(高橋俊之君) GPIFの基本ポートフォリオでございますけれども、令和二年四月一日から始まります次の中期計画に向けましてこれまで改定の議論をしてまいりました。国内の金利低下によりまして国内債券の利回りが低下しておりますので、そういう状況に鑑みまして必要な見直しを行うこととしておりまして、本日午後三時、GPIFより公表の予定でございます。
 また、退職金のお話がございました。GPIFの理事長及び理事、三月末で退任の予定でございます。これに伴います退職手当でございますけれども、GPIF法の規定に基づきまして所定の計算をして支払うわけでございますけれども、これにつきましては、業績勘案率というのを独法としての評価が終わった後に指定することになっておりまして、実際の支払はその後となってございます。

#106
○福島みずほ君 終わります。

#107
○田島麻衣子君 立憲・国民.新緑風会・社民の田島麻衣子です。
 今回は、雇用保険法等の一部を改正する法律案について質問させていただきます。
 まず冒頭で、この法案は非常に多岐にわたるテーマをカバーしているということを申し上げたいと思います。国民の生活と健康にそれぞれ非常に関係するテーマであるにもかかわらず、たった二日の審議で一括で決議をする合理性について考えております。来月から施行しなければならないものがあるということから今日決議しなければいけないということも十分理解しておりますが、私の事務所に二十七団体がファクスで要請をしてくださいました。皆さん、少なくとも、少なくとも高齢者の就業機会の確保についてはもうちょっと別建てでしっかりと審議をして可決するべきであるという声をいただいたということをまず冒頭に共有させていただきたいと思いました。
 まず、高年齢者の就業機会の確保について質問したいと思います。
 足立理事からもありましたけれども、意欲ある高齢者が年齢に関係なく働き続ける環境づくりというところではありますが、本当に皆さんが働きたいと思っていらっしゃるのか、この中には働かざるを得ない高齢者もいるのではないのか、また、現状を十分に理解せずに事故に巻き込まれる高齢者がたくさんいるのではないかという問題意識を私自身は持っております。
 皆様に配付いたしました資料一を御覧いただきたいと思います。
 二〇一八年度で、労災事故に巻き込まれた高齢者、六十歳以上の人口が最も多くなりました。この数は三万三千二百四十六人です。三万人以上の高齢者が労災事故に巻き込まれている。そして、六十歳以上の高齢者が占める割合は二〇一八年に四分の一を超えました。これ、初めてです。日本社会がかつて経験したことのないスピードで労災事故の高齢化も進んでおります。
 これについて、まず厚労省の方にお聞きしたいです。高年齢労働者の労働災害について、現在労働災害が最も多く発生している業種、また件数、その原因についてお聞かせください。

#108
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 平成三十年に発生しました休業四日以上の死傷災害のうち、六十歳以上の労働者の方が被災されました災害の上位の五業種につきましてですが、製造業が一番多く六千九十六人、商業が次いで五千七百六十人、建設業が三千九百九十二人、保健衛生業が三千九百三十人、運輸交通業が三千三百八十七人となっております。
 これらの災害の要因でございますけれども、今回ガイドラインを作るに先立って御検討いただいた有識者会議の報告書におきましては、高年齢の労働者の方は若年層に比べて健康状況や身体機能など、具体的には聴力でありますとか視力、平衡感覚、筋力等が低下するということが転倒あるいは墜落、転落等の労働災害の発生に影響していると指摘をされております。今回こういったことを踏まえてガイドラインを定めて、体力チェック等の実施を通じて高年齢労働者の本人の気付きあるいは身体機能の維持向上に取り組むことが望ましい旨を示したところでございます。
 ただ、提言の中では、さらに高年齢労働者の健康状況、労働災害との関連について、あるいは対策についての更なる研究ということも必要と御指摘もいただいておりまして、来年度から厚生労働科学研究費補助金によって調査研究を行うこととしておりまして、引き続き更なる調査分析にしっかり努めてまいりたいと思います。

#109
○田島麻衣子君 幾つか記事を読ませていただきたいと思っております。
 六十代後半のユウコさん、この方は、定年をした後、配偶者の病院の費用を支払うために、自分たちが本当に仕事をしたいからではなくて伴侶の病院費用の捻出のためにビルのメンテナンス会社でパートとして清掃作業を行った。この際に転落をし、頭部外傷、頸椎骨折、首ですね、そして右の大腿骨骨折、歯の抜去などの重傷を行ったというふうに出ております。これが、労災の手続をしても三か月間放置をされた。その間、社長はどなるような口調で家族の電話に対応した。最後に言われた言葉は辞めてほしい、このような言葉だったというふうに理解しております。
 先月、二月二十日ですね、今年の新聞記事でございます。宅地造成工事現場でショベルカーが掘削作業をする際に、女性従業員がショベルカーにひかれ死亡した。先月行われていますよ。
 こうした件数が三万件を超える、一年に起こっている。こうした現状を直視することなしに七十歳以上の働き方改革、皆さんが働ける環境づくり、こうしたことは絶対に私できないと思うんです。
 なぜこうした事故が減らないのか、この要因についてどういうふうに理解されているか、厚労省の方々に伺いたいと思います。

#110
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 ちょっと今御指摘になられました例の一つが女性の方の労働災害であったかと思いますが、女性の方、今御紹介あったのはビルメンテナンスということでございましたけれども、男女比率から見ますと女性の方の多く勤められているのが第三次産業ということで、小売業であったり社会福祉施設、飲食店等が多く見られるということでございます。
 そういった中で、これらの業種においてどういった災害の種類が多いかということで見ますと、転倒が多いということでございます。やはり第三次産業におきますと、製造業、建設業と比べていまだ安全衛生管理の仕組みが十分機能していないということもありまして、転倒等の災害防止のために手すりであったり滑り止め等の設置であったり、あるいは段差の解消等を実施している事業場割合が低いというようなことで、こういったところでの就労する女性の割合も高いことも加味して労働災害が多くなっているということで私どもとしては考えております。
 また、有識者会議では、女性の方はやはり骨粗鬆症との関係で転んでの骨折等の関係、骨密度が低くなってしまってちょっとした転倒でも骨折などになってしまうというような高齢女性特有の傾向ということも有識者会議では指摘されていたということもございまして、こういった点も踏まえながら対応あるいは今後の調査分析を引き続きということで考えております。

#111
○田島麻衣子君 資料一番目のこの記事のタイトルは、若者敬遠の清掃、警備が突出しているというふうに出ております。これ、本当にこの高齢者の労災事故が多発している原因の一つに、やはり人材不足、人手不足、若者が大企業や安全な仕事に就いて、高齢者が本当に誰も行きたくないような場所に行かざるを得ない、こうした現状があるのではないかなと私自身は思うんです。
 三月二十六日、石橋理事の質疑において政府参考人、こうおっしゃいました。高年齢者雇用安定法により企業に義務付けられている六十五歳までの雇用確保措置について、これまで企業名の公表を行った例がないというところではございますがというふうに言っています。
 この高齢者等の雇用安定措置法、平成二十四年に改正案が成立されていますね。二十四年から今までどれだけ時間があったか。この中で、こんなにたくさん高齢者の労災事故が発生したにもかかわらず企業名を公表した例が一件もないということは一体どういうことであるかと、私自身全く理解ができないんですが、厚生労働大臣、答弁の方お願いいたします。

#112
○政府参考人(達谷窟庸野君) 高年齢者雇用安定法に基づきます企業名の公表につきましては、同法に基づいて企業に義務付けられている六十五歳までの雇用確保措置に係るものでございまして、この雇用確保措置、具体的には定年の廃止あるいは定年年齢の引上げあるいは六十五歳までの継続雇用制度を導入するということが義務付けられてございまして、これの未実施の企業を把握した場合には、管轄のハローワーク及び労働局の訪問等による指導を行った上で、改善が見られない場合は指導文書の発出、なお違反しているときは労働局長による勧告、それでも改善が図られない場合は企業名の公表を行うということでございます。
 これまでのところ、労働局幹部の直接訪問など段階を踏んだ指導等により、企業において高年齢者の雇用確保措置の実施につきましては適切に改善が図られているところでございまして、企業名の公表には至った例がないところでございます。

#113
○田島麻衣子君 今、この社会には労災隠しということも本当に行われています。悪質です。
 記事読みます。昨年十一月、金属製品製造会社の社長が、六十代の男性従業員二人、作業中に足を骨折するなどしたのに報告をしなかったとして書類送検されました。社長はこう言ったんです。二人を、この高年齢者の労働者の方ですね、二人を社会保険に加入させていないことがばれると思った。だから報告しなかったんです。こういった例がほかにもたくさん出ているんです。
 本当にちゃんと指導監督、そして状況の把握、厚生労働省の皆さんされているんでしょうか。もう一度答弁お願いいたします。

#114
○政府参考人(坂口卓君) 今御指摘ありました個別の案件は控えますけれども、当然、高年齢労働者の方がそういった労働災害に遭われたということになりますと、当然、監督署の方に死傷病報告を出していただくということでございますし、私ども、その安全衛生管理等で問題がなかったかということについては必要な監督指導を行って、違反が認められた場合には厳正に指導をするということでございますので、今後ともそういった対応をしっかり対応してまいりたいと思います。

#115
○田島麻衣子君 報告しないんですよ。ばれると思ったからしたくなかった、報告したくなかったというね。こういう事業者がたくさんいる中でどういうふうに周知徹底をし、状況を把握するんですか。

#116
○政府参考人(坂口卓君) 死傷病報告等につきましては義務でございますので、当然、周知啓発というのは当然でございますけれども、逆にこういった無届け、無報告ということになりますと、それは厳正にきっちり指導をするということでございます。

#117
○田島麻衣子君 こういった企業が一番恐れるのは、やはり企業名を公表されることだと思うんですよね。ずっと今までやっているにもかかわらずこの労災の被害者の数がどんどんどんどん増え続けていて、それは本当に効果を出しているのかどうか分からないという状況ですよね。
 これ、本当に悪質な事業者に対しては、今後七十歳までの雇用者の労働環境を確保、整備するに当たって事業者名の公表をもっと積極的にする、こうしたお考えはないですか。

#118
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 先ほども悪質なケース、例えば死傷病報告を提出しない、報告しない、繰り返し私どもの指導に対しても対応しないというようなことであれば、私どももしかるべく送検する等の措置をとるということでございますし、そういった送検をしたということであれば、そういったものについては公表するということもございます。
 いずれにしましても、悪質な事業所に対しては厳正にしっかり対応したいと考えております。

#119
○田島麻衣子君 いろんな議員の方からの質問でよくお答えになるのが、エイジフレンドリーガイドラインを使って周知徹底をするというふうにおっしゃっています。
 まず、高齢者の方を対象にしていて横文字を使うということに私は本当に広報のセンスがあるのかどうかというふうに思うんですが、これを見ていても物すごく字が多いです。高齢者の方々、皆さん老眼になります。こんなに字が多いもので小さくて、本当にちゃんと高年齢の労働者の方々がこれを読んで理解できる、本当にそういうふうに思っていらっしゃいますか。

#120
○政府参考人(坂口卓君) ガイドラインにつきましては、事業者の方に求められる事項、あるいは労働者の方に取組が求められる事項ということでまとめさせていただいたものでございます。広くしっかり周知をしていくということが必要でございますので、分かりやすいもの、分かりやすい周知の仕方ということについては今後また工夫をさせていただきたいと思います。

#121
○田島麻衣子君 今、いろんな高齢者の方、認知症増えています。二〇二五年には七百万人の方が認知症になるというふうに言われています。こうした方々が非常に難しいことを理解して、正しく判断をして、自分の身に状況が起こることを理解できるとは私は本当に思えないなというふうに思っています。
 委託契約、有償ボランティア制度の導入について今後内容を省令で定めるというふうにおっしゃっていますが、この内容において、勘違い、錯誤があった場合の効果についてお教えください。

#122
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 委託契約とか有償社会貢献事業につきまして、まず労使合意の対象となる運用計画についてでございますが、高齢者の働き方に関わり、また合意の重要性に鑑みまして、まず書面で行っていただくことが適当であるということで考えます。これ、使用者と労働者の過半数代表等と行う労使合意ということでございます。
 また、その内容に誤解等が生じないように、労使合意を得る際には、当該措置の内容や労働関係法令による労働者保護が及ばないこと、当該措置を選択する理由を書面等により過半数代表者等に十分説明することについて指針で明確にすることを検討してまいりたいと考えてございます。
 次に、労使で合意された内容につきまして個々の労働者に丁寧に説明することなどにより、労使でしっかり共有していくことが重要だというふうに考えてございます。
 さらに、その措置を個々の高齢者の方に適用する場合におきましても、御本人の希望を聴取し、本人の希望を勘案して選択ができるような仕組みとすることを指針で定め、対象となる高齢者の希望を踏まえた措置が講じられるようにしてまいりたいと考えてございます。
 以上のような取組によりまして、労使合意の内容を高齢者が理解しないまま措置が適用されるということがないように取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

#123
○田島麻衣子君 記事をまた読ませていただきたいと思います。
 六十代の女性ですね。製造業で働いていたところ、機械に手を挟まれ、指三本を損傷した。皮膚移植などの緊急手術を受けた。業務中の事故で負ったけがなのに労災保険が適用されないと言われて困っている。この理由は、この有償ボランティア、委嘱契約で契約を結んだ方が、最初に損害賠償を請求しないとの誓約書に署名をさせられていたからだというふうに出ています。
 こういったケース、これからもどんどんどんどん増えてくると思います。こういったケースないようにしますというのは本当にそのとおりだとは思うんですが、こうしたケースが起こってしまった場合、厚生労働省さんとしてどのように対応されようとお考えですか。

#124
○政府参考人(坂口卓君) ちょっと個別のケースでございますので、お答え控えさせていただきますけれども、一般的に、やはり労働災害が起きた場合には先ほどの死傷病報告を出していただく、それから、労災保険が適用になりますので労災保険の請求をしていただくということになります。
 そういった点については、労災保険の制度があるということについて労使によく御理解をいただくということでございますが、先ほどの案件にありましたような労災隠しというような一般的な案件であれば私どもとしては厳正に対応するということでございますし、労働者の方に対しては監督署の方に広く御相談をいただきたいということで周知をしていきたいと思います。

#125
○田島麻衣子君 この委託契約を行う場合に、損害賠償を請求しないという誓約書なんて結ばせるべきではないと私自身思うんですが、そういった指導というのは厚労省としてされないんですか。

#126
○政府参考人(達谷窟庸野君) 今回、新たな雇用によらない措置で業務委託契約を締結するということも措置として認めて、努力義務としてお願いすることになりますが、その場合につきましては労使で十分話し合い、労使双方が納得できる措置が講じられるということが大事だと考えてございます。
 このため、安全及び衛生に関する事項について労使合意の上で定める運用計画の記載事項として省令に定めること、さらに、創業支援等措置により就業する者について、同種の業務に労働者が従事する場合における労働契約法に規定する安全配慮義務の内容も勘案しつつ、業務の内容、性格等に応じた配慮を行うことを指針に定めることなどについて労働政策審議会においてしっかり御議論いただきたいというふうに考えているところでございます。

#127
○田島麻衣子君 議論は本当にいいんですけれども、こういった痛ましい事故が今後本当に起こらないようにするために、もっと地元で、現場でこうした高齢労働者の方々に対するアドバイスを行う存在というのは大事だとは思われませんか。

#128
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 高齢者の方、労働者の方の御相談、私どもハローワークにおきまして、あるいは労働局におきまして御相談をしっかり受けさせていただきたいと思いますし、考えてございます。

#129
○田島麻衣子君 私もそう思います。本当にハローワークの方々、今お仕事物すごい大変だと思うんですが、もしアドバイスができるとしたら彼らのような存在なのかなというふうに思うんですが、ただ、ハローワークの方々、今、雇用調整助成金の窓口にもなっていますし、今後行われるであろう副業、兼業に関する雇用保険の対応というのも迫られるというふうに理解しております。
 このハローワークのキャパシティーを今後どのように確保していくかについて、予算や人員の面についてお考えがあったらお聞かせください。

#130
○政府参考人(小林洋司君) 職員数をストレートに増やすということは今の状況で非常に難しい問題がございます。
 当面、雇用調整助成金等々を大々的に拡充してということがございますので、そういった場合におきましては非常勤の方を採用させていただく、その非常勤の方については専門性を持って即戦力として働いていただけるような方を採用させていただく、そのための予算を計上しているというやり方で進めております。

#131
○田島麻衣子君 次の質問は厚労大臣にお答えしていただきたいと強く思っております。
 資料の三番目をお開けください。
 私の地元でやっているこれ食堂なんですけれども、この食堂を始めた方というのは介護福祉士なんです。本当に長年高齢者の方々の介護をしていて、やるべきことというのは高齢者が本当に仕事ができる場をつくること、社会との接点を失わせない場をつくることだということを考えてこういうものを立ち上げています。
 今、この日本社会がすべきこと、投資をすべき部分というのは、高齢者の方々が若者も就きたくないような仕事に行かざるを得ない環境でこうしたガイドラインを配ることだけではなくて、もっともっと彼らが、高齢者の方々が自分自身の人生を生きられる場をつくっていく、こういったところに補助金等の助成金を出していくことも必要であると私思います。
 厚労大臣として、今後、認知症の方々増えていきますが、こうした方々の仕事の在り方、これについてお考えがあったらお聞かせください。

#132
○国務大臣(加藤勝信君) このちばる食堂というんでしょうかね、こういった取組、私の地元でも、認知症の方、あるいは高齢者の方、あるいは障害のある方々と地域の方が一緒になって食堂を運営したり、また様々な活動をされておられるところでありますので、まさに、こうした認知症であり、障害もあり、またそういうことがない方も含めてまさに一緒になって地域をつくって生きていけるまさに我々地域共生社会を実現をしていきたい、こういった意味で様々な取組をさせていただいているところであります。
 この法改正の中に直接そうした支援にストレートにつながるものはないとは思いますけれども、高齢者の様々な状況に応じて多様な雇用や就業の機会が確保される意味においてはまた一つの価値、意味があるのではないかと思いますし、また、現在、いわゆる認知症サポーター、あるいは今、日本では一千万を超えるサポーターが出ていただいております。また、そういった皆さん方を更にうまく地域に置いて、コーディネーターを配置をしてそうしたサポーターとうまく支援者をつなぐ仕組み、これチームオレンジと言っておりますけれども、そういった活動も進めていこうというふうに考えているところでございます。
 いずれにしても、地域においてこうした中心となる方々がまたいろんな方々を声を掛けていただきながら進めていく、それがまさに地域社会をつくっていくその基本にあると思いますし、また、それを我々としても応援をしていきたいというふうに思います。

#133
○田島麻衣子君 最後の四分間で、中途採用に関する情報公開について伺いたいと思います。
 これまでこの委員会でもまだテーマとして上げられていないんですが、大企業に対する中途採用をこれから義務付けるということをこの法案の改正案の中に一部に入っています。これ、男女別も出したら物すごく、女性の今仕事を探していらっしゃる方が、こういった大企業は女性を積極的に採るんだということで、女性の雇用も進むのではないかと思うんです。
 この大企業に対する中途採用比率の公表について、男女別、これも付けていただけないでしょうか、厚労大臣、お答えください。

#134
○国務大臣(加藤勝信君) 今般の法改正では、大企業の事業主に対して、統一的な仕様により、しかも過去数年間の中途採用に関する情報の公表を求める、それによって、企業が長期的な安定雇用の機会を中途採用者にも提供している、こうした状況の見える化、また、見える化を進めることによって大企業にそうした取組をより促進を図っていきたいというふうに思います。求職者から、就職を希望している企業が中途採用に積極的かどうかという採用方針に関するまた比較も求職者側から可能になるわけでありますから、まさに職業の選択に役立つというふうに思います。
 今、更なる情報公表ということがありますけれども、これは企業への負担ということも当然考えていかなければならないと思います。正規雇用労働者の中途採用比率以外の例えば中年、高齢者、就職氷河期世代の中途採用比率等において自主的な公表が進むように支援をしていきたいと思っておりますし、また、議員御指摘の女性の中途採用比率についてもこれらと併せて自主的な公表を支援していきたいというふうに思っておりますし、また、女性活躍推進法においてもこうした情報公表ということが言われているわけであります。そうした意味において、男女別の再雇用又は中途採用の実績というのは情報公表の対象となる選択項目の一つとして設けられているということもございます。
 それなんかも踏まえて、それぞれまず企業において自主的な公表をお願いをしていく、そして、それが、それぞれの企業が自主的にすることによってよりその企業のそうした採用に対する姿勢が見えてくるわけでありますから、それが更に他の公表していない企業においてもより公表を生むようにしていく、こういう流れをつくっていきたいというふうに思います。

#135
○田島麻衣子君 今、有価証券報告書でも役員の女性の比率というのは出すというふうに義務付けられています。これ、そんなに難しいことではないと思うんですよね。履歴書に男、女と、どちらかを埋めなきゃいけないものというのはありますね、それ以外でもいいですけれども。自民党の皆さんも、女性の方、思いませんか、この中途採用で……(発言する者あり)ほらほら、いい、いいとおっしゃっていますよ。男性、女性、どれだけの者が中途採用、大企業入っているのかって、これ、日本社会、必要だと思うんです。本当に女性が輝く社会、これを掲げる安倍政権なれば、このぐらい私やっていただきたいとすごく思っています。
 自主的じゃなくて、やってくださった方々は例えば厚労省のホームページで公表していくとか、そういった取組を、そういったことを検討していただけないでしょうか、お願いします。

#136
○政府参考人(小林洋司君) まず、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、自主的な公表の項目については、こういったことが促進されるように検討したいと思います。
 また、見える化を図るということに関して申し上げますと、女性活躍推進法の方で企業の自主的な取組というものの見える化が進められておると思いますので、そういったものの活用ということも考えられないか、併せて考えたいと思います。

#137
○田島麻衣子君 前向きな答弁、ありがとうございました。
 質問を終わらせていただきたいと思います。

#138
○委員長(そのだ修光君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会

#139
○委員長(そのだ修光君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#140
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 今日も雇用保険法の改正についての審議ということでありますが、ちょっと最初に、またコロナウイルス関係のことについて質問を何点かさせていただきたいと思います。
 昨日ですかね、志村けんさんが亡くなられたという報道もありました。これまで死者数も出ていますし、また、東京におきましては感染者数がやっぱり拡大していっているという傾向にあります。昨日は日曜日の検体が持ち込まれたということで少なかったんでありますが、月曜日は大体そういった傾向にあるというふうに思っておりまして、これまで都市部、東京、大阪でも拡大傾向にあるというふうに思います。このように全国的に感染が拡大しているわけではありませんが、やっぱり都市部では感染が拡大していっているというような状況にあります。
 そんな中で、東京でも大阪でも外出の自粛要請というものが週末とかされておるわけであります。そんな中で、オーバーシュートが生じて医療崩壊にならないようにしなければならないわけでありますが、記者会見等を聞いておりましても、ぎりぎりだというようなこともやっぱり知事が、小池知事が言っていたりとかするわけであります。そうであるならば、もう緊急事態宣言を出すべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#141
○政府参考人(安居徹君) お答え申し上げます。
 全国的かつ急速な蔓延によりまして、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある事態が発生したと認めるときに緊急事態宣言をすることとされております。
 委員御指摘のように、現在の状況は、緊急事態宣言との関係におきましては、ぎりぎり持ちこたえているという状況にあると認識しております。
 緊急事態宣言につきましては、国民生活に重大な影響を与えることから、多方面からの専門的な知見に基づきまして慎重に判断する必要があると考えております。

#142
○東徹君 全国的というふうな話がありますが、これ、全国が拡大していったんでは、到底都市部はもうとっくに手遅れになっているだろうというふうに思うわけですね。であるならば、やはりもう今、今の状況であればもう出すべきときに来ているんではないかと思いますし、これ確認いたしたいと思いますが、全国そういう状況にならないといけないというわけではないわけですよね。

#143
○政府参考人(安居徹君) 全国をどのように考えるかというものも含めまして、多方面の専門家の先生方と御相談させていただきながら慎重に判断したいというふうに考えております。

#144
○東徹君 では、都市部だけでも非常に厳しい状況だと、例えば東京、大阪がと、まあ東京だけでもいいと思いますし、そういった場合でも緊急事態宣言出すこともあり得るということでよろしいんでしょうか。

#145
○政府参考人(安居徹君) 繰り返し申し訳ないですけれども、その辺も含めまして、専門家の先生方と慎重に検討していきたいというふうに考えております。

#146
○東徹君 我々も、手遅れにならないようにこれはもう早く出すべきだということを申し上げておきたいというふうに思います。
 東京の自粛状況の要請を見ておりますと、これ、雪が降るなど天候が良くなかったということもあって、この週末なんかも人の外出が相当程度これは抑えられたんではないのかなというふうに思っておりますが、まだまだこれは十分とは言えません。海外の外出禁止の状況を見ておりますと、フランスのように罰金を科しているところも国としてあるわけですね。
 我が国では、今の法律では、緊急事態宣言出しても外出自粛についてはこれ要請だけであって、映画館などの大規模な施設に対しても営業自粛の要請とか指示までしかこれできないわけです。これで実効性を担保できるのかというふうに思いますが、今後、更にこれを法改正することを考えているのか、お伺いしたいと思います。

#147
○政府参考人(安居徹君) お答えを申し上げます。
 特措法四十五条第一項におきましては、通院、買い出し、出勤など、生活の維持のために必要なもの以外のいわゆる不要不急の外出につきまして自粛する等について要請するものでございます。また、特措法の第五条におきましては、国民の自由と権利が尊重されるべきことに鑑み、新型インフルエンザ等対策を実施する場合において国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するため必要最小限のものでなければならないと規定されております。このため、委員御指摘のように罰則によって強制力を持たせるなど強制力を強化することにつきましては、その不利益等を総合的に勘案し、慎重に検討することが必要であると考えております。
 いずれにいたしましても、蔓延の防止に関する措置として外出自粛要請等を行う場合につきましては、政府としても各都道府県と密接な連携を図りつつ、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

#148
○東徹君 スペインとかイタリアとか、海外の状況を見ておりますと、やっぱり医療崩壊って本当に恐ろしいなというふうに思うわけでありますね。であるならば、やはり徹底して、やっぱりやるべきときが来たらやらなきゃいけないというふうに思うわけですね。であるならば、ここは今のままではやっぱり不十分ではないのかというふうに思うわけです。
 各都道府県において更にやっぱり厳しいことを課していくべきだというふうになった場合、これは各都道府県の条例でもってそういった罰金を科すことのような条例の制定というのはできるのかどうか、お伺いしたいと思います。

#149
○政府参考人(安居徹君) 繰り返しになりますけれども、特措法四十五条一項につきまして、この規定や、また同じ特措法第五条の趣旨も踏まえますと、罰則によって強制力を持たせることは適当ではないというふうに考えております。
 地方自治法十四条では、普通公共団体は法令に違反しない限りにおいて条例を制定でき、条例に違反した者に対し過料等を科する旨の規定を設けることができることが規定されております。したがいまして、条例で罰則を定めることにつきましても、特措法第四十五条一項において罰則を定めていない趣旨を踏まえまして、慎重に検討する必要があると考えております。

#150
○東徹君 いやいや、できるかできないかをお伺いしているんですよ。
 受動喫煙防止法のときもそうです。都道府県の方でやっぱりより厳しくする場合はまあいいですよということがあるじゃないですか。今回の法律ではやっぱりまだまだ不十分だと、甘いというふうになったときに、都道府県ではもっと厳しくやらないと、やっぱり指示とか要請だけでは不十分だとなった場合にそういった罰則を設けるというふうな、まあ法律の上乗せですよね、そういったことはこれはできるのかできないのか、お伺いしたいと思います。

#151
○政府参考人(安居徹君) 繰り返しになりますけれども、罰則によって強制力を持たせることは特措法の趣旨からいって適当ではないというところでございまして、なかなか現時点においてはっきりできるとかできないとか申し上げにくい部分でございます。

#152
○東徹君 いや、できるかできないか、はっきり言っていただけないと。できるんだったら都道府県も考えるし、できないんだったら、やっぱり、ああ、できないんだなということになるわけですから。これ当然、やっぱりこれは適当ではないとか言わないで、もうはっきりしないといけないんじゃないですか。

#153
○政府参考人(安居徹君) 申し訳ございませんけれども、特措法の趣旨から考えると適当ではないというところでございます。

#154
○東徹君 じゃ、できないんですね。じゃ、できないんですね。

#155
○政府参考人(安居徹君) 地方自治法第十四条におきまして、普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて、第二条二項の事務に関し条例を制定することができるといって記述があるわけでございますけれども、この法律においては罰則によって強制力を持たせるということを述べておりませんので、適当ではないということになります。

#156
○東徹君 いやいや、適当ではないとか言っていたら、これ困るじゃないですか、各都道府県、どうしていいのかね。やっぱり今、非常に厳しい状況になってきた、これは更にやっぱり厳しくしていかないといけないという状況のこともやっぱり想定して、私はやっぱりこれ是非しっかりと御答弁いただきたいと思いますが、よろしいですか。

#157
○政府参考人(安居徹君) 地方自治法上どう解釈するかという部分ございますので、現時点におきましては私の方からは適当ではないということで御理解いただきたいと思うんですけれども。

#158
○東徹君 全然理解できないですね。
 これ、加藤大臣だったら御答弁できますか。

#159
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話がありましたが、結果的に地方自治法をどう解釈するかということでありますので、解釈権限は厚生労働省にも内閣官房にもなく、基本的には多分総務省ということだと思いますので、今日委員の御質問があったということを総務省の方に、総務大臣の方に伝えておきたいというふうに思います。

#160
○東徹君 是非早急に伝えていただいて、やっぱり結論を出していただくべきだというふうに思います。
 新型コロナウイルスに感染した方々は、いろんな状況とか報道等見て、症状とかいろいろあるわけですけれども、一番気になるのは、このコロナウイルスに感染した場合、その人にこれは抗体ができるのかどうか、これについてはいかがなんですか。

#161
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 国立感染研や横浜市立大学等の研究によりますと、新型コロナウイルスに感染した場合、感染者に抗体ができるというふうに承知しております。
 これらの研究で行われた国内の患者さんの検体解析とか海外の論文等の情報からは、これまでに得られた知見としては、抗体は発症後早ければ一週間ぐらいから二週間ぐらいの間で検出可能になるという報告もございますが、いまだ明らかになっていない点もありますので、引き続き情報収集には努めてまいりたいと考えております。

#162
○東徹君 その病原体のことについてですけど、もうちょっとこれはやっぱりはっきりとしていただきたいなと思いますので、やっぱり更なる研究をしていただいて、早めにやっぱりそういった情報提供も出していただきたいと思います。
 新型コロナウイルスの治療薬の開発についてなんですけれども、アビガンに対しても政府が支援していくとか、やっぱりそういった話も報道では出ております。そのほか、ワクチンについても報道とかも出ています。日本だったら田辺三菱製薬とか大阪大学発のベンチャー企業とか、そういった報道も出ておりますし、そしてまた海外だと、今日ですかね、アメリカの方ではジョンソン・エンド・ジョンソンがワクチンを開発して、来年早々には十億ぐらいのワクチンが提供できるような、そういった状況だというふうな報道もありました。
 私はかねがね、こういった治療薬とかワクチン、やっぱり日本が、やっぱり政府が挙げて早くこういったものを増産したり、そしてまた開発したりしていくべきだというふうに言ってきましたが、今現状どうなのか、お聞きしたいと思います。

#163
○政府参考人(宮嵜雅則君) まず、新型コロナウイルス感染症の治療薬についてですけれども、これは、国内に既に患者等に投与経験のある抗ウイルス薬等の有効性等を確認するために、国立国際医療研究センターを中心として多くの医療機関で観察研究等を速やかに開始しているところで、具体的な例としては、今委員からもございましたが、アビガンを含む四つの薬について、新型コロナウイルスに有効性があるかどうかを見極めるための観察研究等について患者さんへの投与が既にスタートしているところでございます。
 いずれも新型コロナウイルス等を用いた基礎研究では一定の有効性が認められるということで現在観察研究等を進めているところですけれども、これらのうちアビガンにつきましては治験も実施されるとのことですので、それらの結果も注視して、治療薬としての有効性について判断してまいりたいというふうに考えております。
 また、ワクチンにつきましては、ワクチン開発は、そのワクチンの安全性の確認とかあるいは有効性、一定の品質を担保しつつ大量生産が可能かどうかという確認を行うこととかを考えると、開発には年単位を要するのではないかというふうに考えております。
 厚生労働省としては、民間の技術を利用しながらワクチンの候補を作製し、可能な限り早く、まずは動物モデル等を用いた有効性の評価が可能となるよう研究を進めていく所存でございまして、なかなか個別の例には言及しにくいですけれども、委員が御指摘のあった国内の例なんかで申し上げますと、今年度も厚労科研で支援しているところでございまして、来年度どうするかというのは今なかなかお約束はできないですけれども、当然必要なものは支援していくという考え方でございます。

#164
○東徹君 アメリカではもう来年早々にはというふうな話ですから、やっぱり日本も早くしていくべきだというふうに思いますので、是非開発を進めていただきたいというふうに思います。
 それでは、雇用保険法の改正について質問させていただきます。
 前回、ちょっと続きになりました中途採用の拡大についてでありますが、この中途採用の拡大、私はこれはやっていくべきだというふうに思うわけでありますし、特に今三十五歳から五十歳ぐらいのいわゆる就職氷河期時代の人たちなんですけれども、この対応をどのようにするかというのは非常に私は大事だというふうに思います。
 自治体も、就職氷河期世代を支援するためにこの世代の職員採用にこれ取り組んできました。兵庫県の宝塚市では、一般事務職として三人、就職氷河期時代の方々を募集すると、三人のところ千八百十六人の申込みがあったということなんですね。結果、一人増やして四人採用したということであります。兵庫県や愛媛県での募集に対しても多くの申込みがあって、就職氷河期世代の方の注目もニーズもこれ高いわけであります。
 ですから、これ政府としても就職氷河期世代の人たちの就職支援、再就職支援をしっかりやっていくんだということでありましたから、是非これやっていただきたいわけですけれども、厚労省でも今年度、就職氷河期世代の採用を行うことで、十名というふうに聞いております。これ、厚労省だけではなくて他の省庁もこれは是非やっていくべきだというふうに思うわけですが、他の省庁はどのような対応をしているのか、お伺いしたいと思います。

#165
○政府参考人(黒田岳士君) お答え申し上げます。
 就職氷河期世代の方々に国家公務員としてもその意欲、能力を生かして御活躍いただくとともに、我々の組織の活性化を図る観点から、令和二年度から令和四年度までの間、政府を挙げて集中的に中途採用をしていくこととしております。
 その先行的な取組として、令和元年度においても厚生労働省と内閣府で就職氷河期世代の方々の中途採用を実施し、先ほど厚労省に御指摘がありましたが、内閣府においては二月末に五名の方の採用が内定をしたと承知しております。
 また、令和二年度の採用に向けて、先週末に人事院が本年十一月二十九日に統一的な試験の第一次選考を実施する旨を公表したところでございます。
 今後とも、政府全体の中途採用に向けた取組に尽力してまいります。

#166
○東徹君 厚労省が十名、それから内閣府が五名、十五名、ほかの省庁はやらないということで間違いないんですか。

#167
○政府参考人(黒田岳士君) ちなみに、先ほど申し上げました令和二年度の採用の試験について申し上げますと、採用予定数は百五十七名になっております。
 今年度については、そもそも国家公務員の中途採用を実施するということを決めたのが昨年の十一月下旬から十二月にかけてでございまして、令和元年度について、各府省の採用スケジュールに照らしまして、一律に取り組んでいくということは困難だということの中で、就労支援を行っている厚生労働省や共生社会政策を行っている内閣府等の協力の下であくまでも先行的に実施したということで、その二省について実施できているものでございます。
 来年度以降は、全省を挙げて取り組んでいくということとしております。

#168
○東徹君 非常に遅いわけですね。地方自治体の方ではやっぱり早くにこれ取り組んでいるわけでありますし、やっぱり国の方が、やっぱり国の方こそやっぱりもっと先駆的にやるべきだということを申し上げておきたいというふうに思います。
 厚労省の退職者の数なんですけれども、今日、資料の方をお配りさせていただいております。
 この定年退職者の数と、それから定年退職以外の退職者の人数ということで、下の表がそうなんですが、平成三十年度であれば九百九十七人の方が中途退職しているということになるわけですね。非常に多い人数でありますし、年々ですね、年々これ、厚生労働省を中途退職されているわけです。
 厚労省を中途退職されて御自身で起業するなり、また、ほかの民間企業に採用されてそこでまた活躍していく、そういったことにおいても中途採用を拡大していくというふうなことは大変大事ではありますが、ただ、これ非常に増えているということが大変気になるわけでありまして、これなぜ厚生労働省を中途退職している方が増えていっているのか、まずお伺いしたいと思います。

#169
○政府参考人(田中誠二君) お答えいたします。
 厚生労働省における定年退職者、それから独立行政法人等への辞職出向等を除く退職者について人数を見ますと、今委員御提出の資料の一番下の計の欄の括弧の中になりますけれども、平成二十五年度で五百十七名であったものが平成三十年度では五百七十五名ということになりまして、いわゆる自己都合退職ということでいいますと、この五年で五十八名の増ということになっております。
 こうした自己都合退職者の状況なんですけれども、平成二十五年と平成三十年度で比べてみますと、年齢層別にちょっと状況が違っておりまして、二十歳代の自己都合退職は増加しておりますし、一方で三十歳代から四十歳代前半層の自己都合退職は若干減少傾向になっております。
 さらに、四十五歳以上の年齢層では退職者が増加ということなんですが、この四十五歳以上の部分は、平成二十五年十一月から実施している早期退職募集制度というものがございまして、自ら手を挙げて退職をしますと退職金が割増しになるという制度ですけれども、そういったものに対する応募が定着して増加しているものと思われます。
 あと、二十歳代、それから三十歳代から四十歳代前半層の増減の要因ということでありますけれども、これいろんな要因があるんでしょうけれども、かなり大きい要因としては年齢構成といったものもあるのではないかというふうに考えております。

#170
○東徹君 要因が年齢構成というのがちょっとよう分かりにくいんですけど、もうちょっと分かりやすく御説明していただけますか。

#171
○政府参考人(田中誠二君) 済みません。
 例えば二十代でいきますと、二十五年度の前、二十三年、二十四年、二十五年度はいわゆる国家公務員の採用抑制をかなり厳しくやっていた時代でありまして、そういう意味では全体の年齢のベースが少ないと。それからまた採用をかなり回復しまして採用が多くなっているので、そういった採用の方針の違いも、結果として同じ率で退職者が出てきても人数がそういう意味では多くなってしまう、そういう要因もあるのではないかというふうに考えております。

#172
○東徹君 大臣におかれましては、是非ちょっと厚生労働省の職員の方が辞めていくのが増えていく傾向にあるということはやっぱり是非御認識いただいて、やっぱりどういったところに問題があるのか、やっぱり解決をしていっていただきたいというふうに思います。
 今回、法案の中で中途採用をやっぱり拡大していくと、そのために三百一人以上の企業において中途採用をしている状況を公表するというのがあります。私はそれ大事だというふうに思いますが、是非とも、やっぱり民間にそういったことを求めていくのであれば、まずはやっぱり厚生労働省がしっかりと中途採用者の採用している人数をやっぱり公表すべきであるということと、そしてやっぱりしっかりと中途採用の人たちも採用していく、これは厚生労働省だけではなくて全省庁においてもやっぱり同じようなことをやっていくということが大事だということを申し上げさせていただいて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#173
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。
 前半は、コロナウイルス感染症に関する質問をさせていただきたいと思います。
 今日は、私、最初に取り上げるのが、地域の保健所とそれから診療所がもう少し連携が取れないかなということをちょっと提案させていただきたいと思います。
 実は、これ、多くの診療所から寄せられている声なんですけれども、今、三十七・五度以上の熱が四日以上続きますと患者さんも非常に気を遣ってくれるんですね。だから、もう電話をくれるようになっているんですね、どうしましょうかと。当然、診療所もいろいろ聞き取りをしまして、一方でふだんの患者さんも待合室にいっぱいいますので、その状況だったら恐らく接触者外来に紹介をすることになりますと、ですから、一度保健所にまず電話をしてもらって、どうするか指示を受けてもらえませんかと、こういう対応をしていくわけなんですね。当然、我々、我々って、診療所側からすれば、じゃ、そちらから、保健所から連絡があったら紹介状を書いても構わないし対応ができるんですけれども、現実には今の保健所さんは、いや、もうこれはうちでは電話だけですから元の電話した診療所に今から行ってくださいと、こういう対応になってしまうわけですよ。そうすると、突然、その患者さんは熱を出した状態で診療所の受付に現れるわけですよね。
 私、もちろん保健所も今忙しいこと分かりますし、地域医療も一緒に活動していかないといけないと思いますので、もしそこで保健所さんができるならばそのかかりつけの先生に連絡をいただいて、自分たちは今から接触者外来を押さえる、だから先生は紹介状を書いて出していただいたら、一発でこれ終わるんですね。ところが、今だったら診療所に現れるから、そこで、この人は、じゃ、接触者外来だと言ったらもう一回保健所に電話して、それでどこの接触者外来かと、で、またそこで紹介状を書いてというやり取りになって、なかなか今、保健所、電話が一時間も二時間もつながらない状態なので、そこの辺りの保健所と地域の診療所とがきちっと連携をしていく、私はこういうことをもう一度厚労省で少し現場の保健所と徹底していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#174
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 御指摘いただいた事案の詳細がちょっと事実関係把握していないので、対応自体がどうだったかというのはちょっとお答えが難しいかと思いますけれども、ただ、一般的に聞かせていただければ、そのとおりだなというふうに受け止めさせていただきまして、一般論で申し上げますけれども、症状に不安がある方がかかりつけ医さんにかかってとか診療所にかかって、そこから相談センターに相談があれば、相談センターにおいて感染が疑われると判断した場合には帰国者・接触者外来を勧めるというのが今の基本的な流れでございますので。
 その上で、二月の二十七日に、もうちょっと具体的に相談センターから帰国者・接触者外来へのその流れが明確になるようにということで、都道府県を通じてそのフロー図というか流れも示させていただいているんですけれども、またそういうのを一つ示しちゃうと、それから外れるとというのがもしかしたらあると思うので、これも含めてですけど、型どおりではなく柔軟に対応していただくというのが大変重要だと思っていまして、議員からの御指摘の点も踏まえまして、引き続き自治体と十分な連携を図りながら適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

#175
○梅村聡君 恐らく厚労省さんはきちっと理解をされているし、やらないといけないというのは分かっておられると思うんですけど、フローチャートを示しますと、現場からは、そこからちょっとでも離れた話は全部これはもうどこどこへ投げるんだというような運用になってしまうので、是非そこら辺りを徹底をしていただければというふうに思っております。
 そして、先々週からずっと私申し上げておりますけれども、大阪の取組ということで、軽症者の方をどうしていくかということをこれもう本当に考えていかないといけない時期になってきました。
 それで、今の患者さんの陽性の増え方を見てみますと、恐らく間もなく感染症の指定ベッドの数を上回ってくるんじゃないかなと思いますけれども、そうしますと、先週からずっと申し上げているように、無症状の陽性の方あるいは軽症者の方は、先ほども議論ありましたけど、自宅待機若しくは施設等を使って待機をしていただくということになると思いますが、これ、待機してもらっているだけでは駄目なんですよね。二週間家におってくださいと言うだけでは駄目で、やっぱりその二週間の間きちっと医療的にどうフォローするのかということの計画が大事だと思うんですが、こういった対応、待機していただいたときに医療側からするとどんなフォローをすべきだと厚労省としては計画をされているのか、教えていただきたいと思います。

#176
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、今後各地域で患者数が大幅に増えたときの状況につきましては、それぞれの地域でどのようにして医療提供体制の整備を図っていくかという課題がございまして、基本方針でも出させていただいて、その後三月一日の具体的な通知でも示させていただいておりますが、さらに三月十九日の専門家会合の状況分析・提言におきましても引き続き同じような考え方で、重症者を優先する医療体制へ迅速に移行するためにということで、入院治療の必要のない軽症者や無症状の陽性者は自宅療養とし健康状態を把握すること等が示されておりまして、それも踏まえまして二十八日に基本的対処方針が定められているところでございますけれども、ここでも、患者が増加し重症者等に対する入院医療の提供に支障を来すおそれがあると判断する都道府県では、重症者等に対する医療の提供に重点を移す観点から、入院治療の必要のない軽症者等は自宅療養としということで、その後に、電話等情報通信機器を用いて遠隔で健康状態を把握していくということとか医師が必要とした場合には電話等情報通信機器を用いて診療を行う体制を整備することということが対処方針でも示されておりますので、具体的に自治体の方でどういうふうに御検討されるかはあれですけれども、厚労省としても、相談を受けて一緒に考えていくというような仕組みになってございますので、そういう形で取り組んでいけたらと思っております。

#177
○梅村聡君 ですから、自宅療養する若しくはどこかで待機をするときは電話などを使って健康チェックをしていくということになるんだと思いますけど、じゃ、具体的にどうしていくかだと思うんですね。
 何で電話ということが出てきたかというと、これは要するに自宅で待機してもらっている患者さんが病院に来てもらったら困るわけ、困ると言ったら変ですけど、困る、大変なことになると。それから、訪問をしたら、そこにまたスタッフが行ってしまうので、またこれが感染の経路になってしまうので、現実的には電話を使うしかないということですよね。
 ところが、保険、これまでの平時でいけば、保険診療で電話でできることって結構限られていたわけですよね。今回、事務連絡を出して、慢性期の方に関しては電話で処方箋を出してもらえるという形が今できてきているわけなんですが、私はこれ一歩進めまして、電話でコロナの方をきちっとフォローすること、これも診療録を作って、できれば保険、平時じゃないときですから保険診療という扱いにしてきちっとルール作りを私はした方がいいんじゃないかなというふうに思っています。
 そうしないと、今の計画だけでいきますと地域のドクターの方がボランティアでやってくださいというような形になってしまうので、私は、今現時点では電話診療でいろんなことするということは認められていないんですけれども、きちっと診療録を作って十四日間フォローするんだったらきちっと保険の中でフォローして、できればその司令塔としては地域の保健所や医師会が絡むという、こういう仕組みをつくっていけば、フォローが患者さんの数が増えていってもきちんとできるんじゃないかなと思いますが、こういう仕組みづくりについてはいかがでしょうか。

#178
○政府参考人(宮嵜雅則君) 御提案いただきまして、ありがとうございます。我々としても、どういう形でやっていこうかというところは今まさに議論して詰めているところで、できるだけ早くお示しできればというふうにしております。
 そんな中で、どこが主体となってその二週間なら二週間フォローしていくかということもございますし、また、そのフォローに当たって、今医師会の先生方というのがありましたが、そのときに、今保険という話もありましたけど、そもそも行政として委託してやるのかとかいろんな、誰がやるのかもそうですし、どういう形でやるのかというのもまさに議論の最中でございまして、先生から御指摘の点というのも有力なというか、選択肢の一つだと思いますので、それも含めて検討させていただければと思っております。

#179
○梅村聡君 一つの地域で十人、二十人ということだったら、これはもうボランティアの力でやっていただいたらいいと思いますけど、これは僕、組織戦になってくると思うので、そういう仕組みをあらかじめやっぱりつくっていくことの大切さを考えていただきたいと思っております。
 もうあと二つだけお聞きしたいんですが、二〇〇九年の新型インフルエンザが流行した際は発熱外来というやり方が結構広がっていまして、当時の方に聞いてみますと、当時は保健所とかあるいは都道府県から発熱外来をつくってくださいと。発熱外来というのは、具体的には病院の外にテントを造ったりそういう小屋を造ったりして動線を完全に分けるということだったんですが、今回余り発熱外来ということが推されていないんですけれども、これ何か十一年前に比べて状況、何か変わったところがあるんでしょうか。

#180
○政府参考人(宮嵜雅則君) 御指摘の二〇〇九年の新型インフルエンザ発生時のときの発熱外来でございますけれども、現在設置して進めております帰国者・接触者外来というのは、まさにこの発熱外来と同様の機能をするということで設けさせていただいております。ネーミングにつきましてはいろいろ御指摘いただいておりますが、機能としては同じような考え方でつくらせていただいておりますので、この帰国者・接触者外来につきましても、発熱外来のときと同様に、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者さんとそれ以外で入口を分けるとか、いろいろ同じようなことを工夫していただいているというか、感染対策をしていただいているということがございます。
 それと、あと、当時と一つ大きく異なる点といたしましては、帰国者・接触者外来につきましては、それを持つ医療機関とかその場所というのを今回公表しておりませんで、センターに御相談いただいて、そこから受診していただくというような仕組みになってございます。
 これもいろいろ御意見いただいておりますが、当時、発熱外来を設けたときには、逆に患者さんが殺到して逆に感染が広がるとか、従事者がリスクがあるとか、大渋滞したとか、そういうことがありまして今回のような仕組みを設けまして、今回はちょっとそこで今度流れがということの御指摘もいただいていますので、改善しながら今進めているということでございますが、そういうような違いがあるというふうに考えております。

#181
○梅村聡君 機能としては多分そうだと思うんですけど、私申し上げているのは、患者さんの動線が今院内にあることが結構多いですよね。そうじゃなくて、前のときは駐車場とか外側にテントを造ったり建物を建てたりするから、機能としてはもうそれで結構やと、今の接触者外来でいいと思うんですけれども、当時は都道府県を通じて恐らく交付税措置か何かがあって費用を負担して、その代わり病院の駐車場とかそういう外側にハードを造るということだったと思うので、私は感染、院内感染防止という意味では非常に役立つ形だと思うので、機能の問題に加えて是非その設置場所についてまた御検討いただきたいなというふうに思っております。
 それでは、新型コロナ、ちょっと最後のお話になりますが、三月二十八日の安倍総理の会見で、先ほど東委員からも質問がありましたけれども、アビガンをいわゆる適用をコロナにまで広げることを目的の治験をスタートすると、こういう記者会見があったんですけれども、これ、いろんなことが今言われていますですよね。例えば、フサンという膵炎の薬は、これは治験ではなくて、今、観察研究という形でやっておられると思います。観察研究というのは、患者さんに、これは治験じゃないんだけど、同意を得た上で、これを使いますよとして使っている試験投与という形だと思うんですが、ちょっと今厚労省としてどういう薬品が治験に入っていくのか、あるいはほかの薬は国際的な臨床治験という枠組みもあるかと思いますが、今それぞれの薬剤がどういうステージに、どういうことに今乗っていこうとしているのか、少しまとめて教えていただきたいと思います。

#182
○政府参考人(宮嵜雅則君) まず、治療薬につきましては、先ほど東委員のところでもお答えしましたが、アビガン、カレトラ、レムデシビル、オルベスコという四つの薬について観察研究に入っているということでございますが、さらに、今委員からもお話がありました五つ目の有力候補として、膵炎の治療薬に承認されているフサンについて、今後、観察研究として、事前に同意を得た患者さんへの投与をスタートする予定というのがございます。
 また、臨床研究につきましてはアビガンとオルベスコについて開始しているということで、アビガンは、観察研究と臨床研究に加えて治験ということもこれからしていくというような段階でございまして、ただ、治験については、もう一つ、レムデシビルにつきましては三月の二十三に、あっ、で、アビガンの方は企業主導治験になろうかと思いますが、レムデシビルの方は医師主導治験ということで、三月二十三日から国際共同治験ということで着手しているというのが概要でございます。

#183
○梅村聡君 国民の間ではちょっと治験といわゆる試験投与のことともうごっちゃになっていまして、この間も、フサンというのが効くんだったらそれを使ったらどうだみたいないろんな話も出てきますので、ちょっとその辺のカテゴリーを分かりやすくこれからも発表を続けていただければというふうに思っております。
 それでは、雇用保険法の改正について質問させていただきますが、これもこの委員会で何度も議論に出ておりますけれども、雇用保険の国庫負担、国庫負担の引下げ暫定措置について改めてお伺いしたいと思いますが、これ、去年の七月の会議から含めて、令和二年と令和三年については雇用保険の財政の安定的な運営が維持されると見込まれるということが前提で、今回、この暫定措置という、引下げの暫定措置ということが法案の中に入ったと思うんですけれども、これについて、これだけコロナの騒動というかこの経済的なショックもありますので、この二年間の安定的な運営が維持されると見込まれるのかどうか、この状況について改めてお答えをいただきたいと思います。

#184
○政府参考人(小林洋司君) 昨年十二月頃までの雇用情勢の動向を踏まえて収支の状況を見通しまして、今回の御提案になっておるわけでございます。
 今、新型コロナウイルス感染症の影響というお話ございましたが、それをこの場でお示しすることは難しいわけでございますので、リーマン・ショックのときの数字で申し上げたいと思います。
 リーマン・ショックのときの数字、平成二十一年度の失業等給付費の支出が約一・八兆円、基本手当の受給者実人員八十五万人でございました。今般の試算は、令和二年度の失業等給付の支出見込みとして約一・一兆円、その前提とした基本手当の受給者実人員は三十七万人ということで、その差は約七千億円ということになっております。
 今回の試算におきまして、この暫定措置が終了する令和三年度末、そこにおける積立金は約二・九兆円というふうに試算をしておるところでございます。特別会計法では、不足が生じたときはまずこの積立金を充てるというふうに規定しておるところでございまして、先ほど申し上げましたようなリーマン級の支出ということになった場合におきましてもなお積立金は残存するということになりますので、直ちに雇用保険財政の運営に支障が生ずることはないというふうに考えております。

#185
○梅村聡君 リーマン・ショックのときを試算に当てはめると、積立金が算数上は不足することが今のところ可能性が低いだろうということだと思いますが、ただ、当時と違って、これ、終わりがまだ現時点では見えないわけですよね。ですから、そういった意味でいけば、二年先のことというのはもうこれ誰にも分からない状況で、それを防ぐために我々も頑張っていくわけなんですけれども、だけど、一方で、これ最悪のことということも考えていかないといけませんので。
 これ、じゃ、可能性として、今回二年間の暫定国庫負担の引下げはあるけれども、これ、いろんな影響が大きくなってきたときには、可能性として、この二年間を待たずに国庫負担の引上げということもこれは可能性としてはあるのか、あるいは、二年間、これ、非常事態が起こっても国庫負担の暫定引下げは継続したまま、失業等給付における弾力条項を使って保険料を引き上げる可能性というのがあるのかどうか、これについてお答えいただきたいと思います。

#186
○政府参考人(小林洋司君) 先ほど申し上げましたように、不足分につきましてはまず積立金を充当するということで、積立金の残高はまだ数兆円規模で存在するという状況にございます。そういう中で、令和二年度、三年度という暫定引下げ措置を講じるという内容を盛り込んでおるところでございます。
 まずは、先ほど申し上げましたように、単年度七千億、あるいは更にその数千億というようなことが継続することが見込まれるという可能性もあり得るわけでございますが、それでも先ほど申し上げた二・九兆円という積立金の充当で当面対処できるだろうということでございます。
 その上で、更に残された選択肢ということで申し上げますと、今般、暫定的に保険料率を引き下げるということにいたしますが、弾力条項で千分の四の範囲内で引上げできるということがありますので、保険料の引上げの余地はなお残されていると。令和二年度、三年度を経過いたしますと、令和四年度には基本的に国庫負担は本来の国庫負担率に戻ると。さらに、今回、附則に規定を置かせていただいておりますが、暫定措置が終了する令和四年四月一日以降、できるだけ速やかに安定した財源を確保した上で国庫負担に関する暫定措置を廃止することとする旨の規定が置かれておるところでございます。
 こういったことを踏まえまして、国庫負担につきまして財政当局とも早期に議論を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。

#187
○梅村聡君 ちょっと考えられないような今危機がやってきているわけですから、これはやっぱり中長期的に、二年間の積立金がもつからいいという話だけではなくて、やっぱりきちっと国庫負担というものをどうやるべきなのかということを私は考える必要も早急に出てきていると思いますので、その点はしっかり御留意をいただきたいというふうに思っております。
 それでは最後に、今回、三百一人以上の大企業にいわゆる中途採用情報の情報公開の義務化ということが掛けられていますけれども、私は現実的には、大企業から中小企業へ中途採用で行かれる方、あるいは中小企業の方でも大企業にもう一度就職をしていく方、いろんなことが考えられるとは思うんですけれども、私は逆にこれ、この採用情報、中途採用情報をきちっと公開する方が、採用される側の方から見れば努力している企業だということで、私は非常にメリットが大きいのではないかなというふうに思っております。ですから、義務化を掛けるとなるとそれは嫌なことをするというふうに見えるかもしれませんけど、実はこれしっかり公開をした方が企業の価値も高まっていくと、私はそういうことだと思っております。
 そう考えると、今回はあくまでもその採用比率を公開すればそれで終わりだということだと思うんですけど、もう少し具体的に、その中身であるとかそういったものを第二弾、第三弾、比率だけではなくて更に進めて公開をしていってもらうということも考えていかないといけないと思うんですが、この第二弾、第三弾ということは現時点で何か想定されているのでしょうか。

#188
○政府参考人(小林洋司君) 今回、大企業に過去数年間の中途採用比率の公表を義務付けるということでございます。この問題につきましては、企業に一定の義務付けという負担をお願いすることになりますので、義務付けという形で直ちに第二弾、第三弾ということはなかなか難しい課題があるというふうに思っております。
 その上で、現在考えておりますことを申し上げさせていただきますと、まず、今回大企業に義務付ける中途採用状況でございますが、これは過去数年間の状況を公表していただくということになりますので、それぞれの企業の推移というのも見える化される、したがって、それに対する企業の積極度合いというのも見えてくるというふうに思っております。
 そして、義務化と併せまして、例えば中途採用者の定着率、あるいは中途採用後のキャリアパス、処遇といったその他の情報の自主的な公表というのも促進してまいりたいというふうに思っております。こういった情報は企業独自の強みを見せていくということになりますので、企業、多様な人材ニーズある中で、それを見える化していくことができる、このことは、求職者だけではなくて、やはり企業にとっても魅力ある企業での就職を望む方というのを引き付けることになると思いますので、双方、求職者、求人企業双方にとってメリットにつながってくるのではないかというふうに思います。

#189
○梅村聡君 求職者から見てどういうメリットがあるかということ、これを第一に考えていただきたいと思いますし、また、中小企業も含めて、これは公開することが企業価値が高まるんだと、そういう仕組みというのをつくることを是非お願いをしたいと思っております。
 これで、以上で終わります。

#190
○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
 これまでの高年齢者雇用安定法によりまして、ほとんどの企業で雇用継続措置がとられるようになりました。ただし、その雇用の中身が問題だというふうに思っております。
 人材サービス大手のアデコグループが調査をしておりまして、これによりますと、契約社員や嘱託職員、これがおよそ七割を占めているというんですね。六十歳の退職時との賃金格差というのはどのぐらいになっているのか。答弁で御紹介あった八割確保できているというのは年金等も含んだものではないかと思うんですね、JILPTの。そうじゃなくて、年金除いたところで賃金格差どれだけあるのかということについて把握されていますでしょうか。

#191
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 今先生からお話があったJILPTの調査でございますが、これはあくまで六十歳以降もそれまで在籍していた企業に継続して雇用されるフルタイムの労働者に、六十歳直前の賃金と六十一歳の時点での賃金の水準の比較でございまして、それが平均で七八・七と先日御答弁させていただきました。これはあくまで賃金の比較でございまして、年金は入らない数字でございます。

#192
○倉林明子君 今のは六十一歳と比べたという話で御説明ありました。
 これ、先ほど紹介したアデコグループの調査見てみますと、賃金は良くても七割程度しか確保できていないと。さらに、いろいろ御相談伺っていますのは、雇用保険にも入れないぎりぎりの賃金という条件を提示されて、合意しなければ雇用を諦めざるを得ない、こういう実態あります。実際に訴訟に及んでいるケースも決して少なくありません。
 企業が高年齢者を雇用するメリットというのはどこにあるかということで、これ、アデコで調べているんですね。この中身面白いなと思ったのは、およそ五割の企業が人件費などのコストを抑えられることだと回答しているんですね。これ、高齢者が企業にとってお得な労働力になっていると、明らかだと思うんですよ。
 高年齢者の就労の現状と実態はどうなのかということを、先ほど議論もありましたけれども、改めて私からも確認させていただきたい。高齢者の就労者数、そして就業者数に占める高齢者の割合、二〇一二年度と比較して直近どうなっているでしょうか。

#193
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答えいたします。
 就業者のまず総数でございますが、二〇一二年が六千二百八十万人、それから二〇一九年が六千七百二十四万人でございます。このうち、六十五歳以上の高齢者の就業者数及び就業者総数に占める割合につきましては、二〇一二年は六十五歳以上の高齢者の就業者数が五百九十六万人で全体に占める割合が九・五%、二〇一九年につきましては八百九十二万人で一三・三%となってございます。

#194
○倉林明子君 これ、資料一、一枚目御覧いただきたいんですけれども、日本の、ちょっと時期ずれているんですけれども、就業者数の比較ということで、二〇〇七年とこれ二〇一七年を比べたものとなっております。日本は各国と比べて高い上に更に伸びているという特徴がよく見て取れるかというふうに思うんです。就業率トップクラスという現状です。
 これ、各種調査でも働く高齢者が働き続ける理由は何かという調査やっていますけれども、その七割を占めるのが当面の生活費を得るためというふうになっております。働かなければ生活できないと、これ、年金水準の低さというのがやっぱり最大の背景にあるとこれは言わざるを得ないと思うんです。
 大臣は、年金の受給開始年齢の延長はないんだということを繰り返し答弁をされております。そこで、連合がこの雇用継続の問題でアンケートもやっているんですけれども、そこで見ますと、六十五歳以上の就労が当たり前になった場合の現役世代への影響、ここで最も多かった回答、心配していることは何かということですよね、それは、年金支給開始年齢が遅くなることだというふうに一番目の回答になっているわけです。
 年金受給開始年齢を延長しないと繰り返し述べておられる根拠について、改めて大臣から答弁を願いたい。

#195
○国務大臣(加藤勝信君) 一つは、支給開始年齢について、閣議決定された骨太方針あるいは全世代型社会保障検討会議の中間報告でも、六十五歳となっている年金の支給開始年齢については引上げは行わないということが数度にわたってまず明記をされているということであります。
 それからもう一つ、制度的に言うと、平成十六年の改正によって、これまで若い方のというか働く方の保険料がどんどんどんどん上がってきた、その上限を固定をしようと、そしてその範囲内で給付水準を調整するというマクロ経済スライド、これが導入をされた、そして、その中でこの年金財政の長期的なバランスを財政検証を五年ごとにやって見ている、こういう仕組みになっているわけでありますから、この仕組みがしっかり維持をされている限り、この六十五歳の支給開始年齢、これをいじるということにはならないということであります。

#196
○倉林明子君 マクロ経済スライドというのはなかなか維持されているとは言い難い部分あって、その上でいろいろ年金の制度もいじってきたという経過あると思うんですね。
 今おっしゃったのは、数度にわたって明記されてきたのは法に明記されているわけではないと思うんですね。法律に、今回改正案に明記されているものではないという理解です。やっぱり、年金とセットで現行高年法が雇用確保措置の義務がされたという経過があります。就業確保、これをするから受給開始年齢を引き上げるんだというようなことは、断じてこれは認められないということは強く申し上げておきたいと思います。
 そこで、六十五歳以上七十歳までの就業確保措置、これも再々議論になりました。私の方からも質問したいと思います。
 六十五歳を超える高齢者に対してだけ、これまでになかった創業支援等措置ということで業務委託あるいは有償ボランティア、これ導入することとされましたけれども、その理由は何か。

#197
○政府参考人(小林洋司君) 御指摘いただきました創業支援等措置でございますが、これは、六十五歳以降は、まさに今お話ございましたように、年金が支給されるという中で、六十五歳以前と比べて就労に対する考え方などの個人差が大きくなることなどにも配慮いたしまして、高齢者のニーズ、特性、そういったものに応じて必要なメニューを選択できるような仕組みが有効ではないかということで盛り込んだものでございます。
 六十五歳以降の就労ニーズ見てみますと、会社からの指揮命令を受けないような形でのフリーランス、起業といった希望も一定見られるところでございまして、六十五歳までのような雇用の措置に加えて新たに雇用以外の措置も設け、そのうちいずれかの措置を講ずることを事業主の努力義務としたものでございます。

#198
○倉林明子君 高齢者の方からたくさんの希望があってこういう措置が盛り込まれたということではないと思うんですね。
 高齢者の選択肢が増えるか、増えるのかという議論、先ほどもありました。そこで、改めて高齢の労働者の特性について確認をしたいと思います。
 個人差はあるものの、労災リスクが高齢化によって高まるということ、明らかだと思うんですね。そこで、年齢別、男女別労災発生比率はどうなっているのか、二十五歳から二十九歳の発生率と比べた場合、一体高齢者のところ何倍になっているのか、御説明ください。

#199
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 お尋ねの発生状況でございますが、平成三十年の労働者千人当たりの一年間の労働災害件数を用いまして見ましたところ、六十五歳から六十九歳と二十五歳から二十九歳の労働災害発生率を比較しますと、男性で二倍、女性で約五倍となっているところでございます。

#200
○倉林明子君 資料の二枚目に今の御説明の分を付けておきました。明らかに、あっ、ちょっと数字、倍数がちょっと違っていますけれども、厚労省の提出資料で作ったものです。男性の方が二・三倍、女性の方は四・九倍ということで、高い高齢化に伴う労災の発生比率というのが見て取れると思うんですね。
 高齢者が働き続けるというためには、使用者には、加齢による個人差への配慮にとどまらず、持病の管理も含めた労働安全衛生上も特段の配慮が必要だ、これ明らかだと思いますけれど、いかがですか。

#201
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員の御指摘のやつ、確かに年齢によって労災事故に遭う確率が高くなるというのと同時に、多分もう一つあるのは、これ、二十代で働いている場所と高齢者が働いている場所も多分違うという部分もあるんだろうと思います。先ほどあったように、サービス業の現場で労災の確率が多い。
 まさに、そういった両方を踏まえながら、まさに高齢者の働かれている環境といったこと、もちろん高齢者そのものの持つ特性というんでしょうか特徴、それからさらに働かれている場所、そういったものを踏まえて適正な配慮をしていくということが必要だというふうに思いますし、労働安全衛生法でも、中高年齢者その他労働災害の防止に当たって特に配慮を必要とする者については、これらの者の心身の条件に応じて適正な配置を行うように努めなければならないと記載をされておりますし、また、高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドラインにおいても、これは事業者に対して、個々の高年齢労働者の健康や体力の状況を踏まえた措置を講ずること、高年齢労働者の状況に応じた業務を提供することなどが示されているわけであります。
 今回、七十歳までの就業機会の確保について、特に創業支援等措置を行う場合についても、そうした安全面も含めてしっかりとした配慮をしていく必要があるというふうに思います。

#202
○倉林明子君 二十代と六十代が働いている場所がどのぐらい違うのかって、クロスになったデータありませんでしたので、そういう違いが明らかになるようだったら是非教えていただきたいと思いますが、いずれにしましても、高齢者にとっての労災発生率がこれだけ高いということは、一層の配慮義務が環境の整備併せて必要なんだということはこれ否定されないと思うんですよね。
 ところが、今回の高齢者雇用安定法改正で新たに盛り込まれた就業確保措置では業務委託が可能となるわけですよね、有償ボランティアと併せて。
 この業務委託の場合で確認しますが、改めて確認しますが、労基法、労働契約法、労働安全衛生法、最低賃金法、労働関係法令がこれ適用除外になるということで間違いありませんね。

#203
○政府参考人(坂口卓君) 一般的に、業務の遂行上の指揮監督を受けず業務委託の形態で働く場合におきましては、労働基準関係法令上の労働者に該当しないと考えられます。
 ただ、契約の形態にかかわらず、実態を勘案して総合的に判断した上で、労働者としての実態があれば労働基準関係法令の適用を受けるものでございますが、一般的には冒頭申し上げたとおりでございます。

#204
○倉林明子君 企業にとって高齢者の就労継続のメリットは人件費を削れることだと、これアデコが取った、これ人事担当から得た回答なんですね。六十五歳以上の就業確保措置の中から最もコストが掛からない、そして効率も良いということになれば、業務委託を選択するという企業が増える可能性って私は極めて高いというふうに思うんですね。
 これ、業務委託となった高年齢者が労災事故に遭った場合、労災認定、基本的にはならないんですけれども、労災認定されるというのはどんな場合なのか、ちょっと説明ありましたけど、きちんと答弁していただけますか。

#205
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 一般論といたしましては、自ら業務委託契約を締結して就労する労働者についても、労働基準法の労働者に該当しないという場合については労災保険制度が原則として適用されないということでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたとおり、契約の形態にかかわらず、実態を勘案して総合的な判断をした上で、労働者としての実態があれば労働基準関係法令の適用を受けますので、労災の関係についても適用があるということでございます。
 ただ、また、特別加入という制度もございますので、特別加入されている方にあって業務災害又は通勤災害を被った場合で一定の要件を満たすときには労災保険から給付が行われるというケースもあるということでございます。

#206
○倉林明子君 特別加入の問題については、先ほど来も議論ありました。現時点では対象職種等限定されたものであって、これから拡充されるであろう創業支援等措置について該当にならないものが圧倒的だという実態があるので、それはまた先の話だと思うんですね。
 今御説明あったように、確かに労災の適用になる場合あります。それは、実態として労働契約があるとみなされる場合、つまり偽装請負なんですよね。こういうケースでない限り労災は適用されないというのが業務委託の働き方になるわけですよ。
 三月十五日付けの東京新聞、入れていませんけれども、これ過労死、過労自死した六十六歳の男性の事案でした。
 この方は、個人事業主という働き方だったために、労災申請の入口で引き受けてくれる弁護士がなかなか見付からなかったというわけですよ。ところが、見付かって、偽装請負の実態があると、実態として労働者だということで労災認定がされた、時間掛かりましたけれども、されたと。これは、実態としては労働契約であるにもかかわらず業務委託ということでの契約形式を取る、そして、労働災害も認定されにくい、実態として労働契約なのに認定されにくいという状況を広げるということにもつながりかねない、衆議院で指摘もありましたように、偽装請負拡大にもつながっていくんじゃないかという指摘を私もしておきたいと思います。
 六十五歳以上の高齢者にとって、こういう労災等のリスクは自分持ち、で、低賃金と、こういう選択肢しか選べないということにならないかと、なるんじゃないかと私懸念しているんですけれども、大臣いかがでしょうか。

#207
○国務大臣(加藤勝信君) 今回この法案を提出させていただいたのは、七十歳までの就業機会を確保するという上で、六十五歳以前と比べると、就労に対する考え方、またそれぞれの方の体調とかいろいろ個人差が大きくなっている、したがって、そうした高齢者の特性に応じた選択できるような仕組みをしっかりとつくることが必要だと考えたわけでありまして、御指摘のように、雇用以外の措置の選択肢しか選べないという事態は必ずしも我々の目的とするところではないところであります。
 こうした事態を避けるために、雇用以外の措置を選択する場合にも運用計画を定めていただき労使合意に係らしめているところでありまして、また、それが実効性のあるものになるために、過半数代表制等の選出手続の適正に行われること、労使合意する運用計画の内容が適切であること、個々の労働者に措置を適用するに当たって労働者本人のニーズができるだけ反映されるということが重要であります。
 まず、創業支援等措置を講ずる場合の過半数代表者の選出の手続等については、必要な内容を省令等に規定して、適切な運用が図られるようしっかりと周知啓発をしていきたいと思っております。また、過半数代表者を適切な手続により選出すること、契約の有効期間や解除条件、発注の頻度、報酬の算定方法及び業務遂行上の費用負担、業務に関連した被災時の取扱い等を労使合意において書面により定めるとともに労働者に明示をすること、措置を適用する労働者に対して丁寧に説明し納得を得る努力をすること、こういったことについて指針に明示をするということで対応したいというふうに考えております。

#208
○倉林明子君 いや、もうたくさん説明いただいたんだけれども、労働組合の労使合意でやることが担保にならないんじゃないかという、昨日の参考人のところでもお話ありました。
 そういういろいろ条件を付けながら本当に担保できるのかということについては、労働弁護団で活躍されています棗弁護士が報道でこんなふうに発言されているんですね。企業は負担の軽い個人事業主化を必ず選ぶ、高齢者就労支援に名を借り不安定な働き方を増やすのは問題が大きいというふうに指摘しているんですね。私、そのとおりだというふうに思って読みました。労働者のフリーランス化を更に拡大する、そういう突破口に今度の高齢者のこういう働き方、個人事業主化を促進するような危険があるんじゃないか、一般の労働者にも拡大される可能性ということに対して多くの懸念寄せられているし、私もそのリスクは極めて高い、問題をはらんでいるというふうに思っております。
 そこで、そもそも、高齢者の誰もが安心して暮らせる最低保障年金制度をつくる、これが土台を支えるという点で先ではないかと、さらに同時に、働きたい高齢者には安全、安心できる職場、雇用が守られる必要があるというふうに思うんですけれども、いかがお考えですか。

#209
○国務大臣(加藤勝信君) 最低保障年金については、これまでもこの厚労委員会でもいろいろ議論をさせていただいた記憶があります。
 全ての高齢者に一定額の年金を一律に保障するということになると、まず多額の財源が必要になること、それからもう一つは、これまで保険制度でやってきているわけでありますから、保険料を払っている方々と払っていない方々との間の公平性をどうするのか、こういった課題があります。我が国、こうして長期にわたって年金制度を運営をしてきたわけであります、保険料に基づくですね。これ、導入には難しい点があるというふうに認識をしております。
 また、高齢者の雇用については、今回、もう先ほど説明させていただいたような形で、七十歳までの就業を確保することを事業主の努力義務とする形で今回法案を提出をさせていただいたところであります。また、先ほど来説明をしておりますけれども、事業主が講ずる措置の選択肢としては、六十五歳までと同様の雇用の措置に加えて、業務委託契約による就業や社会貢献事業への従事といった雇用以外の措置についても盛り込むことといたしました。
 さらに、今回新たに設ける高年齢就業確保措置が各事業主によって適切に実施されるよう当然取り組むわけでありますが、さらに、本年四月ですからあしたですね、あしたから順次施行される同一労働同一賃金により、正社員と非正規雇用労働者との不合理な待遇差の解消に取り組む企業への支援、また高齢者のモチベーションや納得性に配慮しつつ能力及び成果を重視する評価、報酬体系の構築のための支援、さらには高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドラインの周知啓発、高齢者が安心して安全に働ける職場環境を整備する事業者に対する補助金、こういったことによる支援を図り、働く意欲、また働くことに希望を有する高齢者の方々が安全、安心に、そしてその能力を、その思いを十分に発揮できる環境を整備していきたいというふうに考えております。

#210
○倉林明子君 現行の高年齢者雇用安定法の実行の中でもやっぱり雇用がしっかり守られていないという声上がっているわけで、その実態からその先に雇用でない働き方まで入れ込むということですから、大変なリスクがあるということは重ねて指摘をしておきたいと思うんですね。
 百年現役世代という掛け声の下でこういう検討も始まってきているということに非常に懸念感じています。高齢者から、年金受給者から怨嗟の声なんですね。私も百年現役なんてできると思いませんけれども、今の年金受給者からは、働き続ける高齢者から安全、安心を奪い、公的年金に頼らず死ぬまで働けというようなものだというふうに指摘されているんです。そういうふうに受け止められているということですよ。
 安全網のない高齢者の個人事業主化促進、こんな法改正は断じてやるべきではない、強く申し上げて、終わります。

#211
○委員長(そのだ修光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#212
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 雇用保険法等改正案に反対の討論を行います。
 本法案に反対する第一の理由は、新型コロナウイルスの影響拡大に十分備えた内容とはなっていないからです。
 増大する雇い止めや休業、倒産や廃業のリスクは日ごとに拡大しています。政府は、雇用保険財政について、リーマン・ショック並みの支出を求められても対応可能だとし、国庫負担は本則の十分の一を更に継続するとしています。しかし、雇用保険の給付水準は極めて不十分なままであり、給付水準の引上げのためにも国庫負担割合は直ちに本則に戻すことが求められています。雇用調整助成金の国庫負担の引上げが検討されていますが、さらに、中小企業に対する助成率は十分の十へと引上げと支給要件の緩和を強く求めるものです。
 第二は、高齢者雇用安定法に、創業支援等措置として、業務委託や有償ボランティアなど労働関係法令が適用されない雇用以外の働き方を導入することです。
 業務委託や個人請負、有償ボランティアは、労基法、最賃法、労災保険法などの労働関係法令が適用されません。これは、高年齢労働者の権利を大きく侵害するものであり、到底容認できません。さらに、高年齢労働者への導入を突破口として、労働者保護が適用されない雇用によらない働き方の更なる拡大につながるものと厳しく指摘をするものです。
 第三は、高年齢雇用継続給付金の給付率を最大一五%から一〇%へ削減することです。高齢者の収入を引き下げ、生活困窮に追い込むことにつながりかねません。
 最後に、この法改正で七十歳までの就業が確保されたとして年金の受給開始年齢を引き上げることは断じて認められません。働きたい高齢者には労働者としての保護、誰もが安心して暮らせる最低年金制度の確立こそ求められていることを申し上げ、討論といたします。

#213
○委員長(そのだ修光君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 雇用保険法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕

#214
○委員長(そのだ修光君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、石橋君から発言を求められておりますので、これを許します。石橋通宏君。

#215
○石橋通宏君 私は、ただいま可決されました雇用保険法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、六十五歳までの高年齢者雇用確保措置が全ての企業において確実に実施されるよう、全国の常時雇用する労働者が三十人以下の企業における高年齢者雇用確保措置の実施状況の把握・集計・分析を早期に実施し、全事業主に対する制度趣旨及び内容の周知の徹底を行うとともに、違反事業主に対する厳正なる指導等の強化を通じて、早期に六十五歳までの希望者全員の雇用確保が図られるよう更なる努力を行うこと。
 二、従来の高年齢者雇用確保措置においては、継続雇用制度を導入する企業が大半であり、かつ、その多くで六十歳直前の賃金と比べ、賃金水準が大きく低下する傾向にあること等を踏まえ、高年齢者雇用安定法の目的である職業の安定と福祉の増進に加え、労働者の年金支給開始年齢までの生活安定及び高齢期の働きがいの確保に向け、不合理な待遇差を是正すべく均等・均衡待遇原則の徹底等、必要な対策を講ずること。
 三、事業主が複数の高年齢者就業確保措置を講ずる場合において、個々の労働者の意思を十分に尊重することを指針等で明確にし、その周知徹底を図ること。
 四、事業主が高年齢者就業確保措置を講ずる場合において、七十歳までの就労・就業を予定している労働者が従前と異なる業務等に従事する場合には、必要に応じて新たな業務に関する研修や教育・訓練等を事前に実施することが望ましいことを指針等で明確にし、その周知徹底を図ること。また、七十歳までの継続雇用制度の導入に関し、他の事業主によるものが選択された場合において、可能な限り個々の労働者の希望や経験・能力に応じた職務の内容及び労働条件とすべきことが望ましいことを指針等に明記し、その周知徹底を図ること。
 五、創業支援等措置による就業は、労働関係法令による労働者保護等が確保されないこと等から、雇用による措置の場合とは異なり、改正後の高年齢者雇用安定法第十条の二第一項ただし書における措置であること、過半数労働組合又は過半数代表者の同意が必要とされていること、当該同意が十分な説明のもとに雇用関係がない働き方の場合には労働関係法令による労働者保護等が確保されない措置であることも含め納得してなされるべきであることを踏まえ、以下の事項を指針等で明確にすることを検討し、その周知徹底を図ること。
  1 事業主は、当該措置の制度内容、特に雇用関係がない働き方の場合には労働関係法令による労働者保護が及ばないこと及び当該措置を選択する理由を書面等により過半数労働組合又は過半数代表者に十分に説明すること。また、当該措置を適用する労働者に対しても丁寧に説明し納得を得る努力をすることが重要であること。
  2 事業主が当該措置を講ずる場合に、就業する者の報酬の額は、業務の内容や当該業務の遂行に必要な知識・経験・能力、業務量等を十分に考慮したものとすべきであること。
  3 事業主が当該措置を講ずる場合に、契約の有効期間や解除要件、発注の頻度、報酬の算定方法及び業務遂行上の費用負担、業務に関連した被災時の取扱い等を労使合意において書面により定めるとともに、対象労働者にも示すこと。
  4 事業主が当該措置のみを講ずる場合は、過半数労働組合又は過半数代表者の同意が必要であること。また、当該過半数代表者の選出に当たっては、同措置を講ずるか否かを協議するための過半数代表者の選出であることを明らかにした上で、民主的な手続により選出されなければならないこと。さらに、継続雇用制度の導入に加えて当該措置を講ずる場合であっても、過半数労働組合等の同意を得ることが望ましいこと。
  5 当該措置により就業する者について、同種の業務に労働者が従事する場合における労働契約法に規定する安全配慮義務を始めとする労働法制上の保護の内容も勘案しつつ、委託業務の内容・性格等に応じた適切な配慮を当該措置を講ずる事業主が行うことが望ましいこと。
  6 高年齢者雇用安定法の改正の趣旨が七十歳までの雇用・就業機会の確保であることを踏まえ、当該措置を講ずる事業主は、七十歳まで継続的に労働者を支援することが求められること。
  7 労使合意により当該措置の対象となる労働者の基準を定めるに当たっては、選考の基準等が恣意的なものでない等適切なものとなるようにすること。
 六、創業支援等措置の導入を検討するに当たり、適切な労使合意を目指す観点から、関係労使双方が、判例・裁判例を基に労働者性の基準等について必要な知識を身につけることができるよう、研修や資料提供等の具体的な方策を検討し、実施すること。
 七、高年齢者就業確保措置の掲げる措置に、現在シルバー人材センターが行っている高年齢者の就業機会の提供は含まれないことを周知すること。
 八、創業支援等措置の社会貢献事業に関し、「不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与することを目的とする事業」に該当しないものを指針等において示すことを検討すること。
 九、高年齢者雇用安定法に創業支援等措置を導入するに当たって、業務委託契約や請負契約、有償の社会貢献活動等に基づいて就業する者に特化した公式な統計が存在しないことに鑑み、就業する者の負担する経費や報酬の額、就業時間や就業日数、事故の発生状況等について必要な実態把握を行い、公表することを検討すること。
 十、高年齢労働者の労働災害を防止するため「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」の周知徹底を図るとともに、創業支援等措置による就業についても、同ガイドラインを参考とするよう周知・広報すること。また、創業支援等措置により就業する者が被災したことを把握した場合は、当該措置を講ずる事業主が厚生労働大臣に報告することを検討することとし、同種の災害の再発を防止するための対策の検討に当該報告を活用すること。さらに、都道府県労働局等において、高年齢者雇用安定法や指針等に照らして問題のあるおそれのある契約上のトラブルや委託業務に起因する事故等による相談を受け付け、必要に応じて適切な助言・指導を行う体制を整備・強化することを検討すること。
 十一、高年齢期においては、労働者の体力や健康状態その他の本人を取り巻く状況がより多様となり、労働災害等の発生場面、頻度、負傷の程度等も異なってくる蓋然性が高いことから、事業主が高年齢労働者の働き方にふさわしいより柔軟な労働条件を整備できるよう適切に支援すること。
 十二、六十五歳以降も働くことを希望する全ての労働者が個々の意欲及び能力に応じて働くことができる環境整備を図るため、その意欲や納得性に配慮した、能力及び成果を重視する評価・報酬体系の構築に対する助成、ハローワークの生涯現役支援窓口や産業雇用安定センターによるマッチング機能の強化等を始め、施策の充実に努めること。
 十三、シルバー人材センター事業のいわゆる「臨・短・軽」要件の緩和が行われ、派遣・職業紹介に限り、週四十時間までの就業が可能となったことに鑑み、平成二十八年高年齢者雇用安定法改正後の同事業における高年齢者の就業状況、労働災害に当たる事故の発生状況等について調査を行い、必要に応じて適正就業ガイドラインの見直しを含めて検討すること。
 十四、雇用政策に対する政府の責任を示すものである雇用保険の国庫負担については、改正後の雇用保険法附則第十五条の規定に基づき、早期に安定財源を確保し、本則に戻すこと。また、今回、前回改正時の本委員会附帯決議のとおりでなく時限的な国庫負担率の引下げ措置が継続されることは遺憾であり、今回の措置については、令和三年度までの二年度間に厳に限った措置とすること。
 十五、失業等給付と異なる給付体系に位置付けられる育児休業給付について、給付額が増加傾向にある状況を踏まえ、中長期的な観点から国庫負担割合も含めた制度の在り方を検討すること。また、介護休業給付金に関する暫定措置の恒久化についても検討を進めること。
 十六、求職者支援制度について、雇用の安定化の必要性が高い者に対し十分な支援が行き届くよう制度運営の充実に努めるとともに、雇用政策に対する政府の責任を示す観点から、国庫負担割合の在り方を検討すること。
 十七、企業による六十五歳までの雇用継続を下支えしている高年齢雇用継続給付について、今回の給付率の引下げに当たって、働き方改革関連法の「同一労働同一賃金」に基づく高年齢者の不合理な待遇差の解消に取り組む企業に対して十分な支援を行うこと。その上で、今後の給付の在り方については、六十五歳までの高年齢労働者の雇用の進展状況を十分に踏まえ、中長期的な観点から検討すること。
 十八、複数の事業所に雇用される六十五歳以上の労働者に対する雇用保険の適用について、施行後五年を目途に、懸念される逆選択やモラルハザードといった事象も含め、適用による行動変化や財政への影響等を十分に検証し、必要に応じて、マルチジョブホルダーに対する雇用保険の適用の在り方を検討すること。
 十九、新型コロナウイルス感染症により我が国経済は大きな影響を受けており、今後雇用への影響の拡大が懸念されることから、雇用調整助成金を始めとする雇用保険二事業等を活用し、雇用の維持に万全を期すこと。
 二十、雇用保険の対象とならない個人事業主・フリーランス等が、新型コロナウイルス感染症の拡大により多大な影響を受けている実態に鑑み、制度の在り方も含めその支援の強化に努めること。
 二十一、労災保険の複数事業者に係る改正事項を確実に実施するとともに、特別加入制度について、働き方が多様化し、雇用類似の働き方も拡大していることから、労働者に準じて保護することがふさわしいとみなされる者の加入促進を図るため、制度の周知・広報を積極的に行うこと。また、社会経済情勢の変化を踏まえ、その対象範囲や運用方法等について、適切かつ現代に合ったものとなるよう必要な見直しを行うこと。その際、今回の創業支援等措置により就業する者のうち、常態として労働者を使用しないで作業を行う者を特別加入制度の対象とすることについて検討すること。
 二十二、大企業における中途採用比率の公表に当たっては、企業の実態や入社後のキャリアパス等の情報も中途採用を目指す労働者にとって有益であることから、様々な情報を総合的に公表しやすくするための支援を検討すること。また、中小企業においても大企業に義務付ける項目と併せてその他有益な情報の公表が自主的に進むよう支援を行うとともに、政府機関においても中途採用に関する情報の公表の在り方等について検討すること。
 二十三、本法による特定社会保険労務士の業務追加に当たり、一部の社会保険労務士が「不適切な情報発信」を行うことにより、社会保険労務士の事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上を損なわせることのないよう、平成二十八年三月三十日付基発〇三三〇第一〇号・年管発〇三三〇第五号「社会保険労務士の不適切な情報発信の防止について」の更なる徹底を図ること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

#216
○委員長(そのだ修光君) ただいま石橋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕

#217
○委員長(そのだ修光君) 全会一致と認めます。よって、石橋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、加藤厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤厚生労働大臣。

#218
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力をしてまいります。

#219
○委員長(そのだ修光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#220
○委員長(そのだ修光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト