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2020/03/26 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 農林水産委員会 第6号 令和2年3月26日
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2020/03/26 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 農林水産委員会 第6号 令和2年3月26日

#1
令和二年三月二十六日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         江島  潔君
    理 事
                高野光二郎君
                堂故  茂君
                舞立 昇治君
                徳永 エリ君
                宮沢 由佳君
    委 員
                岩井 茂樹君
                野村 哲郎君
                藤木 眞也君
                宮崎 雅夫君
                山田 修路君
                山田 俊男君
                石垣のりこ君
                打越さく良君
                郡司  彰君
                森 ゆうこ君
                河野 義博君
                塩田 博昭君
                谷合 正明君
                石井 苗子君
                紙  智子君
   衆議院議員
       農林水産委員長
       代理       宮腰 光寛君
       農林水産委員長
       代理       石川 香織君
   国務大臣
       農林水産大臣   江藤  拓君
   副大臣
       内閣府副大臣   大塚  拓君
       農林水産副大臣  加藤 寛治君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       藤木 眞也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       出入国在留管理
       庁出入国管理部
       長        石岡 邦章君
       文部科学省大臣
       官房審議官    蝦名 喜之君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  浅川 京子君
       農林水産省消費
       ・安全局長    新井ゆたか君
       農林水産省食料
       産業局長     塩川 白良君
       農林水産省生産
       局長       水田 正和君
       農林水産省経営
       局長       横山  紳君
       農林水産省農村
       振興局長     牧元 幸司君
       林野庁長官    本郷 浩二君
       水産庁長官    山口 英彰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○養豚農業振興法の一部を改正する法律案(衆議
 院提出)
    ─────────────

#2
○委員長(江島潔君) ただいまから農林水産委員会を開会をいたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案及び養豚農業振興法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、出入国在留管理庁出入国管理部長石岡邦章君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(江島潔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(江島潔君) 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案及び養豚農業振興法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#5
○高野光二郎君 自由民主党の高知県・徳島県の高野光二郎でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 アフリカ豚熱は、二〇一八年以降、アジアで急速に拡大が進行しておりまして、日本以外の十二か国の地域と国で感染が確認されています。また、全く別の感染症ですが、同じく日本では、二〇一八年九月から本年三月まで豚熱が拡大、CSFが拡大し、家畜豚を十六万頭以上殺処分しております。日本で確認されているCSFとは異なり、感染防止のために有効な豚へのワクチンがなく、感染した豚の致死率はほぼ一〇〇%であり、さらに、CSFより病原性の強いのがASFであると認識をしております。
 この状況で更にASFの侵入を許したら、食料安全保障上の大問題になります。我が国へのASFの侵入の脅威に対して政府一丸で強化をいたしておりますが、本年の二月二十一日現在で、感染国から持ち込まれたASFウイルスの遺伝子がある食料、携帯品が全国の空港や海港で八十八件とお伺いをしております。
 そこで、藤木政務官にお伺いをいたします。
 違法畜産物の我が国への侵入の危機に対し、摘発状況、持込み国、持込み理由、違反者の違法認識の有無、違法者の属性と特徴も併せてお伺いいたします。

#6
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。
 動物検疫所が取りまとめました令和元年度摘発状況の速報値によりますと、摘発総件数は十一万五十八件で、前年対比一一七%と増加をした一方で、摘発総重量は約六十九トンと、対前年比六三%と大きく減少しているところでございます。
 この数字については、中国、タイを中心に摘発件数が増加した一方で、現地空港カウンターでの注意喚起や航空会社の協力による機内アナウンスなどの積極的な広報や違反事例への対応厳格化の効果により、販売目的で大量に持ち込む悪質な事例が減少し、摘発総重量が減少したのではないかと考えているところでございます。特にベトナムは、逮捕事例の現地報道等による抑制効果が高かったのではないかと考えているところでございます。
 肉製品等を違法に持ち込んだ者は、親族・知人訪問者や日本在住者が約半数以上を占めており、観光客は一割程度、そのほかにも技能実習生や留学生など様々であり、持ち込んだ理由については、個人消費用、またお土産のほか、販売目的のものも確認をされております。
 違法持込み者に対しては警告書を発出していることから、繰り返し持ち込む者については違法認識があるものと考えられます。繰り返し持ち込むなど悪質な事例については、警察にも相談をしながら厳格に対応しており、昨年四月以降、六件九名の逮捕者も出ているところでございます。
 農林水産省としましては、こうした取組に加え、自治体などの協力も得ながら、我が国の水際対策を一層強固なものとし、引き続きASFの侵入防止に全力で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

#7
○高野光二郎君 藤木政務官、丁寧な御説明をありがとうございます。
 続いて、藤木政務官にお伺いいたします。
 国内にASFウイルスが侵入した場合、感染拡大を防ぐため迅速な対応が可能になるよう、本年一月三十日、議員立法が改正をされまして、二月五日に施行されました。我が国の感染をしていない豚も一定地域殺処分が可能となるなど、附則で規定をされました。続いて、本案は、この附則を本則に盛り込んで、さらに、家畜の所有者、都道府県、市町村、関連事業者の責務の明確化等、強化を更に図っております。
 そこで御質問をいたします。
 ASFウイルスを日本に入れさせないという面では、外国からの携帯品の摘発に検疫探知犬が大きな役割を担っており、現在五十三頭配備しており、夏の東京オリンピック・パラリンピックまでには九十六頭、オリンピック・パラリンピック延期しましたけど、中国や東南アジアとの定期便がある空港を中心に百四十頭体制に令和二年度末までにするようでございます。この配備計画についてお伺いします。

#8
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。
 動物検疫所が取りまとめた令和元年の摘発状況の速報値によると、摘発件数は十一万五十八件であり、このうち検疫探知犬による摘発は約三割でございます。検疫探知犬は、家畜防疫官が行う検査を補助するものとして有効な手段の一つであると考えており、現在五十三頭を配備しておりますが、これは、オリンピック・パラリンピックには関係なく、計画どおり、令和二年度においては百四十頭まで大幅に増頭する計画でございます。
 地方自治体からも、地方空港への検疫探知犬の配備について御要望を受けているところであり、百四十頭という頭数からいえば、地方も含めた全ての指定港に配置をすることも可能であります。しかしながら、リスクに応じて対応するため、配備に当たっては、就航する航空機の定期便数、ASF発生国からの就航機の定期便数、入国者数、また、違法な肉製品等の摘発件数、空港周辺における畜産の状況なども勘案しながら、最も効率的、また効果的に活用できるよう計画を立て、地方空港も含めて配備を進めていく方針でございます。
 検疫探知犬を常時配備していない空港や海港においても、ASF発生国からの定期便の就航状況などを踏まえ、近隣から検疫探知犬を派遣するなど、検疫体制を強化することとしております。

#9
○高野光二郎君 関連して、新井ゆたか消費・安全局長にお伺いします。
 中国だけで年間六百万人が入国しておりまして、検疫探知犬の活躍の対象は、ASF発生国の全六十か国一千八百八十一万人と机上では計算になりますが、実際どこまで対応ができるのか、また、検疫探知犬やハンドラーの良質な職務遂行を支援をするためにハード、ソフトの支援が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

#10
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 動物検疫を受けずに肉製品を持ち込むことは関税法にも抵触するということでございまして、入国者の手荷物につきまして現在開封権限を有しております税関では、ASF発生国のみならず、全ての入国者の手荷物検査を実施しているところでございます。農水省としては、この税関と協力をしているところでございます。
 特に、これにつきましては、昨年十二月、いろいろな方々の御提言を受けまして、税関申告書の様式を変更いたしました。表面に肉製品の持込みの有無を申告するということで、これによりまして自主的な廃棄等も増えているところでございます。
 そのような連携の中におきまして、家畜防疫官は、先ほど政務官から答弁していただきましたけれども、リスクに応じた対応をしていくということでございまして、特にリスク便のときに多く人員を配置いたしまして、声掛けをする、それから探知犬を活用するといった形で、様々な手法を組み合わせながら対応しているところでございます。
 お尋ねがありました検疫探知犬の育成についてでございます。
 検疫探知犬は、以前は海外の訓練施設で育成したものを我が国に導入していたということでございますが、近年、実は、多方面ということで、爆弾探知とかいろんな形で探知犬を使う需要が増えているということでございます。したがいまして、国内にも複数の民間施設ができておりまして、大変有り難いことに、特段の支援をよらずともハンドラーと、それから検疫探知犬を育成するという仕組みになっておりまして、私どもはこのような施設から導入が可能ということでございます。

#11
○高野光二郎君 続きまして、提案の御質問をさせていただきたいと思います。
 水際対策として、現在、政府では、一体となりまして、大手オンラインの旅行代理店、旅行関係団体を通じ、インターネットやSNS等ITを活用して、相手国も含めて情報発信をしていただいております。また、相手国の航空会社から搭乗客へのアナウンスや現地空港カウンターでの注意喚起、船では船内へのポスターの掲示をしていただいております。そして、在外公館や日本政府観光局を通じた現地SNSの配信、ホームページへの掲載、在外公館査証窓口におけるリーフレットの掲示など、質も量も非常に強化をしていただいているなということが私は感じています。
 しかし、その上で、あえて御提案をさせていただきたいと思います。
 例えば中国は、春夏、国慶節、旧正月に、訪日のお客様が増加する期間が大体顕著に決まっているんですね。これは、同様に、香港でも台湾でもそういった事例が見られます。
 そこで、資料の一、二を見ていただきたいと思います。これは、中国人が入国に至るまでの行動分析と、二は、プロモーションにおける全体概要でございます。
 例えば、訪日をする場合に、この左側にあります認知段階、ここをまず意識していただきます。この認知段階は、いわゆる注意であります。見ている人は、この注意に対して、広告やメディアによって認知段階ではその注意を引かれると。その次に二段階、これがいわゆる感情段階となりまして、興味を実際に持つようになる。そして、検索をして、ほかの旅行パッケージと何がいいかとかいうことを比較をして、そして検討して、実際に入ってくるといったようなことでございます。何が言いたいかというと、そのときの思考状況に応じたメディアや動画やSNSの対策が必要であるといったことを御提案をさせていただきたいと思います。
 しかし、今まで国は、一、二の段階を経て旅行予約、訪日となっておりまして、どちらも重要視されるのは口コミです。そして、信頼する第三者からの評価であります。つまり、政府のASF侵入対策は、様々な施策を行っていますが、公的な機関からの発信が多いため一般に興味が引きづらい、また、最も重要視される情報源である口コミや第三者からの発信がなかったということが課題だと私は感じております。
 これらの対策が必要であり、訪日を行う人、考えている人、そして、その以前にそれ以上の数の人々に届くように、認知段階からの日本にASFを絶対に持ち込ませないという啓発とメッセージを質と量も踏まえて意識して行うべきだと考えております。
 また、二〇一八年の訪日外国人について、中国は八百三十八万人です。国民の全部の六%しか来ていないんですね。台湾は四百七十八万人です。国民の二〇%が来ています。香港は二百二十万人、国民の三〇%がこの日本に来ております。
 つまり、何が言いたいかというと、訪日総数を増やす取組を踏まえ、中国は確かに有効ではありますが、さらに、再訪日を含む動機付けでのアプローチは、実際に入国して感想や体験をインターネット上で共有することが多く、香港や台湾の方が中国よりも有効だと考えています。全体の人口に対する訪日客の割合の高い香港や台湾でのアプローチが必要でございます。
 それで、質問をさせていただきます。
 資料三を見てください。実は農水省も、それらを意識していただいて、令和二年三月三日からこんな動画を作ってくれたんですね。この動画、結構画期的で、いわゆる現地人のインフルエンサーを使って現地のメディアに発信する。これ、右見てください。動画再生数、三月の三日から三月の二十五日までの間に二百四十九万回ですよ。人民日報が九十一万件ぐらい。これが二つあるわけでございます。さらに、その下見ていただくと、コメントが九百五十三件。例えば、この中でも、日本何でも売っているから日本で買えばいいですよとか、教えてくれてありがとうございます、これで日本に行くときには入国審査に引っかからなくなって大丈夫ですといったようなことがあります。
 新井ゆたか局長にお伺いします。
 今回の農水省のインフルエンサーを活用した情報発信について、水際対策の有効性及び評価についても行う、また、この動画は中国人の罰金が百万円としているんですが、この法律で三百万円になったりとかということで、バージョンアップをしていかなければいけません。また、同じ中国語といっても、台湾人と香港人は、その中国語、使い方も違いますし言葉も違います。中国人のインフルエンサーが香港人に発信しても、香港人見ません。そういったことも踏まえてエリアを拡大していくべきだと考えていますが、それらについて、新井局長、御答弁をお願いします。

#12
○政府参考人(新井ゆたか君) 大変有効な御提案をいただき、ありがとうございます。
 私ども、どうしたら訪日される方々に届くかということで、今までも多様な媒体を試してきたということでございます。先ほど御発言ありましたように、公的なものの映像、それからユーチューブあるいは広告配信会社を通じた海外メディアへの情報発信とか、いろんな媒体を試してきたところでございます。
 今年の一月から、やはり実は、さっき政務官もお答えいたしましたとおり、ベトナムでやはりベトナム人が逮捕されたことがベトナム人の国内のネットワークとか向こうで非常に口コミで広がったという、それによって件数が減ったという経験を踏まえまして、いろんな情報通信の一環といたしまして、インフルエンサーを活用した情報発信ということで、公募により、この今御紹介いただいた資料三の映像を作らせていただきました。
 まさにこの中で特徴的なことは、我々なかなか思い付かなかったことは、持ってくるなということではなくて、日本で食べるともっとおいしいものがあるよという視点で、実は日本の幾つかの地域を観光案内にもなっているということで、ここら辺につきましては、大変新しい視点であり、特に若者の興味を引く内容だったというふうに承知をしております。そういうことで、二本の動画を合わせまして五百万回ということでございまして、農林水産省が今までやってきた情報発信の中でも、短期間のうちで非常に多いものというふうになったと承知をしております。
 これから、お話もありました台湾とか香港とかいろんな国に向けまして、これから罰金も引き上がるということでございますので、更にいろいろな媒体を使いながら情報発信をしてまいりたいというふうに考えております。

#13
○高野光二郎君 新井局長、すごく御理解いただいていると思うんですが、こういった活動は、こういった施策はスピード感なんですね。
 実は、平成三年度の当初予算を目指してということになれば、そこでまた一年間の周期があって、一年間で来る時期というのが集中してくるんですね。こういったものを一度作れば、実は賞味期限が非常に長いです。何回も何回も見ていただけるということがありますので、これは迅速に是非対応していただきたいというふうに思っております。
 次に、資料四を御覧ください。次は検疫です。
 日本に入れさせない取組として、本法案では、海外旅行者等が日本に入国する際に、その携帯品等の検疫に当たる家畜防疫官の質問、検査権限の拡大を図っています。違法畜産物が発見された場合には罰金の引上げもあります。
 ここで、新井局長にお伺いします。
 旅客が持ち込む違反品を水際で摘発し侵入を防ぐ、防止するプロセスについてお伺いをいたします。現在までの持込み件数、罰金、入国拒否、逮捕状などについてもお伺いをいたします。

#14
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 現在までのところ、一千枚以上の警告書というのを発行しております。これは、税関のエリアの中で検疫官が質問等をした場合に発見したときに、パスポートのコピーを取るとともに、日本に持ち込んではいけませんよという初回の場合の警告書を発行したものでございます。
 この内訳を申し上げますと、中国人の方が半数、それから、到着地といたしましては成田が半数ということでございまして、先ほどのリスクの観点からも、これらの国の便あるいは空港に重点的に配置をしているというところでございます。このうち悪質な事例につきましては、警察と連携いたしまして、この一年間で六件九名の逮捕者を出しております。
 その中におきまして、私どもが把握している限り、裁判が終わっているものもございまして、執行猶予付きではありますけれども、懲役刑の判決が下った者が二名いるということと、罰金刑もいるというふうに承知をしておりまして、相当厳しい対応をしていただいているというふうに承知をしております。
 そういう中にありまして、全体としての摘発総数、それから摘発総量につきましては、政務官からお答えいただきましたとおり、令和元年度は十一万五十八件、摘発総量は約六十九トンということでございます。
 こういう中、実際に税関のエリアにおきましては、税関と、それから家畜防疫官、便によりましては植物防疫官も補助という形で出て対応しているところでございます。
 税関法で、申告書を表に書くということを十二月二十五日から採用していただきまして、そういう意味で、自主的な廃棄ボックスというのを置いております。この結果、自主申告、それから自主廃棄というのも最近増えておりまして、全体の大体三九%、四割が我々が質問したりとか誰かに摘発される前に自主的に空港のエリアで捨てていただくという体制ができてきたところでございます。そこを通り抜けて、意思を持って持って入ろうとした方については、税関と、それから我々が声掛けをしたりとか、そういう形で厳格に対応しているところでございます。

#15
○高野光二郎君 ありがとうございます。
 三月十七日の日本農業新聞によると、訪日中国人へのアンケートで、二・八%に当たる人が豚肉製品を持ち込んでおり、豚肉製品を持ち込むことは簡単、少し簡単と答えた人が一二・九%います。そして、違法性をしっかり認識していない人が一四・九%もいます。相手国から持ち込ませない、日本に入れさせない、両方の観点で、まずはしっかりとしたASF対策を強化することが国の責任です。
 その上で、江藤大臣、そして法務省にお伺いします。
 出入国管理及び難民認定法では、輸入禁止畜産物を持ち込んで売買しようとしている場合、ASFウイルスを日本で拡散させる目的で違法畜産物を持ち込む外国人に対して入国審査において入国拒否が可能であり、先日の衆議院の審議においても、法務省の副大臣からは、入管法に基づき、水際対策に万全を期してまいりたいとの答弁ですが、実際には、その実績がありません。理由や課題についてお伺いをいたします。また、該当する案件が発生した場合、入国拒否までの、発動までのプロセスをお伺いします。

#16
○政府参考人(石岡邦章君) お答え申し上げます。
 輸入禁止畜産物を持ち込もうとしている者に対する上陸拒否につきましては、実績として把握しているものがないわけでございますが、実績として把握事例がないということに関しましては様々な要因があり得るところ、確定的に申し上げることは困難でございます。
 ただ、その一因としましては、現状の審査プロセス上、入管による上陸審査が行われた後に動物検疫所による検疫が行われることが考えられます。すなわち、現状では、入管による上陸審査においては当該外国人が輸入禁止畜産物を所持するか否か等を把握することができず、これをどのように改善するかが課題と考えられます。
 こうした状況に対応しまして、入管におきましては、輸入禁止畜産物を所持するおそれが高い外国人に対して慎重な上陸審査を行うべく、現在、情報連携について農林水産省との間で調整を進めておるところでございます。こうした情報連携が可能となり、入管における上陸審査の際に輸入禁止畜産物を所持するおそれが高い外国人を特定することが可能となれば、動物検疫所等の協力を得ながら、入国目的などを慎重に審査の上、必要に応じて上陸拒否をすることが可能になると考えておるところでございます。

#17
○国務大臣(江藤拓君) 今、上陸拒否が可能となるという御答弁をいただいたので、今、局長と顔を見合わせたところでありますが、そういう方向で是非やってください。
 農林水産省としては、厳しくやるということに関しましては極めて賛成でございます。昨年の補正予算も使って、パスポートにいろんな情報を書き込むことができるようになりました。過去は、長い歴史の中で二件しか摘発、いわゆる捕まった者はおりませんけれども、この一年間で、先ほどから局長、それから政務官から御答弁いただいたように、六件九名の逮捕者も出しております。実績が上がっておりますので、そして、この農業新聞の記事も、極めて生の声で、センセーショナルな数字で、真摯に受け止めなきゃいけない情報だと思っております。
 これからさらに、そういうお考えがあるということであれば、法務大臣ともしっかり連携を取って、今後、この改正法案をまずはしっかりと運用することから始めて、そして、インフルエンサーも使ったりいろんな広報活動もしながら、そして、法律上入国拒否もできるようなところまで踏み込むのであれば、それに向かって我々も努力をしてみたいというふうに考えております。

#18
○高野光二郎君 ありがとうございます。
 入国審査は、パスポートや目的を聞き取り、プラス違法畜産物の持込みの可否についても、本当のことを言うか分からないとか、今おっしゃいましたけど、いろいろ課題があろうかと思います。
 その後のプロセスで、税関検査場にて持込禁止を再度啓発して、訪日客、認識した上でまだ持ち込んで発覚した人に警告書が発行されているのが千件以上だとお伺いをしております。入国拒否を発動するに当たり、税関の検査場での家畜防疫官、動物検疫所や警察との綿密な連携が必要であると思いますし、今検討していただけるということでございますが、マニュアルの徹底などもしていただきたいというふうに思います。
 最後に、新井ゆたか局長、そして法務省にお伺いします。
 水際での摘発、入国拒否、逮捕、罰則など、実効性のある措置を実施し、違法品を持ち込ませないための水際対策を強化すべきである、これ、同じ質問ですね。
 終わります。ありがとうございました。

#19
○宮崎雅夫君 自由民主党の宮崎雅夫でございます。本日は、質問の機会をいただきましてありがとうございます。
 先ほど、高野委員から主にASFについて質問をさせていただいたわけでございますけれども、私は、CSFを主に質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 CSF、豚熱については、昨年九月に予防的ワクチン接種という大きな決断を江藤大臣がされたわけでございまして、十月には都道府県による予防的ワクチンの接種が開始をされるなど、関係者の皆さんが終息に向けて努力をされているところでございます。沖縄県では、一月の発生以降ちょっとまだ続いている状況でございますけれども、本州では、ワクチンの接種以降、十二月の十七日の愛知県での発生以後は発生をしていないという状況が続いております。
 これまでいろんな対策が取られてきたわけでございますけれども、感染経路を遮断するために、人がこれはもちろんできることは当然それを徹底しないといけないということですけれども、野生のイノシシからのウイルスの拡散を防ぐために、ワクチンベルト構想に基づいて、空中散布を含む経口ワクチンの散布でございますとか野生イノシシの捕獲強化、こういったものに積極的に取り組んでいただいております。
 ただ、相手が、これは人が管理できない野生のイノシシということでございますので、対策の難しさもあるというふうに思います。今後の効果的な対策の実施という観点からも、これまでの対策の効果について、専門的な観点から検討も必要だというふうに思っております。
 そこで、これまでの野生イノシシ対策の効果についてどのように御認識をされているのかということ、そして、今後の対策に向けて活用をどういうふうに考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。

#20
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 今般のCSFは野生イノシシを介して感染が拡大をしておりますので、経口ワクチンの散布によりまして野生イノシシへの抗体付与を進めるとともに、捕獲の強化による個体数の削減に取り組んでおるところでございます。
 経口ワクチンの効果につきましては、昨年三月より散布を始めた岐阜県、愛知県等において、散布回数が増えるとともに抗体保有率が上昇する傾向が確認がされております。
 そうしたことを踏まえて、今後、包括的に専門家による検討会で効果を評価することといたしております。

#21
○宮崎雅夫君 これまでの……(発言する者あり)まだありますかね。

#22
○副大臣(加藤寛治君) また、捕獲については、昨年九月より関係県において捕獲重点エリアを設定をしまして、捕獲の強化に取り組んでおります。昨年九月以降の捕獲頭数が前年同期よりも約三割増加するなど、捕獲が強化をされているところでございます。
 今般の家伝法改正によりましては、野生動物における悪性伝染性疾病の蔓延防止を図るための措置として、野生動物への経口ワクチン散布やウイルスの浸潤状況調査等の措置を法に位置付けまして、国が本来果たすべき役割に係る法定受託事務としたところでございます。
 今後は、これに基づいて、積極的なウイルスの浸潤状況の把握のほか、経口ワクチンの散布を継続するとともに、環境省や県、市町村ともよく連携をして、捕獲の強化に更に取り組んでまいりたい、このように考えております。
 以上です。

#23
○宮崎雅夫君 加藤副大臣、御丁寧な答弁をありがとうございます。
 CSFでは、先ほど高野委員から冒頭もお話もありましたけれども、これまで約十六万六千頭が殺処分をされているわけでございまして、大変これは非常に大きな数になるわけでございます。飼育をされていた農家の皆さんのお気持ちはいかばかりかというふうに思いますし、様々なダメージが当然あったわけでございます。
 この殺処分については、都道府県の家畜衛生員の皆さんであるとか畜産部局の皆さんだけではなくて、自衛隊の協力もあったわけでございますけれども、ふだんは別の業務をやっておられる様々な方が関わったということでございます。
 殺処分は、これはもう大変厳しい仕事であるわけでございまして、これは、肉体面だけじゃなくて、特にやはり精神面でも非常にきつい業務であるわけでございます。関わられた方のケアであるとかフォローをしっかりやっていくということは大変重要なことだというふうに思っております。
 そこで、殺処分に関わった関係者の皆さんのケアであるとかフォローをどのようにお考えなのか、お伺いをいたします。

#24
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 宮崎委員御指摘のとおりに、患畜等の処分といった防疫作業に関わる職員には、身体的負担に加えて多大な精神的負担が掛かるために、メンタルケアを行うことが重要であると考えております。防疫指針においても、防疫従事者の心身の健康維持に努めることと規定をいたしております。
 メンタルケアにつきましては、CSFの発生県において、防疫指針に基づきまして、相談窓口の設置による従事者への相談対応を行っております。例えば、岐阜県や愛知県などでは、医療面、心理面での相談窓口を設置をしまして、医師や保健師といった専門家を配備をしてケアを実施をしていると承知をいたしております。
 農水省といたしましても、疾病の発生時には、自衛隊や国、そしてまた他県、関係団体からも人員を派遣をしまして、個々の従事者に多大な、過大な負担が掛からないように、協力体制の下で防疫作業に取り組んでいるところでありますし、引き続き、作業員の方々の負担が軽減されますように、きめ細かく対応してまいりたいと思います。

#25
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。是非、引き続きしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
 殺処分では、掘削とか埋設、こういった土木的な作業というのも当然必要でございまして、これについては、それぞれの地域で土地改良事業をやっていただいている地元の建設業の皆さんも大変協力をいただいております。
 自然災害発生のときも、まず誰が駆け付けてくれるかと。もちろん、それぞれの役場の方、市役所の方、関係者の方が行かれるわけですけれども、応急対策という意味では、すぐそういう地元の建設業の方、行っていただいているわけでございます。自然災害のときの協定だけじゃなくて、このような防疫協定というのも四十三県で結ばれてきておりますので、建設業の皆さん方の協力についてしっかり認識をして、ちゃんと評価をしてあげるということが大切だというふうに思っております。
 次に、今回提出されました法案について、関係者の責務、それと、どう実行していくのかということについて質問をさせていただきたいというふうに思います。
 家畜の伝染性疾病の発生と予防、そして蔓延の防止、これを図っていくには、関係者それぞれの役割を踏まえて一体的にこれはやっていかないといけないということでございます。改正法案では、家畜の所有者、国、都道府県、市町村、関係事業者の責務をこれ法律の中で明確化したということについては、この改正案の中でも重要なポイントの一つであるというふうに思っております。特に、家畜の所有者が第一義的な責任を有しているということがまず明記をされておるわけでございますけれども、それぞれの農場でもちろん飼養衛生管理をちゃんとやってもらうということが防疫の基本ということでございますし、必要な対策が、措置がとられなければ始まらないということで、大変重要なことだというふうに思っております。
 そこで、関係者の責務を法律上明確にした狙い、そして、特に農家の責務について大臣のお考えをお伺いをしたいと思います。

#26
○国務大臣(江藤拓君) 現行の家伝法では、国とか都道府県、それから所有者の方々の具体的な措置については規定はされておりました。これはしっかり書いてあったわけでありますけれども、なぜそれをやらなきゃいけないのか、その趣旨については明確に示されていなかったという欠点があったと思っております。
 改正法案では、責務規定を総則にまとめてしっかりと規定をした上で、それぞれ、ですから、飼養されている農家だけではなくて、国も、それから市町村も、それから県も、それぞれの立場でしっかりと自覚を促していくということを目的に本法案の改正をやらせていただくということでございます。
 それに加えて、今回の法案の改正案では、第二条の三項の四に、協議会を開催するということにもなっております。ですから、一体感を持って、国が、県が、飼養責任者がということだけじゃなくて、みんながしっかりと意識を持ってやるということでありますから、決して農家の方々、飼養者に一義的な責任を押し付けるというものではないということであります。
 しかし、さはいいながら、今般の特に豚熱の伝播の広がり方を見ると、何度も何度も一生懸命飼養衛生管理お願いしても守っていただけない事例もあったり、中には、罹患している豚がいても長い期間報告をしていただけなかった事案があったりしたことも事実でありますから、自分たちのこういう財産、そして業界を守るという意識を今回の法改正においてより高く持っていただきたいということでこのような書き方になったということであって、繰り返しになりますが、一義的な責任を家畜の所有者に押し付けるという趣旨のものではないということを御理解いただければというふうに思います。

#27
○宮崎雅夫君 大臣、ありがとうございました。
 非常に分かりやすい御答弁をいただきまして、皆さん方もしっかりその役割、一緒に取り組んでいくということも分かっていただけたんじゃないかなというふうに思います。
 家畜の所有者の皆さん方は、この飼養衛生管理基準に従って、衛生管理区域、畜舎への出入りの際の消毒でございますとかこの徹底、野生動物対策など、現場での予防対策を徹底をしていっていただくとともに、これを続けていただかないといけない、持続的にやっていただかないといけないという必要がございます。家畜の所有者といいましても、飼育している家畜の種類、これは豚に限ったわけではありませんので、家畜の種類でございますとか規模も農家によって当然違うということでございます。
   〔委員長退席、理事堂故茂君着席〕
 今月の九日に、豚、イノシシについては飼養衛生管理基準を先行的に改正をされておりますけれども、規模の大小にかかわらず、基準は一本になっております。豚やイノシシに限った話ではございませんけれども、規模の大小だけ、大規模な農家だけではなくて小規模な家畜所有者について、現地で衛生管理をどのようにやはり徹底をしていくかということは非常に大事なことだというふうに思います。そして、今回、基準の改正で更に高度な衛生管理を求められれば設備の整備が必要なんじゃないかといった不安であるとか、もちろん、必要があればそのための支援も必要だというふうに考えておりますけれども。
 そこで、小規模な家畜所有者について、今回の法改正の趣旨を踏まえて衛生管理を持続的にどのように徹底をしていただくのかと、支援策も含めてお伺いをしたいと思います。

#28
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 飼養衛生管理基準の目的は、病原体の侵入及び拡散の防止でございます。農場の規模の大小にかかわらず、自らの経営の維持発展はもとより、周辺への蔓延防止のためにも対応をしていただくということが必要であろうということは御案内のとおりであろうと思います。
   〔理事堂故茂君退席、委員長着席〕
 農水省といたしましても、農家の皆様が飼養衛生管理の向上を進めるための施策について、令和元年度補正予算や令和二年度の当初予算などを活用をして取り組んでいただきたいと、このように考えております。
 具体的には、野生動物侵入防護柵の整備への支援や、動力噴霧器、防鳥ネット、簡易更衣室等の導入への支援の拡充、そしてまた、管理獣医師による衛生管理指導への支援の拡充を行うとともに、さらに、昨年十一月には日々の飼養衛生管理の点検のためのステッカーの配布も行ったところでございますし、このようなこと等を踏まえて、飼養管理衛生の管理向上のために更に努力をしてまいりたいと、このように考えております。

#29
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。
 是非、小規模な農家の方にもしっかりと守っていただけるように、引き続き支援の方をお願いをしたいというふうに思います。
 先ほど副大臣から御答弁をいただいた中で、ステッカーというお話もございました。私も、飼養衛生管理基準、これは国が定めるわけでございますけれども、改正したやつを見させていただいたわけです。基準自身は、もちろんこれ字ばっかりだということですし、これまでも基準はあるわけで、いろんな工夫をしながらその啓発普及に努めていただいたと思いますけれども、是非分かりやすいものを作っていただいて、これからも基準の改正はあると思いますので、そちらの方もしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 次に、都道府県でございますけれども、発生予防措置でございますとか蔓延防止措置の中心的な役割を引き続き果たしていくということになるわけでございますけれども、その責務の中には、必要な体制の整備を図っていくということも規定をされているわけでございます。その体制の中心になりますのが、都道府県に所属をして、主に家畜衛生行政に従事をされる獣医師などの家畜防疫員の皆さん方ということでございまして、全国で今二千百名ほどいらっしゃるということでございますけれども、その人材の確保については、地域によってはちょっと難しいというようなところも出てきているというふうに伺っております。
 家畜防疫員の皆さん方は非常に大きな役割を果たしておられるわけですし、今回の法改正の趣旨も踏まえると、更にその役割というのは大きくなってくるというふうに思われます。人材の育成でございますとか確保を進めていかなければならないということでございます。
 そこで、都道府県のこの体制の強化に向けまして、国として、家畜防疫員の人材育成、それから確保についてどのように進めていくのか、お伺いをしたいと思います。

#30
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 御案内のように、家畜防疫員は、都道府県に勤める獣医師を中心に、知事の任命によりまして配置をされております。毎年、都道府県から数についての定期報告を受けておるわけでございますが、令和元年度は二百人増加をしまして、平成三十一年四月一日時点では全国で約六千二百人体制となっており、近年は増加傾向にございます。その内訳を見てみますというと、農業共済団体並びに農業協同組合等の獣医師約千三百人のほかに、個人診療獣医師が約七百名を加えた約二千名が民間の獣医師として任命をされておるところでございます。
 農林水産省におきましては、CSF等の疾病の発生時には速やかに防疫措置の完了をさせるために、防疫措置の応援として他県の家畜防疫員の現場への派遣について調整をしているところでございます。また、家畜防疫員が不足している場合には、民間獣医師を臨時の家畜防疫員として任命するよう助言もしておるところでございますし、実際に、CSFワクチン接種に当たりましては、臨時で民間獣医師を家畜防疫員に任命をして数を増やしている県もございます。
 一方で、人材育成につきましては、平時から現場で必要とされる知識向上のための講習会を行っているほかに、複数の県におきましては、自衛隊や建設業界も参加する防疫の演習が実施をされているところでございます。
 今後とも、引き続き都道府県と連携をしながら、ASF侵入防止やCSFの発生防止の取組を進めていく上で重要な役割を担っている家畜防疫員の確保及び人材の育成にも努めてまいりたいと、このように考えております。

#31
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。
 いろんな取組をもうやっていただいているということでございますけれども、今回、先ほど大臣からも御答弁の中で触れていただきましたけれども、協議会もつくられるというようなこともありますので、緊急時の人のやり取りといいますか派遣、そういったものについてもしっかり協力体制を取っていただきたいと思いますし、また、OB、OGの方もいらっしゃると思いますので、そういう方の活用なんかも検討していただければというふうに思います。
 もう時間がございませんので、ちょっと最後の質問でございますけれども、市町村の責務ということも都道府県の後に規定をされているわけでございますけれども、書きぶりは、国及び都道府県への、施策への協力というようなことなんですけれども、なかなかちょっと法律だけでは、一般的な表現になっておりますのでなかなか分かりにくいということもあるかと思います。
 市町村ももちろん重要な役割を果たしていく必要があるというふうに思いますけれども、具体的にどのような役割を期待をしているのか、お伺いをしたいと思います。

#32
○委員長(江島潔君) 簡潔に御答弁願います。

#33
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 家畜伝染病予防法に規定する防疫措置につきましては、御案内のように畜産振興と表裏一体でございますので、原則都道府県が主体となって行うこととしておりますが、より現場に近い市町村には、発生直後の住民説明会を始め、通行制限や遮断、埋却地の確保へ協力、消毒ポイントの設置、ひいては発生農家への再建支援など、御協力いただいているところでございます。
 都道府県、市町村、国がしっかりと連携をして発生予防と蔓延防止に取り組むことが非常に重要であると考えております。

#34
○宮崎雅夫君 ありがとうございました。終わります。

#35
○徳永エリ君 共同会派、国民民主党の徳永エリでございます。
 本日は、家伝法の改正案について御質問をさせていただきます前に、規制改革推進会議に関連して御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、資料を御覧いただきたいんですけれども、先日御質問させていただきました近海中規模漁船の海技士の乗組み基準の見直しについてであります。
 現行の基準では、中規模漁船二十トン以上二十四メートル未満、これについては、六級海技士航海士及び六級海技士機関士、この合計二名の配乗が必要であるということになっています。これをプレジャーボートと同様に、小型船舶の定義を変えて、二十トン以上八十トン未満、長さ二十四メートルの特定漁船とし、一定の講習を受ければ小型船舶操縦士一名の乗船による航行を可能にするというものであります。
 これは平成三十年六月十五日に閣議決定された規制改革実施計画によるものでありますけれども、実態調査と資格の見直しを検討する、そのために、国土交通省、農林水産省同席の下、平成三十年十月二十三日に、有識者や漁業関係者による第一回の近海を操業区域とする中規模の漁船に関する資格制度のあり方に関する検討会が開かれました。
 この検討会の議事録が手元にあるんですけれども、まず冒頭、この検討会の開催趣旨について国土交通省から説明がありました。その中で、堀海技課長から、規制改革推進会議において国土交通省が呼ばれまして、総トン数二十トン以上長さ二十四メートル未満の漁船において機関士の配乗を免除できないかというお題を与えられました、その場でそのようなことはできないということの説明を丁寧にさせていただき、今の漁船の現状では無理ということで納得してもらい、その上で漁船の海技士の資格について見直す必要はないということになりました、しかし、現在の漁船の実態の調査は重要であるということから調査はします、今後、技術の進展があり、機関士の仕事を見直すことができるような状態になれば資格制度の見直しはできるのではないか、具体的にどのような状態になるか分かりませんが、仮にそういうことがあれば見直しをしましょうということでありました。
 この検討会に出席した委員から、必要とされる海技士資格制度の在り方の検討というのは将来を見据えたものであるという理解でよろしいでしょうか。堀海技課長、今の状況は今の状態を調べるということで、以上です、そして、将来何か状況が変わればまた調査して比較するということで、以上です。また、別の委員から、規制改革推進会議ではそれなりの理由があってお題を出されたと思うのですが、そこの辺りはいかがでしょうか。堀海技課長、理由はよく分かっておりません、具体的な根拠を示されないので、なぜそのようなことを突き付けられたのかよく分からず、会議において御説明したら、分かりましたということです。つまり、理由は不明ですとなっているんです。また、別の委員から、それで改革推進会議は納得されたのですか、つまり、調査をするということで納得されたということでよろしいのでしょうかという質問がありました。堀海技課長、その成果が今回の閣議決定でありますとおっしゃっています。
 閣議決定の内容は何かといいますと、近海百海里以内を操業する中規模、総トン数二十トン以上長さ二十四メートル未満の漁船の機関に関する業務の内容について、国土交通省と水産庁が協力して実態を調査し、その結果及び今後の技術の進展に係る調査の結果を踏まえて、安全運航の確保を前提に、必要とされる海技資格の在り方について検討するとなっているんです。見直すとか基準を変えるということは一切閣議決定にはありません。
 この後に、規制改革推進会議の水産ワーキング・グループが開かれました。昨年のこれ、十二月ですね。その中で、この検討会での議論について、水産ワーキングチームは国土交通省からの説明を求めているんです。国土交通省の海事担当審議官やこの堀海技課長からは検討会の議論について丁寧な報告がなされまして、また、若干水産庁は前のめりのようでありますけれども、この水産庁の提出した資料についての疑問点あるいは詳細な情報の提供などについて指摘をしているんです。
 その中で、この堀海技課長が丁寧に説明をしていると、途中で金丸議長代理が割り込んできます。堀課長、もう結構です、前に進めたいので。堀海技課長、ちゃんと説明する時間をいただけませんか、ここでやれと言われたから、今、説明しろと言われたから一生懸命頑張ってやっているんです、こう言っているんですね。金丸議長代理、よく分かりました、一生懸命説明されていることはよく分かりましたけれども、私の感想としては、堀さんは一切変える気はないと。堀海技課長、いえ、そういうことではありません。金丸議長代理、審議官には私はお聞きしたいのだけれども、規制改革推進会議、事務方も含めて我々はずっとこれからもこのような議論を続けるということですか。審議官、済みません、今、細かい内容について御説明させていただきましたけれども、一切変えないと言っていることではありません。金丸議長代理、そのように聞こえました、先ほどのスケジュール表を見ても、百隻全部調査する、二年、三年は掛かる、その先の検討も相当時間が掛かる、だから、規制改革推進会議の実施計画の文章の読み方、そこから合意形成しなければならないということでしょうか。堀海技課長、どういう意味でしょうか、合意形成したものが文章になっておりますので。金丸議長代理、いや、そのつもりですね。堀海技課長、どういう意味か分からない。こういうやり取りがされているんですね。
 そして、この後、検討会が昨年の十二月まで八回開かれておりますけれども、この安全の確保という部分で、あるいはこの基準を見直す必要はないんじゃないかという意見もありまして、議論は平行線のまま終わってしまいました。そして、もう今月の末にはこの基準が見直されるということであります。こんなことあってはならないと私は思いますよ。何のための検討会なんでしょうか。
 資料の二枚目を御覧いただきたいんですけれども、二十トン以上八十トン未満、長さ二十四メートル、この漁船は二十四メートルよりも少し長いです。でも、大体こんな漁船なんです。ここに今、航海士と、そして機関士が二名乗らなければならないんです。それを小型船舶操縦士一名だけにすると。これ、もし海の上でエンジンが止まったら、これ、操舵室から小型船舶操縦士の方が機関室まで下りていって何が起きたのかチェックする、危なくないでしょうか。
 そして、もう一枚資料を御覧いただきたいと思います。これは、国土交通省から規制改革推進会議の水産ワーキング・グループに出された資料です。総トン数二十トン以上長さ二十四メートル未満の漁船に機関士を乗り組ませる必要性という資料であります。
 機関士、機関全般の運転、保守整備及び故障の早期察知等、堪航性を含め、安全を維持できる知識を有する者、そして、小型船舶士、機関の計器類が正常な値を示しているかどうかの確認や簡易な機関故障時の対処のための知識を有すると。大体、プレジャーボートと同じ基準にするということは考えられません。プレジャーボートは、あくまでも娯楽ですから頻繁に乗るわけではありませんから。でも、漁船は操業しているんです。エンジンに負担も掛かります。故障もしやすいんです。だからこそ、専門家の経験と知識が必要なんだというふうに思います。さらに、参考として書かれています。総トン数二十トン以上長さ二十四メートル未満の漁船の過去五年間の機関故障の事故率はプレジャーボートの三・五倍ということであります。安全は本当に確保できるんでしょうか。
 そこで、まず、水産庁長官にお伺いしたいと思います。
 海技士の乗組み基準の見直しを水産庁としてはずっと行うべきだとお考えだったんでしょうか。

#36
○政府参考人(山口英彰君) 漁業者につきましては、近年、乗組員の不足等がございます。また一方で、漁業者の皆様方からは、漁船の安全性や居住性を考えればなるべく大型化をしたいという声があるわけでございますが、二十トン以上の船につきましては、今御指摘がございましたように、海技士がお二人、航海士と機関士と両方置かなければならないということですが、その確保が困難になってきているということでございまして、二十四メーター未満の漁船につきましてはプレジャーボートと同様な小型船舶操縦士の免許でもってこの乗組み基準ができるようにということが団体からの要請もございましたので、水産庁としては、そういった要望を出しているところでございます。

#37
○徳永エリ君 船主さん、所有者、そういう立場の方から要請があったのは分かっていますが、現場で働く人たちの声が全く反映されていないというふうに思います。
 水産基本計画に基づいて船の大型化を図るということでありますけれども、これ、十九トン以下の漁船で大型化を具体的に図る計画のある船は何隻ぐらいあるでしょうか、今の段階で。

#38
○政府参考人(山口英彰君) 具体的な隻数等については承知しておりませんけれども、声といたしましては、やはり十九トン未満でありますと、居住区とか、あと作業スペースがやはり確保しづらいということで、安全性の面、また、そういう若い乗組員を確保する面、そういった点では大型化が必要だという声は出てきております。

#39
○徳永エリ君 実際に大型化したいというニーズは具体的にありますか。

#40
○政府参考人(山口英彰君) それはあると思います。

#41
○徳永エリ君 あると思いますという御答弁でありますので、どこのどんな漁船か、具体的に後ほど教えていただきたいというふうに思います。
 それから、この特定漁船、改正で対象になる船舶、これは何隻ありますでしょうか。

#42
○政府参考人(山口英彰君) 今、二十トン以上長さ二十四メーター未満で、かつ、今回の対象になります百海里未満の操業をする船というのは五十九隻ございます。

#43
○徳永エリ君 今月末にも、省令改正でもって、講習を受ければ小型船舶操縦士一名でこの特定漁船の操縦ができる、航行ができるということになるわけでありますけれども、今、この五十九隻には、航海士と、そして機関士と二名乗っているわけですよね。この方々は省令の改正後どうなるんでしょうか。

#44
○政府参考人(山口英彰君) 省令改正後も、現行の機関士、航海士の方々がそのまま乗り組むことは可能でございます。

#45
○徳永エリ君 小型船舶操縦士の資格を持つ方が講習を受ければ、もうこの特定漁船、この五十九隻、対象になっている船に乗ることはできるわけですよね。そうなった場合に、今乗っておられる海技士の方々、一名でいいのであれば一名にする、解雇される、人件費を減らしていく、こういうことも考えられるのではないでしょうか。

#46
○政府参考人(山口英彰君) 先ほども申しましたように、漁船にとっては、乗組員の確保ということが重要でございます。現在いらっしゃるそういう航海士、機関士の皆さんを解雇してというようなことよりも、やはり資格を持っている方が一人でも多く漁船に乗っていただくことが重要だと思っておりますので、そういった事態にはならないと考えております。

#47
○徳永エリ君 でも、制度基準的には、解雇することも省令改正後は可能だということですよね。

#48
○政府参考人(山口英彰君) いろいろ労働協約その他雇用関係というのがございますので、いきなり解雇とかそういったことにはならないと思いますし、何度も申しておりますけれども、漁船の乗組員自体が不足するおそれが高いわけでございますので、資格を持っておられる方々を大事にすることはあれ、そういうことに、解雇等になることは想定していないと思っております。

#49
○徳永エリ君 心配しているようなことが起きないようにしていただきたいと思います。
 前回もお話しさせていただきました。江藤大臣、少し勉強させてくださいという前回の御答弁でございましたが、今日も流れを説明させていただきました規制改革推進会議、とんでもないと思いますよ。江藤大臣、今説明を聞いていただいて、改めてどのような御感想をお持ちになり、あるいはどんなことを心配されているでしょうか。お答えいただきたいと思います。

#50
○国務大臣(江藤拓君) 規制改革推進会議については、自分もいろいろこれまでありましたので、なるほどなということで聞かせていただきました。
 途中で議論を打ち切るようなことは決していいことではないと私は思います。それは、やはり事情をしっかり説明しようとする者を途中で遮るようなことはやはり慎むべきだと私は思います。議論は尽くされることがとても大切だということを思います。
 そして、今回、そのプレジャーボート、私も二級は持っているんですけど。一級は、取ろうとして、試験日に国会が入って試験受けられなくて、受けても落ちたかもしれませんけど、十四万円の講習代を払って勉強したので多分通ったと思いますけれども、一級はなかなか難しいです。かなり難しいです。その方々が八日間の講習を受けてくれれば乗れるようにはなる。
 しかし、海の漁師の世界は、こういう省令改正がなされたからといって、今までかじを握っていた人間、それから機関室を任されていた人間をすっぱり切るような世界では私はないと思います。
 そして、いかなるときも、私はこれまでも現場を大事にするということを大事にしてきましたので、自分の友人の中に、もうかる漁業で、これから船を、例えば五隻船団で沖合巻き網をやろうとしている、底引きをやろうとしている人間で、五隻船団を三隻にしたいという計画を持っている人間はいます、私の宮崎でもですね。そういう人間に何人か話を聞いたら、それは、正直言って、なかなか資格者を確保するのは難しいから、まあ宮崎弁で言うと、それはいいばっかりじゃと、それは有り難いという意見もありました。
 しかし、今水産庁長官が言ったように、雇用の関係がしっかりと維持されないということは、これは大変制度改革によっていきなり失業するというような事態はよくないと思いますので、実際に五十九隻という事例もお示しになったので、この省令が改正されることになります、もうこれはなりますので、その後どういうことが現場で起こるかのことについては、もうこれ改正になったんだから後は現場がどうなろうが知らぬということではなくて、しっかりその後もフォローさせていただく必要があるんだろうというふうに考えております。

#51
○徳永エリ君 是非、大臣には、省令改正後も現場の状況をしっかり見ていただいて、やっぱりこれはなかなか難しい、安全性の確保は困難だと、そういうような状況になったり事故が起きるようなことがあったときには不断の見直しをしていただきたいということもお願い申し上げたいと思います。
 規制改革推進会議、二十トン以上八十トン未満、長さ二十四メートル、百海里以内の操業をプレジャーボートと同じ定義にする、これ、誰がどう考えて突然持ち出してきたことか分かりませんけれども、大体、規制改革推進会議にぽんと出てくると、関係者の話を聞いても、それはもうアリバイづくりでしかないんですよ。もう結果ありきなんですよね。もういいかげん、こういうことはやめた方がいいと思います。結果的に、何年かたって問題が起きて、やっぱり見直さなきゃいけないということが今まで幾つも起きているじゃないですか。是非とも、そのことを江藤大臣にはしっかりと受け止めていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 続いて、生乳販売会社MMJに生乳を出荷している北海道の複数の酪農家が昨年の十一月半ばからMMJに受乳を拒否され、生乳を大量に廃棄していたことが分かりました。MMJと直接取引をしている十勝管内の酪農家四戸と、根室管内別海町のちえのわ事業協同組合を通してMMJに出荷しているオホーツク管内の四戸、それから、釧路、根室両管内の複数の酪農家です。
 なぜこのようなことが起きているのか、農林水産省、事実関係を調査するということでありましたが、どこまで分かってきたのか、お話しいただきたいと思います。

#52
○国務大臣(江藤拓君) 先週の木曜、三月の十九日に、委員御指摘をいただきました生乳の買取り販売事業者、MMJでございますけれども、本省の方に来庁していただいて、状況について聞き取りを行いました。生産者の属する組織、これは今二者挙げていただきましたけれども、これは、北海道の農政事務所が協力して聞き取りを今行っている最中でございます。
 当該の生乳の販売、MMJからはいろんな理由は示されております。生産段階での生乳への異物混入が原因だと、それから、受入先の乳業者からの生乳の受入れを断られたと、このことから廃棄されたんだと、これが昨年十一月以降、今でも二戸がまだ廃棄が続いております。そして、乳質の基準をクリアできなかった生産者が存在して、指導を行ったものの改善してくれなかった、これはMMJの言いぶりですけれども、やむなく生乳は廃棄されたと、これは十二月以降ですね、そういう報告を受けております。
 それで、現状の大まかなことを申しますと、当該生産者は九戸でございます。そのうち、今申し上げたように、二戸は今現在も廃棄という状況が続いておりますから収入がない、極めて深刻な状況だと受け止めております。残った七戸のうちの一戸は、期中ではありますけれども、息子さんに代替わりをされて新規という取扱いにして、ホクレンの方に期中であっても戻っていただくということになりました。六戸のうちの三戸については、メーカーに直で出すということをされておられます。今、三者がまだMMJとの取引を続けているという状況でございます。

#53
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 オホーツク、釧路、根室、十勝で生乳の総廃棄量は、これまでに何と三千トンを超えているということであります。大臣、なぜこんなようなことが起きたというふうにお考えですか。

#54
○国務大臣(江藤拓君) その原因については、今申し上げましたように、MMJと、それから事業者の方に聞き取りをやっておりますので、その原因を究明するために今作業を急がせておりますので、今、今日の段階でこれが原因だということをはっきり申し上げるのはなかなか難しいと思います。

#55
○徳永エリ君 しっかりなぜこういうことが起きたのかということを調査し、検証していただきたいというふうに思います。
 これ、私の手元に三月二十日の北海道新聞の記事がありますけれども、農協系統が生乳流通を独占する体制を改め、酪農家の選択肢を広げる、こんなうたい文句を掲げた規制改革会議、当時、今は規制改革推進会議ですけれども、その提言を踏まえ、国は、二〇一八年、乳製品向けに生乳を出荷した酪農家が受け取る補給金の制度を変更したと。従来はホクレンなど指定団体に出荷したときに限って補給金が出ていたが、MMJなど系統外卸売業者への出荷も補給金の対象にしたと。生乳は、飲用乳の需要が少ない冬場に乳製品向けへと多く回す必要があるなど出荷調整が難しい農産物だ、酪農家がより条件のいい出荷先に短期間で切り替えるいいとこ取りが増え、需給バランスが崩れるのではないか、卸業者が玉石混交になり、安定的に集乳されなくなるのではないか、流通改革をめぐっては、こうした懸念の声が酪農関係者の間から出ていたと。
 ここで畜安法の改正案の審議をいたしました。私たちも同様の心配をさせていただきました。やっぱり心配していたことが起きたかというふうに思っています。大臣は、この制度上の問題についてはどのようにお考えになりますか。

#56
○国務大臣(江藤拓君) これは、制度上のことを申し上げると、米の世界も、生産者の方々が飼料用米を作るのか戦略作物を作るのか食用米を作るのか、農家の皆様方の自主的な判断で作付け先を考えてくださいということを行っておりますので、生乳流通の世界にも、生産者の方々の集乳が安定的に行われるということがまず大前提でありますけれども、収入が上がることを前提にいろんな売り先が選択できるということ自体は悪い理念ではないというふうに思っております。
 しかし、こういった事態が今発生いたしておりますので、これをどうするかについては今断言できないということは今申し上げましたけれども、まず、しっかり調査をする、両方に言い分がありますので。そして、もうすぐ期末が、変わりますので、これ、四月になれば期中を越えますから、残りのところの方々についてもしかるべきどういう方向に進まれるかの話もできますし、そういったことも含めて、今、非常に端境期にもありますから、しっかり対応していきたいというふうに考えております。

#57
○徳永エリ君 実際にいいとこ取りもあったようでありますし、いろいろと問題があるんだと思います。
 大臣も、もし制度に問題があれば不断の見直しをするとおっしゃったようでございますから、しっかりとチェックをしていただいて、本当にこの制度に問題があるのであれば見直していただきたいと思います。民民の契約の問題なのか制度上の問題なのか、なかなか難しいところもあると思いますけれども、とにかく酪農家の皆さんが一人でも脱落することがないように、是非とも対応をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それから、MMJに出荷している酪農家の方からちょっとお話を伺いました。三か月間の出荷停止があって、餌代も掛かりますし人件費も掛かるということで、融資を受けて借金も相当あると、恐らくその借金を三年、五年では返せないだろうという状況になっていると、これから、四月からのやりくりを考えると、そして経営破綻を食い止めるためには、今の負債を一まとめにして返済計画をしっかり立てるので、是非とも低金利での融資をしていただいて、何とか経営を続けることができるように支えていただきたいと、そうすればもう一回頑張るという声をいただきましたので、大臣、いかがでしょうか。

#58
○国務大臣(江藤拓君) 先生よく御存じのように、セーフティーネット資金がございます、これは多分もう既存の話でありますので。〇・一ですから、今、コロナが出ておりますので、これについてもゼロということで今なら使えるということだと理解していいと思います。
 そして、既存の負債の償還が困難な場合には低利長期の畜産特別資金への借換え、これも可能でありますので御活用いただきたいと思いますので、個別に御相談いただければというふうに思います。

#59
○徳永エリ君 是非とも相談に乗っていただいて、お支えいただきますようにお願い申し上げたいと思います。
 それでは、家伝法の改正案について質問させていただきますが、まず初めに、法案の作成過程において、協議会の設置、あるいは飼養衛生管理基準の強化、遵守など、私たち立憲、国民、社民共同会派の提案を盛り込んでいただきましたことには、与党の先生方にも、そして大臣にも、心から感謝を申し上げたいと思います。
 それでは、まずお伺いをいたしますが、現時点でのCSFの発生状況と野生イノシシへの感染、そして、農林水産省として今の状況をどのように捉えておられるか、お聞きしたいと思います。

#60
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 現在の飼養豚、それから野生イノシシのまずCSFの発生状況でございます。
 飼養豚につきましては、一昨年の九月以来現在まで、八県で五十八例に及んでいるところでございます。現在までの殺処分頭数は合計で約十六万六千頭ということでございます。本州におきましては、昨年の十月からワクチンの接種を開始したということでございまして、接種開始後愛知県で二例発生した以降は発生をしていないということでございます。今年に入ってからは、本州では発生していない状況でございます。しかしながら、今年の一月から沖縄での発生が続いております。直近の発生は三月十二日でございまして、現在も搬出制限、それから移動制限が解除されていないという状況でございます。
 他方、野生のイノシシにつきましては、これまで、捕獲の強化、それから経口ワクチンの散布等対策を行ってまいりました。しかしながら、現在、西は滋賀県、それから東は埼玉県といった、関西、それから中部、関東といった地域で野生イノシシの陽性が確認をされているところでございます。
 このような中、野生イノシシにつきましては、経口ワクチンの散布、それから捕獲の強化をしっかり続けていくということでございますし、飼養豚につきましては、本州のみならず沖縄におきましても、まず発生を抑止するということが最重点かと思っております。
 沖縄におきましては、今後、今後といいますか六日から、既に沖縄本島の北部と南部からワクチンの接種を開始しておりますけれども、中部も、清浄性が確認され次第ワクチンを接種していくということだと考えております。

#61
○徳永エリ君 関西の養豚農家の方なんですけれども、自分の農場の比較的近いところで野生イノシシの感染が見付かったということで、ワクチンベルト、この見直しとか強化、ここもしっかり図っていただきたいと要望がありましたのでお伝えしておきたいと思います。
 資料を御覧いただきたいと思います。訪日外国人旅行者数の推移であります。
 御覧いただきますように、二〇一九年、昨年は三千百八十八万人という過去最高の訪日外国人旅行者数を記録をいたしました。十年前と比較すると四倍、五倍に増えているということであります。このうち中国からの訪日者数は九百五十九万四千人ということで、全体の三〇・一%、三割を占めているんですね。
 御案内のように、毎年のように中国とか韓国、周辺国で鳥インフルエンザとかあるいは口蹄疫、これが発生しておりました。日本でも、鳥インフルエンザとかPEDとか発生はしておりましたけれども、そんなに危機感を持っていなかったんだと思うんです。でも、改めてこの数字を見てみると、一気に人が増えている、人にウイルスが付着してくる、あるいは禁止されている食肉加工品にウイルスが入っている、そういうものが持ち込まれる可能性が高くなるということは、これはもう推測ができることでありますので、なぜもっと危機感を持たなかったのかなと。
 家畜防疫官の数を増やすとか、あるいは諸外国のように検疫探知犬を導入しようという話も、恐らく、CSFが我が国で発生するまではそういう発想なかったんだと思います。入管とも連携をしていくとか、これだけ一気に訪日外国人旅行者が増えたんですから、そういう検討は、今思い返せば政府としてやるべきだったんじゃないかというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#62
○国務大臣(江藤拓君) 今になって考えれば、人生は後悔することの連続でありますけれども、予見可能なことであったと思います。ということであれば、やはり予防的に対策を打つというタイミングはあったかもしれません。
 しかし、過去も反省しつつ、これから先は、その分アクセルをしっかり踏んで防疫体制を強化してまいりたいと思います。

#63
○徳永エリ君 新型コロナウイルスもそうですけれども、私は、やっぱり国の危機感の甘さだったというふうに思っています。だから、このCSFの感染拡大に関しても、水際対策をしっかりできなかったというところは、やはり養豚農家の責任というよりは、やっぱり国の責任だったんじゃないかというふうに思っております。
 今後、新たな家畜伝染病の発生あるいは人獣共通感染症等の未知の家畜伝染病、新疾病発生、こういったことにも備えていかなければいけないと思いますが、海外との連携を図り、対策をしっかり打ち立てなければいけないと考えます。大臣、いかがでしょうか。

#64
○国務大臣(江藤拓君) 人獣共通の疾病は、有名なのは鳥の鳥インフルエンザがあります。突然変異して形も変わっていくという大変悪性なもので、致死率も高い。今回のコロナについても、香港だったと思いますが、二例ほど犬に感染したという報告、まあ確認はされておりませんけれども、これも人獣共通疾病と言えるのかもしれません。
 ということであれば、今までにない状況が世界で起こっているということを考えれば、先生がおっしゃるように、科学的知見は、私も、最初このCSFが起こったときに、クラウド上に全てのデータを上げて、ウッドペキアのような感覚で知見を集めて検討ができないのかと、ワクチンとかを開発するに至ってですね。しかし、作ればその製薬メーカーは大変お金になるとか、あの国に負けずにうちの国で作って世界中で売るんだというようなこともあって、なかなか、会議を開くとやりましょうという話にはなるんですが、じゃ、実際自分のところで持っている科学的知見を公開するかという話になると急にブレーキを踏まれるということでありますが、しかし、そういった国際的な連携の強化も取り組むべき課題だというふうに考えております。

#65
○徳永エリ君 想定できることにしっかり対応していく、もう今回のような間違いが起きないようにしっかり対応していただきたいというふうにお願い申し上げたいと思います。
 先ほど、これまでのCSFの発生状況を御説明いただきました。沖縄でという話がありましたけれども、陸続きのところではなくて、今年に入って沖縄で発生したというのは大変にショッキングでありました。
 なぜ沖縄でCSFが発生したのかということですが、その原因について改めて御説明いただきたいと思います。

#66
○政府参考人(新井ゆたか君) 沖縄の発生事例につきましては、私どもも、本州から離れているということで、疫学調査チームをその都度派遣して調査をしてまいりました。それに加えまして、沖縄で発生をいたしておりますCSFのゲノムのフル解析も行いまして、原因究明に努めてきたところでございます。
 その結果、現在までの疫学調査のチームの報告によりますと、最初の発生した農場、通しでいいますと五十二例目でございますけれども、この農場は、本州のCSF発生地域や海外との直接の接点はなかったということが確認をされております。他方、肉又は肉製品を含む食品残渣を複数の排出元から収集をしておりまして、これを未加熱のまま給餌をしていたということが判明をしております。加熱不十分な食品残渣の給餌と申しますものは、CSFの主要な侵入経路ということで、国際的にも非常にリスクが高いと言われているところでございます。
 それから、ゲノムの解析の結果でございますけれども、当該農場から分離されたウイルスは海外からまず来たものではないということ、岐阜県の感染イノシシから分離されたウイルスに近隣であるということが確認をされたところでございます。
 これらから推測をいたしますと、本州で何らか臨床症状が現れない潜伏期間にあるなどの理由によりまして感染に気付かず付着した肉あるいは豚の部位といったものが未加熱のまま五十二例目の農場で給餌をされたという可能性が高いというふうに推察をしております。
 これらのウイルスが混入した具体的な経路と申しますものは不明でございますが、いずれにせよ、どのような経路でありましても、農場にウイルスを入れないという視点からは、農場の段階で加熱をするということでウイルスの侵入が防止できるということでございますので、全国、それから沖縄につきまして、各農家の食品残渣の給餌状況をチェックしたところでございます。特に、沖縄におきましては、給餌農家は六十九戸ございましたが、全て指導により現在は条件を満たしているというふうに確認しているところでございます。

#67
○徳永エリ君 先日、日本農業新聞と東京大学大学院、宮崎大学と共同で、アフリカ豚熱の主要な侵入源となり得る豚肉製品の違法持込みについて、訪日中国人二百四十八人に対して行ったアンケートの結果、二・八%が二百五十グラムから二キロの豚肉製品を持ち込んだと答え、推定で少なくとも年間十七万人の訪日中国人が違法に肉製品を持ち込んでいるおそれがあることが分かったと、日農新聞の記事になっておりました。この持ち込んだ豚肉製品、これが食品残渣になっている可能性があるんじゃないかというふうに思います。そして、豚に給餌されている可能性も十分に考えられると思います。
 私、そんなにウイルスって長く生きているものなのかなと思ったんですが、ウイルスの生存性、驚きました。CSFの場合、冷凍肉中で四年も、チルドで八十五日、ASFは冷凍肉中で千日、チルドは百日から二百日、乾燥肉で三百日ウイルスが生きているというんですね。だから、これ、本当にしっかり加熱処理しないと大変だなと思いました。
 今回、飼養衛生管理基準が七月一日から引上げになりますけれども、具体的な変更内容について御説明いただきたいと思います。

#68
○政府参考人(新井ゆたか君) 今回、飼養衛生管理基準でございますけれども、昨年の十月以来、審議会で半年近く議論をしてまいりました。
 今回の改正のポイントを申し上げますと、ASFの侵入の脅威が非常に高まっているという段階におきまして、農場におけます防衛ラインを高めてもらいたいというのが趣旨でございます。基本的には、豚にウイルスを近づけないというシンプルな原理原則でございます。そのために、今までの飼養衛生管理を見直しますと、表現が抽象的であったということと、どこで何をやればいいのかということが必ずしも明確でなかったというふうに分析をいたしました。
 したがいまして、今回の飼養衛生管理につきましては、まず、リスクが何にあるのか、人なのか野生動物なのかいわゆる餌にあるのかということでリスクごとに分析をいたしまして、それをどこで注意すればいいのか、畜舎だけで注意すればいいのか、それとも衛生管理区域の境界で注意をすればいいのか、そのときに何をやるべきかということで、そういう形でまず立体化するということを心掛けたところでございます。
 内容について申し上げますと、飼養衛生管理、基本的には消毒をまずしっかりしていただく、どこでどうやってしっかりしていただく、もうこれが基本でございます。それから、特に野生イノシシからの感染リスクが高まっているところでは、衣服の着替えも畜舎ごとにやっていただくような追加の措置もいたしました。
 それから、お話しいただきました、まさに食品の残渣の給餌につきましては、加熱する基準を、国際的にASF、CSFのウイルスが不活性化する水準ということで、九十度六十分まで高めることにしたところでございます。
 これに対しての支援も準備をいたしまして、先ほど施行が七月というお話がございましたが、既に官報に告示をしておりますけれども、この飼養衛生管理基準全体としては七月一日から施行したいと考えております。
 しかしながら、施設整備あるいは関係者のいろいろな御準備が必要なものということで、農場の防護柵につきましては今年の十一月一日、エコフィードの加熱条件につきましては来年の四月一日からということで猶予期間を設けまして、生産者の方々に過度な負担が生じないように配慮してまいりたいと考えております。

#69
○徳永エリ君 飼養衛生管理基準、現行の基準も約半数の農場で守られていないのではないかという農水省からのお話もありました。厳しくなるわけですから、相当その遵守徹底、これやっていかないと、守れない人たちとしっかり守る人たちとの差がどんどん開いていくことになります。そこを農水省としても、あるいは行政と連携しながら、徹底してやっていただきたいというふうにお願い申し上げたいと思います。
 残渣の話がありましたけれども、ASFの侵入原因、欧州では、一九五七年に初めてポルトガルにおいて発生したASFは、アフリカからの国際線の食品残渣を介しウイルスが侵入したと、その後も、食品残渣を介してウイルスが侵入したケースが多く見られています。中国も、中国で発生しているアフリカ豚熱ウイルスは、ジョージア、ロシア、ポーランドの遺伝子配列と九九・九五%同じだということなんですが、感染経路判明している百四十一例について、五十七件、四〇・四%が食品残渣給餌によるものということであります。
 資料をお付けいたしました。六ページ目御覧いただきたいんですけれども、このASFの発生を受けてEUでは、食品残渣の飼料利用に係る各国の規制ということで、禁止をしております。韓国も禁止しています。米国も、条件はありますけど、禁止をいたしております。
 我が国だけが禁止をせずに、飼養衛生管理基準を強化した上でこの食品残渣の利用、エコフィードの利用を今後も続けるということでありますが、他の国に並んで禁止しなかった理由についてお伺いしたいと思います。

#70
○国務大臣(江藤拓君) 基本的には、日本で養豚をやるには、飼料自給率が極めて低い、そして濃厚飼料を基本的に豚には給餌しなければならないということであれば、輸入に頼った濃厚飼料以外にも餌はないのかということをやはり探すということが基本的にありました。
 ですから、それは飼養農家の経営にも直接関わることでありまして、あとは食品リサイクルとかエコフィードとか、そういう環境負荷に優しいということもあって、理念的には間違っていない考え方なんだろうと思います。
 そういうものがしっかりと加熱をされて更に有効利用されるということであれば、熱カロリーとして循環されるわけですからいいとは思いますが、しかし、今まで、やっと、かなり時間が掛かって、沖縄でも全ての農家、いわゆる給餌されているところが全戸今クリアしておりますけれども、これから飼養衛生管理基準を上げることによって、七十度から九十度に上げますので、そうなれば、しっかり国の補助もしながら、これからも日本は食品リサイクルの一環としてこれは続けていくことになるのだろうというふうに考えております。

#71
○徳永エリ君 今回、家伝法と養豚振興法の改正案を一括審議するその理由は、養豚振興法の改正によって農家における飼養衛生管理基準の遵守徹底のための財政支援の裏付けとするためであります。
 力のある農家ばかりではありませんので、柵を作るのでも、補助は半分ありますけれども、まずは自分で払わなければいけないというところもありまして、やりたくてもなかなかやれないという農家もあるんだと思います。国の補助半分ということでありますが、より低金利の融資も含めて、この飼養衛生管理基準を徹底するための施設改修とかあるいは加熱施設、これ、衛生管理区域以外に造り直さなきゃいけないというところもありますから、土地を買ったりとか施設を造り直したりするわけですから、きちんと守ることができる体制をまずつくれるように、養豚農家の支援をお願い申し上げたいと思います。
 ちゃんとできた上で、もしまた蔓延をするというようなことがあったときには、今度は第一義的には養豚農家の責任ということになるんだと思いますが、それまでは国の責任というふうに受け止めていただいて、しっかりその体制をつくるように、農林水産省としては農家の方々を支えていただきたいということをお願い申し上げて、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#72
○森ゆうこ君 お疲れさまでございます。
 私も、今回の家伝法の改正の質問に入ります前に、徳永先生も規制改革推進会議のお話をされました。やっぱりどこで政策が決められているのか、そして、それは本当に国民にとっていいことなのか、政策の決定の仕方なのか、内容なのか、そして、その議論をしている人が正当にその議論に参加をして、意思決定権、政策決定権、そういうものを持つ人なのか、このことをこの農林水産委員会で、特に、官邸農政と言われる規制改革推進会議、未来投資会議、いろんなところで勝手に決めてきて、農水省は抵抗するのもむなしく押し切られてしまうという、そういうのを繰り返しあったわけですから、そういうところに対して、ここはおかしいんじゃないかと、徳永先生始め皆さん、私もそうですけれども、いろいろ追及をさせていただいてまいりました。
 それで、急遽質問通告させていただきましたので、本当は内閣官房からも来ていただけばよかったんですけれども。昨年行われました国有林の経営管理の改正法に絡んで、大臣、まず、そのときは大臣じゃなかったわけですけれども、去年のあの法改正、もう最大の争点は何だったというふうに覚えていらっしゃいますか。

#73
○委員長(江島潔君) 森ゆうこ君。

#74
○森ゆうこ君 国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律案、ここで審議をいたしましたけれども、今日は林野庁長官にも来ていただいておりますが、大臣もずっと農水畑でいらっしゃいますし、もう与党も野党も、これ最大の争点としてずっとどうなっているんだとみんなが言っていたのは何だったですか。

#75
○国務大臣(江藤拓君) 大変失礼をいたしました。
 五十年間にわたって意欲と能力のある者に対して国有林の伐採権を付与するということであったと記憶しております。

#76
○森ゆうこ君 その樹木伐採権、民間事業者に対して、国有林ですから国民の財産ですよね、それの伐採権、みなし物権ということで五十年保証すると。いいのかと、そんなに長く、しかも、売買もできる、抵当、担保にもできる、これが果たして本当にいいのかどうかということについて相当この中でも議論したわけであります。
 一体この議論がどこから出てきたのかなと、誰が主導してそんなことを主張してきたのかなと。もちろん、元々、この審議の中でも先生方の方から、未来投資会議からの発案だから、そもそもこの法案はちょっと何となくうさんくさいという話もあったわけでして。
 それで、今日朝、毎日新聞六面に何かおかしな、なかなか理解し難いんですけれども、この五十年樹木伐採権、そういう話に内閣官房長官の元補佐官が関わっていたと、その内部文書が情報公開資料として提出されたという記事が載りましたので、私も早速林野庁にお願いをいたしましたところ、すぐ御提出をいただきまして、感謝を申し上げます。
 先生方のところにお配りをさせていただいております。三ページ目からですけれども、林野庁長官、来てくださっていると思いますが、三ページからこの最後のところまで、会議のメモ。
 これ、大塚副大臣、よく聞いておいてくださいよ。記録がない、記憶がない、確認できないと、もう内閣府はさんざんここで言ってきたわけだけど、こういうふうに全部取ってあるんですよ、いろんな打合せの会議の記録。それが官僚ですよね。それが行政というか文書主義なわけですから、全部取ってあるんですよ。
 これ、情報公開された資料でいいと思うんですけれども、これは何の会議、どのような性質のものなんでしょうか。

#77
○政府参考人(本郷浩二君) お答えをいたします。
 当該打合せは、平成三十年十一月五日の未来投資会議構造改革徹底推進会合において竹中平蔵会長が、国有林改正法による樹木採取権制度の検討に係る御自身の意見に関し、当時の福田補佐官、内閣府、林野庁が連携して検討してほしい旨発言したことを受けて設けられた打合せと認識しております。

#78
○森ゆうこ君 そうすると、この平成三十年十一月二十六日月曜日に福田元内閣府大臣補佐官、そして内閣官房の事務局と一緒にやったものについては、これは何回目か、一連のものの何回目ぐらいのやつなんですか。

#79
○政府参考人(本郷浩二君) 申し訳ありません、何回目かということについては今分かりません。
 申し訳ございません。

#80
○森ゆうこ君 先ほどの御説明ですと、竹中平蔵さんの御提案で、竹中平蔵さんの代わりに内閣府大臣補佐官の福田さんがこの林野庁との打合せの会議にずっと出席をして調整に当たられていた、そういうことでよろしいですか。

#81
○政府参考人(本郷浩二君) 十一月五日の会議に、構造改革徹底推進会合において竹中会長が御自身の意見としてお話をされたことについてのお返しという形で打合せがされているというふうに思っております。

#82
○森ゆうこ君 では、この三ページの真ん中辺りなんですけれども、当方から十一月二十一日の自民党林政対策委員会、これ自民党さんの会議なんでしょうか、だと思いますが、その資料について説明をして、福田さんは、十年を基本とするとの記述だが、次、大事なんですよね、十年物しか出さずに大規模なものは当面やらないという話ではないということでよいか。
 つまり、さっきもお話ありましたけど、五十年だったんですよ、五十年。これ、五十年ぐらいの長期のやつを設定して、民間がこれだったらやれるなということで参入できるようにということで五十年、そのインセンティブが落ちないようにやっぱり五十年とか長いものを出すべきだと。だけども、自民党さんのところの委員会、部会みたいなものなんでしょうか、そこに出した資料のところには、まあ刺激が大きいのでなんでしょうか、そういうのを余り説明すると与党の審査が通らないということなんでしょうか、十年物しか出さずに、十年というのを基本にして出して、説明資料として出していて、十年物しか出さずに大規模なものは当面やらないという話ではないということでよいかと、五十年もやりますよねと、別な言い方をすればね、こうやって念押しをされているんですけど、そういうことを確認されたという認識でよろしいですか。

#83
○政府参考人(本郷浩二君) 先生のおっしゃるとおりでございます。大規模のものもやるということでよいかと確認をされたと認識しております。

#84
○森ゆうこ君 これ、長官はちょっと直接出席されている方ではないかと思うんですけれども、ここに出席された人たちから、こういう会議のときにいろんな感想を聞かれると思うんですけど、報告とともに。どんな感じだったんですか、これ、この会議って。竹中平蔵さんの御発言に基づいて、それならば林野庁と竹中平蔵さんとの間の意見交換をして政策を煮詰めていきましょうということで、どんな感じの会議なんですか、これは。

#85
○政府参考人(本郷浩二君) ここにございますように、場所は内閣官房の会議室でございます。ごく少人数でお話合いをするという場所でございます。
 どういう感じかということについては、我々が、ここにございますように、自民党に提出をさせていただいた資料を御説明をしたということでございまして、その内容について確認があったということだと思っております。

#86
○森ゆうこ君 資料の四ページですけれども、下の方なんですが、福田さんは、元々、PFI法、この導入、様々な分野でそれを推進してきた方ですけれども、下の方ですが、必ず法律にガイドラインや指針の作成を法定しろとは言わないが、林野庁でもPFI法の公共施設等運営権ガイドラインを参照する形でガイドラインを作成すべきだし、そのガイドラインが法律を根拠としているという形にしてほしい、次のPFI会合は十二月二十一日の予定、前回の会合における竹中会長からの三つの宿題、すなわち、企業が利益を確保できる柔軟性、造林におけるインセンティブ措置、PFI法との連携について回答をいただきたい。
 ということは、これ素直に読めば、林野庁とこの福田さんのところで法案提出までの細かいところの詰めの作業が行われていて、この福田さんが竹中平蔵さんの代理なのか名代なのか、この方の言う御意見は、これ、ほかのページも見ますと、全部、かしこまりましたという、おっしゃるとおりです、おっしゃるとおりにいたしますという感じで進んでいく。次のページでも、下の方で、御指摘を踏まえてやり方を検討する、その次のページでも、御指摘を踏まえてやり方を検討する、どんどんこう来ているんですけれども、そういう会議だということでよろしいですか。

#87
○政府参考人(本郷浩二君) 竹中会長からの御指摘をお返しするということについて御回答をしております。
 福田元補佐官からお話があった、例えば今お話にございましたガイドラインについては、そういうことはできませんという、法律に基づくような形にはなりませんということを次の会合でお答えをしたり、そういうことをしているということでございまして、当方の検討状況をお知らせをしている、御説明しているということでございます。

#88
○森ゆうこ君 でも、結局、竹中平蔵さんたちが福田さんを介して強く要請していたように、我々が審議をし、そして成立した法律は、五十年、樹木伐採権を五十年ということで設定をできる、そういう内容の法律が成立したんじゃないんですか、提出して。

#89
○政府参考人(本郷浩二君) 樹木伐採権の期間につきましては、二〇一七年に行いました民間の方々へのマーケットサウンディングという調査をした意向調査の結果を踏まえて、地域の森林組合等からそういう長期のものを設定してほしいという御指摘、御意見がございましたこと、そして、その御意見を踏まえて林政審議会等で御議論をいただき、決定しているものでございます。

#90
○森ゆうこ君 そうはおっしゃいますけど、結局ここで決めているんでしょう。
 ガイドラインは作って、結局、福田さんのここで言っていたようなガイドラインを作って、これはいつから施行するんですか。

#91
○政府参考人(本郷浩二君) ガイドラインにつきましては、本年の二月十九日から三月七日にかけて、その案についてパブリックコメントを行ったところでございまして、国有林改正法の施行、つまり四月一日に合わせて公表をする予定でございます。

#92
○森ゆうこ君 ということで、ここで詰めたとおり、要求されたとおりガイドラインができて、内容的にもそのような形になって、いよいよ四月一日から施行されるということなんであります。
 六ページ、御覧になってください。
 上の方二行目、当方というのは、これは林野庁です。福田補佐官から我々と財務省の森田主計官双方に、国有林の新たな制度でも空港PFI法を参考に財務省への法定協議が必要ではないかとの話をいただいて検討しているが、空港に比べると一つ一つの権利の金額的規模ははるかに小さいため、同様に取り扱うべきなのか悩んでいるところと、こう林野庁が言っているわけですけれども、それに対して福田さんがこうした方がいいよと言って、一番下の方、下から三行目です。そうそう、その下の六行目ぐらいなんですけれども、法制局との調整はどうかと福田さんが聞いて、林野庁は、昨日、みなし物権とすることや金額の徴収など改正のアウトラインについて、昨日、法制局長官、次長に了解をいただいたところですと、全部報告しているわけですね。そうすると、福田さんが、大分固まってきたということか、どこでやるのかなど運用の方がウエートが大きくなってくるかもね、次回は年明けにやりたい、この協議のスケジュールも全部この方が決めている。そして、うん、よしよし、まあまあうまく進んでいるじゃないかみたいな。
 林野庁長官、この福田さんというのはどういう立場の方ですか。

#93
○政府参考人(本郷浩二君) 官房長官の元補佐官という立場の方でございまして、先ほども申し上げましたように、構造改革徹底推進会合で竹中会長から、福田元補佐官と内閣府と林野庁が相談をして、相談というか打合せをしてほしいという、そういうことを踏まえて打合せをしているところでございます。
 ただ、福田補佐官のそのときの立場については、この構造改革徹底推進会合の庶務、運営について、私ども主体的に持っているものではございませんので、ちょっとコメントをしかねます。

#94
○森ゆうこ君 要するに、正式な何かの、未来投資会議のきちんと委嘱された委員であったり、それから、そもそも、これ官房長官の元補佐官ということで。
 大臣は覚えていらっしゃいます、福田さん、何で辞めることになったのか。この直前に辞めているんですよ、我々が相当何かいろんな追及を始めたということで。
 知っていらっしゃいます。覚えていらっしゃいます。

#95
○国務大臣(江藤拓君) 正直なところ、記憶しておりません。

#96
○森ゆうこ君 知らなかったんですか。
 菅官房長官の補佐官で、それで、何といったらいいのかな、水道法に関連して、水道の民営化に関連して一生懸命仕事をされていたわけですが、官邸農政、官邸規制改革もうどんどんやっていたわけですけど、その中で、水道法の改正に絡んでフランスのそういう会社から接待を受けたとか、そういうことがいろいろ、事実は分かりませんよ、いろんなことを取り沙汰されて、それで急に、我々からすると、よし、これからというときだったんですが、よし、追及するぞみたいな感じだったんですけど、何か急に辞められて、一身上の都合で辞められたという話なんですけど。
 でも、もう一回確認しますが、林野庁長官、この打合せのときには、もう政府の何かの正式なお仕事をされている、そういう立場の方ではないんですよね。

#97
○政府参考人(本郷浩二君) 退任されたことは我々も承知しております。
 ただ、先ほども申し上げましたように、内閣官房ですかの方からの打合せということで参加させていただいたということで、その具体的な当時の福田補佐官との関係については、我々はちょっとコメントをしかねます。

#98
○森ゆうこ君 コメントをしかねますというのは理解できますけれども。
 大臣、内閣官房、あした予算委員会でも聞きますけど、何の権限があって、政策決定の何の権限があるんですか。国会議員より偉いじゃないですか。林野庁を呼び付けて、ああしろこうしろ、五十年だぞ、短くなったわけじゃないよな、念押しをして。こんなところで決めていたんですね。何でこんなことをやる資格があるんですか、この福田さんに。どう思います。官房長官の補佐官じゃないんですよ。何かの委員ではないんですよ、もう。ボランティアだからいいだろう、とんでもない話ですよ。本当にボランティアですか。官房機密費から謝礼が出ていたのかもしれませんよね。
 大臣、大臣の政治家としての、行政府のこの農林水産省の長としての見解をお聞きします。これ、極めて重要な問題です。何の権限もないのにこういうところで事実上の政策決定をすることはいいんですか。

#99
○国務大臣(江藤拓君) ここで事実上の政策決定がされたかどうかについてはこの場で断定的なことは申し上げられませんが、我々は立法府に身を置いている人間でありますので、法律に関することは立法府において決定されるべきものだと思っております。

#100
○森ゆうこ君 そして、行政府においても、きちんとした責任のある人が、そして間違ったことをすれば倫理規程課されている人が政策決定に関わっていく、行政府として。我々立法府に出す前の法案の作成に関しては、国家公務員、そして国家公務員と同等の倫理規程、責任を持っている人、そういう人が具体的な決定に関わっていくということでよろしいですよね。

#101
○国務大臣(江藤拓君) 今後のことについて申し上げるということで御理解いただきたいと思いますが、私がこういう立場にある以上、しっかり報告をさせるということは当然させますし、そして、それを法律として国会でかけていただく前段階では、責任を持って、どういう決定過程をされたのかについてはしっかりとした責任を果たしていきたいと思っております。

#102
○森ゆうこ君 そういうことではなくて、要するに、全く権限のない人が、選挙で選ばれたわけでもない、国家公務員として倫理規程を課され、責任を持って政策をつくっていく立場でもない、行政を執行していく立場でもない、そういう関係のない人たちが何の権限もないのに具体的な政策決定に関わっていることは問題だと。
 そして、内閣府においてはその記録さえも残さないということで、大塚副大臣、去年のこの農林水産委員会で約束をしていただいた支出負担行為即支出決定決議書、数週間で出しますと去年の十一月に言った件ですが、いつ出していただけるんですか。

#103
○副大臣(大塚拓君) ちょっと急展開で油断をしておりましたけれども、これ、未来投資会議の話はもう終わったということでよろしいんですよね。担当でございませんので、いずれにしろコメントはできないわけでありますけれども。
 昨年の森先生のお問合せの件でありますけれども、昨年、委員から御指摘いただきまして、事務方には作業を急ぐように指示を出しておりまして、今まで、平成二十七年四月、五月、六月、七月、十月分については提出したと報告を受けております。
 それで、残りの分でありますけれども、これも確認作業を鋭意進めておりまして、平成二十七年八月分と九月分については、ほぼ作業が完了しているというふうに聞いておりますので、速やかに提出をさせることといたしたいと存じます。

#104
○森ゆうこ君 いや、ばかにしないでください。
 数週間でみんな出せると言ったのに、あれからもう四か月、五か月たっているんですよ。これは、絶対改ざんや、それから廃棄ができない文書です。支出負担行為即支出決定決議書、支払の、税金を支払ったその証拠の書類ですからね。必ず出していただきたい、明日までに。
 大事なこのASFについての質問をしなきゃいけません。
 大臣、今、ASFが発生する危機どこまで来ていますか。どう認識していますか。

#105
○国務大臣(江藤拓君) 今この瞬間に報告があってもおかしくない状態だというふうに認識をいたしております。

#106
○森ゆうこ君 今この瞬間に報告があってもおかしくない状況、相当差し迫っているということでいいですね。もう一回。

#107
○国務大臣(江藤拓君) 水際で今頑張っている最前線の人間は全力を尽くして頑張っておりますが、しかし、どんなに頑張っても一〇〇%ということはなかなか難しい。そして、今日の質疑の中でもあったように、たくさんの中国人を始めとする訪日外国人の方々がいらっしゃる。今はコロナで止まっておりますけれども、しかし、少ないとはいえ、やはり訪日する方はいると思います。
 ということであれば、一〇〇%を目指して全力は尽くしますが、しかし、その一〇〇%のうちの一%のうちの更に百分の一の可能性も否定はできないという状況だというふうな認識でございます。

#108
○森ゆうこ君 それで、家伝法の改正に関しては、もう前倒しで与野党協力してやって、それを実際の本法の中に入れていくということなんですが。
 先ほど、高野先生の質問にもう法務省が答えられましたけれども、私は、今回の家伝法の改正と同時に、ずっと衆議院の篠原先生がおっしゃっている出入国管理法の改正をもっとやるべきではないかということを訴えようと思ったんですけれども、何か、さっきの法務省の答弁だと厳しくやるから大丈夫という感じなんですけど、本当に大丈夫なんですかね。私、法務省を今日呼んでいないんですよ。

#109
○国務大臣(江藤拓君) 私も、手元に法律そのものはありませんので、しっかりとこの委員会終わったら検証したいと思いますが。
 入管法の五条の一、十四号によりますと、これは正確ではないかもしれませんが、若干欠けている部分がありまして、アフリカ豚熱ウイルス等を本邦内で拡散するなどの目的でウイルスに感染した畜産物を持ち込もうとする外国人については、同号に該当する場合には上陸拒否をすることが可能というような理解をしているのではないかと、私は、法務省ではありませんので断定的なことは言えませんが、多分こういうことで説明不足の部分があったのではないかと思っております。
 しかし、国会という議事録に残る場面でああいう発言をしていただいたわけですから、農林省としては、しっかり法務省とは話を詰めさせていただきたいと思います。

#110
○森ゆうこ君 しっかりそれ確認していただきたいと思います。
 今日もお話がありましたけれども、去年、入国カードの表記を、あれ中身変えていないんですね、表と裏、裏にあったやつを表に持ってきただけで、先ほども答弁にありました、効果があったということで、やっぱり大きいんですよね。厳しいですよということをきちんとアナウンスすること、きちんと示して、これ、旅行業者もそう言いますから、大体。例えば、我々が海外に旅行するときに旅行業者が、いや、あの国に入るときには空港の入国でこういうのをチェックされるから絶対持ち込まないでくださいとか。やっぱり厳しくやるんだということを見せて、そしてそれをアナウンスするということを、分かりやすくね、これはすごく、ちょっとしたことでも効果があるんですよ。
 実際、大臣からやっていただきましたけど、お願いして、あの入国カードの改正、あんなに効果あると思っていなかったでしょう。

#111
○国務大臣(江藤拓君) やっぱり例えば、いろんなスーパーのビラとか、あんなのでも表の方がやっぱり目玉商品を書くわけでありますから、一面の、しかも銃とか麻薬に続いて書いてあるということは極めて大きな効果があったというふうに思っております。

#112
○森ゆうこ君 やっぱりきちっと水際対策が必要だというふうに思いますが。
 予防的殺処分ということなんですけれども、これで法改正をして、ちょっとほっとしている部分もあるんですが、これが本当にワークするのか。実際に入ったときに、先ほど大臣がいつこの瞬間に発生ということを言われても不思議じゃないと、それだけ危機が迫っているという中で、実際にこの予防的殺処分の実行が本当にうまくいくのか。
 きちっとその手順、要するに、定量的に、例えば、一頭発見されたらその周囲何キロメートル辺りをやるのかとか、そういう具体的なことを、基準をもう誰が見ても分かるように決めてすぐ実行に移せるようにしていかないと、せっかく予防的殺処分決めてもワークしないと思うんですけど、これ決まっているんでしたっけ。

#113
○国務大臣(江藤拓君) なかなか定量的にお答えすることは難しいと思っています。
 議法でやっていただく前の段階から、もうとにかく出たら時間との闘いですぐに殺処分を行って、そしてすぐに埋却できる体制をということで、飼養農家に対しては、埋却地がしっかり確保されているかということの調査も含めてやらせていただきました。それから、各地区においてはシミュレーションもやらせていただいて、演習もやらせていただきました。
 そして、何頭出たらどれくらいということではなくて、近隣にどれぐらい養豚農家があるかという事情もそれぞれ考慮しなければなりませんし、その出る場所によって大きく事態は変化すると思います。そのときには、もちろん都道府県知事等の意見照会等の法的な手続、これはやることは当然でありますけれども、しかし、早いタイミングで、その範囲は、私の権限の下で五百メートルにするのか三キロ以内にするのか、それは決定させていただいて、急いでやらせていただくことが一番肝要だろうというふうに思っております。

#114
○森ゆうこ君 ベルギーのフランダース農産物販売会社、ベルギーで何か成功例があったということで農畜産業振興機構が報告しているんですけど。
 農畜産業振興機構のペーパーですが、二頭発生して、そこでベルギーの取った対応により、ベルギー産豚肉はEU域内に輸出可能となったということで、素早くその対応をし、ただ、これ、報告書を読んでみると、豚肉のトレーサビリティーがあるんですね。牛肉はあるけど、豚肉の一頭一頭はないと思うんですけれども。
 二頭の野生イノシシにASFウイルスが確認され、その確認後、ベルギー連邦フードチェーン安全庁は、欧州委員会との協力及び法律に基づき感染区域を定めた、その後、感染拡大防止のため、同区域内に飼養される豚について、九月二十七日から十月三日までの間に全て予防的な殺処分を行ったということで、非常にうまくいったということもありますので、こういう成功例を参考にしていただいて、やはりもういつ発生してもおかしくないということでしたら、具体的にどう動くのか、どう連携するのか。
 しかも、今、コロナウイルス感染症の拡大で、いつものように人員を確保できるとは限らないんですよ。複合災害と言ったらいいのかな、そういう状況になり得るわけですから、より危機感を高めていただいて、人員や、それから資材を確保して、放置したらもう全滅ですからね、ASFの場合は。だから、その辺のところを準備をしていただきたいと思いますけど、いかがですか。

#115
○国務大臣(江藤拓君) この期間、あらゆる、ここで起こったらどうしたらいいだろうということは、ピンポイントでシミュレーション的な勉強は随分させていただきました。海外の事例についても、先生の御指摘どおり、しっかり参考にさせていただきたいと思います。
 このコロナの影響がどの程度になるかはよく分かりませんけれども、そういうことであれば、外出を控えろというふうな中で水際対策、そして殺処分、埋却、消毒ということになれば、資材はあっても人的な確保が難しい、そして、当該地区に人間が足りなくても、ほかの地区から人を入れることができないということも考えられます。
 考えればいろいろ背筋が寒くなるようなことはあるんですけれども、やはり御指摘のとおり、最悪の事態になってもどのような対応が可能なのかということは引き続き省内でしっかり検討を進めてまいりたいと思いますし、それには、各都道府県の皆さん方とも連携をすることも大切だろうと思っております。
 本法の改正によって協議会が設定させていただくことになりますので、その協議会が極めてワークすることになるのではないかということも考えております。

#116
○森ゆうこ君 まだ幾つか質問あるんですけれども、どうしてもまず聞いておきたいんですが。
 文科省にも来ていただいておりますけれども、今回の全国一斉休校に伴う給食関連業者の損失補填とか支援、農水省、文科省、それぞれいろいろやってくださっていると思うんですが、実は、お米を預かって米飯給食のためにお米を炊くという、そこに特化をした事業者さんがそれぞれ地域にいると思いますけど、私の地元からも相談がありまして、なかなか学校給食会との契約で立場が弱いというか、これまでも、インフルエンザによる学級閉鎖とかそういうのは自分たちがかぶってきたらしいんですね。
 今回の一斉休校に伴って、三月分の売上げがほとんどないというか一割、二割、でも、固定経費が数百万、六百万、七百万掛かると、四月になって、また感染の状況によっては休校ということもあり得るわけで、お金を借りようにも、もう借りられないと、雇用を維持したいけれども、なかなかこのままでいくと廃業を考えざるを得ないと、何か支援策がないのかという相談を受けているんですけれども、何かございましたでしょうか。
 それぞれ、農水省、文科省。

#117
○国務大臣(江藤拓君) 今回は、国の要請によって休校になり、学校給食が止まったということでありますから、それによって影響を受けた方々に対しては、もう本当にきめ細かに調査をまずは掛けて、そして、設置者ということになりますと、これ当該市町村になりますが、このコントロールするのは文部科学省ということではありますけれども、しかし、食に関することは農林水産省としてもしっかり責任を持つ必要があると思っておりますので、しっかりと連携を取りながら、文科省よりも一歩も二歩も前に出て対応したいというふうに思っております。
 とにかく、このことで影響を受けた方についてはしっかりやらせていただくということが基本です。それが基本です。
 そして、これについてはなかなか相談する窓口もないというような御意見もありますので、九州農政局の方にはそれぞれ相談窓口を、それから相談電話も設置をさせていただきました。ですから、たくさんの設置場所がありますので、なかなか全てに対応するのは難しいですけれども、九州農政局、本省も含めて全力で対応をさせていただきたいと考えております。

#118
○政府参考人(蝦名喜之君) お答え申し上げます。
 今ほど大臣から御答弁いただいたところに尽きるわけでございます。
 具体的には、私ども、学校の設置者に対して、臨時休業期間中の学校給食費について、まずは保護者への返還をお願いをしますとともに、返還に要した経費について支援を行うということでございますし、その中には、業者への違約金等、通常の状況であれば発生しないようなものも含めて補助金の対象とするということとしてございます。
 様々なケースがこの問題にはあるというふうなことも聞いてございます。学校の設置者におかれては、したがって、事業者との間での違約金等の支払におきましても、十分な協議を行って、関係者の理解と協力を得ながら丁寧に物事を進めていただきたいというふうに考えているところでございます。また、既に、年度初めの学校の再開後をどうしていくかといったようなことも含めて、学校の設置者や関係の事業者の方々には様々な御協議をいただいたり御対応をいただいたりということが既に行われているというふうに聞いてございます。
 そうした中で、先ほど申し上げたような補助金の執行も併せてやっていくということでありますから、是非そうした、今まさに学校の設置者や関係の事業者の方々が置かれている状況も踏まえまして、私どもとしても、ここは柔軟に現場の実態に応じた対応を努めてまいりたいと考えてございます。

#119
○森ゆうこ君 別に学校の休校の要請自体は、私は否定はしないんですけれども。
 やっぱり新型インフルエンザ等対策特別措置法、改正前の民主党が作ったその法律は危機管理の法としてすごくいい法律なんですが、一つ欠けているところがあるとすれば、それはやっぱり損失補填なんだと思うんですね。
 小池都知事が首都封鎖にまで言及されましたけれども、いや、なかなかできないですよ。だって、全部の営業をやめてしまう、収入ゼロになったら、雇用調整助成金申請しようとしても、まず、仕事が次続けられるのか、収入が得られるのか、そういうことを考えたら、もう畳もうかなということも考えざるを得ない。全部とは言わないけれども、やっぱり損失補填というものを入れていかないと、この国の経済は本当に死んじゃうんじゃないんですか。本当に大変だと思いますよ。
 それと、私、あしたの予算委員会でも、締め総でも少し議論をさせていただきたいんですが、これ、どう思われます、この感染症の拡大。これ、一年で終わるんでしょうか。どうなんだろう。見通せないんですよね。
 それで、毎朝ワールドニュース見ていると、もう世界各国悲惨な状況で、みんなもう生産中止、もう最低限の活動しかしない。そうすると、この間、大臣からは、米は半年、小麦粉は一か月、食料は大丈夫、今はちょっとだぶついているという話でしたけれども、いや、もうちょっと時間がたつと本当に大丈夫なんですか。ちょっと資料を配ったまま質問できなかったんですけれども、豚の飼育に関しても、飼料はほとんど、粗飼料は別として、濃厚飼料はほとんど輸入ですよね。
 ということで、本当にこれ、食品入ってこない、材料も入ってこない、そういうことが半年、一年続いたらどうなるのかというところまでちょっと考えていただきたいと思います。

#120
○委員長(江島潔君) 簡潔に答弁お願いします。

#121
○国務大臣(江藤拓君) 一日も早い世界的な終息に向けて、それを努力し、そうなるように祈っておりますが、しかし、最悪の事態に至ったときに国民の生命、財産を守るのが政治の役割でありますから、そこには食というものは極めて強くリンクをしている、食べられないということであれば生命の危機ですから。そういったことも考えさせていただきたいと考えております。

#122
○森ゆうこ君 終わります。

#123
○谷合正明君 公明党の谷合でございます。
 家畜伝染病予防法の質問に入る前に、私も、新型コロナウイルス感染症対応について伺いたいと思います。特に、酪農や畜産に関するところを確認的にお伺いしたいと思います。
 まず一つは、この度、やはりこの感染症の拡大に伴いまして、特に飲食、外食、またインバウンド等、影響を受けております。その影響でありますけれども、和牛の状況が非常に厳しい状況になっているということでありますが、この和牛枝肉の平均価格や和牛子牛の平均価格が今どの程度影響を受けて下落しているのか。また、一部では、倉庫に保管をして、それが増えてきているというような話も伺っております。この和牛の在庫状況というのがどのような状況になっているのか。
 これ、一日も早くこの新型コロナウイルス感染症が終息していかなければ、終息が第一なんですけれども、今申し上げたような課題に対しましてどのように今後政府として、今新たな経済対策を策定するところでありますけれども、対応を考えていくのかということをまず確認的にお伺いしたいと思います。

#124
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 和牛の枝肉価格でございますけれども、新型コロナウイルスの影響によりまして、インバウンド需要、そして外食の需要が大きく低下をしてきております。二月の下旬以降、前年の価格を大きく下回っているような状況でございます。三月のこれまでのA4価格の平均でございますが、前年に比べまして二五%程度下がっているといった状況にございます。また、子牛の価格につきましても、これを受けまして下がっている状況でございまして、三月、今週のここまでの価格につきましても、約一五%から二〇%程度、前年に比べまして下がっているという状況にございます。また、需要の減少に伴いまして在庫が積み上がっております。倉庫の空きスペースも不足しているという状況でございまして、和牛の保管状況が悪化していると、こういった状況にございます。
 こういった状況にございますので、国内外の消費拡大を通じまして和牛が円滑に流通する環境を整えるということが非常に大事だと考えております。現場の状況を踏まえまして、今後どういった対策ができるのか、しっかり検討をしてまいりたいと考えております。

#125
○谷合正明君 酪農についても伺いたいと思います。
 学校給食が、これが一旦停止したということに伴いまして、生乳を加工乳の方に一時的に回したということであります。政府においては、第二弾の対応で価格補填の対応等も取っていただきましたし、その加工乳、脱脂粉乳をこれまた飼料用の方にも回していく、その際のきめ細やかな対応も発表していただいているところなんですが、私も、岡山の酪農現場を何軒か回らせていただきました。やはり元々、この時期というんですかね、この時期は生乳の量が多い時期でもあるし、また、暖冬ということの影響もあって結構量が多かったという中で、学校給食の一時停止ということでの、生乳を加工乳に回したということであります。
 やはり現場からは、この脱脂粉乳の在庫の状況というのを非常に気にされているなという印象を持ちました。脱脂粉乳も在庫が元々積み重なっていたんじゃないかと、それが更に積み重なることによって我々酪農の生乳生産に与える影響があるのではないか等を心配をされておりました。
 まず、その脱脂粉乳の適正在庫量に向けた対応について今後どのようにされていくのか、お伺いしたいと思います。

#126
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。
 脱脂粉乳の在庫については、令和二年二月末時点で七万五千トンと、非常に高い水準にあるところでございます。
 今回、学校給食の休止によって約三万トンの学校給食用向けの生乳が脱脂粉乳等の加工用に用途変更される見込みであります。これにより、追加的に製造される脱脂粉乳については、在庫数量が高い水準であることを踏まえれば飼料用に用途変更せざるを得ないことから、これに伴う価格差への支援及び輸送費、保管料への支援を措置したところでございます。また、脱脂粉乳は、国家貿易により国内需要の不足分を輸入しているものでありまして、輸入によって在庫が大きく増えるようなことはございません。
 引き続き、生乳需給安定と牛乳、乳製品の安定供給を図るため、脱脂粉乳の在庫数量の推移を注視し、適切に対応してまいりたいと思っております。

#127
○谷合正明君 もう一つは、農業、水産業、また水産加工業等では、働き手の確保ということで、外国人技能実習生が作業に従事をされておられます。当初、中国の影響がよく言われていたところなんですけれども、もう今や、ベトナムでありますとかインドネシア含めて、渡航制限の広域化でありますとかまた長期化ということが避けられないのではないかというふうに考えております。
 法務省におきましては、入管の方でこうした外国人の技能実習生の我が国の滞在延長の許可方針なんかも出されているところではあるんですけれども、まず、この生産現場あるいは水産加工業において、今、人手確保に向けてどのような影響が出ているのか、また、今後どういう対応をしていくのかについて伺いたいと思います。

#128
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 現在受入れの見通しが立たない技能実習生につきましては、都道府県や関係団体への聞き取りを基に積み上げますと、農業で千人程度、漁業、水産加工で百人程度となっており、経営への影響を懸念する声をお聞きしておるところでございます。
 現在日本にいる技能実習生の方々に引き続き就労していただけるよう、帰国が困難な方について、就労可能な在留資格への変更ができることなどの周知を行うとともに、手続の簡素化などの現場からの制度的な要望について出入国在留管理庁等に説明をして、検討をお願いをしておるところでございます。また、当面の労働力不足の対応といたしましては、JA全中においても、即戦力となるJAグループの職員の派遣を検討をしていただいておるところでもございます。
 今後も、現場の状況、要望等をよく踏まえた上で、労働力の確保のためには必要な対策を検討をしてまいります。

#129
○谷合正明君 それでは、大臣にお伺いします。
 新たな経済対策ということですけれども、昨日は、東京都知事が感染爆発の重大局面だという表現で記者会見をされましたし、また、今、報道でありますけれども、新型インフルエンザ特措法に基づいて政府対策本部の設置に向けて総理が指示をされたというふうに伺っております。まさに今重大な局面であると、危機感を常に保ちながら、この終息に向けて政府一丸となって取り組んでいかなきゃならないステージであることは間違いありません。
 一方で、事業継続でありますとか雇用維持、また生活支援や、また消費喚起という観点でしっかりと対策を講じていくということで、我が党としても、しっかりとこうした提言を取りまとめて、政府に申入れをしたいと思っております。
 特に、生産現場のみならず、外食等を含めますと、食品加工を含めると非常に裾野の広い分野でもあります。そうしたところは、大体中小企業というか小規模事業者が多いということもありますから、しっかりこの点も踏まえて対策を講じていただきたいと。大臣の今のお考えをお伺いしたいと思っております。

#130
○国務大臣(江藤拓君) 昨日も九時ぐらいまで、いろいろ省内で検討を重ねております。省内のお金だけで当然できることではなくて、補正があるかどうかについては、この場では断定的なことはもちろん申し上げられませんが、それをやるということであれば思い切った要求をさせていただこうと思っています。
 生産基盤の強化を目指して頑張りたいということを何度もこの委員会でも申し上げさせていただいておりましたが、生産基盤が壊れないための対策が今求められていると思います。
 例えば、牛なんかは放っておいても、豚もそうですけど、どんどん大きくなりますし、先ほど答弁させていただいたように、局長から、なかなか倉庫の空きもなくなってきているということであれば、屠畜場において牛を屠畜することさえできなくなる、そうなれば、牛舎が空きませんから、当然、子牛を買うこともなくなってしまう。
 そして、魚の世界もなかなか難しくて、大衆魚については値崩れしておりません。ところが、ホタルイカとかウニ、カニとか、マグロもそうですけど、そういうものについては非常に値崩れが厳しい、そういうところを何とか救うためには何ができるのか、あらゆる知恵を今絞り出しているところでございます。
 ですから、できることは何でもやりたいという心構えで省内の知恵も今出してもらっておりますし、我が党も御党も、また、各党におかれましてもいろんな検討がされると思いますので、ここは皆様方のお知恵を拝借しながら、対策については思い切ったものをできるように頑張っていきたいと思っております。

#131
○谷合正明君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、家畜伝染病予防法について質問したいと思います。
 まず、今国会の冒頭、議員立法で予防的殺処分の対象となる家畜伝染病にASFを追加をさせていただいたところであります。改めて、このASFが予防的殺処分の対象となった一方で、このCSFは対象とならないことの説明を伺いたいと思います。
 監視伝染病いろいろある中で、口蹄疫なんかは既にもう予防的殺処分の対象となっているけれども、その中で今回ASFのみが追加になったということなんですけれども、この点について確認をしたいと思います。

#132
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 予防的殺処分の措置でございますけれども、これは、健康な家畜でありましても患畜、疑似患畜になる前に強制的に殺処分をするというものでございます。損失補償はあるものの、飼養している方々にとっては大変厳しい措置でございますし、財産権に対する強い制限となるということでございます。
 したがいまして、この予防的殺処分につきましては、法律で病名をきちんと書くということとともに、やはりワクチン接種など他の手段によってはその急速な蔓延を防ぐことができない疾病に限って対象とすべきということで考えているところでございます。
 議員立法におきまして追加をしていただきましたASFにつきましては、伝播力が高いということと有効なワクチンが存在をしないということでございます。それから、世界的に見ましてもほとんどが野生動物から発生しているということに鑑みまして、飼養豚のみならず、野生動物において発生した時点でも予防的殺処分ができるよう措置していただいたというふうに承知をしているところでございます。
 これに対し、CSFにつきましては、適切に接種されれば発症を制御することができる有効なワクチンというのが存在をしております。したがいまして、これにつきましては予防的殺処分の対象とはしないという判断をしたところでございます。
 なお、従前から予防的殺処分の対象となっておりました口蹄疫につきましては、ワクチンはございます。しかしながら、このワクチンは不活性化ワクチンということでございますので、発生の抑制に効果はあるということなんですが、感染を完全に制御できるほどの能力はないということでございます。それから、病気の特徴といたしましても、接触感染のみならず空気感染をするという極めて強い伝播性、これらを総合的に判断いたしまして、予防的殺処分をやはり手段として持っていないと蔓延の防止は困難ということで、予防的殺処分の対象としているところでございます。

#133
○谷合正明君 よく分かりました。
 それで、今のお話を伺いますと、やはりASFにとりますと、有効なワクチンの早期の開発ということが重要であるというふうに思いました。当然、飼養衛生管理を徹底していくということがもちろん大前提なんですけれども、このASFのワクチンの早期開発について、我が国としての、今、どのような取組がどこまで進んでいるのか、この点について確認したいと思っております。

#134
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 我が国も、平成三十年度から、農研機構の動物衛生研究部門におきましてワクチン開発の基盤的な研究を行っているところでございます。さらに、令和二年度はワクチンの候補株を作製するということに取り組むこととしておりまして、今後もASFの研究開発を加速化してまいりたいと考えております。

#135
○谷合正明君 それで、隣の中国なんですけれども、ここは、もうおととしの八月以降ASFの感染が各地で相次いでいるということで、中国は世界最大の豚の生産国であるんですが、この豚の飼育数が一年の間で一億頭以上減少しているというのは、報道のベースですけれども聞きました。この中国がASFの影響で豚肉の価格が結果的に二倍以上に上がっているということもあり、中国が豚肉を食べるから、特にオーストラリア産の牛肉の方の輸入が増えているということで、かなり世界的に、我が国も含めて、この食料の供給、需給にとりまして影響のあることだなと思った次第なんです。
 その中国が、この三月の報道なんですけれども、ASFのワクチンについて開発に成功したというような報道も接したんですけれども、この事実関係はどのようになっているんでしょうか。また、実用化に向けての見通しみたいなものについてはどのように承知をしておりますでしょうか。

#136
○政府参考人(新井ゆたか君) 今お話がありました中国におきますASFのワクチンにつきましては、NHK等のニュースで報道されているというふうに承知をしております。
 これにつきまして、私どもも、実際の研究の論文等も専門家が見ているところでございます。これにつきましては、まだ実用化段階まで至っているということではございません。ASFのワクチン開発は世界各国で進められておりますが、非常に難しい点があるということでございます。
 今申し上げた段階まで行っている国としては、中国のみならず米国もございます。これにつきましては、一定の効果が認められるワクチンの候補株が作製されたということでございますが、これを実用化するに当たりましては、基本的に、ワクチンは弱毒にはしてありますけど、生ワクチンということでございますので、まず、多様なウイルス株に効くかどうかという有効性を検証しなければいけないということ、それから、実際に安全性ですね、安全性を確認し、かつ培養した上でないと実際にワクチンにならないということでございまして、そこを解消する、その課題を解消するにはまだそれぞれで時間を要する段階にあるというふうに聞いているところでございます。

#137
○谷合正明君 分かりました。そんな簡単な話じゃないということもよく分かりました。
 さて、予防的殺処分の話ですけれども、新型インフルエンザ特措法の議論の際にも、この度の新型コロナウイルスが対象になるのかならないのかという議論がありまして、新型インフルエンザ特措法では、改正前から未知の感染症というのも指定されていたけど、新型コロナウイルス感染症は未知の感染症じゃないということで新たに法改正をしたわけでありますけれども。
 さて、動物感染症の世界でどうなのかということを確認したいんですけれども、未知の動物感染症が仮に国内の家畜や野生動物に発生した場合に、予防的殺処分を必要とする場合にどのような措置が今現行法で可能なのか、手続上の確認をさせていただきたいと思います。また、予防的殺処分は、もうこれ最終手段ということで、私権制限をするわけでありますから、この手続がしっかりとできているのかという担保も当然求められてくると思います。
 なお、こうした未知の動物感染症がこれまで我が国に起きて、今申し上げたような現行法上の対応を、これまで例えば政令改正等をしたことがあるのか等も含めてお伺いしたいと思います。

#138
○政府参考人(新井ゆたか君) 家畜伝染病予防法におきましては、法律でそれぞれ病気を指定して、その対応策を決めているところでございます。発生した場合に、屠殺処分の義務を始めといたしまして強力な措置を講ずることのできる家畜伝染病と、それから、家畜伝染病に準じましてワクチン接種命令などの措置を講ずることができる届出伝染病という二種類の病気があるところでございます。
 他方、新疾病を始めといたしまして、このような法令で指定されているこれらの疾病以外、未知の疾病といった場合には、家伝法に六十二条という条文がございます。畜産業に重大な影響を及ぼすおそれがあるときは、一年に限りまして、政令で疾病や地域を指定いたしまして、家伝法上の予防的殺処分を含む全ての規定の準用が可能であるということでございます。それによりまして必要な対応を取っていくということでございます。予防的殺処分、それから蔓延防止措置、発生予防、あと輸出入検疫といった全ての措置がとれるということでございます。
 お尋ねがありました、これまでこの規定を使った例といたしましては、平成八年、BSEの発生時でございますけれども、政令で指定をいたしまして、その後、法改正によりまして法定の家畜伝染病に指定したという経緯があるところでございます。
 なお、予防的殺処分を行うに当たりましては、現在法律に書いてございますように、都道府県知事の意見を聴くでありますとか、必要な場合、野生動物で発生した場合には審議会の意見を聴くでありますとか、法定の手続を取った上で、実際の病気の場合にどのような範囲にするのかということにつきましては防疫指針で定めていくということになるかと考えております。

#139
○谷合正明君 よく分かりました。
 それでは次に、獣医師の確保についてお伺いしたいと思います。
 獣医療を提供する体制の整備のための基本方針がこの度十年ぶりの見直しとなりました。CSFの国内での発生や近隣諸国でのASFの発生等、今非常に、その上でこの新型コロナウイルスの感染症ということも相まって、非常にこの獣医療の提供体制というのを本当にどうしていくべきなのかという、再検討をする時期でもあるというふうに私は思っております。
 昨年の十一月の本委員会で私は、例えばAMR、薬剤耐性の話ですとか人獣共通感染症への対応ということで質問をさせていただきましたけれども、やはり改めて、今、今年に入りまして、人、動物の健康を一体的に維持するワンヘルスの考え方に基づいた感染症予防というのは極めて重要ではないかと思います。
 その取組を支える獣医師、特に産業動物獣医師の確保についてはしっかり戦略的に進めていかなきゃならないと思うんですけれども、大臣、御見解を伺いたいと思います。

#140
○国務大臣(江藤拓君) 産業動物、いわゆる大動物に関する獣医師の確保は極めて大切になってくると思います。それで、先生がおっしゃったワンヘルスの考え方も、昨今の鳥インフルエンザ、それとか、先ほど申し上げましたコロナの犬への感染を考えると、とても大切なことだと思います。
 今回の、先生御指摘があった獣医療を提供する体制の整備を図るための基本指針の中には、第一章のかなりの部分を占めて、先生が御指摘の部分は記載をさせていただきました。
 獣医師は、やはり女性がたくさん受験される率も増えてきて、なかなか難しい部分もありますけれども、それはいいことだと思います。女性の獣医師も増えておりますから、大動物も含めてですね。そして、お金を返す必要がないという奨学金制度がしっかり整備されております。これについては、この奨学金制度を利用したら一定期間、六年だったら九年間にわたっては従事していただくというような約束事を果たしていただかなければなりませんが、こういった獣医師制度をまたきちっと整備することによって、獣医師の総数を増やすことにも貢献できるのではないかと考えております。

#141
○谷合正明君 しっかりお願いしたいと思います。
 それで、この基本方針に触れられているところではあるんですが、例えば、CSF、ASF、口蹄疫等の家畜伝染病の予防、蔓延防止のために、飼養衛生管理の指導あるいは確認等、獣医師の方が行かれるわけですけれども、その際、情報通信技術の活用も求められているということも指摘されておりますし、私もそういう情報通信技術の活用というのは大事ではないかというふうに思っているんですけれども、この点について、具体的にどう進めていくつもりなのか、質問させていただきたいと思います。

#142
○政府参考人(新井ゆたか君) 家畜の疾病の発生予防や蔓延防止のために獣医師の方々が農場にチェックに行くということは頻繁にございますし、これからもしっかりやっていただきたいと思っているところでございます。しかしながら、畜舎や農場内にいろんな方が入るということは、いろいろな衛生管理、着替え等をしたとしてもやはり病原体侵入のリスクになるということは事実でございます。
 こういう中、令和二年度当初予算におきましてモデル的に実施しようと思っておるところでございますが、例えば、監視カメラやドローンなどを活用いたしまして、家畜防疫員の方々が農場の中に入ることなく、中の例えば消毒の状況とか、あと家畜の健康状態等を確認するような手法ということができれば、より効率的かつ安全かと思っております。まずはモデル的な事業を始めてまいりたいと考えております。

#143
○谷合正明君 モデル事業ということなので、新たに始めるということです。これがしっかり有効な方法であるということをしっかりモデル事業としても確立していただいて、普及に努めていただきたいというふうに思っております。
 それでは、私の方からも、エコフィードについて質問をしたいと思っております。
 エコフィードに係る加熱処理条件の引上げ、見直しがこの度されるわけでありますけれども、まず、そもそもこのエコフィードについてどう捉えているのか。先ほどの質問とも関連するんですけれども、エコフィードというのは今後ちょっとやっぱり控えていかなきゃならないものなのか、いやいや、これはエコフィードをしっかり推進していくものなのか、ここの基本方針をしっかり示していただかないと、そこの関係の方々も非常に先行きが不安になるわけでございます。
 改めまして、このエコフィード、私自身は、国産飼料の拡大、特に濃厚飼料について、このエコフィードの役割というのは高いと認識をしているわけでありますけれども、改めて農林水産省の見解を伺いたいと思います。

#144
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 畜産経営の安定を図るという観点からは、輸入飼料に過度に依存している状況から脱却いたしまして、国内の飼料生産基盤に立脚した足腰の強い生産に転換していくことが非常に重要だというふうに考えておるところでございます。こうした中で、国産資源の有効活用あるいは循環型社会の実践、こういったものに資する観点から、エコフィードの利用、これは非常に有効であるというふうに考えているところでございます。
   〔委員長退席、理事堂故茂君着席〕
 委員御指摘のとおり、濃厚飼料の中で国産でできているものというのは飼料米とエコフィードでございます。あとはほとんど輸入に依存しているという状況でございますので、こういった中で、安全性を確保しつつ、確保した上でエコフィードを利用するということは非常に重要なことだというふうに認識しております。

#145
○谷合正明君 その上で、エコフィードに係る加熱処理条件の引上げ、見直しの経緯について確認したいと思います。
 その上で、こうした見直しをやはり畜産現場にしっかりと遵守していただかなければならない、見直しの前からしっかりこれが、見直しの前の基準もしっかりとこれが遵守されていなければならないわけであります。その上でこの度基準を引き上げていくという話でございますが、この見直しの経緯、また現場サイドへの徹底についてお伺いしたいと思います。
 さらに、この加熱基準に関しましては、乾燥処理に液体加熱処理とは別の基準を設けるべきではないかという意見も出されております。実際に我が党も、こうした全国食品リサイクルの連合会の皆様からもお伺いしたところでございます。今、飼養衛生管理基準の改正が公布なされまして、それによりますと、摂氏九十度以上で六十分以上又はこれと同等以上の効果をという、この同等以上の効果というのはどういうものなのか、それがいつ頃示されるのかということをお伺いしたいと思います。
 さらに、ちょっと長くなりますけれども、食品リサイクル事業者が円滑に対応できるよう、設備更新に対する支援というのも当然必要になってくると思いますが、この点、併せて伺いたいと思います。

#146
○政府参考人(新井ゆたか君) エコフィードの利用についてでございます。
 エコフィードの利用、まさに国産資源の有効活用という観点から大変重要だというふうに考えておりますが、疾病にとりましては、特に豚、CSF、ASFにつきましては食品残渣が大きなリスクになっているということでございます。その中で、その調和といいますかバランスを取るという視点から、国際的にも認められておりますこのそれぞれのウイルスを不活性化する基準までしっかりと加熱していただいた上で利用を推進するという方策を審議会等で議論いただきまして、今回、方針として決定をしたところでございます。
 そういう点におきましては、この基準をやはりしっかり守っていただく、それによっていろいろな食品リサイクルがきちんと進んでいくと、両方を担保したいと考えているところでございます。
   〔理事堂故茂君退席、委員長着席〕
 お話がありました九十度以上六十分以上のもの、これと同等以上の効果を有する加熱処理というのは、ASF、それからCSFのウイルスがいわゆる死滅する基準としてOIEで認められた基準でございます。お話がありました同等以上の効果を有する加熱処理といったものにどういうものが該当するのかということは、まさにこれから科学的な知見、いわゆるデータに基づきまして、それによってウイルスがきちんと死滅するのかどうなのかということをやはり確認していくということが基本になると思っております。
 その上で、飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令、これのガイドラインを出したいと思っておりまして、そのガイドラインの中で具体的にどういうものが同等と認められるかということをお示ししたいということでございます。ということでございますので、事業者の方からは、こういう製造方法を行っている、それは大丈夫かといったデータをお示しいただいた上で一個一個やはり見ていく必要があると考えております。
 それから、この基準、令和三年四月一日の施行を予定をしておりますけれども、やはりこの加熱条件を満たすためには、ボイラーやかまといった加熱施設を入れ替えたりするということが必要だと聞いております。したがいまして、しっかり基準を満たしていただくためにも、国として一定の支援をしたいというふうに考えておりまして、このような支援もしながら、新基準が円滑に導入されるように対応してまいりたいと考えております。

#147
○谷合正明君 円滑な導入又はそれに対する周知徹底もお願いしたいというふうに思っております。
 それでは、家畜排せつ物の利用についてお伺いしたいと思います。
 今回、養豚農業振興法の法改正もされるわけですけれども、養豚の振興あるいは肉用牛の増頭、増産、さらには酪農の生産拡大等様々な政策を打ち出していく際に、当然これ、家畜排せつ物の利用をどう図っていくかということが極めて重要になってまいります。堆肥の利用拡大でありますとかバイオマスエネルギーの利用推進について、これも基本方針が定められるところだというふうに承知しておりますけれども、今申し上げた点についての基本的な方針についてお伺いしたいと思います。

#148
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。
 肉用牛、酪農の増頭、増産や養豚の振興を実現していくためには、家畜の飼養に伴い排せつされる家畜排せつ物を単に廃棄物として処理するのではなく、有価物として利用していくことが極めて重要なことだと考えております。また、このことが農家の所得向上にもつながっていくものだと思っております。
 家畜排せつ物を有価物として利用する堆肥の利用を進めていくには、畜産農家が耕種農家のニーズに応えた高品質な堆肥を供給し、持続的な土づくりに有効利用してもらうことが極めて重要であると考えております。
 そのためには、さきの臨時国会で成立した肥料の品質の確保等に関する法律により認められた堆肥と化学肥料との混合物をペレット化することを推進することにより、当該肥料の散布の容易化や広域利用が実現できることから、堆肥の利用がより進むものと考えております。
 このため、令和元年度補正予算等で、家畜排せつ物処理施設の機能強化や堆肥の高品質化、ペレット化などの推進といった支援を行うこととしているところでございます。また、排せつ物に含まれる水分が多く、堆肥としての利用が進まない場合には、バイオマスエネルギーの利用の推進も有効な方策であり、FITを活用していただくほか、バイオマスエネルギーを自らの経営内で利用する取組に対する施設整備などの支援を行っているところでございます。
 これらの取組により、家畜排せつ物の利用促進をしっかりと支援していきたいという考えでございます。

#149
○谷合正明君 後段に出ましたバイオマスの利用のところで、例えば、バイオマス発電所を農地の中に設置していこうとする際に、これが果たして施設として農業用施設なのかどうか、畜産業と一体とみなして農業用施設としてしっかり農地内に設置できるようにしていくということを明確にしていくということが重要でないかというふうに思っているわけでありますけど、改めて、この辺の事実関係を確認させてください。

#150
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。
 バイオマス発電施設については、農業生産活動により生じる家畜ふん尿などのバイオマスを利用して発電を行うものであれば、農業用施設のうち農業廃棄物処理施設に該当します。したがって、原則農地転用が認められない農用地区域内の農地などで、優良農地を含め、農地転用許可を受けることで当該施設を設置することは可能でございます。

#151
○谷合正明君 分かりました。
 それでは、最後に大臣に伺いたいと思います。
 改めまして、家伝法の改正を受けまして、国内での家畜伝染病の蔓延防止、あるいは海外からの侵入阻止に向けて万全の措置をとっていただきたいということをまずお願いしたいと思います。その決意をお伺いしたいと思います。
 同時に、先ほどの質問とも関連するんですけれども、やはり家畜伝染病も、人の伝染病と同様に、一国のみならず、国内のみならず、諸外国、もう世界中との連携というのが極めて重要であるということをこの度改めて認識をしたところであります。
 実は、先般、G20の農業大臣会合がサウジアラビアで開催される予定でありましたけれども、いろいろな国際会議が、今このような状況でありますから、開催が延期等になっております。
 私は、今年、この二〇二〇年というのは、特に、例えばアフリカ豚熱などの動物感染症であるとか薬剤耐性菌であるとか人獣共通感染症にしっかり対峙していくべく、食料の安全保障の観点からも、農林水産関係の大臣が世界的な結束を確認していくべきではないかなというふうにも思っているわけでありますけれども、この点、最後に大臣に御決意をお伺いしたいと思います。

#152
○国務大臣(江藤拓君) 先ほど、森先生のお話のときにも申し上げましたけれども、いつ来てもおかしくない、もう常に、びくびくと言ったらいけませんけれども、緊張感を持って対応させていただいております。
 議法で通していただいたことにはもう本当に感謝しています。全く法的根拠もなく、もしASFが入ってきたら殺処分を命じなければならない、そのときは、法的根拠もなく個人の私有財産に踏み込まなければならないということでありますから、これは大変だと思っておりましたが、もうこうやって御審議も、今度は本法に入れることで御審議もいただいて、先生方の御協力に感謝いたします。それに報いる意味でも、しっかりやはり現場の方々の御労苦、水際対策をやっている諸君には本当に感謝をしながら、彼らの人員の確保、それから体制の強化、そして、足りないところがあれば、何を現場が望んでいるか、そういったアンテナも高くしたいと思っております。
 そして、国際会議は二月にやらせていただきました。大変たくさんの御意見がいただけて、国際的な連携も取れたと思いますが、そして、これから、FAOとかOIEとかいろんな会議、これがどうなるか分かりませんけれども、先生がおっしゃるように、これだけもうたくさんの、これはASFではありませんけれども、CSFですけれども、危機にさらされている国として、また発生している国も連携して、これに国際連携を強めて立ち向かっていこうという、リーダーシップとまではいきませんが、一生懸命旗を振らせていただこうというふうに思っております。

#153
○谷合正明君 是非、この分野、事務レベルではいろいろ議論も積み重ねていると思いますけれども、やはり改めまして、この二〇二〇年、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大している中で、この動物由来の感染症においても、人獣共通感染症という観点もありますから、しっかり大臣レベルの、あるいは首脳レベルの世界的な結束というのを高めていただきたいと最後に改めて申し上げて、私の質問とさせていただきます。

#154
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 用意してきた質問が重なっているところが多いので、そうでないところを質問させていただきます。
 ウイルスだとかこういうものはいつ忍び寄ってくるか分からないもので、先見の明というのも大事かと思うんですね。
 それで、北海道で今かなり危機感が強いと言われているのが牛の白血病なんですけれども、牛白血病という、これ、届出の伝染病ですよね。発生時、発生時というよりも発症時ですね、これは現状どのようになっているか、把握していらっしゃいますでしょうか。

#155
○政府参考人(新井ゆたか君) 今お話がありました牛白血病、いわゆるEBLにつきましては、これは家畜伝染病予防法におきまして届出伝染病に指定しておりますので、私ども、発生の状況、それからいろいろな支援についてやっているところでございます。
 この病気は、ウイルスを原因とする水、水牛の伝染性の疾病ということでございまして、異常白血球が全身で増殖する血液の疾病、しかしながら、感染した牛のうち発症するのは数%というふうに聞いているところでございます。
 本病は、全国的に発生の届出が増加をしております。令和元年は、速報値で千九百四十戸四千百十頭の発生が報告をされているところでございます。このうち、お話がありました北海道からは、三百三十八戸七百三十三頭の発生というふうに聞いております。

#156
○石井苗子君 そうなんです。これ、非常に致死率が高くて、潜伏期間が五年か十年で、発症すると死んでしまうんです。
 大変憂慮されているものなんですけれども、有効な治療薬とかワクチンがないと言われていますけれども、現状、開発状況を把握していらっしゃいますか。

#157
○政府参考人(新井ゆたか君) 本病のウイルスはいわゆるレトロウイルスの一種ということでございまして、一般的なウイルスと異なりまして、ウイルスが感染した血液細胞の遺伝子に組み込まれてしまう、言わば牛の細胞と一体化してしまうという極めて特殊な性格を有しているということでございます。したがいまして、治療法やワクチンの開発が難しいということでございます。
 このため、世界的にも、EBLに対する実用可能な治療法やワクチンは現在でも存在しないというふうに聞いております。

#158
○石井苗子君 ちょっと興味があったから調べたんですけど、これ、吸血昆虫という虫なんですよね。これ、この虫、吸血昆虫に伝播されて感染が広がるということなんです。これ減らさなきゃいけないわけで、これ減らすことからやっていただきたい。イノシシと同じでして、吸血昆虫を減らす、あるいは牛に付着しないように考えていく必要があるんですが、今の段階だったらできると思うんです。この吸血昆虫の取組していますか。

#159
○政府参考人(新井ゆたか君) 御指摘ありました吸血昆虫の駆除、それから、一番最初の検査の徹底等といった対策の基本的なガイドラインにつきましては、平成二十七年四月に策定をいたしまして、全国で推進をしているところでございます。
 お答え申し上げましたとおり、本病は血液や乳汁を介して感染をするということでございますので、このガイドラインにおきましては、まずは、具体的に農場における検査の徹底により浸潤状況を把握してもらうこと、それから、注射針を複数の牛に使用しないなど、人為的な伝播を防止する、それから、牛舎周辺への防虫ネットやアブトラップ、アブですね、アブのトラップを設置するといった吸血昆虫の対策、それから、垂直感染を防ぐための適切な初乳の管理ということが有効であるということでございまして、これらの対策をやっていただくように周知をしているところでございます。

#160
○石井苗子君 これ、できることから早くやっていかないと、後々後々になってしまうと予防できませんので、防疫という意味ではすぐやっていただきたいと思うんですけれども、農林水産大臣は、この牛白血病対策というのに力入れていかれるつもりでいらっしゃいますか。

#161
○国務大臣(江藤拓君) 私も、このことについては数年前から、もうちょっと大分たちますけれども、宮崎の方でも結構影響がありまして、特に、家畜商の方が市場で買って、そのときは全く分からない、そして、屠場に持っていっていざ屠畜を掛けて割ってみたら商品価値がない、とうとう丸損ということで、非常に肥育農家にとっては影響が大きいということで、これについては私も取り組ませていただいてきた経緯がございます。
 まず最初にさせていただいたのは、そういったものが屠場で発見された場合に、家畜共済の対象として共済金が支払われるようにするということをまずやらせていただきました。それでは十分ではないことは承知しておりますが、これで大分助かったという声があります。
 今局長が言いましたように、吸血昆虫等の、アブが媒介しますので、アブトラップとかそういうものに対する予算も、今、二分の一、一施設当たり八万八千円ということでありますけれども、予算措置もさせていただいております。
 その上に、やはりそういう高いリスクを持った牛を最終的にはこの牛の世界から淘汰していくしか実はない、治療法がない以上はですね。ということでありますから、淘汰した場合も、当該家畜の評価額の三分の二、これは税額を控除した額の内数になりますけれども、これを出させていただくことによって、非常に肥育農家にとっては損害にはなりますが、しかし、これを業界からなくすように、今後とも省を挙げて努力をさせていただく努力はあるというふうに考えております。

#162
○石井苗子君 是非、早め早めに手を打っていただきたいと思います。
 私がちょっと気になりましたのは、今日、資料を配らせていただきました。このCSFの防疫措置対応(概要)というこの地図ですけれども、私は、ちょっとこれもう見飽きた感があるんですけれども。
 これまで、野生動物の感染に対する対策ですが、野生動物が家畜の伝播性疾病に感染していることが発見された場合、これまでです、都道府県が個別に行う死亡動物発見時の検査や発見地点の周辺の消毒といったような、非常に後手といいますか受動的な対策のみが規定されていたんですけれども、これまで、このCSFの拡散防止のために野生イノシシへの経口ワクチンの散布はどのような根拠に基づいて、それから予算というのに基づいてやっていらしたのでしょうか、お答えください。

#163
○政府参考人(新井ゆたか君) お答えいたします。
 今般のCSFの発生は、野生イノシシを介してウイルスが拡散しているという大きな特徴がございます。それによりまして飼養豚への感染に影響が及んでいるということでございます。
 こういう中、野生イノシシに対するCSFの経口ワクチンをいわゆる散布している経験というのがヨーロッパのドイツにございました。そのヨーロッパの経験等を踏まえまして、昨年の三月以降、実証的という形で経口ワクチンの散布を岐阜、愛知から始めたところでございます。これにつきましては、その費用を農畜産業振興機構、ALIC等を通じて、ワクチンの購入及び散布経費につきまして国が助成をしてきたというところでございます。ということで、今は実証的ということで、法的な根拠がございません。これにつきましては、一定の効果があるということが判明をしております。
 やはり野生イノシシ対策は経口ワクチンの散布と捕獲の強化の二本立てということで、時間は長く掛かると思いますけれども、しっかりやっていくということが必要だと考えておりまして、今般の改正法案におきまして、野生動物における悪性伝染性疾病の蔓延防止に係るための措置ということで、経口ワクチンの散布を家伝法に位置付けることにしたところでございます。
 予算はALIC事業を使っておりまして、実際には、現在まで約三十億円を要しているところでございます。

#164
○石井苗子君 やっぱりドイツ……(発言する者あり)

#165
○委員長(江島潔君) 挙手の上、お願いいたします。

#166
○石井苗子君 ドイツと比べると予算も少ないし、あと、ドイツの例は役に立たないんですよ。あちらヨーロッパは平たん地が多いんですね。日本は山を連ねてやっていますので、この経口ワクチンのワクチンベルトというのをもう少し知恵を働かさなければいけないんじゃないかと思うんですが。
 この地図を見ていただきますと、先ほどちょっと先におっしゃっていた改正法三十一条で、家畜以外の動物における伝播性疾病の病原体の拡散を防止するため必要があるときは、当該動物の検査、注射、これ薬浴と読むんでしょうか、投薬を行うことができるとされているのが経口ワクチンの散布の根拠になっていると思うんです。
 昨年の十二月以降、CSFの感染は、この資料を見ますと全然東に進んでいないんですけれども、これ、東に進んでいないんでしょうか。それとも、これはワクチンベルトの抑止効果があったと言っていいのでしょうか。今のずっと流れからいって、そう考えていいんでしょうか。

#167
○政府参考人(新井ゆたか君) 野生イノシシの陽性の発見につきましては、今、滋賀県から東は埼玉県までということでございます。
 実際に、CSFにつきましては、野生イノシシも捕獲をいたしまして調査をしております。日々、毎週データを更新いたしまして、ホームページで公開をしているところでございます。やはり完全に止まっているというわけではございません。その地域によって、増えているところ、それから若干北に飛んでいるところといった形でございます。
 このワクチンベルトというのは何かと申しますと、昨年の三月に実証という形で始めましたときには、発生したところで経口ワクチンを周辺に散布をするということでございました。ワクチンベルトにつきましては、野生イノシシにおけるCSFの発生がない地域につきましても先んじて散布をするということで、昨年の夏から行ったところでございます。
 具体的には、ベルトというイメージは、西側、これは琵琶湖の周辺、それから、東側は関東平野ということを念頭に行ったところでございます。このワクチンを散布した県におきましては抗体保有率が散布回数の増えるのとともに上昇しているということが確認をされておりますので、今申し上げました陽性の分布のドットを見ながら、これはやはり随時見直しをしながら進めていくべきことというふうに考えているところでございます。
 それから、効果的なワクチンベルトの散布ということでございます。
 確かに、ドイツとは異なりまして、日本は山がちということでございます。そういうこともございまして、昨年末からいろいろ検討を重ねまして、防衛省とも協力をいたしまして、ヘリコプターを活用した経口ワクチンの散布というのも始めているところでございます。これも、いろいろ実証データを重ねまして、山中における散布、それから実際に穴に埋めるという散布方法を併用しながら、専門家の意見も聞きながら進めていきたいというふうに考えております。

#168
○石井苗子君 日本流のやり方を見付けないと、忍び寄るイノシシの弊害というのが出てくるんじゃないかと思っているんですが。
 関連して、野生イノシシの頭数を減らすということなんですけれども、この感染源となり得る個体数、これを減らしてウイルスの拡散を防止する効果というのを期待しなければいけないと思っているんですが、これ、計画的に戦略的に捕獲を強化していくことが必要とされていると私は思うんですが、野生イノシシの捕獲強化に、大臣、どのように取り組んでいくのか、ちょっとこの計画性を戦略的に教えてください。

#169
○国務大臣(江藤拓君) 先ほどのお話に若干加えさせていただくと、やっぱりヘリコプターを使うのが日本流だと思っているんです。アメリカでアライグマの狂犬病のやつを参考にいたしましたが、山の中まで入ってなかなか埋めるというのは人員的に無理で、最初、CSFが発生したときに、柵を万里の長城のようにぐわっと造って、それで結局防げなかったということから、ヘリコプターを活用させていただいて、防衛省の御協力をいただいているということでございます。
 このイノシシにつきましてはやはり減らさなきゃいけないと思っておりますが、我々もやりますけれども、環境省の方で、二〇一三年に、ニホンジカ、それからイノシシの個体数を十年後の二〇二三年に半減させるという計画を出しております。全くなかなか難しいので、他省のことは言いませんが。ただ、二〇一九年の予算が五億円に対して、二〇二〇年度の予算は二十三億円と、非常にこの予算の規模も四倍以上になっておりますから、環境省にもやっぱり一汗も二汗もかいていただかなきゃならぬと思っております。
 今回、我々としては、隣接県も含む二十二の都府県で捕獲重点エリアというのを今設けておりますが、今はやっぱり周りに広がらないことを重点的にやる、捕獲重点エリア、これについては、前にも御答弁させていただきましたけれども、ただでさえ少ない猟友会の方々は、山に入っても全く猟がないことの方が多いです、なかなか出会わない、当たらないことも多いので。ですから、空振りであっても日当ぐらいのお金は国として出させていただいて、できるだけ、高齢化も進んでおりますけど、猟友会の方々には山に入って猟をしていただくような応援もさせていただいているところでございます。

#170
○石井苗子君 猟友会の方にお話聞いたんですけれども、熟練といいますかベテランの方がやっているんですが、やっぱり高齢とともに危ない、危険だと、なかなか自分たちも自信が持てないというようなこともおっしゃっていたので、ちゃんと丁寧に仕事をしていただけるようにお願いしたいと思います。予算を付けてやっていくことが大切だと思います。
 ちょっと話題を変えまして、日本の家畜防疫のあり方検討会というのの中間取りまとめ報告というのがあるのを発見したんですけれども、それによりますと、これ、去年の十月二十四日から四回も行われているんです。全然その報告がなかったようで、私も見付けてびっくりしたんですけれども、これ四回もやっているんだなと思うんですね。
 CSFの対策などいろいろやっているんですけど、この中で、先ほど森議員の御発言にもありましたけれども、どんなことを話していて何を決めているのかということなんですが、もうちょっとしっかり頑張ってもらいたいなという感じがするんですね。ちょっと読みますと、都道府県による飼養衛生管理の指導等の現状ですが、その水準と方法について、これ都道府県ごとに非常にばらつきが大きいというのが分かります。特に、巡回指導の頻度が著しく低い事例が見受けられると、これ、何も対処していないんですね。こういう実態があります。これは、今ずっとお話ししていたCSFの発生の危険を考えると憂慮すべきことなんですね。もうちょっとしっかりやってもらわなきゃならない。
 現状の都道府県による飼養衛生管理指導の水準と方法はどうなっているのかというのをまず教えてください。

#171
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。
 都道府県による飼養衛生管理基準の遵守に係る指導については、国からの通知により指導のポイントについて技術的助言を行い、都道府県は自治事務として取り組んできたところでございます。
 しかしながら、一昨年来のCSF発生農場における疫学調査などを通じて、都道府県による指導が必ずしも十分に実施されていないことが判明したため、特に岐阜県や愛知県においては、都道府県に加え、国や民間の獣医師も協力し、繰り返し立入調査を実施してきたところでございます。また、CSFの発生農場で明らかになった飼養衛生管理基準のポイントについて、チェックシートを用い、全国五千以上の農場で家畜防疫員が緊急的な立入調査を実施してきたところでございます。
 こうした中で、岐阜、愛知以外の都道府県においても飼養衛生管理基準が必ずしも遵守されているとは言えない状況が認められており、また、都道府県によっては指導の状況にばらつきがあることが確認されております。このため、改正法案においては、都道府県が飼養衛生管理に係る指導などについて、国が策定する指針に即して計画を策定し、計画に基づいて的確に指導などを行っていく制度を創設することとしております。

#172
○石井苗子君 ありがとうございます。
 中間報告を読んでいると、検討会というのは四回か五回開かれているんですけれども、みんな堂々巡りしていて、なかなか不慣れなので、これまで経験したことがないことなのでどうしていいか分からないという感じがある。
 それで、今回、改正法の第十二条の三の二なんですけれども、飼養衛生管理者を置く規定が新設されました。飼養衛生管理者は、飼養衛生管理基準の周知を行うとされているんですが、飼養衛生管理の基準の、従業員や出入りする者というのがいるんですが、これに対する周知というのはこれまで誰がやってきたのか、それから、どの程度周知ができていたのかということ、ここからまず考えていかなければならないと思うんですが、これ、誰がやっていらしたんでしょうか。

#173
○政府参考人(新井ゆたか君) お答えいたします。
 基本的に、現行法におきましては、飼養衛生管理の基準の遵守、それから自分の農場における出入りの方々に対するチェックをするというのは、一元的に所有者に課せられているということでございます。
 今回、飼養衛生管理基準の責任者というものを置きましたのは、現状、農場におきまして、個人の農場もございますけれども、いろんな国からいらっしゃった従業員を使って実際に経営をやっている方もいらっしゃいます。飼養衛生管理基準は毎日誰でも全員がやっていただかないと、ウイルスが侵入を防げないということでございます。そういう点で、飼養衛生管理責任者という形の人を、これは所有者でも従業員の中でのしかるべき方でも結構でございますけれども、そういう方々が責任を持って、全員が毎日消毒したり飼養衛生管理をチェックするという体制をつくっていただくために設置をしたということでございます。

#174
○石井苗子君 ただ、これは予防と同じで、面倒くさいことを日々やっていかなきゃならない、手洗いでもうがいでもそうなんですけれども。今まで所有者が当然のこととしてやってきたという、これちょっと無理があったんですよね。当然そうだと思います。読んでいてそう思いました。
 そうすると、今回の改正で、十二の三の二の、同条の二項というところを読みますと、家畜の所有者は、飼養衛生管理者に対して、対してですね、必要な研修を受けさせるなど必要な知識と技術を習得、向上を図るように努めなければならないと書いてあるんです。やらなきゃならないと書いてあるんですが、所有者自らが飼養衛生管理者を教育するというのはとても難しいと思うんですが、どのような研修なのか。
 大臣、これまで都道府県ごとに行ってきた研修というのも含めて、これ、どんなものをやってきたんでしょうか。

#175
○国務大臣(江藤拓君) これまでは、御存じのように、飼養衛生管理者というものが定められておりませんでしたから、基本的にはその農場の所有者に対して責任が帰属するということになっておりましたので、経営者の方に対する指導ということに基本的にはなっていた、それを都道府県が行うということになっていたところでございます。
 このために、国が策定する国の飼養衛生管理の指導指針、第十二条の三の三、それから都道府県の飼養衛生管理の指導計画、第十二条の三の四において、研修会の開催等、それから、今回設定されます飼養衛生管理者に対する知識、それから技術、そういったものの習得に対する支援を付けるということでございます。
 これについては、予算措置を二分の一でやろうと思っておりますので、当然、国が関与してコミットするということでありますから、その内容についても充実をすることは当然だと思っております。しかも、それは一回やればいいというものではなくて、定期的に研修は行うのだと、そして繰り返し行うのだと、耳にたこができるかもしれませんが、そういったこともやろうということで、まだ詳細までは決定しておりませんけれども、そのように考えております。

#176
○石井苗子君 そうなんです。徹底して繰り返してやらなきゃならないということなんですが、もう一回大臣にお伺いしますけれども、行政からの支援策というのはどんなものがあると今おっしゃいましたでしょうか。

#177
○国務大臣(江藤拓君) 先ほど申し上げましたけれども、研修会をまず行わなければなりませんので、そういったところにまず行っていただくことについて、旅費が発生いたしますけれども、それについては、詳細にはまだ決めておりませんけれども、やはり研修会をまずきっちり開いて、二分の一という方向性だけ決めましたから、その詳細な内容についてはまた追って御報告させていただきたいと思います。

#178
○石井苗子君 詳細は後日ということで伺いました。
 それでは、最後の質問になります。先ほど出たんですけれども、沖縄についてちょっとお伺いいたします。
 沖縄というのは非常に独特なところで、豚を非常にたくさん食べます、あそこは。今年に入ってから沖縄でのCSFの発生が多かったんですけれども、それは、農場から発生したという原因はお聞きいたしました。これ以上、沖縄というところで、独特な土壌でございますが、ここが感染を広げるという危険性、パンデミックですけれども、ありますでしょうか。ちょっとお伺いしたいんですけれども。

#179
○政府参考人(新井ゆたか君) 沖縄での発生でございます。
 現在、五十二例目から五十八例目ということで発生をいたしておりますが、実は、これらの農場は全て半径三キロ圏内で隣接をしているということでございます。元となりましたのは五十二例目でございますが、五十八例目の間に人の行き来でありますとか豚の行き来でありますとか、いろんな形で、近隣で一つの農場、大きな農場と見てもいいような形で存在をしているということでございます。
 したがいまして、この農場の消毒をしっかり徹底をしていくということがまず万全でございまして、この半径三キロ圏内でしっかりとウイルスを封じ込めるということで、沖縄県と今取り組んでいるところでございます。

#180
○石井苗子君 考え方はコロナと全く同じなんですよ。クラスターなんですよね。なので、とにかく沖縄で急激に感染が拡大しないように努めていただきたいと思います。もう先んじてやっていただきたいと思います。
 ちょっと早いですけれども、質問を終わります。ありがとうございました。

#181
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 豚熱が二〇一八年の九月に発生して以降、一年半が過ぎました。一度これ過去に撲滅したはずの豚熱の発生が起こったということは、政府の水際対策の甘さにあったんではないかというふうに思うわけです。
 そこで、水際対策が強化されてきているわけなんですけれども、同時に、国内の防疫体制の強化、これ必要だと思います。家畜防疫員は今全国で何人いるんでしょうか。

#182
○政府参考人(新井ゆたか君) 家畜防疫員は、家畜伝染病予防法第五十三条に基づきまして、当該法律に規定する事務に従事させるためということで、都道府県知事が任命をするということになっているところでございます。
 これにつきましては、毎年都道府県から定期報告を受けているところでございます。令和元年四月一日現在で、全国で約六千二百人ということで、近年増加傾向にあるということでございます。

#183
○紙智子君 家畜保健所の獣医師、家畜防疫員ですかね、この充足率について説明をいただきたいと思います。

#184
○政府参考人(新井ゆたか君) 家畜保健所の獣医師の充足率というお尋ねでございます。
 家畜保健所は、家畜保健所法に基づいて設置されている県の施設でございまして、家畜の伝染病の予防のほかに、繁殖障害の除去でありますとか人工授精の実施など、ほかの業務も行っているということでございます。
 それから、家畜伝染病予防法におきましては、都道府県知事はその事務の一部を家畜保健所長に委任することができるということで、いわゆる知事部局と家畜保健所の役割分担というのは県によってまちまちということでございます。したがいまして、都道府県によってこのように任務量が違うということですので、国から定員を示すということも行っておりませんし、獣医師の充足率を定期的に把握するということもしておりません。
 先ほど申し上げましたとおり、家伝法上の事務を行っていただきます原則として獣医である方々というのは家畜防疫員ということでございますので、これらにつきましては、数を把握した上で、適切に職務をこなしていただけるように常に連絡を取っているところでございます。

#185
○紙智子君 ですから、充足率を聞くと、いろいろなことが言われていて、結局は把握できていないということなんですよね。
 今までに何度か、どうなんでしょうかということで、都道府県でやっているものをやっぱり国も把握して、それでちゃんと足りているのかどうかということはやる必要がないのかということを今まで何度か申し上げてきているんですけれども、昨日も、それまでに何度かやり取りしているんですけれども、結局、把握すらしていないということなんですね。それで、全体数はそう出てくるんですけれども、そういう充足しているのかどうかとなると出てこないと。
 衆議院で養豚農業振興法が可決をされました。立法提案者の方に今日おいでいただいているんですけれども、まずお聞きしたいんですが、第七条に、豚の伝染性疾病に対する検査その他の防疫に関する事務の実施体制の整備というのがあります。この規定を創設した理由についてお述べいただきたいと思います。

#186
○衆議院議員(宮腰光寛君) 現下の豚熱、アフリカ豚熱の状況に対応するには、農場における飼養衛生管理の徹底を求める閣法の家畜伝染病予防法の改正案と併せて、養豚農家による飼養衛生管理の向上のための取組等を支援していく必要があるということで、衆議院で全会一致により養豚農業振興法の改正案がまとまったところであります。この改正案は、養豚農家に必要な支援を政治の責任で進める姿勢を示す上で重要なものであるというふうに考えております。
 お尋ねの点についてでありますが、豚熱の発生に伴い、都道府県の家畜保健衛生所や家畜防疫員の業務量が増大しておりまして、疾病発生時の防疫措置の実施に当たって、他県から家畜防疫員を派遣する、さらに、民間の獣医師を臨時に家畜防疫員として任命するなどの対応を取っているところと承知をいたしております。
 伝染性疾病の発生を予防し、速やかな防疫措置を行うには、検査体制のみならず、国及び地方公共団体の防疫事務の体制整備が重要であります。そこで、第七条に、豚の伝染性疾病に対する検査その他の防疫に関する事務の実施体制の整備を規定したところであります。

#187
○紙智子君 要するに、防疫あるいは検査、そして行政側の体制をきちっと整備しないといけないという趣旨なんだと思います。
 そこで、改正案で、生産者は家畜の伝染性疾病を予防し、当該家畜に起因する家畜の伝染病の蔓延を防止することについて第一義的責任を有していることを自覚するように求めているわけですよね。生産者に第一義的な義務を負わせていると、一方では。ところが、家畜保健所の定数を満たしているのかいないのかということさえも把握していないということになると、これ本当に責任取れるのかということにもなるんですね。
 実は、北海道の家畜保健所で二十七名欠員が出ているというふうに聞いているんです。それで、農業共済組合も、事務費の負担が今減らされてきていて人数の確保が難しいと。共済なんかは、本当に獣医さんと連携しながらやらなきゃいけないということもあって、非常に難しくなっているということも言われているわけです。
 それで、改正案は、家畜の所有者とともに、国、都道府県、市町村の責務を明確化するというふうに言っているわけです。養豚農業振興法の中でもこの実施体制の整備を求めているわけです。家畜保健衛生所で欠員が出るような事態をそのままにしていいのかということについて、大臣に伺いたいと思います。

#188
○国務大臣(江藤拓君) しっかり現場の業務が遂行できない状態は決して良いことではない、水際対策も含めて、家伝法に基づいてこれをやっていただくのはこの防疫員の方々、衛生所のこの防疫員の方々ですから、人数的に欠員が出るのは好ましくないと思います。
 しかし、どうも、私もこのことについて昨日いろいろ勉強もさせていただいたんですが、その欠員という定義がなかなか難しい。ですから、足りないですよというお話なのか、定員が定められていて、そこに対してきっちりとした人数が集まらないとか、予算上足りないから充足できないということがあるのか、ちょっとそれは調べてみたいとは思います。
 しかし、その共済組合の事務費の削減についてはずっと続いていることで、共済の方々からもそういう話聞いております。確かに、こういう状態になると、水際対策と国内でこの防疫員の方々と、両方これはまさにしっかりやらなきゃいけませんので、これ県職員の方々なので、国からああせいこうせいと、なかなか地方自治法の観点から難しい部分はありますが、まずは、北海道のどこでしたですかね……(発言する者あり)後でお伺いします。そこについては、どのような状況でそのような御報告になっているのか、聞かせていただきたいと思います。

#189
○紙智子君 やっぱりちゃんと把握するべきだというふうに思うんですね。
 それで、獣医師の不足は、これワクチン接種にも影響を与えると思うんです。法定伝染病のワクチン接種は、民間の獣医師さんはできないですよね。それで、家畜保健所の獣医師に接種を依頼するときにも、これ対応できないということになる。体制が不足しているときはこれ困るわけで、これはどういうふうに対応されるんでしょうか。これ参考人に。

#190
○政府参考人(新井ゆたか君) 現在、CSFで打っております予防的ワクチン、これにつきましては、法の六条に基づく接種ということでございまして、接種命令でございます。したがいまして、都道府県知事の公権力の行使として行うということ、それから、確実に接種をしていただくということで、都道府県の職員であります家畜防疫員が注射をするという規定になっているところでございます。
 これにつきましては、実際に接種する場合のワクチン接種につきましては、ワクチン接種プログラムを国が認める段階におきまして、その接種の体制につきましても確認をしているところでございます。
 具体的には、家畜防疫員の任命というのは、民間の獣医師でも任命できるということになっておりますので、今回の接種の中で、家畜保健所の家畜防疫員がなかなか接種に、全部ができないということであれば民間の獣医師を任命しているということでございます。実際に、今、二十一の県でワクチン接種を行っておりますが、十五の県におきましては民間の獣医師を家畜防疫員に任命するといった形で接種をしていただいているというふうに承知をしております。

#191
○紙智子君 昨年、ワクチンの接種が始まったときに、これ、依頼してもすぐにワクチンが接種できなかったという事態もありました。ですから、防疫体制を強化していただきたいということを求めておきたいと思います。
 それから、ワクチンの接種費用についてお聞きするんですが、都道府県によって農家負担が異なっているんですけれども、それはなぜなのかと、高いところと低いところ、それぞれどういうふうになっているのかというのを教えていただきたいと思います。

#192
○政府参考人(新井ゆたか君) 今回の予防的ワクチンの接種は、今申し上げました家畜伝染病予防法第六条ということで、自治事務で実施をしているということでございます。当然受益者負担が発生をするということで、その手数料につきましては、それぞれの都道府県が都道府県議会の承認を得まして手数料条例で定めて徴収をする、あるいは免除あるいは減免をしているというふうに承知しているところでございます。
 なお、CSFのワクチンの接種の費用につきましては、家伝法の第六十条に基づきまして、ワクチン代や資材費について県の購入費の二分の一を国が負担するということ、それから、都道府県の負担分の五分の四につきましては特別交付税を措置するということにしているところでございます。
 それから、各県、手数料条例、確かに大分幅がございます。恐らく、福井県が若干高いということでお話があるのかと思いますが、福井県は五百九十円ということでございますが、現時点におきましては、初回を含めて手数料は徴収をしないという形で運用しているというふうに聞いております。

#193
○紙智子君 やっぱり県によって違うというのは、今の話で、国は二分の一出すんですけど、それぞれ県によって違いが出ているということなんですけれども。
 やっぱり養豚農業振興法の第七条、国、都道府県は、豚の伝染性疾病の発生を予防し、伝染性疾病が養豚農家の経営に及ぼす影響を緩和するために必要な施策を講じるとなっています。少なくとも、やはりこの法定伝染病のワクチンの接種料は都道府県で差が出ることのないように、やっぱり一律の支援をするように求めておきたいと思います。
 それから、特定家畜伝染病の防疫指針についてお聞きします。先ほど来いろいろ議論になっていますけれども、第三条の二に基本的な方針が明示されましたけれども、これはなぜでしょうか。

#194
○政府参考人(新井ゆたか君) 今般の改正法案におきましては、家畜伝染病予防法の中に幾つかの指針あるいは基準といったものがございます。これらの全てにつきまして、内容でありますとか方向性を明確化するという形での改正をいたしました。したがいまして、それぞれの指針、基準などにおきましては改正事項を列記するということで対応しているところでございます。したがいまして、防疫指針におきましても、基本的な方向でありますとか幾つかの事項を明示をいたしたところでございます。

#195
○紙智子君 第八条の二は、消毒設備の設置等の義務が今度は衛生管理区域内における消毒設備の設置等の義務というふうに、消毒設備から衛生管理区域内におけるというふうに変わるわけですけれども、これはどう変わるんでしょうか。

#196
○政府参考人(新井ゆたか君) これにつきましては、畜舎とその敷地を衛生管理区域という形にしたところでございます。
 今回の改正におきましては、CSFの経験に基づきまして、畜舎だけではなく、その周辺もしっかり消毒していただかないとウイルスが侵入をするということですので、その敷地という形で明記をさせていただいたところでございます。

#197
○紙智子君 それからもう一つ、家畜の所有者の責務が強化されているわけですけれども、第十二条の三、第十二条の三の二、第七十条が変わりますけれども、これについて御説明ください。

#198
○政府参考人(新井ゆたか君) それぞれ、条文の順番でお答えをいたしたいと思います。
 まず、十二条の三につきましては、これまで飼養衛生管理基準に記載すべき事項が法律上明らかにされていなかったということでございまして、衛生管理区域への病原体の侵入の防止の方法や、衛生管理区域内における病原体による汚染の防止の方法等、記載すべき事項を列記し、明確化したというところでございます。
 それから、今回新設をいたしました第十二条の三の二につきましては、CSFの発生事例におきまして、家畜の所有者やその従業員におきましてなかなか知識が十分、あるいは理解が十分でなかったということで、飼養衛生管理状況がそういう状況があったということ、それから、我々としても最新の疫学的情報を迅速に農家に共有できなかったという反省を踏まえまして、各農場に飼養衛生管理者を選任することを義務付けたところでございます。
 最後に、七十条でございます。家畜伝染病予防法の第十二条の四による定期報告事項は、ふだんから飼養衛生管理基準の遵守に係る指導を担う重要な判断要素であるばかりでなく、伝染病の発生時には、投入される人員や資材の規模、いわゆる殺処分の防疫措置の基礎となるデータということでございます。しかしながら、今般の事例の中におきましては定期報告の内容が実態と乖離している事案があったということでございまして、これにつきましては、その過料を現行の十万円から三十万円以下に引き上げるということで、しっかりとした定期報告を促したいと考えております。

#199
○紙智子君 家畜所有者に対する責任が相当これ強化をされるということだと思うんですね。
 それで、飼養衛生管理基準が強化されることに伴って、このウイルスの侵入を防止するために、畜舎の改修などの経費や設備投資に費用が掛かるわけです。それで、殺処分した養豚農家は、新たな豚を徐々に導入しつつ、同時にこの畜舎の改修が必要になるので、元の経営に戻すためには五年から十年掛かるということも言われているんですね。六十歳ぐらい過ぎると、先を見通して離農していったりする人もいると。若い人でも、借金をつくる前に辞めて、サラリーマンになる農家もいると。
 議員立法の提案者にここでお聞きするんですけれども、第七条に、豚の伝染性疾病の発生後の養豚農家の再建に関する支援その他必要な施策を講ずるとありますけれども、この設備投資の費用に悩む養豚農家に応えることができるんでしょうか。

#200
○衆議院議員(石川香織君) 委員御指摘のとおり、伝染性疾病が発生した養豚農家が空舎期間を経て経営再開に至るまでには、防護柵や防鳥ネット、それから消毒機器の整備などの設備投資が必要となります。そこで、養豚農家の経営再建や飼養衛生管理の向上を後押しするためにこの第七条を設けたところでございます。
 また、伝染性疾病の発生によって経営の中断を余儀なくされた養豚農家が離農に追い込まれるようなことがないように、本改正を踏まえまして、国及び地方公共団体は、経営再開の意欲を持つ農家に寄り添った支援策を積極的に講じてほしいと考えております。

#201
○紙智子君 後押しする規定ということで、設備投資が必要になる養豚農家への支援ということなんですね。
 それで、そういう趣旨なわけですけれども、もう一度政府参考人にお聞きしますけれども、具体的にはどのように行うのでしょうか。

#202
○政府参考人(新井ゆたか君) 養豚農家の再建、それから飼養衛生管理を守っていただくというためには、ソフト面の日々の行動ということだけではなく、ハード面でもいろんな施設整備が必要だということは我々も認識しているところでございます。
 まず、今回、野生動物の侵入対策というのを重視をいたしました。これは、野生イノシシがやはり媒介をしているという状況を踏まえたものでございます。この野生動物の侵入防護柵につきましては、昨年の夏から既に手当てをしておりまして、現在、各地で、各県で施工が進んでおります。国からの助成は二分の一でございますが、地方自治体が上乗せ助成をした場合には、その五分の四につきまして特別の交付税をいわゆる特交措置するということで支援をしているところでございます。
 それに加えまして、消毒の義務を今回強化をするということでございます。それから、実際に洋服を着替えていただく、あるいは長靴を交換していただくということもお願いしているところでございます。このようなものに必要となります動力噴霧器でありますとか防鳥ネット、それから簡易更衣室といったものにつきましても二分の一、それから、地方公共団体が上乗せをした場合には五分の四という形で措置をしています。加えて、農家負担の軽減のため、低利の融資というのも用意しているところでございます。

#203
○紙智子君 昨年イノシシに起因する豚熱が発生した早期出荷推進地域ってありますよね。そこで消毒のためのシャワーゲートの支援が全額行われたということなんですけれども、イノシシに起因しない地域はその支援はなかったというふうに聞いているんですが、なぜそういう違いが出たんでしょうか。

#204
○政府参考人(新井ゆたか君) 早期出荷対策につきましては、野生イノシシのCSFの感染が確認された地域におきまして、農家の方々に一旦農場の豚を空にしていただく、いわゆる出荷できないものはレンダリングしていただくという大変な決断をしていただいた農家に対しまして、空舎期間を利用して必要な施設のいわゆる整備をしていただくという一連の対策として行ったものでございます。したがいまして、通常のものに比べますと、やはり助成はしっかりやっていこうということで組んだものでございます。
 野生イノシシの地域であるかそうでないかということではなく、今申し上げましたとおり、野生イノシシがいる地域、それから消毒を徹底するということに関しましては、今回、消費・安全の交付金におきまして、地域に区別なく、さっき申し上げました消毒ゲートでありますとか噴霧器でありますとか、そういったものについては助成をするということでございます。

#205
○紙智子君 同じ豚熱で苦しむ農家で支援策に差が出てしまってはいけないと思うんですね。やっぱり行政への不信につながらないように対策をしていただきたい。これからは差別なくということでもありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、殺処分の家畜に対する手当金についてお聞きします。
 宮崎県で口蹄疫が起きたときは、これ、手当金は非課税措置になったんですよね。これはなぜ非課税にしたんでしょうか。

#206
○政府参考人(新井ゆたか君) 宮崎県で口蹄疫が発生した際には、平成二十二年でございますが、同年の十月二十二日に成立した議員立法によりまして、手当金の交付により生じた所得に対する所得税等の免除が特別に措置されたと承知をしております。

#207
○紙智子君 それはなぜなんですか。

#208
○政府参考人(新井ゆたか君) これは議員立法でございまして、財政金融委員会で付託されたというふうに承知をしております。
 ここにおきます理由というのは、議員立法でございますのでなかなか承知をしておりませんが、地域における畜産業、その当時の提案の書類を見ますと、地域における経済への影響が非常に甚大だったということが議論されたというふうに当時の資料からは承知をしております。

#209
○紙智子君 これ、私、殺処分して今やり直している方にお話聞いたんですね。
 それで、殺処分家畜に対する手当金というのは、六か月出荷すると平均で大体三万七千円から三万八千円ぐらいだと、手当金がですね。それで、手当金は、だから百頭いると約四百万円、それから、一千頭だと四千万円になるわけです。この手当金は経営の再建にほとんどもう消えちゃうんですね。経営が中断されて、再建を図るにしても、母豚を入れて、それでそこから子供の豚が生まれて、次の売上げが出るまでは一年半掛かると、その間の餌代は月に百万円単位で消えていくと、従業員の人件費も払わなきゃいけないと、それで、経営を開始するのと並行して、全部の豚舎と農場の周辺でこの飼養衛生管理基準に沿う設備投資もしなければならないと、だから、豚熱の発生前の経営に戻すためには、少なくとも五年とかもっと掛かるというふうに聞きました。それなのに手当金が課税対象になるということで、その税金を払うためにまた借金しなきゃいけないという状況だったというんですね。
 だから、手当金に掛かる税金を払うために借金するって、これおかしいと思いませんか。これ、大臣、いかがですか。

#210
○国務大臣(江藤拓君) 手当金につきましては、基本的に殺処分の損失を補填するものということでありますから、利益は出ないということが基本的にあると思いますので。
 しかし、今委員の方から、その間の餌代であるとか種豚の導入であるとかその期間のランニングコスト、人件費等のこともお話ありましたので、この国からの補填した部分と、殺処分の補填した部分だけについて今は議論をされているということでありますから、そこまで丸めて話をすると、おっしゃることにかなり説得力が出るんだろうと思いますけれども、前回の家伝法の口蹄疫のときもそこまでは見ていない。
 そして、議法で、財政金融委員会で議決をされて議法で通って、法律を根拠法としてこれは課税されなかったということでありますから、今回それがされておりませんので、仮に利益が出るということであれば、あれば利益の部分については課税されるということになると思いますけど、基本的には利益は出ないんだろうというふうに承知をいたしております。

#211
○紙智子君 いや、口蹄疫のときもやっぱり甚大な影響を与えると、あのときも次々と広がっていって殺処分をしたと、それで、もう地域全体が、経済が本当に破綻しかねないような大変な甚大なそういう影響が出るので、だから、当時、議員立法もありましたけれども、やったと思うんですよね。
 今回、じゃ、それと違うのかといったら、やっぱり今紹介したように、何か、補填するために出された手当金が所得とみなされるような形で課税されるというのは、実態からいってもやっぱり大変なことなんだという話なんですよ。
 それで、今のお話の中で、財政金融委員会で規定されたんだという話があるんだけれども、そうであれば、やっぱり実情に合わせてちゃんと考える必要があるわけで、そうしないために、私は、むしろ大臣に、農水大臣ですから、財務省に言っていただきたいんですね。働きかけていただきたいんですよ。実情をちゃんとやはり伝えて、利益出ていないわけですから、それに対して課税するというのはやっぱり考え直してほしいということで、もう一度、ちょっと財務省に言っていただきたいと思うんです。

#212
○国務大臣(江藤拓君) 徴税につきましては、これまた法律に基づいて、国の根幹を成す部分でありますので、私が財務省にああせい、ああしてくれと言ったからといって、そうなるものでは基本的にはないと思います。
 しかし、心情はよく分かりますけれども、私が財務から、そういう要請をするということはなかなか難しいというふうに思います。

#213
○紙智子君 やっぱり多くの方々がそういう苦しみ持ちながらそういう問題提起もしていただいているわけで、それに応えていかなきゃいけないと思うんですよ。今国の法律ではこうなっているからそれに合わせるんじゃなくて、実情に合わせて柔軟に変えていくというのが今求められているというふうに思うんですよ。
 それで、ちょっと改めて言いたいんですけれども、今、理由の中に、当時は、口蹄疫のときは要するに議員立法でやったんだという話があるものですから、是非、この手当金を非課税にするように、党派を超えて自民党の先生にも言いたいんですけれども、是非……(発言する者あり)ないないというふうに言わないでほしいんですけれども。やっぱりそれを超えて働きかけをやっていきたいということを改めて自民党の皆さんにも呼びかけて、質問を終わりたいと思います。

#214
○委員長(江島潔君) 他に御発言もないようですので、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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