くにさくロゴ
2020/03/09 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 予算委員会 第9号 令和2年3月9日
姉妹サイト
 
2020/03/09 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 予算委員会 第9号 令和2年3月9日

#1
令和二年三月九日(月曜日)
   午前八時五十六分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月六日
    辞任         補欠選任
     大野 泰正君     高階恵美子君
     有田 芳生君     吉川 沙織君
     塩村あやか君     小西 洋之君
     伊藤 孝江君     下野 六太君
     安江 伸夫君     秋野 公造君
     石井 苗子君     柴田  巧君
     梅村みずほ君     清水 貴之君
     吉良よし子君     田村 智子君
 三月九日
    辞任         補欠選任
     本田 顕子君     武見 敬三君
     小西 洋之君     塩村あやか君
     徳永 エリ君     木戸口英司君
     吉川 沙織君     有田 芳生君
     大門実紀史君     武田 良介君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金子原二郎君
    理 事
                石井 準一君
                福岡 資麿君
                三宅 伸吾君
                山田 修路君
                森 ゆうこ君
                蓮   舫君
                浜田 昌良君
                浅田  均君
                山添  拓君
    委 員
                青山 繁晴君
                朝日健太郎君
                石井 正弘君
                小川 克巳君
                小野田紀美君
                太田 房江君
                こやり隆史君
                古賀友一郎君
                佐藤 正久君
                高階恵美子君
                高橋はるみ君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
                中西  哲君
                松川 るい君
                元榮太一郎君
                山田  宏君
                有田 芳生君
                伊藤 孝恵君
                石川 大我君
                石橋 通宏君
                木戸口英司君
                小西 洋之君
                塩村あやか君
                杉尾 秀哉君
                田村 まみ君
                徳永 エリ君
                福島みずほ君
                矢田わか子君
                吉川 沙織君
                秋野 公造君
                下野 六太君
                高瀬 弘美君
                竹谷とし子君
                清水 貴之君
                柴田  巧君
                田村 智子君
                大門実紀史君
                武田 良介君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  高市 早苗君
       法務大臣     森 まさこ君
       外務大臣     茂木 敏充君
       文部科学大臣
       国務大臣     萩生田光一君
       厚生労働大臣
       国務大臣     加藤 勝信君
       農林水産大臣   江藤  拓君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  梶山 弘志君
       国土交通大臣
       国務大臣     赤羽 一嘉君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   田中 和徳君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(クール
       ジャパン戦略、
       知的財産戦略、
       科学技術政策、
       宇宙政策))   竹本 直一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    西村 康稔君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、地方創生)
       )        北村 誠吾君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    橋本 聖子君
   副大臣
       財務副大臣    藤川 政人君
       厚生労働副大臣  稲津  久君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       小島 敏文君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    一宮なほみ君
       内閣法制局長官  近藤 正春君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤井 亮二君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房内閣審
       議官       松本 裕之君
       内閣官房内閣審
       議官       安居  徹君
       内閣法制局第二
       部長       木村 陽一君
       人事院事務総局
       給与局長     松尾恵美子君
       内閣府大臣官房
       総括審議官    渡邉  清君
       内閣府大臣官房
       審議官      黒田 岳士君
       内閣府政策統括
       官        多田 明弘君
       内閣府男女共同
       参画局長     池永 肇恵君
       復興庁統括官   石田  優君
       総務省大臣官房
       総括審議官    前田 一浩君
       総務省自治行政
       局長       高原  剛君
       総務省自治行政
       局公務員部長   大村 慎一君
       総務省自治行政
       局選挙部長    赤松 俊彦君
       法務省大臣官房
       長        伊藤 栄二君
       法務省刑事局長  川原 隆司君
       出入国在留管理
       庁次長      高嶋 智光君
       外務省大臣官房
       外務報道官    大鷹 正人君
       外務省大臣官房
       審議官      桑原  進君
       外務省大臣官房
       参事官      田村 政美君
       外務省総合外交
       政策局長     山田 重夫君
       外務省経済局長  山上 信吾君
       財務省主計局長  太田  充君
       文部科学省大臣
       官房長      柳   孝君
       文部科学省初等
       中等教育局長   丸山 洋司君
       厚生労働省大臣
       官房総括審議官  田中 誠二君
       厚生労働省大臣
       官房総括審議官  佐原 康之君
       厚生労働省医政
       局長       吉田  学君
       厚生労働省健康
       局長       宮嵜 雅則君
       厚生労働省職業
       安定局長     小林 洋司君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  藤澤 勝博君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    渡辺由美子君
       厚生労働省老健
       局長       大島 一博君
       経済産業省大臣
       官房技術総括・
       保安審議官    小澤 典明君
       経済産業省商務
       情報政策局商務
       ・サービス政策
       統括調整官    江崎 禎英君
       中小企業庁事業
       環境部長     奈須野 太君
       国土交通省道路
       局長       池田 豊人君
       観光庁長官    田端  浩君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○令和二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○令和二年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○令和二年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 令和二年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告をいたします。
 本日は、内政・外交の諸課題に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党・国民の声八十四分、立憲・国民.新緑風会・社民百八十六分、公明党五十六分、日本維新の会四十四分、日本共産党四十四分とすること、質疑の順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#3
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
    ─────────────

#4
○委員長(金子原二郎君) 令和二年度一般会計予算、令和二年度特別会計予算、令和二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、内政・外交の諸課題に関する集中審議を行います。
 これより質疑を行います。武見敬三君。

#5
○武見敬三君 今、世界はまさに新型コロナビールスの感染拡大で、これをいかに全ての国々がお互いに協力をしながらこの感染拡大を抑止して、一人でも健康を害し、命を落とすことがないように、今必死になって多くの国々が国境を越えて協力をしようとしているところであります。
 このようなときに、今朝、北朝鮮が弾道ミサイルと思わしきものを発射したというニュースが入ってきておりまして、私はびっくりいたしました。こうした国際社会の困難な状況の中にこのような弾道ミサイルなどを発射するというのは、これはもう言語道断であって、それを私は厳しく非難をしたいものであります。是非総理の御所見を伺っておきたいと思います。

#6
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本日七時三十四分から七時三十五分頃、北朝鮮の東岸から複数発の弾道ミサイルと見られるものが発射され、日本海海上に落下したものと推測されますが、詳細は分析中であります。なお、いずれも落下したのは我が国の排他的経済水域、EEZ外と推定されます。また、付近を航行する航空機や船舶への情報提供を行ったところ、現時点において、これらへの被害報告等の情報は確認されていません。
 私からは、本件について直ちに報告を受け、情報収集、分析に全力を挙げ、国民に対して迅速、的確な情報提供を行うこと、航空機、船舶等の安全確認を徹底すること、不測の事態に備え万全の態勢を取ることの三点について速やかに指示を行ったところであります。
 また、政府においては、北朝鮮情勢に関する官邸対策室において情報を集約するとともに、緊急参集チームを招集し、対応について協議を行いました。さらに、この後、国家安全保障会議を開催し、情報の集約及び対応について協議を行う予定であります。
 今般の北朝鮮の行動は、我が国と地域の平和と安全を脅かすものであり、これまでの弾道ミサイル等の度重なる発射も含め、我が国を含む国際社会全体にとっての深刻な課題であります。政府としては、引き続き、米国等とも緊密に連携しながら、必要な情報の収集、分析及び警戒監視に全力を挙げ、我が国の平和と安全の確保に万全を期してまいります。

#7
○武見敬三君 それでは、この新型コロナビールスに関わる課題に入らせていただきたいと思います。
 我が国はこの感染症といかに闘うか、これはもうグローバルヘルスと言われる分野の中でも最も世界で大きく、優先度の高い課題として認識されております。この分野で我が国は実は、安倍総理、非常に大きな中心的役割を担ってきました。
 これ、二〇一四年に西アフリカでエボラ出血熱が発生をし、そして、これを踏まえて、二〇一五年に今度はユニバーサル・ヘルス・カバレッジがこの持続可能な開発目標の中に位置付けられました。そして、その後、最初のG7のサミットというのが実は我が国がホストしたG7伊勢志摩サミットでした。
 したがって、その伊勢志摩サミットの中で、総理御自身の極めて強いイニシアチブで、三つの重要な議題のうちの一つをこうした保健医療の分野に位置付けて、そして、三つの大きな柱を基本とするこの伊勢志摩フレームワークというのをお出しになった。
 第一が、こうしたエボラ出血熱のような危険な感染症に対して、世界が協力して、いかにそうした感染症に対して闘う、そうした体制を整えるか。二つ目は、今度は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジというものをいかに効果的に達成するか。三つ目は、常にボディーブローのように、感染症の中でも危険な感染症として湧き上がってきているAMRという多剤耐性菌にどう対処をするかでありました。
 そして、我が国は、まさにこのユニバーサル・ヘルス・カバレッジを達成するプロセスの一環として、この危機管理というものに関わるプリベンションとプリペアドネスという、まさに準備と予防というものに焦点を当てて、そして、この危機管理における体制づくりの準備と予防の分野というのは平時において行われるものであって、そしてそれはまさにユニバーサル・ヘルス・カバレッジを達成する一部であると。そして、このユニバーサル・ヘルス・カバレッジと危機管理の体制強化というのは、まさにこの予防と準備というものを通じて結ばれていて、この二本柱をしっかりと世界で充実させていこうという、そういう大きな方針を世界に総理、示されました。これはまさにグローバルヘルスの分野では今もう金字塔になっております。そして、その中で日本は中心的役割を果たしました。今日においても、その重要な役割を果たしていることに何ら変わりがありません。
 加えて、二十一世紀に入ると様々な感染症が実は発生しました。アジアでもSARSが発生をし、それからMERSという、中東呼吸器症候群というようなものも発生をしました。そして、さらには、五年ほど前ですか、H1N1という豚インフルエンザというのが新型インフルエンザとして発生しました。
 しかし、これらの状況を翻って見たときに、我が国における罹患者の数、そして特に亡くなった方、死亡者数というのは極端に少なかったんです。世界の多くの国々がびっくり仰天しまして、何で日本だけこんな感染症が蔓延したときにこのように死亡者数を少なく抑えることができたのかということを調べた結果、これはまさに我が国の地域医療を中心とする医療制度というものが実によくできていて、そしてアクセスがしやすくて、そしてまた同時に質が非常に高い、こういった強靱な保健システムというのが日本にしっかりあるから、こうした感染症が拡大したときにも、そこが底力を発揮してしっかりとその死亡者数等を抑え込むことができるんだという点で非常に高い評価を我が国は得ています。これは、基本、全く今日においても変わりがありません。
 その上で、我が国において、さらに残された課題というのは、そうした強靱な保健システムというものを踏まえて、更に強固なこうした危機管理体制をいかに構築していくかということが我が国の課題であるというふうに私は考えます。その途上でまさに今回の新型コロナビールスの感染の拡大が始まったと思いますが、こうした状況認識についての総理の御所見をまずは伺っておきたいと思います。

#8
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 武見委員におかれましては、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジについて、まさにこの考え方、日本、そして世界でリードしてこられましたことに対しまして敬意を表したいと思います。
 今回の新型コロナウイルスへの対応に当たっては、現在、私を本部長として、全閣僚をメンバーとする対策本部を設置をし、同本部とその下に置かれた専門家会議の下、政府一丸となって対応に当たっております。国立感染症研究所において、実地疫学専門家の養成を行うとともに、今般の対応に当たってもクルーズ船を含む複数の事例において専門家の派遣を行っております。
 御指摘のとおり、今後、更にこの組織を強化をしていく、そういう努力をしていくことは大変重要であろうと、こう思っております。今般の事例、事案対応も踏まえつつ、今後、感染症の危機管理体制の不断の見直しを進め、危機管理への対応力を一層高めていきたいと考えております。

#9
○武見敬三君 そして、我が国のこの新型コロナビールスに関わる今までの対応というものについて、私自身は非常に不当に様々な批判が内外でも起きていることを非常に残念に思います。
 その中で、実際に、我が国の中でこうした罹患されて入院治療をした方々といったようなものが、実際どのようにその後その症状というものが回復をされておられるのか、実はなかなか今までその情報の公開がありませんでしたが、それを実はちょっと調べさせていただいて、先週金曜日の時点のこのデータ情報であります。(資料提示)
 これ、厚労省などから聞いて作ったものでありますけれども、これ見ますと、大体、この国内事例で四百七のPCR検査の陽性者がいて、既にもうそのうち七十六名退院されておられます。また、クルーズ船に関して見れば、六百五十六名陽性者が出たうちに、既に退院者は二百四十五名出ております。したがって、この両者も合わせても既に三百二十一名、まさに三百名を超える方々がこうした我が国の治療を受けて、実際に元気に退院をされて日常生活に戻られております。
 こうした力こそが実は我が国が国際社会の中で評価しているところでございまして、こうした、まさにこうした的確な情報というものを私は内外にしっかりと発信していくことが私は必要だと思っております。総理の御所見も伺っておきたいと思います。

#10
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新型コロナウイルスについては、多くの国民の皆さんが様々な不安を感じておられるんだろうと思います。我が国においても連日、感染者が確認されている状況にあり、政府としては感染拡大の防止のために対策を徹底していく考えであります。
 他方、議員御指摘のとおり、クルーズ船を含め、これまで日本国内で陽性と判定された方々のうち、三月七日時点で三百二十五人となっている。これ、そことちょっと違うのは、今日、さらに……(発言する者あり)ええ。これ、最新は三百二十五人の皆様が既に回復をして、そして退院をしておられることも事実でございます。これは余り報道されていないところもございますので、こうしたこともしっかりと発信をしていきたいと、こう思っております。また、一時重症状態であった方が軽症、中程度に改善されている方も二十名程度おられるわけでございます。
 専門家によれば、このウイルスに感染しても、多くは軽症であるとともに治癒する例も多いとのことでありまして、議員御指摘のとおり、このような感染後の状況も国民の皆様に適切に情報発信していくことはこの感染症を正しく理解をしていただく上でも大変重要ではないかと、こう思っております。
 引き続き、私も含めて、国民の皆様への正しく分かりやすい情報発信に努めていく考えでございます。

#11
○武見敬三君 さらに、いろいろ我が国の少なくとも今までの危機管理のオペレーションに関わる結果についての評価というものについて、また一つ御質問をさせていただきたいと思います。
 実は今、罹患された方の数についての国際的な比較表というものを作ってみました。上位八か国なんです。これ、上位八か国を見ておりますと、中国が断トツで、二位韓国、イラン、イタリアとなっておりまして、これがその上位の四か国になります。これは大きく日本と懸け離れた数になっておりますが、次のグラフ、よろしくお願いいたします。
 これは、下位四か国になります。この下位四か国を見たときに、これ、その絶対数でドイツ、フランスが日本を抜いたとか、あるいはスペインがこれから日本を抜きそうだとかいうふうなことも多々言われておりますけれども、日本が今頑張っているのはこの罹患者の数の増加の傾向について、やはり確実に必死になってその抑制をしている。これはもうまさに、このクラスター退治、効果が出てきていることを示しておりますし、また、国民の皆様の御協力というものが非常に大きいということが分かります。
 三月に入ってから若干この罹患者数が緩やかに今度は伸び始めて上がり始めてきたというところが実は私、最も今懸念をしているところで、まさに総理もこの状況を正念場だというふうにおっしゃっているわけであります。
 こうした状況についてのしっかりと具体的なこの報道というものも私は必要であるというふうに思っているわけでありますけれども、こうした点に関する総理の御所見も伺っておきたいと思います。

#12
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国際社会にですね、国際社会においては様々な報道がなされているのでございますが、日本の現状を正確に理解していただくとともに、無用な風評被害を起こさないためにも海外への正確な情報発信は重要であろうと思います。
 議員が御指摘になられたように、現時点ではまだ大規模な感染拡大が認められている地域であるわけではありません。今後の徹底した対策により感染拡大のスピードを抑制することは可能と、こう認識をしております。
 なお、我が国の国内感染者数については今もう既にグラフ等で御紹介をいただいておりますが、三月八日時点では、さきのグラフにおきましては中国、韓国、そしてイラン、イタリアというのは非常に高い水準にありますが、それ以外の国々におきましても、四百五十五名と、ほぼスペインと同程度となっているわけでございます。
 先ほど申し上げましたように、感染者が非常に多い中国、韓国、イタリア、イランを除いても、フランスの九百四十九名やドイツの七百九十五名と比較し、相当程度少ない水準にあるものと承知をしておりますし、さらに、人口比もですね、人口比も勘案すればこの数字は更に小さなものとなっていくわけでありまして、海外への発信についてはこれまでも取り組んできたところでありますが、政府のみならず、必要に応じて専門家からも発信していただくなど、しっかりと情報発信に努めていきたいと考えております。

#13
○武見敬三君 そして、こうした緩やかな伸びを日本が三月下旬に入り、示し始めたというこの状況下の中で、いかにしてこれからこうした罹患者の増加を抑えていくかと、そして、そのためのクラスター退治とも言われるようなことをいかに全国で効果的に進めていくかということが大事になってまいります。
 日本の国内といっても都道府県ごとに状況も様々に異なっているものですから、それらについてそれぞれ地方自治体の協力というものをしっかりと得た上で、実際に都道府県の各知事や、あるいは市町村長といったような人たちには特段のやはり協力をこれから得て、そしてより強固な体制を整えていくことが私は今こそ必要なときはないというふうに思います。
 この点で我が国に関連した法律があるのは、この新型インフルエンザ特措法でございます。このインフルエンザ特措法、アメリカにおけるパブリック・ヘルス・サービス・アクトというのがございますけれども、それ、非常に似たものになっております。アメリカの場合には、各州政府に極めて強い権限を持たしめて、そして、警察権だけではない、州兵を始めた軍隊の指揮系統もこの知事の下に統率されるような形で、強力な権限がその中で供与されることになっています。特に緊急事態宣言を出されますと、そうした権能が法的根拠に基づいて発布されるということになっています。
 我が国においても、こうした国内における状況を鑑みて、やはりしっかりと今後の我が国の体制の強化を図っていくということは非常に重要な時期に入ってきたと思います。
 この特措法というものについて、これをこれから国会においても審議、採決をし、いつどういうタイミングで、この緊急事態宣言というものをどのような条件の下で発布するかということが大変大きな国民の関心になっているところでもございます。是非、総理御自身からその考え方を御説明いただければ幸いであります。

#14
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新型コロナウイルスにつきましては、いまだ未知の部分が多い中、また刻一刻と状況が変化する中で、専門家の意見も踏まえながら、前例にとらわれることなく、国民の健康と安全を守るために必要な対策をちゅうちょなく実行してきたところであります。
 他方、危機管理という観点からは、常に最悪の事態を想定し、あらかじめ備えることが重要と認識しています。このため、そうした事態も想定しながら、国民生活への影響を最小とするために、緊急事態宣言などもう一段の法的枠組みの整備が必要であると判断し、新型インフルエンザ特措法の改正を行うものとしたところであります。
 引き続き、国内の感染拡大を防止するためのあらゆる手段を尽くしていく考えでございます。

#15
○武見敬三君 この法律は民主党政権のときに作られた法律でもあります。このような感染症の危機管理についてこうした法律を作られたことについては、私は今の時点で改めて当時の民主党政権の皆さんに敬意を表したいと思います。
 その上で、しかし、この特措法というものは、極めて強く私権、すなわち個人の権利を抑制するものであります。したがって、人権を含めて個人の私権、これを制約する、そしてその極めて強い権限を政府に委ねるということは、我が国の民主主義の下において、私は極めて常に慎重でなければならないというふうに思います。
 そして、また同時に、これらの、この特措法に基づいて実際に各都道府県ごとの首長に、この緊急事態が宣言されますと、それぞれの地域に応じたこうした新型コロナビールス退治のための計画を策定をしていただき、そして、各市町村の首長にもその計画を通じて詳細にその対応をお願いするということが可能となります。
 この感染症というのは本当に見えない敵で厄介でございまして、これは中央で幾ら強い指示を出したとしても、各地域ごとの特徴によって感染の仕方が異なります。したがって、そういった個々の地域の特性に基づいて、いかにこれを退治する仕組みをそれぞれの地域でつくりやすく中央で支援するのかというのが、この法律が策定された後の最大の課題になってくるだろうというふうに思います。
 そのときに、是非総理に御検討いただきたいのは、実際にこの危機管理の体制というものを見たときに、このクラスター退治一つ取ってみても、国立感染研のまさに分所のような形で日本全国に七十七か所あり、そうした地方のこの感染研究所、そして、ここに毎年、もう二十年近く国立感染研では実地疫学研修プログラムというのをやっておりまして、こういうクラスター退治をするときの疫学調査の専門家を毎年十数名養成してきました。こういった人たちが実際に、こうした地方の現場で実際に保健所と協力をしながら、そのオペレーションをしていくことになります。
 ただ、この感染研の方の調査研究者には職務権限がないんですよ。ですから、常にその調査を実施しようとするときには保健所の所員が同行しないと実際にそれができないというような課題もございます。
 是非、こうした、まあ詳細にわたるところはあれですけれども、中央の方から、そうしたオペレーションがスムーズにできるように人材を強化する面、さらにこうした資金を投入すること、これら是非御支援をお願いしたいというふうに思います。
 その上で、改めて、何でこのタイミングかということについて様々に意見が言われておりますけれども、私は、今このタイミングで総理が決断されることはタイミングとしても極めて正しいと思います。実際にこうした感染者が徐々にじわりじわりと増え始めている今、まさにこうした体制強化が求められている。
 また同時に、その中で、政府の立場としては、やはり常に国民の私権を侵害するということについては慎重であらなければならないという基本的立場を取ってこられた。そして、そのことがやはり相まって今日のこのタイミングになったというふうに私には思えます。
 是非、そうした観点の中で、今度は実際にこの緊急事態宣言を出した後には、こうしたオペレーションを実施するときには、是非その個人の権利、私権の制限ということについては慎重に実際のオペレーションを実施していただきたいというふうに思います。この点についての総理の御所見を伺っておきたいと思います。

#16
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今が感染が急速に拡大するのか終息するのか、その瀬戸際であるとの専門家の御意見があり、その中で、急速な拡大を回避するため、国民の皆様に御協力をいただきながら様々な手だてを講じた、講じてきたところであります。
 他方、危機管理の観点からは、感染の急速な拡大といった最悪の事態も想定しながら、国民生活への影響を最小とすべく、法改正を行うものとしたところでございます。
 委員御指摘のとおり、この特措法においては、国民の私権を制約する可能性もあるわけでございます。そうしたものにつきましては、どのようなそのことによって影響を及ぼすのかということを十分に考慮しながら判断をしていきたいと、このように考えております。

#17
○武見敬三君 そしてさらに、こうした、政府には私権の制限に関わる分野について慎重にそのオペレーションをやっていただきたいということを申し上げ、立法府の立場でもそれを注視していかなければならないんだろうと思いますが、同時に、国民の皆さん方にお願いをしなければならないのは、やはりお一人お一人がしっかり強い個人として、こうした時点においてどのような対処をしたらいいかということを御理解いただくことです。
 この点、先週、WHOが、ビー・レディー、準備しろというキャンペーンを始めました。それは、世界のお一人お一人に対して展開し始めた、そうしたキャンペーンなんですけれども、これは第一がセーフティーというものでありまして、それは常に自分の身を安全なところに確保しろというのが第一点。第二がスマートといいまして、これは賢く常に情報にアクセスするよう気を遣っておきなさい。そして三つ目が、これがカインドといって、常に親切にお互い他の人たちのためにも助け合おうじゃないかという、そういうことであります。
 私は、このセーフティー、スマート、それからカインドという言葉に象徴されたこのキャンペーンというのは、まさに今の時点において日本の国民の皆様にもしっかりとこれを御理解をいただいて、特にその身の安全というものを御自身でしっかりと確保する御努力をお願いしなければなりませんし、また、政府は適宜適切にやはり情報を国民に開示して、そして、国民はその情報に基づいてそれぞれの地域の中で自分の身を守ることの、そのしっかりとした認識を持てるようにしていただくことが必要であります。そして、最後はカインドというその親切さで、これはまさにお互い助け合うということがいかにこうした時期において大事かということです。
 この点考えますと、時々ニュースでとんでもない人がいて、陽性だと認定された人が酒場に飲みに行っちゃったとか、わざと人にうつそうなんてとんでもない人が出てきちゃったり、それからまた、中国からチャーター機で帰ってきた人の中にもPCR検査を拒否しちゃうなんという人も出てきたり、それから、これから、今までにもそうですけど、いろいろ政府が要請すると、その要請に対して俺は俺の考えがあるとか言って、自分の個人の主張というのを、やたらそういうエゴイスティックに主張されてなかなか協力していただけない方とか、そういう方々が実はいます。
 こういうことを考えると、ごく一部だと思いますけれども、多くのやっぱり国民の皆様方とともに、個人個人としてこうした事態にいかに対処するかという、まさに意識を努力して皆様で共有していただくようにすることは大変大事だというふうに思います。
 これは、福沢諭吉が、独立の気概なき者は国を思うこと深切ならずと言っているんです。まさにこの福沢諭吉の、この独立の気概なき者は国を思うこと深切ならずという言葉が、今日もまさに、この感染にいかに対処して闘うかという個人の在り方を考えたときに、その意味を示しているように思います。
 そこで、総理にお尋ねしたい最後の質問というのは、こうした感染症の危機管理というのは誠に難しいんですが、初期の判断と、それから出口の戦略をどう策定するかというのが、この入口と出口が実は非常に難しい。加えて、その途中、さっき総理もおっしゃったように、都度変わる状況にいかに臨機応変に対応していくかということが求められます。
 こうした中で、私は、何としてでも国民の皆様方と連携をして、それで、この緩やかに今上昇しているカーブを何とかして抑え込み、三月の下旬か四月の上旬ぐらいまでには一応の抑え込みを図っていって、そして四月の中旬ぐらいにはこの出口戦略をきちんと示す。これはやはり、この抑え込み始めてよかったといって安心してばかりは絶対いられなくて、いかに再発を防止するかという戦略が必要ですし、さらには、今度はダメージを受けた国民生活や実体経済を回復させた上で、どのように安定した経済成長路線に我が国の経済を戻していくか、これもやはり出口戦略の中に入ってこなければなりません。
 こうした点について、まさに総理がこの危機管理の全体像をどのように捉えておられるのかという点についての御質問をさせていただきたいと思います。

#18
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、感染が急速に拡大をしていくのか終息できるのか、この一、二週間が正念場であるというこの専門家のですね、専門家のこの提言を受けまして、我々は……(発言する者あり)

#19
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。御静粛に。

#20
○内閣総理大臣(安倍晋三君) あらゆる対策を行っているところでございます。
 その中で、例えばイベント、全国的なイベントをですね、これ中止するように要請をさせていただき、あるいはまた、学校の、全国における学校の休業等について要請を行わさせていただいたところでございます。その中で、もちろんこれは政府だけでこの状況を克服することはできないのでございまして、国民の皆様の御協力もお願いをしているところでございます。同時に、その中で国民の皆様には多大な御負担をお掛けしていることも事実であります。
 現在、当面の対応として、感染拡大の防止と雇用の維持、事業者の皆さんの事業継続に重点的に対応を行うこととしております。
 第一弾として、先般取りまとめた緊急対応策に基づき、感染拡大防止の徹底に加え、事業者の皆さんに対する五千億円の資金繰り支援や雇用調整助成金を活用した雇用対策など、必要な対策を直ちに実行しているところであります。また、現在最終調整中の第二弾の緊急対応策には、感染拡大防止策と医療提供体制の整備、学校の臨時休業に伴って生じる課題への対応、事業活動の縮小や雇用への対応、事態の変化に即応した緊急措置等、必要な対応策を盛り込み、明日にも取りまとめたいと考えています。
 今般の新型コロナウイルス感染症が景気全体に与える影響に対しては、二十六兆円の総合経済対策を着実に実行していくとともに、世界経済の動向も十分に注視しながら、そのインパクトに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策を行ってまいります。

#21
○武見敬三君 厚生省に次、お伺いしたいと思います。
 先ほどからもお話ししているように、こうしたクラスター退治を実際にこの疫学チームでしっかりやっていただくということと同時に、やはり地域医療、非常に力強いものを我が国は持っていて安心なんですが、それをどのような形で危機管理の仕組みにきちんと組み合わせていくかという、その制度設計が今本当に大事になりました。
 既に、感染症などの指定医療機関に対して協力をお願いをして、この指定医療機関だけで四百十、それからあと結核の病床を持っております医療機関に百八十四、それで全体で五百九十四か所ありますけれども、それに更に民間の医療機関も含めて御協力をお願いして、今八百六十九か所までこうした感染症の指定医療機関を設けているというふうに伺っております。これらの医療機関の数だけでは将来的に足りなくなるということも当然想定した上で、これを増やしていかなきゃならないと思います。この点についてどうお考えか。
 そしてさらに、この中、こういった機関はやはり入院治療をすることを中心にするべきでありまして、検体検査などをするようなこうした外来について、別途きちんと地域医療の中でそうした医療機関を指定をして、そして住民の皆さんがそれをすぐに理解をするような広報宣伝、これらが本当に大事になります。
 そしてさらに、その上で、今、東京都などではその医師会の中で各診療所の先生方にかかりつけ医がたくさんいらっしゃいますので、国民の皆さん方には、是非そのかかりつけ医の皆さん方に事前にまず電話で相談をしていただいて、そしてその相談をした上で受診をしていただくようにする、そして、受診をする場合には、この受入れ外来側もその対応を普通の患者さんとは時差を付けるとか、あるいは動線を異ならせるような形で対応するということになっていくだろうと思います。
 こうした地域医療の中でのきめの細かい対応措置を政府としても指示されることが私は今非常に重要だと思いますが、この点についての厚労省のお考えを伺いたいと思います。

#22
○副大臣(稲津久君) お答えさせていただきます。
 委員から、地域医療と今後のその取組についての御質問をいただきました。
 まず、今後、その指定医療機関と一般の医療機関との関係でございますが、先ほどお話しのとおり、八百六十九か所、今この受入れ体制等を整備していただいておりますけれども、その中で今後、一般の医療機関についてどのような具体的な御協力をいただけるか、更に検討して、そして公表させていただきたいというふうに思っています。
 それから、PCR検査の体制の周知等につきまして、これは、現在いわゆる医療保険の適用ということで、今後、民間の検査機関も相当数参画していただいて充実が図られていくというふうに思っておりますが、こうしたことも具体的に更に丁寧に周知をしていく必要があると思っていますので、努めてまいります。
 そして三点目の、地域医療におけるいわゆる危機管理体制に対しての周知あるいは協力ということについて、また、医療機関の体制、どのような形に持っていくかということについての御質問がありました。そのことについてお話をさせていただきたいと思います。
 通常の医療提供もしながらこの新型コロナウイルスの対策をするということで、大変医療機関の皆さんには御協力いただき、また重要な今、時期、課題になってきていると思っています。
 まず、外来医療についてお話し申し上げたいと思いますけれども、感染症の診療体制が整った医療機関に帰国者・接触者外来を設置をいたしまして、感染疑いの方が一般医療機関の外来を受診しないようにすることで通常の医療提供にできるだけ影響が生じない体制を構築しております。ただ、一方、重症化しやすい方が来院する例えば透析医療機関等につきましては、地域の感染状況を踏まえて、感染疑いの方の診療を原則行えない、そうした医療機関とするよう、都道府県に対して今月周知を行ったところでございます。
 それから、入院医療についてでございますが、これは一般病床とは別に設置されている感染症病床ではまず受け入れることにしていただいておりますが、一般病床で受け入れることが必要になった場合でも、一定の感染予防策を取った上で通常の診療に影響のない範囲で受け入れるということにさせていただいております。
 さらに、今後の感染の更なる拡大も想定をいたしまして、都道府県において患者数の推移を予測し、通常医療の提供体制を確保しつつ、新型コロナウイルス対応を行う体制整備を進めることといたしております。これは、三月六日に都道府県に対し、患者数の推移の推計やそれに対応する医療機関、病床の設定について依頼をさせていただいたところでございます。
 議員御指摘のことを踏まえて、しっかり体制構築し、周知させていただきます。

#23
○武見敬三君 そして、やはり我が国のクルーズ船の対応についていろんな外国のメディアなどから批判的なことが言われておりますので、早く私は、もうこのクルーズ船に係るオペレーションを終わりましたので、これを検証をして、そしてサイエンティフィックなエビデンスもきちんとこれを発信をして、今世界でこういう感染する船があちらこちらで出てきましたので、日本の経験というものが国際社会でも共有されることが大変大事だというふうに思っております。また、その根拠のない日本に対する批判を払拭するためにも大事だと考えておりまして、このクルーズ船の検証、すぐにやっていただきたいんですが、いかがでしょうか。厚生省の人に聞いておきたいと思います。

#24
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今般のクルーズ船の対応では、この巨大なクルーズ船の中での検疫作業でありまして、これまでにない大変困難な作業であったことは事実でございます。それぞれの関係者が状況に応じて適切な対応を考え抜き、船内の感染防止策や乗員乗客の方々の健康確保のために一つ一つの問題を解決しながら対策を講じ、全員の下船を完了することができたところでございます。
 厚生労働省といたしましては、目下の課題に全力で取り組んでいるところでございますけれども、今後、一連の今回の対応を整理し、検証を行って、その内容を国民の皆様に適切に伝え、また国外にも発信していきたいというふうに考えております。
 その中で、外国の今の起こっている例につきましても議員から御指摘ございましたが、三月七日に行われました電話会議におきまして、加藤厚生労働大臣からエイザー米保健長官に対して、ダイヤモンド・プリンセス号対応で得られた知見や経験を直接お伝えいたしました。また、翌三月八日には、実際にダイヤモンド・プリンセス号に乗船した橋本厚生労働副大臣と自見大臣政務官が在日アメリカ大使館に対して知見や経験をお伝えしております。
 引き続き、グランド・プリンセス号側の状況の変化も踏まえつつ、必要な協力を行ってまいります。

#25
○武見敬三君 もう既に日米間では相当緊密な協議が行われているということは、もう大変すばらしいことだと思います。
 そして、その上で、例えば中国との新たなこうした医薬品の共同開発であるとか治験についての、それぞれの共有の仕組みをお互いにつくるというような政府間協議も進めていただければ有り難いと思いますし、また、タイとかシンガポールやベトナムなんかも、是非こうした臨床治験を共同でやって、そしてそれによってお互いにこうした新薬の開発に貢献しようというような考え方も持っているようでありますから、日本が是非そのイニシアチブを取って、こうした機会に、まだ確立していない治療方法というものを、こうした治験のネットワークをアジアにつくることによって大きく治験の、この治療方法を確立していただきたいと思います。
 では、以上をもちまして私の質問を終わります。ありがとうございました。

#26
○委員長(金子原二郎君) 以上で武見敬三君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#27
○委員長(金子原二郎君) 次に、高階恵美子君の質疑を行います。高階恵美子君。

#28
○高階恵美子君 よろしくお願いいたします。
 一部の地域から始まりましたこの劇症型ともいうべきウイルス性肺炎、今世界を震撼させています。未知の感染症と対峙するわけですから、誰もが不安を感じ、気になる情報に惑わされやすくなっています。コールセンターの設置やLINEアプリの開設など、個別のフリーアクセスには早い段階から取り組んでいただき、また現在は官邸のホームページでも分かりやすい広報が始まっています。
 それにしても、今回の経験は、私たちに、公衆衛生上の危機事態における政府のリスクコミュニケーション対策、これがいかに重要か、このことを強く認識させる機会となっています。責任ある立場の報道官には、感染状況の発表だけではなく、国民の不安や声をよく聞いて、より多くの国民に共通する適切な対処法を繰り返し伝える寄り添い型の広報スタイルを取り入れていただくようお願いをいたします。
 例えば、医療機関を受診するかどうかの判断一つにも重要な意味があります。感染者がいち早く医療につながることと命のとりでである医療機関が感染源とならないことを両立させるため、感染が疑われる方にはいつもと違う受診行動をお願いしなければなりません。なぜすぐ診てくれないのという疑問にきっちり回答すること、これがなければ納得いただけません。
 また、通常の診療は抑制しておりません。既にオンライン診療については四月改定を前倒しするなど決定がされております。定期受診の方は今回そちらをお勧めするなど、各々の立場でできることが分かってくると少し気分も落ち着くのではないでしょうか。
 終息の上は、公衆衛生学的見地から常に感染制御等の管理及び指揮命令を行う体制を確立、強化して、危機事態に及んでは即応できる報道官をしっかり養成、訓練する、こうしたことを実施いただきたいと思いますが、初めに西村大臣の答弁を求めたいと思います。

#29
○国務大臣(西村康稔君) 大変大事な御指摘をいただいたというふうに認識をしております。
 今回の新型コロナウイルス感染症への対応に当たっては、全閣僚をメンバーとする対策本部を設置をいたしまして、同本部の下に政府一丸となって対応に当たっているところであります。総理の指揮の下、内閣危機管理監を始め、内閣官房が中心となって省庁横断的な取組を進めてきたところであります。また、医学的な知見を踏まえた対策の検討を進めていくために、この対策本部の下に専門家会議が設置されているところでございます。
 御指摘の広報でありますが、大変重要な視点でございます。今回、公衆衛生の専門家の御意見を聞いた上で、新型コロナウイルス感染症予防策に関する情報等を内閣官房、関係省庁で迅速かつ積極的に広報、公表しているところであります。また、平時から新型インフルエンザ等対策として記者の方との定期的なブリーフィングを行い、マスメディアとの関係構築あるいは知識の共有を図るとともに、毎年閣僚級の訓練も行い、発生時における危機管理の意識を共有しているところであります。
 いずれにしましても、この危機管理体制を強化していくことは重要な視点であります。御指摘のように、公衆衛生学的見地から正しい情報を国民にしっかりと届けられるよう努めていきたいというふうに思います。
 また、これは事態が終息した後でありますけれども、今般の事案対応をしっかりと検証して、今後、危機管理体制の不断の見直しを進めて、危機管理への対応力を一層高めていきたいというふうに考えております。

#30
○高階恵美子君 国民の皆様には、引き続き個人衛生に努めていただくとともに、家庭内の衛生環境の改善にも取り組んでいただきますよう御協力をお願いいたします。
 国内症例の分析から、感染者は、症状の重さに関係なく、おおむね一・六倍程度感染を拡大していることが示唆されています。不特定多数の密集する閉鎖空間で感染リスクが高いことも分かってきました。いわゆる風邪ウイルスですから、発症すれば、たんのない空ぜきが続くことが報告されています。花粉症の季節でもありますので、軽いせき、あるいはくしゃみ、こうした一時的な症状で仕事やふだんの人付き合いまで自粛するという方はそう多くないと思います。
 つまり、陽性者がそうとは知らずに感染を広げてしまう危険がある、このことが厄介で、日本のように衛生状態が良く、医療体制が整っていたとしても、元気な人が自衛するだけでは足りなくて、高齢者など周囲への思いやりと配慮がとりわけ今回は重要となっています。
 小規模集積が確認された地域では、今後、こうした疫学データに基づいて、それ以外の地域よりも一段厚い医療体制を整えることが急務です。既にクラスター対策班が出動しているとは聞いておりますが、感染症病床は飛沫を伴う処置等が想定される重症者の治療に充てることができるよう、現在の入院措置を適正に改めることも視野に、近隣地域内で必要と見込まれる病床数を速やかに確保しなければなりません。その際に、パルスオキシメーターや人工呼吸器など医療機器類の配備、感染予防と呼吸管理に精通する医療スタッフの補充、確保は欠かせません。
 厚生労働省は、二月十四日、既に入院基本料の算定に係る施設基準等を緩和する措置について通知を発出しています。しかし、現場が機能し続けるには、施設の枠組みを超えた応援要員の一定期間の確保と補充、これが重要で、あるいは、医療マスク、手袋、ガウン、フェースシールド、消毒液、そうした衛生材料、医療材料の一貫した調達も重要であります。
 東日本大震災のときも、非常災害時の特例措置として、施設ののりを超え広域的に職員を派遣する体制を整えていただき、急場を乗り越えました。個々の施設の取組だけでは克服できない課題には政府がきっちり責任を持って対応していただき、地域における命のとりでを守り切る。
 西村大臣、人、物、調達、この責任、これに込めた覚悟についてお伺いしたいと思います。

#31
○国務大臣(西村康稔君) 高階委員御指摘のように、感染症対策を適切に行うためには、人材の確保と、そしてこの医療材料等の物資の安定的な確保、供給、これが重要であるというふうに認識をしております。
 現在、人材につきましては、クラスター感染の発生した北海道等の一部自治体に対して医師等の専門家を派遣をし、自治体の要請に対して助言等を行っているところであります。
 また、物資については、都道府県等の要請に基づいて、備蓄や在庫が不足している医療機関等に対して、厚生労働省指示の下、メーカー等が協力をして一定量の医療マスクを優先的に供給する仕組みを開始したところであります。さらに、国民生活安定緊急措置法に基づきまして、メーカーにマスクの売渡しを指示し、売渡しを受けたマスクは北海道の一部の自治体、中富良野町、それから北見市に配付をする等の取組を行っているところであります。
 新型インフルエンザ等対策特別措置法では、都道府県知事が医療関係者に対して医療を行うよう要請等を行うことができるという規定がありますし、この総合調整を本部長であります総理大臣が行う規定もございます。また、仮に緊急事態宣言が出された場合は必要な物資の売渡しを要請できる規定などございますので、まさに御指摘の人材あるいは物資、これを的確に適切に提供、供給できるようにするための規定があるところであります。
 政府といたしましては、この新型コロナウイルス感染症を新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象とするための法律改正に向けて準備を進めているところでございます。この改正法案が成立した場合には、この法律の定める手続にのっとりまして、状況を見極めながら必要な対応を適切に行っていきたいと考えているところであります。まさに人材と物資を適切に供給していければというふうに思います。

#32
○高階恵美子君 二月の下旬から、現場の医療機関で働くナースから結構悲痛な声が届いております。まだ今週はいいだろうけど来週から危ないといった鬼気迫る声なんですね。サージカルマスクとかN95をふだん使っている、当たり前に医療ケアをするときに必要なものがなくなるということになりますと現場が動かなくなりますので、しっかり対応をお願いしたいと思います。
 また、職務上、感染者に直接関わるということから、保育園に子供を預けることを控えて遠方の親に預けましたとか、あるいは施設内に臨時の保育スペースをつくってスタッフが通ってこれるように何とか体制整えて頑張っています、とにかく人繰りが大変ですという声もいただいています。こうしたスタッフの使命感、工夫によって現場が支えられているということを是非御理解いただきまして、ケアの最前線を守っていただきたいと思います。
 大勢が緊密に過ごす機会を減らす方策の一つとして、学校の一時休業やテレワークが推奨されています。学校ではもっと早く一人一台端末が実現していればと、もどかしく思う一方で、多くの民間事業者様がすぐさま各地で在宅学習の教材等を無料公開する取組を始めています。社会が結束して子供の学びを止めない、こういうムードを生み出していることに大変心強さを感じますし、未来を開こうとする強い強い意志も感じます。
 各々の生活環境によって教育機会が制約されることなく、個性や能力が尊重されて、伸び伸びと知的好奇心、探求心を膨らませてほしいですし、また、大人になっても、人生百年時代にふさわしく、いつでも学びたいときが学びどき、こう思えるような環境づくりが重要だと改めて考えさせられる機会にもなっています。
 ところで、学校を再開するか、その一定の整理、この方向性は議論されておりますでしょうか。教職員の学童保育への積極的な専科協力については早くから御対応いただきましたが、一部の地域を除いては春休みも連続して休むとされています。例えば、児童生徒が不在の間に養護教諭と関係者で校内を総点検し衛生向上に取り組むなど、我が校はいつでも授業再開できますという希望につながるメッセージを学校から発信する、こうした取組なども、できることはいろいろあるのではないかなと思います。文科省としての対応方針をお伺いします。

#33
○国務大臣(萩生田光一君) 今回の臨時休業につきましては、当面は感染拡大防止に全力を尽くすことが最も重要であると考えますが、今後、学校を再開していくに当たっては、今回の感染症対応の経験を踏まえつつ、子供たちが安心して希望を持って通えるように十分な環境整備を行う必要があると考えております。感染症予防教育の充実はもちろんのこと、養護教諭や学校医、学校薬剤師等の知見を活用して、学校全体で子供たちの衛生環境を整え、学校の衛生管理の充実にも取り組む必要があると考えております。
 これらの点を含め、今後、学校が再開される際に各学校が取り組むべき事項を整理し、学校再開に当たっての留意事項として示していきたいと考えております。
 また、御指摘のありましたICTの活用や外部人材の活用は、今回の臨時休業に当たっても、家庭学習など子供たちの学びの機会の確保に大きな役割を果たしております。文部科学省としても、今年度の補正予算等を活用し、令和の時代のスタンダードとしての学校ICT環境の早期実現等を着実に進め、教育の質の向上に取り組んでまいりたいと思います。
 今回の感染症対応の経験を踏まえ、子供たちが過ごす学校の環境改善に向け、これらの取組を積極的に進めてまいりたいと思います。

#34
○高階恵美子君 私がこの場所に前回立たせていただきましたのは少し前になります、二〇一四年の三月十九日でした。その日、国内では豪雪被害の救済措置として看護師の国家試験が史上初めて追加実施されていました。歴史ある国家試験の多くは、いかなる場合であっても再試験しないというルールで運用されています。この試験も例外ではなかったわけですが、あの当時は田村大臣の御采配で厳正な審査等を速やかに進めていただきました。おかげさまで、多くの若者が資格を得、現在も地域医療の現場で生き生き活躍することができております。政府の御英断に改めて感謝申し上げたいと思います。
 また、昨年は台風の被害で小学校教員認定資格試験の二次試験が中止となりました。文科省の迅速な救済措置によって、最終的には二百四十八名が合格なさいましたので、この春から、きっと学校現場で御活躍いただけるものと期待しています。
 自民党文科部会としては、昨今の大規模災害の発生状況を踏まえれば、公益を担う貴重な専門人材の確保に係る国家試験全般について必要な検討を行うべきことを政府に提言させていただいております。差し当たり、今後の小学校教員試験の実施方法についてはどういった御議論を進めていただきましたでしょうか。大臣にお伺いいたします。

#35
○国務大臣(萩生田光一君) 昨年の台風十九号発生時には、小学校の教員資格認定試験第二次試験を中止せざるを得ない状況となり、急遽、第二次試験に代わる別の方法によって能力を評価する特例的な措置をとりました。さらに、令和二年度からは新たに予備日を設けるなどの見直しを行ったところです。
 また、その他の資格試験についても、災害等で試験を実施できないなどの場合に、受験者に不利益がならないように再試験を実施するなどの対応を図っております。
   〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕
 なお、こうした課題は他省庁の資格試験にも当てはまることであり、大規模災害が発生する場合に備え、あらかじめ対応方針等を定めることが重要であることから、文部科学省から政府全体の検証チームの場でも課題として提起をさせていただいて、一月に取りまとめた検証レポートにおいて、災害時に受験者にとって不利益にならないよう配慮すべきことが明記されました。
 本来でしたら、今先生が御指摘になった看護師資格のときのことをもっと横展開しておけばよかったなという思いが私もございますが、今後、こういうことのないように省庁全体で共有させていただいて、内閣府と連携し、文部科学省の対応を各省庁に周知することとしております。

#36
○高階恵美子君 是非、現場に合った改革をお願いしたいと思います。
 ところで、新しい学習指導要領についてなんですけれども、英語版がまだ公開されていないという課題を伺っておりますが、このことについてはその後、進んでおりますでしょうか。

#37
○国務大臣(萩生田光一君) 学習指導要領の英訳は、日本の学校教育を諸外国の人々や日本に住む外国人の方々に周知、発信するに当たり、非常に重要であると認識しております。
 令和二年度より順次実施される新しい学習指導要領の英訳につきましては、三月二日の日に小中学校の総則を、仮約を文部科学省ホームページに公表させていただきました。また、総則以外の各教科の英訳についても鋭意準備を進めているところであり、今後、専門家の知見もいただきながら、完成次第速やかに公表したいと考えています。
 文部科学省としては、新しい学習指導要領の趣旨が諸外国の人々も含め世界に広く周知されるよう、迅速な資料の作成及び公表に努めてまいりたいと思います。

#38
○高階恵美子君 新健康・医療戦略の方向性と機動的な研究企画の進捗について伺います。
 四月にスタートする新戦略では、健康寿命の更なる延伸を目指して、これまでの疾病特化型から分野融合型の新たな医療技術開発へウイングを広げて、優れた成果を輩出しようと方向性を変えてきています。
 現下の新型コロナウイルス対策では、迅速検査キットの開発普及と治療方法の確立、安全なワクチンの開発が急務です。この課題をどのように取り込み、研究開発を進めていく方針か、竹本大臣にお伺いします。
 また、一月下旬に国内でウイルスが単離されたことによって、遺伝子組換え技術を用いた基盤研究にも既に着手いただいております。日本ならではの革新的技術が世界に先駆けて輩出されるよう頑張ってほしいと思います。文科省の支援方針を伺います。

#39
○国務大臣(竹本直一君) 御指摘いただいた健康・医療戦略につきましては、現在、来年度から第二期の開始に向けて鋭意検討を進めているところでございます。
 御承知のとおり、第一期は、省庁間の壁をなくして、AMEDを中心とした総合的な研究をするということでこの五年間やってきました。この四月から始まる次の五年間においては、今先生御指摘のように、いろいろなデータとかあるいはゲノムとか、そういった技術でもっていろいろな疾病に対する分析を試みて、各疾病に対して総合的な対応で当たっていきたい、こういうつもりでやっておる次第でございます。
 さて、その喫緊の課題でございます新型コロナウイルス感染症の研究開発でございますけれども、私は担当の大臣として二月十三日に政府全体の方針を取りまとめました。日本医療研究開発機構、いわゆるAMEDの今年度予算の執行残、約二十億円を活用したわけでございます。具体的には、四・六億円がAMEDの執行残としてありました。それ以外のお金は予備費を使ったわけでございます。
 さらに、その後の感染病の急速な展開を見まして、予算はもうそれでなかったんですけれども、既に割り振った別の予算を振り替えまして、このコロナ対策に転用するという挙に出ました。二月二十七日に、医療分野の研究開発関連の調整費を活用した二十五億円の健康医療対策を打ったわけでございます。合計四十五億円で今その研究開発をやっておるということでございます。更なる措置につきましては、既存の抗インフルエンザ治療薬を新型コロナウイルス治療薬として活用するための臨床研究、治療薬の開発を加速することといたしております。
 いずれにいたしましても、スピード感、そして、何しろ全関係者が緊張感を持ってこの問題に対応して、一日も早く解決策を見出していただくよう全員で頑張っておるところでございます。

#40
○国務大臣(萩生田光一君) 文部科学省では、新型コロナウイルス感染症に関する研究開発について、関係府省と連携して、日本医療研究開発機構を通じて基盤的研究を支援するとともに、長崎大学の研究者を中心とした研究グループが行う研究を科研費で採択をし、研究が開始されています。
 この研究では、六つの大学がアジア地域に展開する感染症研究拠点において、新型コロナウイルス感染症に関する検体や臨床情報等を収集し、集めた情報を活用して、迅速診断法、治療薬やワクチンの開発の基盤となる技術を早期に確立することを目指しております。
 特に、迅速診断法につきましては、国立感染症研究所を中心に企業と共同で開発が進められており、長崎大学が開発した技術も活用されていると承知をしております。また、このような研究開発を進める上で、新型コロナウイルスを用いる遺伝子組換え実験を行う場合はカルタヘナ法に基づく大臣認証、確認が必要となります。これまでの確認申請については優先的に対応し、迅速に確認手続を完了しました。また、先週末には、大阪大学のチームがワクチン開発に取り組むべく記者会見がございました。これらにつきましても、引き続き申請に応じてしっかりと対応してまいりたいと思います。
 文部科学省としては、研究の進捗や成果も確認しつつ、今後の対策に更に有効と思われる研究提案があれば改めて精査をし、しっかり支援をしてまいりたいと考えております。

#41
○高階恵美子君 昨日三月八日の国際女性デーに先立ちまして、フィンランドのサンナ・マリン首相が国連で演説しました。ジェンダー平等が社会の成功の礎だと述べています。
 我が国では、三月三日から八日を女性の健康週間としています。私は、日本がこれから健康で活力ある社会に成熟していく上で、生涯にわたる女性の健康を包括的に支援する政策を充実していくことが大変重要だと考えています。
 さて、日本女性の平均寿命は世界一長い、その一方で平均睡眠時間が世界一短い、このことはよく知られていますが、日本女性は寝なくても健康で長生きできるのかというと、決してそうではありません。厚生労働省の研究事業では、家事負担の偏重を感じている女性ほど健康度が低いことが最近分かりました。女性の健康を改善し、働き方改革を真に進める上でも、日常生活における家事運営のやり方を見直すことが有効だと科学的に証明されたわけです。
 そこで、育児休暇の使われ方について提案したいんです。男性の育休取得率が伸び悩んでおりまして、取得したとしても多くは数日止まりです。育休取得に関し、男性は職場で言い出しづらいということのほかに、乳飲み子の面倒を一手に引き受けるのは無理との声もあります。小さい子はお母さんの方がいい、自分がいてもやることがないと弱気になりがちな声もお聞きします。
 育児は大変ですが、家族にとってはかけがえのない貴重な時間でもありますし、出産直後は特に家庭内の様々な役割を上手に再配分する絶好の機会でもあります。この際、身支度や部屋の片付けなど身辺の自立にも着目をして、円満な家庭運営のコツをつかむ期間として明確に打ち出しをし、特に男性には、例えば三か月以上など、一定期間の育休取得を積極的に進めていただきたいのです。橋本大臣のお考えをお伺いします。
   〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕

#42
○国務大臣(橋本聖子君) 今委員からも御指摘がありました、昨年実施しました男女共同参画社会に関する世論調査、これをさせていただきまして、この結果としましては、育児、介護その他の家事を夫婦で半分ずつ分担したいという回答の割合は男女を問わずに六割になりました。そして、六歳未満の子供を持つ男性において、共働きあるいは片働きを問わず、約八割が家事を行わず、約七割が育児を行っていないという調査の結果でありました。
 これは、家事、育児等へ関わりたいと思う意識があったとしても、長時間労働の慣行や職場の環境ですとかあるいは風土などにより家事、育児等へ関わりにくくなっていることが原因だということがこの調査でも受け取られるわけでありますけれども、私自身も国会議員をやりながら子供を育てました。その中で子育てと仕事の両立というものの重要性と、そして大変困難であるということも確信をしてきたわけでありますけれども、議員がおっしゃったように、子育て、そして育児というのは男女共にしっかりとお互いに協力をし合いながらやっていくということはかけがえのない財産であるということも認識をしてきておりまして、こうしたことから、関係省庁と連携をして、長時間労働の削減ですとかテレワーク等、柔軟な働き方の促進、男性の家事、育児への参画を促進することを始めとした社会全体のやはり意識啓発というものが必要だというふうに思います。
 また、経営者、管理職の意識改革を通じた職場の環境、風土の改善をしてもらわなければ、これは取りやすい環境にはなりませんので、そういったことも進めながら、環境整備等に全力を尽くして男女共同参画社会の形成の更なる促進に取り組んでいきたいと思っております。

#43
○高階恵美子君 民法改正に伴いまして、二〇二二年四月一日から、その時点で十八歳以上の方は成年となります。近年、国内における十代女性の出産は九千件前後ですが、法施行後は、このうち十八歳未満の出産、およそ二、三千件に上ると思いますが、非嫡出子となる可能性があります。
 私は、授かった命を社会が安全に迎え入れ、健やかに育むという観点に立てば、生まれる前の段階から困難を抱える母子を守り、養育、教育、就業、自立へとつながる仕組みを国内に一刻も早く実現しなければならないと考え、取組を進めてまいりました。新たな子供の貧困対策大綱においては、初めて妊娠期からの支援が盛り込まれました。今後、各地に、困難を抱える親子が守られ、自立へと歩める環境が醸成されるものと期待しております。
 若年妊婦等の母子保護事業の展開を含め、困難を抱える親子を孤立させないための政府の取組方針について、総理にお伺いします。

#44
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 若年妊婦を始め困難を抱える親子に寄り添い、切れ目ない支援を行うことで子供たちの誰もが夢に向かって頑張ることができる社会を創造すること、安倍政権ではそのような社会を目指しています。このような考えで、昨年十一月に子供の貧困対策に関する大綱を改定し、妊娠・出産期からの切れ目ない支援や、困難を抱えた女性への支援を盛り込んだところであります。
 令和二年度予算案では、予期せぬ妊娠などに悩む若年妊婦等に対し、身近な地域のNPOがSNSやアウトリーチによる寄り添い相談支援を行う事業を創設することとしています。あわせて、子育て世代包括支援センターや就業支援を行う関係機関との連携を図ることで、妊娠期から子育て期に至るまでの切れ目ない支援の構築を目指していきたいと思います。

#45
○高階恵美子君 孤立させない社会づくりはSDGsの主眼でもあります。今後も誰一人取り残さない国際社会の推進に御尽力願いたいと思います。
 もう一つ、私は、穏やかな最期を保障するコミュニティーづくりをライフワークに掲げています。みとりの場では、人の健康と生活に寄り添う看護職が頼れる存在となります。
 一昨年、英国議会の議員活動をきっかけに始まったナーシングナウというキャンペーンでは、各地における看護職の活動が人々の命を守り、女性の社会参加を促し、経済を活性化するとして、現任教育の充実と処遇改善を政治的に支援する運動を進めています。
 私は、幸いにも二〇一七年のUHC国際フォーラムで提案者のナイジェル・クリスプ議員から構想を伺うことができ、感銘を受け、行動を共にしている一人です。ナイチンゲール生誕二百年となる今年は、国内でも看護職を中心に民間団体が協力して活動が進められているという状況でありますが、国レベルではどのような取組を進める予定か、総理にお伺いします。最前線のナースを元気にしていただきたいと思います。

#46
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本年は、世界保健機構において看護師と助産師の年と制定され、また、我が国の看護の日制定三十周年でもあり、看護職の皆さんにとっては節目の年となります。政府としても、看護職への関心を深め、社会への貢献の最大化を目指すナーシングナウキャンペーンに呼応して、関係団体とともにメディア、学会、自治体などへの積極的な周知広報活動を行うとともに、国内外の有識者と共同して啓発運動を展開をしてまいります。
 看護職の皆さんには、医療機関や地域の医療現場で日々多大な御尽力をいただいております。現在のこのコロナウイルス感染症対策におきましても、看護職の皆さん、大変な現場の中で本当に大きな貢献をしていただいていることを感謝申し上げたいと思います。
 これからの人生百年時代において、その更なる活躍が日本の医療を支えることは揺るぎないものであり、看護職の皆さんが生き生きと活躍できる環境整備に政府として力を入れてまいります。

#47
○高階恵美子君 今度の報酬改定では、新たに学校医などへの情報提供料が算定できるようになります。医療的ケアを必要とする児童生徒に対しては、かねてより、学校内で安心して授業を受けることができるよう、必要な医療体制の整備が求められてきました。診療行為が組み込まれたとなれば、今後はその実効性が問われることになります。
 学校医は地域医に嘱託することが多く、平素は校内にいませんし、直接ケアに当たる学校ナースは非常勤契約の場合が多い現状にあります。このため、真に子供を中心とした安全、安心な教育環境を担保するには、校内に学校医療ケアチームを設置するなどしてケア拠点を明確に定めることが必要と考えます。さらに、学区内の訪問看護ステーションと連携を結んで常に対応できる体制を保障することも不可欠と考えます。
 こうした運用上で求められる体制の整備について、大臣はどのような準備を進めておられるでしょうか。

#48
○国務大臣(萩生田光一君) 議員御指摘のとおり、医療的ケアを必要とする幼児児童生徒が安全、安心に学校で教育を受けることができるよう、校長の管理下で、学校医、学校配置の看護師、担任、それから養護教諭など、チームを編成して一丸となって医療的ケアに対応する体制の構築が重要であり、その際、主治医や当該幼児児童生徒が普段利用する訪問看護ステーションなどとの連携も有効だと思います。
 学校における医療的ケアの実施には看護師が重要な役割を担うことから、文部科学省においては、厚生労働省や日本看護協会などの関係団体と連携を図り、学校配置の看護師の環境整備に取り組んでいます。
 また、令和二年度政府予算案においては、自治体による学校への看護師配置に係る経費の拡充を図るとともに、看護師に対する研修機会の提供に係る経費を新たに盛り込んだところです。
 今回の診療報酬改定を契機に、医療的ケアを必要とする幼児児童生徒が在籍する学校において新たに教師、医師、看護師等による学校医療ケアチームを編成し、これにより関係者の連携、協働が一層進むよう、教育委員会等に対して必要な措置を依頼する通知を三月中に発出をしたいと考えております。

#49
○高階恵美子君 間もなく東日本大震災津波被害の発生から丸九年を迎えます。自粛ムードの中、多くの国民がその胸中で亡き人をしのび、失われた数々の記憶に思いをはせる、そうした一日を過ごすことになることと思います。心の復興がかなうまでにはまだまだ長い道のりが続くと思いますが、私も、諦めず、投げ出さず、一歩一歩前に向かって進むことをここに改めてお誓い申し上げたいと思います。
 先日、参議院復興特別委員会の主要メンバーで岩手、宮城、福島三県を縦断する現地調査を行いました。陸前高田市の津波伝承館、いわてTSUNAMIメモリアルでは、昨年九月の開設から数多くの来館者があり、世代を超えて、人種を超えて、あの日のことを忘れないという思いやりの輪が広がっていることを伺いました。
 当初の復興計画期間が一つの節目を迎え、復興から創生へ新たな芽吹きを感じる段階に入ってきていることも感じています。
 中でも、福島イノベーション・コースト構想は、津波で引きちぎられたきずなをつなぎ、新たな発想で夢とえにしを結ぶ取組だと心強く感じています。廃炉、ロボット、ドローン、エネルギー、環境、リサイクル、農林水産という重点分野に医療、航空宇宙関連分野が新たに加わって、あらゆるチャレンジが可能な地域を目指していると伺っています。関係者の皆様はこの地域だけで一万人規模の雇用を創出したいとの熱意で取り組まれており、総理も七日に現地で御覧になってお感じのとおり、様々な地域から福島の被災沿岸部へと人を呼び込むエネルギー源にもなっているようです。
 私は宮城県出身ですが、政府にはこうした被災地全体のやる気、ふるさと愛をぐっと高めるような復興、創生を今後も引き続き強く後押ししていただいて、東北全体を元気に発展させたいと願っています。困難を克服し、発展しようとする東北の復興と創生支援について、総理の強い意思をお伺いしたいと思います。

#50
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東日本大震災からの復興は、政権発足以来、安倍政権にとって最重要課題であります。
 発災から間もなく丸九年となる中、土曜日には福島を訪問し、被災地の皆さんの懸命な努力によって確実に復興が前進している姿を見ることができました。発災以来、町全体の避難が続いていた双葉町では一部で避難指示が解除され、ようやく本格的な復興に向けて大きな一歩が踏み出されました。
 復興・創生期間は最終年を迎えますが、福島が復興を成し遂げるその日まで国が前面に立ち、全力を尽くしてまいります。そのため、復興庁の設置期間を十年間延長する法案を国会に提出したところであり、復興・創生期間後も政治の責任とリーダーシップの下、復興に全力を期してまいります。
 そして、復興は単なる復旧に終わってはなりません。委員御指摘の福島イノベーション・コースト構想は、ロボットテストフィールドなど、浜通りを世界最先端の産業集積拠点とするための希望あふれるプロジェクトであります。未来を見据えながら新しい福島をつくり上げる中で、避難されていた方々のみならず全国から多くの方々に浜通りに移住をしていただきたい、そうした観点から、従来の交付金を拡充し、魅力的な働く場の創出、移住促進に今後重点的に振り向けていきたいと思います。まさに、地方創生の先駆けとなるような復興を、地震・津波被災地域も含め、今後更に力強く進めてまいります。
 福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし。今後も現場主義を徹底し、被災地に寄り添いながら、一日も早い復興に向けて全力を尽くしてまいります。

#51
○高階恵美子君 来週には聖火が松島基地に到着します。健全なる戦いの炎がこのコロナショックを吹き飛ばして、世界中の人々に勇気を与え、オリンピックの感動を共に味わえるよう、私も微力を投じてまいりたいと思います。
 悪いのはウイルスであって人ではないことを理解し、思いやりの心で危機を乗り越えてまいりましょう。
 終わります。

#52
○委員長(金子原二郎君) 以上で高階恵美子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#53
○委員長(金子原二郎君) 次に、蓮舫さんの質疑を行います。蓮舫さん。

#54
○蓮舫君 立憲民主党の蓮舫です。
 まず冒頭、今日の私の質問時間は参議院自民党さんに御配慮をいただきました。心から感謝を申し上げます。
 総理、まず、分からないので確認をさせていただきたいんですが、事実確認です。
 今日から中国、韓国両国の入国制限が始まりました。これは科学的根拠はありますか。

#55
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、韓国においては、現在も感染者が急増をしているところでございます。既に一部、大邱広域市を中心に一部地域においては制限を行ってきたところでございますが、これが拡大をしている中において全域に対して既に発表したような対応を取ったところでございます。
 そして、中国につきましては、既に湖北省、そして浙江省に対して制限を設けてきたところでございます。しかし、その中で確かに感染者の増加自体は、これは減少傾向にあるわけでございますが、しかしながら、今般、この一、二週間がまさに正念場であるという専門家の皆様の御提言をいただく中において、多くの国民の皆様にも御協力、御負担をいただいているというところにおいてこうした措置もとらさせていただいたと、こういうことでございます。

#56
○蓮舫君 専門家会議に諮らないでいいという判断は総理の指示ですか。

#57
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この判断ですか。この判断については、最終的に政治的な判断を行うと、これはもちろん私だけの判断ではなくて、外務省等とも相談をした上において判断をさせていただいているところでございます。

#58
○蓮舫君 イタリアは、都市を封鎖したり、民主党の党首が感染したと自ら公表しているんです。なぜイタリアは含まれないんですか。

#59
○内閣総理大臣(安倍晋三君) イタリアにつきましても急速な感染の拡大が見られるところでございます。その中で、我々もイタリアを対象とすべきかどうかということについては議論を行っているところでございますが、必要であれば我々もちゅうちょなく判断をしたいと、こう考えているところであります。

#60
○蓮舫君 この渡航制限も突然でした。専門家会議にも対策本部にも諮らないでクルーズ船の下船を決めました。あるいは、その政府の基本方針の翌日に、イベント自粛が一転して中止、延期の要請になった。そして、その翌日には学校一斉休業。決めたのは確かに対策本部かもしれませんけれども、議論をしたのは総理官邸室、関係大臣と事務方トップで集まって議論、総理の下で取りまとめ、政府対策本部で総理指示として発出をした。(資料提示)これ、国会答弁です。
 この総理室での連絡会議、何を話し、何を決め、誰がどのように判断をしたのか、議事録まだ出ていませんが、なぜでしょう。

#61
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このコロナ感染症対策につきましては、最終的な決定においては、対策本部において、これまで全閣僚合意の下で緊急対応策や対策の基本方針等々について決定したほか、関係閣僚からの報告を受けて最終的に私から全閣僚に対して指示を行い、また国民や関係閣僚、団体に対して呼びかけや要請を行っているところであります。
 そして、様々なこれはレベルで打合せ等々が行われているところでございますが、これは、例えば杉田副長官のところでも議論を行っておりますし、そして古谷補の下において幹事会等も行っているところでございます。
 その中におきまして、御指摘の会議につきましては、新型コロナウイルス感染症対策本部の開催に先立って、私の下に官房長官や副長官、厚生労働大臣、関係省庁の幹部が集まって、対応の現状の報告を受けたり、今後の方針等について幅広く議論を行っているものでありまして、この会議は一月二十六日以降ほぼ連日実施しているところでございます。他方、対策本部においては、今申し上げましたような形で決定を行い、そして私から指示をしているところでございます。
 このように、あくまでも連絡会議は対応の現状等について報告や議論を行う場であり、政策の決定又は了解は対策本部において行われているところでございます。
 御指摘の連絡会議の記録についてはまだ作成されていないと承知をしておりますが、新型コロナウイルス対策については、国内外の状況が時々刻々と変化する中でまずは感染拡大の防止に全力で取り組んできているところであり、これまでの記録を整理し作成するため、いま少しの時間的猶予をいただきたいと、この点は是非御理解をいただきたいと、こう考えています。
 なお、政策の決定を行う場である対策本部の議事概要については順次対外公表されているところであり、連絡会議の記録についても、今後、委員の御指摘も踏まえ、内閣官房において可能な限り速やかに作成し、報告してまいりたいと思います。

#62
○蓮舫君 政府対策本部は十八回行われて、まだ九回しか公表されていません。しかも、議事録じゃない。議事概要です。
 これ全部見ました。議論なんかしていませんよ。突然総理が発表して、それが対策本部決定になるんです。言っているじゃないですか。連絡会議で、ここで相当な議論を行い、ここで基本的な方針を私の下で取りまとめ、ここで決めたものを最終的に私から対策本部で指示として発出。
 すぐ議事録を出してください。作ってください。猶予はないです。まさか、改ざんをしているとか、あるいは迅速に提出をしたら都合の悪い議論とかしていたんじゃないですか。

#63
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは今申し上げたとおりでございまして、連絡会議におきましては、先ほど申し上げましたように、私の下に官房長官や……(発言する者あり)

#64
○委員長(金子原二郎君) 御静粛にお願いします。

#65
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 副長官、厚生労働大臣、関係省庁の幹部が集まって、対応の現状の報告を受けたり、今後の方針等について幅広く議論を行っているものでありまして、この会議は一月の二十六日以降ほぼ連日実施をしているところでございますが、しかし、実際にですね、実際に決定をするのは、先ほど来申し上げておりますように、対策本部で行っているということであります。

#66
○蓮舫君 日本で最初の感染者が確認されてから間もなく二か月なんです。そして、専門家会議が二月二十四日にここ一、二週間が瀬戸際と言った、瀬戸際の二週間は今日なんです。これまでの判断がどういうふうに決まって、どんな議論、どんな根拠で決められたのかを今迅速に検証して、次の政策につなげていかなきゃいけない。国会審議でもその途中経過の過程って基礎になるんじゃないですか。すぐ出してほしい。猶予なんてないと思います。
 それと、今日も多分連絡会議は行われていく。今日からの連絡会議は速記者を入れて議事録をしっかり作っていただくことをお約束していただけますか。

#67
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、これは連絡会議、一応会議という名前は付いておりますが、基本的にはですね、基本的には省庁が、省庁が……(発言する者あり)

#68
○委員長(金子原二郎君) 御静粛にお願いします。御静粛に。

#69
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ブリーフ、省庁がブリーフをするもの、私に対してブリーフを行うものでありますが、当然この中において、私から質問をしたり、また今後はこのような方針をやるべきではないかという協議をするわけでございます。
 しかし、しかしですね、当然政策が決定されていくという過程においては、それはもう蓮舫議員もかつての政権時代よく経験しておられますから御承知だと思いますが、どこかだけで決まるのではなくて、様々な場で協議を行いながら、少人数の、例えば、私と例えば厚労大臣とのやり取りも行います、そういう中において様々な決定について、が形作られていくわけでございまして、重要なのは、最終的には……

#70
○委員長(金子原二郎君) 答弁は簡潔にお願いします。

#71
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 対策本部において決定がなされるということでございます。

#72
○蓮舫君 作成を義務付けるために公文書管理のガイドラインに基づく歴史的緊急事態の指定を三月二日に提案したが、総理は断られました。その後、三月四日の党首会談で枝野代表に提案されると、検討したいと。これは評価をします。いつ指示しますか。

#73
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘の歴史的緊急事態とは、ガイドラインにおいて、国家、社会として記録を共有すべき歴史的に重要な政策事項であって、社会的な影響が大きく政府全体として対応し、その教訓が将来に生かされるようなもののうち、国民の生命、身体、財産に大規模かつ重大な被害が生じ、又は生じるおそれがある緊急事態と定義されているものと承知をしております。
 先日の審議の中でも、委員より歴史的緊急事態の早期指定について言及があったところでありますが、新型コロナウイルス感染症の発生及びその蔓延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えることが懸念される状況に鑑み、新型コロナウイルス、新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案を提出するのに合わせて、政府として今般の事態を歴史的緊急事態とすることとしたいと思います。
 いずれにせよ、今回の事案については、担当省庁において事後的に認定を待つことなく、適切に、また検証可能なように文書を作成、保存しているものと認識していますが、今後更なる徹底を指示することとしたいと思います。

#74
○蓮舫君 余りにも対応が遅過ぎます。
 終わります。

#75
○委員長(金子原二郎君) 以上で蓮舫さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#76
○委員長(金子原二郎君) 次に、小西洋之君の質疑を行います。小西洋之君。

#77
○小西洋之君 立憲民主党・国民.新緑風会・社民の小西洋之でございます。
 通告のうち、検事長の勤務延長人事から質問をさせていただきます。パネルをお願いをいたします。(資料提示)
 安倍内閣は、一月の三十一日、黒川東京高検検事長の定年延長、すなわち勤務延長を突如閣議決定をいたしました。しかし、検察官は国家公務員法の勤務延長はできないことが昭和五十六年のこの国公法を改正したときの政府の想定問答集、これ私が国立公文書館で見付けてきたものでございますけれども、内閣法制局長官、森大臣も政府の統一見解であるというふうに認められているところでございます。
 今、フリップを御覧いただきたいんですけれども、問いの四十七番でございます。検察官については、年齢についてのみ特例を認めたのか、それとも全く今回の定年制から外したのか。答え、勤務延長の制度の適用は除外されることとなる、そして内閣総理大臣が全公務員に対して行う一般的な調整についてだけ適用があるというふうに言っているところでございます。
 安倍総理に伺います。
 義務教育を受けた小学校の六年生でも分かるような日本語で、検察官には勤務延長は適用できない、適用除外であるというふうに政府の統一見解として、国会の想定問答集、実際の国会でも定年制度は検察官には適用しないという答弁がございます。なぜ検察官に勤務延長が可能になるんでしょうか。

#78
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 検察官については、昭和五十六年当時、国家公務員法の定年制は検察庁法により適用除外されていると理解していたものと承知をしています。
 他方、検察官も一般職の国家公務員であるため、今般、検察庁法に定められている特例以外については一般法たる国家公務員法が適用されるという関係にあり、検察官の勤務延長については国家公務員法の規定が適用されると解釈することとしたところであります。
 このような今回の解釈は検察庁法を所管する法務省において適切に行っているものと承知をしておりますが、詳細については法務大臣から答弁させたいと思います。

#79
○小西洋之君 安倍総理に伺います。
 今、安倍総理は、検察官は一般職の国家公務員なので、一般職の国家公務員が使える勤務延長も使えるんだというふうにおっしゃいました。ただ、検察官が一般職の国家公務員だったのはこの昭和五十六年当時からずっと同じでございます。
 重ねて伺います。
 一般職の国家公務員である検察官が勤務延長制度は適用できないと日本語で明確に書いた当時の政府統一見解があるのに、これはすなわち法律の法規範そのものです。そういう法規範があるのに、なぜ安倍内閣では黒川検事長の勤務延長が法的に可能になるのでしょうか。

#80
○国務大臣(森まさこ君) 担当大臣からまず説明をさせていただきたいと思います。
 小西洋之委員が今御指摘になりました導入当時の解釈については、私たちも同じ理解でございます。導入当時は、検察庁法により適用除外されているものと理解されておりました。そのように、今パネルでお示しになりました想定問答集にも書いてございます。しかし、条文の文言には勤務延長制度についての規定がございません。勤務延長するとも勤務延長しないとも書いていない、その中でどのように解釈するかということを今般解釈をいたしました。
 というのは、昨年の国家公務員一般の定年の引上げに関する検討の中で、検察官、つまり行政機関の一部たる検察官、国家公務員法で定める一般の国家公務員としてどうするかというのを検討した結果、その特例が定年年齢と退職時期の二点であり、その趣旨は検察官にもひとしく及ぶということから、今回適用されると解釈したものでございます。

#81
○小西洋之君 委員長、今、安倍総理に質問したんですが、森大臣が勝手に答弁されましたけど。委員長の指名に基づいて。
 安倍総理に伺いますけど、安倍総理、今、森大臣は、法律の条文に、検察官が勤務延長してはならないというふうに法律の条文に日本語で書いていないからできるんだというふうに言いましたけれども、その見解は安倍総理も同じでよろしいですか。

#82
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の解釈は、検察庁法を所管する法務省において適切に行ったものと承知をしております。

#83
○小西洋之君 今、安倍総理と森大臣がおっしゃった、法律の条文に書いていない、それが全くの虚偽であることを今から御説明をさせていただきます。
 この想定問の問い四十六を御覧いただけますでしょうか。法律に別段の定めがある場合を除きとしている理由及び具体例いかんという問いでございます。すなわち、国公法の改正条文の中に、法律に別段の定めのある場合を除きと日本語で新しく盛り込んだ、規定してあるんだけれども、その理由とその具体例はいかんというふうに、何ですかと聞いているわけでございます。その答え、今回の定年制度法案は、現在法律により定年が定められている職員についてはそれぞれの法律によることとして適用対象から外すという考え方を取っているので、法律に別段の定めのある場合を除きと規定している、規定しているということでございます。具体例としては検察官というふうに書いてあります。
 安倍総理に伺います。
 国権の最高機関である国会が、法律に別段の定めのある場合を除きという日本語、それを法律に盛り込むということを議決しました。そして、その意味、根幹のその趣旨というのは、検察官を定年制度、勤務延長制度から外すという趣旨、すなわち、これは検察官を勤務延長制度から除外する、法律の明文規定そのものでございます。なぜ黒川検事長に安倍内閣では勤務延長が可能になるんでしょうか。法律違反ではないですか、閣議決定は。

#84
○国務大臣(森まさこ君) 委員長の御指名でございますので御答弁させていただきますが、その特段の定めの意味は、先ほど御答弁申し上げましたとおり、定年年齢と退職時期の二点であると今般解釈したものでございます。

#85
○小西洋之君 じゃ、森大臣に伺います。森大臣、よろしいですか。
 法律の条文に、検察官に勤務延長は適用除外されない、されるというふうに書いている条文がないと言いましたけれども、森大臣は、今私が御説明したこの問いの四十六、国公法の八十一条の二、法律に別段の定めのある場合を除きというこの日本語の規定は、検察官に勤務延長を適用除外する、そういう規範である、それが根幹の規範であるというふうにお考えにならないということでよろしいですか。

#86
○国務大臣(森まさこ君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、委員がお示しのパネルにあります想定問答集は、当時の解釈、つまり昭和五十六年改正当時の解釈でございまして、それについては私どもも前提としておりますが、今般、そこから四十九年ほどたった今般、国家公務員法一般の定年の引上げのこの改正を検討する中で、検察官においてどうするか検討した中、その特段の定めの意味を定年年齢と退職時期の二点であるというふうに解釈をしたものでございます。

#87
○小西洋之君 今テレビでいろんな国民の皆さんがこの中継御覧いただいていると思いますけど、国会が唯一の立法機関なんですよ。国会が決めた法規範を政府が解釈で変えることは許されないんですよ。森大臣は、当時はそういう解釈だったというふうに言っているけど、解釈じゃないんですよ。法律の条文そのものなんですよ。
 森大臣に重ねて聞きます。
 法律に別段の定めがある場合を除き、これは、検察官に勤務延長は適用除外するというふうに日本語で書いてあります。この法規範をなぜ安倍内閣は解釈で超えることができるんでしょうか。論理的に答弁してください。

#88
○国務大臣(森まさこ君) 法律の文言そのものには書いてございませんで、お示しの想定問答集に当時の解釈が書いてあるものでございます。
 そして、法律の解釈は、第一義的には主管省庁である、つまり検察庁法を所管する法務省において決定するものでございますので、今般、先ほど御説明したとおり、国家公務員一般の定年の引上げをする中で検察官についても検討をし、その結果、この特段の定めは定年年齢と退職時期の二点であるということ、そして勤務延長制度のそもそもの趣旨が検察官にもひとしく及ぶということから、今般の解釈に至ったものでございます。

#89
○小西洋之君 今本当に、テレビ中継を御覧いただいている国民の皆さんは、もう日本が法治国家ではなくなっている、そうしたことについて認識をいただきたいと思います。
 国権の最高機関である国会が、検察官を勤務延長制度から外すという明確な立法意思、そういう法律を作るんだという意思を持ってこの条文を盛り込んでいるわけですよ。そして、具体的に、問いの四十七、検察官については勤務延長は適用除外される、その考えに基づいて国会が作った法律を時の内閣が自由に変えるんだったら、日本は法治国家じゃないですよ。議会制民主主義の国じゃないですよ。
 森大臣、森大臣は今まで各答弁で、この想定問を突き付けられて、いや、勤務延長は適用除外だというふうには書いてあるけれども、なぜそうなったのか過程や理由は分からないというふうに答弁していますが、その考えでよろしいですか。

#90
○国務大臣(森まさこ君) 当時の解釈についてはお示しの想定問答集にその結論が書いてありますが、その理由、また検討の経過については、必ずしも、当時の理由、そのように検討した経過がつまびらかではございません。

#91
○小西洋之君 森大臣が今おっしゃった、当時の検討の過程、理由はつまびらかでない、それをこっぱみじんに打ち砕いていきます。
 フリップの二番を御覧いただけますでしょうか。
 実は、昭和五十六年のこの国公法改正ですね、一般職の公務員、検察官を除くですね、勤務延長が導入された。これ実は、ただの法改正じゃないんですね。日本に二千余り法律がありますが、その中でもうこの上なく重い、この上なく厳格な過程及びその理由によって立法されたものでございます。
 フリップは、これ、五十六年に先立つ昭和五十四年、人事院の藤井総裁から当時法律を担当した総理府の三原大臣に対して出された見解文書でございます。定年制度の内容ですね、つまり、国家公務員の定年制度についてこういう制度があるべきだということを人事院が総理府に対して見解を示しているわけでございます。
 赤線のところですね、定年制度の内容、そして(1)適用範囲、まず適用範囲から書きます。検察官については、既に検察庁法により、定年制度に関する規定が設けられているので、これらの規定するところによるものとするというふうに書いてあります。そして、まず適用範囲、検察官は全部除外だとした上で、その証拠に(4)番、勤務延長について書いているところでございます。
 人事院総裁に伺いますが、人事院総裁、当時のこの人事院の見解は、勤務延長制度を含む定年制度全てについて検察官は国家公務員法から適用除外すべきだ、そういう趣旨であるというふうに理解してよろしいですか。

#92
○政府特別補佐人(一宮なほみ君) 国家公務員法に定年制を導入した際は、検察官については、勤務延長を含む定年制度は検察庁法により適用除外されていると理解されておりました。

#93
○小西洋之君 もう一度、この人事院の見解は、適用除外すべきだという見解でよろしいですか。

#94
○政府特別補佐人(一宮なほみ君) 適用除外されているという理解でした。検察庁法の、ちょっと待ってください。(発言する者あり)
 詳細な検討過程はつまびらかではございませんけれども、定年年齢等については、国家公務員法に定年制が導入される以前から身分関係の特例として定められていたという経緯に鑑みて、引き続き国家公務員法の特例として取り扱うことが適当と判断されたものと考えております。

#95
○小西洋之君 人事院は、中立第三者機関として公務員制度が政治にじゅうりんされぬように守らなきゃいけないんですが、今の総裁の答弁のように、今回、法務省にやられっ放しなんですね。ただ、もう明らかですよね。
 じゃ、今日、人事院、局長で結構ですよ、局長、この当時の五十四年の見解は、人事院勧告にも相当する、それが私の発見した想定問、政府統一見解としてあるという事実でよろしいですね。事実関係だけ述べてください。

#96
○政府参考人(松尾恵美子君) お答え申し上げます。
 当時は書簡でお返ししたわけでございますけれども、国家公務員法上、意見の申出というのは、国家公務員法の目的達成上、法令の制定又は改廃に関し意見があるときに国会及び内閣に対して行うものとされ、勤務条件に関する勧告は、職員の給与その他の勤務条件に関する事項を社会一般の情勢に適応させるために国会及び内閣に対して行うものとされております。
 これらは、法的拘束力は有しないものの、人事行政の専門機関であり、労働基本権制約の代償機能や人事行政の公正の確保を担う人事院の正式な見解表明としてこれまで尊重していただいてきているところでございます。
 書簡についてでございますが、国家公務員法上の規定はございませんが、先ほど申し上げたような役割を担う人事院の見解表明である点におきまして、意見の申出や勧告と同様の意義があるものと考えております。

#97
○小西洋之君 私が見付け出した想定問にも、実質的には人事院勧告と同じものであると受け止めていると、これ政府の統一見解、当時の統一見解でございます。
 森大臣に伺います。
 先ほどの、別段の定めのある場合を除き、検察官が除外されている勤務延長ですね、過程が分からない、理由が分からないと言っていましたけれども、人事院勧告に相当するものを受けてなぜ過程が分からないんですか、理由が分からないんですか。虚偽答弁ではないですか。

#98
○国務大臣(森まさこ君) いや、まさに今お示しいただいた資料によっても結論は書いてありますけれども、その理由、検討の過程が書いてございません。今、人事院総裁も詳細な検討過程はつまびらかでないというふうに御答弁をなさっておりました。
 ですので、今般、法治国家の下での有権解釈として、所管省庁である法務省において、適正なプロセスを経て、適法に解釈したものでございます。

#99
○小西洋之君 もう何を聞いても三百代言という、答弁拒否を繰り返すだけなんです。
 私が御説明します。
 人事院勧告にも相当する人事院の見解で検察官が適用除外にされた、その理由は明らかですよ。検察官はただの公務員ではないからですよ。森大臣も答弁で何度も引用している、かつての検事総長、ロッキード捜査を担った検事総長の逐条解説も紹介されていますけれども、検察官というのは準司法官と言われて、裁判官と同じように絶対、人事において政治の干渉を受けてはならない存在なんですよ。検察官が政治による人事の干渉を受ければ、巨悪、時の総理大臣を検察官が立件することはできなくなるわけですよ。さらに、検察官が政治の影響を受ければ、無実の国民を罪に追い込んで、国民を人権侵害するような社会をすぐつくれるわけですよ。
 だから、昭和二十二年にこの検察庁法を裁判所法と並んで作ったときに、同じように裁判官と並んで検察官は独自の人事制度、定年制度を設けたのが立法趣旨、これもう誰の目にも明らかなわけでございます。森大臣は、そうした立法趣旨を、根本の立法趣旨を完全に無視をして、自分たちがやりたいから、どうしても黒川検事長を勤務延長したいから言っているわけでございます。
 安倍総理に伺います。安倍総理、よろしいですか。
 安倍総理、今私が申し上げた、検察官がなぜ特別の制度を持っているのか。準司法官、政治に人事を左右されてはいけない、その趣旨に照らして、あなたの閣議決定は検察官の独立を侵すものではないですか。(発言する者あり)

#100
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。

#101
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の人事においては、まさにこの今回のまず解釈については検察庁法を所管する法務省において適切に行ったものと承知をしております。人事においては、まさに準司法として強い独立性を持つ検察庁において、その人事において適切に判断されていくものであろうと、このように考えております。

#102
○小西洋之君 この度の人事は、あなたが主宰する閣議、あなたの閣議決定で決まったんですよ。あなたが決めたんですよ。法務省が決めたんではないですよ。安倍総理の人事によって黒川検事長が勤務延長をされ、そして今年の七月には検事総長にもなるんでないか、そういうことが言われているわけでございます。
 もう何を言ってもめちゃくちゃなんですけれども、法務省に伺います。
 質問通告していますけれども、立法時の立法意思と解釈というのは、もう小学生でも分かる、検察官には勤務延長は適用されない。その後、制度が施行されていく中、今日まで、検察官に勤務延長は適用除外である、そのように明示した会議録あるいは文書、そうしたものを検察、法務省は承知していない、そういう理解でよろしいですか。

#103
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 そのような文書は承知してございません。

#104
○小西洋之君 日本の検察庁、刑事司法を預かる刑事局長が国権の最高機関でうそをついたことを今から立証させていただきます。
 次のパネルを御用意いただけますでしょうか。
 今、川原刑事局長は、制度が創設以来、昭和五十六年以降、検察官に勤務延長が適用除外である、そのように書いた文書は存在しないというふうに言いました。
 人事院、局長に聞きますけれども、今このパネルで私が示している人事院の、最終改正令和元年のこの人事院の事務総長の通知ですけれども、赤で線引いた部分ですね。国家公務員法第八十一条の二、一項の別段の定めに当たるものとしては検察庁法第二十二条の規定がある。この文章は、検察官に対しては勤務延長を含む定年制度は適用除外である、そういう趣旨でよろしいですか。そのような文書を人事院から私はいただいていますよ。読み上げてください。

#105
○政府参考人(松尾恵美子君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の規定は、昭和五十九年当時、検察庁法第二十二条が国家公務員法第八十一条の二第一項の法律に別段の定めがある場合に当たるものとして、勤務延長を含む国家公務員法上の定年制度が検察庁法により検察官には適用されないことを示す趣旨で発出されたものでございます。

#106
○小西洋之君 一番最近では令和元年五月十七日も発出されていますけど、その当時も、今おっしゃったような勤務延長は適用除外であるという趣旨でよろしいですね、人事院。

#107
○政府参考人(松尾恵美子君) お答え申し上げます。
 令和元年五月時点においても、そういう趣旨でございました。

#108
○小西洋之君 刑事局長はとんでもない虚偽答弁をしていることが明らかになりましたが、さらに、このパネルの後段、下の方を御覧いただけますか。この人事院の事務総長の通知の宛先なんですけれども、法務事務次官、法務省に通知されているわけですよ。法務省は知っているわけでございます。
 法務省の官房長に来ていただいていますけれども、官房長、答弁いただけますか。あなたは官房長で、事務次官の下で人事制度を担当する官房長ですよね。官房長、今日、今日この日まで、この通知の存在、御存じでしたか。

#109
○政府参考人(伊藤栄二君) お答えいたします。
 この通知の、人事院事務総長通知の存在は把握しております。(発言する者あり)ただいま、ただいま把握しております。

#110
○小西洋之君 ただいまじゃなくて、過去だよ。今日に至るまでに把握していたんですか。明確に答えてください。委員長、お願いします。委員長。

#111
○政府参考人(伊藤栄二君) お答えいたします。
 当然、法務省に宛てて来ているものでございますので、法務省として把握している文書でございます。

#112
○小西洋之君 じゃ、いつ把握したんですか、官房長。

#113
○政府参考人(伊藤栄二君) この元々の通知につきましては昭和五十九年に発出されておりますので、昭和五十九年に法務省としてこれを承知をしたということになります。

#114
○小西洋之君 今の官房長は、今回の勤務延長の人事をやった官房長、その方でございます。
 官房長、聞いていることにちゃんと答えていないですよ。官房長自らが、いつこの通知の存在を把握したんですか。その日時を答えてください。

#115
○政府参考人(伊藤栄二君) お答えいたします。
 私としてこの通知を明示的に把握したのは本日でございます。(発言する者あり)

#116
○小西洋之君 では、刑事局長、刑事局長、刑事局長は……

#117
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。御静粛に。

#118
○小西洋之君 この通知をいつ把握したんですか。日時を答えてください。

#119
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 まず、先ほど私が承知していないと申し上げましたのは、昭和五十六年、後の国会会議録等、国会における御議論等の中で、勤務延長を含む定年制度は検察官には適用除外であると解釈を示すものはないと承知しているということでございます。
 なお、御指摘の人事院の通知でございますが、その通知文書につきましては、私は、(発言する者あり)いえいえ、今回の人事の過程の中で把握してございます。

#120
○小西洋之君 じゃ、刑事局長、伺いますけど、この通知を部下の誰から見せられましたか。

#121
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 私自身、部内の協議その他に関する詳細でございますので、お答えは差し控えたいと思いますが、部下から見せられたことは間違いございません。

#122
○小西洋之君 これはもう完全な虚偽答弁ですよ。だって、あなた、さっき、そういう文書は存在しないって言ったじゃないですか。
 委員の先生方、配付資料の、この白黒の配付資料の六ページの(6)番を御覧いただきたいんですけれども、この行政通知の存在を知っているか知っていないか、これ、この(6)番の、六ページの文書は、法務省が組織としてこれで間違いないと、あちらにいらっしゃいます内閣法制局の担当参事官も同席いただいて、法務省の解釈変更を、実務を担った官僚の皆さんに、目の前で、私が確認しながらパソコンで作って文章を確認していただいて、内閣法制局や法務省に持って帰って、これで問題がありませんと二度にわたって確認をいただいているものでございます。確認をいただいたことの記録もございます。書いていますね。
 別に、国会会議録なんて言っていないですよ。こういう、昭和五十六年以降、勤務延長制度が検察官に適用除外である、そういう解釈で制度が運用されているに決まっていますから、そういうふうな解釈を示す運用のものがありますかと、国会会議録や文書があるかって聞いて、刑事局長はないというふうに言ったわけでございます。
 では、森大臣に伺いますけれども、少なくとも勤務延長を強行した官房長は、この通知の存在、今日まで知らなかったわけでございます。森大臣が行った黒川検事長の勤務延長は、法律に違反し、そして法律の下の運用をずたずたにする真っ黒の違法行為ではないですか。

#123
○国務大臣(森まさこ君) 小西委員、想像たくましく決め付けられておりますけれども、今まで国会で答弁申し上げましているとおり、当時の解釈について、るる本日もおっしゃっていますが、当時の解釈については法務省認めております。それの解釈を前提として運用がなされてきたものでございます。
 そして、今お示しの人事院の文書は、二十二条が特段の定めと書いてありまして、私ども、今般は、その二十二条の特段の定めは年齢と退職時期というふうに解釈したものでございます。

#124
○小西洋之君 もう、国民の皆さん、実は森大臣は司法試験に受かった法曹経験者なんですが、法論理的に、論理的に聞いたことを何にも答えられなくて、自分たちの主張を壊れたレコードのように繰り返されているところでございます。たくましくとおっしゃっていただきましたけれども、あなたの関係の皆さんから、まあちょっとやめておきましょう。(発言する者あり)いえいえ。
 じゃ、委員長、資料要求をお願いしますが、刑事局長が、この通知の存在及び人事院が答弁した趣旨ですね、勤務延長は適用除外であるという、検察官の、趣旨、それを部下の誰からいつ聞いたのか、文書で理事会に提出、委員会に提出していただきたいと思います。

#125
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。

#126
○小西洋之君 もうこのように、この勤務延長はどこからどこまでも違法行為だらけなんですが、実はここからが実は本番でございます。
 今回の黒川検事長の勤務延長によって、まあ黒川検事長は検事総長になると言われていますけど、ただ一人じゃないんです。今回のこの勤務延長をきっかけに、日本中の検察官が政治によって人事介入を受ける、今そういうおぞましいことが起きようとしているわけでございます。
 具体的にどういうことかといいますと、今回、勤務延長の解釈変更を、一月二十四日、安倍政権はやりました。同時に、これは前から、何年も前から動いていたことなんですが、国家公務員全体の定年を六十五歳まで引き上げる法案があるわけでございます。その法案に、実は検察官の勤務延長が条文で今盛り込まれているところでございます。
 報道によれば、先日、自民党の総務会では決定見送り。この三月十日で閣議決定と言われていたんですが、自民党の御見識だと思いますけれども、このようないかがわしい法案を今総務会で決めてはいけないのではないか、三権分立に反するというような御意見もあったというふうに報道されておりますけれども、決定先延ばしというふうになりました。
 問題は、この法案に、今、六十五歳の引上げの法案ですね、検察官の、勤務延長制度がいつ入れられたということでございます。刑事局長はもう虚偽答弁ばっかりするので内閣法制局の第二部長に伺いますけれども、法制局第二部長、通告していますけれども、この検察官の年齢引上げ法案、実は昨年の法制局参事官の、あなたに報告した法制局参事官の説明によれば、十一月中にはあなたの、内閣法制局第二部長の審査が終わって長官に上げれる状況になっていたというふうに聞いておりますけれども、そうした事実関係でよろしいですか。第二部長審査が了となったのはいつでしょうか。

#127
○政府参考人(木村陽一君) 検察庁法の一部改正を含みます国家公務員法の一部改正の原案でございますけれども、検察庁法のパートにつきましては、昨年の十月の終わり頃でございますけれども、手元に審査資料が届けられまして、当日か、あるいは十一月にまたがったかもしれませんけれども、遅くとも十一月の頭には了承したものと承知しております。

#128
○小西洋之君 法制局第二部長から明確な答弁をいただきました。
 パネルをお願いいたします。この検察官定年引上げ法案のプロセスを御説明をさせていただきます。
 実は今、第二部長が答弁をいただいたのが、皆様、テレビの皆様から見て右側の白い箱の中ですね。一九年の十一月中、内閣法制局で担当部長の審査が完了したということでございます。
 私、かつて霞が関で十二年間働きまして、法改正などで法制局に何度も行きましたけれども、実は、内閣法制局担当部長審査が終わったというのは、法案として事実上ほぼ完成したということなんです。部長審査が終わったということになると、その法案担当の役所の中でみんなでお祝いをするぐらい、ああ、よかったよかった、法制局が認めていただいた、もちろん、上、長官の審査がありますけれども、課長クラスの参事官の審査、そして部長審査で法案というのは確定するわけでございます。
 問題は、昨年の十月又は十一月に法制局の審査が終わった、つまり、法務省として検察官の法改正はこれだけでいいですと確定した、決まったその条文の中には、勤務延長は一言も入っていなかったんです。つまり、勤務延長は全く不要というふうに、政策的に、検察官、日本国の検察官に勤務延長は全く不要であるというふうに法務省として、そして当時、森大臣は着任されておりましたから、森大臣以下、法務省は意思決定をしていたんですね。そうした意思決定に基づき、内閣法制局に審査をお願いをしていた。
 ところが、真ん中のこの赤いおどろおどろしい図でございますけれども、十二月、突如、黒川氏の勤務延長問題が勃発したんですね。これは三月の五日、森大臣が十二月頃から検討し始めましたというふうに答弁をしております。
 そして、その黒川氏の勤務延長を検討する流れの中で、隣の箱ですけれども、一月十七日から二十四日の間に法務省が内閣法制局に解釈変更を相談。しかし、この相談は、勤務延長は政策的に要りません、条文なんか用意しなくていいですと言っていたものをひっくり返すわけですから、法案を根底から覆すものでございます。ちなみに、この法案を根底から覆すというのは、これ私の言葉ではございませんで、先週の野党合同部会で刑事局の総務課長がおっしゃった言葉でございます。法案を根底から覆すような事態が起こったというふうにおっしゃいました。で、解釈変更を強行して、それだけではなくて、勤務延長を入れる条文改正を内閣法制局にやり始めたんですね。
 つまり、昨年の段階で法務省の意思決定では勤務延長は日本国の検察官には全く要りませんとしていたのを、黒川氏のことを契機に、日本国の検察官、みんな勤務延長ができるようにしなければいけませんというふうに百八十度意思を、意思決定が変わっているわけでございます。
 安倍総理に伺います。安倍総理、よろしいですか。
 こんな法案を、日本国の検察官、誰でも勤務延長が閣議決定、内閣の閣議決定でできるような法案をやると、作ると、法律を成立させると、検察官が政治の意思によって人事が左右され、検察の独立が失われてしまうんではないですか。

#129
○国務大臣(森まさこ君) まず、前提として担当大臣から御答弁をさせていただきたいと思いますが、また、お示しのパネルの十二月というのは法律の解釈をしたところでございまして、個別の黒川氏の人事は全く別でございますので、これをちょっと御説明をさせていただきたいと思います。
 検察官の定年引上げに関する法律案については従前からその検討を行っておりまして、元山下法務大臣が衆議院の予算委員会でも述べておられたところでございます。そして、昨年十月末頃、私の就任は十月三十一日でございますが、内閣法制局第二部長の審査が十月末頃に終了したけれども、法律案の提出には至っていなかったところでございます。そこで、本年の通常国会の提出に向けて、改めて法律案において勤務延長制度や再任用制度をどのように取り扱うかを昨年十二月頃に検討し、現行の国家公務員法と検察庁法との関係を検討をしていたものでございます。
 この十二月の赤で書いてあるところはその解釈の検討を開始した時期でございますので、こちらについては御留意いただきますようにお願いをいたします。

#130
○小西洋之君 もう答えることがないんで、めちゃくちゃしゃべっているんですね。十二月にこの解釈、まず、黒川氏の勤務延長を政策として検討して、それに必要な解釈検討を、検討したということを書いているに決まっているじゃないですか。何一生懸命しようもないごまかしをやろうとされるんですか、森大臣は。
 森大臣に伺いますけれども、森大臣、あなたは十月の三十一日に着任したんですよね。当然、検察庁法の国会に出す法案の説明はすぐ受けているはずでございます。その法案の中には勤務延長制度は一言もなかった。しかし、今、森大臣は勤務延長が必要だというふうに言っています。あなたの中で、勤務延長は必要でないというその政策から必要であるというふうに変わった、そして法律を変えなきゃいけない、いつ変わった、いつ突然変異されたんですか。

#131
○国務大臣(森まさこ君) 今御答弁したとおりでございますが、昨年十月末頃に内閣法制局第二部長の審査が終了したものの、法律案の提出には至っておりませんので、私の方で臨時国会の法案としての説明は受けておりません。その上で、本年への、本年の通常国会の提出に向けて、改めて法律案において勤務延長制度や再任用制度をどのように取り扱うかを考える前提として、昨年十二月頃から現行の国家公務員法と検察庁法との関係を検討していたものでございます。
 その中で、今まで御説明をしていましたとおり、社会情勢の変化又は法律の文言の有無、法律の趣旨等を検討した結果、勤務延長制度への解釈をしたわけでございます。

#132
○小西洋之君 森大臣に伺いますけど、あなたはもう大臣に着任していますよ。昨年の十一月、内閣法制局で担当部長の審査が終わり、長官にも審査資料が入っていた。その段階で、勤務延長は一言も条文にはなかった。つまり、政策として勤務延長は必要ないと森大臣以下法務省全体で理解していたわけでございます。
 そこからどのような社会情勢の変化があって、日本中の検察官に勤務延長が必要になったのでしょうか。聞いたことだけに答えてください。(発言する者あり)

#133
○委員長(金子原二郎君) 御静粛にお願いします。

#134
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 これまで大臣から答弁申し上げていますとおり、検察官に勤務延長制度が適用されるという解釈は、検察法上、検察庁法上、検察官について勤務延長を認めない旨の特例は定められていないこと、検察庁法で定められている検察官の定年による退職の特例は定年年齢と退職時期の二点であり、国家公務員が定年により退職するという規範そのものは、検察官であっても一般法たる国家公務員法によっているというべきであること、特定の職員に定年後も引き続きその職務を担当させることが公務遂行上必要な場合に、定年制度の趣旨を飛び越えないような範囲で定年を超えて勤務の延長を認めるという趣旨は検察官にひとしく及ぶであるということ、ということを考えまして、今般、先ほど大臣が……(発言する者あり)

#135
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕

#136
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。

#137
○国務大臣(森まさこ君) 社会情勢の変化でございますけれども、昭和五十六年当時と比べ、どのように変わったかということを検討したものでございます。先ほど御答弁申し上げたとおり……(発言する者あり)

#138
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。御静粛に。

#139
○国務大臣(森まさこ君) 元山下担当大臣も頭にあったということですから、一つの論点ではあったわけです。
 昭和五十六年当時と比べ、どのように変化をしたかということでございます。例えば東日本大震災のとき、検察官は……(発言する者あり)

#140
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。

#141
○国務大臣(森まさこ君) 福島県いわき市から国民が、市民が避難していない中で、最初に逃げたわけです。そのときに身柄拘束をしている十数人の方を理由なく釈放して逃げたわけです。そういう災害のときも大変な混乱が生じると思います。また、国際間含めた交通事情は飛躍的に進歩し、人や物の移動は容易になっている上、インターネットの普及に伴い、捜査についても様々な……(発言する者あり)

#142
○委員長(金子原二郎君) 法務大臣、簡潔に、簡潔に。

#143
○国務大臣(森まさこ君) 多様化、複雑化をしているということを申し上げておきたいと思います。(発言する者あり)

#144
○委員長(金子原二郎君) 法務大臣、簡潔に。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#145
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
 この際、委員長より申し上げます。
 答弁者は、質疑者の質問に的確、適切にお答えいただくようにお願いいたします。

#146
○国務大臣(森まさこ君) 検察官の定年引上げに関する法律案については、昨年十月末頃に内閣法制局第二部長の審査が終了しましたが、法律案の提出には至っておりませんでした。そこで、本年の通常国会への提出に向けて、その提出までに時間がございますので、同法律案を改めて見直しながら検討作業を行ったものでございます。

#147
○小西洋之君 もう何度聞いても答弁拒否されますので……(発言する者あり)

#148
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。

#149
○小西洋之君 委員長、委員会に提出資料をお願いいたします。
 森大臣及び法務省が勤務延長を、先ほど答弁されました、法制局第二部長審査が終わった段階で不要と考えていた理由、そして、それを急遽必要と考えたその理由となる社会情勢の変化について、文書で出していただけますでしょうか。
 かつ、内閣法制局と法務省が持っている、その内閣法制局の審査資料ですね、昨年のもの、それを委員会に出していただくようにお願いいたします。

#150
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。

#151
○小西洋之君 もうテレビの前の国民の皆さんは、もう本当の真っ黒くろすけの法律違反が展開されていることを御理解いただいておりますが、もう答弁拒否の連発で持ち時間がなくなってくると、なくなっておりますので、更に決定的な証拠をお見せしたいと思います。
 フリップの五番をお願いいただけますか。国民の皆さんは、なぜ、まあ勤務延長は法律違反だということは御理解いただいたと思うんですけれども、法務省と安倍内閣がどのような不正行為を行ったのか、それを具体的に御説明をさせていただきます。
 昭和五十六年、国家公務員法に定年制度が設けられたとき、検察庁法には既に定年制度がございました。この定年制度、二つの法律、中身はもう共通でございます。一つ、①退職規範と書いています。これはどういうことかというと、公務員は政治家の好き嫌いで急に辞めさせられたりしてはいけませんから、公務員には身分保障が法律であるんですね。ところが、一定の年齢に達したときに、どんなに、黒川さんですけれども、働きたいと言っても無理やり辞めさせるのが定年制度ですから、この国家公務員が定年に達したときに辞めさせるという強制規範、義務規範、このことが退職規範というふうに言います。あとは、その退職の年齢と辞めるタイミング、時期、この三つが定められております。
 そして、昭和五十六年当時は、先ほど冒頭にやりました国家公務員法の別段の定めのある場合を除きで、この三つの国家公務員法の規範は検察官に及ばないというふうに国会が法律を作りました。
 それを安倍内閣はどう解釈変更したかですけれども、下の図ですね、国家公務員法、この青い枠の八十一条の二にある①から③の、丸のですね、先ほど申し上げた赤文字の辞めさせる規範、公務員を辞めさせる、強制的に辞めさせる規範が検察官に及ぶというふうに言い始めたんですね。これが解釈変更の肝なんです。
 なので、一月二十四日以前は、日本国の検察官は、検察庁法二十二条の辞めさせる規範にのみ基づいて定年退職していたんですが、一月二十四日以降は、もう一つの国公法の辞めさせる規範も背中に受けて退職させられるというオカルト現象が今起きているんですね、起きている。
 官房長に伺いますけれども、一月二十四日の解釈変更以降、森大臣下で、この検察庁法二十二の辞めさせる規範と国公法の八十一条の二、辞めさせる規範、この二つの規範を受けて定年退官した検察官は何人いますか。簡潔に答えてください。

#152
○政府参考人(伊藤栄二君) お答えいたします。
 本年一月二十四日以降本年三月六日までの間に定年退官した検察官は五名でございます。

#153
○小西洋之君 今答弁ありましたように、解釈変更後、森大臣下で定年退官した検察官が五名いるんですね。その定年退官した検察官に森大臣の名で渡された辞令通知を今からお示しします。フリップをお願いいたします。
 個人情報がありますので墨塗りをしていますけど、これは法務省からいただいたものでございます。一番下に令和二年と書いていますね、で、墨塗りしている法務大臣、これ森大臣のお名前が書いております。上の段ですね、検察庁法第二十二条の規定により令和二年○月○日限り定年退官、書いていますね。
 森大臣に伺います。
 国公法八十一条の二の退職規範、辞めさせる規範で、あなたの下の検察官、解釈変更後も定年退官してないじゃないですか。あなたの説明は全くの虚偽説明じゃないですか。

#154
○国務大臣(森まさこ君) 虚偽説明ではございません。
 検察官は六十五歳又は六十三歳に達したときに定年退官することになりますが、これは国家公務員法第八十条の二第一項を検察庁法第二十二条によって修正することによるものでございまして、人事異動通知書の異動内容欄に記載されている定年退官の年月日は検察庁法第二十二条の年齢の特例によって定める事項でございます。そのため、解釈変更後の人事異動通知書においても、従前の扱いどおり、検察庁法第二十二条の規定によりとの記載をしているところであり、このような扱いに特段の問題があるとは考えておりません。

#155
○小西洋之君 内閣法制局の第二部長、簡潔に答えていただきたいんですけど、内閣法制局も解釈変更、法務省認めているわけですけれども、一月二十四日以降は、この退職規範、先ほど私が申し上げているその強制的に辞めさせる規範は、検察官には検察庁法二十二、そして国家公務員法の八十一条の二、この二つが掛かる、それが政府統一見解であるという理解でよろしいですね。結論だけ述べてください。イエスかノー、結論だけ。

#156
○政府参考人(木村陽一君) 解釈変更後でございますので、検察庁法二十二条及び国家公務員法の八十一条の二、双方の適用があるものと解釈しております。

#157
○小西洋之君 明確に確認できました。
 次のフリップをお願いできますか。森法務大臣の法律違反を更にお示しをさせていただきます。
 実は、今申し上げた国公法の八十一条の二の辞めさせる規範と元々の法律の辞めさせる規範のダブルを受けて、両方受けて退官している国家公務員がいるんですね。これこそがまさに昭和五十六年に検察官と並んで除外された教育に関する公務員、今、文科省の国立研究所の方々なんですけれども、今は条文はずれて変わっているんですが、国公法の八十一条の二、これは変わりません、同じです。かつ、教育公務員特例法の規定により定年退官。
 森大臣に伺います。
 あなたの下で一月二十四日定年退官する検察官は、このように二つの条文を書かなければいけないんじゃないんですか。定年退官する検察官に失礼じゃないですか。日本中の法と証拠に基づいて正義を貫こうとしている検察官、その在り方を否定するような暴挙をあなたはしているんじゃないですか。

#158
○国務大臣(森まさこ君) まず冒頭、先ほどの答弁で八十一条の二第一項を八十条の二第一項というふうに言ってしまいましたので、ここ、八十一条の二第一項が正しいので訂正をさせていただきます。
 また、今の御質問に対しましては、人事異動通知書の異動内容欄に記載されている定年退官の年月日は検察庁法第二十二条の特例によって定まる事項であることなどから、解釈変更後の人事異動通知書においても、従前の扱いどおり、検察庁法第二十二条の規定によりと記載をしているところでございまして、このような扱いに特段の問題があるとは考えておりません。また、検察官の定年による退官は、人事異動通知書の交付を要件とするものではなく、定年に達したという事実のみに基づいて、当然かつ自動的に退職するものでございます。
 人事異動通知書は、確認の意味で、定年退官することとその日付を明示することに主眼があると考えられ、現在の記載もそれらの点は満たしていると考えられます。

#159
○小西洋之君 森大臣はでたらめな答弁をされましたけれども、森大臣の名前で定年退官する検察官に渡している辞令通知、そこに書かれている法律の条文は、先ほど申し上げた退職規範、退職させる規範そのものの条文が書いてあるということを、私は法務省の官僚の方、法務省から正式な組織としての回答を得ているところでございます。そういう意味で、森大臣のその答弁は虚偽答弁であるというふうに思います。
 では、次のフリップを出しますか。
 今お示しをさせていただいたものでございます。これも法務省からいただいたものでございますが、当の黒川検事長は、この国公法に基づく勤務延長、八十一条の二の次の八十一条の三というので勤務延長するんですけれども、それに同意すると、安倍内閣が行った一月三十一日の閣議請議資料に添付されていたものでございます。
 安倍総理に伺います。
 今、皆さん、安倍総理も始め答弁拒否の連発を一生懸命やっておられましたけれども、作ったときの国会の立法意思、検察官には勤務延長は適用除外である、それを具体的に表すために別段の定めがある場合を除きという条文を作った。そして、それが運用によって、人事院の通知によって法務省の事務次官にも何度も何度も通知をされていた。そして、解釈変更によって国公法でも退官することになったなどと言っていますけれども、退職辞令にはそんなことは書いていない。もうどこを見てもこれ違法ですよ、安倍総理。
 このような人事を、この黒川検事長ですけれども、検察のナンバーツーです。この方は、国公法の八十一条の三第一項の規定に基づき、同意しますと書いていますから、黒川検事長は、安倍政権がやった解釈変更を認めているわけですよ、合法としているわけですよ。
 安倍総理、このようなことは検察の独立を否定し、日本の法の支配を壊す、そして検察を、安倍総理、あなたの私物化、検察を私物化する暴挙ではないですか。

#160
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 全くその指摘は当たらないということをまず最初に申し上げたいと思います。
 検察官も一般職の国家公務員であり、国家公務員法の勤務延長に関する規定が検察官に適用されるとの今回の解釈については、検察庁法を所管する法務省において適切に行ったものと承知をしています。その上で、黒川検事長については、検察庁の業務遂行上の必要性に基づき、検察庁を所管する法務大臣からの閣議請議により閣議決定され、引き続き勤務させることとしたものであり、何ら問題はないと認識をしております。

#161
○小西洋之君 安倍内閣の閣議決定、そして今用意されている国公法の定年引上げによって、日本中の検察官、最高検、そして全国の八か所の高等の検事長、そして五十か所の検察庁、全ての検察の幹部が、政治家の意思によって、閣議決定によって任命される、勤務延長される、そうしたことが起きようとしております。
 是非、与党の先生方、自民党、公明党もこれ、だまされていたんです……

#162
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。

#163
○小西洋之君 元々の法案には入っていなかったんです。この安倍総理、安倍内閣による暴挙を国民の皆さんと政治家の力で、国会の力で止める、その決意、安倍内閣を打倒する決意を申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#164
○委員長(金子原二郎君) 以上で小西洋之君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#165
○委員長(金子原二郎君) 次に、吉川沙織さんの質疑を行います。吉川沙織さん。

#166
○吉川沙織君 立憲・国民.新緑風会・社民の吉川沙織でございます。
 国会における行政監視とは、行政の誠実ではない活動、つまり行政による不当、不適正な活動を国会でただし、改善を促していくことにあります。近年の公文書改ざん、障害者雇用水増し、統計不正は行政の不正そのものであり、行政にゆがみが生じていないかという観点から、この立法府が事実関係をただし、行政の適正性を確保していくことについては、与野党問わず、立法府の行政監視機能の発揮であり、異論はないはずです。
 総理は、三月四日の党首会談後記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大防止に取り組むに当たり、国家的な危機である旨述べておられます。
 官房長官に伺います。
 内閣の危機管理における緊急事態の例は何がありますか。

#167
○国務大臣(菅義偉君) 政府としては、平素から、危機管理に万全を期することが重要であるという認識の下に、速やかに対応できる体制を整えております。
 具体的な初動対処の体制でありますけれども、①として、地震災害、風水害、火山災害等の大規模な自然災害、二つ目として、航空、鉄道、原子力事故等の重大事故、三つ目として、ハイジャック、NBC・爆弾テロ、重要施設テロ、サイバーテロ、領海侵入、武装不審船等の重大事件、四番目として、核実験、弾道ミサイルや新型インフルエンザの発生など、国民を脅かす様々な事態を想定をし、事態発生及びその可能性のある事態を認知した場合には、関係省庁から情報収集等を実施をいたしております。

#168
○吉川沙織君 新型コロナウイルスの感染拡大に関し、内閣は、緊急事態、今官房長官おっしゃった分類に入っていますけれども、緊急事態として危機管理対応に当たっておられますか。

#169
○国務大臣(菅義偉君) 政府としては、初動対処に当たる必要があると想定している感染症に係る緊急事態、今お話をいただきました。まさに、この例えば重篤性、感染等に照らし危険性の高い感染症が国内発生をした場合などであり、今般の新型コロナウイルス感染症に係る事態はこれに当たると考え、初動に基づいてしっかり取り組んでおります。

#170
○吉川沙織君 新型インフルエンザや新型コロナウイルス等、国民生活の脅威となる感染症の蔓延に係る防止に際して、例えば政府において危機管理対応の指針、マニュアル等を策定しているかいないか、有無を教えてください。

#171
○国務大臣(菅義偉君) 国や地方公共団体などは、新型インフルエンザ等の発生に備え、取り組むべき対策をまとめた行動計画や業務計画の策定、これ義務付けられております。
 また、各府省でありますけれども、新型インフルエンザ等発生時において、各府省は、こうした新型インフルエンザ等発生時においてその機能を維持し、必要な業務を継続することができるよう、人員体制、物資、サービスの確保、こうしたことについて業務継続計画を策定をしております。
 なお、新型コロナウイルス感染症については、こうした既存の各種計画等を参考にしながら対応しているところであります。

#172
○吉川沙織君 あるものとないものがあるということでしたけれども、例えば、内閣官房の内閣審議官に伺います。
 国民の生命、身体等に重大な被害が生じるおそれのある感染症の国内蔓延防止のため、初動体制、こういうものを決めていると思うんですが、どれがそれに当たりますか。

#173
○政府参考人(松本裕之君) お答えを申し上げます。
 先ほど官房長官から御答弁がございましたように、新型インフルエンザの発生等がございました場合には、事態の発生及びそうした可能性のある事態を認知した場合には、関係省庁からの情報集約等を行っているところでございます。
 繰り返しになりますけれども、重篤性、感染性等に照らしまして危険性の高い感染症が国内発生をしたなどの場合に今回該当してございますので、新型コロナウイルス感染症に係る事態はまさに緊急事態であり、これに対して危機管理監を中心に政府の初動体制を取っているところでございます。

#174
○吉川沙織君 この場合の初動体制は、二〇〇三年十一月二十一日に閣議決定をされた緊急事態に対する政府の初動対処体制についてに基づいてでよろしいですね。

#175
○政府参考人(松本裕之君) お答えいたします。
 御指摘のとおりでございます。

#176
○吉川沙織君 では、続けて、内閣官房内閣審議官に伺います。
 では、緊急事態発生時の閣僚の対応についての指針はありますが、どれですか。

#177
○政府参考人(松本裕之君) お答えを申し上げます。
 平成十五年十一月二十一日でございますけれども、緊急事態発生時における閣僚の参集等の対応についてという閣議了解がございます。

#178
○吉川沙織君 法務大臣、これ御存じでしょうか。(発言する者あり)

#179
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#180
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。

#181
○国務大臣(森まさこ君) 緊急事態発生時における閣僚の参集等の対応については、各閣僚は、いかなるときにも連絡が取れるよう、各省庁において連絡先を明確にしておく等の対応について存じております。

#182
○吉川沙織君 法務大臣、御存じということで答弁がありました。
 なぜかといいますと、二〇一〇年五月十四日、参議院決算委員会で、法務大臣自身が、これら読みましたけれどもと質疑をなさっているものですから、御存じであるということを分かった上で今伺いました。
 緊急事態の発生時における閣僚の参集等の対応、今答弁いただきました。内閣官房内閣審議官からも、法務大臣からも答弁をいただきました。
 これ、緊急事態への備えについてと書いてあるんですが、一番と二番はいわゆるこれ在京当番について書いてあります。いかなるときにも連絡が取れるよう連絡先を明確にしておく。東京を離れる場合には、あらかじめ副大臣又は大臣政務官が代理で対応できるよう、各省庁等において調整しておく。
 今回の新型コロナウイルスの感染拡大については、先ほど冒頭、官房長官からも答弁いただきましたとおり、緊急事態の発生そのものです。フェーズが変わっているんです。ですから、法務大臣、二月十六日、欠席をなさった時点では備えの段階であったという認識でよろしいでしょうか。

#183
○国務大臣(森まさこ君) 今委員お示しの対応についての(2)でございますが、各閣僚が東京を離れる場合には、あらかじめ副大臣又は大臣政務官が代理で対応できるよう調整をしておくということでございまして、この日は大臣政務官の方が在京をしていたものでございます。

#184
○吉川沙織君 結局、この閣僚の参集の対応についてというのは、阪神・淡路大震災を契機に、こういうものが要るだろうということで内閣官房の機能強化をして、初動体制とともに閣僚の参集等について作られました。それ以降、在京当番といって、土日、大臣が東京を離れる場合には副大臣か政務官が必ずいましょうという、これはあくまで緊急に何かあったときの備えであって、今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、まさに冒頭、官房長官から答弁いただいたように、緊急事態そのものです。
 備えの段階であったということ、そして危機管理上のルールにのっとった対応であれば、法務大臣は問題ないとお考えなんでしょうか。もう一度お聞かせください。端的にお願いします。

#185
○国務大臣(森まさこ君) 危機管理上のルールにのっとった対応をしておりました。
 また、お尋ねの二月十六日でございますけれども、十八回開催されているうち、この令和二年二月十六日日曜日におきまして、東日本大震災及び原発事故直後の被災地復興のために設置していただいた……

#186
○委員長(金子原二郎君) 答弁は簡潔にお願いします。

#187
○国務大臣(森まさこ君) 金澤翔子さんの書道館に出ていたものでございますが、御指摘を踏まえて深く反省をしております。

#188
○吉川沙織君 法務大臣、今日までの答弁の中で、危機管理上のルールにのっとったというのを五回以上答弁なさっています。のっとっていないんです。
 この閣議了解をよく読むと、一番、二番のフェーズではなくて、もう緊急事態発生している。それを都合よく解釈をしてしまっているのではないでしょうか。これは、法務大臣のみならず、欠席をされたほかの二閣僚、現内閣総体としても同様だと思います。
 このように、過去の行政文書を恣意的に解釈、利用することは、結果として行政をゆがめることにもつながります。行政が適正に運営されているか検証するに当たっては、意思決定過程や行政の活動に係る行政文書が適正に作成、保存、管理されていることが欠かせません。
 このような観点から、以下、質問します。(資料提示)
 公文書管理法は、行政文書を始めとする公文書につき、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源としており、適切に作成、保存されることが求められます。この目的の達成に資するため、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、文書を作成しなければならないとしています。
 ここで、内閣府の総括審議官に伺います。
 行政文書の管理に関するガイドラインで、意思決定に関する文書作成に関しどのように定めているか、該当ページの該当項目、そのまま読んでください。

#189
○政府参考人(渡邉清君) ガイドラインのお問いかけがありました。
 ガイドラインの第三、作成の項で、文書主義の原則といたしまして、公文書管理法第四条に基づき、第一条の目的に資するため、意思決定過程や事務事業の実績を合理的に跡付け、検証できる、跡付け、検証することができるよう、軽微な事案を除き、文書を作成しなければならないとされております。

#190
○吉川沙織君 ガイドラインの十一ページの一番上に書いてある丸の、意思決定に関する文書作成のところを紹介いただきたいんですけれども。

#191
○政府参考人(渡邉清君) 恐れ入ります。
 十一ページの一番最初の丸でございます。そのまま読み上げさせていただきます。
 意思決定に関する文書作成については、①法四条に基づき必要な意思決定に至る経緯、過程に関する文書が作成されるとともに、②最終的には行政機関の意思決定の権限を有する者が文書に押印、署名又はこれらに類する行為を行うことにより、その内容を当該行政機関の意思として決定することが必要である。このように行政機関の意思決定に当たっては文書を作成して行うことが原則であるが、当該意思決定と同時に文書を作成することが困難であるときは事後に文書を作成することが必要であると記されております。

#192
○吉川沙織君 行政文書の管理に関するガイドラインには、意思決定に関する文書作成は、文書に押印、署名又はこれらに類する行為と書いてあります。
 それでは、続けて、このガイドラインに書いてありますけれども、決裁、決裁についてはどのように記述されているのか、同じく内閣府の総括審議官に伺います。十五ページに書いてあります。

#193
○政府参考人(渡邉清君) 決裁についての御質問でございます。
 ガイドライン上、決裁につきましては、決裁とは、行政機関の意思決定の権限を有する者が押印、署名又はこれらに類する行為を行うことにより、その内容を行政機関の意思として決定し、又は確認する行為をいうとされております。

#194
○吉川沙織君 意思決定に係る行政文書の作成も、それから決裁も共通している、押印、署名又はこれらに類する行為とされています。
 政府は、一月三十一日、東京高検検事長の定年延長を閣議決定しました。一九八一年の政府解釈では、検察官の定年は検察庁法で定めており、国家公務員法が定める定年延長は適用できないとしてきました。一月にこの解釈を変更した際、協議内容の決裁は口頭で行ったとの答弁が繰り返しなされています。
 ここで、総務大臣にお伺いいたします。
 総務省では、口頭で決裁を行うことはありますでしょうか。

#195
○国務大臣(高市早苗君) 決裁の方法は各役所において定められていると思いますが、総務省文書取扱規則によりますと、決裁は、起案はデジタルで行い、そして電子決裁を行っております。人事案件のみ、花押、署名という形で行っております。

#196
○吉川沙織君 総務大臣、二月二十八日の閣議後の記者会見でこうおっしゃっております。今の文書管理システムのシステムの起案様式と電子決裁、口頭で了解を得るような場合になりますが、これは決裁ではなく口頭了解と呼んでおりますと。これは総務省のウエブページにも載っております。
 では、法務大臣に伺います。
 法務大臣は口頭で決裁を行ったとしていますが、先ほど、意思決定に係る文書も決裁も、押印、署名又はこれに類する行為が要ると言っています。口頭では残念ながら押印も署名もちょっと難しいと思うんですが、これらに類するほかの行為で決裁を行ったということになるんですけれども、どのような方法で行われたんでしょうか。

#197
○国務大臣(森まさこ君) 今、吉川委員が御説明なさった文書の決裁についてのルールは、法務省では法務省文書取扱規則に定められております。そこで、文書の、吉川委員が言うような押印のような決裁を、文書に押印をする又は電子決裁のようなものを取らなければならないものは、法務省文書取扱規則の別表に定めがございます。今回についてはその別表に当たらないことから、口頭で了解したものでございます。(発言する者あり)

#198
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。御静粛に。

#199
○吉川沙織君 今までの政府の解釈を変えて定年延長をしているんです。軽微な意思決定とは到底言い難いと思いますし、私、衆議院の予算委員会の会議録を見ておりまして、二月二十六日、法務大臣は、決裁というのは行政機関の意思決定でございます、口頭の決裁もそれは多くございますと、これ二回もおっしゃっているんです。これは法治国家としていかがなものかと思いますし。では、大臣、教えてください。
 例えばですけど、平成十二年政令第四十一号、行政機関の保有する情報の公開に関する法律施行令に関しては、第十六条一項二号でこう定めています。当該行政機関の意思決定に当たっては文書を作成することを原則。例外、どのようなものがあるんでしょう。(発言する者あり)

#200
○委員長(金子原二郎君) 速記止めて。
   〔速記中止〕

#201
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#202
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 令和二年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、内政・外交の諸課題に関する集中審議を行います。吉川沙織君。

#203
○吉川沙織君 立憲・国民.新緑風会・社民の吉川沙織でございます。
 午前に引き続きまして、閣僚の皆様に、総理始め、質疑をさせていただきます。
 国会の役割は行政監視機能であります。行政が適正な活動をしているか否か、そしてまた、法律を変えるときは適正な手続にのっとってやっているかどうか、森大臣に午前の最後伺って、その口頭で決裁、その前にお伺いしたいんですけれども、これまで法務大臣は、口頭決裁においてこれを変更した、解釈を変更したとおっしゃっていましたけれども、午前の質疑で、その答弁で、口頭で了解と言い換えていませんか。

#204
○国務大臣(森まさこ君) 口頭の了解も口頭の決裁も同じ意味でございます。

#205
○吉川沙織君 今まで衆議院の予算委員会の審議通して、法務大臣は、解釈の変更の手続は口頭で決裁をした、何度も何度も答弁をなさっておられます。私も会議録拝読をいたしました。なぜ今日変えたんですか。

#206
○国務大臣(森まさこ君) いえ、本日だけでございませんで、口頭の了解と言っているときもございますし、すなわち、その決裁というのは何かと、これまでも御答弁しておりますとおり、行政機関が意思決定をすること、その決定の方法には様々なものがあり、書面に押印を押さなければならないことについては法務省の文書取扱規則に決まっているということを申し上げたものでございます。

#207
○吉川沙織君 今、法務省の文書取扱規則についてお触れになりました。
 原則、公文書管理法においても、行政文書の管理に関するガイドラインにおいても、文書主義の原則、これは公文書管理法第四条に定めがあります。軽微なもの以外は原則文書を作成、保存、そしてそれを運用する、そういったことが法の定めで法の趣旨なんですけれども、じゃ、作らなくていい、口頭で決裁をしていい、口頭で了解をしていいという例外は何でしょうか。

#208
○国務大臣(森まさこ君) 午前、吉川沙織委員が平成十二年行政機関の保有する情報の保有に関する法律施行令第十六条の二の例外は何ですかとお尋ねになって、この条文自体が今ございませんので、その例外は何ですかというふうに御質問なさいましたので、今は条文がございませんので私の方で答弁をお待たせをいたしましたが、今、吉川委員が公文書管理法四条というふうに言い直されましたので、公文書管理法四条ということで申し上げますと、文書は作成しております。

#209
○吉川沙織君 では、この国は、もう言わずもがな、もう言うまでもなく法治国家です。その法律の解釈をこの立法府での法案審査過程を経ずにお変えになったと。その文書があるのであれば、口頭で決裁とか口頭で了解ではなかったということでよろしいんでしょうか。

#210
○国務大臣(森まさこ君) 文書の管理、保有に関する公文書管理法、そして決裁に関する文書取扱規則について同時に御質問かと思いますけれども、文書の作成についてはしておりますし、この国会にも提出をしております。本件文書は、まさに現在も進行している検察官の定年引上げに関する法律案策定の過程において、その検討の前提として、現行の検察庁法の解釈について整理した文書でございます。
 それについて、書面、押印等の決裁をするかということは、またこれは取扱規則、民主党政権時代は決裁規程というものであったというふうに記憶しておりますが、それにのっとったルールで進めることになっておりまして、法務省文書取扱規則の別表に該当しないことから、書面に押印する形での決裁は取っておりますが、取っておりませんが、文書は作成してあります。

#211
○吉川沙織君 衆議院の予算委員会で何度も答弁をされたことと百八十度違う答弁内容ですので、私もかなり戸惑っております。
 私自身、今手元に、今法務大臣が答弁の中でお触れになった法務省行政文書管理規則、持っております。これには、大原則で、文書主義の原則、これが第三章の冒頭で、大原則です。で、別表一の業務に係る文書作成、これを素直に読めば、これ、別表一に書いてありますのは、特に作らなければいけない、それ以外のものも作るのが原則で、軽微なもの以外は作らなければいけないというのが公文書管理法の趣旨であるんですけれども、今の法務大臣の答弁はおかしいと思いますが、いかがでしょう。

#212
○国務大臣(森まさこ君) ですから、文書は作成してあります。そして、国会に提出してあります。

#213
○吉川沙織君 決裁が口頭決裁だったのに、どうやってそれを提出されたんでしょう。

#214
○国務大臣(森まさこ君) 吉川沙織委員に御答弁申し上げます。
 文書の作成と文書の決裁は別の問題でございます。
 文書は行政行為の中で大量に作成されるものでございます。作成された文書をどの程度保有しておかなければならないかということがまた公文書管理法に定められ、そのうち決裁、つまり書面押印の形での決裁については取扱規則に定められております。取扱規則の別表第一に該当しないことから、書面に押印する形での決裁は取っておりません。

#215
○吉川沙織君 今法務大臣は、別表第一に該当しないとおっしゃいました。逆に、この別表第一をよく読むと、事項、法令の制定又は改廃及びその経緯、一、法律の制定というところにあります。
 さっき、午前中のやり取りの中で、例えば今回の国家公務員法の関係に関しては、秋の臨時会から作業をしていた。それが年をまたいで今になったということは、まさにこれ、法律の制定又は改廃及びその経緯に当たりますから、最も残すべき文書であるのに違いないんですけれども、今までの口頭決裁を口頭で了解と変え、そして別表第一に最も該当する文書であるにもかかわらずそれを該当しないと言い募るということは、法治国家そのものが崩れていきかねないような、このような懸念を抱いております。
 この件については引き続き問うていきたいと思います。法治国家そのものの根底が、しかも、法律は、この国会で、この立法府で議論されなければ成立をいたしません。それを解釈で変えて、後から法律をこの立法府に出して審議して、後付けで、何より公文書管理法と行政文書の管理に関するガイドラインはその成立過程が跡付け、合理的な跡付けができるよう定めていますので、その趣旨にももとるものですから、法の趣旨を踏みにじるものであると言わざるを得ません。
 行政文書の管理に関するガイドラインには、歴史的緊急事態に対応する会議における記録の作成の確保について記述がありますが、内閣府総括審議官、十三ページの一番上に書いてあります、お答えください。

#216
○政府参考人(渡邉清君) 歴史的緊急事態に対応する会議等における記録の作成の確保についてのお尋ねでございます。
 ガイドライン上、「国家・社会として記録を共有すべき歴史的に重要な政策事項であって、社会的な影響が大きく政府全体として対応し、その教訓が将来に生かされるようなもののうち、国民の生命、身体、財産に大規模かつ重大な被害が生じ、又は生じるおそれがある緊急事態(以下「歴史的緊急事態」という。)に政府全体として対応する会議その他の会合(第三及び第八の留意事項において「会議等」という。)については、将来の教訓として極めて重要であり、以下のとおり、会議等の性格に応じて記録を作成するものとする。」となっております。

#217
○吉川沙織君 冒頭、午前の質疑の冒頭で、今回の新型コロナウイルスの感染拡大若しくは新型コロナウイルスの出てきた時点で、これは内閣における危機管理の中の緊急事態に当たりますか、当たりませんかということで、官房長官に、該当すると答弁をいただきました。
 その中の緊急事態の文言と、このガイドラインに書かれております歴史的緊急事態の文言はほぼ一緒であります。また、その教訓が将来に生かされるようなもののうち、国民の生命、身体、財産に重大な被害が生じる、又はそのおそれがあるもの、これに関しては記録を残す必要があると思います。
 午前の蓮舫議員との質疑において、総理はこれを作成を指示すると答弁なさいました。ただ、この行政文書の管理に関するガイドラインでは、公文書管理担当大臣が歴史的緊急事態に該当するかにおいて閣議等の場で了解を得て判断するとなっていますが、午前中の質疑では、今申し上げましたとおり、総理が指示すると答弁されました。
 この答弁をこれもまた素直に解釈するならば、行政文書の管理に関するガイドラインとは異なりますが、公文書管理担当大臣、機能していないということではないですよね、総理。

#218
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、そういうことではございません。
 午前中に答弁させていただいたところでございますが、歴史的緊急事態の中において、このガイドラインにおいて定められているわけでございますが、これはもう既にこの定義については申し上げましたのでこれは省かさせていただきますが、この早期指定についてのお話がございましたので、新型コロナウイルス感染症の発生及びその蔓延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えることが懸念される状況に鑑み、新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案を提出するのに合わせて、政府として今般の事態を歴史的緊急事態とすることとしたいということでございまして、いずれにせよ、今回の事案については、担当省庁において、事後的な認定を待つことなく、適切にまた検証可能なように文書を作成、保存しているものと認識をしておりますが、今後、この更なる徹底を指示をしていきたいと、こう考えているところでございます。それについては、もちろん北村大臣の下に徹底をしていただきたいと、こういうことでございます。

#219
○吉川沙織君 行政文書の管理に関するガイドラインの中では、こういった記録の作成について、あらかじめその指定をされる前に文書が適切に保存されるように指示を出すというような項目もあるんですけれども、既にそういう、各府省に対してそういう指示とか、各府省に対して注意喚起とか、公文書管理担当大臣、なさっていますか。

#220
○国務大臣(北村誠吾君) 行政文書の管理に関するガイドラインにおきましては、歴史的緊急事態に対応する会議については、将来の教訓とするために、議事の記録、決定文書、配布資料を作成することとされております。御承知のとおりです。
 他方で、新型コロナウイルスについては、状況は刻一刻変化しておりますから、政府の総力を挙げて被害の防止に取り組んでいるところでございます。
 よろしいですか。(発言する者あり)

#221
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕

#222
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。

#223
○国務大臣(北村誠吾君) いずれにせよ、今回の事案につきましては、担当省庁において、歴史的緊急事態の認定を待つことなく、適切にまた検証可能なように文書を作成、保存しているものと認識しておりますけれども、私も公文書管理担当大臣として今後更なる徹底を働きかけてまいりたい、そう考えております。

#224
○吉川沙織君 多分これからやっていきたいという御趣旨の御答弁でございましたので、早急に、適切な書類が、文書が保存されていなければ、幾ら朝、総理がこれからそういうのをやっていきますと明言をされたとしても、作ろうと思ったときに何も材料が各府省に、該当府省に残っていないということにもなりかねませんので、是非、公文書管理担当大臣、リーダーシップ取ってやっていただきたいと思います。国民共有の知的資源が公文書ですから、是非よろしくお願いします。
 逆に言うと、この歴史的緊急事態というのは、この公文書管理担当大臣が閣議で言って了解を得なければそれになりません。じゃ、そういうのを、いとまがないときに、例えば緊急事態に該当するような事案で政府の対策本部等が設置されるような事案については、必ず作るという立て付けに、記録を残すというふうにガイドラインを改めた方がよいのではないでしょうか。それこそが公文書管理法の趣旨にかなうのではないかと思うんですけれども、官房長官、何かあればお願いします。

#225
○政府参考人(渡邉清君) ガイドラインの歴史的緊急事態に対するお尋ねがありました。
 歴史的緊急事態、まだ発動例もないということでございますので、これからいろいろな今後の教訓などを検討するに当たりまして、また必要に応じてどのような対応をするのがいいのかというのを考えていきたいと、勉強させていただきたいと思っております。

#226
○吉川沙織君 この今回の新型コロナウイルスの例えばクルーズ船の下船は政治判断ではない、学校の一斉休校は政治判断だ、そういうのが繰り返される中で、国民は右往左往させられ、そして、もしかしたら、総理や厚労大臣の足下の国家公務員で昼夜を分かたず頑張っている皆さんも、もしかしたらその決定に一生懸命従おうとして、国民の生命、身体、財産を守るためにやっていただいていると思います。でも、その意思決定過程がどうだったのかは残していかなければなりませんし、何より発動例がないと今、内閣府総括審議官おっしゃいました。
 これ、二〇一三年の五月二十二日参議院本会議で、金子予算委員長が、当時決算委員長でした、決算委員長が、内閣に対する警告としてこういうのをやるべきじゃないかとおっしゃって、二〇一四年の三月二十八日参議院決算委員会で、そういうのをやりましょうと、それにお答えになった麻生財務大臣が、個別の事態が歴史的緊急事態に該当するか否かを公文書管理を担当する大臣が閣議の場を、了解を得て判断しと、適切な運用を図ってまいる所存でありますと、これ財務大臣が答弁していて、両方とも実は金子現予算委員長が決算委員長のときの会議録に残っています。
 ですから、発動例なかったとしても、これ、東日本大震災の教訓を踏まえて、さんざん指摘いただきました、それ踏まえてできたものですから、こういうときに本当に迅速に指定をすることが、まあ朝の答弁で総理がそう明言をされましたけれども、本当に必要なものが残っているかどうか、早急に指示を出していただきたいと思います。
 それでは、今朝八時五十分にGDPの二次速報が公表されましたけれども、その受け止めについて、総理、について伺います。

#227
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本日、改定値が公表された昨年十―十二月期のGDPは、設備投資等が下方改定されたことから、一次速報から下方修正されました。全体としては、主に個人消費が、消費税率引上げに伴う一定程度の反動減に加え、台風や暖冬の影響を受けたことから、前期比マイナスとなっています。その上で、足下では新型コロナウイルスの感染が世界的な広がりを見せる中で、海外からの観光客の減少に加え、工場の製造ラインを維持できるのかといった不安も拡大しているところであります。
 新型コロナウイルス感染症が景気全体に影響、与える影響に対しては、二十六兆円の総合経済対策を着実に実行していくとともに、世界経済の動向も十分に注視しながら、そのインパクトに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策を行ってまいります。

#228
○吉川沙織君 政府は、先月の月例経済報告で、景気は緩やかに回復しているとの判断を維持され、先週金曜日、参議院本会議で総理は同じ答弁をなさいました。
 総理は、アベノミクス新三本の矢として、二〇二〇年頃に名目GDP六百兆円を達成するとされていましたが、今御答弁の中にもありましたけれども、現下の経済状況からすると、達成の可能性は残念ながら極めて低いのではないでしょうか。依然、この名目GDP六百兆円の目標を達成できるか、できるとお考えかどうか、総理の御所見あれば伺います。なかったら結構です。

#229
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二〇二〇年頃ですね、六百兆円、名目GDPの六百兆円を達成すると、頃ですね、達成するという目標を立てているところでございますが、引き続き、政策運営に万全を期しつつ、人材投資や生産性向上など、あらゆる政策を総動員していきたいと、こう考えているところでございますし、先ほども答弁の中で申し上げましたように、現下のこの状況において、世界経済の動向も十分に注視しながら、そのインパクトに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策を行っていきたいと考えております。

#230
○吉川沙織君 今日発表された数値を基に計算しますと、二〇一九年一―十二月、名目暦年GDP実額は五百五十三兆九千六百二十二億円、二〇二〇年暦年に名目GDP六百兆円を達成するには八・三%の名目経済成長率、これ達成しなければなりません。
 総理は、今から二年前の二月二十六日の衆議院予算委員会で、名目GDPは二〇二〇年に五百九十八・四兆円だから大丈夫だとおっしゃっていたんですけれども、でも、これも実はこのGDPの計算、これ二年前の三月一日の予算委員会でも取り上げましたけれども、この名目GDPの計算、基準を二〇一六年の十二月に改定して、その改定幅によって三十一・六兆円増えたという経緯もございます。
 この目標、このときに、二〇一五年の九月に総理は、二〇二〇年頃、名目GDP六百兆円というのを掲げられたんですけれども、これも当時、毎年三%ずつ成長していけば六百兆円になるというのが予測されただけですので、そういった意味では明確な根拠というのは果たしてあったのかということ。それから、今答弁の中で、マイナス成長となった要因について、台風や暖冬の影響を前面に押し出されているようにも感じます。
 この名目GDP六百兆円の目標というのは、例えば気候変動や、それから今回のような様々なショック等を織り込んだ上で設定なさっていたのかどうか。もし御見解あれば、お伺いします。

#231
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、これは例えばリーマン・ショック級のような出来事が世界経済の中で起こればそれは達成できないわけでございまして、それをあらかじめ織り込むということはないのでございますが、他方、今般の予算につきましては、米中の貿易摩擦あるいはブレグジットの問題等々についてあらかじめ下方圧力に対する対応として盛り込んでおるわけでございまして、二十六兆円の総合経済対策を、そうしたものを織り込みながら、そうしたものをそうした予算としたところでございますが、そうしたものを着実と、着実に実行していきたいと、こう考えております。
 また、現下のこのコロナウイルス感染症の影響、これは日本だけではなくて今世界全体に広がっているわけでございまして、そうしたものを見据えながらそのインパクトに見合うだけの対策を行っていきたいと、こう思っているところでございます。

#232
○吉川沙織君 今の第二次現政権は、この目標設定の後ですけれども、二〇一七年の半ば頃から、証拠に基づく、根拠に基づく政策立案、いわゆるEBPMというのを推進されておられますので、二〇二〇年頃、名目GDP六百兆円というのも明確な根拠に基づいて設定されたのかという観点でお伺いいたしました。
 もう一つ伺います。今、これによって大きな影響出ていますけれども、観光立国の推進についてです。
 政府は、成長戦略の一つとして、二〇一六年の明日の日本を支える観光ビジョン構想会議において、二〇二〇年に四千万人の訪日外国人旅行者数を設定をされました。これの根拠、教えてください、総理。

#233
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 訪日外国人旅行者数を二〇二〇年四千万人とする目標は、設定当時、これ二〇一六年でございますが、我が国のインバウンドのこの趨勢でございます、それと、この世界の旅行市場の動向等を踏まえた上で、更なる政策的努力を上乗せして一層の高みを目指すものとして設定をしたものでございます。

#234
○吉川沙織君 私も気になって会議録検索してみましたら、その根拠を問うやり取りが四回ほどあって、今、何というんですかね、前倒しして、それから最近のインバウンド市場の趨勢等を踏まえ、更なる政策的努力を上乗せし、一層の高みを目指すため、二〇二〇年には四千万人と、こう答弁が繰り返されていて、その答弁を聞いた与党議員は、要は気合で目標を決められたんですねとやり取りがなされているぐらいです。
 例えば、この政策評価、こういう政策、施策を掲げたからこの根拠は何ですかというような政策評価の表があります。これ、見てみますと、訪日外国人旅行者数のところで業績指標の選定理由を見てみますと、二〇一六年三月に策定した観光ビジョンにおいて二〇二〇年四千万人という目標を定めたことを踏まえ、これを目標値に設定するという、政府の会議で決めたからそれを目標値に設定しましたと書かれていますけれども、本来、そもそも目標管理型の政策評価において業績指標はどのように設定すべきが筋でしょうか、総務大臣にお伺いします。

#235
○国務大臣(高市早苗君) 一般論として、目標管理型の政策評価、各行政機関の政策の特性に応じて行うべきものでありまして、これは事前の目標設定でも同様です。
 その上で、総務省は、目標設定につきまして、可能な限り現状や課題をデータなどのエビデンスに基づいて分析し、達成すべき目標、目標達成に必要な手段、目標の達成度を測定するための指標とその指標を採用するに至った理由を明らかにすることが望ましいという考え方を各行政機関に示しております。

#236
○吉川沙織君 今総務大臣から御答弁いただきましたように、できる限りデータとかエビデンスが大事だと、こうされていますが、当時はよかったんですけれども、一たびこのような新型コロナウイルスの感染拡大が広がってしまいますと、例えば衆議院の予算委員会の答弁で、二〇一九年の訪日中国人旅行者数九百五十九万人、全体の三〇・一%、インバウンド消費のうち中国人の方の割合、約三七%という答弁も出ています。
 この訪日外国人旅行者数の目標設定に当たっての課題、これ人数最優先でやってしまって、しかも中国を中心とする特定マーケットへの依存を修正すべき議論も行われてよかったんじゃないかと思います。この新型コロナウイルスの感染拡大対策では、そのツケが半ば回ってきたということも否定できないのではないかと思っています。
 ここで、厚労大臣に伺います。
 今、GDPの二次速報も悪化をして、景気後退局面も大いに懸念をされます。雇用面でも甚大な影響があります。非正規雇用、フリーター、障害者、そして就職氷河期世代。政府はようやく重い腰を上げ、この三年間で就職氷河期世代への雇用確保のための集中支援に取り組むとされていますけれども、今般の事案で打撃を受けているのが非正規雇用労働者である就職氷河期世代であると思います。
 リーマン・ショックとか、その都度影響を受けている。今回もまたその影響を受けることがないよう政府として緊急に対策講じるべきではないかと思うんですが、御所見を伺います。

#237
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の新型コロナウイルス感染症の影響で雇用にどういう影響が出ているのか。一つは、中国人観光客を顧客とする観光バス事業を中心に解雇等が既になされていること、観光関連産業では、中国人観光客等からのキャンセル、航空便の縮小の影響により、今後雇用調整の可能性があること、自動車を始めとした製造業では、中国の工場からの部品が調達できず事業に支障を来しており、休業等を検討しているという報告が都道府県の労働局を通じて上がってきております。
 こうした中で、事業主の皆さん方には正規、非正規を問わず雇用維持の努力をお願いをしておりますけれども、厚労省としては、一つは、雇用調整助成金の特例措置の要件緩和に加えて、自治体の長が住民等への活動の自粛を要請する旨の宣言を発している地域においては非正規雇用労働者の方も支援対象とする措置の実施、あるいは、小学校等の休校等に伴い職場を休まざるを得なくなった方々に対して、正規、非正規を問わず、休暇中に支払った賃金相当額の全額を支給する新たな助成金の創設、これらを行うとともに、経済団体にもそうした要請を行っているところであります。

#238
○吉川沙織君 リーマン・ショックの際、例えば多くの学生が内定取消しに遭う事態が発生しました。来月から新年度です。今後の景気悪化を見込んで、あってはなりませんけれども、内定取消しの憂き目に遭っている学生がいないことを心から願いたいんですけれども、例えばこういう事態が発生しているとかしていないとか、厚労省として把握、対応する必要があるのではないかと思いますが、大臣の御所見、伺えればと思います。

#239
○国務大臣(加藤勝信君) 内定取消しについては、職業安定所等に通知をしていただくということになっております。
 現時点でそうした事案は一件、届出が出ているのは一件ではありますけれども、まだこれからこうした事態があることも十分想定しながら、できるだけ雇用の維持に努めていただくことと同時に、仮にそうしたこと、採用内定の取消しを受けた方に対しては就職先を別途確保する等、ハローワーク等々を通じて努力をしていきたいと思います。

#240
○吉川沙織君 リーマン・ショックのときも、本当に多くの生徒、学生さんが内定取消し、今後の経済状況とか景気の悪化が見込まれるからという理由で、ある意味、労働契約法違反なんですけれども、そういう事態が残念ながら多く発生しました。今回も発生しないとも限りませんし、非正規雇用の方、フリーターの方、様々な対策、感染の拡大の封じ込めにもお忙しいと思うんですけれども、是非力を、そしてそこに光を当ててほしいと思います。
 総理は、あした、十日ですね、新型コロナウイルス感染拡大に対応するため緊急対応策第二弾を公表するとされていますが、この財源については今年度の予備費を活用するということで、改めて、その活用されるかされないかだけ教えてください。

#241
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、今年度のまだ残っている予備費を活用させていただきたいと考えております。

#242
○吉川沙織君 予備費の制度は、これ日本国憲法に基づくものであり、予算編成時に予期し得なかった事態に対して機動的に対処するため、内閣に歳出権限の裁量を与えるものです。新型コロナウイルスの発生はまさに予期し得ない事態であり、これに予備費を充てて対応すること自体は否定されるものではないことは承知しています。
 しかし、この立法府には予算の審議権があります。そして、今は国会開会中です。いつでも審議ができます。新型コロナウイルスに対処するための財源と経費については、本来、補正予算を作成し、編成し、国民の代表たる国会議員が集う国会において議論を行い、できる限り、どのような内容、金額を使用するつもりであるのかを国会に提示し、民主的統制を図るのが本来的な在り方ではないかと思います。
 ここで財務大臣に伺います。
 総予算審査中に、つまり、今の例で申し上げますと、今は四月からの新年度予算の審議中です。四月からの新年度予算を審議しているときに、今現在の、その当該年度の補正予算を提出した直近の事例について財務大臣に伺います。

#243
○国務大臣(麻生太郎君) 村山富市内閣、御記憶かと思いますが、村山富市内閣のときに何が起きたか。阪神・淡路大震災が起きました。あれ、一月何日だったんだと記憶しますがね。したがいまして、当該年度は前年度の予算でということになりますので、補正予算を組ませていただいたのが二月、それが最近の例です。

#244
○吉川沙織君 今財務大臣から御答弁いただいたのは一九九五年の例です。阪神・淡路大震災が一月十七日に発生をしました。予備費の使用を決定したのは二月の二日です。二月二十四日に、平成七年度予算案審査中に平成六年度第二次補正を国会に提出をしました。
 予備費で対応することが認められているのは、もちろんそのとおりです。でも、これは国会の事後承認が必要です。予備費の性質上、機動的な対応が取れるというのも理解できます。しかし、今申し上げたように、阪神・淡路大震災での対応では、次年度予算案審査中に、予備費も使用した上で、当該年度の補正予算案をちゃんと国会に提出しています。全てを予備費で賄うのではなく、予備費を使用しつつ補正予算を編成し、国会による民主的統制に服しています。
 新型コロナウイルスに関しても、冒頭、官房長官の答弁で、今回の新型コロナウイルスの発生、感染拡大はこの内閣における危機管理の中の緊急事態の例に当たると答弁をいただきました。もし、発生早期、本当に中国で発生した後すぐにこれは大変だと思ったら、補正予算案を国会に提出することもできたはずです。
 総理、なぜ補正予算案提出しなかったんでしょう。

#245
○国務大臣(麻生太郎君) これ、先ほども御審議があっておりました予算案につきましては、これは予備費につきましては、憲法上の、財政法等々、憲法に基づいて、予見し難い形で予算が不足した場合に充てるとか、また、国会で議決を得た金額の範囲内で使用できるとされるとか、いろいろ決まっておるのは御存じのとおりですが、今言われましたように、補正予算につきましては、これ財政法に基づいて、予算編成後に生じた事由により特に必要となった、緊急に必要となった経費の支出を行う場合に、内閣は補正予算を編成し、これを国会に提出することができるとされておるのは、もうこれまでの法律を申し上げているとおりです。
 今回のことに関してはどうしてかということなんでしょうけれども、今般の新型ウイルスによる感染症につきましては、令和元年度の予備費を使用するとの総理指示を踏まえまして、二月の十三日に政府として第一弾の緊急対策を取りまとめ、さらに、明日十日を目途に予備費を活用して第二弾とすることといたしておりますが、目下こういったような状況で、その今の範囲、予算と目される、今挙がっております予算にはそれで対応できる範囲内だと思っているからであります。

#246
○吉川沙織君 対応できる範囲内とおっしゃいましたが、残りの予備費は約二千七百億円です。新型コロナウイルスにより既に様々な形で国民生活に甚大な影響が生じ、これが更に残念ながら拡大する可能性が高い中、これら全てを今年度の残りの予備費だけで賄おうとすると、予算の制約から十分な対策が講じられない可能性も懸念されるのではないでしょうか。また、来年度予算案には、例えば新型コロナウイルス感染症対策費というような項目は一切ありません。
 むしろ、政府が当初から強い危機感を持ち、緊急事態であると認識して対応していれば、早期に補正予算を提出して、この国会で民主的統制を図ることができたのではないか。行政の適正性確保を含めて、これからも立法府に身を置く議会人の一人としてチェックをしていきたいと思います。
 ありがとうございました。

#247
○委員長(金子原二郎君) 以上で吉川沙織さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#248
○委員長(金子原二郎君) 次に、伊藤孝恵さんの質疑を行います。伊藤孝恵さん。

#249
○伊藤孝恵君 冒頭、総理に伺います。
 今、社会全体を覆うそういった不安感はデマを生み、買占めや便乗値上げ、高額転売、詐欺、盗難、そして差別や誹謗中傷も生んでおります。こういった我々が新型コロナウイルスを正しく恐れる、正当に怖がる、そのために今何が必要なんだと思われますか。

#250
○内閣総理大臣(安倍晋三君) こうした、まだ未知の部分の多い感染症が拡大することによって、どうしてもこの不安が生まれるわけでございます。その不安の中において身を守る行動を取るのは当然のことでございますが、そうした際に、社会不安につながらないように政府として正しい情報を発出していくことが大変重要であろうと、このように思います。
 例えば、トイレットペーパーが店頭から消えるという事態になったのでございますが、トイレットペーパーはほぼ一〇〇%近く日本の国内で生産されておりますので、生産余剰、あるいは在庫も十分にあるわけでございまして、そうした在庫の状況等をしっかりと発信をしていくことも大切だろうと。また、次に、生理用品自体がなくなるのではないかということも今流布されているわけでございますが、これも一〇〇%国産、国内で作られているものでございますから、そうした発信もしっかりと行っていきたいと、こう考えております。

#251
○伊藤孝恵君 私も、正しい情報、それを総理が、責任ある方がワンボイスで伝える、そのことが非常に大事だと思います。例えば、総理が決められた一斉休校や入国制限など、総理の御判断は、どんな根拠によって、それは何の狙いで、そしてそれをいつまで続けられるか、そういったことをしっかりと発信をしていただきたく思います。国民との信頼関係も、国会の議論は、その礎は共に正しい情報だというふうに思います。
 政府の対策本部の下に設置された専門家会議が二月二十四日、これからの一、二週間が急速な拡大か終息かの瀬戸際となると表明いたしました。今日がその二週間目に当たります。政府が一定の目安と言われたイベントの自粛要請の期限まではあと六日です。期限を示して国民の行動制限をした以上、その評価や結果も国民に示さなければなりません。
 加藤大臣は、既に昨日のテレビ番組で、自粛要請を継続するのか、経済活動しながらのリスク回避策を示すのか、十五日が一つの判断時期になると述べられました。
 三月十五日にどんな指標を基に誰が判断をし、それをいつ公表するのか。検討過程の議事録を取っておくおつもりがあるのか。総理、御答弁ください。

#252
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 議事録等々については、先ほど北村大臣からも、また私からも答弁をさせていただきましたが、この今の状態が歴史的な緊急事態に当たるということに鑑み、それにのっとって、そうした言わば文書等についてですね、公文書等について作成し、法令にのっとって作成し、提出をさせていただきたいと、こう考えているところでございます。

#253
○伊藤孝恵君 総理が提出するとおっしゃったのに出てこないので、今不安に思っているわけです。北村大臣の答弁でも総理の答弁でも、よく分かりませんでした。
 この議論の過程というのは必ず残して、例えば一時的には音声でもいいから残して、それを必ず文字に起こして、そして国会に提出していただく、その認識で間違っていませんか。

#254
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、歴史的緊急事態の早期指定について、先般の審議の中でも言及があったところでございますが、新型コロナウイルス感染症の発生及びその蔓延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えることが懸念される状況に鑑み、新型インフルエンザ対策特別措置法の一部を改正する法律案を提出するのに合わせて、政府として今般の事態を歴史的緊急事態とすることとしたいと、このように考えております。
 いずれにせよ、今回の事案については、担当省庁において、事後的な認定を待つことなく、適切に、また検証可能なように文書を作成、保存をしているものと認識しておりますが、今後更なる徹底を指示をしていきたいと、このように考えております。

#255
○伊藤孝恵君 総理からの徹底した指示により、その文書を国会に御提出いただく、お約束いただきました。
 ちなみに、今日が、その二月二十四日、これからの一、二週間が急速な拡大か終息かの瀬戸際になると言われたその瀬戸際のデッド、二週間目に当たるという認識でよろしいんですか。総理の答弁が、いつ聞いてもこれからの一、二週間とおっしゃるので、確認です。

#256
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私、いつも申し上げているのは、これからの一、二週間が瀬戸際であるという専門家の提言を受けてということでございますから、当然それは提言を受けたときから一、二週間ということがですね、ということであると。そして、その後どうなるかということの判断等については、これは厚労大臣が常に、既に、この国会ではございませんが、述べているとおりであろうと、このように、それは当然述べているとおりでございます。

#257
○伊藤孝恵君 総理が、一斉休校のときも、入国制限のとき、一連の判断において、この専門家会議に諮っていなかったこと、それからWHOの示す数字を参考にせずにお決めになったことというのが、これまあ日本中知っているわけですね。だから、今回また専門家の意見をというふうにおっしゃいましたけれども、専門家の意見の医学的根拠、数的根拠などによって今日が自粛の、瀬戸際のデッドラインというふうな御認識でいるということ、確認させていただきました。
 また、我々は、根拠のない政治判断によっていろいろ日常が変わってしまうということに、先行きも分からない、それが非常に不安の根底にあります。
 例えば、総理、一斉休校を言い出したのは二月二十七日木曜日夕方でしたね。うちには五歳と六歳おりますけれども、中一日あって土曜日が会見でした。そして、日曜日を挟んでもう月曜日から学校に行かないわけですね。この営業日が中一日しかないというのは、もうそれはそれは、総理にとってはささいなことかもしれませんけれども、私たち、身一つじゃないわけです。子供たちを、一人でお留守番できない子供たちを一分の隙もなくどこかで預かっていただかなきゃいけない、自分が見ていなきゃいけない、そういったものを調整するのに中一日では非常に苦しい。
 今回、十五日というふうに加藤大臣おっしゃいましたけれども、十五日、これ日曜日なんですよね。十五日に判断をし、そして迅速に公表したとしても、翌日月曜日から普通の生活に戻ることなんてできません。一体、いつ、何の根拠に判断をして、そしていつ公表されるのか、そのめど、もう一度教えてください。

#258
○国務大臣(加藤勝信君) これは、専門家の方々から、こうした施策、要するに感染防止措置をとった、そして、実際効果が現れるまでこれ二週間を見ていかなきゃいけない。それから、二週間たったらすぐ数字が上がってくるわけではありません。その数字を刈り取るというか収集して、そして分析をするにも一週間程度、場合によってはもう少し掛かるかもしれません。そういうことを含めて私は申し上げたということであります。
 いずれにしても、専門家会議で今引き続き分析をしていただいていますから、そういった分析を見ながら、また最終的に政府としての方針を決めていくと、こういう流れになると思います。

#259
○伊藤孝恵君 であるならば、これから二週間が三月二十三日月曜日ですね。そこで効果が現れる二週間を取ったとして、効果分析に一週間取るとおっしゃった、ということは三月三十日ですね。そうしたらば、取りあえず三月いっぱいはこのような自粛要請続きますよというのに、早めに発出していただかないと、私たち、特に子育て世帯、どうしたらいいか分かりません。
 もう一度答弁お願いします。

#260
○国務大臣(加藤勝信君) いや、私、今から効果が、防止措置をとったわけじゃありません。既に防止措置をとっております。先ほどあった、二十六日にたしか事業、大規模イベントの自粛、二十七日が小中高の臨時休業だというふうに記憶をしておりますけれども、そうした一連の措置をとって効果が出るまで二週間、プラス一週間前後をまた分析に掛かり、それを踏まえた判断、こういうことになっていくんじゃないかということを踏まえて、先日、テレビ等でもそういうことを申し上げたということであります。

#261
○伊藤孝恵君 分かりやすく、では、三月の下旬とか中旬とか、そういっためどがもし今大臣の中にあるなら教えてください。そして、それをいつ広く国民に対して広報していただけるんでしょうか。

#262
○国務大臣(加藤勝信君) いずれにしても、今日、またその関係含めて専門家会議を開くことにしておりますので、そこでどのぐらい分析に掛かるのかという一定の目安もお示しいただきながら判断を、まずは当面どのぐらいか、そしてその段階で次どうするかといったスケジュール感をお示ししていくということになるんだと思います。

#263
○伊藤孝恵君 発表する目安がいつです、このいつですを言っていただくだけで全然違うんです。どうか頭の隅に置いておいていただければと思います。
 加藤厚労大臣に引き続き、武漢では一旦回復した患者が再び陽性になるケースが相次いでおり、退院後十四日ではなく二十八日の隔離措置がとられることになったというようなニュースがございます。こういったものもこの自粛要請に関係してきますか。

#264
○国務大臣(加藤勝信君) 今のところは、私ども、一応十四日ということ、これはWHO等の指摘を踏まえてやらせていただいております。
 ただ、それとは別に、一度要するに陽性で入院をして、そして陰性の判断を、これ通常、日本もどこも大体二回やって退院をして、また一定たったら陽性になったという事例、中国のみならず日本でもありますので、そこは今ちょっと専門家の方によく分析をしていただいて、そこはどういうふうに我々捉えたらいいのか、また、その二回目になった方の感染の状況と初めて感染したときの状況は、例えば感染性ですね、他人に対して感染をする度合い含めてどうなのかを含めて、ちょっと今議論というか検討していただいているというところであります。

#265
○伊藤孝恵君 総理、この後は、感染症や医学の専門家に加えて、社会学や経済学、リスクコミュニケーションの専門家も入れて是非御議論いただきたいと思います。
 官邸の指示によって始められた厚労省や内閣官房の公式ツイッターは、これリスクコミュニケーションの失敗事例になってしまっております。
 厚労省のツイッターは、特定の番組を名指しして不正確な反論をし、逆に番組側に再反論され、訂正するに至ったと承知しております。公官庁のアカウントでも誤情報が発信されるんだとしたら、国民は一体何を信じればいいんでしょうか。
 また、特措法改正に総理がこだわる意図について、今までの対応の後手後手批判を払拭するため総理主導で進んでいるとアピールしたいのだと分析した政治アナリストの見解を紹介した番組に対し、内閣官房国際感染症対策調整室が反論ツイートしておりますけれども、こういうことをすると、意見が異なる国民から信頼を失います。まさに、映画「新聞記者」の中に描かれていた世界観そのものじゃないかと思われます。
 国民の意見が分かれるものに対する反論は、役所が行うのではなく、政治家が責任を持って行うべきだと思いますが、総理、いかがですか。

#266
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新型コロナウイルス感染症に関する現在の状況は、国民全てにとって重大な事態であります。したがって、報道機関において様々な情報が発信されることは望ましいところでございますが、その情報は正確なものでなければならないわけでありまして、今般のツイッター投稿は、誤解を招きかねないと考えられる情報に関連して関係省庁が政府側の情報や考え方、事実関係を発信したものであります。

#267
○伊藤孝恵君 これは、官邸の指示ではなくて、各省庁が自主的にやっているということですか。

#268
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは広報室と各省庁で行っていると、このように認識をしております。

#269
○伊藤孝恵君 もう一度。官邸の指示ではないということですか。

#270
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 官邸において、官邸というのは、我々が一つ一つこの番組を見てそれに反論をしろと言っているわけでは全くもちろん、そもそも私はほとんど今テレビを見る時間がございませんから、それは全くないのでございますし、官房長官もそうなんだろうと、こう思います。当然それは、広報官、またあるいは各省庁で行っているものと、このように認識をしております。

#271
○伊藤孝恵君 私も記者出身ですけれども、戦前や戦中はそういった放送の自由がありませんでした。そして、それどころか政府や軍部の宣伝機関として利用された。その反省に立って先人たちが定めたのが新聞倫理綱領であり、放送による表現の自由を目的に据えたのが放送法であります。
 報道が事実と違うと総理が思われるのであれば、たった三十六分で記者会見を打ち切ったりせず、記者からの質問にとことんお答えになったらいいと思います。多忙を極める厚労省の現場に反論ツイートのタスクなど、余りにも無慈悲ではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

#272
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 事実関係を間違って伝えられることによってこれは不安を呼び起こすということも、これはあり得るわけであります。政府がどのような対応をしているのか、あるいは能力がどれぐらいあるのかということもそうなんですが、そうしたことについてはしっかりと正しい情報を発信していくのは当然の役割ではないかと、このように考えております。

#273
○伊藤孝恵君 総理、そこなんです。リスクコミュニケーションの失敗事例と先ほど申し上げたのは、厚労省公式ツイッターが間違った情報を流すことがあったんです。実際にあったんです。そういった部分で信頼を失ってしまうぐらいならば、政治家が責任を持ってその情報は違いますとおっしゃったらいいじゃありませんか。公官庁にやらせなくていいじゃありませんか。いかがですか。

#274
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 間違った情報を発信したというのは、私、承知をしておりませんので、答弁のしようがないところでございますが、基本的に間違った情報があれば、それを間違っているかどうかというのは当該官庁でなければ明らかにできない場合もあるわけでございまして、そうした観点から反論を行っているものと承知をしております。

#275
○伊藤孝恵君 でも、本当に今、厚労省の現場ですね、突然の政治の意思決定によって、準備もないまま、超短期間で難しいタスクが次々と降ってくる状態です。一斉休校の対応、様々な助成金制度立案、医療機関等へのマスク配付、中韓からの入国者に対する停留、隔離措置。船内作業をしていた即戦力は、今二週間の出勤停止中です。特措法改正のために内閣官房に緊急出向している方もいるそうです。かつて経験したことのない、限度を超えた業務量、それも時々刻々と追加される。
 コロナ対応そのものに役所のリソースを集中させるため、国民民主党では、四日の党首会談の際、与野党政府合同会議の設置を総理に提案いたしました。東日本大震災の際、政府からの状況説明と各党からの要望提案の場として設置され、頻繁に開催されたと聞いています。
 総理、今の厚労省には、今までの通常のやり方を超えた業務の効率化、体制の確保、必要だと思いますが、いかがですか。

#276
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、大変今厚労省には大きな負荷が掛かっているところでございますが、厚労省の皆さんもまさに国民の健康、命を守るために全力で今職務に当たっていただいているところでございます。
 また、各省から応援の部隊を出しているところでございますが、同時に、これは全省、政府一丸となって当たらなければならないわけでございまして、対策本部の下、全省一丸となって対応していく考えでございます、対応してきているところでございますし、また今後、より効率的な対応の仕方についてもしっかりと、この日々、時々刻々変化する中において体制をより強化していく、これ当然我々も常に考えていかなければならないことであろうと、このように考えております。

#277
○伊藤孝恵君 もう現場は限界を超えているというふうに聞きます。どうか総理、皆さんがその専門性を発揮できる環境をつくっていただきますよう、目配りの方、よろしくお願いいたします。
 それから、総理は七日の対策本部で、学校給食中止の影響を受けている生産者についてきめ細かい支援を行うと言明されました。本委員会でも、牛乳や野菜、肉や魚等の食品供給者及び卸については既に質問があったところであります。
 総理、ここには当然、米や小麦を現物支給されてパンや米飯に加工のみを行う、学校に納品している業者の救済、つまり加工費、加工賃というのも支援対象という認識でよろしいでしょうか。

#278
○国務大臣(麻生太郎君) あした正式に御答弁できると思いますが、その方向で前向きに検討したいとは思っています。

#279
○伊藤孝恵君 ありがとうございます。
 要請の対価は損失補填にほかなりません。学校給食の食材費は一か月およそ四百十億円とも言われております。そういった、子供たちの健康を今まで支えてくださっている地域の商店、それから中小企業への目配りも必ずお願いいたします。
 さて、我々は二〇二〇年度予算について衆議院で編成組替え動議を提出いたしました。要旨は主に二点で、一点目は新型コロナウイルス感染症対策費の計上、二点目はその対策費を捻出するため削るべきものを削ること、具体的には三十八億円のカジノ推進費と、マイナンバーカードを新たに発行した方に付与するポイント予算二千四百七十八億円の削減です。マイナンバーカードは、二〇一六年一月の交付開始以来四年二か月で、現在の普及状況は一五・六%です。
 高市大臣にお伺いいたします。
 二〇二〇年度予算及びこれまでに投じたマイナンバーに関連する予算の総額を、金額合計だけで結構ですので教えてください。

#280
○国務大臣(高市早苗君) まず、二〇二〇年度当初予算についての総額は、先ほどおっしゃったマイナポイントを活用した消費活性化策の関連経費が総務省と経産省の合計で約二千四百七十八億円、マイナンバー制度そのものの関連予算としてマイナンバーカードの交付に係る経費や情報連携のシステム整備に係る経費が約二千十億円ですから、合計額が約四千四百九十億円となります。
 それから、これまでのというのは、マイナンバー制度、済みません、マイナンバー法が成立した平成二十五年度から令和元年度までの累計でいいますと、合計約四千八百六十億円となります。内訳は割愛させていただきます。

#281
○伊藤孝恵君 パネル一を御覧ください。(資料提示)
 こちら、国家公務員、地方公務員については、昨年六月に閣議決定をいたしまして、二〇二〇年三月末、つまり今月末までに家族も含めてマイナンバーカードを取得するよう、書面による上司への報告も課して普及推進されていると伺いました。パネル上段、国家公務員の取得率は赤括弧囲みのところですね、三五%。パネル下、地方公務員は三〇%。足下ですらこの状態であります。
 麻生財務大臣に伺いたいというふうに思います。
 大臣は、昨年九月の記者会見で、マイナンバーカードはとてもじゃないけど利用範囲が少ないから持っている人も使ったことがないということになっていると課題を端的に指摘されました。おっしゃるとおりなんです。であるならば、まだ利用範囲も広がっていないのに、ただただ発行枚数を稼ぐためだけのポイント付与に今予算措置をしなくてもいいんじゃないかと思うんですけど、いかがでしょうか。

#282
○国務大臣(麻生太郎君) マイナンバーカードはいつからできたか御存じですか。ほぼ一号に近いぐらいから持っていますけどね、総務大臣として。必要ないとその頃からもう申し上げておりましたけれど。
 これ、利用する人がいないんですよ。そこが問題なんだ。利用できなくなった理由は、使える範疇がすごく狭めてあるから。これを利用すれば非常にいろんなものが有効に使えるようになりますし、引っ越しなんてこれ一枚あればできるようになりますから、いろんな意味で簡単なことができるんだから、この利用できる範囲を広めるというのを条件にこれできるんじゃないのかと申し上げた記憶があります。

#283
○伊藤孝恵君 利用する範囲を広げることを条件にこの予算を認めたということですか。

#284
○国務大臣(麻生太郎君) 利用範囲はいろいろな形であの当時に比べて随分広まっておりますんで、そういった形になれば、広められる方向になるということがはっきりしてくれば使える範疇も増えるだろうと思っております。

#285
○伊藤孝恵君 割と甘く通していただける予算なんだなというふうに思いました。
 これ、内閣府が二〇一八年十月に実施した世論調査によれば、マイナンバーカードを取得しない理由第一位は必要性が感じられない、五七・六%。二位は身分証になるものはほかにある、四二・二%。三位は情報漏えいが心配、二六・九%。結果、全体の五三%は取得していないし、今後も取得する予定はないとしています。
 高市大臣に伺います。
 氏名、生年月日、性別、住所、顔写真、個人番号、これらが全て一枚に書いてあるカードを持ち歩くリスクに対する認識を教えてください。紛失、盗難による悪用が多発した場合の現状、場合はどうするおつもりでしょうか。

#286
○国務大臣(高市早苗君) まず、マイナンバーカードの安全性について申し上げます。
 カードのICチップには、電子証明書など本人を特定する情報が記録されるのみですから、そもそも税や年金などの機微な情報は記録されておりません。また、対面での利用時には顔写真によって本人確認を行うことができますし、オンラインでの本人確認については電子証明書と暗証番号によって行います。また、暗証番号の入力を一定の回数連続して誤るとロックが掛かる仕組みになっております。持ち歩いていて、仮にカードを落としたり盗まれたりしたとしても、二十四時間三百六十五日体制のコールセンターに連絡することで速やかにその機能の一時停止を行うことができます。過去に、アメリカのソーシャル・セキュリティー・カードなど、それを悪用した事件が起きましたので、そういうことがないように徹底した本人確認ができるようになっております。
 更に申し上げますと、先ほど麻生大臣答弁されました、マイナポイントが、そのまだ利用率が、マイナンバーカードの普及率が低いことをもってマイナポイントという政策が不要じゃないかという問題意識なのかと思いますが、先ほど来話がありましたように、例えばGDPの非常に下方修正があったり、今朝、株価が二万円を割り込むというようなこともありました。このマイナポイント制度は、そもそもは東京オリンピック・パラリンピック後の消費の下支えをするという総合経済対策の一環として準備をしていたものでございますが、今のように新型コロナウイルス感染症が景気全体に与える影響が深刻になるような場合というのは、あらゆる景気対策を打っていかなきゃいけない。だからこそ、私は令和二年度に、より重要な政策になったと考えております。
 そして、既にマイナンバーカードを持っておられる方々は、家から出なくても、様々な行政手続、子育て支援のための申請ですとか、それから確定申告もそうですが、家の中で自分のパソコンやスマホでできるようになっておりますので、こういう感染症の発生時にこそ、また非常に重要な基盤システムであると思います。
 来年からは健康保険証としても使えますし、自分の服薬履歴も見れるようになりますから、そうなりますと、このように感染症が発生して、必ずしもかかりつけ医のところに行かなくてもちゃんと診ていただけると、そのようなメリットもございます。

#287
○伊藤孝恵君 我が国と同じく背番号制を取っているアメリカのお話ありましたけれども、アメリカや韓国では、成り済まし犯罪悪用対策に手を焼いております。
 そして、マイナンバー制度の隠された課題として、パネル四、お願いいたします。
 総額八百億円もの開発費と毎年百億円もの維持管理費が掛かっていると言われている中間サーバー問題が挙げられます。中間サーバーとは、簡単に言うと、マイナンバー制度とハローワークとか、マイナンバー制度と労働基準局など、各組織の既存のシステムとマイナンバーをつなぐものです。
 こちらのパネル四の、既に新聞で報道されている整備費と利用率、それから独自で調べた数字も入れております。数字が入っていないところについては、昨年五月二十二日の決算委員会にて、会計検査院に対し、国会法第百五条に基づき検査要請しておりますので、追って本委員会にも報告させていただきます。
 赤字を御覧いただくと、例えば、マイナンバーカードのサイト、マイナポータルは、向かって右の新聞記事を御覧いただくと、整備費百億円掛けたのに、利用率は僅か想定の〇・〇二%でした。現在はクラウド化しておりまして、整備費五十五億円、管理費百三十一億円、利用率は二八・一%になっております。次、総務省の中間サーバー・プラットフォームは、整備費百四十五億円、管理費百七十億円、利用率六・五%。日本年金機構は、整備費八十一億円、管理費三十七億円、利用率は教えていただけませんでした。職業安定局は、整備費六十三億円、管理費二十九億円、利用率は〇・三八%。労働基準局は、整備費三十二億円、管理費三十一億円、利用率五・二%。医療保険者向け中間サーバーは、整備費三百五十三億円、管理費百二億円、利用率一二・五%でした。
 さて、財務省に伺います。
 国家公務員共済組合連合会の中間サーバーの整備費、管理費、利用率、今まで調べたことがないので分からないんですというふうに言われましたが、分かりましたか。

#288
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘の国家公務員共済組合連合会というのは、その中間サーバーの御指摘ですけれども、構成員の負担する年金保険料を財源として、国家公務員の退職者等について年金の手続に必要な情報を地方公共団体から取得したり、逆に地方公共団体が必要な年金情報を地方公共団体に提供するという情報インフラでございまして、情報照会のシステムは昨年の四月の十五日から、情報提供のシステムは昨年の六月十七日からと日が浅いものでございます。
 整備費は二十九・八億円、運営費は三億円でございまして、これまでの利用実績ということですが、最大値は本年一月の八千四百八十七件ということで、設定当時の最大利用件数と想定したものが七十一万五千件でございますので、それに対する割合は一・二%、最小値はスタートした最初の頃……(発言する者あり)よろしいでございますか、はい。

#289
○伊藤孝恵君 平均では〇・六%だそうです。
 竹本大臣に伺いたいというふうに思います。
 このほとんど使われていない中間サーバーに莫大な予算が費やされていることについて、IT担当大臣の課題感、おありになりましたか。

#290
○政府参考人(向井治紀君) お答え申し上げます。
 まず、中間サーバーにつきましては、情報連携をする、そのための、情報連携でございますので、それにつきましては、年金が去年から情報連携始めまして、今年から更に増える予定でございますので、それらが増えますと十分な情報連携が成り立つものというふうに思っておりまして、そうなりますと、利用率は今よりうんと上がると考えております。

#291
○伊藤孝恵君 中間サーバーだけではございません。パネル七を御覧ください。
 会計検査院が指摘しているシステム投資における不適切事例一覧です。直近三年のみにもかかわらず、総額二十六・三億円、向かって右側の記事にあるとおり、中には一回も、十八億円使って開発したのにただの一回も使用しないまま廃止したシステムも含まれます。過去十年も聞いてみましたら、あらゆる省庁にまたがって、全二十件、総額百十八億円にも上る不当事項が会計検査院から指摘されております。
 今度こそ、竹本IT担当大臣、この指摘に対して、担当大臣として現在どんな改善を図っておられるか教えてください。

#292
○国務大臣(竹本直一君) 昨年末に閣議決定いたしましたデジタル・ガバメント実行計画におきまして、全ての政府情報について一層適切なプロジェクト管理が実施されるよう、政府CIOの下で、予算要求前から予算執行までを始めとした年間を通じた一元的なプロジェクト管理を実施することとしております。
 内閣府の中に、CIO、内閣情報通信政策監というのがおられまして、この方は民間御出身の方なんです。だから、民間でのこういったプロジェクト管理の経験も踏まえて、政府の中におけるより効率的な施行、管理を徹底しようということで、今努めておるところでございます。
 こういう一元的なプロジェクト管理を着実に実施し、政府情報システムの統一的かつ効率的な管理の抜本的な強化に取り組んでまいりたいと思っております。

#293
○伊藤孝恵君 政府CIO補佐官の存在は存じ上げております。プロジェクト一元管理をするというのも存じ上げております。
 これ、既存のシステムの見直しというのは含まれているんですか。

#294
○政府参考人(向井治紀君) お答え申し上げます。
 含まれてございます。

#295
○伊藤孝恵君 それは予算の上限とかはありませんか。

#296
○政府参考人(向井治紀君) 政府CIOでは、既存のシステム、例えば年金システムとか大型のシステムを随時見直しておりまして、これまで運営費で二割以上の減を出す見込みとなっておりますけれども、これらをずっと続けていくということでございまして、当然、それはその運営費とかあるいは整備費なんかが、何といいますか、減りますと、それは当然予算に反映されてくると、そういうことでございます。

#297
○伊藤孝恵君 二〇二〇年度の開発予定のシステムについても全部トレースしたという認識でよろしいですか。

#298
○政府参考人(向井治紀君) 二〇二〇年度の予算につきましては、一部、内閣官房で一元的に計上したものもございますけれども、基本的には予算を成立する、予算を編成する過程で主計局等と協議しながらやらせていただきましたけれども、実際にまた調達する過程で、IT室も各府省とともに一元的に管理ということでございますので、政府CIOの下でしっかりとそういう見直しはやっていきたいというふうに考えております。

#299
○伊藤孝恵君 それじゃ、また無駄なシステムつくっちゃうんじゃないですか。
 ちゃんと、このシステムが何のためにあるのか、そのシステムは既存のものと整合性が取れているのか、そういったところを見なきゃいけないんじゃないですか。

#300
○政府参考人(向井治紀君) おっしゃるとおりでございまして、そのシステムがまさにその業務上本当に最適かとか、その業務上、最適かだけではなくて、全体のシステムとして有効にできるか、そういうふうなのも含めて、政府CIOの下、チェックしてまいりたいと考えております。

#301
○伊藤孝恵君 パネル八を御覧ください。
 今年度予算にも、極めて必要性の感じられないシステム開発に関する予算七・八億円に加え、自治体のシステム改修費用として一自治体当たり四千万円、最大百八十三億円の予算が計上されております。これによって何ができるようになるかというと、今まで郵送やファクスでやり取りしていた児童相談所の書類をPDFで共有できるようになると、まあそれだけのシステムです。
 東京都目黒区で、パパ、ママ、もうおねがい、ゆるしてと、覚えたての平仮名で両親に許しを請いながら五歳の短い生涯を閉じた女の子のふびんを思い、多くの官僚や議員が奔走した結果、昨年六月、児童虐待防止法が改正されました。閣法の修正率は過去百国会平均で二・三%と、ほとんど野党の提案は受け入れていただけない中、この法案には修正が加えられ、与野党全会一致をもって調えられました。児童虐待をなくしたいという国会の総意だと思います。
 しかし、そこから生まれてきたはずのこのシステムは、残念ながら子供たちを救うものにはなっておりません。全国一律のシステムをつくるのであれば、結愛ちゃんのように社会と接点が切れてしまった子供たちをどうしたら救い出せるかをまず考えるべきです。それが多忙を極める児相職員の経験不足を埋め、業務を軽減し、日々直面する複雑な判断をサポートするシステムにもなるなら、導入する意味があると思います。
 総理に是非指示していただきたいんですけれども、これ、多機関情報連携しか子供たちを救い出すことができないと思います。児相と自治体のみならず、保育園、幼稚園、小学校、スクールソーシャルワーカー、病院、警察や裁判所も必要かもしれません。例えば、あざを発見する人、給食の食べ方がおかしいなと思う人、この子着替えていないんじゃないかなって気付く人、それから外でずっと泣いているのを保護する人、そういういろんな大人たちの目があってこそ、その仕組みをITやそういったもので担保してこそ、子供たちを救い出せるというふうに思います。
 総理の御指示で、やっぱりこんなものをつくっても、今まで書面だったものをPDF化したところで子供たちを救い出すことができません。抜本的にもっと子供たちをちゃんと救い出すシステムを考えていただけるよう、指示出していただけませんか。

#302
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにこの児童虐待、残念ながら子供たちの命を救えなかった、あのときの反省は、言わば、児相の皆さんも非常に頑張ってはおられるんですが、この児相や学校や教育委員会やあるいは警察、そういう様々、もちろんソーシャルワーカー、カウンセラー、様々な方々の持っている情報を寄せ集めて、その中で判断をするということが必要ではないかという、この国会の議論でもそういう判断となった、我々もそのように指示をしていたところで、そのような言わばまさにチームで、そうした子供たちを守るチームを連携を高めていくことが必要だということになったところでございますが、このシステム自体が、今私もつまびらかに承知をしているわけではございませんが、当然そういうものとなっていくことが望ましいと、このように考えております。
 ただいまの御指摘も踏まえまして、担当において、これは担当、厚労大臣から詳細については答弁させていただきたいと思います。

#303
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘があった目黒の結愛ちゃんを始め、直近でも本当に幼い子供さんが亡くなられるという痛ましい事案が続いております。そうしたものをどうやって防いだらいいのか。
 その一つは、やはりそれぞれの機関が対応しているわけですけれども、連携が不足だったということがこれまで指摘をされている。児相間であったり、児相と警察であったり、あるいは医療機関から出てきた情報がきちっと現場に下りていなかったり、そういったところを補うための一つとして、今回は児相と地方公共団体がまず使うネットワークをつくろうということでありますけれども、ただ、委員御指摘のように、要対協というのがありますよね、やっぱりそういったメンバーの皆さんとどうつないでいくのか、もちろんセキュリティーの問題等々ありますけれども、そういったことは念頭に置きながらしっかりやらせて、そのシステムをつくり上げていきたいというふうに思っています。

#304
○伊藤孝恵君 今回の二〇二〇年度予算にも、削れるものは山ほどございます。いま一度精査し、新型コロナウイルスや児童虐待防止など、もはや一秒のこういった後れも取ることができない、命を守るための予算を計上していただくことをお願いし、質問を終わらせていただきます。

#305
○委員長(金子原二郎君) 以上で伊藤孝恵さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#306
○委員長(金子原二郎君) 次に、木戸口英司君の質疑を行います。木戸口英司君。

#307
○木戸口英司君 立憲・国民.新緑風会・社民の木戸口英司です。
 早速質問に入らせていただきます。
 新型インフルエンザ等特別措置法改正法案、今準備をされております。安倍首相は、緊急事態宣言を実施可能とする法整備に向けて急ぐと、野党にも早期成立の協力を求めております。しかし、これまでの対応、この委員会でも議論がありましたけれども、マスクの増産を要請しても国民の手に届かない、PCR検査体制を拡充しても国民が検査をなかなか受けられない、ダイヤモンド・プリンセス号、クルーズ船乗客の船内待機時から下船後における感染拡大、安倍首相による法的、科学的根拠のない小中学校等の一斉休業、本日になって中韓両国からの入国制限強化、新型インフルエンザ等特別措置法を適用せず法整備はこれからと、後手後手、場当たり的、施策の一貫性が欠けているように思えてなりません。危機感と準備の不足があったんではないでしょうか。
 こうした危機管理時には、強力なリーダーシップの下に、縦割りを排し、組織全体が効率的に稼働し、専門的、科学的見地を踏まえた施策の目的が終始一貫して実現されなければいけません。安倍総理のトップダウンに、政府全体のガバナンスが機能しているようにはとても見えません。
 もし感染が拡大し、特措法による二つの要件を満たすことになれば、緊急事態宣言が発出されるという初めての事態となります。起きてはなりませんが、その間、大規模自然災害等、他の重大な緊急事態が発生する可能性もあります。緊急事態宣言に備えて政府のマネジメント体制は整っているのか。今回の新型コロナウイルスを含め、危機管理時の人員、体制、権限など、政府組織の在り方の十分な準備なくして非常事態宣言を出すとすれば、混乱が極まることは明らかです。安倍総理に伺います。

#308
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の新型コロナウイルスへの対応に当たっては、現在、私を本部長とし、全閣僚をメンバーとする対策本部を設置し、同本部の下、政府一丸となって対応に当たっているところであります。また、医学的な知見を踏まえた対策の検討を進めていくため、政府対策本部の下に専門家会議が設置をされています。さらに、特措法については、新たに西村大臣を担当大臣に任命し、対応に当たらせることとしたところであります。
 他方で、御指摘のとおり、感染症に係る危機管理体制を強化していくことは重要な視点であり、今般の事案対応を踏まえつつ、今後、危機管理体制の不断の見直しを進め、危機管理への対応力を一層高めてまいりたいと思います。

#309
○木戸口英司君 危機管理への対応は、もう言うまでもありません。やっぱり、準備、そして日々の訓練、情報共有と、この辺り、大事なところはもう言うまでもありません。その点、これまでどうだったのかと、検証が十分に必要だと思います。
 その中で、二〇一三年四月施行の新型インフルエンザ特別措置法、都道府県及び市町村に多くの対応を求めるものとなっております。政府は、前年の法公布後、約一年掛けて、地方自治体への説明会開催から対策本部条例制定、これは地方自治体によるものです、行動計画の策定を求めております。
 今回は法改正にとどまるものですけれども、改正法への対応に地方では手続と時間を要することにはなりませんでしょうか。現特措法が適用されていれば新たに掛かることのなかった負担と時間を、既に危機対応に追われている地方に掛けるようなことがあってはなりません。その上で、地方への周知徹底と、国の責任で地方の感染対策の取組を支えていかなければなりません。
 総理の所見を伺います。

#310
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに委員が御指摘になるように、地方との連携が極めて重要であり、地方の力なくしてこのコロナウイルスに対応することはできないと思っております。
 その中で、この特措法においてどのような対応をしていくかということでございますが、担当する西村大臣から答弁させていただきたいと思います。

#311
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、政府としてはあらゆる可能性を想定をして、国民生活への影響を最小化するために、新型インフルエンザ等対策特別措置法を一部改正し、新型コロナウイルス感染症を特別措置法の対象とすることを検討いたしております。法改正がなされた場合、特に緊急事態宣言がなされた際には都道府県知事に様々な権限が与えられることになるため、御指摘のように、しっかりと周知をし、連携を図っていく必要があるというふうに考えております。
 他方、この新型インフルエンザ等対策のために、各自治体においては既に作成をいただいております行動計画がございます。この行動計画について、新型コロナウイルス感染症に対しても原則としてそのまま用いることを想定をしております。また、既に学校の一斉休校の要請等、この特措法の中に明記されている対策の中には、もう既に各自治体にお願いをして対応をしていることも多くございます。この間、知事の皆さんとも意思疎通を図ってきておりますし、私自身も意見交換などを行ってきております。また、明日には地方六団体との協議の場もあります。
 そうしたことを通じてしっかりと自治体と連携を図っていく、また、御理解を既にいただいている部分もありますし、今後、引き続き意思疎通を図っていきたいと考えておりますけれども、法案成立後はこうした状況を踏まえて速やかに施行することを考えているところでございます。

#312
○木戸口英司君 全国知事会からも先週末も政府に要望が、提言が出ております。医療版テックフォースの創設、また、マスク、民生用品の供給、確保、検査体制、治療体制の確立、そして学校再開の基準明示と、もうこれは深刻な問題です。しっかりと対応をしていただきますように。
 また、先ほど予備費の活用について指摘がありました。予備費を使うこと、そのことは私も十分理解いたしますけれども、いずれ額が小さい、そして遅いんじゃないでしょうか。予備費の効果がもう今既に各地域、また各困っている皆さんのところに届いていなければいけない。予備費を活用するのであればスピード感がもっとあってよかったはずですが、総理、いかがですか。

#313
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般の新型コロナウイルス感染症については、先般取りまとめた第一弾の緊急対応策に引き続きまして、現在、第二弾の取りまとめを行っているところでございまして、感染拡大防止策と医療提供体制の整備、学校の臨時休業に伴って生じる課題への対応、事業活動の縮小や雇用への対応、事態の変化に即応した緊急措置等、必要な対策を、対応策を盛り込み、明日にも決定を行いたいと、このように思います。
 また、今般の新型コロナウイルス感染症が景気全体に与える影響に対しては、二十六兆円の総合経済対策を着実に実行していくとともに、世界経済の動向も十分に注視をしながら、そのインパクトに見合うだけの必要かつ十分な経済財政対策を行っていく考えであります。

#314
○木戸口英司君 学校の問題も随分言われております。その緊急対策と同時に、ちゃんと届くことをしっかり踏まえてからやっぱり出すべきだったんではないでしょうか。
 私もこの週末、岩手へ帰ってまいりました。まだ感染者は出ていない岩手でありますけれども、子供たちを取り巻く環境、非常に混乱しております。また、商業も、それにまつわる農業も影響が非常に大きくなっている、悲鳴を上げたくても上げる場所もないと、これが実態であります。
 続いて質問をさせていただきます。
 今、景気判断、若干出てまいりましたけれども、現在の景気に対する認識、二十六兆円の話ございました。これ後で触れますけれども、この閣議決定された十二月五日、この冒頭に書いてあるのは、我が国の景気は内需を中心に緩やかに回復基調にあるという非常に楽観的な書き出しで始まる二十六兆円のこの総合経済対策です。この後、消費増税、増税後の景気の落ち込みから政府は短期間で抜け出すシナリオだったんではないでしょうか。しかし、この景気判断自体が正しいのか。この新型肺炎の感染拡大で、景気回復、見通せなくなっているどころか、景気の急激な悪化のおそれが強まっております。
 現在の景気の認識について、改めてお伺いいたします。

#315
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、この新型コロナウイルス感染症の拡大の影響が、我が国経済にも相当厳しい影響をもたらしてきているものというふうに認識をいたしております。もう既に御案内のとおり、インバウンドであったり自粛であったり、様々な形で影響をもたらしてきております。
 本日、先ほど発表いたしました景気ウオッチャー調査でも、消費税率引上げの影響が十月、十一月、十二月とだんだん良くなってきておりましたので、その影響が薄らいできた中で、今回発表した二月の調査では、現状判断、先行き判断、共にDIは大幅に低下をしております。特に飲食業、小売業、サービス業、観光、旅行代理店等、相当厳しいコメントが寄せられているところであります。
 このように、景況感はこの感染症の影響により急速に厳しい状況になっているという認識をしております。更にこれが長引けば、先行きは一段と厳しい状況になるということを懸念されるところであります。
 まずは、この感染拡大を防止するということが大事でありまして、当面の対策として、第一弾の金融資金繰りあるいは雇用維持の対策に加えて、二千七百億円を超える予備費を活用して、明日にでもこの第二弾をまとめて、しっかりと経済の下支えをしていくという考えでございます。
 今後、今の段階で観光とか消費を喚起するような段階ではありませんので、この状況がどのぐらい長引くのか、どのぐらい影響を与えるのか、このことをしっかり見極めていきたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、この影響を見極めながら、必要かつ十分な政策をちゅうちょなく行っていきたいというふうに考えております。

#316
○木戸口英司君 この第二弾の景気対策、緊急対策、このことを今聞こうと思ったんですが、今の答弁からいくと、当面、新型コロナウイルスの感染拡大の防止、こういう当面の対策にまず重点を置くと、その先の景気の落ち込みへの幅広い対策については今後という答弁だったと受け止めました。
 そこで、黒田日銀総裁、今日はお忙しいところ、来ていただきました。
 今朝の速報で、日経平均株価、約一年二か月ぶりに二万円の大台を割り込んだという報道もありました。黒田日銀総裁は、三月二日に、この新型コロナウイルスによる肺炎拡大を受けて混乱する金融市場の安定化に向けて、異例の緊急談話を発表されております。潤沢な資金供給と市場の安定確保に努めていくということであります。この景気を支える日銀の役割と、追加金融緩和の圧力も今大きく掛かっているのではないかと思います。
 その談話に伴う日銀の対応として、金融機関からの国債の借入れ、上場投資信託、ETFの買入れなども進めておりますけれども、狙いと効果についてお伺いいたします。

#317
○参考人(黒田東彦君) まさに委員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大によって経済の先行きに対する不透明感が強まって、投資家のセンチメントが非常に悪化しております。この結果、世界的に株価は大幅に下落、長期金利も低下、為替市場では円高が進むという不安定な動きが続いております。
 こうした中で、委員御指摘のとおり、先週、談話を発表して、今後の金融資本市場の動向を注意しつつ、適切な金融市場調節あるいは資産買入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていくという方針を明確にいたしました。
 具体的に、既に追加的なオペによって金融市場への資金供給を増額しております。また、ETF買入れを通常の一回七百億円から一千億円に増額して実施するなど、金融調節面からの対応に努めております。前者が潤沢な資金供給を行うということでありますし、後者は、特にいわゆるリスクプレミアムに働きかけて株式市場の安定を図るという意味で行っております。
 このほか、実は、御承知のとおり、各国も金融、財政面での対応を表明しておりまして、その面では一定の支援をしているわけですけれど、まだ市場では神経質な動きが続いておりまして、日本銀行といたしましても、引き続き、先ほども申し上げた方針に沿って、適切にちゅうちょなく対応していきたいと考えております。

#318
○木戸口英司君 確かに、今日の株価の動きも大変厳しい動きであります。
 資料一を、皆さんの手元に資料一、配っておりますが、この間、三月三日、G7財務相・中央銀行総裁による電話会議が、会談が行われ、共同声明が発表されております。その意義について、黒田総裁、どのように受け止めておられますでしょうか。

#319
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、先週三日に電話会談を行いまして、G7財務大臣・中央銀行総裁の声明を発表いたしました。これは、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、これまで中国経済というものに非常にフォーカスされた議論だったわけですけれども、世界経済全体について、先行き不透明感が高まって世界的に金融市場が不安定化しているということを踏まえまして、G7の財務大臣・中央銀行総裁として、新型コロナウイルスの感染拡大と、その市場や経済状況に与える影響を相互に連絡しながら監視していくとともに、適切かつ効果的な施策について更なる協力を行う用意ができているということを確認したわけでございます。
 また、声明では、特にG7の中央銀行につきましても、経済成長と物価の安定を支えるとともに、金融システムの頑健性を維持するという中央銀行の使命を引き続き果たしていくということをかなり明確に述べておりまして、今後とも、先ほど申し上げたように、この経済の不透明性、それから金融市場の不安定というものに中央銀行として最大限の努力を払って安定を図っていきたいと思っております。

#320
○木戸口英司君 世界的に危機感を共有したということだと思いますが、日本がそれにどのように対応していくかということ、その実績がこれから問われてくるんだと思います。
 今、アメリカでも、FRB、政策金利〇・五%へ引き下げたと、それによって効果は出るかということでしたけれども、その後も、米ダウ工業株三十平均、日々千ドル前後も乱高下し、週末は下がった状況で閉じたところであります。
 金融緩和を求める圧力が強いということで、米国の動きも今大きく日本に影響のあるところですけれども、この受け止めをお伺いいたします。

#321
○参考人(黒田東彦君) FRBも含めまして、どの国の中央銀行も、それぞれの国の経済、物価の安定を実現することを目的として、それぞれが置かれた状況に応じて最も適切な政策運営に努めているわけでございます。
 御指摘のFRBによる利下げは、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界経済の不透明感の高まり、そうした下での米国の国内経済、物価の動向を踏まえたものであるというふうに考えております。先ほど申し上げましたように、金融市場で不安定な動きが続く下で、日本銀行では、適切な金融市場調節あるいは資産買入れの実施を通じて潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めているわけでございます。
 日本銀行としては、引き続き、新型コロナウイルス拡大の影響、そして特に内外金融資本市場の動向を注視して、必要に応じて適切な対応をちゅうちょなく取ってまいりたいというふうに考えております。

#322
○木戸口英司君 それでは、麻生財務大臣、円高が進んでおります。今日も、為替市場一時ドル百一円台と大幅な円高であります。どのように受け止めておられますでしょうか。

#323
○国務大臣(麻生太郎君) これは木戸口先生よく御存じのとおりなんだと思いますけれども、今答弁しておられました黒田総裁を含めまして、財務大臣、各国財務大臣、中央銀行総裁は、いわゆる足下の為替市場に非常な神経質な動きが出ているということはもう私たち重々知っておりますけれども、緊張感を持ってこの為替を見ておるということで、これから先どうするというようなことを言える立場にありません。何で言えないかは御存じのとおりだと思いますので。

#324
○木戸口英司君 黒田日銀総裁、お忙しいところでしょうから、御退席をいただいて結構です。

#325
○委員長(金子原二郎君) 日本銀行黒田総裁、御退席いただいて結構です。お疲れさまです。

#326
○木戸口英司君 まあ、言えないということを理解しないわけでもありませんが、今、経済界、非常に動揺しているところでありますから、メッセージ、ひとつ出していただいてもよろしいんじゃないでしょうか。

#327
○国務大臣(麻生太郎君) 何回も申し上げて恐縮ですけれども、介入するとかしないとか、いろんな話をよく言われるところですけれども、少なくとも、こういったことに関してコメントをすることイコール振れることになりますので、そういったことを私どもとしては極力避けるという立場にあります。

#328
○木戸口英司君 それでは、先ほど日銀総裁にお聞きした共同声明について。
 この日銀の対応、追加緩和策も検討されると思いますけれども、現在、マイナス金利政策、緩和余地は少ないです。十分な景気刺激効果は見込めないと思います。また、これ以上の引下げには副作用の懸念も強い。ETF買入れ額は年間の枠である約六兆円にもう近づいていると聞いております。
 今回の新型肺炎による実体経済の下振れリスクに対応するには、金融政策による景気刺激策の対応では難しく、財政出動への期待の声が強いと思いますけれども、この点はいかがですか。

#329
○国務大臣(麻生太郎君) 私どもは、三月の二日でしたか、日銀総裁の公表した総裁談話につきましては、これは、今総裁、答弁しておられましたように、金融市場の安定というものを努めるとともに、そういったメッセージあって、それなりの効果もあったんだと私どもも思っております。
 また、その後開かれました中央銀行、財務大臣の電話会談というのを緊急にその次の日なんかやらせていただきましたけれども、一週間前までは、リヤドで会ったときはもう皆、コロナウイルスの話なんかどこの話というような顔した、イタリアでしたけれども、一週間後の電話じゃもうほとんど一番忙しそうな形になっていましたので、おまえが言ったとおりになったという話もしていましたけれども。
 いろんな意味でばたばたしておられるところも、急に出てきたところ等々はイタリアに限りませんけれども、イランとかほかにもいろいろあるようですけれども、少なくとも、私どもとしては、今の段階で金融でやれる範囲というのはかなり限られたものになってきているので財政を出動をすべきなんであって、我々としてはこんなことをやっておるという話も説明をしておりますし、今それも、もう急激にそれに振ろうとしているイタリアとか、まだまだ余裕を持っているドイツとか、いろいろ国によって事情が違うんですけれども。
 少なくとも、木戸口先生御心配のように、各国は少なくともこれまとまっていかないと世界経済に影響するので、中国のおかげで世界がみんな迷惑するというような話になるというような話も誰か言っていましたけれども、そういったような形で私どもとしては協調でやっていくということに関しましては、金融だけでなく財政もということを含めて対応していかねばならぬもんだと思っております。

#330
○木戸口英司君 そのとおりなんだと思います。その意味で、これから、今予備費の段階ですけれども、次の第三弾、第四弾というところ、今検討していくところというか、もうすぐ対応しなければいけない、そういうところに来ているんだと思います。その上で、やはり今の経済の実態を正しく捉えるということが大事であります。
 二〇一九年十から十二月期、GDP落ち込み、これはコロナウイルスの影響が出る前の数値、先ほども議論がありました。今日改定値が出され、前期マイナス一・八%、年率マイナス七・一%と、速報値から更に落ち込みが激しくなりました。当初の数値に対しても、西村経済財政担当大臣、正直言って想像より大きい数字になったと発言をされております。この点、大臣の見解をお伺いいたします。
   〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕

#331
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、本日公表しました二〇一九年、昨年の十―十二月期のGDPでありますけれども、二次速報、法人企業統計季報ですね、法人企業統計と言われていますけれども、こうしたものを反映した結果、設備投資などが下方修正されまして、実質成長率は前期比マイナス一・八%となったところでございます。
 私自身、この減少は、一次速報の時点から私が想像していた、を超えたものだということで申し上げてきたところでありますけれども、当然、消費税率の引上げを行いましたので、その影響はございます。駆け込みと反動減も、当然我々もそれはある程度は見込んでおりましたけれども、様々な対策を打っておりましたので、結果としてそれは前回ほど大きくはなかったものというふうに認識をしておりますけれども、それに加えて、台風の被害あるいは暖冬の影響も重なってマイナス幅が大きくなったものというふうに認識しております。
 昨年の十二月期のボーナスなども、連合の調査でも高い数字が出ておりました。まさに、雇用、所得の環境が続く中で、その時点、それから一月の上旬も数字はいい数字がありましたので、景気が持ち直し、すなわち消費税率引上げの影響が薄らいできつつあったのかなと、そういう認識をしておりましたが、その後のコロナウイルス感染症の影響が拡大しているという状況だというふうに認識をしております。

#332
○木戸口英司君 まあコロナの前ですからね。(資料提示)しかも、前回、二〇一四年ほどではないということでありますけれども、そのときは七・四%、今回七・一%ですから。しかも、前回は三上げて、今回は二しか上げていない、しかも様々な対策を打っていてと。しかも、十一月、十二月、良くなったといっても、マイナス幅が小さくなっただけであって厳しい状況は続いている。やはり消費税の影響は大きかったという捉え方をしなければいけないと思います。
 それでは、また成長率についてであります。
 マイナス成長、五四半期ぶりということでありますけれども、増税の悪影響を抑えるために様々な対策も打ってきての結果であります。
 政府は一月に経済政策の土台となる一九年度の成長率見通しについて実質〇・九%程度と閣議決定したばかりであります。ほぼ不可能となったと思います。政府の経済見通しは極めて楽観的で、実現可能性は乏しいと言えるんではないでしょうか。また、この一月から三月期のGDP、更に悪化する可能性、これは火を見るより明らかであります。
 政府は二〇年度の成長率見通しも実質〇・六%程度としていますけれども、これも下方修正が迫られるんではないでしょうか。一九年度、二〇年度の成長率見通しについて伺います。

#333
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、政府経済見通しでは、令和元年度は実質成長率〇・九%、名目成長率一・八%程度としているところであります。
 本日公表されました先ほどの二次QEの結果を見ますと、これを達成するためには、この一―三月期に実質成長率は前期比二・六%程度、名目成長率は前期比三・三%程度の成長が必要となってくるということで、これはなかなか厳しいものというふうに認識をいたしております。
 まさに、この足下でコロナ感染症が拡大がしている中で、世界で拡大している中で、我が国経済にも相当の影響をもたらしてきているというふうに認識をしております。これがどの程度広がるのか、またどの程度の期間掛かるのか、これを引き続きしっかりと見極めていきたいと思いますし、必要な政策を、必要かつ十分な政策をちゅうちょなく打っていきたいというふうに考えているところであります。

#334
○木戸口英司君 この数値の影響もそうですし、税収も落ち込んでいる。来年度もこの見込みの六十三兆円余、これ税収確保難しいんではないかと考えます。ここは指摘にさせていただきますが、昨年度の税収の落ち込みというものも、結局、消費税増税のてん末ではないでしょうか。
 そこで、ちょっと時間もなくなってきましたので、最後、この経済対策の最後の質問になりますけれども、総合経済対策、先ほど来、この総合経済対策をしっかりとやっていくという答弁であります。しかし、その効果、その内容は経済対策の規模ありきという評価がされてきました。また、市場では見た目ほど効果は期待できないのではないかという指摘が出ております。もちろん、これコロナウイルスの蔓延を前提としていない対策でありますので、これから更に厳しい対応が迫られるというのは間違いないと思います。
 そこで、この見えない恐怖と闘うという心理的な萎縮、外出を控え、経済活動を縮小させ、深刻な景気後退につながる懸念は更に大きくなっております。国土強靱化等とは別次元の、国民が冷静にふだんどおり安心して生活できるようにするための生活密着型の新たな経済対策が必要だと考えます。
 フリーランスや自営業者を含めた休業補償、事業者の資金繰りや損害の補償、生活物資の十分な確保、地域経済の下支え、施策の内容面では、今回のリスクに的確かつ十分に対応するための新たな総合経済対策の策定と大規模な予算編成、これは本予算であれ補正予算であれ、早急に行うべきではないでしょうか。また、その中で消費税減税、所得税減税も大胆に行い、財源は国債に求めればいいんではないでしょうか。
 見解、総理、いかがでしょうか。

#335
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般取りまとめた事業規模二十六兆円の総合経済対策は、自然災害からの復旧復興や経済の下方リスクへの万全の備えに加えまして、我が国経済が東京オリンピック・パラリンピック後も民需主導の力強い成長を実現していくためのものでありまして、対策の効果については直接的な需要押し上げ効果として一・四%程度を見込んでいるところであります。
 本経済対策をまずは着実に実行していくことで、今般の新型コロナウイルス感染症が景気全体に与える影響に対応していきたいと思います。その上で、世界経済の動向も十分に注視をしながら、そのインパクトに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策を行ってまいります。

#336
○木戸口英司君 検討はされていないですか。新たな総合経済対策、検討されませんか。

#337
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員の方から消費税やあるいは所得税の減税等についての言及がございましたが、今、我々としては、まずはこの二十六兆円の総合経済対策をしっかりと実施をしていくということでございまして、そしてまた同時に、同時に、この第二弾を明日取りまとめるところでございますが、それを着実に実施をしていくことにおいて、今回のコロナウイルスによる経済への影響、特に雇用への影響、あるいは中小・小規模事業者の皆様の経営への影響、まず、雇用は絶対に守っていくという考え方の下に、しっかりとそうした支援を、支援策をつくり、そして実行していきたいと、こう思っているところでございます。
 と同時に、今この新型コロナウイルスの感染は世界に拡大をしているところでございますし、この欧州、EUにおいても感染が拡大をしている、また米国の感染が拡大していくかどうかということも注視をしていかなければいけないわけでございまして、それが経済に与える影響も当然緊張感を持って注視をしていく中において、インパクトに見合うだけの十分、必要かつ十分な経済財政政策を行っていきたいと考えております。

#338
○木戸口英司君 今、雇用の話も触れられました。様々な指標、雇用への影響も数字に出てきております。この雇用が落ち込むと、本当に大きな影響が地方に、そして日本全体に出てきます。早くこの対策を打っていただきたいと、そう思います。
 それでは、東日本大震災からの復興についてお伺いいたします。
 三月十一日を明後日迎えます。九年目であります。政府主催追悼式は中止となりましたけれども、各地で犠牲となられた方々と被災地に思いが寄せられる日となります。復興の長く険しい道のりは十年目を迎えることになりますけれども、追悼の言葉とともに、現状と課題を踏まえ、安倍総理の発言を求めたいと思います。

#339
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東日本大震災は、来年、発災から十年を迎えることとなりますが、本年は復興五輪としての東京オリンピック・パラリンピックが開催され、また、来年度末で東日本大震災からの復興の基本方針で定めた復興・創生期間が経過をし、一定の節目を迎えることとなります。このため、政府として行う追悼式については発災十年となる来年までで実施をすることとしたものでございます。
 一方で、東日本大震災は未曽有の大災害であり、国として、犠牲者の方々を追悼し、被災者の方々に寄り添う気持ちは将来にわたってしっかりと持ち続けるべきものであると、こう考えております。被災地の皆様にとりましても、三月十一日、また日本にとりましても忘れ得ぬ日であり、忘れてはならない日である、この思いはこれから何年たとうと変わることはないわけでございます。
 また、この大震災からの復興につきましては、まさに被災地が復興のその日を迎えるまで、政府として、まさに前面に立って、国として前面に立ってその責任を果たしていく決意でございます。

#340
○木戸口英司君 政府主催の追悼式の話も出ました。二〇二一年、十年目でその区切りとするということでありますけれども、復興はまだ時間を要します。心の復興は十年で区切ることはできません。
 三県にそれぞれ追悼・祈念施設、これは国営であります。ここで政府主催の追悼式をつなげていくと、続けていくということを私は必要だと思いますが、総理、いかがでしょうか。

#341
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘の岩手、宮城、福島の各県の復興祈念公園に整備する国営追悼・祈念施設は、東日本大震災による犠牲者への追悼や鎮魂、そして震災の記録と教訓の後世への伝承のため、地方公共団体との連携の下で整備されているものであります。整備後はこうした目的に沿った形で国として施設を適切に運営してまいりたいと、こう考えているところでございます。

#342
○木戸口英司君 じゃ、終わります。

#343
○理事(三宅伸吾君) 以上で木戸口英司君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#344
○理事(三宅伸吾君) 次に、秋野公造君の質疑を行います。秋野公造君。

#345
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てるように質疑をしたいと思います。
 冒頭、新型コロナウイルスの感染でお亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、治療中の方々の一刻も早い御回復をお祈りを申し上げたいと思います。
   〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕
 まず、総理にお伺いをしたいと思います。
 この度、政府は水際対策を強化をいたしました。あしたもまた強力な措置がとられるわけでありますが、蔓延防止へ向けて強い措置を決断した総理の思いについてお伺いをしたいと思います。

#346
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 諸外国において新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中、とりわけ中国については累計感染者が八万名を超え、うち現在の感染者が二万名以上であります。そして、韓国は感染者が七千名以上と発表されていることなどを踏まえまして、積極果断な措置を講じることとしたものであります。
 また、国民の皆様にも御安心をいただく、そういう措置を行ったということでございまして、引き続き、水際対策についても必要な措置はちゅうちょなく実行していく考えでございます。

#347
○秋野公造君 習近平国家主席の訪日が延期をされたということは大変残念なことでありますけれども、新型コロナウイルス対策におきましては、人と人との接触を避ける、そして、うつす相手を失えばウイルスは死滅する、これが求められているわけでありまして、日中双方でお互いに水際対策を強化するということは非常に重要なことだと思いますけれども、外相会談におきまして何が話されたのか、コロナウイルス対策の現状についてどのような確認が行われたのか、お伺いをしたいと思います。韓国につきましても併せて御答弁をお願いします。

#348
○国務大臣(茂木敏充君) 習近平国家主席の国賓訪日については、今年の春ということで調整を進めてきましたが、双方の都合が良い時期に行うことで改めて調整を進めるということになりました。その具体的な時期については、今後、両国間の外交ルートを通じて調整していくことといたしました。
 経過について申し上げますと、先々週の、日中の外相会談、王毅国務委員との間、さらには、訪日しました楊潔チ政治局員との間で習主席の訪日について議論を行ったところであります。
 これらの議論を踏まえて、日中間で引き続きやり取りを行った結果、双方は、一つには現下最大の課題であります新型コロナウイルス感染症の拡大防止、最優先をしている、また、約十年に一度となる中国国家主席の国賓訪日を十分成果が上がるものとするためには両者でしっかりと準備を行う必要がある、こういった認識で一致をいたしたところであります。
 習主席の国賓訪日については、日中両国が、地域、国際社会が直面する課題、ここの中には、今回の新型コロナウイルス感染症に対してどう情報共有していくか、また国際連携をしていくかと、こういったことでも日中間でしっかり連携しようという話もさせていただきましたが、そういった課題について共に責任を果たしていくことを内外に示す機会としていくと、こういう考えに変わりはございません。日中間でしっかりと準備を行っていきたいと思っております。
 そして、新型コロナウイルス感染症の状況については、中国については新規の感染者、大幅に減少していると、こういう発表もされているものの、三月九日時点で感染者が八万名以上に上っております。また、累次の会談においてもこの問題で日中が緊密に連携していくことで一致をしておりまして、引き続き、情報交換の強化であったりとか、様々な医療用のキットの融通であったりとか、こういったことでも緊密に連携をしていくことといたしました。
 また、韓国につきましては、三月九日時点で七千名以上の感染者が確認をされております。こうした中で、我が国としては、今総理の方から御答弁がありましたように、水際対策を抜本的に強化すべく、時限的な措置として入国制限であったり査証停止の措置を講じたものであります。秋野先生、東京空港検疫所の支社長もされていて、お医者さんであられますから、この水際対策の重要性については誰よりもよく御存じだと、このように思っているところであります。
 我が国の措置につきまして、中国側としては十分理解ができると、こういう反応をいただいております。また、韓国政府は、六日に新たな措置の発表しているところでありますが、日本政府としては、これまでも韓国を含みます国際社会に対して、今般の水際措置の強化を含めて、日本の感染防止対策であったりとか日本国内の状況を丁寧に説明してきたところでありまして、今後も引き続きこのような説明、しっかりと行っていきたいと思っております。

#349
○秋野公造君 お互いに平仄を合わせて感染症の対策に臨むということでありますけれども、この水際対策は病原体の国内の流入を防ぐというだけではなく、敵の、すなわち新型コロナウイルスの情報をしっかり取るという効果もあろうかと思います。
 チャーター便やクルーズ船に関するオペレーションで得られた効果や知見につきまして御答弁をお願いします。

#350
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答えいたします。
 チャーター便やクルーズ船につきまして、関係の皆様には国内感染防止に御協力いただきまして、改めて感謝申し上げます。
 現時点では、他者への感染について十分に明らかではございませんが、無症状病原体保有者が一定程度存在すること、これはチャーター便やクルーズ船に対応した日本がかなりのデータを持っているというところでございます。具体的には、武漢からのチャーター便のPCR検査の結果、八百二十九人調べましたが、PCR検査陽性が十五名、そのうち無症状病原体保有者が四名であったことなどが事実関係として判明したところでございます。
 厚生労働省といたしましては、今後、このような事実関係を踏まえ、改めて対策の効果や知見などについて取りまとめを行いたいと考えております。

#351
○秋野公造君 もう一つ。このときの方々を含めて、ウイルス株を確保することができているはずであります。この情報は極めて重要でありまして、恐れるべきはウイルスが変化を起こしてしまうということでありますけれども、当初中国で得られたウイルス株と我が国で得られた五つのウイルス株の間で変化は起きていますでしょうか。そのスピードについても、知見があれば御答弁をお願いします。

#352
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 国立感染症研究所の方からは以下のように聞いているところでございます。
 昨年十二月に中国で分離されましたコロナウイルス株、中国ウーハン・フー・ワンが現在のところ最も起源に近いものと考えられていること、そのコロナウイルス株と日本で伝播しているコロナウイルス株との間では、三万個の塩基配列のうち三から四か所の異なる配列、変異が認められること、これらの変異は抗原性変異や病原性を高めることが推察される変異ではないこと、現段階での変異のスピードは一年間で三十か所程度と考えられているというようなことでございます。

#353
○秋野公造君 ということは、まあ変化をしていないと、貴重な情報が得られているわけであります。
 こういったチャーター機やクルーズ船で隔離をされて協力をしてくださった方々に感謝を申し上げるとともに、対応した職員の皆様方、あるいはクルーズ船の皆様にも感謝を申し上げたいと思います。
 このクルーズ船の検疫でありますけれども、十四日間の隔離が行われ、検査の結果は陰性だったのですが、下船時に濃厚接触者ということで更に和光で十四日間の隔離に協力をしていただいて、さらに、ここから自宅に帰って地元で十四日間、自宅も一歩から出ないように言われ、中には検査も求められているような人もいらっしゃるということでありまして、仕事もできない、買物にも行けないと。合計、結果としては、この方々は検査も陰性で、そして症状も一度も出なかった方々でありますけれども、四十二日間も人と接触することができない状況というのは、国内感染対策と比較をしてもちょっと気の毒であります。
 何か、本当、お気持ちを表すことだけでなく、本当に何かすることができないか、そのような思いでありますが、御見解をお伺いしたいと思います。

#354
○副大臣(稲津久君) お答えさせていただきます。
 御指摘のクルーズ船内及び自宅での待機につきまして、蔓延防止等の観点からお願いしたものでございますが、議員の今御説明のとおり、合計六週間もの間待機を続けなければならないと、こういう状況でもございます。乗客の方々には相当の御負担、また御不便をお掛けしたと、このように思っているところでございます。
 こうした要請に従っていただいた方々に対してどのようなことが可能なのか、私としてもしっかり耳を傾けていきたいと、このように思っております。

#355
○秋野公造君 稲津副大臣、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 さらに、これらの方々の中には会社から出勤停止を命じられ、中には有休を使うようにといったような方もいらっしゃるようであります。そしてさらに、その方の御家族まで同様の出勤停止であるとか有休を使うようにといったようなところが求められているということを聞いております。ちょっと行き過ぎではないかと思っておりまして、この対応方針につきまして、これは総理にお伺いしたいと思います。

#356
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 下船した乗客の皆様につきましては、経過観察期間中のケアを継続することとしまして、また、家族の皆様も含めてその実態把握に努めています。また、仮に法令等に照らして問題のある事例が確認された場合は、関係機関として直ちに是正の措置をとらせることといたします。
 いずれにいたしましても、乗客の方やその家族の皆様に対する差別や偏見、あるいは職場における不当な取扱いなどは決してあってはならないことでありまして、政府としてはですね、政府としても対応を徹底させてまいります。

#357
○秋野公造君 ありがとうございます。
 今回はコロナウイルスでありますけれども、高齢者、そして基礎疾患の重症化を防ぐということが非常に重要な中で、六日にはPCRも保険適用となりました。検査をしやすくなるということでありまして、一方で、多くの検査がなされるということでありますと、医療従事者と感染者の接触も増えてくるということになります。
 限られたリソースで命を守っていかなくてはならないということになりますと、ちょっと懸念されることを確認をしておきたいと思いますが、感染者を診察したことが後から判明した医師は即濃厚接触者の取扱いになるのかということ、そして、医療機関は閉鎖をしているようなところも現状で見受けられているわけでありますけれども、例えばその一室の消毒が必要なのか全館が必要なのか、ちょっとここらを明確に、これからいろんな方々が参加をしていただくに当たり、したいと思います。
 そしてさらに、介護施設においても、入所者が、仮に発生をした場合、同様の、接した職員が即濃厚接触になるのか、その施設の取扱いについて併せて御答弁をお願いします。

#358
○副大臣(稲津久君) お答えさせていただきます。
 新型コロナウイルス感染症の患者、それから利用者の診察、看護若しくは介護ということで、担当した医療従事者あるいは介護職員の方が濃厚接触者に該当するかどうかにつきましては、これは個々の状況を勘案して個別に判断されるべきものであると、このように理解しております。
 したがって、例えばマスクや手袋を着用するなど適切な感染防護をしていれば、一般的には濃厚接触者には該当しないと思っております。また、その病室ですとか診察室等のその後の対応については、しっかりウイルス除去の対策を講じていけばそこはまた十分使えると、このように認識しております。

#359
○秋野公造君 ありがとうございます。
 重症者の命を守るということで、ほとんどが軽症ということでありますから、重症者の命を守るということを明確にすることができれば、この対策に対して大きく国民の安心感を得ることができるのではないかと思います。
 現在、この新型コロナウイルス感染症の治療薬の候補について、カレトラという薬とアビガンという薬とレムデシビルという三種類の薬が候補として考えられているわけでありますけれども、私、このカレトラという薬、そしてアビガンという薬の、EC50値といって薬が最大限に効果があるその濃度の半分、その濃度がこの両剤では極めて高いということで、この両方を使うならば大量の薬を服用しないと治療には用いることができないのではないかと、こういう問題意識を持っております。その先ほど申し上げたEC50値だけで考えますと、最後に申し上げましたこのレムデシビルが一番やりやすいのではないか。効果は別ですが、効果はそれぞれ検証が行われると思いますが、中国でも治験が始められ、近いうちに結果が出るということで聞いております。
 国が、感染症研究所などが出しております手引などを見ても、このカレトラやアビガンについては詳細が示されておりますけれども、レムデシビルについては余り書いていないようであります。そういった意味では、レムデシビルもしっかり候補に入れて使っていただくということ、重要ではないかと思いますが、これも御見解をお伺いしたいと思います。

#360
○副大臣(稲津久君) お答えさせていただきます。
 御指摘のカレトラ、それからアビガン、そしてレムデシビルにつきましては、新型コロナウイルスに有効性があるかどうかということを見極めるために、観察研究として患者への投与を既にスタートしているところでございます。いずれも新型コロナウイルス等を用いた基礎研究では既に一定の有効性が認められていると、こうしたことから、実際の患者の皆さんにその同意を得て使用することで治療薬の早期な開発につながっていくと、このようになっております。
 そこで、この今お話のありましたレムデシビルにつきましては、これは米国とともに国際共同治験を実施する予定でございまして、委員から今御指摘があったことを踏まえて、しっかり進めてまいります。

#361
○秋野公造君 どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 公明党は、ヒト・ヒトの接触を減らす観点から、確定申告でありますとか車検といったもの、この行政手続について、三月末に集中をするもの、こういったものを延長するような措置を求めてまいりました。
 先般も、我が党の竹谷議員の御質問に対して、総理の方から、他省庁も含めて検討をするといったような、しっかり見直しをさせるといったような御答弁もあったところでありますけれども、車検が遅れてもいいと、遅らせてもいいということでありますれば、ちょっと確認でありますけれども、自動車重量税についてもこれは同じ取扱いになるということでよろしいか、御確認であります。財務大臣、お願いします。

#362
○国務大臣(麻生太郎君) 一言で言えば、なります。

#363
○秋野公造君 どうぞ財務大臣には周知をお願いをしたいと思います。
 廃車シーズンでもあります。三月は陸運局が混雑をするといったものも三月の一つの風景ということでありますけれども、これも期間を延長するなど、混雑を避けることができるのではないでしょうか。総務大臣にお伺いをしたいと思います。

#364
○国務大臣(高市早苗君) この所有者に課される自動車税種別割の賦課期日が四月一日でございますので、廃車や所有権の移転などの手続を三月末までに終了するべく、かなり手続を行う方が集中する傾向でありまして、委員の問題意識のとおり、これを何とか分散できないかということが重要な問題意識です。
 総務省としましては、まず、道路運送車両法では、この廃車や所有権の移転の手続というのは十五日以内に行えばいいとされておりますので、これを地方団体にまず通知を出しまして、地方団体のホームページや市民便りのようなものを通じてまず広報していただくことをお願いします。さらに、今、廃車などにつきましては、納税も含めてですが、四十四都府県においてオンライン手続が可能ですから、その旨の周知もしていただきたいと思っております。
 加えて、地方団体の課税事務への影響を踏まえた、四月以降に手続を分散させていく方策につきましては、今後、国土交通省と地方団体と相談をしながら検討を進めます。

#365
○秋野公造君 高市大臣、前向きな御答弁をありがとうございます。
 インフル特措法の法案審査を公明党でも終えたところであります。
 まずお伺いしたいことは、もしこのインフル特措法を改正をしたと、一体この蔓延防止に向けてどのような条文を用いようとしているのか、まずこれについて簡単にお伺いをしたいと思います。

#366
○政府参考人(安居徹君) 政府といたしましては、あらゆる可能性を想定し、国民生活への影響を最小化するため、緊急事態宣言の実施も含め、新型インフルエンザ等対策特別措置法と同等の措置を講ずることが可能になるよう検討しております。
 現行の特別措置法では、新型インフルエンザ等が国内で発生し、その全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある事態、すなわち新型インフルエンザ等緊急事態におきましては、外出自粛要請、学校を含む施設等の使用制限、使用停止の要請、指示及びその施設を使用する催物の開催の制限、停止の要請、指示、臨時の医療施設のための所有者の同意を得ない土地の使用、医薬品、食品、医療機器その他衛生用品等の所有者に対する売渡し要請、収用等の措置が可能となります。

#367
○秋野公造君 西村大臣にお伺いをしたいと思いますが、この緊急事態宣言の要件につきまして、例えば全国的あるいは急速な蔓延、これは様々な定義はあるわけでありますけれども、これがなかなか分かりにくかったりいたします。これを明確にすべきであるというのが我が党の要求でありましたけれども、これについて検討が進んでおりましたら御答弁をお願いしたいと思います。

#368
○国務大臣(西村康稔君) お答えを申し上げます。
 現行の新型インフルエンザ等対策特別措置法、ここにおきましては、国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがある新型インフルエンザ等が国内で発生をし、御指摘のように、その全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び経済、国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある事態が発生したと認めるときに緊急事態宣言を発出することになっております。
 この宣言を行うに際しては、発出するに際しては、この要件に該当するかどうかの判断について、既に閣議決定されております政府行動計画、これは新型インフルエンザについてやっているものですけど、これを今回のコロナウイルス感染症についてもそのまま適用、原則そのまま適用することを考えておりますが、この行動計画において、専門家で構成される基本的対処方針等諮問委員会に諮問するということを定めているところでございます。その上で、特措法におきましては、国会への報告をするということと規定されていると認識をしております。
 御指摘の緊急事態宣言の要件の定量化につきましては、感染症の状況あるいは重篤性の度合い等が様々である中で、蔓延の要件などについて定量的にお示しすることはなかなか困難であるかなというふうに考えておりますけれども、御党からいただいた御指摘等を踏まえて、まさにこの基本的対処方針を定める段階になれば、専門家の意見をしっかりと聞いて判断をしていくことということを基本的対処方針に明記することにより、まさに専門家の意見を踏まえ適切に判断していけるように、そういうふうにしていきたいというふうに考えているところでございます。

#369
○秋野公造君 国会の関与につきましても我が党が申し上げたことでありました。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 この新型インフルエンザ等特別措置法に追加する新型コロナウイルス感染症、先ほど、得られたウイルス株の情報からほとんど変化をしていない、今後も余り変化しないだろうという予想も示されているところでありますけれども、この新型コロナウイルス感染症の定義につきましてお伺いをしておきたいと思います。

#370
○政府参考人(安居徹君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症については、病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルスであって、令和二年一月に中華人民共和国から世界保健機構に対して人に伝染する能力を有することが新たに報告されたもの、すなわちCOVID―19を想定しております。

#371
○秋野公造君 さらに、この新型インフルエンザ等特別措置法において、病院等での医療提供体制を維持するためにどのような方策が取られるのか、どのように物資が確保されるのかということであります。
 この特措法の中には、医師を手当てするということ、それから、臨時の診療所、医療機関をつくるといったこと、医薬品等、こういったものについては法律の中で明確に示されているところでありまして、マスクなどの衛生用品もこの中に入るということでありますが、現状で、例えばでありますけれども、綿、綿花ですね、消毒等に使う綿花が足りないというお声であったり、あるいは透析に用いる水は大丈夫なのかなどといったようなお声もいただいているところであります。
 こういったところをどう法律で読み込むのかということも含めて、全体像につきまして御答弁をお願いしたいと思います。

#372
○国務大臣(西村康稔君) この特定インフル特措法ですね、この五十五条におきまして、これは緊急事態宣言が発出された後でありますけれども、都道府県知事は、この対策を実施するために必要があると認めるときに、必要な物資の所有者に対してその売渡しを要請し、正当な理由がないのに応じないときにはその物資を収用することができるという規定がございます。この規定に基づいて、対象となる物資については、御指摘の透析用の精製水ですね、こういったものも含めて、医薬品、食品、医療機器その他衛生用品など、こういったものをしっかりと確保できるようにしていきたいというふうに思っております。
 なお、緊急事態宣言が発出される以前においては、製薬会社等の指定公共機関等において必要な医薬品その他の物資を備蓄しなければならないとされておりますし、政府対策本部長である総理大臣にはこうしたところと調整、総合調整を行う機能がございますので、こうした規定を活用してしっかりと確保していきたいというふうに考えております。

#373
○秋野公造君 この特措法において、その損失補填の規定については、法律が制定されたときから、我が党の浜田議員の質疑にもありましたとおり、例えば過大な評価に基づいて国民が損失を得たときにどうするのかといったことがこの法律だけで十分なのかといったことは、その法律制定のときから既に議論がなされておりまして、ここは積み残した部分だろうと思っております。
 先ほど施設の使用制限といったようなところもありましたけれども、例えば施設の使用制限の要請等に従った結果、損失を被った者に対する損失補填の規定、こういったものはやっぱり検討を続け、実施する必要があるのではないかと私は思いますが、大臣、御見解をお伺いをしたいと思います。

#374
○国務大臣(西村康稔君) この新型インフル特措法における損失補填の考え方でありますけれども、まさに御指摘の緊急措置の内容、それから強制力、その程度、罰則があるのかないのかとかですね、そういったこと、それから、御指摘のまさに対象者が被る不利益等、こういったものを総合的に勘案をして位置付けられているものというふうに考えております。
 その中で、例えば、土地の使用とかそれから物資の収用、こういったものに伴う損失については補償の規定がございます。他方、御指摘の施設の使用制限あるいは停止の要請等による損失についての規定がない、補償の規定がないところでございます。
 他方、今回、感染拡大によって経済的な影響を受けた事業者、あるいは政府の要請を受けてイベント、営業等を中止した事業者については、既に資金繰り支援、雇用維持支援など行っておりますし、さらに明日、これを一層強力に進めるための対策を取りまとめる予定にしておりますので、法改正がなされた後に実際にその要請とか指示がなされた場合には、今回のこうした対応を踏まえて適切に対応していければというふうに考えているところであります。

#375
○秋野公造君 ありがとうございます。
 総理は、この新型コロナウイルス感染の終息についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。
 これまで、このウイルスは全ての人が感染を起こしているわけではないということ、すなわち、クラスターをつくって感染が広がっているということから、外出の自粛あるいは休校、そういった措置をとって蔓延の防止に努めてきたわけであります。
 さらに、今回、強い水際対策も打つということでありますが、一方で、この新型インフルエンザ等特措法の趣旨を考えますと、そもそもこのウイルスに感染をしたことがない、すなわち免疫がないから一定程度広がるんだという前提の下での法の立て付けがあって、行動計画のお話もありましたけれども、行動計画の中には、どの程度、現状では抗体を測定するということ、どれだけの人が感染を起こしたのかということは測れないわけでありますけれども、そういったこともモニターをしながら、一定程度の方が感染をするということを見越して、だけども、命を守るために、絶対に重症化させないために、医療機関も守りながら限られたリソースの中でこれを乗り切っていこうというのがこのインフルエンザ特措法の理念かと思います。
 ここがちょっと若干乖離するという部分が見えるように思うんですが、この終息のイメージというものをどのようにお持ちなのか、お伺いをしたいと思います。

#376
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この事態の捉え方について今委員から整理してお話をいただいたところだと思いますが、新型コロナウイルス感染症については、専門家の見解によれば、現状は急速な感染拡大に進むのか、あるいは終息できるかの瀬戸際であり、今がまさに国内の急速な感染拡大を回避するために極めて重要な時期と認識をしております。
 そのため、全国規模のイベントの自粛やあるいは学校に対する臨時休校等の要請を行っているところでございまして、言わばクラスターから新たなクラスターが発生することを抑えるということでございまして、今、ある程度それぞれのクラスターを把握をしておりまして、その感染経路も把握をしている。がしかし、把握ができていない感染者の方々もおられるのは事実でありますが、このクラスターをしっかりと潰していく、拡大させないということも大切であり、そういうことに鑑み、今回こういう措置もとらせていただいているところであります。
 また、中国、韓国からの来航者についての水際対策の強化などあらゆる対策を集中して実施をしているところでございますが、同時に、危機管理の観点から、国内の患者数の急速な拡大といった事態に備えて緊急事態宣言の発出等を可能とする法案の提出を予定をしているところでございますが、これは、まだこれはそういう事態ではございませんが、そうした最悪の事態をあらかじめ、に備えておく必要があるだろうということで今回こうした対応を取っているところでございますが、引き続き、私を本部長とする対策本部を中心に、日々変わる情勢変化の先を見通しながら、何よりも国民の命と健康を守ることを最優先に、やるべき対策をちゅうちょなく決断し実行していく考えでございますが、終息していきつつあるのか、終息しているのか、これはまさに専門家の皆様に御判断をいただきたいと、こう考えております。

#377
○秋野公造君 最後に、総理に改めてお伺いをしたいと思います。
 先ほど正念場という御発言もありました。ほかの議員も正念場については総理に御質問をなさっていました。私もこの正念場についての受け止めというのはお伺いをしたいところであります。
 二週間で状況がぱっと一気に、感染者がいなくなるとか、そういうことはとても考えられないわけでありまして、正念場がずっと続くことになるのではないかということを思っているわけでありますが、この二週間の、この二週間の正念場と総理がおっしゃった、それを現状としてどう受け止めているか、このことについてお伺いをしたいと思います。

#378
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この言わば専門家の皆様が言われたこの一、二週間が正念場ということについては、これはまさに急速に拡大をしていく、急速に拡大しているということは、カーブ、こう急速に上がっていく、しかも高くなっていくということであります。当然重症者の方々も増えていくと。その中において、医療提供体制において、その医療提供体制を地域によっては超えていく危険性もある、それは抑えなければいけない。この山を、山を小さく、できるだけ小さくしていく。そして、先に、その山が先にできるようにしていく中において、準備も、準備も十分に整えながら、そして、その十分に整えた準備の中、範囲内に抑えていくという、そういうことができるかどうか、その中で終息をしていくということでございます。
 北海道では、新型コロナウイルス感染症の拡大により、道民の方々は大変不安に思っておられるものと認識をしております。国も雇用調整助成金の特例を設けて非正規の方も含めて休業となる方々への支援を行うとともに、必要となる物質、物資の支援など、あらゆる協力を惜しまない考えであります。
 そこで、率直に申し上げまして、今回のウイルスはいまだ未知の部分も多いところでございまして、引き続き、政府としては、何よりも国民の命と健康を守ることを最優先に、やるべき対策をちゅうちょなく決断し実行していく決意でありますが、最終的な終息に向けては、国民の皆様や医療機関や企業、自治体などの皆さんの御理解と御協力が不可欠でございまして、この苦難を乗り越えるために改めてお一人お一人の御協力をお願いをしていきたいと、こう思っているところでございます。

#379
○秋野公造君 休校の措置で子供たちが蔓延の防止に協力をしてくださっている状態でありますから、大人が頑張らなくてはいけないというところだと思います。国民の皆様に今呼びかけをしてくださったとおり、蔓延の防止へ向けて力を合わせるときだと思いますので、どうかこれからも指揮を執っていただきますようにお願いを申し上げまして、ちょっと時間が残りましたが、質問を終わらせていただきます。

#380
○委員長(金子原二郎君) 以上で秋野公造君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#381
○委員長(金子原二郎君) 次に、下野六太君の質疑を行います。下野六太君。

#382
○下野六太君 公明党の下野六太でございます。初質問に立たせていただきます。
 私は、一昨年六月まで中学校で三十年間保健体育の教師として勤めてまいりました。今回の新型コロナウイルス対策による休校措置で、元同僚の先生方や保護者、卒業生、中学生の子供たちから多くの連絡をいただきましたので、そのことを中心に質問をさせていただきたいと思います。
 学校休校措置で教育現場には戸惑いが広がっています。小六、中三、高三の卒業を迎える学年を始め、そのほかの学年にとっても、手塩に掛けて育ててきた子供たちとのお別れのときが近づいてきておりました。先生方は、卒業式、終業式に向かって頑張っていこうと呼びかけておりました。子供たちもまた、仲間たちと一緒に最後まで頑張っていこうとしていたやさきの休校措置でした。泣き出す子供たちに対して、大変なときだからこそ大きく成長できるよう頑張っていこうと、現場の先生方は自身の悲しみを乗り越えて、渾身の励ましを家庭訪問や電話、手紙で一人一人に送り続けておられることを伺っています。
 現場で奮闘を続けておられる全国の先生方と頑張っている子供たちに向けて、総理から励ましのメッセージをお願いしたいと思います。

#383
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この度の臨時休校の要請については、一、二週間が瀬戸際であるという専門家の皆様の提言を踏まえまして、まさにそこからもうカウントダウンが始まっているわけでございますので、差し迫った状況の中で、このクラスターが発生しますと、それぞれのクラスターは三十人、四十人という形で感染が広がっていきます。これは、学校で発生すること、教室で発生することは何としても避けなければならないという判断の下、そして時間を掛けるいとまがない中での判断でございました。
 学校生活を送っていた子供たちの皆さんには事前に、そしてまた学校現場の皆様方に対しては事前に十分な御説明ができなかったこと、これは大変申し訳ないと思っております。そして、その中でお休みに入らざるを得なくなったということでございます。今例として挙げられた小学校六年生、中学校三年生、高校三年生の皆様は、それぞれ中高大と、あるいは社会に出ていかれるわけでございますから、同じクラスで共に学んだ仲間たちと別れを惜しむいとまもなくなったということなんだろうと、その意味では大変申し訳なく思っております。また、日々子供たちと向き合っている先生方にも大変な御負担をお掛けしたと、こう思います。
 三月は、子供たちにとって学年最後、卒業前の大変大切な時期でございます。そういう中でこのような判断をせざるを得なかったということは、まさに断腸の思いであったわけでございますが、その中で、子供たちのために、臨時休業に向けた速やかな準備や休業期間中の学習支援など、今回の急な対応に全力を尽くしてくださっている学校の先生に対しまして改めて感謝申し上げたいと思いますし、大切な思い出をつくるためにそれぞれの先生方が気持ちを込めて様々な工夫をしていただいていることに対しましても感謝申し上げたいと、こう思います。
 今がまさに感染拡大のスピードを抑制するために極めて重要な時期であり、国内の感染拡大を防止するためあらゆる手段を尽くしていかなければならないという時期であったということについて御理解をいただきたいと思います。また、御理解をいただきながら、協力を、大変な御負担をお掛けしている、また御協力をいただいていることに重ねて感謝申し上げたいと、このように思います。

#384
○下野六太君 GIGAスクール構想が補正予算に組み込まれました。一人一台の端末と学校内で高速かつ大容量の通信ネットワークを整備するものですが、インターナショナルスクールではICTを使った遠隔でのリモートラーニングが行われています。
 教育現場の先生方や保護者の方々からは、このGIGAスクール構想の一環で、インターネットを活用して学習できる仕組みをつくってほしいという要望が出されていますが、いかがでしょうか。

#385
○国務大臣(萩生田光一君) この度の一斉休業では、現場の先生方にも大変な御負担と様々な御心配をお掛けしていること、私の立場からも本当に申し訳なく思っております。しかしながら、子供たちのことを本当に真摯に考えていただいて、全国で本当に様々な対応をしていただいていることに、改めて、私、現場の底力というものを感じているところでございます。
 学校の臨時休業期間中に児童生徒が学習を進める際にICTを活用することは有意義であり、既にICT環境整備の進んでいる自治体においては、民間企業が提供するコンテンツも含め、積極的に活動を、活用いただいていると考えています。
 しかしながら、我が国の教育におけるICT活用状況は世界から大きく後塵を拝しており、その基盤となる学校ICT環境について整備が進んでおらず、自治体間で差が生じています。このような課題を解決すべく、令和元年度補正予算において、GIGAスクール構想の実現として、学校における高速大容量の通信ネットワークと児童生徒一人一台端末の一体的な整備に必要な経費として二千三百十八億円を計上したところです。
 文科省としては、まずは民間企業とも連携をしながら、令和の時代のスタンダードとしての学校ICT環境の整備を図り、遠隔教育のみならず、様々な学習場面でのICTの活用を促進をしてまいりたいと思います。

#386
○下野六太君 ありがとうございます。
 学童保育の現場では人手不足が深刻化しています。将来教師を志望している意欲あふれる学生は各都道府県にいると思いますが、その学生たちがボランティアを含め学童保育の現場に入ってくれた場合、単位の認定ができる仕組みも整えると学生たちもやる気が湧いてくると思いますが、いかがでしょうか。

#387
○国務大臣(萩生田光一君) 学童保育の場における活動も含め、大学生のボランティア活動については、各大学の判断により授業の一環として位置付け、単位を付与することは可能であり、このことについては各大学に既に周知をしております。
 一方、コロナウイルスの感染が広まる中、文部科学省においては、各大学に対して、手洗い、せきエチケットなどの基本的な感染症対策の徹底や、感染症の拡大防止の必要性について学生の理解を促すなどの周知啓発等に努めているところです。
 このため、学生がボランティア活動を希望する際には、各大学において、必要な修学上の配慮を、御配慮を行うのみならず、新型コロナウイルス感染症対策について、これまでの発出した通知などを参考に適切に指導いただくことが重要です。
 文科省としては、引き続き、単位認定など修学上の配慮事項や感染症防止対策について様々な機会を捉えて周知することなどを通じて、学生の希望や各大学の取組を支援をしてまいりたいと思います。

#388
○下野六太君 ありがとうございます。
 各学校には、週当たり十数時間の授業を受け持っておられる非常勤講師の先生方が多く勤務しておられます。今回の休校措置によって突然授業がなくなってしまったことによって収入源が断たれている状況です。学校から連絡がないため、途方に暮れておられる方もおられます。
 このような講師の先生方の休業補償についてお聞かせください。

#389
○国務大臣(萩生田光一君) 非常勤講師につきましては、授業がない場合であっても、授業準備や年度末の成績処理や、また児童生徒の家庭学習の支援など、引き続き休業中においても業務を行うことが考えられます。
 文科省としましては、各教育委員会や各学校法人等において、当該非常勤講師の任用形態や学校の運営状況等を踏まえながら、処遇確保のための適切な対応がなされることが必要だと考えており、このことについては当省のホームページに掲載をしたQアンドAにおいても周知をさせていただいたところです。
 さらに、公立学校については、三月五日付けで各教育委員会に対し、これと同趣旨の学校における業務体制の確保に関する通知を発出しました。また、私立学校についても、三月六日付けで各学校法人等に対し、同趣旨の事務連絡を発出したところです。文科省としても、引き続き各設置者に対して趣旨の徹底を図ってまいります。
 この件については、他の委員さんからの御質問にも答えていますけれど、緊急事態ですから、これは非常勤講師の先生方も手放さずに、マンパワーとして、是非学校のスタッフの一員として一緒に仕事に当たってもらいたい。例えば、担任の先生たちが家庭訪問などに回れば学校が空いてしまいますので、そういった後方支援もしていただけるように、是非三月の年度末まで続けて働いていただけるように通知をしたところです。

#390
○下野六太君 ありがとうございます。
 休校措置によって体育の授業や部活動もできなくなった上に、運動できずに自宅にいる子供たちの体力の低下が心配です。これに対して何らかの取組は予定はされているでしょうか、お答えお願いします。

#391
○国務大臣(萩生田光一君) この度の学校の臨時休業に伴い子供たちが運動する機会が減少することを踏まえ、文科省としては、二月二十八日付けで事務連絡を発出をし、体育の授業で学習した内容で家庭でも安全に行うことができる運動をお示ししたところです。また、臨時休業期間において学習に役立つコンテンツとして、家庭で一人又は親子などの少人数でできる運動遊びやダンス動画などのスポーツメニューを紹介したところです。文科省としては、このような情報を広く提供することにより、休業期間中の子供たちの体力、健康維持を図ってまいりたいと考えております。
 なお、安全な環境の下に行われる日常的な運動、例えば外へ出て散歩ですとかジョギングですとか縄跳びですとかですね、こういったことを一律禁じているものではございませんので、一週間ちょうど終わりました段階で、改めて全国の自治体にもそのことは誤解のないように通知をしました。
 また、学童保育や子供の居場所づくりで学校を一部開放している実態がございます。その場合には、校庭や体育館で密集を避けて是非体を動かすようにということで、実は先ほども港区の小学校にちょっとお邪魔してきたんですけれど、時間を切って二十人ずつ校庭で運動するというようなことに学校の先生方の御努力をいただいている、そういう現場を確認をしてまいりました。こういったことを展開をしていきたいなと思っております。

#392
○下野六太君 安心しました。是非、今後ともよろしくお願いします。
 今回の休校措置に伴い、学校給食の事業者も予定をしていた給食提供のキャンセルによって大変御苦労をされていることを公明党として関係団体から伺いました。この苦難を乗り越え、学校が再開されたときに学校給食を届けることができるように事業を支えていただきたいと思います。
 先日の予算委員会で、竹谷参議院議員から学校給食関係事業者等に生じる負担についての質問に対し、大臣は、関係省庁と連携しつつ具体的な対応を明言されましたが、その後、具体的な対応はどのようになっているでしょうか、お聞かせをお願いします。

#393
○国務大臣(萩生田光一君) 全国一斉の臨時休業を要請するに当たり、新型コロナ感染症対策本部において、こうした措置に伴って生じる様々な課題に対しては政府として責任を持って対応することが表明をされております。
 休業決定後の学校給食費あるいは食材費等については、これまでは保護者、学校設置者あるいは食品納入業者等がそれぞれ分担し、負担しているのが通例でした。その上で、今回の長期にわたる臨時休業により学校給食が実施されないことによって保護者、地方自治体、事業者等に生じる負担への対応については、各自治体等の対応状況等も注視をしつつ、二月二十九日の総理会見において、緊急対策を今後十日程度のうちに速やかに取りまとめるとの発言を踏まえて、鋭意検討を進めております。
 先生、現場、御承知のように、学校給食の場合は自校直営方式、自校民間委託方式、センター直営方式、センター民間委託方式、また全てを民間業者に委ねるという、大きく分けると五種類に分かれると思うので、どの時点で損害が生じたかというのは直営の場合と民間の場合では各々起点が違う部分もあります。あるいは、食材については地元の御努力で、無駄にならないようにということでスーパーなどで買取りをしてもらったりとか、あるいは即売会をやったり、努力をしていただいている自治体もありますので、様々な自治体によって様子が違います。
 これも踏まえて、自治体の地方団体の長の皆さんともいろいろ今相談を、最後の詰めをしておりますので、あした十日の対策の発表の中にはこの給食のことはきちんと盛り込みをさせていただきたい、こう思っております。

#394
○下野六太君 ありがとうございます。
 休校措置になった今、学校から出される宿題だけでは時間を持て余して困るという声を保護者の方々から聞いております。多忙を極めていた現代っ子に自分を見詰める時間ができた今、読書を勧めてみてはいかがでしょうか。読書を始め、新聞、雑誌の活字に親しむ習慣を身に付けられるとよいかと思います。
 アメリカのエマソンは、良書は最良の大学の代わりをすると言いました。この機会に古典や名作などの良書の読書を始め、活字に親しむ習慣を促してみてはいかがでしょうか。小学校低学年、中学年、高学年、中学校、高校と五段階に分けて、それぞれに読んでほしい名作を提示し、休校期間中に読書の啓発施策を取り入れてみてはいかがでしょうか。よろしくお願いします。

#395
○国務大臣(萩生田光一君) 御提言ありがとうございます。
 子供の読書活動は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものだと思います。
 今回の臨時休業は新型コロナウイルスの感染の拡大を防止するための措置であり、子供たちは基本的に自宅で過ごす時間が長くなります。この機会に本や新聞などの活字に親しむことは大変意義があることだと考えております。
 文科省では、三月二日に子供たちの学習支援のための子供の学び応援サイトを開設をいたしましたが、このサイトの中でも、読書関係団体等によるお薦めの本の紹介をさせていただきました。例えば、公益社団法人全国学校図書館協議会では、同協議会が毎年、小学校低学年、中学年、高学年、そして中学校、高等学校別に選定している長期休業中に読んでほしい本などを掲載をさせていただいております。
 また、各地の図書館でも、それぞれの地域の状況に応じ、例えば一人当たりの貸出冊数を通常よりも増やしたり、休館中でも事前に予約した本の貸出しは行ったりするなどの対応を取っているところもあると承知をしております。
 また、今回の要請で自治体の図書館が一時的にかなり閉まってしまったんですけれども、自習室などに長時間人が集まることは望ましくないと思っていますが、貸出業務は是非やっていただきたいということをまた今日付けで改めて各自治体にも連絡をさせていただいたところでございます。
 また、図書をバスで自宅に届けるなどの取組も全国では行われておりますし、また、やむを得ない事情によって家庭で過ごすことのできない児童を図書館で学童保育をやっていただいている岡山県などの例もございます。
 こういった例をしっかり展開をしながら、多くの子供たちが良質な本や活字に触れる経験を豊かにしていただきたい、こう願っております。

#396
○下野六太君 以上で終わります。ありがとうございました。

#397
○委員長(金子原二郎君) 以上で下野六太君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#398
○委員長(金子原二郎君) 次に、柴田巧君の質疑を行います。柴田巧君。

#399
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
 まず冒頭に、今般の新型コロナウイルスの感染によってお亡くなりになった方にお悔やみを申し上げますとともに、御遺族の方に心からお悔やみを申し上げたいと存じます。
 まさに国難と言ってもいい状況になりました。人の命に関わり、また我々の、私たちの生活や暮らしやなりわいを直撃をしているところです。こういうときに、与党だ野党だと言っていないで、この目の前の困難をどう乗り越えていくか、お互いに知恵を、力を合わせていかなければならないと思っております。
 したがって、私どもは、政府に協力すべきところは協力をしながらも、足りない部分はしっかりと指摘をして、より良いものになるように積極的に提案をしたいと考えておりまして、実際、この国家的な緊急事態ゆえに前例にとらわれない大胆な対策を取るべきだということで、二月の三日という早い段階で政府に対して対策を提言をさせていただきました。そして、今月の四日に党首会談で、お手元に資料もあろうかと思いますし、パネルを用意いたしましたが、総理にその第二弾の提案をさせていただいたところです。(資料提示)
 今日は、これに即しながら、総理の御見解を、そしてこれからの政府の取組をお聞きをしてまいりたいと思っております。
 まず第一番目は、中国全土等への入国禁止措置の拡大であります。
 私どもは、早い段階からこの感染が著しい中国全土からの入国を禁止すべきだということを申し上げてきましたが、本日からこの中国そして韓国からの入国制限が強化される、これが発動されるわけで、一定の評価はできますが、これは御承知のとおり強制力がなく、要請ということになりますので、もし一旦入国ということになれば、これは人との接触は不可避になると、そういう徹底さに欠けるところがあると思っております。
 国内でこのウイルスが蔓延をして、水際対策の段階でないとおっしゃる向きもありますが、引き続き水際対策は大事でありますし、より明確で厳格なものにする必要があると思っております。
 中国では生産活動も再開をされ、これからいろいろ人や物の行き来も激しくなるということも鑑みますと、入国禁止措置の対象をこの中国全土を始め感染が深刻な国、地域へ拡大すべきだと思いますが、総理の御見解をお聞きをしたいと思います。

#400
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府においては、これまで、新型コロナウイルス感染症が蔓延している地域から来訪する外国人や感染症が発生しているおそれのある旅客船に乗船する外国人について、入管法に基づき入国拒否の措置を講じるなど、徹底した水際対策を実施してきたところであります。
 これまで、中国湖北省及び浙江省、韓国大邱広域市及び慶尚北道清道郡を対象地域として指定し、今月七日からは新たに慶尚北道の一部地域及びイランのコム州等も対象地域として追加をしたところであります。
 また、今般、中国及び韓国からの入国者に対する検疫を強化し、検疫所長が指定する場所で二週間待機することを要請するとともに、航空機の到着空港の限定、船舶での旅客運送の停止、そしてこれは大変大きな処置なんですが、査証の効力の停止、これは言わば新たに査証を出さなければ日本にそもそも入国してこれないというものでございます。両国からの入国者総数を抑制することとしたところであります。
 諸外国での感染が拡大する中で、今が正念場であり、状況が時々刻々と変化する中、どこの地域を入国拒否の対象地域とするかについては、また政府として今後も感染者数や移動制限措置の動向等をしっかりと分析し、機動的な措置をちゅうちょなく講じていく考えでございます。

#401
○柴田巧君 まだ不十分な点はありますが、とにかく、今総理もおっしゃったように、ちゅうちょなく、もちろん期限を切ってということになろうかと思いますが、きっちりとこの入国禁止措置をとっていただきたいと思います。
 次に、私どもが提案をしております第二番目、これは医療崩壊を阻止するための措置強化というものでございます。
 とにかく医療現場が崩壊をしたらどうしようもないわけでありまして、医療への備えで大切なのは、改めて言うまでもありませんが、医師や看護師、ベッド数が足りなくなる状況を起こさないことでございます。武漢であれだけの人が感染をし、多くの人が亡くなった一つの原因は医療崩壊が起きたからと言われておりますが、そのためにもトリアージュを徹底をするということが極めて大事なことだと考えます。
 この新型コロナウイルスに関しましては、医療機関においてはまだまだこの感染症専門のお医者さんは少ない、またベッド数には限りがあるわけでございます。比較的若い人は軽症者が多いわけですが、残念ながら今のところこの新型コロナウイルスの治療薬はございませんし、入院ということになれば、その治療は長引いているわけですから、重症者や基礎的疾患のある人を優先的に入院させて治療に当たる制度、仕組みの構築が不可欠だと思います。
 そうやってこの新型コロナウイルスの肺炎による死亡者を少しでも減らして、医療崩壊を阻止をしていく、そのためにトリアージュが徹底することが大事だと思いますが、今般、この特措法の改正に当たって、この新型コロナウイルスの感染による患者に関して医療機関が強制的にトリアージュができるようにする仕組みを書き込むことはできないのか、この点について総理にお聞きをしたいと思います。

#402
○国務大臣(西村康稔君) まず、現在の新型コロナウイルス感染症の状況については御存じのとおりでありまして、国内の複数地域で感染経路が明らかでない患者が発生している、一部地域には小規模の患者、クラスターの発生が把握されているという段階で、専門家の見解によれば、感染のスピードを抑制することが可能な段階にあり、これから一、二週間が急速な拡大に進むか、あるいは終息できるかの瀬戸際にあるという状況であると認識しております。
 患者の方々の入院措置については感染症法に基づいて対応されておりまして、五千床を超える病床の確保、必要な設備投資、こういったことについて対応策を具体化させていっているところでございます。
 その上で、新型インフルエンザ等対策特別措置法においては、都道府県知事は医療の実施の要請を行うことができるというふうにされております。そしてまた、政府の対策本部長である総理大臣はこの総合調整を行うことができるということでありますので、こうした規定をうまく、成立した暁には、こういった規定に基づいて活用しながら、状況を見極めながら、必要な対策、対応を適切に行っていきたいというふうに考えております。

#403
○柴田巧君 それは強制力を持たないということにもつながるんだろうと思いますが、やはりこの医療現場を崩壊させてしまうと、先ほど申し上げたように元も子もありませんので、ここは何らかの強制力を持てるものを是非検討をしていただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。
 次に、私ども日本維新の会が提言をしました三つ目は、働く人に対する漏れのない休業補償ということでございます。
 まず、総理の御認識をお伺いをしたいと思いますが、今般、この拡大防止のために学校を一斉休業したわけでありますが、やはり大変、先ほどからもお話がありましたように、急なことで、唐突なことでなかなか理解がされなかったり、混乱が現場で今生じているということでありますが、先ほどもお話がありましたように、危機管理には入口と出口があるわけで、ある意味、この入口の反省にも立って出口戦略をしっかり練っていくということが大事なことなんだろうと思います。
 したがって、学校の再開に当たりましては、この学校現場に混乱が生じないように、また保護者を始め社会全体の理解と納得、協力が得られるような、学校を再開する上での基準、目安というものをやっぱり明示をされるべきだと思いますし、何をクリアすれば再開がよしとされるのか、こういったことをはっきりさせるのが大事かと思います。
 そこで、この学校の休校を終了して授業を再開する要件はどのように考えていらっしゃるのか、また、その際に、いわゆる思い付きだ何だと言われないように、国民を納得させるロジックをやっぱりしっかり用意されるべきだと思いますが、どうか、総理にお聞きをしたいと思います。

#404
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この度の臨時休校の要請についてでございますが、これは多く感染者が確認されている国々においても、これはこういう措置はとられているわけでございますし、WHOからも学校の閉鎖というのも選択肢の一つとして示されているところであります。
 その中におきまして、専門家の皆様からこの一、二週間が瀬戸際という判断が示され、その段階からカウントダウンが始まっているという中において、これは時間を取っているいとまがない、時間を取って、じゃ、あと四、五日、あるいは一週間ということであれば半分過ぎてしまうわけでありまして、その間に、言わばクラスに、あるいは学校にクラスターが発生してしまってはこれは取り返しが付かないという判断から、このような時間を掛けるいとまがない中で判断をしたものでございます。
 この判断をした段階において、その段階でまだ県内に一人の感染者もいないというところもあったのでございますが、実はその後、数件新たに感染者が出た県も出てきたところでもあるんだろうと承知をしているところでございますが、率直に申し上げまして、このウイルスは未知の部分も多く、今後の推移は予断を許さない部分もありますが、今後の各地域における感染の状況等も踏まえつつ、専門家の意見を聞きながら再開の判断をしていきたいと、このように考えております。

#405
○柴田巧君 現段階では、まだその再開の具体的な要件とか、あるいは基準はまだできていないようなところが感じましたが、是非これははっきりまたつくっていただいて、国民が再開するに当たって納得できる、そんなものを、環境をつくっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 続いて、この学校の一斉休校によって、保護者のこの休業補償は、先ほどからもお話がありましたが、正規、非正規を問わずに新たな助成金の補償をするということですが、フリーランスの人は残念ながらその対象から漏れていくということになります。
 休校の影響を受ける、同じように受ける人の間で不公平が生まれるというのは、これはいかがなものかと、補償される人と漏れる人があるというのはやっぱりこれは問題ではないかと思っていまして、ましてやこれ、政府はフリーランスをある意味保護してきたとか、その働き方改革の一環で柔軟な働き方を後押しする姿勢を示してきたわけですから、こういった人たちを漏らすというのはどうなんだろうと思います。したがって、このフリーランスの方などにも漏れなく直接給付するスキームを構築すべきではないかと思います。
 また、それに当たっては、私は、今お手元にもう労働保険特会の積立金のパネルがあるかと思いますが、例えばこの労働保険特別会計に眠るこの積立金なども大いに活用すべきではないかというふうに考えています。
 今、三十年度決算ベースでいうと、この労働保険特会には約十四兆五千億の積立金があります。この労災勘定は、いわゆる責任準備金といって、将来にわたって労災事故に遭われた方やその御遺族に対して年金を支給するために積み立て行く準備金なのでこれはちょっと崩せませんが、それを除いても雇用勘定には五兆一千六百億余りある。
 なかなかこれを取り崩すのは労使の折半で出されたものでもありますので難しい面もあるかもしれませんが、この廃業や失業の連鎖を止めていくという予防的な措置をとるためにも、私はここからそういったものを使ってフリーランスの皆さんの補償に当てていくという考え方もあってもいいのではないかと思っていますが、総理に、このフリーランスなどに漏れなく直接給付するスキームをやっぱり構築すべきだということ、そして、その際、こういった特別会計の雇用勘定の積立金なども使ってみてはどうかと、併せて総理の見解をお聞きをしたいと思います。

#406
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の臨時休校によって仕事を休まざるを得なくなった保護者の皆さんについては、新たな助成金制度を創設することで、正規、非正規を問わず、休暇期間中の所得減少に対する手当てを行うこととしています。
 自営業やフリーランスなどの小規模事業者については様々な形態があるわけでありまして、その個別の損失を国が補償することは困難であると考えていますが、多くの事業者の方々から資金繰りについての相談を受けている現状であり、しっかりと事業を継続していただけるよう、無利子無担保の強力な資金繰り支援を始め、個人事業主も含めて中小・小規模事業者の皆さんに対する実効的な支援策について講じてまいります。あわせて、今回の感染拡大を受けて、休職や休業に直面し、生活に困難を生じている方の生活立て直しのための支援策も講じてまいりたいと、こう思っています。
 なお、労働保険特別会計の積立金は、労働者に対し失業や業務災害等の保険事故が生じた際に必要な給付を行うため、事業主や労働者の方にお支払いいただいた保険料を積み立てているものでありまして、また、経済状況によっては大きく取崩しを行わざるを得ないことも過去にあったことから、まずは助成金を積極的に活用し、雇用の安定に万全を期していきたい。この労働保険特会を活用、今はそういう状況でこの活用をしないということになったとしても、先ほど申し上げましたように、しっかりと事業が続けることができるように、あるいはこの生活に困難を生じている方々に対してもしっかりと支援をしてまいります。

#407
○柴田巧君 この労働保険特会には、労使の折半もありますが、税金も入っている部分もあろうかと思います。したがって、こういう、しばしば特別会計の積立金は霞が関の埋蔵金とか国家のへそくりとか言われてきたわけですが、総理もあらゆる事態に備えると、これは平時ではなくて闘いなのだとおっしゃるならば、やり方としていろいろなこれまでにないやっぱり手法もあってしかるべきだと思いますので、こういったことも是非検討をしていただきたいと思います。
 次に、私どもが提案をいたしましたのは、四番目として大規模イベントの中止等への特別補償ということでございます。
 そこで、先ほどからもしばしば出ておりますが、まあ正念場なのか瀬戸際なのか分かりませんが、総理は二月二十六日の日に、この一週間が感染拡大防止に極めて重要だと言ってイベントの自粛を要請をされました。それから数えると今日が大体十日目余りぐらいかなと思われますが、現段階において、総理は今なおやっぱり瀬戸際にあるという御認識なのか、そして、もしそうだとすれば、この自粛要請の延長をするということをお考えになっているのか。この点、総理の御見解をお聞きをしたいと思います。

#408
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、この一、二週間が感染が拡大をしていくのか終息をしていくのか、この瀬戸際にあるという提言を専門家の方々がなされたわけであります。
 それは、まさに急速に感染者が増えて急カーブを描いて上昇していくのか、あるいは、これを小さな山に抑えて、この小さな山ができるのもちょっと先に先送りすること、それによって、しっかりと準備をしながら、医療提供体制の中において十分な対応ができるというものにこの山のピークを抑えていくということでございます。そして、当然重症者の数もそれによって抑えていくことが可能となっていくわけでございますが、そうなるかどうかというまさに今重要な時期を迎えているという中において、大規模なイベントを、全国的イベント等の自粛を要請するなど、あらゆる対策を集中して実施をしているところであります。
 今後についてでありますが、近く専門家から感染拡大の現状について新たな見解が示されるものと承知をしております。そうした見解も踏まえて、イベント等の取扱いについて判断をしたいと思います。
 引き続き、日々変わる情勢変化の先を見通しながら、何よりも国民の命と健康を守るため、そのことを最優先に、やるべき対策をちゅうちょなく決断をし、実行していく考えであります。

#409
○柴田巧君 今の総理の答弁を解釈をすると、やはりまだまだ瀬戸際が続いているということだろうと思われますし、そうなると必然的にこのイベントの自粛も延長せざるを得ないということになるのかなと理解をしましたが、今総理おっしゃったように、イベントの自粛はそのピークを下げてそれを遅らせていくという効果があるのは間違いないんですが、それによって大変今関係業界は苦境に陥っているのも事実でございます。このままだと、どんどんどんどん関係業界で廃業や倒産やこういったことがばたばたと起きてきそうな雰囲気であります。
 やはり、この新型コロナウイルスの蔓延防止のために、一定規模以上のイベント等について中止命令やあるいは指示を行う法的根拠を創設をして、今、これは今のインフルエンザの特措法の中には明記はされていないと思われますが、当該命令等に従い経済的不利益を受ける者への補償的な措置をやっぱり講じるということが、中止あるいはそういう指示をする場合、命令をする場合に、やはり政治の責任としてしっかりそれを補償するということが大事なのではないかと思いますが、どうか、お聞きをしたいと思います。

#410
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 この新型インフルエンザ等対策特別措置法では、緊急事態宣言が出された後には、まさに感染の蔓延防止の観点から、大規模施設の使用制限、停止、あるいはこれを使用したイベントの制限、停止について都道府県知事にこれを要請、指示を行う権限が付与されているところであります。また、この特措法における損失補償については、緊急措置の内容あるいは強制力、あるいは対象者が被る不利益等、これらを総合的に勘案して整理がなされているものというふうに考えております。
 こうした観点から、土地の使用とか物資の収用等については損失補償の仕組みがございますけれども、御指摘の施設の使用制限、停止の要請によるものについては損失について補償の規定がないところであります。こうした考え方の、基づけば、その損失補償を法律上位置付けることは慎重に検討することが必要であるというふうに考えているところであります。
 ただし、今回もしっかりと資金繰り支援あるいは雇用の維持のための支援、行っているところでございますので、法改正がなされた後にこうした要請や指示が行われた場合にも、今回の対応を踏まえながら適切に対応していくことになるというふうに考えております。

#411
○柴田巧君 是非、申し上げた我々の提言をしっかり重く受け止めて、いろいろまた検討していただきたいと思います。
 時間がなくなりましたので、五番目、地方自治体との連携と財政支援強化、こういったことも申し上げておりますが、質問は割愛させていただいて、六つ目、景気後退に備えた大胆な減税と財政出動ということでございます。
 大変これ深刻なことになりそうな状況になりつつあります。したがって、私たちは、まずはこの、簡単に言えば消費税を二%、軽減税率を全商品、全取引に適用して実質八%に戻す、これを景気対策のやっぱり目玉にすべきではないか。あるいは、今二千七百億円の予備費でこの緊急対策をやろうということですが、世界的に見ても極めて規模がちっちゃいので……

#412
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので、質問をおまとめください。

#413
○柴田巧君 この十兆円規模の補正予算なども組んで大きな財政出動をすべきじゃないか、このことを申し上げていますが、総理の御見解をお聞きしたいと思います。

#414
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。

#415
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この新型コロナウイルス感染症の経済に対する影響、この日本国内だけではなくて世界経済に対する影響等々、十分に注視をしながら、そうしたインパクトに見合うだけの経済財政運営を行ってまいります。

#416
○委員長(金子原二郎君) 以上で柴田巧君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#417
○委員長(金子原二郎君) 次に、清水貴之君の質疑を行います。清水貴之君。

#418
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之と申します。よろしくお願いをいたします。
 私も、引き続き、コロナウイルスに関連した質問をさせていただけたらというふうに思います。
 まずは、小学校などの臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援制度、保護者の皆さんへの支給、手当の部分です。(資料提示)
 今、政府が考えている制度というのは、こういった、パネルにしましたが、こういった制度だということです。一日上限額が八千三百三十円、期間も定まっております。この中で、下に問題点といいますか、まだ解決されていない部分というのを挙げてみました。
   〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕
 まず、最初のところなんですが、今回は小学校などということなんですが、休校要請によっては、小学校だけではありませんで、保育園であるとか幼稚園であるとか自主的に休んだところ、若しくは感染者が出て休まざるを得なくなったようなところも出てきております。こういった保育園、幼稚園の保護者への休業補償、これは今後検討していくんでしょうか。総理、お願いします。

#419
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般の臨時休校に伴い仕事を休まざるを得なくなった保護者への給与支払に対する新たな助成制度については、感染拡大のためにやむを得ず自主休園することとなっている保育園、幼稚園、認定こども園等に通うお子さんの親御さんも対象とすることとしたいと思います。その考え方の下に対応してまいります。

#420
○清水貴之君 それは是非積極的にお願いをいたします。
 そして、二番目、先ほど柴田議員からもありましたフリーランスの皆さんへの支給です。これは、やはりなかなかフリーランスの方は働き方が多様なので、その活動状況を把握するのが難しいというような話でした。
 でも、やはりフリーランスの方たちこそ日々、給与所得者ではなかったり、日々の日当であったり、こういったところで生活された方も多いわけですから、大変な思いをされる可能性が高いわけですね。実際にやはり支給される方とされない方がいるというのは不公平もあるということで、この支給の方法なんですが、これ、小学校などに通う子供の、労働者、その労働者を雇っている、保護者の事業主に対して支給をするというこれスキームなんですね。
 私思うのは、例えば、そうではなくて、休んでいるのは子供たちなわけですから、例えば子供たちを基準にして、子供たちが休んだからその保護者たちが結果的に仕事を休まなくちゃいけなくなった。どっちかといったら、こう下からといいますか、子供たちから上がっていくような仕組みをつくって、おっしゃるところは分かるんです、フリーランスの方々の仕事を捕捉するのは難しいというのは分かりますので、子供の方からいく仕組みを考えるとか、何か方法がないかなというふうに思うんですけれども、総理、いかがでしょうか。

#421
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 例えば、お子さんに全員にということになれば、その御両親の収入状況は様々で、もし、いや、そのお子さんの御両親が休まざるを得なくなったという方々、直面したとしても、それは形態は様々でございますので、そのまた個別の損失を国が補填する、補償することは困難ではありますが、例えば、事業者の方々はある事業をしておられますから、この事業において収入がなくなってくるという状況においては、その事業が継続できるようにするために、無利子無担保の強力な資金繰り支援を始め、個人事業主も含めて中小・小規模事業者の皆さんに対する実効的な支援策について講じてまいります。
 一方、フリーランスの方々は、劇団員の方々も含めまして、言わば事業を行っているので運転資金が足りないということではなくて、その日その日の生活を支える収入がなくなっていくということなんだろうと。ですから、そういう方々に対しましては、今の事業を継続するための資金提供ということではないんだろうと、こういうことだと思います。
 そこで、そういう方々も含めまして、今回の感染症感染拡大を受けて休職や休業に直面し、生活に困難を生じている方の生活立て直しのための支援策も講じてまいりたい、同時に講じてまいりたいと、このように思っております。

#422
○清水貴之君 後ほどパネルも用意していますが、事業をされている方の資金繰り支援、それはたくさんメニューを用意して積極的にされているのは分かるんですが、結局、仮に安くなったとしても借金ですから、いずれ返さなければいけませんし、先延ばしになるだけということもあるわけですね。そうじゃないんだ、やっぱり今は休まざるを得なくなった補填の方を何とかお願いできないかという声も多いので、こういった質問をさせていただいています。
 続いて、医療機関若しくは高齢者施設などに対する支援なんですが、実際に感染者が出て、診療を取りやめる医療機関ですとか休業を余儀なくされた高齢者施設というのも出てきています。
 三月三日、予算委員会で、我々維新の梅村聡議員の方から、新型コロナウイルス感染症により業務の継続が困難となる医療機関に対する支援への要望をさせていただいたところ、これ加藤大臣にお願いしたいんですが、どうやって地域の医療を支えていくか、よく地方公共団体とも連携しながら対応するという答弁をいただきました。
 是非それは進めていただきたいんですが、我々の要望としては、やはりこういった医療機関とか高齢者施設は国からの要請で対応している機関も多いですし、地域の医療崩壊を引き起こす結果になる、これを防ぐためにもしっかりサポートしていくと。これも貸付けの話とかではなくて、やはりそういったところには補助金である、給付金である、強い思い、厚い手当てをしていくべきではないかというふうな思いで質問をさせていただいているんですが、加藤大臣、いかがでしょうか。

#423
○国務大臣(加藤勝信君) まずは、病院や介護施設で、そこで働く方とか入所されている方に患者が発生した場合、これはいち早く立ち上がるように様々な専門家を派遣したり助言を行って対応していくと、これがまずベースになると思います。
 加えて、この新型コロナウイルス感染症の影響によってやむを得ず機能停止や事業縮小がある医療機関、介護施設については福祉医療機構の融資において対応しているわけでありますが、償還期間、貸付利率、貸付けの限度額の優遇措置を既にこれはしておりますけれども、もう一段深掘りをしていくことが必要ではないかというふうに今考えております。
 加えて、そこで働く方のもちろん雇用調整助成金での対応も別途、今用意をしているところでありますので、そういった施策を加味しながら、医療機関、介護施設がしっかりと今回の事態に対応していただけるように努力をしていきたいと思います。特に、介護施設については定員基準というのがあるんですけれども、働く人がどうしても少なくなったり、場合によっては余計、多くの方を受け入れなきゃいけない、その辺の報酬については弾力的に考えていきたいと思っています。

#424
○清水貴之君 そして、加藤大臣にはもう一点、やはりマスクの問題についても質問をしたいというふうに思います。
 こちら、パネル、これ厚労省の資料を基に作ったものです。今、こういった現状、マスクがどれぐらい生産されていて、どれぐらい入ってきていてというような現状と、それに対する国としての対応を表にしたものです。
 厚労省と話をしますと、今、マスクの供給に関しては都道府県が取りまとめをして、特に我々お願いをしたいのは、町中の今薬局などのマスク不足もこれも大変深刻ですけれども、でも、やはり医療機関である、それは自分たちの身も守らなきゃいけないし、患者さんがそこから広がっていく可能性のある医療機関である、若しくは重症化をしやすい高齢者施設に対するマスク不足、この解消を是非お願いをしたいわけですね。
 厚労省さんにお聞きをすると、都道府県の方で今取りまとめているんですかね、いろんなところにアンケートを取りながら、不足しているところに回るような仕組みをつくってという話は聞いているんですが、ただ、現状、やっぱりこの週末もいろいろ聞くとまだまだ、十分行き渡っていて安心して医療行為ができる状態にあるような感じはまだしません。
 ですから、ここも、大臣、もう本当に安心して皆さん方が仕事ができる、そういった環境づくり、是非進めていただきたいです。それに対して前向きな是非説明をいただきたいというふうに思います。

#425
○国務大臣(加藤勝信君) 大きくマスク、一般の方がお使いになるマスクと、医療用の関係等々の皆さんが使うマスク、サージカルマスクという言い方をさせていただいております。委員のその表は主にサージカルマスク、医療用のマスクのことなんだと思います。これも八割ぐらいが中国からの輸入に頼っていると。それがほぼ途絶をする中で、国内での生産はもう二十四時間、目いっぱい頑張っていただいております。
 加えて、海外からもできる限りいろんなルートを通じて調達をしていくということでありますけれども、一方で、患者の、感染者が増えるとニーズが増えるという今はそういった状況にあるということで、ニーズを超えた供給が今すぐにできるという状況には残念ながらない。そんな中、どう優先的に不足をしているところに回していくのかというのが一つのポイントだと思います。
 そういった中で、一つは、地方公共団体とか国が備蓄しているものがありますから、それを今、国の方も今集めて、特に不足をしている地方公共団体あるいは医療機関に対して提供する。それから、別途、国が約一千五百万枚を、これ別途確保してこれを提供していく。それから、もう一つとして、優先供給スキームといって、これは民間のスキームを使って、どこが足りないかという情報を提供することでそこへ優先的に、メーカーから卸、卸からそこへ流していくという、このスキームも既に一回目発動して、二回目も今週、ニーズを聞きながらまたお願いをする。
 こうした総合的な施策をすることで、少なくとも、全体としてのまだ需給を、需要に見合った供給には追い付いておりませんけれども、その中で本当に必要なところにマスクが行き渡るように更に努力をしていきたいと思います。

#426
○清水貴之君 本当にこれは喫緊の課題だというふうに思いますので、是非お願いをいたします。
 続いては、民間事業者への支援についてもお伺いをしたいと思います。
 今は本当に町中から人が減りまして、大きなダメージを受けているのが飲食店の皆さんとか旅行関係の会社の方々で、中国を始め海外との取引されているそういう企業の方々も本当に大変な今状態にあるというふうに思います。本当にこのままですと日本の経済、将来どうなっていくんだろうと、そういった声も本当によく聞きます。
 実際、この民間事業者への資金繰り支援策、これだけじゃないんですが、政府も様々メニューを用意されて、ここはもう大変な重要なところだというのは感じていらっしゃるというのが我々にも伝わってくるんですが、その一方で、やっぱりまだまだ問題点というか、こうしてほしいというところもあるわけですね。
 経産大臣にまずお聞きしたいと思います。その前に農水大臣ですね、一点、給食のお話、聞かせてください。
 今回の一斉休校要請によって損害が出た事業者の中で、学校給食の会社、先ほども質問がありましたけれども、この学校給食の会社というのは、一斉休校に備える準備の時間、こういったところもないままにその損失が発生してしまっているような状況ですから、ここには何かしらの手当てがやはりしっかりなされるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#427
○国務大臣(江藤拓君) 委員御指摘のような方向で検討させていただきます。
 これは農林水産省と文部科学省としっかり連携をしないと、文科省の方が業者さんに直接やって、そこから生産者に渡るというスキームもあるでしょうし、私たち農林省が直接やる場合もあると思いますが、納入形態も、生産者が直接納める場合もあれば、おっしゃった、その事業者の方々が納める場合がある、事業者のところに生産者が納める場合がある、流通業者の方々がやる場合があります。
 ですから、各省庁の間でしっかりまず整理をして、漏れがないように精査して対応してまいります。

#428
○清水貴之君 そして、こういったメニューの中でよく聞く声としましては、手続が難しいというか、分かりにくい。今まで使った方は別でしょうが、初めてこういったことに対応する方というのはもうどうしていいか分からないと。あとは、やはりこの今、日々の、特に飲食店の皆さんなんか毎日毎日の売上げでこうやってお金が回っていっているところがありますから、もうとにかくスピード感を持って急ぎで対応してほしいという声もよく聞きます。
 こういったところへ、経産大臣、是非積極的に対応してほしいと思いますが、いかがでしょう。

#429
○国務大臣(梶山弘志君) 今委員御指摘の件、経済産業省としましては、中小企業の事業継続にとって資金繰りの確保は何よりも重要と認識しております。
 そのため、事業者に必要な資金が円滑に供給されるよう、融資保証手続を可能な限り迅速化してまいりたいと考えております。とりわけ、年度末は多くの事業者が経費等の精算を行う時期であることも踏まえた上で、日本政策金融公庫では、本部人員等からの応援派遣、支店営業時間の延長、千六百名規模の定期人事異動の凍結など、信用保証協会では柔軟な人事配置による相談、審査体制の強化、休日の相談受付や平日の相談受付時間の延長など、最大限の対応を行うこととしております。また、迅速化にも資する手続の簡素化に向けて、日本政策金融公庫では、一定の場合に提出書類を必要最小限とする等、融資手続の負担軽減措置をとることとしております。
 このように、一年で最も資金繰りが重要となる時期であることも踏まえまして、先週の金曜日、三月六日になりますけれども、改めて政府系金融機関及び信用保証協会に対しまして、事業者の資金繰りに全力を挙げて最大限のスピードで万全の対応を行うことや、事業者の手続の負担軽減について要請を行ったところであります。
 今の時点では、委員の資料にも御指摘のあるように、セーフティーネット保証の四号、五号、そしてセーフティーネット融資の要件の緩和等を行っておりますけれども、こういった迅速化という点にも十分配慮しつつ、明日取りまとめる第二弾の緊急対応策においては、日本政策金融公庫において特別貸付制度を創設し、売上げが落ちた個人事業主を含む中小・小規模事業者に対しまして実質無利子無担保の融資を行ったりしようと考えているところであります。
 しっかりとスピード感も持って取り組んでまいりたいと考えております。

#430
○清水貴之君 先ほど申しましたが、まあこれはあくまで事業資金なわけで、借りて回ったとしても、これがいつまで続くか分からない状態の中で本当に借りて大丈夫なのかと、いずれ返さなきゃいけない、それは何とかなるのかとか、そういう声もありますので、例えば、真ん中にあるように、税の減免、支払の延期、これは公共料金とかいろんな支払があると思いますが、こういったものの延期することを考える、若しくは貸付けではなくて損失補償もしてほしい、こんな声も聞こえておりますので、ここ指摘をさせていただけたらと思います。
 続いて、新型インフルエンザ等緊急事態措置法について、改正、今週中にも行われる見込みということで、我々維新の会としてもその改正に協力をしっかりしていきたいというふうに思っております。
 今のその特措法を見ていただきたいんですが、三十二条と四十五条を取り上げました。三十二条に、ここには政府対策本部長、これは総理ですけれども、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施すべき期間、区域を公示するというふうにあります。
 やはり、この期間であるとか区域であるこういったものというのは非常に大事になってくるんだと思います。今回の一斉休校、イベント自粛などは、もちろんこの法律に則した対応ではないわけですからまた違いますが、でも、今後これの話になっていった場合、これまでも議論あるとおり、やっぱりいつまでこの状態が続くのかと。
 総理が自粛要請出されて、もうあさってで二週間です。大体この週末、日曜日ぐらいまで公共機関の、公共の博物館とか美術館とか休んでいるところ多いですけれども、じゃ、その後どうなるのか。お花見も中止、その後、ゴールデンウイークのイベントはみたいな話もどんどんどんどん出てきておりますので、やはりこの期間、そして区域、またイベントの規模、こういったものをしっかり、まあ難しいのは分かります、どこまで増えていくか分からない今の状況の中で難しいのは分かるんですが、これ目安も示していく、そして先の見通しを皆さん方に伝えていくことも大事ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#431
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新型インフルエンザ等対策措置法では、新型インフルエンザ等が国内で発生し、肺炎等の重篤な症例が相当程度発生している場合であって、全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある場合に、区域や期間を特定し、緊急事態宣言を出すこととされています。
 新型コロナウイルス感染症に係る我が国の感染の状況は、国内の複数地域で感染経路が明らかではない患者が散発的に発生しており、一部地域には小規模の患者集団、いわゆる患者クラスターの発生が把握されているものの、専門家の見解によれば、感染のスピードを抑制することは可能な段階にあり、同時に、これから一、二週間が急速な拡大に進むか終息できるかの瀬戸際となる状況にあるものと認識をしております。
 したがって、専門家の意見も改めて伺う必要がありますが、現状においては、緊急事態宣言を出すに至るような急速な感染拡大という事態に進むかどうかの瀬戸際の状況にあるものと認識をしています。
 また、感染拡大の状況等について近く専門家から新たな見解が示されるものと承知をしておりまして、先般要請を行った全国規模のイベント自粛については、そうした見解も踏まえつつ判断を行っていきたいと考えております。

#432
○清水貴之君 四十五条を見ていきますと、これイベントの中止などなんですが、都道府県知事の判断でこの要請ができる、若しくは指示ができる、これは進歩だというふうに思うんですが、やはりあくまで要請であったり指示であるんですね。国は強制力がないんです。大阪のライブハウスからクラスターが生まれて広がったという話があります。もしああいうことが起きそうだとなっても、強制的にやめてもらうことは、これ今のこの法律ではやっぱりできないわけですね。
 我々としては、やっぱり強制力を持たせるならば補償も必要じゃないかというふうに考えていますけれども、こういったところも見ていかなきゃいけないと思いますが、総理、いかがでしょうか。

#433
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘の点でありますけれども、このインフル特措法ですね、新型インフル特措法においては、都道府県知事が、まさに緊急事態において施設の使用の制限あるいは施設での催物の開催の制限等を要請し、そしてまた指示もできるということになっております。さらに、その旨を公表しなければいけないというふうになっておりまして、この蔓延防止に相当程度の効果を持つものというふうに考えております。
   〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕
 この施設の使用制限や施設での催物の開催の制限については、公表、この公表によって一般の方々がそのような施設、催物に行かないことが考えられるということも考えて、罰則は付されていないものであるというふうに理解をしております。
 さらに、第五条に、これ人権の制限につながるものであるから、必要な措置については必要最小限にするようにという、そんな配慮規定もありますので、そういったことを総合的に勘案してこのような規定になっているものというふうに理解しております。

#434
○清水貴之君 最後に、赤羽大臣、観光業についてお聞かせください。
 もう観光業が大変なダメージを受けておりまして、我々の地元神戸でもクルーズ船の会社が経営破綻したりということがあります。
 今この厳しい状態だからこそできるソフトへの対策であるとか、もしこれ回復した後、また、インバウンド、もっとたくさん戻ってきてくださったときのために今から様々手を打っていく必要もあるんじゃないかと思いますが、赤羽大臣、お願いいたします。

#435
○国務大臣(赤羽一嘉君) 観光業、大変厳しい状況でございます。また、最大の支援は、この今、拡大、対策、これしっかり防止するということが最大の支援だというふうに決めております。
 また、資金繰りと雇用の確保ということで中小企業庁とか厚生労働省から随分要件緩和していただいておりますので、来るべきとき、満を持して反転攻勢をする。観光資源は毀損はされていないわけでありますので、そのときのために外国人の受入れの整備とか様々な今やるべきこともありますので、それは着実にしながら、また、観光事業者の現場の皆さんの声を聞きながら、一番適切な効果のある様々な官民挙げてのキャンペーン等々、しっかりと打っていく決意でございます。

#436
○清水貴之君 終わります。ありがとうございました。

#437
○委員長(金子原二郎君) 以上で清水貴之君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────

#438
○委員長(金子原二郎君) 次に、田村智子さんの質疑を行います。田村智子さん。

#439
○田村智子君 今日は、新型コロナ対策と桜を見る会で質問いたしますが、私の質問は途中でNHKの中継が終わると思います。切れた分は深夜の録画で放映がされるということですので、そちらも見ていただければというふうに思います。
 それで、午前中の質疑で、蓮舫議員が、突然の中国、韓国からの入国制限という措置がとられたことについて、科学的根拠は何なんですかという質問をされていました。これ、総理答えていなかったと思うんですね。総理の見解は述べたけど、科学的根拠を答えていなかった。
 ですので、私も聞きたい。この科学的根拠は何ですか。

#440
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 水際対策を行う上においては、言わば感染が拡大している地域、また感染が拡大する地域における方々の入国を制限するということがこれは世界各地でも取られているところでございますが、今般、この中国の感染者の数が累積で相当の数になっている、また、韓国においては感染者の数が急速に伸びつつあるということに鑑み、今回こういう判断をしたところでございます。

#441
○田村智子君 その水際対策の強化ということこそ、専門家の知見、科学的根拠が求められたと思うんですね。ところが、またも専門家会議の議論はないままなんですよ。
 総理、何のために専門家会議、設置したんですか。

#442
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、厚労大臣の下に、専門家の皆様方の知見をお伺いするために設けたものでございます。

#443
○田村智子君 四日の党首会談で、我が党の志位委員長は、総理の独断専行を厳しくいさめました。そして、専門家の知見を尊重すること、各党会派の意見をよく聞くようにと強く求めました。ところが、その直後にまた専門家会議をなおざりにしたんですよ。
 こういう安倍総理の下で、国民の権利の制限に道を開くような特措法というのは、私はあり得ないと思うんですね。そもそも、今、法改正の必要性という、これも理由がないというふうに思うんです。私は、法案は提出を取りやめるよう強く求めたいんです。
 総理のこの突然の判断での全国の全校一斉休校、これ、子供たちは何が起きたのかということを理解するいとまも与えられないままに、三月という特別な時期に学校生活が突然打ち切られてしまったんですね。
 私は、こういうときだからこそ、子供たちには科学的な根拠に基づいて丁寧に状況を説明して、子供たちと先生もよく話し合う時間も持って、そして子供たちが自ら考えて行動するという、こういう力を育むということが学校の場で求められていたと思うんですよ。そこに学校の役割があったと思うんですよ。ところが、独断専行でこういう子供たちから学校生活を奪っちゃった。
 これは先ほど公明党の議員にもお答えいただいたので、私はこの場では総理に反省だけ求めておきます。子供に余りに大きな影響をもたらした。これ、真摯に本当に反省して、こういう状況の下でも子供たちが学んで、遊んで、成長する権利が保障されるように、是非、現場の皆さんの努力を本当にお願いしたいし、そのことへの支援を求めたいというふうに思うんですね。
 文科大臣にお聞きしたいんです。
 多くの学校が休校となったことで、経済的に弱い立場の子供たちにより大きな影響が出ていると思います。就学援助を受けている世帯などは、学校給食がないことが子供の健康と家計を直撃します。栄養バランスの取れた食事を取るということは、これは免疫力を付ける、感染症予防にもなるわけですよね。
 ですから、希望者に学校給食を国が費用負担をして提供すると、私、これ、あした決定する緊急対応策にも是非盛り込んでほしいと思うんですが、文科大臣、いかがでしょう。

#444
○国務大臣(萩生田光一君) 一斉休業で現場の皆さんに様々な御負担をお掛けしていること、大変申し訳なく思っております。
 今回の臨時休業に際して子供の居場所を確保する観点から、児童生徒等に学校給食の調理場や調理員を活用して昼食を提供することも、私は自治体の工夫の一つと考えられます。このため、三月二日付けで厚生労働省と文部科学省とで連名で発出をした子どもの居場所の確保についての通知においては、児童生徒等に対してこのような工夫により昼食を提供することの可能性についても、留意事項としてお示しをしたところです。
 今回の臨時休業に際して子供の居場所を確保するに当たり、自治体等が昼食を提供する場合にその経費を新たに国が一律に支援することは難しいと考えていますが、例えば家庭の経済状況が厳しい児童生徒などについてどのような対応ができるか、関係省庁と連携して検討してまいりたいと思います。

#445
○田村智子君 もう直撃していると思うんですよ。もう学校給食一週間ないんですからね、直撃しているんですよ。そんな悠長なこと言っていられないんですよ。子供の貧困対策というときは、いついかなるときも国は手放しちゃ駄目なんですよ。是非、学校給食、これは国がお金出す、あした盛り込んでいただきたい。強く求めます。
 この一斉休校、入国規制、あるいはイベント自粛、この下で国民の収入補償をどうするかというのはこれまでも議論ありました。まさに喫緊の課題です。観光バス会社の雇い止めということのニュースもあるだけに、休業中の給与補償の制度の活用、これ本当に急がれるし、本当に周知していただきたいんですが、同時に、やっぱりフリーランス、自営業者、演劇や音楽の関係者などへの直接給付というのはもう踏み出さなきゃ駄目だと思うんですね。
 これは総理にお聞きしたいんですよ。融資では駄目ですよ。受けられない人が出てきちゃうんですよ。これ、香港やシンガポールでも個人給付の制度つくっています。対応しています。もう日本でも給付制度、これ踏み出すべきだと思います。総理、どうでしょう。

#446
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の臨時休校によって仕事を休まざるを得なくなった保護者の皆さんについては、新たな助成金制度を創設することで、正規、非正規を問わず、休暇期間中の所得減少に対する手当てを行うこととしています。
 自営業者やフリーランスなどの小規模事業者については様々な形態があり、その個別の損失を国が補償することは困難であると考えておりますが、多くの事業者の方々から資金繰りについての相談を受けている現状にあり、しっかりと事業を継続していただけるよう、無利子無担保の強力な資金繰り支援を始め、個人事業主も含めて中小・小規模事業者の皆さんに対する実効的な支援策について講じてまいります。
 あわせて、今回の感染拡大を受けて休職や休業に直面し、生活に困難を生じている方の生活立て直しのための支援策も講じてまいります。

#447
○田村智子君 これこそ政治判断なんですよ。こういうところで政治判断を求められるんですよ。予算措置の具体化を本当に急いでいただきたい、給付制度つくっていただきたい。これも強く求めます。
 次に、PCR検査の体制についてお聞きします。
 私、二月中旬に国立感染症研究所の複数の研究者からお話を伺いました。共通して言われていたのが、早く大学や民間検査機関でのPCR検査の体制つくるべきだということなんですね。ですから、我が党は早くからこのことを求めてきました。
 保険適用によって、民間の検査体制、これ不可欠となりますが、どこまで体制が取れているんでしょうか。

#448
○国務大臣(加藤勝信君) 私どもも、そういう認識の中、たしか二月の中旬、二十日ぐらいだったか、ちょっと正確な日にちは忘れました、覚えておりませんが、その頃から、民間、あるいは大学、それから医療機関に対して、こうしたPCR検査をやるということであれば試薬をしっかり提供し、そして、その立ち上げに向けて支援をするということをお願いをしてまいりました。
 そういう中で、今、民間検査会社においては約一千八百、当時、四千ぐらいと申し上げた頃は九百五十であったものが一千八百に、大学においても四百五十と言っていたものが約六百、まだ医療機関は五十程度でありますけれども、そういう状況になっております。さらに、今月末に向けても、能力を拡大する、あるいは新規にスタートされるという方もあります。
 そういったことを、また、様々なそういった民間の検査機関が新たに分析機械、機器を買う、こういったことに対する補助も含めて、民間における能力の拡大に更に努めていきたいと思います。

#449
○田村智子君 これは、保険適用ということは本当に民間の検査体制、ここが大きな柱になっていくわけですから、本当に急がなきゃいけないんですね。
 私、このPCR検査、保険適用の前は行政検査ですから、これは国立感染研、地方衛生研究所、検疫所、こういう国の機関が担っていく、あるいは自治体の機関が担っていく、そのことを承知の上で、感染研の研究者たちが早い時期からとにかく民間の活用を早くというふうに求めていた。それはなぜなのか。これ、やっぱり地方衛生研究所が余りにも弱体化しているんだと、この危機感があったからなんですよ。
 地方衛生研究所全国協議会、二〇〇四年、八年、一三年にアンケート調査を行っていますが、このアンケート調査から、一か所当たりの平均予算額の推移、どうなっているでしょうか。

#450
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 地方衛生研究所に対して行っております科学院の五年ごとのアンケート調査によりますと、一か所当たりの予算総額は、平成十六年度で約五億八千万円、平成二十五年度では約四億円という数字となってございます。
 また、地方衛生研究所一か所当たりの常勤職員の数は、平成十六年度で四十八・三人で、平成二十五年度では三十八・七人という数字となってございます。

#451
○田村智子君 これは、SARSの流行は二〇〇二年から二〇〇三年なんですね。そして、新型インフルエンザの流行は二〇〇九年から一〇年。ところが、その間の二〇〇四年からの九年間で、何とこの予算、全国平均で三割も予算が減った状態なんですね。
 職員数の推移、これどうでしょうか。総務省、お願いします。

#452
○政府参考人(大村慎一君) お答えいたします。
 地方公共団体定員管理調査における都道府県、市区町村での衛生部門の試験研究養成機関、これは地方衛生研究所のほか看護師等の養成機関なども含んでおりますが、この総職員数は、二〇〇五年は五千三百七十五人、二〇一九年は四千百四十九人となっております。

#453
○田村智子君 パネルにも示しました。(資料提示)本当に減り続けちゃったんですね。
 先ほどのアンケートは、直近のもの、二〇一三年なんですけど、人員が不足しているという回答は七割を超えていて、特に検査能力のある職員の不足が年々深刻になっているということがアンケート調査から分かるんです。それが二〇一三年で、そこから更に減っているんですよ。
 PCR検査について、地方衛生研などなどでも一日最大三千八百件ということをこれまでも大分、大臣から答弁いただいていたんですけど、これは機器をフル稼働させたときで、機械動かすには人が、人が本当に足りないんですよ。保険適用になってからも地方衛生研はPCR検査を引き続き担うことになります。
 どうしたら検査に対応できる人を増やせるか。これ、国も自治体も一緒になって真剣に取り組むこと必要だと思いますが、大臣、いかがでしょう。

#454
○国務大臣(加藤勝信君) 四千、国全体で最大四千近くと申し上げた頃に地方衛生研究所の能力は約一千八百でありましたが、その後、検査手法の改善をして、現在二千七百、約一・五倍ということであります。ただ、委員御指摘のように、これ人手が掛かる作業であります。特に、ウイルスから核酸を抜く、取り出すとか、やっぱりそういった作業は人手が要りますから、そういった配慮をしていく中でこの地衛研での能力をしっかり維持していく必要があると思います。
 ただ、これから先ほどお話があった保険適用ということになると、民間にかなりの部分行くわけでありますから、その辺よくバランスを取りながら、トータルとしてPCR検査がしっかりと行われるように我々も意を配っていきたいと思います。

#455
○田村智子君 地衛研でPCR検査を行っている方が、匿名ではありますが、厳しい現場の実態をネットで告発しているんですね。一月から休日なし、通常業務もあるので平日も午前様、ふだんから残業しないと片付かない業務量なのに新型コロナの対応が加わって限界に近い、あと一か月続いたら確実に潰れる人が出ると。こういう訴えなんですよ。
 民間検査の体制、これ、つくるのはもちろんです。そっちに本当に検査数増やしていかなきゃいけないです。だけどね、地衛研の人の配置、これも本気で取り組まなかったら、通常業務もあるわけですよ。確かに、検査というのは、ぴっとこう薬を入れて、機械でこうぱっと出てくるんじゃないんですね。機械で出てきたその遺伝子の解析、出てきたものを人が読み取らなきゃいけないんですよね。このことを考えると、本当に人を増やすためのお金が必要なんですよ。
 国は今、検査機器、これ自治体も増やす、地衛研に増やすということですね、二分の一補助という制度を打ち出しているようなんですけど、私は、これはもう全額国庫負担にして自治体がもっと人の手当てにお金が充てられるようにするべきだというふうに思いますが、いかがでしょう。

#456
○国務大臣(加藤勝信君) これ、国が直接するのは二分の一ですけど、残りについても地方交付税が、ちょっとこれ、私、所掌じゃないから明確じゃありません、たしか八割という説明があったと思いますけれども、が出るというふうに承知をしております。

#457
○田村智子君 人を増やすために自治体がお金を使えるようにしてほしいということなんですよ。検討してください。
 PCR検査が保健所で絞り込まれたこと、これは本当に検証が求められるというふうに思うんですね。しかし同時に、直視しなければならないのは、やっぱり保健所の職員数も激減している、箇所数も、一九九五年八百四十五か所から二〇一九年には四百七十二か所と、半数近くになってしまっているということなんです。
 今回の新型コロナの対策では、医療機関からのPCR検査の要請の窓口、これも保健所、市民の相談の窓口も多くの自治体は保健所でした。それから、PCR検査というのは医療機関に検体を取りに行って地方衛生研に運ぶと、これも保健所。陽性となった方には入院の措置をする、異議申立てができますよという説明も直接行う、これも保健所。濃厚接触者には毎日連絡を取って行動確認をする。全部保健所なんですよ。保健所なんですよ。
 通常業務では、飲食店などへの定期的な衛生検査があり、新生児の健康診断もあると。これ、もうとても体制が取れなくて、こういう通常業務を停止しているというところも出てきました。それでも三週間全く休めないという悲鳴の声が聞こえてくるわけなんです。私は、やっぱり公衆衛生、感染症対策の体制をここまで弱体化させてしまったという国の責任は本当に直視しなければならないと思うんです。
 厚労省は、新型インフルエンザの流行の後、この対策を検証する総括会議を二〇一〇年に行っています。そこでは地方衛生研の職員の体制強化が必要だというまとめも行っているんですね。
 ところが、一方で、政府は、国と地方の財政危機だといって、自治体リストラ、強力に進めました。地方交付税も定員削減などのリストラを進めた自治体に御褒美を付けると、こういうことまでやって人を減らせ減らせと求めてきたわけですよ。これが地方衛生研も保健所も、その定員削減の波にまさにのみ込まれてしまったと、私はそう言えると思うんですね。
 私、総理にお聞きしたいんです。今、現場の最前線で対策に当たっておられる方、長期にわたって減らされた人員の下で踏みとどまるようにして頑張っておられるんです。だけど、その現場には様々な批判の声が寄せられる。様々な厳しい意見にもさらされている。総理、今、こういう様々な遅れがある、それ現場で解決しなきゃいけない問題あるでしょう、だけど、国がこういう弱体化進めてしまったんだ、この反省すべきだと思うんですよ。国にも責任があるんだと、現場で踏みとどまっている方にやっぱり私、言っていただきたい。どうでしょうか。

#458
○国務大臣(加藤勝信君) これ、その図なんですけれども、保健所の職員ががくんと下がっているところ、これ、取り方が変わっていて、それまで非常勤も含めていたものが常勤だけになってきている。それから、やっぱり保健所全体の中で、保健師の数はしっかり確保している中でその他の職員の削減を図っていく。まさに、めり張りのあることをそれぞれの地域の中でやっておられるということであります。
 それから、実際、平成九年の四月から、例えば、母子保健に関する事業、あるいは栄養相談、一般的栄養指導の事業、これ市町村に移されて、いわゆる市町村保健センターで実施されている。したがって、保健師全体を見れば増加をしているということは統計的に見えるんだろうと思います。
 それから、拠点が変わったというのは、これは地域保健法に基づき策定した地域保健対策の推進に関する基本方針において、保健所の広域的、専門的かつ技術的拠点としての機能強化のため、規模の拡大や施設設備の充実を図るとして、都道府県の保健所の所管区域は基本的に二次医療圏等とおおむね一致することを原則ということで集約が図られた、そうした結果だというふうに思います。
 ただ、委員お話があったように、今、特に感染者が出ている地域においては、本当に保健所の皆さん方は大変な御苦労を、まあ保健所だけじゃありません、医療関係者含めてでありますけれども、大変な御苦労をいただいているということでありますから、そうした状況を我々もしっかり認識しながら、この新型コロナウイルスに対する感染防止に取り組んでいかなきゃならないというふうには思っています。

#459
○田村智子君 もう公衆衛生や感染症対策の体制というのは強化が求められたんですよ、と私は思いますよ。
 シンガポールの首相が、二月の八日、国民向けに行ったスピーチというのが注目をされているんですね。その中でこう述べていますよ。十七年前にSARSの大流行があったおかげで、今回は新型コロナウイルスに対処する準備がかなり整っていました。マスクと個人用保護具は十分に備蓄されています。新しい国立感染症センターを含む医療施設は拡張され、改善されています。ウイルス研究の研究力もより高度になりましたと。重要なことは、我々はSARSを一度克服したことでこれからの問題も解決できる、こういうことを積み上げてきたんだということを、こういう話をしているんですよ。
 今、新型コロナ対策のこの政策の中で、私は、この公衆衛生とか感染症対策の体制、これ弱体化しているのは明らかなんですから、これやっぱり直視をして、思い切ってここから体制、今すぐに取っていこうと、総理、それぐらい言ってくださいよ。自治体に対して、地方衛生研や保健所の職員数を増やそうよと、政府も自治体リストラだって旗振るのやめるからと、こういうことを言っていただきたい。総理、総理、答弁してください。

#460
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 例えば、地方衛生研究所が感染症対策における検査実施機関としての役割を果たせるように必要な措置をとっていきたいと、こう思っておりますし、また、国立感染症研究所は、我が国の感染研修所の中心機関としての役割の重要性に鑑みまして、大学及び民間との連携も含め、連携を含め、引き続き必要な役割を果たすことのできる体制の整備に努めてまいりたいと思います。

#461
○田村智子君 もっと現実見てください。
 じゃ、国立感染研究所についてもお聞きしますよ。
 国立感染研究所、これ人員と予算、本当に増やしていくことを求められるんですね。先ほど紹介した新型インフルエンザ対策総括会議では、米国CDCを始め各国の感染症を担当する機関を参考にして、より良い組織や人員体制を整備すべきであると結論付けています。
 それでは、その二〇一〇年、それから今年度の研究者数、どうなっているでしょうか。

#462
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 国立感染研の職員の定員数でございますが、平成二十二年度が三百八十五人、それから令和元年度が三百六十一人というふうになってございます。直近の五年間で見ますと、まあ多少の増減はあるけれども、三百六十二とか三とかということで、おおむね横ばいになっているという状況でございます。

#463
○田村智子君 この赤い折れ線がその研究者の人数なんですね。本当に大きく減っちゃったんですね。業務の合理化で定員削減はできるんだという方針が国立感染研にもそのまま当てはめられてしまったわけなんです。
 国立感染研の基幹的業務には、感染症の国内外の発生状況を取りまとめて情報提供をするサーベイランスという業務があります。現在、専任職員は二人、どちらも一年契約の期間業務職員で、月給は二十万円ほどです。一人が週報、もう一人が月報の担当者だと。ですから、これ実態は一人体制で回しているんだということを、私、国立感染研の中でお聞きをしてきたところなんですよ。常勤の室長が補佐はしているというふうに聞いていますよ。だけど、実際の、違うんですか、今はどういう体制になっていますか。じゃ、お聞きします。

#464
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 感染症サーベイランスの情報確認、整理、分析につきましては、感染研の感染症疫学センターの職員五名で対応しているところでございますが、これらの感染症サーベイランスの情報を編集して週報等に掲載する業務につきましては、今委員からございました主に非常勤職員二名が担っているという状況であると承知しております。

#465
○田村智子君 そう、実質、その週報って、毎週毎週実際に情報を集めてやっている担当者、一人なんですよ。私、感染研で聞いてきたんですよ。いろんなことと兼任の方で五人いるかもしれないけれど、そのことに専任でやっている方は期間業務職員の一名なんですよ。
 これ、十年ほど前は、常勤の室長の下に月報担当の主任研究官、これもちろん常勤の方ですね、がいて、さらに非常勤五人の体制だったというふうにお聞きしているんですけれども、それがもうこれ以上後ろに下がれないというほど体制後退しているんですよ。
 新型コロナウイルスも、PCR検査が本格的に始まることで情報の正確な集約、これますます必要になってくるんですね。ですから、それと、新型コロナの陰で見落としてはならない感染症の情報もあるんですよ、これすごい数の情報ですから。皆さんも是非ホームページで見ていただきたいと思うんですけど、物すごい数の感染症、これ毎週毎週取っているんですよ。
 私は、現在この業務に当たっている方、四月から緊急に定員増で正規の職員にして、そして補佐する期間業務職員、緊急に募集する、これぐらいのことやるべきだというふうに思うんですけど、どうでしょうか。

#466
○政府参考人(宮嵜雅則君) 御指摘のありました件でございますが、職員を定員化するかどうかというのはなかなか厳しい話ではございますけれども、今回の事案も含めて見直すべき点は見直して、感染研の機能維持、強化のために努めてまいりたいと考えております。

#467
○田村智子君 これ、国立感染研の場合、予算も見ていただきたいんですけれども、これ青いところが競争的研究予算なんですね。これが大きな割合を占めています。でも、感染研が担っている研究というのは行政研究なんですよ。国の感染症対策に必要な研究なのに、大学などの研究者と予算を競い合って取ってこいというのは、私、これおかしいと思いますね。
 これ、予算の在り方を見直して、感染症対策予算としてもう来年度の予算からしっかり手当てする。これ、大臣答えてくださいよ。これ、必要だと思いませんか。

#468
○国務大臣(加藤勝信君) 基盤的研究費は、感染研的、ごめんなさい、感染症研究と医療、科学技術の発展に必要不可欠なまさに基盤的、基礎的研究を行うための経費ということで、予算額にして近年ほぼ同額を確保しておりまして、令和二年度で対前年度、ほぼ一・二億ということであります。
 また、この上の競争的研究費と、これまさにAMED等を通じて配分されている費用でありますが、これは国全体として、やはりAMEDに集約する中で本当に必要なところを配分するという仕組みの中で行われる、今年度はまだ確定していないのでそこは白になっているので、ゼロという意味ではないわけでありますので、引き続き、そうした予算もしっかり確保しながら、トータルとして研究がしっかりなされるように努力をしていきたいと思います。

#469
○田村智子君 私がこういう問題を一番最初に取り上げたのは二〇一三年のことなんですよ。それは、現場から、予算が足りなくて機器の修理もままならなくて、研究者が一生懸命機械直しているんだと、私は寄生虫の扱う専門家だけど機械扱う専門家じゃないよと、こういう声まで聞こえていたわけなんですね。で、退職者の補充もない、専門外の研究を掛け持ちで対応していると。これに私、危機感を覚えて質問しました。
 ところが、当時の厚労大臣は、厳しい財政状況の中でなかなか、一律にシーリング、これ予算削減のシーリングですね、これ外せないと、厚労大臣一人で決められることではないと、こういう答弁で、事態は変わりませんでした。
 昨年の四月にも取り上げました。インバウンドだ、外国人労働者受入れだと、こういう中で新たな感染症が日本で発生する危険性があると、せめて定員削減の対象から外すべきじゃないのかと、こういうふうに質問しました。御指摘の点は重要だ、国立感染研は重要な役割を担っている、そういう答弁はみんなやりましたけれども、誰も定員削減やめるって言わないんですよ。
 総理、総理、本当に日本も新型インフルエンザの大流行を経験して、国内の感染症対策どうするかという検証やってきたと思います。SARSやMERS、近隣の国々でどう対応したか、それも検証してきたと思います。それも具体的な政策に生かしていかなきゃいけない、転換しなきゃいけない、私、そう思うんです。いかがですか。

#470
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、国立感染症研究所の皆さんは大変大きな役割を担っていただいていると思います。この役割の重要性に鑑みまして、大学及び民間等の連携も含めまして、今回のこの対応を十分に検証しながら検討していきたいと考えています。

#471
○田村智子君 本当に私は、やっぱり国家公務員や地方公務員というのは、災害や感染症対策で最前線に立つ任務も持っておられるわけですよ。今回のことで本当にそれが定員削減という一律の枠の中で合理化迫られていくのでいいのかと、真剣な検討と即刻政策改めるということを改めて求めます。
 それでは、残る時間、桜を見る会についてお聞きします。
 まず、写真のパネルを。これは、悪質なマルチ商法で仮想通貨クローバーコインを販売していた48ホールディングス本社で撮影された写真です。被害者の男性が二〇一六年に撮影したものを赤旗日曜版が入手をいたしました。壁に飾られた写真は二枚とも淡路社長と安倍総理が一緒に写っていて、被害者の男性はこの写真を見て、すごい期待ができると48ホールディングスを信用したというふうに話をしているんですね。これ、実は四日の予算委員会でも取り上げました。掲げられていた写真のうちの一枚、これは二〇一六年桜を見る会の写真ですよねというふうに指摘をいたしまして、この顔が分からなくなっているところの部分を外して総理にもお届けしました。
 総理、これ桜を見る会の写真だというふうに確認できたんじゃないんでしょうか。

#472
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘の写真につきましてでございますが、桜を見る会の個々の招待者やその推薦元については、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて従来から回答を控えさせていただいているところでございます。
 そしてまた、桜を見る会での写真ではないかというお尋ねでありますが、これは四年ほど前のことであり、日常的に多数の写真撮影に応じている立場でございますので、どのような場面で撮影されたものかを確認することは困難であるということは、先般の予算委員会でも同じ写真を見せられておりますので、そうお答えをさせていただきました。
 そして、いずれにいたしましても、私も妻も御指摘の人物を存じ上げませんし、本年二月二十四日付けのしんぶん赤旗によれば、当該人物自身も、総理夫妻と一緒に写真を撮影したことがあるだけの関係にすぎず、会話らしい会話もしたこともなければ知り合いですらない旨回答しているものと承知をしております。

#473
○田村智子君 二〇一六年桜を見る会の画像というのは、インターネット上にいっぱいあるんですよ。総理夫妻だけじゃない、恐らくそこに一緒に並んで写っている方はお顔の分かる方がいらっしゃるでしょう。いらっしゃるんですよ、いらっしゃるはずなんですよ。そういうのと照らし合わせれば、着ていた服とか見れば分かるはずなんですよ。何で確認しないんですか。

#474
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、これ繰り返しになりますが、桜を見る会の個々の招待者やその推薦元については、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて従来から回答を差し控えさせているところでございます。

#475
○田村智子君 私、根拠を持って桜を見る会の写真だというふうに示しているんですよ。これは確認したくないんでしょう、認めたくないから。
 問題は、この写真、総理夫妻と一列に並んでの記念撮影だということなんですよ。桜を見る会は、開会すると総理は黒山の人だかりの中に埋もれるようになってしまうので、こんな写真は撮れないんです。そうすると、淡路社長は桜を見る会に招待されただけじゃなくて、後援会の皆さんと一緒に開門時間前に新宿御苑に到着しなければこういう写真を撮ることはできなかったはずなんです。だから、誰の推薦で、どういう理由でこのマルチ商法の淡路社長が招待されたのか、これ、名簿がなくても、ここに写っている人たちから話を聞けば分かるんですよ。だから、聞いているんですよ。
 昭恵さんや安倍事務所に確認してほしいんです。どうですか。

#476
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の事務所においては、後援会関係者を含め、地域で活躍されているなど、桜を見る会への参加にふさわしいと思われる方を始め幅広く声を掛けたとのことでありましたが、推薦者名簿は既に廃棄をしており、個々の推薦者については分からないということでございますし、また、私自身もそれは四年前のことでございますので、また日常的に多数の写真を撮っているところでございまして、それをどこであったかということを確認することは困難であるということは先ほど申し上げたとおりでございます。

#477
○田村智子君 淡路社長と安倍昭恵さんとの接点はあるんですよ。
 下関市の関門海峡を望む場所に、宿泊施設UZUハウスが二〇一六年にオープンをしました。このUZUハウスのエントランスには資金提供者のネームプレートが飾ってあって、片仮名ではありますが、アワジアキヒトという名前が確認をできます。赤旗の取材にも、淡路氏の代理人弁護士は資金提供したことを認めています。
 総理、昭恵さんはUZUハウスの運営会社の取締役ですよね。確認します。

#478
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それ、突然の御質問でございますので、私自身、確認してからお答えをさせていただきたいと思います。

#479
○田村智子君 知らないはずないじゃありませんか。私、会社の登記簿を見ましたよ。取締役三人いるんですけど、一人は安倍昭恵さんなんですよ。そんなことまで答弁しないっておかしいですよ。
 それで、このUZUハウスの建設を計画したのは株式会社チームA、これは代表取締役が安倍昭恵さんなんです。地元説明会も、首相夫人が初の地元説明会という見出しで山口新聞が報じています。資金提供の呼びかけも、昭恵さん自身が動画で、三千万、大変厳しい金額ですけれども、どうか皆様方の御支援で達成できますよう、よろしくお願いいたしますと直接呼びかけておられるわけですね。
 この資金提供には見返りメニューがいろいろとそろっていたわけですね。その一つが、十万円の資金提供で、昭恵さんも参加するUZUハウスメンバーと海峡花火大会を屋上で観覧できます、つまり、UZUハウスの屋上で花火を見る会ができますよということなんですが、これも総理、確認しますが、この二〇一六年、UZUハウスの屋上での花火を見る会には総理も参加をされたわけですよね。

#480
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆるクラウドファンディングというのは、様々なファンドに、ファンドに参加すればいろいろな対応があるということで集めるものでございまして、これ、誰でも参加をすることができると、こういうことでございますが、その花火大会には、たまたま私も花火大会に行っておりましたので、当初から予定はしていなかったのでありますが、花火大会から次の場所に行く間、その道すがらでございましたので、次の会場に移る段階において車から降りてそこに行ったということでございます。
 また、花火大会において、私と私の後援会の方々も、若い人たちも一緒でございましたので、そこに行こうという話になり、私は車で行き、そのほかの方々も大勢そちらに行ったものと私は記憶をしております。

#481
○田村智子君 よく分からなかったんですけど、つまり、UZUハウスの屋上でその花火を見る会に参加をされたということでよろしいわけですよね。

#482
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 花火を見る、花火自体は私は言わば花火大会の会場で見て、これ、花火大会、海峡花火大会というものがあって、それは海峡花火大会を主催するところで、海岸沿いに会場が、大きな会場がしつらえておられまして、そこで私は御挨拶をいたします。そして、たくさんの方々とともにそこで花火を見るわけでございます。そして、その後、別の大きな伝統的なお祭りがございますので、その会場に移る途中であるということで、そこで私は車を降りて、そこで集まっている人たちにちょっと挨拶だけをさせていただいたということでございます。

#483
○田村智子君 いや、UZUハウスの屋上で安倍総理夫妻、ちゃんと記念撮影しているのをフェイスブックで安倍昭恵さん上げているじゃないですか。だから、UZUハウスの屋上で、行きましたよね、花火大会の日に。何でそれ認めないんですか。

#484
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、先ほど私、認めておりますよ。(発言する者あり)認めて。
 ですから、繰り返しになりますが、その日は海峡花火大会があり、先ほども、先ほどのその前にもこうお答えをさせていただいたところでございますが、海峡花火大会があり、それは下関市と北九州市の共催のものがあるわけでございまして、そこに行って花火を見、そして御挨拶をし、地域の皆様と歓談をした後、その後、別の大きな伝統的な祭りがございますので、そこに移るときに移動の途中でそちらに寄ったということは先ほども先ほどの前もそうお答えをさせていただいたところでございますが、そこに行くということはあらかじめ決めていなかったのでございますが、そこに行こうということになり、また後援会の方々も徒歩でそこに参加をしたということもあるわけでございまして、私は車で行って、そこに行ったということでございます。(発言する者あり)

#485
○田村智子君 そうですね、今ありましたけど、実はやましいところがあるのかなと思えるわけですよ、UZUハウスで写真を撮ったことが。
 この淡路氏もそのUZUハウスの屋上でこの花火の日にいたということは、昭恵さんのフェイスブックの写真でしっかり確認ができるんですよ。やっぱり、そこで撮られた写真がこれだから、この今お示ししている写真、ゲストと、こうプレートを首から下げている。だから、長々とあたかも不特定多数の花火大会だったというようなことをごちゃ混ぜにして、あなた答弁しているんですよ、総理は。
 これ、総理の隣でしょう。だから、本当に48ホールディングスにとっては絶大な影響力があったんですよ。花火大会後の十か月間の売上げ、百九十二億を超えて、それまでの一年間の実に七・五倍になってしまったわけですよ。これも、淡路氏が資金提供者としてUZUハウスから招待されなければ撮影できない写真なんですよ。そうじゃないですか。

#486
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども申し上げたところでございますが、いわゆるクラウドファンディングというのは多くの方々をネット等も含めて募るものでございまして、その中で、そうした寄附を出した方々に対しましては写真を撮ったりという対応をしていたということなんだろうと思います。
 そもそも私は行く予定ではなかったのでございますが、たまたま私はそこにお伺いをさせていただいたということでございますが、政治家でございますから、これ本当にたくさんの方々と写真を撮ることが私の場合はあるわけでございます。
 そして、しんぶん赤旗によれば、当該人物自身も、総理夫妻と一緒に写真を撮影したことがあるだけの関係にすぎず、会話らしい会話をしたこともなければ知り合いですらない旨回答しているものと承知をしております。

#487
○田村智子君 当該人物にとっては写真を撮ることが極めて重要だったんですよ。極めて重要だったんですよ。
 UZUハウスは昭恵さんの個人的な事業なんです。そこに淡路氏が資金提供をした。その見返りで招待されたこのUZUハウスの屋上で総理との記念撮影まで実現することができて、桜を見る会での記念撮影と併せて総理の写真が使われて、結果としてマルチ商法の被害を大きく広げてしまったんですよ。
 そうしたら、何でこういう事態が起きたのか、私は、総理は昭恵さんにもしっかり話を聞いて、私、質問しているんですから、それに対してちゃんと答えるべきだと思うんですけど、いかがですか。

#488
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど来御質問にはお答えをさせていただいているところでございますが。
 なお、悪質商法については、状況に応じて関係当局において必要な捜査や調査が行われているものと承知をしております。また、政府として、消費者庁を中心に、今後も消費者被害防止のための施策等を強化してまいる所存でございます。

#489
○田村智子君 四日にも指摘しましたが、UZUハウスへの資金提供者のうち、赤旗編集部が確認しただけでも三十四人が桜を見る会に参加をしているんですよ。
 で、UZUハウスのこのクラウドファンディング、つまり資金提供の呼びかけの期間、これ二〇一六年一月二十一日から四月の二十日、桜を見る会は四月の九日。ちなみに、この年の桜を見る会で乾杯の発声というのは、なぜか私人であるべきの昭恵さんなんですよね。昭恵さん、乾杯の音頭も取っていらっしゃるんですよ。
 昭恵さん個人の事業への資金提供と桜を見る会への招待がつながっているのではないのかと、こういう疑惑が今浮上しているんですよ。これは、内閣府に名簿がなくても、昭恵さんやその関係者に話を聞けば、この淡路さんがなぜ桜を見る会に招待されたのか分かるはずなんですよ。聞いていただきたい。確認していただきたい。いかがですか。

#490
○委員長(金子原二郎君) 時間来ております。

#491
○内閣総理大臣(安倍晋三君) はい。
 桜を見る会の招待者については、提出された推薦者につき最終的に内閣官房及び内閣府において取りまとめを行っているところであり、当該プロセスに私は一切関与していないことから、その御批判は当たらないと思います。

#492
○田村智子君 終わります。

#493
○委員長(金子原二郎君) 以上で田村智子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて内政・外交の諸課題に関する集中審議は終了いたしました。
 次回は明十日午前九時から公聴会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト