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2020/03/13 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 内閣委員会 第4号 令和2年3月13日
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2020/03/13 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 内閣委員会 第4号 令和2年3月13日

#1
令和二年三月十三日(金曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十一日
    辞任         補欠選任
     石井 準一君     加田 裕之君
     岡田 直樹君     清水 真人君
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     清水 真人君     宮崎 雅夫君
     岸 真紀子君     長浜 博行君
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     宮崎 雅夫君     本田 顕子君
     長浜 博行君     岸 真紀子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         水落 敏栄君
    理 事
                上月 良祐君
                柘植 芳文君
                杉尾 秀哉君
                矢田わか子君
                石川 博崇君
    委 員
                今井絵理子君
                岡田  広君
                加田 裕之君
                古賀友一郎君
                本田 顕子君
                宮崎 雅夫君
                山田 太郎君
                山谷えり子君
                木戸口英司君
                岸 真紀子君
                塩村あやか君
                長浜 博行君
                高橋 光男君
                清水 貴之君
                高木かおり君
                市田 忠義君
                田村 智子君
   国務大臣
       国務大臣     西村 康稔君
   副大臣
       内閣府副大臣   宮下 一郎君
       厚生労働副大臣  稲津  久君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        神田 憲次君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       安居  徹君
       出入国在留管理
       庁出入国管理部
       長        石岡 邦章君
       厚生労働省大臣
       官房生活衛生・
       食品安全審議官  浅沼 一成君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    吉永 和生君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    本多 則惠君
   参考人
       独立行政法人地
       域医療機能推進
       機構理事長    尾身  茂君
       同志社大学法学
       部教授      川本 哲郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────

#2
○委員長(水落敏栄君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、石井準一君、岡田直樹君及び岸真紀子さんが委員を辞任され、その補欠として加田裕之君、長浜博行君及び宮崎雅夫君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(水落敏栄君) 新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。西村国務大臣。

#4
○国務大臣(西村康稔君) ただいま議題となりました新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 新型コロナウイルス感染症の発生及びその蔓延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えることが懸念される状況に鑑み、必要な法制を整え、国民生活や国民経済に及ぼされる重大な影響に対し総合的な対策を講じることができるようにすることが喫緊の課題であります。
 本法律案は、政府行動計画等の策定、政府対策本部の設置等の措置及び新型インフルエンザ等緊急事態が発生したときにおける特別な措置等を定める新型インフルエンザ等対策特別措置法の適用の対象に、新型コロナウイルス感染症を暫定的に位置付けることにより、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにすることを目的とするものであります。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 この法律の施行の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日までの間、新型コロナウイルス感染症を新型インフルエンザ等対策特別措置法に規定する新型インフルエンザ等とみなして同法の規定を適用し、同法に基づく措置を実施することができるようにします。
 このほか所要の規定の整備を行います。
 最後に、この法律案の施行期日は、公布の日の翌日としています。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。

#5
○委員長(水落敏栄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#6
○委員長(水落敏栄君) 速記を起こしてください。
    ─────────────

#7
○委員長(水落敏栄君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君及び同志社大学法学部教授川本哲郎君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#8
○委員長(水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#9
○委員長(水落敏栄君) 新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の皆様から御意見を伺います。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございました。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、尾身参考人、川本参考人の順にお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず尾身参考人からお願いいたします。尾身参考人。

#10
○参考人(尾身茂君) 尾身でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、いわゆる特措法のことの前に、少し新型インフルエンザの、感染症の現状について簡単に申し上げたいと思います。
 三月九日の専門家会議の見解で発表させてもらったとおり、感染者数は増加にあるものの、今のところ爆発的感染には進んでおらず、一定程度持ちこたえていると考えております。しかし、当面、増加傾向が予想され、警戒がこれからも必要というのが私どもの考えであります。
 さて、新型インフルエンザ特別措置法についてでありますが、私は、今回の新型コロナウイルスによる感染が急速に拡大する可能性がある中で、そうした事態にあらかじめ準備をしていくことは必要だと思います。
 特措法の本来の目的は、対策を強化することにより、社会経済への影響を最小限にしつつ、国民の生活及び健康を保護することだと理解をしております。これを今回の新型コロナウイルス感染症対策の文脈に置き換えれば、必要な感染症対策を強化することにより、社会経済への影響を最小限にしつつ、重症者、死亡者を最小限にすることだと理解をしております。
 さて、緊急事態宣言についてでありますが、仮にそれを発動する場合には、二つの要件を満たす必要があると理解をしております。
 法律に書かれている一つ目の要件は、国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与える場合と書かれていますが、これを公衆衛生学的な文脈に置き換えれば、病原性及び致死率が通常のインフルエンザと比較しかなり高い場合と考えられます。
 法律に書かれている二つ目の要件は、全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすとありますが、これをまた公衆衛生的な文脈に置き換えれば、感染が蔓延し、感染経路が追えなくなり、国民経済社会への影響が甚大であると考えられます。
 本日、三月十三日の現在の時点で二つの条件が満たすかと言われれば、否だと思います。
 政府が緊急事態宣言を出す場合には、それに先駆けて専門家の意見を聴くという仕組みになっていると理解しております。専門家としては、感染者間のリンクが追えているかを含む感染状況など客観的データを十分分析した上で、我々の考えをお伝えするのが我々の責務だと思っております。ちなみに、緊急事態宣言については、既に七回、政府などが中心になって模擬訓練を行っておりまして、私自身も参加させていただきました。
 さて、特措法の運用についてであります。御承知のように、新型コロナウイルス感染症による死亡者の減少に向けて、既に様々な対策が医療、保健の現場でなされています。
 特措法の運用については、その目的、対策範囲などをあらかじめ明確にしておく必要があると私は思っています。それを公衆衛生学的文脈でいえば、例えば死亡者を減らすために必要な対策であっても、特措法がないために実行できない対策が何なのかなどを今からあらかじめまとめておく必要があると思っております。また、本特措法は、新型インフルエンザなどを想定したために、ワクチンの接種などについて多くのスペースが割かれていますが、新型コロナウイルス感染対策に役立つような仕方での運用をすべきだと思っております。
 以上であります。どうもありがとうございました。

#11
○委員長(水落敏栄君) ありがとうございました。
 次に、川本参考人にお願いいたします。川本参考人。

#12
○参考人(川本哲郎君) 同志社大学の川本です。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料をちょっと御覧いただいて、初めにのところですけれども、私の若干経歴を紹介させていただきます。
 私は刑事法の専門でありまして、精神障害の犯罪というのに取り組みまして、そこで、精神医療の方で強制治療というのがあると。強制治療を認めているのは、実は精神障害と感染症だけでございます。それで、京都市の精神医療審査会の委員になりまして、一九九八年に感染症法ができたので、そこで感染症診査協議会というのができまして、その委員になりました。さらに、五、六年前には京都府の感染症診査協議会の委員も務めております。
 そして、その感染症と人権ということに関心を持っていたところ、二〇〇九年の新型インフルエンザが流行しましたので、そこで論文を何本か、感染症と人権に関する論文を書きました。それを認めていただいて、八年前の特措法の参考人として呼んでいただいたという次第です。その後、尾身先生が座長の新型インフルエンザ等有識者会議というのが内閣府にございます。その委員を六年ぐらい務めました。
 そういうことで、ずっとこの問題に関心を持っていたところ、今回またこのような事態になって呼んでいただいたということでございます。
 その次の二番の緊急事態宣言、これが一番皆さん関心は高いところだろうと思いますけれども、私、まず、その法律全体については、こういう手当てをされるというのには基本的に賛成でございます。ただし、その後のフォローが非常に大事だろう、そこで不十分なところがあるのではないかというふうに考えています。
 お手元の資料を御覧いただくと、緊急事態宣言、法の三十二条で、国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件というふうに書かれています。施行令でどうなっているかというと、重篤である症例の発生頻度が通常のインフルエンザにかかった場合に比して相当程度高いと認められる場合と書いてあるんですね。上と余り一致していない。つまり、著しく重大な被害というのがどの程度であるのかとかは書いていない。そして、その次の施行令でも、相当程度高いと。
 ただ、これは、法律家として申し上げると、法律の宿命でございます。そんな詳しく書けるわけではないわけですね。けれども、ここで止まっているというのはやはり不十分ではないかと。つまり、そんな正確に重大な被害というのがこういうものなんだというのは説明できなくても、そこに、著しく重大なで止まっているというのはやはり問題があるのではないかというふうに思っております。
 そして、その次の、急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響というのもそうでして、甚大な影響というのはどんな影響なのかということについて、施行令の方では感染させた原因が特定できないものなどというふうな、そこ説明があるだけなので、そこも不十分だと思っております。
 時間の関係で次に、三に参ります。
 蔓延防止措置、これ法四十五条で、多数の者が利用する施設というのが閉鎖されるということですけれども、ここについても多数というのが何名なのかと。これも今と繰り返しですが、百とかそんな具体的な数字は絶対出ないです。さらに、これは申し上げると、今の現在でいうと密度の問題もあるのかなと。つまり、百という数じゃなくて、どれぐらいのスペースのところに百人が集まっているのかというのが問題なんだろうと。そうすると、やはりそういうところも手当てをしていかないといけないのではないかというふうに思っています。
 さらに、そこに、資料を御覧いただくと、学校、興行場等の使用制限を受けた者は法的義務を負うんだけれども、罰則による担保等によって強制的に使用を中止させるものではない、だから強制の制約の内容は限定的である、この措置は事業活動に内在する社会的制約であると考えられて公的な補償は規定されていない。これは、この特措法のコンメンタールという本がありまして、一番下に逐条解説という本ですけれども、そういうところに説明があるんですね。したがって、それはちょっと今後の、この法律の運用の問題ですね、それは考えていただきたいということと。
 次に行きまして、学級閉鎖の効果についても、確かにこれはまだ疑問はあるんだけれども、効果がないということはないわけなので、それは実行されることに私は異論はございません。ただし、今回の例を見ると、全国一律であるとか、さらに、幼稚園は外れているんですね。これ、特措法では幼稚園入っているんですね。だから、そこらのつじつま合わないというか、もうちょっとちゃんと、まず政策を打ち出すのは必要だけれども、政策を打ち出してからその後のフォローでちゃんとその運用をしていくというのが必要なのではないかというふうに思っています。
 その次が、さらに施行令で、使用制限の対象となる施設は床面積の合計が一千平方メートル以上に限るんだとなっているんですね。ただし、これは例外がありまして、十四号で、発生の状況、動向若しくは原因又は社会状況を踏まえて特に必要なものとして公示するものというふうになっている。これも、コンメンタールでは、社会状況とは、例えば臨時休業している学校の生徒らが興行場等の一千平米以下の施設に多数集合しているなどの場合が想定されると書いてあるんです。
 これは有識者会議で議論をいたしました。カラオケは対象外なのかということですね。けど、それはやはり小さい施設なので、それと、先ほど尾身先生がおっしゃったように、新型インフルエンザと今回の新型コロナはちょっと違いますから、そういう点でも少しは説得力があったのかも分からないけど、今回の場合、どうも人口密度というのが関係があるらしいと。そうなると、こういうところも運用で、この例外的に一千平米以下の施設というのを加えるというのは見直してもいいのではないかと。つまり、運用の問題ですね。
 法律の基本的な枠組みには私は賛成です。そして、どんどん早く手を打っていくというのにも賛成です。ただし、早く手を打ってから、その後ちゃんとフォローをして、実際にどういうふうに社会が動いていくのかとかですね、そういうところの問題も十分考えていただきたい。
 そして、その次のページに行きまして、不服申立てです。
 ここでいうと、附帯決議がありまして、附帯決議で、三年後を目途としてというふうになっていたんですけれども、これ実際に、行政不服審査法で対応するんだで終わってしまったんですね。これで申し上げると、私、八年前に参考人で出席させていただいて、私が申し上げたことの一部が附帯決議の中に入っております。それを改めて見直しました。附帯決議の中で実現されていないものがかなりあります。ですから、やはり附帯決議を忠実に実行していただく、それが必要なのかなと。
 さっきも、先ほど申し上げた学級閉鎖なんか、私は八年前に論文書きまして、そこで、学校の休業が長期になった場合は、アメリカ等ではテレスタディー、テレラーニングですね、そういうものを考えているんだというのを書いたんですけれども、それから以降、そういう議論はないのですね。日本では全然進んでいない。報道を見ていたら、中国に追い越されているという感じですね。中国はテレスタディーをちゃんとやっていると。
 日本の方では、ここは文部科学省の担当ですから。先ほどの有識者会議は内閣府の所管です。この法律も内閣府です。今までは厚生労働省です。その関係なんかも考えていかないといけないし、有識者会議に文部科学省の方はメンバーとしてオブザーバーとしても入っていないんですね。だから、そういうところはフォローが不十分だというふうに私は思っています。
 さらに、行政不服審査法だとちょっとハードルが高いので、もう少し、精神医療審査会のような、ハードル下げると。そういう不満とかがある方の意見をちゃんと聞けるような枠組みというのもつくるのが必要だというふうに考えています。
 最後、今後の課題ですけれども、やはり、先ほど申し上げたところですが、八年前に私、ここでいろいろ申し上げた。そして、それ以外にいろいろ書きました。そこで提言していることは余り実現していないんですね。つまり、法律ができて、一応通って、附帯決議ができて、一年ぐらいは頑張ってガイドラインを作るというふうな枠組みですけれども、それから後ですね。それから後、六、七年あったわけですから、その間にいろんな手当てはできたのじゃないかと。それが余りにも不十分であったというふうに思っております。
 時間が来ました。以上でございます。

#13
○委員長(水落敏栄君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#14
○古賀友一郎君 おはようございます。自由民主党の古賀友一郎でございます。
 参考人のお二方の先生方、本当にありがとうございました。特に、尾身参考人におかれましては、先日の予算委員会公聴会に引き続いてということでございまして、大変お疲れさまでございます。
 まず、私からは、この感染症対策と私権の制限についてお尋ねをしてまいりたいと思います。
 この問題は、今回の法律改正の最重要テーマと言ってよろしいかと思います。もとより、この私権の制限は、しなくて済むならしない方がよいということは当然だろうと思いますし、衆議院での今回の法律改正の附帯決議におきましても、各種対策を実施する場合においては国民の自由と権利の制限は必要最小限のものとすることと、こういうふうになっております。
 しかしながら、今週十日の予算委員会公聴会で、尾身参考人、そのときもお越しになりまして、こうおっしゃいました。感染が広がりそうな局面のときは、やややり過ぎくらいの方がよいというのは歴史的教訓であって、それは危機管理の要諦であると。こういう御発言があったわけでございまして、私もそのとおりだと思いました。でも、それは、状況によってはこの必要最小限の私権の制限を上回ることも許容しなければならないことでもあると、こういうふうに思うわけでございますけれども、まず、これは尾身参考人のお考えを伺えればと思います。

#15
○参考人(尾身茂君) 私権の制限と感染症対策のこのバランスの話ですが、実は感染症といっても、例えばSARSのと今回は明らかに違います。それから、インフルエンザと今回も違いますので、いわゆる一般論として語るのはほとんど意味がなくて、この感染症にはどうするかという基本的な考え方が必要だと思います。
 例えば、SARSの場合は、感染、症状が出た人を隔離すれば済んだんですね、はっきり言って。今回の場合は、もう私ども何度も申し上げていますけれども、いわゆるクラスターが起こりやすい場所というのは三つの条件があって、例えばスポーツクラブと今話があって、ああいう三つの条件が合うところがかなり最も危険の高いところで、実はそれが今の今回の感染拡大のドライビングフォースになっていますから。
 感染拡大を抑えて死亡者をなるべく抑えたいわけですよね。そのためには、どうしてもそこだけは、そこはハイリスクですから、最もそこについてはなるべく行っていただかない方がいいという。これは、そこがいわゆる個人の自由というところがありますよね。本来なら行きたい、ふだんだったら行きたいんだけど、そこを行ってもらわない方がいいというところは、ある意味ではふだんの生活、自由の多少の制約になるので。ただ、そこだけは、そこだけはお願いをしないと感染がというところで、微妙なところで。
 ただ、私は、先ほど先生の、この初期の方の対応というのは対応の対策を言っているので、私自身は、この法律もそうだし、本来、公衆衛生、この目的は個人の自由を縛るなんということじゃなくて、感染症の拡大をどう防ぐかというところで、最も重要な最も効果的なものについては一般の人の協力を得て、理解を得て、そこを集中してやるということで、個人の自由の侵害を目的にするべきではないと思って、元々は感染症の拡大を予防するんだという、この目的に、どうしてもやらなくちゃいけないのが一部あるんですね。それは散歩することを制限することではないですから。
 今、我々が最も、これ疫学的にもう分かっている、これはもうCDCなんかも言っていますけど、私どもが言っている三つの条件が合うところには当分の間なるべく行かないでくれという意味では、私権、ある意味では自由をある程度、何といいますかね、今までとは違う生活をしていただくというところは、どうしてもそこは、だけはというところがあるんで、そのこと自体はふだんの生活の自由を奪うということとは全く別な話ですから。
 公衆衛生、この目的は何なのかと。今回のそれは、感染拡大の防止の、スピードをなるべく抑えて死亡者を減らすという、その目的にはここだけはやっていただきたいというところをもうはっきりさせるという。何が何でも自由を奪おうなんということじゃなくて、そこだけは。ただ、一般の人の理解をしてもらう必要がありますし、それに対する経済的な補償というのは我々の分野の、先生方の仕事だと思いますけど、そこはバランスを取ってやる必要があると思いますけど。
 私が申し上げたのは、早い時期という意味は、私が申し上げたのは初動遅れ、感染症の拡大は常に初動の遅れですから。これはもう歴史が、初動が大事という意味で、人権を制限することを早くからやれという意味じゃなくて、何のためにこれ我々やっているかということを我々みんなが理解して、効果のあるものに集中してやるということが物すごく大事だと思っております。

#16
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 やはり、その感染拡大という目的のためにどうしてもやらないことは果敢にやらなければいけないということではないかなと受け止めたわけであります。まさに、例えば憲法で言うところの公共の福祉という概念ではないかと、こういうふうに理解をいたしました。
 次に、同様の問題意識で川本参考人にもお伺いをしたいと思いますけれども、この感染症の危機管理というものにおいて、今申し上げましたその憲法の公共の福祉と人権、このバランスをどういうふうに取っていくべきなのか、そのお考えをお伺いしたいと思います。

#17
○参考人(川本哲郎君) 法律家の立場から申し上げると、私権制限に対して必要最小限の原則というのは、これは感染症法にも、また特措法にも書かれていることなので、大原則なのですけれども、ちょっと表現に関して誤解を生むおそれがあるんですね。必要最小限といったら、できるだけ控えめに、余りやらないんだというように受け取られると思うんですけれども、私は、最大限の対策を取るんだと、できることは何でもやるんだというのも事実とは合っていない。もし本当にできることは何でもやるんだというんなら、封鎖とかそういうものも考えに入れないといけないわけですよね。
 だから、私が申し上げたいのは、必要最小限と言うけれども、そして最大限と言う方も含めて、適正な対策というのを考えられているわけです。じゃ、どうして必要最小限なんて言うんですかというと、それは、今までハンセン病であるとかHIVであるとか、そういうところでいわれのない偏見が出たので、それを忘れないように必要最小限ということを言われているんだと私は理解しています。
 だから、今やっていることでも、恐らく政府の関係者の方は必要最小限のことをやっているというふうな理解をされているんだと思いますね。できる最大限のことをやっているというふうなお考えではないだろうと私は思っています。それが第一点です。
 そして、危機管理は確かに難しいので、そのバランスですね。だから、適正というのはそういうことですね。適正というのは、バランスを取って、両者の、公共の福祉、そういうようなことと感染症の拡大防止、それのバランスをいかに取るのかというのが大事だろうと。それについては、もう先ほどの繰り返しですけれども、できることは早めにやる。ただし、それから後ちゃんとそれに対するフォローをしていく。
 それで、今のお話でいうと、ライブハウス、カラオケとかの、これ禁止すべきだという御意見があろうかと思いますけれども、私はその次が問題だと思いますね。つまり、若い人たちは時間があるので、それで繁華街行くとかカラオケ行くとかというふうになっているんだから、さっき申し上げたようなテレスタディーを行うとか、あるいはそれ以外の彼らのストレス発散、だから、カラオケにも行くな、ライブハウスにも行くな、家にずっと閉じこもっておけというのはやっぱり無理だろうと思いますね。そのときに、彼らに家でスマホをずっと見ていなさいというのも間違っているので、そこをふだんからちゃんと考えて準備をしておく、それが必要だったんじゃないのかと。だから、それを怠っていたから、いざと、こう蓋が開いたら今のようなことになっているんだというふうに私は思っています。

#18
○古賀友一郎君 大変参考になる御意見、ありがとうございました。
 以上で終わります。

#19
○矢田わか子君 共同会派、矢田わか子と申します。今日はよろしくお願いをいたします。
 まず、一月からの対策を振り返ると、政府の政策決定においてどんな問題点があったのかについてお伺いをしたいと思います。
 特に、尾身先生は、様々なテレビだとか今までの参考人の発言の中でも、未知の感染、いまだほとんど分かっていない感染なんだということを繰り返し発言されております。それに対して加藤厚労大臣は、病原体が分かっていれば感染症とは言えないということで、私たちが八年前に作りました現行の特措法、この法律で対応できるのではないかということを一月の末の段階からずっと言い続けてきているんですが、それは対象には当たらないという主張をされております。
 尾身先生も川本先生も、当時もこうして参考人として来ていただいたというふうなことで、その議事録も全て見せていただきましたが、今の段階で、私たちとすればもっと早い段階からこの現行特措法を使っていれば対策が打てたのではないかというふうに思っておりますが、先生から見てどのような御見解でしょうか。尾身先生、お願いします。

#20
○参考人(尾身茂君) 特措法を早くもう少し施行したらよかったかどうかという御質問でしょうか。そうですよね。
 これは、私は公衆衛生の人間として、先ほど新しい感染症かどうかという話も、実は私も、国会というか政治家の先生方が、これは新しい感染症なのか、いやいや、もうこれはある程度分かっているんだからもうという議論が、いわゆる政治的議論といいますか、法律解釈的な議論の中でいろんな意見が政治家の先生の中で行われているということは十分私は理解しているつもりでございます。
 私の立場としては、そのどちらの政治的立場が、それによってこの特措法の成立が早まったり遅くなったりということも現実の世界であることは、私もこの世界ではアマチュアですけど、政治の、そういう影響があるということも十分理解しております。
 そういう意味で、私はやや政治とは離れた人間として、こういう立場の政治的な中立性という意味から考えて、そういう意見があるとは全く別の、純粋に公衆衛生あるいは感染症学的な立場から言えば、これは新しい感染症であります。
 それはなぜかというと、これは新型インフルエンザなんかと違って誰も免疫を持っていないという意味では新しい感染症で、これはしかし、そのことは何回も強調させていただきますが、どちらの政治的な立場がという話とは全く、これは純粋に公衆衛生学的あるいは感染症に携わった者として、これは古い感染症か新しい感染症かといえば、これは新しい感染症ですけど、そのことと、先生方が議論されている、これはそのままボタンを押せばいいんじゃないのか、法律改正をということに私がどちらかというコメントは差し控えたいと。それは先生たちのお仕事だと私は思っております。
 それから、特措法をボタンを押せばいいかと。
 先ほどお話もありましたけど、私は、実はこの法律はコロナのために書いた法律ではないですよね、明らかに。これは新型インフルエンザで、私は公衆衛生の、今、政府の専門家会議のメンバーでありますけれども、私は早くこの感染症を何とか抑えたいという気持ちで、法律が先にあるんじゃないと思って、やるべきことをやることの方が、これは先生方の前で大変言いにくいことですけれども、法律の議論で、特措法、そのままやったから全て感染症はいくというわけではないので、今何が必要なのかという中で、まずはこれは感染症の闘いですから。感染症の闘いで、しかも現場で闘っているんですね。
 その中で、私の率直な考えは、この今一生懸命やっている、ただし、どうも今の現行の法律では本来やるべきことができないという部分があるんなら法律の力を使ってやるということがあって、法律が先にある議論というのは、私はこの我々の立場からすると少しそういうふうに感じておりまして。
 じゃ、一体何が今現場で足りないのかということを、つまり足りないと。今、感染症対策、感染の拡大のスピードを抑える、あるいは死亡者、重症者抑えるという闘いは現場で行われていますから、この現場で何が問題で、その問題解決するためには現状のフレームワーク、リーガルなフレームワークで難しいということであれば法律の改正はすればいい。その議論が私は先にあって、そういう意味では、今の段階で、私は今の段階で特措法をやるというのはある意味では、いろんな考えがあって、一月の三十日にWHOはいわゆるPHEICといって、これが公衆衛生の緊急事態の宣言というのをしましたよね。あれが遅かったか早かったという議論は、あの自体がよかったのか。あるいは、武漢でかなりもっと前から、武漢はもう十一月、十二月から分かっていましたから、それでよかったのか。昨日でしたかね、パンデミック。というのは、いろんな考えがあると思いますけど、私、実態的には、先生方の法律理論はいろいろとあると思うけど、今やるのは比較的、今感染がこれからちょうど瀬戸際ですから、今やっても遅くはないという感じ、ちょうど今がいい時期じゃないかというふうに、私は直感としてそういうふうに今感じています。

#21
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 元々の特措法の大目的のところにも、この法律は国民の大部分が現在その免疫を獲得していないこと等からということがしっかりと明記をされておりますので、現在免疫を持っていないものだったらやっぱり私たちは特措法でできたのではないかという立場ではありますので、御理解をいただければと思います。
 それから、済みません、川本参考人、お一つお聞かせください。
 先ほどにもあったとおり、当時、附帯決議できちっと三年をめどにこの権利救済制度を検討するということが書き込まれていたわけですが、先生おっしゃったとおり、なかなか附帯決議には書いてあることでもしっかりやっていない項目が多くあります。
 そのような中で、おっしゃられたこの七年間、八年間の変化というのはやっぱり目覚ましいものがありまして、IT技術も進展しておりますし、移動手段も発展し、そして来日外国人の増大あるいはコミュニティーの変化、権利意識の変化等もあります。
 そのような中で、今後、私たちも附帯決議、今回も付けていかなければというふうに思っておりますけれども、確約のできる、きちっと実効性のある附帯決議を担保していくための私たちの行動、行動というか政府に対する指針と、それから具体的にこんな項目ももう少し検討した方がいいよというアドバイスがあれば、お願いしたいと思います。

#22
○参考人(川本哲郎君) やはり、附帯決議をしっかりとやっぱり守っていただくというか、まあ附帯決議ですからそこまでの強制力はないわけだけれども、せっかく国会でそれを認められたわけだから、附帯決議というものはどういうふうに扱われているのかというのはちゃんとやっぱり追いかけていただきたいと思うんですね。そして、それについてどういうような決定過程だったのかを明らかにしていただくと。
 先ほどの御質問に関連しますけど、私はこの法律について八年前に賛成しました。そして、それは新型インフルエンザ等というのが付いているんですね。新型インフルエンザに限定されているものじゃないわけですから。だから、それは解釈で賄うというのは可能だろうと思います。ただ、やはりそれは解釈で賄うというよりは、立法で変えられるのであればはっきりさせる方がいいというのが私の立場でございます。
 そうなると、次に、実際のその運用が非常に大事だろうと。運用のところでどういうふうなことを考えていくのか。つまり、済みません、先ほど申し上げたかったのは、今回も新型インフルエンザ等と書いてあるんだから解釈でいけという意見と改正をすべきだという意見があった、そしてそれに、改正に至るまでこれだけ時間が掛かっているんですね。もし本当に改正がすべきだったら、もっと早めにやってもよかったわけですね。だから、そういうところの、ただ、これは非常に、緊急事態ですから、難しいわけです。それは遅かったんだと言っても、やはりその現場で判断される方々は大変なんで、それは無理な注文かも分からない。
 ただ、私が申し上げたいのは、やっぱりそれは検証してほしい。後になって、誰がいつ、どういうことをどういう根拠で言って決めていったのか、そしてそれを後で振り返ってどうだったのかというのをやはりしっかりと検証して、そしていろんな備えを今からしておくべきであると。
 先ほど申し上げた例でいうと、もうやっぱり学級閉鎖が全国一律でやって、しかも幼稚園外して、そして現在、保護者が二人とも働いておられる家庭というのは昔より増えているわけですから、そういうところの手当てというのも必要だというのは分かっていることです。もう十年前から分かっていたんですね。ところが、文部科学省の方としてはそういう手当ては余りされていない。そして、厚生労働省の方でもそういう手当てをされていない。これだけ時間があったんだから、その間議論を継続すべきだったんですね。そこが私は一番問題だろうと思っています。

#23
○矢田わか子君 どうもありがとうございました。
 終わります。

#24
○清水貴之君 日本維新の会の清水と申します。
 今日は、本当にお忙しい中お越しいただきまして、ありがとうございました。
 まず、尾身参考人に質問をさせていただきたいと思います。
 この特措法が通りまして、その後の流れでやはり皆さん一番の関心事といったら、やはりもし今後この感染症が広がっていった場合に、いつ、どういった状態でこの緊急事態宣言が発令されるのかということだと思います。先ほどの説明の中で、やはり客観的なデータとか状況を様々勘案してというようなお話でしたが、流れとしましては、総理や政府が専門家会議の皆さんに諮問をして、意見を聴いてそれを判断するということになっておりますので、先生始め皆さん方の意見というのが大変重要になってくるというふうに思います。
 今、海外も本当に大変な状態になっておりまして、でも、その各国の対応を見ていますと、その辺りの判断というのが本当にばらばらだなというふうに感じます。感染者数が非常に大きくなってから動いているところもあれば、そうではない段階から、早い段階から、もううちはもうこの地域を閉鎖するとか、入国を禁止するという対応を取っているところがあります。これはもちろん政治状況とかその国のリーダーに与えられている権限の大きさ、こういったものにも関係してくるんだというふうには思うんですが。
 そういった中で、じゃ、この日本の状況の中で、今はまだそこまでではないとおっしゃっていますが、今後見ていった場合に、どういう状況になったら、どういった場合にこの緊急事態宣言というのが考えられるのかということをお聞かせいただけたらというふうに思います。

#25
○参考人(尾身茂君) 今、いろんな国で感染者数が増えて、日本でも感染者の数が増えていますが、私は、一番これから今が、政府というか私どもも、十九日ですかね、に一応今までの、この二週間が瀬戸際だと言った、その評価を今する準備をしておりますけれども。
 そういう将来の見通しといいますか、どういうふうになった場合にこれは最悪のことが起きているのか起きていないのかというところの判断ではいろんな指標がありますけれども、最も重要なことは、実は感染者の数が増えているということも重要ですし、あるいはクラスターの集団発生が起きているということももちろん重要な指標になりますけど。
 それと、比較はなかなか難しいけど、そういうものと同時に、最も私たちが重視しているものの一つは感染のリンクが追えるか追えないかということで、今、実は我が国の、先生方も覚えておられると思いますけど、二月の十三日に、今まではほとんどリンクが武漢とか、そういうことでリンクが追えていたんだけど、二月の十三日になって急に複数の県から、しかもリンクが追えないというのが出てきましたよね。ところが、その後、これは本当に地元の保健所関係の自治体の人等々の、もうこれ夜に日に継いでの努力で、結構その後はリンクが追えているのも出てきているんです。ところが、また北海道なんかではリンクは追えないとか、これの、言ってみれば我々人間の努力とウイルスの闘いが今起きているわけですよね。そういう中で、今の状況では、確かに集団感染が起きているんですけど、リンクが追えているところもあるんです。ところが、追えていない地域も出てきているというところで、これが非常に悩ましい状況で、ただ、今追えているところもあるので。
 私どもが一番懸念をして、それが可能性としてはないわけではないので、一番懸念をしているのは、このリンクが追えなくてもうほとんど分からなくなってきているという状態が、実はこれが要件の一つになっていると思いますけど、それは今のところは私は、ウイルスの致死率というのは、ある程度、致死率というのは分母が変わるとまた変わりますから、だけど、大体今の状況で致死率がどんな病気かは大体は分かっていますけど、感染のこの広がりで、特にリンクがあるかどうかというのは全くこれは国によって違って、日本の場合、我々がなぜ持ちこたえているかということをつい最近発表させていただいた最大の理由の一つが、リンクが結構まだ追えていると。ただ、追えていないのも今出てきて、この非常な微妙なところで、それが一部の外国とはちょっと違うというところだと思います。

#26
○清水貴之君 ありがとうございます。
 今、致死率という話が出ましたので、加えてお聞きしたいんですが、昨日、トランプ大統領が会見で、今回の感染症はインフルエンザの十倍の致死率があるんだということを発言をしました。どこまでが信憑性のあるデータに基づいているのかどうか分からないんですが、こういうときこそやはり非常に大切な発言だと思うんです。しっかりとした根拠に基づいた発言をするべきだというふうに思うんですが、この辺りの発言について何か御意見がありましたらお聞かせいただけたらと思います。

#27
○参考人(尾身茂君) 今回のウイルスは、実は我々専門家の責任だと思っていますし、実はこのウイルスは、そう単純化してはいけないウイルスなんです。
 一方で、かかった多くの人はほとんど軽症です。重症になった人の半分ぐらい治ります。しかし、一方で致死率も高いんですけれども、致死率は明らかに年齢差があります。年齢差があって、高齢者になればなるほど致死率が高い。最近になっては、どうも若い、比較的若い人も感染がしているんじゃないかという報告が外国にありますけど、これはまだはっきりはまだ確証はありませんけど、いずれにしてもいろんな人が感染する、全世代の人が。しかし、これは、感染の致死率は明らかに年齢によって違いますので。
 一概にこのウイルスは致死率が高いとかというのは、やや、このウイルスを単純化して怖いとか軽くないとか、これはこのウイルスの実態を見誤りますから。これはみんなで動くことによって感染することなんかないですから、散歩で。その辺の実態を知ることで、そういう意味では余り、何といいますかね、単純化して、分かりやすいですけど、ここは少し日本人の賢さで、この複雑なものを複雑なものとして理解するということが極めて重要だと思います。

#28
○清水貴之君 ありがとうございます。大変参考になる御意見いただきまして。
 川本参考人、お願いいたします。
 四十五条、蔓延防止措置の話なんですが、多数とは何かと、密度が関係しているというようなお話がありました。確かにそうだと思います。我々としては、やっぱりイベント、どこまでどう中止したらいいのか、自粛したらいいのかと。なかなか難しい中で、でも何かもう自粛ムードが広がり過ぎ、何でもかんでもというのもどうかなというふうにやっぱり思っているところもあります。
 加えて、期間についてお聞かせをいただきたいんですけれども、期間は二年を超えない範囲ということになっていますが、非常にこれも曖昧な時間を取っています。延長も一回まで、一年間ということなんですけれども。分からない中で、なるべく長く、じゃ、取ろうとするんじゃないかなというふうにも思いますし、かといって、いろいろ制限をされる方からしたら、これはやっぱりある程度やっぱり短くしてもらわないと、もう困ることも出てくるわけですね。こういった期間についてのこれまで様々議論がもしあったならば、その辺りの御意見をお聞かせいただけますでしょうか。

#29
○参考人(川本哲郎君) その多数のところで申し上げたとおりですね。例えば、一万人が多数だろうというのはほとんどの方が受け入れられると。二、三人が少数だというのも受け入れられると。じゃ、その真ん中はどうなのかというところが、三人から一万人の間ですというのはちょっと乱暴ですよね。だから、そこのところを、期間の問題も同じことだと思いますね。ただ、期間の場合は上限を定めているというやり方していますから。だから、大体二週間程度とかそういう言い方じゃないので、そういう面ではその運用でそれこそはっきりさせると。
 ただ、私はここは科学の方で頑張っていただきたいと思うんですけれども、インフルエンザの学級閉鎖の根拠というのもまだ確定してないんですね。どれぐらい休むのかというのは、実はほとんどが小学校であれば校長先生が決められているというのが実情らしいので、そういうところももっと研究重ねてちゃんと詰めていかないといけないだろうなというのが私の思いでございます。

#30
○清水貴之君 質問終わります。
 ありがとうございました。

#31
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。よろしくお願いいたします。
 まず、川本参考人にお聞きをします。
 御指摘のとおり、やはり私も、二〇一二年の特措法の制定のときに、不服申立ての制度がない、それから不利益を被ったときの救済の措置がない、このことについてあれだけ附帯決議が付いて、しかし、今回、改正というときにその中身がないわけですね。また、私たちは、様々な緊急事態宣言などを行うときに専門家の意見を踏まえるという規定もないなどの不備があるというふうに思っているんです。
 そうすると、現状では、今、緊急事態宣言をするような状況ではないということであれば、今この国会でそういう議論を、この法の不備の問題も含めて議論をするということが求められているんじゃないのかというふうに思うんですが、御意見をお願いします。

#32
○参考人(川本哲郎君) それはそのとおりだと思います。
 つまり、私が思っているのは、その緊急事態宣言、今回は政府は今は緊急事態ではないというふうにおっしゃっているので、これからの動きがどうなるかは問題ですけれども、先ほど申し上げたとおりで、著しく重大な被害とか甚大というのももうちょっと詰めて、どれぐらいの被害が出たかと、これ条文に書いてあるわけですから。それだけで、さっきの議論と同じなんですね、一万人が多いのは分かる、三人が少ないのは分かる、じゃ、それだけの幅があるんですかといえば、そんなことはないですよね。もうちょっと詰められると思うんですよね。そこはやっぱり頑張ってほしいし。
 それと、緊急事態、私が恐れているのは、緊急事態宣言が出なかったときですね。出なくてよかったと、済んだと。そうしたら、議論終わってしまうんですよね。
 二〇一二年なんかそうなんです。あの法律作ったけど、この法律が適用される状況はこの八年間なかったわけですね。そうしたら、その間にほとんど先ほどのような議論はなかったんですよ。八年もあるんだから、その救済手段どうするんですかとか、学校閉鎖はどうするんですかというような議論はできたと思うんですね。多数の者といったら、もうちょっと狭められないのかというような議論はできたと思うんですよ。
 だから、そういう点では、私は非常に残念だなというふうに思っています。

#33
○田村智子君 もう一問、川本参考人にお聞きしたいんですけれども、今現実に全校、一斉休校の要請がなされるなど、私、本来この特措法で緊急事態宣言を行わなければできないようなことを総理がやっているなという問題意識を持っているんですね。
 このことについて、今、自粛の要請、全国一斉休校の要請、その他いろんな要請を今政府行っているんですけれども、この立法に関わった川本参考人から、法律に照らして、今行われていることをどう思われるか、率直に御意見を伺えればと思います。

#34
○参考人(川本哲郎君) こういう事態ですので、政府が取っている行動が全く間違っているとは思いません。仕方がないところはあると思います。
 ただ、先ほどから申し上げているとおりで、全国一斉休校、そういう手段を取られるのであれば、この八年間でもっと考えるべきことはあったんじゃないのかと。それを踏まえて、それで幼稚園は対象外になっているわけですけれども、特措法では幼稚園入っているわけですね。だから、そういうところもやっぱりちゃんと考えられたのではないのかと。
 だから、私、先ほど申し上げた、法改正をもしやるのであればもっと早くやったらどうかというふうに申し上げたのは、実はその検討をする時間が取れただろうということなんですね。これも政治的な決断の問題ですから、どちらが正しいかというのはなかなか言えない問題だけれども、まとめで言うと検証ですね。
 ともかく、二〇一二年も検証はされているんです。検証は十分されているんだけれども、生かされていないんです。続いていないんですね。だから、そこをやっぱり今回は是非考えていただきたいということですね。

#35
○田村智子君 ありがとうございます。
 尾身参考人にお聞きをしたいんですけれども、今もお話、短い時間で伺っても、大変私も改めて認識できる部分があったんですね。それは、重症者、死亡者を抑えると、ここに相当に国民の生命、健康に著しい影響を与えないための今の感染拡大防止のその大きな、何というんでしょうね、目的があるんだということを改めて私も認識をいたしました。
 何というんでしょうか、もちろん感染者は人数がぐっと抑えられる方がいい。だけど、一人も出しちゃいけない、一人も出しちゃいけない、出しちゃいけないんだ、出しちゃいけないんだ、そうではなくて、スピードを抑えるということを、重症者や死亡者をできるだけもう本当に極力出さないように努力をするんだという、済みません、この問題意識は、済みません、その専門家会議の中ではすごく議論されていると思うんですけど、今の政府対策本部がとられている措置との関係でこれ本当に共通の認識になっているのかということが、その先ほど来問題になっている一斉休校との関係でも、ちょっと私は危惧を覚えているんです。
 率直なところ、尾身参考人から見ていかがなのか、御意見ください。

#36
○参考人(尾身茂君) まず、今の先生の重症者の対策を、なぜ死亡者を減らすということと感染の拡大の、これは実はもう政府の間とか関係者の間で認識が一致しているかどうかという意味では、もう簡単に言えば三本柱ということが極めて重要。
 それは、まず一番目は、実は今回は、先生方もう御承知だと思いますが、クラスターで起きますから、クラスターの連鎖を抑えるということですね。これはインフルエンザとは違います。これは明らかにインフルエンザと違う。このクラスターの方の集団感染を早く見付けて次の連鎖を断つというのが一本柱。二本柱は、高齢者を含めてこのコロナウイルスに感染して肺炎を起こしそうな人を早く見付けてちゃんとした治療を行うというのが二本柱。クラスターと治療、医療の体制。それから三本柱が、実は若い人だけじゃなくて我々、まあ先生方はお若いですけど、我々年寄りの行動も含めた行動変容ですね。この三本柱という意味では認識は共有されています。
 しかし、私は、先ほど運用という話がありましたけど、実は、これを実行するために実は是非先生方に知っていただきたいのは、現場で困っていることがあるんです。特措法、もしやるんならそういうものに、先ほど運用という話をされていますけど、私も大賛成で、過去の話は今してもしようがないので、反省は後でやればいいと思いますけれども、今これで闘いの最中ですから、そういう意味で現場で困っていることは大きく分けて二つです。
 一つは、この例えば保健所なんかは、今まで三重苦、まあ二重苦と、ヘレン・ケラーみたくなっていまして、なぜかというと、片っ方では相談窓口から疲弊している。と同時に、この今クラスターをどうやって抑えて、いわゆるこれには物すごいエネルギーが、この相談窓口とクラスターのあれでもう保健所関係の人はもう疲弊しています、自治体の人も。これに対して、特措法がもし仮に、緊急事態宣言あるいはしなくてもしても、こういうリーガルフレームで緊急事態に何かできるということで、私たち専門家としての希望は、こういうリーガルないい意味でのパワーですね。権威、権限というのをそういうものに、そこに人的な、人が足りない、十倍、二十倍必要ですよ、それが一点。これを特措法でやっていただければと、そういうことができれば。だから、私は、早いうちから、先生、今のうちに、まだ緊急事態宣言出ていないうちにどんなことがやるべきかを整理しておくことが必要というのは、冒頭申し上げたとおりです。
 二番目の方は、実は医療の方も、実はこのままいくと医療機関はパンクしますから。そうすると、一部の一般の、今パンクという意味は感染症指定病院ですね、今二千ぐらいの、これはパンクします。もう今回はクルーズ船で既にパンクしそうになっている。その上にどんどん新しい発症者が出れば、パンクするのは目に見えていますから。そうすると、一般病院、ふだん感染症指定にされてない病院でも患者さんを受け入れる必要がありますけど、その病院はこういうことを想定していませんから。そこにやるためには財政的、人的、物的な支援が、これは今のそういうものも多分特措法でやればできるはずなんですよね、そういうことが。
 あとは国民への、三本目は、一般の我々、年に関係なく、変容については細かく余り範囲を広げない、最低限ここだけはやると感染防止に役立つというところをはっきりして、それについては丁寧にお願いすると。
 こちらは特に法律とは関係ないかもしれませんけど、特に二つの方は、私は、今まだ緊急事態宣言がないので、政治家の先生たちのリーダーシップはそこなんじゃないかと私は思います。

#37
○田村智子君 終わります。
 全く同意です。ありがとうございました。

#38
○委員長(水落敏栄君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
 参考人の皆様には、長い時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#39
○委員長(水落敏栄君) 速記を起こしてください。
    ─────────────

#40
○委員長(水落敏栄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官安居徹君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#41
○委員長(水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#42
○委員長(水落敏栄君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。

#43
○古賀友一郎君 再び、自由民主党の古賀友一郎でございます。
 まず、今回の新型コロナウイルスによってお亡くなりになった方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、罹患された方々に対しまして心からのお見舞いと、そして一日も早い御回復をお祈り申し上げまして、対政府質疑を始めさせていただきたいと思います。
 まず、学校の全国一斉休校についてでございます。
 これに関しましては、私もこれまでの国会審議で数多くのやり取りを聞いてまいりましたけれども、その中でも最もその根本的な問いかけというのは、子供には余り症状が出ていないのになぜ休校するのか、しかもなぜ全国一斉なのか、その科学的根拠は何かというものであります。
 確かに、WHOの報告書でも、十八歳以下の感染者は全体の二・四%、重篤化しているのは〇・二%とごく僅かであるということでありまして、我が国におきましても、この一斉休校方針が打ち出された二月二十七日時点で国内居住地が確認された感染者は、二十の都道府県百五十八名中、二十歳未満は四道県の六名という状況でありました。
 ただ、他方、先週末には、米国ジョンズ・ホプキンズ大学と中国深セン疾病予防コントロールセンターなどのチームが、子供の感染のしやすさは全ての年代の平均と変わらないとする研究報告をまとめたという報道がありました。
 一昨日の予算委員会公聴会に公述人としてお越しいただきましたNPO法人医療ガバナンス研究所の上昌広理事長も、子供同士でもうつし合っていると思うと、こういうふうに述べられました。
 子供も大人と同じように感染するようにも思えるところでありまして、そこでお伺いしたいのは、子供はそもそも感染しにくいから余り症状が出ていないのか、それとも、普通に感染はするし他人に感染させるけれども症状が軽いだけなのか、政府の見立てをお伺いしたいと思います。

#44
○政府参考人(吉永和生君) 委員御指摘のとおり、ジョンズ・ホプキンズ大学と中国深セン疾病予防コントロールセンターにおきまして、新型コロナウイルスの子供への感染のしやすさは全年代の平均と変わらないという研究成果が出ていることは私どもも承知しております。これについては評価は差し控えさせていただきますが、三月二日に専門家会議において、若者世代のコロナウイルスの発症者についての見解が示されているところでございます。
 具体的に申しますと、北海道などのデータの分析から明らかになってきたことは、症状の軽い人でも気が付かないうちに感染拡大に重要な役割を果たしてしまっていると考えられることです、中でも若年層は重症化する割合が非常に低く、感染拡大の状況が見えないため、結果として多くの中高年層に感染が及んでいると考えていますという指摘がなされているところでございます。

#45
○古賀友一郎君 大変重要な報告をしていただいたと思います。
 先月二十九日に発表されましたWHOと中国の合同専門家チームによる調査報告書によりますと、中国でのヒト・ヒト感染は主に家庭内で起きたということでありますけれども、その中で報告されている事例は大人から子供に感染を広げた事例ばかりということで、そのために子供は感染源になっていないと錯覚する向きもあるようでございますけれども、子供も感染はするけれども症状が軽いだけという可能性があるのなら、単にこの事例に出てきにくいということもあり得るわけでありますから、それだけで子供は感染源にはなりにくいとは断言できないはずであります。
 全国一斉休校が発表されました日の前日、二月二十六日でありますけれども、国立感染症研究所は、今回のクルーズ船内の感染状況について、乗員乗客の一七%が感染をしたけれども、その五一%は無症状であったということを発表いたしました。感染力は強いけれども、どこに感染者がいるか分かりにくいというのが今回のウイルスの特徴だということでありまして、先ほどの御答弁と整合するわけであります。
 そして、先ほどの参考人質疑でも取り上げましたとおり、尾身茂先生ですね、今日の参考人の先生でございましたが、この方が、感染が広がりそうな局面のときはやややり過ぎくらいの方がよいというのは歴史的教訓であって、それは危機管理の要諦であると、感染がピークに達してからは何をやっても遅いということをおっしゃいました。
 そもそも、子供が学校や保育園で病気をもらってきて家族に感染させるというのは、これは一般によくあるパターンであります。三月上旬がこの感染拡大か抑制かの瀬戸際だとすれば、たとえ確かな科学的根拠がなくても、ある程度全国に感染が広がっているのではないかと疑って、思い切って全国的に休校するという判断も合理性があったのではないかと、こう思う次第であります。さきの上昌広理事長も、エビデンスがあれば十分配慮してほしいが、エビデンスがなくてもやるかどうかは政治の仕事だと、こうおっしゃっておりました。
 また、今回の全国一斉休校に関する先週のJNNの世論調査でも、非常に評価するとある程度評価するを合わせた回答は六八%、同じくNHKの世論調査でも、やむを得ないという回答が六九%に上っているということは、これは国民の皆様方も同様の受け止めではないかと、こういうふうに思うところであります。
 もちろん、そのことによりまして国民生活や経済など多方面に影響が生じるわけでありますから、その対策はしっかり行う必要がありますし、より多く全国的に感染者がいるということを把握した上でのことであれば、これは国民の皆様の言わば納得性は更に高まったはずでありますから、そうした意味でも、やはりPCR検査が少ないということはやっぱり問題ではないかなと、私もそういうふうに感じております。
 このPCR検査の実施能力につきましては、現在は一日約六千二百件にまで上がってきているようでございますけれども、先月の実施件数は、厚労省の把握している範囲では多い日でも一日千二百件程度とのことであります。
 先週六日からは保険適用が始まっておりまして、必要な検査が円滑に進むことを期待をいたしているところでありますけれども、日本の四割程度の人口の韓国では一日一万件を超える大量の検査が実施されているということであります。この差が余りにも大き過ぎるということもあって、PCR検査を意図的に抑えて感染者数を少なく見せかけているのではないかと、こういうところまで報道されておりまして、これに対して、国立感染症研究所の脇田所長は、事実誤認だと強く反論をする異例の声明発表までなされているわけであります。
 そこで、お伺いしたいのは、我が国の検査の実施能力と実施件数が韓国と比べても大変少ないのはなぜなのかということについてお伺いをいたしたいと思います。

#46
○政府参考人(吉永和生君) 委員御指摘のとおり、韓国のPCR検査におきましては、直近で一日当たり一万二千件程度実施していると承知しているところでございます。
 韓国では、二月以降、民間企業の試薬が緊急承認され、製造キャパシティーが確保されている、また、日本と同様な検査施設に加えまして、六百程度の臨時設置の診療所でも検査を行っている、こういったことによりまして、その規模の検査実施が可能となっているものというふうに承知しているところでございます。
 我が国におきましては、PCR検査対象の要件には当初、接触歴の有無などが含まれておりまして、検査対象とするべきか否か判断しにくいというようなこと、また、帰国者・接触者相談センターが帰国者・接触者外来へ受診調整を行う対象やそのフローが不明確である等の要因により、検査が受けたくても受けられないといったケースがあったというような御指摘もいただいているところでございます。
 このため、こうした点を改善するために、接触歴の確認をしなくても医師が必要と認めればPCR検査を実施をできることを可能にする、また、帰国者・接触者相談センターから帰国者・接触者外来への受診フローを明確化する等につきまして事務連絡を発出し、円滑にPCR検査が実施できるようにしたところでございます。
 加えまして、先般、対策本部において取りまとめられました新型コロナウイルス感染症に関する緊急対策第二弾におきまして、民間検査機関等の検査設備の導入を支援いたしまして、現在六千件程度の検査能力を三月中には一日当たり最大七千件程度にまで拡大させること、また、PCR検査の時間短縮を可能とする迅速ウイルス検出機器の検査精度等に関する実証や操作性の確認を行い、三月中の利用開始を目指していること、また、各地域での確実な実施のため広域融通を国が仲介する、また、PCR検査につきましては保険適用とし、民間の検査も十分に活用できる体制を構築し、その際、自己負担分が生じないように公費で補助する等の施策が盛り込まれたところでございます。
 厚生労働省といたしましては、この緊急対策を含めまして、引き続き、検査を必要とする患者が確実にPCR検査を受けることができるように体制を強化してまいりたいと考えているところでございます。

#47
○古賀友一郎君 実施に関するいろんな障害があったということは、それはそうだと思うんですけれども、しかし、その実施件数だけじゃなくて、この実施能力について、必要が生じたときに速やかに引き上げられるようにしておくということは、これは大変重要な課題だと思うんですよ。
 さきの予算委員会の公述人でいらっしゃった上理事長によりますと、国内の民間検査会社が持つ九百の研究室、それぞれが一日平均二十件やれば一万八千件できると、こういうふうにおっしゃっています。全てが全てできるとは限りませんけれども、しかし、それだけの潜在能力があるとするならば速やかに引き上げるような、そういう体制はやっぱり常につくっておくというということは重要だと思います。
 それと、検査しづらい事情があるんであれば、それをちゃんとしっかりやっぱり国民に説明していくべきだと思います。緊急時はただでさえ流言飛語が飛び交いやすいわけでありますから、無用の誤解を招かないためにもリスクコミュニケーションが大変重要だというふうに思います。この点は事後的な検証を含めてしっかりと取り組んでいただきたいと、このように思います。
 次の質問に移りますけれども、今回の法律改正についてということでございますが、今回法律を改正する理由は、新型コロナウイルスの病原体や病状等が既に明らかになり、現行の新型インフルエンザ等特措法の新感染症には当たらず、適用できないからというのが政府の説明でありますけれども、これに対して、先ほども参考人質疑の中でも、野党の皆さんは、適用できると、こういう御意見が多いものと、このように認識をしているところでございます。
 確かに、どの程度明らかになれば新感染症に該当するのかという議論はあり得ると思います。しかし、私は、今日申し上げたいのはそのことではなくて、そもそもこの適用をできるできないの論争になること自体が私はこれ問題だと思っているわけであります。
 この法律は緊急事態宣言によって私権を強く制約する法律でありますから、そもそもの適用について疑義が発生してはいけないわけでありまして、それを解消する観点から、今回、その適用関係を明確にするというこの法律改正は私は賛成であります。賛成です。
 ただし、今回はこれでよいとしても、本来、こういう緊急時に対応に当たるべき政府が人手と時間を取られてはいけないわけでありまして、こうした法律改正をやらなくてもいいように法律をあらかじめ整備しておく必要があったと思います。先ほどの参考人質疑の中でも、前回の新型インフル等特措法から随分時間があったのに検討してこなかったのはなぜかというような御指摘もありました。やっぱりこうした法律の整備をしっかりとやっておくべきだったんだろうと、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、お伺いしたいのは、今回の事態が終息した後に、今後どんな感染症が発生したとしても迅速に対処できるための新しい法律を整備すべきだと、こういうふうに考えるわけでありますが、西村大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

#48
○国務大臣(西村康稔君) 大変重要な御指摘をいただいたというふうに思います。
 今回のこの改正に際しては、WHOがもう一月の九日の段階でコロナウイルスによるものだということを発表されましたので、いわゆる未知の新感染症ではないということで、既知のものだということで対応が始まりまして、指定感染症に指定をしたところから始まっているわけでありますけれども、しかし、その後の情勢に鑑み、まさにあらゆる可能性を想定をして万が一のときに備えていくということで、今回、国民生活への影響を最小にするためということで、この新型インフルエンザ特措法に新型コロナウイルス感染症を対象とするというお願いをしているところでございます。ですので、今回は、まさに緊急的な対応としてこの新型コロナウイルス感染症に限定した改正をお願いをしているところであります。
 その上で、そもそも、このインフル特措法は、まさに国民生活や経済の安定を著しく阻害する可能性が高い、本当に厳しい感染症について規定をして、そして、そのことから国民の生命を守るために私権の制約も含めた措置を規定をいたしております。他方、その措置に際しては基本的人権をしっかり守るようにという規定もございます。かなり強い規定があるということをまず考えなきゃいけないわけでありまして、そのことからすると、基本的な考え方は、古賀委員の御指摘ではありますけれども、この特措法の対象となる感染症の範囲をもうあらかじめ広げておくということは、私は基本的には慎重であるべきというふうに思っております。
 ただ、今回の御議論の中で、この法改正によるのではなく、まさに解釈によって迅速な対応ができるようにすべきではないかという御意見と、他方、今申し上げましたように、特に緊急事態宣言を発出した後は私権の制約を伴う強い措置がとれることから、やはり慎重にやるべきだという御意見、双方の御意見がございます。
 そうした今回の国会での御議論を踏まえまして、御指摘のように、まさに今回の事態が終息をして、その後に、今後、この感染症法とインフル特措法、お互い補完的な関係にあるわけですけれども、この両者の在り方について、どういったものを対象にしていくべきか、あるいはそのときの手続はどうしていくべきかなど、終息した後にじっくりと検討をしていく必要があるというふうに私自身も認識をいたしております。

#49
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 感染症との闘いはこれからもずっとやっぱり続いていくんだと思います。
 先ほどの参考人質疑の中でも、感染症ごとにやっぱりその対策というのは変わってくるんだと、しかし、感染症が発生したたびに、ああでもないこうでもないといって法律を作るんでしょうかと。こういう問題意識なんですね。本当に致死率が高くて感染力も強い、こういう感染症が我が国に入ってきた場合にああだこうだ議論している暇は恐らくないと思うんです。
 最悪の場合に備えていろんなことを想定して、その総合的な法律をやっぱり持っておくべきだろうと、こういうふうに思うところでありまして、今大臣の方から、この事態が終息した後に検討していくというふうな御答弁がございました。しっかりこれは国策の重要な柱としてお取組をいただきたいということをお願い申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#50
○長浜博行君 長浜博行でございます。
 丁寧に質問通告をいたしておりますので、大臣におかれましては的確に御答弁をいただければと思います。
 せっかく与党質問が出ましたので、それに引き続いて、この特措法の対象について、現行法でも新型コロナウイルス感染症を読み込めるのではないか、具体的には新型コロナウイルス感染症が新感染症に該当するのではないかとの観点から、これまで本委員会、予算委員会、また先ほどの参考人質疑でも度々この議論というのは行われました。
 これに対し、政府は、新感染症は病原体が分かっていない場合が対象になるのであって、新型コロナウイルスはウイルスが特定されていることから新感染症には該当しない旨答弁されております。結果として、今回は特別措置法の対象に新型コロナウイルス感染症を追加する形式となっていますが、今後、同じように新たな感染症が発生したときに、その感染症を法体系上どのカテゴリーに位置付けるのが適当か、再び議論が分かれるおそれも否めません。
 そこで、この機会に新感染症の定義を明確にしておきたいというふうに思います。
 新感染症は、感染症法第六条第九項により、人から人に伝染すると認められる疾病であって、既に知られている感染症の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるもので、病状の程度が重篤かつ蔓延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものと定義されております。
 このうち、既に知られている感染症の疾病との違いをどのように判断するか確認したいと思いますが、一般に、ある未知の感染症に直面した場合、病原体が特定された時点で新感染症には該当しないということになるのでしょうか。それとも、病原体が特定されただけでは足りず、それがもたらす病状又は治療の結果が既知の感染症と明らかに異なっていないことを確認する必要があるのでしょうか。その場合、既知の感染症の病状や治療の結果との違いはどこで線を引くことになるのでしょうか。
 また、一旦新感染症には該当しないと判断した後でウイルスの変異等によって症状の重篤性が増していったような場合に、改めて新感染症に該当すると判断することはあり得るのでしょうか。ちょっと複雑ですが、お答えをいただきたいと思います。

#51
○国務大臣(西村康稔君) まず、このインフル特措法と感染症法の相互補完の関係の中で、法体系として、未知のものについて、新感染症としてそれがもう物すごい勢いで全国的かつ急速に蔓延をして国民生活、経済などに大きな影響を及ぼしていくということのときには、これは直ちにインフル特措法に、厚労大臣が報告をしてこの適用になっていくというルートがあります。ですので、未知の全く分からない、知らないウイルスによって何か突然病気が全国的に広まってきているおそれがあるというときには直ちにインフル特措法を使える、この規定はあります。ですので、そういう場合には使えるということですね。
 他方、今回の新型コロナウイルスについては、一月九日の段階でWHOがコロナウイルスが原因だということで、もうその時点で、未知のものではなくて既存の、既知のウイルスによるものだということが確認されました。一月九日の時点ですので、かなり早い段階でこれはもう分かっているウイルスだということが確認をされておりますので、いろいろ議論を我々、中でもやりましたけれども、未知のものというふうに、分からないもの、異なるものというふうにはっきり書いてある新感染症にはやっぱりこの法律の書きぶりからして難しいんだろうということで、指定感染症、分かっているという指定感染症にまずは指定をして感染症法上の様々な取組を重ねてきた。それ以外にもいろんな入国管理法などの取組もしてきているわけであります。
 仮に、この新感染症には該当しないと判断されたウイルスですので、指定感染症なりほかの感染症法上の何類かの指定されているものについてでありますけれども、これが変異をしたりすることによって、WHO、世界保健機関が、これはもう別の、まさに今定義している新型コロナウイルスとは違う新たなウイルスによって新たな感染症が発生したというふうに認めた場合には、改めて、これがどの類型の感染症に当たるのかということ、全く未知であれば新感染症に当たるということになると思いますし、分かっているものであれば今の一類、二類等の中から考えていくということになりますので、我々はWHOともしっかりと連携を取りながらやっていきたいと思っておりますけれども、基本はWHOが判断をする、どういう病原体でどういうものなのかということを踏まえつつ、この類型を考え、そして対応を考えていくと、対策を考えていくということになっていくわけでございます。

#52
○長浜博行君 今ありましたように、一月二十七日に持ち回り開催された、持ち回りですよ、持ち回り開催された厚生科学審議会感染症部会を経て、指定感染症への指定が行われたわけですけれども、その際、新型コロナウイルス感染症を新感染症ではなく二類感染症相当の指定感染症と判断した理由と、感染症部会の意見はどのようなものだったのか、御開陳をいただければと思います。

#53
○副大臣(稲津久君) お答えさせていただきます。
 新型コロナウイルス感染症については、中国における発生状況に関する情報収集ですとか、世界保健機構における議論、これは一月二十四日の未明に、現状、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態にはならないが、人から人への感染は認められると、このようにされたところでございます。こうしたことを踏まえまして、厚生科学審議会感染症部会への諮問、答申を経まして、一月の二十八日に指定感染症として定める政令を公布したところでございます。
 今のお問いがありました件でございますけれども、その際に、感染症部会の委員からは、新型コロナウイルス感染症について、原因となる病原体が特定されており、未知の感染症ではないことから指定感染症として位置付け、現在判明している感染力や重篤性に鑑みて、二類感染症相当の措置、いわゆる措置入院、検疫法に基づく診療、診察を取ることを可能とすることについて御判断をいただいたところでございます。
 新型コロナウイルスにつきましてはいまだに未知の部分も多い中でございますけれども、また刻々と状況が変化している中で、専門家の方々の意見も踏まえながら、しっかり必要な対策を講じてまいりたいと考えております。

#54
○長浜博行君 今御答弁されましたように、新型コロナウイルス感染症については、政府におかれましては二類感染症相当ということの御認識であります。
 そこで伺いますが、新型コロナウイルス感染症を特措法の対象に加え、新型インフルエンザ等や新感染症と同列に位置付けるに当たって、新型コロナウイルスを二類感染症相当としている政府の認識には変更が生ずるのでしょうか。

#55
○国務大臣(西村康稔君) 指定感染症の指定に関しましては、必ずしも一類感染症相当、二類感染症相当とどちらかに決めて対応しているわけではなくて、指定感染症として指定をした上で、必要となる様々な規定を活用して感染拡大を防止をしているということであります。
 二類相当のものとしてその措置を使うこともありますし、今回、例えば、一類感染症において実施されている無症状病原体保有者への入院措置とか、これ感染症法十九条ですけれども、あるいは隔離、停留、これは検疫法十五条、十六条ですけれども、これも準用しております。これは一類感染症に対して実施される措置であります。ですので、そういう意味で、必ずしもどちらかと決めているわけではなくて、必要な対策を、一類相当のもの、二類相当のものの措置を使っているということでございます。
 そして、今回は、その個別の患者さんへの対応に加えて、社会全体で取り組むという観点でこのインフル特措法への対象としていただくことをお願いをしているところでございます。

#56
○長浜博行君 それから、緊急事態宣言について、官房長官は現時点で直ちに出すような状況ではないというふうに述べておられますし、昨日、WHO、パンデミック表明の後も、厚労省は実務的には対応が変わるという認識は持っていないというような見解も出されています。先ほど、参考人も意見を述べられております。
 それでは、感染法の施行時点で新型コロナウイルス感染症の発生状況が現在と変わらないとすると、政府は特別措置法の成立によってどのような措置をとろうとされているのでしょうか。あるいは、何も適用することはない、ただ緊急事態宣言公示を待つだけなのか、その点についてお答えをください。

#57
○国務大臣(西村康稔君) まず、この法律をお認めいただいて、成立をして施行がなされた後、まず、この新型コロナウイルス感染症の蔓延のおそれが高いという判断を厚生労働大臣が報告をして、その上で政府対策本部が立ち上がり、そして専門家の御意見もいただきつつ、基本的対処方針をいただき、さらに幾つかの要件がある中で緊急事態宣言出すような事態になればそれを発出するということでございますが、つまり、何段階かまであるということですし、万が一本当に国民の生命を守らなきゃいけないというときにはこの緊急事態宣言も発出しなきゃいけないときが来るかもしれませんが、まずは感染防止に全力を挙げていくというところでございます。様々な可能性に備えるという観点から今回の改正をお願いをしているところでございます。
 他方、現状認識は、国内の複数地域で感染経路が明らかではない患者が発生をしてきており、また、一部地域にはいわゆる小規模患者のクラスター、集団が把握をされ、今後、感染の拡大がおそれがあることを踏まえると、更なる施策を的確に実施をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 もうあえて緊急事態宣言の要件は申し上げませんけれども、全国的かつ急速な蔓延によって国民生活及び国民経済がそれに甚大な影響を及ぼす、またそのおそれがある事態が発生したときということでありますので、その発出に際しては、既に閣議決定しております政府の行動計画におきまして、専門家の意見をしっかりと聴いて、この要件に該当するかどうかということをしっかり聴いて、そして判断をしていくと、総合的に判断をしていくということになっているところでありますけれども、その定められている要件についても、数値の比較においても、数値を、いろいろデータを見るときも、対象集団の年齢とか地域の特性とか、そういったことも注意を払いながら、専門家の御意見をしっかりと十分にお聴きをして総合的に判断をしていくことが適当だというふうに考えております。
 いずれにしましても、緊急事態宣言発出するときには、私権の制限を伴う措置を行い得ることから、もうできる限り丁寧に丁寧に対応していきたいというふうに考えているところでございます。

#58
○長浜博行君 具体的な事象の言及とか、あるいは客観的、科学的な基準のお話がなかったのはちょっと残念でありますが、それよりも時間がありませんので、先に進めさせていただきます。
 今、私権の制限のお話もされました。また、先ほども、二月二十七日に全国一斉休校、総理が突然おっしゃったことへの、法的といいますか、その理由は何なのか、何が担保するのかというような議論もあったやに思います。
 大きな私的な制限を伴う措置が緊急事態宣言ということになってくるわけでございますが、今回の改正を機に、特別措置法に基づく緊急事態宣言に当たり、開始はもとより、延長時を含めて事前の国会の承認や国会への報告といった一定の民主的統制を掛けることが考えられますが、政府の御見解をお聞かせください。

#59
○国務大臣(西村康稔君) この新型インフル特措法におきましては、まさに、先ほど申し上げましたように、全国的かつ急速な蔓延によって国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある事態が発生したと認めるときに緊急事態宣言を発出することとされておりまして、その場合において、発出する場合においては現行法においても国会への報告事項というふうにされているところでございます。
 そして、発出に際しては、既に申し上げましたけれども、専門家にしっかり御意見を聴いて判断をするということにしておりますが、今後策定する基本的対処方針の中にも専門家の意見を聴いて適切に判断するということをしっかり明記をしたいというふうに考えております。
 専門家の御意見をしっかり聴いて、それを十分に踏まえて適切に判断をしていくようにしていきたいというふうに考えておりますし、また、国会に対しても、時機を逸することなく、できる限り丁寧に御説明、御報告をしていきたいというふうに考えております。

#60
○長浜博行君 感染症の拡大防止のための公衆衛生上の措置には、どうしても一定の私権の制限が伴います。強力な措置であればあるほど国民の皆様に強いる負担も大きくなります。そうした状況の下では、不幸にも感染してしまった方々に対する風当たりも強くなり、やがては不当な人権侵害につながっていきかねません。我々は、ハンセン病を始めとした過去の歴史からこのことを学んでおります。
 そして、この苦い経験を繰り返さないよう、実施する措置や国民の自由と権利の制限が必要最小限でなければならないことを法律の条文で明確に規定しております。感染に対する不安が高まっている今こそ、人権への配慮を肝に銘じなければなりません。
 そこで伺います。今回の新型コロナウイルス感染症対策に当たり、人権の尊重のためにはどのような具体的な策を講じようとされているのか、そして、現在までの社会状況を踏まえて、今後どのような点で更なる配慮が必要と考えておられるのか、大臣のお考えをお聞きします。

#61
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、基本的人権を尊重するということはもう何より重要なことでございます。この特措法の第五条にもそのことが明記をされておりまして、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するため必要最小限のものでなければならないという規定がございます。このことを十分に肝に銘じて頭に置きながら、専門家の御意見をしっかりと聴いて適切に判断する必要があるというふうに考えているところでございます。
 その上で、特措法においては、緊急事態宣言を発出した後、そのときに、緊急事態を実施する期間とかあるいは区域、その概要について国会へ報告することともされておりますし、私権を制限するような措置に際しては十分配慮がなされるものというふうに、なされなきゃいけないというふうに考えているところでございます。
 実際には、都道府県知事に様々な措置の権限が与えられます。そのときに、政府の対策本部が立ち上がった後の話でありますけれども、政府対策本部には調整をする総合調整の権能が与えられますので、そういう意味で、都道府県知事が様々な措置を講ずるに際しても、しっかりと政府としても専門家の意見を聴き、そしてどの範囲でどういったことをやるのが必要かと、そういったこと、あるいはその措置が必要最小限のものとなっているかどうか、こうしたことをしっかりと都道府県知事とも調整をしながら実際には具体的な措置を実施をしていくというふうなことをしっかりと担保しながらやっていきたいというふうに考えておりますし、先ほど申し上げましたように、専門家の意見を聴いて対応するということを基本的対処方針にしっかりと明記をしたいというふうに考えているところでございます。

#62
○長浜博行君 厚労省の副大臣も内閣府の政務官も来られているようでありますから、先ほど来、縦割り行政の弊害の部分も参考人質疑の中で出ておりますので、是非大臣にお伝えをいただければというふうにも思っております。
 二〇〇二年から二〇〇三年にかけて発生したSARS、これもコロナウイルスですが、我が国では、まず新感染症に位置付けられ、およそ三か月後に指定感染症に指定されたという経緯をたどっています。
 エボラ出血熱やペストなど極めて危険性の高い一類感染症に対しては、感染症法に基づき、入院措置や就業制限等に加え、建物への立入り制限、交通の制限といった措置をとることが可能であります。一方で、新型インフルエンザ等特別措置法では、緊急事態宣言を受けた外出自粛要請等が可能となるものの、一類感染症は対象ではありません。今後、万が一、一類感染症が我が国で拡大するような事態が発生した場合、特別措置法の適用について政府としてどのように考えるのかという課題も大きな問題になってまいります。
 冒頭申し上げましたように、最後に申し上げなければならないのは、場当たり的な感染症対策ではなく、考えたくはないですけれども、未知の感染症に人類が打ちかつことはなかなか難しいという状況になってしまいます。立法府の一員として、原点に立ち戻っての感染症対策法制の再点検の必要性を申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#63
○杉尾秀哉君 共同会派の杉尾でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 西村大臣、冒頭、申し訳ないんですけれども、通告していないんですけれども、一問だけ伺いたいんですが、新型コロナ問題にもちろんこれも関連しているんですけれども、アメリカのトランプ大統領が、今日の未明だと思いますけれども、東京オリンピック一年延期した方がいいと、こういうふうに言いました。内閣全体の問題としてどう考えるか、聞かせていただけますか。

#64
○国務大臣(西村康稔君) 昨日、トランプ大統領がそのように発言されたことは、私も報道で承知をいたしております。それから、他方、バッハIOCの会長は、予定どおり開くという前提で進めるというふうに発言をされたというふうに私は理解をいたしております。
 政府全体としては、東京オリンピック・パラリンピックを予定どおり開催するという前提で物事を進めているところでございますし、そのために全力を挙げて国内の感染拡大を防止していくところでありますし、また、国際的に欧米で感染の拡大が広がっている状況を見ながら、国際協力もしながら、世界全体でこれを封じ込めていけるようにしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。

#65
○杉尾秀哉君 どうもありがとうございました。
 じゃ、法改正の関連で伺います。
 今、オリンピックの話ありました。これ、オリンピックもWHOのその判断次第というところもあるかもしれません。パンデミックが宣言されております。また、経済への影響も甚大でございまして、東証の株価、現在一万六千円台にまで下がっているということで、本当にこれは世界同時不況、本当に現実味を帯びてきているのかなという、そういう本当に深刻な事態だと思っております。
 その一方で、今回の特措法には様々な懸念、そして批判の声があるのも事実でございまして、その背景には安倍政権になってからの権力の集中とか、それから、実際に、ある議長経験者の先生ですね、自民党の、緊急事態に個人の権限をどうするか、憲法改正の大きな実験台だというふうな、憲法改正につながりかねない、そういった発言も出ています。
 そこで、西村大臣に伺いたいんですけれども、こうした批判をどういうふうに受け止めていらっしゃるのかということと、憲法改正の、言葉は悪いですけれども、予行演習のように一部に捉えられている、これについてどういうふうにお考えか、お聞かせください。

#66
○国務大臣(西村康稔君) 今般の新型インフルエンザ特別措置法にこの新型コロナウイルス感染症を対象として今お願いをしているところでございますけれども、まさにこの法律においては、緊急事態宣言がなされれば私権の制限を伴う措置が可能となるということに対しての御懸念があるということ、あるいは、この国会の議論の場でも、そのことについても私も御指摘をいただいております。様々な意見があることは承知をしております。
 他方、今、専門家の御意見も先ほども御開陳があったと思いますけれども、終息に向かうのかあるいは拡大に向かうのか、何とか今持ちこたえているけれども、警戒の手を緩めちゃいけないという判断が示されているところでございまして、万が一、万が一拡大していったときに、やはり国民の生命を守るというときに、必要であれば緊急事態宣言を発出をしてしっかりとした措置をとって国民の生命を守るという、そういう万が一のときの事態に備えて、私はこの法律の改正が必要だということでお願いをしているところでございます。
 その緊急事態宣言の下では、都道府県知事のかなり強い権限で要請をし、指示をすることができます。もちろん、罰則とか強制力については様々な観点から総合的に規定がされておりますけれども、私は、万が一のときにはこういった規定を使ってしっかりと封じ込める対策を取ることが必要となることもあるかもしれないと。
 もちろん、伝家の宝刀として、使わなければそれは使わない方がいいに決まっているんですけれども、そうしたことに備えて今回お願いをしているところでございまして、是非御理解をいただければと思いますし、私は、憲法の議論とは全く関係なく、今この法律を改正させていただくことによって国民の生命、最悪のときにも守れる、そういう措置がとれるようにしていただきたいと、そのお願いでございます。

#67
○杉尾秀哉君 今、西村大臣が伝家の宝刀という言葉を使われました。また、衆議院の質疑の中でも同じような言葉を使われているというふうに承知しております。
 改めて、現状ではこの宝刀を抜く必要はないし、今後も極めて慎重であらねばならない、こういう趣旨の答弁もされていますけれども、この参議院でも同様の趣旨で答弁していただけませんか。

#68
○国務大臣(西村康稔君) まさに、繰り返しになる部分もありますけれども、感染の拡大に向かっていくのか終息できるのか、何とか持ちこたえている状態ということで、専門家の会議の皆さん方からそうした現状についての認識が示されているところでございます。
 万が一、感染拡大に向かうようなことがあれば、いざというときに国民の生命をしっかり守ると、その観点から緊急事態宣言を発出することもあると思います。ただ、その発出するときも、もちろん、専門家の御意見をしっかり聴いて、区域とか期間とかしっかり定めてやっていくことになりますけれども、そして国民の生命を守るということでありますが、まずはそうならないように全力を挙げて取り組んでいくのが現状でありまして、やれることをできる限り全てやって、そして、この伝家の宝刀として使うような状態がないことが望ましいわけでありますので、できることなら使わずに、その前に終息に向けて進んでいくために全力を挙げて取り組んでいきたいと考えているところでございます。
   〔委員長退席、理事上月良祐君着席〕

#69
○杉尾秀哉君 その言葉どおり、全力でお願いします。我々も全面的に協力したいというふうに思っておりますので。
 ただ、先ほどの参考人の質疑の中でもございました。やっぱり憲法との関係というのが一番の懸念事項でございます。
 特措法の第五条に基本的人権の尊重の項目がございます。基本的人権の制限は対策を実施するための必要最小限度のものでなければならないと、こういう記述がございます。先ほどもちらっと出ておりましたけれども、ちょっと抽象的な表現でございますので、必要最小限というのはどういう意味なのか、できるだけ具体的に説明していただきたい。そして、それをどう保障するのか、併せて御説明ください。お願いします。

#70
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、五条に基本的人権の尊重ということで、私権の制限を伴う、加えられるときであっても必要最小限のものではならないという規定がなされているところでございます。その趣旨は、まさに、国民の自由と権利に制限を加える場合であっても、憲法上の人権保障、その規定に照らして必要最小限のものではならないことは当然でありまして、その旨を改めて明確に確認的に規定をされているものだというふうに理解をしております。
 例えば、既に法四十五条で、都道府県知事が催物、いわゆるイベントの制限とかをする場合についての政令が書かれておりますけれども、これは、前回法律制定なされたときの附帯決議、こうしたものも踏まえて、消毒設備の設置であるとか、あるいはマスクの着用とか入場者の整理といった、人権が過度に制約されないような内容としているところでございます。
 こうしたことも踏まえながら、とられる措置が必要最小限となるように適切に、専門家の御意見も聴きながら対応していきたいと考えておりますし、政府対策本部が立ち上がったときには基本的対処方針をお示しすることになっておりますが、その基本的対処方針の中にも、専門家の御意見をしっかりと聴いて、そして、まさに基本的人権を尊重し、必要となる措置であっても必要最小限のものとしなきゃいけないという趣旨をしっかりと明記をしたいというふうに考えているところでございます。

#71
○杉尾秀哉君 もう一つ、憲法が保障する集会、そして言論、表現の自由との関係なんですけれども、特措法の下ではNHKは指定公共機関ということで総理大臣の総合調整に服する、必要な指示を受けることと、こういうふうにこの条文上はされています。
 ただ、この解釈をめぐって、後でちょっとまた更に突っ込んで聞きますけれども、まず伺いたいのが、現状ではメディア関係の指定公共機関、NHKだけだというふうに思っておりますけど、民放などほかの報道機関も政令で追加する可能性というのはこれはないんでしょうか。

#72
○国務大臣(西村康稔君) この新型インフルエンザ特措法の制定時の御議論も踏まえて、民放テレビ局等は指定しないこととしているところでございます。これは、具体的には、これまでも国民保護法とか災対法とか同様にこの指定公共機関、指定の議論が行われてきておりますけれども、国民保護法はこれから攻撃があるかもしれないという緊急の警報の放送などがあるため、民間放送、民間の放送機関を指定をしておりますけれども、災対法、それからこの新型インフル特別措置法においてはそこまでの民間放送に求められる緊急性は想定されないというふうに考えております。
   〔理事上月良祐君退席、委員長着席〕
 このようなことから、現在も民放テレビ局等の民間放送は指定公共機関に指定をしておりませんし、今後も指定することは考えておりません。

#73
○杉尾秀哉君 これに関連して、おとといの衆議院の法務委員会の質疑の中で内閣府の宮下大臣が、法の枠組みとしては、民放を指定して、この情報を流してもらわないと困るということで指示を出す、そして放送内容について変更、差し替えをしてもらうということは本来の趣旨に合うと、こういうふうに答弁しているんですけれども、この答弁のとおりでよろしいですか。

#74
○国務大臣(西村康稔君) 三月十一日の衆議院法務委員会での宮下副大臣の御発言のことだと思いますけれども、その意図としては、私、本人とも話しましたけれども、仮にですね、仮に民間テレビ局等が指定公共機関となった場合、他の機関と同様に、新型インフルエンザ等が発生したときは、その業務について新型インフルエンザ等対策を実施する責務を有するようになることを意図したものというふうに承知をしております。
 いずれにしても、放送事業者については報道の自由、これがあるわけでありますので、これらが侵されないようにするべきことは言うまでもないというふうに考えております。

#75
○杉尾秀哉君 大臣も御存じだと思いますけれども、平成二十四年の法制定当時に、当時の園田政務官が、この報道の内容につきましても、当然この政府対策本部長の総合調整であるとかあるいは指示の対象ということにはなっておりませんと。こういうふうに、要するに放送内容の指示の対象になっていない。それは、なぜならば、放送法三条に、放送番組は何人からも干渉されないと、こういう記述があって、放送法三条の中には、法律に定める権限に基づく場合でなければというただし書があるんですけれども、この特措法の場合はこの法律に定める権限に基づく場合ではないと、こういうふうに解釈されているということでございます。
 そこで、宮下副大臣の答弁が間違っているというふうに大臣はいつ気付かれましたか。宮下副大臣とはどういうお話をされましたか。

#76
○国務大臣(西村康稔君) 私、この答弁のその場にはおらなかったわけでありますし、その後、御質問をいただいて、そしてまた報道を通じて知りました。それで、その上で、宮下大臣とも話しまして、法はこういう趣旨であるからということを申し上げて、そういう意図であったということを確認をしたところでございます。
 これは、先ほど申し上げたとおり、新型インフルエンザ等が発生したときは、その業務について新型インフルエンザ等対策を実施する責務を有するようになると。これは仮に指定公共機関として指定した場合でありますが、先ほど申し上げていますとおり、指定をしておりませんし、今後そのようなことは想定はしておりませんが、仮にそうなった場合にはそういう責務を有するということを、意図で発言をされたということで確認をしたところでございます。

#77
○杉尾秀哉君 そうしますと、この特措法においては、放送の内容に介入することができないということでよろしいですね。

#78
○国務大臣(西村康稔君) まさに、NHKはこの対象に指定をされているところでありますけれども、そのNHKに対してどういったことを求めているかというのは、新型インフルエンザ等の感染が広がった場合であってもNHKとしての役割を、業務をしっかり果たしていただくために、指定公共機関として平素から、例えば消毒の液とか消毒のそういうものを設置をするとか、マスクやそういったものを備蓄をするとか、あるいは訓練を行ったりとか、そういったことを求めておりますし、また、実際に感染が広がった場合には、今、NHKだけしか指定をしておりませんし、それ以外想定はしておりませんが、放送機関としてはですね。NHKにおいては、感染拡大の防止の措置を講じてもらいながら、例えば閉鎖空間でのイベントを自粛してもらったり、そういったことを本部長が要請をしたり指示したりすることが考えられますけれども、これは災対法の考え方と同様でございます。

#79
○杉尾秀哉君 だから、確認しますけれども、宮下大臣が、民放を指定して、そうしたことであれば、この情報を流してもらわないと困るということで指示を出す、そして放送内容について変更、差し替えをしてもらうということは本来の趣旨に合うというこの答弁は撤回してもらわなきゃいけません。どうですか。撤回しないと審議続けられませんけど。

#80
○国務大臣(西村康稔君) 繰り返しになりますけれども、当然放送の自由があり、その放送内容についてこの法律に基づいて要請や指示を行うものではありませんので、もう一度確認をして、もし本人の意図が御指摘のようなことであればですね、のように誤解をされるような、であればですね、これはしっかりと撤回をさせたいというふうに思いますし、私が確認した範囲では、先ほど申し上げたように、仮に指定をされた場合には今申し上げたようなことの責任を負うという意図であったというふうに聞いております。

#81
○杉尾秀哉君 これは撤回してもらわないと、実はこういうことを理由として我が党の議員で反対した人もいるわけですね。極めてこれ懸念が強いんですよ。今の安倍政権がこれまでやってきた放送に対する事実上の介入とも言える行為、例えば、電波停止の発言であるとか、先日私も委員会で質問させていただきましたけれども、いろんな報道内容についてツイッターで、誤情報かもしれない、それからその論評にまで踏み込んだような、そういう発信をしている。極めて懸念が強いんですね。
 我々も、この法律は自分たちが制定した立場でもございますので、旧民主党時代にできた法律でございますので、今回はそれに沿った対応をしたいというふうに思っておりますけれども、ただ、冒頭申し上げたような懸念、それから今申し上げたような言論、表現の自由に介入しかねないかのようなこういう答弁が出てくると、これ極めて重大な疑義が生じるわけですね。その辺の御自覚というのはあるんでしょうか。

#82
○国務大臣(西村康稔君) 改めて私から強く申し上げますけれども、当然放送の自由がありますし、この法律に基づいてその内容について何か要請や指示を行うことはありません。そういう法律ではございません。そのことを強く申し上げたいと思います。

#83
○杉尾秀哉君 放送介入しないというふうにはっきり言っていただきましたので、これは議事録としてしっかり残したいと思います。
 時間になりましたので、最後のもう一つの質問なんですけれども、これも委員会で申し上げたんですが、先ほど古賀先生でしたかね、まず徹底した検査がやっぱり必要だと、今のままではまだまだ足りないという話がありました。やっぱり徹底した検査、先手先手というのはそういうことだと思います。
 それと、やっぱり丁寧な情報公開、そして、その基となる記録ですよね、事実の記録。これ附帯決議の中にも盛り込ませていただく予定でございますけれども、歴史的緊急事態に今回指定されております。
 ただ、この歴史的緊急事態に指定をしても、その政策決定に至るような例えば総理レクであるとかこの内輪の会議のようなもの、これについては記録を残すことに非常に後ろ向きな答弁がこれまで北村大臣からも繰り返されています。重要な記録の保全にはやっぱり万全を期していただきたい。
 そして、情報公開も、総理のあの通り一遍のプロンプターを読み上げて三問だけ聞くみたいなああいうことではなくて、やっぱり徹底した総理からの情報発信も含めて情報公開をお願いしたいと思いますけれども、それについての大臣の考え方、聞かせてください。

#84
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、今回の事態が歴史的緊急事態に該当するということが閣議了解されましたので、これに基づいて、今回の事態が国家、社会として記録を共有すべき歴史的な重要な政策事項になり得るものでありますので、その教訓が将来に生かされるものとして、まさに私の立場からも、行政文書の管理に関するガイドラインに規定するこの歴史的緊急事態に該当すると判断されたことを受けて、公文書ガイドラインに基づいて、適切に、また検証可能なように文書を作成、保存、公表していきたいと考えております。
 さらに、御指摘のように、できる限り丁寧に私の立場からも情報を公開をし、また丁寧に御説明を、国民の皆さんにも説明をしていきたいというふうに考えているところでございます。

#85
○杉尾秀哉君 今回の法改正は、遅きに失した安倍政権の対応を決して追認するものではないということを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#86
○木戸口英司君 共同会派の木戸口英司です。
 早速質問をさせていただきます。
 先ほど、参考人質疑で尾身先生がいらっしゃって、質問に答えていただきました。この新型インフルエンザ等対策特別措置法の適用については、これは政治的判断によるものということでありましたけれども、公衆衛生的な意見を言わせていただければということで、この新型コロナウイルスは新感染症であると考えるという御意見をいただいたところです。専門家、まあいろいろな意見はあるんだろうと思います。尾身先生の専門家的判断であります。
 そういった中で、今回、今その特別措置法の改正案ということでこの議論がされていることということを我々は重く受け止めながら、今なのかということ、そしてこれまではどうだったのかということ、そしてこれからどうなるのかということをしっかり議論していかなければいけないと、そのように思っております。
 その上で、先ほど長浜委員からもお話ありましたけれども、この特措法改正案が成立した後の、ちょっとこれは通告しておりませんが、法案に関わることですのでちょっと確認をさせていただきますけれども、この特措法第三章、新型インフルエンザ等の発生時における措置、これは、第十四条、新型インフルエンザ等の発生等に関する報告と。厚生労働相は新型インフルエンザ等が発生したと認めた旨を公表するときは内閣総理大臣に対し報告をするというところから始まって、そして、第十五条、政府対策本部の設置ということになっております。これは内閣、閣議にかけてということであります。
 そして、第四章に飛んで、新型インフルエンザ等緊急事態措置、第三十二条で新型インフルエンザ等緊急事態宣言等ということにつながるわけでありますけれども、この中に、当然専門家の意見を聴く、対処方針を決めると、まあいろいろあるわけですけれども、まず、前提として、この第十四条の厚生労働大臣の報告、これは発生等に関する報告ではありますけれども、緊急事態宣言を出すということを前提とした報告、そして、その報告を受けてもちろん内閣総理大臣が判断することでありますけれども、対策本部の設置を前提とした報告という、第十四条、十五条、そして三十二条というのは一連の措置ということで考えればよろしいんでしょうか。

#87
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、この第十四条においては、厚労大臣が、まあ今回は、その発生したというのは、もう既に発生をしておりますので、蔓延のおそれが高いときということに今回読み替えて、そういうふうにするわけでありますけれども、したがって、専門家の御意見を聴いて、厚生労働大臣がこの新型コロナウイルス感染症の蔓延のおそれが高いと、そう認めたときには、それを公表し、報告、内閣総理大臣に対して報告をするということになります。
 ですので、まずは、厚生労働大臣において、専門家の御意見を聴いて、そういうときになっているのかどうかという判断がなされることになります。それに基づいて報告がなされれば、それはまさに十五条に書いてありますように直ちにこの政府対策本部が立ち上がっていくということになりますので、その政府対策本部においては、御指摘のような、その後、基本的対処方針を定め、様々な方針を決めていくことになります。
 そして、その中でもう一段要件をクリアすれば、クリアするような事態に万が一なった場合には緊急事態宣言を発出するということですけれども、この緊急事態宣言発出に際しては、まさに全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるというときに緊急事態宣言を発出することになりますが、このときについても、専門家の御意見をしっかり聴いて、どういう状況なのかということはしっかり聴いて判断をしていくということになっていきます。

#88
○木戸口英司君 先ほど、尾身先生の新感染症だと考えるという御意見を紹介したということも、ただ、政府は、新感染症ではないと、既知のものだということで、その上で、この特措法適用に加えるとすれば私権の制約に及ぶ強い権限が付与されるということで、やはり裁量の余地もある、だから慎重にやらなければいけないということでありました。
 また、対策本部設置、その前に厚生労働大臣のこの報告もあり、そしてそこから緊急事態宣言ということ、これも条件が非常に高く設定されているわけでありますし、先ほど尾身先生からも、ここに至る二つの要件は、公衆衛生上でいえば重症者、死亡者が大きく増えることだと、そして感染経路が押さえられなくなったときだという解釈をしているということもありました。
 これだけやはり慎重で、そして大きな感染を想定したものであるこのものを適用しないままに、これまで安倍総理は、二月二十六日に大規模イベントを自粛要請、そして学校の一斉休校要請を全国に、まあ要請でありますけれども、もう既にしているということ。そのことは非常に、効果がなかったということではありませんけれども、どういう根拠で行われてきたかというのはずっと議論があったわけであります。
 その意味で、大臣、これから特措法の下で様々な対策が進んでいく、その上で検証をしていくということは先ほど来お話ありました、まあこの事態が落ち着いたらばということでありますけれども。これまでの政府の対応の検証も大きく意味がある、意義がある、やらなければいけないことだと思いますが、そのことも含めて検証されるということでよろしいでしょうか。

#89
○国務大臣(西村康稔君) これまでの政府の取組は、まさに御指摘がありましたように、新感染症に当たるのかどうかというところ、繰り返しになりますが、一月九日にもうWHOがこれは新型のコロナウイルスだというふうに発表されたものですから、法律をどう読んでもやっぱり未知のものというふうには読めないということで、そこで、我々は指定感染症という形に指定をして、感染症法上も措置がとれますし、検疫法上も措置がとれますので、そうしたことを通じて様々な対応をしてきたところでございます。
 念のため申し上げれば、本当に未知のもので全国的かつ急速にわっと広がって、これはもうまずいと、このままほっておくとまずいというときは新感染症と指定して直ちにインフル特措法に行ける、その道は残されているわけでありますが、一般論、基本的な考え方として、やはり私権を制約を伴うものでありますから、そういう事態以外は基本的には法律改正によるべきだという判断で、今回対象に、法律改正でお願いをしたところでございます。
 その上で、専門家の御意見も、現時点は爆発的な感染拡大は進んでおらず何とか持ちこたえているということで、私ども、別に自負をするわけでもありませんけれども、全力で今取り組んでいるその結果、こういうふうになっていると。
 ただ、警戒を緩めることはできないという御判断もいただいておりますので、そうした取組を日々全力でやっているところでありますが、事態が終息した後に、もちろん今回の法律の、この感染症法と特措法との関係がこれでいいのかどうか、在り方はこれでいいのかどうか、そしてまた今回我々がとってきた措置がどうであったのかということは事態が終息して落ち着いたところでしっかりと検証し、こうした事態に対して、将来何かあったときに、同じような事態があったときに、何かあったときにしっかりと対応、より、より一層しっかりと対応できるように、進化できるように検証は進めていかなきゃならないというふうに考えているところであります。

#90
○木戸口英司君 それでは、景気・経済対策について少しお聞きしたいと思います。
 今月十日に、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策第二弾が発表されております。それぞれ大きく四つの項目、約二兆円ということでありますけれども、予備費でということも含め、対応が遅いんではないかということを思います。その後も、昨日の日経平均株価、大幅に続落し、その下落幅、一時、千円を超えております。
 その中で、二月二十九日の会見で総理がこの第二弾を取りまとめるということを表明して、大急ぎで取りまとめたと思いますけれども、二月二十七日に全国の小中高等学校等に臨時休業を要請したわけですけれども、少なくともその段階でこの緊急対応策が出ているべきだったんではないでしょうか。そして、中小企業等、雇用調整助成金もあります。もうその効果がこの今の時点で届いていなければいけない、そういう状況に今もう既になっているんではないでしょうか。
 この対応策の中には、今日、厚労省呼んでおりませんけれども、マスクの問題も書いております。官房長官が来週にもマスクは皆さんの手に届きますという記者会見をして、何週間たったでしょうか。
 確かに、都道府県に市町村のマスクの在庫等の調査、厚労省から入ったようであります。これも、予算委員会等で在庫どうなっているんだと聞かれて調査が入ったようでありますけれども、じゃ、その対策については、まだ、いずれ届きますという程度で、各都道府県、各市町村にまだ届いていないという実態もあるようです。
 私のところの岩手県でも県議会の中で随分問題になって、今、備蓄分、供給可能枚数を何枚か出して、やはり鳥インフルエンザへの対応とかも、今出ていませんけれども、あるわけですよね。ただ、やはり福祉施設等にはなかなか届けられない、今月末まで十五万枚不足するということが言われております。マスクチームにこの間我が会派で聞いたところ、これから輸入の手配をしますという、布製のマスクですね、そういう対応でありました。
 今日はマスクの話を聞くんじゃありませんけれども、こういう対策が、対応遅れているんじゃないかということ、大臣、いかがでしょうか。

#91
○国務大臣(西村康稔君) この感染の状況は日々変わっております。感染者の数が増える部分もあれば、治癒されて退院される方もたくさん出てきております。そういう意味で、そうした状況を見ながら、また世界の欧米での感染拡大を見て、不安になっておられる方もおられると思います。そうした事態を、状況を見ながら、我々もしっかりと取るべき対策を日々、総理の下で打合せをしながら、そして対策を講じてきているところでございます。
 もちろん、様々な御指摘、御批判はあると思いますが、先般まとめた第二弾のこの緊急対応策、これは金融措置も含めて二兆円の規模でございます。一月二十九日まで遡って実質無利子無担保の融資にしようということも決めておりますし、雇用調整助成金については要件緩和を行って既にもう出ているところでございますけれども、さらに、今回、非正規の方も含めて対応しようということでありますし、また、フリーランスの方に対してもしっかりと対応していこうと。あるいは、今回のこの感染症の拡大によって様々な事業が影響を受けて厳しい状況になっている方々に対して、小口の資金であるとか総合的な支援をしっかりと行っていこうというふうな対策をまとめたところでありますので、これはもう既にスタートを切っております。
 ですので、今回、事業の継続が引き続きできるように、また、雇用を守る、国民の生活を守るという観点から今般の対策をまず迅速に的確に適切に対応していきたいと考えておりますし、さらに、引き続き、いろんな事態の推移を見ながら、ちゅうちょなく様々な政策を取っていきたいというふうに考えているところでございます。

#92
○木戸口英司君 それで、中小企業の資金繰りの問題もあります。今日、経産省は呼んでおりませんけれども、西村大臣、これはもう責任者としてひとつ指示を出していただきたいんですが。
 報道でも、その資金繰り相談、公的窓口三万件、中小の資金繰り一か月分と。テレビでも見ましたけれども、早速電話をしてみたらば、予約開始があと二日後だと。予約が一斉に始まれば、多分そこから数日掛かるんでしょう。そして、そこで様々な手続をして手元に届くのがいつになるのか、今月中にできるのかという現実もあるのではないでしょうか。
 その意味で、まずは大きくその相談窓口、件数も増やしているということでありますけれども、その対応、そして資金繰りが早く、素早く届くような体制、そして、そのためには資金もしっかりと政府の方で用意をしていなくちゃいけないということでありますので、その指示をしっかり出していただくように、大臣、いかがでしょうか。

#93
○国務大臣(西村康稔君) 大変大事な御指摘だと思います。
 本当に、中小零細企業が本当に厳しい状況になってきておりますので、メニューは用意をしておりますので、しっかりと使っていただければ、使っていただいて何とかこの場をしのいでいただければ、終息すればまた経済もV字回復で戻るように我々取り組んでいきたいというふうに考えているところでありますので、まずはこの事態をしのいでいただくためにこのメニューをしっかり使っていただくことが大事だというふうに考えております。
 既に千か所の全国の相談窓口も用意をいたしておりますし、さらに、私からはこれは金融庁、そして経産省、財務省に対して既に指示をしておりますけれども、特に小口の資金ですね、小口の資金。もうこの当座の百万、二百万のお金がないんだという小口の資金についてはもう思い切って手続を簡素化して、もうすぐに出るように体制を整えてやってくれということで指示をしておりますので、私の方でもそれをしっかりフォローしながら、そうした姿勢で引き続き臨んでいきたいというふうに考えているところでございます。

#94
○木戸口英司君 まず日々の動向をしっかりとチェックをしていただくように、そして、様々な利用者の声をしっかりと聞いていただくようにお願いをしたいと思います。
 その上で、これも報道によるとということでありますけれども、緊急経済対策、新たに検討に入ったという報道がございました。私もこの間予算委員会で、早く大規模な新たな緊急経済対策、しかも生活密着型の経済対策を立てるべきだということを申し上げましたけれども、現金給付を中心に家計支援を大きくということで検討に入った、四月にもそれを出す準備に入ったという報道がありましたが、これは大臣、いかがでしょうか。

#95
○国務大臣(西村康稔君) マーケットがこれだけ下がり、そしてまた現実の経済に本当に厳しい影響が出てきておりますので、まずは、先ほど来申し上げましたとおり、第二弾のものをまず実行していくこと、あるいは、補正予算、成立させていただいた補正予算ももう中小企業への補助がスタートを切っておりますので、公募が始まっておりますので、こうしたものをしっかりやっていく、あるいは、地域の公共事業もやれるものはしっかりやっていくということで経済の下支えをしていかなきゃいけないと思っておりますし、今御審議いただいております四月からの当初予算につきましても、丁寧に対応して、できる限り早く成立をさせていただけると有り難いというふうに思っているところでございますが、これだけのインパクトが出てきておりますので、もう前例にとらわれることなく、思い切った対策を打たなきゃいけないんじゃないかということを考えているところでございます。
 政府内で、これがどれだけ期間が続くのか、どれだけのインパクトがあるのかということをしっかり見極めて今いるところでございます。そうしたことを踏まえながら、時機を逸することなく、また、そのインパクトに見合うだけの必要十分な経済対策、経済政策をやっていかなきゃいけないと、そういう決意でございます。

#96
○木戸口英司君 この現金給付は、リーマン・ショックの後、原則一人当たり一万二千円の定額給付ということが行われております。二兆円規模ということであります。これでは、まあやらないよりはいいですけれども、まだまだ大きく考えるべきだと、そのように思いますので、これは意見として、時間になりましたので質問を終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。

#97
○矢田わか子君 共同会派、矢田わか子です。よろしくお願いをします。
 まず冒頭、宮下副大臣、お越しいただいておりますので、衆議院の法務委員会の発言についてお伺いします。
 特措法の下で、放送内容には介入できるという御発言、撤回されますか。(発言する者あり)

#98
○委員長(水落敏栄君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#99
○委員長(水落敏栄君) 速記を起こしてください。

#100
○副大臣(宮下一郎君) 一昨日の答弁についてでございますけれども、その新型インフルエンザ等対策特別措置法におきまして、その指定公共機関と、あっ、民間のテレビ局等をその指定公共機関として法的に指定し得るかどうかという御質問がございまして、これに対しては、指定、法的には指定をし得るというふうに回答申し上げました。この点、そのまま変わっておりません。
 そして、その上で、そのときに申し上げたのは、しかしながら、これまでの立法時の議論等々も踏まえまして、指定をすることはしない、こういうことも同時に明言をさせていただいているところでございます。これも変わるところはございません。
 その上でですけれども、その三月十一日のこの私の発言の意図としましては、お尋ねがありましたので、仮にその民間テレビ局等が指定公共機関となった場合にその新型インフルエンザ等対策を実施する責務を有するようになると、こういったことをお伝えをするという観点で発言をさせていただいたということであります。
 一方……(発言する者あり)はい。放送局には当然、放送の自由がございますし、放送内容について、この法律に基づいて実際に要請や指示を行うものではないと、こういうことでございます。

#101
○矢田わか子君 撤回していただけるんですねということをお聞きしております。撤回していただけますね。簡潔にお願いします。

#102
○副大臣(宮下一郎君) 一昨日の議論は、その同法二条の指定公共機関のところについて仮定の議論をしたわけですけれども、そのときにこの放送の自由についてまで述べたものではありません。
 そういった意味で、実際、この法律の立て付けとして可能性があるということは申し上げましたけれども、実際、緊急事態宣言がなされたときにどのような対処をするかというのは、については、その放送の自由との関係も整理した上で行わなければいけないということでありますので、今申し上げましたように、放送の自由についてはこれを侵害されることはないということで運用するというのが政府の方針ということをお伝えしたところであります。

#103
○矢田わか子君 大臣、副大臣、大変なこれ発言なわけです。しっかり撤回しないと、次の審議進められませんよ。是非そこは、済みませんが、しっかり、西村大臣も先ほどの杉尾委員の質問で答弁変えさせますとおっしゃっておりますので、もう一度御相談いただいて、きちんとした答弁を御用意いただければと思います。

#104
○国務大臣(西村康稔君) この法律の考えているところ、規定しているところについては、先ほど杉尾委員に私申し上げたとおりでございます。放送の自由はもちろん大事で、もう何より大事なことであると思っておりますので、この法律で何かその内容について要請や指示を行うことはないということでありますし、現時点で指定公共機関に民間の放送機関が指定をされているわけでありませんし、今後も想定していないということであります。
 そして、宮下副大臣が発言されたことは、万が一、仮にその指定された場合に一定の責務を負うという趣旨で、そういう意図で回答されたと、答弁されたということで私は理解をしておりますし、今その意図について副大臣からは説明がなされたものというふうに理解をしているところであります。

#105
○矢田わか子君 前回に、この特措法を作ったときの附帯決議にも、この放送事業者の自由を保障するという、しっかりと取り組むということは付けているものであります。八年間きちんと論議をしてきたのかということも含めて、もう一度この分野についてしっかりと皆さんの答弁が合うように、受取手から見てしっかり合っているなというふうに確信が持てるようにお願いをしておきたいなというふうに思います。
 それでは、特措法の質問に入りたいと思います。
 今回の法律改正、私どもは以前より、この新型インフルエンザ等対策特措法の適用が可能ではないかという立場を取らせていただいてきております。解釈の変更というか仕方によって、しっかりこの新型コロナウイルスにも適用できるんじゃないのかということを一月の三十一日の予算委員会の場でも正式に申し上げております。しかしながら、そうではないとずっと繰り返し答弁をされているわけであります。
 ただ、もう一度、皆さん、この資料一を見ていただきたいんです。法律を作ったときのこの趣旨です。
 この特措法、現行の特措法の第一条の法の目的を御覧ください。目的では、国民の大部分が現在その免疫を獲得していないこと等からと、しっかりと明記がされているわけです。獲得していないことが原因となって新型インフルエンザ等が全国的に蔓延し、急速に蔓延して、これがかかった場合にその重篤な症状が出るおそれがあるから、だから、これによって国民生活や経済、重大な影響を及ぼす場合、それを鑑みてこういうことをしっかりと対策打っていくんだという、その目的でこの法律は作られているものなんです。
 したがって、その目的の合致ということから考えて、本当に今回のコロナウイルスが合致しなかったのかというところに私は戻らなければいけないというふうに思っています。
 もう一点、立法の当時に担当大臣であった中川正春さん、昨日の衆議院内閣委員会でも、質問のときに当時のお話をされております。資料一に記載をしているとおりであります。ここにも、中川元大臣は、これまでの検疫法や感染症法の限界とも言える個々の感染症等の特定を前提に、個別対処という法律の枠組みを超えて、更にフェーズの高い、社会全体に働きかける緊急措置、これを可能とする法律が必要だと認識をしたから、その危機感を持って私たちはこの法律を立法化していったんだというふうに書かれています。
 もう一つ、当時、厚生労働省の立法に携わる委員であった、議長であった岡部参考人、予算委員会、三月五日の日に参考人として来ていただいております。その方の発言にも、下線の部分、委員の中でほぼコンセンサスを得られて議事録なんかにも書いてあると思います、インフルエンザ等の等は、もし何か、新型インフルエンザのための法律ではなくて、そのほかに重大な病気が出てきた場合にはこれを読んでもいいのではないか、読むべきであるというようなことが委員会で言われ、私たちのコンセンサスだったというふうにおっしゃっています。
 したがって、法の目的、そして、今回、この立法側、立法した方々の意思、立法府の意思を尊重した場合に、やはり、繰り返して申し訳ありませんが、今回のコロナウイルスは現行の特措法で十分対応できたのではないかという指摘をまずもってさせていただきたいと思います。
 その上で、この法律に当てはめができたとしていれば、早くから法の担保を持ちながら、いろんな法律の根拠を持って様々な対策が講じられてきたというふうに考えております。
 資料二を御覧ください。資料二は、中国の動向、WHOの動向、そして我が国の対応などを時系列的に整理したものであります。この対応が本当に何の法の担保もなく進めていってよかったのかどうか、それぞれ是非、WHO、中国、世界、そして私たちの日本の国の政府の動き、皆さんにも見ていただきたいと思っています。
 実際に、専門委員会の最初開かれたのは二月の十六日です。以降、五回にわたって開催されておりますが、その専門委員会の意見を聴いて様々な政府の対策が取られたのか、これも極めて疑問であるというふうに思います。
 加えて、資料三を御覧ください。中国からの入国者数です。
 二月、中国、韓国から二十万人以上が入国をしています。全部でこれ合わせると、一月には、この中国、台湾、韓国、百九十万人です。そして、二月になっても、中国以降、全部合わせれば、これ六十万人の方々が日本に入ってきているわけであります。
 一月二十七日の時点で中国では海外への団体の旅行を禁止されています。そして、アメリカでは二月二日に中国滞在者からの入国禁止の措置を既に取っています。ところが、日本は、三月九日、ようやく中国、韓国からの入国規制になったということで、やはり全て遅れたのではないかという、私たちはそういう見方をしているということであります。
 あわせて、新たな感染症の発生が予測、今後もされるわけですけれども、感染症の発生のたびに暫定的な見直し規定をやはり置く、法律改正を行うというのは、今回のような対応の遅れを、混乱をもたらすことになるのではないでしょうか。新たな感染症の類型を新設して特措法の対象を広くしておく改正が必要であったと考えますが、政府の見解をお願いします。

#106
○国務大臣(西村康稔君) まさに法制定時の大臣であります中川委員とも議論をさせていただきました。私も、もう何度も何度もこの新型インフル特措法と感染症法を読み返して、何がどういうふうにすればどうできるのかということを何度も何度も考えてきておりますが、確かにおっしゃるように、何かあったときに、感染症が拡大したときに、このインフル特措法という、知事による強い措置ができるというこの法律、私どもも理解をして賛成をして、民主党政権時代に作った法律でございます。
 ただ、定義をこれ見ますと、二条にありますが、まさに新型インフルエンザと、それから併せて新感染症、これは感染症法で規定する新感染症ということで、その新感染症のところの定義を見ますと、既に知られている感染症の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるものと。今の現状を見ていただいて、病状はいわゆる肺炎でありますし、もう分かっている肺炎ということでありますし、季節性のインフルエンザであったり風邪の症状であると、しかも、治癒される方はおられると。もちろん高齢な方は重篤な方になられる方おられますけれども、こうしたことから見て、これは明らかに異なるとは言えないと。
 これはもう一月九日の段階でWHOが判断してなっていますので、そういう判断から我々は指定感染症にしたわけでありますけれども、仮に、定義の中に、未知でない、つまり、既知のもので、指定感染症、仮にですよ、であっても全国的かつ急速な蔓延によって国民生活に重大な影響を及ぼすおそれがある場合は対象とするというふうな規定があれば、それを使ってできたわけですけれども、法律をしっかりと読む限り、この定義には当たりません。新感染症の定義には当たらないので、これは法律改正をお願いするということにしたわけであります。
 ただ、繰り返しになりますが、未知のもので本当に急速に蔓延してこれは大変だというときには、直ちにこのインフル特措法に行ける道は残っておりますので、それはそういう道を当時つくられたということだと思います。
 他方、バスケットクローズにして何でも読めるような、何かあったときに読めるような条項を作ることについては、繰り返し申し上げますが、知事による強い私権の制約を伴う措置がありますので、私はそれには慎重であるべきだというふうに考えております。
 その上で、様々な御意見がございますので、もう一度、終息した後に、この感染症法の定義、あるいはインフル特措法とのこの関係、補完的な関係をもう一度よく整理をして、より良い対応が取れるようなものに変えていくという努力はしなきゃいけないというふうに考えているところでございます。

#107
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 そうなんです。未知という、未知の取り方が、今まで知られていない、名前も分からないものを指したのか、名前は分かっているけれども、ここにまさに書いてあります、誰も免疫持っていないものを指したのかというところは、やはり解釈の違いかもしれません。ただ、もう今そこの解釈を言っている場合ではないということを私たちは十分に理解しております。したがって、この改正についても賛成する立場を取るということを決めたわけです。
 ただ、大臣、おっしゃるとおり、これから先を考えたときに、こういう本当に新たな未知なるものが、これからも、これ日本の歴史を見ても、ずっとこの感染は繰り返されていくわけですよ。未知なる感染のウイルスとの闘いを想定した場合に、次世代においてもきちっと今回の教訓が生きるように、やはり緊急時に即、すぐ発動して法的なやはり担保を持って対策が打てるようにということも含めた検討を、終息以降で結構ですので、是非ともお願いをしたいなというふうに思います。
 加えて、次に、政令についてお聞きをしていきたいと思います。
 緊急事態宣言の要件に関わる課題ということになりますが、今考えていらっしゃらないということのこの緊急事態宣言ですが、これを実質的にやっていくときに、今後、この特措法が実際に成立した後、要件を定義した施行令は改正しないのかという問題が残ると思います。
 過去、八年前に作った法律の下での施行令、このままにしておいてよいのかという点であります。施行令の第六条、このままの条文で据え置くのか。曖昧な要素がたくさんあります。それが一点。
 もう一点は、今日の参考人の川本教授もおっしゃっていました、施行令の第十一条です。使用制限となる施設、一千平米を超えるものに限るということで、学校や保育所、老人ホーム等も規定されておりますが、今は保育所といっても、公的な保育所だけではなく、民間保育所、企業内託児所、いろんなものがあるわけです。その中で、百平米を超えていないからといって、この密接した空間に人がいることによって、今回の特にウイルスは感染が拡大するおそれがあるというウイルスでもあります。そうしたことを踏まえたこういう施行令の改定はされなくていいのか、お答えいただけますか。

#108
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、新型インフル特措法の緊急事態宣言を発出するときの要件につきましては、この政令の第六条で定められておりまして、この資料に示されているとおり、まさに肺炎などの症例の発生頻度が季節性インフルエンザよりも比して相当程度高いと認められるものと、それから、感染経路が特定できない場合、あるいは感染拡大していると疑うに足りる正当な理由がある場合ということに規定をしているところでございます。
 現時点でこの政令の改正を直ちに行うことは考えておりませんけれども、しかし、これを実際に当てはめることについて、当てはめるときの判断については、もう既に政府が閣議決定しております政府の行動計画におきまして、専門家で構成されます基本的対処方針等諮問委員会、ここに諮問をすることとなっておりますので、専門家の御意見をしっかりと聴いてこの判断をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 先ほど来の御指摘でありますけれども、事態が終息した後、あるいは、先ほどの施設のこの政令十一条につきましても、これは緊急事態宣言を発出した後の知事の措置の対象施設になってきますので、これについても、これは適切かどうかについては引き続き検討していきたいというふうに考えているところでございます。

#109
○矢田わか子君 大臣、八年前からやっぱりこの今の日本の環境は大きく様変わりをしています。IT技術が進展し、大量に人が移動する時代、そして、何よりも来日外国人が増大してあらゆるコミュニティーの変化、権利意識の変化も生まれてくる中で、少し政令についても私はやはり見直すべきだというふうに思います。この中には文言として入っていない例えばカラオケだとかも、一般的に皆さん行かれるようになっているわけですよ。そういうふうなことを含めて、やはり今日的な、時代に合わせた、せっかくその改正をされるものなのであれば、改正に則した形での政令の検討というのも求めておきたいというふうに思います。
 それから、今後、諮問委員会というものが専門家会議の下で設置されていくということになりますが、この諮問委員会、大変大きな役割を帯びます。緊急事態の要件に該当するかどうかを検討するというふうなことも含めて、総理から諮問を受けるメンバーです。どのようなメンバーを今お考えですか。

#110
○国務大臣(西村康稔君) 実は、このインフル特措法ができた後に政府の行動計画を作っておりまして、緊急事態宣言などを発出する場合の基本的対処方針等諮問委員会については既に設置がなされております。
 メンバーは、会長に先ほど御意見開陳されました尾身茂理事長でありまして、メンバーも今の専門家会議とかなりの部分、重複をしております。ですので、このメンバーの皆さんにしっかりと聴いて様々な判断をしていくということになっていくわけでございます。

#111
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 いろいろと対策を既に打たれていますので、その対策についても、今、何の法の担保もないままにこの一斉休校だとかイベント、外出の自粛等もされているわけなので、この損失補填について、最後、うまく法律ができたときに接続ができるのかどうかということについてお願いします。

#112
○委員長(水落敏栄君) 時間が迫っておりますので、簡潔な御答弁をお願いします。

#113
○国務大臣(西村康稔君) この法律上、損失補填の規定は幾つかございます。土地、建物を使用した場合とか、隔離の、いわゆる検疫のために施設、ホテルなどを使用した場合にその補填など、幾つかの規定はございますが、全体のバランスを見て、損失補填の規定がないものもございます。
 ただ、政府としては、先般来お話ししております緊急対策等におきまして、しっかりと事業の継続ができるように、あるいは雇用が維持できるような対策を取っておりますので、この法律ができた後、政府対策本部が立ち上がって様々な措置をとることになった場合においても、今回の対応を踏まえてしっかりと対応していきたいというふうに考えているところでございます。

#114
○矢田わか子君 ありがとうございました。引き続きよろしくお願いします。

#115
○高橋光男君 公明党の高橋光男です。
 まず冒頭、私からも、この度の新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた皆様に衷心よりお悔やみ申し上げますとともに、患者の皆様の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。また、この感染症と闘っている医療現場を始めとする皆様に心から敬意と感謝を表しますとともに、国民の皆様に心からお見舞い申し上げたいと思います。
 さて、一昨日、WHOは、新型コロナウイルスがパンデミック、すなわち世界的な大流行であると発表しました。日本でも広範な感染が広がり、まさに大流行になるのか否か、瀬戸際にあります。本日は新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案の法案審議ですので、感染防止策や経済支援策などの政府の具体的な対応については別の機会に譲らせていただきますが、冒頭、政府には、是非国民お一人お一人に寄り添った、迅速かつきめ細やかな御対応をお願い申し上げます。
 それでは、まず、西村大臣にお伺いします。
 本改正法の目的について、特措法の趣旨に照らして簡潔かつ明確に御答弁願います。

#116
○国務大臣(西村康稔君) まさにお一人お一人に寄り添いながら、今回の対策進めていかなきゃならないと肝に銘じて取り組んでいるところでございますが、今回の新型コロナウイルス感染症、今後拡大する可能性もある、終息していく可能性もある。今まさに、専門家の御意見で、持ちこたえている、何とか持ちこたえている状況であります。警戒の手を緩めてはならないという御指摘をいただいているところであります。
 そうした様々な可能性を想定しながら、国民生活への影響を最小化するために、万が一の事態に備えて、この緊急事態宣言の発出も含めて、新型インフルエンザ特措法と同等の措置がとれるように、万が一のときに備えての今回の法改正のお願いでございます。よろしくお願いいたしたいと思います。

#117
○高橋光男君 ありがとうございます。
 私は、この本改正案の目的は、新型コロナウイルス感染症が更なる蔓延のおそれがあることから、新型インフルエンザ等対策特措法上に新たに位置付けることによって、対策の強化を図り、国民の生命と健康への影響を最小限にし、国民の生活と経済を守ることだと考えます。
 報道などでは、あたかも緊急事態宣言を発出できるようにすることが改正目的であるかのようなものもあります。しかし、あくまで国民の生命と健康、生活と経済を守ることが目的だと考えます。緊急事態宣言は、その目的のために、やむにやまれぬ必要に迫られた状況において厳格な要件の下で発出される、言わば手段であります。したがって、宣言そのものについて脅威をあおるような議論は、私は控えるべきではないかと考えます。
 一方で、感染症に伴うこうした緊急事態宣言というのは我が国ではまだ経験したことがありません。一たび発出されれば、そうした国民生活や経済に多大な影響を及ぼすことは必至であります。また、実質的な実施主体でございます都道府県や市町村にも経験がございません。
 大臣と私も同じ地元の兵庫では、伊丹の介護老人施設や姫路の病院などでクラスター感染が確認されており、感染者数も本当に急速に拡大しているところでございます。本改正によって具体的に何が変わるのか、どうしたらいいのか、県民の皆さんも大きな不安を抱えているのが実情であります。
 だからこそ、本改正案について、私たち国会議員は冷静にその内容を審議するとともに、特に肝となる緊急事態宣言に関して、発出に必要な要件、効果、課題等について主権者たる国民の皆様に明確にお示しするとともに、一刻も早く成立させる必要があると考えます。
 本日はその観点から質問をさせていただきますけれども、是非大臣のお言葉で、本改正を機に新型コロナウイルス感染症から一日も早い正常な国民生活を取り戻すに当たっての決意をお願いしたいと思います。

#118
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、様々な御懸念も国民の皆さんの中にはあると思います、この法律に対してですね。ただ、この法律は、まさに御指摘のように、法律が成立した後、万が一の事態のときには緊急事態宣言などを発出することができるという様々な措置がとれることになっておりますけれども、これ、まさに万が一に備えてのことでありまして、我々としてはそういう事態にならないように全力を挙げて今封じ込めに、終息に向けて取り組んでいるところでありますけれども、万が一、国民の生命を守らなきゃいけないというときには、この緊急事態宣言を発出をして、そして様々な措置をとっていくことになります。
 ただ、その際にも、きちんと専門家の御意見を聴いて、どのぐらいの期間がいいのか、余計な期間取る必要ありませんし、どの区域が必要なのか、余計な区域はする必要ありませんし、必要なこと、必要最小限の措置をとっていくということでありますし、都道府県知事の様々な措置に関しても、罰則があるなど強制力のあるものは実は限られております。要請や指示という、何か命令ではありませんので、それに背いたら罰則があるというようなことは非常に限られたものになっております。
 ですので、まさに物資を、マスクとかの物資を保管しなきゃいけないのをせずに、どこかに売り渡したりしている場合には掛かるような規定になっておりますが、必要最小限のそういう措置になっておりますので、そういう意味では、五条にありますように、基本的人権をしっかり尊重しながら、しかし、国民の生命を守るためにやるべきことを、規定があるということでございます。
 私としては、まさにこれはできれば伝家の宝刀であり続けてほしいと思っております。まずは終息に向けて全力で取り組んでいく、そういう決意でございます。

#119
○高橋光男君 ありがとうございます。
 それでは、現行の新型コロナウイルス感染症対策に関わる、まず機関の位置付けと、その基本的対処方針について何点か伺いたいと思います。
 今、もう御案内のとおり、この新型コロナウイルス感染症については対策本部が設置されています。本法改正後はこれが法律上の政府対策本部になるものと理解します。また、第十八条によれば、この政府対策本部というのは、政府行動計画に基づき、新型コロナウイルスへの基本的対処方針を定めることになると思います。さらに、この方針の策定にあっては専門家の意見を聴かなければならないと定められています。十八条の四項です。その専門家は、法律上、基本的対処方針等諮問委員会に当たるものと承知します。
 そこで、この本改正法成立後、現在の新型コロナウイルス専門家会議はどうなるのでしょうか。
 また、新型コロナウイルス感染症についての基本的対処方針はいつ作成されるのでしょうか。現在の拡大状況を踏まえれば、本法案成立後直ちに策定されることが望ましいと考えます。そうした基本的対処方針において定められる事項とその策定の見通しについてお伺いします。

#120
○政府参考人(安居徹君) お答え申し上げます。
 まず、今回の改正法が成立した場合、改正法の規定に基づきまして、まず、蔓延のおそれが高いと認められるときに厚生労働大臣が総理に報告を行った場合に、政府対策本部がまず立ち上げられるということになります。そして、議員御指摘の専門家会議は、現在の新型コロナウイルス感染症対策本部の下に置かれた会議体でございまして、これまで様々な対策について医学的な知見の専門知識を踏まえた御意見をいただいております。
 改正法新型インフルエンザ等対策措置法の施行後、法十五条一項の規定によりまして、いわゆる十五条に基づく政府対策本部というのが設立されるわけでございますが、その後は、政府行動計画において定められているとおり、基本的対処方針等諮問委員会の御意見を聴きながら、基本的対処方針等を定め、各種の措置をとっていくものということになります。
 なお、政府対策本部が設置された後のいわゆる今ございます専門家会議の扱いにつきましては、両会議のこれまでの経緯も踏まえまして、関係の整理も含め、検討してまいりたいというふうに考えております。
 それと、いつ頃策定されるのかという御質問ございました。
 冒頭申し上げましたように、今回の改正法が成立した場合、改正法の規定に基づきまして、繰り返しになりますが、蔓延のおそれが高いと認められるときに厚労大臣が総理に報告をまず行うという場合に、政府対策本部がまず立ち上げられるということになります。
 次に、既に閣議決定しております政府行動計画に基づきまして、繰り返しになりますが、基本的対処方針を定めることとしております。基本的対処方針の策定に当たりましては、政府行動計画を踏まえまして、事態の推移を見極めつつ行うことになりますが、具体的な内容につきましては、既に策定した基本方針を参考にしながら、専門家の意見を聴きながら、実際に生じている事態の状況に即して定めるということになります。

#121
○高橋光男君 ありがとうございます。
 今、最後にございました基本的対処方針に関して、これは本当にこれからの、政府がこの感染症に対してどのような対応をしていくのかということを定め、非常に指針となる、重要な文書になるかと思います。
 一方で、今の現行の基本方針、これは二月二十五日に定められたものでございますけれども、それからもう今現在に向けて状況は刻一刻と変化していっているわけでございます。一方で、この現行の基本方針でございますけれども、典型的な官僚の作文で、何がポイントか伝わりにくい。是非、国民にとって分かりやすい内容として早急に策定していただくようお願いします。
 次に、緊急事態宣言の発出に関する要件につき、伺いたいと思います。
 要件については二つございます。お配りしている資料にもございますように、もう今日も何度も確認されたかと思いますけれども、要件の一、これはウイルスそのものの重篤性の要件と言われますが、現在の新型コロナウイルスの発生頻度が相当高いとみなされるのか、また次に、要件の二として、これはウイルスの全国的かつ急速な蔓延による影響に関してですけれども、この要件に照らして、今そうした影響がもたらされているというふうに言えるのかといったようなことが問題になるわけでございますが、今日の、今朝の参考人の見解によれば、本日時点ではこれらの要件は満たされず、直ちに緊急事態宣言が発出されるような状況ではないということは明らかになりました。
 しかし、これらの要件については、いずれも定量的なものではなく、定性的な表現で曖昧さは否めないと思います。恣意的な判断が許されないこそ、要件の該当性については基本的対処方針等諮問委員会が行う専門的評価が大変大事になるかと思います。
 したがいまして、緊急事態宣言の決定を行うに当たっては、そうした専門家の意見を十分踏まえて慎重になされることを担保することが極めて重要かと思います。
 この点は、公明党として与党審査のプロセスにおいても強調させていただいた点でございますけれども、ついては、これらの点についても基本的対処方針にしっかりと明記すべきと考えますが、いかがでしょうか。

#122
○大臣政務官(神田憲次君) お答え申し上げます。
 緊急事態宣言の要件に該当しているかどうかの判断に際しましては、政府行動計画において、専門家で構成される基本的対処方針等諮問委員会に諮問することを定めておるところでございます。
 緊急事態宣言をした場合には、先生御承知の、私権を制限する措置ということを行い得るというところから、法第五条におきましては、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するための必要最小限のものでなければならないというふうに規定されていることも踏まえまして、専門家の意見も聴きながら適切に判断する必要があるものと考えておるところでございます。
 先生に御指摘を賜りました点、この点におきましては、十分考慮いたしまして、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

#123
○高橋光男君 ありがとうございます。
 では、続いて、緊急事態宣言による効果について伺いたいと思います。
 国民の皆様にとって、いざこうした宣言が出されれば、不当に自由と権利が奪われるのではないかと考える人も多いと思います。今日もいろいろ私権の制約ということで御議論があったところかと思います。また、政府からの要請や指示に従わない場合、罰則が科されるのではないかといった受け止め方もあろうかと思います。
 しかしながら、この本法律の大原則は国民の基本的人権の最大限の尊重でございまして、その旨は、第五条にございますように、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するために必要最小限のものでなければならないという点は、今日何度も指摘があった点かと思います。
 そこで、まず確認をさせていただきたいのは、冒頭、大臣からもございましたように、この罰則という点についてですけれども、この法律において私人との関係で強制力を有するのは、あくまで罰則規定がある次の二つの場合に限られるのかという点です。すなわち、五十五条三項への違反、つまり、これ特定物資の確保のための保管命令に背きましてその物資の隠匿、損壊、廃棄等を行った者への罰則、そしてまた、七十二条への違反、これは特定物資の保管場所等への立入検査を拒否した者への罰則、この二点に限られるのかということです。
 ですので、それら以外、例えば外出の自粛規制や施設使用の要請、施設使用要請に応じない場合に措置を講ずべき指示等については、こうした要請や指示に従わない場合でも罰則が適用されることはないのか。その意味で、私権の強制的な制約ではないと捉えてよいのでしょうか。
 また、その制約については、外国人に対しても同様と考えてよいでしょうか。

#124
○政府参考人(安居徹君) お答え申し上げます。
 議員から御質問があった法第四十五条第一項、第二項及び第三項につきましては、法第七十六条及び第七十七条の罰則の対象外となっております。
 なお、この点について、日本人と外国人とで扱いは同じでございます。

#125
○高橋光男君 ということであれば、やはりそれら二つ以外の、例えば、外出自粛要請はあくまで協力要請であって、また、施設の使用制限の要請についても、これは今も行われているような学校の使用制限も含まれるものだと思いますけれども、こうした要請に応じない場合の指示についても、仮に従わなくてもこれは罰せられることのない前提での要請、指示になろうかと解します。この点は私はすごく大事な点だと思っております。
 例えば、収用などについても、法律上規定のない強制収用などというふうに言うこれも報道もございまして、あたかも法的強制力を伴ったもののように伝えるような向きもあるので、正しい理解が必要だと考えます。
 とはいえ、一たび都道府県がそうした要請なり指示なりをすれば、受け取る側にとっては、やはり従わなければならないのではないかというふうに受け止める心理的な圧力が掛かると思います。経済的な萎縮効果も甚大になるかと思います。
 特に施設制限に関しては、今実際行われているような学校の使用制限やイベント開催のみならず、社会福祉施設や興行場、いわゆる映画館や球場などの施設なども対象になります。だからこそ、たとえ協力要請であっても、社会的混乱を回避するために、政府による関係者への丁寧な説明が不可欠だと思います。
 その意味では、政府として、宣言を発出する前、私は改正後すぐにでも取りかかるべきだと思いますが、施設の使用制限やイベント開催制限を始め、この法律によって制約され得る私人、法人等の権利の趣旨、内容、そして具体的にどのような基準に基づけばよいのかも含めて丁寧かつ十分な周知を行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。

#126
○政府参考人(安居徹君) お答え申し上げます。
 議員御指摘のいわゆる休業要請等につきましては、各都道府県の知事の判断において行われるわけでございます。これは緊急事態宣言が出された後の話でございますが、政府といたしましても、各自治体との密な連携を図りつつ、国民への丁寧な周知に努めてまいりたいというふうに考えております。

#127
○高橋光男君 ありがとうございました。
 本日確認させていただいたように、本改正案について大事なことは、まず、政府として、国民にとって今後の対応について分かりやすい基本的対処方針を早期に定めること、またそして、国民にとって懸念される緊急事態宣言の要件についてしっかりと政府として説明責任を果たすこと、そして、この宣言による効果、特に私人の権利制約がどの程度及ぶかにつき正確な理解を促すことが、国民が一致協力してこの感染症に対処していくために不可欠である、この三点かと思います。
 最後に、繰り返しになりますけれども、正常な国民生活を取り戻すためには、緊急対応策を始めとする支援策を迅速に実施に移すことが何より大事でありまして、政府には重ねてきめ細やかな対応をお願い申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#128
○委員長(水落敏栄君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午後一時四分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会

#129
○委員長(水落敏栄君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、宮崎雅夫君及び長浜博行君が委員を辞任され、その補欠として本田顕子さん及び岸真紀子さんが選任されました。
    ─────────────

#130
○委員長(水落敏栄君) 休憩前に引き続き、新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#131
○清水貴之君 日本維新の会の清水と申します。よろしくお願いをいたします。
 まず初めに、昨日、WHOがパンデミック宣言を出しました。また、アメリカのトランプ大統領も記者会見を開きまして、ヨーロッパからの入国を三十日間禁止するというかなり大胆な対応を取るということを明言をされました。
 こうなってきますと、じゃ、今度は日本の対応はどうなのかというのも気になるところでして、今急激に感染者が広がっているのがイタリアを始めとしたヨーロッパです。つい先ほど、シンガポールもこのヨーロッパ諸国、イタリア、スペイン、ドイツ、フランスなどからの入国制限措置をとるということをこれ決めたそうでして、日本も今後対応を考えていくべきではないかというふうにも思われます。
 西村大臣には、WHOのパンデミック宣言、アメリカの対応、そして入国制限など、もろもろについての見解を聞かせていただけますでしょうか。

#132
○国務大臣(西村康稔君) WHO事務局長が、各国による感染の拡大の状況をパンデミックの状況にあるという表現をされているものと承知をいたしております。他方、日本の状況は、専門家会議の皆さんの見解で、専門家の皆さんの見解で、爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度持ちこたえているという評価が出ているところでございます。WTOは、この世界的な、特に米国、欧州を含むその広がりについて判断をしてきたものというふうに、したものと受け止めているところであります。
 当然、この海外の感染拡大の状況に応じていわゆる水際対策を強化することについては、これは状況に応じて適切に判断をしていきたいと、対応していきたいというふうに考えているところでございます。特に、御指摘の欧州からの入国制限につきましては、感染者数の拡大を総合的に判断をして、既にイタリアの一部の州並びにサンマリノの全域を入国管理法に基づく入国拒否の対象地域に指定しているところでございます。
 今後も、感染状況の拡大を見ながら、適切に対応していきたいというふうに考えているところでございます。

#133
○清水貴之君 本当にここ数日で世界がダイナミックに動いているような、それぞれの対応が本当に急変しているような印象を受けますので、日本もしっかりとそれに追い付くといいますか、しっかり対応を取っていただきたいなというふうに思います。
 法案の中身についてお伺いをします。
 まずは、この緊急事態措置の期間についてです。三十二条や四十五条などに入っているところですけれども、政府対策本部長、総理ですね、緊急事態措置を実施する期間を公示するとあります。期間は二年を超えてはならないというふうにありまして、延長は一年を超えてはならないというふうにあります。
 この辺り、二年という、なぜ二年なのかという根拠であったりとか、延長が一回だけなのかどうなのか、どういった状況で延長することができるのか。この辺り、期間に関する考え方をお聞かせください。

#134
○国務大臣(西村康稔君) この新型インフルエンザ特措法においては、この新型インフルエンザの特徴として、その感染力の高さから、海外で発生しても病原体の国内への侵入を防ぐのはこれなかなか難しいと、厳しいものがあるということで、その上で国内でも蔓延するおそれがあるということで考えられておりまして、最終的に大多数の国民が免疫を獲得して、いわゆる季節性のインフルエンザとなるまでに一、二年を要するというふうに考えられているところでございます。この季節性インフルエンザへの移行期間を踏まえて、特措法三十二条に定める強制的な措置をとり得る緊急事態というものの期間を二年間に限定をしているところでございます。
 いずれにしましても、この緊急事態宣言を発出する場合には、学識経験者の意見を踏まえて、いわゆる基本的対処方針においてその実施すべき期間等を具体的に定めて公示することとされているところであります。
 さらに、都道府県知事が、法四十五条に基づいて、外出の自粛やイベントの制限など、こういう要請などを行う場合には期間を定めて行うことになっているところであります。それは、その期間はこの緊急事態宣言の期間より当然短いものになるということが想定されます。
 その上で、いわゆる政府対策本部の本部長、総理大臣には総合調整の権限が与えられますので、専門家の意見を聴いて、この措置の内容、期間について都道府県知事が適切に判断できるように、そういうふうに運用していきたいというふうに考えているところでございます。

#135
○清水貴之君 都道府県知事の方、四十五条の方で、これ国が定めた期間の範囲内というのは分かるんですが、例えば、延長できるのかどうなのかとか、その回数がどうなのかとか、その長さがどうなのか、こういった規定がないように思われるんですが、この辺りはどうなっているんでしょう。

#136
○国務大臣(西村康稔君) その点については、先ほど申し上げましたけれども、政府本部長たる内閣総理大臣に総合調整の権限が与えられますので、そうした中で、当初、緊急事態宣言で決められた期間、区域の中において知事が様々な措置をとれることができるわけでありますけれども、その知事のとる措置につきましても、この総合調整の中でしっかりと調整していきながら、ある程度終息してくれば、その知事のとる期間についても短くする、あるいは範囲を狭くする、こういったことも可能でありますし、感染が拡大してくれば、それはまた広げるということも可能かというふうに考えているところでございます。

#137
○清水貴之君 今お話挙げていただいた区域についてもお伺いしたいと思うんですが、これも三十二条や四十五条に入っておりますけれども、国が定める区域というのはどういう単位なんでしょうか。四十五条では、都道府県知事が様々指示をできるという話になっています。県単位でということは想定できるんですが、ただ、これかなり広域にわたる場合もありますので、どういった区域を想定してこの三十二条、四十五条などは設定されているんでしょうか。

#138
○国務大臣(西村康稔君) まず、この緊急事態宣言を発出する場合は、繰り返しになりますが、どういう期間、区域にするか、これは、専門家の意見をしっかりと聴いて、そして基本的対処方針等諮問委員会に諮問することになっております。行動計画においてそう定めているところであります。
 したがって、専門家の意見をしっかり聴くという大前提の下でありますけれども、その実施すべき区域については、この政府行動計画において、想定される区域の在り方として、広域的な行政単位である都道府県を基準とし、発生区域の存在する都道府県及び隣接県を指定する。その際、人的な動き、人の交流、生活圏とか通勤圏が県をまたがってもある場合もありますので、そういったことも勘案して柔軟な区域設定をするという考え方を提示しているところでございます。
 その上で、感染拡大の状況などを踏まえて、どういう経路でどういうふうに生活圏の中で広がっているのか、そんなことも踏まえながら決定をしていくことになるというふうに考えております。

#139
○清水貴之君 また、先ほどと同じで、都道府県知事が定める区域、これも四十五条に期間及び区域においてとありますので、知事の方もその区域を定めていくことになるわけですが、これもどういった単位、まあ市区町村というのが一つの単位ですので、こういった単位というのが自然なようにも感じるんですが、この辺りも明記がありませんので、どういった立て付けになっているんでしょうか。

#140
○国務大臣(西村康稔君) その点もこの政府で定めております行動計画に記載をしておりまして、対象となる区域につきましては、まさに先ほどの人の移動、交流の実態等を踏まえて、蔓延防止に効果があると考えられる区域、これは基本は市町村単位、そして都道府県内のブロック単位という書き方をしておりますが、ある市町村が広域でブロックをつくったりしておりますので、そういったことが考えられるという規定を示しているところでございます。

#141
○清水貴之君 今お話あったとおり、都道府県のその指定に当たっては、県をまたぐ場合など、そういう話もありましたけれども、やっぱり近隣、その自治体との調整とか、こういうのも必要になってくると思います。
 今回の学校の一斉休校要請のように、やはり突然ああいうことを言われても困る、対応をどうしたらいいんだという話もありますので、事前に協議をすることも必要かなというふうにも思います。急に緊急事態宣言出されても、都道府県として、じゃ、期間どうしたらいいんだ、区域どうしたらいいんだという話にもこれなりかねませんので、例えばですけれども、国と都道府県との連絡協議会のようなものをつくってしっかりと対応を協議していく、話をしっかり煮詰めていく、こういった仕組みをつくっていく必要があるんじゃないかとも思いますが、これについてはいかがですか。

#142
○国務大臣(西村康稔君) まさに、緊急事態宣言がなされた、発出された後には都道府県知事に様々な権限が与えられます。まさに住民に対する外出自粛要請であったり、あるいは施設の使用制限の要請であったりですね、ような権限が与えられますので、それを適切に運用してまさに都道府県内の蔓延を防止していただくことが必要となってくるわけであります。
 政府の行動計画におきましても、国と都道府県との連携協力、この確保が強調されているところでございます。もう既に閣議決定している、しっかり連携協力していくことということが書かれているわけでありまして、特に緊急事態宣言を出すような局面においては、対象となる都道府県も含めてしっかりと連携してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 先般、十日の日には、今の状況に鑑みまして、急遽国と地方の協議の場を開催いたしまして、地方六団体の方々にお集まりいただきました。その場において、現在の感染状況や地方の要望なども共有を、地方の懸念も含めて共有をいたしましたし、私からも、このインフルエンザ特措法の考え方を説明をしたところでございます。
 今後とも、御指摘のように、地方自治体との連携を緊密にして、地方の現場の声をしっかりと聞きながら、この新型コロナウイルス感染症への対応を進めてまいりたいと考えております。

#143
○清水貴之君 最終決定は政府かもしれないんですが、実際に動くのはやはり地方自治体ということになっていきますので、その辺りをしっかりお願いしたいなというふうに思います。
 続いて、イベントの自粛に関してなんですが、まず、これは三月十日だったと思うんですけれども、総理が自粛期間の延長要請というのを表明をいたしました。十日間ほどその自粛を、自粛の取組を続けるよう要請をしたということなんですが、この時点での十日間というその日にちの根拠であったりとかその判断の材料となったもの、こういったものはどこからこの期間などが出てきたのでしょうか。

#144
○国務大臣(西村康稔君) 二月二十四日にこの一、二週間が急速な拡大に進むか終息するかの瀬戸際というふうにされた、その新型コロナウイルス感染症の現状でありますけれども、その後、三月九日の専門家会議では、爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度持ちこたえていると、他方、同時に、依然として警戒を緩めることはできないとの見解が示されたところでございます。また、そのときに、三月十九日頃を目途にこれまでの対策の効果について判断が示される予定ということでございます。
 つまり、北海道を中心に、北海道は自ら自粛をされましたし、学校の一斉休校のお願いもしたところでありまして、こうした効果がどの程度出ているのか、感染の状況はどうなっているのかということを分析する時間が必要だということでございます。
 三月十九日頃を目途に効果の判断が示される予定となっておりますので、政府としては、その専門家会議の判断が示されるまでの間、今後おおむね十日間程度をこれまでどおり取組を継続していただけるようにお願いをしたところでございます。

#145
○清水貴之君 その自粛を要請する際のイベントなどの規模や種類についてなんですけれども、この辺り、我々維新の会としては非常にこだわりを持っているところでして、四十五条には、学校、社会福祉施設、興行場など不特定多数が利用する施設の使用の制限、催物、イベントの開催そのものの制限や停止を要請できるというふうな書き方がされておりますが、じゃ、そのイベントとか催物の規模とか種類、こういったものは明確になっていないわけですね。ですから、今は本当にもうありとあらゆるイベントだとか、それこそ飲み会であったりとか飲食関係だったり、もういろんなものが今自主的にどんどんどんどんキャンセルという状態になってきています。今、この何とか抑えなきゃいけないという状況では、これもある程度、もうとにかく自粛してくれというのも一つの方法なのかもしれませんけれども、ただ、やっぱりだんだんこのコロナウイルスというのも見えてくるというふうに思うんですね。
 先ほどの参考人質疑でもありましたけれども、やはり感染しやすい、広がりやすい状況というのもある程度見えてきているという話もありました。そうなりますと、今度は、例えば今行われる時期の卒業式とか入学式とかも、例えばですけれども、ある程度間隔を持って行ったらいいだとか、屋外だったら大丈夫だとか、こういったものもある程度見えてくるんじゃないかと思うんですよね。若しくは、あとは人数とか密集度合いとか、こういったものを示していく。これを読みますと、もうとにかく自粛自粛ということになってしまいまして本当に何もできないと、社会活動自体が止まってしまうということになります。
 こういったところの兼ね合い、非常に難しいと思うんですけれども、これに対しての考えを聞かせていただけますでしょうか。

#146
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘の御懸念はもっともでございまして、私は経済も見る立場からしますと、もう完全に経済が止まってしまっているような状況でありまして、何とかできないものかなというふうに考えつつも、一方で、やっぱりこの感染症を封じ込める、新型コロナウイルスを何とか終息させるということが何より大事でありますので、今国民の皆様には本当にいろんな様々な御不便をお掛けしておりますけれども、何とか御理解いただいて、終息に向けて、これが何よりのやはり経済にとっても一番いいことでありますので、早く終息させるべく頑張っていきたいと考えているところでございます。
 その上で、この三月九日にまとめられた新型コロナウイルス感染症の専門家会議の見解によれば、三つのことが言われておりまして、換気の悪い密閉空間であること、多くの人が密集していること、それから近距離、これは互いに手を伸ばしたら届く距離というふうに示されておりますが、その距離での会話や発声が行われたという三つの条件が重なる場所が集団感染しやすいということでございます。したがって、特にこれを我々注意をしなきゃいけないということであります。
 御指摘の緊急事態宣言がなされた後に具体的にいかなる規模、種類のイベントについて自粛を要請するのかということに関しましては、当然、その地域の実情、感染の状況、それからイベント等によるリスクを総合的に勘案しながら都道府県知事において適切に判断されることとなると考えますけれども、今も施設のお話がございました。午前中の質疑でも、カラオケとかのお話も御指摘もいただきました。今回、屋形船もああいう形で集団感染の一つになっているわけですけれども、屋形船は当然船でありまして固定された施設ではありませんので、カラオケもそうですけれども、今の政令には入っておりません。
 こういったいろんなことを勘案しながら、施設についてはもう政令で規定されておりますのでその施設しか指示は出せないわけでありますけれども、今後のことはいろいろ考えていかなきゃいけないなというふうに思っているところですけれども、いずれにしましても、政府の対策本部長には調整権限がありますので、専門家の意見を聴きながら、都道府県知事が適切に判断できるようにしていきたいと思いますし、何より第五条の基本的人権の尊重、対策は必要最小限のものではならないということがありますので、そうしたことも念頭に置きながら、適切に都道府県知事が判断できるように対応していきたいというふうに考えているところでございます。

#147
○清水貴之君 その自粛の要請なんですけれども、四十五条の二には、当該施設の使用制限、停止、催物の開催の制限、停止などを要請することができるとあります。正当な理由がないのに要請に応じないときは当該要請に係る措置を講ずべきことを指示することができるというふうに書いてあります。要請と指示なんですね。
 ということは、やはり最終的にはその主催者の判断に任される部分もあります。これ、罰則規定もありませんので、うちはやるんだと、そんなこと言われたって進めるんだという方々ももしかしたらいるかもしれません。そういった場合に、もうさっき大臣もおっしゃったとおり、大分こういった状況が、感染拡大のリスクがあるというのが分かってきています。例えば、大阪でしたら、ライブハウスからかなり広範囲に、しかも多くの方々の感染が広がっているというのも分かっています。こういった催物、ここは明らかに止めた方がいいんじゃないかというところも、なかなかこれ、今の要請、指示でしたら止めることができないということにもなりかねません。
 この辺りも、先ほどの必要最小限度のところなどの兼ね合いで難しいところだとは思うんですが、果たして十分なのかどうなのかなと思うところもあります。この辺りについてのお話、聞かせていただけますでしょうか。

#148
○国務大臣(西村康稔君) まさに、緊急事態宣言がなされた後、蔓延防止の観点から、大規模施設の使用制限、停止とか、それを使用したイベントとかですね、こうしたイベントの制限、停止など、都道府県知事には要請や指示を行う権限が与えられているところでございます。一方で、御指摘のように、必要最小限でならないという基本的人権の尊重があります。そのため、この法体系では、その辺りのバランスを考えて、行政処分を導入すること、あるいは強制力を強化することについては非常に慎重な法の体系となっております。
 幾つかのことについては罰則規定もありまして、例えば、医薬品とかマスクなどの物資の保管を命じたりしたけれども、それを廃棄したり、どこかに出したりとかそういった場合とか、あるいは必要な立入検査を拒んだ場合とか、あるいは虚偽の報告をした場合とか、こういったところには強制力があるんですけれども、罰則があるわけですけれども、全体のバランスを、基本的人権とのバランスを考えて指示にとどめている部分がございます。
 ただ、これは、法の四十五条の四項で、そうした指示を出したときにはその旨を公表することになっておりますので、この施設は使わないようにと指示を出した、あるいは、ということを出した上でイベントの自粛も、停止も要請をしておりますので、仮にそれに従わなくとも、その旨を公表していますから、当然住民の皆さんはそのことが分かりますので、そういったところでこの措置の効果を担保していこうとしている法体系になっているんじゃないかなというふうに理解をしているところでございます。

#149
○清水貴之君 我々、そこまで強く要請、指示をしてイベント自粛という結果になった場合には、やはりそこに様々な経済的な損失も発生するわけです。その補填なり、補償なり、財政上の措置、こういったものも必要ではないかなというふうに思っております。
 これ見ていきますと、二十九条とか四十九条、五十五条には処分が行われるときの損失補償の規定があるんですが、これはあくまで医療関係の話になっているんですよね。臨時で医療施設を開設する、そのために例えばある施設を使ったとか建物を使ったときにはそれは建物の家賃を払うべきだとか、医薬品や食品をある意味強制的に使うことになった場合にはその分の費用を払いなさいよというような話なんですね。ですので、イベントに対する損失補填とか、こういった話ではないわけです。
 我々維新は、附帯決議、衆の方でここの部分はかなり強く主張させていただきまして、附帯決議では、四十五条における施設利用等の制限要請等を行うに当たっては、その実効性の一層の確保を図るため、当該要請等によって経済的不利益を受ける者への配慮を十分に検討することという、この文言を入れてもらっています。
 配慮を十分に検討という、何とも分かりにくいといいますか、どこまでというような話ではあるんですけれども、こういった財政上の措置に対しての見解を聞かせていただけますでしょうか。

#150
○国務大臣(西村康稔君) この特措法においては、御指摘のように、緊急事態宣言出された後に施設の利用制限、使用制限とかイベントの停止とかを要請、指示をする権限がございます。それに加えて、繰り返しになりますが、必要最小限となるものということの基本的人権の尊重の要請もございます。
 この損失補償については、この緊急措置の内容、知事が行う指示とかの内容、それから強制力、それから御指摘の対象者が被る不利益等を総合的に勘案して位置付けをなされておりますので、その全て、一律全てに補償措置を法律上位置付けているわけではございません。
 一部、その法の六十二条におきまして、幾つかのこと、検疫の過程で停留をして宿泊施設を使用する場合に、その宿泊施設への損失補填とか、土地や建物を使用した場合の損失補償とか、それから、物資を収用する、まさにマスクとか医薬品を使うというときの損失補償とかの規定はございます。ですので、その辺りの全体のバランスを考えて検討をしていく必要があるというふうに認識をいたしております。
 一方、政府としては、様々な御不便を掛けておりますし、いろんな事業の活動縮小、余儀なくされている方がたくさんおられますので、中小企業への資金繰り、それから雇用の維持、これに対しては先般も更に強力な支援措置を設けたところでございますし、もう既にスタートを切っているところでございます。
 今後、この緊急事態宣言が仮に発出をされてこのような同様な措置がとられた場合には、今回の取りましたこの対応を踏まえて適切にしっかりと対応していきたいというふうに考えておりますし、全体、全て終息した後に法全体の、感染症法との関係も含めて見直しをしていく、見直しというか検討を加えていく、何がどういう在り方がいいのかとかということを考えていく中で幅広くいろんなことを検討していければなというふうに考えているところでございます。

#151
○清水貴之君 続いて、入国制限措置についてお伺いしたいと思います。
 冒頭で、ヨーロッパなどへも今後広げていく、その可能性というのも考えるべきじゃないかというお話させていただきましたが、せんだって、三月九日、今週月曜日からは、中国、韓国からの入国制限措置というのが導入をされました。まず、その状況などをお聞かせいただけますでしょうか。

#152
○政府参考人(石岡邦章君) お答え申し上げます。
 私の方からは、中国人及び韓国人の新規入国者数について答弁させていただきます。
 令和二年三月九日から三月十一日までの三日間の中国人及び韓国人の新規入国者でございますが、取り急ぎ集計しましたところ、いずれも一日当たり十人を下回る程度の入国者となっておる、新規入国者となっているところでございます。

#153
○清水貴之君 もうかなりの絞られた人数になっているんですが、ただ、その後の、一応、十四日間のその観察措置という話になっていますが、この辺りも、じゃ、果たして本当に効果的かどうかということですね、ちゃんとその皆さん方がどういう状況なのかというのを把握できて管理できている状態なのか。これについていかがですか。

#154
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 中国及び韓国から日本に入国される方につきましては、この入国制限発動後ですけれども、出国前に現地の大使館等を通じた情報発信、あるいは厚生労働省及び航空会社のホームページなどにより、日本入国後に待機等の要請がなされる旨をまず周知しております。
 入国時には、対象となる方々全員に質問票及び健康カードを配付し、日本国内での待機場所や連絡先について御記入いただくとともに、入国後に要請される事項につきまして改めて御認識いただいております。
 日本に到着後、検疫所におきまして一人一人サーモグラフィーにより発熱等の症状の有無を確認した上で、症状がない、認められない方につきましては、質問票及び健康カードに記載いただいた国内での滞在先を検疫所長が待機場所として指定いたしまして、待機場所への公共交通機関以外での移動、それと待機場所での十四日間の待機を要請しているところでございます。
 また、発熱等症状がある方、また、湖北省、浙江省、大邱広域市など、中国、韓国で特に感染が拡大しているとされている地域に滞在歴のある方につきましては、これは症状があろうがなかろうが全員でございますが、PCR検査を実施しております。このPCR検査が陽性だった場合には第二種感染症指定医療機関で隔離、入院という措置をとりますが、陰性でございましても入国後に保健所等による定期的な健康観察を実施しているところでございます。
 引き続き、中国、韓国から入国される方々に対しましては、水際対策、着実に取り組んでまいります。

#155
○清水貴之君 その空港でのPCRというのは非常に有効ではないかなというふうに思っております。
 例えば、シンガポールでも同じようなことをして、まずはサーモグラフィーで選んで、もし発熱の症状があったら、もう質問をとにかくしていく。せきはどうですか、鼻水はどうですか、十四日以内どこ行きましたかという話をして、直ちに疑わしいとPCR検査をすると。結果が出るまではもう空港内で待機させて、若しくはホテルなどで待機をさせて完全に行動を把握した上で、陽性だったらもうすぐに病院へという話なんですね。今、中国、韓国の方、もう来られる方減っていますので、そういった対応も大分密にできるんじゃないかと思うんですね。
 今後は、じゃ、それが今世界中で広がっていますから、そういった対応を国などを選ばずにどこまで広げていくかということなんですが、やはり空港で水際でどれだけ止めていくかというのもこれも大事だと思いますが、空港での検疫強化についてのお話、引き続き聞かせていただけますでしょうか。

#156
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、今、中国、韓国の対応にとどまらず、先ほど議員から御指摘ございましたイタリア、さらにイランに対しましても、有症者等につきましてはPCR、もちろんやっておりますけれども、有症者でない場合でも留め置いてPCRを実施し、陰性、陽性確認した後に国内に入っていただく。もちろん、公共交通機関は使わないでということで、自宅待機ということで今お願いしているところでございます。
 ただ、今後のことでございますが、そうした地域外のところ、いわゆる感染が拡大しているとされている地域に滞在歴のない方につきましては、私どもといたしましては、症状がないということを確認した上で入国の方を許しているところでございますけれども、この待機期間中に発熱等の症状があった場合には帰国者・接触者情報センターに申し出るようにこの方々にはお願いをしているところでございます。
 引き続きこうした形で検疫の方を実施していきたいと、そういうふうに考えております。

#157
○清水貴之君 続いて、国内でやはり感染者が増えてきておりまして、大切なことはやはり医療崩壊を起こさないことだというふうに思います。
 これ、大阪府が新しい基準を作ってその制度を始めました。始めますね、十三日からですね。入院フォローアップセンターというのを設置する。今日からですね。大阪府の独自基準を作って、リスクに応じて四段階で振り分けていこうという話なんです。
 現在は、感染された方、もう軽症の方も、全く症状が出ていない方も今は感染症の指定医療機関に全て入院するというような状況になっています。ただ、ここがもういっぱいになってきて、もうなかなか回らなくなってきているという、そういった都道府県も出てきています。愛知とか名古屋なんかも悲鳴を上げていますね。
 なので、どうするかということで、一般の病院、若しくは閉鎖している病院、今使っていないところですね、さらには、一般の宿泊施設、医師を派遣してホテルとか宿泊施設もそういった場所にしようと。で、振り分けようということをしています。本当に重症の方、重い方は感染症指定の医療機関にと、そこまででもない方は一般の病院だとかホテルだとか、少し医療設備でいったらそこまでではないところに行っていただこうということで、医療崩壊を起こさないようにという仕組みを今つくって進めております。
 今始めたところでこれが今後どうなっていくか分かりませんが、もうそうやって各自治体、非常にいろいろ今工夫をしながら、いろいろ苦しみながら、いろいろ取り組んでいるところなんですが、私は、大阪で維新がやっていることなのでひいき目もあるかもしれませんが、非常に振り分けというのはいい方法ではないかなというふうに思っております。うまく成功すれば、これはもう是非全国でということも考えていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

#158
○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。
 大阪府では、委員御指摘のとおり、入院フォローアップセンターというものを立ち上げていらっしゃるというふうに聞いてございます。詳細については把握し切っているわけではございませんけれども、委員御指摘のとおり、患者の症状やリスクに応じて適切な医療機関に振り分けるものというふうに聞いてございます。
 厚生労働省では、今後、仮に新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりまして入院を要する患者が増加した場合には、新型コロナウイルス感染症の感染者のうち重症者を優先的に受け入れる医療機関を選定することなど、対策の移行に向けた準備を進めることを各都道府県にお願いしているところでございます。御指摘の入院フォローアップセンターというものは、大阪府においてこうした取組を先進的に取り組んでいただいているものというふうに理解しているところでございます。
 いずれにいたしましても、各都道府県におきまして地域の実情に応じて医療提供体制の整備をお願いしたいというふうに考えているところでございます。

#159
○清水貴之君 その地域の医療でいいますと、大臣も御地元で、私もですが、兵庫県でも今感染がかなり広がってきておりまして、介護施設での集団感染が伊丹市で疑われております。あと、認定こども園ですね、これは神戸市ですけれども、ここでも集団感染の疑いがあると。北播磨医療センター、小野市ですけれども、ここはドクターが感染が発覚しまして、三十四の外来、救急、新たな入院の受入れが休止されました。ここ、周辺人口は二十七万人ぐらいおります。ということは、そこの地域の基幹病院がこれ使えなくなるということは、非常に、本当に周りで通っていらっしゃる患者さん、ふだん使われる方若しくは救急で使われる方にしたら大変な今リスクを抱えているわけですね。
 国では感染症のチームがあって、姫路市などは派遣を要請しているということなんですが、こういった各地域地域のやはり医療崩壊を起こさないための政策というのも、これは地元の話なので何とかもうお願いというような形になってしまうんですけれども、こういったことも一つ一つしっかりと見ていっていただきたいと思いますが、是非回答をお願いいたします。

#160
○政府参考人(吉永和生君) 各地域におきまして新型コロナウイルスの感染が広がった場合に、クラスターバスターズという形で職員を派遣して協力をしている例が幾つかの地域でございます。姫路市からも支援の要請があったことは認識してございます。具体的にどのような支援が可能かにつきまして、姫路市及び兵庫県と調整しながら検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 いずれにいたしましても、今後とも、自治体や医療機関と連携しながら、必要な医療提供体制をしっかりと整備していくということで進めていきたいとも考えてございます。

#161
○清水貴之君 これ十四番の質問なんですが、今度は逆に、回復した方とか退院した方の情報提供というのも、これも是非積極的に行っていただきたいなというふうに思います。
 昨日、NHKを見ていたら、これだけの人数の方退院されていますというのがニュースで流れていましたので、どんどんそういう情報というのも出てきているのかなとは思うんですけれども、何人増えました、何人ということだけではなくて、やっぱり、どういった状況で、感染された方がどれぐらいの期間例えば入院していた、どういう症状になったら回復された、そして一般で生活をしている、こういったコロナに対する正しい知識を得るような、状況を理解できるような、こういった情報の積極的な開示も是非お願いしていきたいと思いますが、いかがですか。

#162
○政府参考人(吉永和生君) クルーズ船を含めまして、これまで日本国内で陽性と判定された方々は、昨日の夕方までの状況でございますけれども、千三百六名いらっしゃいます。このうち、三月十二日現在で五百二十五名の皆様が既に回復をし、退院をしておられることも事実でございます。また、一時重症であった方も軽症、中等症に改善された方も四十一名程度おられます。
 専門家によりますと、このウイルスに感染しても多くは軽症であるとともに、治癒する例も多いということでございます。委員御指摘のとおり、治癒した方の人数も含め、感染後の状況も国民の皆様に適切に情報発信していくことは、この感染症を正しく理解する上で重要であると認識してございます。
 引き続き、国民の皆様へ正しく分かりやすい情報発信に努めてまいりたいと考えてございます。

#163
○清水貴之君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

#164
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 この新型インフルエンザ特措法の改正法案は、十日に国会に提出され、十一日に衆議院内閣委員会で三時間の質疑、そして、参議院でも参考人質疑を含めて四時間二十分の審議で、本日十三日に本会議に緊急上程をして成立をさせようとしているわけですね。このような拙速な審議で国民への権利制限をもたらす法案を成立させるということには我が党は反対であるということをまず申し上げます。
 なぜこんなに急ぐんでしょうか。政府は、本法案の成立後速やかに、現在の新型コロナウイルス感染症対策本部を特措法十五条に基づく政府対策本部の設置へと置き換えるということになるんでしょうか。

#165
○国務大臣(西村康稔君) 専門家会議の皆さんの御意見で、現在何とか持ちこたえていると、しかし警戒の手を緩めてはならないと、まさに感染が拡大していくのかあるいは終息していくのかのそのまさに正念場にあるというふうに理解をいたしております。
 そのために、我々、もちろん日々全力を挙げてこの感染防止をし、終息していくように努力をしているところでありますけれども、万が一感染拡大していったときに国民の命を、生命を守らなきゃいけない、そういう場面で様々な措置ができるようにということで、今回、法律改正でこのことをお願いしたわけでございますが、もちろん、基本的人権の尊重という規定もございますし、必要最小限のものとしなきゃいけないという規定もよく理解した上で進めているところでございます。
 そして、この改正法が成立した後、もし、成立させていただいた後のことですけれども、この規定に基づいて、厚生労働大臣がまさに蔓延のおそれが高いと認めるときに総理に報告を行い、そして政府対策本部が立ち上げられることになります。この蔓延のおそれが高いと認めるときでありますけれども、このことについては、厚生労働大臣において専門家の意見も聴き、適切に判断をされるものというふうに理解をしております。

#166
○田村智子君 これ、法律は確かに、まず第十四条に規定する厚生労働大臣からの報告がなければ、十五条による政府対策本部の設置にはならないんですね。それで、この十四条の報告というのを見てみますと、法案では、新型コロナウイルスの場合には、今答弁あったとおり、蔓延のおそれが高いと認めるときというふうになっているんですよ。
 確認ですけれども、じゃ、現在はこの蔓延のおそれが高いと認めるときには当たらない状況であるということでよろしいんですか。

#167
○国務大臣(西村康稔君) まさに御指摘のように、厚生労働大臣が専門家の意見を聴いて適切に判断をされるというふうに考えております。
 なお、現状においては、専門家会議におきまして、爆発的な感染拡大は進んでおらず、何とか持ちこたえているが、警戒を緩めることはできないとの判断が示されているところでございます。
 いずれにしましても、厚生労働大臣におかれまして専門家の意見を聴いて適切に判断されるものというふうに思います。

#168
○田村智子君 今、そういう状況じゃないと。でも、今答弁聞いていてもよく分からなかったと思うんですよ。
 この蔓延のおそれが高いと認めるとき、これ、どういう状況なのか。現行法では、新型インフルエンザについては発生したと認めた旨を公表するときとされていて、これと比べても、新型コロナウイルスの場合は実に規定が曖昧なわけですよ。
 そうすると、今、専門家の意見を聴いて聴いてということをおっしゃいましたけれども、じゃ、この十四条の報告、そして十五条に基づく政府対策本部の設置、この言わば特措法の起動スイッチです、起動スイッチ、これがどういう要件で押されることになるのか。数値的に表すの難しいというふうに思うんですけれども、条文上、条項の中に専門家の議論、意見を踏まえると規定されていますか。

#169
○国務大臣(西村康稔君) 確かに、現行法は、第十四条におきまして、まさに新型インフルエンザ等が発生したと認めた旨を公表するときとなっておりまして、これを厚生労働大臣が総理に報告することになっておるんですけれども、発生したと認めたとき、認めた旨というのは、認めたというのは、これはもう既に発生はしておりますので、この新法、新法というか今回の改正法において、同じようにはできないということで、蔓延のおそれが高いという表現に今回させていただいているところであります。
 ここも物すごく議論がございまして、蔓延のおそれがあるともしした場合には、これは、まあおそれはいつでもあるからすぐにスイッチが入ってしまうということもあり、法制局で何度も審議を重ねた結果、蔓延のおそれが高いということを厚生労働大臣が判断を、専門家の判断を聴いて、そしてその旨を総理に報告したときということにしているわけでございます。
 現状は、国内の一部の地域で小規模クラスターが把握をされているということですけれども、大規模な感染拡大が認められている地域があるわけではなく、今後の国内での流行を抑えるための重要な時期にあると考えており、この点は三月九日に公表された専門家会議の見解でも変わっていないところでございます。

#170
○田村智子君 だから、法制局でももめるぐらいに、どう書くか、つまり、どういう状況か分からないんですよ。だったら、条文上、せめて専門家の意見聴く、これってないじゃないですか、条文上。ないですよね。ないでしょう、十四条の報告。専門家の意見を聴くという条文はないですよね。

#171
○政府参考人(安居徹君) 条文上ございませんけれども、行動計画というのがございまして、行動計画の中に、基本的対処方針作るときには専門家の意見を聴かなければいけないとなっておりますので、これは法律ではございませんけれども、閣議決定した、法律には行動計画を作らなければいけないとなっておりまして、その行動計画は閣議決定によってセットされておりますので、そこに書かれております。

#172
○田村智子君 これは、法律上は結局、対処方針決めるときなんですよ、対策本部をつくった後。このときに諮問会議に諮問してというふうに出てくるんですけれども、一番の起動スイッチのところは条文上ないんですよ。
 もう一点聞きます。
 政府対策本部が設置をされると、緊急事態宣言の前にも本部長である総理に相当な権限の集中が可能となります。第二十条、本部長である総理は基本的対処方針に基づき、指定行政機関、都道府県知事、指定公共機関に対する総合調整を行えるというふうになっていますけれども、これは一体何を行うことになるんでしょうか。総合調整とは何ですか。

#173
○国務大臣(西村康稔君) この特措法では、政府対策本部が定めた基本的対処方針に基づいて、国、地方公共団体、指定公共機関等がそれぞれ対策を実施をすることを想定をしております。そして、その関係機関の間において何らかの調整が必要となった場合に、その調整を的確かつ迅速に実施するためにこの政府対策本部長による総合調整機能が規定をされておりまして、その対象には当然、緊急事態措置に係るものも含まれるわけでございます。
 これは、例えば都道府県知事が意見を申し出るとか、あるいはこちらから助言をするとか、あるいはこういうことはできないのかという、そういう調整を行っていくわけでありまして、双方向の意思表示を経て、行いながら調整を行っていくということになります。
 これによって、関係府省庁、都道府県、そして市町村がより相互に緊密に連携して効果的な有効な対策を進めることができると考えておりますし、その際にも専門家の意見を聴く、聴いて対処方針を作っておりますので、その中にもしっかりと明記をしたいと思いますが、専門家の意見は常に聴きつつ、そして都道府県知事などが適切な判断を行えるように対応していきたいというふうに考えております。

#174
○田村智子君 そうすると、確認しますけれども、二十四条の方では、都道府県知事が都道府県対策本部の長となって、自治体や公的機関だけでなく、公私の団体、個人に対して協力要請をすることができるとしていますけれども、この二十四条に定める権限行使についても政府の本部長が総合調整を行うということも想定をしていますか。

#175
○国務大臣(西村康稔君) これは、二十四条は、もう明らかに都道府県知事の権限として、その県内に責任を持つ知事が判断をしながら様々な調整を行い、また要請を行ったりしていくものというふうに理解をしております。
 ただ、全体の基本的対処方針でお示しをしたいと思っておりますけれども、専門家の意見を聴きながら、この法律にあります第五条の基本的人権の尊重という規定、必要最小限にしなけりゃいけないという規定がございます。そうしたものもしっかりと踏まえながら、都道府県において適切にその総合調整、判断が行われるようにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

#176
○田村智子君 これは、自治体権限で行うべきようなところも、総合調整を行えば、これ国からの指示、トップダウンでできるというふうに私には読めるんですよ。条文上は、このように緊急事態宣言を行う前でも総理のトップダウンでの強力な措置の範囲に歯止めがないと。非常に広範囲です、総合調整って。
 じゃ、この総合調整、これはもちろん対処方針に基づく、その対処方針作るときには諮問会議への諮問というのは経ますけれども、しかし、具体的に、公私の私あるいは私の団体のところにまで及ぶような要請を行うとき、これ専門家の意見を聴くという、この条文もやっぱりないわけですよね。
 そうなってきますと、私は、衆議院の審議では、緊急事態宣言についても専門家の意見を踏まえる規定がないということ、議論になりまして、そのとき、西村大臣は我が党塩川議員の答弁に、この法律を読んだときはそういう印象を持ったと、法制局の資料をもう一度よく吟味しなきゃいけませんということまで述べられたわけですよ。
 私、あの十四条の厚労大臣の報告、そして十五条の政府対策本部の設置、そしてまたこの二十条の総合調整ですね、それから緊急事態宣言、言わば法律の肝となるところで専門家の意見を踏まえるという規定がないということを非常に危惧しております。
 感染症対策というのは科学的根拠が不可欠であり、政府が強力な権限を持って特別措置をとることとなる重要な条項でその担保がないということは、私は法の不備ではないかと思いますが、大臣、どうでしょう。

#177
○国務大臣(西村康稔君) 塩川議員の御質問に対して、私の率直な第一印象を、この法律を読んだときの印象をお答えを申し上げたものでございますけれども、法律の体系全体としては、やはり第五条の基本的人権の尊重というのがこれ改めて書かれておりまして、まさに、とられる措置、これは国民の生命を守るものであって、自由と権利に制限が加えられるときであっても、これは必要最小限のものではならないという、この非常に重い規定が置かれております。
 我々、私たち、これをしっかりと頭に置いてこの法律を運用していかなきゃいけないというふうに認識をしておりますし、既に閣議決定をしております行動計画においても、専門家の意見をしっかり聴いて基本的対処方針を作るということでありますし、そして、もちろん、それは十八条、書かれているんですけれども、まさに、緊急事態宣言を発出するときにも専門家の意見をしっかり聴いてやるということを、この法律に位置付けられた政府行動計画に我々閣議決定をしてしっかりと位置付けをしているところでございますし、当然、総合調整行うときにもそうした専門家の御意見をしっかりと聴いて、そして判断をしていく、そのときに、都道府県知事の様々な判断に際して、適切な判断ができるように我々としてもそういうふうに対応していきたいというふうに考えているところでございます。

#178
○田村智子君 今の答弁は法案に基づかない答弁なんですよ。
 午前の参考人質疑で、同志社大学の川本哲郎教授は、二〇一二年のときにも参考人に呼ばれて意見を述べて、指摘した内容が参議院内閣委員会で附帯決議に盛り込まれたことを評価されておられました。しかし、そのほとんどの事項が何も検討されていないということを厳しく批判をされていたわけです。
 緊急事態宣言の要件、その範囲、施行令を見ても、もっと具体的な規定ができるんじゃないのかという問題意識を示されました。また、附帯決議の十七項目めには、不服申立て又は訴訟その他国民の権利利益の救済に関する制度については本法施行後三年を目途として検討を加え、必要があると認めるときはその結果に基づいて所要の措置を講ずることとあるけれども、これも何ら検討されていないということも指摘をされました。
 これ、緊急事態宣言措置によって土地の収用であるとか施設の閉鎖などについて、不服の申立ての制度、私、必要だと思います。そうした権利制限によってもたらされた不利益の救済制度、これも必要だと思います。三年を目途に見直すということも言われたわけですよ。川本参考人は、今からでもその議論を行うべきだというふうに主張されました。
 法改正というならば、法を動かそうとしたときの不備、不十分点、これを改正するのが筋ではないんですか。どうですか。

#179
○国務大臣(西村康稔君) まず最初に、その附帯決議の、前回の附帯決議いただいた十七項目についてでありますけれども、この国民の権利利益の救済に関する制度についてでありますけれども、この点については、法の公布後、平成二十四年に開催されました新型インフルエンザ等対策有識者会議におきまして、行政不服審査法等で対応するという原則を示しているところでございまして、その後もその方針に変更はなかったということでございます。
 ちなみに、平成二十四年のこの会議は民主党政権時代に行われて、その後、我々自民党でも引き継いでいる、自民党、自公政権でも引き継いでいるところでございます。
 そして、同法、あえて申し上げれば、同法に基づく新型インフルエンザ等への対応がこれまで、今までこの特措法が使われたことはなかったわけでありますので、制度の変更の必要性が検証できないということで対応としては未実施というふうに整理をさせていただいておりますけれども、いずれにしましても、この事態が終息した後には、先ほど来御指摘のある、様々御指摘もいただいております感染症法とインフル特措法、この法律との、全体の、補完し合いながら感染症を防止していこうと、感染拡大を防ごうという体系になっておりますけれども、そうした中で今回のことをしっかりと検証して、より良い制度となるように私は検討をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

#180
○田村智子君 いや、今その特措法をすぐに適用する事態じゃないって最初に言われたじゃないですか。十四条に基づく報告をするときでもないし、政府対策本部を設置するときでもないと。
 だったら、政治がやるべきは、こういう法律動かそうとしたときに出てくる不備について、今議論しなくてどうするんですか。何でこんな簡単にこの法律上げようとするのか、私、とても問題だというふうに思いますよ。それは、今の事態が全部終わってから、終わってからでなければできないということなんですか。

#181
○国務大臣(西村康稔君) 今まさに、専門家の皆さんから、これから感染拡大をしていくのか終息するのかの正念場、瀬戸際であると、この警戒の手を緩めちゃいけないと、何とか持ちこたえている状況であるということであります。
 我々、一生懸命やります。できることは全てやって感染防止拡大にもう全力を挙げてやっていますし、これからもやっていきたいと思います。しかし、いざ国民の生命を守らなきゃいけないというときが来たときに取れる手段となる措置をしっかりと用意しておく、これが私は政治の責任だというふうに思いますし、今回、急なことで本当に、国会の先生方には本当に御理解をいただいて審議をしていただいておりますけれども、是非、いざというときに備えてこの措置を用意をするということは大事なことだというふうに思っております。
 ただ、今回はこういう形で緊急的にお願いをしましたけれども、しかし、いろんな御議論、この国会の審議の場でもいただきました。このことについては我々真摯に受け止めて、また、我々自身ももっとより良い制度にできないのかということを考え、終息した段階でしっかりと議論をしていきたいというように考えているところでございます。

#182
○田村智子君 先ほど、参考人質疑の中で、尾身参考人は、何のための法律なのかと、現場に応える法律を作ってくれと言ったんですよ。私、予算委員会で保健所の問題取り上げまして、尾身参考人が、保健所がまさに様々な、様々な窓口の集中点になっていて、まさに疲弊し切っているんだと。予算委員会でそのことを指摘したときに、私は、私のその切迫感をとても厚労大臣や総理大臣と共有できたと思えなかったですよ。
 この特措法が現場に応える法律ですか。そういう中身があるのかと。私、違うと思いますよ。だから議論しているんですよ、違うじゃないかと、やることが。
 次の問題、質問いたします。
 そう私が危機感を持っていないかのようなことを、本当にそういうふうな答弁されると、非常に、あの予算委員会で私が指摘したことを逆にどう受け止めているのかと聞きたくなるような思いなんですよ。保健所の疲弊、地方衛生研の疲弊、国立感染研の疲弊、どうするんだと。医療機関、本当に困っているところに大きな予算措置もやっていないじゃないですか。このことは指摘しておきたいんですね。
 今、緊急事態宣言ではないという。ところが、総理からは次から次へと要請が行われました。では、この間総理が行っている要請の法的根拠は何ですか。

#183
○国務大臣(西村康稔君) 例えば、二月の二十七日に全国の一斉休校をお願いを、要請をしたところでありますけれども、これ自体は法に基づくものではございませんが、二月後半から一、二週間のその期間が感染拡大か終息かの瀬戸際であるという、そういう認識の中で、この感染の流行を早期に終息させるためのお願いをしたということでございます。

#184
○田村智子君 この法律、感染を防止するための協力要請、四十五条以下に定められています。四十五条の一は都道府県知事が国民に対して自宅からの外出をしないこと等の要請、二つ目には多数の者が利用する学校、興行場などの利用を制限すること、催物の開催の中止の要請と。
 総理が既に行った、多数の方が集まるスポーツ、文化イベント等の中止等の要請、それから学校の臨時休業の要請、鉄道事業者などに感染予防策の徹底の要請など、これらは四十五条の要請と実態としては同様のものだというふうに受け止められますが、いかがですか。

#185
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のイベントの自粛要請あるいは臨時休校の要請、これにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、そのとき時点で一、二週間が非常に大事な時期であるということで行われた要請でございますが、当然、その要請は法的拘束力を有するものではなくて、最終的な判断は、イベントの主催者、あるいは学校を設置する地方自治体、学校法人等において行われるものでございます。
 一方、今回は、今後のあらゆる可能性も想定して、新型インフルエンザと同様の措置がとれるように今回の改正法案を提出させていただいたところでありまして、四十五条は、もう御案内のとおり、都道府県知事が要請や指示を出せる権限でございます。しかし、これに対しては罰則措置があるわけではございませんが、公表ということによってそれを有効性を担保していこうという、そういう法体系になっておりますけれども、今回のこのインフル特措法の対象にコロナウイルス感染症、これも対象に認められた場合には、都道府県知事が今度はその中で要請や指示を行っていくということになっていくわけでございます。

#186
○田村智子君 総合調整やるまでもなく、総理が先にやっちゃったということなんですよね。
 施行令十一条、十二条、資料としても配りました。対象施設、要請できる内容を定められているんですけれども、もちろん総理がやった以上のことが書かれていますけどね。
 しかし、この間、安倍総理による要請とこれはもう同様の措置と言わざるを得ないわけですね。しかも、特措法では、緊急事態宣言後に都道府県知事が行うことのできる要請というのは期限も区域も定めて行うということになっています。これは国民の私の権利を制限する以上当然の最低限の定めだというふうに思うんですけれども、ところが、総理が行った要請というのは区域の条件は全くありません。期限も、先ほど来あるとおり、一、二週間が山場とか、あと十日は継続をとか、いつが起点でいつまでの要請なのかが分からないわけですね。
 そうすると、特措法の言う期限というのは、こんなふうに起点や終点が曖昧な期限ということもあるんでしょうか。

#187
○国務大臣(西村康稔君) 先般来の総理からの要請は、これはあくまでも本当の法に基づくものではなく、要請でございまして、イベントの主催者であったり、学校を設置する地方自治体あるいは学校法人等においてその最終的な判断は行われるものというふうに考えております。現に、休校を行っていない地域もございますし、私の地元明石市でも、来週からは、十六日からと聞いておりますが、学校を再開すると聞いておりますので、それぞれの地域の事情に応じて最終判断はなされているものというふうに理解をいたしております。
 その上で、ごめんなさい、ちょっと質問を今忘れてしまいまして、ごめんなさい。(発言する者あり)はい、そうですね、期限については、まず、こうした都道府県知事の権限が与えられるのは、こういう措置がとれるのは緊急事態宣言の発出後でありますので、緊急事態宣言には二年以内の、二年を超えない範囲でその期間と区域を定めて発出をいたしますので、それを受けて、都道府県知事におかれては当然、その緊急事態宣言より短い期間で、そしてその区域の中において要請や指示をなされるものというふうに思います。
 その際、都道府県知事が適切な判断をできるように、これは知事のお考えをお聴きをしたりしながら、まさに御指摘の総合調整の機能がございますので、専門家の意見をしっかりと聴いて、そして、都道府県知事、それぞれの知事が適切に判断できるように運用していきたいというふうに考えているところでございます。

#188
○田村智子君 これ確認しますが、今の総理みたいに一、二週間とかではなくて、何月何日から何月何日と、こういう定めですよね。確認します。

#189
○国務大臣(西村康稔君) 四十五条の要請、そして指示、そして、それはまた公表される、指示になれば、要請、指示も公表されるものでございますので、当然、一定の期間をしっかりとお示しして、そして、施設についても、政令で定められている一定規模以上の施設、定められておりますので、それについての利用の制限であったり、そうしたことが要請、そして指示の内容になるものというふうに理解しています。

#190
○田村智子君 その期間の定め方や、延期もできるということで、その際にも果たして専門家の意見が求められるかといえば、そういう条文もないということもこれ衆議院の中で議論になっていて問題なんですけれども、ある意味、つまりは、もう特措法以上の私の権利の制限を既に総理は要請という形で行っているわけなんですよ、乗り越えて。
 このことについてはどのように議論して、この特措法の提案をされているんでしょうか。

#191
○国務大臣(西村康稔君) 繰り返しになりますけれども、総理の要請はあくまでも要請でございまして、先ほど来申し上げましたとおり、それぞれの地域の事情に応じて、地域の市町村長の判断、都道府県知事の判断で休校等も行っていないものもございますし、イベントについては、卒業式など、本当はもう盛大にやってやりたいなという、私の娘も残念ながら卒業式なくなったんですけれども、その思いはございますけれども、工夫しながら、間を置いてとか、いろんな形でやられていますので、それはそれぞれの主催者の判断でやられているものというふうに思います。
 ただ、この法律が施行されました後は、先ほど来の要件が幾つかございますけれども、政府対策本部が立ち上がってきまして総合調整を行い、そして、万が一緊急事態宣言が発出されれば、都道府県知事に明確に要請、指示、それから、例えば検疫のために施設を利用したというときにはその施設に対する補償の規定、こうしたものもございますし、マスクや医薬品などこうしたものをしっかりと保管をするようにとか、そういったものの、あるいはこれをもう使うということで収用するとき、こういった規定もございます。
 それに対しての補償の措置であったり、あるいは、それに対して、それを隠蔽したり、マスクをどこかに隠していたり、どこかに横流ししたり搬出をしたりと、指示に従わずにやった場合には罰則もあるということでありますので、いざというときに国民の生命を守るためにそうした措置がとり得るようになるということでございますが、あくまでも、これ私、何度も申し上げているんですけれども、伝家の宝刀であり続けてほしいなと、こういう事態にならないようにまずは全力を挙げて感染防止に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。

#192
○田村智子君 法律さえも乗り越えているのが今の安倍政権なんですよね、安倍総理なんですよ。
 私、大分、その専門家の意見をやっぱり聴くという条文がないじゃないかという問題等々を指摘をしたんですけれども、これはやっぱり、だって、専門家会議への諮問もせずに、対策本部での議論の記録も残さずに、そして法的根拠さえもなく総理の独断専行でやられた要請が私は逆に様々な混乱を生んでいるということもこれまた事実なわけですよ。だから、いろんな問題を、この法律動かすというんだったら、新型コロナで動かすというんだったら、ちゃんと法律による縛りが最低限必要ですよねということを指摘しているわけなんですよ。
 感染が広がっている地域などで、科学的な根拠に基づいて学校を休校にするとかイベント中止の措置をとるなど、これは私も否定しません。そういう措置が必要となるということはあるでしょう。しかし、私は、それは政府が命令したからやるということではないと思うんですよ。指示を出したからやると、そういうことじゃないと思うんですよ、根本的には。
 もっと科学的な根拠を示して、専門家の知見も丁寧に示して、感染拡大防止の協力を本当に国民に求めていくと。自治体や会社の中でも、それぞれの団体の中でも、あるいは家庭の中でも、じゃ、どういう対応が求められるのかということを本当に国民が話し合う。それで、じゃ、対応策何ができるんだろうか、自主的に判断して取られていくということが一番今求められているし、それを積み重ねていけば、私は、まさに本当に強制的な指示ということをやらずにもできることってあると、そういう事態を引き起こさないことができ得るというふうに思うわけなんですよ。
 問題は、じゃ、そうやって休むというふうになるときに、あるいはそのイベント中止というふうになるときに、それでも大丈夫だよと、生活が壊れることはないよと、社会は機能するよと、そういう対応策、安心できる策をどこまで今示すのかということが今一番急がれていることだというふうに思うんですけれども、その認識は共有いただけますか。

#193
○国務大臣(西村康稔君) まず、もちろん、一人一人が感染しないように注意をすると、これはもちろん、それぞれのお立場でみんなが努力をしなきゃいけない。そして、かからないようにしつつ、また人にうつさないようにしつつということで、もう既に、せきエチケットとか、こういったことも公表させていただいて、これはみんなでやっぱり努力していかないといけない話だということだと思います。しかし、その上で、やはり感染が広がっている状況はございますので、それに対しては、いざというときに備えてこの措置をお願いしているところでございます。
 ただ、現在、自粛によって様々な影響が生じていること、これは本当に忍びなく思っております。感染防止を、感染拡大を防止するためとはいえ、様々な自粛によって経済活動、特に中小企業の皆さんが大変厳しい状況にあるということは本当に忍びなく思いますし、これはしっかり支えていかなきゃいけないなという決意でございます。
 そのために、中小企業の資金繰りはしっかり応援をしようということで、先般、実質無利子無担保で一月二十九日まで遡ってやろうということにしておりますし、さらに、今回、正規、非正規を問わず、事業縮小や休業せざるを得なくなったそうした事業者に対して、その従業員の方々の正規、非正規問わず、雇用調整助成金でしっかり対応していこうということでありますし、また、個人事業主、そしてフリーランスも含めて中小・小規模事業者に対してしっかりと応援をしていこうということであります。
 さらには、感染拡大により、生活に困難を生じている方もおられると思います。そうした方々にいわゆる返済免除要件付きの個人向け緊急小口の資金の特例、あるいは総合的な緊急支援と、こういったものも用意をいたしておりますので、是非こうしたものを活用していただきながら、何とかこの状況をしのいでいただいて踏ん張っていただいて、我々、もう全力で事業の活動、あるいは雇用、生活を守っていきたいというふうに考えておりますので、何とか踏ん張っていただいて、そして、乗り越えて、その後にはしっかりとまた観光や消費が喚起できるようにいろんな対策をまた考えていければというふうに思っているところでございます。

#194
○田村智子君 先ほど、この特措法の中で、個人補償の問題、不服審査の問題というものがないということを指摘しましたけれども、やっぱり休んでも大丈夫、何らかのこの措置がとられたときでも大丈夫だという国民の安心を与える中身がやっぱり私は本当は法律に必要だというふうに思うわけですよ。そうでなければ、要請に応えて休む、イベントを中止しても大丈夫というふうにならないですよね。今大臣がお話しされたこと、私はとても十分とは言えない中身だと思うんですけど、それはこの特措法などに基づくことじゃないんですよ。
 それじゃ、もう一度その法案の方に戻すと、じゃ、この法案の中で、大丈夫だと、要請に応えてイベント取りやめましたと、仕事も休みましたと、それでも大丈夫だという国民に安心が与えられるような中身や条項というのはどこにあるんでしょうか。

#195
○国務大臣(西村康稔君) この特措法上は、先ほど来申し上げていますけれども、強制力という意味で罰則があるものも限られております。そして、損失補填という面でも全体のバランスを考えた上で規定が書かれておりまして、例えば、都道府県知事が臨時の医療施設のために建物や土地を使用した場合、それから、先ほど来申し上げています医薬品やマスクや食品やこうした物資の収用を行う場合には補填の、損失補填の措置がございます。しかし、法律体系の全体のバランスからいって、全てのことに対してその補償措置、損失補填があるわけではございません。バランスの中でそうした法体系になっているものというふうに理解をしております。
 他方、今回の様々な影響を受ける中小企業の方々、あるいはフリーランスや非正規の方も含めてでありますけれども、そうした方々に対しては、しっかりと資金繰り支援や雇用維持のための支援策、これは先般、先日も第二弾として発表させていただいたところでございます。約二兆円の規模の資金でしっかりと応援をしていこうということでございます。
 将来、この法律が施行された後に仮に緊急事態宣言など万が一出されて、その後様々な措置がとられた場合においても、今回の対応を踏まえてしっかりと適切に対応していきたいと考えているところでございます。

#196
○田村智子君 私、だから、この特措法ということを今急ぐんじゃなくて、やるべきは予算の修正だと思いますよね。
 中小企業に対する資金繰り、五千億から六千億、無利子無担保でという新たなものを出されましたけれども、リーマン・ショックのときには二十兆円ぐらいの枠で準備しているわけですよ。今、それを上回るような事態が起きるんじゃないかということも指摘をされているわけで、こういう検討を急がなければ駄目ですし、この出された第二弾で、とても不安の声が上がっていること、一点だけ、時間の中でお聞きできるのは一点かなと思うんですけど、フリーランスなんですよ、やっぱり。
 与野党とも必要だというふうに求めて盛り込まれたけれども、一日四千百円と。これ、何で四千百円なのか、一体どういう働き方を想定しているのか。端的にお願いします。

#197
○政府参考人(本多則惠君) お答え申し上げます。
 今般、今回の臨時休校要請によって小学校等に通う子供の世話を行うことが必要となった保護者の方であって、個人で業務委託契約等で仕事をされている場合にも支援を広げることとしております。具体的には、その就業できなかった日について一日当たり四千百円を支援するものでございます。
 この金額につきましては、働き方や報酬の定め方が多種多様な中で、迅速に支援する必要性も踏まえて、雇用保険における失業給付の日額上限とのバランスや非正規雇用の方への給付とのバランスも考慮し、最低賃金相当を勘案して定めたものでございます。

#198
○田村智子君 これ、なかなか、部屋に来て説明求めると、東京の最低賃金を考慮して四時間というふうにお答えいただくんですけど、本会議とか委員会の場ではそうやってお答えにならないんですよ。そういうことでいいんでしょう、東京の最低賃金を考慮して四時間程度ということなんですよね。

#199
○政府参考人(本多則惠君) 個人で仕事をされている方につきましては、働き方や報酬の定め方が多種多様であることから実態がつかみづらい、今回は迅速に支援する必要があったため、一日八時間の法定労働時間の半分の時間である四時間とすることとした上で、全国で最も金額の高い東京都の最低賃金千十三円をベースにして四時間分を基に算出したものでございます。

#200
○田村智子君 だから不安なんですよ。それは駄目だって、これは本当に今広がっていますよね。
 大臣、お答えいただきたいんですけど、しかも、これは子供がいてですからね、子供がいて休校の措置で仕事を休まざるを得なかったときということは、本当にその子供の分のお金も必要な方が四千百円でいいというのは、ちょっと何なんだよそれはというふうになるわけですよ。
 中止となっているイベントなどは、様々な技術や資格を持つフリーランスが多数関わっていますよ。フリーランス全体を対象とする、それから、その金額についても損失補填と言えるような額にするということは早急に求められているというふうに思うんです。こういうことが先でしょうということも含めてなんですけど、大臣、どうですか。

#201
○国務大臣(西村康稔君) フリーランスの方も大変厳しい中で本当に影響を受けておられる、そのことは十分理解をいたしております。
 何とかお支えをしたいということで、今般、そのフリーランスの方に対しても一定の支援を行うということで先ほど答弁をさせていただいた、厚労省の方から答弁をさせていただいたところでありますけれども、さらに、個人向けに緊急個人資金等の特例を設けております。これは、貸付条件十万円、そしてまた、学校等の休業に伴うものについては二十万円の緊急小口資金、あるいは生活が維持が困難になっておられる方々に対しても、二人以上の世帯にあっては二十万円以内ということでありますけれども、こうした資金を支給をすることになっております。
 それぞれの地域の社会福祉協議会、社協においてこれを取り扱うということになっておりますので、こうした資金も活用していただいて、これらの資金はまさに返済免除の要件が付いておりますので、引き続き、生活の厳しい方にはしっかりと配慮をしていくということでございますので、こうした資金も活用していただきながら、しっかりとフリーランスの方におかれても生活を支援していきたいと考えているところでございます。

#202
○田村智子君 終わります。

#203
○委員長(水落敏栄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#204
○田村智子君 日本共産党を代表し、新型インフルエンザ特措法改正案に反対の討論を行います。
 本改正案は、新型コロナウイルスを二年間、インフル特措法の対象に追加するものです。
 そもそも、特措法の最大の問題点は、外出の自粛要請や、学校、社会福祉施設、興行場等に対し使用等の制限、停止の要請さらには指示、土地所有者の同意なしに臨時医療施設開設のための土地使用も可能とした私権制限が行えるようになることです。これらは憲法に保障された移動の自由や集会の自由、表現の自由といった基本的人権を制約するものであり、経済活動にも大きな影響をもたらすものです。
 当該都道府県知事がこれらの私権制限の要請、指示を行う出発となるのが、政府対策本部の本部長である内閣総理大臣が行う緊急事態宣言です。緊急事態宣言を発動する要件は不明確です。政府は重篤である症例の発生頻度が相当程度高い全国的かつ急速な蔓延を挙げていますが、重篤、蔓延をいかなる基準で誰が判断するのか曖昧です。
 政府行動計画の作成や基本的対処方針を定める際にはあらかじめ専門家の意見を聴かなければならないとしながら、私権制限を伴う緊急事態宣言の決定には専門家の意見聴取を義務付けていないことは重大です。外出の自粛はどこの地域でいつまでなのか、各種施設の使用制限はどのような施設が対象でいつまでなのかといった歯止めはなく、必要以上の私権の制限が行われる懸念が拭えません。特措法には、これらの制限がもたらす人権侵害に対する救済措置はなく、経済的措置に対する補償もありません。
 緊急事態宣言の下では指定公共機関のNHKも政府対策本部長の総理から必要な指示を受けることとなっており、NHKの自主性、独立性を確保できず、国民の知る権利を脅かしかねません。
 さらに、特措法は、緊急事態宣言の前であっても、都道府県対策本部長である知事に、公私の団体、個人に対し必要な協力の要請を可能とする権限が与えられています。この要請は、うがい、手洗いの奨励にとどまらず、外出の抑制や大規模イベントの開催検討などが含まれることを否定しておらず、歯止めが掛かっていません。
 政府対策本部長である総理に対して、緊急事態宣言前や後の措置について、政府のみならず都道府県知事なども含めた総合調整権限が与えられ、総理によるこれまで以上の強権的なやり方を許すことになりかねません。
 特措法は、市民の自由と人権の幅広い制限をもたらし、その歯止めが極めて曖昧なもので、問題があります。このような法案を参議院で僅か四時間二十分で採決を行うなど、断じて許されません。
 安倍総理が突如打ち出した全国の学校の一斉休校の決定は、専門家の意見も聴かず、総理の独断で決定したことに国民は強い不安を抱いています。本法案によって安倍政権に緊急事態宣言の発動を可能とすることは断じて認められません。
 以上、反対の討論を終わります。

#205
○矢田わか子君 共同会派の矢田わか子です。
 立憲・国民.新緑風会・社民を代表し、法案に関し、討論いたします。
 今回、政府から提出された新型インフルエンザ特別措置法改正案は、この新たな感染症に対し、流行を早期に終息させるために徹底した対策を講じていく必要があると説明されています。確かに、現時点でワクチンと治療薬が開発されていない新たな感染症の広がりに対し、可能な限りの対策を講じ、国民の不安を取り除くことは緊急の課題です。
 しかし、政府は、日本国内での初の感染者が発生した一月十五日以降も即座に対策を講じることなく、新型コロナウイルス感染症を関係法令に基づく指定感染症、検疫感染症としたのは二月一日のことでした。この間、日本には本年一月の一か月間に約九十万人の中国人が来日されているわけです。
 私どもは、早期の段階より、感染の蔓延防止と社会的機能を維持するための措置を講ずることができる現行の新型インフルエンザ等特別措置法の活用を求めましたが、政府は、新型コロナウイルスは対象にならないとしてこの要求を拒否されました。
 一方で、官邸主導で、事前に国民に周知することなく、全国学校の一斉臨時休校、イベント等の自粛など、法には基づかない対策を次から次へと出されました。この突然の指示に対し、多くの国民は生活や働き方、そして育児において混乱し、また、経済活動全体にも深刻な影響が出てきております。
 そして、ようやく政府は新型インフルエンザ特措法の対象感染症に新型コロナだけを追加するという法改正を図ることにしましたが、この改正案についても、今後の新たな感染症への対応ができないこと、緊急事態宣言の要件の曖昧さ、あるいは私権の制約や自由な行動の制限が人権や財産権の侵害にならないのかなどなど、多くの問題が残っています。
 これまでの政府の後追い的な対策や、そして本特措法改正案の中の懸念事項など、問題点は枚挙にいとまがないわけですが、昨日、WHOが新型コロナウイルス感染をパンデミックとする宣言を行い、また日本国内においても感染の広がりが止まらない状況を鑑み、現行特措法の法目的に沿った措置の展開が国民の生活と健康を守り、経済活動の停滞を防止することにつながることと判断し、会派として改正案に賛成することといたしました。
 緊急事態宣言に基づく権利侵害への懸念から法改正に反対する意見も多々ありますが、現在、我が国が置かれた未知なる脅威との闘いが一歩でも前に進むことができるよう、各会派の皆様の御賛同を訴え、賛成討論といたします。

#206
○委員長(水落敏栄君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#207
○委員長(水落敏栄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、杉尾君から発言を求められておりますので、これを許します。杉尾秀哉君。

#208
○杉尾秀哉君 私は、ただいま可決されました新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
 一 新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法」という。)に定める新型インフルエンザ等緊急事態宣言(以下「緊急事態宣言」という。)に係る各種の措置は国民生活に重大な影響を与える可能性のあることに鑑み、定められた要件への該当性については、ウイルスの病原性、感染力等の科学的知見に基づき、感染者の状況、感染地域を考慮し、慎重に判断すること。その際、医学・公衆衛生等の専門家の意見を十分踏まえること。
 二 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等緊急事態が発生したと認める判断をするに当たっては、あらかじめ、感染症に関する専門的な知識を有する者その他の学識経験者の意見を聴取すること。
 三 緊急事態宣言をするに当たっては、特に緊急の必要がありやむを得ない場合を除き、国会へその旨及び必要な事項について事前に報告すること。緊急事態宣言を延長する、区域を変更する、又は解除する場合も同様とすること。
 四 特措法に定める政府行動計画に基づき、必要な措置を迅速かつ組織的に幅広く実施すること。その際、都道府県・市町村等がそれぞれの行動計画等に基づき迅速・的確に施策を実行できるよう、政府が持つ情報や学識経験者の意見を提供し、最大限の支援を行うこと。
 五 特定都道府県知事及び特定市町村長並びに指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施したときは、遅滞なく、その旨及びその理由を政府対策本部長に報告すること。政府対策本部長は、報告を受けた事項を取りまとめるとともに、緊急事態宣言の実施状況について、適時に国会に報告すること。
 六 課題の共有・解決に向け、与野党に対して必要な情報共有を適時、適切に行うとともに、与野党の意見を尊重して施策の実施に当たること。
 七 新型インフルエンザ等が周期的に発生することに鑑み、政府対策本部、都道府県対策本部及び市町村対策本部等においては、新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる事態が行政文書の管理に関するガイドラインに基づく「歴史的緊急事態」に指定されたことを踏まえ、特に、緊急事態宣言の決定に至り得る場合においては、会議録等の経過記録と科学的根拠となるデータ保存に万全を期し、国民への説明責任を果たすとともに、海外関係諸機関との情報共有を行い、次代への教訓として活用できるようにすること。
 八 各種対策を実施する場合においては、国民の自由と権利の制限は必要最小限のものとすること。また、関係機関に対しても、その旨徹底すること。
 九 放送事業者への指定公共機関の指定は限定するとともに、感染症に関する報道・論評の自律を保障し、言論その他表現の自由が確保されるよう特段の配慮を行うこと。
 十 必要と認められる者については、早期にPCR検査を実施するとともに、健康観察を行うための体制を確立すること。
 十一 今回の事態により、大幅なマイナス成長になる可能性が極めて高いことを前提に、消費と雇用に重点を置いた万全の金融・財政政策を講ずること。その際、サプライチェーンの寸断等や風評被害を含む顧客の大幅減少により大きな経済的影響を受けている中小・小規模企業、個人事業主・フリーランスのうち、新型コロナウイルス拡大に伴う減収が一定程度を超える事業者に対して、事業継続が可能となるよう特に配慮すること。
 十二 小学校等の臨時休業により、仕事を休まざるを得なくなった保護者等への支援策や、放課後児童クラブ等の子供の居場所の確保に万全を期すること。
 十三 特措法第四十五条における施設利用等の制限要請等を行う政令については、消毒液の設置、人数制限等のより人権制約の度合いの小さい措置が可能であることを明示し、集会の自由等の人権が過度に制約されることがないようにすること。その際、感染症の専門家及び現場の意見を十分踏まえること。
 十四 特措法第四十五条における施設利用等の制限要請等を行うに当たっては、その実効性の一層の確保を図るため、当該要請等によって経済的不利益を受ける者への配慮を十分に検討すること。
 十五 企業及び個人(奨学金を含む。)に対する貸付条件等について、国から金融機関等に対して柔軟な対応を要請すること。
 十六 生活や経済に支障が生ずる国民や企業が相談できる窓口を開設し、ワンストップで各種支援制度の申請手続が行えるよう早急に検討すること。その際、緊急的かつ深刻な経済情勢に鑑み、申請手続における提出書類や各種条件を極力簡素化するとともに、審査は迅速かつ合理的に行うようにすること。
 十七 過去の経験に照らせば、新型コロナウイルス感染症の影響が、健康問題にとどまらず、経済・生活問題、さらには自殺リスクの高まりにも発展しかねない状況となっていることを踏まえ、政府は一人の命も犠牲にしないという強い決意の下に、全国の自治体と連携し、自殺対策(生きることの包括的支援)を万全に講ずること。
 十八 国民、企業などが、不必要な混乱を避け、冷静で的確な行動がとれるよう、科学的見地からも正確で必要十分な情報発信を適時、適切に行うこと。特に、医療従事者、高齢者、障害者、学校関係者、訪日・在留外国人、海外等への情報発信及び相談・支援体制の構築には最大限留意すること。また、ウイルスの肺以外の臓器や血液への影響、排泄物を通じた感染、動物への感染などについて、医学的に検証し、その結果についてもきめ細かく情報提供するよう努めること。
 十九 農水産品の流通及び輸出入に支障が生じないよう努めるとともに、国産の輸出農水産品について科学的知見を踏まえて対応し、風評被害防止に努めること。
 二十 中小企業金融の返済期限、雇用保険の給付期間の延長などについて、東日本大震災に伴って実施された期限延長措置にならい、その実施を検討すること。
 二十一 感染症対策を一元的に担い、一定の権限を持つ危機管理組織の在り方(日本版CDC等の設置)を検討すること。
 二十二 今回の新型コロナウイルス感染症への政府がとった対応について、第三者的立場から、客観的、科学的に検証し、その結果を明らかにすること。
 二十三 特措法の適用の対象となる感染症の範囲(当該感染症に係る法令の規定の解釈により含まれるものの範囲を含む。)について、速やかに検討すること。
 二十四 感染国から在留邦人、邦人旅行者を早期に出国させるため、出国手段等の確保に万全を尽くすこと。また、船舶での感染症対策について、国際的な協議を速やかに行うこと。
 二十五 新型インフルエンザ等対策等については引き続き国際的な連携を図るとともに、特に発展途上国での医療体制や公衆衛生の向上に積極的に貢献すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

#209
○委員長(水落敏栄君) ただいま杉尾君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#210
○委員長(水落敏栄君) 多数と認めます。よって、杉尾君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、西村国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。西村国務大臣。

#211
○国務大臣(西村康稔君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力してまいります。

#212
○委員長(水落敏栄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#213
○委員長(水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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