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2020/03/18 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 法務委員会 第2号 令和2年3月18日
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2020/03/18 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 法務委員会 第2号 令和2年3月18日

#1
令和二年三月十八日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十日
    辞任         補欠選任
     柴田  巧君     浅田  均君
     市田 忠義君     山添  拓君
 三月十一日
    辞任         補欠選任
     浅田  均君     柴田  巧君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹谷とし子君
    理 事
                高橋 克法君
                元榮太一郎君
                有田 芳生君
                矢倉 克夫君
                柴田  巧君
    委 員
                磯崎 仁彦君
                小野田紀美君
                中川 雅治君
                福岡 資麿君
                山崎 正昭君
                山下 雄平君
                渡辺 猛之君
                櫻井  充君
                真山 勇一君
                安江 伸夫君
                山添  拓君
                高良 鉄美君
                嘉田由紀子君
   国務大臣
       法務大臣     森 まさこ君
   副大臣
       法務副大臣    義家 弘介君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  宮崎 政久君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局長   村田 斉志君
       最高裁判所事務
       総局民事局長   門田 友昌君
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   安東  章君
   事務局側
       議事部長     金子 真実君
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      藤原 朋子君
       法務省大臣官房
       審議官      山内 由光君
       法務省大臣官房
       司法法制部長   金子  修君
       法務省民事局長  小出 邦夫君
       法務省刑事局長  川原 隆司君
       法務省人権擁護
       局長       菊池  浩君
       出入国在留管理
       庁次長      高嶋 智光君
       公安調査庁次長  浦田 啓一君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    迫井 正深君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    諏訪園健司君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      依田  泰君
       中小企業庁次長  鎌田  篤君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○令和二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、令和二年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、令和二年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (裁判所所管及び法務省所管)
    ─────────────

#2
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として山添拓君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(竹谷とし子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に柴田巧君を指名いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(竹谷とし子君) この際、森法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。森法務大臣。

#6
○国務大臣(森まさこ君) この度の私の一連の言動により、この参議院法務委員会において予定されていた御審議が取りやめになるなど、国会の御審議に大変なる御迷惑をお掛けしたことをおわび申し上げます。
 三月九日の参議院予算委員会における私の答弁は、私の個人的見解を述べたものでございましたが、検察を所管する法務大臣として、検察の活動について個人的な評価を述べたことは不適切でありました。法務大臣としては、しっかり事実を確認して答弁すべきであったと考えます。改めて、三月九日の答弁を撤回させていただきます。
 また、三月十一日の参議院予算委員会の質疑中、私が離席した際に記者からの質問を受けたことも誠に不適切でありました。改めて、心からおわびを申し上げます。
 今後の国会の御審議におきましては、この法務委員会を始め全ての委員会において、先生方からの、委員の皆様方からの御質問に真摯に向き合い、誠実に答弁をしてまいりたいと思います。
    ─────────────

#7
○委員長(竹谷とし子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官藤原朋子君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#8
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#9
○委員長(竹谷とし子君) 去る十六日、予算委員会から、三月十八日の一日間、令和二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#10
○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党の元榮太一郎でございます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 今、全ての人々が最大の関心を寄せております新型コロナウイルス感染症対策について、法務、司法行政の観点で伺ってまいりたいと思います。
 配付資料一にも報道がございますとおり、二月二十八日、出入国在留管理庁は、在留外国人の在留期間の更新の申請について、満了日から一か月後まで受け付けるということを発表しました。さらに、三月十日には、来日する外国人留学生や技能実習生たちがビザ申請時などに用いる在留資格認定証明書、この有効期限を従来の三か月間から六か月間に延長することなど、大臣が明らかにしました。
 これらの措置の概要と目的、そして周知方法についてお聞かせください。

#11
○政府参考人(高嶋智光君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う諸情勢に鑑みまして、出入国在留管理庁におきましては、在留諸申請手続に関する様々な措置を講じているところでございます。
 まず、感染拡大を防止するため、申請窓口の混雑緩和を図ることが大事だというふうに考えまして、本年三月又は四月中に在留期間の満了日を迎える在留外国人からの在留期間更新許可申請等につきまして、一部の在留資格の方を除き、在留期間の満了日から一か月後まで受け付けることといたしました。
 また、資料にもございますとおり、世界的な感染の拡大を受けまして、今後、在留資格認定証明書の有効期間につきましても、通常の三か月間から六か月間に伸長いたしまして、六か月間有効なものとして取り扱うことといたしました。これにより、我が国に入国を予定していたものの、この事情によって入ってこれなくなっている方、その関係者の方々にとって状況が改善した場合の迅速な入国手続が可能となるものと考えております。
 これらの取扱いにつきましては、法務省ホームページにおいて公表したほか、教育機関、留学生等に関する教育機関、それから監理団体等、これは技能実習生に関するものでございますが、これらに対しても周知を図っているところでございます。
 引き続き、個々の外国人の置かれた状況を十分配慮しながら柔軟に対応してまいりたいと考えております。

#12
○元榮太一郎君 今回は三月中に在留期間を満了する在留外国人ということでございますが、状況を見極めながら、四月に在留期間を満了する在留外国人についても適切に対応していただきたいと思います。
 さらに、この新型コロナウイルス感染症に対する水際対策についても行われているかと思います。こちらについては配付資料二のとおりでございますが、出入国在留管理庁は、中国、韓国、イラン、イタリアといった一部の地域等から来日する外国人について上陸拒否を行っております。これらの水際対策の趣旨、そして概要、さらには、どのような基準によって上陸を拒否すると決めているのかについて伺います。

#13
○政府参考人(高嶋智光君) 御質問の水際対策の趣旨、概要でございますが、これは資料のとおりなんですが、その概要を申し上げますと、政府におきましては、これまで新型コロナウイルス感染症の感染者が外国の一定の地域において多数に上っているなどの事情があり、当該地域に滞在する外国人の上陸を拒否すべき緊急性が高い場合には、当該地域を政府対策本部において報告、公表しまして、法務省がこれを受け、これを踏まえて、当該地域に滞在歴のある外国人等について、入管法五条一項十四号に基づいて上陸拒否の措置を講じることができるようにするなど、機動的な水際対策を講じたものでありますが、これまで、資料にございますように、中国、韓国及びイランの一部地域を、また今月十一日からは、更にこれにイタリアの一部地域やサンマリノの全域を追加しまして、これらの地域に滞在歴のある外国人等につきましては、特段の事情のない限り上陸を拒否することとしております。
 なお、このほか、外務省の所管事項でございますが、今月九日から中国及び韓国に所在する日本大使館等で発給された査証の効力も停止されておりますので、査証がない状態でやってきた中国の方、韓国の方につきましては、上陸条件に適合しないとして上陸を拒否することとしておりますので、両国からの新規入国は現在はほぼゼロに近い状態になっております。
 質問の中でこの上陸拒否の対象地域を決定する際の基準についてお尋ねでありましたが、これは出入国在留管理庁単独で決めているものではもちろんございませんで、政府全体として、感染者数、感染者率、移動制限措置の有無、その地域の医療体制の状況等様々な情報、それから医学的な知見等に基づいて検討し、総合的に判断されているところでございます。
 感染拡大の状況が時々刻々と変化しておりますので、どの地域を上陸拒否の対象とするか、対象地域とするかにつきましては、政府全体としての様々な情報や知見に基づく検討を踏まえまして、法務省としても今後も弾力的な措置を講じてまいります。

#14
○元榮太一郎君 引き続き、水際対策については適切かつ迅速な対応で上陸拒否をするその地域の選定、解除について行っていただきたいというふうに思います。
 続きまして、最高裁に伺ってまいります。
 配付資料の三でございますけれども、最高裁も二月二十六日付けの文書で、全国の裁判所に対して、裁判期日の延期などの対策を検討するように要請したというふうに伺っております。
 実際にどのような対策が取られているのでしょうか。

#15
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答えを申し上げます。
 裁判所といたしましても、新型コロナウイルス感染症の対策を講じることは非常に重要なことであると考えているところでございます。
 そこで、今委員から御指摘ございましたとおり、全国の裁判所に対して、本年二月二十六日付けで、裁判所における新型コロナウイルス感染症への当面の対応についてという事務連絡を発出しておりまして、この事務連絡におきまして、事件処理については、閉鎖空間において近距離で会話を行うか否かといった期日の性質や当事者の意向等も考慮した上、要急でないものについては柔軟に期日変更等をすることが考えられることなどを記載して、対策を検討するよう求めております。
 このような事務連絡等を受けまして、全国の裁判所におきましては、期日の性質や緊急性の度合い、当事者の意向等も考慮した上、例えば、期日の変更をしたり、また期日を行う場合であっても電話会議を利用することとしたりするなど、新型コロナウイルス感染症の対策に努めているところでございます。
 最高裁といたしましては、政府の方針や政府の専門家会議、あるいはWHOなどから示された知見等も踏まえつつ、引き続き新型コロナウイルス感染症への対策に努めてまいりたいと考えております。

#16
○元榮太一郎君 期日の延期だけでなくて、不特定多数の人が集まるという、そういう裁判所の中での対策という意味では、多くの人が来庁して傍聴もされます。そしてまた、裁判官と両当事者が、密接な閉じられた空間の中で審理を行ったりいたします。特別な対応が必要なのではないかと思いますし、そしてまた、マスクの備蓄、これについては今どのような状況なんでしょうか。

#17
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、期日を実施する場合におきましても、その際における感染拡大防止について、各地の状況等に応じた配慮が必要となると考えております。
 特に、御指摘にございましたとおり、多数の傍聴者等が見込まれる事件などにつきましては、間隔を空けて着席させるよう傍聴席の利用方法を定めるといった措置をとることも考えられるところです。
 また、さらに御指摘ございましたとおり、弁論準備手続等の小規模の室内で行われる非公開手続におきましても、裁判官、裁判所書記官等の職員がマスクの着用を励行することのほか、出席者の体調に応じマスク着用に協力することを求めること等も考えられるところでございます。
 最高裁といたしましては、全国の裁判所に対してこのような対応が考えられる旨の事務連絡を発出しておりまして、全国の裁判所におきまして、これを踏まえた対応がされているものと承知しております。
 各地の裁判所におけるマスクの備蓄についてでございますが、各裁判所の実情に応じつつ、職員一人当たり一日一枚として、四十日分、およそ二か月分ということになりますけれども、これを目安にマスクの備蓄を行うこととしておりまして、ここから既に使用している部分もございますので、具体的な枚数までは把握できておりませんけれども、これらも活用して適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

#18
○元榮太一郎君 よろしくお願いいたします。
 民間では、今テレワークということで、これを機会にそういう在宅勤務等も普及が加速しているところでありますけれども、このITを活用した裁判手続というところも促進することが有効でありまして、奇しくもこの同じタイミングといいますか、本年の二月三日から、民事裁判のIT化についてフェーズ1ということで、インターネットを使用したウエブ会議が導入されました。配付資料四にあるとおりでございますけれども、このウエブ会議については、二月だけでも一か月で百三十四件の利用件数があったということで、これは裁判のIT化に向けた期待の表れなのかなというふうにも思っております。
 このウエブ会議の詳しい利用実績と、利用者の評判についてお聞かせください。

#19
○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、裁判所では、本年二月三日からウエブ会議を活用した争点整理の新たな運用を開始いたしました。お尋ねの利用実績でございますが、二月の一か月間におきまして、全国で百三十四件の事件でウエブ会議が利用されております。
 具体的な手続別で申し上げますと、当事者の一方のみが出頭されます弁論準備手続で九十七件、双方とも出頭されずに実施されます書面による準備手続で三十二件、その他、進行協議等の手続で五件の利用がございました。
 利用された方々の御感想につきましてはつぶさに把握できてはおりませんけれども、聞こえてきているところで申しますと、裁判所に実際に出頭することなく裁判官や相手方当事者の表情を見ながら協議をしたりすることができるウエブ会議は利便性が大変高いという評価を得ているようでございます。
 最高裁といたしましては、新たな運用が円滑に進みますよう、導入庁の拡大も含め、引き続き環境整備に積極的に努めてまいりたいと考えております。

#20
○元榮太一郎君 ありがとうございます。
 この先ほどの資料四にも、最後の方にベテラン裁判官のコメントとして、新型コロナウイルスのような問題が起きたときでも裁判が進められると、今後も活用を広げていくべきだというお話もあるとおり、やはりこういうようなIT化を進めていくと、今回の件のような感染症の場合、さらには、さきの東日本大震災のような、ああいうような有事の際にも司法の停滞を防止できるというような観点がありまして、期待できまして、これはBCPという事業継続計画、こういうような一環として捉えるべきかなというふうにも思っております。
 今の民事裁判のIT化というのはどちらかというと司法の利便性の向上ということになっているかと思いますけれども、このBCPの一つだという位置付けも含めまして、この民事裁判のIT化というのを進めるということがよろしいんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。

#21
○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。
 IT化を進めることには様々なメリットがございます。委員御指摘のような状況下におきましても、ウエブ会議を利用すれば、当事者の方々が裁判所にいらっしゃるために移動されたり、また直接会わずに争点整理手続を進めることができるようになるなど、有用であるというふうに考えております。
 今後も、国民の皆様の御理解を得つつ、様々な観点からIT化の取組を進めてまいりたいと考えております。

#22
○元榮太一郎君 今朝、知り合いの弁護士に電話しまして、東日本大震災のとき裁判はどうだったかと聞きましたら、やっぱり一か月間ぐらい期日が入らなかったということなんですが、このような形で民事裁判のIT化が進んで、口頭弁論、弁論準備手続等の期日がウエブ会議でできるようになったら、それはもっと限りなく短縮されるだろうということでございましたので、是非とも進めていただきたいなというふうに思います。
 今回のこの感染症が国民生活に与える影響を考えますと、昨年の台風十九号のことが思い起こされまして、当法務委員会の所管に関する措置としては、配付資料の五にありますとおり、この法人に係る破産手続開始の決定の留保、そして相続放棄等の熟慮期間の一律延長、民事調停の申立て手数料の免除等の特例措置についても台風第十九号については特定非常災害に指定されたことによって適用されることとなりましたけれども、今回のこの新型コロナウイルス感染症についても、この措置の適用について考えるべきではないかなというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

#23
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 今般、新型インフルエンザ等対策特別措置法が改正され、新型コロナウイルス感染症が同法の適用対象に含められたものと承知しております。元々、この新型インフルエンザ等対策特別措置法では、いわゆる特定非常災害特措法の規定が一部準用されていましたが、今般のこの改正によりまして、新型コロナウイルス感染症が蔓延し、国民生活等に甚大な影響が及んでいる緊急事態におきまして、委員御指摘の債務超過を理由とする法人の破産手続開始の決定の特例及び民事調停の申立て手数料の免除の特例措置につきましては、政令を制定することにより実施することが可能になったと承知しております。
 法務省といたしましても、委員の御指摘を踏まえて、政府の一員として所要の検討をしてまいりたいと考えております。
 それから、委員御指摘の相続放棄等の熟慮期間につきましては、改正前の新型インフルエンザ等対策特別措置法においても、この特定非常災害特措法による熟慮期間の一律延長の特例措置に係る規定は準用されておらず、今般の改正後もこの点は同様でございまして、この措置をとることはできないということになりますが、現行法の下でもこの相続放棄等の熟慮期間の個別の延長手続が存在しておりますので、法務省といたしましては、この手続の周知に取り組むとともに、引き続き、新型コロナウイルス感染症による国民生活への影響等を注視しながら、関係省庁と連携して対応してまいりたいと考えております。

#24
○元榮太一郎君 この破産手続開始の決定の特例及び民事調停の申立て手数料の免除特例措置、実施することが可能になったということでございますので、実施に向け、速やかに進めて、御検討いただきたいなというふうに思っております。
 そしてまた、この熟慮期間の延長手続でございますけれど、これは本当に積極的に周知していただきたいなというふうにお願いをしたいと思います。
 このような形で法務、司法行政におきましても新型コロナウイルスの感染拡大の防止に向けて各種取組が行われていると思います。このような状況だからこそ、森法務大臣のリーダーシップでしっかりとこの法務行政についても牽引していただきたいと思いますが、御決意を伺いたいと思います。

#25
○国務大臣(森まさこ君) 法務省においては、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、感染が拡大している地域に滞在歴のある外国人等に対する上陸拒否の措置を講じたり、水際対策を徹底するとともに、在留外国人等への情報発信、窓口混雑緩和策としての在留諸申請の受付期間の延長などの対応を行ってきたことは、先ほど事務方から答弁したとおりでございます。
 なお、元榮委員から、三月中でなくて四月中もという御指摘ございました。ちょうど昨日の記者会見で私から、四月中もやりますというふうに申し上げたとおりでございますので、またさらに、委員の御指摘も踏まえて様々な柔軟な対策を取ってまいりたいと思います。
 また、東日本大震災や台風十九号の例を捉えて、司法の停滞を防止するための様々な御提案もいただきましたので、しっかりと周知、また更なる政策を検討してまいりたいと思います。
 それから、水際対策でございますけれども、先ほど入国拒否の対象となる地域についても御質問がございました。委員の御指摘も踏まえて、国民の命と健康のため、必要とあらば、時々刻々と変化するこの新型コロナウイルスの感染拡大の状況に機動的に対応し、迅速かつ適切な判断をしてまいりたいと思います。

#26
○元榮太一郎君 ありがとうございます。力強く御推進いただきたいというふうに思います。
 続きまして、公安調査庁の機能強化の必要性について伺ってまいります。
 諸外国の情報機関による情報収集活動が憂慮されるようなことも報道等でも伺っております。そしてまた、この配付資料六にもありますとおり、昨年一年間のインターネット上でのサイバー攻撃というのが一昨年の一・五倍になるなど、この見えない空間、サイバー空間における脅威というものも高まっております。さらにはオリンピック・パラリンピックなど、国際的イベントに向けてソフトターゲットを狙うテロへの対策も重要だと思われます。
 これらの脅威に対しては公安調査庁の機能強化によって対応することが必要だと思われますが、サイバー攻撃事案への対応やオリンピック・パラリンピック等におけるテロ対策について、令和二年度の予算における公安調査庁の人員体制と予算規模を伺います。

#27
○政府参考人(浦田啓一君) お答えいたします。
 公安調査庁の令和二年度末の定員数は一千六百六十人、また令和二年度予算政府案において総額百五十四億三千三百九十九万円を計上しているところでございます。
 そして、同予算案において、破壊的団体等の調査に必要な経費として二十一億五千八百四十二万三千円が計上されており、委員御指摘のサイバー関連調査や東京オリンピック・パラリンピックにおけるテロ対策を含めた経費もこの中に含まれているところでございます。

#28
○元榮太一郎君 ありがとうございます。
 資料七を御覧いただきたいと思うんですが、これとても古くて、平成九年時点の外国の主な情報・団体規制機関の所属組織の概要でございますけれども、先ほどの御答弁だと公安調査庁の人員体制千六百六十人ということでございますが、この平成九年時点の諸外国の情報機関と比べても人数が少ないのではないかなというふうに思われます。
 森法務大臣は、所信表明においても、治安確保のための万全な体制を講じると同時に、国内外におけるテロ関連動向の把握、情報収集、分析に努められると、このように述べられました。国民の皆様が安心、安全に暮らせる社会の実現に向けた御決意等について伺いたいと思います。

#29
○国務大臣(森まさこ君) 我が国をめぐる国際テロ情勢については、過去に国際テロ組織がテロの対象として我が国を名指ししたほか、海外において邦人がテロの被害に遭う事案も発生しております。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会等の国際的に関心の高いイベントが控えている中、テロについて一層警戒する必要があると認識をしております。
 私も二〇一四年から四期連続で自民党の治安・テロ調査会長をお預かりしておりましたが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会については、委員御指摘も踏まえて、一層の警戒をしてまいりたいと思います。
 公安調査庁においては、国内外の関係機関との連携を一層緊密にしつつ、国際テロ組織等の動向に関する情報の収集、分析、国内において国際テロ組織との関わりが疑われる不審人物や組織の有無及びその不穏動向に関する情報の収集、分析、テロの標的となるおそれのある施設に関係する不穏動向に関する情報の収集、分析に取り組むとともに、得られた情報や分析結果については適時適切に関係機関に提供しているところでございます。
 こうした取組を通じて、今後もテロの未然防止に努め、国民が安心、安全に暮らせる社会の実現、東京オリンピック・パラリンピックを含めた全ての安心、安全な社会の実現に寄与していく所存でございます。

#30
○元榮太一郎君 ありがとうございます。万全の体制に向け、推進をお願いしたいと思います。
 最後に、ODRという、オンライン・ディスピュート・レゾリューション、オンラインによる裁判、ああ、紛争解決手続ですね、裁判じゃなくて。紛争解決手続について伺ってまいります。
 資料八を御覧いただくと分かるんですけれども、このODRというものはオンラインで紛争を解決しようというものでございまして、私自身も、弁護士をやったりする中で、大体訴額が百万円以下ぐらいの案件というのは弁護士に頼むと費用倒れになって泣き寝入りになっているということで、感覚値としては、法律相談まで来るんだけれども、うん、ああ、弁護士費用そんなに掛かるんですかと聞いて、検討しますと言ってもう二度と来ないというような印象を受けておりまして、そういった意味では、こういうオンラインで気軽に紛争が解決できる手続というのは、本当の意味での身近な司法を実現して、成熟した司法国家に向かう大きな第一歩であり、不可欠なものなのかなというふうに個人的に思っているところでございます。
 このODRに関しては、もう既に欧米を中心に普及しているところでありますけれども、昨年九月から内閣官房において開催されていたODR活性化検討会というのが今年の三月十六日に取りまとめを行ったと認識をしております。そして、このODRについては、報道ベースでありますけれども、我が国における実用化に向けて本年春にも実証実験を始めると、こういうような報道がされております。
 そこで、取りまとめの内容も踏まえて、現在検討されているODRの仕組みの概要とメリットを伺います。そしてまた、この報道にある実証実験の概要と目的についてもお聞かせください。

#31
○政府参考人(金子修君) お答え申し上げます。
 内閣官房に設置された有識者会議であるODR活性化検討会におきまして、ODRの活性化に向けた方策等について議論がされてきたところであり、法務省も関係省庁の一つとして検討会に参加してきましたが、本月十六日、その検討結果が取りまとめられたものと承知しております。この点は委員御指摘のとおりでございます。
 ODRとは、一般的には、ITなどの先端技術等を活用した裁判外の紛争解決手続一般を指すものと考えられますが、この検討会におきましては、裁判外の紛争解決手続であるADRのオンライン化のほか、その前段階の相談機関への相談や当事者間の交渉におけるITの活用の方策なども併せて検討されてきたものと承知しております。
 ODRのメリットとしましては、様々なものが考えられますが、例えば、遠隔地に所在する当事者や、夜間や休日でないと利用が難しい当事者であっても相談や紛争解決手続を利用することが可能となり、相談機関やADR機関の利用に伴う時間的、経済的な負担の軽減が可能になること、DV事案など当事者同士の対面を避けるべき事案でも、オンライン上で手続を実施することで適正、妥当な解決を図ることが可能となると考えられることなどが挙げられます。
 なお、御指摘の実証実験の点について報道がされたことは承知しております。また、同検討会においてもODRの社会実証を行うことが重要であるとの指摘があったものと承知しておりますものの、現時点で政府においてODRの実証実験を行うとの方針が決定したものとは承知しておらず、その具体的な内容についてお答えすることは困難な状況にございます。

#32
○元榮太一郎君 このODRについては、まさに今の新型コロナウイルスのこの感染拡大防止、こういうような取組の中でも大いに生かせる、司法の停滞防止するという意味でも重要かと思いますので、スピード感を持って推進していただきたいと思いますし、その身近な司法を実現するという意味では、まあ私も常日頃から言っていますけど、弁護士費用保険という形で、自助、公助、共助の中の共助、これも併せて、身近な司法というのを、司法、法務行政として、最高裁や法務省一丸となって是非実現に向けて強力に推進していただきたい、このことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#33
○櫻井充君 おはようございます。
 今日は新型コロナウイルスに関して質問させていただきたいと、そう思います。
 感染を防止していくことと、それから死亡者数をいかに減らしていくのかということがまず一番大事なことだと思います。残念ながら、我が国は、その検査の数が足りないからかもしれませんが、感染者数に対しての死亡者数の割合は実は高いんです、三%にも及んできています。ですから、これは原因がどこにあるのか、きちんと分析をしていただきたいと、そのことについてまず冒頭申し上げておきたいと、そう思います。
 この観点から幾つかお伺いしておきたいと思いますが、インフルエンザウイルスとそれから今回の新型コロナウイルスでは一体どういう点が違うというふうに分析されているでしょうか。

#34
○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症につきましては、現時点において確定的なことは分かってはおりませんけれども、これまでの専門家などからの報告によりますと、まず重症度については、致死率が極めて高い感染症ほどではないものの季節性インフルエンザと比べて高いリスクがあること、特に高齢者、基礎疾患を有する者では重症化するリスクが高いということがございます。
 それから、感染が確認されて症状のある方の八〇%が軽症で、一四%が重症、六%が重篤となっておりまして、重症化した方につきましても約半数は回復をしているということが言われております。
 それから、重症化する人も最初は普通の風邪症状でございまして、その段階では重症化するかどうかの区別を付けることは難しいといったことの事実が把握されているものと承知をいたしております。
 それから、一般的には感染症は一度治癒したら短期間で再感染をするということは考えにくいという特徴を有しておりますけれども、新型コロナウイルスの感染症につきましては、一度感染したら免疫が獲得できるのかどうかについては現時点では知見がございません。
 引き続き、専門家にも御相談しながら情報を収集してまいりたいと考えてございます。

#35
○櫻井充君 ありがとうございます。
 それに加えて、潜伏期間が長いというところがもう一つ大きな特徴ではないのかと思っているんです。
 この潜伏期間が長いということによって、人の体の反応は随分違ってきます。インフルエンザウイルスの場合には短期間に増殖するので、結果的には反応熱が出て、それから、今度は人の体の中に抗体ができ上がってウイルスを殺し始めます。
 ウイルスというのは非常に賢くて、自分が殺されると思うと、人にせきをさせて、そして自分の宿主から出ていってほかのところで増殖するという、そういう行為を行ってくるわけです。ですから、せきの期間が一番多分感染させるリスクが高いんだろうと、そう思うんですね。
 今回の症例をずっと見てきてみると、潜伏期間が長いということは、体内での増殖速度は決して速くないんだろうと思うんです。そうすると、その間に抗体ができるので、ウイルスからしてみると人の体の外に出ていきたいと感じていて、その結果、何が起こっているかというと、症状としては熱の前にせきが出ている人たちがかなり多いんですよ。
 そうすると、厚生労働省での今までのやり方だと、発熱して四日間たったら病院に行って検査してくださいとか、それから、高齢者の場合には二日間熱が出てという話をしていますが、むしろ大事なのは、その熱の前に起こってきているせきの段階で、疑わしい人たちは検査を受けに行くとかそういうことをやっていかないと、それから、せきが出た時点で会社休んでもらわないと、こういうときに広げていく可能性があるんだろうと思っているんですよ。いきなり休めはしないので、こういう人たちに対してきちんと検査をしていくという体制をつくっていった方が、私は、前職は四年間、結核病棟のあったところで診療当たっていた呼吸器科の医者ですから、その私の感性で申し上げれば、今のような点が全く違うんですよ。
 ですから、できればこれは検討していただきたいこと、これは要望しておきますけれど、むしろ、その四日間の熱発で検査に行ってくれということではなくて、せきの段階からもう少しきちんとした対応をしていった方が大事なんじゃないのかと、そう思います。
 その上でもう一つ。クルーズ船での封じ込め作戦というのは、当初は僕はこれはこれでよかったと思いますが、結果として七百人ぐらいの感染者が出たことを考えてくると、あの対策そのものが本当によかったのかどうかというのは、これは別に責めるわけではなくて、このことから一体何を学んでくるのかだと思うんですね。
 私が一番大きいと思っているのは何かというと、厚生省や内閣府の役人の人たちがクルーズ船に行ったわけですよ。で、その人たちが感染して帰ってきたという事実です。つまり、役所からしてみれば、こういうことをきちんとやったら感染しないだろうと、そう思って行かせたはずなんですが、この人たちが感染して帰ってきたという事実は、役所が、厚生労働省として考えていた感染対策では不十分だったんだということを物語っていると私は思っているんですよ。
 そうすると、一体このクルーズ船などほかの症例からどういう点を学んでいるのか、この点について御答弁いただけますか。

#36
○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 新型コロナウイルス、クルーズ船の例もございますけれども、を含めて感染経路についてどう考えるのか、それから感染の期間についてどういうふうに対応していくべきかという委員のお尋ねだろうと思います。
 現時点で、繰り返し申し上げておりますけれども、確定的なことが必ずしも分かっておるわけではございませんけれども、まず、一般的な感染経路につきましては、主には飛沫感染、接触感染とされてはおります。したがって、まず一般的には、せきエチケット、それから手洗いの徹底など、感染予防策に国民の皆様一人一人がしっかりと取り組んでいただくことがまずは大原則で、感染拡大の防止につながるというふうに承知をいたしております。
 その上ででございますけれども、委員先ほど御指摘もありましたが、クルーズ船のケースでございますとか様々な例を改めて見直してみますと、専門家からは、症状が軽い人でも気付かないうちに感染拡大に重要な役割を果たしてしまっているようなケースが考えられるといったこと、それから、換気の悪い密閉空間であったり、あるいは多くの人が密集していた、あるいは近距離、互いに手を伸ばしたら届く距離というふうに表現をされておりますけれども、そういった場所での会話あるいは発声、こういったことが行われるというような三つの条件、これが同時に重なった場合には集団感染が起きやすいといったことが指摘をされてございます。
 繰り返しになりますが、新型コロナウイルスにつきましては、現在もまだよく分からない不明な点が多くあるというのは事実でございまして、引き続き、専門家とも密接に連携をさせていただきながら、情報収集に努めてまいりたいと考えております。

#37
○櫻井充君 分からないのはそのとおりなんですよ、分かっていれば、こんな世界で拡大しませんから。だけれども、分からないなりにこういう可能性が非常に高いんじゃないかということを推測していくことはすごく大事なことだと思うんです。
 私は、今回の件を見ていると、飛沫感染よりも接触感染の方が多分強いんじゃないかと思っているところがあるんです。つまり、我々医療人の認識でいうと、ウイルスというのは生命体でしか存在できないと。つまり、この辺の机とかに飛んでいっても二十四時間は生きないというふうに考えられていましたが、むしろ細菌に近い状態でもう少し長く生存するんではないのかとか、そういう可能性が僕はあるんじゃないかと思っているんですよ。
 例えば、パブに行って、感染している人がまき散らしてやると言って、だけど、濃厚接触した隣の女性が感染したわけではなくて、その方が具合が悪くて横になっていて、多分その辺でせき込んだりなんかしたんだと思いますが、そこに座っていた女性が感染しているんですよ。つまり、こういう事例一つ一つちゃんと丁寧に見ていただくと、感染ルートというのは今までとちょっと違うんじゃないかと、ウイルスのね。
 だから、皆さんマスクされますけれども、マスクをしても、これマスクをしても、結果的には、飛沫で飛んできたものは、マスク以外、髪の毛とかみんな付くわけですよ。これをそのまま手をこうやって拭いて、これで物を食べたりとかなんかしたら、全部感染しますからね。ですから、そういう意味合いでいうと、僕は、飛沫感染以上に接触感染の方が強いんじゃないかなと。これは後、また検討してみてください。そういう観点からもう少し考えていった方がいいと思っているんですよ。
 そうすると、今度、治療機関で申し上げると、患者さんが入ってきたことによってその診療室なりなんなりが汚染される可能性は非常に高くて、僕は、もう院外に、例えば自衛隊の方々にテントを造ってもらってそこの中で診療するとか、それから、東日本大震災のときには、コンテナをほかの国々の方々から送っていただいてそこで診療しているんですよ。そうすると、こういう野外に造っていただくと、病院の中に入ってこないんですよ、疑わしい人たちが。
 ところが、これをやろうとすると、多分自衛隊のテントは別でしょうが、保健所の方の申請があって、これが下りるのに相当時間掛かるんですね。今、こういう救急、緊急の状態ですから、そういう意味では、こういう野外に物を造って、診療室を造ってやることについて、もうちょっと緩和していただいて、積極的にやれるようにしていった方が院内での感染を防げるんじゃないかと思いますが、この点についていかがですか。

#38
○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 委員御指摘のとおり、地域の医療提供体制の確保あるいは医療現場で働かれる方々の安心ということも含めて、現場での感染防止をしていくことは極めて重要でございまして、医療施設等における院内感染防止のための方策、これは様々対応させていただいておりますけれども、その中で、感染拡大の状況に応じまして、仮設の診療所を設けて動線を区分するといったような感染拡大の防止を図ることは、極めて有効な対応策の一つであるというふうに私どもも認識をいたしております。
 その上ででございますけれども、診療所の開設手続につきましては、個人の医師が開設をするという場合には事後的な保健所への届出でよいということと、事前に許可が必要な場合、これは法人開設の場合でございますけれども、営利目的で運営する等の医師法違反の事例のようなことを除きますと、開設許可は基本的には出るというふうな取扱いになってございます。
 その上ででございますけれども、診療所において医師法違反等が疑われる事例が生じる場合もございますので、都道府県は、行政指導あるいは業務停止命令を行うことになることもございますので、管内の診療所の状況を把握しておくことが必要なために、届出自体、これ自体を廃止をするというのは困難であるというのは多分委員も御理解いただいているものと承知をいたしております。
 その上で、今回議員が御指摘のあった保健所の許可が下りないという事例については承知をいたしてはおりませんけれども、日々対応に当たられております医療現場の皆様方から様々な機会を通じまして真摯にお話をお伺いをして、できることは確実に対応させていただきたいと考えております。

#39
○櫻井充君 いや、実は私のところに相談があって、下りないからこういう質問させてもらっているんです。ですから、そこについてはもう少しきちんと徹底していただきたいと。大学名挙げないでくれと言われたのでこれはそのまま申し上げておきますけれど、それをやって、とにかく現場として、感染防止策として今有効だというお話がありました。お互いに認識一致していると思うんです。ですから、そういうところについては積極的にやれるようにしていただきたいと、そのことはお願い申し上げておきたいと思います。
 その上で、もう一度改めて、先ほど申し上げたとおり、せきなりなんなり、そこから始まってくるんだと。いろんな症状があります。いろんな症状がありますから、全部が全部せきからだとは申し上げませんけれど、熱発四日間というこのガイドラインについて、もう少し僕は検討した方がいいんじゃないかなと。だから、国民の皆さんに、どういうときにより感染するんですよとか、どういうものが予防につながっていくんですよということをもうちょっと徹底するといいと思っているんです。
 特に、テレビ番組を見ていて、感染症の専門家の方々が来られて、何も発言されていませんが、もう皆さん、手洗い、うがいとおっしゃるわけですよ。うがいは、済みませんが、予防には医学的に全く効果がないことが立証されていますので。それから、この場で申し上げておきますが、ちょっと営業妨害になりそうですが、茶色い消毒液がありますけれども、あれでうがいをするとどういうことが起こるかというと、正常粘膜傷つけますから、ですからかえって悪くなりますので。
 そういうことでいうと、こうやって間違っていることを皆さんやられているわけですよ。厚生省のガイドラインのところ、ちゃんとホームページ見てみると、手洗いだけは書いてあるけれど、うがいは書いていないんですよ。これは正しいんです、本当に。だけど、そういうことが、テレビ番組で、もう皆さん、必ず最後は手洗い、うがいですねという話になっちゃうんですね。だから、こういう間違いをちゃんと正していかないと、きちんとした感染防止にはつながっていかないだろうと、そう思うので、これについても御検討いただきたいと思います。
 その上で、何が効果があるのかというと、実は口腔ケアって効果がありまして、これはもう日本人の研究者が出した論文ですけど、イギリスのランセットという雑誌に載っているので、相当権威のある雑誌ですけれど、高齢者施設で口腔ケアを行ってみたら、二年間の追跡調査で、発熱発生率、肺炎の発生率、それから肺炎の死亡者数をほぼ半分ぐらいに減らしたという、こういうデータがあります。
 そうすると、高齢者の方々が感染すると死亡する確率が高いので、今こそ高齢者施設できちんとした口腔ケアを行っていくことがすごく大事なことだと思いますし、これは、もう一つは、厚生省の班会議、まあ研究かな、あそこの研究の中でいうと、サンプル数は百程度として少ないんですが、インフルエンザの罹患率も十分の一程度に抑えられたというデータもあります。それから、山田宏さんが杉並区長のときに、小学校で子供たちに口腔ケアをやらせたら、その年は集団感染全くなかったという、そういう話もあります。
 ですから、口腔ケアは相当効果があると思っていて、特に高齢者施設できちんとした口腔ケアをやらせるべきだと思いますが、この点についていかがでしょう。

#40
○政府参考人(諏訪園健司君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症につきましては、高齢者、基礎疾患を抱える方は重症化するリスクが高い特性があることから、高齢者施設などにおける感染拡大防止の徹底を図ることが重要であり、感染拡大防止の具体的な取組方針について周知を進めてきたところでございます。
 高齢者施設等において行う口腔ケアにつきましては、今回の新型コロナウイルス感染症の発症率の減少に効果があるかは今後の知見の集積を待つ必要がございますが、誤嚥性肺炎の発症予防やQOLの向上につながる重要なものであると認識しているところでございます。このため、例えば平成三十年度の介護報酬改定におきましても、口腔衛生管理の充実を図る見直しを行ったところでございます。
 今後とも、高齢者の口腔ケアの充実に努めていきたいと、このように考えているところでございます。

#41
○櫻井充君 いや、今後じゃないんです。今日からやってもらいたいんですよ。
 それで、私の知り合いの歯科、歯医者さんがやっている施設などは、口腔ケアを行った結果、四年間だったかな、利用者さんのインフルエンザの罹患率ゼロだったんです。ただし、悲しいことに、子供たちがインフルエンザに罹患して帰ってくるので、働いている人たちは残念ながらインフルエンザに罹患しているんですけど、入所している方々はかかっていないんですよ。この間ついに出てしまいましたが、だけど、相当効果があることは分かっているわけですよ。であったとすれば、そんな悠長なことを言っていて、今後検討しますじゃないんです。
 だから、これこそきちんとやってくださいと今お願いしているんですが、もう一回答弁してくださいよ。

#42
○政府参考人(諏訪園健司君) お答え申し上げます。
 検討と申し上げたのではございませんで、これまでも充実に向けて取り組んできたところでございますし、今後とも高齢者の口腔ケアについてしっかり取り組んでいきたいと、このように考えております。

#43
○櫻井充君 ありがとうございます。
 こういうことを知らない人たちいっぱいいるんですよ、施設の方々でも。施設の方々と話をしてみると、こんなことで本当に感染予防できるんですかという話になって、皆さん、一番興味持たれるのが実は口腔ケアなんですよね。ですから、その意味でもきちんとやっていただきたいと思います。
 それから、もう一つ、高齢者施設で感染が蔓延してしまうと大変なことになるわけです。そうすると、感染症の患者さんが出た時点で、私は、クルーズ船の経験からいうと、その方々を別な、温泉宿がいいのかどこがいいかは分かりませんが、そういう場所に移すことと、働いている方々は二週間仕事をお休みしていただくようなことをしないと、もしかすると爆発的にその感染が増えてしまうんじゃないだろうかと、そう考えています。
 この手、まあやり過ぎなのかもしれないけれど、やり過ぎのようなことをやっていかないと、高齢者の方々は相当死亡率が高いです。我が国でも、亡くなっている方々は、一人年齢を教えていただけていないんですが、昨日、厚生省から聞いてみると、あと、全ての方が七十代、八十代、九十代、要するに七十歳以上の方々だと。そういうことになってくると、こういうような措置をきちんとするべきだと思うんですけど、この点についていかがですか。

#44
○政府参考人(諏訪園健司君) お答えします。
 介護施設が提供するサービスは、利用者の方々、その家族の生活を継続する上で欠かせないものでございまして、感染防止対策の徹底を前提とし、利用者に対して必要なサービスが継続的に提供されることが重要であると考えているところでございます。
 しかしながら、委員御指摘のように、高齢者施設で新型コロナウイルス感染が発生しました場合には、高齢者や基礎疾患を抱える方は重症化するリスクが高い特性がございます。感染拡大防止を図るため、サービスの継続的な提供が可能か否かは、感染者数、地域の発生状況等も踏まえた保健所の要請、指示に従うことになると考えております。
 感染の疑いがある利用者が発生いたしましてから保健所の指示を受けるまでの間の消毒、清掃等の実施方法や、個別のケアの実施に当たりましての具体的な留意事項などにつきまして、専門家の意見をお聞きした上で取りまとめ、三月六日付けでお示ししたところでございます。

#45
○櫻井充君 いや、結果的に、いろいろ話をしてもらったんですが、私言っていることについては全く答えてもらっていないんですよ。つまり、私が今申し上げているのは、ある種、隔離しちゃった方がいいんじゃないだろうかと。それはなぜかというと、接触感染の可能性の方が相当高いので、そういう意味合いでいうと、この施設のどこのところにコロナウイルスが存在しているかも分からないような状況になっているので、そういうことをやったらいいんじゃないかなということを申し上げました。まあ、御答弁結構です。でも、一応そこは考えておいていただきたいと、そう思います。
 あと残りの時間は、ちょっと経済対策についてお伺いしていきたいと思います。
 もう本当、多分どこの地域も今すごく大変なことになっていると思います。私の支援者の方々と話をしても、飲食店の売上げ大体七割減だとおっしゃっていました。こういう人たちが、もう本当に優良企業だった人たちも無利子の融資を受けたいという話をしているんですけれど、もう現場は相当大変になっています。それはなぜかというと、多くの方々が借入れをしたいからです。
 そうすると、今までであるとすると、この手の緊急措置だと、売上げが何割落ちたからとか、こういうものを全部持っていって、それから融資が受けられるとか、それから、今回は無利子になるんですが、利息は一回払って、それからお金また戻してもらうみたいな、めちゃくちゃ面倒くさい手続になっているんですよ。こういうことをやめて、もう完全に簡素化していただかないと、書類の審査だけで何か月も待たされることになると思うんですね。
 その意味で、是非お願いは、その融資については、もう今までにないぐらい緩和していただいて、それから利息も、今申し上げたとおり、いずれ最後は返してくれるんだったら、そこの事務作業がめちゃくちゃ大変なことになってくるので、最初から無利子融資にしてもらった方がよっぽど効率的だと思うんですけど、この点についていかがですか。

#46
○政府参考人(鎌田篤君) お答えいたします。
 経済産業省としましては、中小企業の事業継続にとりまして資金繰りの確保は何よりも重要というふうに認識をしております。
 こうした観点から、日本政策金融公庫ですとか信用保証協会などに対しまして、事業者の実情に応じた対応に全力を挙げて取り組むよう要請をしているところでございます。しかしながら、一部に委員御指摘のような声があることは承知をしているところでございます。
 こうした中、特に年度末につきましては、一年で最も資金繰りが重要となる時期でございます。このため、融資保証手続の迅速化を含めた支援徹底の加速化のため、三月六日には、経済産業省としまして、政府系金融機関などに対して、事業者に対する審査手続などを最大限のスピードで対応することについて要請を行ったところでございます。また、一昨日、三月十六日には、経済産業大臣が政府系金融機関及び信用保証協会連合会のトップと面談をいたしまして、融資現場の実態把握を行い、最大限の対応を直接要請したところでございます。
 御指摘の融資保証審査における手続の迅速化につきましては、日本政策金融公庫では、本部人員等からの応援派遣、本店営業時間の延長、千六百人規模での人事異動の凍結など、また、信用保証協会におきましては、柔軟な人員配置による相談、審査体制の強化、休日の相談受付や平日の相談受付時間の延長など、最大限の対応を行っているところでございます。あわせまして、提出書類を見直すとともに、手続の簡素化、迅速化、事業者負担の軽減にも取り組んでいるところでございます。
 日々変化する事業者の皆様の状況を十分に把握して、今後も必要な対策をスピード感を持って実行していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

#47
○櫻井充君 だらだら答弁してもらいましたが、肝腎なことを全く言ってもらっていないんですよ。
 それから、私の今の発言に対して、一部そういう声がありますと言っていましたが、それは相当認識間違っていますよ。大半の人がそう思っているんだから。相当な優良企業でも、今回はお金借りないともうどうしようもないなと言っているんですよ。だから申し上げているんです。
 例えば、今みたいなときも、一週間以内で決裁しますとか、そんな気の利いたことは言えないんですか。それから、私は最初から無利子にしてくれという話を出しているけれど、それについても答えてもらっていないんですよ。現場の感覚全くなさ過ぎですよ。現場の声、本当に聞いていますか。何人の体制にしようとか、そんなのなんか何にも関係ないんですよ、こんなもんは。
 済みませんが、東日本大震災のときに私は財務副大臣やらせてもらっていましたが、国の金の決裁は一か月でやってくれということをこれ財務省の主計係に言って、役人ですからできますとは言いませんでしたが、一か月でやってくれましたよ。だから資金繰りショートしないで済んだんですよ、あの当時。このぐらいのことは、ちゃんと言えばやれるんです。
 改めてお願いをしておきます。融資の依頼があったら、一週間以内に答えをちゃんと出して、答えを出してというよりも、お金ちゃんと融資してもらえませんか。こんな、今の答弁だと、頑張りますと言っているだけの話であって、いつぐらいにもらえるのかなんというのは全く分からないんですよ。
 もう一度申し上げておきたい。一週間、それからもう一つ、無利子、このことを検討してもらえませんか。

#48
○政府参考人(鎌田篤君) 審査の所要日数につきましては、最大限迅速な手続に努めるように指示をしているところでございます。個別の審査の所要日数につきましては、一つ一つの案件に応じまして異なりますので、一概に申し上げることは困難であるということでございますけれども、状況につきましては、経済産業省から政府系金融機関に対する指示の中できちっとフォローアップをさせていただくということで、問題がある場合には改めて指導させていただきたいというふうに考えております。
 また、無利子融資につきましては、先日の対策の中で、先日の第二弾の対策に基づきまして対応させていただきたいというふうに考えております。

#49
○櫻井充君 大臣に直接お願いしますから、それでいいです。もう言ってもしようがないことだから。
 あのね、やはり、国民の皆さんというか経営者にとってみれば、どのぐらいで金貸してもらえるのかというのが分かるか分からないかで全然違うんですよ、安心感が。そういう意味合いでは、もう十日でもいいです、二週間でもいいですよ。だけど、それ以内でちゃんとしますからということを言っていただいた方が、全力で頑張りますよりもはるかに効果があるんですよ。その点だけ申し上げておきます。
 それからもう一つ、幾ら借りたとしても、この期間の損失を、多分三年の支払猶予があって十五年で払うという制度だと思いますけれど、十五年間で払い切れるかどうか分からないという声が圧倒的です。そうすると、東日本大震災のときにも、グループ化補助金というのを初めて、初めてではないけれど、大規模にやったのは初めてですよ。あの当時、民間企業に対して、財産形成に資するようなことはできないという話がありましたが、でも、結果的にやったから多くの企業が助かりました。これは、今やもう熊本の大震災でも台風の被害でも使われるようになってきていて、もう大規模に企業にお金を入れるシステムはでき上がってきました。
 その意味では、無利子融資だけではなくて、今後、相当な損失が出るはずであって、こういった企業に対してある程度お金を注入できるようなシステムをつくるべきだと思いますが、この点についていかがですか。

#50
○政府参考人(鎌田篤君) お答えいたします。
 今回のコロナウイルスの拡大に対応する事業者様の対応につきましては、例えば営業時間の変更又は消毒の徹底的な実施といった形で千差万別でございます。こういった状況を踏まえますと、その対応に伴う費用負担や機会損失につきまして政府が一律に補償するということは、社会全体に納得感のある公平な対応という観点からも慎重に判断する必要があると考えております。
 このため、経済産業省といたしましては、第一弾の五千億円規模の融資保証枠を確保し、資金繰りを徹底的に支援するとともに、三月十日に取りまとめた第二弾の緊急対応策につきましても、更に資金繰りを強化をするということで対応させていただいたところでございます。
 引き続き、こうした措置によりできる限りの支援を行うということをさせていただくとともに、全国の相談窓口に寄せられている事業者の皆様方の御意見を伺いながら、引き続き可能な限りの対応について検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

#51
○櫻井充君 全く危機感ないですよね。
 緊急事態、宣言できるかどうかとか、この手の法律が通ったわけでしょう。つまり、そういう状況にあるわけですよ。あったとすると、それなりのちゃんと対応してくれないと。今の答弁は、慢性疾患の患者さんに対応しているようなものなんですよ。今は救急医療なんです。だから、そんなときに公平性だとかなんとかなんて関係ないですよ、はっきり言っておきますと。そういうことしか考えられないんだとすると、僕は、申し訳ないけど、中小企業庁というか中小企業の担当を外れてもらった方がよっぽどいいんじゃないかと思いますよ。今の答弁聞いたら、多分相当がっかりしていると思います。
 改めてこれは政府の方に求めていきたいと思いますけれど、このままいったら中小零細企業はばたばた倒産しますからね。そのことだけは是非分かっておいていただきたいことと、それから最後に、もう一度改めて厚生労働省にお願いは、とにかく感染者数を増やさないようにすることが一つ、それから死亡者数をいかに抑え込むかということがすごく大事なことで、今日議論するのは時間がなくてやめましたが、多分、サイトカインストームとかそういうことが起こって重症化しているんだと思うんです。そうすると、ステロイドの大量投与とかいろんな効果のあるものがあるはずですから、そういうことについて一つ一つ知見を得てきちんと対応していただきたいと、そのことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#52
○真山勇一君 立憲・国民.新緑風会・社民会派の真山勇一です。よろしくお願いします。
 新型コロナウイルスについては、ヨーロッパ各地は非常事態というようなことで、私はまた新たな一つステージに入っているんじゃないかという気がしますけれども、やっぱり我が国においては、とにかく一日でも早く終息させるということを最大の目的にして手を打っていかなければいけないというふうに思っております。
 さて、質問に入らせていただきたいと思います。
 森大臣、冒頭のところで一連の言動についておわびと撤回ございました。本当に森大臣は、今のこの言葉を聞いていますと、もう終わりにしたい、終わりにしてほしい、何かそういうような正直なお気持ちじゃないかというふうに思うんですね。私ももちろん終わりにしたいし、終わりにしてさしあげたいというふうには思うんですけれども。
 でも、大臣が謝罪、反省したけれども、私は何も変わっていないと思います。原因になったことについてだけ撤回をいたしますというふうにおっしゃっただけで、問題はそのまま、まだ依然として残っているままじゃないかというふうに思います。それは、大臣が法務行政をないがしろにしていることです。大事なこと、三権分立、あるいは検察官の独立性など、こうしたことについて、大臣の発言、やはり見逃すことはできないというふうに思っています。
 検察官の定年延長をめぐる森大臣の発言、これ、やはり見逃せない問題点だらけなんですね。法務大臣ならば、検察官というのはどういう仕事をするものなのか、どうあるべきなのか、当然承知していなければいけないと思います。承知をしていると私は思っています。
 しかし、森大臣の言動を見ていると、やっぱり全くそうじゃない。ところが、逆に、検察官が誇りとして守ってきた任務、こうしたことをなし崩しにしようとしているとしか思えないです。前代未聞のことをしているとしか私は思えないんです。
 検察官は定年延長はできないというこれまでの法律の解釈を変更して、黒川弘務東京高検検事長の定年を半年間延長する決定を閣議決定で行いました。改めまして、この延長した理由、お聞かせください。

#53
○国務大臣(森まさこ君) 黒川検事長については、東京高等検察庁管内において遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査、公判に対応するためには、黒川検事長の検察官としての豊富な経験、知識等に基づく管内部下職員に対する指揮監督が必要不可欠であり、当分の間、引き続き東京高等検察庁検事長の職務を遂行させる必要があるため、引き続き勤務させることとしたものでございます。

#54
○真山勇一君 今の大臣の答弁、何回か本当に聞いた答弁でございますけれども、こちらも改めてまた何回か聞かれたことを伺いたいと思います。
 今大臣がおっしゃった重大かつ複雑困難事件の捜査、公判に対応するために必要だという、その困難、複雑な捜査、これは一体何ですか。

#55
○国務大臣(森まさこ君) これ以上の詳細につきましては、個別の人事に関することである上、捜査機関の活動内容やその体制に関わる事柄でもあることから、お答えを差し控えさせていただきます。

#56
○真山勇一君 なぜ、黒川検事長じゃなければいけないんですか。

#57
○国務大臣(森まさこ君) 先ほども申し上げたとおりでございますが、黒川検事長の検察官としての豊富な経験、知識等に基づく管内部下職員に対する指揮監督が必要不可欠であるため、当分の間、職務を遂行させる必要があると判断したものでございます。

#58
○真山勇一君 黒川検事長以外、余人をもって代え難いというふうに考えていらっしゃると思うんですね、余人をもって代え難い。黒川検事長でなければならないことである、黒川検事長以外の人がなったら駄目なんですか。

#59
○国務大臣(森まさこ君) 先ほどの繰り返しになってしまいますけれども、黒川検事長の検察官としての豊富な経験、知識等に基づく管内部下職員に対する指揮監督が必要不可欠と判断しました。
 そして、人事院規則一一―八との関係では、七条三号の「業務の性質上、その職員の退職による担当者の交替が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずるとき。」に該当するところでございます。

#60
○真山勇一君 私、検察官という方というのは、豊富な知識とか経験を持った人はたくさんいらっしゃると思うんですよね。優秀な方はたくさんいると思うんです。何で、やっぱりその特定の人だけじゃなくちゃいけないのか。特定の人がやらなくちゃできないことなのか。おかしいじゃないですか、やっぱり。これは納得できないです、やっぱり。
 それはなぜか。検察機構というのを、私たち、ここにいらっしゃる皆さんもそうだと思いますが、法務委員会、法と秩序を守る委員会ということで、一番大事にしていることですね。検察官の中には、どういうことなのかというと、検察官同一体の原則というのがありますね、言われています。多分、検察官の方はとってもこれを大事にされていることじゃないかと思うんです。正義を守るためにはとっても大事なことじゃないかと思っているんです。
 この同一体の原則というのはどういうことかというと、細かくは申し上げませんけれども、検察官というのは、それこそどなたでも同じような知識と経験持っていて、例えば事件の案件を扱っても、誰が職務を遂行しても同じ成果を出せる、代わりが利かないなんという存在じゃない、誰がやっても法律に基づいて、法と秩序に基づいて結論を出していくわけですから、Aさんというのがやったら違う結果が出た、Aさんがやったら有罪になっちゃった、Bさんがやったら無罪になっちゃった、それじゃ駄目なんですよね。やっぱり同じ、同じ考えに基づいて仕事ができるというのが検察官同一体の原則だと思うんです。検察官というのはそれを大事に仕事をしてきたんじゃないかというふうに思うんですね。
 お配りした資料を見ていただきたいと思います。A3のちょっと大きい資料です。これ、参議院の調査室がちょっと膨大な細かなものを、こういう一覧表にまとめてもらいました。
 一番左側を見ていただくと、一九七六年から下は二〇〇三年まで、その隣、検事総長、それから隣、検事長、そして、そのときにあった大きな事件三つ並べてみました。ロッキード事件、東京佐川急便事件、リクルート事件、これ、いずれも十年あるいは十数年掛かった、捜査着手から判決が出て事件が終了するまで掛かっているわけですね。こうした大きな事件、これはとっても大きな事件だというふうに思います。ロッキードなんか特に戦後最大の疑獄事件というふうにも言われておりますし、この三つの事件には、どれも多くの政治家も絡んでいた事件です。
 私は当時、もちろん当然議員ではなくて、報道の現場で働いておりまして、こうした事件は取材をしていました。発生から裁判が終わるぐらいまでずっと追っかけました、ニュースにしてまいりました。でもその間、こうした事件は、検察も裁判長も裁判も、淡々と厳格に捜査が行われ、厳格に判決が出されていったという私は記憶を持っています。この間に、見ていただければお分かりのように、検事総長、検事長、こんなに大勢の方が替わっています。皆さん優秀な方だったと思います。誰がやっても大丈夫、だから、こうやって大きな事件があっても淡々と多分人事が行われていたんじゃないかというふうに思います。
 法務省に伺います。
 この間に何か都合が悪いことがあったということは、そして定年の問題が起きたということはあるでしょうか。

#61
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の都合の悪いことの意味が、ちょっと済みません、必ずしもつまびらかではございませんが、もしそれがこの今御指摘の一連の、検事総長あるいは東京高検の人事に関わることでのお尋ねということでございましたら、個別の人事に関わることでございますので、大変申し訳ございませんが、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

#62
○真山勇一君 じゃ、ちょっと聞き方を変えます。
 こういう人事異動が、これは客観的な、表を御覧いただければ分かるように、人事、交代していますね。これで、この大きな事件との関わり合いでいうと、何か不都合というのが起きたことはありましたか。

#63
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 重ねてで大変申し訳ございません、その不都合というお尋ねの意味が必ずしもつまびらかではございませんが、これがもし人事に関わることでおっしゃっておられるとするならば、それは個別の人事に関わることとしてお答えを差し控えさせていただきたいと思いますし、あるいは個別の事件の捜査、公判の状況に関わることでございましたら、それは個別の事件の捜査、公判に関わることでございますので、そういった観点から、大変申し訳ございませんが、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。

#64
○真山勇一君 それじゃ、もう一つ聞き方を変えて、こうした様々な、振り返れば大きな事件が起きているわけですけれども、その中で、人事の方も淡々とこうして交代をしているけれども、これで検察としては、業務、普通に何ら支障なく行われたという認識ですか。

#65
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 重ねてでございますが、その何ら支障なく普通にといったことが具体的にどういうことを指してお尋ねになっているか、ちょっと必ずしもつまびらかでございませんが。
 検察の業務ということは、基本的には個別事件の捜査、公判の集合体でございますので、個別事件に関わることということで、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

#66
○真山勇一君 では、この表を踏まえてというか、これ御覧になって、今私が申し上げた検察官同一体の原則ということは、やはり当然現場では最も守るべきこと、検察官の守るべきこととして取扱いをしてきたというふうに考えていらっしゃいますか。

#67
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘のように、検察官同一体の原則というのは極めて大事なことだと思っております。
 ただ、ちょっとこの点について御説明を申し上げますと、検察官同一体というのは、決して個々の検察官がそれぞれに同じ能力を持っているということを要求しているものではございませんで、むしろ、個々の検察官は経験等による能力の差があることは当然でございます。
 一方、検察権というのは行政権の一部でございますので、この検察官の権限行使が全国的に均斉かつ適正に行われるようにすることが大事でございます。すなわち、能力に差のある検察官の集合体が、均斉な、全国的に均斉かつ適正な権限行使を行うためということ、そのために、個々の検察官が統一ある組織体に編成されることが大事だということでございまして、具体的には、個々の検察官がその上司の指揮監督に服し、又は検事総長、検事長又は検事正がその指揮監督する検察官の事務を自ら取り扱い、又はその指揮監督する他の検察官に取り合わせることができると、こういうことによって検察官同一体の原則が行われているものでございます。

#68
○真山勇一君 検察は、結局、今、指揮権のことについておっしゃいましたけれども、検事総長がトップにいて、検事長がいて、そして検事がいるという一つのピラミッドをつくって、その中で指揮監督をされているわけですね。その検察官が扱う事件も均一かつ適正でなければいけないということも分かりました。
 だけれども、今回、そうすると、その人事の中に突然、行政、しかも閣議決定という形で法務大臣から指揮が、指揮命令系統の中に入り込んだということじゃないですか。だって、人事決めるのは、やっぱりその今おっしゃった……

#69
○委員長(竹谷とし子君) 真山勇一君、お時間が過ぎております。

#70
○真山勇一君 ピラミッドの中からやるんではないかと思うんですが、いかがですか。

#71
○委員長(竹谷とし子君) お時間が過ぎておりますので、答弁簡潔に願います。

#72
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 検察官同一体の原則は、事件の処理でございます。で、今委員御指摘の点は人事の点でございまして、それは事件の処理と人事のことは別のことだと考えております。

#73
○委員長(竹谷とし子君) 真山勇一君、おまとめください。

#74
○真山勇一君 はい、時間が来ましたので、まだこれは途中で、これから大臣に伺いたいことがありましたので、また次回に譲りたいと思います。
 ありがとうございました。

#75
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。
 まず冒頭、先ほど森法務大臣の方から謝罪をいただきました。森法務大臣におかれましては、しっかりと今回の件を重く受け止めていただきまして、法の支配をつかさどる法務省所管大臣として、今後、革命的な深慮とまた決意をもって国民の負託に応える職務に全力で取り組んでいただくことを切にお願いを申し上げる次第でございます。
 私も、森法務大臣と同じ弁護士であります。そういう意味では先輩というふうに思っております。実務家としても、現場で人権擁護の最前線で汗をかいてこられた経験がおありである森法務大臣、一人に寄り添う視点があるというふうに思っております。特に女性の権利擁護であったり、ジェンダーギャップの解消などの課題については、森法務大臣、力強く推進していただくという決意を伺っているところでおります。そうした点についても、個人的な思いでもありますけれども、私自身は一生懸命応援をしていきたい、こんなふうに思っておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、今般の新型コロナウイルスの影響等も踏まえながら、私からは法務行政全般につき、今般の令和二年度予算に関連しての質問をさせていただきます。
 まず第一に、誰一人取り残さない社会の実現に向けてということで、SDGs達成に向けた取組に関連して質問をさせていただきます。
 国連が掲げる持続可能な開発目標、SDGs、誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会を目指すという理念、崇高な理念を掲げるものでございますが、まさに人権擁護の先頭に立つ法務省こそ親和性があり、積極的に推進をしていただきたいというふうに考えております。
 ちなみに、ゴール三は保健ということにもなっておりまして、あらゆる年齢の全ての人々の健康な生活を確保し、福祉を推進するというふうになっております。今般の新型コロナウイルスの対策に当たっても、このSDGsの理念は、世界規模での感染症を地球規模で団結して乗り越えよう、そういう理念も包含するということを付言をさせていただきます。
 そこで、質問でございますが、SDGs達成に向けた法務省の取組についての概要をお答えください。あわせまして、令和二年の予算案につきまして、SDGs推進を目的とした費目についても御説明をお願いいたします。

#76
○政府参考人(山内由光君) 法務省におきましては、関係省庁と連携しながら、SDGs達成に向けた取組、これを推進しております。特にゴール十六の平和と公正を全ての人に、これの達成を中心にいたしまして、再犯防止対策の推進、第十四回犯罪防止刑事司法会議、いわゆる京都コングレスの開催、心のバリアフリーを推進するための人権啓発活動、こういったことなどの施策を実施しているところでございます。これらの施策につきましては、持続可能な開発目標推進本部で決定されました、いわゆるSDGsアクションプランに盛り込まれているところでございます。
 そして、令和二年度の政府予算案についてでございますが、これらの施策に係る経費といたしまして、内数のため特定できない額を除きまして、約四百八十四億四千万円を計上しているところでございます。

#77
○安江伸夫君 今御説明いただきましたSDGs達成に向けた取組、今年二〇二〇年冒頭から、この新型コロナウイルスの影響で前途多難な様相を呈することとなっておりますが、こうした困難な状況にあっても、むしろこうした状況にあるからこそ、このSDGs達成を目指しての大臣の決意をお願いいたします。

#78
○国務大臣(森まさこ君) 持続可能な開発目標、SDGsは、二〇一五年九月の国連サミットで採択された二〇三〇年までの国連目標です。誰一人取り残さない社会を実現するための十七のゴールから構成されておりますが、SDGsの達成は国際社会全体における重要な課題であることは安江委員御指摘のとおりでございます。
 法務省においては、ゴール十六、平和と公正を全ての人に、の達成を中心に、関係省庁と連携しながら、SDGsの達成に向けた様々な取組を国内外で推進をしてまいります。法の支配が貫徹された公平公正な社会の実現を目指し、今後とも、引き続きSDGsの達成に積極的に貢献してまいります。

#79
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 またSDGsに関連をいたしますが、法務省におかれては司法外交を積極的に推進していただいているところでございます。ちょうど昨日の読売新聞でも、「法支援「ODAの金字塔」」という見出しで、一九九六年のベトナム民法改正支援の話題等も紹介がなされておりました。
 法整備支援は、基本的人権の尊重という普遍的な価値観を世界に、また人類に定着をさせていく大変重要な取組というふうに理解をしております。また、国際仲裁の活性化、国際協力などの取組を進めていく、こうした司法外交の取組について、法務省、お答えください。

#80
○政府参考人(山内由光君) 先生御指摘の司法外交でございますが、司法外交というのは、全ての人がルールの下で安全、安心で暮らせる社会を実現するために必要な法の支配及び基本的人権の尊重、こういった基本的価値を日本から世界に発信して、世界各国でそのような社会を実現していくための取組でございます。
 先ほど先生からも御指摘いただいた、開発途上国などに対する法制度整備支援、これを始めとする司法外交の推進でございますが、これはまさに、その国の経済成長を支える司法インフラを整備いたしまして、持続可能な発展に貢献するものであるとともに、国際社会における我が国の存在感と価値を高める意味でも大変重要な取組だというふうに承知しております。
 法務省におきましては、司法外交の推進に向けて、関係省庁、関係機関と連携しながら、例えば、先ほども指摘いたしました第十四回国連犯罪防止刑事司法会議、いわゆる京都コングレスの開催でありますとか、法の支配の基本的価値の実現に向けた積極的な法制度整備支援の推進及び国際法務人材の育成、派遣などを通じた国際機関との連携強化、あと、先ほども、委員からも御指摘ありました、国際取引をめぐる紛争解決のグローバルスタンダードになっている国際仲裁、これの活性化に向けた必要な基盤の整備などに取り組んでいるところでございます。

#81
○安江伸夫君 今、京都コングレスということにも付言をいただきました。この京都コングレス、こういうこのコロナウイルスの状況でございます。開催そのものが延期という報道も、先日一部出ておりましたが、いずれにしても、これ五十年ぶりに日本で開催される国連の大きなイベントでございます。その意義、また、大臣がこのコングレスに懸ける思いというのを改めてお聞かせください。

#82
○国務大臣(森まさこ君) 京都コングレスでは、世界各国により、その全体テーマであるSDGsの達成に向けた犯罪防止、刑事司法及び法の支配の推進について真摯な議論がなされ、これにより打ち出された中長期的な方針に基づき、各国が犯罪防止、刑事司法分野の取組を進めていくところに大きな意義があります。また、京都コングレスに参加してくださった世界の方々に、我が国における法の支配の浸透や、世界一安全な国日本を体感していただくことも大きな意義がございます。
 この機会に、法の支配や基本的人権の尊重といった普遍的、基本的価値や、国際協力の重要性を国際社会に強く打ち出すべく、指導力を発揮してまいりたいと思います。また、我が国の刑事司法制度に対する正しい理解を得るため積極的に国際発信を行うとともに、各国の司法関係閣僚と対話を行ってまいりたいと思います。

#83
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 こういう状況でそんなことを言っている場合じゃないという厳しいお声も当然あろうかと思いますけれども、これを乗り越えて、何としてもこのコングレスを成功させよう、そういう決意で現下の課題に一丸となって取り組んでいきたいというふうに思います。
 また、あわせまして、この京都コングレス、ユースフォーラムという会合も開催されると承知をしております。改めて、その意義、意気込みにつきまして、大臣、お願いします。

#84
○国務大臣(森まさこ君) ユースフォーラムでは、世界の若者が京都コングレスの議題に関連するテーマについて議論を行い、その結果を提言として京都コングレスに提出をいたします。
 ユースフォーラムには、未来を担う若者に、世界の犯罪防止、刑事司法分野の喫緊の課題について議論することを通じて、安全、安心な社会の実現への関心を高めてもらうという大きな意義がございます。また、特に我が国の若者については、世界から集まった様々な価値観を持つ若者と真摯に議論することを通じて、国際感覚を養う絶好の機会であり、犯罪防止、刑事司法分野におけるグローバル人材の育成に資する点でも大きな意義があると考えております。

#85
○安江伸夫君 ユースフォーラムの意義について御説明いただきましたが、文字どおり、若者、青年に焦点を当てていただいたところだと思います。やはり、この普遍的な法の支配の原理、これを教育の現場から自然的な感覚として醸成することが、迂遠なようであっても、重要な取組であるというふうに思っております。
 そこで、日本の法教育の実施状況及び今後の展望と課題について伺いたいと思います。

#86
○政府参考人(金子修君) お答えいたします。
 自由で公正な社会の担い手を育成するためには、法や司法制度の基礎となっている価値を理解し、法的な物の考え方を身に付けるための法教育が必要不可欠であります。
 法務省では、これまで、法教育教材を作成し全国の学校等に配布したほか、これらの教材を使った法教育授業の実践方法などの紹介を含む教員向け法教育セミナーの実施や、全国の学校等に法務省職員を講師として派遣して実施する法教育授業など、まずは学校教育において法教育がしっかりと根付くよう取組を進めてきたところでございます。
 このような取組を進める中で、教育現場からは、法教育の意義を知り、実践してみようと思ったといった反応が多く得られた一方で、具体的な法教育、法教育授業のイメージが湧かない、法教育に十分な時間を取る余裕がないなどといった意見もあったところでございます。
 そのため、法務省では、教員が具体的な法教育授業のイメージを持つことができるよう、法教育教材を利用した具体的な授業例につき、モデル授業例として法務省ホームページで公開するための準備を進めているほか、成年年齢引下げにより大きな影響を受ける高校生が自ら学ぶことができる法教育リーフレットを作成、配布することを予定しているところでございます。
 法務省としては、今後とも、関係機関と連携しながら、学校現場のニーズに応じた法教育の取組をより一層充実させることができるよう、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

#87
○安江伸夫君 続きまして、人権擁護の関連で質問をいたします。
 文科省の調査によりますと、平成三十年度のいじめの認知件数、これ五十四万三千九百三十三件となり、前年度から十三万件も増加をしているという現状でございます。
 今回の人権擁護関係の施策の中で、いじめを始めとした子供の人権問題の解決を推進するとありましたが、こうしたいじめの実態を踏まえ、これまでの取組の見直し、また思い切った改革的な取組が必要ではないでしょうか。今後の具体的な取組についてお答えください。

#88
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、いじめの認知件数は非常に多く、極めて深刻な状況にあると認識しております。
 法務省の人権擁護機関におきましては、いじめの早期発見が重要との観点から、子供が相談しやすい体制づくりのための様々な取組を行っています。具体的には、子供が誰にも知られずに相談できる子どもの人権SOSミニレターを全国の小中学生全員に配布し、法務局職員や人権擁護委員が相談に応じているほか、子どもの人権一一〇番という全国共通のフリーダイヤルを設けたり、SOS―eメールとしてインターネットによる相談も受け付けたりしているところでございます。
 これらを通じて、助けを求めている子供を見逃すことのないように取り組んでまいりたいと考えております。

#89
○安江伸夫君 子供たちのいじめの問題に関連して重要なことは、相談者の子供たちの側の目線に立つということであることは言うまでもありません。
 今、多くの小中高生たちは、大人以上に主要な情報ツールとしてスマホ、また今おっしゃっていただきましたがインターネット、活用しております。特に、SNSの活用が活発なことは言うまでもございません。こうした実態を踏まえまして、SNSを活用した相談体制の整備が効果的だと思いますが、その現状、また今後の取組についてお答えください。

#90
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、若年層が用いる主なコミュニケーションツールが電話やメール等からLINEなどのSNSへと変化していることを踏まえまして、令和元年八月二十九日から名古屋法務局におきまして、愛知県内に在住する方を対象にLINEによる人権相談を開始したところでございます。開始から本年二月末までの六か月間で二千八百件以上の相談が寄せられており、若年層に限らず幅広く利用されている状況にございます。令和二年度中には、東京法務局におきまして東京都内に在住する方を対象にLINEによる人権相談を開始する予定であるなど、対象地域の拡大に向けて取り組んでいるところであり、引き続きLINEによる人権相談の体制整備に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。

#91
○安江伸夫君 私の地元の愛知のことも紹介していただき、ありがとうございます。引き続きそうしたLINE相談の体制を整備していただくとともに、LINEだけではなくてツイッター、インスタグラム等も今の若者は利用しております。そうしたところにも是非アプローチした体制をつくっていただきたい、こう要望しておきます。
 続きまして、差別、偏見の根絶という観点で質問させていただきます。
 今般の新型コロナウイルスの拡大に伴いまして、感染地域の民族、人種に対する差別的な言動、ヘイト、暴力的な事件などが報道されました。本当に悲しいことだというふうに私は思います。世界的な感染の広がりによる不安、恐怖、そうしたことから生じるものというふうに思いますが、翻ってみれば、まだまだ世界には普遍的な基本的人権の理論が全然浸透し切っていない、こういう現実を直視しなければいけないと感じます。
 また、一昨日、植松聖氏の裁判の判決期日でもございました。この事件によって亡くなられた方の御冥福を深くお祈りをするとともに、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。まだ判決は確定していないと承知しておりますが、今回の事件、植松氏という人物固有の特異性に基づくものではないと私は思っております。命の軽重に区別がある、権利には不平等がある、そう考えてしまう人間の魔性が現実に映し出された事件ではなかったか、こう思っております。どんな命もかけがえのない存在であり、だからこそ平等に尊重される、大事にされる、これが人権である、私は考えます。
 改めまして、差別、偏見を根絶していくため、人権教育をより一層推進していくべきだと考えます。法務省の取組についてお答えください。

#92
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症に関連して不当な差別、偏見、いじめ等があってはならないことは言うまでもありませんし、また、障害を理由とする不当な差別や偏見があってはならないことも言うまでもございません。
 法務省の人権擁護機関におきましては、国民一人一人の人権意識を高め、人権への理解を深めてもらうことが重要と考え、各種の人権啓発活動を行っているところでございます。
 その一つに人権教室というものがございますが、これは、いじめ等について考える機会をつくることによって、子供たちが相手への思いやりの心や命の尊さを学ぶこと等を目的として、人権擁護委員が中心となって小中学校で道徳科の授業等を利用して実施しているものでございます。
 この人権教室につきましては、文部科学省と連携して、平成三十年十二月、同省から教育委員会等に宛てて人権教室の積極的活用などに関する通知を発出してもらう一方、法務省からは、法務局に宛てて人権教室の積極的な実施を始めとする学校等との更なる連携強化に関する通知を発出しているところでございます。
 今後とも、文部科学省と連携して、差別や偏見のない社会の実現を目指して取り組んでまいりたいと考えております。

#93
○安江伸夫君 こうした世相であるからこそ、世界の分断を防ぎ、協調し、共生社会を実現していく、この人権教育という観点が今一層重要であるというふうに考えております。
 法務大臣、人権教育に懸ける思いをお聞かせください。

#94
○国務大臣(森まさこ君) 新型コロナウイルス感染症に関連してもそうですけれども、どのようなことであっても不当な差別、偏見、いじめ等があってはならないものと考えます。
 法務省としては、偏見や差別のない社会、そして、全ての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現を目指しています。そのために、関係機関とも連携して人権擁護活動を着実に推進してまいります。

#95
○安江伸夫君 ありがとうございます。
 今も御指摘いただきましたが、女性や障害者、外国人、あるいはLGBTの性的マイノリティーの方々、こうした多彩な個性に応じた人権啓発、共生社会の実現がいや増して重要なときに来ていると思います。
 誰もがひとしく自己の尊厳を維持できる社会、心のバリアフリーの実現を目指しての法務省の今後の方針を伺いたいというふうに思います。
 またあわせて、人権教育におきまして重要なのは、立場の互換性という観点であるというふうに思います。自分が相手の立場であったらどうだろうか、この視点、この想像力を涵養することが人権教育の全てと言っても過言ではないというふうに思います。
 法務省は、体験型人権活動の啓発強化ということも掲げていただいております。その具体的な取組についても併せて教えてください。

#96
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。
 委員御指摘の各事項はいずれも重要な人権課題であると認識しており、法務省の人権擁護機関では、それらの人権課題について、啓発動画の作成、配信、啓発冊子の作成、配布、インターネット広告など、各種の人権啓発活動を行っているところでございます。
 また、様々な人権課題を通じて大切なのは、委員御指摘のとおり、相手の身になって考えるということであり、そのような観点から、相手の立場に立つことを通じて思いやりの心などを体得してもらうことを目的とした車椅子体験、障害者スポーツ体験など、体験型の人権教室を社会福祉協議会や民間企業等と連携協力して実施しているところでございます。
 今後とも、様々な人権課題の解決に向けて、関係機関等とも連携協力して、これら体験型のものの活用も含めて、人権啓発活動にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#97
○安江伸夫君 同じ人には当然なれないわけではありますが、例えば今の体験型の教育、いつかはもしかしたら自分がそうした障害を持つかもしれない、そういう立場に置かれるかもしれない、そうした視点をより一層涵養していただきたいというふうに思っております。
 続きまして、再犯防止について質問させていただきます。
 以前も同じテーマで私も質問させていただきましたが、我が国の刑事政策のうち、再犯防止は極めて重要なテーマでございます。世界一安全な国を目指し、再犯の防止に対してどのように取り組まれるのか、その取組、意気込みを法務大臣からお答えください。

#98
○国務大臣(森まさこ君) 新たな被害者を生まない、安全、安心な社会を実現するためには、犯罪をした者等の再犯防止が特に重要であります。
 現在、政府においては、平成二十九年十二月に閣議決定された再犯防止推進計画に盛り込まれた具体的施策を着実に実施しています。この推進計画は、平成三十年度から令和四年度末までの五年間を計画期間と定めておりまして、来年度に折り返しを迎えるに当たり、現下の課題に対応するため、昨年十二月の犯罪対策閣僚会議において再犯防止推進計画加速化プランを決定いたしました。
 この加速化プランでは、より重点的に取り組むべき課題として、満期釈放者対策の充実強化、地方公共団体との連携強化の推進、民間協力者の活動の促進の三つを掲げ、これらに対応する各種取組を加速させることとしております。
 このうち、満期釈放者対策については、加速化プランでは新たな成果目標として、令和四年までに、満期釈放者の二年以内再入者数を二割以上減少させ、二千人以下にすることを設定するとともに、この目標の達成に向け、刑事施設と更生保護官署が連携して行う出所後の帰住先の確保のための生活環境の調整の充実強化と仮釈放の積極的な運用、他省庁と連携した満期釈放者に対する就労や住居を始めとした受皿等の確保、更生保護施設を退所した者に対する継続的な相談支援など、満期釈放者の相談支援の充実などの具体的取組を盛り込んでおります。
 法務省としては、加速化プランの内容も踏まえつつ、地方公共団体や民間協力者との連携を一層強化し、満期釈放者対策を始め、再犯防止に向けた取組を更に推進してまいります。

#99
○安江伸夫君 力強く推進をしていただきたいと思います。
 申し訳ありません、時間が来ました。最高裁刑事局長をお呼びしたのに、申し訳ありませんでした。
 以上で終わります。

#100
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
 まず冒頭に、大臣にお聞きをしたいというか、確認をしたいと思います。
 先ほど大臣自ら御発言もありましたが、先般の一連の言動は、まさにこの国会審議の停滞を招き、国会議員はもちろんのこと、多くの国民も驚き、唖然としてしまったということだと思っております。従来の法務省の事実認定を確認しないで個人的な評価を国会で答弁するということは、大臣としてはあってはならないことでありますし、検察官が一番最初に逃げた、理由なく釈放した云々の発言も、自らのこの法務、検察行政をおとしめることになっていると思っております。
 我々は、我が党は、基本的には審議拒否をしないということにしているんですが、今回のこの大臣の言動に当たっては、これは容認することはやっぱりできないということで、この委員会等の審議に応じることはできないということにしたわけですが、それほど重大なことだと受け止めていただきたいと思っております。
 既に大臣は謝罪をされ、発言を撤回をし、総理からも厳重注意を受けたということでありますが、そして先ほど冒頭でもおわびの言葉をお述べになったということでありますが、本当に今後真摯に国会答弁をちゃんとしていただけるのか、また誠実に対応していただけるのか、この点を確認をしていきたいと思います。

#101
○国務大臣(森まさこ君) 三月九日の参議院予算委員会の私の答弁によりまして、この法務委員会の皆様の御質問の機会も奪ってしまったこと、大変申し訳なく思っております。今後は、国会における答弁に真摯に向き合い、誠実に答弁してまいります。

#102
○柴田巧君 一層の緊張感を持ってこれから職務に当たっていただきたいと思いますし、まず我々としては、本当にそうしていただけるか、仕事ぶり、発言ぶりをしっかり注視をしていきたいと思っております。
 では、具体的な質問に入っていきたいと思いますが、新型コロナウイルス対策についてお聞きをします。
 その前に、この感染によってお亡くなりになった方の御冥福をお祈りすると同時に、御遺族に心からお悔やみを申し上げたいと思います。また、今まさに治療、療養をされている方にはお見舞いも申し上げたいと思います。
 大変な状況になって、なかなか出口が見出せない、終息のめどが立たないという中にありますが、しっかりきちっきちっと対策を講じていかなければなりません。
 その中でも水際対策、今もなお極めて重要だと思っております。昨日の専門家会議においても、脇田座長がおっしゃったように、今、欧州や東南アジアからの帰国者などで感染する人が何人も出てきたということを受けて、再度水際対策の重要性を指摘をされましたが、しっかり水際でこの阻止をしていくということが大事であるということは改めて言うまでもないと思っております。
 私たちは、早い段階から、中国全土など、そういう感染の深刻なところからは、特に中国全土からは入国を禁止すべきだということを申し上げてきましたが、今月の九日から中国、韓国に対するこの入国制限が強化をされて、その後イタリアなども追加をされているわけでありますが、いずれにしても、厳格に、そして迅速に、ちゅうちょなくやっていくということが肝要だと思っております。
 その中でちょっと気になりますのは、教えていただきたいのは、そうやって入国制限をしている一方で、特段の事情があれば入国を認めるということにもしていると承知をしています。これは例えばどんな事情がそれに該当するのか、そして、これは実際誰がいつどこでこれを認めることになるのか、お聞きをしたいと思います。

#103
○政府参考人(高嶋智光君) お答えいたします。
 御質問の中にありましたように、一定の地域を対象地域として、これらの地域に滞在歴がある外国人等につきましては、特段の事情がない限り、入管法五条一項第十四号に基づく上陸拒否をしているところでございますが、この特段の事情が何かということにつきましては、典型的な例は、日本人の配偶者や子供であることなどについては特段の事情があるというふうに考えております。
 このほかやや特殊な例でございますが、当初は、中国の湖北省と浙江省につきましては、この二つの省が発行した旅券を有している外国人、所持する外国人、まあ中国人ですが、につきましてはそれだけで上陸拒否の対象というふうにしておりました。しかしながら、この二つの、二省の旅券を持っていても十四日以内に滞在歴のない方につきましては、これはやはり特段の事情があるということで上陸を許可しているところでございます。ほかの地域は、このような特定のパスポートを持っているというだけで上陸拒否事由にはしておりません。特段の事情というところにも結局かかってこないということになっております。若干これがやや特殊な例でございます。
 これらの事情があるかどうかにつきましての御質問ですが、これは上陸手続において入国審査官等が、本人の申立てに加えまして、同行者への質問、旅券に記された出入国歴、出入国在留管理庁が保管する当該外国人等に関する情報等を総合的に勘案して判断しているところでございます。

#104
○柴田巧君 では、この特段の事情で入国した、できれば国籍別で分かればなおいいんですが、人の数はこれまでどれだけか教えていただけますか。

#105
○政府参考人(高嶋智光君) お答えします。
 二月一日から三月十六日までの間で、この措置の対象に当たるとして慎重な審査の対象になった外国人は六百九十六名でございました。そのうち特段の事情が認められて上陸を許可された者は、この六百九十六名中三百八十六人でございます。
 その内訳でございますが、日々の集計値としては出しておりませんで、お答えするためにはこの二月一日に遡っての精査が必要なため直ちにお答えするのが困難な状況でございますが、そのほとんどは、この三百八十六名のほとんどは、先ほど御説明した湖北省又は浙江省において発行された旅券を所持しているのだけれども、これらの省への滞在歴が、十四日間の滞在歴がないという者でございます。

#106
○柴田巧君 これ確認ですが、もし分かれば教えてほしいんですけど、そうやって特段の事情を認めて入国した人たちのいろんなこの検査とか検温とか、そういったことはしっかりなされているものなのでしょうか。

#107
○政府参考人(高嶋智光君) 事前に通告いただいていなかった御質問でございますので正確にお答えすることがちょっとできない部分がありますが、それを留保していただいた上で、十四日間の滞在歴のない者についてはそういう検査等はしていないと承知しております。

#108
○柴田巧君 今、四百人近くの方が特段の事情で入国をしているという、数字もかなり大きなものだなと感じましたが、心配しますのは、そうやって事実上十分な検査などもチェックもなく入国しているという実例があるということで、もっとこれを、在り方を考えなきゃならぬのではないかなと思いますが、この点、これ、今もなお、あれでしょうか、こうやって制限をしながらもそれなりの人数が入ってきているんでしょうか。ちょっと確認をしたいと思います。

#109
○政府参考人(高嶋智光君) これもちょっと、事前に通告いただいていない部分でございますので正確性は若干留保させていただきますが、御承知のとおり、中国とそれから韓国につきましては、査証の免除をしないこととしております。
 それからまた、既に発付された査証については無効になって効力が停止されている状況でございますので、新規に中国又は韓国から入国される方につきましては、入管法に基づいて、これ入国条件に適合しないということで上陸できませんので、上陸できないので、もうほとんど、中国及び韓国から新規で入国されている方はほとんどゼロに近い状況だというふうに承知しております。

#110
○柴田巧君 まだ大変ちょっと疑問が残るところはありますが、とにかく厳格な措置がしっかりとれるようにまた考えてもいただきたいと思います。
 次に、在留外国人へのこの感染防止に向けての情報提供、相談体制についてお聞きをしたいと思いますが。
 我が国は今、二百八十万を上回る在留外国人がいます。我々はいろんな情報を日々手にすることが、目にすることができますが、在留外国人の中には日本語が幾らか達者な方もあれば、そうでない方もかなりいらっしゃると思います。そういう人たちにしっかりいろんな情報が行き届かないで、その中でいろいろ感染が広がる、またそれが日本中にまた更に広がっていくということなども懸念をされるわけで、この点、この感染防止に向けたいろんな取組とか現状とか、そういったものが在留外国人にどのように情報発信、提供されているのか、またその相談体制はどうなっているのか、お聞きをしたいと思います。

#111
○政府参考人(高嶋智光君) お答えいたします。
 法務省におきましては、外国人生活支援ポータルサイトを立ち上げておりまして、この中で、厚生労働省のホームページの中の多言語で新型コロナウイルスに関する情報が記載がされたページなどへのリンクを貼って紹介しております。また、そのうち主要な部分、これは、国民の皆様へのメッセージという部分あるいは新型コロナウイルスに関するQアンドAにつきましてはやさしい日本語版というのを作成した上で、これを法務省のホームページに掲載し、情報発信を行っているところでございます。
 また、在留外国人がこうした情報にアクセスできるように、入国時にポータルサイトのQRコードを記載した案内文を配布するなどして、掲載情報をお知らせしたりしているところでございます。
 また、相談体制についての御質問でございますが、地方公共団体への相談体制の支援としまして、三月十日に決定されました新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策第二弾の一環としまして、地方公共団体が運営します外国人向けの一元的相談窓口で新型コロナウイルスに関する情報提供等を多言語で行うための電話回線等、電話回線の設置などの特別な体制を支援するために、今年の七月末までの間、外国人受入環境整備交付金の運営経費につきまして交付限度額を倍額まで増額することといたしました。
 感染拡大防止のため、これらの取組により外国人に対して、在留外国人に対して必要な情報が正確に伝わるように努めていきたいと考えております。

#112
○柴田巧君 在留外国人も日本での立派な生活者という観点で、いろいろとしっかりとサポートをお願いをしたいと思います。
 時間の関係でちょっと一問飛ばして、大臣にお聞きをしたいと思いますが、かねてからイタリアでの感染がひどくて、既に韓国と比べても死亡者や感染者などがかなり大きく上回っているわけで、なぜイタリア全土からの入国制限をしないのかと思って、すべきだという質問をしようと思っておりましたら、報道等によると、この専門家会議の提言も受けて欧州全土からの入国制限を始めるということのようでありますが、そういうことでよろしいのか、制限すべきだと思っていますが、どうか、お尋ねをしたいと思います。

#113
○国務大臣(森まさこ君) そのような報道があることは承知しておりますけれども、いずれにせよ、入国拒否の地域の決定や、また先ほど事務方から説明のあった外務省の方で決定するビザの効力を停止する国の決定については、対策本部の方で検討をするものでございますので、この場ではお答えは差し控えさせていただきますけれども、いずれにせよ、柴田委員の御指摘もございますので、国民の命と健康を守るため、必要とあれば機動的な措置を講じてまいりたいと思います。

#114
○柴田巧君 是非、先ほど申し上げましたように、ちゅうちょなく迅速に、そして厳格にこの入国管理、水際対策やっていただきたいと思います。
 今般は大変な緊急時の中でありましたので、この入国を、上陸を阻止するというか、これについては入管法第五条第一項第十四号に基づいてやっているということになるわけですけれども、第五条第一項第一号では、この指定感染症の患者又は感染症の所見のある者の入国は拒否できますが、この新型肺炎の症状がない者は入国が拒否できないということで、この十四号を今適用しているということですが、これはそもそもは騒乱などを想定をして、その可能性のある者の入国を阻止するために設けられたものと言われていまして、過去に一度だけ、一九六一年に共産党大会に出席するために来日した外国人の入国を拒んだ事例があるだけだと言われています。
 これはぎりぎりの法解釈だということだと思いますが、やはり、この特定の地域からの入国を拒否するための正面からの規定がないという、こういう状態を放置しておくのはやっぱりよろしくないのではないかと思っていまして、この深刻な感染症の蔓延を水際で阻止するために、危険度の高い感染症が発生した国、地域を指定して、症状の有無にかかわらず、指定した国、地域からの外国人の入国を拒否できるように、より明確にするこの入管法の改正が必要ではないかと思いますが、大臣の御見解をお聞きをしておきたいと思います。

#115
○国務大臣(森まさこ君) 現在の入国拒否の適用については、入管法五条一項十四号に当てはまるものと考えております。そして、現在は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止し、国民の皆様の命と健康を守るために、まさに今行っている水際対策に全力で取り組むべき時期というふうに考えております。
 その上で、一般論として申し上げますが、入管法五条一項各号に規定するいわゆる上陸拒否事由については、これまでも様々な情勢等を考慮し、必要な改正を行ってきたところでもございます。
 今後とも、委員の御指摘も踏まえまして、必要に応じて総合的に検討を行ってまいります。

#116
○柴田巧君 先ほど申し上げましたように、やっぱりこういうときにしっかり対応できるように、先ほど申し上げたことを明確化されるべきだと思いますので、改めて申し上げたいと思います。
 次に、余り時間がなくなってまいりましたが、カルロス・ゴーンの、いわゆる被告人の逃亡を受けて、この前、義家副大臣がレバノンに行かれました。私は、もっと本来早く行かれるべきであったのではないかなと。
 大臣も、ゴーン被告人の記者会見などを受けて、到底看過できない、その言動は、とおっしゃっていたわけですから、より早期に行くべきだったと思いますが、なぜこの時期に派遣になったのか、大臣にまずお聞きをしたいと思います。

#117
○国務大臣(森まさこ君) 義家副大臣については、本年二月二十九日から三月三日にかけてレバノンを訪問をしていただき、司法大臣その他、大変有意義な会談をしてきていただきました。
 この訪問については、カルロス・ゴーン被告人の逃亡をきっかけに、国際社会において我が国の刑事司法制度について批判的な論調も一部に見られるなどしていたところでございますので、ゴーン被告人の逃亡先がレバノンであること等に鑑み、同国を訪問する必要性が高いと判断していたところ、昨年十二月のゴーン被告人の逃亡後、レバノン往訪について検討を進めてきたところでございます。
 その時期も含め必要な調整を行っていたところ、今般これが整ったことから、この時期に義家副大臣をレバノンに往訪させることとしたものでございます。

#118
○柴田巧君 もっと早く本来行かれるべきだと思いますが、いろいろ精力的に会談をされて、法務、司法分野における連携強化をレバノンとは進めていきたい、事務的な協議をしていきたいということでしたが、どのようにこれは進めていくのか、そして、その中には、犯人引渡条約を含め、何らかの司法協定を結ぶ考えがおありなのかどうか、併せてお聞きをして、これで最後の質問にしたいと思います。

#119
○国務大臣(森まさこ君) お尋ねの犯罪人引渡しに関する事柄でございますので、これについては、あくまで一般論としてしか申し上げられないんですけれども、相手国との犯罪人引渡しの具体的必要性の有無や相手国の刑事司法制度の一般的な内容や相手国の国内法制等を総合的に勘案しつつ、外務省等の関係省庁と連携しながら検討していく必要があると考えます。
 いずれにせよ、義家副大臣の要人との会談によって事務レベルの協議が決まったわけでございますので、事務レベルの協議等を踏まえてレバノンと連携していくとともに、今後も引き続き、国際社会における日本の刑事司法制度についての正しい理解を醸成しつつ、司法外交を更に推進してまいりたいと思います。

#120
○柴田巧君 終わります。ありがとうございました。

#121
○委員長(竹谷とし子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#122
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、令和二年度総予算の委嘱審査を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#123
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 先週末の朝日新聞の世論調査では、安倍政権が法解釈を変えて検察官の定年延長を決めたことに問題だと答えたのが五五%、問題ではないは二四%。共同通信では、納得できない六〇・五%、納得できるは二六・六%でした。
 二月十九日、全国の検事長らが集まる検察長官会同というのが開かれましたが、ここではある検事正が、検察は不偏不党で捜査をしてきた、今回の人事は政権との関係に疑念を持たれかねない、国民にもっと丁寧に説明した方がいいと発言したといいます。異例のことです。弁護士会や有志の法学者や法律家、若手弁護士からも黒川氏の定年延長人事に反対する声が、声明なども含めて相次いでいます。
 大臣、なぜこんなに批判が強いのだと思われますか。

#124
○国務大臣(森まさこ君) 勤務延長制度に関する法解釈変更、そして、その後の黒川氏の勤務延長という個別の人事でございますが、これらについて、今委員の御指摘を伺い、更に丁寧な説明が必要であると思いました。

#125
○山添拓君 余りお答えいただいていないんですけれども、批判が強いのはなぜかと私は伺いました。
 これはやはり、検察の独立性や司法の独立そのものを脅かす人事だと。にもかかわらず、大臣の説明が二転三転をし、もはや説明になっていないからこういう世論になっている、そうとしか言えないと思うんです。
 検察官の勤務延長を可能とする解釈変更がいかなる理由で行われたのか、大臣は一貫して社会情勢の変化だとしています。
 資料の一ページ、法務省が昨日予算委員会の理事会に提出した文書です。解釈変更に至った経過がここには記されております。四段落目、御覧ください。勤務延長制度については、従前は、検察官には適用がないと解釈しており、これを前提として法律案を作成していたが、昨年十二月頃、担当者において、果たしてこの解釈を維持するのが妥当なのかという観点に立ち戻って検討を行うなどしたとあります。
 これ自体ちょっとにわかには信じ難いような記載なんですが、しかし、このとおりだとすれば、この際、従来の法解釈についても確認をされていてしかるべきだと思うんです。
 大臣に伺いますけれども、一九八一年、国家公務員法に勤務延長が規定をされたその法案審議において、国会答弁で検察官への適用が否定されていたこと、またその想定問答集まで作られていたこと、この時点で、昨年十二月の時点で法務省は確認していたんですね。

#126
○政府参考人(川原隆司君) 法案の検討は私ども刑事局で行いましたので、私から確認させていただきます。
 私どもは、従来から御答弁申し上げておりますように、昭和五十六年の改正で国家公務員法に導入されました定年制につきまして、これにつきましては、当時から既に定年制の定めのあった検察官には適用がないと、こういう解釈が法改正時取られていたという状況を前提とした上で立案作業を行ってきているものでございます。

#127
○山添拓君 お答えいただいていません。
 当時、そういう国会答弁があった、あるいは想定問答集が作られていた、このことを確認されていますか。

#128
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
 想定問答集につきましては、本年一月になりまして人事院と協議、あっ、失礼いたしました、内閣法制局と解釈変更について協議を行った際に、こういうものがあるんだということを示されてはおりますが、昭和五十六年の法改正後、人事院から、通知その他によりましてこの定年制は検察官には適用がないということが示されておりますので、そういった解釈を前提として、法改正、法案の作成作業を行っていたものでございます。

#129
○山添拓君 ということは、この十二月頃から一月にかけて解釈の変更を進めていくその検討を行っていくに当たって、何の資料も準備していない、当時の国会会議録に当たったり、当時の想定問答集調べたり、そういう作業は全くしていないということですか。

#130
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 今回のその法解釈の変更といいますか、国家公務員法と検察庁法の関係について改めて検討を行ったということに関しましては、先ほど来御答弁申し上げておりますように、昭和五十六年の国家公務員法の改正時におきましては、既に定年の定めのあった検察官にはその定年制の適用はないものだと、こういうことでやったということを前提にやっておりますので、そういった状況を前提とした検討をしているものでございます。

#131
○山添拓君 これは驚くべきことだと思うんですよ。大臣自身も国会で答弁した際には、法解釈、国会答弁御存じなかったわけですけれども、そのことについて、解釈変更すると、これ自体後付けの理屈だと思いますが、その当時何も確認していなかったんだと、前提にしたとおっしゃいましたけれども、資料すら準備していなかったかのような答弁です。
 委員長に求めたいと思います。
 その当時、つまり昨年の十二月から今年の一月にかけて法解釈を検討した際の作業するに当たっての確認した資料、記録、提出を求めたいと思います。

#132
○委員長(竹谷とし子君) 後刻理事会で協議します。

#133
○山添拓君 資料の一ページに戻りますが、社会情勢の変化としてここで挙げられていますのは、大きく言えば、交通事情の進歩とインターネットの普及、これが、多様化、複雑化だと言っているんですね。
 大臣、三月九日の予算委員会で小西委員に東日本大震災を持ち出して答弁した際には、災害のときにも大変な混乱が生じると思います、こう答弁されているんですが、ここには災害のことは書いていないですね。つまり、検察官が逃げた、理由なく釈放した、その大臣が撤回をされた答弁は、いかなる意味でも、つまり、災害が起きたときに大変だという意味でも解釈変更の理由とは関係ないということですね。

#134
○国務大臣(森まさこ君) 三月九日の私の答弁については、撤回をさせていただきましたので……(発言する者あり)はい、ここには記載をしておりませんので……(発言する者あり)関係ないかどうかということについてはこちらの紙には書いてございませんが、この解釈変更に当たっては、社会情勢の変化のほかに、条文の文言や趣旨、その他様々な事情を検討したということについては、これから、これまで国会答弁でお話をしてきたところでございますが、この紙については、その中の社会情勢の変化とは何かというお尋ねについて、法務省の方で作成して出させていただいたものでございます。これについては、災害については書かれておりません。

#135
○山添拓君 社会情勢の変化の一つとして、災害のときの話を持ち出されているんですよ。それが今度は書かれなかった。つまり、関係ないことを持ち出してまで解釈変更の理由を述べなければならない、それはそれぐらい根拠が薄弱だということですよ。
 更にこの文書を読みますと、社会経済情勢の変化に伴って犯罪の性質が変わった、海外に拠点を置いた国際的な組織犯罪や捜査方法に工夫を要するサイバー犯罪なども多く発生している、複雑困難化だと言っています。予算委員会でも同様の答弁が大臣からありました。
 しかし、だからなぜ勤務延長なのかが分からないですよ。社会が変化をして犯罪が複雑化する、確かにそういうことはあると思います。しかし、だからなぜ定年後も勤務を続けさせる勤務延長が必要なんですか。大臣。

#136
○国務大臣(森まさこ君) 勤務延長制度が導入されました昭和五十六年当時と比べ、社会経済情勢は大きく変化をいたし、このように、犯罪の捜査に当たる検察官を取り巻く情勢が昭和五十六年当時と比べ大きく変化をしてまいりました。
 その中で、国家公務員一般の定年の引上げに関する検討の一環として検察官においても改めて検討をしたところ、検察官についても、特定の職員に定年後も引き続きその職務を担当させることが公務遂行上必要があるというふうに考えたところでございます。

#137
○山添拓君 余り説明になっていないと思うんですよ。インターネットの普及だとかサイバー犯罪だということであれば、定年を超えた人に引き続きやってもらうよりは若い人にやってもらった方がいいんじゃないですか。

#138
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
 今大臣から答弁がございましたように、昭和五十六年当時に比べまして、国際化あるいはインターネットの普及などで、国際的な、海外に拠点を置いた国際的な組織犯罪や捜査手法に工夫を要するサイバー犯罪なども多く発生している状態でございまして、こういったときに、ある特定のポストにある検察官について、現に担当している職務の内容を、現に担当している事件等の内容を考えたときに、一定期間勤務を延長してそのまま職務を継続させる必要があるという場合があり得ると考えたことから、今回の解釈の変更に至ったものでございます。

#139
○山添拓君 今の刑事局長の答弁は、今回、黒川氏の定年延長をした理由にはならないですね。黒川氏は事件を担当しているわけじゃないんですよ。指揮監督のためだと言っているわけですから、全然理屈が合わないと思うんですよね。
 加えて、この解釈変更は口頭の決裁、口頭了解で行われたと言っています。
 公文書管理法一条、四条に示された基本的な考え方は文書主義です。資料の二枚目、法務省の行政文書管理規則十一条でも、法四条の規定に基づき、法一条の目的の達成に資するために、法務省における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに法務省の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、文書を作成しなければならない、こうしています。
 大臣、今回の解釈変更は軽微なものですか。

#140
○国務大臣(森まさこ君) 法務省行政文書管理規則第十一条は、公文書管理法第四条に基づく規定であり、同条では、行政機関において法令の制定又は改廃について意思決定がなされた場合には、それに至る過程等について文書を作成しなければならないとされております。
 他方で、検察官の定年引上げに関する法律案策定の過程において、その検討の前提として現行の検察庁法の解釈について整理することは、あくまで法律案策定の過程にすぎず、法令の制定又は改廃についての意思決定ではございません。
 したがって、公文書管理法及び法務省行政文書管理規則上、文書を作成することは必要とされておりませんが、もっとも、今回、国家公務員法等の一部を改正する法律案について成案が得られましたので、その策定の過程を明らかにするため、文書を適切に管理あるいは作成することとなります。そして、その一環として、解釈変更の経緯についても、既に存在する文書を管理するとともに、必要な文書を作成、管理することとなるものと理解しております。

#141
○山添拓君 よく分かりませんけど、そうしましたら、口頭の決裁だと言った大臣の答弁は撤回されるんですか。今のお話は、文書はあるとおっしゃっているように聞こえました。

#142
○国務大臣(森まさこ君) 文書を管理する規則と、それから決裁をする規則、二種類の規則がございます。管理、保存、作成、保存する方は、法務省行政文書管理規則。そして、決裁を取る方が、法務省行政文書取扱規則というふうになっております。
 前半の方の文書管理規則について今お尋ねがございまして、それについては、既に作成された文書や、またこれから整理、作成する文書によってしっかり管理をされていくことになります。

#143
○山添拓君 お話は分かりました。
 しかし、既に開示されている文書の中には、解釈を変更するということが明示された文書は一つもないんですよ。国会では答弁されていますけれども。
 解釈変更に係る文書を委員会に出していただくよう求めたいと思います。

#144
○委員長(竹谷とし子君) 後刻理事会で協議いたします。

#145
○山添拓君 更に大問題なのが、十三日に閣議決定をされました検察庁法の改定案であります。
 この改定案は、検察官に勤務延長を適用するという規定は元々なかったんですね。元々なかったわけですが、それだけではないんです。それだけではなく、国家公務員のいわゆる役職定年制の規定、特例、役職定年制とその特例ですね、これも検察官への導入は予定されておりませんでした。
 役職定年制というのは、管理職について、六十歳以降は管理監督者以外にするというものです。ただし、その特例があり、公務の遂行に著しい支障が生ずる場合には延長できると、六十歳以降もできるというものになっています。
 検察官の場合には、最高検の次長検事や高検検事長、地検トップの検事正などですが、六十三歳になると、それ以降そのポストから外れる、普通の検事になることにされまして、特例は設けられない予定でありました。ところが、今年一月以降、この特例的な役職延長、すなわち六十三歳以降も検事長や検事正を続けさせることができるという条文が盛り込まれることになりました。
 なぜこんなことにしたんですか。そうしないと公務の遂行に支障が生ずる場合があると、こういうことですか。

#146
○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のように、国家公務員法に役職定年制が新設をされるのに併せて、検察庁でも独自の制度、検察官役降り制度とでも申すべきものか、独自の制度がつくられました。
 検察官の定年引上げに関する法律案については、昨年十月末頃に内閣法制局第二部の審査が終了いたしまして、法律案の提出には至っておりませんでしたが、そこで、本年の通常国会への提出に向けて、その提出までに時間ができたので、その同法律案を改めて見直しながら検討作業を行いました。
 具体的には、定年年齢の引上げや、これに伴う諸制度について検察官への適用等を改めて検討する中で、特に勤務延長制度と再任用制度について検討を行ったわけでございますが、その際、検察官について勤務延長制度の適用があるのであれば、この役降り制度の特例も設ける必要があると考えられたわけでございます。
 すなわち、特定の職員の定年による退職により公務の運営に著しい支障が生ずる場合があるのであれば、役降りの制度についても同様に公務の運営に著しい支障が生ずる場合があると考えられることから、同制度についても特例を設ける必要があると考えられたものでございます。

#147
○山添拓君 たくさん御答弁いただいたんですが、要するに最後のところなんですね、六十三歳以降も検事長を続けさせなければ公務の遂行に支障を生ずる場合があると、こうおっしゃったわけです。
 しかし、従来法務省はどう考えていたのかと。一月に変更する前の条文案の概要を説明した文書が、これも予算委員会の理事会に提出をされております。法務省はこの中で、検察官については、役職定年制の特例、先ほど役降りの特例とおっしゃいましたが、つまり、六十三歳を超えても検事長を続けさせることができるような特例は必要ないのだということを明記しています。
 なぜか。その理由も書いていますよ。一般職の国家公務員と違って、検察官には職制上の段階がありません。検事総長も検事長も検事も、法律上はみんな検察官です。柔軟な人事がだから可能だということなんですね、名前に関わらず。あるいは、検察官は誕生日で退官をします。ほかの国家公務員のように、誕生日を経過した後の三月三十一日で一斉に辞めるということではないと。一斉に退職されると職場がそのときもたなくなるということがあり得るわけですが、そういう事情も検察官の場合にはないのだと、などなど書いています。
 そして結論として、六十三歳以降続けさせる特例がなくても、それにより公務の運営に著しい支障が生じるなどの問題が生じることは考え難く、検察官について特例を設ける必要はないと明記されています。
 昨年十月末までの法案の検討の中で、検察庁などは、六十三歳以降も続けさせる必要はない、それによって公務の運営に著しい支障が生じることはない、こう結論付けていたじゃありませんか。なぜ急に六十三歳以降もやらせないと公務遂行に支障が生ずることになったんですか。百八十度変わったんですか。

#148
○政府参考人(川原隆司君) お尋ねのその法案の作成過程は私ども刑事局の担当でございますので、私から御答弁をさせていただきます。
 今、山添委員がおっしゃりましたように、昨年十月時点では、今回の国会に提出させていただきました法案の中にあるいわゆる役降りの特例についてはございませんでした。これは、勤務延長制度に関する従前の解釈を前提とした上でそのように考えていたものでございますが、これまでも御答弁申し上げているとおり、昨年の十二月に至りまして、国家公務員法と検察庁法の関係を整理して、現行の国家公務員法にある勤務延長制度につきましては、これは検察官にも適用があるんだという解釈変更に至ったものでございます。
 勤務延長制度、すなわち定年を延長する制度というものも、それから今度新しく入れようとしております役降りという制度も、特定のポスト、特定の幹部ポストについて見てまいりますと、その幹部ポストにいる者の勤務を継続させるという意味では共通の内容を持つものでございます。
 したがいまして、勤務延長、すなわち定年を延長する方につきまして、現行法が検察官にも適用があるという解釈で整理をすることとなりましたので、役降りの特例につきましても同様に、そのポストにいたまま職務を継続できるようにするということで統一的にしたものでございます。

#149
○山添拓君 時間が来ましたのでこれで終わりにしなければなりませんが、今おっしゃったのは、十二月以降これ変えたということなんですよ。十二月以降検討を始めたということは、これはどう考えても、十一月に今の稲田検事総長が辞めないということが明らかになった、十二月の高検検事長の人事でも歯車が狂った、そのタイミングで、黒川氏に続投させるにはどうするか、その過程で検討した、こうとしか考えられないと思います。
 こういう人事や法案は撤回すべきだと重ねて申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。

#150
○高良鉄美君 会派沖縄の風の高良鉄美でございます。
 先ほど来、法の支配に関連するような問題もずっと指摘されたり、あるいはコロナウイルスの問題、いろいろありましたけれども、私は、大臣の所信については、法の支配の観点から、次の機会にこれはちょっと質問したいと思いますけれども。
 本日は、コロナウイルスの関連もあると思うんですけれども、難民認定制度とその収容の長期化についてお伺いをしたいと思います。
 森大臣の所信表明の、送還忌避者の収容、送還問題への対応という、そういった箇所で、もとより、被収容者の人権に配慮した適正な処遇につきましても改めて徹底してまいりますと、そういうことが昨年の森大臣の所信表明に追加されています、今回ですね。これは、被収容者の人権に関して、森法務大臣も懸念をお持ちの点があるんじゃないかなということだと思うんですけれども。
 昨年六月、大村入国管理センターでの被収容者の餓死事件というのがありました。その報告書も出されたその時期に、法務大臣の私的懇談会である出入国管理政策懇談会の下に、専門部会ですね、収容・送還に関する専門部会が設置されました。今年一月二十八日の第六回の専門部会では、長崎インターナショナル教会の柚之原寛史牧師、彼の方からヒアリングがなされて、その後、収容の在り方が議論されたと承知しています。三月末で報告完了というふうになっていると思いますので、その際には、大臣には是非報告書を見ていただきたいと思います。
 実は私、先月十八日に大村の入国管理センターを視察いたしました。その際に、被収容者の方々、そして柚之原牧師にもお話をお伺いしました。場所も見ながらそういうお話を聞いて、いろんな思いを聞いたわけですけれども、建物自体は、もう印象としては、一瞬見たら刑務所なのかなと思ったりもしたところで、ちょっと驚いたところがありました。そのほか、医務室とか、あるいは反省をするような、何ですかね、個人、単独室のような、そういうところも見せていただきましたが、この大村入国管理センターでは、昨年六月に死亡事件が起きたにもかかわらず、常勤医師の確保ができていないということでした。
 佐々木入管局長は、昨年、こういうことを言っています。常勤医師の確保が急務であるとおっしゃっていますが、大村入国管理センター、そして東日本入国管理センター、各地方入国管理局の収容所に常勤医師は現在おりますでしょうか。森大臣、お願いします。

#151
○国務大臣(森まさこ君) 現在、入管収容施設の常勤医師については、配置枠がありますところが東日本、東京、大村の入国管理センターに一名ずつ、三名の配置の枠がございますが、しかしながら、常勤医師の採用は難航しておりまして、現状としてはいずれの入管収容施設も常勤医師の配置には至っておりません。

#152
○高良鉄美君 常勤医師をこういうふうに確保することができていないといって、そういう状況でありながら、先ほどのこの佐々木入管局長は急務であるとおっしゃっているわけですけれども、常勤医師がいないこういった体制をどういうふうに乗り越えていくつもり、お考えでしょうか。よろしくお願いいたします。

#153
○国務大臣(森まさこ君) 委員の御指摘、また当委員会での委員の皆様からの御指摘もございまして、私からも、常勤医師の確保、急務であるということで、事務方に指示をしているところでございますが、なかなか常勤医師が確保されていない現状が誠に深刻な課題であるというふうに捉えております。
 私としては、出入国在留管理庁に対して、引き続き常勤医師の確保に努めるとともに、常勤医師のいない現状の体制の下での医療的な対応にも遺漏を生じさせないように、特に強く指示をしているところでございます。
 出入国在留管理庁においては、常勤医師の確保のための取組として、関係機関に対し医師の紹介に関する協力を依頼するなどしているほか、各出入国在留管理官署においても、都道府県医師会に医師の紹介を依頼するなどしているものと承知をしております。
 また、現在の医療体制としては、近隣の外部医療機関の医師に交代で入管収容施設の非常勤医師として来診していただくなどしているところでございます。さらに、規模の大きい収容施設では、常勤の看護師を確保するとともに、入国警備官に准看護師資格を取得させ、よりきめ細かい対応が可能となるように努めているところでございます。
 このような取組を通じて、引き続き被収容者に対する医療的な対応に遺漏を生じさせないよう取り組んでまいります。

#154
○高良鉄美君 いろんな形で協力をし合っていくということですけれども、二〇一五年に矯正関係の、矯正医官の兼業及び勤務時間の特例等に関する法律が成立しました。
 これは、矯正施設に勤務する医師について、医者について、その能力の維持向上の機会を図り、優れた人材を継続的に、安定的に確保するために国家公務員法の特例が設けられたということで考えていいんでしょうかね。そういったことも一つの質問にしたいと思います。そういうことでよろしいでしょうか。
 それからまた、入国管理センターの医療体制を改善するために、先ほど大臣もおっしゃいました、協力関係があるということですけれども、近隣の地域医療、矯正局の医療従事者、特に医師との関係ですね、そういった連携を図っていくという考えがあるか、これは政府参考人の方、大臣、可能ですか、まあどちらでも結構です。

#155
○政府参考人(高嶋智光君) では、私の方からお答えいたします。
 委員御指摘のとおり、矯正医官の兼業の特例等に関する法律は、矯正医官につきまして、その兼業についての国家公務員法の特例等を定めることにより、その能力の維持向上の機会の付与等を図り、もってその人材の継続的かつ安定的な確保を図ろうと、確保に資することを目的としているものでございます。御指摘のとおりでございます。
 また、委員御指摘のとおり、入管収容施設における医療の充実を図る上では、外部診療に御協力いただく地域医療機関等と連携することや、常勤医師の確保等に当たり、矯正局を含む関係機関の協力を得ることが重要であるというふうに認識しております。
 大臣からは、出入国在留管理庁に対しまして、引き続き常勤医師の確保に努めるようにという御指示をいただいておりますし、また、現状の体制の下で医療的な対応に遺漏を生じさせないようにという御指示をいただいているところでございます。
 委員の御指摘も踏まえて、これからなお関係機関との適切な連携を改めてやっていきたいというふうに考えております。

#156
○高良鉄美君 是非、この常勤医師の確保が急務であるという、そういう現場の、局長のお話ですね、そういったことを踏まえて、これは法律上特例を設けるとか、そういった措置をとって、議論にのせていくと、実現をしていくということまで含めて御検討いただけるといいと、御検討いただけたらと思います。
 そして、この大村入国管理センターを視察した際に、自傷行為の、自分でこう傷つける自傷行為などが行われているというふうにお伺いしたんですけれども、支援者の方からそういうふうに伺いました。この大村の入国管理センター、そして東日本管理センターの二施設、この二〇一七年、一八年、できれば一九年の自傷行為の数をお知らせ、お示しいただけたらと思います。

#157
○政府参考人(高嶋智光君) お答えいたします。
 入管収容施設の被収容者による自傷案件のうち、出入国在留管理庁として件数を把握しておりますのは、自傷行為を理由に隔離措置、隔離室に隔離措置をとった件数ということで把握しておりますが、その限りという数字でお答えいたします。被収容者の自傷による隔離件数は、東日本管理センターでは、平成二十九年が七件、平成三十年が九件となっております。また、大村入国管理センターでは、平成二十九年が三件、平成三十年が二件となっております。平成三十一年、昨年の隔離件数は現在なお集計中でございます。

#158
○高良鉄美君 こういった形で、七件、九件、そして三件、二件と、この東日本入国管理センターと大村の方の入国管理センター、合計すると結構な、二十人以上いるわけですけれども、そういった、去年が出ておりませんが、そういった原因をやっぱり大臣はどう考えていらっしゃいますでしょうか、原因ですね。

#159
○国務大臣(森まさこ君) 一般論として、自傷行為の原因や背景としては、様々な要因が作用していると思いますけれども、それぞれの被収容者の状況が違うことから、自傷行為に至った原因について一概にお答えすることがまた困難でもございますけれども、自傷行為を行った被収容者に対しては、心情の把握や動静監視の強化などにより、各入管収容施設において再発防止に努めております。
 今後も、今回の委員の御指摘を含む様々な御指摘に耳を傾けながら、被収容者の心情、人権に配慮した適正な処遇に努めてまいります。

#160
○高良鉄美君 是非、この原因も含めてお調べいただきたいと思います。
 特に、私が実際に収容者の方、被収容者の方からお聞きすると、もうかなり参っているんですね。参っている原因というのは何かなというと、これ長期化しているという問題があります。そして、この六か月以上の長期被収容者というのは、大村入国管理センターでは八十人というふうに聞いております。そういった長期化している中で、もう強制送還まで、とにかく帰るまでは入れるというような、仮放免させないという、そういった側面もあって、かなり精神的なところから自傷行為に走っているんじゃないかというようなことが考えられるわけですけれども、この所信の中にもあった、あるいは国際的な関連もあって、この人権に配慮をするということについてはやはり懸念を示されているということを最初に言いましたが、やっぱりそういった面で、しっかりとこの点も今後も議論させていただきたいと思いますけれども、またその点にも目を向けていただけたらと思います。
 それでは次に、選択的夫婦別姓についてお伺いをします。
 この選択的夫婦別姓というのは、かなり議論もこれまで何度もされてきたと思うんですけれども、以前も質問しましたけれども、これまでもずっとあって、政府は、この法改正の必要性を十分に認識しているというふうな形でいながら、あるいは、答えの一方では、我が国の家族の在り方が深く関わるもので、国民の間にも様々な意見があることから慎重に検討すると、こういうふうに同じような、判で押したようなことを繰り返して答弁をしていますけれども、これは法改正をしなければならないという要請を受けている、そういったことの理由には、答えはならないんじゃないかと、この答えはですね。
 さらにはまた、法務省の民事局の方でのこれまでの取組も、この夫婦別姓ですね、選択的夫婦別姓の取組も、もう肯定的にだんだん取組を深めている、そういったことでも逆行するんじゃないかと言わざるを得ないと思います。
 戦後の今の日本国憲法によって民法の大改正が行われました。それ以降、九一年の法制審議会の議論が出るまで法務省が認識されていた民法の関係については、国民の人生観、価値観の変化、多様化ということがあります。そして、男女平等を推進する方針という政府の方針があります。それから、三番目に、国民の氏、氏に対する権利意識の変化ですね、元々の氏を称し続けることが一種の人格的利益であると主張する見解が結構出てきたと、広がりを見せてきたということ、これが理由です。そして、さらに、諸外国の法制の整備や国連機関からの要請など、こういったことから法改正の必要があるんじゃないかということですけれども、こういった面をしっかりと捉えなければならないと思います。
 そして、新国内行動計画には、平成三年から七年までの地域社会及び家庭生活における男女共同参画の推進のための具体的施策として、法務省が、男女平等の見地から、夫婦の氏や待婚期間、結婚までのですね、その名称の問題ですけれども、待婚期間の在り方を含めた婚姻及び離婚に関する法制の見直しを行うこととされています。
 そういった意味で、森大臣にお伺いしますが、法制審議会は、男女平等の見地から、五年掛けて審議をして法律案の要綱を答申いたしました。これを改正しないということは、様々な意見があるから不平等のままで法改正の必要はないと言っているような感じに聞こえるんですけれども、それでよろしいでしょうか。

#161
○国務大臣(森まさこ君) 平成二十七年に最高裁判決が出されまして、夫婦同氏制度について、性別に基づく法的な差別的取扱いを定めているわけでないから憲法十四条一項に違反するものではなく、社会の自然かつ基礎的な集団単位である家族の呼称を一つに定めることには合理性が認められることなど、相応の合理性があるから憲法第二十四条の規定に違反するものではない等として、夫婦同氏制度を定める民法第七百五十条は憲法に反するものではないとの判断が示されたものでございます。
 他方で、この最高裁判所の判決の中に、夫婦同氏制度の下では、婚姻によって氏を改めた者がアイデンティティーの喪失感を抱いたり、婚姻前に形成してきた社会の、あっ、失礼いたしました、婚姻前に形成してきた個人の社会的な信用、評価等を維持することが困難になったりするなどの不利益があるとも指摘されています。
 もっとも、選択的夫婦別氏制度の導入の問題は我が国の家族の在り方に深く関わるものでありまして、私としては、今後も引き続き国民各層の意見を幅広く聞くとともに、国会における御議論の動向を注視しながら、慎重に対応を検討してまいります。

#162
○高良鉄美君 最高裁の判決の趣旨も、基本的にはこれは立法問題じゃないかというようなところで、立法に委ねたような形で合憲だと。ですから、合理性があるということの一方の、もう一つの部分というのが非常に重要なことだと思いますし、それに対しての取組をやっていくということですので、そういったことからいいますと、この家族の在り方ということですが、この法改正を求める声というのはかなり早い時点、つまり憲法ができてから後、どんどんどんどん社会変わっていくわけですけれども、この声が国会の方に国民から上がってくる、請願という形で。
 今日は参議院の事務局にも来ていただいておりますので、この選択的夫婦別姓制度の導入、これを民法改正に是非入れてくださいという請願が最初に出されたのはいつ頃か、お伺いします。

#163
○参事(金子真実君) お答えいたします。
 最初に提出されましたのは、昭和五十年、第七十五回国会でございます。この請願は民法の一部を改正する法律に関する請願でございまして、いわゆる選択的夫婦別姓と、復氏の義務付けをやめ、婚姻中の氏の使用をも認めることを求める内容となっております。

#164
○高良鉄美君 この、昭和五十年と、要するに一九七五年ですけれども、もう四十五年も前に、出され続けているという、これ現在まで出されて、採択は別として、こういったもので、実は、同じときの一九七五年に出されたもう一方の婚氏続称、離婚した前の称をそのまま、離婚する前の、つまり同姓のときの使っていたものをそのまま使うということは、これは採択されているわけですね。
 同じ名前を使うという、同じ姓を使うという点では同じなんですね。選択をして、こっちを私は婚姻の前の使いたいと、そういうことから出され続けているんですけれども、それを、どういうふうに、この両方との差が……

#165
○委員長(竹谷とし子君) 高良鉄美君、お時間が過ぎております。

#166
○高良鉄美君 はい。
 じゃ、これは次回お伺いしたいと思いますけれども、この問題、やはり男女平等の問題だけじゃなくて、多くの、先ほどの国際社会の問題もありましたので、是非今後も取り扱っていきたいと思います。
 ありがとうございました。

#167
○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田由紀子でございます。
 新型コロナウイルス、そしてそれによる健康への不安、それ以上に経済、社会生活の不安というところで、私も市民、県民の皆さんからいろいろ声をいただいております。また、法務大臣の不規則発言についても大変様々な声をいただいておりますが、既に多くの議員の皆さんが質問しておられますので、私は、今まさに子供たちが置かれている状況、昨年来からの継続的なテーマに絞らせてお話、質問させていただきます。
 昨年の臨時国会以降、七回にわたりまして、現民法の単独親権制度の問題と共同養育、共同親権導入の必要性、可能性について質問をしてまいりました。第一回の二〇一九年十一月十二日には、森大臣が、一般論としては、父母の離婚後も父母の双方が適切な形で子の養育に関わることは、子供の利益の観点からも非常に重要であると言及くださいました。
 この通常国会では、昨年の森法務大臣などとのやり取りを踏まえまして、国内的な課題と国際的な課題、両面から質問をさせていただきます。
 まず、国内問題ですが、子供の貧困、大変大きな社会問題です。二〇一三年には、子どもの貧困対策の推進に関する法律が成立し、子供の貧困対策に関する大綱を定め、一人親家庭や多子家庭の支援が提示されました。また、昨年、二〇一九年十一月には、二〇一三年以降の社会情勢の変化を踏まえて、新たな子供の貧困対策に関する大綱が提示されております。
 ただ、いずれの大綱でも、一人親家庭の貧困と養育費の支払についての言及はありますが、そもそもなぜ子供の貧困が増えているのか、なぜ一人親家庭が増えているのか、そして、なぜ養育費の支払が滞っているのかなど、深く法的な社会構造と関わらせた言及がありません。政府として、これら三つの課題、子供の貧困の増大、一人親家庭の増大、そして養育費の支払の停滞、法的な構造、特に民法での単独親権の問題と関連しているという認識を持っておられるかどうか、法務大臣と、また子供の貧困対策担当の内閣府の見解を伺いたいと思います。
 また、もしそのように認識しているとしたら、なぜ民法との関係を子供貧困大綱などの文書に記述していないのか、併せてお伺いいたします。

#168
○国務大臣(森まさこ君) 委員の御指摘は、離婚後も父母が子供を共同して養育することを確保するような法制度を導入すれば、父母双方が子供と定期的に交流することを通じて、養育費の支払義務者も養育費を円滑に支払うこととなり、これによって子供の貧困を減らすことができるという観点からのものではないかと受け止めております。
 一般的にも、面会交流の実施と養育費の支払との間には、一方が実施されれば他方も実施されるという事実上の相関関係があるとの指摘があることは認識をしております。
 現在、法務省の担当者も参加して、父母の離婚後の子の養育の在り方について検討している家族法研究会では、御指摘のような観点も含めた検討がされているものと承知をしています。
 引き続き、子供の貧困対策を所管している内閣府や一人親家庭の支援を行っている厚生労働省とも適切に連携しながら検討を進めてまいりたいと思います。
 また、後段の御質問でございますが、子供の貧困の直接的な原因となり得るのは養育費の不払の問題であることから、子供の貧困対策大綱には、重点施策として養育費の確保の推進を掲げているところであります。養育費の不払については、私の判断で、養育費の支払を確保するための公的支援の在り方を検討する私的勉強会を大臣の下に立ち上げたところでございます。
 また、御指摘の民法上の制度との関係については、家族法研究会において父母の離婚後の子の養育の在り方という観点から検討がされております。
 養育費の不払問題の解消は、子供の未来を守るためにも重要であると考えており、引き続きしっかりと取り組んでまいります。

#169
○政府参考人(藤原朋子君) 内閣府の立場から御説明申し上げたいと思います。
 まず、客観的な状況といたしまして、委員御指摘の子供の貧困、それから一人親世帯の状況、養育費の支払の状況、こういったことにつきまして直近のデータで申し上げますと、まず、国民生活基礎調査に基づきます子供の貧困率で見ますと、平成二十四年に一六・三%であったものが平成二十七年には一三・九%に改善と。
 それから、全国ひとり親世帯等調査に基づきます一人親世帯数で見ますと、平成二十三年から二十八年にかけまして、母子世帯の数で見ますと、百二十三・八万世帯から百二十三・二万世帯へ、父子世帯で見ますと、二十二・三万世帯から十八・七万世帯へ、多少減少している状況にございます。
 また、一人親世帯で養育費を受け取っていない子供の割合でございますけれども、平成二十三年から二十八年にかけて、母子世帯では七七・五%から六九・八%、父子世帯では九二・九%から九〇・二%と、若干の改善というような状況となっておりますけれども、依然として子供たちをめぐる状況は厳しい状況にあるというふうに認識をしてございます。
 また、子供の貧困の実態は非常に見えにくく、捉えづらいと言われてございます。困窮の状況も様々でありますので、昨年十一月に閣議決定をいたしました新しい子供の貧困対策大綱におきまして、貧困の実態を多面的に把握をするという観点から、一人親の正規雇用割合ですとか養育費に関する指標など、三十九の指標に拡充をいたしまして、施策の検証、評価を行いながら総合的に対策を進めていくということとしてございます。
 委員御指摘の民法の問題につきましては、先ほど法務大臣から御紹介いただきましたような研究会がスタートしていると私どもも承知をしておりますので、私ども内閣府は子供の貧困対策大綱のフォローアップを行うという立場でもございますので、こういった検討状況につきましてもよく注視をさせていただければというふうに思ってございます。
 以上でございます。

#170
○嘉田由紀子君 森大臣、また藤原審議官、ありがとうございます。
 御丁寧な答弁いただきましたけれども、こういう中で、ちょっとおさらいなんですけれども、グラフを四つ、資料を出させていただきました。
 特に日本の戦後の家族史を振り返るときに、離婚の増大、それに伴う子供の人数、それを図一に示しておりますけれども、これ、昨年の十一月十四日にも私示させていただきました。そこに少しプラスをさせていただきましたけれども、一九五〇年、昭和二十五年から二〇一七年までの離婚の数、そして未成年の子供の数です。一九五〇年代は子供が大体年間二百七十から二百八十万人生まれておりました。そのときに親が離婚をした未成年の子供の数は約八万人、つまり生まれた子供の約三%でした。それが、直近のデータになりますと、これ最新の、昨年ですけど、八十六万人しか生まれておりません。そして、離婚によって親が別れて、一人、片親になるという子供さんが二十一万人、四人に一人という割合です。
 この直接比較、年度、コホートの問題もありますから、少し誤解があるかもしれませんが、イメージとしては、子供が、あるいは親が離婚している子供さんというのはもう例外ではない、ごく一般的に、四人に一人くらいおられるという、それだけに大変大きな問題だということを、私、この図で改めて示させていただきたいと思います。
 そして、法的に子供を言わば片親から引き離す、それが民法八百十九条となっているわけでございます。生物学的な父子、母子の関係は変わらない、あるいは人情としての父子、母子のつながりは変わらないのに引き裂かれてしまう、これが法律によってだということ、ここは、法務の役割、大変重要だと思っております。もちろん、DVなどで暴力的な親から逃げ出すための手段として片親親権を守るという声も大変根強くございますけれども、DVについては、DV防止法など実効性を高めることが必須だと思っております。
 ページ二には子供の相対的貧困率、そしてページ三にはその単年度の家族の形態による貧困率、そしてページ四には国際的に見た子供の貧困の率を出させていただいておりますけれども、こういう中で、まさに日本国として喫緊の課題だということを御理解いただけると思っております。
 あわせて、今、日本の国家として、少子高齢化問題、安倍総理も言われますように、国難でもあります。令和元年度少子化社会対策白書でも子供の貧困問題は触れられておりますが、この一人親家庭そのものを減らす政策については言及されておりません。
 なぜ日本が少子化になってしまったのか。もちろん、大変多様な要因がございます。その一つに、日本の家族の在り方、子育てをめぐる窮屈さ、困難さがあるのではないのかと私は現場でも分析してまいりました。家族はこうあるべしということで、先ほど高良委員が質問なさいましたように、婚姻時の夫婦の別姓も選択できない、子育ては女性が専ら担うべしと思わされ、逆に、男性の子育て参加も進みにくい。実は、子供を連れ去られて悲しいお父さんたち、本当に子育て大好きなのにやれないという、そんなところの阻害もございます。
 家族や子育てをめぐる多様性の不足や選択肢の少なさがこの少子化問題に関連しているのではないのかと私は認識しておりますが、法務大臣と少子化担当の内閣府にお伺いしたいと思います。

#171
○国務大臣(森まさこ君) 我が国において、両親の離婚を経験する子供や未婚の父母の子供の割合が大幅に増えているなど、家族の在り方が多様化していることは認識しております。
 また、政府としても、誰もが多様性を認め合い、個性を生かす社会の実現を目指していることは、先日の総理所信でも述べられたとおりでございます。
 また、父母が離婚をした場合や未婚のまま出産した場合であっても、その親子関係の在り方、すなわち父母と子供の関わり方は様々であり、父母の双方が協力して子育てをすることが可能であり、実践されている場合もあると承知しています。
 家族法研究会では、家族の在り方が多様化しているという社会情勢等を踏まえた検討がされているものと承知をしており、法務省としてもその議論に積極的に加わってまいります。

#172
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、家族の在り方、多様化しているというふうに認識をしております。一人親家庭の問題もありますし、核家族化の進展に伴う問題、あるいは共働き家庭の増加、様々、家族の在り方は多様化しているものというふうに認識をしてございます。
 こうした多様化する中で、子育てをめぐる環境が大きく変化をしていく中で、一人親家庭も含めまして、子育て家庭における様々な多様なニーズに対応しつつ、切れ目のない支援に取り組んでいくことが重要だと考えておりまして、そういった点から少子化対策全体を進めてまいりたいというふうに考えております。

#173
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 今ほど法務大臣言及なさっておられましたけれども、一人親家庭、特に未婚の一人親家庭をめぐる大展開がこの通常国会で起きております。具体的には、今回の税制改正で、寡婦控除の対象を、未婚か既婚かの区別なく、男女の区別なく、つまり未婚の一人親家庭にも広げたことです。
 実は、私も知事時代に、この未婚の一人親家庭の方たちが寡婦控除を得られないということで、随分市などと議論もし、そして特別な制度もつくってまいりました。それを今回、国として、これまで法律婚を重視してきた日本の家族制度からの大転換、私はコペルニクス的大転換と歓迎をするところでありますが、このような画期的な制度転換を、法務大臣、どう評価なさっているでしょうか。また、少子化対策の母体である厚労省さんはどう評価しておられるでしょうか。

#174
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘のとおり、現在、婚姻歴の有無や親の性別にかかわらず、生計を一にする子を有する単身者について、同一の一人親控除を適用することなどを内容とする所得税法等の一部を改正する法律案が国会において審議中でございます。女性の国会議員の先生方を中心に、また男性の国会議員の先生方にも賛成をしていただいて、そんな大きなうねりが起こったというふうに伺っております。
 この税法については法務省の所管外でございますが、今回の見直しは、全ての一人親家庭の子供に対して公平な税制を実現する観点からされているものと承知をしております。

#175
○政府参考人(依田泰君) お答え申し上げます。
 未婚の一人親に対する税制につきましては、厚生労働省といたしましても、平成三十一年度税制改正要望から二か年にわたり税務当局に要望してきたところでございます。
 今般の税制改正は、全ての一人親家庭の子供に対しまして公平な税制を実現する観点から、未婚の一人親家庭についても、死別、離別の場合と同様の条件で控除を適用するものでありまして、子供の貧困対策の面でも意義があるものであると考えております。

#176
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 子供は親を選べません。生まれた子供にとっては、それこそ親が法律婚であろうが事実婚であろうが、あるいは親が離婚しようが、子供は経済的、精神的、社会的にきちんとケアされる、そういう権利を持っておりますし、また、大人の世界はそれを支える義務があると思っております。
 こういう中で、諸外国の事例を見ますと、私は、様々な世界の家族を見てきた中で、やはりフランスはこの子供中心の政策、うまく進めてきていると思っております。特に、一九八〇年代から九〇年代、出生率が下がってしまいました、一・三〇とか。そういうときに、シラク三原則、シラク元大統領が政策パッケージを実行しました。
 三点あります。一つ目は、それぞれの個人の都合でいつでも子供を持っていいですよと、結婚していようがしていまいが、そして学生であろうが、経済的支援は確実に国が支える、二点目は、無料の保育所を完備し、そして教育費も国家支援としております、そして三点目は、育児休暇などからどうしても、やはり女性、出産、半年、一年、仕事から離れなければいけない、離れた後、差別をしない、元の仕事にきちんと戻れる、これがシラク三原則でございます。
 結果、ワンセットの政策パッケージを進めまして、一九九〇年代、一・六、先ほど一・三まで下がったと申し上げましたけど、それを十年余りで二・〇まで上昇させました。ここは、実は政策パッケージが大事なんです。経済的支援、そしてサービス的支援、これは今、少子化対策あるいは子供の貧困対策で日本も随分進めていただいておりますけれども、法制度も含めた政策パッケージが必要でございます。
 そういう中で、私自身は、滋賀県で知事時代に子育て三方よしという政策を進めて、人口当たり出生率全国二位まで回復をしましたけれども、そして、その母体は子ども・青少年局という、縦割りではなく横割りの組織をつくりましたが、政策パッケージをきちんと国として進めていただきたい、そのためには、やはり法務の部分をもう少しキャパシティーを増やして、私は、子供家族庁のような、そういう組織が何としても必要だとも思っております。今日はもうこれ以上この家族庁のこと申し上げませんが。
 そして、ここ十年ほどの動きを見ますと、実は、現場の弁護士さんの活動のところでも、ここ十年、なかなか進みません。あるいは、議連も進みません。あっ、時間ですね。では、この弁護士さんの活動なり議連の活動は次回に残させていただきますけれども。
 最後に一つ、新型コロナの問題で、京都コングレス開催に向けて、森法務大臣も、平和と公正を全ての人々に……

#177
○委員長(竹谷とし子君) お時間が過ぎております。

#178
○嘉田由紀子君 ピース・アンド・ジャスティス・フォー・エブリワンと言っていただいておりますけど、この京都コングレスへの開催に向けた状況、どうなっているでしょうか。最後、短くて結構です、お願いいたします。

#179
○政府参考人(山内由光君) 京都コングレスにつきましては、これ、国連が開催する、主催する国際会議でございまして、我が国はこれをホストする立場でございまして、開催の可否などにつきましての最終判断は、これ国連においてなされるものとなります。現在はその検討が進められているものと承知しております。

#180
○委員長(竹谷とし子君) 以上をもちまして、令和二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#181
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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