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2020/03/24 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 厚生労働委員会 第5号 令和2年3月24日
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2020/03/24 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 厚生労働委員会 第5号 令和2年3月24日

#1
令和二年三月二十四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     高階恵美子君     太田 房江君
     須藤 元気君     川田 龍平君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     太田 房江君     高階恵美子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         そのだ修光君
    理 事
                石田 昌宏君
                小川 克巳君
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                山本 香苗君
    委 員
                太田 房江君
                片山さつき君
                自見はなこ君
                島村  大君
                高階恵美子君
                羽生田 俊君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                本田 顕子君
                川田 龍平君
                田島麻衣子君
                田村 まみ君
                芳賀 道也君
                福島みずほ君
                下野 六太君
                平木 大作君
                東   徹君
                梅村  聡君
                倉林 明子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   加藤 勝信君
   副大臣
       厚生労働副大臣  稲津  久君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       自見はなこ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       人事院事務総局
       給与局次長    佐々木雅之君
       内閣府子ども・
       子育て本部審議
       官        藤原 朋子君
       金融庁総合政策
       局参事官     齋藤  馨君
       総務省自治行政
       局公務員部長   大村 慎一君
       法務省大臣官房
       審議官      竹内  努君
       文部科学省大臣
       官房審議官    矢野 和彦君
       厚生労働省大臣
       官房総括審議官  田中 誠二君
       厚生労働省大臣
       官房生活衛生・
       食品安全審議官  浅沼 一成君
       厚生労働省大臣
       官房高齢・障害
       者雇用開発審議
       官        達谷窟庸野君
       厚生労働省健康
       局長       宮嵜 雅則君
       厚生労働省労働
       基準局長     坂口  卓君
       厚生労働省職業
       安定局長     小林 洋司君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  藤澤 勝博君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    谷内  繁君
       厚生労働省保険
       局長       浜谷 浩樹君
       厚生労働省人材
       開発統括官    定塚由美子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○労働基準法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────

#2
○委員長(そのだ修光君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、須藤元気君及び高階恵美子君が委員を辞任され、その補欠として川田龍平君及び太田房江君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(そのだ修光君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 労働基準法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省労働基準局長坂口卓君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(そのだ修光君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(そのだ修光君) 労働基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。

#6
○石橋通宏君 立憲・国民.新緑風会・社民の石橋通宏です。
 今日、労働基準法改正案、新型コロナウイルス対策も様々議論したいところですが、後ほど、我が会派、今日は三人で役割分担をさせていただきながら質疑をさせていただきますので、私は議題となりました基準法を中心に、大臣にまたいろいろ質疑させていただきますので、是非しっかりとした答弁、よろしくお願いをしたいと思います。
 まず最初に、一つ申し上げておきたいのは、これ民法の改正に伴う今回の賃金債権の消滅時効の問題なんですが、やっぱり私、余りに遅過ぎたと思います。もっと早くからしっかり民法の改正に併せて議論をいただいて、じっくりとした議論をしていただいた上での対応が必要だったと。本当に四月一日施行ぎりぎりのこういう状況になったことについては甚だ遺憾だということは、冒頭申し上げておきたいと思います。
 その上で、まず確認なんですが、そもそも、これまでのところ、民法の短期消滅時効一年、まあ一番短いもので一年と。これよりも、これまでは労働者の賃金請求権を二年として、より手厚く労働者の債権、賃金請求権、保護してきた。その理由を端的に教えてください。

#7
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 現行の労働基準法におきましては、労働者にとって重要な債権でございます賃金請求権について、民法における使用人の給料に係ります短期消滅時効である一年というものではその保護に欠けるということ等考えられるものの、民法における一般債権の消滅時効期間でございます十年では使用者に酷に過ぎ、取引安全に及ぼす影響も少なくないということを踏まえ、二年の消滅時効期間としたものと承知をしております。

#8
○石橋通宏君 労働者の保護に欠ける、大事なこれ債権請求権、労働者の権利ですよね。
 でも、大臣、あわせて、これ労働者の権利権利って一方で言いますが、これ国民全体の、だって、みんな全て押しなべて国民皆さんが働くこと、それによって生計を立てる、そういう意味では、単に現在進行形で働いておられる方々だけではない、全ての国民にとって、これ守られるべき大切な権利であって保護されるべきだと、そういうふうに考えておりますが、これは大臣、同じ考えだということでよろしいですよね。

#9
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員おっしゃる意味は、誰もがこの雇用関係の下で働くことになり得るという可能性を踏まえておっしゃったという意味では、そのとおりだというふうに思います。

#10
○石橋通宏君 つまり、本当に全ての国民にとってこれ大切な権利であって、これをしっかり保護すること、これが我々の役割、責務だというふうに思っております。
 その意味で、それだけ大変重要な、全ての国民にとって重要なこの権利たる賃金請求権、これを今回、民法は五年ということになる。今回の改正、五年で、原則はそうなんだけれども、これ当分の間は三年と。つまりは、民法の一般債権からいっても、労働者の権利、大切な働くことによって守られるべき権利を劣後させるということになります。なぜ労働者の大切な権利を劣後させるのか。それだけの重要な理由があるんでしょうか。なぜ劣後されるんでしょうか。そのことをきちんと説明してください。

#11
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 その点も含めて、いろいろ労使も含めての審議会でも御議論いただいたところでございますけれども、今回の法案で御提案している内容としましては、同じ職場で消滅時効期間の異なる労働者が存在することによる混乱を避けるために、改正民法とは異なりまして、全ての労働者を対象として、施行日以後に支払期日が到来する賃金請求権について新たな消滅時効期間を適用するということとしております。
 その一方で、このように全ての労働者の保護を図りながら消滅時効期間を直ちに五年に延長するということになりますと、労使の権利関係を早期に確定して紛争の未然防止を図るという観点から、企業が全ての労働者の賃金、労働時間等に関する記録について長期間保存する必要性も生じてくるというようなこともあると。
 また、加えて、いろいろ労働時間管理の方法等の一層の明確化というような形での企業の労務管理に与える影響も踏まえるということから、直ちに消滅時効期間を五年とすることには課題が多いというような労使で御議論もいただいた結果、当分の間は消滅時効期間を三年とするということとしたところでございます。

#12
○石橋通宏君 その説明ではちょっと分からないんですね。
 これだけ重ねて申し上げます。重大、重要な労働者の権利、当たり前、正当な対価として賃金払われるのは当たり前ですよね。その当たり前の賃金が払われない、それについての請求権、これを民法より劣後させる。このことの理由として、今言われたことが本当に重大かつ必要なのかと言われれば、甚だ不十分だと考えざるを得ません。
 今、保存する云々言われました。じゃ、大臣、今回、厚生労働省、これ議論するに当たって全ての四百万事業所に確認取ったんですか。保存するの大変なんですか、なぜ大変なんですか、駄目なんですかと。これ、根拠あるんですか、坂口さん。

#13
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員がおっしゃったような形での全ての事業所にそういったものの調査をしたということではございませんけれども、先ほども申し上げたあの点については、労政審の方で労使も交えての御議論をしていただいたと。それで、使用者の方の委員の方からは、先ほどのような観点、あるいは労務管理の影響、あるいは書類の保存というような点についての御意見も出されていたということで、そういうことも踏まえての労政審の建議ということになったということでお答え申し上げた次第でございます。

#14
○石橋通宏君 いや、重ねて聞きます。何か根拠を示してくださいよ。じゃ、労政審にどういう根拠を示されたんですか。
 例えば、今、じゃ、四百数十万事業所の中で、全て紙台帳で、紙で保存している企業ってどれぐらいあるんですか。今回に当たって、そのためだけにシステム改修が必要な企業が、じゃ、どれだけあるんですか。坂口さん、何か根拠あるんですか。

#15
○政府参考人(坂口卓君) その点については、定量的な今委員がおっしゃったようなデータというのはございません。ただ、いろいろ労使の審議会での御議論の中ではそういった主張もなされ、そういった点も含めて、公労使で御意見をもまれて結論を出されたということかと存じ上げます。

#16
○石橋通宏君 全然根拠がないんですね。根拠がなければ、どうやって、じゃ、これから支援しましょうって、何をどう支援するんですか、それを可能にするために。ちゃんと根拠があって、じゃ、その根拠を改善、解決するためにこの期間を当分の間置くならば、それを集中的にやるという根拠、論拠が我々も議論できる。でも、その根拠が示されなかったら、じゃ、どうするんですか、これから。そんな根拠もちゃんとした議論もなしに、これ労政審で議論した。だから、冒頭、大臣、申し上げたんです。突貫工事でこういう議論されるから、そういった根拠もなく、何か観念論でそうじゃないのと。いや、それじゃ、正しい今後の対策が打てないじゃないですか。こういうことは是非やめていただきたい。そのことは強く申し上げておきたいと思います。
 今回、私もびっくりしたんですけど、これも、大臣、労基法百九条違反、これ、賃金台帳等の保存義務はこれまでも当然あるわけですが、それについて違反の実態が分かっていない、把握されていなかったと聞きます。まずこれ、事実ですね。

#17
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今お尋ねの百九条、労基法の文書保存義務を定めておるものでございますけれども、お尋ねは、百九条の関係での違反件数ということについては、百九条そのものという形では現在のところは大集計ができていないというものでございます。

#18
○石橋通宏君 違反の実態も把握をされていなかった、これまで。坂口さん、何でこれまでこれ把握していなかったんですか、こんな大事なことを。
 だって、賃金台帳、資料の一に、保存を必要とされる賃金台帳等関係書類の一覧を今回出していただきました。ある意味、これだけの様々な関係書類、これがやっぱりあるわけです。当然支払われるべき賃金、様々な賃金の種類もあるわけですが、それをしっかりと適切に、これ関係書類を保存いただいて、争いが生じるときにはこれしっかりと判断材料としても使っていただく。だからこそ、しっかりとした証拠を残していただかないと、争いが生じたときにも困るということですよね。ただ、その実態が、違反の実態も分からない。
 何で、坂口さん、これまでこれちゃんと違反実態、把握されていなかったんですか。

#19
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 労基法違反の件数につきましては、いろいろ年報等でお示しをしておるというところでございますけれども、やはり条項も多いということで、網羅的な集計ということはしていないということでございまして、今申し上げたこの文書保存の義務違反の件数については現在集計はできていない、していないというところでございます。
 ただ、今も委員からも御指摘ございましたし、現実にいろいろ検討の過程でもそういった点等々もございましたので、令和元年分から集計をするということとしておりまして、今後、そういった点も踏まえて、しっかりこの点についてのフォローということをしてまいりたいと考えております。

#20
○石橋通宏君 いや、重ねて、なぜ、じゃ、これまでどうやって賃金台帳の実態を、厚生労働省、指導監督してきたんですか。
 重ねて言います。賃金に関する違反の実態、これまで争い、これ相当ありますよね、坂口さん。そのときに、じゃ、台帳がきちんと保存されているのかいないのか、これ大事なのに、じゃ一方で、その賃金台帳の、これ保存が適切に行われているのか、違反の実態がどうなのか。これまで、坂口さん、重ねて聞きます、どうやってきたんですか、指導を。

#21
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 先ほど来、お尋ねに対してお答えしているのは、その違反の件数について集計ができていないのでお答えができないということでございまして、当然、監督署の監督指導におきましては、労働者名簿あるいは賃金台帳というものが作られているかどうか、必要な事項が記入されているかというようなことも含めまして、こういった書類についての状況、あるいは重要な書類が保存されているかということについては監督指導の中ではしっかりチェックをし、そして指導を、必要な場合は指導しているということでございます。

#22
○石橋通宏君 いや、本当に甚だ不十分な対応、残念ながら今回明るみに出ちゃったわけですが、ようやく今年から把握をされて今年の集計結果は出てくるということですが、これは、これまでの厚生労働省の対応、残念ながら本当に不十分だったと言わざるを得ないと思います。
 一点、この資料の一の絡みで確認ですが、例えば、労働者派遣法に基づく派遣台帳、派遣元台帳、派遣先台帳があります。これ、労働者派遣法の絡みでは、本当に派遣労働者が三角関係の下に不安定な地位に置かれている。前回の二〇一五年の派遣法改正のときに、これさんざん派遣元台帳、派遣先台帳の適切な保存ということも議論を当時させていただきました。今回、例えば派遣元台帳、派遣先台帳は対象に含まれていないということですが、こういった今回の百九条の対象に直接は含まれていない、でも働く者にとって、就業者にとって重要なこの記録の保存、保護、これ一体どうするんでしょうかね。例えば、派遣元台帳、派遣先台帳は、これ今後、原則五年という扱いから外れてますが、これ今後どうやって議論し、そして合わせていくんでしょうか。

#23
○政府参考人(小林洋司君) 今御指摘をいただきました派遣元管理台帳及び派遣先管理台帳でございますが、これは労働者派遣法三十七条及び四十二条の方に規定がございまして、三年間の保存義務が課せられておるところでございます。
 今の御指摘でございますが、今回、労働基準法の改正によりまして、記録の保存期間、本則と当分の間ということでそれぞれ規定をされたわけでございますが、当分の間は三年ということで現行から変更がないということでございましたので、今般、労働者派遣法の方におきましては特段の改正は行っていないところでございます。
 この取扱いでございますが、現在、労働政策審議会労働力需給制度部会で労働者派遣法の見直しを議論いただいておるところでございます。この労働基準法改正案が施行された暁には、その旨この労働力需給制度部会に御報告をいたしまして、今後の取扱いについて議論していただきたいというふうに考えております。

#24
○石橋通宏君 これ、今、派遣法の関係については御説明をいただきました。大臣も是非御認識をいただきたいと思います。
 派遣法、今、次なる改正の議論、着手をいただいております。これは昨年の本委員会でも私からも質疑をさせていただいておりますので、今回、この法律が仮にこのまま行った暁には、じゃ、派遣法の派遣先台帳、派遣元台帳、これ今後台帳の扱いどうするのか。これはしっかりと御議論をいただいて、適切な対応をいただくようにこれはお願いをしておきたいと思いますし、私も引き続きフォローをさせていただきたいと思います。
 今、派遣法の関係申し上げましたが、基準法の対象になっていない、それぞれの個別法で台帳等の保存が決められているほかのところもあると理解をしております。こういったほかのそれぞれの個別法で議論されているところも、今回これができれば、民法の今回の改正に併せて議論は当然行われていくという理解でよろしいですよね、これは確認だけです。

#25
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 ちょっと全体網羅的にはお答えしかねますけれども、この労働基準法の百九条の対象以外のものについても、労基則であったり、あるいは時間設定改善法等々で規定が三年保存と規定されているものがございます。これらの点につきましては、今も派遣法の点でも答弁ありましたとおり、当分の間は三年ということで、直ちにその改正ということが必要な状況ではないということでございますけれども、今後の労基法の経過措置における検討状況等を踏まえて、それらの点についても適切に対応をしていくということになろうかと思います。

#26
○石橋通宏君 これもしっかりやってください。働く者、大臣、様々な、今回も議論になっておりますが、多様な働き方、これ今の政府が進めてきた。ということは、本当に様々な働き方、就労形態含めて現下において存在しているわけです。そうすると所管の法律も様々になってくるので、じゃ、民法の改正に併せて、大切な働く者、就業者のそういった権利をどう守っていくのか。これは是非厚生労働省としても、もう本当に多岐にわたると思いますが、しっかり整理して引き続き対応いただきたいと。我々も報告をいただきながらウオッチしていきたいと思いますので、そこは大臣の責任においてよろしく対応方お願いしたいと思います。
 その上で、ちょっと後ほど当分の間の議論もさせていただきますが、さっき申し上げたように、今回、特に台帳等の保存が大変だ云々、でもそれ全然どこにも根拠ないということも分かってきたわけですが、今回なぜ台帳の保存についても五年ではなく三年ということにしてしまったのか、根拠なく。これは甚だ私遺憾だと思っておりますが。
 確認なんですけれども、今回、労働者からの賃金請求権については、労働者から請求があったときには時効が停止若しくは中断するわけですよね。民法の方でもそういう扱いになるわけですが、今回、賃金請求権に係る記録について、もし労働者からの請求によって請求権の時効が中断、停止した暁には、保存の方についてもこれ保存期間が延長になるという扱いにするということでよろしいんでしょうか。

#27
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 まず、現行のこの保存義務についてでございますけれども、現行の記録の保存期間を三年としてございますけれども、この点については、今議論しております賃金請求権等の消滅時効期間が現行では民事でありますけれども二年とされているということに加えまして、労働基準法に係ります公訴時効についてはおおむね三年とされているということも踏まえて、この三年の保存義務というものが設けられているということでございます。
 今お尋ねの時効の中断等の観点につきましてでございますけれども、賃金請求権の消滅時効の中断につきましては、特別法でございます労基法においては特段の定めがございませんので、いわゆる裁判上の請求等における消滅時効の中断の事由ということについては、一般法である民法というものが適用になるということでございます。
 そういうことで、労基法における記録の保存義務に関しましては、中断事由ということが特段規定はされておりませんので、あくまで使用者に保存義務が掛かるのは起算日から三年間ということになります。
 ただ、現実的な対応としましては、一般論として、使用者の方では、やはりいろんな、裁判上等の争訟が提起された場合には、そういった保存年限にかかわらず個別に対応されて保存されるということが考えられますが、私どもとしましては、先ほどのような、そもそも現行の保存義務というものの定められております観点ということに鑑みますと、今回お尋ねのような形での保存期間の延長ということについては慎重な検討が必要であると考えております。

#28
○石橋通宏君 それで、大臣、問題は生じないんでしょうか。今回、賃金請求権、原則五年、当分の間三年。そうすると、この保存義務の方は三年で、時効の進行がストップしてもそちらの方は延長されないということ。とすると、じゃ、仮に、三年の請求権ぎりぎり、時効ぎりぎりで労働者が債権の存在に気が付いて請求をする。そのときに、じゃ、三年を超えちゃったから、保存期間がもう三年でいいので、心ない使用者がその記録を捨てちゃった。それでも法律上は罰せられないとすると、守られるべき賃金請求権、労働者の権利が適正に守られないという事態は絶対に生じないと言えるんでしょうか。労働者にとってこれ不利にならないでしょうか。
 現在は二年で、バッファーが一年間あるから、二年ぎりぎりで請求権、これ請求すればそこで一旦ストップするので、まだ一年間という保存のバッファーがあるからその間に様々な対応ができるということで一定の保護ができるんです。今回、三年並びにしてしまったら、三年ぎりぎりで気付いたときに労働者の権利が守られない事態が発生するんじゃないですか、大臣。それどうやって守るんですか。

#29
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げたような時効の中断というような形でのケースということになると、ずれが、先生おっしゃるように、もっと大きなずれになるということから先ほどのような形でお答え申し上げたわけでございますけれども、今お尋ねのような形で、現行は三年の保存義務期間に対して消滅時効期間が二年ということで、御指摘のように文書保存期間の方が長いということがございますので問題が生じないということだけれどもという御指摘かと思います。
 そういう意味では、今回は消滅時効期間と記録の保存期間が同一となるということでございますので、基本的には、同一ということである以上、実際、消滅時効期間が満了するまでの間、関連する記録ということは保存するということとなるので大きな問題は生じないかと思いますが、今先生がおっしゃっていたように、ぴったり合わさっているのが少しだけずれるというようなケースがあるような部分については、今、記録の保存期間の起算日については労働基準法の施行規則において定めておりまして、例えば、賃金台帳であれば最後の記入をした日であったり、タイムカード等においては重要な書類はその完結の日というようなことになっております。
 ですから、そういった部分について若干のずれが生ずることによってそごが生じないようにということにつきましては、消滅時効期間の期間が満了するまでの間は関連する記録の保存が必要であるということについて適切に周知をするとともに、今の労基則の起算日の点について労使とも相談して対応してまいりたいと考えます。

#30
○石橋通宏君 大臣も御認識いただいたと思います。今回合わさってしまったがために、ぎりぎりで労働者の側が気付いたときにずれが生じてしまう、それによって守られるべき権利が守られない事態が生じ得るんです。
 だから、今局長答弁いただきましたので、これ、そういった場合には適切に関連書類ちゃんと保存してよという指導を徹底していただかないと駄目なんです。だから、ここについては、これちゃんと指針等で規定していただくことも含めて対応いただきたい。そのことを、局長、よろしいですね、答弁いただいたので、今答弁いただいた筋できちんと対応してください。それは重ねてお願いをしておきたいというふうに思います。
 大臣、重ねて、今回こういう形で、先ほど来申し上げているとおり、大切な、本来あってはいけないことですからね、未払というのは。でも、今回劣後される、当分の間ということから考えると、これは大臣、劣後される期間は、当たり前だと思いますが、もうとにかく最小限、最小限度にとどめるべきだ。それは大臣も同じ気持ちですよね。

#31
○国務大臣(加藤勝信君) 今御議論させていただいたように、こうした当面の間三年にしている背景としては、文書の保存という問題等が絡んできているということでありますから、まずは、当初、文書の保存期間は三年ではありますけれども、これをしっかり管理をし、そして、より長い期間保存していただける、こういう状況をつくっていく、それが一番大事なことなんだろうというふうに思います。
 したがって、そうした状況をつくることによって、今委員御指摘のような本来の原則が適用できる時期、これをしっかり模索をしていく必要があるんだと思います。

#32
○石橋通宏君 大臣、なので、できるだけみんなで努力をしていただいて、厚生労働省にも頑張っていただいて、できるだけ早く、一刻も早く原則に戻すべきだ。大臣も同じ気持ちですね。

#33
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、今申し上げたように、そうした状況を早くつくり上げて、本則の適用に向けて努力をしていきたいと思います。

#34
○石橋通宏君 重ねて、何度も申し上げて恐縮ですが、根拠もしっかり示されない。なので、じゃ、できるだけ早く対応いただく。では、どれをどう対応してどこをって、それすらも分かっていない。これは甚だ、これまでの厚生労働省の対応にも私、不満を申し上げなければなりませんが、大臣、重ねて、労働者の権利、大切な権利を劣後させるわけですから、これは、大臣いつもすごく慎重ですが、ここは働く者のためにやはり一刻も早く原則に戻すんだ、そのためにみんなで努力をしていくんだ、決意を大臣としてこれは是非述べていただくべきだと思いますよ。大臣、もう一度。

#35
○国務大臣(加藤勝信君) したがって、今委員御指摘のように、五年の原則が適用できる、こういう環境をつくるべく我々最大限努力をし、また、最終的にはこれも労政審の審議を得て決まるわけでありますけれども、そういった審議を得て必要な手続を取っていくと、こういうことになるんだろうと思います。

#36
○石橋通宏君 ちょっと踏み込んでいただいたかと思いますが、この点については、認識、できるだけ早く、やっぱり早期に原則に戻すべきだということで、そのために全力でしっかり様々な対応をいただくんだというふうに思います。
 もう一点、ちょっと百十五条の関係で確認をさせていただきたいと思いますが、さっきもちょっと起算点について局長からも少し答弁がありました。百十五条の「これを行使することができる時」、これ改めて確認ですが、これはどの時点ですか。

#37
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 この今の消滅時効の起算点に関わる議論でございますけれども、まずもって現行の労基法でどう扱っているかということを申し上げますと、現行の労働基準法につきましての解釈、運用で、賃金請求権の消滅時効の起算点につきましては、客観的起算点として、具体的には権利を行使できるときである賃金支払日ということで解釈、運用をしておるというところでございます。
 今回の改正におきましては、この現行の解釈、運用を踏襲するということ、そして客観的起算点であるということを明確にするために、今議員の方からもございました「これを行使することができる時」という法律上の文言という形で追加をさせていただいたというものでございます。

#38
○石橋通宏君 いや、これ例えば残業代の未払なんかはどういう扱いになるんですかね。残念ながら、ちまたでこれよく発生するわけです。既に明らかな賃金、定期的に支払われる賃金はまあ額が大体おおむね決まっていますが、特に争いになるのがこういった残業代の未払、よく企業では過去何年にも遡って、中には二十年にも遡って云々みたいところもこれ発生しているわけです。
 これ、労働者は知り得ないので、残念ながら。使用者側と労働者側のこの情報格差、これによって労働者側がなかなかこれを知り得なかった、それが改めて明らかになって、払われるべき賃金が払われていなかった。これ、例えば残業代の未払賃金なんかは、じゃ、労働者がそのことを知ったときが知り得たときということでいいんですか。

#39
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今の点も含めて、起算点というのは、これを行使することができるときという客観的起算点ということでございます。
 この点については、残業代もそうでございますけれども、労基法では、賃金については二十四条で毎月一定期日に支払が義務付けられてございますし、また、賃金支払日については使用者から労働者へ明示する義務も課せられているということでございますので、その点については賃金支払日を確実に把握はできるということでございますので、起算点についての漏れはないということかと存じます。

#40
○石橋通宏君 いや、ちょっとかみ合っていないかなと思います。私の質問に答えてください。
 未払の残業代、それを労働者が知り得た、そのときが知り得たときですか。それとも、例えば去年の四月に残業代があった、それは去年の四月がその知り得たとき、発生するときなんですか。どっちが起算点ですか。

#41
○政府参考人(坂口卓君) その点については、繰り返しの答弁になりますけど、残業代についても一定のその賃金の支払日ということは定まっておりますので、あくまで客観的起算点でこの起算日を設定しているということでございます。

#42
○石橋通宏君 だから、ここが大きな課題だと思いますよ、大臣。だって、労働者は残念ながら、重ねて言います、情報量が残念ながら大きく違う。知り得ない、それを知ったときにはもう消滅時効が来てしまっていて、当然に払われるべき残業代等々含めて賃金債権が消滅してしまう、請求すらできない。やっぱりこういったことはあっちゃいけない。
 じゃ、知り得たときと法律に書いてある。これはやっぱり、労働者が知り得たときって本来は整理するべきなんじゃないですかね。だから、これはやっぱり大きな課題として、まあだからこそ絶対にそういうことを起こしちゃいけないということなんだろうと思いますが、ここは重要な課題だということで大臣も是非御認識をいただきたいというふうに思います。
 それに関連するんですが、今回、災害補償請求権について、二年のまま、現行のままで変えませんでしたね。これ、何で今回変えなかったんでしょうか。簡潔に説明してください。

#43
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 災害補償請求権についてでございますけれども、この点は、災害補償請求権につきましては、労働基準法の創設された権利であり、これまでも民法の一般債権の十年の消滅時効期間にかかわらず労働基準法で二年の消滅時効期間としていたということもございまして、今回の民法改正で一般債権の消滅時効期間が原則五年となった場合においても、現行の消滅時効期間である二年を維持するということとしたところでございます。
 また、災害補償の仕組みにおきましては、やはり労働者の負傷等の業務起因性を明らかにするという必要がございますけれども、時間の経過とともにその立証が困難になるということもございますので、早期に権利を確定させ労働者救済を図るということが制度の本質的な要請であるということからもこの点に帰結したということで、いずれにしましても、労政審の建議においてもこのような考え方から現行の二年を維持することが適当とされたところでございます。

#44
○石橋通宏君 確認しますが、労政審労政審と言われますけど、この件については、ちゃんとした専門家を交えた議論、検討、これしていただいたんでしょうか。労政審のメンバーだけじゃない、これは今の多様な、先ほども申し上げたとおり、多様な働き方があります。特に、昨今は残念ながら精神障害、様々な職場関係でメンタルヘルス含めた問題がもう本当に増加してしまっています。
 そうすると、この災害補償についても、この二年という範囲の中では請求できない方々って現におられるんじゃないですか。いないと言い切れるんですか。二年のままで大丈夫だって、大臣、これ責任持って言い切れるんですか。できない現状があるんじゃないでしょうか。そういう検討をちゃんとしたんですか、今回。

#45
○政府参考人(坂口卓君) 繰り返しになりますけれども、この災害補償の関係については、先ほども申し上げましたように、やはり業務起因性を明らかにするということとの関係では、やはり時間と経過がございますと立証が困難になるというようなこともあるということで今回のような議論にも至ったということでございますし、また、検討の過程という形でございますと、今回、労政審に先立っては、消滅時効についてそういった点も、その他の請求権、賃金請求権以外の消滅時効の観点も含めて、学者の方に集まっていただいて、この消滅時効の在り方についての論点の整理をしていただいた上で労政審の方では御議論をいただいたということでございまして、そういった必要な点の議論も含めてこういった労政審での御議論をしていただいたということかと考えております。

#46
○石橋通宏君 残念ながら、そこが甚だ不十分な議論しかされてこなかった。これも重ねて、冒頭に戻りますが、十分な期間取ってちゃんとした議論をしてこられなかった、拙速なところがあって、これ、重要な点だと思いますよ。二年のうちに請求できる状態にない方々がやっぱり今の状況の中で現におられるとすれば、今回二年にとどめてしまったことでそういった方々の権利を守ることができない状況がむしろ発生してしまうと。大臣、このことは是非御認識をいただきたいんです。
 なので、この点については、是非ちゃんとしたそういった現状把握、それから専門家の皆さんの検討、議論、これを私は五年待たずにしていただいて、そして次なる見直しに向けた議論、検討はちゃんとしていただいて、適切にそういった状況に置かれる方々の権利も守られる、これは是非大臣の責任においてやっていただけないですか。

#47
○国務大臣(加藤勝信君) 今の御指摘、これは衆議院の方の厚生労働委員会の決議に、附帯決議になりますけれども、「災害補償請求権の消滅時効期間については、労働者の災害補償という観点から十分であるのか、施行後五年を経過した際に、労働者災害補償保険法における消滅時効期間と併せ、検討を行うこと。」とされているところでもありますし、また、今委員からも御指摘もいただいているところでありますので、今後、この附帯決議、あるいは今委員の御指摘、これを踏まえて検討していきたいと思います。

#48
○石橋通宏君 ここは是非しっかりと検討して、漏れがないような対応、今回二年にとどめられたのは私は正直残念ですが、今後の検討をしっかりしていただきたいということは重ねてお願いをしておきたいと思います。
 あと、大臣、結局、重ねて冒頭からの話で、まとめていけば、やっぱり本来払われるべき労働者の賃金、大切な大切な賃金債権、これがやっぱりちゃんと払われるのが全て大原則です。とすると、これをどう徹底していただくのかが重要なわけですが、資料、今日もお付けしておりますが、例えば、これずっと大臣、議論をさせていただきましたが、余りに労働基準法、これ賃金債権の問題もそうですが、罰則が軽過ぎませんか、大臣、企業への。
 最近、経済関係の罰則ってどんどんどんどん重たくなって、罰則、企業に対しては何億円みたいな罰則もある中で、労働基準法違反っていまだに、まあ多くは三十万円以下の罰金です。これで企業は、いや、罰金払った方がいいよって、そんなことをふてぶてしく言う企業が現にいるんです。大臣、これぞ見直すべきではないでしょうか。大臣、改めて労働法、これ全体多岐にわたるので簡単な話ではありませんが、いま一度、労働者の大切な権利を守る、そのために、絶対に企業にとんでもない違反許さない、だから罰則、厳に強化をしていく、そういう議論、是非大臣やっていただきたい。いかがでしょうか。

#49
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員御指摘のように、賃金の未払等々、言わば労働基準法を含めて労働法規に違反する行為、これはあってはならないということはそのとおりであります。
 我々もこれまでも監督指導等に努め、違反があった場合には是正を図らせると、そして悪質な事業所に対しては書類送検を行うなど厳しく対応してきたわけであります。
 今、量刑のお話がありました。これまでもいろんなこうした働き方改革の議論のときに量刑の議論をさせていただいたと思いますが、この量刑は、ここだけではなくて、他の法律との、今御指摘ありましたけれども、均衡の中で議論し定められているということでありますので、なかなか罰則の引上げ等については慎重に検討すべきものということでこれまでも対応してきたところであります。

#50
○石橋通宏君 済みません、時間が来たので、積み残しのことも含めて、あとは会派の仲間に譲りたいと思いますが。
 そうやって均衡均衡って言うからいつまでたっても変わらないんです。大臣、だから抜本的な見直し、是非やっていただきたいし、これからも我々一緒にいろいろ取組をさせていただきたいと思っておりますので、今後の対応、期待を申し上げて、質問を終わりにさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

#51
○福島みずほ君 立憲・国民、社民の福島みずほです。よろしくお願いします。
 改正法案で当面の間三年とされる消滅時効なんですが、これは五年となるはずが三年になってしまったと。これは、中小企業は業務負担に耐えられない、使用者の側から、労使の権利関係が不安定化する、実務上定着しているなどの主張が繰り返されて三年になりました。しかし、これは妥当だったんでしょうか。このデジタル化がまさに負担だということなんですが、記録保持はデジタル化が進行する中でどれほどの負担か把握していらっしゃいますでしょうか。

#52
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今お尋ねの点についてでございますけれども、企業における記録の保存の負担につきましては、企業規模あるいは記録の保存方法等により大きく異なりますので、一概にそういった定量的なお答えをするということは難しゅうございますけれども、やはり、記録の保存期間を延長したという場合には、紙媒体であれば資料の保管スペースの確保といった問題もございますし、また、電子データであれば労務管理システムの改修等ということも必要になるということも考えられます。
 また、個々の労働者の労働時間を正確に確認するためということになりますと、この労基法上、保存が義務付けられております賃金台帳とかあるいはタイムカード等の文書だけではなくて、やはり電子メールあるいは入退館記録などの記録というようなものも含めて保存していくことも望ましいと考えられますので、紙媒体か電子媒体ということにかかわらず、一定のやはり影響が出てくるということで考えておるところでございます。

#53
○福島みずほ君 かなりデジタル化が進んでおりますし、これはむしろ、その方向を進めると同時に、ちゃんと五年間は保存してください、最低はというふうにこれはすべきではないでしょうか。
 それから、そのさっきの理由で労使の権利関係が不安定化するというのがありますが、別に消滅時効が二年を超える他の債権でも同じことです。実務上定着しているという主張に関しても、労働者保護を目的とする労基法でより短い期間を定めることは全くの矛盾ですから、使用者側の主張は、これは全く当たらないというふうに思います。
 未払賃金の支払において、残業など労働時間の詳細な記録保持が問題となるにしても、適切な労務管理を進めるために見直しは必要ではないでしょうか。

#54
○政府参考人(坂口卓君) 今お尋ねは文書の保存期間の点かと思いますけれども、この点につきましては、消滅時効期間が二年とされていることに加えて、現行も労基法の公訴時効の方ではその時効が三年ということも踏まえて、現行の記録の保存期間ということについては設けられているということがございます。
 こういったことも踏まえますと、やはり記録の保存年限を五年とするということにつきましては、民事上のみならず、刑事上も必要な範囲を超えて使用者に罰則付きの負担を設けるということになるという問題もございますので、やはり消滅時効期間の在り方と一体で考えていくということが必要かと考えておるところでございます。

#55
○福島みずほ君 全く納得できません。消滅時効が少しでも長くなる方が適切な労務管理を促すことができるのではないでしょうか。
 先ほど、石橋委員からも、理事からもありました。労働者保護を目的とする労基法で民法より短い期間を定めることは全くの矛盾ではないでしょうか。

#56
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今回御提案させていただいている内容でございますけれども、改正民法とは異なって、この時効期間を延長するに当たって、この消滅時効期間については、契約の経過措置としまして、施行日以後に支払期日が到来する全ての労働者の賃金請求権に新たな消滅時効期間を適用するということとしたところでございます。
 そういったことを踏まえて、特別法である労基法において民法と異なる定めを行い今回の提案をさせていただいているということもございますので、この短い消滅時効期間ということだけで比べるということではなくて、全体として改正民法と比較して必ずしも労働者保護に欠けるということではないのではないかと考えております。

#57
○福島みずほ君 民法より短い期間を定めて、やっぱりこれは問題です。民法上の七百九条、不法行為、三年ですよね。しかし、労働契約というのはまさに債権債務の関係であって、それが不法行為と同じ三年であるというのは、労働者保護、賃金がどれだけ労働者にとって大事かという観点から、全くこれが納得いきません。
 先ほど石橋委員からもありましたが、改正法の見直しが施行五年経過後とされているのも、大変にこれは長いんじゃないでしょうか。いろんな、様々、最近国会でできる立法では三年後の見直しというのも非常に多いと思います。五年後とされていたら長過ぎる、五年後確実に見直しをすると定めているものでもありません。更に先延ばしされる可能性がある。これは、五年以内でもしっかり見直すようにすべきではないですか。

#58
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今回、この法案の検討規定では、委員御指摘のように、五年経過後の見直し規定という形で御提案をしておるというものでございます。この点につきましては、今回の法案では新たな消滅時効期間、当分の間三年ということでございますけれども、この消滅時効期間が適用される賃金請求権は施行日以後に支払期日が到来するものとしております。
 このため、施行から最初の二年間は改正前と状況が変わらないということで、実質的な改正の影響が出てくるのが令和四年、二〇二二年の四月以降に生じて、改正法の適用を受ける請求権が時効消滅するというのが施行から三年経過以降になるということでございます。
 ということで、そういった状況をしっかり踏まえて検討するということでございまして、五年経過前の状況で検討を行うということになりますと、検証に活用できる情報ということも限定されるということから、今回、労政審の建議の中でも、こういった五年経過後の見直しを状況を踏まえて検討する旨の検討規定を建議としてもいただき、今回提案をさせていただいているというものでございます。

#59
○福島みずほ君 五年後の見直しというのは余りに先ですし、先延ばしされる可能性があると。五年以内でもしっかり見直すべきだということを強く申し上げます。
 そして、当分の間三年ということですよね。当分とはどういうことかというのは、衆議院でも議論になっております。
 これに関して、この当分の間というので、経過措置で当分の間が盛り込まれたもので今までどういうものがあるか。驚いたことに、百十一年当分の間というのがあるのと、七十二年間当分の間というのがあるんですね。まあ、当分の間が、すごいなという声が今上がっておりますが、私もこの議事録見て驚いて、百十一年あるいは七十二年間たってまだ当分の間ということなんですね。
 これちょっと、当分の間ってどうですか。当分の間って言われると、私なんか三年ぐらいとかちょっと思ってしまうんですが、いかがでしょうか。

#60
○政府参考人(坂口卓君) お答えとしては、当分の間ということでございますので、具体的なその期間を御提示するということは難しいということでございます。
 ただ、この法案におきましては、先ほど御質問の過程でございましたように、労政審の建議も踏まえて、法案の中に附則としてこの検討規定ということを具体的に盛り込まさせていただいて、施行から五年経過後の状況を踏まえて検討するという旨の検討規定を設けておるということでございますので、私どもとしましては、この規定を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。

#61
○福島みずほ君 当分の間といって百十二年ですか、ちょっと気が遠くなって、百十一年ですね、気が遠くなってしまいます。
 もし五年後に見直すのであれば、大体もう二年、三年ぐらいから中小企業やいろんなところにデジタル化やってくれと、五年に備えてやってくれということを言わないと、五年たった時点で、じゃ、五年にしましょうというのも難しいと思うんですよ。つまり、もう、いずれすぐ五年になるから準備をして、労務管理も含めやってください。それをやるべきだと思いますが、いかがですか。

#62
○政府参考人(坂口卓君) お答えを申し上げます。
 検討の過程、スケジュール等々については先ほど来お答えしたとおりでございますけれども、やはりその状況の変化に対応するということからいくと、先ほど大臣からもございましたように、企業における文書の保存等々の環境をどうつくっていくかということが重要になってくるということでございますので、そういった点につきましては、私どももいろいろ、労使のそういった文書保存、あるいはそういったものをIT化する中でどういう環境整備をしていくかということについては、私どもとしても支援ということについては対応してまいりたいということで考えております。

#63
○福島みずほ君 今回、三年ということには納得できないんですが、見直すということであればすぐ着手して、もうやっぱりこの三年、いずれ、いずれというか、すぐ三年になるんだから準備してください。できればそういうふうにやってください。デジタル化もやってください。記録の保存もやってください。台帳の保護もちゃんと、もう五年になるので、それをちゃんとやってください。これを今から広報するということで、大臣、よろしいですね。

#64
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほども申し上げさせていただきましたけれども、まさにそうした環境をつくっていくということが大事でありますから、今回の改正の趣旨含めてしっかり周知をするとともに、特に中小企業を中心に、そうした対応が取れないところについては取れるような助成あるいは支援の措置も講じることにしておりますので、そうした状況というか環境というか、そうしたことを一日も早くつくるべく、我々も支援をしていきたいと思います。

#65
○福島みずほ君 それは本当によろしくお願いします。
 賃金請求権って本当に重要な、働く人にとって最も重要な権利なので、その環境整備、ちゃんと遡ってとか、割増し賃金とかも請求できるようによろしくお願いします。
 石橋理事の資料を基に、私がちょっと追加で質問いたします。
 労働基準監督官の定員数及び労働基準に係る予算額の推移の配付資料があります。これを見ていただくと分かるとおり、これは、労働基準監督官は、やっぱり国会の中でいろんな政党の議員が、私も含めてですが、増やすべきだ増やすべきだと、こう言ってきて増えてはおります。ただ、問題なのは、労働基準監督官以外の人たちの人数がむしろ減っているということです。
 これは、現場で働く人に聞くと、労働基準監督官、これは国家試験がある人々ですが、もちろんこれが増えるのは有り難いと。しかし、労働基準監督官を支える人々、あるいは実際いろんな調査をする人、いろんなことをやる人、そういう人も極めて重要な役割を果たしていて、労働基準監督官が増えた分労働基準監督官以外が減っているということは、やっぱり現場にとっては打撃というか、仕事を本当にするためには、労働基準監督官はもちろんのこと、労働基準監督官以外も増やしてくれ、これはよく言われることです。いかがですか。

#66
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 監督署には、今委員御指摘のような労基法の監督指導等を行う監督官のみならず、労働災害の防止であったり、あるいは迅速な労災補償の実施をするための職員がおるわけでございますので、私ども、いずれも重要な役割ということでしっかり対応していかなければいけないと考えております。
 ただ一方で、非常に定員事情ということが厳しいということについては委員も御承知のとおりかと思いますので、私ども、行政需要に的確に対応するために引き続き必要な体制の確保には努力をしますが、効率的な業務の実施ということも含めて、工夫をしながらしっかり対応してまいりたいと考えております。

#67
○福島みずほ君 働き方改革や、それから去年みんなで議論したハラスメント指針始め、また氷河期世代の人たちの支援や技能実習生や様々な労働者の人に対する支援、それから介護を含めた医療現場を含めた様々な場面での支援や、もう課題がたくさんあります。それを支えるのが労働基準監督署であり、労働局であるというふうに思っております。是非、労働基準監督官以外の、労働基準監督官以外の人の人員増も含めて頑張ってくださるように、よろしくお願いします。
 また、資料四の労働基準監督に係る予算額の推移と主な増額事項の内訳があります。まだまだ足りないとも思いますし、ほかにも様々な項目があります、必要な。それについていかがでしょうか。

#68
○政府参考人(坂口卓君) 先ほどの石橋委員の資料の右側にございますように、私どももいろいろ、長時間労働の是正でございましたり、あるいは外国人労働者を含めた技能実習生への対応等含めての対応ということで、必要な予算についての要求ということで確保ということに努めておるところでございます。
 そこにも、資料の中にもございますように、長時間労働の是正に向けてはいろいろ、三六協定であったり労働時間管理の適正化に向けた対応でありましたり、あるいは、外国人労働者への対応ということになりますと、いろいろ多国語の相談というようなことを工夫しながらの対応ということも求められるということもございます。そういった点について、資料にあるような形で近年予算の増額ということには努めておるところでございますけれども、引き続きそういった体制、予算の確保ということについては努力をしてまいりたいと考えております。

#69
○福島みずほ君 技能実習生においては調査に入ったところの八割ほどが労基法違反があったとか、あるいは介護の現場では六割から七割ぐらい労基法違反があるとか、もう様々なデータがあります。実際、調査に入って労基法違反と言われる割合は、どの業界も残念ながらとても高いものがあります。
 ということは、様々な働く現場で、どうせ調査に来ないだろう、どうせ調査に来たって大したことない、あるいは、調査に入られるともちろん嫌だけれども、罰則まではなかなかいかないし、まあいいやみたいなことが実はあるのではないか。そうだとすると、やっぱり頑張る体制を労働局としてきちっとつくってほしい。いかがでしょうか。

#70
○政府参考人(坂口卓君) 外国人労働者あるいは技能実習生の労働条件の確保ということにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、労使双方に向けてしっかりその必要性であったり対応ということについての周知を図るという一方、今委員御指摘のような個々の事案については、私どももいろんな情報を入手しながら、あるいは法務省入管当局とも連携を図りながら、そういった悪質な事案等については適切にしっかり対応してまいりたいと考えております。

#71
○福島みずほ君 先ほど石橋委員からもありましたが、災害補償その他の請求権についての消滅時効は二年と据置きです。労基法の災害補償請求権の消滅時効を見直すと、使用者の災害補償責任を免れるための労働者災害補償保険制度の短期給付の請求権の消滅時効との扱いが問題になります。
 しかし、労基法は労働者の権利を守る趣旨であって、労働者側が請求できる期間がこれだけ短いままという不利益を労働者に課すべきではないと考えます。二年という短い期間では、手続に掛かるだけで終わってしまうこともあります。先ほど大臣答弁されましたが、これやっぱり見直すべきではないですか。

#72
○政府参考人(坂口卓君) この災害補償の請求権につきましては、先ほども申し上げましたけれども、現行の民法の消滅時効の十年にかかわらず労基法で二年の消滅時効期間としているということ、あるいは労政審の建議でも、その業務の起因性については時間の経過とともにその立証は困難となるというようなことも踏まえて、現行の二年ということで提案をしている内容の中で改正をしていないということでございますが、先ほど大臣の方からもございましたとおり、衆議院の方でも附帯決議も御頂戴しているということも踏まえて、私どもとしても適切に対応してまいりたいと考えます。

#73
○福島みずほ君 労働者の賃金請求権や災害補償請求権等がきちっと支払われるように、更に厚生労働省の下で取り組み、改善をしていただきたいと思います。
 新型コロナウイルスについて質問いたします。
 今、政府は新型コロナ感染に関してどう思っているのか。
 文科省は学校一斉休業の解除をするということで、学校現場が自主的ではありますが元に戻るといって、北海道も緊急事態宣言を解除したと。ところが、先日、大阪府に示された案に見られるように、今後、感染が非常に広がるかもしれない、大阪府のウエブに公開されておりますが、三月二十八から三日に患者三千三百七十四人になると。あるいは、この中で、感染者報告数がこれから急速に増加し、来週には重症者への医療提供が難しくなる可能性があるまで書かれているペーパーがあるんですね。
 一体どっちなのか。私たちは気を緩めるわけにはいかないけれど、一体、政府が出すメッセージがばらばらなんですよ。非常にばらばら、実は重要なことを隠しているんじゃないかとすら思える。いかがですか。

#74
○国務大臣(加藤勝信君) ばらばらということはありません。学校の場合にはそれぞれの蔓延状況を踏まえて対応してほしいということを申し上げているわけでありまして、全体的にはどうにか持ちこたえてはいるけれども、今後、既に都市地域においては増加をしているという指摘もし、さらに、このままいってしまったら場合によっては爆発的に感染者数が増えるという、そうした懸念も述べているわけでありまして、したがって、その状況状況は地域地域によって異なってくるということであります。
 そういう中で、特に都市地域において、新規の発生、あるいはなかなかリンクが追い切れていないというか、リンクの見えない事例が出てきているといったことを含めて、それぞれの地域から私どものクラスター班に専門家の派遣を要請をされ、専門家が、あるいは私どもの職員も一緒に行って、現地で情報交換をしたり、対応ぶりについて議論をしたり、そして、その結果において、それぞれの行政体、最終的には知事が責任においてその当該地域における対応をお決めになっていると、こういうふうな理解、こういうような形で進めさせていただいているところであります。

#75
○福島みずほ君 配付資料配っておりますが、例えばここの必要な対応の方向性案で、学校休校、イベント中止の呼びかけの継続となっているんですよ。厚労省こういうペーパー出して、文科省は一斉休業の解除をすると、こういうのが、だからメッセージとして分からないんです。
 これは、大阪府、兵庫県において出されたものであるということは理解しております。東京都にも出しているというふうに合同の厚労部会で聞いております。東京都の分も出してくれというふうに言ったら、持ち帰ると言いました。東京都の分も出してください。なぜならば、国民や国会は、何が起きているかというか、厚労省がどういう事実認識にあるのか知る必要があると思います。いかがですか。

#76
○国務大臣(加藤勝信君) これは厚労省がというか、これはそれぞれの地域の実情を踏まえて専門家がいわゆる再生産指数等々をベースに計算をされております。したがって、これ三日たつと随分数字が変わると、そういう代物でありまして、したがって、そういった資料の性格を踏まえながら、それぞれの自治体、先ほど申し上げた判断をしていただくということであります。
 我々は、だから、判断する材料を提供しておりますけれども、それをどれを取捨選択しておやりになるか、それはそれぞれの自治体がお考えになる。それから、これも考え方、取り得る案としてはこういう案があるということを申し上げて、専門家からアドバイスがあったんだろうというふうに思いますので、あと、その中から何をどう取っていくかというのは、これはやはりそれぞれの地域地域で御判断をいただくべきものだと思います。
 その際に、当然でありますけれども、政策判断に活用した資料、これを公表するというのは、当然その政策について地域の皆さんの理解を得るためにも大変大事だというふうに思いますので、我々もできるだけ公表をできるような形で提供していきたいというふうに思います。

#77
○福島みずほ君 自治体に提供しているのであれば、どういう認識か、少なくともこのクラスター部の専門家がどう考えているか人々は知りたいし、国会も知りたいですよ。人々は知りたいですよ、自分たちのことだから。
 東京都に出したペーパー、出してくださるということでよろしいですね。

#78
○国務大臣(加藤勝信君) これまでも、地域医療構想のときもそうだったんですけれども、私どもから出したことをいろいろ御批判をいただきました。したがって……(発言する者あり)いやいや、そういうことで、やはり地域、それぞれ地域、いや、なぜかといえば地域地域が責任を持って御判断されていくわけですから、それに必要な資料はもちろん我々提供いたします。
 ただ、その中で、地域としてこれは取り得ない、これは取り得るというのは当然あるわけでありますから、その上で、取り得て、そしてそれが政策判断につながった、そういった資料であれば、我々は、もちろん作られた方の許可といいますか、は得なきゃいけないと思いますけれども、基本的に公表していただいて構わない、こういうスタンスであります。

#79
○福島みずほ君 違いますよ。どういう対応取るかは自治体が決めることだけれども、クラスターの専門部会がどういう事実認識に立っているかは、これは厚労省しか分からないんですよ。だから聞いているんです、だから聞いているんですよ。こんなの公立病院の問題と全然違いますよ、あのときのリストの公表と。
 厚労省のこのクラスター班の専門家がどういう認識を持っているのか、この現状分析のところが聞きたいんですよ。あとは政策判断じゃないですか。これ出してくださいよ。東京都に関してどう考えているか、教えてくださいよ。

#80
○国務大臣(加藤勝信君) これはそれぞれが別に、クラスター班として出したり、あるいは専門家会議として出しているわけではありません。それぞれの専門家が行かれて、そしてそれに基づいて出しておられる、あくまでも専門家ベースの資料でありますから、そういったものとしてそれぞれの地域がどうお取扱いになるかということを申し上げている。
 我々は別に隠すつもりはありませんけれども、専門家が十人いれば十様、あるいは前提を置けばいろんな試算が出るんですね。したがって、その中でどれをお取りになるのか、どれを根拠にされるのか、これはそれぞれの判断があるんだろうと思います。
 したがって、その判断に使われた資料を公表すると、このことが大事なんだろうと思います。

#81
○福島みずほ君 いや、資料をお配りしておりますが、これは医師会が、新型コロナ感染症に係るPCR検査をめぐる不適切事例で、二百九十件ちゃんとしてもらえなかったというのが出ています。人々は何を思っているかというか、私が何を思っているか。検査件数が余りに少なくて、これが伸びなくてこういうのがある。
 三月十一日の衆議院の厚生労働委員会、山井議員の質問で、PCR検査は保険適用から件数が減っているという指摘があります。大臣は、医師が判断したら積極的にやっていただきたいと答弁していますが、実際に検査につながっていなかったものが二百九十件あるわけです。これ、医師会の記者会見ですよ、こういうのはやっぱり問題ではないですか。
 ドライブスルー方式を取る自治体が出てきておりますが、厚生労働省の見解はいかがでしょうか。

#82
○国務大臣(加藤勝信君) これ、二百九十というのは医師会としてまとめた数字でありまして、これは医師からこういう話が上がってきたというものをまとめたわけでありまして、この中で実際それぞれどうだったのかというのは一つ一つ議論していかなきゃいけないんだろうというふうに私は思っておりまして、既に、当初いただいた、当初四十かな、五十ぐらいだったとありますけど、それについては、その中で是正すべきところがあれば、それはそれぞれの地域の方にお話をさせていただいて、こういったことが指摘されているからということで対応をさせていただいたところであります。
 それから、PCR検査でありますけど、これは検査をしているというよりは、多分、ちょっとケース・バイ・ケースでいろんな事例があると思いますけれども、海外のケースでいえば、これは医療の一環として、診療の一環としてなされていたというふうに我々は承知をしているところであります。

#83
○福島みずほ君 ドライブスルー方式を取る自治体、愛知など出てきておりますが、これはどうでしょうか。

#84
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、その愛知の事例を個々に承知をしておりません。
 PCR検査だけやるというところは通常ないんだろうと思います。もしあるとすれば、積極的疫学調査という一環の中で、これはいろんなやり方があるのかもしれません。ただ、今どちらの話をされておるのか、ちょっと具体的な例を承知していないので、これ以上はお答えできないと思います。

#85
○福島みずほ君 中国では、むしろCTなどで肺を見てそれで判断するということも報告をされています。つまり、何が言いたいかというと、日本は余りに検査数が少な過ぎる。外国と一桁、二桁違うんですよ。つまり、何が起きているのか分からない。
 それから、症状のない感染者がやっぱり出歩いて人に感染してしまう可能性がある。むしろ誰が感染しているのか、どこが感染しているのか、それを的確に把握して、むしろそれが拡散しないようにすることこそ重要だと思いますが、日本はそれができていないと思います。この検査件数についての方向転換を強く求めたいというふうに思います。
 次に、人工呼吸器についてお聞きをいたします。
 緊急対策案の第二弾で、人工呼吸器等の導入のため予備費で十七億円計上となっています。イタリアでは集中治療室がパンク状態で、人工呼吸器を誰に付けるかという問題となっているという報道すらあります。人工呼吸器の台数、地域格差についての現状を教えてください。

#86
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今議員からお話ありましたとおり、三月十日にまとめました緊急対応策第二弾で、人工呼吸器等の設備導入に係る補助を盛り込んだところでございます。
 その申請状況は、一部希望があるというのは聞いていますが、状況については現在精査中、調査中でございますが、人工呼吸器につきましては、そもそも各都道府県を通じて感染症指定医療機関における保有状況及び稼働状況を把握するために調査を行っておりまして、現時点で対応可能な人工呼吸器は約三千台を確保しているというふうに報告を受けております。
 これも踏まえまして、三月六日の事務連絡によりまして、各都道府県に対して、国内での新型コロナ感染症患者数が大幅に増えたときに備えていただくために、ピーク時の外来受診患者数、それから入院治療が必要な患者数、重症者として治療が必要な患者数等を計算して医療需要の目安として御活用いただき、まさに地域の実情に応じて、地域ごとによって、もちろん、御指摘の機器、人工呼吸器、機器も違いますし、体制もいろいろあると思いますので、地域の実情に応じて医療提供体制の整備を検討していただくようにお願いしておりまして、さらに、三月十九日には、具体的にどういうふうに検討していただくかということをお示しして、早急に体制整備を検討していただくようにお願いしているところでございます。

#87
○福島みずほ君 現状を踏まえて予算確保した準備状況はどうなっているでしょうか。感染が拡大したところに迅速に人工呼吸器を送るといった緊急対応は予定しているんでしょうか。

#88
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 先ほども若干触れさせていただきましたが、第二弾の関係につきましては、今まさに希望というか申請を募っているところでございまして、一部希望もあるというふうに聞いておりますけど、具体的な数値等につきましては現在精査中というか、調査中でございます。
 それも踏まえまして、人工呼吸器の整備につきましては、一つは、そういう更に必要なところに整備させていただくということと、今議員からも御指摘がございまして、人工呼吸器をやりくりするのかということもありましたが、二つ目としては、呼吸器をというか、呼吸器だけだとあれで、体制、スタッフとかあるいは設備もありますので、どちらかというと患者さんの搬送の連携を考えていただきたいということで、具体的に十九日に事務連絡を出させていただきまして、医療提供体制について、都道府県内で対応し切れない大規模発生を想定して隣県と適宜協議を行いつつ対応を行うこととか、あるいは、新型コロナウイルス感染症患者でECMOが必要となるような患者については、都道府県域内の医療体制では対応し切れない場合には都道府県を越えた広域搬送を行うことから、そのことを想定した搬送体制についても検討すること、あるいは、ある特定の都道府県で短期的に感染者が大幅に増大する場合には、爆発的に増加する患者の対応を短期集中的に行う必要があり、都道府県を越えた広域搬送を行うこととなるため、そのような場合も想定して搬送体制を検討することも含めて、検討、整備を進めるように要請しているところでございます。

#89
○福島みずほ君 人工呼吸器は非常に重要になっているところがありますので、よろしくお願いします。
 三月十三日、日本医師会が医療用マスク、防護具等の配備に関する要望書を出しています。マスク、消毒薬の不足が続き、医療機関、とりわけ重症化しやすいと言われている高齢者のためなど、こういう様々な問題があると。
 これについて、まだ改善されていないという、こういう要望書が今も出ているというのは極めて問題ではないでしょうか。

#90
○国務大臣(加藤勝信君) マスク、特に医療用のマスクも含めて、一般用の方もそうなんですけれども、現状でもそれぞれのメーカーに対して、まさにこれまでどちらかというと中国からの輸入が圧倒的なシェアで、それがほとんど止まる中でメーカーの皆さんにはかなりの増産をお願いをし、また、場合によっては新たに機器を購入することを我々は補助しながら更なる増産を目指しておりますが、ただ、残念ながら、需給という意味においては、需要に比べて供給がまだ追い付いていないと、こういう状況であります。
 そうした中で、今お話があった医療用のマスクについても、現在、優先供給システム等々を使わせていただいておりますけれども、それでもまだ十分行き渡らないということで、先般、省庁の持っていたマスク、これ二百五十万枚、これは既にお渡しをさせていただきました。また、国として一千五百万枚これを確保し、順次この三月二十三日から医療機関に配付すべく対応させていただいている等々、やはり医療機関の現場において、そうした医療マスクも含めて、そういった備品がしっかり確保されなければ適切な医療が提供できないということになりますので、そういったところを特に優先的に対応し、その現場において医療従事者の皆さん方が安心して働いていただける環境、これのためにも更に努力をしていきたいと思います。

#91
○福島みずほ君 労災申請について、十九日の委員会質疑で、厚生労働省から申請件数が一件との回答がありました。もちろん請求されてやるものではありますが、是非、こういうところには問題があり得るというところなどについて、しっかり周知などを行っていただきたいというふうに思います。
 十九日の委員会質疑で、人事院から国家公務員災害補償制度については各省庁で対応旨の回答がありました。地方公務員に関する地方公務員災害補償基金、総務省所管について、新型コロナウイルス感染症による申請件数や認定件数はどうなっているでしょうか。また、現場での周知の取組は行われているでしょうか。

#92
○政府参考人(大村慎一君) お答えいたします。
 地方公務員災害補償基金におきまして、新型コロナウイルス感染症などの細菌、ウイルス等の病原体の感染を原因として発症した疾患に関する認定請求につきましては、個別の事案ごとに感染経路等を調査し、公務に起因して発症したと認められる場合には公務災害と認定することといたしております。
 そこで、今般の新型コロナウイルス感染症による請求件数及び認定件数につきまして都道府県及び指定都市に対して聞き取り調査を行ったところ、昨日時点ではいずれもゼロ件でございました。
 なお、基金本部から各都道府県、指定都市にある支部に対しましては、先ほど申しました新型コロナウイルスへの感染による疾患が一定の要件で公務災害と認定される旨を周知いたしますとともに、その公務遂行性や公務起因性が不明確な場合には、個別の事案ごとに基金本部に相談をするよう周知をいたしております。
 総務省としては、今後とも適切に認定等が行われるよう、地方公務員災害補償基金と連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。

#93
○福島みずほ君 コロナの感染が世界中に広がって、たくさんの人が亡くなられていたり、今闘病生活を送ったり、悲しみに暮れる家族がいたり、看病している家族がいたり、医療従事者、そして介護の現場や様々なところで皆さんが必死で働いていることに心から感謝と敬意を申し上げたいと思います。
 思っているのは、海外の状況などを報道で見ると、その国が人の命をどう考えているのか、何を大事にしているか、あるいは医療インフラも含めたその社会の制度の在り方などが本当に直結しているというふうに思います。メルケル首相の国民に対するメッセージや、ノルウェー国王、本人は感染されたわけですが、国民に対して語っている言葉など、本当に人々をすごく勇気付けるものだというふうに思っております。
 それで、イタリアでどうしてあんなに感染が広がったかということに関して、いろんな意見があるかもしれませんが、一つの分析として病院の統廃合を行ったと。データで見ると、確かに国民一人当たりの医療費がどんどん下がっているんですね。病院の統廃合やそういうことがやはり問題になっているんではないかという分析も見ました。私もそのとおりだと思います。
 実際、病気や感染が広がったときに、社会のインフラや医療体制が本当にどこまで地域も含めて根を張っているかによって人の命が救われるか救われないか決まってしまう。誰の命も取り残さない、誰一人として取り残さないというのであれば、私たちはそういう医療や様々な体制を本当にしっかり守っていく必要があると思っております。
 質問通告しておりませんが、大臣、この委員会でも予算委員会でも問題になりました保健所、一九八〇年代に比べて半分になっている。病院の統廃合、公立病院における統廃合、再編がリストが出ましたが、むしろこういうのは守っていくべきではないか。いかがですか。

#94
○国務大臣(加藤勝信君) 今ちょっと、保健所の話と医療機関の話の二つをされました。
 保健所については、これたしか、広域化をしたり、やっぱりそういう考え方の中で進めていただいているというふうに思いますが、ただ、今回も、それぞれの相談であったりあるいは積極的疫学調査であったり、本当にそれぞれの作業の中心になってやっていただいているのが保健所であります。やはりそうした機能の重要性というのは我々しっかり認識をし、今回も専門家会議から、これは非常にコアである、特に今、疫学的、要するに封じ込めをする主体として保健所の機能を充実すべしという御指摘をいただいておりますので、そういった意味で予算面も含めてしっかり対応していきたいと、これはちょっと短期的な話でありますが、していきたいと思います。
 それから、地域医療構想については、これはこれまで近接とか実績で分析をさせていただいた中には感染症の話は入っておりません。したがって、感染症以外にも入っていないことはたくさんありますから、それらも含めて地域において御議論をいただく、これは従前から申し上げてきているとおりでありますし、今回のこういった事案も含めてこれから地域医療構想の実現に向けて御議論いただくことになっておりますから、この点も含めてしっかり御議論いただきたいと思いますし、我々としてもできる限りの情報提供はしていきたいと思います。

#95
○福島みずほ君 時間ですので終わります。ありがとうございました。

#96
○田島麻衣子君 立憲・国民.新緑風会・社民の田島麻衣子です。本日はありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 私も、石橋理事、そして福島委員に続きまして、労働基準法一部を改正する法律案について質問したいと思います。
 この労基法一部を改正する法律案ですが、施行日は改正民法施行と同じ来月の一日からということ、また、施行日以降に支払われる全ての賃金債権に適用するという点について非常に評価をいたします。しかしながら、両委員も御指摘のとおり、当分の間三年、この賃金台帳の保存義務、また付加金の請求期間、賃金請求権の消滅時効の期間が当分の間三年としていることについて非常に憂慮の気持ちを覚えております。
 まず、これなぜ当分の間三年になったかということに関して、この文書の保存義務の重さということが度々答弁の中で指摘されております。この点について、IT化も含め、企業の賃金台帳等の記録保存に関する負担軽減措置について、来月からどのようなところを具体的にきちんとやっていくかということについてお考えを伺いたいと思います。

#97
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 お尋ねの記録の保存への負担軽減ということでございますけれども、私どもとしましても、労務管理、事業主の方の責任と負担において行われるということは前提でございますけれども、いろいろ中小企業も含めてこの労務管理の適正化に取り組むということを支援していこうということで、例えば現行の時間外労働等改善助成金におきまして、中小企業事業主が生産性の向上を図りながら労働時間の縮減等に取り組む場合に、労務管理用のソフトウエアあるいは労務管理用機器の導入、更新等に要する費用を助成をしております。この点については、令和二年度からは働き方改革推進支援助成金ということに改めまして、更にそういった点についての支援ということをしてまいりたいと思っておりますし、また、こうした助成金の一層の活用ということを進めるとともに、長時間労働の削減、あるいは賃金不払が起こらないようにするための法令の周知、企業への指導ということをしっかり行ってまいりたいと考えております。

#98
○田島麻衣子君 ありがとうございます。
 しっかりとこの記録の保存等の負担に対する軽減措置が行われるということを理解いたしました。
 本当に一生懸命やっていただくのであるならば、これ五年後の見直しにおいては本則の五年となるようにするということ、どうでしょうか。本当にしっかりやっていただくのであるならば、これ本当にできるんじゃないかなと思うんですが、御意見いただきたいと思います。

#99
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 この見直しにつきましては、今回、退職金を除けば、賃金請求権の消滅時効期間の見直しということについては、昭和二十二年の労基法の制定後初めての見直しということになるわけでございます。そういった点で、労政審の中でも、やはりその影響についてこの法案の提出時点において具体的に見通すということも困難ということで、今回、当分の間の措置ということで御提案をさせていただいたところでございます。
 ただ、この点につきましては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、施行後五年経過後の状況を踏まえて検討するという検討規定ということも併せて御提案をさせていただいておるとおり、そういった状況も踏まえた形でしっかり見直し、検討ということを行ってまいりたいと考えております。

#100
○田島麻衣子君 もし、この当分の間三年とするという理由がこの文書の保存義務の重さというところにありまして、その文書の保存義務の負担軽減について今おっしゃったことをしっかり本当にやるのであるならば、この五年後の見直しにおいては本則の五年へと戻すということをしっかりやっていただきたいと私自身は思っております。
 次に、石橋理事が残しました質問について、私が質問させていただきたいと思っております。
 個人事業主やフリーランスの方々というのは労基法の適用になりませんので、これ民法で五年又は十年ということと理解しておりますが、このフリーランスや個人事業主の方々、業務委託契約を結びますけれども、この保存義務というのが民法の規定の中にはありません。この賃金台帳を、使用者、業務を委託、出す側の方が保存する義務というのは全くないです。
 こうした個人事業主やフリーランスの方々を守っていく仕組みについて、厚生労働省の方々の御意見を伺いたいと思います。

#101
○政府参考人(坂口卓君) お尋ねの点でございますけれども、今御指摘のとおり、労基法の適用ということにつきましては一定の適用除外というものもございますし、また、フリーランスという問題についても、まあフリーランスというのがどういった方かということがまたなかなか難しい問題を内在しているかと思いますけれども、私どもとしましても、いわゆるそのフリーランスという働き方であっても労働者性が認められるということであれば、これは使用者に対する記録の保存義務も含めて労働基準法が適正に適用されるということがございますので、その周知、監督指導ということについてしっかり対応していきたいと考えております。
 ただ、いろいろ、フリーランス含めた雇用に類似するような労働者性が認められない働き方というのが非常に多様となっているということで、この点についても、私どもとしましても、その保護の在り方ということについては問題意識を持ち、有識者の方に集まっていただいた検討会においても御検討いただいて、契約条件の明示等々、検討課題を挙げて今検討いただいておるというところでございますので、そういった点を含めたしっかり検討を進めていくということだと思っております。

#102
○田島麻衣子君 コロナ対策でも、このフリーランスの方々は正規、非正規の方々の補償の金額よりも半額ぐらいといって、非常に世論が怒っていると思いますよ。このフリーランスの方々、また個人事業主の方々に対する保護ということもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、国家公務員の方々は会計法の基準の適用において賃金請求権五年、しかしながら、地方公務員はこの労働基準法の適用がされて賃金請求権三年であるというふうに理解しております。まず、この私の理解は正しいでしょうか。もし正しい場合には、同じ社会のために仕事をしようと思っていらっしゃる国家公務員また地方公務員の皆さんの間でこうした賃金請求権の期間が分かれてしまうことについて私は不安を覚えますが、その点について御意見いただきたいと思います。

#103
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 この点は、いわゆる公務員の労働条件、勤務条件ということをどういう形で確保し、あるいは担保するか、決めていくかという問題かと思います。
 御承知のとおり、労働基準法では公務員については適用除外ということになっており、その点からいきますと、国家公務員につきましては、賃金請求権の消滅時効につきましてはいわゆる会計法が適用され、会計法の第三十条が適用されて、消滅時効の期間というのは五年となるということでございます。
 ただ、地方公務員につきましては、いろいろ労働基準法の適用関係ちょっと複雑になってくるわけでございますけれども、この労基法百十五条につきましては地方公務員の方については適用されるということで、賃金請求権の消滅時効期間は民間の労働者の方と同一ということでございます。
 委員御指摘のように、その公務員間あるいは民間の方との違いということは出てくるわけでございますけれども、その点につきましては、最初、冒頭申し上げました、公務員の労働条件をどう決め、どう確保、保護していくかということも含めての大きな問題の中で御議論をされるべき問題かなということで考えております。

#104
○田島麻衣子君 この国家公務員の方々、地方公務員の方々、同じ職場で働いていらっしゃる方だっていると思うんですよね。その中で賃金請求権の取扱いが異なってしまうということに対しては、やはり長い間の中で調整していくべき問題であるというように私自身は考えております。
 次です。未払賃金が発生しないための工夫について伺いたいと思います。
 昨年、私、厚労大臣に対して保育士の待遇、処遇改善について質問したんですが、愛知県の、私の地元愛知県のアンケート調査、物すごく読みました。保育士の方々、本当にサービス残業ということを強いられていて、苦しい苦しいという声がたくさんありました。それだけではありません。今、福島議員が御指摘のとおり、外国人技能実習生の問題や介護士の未払の問題、こうした問題たくさんありますし、中小企業の方々がこの未払賃金どうにかしてほしい、こういった声も非常に大きいと思います。
 前向きに対処します以上に、こうした方々に対して、厚生労働省として具体的に四月からどのような形で未払賃金を発生させないための工夫を取るか、伺いたいと思います。

#105
○政府参考人(坂口卓君) 今お尋ねのような業種等については、やはり、そもそもの労働基準関係法令に関する知識、あるいは労務管理体制ということが十分でないというような問題があるんだろうと考えております。
 そういったことで、私どもとしましては、そもそものそういった労働基準法関連法令に関する認識をしっかりしていただくというために、やはり、説明会などを通じた、賃金支払のルールを始めとした労働基準関係法令に関するそういったものを認識していただくための周知というようなこと、あるいは、賃金不払残業に関する監督指導結果あるいは賃金不払残業の解消のための取組事例の公表による適正な労務管理に向けた啓発、あるいは、先ほども申し上げました中小企業の形態ということも多いかと思いますので、労務管理用の機器の導入等に対する助成金の活用の周知というようなことも含めて取り組んでまいりたいと考えております。

#106
○田島麻衣子君 これまでと同じことをしていても、現にもう既に問題というのは解決されていないですから、変わらないと思うんですね。今やってきたこと以上に、この四月から新しく厚労省が考えていらっしゃる未払賃金を発生させないための工夫、これがもしありましたらお教えください。

#107
○政府参考人(坂口卓君) なかなか、先ほども申し上げましたように、そういったものが発生する問題の根底というのが、やはり労働基準関係法令に関する理解等々をしっかりしていただくということも含めての、地道な部分についての認識を取っていただくということが重要かと思いますので、いろいろ、私どもも今、先ほど申し上げましたような説明会などを通じたそういった周知ということをやっておりますけれども、やはり業界団体とか、そういった都道府県との連携というようなことも含めて、そういったところがしっかり伝わるような形での啓発指導ということをしっかりこれからも強化してやっていきたいと思います。

#108
○田島麻衣子君 申し訳ない、もう一度聞かせていただきますが、やはり賃金請求権というのは労働者にとって本当に基本的な権利なんですよ。これ、賃金入らなかったら生活できないんですよ。現場で困っている保育士さんや看護師さん、また言葉が通じない外国人技能実習生の方々、また中小企業の未払賃金払ってもらっていない方々に対して、しっかりする以上に、この四月から今までやってきていない新しい取組があったら教えてください。

#109
○政府参考人(坂口卓君) 繰り返しにはなりますけれども、先ほども石橋委員の御提示いただいた資料にもございますように、いろいろな形で予算の増額をしております。そういった形での対応の強化ということを含めて、かつ、先ほど申し上げましたように、今議員御指摘の保育、介護あるいは外国人という、そういったターゲットをしっかり捉まえた形での周知啓発ということをより強化して、しっかり行ってまいりたいと思います。

#110
○田島麻衣子君 お願いします。この経過措置が終わった後、また私たちこういった形で議論すると思うんですが、同じことを私は言いたくないです。まだ未払が発生しているじゃないですかということは言いたくないので、しっかりと本当に取り組んでいただきたいと思っております。
 次に、この新しい制度の周知について、厚生労働大臣御本人に伺いたいと思います。
 今、私は地元をコロナ対策関係で回っておりまして、皆さん、厚労省さんがやっていらっしゃる新しい補償制度、何も分かっていらっしゃらないんです。こういった雇用調整基金の補償がありますよということを見せても、分からない、知らない、余りにも難し過ぎて理解もできないというような声さえも聞かれるんですね。
 この新しい新制度の周知、もう時間がないですけれども、四月一日以降でも構わないです。従来の見にくい形のホームページでがあっと書かれて、何かPDFファイルを添付する以上に、本当にこの新制度を必要としている方々に対して情報が届く仕組み、これを考えていらっしゃったら大臣御自身の口から伺いたいと思います。

#111
○国務大臣(加藤勝信君) 委員おっしゃったのは、新型コロナウイルスの特に新しい制度というのは、学校休業に伴って子供さんを世話をするために休業しなきゃいけない方に対する制度のことなんだろうというふうにお聞きをさせていただきました。これ以外も、小口資金とかいろんな制度を出させていただいております。
 できるだけ分かりやすいようにはさせていただいているんですけれども、そうしたホームページだけでつながるわけではありません。我々の持っているハローワークとか様々なチャンネルを通じて、あるいはまた都道府県等も通じて、あるいは団体等も通じて、こうした制度があるということをしっかりと説明をしていきたいというふうに思っているところであります。
 もし、こういうやり方がいいというのがあれば、また御提案をいただければ、我々しっかり周知をしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

#112
○田島麻衣子君 前向きな答弁ありがとうございます。この近辺からも、分かりにくいのよね、しっかりやらなきゃねという声が聞こえておりまして、決して私自身の一人の声ではないと思っています。
 これは具体例なんですけど、これじゃ分からないんですよ、PDFファイル皆さん作っていらっしゃいますけれども。官僚の方はすぐお分かりになると思いますよ。でも、本当にぎりぎりのところで生活していらっしゃる方々は、これ見ただけで、えっというふうな感じになるんですよね。もうちょっと絵を使うですとか、色を上手に使うですとか、メッセージをシンプルにするですとかという仕組みというのは、工夫というのは大事なのかなというふうに思っております。
 次です。統計不正の問題に関して、追加給付という問題について伺いたいと思います。
 まず初めに、ニュースでは二千十五万人に対する給付がまだ、二千十五万人の方々に対する給付が本来支払う額よりも少ないというふうになっております。二千十五万人という方々は決して少ない人数ではないですけれども、この方々の追加給付を請求できる権利、これに対して消滅時効はないという理解で正しいでしょうか。よろしくお願いいたします。

#113
○政府参考人(小林洋司君) 毎月勤労統計調査の不適切な取扱いに基づきます雇用保険等の追加給付の時効のお話でございます。
 まず、今回の雇用保険等の追加給付につきましてでございますが、当時、雇用保険等の受給に関する請求行為が行われて、一部未支給部分があって今日に至っているという状況でございます。こういう方々につきましては、当時の請求行為をもって追加給付についても請求行為があったというふうに整理をいたしまして、追加的な請求行為は不要という枠組みにしております。したがいまして、二年又は五年の消滅時効にかかわらずお支払いすることが可能と。
 一方で、追加給付の対象となる受給者御本人がお亡くなりになった場合ということが起こり得ます。そういった場合は、御遺族の方から未支給給付の請求ということをしていただく必要がございまして、こちらの方は消滅時効に掛かるということがございます。そこで、今回、この法案とは別に雇用保険法等の改正法案を国会に提出をさせていただいておるところでございますが、その改正法案の中におきまして、この未支給給付の請求については会計法の適用を外すという改正を盛り込んでおりまして、これによりまして、こういった御遺族の方に対しても時効の問題が発生しないように処理をしております。

#114
○田島麻衣子君 こうした影響のある方々に対する前向きな発言、どうもありがとうございます。
 この記録のために、現在終わりました毎月勤労統計不正調査で生じた雇用保険、労災保険、船員保険、事業主向け助成金の追加給付が終わっている人数をお教えください。

#115
○政府参考人(小林洋司君) お答えいたします。
 追加給付でございますが、昨年二月に今後の工程表というのを公表いたしまして、それに基づきまして支給手続を現在進めているところでございます。
 まず、雇用保険でございますが、現に受給している方への追加給付というのは既に終えておりまして、過去に受給していた方に対する追加給付、これを昨年十一月から順次行っております。対象となる方が千八百六十万人と非常に多うございまして、本年二月末までに約一千四十万人の方にお知らせを送付いたしまして、五百万人の方から御返信をいただいております。それに対して約百五十万件について支給を行っております。
 また、労災保険でございますが、こちらも現に受給している方への追加給付は終えまして、過去に受給していた方への追加給付、これを昨年九月から順次行っております。三月十九日まででございますが、対象となる方延べ約七十二万人おりまして、それに対して十八万人に対して支給を行っております。
 船員保険でございますが、こちらも現受給者は終えまして、過去受給者に対して昨年六月から順次お支払を開始をしております。本年三月十三日までに対象となる方約一万一千人、そのうち一万人に対して支給をしております。
 その他助成金でございますが、本年二月末までに、平成二十三年度以降の支給決定分でございますが、対象となる方約二十一万人のうち十三・八万件の支給を行っておるところでございます。

#116
○田島麻衣子君 ありがとうございます。
 まだなかなか進んでいないというのが実情であるというふうに思うんですよね。この問題、決して終わらせてしまってはいけないと思いますので、引き続き私自身も見ていきたいと思います。
 最後の十五分間で、新型コロナウイルス感染症対策で新たに設けられる各種権利というか請求権というか、国や事業主さんに対して働き手が請求できる内容がいつまで請求し続けられるのかという点について伺いたいと思います。
 まず初めに、一斉休校に伴って、幼いお子さんを持っていらっしゃるお父さん、お母さん方というのが仕事ができないということで、この保護者に対する特別休暇の請求権ということが、特別休暇を請求することができるということが厚労省さんのホームページ等から見ることができます。
 まず、正規、非正規で働いていらっしゃる方々、休校の関係で仕事を休まなければならなくなったときに、この休暇というのは、来年、再来年、五年後、十年後、いつまで請求できるものなんでしょうか。

#117
○政府参考人(坂口卓君) お尋ねの特別休暇の請求に関わる請求権ということの御質問でございますけれども、この特別休暇の請求権については、労基法上創設された権利ではないということで、通常、就業規則等で定められた形の請求権になろうかと思います。そういったことから、労基法上の消滅時効の規定の適用ということはないということになります。
 その上で、この休暇についていろいろ、有給であったり無給であったり、あるいはそういった休暇が発生する手続ということについても様々というような対応かと思いますので、この消滅時効期間、民法等がどういう形で適用になるかということについては、一概にお答えするというのはなかなか難しいと考えております。

#118
○田島麻衣子君 もう既に休校というのは始まっていますし、仕事に行けなくなったお母さん方というのもいらっしゃると思うんですが、お答えできないというのは、じゃ、いつお答えしていただけるようになりますか。

#119
○政府参考人(坂口卓君) お答えできないというか、それぞれの休暇の設けられた形によって、民法のその債権、通常債権である五年であったり別の形の時効であったりというような形になるということでお答えができないということでございます。
 ただ、いずれにしましても、先ほどもこういった対策についての周知について議員の方から御指摘ございましたけれども、できるだけ早い形でこういった請求がなされるということについての周知ということを私どもとしてはしっかり行ってまいりたいと考えております。

#120
○田島麻衣子君 今、民法の適用があるというふうにおっしゃいましたけど、そうすると五年と十年というところが適用になるということですか。

#121
○政府参考人(坂口卓君) その点も含めて一概にはなかなかお答えができないと。民法の適用について、いろいろ、実際上、裁判等にならないとなかなか一概にはお答えできないということでございます。

#122
○田島麻衣子君 ちょっと今驚きましたけど、コロナがこれだけ大きな問題になっていて、安倍総理、一斉休校、全国で一斉に休校させていますよ。一体何人の働くお父さん、お母さん方がこれに影響されているのか。これで、じゃ、大丈夫ですよ、非正規もフリーランスもアルバイトの方々も全部補償しますからというふうに言っていますけれども、これが、じゃ、いつまで請求できるのかというのが分からないということですか。

#123
○政府参考人(坂口卓君) そういった支援の措置としては政府として設け、それをしっかり御活用いただくように周知をしっかりしていくということが私ども行政としては大事ということで申し上げさせていただいております。
 ただ、この消滅時効の期間ということ自体について、民法を始めとした規定がどう適用されるかということについては一概にお答えができないということで御理解を賜りたいと思います。

#124
○田島麻衣子君 やっぱり、ええっという声が聞こえていますけれども、今分からなくても、これ考え始める時期ではないのかなというふうに私自身は思いますよ、これ。知らなかった、今でも請求できるんですかという方、必ず今後出てくると思います。
 フリーランスの方々も四千百円ですか、これ、正規、非正規の方の半額だということで非常に大きな声が上がりましたけど、このフリーランスの方々が所得補償されることというのを知らないで、例えばこの秋にお金欲しいんですけれども請求できますかと言われた場合、国としてどうお答えになりますか。

#125
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、今、直接の担当がいないので。
 これはただ、この消滅時効とは関係なく、国の制度としていつまで受け付けるかという話だというふうに思いますので、それはまさに申請する人がちゃんとできるように、これはほかの制度との横並びになると思いますけれど、それを見ながら、今、御懸念がないように対応させていただきたいと思います。

#126
○田島麻衣子君 では、このフリーランスの方々、いつまで請求できるんでしょうか。

#127
○国務大臣(加藤勝信君) 申請期間はこの三月十八日から六月三十日までとなっています。

#128
○田島麻衣子君 そうしますと、六月三十日を過ぎてしまうと、もう皆さん、たとえその権利があったとしても請求することができないということですか。

#129
○国務大臣(加藤勝信君) まずは申請のお願いをということでありますので、六月三十日までにお願いをしたいというふうに思いますが、ちょっとその後の対応については、先ほど申し上げたほかの制度でもこういうのがありますので、それがどうなっているのかというのを見ながら、もう決まっているのかもしれません、ちょっと今担当いないので分かりませんけれども、まずは精査させていただきたいと思います。

#130
○田島麻衣子君 ありがとうございます。検討いただけるということで非常に感謝いたします。
 次に、同じような形になっていくんですが、午前中から放課後児童クラブを開ける場合、学童保育に対する国の追加経費というのが出されるということを安倍総理またいろんなところで御発言されていますが、この学童保育の方々が国に対していつまで追加経費を請求できるのか。また、今午前中から放課後児童クラブを開けている方々が、この秋に、その制度知りませんでした、今からでも請求できますかと言われた場合、国としてどういうふうにお答えになりますか。

#131
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
 今般の学校の臨時休業に関連をいたしまして、市町村が実施主体となっております放課後児童クラブでございますけれども、午前中から運営する場合、あるいは支援の単位、クラスを新たに設置する場合に、国十分の十の特例措置というものを今講じているところでございます。
 十六日付けの事務連絡におきまして、都道府県を通じて市町村の申請漏れがないかどうか入念な確認をお願いをいたしまして、十七日が一旦期限でございましたけれども、全都道府県から申請をいただき、これに基づき交付決定を一回目を行ったところでございます。
 ただ、委員御指摘のとおり、市町村の中に申請の漏れがあってはいけないので、四十七都道府県から申請はいただいたんですが、そのいただいた、取りまとめたその市町村の中に漏れがないかどうかもう一度確認をいただきたいということで、十八日付けで改めて事務連絡を発出いたしまして、申請漏れがないかの確認をお願いをするとともに、追加の申請があれば受け付ける、また受け付けるというための速やかな御連絡を自治体からお願いをしたいということで現在対処をしているところでございます。
 ただ、三月中に交付決定の手続終える必要がございますので、自治体にも是非御協力をいただいて、速やかな御連絡をいただきたいということをお願いしているところでございます。

#132
○田島麻衣子君 確認ですけれども、三月末まであと一週間ぐらいしかないですけれども、三月末までにこの追加経費の請求ができなかった学童保育というのは支援はされないということですか。

#133
○政府参考人(藤原朋子君) 今回の措置は、今年度の予算における三月における一斉休校における影響の特例措置ということでございますので、やはりあくまでも三月中に交付決定、それから市町村への概算の支払、こういったことを終える必要があるというふうな制約がございますので、そこは三月のできるだけもう速やかに、追加の申請がある場合には速やかに御連絡をいただきたいということでお願いをしているところでございます。

#134
○田島麻衣子君 私、先週に学童保育見に行きましたけれども、皆さん何も分かっていらっしゃらなくて、私にたくさんいろんな質問されましたよ。あと一週間で全部終えて、そうじゃなかったら駄目なんですというふうに言ったらみんな驚くと思いますし、こうしたことを国民の皆さんにしっかり私知っていただきたいというふうに思うんですが。そんなに情報共有うまくできていないですよ、今この緊急事態において。
 私は、お願いなんですけれども、本当にこれ知らなかった、そんな制度があるの分からなかったという方々に対してもっと柔軟に対応していただきたいですし、もっと門戸を広げて、知らなかった方々に対しても、遅れてしまったとしても、それに対する受付というのをするという形にしていただきたいなと思っておりますが、どうでしょうか。

#135
○政府参考人(藤原朋子君) 重ねての御答弁で恐縮ですけれども、やはり今年度の予算措置という制約がございますので、交付決定、概算支払ということを三月末までに終える必要があるということでございます。
 したがいまして、実はもう十八日以前から、三月の十日の交付要綱の改正の時点から締切りや漏れのないような確認ということをお願いをしてきておりますので、改めて十八日に追加申請を受け付けるというふうに申し上げており、既に追加の申請、二十都道府県ぐらいから今来ております。
 いよいよもう、ちょっと時間が確かに迫ってきておりますので、改めて確認を、自治体を通じて確認をさせていただきたいというふうに思います。

#136
○田島麻衣子君 今回の三月三十一日の締切りに間に合わなかった学童保育の方々、四月、またその新しい予算って付けていただけますでしょうか。

#137
○政府参考人(藤原朋子君) 今回の措置は今年度の予算における、三月における学校の臨時休業に関連する特例措置ということで措置をさせていただいたものでございます。また四月以降につきましては学校の状況等を踏まえてということになろうと思います。現時点ではまだ具体的な検討をしておりません。

#138
○田島麻衣子君 現時点では検討をされてないということ、理解いたしました。本当にこの休校、一斉休校解除なのか解除じゃないのか、また地域によって延びていくところはあると思うんですが、そうしたところにはしっかりと支援、また四月、五月もこの取組を続けていただきたいなと思います。
 答えは同じかもしれませんが、同じように、この休校に伴って学校給食費を返してもらえるですとか、またファミリー・サポート・センター事業の利用費減免をしていただけるとか、こういったことが非常に大きく出ておりますが、いつまで返してもらえるんでしょうか。知りませんでした、この秋にこの権利があるということを初めて知りました、この費用を返していただきたいんですがと言われた場合に、この学校給食費とファミリー・サポート・センター事業の利用費、これは返していただけるものなんでしょうか。

#139
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。
 今回の長期にわたる臨時休業により関係者に生じる負担については、新たに学校臨時休業対策費補助金を創設し、政府として対応することといたしております。具体的には、文部科学省から学校設置者に対し、春休みまでの臨時休業期間中の学校給食費について保護者への返還を要請するとともに、学校設置者が返還するために要した費用に対して国が補助するという、こういう仕組みになっております。
 これにより学校設置者から保護者に学校給食費の返還がなされるものと考えますが、学校設置者と保護者の契約形態、あるいはその会計処理、公会計であるとか私会計であるとか、これ区々でございまして、返還に係る事務については最終的には学校設置者によるということでございまして、消滅時効がいつかということについては一律に申し上げることは困難だというふうに考えております。

#140
○田島麻衣子君 学校給食費返してくださいという御両親がこの十月に来たら、どうお答えになりますか、そうしたら。

#141
○政府参考人(矢野和彦君) 現在この制度について様々な形で周知いたしているところでございまして、そういうことのないように、都道府県、市町村を通じてしっかりと周知してまいりたいと考えております。

#142
○田島麻衣子君 もう一度言いますけれども、私さっきもこれ見せて、本当に情報が伝わってないですよということを言いましたけれども、皆さんお分かりじゃないですよ。そんなに急に分からないですし、情報も本当に共有されてないですよね。ですので、もう何度聞いても同じ答弁しか返ってこないんだと思いますけれども、一生懸命やります、漏れのないようにしますだけでは、私、絶対に駄目だと思います。
 分からなかった方々、本当は受けられたのに支援を受けられなかった方々がこの秋に国に対してお願いしますと言ったとしても門戸を開けていただきたい、私はそう思いますが、どうでしょうか。

#143
○政府参考人(矢野和彦君) 本事業の申請に係る協議、事務についてはやはり一定の時間を要するというふうに考えておりまして、学校設置者や関係事業者の置かれている状況に配慮してまいりたいと考えております。

#144
○田島麻衣子君 本当に、厚労省の方々も本当にお仕事されていますし、文科省の方々も大変だというのはよく理解しますが、今この場で私の質問に対して答えられなくてもいいです。ただ、私、必ず、分からなかった、知らなかったんです、補償してもらえますかという方々が今後出てくると思いますので、こうした方々に対する支援の方策というのをこれからきっちり考えていただきたいと思っております。
 時間が来ましたので、私の質問は以上にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

#145
○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
 労基法について伺います。
 賃金請求権の消滅時効期間を改正民法に合わせて五年延長と、これを本則で定めながら、当分の間三年という経過措置を附則に盛り込んでおります。これ、民法よりも労働者に不利益な条件を労基法において認めることは労働者保護を目的とする労基法と根本的に矛盾すると、これ労働弁護団の指摘であり、私はそのとおりだと思います。さらに、先ほども議論ありましたけれども、当分の間には定めがありません。三年でこれずっと固定化されるという危険もあり得ると。
 そこで、衆議院での議論もありましたので、改めて確認をさせていただきたいと思います。
 二年を超える、現状ですね、二年を超える賃金不払、これ幾つか報道もありますので、されている実態はあるということは分かるんですけれども、詳細について調べられるだけ調べるようにというふうに我が党宮本議員が求めております。少し間も空いております。二年を超えるこの賃金不払の実態について何が明らかになったのか、報告できる中身はありますか。

#146
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 私ども、労働基準監督署の監督指導によって不払賃金が二年を超えて遡及して支払われた事案の件数等については集計を行っておらず、その把握はできていないということでございます。
 三月十一日の衆議院の厚生労働委員会におきましても、そういった形で定量的な件数はお示しできませんと、ただ、定性的な事例として、一、二の例について申し上げたところでございます。
 このように、過去の実態について把握するということにつきましては困難という状況は変わっておりませんので、現在、新たな状況ということについてお答え申し上げるということはできないわけでございますけれども、今後の賃金不払の実態把握につきましてどのような方法が考えられるかということについてはしっかり検討してまいりたいと考えております。

#147
○倉林明子君 本則を実施する、本則で定めているわけですから、これを実施していく上で判断する基礎的な材料になるというふうに思うんですね。
 実態把握、これからはやっぱりしていく必要があるんだと思うんですよ。これからはって、これまでできていなかったということは問題だと思うけれども、これからは検討のための材料としてしっかり集める、把握するという必要があると思うわけです。
 賃金不払、これを免罪するというようなことは許されないと思うんですね。本則五年、これ早期に実現すべきだと、その実態把握の必要性等、実現すべきだということで、これ強く求めておきたいと思います。
 次に、新型コロナの影響が雇用にも本当に色濃く出始めているということに関わって聞きます。内定取消し、入社時期の繰延べ等が出てきております。これ実態どのようにつかんでいるのか、直近の数字で御報告をお願いします。

#148
○政府参考人(定塚由美子君) 事業主の方は、新卒者の採用内定を取り消す場合などにおきましては、公共職業安定所にその旨を通知するということとなっております。
 これに基づきまして、三月二十三日、昨日時点で厚生労働省が把握したもののうち、内定取消しについては、新型コロナウイルス感染症の影響を理由とするもの十六件、人数にして二十四人でございます。また、入職時期の繰下げでございますが、同様に、三月二十三日、昨日時点の速報という形で厚生労働省が把握したもののうち、新型コロナウイルス感染症の影響を理由とするもの三十件、人数にして九十八人となっているところでございます。

#149
○倉林明子君 三月十八日の時点では内定取消しが十三社二十一人ということですから、更に拡大傾向にあるということが確認できるかと思うんですね。
 これ、内定の段階で雇用契約が成立しているというものであります。取消しというのは通常の解雇と同じという認識ですけれども、これ大臣も同じだという認識でいいのか、一つ確認させていただきたい。それから、内定取消しが無効となるというのはどういう場合なのか、御説明ください。

#150
○国務大臣(加藤勝信君) 昭和五十四年の大日本印刷事件と呼ばれる最高裁判例によれば、企業からの採用内定通知によって就労の始期を定めた解約権を留保した労働契約が成立したと解される場合があり、当該場合においては、採用内定を取り消すことは解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるものに限られるとされております。
 したがって、採用内定者について、労働契約が成立したと認められる場合には、最終的にはもちろん司法判断に委ねることにはなりますが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない採用内定取消しは無効となるものと認識をしております。

#151
○倉林明子君 突き詰めて言えば判例によるというんだけれども、一般的には通常の解雇と同様というふうにして対応しているというふうに理解しているんですね。
 解雇ということでいいますと、整理解雇の四要件、経営上の必要性、解雇回避の努力、あるいは対象者選定の合理性、労働者や使用者との十分な事前説明と協議、こういうものを原則として満たす必要があるというふうに思うんですね。
 この時期の内定取消しというのは、新卒者ですから、本当に希望が絶望に変わったというぐらいの今ことが起こっているわけですよね。私は、こうした人たちに対して、本当にあってはならないということで臨むべきだと思うし、四要件を満たさない内定取消しというようなことを認めないんだということをメッセージとしてもしっかり発していただきたいと思うんです。
 総理は、新型コロナの影響から雇用を守ると発言されております。大臣も、雇用を守り切ると、内定取消しあってはならないという決意で臨んでいただきたいと思います。どうでしょうか。

#152
○国務大臣(加藤勝信君) 今、倉林委員おっしゃったように、これから社会へ出て活躍したいという夢を持っておられる若い方々が、その夢が断ち切られるということにつながるわけであります、採用の内定取消しということはですね。
 先ほど申し上げたように、採用内定取消しは、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は無効なんだと、このことについて、事業主に対して、しっかり留意をし、また採用内定取消しを防止するため最大限の経営努力を行うよう、あらゆる手段を講じるべきであるということをしっかりと我々は申し上げていきたいと思っております。
 先般も、経済団体等に対し、新卒者の採用内定の取消し等を防止するため、雇用調整助成金の特例の措置の活用を含め、事業主の皆さんに最大限の経営努力いただきたい旨要請するとともに、各加盟企業にも周知徹底をお願いをしたところでもあります。
 また、事業主の皆さんからこうした採用内定の取扱いについて相談も今増えてきていますけれども、あった場合には、雇用調整助成金の特例措置を紹介することによってその雇用維持を働きかけております。
 残念ながら採用内定の取消しを受けた新卒者に対しても、ハローワークにおいて学校とも連携をしながらできるだけ速やかに新たな就職先の確保に取り組むなど、丁寧な就職支援に努めていきたいと思っております。
 今大変雇用をめぐる環境が日に日に厳しくなってきております。前途ある学生の皆さんの雇用をしっかり守っていく、総理も申しておりますけれども、それの思いを更に強くして、全力を挙げて対策を講じていきたいというふうに思います。

#153
○倉林明子君 お願いベースにとどめず、やっぱり内定取消しというのは解雇と同様で、合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合、無効なんだと、こういう姿勢で強く臨んでいただきたいし、やっぱり新卒者に対して希望が持てるような、絶対雇用を守るよというところで、救済措置も含めて手だての問題ありましたけれども、しっかりその立場で臨んでいただきたいということは強く申し上げたいと思います。
 派遣労働者のところにも深刻な影響が出てきております。これ、年度末ということもありまして、契約切れの期日を迎えるということで顕在化してきているのが派遣切りでもあります。
 リーマン・ショック級だと、いや、超えるんじゃないかという声さえ出てきておりますけれども、この点で、実態についてはどのようにつかんでいますか。

#154
○政府参考人(小林洋司君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の派遣業界への影響でございますが、都道府県労働局あるいは派遣事業者団体を通じて状況把握を行っております。
 現状でございますが、今御指摘いただきましたいわゆる派遣切り、派遣契約の中途解除に伴って派遣労働者も解雇するという意味でのいわゆる派遣切りにつきましては、増加する状況にはまだないと。その一方で、御指摘ございましたように、新年度からの派遣契約の更新をしないという、いわゆる雇い止めの動きが製造業など一部に出始めているということは承知しておるところでございます。
 先般、経済団体あるいは派遣事業者団体に対しまして、雇用調整助成金の活用、あるいは別の派遣先確保等の就業機会の確保ということを要請させていただいたところでございまして、今後とも、よく状況を注視して適切に対応してまいりたいと思います。

#155
○倉林明子君 失礼しました、派遣切り、雇い止めと。雇い止めが増加、幾つか出ているようだということです。
 真っ先にそういう雇用調整の調整弁とされるというのがフリーランスだったりこの派遣労働者だったというふうに思うんですね。リーマンのときもそうでした。大問題になりました。収入失えば、仕事や収入失えば、もう直ちに生活困窮に陥ると、これがあのリーマン・ショックのところでも明らかになったことだったと思うんですね。
 派遣期間が終了する労働者の雇用を守る、雇い止めさせないということにつながっていきますけれども、そのために、このリーマンのときの教訓も踏まえて雇用安定措置が義務付けられたと承知しております。その内容、そして現状での実施状況というのはどうなっていますか。

#156
○政府参考人(小林洋司君) お答えいたします。
 今御指摘いただきましたように、平成二十七年の労働者派遣法の改正におきまして、派遣元に雇用安定措置の義務付けというのが行われております。これは、平成二十七年改正によりまして、同一の組織単位への派遣というのが三年までということにされたことに伴いまして、派遣就業見込み三年を迎える派遣労働者に対して、例えば派遣先への直接雇用の依頼ですとか、あるいは新たな派遣先の提供といった雇用安定措置を講ずるということが義務付けられたわけでございます。
 この履行状況についてのお尋ねでございますが、この二十七年改正法の施行状況調査というものを行っておりまして、二月には労働政策審議会の方にも報告をさせていただいております。
 この状況を申し上げますと、この雇用安定措置の対象となった方の中で、直接雇用の依頼を希望された方が一五%、また、新たな派遣先の提供を希望された方が六七・七%といった形になっておりますが、これらに対しましては、おおむね派遣労働者の希望に沿った措置が講じられております。また、直接雇用の依頼を希望した派遣労働者については、その約半数、四八・二%が派遣先での直接雇用に至っているということがございまして、一定程度雇用の安定につながっているのではないかというふうに考えております。
 ただ、この雇用安定措置の適用を免れる目的で雇い止めをするというケースもあり得るわけでございまして、そういった事案を把握した場合には、都道府県労働局において必要な指導を行うなど、適切に対応したいというふうに思います。

#157
○倉林明子君 それは二月の報告のときの状況だったと思うんだけれども、今、深刻な状況広がっているのはその後ですよね。そして、三月、今何が起こっているかということが大問題なわけですから、そういう実態は是非しっかりつかんでいただきたいと思うんです。
 雇い止めで次の仕事はないと、こういう声がうわっと出てきています、今。派遣元に対して、雇用安定措置義務を果たす、今そういう働きかけが必要だというふうに思うんですね。今おっしゃったように、措置義務の対象にならないという派遣労働者もいるんですよね。そういう人たちも含めて、派遣労働者の雇用の安定がしっかり守られるような働きかけというのは、法改正の趣旨からいってもやるべきじゃないかと思うんですよ。これ、どうですか。

#158
○政府参考人(小林洋司君) 御指摘いただきましたように、先ほど二月の調査の結果申し上げましたが、その後、雇用情勢、非常に厳しい状況になってきております。
 そういった中で、派遣切りあるいは雇い止めという動きが出てこないかどうかしっかりと注視をして、そういった雇い止め等も一部に見られるところでございますので、そういった動きをしっかり注視をいたしまして、新たな就業機会の確保あるいは就業の維持が図られるようにきちんと対応してまいりたいというふうに思います。

#159
○倉林明子君 特別相談窓口等も開かれていて、本当にそういう声出てきていますよ。つかんでいないということ問題だと思うので、早急にしっかりつかんでいただきたい。これ、強く要望します。
 それで、こんな法律相談来ているんです。どんなことかというと、派遣先の業態が悪化した、休業ということになりましたと。派遣社員の方は休業手当として賃金六〇%支給、ところが正規職員、パートなんだけれども、この人の休業補償は一〇〇%されているというんですね。これ、直接雇用と派遣社員、こういう場合、休業の賃金補償の扱いに格差が生じているという問題なんです。生じてはならない問題だと思いますけれども、どうですか。

#160
○政府参考人(小林洋司君) まず、派遣労働者の方につきましても、労働基準法上の労働者に該当する場合は、当然ながら労働基準法第二十六条の対象となる。したがって、使用者の責めに帰すべき事由によって休業させた場合は、百分の六十以上の休業手当を支払う必要がございます。その旨はホームページ等でも周知をいたしております。
 その上で、今御指摘いただきましたような、その事業主が百分の六十を超えて自主的に支払う休業手当でございますが、これは労働基準法を超えて、就業規則等によりまして各企業において定めることができるものでございます。したがいまして、一義的には派遣元事業主と派遣先の事業主、それぞれの労使の判断に委ねられているものではないかというふうに考えております。
 いずれにしても、適切に法令が守られるように努めてまいりたいというふうに思います。

#161
○倉林明子君 差別的取扱いについては改正派遣法で禁止されているんじゃないかと思うんですけど、その義務が課せられているのは派遣元だと思うんですよね。今の答弁、ちょっとよく分からなかったんですけど、もう一回説明してください。

#162
○政府参考人(小林洋司君) 今御指摘いただきましたのは、同一労働同一賃金の派遣先均衡のお話だというふうに思います。派遣会社が派遣先均等・均衡方式を選択した場合には、法定外の休業手当を含め全ての待遇に関してその派遣先との均等・均衡待遇を図ることが必要になってくるということは御指摘のとおりでございます。
 ただ、法定外の休業手当につきましては、私どもの指針でも言及はしておらず、最終的には司法判断に委ねられるということは御理解いただきたいというふうに思っております。法定外のものをどれだけ支払うかというのは様々な事情に関わってくるというふうに思いますので、これ一概に合理、不合理というのはなかなか申し上げられないところでございまして、派遣元、あるいは派遣元、派遣先の間におきまして十分御検討をいただく事項だというふうに思います。

#163
○倉林明子君 十分検討していただく事項だということにとどめていては、いつまでも格差なんかなくならないと思うんですね。格差は是正する方向で、そして低い方がやっぱり一〇〇%払っているという派遣先の方に合わせて支払うという、そういう努力を求めるというのが法の趣旨だと思いますので、その点では、こういう問題が事業主間だけの問題だということにとどめないで取り組んでいただきたい。
 さらに、雇用が守られるかどうかという今瀬戸際に来ているよと、これ現場の声です。派遣切り、雇い止めによって仕事も住まいもなくなった、これがリーマン・ショックでした。こういうことも、実際に旅館等に入っていて住まいを派遣先で確保していただいていると、こういうケースは職が切られれば住まいを失うと、こういうケースも出てきているんですね。
 私は、大事なのは、労働は労働、生活は生活というふうな今分担になっていますけれども、市町村、区役所の単位でワンストップの相談窓口というのを急いでつくる必要があるんじゃないかと思います。これ、大臣、いかがでしょう。

#164
○国務大臣(加藤勝信君) 雇用への影響が出てきていること、更にそれが拡大していることが懸念をされているわけでありまして、全国の労働局等には二月十四日から特別労働相談窓口を設置をし、雇用形態にかかわらず、労働者からの解雇、休業に関する相談を対応しております。
 それから、今住宅のお話がありましたけれども、地方公共団体においては、生活困窮者自立支援制度に基づき、これは必須の事業になっていますが、再就職に向けて居住の確保が必要な者に対しては住居確保給付金の支給を行うということになっております。
 ハローワークにおいても、地方公共団体に常設窓口を設置をし、職員を配置の上、住居確保給付金受給者等に対し就職に向けたきめ細やかな支援を行うなど、地方公共団体と労働局が連携して対応を図っているところでありますが、引き続き、こうした対応によって、派遣労働者の方々が仕事や住まい等に関する相談等があれば、それに適切に対応していきたいというふうに思います。

#165
○倉林明子君 ワンストップの相談窓口必要だというふうに提案したのですから、総務省ともよく相談して、必要に応じてやっぱり設置するという方向で検討してほしいなと思います。
 正規、非正規、派遣、フリーランス、多様な働き方進めてきましたよ。しかし、最もこういうときに雇用調整で職失うというのは非正規の方々ですよ。やっぱり正規が原則だと、こういう働き方に転換していくべきだということを、大きくですね、これを最後申し上げまして、終わります。

#166
○委員長(そのだ修光君) 午後二時に再開することとして、休憩いたします。
   午後零時二十二分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会

#167
○委員長(そのだ修光君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、太田房江君が委員を辞任され、その補欠として高階恵美子君が選任されました。
    ─────────────

#168
○委員長(そのだ修光君) 休憩前に引き続き、労働基準法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言お願いいたします。

#169
○小川克巳君 自民党・国民の声の小川克巳でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 まずは、加藤大臣を始め厚労省の皆様には、新型コロナウイルス感染症対策に日夜身を削っておられること、心より感謝申し上げます。また、橋本副大臣、自見政務官のお二人には、大変なお務めを果たされ、無事にお帰りになりまして、良かったと思っています。引き続きよろしくお願いいたします。
 昨年末の新型感染症発生という第一報から既に三か月がたとうとしていますが、いまだに確かな出口が見えない状況に国民にも疲労の色が濃くなりました。社会活動や経済活動も、さらには日常生活関連活動さえも大きく抑制せざるを得ない状況が続いていますが、それは感染への不安のみならず、暮らしの維持そのものに対する不安を次第に増幅させています。
 その一方で、医療の最前線では、自らの感染の危険を顧みず、発症された方々の治療に不眠不休で当たっておられる医師、看護師を始め多くの医療専門職の方々、事務職、管理職、行政関係の方々には本当に頭の下がる思いであります。くれぐれも自らの心と体の健康にも気を配っていただきますようお願いしたいものと思っております。
 さて、私の地元である熊本県では、こうした世情の中で、一昨日、二十二日に県知事選が実施されました。現職の蒲島郁夫知事は、現職知事として新型コロナ感染症への対応に注力することが自らの責務であるとして、選挙期間にもかかわらず遊説を始め一切の選挙活動をしませんでした。相手候補も、大規模な個人演説会を控え、握手もせずエアハイタッチで県下を巡ったと聞いています。
 思えば、前回、二〇一六年の選挙で三選を果たした直後の四月十四日、あの熊本地震の前震に見舞われたのです。十六日の未明には、本震が熊本を見舞いました。続けて二度も震度七もの地震に見舞われるのは観測史上初めてのことでありました。私は、日本理学療法士協会の副会長として全国を回っていましたが、たまたま前日の晩に熊本の自宅へ帰り、翌十四日、当日の朝ですが、宮崎へ向かい、その日の夜九時半過ぎ、そして十六日未明の一時半頃と二度の地震に宮崎市内のホテルで遭遇しました。これまで何度も通常程度の地震は体験していますが、離れた宮崎でも尋常ではないと直感した揺れでした。慌てて帰った熊本では、熊本城の被害を始め益城地区や西原地区の余りの惨状に言葉を失いましたが、蒲島知事を先頭に、創造的復興のスローガンの下、官民が協力して精力的に復興に向けて取り組み、今の熊本があります。
 そして、この度の新型コロナウイルス感染症の流行です。蒲島知事の手腕がまたしても問われることになりますが、全国各地で様々な災害に続けざまに見舞われる我が国において、多様な危機に対する万全の備えが求められていることを痛切に感じます。そして、そんなとき、そのしわ寄せは必ず弱い人のところへ集中する、そのことを胸に刻んで国の仕組みを整えていくことが我々の責任と考えます。
 さて、新型コロナウイルス感染症の影響による解雇など、労働者への不当な扱いが問題となっています。こうした問題では、真っ先にそのしわ寄せを受けるのは非正規労働者など雇用保障の弱い立場にある人たちであろうことは容易に推察できます。また、障害を有する労働者が長期休業要請や失業といった不利益を被っている事態が発生していないか、大変気になっているところです。
 政府は、三月十日に新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策第二弾を発出し、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、収入の減少や失業等により生活に困窮し日常生活の維持が困難となっている世帯に対し、総合支援資金の特例措置を設けています。こうしたセーフティーネットの強化策を講じていることは評価に値しますが、障害を有する労働者については、そもそも相談窓口にアクセスすることから何かしらの不利があろうことは想像に難くありません。また、一度解雇されるとなかなか再雇用につながりにくい等、個別の支援などが必要になってくることが想定されます。
 そこで、お伺いします。障害のある労働者が、今回の新型コロナウイルス感染症の影響を受けて解雇されたり無給での自宅待機を命じられるなど、不利益な扱いを受けているような事例の発生の有無について何かしらの情報をお持ちでしょうか。もしお持ちでない場合、支援の在り方を考える上で、まずは早急に実態把握をするべきと考えますが、政府の見解と取組についてお伺いします。

#170
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症につきましては、雇用への影響が出ているということでございまして、全国の労働局等に特別労働相談窓口を設置し、解雇等に関する相談対応をしているところでございますが、その相談に当たりましては、障害がある労働者の方につきまして区分して把握しているところではございません。
 また、障害者雇用促進法におきましては、事業主は、労働者の責めに帰すべき場合等を除き、障害者を解雇する場合にハローワークに届出が必要とされておりますが、解雇理由は、当該届出の際に明示されない限り、新型コロナウイルス感染症の影響によるものかどうかにつきましては把握できない状況にございます。
 なお、本年度、本年二月までということになりますが、届出があった障害者解雇数でございますが、計で千六百三十四件でございまして、前年同期と比べますと、前年同期は千六百四十八件でございますので、これと比べますと大きな変化が見受けられないところでございますが、私どもとしては、引き続き、新型コロナウイルスの感染症に伴い解雇者数に影響が出るか、その推移をしっかり見守りながら必要な対応について検討してまいりたいというふうに考えてございます。

#171
○小川克巳君 ありがとうございました。
 影響が出てくるのは多分これからなんだと思いますけれども、是非引き続き意を用いていただければというふうに思っております。
 続きまして、一九八〇年、WHOは、障害に対する科学的アプローチを可能にすることを目的に、国際障害分類、ICIDHというものを提唱しました。現在では、二〇〇一年にその発展形としてのICF、今現在用いられているものですけれども、国際生活機能分類に姿を変えていますが、障害を理解するのに分かりやすいということから、我々リハビリテーションの業界では現在でも活用されています。
 これによりますと、障害には、インペアメント、いわゆる機能障害、ディスアビリティー、能力障害、ハンディキャップ、社会的不利という三階層があり、それぞれ生物学的アプローチ、代償的アプローチ、そして改革的アプローチが求められるとされています。
 例えば、高齢者に多い大腿骨頸部骨折を例に取りますと、大腿骨の骨折そのものとその周囲の軟部組織等の障害を、いわゆるインペアメント、つまり機能障害といいます。この機能障害には、骨折の整復、癒合に向けての治療的対応が取られます。
 大腿骨骨折により、下肢が有する機能である体重の支持と歩行ができなくなりました。これが能力障害といいます、ディスアビリティーです。歩行ができなくなったために、移動という目的を達成するために車椅子生活を余儀なくされました。この場合、下肢が持っている体重支持と移動という能力を車椅子で代償します。失われた能力を他の何かで肩代わりさせる、それが代償的アプローチになります。
 最後に社会的不利ですが、車椅子では僅かな段差や路面の傾きが安全や移動に対する障害となります。また、電車に乗ったり、バスに乗ったり、映画館に行っても、段差解消機やエレベーターの設備がなければ目的地に到達することはできません。また、脳卒中による失語症などは、知的に何らの障害がないにもかかわらず、そのような誤解を受けることによって就職活動などがうまくいかないという事例を多く聞きます。このように、一般の人たちが普通に得られる利益を享受することができない状態を社会的不利、ハンディキャップといいます。社会的不利には、障害に対する無理解による差別なども含みます。
 ちなみに、機能障害と能力障害についてはその本人に対して介入をしますが、社会的不利に対しては、当人を取り巻く物的、人的環境に対して働きかけをします。例えば、自宅での活動をしやすくするための家屋改造であるとか、就労を容易にするための職場環境の改善、また無理解に対する意識啓発などがこれに当たります。
 そうした医学的リハビリテーションの中核を担う理学療法士や作業療法士、言語聴覚士は、障害を階層的に捉え、それぞれのレベルに対応する定型的また個別的アプローチにより、後遺障害の有無に関わりなく、その人がその人らしく、住み慣れた環境で自立して暮らしを営むことができるよう指導する専門職です。まさに、障害を科学し、障害と生活環境とのマッチングを主体的に行うことができる、そのための社会的要請によって生まれた専門職であります。
 そうした各レベルにおける障害というものに対する専門的知識を持った人材をハローワークや都道府県労働局に配置することで障害者就労を促進し、定着率を高めていくことができると考えていますが、それらの専門職を就労相談等の現場に関与させることについて検討すべきではないでしょうか。
 まず、現状どのようになっているか、御説明ください。

#172
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 ハローワークでは、障害者に対し、その特性に応じた専門的な就職支援を適切に行うため、相談員の任用に当たりまして各種の資格や実務経験を評価してございます。例えば、精神障害者や発達障害者に特化した支援を行う相談員の任用に当たりましては、精神保健福祉士や臨床心理士等の資格のほかに、作業療法士についても資格要件の一つとして規定しているところでございます。
 また、幅広い障害種別の方を支援する相談員を任用するに当たっては、その相談員が行う就労支援に求める専門性を踏まえて応募者の有する資格を評価し、任用をしているところでございます。

#173
○小川克巳君 もっと幅広く、やっぱり専門性を持っている人材を、やっぱりせっかくいるわけですから、活用するということを前提に考えていただきたいと思うんですけれども。
 身体障害者の就労支援を行う場合など、理学療法士の専門性も是非活用するべきと考えますが、その点についてはいかがですか。

#174
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘がございました身体障害者の方の就職支援を行う場合などにつきましては、理学療法士の方の皆様の専門性が活用できるというふうに考えてございまして、相談員の任用に際しまして評価する資格として理学療法士についても今後明示する方向で検討してまいりたいというふうに考えてございます。

#175
○小川克巳君 ありがとうございます。
 人材が枯渇する中で、今、比較的リハ専門職に関しては人材教育が順当にいっているというふうなこともございます。是非活用していただければというふうに思います。
 労働者名簿や賃金台帳等、労基法第百九条に規定される記録の保存に加え、実際の労使間の紛争において問題となるのは、休憩時間が所定どおりに取れていない、あるいは残業したがその分の残業手当が付いていないなど、そのときの事業主の残業命令の有無であり、こうした業務の指揮命令に関連する記録の保存も必要であります。時効期間の延長で長期化することの事業主側の負担はそういう意味では甚大であり、特に中小零細企業にとって大きな負担となることが想像されます。
 時代の流れから、紙媒体ではなくIT技術を取り入れた労務管理を促進していくべきであり、これまで紙媒体で労務管理を行っていた事業主が管理をデータ化するに当たり掛かる費用等に対する補助をしっかりとしていく必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

#176
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員からも御指摘ございましたとおり、今般御提案している法案の内容にも密接に関わる記録の保存につきましては、やはり委員御指摘のようなIT化であったり記録の電子化、電子管理ということを進めていくということが重要であろうかと思いますし、とりわけそういった点についての中小企業の皆さん方の御負担をどう考えるかということが重要だということで認識をしております。
 そういうことで、私ども、現行も時間外労働等改善助成金というもので、中小企業事業主が生産性の向上を図りながら労働時間の縮減等に取り組む場合に、労務管理用ソフトウエアや労務管理用機器の導入、更新等に要する費用を助成をしております。また、来年度の予算につきましても、働き方改革推進支援助成金ということに改称してこういった取組を推進したいということで考えてございます。
 私どもとしましては、労働時間の適正な把握と記録の保存のために引き続きこうした助成金の活用を進めるとともに、長時間労働の削減、賃金不払が起こらないようにするための取組の推進ということに努めてまいりたいと考えます。

#177
○小川克巳君 是非よろしくお願いいたします。
 当分の間、現行の労基法第百九条に規定する記録の保存期間に合わせて賃金請求権の消滅時効期間を三年間とすることについてですが、必要な補助をすることで改正法の施行から五年経過後の見直しにおいては原則の五年とすることを検討し、その結果を検証すべきと考えますが、これについての見解をお伺いします。

#178
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今回の法案では、同じ職場で消滅時効期間の異なる労働者の方が存在することによる混乱を避けるために、改正民法とは異なって、全ての労働者の方を対象に、施行日以後に支払日が到来する賃金請求権について新たな消滅時効期間の適用ということといたしたところでございます。
 ただ一方で、このように全ての労働者の保護を図りつつ消滅時効期間を直ちに五年に延長した場合には、企業では、紛争の未然防止の観点から、全ての労働者の賃金、労働時間等に関する記録について長期に保存する必要性があるということであったり、いろいろ労働時間管理の方法の明確化というようなことも求められるということで、労使で御議論いただいた結果、当分の間は消滅時効期間を三年とするということとしたところでございます。
 今後は、法律でも御提案させていただいておる検討規定に従って、五年経過後の状況を勘案して検討をいたしてまいりたいと考えております。

#179
○小川克巳君 ありがとうございます。
 もう労働者の数がどんどんと減っていって、生産人口が減っていくということがかなり大きな問題になっているわけですけれども、そういった中で、女性の労働力であるとか、あるいは高齢者の職場への喚起であるとか、あるいは軽度障害者の生産活動への参与とか、そういったことが求められている状況にあって、労働者の働く環境をとにかく良くしていくということをやっぱり第一番に考えなきゃいけないというふうに思いますし、その世代あるいはその属性、そういったものによってやっぱりそれぞれに適応するような環境をつくっていくということが必要なんだろうというふうに思います。多様なそういった要件のある中で、一つ一つに応えることはなかなか難しいんだろうというふうに思いますけれども、可能な限りやっぱり一つずつ潰していくというような地道な作業を是非よろしくお願いしたいと思います。
 災害補償請求権についてお伺いします。
 災害補償をめぐっては、時間の経過とともに事実関係の立証が労使双方にとって困難となることが想定されることから、早期に権利を確定させて労働者救済を図ることが重要であり、また労災事故を踏まえた安全措置を早期に講じることを促すという意味でも早期の請求、解決が望まれます。
 その一方で、上司との人間関係など様々な理由により直後の申立てが困難であるようなケースや、どうしても請求権を行使するまで時間が掛かってしまう場合、消滅時効期間を過ぎて権利が失効してしまったということが起こり得ると考えますが、労働者の保護という観点から検討を重ねることが求められるというふうに考えています。見解についてお伺いをいたします。

#180
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 御指摘の災害補償請求権の問題につきましては、基本的には、これまでも民法の一般債権の消滅時効期間にかかわらず労基法で二年の消滅時効期間としていることから、今般、現行の消滅時効期間である二年を維持することとしたところでございます。
 また、今委員の方からも御指摘、御紹介ございましたけれども、災害補償の仕組みでは労働者の業務起因性、負傷等の業務起因性を明らかにする必要がございますけれども、時間の経過とともにその立証が困難となり、早期に権利を確定させて労働者救済を図ることが制度の本質的な要請でもあるということで、今般、このような考え方から、労政審の建議でも現行の二年を維持するということとさせていただいたところでございますが、今委員からの御指摘もございました、また、衆議院の附帯決議でも、施行後五年を経過した際に検討を行うことということの附帯決議はいただいておりまして、そういった点も含めて検討をしてまいりたいと思います。

#181
○小川克巳君 ありがとうございました。終わります。

#182
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 私の方からも、今回の労働基準法改正における主な変更点、また論点について幾つかお伺いをまずしていきたいというふうに思っております。
 今回、賃金請求権の消滅時効を、四月施行となります改正民法に合わせて同じ五年という形で延長するわけですが、ただし、これ百四十三条で当分の間三年としたわけであります。これは衆議院の議論、また今日の午前中の議論でも繰り返し触れられてきた論点でありますけれども、なかなか一般には分かりにくい。つまり、労働者保護のために設けられてきている特別法で一般法に定める権利をある意味制限するような形になってしまっているというわけでございます。
 改めて、これちょっと整理のために、これまでの労政審における議論の経緯というのをお示しいただきたいと思います。

#183
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘のように、本件につきましては、労働政策審議会の労働条件分科会におきまして、この賃金請求権の消滅時効期間等の在り方について御議論をいただいたところでございます。
 具体的には、有識者検討会の取りまとめの御報告を受けて、昨年の七月から年末の建議に向けて全六回にわたって活発に御議論をいただいて、建議を最終的には年末におまとめいただいたというものでございます。その中でも、特に、賃金請求権の消滅時効期間を何年とするか、また、消滅時効期間を見直すとした場合に経過措置として適用対象をどうするかという点が主要な論点であったと認識をしております。
 これらの点につきまして活発に御議論いただいたわけでございますけれども、主にと申し上げますと、労働者側の委員からは、労働者保護を図るためには、賃金請求権の消滅時効期間について改正民法と同様に五年に延長するとともに、全ての労働者を対象に、施行日以後に発生した賃金債権から適用すべきとの御意見でございました。それからまた、使用者側の委員の方からは、賃金債権の特殊性や企業の紛争リスクへの備え等が増大するということを踏まえ、賃金請求権の消滅時効期間は現行の二年を維持すべきとの御意見があったところでございます。
 こういった議論を踏まえまして、昨年の十二月二十四日の労政審の分科会におきましては、公益委員の方からの御提案により、公益委員の方がこれまでの御議論も踏まえて労使双方から意見を聞いた上で見解をまとめていただいたというものでございまして、その内容について労使の方に御提示し、労使双方から受け入れる旨の意向が示されて、年末に今回の改正の内容がまとまり、年明けまして法案要綱を諮問し、答申をいただいたという結果でございます。

#184
○平木大作君 様々、この事業者側あるいは労働者側双方の視点から意見が述べられた上で、なかなか埋め難い溝があったというふうに思うわけでありますけれども、一つの結論を得たということでありました。
 今御紹介いただいた論点の中で、特に、時効そのものの期間と賃金台帳を始めとする記録の保存期間については分けて検討すべしと、こういう考え方もあったわけであります。
 百九条において、この労働関係書類の保存義務が労使間における紛争解決の必要から証拠を保存する目的で設けられたと。こういう趣旨に鑑みれば、これ消滅時効の五年への移行に先んじて記録の保存期間を延ばすというのは一定の合理性があるんだろうというふうに思いますが、この点についてどのような整理をされたのか、確認をさせていただきたいと思います。

#185
○副大臣(稲津久君) 改正民法を踏まえまして、賃金請求権の消滅時効期間を最終的に五年とし、そして、これに合わせて記録の保存期間も最終的には五年としたのが今回の改正法の内容になっています。その上で、企業の紛争リスクの備え等を配慮するために、賃金請求権の消滅時効期間を当分の間は三年とし、記録の保存期間についても当分の間三年と、このようにさせていただきました。
 それで、仮に将来的に記録の保存期間を五年に延長した場合、企業においては労務管理のシステムの改修ですとか紙媒体に係る保存方法の見直しなどが必要になってくると、このように考えておりまして、労政審の議論におきましては、特にこの紙媒体での保管が中心となる中小企業の負担が大きい、こういう意見がございました。その上で、私どもといたしましては、この労務管理のICT化、これを促進することによって負担の軽減は一定程度図れるだろうと、このように考えております。
 そこで、厚生労働省として、改正法の内容の周知とか定着にまずしっかり取り組んでいくと。それから、長時間労働の削減や賃金不払が起こらないようにするための取組を推進していく、それから労務管理用機器等の導入に対する助成金を活用する、こうしたことによって、特に中小企業に対する労務管理の適正化に向けた支援ができるだろうと、このように考えております。
 こうしたことを通じまして、企業における労働時間の把握、保存期間が適正に行われ、こうしたことが進められていくだろうと、このように取り組むところでございます。

#186
○平木大作君 今、労政審における議論としては一つ御紹介を稲津副大臣の方からいただいたわけですが、私、それだけにとどまらないんだろうというふうに思っています。
 私、ちょっと違う声もいろいろ聞いていまして、一つは、この四月に施行となる改正民法というのは、賃金関係だけではなくて、債権法全般の百二十年ぶりの大改正なわけです。企業の現場というのは、これは規模は大小問わず、この改正に物すごい実は対応に今手間を取られている状況にあるわけですね。
 一つ、例えば、これ雇用に関しても保証人を立てる場合があるわけでありますけれども、実際に保証契約一つ取ってみても、極度額を設けない根保証みたいなものというのは、これまでどおり実は契約書、何も手を付けないでおくと無効になってしまう可能性があるということで、企業の中では、今、これまでのいわゆる商取引の契約書全部、一個一個見直して、ひな形も書き換えてということを対応として迫られている。大企業はこれ法務部とか総務部がやってくれるからいいんですけれども、やっぱり中小企業・小規模事業者って、こういうことは専門の部署に任せるわけにいかないわけでありまして、こういう対応を迫られている様々なものがある中にあって、事業負担が今御紹介いただいたような点も含めてやはり課題になってしまうということが大きな問題なんだろうというふうに思っています。
 その意味では、今、副大臣から、この中小企業の労務管理、しっかり後押しをしていくんだというお話もいただきましたが、これやっぱり、この賃金台帳の部分だけとかいうことではなくて、ニーズとしてはやはりもっと広いんだというふうに思っております。法務省ですとかあるいは経産省、そういったところともしっかりと連携をしながら、今どういったものが支援が求められているとかということにしっかり厚生労働省としても対応いただきたいということをお願いしたいと思います。
 もう一点、今回、これ先ほどもありましたけれども、改めて、どの契約あるいはどの請求権から変更の対象になるかということは大変大事なわけであります。注意喚起をしっかりしていただかなければなりませんので、改めて、この改正後の規定に基づく新たな消滅時効期間が、法施行日後、つまり本年の四月一日以降ですね、支払日が到来する全ての賃金請求権について適用されることになったわけでありますが、このことの意義についてお伺いしたいと思います。

#187
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員の方からもございましたとおり、今般、この四月一日から改正民法が施行されるということでございますが、今回、この改正民法におきましては、その経過措置と申しますか、適用の切り分けというのが、施行日以後になされた契約に基づく債権について新たな消滅時効期間を適用するという形になっております。
 ただ、仮に今回の法案で改正民法と同様の適用にしたという場合になりますと、新たな消滅時効期間というのは施行日以後に労働契約を締結したものに限って適用されることとなりまして、同じ職場でも労働者単位で消滅時効期間が異なり混乱が生ずるというおそれがございます。
 また、賃金債権というのは、大量かつ定期的に発生するものでもございますし、斉一的な処理の要請ということも強いということもございまして、今回の法案では、全ての労働者を対象に、施行日以後に賃金の支払期日が到来した賃金請求権について新たな消滅時効期間等を適用するということとしたところでございまして、委員御指摘のように、その点については周知ということも含めてしっかり対応してまいりたいと思います。

#188
○平木大作君 大事な点でありますので、是非よろしくお願いいたします。
 未払賃金についても少し聞いておきたいと思います。
 昨年度、未払残業代を指摘をされまして百万円以上支払った企業数千七百六十八社、支払額は百二十六億円ということでございました。直近、この百万円以上のものについては二年間で千八百社前後ということで、企業数も高水準になっているわけでありますけれども、まず確認したいのが、このうち、労基署の立入調査などのときに、例えば時間外労働を意図的に少なく記録した書類を提出するですとか、あるいは休日労働を隠蔽するような悪質な事例というのはどの程度あったのか、お伺いをしたいと思います。

#189
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員の方から百万円以上の未払残業代の指摘対象の状況ということについて御指摘いただきましたが、私ども労働基準監督署におきましては、労働基準法等の履行確保を図るために監督指導を行いまして、今御指摘の割増し賃金の支払を定める労働基準法の第三十七条違反を含めて、法令違反が認められた場合には是正を図らせるとともに、悪質な事業場に対しては書類送検を行うなど対応しているというところでございます。
 平成三十年度の状況について申し上げますと、監督署が監督指導を行った件数が十三万六千二百八十一件でございますが、このうち割増し賃金の支払を定める労基法三十七条の違反が認められました件数は二万九百八十七件でございます。また、労基法三十七条違反で送検を行った件数は二十四件ということでございます。

#190
○平木大作君 これは本当に膨大な数を今御紹介もいただいた中で、送検自体は二十四件程度だということでありました。
 これ、厚生労働省のホームページを拝見しますと、この賃金不払残業の解消のための取組事例ということで分かりやすい資料が掲載されております。私も事例読ませていただきましたけれども、出てくる事例が、例えば管理者が全員分のタイムカードを打刻しているですとか、あるいは時間外労働の自己申告は月十時間までと指導されているとか、何かいかにも情景が想像できるような、昭和の時代からやっていたのかなというような、そういう事例が基本的には載っております。
 これが全てだとは思いませんけれども、また、これも悪質でないということではないわけでありますけれども、ただ、やはり多くの事例においては、昔からやってきたこと、勤怠管理の在り方に疑問を差し挟まずに続けてきてしまったという事例がやっぱり結構多いんじゃないかなということを改めて印象として持ちました。ある意味、勤務時間の正確な把握とか記録といった、この当たり前のことができていないというところがやっぱり一番大きな私は問題だろうというふうに思っております。
 これ、そもそも、違反の通報というものを受けて労基署として実際に立入調査をして、一件一件是正していただくというのはやっぱり限界があるわけであります。そういう中にあって、改めて、この未払残業が発生しないように、当たり前のことができる、当たり前の労務管理ができる、そういった取組強化、しっかり取り組んでいただきたいと思いますが、この点についていかがでしょうか。

#191
○政府参考人(坂口卓君) 今委員御指摘のとおり、やはり私どもとしましては、個別の違反事例を是正していくという以前に、やはりそういった状況の発生を未然に防止する、抑制、抑止していくということが大変重要なんだろうと考えております。
 そのためには、やはり広く網を掛けながら、やはり説明会であったり個別訪問等によって、私ども、今、労働時間の適正な把握のために使用者の講ずべき措置に関するガイドラインというものを定めております。労働時間をどういう形で把握をしてくださいというような手法等々についてのガイドラインでございますけれども、そういったものを含めた労働基準の関係法令の周知ということをやはりそういったところを通じてしっかり行う。
 それから、冒頭にも御質問ございましたし、先ほどもございましたけれども、やはり中小企業を中心として、やはりそういった労働時間管理も含めた対応ということをできるだけ効率的あるいは正確に行っていただくというためには、やはり労務管理機器等、そのIT化も含めた対応ということを、そういった中小企業の皆様もどう活用できるかということも重要になってくるかと思いますので、先ほど掲げさせていただいたような助成金の活用等も含めた企業の適切な労務管理を促すことを通じて、そういった賃金の未払残業、賃金不払ということが発生しないようにということをしっかり対応してまいりたいと思います。

#192
○平木大作君 この賃金という問題に関連して、もう一問、今度は私が近年ちょっと取り組んできたテーマについても少しお伺いをしておきたいと思います。
 企業が売掛債権を第三者に売却をいたしまして当座の資金を調達する、ファクタリングと呼ばれる取引がございます。今日は資料も配付させていただきました。昨年のこれ年末の、日経新聞の掲載されていた図面の部分だけをコピーしたものになるんですけれども、近年、このファクタリングを給与債権に応用した給与ファクタリングと呼ばれる取引が問題視を実はされてきております。
 そこでまず確認したいんですが、そもそも労基法において給与債権とはどのようなものとして位置付けられているのか、立法趣旨と併せて御説明いただくとともに、給与債権を譲渡すること、このことについての見解をお示しいただきたいと思います。

#193
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員の方から資料をお配りいただいたいわゆる給与ファクタリングというものは、労働者個人が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付して、当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うというようなスキームというような絵面かと承知をしております。
 労働基準法におきましては、賃金債権の譲渡そのものを禁止するという規定はございませんで、最高裁判所の判例でも、譲渡自体を無効と解すべき根拠はないと示されておるところでございます。ただ、しかしながら、一方で、労働基準法は第二十四条におきまして、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」ということを規定しております。この趣旨というのは、やはり賃金が労働者の生活の糧でございますので、確実に労働者の手中に支払われるということを確保しようという趣旨でございます。
 したがいまして、労働者が賃金の支払を受ける前に賃金債権を他に譲渡した場合におきましても、この労働基準法第二十四条が適用され、使用者は直接労働者に賃金を支払わなければならず、賃金債権の譲受人は自ら使用者に対してその支払を求めることは許されないということと解しております。さきに述べました最高裁の判決でもそのように判示されておりまして、今後とも、そうした趣旨を踏まえて私どもとしては対応してまいりたいと思っております。

#194
○平木大作君 今、労基法二十四条を確認をしていただきました。また、最高裁でも判決が出ているということでありますが、当たり前の話なんですけれども、この企業の売掛債権というのは幾つも幾つもあるわけですね。支払のタイミングも違えれば回収のタームも違うという中にあって、一つの売掛債権というのはワン・オブ・ゼムなわけですけれども、事働く方にとって、労働者にとってこの賃金というのはもう本当に生活の糧、しかも基本的には月に一回しかいただけないという大事なものでありまして、同じようにファクタリングのスキームに当てはめること自体が私はナンセンスだというふうに思っていますけれども、ある意味、この賃金の重さ、賃金債権の重さということを今確認をしていただいたわけであります。
 そこで、今日、法務省にも来ていただいているんですが、ちょっと気になる部分があるので確認をしておきたいと思います。
 この債権譲渡については、四月施行となります民法四百六十六条において一部改正がなされております。この改正というのが、この今まさに問いました厚労省の給与ファクタリングについての見解に何か影響を与えるものなのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。

#195
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 民法四百六十六条というのは、現行民法の下で譲渡制限特約付きの債権の譲渡について定めるものでございます。現行民法の下では、譲渡制限特約が付された債権が譲渡された場合に、譲受人がその特約の存在を知っていたときですとか、あるいは知らないことについて重大な過失があったときにはその譲渡は無効であるというふうに解されておりますが、委員御指摘のとおり、この度の民法改正によりまして、そのような譲渡も効力を妨げられることはないということにされております。
 もっとも、労働基準法第二十四条は民法の特別法でありまして、この度の民法改正が同条の解釈に影響を与えるものではないと考えております。

#196
○平木大作君 ありがとうございます。
 やっぱりこれ、私もこの問題を大分この一、二年追いかけてきているわけでありますけれども、給与ファクタリング、債権の譲渡という形に一応法的なスキームはなっているんですけれども、実態としては、まさに給与を受け取った本人がお金を返しに行くみたいな形でほとんどが回収されておりまして、そういう意味でいくと、実態としてはこれ給与を担保とした貸付けにほかならないんですね。そういう意味でいくと、これきちんと貸金業法の対象として規制すべき問題だというふうに思っております。
 金融庁、今日来ていただいていますので、見解をお伺いしたいと思います。

#197
○政府参考人(齋藤馨君) お答えいたします。
 労働者が使用者に対して有する債権を買い取って金銭を交付し、当該労働者を通じて資金の回収を行う、いわゆる給与ファクタリングにつきましては、先ほどの厚生労働省から答弁があった解釈を前提といたしますと、いかなる場合であっても譲受人は自ら使用者に対してその支払を求めることはできず、譲受人は常に労働者に対してその支払を求めることになるというふうに考えられます。
 このため、いわゆる給与ファクタリングは、譲受人から労働者への金銭の交付だけではなく、譲受人による労働者からの資金の回収を含めた資金の移転のシステムが構築されているというふうに解することができ、経済的に貸付けと同様の機能を有しているというふうに考えられるところでございます。したがいまして、いわゆる給与ファクタリングを業として行う者は貸金業法上の貸金業に該当し、規制の対象になると考えられます。
 なお、先般、その内容を金融庁ウエブサイトにおいて公表させていただいたところでございます。

#198
○平木大作君 これは極めて重い決定を金融庁にもしていただいたというふうに思っております。改めて御礼を申し上げるとともに、これやはり周知をしていただく、そしてきちっと取り締まっていただくということだと思っています。
 この給与ファクタリング、これまで法的な位置付けが曖昧でした。ある意味、どの法律もどの官庁も所管していないという中にあって、野放しになっていたというのが実態でありまして、例えば通常のいわゆる貸し借りですと、利息制限法等のいわゆる消費者を保護するための規制というのが適用できているわけですけれども、これができなかった。ですので、先ほど、記事の方はお配りしていませんけれども、昨年十二月の日経新聞で紹介されている事例も、これ手数料という名目でお金を取られているんですけれども、手数料を金利に換算すると年利で六〇〇%ということであります。利息制限法の上限の二〇%と比べてみてもそもそも桁が違うということでありまして、こんなものを野放しにやはりしてはいけないということであります。
 被害の拡大を防ぐためにも、これきちっと事業者の規制に取り組んでいただきたいということと、あわせて、これはちょっとお願いなんですけれども、これ、仲介の今窓口になっているのがスマホなんですね。ここにも記事の写真載せさせていただきましたけれども、SNSとかあるいはプラットフォーマーと呼ばれている売り買いを仲介するようなサイトを通じて実はこのお金のやり取りというのがなされております。今でも実際に、給与ファクタリングとか個人間融資とか、いろんなキーワードがあるんですけれども、引いていただくと、ずらっとこう、実は、貸しますよとか今日もう十万円すぐ入金できますとか、そういったフレーズがたくさん出てくるわけでありまして、これ、やっぱりSNS事業者、プラットフォーマーにも、貸金業法に抵触するような取引についてはきちっと規制をするように働きかけていただきたいと思いますが、この点いかがでしょうか。

#199
○政府参考人(齋藤馨君) お答えいたします。
 金融庁といたしましては、貸金業法上の登録を受けずにいわゆる給与ファクタリングを営む者に対して、捜査当局等と緊密に連携しつつ、厳正に対処してまいりたいというふうに考えてございます。
 また、先生御指摘のとおり、消費者被害の拡大防止の観点から、SNS事業者やプラットフォーマーに対して、貸金業法上の登録を受けずにいわゆる給与ファクタリングを営むことが同法の無登録営業の禁止に該当する旨を注意喚起するなど、働きかけを行ってまいりたいというふうに考えてございます。

#200
○平木大作君 今日、労基法に関連してこの給与ファクタリングという問題を取り上げさせていただきました。なぜ取り上げたかというと、この給与債権というもの自体が労基法の対象でもあるわけでありますけれども、やはり今、この新型コロナウイルス感染症の影響で生活資金が逼迫しているという方が急に増えてきているわけであります。こういう方たちが、ある意味こういう事態に対処するために、これは今度厚労省に対するお願いなんですけれども、こういう事態に対処するために、例えば緊急小口資金という制度あるわけでありますけれども、これ、私もお話をお伺いしたところ、やっぱりローカルルールが厳しいという声が上がっています。都道府県の社会福祉協議会等でなかなか厳しいローカルルールが課されている中で、例えば申込みをしてから一か月ぐらい判断が下りないとか、下りたけどバツだったみたいな話が実際にあるようでありまして、これ、やっぱりせっぱ詰まってしまった方が、なかなかもうあしたの生活資金が足りないという悩みに直面している方が一か月待ってくださいと言われたら、やっぱりもうスマホで、じゃ、どうしたらいいだろうということでこういったファクタリング事業者に当たりに行ってしまうわけですね。
 そういう意味でいくと、是非これ厚生労働省としても、改めて、既存の制度でありますので、柔軟に今回の新型コロナウイルスに対する対策としてこれお取組をいただきたいということは、重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。
 もう少しだけ時間が残りました。コロナウイルス関係もいろいろやりたかったんですけれども、一問だけ、ちょっと今日最後に、労基法にやっぱり関連するところで質問をしておきたいというふうに思っています。
 様々、新型コロナウイルスの今感染症の拡大を受けて大変な対応を皆さん迫られているわけでありますが、中でもあえてポジティブに捉えるところがあるとするならば、時差出勤ですとかテレワークの導入というところなんだろうというふうに思っています。
 これは昨年の秋の臨時国会においても私質問させていただきましたが、これまで厚労省も、それから政府一体となって、テレワーク・デイズの取組ですとか、様々このテレワークの推進といったものを取り組んできていただきました。ただ、私の感覚でいくと、現場でこのテレワーク取り組んでいただいている企業の皆さんは、半分お試しでやっているのかなと思う事例も少なくなかったように思っています。
 東京二〇二〇に向けて、じゃ、できるところからちょっとやってみようという形のところが多かったのかなという私自身は認識を持っているんですけれども、今回は、ある意味もうせっぱ詰まってというか、なかなかこれまでどおりの事業のやり方というのはやっぱりできないんだということに迫られる中で、大きな企業の中にも、例えば一〇〇%、従業員の全員を対象としてテレワークに今取り組んでいらっしゃる企業もあるわけでありまして、これはある意味やってみて、やってみたらうまくいったという声もあれば、できると思ってやったんだけれども結構難しいねという声も当然今上がっているわけであります。
 これ、是非、今いろいろ積み上がっている成功事例だけじゃなくて、失敗事例みたいなものもしっかりと今後に生かしていただきたいというふうに思っています。実践的な働き方改革につながる、ある意味今蓄積ができているというふうに思っておりますので、このテレワークの更なる推進ということについて、厚労省の方針を最後にお伺いしたいと思います。

#201
○政府参考人(藤澤勝博君) お答えを申し上げます。
 テレワークについてでございますけれども、おっしゃったように、働く方の業務の効率化にも資するものだと思いますし、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点からもその一層の推進が必要であるというふうに考えております。
 一方で、失敗とかの経験というふうにおっしゃいましたけれども、課題はあるというふうに思っておりまして、例えば労働時間の管理が難しいことであるとか、あるいは長時間労働にどうしてもなりやすいと、そういったような課題が考えられますので、テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン、こういうものを作りまして、そういったものを御利用いただくということで周知や啓発を行っているところでございます。
 また、テレワークの導入、活用を進めるために、テレワークの導入や拡充に要した経費の助成、それから、テレワーク相談センターというのを設けましてそこで相談支援を行っておりますし、テレワーク総合ポータルサイトというのを設けまして導入事例などの情報提供なども行っているところでございます。
 その支援策でございますが、新型コロナウイルス感染症対策としまして、新たにテレワークを導入をされた中小企業事業主を支援をするために、既に今年度のその申請の受付は終了していたところでございますが、その時間外労働等改善助成金のテレワークコースというのがございますが、それについて特例的なコースを新たに設けまして、今年の三月の九日から申請の受付を開始をしたところでございます。
 引き続き、適正な労務管理下における良質なテレワークの普及促進に努めていきたいと考えております。

#202
○平木大作君 終わります。ありがとうございました。

#203
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 今日は、まず最初にちょっとコロナのことについて質問させていただいて、その後、労働基準法の一部を改正する法律について質問させていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 まずコロナの関係でありますが、ワクチンのことについてまず最初にちょっと質問をさせていただきたいと思います。
 昨日も予算委員会の方でも質問させていただきました。今回、WHOに五十億円拠出するということが決まっておって、肝腎な日本国内のコロナの対策、特に二月十三日に行われた政府の対策本部の資料を見ますと、検査キット、それから抗ウイルス薬、ワクチン等の研究開発に十億円を支援するということなんですね。
 私は、今、世界各国どこもやっぱり恐らく物がない、一番欲しいのはやっぱり薬だと思いますし、ワクチンだと思います。だから、やっぱり日本として一番やるべきことは、ワクチンをいち早く開発して、そして世界に届けていくということが大事だというふうに思っております。
 その中で、今回、厚生労働省、十億円を支援すると書かれておりますが、これ、それぞれ具体的に幾らがどういったところに支援されるのか、まずお伺いしたいと思います。

#204
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 第一弾と第二弾併せて御説明させていただければと思いますが、新型コロナウイルス感染症に関する研究開発に関しまして、第一弾の二月の分につきましては、検査キットを含めた診断法の開発、それから治療法の開発、ワクチンの開発等の研究開発の費用、それから、第二弾で追加的に既存薬を活用するための臨床研究や迅速検査機器開発等を実施したところでございまして、それぞれ検査キット、抗ウイルス薬、ワクチンということで、横串で整理し直しますと、検査キットに関しましては研究開発に関して十二・四億円、それから抗ウイルス薬の研究開発に関しては十・九億円、それからワクチンの研究開発に関しては二・五億円等の支援を行っているところでございまして、このほかに研究開発の基盤構築のための約二十二億円、主にAMEDですけれども、これに支援を行っているという状況でございます。

#205
○東徹君 やっぱりワクチンに対する支援が非常に低いですね、二・五億円ということで。
 私は、これは、今回WHOに五十億円、何にどう使うのか厚生労働大臣が知っているのかどうか私知りませんけれども、報道で見ると約三十億円は何かイランの方へお金を出すというふうなことが書かれておりましたが、私は、やっぱり一番やるべきことはこういった薬の開発、それからワクチンの開発、こういったことにお金を使うべきというふうに考えます。
 厚労省の令和二年度予算では、新型インフルエンザ等の感染症対策の推進として百九十七億円計上されていますけれども、令和元年度の二百八十一億円から八十四億円もこれは減額されているわけなんですね。この減額は備蓄している抗インフルエンザウイルス薬の更新量が減ったことが主な要因ということですけれども、当初は想定されていなかった今回の新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえると、ワクチンや治療薬の開発促進などのために、これは予算をやっぱりしっかりとここにこそ使うべきというふうに考えますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

#206
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど厚労省、役所から説明させていただいたところで、第一弾、第二弾の研究開発をやらせていただいているところでありますので、まずはこれらをしっかり活用して、ワクチンであり、また治療薬も既存の薬で他の適応となっているものを、今観察研究等、あるいは臨床研究等によって進んでおりますから、やはりそうした治療方法が見出されているということが国民の皆さんの不安の解消にもこれは一つつながっていくわけでありますので、そういった支出に対してしっかり、そうした研究開発等をしっかりと我々も促進をしていきたいというふうに思っております。

#207
○東徹君 既存薬は既にあるものをこれからより増産したり、臨床研究もしているのかもしれませんけれども、ワクチンはこれまだ未開発なんですよね。ワクチンにこそやっぱりお金を掛けるべきと。これ見たら、ワクチンに一番お金が掛かっていないんですね。これ、ワクチンにやっぱりお金を掛けるべきというふうに、大臣、お考えになりませんでしょうか。

#208
○国務大臣(加藤勝信君) 別にワクチンを否定しているわけではありません。ただ、やっぱり短期間でということになると、やはり既存の薬をうまく活用した治療法を見出すということが短期的には今求められているんだろうと思います。
 一般的に、ワクチンは、開発の仕方にもよるんでしょうけれども、やっぱり一定期間掛かると言われているわけでありますから、そういった意味で、もちろん一定期間掛かるものも当然やる、そして、短期的に、これはやってみなければ結果は分かりませんけれども、そういったものに対してもしっかりと、我々、支援できるものは支援をして進めていくという、一本足ではなくて幾つかの、何といいますか、多面的にこれを対応していかなければいけないというふうに思っていますので、別にワクチンを否定しているわけではありませんで、ワクチンに対してもしっかりと開発を進めていきたいと思っております。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕

#209
○東徹君 是非、ワクチンの開発のためにはやっぱりお金が必要だと思いますので、やっぱりこれこそ日本としてやっていくべきことだと思いますので、是非御検討いただきたいと思います。
 それから、最近の三連休の感染状況を見ておりますと、ヨーロッパから帰国者の感染が、やっぱり複数これが発見されております。
 先日も、これは報道されておりましたけれども、スペインから帰国して、成田空港で検査を受けて、結果が出るまでに空港に待機するよう要請されたにもかかわらず、羽田空港を経由して那覇空港に移動して自宅に戻って、それから感染が確認されたという十代の女性がおられました。
 あくまでも空港への待機はお願いでしかなく、それ自体にやっぱり強制力がないということでありますけれども、公共交通機関を使って沖縄の自宅に戻ってしまったと。これやっぱり止めるべきだと思うんですね。これやっぱり何とかしていかないと、野放しにしていたのでは駄目だと思うんですが、この点についてどのように防いでいくのか、お聞きしたいと思います。

#210
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の流行地域から帰国された方々に対しまして、症状の有無にかかわらず、新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査を受けていただき、検査結果が出るまでは検疫所長の指定する場所で待機いただくよう検疫所から要請しているところでございますが、お尋ねの方につきましては、度重なる要請にもかかわらず、結果判明前に公共交通機関を使って帰宅し、結果として帰宅後に陽性の結果が判明した事案でございます。
 検査結果が陽性、陰性にかかわらず、こうした要請を振り切られてしまうということでは、水際での対応がしっかりできないことにもつながるので、誠に遺憾な事例であると考えております。
 今回の事案につきましては、その間における私どもの対応も含めましてしっかり検証していく必要があるとともに、引き続き、現場であります検疫所における対応を適正に実施していくよう、それぞれの検疫所現場におきましてもこの旨を徹底していきたいというふうに考えております。

#211
○東徹君 これ、毎日毎日、今日も海外から帰国者がいてはるわけですよね。それちゃんとできているんですかと、恐らく多くの方はここが心配なんですけれども、もうそれは今は大丈夫だと言い切れるんですかね。

#212
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 ただいまの検疫所の現場の実績を踏まえますと、ほとんどの方々はこうした要請に従っていただいているところでございます。
 以上でございます。

#213
○東徹君 ほとんどの方はというところは気になるところなんですけれども、今回みたいなことがないように、是非徹底した対応をしていただきたいと思います。
 それから、大臣にお伺いしたいと思いますが、専門家会議で、見解によりますと、地域を、これ感染が拡大傾向にある地域と感染が終息に向かっている地域、それから感染が確認されていない地域と、こう三つに分けておりますが、この三つの地域にどの自治体が該当するのかぐらいの公表というのは必要ではないのかと思うんですが、いかがでしょうか。

#214
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘があった三月十九日の専門家会議の状況分析、提言の地域ごとの対応における基本的な考え方でありますけれども、これは、今後、日本のどこかでオーバーシュートが生じた場合には、地域ごとに断続的に発生していくことが想定されると。こうした状況下では、社会経済機能への影響を最小限としながら、感染拡大防止とクラスター連鎖防止の効果を最大限にしていく観点から、地域の感染状況別にバランスを取って必要な対応を行っていく必要があるということで、大きく、感染状況が拡大傾向にある地域、感染状況が終息に向かい始めている地域並びに一定程度に収まっている地域、感染状況が確認されていない地域と、こう三つ分けてそれぞれの対応を明示をしていただいているところであります。
 これはオーバーシュートが発生した場合というような書き方をしておりますけれども、基本的には、発生の有無によらず、それぞれの自治体が地域の感染動向等に基づいて対応していただくに当たってこういったことも活用していただきたいと思っております。
 今委員御指摘の、じゃ、どこが、どの地域がどこに当たるかという観点でありますけれども、これはなかなか一概に言い難いところがありまして、例えば、感染者数が増えていても、一定、濃厚接触者等で把握している中でこれが発生している場合と、点々々として、いわゆる孤発とかいろんな言い方をしていますけれども、要するに見えない、連鎖が見えない形で発生している場合等々いろんな状況がありますので、一概にこれがこうだ、あれがこうだとはなかなか言い難いところがあるということも含めて、最終的にはそれぞれの地域の中で御判断していただくということであります。そのための参考としてこうしたことを提供しているというのが今回の専門家会議の考え方ということになるわけであります。

#215
○東徹君 私はやっぱり、自治体と厚生労働省と、こういった今の状況とか情報を共有しながら、そういった、どこの自治体がこれに当てはまるのかというのも公表していくということはやっぱり大事なことじゃないのかなというふうに思います。是非その辺も御検討いただけたらと思います。
 それでは、労働基準法の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきます。
 今回、賃金請求権の消滅時効期間の延長ということで、賃金消滅時効について民法改正と同様に五年に延長していくという内容であります。記録の保存等につきましても、賃金台帳等の記録の保存についても五年に延長、それから割増し賃金未払等における付加金の請求期間、それから賃金請求権の消滅時効期間も同様に五年に延長していくという内容です。ただし、経過措置ということで当分の間は三年、これは賃金請求権の消滅時効と賃金台帳等の記録の保存期間、割増し賃金未払等に係る付加金の請求期間でありますけれども、検討規定として、本改正法施行五年経過したときに、また状況を勘案して検討して必要があるときは措置を講じと、こういうような内容になっておるわけでありますが。
 まず最初にお聞きしたいのは、今回の法改正で賃金請求権の消滅時効期間を二年から五年にこれ延ばすわけですけれども、当分の間は三年にとどめるというようなことでありますが、まず、そもそも消滅時効という制度は何のためにあるのか、消滅時効の趣旨についてお伺いしたいと思います。

#216
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 消滅時効制度の趣旨でございますが、一定期間権利を行使しない状態が継続したという事実に基づいて権利を消滅させ法律関係の安定を図ることですとか、あるいは、長時間の経過に伴う証拠の散逸などによりまして権利の消滅の立証等が困難となったものを保護するということなどにあるとされております。

#217
○東徹君 では、法務省にも今日は来ていただいておりますが、改正民法で、一般的な債権、個人間の金銭の貸し借りなどについてですけれども、これが消滅時効が五年に統一されましたが、まずその趣旨についてお伺いしたいと思います。

#218
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 現行民法には、時効期間十年を原則といたしまして、三年、二年、あるいは一年の短期消滅時効の特則があります。このため、どの規定が適用されるかについて適用の誤りあるいは見落としのおそれがある上に、取引の複雑化、多様化に伴いまして、短期消滅時効の適用を受ける債権と言えるかどうかの判断が容易でないという場合もございました。
 そこで、いわゆる債権法改正により、短期消滅時効の特例を全て廃止いたしまして、債権者が権利を行使することができることを知ったときから五年で完成する消滅時効を十年で完成する原則的な規律に加えて新たに導入したものであります。

#219
○東徹君 労働者の賃金請求権、これ非常に大事ということは言うまでもありませんが、今回の法改正でも、当分の間、消滅時効が三年ということで一般的な債権よりも短くなるわけでありますけれども、例えばですが、海外では、イギリスとかそれからフランスは二年、それからドイツは三年というふうになっておって、これはほかの一般的な債権の時効よりも短くなっておるわけですけれども、これはどういうふうに理解されているのかをお伺いしたいと思います。

#220
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 なかなか海外の制度、趣旨含めて網羅的に把握するというのは難しゅうございますけれども、今議員から例示が挙げられた外国でいけば、例えばイギリスにおいては、イギリスの場合はどちらかというと消滅時効というよりは出訴制限という形での期間を設けているんですけれども、一般債権での出訴制限は客観的起算点から六年で訴権が消滅するけれども、賃金の請求権については客観的起算点から原則は三か月の出訴制限というようなことになっておるというようなこと。あるいは、フランスにおきましては、一般の債権の消滅時効は原則五年というようなことでありますけれども、賃金の請求権につきましてはその特例、特則として原則三年というような形で消滅するというようなことになっております。
 これ、それぞれなかなか難しいですけれども、例えばイギリスであれば雇用審判所というところがございますけれども、その雇用審判所への迅速な申立てを促すということ、あるいは訴訟件数の増加を避けるというようなことからこういった制度設計になっているというようなこと。あるいは、フランスにおきましても、やはり法的安定性の確保や早期権利義務関係の確定を促し、企業活動や紛争解決制度に与える影響を抑えるということを目的として先ほどのような制度設計という形ということで、私どもの知り得る範囲では把握しております。
 ただ、なかなかこの諸外国との比較ということでいきますと、全体としての労働法の体系であったり、あるいは、先ほど雇用審判所というようなことを申し上げましたけれども、紛争解決機関のありようであったり、あるいは紛争自体の件数等々の状況というようなことも異なるというようなこともありますので、そういったものも含めますとなかなか単純な比較というのは難しいかなとは思いますが、現状については今申し上げたような形でございます。

#221
○東徹君 グローバル社会でありますから、海外の事例というのも把握しておく必要があるのかなと思いまして質問させていただきました。
 この賃金請求権についてでありますけれども、企業に勤めるサラリーマンであるとその人ごとに毎月発生するもので、毎月きちんと支払われておればこれ問題ないわけでありますけれども、その人が何らかの理由で辞めていくときもありますし、また、その方の上司であったりそういった方も辞めていったりとかしたりとかして、本当にその人が働いていたかどうか、賃金が払われていなかったのか払っていたのかとか、こういったことを証明するというのはだんだんと難しくなってくるというケースがあると思います。
 これ、賃金請求権の消滅時効の期間を延ばすことによって、労働者の保護になる反面、これ紛争の解決をより難しくしてしまうのではないかというふうに考えますが、この点についてはいかがでしょうか。

#222
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 この賃金請求権につきましては、時効期間が満了するまでの間は、労働者の側からいくと使用者に賃金の支払を求めることができるということでありますけれども、使用者側から見ると賃金額が確定しない状態に置かれているということでございます。このため、消滅時効期間が長期に及んだ場合には、具体的に賃金債権が確定せず、今委員の御指摘のような、どういう働き方だったか、労働時間該当性がどうだったかというような紛争が生じたり、企業がそれに備えて様々な記録を保存しておく必要が生じるという影響もあるということかと存じ上げます。
 そういった点も加味して、労働政策審議会では、るる労使で御議論をいただいた結果、まさに賃金請求権の消滅時効期間について、今般は当分の間は三年ということで御提案をさせていただいているというものでございます。

#223
○東徹君 当分の間三年ということで、取りあえず今回そういう形で、方向で進んだということについては、私は評価をさせていただきたいと思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

#224
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。
 今日は審議が労働基準法の改正案ということで、論点が大分出尽くしてきたかとは思いますけれども、まとめると、民法が債権の消滅時効が原則五年になるので、それよりも労働者が守られていない、賃金請求権が五年より未満だと守られていないんじゃないかと、だからそれをしっかり守るためにそちらの方も五年に合わせていこうと、これが法の柱になるかと思うんですが、一方で、先ほどから、当分三年問題というのも議論をされてきました。
 それで、私自身は、やっぱり環境が整えば三年は速やかに五年にすべきだし、またその環境を整えるためにしっかり政府も努力をしないといけないと、私はそういうふうに考えておりますけれども、ちょっと確認になりますけれども、この法律は施行後五年で見直し規定が入っております。いろんな議論を聞いていると、衆議院の議事録も全部読んだんですけれども、どうもその当分の時期ははっきりしないんですが、五年の見直し規定がありますから五年目なのかなと、そういう想像もするんですけど、確認は、じゃ、この五年よりも前に請求権の消滅時効を五年にしていくということもあり得るのかどうかをお教えください。

#225
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員御質問の検討規定につきましては、労政審の議論の建議を踏まえて御提案をさせていただいているという内容でございます。
 今回の法案で、新たな消滅時効期間、当分の間三年というものが適用される賃金請求権は、施行日以後に支払期日が到来するものとしております。このため、どういう段階で影響が出てくるかということになりますと、施行後から最初の二年間は、現行が二年の消滅時効期間でございますので改正前とは状況が変わらないということで、実質的な改正の影響が出てくるのが二〇二二年、令和四年の四月以降に生ずるということになります。また、改正法の適用を受ける請求権が時効消滅するというのは、施行から、ですから三年を経過した二〇二三年、令和五年四月以降ということになります。
 今般、今回の法案で施行から五年経過後の状況を踏まえてということとさせていただいている、あるいは労政審の建議でもそうなっているというのは、仮に改正法の施行から五年経過前の状況で検討を行うということになりますと、影響が出てくるのが実質的には先ほど申し上げたような時点からということになりますので、検証に一定の活用できる情報ということが限定されてしまうということになりますとやはり十分な検証を行うことができないということで、一定の期間が経過後の状況を調査し踏まえた上で見直し、検討するという必要があるということで今般の提案をさせていただいているということでございます。
 したがいまして、今回の法案では施行から五年経過後の状況を踏まえて検討する旨の検討を設けておりますので、この五年経過後にそういった状況を踏まえた上で見直しを検討するということとさせていただきたいということでございます。

#226
○梅村聡君 いや、ルールとして、法律の規定として、五年後じゃないとできないというふうにちゃんと書かれているというか、解釈できるのかどうかということをちょっと聞きたかったんですけど、いかがでしょうか。

#227
○政府参考人(坂口卓君) 法律の規定としましては、附則の第三条で、五年経過をした場合において、検討を加え、必要があると認めるときはという形になってございますから、一定の労政審等で議論していただく材料を集めるとするとそういうことが必要ということで申し上げているということでございます。

#228
○梅村聡君 じゃ、頑張って環境を整えていこうということだと思いますけれども、そうしますと、ほかの五年にそろえる内容もございますですよね。賃金台帳等の保存期間、それから付加金の請求期間、これも五年に統一するということですけれども、このほかの部分についても、当分の間三年から五年にしていくのは同じタイミングだということでよろしいですか。

#229
○政府参考人(坂口卓君) 今回の法案では、まずこの賃金請求権の消滅時効を中心に議論をしていただいて、改正民法における契約上の債権とのバランスを踏まえて最終的には五年としつつ、改正民法と異なって全ての労働者に適用することも踏まえて当分の間の対応ということを御提案するというものでございます。
 ただ、その過程では、やはり現行の賃金台帳の記録の保存期間との兼ね合いであったり、あるいは付加金の請求期間についても現行も賃金請求権の消滅時効期間に合わせているというようなことも踏まえて、今委員御指摘の賃金台帳等の記録の保存期間等についても五年としつつ、消滅時効期間と同様に当分の間を三年ということとしておるところでございます。
 ですから、このため、こういった事項についても、やはり今回と同様、一体的な検討ということが原則としては必要であると考えておりますけれども、いずれにしましても、先ほどの検討規定等に基づいた必要な検討ということを行ってまいりたいと思います。

#230
○梅村聡君 そうすると、現実的には同時にやることになるのかなということだと思いますけれども、今回の労政審の使用者側の発言からは、中小企業等では記録の保存には紙媒体で行っているところが多いので、保存期間が延長されれば当然使用者側の負担も重くなるという発言がありまして、先ほど福島委員は、電子媒体化している割合というか、それがどれぐらいだったかということだと思いますけど、これちょっと裏側の質問なんですけど、中小企業に限った場合は、逆に紙媒体というのはどれぐらいの割合で紙媒体運用をされているんでしょうか。

#231
○政府参考人(坂口卓君) 申し訳ございません。労政審の議論の中で、やはり中小企業の使用者代表の委員の方から、やはり紙媒体での保管というものが多いので負担が大きいというような御意見があったということでございますが、やはり定量的な形で今お示しができるということは私どもとしては把握していないということでございます。

#232
○梅村聡君 しかし、ある程度定量的に把握するということをしておいていただかないと、サポートというか、環境整備のしようがないんだと思うんですね。
 例えば新聞報道なんかでは、経団連さんは、逆に、企業は賃金台帳などのデータを今より長く保管しなければならず、システム改修に多額の費用が生じると。そうすると、多額の費用が生じるんだったら、二年から三年、三年から五年と二段階にする方がより多額な費用が掛かってしまうわけですよ。
 だから、その実態が分からないと。紙媒体側を何か電子化していく、それも全部を電子化する必要ってないと思うんですね、一部は紙媒体で残しながらも電子媒体にしていくとかですね。具体的な数字が分からない限りは、どうすれば環境整備ができるのかというのはよく分からないと思うんですけれども、これ、どういうサポートを、総合的に今こういうことを分けて考えておられるんでしょうか。

#233
○政府参考人(坂口卓君) 今委員から御指摘がございましたとおり、紙媒体のまま保存することによっての保存スペースであったりとか、そういった面での問題点というのがおありになる中小企業も一定程度おられるだろうと。それから、今御紹介いただいたように、中小企業も含めて、いろいろ電子データ化のような形での労務管理システムの改善をなさっているところも増えてきておりますし、そういったところをより増やすことによって環境がより整っていくんではないかというようなことも審議会の中でも御議論があったということでございます。
 その保存の中身も、いわゆるこの百九条なりの保存義務が労基法上掛かっているもののみならず、周辺のいろいろ、電子メールであったり入退館記録なども含めての対応ということも訴訟リスク等々考えてやられるという準備等々もあるという面での負担もあろうかということもありまして、全体として、そういった対応について私どもとして今後どうフォローしていくか、支援していくかということだろうということで問題意識は持っております。
 その中で、現在は労務管理機器の導入等に関する働き方改革を通じた助成金等も設けており、そういったものの活用ということでの支援ということも行っておりますけれども、さらにはどういうことができるかというようなことも含めて、私どもとしても検討してまいりたいと考えております。

#234
○梅村聡君 定量的なものをきちっと把握した上で三年が五年にできるように、環境整備に是非力を入れていただきたいと思うし、またそういう努力をお願いをしたいと思っております。
 それで、今日は労働基準法で、そして賃金請求権の消滅時効の件ですので、もう一点、ちょっとこれがどういう影響が出てくるかなということをテーマに挙げていきたいと思います。
 実は、昨年の七月一日に、病院における宿日直許可の基準というものが七十年ぶりに新しく出されたという報道がなされました。私は、何か新しくなったんじゃなくて、きちっと基準を明確にした通知ではなかったんじゃないかなと思いますけれども、これ、要は、医療法上は病院には医師は宿直しておかないといけないというものがありますから、この宿日直基準がなければ、夜の宿直時間も時間外労働もこれ全部割増し賃金を払うことになりますから、当然運営ができないし、また、逆に割増し賃金が払われるような労働をずっと続けていたのならば総労働時間規制に引っかかってきますから、これを免除していこうと、この時間帯は労働時間としてはカウントしませんよという、その基準がこの宿日直許可基準になるかと思いますが。
 これ、七十年間、昭和二十四年の基準でずっと運用されてきたんですが、最近、過去の六月までの宿日直許可基準で、実際に全国の医療機関、宿日直許可を取り消された案件というのはどれぐらいあるのでしょうか。

#235
○政府参考人(坂口卓君) 委員御指摘の、この医師、看護師等の宿直勤務についての通知でございます。
 医師等の働き方改革の議論を検討会で行っていただく過程で、今委員御指摘のように、相当古い通知ということで、例示等も含めた検討が必要ではないかということで、分かりやすいものにということで今般通知を出し直させていただいたというものでございますが、今委員お尋ねの、この宿日直勤務の許可基準についての取り消した状況ということでございますが、近時ということになりますけれども、この宿日直許可を取り消した病院は、平成二十九年度以降という状況の中では認められなかったという状況でございます。

#236
○梅村聡君 ゼロ件ということですね。
 そうしたら、これ、ゼロ件だった理由というのは何かあるんでしょうか。

#237
○政府参考人(坂口卓君) 結果的にゼロ件だったということではございますので、端的に理由が、そのものを表現するというのはなかなかちょっと私どもも難しゅうございますけれども、この通知の中では、宿日直の勤務中に通常と同態様の業務に従事することがまれにあったときについては、一般的に見て常態としてほとんど労働することがない勤務であり、かつ宿直の場合は夜間に十分な睡眠が取り得るものである限り、許可を取り消すのではなく、こうした時間について割増し賃金の適正な支払を行うこと等の指導を行っているということもございまして、そういった指導等々合わせてこのような結果になっているということかと思いますが、最終的には取り消した病院がなかったということについては、当然悪質なケースがあれば取り消すということに至るかと思いますので、正確な理由としてはちょっと申し上げられないということかと思います。

#238
○梅村聡君 要するに、余りにも曖昧過ぎたから、指導すらやる基準がはっきりしなかったんですね、恐らく。なぜかというと、定時巡回、病棟を定時に巡回したりとか簡単な検脈、検温するとか、こういうものは宿直業務でやっていいよと、それ以上働くときは、これは宿直扱いじゃなくて時間外労働、割増し賃金を払いなさいということですから、時代がだんだん進んでいって、これを厳格に適用したらほとんどの病院が実は現実的にアウトになってしまうと。それ以上のことをやっているところが多いですからね。だから、そういう曖昧がゆえになかなか指導もしにくかったというのは、現実的にこれ私あるんじゃないかなというふうに思っています。
 それで、今回のこの労働基準法の改正となぜセットで質問をしたかというと、よく病院なんかに労基署が入られまして、時間外、未払残業、二年分とかいうニュースがよく流れていますけれども、これ五年になりますと、これが五年分ということになるわけですよ。そういうことになると思うんですね。これ、将来的に五年になったら、当然五年分ということになるんですけれども。これ、宿直許可を、じゃ、おたくの病院は、働き方、もう働き過ぎているから許可を取り消しますよとなったときには、これどこまで遡るのかという話なんですね。
 これはちなみに、判明してから、まだ五年になっていませんけれども、五年まで一気に遡ってその付加金を取ることになるのか、それとも、調べていって、あっ、この時点でここの病院は宿直許可基準を守れていなかったというところを探し出して、そこまでの付加金の追加の支払を命じるのか。これ、運用としてはどっちになりますか。

#239
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 付加金はまた裁判上の請求だと思いますので、割増し賃金等の是正指導ということかと存じ上げますが、この今お尋ねの宿日直の適用除外の許可につきましては、許可基準に該当するように、宿日直の態様について許可の内容を限定する付款を付すというのが一般的かと考えております。
 この付款に違反した態様の労働を行った場合には、その労働を行った時間について許可による法律上の効果が生じないということになりますので、今委員御指摘いただいたように、労基法三十七条に基づいて時間外労働の割増し賃金を支払うという必要が出てくるということでございます。
 通達においても、そういった許可基準に該当しない労働時間についてはこういった割増し賃金が支払われるように取り扱うということを示しておるということでございますが、今般の消滅時効との関係でいきますと、我々がしらみ潰しに調べるということではないですけれども、消滅時効というのはその事案事案の問題ということになりますので、この割増し賃金の消滅時効の起算点というのは、当該案件についても一般の賃金と同様に、当該賃金、割増し賃金であれば割増し賃金の所定の支払期日というところから消滅時効期間を考えるということになると思ってございます。

#240
○梅村聡君 ということは、やっぱりこれ、新しい通知を出されて曖昧な点ってありますよね。
 例えばどういうものがあるかというと、夜間に十分な睡眠を取り得れば宿直許可を与えると。だけど、夜間に十分な睡眠が取れなければ取り消す可能性があると書いてあるわけですよね。それから、少数の軽症の外来患者さんが見えるときは、これは宿直許可の範囲内で診れると。だけど、そうじゃなければ取り消す可能性があると書いてあるわけですよ。はっきりさせたけれども、よりファジーになっているんですよね、これ。それから、患者さんが亡くなったり、出産のときとか、緊急のことが起きたときに、それがまれだったら宿直許可を出すけれども、常態になったら宿直許可を取り消すと。これ、書けば書くほどだんだん曖昧になってくるんですけれども。
 ちょっと加藤大臣、一問だけなんですけど、私、大体、自分が六時間ぐらい寝たら何となく体調はいいかなと、七時間寝たらもう健康優良だと、五時間はちょっとしんどいか、まあいろいろあるんですけれども、大臣は個人的に何時間ぐらい寝たらすっきりされますか。

#241
○国務大臣(加藤勝信君) なかなか寝た時間とぐっすり休んだなと思う実感というのは必ずしも比例はしていないような気がします。例えば、七、八時間仮に寝る機会があっても、間に何回か何回か目が覚めるようなことがあれば、これはなかなか深い睡眠とは言えないんだろうと思います。四、五時間でもぐっすり寝るということもあるんだろうと思います。
 一概には言えないと思いますが、今御質問の背景には今回のこの話があるんだと思いますので、やはり一定時間休めるということが非常に大事なんだろうと思います。

#242
○梅村聡君 ですから、余り、六時間とか書いたらまた五時間半の人はどうするんだとか出てきますけれども、少なくとも、この通知、新しく七十年ぶりに出されたわけですので、QアンドAぐらいは私はきちっと示されて、宿直許可の基準というのがどこにあるのかということは、これは厚労省としてある程度は出されておかないと、今回、労働基準法改正の中で請求期間延びるわけですから、これ地域医療に与える影響も物すごく大きいと思いますので、そのことだけちゃんとしていただきたいということだけ最後答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

#243
○政府参考人(坂口卓君) 今回のこの通達の見直しは、先ほど冒頭の御質問のときもお答えし、また委員の方からも御例示がありましたけれども、やはり従前の通達では、いろいろ定時の検脈であったり検温とかというような例示も含めて相当古い、今の医療の現場に合っていないのではないかというようなことが働き方改革の検討会の議論の中でもあったというようなことで、御意向、御意見なんかも聞きながら、今回改めて通知を発出したところでございます。
 その中で、さらに、この見直した後の通達でもいろいろ表現ぶりでやや不明瞭な点があるのではないかという御指摘かと思います。私どもとしましては、宿日直に従事する業務の態様の要素、あるいは対応される患者さんの態様というようなことも含めて具体的に判断されるものとは考えておりますけれども、今委員の御指摘について、ちょっとどういった工夫ができるかということについては検討したいと思います。

#244
○梅村聡君 終わります。

#245
○委員長(そのだ修光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#246
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 私は、労働基準法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
 反対の理由は、本法案が賃金請求権を当分の間三年にとどめる経過措置を設けていることです。本則では改正民法に合わせて五年に延長しながら、民法を下回る三年で未払賃金を請求する権利がなくなることになります。労働者保護を目的とする労基法の趣旨に反するものであり、到底容認できません。施行後五年経過後に検討するという規定があるものの、当分の間には期間の定めもなく、検討しても実現を担保するものではありません。これでは賃金請求権が三年で固定化されかねません。
 労働基準法第一条は、労働条件について、「労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」、二項では、「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。」と定めています。
 賃金請求権は労働者の生存に不可欠な権利であり、よって、労基法二十四条は賃金全額払いの原則を定め、賃金未払に対し刑事罰を科しているのです。それにもかかわらず、平成三十年度の定期監督だけで見ても、何らかの法令違反十三万六千件のうち約二割を占める二万六千九十九件の賃金未払が発生しています。その上、使用者は二年の消滅時効期間を超える未払の賃金の支払を免れてきたのです。こうした実態を是正するためにも、直ちに五年の規定を適用すべきです。
 さらに、災害補償請求権は二年に据え置かれています。この期限がうつ病など精神疾患による労働災害で休職した場合の補償請求の壁になっています。労災保険法と併せた早急な見直しを求めるものです。
 以上、反対討論といたします。

#247
○委員長(そのだ修光君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 労働基準法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕

#248
○委員長(そのだ修光君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、石橋君から発言を求められておりますので、これを許します。石橋通宏君。

#249
○石橋通宏君 私は、ただいま可決されました労働基準法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    労働基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、賃金とは、使用者が労働者に対して労働に対する報酬として支払う正当な対価であり、常に法令と契約に基づいて適正に支払われるべきものであって、賃金請求権は労働者の権利を保護するための重要な債権であることに鑑み、施行後五年を経過した場合においては、賃金請求権の消滅時効期間等を原則の五年とすること等について速やかに検討を行い、その結果を踏まえて適切な措置を講ずること。
 二、その環境整備のため、賃金台帳等の記録の保存期間については、施行後五年の経過を待たずにその延長が可能となるよう、中小企業等における賃金関連記録の電子データ化を積極的に支援し、記録の保存等にかかる負担の軽減を図ること。
 三、労働基準監督署においては、賃金の未払を発生させないよう、事業所に対する指導・監督を徹底・強化するとともに、賃金未払事案に対しては是正指導を厳正に行うこと。
 四、災害補償請求権の消滅時効期間については、労働者の災害補償という観点から十分であるのか、施行後五年を経過した際に、労働者災害補償保険法における消滅時効期間と併せ、速やかに専門的見地からの検討に着手すること。
 五、労働者が消滅時効により請求権を失うことがないよう、労働者個々の事情に応じた相談・支援の一層の充実・強化を図ること。
 六、改正後の規定に基づく消滅時効期間が本法の施行日以後に支払期日が到来する全ての賃金請求権に適用されることを含めた改正の内容について、周知・指導を徹底すること。
 七、働き方改革関連法における改正項目が順次施行されていることを踏まえ、長時間労働の是正、年次有給休暇の取得促進等の施策を着実に推進するとともに、中小企業等における労務管理の適正化など、現場に混乱が生じないよう適切な支援を実施すること。
 八、近時、労働法令が適用されない雇用類似の形態が増加している中で、労働者性を有する者に対しては、労働基準法を始めとする労働者保護法令が適正に適用されるよう労働者性の判断基準の周知徹底を図るとともに、その適用をなお一層厳密に行い、厳正な指導・監督を行うこと。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#250
○委員長(そのだ修光君) ただいま石橋君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕

#251
○委員長(そのだ修光君) 全会一致と認めます。よって、石橋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、加藤厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤厚生労働大臣。

#252
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力をしてまいります。

#253
○委員長(そのだ修光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#254
○委員長(そのだ修光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#255
○委員長(そのだ修光君) 次に、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。加藤厚生労働大臣。

#256
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 少子高齢化が急速に進展する中で、高齢者、複数就業者等に対応したセーフティーネットの整備、就業機会の確保等を図り、誰もが安心して活躍できる環境の整備を進めることが重要な課題となっています。
 こうした状況を踏まえ、高齢者の就業機会の確保や、労働者災害補償保険制度及び雇用保険制度において複数就業者等が安心して働き続けられる環境の整備等を行うとともに、失業者、育児休業者等への給付等を行う基盤となる雇用保険制度について、安定的な運営を図るために財政運営の見直しを行うことを目的として、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、七十歳までの高年齢者の就業機会を確保するため、六十五歳から七十歳までの高年齢者就業確保措置を講ずることを事業主の努力義務にするとともに、その実施に関し厚生労働大臣が必要な指導や助言をすることができることとしています。
 また、雇用保険制度について、六十五歳までの雇用確保措置の進展等を踏まえて高年齢雇用継続給付の給付率を令和七年度から引き下げるとともに、七十歳までの高年齢者就業確保措置の導入等に対する支援を雇用安定事業に位置付けることとしています。
 第二に、複数就業している者が安心して働くことができる環境を整備するため、労働者災害補償保険制度について、複数の就業先の賃金に基づく給付基礎日額の算定、給付の対象範囲の拡充等の見直しを行うとともに、雇用保険制度について、複数の事業主に雇用され、週二十時間以上労働する六十五歳以上の者に対して適用することとしています。
 第三に、中途採用を希望する労働者と企業とのマッチングを促進していくため、大企業に対して、中途採用比率の公表を義務付けることとしています。
 第四に、雇用保険制度の安定的な運営を行うため、育児休業給付について、失業等給付から独立させ、子を養育するために休業した労働者の生活及び雇用の安定を図るための給付と位置付けるとともに、育児休業給付の保険料率を設定し、育児休業給付資金の創設等を行うこととしています。
 その上で、令和二年度及び令和三年度について、暫定的に、雇用保険の保険料率の引下げを行うとともに、失業等給付等に係る国庫負担について国庫が負担することとされている額の百分の十とすることとしています。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、令和二年四月一日としています。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。

#257
○委員長(そのだ修光君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────

#258
○委員長(そのだ修光君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 雇用保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#259
○委員長(そのだ修光君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#260
○委員長(そのだ修光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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