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2020/03/26 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 財政金融委員会 第7号 令和2年3月26日
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2020/03/26 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 財政金融委員会 第7号 令和2年3月26日

#1
令和二年三月二十六日(木曜日)
   午後一時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     高橋はるみ君     林  芳正君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中西 祐介君
    理 事
                有村 治子君
                中西 健治君
                藤末 健三君
                那谷屋正義君
                熊野 正士君
    委 員
                大家 敏志君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                林  芳正君
                藤川 政人君
                宮沢 洋一君
                宮島 喜文君
                大塚 耕平君
                勝部 賢志君
                川合 孝典君
                熊谷 裕人君
                古賀 之士君
                杉  久武君
                音喜多 駿君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                浜田  聡君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       財務大臣     麻生 太郎君
   副大臣
       財務副大臣    藤川 政人君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        前山 秀夫君
   政府参考人
       法務省大臣官房
       審議官      保坂 和人君
       外務省大臣官房
       参事官      齋田 伸一君
       財務省大臣官房
       長        茶谷 栄治君
       財務省主税局長  矢野 康治君
       財務省関税局長  中江 元哉君
       財務省理財局長  可部 哲生君
       国税庁次長    田島 淳志君
       文部科学省大臣
       官房審議官    梶原  将君
       厚生労働省大臣
       官房総括審議官  佐原 康之君
       厚生労働省大臣
       官房生活衛生・
       食品安全審議官  浅沼 一成君
       経済産業省大臣
       官房審議官    上田 洋二君
       特許庁総務部長  佐藤 朋哉君
       国土交通省大臣
       官房技術参事官  堀田  治君
       国土交通省航空
       局航空ネットワ
       ーク部長     平岡 成哲君
       観光庁観光地域
       振興部長     村田 茂樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(中西祐介君) ただいまから財政金融委員会を開会をいたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、高橋はるみ君が委員を辞任され、その補欠として林芳正君が選任をされました。
    ─────────────

#3
○委員長(中西祐介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 関税定率法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省関税局長中江元哉君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(中西祐介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(中西祐介君) 関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○古賀之士君 立憲・国民.新緑風会・社民合同会派、国民民主党の古賀之士でございます。
 まず、貿易の動向について麻生財務大臣にお尋ねをいたします。
 二月の貿易統計では、輸出がマイナス一%、輸入がマイナス一四%と大幅減となっております。また、昨年のWTOの発表によりますと、二〇一九年のプラス一・二%が二〇二〇年にはプラス二・七%に持ち直すとされておりましたけれども、今年に入ってその実現が危ぶまれております。日本及び世界全体における貿易量の今後の動向について、現時点での御所見を伺います。よろしくお願いします。

#7
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘ありましたように、今年の二月の実績で、パーセントで言われましたけど額で言いますと、いわゆる輸出が六兆三千億、輸入が五兆二千億になってマイナス一四という話になっておりましたけれども、まあ一兆一千億の黒字ということになります。
 このところ、御存じのように、貿易の額で言いますと、日本の貿易黒字というのは大したことではなかったんですが、顕著に下がっておりますのは石油です。石油、ついこの間WTIで二十ドル切りましたので、今日二十三ドルぐらいか四ドルぐらいだと思いますが、ついこの間まで六十ドル、六年前は百十何ドルでしたから、日本のように石油の輸入の多い国にとりましては、石油の額がこれだけ下がり、それが円安になって百十円台ぐらいだと思いますが、それになったマイナス分を補って余りあるほどの石油の価格の下げですので、そういった意味では、輸出のいわゆる赤字、黒字だけを見ますと、今言ったような流れがしばらく続くであろうと思っております。
 ただ、今御存じのように、中国からのパーツが入ってこないとか、いろんな形で車会社、トヨタが五工場を閉めるんですかね、そういったことになっていますし、日産も福岡の休業、苅田は先週から閉めておりますから、いろんな形でパーツが入ってこないというようなことから、いろんなところで止まっているものも出ているようですけれども、この三月後半ぐらいから中国の部品の輸出が始まったりし始めておりますけど、定期的にきっちり入ってくるというような流れができているところまでは至っていないという状況でおりますので、この感染症の拡大がどの程度のところで収まるか、それで、どれくらい早く復興させられるか、そういったところが今一番の見もの、我々としては最も監視して物を見ておかにゃいかぬところだと思っております。

#8
○古賀之士君 ありがとうございます。
 確かに、今大臣がおっしゃったように、原油価格の異常なまでの下落、十八年ぶりに二十ドルを割ったというような状況、これは恐らく、言われているところによると、サウジアラビアがロシアへ、そして、ひいてはアメリカのシェールオイルへというような形で、なかなか交渉も難航しているようでございますが、その一方で、今お話しのとおり、日産の苅田の工場ですとか、あるいはトヨタも五社、そのうちのラインの中には福岡の九州トヨタも含まれております。そういった形で様々な面で経済的な影響が今後もますます予測の付かない状況になるのかというふうにも思われておりますが、少なくとも、原油のこの下落というのは、日本の経済に関して少なくとも悪影響なのでしょうか、それともこの安さというのは日本にとって若干のメリットにはなっているのでしょうか。いかがでしょうか、その辺は。

#9
○国務大臣(麻生太郎君) 我々、石油をほぼ一〇〇%、この原油を輸入いたしておりますし、その石油によって、石油化学に限らずいろいろな、自動車だ、C重油だ、A重油だ、皆、これかなり頼っている部分もありますので、我々としては、ナフサ始めいろんな石油化学製品というものを再加工して輸出して金稼いでいるところですから、この原油の価格は、下落は間違いなくプラスです、その点に関しましては。
 ただ、二十ドルというのの意味するところは、間違いなく、ソ連の原油単価が約八十ドル、アメリカのシェールオイルが六十ドルと言われておりますから、それを大幅に下回ってやっているというのは、アメリカ、ロシア等々、もちろんその他の産油国にとりまして二十ドルでやれる国はありませんから、そういった意味では影響が出ますので、その分が回り回ってほかのところに出てくるというのがありますので、私どもとしては石油が下がっただけ喜んでいりゃいいというものでもないだろうとは思いますけれども。
 いずれにしても、目先六十ドルに下がったというのは、日本の円安によって、日本の輸出、輸入というのでいえば、輸入の方の部分の高くなるコストをその分だけ引き下げるという意味においては効果が大きかったと思っております。

#10
○古賀之士君 ありがとうございました。
 では、続いては、関税法の幾つかの点について御質問させていただきます。
 まず、財務省に伺います。とん税及び特別とん税に関する件です。
 この軽減の方策を、日本全国、多々、港は、港湾はございますけれども、あえて国際戦略港湾、四エリアと言ったらよろしいんでしょうか、に限っているのはなぜでしょうか。

#11
○政府参考人(堀田治君) お答えいたします。
 コンテナ船の大型化や船会社間の共同運航体制の再編等によりまして、欧州、北米と我が国の国際戦略港湾を結ぶ国際基幹航路の運航便数が減少傾向にございます。この傾向が続いた場合、近隣諸国の拠点港湾において別の国際基幹航路に積み替えざるを得ないことでありますので、我が国立地企業にとりましては、国際物流に係る経費、それから所要日数の増加等につながりまして、立地環境が悪化するおそれがあるということであります。
 そのため、国際コンテナ戦略港湾政策では、我が国に寄港して貨物を増やすための集貨及び創貨、そしてコストや利便性の面での競争力強化の三本柱から成る施策を集中的に実施しているところでございます。
 今回のとん税及び特別とん税の軽減措置につきましては、以上のような国際コンテナ戦略港湾政策の一環として行うというふうに理解しておりますので、対象は国際戦略港湾に限ることにしております。

#12
○古賀之士君 すぐにうなずけるようなちょっと状況では少なくとも私はないんですけれども、その国際戦略港湾というのは、京浜、それから阪神、それから名古屋、四日市、もちろん東京などもありますけれども、こういった四つの重点地区といいますか、国際戦略港湾に限られての今回措置だと。
 今お話を伺ったように、あえて絞ることによって効果が見込まれるというお話もありますけれども、軽減によって具体的にどのような効果が見込まれるとお考えですか。

#13
○政府参考人(堀田治君) とん税及び特別とん税の軽減措置が講じられることで、入出港コストの軽減が図られると考えております。これによって、近隣諸国の競合港とのコスト面での競争条件が改善されるというふうに理解をしております。
 この軽減措置と併せ、国際コンテナ戦略港湾政策における集貨、創貨、そして競争力強化の三本柱から成る施策を総合的かつ着実に進めることによって、我が国に寄港する欧州、北米航路の運航便数の維持、増加が図られるものと考えております。

#14
○古賀之士君 ありがとうございます。
 あと、恐らく一番の海外のライバル港といいますかハブの拠点の港湾ということになりますと、韓国の釜山だったり、ちょっと上海は遠いかもしれませんけれども、最も我が日本に近いところは釜山だということになります。
 そうなると、重点で一番西にあるのが関西ということになりますので、例えば釜山に対抗すると言ったら向こうに対しては刺激が強過ぎるかもしれませんけれども、当然そのコストの競争も今しているわけですので、地元の例えば福岡、北九州、こういったところも、先ほど麻生大臣からお話がありましたように、九州の福岡も自動車産業の拠点でもあります。ですから、例えば、この国際戦略港湾四エリア、四か所に限るのではなく、将来的にはこういったコスト競争に勝てるような港湾を更に増やしていく、特に朝鮮半島や大陸に近い、こういう港湾は更に優遇する価値はあるのではないかと個人的には考えております。
 実際にこのとん税の税収というのは、御存じのように、軽減措置をした場合、影響が出るのは各自治体でございます。地方税でございますので、これは地方税のいわゆる管轄である各自治体はどのような対応をされているのか、あるいは各自治体からどのような要望が、上がっているのでしたら教えていただけないでしょうか。

#15
○政府参考人(堀田治君) お答えいたします。
 今回の特例措置により関係自治体において特別とん譲与税が減収となった場合、地方交付税の交付団体については地方交付税により補填されると承知しております。
 なお、本特例措置における特別とん税の引下げについては、対象となる京浜港、阪神港、名古屋港及び四日市港に所在する全ての関係自治体から、基幹航路に就航する船舶へのとん税、特別とん税の減免に対する御要望もいただいております。そういう意味で御理解をしっかりいただいているというふうに考えております。
 以上でございます。

#16
○古賀之士君 以上のお話を踏まえまして、麻生財務大臣、国際戦略港というものを今後少し数を増やしていく、あるいは、指定をしなくとも、こういったとん税の軽減措置というものを、地方税の、地方の自治体の負担にならないような形で増やしていったらどうかという声も上がっているわけなんですが、その辺について御所見がありましたらお願いします。

#17
○国務大臣(麻生太郎君) これ、このとん税、プラス、いわゆる港湾でいきますと、水深が今、スエズ運河で二十一メーター、パナマ運河も十八メーターに水深が深くなっておるのにもかかわらず、日本の一級港湾というのは、どういうわけだか知らないけど、相も変わらず十四メーターというので、十四メーター以上のところはもう本当数えるほどしかないと、横浜始め本当数えるほどしかないと思っております。
 そういった意味では、みんな、深いところ、仁川だ、シンガポールだというところに、みんな、まずは着いて、そこで横積み、横積みしてというのは特殊用語ですな、小さな船に積み替えて、それから日本に送ってくる、だからコストが高くなるという形になっておりますから、やっぱりこういった港湾をやるときには、古賀先生、一緒に、水深の方も一緒にやらぬと、深くしてやらぬと、とん税だけ少々触っても、いわゆる貨物、船便が増えるということにはならぬのじゃないかと、クレーンも要りますし、いろんなものの設備も一緒にやらぬとなかなかいかぬのだろうなとは思いますけど。
 いずれにしても、地方でいろいろなものがこれから輸出を更にされていく、農産物も一兆円をというところまで、大分近くなるところまで出てきておりますので、そういったものを含めて、かさの張るものが結構出てきているのは間違いない傾向ですので、船も同様にそういった方向で、流れとしてはそっちの方向であるべきであろうと思っております。

#18
○古賀之士君 ありがとうございました。
 時間もなくなってまいりましたので、私がお配りしております資料の最後のページ、御覧いただきましょう。
 税関職員の処遇に対しての質問をさせていただきます。
 引き続き、麻生財務大臣にお尋ねをいたします。
 東京税関、名古屋税関及び門司税関が、覚醒剤取締りの功績で人事院総裁賞を受賞いたしました。受賞いたしますと、この写真のように両陛下にお会いをできてお言葉も交わすことができます。こういったすばらしい人事院総裁賞を受賞したということについて、麻生財務大臣の受け止めをお願いをいたします。

#19
○国務大臣(麻生太郎君) これはよくお気付きをいただきまして大変有り難いんですけど、これは、東京税関、門司税関ともう一個、名古屋でしたかね、名古屋税関で、これは一年半掛かりましたかね。かなり長い麻取、麻取というのは麻薬捜査官の間の仕事でありますけれども、結果として約一年半掛けて覚醒剤総額約一トンというものをばさっとというのに成功しておりますので、第三十二回人事院総裁賞を受賞させていただいたということなんだと思いますけれども、これは非常に、この種の覚醒剤というのは極めて大きな額ですし、末端価格ではそれはえらい額になるんですが、そういったものをできたというのは、これは非常に連携がうまくいき、きっちりした仕事がさせてもらったんだと思って、私どもとしては、この努力を大いに評価したいと思って、大変有り難く思っております。

#20
○古賀之士君 では、是非その評価を形にしていただきとう存じまして、更にお尋ねをいたします。
 その税関職員の定年につきましても、これ随時今までもお願いをしておりますし、一部増員もされました。また、昨年のこの財政金融委員会での附帯決議も踏まえまして、どのようにこれから、また今後も含めて、あるいはこれまでもどのように動いてこられたのでしょうか。
 また、夏季の、いわゆる夏休みですね、夏季休暇について前回ちょっとお尋ねをしましたけれども、ちょっとお尋ねが、ちょっとはっきりとした明言をいただけなかったので、その柔軟性につきましても是非お答えをいただければと思います。
 これを最後にします。

#21
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう税関職員を取り巻きます環境というのは、もう古賀先生御存じのとおりに、今申し上げた覚醒剤の取締りというか不正薬物の密輸、加えて最近はインターナショナルなテロの話もありますし、そうですね、福岡だったら金の地金なんというのはかなり有名なところになってきていますけれども、こういった困難な問題に対応する必要があるんだと思いますが。
 そういった中で、昨年のこの委員会で古賀先生の方から御指摘のあったところなんですけど、まず税関の定員につきましては、これは令和元年度におきまして二百九人の増員をさせていただいておりまして、令和二年度のこの予算案におきましても、今御審議いただいている予算におきましても、三年連続になりますけれども、二百人を超える純増というものを目指して今計上させていただいております。
 今後も、この水際の取締りにつきましては、これはいろいろ業務運営をうまいことやらぬといかぬのと、これはいきなり雇ってきた人を、はい、翌日から税関なんて、そんな柔な仕事じゃありませんので、かなりの経験も要りますので、今人が足りないから定年を延長した人をちょっと臨時に抱え込んだりして対応させていただくほど人手が足らぬと。これ、オリンピックと言ったのが一年延びたらその分だけまたそっちまで人をということになりますので、一年延ばすという話は簡単な話じゃないんですから、あれは影響が出てきますんで。そういった意味では、必要な定員の確保に最大限努めております。
 もう一点、休みの話がたしか聞かれたんだと思いますけど、調べた結果です。夏季の休暇等の取得に関しましては、税関の職務上の要請と職員の健康管理という、両立できるようにしっかりと対処してまいりたいということで、一応調べましたが、令和元年においては全ての職員が夏季の休暇を取得をいたしております、全員。期間は極めて短いと思ってください。

#22
○古賀之士君 さらに、その期間といいますか、時期について柔軟性を持っていただけるよう再度御要望をさせて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#23
○勝部賢志君 立憲・国民.新緑風会・社民の勝部賢志でございます。
 今ほど、税関の職員の待遇の話がございましたので、私も、それに関わるわけではないんですけれども、税関におけるコロナウイルス対策についてまずお伺いをしたいというふうに思うんですけれども、この感染拡大はもう世界規模になっていることはもう御承知のとおりで、その出入国に関わる最前線で取り組んでおられる税関職員の皆さん方の日々の御苦労というのは察するに余りあるところであります。
 移動が今は大幅に制限をされているわけですけれども、そうはいえ、人、物移動の最前線で頑張っておられますので、そういった関税職員の方々のコロナウイルス対策をどのように取り組んでおられるのか、まずお伺いをいたします。

#24
○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。
 空港等におけます税関職員は、御指摘のように、様々な旅客等に対面で対応いたします。今回のコロナウイルスの感染拡大に際しまして、それぞれの職員が安心して職務を全うできるようにするとともに、一方で、旅客の方々にも安心して税関検査を受けていただくためにも、職員の二次感染を防止するということは極めて重要と認識しております。
 このため、これまで順次対応を拡大しておりまして、現在は全ての入出国旅客等に対応する税関職員に対しまして、原則マスクや手袋の着用のほか、うがい、石けんによる手洗いやアルコールによる手指の消毒も徹底した上で、さらに、必要に応じゴーグル等も着用するといった対応にしているところでございます。
 現時点でマスク等の備品は必要な職員にも行き渡っていると認識いたしておりますが、今後とも、最前線で水際対策に取り組む税関職員の健康面に十分配意してまいりたいと考えております。

#25
○勝部賢志君 いろいろ物品なども、マスクなども行き届いているということでありますけれども、長期戦が想定されますので、是非その辺は準備方よろしくお願いしたいなというふうに思います。
 それから、加えて、税関業務のICT化等、高度化、効率化についてお伺いをしたいと思いますけれども、先ほどのような緊急な対応もあるわけですけれども、日常的には非常に業務が錯綜する、それから、物品、あるいは、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、不正なことも起きるというようなこともあって、非常に業務が多忙化であり、神経を使う仕事でもあると。
 そういうことから、処理もできるだけ簡素化、あるいは業務が軽減されるように、電算化、電子化、ペーパーレス化などのICT化が必要ではないかと。これにはやはり財源も必要となってくるというふうに思いますので、そういったことも含めて、対応の考え方をお聞きしたいと思います。

#26
○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。
 まず、定員について、必要な定員の確保に、先ほどの大臣の御答弁にもありましたように、私どもとしても今後とも最大限努めてまいりたいと考えております。
 その上で、今御指摘のように、増加する業務に対して、これまでもICT化によりまして業務の効率化に努めてきたところでございます。
 具体的に申し上げますと、まず、輸出入の関連業務、これを電子的に処理するシステムとしてNACCSというものがございます。これによって、通関手続関係書類の電子化、ペーパーレス化を推進しているところであります。また、旅客や貨物に関する事前情報のリスク分析を行ったり、あるいは大型エックス線検査装置などの取締り検査機器を活用する。さらには、主要な今空港に配備あるいは配備する予定の顔認証技術を活用した税関検査場の電子申告ゲート、いわゆるeゲート、こういうものを配備するといった取組を行っているところでございます。
 これまでも、財政当局の御理解を得て様々な設備、施設を整備してきたところでございますが、今後とも、今のような御支援も賜りながら、必要なICTの活用を進め、税関業務の効率化に努めてまいりたいと考えております。

#27
○勝部賢志君 計画的にそういうものが整備されていっているというふうに受け取ってよろしいでしょうか。先ほど増員の話ですとか休暇というような話もありましたけれども、そういうことも併せて取り組んでいただけたらというふうに思います。
 それから、次は関税緊急措置の廃止について伺いたいと思います。
 令和二年の三月三十一日に適用の期限が来る暫定税率及び特別緊急関税制度については、令和三年三月三十一日まで適用延長になるということでありますけれども、牛肉と豚肉については延長しないこととなっています。その理由と、事業者、国民への十分な説明がなされているのかお伺いをしたいと思います。

#28
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう先生御存じのように、一月の日米貿易協定、例のTAG等々のあれに伴いまして、TPP11とか日本EU・EPAとか、あの種のものと併せまして、日本に輸入されます牛肉、豚肉の九九%が実質緊急措置の適用対象から外されるということになりますので、その結果、当該緊急措置の対象となる輸入品の品目はもう一%以下ということになりました。
 制度として実質的な意味が、もうこれは一%じゃ意味が持たなくなることになりますから、今回の改正において、その緊急措置の手当てを外させていただいたということであります。純粋に数字がそうなっておりますのでそういうことなんですが。
 この改正内容は、いろいろ既にホームページ等々で、もうそれだから外しますという理由の説明は既にさせていただいておりまして、農林水産省ともこの点については連携はきちっとさせていただいて、事業者に対しても適切な周知を更に努めてまいりたいと思っております。
 もう一点、先ほど中江の方から説明しておりました税関の話ですけど、余り信じられない話でしょうけど、NACCSってちょろっと言いましたけれども、日本がやっております輸出入のいわゆるシステムのことは、このシステムを我々は輸出をしております、システムを。大蔵省ですよ、考えられませんわな、私どもは。何かの間違いじゃないかと言ったんですけど。相手国がやんややんや言いに来るのは本当に俺のところのシステムかと重ねて念を押すほどでしたけれども、事実、それを輸入して税関の輸入が速くなったと言っている国があるというぐらい、そこそこの優れ物ができ上がりつつある。機械、いろんな、機械ってITとかそういう意味ですけれども、とプラス、システムが、そういったものもでき上がっておるというものも現実にございます。

#29
○勝部賢志君 補足して御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 関税の緊急措置については、牛肉と豚肉、日米の貿易協定については農業者の方々からも心配する声が随分ありました。今回のこの税措置がそれに伴うものだということは理解をしつつも、やはり不安の思いはあって、協定を結んでいない国などの動向なども今後十分留意していく必要があろうかというふうに思いますので、その点も申し上げておきたいというふうに思います。
 それから、逆に今回適用を延長される沖縄に係る関税の特例措置、いわゆる沖縄特定免税店制度についてでありますけれども、この根拠法であります沖縄振興特措法自体も残り年限が二年となっているということ、その延長議論も今後本格化していくのではないかと思いますけれども、沖縄特定免税店制度の概要と現状における利用状況、また延長の必要性について、現段階における考え方をお聞かせいただきたいというふうに思います。

#30
○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。
 沖縄特定免税店制度は、沖縄の市中又は空港の免税店におきまして沖縄から本土へ移動する旅客向けに販売される物品、これは外国貨物でありますが、これにつきまして二十万円の範囲内で関税を免除する制度でございます。
 この制度の利用状況については、内閣府の調べでは、平成三十年度、二〇一八年度は六十八・六万人の観光客が特定免税店を訪れており、同年度の販売額については約百十五億円と承知いたしております。
 沖縄特定免税店につきましては、その創設以降、沖縄の観光振興等に一定の効果があること、また、沖縄振興特別措置法に基づく税制上の特例措置の一環等であること等に鑑み、適用期限を今般二年延長したものでございます。
 今後につきましては、内閣府によれば、まだ現段階で具体的なことは決まっていないということだと思いますが、まずは、これまでの沖縄振興の検証について内閣府において取り組んでいかれるものというふうに承知いたしております。

#31
○勝部賢志君 先ほど古賀委員から国際戦略港湾の質問がありましたので、これは重複しますのでそこをちょっと飛ばして、CIQターミナル開設要望についてお伺いをしたいというふうに思います。
 地域の活性化のために、今回非常に話題になりました大型クルーズ船などの寄港誘致に取り組んでいる地方港湾、地方自治体、結構あるというふうに思っています。今回の影響がどういうように響いていくのかというのはちょっと心配なところもあるわけですけれども、そういう意味で、ハード整備やあるいは要員確保なども簡単ではないというふうに思いますけれども、国はそういった地方、地域の港湾からの要望などに対してしっかりとした対応を是非してほしいというふうに思いますけれども、どのように進めていく考えか、見解をお伺いいたします。

#32
○政府参考人(堀田治君) お答えいたします。
 クルーズ船でいらっしゃったお客様が寄港地での観光などを十分に楽しんでいただくためには、CIQ手続の円滑化、効率化は重要な課題であります。
 このため、国土交通省では、クルーズ船が着岸した後速やかにCIQ手続がなされますよう、寄港需要の高い港湾において、CIQ手続を行う場となる旅客施設の整備を促進しております。具体的には、平成二十九年に港湾法を改正いたしまして、クルーズ船社が旅客ターミナルビル等を整備することを前提として、クルーズ船社が岸壁の優先利用を行うことができるような新たな制度を創設したところでありまして、八代港や佐世保港ではこの制度を活用してターミナル整備が進められているところであります。
 また、CIQ体制につきましては、これまでも数次にわたる緊急増員を含むCIQ職員の増員を行ってきたところであります。
 当面、クルーズについては厳しい状況が続くものと見込まれますが、国土交通省といたしましては、クルーズを安心して楽しめる環境を整えるとともに、引き続き、関係省庁とも連絡、連携を図りながら、ハード、ソフト両面からCIQ体制の充実に取り組んでまいります。

#33
○勝部賢志君 ちょっと時間が限られておりますので関税に関わる点はこの程度にして、最後に、森友問題について私からも質問させていただきたいというふうに思います。
 そもそもこの森友学園問題は、国有地の売却に関わって多額の値引きが行われて売却されたことに総理や妻の昭恵さんが関わったのではないかという疑いが持たれ、そして、そのことを隠蔽するために公文書の改ざんがされたのではないかということが問題となった事案であります。
 財務省は、平成三十年の六月四日、決裁文書の改ざん等に関する調査報告書をまとめました。この報告書は決裁文書の改ざんを確かに認めています。あってはならないことと断じ、佐川理財局長がその方向性を決定付けたとして、財務省幹部職員の処分を行い、一件落着させています。
 しかし、この報告書では、もう一つ問題となった総理や昭恵夫人の関与については明らかにされてはおりませんし、依然としてその問題については闇の中であります。
 そのことを明らかにしていくためには、報告書で説明している改ざんのきっかけとなった、佐川理財局長が平成二十九年二月二十四日になぜ交渉記録がないと答弁をしたのか、その動機は一体何なのか、そして何を隠し、何を改ざんし、何を守ろうとしたのか、その事実を明らかにしなければならないということであります。
 この度、赤木さんの手記と遺書が公開されました。私も読みましたけれども、涙なしでは読めないものでありましたし、赤木さんの無念は本当に想像するに余りあります。また、残された奥様の悲しみややり場のない怒りは本当にいかばかりかと思うところであります。
 その先ほど紹介をした報告書によれば、佐川理財局長は、交渉記録はないと答弁したのは、各種応接録の実際の存否を確認しないまま答弁したからだという説明となっていますが、赤木さんの手記によれば、学園に特別の厚遇を図ったと思われる、そのことを避けるために、当時の佐川局長が判断したと思われると。つまり、応接録はあると知っていながら、ないといううその答弁をしたことになります。赤木さんの文末は思われるという表現となっていますが、その日以降、それを裏付けるような改ざんと廃棄が次々と行われていくわけです。これは、報告書にはこういった推察も実は触れられていません。
 なぜうその答弁をしなければならなかったのでしょうか。手記には、報告書では触れられていないことや報告書とは違うことはほかにも幾つか散見されます。麻生大臣は、新たな事実は認められないという趣旨の答弁をされておりますけれども、報告書との食い違いが新たな事実なのかそうではないのかも含めて、しっかりと議論をする必要があるのではないかと私は考えています。
 また、赤木さんが検察に提出したファイルがあることが明らかになりました。そのファイルの内容が報告書に反映されているのかいないのかといったこともこれは明らかにしていかなければいけないと、そんな思いがございますので、私としては、赤木さんが命懸けで訴えて、何とか明らかにしてほしい、あるいは、奥さんとすれば真相は一体何だったのかと、そういう思いに心ある人としてそのことにしっかり応えるのが、財務省を総括する、統括する最高責任者である麻生大臣の責務だと思います。ファイルが報告書に反映されているかも含めて、是非再検証すべきだと思いますが、お答えをいただきたいと思います。

#34
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう、勝部先生、度々申し上げているところでありますけれども、改めまして、極めて痛ましい話、二年少々前になりますけれども、なったところはもう御存じのとおりで、我々としては非常に悲しい、誠に痛ましい話だと思って、我々としても御遺族の方々に心からお悔やみを申し上げるところであります。
 その上で、財務省の報告書というものは、文書の改ざんなど一連の話題等々につきましては、この問題について、捜査当局、地検が入っておりますので、地方検察庁の捜査当局による捜査と合わせまして、財務省としては、説明責任を果たさねばならぬという観点から、できる限りの調査を尽くした結果をお示しさせていただいたものが過日の報告書であります。
 その上で、今回、手記という形で書かれております内容は、一連の問題行為は佐川元局長が方向性を決定付け、そして、近畿財務局の職員の反対、抵抗があったにもかかわらず本省の理財局の指示によって行われたという調査報告書の結論とあの手記の内容は、別の表現にはなっておりますが、全く同じことだと思っておりますので、私どもとしては手記に基づき新たな事実が判明したというように考えてはおりませんので、私どもとしては、内容に大きなそごがないという以上、再調査を行う必要はないのではないかというのが私どもの基本的な考え方だというのを再三申し述べてきたところであります。
 その上で、今御質問があっておりました中で、いわゆる平成二十九年二月以降の国会審議において森友学園の案件が大きく取り上げるという事態になりました、二年前の予算委員会の話ですけれども。そういった中で、更なる質問につながるという材料を極力少なくしてもらいたいという、本省、答弁書を作る多分本省側の意向だったんだと思いますが、そういうところから、材料を極力少なくするということを目的として、近畿財務局に話を、いろいろ無理難題を言ったということなんだと認定をさせております。
 したがいまして、よく言われますように総理答弁というものが問題行為の出発点とかきっかけになったとは私どもは考えてはおりません。

#35
○委員長(中西祐介君) もう時間が過ぎておりますので、おまとめください。

#36
○勝部賢志君 時間が参りましたので、引き続き、財務省を所管をするこの財政金融委員会の大事な案件だと思いますので、引き続き議論をさせていただきたいと思います。
 以上です。

#37
○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。
 冒頭、済みません、質問通告していないんですが、よろしければ麻生大臣、一言御見解いただければと思いますが、昨日、小池百合子知事が、東京都も感染爆発の一歩手前だということで更なる自粛要請出されまして、事態が緊迫している中、今、現金給付なのか商品券なのかということが、ここ数日非常に多く報道されて議論もなされております。
 そうした中で、和牛の商品券だと、今日は海産物の商品券だと、そういった報道もされていまして、なかなか、皆さんお困りだとは思うんですけど、なかなかこうした一部の団体だけのための商品券というのは国民の理解が得られないんじゃないかというふうに感じております。
 麻生大臣も記者会見等で、現金は貯蓄に回ってしまうじゃないかというお言葉もあったんですが、一方で、じゃ、商品券の方も非常に事務コストが高くて、プレミアム商品券の例を見ますと、事務コストの方が結局このプレミアム分で配られる分よりも多かったと、そういう自治体もあるわけでありますので、これは、効率の面を考えても、そして今お困りの方々をフェアに救うという意味でも、是非これは現金給付ということを一律で検討いただきたいと私は思っているんですが、麻生大臣、よろしければ見解をお願いします。

#38
○国務大臣(麻生太郎君) ほかにも、MMTもお忘れなく。あと、西田・マネタリー・システムじゃなかった、モダン・マネタリー・システムにもということなんだと思いますけれども。
 私どもといたしましては、今、いろんな方々が御意見、いろんな新聞も何か裏が取れたような話を全く関係なく書いておりますから、ああいうのを金払って読む人の気が知れぬと、いつもこれ書いたやつに面と向かって、おまえが書いたんだろうけど裏取れてねえじゃねえかって言ったら黙っていたけれども。
 まあよくある話でありますけれども、いろんな話が出ておりますので、よくよく検討させた上でやらせていただきたいと思っております。

#39
○音喜多駿君 ありがとうございます。
 MMTではなくても、主流派経済学でもやはり今の時点はもう財政出動だというふうに私は思いますし、所得制限も、この際ある程度ばらまきには目をつぶって一律給付ということがやはり望ましいと思いますので、是非引き続き前向きに、そして早急な検討をお願いしたいと思います。
 それでは、関税定率法等の一部の改正する法律案、関連して伺っていきます。
 初めに、暫定税率の適用期限の延長についてお尋ねしたいと思います。
 暫定税率は、政策上の必要性などから適用期限を定めて基本税率を暫定的に修正する税率であり、毎年度延長の適否が検討されています。
 本案で延長される予定の四百十六品目のうち約半分の二百二品目が、二十年以上現行の税率水準が継続されています。特に、今回適用期限の延長が見込まれている航空機部品等の免税制度は七十年間、加工再輸入減税制度は約半世紀続いております。これらについては、暫定措置がなくなるまでのめどを示すか、又は恒久化すべきと考えますが、この辺り、麻生大臣の御見解を伺います。

#40
○国務大臣(麻生太郎君) 確かに、おっしゃるとおり、航空機の部品というのは、一九五一年ですから、かなりの長い期間このまま続いているのは事実でありますし、また、加工の再輸入の減税につきましても、これも、もうちょっと後ですから、これ一九六九年から今日までずっと導入された制度なんですけど、これ、結果として日本の航空宇宙産業というものに関しましては、我々は、まあ戦争に負けたあれもこれありで、航空機産業というものに関しましてはほぼ手付かずという状況だったんだと思います。
 かつてゼロ戦造った三菱がと思われるのかもしれませんが、全くできませんでしたから、そういったような状況でYSをやっと造れるようになり始めて、ジェット機をというところまで、今MRJまで来ていますけれども、それもありとあらゆることやられて、今なかなか先に進まないという状況にはあるんですが、こういった宇宙産業とか航空産業を育てる意味におきましては、一方的な話をされることなくそれなりにやらせていただきましたし、また、繊維とか皮革、あれは革ですけど、皮革産業というものにつきましても、国際競争力というものの強化というのを目的として、これまで長いこと、何というの、元々の材料を安価に輸入するということを可能にした仕組みなんだと思っていますけど、いずれにしても、これを暫定措置とした趣旨ということなんだと思いますけど、これは基本的には対象物品を国産が困難なものということにしておりますけど、今後国産が可能になるかもしれない部品というものが現れる可能性がありますので、今飛行機はまさにそうなのかもしれませんけど。
 また、加工の再輸入の減税制度につきましても、日本から輸出されていた原材料を用いて海外で加工、組立てされているもの、例えば今、そうですね、いろんなものが始まっておりまして、フランスで山田錦を栽培して日本に輸入して、日本で酒にしてもう一回輸出なんということやっておりますでしょう。高いんですよ。日本で通っているよりうまいとは思わないけど高い。売れますから、それは。売れりゃそれでよろしいんで、二級品でも一万円で売った越乃寒梅なんというのもありますから。そういったものはやっぱり流通の過程の中では結構な商売になりますので、そういった意味では、国産原材料を用いて海外での加工、組立てをするというビジネスモデルは変わる可能性もいろいろ出て、考えにゃいけませんので、私どもとしては、いろんなものを考えて今回こうしたことをさせていただいてきましたが、しばらくの間、暫定措置にしておいた方がいろんな今後の新しいものが出てくるときに備えられるのではないかと考えております。

#41
○音喜多駿君 様々なケース、詳細に御答弁いただきまして、勉強になります。
 ただ、やはり財務省の審議会でも、暫定措置は本来暫定であるべきといったような発言もあったと伺っております。また、本委員会でも、過去に何度も基本税率化する必要性などについて指摘があったかと思います。暫定税率が長期間設定され続け既に定着している場合は同水準の基本税率を設定するべきですし、例えば二十年同じ税率であれば基本税率の設定を検討する、検証すると、そういったルール作りも検討していくべきではないでしょうか。来年もこの委員会で同じ議論がないようにしていただきたいと要望をいたします。
 次に、とん税の引下げに関連して、港湾活性化政策について伺います。
 今回示されましたとん税の引下げは、海運会社の負担を軽くし、国際競争力を高め、港湾活性化につながるものと理解をしております。
 一方で、全く同じではないですけれども、同じく港湾活性化という視点では、先般のダイヤモンド・プリンセスの件が国交省のクルーズ振興政策において影を現在落としていることも事実です。特に、クルーズ船のホテルシップ活用については、東京オリンピック・パラリンピックを控えていたこともあり、私も都議時代から注目して、推進の政策を提言しておりました。
 この前提として伺いますが、旅行業法には営業許可基準に換気や採光などがあることに対して、一般的に客船は三分の一程度の部屋に窓がない状況であり、クルーズ船のホテルシップ活用について、この点をどのように克服し、取り組んでおられるのか、こちら、政府に伺います。

#42
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 クルーズ船を含めました船舶につきまして、一定期間係留させ、宿泊のみを目的とし、宿泊料を受けて宿泊させる営業を行う場合は、旅館業法上の許可が必要と考えております。
 厚生労働省といたしましては、現行の旅館業法の運用に当たり、窓のない客室は設けないこととしておりますが、旅客室を有する船舶につきましては、宿泊施設として旅館業法に基づく営業許可申請が見込まれることを踏まえまして、一定の条件を満たす場合に限り、窓のない客室を含む船舶を活用した宿泊施設に対しましても各自治体の判断において営業許可を与えて差し支えない旨を自治体に通知しているところでございます。
 具体的な条件といたしまして、全客室のうち窓のない客室が占める割合はおおむね四割程度以下であること、窓を代替する照明施設及び換気設備が窓のない客室に確保されていること、また、営業者が宿泊者に対しまして窓のない客室である旨を宿泊契約時にお知らせすることなどを設けております。
 厚生労働省といたしましては、通知の趣旨も踏まえ、各自治体において適切に運営されているものと認識しております。

#43
○音喜多駿君 一部は規制緩和しており、政府全体としてクルーズ船のホテルシップ活用に前向きに取り組んでおられるということが分かりました。
 しかし、今回のダイヤモンド・プリンセスの一件から、クルーズ船のイメージ悪化が考えられ、こうした努力が無に帰るということは避けねばならないと考えています。もちろん反省すべき点はあるかもしれませんが、ダイヤモンド・プリンセス号の件を考慮しつつ、クルーズ振興、これを来るべきオリンピック・パラリンピックに向けて、また、オリパラ以降にどのようにつなげていくのか、国交省の見解をお伺いいたします。

#44
○政府参考人(堀田治君) お答えいたします。
 今般の新型コロナウイルス感染症の発生後、全国でクルーズ船の寄港のキャンセルが相次いでおりまして、当面厳しい状況が続くものと見込まれております。一方、ダイヤモンド・プリンセス号のような大型のクルーズ船における感染症事案は我が国では前例のなかった事案でありまして、今後、政府全体でしっかりと検証されるものと承知しております。
 国土交通省といたしましても、クルーズ船の安全対策を含めた危機管理対応等につきまして、有識者等の意見を伺いながら、一連の対応を総括いたしまして、クルーズを安心して楽しめる環境を整えてまいりたいと思っております。さらに、今後の状況を見極めつつではございますけれども、適切な時期を捉えまして、我が国の港湾へのホテルシップを含めたクルーズ船の誘致やクルーズ船の魅力を生かした訪日プロモーション等を関係機関と連携して取り組んでまいりたいと思っております。

#45
○音喜多駿君 ありがとうございます。これから政府全体として更に検証を重ねていくということだと思います。
 東京オリンピック・パラリンピックは、残念ながら、事実上一年延期されてしまいました。このホテルシップは、オリンピック・パラリンピックのときにはホテルがちょっと足りないだろうというところで、これを使えないかということは私も都議会で随分と議論をしてまいりましたけれども、延期は残念ではありましたけれども、これを契機と、ある意味のチャンスとして、五輪開催期間、来年には、クルーズ船のホテルシップの活用、そして港湾の活性化について、是非こうしたことも実現の端緒が就けるようにロードマップを示していただきたいと思いますので、是非よろしくお願いを申し上げます。
 港湾について取り上げてまいりましたが、空港利用も国際競争力を高めなくてはならないというふうに考えています。
 そうした中、羽田空港は、三日後に新飛行ルートの運用が始まります。羽田の機能強化、そして国際競争力という点を踏まえると、様々な懸念点はあるものの、これを払拭しながら推進をしていただきたいです。その必要性を周辺の住民の方、都民の方に伝えることも必要です。
 そこで、着陸料を下げることや運航方法の工夫をした事業者にインセンティブを与えるなど、国際競争力を高める取組が必要だと考えますが、国交省に現状をお伺いいたします。

#46
○政府参考人(平岡成哲君) お答えをいたします。
 首都圏の国際競争力の強化、訪日外国人旅行者の更なる受入れ等を実現するため、首都圏空港の機能強化は必要不可欠であると考えております。
 羽田空港につきましては、機能強化の具体的方策につきまして、東京都等の関係する自治体等を交えて協議を重ねました結果、飛行経路の見直しによる容量拡大をお願いせざるを得ないという結論に至ったものであり、委員御指摘のとおり、今月二十九日より新飛行経路の運用を開始することとしております。
 新飛行経路の運用に当たりましては、その経路下となる住民の皆様から航空機の騒音対策の実施を求められているところであり、国土交通省といたしましては、できる限り騒音影響を軽減するため、様々な対策を講じているところであります。
 その一つといたしまして、羽田空港の国際線の着陸料につきまして、低騒音機の導入を促進するため、航空機の重量のみに基づく従来の料金体系から、重量と騒音の要素を組み合わせた料金体系への見直しを行ったところでございます。
 新経路の運用開始後におきましても、経路下の騒音測定結果のデータを蓄積、分析するとともに、騒音状況を継続的にモニターし、地域の皆様に対して丁寧に情報提供を行ってまいりたいと考えております。このような対策を着実に実行しながら、首都圏の国際競争力の強化等に向けまして、首都圏空港の機能強化を進めてまいりたいと考えております。

#47
○音喜多駿君 時間が参りました。是非、この着陸料、差を付けているということをしっかり都民の方にも伝えて、また、その差額分をその住民の方のために使っていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#48
○大門実紀史君 大門です。
 関税についてはもう既に議論がありましたので、今日は、先日に続いて、デジタル企業を含めて多国籍企業への課税問題に絞って質問をいたします。
 現在、コロナ問題が大きな経済対策問題になっておりますけれど、リーマン・ショックのときも、金融大手あるいは多国籍企業に巨額の、公的資金の注入も含めて巨額の経済支援が行われたわけであります。財政支出が行われたわけであります。しかし、その一方で、当時も含めて多国籍大企業はちゃんとそれなりの税金をふだんから納めていたのかということもあのリーマンのときにも問題になったわけでありますし、今回、このコロナで、また各国とも、世界各国とも大変な財政支出を行わざるを得ないというふうになると思うんですけれど、そういう点で、この国際課税によって、GAFA、デジタル大手を含めて多国籍大企業にきちっと課税して税金を払ってもらうということはもう待ったなしのテーマになってきているんではないかと思います。そういう点で、前々回に続いて質問をさせていただきます。
 今、到達点はどこにあるかといいますと、GAFA、グーグルとかアマゾンとかフェイスブックとかアップルですけれども、そういうデジタル大手の課税は、議論の到達点でいきますと、物理的拠点がないから課税できないというのがあったんですが、なくても課税できるようにしようというふうに今国際的なコンセンサスができつつあるということで、これは麻生大臣がおっしゃったように、よくここまで来たなと、アメリカが抵抗した中でよく来たなと、それはそのとおりだというふうに思います。
 次の課題として、各国の多国籍大企業が世界でもうけたこの利益をどう各国に配分するかというところが、今意見の調整が進められているという段階だというふうに思います。そういう中で、去年の年末ですけど、アメリカは、いろいろ話には乗ってきたといいながら、それまでの議論をひっくり返すような提案もしたりしております。例のセーフハーバーということでございまして、これは、セーフハーバーというのは一定の基準を満たせば法律違反とはみなさないというふうな方式なんですけど、要するに、国際課税の新しい法人税課税のルールができてもその適用を受けるかどうかは企業が判断すればいいというような、せっかくみんなで議論しているのを全部ひっくり返すようなことを言い始めたわけであります。こんなことを許したら、もう制度せっかくみんなでつくっても骨抜きになっちゃうわけであります。
 このセーフハーバー方式について、前回少し麻生大臣が、コメントはいただいたんですけれど、改めて、日本はどう対応するか、お考えを聞かせていただきたいというふうに思います。

#49
○国務大臣(麻生太郎君) この通称BEPS、ベーシック・エロージョン・プロフィット・シフティング、略してBEPSというものが今国際金融社会の中で大きく取り上げられて、六年間掛かりましたけれども、ようここまで来たなというところまでは来たというところだと思っておりますが。
 今、大門先生が言われた、これ物すごく大事なところでして、いわゆる多国籍企業と言われる、日本でもよくグーグルとかアップルとか使っておられる方はいっぱいいらっしゃいますが、そこで本を発注した方が日本で本屋へ行って本を買うより安いというのが現実。皆さん、安いのでそれ買っているわけですよ。しかし、それは日本には一円も税金は落ちませんから。しかし、それは全て何でそういうことが可能なのかといえば、グーグルはここに、パーマネントエスタブリッシュメント、PEと称する物理的拠点を持っていないから税金が掛からないという点を目を付けた。これ、デジタルにならなければ、通信というものがこれだけ発達しなければ、ICがこれだけ発達しなければ絶対に成り立たなかったんですが、それが今できるようになっております。これは何も本だけじゃありませんよ、全てのものです。そういったような形になっておるので、こんなふざけた話があるかと。
 そして、税金を払わない上に、この人たちはそこで得た利益をケイマンアイランドとか税金のやたら安いところに本社を移してという形をしておりますから、早い話が二重非課税になっておるんじゃないかというのが我々がついた一番のポイントです。
 そうした問題を解決するために、これ全部やらないかぬというところまでやっと来て、今、課税権という、いわゆるそこで、日本なら日本で生み出された価値に関しましては、俺たちはそこに、おまえらの車が通れるように道路も造ってやっているし、全部インフラだってやっているのは俺たちだということで、課税権というものは俺たちにもあるということで、その利益に対して、俺たちで使うべく、売られたそのマーケットの中における課税権というものに関しましては、国際課税の原則の見直しというものを我々断固やるべきだと。これがいわゆる今言われた第一の柱なんです。
 これも、やっと三年ぐらい前に、いや、二年ぐらい前にやっとここまでたどり着いたんですが、そうしたところに対して、我々アメリカは今のルールは分かったと、しかし、その国際課税のルールの適用は、どのルールにするかは企業の選択にさせろということを言うておる。それは、セーフハーバーという言葉を使っていますけど、港の、大事な安全なハーバーという意味でセーフハーバーというのを使っておるんですけれども、そういうことを言って、それが、まあ無理が通ればですが、今度は新しいルールを選択しないという企業ばかりになったらこのルールを作った意味がねえじゃねえかと。
 こんなもの駄目ということで、私どもとしては、法人課税を行うという、本来の、適切な法人課税を行うという本来の目的が全然実現できなくなるので、日本はこれは懸念を表明ということで、過日の二月の二十二、二十三、まだコロナの騒ぎが余り激しくなる前の頃でしたけれども、サウジアラビアのリヤドで開かれたG20の財務大臣・中央銀行総裁会議において、日本はこれに対しては懸念を表明ということで話をしております。
 がちゃがちゃありましたけれども、最後には、米国の提案を含め主要論点の隔たりというものを解消して、二〇二〇年度末まで、今年度末まで、失礼、今年末までに国際合意に基づくという解決策をやるということに関しましてみんなで共同でコミットに参加させて、アメリカもその中に入れてちゃんと決めるということをさせておりますので、一応グローバルな解決策ができるように国際的な議論がそこまでは来ておりますけれども、まあこの種の話は最後の最後までよう詰めができないかぬところなので、きちんと今年末まで、あと何回か会議がありますけれども、本当はこの四月あるはずだったんですが、コロナのおかげでできなくなりましたので。
 ちょっと今、電話会談というのを昨日もやりましたけれども、今言われたように、もうこんな話よりは今コロナの対策で、ドイツ、建国以来とは言わぬけど、少なくともこの四十年間で初めて財政出動。ドイツが財政出動を表明なんというのは、何で日本の新聞で一面トップに載らないのか不思議でしたけれども、正直、ドイツが財政出動すると言ったとき、電話会談でどよめきが出るほどの、みんな驚くほど、ドイツもえらい追い詰められたなという感じがするぐらいで。是非、日本が、一番うまくやっているのはどう考えても日本なんだから、日本のやり方を教えろとか、何かいろいろ言っていましたけれども、とにかくすごく焦っているような感じがしました。
 ちょっと今、大門先生御質問のこの点に関してはちょっと今止まっておると思いますけれども、いずれにしても、その下の財務官クラス、その下の国際局長クラスだとか、全国みんな、各所みんな、各国みんな動き始めておりますので、それなりの成果は少しずつではあるけど上がってきていると思っております。

#50
○大門実紀史君 丁寧にありがとうございました。
 資料一枚目なんですけど、アメリカはほかにも好き勝手なことを言っておりまして、要するに、この間の議論でいくと、デジタル、まあGAFAですね、アメリカにいる、GAFAのことばっかり課税ばっかり言われるので、それだけじゃ駄目だと、消費者向けビジネスにも国際課税ルールを適用しろというような話で、何かといいますと、例えばトヨタ自動車がアメリカでいろんな顧客データを使う、あるいはいろんな知的財産をアメリカで生む、そういうものも課税の対象にしろというふうなことをアメリカが言って、GAFAだけだとアメリカの企業ばっかり取られるというんで、日本ほかの国の多国籍企業、大企業にも税金掛けろという意味でということを言ったのがこの記事でございます。こういう大変政治的な、牽制的な動きをアメリカがしているということで、これ大変、なかなかアメリカもいろんな点で抵抗しているなというのが分かる資料でございます。
 資料の二枚目なんですけれども、これはこの前段の話ですが、そういうアメリカの抵抗はいろいろありますけれど、麻生大臣おっしゃっていただいたように、全体としては課税のルールが作られつつあると。ただ、なかなか、アメリカの動きもありますので、待っていられないということで、ヨーロッパの国々が、次のページ見てもらった方が分かりやすいですね。三枚目ですね。
 その国際的な全体の課税ルールができるまで待っていられないということで、いろんな国が独自に課税のルール、課税していこうと。これは、法人税について言えば、条約上のルールになりますので一方的に変えることはできないんで、法人税の代わりに、インターネットによるサービス、その売上高に課税するという仕組みを考えて、これがデジタルサービス税というものですが、これはヨーロッパの各国が、下の方にありますイギリス、フランス、イタリア、スペイン、インド、オーストリア、トルコが先にまず独自課税の方向で動き始めているということでございます。
 ただし、先ほどの二枚目にあるように、これはあくまで、全体としては、アメリカがちゃんと合意して全体の課税ルールができるまでの間、できればもう廃止しようと、そういう暫定的、なおかつアメリカに対する、何といいますかね、牽制というのもあって、合意をするようにというふうな働きかけの効果も含めて各国でこういうことが始まっております。
 時間の関係で、四枚目の資料を見ていただいて、このデジタルサービス課税、つまり全体の国際的な課税のルールができるまでは独自でやっていこうというところに対して、東京都は、東京都の税制調査会も、この点は進めるべきだということを昨年十月に出した答申のポイントで示しております。
 書いてあるとおりなんですけれども、OECDの検討とは別に、イギリスやフランスなど欧州諸国を中心に、各国が独自に実施するデジタルサービス税の導入や検討が広がりつつあると。新ルール、つまり全体での、各国共通の全体でのルールが合意に至らなかった場合に備えて、我が国日本も、このデジタルサービス税導入するオプションを一つの選択肢として議論して、公開の場で検討を始める必要があると。
 これは、やっぱり東京都ということもありまして、東京都の都民、消費者が、GAFAとかを使うと、しかし、その税金はアメリカに持っていかれるというふうなこともあって、独自のデジタルサービス課税も暫定措置として、国際的な全体の合意できるまでの暫定措置として検討するということに合理性があるというふうなことを東京都の税制調査会が示しております。
 やはり日本としても、このデジタルサービス税の検討を進めておく、選択肢として持っておくということはアメリカに全体の合意を促す上でも大変重要なことではないかと思うんですね。その点で、麻生大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

#51
○国務大臣(麻生太郎君) このDST、デジタルサービスタックスのことですけれども、これは御存じのように、フランスが先行して最初に始めて、それでイギリスがそれに続いて今こういったことになってきておるのは確かなんですけれども、それで、効果を上げるためには全員でやらないと効果は、みんな逃げて逃げてというような形になってなかなかうまくいかないんだとは思いますけれども、今、OECDというかヨーロッパ中心にこれやらせていただいて、日本もアメリカもというんで、今年末までにこのグローバルなやつをやりたいということで、その中でイギリス、フランスが暫定的な措置と言い続けてスタートしたと承知しておりますけれども。
 これまで我々としては、国際的な議論をみんなでやろうということで、結構それなりに各国、皆、まあ最初から高いことを言わぬで、少しずつ、今は全くゼロですから、そういったものを少しずつやろうというところからスタートしておりますので、この点に関していろんなことを考えておかにゃ、準備をしておかにゃいかぬというのは分かりますけれども、何というのかな、何となく、今年、日本だったらともかく、ちょっとサウジアラビアということになると、なかなかちょっとリーダーシップに欠けるかなと思わぬでもありませんけれども、いろんな方向で進んで、それなりの方向で進んでおりますので、もうちょっとこれ見た上で、我々としてほかの国とやれるって、どことやれるか、どこの範囲まで押さえられるかが非常に大事なところなので、なるべく最大公約数を得るところまで、やれるところまでやった上で考えにゃいかぬところだろうと思っております。

#52
○大門実紀史君 もちろん、目的は、全体で合意して全体で課税のルールをつくると。そのためにも、日本は、一つのオプションとして、選択肢として考えておく必要があるのではないかと思いますので、引き続き検討していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#53
○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 先日、関税局の関係者の方に現場のお話を聞かせていただく機会がありました。税関職員のお仕事について、訪日外国人が年々増えておられるということで、年々厳しくなっているということでした。日夜緊張感を持って大変な業務に当たっておられる方々に敬意を表します。
 日本で禁止薬物を著名人が使用したとのことでニュースになることがあります。この場合、海外から国内に入ってしまった薬物を人が使用しているのを取り締まることになり、多くの捜査員を何日も張り込ませるなど、検挙まで大変な労力が掛かるわけですが、税関の時点で取り締まることができれば非常に効率的であります。
 この税関の仕事をしっかりできるように環境整備のお願いに来られた関税局の関係者のお話を聞いて、なるほどと思いながら、今後、税関の方がよりいい仕事をできるように私としても協力したいと思いました。
 今回は、税関取締りに成功した後、刑事裁判の判決が出た事例を紹介します。
 昨年二月に、税関で違法薬物の持込みを取り締まることができた後、その後、十二月に地方裁判所で無罪判決が出た件になります。共有しておくべきニュースと思いましたので、この委員会で取り上げさせていただくことにしました。今回、配付資料に新聞記事を掲載させていただいております。
 事件の始まりは昨年の二月です。外国人男性がマレーシアのクアラルンプール国際空港からスーツケースを持って航空機に搭乗し、新千歳空港に到着し、函館税関千歳税関支署の入国検査場で申告せずに覚醒剤を持ち込もうとしたところを発見されました。
 ここで関税局の方にお聞きします。
 可能な範囲でいいので、この件の摘発時の概要をお教えいただけますでしょうか。

#54
○政府参考人(中江元哉君) 御指摘の件について、報道発表されている範囲内でお答え申し上げたいと思います。
 本件は、平成三十一年二月二十五日、マレーシアより北海道の新千歳空港に到着したマレーシア人男性がスーツケースに隠匿した覚醒剤を輸入しようとしたが、税関職員による検査において発見、摘発された事犯であります。
 本件につきましては、平成三十一年三月十四日、覚醒剤密輸入の関税法違反嫌疑事件として函館税関千歳税関支署が札幌地方検察庁へ告発いたしております。

#55
○浜田聡君 ありがとうございます。
 この男性、先ほども言われたように、この後、覚せい剤取締法違反、関税法違反を問われて起訴されておりましたが、地方裁判所で無罪判決が言い渡されております。事件番号としては、平成三十一年(わ)第一八三号、覚せい剤取締法違反、関税法違反被告事件となります。
 判示事項の要旨が次のとおりでございます。
 被告人が、氏名不詳者らと共謀の上、営利の目的で、覚醒剤約四百三十八・七グラムを隠匿したスーツケースを航空機の手荷物としてマレーシア所在の空港から北海道内の空港に持ち込み、覚醒剤を日本国内に輸入しようとしたが、税関職員に発見されたため、これを遂げなかったとされた覚せい剤取締法違反、関税法違反の事例について、被告人の覚醒剤の知情性を認めるにはなお合理的な疑いが残るとして、無罪を言い渡した事例とあります。
 判決に関してこの場で意見をするつもりはありませんが、ヤフーニュースのコメント欄ではかなり盛り上がっていまして、興味深く見させていただきました。
 この件に関連して、幾つか、関税局の方、法務省の方に質問させていただきます。
 関税局の方にお聞きします。
 この件では、日本への偽ブランド品入りスーツケースの運搬がされております。この件のように偽ブランド品を持ち込むことに関して、偽ブランド品は輸入禁止品目に該当しますでしょうか。お願いします。

#56
○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。
 関税法第六十九条の十一第一項に、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品を輸入してはならない貨物として規定しているところでございます。
 この規定に基づいて、税関では、いわゆる偽ブランド品等の知的財産侵害物品について水際取締りを行っているところでございます。

#57
○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、実務の話になりますが、税関で偽ブランド品が見付かった際のその後の経過について、手荷物の場合と貨物の場合で異なるという話を聞きました。これに関して教えていただけますでしょうか。

#58
○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。
 税関検査で偽ブランド品を発見した場合、関税法六十九条の十二の規定に基づきまして、税関は、当該貨物が知的財産を侵害する物品であるか否かについて認定するための手続を開始いたします。手続の中で貨物の輸入者及び当該ブランドの権利者の意見を聞き、侵害の有無を認定することになるわけでございます。それで、税関が当該貨物について知的財産を侵害する物品であると認定した場合、税関はその貨物の没収等を行うことになります。またさらに、犯則事件の調査を行った結果、刑事手続を経て、十年以下の懲役若しくは一千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科されることがございます。
 また、いわゆる旅客の場合と貨物の場合違うというふうな説明を受けられたということでございますが、恐らくそれは、旅客が今の流れの中でいった場合、空港の通関のところで、偽ブランド品を税関の方から、これ偽ブランド品ですねと言われた場合に、認定手続まで行かずに、もうその場でいわゆる任意放棄ということをされる場合があるということを説明があったのかなというふうに推察しますが、ちょっとそこは詳細は分かりませんので、この程度にとどめておきたいと思います。

#59
○浜田聡君 ありがとうございます。
 この件では、覚醒剤は知らなかったんだけど偽ブランド品を持ち込むことは知っていたということになるということが、判決文から、判例文から分かります。結局、いろいろな理由から無罪判決になっているのですが、そこで、関税局の方にお聞きします。
 偽ブランド品を持ち込もうとしたことに関しては何らかの罪にはならないのでしょうか。この件に関しては判例文が既にありますので、一般的な話でも結構です。

#60
○政府参考人(中江元哉君) 個別の事案についてのお答えは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますれば、偽ブランド品などの知的財産を侵害する物品を輸入した者は関税法違反に当たり、十年以下の懲役若しくは一千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科されることがあるということでございます。

#61
○浜田聡君 ありがとうございます。
 検察庁について書かれたある本を読んで、その刑事裁判に関しての説明文がありましたので紹介します。立法府の国会議員の皆様にとっては釈迦に説法だとは思いますが、御容赦ください。
 刑事裁判において裁かれるのは被告人ではありません。裁くという言葉が正しいのであれば、刑事事件において裁かれるのは検察官でございます。検察官が一〇〇%の挙証を果たさない限り、被告人を有罪にはできません。被告人は検察官の一点の誤りを証明できれば無罪となる、自らの無罪など証明しなくてもよいというものです。
 今回の判決、法の適正手続にのっとった上でのものだと思いますし、司法の判断を尊重することにします。ただ、今後問題となる可能性のあることについて法務省にお聞きします。
 今回のケースは前もってのSNSでのやり取りがポイントになっているように思うのですが、もしそうであるとすれば、今後、あらかじめアリバイづくりの会話をSNSなどで行っておけば、日本への運び屋は無罪になるという前例になり得る可能性はありますでしょうか。また、その可能性があるとすれば、現状、対策はありますでしょうか。

#62
○政府参考人(保坂和人君) 御指摘の無罪判決におきましては、そのSNSでの関係者とのやり取りだけではなくて、当該事案において証拠上認められる様々な事実関係を考慮した上で、その被告人の覚醒剤輸入の故意があったと認定することには合理的疑いが残ると、こういう判断でございまして、その結果、無罪が言い渡されたものと承知をいたしております。
 お尋ねのような、その前例になるかどうかにつきまして、法務当局としてお答えすることは困難であることを御理解いただければと思います。
 いずれにいたしましても、検察当局におきましては法と証拠に基づいて適切に対処するものと考えております。

#63
○浜田聡君 ありがとうございます。
 今後同じような事件が起こるようであれば問題だと思いましたので、今回の委員会で取り上げさせていただきました。今後の推移を見守っていきたいと思います。
 次に、現在問題となっております新型コロナウイルス感染症関連のお話です。
 現在、WHOという組織名を聞かない日はないほどだと思います。また、そのトップであるテドロス事務局長の名前や顔も毎日見聞きする人が多いのではないかと思います。今回はWHOのトップである事務局長について、厚生労働省の方を中心にいろいろと質問をさせていただくことにしました。
 まず、世界保健機関、WHOとは何かということについて厚生労働省のウエブサイトの内容を拝借させていただきますと、次のような説明になります。全ての人々が可能な最高の健康水準に到達することを目的として設立された国連の専門機関、一九四八年四月七日の設立以来、全世界の人々の健康を守るため、広範な活動を行っていますというものです。
 このWHOのトップである事務局長のポストというのは非常に重要なポストだと思います。歴史を振り返ってみますと、過去にこの事務局長のポストに日本人の方がおられたことを確認しています。過去、日本人としてWHO事務局長となった方の概要を教えてもらえますでしょうか。

#64
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 過去に日本人として事務局長を務めたのは、第四代の中嶋宏氏でございます。中嶋氏は、日本の大学を卒業後、パリ大学、そしてロシュを経て、一九七四年にWHOに入られ、西太平洋地域事務局長を経た後、一九八八年から十年間、事務局長を務めておられます。

#65
○浜田聡君 ありがとうございます。
 このWHO事務局長の選出なんですが、元々は選挙ではなかったと聞いております。現在のテドロス事務局長は選挙で選出されたと聞いておりますが、WHOの事務局長の選挙が始まった背景と時期について、分かる範囲で教えてもらえますでしょうか。

#66
○政府参考人(佐原康之君) WHO選挙が始まった経緯につきましては、七十年以上前のことなので詳細は定かではありませんが、戦後すぐのWHO創成期に定められたWHO憲章あるいはWHO総会の手続規定では、事務局長は選挙によって選出し、WHO総会で任命されることと規定されております。
 この一九四八年に開かれた最初のWHO総会で初代事務局長が選挙により選出されたと承知しております。

#67
○浜田聡君 済みません、そうですね、選挙、ちょっと非公開か、公開でなかったこととか、そういうところでちょっと勘違いしていたと思います。ありがとうございます。
 繰り返しになりますが、このWHO事務局長というポスト、そしてその選挙は非常に重要であると思っているのですが、日本政府としてはWHOの事務局長選挙をどの程度重視していますでしょうか。

#68
○政府参考人(佐原康之君) WHOは、全ての人々の健康を増進し保護するための国連の専門機関でありまして、非常に重要な機関であると考えております。
 WHOが定める方針やガイドラインは各国にとっても政策立案に与える大きな影響力がありまして、これを取りまとめる立場にある事務局長を選出する選挙は厚生労働省としても非常に重要であると認識しております。

#69
○浜田聡君 非常に重要であるという答弁いただきました。ありがとうございます。
 前回選挙の経緯を知りたいと思います。
 少し調べてみますと、非公表の投票がなされているとのことでございまして、なぜ非公開なのかの理由も分かる範囲で教えていただければと思います。

#70
○政府参考人(佐原康之君) 投票方式につきましては、選挙手続に関するWHOの規則におきまして、他の国連機関の選挙と同様に非公開の投票とする旨が定められております。
 非公開の理由については明らかにされていないものの、投票結果が選挙後に各国の関係性に影響を及ぼさないようにするための配慮と考えられます。

#71
○浜田聡君 ありがとうございます。
 現事務局長テドロス氏についての話に移ります。
 二〇一七年七月一日に就任されまして、現在就任一期目でございます。任期が二〇二二年六月三十日まででありまして、任期は現在残っているわけですが、先月より、このテドロス氏の辞任を要求する動きが強まっているというニュースがありました。
 任期満了前の辞任について、現状の見込みをお聞きしたいと思います。

#72
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 国際機関の長の去就について見解を述べることは差し控えたいと思います。

#73
○国務大臣(麻生太郎君) これはちょっと役人には答えられませんので。
 これはもうどろどろした話ですよ、ええ。この前の人、誰だか覚えています、テドロスの前の人、前の事務総長。覚えていない。中国人ですよ。あのとき、そのときまだいないか。まあごちゃごちゃしたんだ、あのときも。しまして、それになったんですけれども。
 何となく、今、三十万人ぐらい署名が集まっているんでしょう、あれたしか、今。違う。(発言する者あり)五十万人来た、集まっているんですけど。まあ早い話が、ワールド・ヘルス・オーガナイゼーションじゃねえ、チャイニーズ・ヘルス・オーガナイゼーションじゃないかと、CHOと直せというのがわんわん出たんですよ、これ。これがもとですから、この話は。何だこれと。中国でそんな武漢のウイルスなんかないなんて言った最初のあれが、もっと大変だと言っておけばもっと早く対応ができたんだというのがこの三十万人の、五十万人の人たちのほとんどの不満のもとです。
 ただ、このWHOというのは非常に大事な組織なんですけど、これ、台湾を入れないとかいうような組織が台湾を切っちゃったおかげでというんですけど、今回は台湾の方が対応が早くて、ばさっとやって、台湾が多分、今回のコロナに対して最もうまく対応している国は台湾かなと思いますけれども。また台湾を国なんて言ったとかいって共産党の人に何か言われると話が込み入るんですけど、台湾という地域ね、地域、台湾という地域が一番うまくやっているんですけれども。
 そういった意味では、日本もいろいろやっているんですけど、このWHOから正式に、日本の国会議員でWHOから大使に任命されている人がいますよ。日本人、信じられないでしょう。名前聞いても信じないだろうけど、武見敬三というんですけれども。それを聞いて怪しげな組織だなと私は正直思ったといって、テドロスに面と向かって言ったことがあるんですけれども、それが事実で、このワールド・ヘルス・オーガナイゼーション、いや、違った、ごめんなさい、ヘルス・カバレッジ、ワールド・ヘルス・カバレッジというのをやるというのを、一番今WHOがやろうとしているのを先頭切ってやっているのは世銀と日本政府なんですけれども、その間をつないでいるのが武見ということで、これが今、国連大使、ああ、ごめんなさい、WHOの大使に任命されているということは余り知られていない話ですけど事実です。

#74
○浜田聡君 どうもありがとうございます。
 ちょっと質問を、時間の関係上、一つ飛ばさせてもらいます。
 WHOと台湾についてお聞きしたいと思ったんですが、以前、予算委員会の方で安倍総理が答えられておりますので、ここで繰り返しは避けることにします。
 最後の質問に移ります。
 先ほど、WHO事務局長選挙、日本としては非常に重視しているという答弁をいただきました。
 次期事務局長選挙についての意気込みであったり、現状日本が取り組んでいる動きなど、教えていただけますでしょうか。

#75
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 WHOにおいて日本人がリーダーシップを発揮し政策立案に貢献できるようにしていくことは非常に重要であると考えております。今後の事務局長選挙に向けて戦略的に取り組んでいくことが肝要であると考えております。
 国際保健人材の育成につきましては、二〇一九年より、WHO西太平洋地域事務局長として勤務している葛西健氏を始め、事務局長候補となり得るWHOの日本人幹部職員の増加に努めているところであります。
 様々なチャンネルを通じた国際貢献等により日本のプレゼンスを高めるとともに、日頃より各国との関係強化を進めているところでありまして、国際保健分野において日本が引き続き主導的な役割を果たせるよう努めてまいりたいと考えております。

#76
○浜田聡君 済みません。時間足りない中、最後、失礼します。
 現在のテドロス事務局長についていろいろな意見がある中、WHO事務局長選挙は透明性を重視する候補者に勝たせるべきだという意見を聞いて、もっともだと思いました。
 日本政府がこの事務局長選挙を重視していることを確認させていただきまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#77
○委員長(中西祐介君) 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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