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1951/06/24 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第96号
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1951/06/24 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 大蔵委員会 第96号

#1
第013回国会 大蔵委員会 第96号
昭和二十七年六月二十四日(火曜日)
    午前十一時二十一分開議
 出席委員
   委員長 佐藤 重遠君
   理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君
   理事 佐久間 徹君 理事 内藤 友明君
      淺香 忠雄君    島村 一郎君
      清水 逸平君    高間 松吉君
      苫米地英俊君    夏堀源三郎君
      三宅 則義君    宮幡  靖君
      中野 四郎君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 佐藤 榮作君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  西村 直己君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  河野 通一君
        大蔵事務官
        (銀行局資金運
        用課長)    高橋 俊英君
        郵政政務次官  寺本  齋君
        郵政事務官
        (簡易保險局
        長)      白根 玉喜君
 委員外の出席者
        議     員 松浦 東介君
        参議院議員   大谷 瑩潤君
        大蔵事務官
        (理財局総務課
        長)      宮川新一郎君
        大蔵事務官
        (理財局管理課
        長)      横山 正臣君
        郵政事務官
        (簡易保險局運
        用課長)    稻増 久義君
        専  門  員 椎木 文也君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
六月二十四日
 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(
 松浦東介君外三十三名提出、衆法第七六号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 連合審査会開会に関する件
 高金利等の取締に関する法律案(内閣提出第一
 八四号)
 接收貴金属等の数量等の報告に関する法律案(
 内閣提出第二三一号)
 簡易生命保險及郵便年金特別会計法の一部を改
 正する法律案(内閣提出第二四一号)
 資金運用部資金法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第二四二号)
 連合国財産の返還等に関する政令等の一部を改
 正する法律案(内閣提出第二四七号)
 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(
 松浦東介君外三十三名提出、衆法第七六号)
 未復員者給與法等の一部を改正する法律案(参
 議院提出、参法第一四号)
    ―――――――――――――
#2
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 まず本日本委員会に付託されました松浦東介君外三十三名提出にかかる食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案を議題として、提出者より提案趣旨の説明を聴取いたします。提出者、議員松浦東介君。
#3
○松浦東介君 それでは私から食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。
 現在飼料の需給状況は、需要量に対して供給量が不足しているために、その価格は必ずしも低くないのでありますが、特に一部の主要な飼料につきましては、その価格も高く、またその生産の多い時期と消費の多い時期との間にずれがあるために、時期的に価格の変動が著しい状況であります。また飼料の輸入状況は、貿易業者が海外の生産の多い時期に多量に買い入れようといたしましても、国内の価格が安定していないために、輸入をした後の販売の見通しが容易でなく、また長期間にわたり手持ちをしていることは困難でありますので、輸入のための資金の確保が十分でなく、輸入は活発でない状況であります。
 一方、畜産経営の現況は、畜産専業者はもちろん畜産農家においても飼料の自給は十分でなく、その経営費の中で飼料の購入費の占める割合はきわめて大きいので、飼料の価格が安定しかつ低くなければ、その経営は安定せず、また成り立たないという状況であります。従つて家畜を導入するためには、まず飼料をいつまでも安く購入できるような措置を、強力に講ぜられたいという要望が非常に強いのであります。今般有畜農家の創設をはかり、畜産の画期的な振興をはかろうとする施策の確立に伴い、ここに飼料の供給増加及び価格安定の措置をさらに推進する必要があるのであります。
 すなわち本改正案によりまして、政府は飼料の価格の調整をはかるために、食糧管理特別会計により特定の飼料の輸入買入れ、保管、売渡しを行わんとするものでありまして、これにより飼料の輸入を強力に促進して、供給の増加と価格の安定をはかり、もつて畜産の飛躍的な発展のための基礎を確立したいと思うのであります。
 右のような理由によりましてこの法案を提出した次第でありますが、何とぞ愼重御審議の上、すみやかに可決せられんことをお願い申し上げます。
#4
○佐藤委員長 本案に対する質疑は次会に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#5
○佐藤委員長 次に高金利等の取締に関する法律案、それから接收貴金属等の数量等の報告に関する法律案、簡易生命保險及郵便年金特別会計法の一部を改正する法律案、資金運用部資金法の一部を改正する法律案、連合国財産の返還等に関する政令等の一部を改正する法律案の五案を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許可いたします。夏堀源三郎君。
#6
○夏堀委員 資金運用部資金法の一部を改正する法律について、二、三点郵政大臣に、それから局長さんに質問申し上げます。
 この法案の審議にあたつて各委員の質問に対する郵政大臣の御答弁、過般の参考人の陳述、それに私が五、六箇所出張のついでに調査いたしました事項等を総合いたしまして、そうしてこの法案の審議及び今後の運営等について若干の意見を申し上げる次第です。そうして要点はどうすればよいのか。結局この重要な法案が一歩誤ると、私どもの考えとしては非常に重大な段階に到達することをおそれるのでありまして、そこで根本の考え方は、この法律案ばかりに限つたことではありませんが、大きく民主政治の根本原則にもとらないようなことにしなくてはならない。そしてそれにふさわしい法律案でなければならない。それが一点。それからもう一点は摩擦があつてはならない。その摩擦ということが、結局すべての事業の発展に支障を来す。またこれを大きく申し上げますると、国家的な大きな問題であるから、国を誤るという事態に立ち至ることがあるというような考えであります。この二つの大きな問題、いわゆるこの原則的な考えからいろいろ申し上げて、どういう点がその二つの原則にもとるようなことがあるのかないのか。これを一つ申し述べて、簡單にまた後ほど御意見を承りたいと思います。そこで過般来の各委員の質問に対して、郵政大臣及び政府委員の方からの御答弁は、国家の財政資金は効率的に運用することには何らの異議はない。その線に持つて行こうとする、することである。地方還元はそれを募集したその地区に返すという意味ではない。よつて許可の面において、あるいは調査の面において、重複しないようにする、こういう御答弁にあずかつたように承つておりますが、そう了解してよろしゆうございましようか。まずそれを伺います。
#7
○佐藤国務大臣 国家の財政資金の効率運用、それは当然のことであります。同時に運用するという立場は、その金を借りるという方面につきましても十分の考慮をしなければならないものである、かように私どもは考えております。同時にまた地方環元と申しますことは、これは集めましたものをその地方に直接返す、かような意味合いのものではないということを、今までにたびたび申し上ておるのであります。資金は中央、地方を通じて国の財政資金になつて参るのであります。それがまた集まつたところとは別な立場において還元をされておる。これが理論的にはそういうことになるのだろうと思いますが、実際的には相当今までも考慮をされておる、かように考えておる次第であります。また事務の取扱いにおきまして、許可または調査等の重複を避けると申しましたことは、郵政省といたしましては地方起債の許可権はないのでございます。ないのでございますから、重複するも何もないわけでございまして、関係者としては十分その点を了承いたしておるわけであります。調査事項等につきましては、許可をいたしますに必要な調査は私どもはもちろんいたさない。これだけははつきり申し上げおる次第でございます。
#8
○夏堀委員 郵政大臣としては、そのような御答弁はこの前にも承つておるのですが、この前よりは少し何か食い違いではありませんけれども、多少気分的にちよつと婉曲に、お考えを多少でも改めたのじやないかというような感じがいたします。それはどうでもよろしいのですが、そうしたような御答弁が、実際の運営にあたつてその通り下部においてやるかと申しますと、今の段階においてはそう考えておらぬということが、この間の参考人の陳述及び私の調査でわかつて来たので、非常に不安を感じて参つたのであります。それではどこに不安を感じたか。過般私が質問申し上げた際に、募集ということと運用権ということの関連において、志気の高揚という点も申し述べようといたしましたが、関連質問で、よその方へ質問を讓つたので、そのままになつておりますのですが、実際の上層部においてのお考えと、下部の地方の郵便局長さん方の現在考えておることと、非常に大幅な食い違いがある。しかし私の調査したことは、だれから聞いたか、どうして調査したか、どこに証拠あるか、こう申し述べることは、ちよつと今のところでは遠慮したい。ただ結果において現われておるということ。そういう意味で、運用権と募集ということが、地方還元であればこそ、たとえば甲の地区から募集したものは、その甲の地区の学校その他の公益事業に投資するのだということによつて、やはり志気の高揚ということもいわれることであつて、これを一般に財政資金の効率的運用どいう面に行つて、その点までも考えて、募集員は決して、今までよく申されました奨励金とか生活とか、そういうもの以上にこれを考えて活動するということはそうないだろう。そこで私は志気の高揚という点も、地方還元という一点あればこそ志気の高揚になるのであつて、そうじやなくて、全体の効率的運用という国家の財政面の運用をもつて説明したところで、それははつきりわからぬ。わからぬし、そうしてそのために特に活動を猛烈にやつてみようということはおそらくないだろう、こう私は考えております。そうした面は、特に地方還元ということをこの委員会で御答弁になつたようなことは、地方においては毛頭考えておらぬようです。そうではないとおつしやれば、それは水かけ論になるかもしれませんけれども、これは結果において現われることであつて、そういう政府の御答弁になつておるようなことは、毛頭考えておらぬようです。これはこの間の郵便局長さん、横山さんと申しましたか、あの方の陳述の中にもよく現われております。その他の、私の調査した郵便局長の連中の説明にもよく現われております。極端に言えば、そういうようなことでは、われわれはむしろ反対せざるを得ない。もつとわれわれの納得した線で、この法律案を審議してもらいたいということを言つておる人もあります。そういうようなことが、運営上において今後現われる場合に、政府の考えておることと、実際の下部の活動とは非常に食い違いがあるということです。そうして地方の自治体の考えておることも、何かしら煩雑で非常に複雑な面も、これから出るのじやないだろうかというおそれもあると考えます。そうした点からいつて現在郵政大臣以下各政府委員の御答弁になつたそれと、実際の運営の面とは食い違つて来るじやないだろうか。そうなつて行きますと、先ほども申しました一般の広く考えておる――いわゆるすべて民主的な考えで、こうあつてほしいという点のそれと、政府の答弁及びこの法律案の内容等において食い違つて来るじやないか、これを私どもはおそれるのであります。それによつて摩擦を生ずることば、大きな国の損失となる。こういう点をおそれるのであります。今申し上げたことについて、何かそうじやないとかいうような御意見がありましたならば、承りたい。
#9
○佐藤国務大臣 郵政省の扱います簡易生命保險あるいは郵便年金等の取扱いについて、いろいろ御心配をいただいておるようでありますが、その点につきましては、結論から申しますれば、この委員会におきまして私どもが申し上げました通りに動かない者がありますれば、もちろん郵政省といたしましては、責任をもちまして皆様にお話申し上げました線で処理するように、十分部下を監督指導して参るということに相なるのでございますが、結論はともかくといたしまして、御承知のように郵政省自身がまことに厖大な機構であります。全国津々浦々に至る網を持つておるわけであります。この大きな機構でありますだけに、この事業遂行にあたりましては、内部組織としては、やはり分業がはつきりできておるのであります。分業によりましてこの大きな組織が動いておる。先ほど来御心配になります、末端のところの機構で申し上げますならば、たとえば保險の勧誘をしておる者、これはもう分業の立場から、保險の加入ばかりをしておるわけであります。また中央におきまして、この資金の貸付をいたします者は、これは直接募集はいたさないしこの点におきましては、完全な分業ができ上つておるわけでありますので、その募集と貸付と、これを同時にやるというような組織でないこと、これはひとつ御了承いただきたいと思うのであります。大きな組織が当然部内の分課組織によりまして、課をわけ、また担当者をわけることによつて運用される。しかしながら大きな組織であつて、それぞれの係にわかれるといたしましても、組織自体は一つの單位として行動をいたすのであります。この意味においては、従業員はそれぞれの立場において仕事はいたしますが、大きな簡易生命保險事業、この事業の遂行にそれぞれの持場において働いておる。この意味におきましては、やはり集めました金が、その事業体によつて運用されるという点において、総体としての志気が上るということに相なるのであります。従いまして今日までお話申し上げましたように、この運用権を郵政省に返せば、従業員としての志気は上るということを申し上げたつもりでおりますが、ただいま申し上げたような趣旨なのであります。最も危険に感じ最も心配であります点は、地方で保險を勧誘いたします際に、この村でこれだけの金、百万円なら百万円の金を集めていただきますならば、中央にあつせんをいたしまして、そのうち五十万円は、村の方へお貸しするようにいたします、かようなことがもしあるといたしますれば、これは御指摘の通り私どもが最も注意し、さようなことがあつてはならないという事例に該当するものなのであります。今回の、運用権を郵政省に返すにいたしましても、この点が非常に心配されるわけでありまして、おそらく郵政省は、一方で募集をするが、この運用権があるということで、自分自身が運用しないにしても、同じ事業体の内部のことであるから、内部連絡を緊密にいたしまして十分骨折りをする。もつと別の表現をいたしますれば、利益還元の方法によつて募集を容易ならしめる。これはこの募集の建前から見ましても、簡易保險の建前から見ましても、私どもが厳重に取締らなければならない点であるのであります。この点につきましては、今までもたびたび私どもが所信を申し上げて参つております。この点につきましては私どもの意見発表について、十分の御信頼を賜わりたい、かように考えておるのであります。もしまだかような点において誤解が存するとか、また具体的にさような事例があるといたしますれば、これは部内の問題といたしまして、私どもが嚴重に取締つて参らなければならないものだと思うのであります。先ほど来民主政治の原則、あるいはさらにその摩擦というような点でお話になりましたが、実はその民主政治の根本原則に基いてやれと言われましたことは、どういう意味だつたか、ちよつと私はつかみかねたのでございますが、ただいま申し上げますように、事業経営をいたします限り、保險加入者の利益になること、この意味におきまして、効率運用ということは当然考えて参りたい。同時にまた簡易生命保險をつくりました際の気持から申まして、将来の問題でありまするが、しかも運用の範囲が許されるといたしますならば、創立当初のごとく福祉事業と申しますか、さような方面にまで、やつぱり出して行くべきもののように考えるのであります。しかし今回の運用法によりますれば、その使い方についてははつきり限界があるのでありますので、ただいま申し上げるような広汎なものでは絶対にないのであります。
 またその第二点の摩擦という意味合いにおきまして、先ほど来申すような不正勧誘が行われるといたしますれば、民間保險事業に対して非常な摩擦があるのじやないか、こういう点であるといたしますならば、この点につきましては、先ほど申し上げますように十分部内を取締つて参りまして、そうして御期待に沿いたい、かように考えておるのであります。ただ一言申し上げておきたい点は、やはり経済の原則と申しますか、幾つもの事業体があります場合におきましては、これは競争という形において事業の発展を期し得る、また利用者の利便を増進し得る、これが利どもの基本的な経済観念であります。この競争は見方によりますると、あるいは摩擦という感じを受けるかもわからない。けれどもやはり自由競争の立場において、それぞれの分野において創意とくふうをいたしまして、そうして公益の利便を増進して行くようにすべきではないか、かように考えておる次第であります。御指摘になりました点等は、将来の運用にあたりまして、十分私どもが注意をいたさなければならない点でありますので、一言私どもの所信を御披瀝申し上げまして、お答えにいたす次第であります。
#10
○夏堀委員 局長さんに一つお伺いしたい。団体貸付と個人貸付ということになつておりますが、この内容について一応御説明を願いたい。
#11
○白根(玉)政府委員 団体貸付と申し上げましても、実際は個人貸付でございまして、団体貸付をする際におきまして、各加入者の個人々々が、共同に書類面といたしましては判を押されまして、そしてこれこれの金をお借りしたい。しかしお貸しするのは担保権の限度によつてお貸しするのでございます。たまたま書類の便宜といたしまして、団体貸付という銘は打つておりますけれども、個人貸付と同じような処理をやつておるのでございます。
#12
○夏堀委員 二十六年度の三月末の貸付残高、それから二十七年の三月末の貸付残高、これはどの程度になつておりますか。――それではもう一ぺん……。今私が申し上げたのはこういうことなんです。摩擦ということは、業者の摩擦もさることながら、せんだつての参考人のあれは従業員代表でしたか、笹川さんの発言の内容は、法律案の内容については全然触れておらぬで、ただ一方的にいわゆる大蔵官僚の攻撃であつた。その内容を私どもが伺つておつて、これはあの人の頭から出た意見というよりも、どことなく――官僚という言葉を使いましたが、もし官僚という言葉がさしつかえなければ、郵政官僚と何かの連絡のある意見じやなかつたか、こう私は考えたのであります。もしそうであれば、今現在においてもこのような摩擦があれば、将来この運営にあたつて非常に恐るべき摩擦を生ずる。これを私は心配しておるのであります。なお大蔵省においてのいろいろな調査においても、どうこうという意見もありました。よく内容はわかりませんが、それは相手を攻撃するいろいろな資料をとりまとめて、何か言つたように思いますが、そういうような公開の席上において、もし私の意見が間違つておればそれはたいへんけつこうでございますが、郵政省の意見を十二分に織り込んだその参考人の意見であるとすれば、これはたいへんな問題であり、将来この恐るべき摩擦の点が爆発点に行くのじやないか。私はこういう経験があります。戦争中に、私海軍大臣の命を受けてニユーギニアに行つて、いろいろな事業に携わつたことがあります。そこで敗戦の原因は何であつたかということを、目のあたり見せつけられたのであります。敗戦の原因は陸海軍の摩擦であつた。これははつきりしております。こういうような摩擦、なぜ一体こういうような考えを持つのだろうか、こう申しましたならば、どうしてもこれを解消することができないという段階に入つておつた。何と言つてもしようがない。作戦の上において、またあるいは非常な貴重な資材の運搬において、これは陸軍だ、これは海軍だ、その境ですつぱりやられている。こういうようないわゆる責任回避、摩擦の結果が、とうとう日本を敗戰に導いた。これをよく知つておりますので、今の問題は、郵政省と大蔵省の現在においてもかくのことし、将来の運営においてなお一層摩擦が起きることであつたならば、これは国家のためにゆゆしき問題である。これを申し上げたのです。郵政大臣も何か党の方の御都合で御退席になるそうですから、最後の結論として申し上げたいのですが、先ほど申し上げた民主政治のあり方、私はこれから局長さんに御質問申し上げるのでありますが、その点が明確になれば――すなわち各募集に際しての約束、そうしてそれによつて知られるいわゆる応募者の苦しみ、そういう点が運営の中において非常に国民が迷惑するようなことがなければよいが、迷惑するようなことがあれば、これは今御答弁になつたその趣旨に沿わない線において、はなはだ遺憾な点を生ずるであろう。こういうことをはつきりと法律の上においてうたつておけば、間違いないことであるけれども、この御答弁だけでははつきりしない点もあるから、よつてあとでいわゆる民主的な面に相反するような行動があつてはならない、これを私どもは憂慮しておるのであります。
 もう一つ結論においてもしこの摩擦が、私の憂慮するような点で爆発点に行くということになれば、今急にこれをどうこうということは非常に危険である。そこでこれはまあ私の個人の考えでありますけれども、今はまだ資金の運用面においての統制時代でありますから、その摩擦面において、その統制にあるこの金融を操作するということは非常に困難である。これはあまり遠いことじやないかと思いますから、この統制の解けたとき、適当な時期に、むしろこれは公企業体として、この間郵便局長さんの説明も、ややその保險事業ということに重点を置いて考えておる、財政じやないのだと言つておる、そういうお考えも、あるいは財政じやないということもどうかと思いますけれども、そういうような考えのもとに御説明になり、そうして最初郵政大臣も財政にあらずと、はつきりは申しませんけれども、他の税金とは別なんだ、こういう説明であつて、しかし本心は、やつぱり財政じやないのだというあの郵便局長さんの御意見と、似寄つたお考えであつたと私は考えておる。で、こういうことであれば、敢然とここに財政というものじやなく、いわゆる公企業体として目立し得る体制においてやることはどうであろうか。そうなれば私は少くとも摩擦はないのだ、自分の意見によつて操作する、こういうことになるのだろうと存じます。そういうような空気もつくつて、先ほどは戰争を例に引きましたけれども、その官庁同士の摩擦は、おそらくこれは大問題となり、そして運営のうちにおいても、郵便局長の全国の会議を開いて、あらかじめ打合せをせずして自由な意見を闘わしたならば、今私が申し上げたようにこの地元還元は――この地区から募集したものはこの地区に返すのだという意見は、絶対多数じやなくて、これは全部がそういう意見になつておると思います。そういう意見であり、募集員もそういうことを考えて、志気の高揚をはかるということになるだろうと思います。そうなると、その意思に反したいわゆる上層部の運営――けつこうであります。非常にりつぱであります。答弁はりつぱだ。答弁はりつぱだけれども、過去のそれと相反した行動になるということを、先ほど私は民主的と申しましたけれども、大衆の意思に反する。これら詳しいことは局長さんに申しますけれども、実際の募集の面は、農村には金がないのだ、けれども何かの條件をつけて、農村から金を集めようとすることは、今はその時期ではないという。けれども起債、これもその市町村の起債に応ずる何かの條件をつけて、これを発動するということになつた場合に、これはたしか地方自治法の二百五十條か、それにも牴触することになりましようし、とにかくそういう予想をしてなかつたということは、自然につり込まれ、つり込まれて、最後はいわゆるどうにもならぬ段階に入つて、掛金さえどうにもならぬということになりはせぬが、そういうことはおそらく民衆の考えておらぬ線に、自然に追い込まれるというおそれがありはせぬか。それを称して私は先ほど、民主政治は大衆の意思に反するような行動に現われた法律では、将来この運営に非常に迷惑であるということを申し上げたのであつて、摩擦ということは、業者の摩擦もさることながら、今一例を申し上げましたが、日本の敗戰の原因は陸海軍の摩擦であつた。その摩擦あることによつて、ものの成功というものは絶対あり得ないという一例を申し上げたのであつて、なければいいが、あればたいへんだ。ないことはどなたも念願することであろう。ないことを念願することであるならば、ないような方法をもつて、法律を修正するなりあるいは適当なる時期まで待つなり、そういう方向へ持つて行くことが政治ではないか、こう私は考えるのである。今申し上げたようなことによつて、民主政治がそういう運営の上において非常にまずい点に突入する、あるいは摩擦を生ずる、官庁同士の摩擦が国家の大問題となるというようなことに突入する。これがないようにすることが政治であるということであつたならば、この法案の操作において、適当にひとつ御考慮願うことが当然じやないだろうか、こういうことをまず大臣に申し上げておきます。
 大臣は時間がないそうですから、あとは局長さんに申し上げますが、私の今申し上げたことは、郵政省の現在において将来において進みつつあるということに対する大幅の反省を促さなければならぬ。これはあとで申し上げますけれども、郵政大臣は時間がないのですから、以上のことを申し上げます。大局からいつて方針を誤つてはならぬというがために、この法律の操作において十二分の御考慮を願いたい、こういうことを申し上げておきます。
#13
○佐藤国務大臣 お話はよくわかりました。私もこの委員会へたびたび出席を求められておるにかかわらず、今までも出て参りませんし、また出て参ればただちに呼出しを食つておるようなことで、まことに恐縮に存ずる次第でございますが、ただいまのお話は根本の問題でありますので、私どもが事業運営をいたして参ります際に、大いに耳を傾け、同時にまた心して運用して行かなければならない点もあるやに伺つたのでありますので、一言所見を申し上げて、ことにその中の御質問と考えられます公企業体案についての考え等もごひろう申し上げまして、お答えをいたしたいと思います。
 それで民主政治のあり方、しごくごもつともでございます。しかしてここに一つのむずかしい問題があるのでありまして、御承知のように政府が貯蓄奨励をいたしておりまするが、その貯蓄奨励ということは非常にけつこうなことでも、その手段方法を誤りますると、とんでもないことになる。ちようどそれと同じように、生命保險が非常に大事なことであり、同時にまた貯蓄にもなるわけでありまするが、病気になつた、またその後の死亡等の処置のことを考えますと、どうしても保險というものは普及徹底さすべきものだと思います。やはりこの勧誘にあたりましてはよほど気をつけませんと、せつかく入りたい者もその勧誘に応じかねる。私自身の経験から申しましても、若い時分は最もうるさいものは保險の勧誘だというような感がいたしまして、その勧誘に来た人を自分のうちへ上げて話を聞くというような気持には、なかなかならなかつたものであります。そういうような仕事でありますだけに、なかなかむずかしい問題だろうと思います。これらの点に触れての御高見は、しごく私も心しなければならないことだと共感いたしておる次第でございます。
 しかして第二に、各省間の摩擦ということを言われ、ことに戦時中の陸海軍の摩擦等を例にとつて申されておるのでありますが、この摩擦ということになりますれば、各省一つだけの摩擦ということは考えられない。戦時中において陸海軍が摩擦したというように――これはいいとか悪いとか申すのではない。どちらがいいとか悪いとか申すのではないが、摩擦という事実はとにかくそういうところから起るのであります。この摩擦が生ずるということは、これはだれもいいと是認はできない。ことに参考人として呼ばれました組合の笹川君の意見が、郵政省の意見を代表するのじやないか、かような御心配もあるやに見受けたのでありますが、この点は賢明なる夏堀委員が、大臣の御説明と、皆様方がお呼びになりました参考人のその意見との食い違いがもしあるといたしまして。どれを御信用なさいますかは、これは委員の方におまかせしてしかるべきものだと思います。ただ重大な問題として、この際私の意見を申し上げたいことは、今回の運用権の復元の問題につきましては、ただいま御心配のような、大蔵事務当局と郵政事務当局との間に摩擦があるのではないかという御心配、これはしごくごもつともな御心配のようにお見受けいたすのであります。私もそのような点につきましては、やはり全然事実はなかつたとは申しません。おそらく大蔵大臣も同様なことを考えておるのではないかと思います。と申しますのは、この復元の法案は、次官会議においては結局結論を得ないで、閣議におきまして大臣同士でこの案をきめた。この一事をもつていたしましても、両省事務当局間においてそれぞれの主張があつたということは、これはもうはつきりしている事実であります。私はこの事実を否定しようとはいたさないものであります。しかしながらこの問題の結末を、ただいま御審議をいただいておりますような法案の形において処理するということは、両省の事務当局につながると申しますか、国務大臣の責任におきまして、両省大臣が最終的な結論を出した次第なのであります。従いまして、私どもはこの両省の事務当局間の対立した意見が、さらに内閣自身の対立意見にまで発展しているとは考えておりません。私自身もいわゆる官僚の出身であります。従いまして、事務を担当しております諸君の気持につきましては、あるいは皆様方よりか私の方が理解が深いかわからない。この意見が対立いたしますゆえんのものは、いわゆる官僚なるものはまことに忠実なものであります。従いまして自分たちが担当しております職務の遂行につきましては、だれにも譲らないだけの見識と申しますか、一つの意見をもつておるのが、官僚として当然のことなのであります。その立場において主張いたします事柄を、ただ摩擦という形において非難することは、やや実情に合わない点があり、同時にまた日本の行政組織に対しての御理解の点から申しまして、やや無理ではないかと思うのであります。で、私どもが閣議におきまして最終決定をいたしました状態は、ただいま申し上げるような点を勘案いたしまして、最後に、これは事務当局とは別に、やはり国務大臣の資格において最終的決定をするのが望ましいことだ、また両省の事務当局相互間の対立を激化させないゆえんだ、これが私どもの最後の結論なのであります。これは官僚が、自分たちが担当いたしておりまする業務について、非常に忠実であるということと同時に、官僚は組織によつて動くものでありまして、個々ばらばらに独立した見識を持つものではない。やはり上司の命を受けて行動をいたすものが官僚なのであります。かような意味合いにおきまして、両省間の摩擦あるいは対立を激化させない、かような意味合いにおいての最終的な閣議決定をいたしたような次第なのであります。この点につきましては、今後もかような問題を起しては相済まない。その点はただいま夏堀委員から御指摘の通り、両省を担当いたします者といたしましては、十分部下職員の言動等につきましても責任をもつて監視する要があるだろう。そうして本来としましては、どこまでも政府としてりつぱな業績を上げて行くように、指導監督すべき責務が私どもにあるわけであります。この両省の間の摩擦についての私の感じ、所見はただいま申し上げる通りでございます。
 そこで簡易生命保險の事業を公共企業体に移す考えがあるかないか、こういうお話がありましたが、簡易生命保險は、政府事業として出発いたしておりまするし、今日まで公共企業体へ移行するというようなことは、いまだ考えたことは全然ない次第であります。これだけの結論を申し上げて、私のお答えといたす次第でございます。
#14
○夏堀委員 これは政府委員の方にお伺いいたしますが、二十六年度三月末、二十七年度三月末のこの貸付残高はどうなつておりますか。
#15
○白根(玉)政府委員 ただいま手元に持つておる資料は、契約者貸付の全体の資料だけしか持つておりません。そのうちの団体貸付はどのくらいであるか、これはまだはつきりわかつておりませんが、二十六年の三月末で、契約者貸付の全体の額は三億八千五百万円、この中に団体貸付はどのくらいあるかはあとで資料としてお出しします。それから二十七年の三月末現在で、契約者貸付が十四億一千五百万円、このうちに団体貸付がどのくらいあるかはつきりしませんが、大体一割程度ではないか、一億五千万円程度ではないかと思いますが、なおはつきり……。
    ―――――――――――――
#16
○佐藤委員長 次に、去る六月二十日本委員会に付託と相なりました参議院提出の未復員者給與法等の一部を改正する法律案を議題として、提案者より提案理由の説明を聴取いたします。提案者参議院議員大谷瑩潤君。
#17
○大谷参議院議員 ただいま議題となりました未復員者給與法等の一部を改正する法律案の提案理由の説明を申し上げます。
 未復員者給與法は、元の陸海軍に属している者が復員するまでの間、本人に俸給及び扶養手当を支給し、復員後においては帰郷旅費の支給及び療養の給付等を行うことを規定したものでございますが、従来戰争犯罪人または戰争犯罪人容疑名としてで逮捕、抑留、処刑された者には、俸給、扶養手当及び帰郷旅費は支給されないことになつておりました。本年四月二十八日に日本国との平和條約の効力発生に伴いまして、連合国軍最高司令官の権限が消滅いたしましたので、今後は新たな戰犯の発生は考えられず、かつ條約発効後においては、戦争犯罪人でありました者の取扱いにつきまして、他の法令、たとえば恩給法におきましても、その権利の復活を認める方向に進んでおりますので、この際未復員者の給與に関しましても、戰争犯罪人に対する特別扱いを改めることといたしたいと存ずるのであります。改正案の第一條の改正規定は、未復員者給與法中の戰犯関係條項を削除いたしまして、戰犯を理由とした差別扱いをしないことといたしたのであります。しかしながら戦争犯罪人の中には、元の陸海軍に属していない者もあり、また内地において拘禁中の者もありますため、未復員者給與法の改正だけではすべてが救済されませんので、これらの者を特別未帰還者の中に包含させて、特別未帰還者給與法の適用を受けることができるようにいたしました。改正案の第二條は、このことを規定したのでございます。特別未帰還者給與法は、本復員者給與法をそのまま準用いたしておりますので、この二つの法律の改正によつて、戦犯者の以前における所属が旧軍関係であるといなとを問わず、同一の取扱いを受けることになるのでございます。なお従来未復員者給與法の取扱いとしまして、戰犯が確定いたしますると、元の陸海軍に属していた者も未復員者名簿から抹消する手続をいたしまして、未復員者給與法の適用から除外いたしておりましたので、この特別未帰還者給與法の適用によつて救済されることになるのであります。
 現在拘禁中の内外地の戦争犯罪人は、その数合せて千二百四十一名でございます。これらの者に対しましては、その釈放に関する民間運動も展開されつつあり、また国会におきましても、さきに戦犯在所者の釈放等に関する決議をいたしております。その輿論にこたえる意味においてこの改正案を提出いたした次第でございます。
 何とぞ御審議の上御賛同賜わりますようお願い申し上げます。
#18
○佐藤委員長 本案に対する質疑は次会に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#19
○佐藤委員長 この際お諮りいたします。ただいま提案説明を聴取いたしました未復員者給與法等の一部を改正する法律案につきましては、海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会より、連合審査会を開いてほしい旨の申出がありましたので、本案に対し連合審査会を開くことにいたしたいと存じますが、この点御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○佐藤委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。
 なお連合審査会開会の日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
    ―――――――――――――
#21
○佐藤委員長 引続き簡易生命保險及郵便年金特別会計法の一部を改正する法律案、及び資金運用部資金法の一部を改正する法律案の両案に対する質疑を続行いたします。夏掘君。
#22
○夏堀委員 先ほどの貸付金総額のうち、団体貸付が一割と申しましたか。
#23
○白根(玉)政府委員 さようでございます。
#24
○夏堀委員 一割よりもつと多いはずです。これはあとで資料を出してください。
 そこで団体貸付というのは一体どういうような貸付になるのですか。
#25
○白根(玉)政府委員 先ほど申し上げましたように、団体貸付と申しましても、個人貸付の取扱いを集団的に取扱うというだけであります。従いまして契約者貸付は、御承知のように簡易生命保險法の六條によりまして、約款できまつております。それで契約者の貸付の申請が出ましたときには、お断りができぬように相なつております。そうして解約したときには還付金がどのくらい出るかということがきまつております。その還付金の限度におきまして、貸し付けることになつております。団体貸付、契約者貸付の必要性はどこにあるかと申しますと、御承知のように簡易保險契約は長期の契約でございます。長きは三十年、終身もございます。そういう長期契約でございますので、契約を継続しておる長い間におきまして、経済上の変動がありまして、保險料を納むることができないとか、不時の金がほしい、それによつて何かの仕事をやりたいというときには、便宜お貸しいたしまして、そのお貸しすることによりまして、契約の継続を慫慂いたしたい、こういう考え方でございます。従いましてその取扱いといたしましては、個人貸付と同じようなものを、便宜書類を別にしてやつておりますが、地方保險局におきましては、個々の契約と同じような取扱いをやつておる次第であります。
#26
○夏堀委員 たとえば地方自治体が学校の復旧に際して、団体貸付という名のもとに、その村の大多数あるいは全村が調印して、その地方自治体が責任を負わなければならぬということがありますか、ありませんか。
#27
○白根(玉)政府委員 団体貸付も、先ほど申し上げましたように、個人契約の貸付と同じであります。従つて使途をどこに向けるかということにつきましては、私どもとしてはあまり強い詮議はいたさないのであります。たまたま全村こぞつて契約者貸付というようなことで申請なさつても、それを強く糾明するようなことは、ある程度避けるようにわれわれはやつおりますが、その使途のいかんについて、たとえば学校を建てるからだということで慫慂するようなことは、絶対にやつておらないのであります。個々の契約の貸付でございまして、その使途の点についてはあまり干渉するということは、今までのところはやらないのでございます。
#28
○夏堀委員 干渉しなくても黙認しておりますか。
#29
○白根(玉)政府委員 先ほど申し上げましたように、契約者貸付につきましては、使途の点はあまりわれわれは問題にいたさないのであります。成規の手続を経まして、ただ便宜として、かりに共同申請のようなかつこうにしておりましても、取扱いといたしましては、個々の契約の貸付と同じようにしておるのでございます。黙認とおつしやるのでございますけれども、使途の面については、そうわれわれとしては干渉しないということであります。
#30
○夏堀委員 干渉しないといつても、あなた方責任者は、部下のやることに対して、それは法律面から照してみて、あまり正しくないことであるということになれば、あるいはもつとつつ込んで違法であるということでも、なおわれ関せずとしてこれをまかせられるんだということに解釈してよろしいのであります。
#31
○白根(玉)政府委員 学校を建てるから団体貸付をするというようなことが明白にわかるときは、われわれといたしましては黙認をいたしませんし、われわれとしてはそれは市町村がおやりになるのが当然のことと思います。従つて契約者の個々の方々の何かの使途に使うために、契約者貸付の申請があるときは、それを容認しておる、こういう考え方であります。
#32
○夏堀委員 そういう責任を回避するようなことをやつていなさるから、それで私は今後の運営において非常に大きな問題になることを憂慮するので、これを郵政大臣に心配の余り質問したのであります。私が調査したところによりますと、団体貸付は学校等の建築のような方途に使う場合に、あらかじめ調査をし許可を與えなくてもよいということに、解釈するではありましようけれども、しかし地方自治体に貸付する場合には、それは法律の面において、地方自治法の二百五十條でありますか、あれにおいてはつきりとうたわれております。従つていわゆる黙認ではない。しかし知らぬふりをしておるということになると、地方の方ではその資金について、その法律によつてこういう手続を経なければならぬという規定があるのにかかわらず、それをやらないのに、適当に団体貸付という名称のもとに黙認してやるということが、私としては違法じやないか、こう考えるのであります。ただそうした点はあまりとがめもせぬのだ、黙認でもない、こういうような何かしらごまかすような御答弁に聞えてならぬのですが、実際現実問題としてそれがあるのですから、そういうことはよくない。さつきの郵政大臣の御答弁は、そういう極数のことはいけないから、大いにやらせぬようにしなければならぬというような意味合いにも聞えたのですが、私の調査によつてそれはあるのだ、現在でもあるのだ、今後はそれが何十倍に発展するだろう、それを先ほどから私は郵政大臣にも申し入れておるのであります。その一点が結局これなんであります。そうすると、農村の今の経済状態は非常にきゆうくつであつて、どうにも金がなくて困つておるのであります。また起債の許可もなかなか容易じやないし苦しいから、しようがないからひとつ簡保の金でも借りようじやないか。それで団体貸付としてその金を借りることには成功しても、その次に来るのは、その掛金に追われて、いわゆる税金のようにどしどしとられ、どうにもこうにもならぬはめになるんじやなかろうか。そういうことになれば、結局やはり成績を上げたいからやるんだ、募集員は奨励金をもらえるからやるんだ。あるいはもう一歩進んで、お前の村の学校を建ててやるから、お前の村はその分だけ保險の金額をまとめてほしい。その村の経済とかいうことを十分に調査してやれば、そういうことはないでしようけれども、ただ無軌道に、申込みがあつたからやるんだ、こういうことが今後あるようなおそれがしてならぬのであります。もしそうであれば、保險募集の取締に関する法律の十六條に、「保險契約者又は被保險者に対して特別の利益の提供を約し、又は保險料の割引、割戻その他特別の利益を提供する行為」があつてはならない、民間においてはこういう取締りの法律によつて縛られておる。しかし官業であれば、それはよろしいのだということは当らない。特に地方自治法の二百五十條によつて、これははつきりと、そういうものは許可もできないし、やることもいけないし、かつてなふるまいはいかぬということが規定されてありますので、これを逸脱して、かつてに募集員が奨励金ほしさに、そして地方自治体が各市町村の責任において、この保險金額をまとめてほしいということによつて、学校は建つたにせよ、あとの始末に困るということになれば、これはたいへんな問題になります。しからばそういうことはないかといえば、現在でもあるということを私は突きとめておりますので、そうするとこれからでも、今後は何倍にもなるんじやないかということが予想されるであろう。そういう点は何かあとで、これまで大臣あるいは局長さんの御意見、御答弁の趣旨と地方のそれと非常に食い違つて行くのじやないだろうか。ここにあなた方の運営の中に非常に困つた問題がありはせぬのか。現在あるものを今後ないと言うことは言えない。それを私は指摘するのであります。そういうことは今ここで断然ないとおつしやつたところで、それは言う必要はないのであつて、私は現実にあるということの証拠をちやんと持つております。しかしそれを今ここでどうこう申しません。今後拡大されるおそれがあり、そうした場合に民間の保險の取締りについても、法律の第十六條に違反規定が定めてありますので、そこで官業においてもこれと同様の方法をもつて、あとで地方自治体にこれを無理にしいて、非常に迷惑をするというようなことかあつてはならない。これを私は申し上げるのであります。局長さんにこれを今ここで答弁せよと申しましたらお困りであろうと存じますので、あえてすぐ答弁せよとは申しません。けれども答弁しようというなら、それは御自由です。これは実際あり得ることです。そういうことは今申し上げたことによつて、趣旨も立たぬのでありますから、そういうことがあつてはならぬというようなことを、法律の上において定めることがよろしいのじやないか。民間の違法行為に対するそれと同様に、官業も法律によつてこれを規定すべきじやないだろうかということを、私は考えておるのであります。こういう点はいかがでございましようか。
#33
○白根(玉)政府委員 そういう事実が全然ないとは私も申し上げません。ただ現状におきましては、契約者貸付の申請があつたら、貸さなければならないという約款上の規定になつております。従いまして現状ではそうでございますが、ただいまの夏堀先生の御心配の面もごもつともでございまして、そういうようなかご抜け的なやり方をやらないように、約款上――これはいろいろこまかいので、法律は約款に讓つておりますが、約款改正の際にはできるだけ考慮いたしたい、かように存じております。
#34
○夏堀委員 どうも御答弁はうやむやで、何かしらあるようでないようですが、これはあることはわかつておる。それを今後継続してやることがよくない、よつてこれを法律によつて定めなければならぬ、こういうことを今申し上げるのであつて、ほんとうならば、郵政委員会でこの間審議されたあの法律案にこれを定むべきものである、こう考えるのでありますけれども、これは参議院も通つたそうでありますから、よつて今後研究して、これが必要とあれば、大蔵委員会においてこうした面も考えてみたい、こう私たちは考えております。そこで先ほど郵政大臣は、わかつたようなわからないような御答弁をされましたけれども、ちつとも要領を得ておりません。私の質問せんとするところは、もつと大きな面で、こういうことのおそれありということを私は言つておる。それをそうだとか、そうでないとかいつて、全然要領を得ておりません。しかしきようは時間がありませんから、これはあとに譲ることといたします。
 ただ、今私が申し上げたことは、今後運営の上において、私の今申し上げたようなことがあり得るであろう、こう思いまするので、それがあつては困るから、これを法律の上において定めることがいいじやないか。これは取締り以外のことですよ、すべての運営の上についてです。当委員会において何か修正案も研究になつておるようでありまするが、本当なれば私は、この修正案を今修正をしたところで、先ほど私が申し上げたような大きな面において、根本からこれを解決しなければならぬから、そこで公共企業体となれば一番いいじやないかと考えておりますけれども、郵政大臣はまだ考えておらぬということであります。考えておらぬでも、いつかはそういう時期が来るであろう、こう私は考えております。先ほど郵政大臣及び局長さんに私の質問したことが、その通り行つたならば、それはたいへんな問題であるから、私は憂慮の余り質問申し上げておるのであつて、決して悪意があつて、郵政省をとつちめてやろうというような、ちつぽけなことは考えておりませんが、そういうことがあつたら困る。しからば、ないとおつしやつたところで、結果に現われることをどうするか。これを私は、郵政大臣は帰りましたけれども、私が申し上げたことは、そうじやない、こうするとおつしやつたところで、結果において現われたならばどうするか。私はもうはつきり申し上げて、おきます。そうなるおそれではない。そうなる。だからそうならぬように、法律によつてすべてのことをきめておかなければならぬ。一片の答弁によつてこうだと言つたところで、その記録をたどつて行つて、こういうことを大臣は言つたじやないかといつたところで、運営の面において地方の郵便局などではわかりません。であるからやはりすべての運営においては、できるだけ法律の制定において、これを決定しておかなければならないと考えるのであります。時間もありませんから、きようはこの程度にして私は質問を終りますが、私は責任をもつて今申し上げたのでありますから、郵政大臣は御都合によつて退席いたしましたけれども、夏堀はこういうことを言つた、もしあつたらどうするかということになると、あとで責任問題になると思います。そういう御迷惑はかけたくないから、すべて法律によつて修正するものは修正しておいたらいいじやないかということを、好意的に申し上げたということをお伝え願いたいと思います。
    ―――――――――――――
#35
○佐藤委員長 なおこの際、接收貴金属等の数量等の報告に関する法律案を追加議題といたしまして、三案に対する質疑を続行することといたします。
#36
○中野(四)委員 申すまでもなく、会期も非常にデリケートな関係を生じて、常識から言えばきわめて切迫しておると言うていいのです。しかも委員会で要求をしておる資料というものが、はなはだ遅々として委員会に提出をされないということは、あらゆる法案を審議する上において重大な支障を来すと思うのです。特に御承知の通り、先日来この接收貴金属等の数量を報告せしめる法律案を提案するにあたつては、少くとも大蔵省が当時これに関與したかしないかということが重大なポイントであります。ところが先日来の証言によれば、大蔵省は関與をしたという事実を証するために、当時の記録があるというのですから、従つてこれを出してもらいたい。委員会においてもこれを要求したはずでありますが、もう三日間も経た本日、なおこの資料が提出されていないということは、委員会が少し軽視されておるのじやないですか。大蔵省当局に向つて委員長から、本日嚴重なる催告をしていただきたいと思うのです。そうして資料がここに提出されましてから、この法案に対しての質疑を継続したいと思うのです。他の委員諸君の質疑はともかくも、私は少くともその入手径路の不明なダイヤモンド、しかもダイヤモンドの品質、品位、あるいはそのおよその価格というものが明確にされず、その資料は提出されず、特に大蔵省に接收当時関與した中央生活物資活用協会のその当時の記録を、この委員会へすみやかに出していただくように、委員長から御催告を願いたいと思う。その二つの資料が出ましてから、この問題についてはさらに継続質疑を打つて行きたいと思うのです。さらにこの際私は委員会にお諮り願いたいと思いますることは、これは政治折衝と言うた方がよいかもしれませんが、先日来自由党所属の委員諸君からいろいろ親切な御忠告があつて、品質、種類というようなものを今ここで短かい期間の中で現わすことは、なかなか大蔵省もたいへんであろうから、何らかの考え方があるならばというようなお話があつたので、私もその立場を勘案いたしまして、大蔵省の管理課長とも話をして、現物の写真を提供してくれるならば、これでもしんぼうしようとまで讓歩をしていたのですが、ここにおいでになる佐久間徹君から、この火曜日にそれでは大体写真だけでもというお話がありましたので、火曜日の午後この委員会終了後において、おはからい願つてけつこうだと言つておわかれしたのでありますが、どういう形になつておりまするか。委員会終了後でけつこうですから、理事会をお開きになつて、その回答もあわせてお聞かせを願いたいと思うのであります。
#37
○佐藤委員長 委員長から申し上げますが、資料の点に関しましては委員長も全然同感でございますので、厳重に政府に申入れをすることにいたします。写真の点につきましては、後刻理事令を開いてよく協議して善処いたしますから、さよう御了承願います。
 時間も大分たちましたので、午前はこの程度にとどめ、午後一時半まで休憩をいたすことといたします。
    午後零時三十六分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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