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1947/06/15 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 農林委員会 第18号
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1947/06/15 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 農林委員会 第18号

#1
第002回国会 農林委員会 第18号
昭和二十三年六月十五日(火曜日)
    午前十一時六分開議
 出席委員
   委員長 井上 良次君
   理事 岩本 信行君 理事 森 幸太郎君
   理事 佐竹 新市君 理事 永井勝次郎君
   理事 鈴木 強平君 理事 萩原 壽雄君
   理事 北  二郎君
      小川原政信君   小野瀬忠兵衞君
      佐々木秀世君    重富  卓君
      田口助太郎君    綱島 正興君
      野原 正勝君    八木 一郎君
      山村新治郎君    渡邊 良夫君
      勝間田清一君    河合 義一君
      清澤 俊英君    黒田 寿男君
      成瀬喜五郎君    野上 健次君
      溝淵松太郎君   青木清左ヱ門君
      神山 榮一君    寺本  齋君
      中垣 國男君    坪井 亀藏君
     的場金右衞門君    平工 喜市君
      松澤  一君    森山 武彦君
      大瀧亀代司君
 出席政府委員
        農林政務次官  大島 義晴君
        農林事務官   山添 利作君
        食糧管理局長官 片柳 眞吉君
 委員外の出席者
        専門調査委員  片山 徳次君
        専門調査員   岩隈  博君
    ―――――――――――――
六月十二日
 農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣
提出)(第一三九号)
同月十四日
獣医師会及び装蹄師会の解散に関する法律案(内
閣提出)(第一四二号)
 家畜傳染病予防法の一部を改正する法律案(内
閣提出)(第一四八号)
同月十二日
 北見種畜牧場存続等に関する請願(伊藤郷一君
外一名紹介)(第一三一五号)
 馬の傳染性貧血研究機関創設の請願(永井勝次
郎君紹介)(第一三一六号)
 紫尾村地内部分林開放の請願(鈴木明良君紹介
)(第一三二三号)
 七重村地内山林買收中止の請願(鈴木明良君紹
介)(第一三二四号)
 北海道御料林を地元市町村に拂下の請願(坂東
幸太郎君外二名紹介)(第一三二六号)
 青筵の價格引上の請願(松原一彦君紹介)(第
一三二六号)
 北見種畜牧場存続の請願(永井勝次郎君紹介)
(第一三四七号)
 岐阜縣法電害復旧助成の請願(長谷川俊一君紹
介)(第一三五六号)
 賀茂郡開拓幹線道路開設の請願(佐竹新市君紹
介)(第一三五七号)
 土澤町に營林署設置の請願(志賀健次郎君紹介
)(第一三六一号)
 東横野村の電害救済に関する請願(中曽根康弘
君紹介)(第一三八九号)
 群馬縣下の電害救済に関する請願(中曽根康弘
君紹介)(第一三九〇号)
 豊田、大谷地区に灌漑用水施設拡充の請願(池
谷信一君外六名紹介)(第一三九一号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案
(内閣提出)(第一〇二号)
 農地調整法の一部を改正する法律案(内閣提出
)(第一〇三号)
 輸出入植物險疫法案(内閣提出)(第一〇六号

 最近の食糧事情に関する件
    ―――――――――――――
#2
○井上委員長 これより会議を開きます。
 本日は公報でお知らせいたしました通り、自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案、農地調整法の一部を改正する法律案及び輸出入植物險疫法案の各案を一括議題に供します。まず政府の提案理由の説明を求めます。大島政務次官
    ―――――――――――――
#3
○大島政府委員 ただいま議題になりました農地調整法の一部を改正する法律案及び自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案の内容の御説明を申し上げたいと思うのであります。
 政府の農地買收は回を重ねることすでに六回、合解約百三十四万町歩の小作地を買收いたしました。なおこれに財産税として物納を許可されたもので現在までに登記の終つておりますもの十八万町歩を加えると、合計百五十万町歩を超えることになります。一方農地の賣渡しにつきましては、まだ五十三万町歩を賣渡したにすぎませんが、來る七月上旬までには大部分を賣渡す予定であります。
 農地改革の進行状況はおおむね以上の通りでありますが、農地改革を実行いたしますうちに、これが基礎をなす自作農創設特別措置法及び農地調整法の規定中、若干改善の余地があることを発見いたしまして、第一回國会におきましても若干の改正がされたのでありますが、その後の情勢によつてさらに新たなる規定を設ける必要も生じてまいりましたので、両法律の改正法案を國会に提案いたした次第であります。各位の愼重なる御審議をお願いいたしたいのであります。
 次に両法律の改正案について大体の御説明をいたしますと、まず農地調整法の一部を改正する法律案から申し上げますが、第一に農地の永小作権に強化の問題であります。農地の賃貸借は、農地調整法の数次にわたる改正により現在非常に強化されているのでありますが、これに比して農地の永小作権については單に民法の規定に委ねられ、その保障が十分でなかつたのであります。そこで今次の改正におきまして、永小作権の消滅の請求、更新の拒絶について、賃貸借の解除、取約又は更新の拒絶と同樣の制限を加えまして、市町村農地委員会の承認――來年の四月末日までは知事の許可になつておりますが――なくして、永小作権の消滅または更新の拒絶はできないことといたしました。
 第二に市町村農地委員会の委員の選挙の手続の問題であります。現在市町村農地委員会の選挙につきましては、市町村の選挙管理委員会が管理いたすことになつているのでありますが、この選挙手続が一般の選挙手続といささか趣を異にいたしておりまして、その間種々の不便なことが多かつたので、今次の改正におきまして、選挙手続の一般法と言える衆議院議員選挙法及び地方自治法の規定を準用してこの不便を除いた次第であります。
 第三に都道府縣費地委員会の委員の選挙は、現在直接選挙となつているのでありますが、あまりにも範囲が廣大になり、実情にも合致しない点もありますので、今次の改正で、これを間接選挙にいたし、選挙権は市町村農地委員会の委員に限り、被選挙権は、市町村農地委員会の委会の被選挙権と同樣にいたした次第であります。
 第四に、小作調停法の一部改正の問題であります、小作調停制度の整備をいたしますために、調停の申立があつたときは、裁判所はまず市町村農地委員会をして勧解せしめることとし、さらに調停委員は、都道府縣農地委員会の握薦する者をも選任されることにいたしたのであります。以上が農地調査法関係のあらましの説明であります。
 次に自作農創設特別措置法関係に入ります。この法律関係といたしましては、民法施行前に永久存続すべきものとして設定された永小作権等いわゆる旧慣永小作の対象となつている小作地、小作牧野を認定買收し得る規定を入れました。これらの永小作は民法施行法第四十七條により、本年七月十五日に効力を失うことになつているのでありますが、かかる永小作権は、発生の沿革及び農地改革の目的よりして、農地改革の一環として認定買收し得ることとしたのであります。
 その他といたしましては、農地改革の円滑なる進行をはかるため必要な技術的改正を加えたにすぎぬのであります。
 以上で両法律案の説明を終りました。御議の上速やかに御可決あらんことを御願いいたす次第であります。
 次は輸出入植物檢疫法の提案の理由を御説明申し上げたいと思うのであります。
 わが國における輸出入植物の檢疫は、大正三年以來輸出入植物取締法に基いてこれを実施いたしまして、農林作物病菌害虫の侵入防止並びに農産物輸出助長に貢献してまいりました。植物檢疫機関は、戰時中は貿易の杜絶に伴つて一時活動も停滯状態になつていましたが、貿易の再開とともに再びその使命の重要性を加えるに至つたのであります。海外より輸入される植物の檢疫を励行してこれに附着する病菌または害虫の侵入を防止しますことは、國内生産の安全確保の上にきわめて重要な意義を有しますとともに、輸出農産物につきまして外國の要請する植物檢疫を徹底いたしますことは、農産物等の輸出振興に寄與するところが大でありますので、從來の規定の不備を補つて檢疫の徹底を期したいと思うのであります。
 なお輸出入植物の檢疫機関は、昭和二十一年度までは海運局に所属し、その事務の内容については、農林省が指導監督してまいたつのでありますが、昭和二十二年度から動植物檢疫所として農林省に直属することとなりましたことと、諸法制に改正に伴いまして、種々改正を要する点ができてまいりましたので、現行法を廃止し、これにかえて輸出入植物檢疫法を制定することが必要となりましたので、ここにこの法律案を提出する次第であります。
#4
○井上委員長 それではこの際特に委員の方からもいろいろ御意見がございまするが、政府に対して最近の食糧事情について説明を願います。それは先般來本会議並びに新聞その他を通じまして、政府は十月末の本米穀年度末までは遅配は大体ない見透しである。二合五勺の配給は完全に実行するということをたびたび声明してきたのであります。しかるところ最近北海道、神奈川縣あるいは愛知縣、大阪府その他各地方に遅配が進行しつつあります。政府の方では、この遅配は操作上の遅配であつて本質的な遅配でないという説明をしてきておるのでありますが、しかしながら本質上の遅配というものは一体どういうものか、われわれにはよくわかりませんが、その点について國民が納得し得るような説明を、この際政府から願いたいと思います。
#5
○片柳政府委員 ただいま委員長からお話がありました主要食糧の今後の需要の見透しにつきまして、最近の情勢を私から御説明申し上げます。
 まず今月から端境期十月までの全体の需要高の総計は、概算二千八十万石であります。但し最近の雹害等の関係で農家が予定しておりました麦の食いつきができないという情勢も起きておりますので、この需要高は若干増加するかもわかりませんが、從來府縣と折衝いたしました数字によりますと、概算二千八十万石、それに翌年度への持越し、最少限度約九十万近いものを必要としますので、持越高を合しました需要高は二千百六十万程度ということになります。それに対しまして國内食糧の供給の見透しでありますが、六月現在で政府が手持ちをしております米は、凍結米を除外しますと約四百万石であります別途に凍結米が約三百五十万石ございますが、凍結米は輸入食糧に準じて放出を願つておりますから、これを除外しますと約四百万石と相なります。それ以外に國内食糧で今後期待のできますものは、目下やがて出荷期にはいつてまいります今年の馬鈴薯と麦を予定しておりますし、また九月、十月にはいりますと、甘藷、新米の供給力も予定しておりますが、これを合計しますと約七百三十二万石を予定しているのであります。後ほど麦の関係では最送の作況等も併せて御説明申し上げたいと思いますが、一應從來の計画では七百三十二万石を予定しているようなわけであります。そういたしますと、不足高は今申し上げました二千百六十万石から國内食糧の供給高の計は千百三十一万石ばかりでありますから、その差類の千百十万石くらいが不足高ということになります。これに対しましてはもちろん國内食糧をさらに供給力を増強するという問題もありますが、概して以上申し上げました七百三十二万石の國内食糧の供給は、むしろ昨今の麦の作況が惡いという関係から、むしろこの七百三十二万石を確保するについても一つの問題があるわけでありまして、すでにこれは相当強氣に見ておりますので、概して國内食糧をこれ以上に期待することは困難ではないかと思います。從いまして、この不足量は結局今後はいつてまいります輸入食糧に期待せざるを得ないということになるのであります。しかしその中に約三百五十万石の凍結米がございますから、これを除外いたしますと外國食糧としましては、六百八十二万石程度の放出がなければ、現行配給量が維持できないという結論になるのであります。
 そこで輸入食糧の状況でありますが、実はこの辺が非常にまだ確定的な状況にはなつておらないのでありますが、先月の入庫状況が、砂糖の方は概して順調にはいつておりますが肝腎の穀類の輸入が非常に落ちている。穀類の輸入は五月の実績が二万五千トン内外というような状況でありまして、今月の状況も急激には好轉を見ないというような状況になつておりまして、この辺でいろいろ現在各方面とも折衝しておりまするし、それぞれ対策を講じておるわけでありますが、さればと言つて、にわかに輸入食糧を六月にたくさんつけるということも、時間的の関係からも困難でありますが、結局現在の方針では、当初は概して七月以降の夏場に放出をいたしたい意味でとつておきました三百五十万石の凍結米を、六月七月に繰上げて、遅配防止に万全を期していかなければならぬ。こういうような状況になつております。実は六月の放出量も、凍結米の放出が一番多かつたような情勢でありまして、七月の状況も放出食糧の中で、やはり凍結米の放出が一番大きな比率を占めておるのではないかというような状況にまいつております。
 結論しますれば、八月以降の米の混食率を相当程度犠牲にして、六七月に米を配給して遅配防止をせざるを得ない。さらに言いますれば、八月以降の米の混食率は非常に低下をいたすというような見透しになつておるのであります。八月以降の状況は、不作とは言いながら麦も八月になりますれば、本格的な出廻期に入つてまいりますし、馬鈴薯の方は作況は大体順調のようであり、かつまた輸入食糧の情勢も、七月下旬ごろからは現在の情勢では相当好轉をする見透しでありますから、八月以降は今言つた米の混食率は落ちますけれども、量的には何とかなるという見透しであるのであります。ただ問題は、馬鈴薯等はすぐさま消費者に配給ができますが、麦類になりますと、これを製粉、精麦等の加工をしなければならぬという一つの過程がはいつてまいるのであります。しかもそのときには内麦外麦が相競合してはいつてくるという状況であるのであります。この点は昨年度も相当苦い経驗をなめております。現物は着きながら消費者への配給が遅れて、その間に遅配が起きるという状況になつておりますので、今年は製粉、精麦の点につきましては、現在から設備の補修なり、あるいは電力設備の優先的の供給なり、その他の資材の確保につきましても、いろいろ手当をいたしております。今後麦が内外ともにたくさんはいつてまいつた場合におきましても、これを最高度に加工のできるような態勢をとつていきたいと思つておるのであります。しかし遺憾ながら質的に米の配給が非常に減るというような状況になつておるのであります。これはしかし遅配を起さないという建前から、ある程度米の混食率の年均價というものは、この際犠牲にならざるを得ないというような状況になつております。しかし先ほど委員長からも御指摘がありましたが、全体の状況から見て何とかなるのではないかという現在の見透しであります。
 ただ問題は、麦の作況は、実は本日から地方廳を呼びまして御相談をいたしているのでありますが、当初の事前割当では、麦の生産量を約千九百万石の生産見込みで割当をいたしている。面積の方では全國で百五十八万九千町歩の面積のもとに約千九百万石の生産見込の前提のもとに割当てをせられておるわけでありまするが、五月一日現在の統計調査局の発表によりますれば、五月一日の收穫予想は、相当よろしい数字が出ておるのであります。これは御承知と思いまするが、北海道を除外いたしまして千七百七十三万五千石、これに北海道の生産見込が大体四十三万九千石ばかりでありますから、千八百二十万くらいの数字でありまして、まずまず五月一日の状況では、これは相当平年に近いというような状況でありましたが、遺憾ながら五月中旬以降におきまして雹害等不測の災害もございましたけれども非常に廣範囲にわたりまして病虫害の発生をいたしまして、最近ではほとんど私どもも連日陳情の應接にいとまのないような状況でございます。さような趣旨で、ただいま各縣の情勢をつぶさにお聽きをしておりますが、ともかく五月にはいりまして以來、相当麦の作況は悪い状況でありまして、特に五月一日現在の作況決定委員会の作況予想は、面積の方は北海道を入れまして百五十万町歩を越すと思いますけれども、作況の方は、主として五月一日におきまする麦の茎数と粒数で大体反当収量を見ておる。從いまして、現在粒はついておるけれども、ほとんどこれが実つておりませんとか、あるいは実つておりましても、非常に粒が小さいというようなフアクターはほとんど考慮にはいつておらないのでありまして、その辺を今後つぶさに調査いたしまして、適当なる減額補正をせざるを得ないと思つております。ただ需給状況から見てまいりますると、私の方では事前に割当数量は米換算約七百万石の供出見透しで案を立てております。しかし供出割当は七百万石でありまするが、私の方の需給推算では、供出量は約六百万石、実は多少こういう安全率をかけまして需給推算は立てておるのでございます。六百万石の中、約百万石程度がみそ、醤油の加工用にまわります、從つて差引五百万石を主要食糧にしてこれを見ておるわけでありまして、しかも五百万石の全量を十月末までに加工することが困難でありますので、先ほど申しました七百三十数万石の國内食糧に上には、麦としましては四百万石を見ておるような次第であります。從いまして相当の減収がありましても、十月までに四百万石の数量をきるということはまずないのではないだろうかという感じをもつておるのであります。
 ただ問題は、各県とも今年の事前割当をするにつきましては非常な問題がありまするし、しかもかような作況が非常に悪いというような状況でありますので、減額をしてまで供出をあるいは手控えるというような傾向がありますることを心配いたしておるのであります。しかしそうなりますると、六月、七月は相当量國内の馬鈴薯、麦の供給力に期待しておりますので、もちろん補正の方も、関係方面との折衝の関係もありまするが、できるだけ急いでいきたいと思つております。
 それはそれといたしましても、差当りの各縣の需給上必要なる最低額はぜひとも供出を願いたいということで、各縣に連絡をしておるようなわけでありまするが、ともかく麦の作況は遺憾ながらどうも思わしくないというような昨今の情勢であります。
 そこで先ほど委員長からお話のありました全國遅配の関係であります。どうも経過的な遅配ということは非常におかしいというようなお話でありますが、從來からも輸送なりあるいは消費のわくが苦しい、公團の手持ちが少いという関係から起きておるということを申し上げたのでありまするが、この遅配も今後の努力によつて解消し得るという状況であるのであります。そこで最近の私の方の食糧事務所からとりました五月三十一日現在の全國の遅配状況であるまするが北海道が札幌を最高といたしまして、小樽、室蘭が七、八日の遅配になつておりまして、札幌が九・九日の遅配というような状況になつております。この原因は、一つは五月に放出を予定しておりました輸入船が一隻非常に入港が遅れたということでありまするが、もう一つはああいうような非常に地域が廣いにもかかわらず、現在の公團手持ちがわずか八日二分くらいしかもつておりませんので、外部からの補給力に一つの齟齬がありましたことも一つの原因と思いまするが、公團手持ちがやや少きに失するのではないだろうかということで、公團手持ちの増につきまして今後善処してまいりたい。なお道内の鉄道輸送力の関係も多少あるようでありまして、これは今後はいります船を優先的に北海道につけまして、これを解消してまいりたいと努力しておる次第であります。
 それから青森縣が主として津軽半島の地区でありまするが、〇・四日の遅配になつております。これは非常に交通不便な関係で、海上から米その他の食糧を輸送するということで、主として輸送上の点から問題が起きてきておるようでありまして、公團の手持ちは、青森縣の公團が現在五月までは二十六日半の手持ち食糧を持ちておりまするから、輸送がうまくいきますればかようなことはないと考えるのであります。それから茨城縣がまだ相当米がありながら、全縣では一日の遅配があります。これはやはり縣のわくそのものに若干のむりがあるようでありまして、不日解消のできる見込みであります。
 それから埼玉縣が二・九日の遅配がありまするが、しかし公團手持ちは約十日分の配給量の手持ちを持つております。これまた倉庫が非常に点在しておる関係で、やはり配給操作が主たる原因ではないだろうかというふうに考えまして、関係方面を目下督励中であります。千葉縣が、これはいろいろ問題の多い縣でありまするが、三・四日の遅配になつておりますが、これは公團手持ちがわずかに四・四日しかないというような関係でありまして、主として千葉縣の消費わくの問題、公團手持ちの非常に少い関係と考えております。これは目下手を打つておるような次第であります。
 それから神奈川縣につきましても、先ほど井上委員長からもお話がありましたが、これはもう現在では大体解消しておると考えております。五月末に〇・六日の遅配がありましたが、これは主として輸入食糧の加工、輸送の関係でかような遅配がおきたようなわけでありまして、これはすでに解消し得ておるという報告であります。
 山梨縣、これは実は五月末の現在が一七・三日というような非常に大きな遅配になつておりますが、この問題は主として轉落農家に対する縣廳からの割当が非常に遅れておるという関係からきておるようでありまして、一七・三日の遅配でありますが、公團の手持ちは二十二日分のストツクを持つておるというような点からいたしましても、さような手続上の問題からきておるというふうにわれわれは考えておるわけであります。
 それから静岡縣が〇・一日の遅配でありますが、これは主として山間地帯の輸送の不円滑に原因をしておるという報告であります。これも解消し得る見込みであります。
 愛知縣、これは大消費地を控えておりますが、四・五日の遅配でありまして、この原因を調査いたしましたところによりますと、愛知縣では精米所を大規模に企業整備をいたしまして、大精米所主義で精米加工をやつておるという関係で、精米所から末端への配給が最近では遅れておる、こういうような情勢でありまして、公團手持ちは一一・一日の手持ちをもつておるようなわけでありまして、手持ちからしますればかような遅配は解消し得るというふうに見ております。
 廣島縣は〇・一日の遅配でありますが、これも主として島嶼部に対する輸送の関係からきております。
 高知縣は一・一日という遅配でありますが、やはりこれも主として縣内の輸送の関係から、わずかながら起つておるという状況であります。
 それから大分縣は米が相当あるところでありますが、これがやはり〇・一日の遅配である。公團手持ちは一四・二日の手持ちを持つておるようなわけでありまして、これも主として山間地帯の輸送の遅延からきておる。
 宮崎縣は三・九日の遅配でありますが、これは宮崎縣の立地関係で、輸入食糧の輸送が遅れておるという関係からしてきておるのであります。公團手持ちは一八・九日の手持ちを持つておる関係からいたしまして、これもやはり経過的なものと称して差支えないと思つております。
 そこでもう一つは、從來の遅配の原因といたしまして、輸入食糧のわくをもらいましても、それがなかなか届かないで遅配が起きるというような現象がありましたが、しかしこの五月、六月につきましては、輸入穀類の放出が非常に少いのでありまして、先ほども申し上げましたように、もつぱら凍結米と砂糖で代替放出をいたしておるのであります。穀類の方は六月の放出はわずかに二万三千トンしかございません。それに対しまして凍結米が十二万二千トン、砂糖が米換算で十二万トンというようなわけでありますから、米、砂糖の方は大体もう各府縣に現物として届いて存置されておるというような状況でありますから、この点からもこの遅配は少くとも解消し得る時期が早く來るというふうに見ておるのであります。ただ問題は八月以降になりますと、先ほど申し上げましたような輸入穀類が非常に多くなつてくる。また内地産の麦も相当大幅に配給しなければならぬ状況でありますから、八月以降は加工と輸送の関係でずれが起るということが、一つの過去の経驗からも問題になつておりますので、この点につきましてはさらに全力を盡していきたいと考えております。
#6
○井上委員長 速記はもうよろしいです。これで散会します。
    午前十一時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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