くにさくロゴ
2020/03/18 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 農林水産委員会 第4号 令和2年3月18日
姉妹サイト
 
2020/03/18 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 農林水産委員会 第4号 令和2年3月18日

#1
令和二年三月十八日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     宮崎 雅夫君     岡田 直樹君
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     宮崎 雅夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         江島  潔君
    理 事
                高野光二郎君
                堂故  茂君
                舞立 昇治君
                徳永 エリ君
                宮沢 由佳君
    委 員
                岩井 茂樹君
                野村 哲郎君
                藤木 眞也君
                宮崎 雅夫君
                山田 修路君
                山田 俊男君
                石垣のりこ君
                打越さく良君
                郡司  彰君
                森 ゆうこ君
                河野 義博君
                塩田 博昭君
                谷合 正明君
                石井 苗子君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   江藤  拓君
   副大臣
       農林水産副大臣  加藤 寛治君
       国土交通副大臣  青木 一彦君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       藤木 眞也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       外務省大臣官房
       参事官      赤松 秀一君
       文部科学省大臣
       官房審議官    矢野 和彦君
       厚生労働省大臣
       官房政策立案総
       括審議官     山田 雅彦君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    本多 則惠君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  浅川 京子君
       農林水産省大臣
       官房政策立案総
       括審議官     岩濱 洋海君
       農林水産省大臣
       官房統計部長   大角  亨君
       農林水産省消費
       ・安全局長    新井ゆたか君
       農林水産省食料
       産業局長     塩川 白良君
       農林水産省生産
       局長       水田 正和君
       農林水産省経営
       局長       横山  紳君
       農林水産省農村
       振興局長     牧元 幸司君
       農林水産省政策
       統括官      天羽  隆君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      菱沼 義久君
       林野庁長官    本郷 浩二君
       水産庁長官    山口 英彰君
       中小企業庁次長  鎌田  篤君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       次長       塩見 英之君
       海上保安庁総務
       部長       宮澤 康一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○令和二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、令和二年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、令和二年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (農林水産省所管)
    ─────────────

#2
○委員長(江島潔君) ただいまから農林水産委員会を開会をいたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務省大臣官房参事官赤松秀一君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(江島潔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(江島潔君) 去る十六日、予算委員会から、本日一日間、令和二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 政府から説明を聴取いたします。江藤農林水産大臣。

#5
○国務大臣(江藤拓君) 令和二年度農林水産予算の概要を御説明します。
 令和二年度農林水産予算の総額は二兆三千百九億円であり、その内訳は、公共事業費が六千九百八十九億円、非公共事業が一兆六千百二十億円となっております。
 このほか、防災・減災、国土強靱化のため、三か年緊急対策の最終年度分の臨時特別の措置として千八億円を計上しております。
 以下、予算の重点項目について御説明します。
 第一は、農林水産物・食品の政府一体となった輸出力強化と高付加価値化であります。
 昨年十一月に公布いたしました農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律に基づき、本年四月に輸出先国の輸入規制へ政府一体で対応する農林水産物・食品輸出本部を創設するとともに、HACCPに対応した施設整備やグローバル産地の形成などを支援してまいります。
 また、農業分野の知的財産の保護、侵害対策のほか、六次産業化や再生可能エネルギーの活用、食品ロスの削減などを推進してまいります。
 第二は、スマート農業の実現と強い農業のための基盤づくりであります。
 AI、IoTなどの先端技術を活用したスマート農業の社会実装を加速化するため、生産現場での導入、実証や蓄積された農業データの活用などを推進してまいります。
 また、農地の大区画化、汎用化や農業水利施設の長寿命化・耐震化対策などを進めるとともに、農業用機械、施設の導入を始めとする生産基盤の強化対策を支援してまいります。
 第三は、担い手への農地集積、集約化などによる構造改革の推進であります。
 担い手への農地集積、集約化を加速化するため、人・農地プランの実質化の推進、農地中間管理機構などの活動支援を行うとともに、家族経営を始めとする多様な人材の育成、確保や経営の継承などを推進してまいります。
 第四は、水田フル活用と経営所得安定対策の着実な実施であります。
 水田フル活用と需要に応じた米の生産、販売が行われるよう、麦、大豆などの戦略作物の本作化や高収益作物への転換を進めてまいります。
 また、経営安定対策や収入保険制度を着実に実施してまいります。
 第五は、食の安全、消費者の信頼確保であります。
 CSF、ASF等の家畜伝染性疾病の発生や蔓延を防止するため、農場のバイオセキュリティー向上の取組を支援するとともに、重要病害虫の侵入や蔓延を防止する取組を推進してまいります。
 第六は、農山漁村の活性化であります。
 多面的機能支払交付金などの日本型直接支払を着実に実施するとともに、棚田を含む中山間地域を振興する取組、農泊、農福連携、鳥害被害対策やジビエの利活用を支援してまいります。
 第七は、林業の成長産業化と林業イノベーションの推進であります。
 森林経営管理制度の下で、間伐、路網整備などを支援するとともに、造林作業の自動化機械や木質系新素材の開発などの林業イノベーションや、CLTの普及を始めとした木材需要の拡大など、川上から川下までの取組を総合的に推進してまいります。
 第八は、水産改革の実行による適切な資源管理と水産業の成長産業化であります。
 水産資源の持続的な利用を図るため、新たな資源管理システムの構築を進めるとともに、漁業経営安定対策や若者に魅力のある漁船漁業への構造改革などを着実に実施してまいります。
 また、我が国漁業者が安心して操業できるよう、漁港などの水産基盤の整備を進めるほか、令和元年度中に境港と新潟に配置する予定の漁業取締り船二隻に加え、更に二隻の漁業取締り船の建造を進め、外国漁船の違法操業に対する取締り体制を強化してまいります。
 第九は、災害からの復旧復興と防災・減災、国土強靱化であります。
 防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策として、ため池や治山施設などの農林水産分野の重要インフラの対策を着実に実施してまいります。
 次に、特別会計については、食料安定供給特別会計と国有林野事業債務管理特別会計に所要の予算を計上しています。
 最後に、財政投融資計画については、株式会社日本政策金融公庫による財政融資資金の借入れなど、総額五千二百六十八億円となっております。
 以上で、令和二年度農林水産予算の概要の説明を終わります。

#6
○委員長(江島潔君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#7
○舞立昇治君 自由民主党の舞立昇治でございます。早速始めます。
 まず、要望から入りたいと思います。
 新型コロナ問題によりまして、農林水産分野でも、資金繰りの問題を始め、学校給食や価格の下落、販売不振など様々な問題が生じており、国全体としても、リーマン・ショック並みかそれ以上の景気の落ち込みが予想されるところでございます。
 これまで打ち出した緊急対策では不十分でございまして、国民の生活や経済に悪影響が生じないよう、特に農林水産分野では、大臣も、所信質疑において予算がもっとあればこんなこともできるのにとか、財務に対してもしっかり予算要求しなきゃならぬと答弁されておりますように、GDP対比で社会保障以外の国の予算が農林水産分野を含め軒並み先進国最低水準に落ち込んでデフレが続いた反省を踏まえまして、今後大規模な経済対策を打ち出す際は、農林漁業関係者の不安を払拭すべく、一兆円を超える規模で一丁やってやるかという気持ちになれるように、是非とも、前例にとらわれず、今後も持続的な発展を図るという強力なメッセージ、対策を打ち出していただき、基金化などにより複数年度計画的に実施できるよう、切にお願いいたします。
 さて、農業では、中小・家族経営も含めまして、生産基盤の強化を通じて全体の底上げを図る支援の方向性が出てきたこと、また、林業では、本格的な利用期の到来や森林環境税創設による財源確保、森林経営管理法等の取組開始などにより徐々に明るい兆しが見えてきたと私は思いますが、いまだその兆しが見えないのが水産業であり、水産日本の復活に向け、私としては、何としても、農林同様、水産にも明るい軌道に乗せたいと思っておりますし、大臣にも強力なリーダーシップを発揮していただきたいと考えております。
 そこで、本日は、農林水産の中でも一番予算が少なく、そして、不安、改善要素の多い水産分野について、叱咤激励の意味を込めて質問させていただきます。
 まず、外国漁船の違法操業問題についてでございます。
 大臣所信でも触れられておりますが、スルメイカや甘エビ、カニ等の好漁場でございます大和堆周辺水域などにおける外国漁船の違法操業が絶えない。悪質化、巧妙化、広域化する状況に、現場の漁業関係者は、長年にわたり、悔しい、悲しい思いをしております。
 先週の石井議員の質疑では、取締り体制の強化等について来年度の取組に関する説明を受けましたが、それに関連してお聞きいたします。
 現在、漁業取締り船は、官船七隻、用船三十七隻の総勢四十四隻体制ですが、大型化や新船建造を図り、今後は七隻から官船が九隻に増える予定と聞いております。境港の白嶺丸を五百トン級から九百トン級に大型化していただいたことには感謝申し上げますが、現在の二千トン級、最大でございますが、これは三隻とも全て東京に配置され、令和三年度にもう一隻建造予定でございますが、この完成した暁には日本海側への、国の本気度を示す上でも、また東京一極集中の是正を図る観点からも、是非とも日本海側に二千トン級を配置していただきたいと考えております。
 更に言えば、海上保安庁の大きな巡視船が相対的に少なく、日韓漁業協定や竹島等の問題で長年つらい思いをしている山陰地方に是非とも配置していただきたいと考えますが、見解をお伺いします。

#8
○政府参考人(山口英彰君) お答えいたします。
 水産庁では、現在、東京に配備している二千トン級の大型の漁業取締り船三隻がございますが、これらについては、今年度も大和堆周辺水域に相当程度派遣し、集中的に取締りを行ってきたところでございます。
 また、本年三月に就航する大型の漁業取締り船二隻につきましては、境港及び新潟にそれぞれ一隻ずつ配備いたしまして、日本海における取締りに万全を期したいと考えております。
 令和三年度に建造する二千トン級の大型の新造船の配備先につきましては、現段階ではまだ決まっておりませんが、我が国周辺水域における外国漁船による違法操業の状況を踏まえ、大和堆を念頭に、具体的な取締り行動計画を検討してまいりたいと考えております。

#9
○舞立昇治君 ありがとうございます。
 まだ、東京じゃなくて検討というお言葉を聞きました。ありがとうございます。
 大和堆だけで外国漁船の退去警告数が三年連続で五千件を超え、海保の分も含めますと六千件を超える状態で、今後も、漁獲資源減少の中、漁業権益確保のため違法操業は一層深刻化することが予想されますので、とにかく是非御検討をお願いしたいと思います。
 東京から大和堆にも行っているとお伺いしましたけれども、そのタイムラグを考えますと、私は、日本海側に置いた方が必ず効率的だと思いますし、燃油代の節減にもなると思っております。それに加えまして、船は増隻、大型化、良い取組していただいておりますが、水産庁保有の取締りの航空機、これ、まだ今四機しかございません。この四機についても増やしていただきたいということを指摘させていただきたいと思います。
 次に移りますけれども、海上保安庁の巡視船の乗組員の海上保安官には小銃の所持や機関銃の使用が認められておりますが、水産庁の漁業取締り船の乗組員である漁業監督官には認められておりません。近年、北朝鮮の漁船には軍隊の軍人も生活のために乗船していることもあるほか、外国漁船から取締りの際に銃口を向けられることもあると聞いております。こうした中、監督官が無血開城の知恵と工夫で特殊警棒や防弾チョッキ等で対処している状況には敬意を払いますが、立入検査等の取締りの危険度が増す中、監督官の身の安全の問題とともに、そんな装備できちんと取締りができているのかという疑問の声も聞かれるところでございます。
 水産庁の漁業取締り活動は漁業に関する法令の励行が目的であって、海保とは目的が異なることなどを理由に小銃等は認めていないとのことでございますが、近年は韓国、中国、北朝鮮漁船等の外国漁船に対する取締りの比重が大きくなっていると水産庁自身も認識していますように、取締り環境の変化を踏まえ、海保と同様に、司法警察権がある漁業監督官にも小銃の所持や機関銃の使用を認めてしかるべきと考えております。また、漁業監督官が少ない状況に鑑み、海保や警察との人事交流を一層図り、できる限り取締り要員を増強すべきと考えますが、見解を伺います。

#10
○政府参考人(山口英彰君) お答えいたします。
 漁業監督官の武器の携帯につきましては、職員の訓練や武器の保管管理体制など検討すべき課題は多いと考えておりまして、安全を脅かす事態が発生した場合には、海上保安庁と緊密に連携して対処しているところでございます。
 取締り要員の増強につきましては、令和二年度において、官船については十三名の定員を確保し、用船に乗船する漁業監督官につきましては八名の定員を確保したところであります。引き続き、必要な人員を確保できるよう努めてまいりたいと考えております。
 また、関係省庁との連携につきましては、警察庁から講師を招いて取締り実務に関する研修を行ったり、また、海上保安庁から講師を招いて外国漁船に乗り込んだ際の護身に関する研修などを実施しているところでございます。また、海上保安庁との更なる連携強化につきましては大臣からも御指示を受けているところでございまして、来年度、水産庁取締り船と海上保安庁巡視船との共同訓練の実施や、また、現場情報の共有等につきましても実施する方向で検討を進めているところでございます。

#11
○舞立昇治君 一層気を引き締めて臨んでいただきたいと思います。
 今後、大和堆のような事案が多発する可能性もございます。海保との更なる連携や情報共有を進めるのは当然でございますが、日本を取り巻く安全保障環境の悪化や外国漁船の違法操業の常態化等を勘案しても、また、おとといの予算委員会での舟山議員の質疑に対する内閣府や外務省の現場任せの姿勢を見ても、水産庁以外で頼りになるのは海上保安庁くらいで、水産庁長官を本部長とする漁業取締本部の体制では限界があると痛感しております。
 大臣は、先日の石井議員の質疑において、水産庁だけでしょい切れるものではないが、今後、どのような対処をすることが国として正しいのか、議論されてしかるべきと答弁されております。漁業取締本部を設置している水産庁が、そして、その所管大臣が本気になって取り組まなければ問題解決は進みませんし、違法操業や不漁が続く中、資源管理の推進を始めとする水産改革の実施に当たり、現場の理解も得られないと考えます。このため、大臣がもっと強いリーダーシップを発揮していただきまして、水産庁はもちろんのこと、関係省庁がもっと本気になって一体的、総合的に取り組めるよう、必要な法制度の整備や取締り体制の強化、装備等の充実を図り、違法操業の取締りを抜本的に強化していくべきと考えますが、大臣の決意と覚悟を伺います。

#12
○国務大臣(江藤拓君) 私のところにも大和堆で操業されている方々がお越しになられまして、大分長い時間、お話を聞かせていただきました。本当に、その無念な気持ちは、目の前でやられる、しかも我が物顔でやられる、下手をすると、我がEEZの中なのに、安全を理由に日本の船が逆に引かなければならないというような理不尽な事態も起こっていることは非常に腹立たしく、このことについては、日本の国の尊厳を懸けて何とかせねばならない重要な事案であるというふうに受け止めております。
 武器の携行につきましては、越えなければいけないハードルは幾らかあるかもしれませんが、しかし、検討には値することだと私は思っております。
 先日、照洋丸の視察にも行かせていただきました。東京湾の湾奥での視察でありましたから、外洋での困難さは私には分かりませんけれども、ゴムボートでの取締り、大体時速四十キロぐらいで水面を走る、べたなぎの海の上でも、もう急ハンドルを切ると振り落とされるような状況で、そこを立って操船をすると、大変な隊員たちの御苦労を経験をいたしましたし、放水もしていますけど、風向きが逆だとなかなか思うように飛ばない、水圧も低い、そして防弾も十分ではない、いろんな意見も聞かせていただきました。
 今の体制で十分でないという意識は十二分に持っておりますので、これは、関係省庁連携をして、今の体制の下でできること、今先生から御指摘があった法制度も含めてやるべきではないかということは、是非、先生は水産部会長代理でもいらっしゃいますから、党の方でもしっかり御議論をいただいて、議法になるのか閣法になるのか分かりませんけれども、法整備も私は否定するものではないというふうに思っております。そのときに私が本部長になるのかということについては、水産庁には水産庁の命令系統があり、私たちには私の命令系統がありますのでそこは整理しなければなりませんが、そのことについても前向きに考えるべきだろうと思っております。
 いずれにしましても、いろんな問題があります。五千隻入ってくる、そして、保安庁の人たちはもっと拿捕した方がいいじゃないかという御意見もたくさんいただきました。拿捕すると、大体一隻捕まえると、その周りを四隻ぐらいの船で囲んで港まで連れていかなきゃいけない。港に連れていったら、その船が逃げないように一隻はずっと見張っていなきゃいけない、送検するまでは。整理しなきゃいけないことは多分幾らもあると思うんですよ。何で港につないでいるのに水産庁の船がずっと送検まで見張っていなきゃいけないのか、私はよく分からないです。
 ですから、いろんなことを見直しながら、また、党の皆様方、この委員会の先生方の御指摘も御指導もいただきながら更に体制を強化して、漁業者の皆様方の不安や不信感を払拭する努力を懸命にしていきたいというふうに考えております。

#13
○舞立昇治君 ありがとうございます。
 課題は多いと思いますけれども、違法操業は待ってくれませんので、是非とも一歩でも二歩でも前に進めていただくよう、よろしくお願いいたします。
 さて、本日は、私が尊敬してやまない島根出身の青木国交副大臣にお越しいただいております。ありがとうございます。同じ鳥取・島根合区選挙区の議員といたしまして、鳥取の発展のためにも御尽力いただいて、本当に厚くお礼申し上げたいと思います。
 今日は、外国漁船の違法操業対策とも深く関わるため、島根の隠岐の島町経済六団体協議会からの切実な要望について質問させていただきます。
 御承知のとおり、隠岐の島町の玄関口である西郷港は、天然の良港として、また隠岐圏の物流拠点として経済、文化の中心を担い、定期貨物船の発着、さらには、破天時の船舶の避難等にも利用される国指定の重要港湾でございます。
 現在、その西郷港にある隠岐海上保安署には、海上警備はもちろんのこと、島民の安全、安心を守るために大変御尽力いただいておりますけれども、現在配備されている巡視船は、百八十トン型のPS10の「さんべ」一隻のみでございます。竹島問題を始め、先ほどの外国漁船の違法操業や日韓漁業協定の暫定水域での韓国漁船による事実上の占拠状態、さらには、漁船が流されて北朝鮮人が漂着してきたりと、様々な不安や苦痛を抱えている状況を勘案しますと、隠岐の島周辺海域を警備するには十分な体制とは言えないと私は考えております。
 また、隠岐の海上保安署の建物は、築五十一年経過し、今後新築等の課題があるほか、保安署近くに停泊する巡視船の利用岸壁は一般漁船と共用で、かつ、周辺住民は早朝、深夜の出動の際の大きな音に我慢しているなど、多くの課題を抱えております。
 事ここに至りましては、ピンチをチャンスに変えるべく、西郷港にはいまだ岸壁として利用可能な場所も多くあるため、一つ目、巡視船の専用岸壁を新設、しけのときは避難場所にも使えます。それに併せて、二つ目、保安署の移転、新築を一体的に図り、かつ三点目、この巡視船「さんべ」の大型化若しくは二隻体制化を図っていただきたいと考えております。これにより様々ないい効果が期待できております。
 今後、島根県と隠岐の島町が要望活動を本格化すると思いますけれども、隠岐の現場をよく知り、そして大切に思い、有人国境離島法など離島振興に大変御尽力いただいております青木副大臣から、要望実現に向けた前向きな答弁をお願いいたします。

#14
○副大臣(青木一彦君) お答えいたしたいと思います。その前に、私も、敬愛する舞立委員の方から御質問いただき、ありがとうございます。
 隠岐諸島周辺は、竹島周辺における領海警備や外国漁船による違法操業、さらに、昨年一月には、北朝鮮からのものと思われる木造船が漂着をし、上陸者が確認された事案が発生するなど、重要な課題を抱えている海域と認識をいたしております。
 こうした状況から、入り江や浅い海域が多い等の隠岐諸島周辺海域の状況を踏まえ、現在、隠岐海上保安署には、大型巡視船より速力が速く、また、違法操業の取締りにも適した操船性能を有する小型巡視船「さんべ」を配備しております。
 その上で、悪天候時の大型巡視船による対応が必要な場合は、境海上保安部等の近隣の部署の大型巡視船を向かわせることにより、警備に万全を期しているところです。
 先ほど委員の方からおっしゃいましたように、加えて、島民の安全、安心の確保の重要性に鑑みまして、配備船の機能強化についてどのようなことができるか、検討していきたいと考えております。
 また、岸壁の新設や隠岐海上保安署の新設について御提案をいただいたところですが、海上保安庁では、海上保安署の機能を維持しつつも施設の整備についてどのような形が望ましいのか、より地域の御意見も踏まえながら考えるようにしてまいりたいと思います。
 引き続き、地域の声に十分声を傾けながら、海上保安体制の強化を図り、隠岐諸島周辺海域の警備に万全を期してまいります。

#15
○舞立昇治君 前向きな答弁をありがとうございます。
 今言いました三つの要望は一番ハードルが高い水準の要望だと思いますが、是非、今後、島根県や隠岐の島町からも要望が来ると思いますけれども、地域の要望に寄り添って対応していただきますよう、心からお願いを申し上げたいと思います。
 最後、漁業共済、積立ぷらす制度の充実について質問いたします。
 外国漁船の違法操業と同様に頭が痛いのが、近年の不漁や台風、豪雨災害被害の問題でございます。私の地元境港では、かつては七十万トン近くあった漁獲量が昨年は十万トンを切り、浜田でも、かつて約二十万トンあったのが一万トン台になるなど、状況は近年深刻化しております。その一方で、資源管理も同時並行で進められております。地元の漁業関係者は不安が尽きないところでございます。
 このような問題に対して、漁業者に安心感を与え、漁業経営の持続性確保のよりどころとなるのがまさに水産庁の経営安定対策制度でございます。経営安定対策には、収入減少に対応する収入安定対策と燃油、配合飼料価格の高騰に対応するコスト対策の二本柱から成りますが、漁業者からは大変評価されております。
 本日は収入安定対策の部分についての質問でございますが、昨年末、来年度予算編成の議論の際、私、個人的には時期尚早と思っておりますが、本年夏に向けて収入安定対策の見直しを検討することになりました。これにつきましては、本年一月に共同通信やサンケイビズで報道されましたように、このちょっと記事を読みますけれども、水産庁は支出を抑制するための制度見直しを検討し、基金の枯渇を回避したい考えだ、ただ、国の支出を抑制しようとすれば補償の水準を切り下げるなどの対応が必要になり、議論は曲折も予想されると書いてございます。私としては、現下の状況に鑑み、補償の水準切下げなんて、全くこの厳しい環境を理解しておらず、非常に憤りを感じております。
 不漁や大規模災害が続く状況に加え、資源管理による漁獲制限、外国漁船の違法操業、TPP、EPA等経済連携協定拡大によるマイナスの影響、そして直近の新型コロナ問題など、多くの経営不安がある現状において収入安定対策の縮減はあり得ないと考えますが、これに対する大臣の見解をお伺いしますとともに、むしろ、資源管理の推進により、水産庁は、五年、十年先は資源が回復すると見込んで輸出額や所得の増加目標を立てております。その論理でいえば、中長期的には収入安定対策に係る国の財政負担は軽減されるんだと、だけれども、そして当面の厳しい状況には支援の強化が必要なんだということなどについてしっかりと財政当局に説明しながら現行制度の拡充を図る必要があると考えますが、これら収入安定対策の見直しに向けた大臣の決意と覚悟をお伺いいたします。

#16
○国務大臣(江藤拓君) ありがとうございます。
 お答えする前に、令和三年度の二千トンの船については、大和堆を中心に活動させるということをまず申し上げたいと思います。
 まず、この収入安定対策、積立ぷらすですけれども、昨年から異常な不漁が続き、そして今も、このお花見シーズンにもかかわらずあらゆる魚種において引きがない、そして漁も少ない、大変な状況になっております。この段階において積立ぷらすを漁業者の方々が不安になるような方向で見直すようなことはあり得ないと私は思っております。私が思っているということは、起こらないということだと思っていただいていいと思います。それぐらいの覚悟を持って私はこの席には座らせていただいております。
 やはりこの席に着かせていただいたときに、農林水産業の生産基盤の強化をするんだということを一生懸命言わせていただきました。先生方にも共感をしていただきました。こういう中で、今、漁業者は下手をすると倒れようとしている、倒れようとしているときに更に将来を不安にするようなことを私は責任者として言わせることもできませんし、そんな交渉を、財務が何と言おうと、するつもりはありません。
 むしろ、私のところもカツオ漁船がいて、大変残念ですけど、四隻廃船になりました、大変なカツオでは有名なところなんですけれども。それで、彼らが言っていたのは、三月三十一日を過ぎないと支払をいただけないんだと、自分たちが積み立てたプラスの部分だけでもいいから弾力的に払ってくれないかと、資金繰りができないんだよと。低利融資ありますよと言っても、いや、それじゃ駄目なんだと、自分たちが払った分なんだから何とか回してくれないかと、いろんな苦しいお話を、まだ私は半年ちょっとですけど、聞かせていただきました。
 ですから、今回のコロナも含めて、そして海の状況、その水面の温度の変化も含めて極めて厳しい状況下にある日本の漁業、そして、おっしゃったように、いろんな経済連携協定や、それから漁業法の改正による漁獲割当てとか、いろんなことを皆様方にお願いしている。それから、漁場の管理、水源の管理もお願いしている。そういう中において、積立ぷらすについて、マイナスの方向で見直すというよりも、更に漁業者の方々に安心感を持っていただけるような方向で議論するのが今やるべきことだと私は考えております。

#17
○舞立昇治君 ありがとうございました。もう不安にさせるような縮減、見直しはしないと、本当に強く答弁いただきました。本当にありがとうございます。
 大臣は漁師町の門川町でお育ちになられたということで、水産業の発展にも造詣が深く、そして、大きな政治力、実行力を持たれておりますので、非常に期待しております。是非よろしくお願いいたします。
 財政残って漁業、漁村焼け野原では本末転倒でございます。新型コロナ問題を踏まえた大規模な経済対策を打ち出す際には、不漁や販売不振等による大幅な収入減少が予想されることから、是非とも、水産関係者に明るい希望を持つために必要な予算の確保はもちろんのこと、この収入安定対策の補助率引上げ、そして、過去最高の約八百億の積立水準を上回る一千億円を超える規模の水準を確保していただくよう、予算確保に努めていただきますよう心からお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。

#18
○宮沢由佳君 立憲・国民.新緑風会・社民の宮沢由佳です。本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、新型コロナウイルス感染症に対する政府の対応について伺います。
 まず、農林水産業への支援策について伺います。お願いします。

#19
○国務大臣(江藤拓君) 詳細な内容につきましては今一生懸命省内で毎日議論を進めておりますが、今のところできることは、まず、学校給食に対する影響をなくすこと、納入者の方々に対する損害が出ないようにすること、それから、千人規模で研修生が足りなくなりますので、この方々について、先週、全農の会長にお願いしましたけれども、JAの職員の方々は営農を経験したことがある農家とか畜産農家の息子さんや娘さんが多いので、そういう経験のある人に是非現場に入ってもらう要請をしました。組織からも前向きなお返事をいただいておりますので、実現できると思います。
 そして、各地、肉も、いろんなもの全て値下がりをしておりますので、それについて、例えば、国産食肉モリモリキャンペーンというのを昨日始めましたし、お花のキャンペーンもやらせていただいておりますし、今日は小島よしおさんを任命する予定にもなっておりまして、ソフトもやりますけれども、いろんなことも含めて、できることは何でもやるという気持ちでやらせていただこうと考えております。

#20
○宮沢由佳君 ありがとうございます。できることは何でもやるということで、積極的に対策を打っていっていただきたいと思います。
 先日、テレビニュースで、学校給食で使用されなかった食材をネット販売をされているということが、大変人気があって、あっという間に完売したと。そして、気になったのは、その送料は全額国が持つという案内がありましたけど、これ本当でしょうか。

#21
○国務大臣(江藤拓君) それは事実でございますが、さらに、私が思っているのは、本来の納入金額が例えば百円だったとしますよね、ネットで売ったら五十円だったとしますよね、国がその百円に対して助成をしたと、だけれども五十円で売れたじゃないと、だから五十円返してねみたいなことにならないように。食材を無駄にしない努力を、給食センターの方なり市の方なり生産者の方なりが努力をされたその分については、余りがりがりごりごりと重箱の隅をつつくようなことはしない方がいいぞという指導はさせていただいております。

#22
○宮沢由佳君 この送料、一つ一つは少ないかもしれませんけれど、総額になると結構な額に……(発言する者あり)

#23
○委員長(江島潔君) どうぞ質問を続けてください。

#24
○宮沢由佳君 はい。
 送料が総額になるとかなりの額になるかと思いますので、予算についてしっかり考えていただきたいというふうに思いますが。

#25
○国務大臣(江藤拓君) 大丈夫でございます。

#26
○宮沢由佳君 また、大臣にも昨年この委員会で質問させていただいた森のようちえんに関して伺いたいと思います。
 幼児教育、保育無償化の対象外である施設に通う子供に関しても、小学校等の臨時休業等に伴う保護者の休暇取得支援の対象に子供が該当するかどうか、お答えください。

#27
○政府参考人(本多則惠君) お答えいたします。
 小学校等の臨時休業等に伴いまして、子供の世話を行うために仕事を休まざるを得なくなった保護者の方を支援するために今回創設した助成金、支援金につきましては、幼稚園、保育所、認定こども園のほか、認可外保育施設等が休業などをした場合にも対象にしているところでございます。
 お尋ねの森のようちえんについてでございますが、森のようちえんにつきましては、その設置形態が保育所や幼稚園、認定こども園、認可外保育施設として行われているもののほか、自主保育、育児サークル等様々な形態で行われているものと承知しております。今申し上げましたように設置形態等が様々でございますことから、助成対象に該当するかどうかを一概にお答えすることは困難であると考えております。
 こちらの助成金、支援金に関する問合せを受けるために、身近な相談窓口として専用のコールセンターを三月の十三日に設置してございます。対象となる小学校等の範囲を含めまして、労働者の方及び事業主からの問合せに対して、その個別の事例の状況もよくお伺いをしながらしっかりと対応してまいりたいと考えております。

#28
○宮沢由佳君 しっかりと対応をお願いします。
 通っている園によって対応が違う、そして、同じ子供を持ち、そして仕事もしている親への支援が違うというのは、やはり保護者の方々も納得できるような形で対応していただきたいというふうに思います。
 次の質問ですけれども、順番を変えて、豚熱について伺いたいと思います。
 まず、豚熱の現状について教えてください。

#29
○政府参考人(新井ゆたか君) CSFの現状についてお答え申し上げます。
 CSFは、一昨年の九月の岐阜県での発生以来、飼養豚、豚での発生につきましては、八県で計五十八事例ということでございます。現在までの殺処分の頭数は、合計で約十六万六千頭ということになっております。これまで発生いたしました五十八事例全てにつきまして、三月十五日までに農場の殺処分や消毒等の防疫措置を完了しているということでございます。
 一方、一月以来発生をしております沖縄につきましては、直近三月十二日に五十八事例目が発生をしております。沖縄につきましては、最初の五十二例目から全て近隣ということ、それから、五十七例目まで遺伝子解析をいたしましたが、同じ遺伝子ということでございまして、この地域に入ったウイルスがやはりなかなか消毒をされていないと、車等で伝播しているという状況でございます。
 したがいまして、昨日、国から専門家、それから課長クラスを派遣いたしまして、これからの防疫措置について意見集約等、今後の対応方針を決定したところでございます。こちらにつきましては、搬出制限が四月二日以降に、それから、移動制限区域が四月十三日以降に解除されるということでございます。沖縄につきましては、三月六日からワクチン接種を北と南から開始をしております。中部の今回の発生地域も、清浄化をしっかり確認した上でワクチン接種をしていきたいと考えているところでございます。
 それから、野生イノシシにつきましては、現在まで、西は滋賀、東は埼玉ということで、十二県において感染が確認されているところでございます。

#30
○宮沢由佳君 野生イノシシも含め、ワクチンの効果をどのように検証していらっしゃいますでしょうか、教えてください。

#31
○政府参考人(新井ゆたか君) まず、豚へのワクチン接種でございます。
 これにつきましては、野生イノシシから豚への感染リスクが高い地域を中心といたしましてワクチン接種推奨地域に設定をいたしまして、昨年の十月から予防的ワクチンの接種を開始しているところでございます。現在、この推奨地域は二十一都府県ということでございます。
 その結果、本州におきましては、飼養豚へのワクチン接種開始後、愛知県においてその直後に二事例発生をしたということでございますが、その後、発生は確認をされておりません。予防的ワクチンによりまして豚への免疫が付与されたということで、感染リスクが下がったというふうに認識をしております。
 しかしながら、全ての豚が十分な免疫を得るということでは当然ワクチンはございませんので、引き続き、防疫の基本であります飼養衛生管理の徹底、それから捕獲強化、経口ワクチンといった野生イノシシ対策を進めているところでございます。
 それから、野生イノシシの経口ワクチンの効果についてでございます。
 これにつきましては、昨年の三月に、まず岐阜と愛知で散布を開始したところでございます。これは捕獲の強化と並びます野生イノシシの重要な対策でございまして、今般の家畜伝染病予防法の改正案の中でも、法定受託事務として国が責任を持ってやっていくという体制にしたところでございます。
 現在までの効果でございますが、やはり早くから散布した地域、それから回数を多く散布したときは上昇するという結果が確認をされております。例えば、一月に愛知県がプレスリリースしたものでございますが、二回ワクチンを散布した地域におきましては抗体保有率が二一%であったものが、三回地域では六二%、四回地域では七〇%ということでございまして、やはり繰り返し経口ワクチンを散布をしていくということが一定の効果があると思っております。
 これからも、専門家の意見を聞きながら、更なる分析、検証を進めていきたいと考えております。

#32
○宮沢由佳君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
 豚熱ですけれども、終息のめどは立っているのでしょうか。大臣、お答えください。

#33
○国務大臣(江藤拓君) 正直申しまして、めどが立っているとは言い難いと思っております。
 これは、やはり現場で飼養衛生管理の基準をしっかり守っていただくことがまず一義的に必要ですし、ワクチンの効果については、経口ワクチンも、それから接種するワクチンについても効果が出ていることは今局長から説明したとおりでありますけれども、それでも一〇〇%ではないということでありますから、常に緊張感を持ってやらなければなりませんが、しかし、沖縄がもう少しで移動制限が切れますので、そうなると、全頭でワクチンが接種できるようになります。その先に、まあ完璧という形ではないにしても、一応の終息に近い、アナウンスをするかどうかはちょっと考えますけれども、そういう段階には入れるのではないかというふうに思っております。

#34
○宮沢由佳君 昨日、アフリカ豚熱に関する訪日中国人へのアンケートの報道がありましたが、大臣は御存じですか。御存じでしたら、どのような感想を持たれたか、教えてください。

#35
○国務大臣(江藤拓君) ぱっと見たときに衝撃的でありました。
 役所的に言うと、一部の学者の論文ですから一々コメントしないというようなことらしいですけれども、一学者の論文であっても、そういう検証結果が出たということは、これは事実でありますから、やはり大変な緊張感を持ちました。
 しかし、随分検疫官も頑張って声掛けをしたり、それから探知犬も頑張ってくれたり、それから、今度の法案が通ればまた税関も二重チェックというような形でやってくれるようになりますので、こういうことも一つの我々としては戒めとして胸に刻んで、水際対策しっかりやっていこうというふうに思っております。

#36
○宮沢由佳君 アフリカ豚熱に対して、水際で多くの方々が尽力いただいていることには心より感謝と敬意を表したいと思いますが、その上で、アンケート結果の報道を見ると、年間十七万人が違法に豚肉製品を日本に持ち込んでいる可能性が浮かび上がったとのことです。
 今後探知犬を増やすなどの措置をとると伺いましたが、この探知犬の数足りるのでしょうか。もう少し予算を掛けて対応しなければならないと思いますが、いかがでしょうか。アフリカ豚熱に関する水際対策の現状と、アンケート結果を踏まえて更に踏み込んだ今後の対応をお願いしたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#37
○国務大臣(江藤拓君) 委員の言われるように、やってやり過ぎということはないと思います。
 今の五十三頭体制から、オリンピックまでに九十六頭、そして年度末までに百四十頭という予定になっておりますけれども、わんちゃんも、ずっと二十四時間動けるわけではありません、活動限界の時間がありますので。本当はもっともっと数が欲しいし、これは、わんちゃんがいればハンドラーも養成しなければなりません。人もセットで養成しなければなりませんので、国内の都道府県の幾つかの県から、探知犬とハンドラーの養成をうちの県で是非やりたいんだという申出もいただいております。ですから、今は海外に頼っている部分が大変強いですけれども、国内での養成、それからハンドラーの研修、そういったものも、国外で農林水産省等も支援しながら、体制の強化に努めていきたいと思っております。
 この委員会でも大変な御指摘をいただいて、いわゆる税関申告書については表面の二番目ということになりました。これも大変効果があったと思います。実際に、これによって量は減っているというようなことも、私は、証明は難しいですけれども、ただ、効果は出ているというふうに思っております。
 それから、なかなか声掛けも、農林水産省の職員、いわゆる公式な公務員だけでは足りないので、空港があるところの当該自治体の職員の方で中国語で話ができるとか英語ができるという方に、とにかく、検疫官ではないんですけれども、何かウエアを着ていただいて声を掛けて、ちょっとあなた、何か持っていませんかと言葉で声を掛けるような人も自治体に御協力をいただいてやることで、体制の強化は、日々強化する方向で努めてまいりたいと考えております。

#38
○宮沢由佳君 引き続き万全の対策をお願いしたいと思います。
 次に、世界的な気候危機対応について伺いたいと思います。
 気候危機対策は喫緊の課題です。世界中で緩和策と適応策を並行的に進めていかなければなりません。農林水産業に関しては、特に、地域に合った適応策を充実させていかなければ、気候危機に適応できない作物は作れなくなり、農家にとっては大打撃になりかねません。
 大臣は、気候危機についてどのようにお考えでしょうか。また、農林水産業における緩和策と適応策の必要性について、御所見を教えてください。

#39
○国務大臣(江藤拓君) 昨年の台風で痛感しましたのは、茨城、千葉に行ったときに、私の宮崎県のように台風がしょっちゅう来るところと比べて、ハウスの形態自体が全く違うということに驚きました。私のところは、基礎にコンクリートを打って、コンクリートの下から更に枝足を出して、風でも飛ばされない、耐候性ハウスですけれども、それがもう当たり前になっております。しかし、めったにほとんど台風の来ない千葉とか茨城においてはねじ込み式のハウスで、強引に引っ張れば私でももしかしたら抜けるんじゃないかというような、それでよかったんですね、それが悪いと言っているんじゃないんですが。
 ですから、気候の変動によってそのハウスの形状とか求められるものの質も変わってきますし、それから、温度も変わってくれば作れる物の品種も変わってきますし高温に強い作物も作らなきゃなりませんし、漁業なんかでいえば、魚種もどんどん変化してきております。私の宮崎でも、捕れる魚がどんどん変わってきております。南方系の魚がばんばん入るような状況になってきております。
 そういうようなことをやっぱり考えて、農林水産省といたしましては、農林水産省地球温暖化対策計画、それから農林水産省気候変動適応計画、こういうものを作っておりますけれども、これによって予算も確保はしております。主に林業関係の予算でありますけれども、国有林におきましては国有林の森林環境保全整備事業費、それから民有林においては森林環境保全整備事業費、同じでありますけれども、これ合わせると、大体、令和二年度予算では九百二十二億円ありますので、やはりグローバルな形では、CO2の森林源による吸収も含めて、全てにおいてやっぱり変化が求められているというふうに認識いたしております。

#40
○宮沢由佳君 大臣の意気込みがよく分かりましたが、そのような大切な問題について、なぜ所信で触れなかったのでしょうか。大臣の本気度に疑問符が付いています。いかがでしょうか。私は、所信を聞いた後で、大変この気候危機について触れていないことに疑問を持ちました。いかがでしょうか。

#41
○国務大臣(江藤拓君) なかなか所信で全てを言い切ることは難しい中、かなり推敲を重ねて作った所信だったんですけれども、いつもよりも長めの、かなり、作ったんですが。もう一回所信がある機会があれば、しっかり今度は言わせていただきたいというふうに思います。

#42
○宮沢由佳君 反省の弁は受け止めますけれども、やり直しは利かないということです。
 先ほどの予算の説明にも、気候危機という言葉や適応策、緩和策については触れておりませんでした。この予算、大変な大きな問題です。気候危機に関する予算額、先ほど御説明ございましたけれども、推移についてお聞かせください。予算額の推移について教えてください。

#43
○政府参考人(菱沼義久君) お答えいたします。
 数字等の答弁なので、事務方の方から答弁させていただきます。
 五か年でございますけれども、平成二十七年度九百七十三億六百万円、平成二十八年度九百六十七億五百万円、平成二十九年度九百六十二億一千万円、平成三十年度九百六十四億八千万円、令和元年度一千百十八億五千五百万円となっておりまして、過去五年間では横ばい傾向で推移していましたが、令和元年度から一千億円を超えている状況でございます。

#44
○宮沢由佳君 大変な被害が起きている中で、もっともっと予算必要なんじゃないかというふうに感じます。
 特に、適応策について具体的に伺っていきます。
 適応策は地域によって異なると思いますが、地域の実情はどのように把握されているでしょうか。

#45
○政府参考人(菱沼義久君) 大変実務的な御質問でございますので、事務方から答弁させていただきます。
 農林水産省では、平成二十七年八月に定めました農林水産省気候変動適応計画に基づきまして、地球温暖化による農林水産業への影響の把握と対策の推進に努めております。
 具体的には、全都道府県を通じて農業における高温障害などの影響を調査し、地球温暖化影響調査レポートとして取りまとめ、毎年公表しております。さらに、水産分野でも、都道府県を通じて、海水温などの海洋環境の変化が地域の水産資源や養殖に与える影響の把握に努めております。
 なお、委員御地元の山梨県の特産品であるブドウにつきましても、着色不良や着色の遅れ等があるといった影響が報告されております。

#46
○宮沢由佳君 山梨のブドウにも触れていただき、ありがとうございます。
 地域に合った高温耐性品種の開発など、適応策の取組の現状と今後について教えてください。

#47
○国務大臣(江藤拓君) 近年、高温による米や果実の品質低下、育成の障害、こういったものが起こっております。
 国の研究機関、農研機構が中心となりますけれども、高温で強い、例えば、米であればにじのきらめきとか秋はるかというような品種を開発いたしております。高温でも着色がいいリンゴとしては錦秋、それからブドウでいいますとグロースクローネ、こういったものを農研機構で開発をいたしております。さらには、気候変動によってミカンと、この皮と中の果実の間に隙間ができてしまうという障害出ておりますが、こういうものを改善する技術、それから、ブドウの着色を良くするためのそういった技術を今開発をさせていただいております。
 引き続き、こういったものに強い、気候変動、高温化に耐えられるような品種の開発に努めてまいりたいと考えております。

#48
○宮沢由佳君 適応策に関する取組、これをどうやって農業、水産業に従事する皆様にお知らせしていくんでしょうか。告知について教えてください。

#49
○国務大臣(江藤拓君) これがそうなんですが、地球温暖化の影響レポートというものですけれども、これはウエブで公開をいたしております。なかなかウエブでは不十分だという御指摘をいただくかもしれませんが、できればこのウエブを見ていただきたいと思います。
 これだけでは足りませんので、先生御指摘のように、地域ごとに受けている影響は全く違うということがありますから、地区に分けて、今年度におきましては中国四国、それから関東地方において、生産者の方にも入っていただいて、気候変動への対応をテーマとした意見交換会を実施することといたしております。今年三回予定しておったんですが、二回は実施いたしました。一回は今回のコロナの件で中止になりましたが、逐次、これが回復し次第またこれを再開させていきたいと考えております。

#50
○宮沢由佳君 気候危機は大変重要な問題です。国連のグテーレス事務総長も、気候変動はもはや気候危機であり、気候非常事態だとおっしゃっています。残念ながら、農水省の食料・農業・農村基本計画原案にも気候変動と書かれています。大臣の御答弁だけでは全く本気度が感じられません。農業はもちろん、海水温度の変化による水産業への影響、森林の更なる活用など、早急に検討しなければならない課題が山積していますが、引き続きこの問題に注視していかなければいけないと思います。もう一度、気候危機についての認識を確認させてください。

#51
○国務大臣(江藤拓君) 今まで取れていたものが取れなくなる、農作物にしても、それから水産品にしてもそういうことが起こる、そして、台風とか大雨も激甚化するということであって、先生御指摘のとおり、これは大変な問題だと思います。そのことをしっかり認識した上で、今後努力していきたいと考えます。

#52
○宮沢由佳君 気候危機という文言、適応策、緩和策、そして、予算についてもしっかりと検討していっていただきたいと思います。
 次に、生産基盤整備、特に果樹園に関して伺います。
 果樹を改植する場合、大変な時間が掛かります。その間、当該改植に関する収入を得られません。この間の一部期間に国からの支援策があると伺っています。いつから支援対象となるのでしょうか、苗の植付けのときからでしょうか、なぜその期間なのでしょうか、教えてください。

#53
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 果樹におきましては、優良品種、品目への改植を支援しておるところでございます。委員御指摘のとおり、果樹を改植する場合、苗木を植え付けてから果実を収穫し、収入を得られるようになるまで一定の期間が必要ということになっております。
 こうした果樹の特性を踏まえまして、改植に要する経費の支援に加えまして、収入を得られるようになるまでの間の幼木の管理に要する経費といたしまして、十アール当たり二十二万円というものを定額で支援させていただいているところでございます。

#54
○宮沢由佳君 国のこういった事業に参加したときから苗の植付けまでの間、収入を得られない状況は農家にとって厳しいものがあります。もう少し実質的な視点から支援を見直してはいかがでしょうか。

#55
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 果樹につきましては、急傾斜地等の作業条件の厳しい山間地で栽培されることが多いことは御承知のとおりでございます。
 そうしたことを踏まえて、基盤整備により園地の傾斜を緩和して労働生産性の向上を図ることが最重要課題であろうと考えております。この場合、宮沢委員御指摘のとおり、工事を実施をして苗木の植付けを行うまでの期間も収入が得られず、収入が途絶える期間が長くなることが課題となっております。
 こうしたことを踏まえまして、令和二年度予算におきましては、工事実施から果実が実るまでの期間の収入を確保するための代替農地での営農や、早期に収穫を得るための大苗の育成等を行う場合に最大で十アール当たり五十一万円の支援ができるように新たに措置をしたところでございます。
 こうした取組によりまして、永年性作物である果樹の特性を踏まえてしっかりと支援をしてまいりたいと、このように考えております。

#56
○宮沢由佳君 ありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。
 次に、スマート農業について伺います。
 人手不足解消や収穫量を増やすために、スマート農業を進めることは必要だと思います。しかし、先端技術導入にソフト面が追い付いていない現状もあると伺いました。
 例えば、ドローンはあるが、ドローンを使って農薬を空中散布したくとも、まくことができる農薬がない、技術を使いたくても習うところがない場合など、せっかくの技術と予算が有効に使われない状態はもったいない限りです。
 国は、技術の開発、導入とともに、並行してソフト面を充実させるべきだと思いますが、いかがでしょうか。農薬の開発や人材開発についても御答弁ください。

#57
○政府参考人(菱沼義久君) お答えいたします。
 スマート農業の推進に当たりましては、幅広い地域、多様な品目で活用できる技術開発を進めるとともに、導入しやすいソフト面での環境整備が重要であると考えております。
 このため、昨年から実施しているスマート農業実証プロジェクトにおいて、スマート農業を低コストで導入できるシェアリングなどの取組を実証するとともに、人材育成の観点からは、農業高校や農業大学校を含めた多くの関係者にスマート農業を見て試していただける場を提供しております。また、農業大学校などでは、スマート農業についてのカリキュラム化に取り組んでいるところであります。
 さらに、ドローン用農薬の登録拡大については、産地と農薬メーカーのマッチングや地域における登録試験実施への支援などを通じて推進しております。
 今後とも、生産現場の御意見を伺いながらスマート農業の技術開発や社会実装を進め、農業の成長産業化につなげてまいりたいと考えております。

#58
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 このスマート農業に対する期待が皆様の地元でもかなり強いと思いますので、有効な手だてを打っていただきたいと思います。
 最後の質問です。
 国の政策に沿って先端技術を導入した場合、その技術によって第三者への損害を生じさせた場合の責任の所在はどうなるでしょうか、補償は誰が支払うのでしょうか、お答えください。

#59
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 先端技術、例えばドローンなどの先端技術を、先端機械を購入して農作業を行う場合でございますけれども、農業者の操作ミスあるいは整備不良で生じた損害につきましては農業者の責任ということになるわけでございます。
 ただ、そのために、例えばドローンにつきましては、メーカーがドローン本体を販売する際に保険会社の賠償責任保険に併せて加入していただく、その農業者が支払う機械代にその保険料が含まれているというケースも多いと聞いております。
 この場合、保険契約の内容によって、例えば農業者の操作ミスで通行人に接触してけがを負わせたりとか建物を破壊した際の賠償ですとか、あるいはドローンが着陸した際に機体が損傷したり、あるいは倉庫で保管中に盗難に遭ったといった場合の損害に対して、保険契約の内容によって、加入している保険会社から補償が受けられるということになります。

#60
○宮沢由佳君 時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

#61
○打越さく良君 立憲・国民.新緑風会・社民の打越さく良です。
 まず、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
 現在まで、新型コロナウイルスに関する農林水産省対策本部は何回開催されたでしょうか。

#62
○政府参考人(岩濱洋海君) 農林水産省対策本部の議事の概要につきましては、発言内容の確認の精査を終えました第二回までを公表させていただいているところで……(発言する者あり)これまで八回でございます。申し訳ございません。
 第二回までを公表させていただいているところでございます。第三回目以降の議事録につきましては、発言内容の確認等の精査ができましたものから公表させていただきたいと思っておりますので、今週中にも第三回以降について順次公表させていただければというふうに考えております。

#63
○打越さく良君 非常にお忙しいところ努力していただいているというふうにお察ししますけれども、ただ、速やかにお願いしたいということと、そもそもが議事概要ということで、議事録は開示していただく予定はあるのでしょうか。

#64
○政府参考人(岩濱洋海君) お答えさせていただきます。
 議事概要について、内容を精査させていただいております。
 議事録というか、詳細な議事録についても大体内容については同じだと思っておりますので、今のところでは、議事の概要を公表させていただく中で皆様にそのいわゆる会議の内容についてお知らせするには十分でないかというふうに考えております。

#65
○打越さく良君 やはり検討の経過というものを確認させていただくには、議事概要では足りず議事録をお願いしたいところで、要望としておきます。
 それから、新型コロナウイルス感染症に関連する業務への対応、それのみならず、専門家の意見も踏まえない突然の臨時休校、それに伴って降って湧いたような諸問題への対応で本当に大変お忙しいところだと思いますけれども、とはいえ、子供たち、保護者たち、学校の先生方、給食関係の業者の方々こそ大変な思いをされているということで、周到かつ万全な対応を取っていただきたいというふうに要望いたします。
 宮沢委員への質問の答弁でも触れていただきましたけれども、今、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策ということで、様々な中で、学校給食休止への対応として、給食調理業者、食品納入業者、酪農家等へのきめ細かい各種支援ということを挙げていらっしゃいますけれども、これは具体的には何でしょうか。

#66
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 食品納入業者につきましては、文部科学省を通じて臨時休業期間中の学校給食の食材費に相当する費用への支援を行うほか、当省、農林水産省におきましても、学校給食に代わる販売先の確保に向けたマッチングや、フードバンクへ寄附する際の輸配送費等の支援を行っております。
 また、酪農家への支援としては、学校給食用牛乳を脱脂粉乳やバター等の加工用への用途変更をせざるを得なかったことに伴う原料乳の格差への支援及び出先変更に伴う輸送費への支援を行うことといたしておるところでございます。その際、地域によって飲用乳価等に差があることから、地域の実態に合わせた価格差をベースに支払をしたいと考えております。
 さらに、乳業者への支援といたしましては、学校給食用向けの生乳の用途変更に伴い追加的に製造される脱脂粉乳を飼料用に用途変更することに伴う価格差への支援及び輸送費、保管料への支援に加えて、キャンセル前に既に生産をしていた学校給食用牛乳の処分費用の支援を行うこととしておるところでございます。
 こうした対策を通じて、食品納入業者、酪農家等の不安を解消して、今後も意欲を持って経営に取り組んでいただけるようにしっかりと支援をしてまいりたいと思います。

#67
○打越さく良君 関連する業者の方々などは、文科省や農林水産省のホームページをもう本当に毎日のように確認して胸をなで下ろしたりもなさっているけれども、でも、具体的には、果たしていつから申請できるんだろうかとかいつお金が入ってくるのだろうかと、毎日本当に綱渡りで、心配していらっしゃるんですね。
 なかなか緊急に対策を打ち出していただいていて有り難いとは思うんですけれども、例えば、学校向けの未利用食品の新たな販売先を独自に確保した際の保管、配送経費を支援するということも打ち出していただいているけれども、これは一体いつ支援していただけるのか、そういったタイムスケジュール的な見通しがあるのかどうか、それを教えてください。

#68
○政府参考人(塩川白良君) 今委員がおっしゃいましたように、未利用のものにつきましては特定のインターネットのサイトを通じて今マッチングを行っているところでございまして、昨日も確認をいたしましたが、かなりの売行きでございまして、販売先はかなりそれで進んでいると思っております。
 ただ、その費用につきましては、委託業者を通じてお支払いしますので、それが速やかにいきますように我々も目を配って、事業者の方に負担がないようにしていきたいというふうに思っております。

#69
○打越さく良君 既に教えていただいたところでは、令和元年度予備費で、例えば学校給食用牛乳の供給停止に伴う需給緩和対策事業に二十二億九千九百万円とか学校臨時休業対策費補助金で百八十二億円とか、かなりの対策していただくのは有り難いんですけれども、何百億円もの予算が掛かることになってしまうと。
 そもそも、専門家会議の御意見を踏まえて学級閉鎖とか学校閉鎖の基準を設けて取り組んでいればここまでのことにならなかったのではないかと、やはり今でも、その気持ちは私は拭えないです。現場に多大な負担をもたらして多大な税金を使う必要があったのかということで、疑問が拭えないでおります。本当にこのコロナウイルス対策、ほかで税金を投入していかなければいけないというときにこのような混乱の手当てに回さざるを得ないというのはいかがなものかということで、今後は専門家の知見に沿った政策にしていただきたいということを強く要望いたします。
 そして、一斉休校は今のところ一応春休みまでということですけれども、新学期に果たして学校が始まるのかと、そして給食も始まるのかという不安の方が多いんですけれども。それで、関連する業者の方々から、例えば乳業者の方々から、学校給食の牛乳について毎年三月、その業者の方は毎年三月二十日に次年度の計画を立てる、そういうことで、四月以降の見通しが付かずに困惑していらっしゃるということでした。
 あした三月十九日に専門家会議の見解が出されて一定の方針が打ち出されるのかもしれないんですけれども、それでは遅いというような悲鳴に近い声を伺っているんですが、今後の学校、そして給食の再開の見通しについて教えていただきたいと思います。

#70
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。
 三月九日に開催された新型コロナウイルス感染症対策専門会議では、依然として警戒を緩めることはできないとの見解が示されたところでございまして、当面は、円滑な臨時休業の実施を通じて感染拡大防止に全力を尽くすことが最も重要と考えております。
 本専門家会議におきましては、今委員御指摘の三月十九日を目途に新たな方向が出されるというふうに聞いておりまして、その内容を踏まえて、年度内をめどに目安をお示しできるよう文部科学省としては検討を進めてまいりたいということを考えておりまして、それを踏まえて学校給食の再開時期等については検討していきたいというふうに考えております。

#71
○打越さく良君 科学的知見によらず、政治的な判断で始めてしまったことの事態をどのように収束させるのか、解決なさるのかということ、それはもう本当に総理ではないと答えられないことなんではないかと思いますけれども、本当に、今後は重ねて科学的知見によって政策を進めていただきたいと、そして大臣にも、総理に御意見していただきたいというふうに切にお願いして、次の質問にさせていただきます。
 農業の担い手確保ということで、先ほどの御答弁で、生産基盤の強化ということについての大臣の思いを伺いました。大変心強く思います。所信表明の中でも、農林水産業はまさに国の基という言葉もいただきました。しかし、果たして農業は持続可能性があると言えるかどうかと、本当に不安材料がいろいろとございます。まず、今回は、農業を担う方々の減少について取り上げます。
 基幹的農業従事者の年齢構成の推移というグラフ、お手元に確認していただけますでしょうか。私、農林水産省のこのグラフ見て、本当に衝撃を受けたんですね。まず人数ですけれども、平成七年に二百五十六万人、平成十七年に二百二十四万人、平成二十七年に百七十五万人と。
 このグラフにはないですけれども、平成三十一年は何人でしょうか。

#72
○政府参考人(大角亨君) お答え申し上げます。
 基幹的農業従事者数でございますが、今委員御指摘のとおり、平成七年が二百五十六万人でございますが、直近の平成三十一年は百四十万人となっているところでございます。

#73
○打越さく良君 更に減っているわけですよね。
 高齢化も進んでいます。この同じ基幹的農業従事者の年齢構成の推移、もう一度確認していただくと、平成七年で平均年齢五十九・六歳、平成十七年で平均年齢六十四・二歳、平成二十七年で六十七・〇歳です。
 このグラフにはないですけれども、直近では平均年齢はいかがでしょうか。

#74
○政府参考人(大角亨君) 平成三十一年の平均年齢につきましては、六十六・八歳となっております。

#75
○打越さく良君 平成二十七年よりは〇・二歳下がったと。とはいえ、高齢化と農業就業人口の減少というものは顕著であるというふうに言えると思います。
 それで、農地面積の推移のグラフを御確認ください。農地面積は、平成七年から令和元年まで六十四ヘクタールも減少しています。担い手の利用面積の増加というものは、著しい農業人口の減少によるものではないでしょうか。それは決して喜ぶべきことではないように思います。
 私も、地元の方々から、大規模化というものをあえて志向していなくても、周囲が高齢化して耕作をやめてしまう、だから細々と引き受けざるを得ない、でも、もうだんだんとそれも限界が来ていて、本当に危機感があるというお話を度々伺っております。危機感を持って担い手の育成確保のための政策に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 二〇二三年までに四十代以下の農業従事者を四十万に拡大するというこの目標は維持されていると思いますが、この目標の計算根拠を教えてください。

#76
○政府参考人(横山紳君) 委員御指摘の二〇二三年に四十代以下の農業従事者を四十万に拡大するということにつきましては、平成二十五年、二〇一三年になりますが、日本再興戦略、それから農林水産業・地域の活力創造プランに盛り込まれたものでございます。
 この目標は、今ほど統計の方からも御説明があったとおり、非常に高齢化が進んでございました。当時、二〇一三年のとき、最新のセンサスは二〇一〇年のものでございましたけれども、その中でも、六十歳以上が約七割、五十歳未満が約一割と、著しくアンバランスな年齢構成となっていたところでございます。こうしたことを踏まえまして、将来にわたって年齢のアンバランスを改善するということ、世代間のバランスの取れた農業構造にするということで設けられたものと承知しているところでございます。

#77
○打越さく良君 この目標の達成見込みはいかがでしょうか。

#78
○政府参考人(横山紳君) 目標年次、二〇二三年ということでございます。二〇一三年、元々まさに再興戦略等が作られた年でございますが、の農業従事者数は三十一万一千人ということでございました。これを二〇二三年に四十万人にするということといたしまして、毎年毎年均等に増えていくということを前提といたしますと、直近の二〇一八年であれば三十五万六千人になっているということが必要になってくるわけでございます。
 それに対して、じゃ、実際はどうかということなんでございますけれども、これも、また二〇一五年の農林業センサスにおけます四十九歳以下の基幹的農業従事者数あるいは常雇い数の推計値、それから新規就農者の増、他方で加齢によって五十代になっていかれる方がございます。こうしたことを計算いたしますと、三十三万四千人ということになります。したがいまして、二〇一八年時点では、二〇二三年に四十万人を達成するというペースには届いていないという状況にございます。

#79
○打越さく良君 残念ながらなかなか目標どおりにはいかないということで、私も、ますます農業人口の確保ということについて危機感を持っております。
 そこで、農業次世代人材投資資金、この意義について御説明をお願いします。

#80
○国務大臣(江藤拓君) やはり新規に就農しようと思っても、技術がない、それから、いきなり田舎に行っても収入がありませんからお金がないということがありますから、年間、用途を決めずに四十九歳の方に百五十万円五年間差し上げる、それから企業研修型もありますけれども、そういう形で支援することは、準備段階から就農段階まで切れ目なく支援ができるということでありますから、これは大変意義のある事業だろうというふうに思っております。
 しかし、これをいかに定着させるかということもとても大切でありますので、地域の方々がいかにその研修生を、この人材を受け入れて地域の仲間として温かく迎え入れてくれるかということも同時に求められるんだろうというふうに思っています。

#81
○打越さく良君 ありがとうございます。大変に意義のある制度であるというふうに思います。
 そして、農業次世代人材投資事業の出身別交付人数推移という表を御確認ください。
 本当にこれ、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、農業に一歩踏み出すというのは相当な勇気が要るということで、この資金というものは、その決意を後押しするような非常に意味のある制度だと思います。
 念のためですけれども、もし研修後就農しなかった場合にはその交付金はどうなるのか、教えてください。

#82
○政府参考人(横山紳君) お返しいただくことになります。

#83
○打越さく良君 その下の農業次世代人材投資事業及び農の雇用事業による支援を受けた新規就農者の定着率という表を御確認ください。
 これは、支援終了後一年経過時点で就農している方々の割合についてのデータです。平成二十八年度で七二・四%、平成二十九年度で七一・四%、かなりの定着してくださっているということで、意義がある事業であるということがうかがえますが、それでも、これは一年後ということなので、その次、二年後、三年後というものはどうなったのかということも気になるんですけれども。
 それから、少ない割合でも、残念ながら定着できなかったのかなというケースもあるようです。高い割合で定着が見られるということで満足しないで、丁寧にフォローしていただいて、検証していただいて今後の改善に結び付けていただいたらと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#84
○政府参考人(横山紳君) 委員御指摘のとおり、やはり就農していただいて定着していただくということは極めて重要なことでございますので、我々としても、これまでの実績、これをよく精査をし、どういう形が一番望ましいのか、また、地域でのサポートというのもしっかりやっていかないといけないということで、よく常に精査、検証をしていきたいというふうに考えてございます。

#85
○打越さく良君 よろしくお願いします。
 そして、次の資料で、認定新規就農者融資先フォローアップ調査結果報告書、日本政策金融公庫の令和元年九月の調査を御覧いただきたいと思います。
 認定新規就農者向け資金の利用先への調査というもので、研修を二年以上受けた人というのが、ほかの、研修等の実績なしあるいはより短い研修しか受けていない人と比べると、平均売上高、平均所得の差でこれほどの違いがある。就農前に二年以上の研修期間を確保した者と研修一年未満及び研修なしと比べると、売上高では一・六倍、所得で一・五倍の差があります。二年以上の研修を受けた者という人たちの中には、多くが恐らくは投資資金準備型受給者が含まれていると考えられるというふうに思います。
 その研修の成果が売上高、所得にこれほどまでに違いがある、反映しているということであれば、この準備型投資資金というものは大きな成果を上げているというふうに言えると思いますが、いかがでしょうか。

#86
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 農業次世代人材投資事業では、次世代を担う農業者となることを目指す四十九歳以下の者に対して、特に用途を定めず年間最大で百五十万円を交付しているところでございます。これまで延べ三万人に交付を行っており、新規就農者の増加に一定の貢献をしているところでございます。
 一方で、移住して初めての土地に就農される新規参入者においては、技術の習得、資金や農地の確保などの課題があることから、地域の人々が温かく迎え入れ、技術を指導し、農地の確保を支援するなど、経営確立に向けたサポートに取り組んでいただくことが何よりも重要なことだと考えているところでございます。
 このため、農林水産省としましては、引き続き農業次世代人材投資事業を活用した経営確立に向けた支援を行うとともに、新規就農者への地域のサポート活動への支援を強化していくことを考えてございます。

#87
○打越さく良君 本当に、この事業の意義というものをもっと広く周知していただきたいと思います。
 新規就農者の経営開始年別所得分布というのを御確認ください。
 収益性があり必要な所得が獲得できる農業、それまでに到達するには本当に大変なことであって、資本不足とか技術不足というのが課題にあるというふうに思われます。
 この調査によれば、経営開始別の所得分布で、経営開始一期目の方というのが四七%が赤字ということですね。しかも、この所得計算の収入には投資資金も含んでいると、それでも赤字だと、赤字の割合がここまで多いということです。だから、自ら用意した自己資金で生活をしていらっしゃる方が多いんじゃないかというふうに思われます。
 それで、だから、投資資金のみでは多くは経営が十分ではなくて、かなりの自己資金を用意しなくてはならないということではないかと思われますが、いかがでしょうか。

#88
○政府参考人(横山紳君) 委員の御指摘のとおり、農業を開始するに当たっては、やはり投資というものも必要になってきますし、いきなりなかなか収入が上がってこないということもございます。
 そうした点も含めて、この次世代の資金というのは機能を果たしているわけでございますが、それを含めても、確かに、一年目、最初の頃はなかなか収入、所得が上がってこないという実態はあるということでございまして、そういったこともよくよく認識していただいた上で、しっかり新規就農をしていただきたいというふうに思います。

#89
○打越さく良君 その厳しいところを認識していただくということになると、なかなか新規就農が増えないのではないかと思いますので、ちょっとサポートを充実していただきたいというふうに思います。
 そして、ちょっと時間が足りないので予定していたものをはしょりますけれども、農水省が行った青年就農給付金、今の次世代人材投資資金ですけれども、それに対する自治体のアンケートについて伺います。
 用意もしましたけれども、これについて自治体はどのように評価しているかということを、御答弁いただけるならお願いします。

#90
○政府参考人(横山紳君) 委員の御指摘は、この御配付いただいた一番最後のページのものかと思います。
 新規就農の確保に対して、都道府県、市町村、それぞれのところで実際に役に立っているという評価をしていただいているということで理解をしてございますが。

#91
○打越さく良君 市町村からは九〇%も役立っているという評価で、都道府県では一〇〇%もが役立っているという評価と、大変高く評価されていると思いますが。ただ、改善や見直しすべき点というものも指摘されていまして、例えば、親元に就農する場合、親の経営に従事してから五年以内に経営継承するという要件を緩和してほしいとか、あるいは親族から貸借した農地が過半である場合、五年間の給付期間中の所有権移転について緩和していただきたいということが挙げられていました。
 こういった指摘からすると、自治体は制度を改善すれば希望者が更に増えるというふうに期待していると思うんですけれども、更に改善していただけないかどうか、お考えをお聞かせください。

#92
○国務大臣(江藤拓君) 制度は、常に現場の意見を聞きながら不断に見直していくことが基本だと思います。
 親元就農については、我が党内でもかなり激しく議論が闘わされるところでございます。例えば、自分のおやじが大変な豪農で、もう農地も施設もがっつり持っているというところの中でこの親元就農というものをどういうふうに位置付けるのか。中には、非常に規模の小さい家族経営の場合もまたあるかもしれません。
 ですから、これは見直すこと自体を否定はいたしませんが、また御意見を伺いながら、この内容については自分もいろいろ問題意識を持っている点もありますので、精査をさせていただこうと思っております。

#93
○打越さく良君 地元で資金の援助を受けた方からお話伺いました。援助を受けたことにより、親元で親からお願いされている米作だけではなくて、野菜の栽培にも新たにチャレンジできたと、雪下ニンジンの栽培にチャレンジしたんだけれども、温暖化によって厳しくて断念することになって、今はカボチャの栽培をしているということ、そうした試行錯誤みたいなものは資金の援助がなければ到底できなかったということでした。
 とても大変そうしたやる気のある若い人を後押しするいい制度だと思うんですけれども、そして、定着もそこそこ高いということで満足するのではなくて、どうして続けられなかったかということについても検証していただきたいというふうに思います。
 それから、令和元年は、平成三十年に比べてこの投資資金の予算が減って、各地で混乱が生じました。新規就農者確保に重点を置かれるということでしたら、これは本当に残念なことであったと思います。この点、いかがお考えでしょうか。

#94
○国務大臣(江藤拓君) そのような混乱があったことは私も承知をいたしております。当初、予想を大きく上回る御要望が上がってきた、大変人気があったということで、いいことだと思っております。
 予算が不足するんじゃないかということで、最初に九八%だけやらせていただきました、九月までで、昨年の九月ですけれども。そして、二月までで残りの部分はやったわけですが、一〇〇というわけではございません。残りの二%の中にやはり要件に当てはまらないものも幾つかは入っておりましたので、残りの二%全てということではありませんけれども、要件に当てはまり、御要望いただいているところについては全額全て対応することができたというふうに承知をいたしております。
 そして、これから先でありますけれども、令和元年度から令和二年度の当初予算におきましては、補正も合わせますと前年に比べて約二十二億円予算を上積みすることになりますので、また多くの御要望に応えられるのではないかというふうに考えております。

#95
○打越さく良君 若手新規就農者数が残念ながら頭打ちという現状で、本当にこの事業への信頼が揺らぐようなことがあってはならないと思いますので、引き続き、拡充というか、削減することがないようにしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 終わります。

#96
○谷合正明君 公明党の谷合でございます。
 まず、新型コロナウイルス感染症についてお尋ねいたします。
 先週、新型インフルエンザ等特措法の改正法が成立をいたしました。総理からは、緊急事態宣言を発出する状況ではないと、今後は、宣言については専門家の意見を踏まえ慎重な判断を行っていくとの見解が示されたところでございます。
 ただ、仮に緊急事態宣言が発出された場合、農林水産分野において事業者に対しどういう要請、また指示が可能になるか、この点について確認をしたいと思います。

#97
○政府参考人(岩濱洋海君) お答えさせていただきます。
 農林水産省といたしましては、これまで、農林水産省の新型インフルエンザ等対策行動計画に基づきまして、参考にしながら、体制の整備、発生予防、蔓延の防止策、国民の食料の供給等の対応を先手先手で進めてまいりました。
 先日、新型インフルエンザ対策特別措置法の一部を改正する法律が成立したところでございます。農林水産省でも、同日、国民への食料供給を安定的に確保するために、酪農家、稲作・畑作農家、食品製造業及び卸売市場等のサプライチェーン全般にわたります事業継続に関するガイドラインをそれぞれ取りまとめ、全国で現在周知に努めているところでございます。
 委員御指摘のように、総理は、三月十四日の会見におきまして直ちに緊急事態を宣言する状況ではないと判断していると発言されております。今後、仮に緊急事態宣言が宣言された場合には、農林水産省新型インフルエンザ等対策行動計画に基づきまして、先ほどお話しさせていただきました事業の継続計画に関する要請に加えまして、食料品の買占め及び売惜しみを生じないよう調査、監視をすること、米、麦などについて備蓄を計画的に活用することなど、必要な対応について検討してまいりたいと考えております。

#98
○谷合正明君 WHOは、この度、新型コロナウイルス感染症につきまして、パンデミック相当という見解を示しました。また、三月十六日、先日ですが、G7の首脳声明が発出されました。パンデミックが人道的な悲劇かつ世界的な衛生上の危機であり、世界経済に大きなリスクを与えることを認識するということでありました。
 やはりそこで、我が国にはまだその緊急事態宣言発出されていない状況ではありますけれども、食料に関する国際的なサプライチェーンに混乱はないのかとか、また我が国の食料安全保障において影響は出てくるのか等々、これを大臣に対してお答えいただきたいというふうに思っております。
 と申しますのも、今、特にヨーロッパで大変深刻な広がりを見せておりまして、もうニュースで、日々流されてくるニュースも、海外の国では、例えば店頭から主食のパスタが消えてしまっているとか、あるいは抗菌作用があるらしいということでニンニクがまた店頭から消えてしまったような国もあるとか、そういう報道が結構目に付いております。
 恐らく、そういう報道がなされると、それぞれの国で消費者がまた不安に駆られて買うというような、買占めに走るというような行動もあるのではないかということでありまして、やはりこの不正確な情報で買占めなどの行動につながっていかないようにしていくということも大事だと思っております。
 また、大量生産や保存が利く工業製品と違いまして、生鮮食品はそうはいきません。価格の乱高下にもつながりますし、結果的には消費者、また生産者が、これが苦しむということになってまいります。
 今般、先ほど答弁いただきましたけれども、北海道の現地対策本部を設置していただいて、それに基づきまして、生産者への事業継続ガイドラインを決めていただきました。卸売市場、水田・畑作農家、酪農家、漁業者向けに事業や生産を継続することの重要性が確認されて、しっかりと食料を安定供給していくんだという生産者サイドに対する計画が決まったところなんですけれども、私は、同時に消費者にも正確な情報というものを提供していくということが大事だと考えております。例えば、食品を介して感染した事例がないことであるとか、あるいは米、小麦については我が国に今備蓄が十分あるということであるとか、我が国への食料輸入に影響がないのであれば影響がないということ、消費者がむやみに不安にならないためにも、最新の正確な公式の、この最新で正確な公式の情報を発信すべきだと思っております。
 人はやはり見えないものには不安になりやすいということで、先般、国内でもトイレットペーパーの買占めが、買占めというんですかね、トイレットペーパーが一気に店頭からなくなったということでありまして、やはり大切なことは、怖がるべきところで怖がって、備えるべきところでしっかりと備えていくということだと思っております。
 情報発信、リスクコミュニケーションの要諦、大事なことは、行政が伝えたいことではなくて国民が知りたいことを伝えるということが大事だと言われております。是非、そうした国民が知りたいことを伝える姿勢で、今ちょっとるる述べましたけれども、今のこの現状、状況に対して国民、消費者向けのメッセージを大臣に発信していただきたいと思います。

#99
○国務大臣(江藤拓君) 隠さずに、そして公式でオフィシャルなものを国民の皆様方にお知らせする責任があると思います。
 昨日、森先生からも御質問をいただきまして、大分メディアでは流れましたけれども、棚上げ備蓄と民間備蓄を合わせても六か月ちょっとしかないというのが日本の現状でありますが、余りそれに過剰に反応すると、さあ、米買いに行かなきゃというふうになられると困るなと実は思ったりもするわけですが。しかし、隠すことは正しくないと思います。小麦についても大豆についても、昨日御答弁をさせていただきました。
 ですから、農林水産省として、オフィシャルに、リスクコミュニケーションの観点からどのような情報を発信をするかということはしっかり考えさせていただきます。
 ただ、現状においては、ヨーロッパでも、国境については人的な交流、これも、通勤については、シェンゲン条約等ありますので、それは破棄に近いかもしれませんが、通勤の場合については国境を越えられるような措置であるというふうに伺っておりますし、物の流れについては止まっていないということでありますし、日本に対する小麦、大豆、そういったものの供給体制も今変わっておりません。中国からの輸入も回復いたしました。
 ですから、今のところ影響はありませんが、パンデミックということになるといかなる状況が起こるか分かりませんので、逐次逐次正確な情報を、変化があれば国民の皆様方に伝える努力を農林水産省としてしっかりしていきたいと考えております。

#100
○谷合正明君 そこで、今、食料・農業・農村基本計画を、改定作業進んでいるところであります。当然、この中には、我が国の食料安全保障に万全を期していくということでしっかりと記述が、従来の計画にもしっかりありますし、今の原案の中にも入っております。
 ただ、新型コロナウイルス感染症の問題は、今年に入って、国内のみならず海外をも巻き込む大きな脅威となっております。ですから、動物由来の感染症のみならず、人に感染する新型コロナウイルス感染症などの感染症、これらがパンデミックの事態になった場合、食料安全保障をしっかりやっていくんだということの、そういう記載ぶりをしっかりと明記、反映していくということが大事じゃないかというふうに考えますけれども、この点、いかがでございますでしょうか。

#101
○国務大臣(江藤拓君) 全くおっしゃるとおりだと思っております。
 今回のこの事態を受けまして、今回の基本計画の原案も改定をさせております。コロナについての書きぶりについて、昨日の夕方、夜ちょっと遅い時間ですけれども、大体まとまりました。まだ、ですから私のところで止まっておりますので、原案は、実は直しております。
 ですから、これは大変な事態でありますので、当然、この基本計画の中にも、この事態について我々がどう立ち向かうべきなのか、どのように認識すべきなのか、そのことについてもしっかりと書き込ませていただきますので、また、御党からも御意見をいただければ反映させていただきたいと思います。

#102
○谷合正明君 しっかりお願いいたします。
 さて、農林水産省所管の動物検疫所、動物医薬品検査所などの機関におきましても、新型コロナウイルス用のPCR検査に協力できるよう準備を進めているということで、衆議院の質疑でも答弁があったところでございます。
 現状それがどうなっているのか、施設数、PCRの台数、検査可能な件数、件数ごとに示していただきたいと思います。また、保健所との連携の仕組みはどうなっているのか、さらに、政府対策本部が先般発表したPCR検査、今一日最大六千件を超える処理能力があるというふうに総理からも言われているんですけれども、この中に農水省所管の機関というものは含まれているのかどうか、この点について確認させてください。

#103
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 このPCRによりますコロナウイルスのいわゆる検査体制につきまして、農水省も、独立行政法人も含めまして協力しているところでございます。この検査に必要となりますリアルタイムPCRという機器自体は、農水省の独立行政法人も含めますと約二百三十台保有をしております。
 その中で、特に、消費・安全局の検査の専門家が厚生労働省と随時打合せをしておりますけれども、その検査の条件でありますとか、その専門家の、いろいろ人にかからないためにやるべきいろんな研修とかもございます。これにつきまして、まずは検査をする施設がBSL2という、そういういわゆる施設のバイオセキュリティーレベルの条件があるということ、それから、検査をする場合の人的な、人がいろいろ研修を積むという条件がございます。
 そういう中で見ますと、農水省が所管をしております先ほどのリアルタイムPCRのうち、動物検疫所、それから動物医薬品検査所を含めまして、約二十二台が対象ということでございます。
 そういう中、動物検疫所、動物医薬品検査所から専門家を国立感染症研究所に派遣をいたしまして研修をしております。そういう点では、厚生労働省から要請があればすぐ検査ができるという体制を既に整備したところでございます。
 それから、お尋ねがありました三月十日に政府の新型コロナウイルス感染症対策本部が公表いたしました緊急対応策第二弾におきます一日約六千二百件という中には、農林水産省関連機関の検査件数は含まれていないという状況でございます。

#104
○谷合正明君 含まれていないでいいんですね。
 また、ちょっと来週以降の質問に回したいと思います。
 さて、質問は、ちょっと話題を変えます。畑作物の直接支払交付金についてお尋ねしたいと思います。
 配付資料にも届けさせていただいておりますが、今、基本計画の改定作業が進んでおります、自給率向上、需要に応じた生産、これは引き続き重要であるということなんですけれども。
 今日の予算の説明でも大臣からお話がありましたが、この小麦に関して言えば、国産小麦、特にパン・中華麺用品種の生産拡大が大事だと考えますけれども、いかがでしょうか。需要と生産の実態、また、今後の見通し、目標などについても、さらには、今の直接支払交付金の仕組みがどのように後押しになっているのかについてもお尋ねしたいと思います。

#105
○国務大臣(江藤拓君) 水田フル活用でありますので裏で作るというやり方もありますけれども、麦を作るということであれば、これは当然排水暗渠の整備をしなきゃいけませんので、まずは、農地の基盤整備をしっかりやらなければならないということがまず基本になります。
 その上で、年間日本は六百万トン必要なわけでありますけれども、そのうちの国産小麦がたった、中華麺、それからパンに回っているのは十三万トンしかないということであります。なかなか作っていただけないということでありますが、数量的には毎年伸びております。伸びておりますが、例えば、平成二十三年は作付面積が二・二万ヘクタールでしたけれども、平成三十年には四・八万ヘクタールになっておりますので、面積的には伸びておりますが、まだ伸び率は相当あると思っております。
 そして、主食用米と、それから小麦の収入、これを作付けた場合の農家の手取り、所得の差をちょっと比較をさせてみたんですが、大体、主食用米、標準米ですけれども、十アール当たり三万九千円ぐらい、米だとですね。これは、いい小麦、小麦にも質がありますからあれですけれども、ゲタを含んでですけれども、四万七千円ということでありますから、米に遜色のない収入が得られますので、基盤整備をしっかりやって、そして水田をフル活用していただくという観点からも、戦略作物である麦、大豆、この生産拡大にはより一層力を入れていきたいと考えております。

#106
○谷合正明君 しっかりと進めていただきたいと思います。伸び代があるということだと思います。
 その上で、今の直接支払交付金の仕組みについて、是非ちょっと改善をお願いしたいというふうに思っております。
 といいますのも、私も、島根県のある小麦生産農家の方に直接お話を伺って気付いたんです。実は、島根県では、都道府県ごとに決めている登録品種というのがあるんですけれども、その県の登録品種が農林六十一号の一種に限定されています。これは戦前の時代に開発された日本で一番古い品種でありまして、最も親しまれてきた品種でもあるんですね。しかし、パンとか中華麺用には向いていないということでございます。
 その県内農家さんがパン用の小麦の品種で栽培しても、県の登録品種ではないということで、昨年までは一番低いランクの単価、この資料でいいますと、一等、二等、さらに、たんぱく質の含有率に応じてABCDと分かれるんですけれども、県の登録品種じゃないということでDのランクになっちゃうんですね。Dの交付金単価しか得られない仕組みとなっていたんですね。
 畑作物の直接支払交付金を需要に応じた生産を促す制度とするために、都道府県の登録品種以外の品種、特に、パン・中華麺用品種を作っても、このパン・中華麺用品種を作ると二千三百円上回る単価になるんですね。そういう政策なんですけれども、それが今できていないということなんです。
 そのパン・中華麺用品種を作っても二千三百円分上回る単価が得られる仕組みに改善すべきではないかと。検討が進められていると承知しておるんですけれども、改善できますか。できるとすれば、いつからできますか。また、今は島根県のケースでお話ししましたけれども、全国的にどのような効果があるのか。さらに、そうした制度の見直しをしたとしても、やはり周知というのが大事になってまいります。この周知の仕方についても、まとめて答弁をいただきたいと思います。

#107
○政府参考人(天羽隆君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の麦に係るゲタ対策についてでございます。
 平成三十年産までは、委員御指摘のとおり、産地で設定がない品種、県で登録されている品種以外の品種につきましては、先生の御提出資料のAからDランクのうちDランクの交付単価を適用してきたところでございます。
 しかしながら、近年、各産地で新しい品種への取組も見られることも踏まえまして、令和元年産の小麦から、産地で設定がない品種につきましても、たんぱく質の含有率等の違いによりAランク、Bランク、Cランク、Dランクそれぞれの交付単価を適用する運用としたところでございます。
 また、令和二年産の小麦からは、パン・中華麺用の品種につきましては、産地や県で設定がない場合であってもパン・中華麺用の単価が適用されることとなります。
 このような支援策も活用してパン・中華麺用の小麦の作付けがより一層推進されることが必要だというふうに考えておりますが、地域農業再生協議会等の関係者に私どもから周知をするとともに、御関心のある産地、生産者に対しては直接説明に出向くなどにより、しっかり周知に努めてまいりたいと考えております。

#108
○谷合正明君 令和元年に一回見直ししているんですね。令和二年、もう一度、この登録品種以外のパン・中華麺用品種を作ってもしっかりとAランクの単価が出るような仕組みに、可能にする仕組みにするということなんです、答弁としては。ただ、その昨年の見直しが現場に周知されていないという、一部、やっぱりそういう問題もあるんです。
 ですから、今見直しの答弁ありましたけれども、見直しをしてもやっぱり現場に届かなきゃ意味がないわけですから、そもそも、大臣の最初の答弁にあったとおり、水田フル活用、また、この小麦については国産をしっかりと奨励していくと、しかも、今、パン・中華麺用という新しいところ、需要伸びているところ、そこにしっかり後押ししていく、そういうことをしっかりきめ細やかにやっていただきたいというふうに思っております。
 次に、質問はちょっとバッタの話になるんですけれども、今、東アフリカでサバクトビバッタという被害が深刻な被害になっております。この資料を付けておりますけれども、これが東アフリカのみならず、今、中東、パキスタンまでもう来ております。季節的に今バッタが更に繁殖する時期を迎えていくということで、FAOなども非常に警戒しております。実際に中国も、今、中国国内にこのサバクトビバッタ被害が来るのではないかと警戒しております。
 そこで、まず、このサバクトビバッタ、この原因、それから被害の状況、また日本への影響、そして、今国際機関が支援アピールを出しておりますけれども、日本政府の対応について、外務省の参考人に伺いたいと思います。

#109
○政府参考人(赤松秀一君) お答えさせていただきます。
 サバクトビバッタは、西アフリカのモーリタニアからインドにかけて広範囲にわたって生息しておると言われておりまして、降雨量等の気候条件により大発生することがございます。委員御指摘のとおり、昨年十二月に東アフリカ地域にサイクロンが上陸したこと等が原因となって、サバクトビバッタが現在大繁殖しているという状況にございます。
 国連食糧農業機関、FAOによりますと、本年六月までに通常の四百倍のサバクトビバッタが発生する可能性があり、東アフリカ地域を中心に、二千二十万人が深刻な食料危機に直面する可能性があると予測されておると承知しております。
 こうした状況を受けまして、今月十日、日本政府は、特に被害が深刻なケニア、ソマリア及びジブチに対しまして食料の配布等を実施するため、国連世界食糧計画、WFPを通じまして七百五十万ドル、日本円で八億二千五百万円相当ですが、緊急無償資金協力を実施することを決定したところでございます。
 なお、今般のサバクトビバッタの大量発生による我が国への影響についてでございますが、現時点では、被害が拡大している局面でもございましてなかなか予断することは困難な状況でございますが、外務省といたしましても、引き続き事態の推移をしっかりと注視してまいりたいと存じます。

#110
○谷合正明君 農林水産省も積極的にこの国際的な問題に関与していただきたいなと思っております。
 国際農林水産業研究センターというものを農水省が所管しているんですけれども、ここには、研究者で、ちょっと配付資料にありますけれども、「バッタを倒しにアフリカへ」という本を書いた研究者の方もいらっしゃいまして、まさにサバクトビバッタの専門家なんですけれども、そうした研究者による技術的な協力も積極的に行っていくべきではないかというふうに思っておりますが、答弁を求めたいと思います。

#111
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 サバクトビバッタの被害と対応につきましては、国連食糧農業機関、FAOが関心を持っていると承知をいたしております。サバクトビバッタがどのように成長、繁殖、移動し、どうして群れに変異するかはいまだ解明をされていないというのが現状でございます。一方、アフリカでは、防除手段として殺虫剤が不適切に使用されており、環境と健康への悪影響が懸念をされているところでございます。
 このため、農林水産省所管の国際農林水産業研究センターでは、平成二十八年度から令和二年度までに、環境保全に考慮した防除方法の開発のための基礎的な研究を行っているところでございます。具体的には、当センターの専門研究員をモーリタニアの研究機関に長期出張をさせまして、バッタ研究で知見のあるフランスの研究機関と連携をしながら、野外調査を通じた群れの発生要因やメカニズム解明に向けた研究を進めておるところでございます。
 農林水産省といたしましても、引き続きこの研究の推進に努めてまいりたいと、このように思います。

#112
○谷合正明君 時間になりましたので終わりますけれども、今年は、我が国で世界の栄養サミットも開催されます。国際的な飢餓や栄養の問題に、SDGsの中心課題でもありますので、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 終わります。

#113
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 先ほどから議員の皆様の質疑を聞いておりますと、このコロナショックがやっぱり世界、特に、世界はそうですけど、日本も食料危機につながるような不安をつくらないような対策をつくっていくことが必要だと思っております。
 舞立議員の質疑にもありましたけれども、国民の皆様、特に生産者の皆様の声を国が制度や法律に変えて、現実的に今役に立つ制度に変えていって守っていかなければならないと思っております。
 今日は、知的財産の保護について質問させていただいて、いただかせます。
   〔委員長退席、理事堂故茂君着席〕
 GIというのがありまして、農林水産省は、このGIの知的財産として保護する制度、これを運用しております。先日、私は外国漁船の違反操業の取締り強化について言及いたしましたが、今日は、このGI制度の脇の甘さをちょっと追及させていただきたいと思っております。
 ジオグラフィカルインディケーションと、これ、ジオグラフィカルですから地理的、表示、インディケーションという意味ですが、あおもりカシス、但馬牛、神戸ビーフといったように、地理というよりは、生産地の特性が品質の特性に結び付いているブランド性を地名で表示した産品と説明した方が分かりやすいんですが、これを昨年の十二月十日までに約九十産品登録されています、制度に基づいて。令和十一年度までの十年間で二倍強の二百産品に登録を増やすということで、一年に十個以上増やしていこうと、GIを増やしていこうというスピード感なんですが、これに来年度予算一億一千百万円の計上が出されております。
 目的は模倣品を排除して日本の産業やブランドを守るということなので、GI保護制度緊急対策委託事業として国がブランドを保障して保護していくという方向性を示しておりますが、違反があるところは取り締まっていく国内の制度となっておりますが、平成二十七年から始めたばかりでまだよく分かっていないので、窓口相談、展示会などを国内で開いていくということなんですが、私は、保護するという点においては、国内よりやっぱり海外の現状の方に大きな問題があると思っております。
 前回の漁業の違反操業もそうですが、国外の違反について日本はもっと強い態度で制度をつくり直していかなければならないと思っております。特に、知的財産においては、紳士協定を信じていては違反され放題だということになってしまいますので、例えば、海外で偽りの神戸ビーフが流通していてブランドイメージが傷ついているというような事態です。
 GIは、外国との相互保護の制度がなければ、日本で登録を増やすだけでは意味がないと思うんですね。日本のブランド品として価値のあるものがいかに被害を被っているかということをもっと注視しなければならないと感じております。
 日本は、EUとは日EU・EPA協定でGIを相互保護するというスキームがあるようですけれども、相互保護の枠組みがあるのは現状EUだけでしょうか。平成三十年度の補正事業で六か国と調整中と書いてありますが、どういった国々なのか、まずそこから教えてください。
   〔理事堂故茂君退席、委員長着席〕

#114
○政府参考人(塩川白良君) 委員御指摘のとおり、GIにつきましては、相互保護をするということが非常に有効だと思っております。
 現在、GIの相互保護を行っているのはEUのみでございます。また、委員御指摘の調整というのではなくて、三十一年度に調査事業を行ったということでございまして、EUの輸出額の多い国六か国を対象に、具体的にはイタリア、フランス、スペイン、ドイツ、オランダ、イギリスでございますが、各国の監視体制、それから通報窓口について調査をしたところでございます。
 なお、今御指摘のとおり、神戸ビーフ、実は、スペインでトロピカル神戸ビーフという名称が使用されておりましたが、まさにこの相互保護の制度の下で我が国からEU側に申入れを行って、EUを通じてスペイン政府に使用をやめるように指導した結果、現在、使用は中止されているところでございます。

#115
○石井苗子君 六か国の名前、イギリス、フランス、スペイン、ドイツ、オランダ、イタリアですか。

#116
○政府参考人(塩川白良君) もう一回申し上げます。
 イタリア、フランス、スペイン、ドイツ、オランダ、イギリスの六か国でございます。

#117
○石井苗子君 資料一を見てください。
 特許庁の二〇一九年度模倣被害実態調査報告書というものがあります。模倣品の生産国は圧倒的に中国と韓国が多い状況です。グラフを見ますと、中国の模倣品製造されている会社、四千七百社以上です。日本の知的財産の侵害が多く発生しているということです。これほどの差がある。
 しかも、六か国の、そのEUのみというところで相互保護をやっているんですと、これは意味がないわけなんですが、この中国と韓国のGI保護、どのようにして図っていくおつもりでしょうか。

#118
○国務大臣(江藤拓君) 今の議論でありましたように、対EUのみで、また、イギリスがEUから抜けてしまったので非常に若干複雑になっておりますが、特に中国、韓国で、この示していただいた資料のように非常に件数が多い。ここにおいては、日本としましては、海外において我が国のGI産品の不正な商標登録出願、それから模倣品に対応するための補助は行っております。
 例えば、中国のすんき、これ漬物ですけれども、これも異議申立てを今行っております。フィリピンに、これ中国、韓国でなくて申し訳ないんですが、宮崎牛というのがフィリピンで出願されました。これについては、我々の異議申立てに対して、これはなしになりました。タイにおいても、夕張メロンの模倣品、これは弁理士を使って警告をいたしました。この警告に係る費用も団体に対して補助をさせていただいたわけでありますけれども、この警告に対して使用をやめたという実績はありますので。
 GIの相互保護の原則が生かされてはおりませんけれども、しかし、やはりこれからGI保護を進めることは、中国、韓国とも、相互保護の認識の下に大変重要だと思っておりますので、国際約束を通じたそういう関係ができるように努力をしていくということでございます。

#119
○石井苗子君 異議申立て、警告ということなんですが、やっぱり紳士協定では意味がありませんので、相互保護の制度を中国でつくっていかなければならないと思いますが、ジェトロの調査を見ますと、中国では、日本の都道府県の名前、都市名まで商標登録されて出願していますね。こういう状況が報告されています。中に、先ほどのGI、日本の地理的表示がある産品とされているところを見ますと、近江牛、日高牛というのも中国で登録されてしまっております。
 このような状況は日本の生産者にどのような不利益が起こると想定されているのか、ちょっと角度を変えて質問させていただきます。

#120
○政府参考人(塩川白良君) お答え申し上げます。
 中国におきまして第三者によりまして我が国のGIが商標登録されてしまった場合には、この商標権に基づきまして合法的に模倣品が生産、販売される可能性がございます。このような状況におきまして、我が国の生産者がGI産品を輸出する際には、中国国内の商標権者によって警告を受けたり、あるいは訴訟を提起されたり、あるいは輸出をしようと思ってもそれを差し止められたりと、そういう不利益を被る可能性があるというふうに考えております。

#121
○石井苗子君 では、伺います。
 日本の生産者を守るためにどのようなことを行っていますか。GI制度を中国で展開していくにはどうすればいいのか。このお考えをお聞きしますと同時に、日本の産品の品種が偽装されている場合、例えば勝手に神戸ビーフだと偽って牛肉を販売しているような場合は、日本の生産者はどのような対応を取ることができるんですか。法的対応はどこに訴えてどうすることができるのか、教えてください。

#122
○政府参考人(塩川白良君) お答え申し上げます。
 まず第一点目の、日本の農産物のブランドを守るためにどのようなことを行っているかということでございますが、中国で第三者によりまして我が国農産品のブランドやGIが商標出願あるいは登録された場合には、まず、我が国の生産者が中国の国家知識産権局というところに対しまして異議申立てを行うことができることになっております。その場合、GIでありましたら農林水産省が、また、我が国の登録商標を持っている、この場合にはジェトロがこの異議申立てに必要な経費の支援を行っているところでございます。
 それから二点目の、品種名を偽って農産物が販売されている場合、これ、幾つか対応がございます。
 一つは、中国で登録されている品種につきましては、中国の種苗制度に基づきまして、不正な種苗の流通の差止め、それと損害賠償請求ができます。これは、相手は農業部になります。
 それからまた、登録をされていない品種につきましても、誤認を与えるということで、例えば日本の有名な品種名を偽っている、こういう場合につきましては、中国の不正競争防止法に基づきまして、名称の使用の差止めと、それから損害賠償請求ができることになっております。
 結局、やはり中国で品種登録をしておくことが必要でございますので、我が国としましては、中国国内で登録を行うということに対して支援をしっかり行って、品種登録を進めるということをしたいというふうに考えております。

#123
○石井苗子君 これは、現実的には非常に難しいと思うんですけれども、もうちょっと強硬な態度でやっていかないと、先ほど、四千七百社以上の中国の模倣品会社がいると、これだけ見ても、日本に被害があって、もうちょっと、何をぼうっとしているのかなと、本腰を入れてやっていかないと、何か大きなパンデミックがあったときに日本の法的な力というのが及ばないとなると、これは意味がなくなってしまいます、GI制度の。ですから、相互保護というものを中国の中でどのようにやっていくかということをもう少し考えて、実際に本気を入れて、本腰を入れていっていただきたいと、これ、まさしく国のやる仕事ではないかと思います。
 同じようなことで、GAPというのがありまして、次の質問に移りますけど、グローバル・アグリカルチャー・プラクティスというそうです、GAP。これは、日本語に直しますと農業生産工程管理ということで、この予算が来年度三億六百万円となっています。これは今年度当初予算六億九千四百万円から半分以下になっているんですけれども、予算が半分以下になった、このGAPの予算ですね、減った理由を教えてください。

#124
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 令和二年度予算におきましては、二〇三〇年にほぼ全ての国内の産地で国際水準のGAPを実施すると、こういったものの達成に向けた取組を推進する観点から、令和元年度の支援策を全般的に見直しをいたしまして、新たな予算を計上したところでございます。その結果、予算は減額となっておりますが、これまでのGAP認証取得への支援実績と遜色のない支援ができるものと考えているところでございます。
 具体的に申し上げますと、まず、交付金によるGAP指導に係る支援でございます。GAP指導員については、これは県の普及員とかJAの営農指導員さんとか、こういった方々にGAP指導員になっていただくための支援でございますが、育成目標であります一千人以上というのを達成いたしまして、二千人がGAP指導員になっていただいたということでございます。したがいまして、この指導員になるための研修経費等は予算から外しました。しかしながら、育成された指導員による指導活動、GAP指導員による現地指導でございますけれども、こういったものへの支援は前年度を上回る予算を計上いたしております。
 また、認証取得の支援でございますが、これにつきましては、個別農家をそれぞれ認証取得する支援のやり方から、団体としてまとまって認証を取得していただく、これに支援をすると、やり方を変えることによりまして、農家の負担、これが軽減されるものとなっております。
 この団体認証でございますけれども、団体を構成する経営体の中から、農家の中から一部を抽出して審査を実施するということでございまして、例えば、五十戸の農家で構成されますJAの部会がこの団体認証を取得する場合には、個別認証と比べまして審査費用が五分の一に縮減されます。個々の農家の費用負担も軽減されるというものでございます。
 それから、拡充した点といたしましてもう一つは、農業高校とか農業者大学校による認証の取得でございます。GAPを習得して経営感覚を兼ね備えた農業人材を育成するといった観点から、新規取得だけではなくて、更新につきましても支援をするということとしたところでございます。
 さらに、令和元年度補正予算によりまして、輸出に向けました農業者のGAP認証取得、これも支援することとしておりまして、先ほど申し上げましたように、これらを併せますと、認証取得の支援実績、過去の認証取得の支援実績と遜色のない支援が可能というふうに見込んでいるところでございます。

#125
○石井苗子君 私、実際に名刺にGAPの指導員というのを入れている青森の農業の方にお会いしてきましたけれども、先ほどのGIの制度もそうですけど、このGAPの認証についても、何か目的がまだよく分かっていない方が多いんですね。
 私が質問しているのは、予算が減った中で、日本発GAP認証をアジアのデファクトスタンダード、事実上の標準にすることに取り組んでいるといって、果たしてこれができるかどうかというところに質問しているんです。ここも大丈夫かなと思うんですね。
 知的財産を守るということはスタンダードの取り合いだと、このように解釈しております。中国のスタンダードになると輸出ができないことになってしまうかもしれません。予算が減ってGAPが取れないなんてなってしまいますと、日本の生産者はそのスタンダードの手続が面倒くさいことになってくるわけです、やらなくてはいけないこともやらなきゃならないと。
 これは絶対に守っていかなければいけないアジア・スタンダード、中国のスタンダードにならないようにしていかなければならないわけなんですが、そこで、他国のGAPがデファクト、事実上の標準となった場合、具体的なデメリットがどのようなものがあるか、教えてください。

#126
○国務大臣(江藤拓君) まず、言語が違いますから、翻訳しなければならないという手間が掛かります。それから、取得の費用は、相手のルールですから、それを取らなきゃいけないので、費用が更に掛かるということになってしまいます。そしてまた、それぞれの国にはそれぞれルールがありますから、それぞれの国にのっとったスタンダードになってしまいますと、中には日本のルールに合わないようなものも出てくる可能性があります。そのルールメーキングに我々がコミットできないということは不利益になるというふうに考えております。
 そういうことになると、この四月一日から、輸出促進に向かっていよいよ本部が立ち上がるわけでありますけれども、輸出に対してもこれネガティブな影響が出るというふうに考えておりますので、日本には、財団法人の日本GAP協会があります。これ、先生おっしゃるように、デファクトスタンダードにこれがなるように、日本のスタンダードになるように、これは一生懸命努力をしないと、あらゆるところで、細かいことであるかもしれませんが積み重なって、日本にとって、輸出にとっても生産にとっても不利益なことが起こるということが予想されます。

#127
○石井苗子君 スタンダードが例えばヨーロッパのスタンダードにならないように頑張っていただきたいと思っております。
 他国のスタンダードになってしまいますと、現状、外国のもののスタンダードとなりますと、実情に合っていないものを農家の皆さんがやっていかなきゃならないようになってしまうので、是非とも、ヨーロッパではなくてアジアのデファクトスタンダードにするということで取り組んでいらっしゃるんでしたら、これは、知的財産を決して譲らないんだということで、相当の覚悟で国がやっていかないと負けてしまうと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 いろいろ質問を用意したんですけれども、次の機会に回させていただきます。質問を終わります。

#128
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日、二十分ということですので、答弁はできるだけ簡潔にお願いをしておきたいと思います。
 まず、新型コロナウイルス対策についてです。
 我が党として、昨日、政府に対して、全国一律休校要請による子供、国民の混乱と被害に対する責任ある対応と補償を求めるということでの申入れを行いました。その中にもあるんですけれども、そこで、給食の食材についてお聞きいたします。
 学校給食の食材を専門に扱っている納入業者は、給食材料がキャンセルをされて、このままでは三月の売上げがほぼゼロになると。公立学校の一か月の食材費は、通常でいうと約四百億円ということなんですよね。三月は春休みがありますから、その分を除いても二百から三百億円ぐらいの取引がなくなるということになるわけです。それで、納入業者は、三月二日から突如のこの一斉休校ですので、既に納入した食材費は支払われるのか、春休みまで契約していた食材のキャンセル分の支払がされるのか、これ不安を持っているわけです。
 最初に文科省にお聞きしますけれども、この納入業者への支援策について説明をしてください。

#129
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。
 三月十日に決定されました新型コロナウイルス感染症に関する緊急対策第二弾におきまして学校給食休止への対応が盛り込まれておりまして、これに基づき、新たに学校臨時休業対策費補助金を予備費で創設することといたしました。具体的には、学校設置者がキャンセルせずに事業者から購入した食材に係る経費及びその処分に要した経費や、既に発注していた食材に係る違約金等が含まれております。
 学校設置者におかれては、事業者への違約金等の支払についても、丁寧に本経費を活用いただきながら対応いただきたいと考えているところでございます。

#130
○紙智子君 補助率もありますよね。

#131
○政府参考人(矢野和彦君) 補助率につきましては、公立学校が国庫補助率四分の三、設置者負担四分の一、ただし、設置者負担のうち八割は特別交付税を措置しております。
 また、私立につきましては国庫補助四分の三で、国立につきましては全額国庫負担となっております。

#132
○紙智子君 事務所で聞き取りをしたところ、食材のキャンセル分の支払を決めていない自治体もあれば断ったところもあると。それで、補助金があるといっても、財政力が小さい自治体では四分の一でも大変だと。国庫補助があっても、私立学校については、今お話があったように、四分の一は自らが払うかあるいは保護者が負担することになると。
 安倍首相は政治判断で一斉休校を要請をし、前例にとらわれない対策を取るようにと言っておりますから、四分の一負担は一般財源で措置するとか、あるいは食材の納入業者への支援に万全を期すように、前例にとらわれない新たな対策をつくるべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

#133
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。
 今般の学校給食休止に伴う保護者の負担軽減については、新型コロナウイルス感染症の発生による政府からの休業要請に伴って生じた経費に対する支援であるということを踏まえて、補助割合は四分の三としつつ、今委員御指摘の私立学校におきましては、各学校の教育方針に基づいて、国公立に比べるとかなり多様さがございます。そういったことも踏まえて、一定の上限額、補助率を設けたものでございます。

#134
○紙智子君 ちょっと私立とか公立で差が出てくるというのはいかがなものかなというふうに思いますので、是非検討していただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。
 それから、学校給食の納入業者は、減農薬の農産物を扱ったり、地産地消に取り組んで地域で雇用をつくっている業者も結構いるんですよね。それで、今、当面の経営をどう維持するか、資金繰りをどうするか、苦労をされております。中には、融資を受けようとしても渋るケースもあると。
 それで、安心して経営を維持するための資金繰りの支援をすべきではないかと思うんですけれども、これ、中小企業庁、どうでしょうか。

#135
○政府参考人(鎌田篤君) お答え申し上げます。
 中小企業につきましては、全国千五十か所に設置した経営相談窓口において情報収集をしているところでございますけれども、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けまして、例えば、御指摘のように、給食事業者から学校の臨時休校により予定した収入が得られないといった相談が寄せられているところでございます。
 経済産業省といたしましては、資金繰りの確保は何よりも重要だと認識をしておりまして、二月十三日に取りまとめた第一弾、三月十日に取りまとめました第二弾の緊急対応策におきまして強力な資金繰り支援を盛り込んだところでございます。
 これに加えまして、現場の審査につきましても、特に、年度末につきましては一年で最も資金繰りが急用になってくるということも踏まえまして、三月六日に経済産業大臣から政府系金融機関と各信用保証協会に対しまして、融資審査に際しては、融資先の赤字や債務超過、貸出条件の変更といった形式的な事象のみで判断するのではなく、事業者の実情に応じて最大限の配慮を行うことという要請を行ったところでございます。また、三月十六日、一昨日でございますけれども、経済産業大臣が政府系金融機関及び信用保証協会連合会のトップと面談をいたしまして、融資現場の実態把握を行うとともに、直接、最大限の対応を要請したところでございます。
 これらの施策によりまして、事業者の資金繰りに支障が生じることがないよう、所管する政府系金融機関及び各信用保証協会に対してしっかりと指導してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

#136
○紙智子君 しっかり行っていただきたいと思います。
 それで、大臣に伺うんですけれども、給食納入業者は、これ、支援を受けるために、自治体、それから政府金融公庫、労働局、税務署などを回って多くの提出資料も書かなきゃいけないというふうに、大変だという話をしております。農林水産物の輸出を促進するために農林水産省がワンストップで対応できるようにやるということをこの間やってきたわけですから、新型コロナウイルス対策も、関係省庁が連携して総合窓口をつくって、あっちこっち回らなきゃいけないということではなくて、そういう窓口をつくって事務手続を簡素化するなど、政府を挙げてやれるように検討していただけないでしょうか。

#137
○国務大臣(江藤拓君) 大変手間が掛かるというお話は私も直接伺っております。
 六日の日から、新型コロナウイルス感染症に係る相談窓口、これ、一元的に相談に乗るというのはもう先生も御存じかもしれませんが、それでは不十分で、一発で、例えば、返還金について、それから助成金について、それから融資について、それを一括で処理できるようにしてほしいという御要望だというふうに理解を……(発言する者あり)

#138
○委員長(江島潔君) 手を挙げて。

#139
○国務大臣(江藤拓君) 私が聞いたから悪かったです。
 回らなくていいようにということでありますが、それがベストだと思いますけれども、もちろん、大変な御苦労ですから、全く検討しないと私言うつもりはありませんが、しかし、この食材の返還については、学校設置者は市町村であったり、雇用調整助成金においては都道府県の労働局とかハローワークの管轄になりますし、融資、資金繰りについては日本政策金融公庫ということになりますから、〇一二〇でなるべく簡素に、簡略化する努力はさせていただきますけれども、どこまでできるか。
 先生の御要望に応えられるレベルまで行くかどうか分かりませんが、できるだけ負担の少なくなるように努力はしてみたいと思っております。

#140
○紙智子君 できるだけ努力をしたいということですので、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、丸森町の台風被害で、前回のちょっと続きなんですが、今日は、台風十九号の被害の山林被害のところについてお聞きいたします。
 七割が山と言われる丸森町は、台風による大雨で、山の沢だけでなく山の奥まで崩れているわけです。林道も崩れているので、災害復旧に取りかかれない状況だと。宮城県の林地被害額が九十七億円、丸森町だけでも十二億円と聞きました。
 二月に調査に行ったんですけれども、沢の崩壊で押し流されて土台しか残っていない家とか、道路の三十メートルぐらい下に押し潰された車が二台ほどそのままになっているとかあるわけです。どこから手を着けていいのか、途方に暮れる状況です。崩壊した山を放置すれば今度は二次災害が発生する可能性もあると。復旧の計画と見通しを示すことが大事だというふうに思うんですね。
 これについて、そうすべきじゃないかということが一つと、もう一つちょっと併せて聞いておきたいんですけれども、深刻なのが住宅の裏山の崩壊なんですね。自分の住宅のすぐ裏のところが崩壊しているという、そういう場所が百十五か所あるというふうに聞いたんですね。住民の安全を確保し不安を取り除くために、緊急の土止めなどの対策が必要なんですけれども、中には、自分の持ち山が崩れて隣の家に被害を与えたというところもあると。
 それで、住宅の裏山崩壊は、これ小規模山地災害対策促進事業補助金というのがあるというふうに聞いているんですけれども、この交付対象、補助率についても説明をしていただきたいと、これは林野庁長官にお願いします、二点。

#141
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 昨年の台風十九号による丸森町の山林被害は、林地荒廃箇所が百五十七か所、被害額九十一億円となっております。このうち、人家や鉄道などが被災し緊急な復旧が必要であると思われる十七か所について、災害関連緊急治山事業の実施を決定したところでございまして、今年度から順次、令和二年度の完成を目指し、復旧工事に着手しております。それ以外の箇所については、今後、県、丸森町と連携して、通常の治山事業や県単独事業により復旧を進めていくこととしております。
 お尋ねをいただきました宮城県の単独事業である小規模山地災害対策促進事業は、国の治山事業の採択要件に満たない小規模な山地災害の復旧を市町村が実施する場合に、県が市町村に対して三分の一の支援を行うものであると聞いております。この事業における丸森町の負担については、地方財政措置である緊急自然災害防止対策事業債を活用すると町の実質負担を二割程度に抑えることができると聞いております。
 農林水産省としては、被害発生直後から職員派遣をいたしまして、被害状況の調査、復旧計画の策定のための技術支援も行っております。国の治山事業の採択要件を満たす箇所については、先ほどお話をしました災害関連緊急治山事業による復旧、それ以外の箇所については、宮城県と連携して、できる限り通常の治山事業による復旧を進めていく方針でございます。
 今後とも、山地災害の早期復旧が図られるよう、宮城県、丸森町と密に連携をして、必要な支援に努めてまいりたいと考えております。

#142
○紙智子君 二つ目に聞いた、小規模山地災害対策促進補助金があるというふうに聞いているわけですけれども、これの交付対象や補助率はどうですか。

#143
○政府参考人(本郷浩二君) 補助率は三分の一でございまして、事業主体は丸森町ということでございます。事業費の採択要件としては、一か所九十万円以上、保全対象は人家が一戸以上という、そういう事業でございます。

#144
○紙智子君 あと、補助金交付要綱では、県は小規模な山地災害から人命、財産を保護し、民生の安全を図るため、市町村が行う小規模な事業に対して補助金を交付するというふうになっています。
 災害で崩壊及び荒廃渓流においてこれを放置した場合に直接被害を与え、与えることが確実と認められるものが対象ということになっていると思うんですけれども、これには国費が入っていないと。それで、丸森町では裏山崩壊が百か所以上あるというふうに聞きましたから、この三分の一以上は町の負担というふうに言われても、財政力から考えると、相当これは困難だというふうに思うんですね。
 それで、山地災害から人命や財産を守るためにはやっぱり何らかの支援策が必要じゃないかというふうに思うんですけど、大臣、これ大臣にお聞きいたします。

#145
○国務大臣(江藤拓君) 今長官から御説明をさせていただいたように、まず、県が三分の一丸森町に見て、その後、地方の財政措置であります起債をしていただくということで、その結果、町の負担が最終的には二割残るというところを問題だとおっしゃっているんだと思います。
 この起債については、起債充当率は一〇〇%、交付還元率が七〇%となっておりますので、三分の一掛ける残ったやつの、起債の七〇%を見ると二〇%残るということであります。
 丸森の財政状況がどれだけ厳しいかは、私も現場に行ってよく知っております。何とかしてあげたい気持ちは多分に持っております。しかし、丸森だけで起こっていることではないというのもまた事実でございまして、今日の御指摘をいただいて、また丸森町と連絡を取って、町の御当局とも連絡を取らせていただいて、我々として、これにプラスできることがあるのかどうかも含めて、考えさせていただきたいと思います。

#146
○紙智子君 是非、前向きに取り扱っていただきたいというふうに思います。
 それから、山林崩壊で阿武隈急行もストップしました。それで、今日配っている一枚目の写真を見てください。これ、線路がありますけれども、線路の見て左側のところが山になっているんですけど、山がどっと崩れてきて、ホームごとずらしてしまったと。なくなってしまって、周辺施設にも被害が出ました。線路は回復したようなんですけれども、この山崩れの危険性は相変わらず残ったままなんですね。
 それで、災害関連緊急治山事業というのは、これ使えるのでしょうか。林野庁長官に伺います。

#147
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 阿武隈急行沿線に被害を与えた山崩れについては、宮城県及び東北森林管理局が阿武隈急行株式会社と協議を行い、治山事業により復旧する必要があるという三か所については、合わせて三億八千万円の災害関連緊急治山事業の実施を決定しております。
 これにより、山崩れにより発生した不安定な土砂の流出を防止する治山ダムの設置工事を、今年度から令和二年度末の完成を目指し、順次着手しております。

#148
○紙智子君 是非よろしくお願いします。
 それで、あと、ちょっと時間との関係で二つまとめて聞いてしまいますので。国土交通省に来ていただいているんですが、河川の問題です。河川の復旧についてです。
 それで、丸森町では、内川、新川、五福谷川という三本の川の氾濫で、市内のところというか、これが大変なことになって、今でも、川底が浅くなっているために少しの雨が降っても水があふれる可能性があるために、不安で住民の皆さんは自宅に戻れない状況が続いています。
 阿武隈水系の全体が大きな被害が出たということで、おおむね十年掛けて治水対策を行う緊急治水対策プロジェクトというのが進められています。これ、阿武隈川流域なので県またいでということの計画ですけれども。
 そこで、具体的にお聞きしますけれども、これ、二枚目の写真を見ていただきたいと思います。これ、二月に、新川の飯塚橋という橋なんですね、この橋を見てきました。見たとおり、周辺の住宅は、これ土砂が家の中まで入り込んで、もうとても住めない状況になっています。橋は相当傾いて、そして、川底がすごく浅くなってしまったために、一メートルぐらいしかないんですね。だから、この状態でちょっとした雨でもあふれちゃうということが心配されていると。なので、この橋を何とかしてほしいということが現場から言われまして、これ対策打つべきじゃないかということが一つです。
 それからもう一つは、この川の代行河川、これは国の代行河川になるのかという話なんだけれども、代行河川になっていない川も六河川あるというふうに聞きました。例えば、雉子尾川という川は、大雨で河川が蛇行したままで川底が浅くなっているので、少しの雨でも越水するおそれがあると、元々堤防のないところだったんですけれども、越水して被害が出たと。国が代行する河川になっていないということでは、これは支援できないのかということなんですね。支援策について説明をしていただきたい。
 これ二点、国土交通省にお願いします。

#149
○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の新川の飯塚橋付近を含めまして、丸森町を流れます新川、内川、そして五福谷川では、県からの御要請を受けまして国が権限代行で、十月の二十三日から、川の中にたまりました土砂の緊急的な撤去などの応急復旧を行ってまいりましたが、さらに、去る二月二十一日からは、応急復旧後もまだ残っております土砂を撤去いたしまして、被災前の川と同等の河道断面まで戻すことができますように本格的な復旧工事に着手を既にいたしておりまして、今年の出水期までに終える予定で工事を進めているところでございます。さらに、その後でございますけれども、改良復旧を行いまして、川の拡幅と併せまして、橋の架け替えなど抜本的な対策を講じることとしているところでございます。
 一方、もう一つ御指摘のございました雉子尾川でございますが、これは、国の権限代行の対象というふうに県の方からは御要請をいただいていない区間ではございますけれども、県の方で、これまで土でありました河岸をコンクリートブロックで被覆をするというような形で機能の強化を図るというふうに予定をされておりますので、国といたしましては、こうした県によります災害復旧事業に対しまして財政負担が過重とならないように、公共土木施設の災害復旧事業費国庫負担法に基づきまして、三分の二の国庫負担を行うこととしております。これは、いわゆる通常の一般的な補助事業の二分の一よりも手厚い支援を行うということにしているところでございます。
 引き続き、地域の安全、安心が早期に確保されますように、国として精いっぱい応援をしてまいりたいと考えてございます。

#150
○紙智子君 時間になりましたので。
 それで、元々は田畑の復旧をどうするかということで現地に入ったんですけど、それをやるためにはまずそこから手を着けないとどうにもならないということだったので質問させていただきましたけれども、それを受けて田畑の方も復旧できるようにということをお願いいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#151
○委員長(江島潔君) 以上をもちまして、令和二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#152
○委員長(江島潔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト